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JP2006052434A - 食塩水電解槽の性能回復方法ならびに該方法により処理された含フッ素陽イオン交換膜を用いた生産苛性ソーダ溶液および塩素の製造方法 - Google Patents

食塩水電解槽の性能回復方法ならびに該方法により処理された含フッ素陽イオン交換膜を用いた生産苛性ソーダ溶液および塩素の製造方法 Download PDF

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JP2006052434A JP2004233788A JP2004233788A JP2006052434A JP 2006052434 A JP2006052434 A JP 2006052434A JP 2004233788 A JP2004233788 A JP 2004233788A JP 2004233788 A JP2004233788 A JP 2004233788A JP 2006052434 A JP2006052434 A JP 2006052434A
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Tomonori Izutsu
智典 井筒
Motomu Yoshino
求 吉野
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Kaneka Corp
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Abstract

【課題】含フッ素陽イオン交換膜の性能回復方法を提供する。また、該方法により処理された含フッ素陽イオン交換膜を用いた生産苛性ソーダ溶液および塩素の製造方法を提供する。
【解決手段】含フッ素陽イオン交換膜で区画した食塩水電解槽の陽極室にpHが1.5〜3.5の酸性食塩水を供給する工程、陰極室に苛性ソーダ濃度20〜30重量%の希釈苛性ソーダ溶液を供給する工程、および通電を停止した状態で、該酸性食塩水、希釈苛性ソーダ溶液を該電解槽に保持する工程を含む含フッ素陽イオン交換膜の性能回復方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、食塩水電解槽の性能回復方法ならびに該方法により処理された含フッ素陽イオン交換膜を用いた生産苛性ソーダ溶液および塩素の製造方法に関する。
含フッ素陽イオン交換膜を隔膜として有する電解槽を用いて、食塩水を電解して生産苛性ソーダ溶液と塩素を製造する方法は一般的に広く知られている。この食塩水電解において、長期間にわたって運転する場合や、食塩水中の不純物濃度が高い場合には、イオン交換膜内への不純物の沈着が起こり、電解電圧が上昇および/または電流効率が低下するなど、膜性能を低下させるという問題があった。この食塩水中の不純物とは、カルシウム、マグネシウム、ケイ素、ストロンチウムなど食塩水電解に使用される原料塩中に含まれ、膜性能に影響を与える物質をいい、これらの不純物が含フッ素陽イオン交換膜に極めて大きな影響を与えるため、従来行われていたアスベスト隔膜法や水銀法と比べてかなり厳密な塩水精製方法が必要とされていた。このような精製方法の一つとして、通常の食塩水精製工程にさらにキレート樹脂による精製を付加し、カルシウム、マグネシウムなどを除去する方法が知られている。しかし、キレート樹脂による精製を行っても、食塩水中の不純物を完全に除去することは難しく、食塩水中に10ppb程度の不純物が残存してしまう。このようなごく微量の不純物であっても、長期間にわたる運転においては徐々に膜内に沈着されて、膜性能を低下させるものであり、このような性能が低下した含フッ素陽イオン交換膜は、通常、新しい含フッ素陽イオン交換膜と取り替えられるものである。しかし、食塩水電解に用いる含フッ素陽イオン交換膜は相当高価であるため、経済性の点からも、膜性能が低下した膜の性能を回復させる技術が望まれている。
このような回復処理として、電解槽から膜を一旦取り外して処理をした場合には、処理後に電解槽に再装着させることが現実的には困難であり、膜が電解槽に取り付けられた状態のまま処理することが望まれている。また、電解槽に取り付けられた状態のまま処理した場合にも、処理液および処理温度条件により、膜を膨潤させたり、皺を発生させたり、あるいは膜が電極に接触し傷が発生するなどの問題があるため、膜にダメージを与えることなく処理することが望まれている。さらに、処理液によっては、通電したままで処理をした場合には、膜に水ブリスターが発生して電解電圧が上昇するおそれがあるため、通電を停止した状態で回復処理をすることが望まれている。
このような回復処理方法としては、例えば、通電を停止した状態で、電解電圧の上昇、および電流効率が低下したパーフルオロカーボン系陽イオン交換膜を取付けている電解槽の陽極室にpH1以下の酸溶液を供給して、該イオン交換膜と該酸溶液を接触させることで膜性能を回復させる方法(例えば、特許文献1参照)が開示されている。しかし、該方法では、酸溶液のpHが極端に低いため、イオン交換膜の交換基がプロトン(H+)化されてイオン交換能力が失われてしまい、その結果、イオン交換膜の電気抵抗が上昇するという問題点や、一般的に電解槽の陽極室材料として使用されているチタンは、pH1以下では、腐食速度が速くなるため、陽極室材料にダメージを与える問題点がある。また、食塩水中に含まれるIおよび/またはBaにより、電流効率が低下した含フッ素イオン交換膜を有する電解槽を解体することなく、通電を中断し陰極室へ温水を供給し保持することで、電流効率を回復させる方法(例えば、特許文献2参照)が開示されている。しかし、該方法では、膜が膨潤し皺が発生する、あるいは電極に接触することによって傷が発生し電気抵抗が上昇するため、電解電圧を低下することができないなどの問題点がある。
