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JP2005029463A - 透明導電膜付きガラス板とその製造方法、およびこのガラス板を用いた光電変換装置 - Google Patents

透明導電膜付きガラス板とその製造方法、およびこのガラス板を用いた光電変換装置 Download PDF

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Tsutomu Otani
強 大谷
Akira Fujisawa
章 藤沢
Toru Yamamoto
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Abstract

【課題】 SiOC膜を下地膜としながら、膜の付着力が高く、光の透過率が改善された透明導電膜付きガラス板を提供する。
【解決手段】 ガラス板1上に形成したSiOC膜2と、この膜と接するように形成した酸化錫を主成分とする透明導電膜3とを含みながら、JIS R3255−1997に基づく透明導電膜の付着力が90mN以上である透明導電膜付きガラス板とする。また、SiOC膜2の膜厚が20nm以上120nm以下、透明導電膜3の膜厚が400nm以上2000nm以下でありながら、これらの膜2,3からなる薄膜の吸収率を、400〜500nmの波長域において7.5%以下とする。これらガラス板は、SiOC膜2の表面に酸化剤を含む気流を接触させた後、この表面に透明導電膜3を形成して得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、透明導電膜付きガラス板に関し、さらには、この透明導電膜付きガラス板を用いた光電変換装置に関する。
太陽電池などの光電変換装置には、透明導電膜(透明電極)を備えたガラス板が基板として用いられることがある。例えば、アモルファス(非晶質)太陽電池は、通常、ガラス板上に形成した酸化錫を主成分とする透明導電膜上に、光電変換層であるアモルファスシリコン層、アルミニウムなどからなる裏面電極を、この順に形成して製造される。
透明導電膜としては、フッ素をドープした酸化錫(SnO2:F)膜が多用されている。この膜は、錫をドープした酸化インジウム(ITO)膜よりも耐プラズマ性能などの化学的安定性に優れており、プラズマCVD法が適用される光電変換層(アモルファスシリコン層)の成膜時にも劣化が少ない。ガラス板としては、安価で大量に供給されているソーダライムガラスが多用されている。この場合、ガラス板から透明導電膜へのアルカリ成分の拡散を防止するために、ガラス板と透明導電膜との間に、下地膜としてバリア性能を有する膜(バリア膜)が形成される。
SnO2:F膜を形成したガラス板には、高い光透過率と十分な導電性との両立が要求される。十分な導電性を得るためにSnO2:Fを厚膜化すると、反射光の干渉色(光彩)が問題となる場合がある。この光彩を低減するには、SnO2:Fの屈折率(約1.9)とガラス板の屈折率(約1.5)の中間の屈折率を有するバリア膜を使用するとよい。
例えば、特許文献1には、モノシラン、不飽和炭化水素、二酸化炭素の混合ガスを用いた化学蒸着法(CVD法)により形成した珪素(Si)、酸素(O)、炭素(C)を含有する膜(SiOC膜)が開示されている。特許文献1が開示するSiOC膜は、屈折率が1.6〜1.8程度であるが、この上に透明導電膜を形成した場合に膜の付着力が十分ではなく、膜が剥がれやすいという問題があった。また、透明導電膜を形成した場合に、特に可視短波長域において光の透過率が低くなるという問題もあった。
特開平1−201046号公報
本発明は、SiOC膜を下地膜としながら、膜の付着力が高い透明導電膜付きガラス板を提供することを目的とする。また、本発明は、SiOC膜を下地膜としながら、光の透過率が改善された透明導電膜付きガラス板を提供することを目的とする。
本発明の第1の透明導電膜付きガラス板は、ガラス板と、このガラス板上に形成した珪素、酸素および炭素を含む下地膜と、この下地膜と接するように下地膜上に形成した酸化錫を主成分とする透明導電膜とを含む透明導電膜付きガラス板であって、JIS R3255−1997「ガラスを基板とした薄膜の付着性試験」に基づいて測定した上記透明導電膜の付着力が90mN以上であることを特徴とする。
