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JP2004508810A - ポリケチドの生成 - Google Patents

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JP2004508810A
JP2004508810A JP2001580407A JP2001580407A JP2004508810A JP 2004508810 A JP2004508810 A JP 2004508810A JP 2001580407 A JP2001580407 A JP 2001580407A JP 2001580407 A JP2001580407 A JP 2001580407A JP 2004508810 A JP2004508810 A JP 2004508810A
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アースラニアン, ロバート エル.
アシュリー, ギャリー
フライクマン, スコット
ジュリエン, ブライアン
カッツ, レオナルド
コスラ, チャイタン
ラウ, ジャニス
リカリ, ピーター ジェイ.
レジェンティン, リカ
サンティ, ダニエル
タン, リ
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コーサン バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド
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Abstract

組換えMyxococcus宿主細胞を使用して、発酵ブロスから精製され、かつ結晶化され得るエポシロンおよびエポシロンアナログを含むポリキチドを生成し得る。本発明は、組み換え発現ベクターであって、異種PKS遺伝子をコードし、そしてこれらのベクター上でこの遺伝子によってコードされるPKS酵素によって合成されるポリケチドを生成する組み換え発現ベクター、を含むCystobacterineae亜目の組み換え宿主細胞を提供する。好ましい実施形態において、宿主細胞は、Myxococcus属またはStigmatella属由来である。特に好ましい実施形態において、宿主細胞は、M.stipitatus、M.fulvus、M.xanthus、M.virescens、S.erecta、およびS.aurantiacaからなる群より選択される。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、組み換え宿主細胞においてポリケチドを生成するための組み換え方法および組み換え材料;ポリケチドを生成する組み換え宿主細胞;エポシロン(epothilone)に対して構造的に関連する新規なポリケチド;エポシロンを精製するための方法;およびエポシロンDの結晶性形態を提供する。好ましい実施形態において、本発明の組み換え宿主細胞は、モジュール型、または反復性のポリケチドシンターゼ(PKS)遺伝子をコードする、本発明の組み換えDNA発現ベクターで形質転換された、Cystobacterineae亜目、好ましくはMyxococcus属およびStigmatella属に由来する。この組み換え宿主細胞は、エポシロンおよびエポシロン誘導体が挙げられるがこれらに限定されない、公知のポリケチドおよび新規のポリケチドを生成する。本発明は、農学、化学、医化学、医薬、分子生物学、および薬理学の分野に関する。
【0002】
(発明の背景)
ポリケチドは、少なくとも部分的には、一連のクライゼン型縮合および引き続く修飾によって、ブロック化合物を構築する2つの炭素ユニットから合成された、構造的に多様な化合物のクラスを構成する。ポリケチドは、テトラサイクリンおよびエリスロマイシンのような抗生物質、エポシロンおよびダウノマイシンのような抗癌剤、ならびにFK506、FK520、およびラパマイシンのような免疫抑制剤を含む。ポリケチドは、多くのタイプの生物体(真菌および菌糸体菌を含む)において天然に存在する。ポリケチドは、一般にPKS酵素と呼ばれるポリケチドシンターゼ酵素によってインビボで合成される。2つの主要なタイプのPKSは、その構造およびポリケチド合成の様式における差異が公知である。これらの2つのタイプは一般に、I型すなわちモジュラー型PKS酵素、およびII型すなわち反復式(芳香族)PKS酵素と呼ばれる。
【0003】
本発明は、モジュール型および反復性のPKS酵素の生成のための方法および組み換え発現ベクターおよび宿主細胞、ならびにこれらの酵素によって生成されたポリケチドを提供する。モジュール型PKS酵素は代表的に複数タンパク質の複合体であり、ここでは各タンパク質が、複数の活性部位を含み、その各々が、炭素鎖会合および修飾の間、1回だけ用いられる。反復性のPKS酵素は代表的には複数タンパク質の複合体であり、ここでは各タンパク質が、単一または多くとも2つの活性部位しか含まず、その活性部位の各々が、炭素鎖会合および修飾の間、複数回用いられる。以下にさらに詳細に記載するように、モジュール型PKS酵素および芳香族PKS酵素の両方について多数の遺伝子がクローニングされている。
【0004】
モジュール型PKS遺伝子は、ローディングモジュール、多数の伸長モジュール、および遊離するドメインをコードするように組織化されたコード配列から構成される。以下にさらに完全に記載するように、これらのドメインおよびモジュールの各々は、1つ以上の特定の機能を有するポリペプチドに相当する。一般に、ローディングモジュールは、ポリケチドを合成するために用いた第一構築ブロックの結合、およびこのブロックを第一の伸長モジュールに移すことを担う。複合ポリケチドを形成するために用いた構築ブロックは、代表的にはアシルチオエステル、最も一般的には、アセチル、プロピオニル、マロニル、メチルマロニル、ヒドロキシマロニル、メトキシマロニル、およびエチルマロニルCoAである。他の構築ブロックは、アミノ酸およびアミノ酸様アシルチオエステルを含む。PKSは、アシルチオエステル結合ブロックの間の、反復された、脱炭酸的なクライゼン縮合を通じてポリケチドの生合成を触媒する。各モジュールは、構築ブロックを結合すること、その構築ブロック上で1つ以上の機能を実施すること、および得られた化合物を次のモジュールに移すこと、を担う。次に、次のモジュールは、次の構築ブロックを接着すること、および合成が完了するまで、成長する化合物を次のモジュールに移すこと、を担う。その時点で、遊離ドメイン(しばしば酵素的チオエステラーゼ(TE)活性)は、PKSからポリケチドを切断する。
【0005】
6−デオキシエリスロノリド B(6−dEB)として公知のポリケチドは、原型のモジュール型PKS酵素によって合成される。この遺伝子(eryAI、eryAII、およびeryAIIIとして公知)(6−dEBを合成するデオキシエリスロノリドBシンターゼすなわちDEBSとして公知の複数サブユニットタンパク質(各サブユニットはDEBS1、DEBS2、またはDEBS3として公知)をコードする)は、米国特許第5,672,491号、同第5,712,146号および同第5,824,513号(その各々は、本明細書において参考として援用されている)に記載されている。
【0006】
DEBS PKSのローディングモジュールは、アシルトランスフェラーゼ(AT)およびアシルキャリアタンパク質(ACP)からなる。DEBSローディングモジュールのATは、プロピオニルCoAを認識し(他のローディングモジュールATは、他のアシルCoA(例えば、アセチル、マロニル、メチルマロニル、またはブチリルCoA)を認識し得る)、そしてこれをチオエステルとしてローディングモジュールのACPに移す。同時に、DEBSの各々の6つの伸長モジュール上のATは、メチルマロニルCoAを認識し(他のローディングモジュールATは、他のアシルCoA(例えば、マロニル、またはアルファ置換マロニルCoA、すなわち、マロニル、エチルマロニル、および2−ヒドロキシマロニルCoA)を認識し得る)、そしてこれをそのモジュールのACPに移してチオエステルを形成する。一旦DEBSを、プロピオニルACPおよびメチルマロニルACPでプライムすれば、このローディングモジュールのアシル基は、移動して第一の伸長モジュールのKSでチオエステルを形成する(トランス−エステル化);この段階で、モジュール1は、メチルマロニルACPに隣接してアシル−KSを保有する。次いで、DEBSローディングモジュールに由来するアシル基は、伸長基のα炭素に共有結合され、付随する脱炭酸によって誘導された炭素間結合を形成し、そしてローディングユニットよりも長い骨格の2つの炭素を有する新しいアシルACPを生成する(延長または伸長)。成長するポリケチド鎖を、ACPからDEBSの次のモジュールのKSに移し、そしてこのプロセスを続ける。
【0007】
DEBSの各モジュールについて2つの炭素によって成長するこのポリケチド鎖は、引き続いて、アセンブリライン様プロセスで、モジュールからモジュールへの共有結合したチオエステルとして受け渡される。このプロセス単独によって生成される炭素鎖は、あらゆる他の炭素原子でケトンを保有し、ポリケトンを生成し、ポリケチドという名称はこれに由来する。しかし、共通して、さらなる酵素活性が、ポリケチド鎖のβケト基を改変する。このポリケチド鎖のβケト基に対して2炭素ユニットが付加され、その後この鎖が次のモジュールに移される。従って、炭素間結合を形成するのに必要なKS、AT、およびACPを含む最低限のモジュールに加えて、モジュールは、βケト基をアルコールに還元するケトリダクターゼ(KR)を含み得る。モジュールはまた、KRおよびデヒドラターゼ(DH)(アルコールを二重結合に脱水する)を含み得る。モジュールはまた、KR、DH、およびエノイルリダクターゼ(ER)(メチレン官能基としてβ炭素を用いて、二重結合を飽和単結合に変換する)を含み得る。DEBSモジュールとしては、KRドメインのみを有するモジュール、不活性KRドメインのみを有するモジュール、ならびにKRドメイン、DHドメインおよびERドメインの3つ全てを有するモジュールが挙げられる。
【0008】
一旦、ポリケチド鎖がPKSの最終モジュールを横切れば、ポリケチド鎖は、大部分のモジュール型PKS酵素のカルボキシル末端で見出された、遊離ドメイン(代表的にはチオエステラーゼ)に遭遇する。ここで、このポリケチドは、酵素から切断され、そして多くの(ただし全てではない)ポリケチドについて環状化される。このポリケチドは、仕立てた酵素または修飾酵素によってさらに修飾され得る:これらの酵素は、ポリケチドコア分子および/またはその置換基の上に、炭水化物基またはメチル基を付加するか、または他の修飾(すなわち、酸化または還元)を作製する。例えば、6−dEBを、ヒドロキシル化およびグリコシル化(グリコシド化)し、そしてグリコシル置換基の1つをメチル化して、Saccharopolyspora erythraea細胞(ここで、エリスロマイシンAが天然に生成される)において周知の抗生物質エリスロマイシンAを得る。
【0009】
上記は、一般にモジュール型PKS酵素、および具体的にはDEBSに適用するが、現実には多数のバリエーションが存在する。例えば、多くのPKS酵素が、ローディングモジュールを含む。このローディングモジュールは、DEBSのローディングモジュールとは異なり、デカルボキシラーゼとして機能する「不活性な」KSドメインを含む。この不活性なKSは、多くの場合、KSと呼ばれ、ここでこの上付き文字は、ケトシンターゼ活性に必要な活性部位システインの代わりに存在するアミノ酸(グルタミン)の1文字略語である。エポシロンPKSローディングモジュールは、KSドメインを含み、ここでチロシンが活性部位システインの代わりに存在する。さらに、他のポリケチドの合成は、DEBSまたはエポシロンローディングモジュールによって結合されたユニットとは異なる開始ユニットで始まる。このような開始ユニットに結合する酵素としては、以下が挙げられる:例えば、FK520、FK506、およびラパマイシンの生合成に使用されるようなAMPリガーゼ、レイナマイシンの生合成に使用されるような非リボソームペプチドシンターゼ(NRPS)、または可溶性CoAリガーゼ。
【0010】
PKS酵素における他の重要なバリエーションは、伸長ユニットとして組み込まれた構築ブロックのタイプに関する。開始ユニットについて言えば、いくつかのPKS酵素は、伸長モジュールとして1つ以上のNRPSモジュールを用いて、アミノ酸様アシルチオエステル構築ブロックを組み込む。例えば、エポシロンPKSは、NRPSモジュールを含む。別のこのようなバリエーションが、FK506、FK520、およびラパマイシンPKS酵素(これは、ピペコレート残基を組み込むNRPSを含み、そしてまたPKSの遊離ドメインとして働く)において見出される。なお別のバリエーションは、伸長モジュールにおけるさらなる活性に関連する。例えば、エポシロンPKSの1つのモジュールは、メチル基をポリケチドに組み込む、メチルトランスフェラーゼ(MT)ドメインを含む。
【0011】
モジュール型PKS遺伝子および反復性PKS遺伝子を操作するための組み換え方法は、米国特許第5,962,290号;同第5,672,491号;同第5,712,146号;同第5,830,750号;および同第5,843,718号;ならびにPCT特許公開番号第98/49315号および同第97/02358号(本明細書において参考として援用されている)に記載されている。これらの特許および他の特許は、ポリケチドの異種生成のための組み換え発現ベクター、および新規なポリケチドを生成する2つ以上の異なるPKS遺伝子または遺伝子クラスターの組み合わせ部分によって組み立てられた組み換えPKS遺伝子を記載している。今日まで、このような方法を用いて、Streptomyces(ポリケチドを天然に生成する)、ならびにE.coliおよび酵母(ポリケチドを天然には生成しない)のような生物体において、公知のポリケチドまたは新規のポリケチドを生成してきた(本明細書において参考として援用されている米国特許第6,033,883号を参照のこと)。後者の宿主において、ポリケチド生成は、PKSのACPドメインを活性化するホスホパンテテニル(phosphopantetheinyl)トランスフェラーゼの異種発現に依存する(本明細書において参考として援用されているPCT公開番号97/13845を参照のこと)。
【0012】
このような方法は価値があり、かつ非常に有用であるが、特定のポリケチドは、使用される異種宿主細胞において、非常に低いレベルでしか発現されないか、または毒性である。例えば、抗癌剤エポシロンA,B,CおよびDを、エポシロンPKS遺伝子の異種発現によってStreptomyces中で生成した(それぞれが、本明細書において参考として援用されている、Tangら、2000年1月28日、Cloning and heterologous expression of the epothilone gene cluster、Science,287:640〜642、およびPCT、公開番号00/031247)。エポシロンAおよびBは、約50〜100μg/L未満で生成され、そしてプロデューサー細胞上で有害な効果を有する様であった。
【0013】
エポシロンAおよびBは、最初は、粘液細菌Sorangium cellulosumから抽出した抗真菌活性として同定され(Gerthら、1996、J.Antibiotics 49:560〜563およびドイツ特許番号DE4138042(本明細書において参考として援用されている))、そして後に、チューブリン重合化アッセイにおいて活性を有することが見出された(本明細書において参考として援用されている、Bollagら、1995、Cancer Res.55:2325〜2333、を参照のこと)。エポシロンAおよびBならびに特定の天然に存在する誘導体および合成の誘導体は、癌の処置のために、可能性のある抗腫瘍薬剤としてずっと広範に研究されてきた。Sorangium cellulosumの株So ce90によって生成されるエポシロンの化学構造は、Hofleら、1996、EposiloneA and B−novel 16−membered macrolides with cytotoxic activity:isolation,crystal structure,and conformation in solution,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.35(13/14):1567〜1569(本明細書において参考として援用されている)に記載された。エポシロンA(R=H)およびB(R=CH)は、以下に示す構造を有し、そして真核生物細胞に対する広範な細胞傷害性活性、ならびに乳房および結腸の腫瘍細胞株に対して顕著な活性および選択性を示す。
【0014】
【化5】
Figure 2004508810
エポシロンAおよびBのデゾキシ対応物(エポシロンC(R=H)およびD(R=CH)としても公知)は、新たに化学合成されたが、またS.cellulosumの発酵における微量生成物としても存在する。エポシロンCおよびDは、エポシロンAおよびBよりも細胞傷害性が低く;その構造は以下に示される。
【0015】
【化6】
Figure 2004508810
他の天然に存在するエポシロンが記載されている。これらとしては、エポシロンEおよびFが挙げられる。ここでは、エポシロンAおよびBのチアゾール部分のメチル側鎖を、ヒドロキシル化し、それぞれエポシロンEおよびF、ならびに多くの他のエポシロン化合物を得た(本明細書において参考として援用されている、PCT公開番号99/65913を参照のこと)。
【0016】
抗癌剤としてのエポシロンの使用に関する可能性の理由から、そしてネイティブのSo ce 90株によって生成された低レベルのエポシロンの理由から、多数の研究チームは、エポシロンを合成する労力を払った。上記で注記されるように、この労力は成功した(以下を参照のこと:Balogら、1996、Total synthesis of (−)−epothilone A,Angrew.Chem.Int.Ed.Engl.35(23/24):2801−2803;Suら、1997、Total synthesis of(−)−epothilone B:an extension of the Suzuki coupling method and insights into structure−activity relationships of the epothilones,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.36(7):757〜759;Mengら.,1997、Total syntheses of epothilones A and B,JACS 119(42):10073〜10092;およびBalogら、1998,A novel aldol condensation with 2−methyl−4−pentenal and its application to an improved total synthesis of epothilone B、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.37(19):2675〜2678(各々が、本明細書において参考として援用されている))。これらの労力の成功にもかかわらず、エポシロンの化学合成は、退屈であり、時間を浪費し、そして費用がかさむ。実際、この方法は、抗癌剤としてのなんらかのエポシロンのフルスケールの薬学的開発については現実的ではないとして特徴付けられた。
【0017】
多数のエポシロン誘導体、およびエポシロンA〜Dは、インビトロおよびインビボで研究されてきた(以下を参照のこと:Suら、1997,Structure−activity relationships of the epothilones and the first in vivo comparison with paclitaxel,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.36(19):2093−2096;およびChouら、Aug.1998,Desoxyepothilone B:an efficacious microtubule−targeted antitumor agent with a promising in vivo profile relative to epothilone B,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:9642−9647(それぞれが、本明細書において参考として援用されている))。さらなるエポシロン誘導体ならびにエポシロンおよびエポシロン誘導体を合成する方法は、以下のPCT公開番号00/23452、00/00485、99/67253、99/67252、99/65913、99/54330、99/54319、99/54318、99/43653、99/43320、99/42602、99/40047、99/27890、99/07692、99/02514、99/01124、98/25929、98/22461、98/08849、および97/19086;米国特許第号5,969,145;およびドイツ特許公開番号DE4138042(それぞれが、本明細書において参考として援用されている)に記載されている。
【0018】
天然に存在するエポシロンだけでなく、その誘導体または前駆体、ならびに特性が改善されている新しいエポシロン誘導体を生成するという経済的な手段の必要性が残っている。天然のプロデューサーSorangium cellulosumよりも取り扱いおよび発酵が容易である、そして所望のポリケチド生成物をさらに生成する、エポシロンまたはエポシロン誘導体を生成する宿主細胞の必要性が残っている。本発明は、高レベルでポリケチドを生成し、そしてエポシロン(本明細書に記載される新しいエポシロン誘導体を含む)だけでなく、他のポリケチドもまた生成することにおいて有用である宿主細胞を提供することによってこれらの必要性を満たしている。
【0019】
(発明の要旨)
1つの実施形態において、本発明は、組み換え発現ベクターであって、異種PKS遺伝子をコードし、そしてこれらのベクター上でこの遺伝子によってコードされるPKS酵素によって合成されるポリケチドを生成する組み換え発現ベクター、を含むCystobacterineae亜目の組み換え宿主細胞を提供する。好ましい実施形態において、宿主細胞は、Myxococcus属またはStigmatella属由来である。特に好ましい実施形態において、宿主細胞は、M.stipitatus、M.fulvus、M.xanthus、M.virescens、S.erecta、およびS.aurantiacaからなる群より選択される。
【0020】
別の実施形態において、本発明は、本発明の宿主細胞において、染色体組み込みまたは染色体外複製をし得る組み換えDNAベクターを提供する。本発明のベクターは、PKSコード配列の少なくとも一部を含み、そして本発明の宿主細胞内で機能的なPKS酵素の発現を指向し得る。関連の実施形態において、本発明は、ポリケチド生合成についての基質(本発明の宿主細胞において、生成されないか、または低量でしか生成されないかのいずれかである)を生成するのに必要な遺伝子および遺伝子産物を含む、ベクターおよび宿主細胞を提供する。1つの実施形態において、この遺伝子および遺伝子産物は、エチルマロニルCoAの合成を触媒する。別の実施形態において、この遺伝子および遺伝子産物は、ブチリルCoAの合成を触媒する。
【0021】
別の実施形態において、本発明は、Cystobacterineae亜目の宿主細胞(この宿主細胞ではポリケチドは天然には生成されない)においてポリケチドを生成するための方法を提供する。この方法は、ベクター上でコードされるPKS遺伝子が発現され、そしてポリケチドが生成されるような条件下で、本発明の組み換えDNAベクターを用いて形質転換した宿主細胞を培養する工程を包含する。関連の実施形態において、本発明は、高収率のポリケチドの生成を生じる、本発明の宿主細胞の発酵のための方法を提供する。
【0022】
好ましい実施形態において、本発明の組み換え宿主細胞は、エポシロンまたはエポシロン誘導体を生成する。従って、本発明は、所望のエポシロンまたはエポシロン誘導体を生成する組み換え宿主細胞を提供する。好ましい実施形態において、この宿主細胞は、10mg/L以上の1つ以上のエポシロンを生成する。1つの実施形態において、本発明は、エポシロンを生成する天然に存在する生物体において生成されるレベルよりも高いレベルで1つ以上のエポシロンを生成する宿主細胞を提供する。別の実施形態において、本発明は、エポシロンを生成する天然に存在する生物体によって生成される混合物よりも複雑度が低いエポシロンの混合物を生成する宿主細胞を提供する。本発明の組み換え宿主細胞はまた、主要な産物として1つだけの所望のエポシロンまたはエポシロン誘導体を生成する宿主細胞を含む。
【0023】
関連の好ましい実施形態において、本発明は、エポシロンPKSの全てまたは一部をコードする組み換えDNA発現ベクターを提供する。従って、本発明は、本発明の宿主細胞において、エポシロンA,B、C、およびDを生成するのに必要なタンパク質をコードする組み換えDNA発現ベクターを提供する。本発明はまた、これらのタンパク質の一部をコードする組み換えDNA発現ベクターを提供する。本発明はまた、ハイブリッドタンパク質をコードする組み換えDNA化合物を提供する。このハイブリッドタンパク質は、エポシロン生合成に関与するタンパク質の全てまたは一部、および別のポリケチドまたは非リボソーム由来ペプチドの生合成に関与するタンパク質の全てまたは一部を含む。
【0024】
別の実施形態において、本発明は、農業、獣医学診療、および医学において有用な実質的に純粋な形態の、新規なエポシロン誘導化合物を提供する。これらの化合物としては、エポシロンA,B、C、およびDの以下:16−デスメチル;14−メチル;13−オキソ;13−オキソ−11,12−デヒドロ;12−エチル;13−ヒドロキシ−10,11−デヒドロ;11−オキソ;11−ヒドロキシ;10−メチル;10,11−デヒドロ;9−オキソ;9−ヒドロキシ;8−デスメチル;6−デスメチル;および2−メチルのアナログ、ならびに天然に存在するエポシロンのメチルチアゾール部分が別の部分で置換されている種々のアナログが挙げられる。1つの実施形態において、この化合物は、殺真菌剤として有用である。別の実施形態において、この化合物は、抗がん剤として癌の化学療法において有用である。好ましい実施形態において、この化合物は、エポシロンBまたはDと少なくとも同程度に腫瘍細胞に対して強力であるエポシロン誘導体である。別の実施形態において、この化合物は、免疫抑制剤として有用である。別の実施形態において、この化合物は、別の化合物の製造に有用である。好ましい実施形態において、この化合物は、ヒトまたは動物に対する投与のための混合物または溶液に処方される。
【0025】
別の実施形態において、本発明は、エポシロンを精製する方法を提供する。好ましい実施形態において、エポシロンは発酵ブロスから精製される。
【0026】
別の実施形態において、本発明は、高度に精製された形態でエポシロン化合物を提供する。好ましい実施形態において、エポシロンは、95%よりも純粋である。さらに好ましい実施形態において、エポシロンは、99%よりも純粋である。特に好ましい実施形態において、本発明は、結晶形態でエポシロンを提供する。1つの特に好ましい実施形態において、本発明は結晶エポシロンDを提供する。
【0027】
別の実施形態において、本発明は、癌を処置する方法を提供し、この方法は、治療的有効量の本発明の新規エポシロン化合物を投与する工程を包含する。本発明の化合物および組成物はまた、他の過剰増殖性疾患および状態(乾癬および炎症を含むが、これらに限定されない)の処置に有用である。
【0028】
本発明のこれらまたは他の実施形態は、以下の説明、実施例、および上記の特許請求の範囲において、より詳細に記載する。
【0029】
(発明の詳細な説明)
本発明の範囲および本明細書中に使用される用語の定義に関する陳述は、以下に列挙される。他に特定の例において限定されない限り、個々に、またはより大きな群の一部としてのいずれかで、本明細書全体を通じて使用される場合、この定義をこの用語に適用する。
【0030】
本発明の化合物の全ての立体異性体は、純粋な化合物ならびにその混合物として、本発明の範囲内に含まれる。個々のエナンチオマー(鏡像異性体)、ジアステレオマー、幾何異性体、ならびにそれらの組み合わせおよび混合物が全て本発明に含まれる。さらに、これらの化合物の結晶形態のいくつかが、多形として存在し得、そしてそれ自体本発明に含まれる。さらに、これらの化合物のいくつかは、水との溶媒和物(すなわち、水和物)または通常の有機溶媒との溶媒和物を形成し得、このような溶媒和物もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0031】
本発明の化合物の保護形態が本発明の範囲内に含まれる。種々の保護基が、例えば、T.H.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,John Wiley & Sons,New York(1999)(本明細書中においてその全体が参考として援用される)に開示される。例えば、本発明の化合物のヒドロキシ保護形態は、ヒドロキシル基の少なくとも1つがヒドロキシ保護基によって保護される形態である。例示的なヒドロキシ保護基としては、限定しないが、テトラヒドロピラニル;ベンジル;メチルチオメチル;エチルチオメチル;ピバロイル;フェニルスルホニル;トリフェニルメチル;三置換シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリ−t−ブチルシリル、メチルジフェニルシリル、エチルジフェニルシリル、t−ブチルジフェニルシリルなど);アシルおよびアロイル(例えば、アセチル、ピバロイルベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、4−ニトロベンゾイルおよび脂肪族アシルアリールなど)が挙げられる。本発明の化合物のケト基は、同様に保護され得る。
【0032】
本発明は、本発明の化合物のプロドラッグをその範囲内に含む。一般的に、このようなプロドラッグは、必要な化合物にインビボで容易に転換可能な化合物の機能的誘導体である。従って、本発明の処置方法において、用語「投与」は、具体的に開示される化合物を用いるか、または具体的には開示されないかもしれないがこれを必要とする被験体に投与された後にインビボで特定の化合物に転換される化合物を用いる、記載される種々の障害の処置を包含するべきである。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための慣用的な手順は、例えば、「Design of Prodrugs」,H.Bundgaard編,Elsevier,1985に記載される。
【0033】
本明細書中において使用される場合、用語「脂肪族」とは、飽和および不飽和の直鎖、分枝鎖、環式、または多環式炭化水素(これらは、必要に応じて、1つ以上の位置で置換され得る)をいう。脂肪族基の例示的な例としては、アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、シクロアルキル部分、シクロアルケニル部分、およびシクロアルキニル部分が挙げられる。用語「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素置換基をいう。「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖炭化水素置換基をいう。「アルキニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖炭化水素置換基をいう。
