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JP2005503205A - 胃腸障害の管理 - Google Patents

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Abstract

一連の呼気検査または他の検査を行うことにより胃腸状態を決定する方法、特に被検者の胃排出または胃調節状態を決定するための方法。胃調節が決定されることを可能にする、異なる検査食を用いた一連の胃排出検査の実行方法が示される。検査結果に対する異なる検査食の効果が示される。マイクロカプセル化の使用を含め、このような検査において使用するための新規な基質が提案される。細菌過剰増殖、ラクトース不耐性およびこれらの組合せの検出のための呼気検査が示される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は胃および胃腸機能障害の様々な状態を決定するための方法の分野に関し、特に呼気検査により行われる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先進国の総人口の25%よりも多くが様々異なる程度の機能性消化不良および/または過敏性腸症候群IBSを羅患している。このような症状は本願の目的のために機能性GI障害と称される。これらの障害は特定可能な原因のないGI症候群によって特徴付けられる臨床症候群である。生理学的原因が特定されると、これらの障害はより正確には器質的消化不良または腸不全と称される。消化不良症候群の症群は、へその周囲もしくは上の腹部の中央で一般に感じられる痛みや不快感に通常関連する。不快感の幾つかの例としては満腹感、早期飽満感(これは食べ始めた直後の満腹感である)、鼓腸感および嘔吐感が挙げられる。これらの全てを説明する単一の器質的障害は存在しないが、これらの症候群をもった全患者の約3分の1は胃排出の遅延(delayed gastric emptying)があり、通常は起こらないが重くなると頻繁な嘔吐が起こる。さらに、3分の1は、異常な胃の調節反射(abnormal gastric accommodation reflex)として知られている状態である、食物摂取後の上胃の弛緩故障を示す。これらの患者における胃排出遅延の羅患率は無症候者と比較して顕著に高いわけでないが、これらの症候群を有する患者の約半数は胃内容物が少量であるときでも不快感を生じる過敏性または刺激性の胃も有する。胃排出研究は胃の内容物排出不良があるかどうかを示すことができる。他の運動性障害は比較的に検出困難であるが、C.ステンダール(C. Stendal)著, "Practical Guide to Gastrointestinal Function Testing"(胃腸機能検査の実用ガイド), 第197-201 頁, Blackwell Science Ltd, Oxford, U.K.,(1997)発行に記載されているような、バロスタット(barostat)と呼ばれるコンピュータ制御されたポンプに接続された胃内バルーンを使用する方法が開発されており、この方法は以下:
(a)拡張、または上胃が食中に十分に弛緩するかどうか、および
(b)胃調節、または痛みや不快感を引き起こすのにどの位の胃の内容物充填が必要かを示すことができる。
【0003】
バロスタット研究は、胃内圧の関数として胃体積、もしくはその逆、および/または、異なる胃体積での胃内圧変化に対する症候反応を測定することによって、消化不良症候群と調節障害との間の関係を示してきた。このようなバロスタット方法では、液状食が投与されるが、この液状食は多量の水(2リットルまで)、アイソトニックまたは高カロリー値溶液、例えばエンシュア(Ensure)やゲータレード(Gatorade)、スープ、またはグルカゴン輸液であってよい。次に、ある体積のバルーンについて、胃の不快感や痛みを誘発するのに必要な圧力が測定される。この方法は侵襲的で、患者にとって不快であり、広い臨床用途には非実用的である。さらに、バロスタット・バッグは胃の運動性と干渉することがあり、このことは不正確な結果を生じる。消化不良の器質性原因の他の例はヘリコバクター・ピロリ(Helicobactor pylori)感染である。
【0004】
糖尿病患者、パーキンソン病の薬物療法を受けている患者、等のようなリスクグループの無症候患者もまた、それらの主障害の予後に影響を与え得る具体的なGI障害を決定するための調査から恩恵を受ける。例えば、障害のある胃排出は糖尿病患者において血糖調節に影響を与えることがある。
【0005】
胃は、一般に、2つの分離した解剖学的部分、すなわち、上、近位または底部、および下、遠位または腔部、に分けて説明される。上(近位または底)胃は、食物が入ることにより拡張し、食物貯蔵所として機能するとともに、液状物と胃内容物を胃から外に押し出すポンプとして機能する。下(遠位または腔)胃の機能は、食物をより小さな粒子にすり潰すとともに、それを消化液とともに混合してそれが小腸に到達する時には吸収できるようにすることである。胃はまた、小腸を損傷したり又は過負荷をかけることになる食物または酸の広範囲の送達を回避するために制御された速度で、胃の内容物を小腸に排出する。
【0006】
胃には以下の3種類の動きが一般に認められる。
1.閉じた括約筋(幽門括約筋)に跳ねかけて食物を小粒子にすり潰す消化液と食物粒子の波を生じさせる、胃の下部における約3回/分の速度での律動的で同調した収縮。
2.胃の上部は、体積が変化する間に一定の圧力を保持する胃に食物が入ることを可能にする、各嚥下の後に1分以上持続する、ゆっくりした緩和を示す:他の時に、胃の上部は、胃の排出を助ける圧力の勾配を生じさせる、ゆっくりした収縮を示す。
3.全ての消化可能な食物が胃を出た後の食間では、幽門括約筋が開くことに伴われる非常に強い同調した収縮の時々の突発が起こる。これらは、その機能がいずれの摂取可能な粒子をも胃の外に掃きだすことにあるので、時として「ハウスキーパー波」とも呼ばれる。その別名は転移運動コンプレックス(migrating motor complex)である。
【0007】
前述したように、バロスタット方法は侵襲的で、不快で、広い臨床用途には非実用的であり、必ずしも正確な結果を与えないことがある。さらに、胃単独の拡張と充填の障害の決定にとって制限的であり、通過時間(transit time)または吸収不良に広く関連する障害あるいはIBS障害と呼ばれる障害のようなGI管でそれ自体兆候になる他の障害については他の検査を適用する必要がある。このような胃およびGI機能障害の広く蔓延する羅患率のため、このような障害の多様な形態を識別および診断するための簡単、迅速、容易に我慢でき、かつ信頼できる検査法を得ることが重要になっている。
【0008】
C.ステンダールの上記文献は、本願の主題の背景のレビューとして特に有用である。この欄および本明細書の他の欄に言及される公表物の各々の開示が、ここで参照されることにより各々がその全体として取り込まれる。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、消化不良またはIBSを羅患する患者ならびにリスクグループにある無症候患者における胃の障害のより正確な診断を可能にする新たな方法を提供することを目的とする。特に、GI障害決定のための専用の呼気検査によって、より正確な診断を可能とする方法が提案される。呼気検査であるこの方法はまた、患者が容易に我慢できるとともに、従来技術の検査とは対照的に、医師によってのみ実行され得る程に十分に簡単である。本発明の譲受人に譲渡された"Breath Test Analyzer"(呼気検査分析装置)に関する米国特許第6,186,958号に記載されているような、リアルタイムの結果を与える自動化呼気検査手順は、検査を迅速化するだけでなく、本発明に係る方法の幾つかの実用的実行を可能とするためにほぼ不可欠でもある。さらに、本発明の好適な方法は、このような患者の処置の制御管理を可能とする。GI患者は安定でない症候をしばしば示す;それ故に継続中の検査を行わない症候のみによる処置は問題となり得る、という最近の調査結果により、これら本発明の方法の重要な臨床的な利点は明らかである。
【0010】
本発明の好適な方法によって診断および追跡できる障害は、以下の2つの群に分けることができる。
(A)(i)胃排出の遅延;(ii)胃調節の乱れ;(iii)ヘリコバクター・ピロリ感染の効果;および(iv)胃の化学的感覚などの、胃の領域での感覚と一般に関連する消化不良型障害。
(B)(v)細菌過剰増殖;(vi)ラクトース不耐性;およびオロセカル(Orocecal)通過時間障害などの、過敏性腸症候群型障害。
【0011】
消化不良に対する異なる生理学的所見を評価することは、適切な処置の処方を可能にする。例えば、胃排出の遅延と正常な胃調節を示す患者は、プロキネティック(pro-kinetic)(薬剤、ダイエットなど)により処置することができる。他の例では、異常な胃調節と陽性のH.ピロリ用尿素呼気検査を示す患者は、H.ピロリ根絶単独で又は底部緩和薬(fundus-relaxing agent)と併用して処置することができる。
【0012】
したがって、本発明の好適な実施態様によれば、被検者における少なくとも1つの胃腸状態の決定方法であって、
(a)その群の各呼気検査が該被検者と関連する胃腸情報を与える、呼気検査群より選択された第1呼気検査を該被検者に実行するステップと、
(b)少なくとも第1呼気検査の結果に従って、上記呼気検査群より選択される少なくとも第2呼気検査を該被検者に実行するステップと、
(c)上記呼気検査の少なくとも1つの結果から該被検者の胃腸状態を決定するステップと
を含んでなる方法が提供される。
【0013】
この方法では、上記状態は、好ましくは消化不良および過敏性腸症候群の少なくとも1つを含み、上記消化不良は、胃排出障害、胃調節障害およびヘリコバクター・ピロリ感染の少なくとも1つによりおそらく生じるものであってよい。上記過敏性腸症候群は、糖吸収不良障害、細菌過剰増殖およびオロセカル通過時間障害の少なくとも1つによりおそらく生じるものであってよい。上記糖吸収不良障害は、ラクトース不耐性、フルクトース不耐性、スクロース不耐性またはマルトース不耐性の少なくとも1つによりおそらく生じるものであってよい。
【0014】
本発明の更に別の好適な実施態様によれば、同位体標識物質をマイクロカプセル化するステップを含んでなる、同位体呼気検査のための基質の提供方法であって、該同位体標識物質が胃腸管の所定部分において放出されるように該マイクロカプセル化コーティング材料の性質が選ばれる方法が提供される。
【0015】
上記マイクロカプセル化コーティング材料は、好ましくは、該コーティング材料が通過する環境のpH値により、該コーティング材料が分解して該同位体標識物質を放出するように選ばれる。更に別の実施態様によれば、該コーティング材料は、該コーティング材料が胃を通過した後に初めて分解して該同位体標識物質を放出するように選ばれる。更に、該同位体標識物質は、好ましくは、食物の十二指腸の通過を決定するためにマーカーとして用いられる。あるいは好ましくは、上記マイクロカプセル化コーティング材料は、該コーティング材料が通過する酵素環境により生じる酵素作用の効果の下で、該コーティング材料が分解して該同位体標識物質を放出するように選ばれる。上記酵素は、好ましくは、該同位体標識物質が十二指腸の通過を決定するためにマーカーとして用いられるように、膵臓および胆管の少なくとも1つにより分泌されるものである。