このように、含フッ素陽イオン交換膜に沈着した不純物を、通電を停止した状態で電解槽から該イオン交換膜を取り外すことなく効率的に除去し、また膜および電解槽材料に劣化を与えることなく、電解電圧および電流効率を回復させる方法はいまだ存在しないのが現状である。
特開昭53−37598号公報 特開2000−1794号公報
本発明は、含フッ素陽イオン交換膜の性能回復方法を提供する。また、該方法により処理された含フッ素陽イオン交換膜を用いた生産苛性ソーダ溶液および塩素の製造方法を提供する。
すなわち、本発明は、含フッ素陽イオン交換膜で区画した食塩水電解槽の陽極室にpHが1.5〜3.5の酸性食塩水を供給する工程、陰極室に苛性ソーダ濃度20〜30重量%の希釈苛性ソーダ溶液を供給する工程、および通電を停止した状態で、該酸性食塩水、希釈苛性ソーダ溶液を該電解槽に保持する工程を含む含フッ素陽イオン交換膜の性能回復方法に関する。
陽極室に供給する酸性食塩水の食塩濃度が150〜300g/Lであることが好ましい。
陽陰極室内の温度が60〜80℃であることが好ましい。
また、本発明は、前記性能回復方法により処理された含フッ素陽イオン交換膜を有する電解槽の陽極室に食塩水を供給する工程、および該食塩水を電解する工程を含む生産苛性ソーダ溶液の製造方法に関する。
さらに、本発明は、前記性能回復方法により処理された含フッ素陽イオン交換膜を有する電解槽の陽極室に食塩水を供給する工程、および該食塩水を電解する工程を含む塩素の製造方法に関する。
本発明の性能回復方法は、陽極室にpHが1.5〜3.5の酸性食塩水を供給し、陰極室に苛性ソーダ濃度20〜30重量%の希釈苛性ソーダ溶液を供給し、通電を停止した状態で、該酸性食塩水、希釈苛性ソーダ溶液を該電解槽に保持することで、性能が低下した該イオン交換膜の電解電圧および電流効率などの性能を回復させることができる。
本発明は、含フッ素陽イオン交換膜で区画した食塩水電解槽の陽極室にpHが1.5〜3.5の酸性食塩水を供給する工程、陰極室に苛性ソーダ濃度20〜30重量%の希釈苛性ソーダ溶液を供給する工程、および通電を停止した状態で、該酸性食塩水、希釈苛性ソーダ溶液を該電解槽に保持する工程を含む含フッ素陽イオン交換膜の性能回復方法に関する。
本発明の性能回復方法は、食塩水電解においてイオン交換膜内に沈着した不純物を除去することができるものである。食塩水電解で用いられる食塩水には、原料塩中に含まれる、カルシウム、マグネシウム、ケイ素、ストロンチウムなどが不純物として存在するが、このような不純物は、食塩水電解の際に、ナトリウムイオンとともに、イオン交換膜を通過して移動し、それらの飽和溶解度に達すると、Ca(OH)2、Mg(OH)2、SiO2、Sr(OH)・8H2Oなどとして、イオン交換膜表面および内部に付着し、膜抵抗を増加させるものである。
また、電解槽の抵抗成分としては、膜抵抗、電極抵抗、液抵抗、気泡抵抗などがあり、これらの抵抗値が大きくなると、一定の電流を流した場合の電解電圧の値は大きくなり、電力値(電流値と電圧値の積)が大きくなる。その結果、電力原単位(1トンの苛性ソーダを製造するのに必要な電力値)も大きくなり、結果、製品コストが高くなるものである。したがって、前記したように、イオン交換膜表面および内部に不純物が付着すると、膜抵抗が大きくなり、製品コストも高くなるものである。しかし、本発明の性能回復方法によると、膜に付着した不純物を除去して膜抵抗を低下させ、電解電圧を低下させることができ、その結果、電力原単位も小さくなり製品コストが下がるものである。さらに、膜抵抗が小さくなることで、電解電力量が電解反応に有効に利用されるようになり、電流効率を回復することができるものである。
本発明で使用する含フッ素陽イオン交換膜は、一般的に食塩水電解に使用されているものであれば特に限定されるものではなく、イオン交換膜のポリマー構造および膜厚に関しても、本発明の目的が達成できるものであれば、特に制限されるものではない。イオン交換膜としては、例えば、補強材、高含水率層、低含水率層から構成されるイオン交換膜であるものがあげられる。補強材としては、PTFE繊維などがあげられ、高含水率層、低含水率層は、スルホン酸基やカルボン酸基を有するフッ素系ポリマーからなるものがあげられ、高含水率層が、スルホン酸基を有するフッ素系ポリマーからなり、低含水率層が、カルボン酸基を有するフッ素系ポリマーからなることが好ましい。スルホン酸基を有するフッ素系ポリマーおよびカルボン酸基を有するフッ素系ポリマーとしては、例えば、一般式(1)および一般式(2):
Figure 2006052434
(式中、Xはフッ素原子または−CF3であり、Yは、
Figure 2006052434
であり、Aは−SO3M、−COOMであり、Mはアルカリ金属であり、mは0〜2の整数、nは1〜4の整数である)
で示される繰り返し単位を有するポリマーなどをあげることができる。アルカリ金属としては、ナトリウム(Na)、カリウム(K)などをあげることができる。
