JP2006049115A - 燃料電池 - Google Patents
燃料電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006049115A JP2006049115A JP2004229248A JP2004229248A JP2006049115A JP 2006049115 A JP2006049115 A JP 2006049115A JP 2004229248 A JP2004229248 A JP 2004229248A JP 2004229248 A JP2004229248 A JP 2004229248A JP 2006049115 A JP2006049115 A JP 2006049115A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- porous membrane
- fuel cell
- electrode
- porosity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【課題】 燃料のクロスオーバーが少なく、高濃度の燃料をアノード極に直接供給することが可能な直接燃料酸化型燃料電池であって、高出力かつ小型化あるいは薄型化が可能な燃料電池を提供すること。
【解決手段】 アノード電極の拡散層と互いに隣り合った燃料供給用流路と生成ガス排出用流路が存在するセパレータの間に多孔質膜を介在させ、多孔質膜の多孔度は、前記燃料供給用流路に面する部分は小さく、前記生成ガス排出用流路に面する部分では、大きくなっていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 アノード電極の拡散層と互いに隣り合った燃料供給用流路と生成ガス排出用流路が存在するセパレータの間に多孔質膜を介在させ、多孔質膜の多孔度は、前記燃料供給用流路に面する部分は小さく、前記生成ガス排出用流路に面する部分では、大きくなっていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料電池に関し、特に液体燃料を直接電極に供給し、酸化する直接燃料酸化型燃料電池に関するものである。
燃料電池は、使用する電解質の種類によって、燐酸型、アルカリ型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型等に分類される。これらの中で、低温動作が可能で、出力密度が高いという特徴を有する固体高分子型燃料電池は、車載用電源や家庭用コージェネレーションシステム等において実用化されつつある。
一方、近年ではノート型パソコンや携帯電話、PDAといった携帯機器の高機能化に伴い、消費電力は増加する傾向にある。現在使用されている携帯機器用の電源であるリチウムイオン二次電池やニッケル水素蓄電池は、この消費電力の増加に追従してエネルギー密度を向上させることができず、近々電源の容量不足という問題が生じることが懸念されている。
この問題を解決するための新たな電源として、固体高分子型燃料電池(以下PEFCと記す)が注目されており、中でも常温で液体の燃料を、水素に改質することなく、電極において直接酸化して電気エネルギーを取り出すことができる直接燃料酸化型燃料電池は、改質器が不要であるため電源の小型化が容易である点から、最も期待されている。
直接燃料酸化型燃料電池の燃料としては、低分子量のアルコールやエーテル類が検討されているが、中でも高エネルギー効率及び高出力が得られるメタノールが最も有望視されており、ダイレクトメタノール型燃料電池(以下DMFCと記す)と呼ばれている。
DMFCのアノード極およびカソード極での反応は、それぞれ反応式(1)、反応式(2)で表される。カソード極での酸化剤である酸素は、空気から取り入れることが一般的である。
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-・・・(1)
3/2O2+6H++6e-→3H2O ・・・(2)
現在のところ、DMFCの電解質膜としては、水素を燃料としたPEFCと同様にNafion(登録商標)を代表とするパーフルオロスルホン酸膜が使用されるのが一般的である。
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-・・・(1)
3/2O2+6H++6e-→3H2O ・・・(2)
現在のところ、DMFCの電解質膜としては、水素を燃料としたPEFCと同様にNafion(登録商標)を代表とするパーフルオロスルホン酸膜が使用されるのが一般的である。
この膜を使用した場合の課題は、燃料であるメタノールが電解質膜を透過してカソード極に到達するクロスオーバー現象により、発電性能を低下させることである。メタノールはカソード極において、反応式(3)のように酸化され、反応式(2)との混成電位により、カソード極の電位が低下して、燃料電池の発電電圧が低下する。
CH3OH+3/2O2→CO2+2H2O・・・(3)
クロスオーバー現象は、水を介在してプロトン伝導するタイプの電解質膜を使用する場合、燃料がメタノールでなくても水溶性のものであれば、発生する現象であると考えられるため、現在開発が進められている直接燃料酸化型の燃料電池のほとんどに共通の課題である。
CH3OH+3/2O2→CO2+2H2O・・・(3)
クロスオーバー現象は、水を介在してプロトン伝導するタイプの電解質膜を使用する場合、燃料がメタノールでなくても水溶性のものであれば、発生する現象であると考えられるため、現在開発が進められている直接燃料酸化型の燃料電池のほとんどに共通の課題である。
また、このようなクロスオーバー現象のドライビングフォースは、主に濃度勾配による分子拡散によるものとプロトンの移動に伴う電気浸透現象によるものによると言われており、その量は、アノード電極内部の燃料濃度や温度に大きく依存する。
従って、従来のDMFCでは、供給する燃料の濃度を濃くすると、アノード電極内部の燃料濃度が増加するため、燃料のクロスオーバー量が増加し、セル電圧の低下や燃料利用効率の低下を招くという課題があり、燃料を水で1〜2mol/l程度に薄めた希薄燃料を使用せざるを得ないという課題がある。希薄な燃料を使用することは、燃料タンクに貯蔵可能な燃料の量を低下させることにつながり、燃料電池電源システムとしてのエネルギー密度を低下させ、燃料補給の頻度が高くなって、利便性が低下するものである。
