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JP2005052869A - 高温はんだ付用ろう材とそれを用いた半導体装置 - Google Patents

高温はんだ付用ろう材とそれを用いた半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体素子をダイボンディングする際に各種材質の導体に濡れ性がよくかつ高温はんだ付用として好適に用いられる、Pbを含まないろう材と、それを用いた、後続の組立の工程で問題なく処理され、かつ耐候性に優れた半導体装置を提供する。
【解決手段】25〜80重量%のSnと、0.001〜1.0重量%のPと、残部のZn及び不可避不純物とからなる高温はんだ付用ろう材、または、25〜80重量%のSnと、0.001〜1.0重量%のPと、0.1〜6重量%のGe、Ag、Cu、In又はNiから選ばれる少なくとも1種と、残部のZn及び不可避不純物とからなる高温はんだ付用ろう材と、それを用いた半導体装置などによって提供。
【選択図】なし

Description

本発明は、高温はんだ付用ろう材とそれを用いた半導体装置に関し、さらに詳しくは、半導体素子をダイボンディングする際に各種材質の導体に濡れ性がよくかつ高温はんだ付用として好適に用いられる、Pbを含まないろう材と、それを用いた、後続の組立の工程で問題なく処理されかつ耐候性に優れた半導体装置に関する。
従来、電子部品を配線板に実装する際、一般にはんだ付けによる実装が行われている。はんだは、低温で溶融しかつ電気的接続特性が良好であるため、電子部品の配線板への実装のほか各種機器のはんだ接続に好適に用いられている。はんだ用のろう材としては、融点が低く、酸化性雰囲気でも濡れ性がよいことから、一般にPb−Sn系のはんだ合金が多用されている。例えば、自動化された電子部品のはんだ付け作業に用いるはんだ合金として、63重量%のSnと37重量%Pbを含有した、183℃で溶融するSn63−Pb37共晶合金、また、62重量%Sn、36重量%Pb及び2重量%Agを含有した、179℃で溶融するSn62−Pb36−Ag2共晶合金が用いられている。これらのはんだ合金は、溶融温度が低く、かつ引張強度、伸び率等の機械的特性、及び導電率が良好であり、自動化されたはんだ付け作業に優れた特性を有する。
一方、パワートランジスタ等の半導体素子のダイボンディングに用いる、いわゆる高温はんだ付用ろう材としては、300℃程度の融点を有し、ダイボンディング以降のワイヤボンディング、樹脂モールド工程等で全く溶融が起らない5重量%のSnと95重量%Pbを含有したPb95−Sn5合金が用いられている。
しかしながら、近年はんだに含有されるのPbの人体に与える影響が問題視されており、Pbの使用を制限する動きが強くなってきている。このような状況の下、上記Pb−Sn系のはんだ合金の代替材料の開発が望まれている。
この解決策として、Snベースの各種合金が提案されており、代表的なはんだ合金としては、以下のようなものが挙げられる。
(1)7〜11重量%のIn、2.5〜3.5重量%のAg、0.5〜1.5重量%のCu、及び残部のSnと付随的な不純物からなり、200℃未満の固相線温度と液相線温度及び240℃未満のリフロー温度を有するはんだ合金(例えば、特許文献1参照)で、上記共晶合金の代替材料である。
(2)40重量%のSn、55重量%Bi、5重量%Inからなるはんだ合金(例えば、特許文献2参照)で、上記共晶合金の代替材料である。
(3)Snを主成分とし、Znを3〜12重量%含有し、酸素含有量が100ppm以下であることを特徴とするはんだ合金(例えば、特許文献3参照)で、上記共晶合金の代替材料である。
(4)25〜80重量%のSn及び残部のZnからなるはんだ合金、または25〜80重量%のSn、0.1〜6重量%のGe、Ag、Cu、又はInから選ばれる少なくとも1種、及び残部のZnと不可避不純物からなるはんだ合金(例えば、特許文献4参照)で、上記高温はんだ付用ろう材の代替材料である。
これらの提案は、Pb−Sn系のはんだ合金の代替材料として貢献しているが、それぞれ課題がある。すなわち、上記共晶合金の代替材料の提案(例えば、特許文献1、2、3参照)においては、合金の液相線温度が200℃未満であるので、高温はんだ付用ろう材の代替材料としては用いることができない。また、上記高温はんだ付用ろう材の代替材料の提案(例えば、特許文献4参照)では、Agめっきに対する濡れ性は得られるものの、導体として多用されているCu及びNiに対しては濡れ性が不足し接合することができないという問題がある。
