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JP2005097594A - プラスチックカード及び立体形状形成装置並びに立体形状形成方法 - Google Patents

プラスチックカード及び立体形状形成装置並びに立体形状形成方法 Download PDF

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JP2005097594A JP2004249183A JP2004249183A JP2005097594A JP 2005097594 A JP2005097594 A JP 2005097594A JP 2004249183 A JP2004249183 A JP 2004249183A JP 2004249183 A JP2004249183 A JP 2004249183A JP 2005097594 A JP2005097594 A JP 2005097594A
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Yasuhisa Fujii
泰久 藤井
Hisato Kusugami
久人 楠神
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Kyodo Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】 量産性に優れ、低コストで信頼性の高い、エンボス加工に代わる凸状の識別判定文字(識別表示)が形成されたプラスチックカード、立体形状形成装置、及び、立体形状形成方法を提供する。
【手段】 プラスチックICカード1は、表面に立体的な識別表示が形成されてなり、プラスチックICカード1表面に塗布された高分子材料により所望の凸形状が識別表示として形成されてなる。立体形状形成装置20は、プラスチックICカード1表面に高分子材料を立体的に塗布するためのディスペンサー6と、前記ディスペンサー6及び/又は前記プラスチックICカード1を3次元的に駆動するための3軸ロボット群10とを備え、前記ディスペンサー6は、前記3軸ロボット群10に設置されているとともに、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3次元の駆動制御とディスペンサー6の空気圧の制御とが各々独立に行われる。
【選択図】 図3


Description

本発明は、非接触型ICカード、接触部と非接触部を両方保有する複合型ICカード、又は単に立体的な文字、記号、その他識別表示、点字、描画などを備えたIC機能を持たない識別表示プラスチックカード、及びその立体形状製造装置及び立体形状形成方法に関するものであり、特にエンボス加工に代わる凸状の立体形状形成技術に関する。
識別表示プラスチックカード、特に、複合ICカードなどは、1枚のICカード上に接触型および非接触型の複数のアプリケーションが搭載されており、使い勝手のよさと強固なセキュリティの両方を実現している。
この複合ICカードの非接触部には記憶媒体と演算回路などを内蔵したICチップや結合コイル・アンテナなどの電気配線が形成されており、一方、カードの接触部はエンボス加工によって凸状の立体文字が形成されており、これは、インプリントによるカードの特定機能を持った識別表示となっている。
しかしながら、現エンボス加工法でカードの接触部を形成する方法では、非接触部の機能モジュールの切断、コンデンサー機能への障害発生などが生じやすいという問題がある。
このため、現在の複合ICカードにおいてはカードの多機能化に伴ってエンボス加工は著しく設計上の制約と機能の制限を余儀なくされている。カードの接触部機能を充分に生かすためには現在のエンボス加工に代わる新しい立体印字技術が求められている。
これに対して、特開平6−340191号公報には、プラスチックカード上に高分子材料をスクリーン印刷又はインクジェット印刷によりカード本体に部分的に塗布して、所望の凸状の数字・記号等を形成することを特徴とするプラスチックカード及びその製造方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開平6−340191号公報
上記のように、プラスチックカード上に凸状の立体識別表示を形成する際、エンボス加工が使われている。しかしながら、近年のICカードの多機能化に伴い、ICなど非接触部の機能モジュール切断、コンデンサー機能への障害発生などの問題を発生することなど、エンボス加工は著しく設計上の制約と機能の制限を受けるという問題点を有している。
一方、特許文献1による方法では、プラスチックカード上に高分子材料をスクリーン印刷又はインクジェット印刷によりカード本体に部分的に塗布して、所望の凸状の数字・記号等を形成するとなっている。
ところが、スクリーン印刷ではスクリーンが必要であり、カード上の文字・記号・点字は、人によって又はカードによって異なり、例えばアルファベットのみに限定して35文字をカードに記載する為には、2635枚ものスクリーンを用意して置かなければならず、現実的ではない。
また、インクジェット印刷方法については、最近ノズル数が数百にものぼるライン対応のインクジェットプリントヘッドが開発されており、高精細で高速にプラスチックカード上に直接印字することが可能になっている。しかしながら、その駆動方法、駆動力から吐出するインクなどの液体材料の粘度はせいぜい数10cpsまでであり、また吐出量もせいぜい60pl以下である。プラスチックカード上にエンボスにかわる凸状の立体印字を形成するとなると、液滴材料吐出+硬化+吐出+硬化………を繰り返して積層し、所定の厚みを稼ぐ必要がある。本出願人の実験では、400μmの高さを得るためには、40回以上の積層を繰り返す必要があった。ゆえに、1枚のカード上に所定の立体印字を作成するため、非常に手間とコストがかかるという問題点を有している。また、小液滴を積層していくうちに、液だれ等が起こり、所望の方向に積層できず、断面のプロファイルが歪になるなどの問題点を有している。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、量産性に優れ、低コストで信頼性の高い、エンボス加工に代わる凸状の識別判定文字が形成されたプラスチックカード、立体形状形成装置、及び、立体形状形成方法を提供することにある。
