JP2005076127A - 可変反射機能構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用環境に順応して水分や湿度を吸収あるいは放出することにより、湿熱作用による反射機能の低下がなく、多様な色相変化をもたらすことができる可変反射機能を備えた構造体を提供する。
【解決手段】屈折率の異なる少なくとも2種類の材料から成り、光透過性を有する第1の材料から成るマトリックス11中に、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規則性をもって第2の材料からなる複数の微細構造体12を配置した反射機能構造体において、例えば第1の材料を吸放湿性材料とすることにより、吸放湿性を備えた第1の材料の吸放湿に伴う可逆的な体積変動を利用して、微細構造体12の間隔(ピッチ)PをΔPだけ増減させ、反射機能特性の変化、例えば可視光線領域において色相変化を生じさせる。
【選択図】 図2
【解決手段】屈折率の異なる少なくとも2種類の材料から成り、光透過性を有する第1の材料から成るマトリックス11中に、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規則性をもって第2の材料からなる複数の微細構造体12を配置した反射機能構造体において、例えば第1の材料を吸放湿性材料とすることにより、吸放湿性を備えた第1の材料の吸放湿に伴う可逆的な体積変動を利用して、微細構造体12の間隔(ピッチ)PをΔPだけ増減させ、反射機能特性の変化、例えば可視光線領域において色相変化を生じさせる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
本発明は光の散乱・回折等の物理作用等により、可視光線、赤外線及び紫外線領域の少なくともいずれかの波長域の光を反射する光学機能構造体に係わり、さらに詳しくは、構成材料の吸放湿作用に基づく体積変化や屈折率変化によって、反射特性を変化させることができ、例えば、可視光線領域においては、色相が可逆的に変化する可変反射機能を備えた新規な構造体、及びこのような可変反射機能構造体を用いた物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光エネルギーは、一般に我々の視覚で認知できる可視光線(波長380nm〜780nm)、それより短かい波長域の紫外線(波長290nm〜380nm)、可視光線より長い波長域の赤外線(波長780nm以上)に区分される。このうち可視光線域は、我々の視知覚と密接に関与しており、この光の下で各種物体の色を感知している。一般に、物体の色はその物体が光の一部を吸収することにより生じる。この原理を利用した着色が従来から用いられてきた顔料や染料を用いた方法であり、現在の我々の身の回りのほとんどの着色および発色はこの方法に基づいている。
【0003】
ところが、これらによる着色は各種顔料や染料自体が必要であるばかりでなく、これらを混練する工程や廃液処理等も必要になり、工程および環境上も問題視されてきている。また、品質的には、物体表面に溶出して質感低下を引き起こしたり、紫外線等による退色が生じて初期品質を保持することができず、意匠性や商品性を損ねたりするといった欠点も指摘されている。
【0004】
このような問題点を解決するため、顔料や染料などのいわゆる色素を使用することなく、光の干渉、回折などの物理作用を用いた発色手段(広義には「構造性発色」と称する)が知られている。これらは、物体表面やその内部に存在する規則的な微細構造と光との相互作用によって発色するものであって、既にいくつかの公知技術が知られている。
【0005】
例えば、光の干渉反射作用を利用することにより発色する構造体としては、分子配向異方性フィルムを2枚の偏光フィルムで挟んだ構造とすることにより発色する材料が発表されている(非特許文献1及び2参照)。
この原理は、第1の偏光フィルムに法線方向からの光が入射すると、このフィルムを通った光は一定方向のみに振動する光(直線偏光)となり、次に、この直線偏光が45°に配位した分子配向異方性フィルムを通ると、偏光面を回転させて楕円偏光に変わる。そして、この楕円偏光が第2の偏光フィルムを通ると再び直線偏光となるが、その際に、波長によって光の強さが異なるために、それが着色偏光となって色として認識されることになるものである(いわゆる偏光の干渉による発色)。
【0006】
また、屈折率の異なる2種類のポリマー物質を、交互に何十層と積層した構造とすることにより発色する材料も報告されている(特許文献1及び2参照)。
この原理は、屈折率の異なる交互積層界面で生じるフレネル反射が重なって干渉を起こし、その結果として反射率の波長依存性や反射率そのものの増加や減少を生じるもので、特定波長で特定位相差をもって重なり合うときに現れる発色である(発色波長λ1=2(nada+nbdb):発色波長λ1は互いの光学的厚みが等しいとき、すなわち、nada=nbdbのとき、最大となる)。
【0007】
さらに、少なくとも第1と第2のポリマー物質の屈折率が互いに少なくとも0.03異なり、しかも100nm程度の厚さで積層させたフィルム状の反射性ポリマー物体が開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、本発明者らも上記特許文献2において、屈折率の異なる2種類の高分子物質からなる交互積層構造を有する繊維状の発色構造体を開示している。この発色繊維は非染色の発色繊維であり、見る方向によって色味が変わる特徴を有し、しかもこの繊維と組合せる糸の色によってはその複合効果によって、干渉効果特有の質感を呈するものである。
【0008】
一方、回折・干渉作用を利用した構造体としては、繊維表面に一定幅の細溝を設けることによって回折・干渉色を発するようにした構造体が提案されている(特許文献4〜6参照)。
この原理は、平面あるいは凹面上に多数の所定寸法の溝(溝の深さや溝同士の間隔など)を規則的に形成させたもの(いわゆる、回折格子状のごとく)に光を入射させると、光路差ΔLが生じ、この光路差が波長λの整数倍のとき、反射光が強め合って明るくなるもの(光路差ΔL=mλ:但し、mは回折次数で、m=0,1,2・・・)で、実際には、ある角度で入射した光に対し、ある回折角度で波長λの発色を与えるものである。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−295804号公報
【特許文献2】
特許第3036305号公報
【特許文献3】
特開平4−295804号公報
【特許文献4】
特開昭62−170510号公報
【特許文献5】
特開昭63−120642号公報
【特許文献6】
特開平8−234007号公報
【非特許文献1】
繊維機械学会誌Vol.42,No.2,P55(1989)
【非特許文献2】
繊維機械学会誌Vol.42,No.10,P160(1989)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構造体は、いずれも光と微細構造との物理的な相互作用に基づいた反射機能を発現するものであって、例えば可視光線領域について言及すると、見る角度による色味の変化という特徴的な機能を呈するものの、以下のような問題も内在していた。
すなわち、広視野角度(法線に対し、見る角度を大きく取った場合)になると、色味を呈さなくなったり(無彩色化)、あるいは発色そのものが低品位の域を脱し得なかったりするという問題があった。
また、実使用環境下(温度、湿度、雨雪、気圧など)や取り扱い条件(洗濯やクリーニングなど)によっては、初期品質(反射機能)を保時することができず、微妙に変化してしまうという問題、例えば上記のような構造体を用いたファブリック(織物)においては、クリーニングの繰り返しによる湿熱作用などで、初期の反射機能(色相や彩度など)が保持できず、低下していく傾向が認められるという問題もあった。
【0011】
そのため、このような使用条件下にあっても、構造体の経時的変化を極力発生しないように、吸湿性の低い材料を選択したり、表面処理を施こすという工夫、あるいは熱的履歴を経ても寸法変化の少ない材料を組合せたり、本構造体の成形後に、熱処理などの後加工を施すことによりその変化を強制的に抑制するという工夫が進められていた。
【0012】
本発明は、上記とは異なる発想に基づくものであって、使用条件下における発色構造体の経時的変化を抑制することにより反射機能の安定化を図るのではなく、むしろ使用条件に応じた物性変化を積極的に取り入れることによって、反射機能を変化させるようにすることを狙ったものであり、使用環境(水分や湿度)に順応することにより、多様な色相変化をもたらすことができ、湿熱作用による反射機能が低下することがない新規な可変反射機能を有する構造体を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の可変反射機能構造体は、屈折率の異なる少なくとも第1及び第2の材料から成ると共に少なくとも第1の材料が光透過性を有し、可視光線、赤外線及び紫外線の反射特性のうちの少なくともいずれかの光学機能を有する繊維状あるいはフィルム状をなし、当該構造体の横断面において、第2の材料から成る複数の微細構造体が光透過性を有する第1の材料によって取り囲まれ、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規則性をもって配置された構造体であって、上記第1及び第2の材料のうちの少なくとも一方が吸放湿性を有し、当該吸放湿性材料の吸放湿に伴う可逆的な体積変動に基づいて上記微細構造体の間隔、あるいは上記吸放湿性材料の吸放湿に伴う可逆的な密度変動に基づいて当該材料の屈折率が変化するようにしたことを特徴としている。
【0014】
また、本発明の物品は、織物、編物、あるいは不織布であって、本発明の上記可変反射機能構造体がその少なくとも一部に用いられていることを特徴としている。さらに、本発明の他の物品は、塗料、フィルム構造体、プラスチック成形体、不織布、あるいは壁紙であって、本発明の上記可変反射機能構造体を所定の長さに切断したチップ、あるいは所定の寸法に粉砕した粉末を含有している構成としたことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係わる可変反射機能構造体を繊維状あるいはフィルム状構造に適用した実施形態の一例を示す概念図であって、本発明の可変反射機能構造体1は、屈折率の異なる少なくとも第1及び第2の材料(この図では、第1と第2の材料のみ)から成り、少なくとも第1の材料が光透過性を有し、この図では矩形断面形状をなす第1の材料から成るマトリックス11の内部に、第2の材料からなり、この図では円形断面を備えた複数の微細構造体12が回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規則性をもって配置(この図では、直交配列)されたものである。なお、以下の説明においては、上記した複数の微細構造体12を一括して「微細構造体群」と称することがある。
【0017】
ここで、本発明を理解する上で、光の入射方向に対する座標軸を定義しておいた方が好ましいので、以下のように定義し説明を進める。
すなわち、上記構造体1の断面において、光が入射する法線方向をy方向とし、これに直交する方向、つまり当該該構造体1の断面における横方向をx方向、x−y平面の奥行き方向、つまり当該該構造体1の長手方向をz方向とする。また、当該構造体1に対する法線を図のように仮定し、入射角αで入ってきた光が回折角βで反射されるものとする(これを0次反射と称する)。
【0018】