このような課題を解決するために、特許文献1では、アノード電極の拡散層と燃料タンクの間に燃料の透過量を制限するような、穴のあいた板を介在させることについて記載されている。この文献では、電極において発電のために消費される量をあらかじめ設定し、発電量に見合った量の燃料が供給されるように、板にあける穴の径および間隔を適切に定めている。これによって、電極への燃料供給量と発電による消費量が近い値となるために、電極内部での燃料濃度が低下して、結果として燃料のクロスオーバー量が低減されるというものである。
あるいは、これより以前に、同様の構成を有するものとして、特許文献2に記載されているように、アノード極の拡散層と燃料流通部分との間に多孔質の撥水性有機合成樹脂膜を形成させることが提案されている。
また、DMFCのアノード電極の構成に関しては、反応式(1)の電極反応によって生成する二酸化炭素を速やかに電極から排出することが、燃料供給をスムーズにし、適切な燃料供給量を維持するために重要である。そのために、特許文献1の燃料電池においては、燃料供給量を制限するための穴の開いた板の電極側表面に二酸化炭素排出用の溝を設けている。
さらには、特許文献3では、セパレータ表面に構成される流路として燃料供給用の流路と生成ガス排出用の流路の2種類設け、燃料流路に面する部分の拡散層は液体浸透性と気体難透過性を兼ね備え、生成ガス排出用流路に面する部分の拡散層は、気体透過性を有するように構成するという提案がなされている。
国際公開第2004/032258号パンフレット
特開平3−78968号公報
特開2002−175817号公報
前述のように、アノード電極の構成を工夫することで、メタノールクロスオーバー量を低減させ、発電性能を向上させることができるということがわかっている。しかし、特許文献1に示された技術では、使用する板の厚みは1mmまたはそれ以下と記載されているが、穴の開いた板を使用し、しかもその片側に生成ガス排出用の溝を設けるためには、板の厚みを100〜200μmレベルまで低減することは困難であると考えられる。通常使用される燃料電池の部材は、電解質膜と拡散層を含めた電極までの厚みを合計しても、700μm程度であるから、厚みが1mm近い板を導入することは、燃料電池セルまたはその積層体であるスタックを小型化することに対して、大きな障害となることが問題であった。
特許文献2に記載されているようにセパレータとアノード極の拡散層の間に多孔質膜を介在させるという構成では、生成した二酸化炭素が多孔質膜の穴を通ってセパレータの流路へと拡散しようとするため、あるレベル以上発電電流密度を増加させると、多孔質膜の燃料流通経路の減少が著しくなり、燃料供給量が不足して発電性能が低下するという課題
があった。
があった。
また、特許文献3のように、拡散層の一部を液体浸透性にし、燃料の透過経路とする場合には、気体透過性を有する部分では二酸化炭素が電極から外部へ向かう方向に拡散するために、外部から電極への燃料の拡散が起こりにくく、拡散層内での燃料の供給の不均一が生じて、濃度の高い部分ではメタノールクロスオーバーの増加が、薄い部分では発電性能の低下が考えられ、全体として高い発電性能を得ることは困難であるという課題があった。
本発明の目的は上記の課題を解決し、燃料のクロスオーバーが少なく、高濃度の燃料をアノード極に直接供給することが可能な直接燃料酸化型燃料電池であって、高出力かつ小型化あるいは薄型化が可能な燃料電池を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の燃料電池は、電解質膜の両側に触媒層と拡散層からなり、燃料が供給されるアノード電極および空気が供給されるカソード電極を有し、それを挟持するように前記燃料および空気供給用の流路が前記アノード電極およびカソード電極に面する側に形成されたセパレータが配置されており、前記燃料として有機燃料または、それを含む混合物が主に液体として供給され、前記燃料が直接、前記アノード電極で酸化されるタイプの燃料電池であって、前記アノード電極の拡散層とセパレータの間に、多孔質膜を介在させ、前記アノード極側の流路には、互いに隣り合った燃料供給用流路と生成ガス排出用流路が存在し、前記多孔質膜の多孔度は、前記燃料供給用流路に面する部分の多孔質膜は小さく、前記生成ガス排出用流路に面する部分の多孔質膜では、大きくなっていることを特徴としたものである。
本発明においては、燃料の拡散を制御するための部材として、多孔質膜を使用する。樹脂多孔膜の厚みは、通常100〜200μmであるから、電極の薄型化は十分可能である。
本発明においては、樹脂多孔膜と触媒層の間には、液体燃料と生成ガスがともに拡散可能な拡散層を配置し、燃料の電極面方向への均一分散を促すという点が特許文献3に示された技術とは大きく異なる。
従って、本発明においては、まず、燃料供給用の流路と生成ガス排出用流路を別々に設けることで、生成ガス排出用流路には液体が供給されないため、多孔質膜の細孔が液体で満たされて、ガスの拡散速度を低下させるようなことがなく、生成ガスの円滑な拡散が行われるようになる。さらに、生成ガス排出用流路に面する部分の多孔質膜の多孔度を、燃料供給用流路に面する部分の多孔質膜の多孔度に比べて大きくすることで、生成ガスが多孔度の高い多孔質膜の部分に円滑に流れるように規制して、燃料の供給を阻害しないようにした。
これによって、現在一般的に使用されているよりも、高い濃度の燃料を供給することが可能な燃料電池を得ることができ、燃料タンクに高い濃度の燃料水溶液を貯蔵しながら、メタノールクロスオーバーの少ない、ひいては高出力、高燃料利用効率の燃料電池であって、モバイル機器用電源として求められる小型化、薄型化が実現可能な燃料電池を得ることができるものである。
また、本発明の請求項2に記載の燃料電池は、請求項1記載の燃料電池であって、前記生成ガス排出用流路に面する部分の多孔度と前記燃料供給用流路に面する部分の多孔度の比率が、2倍以上であるものである。