また、含フッ素陽イオン交換膜全体の膜厚としては、50〜500μmであることが好ましく、100〜300μmであることがより好ましい。さらに、膜表面に気泡が付着することにより電気抵抗が増大することを防止するために、陽極および陰極表面にガス付着防止層を設けても良い。また、市販の含フッ素陽イオン交換膜としては、Nafion(R)(ナフィオン(R) デュポン株式会社製)、Flemion(R)(フレミオン(R) 旭硝子株式会社製)、Aciplex(R)(アシプレックス(R) 旭化成ケミカルズ株式会社製)などをあげることができる。
本発明の性能回復方法で使用する酸性食塩水とは、酸を添加して酸性化したものをいう。
酸性化するための酸溶液としては、塩酸、硫酸などの鉱酸、酢酸などの有機酸などがあげられるが、これらの中でも膜内に残存していても再度電解させる際に、ClO-を分解してCl2に転化されて含フッ素陽イオン交換膜の性能(以下、膜性能という)を低下させない点から、塩酸が好ましい。さらに、硫酸などの鉱酸や酢酸などの有機酸などの他の酸溶液と比べて、イオン交換膜中に存在するアルカリ金属と反応して析出物を析出しにくい点からも、塩酸が好ましい。
酸性食塩水のpHは、pH1.5〜3.5であり、好ましくは1.5〜2.5、より好ましくは1.7〜2.0である。pHが1.5〜3.5であることにより、イオン交換膜中のイオン交換基のプロトン化を抑制できるため、イオン交換基のイオン交換能力を保持することができ、その結果膜の電気抵抗が上昇することを抑制することができる。さらに、膜内に沈着するカルシウムおよび/またはその他の不純物を充分に溶解することができるため、充分な性能回復効果が得られる。
また、酸性食塩水としては、不純物の含有量が少ないものが好ましい。不純物の含有量は、一般的に食塩水電解に使用されるものと比べて同等程度、またはそれ以下であることが好ましく、具体的には、酸性食塩水中の不純物であるカルシウムおよびマグネシウムの合計の濃度が20ppb以下であることが好ましく、10ppb以下であることがより好ましい。カルシウムとマグネシウムの合計の濃度が20ppb以下であることにより、電解電圧の上昇および/または電流効率の低下を抑制することができる。
また不純物としては、前記したようなカルシウム、マグネシウム以外にも、ケイ素、ストロンチウムなどが酸性食塩水に使用される原料塩中に含まれて、膜性能に影響を与える物質も含まれるが、これらの不純物の含有量についても膜性能に影響を与えない程度に少ないことが好ましい。
酸性食塩水の製造方法は特に限定されず、例えば一般的に食塩水電解に使用される食塩水に酸を添加して酸性食塩水を作製することができる。
酸性食塩水の食塩濃度は、150〜300g/Lにすることが好ましく、より好ましくは150〜250g/L、さらに好ましくは190〜230g/Lである。濃度が150〜300g/Lであることにより、イオン交換膜が膨潤することを抑制できるため、膜が電極に接触して膜に傷が発生する、または膜に皺が発生することを防止できる。さらに、イオン交換膜が収縮することも抑制できるため、膜内に沈着した不純物と酸性食塩水を充分に接触させることができ、その結果充分な性能回復効果が得られる。
本発明の性能回復方法で使用する希釈苛性ソーダ溶液は、希釈苛性ソーダ溶液中の不純物含有量が少ないものであることが好ましい。不純物の含有量は、一般的に食塩水電解に使用されるものと比べて同等程度、またはそれ以下であることが好ましく、具体的には、希釈苛性ソーダ溶液中の不純物であるカルシウムおよびマグネシウムの合計の濃度が20ppb以下であることが好ましく、10ppb以下であることがより好ましい。カルシウムとマグネシウムの合計の濃度が20ppb以下であることにより、電解電圧の上昇および/または電流効率の低下を抑制できるものである。さらに、希釈苛性ソーダ溶液中の不純物である鉄は、陰極に大きな影響を与えるものであり、鉄の含有量が高くなると電極に付着して電極過電圧に影響をおよぼす。具体的には、0.1ppm以下であることが好ましく、0.05ppm以下であることがより好ましい。鉄の濃度が0.1ppm以下であることにより、電極の過電圧が上昇することを抑制できるため、電解電圧が上昇することを防止できる。
ここで不純物とは、前記カルシウム、マグネシウム、鉄以外にもケイ素、硫黄があげられるが、これらの含有量についても膜性能に影響を与えない程度に少ないことが好ましい。
本発明の性能回復方法で使用する希釈苛性ソーダ溶液の製造方法は特に限定されず、例えば、一般的に食塩水電解によって製造される生産苛性ソーダ溶液を希釈したものを使用することができる。
ここで、生産苛性ソーダ溶液とは、電解により陰極室に生成した、苛性ソーダ濃度31〜35重量%の苛性ソーダ溶液であり、該生産苛性ソーダ溶液と、電解槽に供給する苛性ソーダ溶液または純水を混合して、希釈苛性ソーダ溶液を作製してもよい。
本発明の性能回復方法で使用する希釈苛性ソーダ溶液の苛性ソーダ濃度は、濃度を20〜30重量%にすることが好ましく、より好ましくは20〜25重量%、より好ましくは20〜23重量%である。苛性ソーダ濃度が20〜30重量%であることにより、イオン交換膜が膨張することを抑制できるため、膜が電極に接触して膜に傷が発生する、または膜に皺が発生することを抑制できる。また、イオン交換膜の膨張を抑制することで、陽極室への希釈苛性ソーダ溶液の浸透量も抑制できるため、陽極室の酸性食塩水のpHを低く維持して不純物を充分に溶解することができ、充分な性能回復が得られる。さらに、イオン交換膜の収縮も抑制できるため、イオン交換膜中のスルホン酸基を有するポリマーからなる層からの水の移行量およびカルボン酸基を有するポリマーからなる層の水の移行量が減少することがなく、その結果充分な性能回復が得られる。