そして、本発明の可変反射機能構造体1においては、上記のような微細構造体12が規則性をもって配列した微細構造体群を備えた状態において、少なくとも第1の材料が吸放湿性を有し、当該吸放湿性材料の吸放湿作用による材料の可逆的な体積変化に応じて、第2の材料からなる微細構造体12同士の間隔(ピッチ)が変化することから、これによって反射ピーク波長λも可逆的に変化し、例えば可視光線領域においては、色相が可逆的に変化することになる。
【0019】
これを図2を参照して説明する。図2(b)に示すように、吸放湿性を有する第1の材料が吸放湿の平衡状態となっている場合を基準とし、第2の材料からなる微細構造体12同士の間隔(ピッチ)をP、微細構造体12の直径をD(多角形や楕円形断面においては、x軸方向の長さとする。この状態から第1の材料(吸放湿性材料)がある量だけ吸湿すると、第1の材料は膨潤して体積増加を引き起こし、ピッチPがΔPだけ大きくなるため、図2(a)に示すように、微細構造体12同士のピッチはP+ΔPとなる。
【0020】
逆に、吸放湿平衡状態にある第1の材料が保持している吸湿量がある量だけ放湿されると、第1の材料はその分だけ収縮して体積減少を引き起こし、平衡状態の場合と比べ、ピッチPはΔPだけ小さくなり、図2(c)に示すように、微細構造体12同士のピッチはP−ΔPとなる。なお、ここではx軸方向のピッチP(正しくはPx)について説明したが、当初の回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させる上では、当然のことながらy軸方向のピッチP(正しくはPy)の挙動についても同様である。
このように、当該可変反射機能構造体1は、第2の材料からなる複数の微細構造体12から成る微細構造体群の規則性を損なうことなく、それを取り囲む第1の材料(吸放湿性材料)自身の吸放湿作用による体積変化によって、初めて微細構造体12同士のピッチPを可逆的に変化させることを可能ならしめるものである。
【0021】
ここで、本発明で言う、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに「十分な規則性」とは、例えば、図1において、少なくとも光透過性を有する第1の材料(吸放湿性材料)から成るマトリックス12内部に、第2の材料からなる微細構造体12が、同一直径D(断面が円形以外のものにおいては、同一寸法)で、しかもx軸方向およびy軸方向に、あるピッチPでもって規則的に配列しているような系を言う。なお、ピッチPとは、基本的には隣接する微細構造体12の中心間距離を意味する。
【0022】
また、実質的に、「回折・散乱作用に基づく光の反射機能」とは、概ね次のような内容を意味するものである。
すなわち、一様な媒質中にその屈折率とは異なる屈折率で波長よりも小さな物体があると、これによって光が散乱されるが、その物体が等間隔で規則的に並んでいると、散乱されたそれぞれの光が一定方向に波面を形成してその方向に強く反射されることになる。本発明においては、この現象の特異性を「回折・散乱作用」に基づく、と称することにする。なお、このような「回折・散乱作用」を発現させるための微細構造体12の直径やピッチPの寸法は、第1の材料と微細構造体12を構成する第2の材料各々の屈折率とその差、微細構造体12の規則配列の仕方、段数等により一概に決定できないが、反射スペクトルにおける反射ピーク波長λが可視光線領域(発色)の場合には、概ね数十nm〜数百nm程度である。
【0023】
さて、このような微細構造体12同士間のピッチPの変化により、反射機能(特性)が変化することについて、再度、図2を使って説明する。なお、ここでは、反射機能として、便宜上可視光線領域における反射機能(色相変化)について説明するが、これに限定されるものではなく、紫外線反射や近赤外線反射に対しても適用できることは言うまでもない。
前述したように、吸放湿平衡時における、微細構造体12と第1の材料(吸放湿性材料)の状態が図2(b)のようになっているとし、その際の反射スペクトル(反射ピーク波長をλbとする)を模式的に示すと、図3(b)のようになる。
【0024】
この状態から第1の材料(吸放湿性材料)が吸湿すると、この材料が膨潤して体積が大きくなることから、第2の材料からなる微細構造体12同士のピッチPは、吸放湿平衡時のPから(P+ΔP)と大きくなる。この際の反射ピーク波長λaは、ピッチが大きくなった分だけ短波長側へずれ、反射スペクトルとしては図3(a)に示すようになる。一方、第1の材料(吸放湿性材料)が放湿すると、今度は第1の材料が体積収縮するため、第2の材料からなる微細構造体2同士のピッチPは、吸放熱平衡時のPから(P−ΔP)と小さくなり、その際の反射ピーク波長λcは、ピッチが小さくなった分だけ長波長側へずれ、反射スペクトルとしては図3(c)のようになる。
【0025】
このように、第1の材料(吸放湿性材料)の体積変化により、微細構造体12同士のピッチPが変化し、それに伴って反射ピーク波長λも可逆的に変化することにより可視光線領域において、色相も可逆的に変化することになる。
【0026】
なお、第1の材料(吸放湿性材料)の最大放湿時におけるピッチ(P−ΔP)と微細構造体の直径Dとの間には、(P−ΔP)/D≧1の関係が成り立つようにすることが望ましい。
すなわち、(P−ΔP)/D=1なる関係が成り立つ場合とは、図4(a)に示すように、微細構造体群のx軸方向およびy軸方向において、隣接する微細構造体12同士が点接触する状況を意味するものであり、(P−ΔP)/D<1なる関係を満たすようになると、図4(b)に示すように、個々の微細構造体12に歪が加わることによって、当初の微細構造体群の規則性から逸脱してしまい、十分な反射機能を発現できなくなってしまう。それ故、第1の材料選択の際には、最大放湿時の体積収縮を考慮して、上記の関係を満足するようにしておく必要がある。
【0027】
このように、本発明における吸放湿作用による可逆的な変化とは、言い換えると微細構造体12から成る微細構造体群が回折・散乱作用に基づく反射機能を十分発現できるように、本質的に当初の微細構造体群の規則的形態を保持したまま、第1の材料(吸放湿性材料)の吸放湿作用による体積変化によってピッチ寸法が変化する(幾何学的に相似系である)ものであると言える。
【0028】
上記のように、当初の微細構造体群の形態を保持したまま、第1の材料(吸放湿性材料)の吸放湿性による体積変化によってピッチ寸法を均一に変化させるためには、複数の微細構造体12から成る微細構造体群の最外周に位置する微細構造体同士を結んで得られる多角形に外接する任意の直角四辺形(長方形又は正方形)の対角線同士の交点Giと、上記直角四辺形の各辺とそれぞれ平行な辺を有し、当該構造体1の外周に外接する直角四辺形の対角線同士の交点Gsとが、一致するように配置されていることが好ましい。
【0029】
具体的には、図5(a)に示すように、当該構造体1の横断面において、例えば光が入射する法線方向をy、このyに直交する横方向をxとし、x−y断面に直交する方向をzとしたとき、当該構造体断面において最も入射光側に位置している微細構造体12と、最も入射光側から離れて位置している微細構造体12を通過する線を、x方向と平行となるようそれぞれ断面端部まで引き(辺A−B、辺C−D)、また、x方向の両端部に位置している微細構造体を通過する線をそれぞれ、y方向と平行になるように引いたとき(辺A−C、辺B−D)に得られる直角四辺形ABCDの対角線ADとBCの交点Giと、当該構造体1の横断面における外周部、すなわち、上記微細構造体群を取り囲む第1の材料から成るマトリックス11の外周部において、最も入射光側に位置している辺上の点と、最も離れている辺上の点を、x方向に平行となるようそれぞれ断面端部まで引き(辺A′−B′、辺C′−D′)、また同様に、x方向の両端部の辺をそれぞれ、y方向と平行になるように断面端部まで引いたとき(辺A′−C′、辺B′−D′)に得られる直角四辺形A′B′C′D′の対角線A′D′とB′C′の交点Gsとが一致するように配置されていることが好ましい。
【0030】
このように互いの対角線同士の交点(すなわち、重心)GiとGsとが一致するように微細構造体群を配置することによって、当該構造体1の外部からの湿気あるいは水分などの媒体を偏りなく一様に取り込むことができ、これによって微細構造体群の局所的な構造(配置)変位・ずりの発生や凝集を抑制することが可能となり、規則性を保持しながら、回折・散乱作用に基づく光の反射機能(例えば、色相)が可逆的に変化するようになる。
このような配置構造は、上記のような矩形断面、直交配列のみならず、他の配列や円形、楕円断面にも適用することができ、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規則性を持っている微細構造体群の例を図5(b)〜図5(f)に示す。
【0031】
さらに、微細構造体12同士のピッチ寸法を均一に変化させ、配列の規則性を維持させるためには、図6に示すように、第2の材料から成る微細構造体群の最外周に位置する微細構造体12同士を結んで得られる辺と、第1の材料からなるマトリックス11の最外周辺との間の距離、つまり厚さtが実質的に均一であるようにすることが望ましい。
すなわち、微細構造体群の外周部を覆う第1の材料の厚さtを実質的に均一とすることにより、当該構造体1の外部からの湿気や水分の浸入・拡散が比較的均一となりため、必然的に第1の材料における体積の膨張・収縮も均一となり、ピッチ寸法のばらつきが少なくなって、規則的な配列状態が維持されることになる。
【0032】
なお、図6においては、矩形断面の場合を例にとって説明したものであるが、一般には、微細構造体群の最外周を結んで得られる断面形状と当該構造体1の外周形状とが相似の関係であって(例えば、円形同士、楕円同士)、構造体1の外周部から微細構造体群の最外周部までの距離tが実質的に均一であればよいことになる。なお、本発明において、「実質的に均一」とは、±20%程度のばらつき範囲内で一致していることを意味し、当該構造体1の仕様(微細構造体及びマトリックスの寸法や材質、配列など)にもよるが、この範囲内であれば上記効果がほぼ確実に得られることが確認されている。
【0033】
次に、第2の材料から成る複数の微細構造体12の総体積Viと、それを取り囲む第1の材料から成るマトリックス11の体積Vsの関係について説明する。
【0034】
両者の体積比(Vs/Vi)と湿気や水分等の吸収・膨潤能の関係は、当該構造体1の形状や構成材料、さらに他の因子により影響を受け、一概に決定はできないが、概ね、1/10≦Vs/Vi≦20の関係を満足するように調整することが望ましい。
すなわち、両者の体積比(Vs/Vi)が1/10に満たないと、第2の材料からなる微細構造体群を取り囲む第1の材料が実質的に少なく、当該構造体1の外部に、仮に水分等があったとしても十分な吸収・膨潤が期待できないためである。一方、両者の体積比(Vs/Vi)が20を超えると、微細構造体群を取り囲む第1の材料が極めて厚くなり、仮に十分な水分の吸収・膨潤能が潜在的にあったとしても、湿気や水分の浸入・拡散に要する時間が極めて長くなり、可変反射機能発現にはほど遠い状況になる。なお、構成材料にも依存するが、回折・散乱作用に基づいた可変反射機能を実用レベルで発現しうるためには、上記体積比は、1≦Vs/Vi≦15の範囲であることがより望ましい。
【0035】
また、可変反射機能を発現させるためには、第1の材料の吸湿時と放湿時における体積変化が少なくとも10%あることが望ましい。
図7は、図1に示したような配列の反射機能構造体1において、マトリックス12を構成する第1の材料としてポリビニルアルコールとポリアクリル酸との複合体の架橋体を使用すると共に、微細構造体12を構成する第2の材料として、比較的吸湿性の低いポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた場合に、第1の材料(吸放湿性材料)の体積変化率と、第2の材料からなる微細構造体12のピッチ変化率の関係を示したものであって、この図から明らかなように、第1の材料の体積変化が8%以上になると、微細構造体同士のピッチ変化は約4%以上となり、また、反射スペクトルにおける反射ピーク波長λも、波長8nmほどシフトすることがわかる。
