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JP2005211397A - 粘膜下注入針 - Google Patents

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JP2005211397A
JP2005211397A JP2004022935A JP2004022935A JP2005211397A JP 2005211397 A JP2005211397 A JP 2005211397A JP 2004022935 A JP2004022935 A JP 2004022935A JP 2004022935 A JP2004022935 A JP 2004022935A JP 2005211397 A JP2005211397 A JP 2005211397A
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雅弘 守田
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Abstract

【課題】 身体の狭い管内や襞間等のような、視野や手指の動きが制限されている状況であっても、粘膜下に的確に所定材料を注入することを従来に比して遥かに容易にする方法、及びこれに用いるための注入針の提供を目的とする。
【解決手段】 管腔を備えた軸部と、該軸部の先端部に設けられた、該軸部の管腔と連通した管腔を備えた刺入部とを含む注入針であって、該刺入部が該軸部の長手方向に対して斜め前方へと突出しており、且つ、該軸部の先端部に、該軸部の長手方向前方へと突出しているガイド部を更に含むことを特徴とする、注入針。
【選択図】 図2

Description

本発明は、注入針に関し、詳しくは耳管、尿道、中鼻道等のような身体の管や襞の内側の粘膜下に治療用材料である流動物を注入するための針に関する。
耳は、外耳、中耳及び内耳で構成される。外耳と中耳とは、外耳道の内端に位置する鼓膜によって仕切られている。中耳は、鼓膜と前庭窓(内耳の前庭に通じる)とを連絡する耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨及びアブミ骨)を収容した空間である鼓室(中耳腔)と、鼓室から延びて咽頭に開口する耳管とからなる。耳管は、鼓室前庭に始まり(鼓室耳管口)、上後外側から下前内側に向かって斜めに延びて咽頭側壁において開口(耳管咽頭口)する。耳管は全長約33mmで、上側約1/3は側頭骨の中を通っており、下側約2/3は軟骨で包まれている。骨部耳管は、狭まった鼓室耳管口を通って一旦やや広がった後次第に細くなり、軟骨部の入口部位で最も細くなり(耳管峡部)、この位置で、周囲からの組織圧の作用により通常は閉じている。耳管峡部より下方では耳管は次第に太くなってラッパ状に耳管咽頭口に開いている。耳管腔より内側に耳管軟骨板が位置し、外側には口蓋帆張筋(tensor veli palatini muscle:TVP)とオストマン脂肪体が位置する。耳管の機能の1つとして換気機能が挙げられる。これは、あくびや嚥下の際に口蓋帆張筋の収縮により軟骨部の下壁が下方に引かれて耳管峡部の内腔が一時的に開き、咽頭から鼓室へと空気が流入するという能動的なものと、外界の圧変化に伴って受動的に換気が行われる受動的なものとに分けられる。健常な耳では、耳管の換気機能、特に能動的な換気機能のため、鼓室内圧は外気圧と等しく保たれている。また、耳管は、管腔内の下側ほど繊毛細胞、杯細胞が多く見られる。このことは、耳管の上半分は換気能力を受け持ち、下半分は繊毛性排泄能(軟骨部耳管内粘膜の繊毛運動により、中耳の分泌物等を経耳管的に咽頭へ排泄する能力)に重要な役割を果たしていることを示している。これらの機能が障害されている状態、すなわち耳管機能不全症としては、耳管狭窄症(耳管閉塞症)、耳管開放症、耳管閉鎖不全症が挙げられる。