本願発明の性能回復方法は、陽極室の酸性食塩水のpH、食塩濃度および陰極室の希釈苛性ソーダ溶液の苛性ソーダ濃度に特徴を有するものである。
陽極室の酸性食塩水のpHは、1.5〜3.5の範囲にあることを特徴とする。また、陰極室の希釈苛性ソーダ溶液のpHは、20〜30重量%の苛性ソーダ濃度に対応するpHの範囲である。両極室のpHがこのような範囲にあることによって、イオン交換膜に沈着している不純物をより溶出させやすい環境を作ることができる。
陽極室の酸性食塩水の食塩濃度が低い場合、あるいは陰極室の希釈苛性ソーダ溶液の苛性ソーダ濃度が低い場合には、イオン交換膜を緩める作用を示し、酸性食塩水、希釈苛性ソーダ溶液、溶出した不純物をより自由に流動させることができるため、不純物の溶出による性能回復を促進することができるため好ましい。
また、本発明の性能回復方法について、図1を用いて説明する。本発明の性能回復方法は、通電を停止後、含フッ素陽イオン交換膜5で、陽極3を有する陽極室2と陰極8を有する陰極室7とに区画された電解槽10の陽極室2に前記酸性食塩水1を供給し、陰極室に前記希釈苛性ソーダ溶液6を供給し、その後、通電を停止した状態で、該酸性食塩水1、希釈苛性ソーダ溶液6を該電解槽10に保持し、処理終了後、陽極室2からは、酸性食塩水と溶出不純物4を、陰極室7からはNaClを含む希釈苛性ソーダ溶液9を排出する。
本発明の性能回復方法において、陽極室および陰極室に処理溶液を供給する方法は、特に限定されず連続的および断続的に供給してもよい。好ましくは、陽極室および陰極室において、食塩電解の際に供給されていた溶液と完全に入替るように供給する。さらに好ましくは、溶液が完全に入替った後、陰極室への希釈苛性ソーダ溶液の供給を停止し、陽極室への酸性食塩水の供給を続ける。希釈苛性ソーダ溶液の供給を停止することで、陰極室から陽極室に浸透する希釈苛性ソーダ溶液の浸透量を減少させ、陽極室のpH上昇を防ぐことができる。また、陽極室に酸性食塩水を供給し続けることで、陰極室から浸透してきた希釈苛性ソーダ溶液によるpH上昇を防ぐことができ、陽極室内のpHを低いまま維持でき、膜内の不純物を溶出しやすくできる。
性能回復の処理における電解槽の温度は、60〜80℃であることが好ましく、より好ましくは60〜70℃、さらに好ましくは60〜65℃である。温度が60〜80℃であることで、イオン交換膜の収縮を抑制できるため、スルホン酸基を有するポリマーからなる層からの水の移行量およびカルボン酸基を有するポリマーからなる層の水の移行量が減少することがなく、その結果充分な性能回復が得られる。さらに、イオン交換膜の膨潤も抑制できるため、陽極室への希釈苛性ソーダ溶液の浸透量を抑制でき、陽極室の酸性食塩水のpHを低く維持して不純物を溶解し、充分な性能回復効果が得られる。
性能回復の処理に必要な時間は、1時間以上が好ましく、より好ましくは1〜16時間、さらに好ましくは1〜8時間である。
また、本発明の性能回復方法においては、通電を停止した状態で溶液を保持するものである。通電したままで処理をした場合には、膜に水ブリスターが発生して電解電圧が上昇するおそれがあるため好ましくない。ただし、上述のような影響を発生させない程度に、電解槽の防食およびその他の保守用微小電流を流すことは妨げないものである。
本発明の性能回復方法は、長期にわたる使用により不純物が蓄積したイオン交換膜の性能を回復するものであるが、食塩水中の不純物の増加により、大きく電解電圧が上昇および/または電流効率が低下したイオン交換膜に実施することも可能である。また、イオン交換膜を取り替えるまでに本発明の性能回復方法を実施する回数は制限されるものではなく、何回でも実施することができる。
また、本発明は、前記性能回復方法により処理された含フッ素陽イオン交換膜を有する電解槽の陽極室に食塩水を供給する工程、および該食塩水を電解する工程を含む生産苛性ソーダ溶液の製造方法、および同工程を含む塩素の製造方法に関する。
本発明の生産苛性ソーダ溶液の製造方法は、図2に示すように、前記性能回復方法により処理された含フッ素イオン交換膜14を有する電解槽10を用いて、通常行なわれる食塩水電解により生産苛性ソーダ溶液16を製造することができる。具体的には、電解槽10の陽極室2に食塩水11を供給し、陰極室7に苛性ソーダ溶液15を供給して電解を行なうと、陽極室2からは塩素ガス13が発生し、陰極室7からは、生産苛性ソーダ溶液16と水素ガス17が発生する。また、電気分解後に陽極室2から未分解食塩水である淡塩水12が排出される。また、陰極室7で生成する苛性ソーダ濃度31〜35重量%の生産苛性ソーダ溶液16は、一部製品として陰極室7から抜き取られ、抜き取った後の残りの生産苛性ソーダ溶液16に純水18を加え希釈したもの、または希釈しないままの生産苛性ソーダ溶液16をさらに苛性ソーダ溶液15として陰極室7に供給して、食塩水電解を行なうことができる。