なお、色相によって異なるものの、反射スペクトルにおける波長シフト量としては、波長8nmから10nm程度あれば、人間の眼で色相変化として検知できるとの報告があることから、ここでは、波長8nmをシフトしうる微細構造体のピッチ変化率4%以上、第1材料の体積変化率8%以上とすることが望ましい。
【0036】
ここまでの説明においては、水分の膨潤・収縮作用により、第1の材料が体積変化する場合について説明してきたが、第1の材料の吸湿時と放湿時における密度が異なることによる屈折率変化を利用しても構わない。この場合、第1の材料の屈折率変化の差が少なくとも0.01確保できるようにすることにより、前述と同様に色相を変化させることができるようになる。
【0037】
すなわち、図8は、図1に示したような配列を備えた反射機能構造体1において、微細構造体群のy軸方向の段数Nを実用レベルの12段(目的とする構造体1の寸法諸元や製造上の点から、概ねN=10〜20程度が実用レベルと考えられる)としたときにおける、第1の材料と第2の材料の屈折率差と、波長λ=520nmの光の反射率との関係を示すものであって、屈折率差が0.01以上確保できれば、可視光線領域においても認知できるレベルである反射率40%以上となることが判る。したがって、第1の材料の吸湿時と放湿時における屈折率差についても、0.01以上であれば、第1の材料の吸放湿に基づく色相変化を人の眼によって顕著に認識することができるようになる。
【0038】
なお、吸放湿に伴う第1の材料の屈折率変化は、吸放湿による体積変動に基づく微細構造体12のピッチ変化から必ずしも独立したものではなく、第1の材料の屈折率変化と微細構造体12のピッチ変化とが同時に起ることもある。
【0039】
次に、本発明において、マトリックス11を構成する第1の材料として用いられる吸放湿性材料としては、水分による膨潤・収縮に基づく体積変化を発現しうる材料系であれば特に限定されないが、水を引き付ける極性基(水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ポリアミド基など)を持ち、しかも非晶領域を有する高分子系であることが望ましく、例えば、ポリビニルアルコール系、ビニルアルコール−アクリル酸系、ポリアクリル酸系、ポリアクリルアミド系、ポリエチレンオキシド系などの高分子材料を挙げることができる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコールとポリアクリル酸との複合体の架橋物やその金属塩、ポリアクリル酸の架橋物やその金属塩、アクリル酸とアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物やその金属塩、マレイン酸とアクリルアミド、ヒドロキシエチルエステルなどの共重合体の架橋物やその金属塩、ポリビニルスルホン酸の架橋物やビニルスルホン酸と、アクリルアミド、ヒドロキシエステルなどとの共重合体の架橋物やその金属塩、ポリアクリルアミドアルキルスルホン酸の架橋物やアクリルアミドアルキルスルホン酸とアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、アクルル酸アルキルエステルなどの共重合体の架橋物などが挙げられる。
【0040】
一方、微細構造体12を構成する第2の材料としては、特に限定されないが、回折・散乱作用に基づく光反射機能を発現させるのに十分な規則性を保持でき、しかも第1の材料(吸放湿性材料)が水分による膨潤・収縮作用による体積変化を発現する際に、同様に膨潤・収縮しない系であることが好ましい。即ち、第1の材料系とは異なった吸放湿性の少ない材料系であることが好ましく、具体的には、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリエーテルケトン系、ポリサルファイド系、フッ素系、ポリカーボネート系の単体、もしくはこれらのブレンド、あるいはこれらの2種類以上の共重合体のいずれかであることが好ましい。
【0041】
なお、第2の材料からなる微細構造体12は、光透過性を有していたり、着色されていたりしても差し支えない。染料や顔料、あるいは分子構造に基づく着色があっても、入射した光はこの着色剤や分子構造によって光吸収され、光量の減じられた光が、次の段の微細構造体へ入射することになる。従って、回折・散乱作用による光の反射強度は無着色時に比べて低下するが、着色されていることによって、第1の材料(吸放湿性材料)の水分による膨潤・収縮に基づく体積変化、すなわちピッチ変化が可視光線領域をはずれた波長域に達しても、常にある色相をベースラインのごとく保持できるというメリットも生まれる。
【0042】
次に、本発明の可変反射機能構造体1における微細構造体12の基本配置(最小ユニット)について説明する。
前述したように、例えば、光の入射方向をy、このyに直交する横方向をx方向、x−y断面に直交する奥行き方向をz方向としたとき、第1の材料から成るマトリックス11の内部に、所定断面形状を有する複数の微細構造体12が、x−y平面内、すなわち当該構造体1の横断面内において、三角形、四角形、五角形などの規則性を有する多角形配置されていることが望ましい。
【0043】
また、当該反射機能構造体1における微細構造体12の断面形状については、特に限定されず、円形状、楕円形、矩形、および多角形よりなる群から選択される一種以上の断面構造であれば良いが、変数(角数)の少ない多角形断面においては、入射した光の反射光方向が変化しやすくなり、位相の揃った反射光が得られにくくなるなどの問題が顕著になるため、できるだけ円形状や楕円形状が好ましい。なお、ランダムに混在するのではなく、一定の規則性を持って配置されているのであれば、断面形状が異なる微細構造体12が混在しても構わない。
【0044】
微細構造体12の断面形状が、実質的に円形状(楕円も含む)断面に近いものにおいては、長軸長さをL1(楕円刑断面の場合、真円の場合は直径D)、その円形状断面から構成される行と列のマトリックス状(直交状)の配列規則性における隣接する円形状断面同士の中心間距離(ピッチ)をP、回折・散乱作用による反射ピーク波長λとしたとき、微細構造体12のサイズパラメータα(=λ/2πr)及び、そのピッチPが、
L1=2r
10−2≦α≦103
D≦P、又はL1≦P
なる関係を満たすように構成することが望ましく、特に、通常このαの大きさにより回折・散乱強度も大きく変動する傾向が見られるが、10−2≦α≦103なる範囲においても、比較的安定した回折・散乱強度を示し、十分に実用的な光反射機能を発現することを見出した。
【0045】
なお、本願の光反射機能を発現させるためのより好ましいサイズパラメータαとしては、10−1〜102、さらには10−1〜10の範囲が好適である。特に可視光線から近赤外線領域における光反射機能の点からは、10−1〜10の範囲であることが望ましい。
このサイズパラメータαが10−2よりも小さくなると、微細構造体12の断面サイズが波長オーダよりも大幅に大きくなってしまい、繊維状あるいはフィルム状の構造体自身の成形が困難になってしまう。また、逆に、このαが103よりも大きくなると、粒子サイズが分子レベル以下の大きさとなってしまい、規則性を保持することが困難になると共に、回折・散乱光強度自体も非常に小さくなるため、実用的な光反射機能を発現できなくなってしまう。
また、当該反射機能構造体1内に規則的に配置する微細構造体12は、製造時における規則性制御の面および反射機能上の面から、図1に示すように、その長さ方向に一様に連続している方が好ましい。
【0046】
また、当該構造体1を構成する第1および第2の材料のいずれか一方、あるいは両方が複屈折性を有する材料とすることにより、繊維あるいはフィルム成形時の延伸方向における屈折率を顕著に大きくすることが可能となる。特に、第1の材料(吸放湿性材料)系は大きな複屈折性を発現しにくいことから、第2の材料に複屈折性を有する材料系を配することにより、両者間の屈折率差を大きく確保することができるようになる。その際の複屈折Δnが0.05以上、より好ましくは0.1以上であると、光反射機能もより顕著になる上に、微細構造体12のy軸方向における段数Nを多く配する必要もなくなることから、当該構造体1の寸法サイズも細径化が可能となる。
ここで、「複屈折」とは偏光方向によって屈折率が異なり、光がその進行方向と垂直な面内で最大の屈折率を示す振動方向と最小の屈折率を示す振動方向(互いに直交する)の2成分に分かれて進む現象をいう(例えば、丸善株式会社発行「繊維便覧」第195頁参照)。
【0047】
複屈折Δnの大きなポリマーとしては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN:Δn=0.24〜0.28)、ポリエチレンテレフタレート(PET:Δn=0.24〜0.25)、ポリカーボネート(PC:Δn=0.182)、ポリブチルテレフタレート(PBT:Δn=0.153)などが代表的なものである(丸善株式会社発行 「繊維便覧」第196頁参照)。従って、第2の材料からなる微細構造体12には、上記のような複屈折Δnの大きな材料系を用いることが望ましい。
【0048】
実際に、このような複屈折性Δnを発現させるためには、当該構造体1の代表的な形態である繊維を形成しようとする場合、繊維においては、紡糸中あるいはその後の延伸処理によって繊維軸方向に結晶配向するため、紡糸条件や延伸条件等をコントロールすることによって、繊維軸方向の屈折率(nz)を大きくすればよい。
【0049】
これらの構造体1を一部、もしくは全部に織り込んで繊維生地や編物、あるいは不織布とすることも可能である。このような用途に使用すると、外部環境下の変化、例えば、雨の日と晴れの日での湿度が異なることにより、色相の異なった衣服や小物等を提供することができる。あるいはまた、水に濡れた時と乾燥した時とで、異なる色相を呈することが可能となることから、水分量を示すセンサーやインジケータとしての役割も担うことができる。
【0050】
また、本発明に係わる可変反射機能構造体1においては、当該構造体1を数百本から数千万本というオーダで、ある寸法サイズになるように束ねた状態(繊維集合束)にして、機械的に自動カッター等で切断し、微小なチップ材(小片)とすることも可能である。例えば、適切な含浸液(例えば、水やパラフィン)を使用しながら当該構造体1を数百万本束ねて数十mm径にした後、その集合束の送り出し機構を備えた自動カッターで、連続的に数十μmから数mm程度の長さに切断することも可能である。
なお、チッピングの方法等は例えば、繊維機械学会編「繊維工学(II)繊維の製造、構造体及び物性」の第116頁や、同学会編「繊維工学(III)繊維の製造、構造体及び物性」の第233〜235頁に記載されている。
【0051】
また、当該構造体1を上記のごとく集合束としたのち、フリージング処理し、各種方法によって粉砕したり、あるいは上記のごとく、機械的に切断した大き目のチップ材(数百μm長〜数mm長)を極低温粉砕装置等によって粉砕したりすることによって、所定の粉末体とすることも可能である。
これらは従来にない優れた色材として各種分野に幅広く適用できるものである。
【0052】
このような微小なチップ材(小片)や粉末体を光輝材として、光透過性を有する塗料に用いることにより、自動車や家電、建築材、玩具、スポーツ用品などの様々な内外装面に塗布することが可能となる。また、上記チップ材や粉末体は、フィルムや各種のプラスチック成形体に光輝材として混ぜ込むことや、不織布や紙に入れて壁紙や障子紙さらに、紙幣などに入れることにより、独自の商品や偽造防止商品としても使用できる。