耳管開放症は、耳管が常に開放した状態にあるものをいう。健常な状態での耳管の閉鎖は、オストマン脂肪体等の周囲の支持組織からの組織圧によってもたらされている。耳管開放症の原因として、加齢や神経疾患による鼻粘膜の萎縮、体重減少による耳管周囲粘膜の萎縮、アデノイド手術後の瘢痕化などが挙げられる。原因が不明な場合も少なくないが、多くは耳管周囲の脂肪組織の減少等による周囲からの組織圧の低下によって引き起こされると考えられる。耳管開放症患者の自覚症状としては、自分の声が耳管を介して中耳に到達することによる自声強聴、自分の呼吸音が聞こえること、耳閉感等が挙げられ、めまいを訴える例もみられる。患者の鼓膜は正常であるが、呼吸に伴って前後するのが観察される。
耳管開放症は、以前はまれな疾患とされてきたが、近年の耳管機能検査装置の普及で耳管機能の客観的評価が広く行われるようになってからは、従来耳管開放症が耳管狭窄症と混同されていたケースが多く、実際には従来の推定よりも多い疾患であったことが明らかとなってきた。また、自律神経失調症等のストレスとの関連が指摘されることから、近年になって増加した現代病とも考えられる。
耳管開放症の薬物療法としては、硼酸とサリチル酸の混合粉末を耳管カテーテルで耳管内に噴霧するものであるベゾルト法(Bezold)、ゼラチンスポンジ溶液の耳管内腔への注入等が挙げられ、外科的療法としては、液状シリコーンの注射、耳粘膜焼灼、口蓋帆張筋移動、耳管周囲への軟骨片あるいは脂肪組織の埋め込みや牛由来のアテロコラーゲン注入等が挙げられる。薬物による療法は、長期間の継続的治療を必要とし、外科療法も必ずしも多くは効果が充分でないという問題があった。またシリコーンや牛由来のアテロコラーゲンの注入は、それらが人体にとって異物であるという点でも、あまり好ましくないと考えられている。鼻腔側からの軟骨部耳管内の粘膜下への自家脂肪組織の注入は、異物反応の問題がなく、的確に注入されれば注入部位で周囲組織と一体化して安定に生き残る脂肪組織が耳管を適度に狭めて恒久的な効果をもたらし、根本治療となるという利点があり、最近注目されている(非特許文献1参照)。耳管軟骨の近くを内頚動脈、内頚静脈及び外転神経が走行しているため、耳管粘膜下への脂肪組織注入は安全を期して慎重に行う必要があるが、内視鏡下で耳管内粘膜下に的確に注入を行うのに高度な熟練を要するという難点があり、普及が困難であった。また耳管に限らず、一般に、身体の管内や襞間等の狭い部位の粘膜下に針を刺入して所定の材料を注入する操作は、内視鏡を使っても目視しにくく、また内視鏡を持つことで反対の手が塞がるため、片手だけを用いて行うこととなり、針の刺入の深さを正しく調節するのが極めて難しく、それが手術の成否と安全性とに大きな影響を与えるものであった。
「イラスト手術手技のコツ:耳鼻咽喉科・頭頸部外科 耳鼻編」、第1版、東京医学社、2003年11月25日、第129〜132頁
上記背景において、本発明は、身体の狭い管内や襞間等のような部位において、粘膜下に的確に治療用材料を注入することを従来に比して遥かに容易にする方法、及びこれに用いるための注入針の提供を目的とする。
この目的のために検討の結果、本発明者は、注入針の先端部の、粘膜内に刺入することを意図する部分のみを斜め前方に曲げておき、その曲がりの起始部から、前方へ向けてガイド部を突出させて設けておくことによって、容易且つ確実に制御された深さで粘膜下に針先が刺入できることを見出した。