【0034】
用語「アリール」とは、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子を含み、そして好ましくは、3〜14個の炭素原子を含む、少なくとも1つの芳香族環構造を有する単環式基または多環式基をいう。アリール置換基は、必要に応じて、1つ以上の位置において置換され得る。アリール基の例示的な例としては、限定しないが以下が挙げられる:フラニル、イミダゾリル、インダニル、インデニル、イノドリル、イソオキサゾリル、イソキノリニル、ナフチル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、フェニル、ピラジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、キノリル、キノキサリル、テトラヒドロナフチル(tetrahydronaphththl)、テトラゾイル、チアゾイル、チエニル、チオフェニルなど。
【0035】
脂肪族部分(すなわち、アルキル、アルケニルなど)およびアリール部分は、必要に応じて、1つ以上の置換基、好ましくは1〜5個の置換基、より好ましくは1〜3個の置換基、そして最も好ましくは1〜2個の置換基で置換され得る。分子内の特定の位置における任意の置換基または変数の定義は、その分子の他の定義と独立する。化学的に安定であり、そして当該分野で公知の技術ならびに本明細書中に示される方法によって容易に合成され得る化合物を提供するために、本発明の化合物上の置換基および置換のパターンが当業者によって選択され得ることが理解される。適切な置換基の例としては、限定しないが以下が挙げられる:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ヒドロキシ;アルコキシ;シクロアルコキシ;ヘテロシクロオキシ;オキソ;アルカノイル(−C(=O)−アルキル、「アシル」とも呼ばれる);アリールオキシ;アルカノイルオキシ;アミノ;アルキルアミノ;アリールアミノ;アラルキルアミノ;シクロアルキルアミノ;ヘテロシクロアミノ;二置換アミン(ここで、2つのアミノ置換基がアルキル、アリール、またはアラルキルから選択される);アルカノイルアミノ;アロイルアミノ;アラルカノイルアミノ;置換アルカノイルアミノ;置換アリールアミノ;置換アラルカノイルアミノ;チオール;アルキルチオ;アリールチオ;アラルキルチオ;シクロアルキルチオ;ヘテロシクロチオ;アルキルチオノ;アリールチオノ;アラルキルチオノ;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;アラルキルスルホニル;スルホンアミド(例えば、SONH);置換スルホンアミド;ニトロ;シアノ;カルボキシ;カルバミル(例えば、CONH);置換カルバミル(例えば、−C(=O)NRR’(ここで、RおよびR’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキルなどである));アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール;グアニジノ、ならびにヘテロシクロ(例えば、インドイル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チオアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジルなど)。適用可能な場合、置換基は、さらに、例えば、アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル、ハロゲン、ヒドロキシなどで置換され得る。
【0036】
用語「アルキルアリール」または「アリールアルキル」とは、脂肪族基を介して化合物に結合される脂肪族置換基を有するアリール基をいう。アルキルアリール基またはアリールアルキル基の例示的な例は、ベンジル、メチル基を介して化合物に結合されるメチル基を有するフェニル(−CHPh(ここで、Phはフェニルである))である。
【0037】
用語「アシル」とは、−C(=O)R(ここで、Rは、脂肪族基、好ましくは、C〜C部分である)をいう。
【0038】
用語「アルコキシ」とは、−OR(ここで、Oは酸素であり、そしてRは、脂肪族基である)をいう。
【0039】
用語「アミノアルキル」とは、−RNH(Rは、脂肪族部分である)をいう。
【0040】
用語「ハロゲン」、「ハロ」、または「ハライド」とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素をいう。
【0041】
用語「ハロアルキル」とは、−RX(ここで、Rは、脂肪族部分であり、そしてXは、1つ以上のハロゲンである)をいう。
【0042】
用語「ヒドロキシアルキル」とは、−ROH(ここで、Rは、脂肪族部分である)をいう、
用語「オキソ」とは、カルボニル酸素(=O)をいう。
【0043】
上記の基における明示した置換基に加えて、本発明の化合物は、適用可能な場合、他の置換基を含み得る。例えば、ラクトンまたはラクタム骨格または骨格置換基は、さらに、1つ以上の置換基(例えば、C〜C脂肪族、C〜Cアルコキシ、アリール、または官能基)で置換され得る(例えば、水素の1つを置換することによるかまたは非水素基を誘導体化することによる)。適切な官能基の例示的な例としては、限定しないが以下が挙げられる:アセタール、アルコール、アルデヒド、アミド、アミン、ボロネート、カルバメート、カルボアルコキシ、カルボネート、カルボジイミド、カルボン酸、シアノヒドリン、ジスルフィド、エナミン、エステル、エーテル、ハロゲン、ヒドラジド、ヒドラゾン、イミド(imide)、イミド(imido)、イミン、イソシアネート、ケタール、ケトン、ニトロ、オキシム、ホスフィン、ホスホネート、ホスホン酸、第4級アンモニウム、スルフェニル、スルフィド、スルホン、スルホン酸、チオールなど。
【0044】
用語「単離された」とは、本発明の化合物をいうために本明細書中で使用される場合、その天然状態から人の介入によって変化したことを意味する。例えば、この化合物が天然に存在する場合、それは、そのもとの環境から変化したかまたは取り出されたかあるいはその両方である。言いかえると、この用語が本明細書中で使用される場合、生きた生物に天然に存在する化合物は、「単離」されていないが、その天然の状態の共存する物質から分離された同じ化合物は、「単離」されている。用語「単離された」はまた、夾雑物または望ましくない物質を実質的に含まない調製物中の化合物を意味し得る。天然に見出される化合物に関して、その化合物または組成物がその天然状態において関連する物質を実質的に含まない。
【0045】
用語「精製された」は、化合物をいう場合、この化合物が調製物の主用成分を形成する(例えば、調製物の成分の約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約90重量%、約95重量%以上を構成する)調製物中にこの化合物があることを意味する。
【0046】
用語「被験体」とは、本明細書中で使用される場合、動物、好ましくは、哺乳動物(処置、観察または実験の対象であった)、そして最も好ましくはヒト(処置および/または観察の対象であった)をいう。
【0047】
用語「治療的有効量」は、本明細書中で使用される場合、研究者、獣医師、医師、または他の臨床家医によって探求される、組織系、動物またはヒトにおける生物学的応答または医薬的応答(処置される疾患または障害の症状の軽減を含む)を誘発する活性な化合物または薬学的因子の量を意味する。
【0048】
用語「組成物」は、特定の量で特定の成分を含む生成物、ならびに特定の量での特定の成分の組み合わせから直接的または間接的に生じる任意の生成物を包含することを意図する。
【0049】
用語「薬学的に受容可能な塩」は、本発明の化合物の1つ以上の塩である。化合物の適切な薬学的に受容可能な塩とは、酸付加塩が挙げられ、これは、例えば、化合物の溶液を薬学的に受容可能な酸(例えば、塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸)の溶液と混合することによって形成され得る。さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合、その薬学的に受容可能な塩としては、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩);アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩);および適切な有機リガンドを用いて形成された塩(例えば、ハライド、ヒドロキシド、カルボキシレート、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、アルキルスルホネートおよびアリールスルホネートのような対アニオンを使用して形成されるアンモニウム、第4級アンモニウムおよびアミンカチオン)が挙げられ得る。薬学的に受容可能な塩の例示的な例としては、限定しないが、以下が挙げられ得る:アセテート、アジペート、アルギネート、アスコルベート、アスパルテート、ベンゼンスルホネート、ベンゾエート、ビカルボネート、ビスルフェート、ビタータレート、ボレート、ブロミド、ブチレート、カルシウムエデテート、カンファレート、樟脳スルホネート、カンシレート、カルボネート、クロリド、シトレート、クラブラネート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ジヒドロクロリド、ドデシルスルフェート、エデテート、エジシレート(edisylate)、エストレート、エシレート、エタンスルホネート、ホルメート、フマレート、グルセプテート、グルコヘプトネート、グルコネート、グルタメート、グリセロホスフェート、グリコリルアルサニレート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホネート、ヒドロキシナフトエート、ヨージド、イソチオネート、ラクテート、ラクトビオネート、ラウレート、ラウリルスルフェート、マレート、マレアート、マロネート、マンデレート、メシレート、メタンスルホネート、メチルスルフェート、ムケート(mucate)、2−ナフタレンスルホネート、ナプシレート、ニコチネート、ニトレート、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレエート、オキサレート、パモエート(エンボネート)、パルミテート、パントテネート、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ホスフェート/ジホスフェート、ピクレート、ピバレート、ポリガラクツロネート、プロピオネート、サリチレート、ステアレート、スルフェート、塩基性酢酸塩、スクシネート、タンネート、タータレート、テオクレート(teoclate)、トシレート、トリエチオダイド、ウンデカノエート、バレレートなど。
【0050】
用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、本発明の化合物の所望の投薬形態を調製するために使用される媒体である。薬学的に受容可能なキャリアとしては、溶媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル;分散または懸濁補助剤;表面活性剤;等張性剤;濃化剤または乳化剤、保存剤;固体結合剤;潤滑剤などが挙げられる。
Remington’s Pharmaceutical Sciences,Fifteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1975)およびHandbook of Pharmaceutical Excipients,Third Edition,A.H.Kibbe,ed.(Amer.Pharmaceutical Assoc.2000)(両方が本明細書中においてそれらの全体が参考として援用される)は、薬学的組成物を処方する際に使用される種々のキャリアおよびその調製のための公知の技術を開示する。
【0051】
用語「薬学的に受容可能なエステル」は、インビボで本発明の化合物またはその塩に加水分解するエステルである。適切なエステル基の例示的な例として、例えば、薬学的に受容可能な脂肪族カルボン酸から誘導されるエステル(例えば、ホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、アクリレート、およびエチルスクシネート)が挙げられる。
【0052】
本発明は、組換え宿主細胞においてポリケチドを産生するための組換え方法および材料;ポリケチドを産生する組換え宿主細胞;エポシロンに対して構造において関連する新規なポリケチド;エポシロンを精製するための方法;ならびにエポシロンDの結晶形態を提供する。
【0053】
1つの実施形態において、本発明は、異種PKS遺伝子をコードする組換え発現ベクターを含むCystobacterineae亜目の組換え宿主細胞を提供し、それらのベクターにコードされるPKS酵素によって合成されるポリケチドを産生する。本明細書中で使用される場合、用語組換えとは、人の介入(代表的には、遺伝子またはその一部の特定の指示された操作)によって産生される細胞、化合物、または組成物をいう。Cystobacterineae亜目は、Myxococcales目における2つのうちの1つ(他方は、Sorangineaeであり、これは、エポシロンプロデューサーSorangium cellulosumを含む)である。Cystobacterineae亜目は、Myxococcaceae科およびCystobacteraceae科を含む。Myxococcaceae科は、Angiococcus属(すなわち、A.disciformis)、Myxococcus属、およびCorallococcus属(すなわち、C.macrosporus、C.corralloides、およびC.exiguus)を含む。Cystobacteraceae科は、Cystobacter属(すなわち、C.fuscus、C.ferrugineus、C.minor、C.velatus、およびC.violaceus)、Melittangium属(すなわち、M.boletusおよびM.liclzenicola)、Stigmatella属(すなわち、S.erectaおよびS.aurantiaca)、ならびにArchangium属(すなわち、A.gephyra)を含む。本発明の特に好ましい宿主細胞は、10〜20mg/L以上、より好ましくは100〜200mg/L以上、そして最も好ましくは1〜2g/L以上のポリケチドを産生する宿主細胞である。
【0054】
好ましい実施形態において、本発明の宿主細胞はMyxococcus属またはStigmatella属由来である。特に好ましい実施形態において、宿主細胞はM.stipitatus、M.fulvus、M.xanthus、M.virescens、S.erecta、およびS.aurantiacaからなる群から選択される。本発明の特に好ましいMyxococcus宿主細胞は、10〜20mg/L以上のポリケチドを産生し、より好ましくは100〜200mg/L以上、そして最も好ましくは1〜2g/L以上産生する。これらのレベルで産生するM.xanthus宿主細胞が特に好ましい。本発明の目的のために使用され得るM.xanthus宿主細胞として、DZ1細胞株(本明細書中で参考として援用される、Camposら,1978,J.Mol.Biol.119:167−178)、TA−産生細胞株ATCC 31046、DK1219細胞株(本明細書中に参考として援用される、HodgkinおよびKaiser,1979,Mol.Gen.Genet.171:177−191,)およびDK1622細胞株(本明細書中で参考として援用される、Kaiser,1979,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:5952−5956)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
本発明の宿主細胞は、組換えDNA発現ベクターを含み、そして別の実施形態では、本発明は、これらの宿主細胞内での染色体組込みまたは染色体外の複製が可能な組換えDNAベクターを提供する。本発明のベクターは、PKSをコードする配列の少なくとも一部を含み、そして本発明の宿主細胞中で機能性PKS酵素の発現を支持し得る。明細書中で使用される場合、用語「発現ベクター」は、宿主細胞内に導入され得る任意の核酸をあらわす。発現ベクターは、細胞内もしくは任意の細胞区画内の染色体もしくは他のDNA(例えば、細胞質内の複製ベクター)の一部であるか否かにかかわらず、細胞内で安定にまたは一過的に維持され得る。また、発現ベクターは細胞内または細胞抽出物内でポリケチドに翻訳されるRNAの合成を支持する遺伝子を含む。従って、ベクターは、遺伝子発現を増強するためのプロモーターを含むか、遺伝子発現が得られるように染色体内の部位に組込まれるかのいずれかである。さらに、発現ベクターは、さらなる機能的成分(例えば、選択マーカーとして作用する耐性付与遺伝子およびプロモーター活性を増強するための調節遺伝子)を代表的に含む。
【0056】
代表的に、発現ベクターは、ベクターを含む宿主細胞を同定および/または選択し得る、1以上のマーカー遺伝子を含む。本発明のベクター内で使用するための例示的な抗生物質耐性付与遺伝子として、ermE耐性付与遺伝子(エリスロマイシンおよびリンコマイシンに対する耐性を与える)、tsr耐性付与遺伝子(チオストレプトンに対する耐性を与える)、aadA耐性付与遺伝子(スペクチノマイシンおよびストレプトマイシンに対する耐性を与える)、aacC4耐性付与遺伝子(アプラマイシン、カナマイシン、ゲンタミシン、ジェネテシン(G418)およびネオマイシンに対する耐性を与える),hyg耐性付与遺伝子(ハイグロマイシンに対する耐性を与える)、およびvph耐性付与遺伝子(バイオマイシンに対する耐性を与える)が挙げられる。Myxococcus xanthus内で使用するための選択マーカーとして、カナマイシン耐性付与遺伝子、テトラサイクリン耐性付与遺伝子、クロラムフェニコール耐性付与遺伝子、ゼオシン(zeocin)耐性付与遺伝子、スペクチノマイシン耐性付与遺伝子、およびストレプトマイシン耐性付与遺伝子を含む。
【0057】
発現ベクターの種々の成分は意図されるベクターの用途に依存して広範囲に変化し得る。特に、成分は、ベクターが使用される宿主細胞および機能するために意図される様式に依存する。例えば、本発明のある好ましいベクターは組込みベクターである:宿主細胞の染色体DNA内にベクターを組込む。このようなベクターは、ファージ結合部位または組込みを指示する宿主細胞染色体DNAのセグメントに対して相補的なDNAセグメントを含み得る。さらに、本明細書中で例示されるように、このような一連のベクターは、完全なPKS遺伝子クラスターの一部分のみを含む各ベクターを用いて、宿主細胞中にPKS遺伝子クラスターを構築するために使用され得る。従って、本発明の組換えDNA発現ベクターはPKS遺伝子または遺伝子クラスターの一部分のみを含み得る。また、同種組換えは、宿主細胞内に前もって導入された異種PKS遺伝子を含む遺伝子を欠失、破壊、または改変するために使用され得る。
【0058】
好ましい実施形態では、本発明は発現ベクターおよび組換えMyxococcus、好ましくはM.xanthus(ポリケチドを産生するこれらの発現ベクターを含む宿主細胞)を提供する。現在、Mx4ファージレプリコンに基づく人工プラスミドの未公開報告はあるが、M.xanthus内で染色体外で複製するベクターは公開されていない。しかし、M.xanthus染色体DNA内に組込まれる公知の多くのファージ(Mx8,Mx9,Mx81,およびMx82を含む)が存在する。これらのファージの組込み機能および結合機能は、M.xanthus染色体DNA内でに組込まれるファージベースの発現ベクターを作製するためにプラスミド上に配置され得る。これらのうち、ファージMx9およびMx8は本発明の目的において好ましい。プラスミドpPLH343(Salmiら,1998年2月,Genetic determinants of immunity and integration of temperate Myxococcus xanthus phage Mx8,J.Bact.180(3):614−621に記載)は、E.coli内で複製し、結合機能および組込み機能をコードするファージMx8遺伝子を含むプラスミドである。
【0059】
本発明の好ましいMyxococcus発現ベクターにおいて使用するための広範囲のプロモーターが入手可能である。以下の実施例8を参照のこと。例えば、Sorangium cellulosumエポシロンPKS遺伝子のプロモーター(本明細書中で参考として援用される、PCT公開番号00/031247を参照のこと)はM.xanthus宿主細胞中で機能する。エポシロンPKS遺伝子プロモーターは、組換え宿主細胞内での1以上のエポシロンPKS遺伝子または別のPKS遺伝子産生物の発現を推進するために使用され得る。本発明の組換えPKSを発現する目的で、M.xanthus宿主細胞内で使用するための別の好ましいプロモーターは、M.xanthusのpilA遺伝子のプロモーターである。このプロモーターおよびpilAプロモーター、pilA欠損株およびpilS欠損株によって制御された遺伝子由来の遺伝子産物を高レベルで発現するM.xanthus株は、本明細書中で参考として援用される、WuおよびKaiser,1997年12月,Regulation of expression of the pilA gene in Myxococcus xanthus,J.Bact.179(24):7748−7758に記載される。本発明はまた、pilAおよびpilS欠損の両方を含む組換えMyxococcus宿主細胞を提供する。別の好ましいプロモーターは飢餓性依存sdeK遺伝子のプロモーターである。
【0060】
本発明は、本発明の組換えMyxococcus xanthus発現ベクターおよび宿主細胞の調製において使用するための好ましい発現ベクターを提供する。プラスミドpKOS35−82.1およびpKOS35−82.2と命名されたこれらのベクター(図2)は、E.coli宿主細胞において複製可能で、M.xanthusの染色体DNA内への組み込みが可能である。ベクターは、Mx8結合遺伝子および組み込み遺伝子ならびに下流に都合よく配置された制限酵素認識部位を有するpilAプロモーターを含む。2種のベクターは単にベクター上のpilAプロモーターの方向においてお互いに異なっており、エポシロンPKSおよび本発明の修飾酵素遺伝子あるいは他のPKSおよび修飾酵素遺伝子を含むために容易に修飾され得る。ベクターの構築は実施例1に記載する。
【0061】
別の実施形態において、本発明は、この宿主細胞中ではポリケチドが天然には産生しない亜目Cystobacterineaeの宿主細胞中でポリケチドを産生する方法を提供し、この方法は本発明の組換えDNAベクターを用いて形質転換された宿主細胞を、ベクター上でコードされたPKS遺伝子が発現し、前述のポリケチドを産生するような条件下で培養工程を包含する。この方法を用いて、モジュラーまたは反復PKS酵素によって産生される任意の多様なポリケチドが調製され得る。さらにまた、ハイブリッドまたは他の組換えPKS遺伝子由来の新規ポリケチドがこの方法を用いて調製され得る。好ましい実施形態において、PKS遺伝子はハイブリッドモジュラーPKSをコードする。
【0062】
多数のモジュラーPKS遺伝子は、クローン化され、そしてベクターおよび本発明の方法を用いて即時に入手可能である。PKS酵素によって産生されるポリケチドは、ポリケチド修飾酵素(テイラーリング酵素とも呼ばれる)によって、ヒドロキシル化されたPKSのポリケチド産生物、エポキシ化されたPKSのポリケチド産生物、メチル化されたPKSのポリケチド産生物、および/またはグリコシル化されたPKSのポリケチド産生物へとしばしばさらに修飾される。また、本発明の方法に基づいて、目的の修飾されたポリケチドを調製するために、これらの遺伝子は宿主細胞に導入され得る。以下の表は例示的なPKS遺伝子および対応するPKS酵素を記載する参考文献を一覧にしたものであって、組換えPKSおよび本発明のPKSをコードする対応するDNA化合物の構築において利用し得る。また、本発明の組換えDNA化合物を作製するために使用し得るポリケチドテーラーリング酵素および修飾酵素ならびに対応する遺伝子を記載する種々の参考文献を示す。
(PKSおよびポリケチドテーラーリング酵素遺伝子)
(アベルメクチン)
米国特許第5,252,474号;米国特許第4,703,009号;および欧州公報第118,367号(Merck)。
【0063】
MacNeilら,1993,Industrial Microorganisms:Basic and Applied Molecular Genetics,Baltz,Hegeman,&Skatrud,eds.(ASM),245−256頁,A Comparison of the Genes Encoding the Polyketide Synthases for Avermectin,Erythromycin,and Nemadectin。
【0064】
MacNeilら,1992,Gene 115:119−125,Complex Organization of the Streptomyces avermitilis genes encoding the avermectin polyketide synthase。
【0065】
IkedaおよびOmura,1997,Chem.Res.97:2599−2609,Avermectin biosynthesis。
(カンジシジン(FR008))
Huら,1994,Mol.Microbiol.14:163−172。
(エポシロン)
PCT公報第99/66028号(Novartis)。
【0066】
PCT公報第00/031247号(Kosan)。
(エリスロマイシン)
PCT公報第93/13663号;米国特許第6,004,787号;および米国特許第5,824,513号(Abbott)。
【0067】
Donadioら,1991,Science 252:675−9。
【0068】
Cortesら,1990年11月8日,Nature 348:176−8,An unusually large multifunctional polypeptide in the erythromycin producing polyketide synthase of Saccharopolyspora erythraea。
(グリコシル化酵素)
PCT公報第97/23630号および米国特許第5,998,194号(Abbott)。
(FK−506)
Motamediら,1998,The biosynthetic gene cluster for the macrolactone ring of the immunosuppressant FK−506,Eur.J.biochem.256:528−534。
【0069】
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(メチルトランスフェラーゼ)
米国特許第5,264,355号および米国特許第5,622,866号(Merck)。
【0070】
Motamediら,1996,Characterization of methyltransferase and hydroxylase genes involved in the biosynthesis of the immunosuppressants FK−506 and FK−520,J.Bacteriol.178:5243−5248。
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【0071】
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(ロバスタチン)
米国特許第5,744,350号(Merck)。
(ネマデクチン(Nemadectin))
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(ニダマイシン(Niddamycin)
PCT公報第98/51695号(Abbott)。
【0072】
Kakavasら,1997,Identification and characterization of the niddamycin polyketide synthase genes from Streptomyces caelestis,J.Bacteriol.179:7515−7522。
(オレアンドマイシン)
Swanら,1994,Characterisation of a Streptomyces antibioticus gene encoding a type I polyketide synthase which has an unusual coding sequence,Mol.Gen.Genet.242:358−362。
【0073】
PCT公報第00/026349号(Kosan)。
【0074】
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【0075】
PCT公報第99/05283号(Hoechst)。
(ピクロマイシン)
PCT公報第99/61599号(Kosan)。
【0076】
PCT公報第00/00620(the University of Minnesota)。
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Xueら,1998,Hydroxylation of macrolactones YC−17 and narbomycin is mediated by the pikC−encoded cytochrome P450 in Streptomyces venezuelae,Chemistry & Biology 5(11):661−667。
【0078】
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欧州公報第791,656号;および米国特許第5,945,320号(Lilly)。
(ラパマイシン)
Schweckeら,1995年8月,The biosynthetic gene cluster for the polyketide rapamycin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:7839−7843。
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Aparicioら,1996,Organization of the biosynthetic gene cluster for rapamycin in Streptomyces hygroscopicus : analysis of the enzymatic domains in the modular polyketide synthase,Gene 169:9−16。
(リファマイシン)
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米国特許第6,090,601号(Kosan)。
