JP2005313030A - スラリ再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スラッジ中に含まれる砥粒を効率的に回収してスラリの再生に用いる方法を提供すること。
【解決手段】本発明のスラリの再生方法は、(1)砥粒とそれを分散する水性の分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリ1を、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分3bを回収し、(2)1次遠心分離により得られた液分3aを2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分5aと、その残りのスラッジ5bとに分離し、(3)スラッジ5bを水性媒体で希釈後、3次遠心分離により固形分7bを回収し、(4)この固形分7bを前記砥粒が主成分の固形分3bと共に再生砥粒として利用することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のスラリの再生方法は、(1)砥粒とそれを分散する水性の分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリ1を、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分3bを回収し、(2)1次遠心分離により得られた液分3aを2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分5aと、その残りのスラッジ5bとに分離し、(3)スラッジ5bを水性媒体で希釈後、3次遠心分離により固形分7bを回収し、(4)この固形分7bを前記砥粒が主成分の固形分3bと共に再生砥粒として利用することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、スラリの再生方法に関する。
一般に、シリコンインゴットをウエハにスライスするには、マルチワイヤソー(以下、「MWS」とする。)が使用される。MWSを用いて、ウエハをスライスする際、通常、分散媒に砥粒を分散してなるスラリが使用される。スラリは、主に研磨剤及び放熱剤としての役割を有する。ウエハのスライスに使用されたスラリには、通常、シリコン切屑が混入する。スラリは、通常、繰り返し使用されるが、使用されるにつれてスラリに含まれるシリコンの質量比が高くなる。このシリコンの質量比が高くなると、ウエハのスライスの際に、種々の問題が生じる。例えば、スラリ中のシリコン切屑の質量が5%以上になるような場合では、砥粒の切削能力の低下により、スライス後のウエハにTTV、そり及び断付きなどの不良が続発し歩留まりの低下を起こすばかりでなく、スライス用ワイヤの断線が発生して歩留まりが0%になるばかりでなくマルチワイヤソー本体にも深刻なダメージたとえばワイヤガイドの破損などが発生し稼働率の低下を招くようなことがある。
また、水性の分散媒(例えば、水とポリエチレングリコール(PEG)の混合液からなる。)を使用する場合で、ウエハのスライス完了までタンク内に一定量溜めて使用する場合や少量のスラリを循環して使用する場合などで、スライス中にシリコン切屑の量が質量比にして12%以上になる場合には、切屑の混入により、スラリの粘度が上昇することによりウエハの間にスラリが滞留してウエハがスカート状(桃状)に広がりワイヤ抜きが出来なかったり、また出来たとしてもワイヤがウエハを割って歩留まり低下を招くことなどがあり、また固形物がウエハ表面に固着することが多く洗浄に手間取ったり時間がかかるといった問題が発生することが多い。