また、特に透湿性のある表面材にこれらの光輝材を使うと、外界の水分に応じてカメレオンや熱帯魚の体色のごとく、色相が可逆的に変化するという、「生きた色材・意匠材」とでもいうべき新規な材料を提供することができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これら実施例によって本発明が限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
光透過性及び吸放湿性を有し、マトリックス11を構成する第1の材料として、ポリビニルアルコールとポリアクリル酸との複合体の架橋体(平均屈折率ns=1.53)を、また、微細構造体12用の第2の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET:平均屈折率ni=1.56)を選択し、下記条件にて図1に示すような矩形型の可変反射機能構造体1を狙って複合溶融紡糸を行った。なお、上記第1の材料の平均屈折率については、標準状態時(室温:20±2℃、相対湿度65±2%)における吸放湿平衡状態の屈折率を意味する。
【0055】
紡糸口金としては、特開平8−226011号公報に記載の複合紡糸口金を一部修正したものを準備し、これを複合紡糸装置に装着した上で、紡糸温度283℃、巻き取り速度1km/minの条件下で、吐出量を適宜変えて未延伸糸を得た。さらにこの未延伸糸に、熱延伸処理を施して狙いとする寸法まで細径化し、標準状態時において緑色発色する回折・散乱型可変反射機能構造体1を得た。
【0056】
次に、得られた構造体1の吸水率をJIS L1003に準じて、以下のように測定した。
まず、試料(当該構造体1)を乾燥剤を入れたデシケータ中に保存しておき、この試料を温度:20±2℃、相対湿度:65±2%の標準状態に保持した試験容器中に放置し、この状態での重量M1を測定し、標準重量とする。そして、この状態から、上記試料を温度:20±2℃の水中に、10時間、24時間放置し、その際の重量M2を測定した。
【0057】
得られた測定重量値M1及びM2から、吸水率を次式によって求め、2回測定の平均値でもって表すこととした(少数点以下1桁で算出)。
吸水率(%)=(M2−M1)/M1 ×100
なお、吸水率小の一条件として、60℃×2h(擬似的な乾燥状態)なる条件下でも実験を行い、その際の質量をM´とした。上記式において、MをM´に置き換えて、同様に吸水率を算出した。
また、上記状態での体積変化について、得られた構造体1の断面形状をCDDカメラを通してパソコンに画像として保存し、その画像から解析した。
そして、各試料の反射スペクトルを顕微分光光度計(日立製作所製:U−6500))により測定した。これらの測定結果をまとめて表1に示す。なお、目視による色味の変化も、水20℃×24hになると、当初の緑色から橙緑色に変化した。
【0058】
(実施例2)
光透過性及び吸放湿性を有する第1の材料として、アクリル酸とアクリルアミドの複合体の架橋体(平均屈折率ns=1.54)を、また、微細構造体12用の第2の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET:平均屈折率ni=1.56)を選択し、上記実施例と同様の条件のもとに、図1に示すような矩形型の可変反射機能を有する構造体1を狙って複合溶融紡糸を行い、標準状態時において青色発色する回折・散乱型可変反射機能構造体1を得た。そして、同様の吸水率測定、画像解析、反射スペクトル測定を行ない、その結果をまとめて表1に示した。なお、目視による色味の変化も、水20℃×24hになると、当初の青色から緑青色に変化した。
【0059】
(実施例3)
光透過性及び吸放湿性を有し、マトリックス11を構成する第1の材料として、ポリビニルアルコールとポリアクリル酸との複合体の架橋体(平均屈折率ns=1.53)を、また、微細構造体12用の第2の材料として、ポリエチレンナフタレート(PEN:平均屈折率ni=1.63)を選択し、上記実施例と同様の条件(但し、紡糸温度は285℃)のもとに、図1に示すような矩形型の可変反射機能を有する構造体1を狙って複合溶融紡糸を行い、標準状態時において緑色発色する回折・散乱型可変反射機能構造体1を得た。そして、同様の吸水率測定、画像解析、反射スペクトル測定を行ない、その結果をまとめて表1に示した。なお、目視による色味の変化も、水20℃×24hになると、当初の緑色から橙緑色に変化した。
【0060】
(実施例4)
光透過性及び吸放湿性を有し、マトリックス11を構成する第1の材料として、アクリルアミドアルキルスルホン酸とアクリルアミドの共重合体の架橋体(平均屈折率ns=1.54)を、微細構造体12を構成する第2の材料として、ポリエチレンナフタレート(PEN:平均屈折率ni=1.63)を選択し、上記実施例と同様の条件(但し、紡糸温度は285℃)のもとに、図1に示すような矩形型の可変反射機能を有する構造体1を狙って複合溶融紡糸を行い、標準状態時において青色発色する回折・散乱型可変反射機能構造体1を得た。そして、同様の吸水率測定、画像解析、反射スペクトル測定を行ない、その結果をまとめて表1に示した。なお、目視による色味の変化も、水20℃×24hになると、当初の青色から緑青色に変化した。
【0061】
(実施例5)
光透過性及び吸放湿性を有し、マトリックス11を構成する第1の材料として、アクリル酸とヒドロキシエチルアクリレートの共重合体の架橋体(平均屈折率ns=1.55)を、微細構造体12用の第2の材料として、ポリカーボネート(PC:平均屈折率ni=1.59)を選択し、下記条件にて図5(d)に示したような偏平型の可変反射機能構造体1を狙って複合溶融紡糸を行った。
【0062】
紡糸口金としては、特開平8−226011号公報に記載の複合紡糸口金を一部修正したものを準備し、同様に複合紡糸装置に装着した上で、紡糸温度285℃、巻き取り速度1km/minの条件下で、吐出量を適宜変えて未延伸糸を得た。さらにこの未延伸糸に、熱延伸処理を施して狙いとする寸法まで細径化し、吸放湿平衡時時において青色発色する回折・散乱型可変反射機能構造体1を得た。なお、目視による色味の変化も、水20℃×24hになると、当初の青色から橙緑色に変化した。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の可変反射機能構造体においては、第2の材料からなる複数の微細構造体が光透過性を有する第1の材料により取り囲まれ、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規則性をもって配置されており、しかも少なくとも第1の材料が吸放湿性材料からなっているので、湿度変化や水分量変化に応じて微細構造体のピッチや吸放湿性材料の屈折率が可逆的に変化することになり、これによって反射機能特性が変化し、今まで経時変化の原因とされていた吸湿性を積極的に利用することによって、例えば可視光線領域においては、吸放湿に応じて色相を可逆的に変化させることができるという優れた効果がもたらされる。
【0065】
さらに、本発明の可変反射機能構造体は、繊維状やフィルム状の形態でそのまま使用することができるばかりでなく、微小なチップや粉末体に比較的容易かつ安価に加工することができるので、光輝材として塗料やプラスチック成形体、さらには不織布や紙などにも適用することができ、当該構造体の有する特異な反射・発色機構に基づく新規な意匠性を種々の物品に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変反射機能構造体の基本構造及び当該構造体に入射する光の方向の定義を示す斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は、図1に示した可変反射機能構造体における第1の材料の吸放湿に伴う微細構造体間ピッチの変動を説明する概念図である。
【図3】(a)〜(c)は、図2に示した微細構造体間ピッチの変動に基づく反射スペクトルの変化を示すグラフである。
【図4】(a) 本発明の可変反射機能構造体の実施形態として微細構造体の直径DとピッチPが等しい例を示す拡大断面図である。(b) 図4(a)に示した微細構造体の直径DがピッチPよりもが大きい場合を示す拡大断面図である。
【図5】微細構造体群の最外周に外接する直角四辺形の対角線の交点Giと、マトリックスの最外周に外接する直角四辺形の対角線の交点Gsの位置関係の説明図である。
【図6】本発明の可変反射機能構造体の実施形態として、微細構造体群の最外周に位置する微細構造体同士を結んで得られる辺と、マトリックスの最外周辺との間の距離が実質的に均一である例を示す拡大断面図である。
【図7】第1の材料の体積変化に伴う微細構造体同士間のピッチ変化の関係を示すグラフである。
【図8】第1の材料と第2の材料の屈折率差と反射率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 可変反射機能構造体
11 マトリックス(第1の材料)
12 微細構造体(第2の材料)
本発明は光の散乱・回折等の物理作用等により、可視光線、赤外線及び紫外線領域の少なくともいずれかの波長域の光を反射する光学機能構造体に係わり、さらに詳しくは、構成材料の吸放湿作用に基づく体積変化や屈折率変化によって、反射特性を変化させることができ、例えば、可視光線領域においては、色相が可逆的に変化する可変反射機能を備えた新規な構造体、及びこのような可変反射機能構造体を用いた物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光エネルギーは、一般に我々の視覚で認知できる可視光線(波長380nm〜780nm)、それより短かい波長域の紫外線(波長290nm〜380nm)、可視光線より長い波長域の赤外線(波長780nm以上)に区分される。このうち可視光線域は、我々の視知覚と密接に関与しており、この光の下で各種物体の色を感知している。一般に、物体の色はその物体が光の一部を吸収することにより生じる。この原理を利用した着色が従来から用いられてきた顔料や染料を用いた方法であり、現在の我々の身の回りのほとんどの着色および発色はこの方法に基づいている。
【0003】
ところが、これらによる着色は各種顔料や染料自体が必要であるばかりでなく、これらを混練する工程や廃液処理等も必要になり、工程および環境上も問題視されてきている。また、品質的には、物体表面に溶出して質感低下を引き起こしたり、紫外線等による退色が生じて初期品質を保持することができず、意匠性や商品性を損ねたりするといった欠点も指摘されている。
【0004】
このような問題点を解決するため、顔料や染料などのいわゆる色素を使用することなく、光の干渉、回折などの物理作用を用いた発色手段(広義には「構造性発色」と称する)が知られている。これらは、物体表面やその内部に存在する規則的な微細構造と光との相互作用によって発色するものであって、既にいくつかの公知技術が知られている。
【0005】
例えば、光の干渉反射作用を利用することにより発色する構造体としては、分子配向異方性フィルムを2枚の偏光フィルムで挟んだ構造とすることにより発色する材料が発表されている(非特許文献1及び2参照)。
この原理は、第1の偏光フィルムに法線方向からの光が入射すると、このフィルムを通った光は一定方向のみに振動する光(直線偏光)となり、次に、この直線偏光が45°に配位した分子配向異方性フィルムを通ると、偏光面を回転させて楕円偏光に変わる。そして、この楕円偏光が第2の偏光フィルムを通ると再び直線偏光となるが、その際に、波長によって光の強さが異なるために、それが着色偏光となって色として認識されることになるものである(いわゆる偏光の干渉による発色)。
【0006】
また、屈折率の異なる2種類のポリマー物質を、交互に何十層と積層した構造とすることにより発色する材料も報告されている(特許文献1及び2参照)。