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Schuppら,1995,J.Bacteriology 177:3673−3679.A Sorangium cellulosum (Myxobacterium) Gene Cluster for the Biosynthesis of the Macrolide Antibiotic
Soraphen A:Cloning,Characterization,and Homology to Polyketide Synthase Genes from Actinomycetes。
(スピノシン(Spinocyn))
PCT公報第99/46387号(DowElanco)。
(スピラマイシン)
米国特許第5,098,837号(Lilly)。
(アクチベータ遺伝子)
米国特許第5,514,544号(Lilly)。
(チロシン)
米国特許第5,876,991号;米国特許第5,672,497号;米国特許第5,149,638号;欧州公報第791,655号;および欧州公報第238,323号(Lilly)。
【0082】
Kuhstossら,1996,Gene 183:231−6.,Production of a novel polyketide through the construction of a hybrid polyketide synthase。
(テーラーリング(Tailoring)酵素)
Merson−DaviesおよびCundliffe,1994,Mol.Microbiol.13:349−355.Analysis of five tylosin biosynthetic genes from the tylBA region of the Streptomyces fradiae genome。
【0083】
ポリケチド修飾のための遺伝子を含んでも含まなくてもよい上述の任意の遺伝子は、もしあれば、本発明の組換えDNA発現ベクター内で使用し得る。さらに、本発明の宿主細胞は、所望のPKSおよび修飾酵素遺伝子クラスターの一部を各々含む複数のベクターを用いる形質転換によって構築し得る(本明細書中で参考として援用される、米国特許第6,033,883号を参照のこと)。
【0084】
また、Myxococcus宿主細胞を含む本発明の宿主細胞における改良されたポリケチド産生のために、異種ホスホパンテテニル化(phosphopantetheinyl)トランスフェラーゼを発現する細胞を形質転換し得る。PKSタンパク質は、ローディングモジュールおよび伸長モジュールのACPドメインならびに任意のNRPSのPCPドメインのホスホパンテテニル化(phosphopantetheinylation)を必要とする。ホスホパンテテニル化は、ホスホパンテテニル化トランスフェラーゼ(PPTase)と呼ばれる酵素によって媒介される。所望のPKS酵素上に作用し得るか、またはPPTaseが阻害されている宿主細胞中で機能的PKS酵素の量を増加させ得るPPTaseを天然では発現しない宿主細胞において機能的PKS酵素を産生するために、異種PPTase(Sfpが挙げられるが、これに限定されない)を導入し得る(各々本明細書中で参考として援用される、PCT公報第97/13845および同98/27203号、および米国特許第6,033,883に記載されている)。この目的のために使用され得る別の適切なPPTaseはStigmatella aurantiaca由来のMtaAである。
【0085】
任意の生物(Myxococcus、StreptomycesおよびSorangium宿主細胞が挙げられるが、これらに限定されない)中でポリケチド産生を向上させる、本発明により提供される別の方法は、ストレプトマイシン、リファマイシンおよび/またはゲンタマイシンに対して耐性である細胞を選択することである。好ましい実施形態において、ポリケチド産生宿主細胞はこれらの各々の化合物(または、構造上これらに類似する化合物)を用いて連続的にチャレンジし、そしてポリケチド産生能力を高めた耐性細胞が単離され、次の選択段階で使用される。この様式において、例えば制限なしで、エポシロンまたはエポシロン誘導体を高レベルで産生し、かつストレプトマイシン、リファマイシン、およびゲンタマイシンに耐性のMyxococcus xanthus宿主細胞が獲得され得る。
【0086】
本発明の宿主細胞は天然に見出されるポリケチドを産生するだけでなく、組換えPKS遺伝子および修飾酵素の産物によって産生されるポリケチドを産生するためにも使用され得る。1つの重要な実施形態において、本発明はハイブリッドPKSを有する組換えDNA発現ベクターを提供する。本発明の目的のために、ハイブリッドPKSは、第1PKSの1以上の伸長モジュール、ローディングモジュール、およびチオエステラーゼ/シクラーゼドメインの全部または一部ならびに第2PKSの1以上の伸長モジュール、ローディングモジュール、およびチオエステラーゼ/シクラーゼドメインの全部または一部を含む組換えPKSである。
【0087】
本発明のハイブリッドPKSにおける第1もしくは第2PKSのいずれかの全部または一部は、天然に発生する供給源から単離する必要がないことを当業者は理解する。例えば、少量のATドメインのみが、その特異性を決定する。本明細書中で参考として援用される、PCT公報第00/001838号を参照のこと。DNA合成における当該分野の状況では、当業者はPKSモジュールまたはドメインの有用部分を構築するために十分なサイズのデノボDNA化合物を構築し得る。本発明の目的のために、このような合成DNA化合物がPKSの一部であるとみなす。
【0088】
上の表で説明するように、本発明のハイブリッドPKSコードDNA化合物を構築するために使用する、容易に入手可能なDNAおよび配列情報の供給源として役立つ、広範囲のPKS遺伝子が存在する。ハイブリッドPKSコードDNA化合物を構築する方法は、米国特許第6,022,731号;同第5,962,290号;同第5,672,491号;ならびに同第5,712,146号およびPCT公報第98/49315号;同第99/61599号;ならびに同第00/047724号(各々本明細書中に参考として援用される)に記載されている。本発明のハイブリッドPKSコードDNA化合物は、2以上のPKS遺伝子のハイブリッドであり得る。2つの遺伝子のみが使用されている場合でさえ、モジュールの全部または一部が第2PKS遺伝子由来であるハイブリッド遺伝子中にしばしば2以上のモジュールが存在する。本発明のハイブリッドPKSは、以下の型の任意のPKSを含むが、これに限定されないことを当業者は理解する:(i)異種モジュール由来の少なくとも1以上のドメインを有するモジュールを含むPKS;(ii)異種PKS由来のモジュールを含むPKS;(iii)異種PKS由来のタンパク質を含むPKS;および(iv)これらの組み合わせ。
【0089】
本発明のハイブリッドPKS酵素は、第1PKS由来のモジュールの1以上のドメインのコード配列と第2PKS由来のモジュールの1以上のドメインのコード配列とを置換して、組換えコード配列を構築することによってしばしば構築される。一般的に、KR、DH、および/またはERドメインの挿入および置換に関する本明細書中の任意の参考文献は、モジュール内の関連のKR、DH、またはERドメインと、そのモジュール由来の対応するドメインとの置換(そのモジュールから挿入または置換されたドメインが獲得される)を含む。任意のモジュールのKSおよび/またはACPはまた、所望であるかまたは有益である場合、別のKSおよび/またはACPと交換され得る。例えば、エポシロン誘導体化合物の産生物がモジュールの改変に起因して低い場合、後続のモジュールのKSおよび/またはACPドメインの改変によって、産生は改良され得る。これらの交換または挿入の各々において、異種KS、AT、DH、KR、ERまたはACPコード配列は、同一のPKSもしくは異なるPKSの別のモジュール由来、またはハイブリッドPKSコード配列が得られる化学合成由来のコード配列からに由来し得る。
【0090】
本発明の重要な実施形態は、ハイブリッドPKS遺伝子に関するが、本発明はまた、第2のPKS遺伝子配列は存在しないが、天然に存在するPKS遺伝子と1つ以上の変異および/または欠失だけ異なる組換えPKS遺伝子を提供する。この欠失は、1つ以上のモジュールまたはドメインを包含し得、そして/または1つ以上のモジュールまたはドメイン内の欠失に限定され得る。欠失が伸張モジュール全体(NRPSモジュール以外)を包含する場合、得られるポリケチド誘導体は、欠失バージョンが由来するPKSから生成する化合物より短い少なくとも2つの炭素に存在する。この欠失はまた、NRPSモジュールおよび/またはローディングモジュールを包含し得る。欠失がモジュール内にある場合、この欠失は、単一のドメイン(代表的には、KRドメイン、DHドメインまたはERドメイン)、または1つより多いドメイン(例えば、DHドメインとERドメインの両方、またはKRドメインとDHドメインの両方、あるいは3つ全てのKRドメイン、DHドメインおよびERドメイン)を包含し得る。PKSのドメインはまた、変異(例えば、ランダム変異誘発または部位特異的変異誘発)によって機能的に「欠失」され得る。従って、本明細書中で例示される場合、KRドメインは、変異によって非機能的にされ得るかまたは機能性を決して完全でなくし得る。さらに、ATドメインの特異性はまた、変異(例えば、ランダム変異誘発または部位特異的変異誘発)によって変更され得る。
【0091】
本発明の任意のPKSを構築するために、PCT公開番号98/27203および米国特許第6,033,883号(これらの各々は本明細書中で参考として援用される)に記載される技術を使用し得、ここで、PKSの様々な遺伝子および1つ以上のポリケチド改変酵素のための任意の遺伝子は、2つ以上、しばしば3つのセグメントに分割され、このセグメントの各々は、別個の発現ベクター上に配置される(PCT公開番号00/063361(これは本明細書中で参考として援用される)もまた参照のこと)。このように、遺伝子の完全相補体が構築され得、そして異種発現についてより容易に操作され得、そしてこの遺伝子のセグメントの各々は変更され得、そして様々な変更されたセグメントは、単一の宿主細胞に組み込まれて本発明の組換えPKS遺伝子を提供し得る。この技術により、組換えPKS遺伝子の大きなライブラリ、これらの遺伝子を発現するためのベクター、およびこれらのベクターを含む宿主細胞の構築が、より効率的になる。このおよび他の状況において、所望のPKSをコードする遺伝子は、2つ以上のベクターで提示され得るだけでなく、この遺伝子が由来するネイティブのプロデューサー生物に存在する場合とは異なって整列または配置され得る。
【0092】
好ましい例示的な実施形態において、本発明の組換え宿主細胞は、エポシロン(epothilone)またはエポシロン誘導体を産生する。天然に存在するエポシロン(エポシロンA、B、C、E、EおよびFを含む)、および構造的にこのエポシロンに関連した天然に存在しない化合物(エポシロン誘導体またはエポシロンアナログ)は、真核生物細胞に対して特異的な強力な細胞障害性因子である。これらの化合物は、抗真菌剤、癌化学治療剤、および免疫抑制剤としての用途、および一般的に、炎症または任意の過剰増殖疾患(例えば、乾癬、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、およびステントの妨害)の処置のための用途を有する。エポシロンは、このエポシロンが同定された天然に存在するSorangium cellulosum細胞において非常に低レベルで産生される。さらに、S.cellulosumは、非常にゆっくりと増殖し、そしてS.cellulosum株の発酵は、困難であり時間がかかる。本発明によって提供される1つの重要な利点は、非S.cellulosum宿主細胞においてエポシロンまたはエポシロン誘導体を簡単に産生する能力である。本発明の別の利点は、天然に存在するエポシロンプロデューサー細胞において可能なレベルおよび量よりも、本発明により提供される組換え宿主細胞において、より高いレベルおよびより多くの量で、エポシロンを産生する能力である。さらに別の利点は、組換え宿主細胞においてエポシロン誘導体を産生する能力である。従って、本発明は、所望のエポシロンまたはエポシロン誘導体を産生する組換え宿主細胞を提供する。好ましい実施形態において、宿主細胞は、10mg/L以上のエポシロンまたはエポシロン誘導体を産生する。一実施形態において、本発明は、エポシロンを産生する天然に存在する生物において産生されるよりも高いレベルで、1つ以上のエポシロンまたはエポシロン誘導体を産生する宿主細胞を提供する。別の実施形態において、本発明は、エポシロンを産生する天然に存在する宿主細胞によって産生される混合物よりも複雑ではないエポシロンの混合物を産生する宿主細胞を提供する。
【0093】
特に好ましい実施形態において、本発明の宿主細胞は、エポシロンを産生する天然に存在する宿主細胞が産生するよりも複雑ではないエポシロンの混合物を産生する。一例として、本発明の特定の宿主細胞は、天然に存在するSorangium cellulosumにより産生される混合物よりも複雑ではない混合物で、エポシロンDを産生し得る。なぜなら、エポシロンDは、本発明の宿主細胞においては主生成物であり、天然に存在する宿主細胞においては少量の生成物であるからである。エポシロンを産生する天然に存在するSorangium cellulosum細胞は、代表的には、エポシロンA、B、C、D、E、Fおよび他の非常に少量の生成物の混合物を賛成し、エポシロンAおよびBのみが、主生成物として存在する。以下の表1は、本発明の異なる例示的な宿主細胞において産生されるエポシロンをまとめる。
【0094】
【表1】
Figure 2004508810
従って、本発明の組換え宿主細胞はまた、ただ1つの所望のエポシロンまたはエポシロン誘導体を、主生成物として産生する宿主細胞を含む。
【0095】
単にエポシロンPKSのドメインの分析に基づいて、PKS酵素は、「G」および「H」と任意に命名されたエポシロン(これらの構造は以下に示される)の産生を触媒すると予想し得る:
【0096】
【化7】
Figure 2004508810
エポシロンG(R=H)およびエポシロンH(R=CH)。
【0097】
エポシロンGがC12において水素を有し、エポシロンHがこの位置においてメチル基を有する点で、これらの化合物は互いに異なる。C12位における不一致は、PKSの対応するATドメイン(伸長モジュール4)がマロニルCoAに結合して水素を誘導する能力、またはメチルマロニルCoAに結合してメチルを誘導する能力のいずれかから生じると予測される。しかし、エポシロンGおよびエポシロンHは、天然でも本発明の組換え宿主細胞においても観察されていない。その代わり、PKSの産物は、エポシロンCおよびエポシロンDと考えられ、このエポシロンCおよびエポシロンDは、それぞれ、C−12〜C−13の二重結合を有しC−13のヒドロキシル置換基を欠くことだけ、エポシロンGおよびエポシロンHとは異なる。異種宿主細胞におけるエポシロンPKS遺伝子の発現およびこの遺伝子の遺伝子改変により産生される産物に基づいて、以下により十分に記載されるように、エポシロンCおよびエポシロンDにおいてC12−C13二重結合を形成する脱水反応は、エポシロンPKS自体によって行われると考えられる。エポシロンAおよびエポシロンBは、それぞれ、エポシロンCおよびエポシロンDから、epoK遺伝子産物によるC12−C13二重結合のエポキシ化によって形成される。エポシロンEおよびエポシロンFは、以下でさらに議論されるように、それぞれ、エポシロンAおよびエポシロンBから、C21のメチル基のヒドロキシル化によって、またはエポシロンPKSのローディングモジュールにより、マロニルCoAの代わりにヒドロキシマロニルCoAを組み込むことによって形成され得る。
【0098】
従って、エポシロンPKS遺伝子およびepoK遺伝子の、本発明の宿主細胞における発現は、エポシロンA、B、CおよびDの産生を導く。epoK遺伝子が存在しないか、または変異によって不活性にされるかもしくは部分的に不活性にされる場合、エポシロンCおよびエポシロンDは、主生成物として産生される。伸長ドメイン4のATドメインが、マロニルCoAに対して特異的なATドメインで置換される場合、エポシロンAおよびエポシロンCが産生され、そして機能的epoK遺伝子が存在しない場合、エポシロンCが、主生成物として産生される。伸長モジュール4のATドメインが、メチルマロニルCoAに対して特異的なATドメインで置換される場合、エポシロンBおよびエポシロンDが主生成物として産生され、そして機能的epoK遺伝子が存在しない場合、エポシロンDが主生成物として産生される。
【0099】
エポシロンPKSおよび改変酵素遺伝子は、エポシロン産生株のSorangium cellulosum SMP44からクローン化した。総DNAを、Jaouaら、1992,Plasmid 28:157−165(これは本明細書中で参考として援用される)により記載される手順を使用して、この株から調製した。コスミドライブラリーを、pSupercos(Stratagene)において、S.cellulosumゲノムDNAから調製した。PKSおよび改変酵素遺伝子クラスター全体を、4つの重複コスミドクローン(1999年2月17日にブダペスト条約に従って、American Type Culture Collection(ATCC)(10801 University Blvd.,Manassas,VA,20110−2209 USA)に寄託し、以下のようなATCC受託番号を割り当てられた:pKOS35−70.1A2(ATCC 203782)、pKOS35−70.4(ATCC 203781)、pKOS35−70.8A3(ATCC 203783)、およびpKOS35−79.85(ATCC 203780))から単離し、そしてDNA配列を、PCT公開番号00/031237(これは本明細書中で参考として援用される)に記載されるようにして決定した。DNA配列分析は、ローディング分子および9個の伸長モジュールを有するPKS遺伝子クラスターを明らかにした。PKS配列の下流は、epoKと称されるオープンリーディングフレーム(ORF)であり、これはシトクロムP450オキシダーゼ遺伝子に対して強い相同性を示し、そしてエポシロンエポキシダーゼ改変酵素をコードする。
【0100】
PKS遺伝子は、6個のORFから構成される。ポリペプチドレベルにおいて、ローディングモジュールおよび伸長モジュール1(NRPS)、2および9は、個々のポリペプチド上に現れ;これらの対応する遺伝子は、それぞれ、epoA、epoB、epoCおよびepoFと命名される。モジュール3、4、5および6は、単一のポリペプチド(この遺伝子は、epoDと命名される)に含まれ、そしてモジュール7および8は、別のポリペプチド(この遺伝子は、epoEと命名される)に存在する。ORF間の間隔は、epoC、epoD、epoEおよびepoFが、オペロンを構築することを示唆する。epoA、epoBおよびepoK遺伝子はまた、この大きなオペロンの一部であり得るが、epoBとepoCとの間に約100bpの空間が存在し、そしてepoFとプロモーターを含み得るepoKとの間に115bpの空間が存在する。エポシロンPKS遺伝子クラスターは、以下のスキーム1に概略的に示される。
【0101】
【化8】
Figure 2004508810
epoKのすぐ下流のP450エポキシダーゼ遺伝子は、ORF1であり、これは膜貫通ドメインを含むようでありかつエポシロン輸送に関与し得るポリペプチドをコードする。このORFは、輸送および調節に関与するタンパク質をコードし得る遺伝子を含む多数のORFに続く。このモジュールの詳細な試験は、エポシロンの生合成と一致した構成および組成を示す。以下の記載は、ポリペプチドレベルにある。ローディングモジュールおよび伸長モジュール3、4、5および9におけるATドメインの配列は、マロニルローディングモジュールについてのコンセンサス配列に対する類似性を示し、それぞれ、C−14、C−12(エポシロンAおよびC)、C−10およびC−2におけるH側鎖の存在、ならびにローディングモジュールの存在と一致する。モジュール2、6、7および8におけるATドメインは、ATドメインを特定するメチルマロニルについて、コンセンサス配列を構築し、またそれぞれ、C−16、C−8、C−6およびC−4におけるメチル側鎖の存在と一致する。
【0102】
ローディングモジュールは、通常活性部位に存在するシステイン残基がチロシンに変わったSKドメインを含む。このドメインは、KSと称され、そしてデカルボキシラーゼとして働き、これは、その正常な機能の一部であるが、縮合酵素として機能し得ない。従って、このローディングモジュールは、マロニルCoAを負荷し、これをACPに移動し、そしてこれを脱カルボキシル化して、システインとの縮合に必要なアセチル残基を生成することが予測される。伸長モジュール1は、システインを活性化し、そしてローディングモジュール上のアセテートとの縮合を触媒する非リボソームペプチドシンセターゼである。この配列は、アミノ酸の活性化に必要なATP結合ドメインおよびATPaseドメインと非常に類似したセグメント、ホスホパンテイニル化部位、酸化ドメイン、環化ドメイン、ならびに伸長ドメインを含む。伸長ドメイン2は、C−15〜C−17におけるエポシロンの構造を決定する。モジュール2におけるDHドメインの存在は、このモジュール内のC−16〜17デヒドロ部分を生じる。モジュール3におけるドメインは、C−14およびC−15におけるエポシロンの構造と一致し;KRの作用から生じるOHは、分子のラクトン化において用いられる。伸長モジュール4は、エポシロンCおよびD内の、二重結合が見出されるC−12およびC−13における構造を制御する。ATドメインの配列は、マロネートローディングを特定する配列と類似しているようであるが、これはまた、メチルマロネートを負荷し、それによりある程度、天然に存在する生物の発酵ブロスにおいて見出されるエポシロンの混合物の原因となる。
【0103】
機能の予測されるアレイからの有意な逸脱は、伸長モジュール4において見出された。このモジュールは、DHドメインを含み、それによりエポシロンCおよびDの合成を、PKSの産物として検出すると予測された。分析は、モジュール4のATドメインとKRドメインとの間の空間は、機能的DHドメインを収容するのに十分には大きくないと評価した。従って、モジュール4における還元の程度は、伸長モジュール4によって指向される縮合後に形成されるβ−ケトのケト還元を越えて進行しないようである。本明細書中に示されるように、エポシロンPKS遺伝子単独は、本発明の宿主細胞に、エポシロンCおよびDを産生する能力を与えるのに十分である。エポシロンCおよびDの異種産生は、二重結合を導入するデヒドラターゼの機能が存在することを示す。エポシロンPKS遺伝子の異種発現および改変されたエポシロンPKS遺伝子により産生される産物に基づいて、この二重結合を形成する脱水反応は、エポシロンPKSの伸長モジュール5のDHドメイン、およびモジュール5のERドメインによる還元の前の、共役したジエン前駆体の生成により媒介されると考えられる。
【0104】
伸長モジュール5および6の各々は、還元ドメイン(KR、DHおよびER)のフルセットを有し、C−11およびC−9においてメチレン官能基を生成する。伸長モジュール7および9は、KRドメインを有し、C−7およびC−3においてヒドロキシルを生成し、そして伸長ドメイン8は、機能的KRドメインを有さず、C−5におけるケト基の存在と一致する。伸長モジュール8はまた、メチルトランスフェラーゼ(MT)ドメインを含み、これはC−4におけるジェミナルなジメチル官能基の存在を生じる。伸長モジュール9はまた、ポリケチド合成を終結し、閉環反応を触媒するチオエステラーゼドメインを有する。
【0105】
エポシロンPKSの遺伝子、タンパク質、モジュールおよびドメインを、以下の表2にまとめる。
(表2)
【0106】
【表2】
Figure 2004508810
NRPS−非リボソームペプチドシンセターゼ;KS−ケトシンターゼ;mAT−マロニルCoA特定化アシルトランスフェラーゼ;mmAT−メチルマロニルCoA特定化アシルトランスフェラーゼ;DH−デヒドラターゼ;ER−エノイルレダクターゼ;KR−ケトレダクターゼ;MT−メチルトランスフェラーゼ;TE−チオエステラーゼ;*−不活性ドメイン。
【0107】
配列検査により、epoAとepoBとの間(ローディングモジュールと伸長モジュール1 NRPSとの間)、およびepoCとepoDとの間の翻訳カップリングが評価された。非常に小さなギャップは、epoDとepoEとの間、およびepoEとepoFとの間に見出されるが、100bpを越えるギャップは、epoBとepoCとの間、およびepoFとepoKとの間に見出される。これらの遺伝子間領域は、プロモーターを含み得る。
【0108】
従って、エポシロンPKSは、epoA、epoB、epoC、epoD、epoE、およびepoF遺伝子の遺伝子産物からなる多タンパク質複合体である。エポシロンを産生する能力を宿主細胞に与えるために、この宿主細胞に、この宿主細胞において発現し得る本発明の組換えepoA、epoB、epoC、epoD、epoE、およびepoF遺伝子、ならびに必要に応じて他の遺伝子(例えば、epoK)を提供する。当業者は、エポシロンおよび他のPKS酵素は、本明細書中で単一の実体として言及され得るが、これらの酵素は代表的に、マルチサブユニットタンパク質であることを理解する。従って、PKSを構築する複数のタンパク質のうち1つ以上をコードする1つ以上の遺伝子を改変することによって、誘導体PKS(天然に存在するPKSとは欠失または変異だけ異なるPKS)またはハイブリッドPKS(2つの異なるPKS酵素の部分から構成されるPKS)を作製し得る。
【0109】
エポシロンのPKS後改変または変更は、複数の酵素により媒介される複数の工程を包含する。これらの酵素は、本明細書中で変更または改変酵素と称される。エポシロンPKS遺伝子のepoA、epoB、epoC、epoD、epoE、およびepoF遺伝子の、epoKを発現しない本発明の宿主細胞における発現は、主生成物としてのエポシロンCおよびDの産生を生じ、これらのエポシロンCおよびDは、エポシロンAおよびBのC−12−C−13エポキシドを欠くが、その代わりC−12−C−13二重結合を有する。従って、エポシロンCおよびDは、epoK遺伝子によってコードされるエポキシダーゼにより、エポシロンAおよびBに変換される。エポシロンAおよびBは、ヒドロキシラーゼ遺伝子によって、エポシロンEおよびFに変換され得、これは、エポシロンPKS遺伝子クラスターと関連した遺伝子によってコードされ得るか、またはSorangium cellulosumに対して内在性の別の遺伝子によってコードされ得る。あるいは、これらの化合物は、マロニルCoA以外のスターター単位(例えば、ヒドロキシマロニルCoA)を結合するローディングモジュールによって形成され得る。従って、本発明によって提供される1つ以上の組換え改変酵素遺伝子を有する宿主細胞を提供することによって、または改変酵素を自然に発現する(または発現しない)宿主細胞を使用することによって、および/あるいはマロニルCoA以外のスターター単位を提供することによって、この宿主細胞において、必要に応じて改変されたエポシロンまたはエポシロン誘導体を産生し得る。
【0110】
従って、本発明は、多種多様な組換えDNA化合物、ならびに天然に存在するエポシロンA、B、CおよびD、およびそれらの誘導体を発現するための宿主細胞を提供する。本発明はまた、エポシロンEおよびFと類似の様式で改変されたエポシロン誘導体を産生する組換え宿主細胞を提供する。さらに、本発明の任意のエポシロンまたはエポシロン誘導体は、PCT公開番号00/039276(本明細書中で参考として援用される)に記載される方法に従って、対応するエポシロンEまたはF誘導体に変換され得る。
【0111】
本発明はまた、多種多様な組換えDNA化合物、およびエポシロン誘導体を作製する宿主細胞を提供する。本明細書中で使用する場合、成句、エポシロン誘導体とは、少なくとも1つのドメインが挿入されたか、またはドメインが欠失もしくは変異によって不活性にされたか、その触媒機能を変更するように変異されたか、もしくは異なる機能を有するドメインによって置換されたかのいずれかの組換えエポシロンPKSによって産生される化合物をいう。任意の場合において、このように産生されたエポシロン誘導体PKSは、エポシロンA、B、C、D、EおよびFからなる群から選択される天然に存在するエポシロンの構造とは異なる化合物を産生するように機能する。本発明によって提供される組換えDNA化合物および宿主細胞のさらなる理解を容易にするために、エポシロンPKSのローディングモジュールおよびモジュールの各々、ならびにそれらの新規の組換え誘導体の詳細な考察を、以下に示す。
【0112】
エポシロンPKSのローディングモジュールは、「不活性な」KSドメイン(KSと称される)を含み、これは、「活性な」KSドメイン中に見出されるシステイン残基の変わりのチロシン(Y)残基の存在に起因して、活性なKSドメインによって媒介される縮合反応を行い得ない。このKSドメインは、KSドメインによって媒介される脱カルボキシル化反応を行う。このような「不活性な」KSドメインは、通常は、活性部位のシステインの代わりのグルタミン(Q)残基と共に、他のPKS酵素中で見出され、そしてKSドメインと呼ばれる。ラット脂肪酸シンターゼ中のKSドメインは、縮合を行い得ないことが示されたが、脱カルボキシル化における2オーダーの大きさの増加を示す。Witkowskiら、7 Sep.1999,Biochem.38(36):11643−11650(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。KSドメインは、脱カルボキシル化において、KSドメインよりも効率的であり得、その結果、エポシロンPKS中のKSドメインのKSでの置換により、いくつかの宿主細胞における、または特定の培養条件下のエポシロン生合成の効率が増加し得る。これは、以下の実施例6に記載されるように、単にコドンをチロシンコドンからグルタミンコドンに変えることによって達成され得る。これはまた、KSドメインを、別のPKS(例えば、オレアンドリド(oleandolide)PKSまたはナルボノリド(narbonolide)PKS)のKSドメインで置換することによって達成され得る(上記の表で引用される参考文献を、オレアンドロマイシン、ナルボマイシンおよびピクロマイシンPKS、ならびに改変酵素と共に参照のこと)。
【0113】
エポシロンローディングモジュールはまた、マロニルCoAに特異的なATドメイン(これは、KSによって脱カルボキシル化されて、アセチル基を生成すると考えられている)、およびACPドメインを含む。本発明は、組換えエポシロン誘導体ローディングモジュールまたはそれらのコードDNA配列を提供し、ここで、マロニル特異的ATドメインまたはそのコード配列は、別の特異性(例えば、メチルマロニルCoA、エチルマロニルCoA、および2−ヒドロキシマロニルCoA)に変更されている。エポシロンPKSの他のタンパク質と共に発現される場合、このようなローディングモジュールは、エポシロンのチアゾール間のメチル置換基が、それぞれ、エチル、プロピルおよびヒドロキシメチルで置換されたエポシロンの生成を生じる。本発明は、このようなローディングモジュールを含む組換えPKS酵素、およびこのような酵素を産生するための宿主細胞、ならびにこれによって産生されるポリケチドを提供する。ATドメインが、2−ヒドロキシマロニルCoAを特定化するように変更される場合、対応するエポシロンPKS誘導体は、エポシロンEおよびエポシロンF誘導体を産生する。2−ヒドロキシマロニルCoAに対して特異的なATドメインは、産生されるポリケチドの対応する位置にヒドロキシル基を有するポリケチドを生じ、このヒドロキシル基は、メチル化されて、ポリケチド改変酵素によってメトキシ基を生成する。例えば、上記の表のFK−520 PKSと共に引用される参考文献を参照のこと。従って、本明細書中の2−ヒドロキシマロニル特異的ATドメインを有するPKSとの言及は、ポリケチド中の対応する位置にヒドロキシル基またはメトキシ基のいずれかを有するPKSにより産生されるポリケチドをいう。