以上の状況から、Pbを含まない合金系で、銅をはじめ各種材質の導体に半導体素子をダイボンディングすることができる、濡れ性のよい高温はんだ付用ろう材が求められている。
特許第3260723号(第1頁、第2頁) 特許第3224185号(第1頁、第2頁) 特開2003−126988号公報(第1頁、第2頁) 特開2001−121285号公報(第1〜3頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、半導体素子をダイボンディングする際に各種材質の導体に濡れ性がよくかつ高温はんだ付用として好適に用いられる、Pbを含まないろう材と、それを用いた、後続の組立の工程で問題なく処理され、かつ耐候性に優れた半導体装置を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために、Pbを含まない高温はんだ付用ろう材について、鋭意研究を重ねた結果、特定の組成範囲のリンを含む特定組成のSn−Zn系合金を用いたところ、各種材質の導体に濡れ性がよく、かつ高温はんだ付用合金として好適であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、25〜80重量%のSnと、0.001〜1.0重量%のPと、残部のZn及び不可避不純物とからなる高温はんだ付用ろう材が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、25〜80重量%のSnと、0.001〜1.0重量%のPと、0.1〜6重量%のGe、Ag、Cu、In又はNiから選ばれる少なくとも1種と、残部のZn及び不可避不純物とからなる高温はんだ付用ろう材が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明の高温はんだ付用ろう材を用いてダイボンディングされた半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置が提供される。
本発明の高温はんだ付用ろう材は、半導体素子をダイボンディングする際に各種材質の導体に濡れ性がよくかつ高温はんだ付用として好適に用いることができる、Pbを含まないろう材であり、またそれを用いた半導体装置は、後続の組立の工程で問題なく処理され、かつ耐候性に優れた半導体装置であり、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の高温はんだ付用ろう材とそれを用いた半導体装置を詳細に説明する。
本発明の高温はんだ付用ろう材は、所定の組成範囲にPを含む所定組成のSn−Zn系合金からなるろう材であり、また、本発明の半導体装置は、前記高温はんだ付用ろう材を用いてダイボンディングされた半導体素子を搭載してなるものである。
本発明の高温はんだ付用ろう材は、25〜80重量%のSnと、0.001〜1.0重量%のPと、残部のZn及び不可避不純物とからなるろう材、または、25〜80重量%のSnと、0.001〜1.0重量%のPと、0.1〜6重量%のGe、Ag、Cu、In又はNiから選ばれる少なくとも1種と、残部のZn及び不可避不純物とからなるろう材である。
本発明のろう材は、構成成分としてPを含有する所定組成のSn−Zn系合金であることが、重要である。これによって、ダイボンディングする際に銅をはじめ各種材質の導体に濡れ性がよく、かつ高温はんだ付用としての諸特性に優れたろう材が得られる。すなわち、例えば、パワートランジスタ等の半導体素子のダイボンディング用途に使用される高温はんだ付用ろう材には、下記の配線基板に実装する各工程及び得られた半導体装置の要求特性があげられ、これを満たすことが求められる。
[配線基板に実装する各工程及び得られた半導体装置の要求特性]
(1)ダイボンディング工程:メタライズを施した半導体素子を、銅をはじめとする導体、例えば銅製リードフレーム、又はニッケル、銀等のめっきを施したリードフレーム上に接合できること(ろう材の硬度が適切で、また濡れ性がよいこと)。
(2)ワイヤボンディング工程及び樹脂モールド工程:ワイヤボンディング及び樹脂モールドがそれぞれ正常に行なわれること。
(3)組上がった半導体デバイスを配線基板へ実装し半導体モジュールを得る際のはんだ溶融工程:該工程後に半導体素子が正常に使用できること。
(4)半導体装置:使用される環境下で、半導体デバイスの半導体素子とリードフレーム間の接合が劣化しないこと(はんだの耐候性が十分であること)。
