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JP2005089264A - 含金属窒化炭素物とその製造方法、水素吸蔵材 - Google Patents

含金属窒化炭素物とその製造方法、水素吸蔵材 Download PDF

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Hidetoshi Saito
秀俊 斎藤
Yoshitomo Ueda
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Abstract

【課題】 常温で優れた水素吸蔵性能を有する水素吸蔵材を提供する。
【解決手段】 少なくとも金属と窒素を炭素を構成元素とし、ラマン散乱スペクトル及び/またはX線光電子スペクトルにおいて、特定のバンドのピーク強度を有する含金属窒化炭素物とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は水素吸蔵性能を有する含金属窒化炭素物及びその製造方法、該含金属窒化炭素物からなる水素吸蔵材に関する。
近年、主としてエネルギー源としての水素を貯蔵する方法の開発が広く行われている。
従来から行われている水素の貯蔵方法としては、例えば10〜80MPaの圧力を水素に加えて高圧水素ボンベに水素を貯蔵する方法、20Kの温度にまで冷却され液化された水素を液体水素ボンベに貯蔵する方法がある。
しかしながら、高圧水素ボンベに水素を貯蔵する方法は、水素ボンベとして用いる容器を高圧力に耐えることができるように肉厚にする必要がある。そのため容器の大きさ、質量が大きくなるという課題がある。また、液体水素ボンベに液化した水素を貯蔵する方法は、温度を20K以下にまで冷却して水素を液化しなければならず、また液体水素ボンベに用いる容器は20K以下に耐えることができる極低温用の容器にしなければならないという課題がある。さらに、容器を厳重にシールしても液体水素が気化して水素が消失してしまうという課題がある。
近年、別の水素吸蔵方法としてLa、Mg、Ni等を主成分とする水素吸蔵合金の開発も広く行われている。しかしながらこの方法では、合金への水素の吸蔵量が少ないために単位あたりの水素吸蔵量が大きく取れず、運搬や取扱に課題があった。
さらに近年、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等の炭素系材料が見出された。これらの材料は軽量且つ水素を貯蔵するとされていることから、新規な水素吸蔵方法として注目されている。例えば、特許文献1にはナノサイズとミクロンオーダーの中間的な径を有する新規な炭素化合物が開示されている。しかしながら、この方法ではポリテトラフルオロエチレンを電解還元等の方法によって一旦カルビン系炭素を得、さらに減圧下加熱するという方法であり、合成に手順がかかると同時に生産性が低いという課題があった。
炭素系材料に異種の原子を導入して水素吸蔵性能を高める方法として、特許文献2にカーボンナノチューブにPtまたはPdを担持させる方法、特許文献3にカーボンナノファイバーにLiまたはKを担持させる方法が開示されている。しかしながら、これらの方法では一旦得られたカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーを担持させるために、合成に手順がかかると同時に生産性が低く、さらに加工が難しいという課題がある。また、室温では用途によっては水素吸蔵性能も必ずしも十分とはいえなかった。
さらに、炭素系水素吸蔵材が水素を吸蔵するのは例えば40Kの低温であることが多く、冷却等の設備を必要とするために、これらを含めた水素吸蔵設備全体の体積及び質量が大きくなり、実用化のためにはさらに水素吸蔵材の改良が必要であった。
特開2000−226204号公報 特開平10−72201号公報 特開2001−288624号公報
本発明の課題は、上記問題を解決し、常温で優れた水素吸蔵性能を有する水素吸蔵材を提供することにある。
本発明の第一は、少なくとも金属と窒素と炭素を構成元素とする含金属窒化炭素物であって、
ラマン散乱スペクトルにおいて、
(A)1570〜1580cm-1のバンドのピーク強度(IG)と、1341〜1360cm-1のバンドのピーク強度(ID)の比(IG/ID)が1未満、
(B)1570〜1580cm-1のバンドのピークが観察されない、
のいずれかであり、
X線光電子スペクトルにおけるN1sとC1sの相対存在比(N1s/C1s)が0.1/100以上であることを特徴とする。
本発明の第二は、少なくとも金属と窒素と炭素を構成元素とする含金属窒化炭素物であって、
X線光電子スペクトルにおいて、