本発明の第2の透明導電膜付きガラス板は、ガラス板と、このガラス板上に形成した珪素、酸素および炭素を含む下地膜と、この下地膜と接するように下地膜上に形成した酸化錫を主成分とする透明導電膜とを含む透明導電膜付きガラス板であって、下地膜の膜厚が20nm以上120nm以下であり、透明導電膜の膜厚が400nm以上2000nm以下であり、下地膜と透明導電膜とからなる薄膜の吸収率の平均が、400〜500nmの波長域において7.5%以下であることを特徴とする。
本発明の透明導電膜付きガラス板の製造方法は、ガラス板と、このガラス板上に形成した珪素、酸素および炭素を含む下地膜と、この下地膜と接するように下地膜上に形成した酸化錫を主成分とする透明導電膜とを含む透明導電膜付きガラス板の製造方法であって、下地膜の表面に酸化剤を含む気流を接触させた後、この表面に透明導電膜を形成することを特徴とする。
下地膜であるSiOC膜の表面に酸化剤を含む気流を接触させてから透明導電膜を形成すると、透明導電膜付きガラス板の膜付着力および光透過率が向上する。本発明によれば、膜付着力および光透過率が上記程度に高い透明導電膜付きガラス板を得ることもできる。
本発明は、SiOC膜を下地膜とし、この膜に含まれる炭素の反応を抑制しているので、膜の付着力が高い透明導電膜付きガラス板、あるいは光の透過率が改善された透明導電膜付きガラス板を提供できる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の薄膜付きガラス板の一形態の断面図である。ガラス板1上に、珪素、酸素および炭素を含有する下地膜(SiOC膜)2が形成され、この表面上に酸化錫を主成分とする透明導電膜3が形成されている。なお、本明細書において、主成分とは、50重量%以上を占める成分をいう。
SiOC膜上に酸化錫を主成分とする透明導電膜をCVD法で直接成膜すると、特に可視短波長域における光の吸収が大きくなり、さらにはSiOC膜と透明導電膜との付着強度が低下し、透明導電膜の膜剥がれが生じやすくなる。この原因は十分に明らかではないが、SiOC膜の炭素(C)が酸化錫(SnO2)と反応して吸収の原因が発生し、かつ膜付着強度が低下すると考えられる。SiOC膜の表面に酸化剤を含む気流を接触させると、CとSnO2との反応を抑制できる。これにより、光吸収が少なく、膜付着力が向上した透明導電膜付きガラス板を得ることができる。
酸化剤は、二酸化炭素、水蒸気などであってもよいが、酸素を含むことが好ましい。酸化剤を含む気流は、酸化剤以外を含んでいてもよいが、被酸化材料、例えば膜形成原料として用いられる金属化合物、を含有しないことが好ましい。酸化剤を含む気流の好ましい例としては、酸化剤と、窒素、不活性ガスなど当該酸化剤に対して不活性な気体とからなる気流が挙げられる。この気流を、SiOC膜の表面に吹き付けると、SiOC膜のCが関与する上記反応を効果的に抑制できる。
酸化剤を含む気流を接触させる際、下地膜(SiOC膜)の表面は650℃以上に保持した状態とするとよい。酸化剤の作用が顕著となるからである。
下地膜(SiOC膜)と透明導電膜は、いずれもCVD法により形成するとよい。この場合、これらの膜は、ガラス板を成形するためのフロート槽(錫フロート槽)内でCVD法により形成することが好ましい。フロート槽内の雰囲気は、錫浴の酸化を防ぐために非酸化性雰囲気に保たれているため、SiOC膜表面への酸化剤供給の効果は大きい。
CVD法によりSiOC膜と透明導電膜とを連続して形成する場合、酸化剤を含む気流は、例えば、SiOC膜の原料を供給するコータと透明導電膜の原料を供給するコータとの間に配置したコータから供給するとよい。
SiOC膜のCが関与する上記反応をさらに抑制するためには、酸素濃度が高い原料ガス、例えば20〜85モル%の酸素を含む原料ガス、を用いて透明導電膜を形成するとよい。原料ガス中の酸素含有率が20モル%未満では十分な効果が得られず、85モル%を超えると透明導電膜の結晶成長が不安定になって、透明導電膜の膜質が低下する。さらに、原料ガスが発火するような危険な状態に到ることもある。