ここで、生成ガス排出用流路に面する部分の多孔質膜の細孔には生成ガスのみが通過し、燃料供給用流路に面する部分の細孔には燃料水溶液のみが通過すると考えられる。一方、生成ガスが通過する細孔の総体積と燃料が通過する細孔の総体積との比率は、膜厚が等しいときに生成ガス排出用流路に面する部分の多孔度と前記燃料供給用流路に面する部分の多孔度の比率に相当する。つまり、理想的な多孔度の比率は、排出される生成ガスの体積流量と供給するべき燃料水溶液の体積供給量の比率に相当するはずである。この考え方をもとに、例えば燃料濃度が2mol/lであるときの体積流量の比率を計算すると、39倍となる。ただし、供給される燃料の80%が電極反応によって酸化され、反応式(2)に従って、化学量論量相当の二酸化炭素を生成するとしており、温度は25℃で計算した。この比率は燃料濃度を濃くするほど高くなる。
しかし、現実的には、多孔度の比率がこのような高い比率になる前に、2倍を超えると、二酸化炭素は速やかに多孔度の高い領域に拡散するようになり、燃料の供給を著しく阻害する現象が見られなくなることを見出した。
従って、本発明においては、生成ガス排出用流路に面する部分の多孔度と燃料供給用流路に面する部分の多孔度の比率を2倍以上に規制することで、二酸化炭素が燃料供給用流路に向かって拡散し、燃料供給の妨げとなることを防止できるものである。
これによって、現在一般的に使用されているよりも、高い濃度の燃料を供給することが可能な燃料電池を得ることができ、しかも従来技術よりも高電流密度での発電が可能となり、高出力、高エネルギー密度を有する燃料電池を得ることができる。
本発明の請求項3に記載の燃料電池は、請求項1または2に記載の燃料電池であって、前記生成ガス排出用流路に面する部分の表面は、燃料またはそれを含む混合物との接触角が90度以上となるような性質を示し、前記燃料供給用流路に面する部分の表面は、燃料またはそれを含む混合物との接触角が90度未満になるような性質を示すものである。
本発明において、規定する接触角とは、燃料電池の燃料タンクから、燃料供給用流路を通して、アノード電極に供給される燃料またはそれを含む混合物からなる液を用意し、常温環境化において、その液を多孔質膜上に滴下したときの静的な接触角のことを示す。水と多孔質膜との関係を例にとれば、多孔質膜の撥水性が高いときに接触角は大きくなり、撥水性が低いときに、接触角は小さくなる。
燃料またはそれを含む混合物からなる液の多孔質膜に対する透過性が変化する一つの境目として、燃料またはそれを含む混合物と多孔質膜の接触角が90度となる点で、大きく異なることを見出し、生成ガス排出用流路に面する部分の表面は、接触角が90度以上となるような性質を示し、燃料供給用流路に面する部分の表面は、接触角が90度未満になるような性質を示すことを特徴とした。
生成ガス排出用流路に面する部分の多孔質膜の表面が、拡散層内に供給された燃料またはそれを含む混合物との接触角を極めて高い状態にあることで、燃料を含む液が大量に多孔膜を通過して、未反応のまま電極から排出されて、電極内において燃料が不足することによる濃度分極を防止するものである。
逆に、燃料供給用流路に面する部分の多孔質膜表面が、セパレータ表面に形成された流路に供給された燃料またはそれを含む混合物との接触角を極めて高い状態にあることで、燃料を含む液が速やかに多孔膜を通過して、拡散層から燃料供給用流路への逆拡散しようとする生成ガスによって、燃料の供給が阻害されるのを防止するものである。
これによって、現在一般的に使用されているよりも、高い濃度の燃料を供給することが可能な燃料電池を得ることができ、しかも従来技術よりも高出力で燃料の利用効率の高い燃料電池を得ることができるものである。
本発明の請求項4に記載の燃料電池は、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池であって、前記生成ガス排出用流路に面する部分の細孔径が、10μm以下であるものである。
本発明においては、生成ガス排出流路に面する部分の多孔質膜の多孔度を大きくする必要があるが、その部分の細孔径を10μm以下の微細孔とすることで、拡散層内に存在する燃料が液の状態で大量に多孔膜を通過して、未反応のまま電極から排出されるのを防止するものである。
現在、一般的に使用されている多孔質膜の細孔の大きさは、平均値で1μm以下、最大値で10μm以下であり、本発明の技術範囲を逸脱する範囲ではない。しかし、仮に精密なドリルや錐などで機械的な手法を用いて、100μmレベルの大きな穴をあけることで、生成ガス排出用流路に面する部分の多孔質膜の多孔度を高くした場合を考えると、大きな穴からは液体の燃料が生成ガスの排出とともにセル外部へ排出されることが考えられ、燃料の利用効率を低下させるために好ましくない。本発明においては、このような観点から、生成ガス排出流路に面する部分の多孔質膜の細孔径を10μm以下であることをひとつの目安としている。
本発明の請求項5に記載の燃料電池は、有機燃料がメタノールであることを特徴とするものである。
前記のように、直接燃料酸化型燃料電池の燃料としては、理論的なエネルギー変換効率が高く、他の有機燃料に比べてアノード極での反応過電圧が小さく、高出力が得られるメタノールが有望であり、これよって、エネルギー密度の高い、携帯用電子機器の電源として好ましい燃料電池を供給することを可能にするものである。
以上のように、本発明によれば、燃料電池のアノード極への燃料供給量を規制して、クロスオーバー現象による燃料ロスを低減することが可能な燃料電池を薄型化小型化することが可能となり、しかも、従来技術に比べて、電極平面方向への燃料の分散状態を改善することができ、高出力の発電を可能とするものである。さらには、生成ガスとともに拡散層内部の燃料が電極外部へ排出されて、燃料不足による濃度分極が増加して、発電特性が低下することを防止することができるものである。
これによって、現在一般的に使用されているよりも、高い濃度の燃料を供給することが可能な燃料電池を得ることができ、しかも従来技術よりも高出力で燃料の利用効率の高い燃料電池を供給することができるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態の燃料電池の断面図である。図1において、1は電解質膜を示し、前記のようにNafion(登録商標)に代表されるようなプロトン導電性を有する高分子電解質の膜が使用される。昨今は、Nafion(登録商標)に比べて、燃