【0114】
エポシロンPKSのローディングモジュールはまた、ERドメインを含む。このERドメインは、エポシロンのチアゾール部分の二重結合のうちの1つの形成に関与し得る(その通常の反応とは逆に)が、これは非官能性であり得る。いずれの場合においても、本発明は、ER領域を有するかまたは有さないエポシロンPKSローディングモジュールをコードする組換えDNA化合物、ならびにエポシロンローディングモジュールのERドメインの代わりに別のPKS由来のERドメイン(活性または不活性のいずれかであり、付随的なKRドメインおよびDHドメインを有するかまたは有さない)を含むハイブリッドローディングモジュールを提供する。本発明はまた、このようなローディングモジュールを含む組換えPKS酵素、ならびにこのような酵素を産生するための宿主細胞、およびこれにより産生されるポリケチドを提供する。
【0115】
エポシロンPKSのローディングモジュールはまた、異種PKS由来のローディングモジュールと置換されて、エポシロン誘導体を作製するハイブリッドPKSを形成する。1つの実施形態において、エポシロンPKSのローディングモジュールは、以下の実施例に記載されるように、NRPSで置換される。
【0116】
エポシロンPKSのローディングモジュールは、PKSの第一の伸長モジュールに続き、これは、システインに特異的な伸長NRPSモジュールである。このNRPSモジュールは、別個のタンパク質(epoB遺伝子の産物)として天然に発現される。1つの実施形態において、NRPSモジュールコード配列の一部分は、異種コード配列とともに利用される。この実施形態において、本発明は、例えば、システインから別のアミノ酸にエポシロンPKSのNRPSモジュールの特異性を変化することを提供する。この変化は、コード配列を構築することによって達成され、ここで、このエポシロンPKS NRPSモジュールコード配列の全てまたは一部分が、異なる特異性のNRPSモジュールのコードする配列によって置換されている。
【0117】
1つの例示的な実施形態において、エポシロンNRPSモジュールの特異性が、システインからセリンまたはスレオニンに変化される。このような改変NRPSモジュールがエポシロンPKSの他のタンパク質と共に発現される場合、組換えPKSは、エポシロン誘導体を生成し、ここで、エポシロン(エポシロン誘導体)のチアゾール部分が、各々、オキサゾールまたは5−メチルオキサゾール部分に変換される。従って、例示的な実施形態において、本発明は、宿主細胞、ベクター、および組換えエポシロンPKS酵素を提供し、ここで、NRPSドメインは、エポシロンNRPSのアデニル化ドメインとentF遺伝子によってコードされるNRPSのアデニル化ドメインとの置換によって変更されている(セリンについて)。別の例示的な実施形態において、本発明は、宿主細胞、ベクター、および組換えエポシロンPKS酵素を提供し、ここで、NRPSドメインは、エポシロンNRPSのアデニル化ドメインとvibF遺伝子によってコードされるNRPSのアデニル化ドメインとの置換によって変更されている(スレオニンについて)。1つの実施形態において、これらのNRPS置換は、エポシロンPKSにおいてなされ、このエポシロンPKSはまた、オキサゾールおよびメチルオキサゾールエポシロン誘導体の16−デスメチル誘導体を生成するために、メチルマロニルCoAの代わりに、マロニルCoAに結合する伸長モジュール2を含む。
【0118】
あるいは、本発明は、NRPSモジュールを伴わないかまたは異種PKS由来のNRPSモジュールを伴う、epoA、epoC、epoD、epoE、およびepoF遺伝子(またはそれらの改変されたバージョン)の産物からなる組換えPKS酵素を提供する。この異種NRPSモジュールは、別個のタンパク質としてか、あるいはepoAまたはepoC遺伝子を有する融合タンパク質として発現され得る。PKSの1つのモジュールを別のモジュールと置換する場合に、適合性のモジュール間リンカー配列を維持するかまたはそうでなければ利用することを確実にすることが重要であり得る。PCT公開番号00/047724を参照のこと(参考として援用される)。
【0119】
別の実施形態において、本発明は、組換えエポシロンPKS酵素および対応する組換えDNA化合物ならびにベクターを提供し、ここで、NRPSモジュールは、不活性化されているかまたは欠失されている。従って、本発明によって提供される不活性なNRPSモジュールタンパク質およびコード配列は、PCPドメインが、完全にまたは部分的に欠失されているか、またはそうでなければ活性部位セリン(ホスホパンテテイニル化のための部位)を別のアミノ酸(例えば、アラニン)に置換することによって不活性化されているか、もしくは、アデニル化ドメインが、欠失されているかまたはそうでなければ不活性化されているものを含む。1つの実施形態において、ローディングモジュールおよびNRPSの両方が、欠失されているかまたは不活性化されている。任意の事象において、得られたエポシロンPKSは、次いで、エポシロンPKSまたはエポシロン誘導体のためにPKSの伸長モジュール2(または引き続くモジュール)のKSドメインに結合する基質が提供される場合にのみ、機能し得る。本発明によって提供される方法において、このように改変された細胞は、次いで、活性化アシルチオエステルを供給され、この活性化アシルチオエステルは、好ましくは、第二の、しかし潜在的に任意に引き続く、伸長モジュールによって結合され、そして新規なエポシロン誘導体に処理される。この宿主細胞は、活性化アシルチオエステルを供給されて、本発明の新規なエポシロン誘導体を生成する。PKSを発現する宿主細胞またはこれを含む抽出物を含まない細胞は、新規な前駆体分子のN−アシルシステアミンチオエステル(NACS)を供給されるかまたはこれを補充されて、エポシロン誘導体を調製し得る。PCT公開番号US99/03986および00/044717(この両方は、本明細書中で参考として援用される)、および以下の実施例9および実施例10を参照のこと。
【0120】
エポシロンPKSの第二の(最初の非NRPS)伸長モジュールは、KS、メチルマロニルCoAに特異的なAT、DH、KR、およびACPを含む。エポシロンPKSの第二の伸長モジュールは、epoC遺伝子によって個別のタンパク質として生成される。第二の伸長モジュールコード配列の全てまたは一部分のみが、ハイブリッドモジュールを作製するために、他のPKSコード配列と共に使用される。この実施形態において、本発明は、例えば、メチルマロニルCoA特異的ATをマロニルCoA、エチルマロニルCoA、または2−ヒドロキシマロニルCoA特異的ATと置換すること;DHまたはKRもしくは両方を欠失すること;DHまたはKRもしくは両方を、異なる立体化学に特異的なDHまたはKRもしくは両方と置換すること;ならびに/またはERを挿入することのいずれかを提供する。得られた第二の異種伸長モジュールコード配列は、エポシロン、エポシロン誘導体、または別のポリケチドを合成するPKSを構成する他のタンパク質とともに同時発現される。あるいは、エポシロンPKSの第二の伸長モジュールが欠失され得るか、またはこれが異種PKS由来のモジュールと置換され得、これは、別個のタンパク質として、またはepoBまたはepoD遺伝子産物のいずれかに融合され得る融合タンパク質として、発現され得る。
【0121】
本発明の例示的な組換えPKS遺伝子は、エポシロンPKSの第二の伸長モジュールについてのATドメインをコードする配列が、メチルマロニル特異的ATからマロニル特異的ATをコードするATドメインを変化させるために、変更または改変されているものを含む。このようなマロニル特異的ATドメインをコードする核酸が、例えば、限定されないが、ナルボノライド(narbonolide)PKS、ソラフェン(soraphen)PKS、ラパマイシンPKS(すなわち、伸長モジュール2および12)、ならびにFK520 PKS(すなわち、伸長モジュール3、7、および8)をコードするPKS遺伝子から単離され得る。このような第二のハイブリッド伸長モジュールが、エポシロンPKSを構成する他のタンパク質とともに同時発現される場合、生成された得られたエポシロン誘導体は、16−デスメチルエポシロンである。1つの実施形態において、このハイブリッドPKSはまた、伸長モジュール4にメチルマロニルCoA特定的ATドメインを含み、そして機能的epoK遺伝子を欠く宿主細胞において発現され(epressed)、その結果、生成される化合物は、16−デスメチルエポシロンDである。別の実施形態において、このハイブリッドPKSはまた、スレオニンに特異的な変更されたNRPSを含み、これは、5−メチルオキサゾール−16−デスメチルエポシロンの生成に導く。さらに、本発明は、組換えエポシロンPKS酵素および対応する組換えタンパク質をコードするDNA化合物およびベクターを提供し、ここで、KSドメインは、第二の(または引き続く)伸長モジュールのKSドメインが、以下の実施例9に記載されるように、不活性化されているかまたは欠失されている。好ましい実施形態において、この不活性化は、活性部位のシステインについてのコドンをアラニンコドンに変化することによって達成される。NRPSモジュールについて上記に記載される対応する改変体と同様に、得られた組換えエポシロンPKS酵素は、残りのドメインおよび組換えPKS酵素のモジュールによって結合および伸長され得る前駆体を供給しない限り、エポシロンまたはエポシロン誘導体を生成し得ない。例示的な前駆体化合物は、以下の実施例10に記載される。あるいは、epoD、epoE、およびepoF遺伝子のみを発現する宿主細胞にこのような前駆体が単に提供され得る。
【0122】
エポシロンPKSのこの第三の伸長モジュールは、KS、マロニルCoAの特異的なAT、KR、およびACPを含む。エポシロンPKSのこの第三の伸長モジュールは、タンパク質(epoD遺伝子の産物)として発現され、これはまた、モジュール4、5および6を含む。伸長モジュール3〜6のいずれかの改変に起因して、エポシロン誘導体を生成する組換えエポシロンPKSを作製するために、代表的に、全ての4つの伸長モジュールを含むタンパク質が発現される。1つの実施形態において、第三の伸長モジュールコード配列の全てまたは一部分が、ハイブリッドモジュールを作製するために、他のPKSコード配列と共に使用される。この実施形態において、本発明は、例えば、マロニルCoA特異的ATを、メチルマロニルCoA、エチルマロニルCoA、または2−ヒドロキシマロニルCoA特異的ATと置換すること;KRを欠失すること;KRを、異なる立体化学に特異的なKRと置換すること;ならびに/あるいはDH、またはDHおよびERを挿入することのいずれかを提供する。得られた第三の異種伸長モジュールコード配列は、エポシロン、エポシロン誘導体、または別のポリケチドを合成するPKSについてのコード配列とともに利用され得る。
【0123】
本発明の例示的な組換えPKS遺伝子は、エポシロンPKSの第三の伸長モジュールについての配列をコードするATドメインが、マロニル特異的ATからメチルマロニル特異的ATをコードするATドメインを変化させるために、変更または改変されているものを含む。このようなメチルマロニル特異的ATドメインをコードする核酸が、例えば、限定されないが、DEBSをコードするPKS遺伝子、ナルボノライド(narbonolide)PKS、ラパマイシンPKS、ならびにFK−520 PKSから単離され得る。残りのモジュールおよびエポシロンPKSのタンパク質またはエポシロンPKS誘導体とともに同時発現される場合、組換えPKSは、本発明の14−メチルエポシロン誘導体を生成する。
【0124】
当業者は、PKSの第三の伸長モジュールのKRドメインが、エポシロンの環化に関連するヒドロキシル基を形成する原因であることを認識する。結果的に、第三の伸長モジュールのKRドメインを、破壊すること、あるいはDHまたはDHおよびERドメインを付加することが、環化を妨害し、このことは、直鎖状分子、あるいはエポシロンA、B、C、D、E、およびFとは異なる位置で環化される分子に導く。
【0125】
エポシロンPKSの第四の伸長モジュールは、KS、マロニルCoAまたはメチルマロニルCoAのいずれかに結合し得るAT、KR、およびACPを含む。1つの実施形態において、第四の伸長モジュールコード配列の全てまたは一部分のみが、ハイブリッドモジュールを作製するために、他のPKSコード配列と共に使用される。この実施形態において、本発明は、例えば、マロニルCoAおよびメチルマロニル特異的ATを、マロニルCoA、メチルマロニルCoA、エチルマロニルCoA、または2−ヒドロキシマロニルCoA特異的ATと置換すること;KRを欠失すること;ならびに/あるいは、KRを置換すること(必要に応じて、異なる立体化学に特定することを含む);ならびに/またはDHもしくはDHおよびERを挿入することのいずれかを提供する。得られた第四の異種伸長モジュールコード配列は、エポシロン、エポシロン誘導体、または別のポリケチドを合成する組換えPKSのタンパク質サブユニットに組み込まれる。あるいは、本発明は、エポシロンおよびエポシロン誘導体のための組換えPKS酵素を提供し、ここで、第四の伸長モジュール全体が、欠失され得るか、またはこれが異種PKS由来のモジュールと置換され得る。
【0126】
好ましい実施形態において、本発明は、メチルマロニルCoAに結合するがマロニルCoAに結合しない(またはマロニルCoAに結合するかメチルマロニルCoAに結合しない)ATをコードするように改変されたエポシロンPKSの第四の伸長モジュールについてのコード配列を含む組み換えDNA化合物を提供する。1つの実施形態において、特異性のこの変化は、伸長モジュール4ATドメインについてのコード配列の変異によって達成される。このような変異は、変異誘発剤(例えば、UV光)を使用してか、または特異的変異誘発によって、ランダムに達成され得る。別の実施形態において、特異性のこの変化は、伸長モジュール4ATドメインコード配列の全てまたは一部分を、異種ATドメインについてのコード配列と置換することによって、達成される。従って、本発明は、組換えDNA化合物および発現ベクター、ならびに対応する組換えPKSを提供し、ここで、第四のハイブリッド伸長モジュール(メチルマロニル特異的ATを有する)が組み込まれている。このメチルマロニル特異的ATコード配列は、例えば、限定されないが、オレアンドライドPKS、DEBS、ナルボノライドPKS、ラパマイシンPKS、またはメチルマロニル特異的ATドメインを含む任意の他のPKSについてのコード配列から開始し得る。
【0127】
本発明に従って、このコード配列から発現された第四のハイブリッド伸長モジュールは、エポシロンPKS(または、エポシロン誘導体についてのPKS)に、代表的には、エポシロンPKSの誘導体epoD遺伝子産物(これは、改変された第四の伸長モジュール、および伸長モジュール3、5、および6を有する)として、組み込まれ得、これらのモジュールの1つ以上は、必要に応じてエポシロンPKSの誘導体の形態であり得る。従って、本発明によって提供される組換えメチルマロニル特異的エポシロン第四伸長モジュールコード配列は、宿主細胞中に所望のエポシロン化合物を生成するための代替の方法を提供する。特に、このような化合物は、エポシロンD、B、およびFであり、エポシロンBまたはその誘導体の生成は、機能的epoK遺伝子が存在する否かに依存する。
【0128】
本発明はまた、マロニルCoAに結合するがメチルマロニルCoAには結合しないATをコードするように改変されたエポシロンPKSの第四の伸長モジュールについてのコード配列を含む組換えDNA化合物を提供する。本発明は、組換えDNA化合物およびベクター、ならびに対応する組換えPKSを提供し、ここで、この第四のハイブリッド伸長モジュールは、誘導体epoD遺伝子産物に組み込まれ得る。エポシロンPKS(またはエポシロン誘導体についてのPKS)に組込まれる場合、得られた組換えエポシロンPKSは、エポシロンC、A、およびEを生成し、エポシロンAの生成は、機能的epoK遺伝子が存在するか否かに依存する。
【0129】
別の実施形態において、本発明は、12−デスメチル−12−エチル−エポシロンDを生成するための組換え宿主細胞を提供する。この実施形態において、本発明は、宿主細胞を提供し、この宿主細胞は、組換えエポシロンPKS誘導体を発現し、ここで、伸長モジュール4のATドメインは、例えば、FK 520またはニッダマイシン(niddamycin)PKS酵素由来の、エチルマロニルCoA特異的伸長モジュールによって置換されている。1つの実施形態において、宿主細胞は、組換え宿主細胞であり、この組換え宿主細胞は、異種宿主細胞由来の遺伝子(ccr遺伝子)によってコードされるか、またはメチルマロニルCoAの生成を増強するための異種プロモーターの制御下で、クロトニルCoAレダクターゼを発現する。1つの実施形態において、宿主細胞は、Myxococcus宿主細胞であり、このMyxococcus宿主細胞は、Streptomyces宿主細胞から単離されたccr遺伝子を発現する。別の実施形態において、宿主細胞は、ブチレートを輸送し、そしてこれをブチリルCoA(これは、エチルマロニルCoAに変換される)に変換する、E.coli atoA、D、およびE遺伝子を発現または過剰発現するように、改変されている。
【0130】
内因性ATコード配列と、メチルマロニルCoAに特異的なATについてのコード配列との置換に加えて、KRドメインコード配列はまた、別のKR、DHおよびKR(例えば限定されないが、ラパマイシンPKSのモジュール10あるいはFK−520 PKSのモジュール1または5由来)、またはDH、KR、およびERについてのコード配列と置換され得る。KRが、別のKR、もしくはKRおよびDHと置換され得、そして伸長モジュール5(またはPKSの他の箇所)に変化がない場合、組換えエポシロンPKSは、エポシロンCおよびDを生成する。なぜなら伸長モジュール5のDHドメインは、エポシロンCおよびDのC−12−C−13二重結合の形成を媒介するからである。KRが、KR、DH、およびERと置換され得、そして伸長モジュール5(またはPKSの他の箇所)において、変化がない場合、組換えエポシロンPKSは、12,13−デヒドロ−エポシロンCおよびDを生成する。KRが、不活性KRと置換され得るかまたはそうでなければKRを不活性化する場合、組換えエポシロンPKSは、13−オキソ−11,12−デヒドロ−エポシロンCおよびDを生成する。
【0131】
従って、本発明は、組換えエポシロンPKSを提供し、伸長モジュール4のKRドメインが、変異、欠失、または別のPKSからの非機能的KRドメインによって不活性にされる。この組換えPKSは、主に13−オキソ−11,12−デヒドロエポシロンBを生成し;この生物体によって生成される化合物において観測されるC−11−C−12二重結合は、伸長モジュール5のERドメインによる還元の前に、伸長モジュール5のDHドメインによる新生ポリケチド鎖において形成される二重結合の移動に起因して、生じると考えられる。本発明はまた、宿主細胞を提供し、この宿主細胞は、この新規なポリケチドを生成する。例えば、Myxococcus xanthus株K122−56(この株は、ブタベスト条約に従って、American Type Culture Collection、10801 University Blvd. Manassas、VA 20110−2209 USAに2000年11月21日に寄託され、そして登録番号PTA 2714で入手可能である)は、エポシロンPKS遺伝子を含み、ここで、モジュール4のKRドメインは、欠失によって、不活性にされており、そして13−オキソエポシロンAおよびBならびにそのデヒドロ誘導体(主に、13−オキソ−11,12−デヒドロエポシロンB)を生成する。本発明はまた、この株によって生成される新規なエポシロン誘導体を提供する。
【0132】
エポシロンPKSの第五の伸長モジュールは、KS、マロニルCoAに結合するAT、DH、ER、KR、およびACPドメインを含む。1つの実施形態において、エポシロンPKSの第五の伸長モジュールをコードする配列を含むDNA化合物は、エポシロン誘導体を生成するエポシロンPKSまたは組換えエポシロンPKSについてのコード配列を含むDNA化合物に挿入され得る。別の実施形態において、第五の伸長モジュールコード配列の一部は、他のPKSコード配列とともに利用されて、ハイブリッドモジュールコード配列およびそれによってコードされるハイブリッドモジュールを作製する。この実施形態において、本発明は、例えば、マロニルCoA特異的ATを、メチルマロニルCoA、エチルマロニルCoA、または2−ヒドロキシマロニルCoA特異的ATと置換すること;ER、DH、およびKRのうちのいずれか1つ、2つ、または3つ全てを欠失すること;ならびに/またはER、DH、およびKRのうちのいずれか1つ、2つ、または3つ全てを、KR、DHおよびKR、またはKR、DH、およびERのいずれかと置換すること(必要に応じて、異なる立体化学を特定することを含む)を提供する。この得られた第五のハイブリッド伸長モジュールコード配列は、エポシロン、エポシロン誘導体、または別のポリケチドを合成するPKSについてのコード配列とともに利用され得る。あるいは、エポシロンPKSの第五の伸長モジュールは、異種PKSのモジュールによってその全体が欠失または置換されて、エポシロンPKSまたはその誘導体の他のタンパク質と組み合せて、エポシロン誘導体を生成するPKSを構成するタンパク質を生成する。
【0133】
本発明の例示的な組換えPKS遺伝子は、組換えepoD遺伝子誘導体を含み、ここで、エポシロンPKSの第五の伸長モジュールについてのコード配列をコードするATドメインが、マロニル特異的ATからメチルマロニル特異的ATをコードするATドメインを変化させるように変更または置換され得る。このようなメチルマロニル特異的ATドメインをコードする核酸は、例えば限定されないが、DEBSをコードするPKS遺伝子、ナルボノライドPKS、ラパマイシンPKS、およびFK−520 PKSから単離され得る。このような組換えepoD遺伝子誘導体は、epoA、epoB、epoC、epoE、epoF、および/またはepoK遺伝子(あるいは、その誘導体)と同時発現され、それらから構成されるPKSは、10−メチルエポシロンまたはその誘導体を生成する。本発明によって提供される別の組換えepoD遺伝子誘導体は、この改変モジュール5コード配列だけでなく、モジュール4コード配列(これは、メチルマロニルCoAのみに結合するATドメインをコードする)を含む。epoA、epoB、epoC、epoE、epoF、および/またはepoK遺伝子と共にPKSが組み込まれる場合、組換えepoD遺伝子誘導体産物は、10−メチルエポシロンBおよび/またはD誘導体の生成を導く。
【0134】
本発明の他の例示的な組換えepoD遺伝子誘導体は、エポシロンPKS第五の伸長モジュールについての配列をコードするER、DH、およびKRドメインの1つ以上が、以下を提供するように置換されたかまたは変異されたかのいずれかであるものを含む:(i)非機能的なER、DH、またはKRドメイン;(ii)機能的KRドメインのみ;(iii)機能的KRおよびDHドメイン;または(iv)別のPKS由来の機能的ER、DH、またはKRドメイン。伸長モジュール5のDHドメインが、エポシロンCおよびDにおけるC−12−C−13二重結合の形成の原因であるという発見は、エポシロンPKS遺伝子を含む任意の生物体(Sorangium cellulosumおよび組換え宿主細胞を含む)において、エポシロンおよびエポシロン誘導体を作製するための、本発明の新規な方法を提供する。さらに、現在、伸長モジュール6のDHドメインもまた、先のモジュールに結合した新生ポリケチド(これは、新規なエポシロン誘導体を作製するために、本発明の方法に従って開発され得る)のβ−カルボニル上で作用し得ることが発見されている。
【0135】
従って、3つの伸長モジュール5のKR、DH、およびERドメイン全てが欠失されるか、そうでなければ不活化される場合、組換えエポシロンPKSは、エポシロンAおよびBの13−ヒドロキシ−11−オキソアナログを生成する。DHおよびERドメインが欠失されるか、さもなくば不活化される場合、組換えエポシロンPKSは、13−ヒドロキシ−10,11−デヒドロ−エポシロン、主に、13−ヒドロキシ−10,11−デヒドロ−エポシロンDを生成する。本発明はまた、この新規なポリケチドを生成する宿主細胞を提供する、例えば、Myxococcus xanthus株K122−148(この株は、ブタペスト条約の条項に従って、アメリカンタイプカルチャーコレクション,10801 University Blvd.Manassas,VA 20110−2209 USAに、2000年11月21日に寄託され、登録番号PTA−2711の下で利用可能である)は、エポシロンPKS遺伝子を含み、ここで伸長モジュールの5のDH、KRおよびERドメインは、KRドメインのみと置き換えられ、13−ヒドロキシ−10,11−デヒドロ−エポシロンDを生成する。本発明はまた、この株により生成される新規なエポシロン誘導体を提供する。ERドメインのみが欠失されるか、そうでなければ不活化される場合、組換えエポシロンPKSは、エポシロンCおよびエポシロンDの10,11−デヒドロアナログ、主に、10,11−デヒドロエポシロンを生成する。従って、1つの局面において、本発明は、組換えエポシロンPKSを提供し、ここで伸長モジュール5のERドメインは、欠失されるか、または変異により不活化され、そして10,11−デヒドロエポシロンDを生成する。別の実施形態において、本発明は、エポシロンPKSの伸長モジュール5のERドメインについてのコード配列における変異に起因して、10,11−デヒドロ−エポシロンDを生成するSorangium cellulosum宿主細胞を提供する。
【0136】
本発明のこれらの組換えepoD遺伝子誘導体は、epoA、epoB、epoC、epoE、およびepoF遺伝子とともに、または他の改変を含む(およびそれ自体がさらなる改変を含み得る)組換えepo遺伝子とともに発現されて、対応するエポシロン誘導体を作製するPKSを生成する。例えば、本発明により提供される1つの組換えepoD遺伝子誘導体はまた、メチルマロニルCoAのみを結合するATドメインをコードするモジュール4のコード配列を含む。上記のように、エポシロンC−11誘導体を生成するための機能的に類似のepoD遺伝子はまた、エポシロンの5つめの伸長モジュールのER、DH、およびKRドメインのうちの1つ、2つまたは3つ全ての不活化により作製され得る。任意のモジュールにおいてこのようなドメインを改変するための別の様式は、同じまたは異種のPKSコード配列の別のモジュールから得た所望のドメインの完全なセットと置換することによる。この様式において、PKSの天然の構成が保存される。また、存在する場合、ネイティブのPKSにおいてともに機能するKRおよびDHまたはKR、DHおよびERドメインは、好ましくは、組換えPKSにおいて用いられる。上記の置換についての例示的置換ドメインとしては、例えば、ラパマイシンPKS伸長モジュール3に由来する不活性KRドメイン、ラパマイシンPKS伸長モジュール5に由来するKRドメイン、ならびにラパマイシンPKS伸長モジュール4に由来するKRドメインおよびDHドメインが挙げられるが、これらに限定されない。他のこのような不活性KR、活性KR、および活性KRおよびDHドメインをコードする核酸は、例えば、DEBS、ナルボノリドPKS、およびFK−520PKSをコードするPKS遺伝子から単離され得るが、限定されない。得られたPKS酵素の各々は、本発明の半合成エポシロン誘導体を得るために、標準的な化学的方法論によりインビトロでさらに誘導体化され得るポリケチド化合物を生成する。
【0137】
エポシロンPKSの第6の伸長モジュールとしては、KS、メチルマロニルCoAに結合するAT、DH、ER、KRおよびACPが挙げられる。1つの実施形態において、第6の伸長モジュールコード配列の一部分は、他のPKSコード配列とともに利用されて、ハイブリッド分子を作成する。この実施形態において、本発明は、例えば、メチルマロニルCoA特異的ATをマロニルCoA、エチルマロニルCoA、または2−ヒドロキシマロニルCoA特異的ATと置換するか;ER、DH、およびKRのうちのいずれか1つ、2つまたは3つ全てを欠失させるか;ならびに/あるいはER、DHおよびKRのうちのいずれか1つ、2つまたは3つ全てを、KR、DHおよびKR、またはKR、DHおよびERのいずれかと置換して、必要に応じて、異なる立体化学を特定することを提供する。得られた異種の第6の伸長モジュールコード配列は、エポシロン、エポシロン誘導体、または別のポリケチドを作製するPKSのタンパク質サブユニットのコード配列とともに利用され得る。あるいは、エポシロンPKSの第6の伸長モジュールは、異種PKSからのモジュールによりその全体が欠失または置換されて、エポシロン誘導体についてのPKSを生成し得る。
【0138】
本発明の例示的組換えPKS遺伝子としては、エポシロンPKSの第6の伸長モジュールのATドメインコード配列が、コードされるATドメインを変更または置換させ、それにより、メチルマロニル特異的ATからマロニル特異的ATへ変化させた遺伝子が挙げられる。このようなマロニル特異的ATドメインコード核酸は、例えば、ナルボノリドPKS、ラパマイシンPKS、およびFK−520PKSをコードするPKS遺伝子から単離され得るが、限定されない。このようなハイブリッドモジュール6をコードする本発明の組換えepoD遺伝子が他のエポシロンPKS遺伝子とともに同時発現された場合、組換えPKSは、8−デスメチルエポシロン誘導体を作製する。この組換えepoD遺伝子誘導体はまた、他の改変を含む組換えepo遺伝子誘導体とともに同時発現され得るか、またはそれ自体、対応する8−デスメチルエポシロン誘導体を作製するPKSを生成するようにさらに改変され得る。例えば、本発明により提供される1つの組換えepoD遺伝子はまた、メチルマロニルCoAのみを結合するATドメインをコードするモジュール4コード配列を含む。PKSにepoA,epoB、epoC、epoEおよびepoF遺伝子とともに組み込まれる場合、組換えepoD遺伝子産物は、エポシロンB(機能的epoK遺伝子が存在するならば)およびエポシロンDの8−デスメチル誘導体の生成を導く。
【0139】
本発明の他の例示的な組換えepoD遺伝子誘導体としては、エポシロンPKSの6つの伸長モジュールについてのER、DH、およびKRドメインコード配列が、(i)KRおよびDHドメイン;(ii)KRドメイン;ならびに(iii)不活性のKRドメインをコードする配列で置換されたものが挙げられる。本発明のこれらの組換えepoD遺伝子は、他のエポシロンPKS遺伝子と同時発現される場合、対応する(i)C−9アルケン、(ii)C−9ヒドロキシ(両方のエピマー、このうちの1つのみが、さらなるKSおよび/またはACP置換が次のモジュールでなされない限り、下流モジュールによってプロセスされ得る)、ならびに(iii)C−9ケト(C−9−オキソ)エポシロン誘導体を作製する。機能的に等価な6つの伸長モジュールはまた、エポシロンの6つの伸長モジュールのER、DH、およびKRドメインのうち、1つ、2つまたは3つ全ての相互作用によって作製され得る。例えば、本発明は、Myxococcus xanthus株K39−164(この株は、ブタペスト条約の条項に従って、アメリカンタイプカルチャーコレクション,10801 University Blvd.Manassas,VA 20110−2209 USAに、2000年11月21日に寄託され、登録番号PTA−2711の下で利用可能である)を提供し、これは、エポシロンPKS遺伝子を含み、ここで伸長モジュールの6のKRドメインは、変異によって不活性にされ、そしてこれは、9−ケトエポシロンDを生成する。本発明はまた、この株により生成される新規なエポシロン誘導体を提供する。