このような問題を防ぐには、使用済みのスラリからシリコン切屑を除去して、スラリを再生させることが必要である。スラリの再生は、従来、以下のような方法で行われていた(例えば、特許文献1を参照。)。その方法は、使用済みのスラリをまず、遠心分離機(1次)を200G〜1200Gの超低G(一般的には、「一次分離」と呼ぶ)により砥粒が主成分の重比重液と、分散媒と切屑(たとえばシリコン切屑)が主成分の低比重液に分離する。一般的には、砥粒が主成分の重比重液を砥粒回収液とか一次回収液と呼ぶ。その後、分散媒と切屑(たとえばシリコン切屑)が主成分の低比重液を2000G〜3500Gの遠心分離機(2次)にかけて(一般的には、「二次分離」と呼ぶ)、切屑(たとえばシリコン切屑)と砥粒(1次分離で回収されなかったものや微細化したものなど)の固形物(通称スラッジ)と分散媒が主成分の再生分散媒に分離し、その後に、1回目の遠心分離で得られた砥粒が主成分の重比重液と2回目の遠心分離で得られた分散媒が主成分の再生分散媒とを混合し、さらに比重や粘度をもとに新砥粒及び新分散媒を混合して再生スラリを作成してMWSで使用する。
この他にも、特許文献2などで、スラリの再生方法が示されている。
特開2003−340719号公報
特開2003−230880号公報
しかし、これらの方法では、スラッジ中に含まれる高価な砥粒を廃棄しており、ウエハの製造コストを引き上げる要因となっている。
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、スラッジ中に含まれる砥粒を効率的に回収してスラリの再生に用いる方法を提供するものである。
本発明のスラリの再生方法は、(1)砥粒とそれを分散する水性の分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収し、(2)1次遠心分離により得られた液分を2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分と、その残りのスラッジとに分離し、(3)スラッジを水性媒体で希釈後、3次遠心分離により固形分を回収し、(4)この固形分を前記砥粒が主成分の固形分と共に再生砥粒として利用することを特徴とする。
従来は、スラッジは、シリコン含有量が多いなどの理由から廃棄されていた。発明者は、スラッジを水性媒体で希釈後、遠心分離により固形分を回収し、シリコン含有量の少ない状態で砥粒を回収することができることを見出し、本発明の完成に到った。
本発明よれば、高価な砥粒を廃棄することなく、繰り返し使用することができる。また、従来は、スラッジの廃棄に費用が必要であったが、本発明によれば、廃棄物の量を減少させることができるので、廃棄にかかる費用を削減できるという効果も得られる。また、廃棄物の削減は、環境保護の観点からも有益である。
1.第1の実施形態
本発明の第1の実施形態に係るスラリの再生方法は、(1)砥粒とそれを分散する水性の分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収し、(2)1次遠心分離により得られた液分を2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分と、その残りのスラッジとに分離し、(3)スラッジを水性媒体で希釈後、3次遠心分離により固形分を回収し、(4)この固形分を前記砥粒が主成分の固形分と共に再生砥粒として利用することを特徴とする。
本発明の第1の実施形態に係るスラリの再生方法は、(1)砥粒とそれを分散する水性の分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収し、(2)1次遠心分離により得られた液分を2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分と、その残りのスラッジとに分離し、(3)スラッジを水性媒体で希釈後、3次遠心分離により固形分を回収し、(4)この固形分を前記砥粒が主成分の固形分と共に再生砥粒として利用することを特徴とする。
1−1.砥粒とそれを分散する水性の分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収する工程