SiOC膜の屈折率は1.6〜1.8、特に1.7〜1.8が好ましい。この膜の屈折率は、膜組成などにより調整することができる。SiOC膜の膜厚は、アルカリ成分の拡散を抑制するバリア膜としての機能を発揮するためには、20nm以上が好ましく、高い透過率を得るためには、120nm以下、特に100nm以下が好ましい。
SiOC膜は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などのいわゆる物理的成膜法により形成してもよいが、CVD法により成膜することが好ましい。膜厚の均一性では物理的成膜法が有利であるが、被膜の化学的耐久性ではCVD法、特に常圧熱CVD法が優れている。このCVD法に用いる原料混合ガスには、少なくとも、シリコン含有物質および酸化剤を添加する。
シリコン含有物質(シリコン前駆物質)としては、モノシラン(SiH4)、ジシラン(Si26)、ジクロルシラン(SiH2Cl2)、三塩化シラン(SiHCl3)などの水素化シリコン、テトラメチルシラン((CH34Si)などのアルキル化シラン、四フッ化ケイ素(SiF4)、四塩化ケイ素(SiCl4)などを用いればよい。シリコン含有物質としてはモノシランが好適である。酸化剤としては、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、酸素(O2)、水蒸気(H2O)など、少なくとも酸素元素を含む化合物を用いればよく、例えば空気を用いてもよい。
原料混合ガスには、さらに、不飽和炭化水素を添加するとよい。不飽和炭化水素としては、エチレン系不飽和炭化水素、アセチレン系不飽和炭化水素、芳香族化合物などを用いればよいが、常温常圧で気体である化合物が適している。不飽和炭化水素としては、オレフィン、特に2〜4個の炭素原子を含むオレフィン、具体的にはエチレン(C24)が好適である。
CVD法では、例えばモノシランと酸素あるいは二酸化炭素の少なくとも一方とエチレンとを含む原料混合ガスは、不活性ガスであるキャリアガスとともに供給される。キャリアガスとしては、窒素やヘリウムなどを用いることができる。成膜時のガラス基板温度の低下を防止する必要があるときには、ヘリウムやヘリウムと窒素との混合ガスを使用するとよい。ヘリウムは窒素と比較して、熱伝達係数が大きいため、高温の基板へガスが吹き付けられるまでのガス温度上昇がヘリウムでは大きく、窒素と比較してガラス基板の温度低下を防止することができる。特に大きな成膜速度を得る場合など、ガラスの軟化点より成膜温度を高くする必要がある場合には、キャリアガスとして窒素を用いると、原料ガスの吹き付けにより、ガラス基板温度が低下して、ガラス基板が変形するといった問題が生じる場合がある。このような時には、ヘリウムやヘリウムと窒素との混合ガスを使用することが望ましい。
透明導電膜としては、酸化錫を主成分とする膜、具体的には、フッ素などの不純物をドープした酸化錫膜(SnO2:F膜、屈折率約1.9)が適している。透明導電膜の膜厚は、太陽電池など光電変換装置用基板として用いるには、光透過率を維持しながら導電性を確保するために、400nm以上2000nm以下、さらには400nm以上1400nm以下、特に500nm以上1000nm以下とするとよい。下地膜と透明導電膜の好ましい膜厚の組み合わせの一例は、下地膜の膜厚が20nm以上100nm以下、透明導電膜の膜厚が400nm以上1400nm以下である。透明導電膜のシート抵抗値は、特に限定されないが、具体的には、5Ω/スクエア(Ω/□)以上20Ω/スクエア以下が好ましい。
透明導電膜も、SiOC膜と同様、物理的成膜法よりも、スプレー法、CVD法など原料の熱分解酸化反応を伴う化学的成膜法により成膜するとよい。スプレー法としては、金属化合物を含む溶液を加熱したガラス板上に噴霧する溶液スプレー法、上記溶液に代えて金属化合物の微粒子を液体に分散させた分散液を用いる分散液スプレー法、上記溶液に代えて金属化合物の粉末を用いる粉末スプレー法などが挙げられる。これに対し、CVD法では、少なくとも錫原料を含む被膜形成用の蒸気が用いられる。
スプレー法は、比較的簡便な装置で実施できるという利点があるが、液滴の制御や排気されるべき生成物(反応生成物、未分解生成物など)の制御が難しいために均一な膜厚を得にくく、ガラス板の歪みも大きくなる。このため、成膜法として、総合的にはCVD法が優れている。