食塩水としては、原料塩を溶解し、1次精製および2次精製工程で不純物を除去したものであることが好ましい。食塩水の食塩濃度としては、270〜320g/Lであることが好ましく、300〜310g/Lであることがより好ましい。食塩水の食塩濃度が270〜320g/Lであることにより、イオン交換膜の収縮を抑制できるため、溶液が膜内に充分に浸透することができる。また、電気分解後に陽極室から排出される未分解食塩水(淡塩水)の食塩濃度としては、150〜230g/Lであることが好ましく、190〜210g/Lであることがより好ましい。未分解食塩水(淡塩水)の食塩濃度が150〜230g/Lであることで、イオン交換膜の膨張を抑制でき、皺の発生や傷の発生を防止することができる。
また、陰極室に供給する苛性ソーダ溶液としては、電気分解によって製造された生産苛性ソーダ溶液の一部を製品として抜き取った後の残りの生産苛性ソーダ溶液に純水を加え希釈したもの、または希釈しないままの生産苛性ソーダ溶液を用いることができる。その苛性ソーダ濃度は、電流密度1〜7kA/m2である場合、30〜34重量%であることが好ましく、31〜32重量%であることがより好ましい。苛性ソーダ濃度が30〜34重量%であると、イオン交換膜の収縮を抑制することができるため、溶液が膜内に充分に浸透することができる。さらに、イオン交換膜の膨張も抑制することができるため、陽極からのNaClの移行量が増加して生産苛性ソーダ溶液中の食塩濃度が上昇することを防ぐことができ、製品の品質を向上することができる。
電解時の陽極室、陰極室の温度は、特に限定されるものではなく、通常用いられる温度であればよいが、膜性能を最大限発揮するために電流密度に応じた温度範囲に設定することが好ましい。該温度範囲は、膜の種類によって若干異なるが、例えば、電流密度が1.0kA/m2以上、2.0kA/m2未満である場合、68〜82℃が好ましく、2.0kA/m2以上、3.0kA/m2未満である場合、77〜85℃が好ましく、3.0kA/m2以上、4kA/m2未満である場合、80〜88℃が好ましい。また、イオン交換膜は電解槽の温度が上昇または低下することで、物理的に伸縮し、膜の性能に影響を与える傾向がある。例えば、温度の上昇とともに膜は膨張し、膜抵抗が下がり電解電圧が低下する傾向があるが、過度に高い温度では、膜に皺を発生させたり、膜が膨張することで、膜と電極が接触して膜に傷が発生し、その結果、膜抵抗が上がり電解電圧を上昇させる傾向がある。また、90℃をこえると膜、ガスケットの寿命に影響をおよぼす傾向がある。逆に、温度が低下すると、膜は温度の低下とともに収縮し、一旦電流効率は上昇するが、さらに温度が下がると電流効率は大幅に低下する傾向がある。さらに、過度に低い温度では、膜内への溶液の浸透を妨げ、膜にダメージを与える傾向がある。
電解時には、陰極面で水素(H2)が発生するとともに、水酸化物イオン(OH-)が発生する。一方陽極面では、塩素(Cl2)が発生するとともに、ナトリウムイオン(Na+)が発生する。このナトリウムイオンが、含フッ素陽イオン交換膜を通って、陽極室から陰極室へ移動し、陰極室の水酸化物イオンと結合し、陰極室では苛性ソーダ濃度31〜35重量%の生産苛性ソーダ溶液が製造されるものである。
また、電解槽としては、通常食塩水電解に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、さらに単極式であっても複極式であってもよい。
また、電極としても、通常食塩水電解に用いられるものであれば特に限定されるものではないが、陽極としては、RuO2系材料(チタン基体状に20g・m-2程度の酸化ルテニウムを熱分解コーティングしたもの)が好ましく、陰極としては、Ni化学物被覆膜陰極、多孔質Ni陰極、Raney Ni合金陰極などが好ましく用いられる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
<酸性食塩水のpHの測定方法>
酸性食塩水のpH測定には、測定範囲pH0〜14、測定値を25℃自動補正表示、測定原理にガラス電極法を採用しているpH計(横河電機株式会社製 PH82)を使用する。このpH計をpH4とpH7の標準液で校正を行なった後、以下の方法で、酸性食塩水のpHを測定する。
ポリプロピレン製の20L容器に酸性食塩水15Lを入れ、25℃の条件にて、pHを測定する。
<希釈苛性ソーダ溶液、苛性ソーダ溶液、生産苛性ソーダ溶液のpH測定方法>
希釈苛性ソーダ溶液、苛性ソーダ溶液、生産苛性ソーダ溶液のpH測定には、測定範囲pH0〜14、測定値を25℃自動補正表示、測定原理にガラス電極法を採用しているpH計(横河電機株式会社製 PH82)を使用する。このpH計をpH7とpH9の標準液で校正を行なった後、以下の方法で、希釈苛性ソーダ溶液、苛性ソーダ溶液、生産苛性ソーダ溶液のpHを測定する。
pHが14.0以上となる場合には、下記計算式によって算出した値をpH値として判断する。
Figure 2006052434
<テストピース作製>
実機電解槽に装着されたイオン交換膜(デュポン株式会社製、Nafion(R)981(ナフィオン(R)981))を取外し、テストピース用の膜として10×10cmに裁断した。そのテストピースの中の1枚を、1.0mol/Lの塩酸に16時間浸漬させ、その塩酸の組成をICP分析した結果、カルシウムおよびその他の不純物の蓄積が検出された。
実施例1