【0016】
上記マイクロカプセル化コーティング材料の他の好ましい利点は、該コーティング材料が該同位体標識物質よりも投与される食物に対して容易に結合し得ることである。
【0017】
本発明の更に別の好ましい実施態様によれば、被検者の胃排出(gastric emptying)の決定のための呼気試験の実行方法であって、
(a)呼気サンプルを被検者から収集し得るか又は実質的に連続して分析し得るようなガス分析装置を備えるステップと、
(b)多数の被検者の呼気を収集および分析し、t1/2 ,tlag ,デルタ・オーバー・ベースライン(DoB)および胃排出係数(Gastric Emptying Coefficient:GEC)パラメータの少なくとも1つの値について平均基準値を予め決定するステップと、
(c)標識マーカーを含み、その副生成物が被検者の胃から出た後に被検者の呼気中に吸収および呼気される検査食を、被検者に投与するステップと、
(d)該呼気検査の進行時に、該被検者のt1/2 ,tlag ,デルタ・オーバー・ベースライン(DoB)および胃排出係数(GEC)パラメータの少なくとも1つを、リアルタイムで計算するステップと、
(e)可能な限り早い時に、許容誤差限度内に外挿すること(extrapolation)により、上記パラメータの少なくとも1つが上記予め決定された基準値から大きく逸脱するかどうかを決定可能な上記パラメータの少なくとも1つの最終推定値を決定するステップと
を含んでなる方法が提供される。
【0018】
上述の方法を使用すれば、被検者が分析装置に呼気サンプルをまだ供給中である間に、あるいは該被検者の呼気の継続中(on-going)分析によってさえも、好ましくは、被検者における胃排出障害についての指標が提供される。同様に、パラメータの値ならびに正常範囲および異常範囲との比較によって、検査の初期段階で、正常胃排出についての指標が提供される。
【0019】
本発明の更に別の実施態様によれば、被検者における胃調節(gastric accommodation)の決定方法であって、
(a)所定第1体積、好ましくは200ミリリットル程度の小量食、を有し、かつ、適度なカロリー量、好ましくは200〜300キロカロリー、を含有する液状第1食を該被検者に投与するステップと、
(b)該被検者の胃からの上記第1食の排出速度を決定するステップと、
(c)上記所定第1体積よりも大きな所定第2体積を有し、かつ、所定の胃滞留特性を有する液状第2食を該被検者に投与するステップと、
(d)該被検者の胃からの上記第2食の排出速度を決定するステップと、
(e)上記第1食の排出速度と上記第2食の排出速度との間の偏差により該被検者の胃調節を決定するステップと
を含んでなる方法が更に提供される。
【0020】
この実施態様によれば、所定第2体積は、好ましくは、被検者における胃調節/緩和を調べるために十分な量であって、例えば少なくとも750ミリリットル液のような体積を使用する。
【0021】
あるいは好ましくは、上記胃滞留特性は、該液状食の所定pH、所定カロリー値および所定組成の少なくとも1つにより生じるものである。上記所定pHは好ましくは3よりも小さくてよく、上記所定カロリー値は少なくとも200キロカロリーであってよい。上記所定組成は好ましくはアイソトニック組成である。
【0022】
上記方法では、上記液状第2食の該被検者への投与は、該被検者の胃からの上記第1食の排出速度が決定されるか又は決定可能であるとすぐに行われることが好ましい。あるいは好ましくは、上記液状第2食の該被検者への投与は、該被検者での上記第1食の実質的に全ての生理学的効果が終了した時の後に行われる。この後者の基準によれば、上記液状第2食の該被検者への投与は上記第1食の次の日に行われる。
【0023】
本発明の更に好適な実施態様によれば、被検者における胃調節を決定するための方法であって、
(a)所定の体積を有し、かつ、所定の胃滞留特性を有する液状食であって、多数の正常被検者についての該液状食の平均胃排出速度が既知であるものを、該被検者に投与するステップと、
(b)該被検者の胃からの該液状食の排出速度を決定するステップと、
(c)上記多数の正常被検者についての該液状食の平均胃排出速度と該被検者の胃からの該液状食の排出速度との間の偏差により該被検者の胃調節を決定するステップと
を含んでなる方法が更に提供される。
【0024】
好ましくは、上記所定第2体積は、例えば少なくとも750ミリリットルの液のような被検者における胃拡張を引き起こすために十分な量である。あるいは好ましくは、上記胃滞留特性は、該液状食の所定pH、所定カロリー値および所定組成の少なくとも1つから生じるものであってよい。上記所定pHは好ましくは3よりも小さく、上記所定カロリー値は少なくとも200キロカロリーであり、上記所定組成は好ましくはアイソトニック組成である。
【0025】
本発明の更に好ましい実施態様によれば、胃内圧に対する食物体積の効果を決定するための呼気検査法であって、
(a)所定体積を有し、かつ、所定の胃滞留特性を有する同位体標識された液状食を、被検者に投与するステップと、
(b)同位体標識された呼気について行われる呼気検査により、被検者の胃からの該液状食の排出速度を決定するステップと、
(c)上記所定体積を変化させて、上記投与ステップおよび決定ステップを繰り返すステップと
を含んでなる方法が更に提供される。
【0026】
排出速度を含む上述の方法のいずれにおいても、排出速度の決定は、呼気検査、シンチグラフィ、X線コンピュータ断層撮影(CT)、ガンマイメージングおよび超音波方法のうちの1つにより行われることが好ましい。
【0027】
本発明の好適な実施態様によれば、被検者における胃腸障害の決定方法であって、
(a)少なくとも2種のマーカー物質であって、被検者の胃において概ね吸収されずに細菌の存在下で水素を放出する第1物質、および被検者の胃腸管内の食物の位置を示すように作用する第2物質を含む、食物を被検者に投与するステップと、
(b)該被検者における水素の発生を呼気検査により検出するステップと、
(c)該被検者の胃腸管内の該水素が発生する位置を第2マーカー物質により決定するステップと
を含んでなる方法が更に提供される。
【0028】
上述の方法では、第2マーカー物質の副生成物が、好ましくは、被検者の胃腸管内の水素発生位置が該被検者の呼気における水素の出現と第2マーカー物質の副生成物の出現との間の時間的関係によって決定されるような呼気検査により検出される。好ましくは、第2マーカー物質は炭素同位体により標識されており、その副生成物は同位体標識二酸化炭素である。第1物質は、第2マーカー物質の検出時間に対する水素の検出時間を用いて小腸における細菌過剰増殖の存在を決定するように、正常な被検者で、被検者の小腸において細菌により水素を発生するように代謝されない糖であってよい。第2マーカー物質は、その第2マーカー物質の副生成物と水素とが被検者の呼気において概ね同時に出現することが該被検者における細菌過剰増殖の存在の指標となるように、被検者の小腸において代謝される標識物質であってよい。あるいは好ましくは、第2物質は、被検者の呼気におけるその第2マーカー物質の副生成物の出現が水素の出現よりも著しく先行することが該被検者における細菌過剰増殖の不存在の概ね指標となるように、被検者の小腸において代謝される標識糖であってよい。上述の方法において、第1物質は、好ましくは、グルコース、ラクトースおよびラクツロースの少なくとも1種である。
【0029】
第2マーカー物質の検出時間に対する水素の検出時間を用いて小腸における細菌過剰増殖の存在を決定するように、第1物質が前記被検者内の細菌により小腸において潜在的に代謝され得る糖である場合の上述の方法では、この第2物質は、好ましくは、標識された酢酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、グルコース、アセチルロイシンのようなプローブ、またはマイクロカプセル化標識基質の少なくとも1種である。
【0030】
この最後の上述の方法では、第1物質は、好ましくは、第2マーカー物質の小量の検出よりも実質的に後続の水素の検出を用いて被検者のオロセカル通過時間を決定するように、被検者の小腸において概ね代謝されない糖である。
【0031】
さらに、本発明の更に好適な実施態様によれば、第1物質は、第2マーカー物質の検出時間に対する水素の検出時間を用いて被検者における糖不耐性(sugar intolerance)を決定するように、第1物質が実質的に吸収されないで被検者の大腸に到達し、そこで大腸菌の存在により水素が発生するように、被検者の小腸において吸収不良であると考えられる一群の糖であってよい。実用的な例はラクトース不耐性である。
【0032】
このような場合に、第2物質は、好ましくは、第2マーカー物質の標識副生成物の検出と実質的に同時である水素の検出を用いて被検者における糖不耐性を決定するように、大腸において概ね吸収される同位体標識物質である。特に好ましくは、第2物質は炭素同位体により標識されたキシロースであり、その副生成物は同位体標識二酸化炭素である。
【0033】
さらに、第2物質は、その第2マーカー物質の標識副生成物および水素の検出の相対的な時間および量を用いて被検者が糖不耐性および細菌過剰増殖の一方または両方であるかどうかを決定するように、小腸において概ね吸収される同位体標識物質であってよい。このような場合に、第2マーカー物質の標識副生成物の検出と実質的に同時に起こる、細菌の存在下での第1物質の小部分に特徴的な、水素の小量の検出は、該被検者が細菌過剰増殖を羅患していることを示す。他方、第2マーカー物質の標識副生成物の検出よりも遅い水素の検出は、該被検者が糖不耐性を羅患していることを示し、一方、第2マーカー物質の標識副生成物の検出と実質的に同時に起こる、細菌の存在下での第1物質の大部分に特徴的な、水素の大量の検出は、該被検者が糖不耐性および細菌過剰増殖を羅患していることを示す。上述した方法のいずれにおいても、糖は、ラクトース、フルクトース、マルトースおよびスクロースからなる群の少なくとも1種である。
【0034】
図面と共に以下の詳細な説明から本発明がより十分に理解および認識されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
ここで、上で規定されたGIハイリスクグループに属する無症候患者について、あるいいは消化不良またはIBSの症候を有する患者について、可能な検出および処置のコースを説明するフローチャートを模式的に示す図1Aおよび図1Bを参照する。このフローチャートは、包括的診断処置ルーチンのための確定的アルゴリズムを示すことが意図されるのではなく、むしろ、本発明の好適な実施態様に係る方法および装置を用いて行うことができる、処置医師に開かれた可能なコースのいくつかを示すことが意図される。図1Aおよび図1Bに示される好適な方法による検査は呼気検査として記載されるが、これらは下に記載されるような他の検査によっても同様に良好に行うことができる。
【0036】
また、上述のGI問題のいずれかを有する疑いのある患者について検出および処置の方法を示す代替的模式図である図1Cを参照する。図1Cのフローチャートでは、医師が患者の症候の強さまたは緊急性の順に必要な検査を行うことができるように、提案される検査法が並列配置で体系化されている。したがって、例えば、胃液逆流(gastric reflux)を羅患する被検者は最初にヘリコバクター・ピロリ(H・p)感染について検査されることになり、そしてこの検査が陰性を示す場合、または該検査が陽性を示し、かつ、処置が症候を除去しない場合にのみ、ヘリコバクター・ピロリ以外の他の検査に着手することが必要となるであろう。