(a)398〜400eVのバンドのピーク強度(Xt)と401〜403eVのバンドのピーク強度(Xp)の比(Xp/Xt)が1未満、
(b)398〜400eVのバンドのピークが観察され、401〜403eVのバンドのピークが観察されない、
のいずれかであり、
X線光電子スペクトルにおけるN1sとC1sの相対存在比(N1s/C1s)が0.1/100以上であることを特徴とする。
上記本発明の含金属窒化炭素物においては、下記の構成を好ましい態様として含む。
金属と窒素と炭素以外に、構成元素として水素と酸素とを含む化合物である。
構成元素である金属が、金属塩、金属錯体、金属酸化物、半導体、金属単体、及び2種類以上の金属からなる合金の中から選ばれた少なくとも一種の形で存在している。
金属種が、リチウム、ナトリウム、アルミニウム、カリウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルビジウム、ストロンチウム、パラジウム、銀、セシウム、白金の中から選ばれた少なくとも一種である。
本発明の第三は、上記本発明第一及び/または第二の含金属窒化炭素物からなることを特徴とする水素吸蔵材である。
本発明の第四は、本発明第一及び第二の含金属窒化炭素物の製造方法であって、窒化炭素物に金属イオンを含有する水溶液を反応させることを特徴とする。
本発明の第四の製造方法においては、金属水酸化物を用いて水溶液中に金属イオンを含有させること、及び/または、窒化炭素物に金属イオンを含有する水溶液を反応させた後、加熱処理することが好ましい。
本発明によれば、常温での水素吸蔵が可能で単位質量あたりの水素吸蔵量が多く、良好な水素吸蔵材が簡易な製造方法により提供される。
本発明の含金属窒化炭素物は、少なくとも金属と窒素と炭素を構成元素とする化合物であって、下記の〔I〕、〔II〕の少なくとも一方の特性を有することを特徴とする。
〔I〕ラマン散乱スペクトルにおいて、
(A)1570〜1580cm-1のバンドのピーク強度(IG)と、1341〜1360cm-1のバンドのピーク強度(ID)の比(IG/ID)が1未満、
(B)1570〜1580cm-1のバンドのピークが観察されない、
のいずれかであり、
X線光電子スペクトルにおけるN1sとC1sの相対存在比(N1s/C1s)が0.1/100以上である。
〔II〕X線光電子スペクトルにおいて、
(a)398〜400eVのバンドのピーク強度(Xt)と401〜403eVのバンドのピーク強度(Xp)の比(Xp/Xt)が1未満、
(b)398〜400eVのバンドのピークが観察され、401〜403eVのバンドのピークが観察されない、
のいずれかであり、
X線光電子スペクトルにおけるN1sとC1sの相対存在比(N1s/C1s)が0.1/100以上である。
本発明の含金属窒化炭素物中における窒素と炭素の含有量は特に制約はないが、好ましくは含金属窒化炭素物を構成する元素から金属と水素と酸素を除いた元素の総質量中の窒素と炭素の含有量が50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。最も好ましくは100質量%である。該含有量が50質量%未満の場合は、含金属窒化炭素物が十分な水素吸蔵性能を示さない場合があり好ましくない。
本発明の含金属窒化炭素物は、構成元素として少なくとも金属と窒素と炭素を有していれば良いが、これら以外の元素を含んでいても差し支えない。例えば、窒化炭素物に直接結合している水素、窒化炭素物に水酸基として結合している水素及び酸素等が挙げられる。また、構成元素として、ホウ素及びケイ素以外の元素を含んでいるものも好ましい。中でも、水素と酸素のみを他の構成元素として含んでいる含金属窒化炭素物が特に好ましい。金属、水素と酸素以外の構成元素を含んでいる含金属窒化炭素物の場合、構成元素によっては十分な水素吸蔵性能を示さないことがあり好ましくないものもある。
本発明の含金属窒化炭素物においては、適当量の窒素を有していない場合は十分な水素吸蔵性を示さない。本発明の含金属窒化炭素物中における窒素と炭素の存在比はX線光電子スペクトルにおけるN1sとC1sの相対存在比(N1s/C1s)で示される。本発明においては該比が0.1/100以上が好ましく、さらに好ましくは3/100以上である。一方、N1s/C1s比は100/100以下であることが好ましい。N1s/C1s比が100/100を超えると、場合によっては十分な水素吸蔵性能を示さないことがあり好ましくない。
本発明の含金属窒化炭素物中の金属量は特に制約はないが、好ましくは含金属窒化炭素物中の金属質量比で0.01質量%以上50質量%以下である。含金属窒化炭素物中の金属質量比が0.01質量%未満の場合は、窒化炭素物中に金属を含有する効果に乏しく、含金属窒化炭素物中の金属質量比が50質量%を超える場合は、窒化炭素物による水素吸蔵性能の効果に乏しく好ましくない。