この原理は、屈折率の異なる交互積層界面で生じるフレネル反射が重なって干渉を起こし、その結果として反射率の波長依存性や反射率そのものの増加や減少を生じるもので、特定波長で特定位相差をもって重なり合うときに現れる発色である(発色波長λ1=2(nada+nbdb):発色波長λ1は互いの光学的厚みが等しいとき、すなわち、nada=nbdbのとき、最大となる)。
【0007】
さらに、少なくとも第1と第2のポリマー物質の屈折率が互いに少なくとも0.03異なり、しかも100nm程度の厚さで積層させたフィルム状の反射性ポリマー物体が開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、本発明者らも上記特許文献2において、屈折率の異なる2種類の高分子物質からなる交互積層構造を有する繊維状の発色構造体を開示している。この発色繊維は非染色の発色繊維であり、見る方向によって色味が変わる特徴を有し、しかもこの繊維と組合せる糸の色によってはその複合効果によって、干渉効果特有の質感を呈するものである。
【0008】
一方、回折・干渉作用を利用した構造体としては、繊維表面に一定幅の細溝を設けることによって回折・干渉色を発するようにした構造体が提案されている(特許文献4〜6参照)。
この原理は、平面あるいは凹面上に多数の所定寸法の溝(溝の深さや溝同士の間隔など)を規則的に形成させたもの(いわゆる、回折格子状のごとく)に光を入射させると、光路差ΔLが生じ、この光路差が波長λの整数倍のとき、反射光が強め合って明るくなるもの(光路差ΔL=mλ:但し、mは回折次数で、m=0,1,2・・・)で、実際には、ある角度で入射した光に対し、ある回折角度で波長λの発色を与えるものである。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−295804号公報
【特許文献2】
特許第3036305号公報
【特許文献3】
特開平4−295804号公報
【特許文献4】
特開昭62−170510号公報
【特許文献5】
特開昭63−120642号公報
【特許文献6】
特開平8−234007号公報
【非特許文献1】
繊維機械学会誌Vol.42,No.2,P55(1989)
【非特許文献2】
繊維機械学会誌Vol.42,No.10,P160(1989)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構造体は、いずれも光と微細構造との物理的な相互作用に基づいた反射機能を発現するものであって、例えば可視光線領域について言及すると、見る角度による色味の変化という特徴的な機能を呈するものの、以下のような問題も内在していた。
すなわち、広視野角度(法線に対し、見る角度を大きく取った場合)になると、色味を呈さなくなったり(無彩色化)、あるいは発色そのものが低品位の域を脱し得なかったりするという問題があった。
また、実使用環境下(温度、湿度、雨雪、気圧など)や取り扱い条件(洗濯やクリーニングなど)によっては、初期品質(反射機能)を保時することができず、微妙に変化してしまうという問題、例えば上記のような構造体を用いたファブリック(織物)においては、クリーニングの繰り返しによる湿熱作用などで、初期の反射機能(色相や彩度など)が保持できず、低下していく傾向が認められるという問題もあった。
【0011】
そのため、このような使用条件下にあっても、構造体の経時的変化を極力発生しないように、吸湿性の低い材料を選択したり、表面処理を施こすという工夫、あるいは熱的履歴を経ても寸法変化の少ない材料を組合せたり、本構造体の成形後に、熱処理などの後加工を施すことによりその変化を強制的に抑制するという工夫が進められていた。
【0012】
本発明は、上記とは異なる発想に基づくものであって、使用条件下における発色構造体の経時的変化を抑制することにより反射機能の安定化を図るのではなく、むしろ使用条件に応じた物性変化を積極的に取り入れることによって、反射機能を変化させるようにすることを狙ったものであり、使用環境(水分や湿度)に順応することにより、多様な色相変化をもたらすことができ、湿熱作用による反射機能が低下することがない新規な可変反射機能を有する構造体を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の可変反射機能構造体は、屈折率の異なる少なくとも第1及び第2の材料から成ると共に少なくとも第1の材料が光透過性を有し、可視光線、赤外線及び紫外線の反射特性のうちの少なくともいずれかの光学機能を有する繊維状あるいはフィルム状をなし、当該構造体の横断面において、第2の材料から成る複数の微細構造体が光透過性を有する第1の材料によって取り囲まれ、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規則性をもって配置された構造体であって、上記第1及び第2の材料のうちの少なくとも一方が吸放湿性を有し、当該吸放湿性材料の吸放湿に伴う可逆的な体積変動に基づいて上記微細構造体の間隔、あるいは上記吸放湿性材料の吸放湿に伴う可逆的な密度変動に基づいて当該材料の屈折率が変化するようにしたことを特徴としている。
【0014】
また、本発明の物品は、織物、編物、あるいは不織布であって、本発明の上記可変反射機能構造体がその少なくとも一部に用いられていることを特徴としている。さらに、本発明の他の物品は、塗料、フィルム構造体、プラスチック成形体、不織布、あるいは壁紙であって、本発明の上記可変反射機能構造体を所定の長さに切断したチップ、あるいは所定の寸法に粉砕した粉末を含有している構成としたことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係わる可変反射機能構造体を繊維状あるいはフィルム状構造に適用した実施形態の一例を示す概念図であって、本発明の可変反射機能構造体1は、屈折率の異なる少なくとも第1及び第2の材料(この図では、第1と第2の材料のみ)から成り、少なくとも第1の材料が光透過性を有し、この図では矩形断面形状をなす第1の材料から成るマトリックス11の内部に、第2の材料からなり、この図では円形断面を備えた複数の微細構造体12が回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規則性をもって配置(この図では、直交配列)されたものである。なお、以下の説明においては、上記した複数の微細構造体12を一括して「微細構造体群」と称することがある。
【0017】
ここで、本発明を理解する上で、光の入射方向に対する座標軸を定義しておいた方が好ましいので、以下のように定義し説明を進める。
すなわち、上記構造体1の断面において、光が入射する法線方向をy方向とし、これに直交する方向、つまり当該該構造体1の断面における横方向をx方向、x−y平面の奥行き方向、つまり当該該構造体1の長手方向をz方向とする。また、当該構造体1に対する法線を図のように仮定し、入射角αで入ってきた光が回折角βで反射されるものとする(これを0次反射と称する)。
【0018】
そして、本発明の可変反射機能構造体1においては、上記のような微細構造体12が規則性をもって配列した微細構造体群を備えた状態において、少なくとも第1の材料が吸放湿性を有し、当該吸放湿性材料の吸放湿作用による材料の可逆的な体積変化に応じて、第2の材料からなる微細構造体12同士の間隔(ピッチ)が変化することから、これによって反射ピーク波長λも可逆的に変化し、例えば可視光線領域においては、色相が可逆的に変化することになる。
【0019】
これを図2を参照して説明する。図2(b)に示すように、吸放湿性を有する第1の材料が吸放湿の平衡状態となっている場合を基準とし、第2の材料からなる微細構造体12同士の間隔(ピッチ)をP、微細構造体12の直径をD(多角形や楕円形断面においては、x軸方向の長さとする。この状態から第1の材料(吸放湿性材料)がある量だけ吸湿すると、第1の材料は膨潤して体積増加を引き起こし、ピッチPがΔPだけ大きくなるため、図2(a)に示すように、微細構造体12同士のピッチはP+ΔPとなる。
【0020】
逆に、吸放湿平衡状態にある第1の材料が保持している吸湿量がある量だけ放湿されると、第1の材料はその分だけ収縮して体積減少を引き起こし、平衡状態の場合と比べ、ピッチPはΔPだけ小さくなり、図2(c)に示すように、微細構造体12同士のピッチはP−ΔPとなる。なお、ここではx軸方向のピッチP(正しくはPx)について説明したが、当初の回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させる上では、当然のことながらy軸方向のピッチP(正しくはPy)の挙動についても同様である。
このように、当該可変反射機能構造体1は、第2の材料からなる複数の微細構造体12から成る微細構造体群の規則性を損なうことなく、それを取り囲む第1の材料(吸放湿性材料)自身の吸放湿作用による体積変化によって、初めて微細構造体12同士のピッチPを可逆的に変化させることを可能ならしめるものである。
【0021】
ここで、本発明で言う、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに「十分な規則性」とは、例えば、図1において、少なくとも光透過性を有する第1の材料(吸放湿性材料)から成るマトリックス12内部に、第2の材料からなる微細構造体12が、同一直径D(断面が円形以外のものにおいては、同一寸法)で、しかもx軸方向およびy軸方向に、あるピッチPでもって規則的に配列しているような系を言う。なお、ピッチPとは、基本的には隣接する微細構造体12の中心間距離を意味する。
【0022】
また、実質的に、「回折・散乱作用に基づく光の反射機能」とは、概ね次のような内容を意味するものである。
すなわち、一様な媒質中にその屈折率とは異なる屈折率で波長よりも小さな物体があると、これによって光が散乱されるが、その物体が等間隔で規則的に並んでいると、散乱されたそれぞれの光が一定方向に波面を形成してその方向に強く反射されることになる。本発明においては、この現象の特異性を「回折・散乱作用」に基づく、と称することにする。なお、このような「回折・散乱作用」を発現させるための微細構造体12の直径やピッチPの寸法は、第1の材料と微細構造体12を構成する第2の材料各々の屈折率とその差、微細構造体12の規則配列の仕方、段数等により一概に決定できないが、反射スペクトルにおける反射ピーク波長λが可視光線領域(発色)の場合には、概ね数十nm〜数百nm程度である。
【0023】
さて、このような微細構造体12同士間のピッチPの変化により、反射機能(特性)が変化することについて、再度、図2を使って説明する。なお、ここでは、反射機能として、便宜上可視光線領域における反射機能(色相変化)について説明するが、これに限定されるものではなく、紫外線反射や近赤外線反射に対しても適用できることは言うまでもない。
前述したように、吸放湿平衡時における、微細構造体12と第1の材料(吸放湿性材料)の状態が図2(b)のようになっているとし、その際の反射スペクトル(反射ピーク波長をλbとする)を模式的に示すと、図3(b)のようになる。
【0024】
この状態から第1の材料(吸放湿性材料)が吸湿すると、この材料が膨潤して体積が大きくなることから、第2の材料からなる微細構造体12同士のピッチPは、吸放湿平衡時のPから(P+ΔP)と大きくなる。この際の反射ピーク波長λaは、ピッチが大きくなった分だけ短波長側へずれ、反射スペクトルとしては図3(a)に示すようになる。一方、第1の材料(吸放湿性材料)が放湿すると、今度は第1の材料が体積収縮するため、第2の材料からなる微細構造体2同士のピッチPは、吸放熱平衡時のPから(P−ΔP)と小さくなり、その際の反射ピーク波長λcは、ピッチが小さくなった分だけ長波長側へずれ、反射スペクトルとしては図3(c)のようになる。