【0037】
本発明の好適な実施態様に係る方法による、図1Bに示される呼気検査の各々の実行方法について、ここで更に詳細な説明を行う。
【0038】
1.ヘリコバクター・ピロリについての呼気検査
ヘリコバクター・ピロリ感染についての呼気検査は、本願の譲受人に譲渡された"Breath Test for the Diagnosis of Helicobacter pylori in the Gastrointestinal Tract"(胃腸管におけるヘリコバクター・ピロリの診断用呼気検査)に関する米国特許第6,067,989号によく記載されており、ここで参照されることによりその全体が本明細書に取り込まれるため、ここでは該検査自体について更に詳細な説明は行わない。図1Bの診断階層における該検査の使用および位置は上に記載され、また図1Cに関して下に記載される。
【0039】
2.胃排出呼気検査(GEBT)
胃排出の遅延に関連する症状としては、嘔気、嘔吐および糖尿病患者における不安定な血糖値が挙げられる。胃の排出不良は、以下の幾つかの理由により起こり得る。
1.幽門および十二指腸を含め、胃の出口は、潰瘍または腫瘍により、あるいは嚥下された大きな摂取可能物により閉塞されることがある。
2.胃への出口の幽門括約筋が食物の通過させるために十分に又は適度な回数で開かないことがある。この括約筋は、非常に小さな粒子のみが胃を出ることを確保するように、また胃を一度出て小腸に入ることができる食物または酸の量を制限するように、神経反射により調節されている。これらの反射は神経に依存するが、この神経は時として損傷を受け得る。
3.胃下部の正常に律動する3回/分の収縮が乱されるため、胃の内容物が幽門括約筋に対して押し出されないことがある。これも通常は神経に起因し、最も一般的な原因は長期的な真性糖尿病であるが、多くの患者では胃排出の遅延の原因は不明であり、そのため特発性胃不全麻痺として診断が与えられる。
【0040】
固形物の胃排出の決定方法は、シンチグラフィの分野において、放射性同位体標識された炭素基質を使用して従来から開発されている。このような方法では、標識基質の排出の進行が、一般には、放射性同位体から放出される放射線の直接的イメージングにより追跡される。類似の時間パラメータを測定するための呼気検査が提案されており、ここで胃からの標識基質の排出の進行は、患者の体内に残るものを測定するのではなく、被検者の息からの標識呼気より追跡される。従来技術の胃排出呼気検査(GEBT)は、一般に、使用される検査プロトコルにより、患者を正常、軽度の遅延および遅延と分類する。
【0041】
従来技術のGEBTは、大抵の場合に、マーカーとしてC13 またはC14 で標識された基質を有する150〜350キロカロリーの固形検査食を投与することにより行われるのが一般的である。このような基質の例は、オクタン酸、オクタン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、またはアセチルロイシンのようなアシルアミノ酸、等である。
【0042】
これらの基質の最適特性は以下の通りである:
1.胃の酸性環境における検査食への良好な結合;
2.胃を出る時の検査食からの迅速な放出;
3.迅速な吸収、代謝および測定可能CO2 への転化;
4.臨床的簡単さのためにGEBTについて液状物および固形物の同時使用;および
5.容易な調製および妥当なコスト。
【0043】
現在利用されている基質はこれらの特性の一部のみを満たすにすぎない。オクタン酸は食物に用いられる固形脂肪に調理後に強固に結合できる。オクタン酸はまた、十二指腸の通過時に食物から迅速に放出されるが、小腸壁に吸収された後は、肝臓に運搬されてそこで代謝されてCO2 を生成する必要がある。これらのプロセスは胃排出と直接に関連するものでなく、胃排出時間を超過する無視できない時間延長することになり、従って、真の胃排出速度の検出における遅延の原因となる。さらに、CO2 が被検者間で変動し得る肝機能に依存することから、結果の変動性も生じ得る。従って、例えば、適量のアルコールの消費から生じる肝機能の一時的な不全ですら、たとえ胃排出それ自体が前述のアルコール消費により影響を受けないとしても、その消費後ある一定時間、胃排出測定に影響を与え得る。
【0044】
さらに、オクタン酸の取扱いには特殊な設備が必要であり、その食物調製を臨床施設において行うためには不適切で不器用である。他方、臨床施設の外で食物調製を行うことは、大抵の呼気試験で一般に受け入れられているような標識基質だけでなく食物全体について、その製造プロセスについて規制許可が必要となる。それ故に、このような手順には高レベルの標準化が必要であり、それに伴う費用は高価である。
【0045】
オクタン酸ナトリウムはオクタン酸のナトリウム塩である。オクタン酸ナトリウムはオクタン酸それ自体よりも取扱い容易であり、胃を出た後に固形物から放出されるが、オクタン酸と同一の間接的な代謝経路を受け、また固形食と均一に混合することが容易でない。
【0046】
酢酸ナトリウムは、液状物および半固形物の胃排出測定のために最適な基質であると考えられている。この非常に簡単で低コストの基質は、十二指腸を通過後に迅速に代謝され容易にCO2 に転化される。しかしながら、酢酸ナトリウムは、水および酸性媒体により容易に希釈され、また胃の環境においては、その食物基材から容易に脱離するため、その経過は必ずしも食物の排出速度を反映しない。それ故に、酢酸ナトリウムは固形食と共に使用するためには臨床的に非実用的である。更に、酢酸ナトリウムを工業的食品調製技術により固形食に結合する必要性により、オクタン酸の不利点の幾つかが酢酸ナトリウムに生じる。
【0047】
アセチルロイシンのようなアシルアミノ酸は、代替的GEBT基質として最近提案されており、結合、代謝および汎用性に関連するオクタン酸の上記技術的難点の大部分を受けないが、比較的に高コストである。さらに、アシルアミノ酸は天然産生物質でないので、使用の承認前に複雑な規制プロセスが必要となることがある。
【0048】
重炭酸ナトリウムは、その容易に利用でき、かつ豊富なCO2 源であること、およびその簡単さと低コストから、代替的基質として提案されている。しかしながら、重炭酸ナトリウムも、食物に容易に結合することができず、そのCO2 含有量を胃壁により容易に放出してしまい、その使用を非実用的とする。
【0049】
14C標識された重炭酸ナトリウムのカプセル化物を使用する呼気検査が、Am. J. Gastroenterol. Vol. 88(3), pp. 462-4, 1993年 3月に公表された論文"Will a NaH14CO3 capsule method accurately measure gastric emptying?"(NaH14CO3 カプセル方法は胃排出を正確に測定するか?)に記載されているようにチーグヘルボイム(Zighelboim)により試みられている。この検査は、該カプセルが胃により「液状」食として排出される2mmの粒径よりも大きく、食物に結合されなかったことから、不成功であった。γカメラ測定により、食物が排出された後に該カプセルが胃に残留することが示された。
【0050】
GEBTを行う際に、1つの呼気サンプルが食物の投与前にベースラインとして通常測定された後に、呼気サンプルが4時間の間、15分毎に通常測定される。これら呼気サンプルは、質量分光法、非分散性赤外分光法、または同位体分析のいずれかの代替方法により通常分析される。基質の代謝速度は13CO2 呼気の変化(デルタ・オーバー・ベースライン;DoB)により決定され、そして代謝基質排出の曲線が、以下のように決定および表現される。
y=a*tb *exp(−c*t)
式中、a、bおよびcは、測定曲線に従って最小自乗フィト等により当てはめられるパラメータである。
【0051】
次に、この曲線の積分により、基質排出の累積曲線が以下のように計算され、
c =m*(1−exp(−κ*t))β
パラメータm、κおよびβが計算される。これらのパラメータを導くために、検査される被検者の身長および体重に基づいてCO2 生成速度の推定値が導かれる。
【0052】
患者の胃排出結果を記述する、GEBTから導かれる、以下の3つの伝導的なパラメータがある。
1.yc =m/2と設定することにより計算される、検査食の半分が胃を出た時間、または半排出時間(t1/2 )。
2.初期の液相排出の後に、食物の固相排出が開始する時間として定義される、ラグ時間(tlag )。
3.log a に等しい胃排出係数(GEC)。このパラメータは基質回収曲線の強度と関連する。
【0053】
ここで、胃排出呼気検査と関連する本発明の好適な実施態様について説明する。本発明に係る方法の利点の1つは、正常、軽度の遅延および重度の遅延を有する患者間で識別するための十分なデータがある場合に、測定および決定を行う間にリアルタイムで上記パラメータのいずれかの計算および分析を行うことである。このことは、確定可能な結果を得るために要する時間を、質量分光法測定を使用するような従来技術の方法により現在必要とされる4時間から、顕著に短縮する。この本発明の方法に係る好適な実施態様の他の顕著な利点は、排出プロセスにおけるピークまたは生理学ノイズを明確に特定する等、胃排出の動態(dynamics)における変化を追跡する可能性である。呼気検査を行うために適した装置および方法が、全て本発明の譲受人に譲渡された、"Breath Test Analyzer"(呼気検査分析装置)に関する米国特許第6,186,958号; "Breath test Methods and Apparatus"(呼気検査方法および装置)に関する米国特許出願整理番号09/542,768号; および"Isotopic Gas Analyzer"(同位体ガス分析装置)に関する米国特許出願整理番号09/508,805号に記載されており、全てが参照されることによりその全体において本明細書に取り込まれる。
【0054】
この手順において以下の3段階がある。
1.多数の被検者からデータを蓄積することにより、t1/2 ,tlag ,デルタ・オーバー・ベースライン(DoB)および胃排出係数(GEC)パラメータについての正常および異常な値または値範囲を決定すること。
2.ある被検者に検査を行い、そして測定進行時に、該計算されるt1/2 ,tlag ,デルタ・オーバー・ベースライン(DoB)強度および胃排出係数(GEC)をリアルタイムでモニタリングすること。
3.これらの4パラメータのモニタリングされるグラフをその測定進行時に追跡し、そして、可能な限り早い時に外挿することにより、上記4パラメータ(t1/2 ,tlag ,DoBおよびGEC)の1つが異常であるか又は上記4パラメータが全て正常であるかを決定し得る、許容誤差限度内の、最終推定値を決定すること。許容誤差は、得られる推定値の関数となり得る。値が正常範囲と異常範囲のボーダーから大きく外れる場合には、ボーダーライン値が得られる場合よりも大きな誤差を許容できる。
【0055】
この好適な手順の実行の例として、表1は、150〜350キロカロリーの固形検査食と共に100mgの13C標識オクタン酸およびアセチルロイシンをマーカーとして投与することにより、単一被検者を4回検査した結果を示す。この表は上記4パラメータの各々がその最終無症候収束値の85%および70%内に外挿された時のピーク後の時間を示す。