本願発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した。その結果、高粘度高分子材料をディスペンサーを用いて、X軸方向,Y軸方向,Z軸方向の3軸及び空気圧をおのおの独立に制御し、プラスチックカード本体部分に立体的に塗布して、硬化することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
請求項1のプラスチックカードは、上記の課題を解決するために、表面に立体形状が形成されてなるプラスチックカードにおいて、プラスチックカード表面に塗布された高分子材料により所望の立体形状が形成されてなることを特徴としている。
上記の構成によれば、高分子材料をプラスチックカード表面に直接塗布することにより、所望の立体形状(凸形状)が形成されているので、エンボス加工等のようにカード本体を直接変形させる必要がなく、カードの損傷を免れることができる。また、スクリーン印刷のようにスクリーンを用いたり、インクジェット印刷のように、多数の積層工程を必要としない。これにより、量産性に優れ、低コストで信頼性の高い、エンボス加工に代わる凸状の識別判定文字等の立体形状が形成されたプラスチックカードを提供することができる。
請求項2のプラスチックカードは、上記の課題を解決するために、高分子材料は、25℃におけるずり速度が20(1/s)での粘度が、5000cps以上100万cps以下、及び/又は、25℃におけるずり速度が20(1/s)の粘度とずり速度が2.5(1/s)の粘度との比で表されるチクソ比が、2.0以上の範囲であることを特徴としている。
請求項3のプラスチックカードは、高分子材料は、25℃におけるずり速度が20(1/s)での粘度が、4万cps以上20万cps以下、及び/又は、25℃におけるずり速度が20(1/s)の粘度とずり速度が2.5(1/s)の粘度との比で表されるチクソ比が、3.5以上8.0以下の範囲であることを特徴としている。
上記の構成によれば、高粘度の高分子材料を塗布することにより、1回の塗布で厚みを稼ぐことが可能で、繰り返し積層塗布する必要がなく、1回もしくは、せいぜい2回の塗布で充分所定の厚みに立体識別表示を形成することができる。また、チクソ比が高いことにより、ディスペンサーの空気圧で材料をノズルから押し出す際は、粘度が低く押し出しやすくなり、プラスチックカード上に塗布されてからは、粘度が高くだれなく形状を保持しやすい。高分子材料は、上記粘度範囲、及び、上記チクソ比の範囲の、いずれかの範囲を満たすものであってもよく、両者を同時に満たすものであってもよい。また、粘度及びチクソ比の値が前記上限値より高い場合には、文字と文字の繋ぎ目などディスペンサーノズルから高分子材料の押し出しを一旦停止し、次の字に移行する場合など、高分子材料の切れが悪く、識別文字にいわゆる糸引きが生じてその部分が微小突起となってしまうなどの問題点が発生する。高分子材料は、上記粘度範囲、及び、上記チクソ比の範囲の、いずれかの範囲を満たすものであっても良く、両者を同時に満たすものであっても良い。
請求項4のプラスチックカードは、上記の課題を解決するために、高分子材料は、紫外線硬化型、可視光硬化型、熱硬化型、湿気硬化型からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種の接着剤又はインク材料であることを特徴としている。
上記の構成によれば、高分子材料が上記いずれかの接着剤、インク材料であることで、塗布後に硬化することにより、材料自体の硬度、密着力を大きくすることができる。プラスチックカードの立体識別文字はインプリンタ−で3000回の耐久性が要求されるので、硬度と密着力は重要なファクターである。
請求項5のプラスチックカードは、上記の課題を解決するために、高分子材料は、アクリル系樹脂及びエポキシ系樹脂の少なくともいずれかを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、アクリル系樹脂はプラスチックカードなどに一般に使われているPET材料との密着力を高めることができる。また、アクリル系樹脂は、種類によってはシェアーD=85以上もの材料もあり、比較的高硬度に硬化させることができる。また、エポキシ系樹脂も、種類によってはシェアーD=95以上の材料もあり、高硬度に硬化させることができる。
請求項6のプラスチックカードは、上記の課題を解決するために、高分子材料は、シリカ、ホウ素アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、アルミナからなる群より選ばれる少なくともいずれか1種の充填剤を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、ベースとなる高分子材料に上記充填剤を含有・分散させることによって、高分子材料の粘度、チクソ比、硬度、密着性などを高くすることが可能になる。
請求項7の立体形状形成装置は、上記の課題を解決するために、表示媒体表面に高分子材料を立体的に塗布するためのディスペンサーと、前記ディスペンサー及び/又は前記表示媒体を3次元的に駆動するための3軸ロボット群とを備え、前記ディスペンサーは、前記3軸ロボット群に設置されているとともに、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3次元の駆動制御とディスペンサーの空気圧の制御とが各々独立に行われることを特徴としている。