砥粒は、例えば、SiC、ダイヤモンド、CBN、アルミナなどからなる。水性の分散媒は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールなどの水溶性のクーラント(水溶性の有機溶媒)と、水(5%〜15%程度、消防法上の危険物を避ける為)を混合してなる。さらに、分散媒には、通常、砥粒やSi切り屑を分散させるための分散剤(ベントナイト)など(数%程度)が添加されている。シリコン粒とは、例えば、シリコンインゴットをスライスしてシリコンウエハを作成するときに発生するシリコン切屑、又はシリコンウエハをラッピングするときに発生する研磨屑である。 使用済みスラリとは、例えば、シリコンインゴットをスライスしてシリコンウエハを作成するときに使用されてシリコン切屑などのシリコン粒が混入した状態のスラリである。1次遠心分離は、好ましくは、100〜1000Gで行う。1次遠心分離により、使用済みスラリが、第1の固形分と第1の液分とに分離される。第1の固形分は、砥粒が主成分である。砥粒は、一般にシリコン粒よりも比重が大きいので、シリコン粒よりも速く沈降する。このため、低速の遠心分離を行うと、砥粒が選択的に沈降する。第1の固形分には、多くの砥粒が含まれているので、第1の固形分は、スラリの再生に用いることができる。一方、第1の液分には、主に分散媒及びシリコン粒が含まれている。
砥粒は、例えば、SiC、ダイヤモンド、CBN、アルミナなどからなる。水性の分散媒は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールなどの水溶性のクーラント(水溶性の有機溶媒)と、水(5%〜15%程度、消防法上の危険物を避ける為)を混合してなる。さらに、分散媒には、通常、砥粒やSi切り屑を分散させるための分散剤(ベントナイト)など(数%程度)が添加されている。シリコン粒とは、例えば、シリコンインゴットをスライスしてシリコンウエハを作成するときに発生するシリコン切屑、又はシリコンウエハをラッピングするときに発生する研磨屑である。 使用済みスラリとは、例えば、シリコンインゴットをスライスしてシリコンウエハを作成するときに使用されてシリコン切屑などのシリコン粒が混入した状態のスラリである。1次遠心分離は、好ましくは、100〜1000Gで行う。1次遠心分離により、使用済みスラリが、第1の固形分と第1の液分とに分離される。第1の固形分は、砥粒が主成分である。砥粒は、一般にシリコン粒よりも比重が大きいので、シリコン粒よりも速く沈降する。このため、低速の遠心分離を行うと、砥粒が選択的に沈降する。第1の固形分には、多くの砥粒が含まれているので、第1の固形分は、スラリの再生に用いることができる。一方、第1の液分には、主に分散媒及びシリコン粒が含まれている。
1−2.1次遠心分離により得られた液分を2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分と、その残りのスラッジとに分離する工程
2次遠心分離は、好ましくは、2000〜5000Gで行う。このような高速の遠心分離を行うと、1次遠心分離では、沈降しなかった固形分も沈降する。この工程で得られるスラッジ(第2の固形分)には、シリコン粒と、1次遠心分離で沈降しなかった砥粒が含まれている。従来は、スラッジは、シリコン粒の質量比が大きいのでスラリの再生に用いることができず、廃棄されていた。本発明は、このスラッジからシリコン粒を効果的に除去し、スラリの再生に用いるものである。分散媒が主成分の液分(第2の液分)には、砥粒及びシリコン粒も含まれている。このため、第2の液分の全量をスラリの再生に用いると、再生したスラリのシリコン質量比が大きくなりすぎて、好ましくない。第2の液分の少なくとも一部を蒸留し、蒸留により得られた液分を回収してスラリの再生に用いる工程をさらに備えることが好ましい。蒸留により得られる液分は、通常、実質的に分散媒のみからなる。従って、この液分をスラリの再生に用いることにより、再生されるスラリのシリコン質量比を小さくすることができる。分散媒は、通常、有機溶媒を含んでいるので、常圧下での蒸留では、蒸留中に発火する危険性がある。従って、蒸留は、真空(20Torr以下程度)中で行うことが好ましい。また、蒸留で得られた液分について、成分分析を行い、成分調整を行ってから、スラリの再生に用いることが好ましい。