【0056】
【表1】
Figure 2005503205
【0057】
正常被検者において到達されるDoBレベルおよびピークに到達するのに要する典型的時間との比較により決定されるように、ピークに到達する前でも高いDoB強度が得られる迅速な胃排出をもった被検者のケースがある。
【0058】
ここで、時間単位での時間の関数として、ある選択された被検者の計算されたt1/2 ,tlag ,DoBおよびGECのリアルタイム進行経過の例を示す4グラフ組である図2A〜図2Dを参照する。測定点のカーブフィッティングは、レーベンバーグ−マーケット(Levenberg-Marquat)アルゴリズムを適用し、呼気分析装置(これはイスラエル国エルサレムのオリディオン・メディカル・リミテッド(Oridion Medical Ltd.)により供給されるモデル ブレスID(BreathID)が好ましい)に内蔵される米国テキサス州78759オースチンのナショナル・インスティテュート・コーポレーション(National Instrument Corporation)により供給されるラボ・ビュー(Lab View)プログラムを使用することによって決定された。前述の係数a,bおよびcについての初期推測値は、公表された文献により示されたt1/2 ,tlag およびGECの予測値から導かれる。この例では、4つの胃排出パラメータについて約1時間後に外挿を行ってよい。
【0059】
症候と胃排出遅延の間に全く相関が無いことが時としてあるので、上述のGEBTは、Gastric emptying in diabetes: clinical significance and treatment.(糖尿病における胃排出:臨床的意義と処置)Diabet Med. 2002年 3月; 19(3): 177-94 に論じられるようなインスリン/薬物・食物管理についての糖尿病患者の定期的管理に特に有用である。消化不良の場合には、消化不良症候が患者を検査するための主な理由である。シスパリド(Cisparide)またはエリスロマイシン等のような胃排出の処置用の第1世代薬物は、一般に、消化不良症候を軽減するのを助けるが、"Gastric emptying rate of solids in patients with nonulcer dyspepsia"(非潰瘍性消化不良を有する患者における固形物の胃排出速度)と題されたマエス BD(Maes BD)による論文において、胃排出遅延が必ずしも全ての消化不良症候の原因でないことが示されている。これらの症候の軽減における、新たに提案されたテガセロッド(Tegaserod)等のような、新たに出現する医薬品の有効性は、未だ十分に明確でないが、このような薬物が前述した薬物よりもGI障害特異的であると指定されているという事実から、その薬物が処方される前の診断が推奨されることがある。このことは、これらの薬物がGI障害を外見上処置するがGI障害を治癒しないので該障害を処置するために継続的に投与されなければならないという事実に起因して特に重要である。
【0060】
痛み、初期満腹感および鼓張の内臓知覚と関連する、他の胃運動性障害として胃拡張と調節の不全の徴候が挙げられ、そのための適当な処置として、筋肉音(muscular tone)を緩和するための薬物、例えばグリセリルトリナイトレート(Glyceryl trinitrate)、セロトニン生成剤または何らかの抗うつ剤、の投与が挙げられる。現在のバロスタット研究はこれらの障害を測定するための臨床用途における臨床的方法にすぎない。
【0061】
本発明の好適な実施態様によれば、胃排出および他の胃運動性障害と関連するこれらの胃腸状態の重症度を測定するための非侵襲性、正確かつ便利な方法も提供される。
【0062】
さらに、本発明の更に好適な実施態様によれば、現在利用可能な基質の不利点を克服する同位体呼気検査用の基質も提供される。この基質は、食品工業において及び徐放性薬物放出のために製薬産業において使用されるようなマイクロカプセル化同位体標識物質を利用するものである。好ましくは、コーティング材料は、胃におけるpHが一般に2.5〜3.5であること比較して、GI管の十二指腸または小腸におけるpHが一般に6と高いpHであることに起因して、胃よりも十二指腸または小腸において分解されるようなものを使用することができる。あるいは好ましくは、GI管の所望部分にのみ見出される特異的酵素によって分解されるコーティングを使用することができる。
【0063】
これらのカプセルは、好ましくは、最も簡単な材料の 13C標識基質、例えば重炭酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウム、で充填される。したがって、マイクロカプセル化は、食物の胃からの排出後に初めて、迅速かつ均質な経路で十二指腸による該物質の特異的マーカー薬物放出を可能とする。
【0064】
オクタン酸のような基質は、通常、卵黄に取り込まれ、そこから検査食であるオムレツが調製される。卵黄からの油がオクタン酸の周囲に疎水性コーティングを形成し、そして調理プロセス中にオクタン酸を保護することから、食物調理時にマイクロカプセル化が生じ、オクタン酸の食物への良好な結合特性を与えることが知られている。
【0065】
前述したように、本発明の他の好適な実施態様によれば、マイクロカプセル化を使用することができ、ここでコーティングはpH環境でなく、ある選択される酵素によって分解される。この方法における選択性は、十二指腸における特異的酵素、例えば膵臓により分泌されか又は胆管を通じて分泌される酵素、の存在に依存する。この好適な実施態様の利点は、液状食のマイクロカプセル化に使用することができ、また被検者間のpHの変動性に依存しないことである。
【0066】
マイクロカプセル化された基質の使用に係るこれらの好適な方法は、従来技術の基質を超える以下のような利点を有する。
1)マイクロカプセルが摂取される食物に均質に分散されるので、胃排出のリアルタイム分析が可能となること。
2)酢酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムのような基質物質が、胃からの排出後に初めて、迅速かつ均質な経路で十二指腸または小腸または大腸において特異的に放出されること。この放出は、pH依存性または特異的酵素依存性とすることができる。さらに、追加的な代謝ステップを必要とすることなく、該基質の吸収を達成することができる。
3)食物への結合特性、胃環境内での安定性、味、使用の利便性等が、基質物質それ自体に非依存性であって、選択されたマイクロカプセル化コーティングの性質にのみ依存性であることから、固形食および液状食の両方に対して同一の材料を使用可能であること。
4)マイクロカプセル化それ自体がキログラム当たり10〜100ドルの領域のコストという低コストプロセスであるとともに、低コスト 13Cマーカーの使用が可能となること。
【0067】
3.胃調節についての呼気検査(GABT)
適当な調節特性をもった上胃は、その体積が増大する間に一定圧力を保持することを可能にする。胃の上部は液状物の胃排出に関与し、固形物の胃排出に対しては殆ど効果が無い。胃の下部は、液状物の胃排出に有意な効果を有しないと考えられている。さらに、過剰な胃内圧が上部胃腸管の症候に関連すること、および高カロリー食が投与されるときに胃排出の阻害が必要とされることが文献から知られている。
【0068】
したがって、本発明の更に好適な実施態様によれば、拡張体積が様々異なる場合に胃排出速度は正常な個人では影響を受けないが調節障害を有する患者では損なわれるという原理に基づく胃調節呼気検査(GABT)が提供される。
【0069】
本発明の異なる好適な実施態様によれば、これらのGABTを実行するために2つの方法が提案される。
【0070】
A. 2食方法
13C標識基質を含有する低体積、好ましくは150ml〜300ml程度、の液状食が、モッシー(Mossi)らによるDigestive Diseases and Sciences, Vol. 39, No. 12, Dec. 1994 Suppl., pp. 107S-109S (参照により本明細書に取り込まれる)に記載されているような従来技術の液状物胃排出検査における公知方法と同様の方法で、被検者に投与される。適した13C標識基質は、限定されないが、酢酸ナトリウム、グルコース、オクタン酸ナトリウム、アセチルロイシン、スピルリナ藻(Spirulina algae)、マクロカプセル化重炭酸塩または他の基質、好ましくは直接かつ迅速な代謝を受けるものが含まれ、これらは液状物胃排出速度の測定に使用することができる。呼気における同位体比が、ベースラインにおいて測定され、その後にリアルタイムで定期的間隔で測定される。好ましくは、デルタ・オーバー・ベースライン曲線が追跡され、その結果から胃からの排出または液状物排出の速度の曲線が決定される。この手順から得られる、時間の関数としての典型的DoB曲線が図4の左側部分に示されており、これは正常な胃調節曲線の典型的な形状である。
【0071】
本発明のこれらの好適な実施態様に係る方法によれば、胃拡張の誘発および/または胃排出速度の制限を行うために、好ましくは以下:
1)高体積、例えば1リットル、の水;
2)アイソトニック溶液
3)酸性溶液、例えば2.5のpHを有するもの;
4)カロリー(caloric)液状食;
の少なくとも1種を含む、第2食が被検者に投与される。この第2食は、胃排出速度についての呼気検査の欄で上述されているような、第1食の胃排出速度を必要な精度まで評価するために十分なデータが蓄積された直後の時間T0 で投与される。T0 は図4の曲線に示されており、また、それ以降の図においてT0 が表示されている。この排出曲線上の傾きの変化、あるいは胃排出パラメータ、例えばt1/2 またはtlag 、の変化が、このDoBプロットから導かれる。このような第2食の望ましい特性は、1)近位胃における拡張効果を引き起こす効果、または2)胃排出の阻害が必要とされるように高カロリー値もしくは低pH値を有する効果、の少なくとも1つである。それ故に、1つの好適で所望される手法は、多量の水を用いること以外は第1食で投与されたものと同一の液状食を投与して底部(fundus)のストレスを誘発し、そして、異なる体積を有すること以外は類似するカロリー含有量の食物の排出速度を測定することである。異なる好適な実施態様によれば、この第2食は同位体標識基質を含むもの又は含まないもののいずれでもよい。同位体標識基質を全く使用しない場合には、第1食の胃調節の効果は第1胃排出曲線(それが存在する場合)の効果により決定される。この場合には、第1食で使用された13C標識基質より生じる13CO2レベルと第2食が干渉しないように、第2食が天然低13C源であることが重要である。
【0072】
この効果は、非標識第2食を用いて行われたGEBTにおいて得られた標識分解生成物の呼気量曲線またはDoB曲線の模式図である図3を参照することにより示される。十分な精度をもって胃排出パラメータが決定された時点である時間T0 において、第2食が投与される。第2食の投与を行わなければ得られたであろう、時間T0 を過ぎてからの曲線の外挿された形状が点線で示されている。この曲線から得られた胃排出パラメータの値が、利用可能となる後、すなわち時間T0 後にすぐに記録される。第2食の投与は、実線で示されるように、この曲線の漸近性テイルエンド(後尾)に変化を生じ得る。ここで、この新たな曲線から胃排出パラメータの新たな値が計算され、その値は当初に得られた曲線から当初得られた胃排出パラメータと比較される。正常な被検者では、胃排出パラメータの値に変化があるとしても殆ど変化しないのに対し、胃調節障害を有する被検者は、一般に、著しく変化した値を示す。