上記の構成によれば、比較的安価なディスペンサー等を用いて、高分子材料をプラスチックカード上に簡易に塗布できるため量産性に優れると共に、多様な文字・記号・点字などに対応できる。また、空気圧制御であるため、高粘度材料を塗布するのに適しているため、厚い凸状の識別表示を形成することが可能である。また、X軸方向,Y軸方向,Z軸方向の制御及びディスペンサーの空気圧の制御が各々独立に任意におこなえるので、高分子材料をプラスチックカードの所定の位置に、所定の厚み(高さ)、サイズ(平面形状、断面形状)など任意に、多様な文字・記号・点字などの凸状の識別表示を形成することが可能である。また、高分子材料をプラスチックカード表面に直接塗布することにより、所望の凸形状が形成されるので、エンボス加工等のようにカード本体を直接変形させる必要がなく、カードの損傷を免れることができる。さらに、スクリーン印刷のようにスクリーンを用いたり、インクジェット印刷のように、多数の積層工程を必要としない。これにより、量産性に優れ、低コストで信頼性の高い、エンボス加工に代わる凸状の識別判定文字が形成されたプラスチックカードを提供することができる。
請求項8の立体形状形成装置は、上記の課題を解決するために、ディスペンサーのノズルは、出口に向かって絞られた形状であることを特徴としている。
上記の構成によれば、高分子材料をディスペンサーシリンジから塗布する際に流路抵抗が小さくでき、比較的高粘度の高分子材料を高速に塗布することが可能となる。特に、文字・記号・点字の線幅が小さい識別表示を形成する為に、ノズル径の小さなノズルを使用する際には特に顕著な効果がある。
請求項9の立体形状形成装置は、上記の課題を解決するために、ディスペンサーは、ノズル部分、高分子材料を封入するシリンジ部分、及びそれらの周辺部分の少なくともいずれかに加熱機構を設け、又は加熱機構を支持する支持部材を設けたことを特徴としている。
上記の構成によれば、加熱によりプラスチック材料の粘度が低くなった状態でノズルからの塗布が可能になるので、塗布速度を向上させることが可能となる。
請求項10の立体形状形成方法は、上記の課題を解決するために、表示媒体表面に立体的な形状を形成する立体形状形成方法において、高分子材料を、表示媒体表面に1〜3回繰り返し塗布して所望の立体形状を形成することを特徴としている。
上記の構成によれば、1回の塗布においては基本的にはアスペクト比(印字高さ/印字幅)せいぜい1までが理論的に限界であるが、2回以上の塗布によりさらに高アスペクトな凸状立体形状を形成することが可能となる。また、1回目は比較的低粘度プラスチックの塗布又はノズル径の広いノズルで塗布することにより、平面方向に広がらせ、プラスチックカードとの接触面積を増やし、密着力を向上させる。2回目の塗布時に比較的高粘度のプラスチックの塗布又はノズル径の狭いノズルで塗布することにより、凸状立体形状を形成させることが可能となる。ここで、1回目の塗布の際に、表示媒体であるプラスチックカード材料と化学的に密着力を上げる為に、プラスチック材料でなくプライマーなどの表面処理剤を塗布してもよい。
また、高分子材料をプラスチックカード表面に直接塗布することにより、所望の凸形状が形成されているので、エンボス加工等のようにカード本体を直接変形させる必要がなく、カードの損傷を免れることができる。また、スクリーン印刷のようにスクリーンを用いたり、インクジェット印刷のように、多数の積層工程を必要としない。これにより、量産性に優れ、低コストで信頼性の高い、エンボス加工に代わる凸状の識別判定文字が形成されたプラスチックカード等の識別表示を形成することができる。
請求項11の立体形状形成方法は、上記の課題を解決するために、表示媒体上に立体形状として塗布された高分子材料を、硬化前又は硬化後に仮加熱することを特徴としている。
上記の構成によれば、高粘度高分子材料をプラスチックカードに塗布した後、凸部根元を加熱により、だれさすことにより、プラスチックカードとの接着面積を高め、密着力、耐衝撃力などを高めることが可能となる。また、付加するプラスチック材料がUV硬化型又は可視光硬化型の場合においては、光により完全に分子結合が終わっていない部分を完全硬化又はガスとして排出させることが可能である。特に厚みの厚い光硬化樹脂の場合ほど必要性は高い。
請求項12の立体形状形成方法は、上記の課題を解決するために、表示媒体上に立体形状として塗布された高分子材料を、硬化後に表示媒体上に溶着させることを特徴としている。
請求項13の立体形状形成方法は、上記の課題を解決するために、表示媒体上に立体形状として塗布された高分子材料を、近赤外領域の波長を有するレーザーを照射して溶着するか、又は、超音波振動により溶着することを特徴としている。
上記構成によれば、プラスチックカード表面と付加するカード材料が、異質の物質又は接触面積が少ない等により、充分な密着力が得られない場合があるが、溶着により接触面で一体化することができるので、密着力、耐衝撃性などを高めることができる。
請求項14の立体形状形成方法は、上記の課題を解決するために、表示媒体表面に立体的な識別表示を形成する立体形状形成方法において、高分子材料を塗布する前にレーザーにより塗布領域に近似した範囲で媒体表面をアブレーション加工することを特徴としている。
上記構成によれば、プラスチックカード表面などの撥水性の薄皮などを除去でき、その後、ディスペンサーにより高分子材料を塗布することになるので、高分子材料とカードとの密着力を高めることができる。通常、ICカードに使われているPET及びPETGなどの表面は、保護膜としてシリコーン離系剤などが薄くコーティングされている。その為、高分子材料と保護膜との密着力が弱い。そこで、本発明の様にレーザーにより、プラスチックカード表面を弱くアブレーション加工することにより、表面の保護膜又は保護膜とその下地を除去し、さらに面を荒らすことができる。
レーザーアブレーション処理する範囲は、ディスペンサーにより塗布する立体識別文字の領域に近似していることが好ましい。さらに、ディスペンサーにより塗布する立体識別文字(凸)に合わせて、レーザーアブレーション処理によりサイズは若干異なるが、全く同じ識別文字(凹)を加工することがさらに好ましい。
このようにすることにより、アブレーション処理による撥水領域との境界または段差境界を有効に利用し、ディスペンサーにより塗布する高分子材料のだれ具合の制御が可能になり、より高アスペクトな識別文字が形成でき、また、識別文字の外形もよりシャープにすることができる。