すなわち本発明は、管腔を備えた軸部と、該軸部の先端部に設けられた、該軸部の管腔と連通した管腔を備えた刺入部とを含む注入針であって、該刺入部が該軸部の長手方向に対して斜め前方へと突出しており、且つ、該軸部の先端部に、該軸部の長手方向前方へと突出しているガイド部を更に含むことを特徴とする、注入針を提供する。
本発明はまた、上記の注入針であって、該ガイド部が該軸部の長手方向に、該ガイド部と該刺入部との分岐点から少なくとも3mmの距離まで突出していることを更に特徴とするものをも提供する。
本発明は更に、上記の何れかの注入針であって、該刺入部と該ガイド部との分岐点から、該刺入部の最先端までの距離が、2〜20mmであることを更に特徴とするものをも提供する。
本発明は更に、上記の何れかの注入針であって、該軸部の長手方向に沿って比較したとき、該ガイド部の先端が、該刺入部の最先端位置の15mm前方を超えない位置にあることを更に特徴とするものをも提供する。
本発明は更に、上記の何れかの注入針であって、該軸部の長手方向に沿って比較したとき、該ガイド部の先端が、該刺入部の最先端位置よりも、1〜15mm前方に位置していることを更に特徴とするものをも提供する。
本発明は更に、上記の何れかの注入針であって、該刺入部の最先端と該ガイド部の表面との間の最短距離が、1.5〜6.0mmであることを更に特徴とするものをも提供する。
本発明は更に、上記の何れかの注入針であって、該刺入部の先端の刃面が、該軸部の長手方向に平行にカットされてできる面によって構成されていることを更に特徴とするものをも提供する。
加えて本発明は、上記の何れかの注入針であって、該ガイド部が、相対的に幅の広い膨大部分又は扁平部分と、該膨大部分又は扁平部分を該軸部に連結する相対的に細い連結部分とを含んでなるものであることを更に特徴とするものをも提供する。
本発明はまた、上記の注入針を使用して行う、身体の管内において粘膜下へ治療用材料を注入する方法、すなわち、上記注入針を、例えば耳管咽頭口(又は外尿道口)から軟骨部耳管内(又は尿道内)に、ガイド部の背側(刺入部とは反対の側)を粘膜に押し当てつつ進入させ、例えば耳管峡部のやや手前で(又は尿生殖角隔膜貫通部付近で)、ガイド部の根元(すなわち軸部の先端部)から斜め前方へと突出している刺入部を粘膜側へと斜め前方に押して粘膜下に刺入させ、その状態で連通した軸部及び刺入部の管腔を通じて治療用材料、例えば患者の自家脂肪組織を粘膜下に注入する方法、及びこれによる耳管開放症の(又は尿失禁の)治療方法をも提供する。
本発明はまた、上記の注入針を使用して行う、身体の襞間において粘膜下へ治療用材料を注入する方法、すなわち上記注入針を、例えば中鼻道の襞間に、ガイド部の背側(刺入部とは反対の側)によって襞間を押し広げつつ目的の位置まで進入させ、当該位置で、ガイド部から斜め前方へと突出している刺入部を粘膜に当てて斜め前方へ押して粘膜下に刺入させ、その状態で連通した軸部及び刺入部の管腔を通じて治療用材料(例えば麻酔剤)を粘膜下に注入する方法をも提供する。
本発明の粘膜下注入針によれば、耳管や尿管その他身体の狭い管内や中鼻道等の襞間のような、直視しつつ処置することが困難な部位において、粘膜下への治療用材料の注入を、熟練を要することなく簡単にしかも確実に制御された所定の深さで行うことができる。
本発明において、注入針の全体の長さは、使用目的にとって操作し易い長さとすればよく、特に限定はない。成人の耳管内粘膜下への自家脂肪組織注入の場合、例えば20cm程度あれば扱い易い。