本発明の含金属窒化炭素物中の金属は、窒化炭素物中にどのような形で存在していても差し支えないが、金属塩、金属錯体、金属酸化物、半導体、金属単体、2種類以上の金属からなる合金の少なくとも一種の形で存在していることが好ましい。
また、金属種としては、好ましくは、リチウム、ナトリウム、アルミニウム、カリウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルビジウム、ストロンチウム、パラジウム、銀、セシウム、白金が挙げられる。これら金属種は1種類であってもよいし、2種類以上の金属種からなる金属及び/または金属化合物の混合物、及び/または合金であっても差し支えない。2種類以上の金属種からなる合金の具体例としては、TiMn1.5、ZrV2、ZrMn2、Mg2Ni、Ca1-xMgxNi2(0≦x≦0.65)、RMg2Ni9(RはY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gdの少なくとも1種)、La2MgNi9、La5Mg2Ni23、La3MgNi14、La0.7Mg3Ni2.8Co0.5等が挙げられる。もちろんこれ以外の合金であっても何ら差し支えない。
また、本発明の含金属窒化炭素物は、前記した〔I〕、〔II〕の少なくとも一方の特性を有している必要がある。
本発明の含金属窒化炭素物が、ラマン散乱スペクトルにおいて、1570〜1580cm-1のバンドのピークが観察され、且つ、IG/IDが1以上の場合は含金属窒化炭素物中の窒化炭素部分の結晶性が高くなるために十分な水素吸蔵性能を示さない場合がある。好ましくは、IG/IDが0.95未満、或いは1570〜1580cm-1のバンドのピークと1341〜1360cm-1のバンドのピーク共に観察されない含金属窒化炭素物である。
また、本発明の含金属窒化炭素物が、X線光電子スペクトルにおいて、401〜403eVのバンドのピークが観察され、且つ、Xp/Xtが1以上の場合は含金属窒化炭素物中の窒化炭素部分の結晶性が高くなるために十分な水素吸蔵性能を示さない場合がある。好ましくは、Xp/Xtが0.5以下、或いは398〜400eVのバンドのピークが観察されて、401〜403eVのバンドのピークが観察されない窒化炭素物である。さらに好ましくは、Xp/Xtが0.1以下、或いは398〜400eVのバンドのピークが観察されて、401〜403eVのバンドのピーク、及び397〜395eVのバンドのピーク共に観察されない窒化炭素物である。
本発明の含金属窒化炭素物におけるXp/Xtの値は製造条件によって任意に変更することができる。具体的には、原料の種類、原料の濃度、反応時間、複数の原料を使用する場合はその濃度比、製造時の温度、触媒を用いる場合は触媒の種類等が挙げられる。
例えば原料としてアセトニトリルを用い、熱分解法で本発明の含金属窒化炭素物を合成する場合は、原料供給速度が高いほどXp/Xtは小さくなる傾向にある。また、反応時間が短いほどXp/Xtは小さくなる傾向にある。しかしながら、これらの反応条件及びその傾向は、原料の種類等の反応条件そのもの以外の条件によって左右される場合がある。従って、ここに記載された条件とは異なった条件でXp/Xtを変更しても何等差し支えない。
本発明の含金属窒化炭素物を製造する方法は、従来公知の方法、すなわち熱分解法、化学蒸着法(CVD法)、物理蒸着法(PVD法)、イオンプレーティング法、スパッタリング法、分子線エピタキシー法、電気分解法等いずれであっても差し支えない。また、金属を含まない窒化炭素物、及び/または含金属窒化炭素物を熱分解法、化学蒸着法(CVD法)、物理蒸着法(PVD法)、イオンプレーティング法、スパッタリング法、分子線エピタキシー法、電気分解法等の従来公知の方法で製造した後、金属及び/または金属化合物を物理的混合、蒸着、鍍金、スパッタリング、ディッピング、CVD、PVD等の従来公知の方法で後処理する方法が用いられる。勿論その他の方法であっても、本発明の含金属窒化炭素物を得ることができればいずれの方法であっても差し支えない。
好ましくは、含金属窒化炭素物を熱分解法、化学蒸着法(CVD法)、イオンプレーティング法、分子線エピタキシー法により得る方法である。さらに好ましくは、熱分解法、CVD法であり、特に好ましくは、熱分解法、マイクロ波プラズマCVD法、電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD法である。
また、金属を含有しない窒化炭素物、及び/または含金属窒化炭素物を金属イオンを含有する水溶液と反応させる方法もまた好ましい。さらに好ましくは、金属を含有しない窒化炭素物、及び/または含金属窒化炭素物を金属水酸化物の水溶液で反応させる方法である。特に好ましくは、金属を含有しない窒化炭素物、及び/または含金属窒化炭素物を金属水酸化物の水溶液で反応させた後、加熱処理等の後処理を行う方法である。