【0140】
従って、この組換えepoD遺伝子誘導体はまた、他の変化を有する他の組換えepo遺伝子誘導体と共に同時発現され得るか、またはそれ自体が、対応するC−9エポシロン誘導体を作製するPKSを生成するようにさらに変更され得る。例えば、本発明によって提供される1つの組換えepoD遺伝子誘導体はまた、メチルマロニルCoAにのみ結合するATドメインをコードするモジュール4コード配列を含む。epoA、epoB、epoC、epoE、およびepoF遺伝子と共にPKSに組み込まれる場合、組換えepoD遺伝子産物は、機能的epoKが存在するか否かに依存して、エポシロンBおよびエポシロンDのC−9誘導体の産生をもたらす。
【0141】
上記の置換のための例示的な置換ドメインとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ケトンを形成する、ラパマイシンPKSモジュール3から不活性のKRドメイン、アルコールを形成する、ラパマイシンPKSモジュール5からKRドメイン、ならびにアルケンを形成する、ラパマイシンPKSモジュール4からKRドメインおよびDHドメイン。他のこのような不活性KR、活性KRドメイン、ならびに活性KRおよびDHドメインコード核酸は、例えば(限定ではなく)、DEBS、ナルボノリド(narbonolide)PKS、およびFK−520 PKSをコードするPKS遺伝子から単離され得る。得られたPKSの各々は、C−9位置に官能基を含むポリケチド化合物を生成し、これは、標準的な化学的方法によってインビトロでさらに誘導されて、本発明の半合成エポシロン誘導体を生じ得る。
【0142】
エポシロンPKSの第7の伸長モジュールは、KS、メチルマロニルCoAに特異的なAT、KR、およびACPを含む。エポシロンPKSのこの第7の伸長モジュールは、epoE遺伝子の遺伝子産物中に含まれ、これはまた、第8の伸長モジュールを含む。1つの実施形態において、エポシロンPKSの第7の伸長モジュールをコードする配列を含むDNA化合物は発現されてタンパク質を形成し、このタンパク質は、他のタンパク質と一緒に、エポシロンPKSまたはエポシロン誘導体を生成するPKSを構成する。これらおよび関連する実施形態において、エポシロンPKSまたはその誘導体の第7および第8の伸長モジュールは、代表的に、単一のタンパク質として発現され、そしてepoA、epoB、epoC、epoD、およびepoF遺伝子またはその誘導体と同時発現されて、PKSを構成する。別の実施形態において、第7の伸長モジュールコード配列の一部または全ては、他のPKSコード配列と関連して利用されて、ハイブリッドモジュールを生成する。この実施形態において、本発明は、例えば、メチルマロニルCoA特異的ATを、マロニルCoA、エチルマロニルCoA、または2−ヒドロキシマロニルCoA特異的ATで置換すること;KRを欠失すること;KRを、異なる立体化学を特定するKRで置換すること;および/あるいはDHまたはDHおよびERを挿入することのいずれかを提供する。得られた異種の第7伸長モジュールコード配列は、必要に応じて他のコード配列と関連して利用されて、タンパク質を発現し、これは、他のタンパク質と共に、エポシロン、エポシロン誘導体、または別のポリケチドを合成するPKSを構築する。あるいは、epoE遺伝子における第7伸長モジュールについてのコード配列は、欠失され得るか、または異種モジュールについてのコード配列で置換され得、組換えepoE遺伝子誘導体を調製し、これは、epoA、epoB、epoC、epoD、およびepoF遺伝子と一緒に発現されて、エポシロン誘導体についてのPKSを作製し得る。
【0143】
本発明の例示的な組換えepoE遺伝子誘導体としては、エポシロンPKSの第7伸長モジュールについてのATドメインコード配列が、コードされるATドメインが変化するように変更または置換され、これによってメチルマロニル特異的ATがマロニル特異的ATへと変化した誘導体が挙げられる。このようなマロニル特異的ATドメインコード核酸は、例えば(そして限定ではなく)、ナルボノリドPKS、ラパマイシンPKS、およびFK−520 PKSをコードするPKS遺伝子から単離され得る。他のエポシロンPKS遺伝子、epoA、epoB、epoC、epoD、およびepoF、またはそれらの誘導体と共に同時発現される場合、C−6メチルの代わりにC−6水素を有する、エポシロン誘導体についてのPKSが生成される。従って、この遺伝子が他の変更を含まない場合、生成される化合物は、6−デスメチルエポシロンである。
【0144】
エポシロンPKSの第8の伸長モジュールとしては、KS、メチルマロニルCoAに特異的なAT、不活性KRおよびDHドメイン、メチルトランスフェラーゼ(MT)ドメイン、ならびにACPが挙げられる。1つの実施形態において、エポシロンPKSの第8の伸長モジュールをコードする配列を含むDNA化合物は、他のタンパク質と同時発現され、エポシロンPKSまたはエポシロン誘導体を生成するPKSを構成する。別の実施形態において、第8伸長モジュールコード配列の一部または全ては、他のPKSコード配列と関連して利用されて、ハイブリッドモジュールを生成する。この実施形態において、本発明は、例えば、メチルマロニルCoA特異的ATを、マロニルCoA、エチルマロニルCoA、または2−ヒドロキシマロニルCoA特異的ATで置換すること;不活性KRおよび/または不活性DHを欠失すること;不活性KRおよび/またはDHを、活性なKRおよび/またはDHで置換すること;ならびに/あるいはERを挿入することのいずれかを提供する。得られる異種の第8伸長モジュールコード配列は、1つのタンパク質として発現され、これは他のタンパク質と関連して利用されて、エポシロン、エポシロン誘導体、または別のポリケチドを合成するPKSを構成する。あるいは、epoE遺伝子における第8伸長モジュールについてのコード配列は、欠失され得るか、または異種モジュールについてのコード配列で置換され得、組換えepoE遺伝子を調製し、これは、epoA、epoB、epoC、epoD、およびepoF遺伝子と一緒に発現されて、エポシロン誘導体についてのPKSを作製し得る。
【0145】
エポシロンPKSの第8伸長モジュールはまた、エポシロン前駆体をメチル化する活性を有する、メチル化またはメチルトランスフェラーゼ(MT)ドメインを含む。この機能は、本発明の組換えepoD遺伝子誘導体を生成するように欠失され得、この誘導体は、第8伸長モジュールのATドメインが、エポシロン分子の対応するC−4位置でマロニル特異的ATドメインに変化されているか否かに依存して、1つまたは両方のメチル基を欠失したエポシロン誘導体を作製する、他のエポシロンPKS遺伝子またはその誘導体と共に同時発現され得る。
【0146】
エポシロンPKSの第9の伸長モジュールは、KS、マロニルCoAに特異的なAT、KR、不活性DH、およびACPを含む。エポシロンPKSのこの第9の伸長モジュールは、1つのタンパク質(このepoF遺伝子の産物)として発現され、これはまた、エポシロンPKSのTEドメインを含む。1つの実施形態において、エポシロンPKSの第9の伸長モジュールをコードする配列を含むDNA化合物は、1つのタンパク質として発現され、他のタンパク質と一緒に、エポシロンPKSまたはエポシロン誘導体を生成するPKSを構築する。これらの実施形態において、第9の伸長モジュールは、代表的に、1つのタンパク質として発現され、これはまた、エポシロンPKSまたは異種PKSのいずれかのTEドメインを含む。別の実施形態において、第9伸長モジュールコード配列の一部または全ては、他のPKSコード配列と関連して利用されて、ハイブリッドモジュールを生成する。この実施形態において、本発明は、例えば、マロニルCoA特異的ATを、メチルマロニルCoA、エチルマロニルCoA、または2−ヒドロキシマロニルCoA特異的ATで置換すること;KRを欠失すること;KRを、異なる立体化学を特定するKRで置換すること;ならびに/あるいはDHまたはDHおよびERを挿入することのいずれかを提供する。例えば、伸長モジュール9のATドメインの、メチルマロニルCoAに特異的なATドメインでの置換は、本発明の組換えMyxococcus宿主細胞中で2−メチル−エポシロンA、B、C、およびDを生成する組換えエポシロンPKSを生じる。得られる異種の第9伸長モジュールコード配列は、他のタンパク質と共に同時発現されて、エポシロン、エポシロン誘導体、または別のポリケチドを合成するPKSを構成する。あるいは、本発明は、エポシロンまたはエポシロン誘導体についてのPKSを提供し、ここで、この第9伸長モジュールは、異種PKS由来のモジュールで置換されるか、またはその全体が欠失されている。後者の実施形態において、TEドメインは、別個のタンパク質として発現されるか、または第8の伸長モジュールと融合される。
【0147】
別の実施形態において、本発明は、異種のPKS遺伝子クラスター(同じ型の、未改変の天然に存在する宿主細胞には存在しないPKS遺伝子クラスター)、ならびにチオエステラーゼII型タンパク質(「TE II」)をコードする遺伝子を含む、本発明の宿主細胞を提供する。好ましい実施形態において、このTE II遺伝子は、このPKS遺伝子クラスターに対して異種である−−このTE II遺伝子は、PKSと同じ遺伝子クラスター由来ではない。1つの例として、本発明の組換え宿主細胞は、1つの実施形態において、エポシロンPKSまたはエポシロンPKS誘導体の発現をコードする遺伝子を含む。本発明のこの局面に従って、この宿主細胞は、エポシロンPKS遺伝子クラスター以外のPKS遺伝子クラスターから単離されたTE II遺伝子を含むように改変される。例示的な実施形態としては、例えば、Streptomyces venezuelaeのピクロマイシン(picromycin)PKS遺伝子クラスター由来のTE II遺伝子、およびSorangium cellulosumのtmbA PKS遺伝子クラスター由来のTE II遺伝子が挙げられる(これらのPKS遺伝子クラスターは、米国特許第6,090,601号;米国特許出願番号144,085(1998年8月31日出願);および米国特許仮出願番号60/271,245(2001年2月15日出願)(これらの各々は、本明細書中に参考として援用される)において記載される)。
【0148】
本発明の組換えエポシロン誘導体PKS遺伝子の例示的な例(これらは、ハイブリッドモジュール(エポシロンPKSと同じ特異性を有する他のモジュール)の変化した特異性を列挙することによって同定される)としては、以下が挙げられる:
(a)メチルマロニル得的AT(mmAT)およびKRを有するモジュール4ならびにマロニル特異的AT(mAT)およびKRを有するモジュール2;
(b)mmATを有するモジュール4およびmmATを有するモジュール3;
(c)mmATを有するモジュール4およびmmATを有するモジュール5;
(d)mmATを有するモジュール4ならびにmmATおよびDHおよびKRのみを有するモジュール5;
(e)mmATを有するモジュール4ならびにmmATおよびKRのみを有するモジュール5;
(f)mmATを有するモジュール4ならびにmmATおよび不活性KRのみを有するモジュール5;
(g)mmATを有するモジュール4およびmATを有するモジュール6;
(h)mmATを有するモジュール4ならびにmATおよびDHおよびKRのみを有するモジュール6;
(i)mmATを有するモジュール4ならびにmATおよびKRのみを有するモジュール6;
(j)mmATを有するモジュール4ならびにmATおよび不活性KRのみを有するモジュール6;
(k)mmATを有するモジュール4およびmATを有するモジュール7;
(l)ハイブリッド(d)〜(f)、mATを有するモジュール5を除く;
(m)ハイブリッド(h)〜(j)、mmATを有するモジュール6を除く;ならびに
(n)ハイブリッド(a)〜(m)、mATを有するモジュール4を除く。
上記の列挙は、例示のみであり、そして本発明を限定するように解釈されるべきではなく、これらは、示されるハイブリッドモジュール以外の2つのハイブリッドモジュールを有する他の組換えエポシロンPKS遺伝子および酵素だけでなく、3つ以上のハイブリッドモジュールを有する組換えエポシロンPKS遺伝子および酵素を含む。
【0149】
本発明の宿主細胞は、本発明の化合物を生成するための他の目的について当該分野で公知の条件下で、増殖および発酵され得る。本発明はまた、本発明の宿主細胞を発酵するための新規な方法を提供する。本発明の化合物は、これらの培養された細胞の発酵ブロスから単離され得、そして以下の実施例3に記載されるような方法によって精製され得る。
【0150】
本発明は、ポリケチドおよび他の生成物の生成のための、Myxococcus株の発酵に関連する多くの方法を提供する。本発明より前では、Myxococcusの発酵は、TAおよびサフラマイシン(saframycin)以外の任意のポリケチドについての生成の目的では行われておらず、このTAおよびサフラマイシンは、特定のMyxococcus株によって天然で産生される。従って、1つの局面において、本発明は、有用な生理活性化合物(ポリケチド、非リボソームペプチド、エポシロン、リパーゼ、プロテアーゼ、他のタンパク質、脂質、糖脂質、ラムノ脂質(rhamnolipid)、およびポリヒドロキシアルカノエートが挙げられるがこれらに限定されない)の発酵による産生のための産生宿主としての、Myxococcusの使用を可能にする。
【0151】
本発明によって提供される方法の1つは、細胞バンクを調製および貯蔵する方法、ならびにMyxococcus株を発酵培地に適応する方法である。これらの方法は重要である。なぜなら、本発明より前では、油ベースの発酵培地中での産生のために適応したMyxococcus株の凍結細胞バンクは作製されておらず、そして適応の非存在下では、Myxococcus株は、特に油ベースの発酵培地において、頻繁に死滅するためである。
【0152】
本発明はまた、Myxococcusを増殖するための発酵方法、およびこの方法において有用な発酵培地を提供する。驚くべきことに、Myxococcus xanthusおよび他のMyxococcus株は、炭水化物、グリセロール、アルコール、またはTCAサイクル中間体を、炭素源として利用し得ない。本発明の前では、M.xanthusの発酵は、タンパク質ベースの培地中で行われた。しかし、NHが、タンパク質ベースの培地中で増殖に有毒なレベルまで増加し、そして発酵を制限する。本発明に従うと、Myxococcus株は、油および/または脂肪酸を炭素源として含む培地中で発酵される。
【0153】
この方法において有用な例示的な油および脂肪酸としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:オレイン酸メチル;ココナツ、ラード、アブラナ、ゴマ、ダイズ、およびヒマワリ由来の油;サラダ油;Agrimul CoS2、R5O5、およびR5O3のような自己乳化油;グリセロールオレエート(グリセロールモノオレエートおよびグリセロールトリオレエートを含む);奇数鎖エステル(例えば、メチルヘプタデカノエート、メチルノナデカノエート、およびメチルペラルゴネート);エステル鎖(例えば、プロピルオレエートおよびエチルオレエート);植物オレイン酸メチル;メチルステアレート;メチルリノレエート;オレイン酸;ならびにホスファチジルコリン(純粋であるかあるいはダイズまたは卵黄由来であるかにかかわらず)。従って、任意の植物または穀物由来の油(例えば、ヒマワリ油またはダイズ油)、任意の動物由来の油(例えば、ラード油)、飽和および不飽和の両方の、任意の鎖長の遊離脂肪酸およびエステル化された脂肪酸、天然および合成の脂肪酸混合物(例えば、それぞれ、ホスファチジルコリンまたはメチルペラルゴネート)、ならびに工業発酵油(例えば、Cognis Corporation’s Agrimulシリーズ)が、この方法において使用され得る。好ましい実施形態において、この発酵培地は、炭素源としてオレイン酸メチルを利用する。主に分散の容易さに起因して、一般に、室温で液体である油が、固体油よりも好ましい。この発酵培地の他の重要な成分としては、微量の金属(例えば、FeおよびCu)が挙げられ、この金属は、複合培地および規定培地、ならびにバッチプロセスおよび供給バッチプロセスにおける、増殖および産生を改善する。オレイン酸メチルおよび微量の金属を含む培地が、エポシロンの産生のために好ましい。
【0154】
1つの実施形態において、本発明は、減少した量の動物由来の材料を含むかまたは動物由来の材料を含まない本発明の宿主細胞のための発酵培地を提供する。感染因子(例えば、ウイルスおよびプリオン)による夾雑物の可能性、ヒトまたは動物に投与される化合物の生成のための発酵プロセスにおける動物副産物の使用に起因して、減少した量の動物由来の材料を含むかまたは動物由来の材料を含まない発酵培地の使用が、好まれ得る。このような培地は、本発明の方法における使用のために提供される。発酵培地に含まれるオイルまたは脂肪酸は、非動物供給源(例えば、植物)由来で有り得る。例えば、脊椎動物由来のオレイン酸メチルを、商業的に得ることができる。さらに、動物由来の材料を、等価であるが非動物供給源由来の非同一材料と置換し得る。例えば、乳タンパク質であるカゼインの膵臓消化物のカジトン(casitone)が、非動物供給源(例えば、植物が挙げられるが、これに限定されない)由来のタンパク質の加水分解物(例えば、野菜由来のタンパク質加水分解物)と置換され得る。
【0155】
一般的に、フェッドバッチプロセス(fed−batch process)が、発酵に好ましい。給餌によって細胞は栄養分を効率的に使用する(例えば、細胞は、毒性有機酸を生成する代わりに炭素をCOおよびHOに代謝する)。高い栄養分レベルは、二次代謝を抑制し得、そして発酵が阻害の閾値より下の速度で栄養分を給餌する場合、生成量はより高くなり得る。
【0156】
本発明の発酵方法はまた、これらの方法に有用なエポシロンおよび発酵培地の産生に特に関連する方法を含む。1つの例として、プロピオネートおよびアセテートが、エポシロンD:C(またはB:A)比および得られるエポシロンの力価に影響を与えるために使用され得る。この効果は、好ましいオレイン酸メチル/微量金属の発酵培地において最小であるが、この効果は、他の培地(例えば、CTS培地)において極めて有意に効果的であり得る。発酵培地中のアセテート量の増加は、Myxococcus増殖およびエポシロン産生を増加し得る。アセテート単独は、エポシロンC(またはエポシロンA)力価を劇的に増加し、そしてエポシロンD(またはエポシロンA)力価を減少する。プロピオネート単独は、エポシロン力価を増加せず、そして高い濃度のプロピオネートは、力価を減少し得る。しかし、プロピオネートおよびアセテートの共同では、エポシロンC(またはエポシロンA)からエポシロンD(またはエポシロンB)へ産生を移動させ得る。エポシロンD産生のための1つの好ましい培地は、カジトン、10mM アセテート、および30mM プロピオネートを含む。奇数鎖の脂肪酸を含む培地は、エポシロンCおよびエポシロンDを産生するMyxococcus xanthus細胞の発酵においてエポシロンCの産生を減少し得る。微量金属がまた、エポシロンD産生を増強し得、そして発酵培地中にアセテートが存在しかついずれのオイルも存在しない下でエポシロンD:C比を増加し得る。
【0157】
本発明はまた、発酵培地からエポシロンを精製するための方法およびエポシロンの結晶形態を調製するための方法を提供する。一般的に、この精製方法は、発酵の間のXAD樹脂上へのエポシロンの捕獲、この樹脂からの溶出、固相抽出、クロマトグラフィー、および結晶化を含む。この方法は、実施例3に詳細に記載される。そして、この方法は、エポシロンDについて好ましく、かつ例示されるが、この方法は、一般的に結晶エポシロン(他の天然に存在するエポシロンおよび本発明の宿主細胞によって産生されるエポシロンアナログを含むがこれらに限定されない)を調製するために使用され得る。
【0158】
従って、別の実施形態において、本発明は、農業、獣医業務、および医薬において有用な、単離され、かつ精製された形態の新規エポシロン誘導体化合物を提供する。1つの実施形態において、この化合物は、殺菌剤として有用である。別の実施形態において、この化合物は、癌の化学療法において有用である。別の実施形態において、この化合物は、所望されない細胞増殖の予防(炎症、自己免疫疾患、および乾癬のような過剰増殖疾患の処置を含むが、これらに限定されない)、およびステント中の細胞増殖の予防のために有用である。好ましい実施形態において、この化合物は、エポシロンBまたはエポシロンDと同様に腫瘍細胞に対して少なくとも強力であるエポシロン誘導体である。別の実施形態において、この化合物は、免疫抑制剤として有用である。別の実施形態において、この化合物は、別の化合物の製造において有用である。好ましい実施形態において、この化合物は、ヒトまたは動物への投与のために混合物または溶液で処方される。
【0159】
本発明の新規エポシロンアナログならびに本発明の宿主細胞によって産生されるエポシロンは、以下に記載されるように誘導され、そして処方され得る:PCR特許公開番号93/10121号、同第97/19086号、同第98/08849号、同第98/22461号、同第98/25929号、同第99/01124号、同第99/02514号、同第99/07692号、同第99/27890号、同第99/39694号、同第99/40047号、同第99/42602号、同第99/43320号、同第99/43653号、同第99/54318号、同第99/54319号、同第99/54330号、同第99/65913号、同第99/67252号、同第99/67253号、および同第00/00485、ならびに米国特許第5,969,145号(これらの各々は、本明細書中に参考として援用される)。
【0160】
本発明の化合物としては、14−メチルエポシロン誘導体(マロニルCoAの代わりにメチルマロニルCoAに結合するATを有する本発明のハイブリッドモジュール3を利用することによって作製される);8,9−デヒドロエポシロン誘導体(ER、DH、およびKRの代わりにDHおよびKRを有する本発明のハイブリッドモジュール6の利用によって作製される);10−メチルエポシロン誘導体(マロニルCoAの代わりにメチルマロニルCoAに結合するATを有する本発明のハイブリッドモジュール5を利用することによって作製される);9−ヒドロキシエポシロン誘導体(ER、DH、およびKRの代わりにKRを有する本発明のハイブリッドモジュール6の利用によって作製される);8−デスメチル−14−メチルエポシロン誘導体(マロニルCoAの代わりにメチルマロニルCoAに結合するATを有する本発明のハイブリッドモジュール3およびメチルマロニルCoAの代わりにマロニルCoAに結合するハイブリッドモジュール6の利用によって作製される);8−デスメチル−8,9−デヒドロエポシロン誘導体(ER、DH、およびKRの代わりにDHおよびKRを有し、かつメチルマロニルCoAの代わりにマロニルCoAを特定するATを有する本発明のハイブリッドモジュール6の利用によって作製される);ならびに9−オキソ−エポシロンDが挙げられる。本発明の他の好ましい新規エポシロンとしては、実施例11および以下に記載されるものが挙げられる。
【0161】
本発明の1つの局面において、以下の式の化合物:
【0162】
【化9】
Figure 2004508810
が、提供され、ここで、:
、R、R、R、R11およびR12は、各々独立して水素、メチルもしくはエチルであるか;
、RおよびRは、各々独立して水素、ヒドロキシル、またはオキソであるか;あるいは
およびRは、一緒になって炭素間二重結合を形成し;
は、水素、メチルもしくはエチルであり;
およびR10は、共に水素であるか、または一緒になって炭素間二重結合もしくはエポキシドを形成し;
Arは、アリールであり;そして、
Wは、OまたはNR13であり、ここで、R13は、水素、C〜C10脂肪族アリールもしくはC〜C10脂肪族アルキルアリールである。別の実施形態において、式Iの化合物が提供され、ここで、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、ArおよびWは、以前に記載されたようなものである(ただし、R、R、R、R、R、およびR11のうちの少なくとも1つは、水素ではない)。
【0163】
別の実施形態において、式Iの化合物が提供され、ここで、
、R、R、およびR11は、各々独立して水素もしくはメチルであり;
およびRは、各々独立して水素、ヒドロキシル、もしくはオキソであり;
およびRは、共に水素であるかもしくは一緒になって炭素間二重結合を形成し;
およびR12は、共にメチルであり;
およびR10は、共に水素であるかもしくは一緒になって炭素間二重結合を形成し;
Arは、ヘテロアリールであり;そして、
Wは、OまたはNR13であり、ここで、R13は、水素またはC〜Cアルキルであり、ただし、R、R、R、R、R、およびR11のうちの少なくとも1つは、水素ではない。
【0164】
本発明の別の局面において、式:
【0165】
【化10】
Figure 2004508810
の化合物が提供され、ここで:
、RおよびRは、各々独立して水素、ヒドロキシル、またはオキソであるか;
、R11、R12は、各々独立して水素、メチルもしくはエチルであるか;あるいは
およびRは、一緒になって炭素間二重結合を形成し;
は、水素、メチルもしくはエチルであり;
およびR10は、共に水素であるか、または一緒になって炭素間二重結合もしくはエポキシドを形成し;
Arは、アリールであり;そして、
Wは、OまたはNR13であり、ここで、R13は、水素またはC〜Cアルキルである。別の実施形態において、式IIの化合物が提供され、ここで、R、R、R、R、R、R、R10、R12、R13、ArおよびWは、以前に記載されたようなものである(ただし、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つは、水素ではない)。
【0166】
別の実施形態において、式IIの化合物が提供され、ここで:
およびRは、各々独立して水素、ヒドロキシル、またはオキソであり;
およびRは、各々水素であるかまたは一緒になって炭素間二重結合を形成し;
およびR12は、共にメチルであり;
およびR10は、共に水素であるかまたは一緒になって炭素間二重結合を形成し;
Arは、2−メチル−1,3−チアゾリニル、2−メチル−1,3−オキサゾリニル、2−ヒドロキシメチル−1,3−チアゾリニル、または2−ヒドロキシメチル−1,3−オキサゾリニルであり;そして、
Wは、OまたはNHである(ただし、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つは、水素ではない)。
【0167】
本発明の別の局面において、式:
【0168】
【化11】
Figure 2004508810
の化合物が提供され、ここで、
、R、R、R、R11、R12は、各々独立して水素、メチルまたはエチルであるか;
は水素であるか;あるいは
およびRは、一緒になって炭素間二重結合を形成し;
は、水素、メチルまたはエチルであり;
Arは、アリールであり;そして、
Wは、OまたはNR13であり、ここで、R13は、水素またはC〜Cアルキルである。別の実施形態において、式IIIの化合物が提供され、ここで、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、ArおよびWは、以前に記載されたようなものである(ただし、R、R、R、およびR11のうちの少なくとも1つは、水素ではない)。
【0169】
別の実施形態において、式IIIの化合物が提供され、ここで、
、R、R、R11は、各々独立して水素、メチルまたはエチルであり;
およびRは、共に水素であるかまたは一緒になって炭素間二重結合を形成し;
およびR12は、共にメチルであり;
Arは、2−メチル−1,3−チアゾリニル、2−メチル−1,3−オキサゾリニル、2−ヒドロキシメチル−1,3−チアゾリニル、または2−ヒドロキシメチル−1,3−オキサゾリニルであり;そして、
Wは、OまたはNHである(ただし、R、R、R、およびR11のうちの少なくとも1つは、水素ではない)。
【0170】
本発明の別の局面において、式:
【0171】
【化12】
Figure 2004508810
の化合物が提供され、ここで:
は、水素またはオキソであり;
およびRは、共に水素であるかまたは一緒になって炭素間二重結合を形成し;
は、水素またはメチルであり;
は、水素またはヒドロキシルであり;
およびR10は、共に水素であるかまたは一緒になって炭素間二重結合もしくはエポキシドを形成し;
Wは、OまたはNHであり;
Xは、OまたはSであり;そして、
14は、メチルまたはヒドロキシメチルである。
【0172】
本発明の別の局面において、化合物は以下の式の化合物である:
【0173】
【化13】
Figure 2004508810
ここで:
は、水素またはオキソであり;
およびRは、各々独立して水素またはメチルであり;
は、水素であるか;
およびR10は、共に水素であるかまたは一緒になって炭素間二重結合もしくはエポキシドを形成するか;あるいは、
およびRは、一緒になって二重結合を形成し;
は、水素、ヒドロキシルまたはオキソであり;
Wは、OまたはNHであり;
Xは、OまたはSであり;そして、
14は、メチルまたはヒドロキシメチルである。
【0174】
本発明の別の局面において、以下:
【0175】
【化14】
Figure 2004508810
の化合物が提供される。
【0176】
本発明の化合物は、細胞傷害性薬剤であり、そして任意の適切な様式(抗癌剤を含むが、これに限定されない)で使用され得る。細胞傷害性またはチューブリン重合化(polyermization)の程度を評価するための例示的なアッセイは、実施例12に記載される。
【0177】
本発明の化合物は、多数の方法を用いて作製され得る。本発明の1つの局面において、これらの化合物は、エポシロンPKSを発現する組み換え宿主細胞によって産生される。1つの実施形態において、式:
【0178】
【化15】
Figure 2004508810
の化合物(ここで、R〜R12は、式Iについて以前に記載されたようなものである)が、1つ以上のモジュールにおいてAT特異性を変更することによって、および/または1つ以上のモジュールにおいて酵素学的ドメインを変更することによって作製される。実施例11は、本方法を使用して作製され得る改変の型および特異的な化合物を記載する。
【0179】
本発明の別の実施形態において、式Vのオキサゾール対応物が、式Vの化合物を通常作製する宿主細胞の発酵条件を調節することによって作製され得る。式Vの化合物のチアゾール部分が、NRPSにおけるシステイン結合に由来する。エポシロンHおよびH(これは、エポシロンCおよびエポシロンDのオキサゾール対応物である)が、微量の宿主細胞によって作製され、そしてこれは、エポシロンNRPSにおけるシステインの代わりの、セリンの臨時的な結合から生じると考えられる。
【0180】