【0073】
同位体標識第2食の場合には、以上に説明したように、第2食について新たな曲線を直接的にモデル化することができ、そして直接的に第2食の排出速度を決定するために新たな組の胃排出パラメータが計算されることから、この好適な手順はより簡単でより直接的である。排出曲線に対する第2食の効果は該第2食の組成に依存する。正常な被検者では、第2液状食は、一般に、第2胃排出曲線の形状に大きく影響せず、図4に図示される2つの曲線の類似性によって示されるように、第1食の曲線の形状と類似する通常の形状を有する。ここで図4に示される第1食は、200mlのエンシュア・プラス(Ensure Plus)に50mgの 13C標識酢酸ナトリウムが添加されたものである。第2食は、600mlの追加的な水を含む200mlのエンシュア・プラスに100mgの 13C標識酢酸ナトリウムが添加されたものである。
【0074】
他方、何らかの型の胃調節障害を有する被検者では、この好適な実施態様によって行われた呼気検査の起こり得る結果は、図5に典型的に図示されるように、第2食の投与により排出曲線の形状を変化させることになる。図4に示される検査で使用された食物と同一の食物を使用する図5に示される例では、胃排出が第1食についてよりも第2食について著しく速いことが見られる。例えば、図5で検査された被検者の場合には、t1/2 は第1食(200ml)について174分である一方、高体積の第2食(800ml)について僅か112分にすぎないことが認められ、したがって被検者が重度の胃調節異常を有することを示す。
【0075】
上述の好適な実施態様で記載した胃排出呼気検査および胃調節呼気検査は、オンラインのリアルタイムガス分析装置を使用するもの、又は被検者の呼気が個別のバッグに集められ、次に、隔たったガス分析機器、例えば質量分光計、に移されるものの、いずれの適した呼気検査装置によっても行い得る。さらに、これらの好適な実施態様に従順な検査は、シンチグラフィ、CT、MRI、超音波、または胃機能を調査決定するために従来技術で知られている他の何れの手段を使用することもできる。
【0076】
しかしながら、これらの好適な実施態様による方法が、上記米国特許文献に記載されるような又は上記オリディオン・メディカル・リミテッドにより供給されるブレスID装置のようなオンラインのリアルタイム呼気分析装置を使用して行われる場合には、第2食は、その検査の要求および被検者の反応に従って、ピーク前またはピーク後の、可能な限り早い時に被検者に投与することができる。したがって、このような装置を使用することは、本発明の好適な方法を適用する他の可能な手段と比較して検査を短縮する。
【0077】
この第1方法を適用するための1つの好適な手順によれば、ベースライン同位体レベルの測定後に、200mlの、例えばエンシュア・プラスまたは他の利用可能な代替物のような、標準的な高カロリー液状検査食に溶解された75mgの13C酢酸ナトリウムが、被検者に投与される。あるいは好ましくは、該カロリー液状食への取込みを容易にするために、13C酢酸ナトリウムを5ml〜15mlの水に予め溶解させることもできる。従来技術で記載されているように、食物投与後に、呼気サンプルが収集され、呼気分析装置により頻繁な間隔で又は準連続的に分析され、そのDoBがリアルタイムで測定される。前述したように、測定点からの当てはめと外挿の結果として曲線が得られ、胃排出パラメータがそれらの漸近値に対する収束とともにリアルタイムで計算される。胃排出パラメータの収束を計算するための可能な方法は、上で参照される米国特許文献に記載されているように、呼気分析装置を制御する計算システムを使用して、胃排出パラメータを時間の関数としてプロットし、最近の測定点の微分値を計算することである。微分値がゼロに近似する時に、該パラメータの収束が達成される。t1/2 およびtlag の値を第2食の排出曲線の値と比較できるように、これらの値の収束が確定的に分かるように決定され次第、上述の第2食が投与される時間T0 の点は到達されたものと仮定する。
【0078】
第2食も標識される場合の好適な実施態様によれば、好ましくは、第2食も200mlの標準的な高カロリー液状検査食に溶解された75mgの13C酢酸ナトリウムを含むが、追加的な600mlの水で希釈される。ここでは、t1/2 およびtlag パラメータが、第2検査食について、それが投与される時である時間T0 から計算される。しかしながら、第2食の投与後の少なくとも最初の時間の間は、第1食の残り部分が、肺により未だ呼気されていないその同位体13C開裂生成物と共に、依然として胃腸管に残留する。それ故に、第1食からのこれらの残留物は、同位体標識第2食から得られる結果と干渉することになる。この生理学的干渉をどのように補正するかを模式的に示す、図6を参照する。図6に示されるように、第1曲線の形状が計算され、そこから低体積食についてのt1/2 およびtlag パラメータを抽出した後に、第2食が投与される時間τ0 を過ぎてからの曲線が外挿され、この外挿された曲線の残留値を測定点から減算して、補正された測定曲線を生成し、そこから高体積食についてのt1/2 およびtlag パラメータの値が得られる。図6では実際の測定された曲線が実線により示され、補正された曲線が点線により示される。
【0079】
第1食および第2食についてのパラメータ組間の偏差が計算される。胃調節障害を有する個人では、高体積の第2液状食の排出速度は第1食の排出速度よりも速い。これは増大した胃内圧の指標となり、それ故に調節(accommodation)の問題の指標である。実行された多数の分析において、有症候患者の半排出時間は、第2食について少なくとも20%速いことが見出された。さらに、これらの同じ検査において、調節障害を有する患者にはtlag (ラグ時間)の大きな減少が見られた。これらの結果は本発明に係るこの好適な方法を使用して行われた検査において得られた結果であって、これらの結果がフルスケール臨床研究において実証されることになるかは明確でないことが理解されるべきである。これらの結果は、この新規の好適な方法の使用を単に例示するために示されるものであり、決してこの方法を限定することが意図されるものでなく、この方法の性能がこれらの結果に依存するものでもない。
【0080】
ここで、一部の被検者が異常胃調節を有し一部の被検者が無症候である一連の被検者間の胃排出パラメータの偏差を示す表である、図7を参照する。以上説明された第1方法についての結果が、「2食手順」と標識された表の左側半分に示されている。これらの結果を、以下説明される「2検査手順」と呼ばれる別の好適な方法により得られた結果と比較する。
【0081】
lag パラメータの差によって表わされるラグ期偏差が有症候被検者では通常大きいことが分かる。第1食のt1/2 およびtlag の高い値は、胃排出遅延の指標にもなる。
【0082】
高カロリー液状検査食が利用される場合のこれら実施態様において、正常被検者では、消化管通過のためのカロリー放出率により、一定した排出速度が一般に見出される。この目的のために特に適した食物は、高パーセントの脂肪を含むカロリードリンク、例えば商業行利用可能なエンシュア・プラスまたはニュートラドリンク(Nutradrink)製品である。このような食物は胃がそのカロリー含有量を小腸に遅く放出するように強制する。またこのような食物は、様々異なる体積の検査食から生じる希釈化とは無関係に、類似する量の標識基質の利用を可能にする。
【0083】
75mgの酢酸ナトリウムを各々含む200mlおよび800mlの水をそれぞれ第1食および第2食として使用して、水のみを検査食として利用する場合には、上述の検査はその特異性の一部を失う。図8に示されるような無症候被検者の検査結果は、その被検者が正常であると分かっていてtlag が不変であっても、高体積水食後のt1/2 時間が低体積水食後のt1/2 時間よりも25%程短いことを示す。低体積および高体積のエンシュア・プラス検査食を使用して類似の検査を行った後に、同被検者は、これら2つの体積についてのt1/2 およびtlag の両方について非常に近い値を示した。
【0084】
胃排出速度を調節するためにクエン酸を使用する場合には、これらのパラメータの収束が著しく遅くなり、特異性も低くなることが一般に見出される。このことは、胃内容物のpHの結果としてその内容物を放出する際の胃の生理学的機構がカロリー消費機構とは多分異なるからであると考えられる。さらに、pHは希釈化により影響を受ける、全カロリー量は影響を受けない。それ故に、異なる体積のために異なる検査食量を利用しなければならない。
【0085】
B. 1食方法
この好適な実施態様では、明確なカロリー含有量を有し、かつ上述の標識マーカーから選択された標識マーカーを含有する単一液状食が、被検者に投与される。液状食のサイズは好ましくは750mlであってよい。この食物は、例えば低pHまたは高カロリー値により設計されて、ある所定時間x(例えば60分)の間、正常な被検者の胃に残留するとともにy(例えば90分)の半排出時間t1/2により規定される排出速度を有すべきことを保証する。呼気検査分析により、デルタ・オーバー・ベースライン曲線が追跡され、その結果から胃による液状物排出の曲線が決定される。この曲線から胃排出パラメータが決定される。
【0086】
正常よりも速い液状食排出速度を有する被検者では、この速い液状食排出速度が増大した胃圧の指標となり得るし、それ故に調節(accommodation)の問題の指標となり得る。呼気検査の起こり得る結果は、排出曲線の傾きの変化である。
【0087】
この最初の検査後に結果が明確でない場合には、食物が濃縮されるように体積が小さい(例えば200ml)こと以外は同一の食物を使用して、呼気検査を繰り返してよい。このようにして、以上説明される2検査方法で説明されるように、体積の効果のみを比較することができる。低体積および高体積液状検査食の投与後の正常な個人から得られる曲線のサンプルが、それぞれ図9Aおよび図9Bに示される。
【0088】
1食方法の不利点は、胃調節障害と共に胃排出遅延を羅患する被検者での感度の幾らかの減少が生じ得ることである。
【0089】
C. 2検査手順
本発明のこの好適な実施態様に係る方法では、検査は、上述した2食方法で説明された検査と実質的に同じであるが、好ましくは、標識基質の代謝経路の効果を含む第1食の効果が第2食投与前に実質的に消散していているような十分に間隔をおいた時に、異なる2回の機会で実行される。この2検査方法は典型的には連続する2日に行われるが、可能な場合または望ましい場合には、第1検査を午前早くに行った後、その日の遅くに第2検査を行うことも実行可能な選択肢である。これらの離隔した2回の各機会で、体積が異なるが同一標識基質を含む検査食が投与される。胃排出の正常範囲および検査曲線のパラメータが決定され、各測定に特異的な検査食体積をもった各測定についてのパラメータ間で相対偏差が計算される。この手法は、1種類の食物のみによる1検査を使用する場合よりも高い信頼度を与え得る。
【0090】