料のクロスオーバーが起こりにくいような電解質膜が開発されつつあり、そのような電解質膜を使用することもできる。
図1は、本発明の一実施の形態の燃料電池の断面図である。図1において、1は電解質膜を示し、前記のようにNafion(登録商標)に代表されるようなプロトン導電性を有する高分子電解質の膜が使用される。昨今は、Nafion(登録商標)に比べて、燃
料のクロスオーバーが起こりにくいような電解質膜が開発されつつあり、そのような電解質膜を使用することもできる。
2は電解質膜1の両側に配置された触媒層を示す。燃料電池の触媒としては、一般的に白金に代表される貴金属触媒粉末が用いられ、ブラックと称される金属の微粉末を用いる場合と、カーボン粉末状に高分散され担持させた状態で用いる場合とがある。アノード極側の触媒としては、例えばメタノールのように、燃料酸化過程において一酸化炭素を中間生成物として生成する反応系においては、活性点の被毒を低減するために、白金ルテニウム合金などが用いられることが多い。これらの触媒粉末とNafion(登録商標)に代表されるような高分子電解質を含む溶液を混合してペースト状にし、電解質膜表面に塗布した後、ホットプレス法などにより定着させて触媒層2が形成される。
3は、拡散層を示し、一般的には電気伝導度が高く、70%以上の高い多孔度を有し、高いガス拡散性が得られるカーボンペーパーおよびカーボンクロスが用いられる。
4は、集電体を示し、電子導電性が高く、燃料によって腐食されない材質で構成され、かつ気体および液体の透過性を有するものを含む。具体的には、金網、エキスパンドメタル、スポンジメタルなどでよい。このような金属材料として金および白金が好ましいが、非常に高価であるため、基材となる線材を耐腐食性の高いステンレスやチタンなどで構成し、金および白金でメッキなどによりコーティングしてもよい。
一般的な燃料電池では、各層間の電気的な接触抵抗を低減させるために、電極平面に垂直な方向に比較的大きな圧力で加圧することが多い。その場合に、金属製の網やエキスパンドメタルと次に記載の多孔質膜5が隣り合って接すると、加圧によって多孔質膜が網の目の開き部分に入り込んでしまい、平坦な状態を維持することができなくなり、その機能に支障をきたす。
従って、燃料電池を加圧圧迫するような場合には、集電体4のまわりに圧力を吸収するような導電性の弾性体層(図示せず)を形成する必要がある。このような、弾性体層としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、黒鉛などの導電性粉末と撥水性のある樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの混合物を水などの液体に分散させ、圧延ローラーなどでせん断力を加えることで、弾性を有するシートが形成されることが知られており、再び圧延ローラーなどを用いて集電体をこのようなシート中に内包させるようにしてもよい。
集電体4は、その終端に燃料電池の外部回路との電気的な接続を可能とするような端子(図示せず)を有することが必要であり、集電体4と端子をハンダ付けするか抵抗溶接するなどして接続すればよい。
多孔質膜5について説明する。多孔質膜5は、樹脂多孔膜である。構成する材料としては、ポリオレフィン系、ポリスルホン系、ポリエステル系、ポリビニルアセタール系、ポリビニルアルコール系、ポリアミド系、ポリイミド、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリスチレン系、ポリケトン系、シリコーン系、ポリ乳酸系、セルロース系などいずれの樹脂多孔膜でも良く、特に汎用的なものとしては、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミドなどが挙げられる。通常これら多孔質膜の空孔率(気孔率または空間率と呼ぶこともある)は、数%から60%程度の範囲である。ただし、本発明の多孔質膜5において、空孔率をこの範囲に限定するものではない。
本発明の請求項1または請求項2に記載のように、部分的に多孔質膜の多孔度が異なるようにするための簡易な方法としては、多孔度の異なる2種類の多孔質膜を用意し、燃料
供給用流路61と生成ガス排出用流路62の構成図に合わせて、2種類の多孔質膜を切り抜き、それらを接着剤等で接合するか、接合部分を互いに重ね合わせて熱プレスによって張り合わせるなどして、燃料供給用流路61に面する部分の多孔質膜51と生成ガス排出用流路62に面する部分の多孔質膜52とを作成する。
供給用流路61と生成ガス排出用流路62の構成図に合わせて、2種類の多孔質膜を切り抜き、それらを接着剤等で接合するか、接合部分を互いに重ね合わせて熱プレスによって張り合わせるなどして、燃料供給用流路61に面する部分の多孔質膜51と生成ガス排出用流路62に面する部分の多孔質膜52とを作成する。
また、多孔質膜は通常シート状の樹脂膜を延伸しながら、細孔を広げていくような方法によって製造されていることから、その延伸度合いをセパレータ6の流路パターンに合わせて変化させるなどして作製してもよい。
あるいは、もともと均一な1枚の多孔質膜に、セパレータ6の流路パターンに合わせて、マスキングを施し、エッチングなどによって、目的の部分のみ多孔度を高くするような処理を施しても良い。
セパレータ6は、本実施の形態においては多孔質膜5に面する側に、燃料が平面方向に拡散するための燃料供給用流路61と生成ガスが排出されるための生成ガス排出用流路62が形成されており、燃料をできるかぎり平面方向に均一に供給するために、それらは互いに隣り合っていることが好ましい。
また、カソード電極側のセパレータ6には、空気拡散用流路63が形成されている。