本方法は、エポシロンPKSのNRPS結合部位におけるセリンとシステインとの明確な競合を利用し、そしてエポシロンNRPSにおいてシステインの代わりに、セリンの結合を好む培養条件を使用する。セリンを補充した(例えば、基底レベルを超えて50倍の増加)培地中で宿主細胞を増殖させることによって、通常産生されるチアゾール含有化合物の代わりに、ほとんどオキサゾール含有化合物の産生を生じることが見出された。従って、特定のエポシロン化合物または式Vの化合物を作製するように操作された組み換え宿主細胞は、セリンで補充された培地中で増殖され得、その結果、この細胞はここで、オキサゾール対応物である以下の式:
【0181】
【化16】
Figure 2004508810
の化合物の産生を好む。
【0182】
言い換えると、本方法は、2つの化合物(1つは、式Vに対応するものおよびその一部分について式VIに対応するその対応物)を獲得する単純かつ洗練された方法である。オキサゾール含有化合物を作製するためのセリン補充方法は、実施例13により詳細に記載される。この実施例は、エポシロンHおよびエポシロンH(それぞれ、エポシロンDおよびエポシロンCのオキサゾール対応物)の産物を好むように、K111−40−1株によって通常産生されるエポシロンDおよびエポシロンCのレベルを減少するために使用された条件を記載する。本発明の式Vの他の化合物を作製する他の組み換え構築物が、式VIの化合物を作製するための条件と類似の条件を使用して増殖され得る。
【0183】
本発明の別の局面において、化合物は、化学生合成(chemobiosynthesis)と称される方法を用いて産生される。この方法は、PKSが合成前駆体を指定された部位において受容し、そして結合するような様式で変更されたエポシロンPKSを使用する。次いで、この合成前駆体は、このポイントから前へと通常の様式でPKSによって進行される。
【0184】
化学生合成に必要な変更の型の例示的な実施例は、実施例9に記載され、この実施例9は、エポシロンA、エポシロンB、エポシロンC、およびエポシロンDを主要産物として通常産生するM.xanthus株のKS2ノックアウト型の構築を記載する。KS2ノックアウトは、伸長モジュール2のKSドメインの不活性化といわれ、その結果、生じるPKSは、以前のモジュール、ローディングドメインおよびNRPSの生成物(これは、伸長モジュール1を考慮に入れる)をロードできず、そして進行できない。従って、PKS指向された合成は、伸長モジュール2のACPにおいて失速し、エポシロン産物は、合成前駆体の非存在下においてそのような株によって作製されない。しかし、この株に合成前駆体が提供される場合、これは、ローディングドメインおよび伸長モジュール1の産生を模倣し、その結果、伸長モジュール2のACPは、前駆体に結合し、そしてPKSが、この前駆体をこのポイントから前へと進行させる。例えば、実施例9のノックアウト株を合成前駆体:
【0185】
【化17】
Figure 2004508810
と共に提供すると、実施例10により詳細に記載されるように、エポシロンBおよびエポシロンDの産生を引起す(エポシロンAおよびエポシロンBがまた、産生されるが微量である)。図1をまた参照のこと。別の例において、実施例9のノックアウト株を合成前駆体、例えば、:
【0186】
【化18】
Figure 2004508810
(ここで、Rは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cアルコキシ、およびC〜Cアミノアルキル、より好ましくは、水素またはメチルである)と共に提供する場合、以下のエポシロン化合物:
【0187】
【化19】
Figure 2004508810
ならびに、これらそれぞれの、12,13−エポキシド対応物を生じる。
【0188】
従って、合成先駆体を変更することによって、単一KS2ノックアウト株は、広範な種々の化合物を作製するために使用され得る。実際、実施例9に記載される株は、式:
【0189】
【化20】
Figure 2004508810
(ここで、Arは、アリールであり、そしてRは、水素またはメチルである)の化合物を作製するために、式:
【0190】
【化21】
Figure 2004508810
(適切なAr基の例示的な例としては、以下:
【0191】
【化22】
Figure 2004508810
(ここで、Rは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cアルコキシ、およびC〜Cアミノアルキルである)が挙げられるが、これらに限定されない)の合成前駆体をこれに提供することによって、使用され得る。より好ましい実施形態において、Rは、水素またはメチルである。実施例10は、種々の前駆体の合成ならびに化学生合成におけるそれらの使用およびそれぞれの12,13−エポキシド対応物を記載する。
【0192】
別の実施形態において、ローディングドメインノックアウトは、本発明の特定の化合物を作製するために使用される。例えば、実施例9に使用された開始物質のローディングドメインノックアウトはまた、式
【0193】
【化23】
Figure 2004508810
の合成前駆体を提供することによって式VIIおよびVIIIの化合物を作製するために使用され得る。
【0194】
他の実施形態において、本発明の他の株のKS2またはローディングドメインノックアウトは、実施例11に記載されるこれらの株を含むように作製されるが、それに限定されず、そして2−メチルチアゾール以外のアリール部分を有する化合物を作製するために使用される。例えば、優先的に9−オキソ−エポシロンD(epothilone D)を作製する構築物のKS2ノックアウトへ式IXの合成前駆体を供給することは、式
【0195】
【化24】
Figure 2004508810
(ここで、Arがアリールである)の化合物を生じる。
【0196】
本発明の別の局面において、エポシロンPKSを発現する宿主細胞から作製される化合物は、さらに生物学的および/または合成的方法を使用して修飾され得る。1つの実施形態において、式Iの化合物(ここで、Arが、
【0197】
【化25】
Figure 2004508810
である)は、微生物的に誘導されるヒドロキシラーゼを使用してC−21炭素でヒドロキシル化され得る。このような形質転換を実施するためのプロトコールは、例えば、PCT公開番号WO00/39276(本明細書中にその全体が参考として援用される)、および本明細書中の実施例14に記載される。
【0198】
別の実施形態において、エポシロンA〜DのC−12およびC−13に対応する位置で炭素−炭素二重結合を有する本発明の化合物は、EpoKまたは別のP450エポキシダーゼを使用してエポキシド化され得る。エポキシド化のためにEpoKを使用する一般的な方法は、PCT公開番号WO00/31247(本明細書中にその全体が参考として援用される)の実施例5および本明細書中の実施例15に記載される。あるいは、エポキシド化反応は、炭素−12および炭素−13との間の結合に対応する位置で二重結合を含むエポシロン化合物を機能的なEpoKを発現する細胞培養物と接触させることによって起こり得る。このような細胞としては、ミクソバクテリウム(myxobacterium)Sorangium cellulosumが挙げられる。特に好ましい実施形態において、このSorangium cellulosumは、EpoKを発現するが、機能的エポシロンポリケチドシンターゼ(「PKS」)遺伝子を含まない。このような株は、変異誘発によって作製され得、ここで、エポシロンPKS遺伝子における1つ以上の変異は、それを無効にする。このような変異は、天然に起こり得る(スクリーニングによって見出され得る)か、または突然変異原(例えば、化学薬品)または照射(irradation)いずれかを使用してか、もしくは遺伝子操作によって指向され得る。無効なエポシロンPKSを有する株を作製するための特に有効なストラテジーは、PCT公開WO00/31247に記載されるような相同組換えである。
【0199】
別の実施形態において、エポキシ化反応は、合成方法を使用して起こり得る。例えば、スキーム2に示されるように、本発明のデソキシ(desoxy)化合物は、デソキシ化合物をジメチルジオキシランと反応させることによってエポキシ相対物へ変換され得る。
【0200】
【化26】
Figure 2004508810
実施例16は、より詳細にこの合成方法を記載する。
【0201】
別の実施形態において、本発明のマクロラクトンは、本発明のマクロラクタムに変換され得る。スキーム3に例示されるように、本発明のデソキシマクロラクトンは、スキーム2に前記されるようにジメチルジオキシランを使用してエポキシド化されて、オキシ相対物(oxycounterpart)を提供する。
【0202】
【化27】
Figure 2004508810
オキシ−マクロラクトンは、アジドナトリウムおよびテトラキス(tetrakis)(トリフェニルフォスリン)パラジウムで処理されて、開環してアジド酸を形成する。次いで、このアジドはトリメチルフォスフィンで還元されて、アミノカルボキシ酸を形成する。
【0203】
本発明のエポキシ化合物(ここで、WがNHである)は、アミノカルボキシ酸のマクロラクタム化から作製され得る。
【0204】
【化28】
Figure 2004508810
スキーム4に示されるように、アミノカルボキシ酸は、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミドおよび1−ヒドロキシベンゾトリアゾールで処理されて、エポキシマクロラクタムを形成する。このデソキシ−マクロラクタムは、六塩化タングステンおよびブチルリチウムでエポキシ−マクロラクタムを処理することによって作製され得る。
【0205】
本発明のエポキシ化合物(ここで、WはNR13であり、そしてR13は水素ではない)は、マクロラクタム化の前にアミノカルボキシ酸をアルデヒドおよびシアノホウ化水素ナトリウムで処理することによって作製され得る。
【0206】
【化29】
Figure 2004508810
スキーム5に示されるように、アミノカルボキシ酸は、アルデヒド、R13HO、およびシアノホウ化水素ナトリウムで処理されて、次いでスキーム4に前記されるようにマクロラクタム化されて、必要に応じて脱酸素される置換アミノ酸を形成して、エポキシおよびデソキシマクロラクタム(ここで、R13は水素ではない)を提供する。
【0207】
本発明のマクロラクタムを作製するための合成方法はまた、実施例17〜19によってより詳細に記載される。実施例17は、例示的な開始物質として9−オキソ−エポシロンDを使用するアミノ酸の形成を記載する。実施例18および19は、それぞれ9−オキソ−エポシロンDのエポキシおよびデソキシマクロラクタムバージョンの形成を記載する。実施例20および21は、それぞれ9−オキソ−エポシロンDのエポキシ置換およびデソキシ置換のマクロラクタムバージョンの形成を記載する。
【0208】
本発明の組成物は、一般的に本発明の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本発明の化合物は、遊離形式であり得るか、または薬学的に受容可能な誘導体(例えば、プロドラッグ、および本発明の化合物の塩およびエステル)として適切なものであり得る。
【0209】
この組成物は、任意の適切な形態(例えば、固体、半固体、または液体の形態)であり得る。Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第5版、Lippicott Williams & Wilkins(1991)(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。一般的に、薬学的調製物は、外用、経腸、または非経口用途に適切な有機または無機キャリア賦形剤と混合して、活性成分として1つ以上の本発明の化合物を含む。この活性成分は、例えば、錠剤、ペレット、カプセル、坐剤、ペッサリー、溶液、エマルジョン、懸濁液、および使用に適切な任意の他の形態のために有用な非毒性、薬学的に受容可能なキャリアと合わせられ得る。使用され得るキャリアとしては、水、グルコース、ラクトース、アカシアゴム、ゼラチン、マンニトール、スターチペースト、三ケイ酸マグネシウム、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ、ポテトスターチ、尿素、および調製物製造での使用に適切な他のキャリア(固体、半固体、液体形態で)が挙げられる。さらに、補助的な、安定化剤、増粘剤、および着色剤ならびに香料が使用され得る。
【0210】
1つの実施形態において、本発明の化合物を含む組成物は、Cremophor(登録商標)を含まない。Cremophor(登録商標)(BASF Aktiengesellschaft)は、ポリエトキシル化ヒマシ油であり、これは、代表的に、溶解度の低い薬物を処方する際の界面活性剤として使用される。しかし、Cremophor(登録商標)は、被験体においてアレルギー反応の原因となり得るので、Cremophor(登録商標)を最小にするかまたは排除する組成物が、好ましい。Cremophor(登録商標)を排除するエポシロンAまたはBの処方物は、例えば、PCT公開WO99/39694(本明細書中に参考として援用される)に記載され、本発明の化合物を用いる使用に適用され得る。
【0211】
適用可能な場合、本発明の化合物は、マイクロカプセルおよびナノパーティクルとして処方され得る。一般的なプロトコールは、たとえば、Microcapsules and Nanoparticles in Medicine and Pharmacy、Max Donbrow編、CRC Press(1992)ならびに米国特許第5,510,118号;同第5,534,270号;および同第5,662,883号(全て本明細書中に参考として援用される)に記載される。体積に対する表面積の比を増加することによって、これらの処方物は、表面積の比を増加しなければ、経口送達に従わない化合物の経口送達を可能にする。
【0212】
本発明の化合物はまた、溶解度の低い薬物に対して以前使用されていた他の方法を使用して処方され得る。例えば、この化合物は、WO98/30205および00/71163(本明細書中に参考として援用される)に記載されるようなビタミンEまたはそれらのPEG化誘導体を有するエマルジョンを形成し得る。代表的に、本発明の化合物は、エタノールを含む水溶液(好ましくは1%w/v未満)に溶解される。ビタミンEまたはPEG化ビタミンEが添加される。次いでエタノールは、除去されて、静脈内投与または経口経路投与のために処方され得るプレ−エマルジョンを形成する。別のストラテジーは、リポソーム中に本発明の化合物をカプセル化する工程を含む。薬物送達ビヒクルとしてリポソームを形成する方法は、当該分野で周知である。適切なプロトコールとしては、米国特許第5,683,715号;同第5,415,869号、および同第5,424,073号(相対的に溶解度の低い別の癌薬物タキソールに関する参考として本明細書中に援用される)ならびにPCT公開WO01/10412(エポシロンBに関する参考として本明細書中に援用される)に記載されるプロトコールが挙げられる。使用され得る種々の脂質のうち、エポシロンカプセル化リポソームを作製するために特に好ましい脂質としては、ホスファチジルコリンおよびポリエチレングリコール誘導ジステアリルホスファチジルエタノールアミンが挙げられる。実施例22は、9−オキソ−エポシロンDを含むリポソームを作製するための例示的なプロトコール(本発明の他の化合物を含むリポソームを作製するために容易に適合され得る一般的な方法)を提供する。
【0213】
さらに別の方法は、ポリマー(バイオポリマーまたは生体適合性(合成または天然に存在する)ポリマーなど)を使用して本発明の化合物を処方する工程を包含する。生体適合性ポリマーは、生分解性および非生分解性として類別され得る。生分解性ポリマーは、インビボで化学的組成物の機能、製造方法、および移植片構造として分解する。合成ポリマーの例示的な例としては、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸(例えば、ポリ酢酸、ポリグリコール酸およびそれらのポリマー)、ポリエステルポリアミドポリオルトエステルおよびいくつかのポリホスファゼン(polyphosphazene)が挙げられる。天然に存在するポリマーの例示的な例としては、タンパク質ならびに多糖類(例えば、コラーゲン、ヒアルロン酸、アルブミン、およびゼラチン)が挙げられる。
【0214】
別の方法は、水溶性を高めるポリマーに本発明の化合物を結合体化する工程を包含する。適切なポリマーの例としては、ポリエチレングリコール、ポリ−(d−グルタミン酸)、ポリ−(l−グルタミン酸)、ポリ−(l−グルタミン酸)、ポリ−(d−アスパラギン酸)、ポリ−(l−アスパラギン酸)、ポリ−(l−アスパラギン酸)およびそれらのコポリマーが挙げられる。約5,000と約100,000との間の分子量を有するポリグルタミン酸が、好ましく、約20,000と約80,000との間の分子量がより好ましく、そして約30,000と約60,000との間の分子量が最も好ましい。このポリマーは、米国特許第5,977,163号(本明細書中に参考として援用される)および実施例23に本質的に記載されるプロトコールを使用してエステル結合を介して本発明のエポシロンの1つ以上のヒドロキシルに結合体化される。本発明の21−ヒドロキシ誘導体の場合、好ましい結合体部位は、ヒドロキシルのとれた(hydroxyl off)炭素21を含む。他の結合体部位は、ヒドロキシルのとれた炭素3およびヒドロキシルのとれた炭素7を含む。
【0215】
別の方法において、本発明の化合物は、モノクローナル抗体に結合体化される。このストラテジーは、特異的標的への本発明の化合物の標的化を可能にする。結合体化抗体の設計および使用のための一般的プロトコールは、Monoclonal Antibody−Based Therapy of Cancer、Michael L.Grossbard編(1998)(本明細書中に参考として援用される)に記載される。
【0216】
単一の投与量形態を作製するようにキャリア物質と組み合わせられ得る活性成分の量は、処置される被験体および投与の特定のモードに依存して変化する。例えば、静脈内使用のための処方は、約1mg/mL〜約25mg/mLの範囲、好ましくは約5mg/mL〜15mg/mLの範囲、そしてより好ましくは約10mg/mLの本発明の化合物の量を含む。静脈内処方物は、使用の前に、代表的に約2倍と約30倍との間で通常の生理食塩水または5%デキストロース溶液を用いて希釈される。
【0217】
本発明の1つの局面において、本発明の化合物は、癌を処置するために使用される。1つの実施形態において、本発明の化合物は、頭部および頚部の癌(頭部、頚部、鼻腔、副鼻腔、鼻咽頭、口腔、口腔咽頭部、喉頭、下咽頭、唾液腺、および傍神経節腫の腫瘍を含む)を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、肝臓および胆道の癌(特に肝細胞癌)を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、腸癌(特に結腸直腸癌)を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、卵巣癌を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、小細胞および非小細胞肺癌を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、乳癌を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、肉腫(線維肉腫、悪性線維性組織球腫、胎児性横紋筋肉腫、平滑筋肉腫(leiomysosarcoma)、神経線維肉腫、骨肉腫、滑膜肉腫、脂肪肉腫、および胞状軟部肉腫を含む)を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、中枢神経系の新生物(特に、脳癌)を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、リンパ血漿細胞様リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、被膜細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma)B−直系大細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、およびT細胞未分化大細胞リンパ腫を含む)を処置するために使用される。
【0218】
この方法は、治療的に有効な量の本発明の化合物を癌に罹患する被験体に投与する工程を包含する。この方法は、癌を抑える(すなわち、さらなる増殖を予防する)ためか、または癌を除去するためのいずれかに必要な場合、繰り返され得る。臨床的に、この方法の実施は、癌性増殖のサイズもしくは数の減少、および/または関連症状(ここで適切な)の減少を生じる。病理学的に、この方法の実施は、以下のうちの少なくとも1つを生じる、以下:癌細胞増殖の阻害、癌または腫瘍のサイズの減少、さらなる転移の予防、および腫瘍新脈管形成の阻害。
【0219】
本発明の化合物および組成物は、組合せ治療に使用され得る。いいかえれば、本発明の化合物および組成物は、1つ以上の他の所望される治療手順もしくは医学手段と同時に、前に、または後に投与され得る。組合せレジメンにおける治療および手順の特定の組合せは、この治療および/または手順の適合性ならびに達成されるべき所望の治療効果を考慮に入れる。
【0220】
1つの実施形態において、本発明の化合物および組成物は、別の抗癌剤または手順と組み合わせて使用される。他の抗癌剤の例示的な例としては、(i)アルキル化薬物(例えば、メクロレタミン、クロラムブシル、シクロフォスファミド、メルファラン、イホスファミド);(ii)代謝拮抗物質薬(例えば、メトトレキサート);(iii)微小管安定化剤(例えば、ビンブラスチン、パクリタキセル、ドセタキセル(docetaxel)、およびジスコデルモライド(discodermolide));(iv)新脈管形成インヒビター;(v)ならびに細胞障害性抗生物質(例えば、ドキソルビコン(doxorubicon)(アドリアマイシン)、ブレオマイシン、およびマイトマイシン)が挙げられるが、それらに限定されない。他の抗癌手順の例示的な例としては、(i)手術;(ii)放射線治療;および(iii)光力学治療が挙げられる。
【0221】
別の実施形態において、本発明の化合物および組成物は、本発明の化合物または組成物由来の潜在的な副作用(例えば、下痢、悪心および嘔吐)を緩和する薬剤または手順と組み合わせて使用される。下痢は、抗下痢剤(例えば、オピオイド(例えば、コデイン、ジフェノキシラート、ジフェノキシン、およびロエラミド(loeramide))、次サリチル酸ビスマス、ならびにオクトレオチド(octreotide))で処置され得る。悪心および嘔吐は、制吐作用剤(例えば、デキサメタゾン、メトクロプラミド、ジフェニルヒドラミン(diphenyhydramine)、ロラゼパム、オンダンセトロン、プロクロルペラジン、チエチルペラジン、およびドロナビノール)で処置され得る。Cremophor(登録商標)などのポリエトキシル化ヒマシ油を含むこれらの組成物について、コルチコステロイド(例えば、デキサメタゾンおよびメチルプレドニゾロン)ならびに/またはHアンタゴニスト(例えば、ジフェニルヒドラミンHCl)ならびに/またはHアンタゴニストでの前処置が、アナフィラキシーを緩和するために使用され得る。静脈用途のための例示的な処方および前処置レジメンは、それぞれ実施例24および25に記載される。
【0222】
本発明の別の局面において、本発明の化合物は、細胞性過剰増殖によって特徴付けられる非癌障害を処置するために使用される。1つの実施形態において、本発明の化合物は、乾癬(皮膚に蓄積して上昇した鱗片の病巣を形成するケラチノサイトの細胞性過剰増殖によって特徴付けられる状態)を処置するために使用される。この方法は、治療的に有効な量の本発明の化合物を乾癬に罹患している被験体に投与する工程を包含する。この方法は、病巣の数または重篤度を減少するためか、または病巣を除去するためのいずれかに必要な場合、繰り返され得る。臨床的に、この方法の実施は、皮膚病巣のサイズもしくは数の減少、皮膚の症状(冒された皮膚の疼痛、灼熱および出血)の減少および/または関連症状(例えば、関節赤熱状態、熱、腫脹、下痢、腹痛)の減少を生じる。病理学的に、この方法の実施は、以下のうちの少なくとも1つを生じる、以下:ケラチノサイト増殖の阻害、皮膚炎症の減少(例えば、誘引因子および成長因子、抗原提示、反応性酸素種の生成ならびにマトリクスメタロプロテイナーゼに影響を与えることによって)、ならびに皮膚の新脈管形成の阻害。
【0223】
別の実施形態において、本発明の化合物は、多発性硬化症(脳における進行性髄鞘脱落によって特徴付けられる状態)を処置するために使用される。ミエリンの損失に関する正確な機構は、理解されていないが、星状細胞増殖の増加およびミエリン破壊領域の累積が存在する。これらの部位では、マクロファージ様活性およびミエリン鞘の破壊に少なくとも部分的に起因する増加したプロテアーゼ活性が存在する。この方法は、治療的に有効な量の本発明の化合物を多発性硬化症に罹患している被験体に投与する工程を包含する。この方法は、星状細胞増殖を阻害するためか、および/または運動機能の損失の重篤度を少なくするおよび/または疾患の慢性進行を予防もしくは減衰するのに必要な場合、繰り返され得る。臨床的に、この方法の実施は、視覚症状(視覚損失、複視)、歩行障害(虚弱、軸不安定性、感覚の喪失、痙性、反射亢進、機敏さの損失)、上肢機能障害(虚弱、痙性、感覚の喪失)、膀胱機能不全(尿意促迫、失禁、躊躇、不完全な空)、低下、情緒不安定性、および認識障害における改善を生じる。病理学的に、この方法の実施は、以下のうちの少なくとも1つを生じる、以下:例えば、ミエリン損失、血管脳関門の破壊、単核細胞の脈管周囲浸潤、免疫学的異常、神経膠瘢痕(gliotic scar)形成および星状細胞増殖、メタロプロテイナーゼ生成、ならびに減損電導速度。
【0224】
別の実施形態において、本発明の化合物は、慢性関節リウマチ(作用関節の破壊および強直(ankyiosis)をしばしばもたらす慢性多系統(multiplesystem chronic)、再発性の炎症性疾患)を処置するために使用される。慢性関節リウマチは、関節間隙に伸長する絨毛突出、滑膜細胞整列(synoviocyte lining)の多層化(multilayering)(滑膜細胞増殖)、白血球(マクロファージ、リンパ球、形質細胞、およびリンパ小節;「炎症性滑膜炎」と呼ばれる)の滑膜の浸潤、ならびに滑膜内の細胞性壊死によるフィブリンの堆積を形成する滑膜のマークされた肥厚によって特徴付けられる。このプロセスの結果形成される組織は、パンヌスと呼ばれ、そして最終的には、このパンヌスは関節空隙を満たすように増殖する。このパンヌスは、滑膜の進化に必須の新脈管形成のプロセスを通して新しい血管の広いネットワークを発達させる。消化酵素(マトリクスメタロプロテイナーゼ(例えば、コラーゲナーゼ、ストロメリシン(stromelysin))およびパンヌス組織の細胞由来の炎症性プロセスの他の媒介物質(例えば、過酸化水素、スーパーオキシド、リソソーム酵素、およびアラキドン酸(arachadonic acid)代謝の産物))の放出は、軟骨組織の進行性の破壊を導く。このパンヌスは、軟骨組織の侵食およびフラグメント化を導く関節軟骨を浸潤する。結局、関連する関節の線維性強直および最終的には骨性強直と共に肋軟骨下の骨組織の侵食が存在する。
【0225】
この方法は、治療的有効量の本発明の化合物を、リウマチ様動脈炎に罹患している被験体に投与する工程を包含する。この方法は、滑膜細胞増殖の阻害、および/または罹患した関節の運動の損失の重篤度の減少、および/またはこの疾患の慢性的進行の予防もしくは軽減を達成するまで、必要に応じて繰り返され得る。臨床的に、本発明の実施は、以下のうちの1つ以上を生じる:(i)症状(疼痛、腫脹および罹患した関節の圧痛、衰弱、疲労、食欲不振、体重減少)の重篤度の減少;(ii)この疾患の臨床的徴候(関節包の肥厚、滑膜肥厚、関節滲出液、軟組織拘縮、運動範囲の減少、強直および関節突起間関節変形)の重篤度の減少;(iii)この疾患の関節外発現(リウマチ性結節、脈管炎、肺結節、間隙性線維症、心膜炎、上強膜炎、虹彩炎、フェルティ症候群、骨粗鬆症)の減少;(iv)疾患寛解/無症状期間の頻度および持続時間の増加;(v)固定欠陥および障害の予防;および/または(vi)疾患の慢性的進行の予防/減少。病理学的に、本発明の実施は、以下のうちの少なくとも1つを生じる(i)炎症応答の減少;(ii)炎症性サイトカイン(例えば、IL−I、TNFa、FGF、VEGF)の活性の破壊;(iii)滑膜増殖の阻害;(iv)マトリクスメタロプロテイナーゼ活性の阻害、および/または(v)新脈管形成の阻害。
【0226】
別の実施形態において、本発明の化合物は、アテローム性動脈硬化症および/または再狭窄を処置するため、特に、妨害物が血管内ステントで処置され得る患者において使用される。アテローム性動脈硬化症は、動脈壁の正常な血管平滑筋細胞(「VSMC」)(これは、通常は血流を調節する血管緊張を制御する)のいくらかが、それらの性質を変え、そして「癌様」挙動を発生している慢性血管障害である。このVSMCは、異常に増殖性になり、このVSMCに侵入して内側の血管内層に拡散し得る物質(増殖因子、組織分解酵素および他のタンパク質)を分泌し、血流をブロックし、そしてこの血管を異常に、局所的な血液凝固によって完全にブロックされやすくする。再狭窄(矯正手順後の狭窄または動脈狭窄の再発)は、アテローム性動脈硬化症の促進された形態である。
【0227】
この方法は、治療的有効量の本発明の化合物を、ステント上にコーティングする工程、およびこのステントを、アテローム性動脈硬化症に罹患している被験体の患部動脈に送達する工程を包含する。ステントを化合物でコーティングするための方法は、例えば、米国特許第6,156,373号および同第6,120,847号により記載される。臨床的に、本発明の実施は、以下のうちの1つ以上を生じる:(i)動脈血流の増加;(ii)この疾患の臨床的徴候の重篤度の減少;(iii)再狭窄の速度の減少;(iv)アテローム性動脈硬化症の慢性的進行の予防/減少。病理学的に、本発明の実施は、ステント移植部位において以下のうちの少なくとも1つを生じる:(i)炎症応答の減少;(ii)マトリクスメタロプロテイナーゼのVSMC脱分泌の阻害;(iii)平滑筋細胞蓄積の阻害;および(iv)VSMC表現型分化の阻害。
【0228】
一実施形態において、癌および細胞増殖によって特徴付けられる非癌障害に罹患した被験体に投与される投薬量レベルは、約1mg/m〜約200mg/mのオーダーであり、これはボーラスとして投与され得る(投与の任意の適切な経路において)か、または連続注入(例えば、1時間、3時間、6時間、24時間、48時間または72時間)として、1週間毎、2週間毎、または3週間毎に必要に応じて投与される。しかし、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、様々な因子に依存することが理解される。これらの因子としては、用いられる特定の化合物の活性;この被験体の年齢、体重、一般的な健康状態、性別および食餌;投与の時間および経路、および薬物の排泄速度;薬物の組み合わせがこの処置において用いられるか否か;ならびに処置される状態の重篤度が挙げられる。
【0229】