本発明のろう材では、含有されるPが、ダイボンディング工程で導体表面を還元して濡れ性を改善し、また組成的に硬度が適切であることが重要な意義を持つ。さらに、本発明のろう材の液相温度は300℃程度であるので、形成されたはんだのダイボンディング以降の工程での溶融量が少なく、上記の要求特性を満足するものである。
これに対して、Pbを含まない従来材料では、これらを満足するものが得られない。例えば、300℃付近の融点を有するAu−20重量%Sn合金等は、硬度が高過ぎて半導体素子をリードフレームに接合する際に半導体素子にダメージを与える。また、好適な硬度を有するSn−3.5重量%Ag合金は、融点が低すぎて、ワイヤボンディング工程でワイヤ接合不良が発生したり、半導体デバイスを配線基板に実装する際のはんだ溶融工程で半導体素子とリードフレーム間の接合の信頼性が損なわれる等の不具合が発生する。
本発明の第1の発明のろう材の合金組成は、25〜80重量%のSnと、0.001〜1.0重量%のPと、残部のZn及び不可避不純物である。
すなわち、Sn濃度が25%未満では、硬度と融点が高くなるのでダイボンディング工程に際して半導体素子が割れる不具合がおこる。一方、Sn濃度が80%を超えると、融点が低すぎてダイボンディング以降の工程ではんだが再溶融することに起因する不具合が発生する。
また、P濃度が0.001重量%未満では、Pによる導体表面の還元効果が見られなくなる。一方P濃度が1.0重量%を超えると、鋳造時のPのガス化が激しくろう材中に固定されず、そのためろう材の鋳造コストが高くなる。
また、不可避不純物としては、原料金属材料に含有される微少金属と、主として合金調製に伴なう酸素、窒素、水素等がある。
本発明の第2の発明のろう材は、第1の発明のろう材のSn及びPに加えて、0.1〜6重量%のGe、Ag、Cu、In又はNiから選ばれる少なくとも1種を含み、残部のZn及び不可避不純物からなるろう材である。ここで、Ge、Ag、Cu、In及びNiは、前記導体表面の還元に作用して濡れ性を改善する。すなわち、Ge、Ag、Cu、In又はNiから選ばれる少なくとも1種が0.1重量%未満では、前記導体表面の還元作用の補助効果が見られず、一方6重量%を超えると、はんだ硬度が高くなるためにダイボンディング工程で半導体素子が割れたり、はんだ融点が低くなりすぎてダイボンディング以降の工程ではんだが再溶融することによる不具合が生じる。
本発明のろう材の製造方法及び用いる装置は、特に限定されるものではなく、通常金属材料を溶解して合金を溶製する際に用いられる方法及び装置で行うことができる。
本発明の半導体装置は、上記の高温はんだ付用ろう材を用いてダイボンディングされた半導体素子を搭載してなる半導体装置である。
本発明の半導体装置は、特に限定されるものではなく、上記ろう材を用いて種々の半導体素子をダイボンディングし、例えば、ワイヤボンディング工程、樹脂モールド工程を経て半導体デバイスを組上げる方法、さらに配線基板へ実装する際のはんだ溶融工程等によって半導体モジュールを組み立てる方法において得られるものである。
本発明の半導体装置は、上記の各工程で問題なく処理することができ、かつ耐候性に優れ、半導体素子が使用される環境において正常に使用することができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた合金の分析方法は、ICP発光分析法で行った。
(実施例1〜11)、(比較例1〜4)
所定の化学組成のろう材を調製し、その濡れ性を評価した。なお、濡れ性の評価は、下記の通りである。
[濡れ性の評価]
まず、得られたろう材を窒素気流中で400℃に保持するろう材浴を調製する。次に、試験片として、銅片とNiめっきを施した銅片を用いて、各々を前記浴中に5秒間浸漬した後、該試験片を取り出し目視して、以下のように判定した。ここで、取り出した試験片のNiめっき面又は銅面にろう材が濡れ広がった場合に「良」と、濡れ広がらなかった場合に「不良」と評価する。
まず、純度99.9重量%以上のZn地金、Sn地金、Sn−P合金、Ge地金、Ag地金、Cu地金、In地金又はNi地金を用い、所定の組成になるように調合後、大気溶解炉を用いて溶製し、鋳造してろう材を製造した。その後得られたろう材の化学組成と濡れ性を評価した。表1に、結果を示す。
Figure 2005052869