作製したテストピース用の膜を締付型電解槽内(有効膜面積:1.0dm2、陽極:RuO2被覆Ti製エキスパンドメタル、陰極:活性ニッケル被覆ニッケル製エキスパンドメタル、極間0.5mm)に設置し、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水を排出するように流量を調整し、陰極室には苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給し、電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行い、電圧3.410V、電流効率94.10%を示すことを確認した後、電解を停止した。
電解停止後、陽極室を60℃に保持し、性能回復処理溶液としてpH2.0、食塩濃度300g/Lの酸性食塩水を供給し、8時間循環した。一方、陰極室は60℃に保持し、性能回復処理溶液として苛性ソーダ濃度30重量%の希釈苛性ソーダ溶液を供給し、陰極室内が完全に入替ってから供給を停止し、8時間保持し性能回復処理を実施した。
性能回復処理終了後、性能回復効果を確認するために再度電解を行い、電圧および電流効率推移を確認した。電解を実施するために処理溶液と電解用の溶液を入れ替えた。電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、陰極室に苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給した。電解槽内の溶液が完全に入れ替わってから、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、陽極室溶液が電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水(淡塩水)を排出するように流量に調整し、陰極室溶液が電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行なった結果、電圧が40mV低下、電流効率が0.5%上昇し、膜の性能回復効果が認められた。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1と同様に、作製したテストピース用の膜を締付型電解槽内に設置し、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水(淡塩水)を排出するように流量を調整し、陰極室には苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給し、電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行い、電圧3.412V、電流効率94.12%を示すことを確認した後、電解を停止した。
電解停止後、陽極室を60℃に保持し、性能回復処理溶液としてpH2.0、食塩濃度200g/Lの酸性食塩水を供給し、8時間循環した。一方、陰極室は60℃に保持し、性能回復処理溶液として苛性ソーダ濃度23重量%の希釈苛性ソーダ溶液を供給し、陰極室内が完全に入替ってから供給を停止し、8時間保持し性能回復処理を実施した。
性能回復処理終了後、性能回復効果を確認するために再度電解を行い、電圧および電流効率推移を確認した。電解を実施するために処理溶液と電解用の溶液を入れ替えた。電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、陰極室に苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給した。電解槽内の溶液が完全に入れ替わってから、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、陽極室溶液が電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水(淡塩水)を排出するように流量に調整し、陰極室溶液が電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行なった結果、電圧が50mV低下、電流効率が1.2%上昇し、膜の性能回復効果が認められた。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1と同様に、作製したテストピース用の膜を締付型電解槽内に設置し、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水(淡塩水)を排出するように流量を調整し、陰極室には苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給し、電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行い、電圧3.408V、電流効率94.11%を示すことを確認した後、電解を停止した。
電解停止後、陽極室を60℃に保持し、性能回復処理溶液としてpH1.7、食塩濃度200g/Lの酸性食塩水を供給し、8時間循環した。一方、陰極室は60℃に保持し、性能回復処理溶液として苛性ソーダ濃度23重量%の希釈苛性ソーダ溶液を供給し、陰極室内が完全に入替ってから供給を停止し、8時間保持し性能回復処理を実施した。