燃料供給用流路6については、セルの両端に入口と出口を有し、多孔質膜5を通過してアノード電極へ供給される量よりも過剰に燃料を供給して、余剰分を出口から排出するタイプのものでも、入口のみを有し、供給した燃料は全てアノード電極へ供給されるタイプのものでもどちらでもよい。前者の場合には、出口から排出された燃料をリザーバタンクに回収し、再びセルへ供給することで燃料を有効利用するようないわゆる循環方式でも、余剰の燃料を回収せずに、触媒燃焼装置などによって、無害かつ非可燃性のものに変化させて排出するなどしてもどちらでもよい。一方後者の場合には、多孔質膜5を透過する燃料量とセル外部から供給する燃料量が、等しくなければならないため、燃料供給量の管理精度が要求されることと、流路の入口部分と終端部分とでは燃料供給量の不均一が生じる可能性が高いという問題があるが、燃料電池システムとしてはコンパクトにできるメリットがある。
流路パターンは、燃料電池の設計によって様々なものが提案されており、一本の流路が電極面内を蛇行するようなタイプのサーペンタイン型、またはそれが複数平行に並んだタイプのサーペンタイン型、直線状の溝を互いに平行に複数配列した平行複流路型、セル中央部から外側に向けて放射状に伸びるタイプなどがある。ただし、本発明のアノード側セパレータ流路に関していえば、サーペンタイン型を採用すると、燃料供給用流路61と生成ガス排出用流路62が互いに隣り合うことが困難になるため、好ましくない。
一般的な燃料電池では、電極で発生した電子は、導電性の拡散層を径由してセパレータに到達するため、セパレータには電子伝導性を有することが必要とされるため、黒鉛などのカーボン材料を含む物質で構成される。しかし、本発明においては、拡散層3とセパレータ6の間に配置される多孔質膜5は、一般的な樹脂材料を使用すると考えると、非電子伝導性であることが多いため、セパレータ6が電子伝導性を担う必要がないため、耐腐食性など燃料に対する化学的安定性があれば、どのような材料でもよい。
(実施の形態2)
本発明の他の実施の形態として、本発明の請求項3に記載の本発明の燃料電池に対応する実施の形態について説明する。
本発明の他の実施の形態として、本発明の請求項3に記載の本発明の燃料電池に対応する実施の形態について説明する。
前述のように、直接燃料酸化型燃料電池の場合には、燃料を水溶液の状態で供給することが多いことから、生成ガス排出用流路に面する部分の多孔質膜に撥水性の高いものを、燃料供給用流路に面する部分の表面により撥水性の低いものを使用することで、本実施の形態の燃料電池を作製することができる。
例えば、生成ガス排出用流路に面する部分にPTFEなどのフッ素を含むような樹脂からなる多孔質膜を配置し、燃料供給用流路に面する部分には、ポリエステルやポリアミドなどの比較的撥水性の低い樹脂からなる多孔質膜を配置すればよい。また、多孔質膜をプラズマ処理やオゾン処理するなどして親水性を高くし、処理済みの膜を燃料供給用流路に面する部分に、処理する前の膜を生成ガス排出用流路に面する部分に使用するなどしても良い。ただし、燃料またはそれを含む混合物からなる液と多孔質膜との接触角は、多孔質膜の材料のみで決まるものではなく、その表面状態やその細孔径などによっても変化するため、それに応じて適切な多孔質膜を選択する必要がある。
なお、すでに記載のとおり、生成ガス排出流路に面する部分の多孔質膜としては、十分な多孔度が得られる範囲で、細孔の小さい多孔質膜を用いるほど、液体としての燃料の逸散を防止することができると考えられ、そのような多孔質膜として、細孔径が10μm以下の多孔質膜を選択することが好ましい。
以下に本発明の実施例を示す。
(実施例1)
図1に基づいた本発明の実施例として、燃料としてメタノールを使用するDMFC型燃料電池の作製例を示す。
図1に基づいた本発明の実施例として、燃料としてメタノールを使用するDMFC型燃料電池の作製例を示す。
まず、貴金属触媒粒子としては、平均一次粒子径30nmを持つ導電性カーボン粒子に、白金を50重量%担持したものを空気極側の触媒担持粒子とし、前記のカーボン粒子に、原子比1:1の白金−ルテニウム合金を50重量%担持したものを燃料極側の触媒担持粒子とした。これらの触媒粒子を固体高分子電解質である旭硝子社製フレミオン(登録商標)のエタノール溶液を水で希釈した液中に超音波分散機を使用して分散させ、脱泡してペーストとしたものをアノード触媒、カソード触媒それぞれに作製した。ペースト中のフレミオン(登録商標)の含有量は30重量%となるように調整した。
このペーストを厚み50μmのPEFEシート上に、バーコーターを用いて塗布し、常温で1日放置して乾燥した。電解質膜1としてDupont社製Nafion(登録商標)117の両面にそれぞれアノード触媒付のPTFEシートとカソード触媒付のPTFEシートを配置し、ホットプレス機で熱転写させた後、PTFEシートを除去し、電解質膜1と触媒層2が融合した膜電極複合体(MEA)を作成した。
触媒層2の面積は、25cm2であり、形状は一辺が5cmの正方形とした。
次に、拡散層3の基材は、東レ社製カーボンペーパーTGP−H−090を使用し、ダイキン社製FEPディスパージョンND−1を所望の濃度に希釈した液に1分間浸漬して引き上げた後、100℃の熱風乾燥機中で乾燥し、270℃の電気炉中で2時間焼成処理を行った。このとき、撥水剤の含有量は5%となった。
集電体4としては、ニラコ社製の線径0.07mm、100メッシュの金メッシュを使用した。この集電体メッシュは、電極から外部へ水平に伸びるリブを設けており、そのリブに金メッキした銅板をハンダ付けして、燃料電池評価用の電子負荷装置や電圧計、抵抗
計などを接続できるようにした。
計などを接続できるようにした。
一方、ライオン社製ケッチェンブラックECを、ダイキン社製PTFEディスパージョンD−1を水で希釈した液中に超音波分散機で分散させた後、ダルトン式混練機で攪拌混合してカーボンとPTFEの混合ペーストを作製した。このとき、ペーストの固形分量の50%がケッチェンブラックとなるように量を調整した。このペーストを手回し式のローラープレスに掛けて、厚み0.3mmのシートを作製し、さらにそのシートと金メッシュを再びローラープレスに掛けて、メッシュがシートに内包されるようにした。