2次遠心分離は、好ましくは、2000〜5000Gで行う。このような高速の遠心分離を行うと、1次遠心分離では、沈降しなかった固形分も沈降する。この工程で得られるスラッジ(第2の固形分)には、シリコン粒と、1次遠心分離で沈降しなかった砥粒が含まれている。従来は、スラッジは、シリコン粒の質量比が大きいのでスラリの再生に用いることができず、廃棄されていた。本発明は、このスラッジからシリコン粒を効果的に除去し、スラリの再生に用いるものである。分散媒が主成分の液分(第2の液分)には、砥粒及びシリコン粒も含まれている。このため、第2の液分の全量をスラリの再生に用いると、再生したスラリのシリコン質量比が大きくなりすぎて、好ましくない。第2の液分の少なくとも一部を蒸留し、蒸留により得られた液分を回収してスラリの再生に用いる工程をさらに備えることが好ましい。蒸留により得られる液分は、通常、実質的に分散媒のみからなる。従って、この液分をスラリの再生に用いることにより、再生されるスラリのシリコン質量比を小さくすることができる。分散媒は、通常、有機溶媒を含んでいるので、常圧下での蒸留では、蒸留中に発火する危険性がある。従って、蒸留は、真空(20Torr以下程度)中で行うことが好ましい。また、蒸留で得られた液分について、成分分析を行い、成分調整を行ってから、スラリの再生に用いることが好ましい。
1−3.スラッジを水性媒体で希釈後、3次遠心分離により固形分を回収する工程
上述の通り、スラッジには、シリコン粒と、1次遠心分離で沈降しなかった砥粒が含まれている。スラッジを水性媒体で希釈すると、スラッジは水中に分散する。水性媒体は、好ましくは、実質的に中性又はアルカリ性の水性媒体(溶液)であり、シリコン粒は、このような水性媒体に少量が溶解する。また、シリコン粒は、アルカリ性の水性媒体に、さらに多くの量が溶解する。アルカリ性の水性媒体とは、例えば、NaOH水溶液である。 また、アルカリ性の水性媒体のpHは、好ましくは、8〜14である。また、「水性媒体」には、純水を含有する混合液なども含まれる。
上述の通り、スラッジには、シリコン粒と、1次遠心分離で沈降しなかった砥粒が含まれている。スラッジを水性媒体で希釈すると、スラッジは水中に分散する。水性媒体は、好ましくは、実質的に中性又はアルカリ性の水性媒体(溶液)であり、シリコン粒は、このような水性媒体に少量が溶解する。また、シリコン粒は、アルカリ性の水性媒体に、さらに多くの量が溶解する。アルカリ性の水性媒体とは、例えば、NaOH水溶液である。 また、アルカリ性の水性媒体のpHは、好ましくは、8〜14である。また、「水性媒体」には、純水を含有する混合液なども含まれる。
3次遠心分離は、好ましくは、2000〜5000Gで行う。3次遠心分離により、スラッジを水性媒体で希釈した希釈液は、第3の液分と第3の固形分とに分離される。第3の液分には、水中に溶解したシリコンと、水中に分散しているシリコン粒とが含まれている。このため、第3の固形分に含まれているシリコン質量比は、通常、スラッジよりも小さい。そして、第3の固形分には、多くの砥粒が含まれ、かつ、シリコンの質量比が小さいので、第3の固形分は、回収してスラリに再生に用いることができる。
また、第3の液分を沈降、遠心分離又は蒸留によって固液分離し、得られた液分をスラッジに加えて希釈する工程をさらに備えることが好ましい。第3の液分は、主に、水とその中に含まれるシリコンとからなる。沈降、遠心分離又は蒸留によって、第3の液分に含まれるシリコン含有量を減少させることによって、この第3の液分を再度、スラッジの希釈に用いることができる。また、第3の固形分の希釈に用いる前に、固液分離により得られた液分がアルカリ性になるように成分調整をおこなってもよい。また、3次遠心分離後、第3の液分をしばらく放置しておくと、第3の液分にシリコン塊が析出する場合があるが、沈降、遠心分離又は蒸留によって、このシリコン塊を除去することができる。また、この固液分離の前に、第3の液分を中和する工程をさらに備えることが好ましい。第3の液分は、通常は、アルカリ性である。第2の固形分に中性の水性媒体を加えて希釈した場合でも、シリコンの溶解により第3の液分は、アルカリ性になる。上記の通り、シリコンは、中性よりもアルカリ性の水性媒体に多く溶解する。そのため、第3の液分を中和することにより、シリコンが析出する。この後で、沈降又は遠心分離などを行うことにより、効果的にシリコンを第3の液分から除去することができる。ここでの遠心分離は、例えば、2000〜5000Gで行う。