酸化錫を主成分とする透明導電膜には、フッ素とともに、あるいはフッ素に代えて、アンチモンのような他の微量成分を添加しても構わない。さらに、シリコン、アルミニウム、亜鉛、銅、インジウム、ビスマス、ガリウム、ホウ素、バナジウム、マンガン、ジルコニウムなどを添加してもよいが、これら微量成分の含有率は0.02重量%以下に留めるとよい。酸化錫を主成分とする透明導電膜には、錫原料から塩素が取り込まれることがあるが、この塩素は光透過率を低下させる原因となるため、塩素の含有率は0.4重量%以下が好ましい。
ガラス板としては、安価で大量に供給されているソーダライムシリカガラス(屈折率約1.5)を用いればよい。このガラス板は、通常、フロート法により製造され、極めて平滑な表面を有する。その厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.5mm以上5mm以下である。
CVD法による成膜は、予め所定の大きさに切断し、加熱したガラス板に原料混合ガスを吹き付けて行ってもよい。しかし、CVD法による成膜は、フロート法によるガラス製造工程におけるガラスリボン上において実施することが好ましい。この成膜法によれば、ガラス板を成形する際の熱エネルギーを利用できる。この好ましい製法(オンラインCVD法)は、大面積の透明導電膜付きガラス板の製造に有利であり、屋根材用などとして用いるために大面積のガラス板への成膜が求められる光電変換装置用基板の製造には特に適している。また、CVD法を錫フロート槽内の空間で行えば、軟化点以上の温度を有するガラス表面上で成膜できるため、膜の特性、成膜反応速度、膜反応効率などの向上が可能となる。さらに、ピンホール(膜抜け)などの欠点も抑制される。
フロート法におけるガラスリボン上にCVD法により成膜するオンラインCVD法のための装置の一形態を図2に示す。図2に示したように、この装置では、溶融炉(フロート窯)11から錫フロート糟12内に流れ出し、錫浴15上を帯状に移動するガラスリボン10の表面から所定距離を隔て、所定個数のコータ16(図示した形態では3つのコータ16a,16b,16c)が配置されている。これらのコータからガス状の原料(原料混合ガス)が供給され、ガラスリボン10上に連続的に膜が形成されていく。これら複数のコータを利用することにより、ガラスリボン10上に、錫フロート槽内において、SiOC膜をCVD法により成膜し、この膜の表面に酸化剤を含む気流を吹き付け、さらにこの表面に透明導電膜をCVD法により成膜してもよい。
各膜が形成されたガラスリボン10は、ローラ17により引き上げられて、徐冷窯13へと送り込まれる。徐冷窯13で冷却されたガラス板は、図示を省略する切断装置により切断され、所定の大きさのガラス板となる。
CVD法により酸化錫を主成分とする透明導電膜を形成する場合の錫原料としては、四塩化錫、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、テトラメチル錫、テトラブチル錫、ジオクチル錫ジクロライド、モノブチル錫トリクロライドなどが挙げられる。錫原料を酸化するための酸化原料としては、酸素、水蒸気、乾燥空気などを用いればよい。フッ素原料としては、フッ化水素、トリフルオロ酢酸、ブロモトリフルオロメタン、クロロジフルオロメタンなどが好ましい。アンチモンを添加する場合には、五塩化アンチモン、三塩化アンチモンなどを用いるとよい。また、四塩化錫など、反応性の高い錫原料を用いる場合は、塩酸、アルコールなどの反応抑制剤を適量添加してもよい。
本発明の透明導電膜付きガラス板は、特に太陽電池用基板として好適である。アモルファスシリコン太陽電池用基板として用いる場合には、透明導電膜上に、光電変換層としてアモルファスシリコン膜が形成される。アモルファスシリコン膜は、例えば、水素ガスで希釈されたモノシランを原料とし、グロー放電を用いたプラズマCVD法により成膜すればよい。アモルファスシリコン膜は、通常、pin接合が形成されるように適宜メタン、ジボラン、フォスフィンなどをシリコン膜に添加しながら、透明導電膜側から順に、p層、i層、n層を成膜することにより形成される。さらに、アモルファスシリコン膜上には、アルミニウム膜などからなる金属電極層(裏面電極)が形成される。もっとも、アモルファスシリコン膜に代えて、結晶シリコン膜を光電変換層として形成しても構わない。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