【0025】
このように、第1の材料(吸放湿性材料)の体積変化により、微細構造体12同士のピッチPが変化し、それに伴って反射ピーク波長λも可逆的に変化することにより可視光線領域において、色相も可逆的に変化することになる。
【0026】
なお、第1の材料(吸放湿性材料)の最大放湿時におけるピッチ(P−ΔP)と微細構造体の直径Dとの間には、(P−ΔP)/D≧1の関係が成り立つようにすることが望ましい。
すなわち、(P−ΔP)/D=1なる関係が成り立つ場合とは、図4(a)に示すように、微細構造体群のx軸方向およびy軸方向において、隣接する微細構造体12同士が点接触する状況を意味するものであり、(P−ΔP)/D<1なる関係を満たすようになると、図4(b)に示すように、個々の微細構造体12に歪が加わることによって、当初の微細構造体群の規則性から逸脱してしまい、十分な反射機能を発現できなくなってしまう。それ故、第1の材料選択の際には、最大放湿時の体積収縮を考慮して、上記の関係を満足するようにしておく必要がある。
【0027】
このように、本発明における吸放湿作用による可逆的な変化とは、言い換えると微細構造体12から成る微細構造体群が回折・散乱作用に基づく反射機能を十分発現できるように、本質的に当初の微細構造体群の規則的形態を保持したまま、第1の材料(吸放湿性材料)の吸放湿作用による体積変化によってピッチ寸法が変化する(幾何学的に相似系である)ものであると言える。
【0028】
上記のように、当初の微細構造体群の形態を保持したまま、第1の材料(吸放湿性材料)の吸放湿性による体積変化によってピッチ寸法を均一に変化させるためには、複数の微細構造体12から成る微細構造体群の最外周に位置する微細構造体同士を結んで得られる多角形に外接する任意の直角四辺形(長方形又は正方形)の対角線同士の交点Giと、上記直角四辺形の各辺とそれぞれ平行な辺を有し、当該構造体1の外周に外接する直角四辺形の対角線同士の交点Gsとが、一致するように配置されていることが好ましい。
【0029】
具体的には、図5(a)に示すように、当該構造体1の横断面において、例えば光が入射する法線方向をy、このyに直交する横方向をxとし、x−y断面に直交する方向をzとしたとき、当該構造体断面において最も入射光側に位置している微細構造体12と、最も入射光側から離れて位置している微細構造体12を通過する線を、x方向と平行となるようそれぞれ断面端部まで引き(辺A−B、辺C−D)、また、x方向の両端部に位置している微細構造体を通過する線をそれぞれ、y方向と平行になるように引いたとき(辺A−C、辺B−D)に得られる直角四辺形ABCDの対角線ADとBCの交点Giと、当該構造体1の横断面における外周部、すなわち、上記微細構造体群を取り囲む第1の材料から成るマトリックス11の外周部において、最も入射光側に位置している辺上の点と、最も離れている辺上の点を、x方向に平行となるようそれぞれ断面端部まで引き(辺A′−B′、辺C′−D′)、また同様に、x方向の両端部の辺をそれぞれ、y方向と平行になるように断面端部まで引いたとき(辺A′−C′、辺B′−D′)に得られる直角四辺形A′B′C′D′の対角線A′D′とB′C′の交点Gsとが一致するように配置されていることが好ましい。
【0030】
このように互いの対角線同士の交点(すなわち、重心)GiとGsとが一致するように微細構造体群を配置することによって、当該構造体1の外部からの湿気あるいは水分などの媒体を偏りなく一様に取り込むことができ、これによって微細構造体群の局所的な構造(配置)変位・ずりの発生や凝集を抑制することが可能となり、規則性を保持しながら、回折・散乱作用に基づく光の反射機能(例えば、色相)が可逆的に変化するようになる。
このような配置構造は、上記のような矩形断面、直交配列のみならず、他の配列や円形、楕円断面にも適用することができ、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規則性を持っている微細構造体群の例を図5(b)〜図5(f)に示す。
【0031】
さらに、微細構造体12同士のピッチ寸法を均一に変化させ、配列の規則性を維持させるためには、図6に示すように、第2の材料から成る微細構造体群の最外周に位置する微細構造体12同士を結んで得られる辺と、第1の材料からなるマトリックス11の最外周辺との間の距離、つまり厚さtが実質的に均一であるようにすることが望ましい。
すなわち、微細構造体群の外周部を覆う第1の材料の厚さtを実質的に均一とすることにより、当該構造体1の外部からの湿気や水分の浸入・拡散が比較的均一となりため、必然的に第1の材料における体積の膨張・収縮も均一となり、ピッチ寸法のばらつきが少なくなって、規則的な配列状態が維持されることになる。
【0032】
なお、図6においては、矩形断面の場合を例にとって説明したものであるが、一般には、微細構造体群の最外周を結んで得られる断面形状と当該構造体1の外周形状とが相似の関係であって(例えば、円形同士、楕円同士)、構造体1の外周部から微細構造体群の最外周部までの距離tが実質的に均一であればよいことになる。なお、本発明において、「実質的に均一」とは、±20%程度のばらつき範囲内で一致していることを意味し、当該構造体1の仕様(微細構造体及びマトリックスの寸法や材質、配列など)にもよるが、この範囲内であれば上記効果がほぼ確実に得られることが確認されている。
【0033】
次に、第2の材料から成る複数の微細構造体12の総体積Viと、それを取り囲む第1の材料から成るマトリックス11の体積Vsの関係について説明する。
【0034】
両者の体積比(Vs/Vi)と湿気や水分等の吸収・膨潤能の関係は、当該構造体1の形状や構成材料、さらに他の因子により影響を受け、一概に決定はできないが、概ね、1/10≦Vs/Vi≦20の関係を満足するように調整することが望ましい。
すなわち、両者の体積比(Vs/Vi)が1/10に満たないと、第2の材料からなる微細構造体群を取り囲む第1の材料が実質的に少なく、当該構造体1の外部に、仮に水分等があったとしても十分な吸収・膨潤が期待できないためである。一方、両者の体積比(Vs/Vi)が20を超えると、微細構造体群を取り囲む第1の材料が極めて厚くなり、仮に十分な水分の吸収・膨潤能が潜在的にあったとしても、湿気や水分の浸入・拡散に要する時間が極めて長くなり、可変反射機能発現にはほど遠い状況になる。なお、構成材料にも依存するが、回折・散乱作用に基づいた可変反射機能を実用レベルで発現しうるためには、上記体積比は、1≦Vs/Vi≦15の範囲であることがより望ましい。
【0035】
また、可変反射機能を発現させるためには、第1の材料の吸湿時と放湿時における体積変化が少なくとも10%あることが望ましい。
図7は、図1に示したような配列の反射機能構造体1において、マトリックス12を構成する第1の材料としてポリビニルアルコールとポリアクリル酸との複合体の架橋体を使用すると共に、微細構造体12を構成する第2の材料として、比較的吸湿性の低いポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた場合に、第1の材料(吸放湿性材料)の体積変化率と、第2の材料からなる微細構造体12のピッチ変化率の関係を示したものであって、この図から明らかなように、第1の材料の体積変化が8%以上になると、微細構造体同士のピッチ変化は約4%以上となり、また、反射スペクトルにおける反射ピーク波長λも、波長8nmほどシフトすることがわかる。
なお、色相によって異なるものの、反射スペクトルにおける波長シフト量としては、波長8nmから10nm程度あれば、人間の眼で色相変化として検知できるとの報告があることから、ここでは、波長8nmをシフトしうる微細構造体のピッチ変化率4%以上、第1材料の体積変化率8%以上とすることが望ましい。
【0036】
ここまでの説明においては、水分の膨潤・収縮作用により、第1の材料が体積変化する場合について説明してきたが、第1の材料の吸湿時と放湿時における密度が異なることによる屈折率変化を利用しても構わない。この場合、第1の材料の屈折率変化の差が少なくとも0.01確保できるようにすることにより、前述と同様に色相を変化させることができるようになる。
【0037】
すなわち、図8は、図1に示したような配列を備えた反射機能構造体1において、微細構造体群のy軸方向の段数Nを実用レベルの12段(目的とする構造体1の寸法諸元や製造上の点から、概ねN=10〜20程度が実用レベルと考えられる)としたときにおける、第1の材料と第2の材料の屈折率差と、波長λ=520nmの光の反射率との関係を示すものであって、屈折率差が0.01以上確保できれば、可視光線領域においても認知できるレベルである反射率40%以上となることが判る。したがって、第1の材料の吸湿時と放湿時における屈折率差についても、0.01以上であれば、第1の材料の吸放湿に基づく色相変化を人の眼によって顕著に認識することができるようになる。
【0038】
なお、吸放湿に伴う第1の材料の屈折率変化は、吸放湿による体積変動に基づく微細構造体12のピッチ変化から必ずしも独立したものではなく、第1の材料の屈折率変化と微細構造体12のピッチ変化とが同時に起ることもある。
【0039】
次に、本発明において、マトリックス11を構成する第1の材料として用いられる吸放湿性材料としては、水分による膨潤・収縮に基づく体積変化を発現しうる材料系であれば特に限定されないが、水を引き付ける極性基(水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ポリアミド基など)を持ち、しかも非晶領域を有する高分子系であることが望ましく、例えば、ポリビニルアルコール系、ビニルアルコール−アクリル酸系、ポリアクリル酸系、ポリアクリルアミド系、ポリエチレンオキシド系などの高分子材料を挙げることができる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコールとポリアクリル酸との複合体の架橋物やその金属塩、ポリアクリル酸の架橋物やその金属塩、アクリル酸とアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物やその金属塩、マレイン酸とアクリルアミド、ヒドロキシエチルエステルなどの共重合体の架橋物やその金属塩、ポリビニルスルホン酸の架橋物やビニルスルホン酸と、アクリルアミド、ヒドロキシエステルなどとの共重合体の架橋物やその金属塩、ポリアクリルアミドアルキルスルホン酸の架橋物やアクリルアミドアルキルスルホン酸とアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、アクルル酸アルキルエステルなどの共重合体の架橋物などが挙げられる。
【0040】
一方、微細構造体12を構成する第2の材料としては、特に限定されないが、回折・散乱作用に基づく光反射機能を発現させるのに十分な規則性を保持でき、しかも第1の材料(吸放湿性材料)が水分による膨潤・収縮作用による体積変化を発現する際に、同様に膨潤・収縮しない系であることが好ましい。即ち、第1の材料系とは異なった吸放湿性の少ない材料系であることが好ましく、具体的には、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリエーテルケトン系、ポリサルファイド系、フッ素系、ポリカーボネート系の単体、もしくはこれらのブレンド、あるいはこれらの2種類以上の共重合体のいずれかであることが好ましい。
【0041】
なお、第2の材料からなる微細構造体12は、光透過性を有していたり、着色されていたりしても差し支えない。染料や顔料、あるいは分子構造に基づく着色があっても、入射した光はこの着色剤や分子構造によって光吸収され、光量の減じられた光が、次の段の微細構造体へ入射することになる。従って、回折・散乱作用による光の反射強度は無着色時に比べて低下するが、着色されていることによって、第1の材料(吸放湿性材料)の水分による膨潤・収縮に基づく体積変化、すなわちピッチ変化が可視光線領域をはずれた波長域に達しても、常にある色相をベースラインのごとく保持できるというメリットも生まれる。