注入針の材質も特に限定されないが、通常は金属が用いられる。また、軸部は、術者の手で意図的に湾曲させまた湾曲を戻すことができる程度の硬さのものが好ましい。これは、例えば耳管内粘膜下への自家脂肪組織注入に用いる場合、外鼻孔から注入針を挿入するのに際し、与えられた個々の患者の外鼻孔、耳管咽頭口及び軟骨部耳管の位置及び向きを考慮して、注入針のガイド部が耳管咽頭口に真直ぐに挿入されるよう、注入針の軸部の湾曲を適宜調節することが望ましいからである。そのような変形可能な材料としては、例えば銀を用いることができる。軸部に変形可能な金属(例えば銀)を用いた場合には、刺入部には、より硬質な金属を用いることが好ましく、例えばステンレス鋼をこの目的に用いることができる。刺入部を形成するステンレス鋼と軸部を形成する金属とは、例えばレーザを用いた溶接により簡単に接合して一体化させることができる。ガイド部の材質は特に限定されず、軸部と同一としても、また刺入部と同一としてもよい。
また、ガイド部は、注入針の軸部と同様の太さの延長部分であってもよいが、これより細い部分でも、また、太く拡張した部分であってもよい。拡張した部分とした場合、例えば耳管内粘膜下への自家脂肪組織注入に用いるときに、注入針を耳管峡部手前で無理なく停止させるストッパーとして特に効果的に働くことができる。また、ガイド部は、軸部の先端から直接に延びた細い連結部分と、その連結部分の先に結合している、これより太く膨大した又は幅広の扁平な部分とからなっていることが、より好ましい。ガイド部の根元に相当する部分がそのように細いことは、注入針を操作する際、刺入部の先端の位置をガイド部の背後から内視鏡等で目視する際の視野を確保するのに役立つ。ガイド部は、例えば耳管などのような断面の扁平な管内に挿入する場合には、その断面形状に合うように扁平な断面とするのが、必ずしも必須ではないが、好ましい。何れの場合も、ガイド部は、身体の管内や襞間に進入させやすいよう、先細りの形状であることが好ましく、またガイド部が粘膜を傷つけないよう、その先端その他粘膜と接する部位には鋭い角を有しないことが好ましい。
本発明において、軸部の長手方向に対する刺入部の刃面の方向は、特に限定されず、個々の具体的な注入針の刺入部の向きに合わせて、また、注入針の使用部位と目的に応じて、刺入させやすい適宜の方向としてよい。例えば、軸部の長手方向に対して平行、直角、又はその他の適宜の角度を有していてよく、軸部の長手方向に対して刺入部側をプラスと定義したとき、例えば、±70°、±50°、±30°、±20°、±10°、±5°等とすることができる。
本発明において、刺入部の刃面について、「軸部の長手方向に平行」というときは、「平行」は、厳密な、数学的意味における平行ではなく、実質的にほぼ平行とみなし得る方向を意味する。
好ましい耳管用等の注入針の一例では、ガイド部は、刺入部との分岐点から少なくとも3mm、特に好ましくは7〜12mmの距離まで突出しており、扁平で1〜1.5mmの最大厚みと2.5〜4mmの最大幅とを有する。また、軸部の長手方向に沿って比較したときガイド部が刺入部の最先端位置よりも前方へと突出している場合には、ガイド部の先端位置は、刺入部の最先端位置よりも、好ましくは1〜15mm、より好ましくは1〜8mm、更に好ましくは1〜4mm前方にある。このように軸部の長手方向で見たときガイド部の先端が刺入部の最先端よりも前方に位置する場合には、ガイド部は、身体の管内の奥に先端があたることによりストッパーとしての機能を果たすことができる。またガイド部の先端が刺入部の最先端位置より前方又は後方の何れにある場合でも、ガイド部は、耳管、中鼻道及び尿道等に注入針を挿入して行く際に、ガイド部の背側(刺入部とは反対の側)で組織を押し広げて針先の視野を広げるための鈎(こう)として働くことができる。