2検査手順の1つの好ましい実施態様によれば、異なる2日に被検者に検査を行う。第1日に、ベースライン同位体呼気測定を行った後に、エンシュア・プラスのような200mlの標準的な高カロリー液状検査食に溶解された75mgの13C酢酸ナトリウムが、被検者に投与される。あるいは、該カロリー液状食への取込みを容易にするために、13C酢酸ナトリウムを5ml〜15mlの水に最初に溶解させることもできる。従来技術で知られているように、食物投与後に、呼気サンプルが呼気分析装置により繰り返し又は連続的に収集され、そのDoBがリアルタイムで測定される。分析の結果に対して測定曲線が当てはめられ、そこから胃排出速度パラメータがリアルタイムで計算され、それらの漸近収束値が決定される。第2日に、同一手順が繰り返されるが、食物は、75mgの13C酢酸ナトリウムを含む200mlの標準的な高カロリー液状検査食に対して600mlの水を追加することによって補正されている。この第2食について、胃排出パラメータが再び計算され、そして第1食の胃排出パラメータからの偏差が計算される。有症候被検者についての幾つかの典型的な検査結果が図10Aおよび図10Bに示される。図10Aでは、同被検者に対して翌日に200mlの高カロリー検査食が投与され、t1/2 の値が156分であることが認められる。図10Bでは、800mlの高カロリー検査食が投与され、t1/2 の値が99分であることが認められる。
【0091】
上述の3手順を呼気検査の形態での実行について説明してきた。しかしながら、上述の胃排出パラメータの測定方法の根底にある概念は、呼気検査によるもの以外の他の異なる測定方法を使用することによっても実行し得ることが理解されるべきである。このような方法としては、限定されることを意図することなく、 99Te, 14Cその他の標識基質を使用する放射性同位体追跡法の使用、追跡されるマーカーとして強磁性材料の使用、X線またはCT方法におけるコントラスト材料の使用、または超音波イメージングにおける気泡の使用、ならびに磁気共鳴、ガンマイメージング、シンチグラフィ等の技術を使用するような代替的測定方法が挙げられる。本発明により記載されるものを含め、その各々の技術分野で知られているように、これらの方法の各々が、その固有の感度、特異性によって並びに利用される食物、集団、臨床設備または利用される測定設備による利便性によって特徴付けられる。
【0092】
胃排出速度を決定するための新たな数学的方法が、East Kilbride. Department of Child Health and School of Veterinary Science, University of Glasgow のトム・プレストン(Tom Preston)により "13C-Breath Test Modeling"(13C-呼気検査モデル化)に既に記載されている方法の代替法として現在提案されている。これらの方法は、各々の異なる代謝もしくは生理プロセスに対するへビサイド(Heaviside)関数に正規化された異なる微分方程式またはそれらの均等物を結合(coupling)することに基づくものである。こうして異なるパラメータが、各式について得られ、組み合わされて、t1/2 およびtlag またはその均等物を得る。これらの計算方法は、その数学的手法においてのみ当該時術分野で知られている方法とは異なるものであるが、シンチグラフィ分析において使用されるものと同一の呼気検査手順または胃排出研究に基づくものである。
【0093】
標識基質の量は、数学的均質性を示すGECのような同位体強度に関連するパラメータに影響を与えるにすぎず、t1/2 およびtlag のようなパラメータには影響を与えないことが観測されている。それ故に、本発明の好適な方法は、胃排出速度パラメータの計算に係る何れの特定の方法に限定されることを意味するのではなく、上述のモデルのような代替的数学的モデルにも適用可能であることが理解されるべきである。
【0094】
本発明の更に好適な実施態様によれば、胃排出障害の機械的原因または化学的原因のいずれかを区別することが臨床的に意義があることも提案される。本発明の目的は、この指標を、検査実行時に食物に対する被検者の症候性応答を記録することにより提供することである。したがって、胃調節障害の疑いがある患者を調査するための上記2食手順方法および2検査手順方法において、高体積検査食が投与されたときにのみ不快な症候が観察される場合には、その症候は該体積に対する機械的応答の指標である。小量食により不快な症候が観察される場合は、それは該食物のカロリー組成もしくは酸性組成に関連する症候の又は「化学的ストレス感覚」(chemical stress sensation)と呼ばれるものの指標である。不快な症候を測定するために幾つかの方法、例えば、臨床技術分野でよく知られているような症候質問、臨床観察、顔面認識、バイオフィードバック等、がある。
【0095】
4.細菌過剰増殖
消化不良、IBSまたは胃腸疾病についての他の知られている原因は、細菌過剰増殖または大腸菌による小腸もしくは上部胃腸管のコロニー形成、ラクトース不耐性その他の等の吸収不良、または低胃腸運動性である。細菌過剰増殖について、大腸外のこれら微生物レベルの評価は、胃鏡検査法(これは煩しく、患者に不快であり、人間の解釈に依存する)により、又は水素呼気検査(HBT)により通常行われる。HBTは、胃で分解されないラクトース等のある量のマーカー糖の被検者への投与の前後の呼気を分析することによって行われる。細菌がラクトースを分解して、ラクトース代謝の天然の結果として、ヒトのような大型生物によっては発生しないガスである水素を発生する。したがって、被検者の呼気中で測定される水素レベルの増大は、細菌活性の指標となる。胃で分解されない他の糖に関して、ラクトースが大腸に到達するために要する時間は約3時間である。それ故に早期の水素ピークは、細菌過剰増殖の信号である。
【0096】
この従来技術のHBTの主な不利点は、食物が小腸を通過する間の正確な時間を特定する必要性である。異なる被検者間での、および同一被検者間であっても異なる時間での、胃腸通過時間の変動に起因して、偽陰性および偽陽性の診断が生じ得る。
【0097】
したがって、これらの欠点を克服するために、本発明の更に別の好適な実施態様によれば、細菌の存在下で水素を発生するラクトース等のような基質を含有するだけでなく、胃腸管内で基質の位置を示すように作用する第2の同位体標識マーカーをも含有する、基質を投与する検査法が提案される。水素発生は細菌叢が存在する場合の細菌叢の発酵作用を示すように測定され、第2マーカーの分解生成物の第2測定が、一般に、水素発生量の測定と同時に行われる。この第2測定は、好ましくは、標識炭素基質の被検者による代謝の結果として生成する標識CO2 の測定であってよい。
【0098】
本発明の好適な実施態様によれば、スパイロメーターまたはガスクロマトグラファーのようなH2 検出器が、呼気検査装置の部分である同位体ガス分析装置に組み込まれる。好ましくは、従来技術に記載されているような中間セル(intermediate cell)により、ある制御範囲のCO2 濃度においてサンプルガスが収集される。
【0099】
小腸または大腸におけるH2 発生、および基質の小腸の通過の両方をチェックするために、好ましくは、幾つかの異なる種類の基質を使用してよい。この呼気検査を行うための第1の好適な方法によれば、標識CO2 生成の測定のために、小腸で体により迅速に吸収または代謝される比較的小量の13C標識基質、例えば100mgのグルコースまたは酢酸ナトリウムまたはマイクロカプセル化重炭酸塩と一緒に、比較的大量のグルコースまたはラクトース、例えば100gが、被検者に投与される。グルコースは、それが小腸に到達した時にのみ患者の体によって吸収および迅速に代謝され、この時点で被検者の呼気中の標識CO2 として検出可能となる。グルコースは、細菌によっても代謝可能であり、これが呼気中のH2 として検出される。13CO2 ピークが少なくともH2 の前の所定時間に生じることにおいて13CO2 およびH2 のガス性ピークが時間的に正しく分離される場合には、このことは被検者の細菌集団の位置が正常であることを示す。この状況は図11に示される模式的な呼気検査の結果に例示される。他方、図12に模式的に示されるように、H2 ピークが13CO2ピークと近い時間に位置する場合には、そのことは小腸における細菌過剰増殖の存在を示す。13CO2 ピークよりも遥かにブロードで長続きする場合の水素呼気の「ピーク」、ならびに請求の範囲に記載されるようなH2 ピークそれ自体としての言及、および13CO2 ピークに対するH2 ピークの時間的位置は、このように条件付けされることが留意されるべきである。実際に、大部分の実際の場合において、水素の「ピーク」位置の測定の代わりに、H2 呼気の測定は、水素呼気がベースラインレベルを超えたある一定のレベルを達成する位置によって決定される。
【0100】
正常な個人では、グルコースは小腸で体により吸収および代謝される。細菌代謝による検出可能な水素ピークを与えるために、いずれの残留グルコースでも大腸で利用可能となる。しかしながら、幾つかの例では、正常な被検者における細菌代謝からの検出可能な水素ピークを与えるべく大腸へ通過するために残留するグルコースが不十分となる場合がある。この場合には、ラクトース等の非分解性糖が、検査基質として含まれる。
【0101】
他の例では、100mgの 13C標識基質が、細菌過剰増殖水素呼気検査のための専用検査基質、例えば10gのラクトースと一緒に、投与される。上述のように、図11に模式的に示されるように、13CO2 ピークがH2 ピークよりも著しく先行する場合には、このことは患者の細菌集団が正常であることを示す。図13に示されるように、H2 「ピーク」が13CO2 ピークとほぼ同時に生じる場合には、そのことは小腸における細菌過剰増殖の存在を示す。しかしながら、この例では、検査基質としてラクトースのような非分解性糖の存在が、水素ピークが細菌過剰増殖を有する被検者の小腸におけるものか、又は正常被検者の大腸におけるものか、検出されることを保証する。
【0102】
13C標識基質の既知の代謝より生じる 13CO2 は、食物が胃腸管に到達した時点を決定するためのマーカーピークであり、それ故に、異なる代謝動態に起因するか又は被検者の臨床状態に起因する消化速度の差を克服する。それ故に、この好適な方法は、胃腸通過時間における患者内および患者間の変動に係る従来技術の不利点を克服するものである。
【0103】
本発明の更に好適な実施態様によれば、摂取される基質における水素およびCO2 マーカーの同時使用は、オロセカル通過時間の加速または遅延を決定するための方法も提供する。これは食物の経口投与と、大腸菌により糖の発酵が行われる大腸へのその食物の到達との間の時間である。このプロセスは低標識CO2 生成量と共に水素の高ピークによって特徴付けられる。
【0104】
他の代替的な検査食としては、限定されないが、比較的大量、例えば70〜100gの非標識グルコースまたは10gのラクトースと一緒の、標識酢酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、グルコース、アセチルロイシンのようなプローブ、またはマイクロカプセル化標識基質が挙げられる。
【0105】