【0042】
次に、本発明の可変反射機能構造体1における微細構造体12の基本配置(最小ユニット)について説明する。
前述したように、例えば、光の入射方向をy、このyに直交する横方向をx方向、x−y断面に直交する奥行き方向をz方向としたとき、第1の材料から成るマトリックス11の内部に、所定断面形状を有する複数の微細構造体12が、x−y平面内、すなわち当該構造体1の横断面内において、三角形、四角形、五角形などの規則性を有する多角形配置されていることが望ましい。
【0043】
また、当該反射機能構造体1における微細構造体12の断面形状については、特に限定されず、円形状、楕円形、矩形、および多角形よりなる群から選択される一種以上の断面構造であれば良いが、変数(角数)の少ない多角形断面においては、入射した光の反射光方向が変化しやすくなり、位相の揃った反射光が得られにくくなるなどの問題が顕著になるため、できるだけ円形状や楕円形状が好ましい。なお、ランダムに混在するのではなく、一定の規則性を持って配置されているのであれば、断面形状が異なる微細構造体12が混在しても構わない。
【0044】
微細構造体12の断面形状が、実質的に円形状(楕円も含む)断面に近いものにおいては、長軸長さをL1(楕円刑断面の場合、真円の場合は直径D)、その円形状断面から構成される行と列のマトリックス状(直交状)の配列規則性における隣接する円形状断面同士の中心間距離(ピッチ)をP、回折・散乱作用による反射ピーク波長λとしたとき、微細構造体12のサイズパラメータα(=λ/2πr)及び、そのピッチPが、
L1=2r
10−2≦α≦103
D≦P、又はL1≦P
なる関係を満たすように構成することが望ましく、特に、通常このαの大きさにより回折・散乱強度も大きく変動する傾向が見られるが、10−2≦α≦103なる範囲においても、比較的安定した回折・散乱強度を示し、十分に実用的な光反射機能を発現することを見出した。
【0045】
なお、本願の光反射機能を発現させるためのより好ましいサイズパラメータαとしては、10−1〜102、さらには10−1〜10の範囲が好適である。特に可視光線から近赤外線領域における光反射機能の点からは、10−1〜10の範囲であることが望ましい。
このサイズパラメータαが10−2よりも小さくなると、微細構造体12の断面サイズが波長オーダよりも大幅に大きくなってしまい、繊維状あるいはフィルム状の構造体自身の成形が困難になってしまう。また、逆に、このαが103よりも大きくなると、粒子サイズが分子レベル以下の大きさとなってしまい、規則性を保持することが困難になると共に、回折・散乱光強度自体も非常に小さくなるため、実用的な光反射機能を発現できなくなってしまう。
また、当該反射機能構造体1内に規則的に配置する微細構造体12は、製造時における規則性制御の面および反射機能上の面から、図1に示すように、その長さ方向に一様に連続している方が好ましい。
【0046】
また、当該構造体1を構成する第1および第2の材料のいずれか一方、あるいは両方が複屈折性を有する材料とすることにより、繊維あるいはフィルム成形時の延伸方向における屈折率を顕著に大きくすることが可能となる。特に、第1の材料(吸放湿性材料)系は大きな複屈折性を発現しにくいことから、第2の材料に複屈折性を有する材料系を配することにより、両者間の屈折率差を大きく確保することができるようになる。その際の複屈折Δnが0.05以上、より好ましくは0.1以上であると、光反射機能もより顕著になる上に、微細構造体12のy軸方向における段数Nを多く配する必要もなくなることから、当該構造体1の寸法サイズも細径化が可能となる。
ここで、「複屈折」とは偏光方向によって屈折率が異なり、光がその進行方向と垂直な面内で最大の屈折率を示す振動方向と最小の屈折率を示す振動方向(互いに直交する)の2成分に分かれて進む現象をいう(例えば、丸善株式会社発行「繊維便覧」第195頁参照)。
【0047】
複屈折Δnの大きなポリマーとしては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN:Δn=0.24〜0.28)、ポリエチレンテレフタレート(PET:Δn=0.24〜0.25)、ポリカーボネート(PC:Δn=0.182)、ポリブチルテレフタレート(PBT:Δn=0.153)などが代表的なものである(丸善株式会社発行 「繊維便覧」第196頁参照)。従って、第2の材料からなる微細構造体12には、上記のような複屈折Δnの大きな材料系を用いることが望ましい。
【0048】
実際に、このような複屈折性Δnを発現させるためには、当該構造体1の代表的な形態である繊維を形成しようとする場合、繊維においては、紡糸中あるいはその後の延伸処理によって繊維軸方向に結晶配向するため、紡糸条件や延伸条件等をコントロールすることによって、繊維軸方向の屈折率(nz)を大きくすればよい。
【0049】
これらの構造体1を一部、もしくは全部に織り込んで繊維生地や編物、あるいは不織布とすることも可能である。このような用途に使用すると、外部環境下の変化、例えば、雨の日と晴れの日での湿度が異なることにより、色相の異なった衣服や小物等を提供することができる。あるいはまた、水に濡れた時と乾燥した時とで、異なる色相を呈することが可能となることから、水分量を示すセンサーやインジケータとしての役割も担うことができる。
【0050】
また、本発明に係わる可変反射機能構造体1においては、当該構造体1を数百本から数千万本というオーダで、ある寸法サイズになるように束ねた状態(繊維集合束)にして、機械的に自動カッター等で切断し、微小なチップ材(小片)とすることも可能である。例えば、適切な含浸液(例えば、水やパラフィン)を使用しながら当該構造体1を数百万本束ねて数十mm径にした後、その集合束の送り出し機構を備えた自動カッターで、連続的に数十μmから数mm程度の長さに切断することも可能である。
なお、チッピングの方法等は例えば、繊維機械学会編「繊維工学(II)繊維の製造、構造体及び物性」の第116頁や、同学会編「繊維工学(III)繊維の製造、構造体及び物性」の第233〜235頁に記載されている。
【0051】
また、当該構造体1を上記のごとく集合束としたのち、フリージング処理し、各種方法によって粉砕したり、あるいは上記のごとく、機械的に切断した大き目のチップ材(数百μm長〜数mm長)を極低温粉砕装置等によって粉砕したりすることによって、所定の粉末体とすることも可能である。
これらは従来にない優れた色材として各種分野に幅広く適用できるものである。
【0052】
このような微小なチップ材(小片)や粉末体を光輝材として、光透過性を有する塗料に用いることにより、自動車や家電、建築材、玩具、スポーツ用品などの様々な内外装面に塗布することが可能となる。また、上記チップ材や粉末体は、フィルムや各種のプラスチック成形体に光輝材として混ぜ込むことや、不織布や紙に入れて壁紙や障子紙さらに、紙幣などに入れることにより、独自の商品や偽造防止商品としても使用できる。
また、特に透湿性のある表面材にこれらの光輝材を使うと、外界の水分に応じてカメレオンや熱帯魚の体色のごとく、色相が可逆的に変化するという、「生きた色材・意匠材」とでもいうべき新規な材料を提供することができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これら実施例によって本発明が限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
光透過性及び吸放湿性を有し、マトリックス11を構成する第1の材料として、ポリビニルアルコールとポリアクリル酸との複合体の架橋体(平均屈折率ns=1.53)を、また、微細構造体12用の第2の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET:平均屈折率ni=1.56)を選択し、下記条件にて図1に示すような矩形型の可変反射機能構造体1を狙って複合溶融紡糸を行った。なお、上記第1の材料の平均屈折率については、標準状態時(室温:20±2℃、相対湿度65±2%)における吸放湿平衡状態の屈折率を意味する。
【0055】
紡糸口金としては、特開平8−226011号公報に記載の複合紡糸口金を一部修正したものを準備し、これを複合紡糸装置に装着した上で、紡糸温度283℃、巻き取り速度1km/minの条件下で、吐出量を適宜変えて未延伸糸を得た。さらにこの未延伸糸に、熱延伸処理を施して狙いとする寸法まで細径化し、標準状態時において緑色発色する回折・散乱型可変反射機能構造体1を得た。
【0056】
次に、得られた構造体1の吸水率をJIS L1003に準じて、以下のように測定した。
まず、試料(当該構造体1)を乾燥剤を入れたデシケータ中に保存しておき、この試料を温度:20±2℃、相対湿度:65±2%の標準状態に保持した試験容器中に放置し、この状態での重量M1を測定し、標準重量とする。そして、この状態から、上記試料を温度:20±2℃の水中に、10時間、24時間放置し、その際の重量M2を測定した。
【0057】
得られた測定重量値M1及びM2から、吸水率を次式によって求め、2回測定の平均値でもって表すこととした(少数点以下1桁で算出)。
吸水率(%)=(M2−M1)/M1 ×100
なお、吸水率小の一条件として、60℃×2h(擬似的な乾燥状態)なる条件下でも実験を行い、その際の質量をM´とした。上記式において、MをM´に置き換えて、同様に吸水率を算出した。
また、上記状態での体積変化について、得られた構造体1の断面形状をCDDカメラを通してパソコンに画像として保存し、その画像から解析した。
そして、各試料の反射スペクトルを顕微分光光度計(日立製作所製:U−6500))により測定した。これらの測定結果をまとめて表1に示す。なお、目視による色味の変化も、水20℃×24hになると、当初の緑色から橙緑色に変化した。
【0058】
(実施例2)
光透過性及び吸放湿性を有する第1の材料として、アクリル酸とアクリルアミドの複合体の架橋体(平均屈折率ns=1.54)を、また、微細構造体12用の第2の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET:平均屈折率ni=1.56)を選択し、上記実施例と同様の条件のもとに、図1に示すような矩形型の可変反射機能を有する構造体1を狙って複合溶融紡糸を行い、標準状態時において青色発色する回折・散乱型可変反射機能構造体1を得た。そして、同様の吸水率測定、画像解析、反射スペクトル測定を行ない、その結果をまとめて表1に示した。なお、目視による色味の変化も、水20℃×24hになると、当初の青色から緑青色に変化した。
【0059】
(実施例3)
光透過性及び吸放湿性を有し、マトリックス11を構成する第1の材料として、ポリビニルアルコールとポリアクリル酸との複合体の架橋体(平均屈折率ns=1.53)を、また、微細構造体12用の第2の材料として、ポリエチレンナフタレート(PEN:平均屈折率ni=1.63)を選択し、上記実施例と同様の条件(但し、紡糸温度は285℃)のもとに、図1に示すような矩形型の可変反射機能を有する構造体1を狙って複合溶融紡糸を行い、標準状態時において緑色発色する回折・散乱型可変反射機能構造体1を得た。そして、同様の吸水率測定、画像解析、反射スペクトル測定を行ない、その結果をまとめて表1に示した。なお、目視による色味の変化も、水20℃×24hになると、当初の緑色から橙緑色に変化した。
【0060】
(実施例4)