性能回復処理終了後、性能回復効果を確認するために再度電解を行い、電圧および電流効率推移を確認した。電解を実施するために処理溶液と電解用の溶液を入れ替えた。電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、陰極室に苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給した。電解槽内の溶液が完全に入れ替わってから、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、陽極室溶液が電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水(淡塩水)を排出するように流量に調整し、陰極室溶液が電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行なった結果、電圧が56mV低下、電流効率が1.6%上昇し、膜の性能回復効果が認められた。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1と同様に、作製したテストピース用の膜を締付型電解槽内に設置し、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水(淡塩水)を排出するように流量を調整し、陰極室には苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給し、電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行い、電圧3.414V、電流効率94.11%を示すことを確認した後、電解を停止した。
電解停止後、陽極室を60℃に保持し、性能回復処理溶液としてpH1.7、食塩濃度200g/Lの酸性食塩水を供給し、8時間循環した。一方、陰極室は60℃に保持し、性能回復処理溶液として苛性ソーダ濃度30重量%の希釈苛性ソーダ溶液を供給し、陰極室内が完全に入替ってから供給を停止し、8時間保持し性能回復処理を実施した。
性能回復処理終了後、性能回復効果を確認するために再度電解を行い、電圧および電流効率推移を確認した。電解を実施するために処理溶液と電解用の溶液を入れ替えた。電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、陰極室に苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給した。電解槽内の溶液が完全に入れ替わってから、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、陽極室溶液が電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水(淡塩水)を排出するように流量に調整し、陰極室溶液が電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行なった結果、電圧が48mV低下、電流効率が0.8%上昇し、膜の性能回復効果が認められた。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同様に、作製したテストピース用の膜を締付型電解槽内に設置し、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水(淡塩水)を排出するように流量を調整し、陰極室には苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給し、電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行い、電圧3.410V、電流効率94.10%を示すことを確認した後、電解を停止した。
電解停止後、陽極室を80℃に保持し、性能回復処理溶液としてpH9.0、食塩濃度320g/Lの食塩水を供給し、8時間循環した。一方、陰極室は80℃に保持し、性能回復処理溶液として苛性ソーダ濃度34重量%の苛性ソーダ溶液を供給し、陰極室内が完全に入替ってから供給を停止し、8時間保持し性能回復処理を実施した。
性能回復処理終了後、性能回復効果を確認するために再度電解を行い、電圧および電流効率推移を確認した。電解を実施するために処理溶液と電解用の溶液を入れ替えた。電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、陰極室に苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給した。電解槽内の溶液が完全に入れ替わってから、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、陽極室溶液が電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水(淡塩水)を排出するように流量に調整し、陰極室溶液が電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行なった結果、実施前と変化なく、膜の性能回復は認められなかった。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1と同様に、作製したテストピース用の膜を締付型電解槽内に設置し、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水を排出するように流量を調整し、陰極室には苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給し、電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行い、電圧3.408V、電流効率94.15%を示すことを確認した後、電解を停止した。