なお、1−3で得られた固形分について、再度1−3の工程を行ってもよい。1−3の工程を繰り返すことにより、固形分に含まれるシリコンをさらに除去することができるからである。
また、3次遠心分離により回収した固形分(第3の固形分)を中和処理する工程をさらに備えてもよい。アルカリ性のままで、第3の固形分をスラリの再生に用いると、再生されたスラリがアルカリ性になる。再生されたスラリがアルカリ性であると、シリコンの溶解度が大きくなり、このスラリの粘性が高くなる。中和処理は、塩酸や硝酸などの酸を添加し攪拌しながら中和反応する方法がある。加熱すると反応が促進される場合もある。なお、再生されたスラリについて中和処理を行ってもよい。
また、3次遠心分離により回収した固形分(第3の固形分)を乾燥させる工程をさらに備えてもよい。第3の固形分をしばらく(例えば、2時間)放置すると、第3の固形分に残留するシリコンが第3の固形分に残留する水と反応して、再生スラリの粘性が高くなる場合がある。このため、得られた第3の固形分は、素早くスラリの再生に用いる必要があるという問題がある。本工程をさらに備え、残留水分を除去することにより、水とシリコンの反応を防ぐことができるので、上記問題が解決される。本工程は、好ましくは、上記中和処理の後に行われる。
また、3次遠心分離により回収した固形分を分級して、この固形分に含まれる砥粒の粒度を調整する工程をさらに備えてもよい。分級とは、種々の粒径(例えば、平均粒径が20μm)の粒子からなる固形分から、所定の粒径(例えば、5μm)以下の粒子を除去する方法や、所定の粒径(例えば、5μm〜20μm)のみを抽出する方法をいう。砥粒は、シリコンのスライス工程などで粉砕し、その粒径が小さくなる。所定の粒径以下の砥粒は、研磨剤として機能しないので、除去しても無駄にはならない。また、分級を行うことにより、所定の粒径(例えば、5μm)以下のシリコン粒を除去することができる。このため、分級を行うことにより、砥粒を無駄にすることなく、シリコン粒の除去効率を高めることができる。この工程は、上記乾燥処理の前又は後のどちらに行ってもよい。乾燥処理の前に行うのが、湿式分級であり、水と微粒子を混ぜて、比重差を用いて分級する方法で行うことができる。乾燥処理の後に行うのが、乾式分級であり、微粒子を空気と混ぜて吹きとばし、粒子の重量差及び比重差をにより粒子の大きさを分けるという方法で行うことができる。
1−4.この固形分(第3の固形分)を前記砥粒が主成分の固形分(第1の固形分)と共に再生砥粒として利用する工程
上述の通り、第1及び第3の固形分には、砥粒が多く存在し、かつ、シリコン質量比が小さい。このため、第1及び第3の固形分は、再生砥粒として利用することができる。また、第2の液分は、その成分の大部分が分散媒であり、シリコン質量比は小さいので、再生分散媒として利用してもよい。このため、第1及び第3の固形分、並びに第2の液分をスラリの再生に利用すると、シリコン質量比の小さい再生スラリを得ることができる。なお、スラリの再生の際には、通常は、新たな砥粒及び分散媒、並びに分散剤の少なくとも1つを追加して、スラリの成分調整を行う。
上述の通り、第1及び第3の固形分には、砥粒が多く存在し、かつ、シリコン質量比が小さい。このため、第1及び第3の固形分は、再生砥粒として利用することができる。また、第2の液分は、その成分の大部分が分散媒であり、シリコン質量比は小さいので、再生分散媒として利用してもよい。このため、第1及び第3の固形分、並びに第2の液分をスラリの再生に利用すると、シリコン質量比の小さい再生スラリを得ることができる。なお、スラリの再生の際には、通常は、新たな砥粒及び分散媒、並びに分散剤の少なくとも1つを追加して、スラリの成分調整を行う。
2.第2の実施形態
本発明の第2の実施形態に係るスラリの再生方法は、砥粒とそれを分散する水性の分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、固液分離することにより得られる固形分を水性媒体で希釈後、遠心分離又はろ過により固形分を回収し、再生砥粒として利用することを特徴とする。