光透過性及び吸放湿性を有し、マトリックス11を構成する第1の材料として、アクリルアミドアルキルスルホン酸とアクリルアミドの共重合体の架橋体(平均屈折率ns=1.54)を、微細構造体12を構成する第2の材料として、ポリエチレンナフタレート(PEN:平均屈折率ni=1.63)を選択し、上記実施例と同様の条件(但し、紡糸温度は285℃)のもとに、図1に示すような矩形型の可変反射機能を有する構造体1を狙って複合溶融紡糸を行い、標準状態時において青色発色する回折・散乱型可変反射機能構造体1を得た。そして、同様の吸水率測定、画像解析、反射スペクトル測定を行ない、その結果をまとめて表1に示した。なお、目視による色味の変化も、水20℃×24hになると、当初の青色から緑青色に変化した。
【0061】
(実施例5)
光透過性及び吸放湿性を有し、マトリックス11を構成する第1の材料として、アクリル酸とヒドロキシエチルアクリレートの共重合体の架橋体(平均屈折率ns=1.55)を、微細構造体12用の第2の材料として、ポリカーボネート(PC:平均屈折率ni=1.59)を選択し、下記条件にて図5(d)に示したような偏平型の可変反射機能構造体1を狙って複合溶融紡糸を行った。
【0062】
紡糸口金としては、特開平8−226011号公報に記載の複合紡糸口金を一部修正したものを準備し、同様に複合紡糸装置に装着した上で、紡糸温度285℃、巻き取り速度1km/minの条件下で、吐出量を適宜変えて未延伸糸を得た。さらにこの未延伸糸に、熱延伸処理を施して狙いとする寸法まで細径化し、吸放湿平衡時時において青色発色する回折・散乱型可変反射機能構造体1を得た。なお、目視による色味の変化も、水20℃×24hになると、当初の青色から橙緑色に変化した。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の可変反射機能構造体においては、第2の材料からなる複数の微細構造体が光透過性を有する第1の材料により取り囲まれ、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規則性をもって配置されており、しかも少なくとも第1の材料が吸放湿性材料からなっているので、湿度変化や水分量変化に応じて微細構造体のピッチや吸放湿性材料の屈折率が可逆的に変化することになり、これによって反射機能特性が変化し、今まで経時変化の原因とされていた吸湿性を積極的に利用することによって、例えば可視光線領域においては、吸放湿に応じて色相を可逆的に変化させることができるという優れた効果がもたらされる。
【0065】
さらに、本発明の可変反射機能構造体は、繊維状やフィルム状の形態でそのまま使用することができるばかりでなく、微小なチップや粉末体に比較的容易かつ安価に加工することができるので、光輝材として塗料やプラスチック成形体、さらには不織布や紙などにも適用することができ、当該構造体の有する特異な反射・発色機構に基づく新規な意匠性を種々の物品に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変反射機能構造体の基本構造及び当該構造体に入射する光の方向の定義を示す斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は、図1に示した可変反射機能構造体における第1の材料の吸放湿に伴う微細構造体間ピッチの変動を説明する概念図である。
【図3】(a)〜(c)は、図2に示した微細構造体間ピッチの変動に基づく反射スペクトルの変化を示すグラフである。
【図4】(a) 本発明の可変反射機能構造体の実施形態として微細構造体の直径DとピッチPが等しい例を示す拡大断面図である。(b) 図4(a)に示した微細構造体の直径DがピッチPよりもが大きい場合を示す拡大断面図である。
【図5】微細構造体群の最外周に外接する直角四辺形の対角線の交点Giと、マトリックスの最外周に外接する直角四辺形の対角線の交点Gsの位置関係の説明図である。
【図6】本発明の可変反射機能構造体の実施形態として、微細構造体群の最外周に位置する微細構造体同士を結んで得られる辺と、マトリックスの最外周辺との間の距離が実質的に均一である例を示す拡大断面図である。
【図7】第1の材料の体積変化に伴う微細構造体同士間のピッチ変化の関係を示すグラフである。
【図8】第1の材料と第2の材料の屈折率差と反射率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 可変反射機能構造体
11 マトリックス(第1の材料)
12 微細構造体(第2の材料)
Claims (24)
- 可視光線、赤外線及び紫外線の反射特性のうちの少なくともいずれかの光学機能を有する繊維状あるいはフィルム状の構造体であって、
該構造体が屈折率の異なる少なくとも第1及び第2の材料から成ると共に、少なくとも第1の材料が光透過性を有し、当該構造体の横断面において第2の材料から成る複数の微細構造体が光透過性を有する第1の材料によって取り囲まれ、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規則性をもって配置されており、第1及び第2の材料の少なくとも一方が吸放湿性を有し、当該吸放湿性材料の吸放湿に伴う可逆的な体積変動に基づいて上記微細構造体の間隔が変化することを特徴とする可変反射機能構造体。 - 第1の材料が吸放湿性を有し、吸湿時と放湿時における体積変化の差が8%以上であることを特徴とする請求項1記載の可変反射機能構造体。
- 可視光線、赤外線及び紫外線の反射特性のうちの少なくともいずれかの光学機能を有する繊維状あるいはフィルム状の構造体であって、
該構造体が屈折率の異なる少なくとも第1及び第2の材料から成ると共に、少なくとも第1の材料が光透過性を有し、当該構造体の横断面において第2の材料から成る複数の微細構造体が光透過性を有する第1の材料によって取り囲まれ、回折・散乱作用に基づく光の反射機能を発現させるのに十分な規則性をもって配置されており、第1及び第2の材料の少なくとも一方が吸放湿性を有し、当該吸放湿性材料の吸放湿に伴う可逆的な密度変動に基づいて当該材料の屈折率が変化することを特徴とする可変反射機能構造体。 - 第1の材料が吸放湿性を有し、吸湿時と放湿時における屈折率の差が0.01以上であることを特徴とする請求項3記載の可変反射機能構造体。
- 当該構造体の横断面において、上記複数の微細構造体から成る微細構造体群の最外周に位置する微細構造体同士を結んで形成される多角形に外接する任意の直角四辺形における対角線同士の交点Giと、当該可変反射機能構造体の外周に外接し、上記任意の直角四辺形の各辺とそれぞれ平行な辺から成る直角四辺形における対角線同士の交点Gsとが一致していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の可変反射機能構造。
- 当該構造体の横断面において、上記複数の微細構造体から成る微細構造体群の最外周に位置する微細構造体同士を結んだ形状が、当該可変反射機能構造体の外周形状と相似形をなし、可変反射機能構造体の外周部から微細構造体群の最外周部までの距離が実質的に均一であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の可変反射機能構造体。
- 吸放湿性材料が、ポリビニルアルコール系高分子、ビニルアルコール−アクリル酸系高分子、ポリアクリル酸系高分子、ポリアクリルアミド系高分子及びポリエチレンオキド系高分子から成る群から選ばれる少なくとも1種の高分子材料を含んでいることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の可変反射機能構造体。
- 当該構造体の横断面において、第1の材料の内部に、所定断面形状を有する複数の微細構造体が多角形状の規則的配列をなしていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の可変反射機能構造体。
- 上記微細構造体が六角形配列の規則性をなしていることを特徴とする請求項8記載の可変反射機能構造体。
- 上記微細構造体が五角形配列の規則性をなしていることを特徴とする請求項8記載の可変反射機能構造体。
- 上記微細構造体が四角形(直交)配列の規則性をなしていることを特徴とする請求項8記載の可変反射機能構造体。
- 上記微細構造体が三角形配列の規則性をなしていることを特徴とする請求項8記載の可変反射機能構造体。
- 複数の微細構造体がその長さ方向に一様に連続していることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つの項に記載の可変反射機能構造体。
- 微細構造体個々の断面形状が円形、楕円形、矩形および多角形からなる群から選択される1種以上の断面形状であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つの項に記載の可変反射機能構造体。
- 微細構造体の断面形状が円形又は楕円形であることを特徴とする請求項14に記載の可変反射機能構造体。
- 微細構造体の断面における直径D又は長軸長さをL1、横断面での行と列の直交配列における隣接する微細構造体の中心間ピッチをP、回折・散乱作用による反射ピーク波長をλとしたとき、サイズパラメータα(=λ/2πr)および前記ピッチPが
L1=2r
10−2≦α≦103
D≦P、又はL1≦P
なる関係を満たすことを特徴する請求項15記載の可変反射機能構造体。 - 第1及び/又は第2の材料が複屈折性を有するものであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1つの項に記載の可変反射機能物体。
- 複屈折性を有する材料の複屈折Δnが0.05以上であることを特徴とする請求項17に記載の可変反射機能物体。
- 上記微細構造体が光透過性を有し、しかも着色されていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1つの項に記載の可変反射機能構造体。
- 請求項1〜19のいずれか1つの項に記載の可変反射機能構造体が少なくとも一部に用いられていることを特徴とする織物、編物及び不織布から成る群から選ばれる物品。
- 所定の長さに切断された微小なチップであることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1つの項に記載の可変反射機能構造体。
- 所定の寸法に粉砕された粉末であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1つの項に記載の可変反射機能構造体。
- 請求項21記載の可変反射機能構造体チップを含有することを特徴とする塗料、フィルム構造体、プラスチック成形体、不織布及び壁紙からなる群より選ばれる物品。
- 請求項22記載の可変反射機能構造体粉末を含有することを特徴とする塗料、フィルム構造体、プラスチック成形体、不織布及び壁紙からなる群より選ばれる物品。
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Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008533514A (ja) * | 2005-02-28 | 2008-08-21 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | ポリマー繊維織物を含む光学素子 |
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-
2003
- 2003-08-29 JP JP2003209555A patent/JP2005076127A/ja active Pending
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