本発明に係る方法の更に好ましい実施態様によれば、多量に与えられる、これらの基質は、アルカリ性腸内媒体においてのみ放出可能とするように設計されたマイクロカプセル化手段中に取り入れられる。これにより、検査の時間的精度における改善を達成することが可能となる。あるいは、2成分を同一食において分離して提供することができ、これは特に簡単な適用方法である。単一標識基質および同時/単一のマイクロカプセル化マーカーは、体による吸収と代謝および/または細菌発酵がGI管で同時に生じる従来技術を超える利点を有する。
【0106】
あるいは好ましくは、オロセカル胃時間を示すために、重炭酸塩のような迅速放出の標識基質を含有する、大腸で分解可能なマイクロカプセル化配合物が利用され得る。
【0107】
本発明の他の好適な実施態様によれば、ラクトース呼気検査(LBT)および他の糖吸収不良、例えばフルクトースまたはマルトースまたはスクロース不耐性の時間を短縮し、かつ、その精度を改善するための方法が提供される。ラクトース不耐性は総人口の25%に起こり、乳中のラクトースを体による利用のためにグルコースまたはガラクトースに代謝する酵素であるラクターゼの体内の低利用効率によって特徴付けられると考えられている。このラクターゼ欠損の結果として、未代謝ラクトースが大腸菌により発酵され、検出可能なH2 を発生する。このような未代謝ラクトースの大腸における吸収を検出するために、13C−ラクトース摂取後の13CO2 およびH2 の同時測定が、ラクトース不耐性の診断のために提案されている。残念ながら、13C標識ラクトースは高価であり、容易に利用可能でなく、この提案を魅力のない検査方法にする。適度に安価に利用可能である13C濃縮供給物と共に乳生産牛に供給することによる、天然 13C標識ラクトースが示唆されている。しかしながら、このような乳の濃縮レベルは許容できる結果を生み出すためには低すぎるものであり、その変動性は標準化のためには高すぎる。したがって、本発明の他の好適な実施態様によれば、ラクトース不耐性を検出するための同時食(dual meal)の供給方法が提供される。この同時食は、大腸に到達するときにのみ主に吸収され、かつ、低コストで容易に利用可能な糖である、13C標識キシロースのような標識マーカー基質と一緒に天然ラクトースを含む。したがって、この同時食の摂取後に、図12に示されるように、13CO2 がH2 とほぼ同時に検出される場合には、そのことはラクトースがラクターゼ酵素の不存在に起因して小腸では吸収されていないが、標識ラクトースと一緒に大腸に到達したことの指標である。他方、H2 が全く13CO2 と共に検出されない場合には、このことはラクトースが正しく小腸で吸収され、被検者がラクトース不耐性を羅患していないことの指標である。さらに、内在性ラクターゼの欠乏がある場合には、H2 ピークが13CO2ピークの直ぐ後に予想され、そのためH2 ピークが出現するか否かを見るために長時間待つ必要が無いことが知られているので、この同時食の使用により検査時間の短縮が可能になる。
【0108】
本発明の更に他の好適な実施態様によれば、ラクトース不耐性のような糖吸収不良の存在または細菌過剰増殖の存在の一方または両方を決定するために、ラクトースと、小腸で吸収されるマーカー基質、例えば 13C標識酢酸ナトリウムとを含む、同時食を使用し得る。被検者が細菌過剰増殖を羅患しているが、ラクトース不耐性を羅患していない場合には、ラクトースの大部分が小腸で迅速に吸収されるが、小量は小腸での細菌過剰増殖と接触することに起因して水素を発生する。結果として、図11に示されるように、その食物が小腸を通過している際に、13CO2 ピークとほぼ同時に小さなH2 ピークが生じる。他方、被検者がラクトース不耐性を有する場合には、実質的に全てのラクトースが大腸の細菌に到達する時に大きなH2 ピークが生じ、このピークは、前に説明したように標識酢酸ナトリウムの小腸の通過時に生成する13CO2 ピークよりも遅く生じる。被検者が両方の障害を羅患している場合には、ラクトース吸収機構の不存在により、ラクトースの全てのラクトースが小腸での細菌過剰増殖に曝されるために小腸で利用可能となり、その結果は13CO2 ピークと同時に大きなH2 ピークが生じる。
【0109】
あるいは、大腸で代謝される標識基質、例えばキシロースまたはマイクロカプセル化重炭酸塩も、ラクトースと一緒に利用し得る。このような場合に、早い水素ピークおよび遅い標識基質ピークは細菌過剰増殖の指標である。同時に生じる2つのピークはラクトース不耐性の指標である。
【0110】
本発明の更に他の好適な実施態様によれば、13C標識グルコース、酢酸ナトリウムまたは他の 13C標識物質を、同一機会の1検査における胃調節、胃排出および細菌過剰増殖の組合せ型評価のためのグルコースまたはラクトースを含む固形/液状検査食に利用することもでき、これにより、患者がクリニックに訪問しなければならない回数を減らすころができる。
【0111】
細菌過剰増殖呼気検査は、以下の点により要約することができる:
1.食物が小腸を通過するとすぐに小腸で吸収されてCO2 ピークを生じる、13C標識により食物が標識される。
2.同食物は、それが大腸での正常な細菌濃度に到達する時に、呼気検査(BT)におけるH2 ピークを生じる。
3.従来技術で使用されるラクトースのような非分解糖を使用することにより、H2 ピークが生じるために要する時間に従って細菌過剰増殖を決定する。
4.CO2 ピークおよびH2 ピークの両方を検出するためにBTを行う。これらのピークが時間的に正しく分離される場合には、患者の細菌位置が正常である。H2 ピークがCO2 ピークと近い時間に生じる場合には、そのことは小腸での細菌過剰増殖の存在を示す。
5.その利点は、その食物がGI管において到達した場所を決定するためのマーカーピークとしてCO2 を用いることにより、異なる代謝または患者の臨床状態に起因する消化速度の差が克服されることである。
【0112】
以上に説明され、そして特に示された事項によっては本発明が限定されないことが当業者に理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、以上に説明された様々な特徴のコンビネーションおよびサブコンビネーションの両方、ならびに当業者が以上の説明を読むことによって行われるであろう変形および改良であって従来技術に含まれないものを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1A】GIハイリスクグループに属する無症候患者について(図1A)あるいは消化不良またはIBSの症候を有する患者について(図1B)、可能な検出および処置のコースを説明する模式的フローチャートである。
【図1B】GIハイリスクグループに属する無症候患者について(図1A)あるいは消化不良またはIBSの症候を有する患者について(図1B)、可能な検出および処置のコースを説明する模式的フローチャートである。
【図1C】並列配置で体系化された提案される検査法を示すことで、上述のGI問題のいずれかを有する疑いのある患者について検出および処置の方法を示す代替的模式図である。
【図2A】時間単位での時間の関数として被検者の計算されたt1/2 ,tlag ,DoBおよびGEC胃排出パラメータのリアルタイム進行経過の例を示す4グラフ組の1つである。
【図2B】時間単位での時間の関数として被検者の計算されたt1/2 ,tlag ,DoBおよびGEC胃排出パラメータのリアルタイム進行経過の例を示す4グラフ組の1つである。
【図2C】時間単位での時間の関数として被検者の計算されたt1/2 ,tlag ,DoBおよびGEC胃排出パラメータのリアルタイム進行経過の例を示す4グラフ組の1つである。
【図2D】時間単位での時間の関数として被検者の計算されたt1/2 ,tlag ,DoBおよびGEC胃排出パラメータのリアルタイム進行の例経過を示す4グラフ組の1つである。
【図3】非標識第2食を用いて行われるGEBTにおいて得られた標識分解生成物の呼気量またはDoB曲線の模式図である。
【図4】正常な胃調節機能を有する患者について2食手順より生じる、時間の関数としての典型的DoB曲線である。
【図5】胃調節障害を有する被検者について2食手順より生じる、時間の関数としての典型的DoB曲線である。
【図6】未だ肺により呼気されていない同位体 13C開裂生成物により、胃腸管に依然として残留する第1食の残留部分について第2食曲線における補正がどのようにして行われるかを模式的に示す図である。
【図7】2食手順および2検査手順について、一部の被検者が異常胃調節を示し一部の被検者が無症候である一連の被検者間の胃排出パラメータの偏差を示す表である。
【図8】第2食として高体積水食を用いる2食検査を実行する無症候被検者の検査結果を模式的に示す図である。
【図9】図9Aおよび図9Bは、それぞれ低体積および高体積の液状検査食の投与後の正常個人からの胃排出曲線の模式的サンプルを示す図である。
【図10】図10Aおよび図10Bは、2日検査について症候性患者からの胃排出曲線の模式的サンプルを示す図であり、図10Aでは200mlの高カロリー検査食が投与され、図10Bでは800mlの高カロリー検査食が投与される。
【図11】得られた曲線の模式的例であって、各々が水素ピークと同位体標識二酸化炭素ピークの両方を示して、細菌過剰繁殖および糖吸収不良など異なるIBS障害をもった被検者から得られた結果を示す図である。
【図12】得られた曲線の模式的例であって、各々が水素ピークと同位体標識二酸化炭素ピークの両方を示して、細菌過剰繁殖および糖吸収不良など異なるIBS障害をもった被検者から得られた結果を示す図である。
【図13】得られた曲線の模式的例であって、各々が水素ピークと同位体標識二酸化炭素ピークの両方を示して、細菌過剰繁殖および糖吸収不良など異なるIBS障害をもった被検者から得られた結果を示す図である。

Claims (52)

  1. 被検者における少なくとも1つの胃腸状態の決定方法であって、
    その群の各呼気検査が前記被検者と関連する胃腸情報を与える、呼気検査群より選択された第1呼気検査を前記被検者に実行するステップと、
    少なくとも前記第1呼気検査の結果に従って、前記呼気検査群より選択される少なくとも第2呼気検査を前記被検者に実行するステップと、
    前記呼気検査の少なくとも1つの結果から前記被検者の胃腸状態を決定するステップとを含んでなる方法。
  2. 前記状態が、消化不良および過敏性腸症候群の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記消化不良が、胃排出障害、胃調節障害およびヘリコバクター・ピロリ感染の少なくとも1つにより生じるものである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記過敏性腸症候群が、糖吸収不良障害、細菌過剰増殖およびオロセカル通過時間障害の少なくとも1つにより生じるものである、請求項2に記載の方法。
  5. 前記糖吸収不良障害が、ラクトース不耐性、フルクトース不耐性、スクロース不耐性およびマルトース不耐性の少なくとも1つである、請求項4に記載の方法。
  6. 同位体呼気検査のための基質の提供方法であって、同位体標識物質をマイクロカプセル化するステップを含んでなり、前記同位体標識物質が胃腸管の所定部分において放出されるように該マイクロカプセル化コーティング材料の性質が選ばれる方法。
  7. 前記マイクロカプセル化コーティング材料は、該コーティング材料が通過する環境のpH値により該コーティング材料が分解して前記同位体標識物質を放出するように選ばれる請求項6に記載の方法。