別の実施形態において、投薬量レベルは、3週間毎に1回、必要に応じてかつ許容されるように、約10mg/m〜約150mg/m、好ましくは約10mg/m〜約75mg/m、より好ましくは約15mg/m〜約50mg/mである。別の実施形態において、投薬量レベルは、2週間毎に1回、必要に応じてかつ許容されるように、約1mg/m〜約150mg/m、好ましくは約10mg/m〜約75mg/m、より好ましくは約25mg/m〜約50mg/mである。別の実施形態において、投薬量レベルは、1週間毎に一回、必要に応じてかつ許容されるように、約1mg/m〜約100mg/m、好ましくは約5mg/m〜約50mg/m、より好ましくは約10mg/m〜約25mg/mである。別の実施形態において、投薬量レベルは、一日に一回、必要に応じておよび許容されるように、約0.1mg/m〜約25mg/m、好ましくは約0.5mg/m〜約15mg/m、より好ましくは約1mg/m〜約10mg/mである。
【0230】
本発明の詳細な説明は上記に示されてきたが、以下の実施例は、本発明の例示の目的のために提供され、そして本発明の範囲および特許請求の範囲の制限であると解釈されるべきではない。
【0231】
(実施例1)
(Myxococcus xanthus発現ベクターの構築)
ファージMx8の組込み機能および結合機能を提供するDNAを、市販のpACYC184(New England Biolabs)に挿入した。Salmiら、Feb.1998,J.Bact.180(3):614−612に記載される、pPLH343由来の約2360bpのMfeI−SmaIを単離し、そしてプラスミドpACYC184の大きなEcoRI−XmnI制限フラグメントに連結した。このように形成した環状DNAのサイズは、約6kbであり、pKOS35−77と命名した。
【0232】
プラスミドpKOS35−77は、エポシロンPKS遺伝子プロモーターの制御下で、本発明の組換えPKS遺伝子を発現するための従来のプラスミドとして働く。1つの例示的な実施形態において、エポシロンPKS遺伝子(その相同なプロモーターを有する)全体は、1つ以上のフラグメントにおいて、プラスミドに挿入され、本発明の発現ベクターを生成する。
【0233】
本発明はまた、本発明の組換えPKS遺伝子が、Myxococcus xanthusプロモーターの制御下にある発現ベクターを提供する。例示的なベクターを構築するために、M.xanthusのpilA遺伝子のプロモーターを、PCR増幅産物として単離した。プラスミドpSWU537(これは、pilA遺伝子プロモーターを含み、そしてWuおよびKaiser,Dec.1997,J.Bact.179(24):7748−7758に記載される)を、以下のPCRプライマーSeq1およびMxpil1プライマー:
Seq1:5’−AGCGGATAACAATTTCACACAGGAAACAGC−3’;および
Mxpil1:5’−TTAATTAAGAGAAGGTTGCAACGGGGGGC−3’、
と混合し、そして標準的なPCR条件を使用して増幅し、約800bpのフラグメントを得た。このフラグメントを、制限酵素KpnIを使用して切断し、そして市販のプラスミドpLitmus28(New England Biolabs)の大きなKpnI−EcoRV制限フラグメントに連結した。得られた環状DNAは、設計されたプラスミドpKOS35−71Bであった。
【0234】
プラスミドpKOS35−71B由来のpilA遺伝子のプロモーターを、約800bpのEcoRV−SnaBI制限フラグメントとして単離し、そしてプラスミドpKOS35−77の大きなMscI制限フラグメントと連結して、サイズが約6.8kbの環状DNAを得た。約800bpのフラグメントは、2つの配向のいずれか一方に挿入され得たため、このライゲーションにより同じサイズの2つのプラスミドが生成し、これらをそれぞれ、プラスミドpKOS35−82.1およびプラスミドpKOS35−82.2と命名した。これらのプラスミドの制限部位および機能マップを、図2に示す。
【0235】
プラスミドpKOS35−82.1およびpKOS35−82.2は、組換えPKS遺伝子がMyxococcus xanthus pilA遺伝子プロモーターの制御下にある本発明のベクターの簡便な出発物質として働く。これらのプラスミドは、プロモーターの転写開始部位のすぐ下流に配置した単一のPacI制限酵素認識配列を含む。1つの例示的な実施形態において、エポシロンPKS遺伝子(その相同なプロモーターを有さない)全体は、1つ以上のフラグメントにおいて、PacI部位にあるプラスミドに挿入されて、本発明の発現ベクターを生成する。
【0236】
これらのプラスミドにおけるpilAプロモーターの配列を以下に示す:
【0237】
【化30】
Figure 2004508810
本発明の組換えMyxococcus xanthus宿主細胞を作製するために、M.xanthus細胞を、CYE培地(CamposおよびZusman、1975,Regulation of Development in Myxococcus xanthus:effect of 3’:5’−Cyclic AMP,ADP and nutrition,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 72:518−522)中、30℃、300rpmで100のKlettまで増殖する。残りのプロトコールは、他に示されない限り、25℃で行う。次いで、これらの細胞を、遠心分離(8000rpmで10分間、SS34またはSA600ローター中で)によってペレットかし、そして脱イオン水に再懸濁する。これらの細胞を再びペレット化し、そしてもとの容量の1/100倍に再懸濁する。
【0238】
DNA(1〜2μL)を、室温、0.1cmのキュベット中、400ohm、25μFD、0.65V、8.8〜9.4の範囲の時定数でエレクトロポレーションする。このDNAは、塩を含まず、蒸留した脱イオン水に再懸濁するか、または0.025μm型VS膜(Millipore)で透析する。抵抗率のエレクトロポレーションについて、このDNAをスポット透析し、そして増殖物はCYE中に存在する。エレクトロポレーションの直後に、1mLのCYEを添加し、そして50mLのエーレンマイヤーフラスコに事前に添加した追加の1.5mLのCYE(全容量2.5ml)を用いて、キュベット中の細胞をプールする。これらの細胞を、30〜32℃、300rpmで、4〜8時間(または一晩)増殖し、選択マーカーを発現させる。次いで、これらの細胞を、選択したプレート上のCYE軟寒天にプレートする。選択マーカーとしてカンナマイシンを用いる場合、代表的な収量は、DNA1μgあたり10〜10である。選択マーカーとしてストレプトマイシンを用いる場合、これは寒天に結合するために、上部の寒天に含まれる。
【0239】
この手順を用いて、本発明の組換えDNA発現ベクターを、本発明の組換えPKSを発現するMyxococcus宿主細胞にエレクトロポレーションし、エポシロン、エポシロン誘導体およびこれらによりコードされる他の新規なポリケチドを生成する。
【0240】
(実施例2:Myxococcus xanthusにおけるエポシロン(Epothilone)の発現についての染色体組み込みおよび細菌人工染色体(BAC))
異種宿主においてエポシロンPKSおよび改変酵素遺伝子を発現して発酵によってエポシロンを生成するために、Sorangium cellulosumに密接に関連し、多くのクローニングベクターが利用可能であるMyxococcus xanthusを、本発明の方法に従って使用する。M.xanthusおよびS.cellulosumは、粘液細菌であり、そのためM.xanthusおよびS.cellulosumは、遺伝子発現、翻訳調節、および翻訳後修飾の共通エレメントを共有し得る。M.xanthusは、遺伝子クローニングおよび発現について開発されてきた:DNAは、エレクトロポレーションによって導入され得、そして多くのベクターおよび遺伝子マーカーは、染色体中への安定な挿入を可能にするものを含む外来DNAの導入に利用可能である。M.xanthusは、発酵槽中で複合培地にて比較的容易に増殖され得、そして求められる場合、遺伝子発現を増加するための操作に供され得る。
【0241】
エポシロン遺伝子クラスターをMyxococcus xanthusに導入するために、相同組換えを使用することによって染色体にエポシロンクラスターを構築して完全な遺伝子クラスターをアセンブリし得る。あるいは、完全なエポシロン遺伝子クラスターを、細菌人工染色体(BAC)にクローニングし得、次いで、染色体への組み込みのためにM.xanthusに移動し得る。
【0242】
コスミドpKOS35−70.1A2、およびpKOS35−79.85から遺伝子クラスターをアセンブリするために、これらのコスミドからの相同な小領域(約2kbまたはそれより大きい)を、Myxococcus xanthusに導入して遺伝子クラスターのより大きな小片のための組換え部位を提供する。図3に示されるように、プラスミドpKOS35−154およびpKOS90−22を作製して、これらの組換え部位を導入する。M.xanthus染色体中のエポシロン遺伝子クラスターをアセンブリするための戦略を、図4に示す。最初に、遺伝子および転写単位をいずれも破壊しない、細菌染色体中の中立部位を、選択する。このような領域の1つは、devS遺伝子の下流であり、これは、M.xanthusの増殖または発達に影響しないことが示されている。第1のプラスミドであるpKOS35−154を、DraIで線状化し、そしてM.xanthus中にエレクトロポレーションする。このプラスミドは、エポシロン遺伝子クラスターの2つのフラグメントに隣接するdev遺伝子座の2つの領域を含む。カナマイシン耐性マーカーおよびE.coli galK遺伝子を、epo遺伝子領域の間に挿入する。Uekiら、1996、Gene 183:153−157(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。相同な領域としてdev配列を使用する二重組換えによってDNAがdev領域に再結合する場合、カナマイシン耐性は、コロニー中に生じる。
【0243】
この菌株(K35−159)は、pKOS35−79.85の組換えを可能にする、エポシロン遺伝子クラスターの小領域(約2.5kb)を含む。pKOS35−79.85上の耐性マーカーがK35−159におけるものと同一であるので、テトラサイクリントランスポゾンを、コスミド中に転位し、そしてカナマイシンマーカー中に挿入されたトランスポゾンを含むコスミドを、選択した。このコスミド(pKOS90−23)を、K35−159中にエレクトロポレーションし、そしてオキシテトラサイクリン耐性コロニーを選択して、菌株K35−174を作製した。所望でない領域をコスミドから除去しかつエポシロン遺伝子のみを残すために、細胞を、1%ガラクトースを含むCYEプレート上に播いた。galK遺伝子の存在は、これらの細胞を1%ガラクトースに感受性にする。K35−174のガラクトース耐性コロニーは、組換えによってかまたはgalK遺伝子中の変異によって、galKマーカーを損失した細胞を示す。組換え事象が生じる場合、ガラクトース耐性菌株は、カナマイシンおよびオキシテトラサイクリンに感受性である。両方の抗生物質に感受性な菌株を、サザンブロット分析によって立証する。正しい菌株を同定しK35−175と称し、そして正しい菌株は、モジュール7からepoKの停止コドンの下流4680bpまでのエポシロン遺伝子クラスターを含む。
【0244】
モジュール1からモジュール7までを導入するために、上記のプロセスを、1度以上反復する。プラスミドpKOS90−22を、DraIで線状化し、そしてK35−175にエレクトロポレーションしてK111−13.2を作製する。この菌株を、テトラサイクリン耐性バージョンのpKOS35−70.1A2およびpKOS90−38でエレクトロポレーションし、オキシテトラサイクリンに対して耐性なコロニーを、選択する。これによって、菌株K111−13.23を作製する。現在、全エポシロン遺伝子クラスターを有する組換え体を、1%ガラクトースに対する耐性によって選択する。これによって、クローンK111−32.25、K111−32.26およびK111−13.35が生じる。菌株K111−32.25を、ブダペスト条約に従って、American Type Culture Collection,Manassas,VA 20110−2209,USAに2000年4月14日に寄託し、そして受託番号PTA−1700の下で利用可能である。この菌株は、全てのエポシロン遺伝子およびそのプロモーターを含む。
【0245】
50mLフラスコ中で5mLのCYE(1リットル当たり10gカシトン(casitone)、5g 酵母抽出物および1g MgSO・7HO)に菌株を播種し、そしてこの培養物が中間対数増殖期になるまで一晩増殖させることによって、発酵を実施した。100μLのアリコートを、CTSプレート上に広げ、そしてプレートを32℃で4〜5日間インキュベートした。エポシロンを抽出するために、プレートからのアガーおよび細胞を、浸軟し、50mLの円錐チューブに入れ、そしてアセトンを添加してチューブを充たした。溶液を、4〜5時間振動してインキュベートし、アセトンを吸引し、そして残った液体を、等量の酢酸エチルで2度抽出した。硫酸マグネシウムを添加することによって、酢酸エチル抽出物から水を除去した。硫酸マグネシウムを濾過し、そして液体を吸引して乾燥した。エポシロンを、200μLのアセトニトリル中に再懸濁し、LC/MSによって分析した。この分析は、この菌株がエポシロンAおよびBを生成したことを示した。エポシロンBは培養物中に約0.1mg/L存在し、そしてエポシロンAは5〜10倍低いレベルで存在した。
【0246】
この菌株をまた使用して、液体培地中にエポシロンを生成し得る。CYEを含むフラスコを、エポシロン生成菌株で播種する。次の日、細胞が中間対数増殖期にある間に、1mg/mLのセリン、アラニンおよびグリシン、ならびに0.1% ピルビン酸ナトリウムとともに、0.5%CMM(0.5%カシトン、0.2%MgSO・7HO、10mM MOPS(pH7.6))を含むフラスコに、5%の接種原を添加した。ピルビン酸ナトリウムを0.5%にまで添加して、エポシロンB生成を増加し得たが、エポシロンB対エポシロンAの比が減少した。培養物を、30℃で60〜72時間増殖させる。より長いインキュベーションは、エポシロンの力価の低下をもたらす。エポシロンを回収するために、培養物を、SS34ローターにて10,000rpmで10分間遠心分離する。上清を、酢酸エチルで2度抽出し、そして旋回吸引(「ロータベーポ(rotavape)」)して乾燥する。液体培養物は、プレート培養物で観察したものと類似した比の、2〜3mg/LのエポシロンAおよびBを生成した。XAD(0.5〜2%)を培養物に添加する場合、エポシロンCおよびDを観察した。エポシロンDは、0.1mg/Lで存在し、そしてエポシロンCは、5〜10倍低いレベルで存在した。
【0247】
1つのフラグメントとして全遺伝子クラスターをクローンするために、細菌人工染色体(BAC)ライブラリを構築する。まず、SMP44細胞を、アガロースに包埋し、そしてBIO−RADゲノムDNAプラグキットに従って溶解する。DNAプラグを、制限酵素(例えば、Sau3AIまたはHindIII)で部分的に消化し、そしてFIGEゲルまたはCHEFゲル上で電気泳動する。アガロースからDNAの電気抽出によってかまたはアガロースを分解するためにゲラーゼ(gelase)を使用して、DNAフラグメントを、単離する。フラグメントの単離するための選択法は、Strongら、1997、Nucleic Acids Res.19:3959−3961(参考として本明細書中に援用される))に記載されるような電気抽出である。DNAを、適切な酵素で切断されたBAC(pBeloBACII)に連結する。pBeloBACIIのマップを、図5に示す。
【0248】
Shengら、1995、Nucleic Acids Res.23:1990−1996(参考として本明細書中に援用される)の方法によって、DNAを、DH10B細胞にエレクトロポレーションして、Sorangium cellulosumのゲノムライブラリーを作製する。コロニーを、エポシロンクラスターのNRPS領域からのプローブを使用してスクリーニングする。ポジティブクローンを、拾い上げ、そしてDNAを、制限分析のために単離し、完全な遺伝子クラスターの存在を確認する。このポジティブクローンを、pKOS35−178と称する。
【0249】
pKOS35−178を導入するために使用され得る菌株を作製するために、dev遺伝子座に隣接するエポシロン遺伝子クラスターの上流および下流である相同性領域を含み、pKOS90−22およびpKOS35−154に類似するカナマイシン耐性galKカセットを含む、プラスミドpKOS35−164を構築する。このプラスミドを、DraIで線状化し、そしてKafeshiら、1995、Mol.Microbiol.15:483−494の方法に従って、Myxococcus xanthusにエレクトロポレーションしてK35−183を作製する。エレクトロポレーションによってかまたはバクテリオファージP1での形質導入によって、プラスミドpKOS35−178を、K35−183中に導入し得、そしてクロラムフェニコール耐性コロニーを選択する。あるいは、pRP4からの接合移入(conjugative transfer)の起源を含むpKOS35−178のバージョンを、E.coliからK35−183へのDNAの移入のために構築し得る。このプラスミドを、RP4からのoriT領域およびpACYC184からのテトラサイクリン耐性マーカーを含むトランスポゾンをまず構築して、次いで、pKOS35−178にインビトロでかまたはインビボで転位する。このプラスミドを、S17−1中に形質導入し、そしてM.xanthusに接合する。この菌株K35−190を、1%ガラクトースの存在下で増殖させて、第2の組換え事象について選択する。この菌株は、全てのエポシロン遺伝子および全ての強力なプロモーターを含む。この菌株を発酵し、そしてエポシロンAおよびBの生成について試験した。
【0250】
あるいは、温度感受性プラスミドpMAK705またはpKO3のいずれかを使用してpMAK705またはpKO3のいずれかにトランスポゾンを転位し、tetRプラスミドおよびcamSプラスミドについて選択することによって、トランスポゾンを、BACに組換え得る;Hamiltonら、1989年9月、J.Bact.171(9):4617−4622およびLinkら、1997年10月、J.Bact.179(20):6228−6237(これらの各々が本明細書中に参考として援用される)に記載されるように、組換えを達成する。
【0251】
pKOS35−178をdev遺伝子座への組み込みに加えて、これをまた、ミクソファージ(myxophage)Mx8またはMx9から組み込み機能を使用してファージ接着部位へ組み込み得る。組み込み遺伝子、およびMx8またはMx9のいずれかからのatt部位をpACYC184からのテトラサイクリン遺伝子とともに含む、トランスポゾンを構築する。このトランスポゾンの代替のバージョンは、接着部位のみを有し得る。このバージョンにおいて、次いで、組み込み遺伝子は、インテグラーゼ遺伝子を含むプラスミドとの同時エレクトロポレーションによってトランスで供給されるか、またはエレクトロポレーションされた菌株にて任意の構成的プロモーター(例えば、mglプロモーター(Magriniら、1999年7月、J.Bact.181(13):4062−4070(本明細書中に参考として援用される))を参照のこと)から発現したインテグラーゼタンパク質を有することによって供給される。一旦、トランスポゾンが構築されると、これを、pKOS35−178に転位してpKOS35−191を作製する。このプラスミドを、上記のようにMyxococcus xanthus中に導入する。この菌株は、全てのエポシロン遺伝子および全ての強力なプロモーターを含む。この菌株を発酵して、そしてエポシロンAおよびBの生成について試験する。あるいは、att部位およびoriT領域を含む菌株は、BACに転位され得、そして生じたBACは、M.xanthus中に接合され得る。
【0252】
一旦、エポシロン遺伝子がMyxococcus xanthusの菌株に確立されたら、遺伝子クラスターの任意の部分の操作(例えば、プロモーターまたは交換(swapping)モジュールの変化)を、以下に記載されるように、カナマイシン耐性およびgalKカセットを使用して実施し得る。epo遺伝子を含むMyxococcus xanthusの培養物を、多量の培地中で増殖させ、そしてエポシロンの生成について試験する。エポシロンの生成のレベル(特に、BまたはD)が低い場合、次いで、M.xanthus産生クローンを、以下の実施例に記載されるように、培地発生および変異ベースの菌株改善に供する。
【0253】
(実施例3)
(エポシロンの産生および精製のためのプロセス)
(A.Myxococcus xanthusにおけるエポシロンDの異種性産生の最適化)
Myxococcus xanthusにおけるエポシロンDの異種性産生を、吸着樹脂の組み込み、適切な炭素源の同定、およびフェッドバッチプロセス(fed−batch process)の実行により、最初の力価の0.16mg/Lから140倍に改善した。
【0254】
基底培地におけるエポシロンDの分解を減少させるために、XAD−16(20g/L)を添加し、細胞外生成物を安定化させた。これはその回収を大いに容易にし、そして収率を3倍に増強した。細胞増殖および生成物形成のための炭素源としての油の使用もまた、評価した。種々の油のスクリーニングから、オレイン酸メチルが、最も大きな影響を有することを示した。バッチプロセスにおける最適濃度の7mL/Lにおいて、最大細胞密度は、0.4g乾燥細胞重量(DCW)/Lから2gDCW/Lに増加した。生成物の収率は、生成物培地における痕跡元素の存在に依存した。基底培地への痕跡元素の外因的な補給により、最高エポシロンD力価を8倍増強した。このことは、細胞の代謝およびエポシロン生合成において金属イオンが重要な役割を果たしていることを実証した。生成物の収率をさらに増加させるために、連続的なフェッドバッチプロセスを実施し、より高い細胞密度を促進し、そして延長した生成期間を維持した。最適化されたフェッドバッチ培養は、一貫して、7gDCW/Lの細胞密度および23mg/Lの平均生成物力価を生じた。
【0255】
エポシロンは、myxobacterium Sorangium cellulosumの種々の株により天然に産生される二次代謝物である(Gerth et al.,1996;Gerth et al.,2001;この実施例において引用される参考文献はこの節の最後に列挙され、そして本明細書中で参考として援用される)。それらは、微小管解重合の強力なインヒビターであり、作用機構は、抗癌薬Taxol(Bollag et al.,1995)と類似する。P糖タンパク質を発現する多剤耐性腫瘍細胞株に対するそれらの細胞障害性効果は、それらを大きな商業的価値を有する強力な治療化合物にする(Su et al.,1997;Kowalski et al.,1997)。それらの水中での比較的高い溶解性もまた、臨床的評価のためのそれらの処方を容易にする。
【0256】
エポシロンAおよびBは、天然の宿主の主要な発酵産物である(Gerth et al.,1996)。これらのポリケチド分子の大環状コアは、アセテート単位とプロピオネート単位との連続的な脱炭酸縮合により形成される(Gerth et al.,2000)。エポシロンAおよびBは、それらの炭素骨格のC−12位での単一のメチル基が異なる。この構造の相違は、エポシロンAのアセンブリにおけるアセテートの組み込み、およびエポシロンBのアセンブリにおけるプロピオネートの組み込みに起因する。エポシロンCおよびDは、それぞれ、エポシロンAおよびBの生合成経路における中間体である(Tang et al.,2000;Molnar et al.,2000)。それらは、組み合わせた収率が約0.4mg/Lである、発酵プロセスの間の少数派の生成物として分泌される。予備的なインビボ研究は、エポシロンDが4つの化合物の中で抗腫瘍薬として最も見込みがあることを明らかにし(Chou et al.,1998)、この分子を大量に生成することが重要な目的である。
【0257】
エポシロン生合成を担う遺伝子クラスターは、配列決定され(Tang et al.,2000;Molnar et al.,2000)、そしてS.cellulosumに緊密に関連するが遺伝子操作の影響をより受けやすい微生物宿主であるMyxococcus xanthusにおいてこれらの化合物を生成するために用いられる。エポシロンDの生成を助長するために、この組換え株の欠損変異体(以下の実施例4に記載される)を構築し、それぞれエポシロンCおよびDからエポシロンAおよびBへの変換を触媒するP450エポキシダーゼを不活化した(Tang et al.,2000)。この遺伝的な変更は、M.xanthus発酵の単独の生成物としてのエポシロンCおよびDの分泌を効果的に促進した(エポシロンD:エポシロンCは4:1である)。得られた変異体は、所望の生成物の回収および精製において、天然の宿主を超える顕著な利点を提供する。この実施例において、培地組成および発酵ストラテジーの改善は、M.xanthusでのエポシロンDの産生における140倍の増加を生じることが記載される。
【0258】
吸着樹脂は、少量で生成される生物学的に活性な分子の連続的な補足のために、myxobacteriaの発酵において用いられる(ReichenbachおよびHofle,1993)。エポシロンDの単離を容易にするために、疎水性樹脂XAD−16を培養培地に添加した。結合した生成物は、適切な溶媒を用いて樹脂から容易に溶出され得るので、その回収は非常に簡単であった。さらに、XAD−16の使用は、生成物の安定化を通じてエポシロン分解を最小化した。
【0259】
Myxococcus xanthusは、伝統的に、主にカゼインの酵素的加水分解産物(例えば、ペプトンおよびカシトン)からなる培地中で培養され、単独の炭素源および窒素源としてのアミノ酸に依存する(ReichenbachおよびDworkin,1991)。その結果、アンモニアが、アミノ酸分解の結果として発酵ブロス中に蓄積される。Myxococcus virescenes培養における35〜42mMの細胞外アンモニア濃度は、細胞内での80〜140mMの驚くほど高いアンモニア濃度に対応することが、Gerthら(1986)により実証された。より重要なことは、インサイチュメンブレンプロセスを用いた過剰なアンモニアの8mM以下までの連続的な除去により、細胞質量および二次代謝産物の両方が劇的に増加することが示された(Hacht et al.,1990)。高レベルのアンモニアの生成は、M.xanthusの増殖およびエポシロンD産生に阻害的であると推測されるので、アミノ酸の消費を減少させるための代替の炭素源が望ましい。
【0260】
適応プロセスが必要とされたけれども、オレイン酸メチルをM.xanthusにより代謝され得る基質として異なる油の広範囲のスクリーニングから同定した。増殖培地に外因性痕跡元素溶液を添加し、エポシロンD産生を8倍に増加した(単一のバッチ発酵における収率は3.3mg/L)。このプロセスをさらに最適化するために、カシトンおよびオレイン酸メチルの断続的または連続的補給を用いるフェッドバッチアプローチを適合し、細胞の産生フェーズを延長させた。2つの異なる栄養補給ストラテジーを用いて獲得された結果の比較を、この実施例で報告する。
【0261】
(材料および方法)
(接種材料の調製)
オレイン酸メチルを含まない培養培地でのエポシロンDの生成のために、20%(v/v)グリセロール中の1mLのMyxococcus xanthus株K111−40.1の凍結細胞を50mLガラス培養チューブ中の10g/Lカシトン(Difco)、5g/L酵母エキス(Didco)、1g/L MgSO・7HO、および50mM HEPES(pH7.6)からなる3mLのCYE培地に接種した。HEPES緩衝溶液を、水酸化カリウムを用いてpH7.6に滴定した。この細胞を、ロータリーシェーカー上で30℃および175rpmで3日間インキュベートした。次いでそれらを、50mLのCYE培地を含む250mLエルレンマイヤーフラスコに移し、そして同一の条件下で2日間増殖させた。得られた種培養を用いて、5%(v/v)の接種サイズで50mL生成物フラスコに接種した。
【0262】
オレイン酸メイルを含む培地中でのM.xanthusの培養のために、細胞が油の存在下で増殖するように適合させる必要があった。1つの凍結細胞の種バイアルを、3μLのオレイン酸メチル(Emerest 2301)(Cognis Corp)を補充した3mLのCYE培地に接種した。この細胞を30℃および175rpmにて2〜6日間ガラス培養中で、培養物が顕微鏡下で十分な密度になるまで増殖させた。次いでそれらを、10g/Lカシトン(Difco)、5g/L酵母エキス(Difco)、1g/L MgSO・7HO、2mL/Lオレイン酸メチル、および50mM HEPES(pH7.6)からなる50mLのCYE−MOM培地を含む250mLエルレンマイヤーフラスコに移した。増殖の2日後、細胞を、20%(v/v)グリセロール中の1mLアリコートとして−80℃で凍結および保存した。
【0263】
オレイン酸メチルを含む培地中でのエポシロンDの生成のために、1mLの凍結油適合細胞を、ガラス培養チューブ中の3mLのCYE−MOM培地に接種した。この細胞を30℃および175rpmで2日間インキュベートし、そして50mLのCYE−MOM培地を含む250mLエルレンマイヤーフラスコに移動した。得られた種培養を同一の条件下で2日間増殖させ、そして50mL生成物フラスコに5%(v/v)の接種サイズで接種するために用いた。
【0264】
5L発酵のための接種材料を調製することにおいて、25mLの油適合種培養物を、475mLのCYE−MOM培地を含む2.8Lフェルバッハフラスコに移した。この細胞を30℃および175rpmで2日間増殖させた。続いて、250mLのこの二次種培養物を4.75Lの生成物培地を含む5L発酵槽に接種し、5%(v/v)の最終接種濃度にした。
【0265】
(振とうフラスコ生成)
オレイン酸メチルの非存在下でのM.xanthus K111−40−1のバッチ培養を、以下のように調製した。1gのXAD−16樹脂(RohmおよびHaas)を、5mLの脱イオン水を加えた250mLエルレンマイヤーフラスコ中で121℃にて30分間オートクレーブした。次いで、過剰な水をフラスコから除去し、そして5g/Lカシトン、2g/L MgSO・7HO、および50mM HEPES(pH7.6)からなる50mLのCTS培地を添加した。生成培地の存在下での吸着樹脂のオートクレーブは、細胞に必要とされる必須栄養素の結合を導くので、樹脂および培地成分を別々に滅菌した。生成物フラスコを2.5mLの種培養を用いて接種し、そして30℃および175rpmで6日間インキュベートした。
【0266】
オレイン酸メチルの存在下でのバッチ培養を上述のようにして調製した。さらに、生成物培地に7mL/Lのオレイン酸メチルおよび4mL/Lの濾過滅菌痕跡元素溶液(10mL/L 濃縮HSO、14.6g/L FeCl・6HO、20g/L ZnCl、1.0g/L MnCl・4HO、0.43g/L CuCl・2HO、0.31g/L HBO、0.24g/L CaCl・6HO、および0.24g/L NaMO・2HOから構成される)を補充した。次いで、生成物フラスコを2.5mLの油適合種培養で接種し、そして30℃および175rpmで5日間増殖させた。
【0267】