また刺入部は、その起始部から好ましくは2〜20mm、特に好ましくは4〜9mmの長さを有して、軸部の長手方向に対して斜め前方へと延びており、その先端はガイド部の表面から1.5〜6.0mm、特に好ましくは2.5〜4.5mm離れている(刺入部の最先端とガイド部との最短距離を指す)。ここにおいて、「斜め前方」とは、軸部の長手方向に対して、刺入部の先端が刺入部の起始部から、好ましくは20〜50°、より好ましくは25〜45°、更に好ましくは30〜45°だけ逸れた方向を意味する。ガイド部は、幅の両側に沿って先細りの形状を有しており、先端において丸められている人。ガイド部がこのような形状を有することは、扁平な断面形状を有する耳管内に本発明の注入針を挿入して耳管峡部のやや手前に治療用材料を注入するのに好都合である。
以下、耳管内粘膜下に治療用材料を注入するための注入針の実施例を参照して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明が当該実施例に限定されることは意図しない。例えば、ガイド部の形状を、軸部と同様の円柱状に変更してもよく、また銃弾様の形状に変更してもよい。そのような形状も、耳管内粘膜下の治療用材料の注入に用いることができるほか、例えば尿道(例えば、自家脂肪組織注入)、中鼻道(例えば、麻酔剤注入)等に用いのにも好ましい。
図1は、従来技術による耳管内粘膜下への脂肪組織注入のための注入針を示す。この注入針は、中空の軸部2’の先端に、その先端の方向と同じ向きに延びた針(刺入部)3’を備えている。この形態の注入針の場合、内視鏡下でも背後からしか観察できない耳管峡部のやや手前で耳管内粘膜を刺入しようとするとき、的確な位置に的確な深さで正しく刺入するのに非常な熟練を要する。このため、広く一般に用いられるには適さない。
〔実施例1〕
図2は、粘膜下に治療用材料を注入するための本発明による注入針1の一例の斜視図である。注入針1において、2は銀製の管よりなる軸部であり、その先端に刺入部3及びガイド部4を備えている。刺入部3は、最先端側に鋭い縁を持った管状の部分であり、その管腔は、軸部2の管腔と連通している。軸部2の長手方向に沿って比較したとき、ガイド部4の先端位置は、刺入部3の最先端位置よりも幾分前方にある。軸部2の手元側末端には、注射筒との連結のためのアダプター5が備えられている。注入針1は、全長約20cmであり、軸部2は、先端寄りで湾曲しているが、この湾曲の度合いは、治療すべき患者に合わせて、医師が手で曲げることにより任意に調節することができる。図2の注入針は、患者の右側耳管に用いるためのものである(左側の耳管に用いる注入針は、これとは左右対称の形状を有する)。
図3〜5は、図2に示した注入針の先端付近の拡大図であり、それぞれ、図3は図2と同じ角度から見たときの、図4は真上から見たときの、図5は、ガイド部4の先端側からみたときの図である。図3において、X及びYは、それぞれの位置で注入針のガイド部4及び軸部2を横断する平面で仮想的に切断したときそれらの平面とガイド4部及び軸部2の外表面とが作る交線を示しており、ガイド部及び軸部の向きを図面上で表すために加えられている。これらの図に見られるとおり、刺入部3は軸部2から、軸部2の長手方向(延長線)に対し斜め前方へと逸れるように延びた管よりなり、その先端は軸部2の延長線とほぼ平行な刃面6を有している。また、刺入部3は、垂直に向けた扁平なガイド部3に対して、斜め上方に延びている。刃面6の前側の外周は、鋭利な縁を備えており、これを粘膜に押し当てて刺入部3の延長方向に前進させることにより、粘膜に刺入させることができる。しかしながら、刺入部3の先端は、刺入部3がガイド部4との分岐点8から延びている長さ以上には深く刺入しない。また、刺入部3の先端が到達する粘膜表面からの深さも、刺入部3の先端とガイド部4の表面との距離によって限定されるから、粘膜表面から常に一定の深さの刺入が可能となる。このため、深く刺入し過ぎることによる危険性が除去される。また、このように刺入の深さが限定されるから、深過ぎる刺入を恐れて逆に刺入を浅くし過ぎることによる手術の失敗も、防止することができる。