本発明のプラスチックカードは、以上のように、表面に立体形状が形成されてなるプラスチックカードにおいて、プラスチックカード表面に塗布された高分子材料により所望の立体形状が形成されてなる構成である。
それゆえ、高分子材料をプラスチックカード表面に直接塗布することにより、所望の凸形状が形成されているので、エンボス加工等のようにカード本体を直接変形させる必要がなく、カードの損傷を免れることができる。また、スクリーン印刷のようにスクリーンを用いたり、インクジェット印刷のように、多数の積層工程を必要としない。これにより、量産性に優れ、低コストで信頼性の高い、エンボス加工に代わる凸状の識別判定文字が形成されたプラスチックカードを提供できるという効果を奏する。
本発明の立体形状形成装置は、以上のように、表示媒体表面に高分子材料を立体的に塗布するためのディスペンサーと、前記ディスペンサー及び/又は前記表示媒体を3次元的に駆動するための3軸ロボット群とを備え、前記ディスペンサーは、前記3軸ロボット群に設置されているとともに、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3次元の駆動制御とディスペンサーの空気圧の制御とが各々独立に行われる構成である。
請求項2のプラスチックカードは、以上のように、高分子材料は、25℃におけるずり速度が20(1/s)での粘度が、5000cps以上100万cps以下、及び/又は、25℃におけるずり速度が20(1/s)の粘度とずり速度が2.5(1/s)の粘度との比であるチクソ比が、2.0以上の範囲である構成である。
請求項3のプラスチックカードは、以上のように、高分子材料は、25℃におけるずり速度が20(1/s)での粘度が、4万cps以上20万cps以下、及び/又は、25℃におけるずり速度が20(1/s)の粘度とずり速度が2.5(1/s)の粘度との比で表されるチクソ比が、3.5以上8.0以下の範囲である構成である。
それゆえ、高粘度の高分子材料を塗布することにより、1回の塗布で厚みを稼ぐことが可能で、繰り返し積層塗布する必要がなく、1回もしくは、せいぜい2回の塗布で充分所定の厚みに立体識別表示を形成することが可能である。また、チクソ比が高いことにより、ディスペンサーの空気圧で材料をノズルから押し出す際は、粘度が低く押し出しやすくなり、プラスチックカード上に塗布されてからは、粘度が高くだれなく形状を保持しやすい。
請求項4のプラスチックカードは、以上のように、高分子材料は、紫外線硬化型、可視光硬化型、熱硬化型、湿気硬化型からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種の接着剤又はインク材料である構成である。
それゆえ、高分子材料が上記いずれかの接着剤、インク材料であることで、塗布後に硬化することにより、材料自体の硬度、密着力を大きくすることができる。
請求項5のプラスチックカードは、以上のように、高分子材料は、アクリル系樹脂及びエポキシ系樹脂の少なくともいずれかを含む構成である。
それゆえ、アクリル系はプラスチックカードなどに一般に使われているPET材料との密着力が高められるという効果を奏する。
請求項6のプラスチックカードは、以上のように、高分子材料は、シリカ、ホウ素アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、アルミナからなる群より選ばれる少なくともいずれか1種の充填剤を含む構成である。
それゆえ、ベースプラスチック材料に充填剤を含有・分散させることによって、プラスチック材料の粘度、チクソ比、硬度、密着性などを高くすることが可能になる。
請求項7の立体形状形成装置は、以上のように、表示媒体表面に高分子材料を立体的に塗布するためのディスペンサーと、前記ディスペンサー及び/又は前記表示媒体を3次元的に駆動するための3軸ロボット群とを備え、前記ディスペンサーは、前記3軸ロボット群に設置されているとともに、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3次元の駆動制御とディスペンサーの空気圧の制御とが各々独立に行われる構成である。
それゆえ、比較的安価なデイスペンサー等を用いて、高分子材料をプラスチックカード上に簡易に塗布できるため量産性に優れると共に、多様な文字・記号・点字などに対応できる。また、空気圧制御であるため、高粘度材料を塗布するのに適しているため、厚い凸状の識別表示を形成することが可能である。また、X軸方向,Y軸方向,Z軸方向の制御及びディスペンサーの空気圧の制御が各々独立に任意におこなえるので、プラスティック材料をプラスチックカードの所定の位置に、所定の厚み(高さ)、サイズ(平面形状、断面形状)など任意に、多様な文字・記号・点字などの凸状の識別表示を形成することが可能である。また、高分子材料をプラスチックカード表面に直接塗布することにより、所望の凸形状が形成されるので、エンボス加工等のようにカード本体を直接変形させる必要がなく、カードの損傷を免れることができる。さらに、スクリーン印刷のようにスクリーンを用いたり、インクジェット印刷のように、多数の積層工程を必要としない。これにより、量産性に優れ、低コストで信頼性の高い、エンボス加工に代わる凸状の識別判定文字が形成されたプラスチックカードを提供できる。
請求項8の立体形状形成装置は、以上のように、ディスペンサーのノズルは、出口に向かって絞られた形状である構成である。
それゆえ、高分子材料をディスペンサーシリンジから塗布する際に流路抵抗が小さくでき、比較的高粘度の高分子材料を高速に塗布することが可能となる。特に、文字・記号・点字の線幅が小さい識別表示を形成する為に、ノズル径の小さなノズルを使用する際には特に顕著な効果がある。
請求項9の立体形状形成装置は、以上のように、ディスペンサーは、ノズル部分、高分子材料を封入するシリンジ部分、及びそれらの周辺部分の少なくともいずれかに加熱機構を設け、又は加熱機構を支持する支持部材を設けた構成である。
それゆえ、加熱によりプラスチック材料の粘度が低くなった状態で、ノズルからの塗布が可能になるので、塗布速度を向上させることが可能となる。