本発明の第2の実施形態に係るスラリの再生方法は、砥粒とそれを分散する水性の分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、固液分離することにより得られる固形分を水性媒体で希釈後、遠心分離又はろ過により固形分を回収し、再生砥粒として利用することを特徴とする。
第1の実施形態についての説明は、基本的に、第2の実施形態についても当てはまる。
第1の実施形態では、遠心分離により、使用済みスラリを固形分と液分とに分離していたが、第2の実施形態では、この固液分離は、必ずしも遠心分離に限定されない。固液分離は、遠心分離の他に、ろ過又は蒸留によって行ってもよく、又はこれらの組み合わせによって行ってもよい。また、固液分離は、一段階であってもよく、二段階以上であってもよい。
また、第1の実施形態では、遠心分離により、使用済みスラリを固形分と液分とに分離していたが、第2の実施形態では、この固液分離は、遠心分離又はろ過などで行うことができる。
太陽電池用のMWSでは、生産能力を主眼に置いたMWSを使用するため、1回のスライスで、4本のシリコンインゴット(125W×125D×400L)を一度に加工し、ウエハ(125W×125D×0.3L)を3200枚程度加工することが可能となる。 加工時に使用するスラリタンクは200L程度の大きさのものを使用し、砥粒(比重:3.21)と水性の分散媒(比重:1)を1:1の質量比に混合して使用する。具体的には、砥粒には、平均粒径が14μm(800番)であるSiC粒を用い、分散媒には、プロピレングリコール、水(5%〜15%程度、消防法上の危険物となることを避ける為)を混合し、ここに、砥粒やSi切り屑を分散させるための分散剤としてベントナイト(0.5%程度)を添加したものを用いる。この時に一回当り約20kg程度のシリコン切屑などの固形物がスラリの中に混入することになる。この使用済みスラリを従来技術で述べたようなスラリ再生装置を利用して再生とスライスを繰り返すと、使用済みスラリには12%程度のシリコン切屑が残留し、再生スラリの中には、6%程度の濃度のシリコン切屑が残留することになる。この残留するシリコン切屑の質量比を低く抑える方法として、二次分離液を50%〜70%程度廃棄しているのが実情である。つまり従来技術のスラリ再生装置では二次分離液を50%〜70%程度廃棄してもシリコン切屑の除去率が50%程度である。この発明は、二次分で発生する固形物を再利用し、廃棄物を減らすことに主眼をおいてなされた。
以下、図1を用いて、実施例1のスラリの再生方法について説明する。
まず、使用済みのスラリ1を、1次遠心分離機に導き、遠心力を500Gの超低Gで、1次遠心分離を行い、砥粒が主成分の第1の固形分3bと、分散媒+切屑(たとえばシリコン切屑)が主成分の第1の液分3aとに分離する。第1の固形分3bは、回収してスラリの再生に用いる(回収砥粒4)。
次に、第1の液分3aを、2次遠心分離機に導き、遠心力を3500GのGで、2次遠心分離を行うことより有機溶媒が主成分の第2の液分5aと、切屑(たとえばシリコン切屑)と砥粒が主成分のスラッジ5bに分離される。スラッジ5bは、一般にスラッジと呼ばれる。第2の液分5aは、回収され、その少なくとも一部は、スラリの再生に用いられる(再生分散媒6)。
次に、スラッジ5bを希釈タンクに導き、水8で希釈する。これは、スラッジ5bには、有機溶媒成分が少なく(20重量%程度)で、遠心分離機に導入することが不可能であり、また遠心分離の性能を向上させるためにも必要である。300CPまで希釈した。(希釈は質量比で、スラッジ:水=1:1となった。)1H希釈後、3次遠心分離を3500Gで実施し、希釈液を第3の液分7aと第3の固形分7bとに分離した。次に、第3の固形分7bを中和処理して、再生砥粒9を得た。
この再生砥粒9には、SiC、水、Si、有機溶媒分、その他Fe、Cu、などが含まれているがその重量%は、表1のようになった。主成分が、SiCであることが解かる。