この実施例では、ガイド部4は、刺入部3とガイド部4との分岐点8より9mm前方へと突出している。ガイド部は先端から5.5mmまでの部分が扁平な形状のものであり、最大幅2.5mm、最大厚み1mmを有する。この扁平部分は、先細りの形状をしているが、先端に鋭利な角はなく、全体に丸みを帯びている。扁平部分は、細い連結部分7を介して軸部2に結合している。刺入部3とガイド部4との分岐点8から、刺入部3の最先端までの距離は6.5mmであり、刺入部3の最先端とガイド部4の表面との間の距離は、約3mm、刺入部3の最先端とガイド部4の扁平部分の中心面からの距離は約3.5mmである。またガイド部4の先端は、刺入部3の最先端の位置より約3mm前方に延びている。注入針1を耳管内に挿入するに際しては、ガイド部4は、刺入部3とは反対側(背側)で耳管内粘膜へと幾分押し付けられる。ガイド部4の先端が刺入部3の最先端よりも前方まで延びていること及び鋭利な角のない先細り形状を有していることは、粘膜を不用意に傷付けることなく耳管内へガイド部4を滑らせて進入させることを取り分け容易にする。ガイド部4は、その背側が耳管内粘膜に幾分押し付けられつつ挿入されるため、耳管がやや押し広げられ、挿入時に刺入部3が耳管内粘膜を不用意に傷付けること防がれる。なお、刺入部3は、注入時の剪断応力で脂肪組織が破壊されにくいよう、比較的太い、18G程度の太さに相当するものであるが、これより太くてもよい。緩やかに注入をするならば、刺入部3の太さはより細いものとしてもよく、また麻酔剤溶液等、剪断応力が問題とならない場合は、刺入部3の太さは任意である。
細い連結部分7は、注入針1を耳管咽頭口から挿入するに際し、軸部2及びガイド部4の背後から刺入部3の先端位置を(内視鏡によって)視覚的に観察する上での視野をできるだけ確保するのに役立つ。また、ガイド部4が幅広の形状を有しているため、ガイド部の先端が耳管峡部付近まで到達したとき、それ以上の進入に対する抵抗が急増して術者の手に伝わる。こうして、ガイド部4は、注入針が耳管内に過剰な深さにまで進入されるおそれをなくすストッパーとしての機能を果たし、手術の安全性に大きく寄与する。なお、この実施例では、ガイド部4は扁平部分を有するが、代わりとして、円形の横断面を有する銃弾型等の形状としてもよい。
〔実施例2〕
図6は、実施例1とは刺入部の刃面の角度を異にする本発明の注入針の一具体例の、先端付近を真上から見たときの拡大図を示す。本実施例では、刃面6は、軸部2の長手方向に対してほぼ直角の方向を有している。
〔実施例3〕
図7は、上記の各実施例とは刺入部の形状及び刃面の角度を異にする本発明の注入針の一具体例の、先端付近を真上から見たときの拡大図を示す。本実施例では、刃面6は、軸部2の長手方向に対して、−40°の角度を有している。
〔実施例4〕
図8は、上記の各実施例とは刺入部の形状及び刃面の角度を異にする本発明の注入針の一具体例の、先端付近を真上から見たときの拡大図を示す。本実施例では、刃面6は、軸部2の長手方向に対して、40°の角度を有している。
〔実施例5〕
図9は、実施例4と同じ角度の刃面を有するが、しかし入部の形状を異にし、刃面が実施例4とは異なってガイド部側に面している本発明の注入針の一具体例の、先端付近を真上から見たときの拡大図を示す。
〔注入針の使用例〕
図10は、右側耳管の長軸方向に沿った立体構造の概要を、咽頭側に視点をおいて示す。図において、CTは軟骨部耳管の一部である。手前側には軟骨部耳管の横断面が示されており、奥方向は耳管峡部を経て鼓室側へと通じる。Lは耳管内腔である。図において「外側」及び「内側」は、それぞれ頭部の外側及び中心部へと向かう方向を示す。軟骨部耳管の断面に見られるように、この部分の耳管内腔(L)の断面は縦長である。