請求項10の立体形状形成方法は、以上のように、表示媒体表面に立体的な形状を形成する立体形状形成方法において、高分子材料を、表示媒体表面に1〜3回繰り返し塗布して所望の凸形状を形成することにより立体形状を形成する構成である。
それゆえ、1回の塗布においては基本的にはアスペクト比(印字高さ/印字幅)までが理論的に限界であるが、2回以上の塗布によりさらに高アスペクトな凸状識別表示を形成することが可能となる。また、1回めは比較的低粘度プラスチックの塗布又はノズル径の広いノズルで塗布させることにより、平面方向に広がらせ、プラスチックカードとの接触面積を増やし、密着力を向上させる。2回目の塗布時に比較的高粘度プラスチックの塗布又はノズル径の狭いノズルで塗布させることにより、凸状識別表示を形成させることが可能となる。ここで、1回目の塗布の際に、プラスチックカードと化学的に密着力を上げる為に、プライマーなどの表面処理剤を塗布することも含まれる。
また、高分子材料をプラスチックカード表面に直接塗布することにより、所望の凸形状が形成されているので、エンボス加工等のようにカード本体を直接変形させる必要がないので、カードの損傷を免れることができる。また、スクリーン印刷のようにスクリーンを用いたり、インクジェット印刷のように、多数の積層工程を必要としない。これにより、量産性に優れ、低コストで信頼性の高い、エンボス加工に代わる凸状の識別判定文字が形成されたプラスチックカード等の識別表示を形成することができる。
請求項11の立体形状形成方法は、以上のように、表示媒体上に立体形状として塗布された高分子材料を、硬化前又は硬化後に、仮加熱する構成である。
それゆえ、高粘度高分子材料をプラスチックカードに塗布した後、凸部根元を加熱により、だれさすことにより、プラスチックカードとの接着面積を高め、密着力、耐衝撃力などを高めることが可能となる。また、付加するプラスチック材料がUV硬化型又は可視光硬化型の場合においては、光により完全に分子結合が終わっていない部分を完全硬化又はガスとして排出させることが可能である。
請求項12の立体形状形成方法は、以上のように、表示媒体上に立体形状として塗布された高分子材料を、硬化後に表示媒体上に溶着させる構成である。
請求項13の立体形状形成方法は、以上のように、表示媒体上に立体形状として塗布された高分子材料を、近赤外領域の波長を有するレーザーを照射して溶着するか、又は、超音波振動により溶着する構成である。
それゆえ、プラスチックカード表面と付加するカード材料が、異質の物質又は接触面積が少ない等により、充分な密着力が得られない場合があるが、溶着により接触面で一体化することができるので、密着力、耐衝撃性などを高めることができる。
請求項14の立体形状形成方法は、以上のように、高分子材料を塗布する前にレーザーにより塗布領域に近似した範囲で媒体表面をアブレーション加工する構成である。
それゆえ、プラスチックカード表面などの撥水性の薄皮などを除去でき、その後、ディスペンサーにより高分子材料を塗布することになるので、高分子材料とカードとの密着力を高めることができる。
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。
本発明のプラスチックカードは、表面に立体的な識別表示等の立体形状が形成されてなるプラスチックカードにおいて、プラスチックカード表面に塗布された高分子材料により所望の凸形状が識別表示として形成されてなる。
例えば、接触式ICカード、接触・非接触部を保有する複合ICカードなどのプラスチックカード、又は、単に立体的な文字・記号・その他の識別表示・点字・描画などを備えた識別表示プラスチックカードにおいて、高分子材料をディスペンサー装置によりカード本体部分に塗布して、所望の凸状の文字・記号・点字・描画等をカード本体上に形成する。
本発明の立体形状形成装置は、表示媒体表面に高分子材料を立体的に塗布するためのディスペンサーと、前記ディスペンサー及び/又は前記表示媒体を3次元的に駆動するための3軸ロボット群とを備えている。すなわち、3軸ロボット群は、前記ディスペンサー及び前記表示媒体をそれぞれ単独で又は組み合わせて3次元的に駆動するように構成されている。ディスペンサーは、前記3軸ロボット群に設置されているとともに、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3次元の駆動制御とディスペンサーの空気圧の制御とが各々独立に行われる。
図1は、本実施の一形態に係るプラスチックICカード1の平面図である。点線部分は高分子材料塗布エリア2は、従来のエンボス加工による識別表示部分に相当する。
識別表示3は、立体形状すなわち凸状に形成された文字・記号・点字などであり、本発明に係るディスペンサーによる高分子材料の塗布により形成される部分である。
図2は、本実施の形態のプラスチックICカード1をカード長手方向に沿って切断した断面図である。従来の識別表示をエンボス加工した場合に比べて、裏面に凹部が形成されていない。すなわち、高分子材料をプラスチックカード表面に直接塗布することにより、所望の凸形状が形成されているので、エンボス加工等のようにカード本体を直接変形させる必要がなく、カードの損傷を免れることができる。
本発明のプラスチックカードにおいて、所望の凸形状の表示媒体表面からの高さは、識別表示として識別可能な範囲内であれば特に限定されないが識別表示として数字、記号等を有するプラスチックカード等の場合、150μm以上であることが好ましく、200μm〜600μmの範囲内であることがさらに好ましく、400μm〜480μmの範囲内であることが最も好ましい。また、識別表示が点字等である場合は、規格にもよるが、200μm〜450μmの範囲内がより好ましい。
本発明の立体形状形成装置及び立体形状形成方法によれば、上記識別表示として識別可能な範囲内の高さの凸形状や、好ましい高さの凸形状例えば、400μm〜480μmの凸形状を、好ましくは、1回〜3回、より好ましくは、1〜2回の塗布回数で形成することができる。3回繰り返し塗布を行う場合としては、例えば、下地である表示媒体表面との密着性をより高めるために、塗布すべき高分子材料以外にプライマーとなる材料をまず表示媒体表面に塗布し、その後、高分子材料を1〜2回塗布する場合等が挙げられる。