また、希釈タンクに導き、アルカリ水(ここではNaOH1%(NaOH顆粒を1kgに水99kgに調合したもの)液を使用した。)にて希釈した場合の再生砥粒9には、SiC、水、Si、有機溶媒分、その他Fe、Cu、などが含まれているがその重量%は、表2のようになった。
SiCの回収率がUPし、Siの回収率が低下した背景には、Siがアルカリ水と反応して、水に可溶する状態に変わったためと考えられる。
その反応は、
Si+4NaOH=Si(Na)4O4‐+2H2
Si(Na)4O4 は一般的に水ガラス(ケイ酸ナトリウム)と呼ばれ、水に可溶することが知られている。また、この反応には、水分が必要である。
Si+4NaOH=Si(Na)4O4‐+2H2
Si(Na)4O4 は一般的に水ガラス(ケイ酸ナトリウム)と呼ばれ、水に可溶することが知られている。また、この反応には、水分が必要である。
以上より、スラッジの廃棄量は、3次遠心分離からでる液分を除いてほぼ0になった。なお、3次遠心分離からでる液分は、実施例5では、回収して再利用する。
回収砥粒4と再生砥粒9及び再生分散媒6を使用して、それに新分散媒とを使用して比重や粘度をもとに再生スラリを製造し、MWSで使用したところ、スライスには特に影響がなかった。一般的に、スライスでは、TTVの値が切れ味を示すといわれているが、新分散媒と新砥粒で作った新スラリとの比較を実施した。なお、100回上記再生を繰り返した液とも比較した。スライス条件は、同一で一方向切断を実施した。TTVは、1スライスで約3000枚を10時間でスライスした。そのスライスして入手したすべてのウエハのTTVの平均値である。ここで、TTVとは、JIS H 0611で規定されるウエハ面内の厚さのむらを示す指標である。ここでは、ウエハの中心1点と周辺部の8点の厚さをダイヤルゲージを用いて計測して、その最大値と最小値の差をTTVとして計測した。
表3から、歩留まり、TTVとも新分散媒を使用した場合と遜色ないことが、分かった。
図2に示すように、実施例2に係るスラリの再生方法は、実施例1の再生方法において、中和処理の後に、乾燥工程を付加して、分散媒を除去した。乾燥には、振動乾燥機を使用し、中にセラミックボールを入れてだまになるのを防いだ。実施例1の場合は、精製後1時間から、2時間以内に使用しないと、残留するSiが、水分と反応して、粘度が多少上昇した(100CP→130CP:再生スラリの状態)。それを防ぐために実施したもので回収率等は変化がないが、生産上時間をおいて使用することができるようになった。
図3及び図4に示すように、実施例3に係るスラリの再生方法は、実施例2の再生方法において、乾燥の前又は後に分級工程を備える。分級することにより、スライス精度や歩留まりがどのように向上するかを確認した。分級は、乾式分級装置を用い、5μm以下を除去する条件で行った。分級を行う前後の粒度分布を図5に示す。図5から分かるように、分級により、粒子径が5μm以下の粒子が除去されている。シリコン切屑の多くは、粒子径が5μm以下であるので、5μm以下の粒子を除去することにより、シリコン切屑の多くを除去することができる。
一般的に、スライスでは、TTVの値が切れ味を示すといわれているが、新分散媒と新砥粒で作った新スラリとの比較を実施した。なお、100回上記再生を繰り返した液とも比較した。スライス条件は、同一で一方向切断を実施した。TTVは、1スライスで約3000枚を10時間でスライスした。そのスライスして入手したすべてのウエハのTTVの平均値である。表4から、歩留まり、TTVとも新分散媒を使用した場合と遜色ないことが、分かった。また、実施例1の実施例に比べて、TTV歩留まりとも向上していることが分かった。
分級によって得られた再生砥粒9について、成分分析を行ったところ、以下のような結果が得られた。
廃棄物の量は、スラッジを廃棄する場合を1とした場合に10重量%が発生した。
図6に示すように、実施例4に係るスラリの再生方法は、実施例1の再生方法において、第3の液分7aを再利用する。まず、第3の液分7aを中和する。中和することにより、第3の液分7aに溶解していたシリコンが析出する。この状態で、第3の液分7aを、蒸留、沈降又は遠心分離(3000G)させる。蒸留、沈降又は遠心分離によって得られた液分8aは、再度スラッジ5bの希釈に用いることができる。蒸留、沈降又は遠心分離で残ったものは、廃棄物として処理するが、ここで発生する廃棄物は、スラッジを廃棄する場合を1とした場合に10重量%〜15重量%が発生した。全体として最大85重量%〜最悪75重量%の削減効果が得られた。