(実施例1)
図2と同様の装置を用いて、オンラインCVD法により、ガラスリボン表面にSiOC膜を形成した後、酸素を含む気流をSiOC膜表面に吹き付け、その後、このガラスリボンの表面にSnO2膜を成膜した。フロートバス内には、1500〜1600℃の通常のソーダライムシリカガラス組成からなる熔融ガラス生地を流し込んだ。
ガラスリポンの温度が750℃のときに、最上流側に位置する第1のコータ(図2中16a)から、厚さが4.0mmのガラスリボンに原料ガスを吹き付けてSiOC膜を成膜した。原料ガスは、モノシラン(SiH4)、エチレン(C24)、二酸化炭素(CO2)、酸素(O2)の混合ガスを用いた。この原料ガスの濃度を調節して膜厚が50nmのSiOC膜を成膜した。
次いで、第2のコータ(図2中16b)から、SiOC膜の表面に酸素と窒素の混合ガスを吹き付けた。混合ガスのモル比は酸素:窒素=1:1とした。このとき、ガラスリボンは、少なくとも650℃を下回らない温度に保たれている。
引き続き、第3のコータ(図2中16c)から、塩化第二錫(蒸気)、水蒸気、塩化水素、フッ化水素、窒素およびヘリウムからなる混合ガス(原料ガス)を供給し、厚さ200nmのSnO2:F膜(第1層)を形成した。さらに、第4のコータおよび第5のコータ(ともに図2では図示省略)から、第3のコータと同じ混合ガスを供給し、厚さ550nmのSnO2:F膜(第2層)を形成した。なお、塩化水素は、水蒸気との混合前の塩化第二錫に事前混合して供給した。
こうして得た膜厚50nmのSiOC膜および合計膜厚750nmのSnO2:F膜からなる薄膜のシート抵抗は12Ω/□であった。また、この薄膜の波長400nm〜500nmにおける吸収率の平均は5.5%であった。さらに、JIS R3255−1997に基づいて測定した薄膜の付着力は95mNであった。
なお、膜の吸収率は、以下のようにして測定した。まず、透明導電膜上に、屈折率が1.79のヨウ化メチレンを塗布し、さらにその上に厚さ1mmのカバーガラス(コーニング社製#7059)を密着させ、透明導電膜の表面凹凸による散乱ロスを解消したサンプルを作製した。このサンブルの可視光域における透過率および反射率を、分光光度計を用いて測定し、その結果からサンプルの吸収率を求めた。一方、薄膜を形成していないソーダライムガラス板にヨウ化メチレンを塗布し、その上から上記カバーガラスを密着させて参照用サンプルを作製し、この参照用サンプルについても上記と同様にして可視光域における吸収率を求めた。そして、サンプルの吸収率から参照用サンプルの吸収率を差し引いて、薄膜の吸収率を求めた。
(実施例2)
SiOC膜を成膜する原料ガスとして、モノシラン(SiH4)、エチレン(C24)、酸素(O2)の混合ガスを用いて、この原料ガスの濃度を調節して膜厚が60nmのSiOC膜を成膜したこと以外は、すべて実施例1と同様におこなった。
こうして得た膜厚60nmのSiOC膜および合計膜厚750nmのSnO2:F膜からなる薄膜のシート抵抗は11Ω/□であった。また、この薄膜の波長400nm〜500nmにおける吸収率の平均は5.1%であった。さらに、JIS R3255−1997に基づいて測定した薄膜の付着力は98mNであった。
(実施例3)
第3のコータ(図2中16c)でSnO2:F膜(第1層)を成膜する原料ガスとして塩化第二錫(蒸気)、水蒸気、塩化水素、フッ化水素、窒素、ヘリウム、および酸素からなる混合ガスを供給し、厚さ200nmのSnO2:F膜(第1層)を形成したこと以外は、すべて実施例1と同様におこなった。原料ガス中の酸素濃度は、50モル%とした。
こうして得た膜厚50nmのSiOC膜および合計膜厚750nmのSnO2:F膜からなる薄膜のシート抵抗は12Ω/□であった。また、この薄膜の波長400nm〜500nmにおける吸収率の平均は4.9%であった。さらに、JIS R3255−1997に基づいて測定した薄膜の付着力は101mNであった。
(比較例1)