これにより、1枚のカード上に所定の立体印字を作成するために非常に手間とコストがかかるという従来の問題点を解消することができる。
図3は、プラスチックICカード1上に凸状の文字・記号・点字などを形成するディスペンサー6及び3軸ロボット群10を備えた立体形状形成装置20の概略構成を示した斜視図である。3軸ロボット群10は、同図に示すように、資料ステージ7とシリンジステージ8とを備えている。ディスペンサー6の上部を構成するシリンジ4の中には、塗布すべき高分子材料(プラスチック材料)が充填・密封されている。
ディスペンサー6は、加圧源としてパルス状の空気圧を加える。これにより、ノズル5の先端ノズル孔から高分子材料を押し出し、プラスチックカードに塗布するようになっている。
また、試料ステージ7及びシリンジステージ8を搭載した3軸ロボット群10は、ディスペンサー制御装置9に接続されている。ディスペンサー制御装置9から送られる信号により、印字する所定の識別表示文字・記号・数字などの形、大きさ・厚みに対応し、高分子材料の押し出し量やタイミングに合わせて、X軸方向・Y軸方向・Z軸方向にディスペンサー6を任意に駆動し、所望の識別表示をプラスチックカード上に印字する。
その後、露光装置でUVなどの光を照射したり、オーブンなどで加熱することにより、塗布した識別表示を硬化させる。
シリンジ4中に充填する高分子材料としては、粘度5000cps以上100万cps以下及び/又はチクソ比2.0以上の範囲であることが好ましく、粘度4万cps以上20万cps以下及び/又はチクソ比3.5以上8.0以下の範囲であることがさらに好ましい。上記範囲とすることにより、小液滴を積層していくうちに、液だれ等が起こり、所望の方向に積層できず、断面のプロファイルが歪になるなどの問題点を解消することができる。この場合、粘度は25℃において、ずり速度が20(1/s)での粘度、チクソ比は25℃において、ずり速度が20(1/s)の粘度とずり速度が2.5(1/s)の粘度との比である。
そのような高分子材料としては、具体的には、たとえば、スリーボンド製3059D、スリーボンド製3039、スリーボンド製3052D、EMI社製3400、EMI社製3415等の紫外線硬化型高分子;東亜合成化学製LCR0305E等の可視光硬化型高分子;エイブルボンド製342、スリーボンド製2234C、スリーボンド製2235C等の熱硬化型高分子;スリーボンド製1532等の湿気硬化型高分子;等が挙げられる。上記例示の高分子は、1種類のみを用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記例示の高分子のうち、特にスリーボンド製3059D、スリーボンド製3039等のアクリル系樹脂、及び、EMI社製3415、エイブルボンド製342等のエポキシ系樹脂が特に好ましい。上記アクリル系樹脂は1種類のみを用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
高分子材料には、必要に応じ、シリカ、ホウ素アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ等の充填剤が含まれていてもよい。上記例示の充填剤は、1種類のみを用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
図4は、ディスペンサー6の先端に設けられたノズル5の拡大図である。同図のように、ノズル5の先端部分は出口に向かって絞られた形状、(たとえば、テーパー状)である。このような形状とすることで、流路抵抗が小さくでき、比較的高粘度の高分子材料を高速に塗布することが可能となる。特に、文字・記号・点字の線幅が小さい識別表示を形成する為に、ノズル径の小さなノズルを使用する際には特に顕著な効果がある。
図5(a)は、プラスチックカード上に形成された識別表示の断面図である。同図の状態のとき、たとえば、図中矢印Aで示す近赤外レーザーを塗布された高分子材料に照射することにより識別表示をプラスチックカード上に溶着させる。
図5(b)は、仮加熱後又はレーザー溶着後若しくは超音波溶着後の識別表示の断面図である。断面底部(プラスチックカードとの界面部)が、なだらかになって接着面積が増えている様子を表している。
高分子材料はプラスチックカード上に、例えば、1回または2回程度、通常1〜3回繰り返し塗布することにより所望の凸形状を形成する。1回の塗布においては基本的にはアスペクト比(印字高さ/印字幅)までが理論的に限界であるが、2回以上の塗布によりさらに高アスペクトな凸状識別表示を形成することが可能となる。また、1回めは比較的低粘度プラスチックの塗布又はノズル径の広いノズルで塗布させることにより、平面方向に広がらせ、プラスチックカードとの接触面積を増やし、密着力を向上させる。2回目の塗布時に比較的高粘度プラスチックの塗布又はノズル径の狭いノズルで塗布させることにより、凸状識別表示を形成させることが可能となる。ここで、1回目の塗布の際に、プラスチックカードと化学的に密着力を上げる為に、高分子材料でなくプライマーなどの表面処理剤を塗布することも含まれる。上記塗布回数は、特に限定されるものではなく、1回〜3回、又は、必要に応じて3回以上繰り返し塗布する構成であってもよい。
また、高分子材料をプラスチックカード表面に直接塗布することにより、所望の凸形状が形成されているので、エンボス加工等のようにカード本体を直接変形させる必要がなく、カードの損傷を免れることができる。また、スクリーン印刷のようにスクリーンを用いたり、インクジェット印刷のように、多数の積層工程を必要としない。これにより、量産性に優れ、低コストで信頼性の高い、エンボス加工に代わる凸状の識別判定文字が形成されたプラスチックカード等の識別表示を形成することができる。