セパレータ6は、厚み4mmの黒鉛板に切削加工によって、アノード極側には燃料供給用流路61と生成ガス排出用流路62をそれらが互いに隣り合うように、直線状の流路が平行に並ぶように作製した。それらの複数の流路は、その終端部にいわゆるマニフォールドを有し、分岐または集結されてからセルの外部と接続されるようにした。このとき、燃料供給用流路61は入口と出口を両方有し、電極へ供給されない余剰の燃料は、セル外部に排出した。生成ガス排出用流路62に関しては、前記のとおり、出口のみを有する。溝の幅は1mm、高さ1mmとし、燃料供給用流路61と生成ガス排出用流路62の隙間が1mmとなるようにした。カソード側の流路は、1本のサーペンタイン型流路を空気拡散用流路63として形成した。溝の幅は1mm、高さ1mmとし、隣り合う溝同士の隙間が1mmとなるようにした。
なお、カソード側は、一般的な燃料電池と同様に、拡散層3とセパレータ6が接しており、拡散層3が接する側とは反対側のセパレータ6表面に集電体4が接するようにした。この集電体4は、アノード側とは異なり、厚さ2mmの銅板に金メッキを施したものである。
多孔質膜5は、生成ガス排出用流路62に面する部分の多孔質膜52に、空孔率40%で厚み0.1mmのジャパンゴアテックス社製PTFE多孔質膜を使用し、燃料供給用流路61に面する部分の多孔質膜51に、厚さが0.1mmで、空孔率がそれぞれ、8%、20%、30%、40%の多孔質膜を使用した。このときの生成ガス排出用流路62に面する部分の多孔質膜52と燃料供給用流路61に面する部分の多孔質膜51の空孔率の比率は、それぞれ、5倍、2倍、1.3倍、1倍となる。なお、SEM撮影によって観察されたこの多孔質膜5の細孔の大きさは、0.5μm程度であった。
これらの部材を図1に示すような構成になるように積層した後、その両側を厚さ10mmで、あらかじめボルトを通すため穴を開けておいたステンレス板で挟みこみ、ボルト、ナットとばねを用いて絞めこんだ。
燃料供給用流路61に面する部分の多孔質膜51の空孔率が異なるこれらのセルを、それぞれ、空孔率の小さい順からA、B、C、Dとした。
(比較例)
比較例として、アノード極側の構成を従来の燃料電池と同じように、図2に示すような構成とした燃料電池セルを作製した。具体的には、拡散層とセパレータの間に実施例1のような集電体4および多孔質膜5を介在させず、集電体4は、実施例1におけるカソード側と同様に、セパレータの外側に配置するような構成とした。触媒層2や拡散層3やセパレータ6の構成は、実施例1と同様にした。このセルをセルRとする。
比較例として、アノード極側の構成を従来の燃料電池と同じように、図2に示すような構成とした燃料電池セルを作製した。具体的には、拡散層とセパレータの間に実施例1のような集電体4および多孔質膜5を介在させず、集電体4は、実施例1におけるカソード側と同様に、セパレータの外側に配置するような構成とした。触媒層2や拡散層3やセパレータ6の構成は、実施例1と同様にした。このセルをセルRとする。
(実施例2)
本発明の実施の形態3に対応した実施例について説明する。
本発明の実施の形態3に対応した実施例について説明する。
本実施例では、燃料供給用流路61に面する部分の多孔質膜51として、空孔率30%、厚さ0.018mmの宇部興産社製ポリイミド多孔質膜を用いた。この多孔質膜5の平均孔径は5μm以下であり、最大孔径は10μmである。まず、多孔質膜5を、サムコ製プラズマ処理装置PM−600を使用し、アルゴンガス中でプラズマ処理した。電力50W、圧力1Pa、時間30秒間とした。プラズマ処理したシートを空気中に曝露することで、プラズマ処理によって発生したラジカルから酸素原子を含む官能基が生成させた。シート表面の酸素原子と炭素原子の原子比(O/C)をX線光電子分光分析装置(XPS)で調べた。プラズマ処理前はO/Cが0.4であったが、プラズマ処理後は0.5となった。この膜に10mol/Lのメタノール水溶液を滴下したところ、接触角は28°を示した。
一方、生成ガス排出用流路62に面する部分の多孔質膜52としては、空孔率40%で厚み0.1mmのジャパンゴアテックス社製PTFE多孔質膜を使用した。この多孔質膜上に、10mol/Lのメタノール水溶液を滴下したところ、接触角は105°を示した。
このような2種類の多孔質膜51、52を使用して、実施例1と同様の構成で燃料電池セルを作製した。このとき、燃料供給用流路61に面する部分の多孔質膜51は、生成ガス排出用流路62に面する部分の多孔質膜52に比べて厚みが著しく小さいため、5枚を積層して用いた。多孔質膜51と多孔質膜52の多孔度の比率は1.3である。このセルをセルEとする。
以上のように作製したセルについて、濃度6mol/Lのメタノール水溶液を燃料として供給したときの発電特性とメタノールクロスオーバー量を評価して、本発明の効果を確認した。
発電特性とメタノールクロスオーバー量は、0.4Vにおける出力密度とクロスオーバー量を計測した。ここで、多孔質膜の効果によって、メタノールクロスオーバーが低減されて、カソード極の電位が上昇し、セル電圧が向上されれば、高い出力密度が得られる。
また、クロスオーバー量は、セルのアノード極におけるメタノールの物質収支を確認することによって求めた。その手順としては、燃料供給用流路61から排出される余剰燃料を含んだ液体と、生成ガス排出流路62から排出されるガスを1本のチューブに集合させ、その気液混合流を氷水で冷やした水中にバブリングさせて、そこに溶解したメタノールの量をガスクロマトグラフィーによって定量した。このようにセルから排出された燃料の量を測定することで、次の関係式(4)から、クロスオーバーの量を求めることができる。
(クロスオーバー量)=(供給燃料量に含まれるメタノール量)−(排出されたメタノール量)−(発電で消費されたメタノール量)・・・(4)
なお、発電で消費されたメタノール量については、下記の反応式(5)より、発電電流量から化学量論的に求めることができる。
なお、発電で消費されたメタノール量については、下記の反応式(5)より、発電電流量から化学量論的に求めることができる。
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-・・・(5)
燃料は、2cc/minの流量でチューブ式ポンプを用いて供給した。セルは電熱線ヒーターと温度コントローラーを用いて60℃になるように制御した。負荷としては、菊水電子工業製電子負荷装置PLZ164WAに接続し、定電圧制御でセル電圧が0.4Vとなるようにして30分間発電し続け、30分間の電流密度の平均値を求めて出力密度を計算した。さらに、その間にセルから排出されたメタノール量を計測し、メタノールクロスオーバー量を求めた。