図11〜14は、図2に示した注入針1を用いて、患者の右側の軟骨部耳管内粘膜下に自家脂肪組織を注入する手技の概要を示す。図11において、Nは、治療すべき軟骨部耳管(CT)とは反対の側の外鼻孔である。すなわち、右側の耳管咽頭口(P)から奥に掛けての観察には、逆側(左側)鼻腔から軟性ファイバースコープ(F)を挿入し、右耳管咽頭口が直視下に見えるようにしておく。この状態で、患者の右側鼻腔から、注入針1を挿入する。
図12は、注入針1を軟骨部耳管(CT)内に挿入しているところを示す。Aは、図7において破線で囲んだ領域(A)と同一の領域を示す枠である。挿入は、ガイド部4の、刺入部3とは反対側(背側)の表面を粘膜に押し当てつつ行われる。そうすることによって、その部分の耳管内腔を一次的に押し広げ、刺入部3の先端をして、粘膜上を、挿入の途中でこれを傷つけることなく、前進させることができる。
図13は、注入針1のガイド部4を目的の位置(耳管峡部の手前)まで挿入し、その位置において刺入部3で粘膜を刺入した状態を示す。図からは明瞭でないが、ガイド部4は、その広がった幅のために、耳管峡部付近まで進入するに伴って抵抗が急増し、それにより術者は、ガイド部4が耳管峡部の手前に達したことを知ることができる。刺入部3による粘膜の刺入は、その先端が耳管内腔の外側やや上部の壁に当たるようにして行う(血管が豊富な下方や内側に向けて刺入してはならない)。注入する脂肪組織のバックフローの防止には、粘膜下への刺入部3の挿入長は、少なくとも約5mm程度あることが好ましいが、注入針1の刺入部の長さは6.5mmあるため、充分な長さが保証される。
図14は、耳管峡部の手前において、粘膜下に患者自身の脂肪組織(FT)を注入している様子を示す。脂肪組織は、約2〜4mL程度注入される。脂肪組織の注入により、この部位の管腔が肥厚し、これによる組織圧によって管腔が狭まって閉じる。所定量の脂肪組織の注入後、注入針は、引き抜かれ。治療は終了する。なお、自家脂肪組織は慣用の方法で得ることができる。例えば臍の下方において腹部の皮下脂肪を麻酔下に吸引採取し、滅菌生理食塩水による洗浄と遠心分離とによって精製したものを、そのまま用いることができる。
〔治療例〕
耳管開放症の症例:
以下の耳管開放症の症例に対して、経鼻的に耳管咽頭口側より約15mm奥の軟骨部耳管内腔粘膜下に、腹部より採取した自家脂肪を、実施例1と同様の注入針を用いて注入した。脂肪組織の注入量は約2〜4mLとした。
症例1: 15歳男性。両側の耳管開放症例。左側の耳管開放症に対して、自家脂肪組織の注入を、全身麻酔下に施した。術前3日前から、術側の鼓膜には、鼓膜チューブを留置し、脂肪注入術後の一過性の耳管狭窄による滲出性中耳炎の発症を最小限に抑えるようにした。術後半年を経過し、耳管機能検査のために鼓膜チューブを介して空気を送り込んでも、咽頭側へは中耳圧が400daPaの圧を超えないと抜けることはなく、耳管開放症は明らかに改善していた。自覚的にも耳のつまりや、響き(自声強聴)や、空気が抜ける感じなどはすべて消失していた。
症例2: 62歳男性。右耳管開放症であったが、上記の症例1と同様に、耳管咽頭口より約15mm奥の耳管内腔粘膜下へ、全身麻酔下に自家脂肪組織を注入した。術翌日から耳閉塞感や自声強聴などの右耳の症状は消失し、術後約半年後には、症例1と同様に術前3日前から挿入していた鼓膜チューブを介して中耳圧を増加させても、450daPa以下の圧で耳管が開くことはなくなった。