表1より、実施例1〜11では、ろう材の化学組成で、本発明に従って行われたので、銅導体及びニッケルめっき導体に対して良好な濡れ性が得られることが分かる。これに対して、比較例1〜4では、ろう材の化学組成がこれらの条件に合わないので、銅導体及びニッケルめっき導体に対して濡れ性が不良で満足すべき結果が得られないことが分かる。
(実施例12)
実施例1〜11で得られたろう材を用いて、半導体素子をダイボンディングして、配線基板に実装する各工程での要求特性の評価をおこない、高温はんだ付用ろう材としての性能を評価した。なお、配線基板に実装する各工程での要求特性としては、ダイボンディング性、ワイヤボンディング性、樹脂モールド性、加熱試験、温度サイクル試験及び恒温恒湿試験があげられる。
まず、上記ろう材の鋳造物を冷間圧延して、厚さ0.1mmの板材とし、そこから4mm角の小片を切り出し、高温はんだ付評価用ろう材とした。次に各ろう材を用いて、ダイボンディング性、ワイヤボンディング性、樹脂モールド性、加熱試験、温度サイクル試験及び恒温恒湿試験を順次行った。その結果、実施例1〜11で得られたろう材のすべてにおいて、ダイボンディング性、ワイヤボンディング性、樹脂モールド性、加熱試験、温度サイクル試験及び恒温恒湿試験の評価はいずれも良好であった。なお、その評価方法は、下記の通りである。
(1)ダイボンディング性:はんだダイボンダー(dage社製EDB−200)を用い、半導体素子としてAu蒸着を施した5mm角のダミーチップをリードフレーム上へダイボンディングする。その際、不接着又は割れといった不具合が無く接合が行えるどうかを調査する。
(2)ワイヤボンディング性:ボールボンダー(KAIJO製FB−118)を用い、ダイボンディング後に前記ダミーチップ上の蒸着Al面とリードフレームの間でワイヤボンディング試験を実施することにより金線の接合工程が正常に行われるかどうかについて調査する。なお、ワイヤボンディング試験は、市販の金線を用いて、ステージ温度200℃で行う。
(3)樹脂モールド性:トランスファーモールド型モールド機を用い、ダイボンディング後の試料について樹脂モールド試験を実施することによりモールド工程が正常に行われるかどうかについて調査する。なお、樹脂モールド試験は、市販のエポキシ樹脂(住友ベークライト社製EME−6300)を用い、金型温度180℃で行う。
(4)加熱試験:前記樹脂モールド工程で得られる半導体デバイス試料を、270℃で10秒の加熱試験を行う。これによって、半導体デバイスを配線基板に実装する際のはんだ溶融工程後に半導体素子が正常に使用可能かどうかについて試験後の試料を調査する。ここで、試験後の試料の外観と樹脂を開封して内部観察を行い、はんだの染み出し、はんだ接合部のボイド発生、ダミーチップ、樹脂又は半田接合部の割れ発生等の不具合の有無をみる。
(5)温度サイクル試験及び恒温恒湿試験:前記半導体デバイス試料を、−50℃/150℃の1000サイクルの温度サイクル試験、及び温度80℃、湿度80%で1000時間保持の恒温恒湿試験を施すことにより、試験後の試料を用いて、半導体素子が使用される環境において正常に使用可能かどうか耐候性を調査する。ここで、試験後の試料の外観と樹脂を開封して内部観察を行い、はんだの染み出し、はんだ接合部のボイド発生、ダミーチップ、樹脂又は半田接合部の割れ発生等の不具合の有無をみる。
以上より、本発明のろう材は、高温はんだ付用として好適に用いることができ、これを用いて得られた半導体装置は、配線基板に実装する各工程で問題なく処理することができ、かつ耐候性も良好で半導体素子が使用される環境において正常に使用することができる。
以上より明らかなように、本発明の高温はんだ付用ろう材は、鉛系のはんだ合金を代替する分野で広く利用され、特に半導体素子等の電子部品の組み立てによる半導体装置の製造において好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 25〜80重量%のSnと、0.001〜1.0重量%のPと、残部のZn及び不可避不純物とからなる高温はんだ付用ろう材。
  2. 25〜80重量%のSnと、0.001〜1.0重量%のPと、0.1〜6重量%のGe、Ag、Cu、In又はNiから選ばれる少なくとも1種と、残部のZn及び不可避不純物とからなる高温はんだ付用ろう材。
  3. 請求項1又は2に記載の高温はんだ付用ろう材を用いてダイボンディングされた半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。
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