図7に示すように、実施例4に係るスラリの再生方法は、実施例1の再生方法において、第2の液分5aの一部を真空蒸留及び成分調整して利用する(蒸留分散媒6a)。実施例1の再生方法では、第2の液分5aの全部をスラリの再生に利用すると、第2の液分5a中に含まれるシリコンのために、再生スラリのシリコン質量比が大きくなりすぎるという問題があった。本実施例では、第2の液分5aの一部は、そのままスラリの再生に用い、残りは、真空蒸留・成分調整した上で、スラリの再生に用いた。表7は、第2の液分5aの蒸留前の成分比を示し、表8は、蒸留後の成分比を示す。
分散媒の回収率が98%で他の固形分はまったく検出されなかった。また、分散媒に水性分散媒(よく使用されるのは、PEG、PGと添加物に水を使用しているものなど)を用いているので、沸点が比較的低く容易に蒸留できた。また、その後、分散媒を分析して、抜け落ちた成分を補充して、蒸留分散媒として使用した。今回は、蒸留後の液に新分散媒を添加して、粘度及び比重を調整した。また、PHは中性がよくPH調整が必要になる場合があるが、今回は実施していない。これにより、系全体の廃棄物の量を1とすると、最大83重量%から最悪73重量%の削減効果が得られた。
なお、特にこの実施例は分散媒に水性分散媒を使用した場合に特徴があり主成分がプロピレングリコールやポリエチレングリコール、水などを使用して製造される分散媒を指す。また、本発明は、スラリリサイクルシステムを持たないような定量交換する場合にも砥粒を回収する目的での適用が可能である。
Claims (11)
- (1)砥粒とそれを分散する水性の分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収し、
(2)1次遠心分離により得られた液分を2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分と、その残りのスラッジとに分離し、
(3)スラッジを水性媒体で希釈後、3次遠心分離により固形分を回収し、
(4)この固形分を前記砥粒が主成分の固形分と共に再生砥粒として利用することを特徴とするスラリ再生方法。 - 2次遠心分離は、1次遠心分離によりも高い遠心力で行う請求項1に記載のスラリ再生方法。
- 水性媒体は、実質的に中性又はアルカリ性の水性溶液である請求項1に記載のスラリ再生方法。
- 3次遠心分離により回収した固形分を中和処理する工程をさらに備える請求項1に記載のスラリ再生方法。
- 3次遠心分離により回収した固形分を乾燥させる工程をさらに備える請求項1に記載のスラリ再生方法。
- 3次遠心分離により回収した固形分を分級して、この固形分に含まれる砥粒の粒度を調整する工程をさらに備える請求項1に記載のスラリ再生方法。
- 3次遠心分離により得られた液分を沈降、遠心分離又は蒸留によって固液分離し、
得られた液分をスラッジに加えて希釈する工程をさらに備える請求項1に記載のスラリ再生方法。 - 固液分離の前に、3次遠心分離により得られた液分を中和する工程をさらに備える請求項7に記載のスラリ再生方法。
- 2次遠心分離により得られた液分の少なくとも一部を蒸留し、
蒸留により得られた液分を回収してスラリの再生に用いる工程をさらに備える請求項1に記載のスラリ再生方法。 - (1)砥粒とそれを分散する水性の分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、固液分離することにより得られる固形分を水性媒体で希釈後、遠心分離又はろ過により固形分を回収し、再生砥粒として利用することを特徴とするスラリ再生方法。
- 水性媒体は、実質的に中性又はアルカリ性の水性溶液である請求項5に記載のスラリ再生方法。
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