燃料は、2cc/minの流量でチューブ式ポンプを用いて供給した。セルは電熱線ヒーターと温度コントローラーを用いて60℃になるように制御した。負荷としては、菊水電子工業製電子負荷装置PLZ164WAに接続し、定電圧制御でセル電圧が0.4Vとなるようにして30分間発電し続け、30分間の電流密度の平均値を求めて出力密度を計算した。さらに、その間にセルから排出されたメタノール量を計測し、メタノールクロスオーバー量を求めた。
これらの結果、セルA〜Eの出力密度は、それぞれ、53、49、34、28、46mW/cm2であった。クロスオーバー量は、それぞれ118、120、123、121、126mA/cm2であった。これに対して、比較例によって作成したセルRの性能は、出力密度が11mW/cm2、クロスオーバー量が325mA/cm2であった。
これらの結果から、本発明の実施例によって作製された燃料電池セルは、比較例によって作製された一般的な燃料電池セルに比べて、通常使用される濃度の3倍の濃度の燃料を供給した場合に、優れた発電特性を有し、それはメタノールクロスオーバー量の大幅な低減によって得られることがわかる。
さらに、実施例によって作製したセルA〜Eの出力密度の結果を、横軸を生成ガス排出用流路に面する部分の多孔質膜の多孔度と燃料供給用流路に面する部分の多孔質膜の多孔度の比率として、プロットすると図2のようになる。図2において、10は、実施例1のセルA、B、CおよびDであり、11は、実施例2のセルEである。この図から明らかなように、多孔度の比率が2.0を超える領域で優れた発電特性を示すことが示されている。
以上の結果から、本発明による燃料電池は、従来に比べて数倍の非常に高い燃料濃度での運転を可能にするものであり、それによって従来と同じ量の燃料を燃料タンクに貯蔵した場合を考えれば、その倍率分だけ長時間の電子機器の運転を可能にするものである。
本発明の燃料電池は、携帯電話や携帯情報端末(PDA)、ノートPC、ビデオカメラ用等の携帯用小型電子機器用の電源として有用である。また、電動スクータ用電源等の用途にも応用できる。
1 電解質膜
2 触媒層
3 拡散層
4 集電体
5 多孔質膜
6 セパレータ
2 触媒層
3 拡散層
4 集電体
5 多孔質膜
6 セパレータ
Claims (5)
- 電解質膜の両側に触媒層と拡散層からなり、燃料が供給されるアノード電極および空気が供給されるカソード電極を有し、それを挟持するように前記燃料および空気供給用の流路が前記アノード電極およびカソード電極に面する側に形成されたセパレータが配置されており、前記燃料として有機燃料または、それを含む混合物が主に液体として供給され、前記燃料が直接、前記アノード電極で酸化されるタイプの燃料電池であって、
前記アノード電極の拡散層とセパレータの間に、多孔質膜を介在させ、前記アノード極側の流路には、互いに隣り合った燃料供給用流路と生成ガス排出用流路が存在し、前記多孔質膜の多孔度は、前記燃料供給用流路に面する部分の多孔質膜は小さく、前記生成ガス排出用流路に面する部分の多孔質膜では、大きくなっていることを特徴とする燃料電池。 - 前記生成ガス排出用流路に面する部分の多孔質膜の多孔度と前記燃料供給用流路に面する部分の多孔質膜の多孔度の比率は、2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- 前記生成ガス排出用流路に面する部分の表面は、前記燃料またはそれを含む混合物との接触角が90度以上となるような性質を示し、前記燃料供給用流路に面する部分の表面は、前記燃料またはそれを含む混合物との接触角が90度未満になるような性質を示すことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
- 前記生成ガス排出用流路に面する部分の細孔径が、10μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記有機燃料がメタノールであることを特徴とした請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004229248A JP2006049115A (ja) | 2004-08-05 | 2004-08-05 | 燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004229248A JP2006049115A (ja) | 2004-08-05 | 2004-08-05 | 燃料電池 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2006049115A true JP2006049115A (ja) | 2006-02-16 |
Family
ID=36027421
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004229248A Pending JP2006049115A (ja) | 2004-08-05 | 2004-08-05 | 燃料電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2006049115A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007095541A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Toshiba Corp | 燃料電池 |
| JP2008243740A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Toshiba Corp | 燃料電池 |
| JP2009037919A (ja) * | 2007-08-02 | 2009-02-19 | Sharp Corp | 燃料電池およびその製造方法、ならびに燃料電池スタック |