プラスチックカード上に塗布された高分子材料は、硬化前又は硬化後に凸形状の根元近傍を仮加熱することが好ましい。塗布後に、凸部根元を加熱により、だれさすことにより、プラスチックカードとの接着面積を高め、密着力、耐衝撃力などを高めることが可能となる。また、付加するプラスチック材料がUV硬化型又は可視光硬化型の場合においては、光により完全に分子結合が終わっていない部分を完全硬化又はガスとして排出させることが可能である。特に高分子材料が厚みの厚い光硬化樹脂である場合ほど必要性は高い。
また、プラスチックカード上に塗布された高分子材料は、硬化後にプラスチックカード上に溶着させることが好ましい。図6(a)は、プラスチックカード表面に処理されたレーザーアブレーション加工(凹)断面図である。同図の状態のように後に識別表示を形成する部分の表面をレーザーにより軽く加工して、若干凹状に窪んでいる。
図6(b)は、レーザーアブレーション加工部への高分子材料のディスペンサー塗布による識別表示(凸)の断面図である。レーザー加工部の内に高分子材料が塗布されている様子を表している。
次に、本実施の形態の立体形状形成装置20の動作について以下に説明する。
図3に示すシリンジステージ8は、X軸方向に、また、プラスチックカードを載置した試料ステージ7はY軸方向に、シリンジ4は、Z軸方向に、それぞれ独立に駆動可能となっている。ディスペンサー制御装置9より送られてくる信号に基づき、上記XYZ各軸方向への独立の駆動を適宜組み合わせて行うことで所望の識別表示を形成することができる。また、1回塗布、2回以上塗布等についても任意に設定しておくことで、所望の識別表示の立体形状を形成できる。
〔実施例1〕
本発明のプラスチックカード上に塗布した場合の実施例を以下に示す。
プラスチックカードとして、一般的に使われるPET及びPETGの上に、立体形状形成装置を用いて、高分子材料の塗布量を制御しながら、3次元ロボット群により3次元に操作して、塗布し、その後硬化させた。立体形状形成装置は、武蔵エンジニアリング株式会社製ショットマスター300を使用し、ディスペンサー圧力320kPaをパルス状に印加した。ノズルは小文字用(目視専用読み取り文字)にはHN-0.25N内径φ0.25mm、大文字用(目視及び機械読取り文字)にはHN-0.4N内径φ0.4mmを使用した。高分子材料として、株式会社スリーボンド製3059Dの紫外線硬化性樹脂を用いて塗布した。主な性状は粘度80000cps(試験方法3TS-210-02)、チクソ比3.8(試験法3TS-211-02)、比重1.18(試験法3TS-213-02)であった。硬化方法は、4KW高圧水銀灯を用い、主波長365nm、照射距離15cmにて、積算光量30kJ/m2照射した。硬化後の硬度は、ショアD86(3TS-215-01)、引っ張りせん断強さ26Kg/cm2(試験方法3TS-301-13)であった。識別表示は、JISX6302に基づきOCR-Bフォントを印字した結果、大文字で印字幅0.75mm、印字高さ0.36mm、小文字で印字幅0.45mm、印字高さ0.30mmを得た。1枚のカードの印字時間は、ストレートノズルの場合40秒/12文字かかったが、同じ内径でテーパーノズルを使うと10秒/12文字と格段に印字スピードが向上した。
〔実施例2〕
プラスチックカードとして、一般的に使われるPET及びPETGの上に、立体形状形成装置を用いて、高分子プラスチック材料の塗布量を制御しながら、3次元ロボット群により3次元に操作し、塗布し、その後硬化させた。立体形状形成装置として、武蔵エンジニアリング株式会社製ショットマスター300を使用し、ディスペンサー圧力320kPaをパルス状に印加した。ノズルは小文字用(目視専用読み取り文字)にはHN-0.25N内径φ0.25mm、大文字用(目視及び機械読取り文字)にはHN-0.4N内径φ0.4mmを使用した。プラスチック材料として、株式会社スリーボンド製3039の紫外線硬化性樹脂を用いて塗布した。主な性状は粘度180000cps(試験方法3TS-210-02)、チクソ比3.7(試験法3TS-211-02)、比重1.28(試験法3TS-213-02)である。硬化方法は、4KW高圧水銀灯を用い、主波長365nm、照射距離15cmにて、積算光量30kJ/m2照射した。硬化後の硬度は、ショアD70(3TS-215-01)、引っ張りせん断強さ18kg/cm2(試験方法3TS-301-13)であった。
識別表示は、JISX6302に基づきOCR-Bフォントを印字した結果、大文字で印字幅0.55mm、印字高さ0.48mm、小文字で印字幅0.43mm、印字高さ0.4mmを得た。1枚のカードの印字時間は、ストレートノズルの場合48秒/12文字かかったが、同じ内径でテーパーノズルを使うと17秒/12文字と格段に印字スピードが向上した。
〔実施例3〕
実施例2にておこなった識別表示部に対して、密着力向上を目的にレーザー溶着をおこなった。使用したレーザー溶着器は、パーカーコーポレーション製「NOVOLASμ」近赤外線照射(波長935nm)1秒間/カードでレーザーを走査した。その結果、引っ張りせん断強さ31Kg/cm2(試験方法3TS-301-13)に向上した。
〔実施例4〕
プラスチックカードとして、一般的に使われるPET及びPETGの表面をキ−エンス製CO2レーザマーカML-G9110をコントローラーML-9100にて制御して、プラスチックカード上をレーザーアブレーション加工をおこなった。条件は、波長10.6μm、出力パワー12W、1本レーザー光にて走査スピード500mm/sにて、JISX6302に基づきOCR-Bフォントを印字パワー1.2Wにて凹加工した。
その後、識別表示形成装置を用いて、カード表面のレーザーアブレーション加工により形成した凹部に沿って、高分子プラスチック材料の塗布量を制御しながら、3次元ロボットにより3次元に操作し、塗布し、その後硬化させた。識別表示形成装置として、サンエイテック製1500XLを使用し、ディスペンサー圧力360kPaをパルス状に印加した。ノズルは小文字用(目視専用読み取り文字)には内径φ0.23mm、大文字用(目視及び機械読取り文字)に内径φ0.4mmを使用した。プラスチック材料として、桜ノ宮化学株式会社SK-U-1Aの紫外線硬化性樹脂を用いて塗布した。主な性状は粘度140000cps(試験方法3TS-210-02)、チクソ比5.0(試験法3TS-211-02)、比重1.26(試験法3TS-213-02)である。硬化方法は、4KW高圧水銀灯を用い、主波長365nm、照射距離15cmにて、積算光量30kJ/m2照射した。硬化後の硬度は、ショアD75(3TS-215-01)、引っ張りせん断強さ38kg/cm2(試験方法3TS-301-13)であった。