本発明の含金属窒化炭素物の形状はいずれであっても差し支えない。好ましくは、膜状、薄片状、繊維状、針状である。
本発明の含金属窒化炭素物を得る際に、反応速度や反応収率を高くする目的で適宜触媒を添加しても差し支えない。好ましい触媒としては、例えばFe、Co、Ni、V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、La等の金属及びこれら金属化合物が挙げられる。勿論、触媒作用を示しさえすればこれら以外の化合物が触媒として使用されても差し支えない。また、触媒を使用する場合は、触媒は1種で用いられても2種以上で用いられてもいずれであっても差し支えない。
本発明の含金属窒化炭素物を得るための原料物質は特に限定されないが、例えば、グラファイト、ダイヤモンド、フラーレン、カーボンナノチューブ、カルビン等の炭素材及びそれ以外の実質的に炭素のみを構成元素とする炭素材、一酸化炭素、二酸化炭素等の炭素酸化物、アルカン、アルケン、アルキン等の炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭水化物、アルコール、ケトン、カルボン酸等の炭素と水素と酸素を含む化合物、その他有機化合物、窒素ガス、アンモニア、一酸化窒素、二酸化窒素等の窒素酸化物、その他窒素を構成原子として含む化合物、分子中に窒素原子と炭素原子を少なくとも1個以上含有している化合物の中から少なくとも1種が選ばれる。
好ましくは、分子中に窒素原子と炭素原子を少なくとも1個以上含有している化合物である。具体例としては、飽和脂肪族アミン類、不飽和脂肪族アミン類、芳香族アミン類、環式アミン類、脂環式アミン類、飽和脂肪族イミン類、脂環式イミン類、芳香族イミン類、環式イミン類、飽和脂肪族シアン化物、不飽和脂肪族シアン化物、脂環式シアン化物、芳香族シアン化物、ハロゲン化シアン化物、窒素含有複素環芳香族化合物及びその誘導体、さらに置換ヒドラジンやアゾベンゼンのように窒素窒素結合を有するものも含まれる。さらに好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル等の飽和脂肪族シアン化物、臭化ニトリル等のハロゲン化シアン化物が挙げられる。
図1に、本発明の含金属窒化炭素物の製造装置の一例の概略構成図を示す。図中、1は窒素供給源、2は原料供給源、3は配管、4は反応管、5は流量計、6、7は加熱装置、11は触媒容器、12は触媒である。
図1の装置においては、原料キャリアガス気体としての窒素供給源1と、原料供給源2と、反応管4と、キャリアガス及び原料を反応管4に導入するための配管3と、原料供給源2を加熱するためのヒーター6と、反応管4を加熱するためのヒーター7とで構成されている。原料の供給は、配管3に取り付けられた流量計5及び原料供給源2を加熱するためのヒーター6の温度により制御される。原料を反応管4内に導入し、反応管4を加熱するためのヒーター7の温度が所定の温度になるように制御する。反応管4内には、必要に応じて、図1に示すように、触媒12を容器11に入れて配置する。
本発明の含金属窒化炭素物は、良好な水素吸蔵性能を有し、水素吸蔵材として好ましく利用できる。
本発明の含金属窒化炭素物のラマン散乱スペクトルにおけるIG/IDの測定方法、X線光電子スペクトルによるXp/Xt、及びN1s/C1sの測定方法について説明する。
[ラマン散乱スペクトルの測定方法]
日本分光社製NR−100を用い、レーザー波長514.5nm、測定電力150mW、測定時間2秒、分析径300μmで測定を行う。またピーク強度は、NR−100に装備されたピーク面積分割ソフトを用い、1570〜1580cm-1にピークを持つバンドと1341〜1360cm-1にピークを持つバンドを分割し、算出されたバンドの面積を当該バンドの強度としてIG/IDを算出する。
[X線光電子スペクトルの測定方法]
パーキン・エルマー社製X線光電子分光装置PHI−5600を用い、励起X線としてAlKα1486.6eVを用い、X線出力10kV、20mA、温度40℃、真空度1.33×10-4Pa、分析径800μmで測定を行う。尚、試料は測定前にアルゴンにより12秒間スパッタ処理を行う。
また、ピーク強度は、PHI−5600に装備されたピーク面積分割ソフトを用い、所定のバンドを分割し、算出されたバンドの面積を当該バンドの強度としてXp/Xt、及びN1s/C1sを算出する。
[水素吸蔵性能の測定]
試料約0.2gを用い、レスカ社製カーボン材料水素吸蔵放出評価装置PCT−C07を用い、JISH−7201に準拠した方法で、30℃、13MPaで測定を行う。