症例3: 44歳女性。両側耳管開放症であったので、時期をずらして、最初は右耳管内へ、次は、約4ヵ月後に左耳管内奥の粘膜下へ、各々症例1と同様にして、全身麻酔下に自家脂肪組織を注入した。各々の術後、翌日から、耳閉塞感や自声強聴などは消失したが、左は術後約4週後に脂肪が吸収されたために再発し、左側のみ再度その4ヵ月後に脂肪注入術をおこなった。術後は耳の症状もなくなり、検査結果でも中耳から咽頭への通気圧(耳管開大圧)も500daPa以上であり、耳管開放症は順調に改善した。
本発明は、耳管内、尿管内、中鼻道等のような、身体の狭い管腔又は襞間において、粘膜下に容易且つ的確に治療用材料を注入することのできる注入針として有用である。
耳管内粘膜下への脂肪組織注入のための、従来技術の注入針を示す。 本発明による、実施例1の注入針を示す。 図2に示した注入針の先端付近の拡大図を示す。 図2に示した注入針の先端付近をその真上から見たときの拡大図を示す。 図2に示した注入針の先端付近をガイド部の先端側から見たときの拡大図を示す。 刃面の角度が異なる実施例2の注入針の先端付近の拡大図を示す。 刃面の角度が異なる実施例3の注入針の先端付近の拡大図を示す。 刃面の角度が異なる実施例4の注入針の先端付近の拡大図を示す。 刃面の角度が異なる実施例5の注入針の先端付近の拡大図を示す。 右側耳管の長軸方向に沿った立体構造の概要を示す。 図2に示した注入針を用いて、軟骨部耳管内粘膜下に自家脂肪組織を注入する手技の概要を示す。 図2に示した注入針を軟骨部耳管に挿入しているところを示す。 図2に示した注入針により軟骨部耳管内粘膜を刺入しているところを示す。 粘膜下への脂肪組織の注入とそれによる耳管内腔の閉鎖を示す。
符号の説明
1=注入針、2=軸部、3=刺入部、4=ガイド部、5=アダプター、6=刃面、7=連結部分、8=分岐点、CT=軟骨部耳管、L=耳管内腔、P=耳管咽頭口、F=軟性ファイバースコープ、FT=脂肪組織

技術氏

Claims (8)

  1. 管腔を備えた軸部と、該軸部の先端部に設けられた、該軸部の管腔と連通した管腔を備えた刺入部とを含む注入針であって、該刺入部が該軸部の長手方向に対して斜め前方へと突出しており、且つ、該軸部の先端部に、該軸部の長手方向前方へと突出しているガイド部を更に含むことを特徴とする、注入針。
  2. 該ガイド部が該軸部の長手方向に、該ガイド部と該刺入部との分岐点から少なくとも3mmの距離まで突出していることを更に特徴とする、請求項1の注入針。
  3. 該刺入部と該ガイド部との分岐点から、該刺入部の最先端までの距離が、2〜20mmであることを更に特徴とする、請求項1又は2の注入針。
  4. 該軸部の長手方向に沿って比較したとき、該ガイド部の先端が、該刺入部の最先端位置の15mm前方を超えない位置にあることを更に特徴とする、請求項1ないし3の何れかの注入針。
  5. 該軸部の長手方向に沿って比較したとき、該ガイド部の先端が、該刺入部の最先端位置よりも、1〜15mm前方に位置していることを更に特徴とする、請求項1ないし4の何れかの注入針。
  6. 該刺入部の最先端と該ガイド部の表面との間の最短距離が、1.5〜6.0mmであることを更に特徴とする、請求項1ないし5の何れかの注入針。
  7. 該刺入部の先端の刃面が、該軸部の長手方向に平行にカットされてできる面によって構成されていることを更に特徴とする、請求項1ないし6の何れかの注入針。
  8. 該ガイド部が、相対的に幅の広い膨大部分又は扁平部分と、該膨大部分又は扁平部分を該軸部に連結する相対的に細い連結部分とを含んでなるものであることを更に特徴とする、請求項1ないし7の何れかの注入針。
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