  8. 前記マイクロカプセル化コーティング材料は、該コーティング材料が胃を通過した後に初めて分解して前記同位体標識物質を放出するように選ばれる、請求項7に記載の方法。
  9. 前記同位体標識物質が、十二指腸の通過を決定するためにマーカーとして用いられる、請求項8に記載の方法。
  10. 前記マイクロカプセル化コーティング材料は、該コーティング材料が通過する酵素環境により生じる酵素作用の効果の下で該コーティング材料が分解して前記同位体標識物質を放出するように選ばれる、請求項6に記載の方法。
  11. 前記酵素は、前記同位体標識物質が十二指腸の通過を決定するためにマーカーとして用いられるように、膵臓および胆嚢の少なくとも1つにより分泌されるものである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記マイクロカプセル化コーティング材料は、該コーティング材料が前記同位体標識物質よりも投与される食物に対して容易に結合し得るものである、請求項6に記載の方法。
  13. 被検者の胃排出の決定のための呼気試験の実行方法であって、
    呼気サンプルを被検者から収集し得るか又は実質的に連続して分析し得るガス分析装置を備えるステップと、
    多数の被検者の呼気を収集および分析し、t1/2 ,tlag ,デルタ・オーバー・ベースライン(DoB)および胃排出係数(GEC)パラメータの少なくとも1つの値について平均基準値を予め決定するステップと、
    標識マーカーを含み、その副生成物が被検者の胃から出た後に被検者の呼気中に吸収および呼気される検査食を、被検者に投与するステップと、
    該呼気検査の進行時に、前記被検者のt1/2 ,tlag ,デルタ・オーバー・ベースライン(DoB)および胃排出係数(GEC)パラメータの少なくとも1つを、リアルタイムで計算するステップと、
    可能な限り早い時に、許容誤差限度内に外挿することにより、前記パラメータの少なくとも1つが前記予め決定された基準値から大きく逸脱するかどうかを決定可能な前記パラメータの少なくとも1つの最終推定値を決定するステップと
    を含んでなる方法。
  14. 前記被検者が前記分析装置に呼気サンプルをまだ供給中である間に、前記被検者における胃排出障害の指標が提供される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記被検者の前記呼気の継続中分析によって、前記被検者における胃排出障害の指標が提供される、請求項13に記載の方法。
  16. 被検者における胃調節の決定方法であって、
    所定第1体積を有する液状第1食を前記被検者に投与するステップと、
    前記被検者の胃からの前記第1食の排出速度を決定するステップと、
    前記所定第1体積よりも大きな所定第2体積を有し、かつ、所定の胃滞留特性を有する液状第2食を前記被検者に投与するステップと、
    前記被検者の胃からの前記第2食の排出速度を決定するステップと、
    前記第1食の排出速度と前記第2食の排出速度との間の偏差により該被検者の胃調節を決定するステップと
    を含んでなる方法。
  17. 前記所定第2体積が、前記被検者における胃拡張を引き起こすために十分である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記所定第2体積が少なくとも750ミリリットルの液である、請求項16に記載の方法。
  19. 前記胃滞留特性が、前記液状食の所定pH、所定カロリー値および所定組成の少なくとも1つにより生じるものである、請求項16に記載の方法。
  20. 前記所定pHが3.0よりも小さい、請求項19に記載の方法。
  21. 前記所定カロリー値が少なくとも200キロカロリーである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記所定組成がアイソトニック組成である、請求項20に記載の方法。
  23. 前記液状第2食の前記被検者への投与は、前記被検者の胃からの前記第1食の排出速度が決定可能であるとすぐに行われる、請求項16に記載の方法。
  24. 前記液状第2食の前記被検者への投与は、前記被検者の胃からの前記第1食の排出速度が決定されるとすぐに行われる、請求項16に記載の方法。
  25. 前記液状第2食の前記被検者への投与は、前記被検者での前記第1食の実質的に全ての生理学的効果が終了した時の後に行われる、請求項16に記載の方法。
  26. 前記液状第2食の前記被検者への投与が、前記第1食の次の日に行われる、請求項25に記載の方法。
  27. 被検者における胃調節を決定するための方法であって、
    所定体積を有し、かつ、所定の胃滞留特性を有する液状食であって、多数の正常被検者についての前記液状食の平均胃排出速度が既知であるものを、前記被検者に投与するステップと、
    前記被検者の胃からの前記液状食の排出速度を決定するステップと、
    前記多数の正常被検者についての前記液状食の平均胃排出速度と前記被検者の胃からの前記液状食の排出速度との間の偏差により前記被検者の胃調節を決定するステップと
    を含んでなる方法。
  28. 前記所定第2体積が、前記被検者における胃拡張を引き起こすために十分である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記所定第2体積が少なくとも750ミリリットルの液である、請求項27に記載の方法。
  30. 前記胃滞留特性が、前記液状食の所定pH、所定カロリー値および所定組成の少なくとも1つにより生じるものである、請求項27に記載の方法。
  31. 前記所定pHが3.0よりも小さい、請求項30に記載の方法。
  32. 前記所定カロリー値が少なくとも200キロカロリーである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記所定組成がアイソトニック組成である、請求項31に記載の方法。
  34. 胃内圧に対する食物体積の効果を決定するための呼気検査法であって、
    所定体積を有し、かつ、所定の胃滞留特性を有する同位体標識された液状食を、前記被検者に投与するステップと、
    同位体標識された呼気について行われる呼気検査により、前記被検者の胃からの前記液状食の排出速度を決定するステップと、
    前記所定体積を変化させて、前記投与ステップおよび決定ステップを繰り返すステップと
    を含んでなる方法。
  35. 前記排出速度の決定が、呼気検査、シンチグラフィ、X線コンピュータ断層撮影、ガンマイメージングおよび超音波方法の1つにより行われる、請求項16〜34のいずれかに記載の方法。
  36. 被検者における胃腸障害の決定方法であって、
    少なくとも2種のマーカー物質であって、被検者の胃において概ね吸収されず、かつ、細菌の存在下で水素を放出する第1物質、および被検者の胃腸管における食物の位置を示すように作用する第2物質を含む、食物を被検者に投与するステップと、
    前記被検者における水素の発生を呼気検査により検出するステップと、
    該被検者の胃腸管内の前記水素が発生する位置を第2マーカー物質により決定するステップと
    を含んでなる方法。
  37. 前記第2マーカー物質の副生成物が、前記被検者の胃腸管内の水素発生位置が前記被検者の呼気における水素の出現と第2マーカー物質の副生成物の出現との間の時間的関係によって決定されるような呼気検査により検出される、請求項36に記載の方法。
  38. 前記第2マーカー物質が炭素同位体により標識されており、前記副生成物が同位体標識二酸化炭素である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記第1物質は、第2マーカー物質の検出時間に対する水素の検出時間を用いて前記小腸における細菌過剰増殖の存在を決定するように、前記被検者の小腸において代謝されない糖である、請求項36〜38のいずれかに記載の方法。
  40. 前記第2物質は、前記被検者の呼気において前記第2マーカー物質の副生成物と水素とが概ね同時に出現することが前記被検者における細菌過剰増殖の存在の指標となるように、前記被検者の小腸において代謝される標識糖である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記第2物質は、前記被検者の呼気における前記第2マーカー物質の副生成物の出現が水素の出現よりも著しく先行することが前記被検者における細菌過剰増殖の不存在の概ね指標となるように、前記被検者の小腸において代謝される標識糖である、請求項39に記載の方法。
  42. 前記第1物質が、グルコースおよびラクツロースの少なくとも1種である、請求項39〜41のいずれかに記載の方法。
  43. 前記第2物質が、標識された酢酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、グルコース、アセチルロイシンのようなプローブ、またはマイクロカプセル化標識基質の少なくとも1種である、請求項39に記載の方法。
  44. 前記第1物質は、前記第2マーカー物質の小量の検出と実質的に同時である水素の検出を用いて前記被検者のオロセカル通過時間を決定するように、前記被検者の小腸において概ね代謝される糖である、請求項36〜38のいずれかに記載の方法。
  45. 前記第1物質は、第2マーカー物質の検出時間に対する水素の検出時間を用いて前記被検者における糖不耐性を決定するように、前記第1物質が実質的に吸収されないで前記被検者の大腸に到達し、そこで大腸菌の存在により水素が発生するように、前記被検者の小腸において吸収不良であると考えられる一群の糖である、請求項36〜38のいずれかに記載の方法。
  46. 前記第2物質は、前記第2マーカー物質の標識副生成物の検出と実質的に同時である水素の検出を用いて前記被検者における糖不耐性を決定するように、大腸において概ね吸収される同位体標識物質である、請求項45に記載の方法。
  47. 前記第2物質が炭素同位体により標識されたキシロースであり、前記副生成物が同位体標識二酸化炭素である、請求項46に記載の方法。
  48. 前記第2物質は、前記第2マーカー物質の標識副生成物および水素の検出の相対的な時間および量を用いて前記被検者が糖不耐性および細菌過剰増殖の一方または両方であるかどうかを決定するように、小腸において概ね吸収される同位体標識物質である、請求項45に記載の方法。
  49. 前記第2マーカー物質の標識副生成物の検出と実質的に同時に起こる、細菌の存在下での前記第1物質の小部分に特徴的な水素の小量の検出は、前記被検者が細菌過剰増殖を羅患していることを示す、請求項48に記載の方法。
  50. 前記第2マーカー物質の標識副生成物の検出よりも遅い水素の検出は、前記被検者が糖不耐性を羅患していることを示す、請求項48に記載の方法。
  51. 前記第2マーカー物質の標識副生成物の検出と実質的に同時に起こる、細菌の存在下での前記第1物質の大部分に特徴的な水素の大量の検出は、前記被検者が糖不耐性および細菌過剰増殖を羅患していることを示す、請求項48に記載の方法。
  52. 前記糖がラクトース、フルクトース、マルトースおよびスクロースからなる群の少なくとも1種である、請求項45〜51のいずれかに記載の方法。
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