第2のコータ(図2中16b)から酸素と窒素の混合ガスを吹き付けないこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と同じ膜厚のSiOC膜およびSnO2:F膜を形成した。こうして得た透明導電膜付きガラス板について、実施例1と同様にして各特性を測定したところ、シート抵抗は12Ω/□であり、波長400nm〜500nmにおける薄膜の吸収率の平均は8.2%であり、JIS R3255−1997に基づいて測定した薄膜の付着力は80mNであった。
本発明は、SIOC膜を下地膜としながらも、この膜に含まれる炭素の反応を抑制することにより、膜の付着力が高い透明導電膜付きガラス板、あるいは光の透過率が改善された透明導電膜付きガラス板を提供するものとして、例えば光電変換装置の分野において大きな利用価値を有する。
本発明による透明導電膜付きガラス板の一形態を示す断面図である。 本発明の透明導電膜付きガラス板の製造に用い得る装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 ガラス板
2 SiOC膜
3 透明導電膜
10 ガラスリボン
11 溶融炉
12 錫フロート槽
13 徐冷窯
15 錫浴
16 コータ
17 ローラ

Claims (11)

  1. ガラス板と、前記ガラス板上に形成した珪素、酸素および炭素を含む下地膜と、前記下地膜と接するように前記下地膜上に形成した酸化錫を主成分とする透明導電膜とを含む透明導電膜付きガラス板であって、JIS R3255−1997「ガラスを基板とした薄膜の付着性試験」に基づいて測定した前記透明導電膜の付着力が90mN以上である透明導電膜付きガラス板。
  2. 前記下地膜の膜厚が20nm以上120nm以下であり、前記透明導電膜の膜厚が400nm以上2000nm以下であり、前記下地膜と前記透明導電膜とからなる薄膜の吸収率の平均が、400〜500nmの波長域において7.5%以下である請求項1に記載の透明導電膜付きガラス板。
  3. ガラス板と、前記ガラス板上に形成した珪素、酸素および炭素を含む下地膜と、前記下地膜と接するように前記下地膜上に形成した酸化錫を主成分とする透明導電膜とを含む透明導電膜付きガラス板であって、前記下地膜の膜厚が20nm以上120nm以下であり、前記透明導電膜の膜厚が400nm以上2000nm以下であり、前記下地膜と前記透明導電膜とからなる薄膜の吸収率の平均が、400〜500nmの波長域において7.5%以下である透明導電膜付きガラス板。
  4. 前記下地膜の膜厚が20nm以上100nm以下であり、前記透明導電膜の膜厚が400nm以上1400nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電膜付きガラス板。
  5. ガラス板と、前記ガラス板上に形成した珪素、酸素および炭素を含む下地膜と、前記下地膜と接するように前記下地膜上に形成した酸化錫を主成分とする透明導電膜とを含む透明導電膜付きガラス板の製造方法であって、前記下地膜の表面に酸化剤を含む気流を接触させた後、前記表面に前記透明導電膜を形成する透明導電膜付きガラス板の製造方法。
  6. 前記酸化剤が酸素を含む請求項5に記載の透明導電膜付きガラス板の製造方法。
  7. 前記表面を650℃以上に保持した状態で前記表面に前記気流を接触させる請求項5または6に記載の透明導電膜付きガラス板の製造方法。
  8. 前記下地膜および前記透明導電膜を化学蒸着法により形成する請求項5〜7のいずれかに記載の透明導電膜付きガラス板の製造方法。
  9. 前記下地膜および前記透明導電膜を、前記ガラス板を成形するためのフロート槽内で化学蒸着法により形成する請求項8に記載の透明導電膜付きガラス板の製造方法。
  10. 20〜85モル%の酸素を含む原料ガスを用いて前記透明導電膜を形成する請求項5〜9のいずれかに記載の透明導電膜付きガラス板の製造方法。
  11. 請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電膜付きガラス板を含む光電変換装置。
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