識別表示は、JISX6302に基づきOCR-Bフォントを印字した結果、大文字で印字幅0.52mm、印字高さ0.46mm、小文字で印字幅0.40mm、印字高さ0.4mmを得た。1枚のカードの印字時間は、ストレートノズルの場合40秒/12文字かかった。
本発明のプラスチックカード、及び、立体形状識別装置並びに立体形状識別方法の用途としては、例えば、非接触型ICカード、接触部と非接触部とを両方有する複合型ICカード、又は単に立体的な文字等の立体形状を備えた、IC機能を持たない識別表示プラスチックカード、及びその製造装置、製造方法等が挙げられる。
本発明の一実施の形態に係るプラスチックICカードの平面図である。 本実施の形態のプラスチックICカードをカード表面長手方向に沿って切断した断面図である。 本実施の形態の識別表示装置の概略構成を示す斜視図である。 ディスペンサーの先端に設けられたノズルの拡大図である。 (a)は、プラスチックカード上に形成された識別表示の断面図である。
(b)は、仮加熱後またはレーザー溶着後、あるいは超音波溶着後の識別表示の断面図である。
(a)は、プラスチックカード表面に処理されたレーザーアブレーション加工(凹)断面図である。
(b)は、レーザーアブレーション加工部への高分子材料のディスペンサー塗布による識別表示(凸)の断面図である。
符号の説明
1 プラスチックICカード
3 識別表示(立体形状)
3a 凸状に形成された文字・記号・点字(識別表示)(立体形状)
4 シリンジ
5 ノズル
6 ディスペンサー
7 試料ステージ
8 シリンジステージ
10 3軸ロボット群
20 立体形状形成装置

Claims (14)

  1. 表面に立体形状が形成されてなるプラスチックカードにおいて、プラスチックカード表面に塗布された高分子材料により所望の立体形状が形成されてなることを特徴とするプラスチックカード。
  2. 高分子材料は、25℃におけるずり速度が20(1/s)での粘度が、5000cps以上100万cps以下、及び/又は、25℃におけるずり速度が20(1/s)の粘度とずり速度が2.5(1/s)の粘度との比で表されるチクソ比が、2.0以上の範囲であることを特徴とする請求項1記載のプラスチックカード。
  3. 高分子材料は、25℃におけるずり速度が20(1/s)での粘度が、4万cps以上20万cps以下、及び/又は、25℃におけるずり速度が20(1/s)の粘度とずり速度が2.5(1/s)の粘度との比で表されるチクソ比が、3.5以上8.0以下の範囲であることを特徴とする請求項1または2記載のプラスチックカード。
  4. 高分子材料は、紫外線硬化型、可視光硬化型、熱硬化型、湿気硬化型からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種の接着剤又はインク材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラスチックカード。
  5. 高分子材料は、アクリル系樹脂及びエポキシ系樹脂の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のプラスチックカード。
  6. 高分子材料は、シリカ、ホウ素アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、アルミナからなる群より選ばれる少なくともいずれか1種の充填剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のプラスチックカード。
  7. 表示媒体表面に高分子材料を立体的に塗布するためのディスペンサーと、前記ディスペンサー及び/又は前記表示媒体を3次元的に駆動するための3軸ロボット群とを備え、前記ディスペンサーは、前記3軸ロボット群に設置されているとともに、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3次元の駆動制御とディスペンサーの空気圧の制御とが各々独立に行われることを特徴とする立体形状形成装置。
  8. ディスペンサーのノズルは、出口に向かって絞られた形状であることを特徴とする請求項7記載の立体形状形成装置。
  9. ディスペンサーは、ノズル部分、高分子材料を封入するシリンジ部分、及びそれらの周辺部分の少なくともいずれかに加熱機構を設け、又は加熱機構を支持する支持部材を設けたことを特徴とする請求項7または8記載の立体形状形成装置。
  10. 表示媒体表面に立体的な形状を形成する立体形状形成方法において、高分子材料を、表示媒体表面に1〜3回繰り返し塗布して所望の凸形状を形成することにより立体形状を形成することを特徴とする立体形状形成方法。
  11. 表示媒体上に立体形状として塗布された高分子材料を、硬化前又は硬化後に、仮加熱することを特徴とする請求項10記載の立体形状形成方法。
  12. 表示媒体上に立体形状として塗布された高分子材料を、硬化後に表示媒体上に溶着させることを特徴とする請求項10または11記載の立体形状形成方法。
  13. 表示媒体上に立体形状として塗布された高分子材料を、近赤外領域の波長を有するレーザーを照射して溶着するか、又は、超音波振動により溶着することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の立体形状形成方法。
  14. 表示媒体表面に立体的な形状を形成する立体形状形成方法において、高分子材料を塗布する前にレーザーにより塗布領域に近似した範囲で媒体表面をアブレーション加工することを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の立体形状形成方法。
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