電解停止後、陽極室を60℃に保持し、温水を供給し、8時間循環した。一方、陰極室は60℃に保持し、性能回復処理溶液として苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給し、陰極室内が完全に入替ってから供給を停止し、8時間保持し性能回復処理を実施した。
性能回復処理終了後、性能回復効果を確認するために再度電解を行い、電圧および電流効率推移を確認した。電解を実施するために処理溶液と電解用の溶液を入れ替えた。電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、陰極室に苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給した。電解槽内の溶液が完全に入れ替わってから、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、陽極室溶液が電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水(淡塩水)を排出するように流量に調整し、陰極室溶液が電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。電解後すぐに電圧上昇し、電解を中止し、膜の状態を確認したところ、膜に皺が発生していた。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1と同様に、作製したテストピース用の膜を締付型電解槽内に設置し、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水(淡塩水)を排出するように流量を調整し、陰極室には苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給し、電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行い、電圧3.413V、電流効率94.11%を示すことを確認した後、電解を停止した。
電解停止後、陽極室を45℃に保持し、性能回復処理溶液としてpH9.0、食塩濃度20g/Lの溶液を供給し、8時間循環した。一方、陰極室は45℃に保持し、性能回復処理溶液として苛性ソーダ濃度2重量%の溶液を供給し、陰極室内が完全に入替ってから供給を停止し、8時間保持し性能回復処理を実施した。
性能回復処理終了後、性能回復効果を確認するために再度電解を行い、電圧および電流効率推移を確認した。電解を実施するために処理溶液と電解用の溶液を入れ替えた。電解用の溶液として陽極室に食塩濃度310g/Lの食塩水を供給し、陰極室に苛性ソーダ濃度32重量%の苛性ソーダ溶液を供給した。電解槽内の溶液が完全に入れ替わってから、電解槽温度82℃、電流密度30A/dm2、陽極室溶液が電気分解によって陽極室出口でCl2と食塩濃度200g/Lの未分解食塩水(淡塩水)を排出するように流量に調整し、陰極室溶液が電気分解によって苛性ソーダ濃度33重量%の生産苛性ソーダ溶液を排出するように流量を調整し、電解を行なった。上記条件で電圧および電流効率推移が安定するまで10日間電解を行なった結果、電圧が27mV上昇、電流効率が1.5%上昇しており、電圧は上昇し、電流効率のみ回復が認められた。結果を表1に示す。
Figure 2006052434
性能回復処理時の電解槽の構成を示す図である。 電解時の電解槽の構成を示す図である。
符号の説明
1 酸性食塩水
2 陽極室
3 陽極
4 酸性食塩水と溶出不純物
5 含フッ素陽イオン交換膜
6 希釈苛性ソーダ溶液
7 陰極室
8 陰極
9 NaClを含む希釈苛性ソーダ溶液
10 電解槽
11 食塩水
12 淡塩水
13 塩素ガス
14 本発明の性能回復方法により処理された含フッ素イオン交換膜
15 苛性ソーダ溶液
16 生産苛性ソーダ溶液
17 水素ガス
18 純水

Claims (5)

  1. 含フッ素陽イオン交換膜で区画した食塩水電解槽の陽極室にpHが1.5〜3.5の酸性食塩水を供給する工程、陰極室に苛性ソーダ濃度20〜30重量%の希釈苛性ソーダ溶液を供給する工程、および通電を停止した状態で、該酸性食塩水、希釈苛性ソーダ溶液を該電解槽に保持する工程を含む含フッ素陽イオン交換膜の性能回復方法。
  2. 陽極室に供給する酸性食塩水の食塩濃度が150〜300g/Lである請求項1記載の性能回復方法。
  3. 陽陰極室内の温度が60〜80℃である請求項1または2記載の性能回復方法。
  4. 請求項1、2または3記載の性能回復方法により処理された含フッ素陽イオン交換膜を有する電解槽の陽極室に食塩水を供給する工程、および該食塩水を電解する工程を含む生産苛性ソーダ溶液の製造方法。
  5. 請求項1、2または3記載の性能回復方法により処理された含フッ素陽イオン交換膜を有する電解槽の陽極室に食塩水を供給する工程、および該食塩水を電解する工程を含む塩素の製造方法。
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