[金属分析方法]
日立製作所社製原子吸光光度計Z8000を用いて測定を行う。
(実施例)
図1に示す製造装置を用い、本発明の含金属窒化炭素物を堆積させた。反応管4には内径60mm、長さ1mのアルミナ製円筒炉心管を用い、この炉心管に合う環状炉を加熱装置7として用いた。触媒として安定化ニッケル触媒〔日揮化学社製、商品名:N103F〕0.2gをアルミナ製ボートに入れて使用した。原料としてはアセトニトリルを用い、アセトニトリルを入れた容器を70℃に加熱した。キャリアガスとして窒素ガスを用い、80ml/分の流量で原料を反応管4内に導入した。環状炉を850℃に設定し、6時間反応させた。
得られた含金属窒化炭素物を触媒ごと製造装置から取り出して二分割し、測定用試料とし、前述した方法により、X線光電子スペクトル、ラマン散乱スペクトルを測定し、金属分析を行った。
その結果、ラマン散乱スペクトルにおいて、1575cm-1と1355cm-1にピークが認められ、IG/IDは0.67であった。
また、X線光電子スペクトルにおいて、399eV、402eVの2箇所にピークが見られ、Xp/Xtは3/100であった。また、N1s/C1sは16/100であった。
水素吸蔵性能測定の結果、本例の含金属窒化炭素物の水素吸蔵性能は0.5質量%であった。
また、得られた含金属窒化炭素物0.1gを硫酸20mlで溶解した試料を金属分析した結果、Niが0.35質量%検出された。
本発明の含金属窒化炭素物は、常温での水素吸蔵が可能で単位質量あたりの水素吸蔵量が多く優れた水素吸蔵材であり、燃料電池等の水素エネルギー源の燃料貯蔵源として好適に利用できる。
本発明の含金属窒化炭素物の製造装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 窒素供給源
2 原料供給源
3 配管
4 反応管
5 流量計
6 原料供給源加熱装置
7 反応管加熱装置
11 触媒容器
12 触媒

Claims (9)

  1. 少なくとも金属と窒素と炭素を構成元素とする含金属窒化炭素物であって、
    ラマン散乱スペクトルにおいて、
    (A)1570〜1580cm-1のバンドのピーク強度(IG)と、1341〜1360cm-1のバンドのピーク強度(ID)の比(IG/ID)が1未満、
    (B)1570〜1580cm-1のバンドのピークが観察されない、
    のいずれかであり、
    X線光電子スペクトルにおけるN1sとC1sの相対存在比(N1s/C1s)が0.1/100以上であることを特徴とする含金属窒化炭素物。
  2. 少なくとも金属と窒素と炭素を構成元素とする含金属窒化炭素物であって、
    X線光電子スペクトルにおいて、
    (a)398〜400eVのバンドのピーク強度(Xt)と401〜403eVのバンドのピーク強度(Xp)の比(Xp/Xt)が1未満、
    (b)398〜400eVのバンドのピークが観察され、401〜403eVのバンドのピークが観察されない、
    のいずれかであり、
    X線光電子スペクトルにおけるN1sとC1sの相対存在比(N1s/C1s)が0.1/100以上であることを特徴とする含金属窒化炭素物。
  3. 金属と窒素と炭素以外に、構成元素として水素と酸素とを含む化合物である請求項1または2に記載の含金属窒化炭素物。
  4. 構成元素である金属が、金属塩、金属錯体、金属酸化物、半導体、金属単体、及び2種類以上の金属からなる合金の中から選ばれた少なくとも一種の形で存在している請求項1〜3のいずれかに記載の含金属窒化炭素物。
  5. 金属種が、リチウム、ナトリウム、アルミニウム、カリウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルビジウム、ストロンチウム、パラジウム、銀、セシウム、白金の中から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜4のいずれかに記載の含金属窒化炭素物。
  6. 請求項1〜5に記載の含金属窒化炭素物からなることを特徴とする水素吸蔵材。
  7. 窒化炭素物に金属イオンを含有する水溶液を反応させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の含金属窒化炭素物の製造方法。
  8. 金属水酸化物を用いて水溶液中に金属イオンを含有させる請求項7に記載の含金属窒化炭素物の製造方法。
  9. 窒化炭素物に金属イオンを含有する水溶液を反応させた後、加熱処理する請求項7または8に記載の含金属窒化炭素物の製造方法。
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