| JP2009070571A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-04-02 | Sharp Corp | 燃料電池 |
| JP2009152122A (ja) * | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Sharp Corp | マイクロ流体デバイスおよび燃料電池ならびにその製造方法 |
| JP2009205975A (ja) * | 2008-02-28 | 2009-09-10 | Sharp Corp | 燃料電池 |
| JP2009277503A (ja) * | 2008-05-14 | 2009-11-26 | Toyota Motor Corp | 燃料電池および燃料電池スタック |
| US7709130B2 (en) | 2007-03-26 | 2010-05-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Fuel cell |
| JP2013008687A (ja) * | 2012-08-24 | 2013-01-10 | Sharp Corp | 燃料電池スタック |
-
2004
- 2004-08-05 JP JP2004229248A patent/JP2006049115A/ja active Pending
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007095541A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Toshiba Corp | 燃料電池 |
| US7709130B2 (en) | 2007-03-26 | 2010-05-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Fuel cell |
| JP2008243740A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Toshiba Corp | 燃料電池 |
| JP2009037919A (ja) * | 2007-08-02 | 2009-02-19 | Sharp Corp | 燃料電池およびその製造方法、ならびに燃料電池スタック |
| JP2009070571A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-04-02 | Sharp Corp | 燃料電池 |
| JP2009152122A (ja) * | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Sharp Corp | マイクロ流体デバイスおよび燃料電池ならびにその製造方法 |
| JP2009205975A (ja) * | 2008-02-28 | 2009-09-10 | Sharp Corp | 燃料電池 |
| JP2009277503A (ja) * | 2008-05-14 | 2009-11-26 | Toyota Motor Corp | 燃料電池および燃料電池スタック |
| JP2013008687A (ja) * | 2012-08-24 | 2013-01-10 | Sharp Corp | 燃料電池スタック |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US8785070B2 (en) | Direct oxidation fuel cells with improved cathode gas diffusion media for low air stoichiometry operation | |
| US8105732B2 (en) | Direct oxidation fuel cell | |
| JP2004342489A (ja) | 燃料電池 | |
| JP5198044B2 (ja) | 直接酸化型燃料電池 | |
| US7803490B2 (en) | Direct methanol fuel cell | |
| CN100472872C (zh) | 直接氧化燃料电池及运行直接氧化燃料电池的方法 | |
| JP2001006708A (ja) | 固体高分子型燃料電池 | |
| JP2005340173A (ja) | 燃料電池スタック | |
| JP2006049115A (ja) | 燃料電池 | |
| US20110117465A1 (en) | Fuel cell | |
| JP2007234589A (ja) | 直接酸化型燃料電池および直接酸化型燃料電池システムの運転方法 | |
| JP2007172909A (ja) | 直接型燃料電池および直接型燃料電池システム | |
| JP2008198516A (ja) | 燃料電池 | |
| US20100221625A1 (en) | Low-porosity anode diffusion media for high concentration direct methanol fuel cells and method of making | |
| WO2009119434A1 (ja) | 燃料電池ユニット、燃料電池スタックおよび電子機器 | |
| JP2009048953A (ja) | 燃料電池、電極および電子機器 | |
| JP2007134306A (ja) | 直接酸化型燃料電池およびその膜電極接合体 | |
| WO2011052650A1 (ja) | 燃料電池 | |
| JP2011096468A (ja) | 燃料電池 | |
| KR101093708B1 (ko) | 연료전지용 전극 및 이를 포함하는 연료전지 | |
| JP2004342393A (ja) | 燃料電池及びその製造方法 | |
| JP4245405B2 (ja) | 燃料電池 | |
| JP3946228B2 (ja) | 燃料電池 | |
| JP2007042600A (ja) | 燃料電池 | |
| JP2007066918A (ja) | 発電方法 |