カシトンおよびオレイン酸メチルを断続的に供給するフェッドバッチ培養物を以下のように調製した。1gのXAD−16樹脂を、5mLの脱イオン水を含む250mLエルレンマイヤーフラスコ中で121℃にて30分間オートクレーブした。滅菌後、過剰な水をフラスコから除去し、2mL/Lオレイン酸メチル、4mL/L痕跡元素溶液、および50mM HEPES(pH7.6)を補充した50mLのCTS培地を加えた。生成物フラスコを2.5mLの油適合種培養で接種し、そして30℃および175rpmでインキュベートした。接種の2日後、2g/Lのカシトンおよび3mL/Lのオレイン酸メチルを、24時間間隔で培養培地に加えた。カシトン供給物を濃縮した100g/L溶液として調製した。この培養物を10〜12日間、実質的な細胞溶解物を獲得するまで培養させた。
【0268】
全ての生成物培養物は、同一の増殖条件下で2.8Lフェルンバッハフラスコ中で500mLスケールにて増殖され得る。
【0269】
(発酵槽生成)
断続的にかまたは連続的にカシトンおよびオレイン酸メチルを供給する5Lスケールのフェッドバッチ発酵を、以下のように調製した。20g/LのXAD−16および2g/LのMgSO・7HOを、4.75Lの脱イオン水を含む5L発酵槽(B.Braun)中で121℃にて30分間オートクレーブした。滅菌後、濃縮カシトン溶液(150g/L)、オレイン酸メチル、および痕跡元素をバイオリアクターに無菌的に加え、それぞれ5g/L、2mL/L、および4mL/Lの最終カシトン、オレイン酸メチル、および痕跡元素濃度を得た。次いで、培地を250mLの油適合種培養で接種した。0.4〜0.5v/v/mの給気速度および400rpmの初期攪拌速度で30℃にて発酵を行った。400〜700rpmの間の攪拌カスケードにより、溶解酸素を50%飽和で制御した。2.5N KOHおよび2.5M HSOの自動添加により培養pHを7.4に維持した。接種の24時間後、カシトン(150g/L)およびオレイン酸メチルを、2g/L/日(カシトン)および3mL/L/日(オレイン酸メチル)の供給速度で生成物培地に添加した。この供給を、24h毎の単一のボーラスとしてか、または蠕動ポンプ(W.Marlow)で連続的にかのいずれかで送達した。細胞を10〜12日間、有意な細胞溶解物が見られるまで増殖させた。
【0270】
(エポシロン定量)
発酵におけるXAD−16樹脂の使用前に、1mLの培養ブロスを生成物フラスコまたはバイオリアクターからサンプル採取し、そして13,000gにて10分間遠心分離した。上清中のエポシロン生成物の定量をHewlett Packard 1090 HPLCを用いて250nmでのUV検出で実施した。500μLの上清を4.6×10mmガードカラム(Inertsil、ODS−3、5μm)に対して注入した。次いで、1mL/分の流速でオンライン抽出を実施し、100%水で0.5分間洗浄し、続いて1.5分間にわたり50%アセトニトリルまでの勾配により洗浄した。溶出液を最初の2分間を廃棄液に流し、その後、より長い分離カラム(4.6×150mm、Inertsil、ODS−3、5μm)を通過させた。エポシロンCおよびDの分離を、8分間にわたる50%から100%アセトニトリルの勾配、それに続く3分間の100%アセトニトリルによる洗浄により実施した。これらの条件下で、エポシロンCは、9.4分で溶出し、そしてエポシロンDは9.8分で溶出した。
【0271】
XAD−16樹脂の使用により、5〜50mLの十分に混合された培養ブロスおよび樹脂を、生成物フラスコまたはバイオリアクターからサンプル採取した。樹脂を重力により定着させた後、培養ブロスをデカントした。5〜50mLの水を用いて樹脂を洗浄し、そして再度重力により定着させた。この水性混合物を完全に取り除き、そしてエポシロン生成物を100%メタノールを用いて樹脂から抽出した。用いた溶媒の量は、50%のサンプル容量と等量であった。エポシロンCおよびDの定量を、HPLC分析により250nmでのUV検出で実施した。50μLのメタノール抽出物を2つの4.6×10mmガードカラム(Inertsil、ODS−3、5μm)およびより長い4.6×150mmカラム(Inertsil、ODS−3、5μm)に対して注入した。アッセイ方法は、平等にし(isocratic)、60%アセトニトリルおよび40%水を用いて流速1mL/分にて18分間溶出した。これらの条件下で、エポシロンCを10.3分にて検出し、そしてエポシロンDを13.0分にて検出した。標準を、精製エポシロンDを用いて調製した。
【0272】
(細胞増殖決定)
オレイン酸メチルの非存在下での細胞増殖を、光学密度(OD)を600nmにて測定することによりモニターした。サンプルを、最終OD値が0.4未満になるまで水で希釈した。培養培地へのオレイン酸メチルの添加は、600nmでの強い吸収を有するエマルジョンの形成を生じるので、オレイン酸メチルの存在下での細胞増殖を、乾燥細胞重量(DCW)により決定した。40mLの培養ブロスを予め重量測定した試験管中で4200gにて20分間遠心分離した。次いで、ペレットを40mLの水を用いて洗浄し、重量測定前に80℃にて2日間乾燥させた。
【0273】
(アンモニア決定)
1mLの発酵ブロスを、13,000gでの5分間の遠心分離により明澄化した。次いで、上清を、アンモニアアッセイキット(Sigma)を用いたアンモニア分析のために使用した。サンプルを、最終濃度が880μM未満になるまで20〜100倍希釈した。
【0274】
(オレイン酸メチル決定)
1mLの発酵ブロス中に残存するオレイン酸メチルを、5mLのアセトニトリルを用いて抽出した。この混合物をボルテックスし、そして4200gでの20分間の遠心分離により明澄化した。オレイン酸メチルの定量を、HPLC分析により210nmでのUV検出で実施した。50μLの上清を、2つの4.6×10mmガードカラム(Inertsil、ODS−3、5μm)およびより長い4.6×150mmカラム(Inertsil、ODS−3、5μm)に対して注入した。このカラムをアセトニトリル−水(1:1)を用いて流速1mL/分にて2分間洗浄した。次いで、24分間にわたる50%〜100%アセトニトリルの勾配、それに続く5分間の100%アセトニトリル洗浄により溶出した。市販のオレイン酸メチルの炭素鎖長の異種性が理由で、この化合物を25.3分と27.1分にて検出された2つの主要ピークとして溶出した。XAD−16樹脂に結合したオレイン酸メチルを、同じHPLC法を用いたメタノール抽出から定量した。オレイン酸メチルの標準を83.3%アセトニトリル中で調製した。細胞によるオレイン酸メチルの消費を以下のようにして算出した:(添加した総オレイン酸メチル)−(培地中に残存するオレイン酸メチル)−(樹脂に結合したオレイン酸メチル)。
【0275】
(結果)
Myxococcus xanthus株K111−40−1を、5g/Lカシトン(膵臓カゼイン消化物)および2g/L硫酸マグネシウムのみからなる単純生成物培地を用いるバッチ発酵プロセスにおいて初期培養した。細胞の基準性能を図6に示す。
【0276】
最大細胞密度およびエポシロンD産生を1.6のOD600および0.16mg/Lの対応する力価での接種の3日間後に得た。細胞密度および生成物収率の両方は、その後実質的に減少した。細胞によるカシトンの消費により、アンモニウムの漸増的な蓄積もまた、生成物培地において検出した。最終アンモニア濃度は、5日間の発酵の最後で20mMに達した。
【0277】
(生成物の安定性に対するXAD−16の効果)
エポシロンDの急激な分解を防止するために、疎水性吸着樹脂XAD−16を生成物培地に添加し、分泌された生成物を結合および安定化させた。XAD−16は、微生物プロデューサーSorangium cellulosum So ce90の発酵からエポシロンAおよびBを単離することについて、Gerthら(1996)により以前に使用された多芳香族樹脂である。図7に示されるように、吸着樹脂の存在は、細胞の増殖に影響しなかった。しかし、それは、発酵ブロス中のエポシロンDの損失を効果的に減少させ、この生成物の回収における3倍の増強を導いた。
【0278】
(培地開発)
より高い細胞密度およびエポシロン産生を支持し得る培地を開発する試みにおいて、増殖および生成物の収率に対するカシトンの影響を、生成物培地中でのその濃度を1g/Lから40g/Lに変化させることにより評価した。細胞増殖は漸増濃度のカシトンにより刺激されたが、細胞の特異的な生産能は、図8に示されるように有意に減少した。エポシロンD生成のための最適なカシトン濃度は、5g/Lに達し、より高い濃度が低い力価を生じた。
【0279】
培地の改善はカシトンの使用で限定されたので、代替の基質を基底生成物培地への補給物質として評価した。表3に要約されるように、異なる油の詳細なスクリーニングから、オレイン酸メチルを、エポシロンD産生において最も大きな増加を促進する炭素源として同定した。
【0280】
【表3】
Figure 2004508810
しかし、生成物培地へのオレイン酸メチルの直接添加は、成熟前の細胞溶解を引き起こした。従って、種培養を、生成物発酵の前にオレイン酸メチルの存在下で増殖させた。興味深いことに、この適合プロセスによって、細胞は、溶解に対して感受性をより小さくした。表4に示されるように(バッチ発酵におけるCTS培地の基礎性能と比較した増殖および生成における改善)、7mL/Lのオレイン酸メチル濃度および4mL/Lの痕跡元素濃度を用いて、2.1g/Lのピークバイオマス濃度および3.3mg/LのエポシロンD力価を達成した。
【0281】
【表4】
Figure 2004508810
さらなる力価の改善は、図9に示されるようにオレイン酸メチルのより高い濃度では観察されなかった。
【0282】
細胞増殖および産生に対するオレイン酸メチルの重要性を実証することに加えて、上のグラフはまた、産生培地におけるトレースエレメントの重要性を強調する。カシトン(casitone)によって補充された栄養素は、活発な細胞増殖に十分ではあり得ず、微量金属の外部からの添加を、オレイン酸メチルを含む結合体中心に添加した。驚くべきことに、この補充は、増殖および産生の両方を増強するために必須であることが見出された。微量金属の添加がない場合には、最大バイオマス濃度およびエポシロンD力価は、それぞれ1.2g/Lおよび0.12mg/Lのみであった。この低い力価は、基礎培地を用いて得られた力価に匹敵した。
【0283】
(フェッドバッチの開発)
バッチ発酵プロセスに、最適な濃度のオレイン酸メチルおよびトレースエレメントが存在する場合、M.xanthus菌株の対数増殖は、接種後の最初の2日間で起こった。エポシロンDの生成は、定常期の開始時に始まり、そして5日目のオレイン酸メチルの枯渇とともに細胞溶解が起こったときに停止した(図10Aおよび10Bに示される)。オレイン酸メチルの消費およびアンモニア生成についての時間過程がまた示される。産生培地におけるアンモニアの濃度は、発酵の全過程にわたって4mMより少なかった。
【0284】
フラスコ培養における細胞産生期間を延長するために、カシトンおよびオレイン酸メチルをそれぞれ2g/L/日および3mL/L/日の割合で1日1回培地に添加した。基質フィードを接種48時間後に開始し、その後3日間、細胞は対数的に増殖した。図11Aに示されるように、バイオマス濃度は、5日目にプラトーになり始め、10日目に最大6.3g/Lでプラトーに達した。また、エポシロンDの産生は、定常増殖期と一致し、そして9.8mg/Lの最終収率は、12日目の終わりに達成された。図11Bに示されるように、オレイン酸メチルの消費およびアンモニアの生成の両方が、発酵の全過程にわたって一定の割合で増加した。
【0285】
オレイン酸メチルは、オレイン酸メチルがバイオリアクターにフィードされるのと同じ速度で消費され、そして3.2mM/日の速度でアンモニアが蓄積された。カシトンまたはオレイン酸メチルのより低速でのフィードは、エポチロンD力価を非常に減少させるが、より高速でのフィードは、有意な産生が達成される前に成熟前細胞溶解を引き起こした。
【0286】
大きなスケールでのフェッドバッチプロセスの効率を試験するために、カシトンおよびオレイン酸メチルを24時間間隔で断続的に、5Lのバイオリアクター中の発酵物に添加した。図12に示されるように、生じた生成物曲線は、フラスコ培養についての生成物曲線と密接に類似した。基質フィードを接種24時間後に開始し、エポシロンの生成は、4日目に始まった。9.2mg/Lの最高エポシロンD力価は、接種後10日目に得られた。
【0287】
より正確なフィーディングストラテジーの増殖および産生に対する影響を評価するために、二重のフィードをバイオリアクターに連続的に送達した。図13Aに示されるように、連続的なフィードの実行は、細胞増殖に影響しなかったが、その生産性がほぼ3倍まで増加した。最終エポシロンD力価である27mg/Lは、接種後10日目に達成された。図13Bに示されるように、オレイン酸メチルは、産生培地に添加されるのと同じ速度で消費され、そしてアンモニアは、全発酵過程にわたって、一定の速度6.4mM/日で放出された。
【0288】
(議論)
エポシロンDの化学的合成が、近年達せられたが(Harrisら、1999;Mengら、1998;Shinhaら、1998)、20工程の複雑なプロセスは、化合物の大きなスケールでの製造のために経済的に実行可能な方法ではない。Myxococcus xanthus菌株の初期エポシロンDに対する生産収率は、0.16mg/Lであったが、本発明の改善された発酵プロセスは、産生レベルを23mg/Lまで実質的に増加した。
【0289】
より高いエポシロンD力価を達成することに対する主な障害の1つは、発酵ブロス中の産物の迅速な分解であった。この問題は、培養培地に吸着樹脂を組込むことで軽減された。XAD−16の添加は、細胞増殖には影響しなかったが、分泌された産物の損失を最小にし、そしてその回収率を3倍まで増加した。
【0290】
生産収率を高めることに対する別の障害は、カシトンを主な炭素源および窒素源として使用することで力価における改善が制限されていることである。M.xanthus菌株の増殖は、カシトン濃度の増加にともなって刺激されたが、5g/Lを超える濃度は、力価における劇的な減少を引き起こした。ペプトンまたはカシトンの高濃度での二次代謝産物のこの阻害効果は、いくつかの他のミコバクテリア発酵において以前に実証されており、そしてこのことは、培養培地中にアンモニアが蓄積することに起因している。
【0291】
M.xanthusは、多糖および糖を代謝し得ない(ReichenbachおよびDworkin、1991)ので、油を炭素源として利用するためにその能力を調査した。油は、魅力的な炭素基質である。なぜなら、脂肪酸の酸化は、細胞のためのエネルギー源として役立ち得るだけでなく、分解産物としてのアセチルCo−Aの発酵は、エポシロン生合成のための前駆体を提供し得る。Saccharopolyspora erythraea発酵、Streptomyces fradiae発酵、およびStreptomyces hygroscopicus発酵への油の添加は、ポリケチド分子(例えば、それぞれ、エリスロマイシン、チロシン、および免疫調製物質(immunoregulant)L−683590)の産生を高めることが示されている(Mirjaliliら、1999;Choiら、1998;Junkerら、1998)。
【0292】
異なる油のスクリーニングから、オレイン酸メチルが、細胞増殖およびエポシロンD産生を促進する優れた候補物質として同定された。しかし、これらの改善は、産生培地へ微量金属を同時に添加した場合にのみ観察された。7mL/Lでのオレイン酸メチル単独での添加は、最大細胞濃度を0.4g DCW/Lから1.2g DCW/Lまで増加したが、産生物はベースラインレベルのままであった。4mL/Lのトレースエレメントを外部から補充すると、最高バイオマス濃度は、2.1g DCW/Lまで増加し、そしてエポシロンD力価は、0.45mg/Lから3.3mg/Lまで促進された。これらの知見は、カシトンにおける栄養成分の欠乏がM.xanthusの増殖およびエポシロンの形成に重要であり得ることを示す。
【0293】
バッチプロセスのための、オレイン酸メチルおよびトレースエレメントの最適濃度を確立する努力が、活発な細胞増殖を維持し、そして産生期を延長するためのフィーディングストラテジーを開発するためになされた。断続的なおよび連続的なカシトンおよびオレイン酸メチルの一定の速度でのフィードが評価され、そして両方法は、増殖プロフィールにおいて類似の改善を生じた。2つの基質の最適フィードを用いて、約6.8g DCW/Lの最大細胞濃度が得られた。両方の場合において、オレイン酸メチルは、オレイン酸メチルが発酵培地に添加されるにつれて消費された。
【0294】
細胞増殖およびオレイン酸メチルの消費とは対照的に、エポシロン産生およびアンモニア生成は、フィーディングストラテジーの選択によって大きく影響された。連続フェッドバッチ培養において、最大エポシロンD力価である、23mg/Lが得られた。これは、断続的なフェッドバッチ培養で得られた力価のほぼ2.5倍であった。連続的なフィードでは、細胞によって放出されたアンモニアの速度もまた、2倍高かった。このことは、より高いカシトン消費速度を示唆している。これらの結果は共に、低い力価が、断続的なフェッドバッチプロセスに関連し、アンモニアの蓄積ではなく、異化産物制御によって引き起こされ得ることを示す。さらに、これらは、M.xanthus菌株の生産性が、培養培地中に存在する基質の量に対して感受性であり、そして基質制限条件下で最大であり得ることを示唆する。このことはまた、産生培地中のカシトン濃度の増加が、高い細胞濃度を生じるが、低い力価であるという観察と一致する。
【0295】
基礎培地でのバッチ培養と比較して、連続フェッドバッチ培養は、細胞濃度において17倍の増加、そして力価において140倍の増加を生じた。このプロセスは、5L〜1000Lのスケールであり、そして同等に行われることが示された。製造スケールでエポシロンDを生産するために示されたこの結果は、M.xanthusが、myxobacteria由来の他の生物学的に活性な分子の産生のための宿主として使用され得ることを実証した。
【0296】
(参考文献)
【0297】
【化31】
Figure 2004508810
Figure 2004508810
Figure 2004508810
(B.エポシロンBの産生)
(フラスコ)
1mLのバイアルのK111−32−25菌株を解凍し、内容物をガラス試験管中のCYEシード培地3mLに移す。この培地を30℃で72±12時間インキュベートし、続いて250mLの回り止めされたエルレンマイアーフラスコ(buffled Erlenmeyer flask)内のCYE培地50mL中でこの試験管の培養物3mLを継代培養する。このCYEフラスコを30℃で24±8時間インキュベートし、このシードの2.5mL(5% v/v)を使用してエポシロン産生フラスコ(250mLの回り止めされたエルレンマイアーフラスコ中のCTS−TA培地50mL)に接種した。次いでこれらのフラスコを、30℃で48±12時間、開始時のpH7.4の培地と共にインキュベートする。
【0298】
(発酵槽)
上記と同様のK111−32−25の接種物の拡大して、50mLのCYEシードのうち25mLを500mLのCYEへ継代培養するさらなる工程とともに使用する。この第二のシードを使用して、10Lの発酵槽(9.5LのCTS−TA、および1g/Lのピルビン酸ナトリウムを含む)に接種する。この発酵についてのプロセスパラメーター設定は以下である:pH−7.4;攪拌−400rpm;スパージ速度−0.15vvm。これらのパラメーターは、80%飽和を超えるDOを維持するのに十分であった。pHコントロールを、2.5Nの硫酸および2.5Nの水酸化ナトリウムを培養物に添加することによって提供した。最高エポシロン力価が48±8時間で達成される。
【0299】
(C.エポシロンDの産生)
(フラスコ)
K111−40−1菌株(実施例4に記載される)の1mLバイアルを解凍し、その内容物をガラス試験管中のCYEシード倍地の3mLに移す。この培養物を30℃で72±12時間インキュベートし、続いてこの試験管の培養物の3mLを250mLの回り止めしたエルレンマイヤーフラスコ内の50mLのCYE培地に継代培養する。このCYEフラスコを30℃で24±8時間インキュベートし、このシードの2.5mL(5%v/v)を使用してエポシロン産生フラスコに接種する(250mLの回り止めしたエルレンマイヤーフラスコ中の50mLの1×小麦グルテン培地)。次いで、これらのフラスコを、開始時のpH7.4の培地と共に30℃で48±12時間インキュベートする。
【0300】
(発酵槽)
上記と同様のK111−40−1の接種物の拡大して、50mLのCYEシードのうち25mLを500mLのCYEへ継代培養するさらなる工程に使用する。この第二のシード250mLを使用して、5Lの発酵槽(4.5LのCTS−TA、および1g/Lのピルビン酸ナトリウム(毎日フィードする)を含む)に接種する。この発酵についてのプロセスパラメーター設定は以下である:pH−7.4;攪拌−400rpm;スパージ速度−0.15vvm。これらのパラメーターは、80%飽和を超えるDOを維持するのに十分であった。pHコントロールを、2.5Nの硫酸および2.5Nの水酸化ナトリウムを培養物に添加することによって提供した。最高エポシロン力価が36±8時間で達成される。最高エポシロンC力価は、0.5mg/Lであり、そして最高エポシロンD力価は、1.6mg/Lである。
【0301】
表5は、使用された培地およびそれぞれの成分の要約である。
【0302】
【表5】
Figure 2004508810
CYEシード培地およびCTS−TA産生培地を、121℃で30分間の自動滅菌オートクレーブ(autoSterilized autoclaving)によって滅菌する。次いで、小麦グルテン産生培地を121℃で45分間オートクレーブすることによって滅菌する。
【0303】
(D.Myxococcus xanthusからのエポシロンCおよびDの産生)
1つの局面において、本発明は、Myxococcus菌株(M.xanthus K111−40−1が挙げられるが、これらに限定されない)のための改善された発酵プロセスを提供する。このプロセスにおいて、発酵培地は、アンモニアの生成なしに利用され得る炭素源を提供する。1つの好ましい実施形態において、炭素源は油(例えば、オレイン酸メチル、または類似の油)である。種々のフィード速度での振盪フラスコ試験において、これらの方法は、以下に記載のように15〜25mg/Lの範囲のレベルで、エポシロンCおよびD(主には、エポシロンD)の産生を生じた。
【0304】
(シード培養)
2mL/Lのオレイン酸メチルを含むCYE培地50mL中で増殖させ、凍結した1mLバイアル中のM.xanthus K111−40−1細胞を使用して、滅菌ガラス試験管中の1mL/Lのオレイン酸メチルを含む新しいCYE培地の3mLに接種した。この試験管を30℃で24時間、250RPMの振盪にて、インキュベートした。次いで、この試験管中の培養物を、2mL/Lのオレイン酸メチルを含む新しいCYE培地50mLを含む回り止めしていない250mLのフラスコに移した。このフラスコを、30℃で、48時間、250RPMの振盪にて、インキュベートした。
【0305】
(産生フラスコ)
1gのAmberlite XAD−16を、250mLの回り止めしていないフラスコ中で、121℃、30分間オートクレーブすることによって滅菌した。次いで、50mLの滅菌産生培地をフラスコに加えた。このフラスコをシード培養物の5%(v/v)で接種し、これを250RPMおよび30℃で作動するインキュベーター振盪器に設置した。滅菌オレイン酸メチルの3mL/L/日のフィードを、接種後2日目に開始し、そしてカシトンの2g/L/日のフィードを接種後1日目に開始した。
【0306】
(産物の抽出)
14日後に、産生フラスコ中のXAD樹脂を50mLの遠心管に移した。この遠心管中の過剰の培地を、樹脂のいずれも除去されないようにデカントした。次いで、XAD樹脂を、25mLの水で洗浄し、静置した。この遠心管中の水を、樹脂のいずれも除去されないようにデカントし、この遠心管に20mLのメタノールを加えた。遠心管を、175RPM、20〜30分間の振盪器に設置し、樹脂からエポシロン産物を抽出した。メタノール抽出物を、貯蔵およびLC/MS分析のために新しい遠心管に移した。
【0307】
表6は、使用された培地およびそのそれぞれの成分の要約である。
【0308】
【表6】
Figure 2004508810
CYE培地および産生培地を自動滅菌オートクレーブによって、121℃、30分間滅菌する。トレースエレメント溶液は、濾過滅菌し;オレイン酸メチルは、別にオートクレーブする。
【0309】
トレースエレメント溶液を、表7の成分全てと合わせることによって作製し、この溶液に10mL/Lの濃硫酸を加え、最終容量1Lにする。
【0310】
【表7】
Figure 2004508810
生じた溶液を濾過滅菌する。
【0311】
(E.Myxococcus xanthusからのエポシロンの発酵、産生、および精製)
(M.xanthus菌株の詳細)
菌株K111−25−1は、エポシロンB産生菌株であり、これはまた、エポシロンAも産生する。菌株K111−40−1はエポシロンD産生菌株であり、これはまた、エポシロンCも産生する。
【0312】
(プレート上でのM.xanthusの維持)
M.xantus菌株をCYE寒天プレートで維持する(プレート組成物については表8を参照のこと)。コロニーは、プレートに画線接種した後、約3日で現れる。プレートを、32℃で所望の増殖レベルまでインキュベートし、次いで、3週間まで室温で貯蔵する(プレート上4℃での保存は、細胞を死滅させる)。
【0313】
(表8)
【0314】
【表8】
Figure 2004508810
*1L寒天培地バッチを45分間オートクレーブし、次いで、ペトリ皿中に注いだ。
【0315】
(細胞バンクについてのM.xanthusの油順応)
3mLのCYEシード培地および1滴のオレイン酸メチルを入れた、50mLのガラス培養チューブ内に、CYEプレートまたは細胞の凍結バイアルから、油に順応しないコロニーを100μLピペットで移す。顕微鏡下で培養物が高密度に見えるまで細胞を2〜6日間増殖させる(30℃、175rpm)。これらの細胞は、常に油によく順応するわけでないため、並行していくつか(5〜7)の試験管ではじめる。
【0316】
(細胞バンク手順(マスター細胞バンク))
上記のように、油順応性試験管培養を開始する。試験管培養物が十分に高密度(OD=5+/−1)である場合、この試験管の内容物全体を、50mLのCYE−MOMシード培地の入った滅菌した250mL振盪フラスコに移す(培地の組成について以下の表を参照のこと)。振盪インキュベータ中(30℃、175rpm)において、48±12時間の増殖の後、このシード培養物の5mLを100mLのCYE−MOMの入った500mL振盪フラスコ中に移す。この培養物を振盪インキュベータ中(30℃、175rpm)において、丸1日増殖させる。適切な増殖および混入のないことについて、培養物を顕微鏡で確認する。
【0317】
80mLのこのシード培養培養物と24mLの90%滅菌グリセロールを滅菌した250mL振盪フラスコ中で合わせる。よく混合するよう旋回させ、100個の滅菌した予め標識したクリオバイアルに、1mLのこの混合物を等分する。これらを−80℃フリーザー中において、バイアルをゆっくり凍結する。
【0318】
(細胞バンク手順(実用的(working)細胞バンク))
上記のように作製されたマスター細胞バンクバイアルの1つを室温で解凍することによって、試験管培養を開始し、次いで、この内容物全部を3mLのCYE−MOMシード培地の入ったガラス試験管に入れる。この試験管培養物が十分に高密度(OD=5+/−1)である場合、この試験管の内容物全部を50mLのCYE−MOMシード培地の入った250mL滅菌振盪フラスコに移す。48±12時間の増殖(30℃、175rpm)の後、このシード培養物の5mLを100mLのCYE−MOMの入った500mL振盪フラスコ中に移す。この培養物を、丸1日増殖させる(30℃、175rpm)。増殖および混入について、顕微鏡で確認する。
【0319】
80mLのこのシード培養培養物と24mLの90%滅菌グリセロールを滅菌した250mL振盪フラスコ中で合わせる。よく混合するよう旋回させ、100個の滅菌した予め標識したクリオバイアルに、1mLのこの混合物を等分する。これらを−80℃フリーザー中において、バイアルをゆっくり凍結する。
【0320】
(シード培地の組成)
細胞バンクおよび細胞バンクバイアルの任意の所望の用量までの拡大のために、表9に記載されるものと同じシード培地を使用する。
【0321】
(表9)
【0322】
【表9】
Figure 2004508810
*注:オレイン酸メチルは、Casitone中でエマルジョンを形成し、他の成分と完全に混合しないため、他の成分を添加した後に、オレイン酸メチルを添加する。
【0323】
(振盪フラスコ5Lおよび1000Lの発酵の種菌スケールアップ)
オレイン酸メチル順応細胞の凍結された実用的な細胞バンクバイアルを解凍する。3mLのCYE−MOMシード培地が入った50mLガラス培養試験管中にバイアルの内容物全部を移す。試験管を振盪器(30℃、175rpm)中に置き、48±24時間増殖させる。培養試験管の内容物全部を50mLのCYE−MOMシード培地の入った250mL振盪フラスコに移す。試験管を振盪器(30℃、175rpm)中に置き、48±24時間増殖させる。振盪フラスコを実験に用いるために、この培養物の10mLを、5つの新しいシードフラスコ中の40mLの新鮮なCYE−MOMに、継代培養することによって、このシードを増殖する。シードフラスコを振盪器(30℃、175rpm)中で、24±12時間インキュベートし、フラスコ容量(30〜100mL)の生成培養物の種菌として使用する。4.5%の合わされた(シードおよび生成培地)最初の容量で、生成フラスコに播種する。
【0324】
小規模(5〜10L)の発酵のためのシードを調製するために、これらの50mLのシードフラスコの1つの内容物全部を、500mLのCYE−MOMの入った滅菌した2.8Lフェルンバッハフラスコに継代培養する。このフェルンバッハフラスコを振盪器(30℃、175rpm)中において、48±24時間インキュベートし、発酵槽種菌として使用する。約5%の合わされた最初の容量にて、生成発酵物を播種する。
【0325】
さらなるシードの増殖は、大規模(1000L)発酵に必要である。ここで、1Lのフェルンバッハフラスコシードを用いて、9LのCYE−MOMを含む10Lのシード発酵槽に播種する(5容量%)。2.5N水酸化カリウムおよび2.5N硫酸の添加によって発酵槽のpHを7.4に制御する。温度は、30℃にセットする。400〜700rpmの撹拌速度カスケージングによって、溶存酸素を、50%以上の飽和度に維持する。最初の撹拌速度を400rpmにセットし、スパージング速度を0.1v/v/mに維持する。10Lの発酵槽中で24±12時間の増殖の後に、培養物全部を、90LのCYE−MOMの入った150Lの発酵槽に移す。2.5N水酸化カリウムおよび2.5N硫酸を用いてpHをもう一度、7.4に制御する。温度を30℃にセットする。400〜700rpmの撹拌速度カスケージングによって、溶存酸素を、50%以上の飽和度に維持する。最初の撹拌速度を400rpmにセットし、スパージング速度を0.1v/v/mに維持する。
【0326】
(発酵のためのXAD−16樹脂の調製)
所望される量のXAD−16樹脂(Rohm&Haas)を、XAD−16樹脂重量の最低3倍の容量を有するメタノール安全容器に移す(すなわち、1.2kgの樹脂は、少なくとも3.6Lの容器を必要とする)。樹脂を100%メタノールを用いてよく洗浄して、未使用の樹脂上に存在する任意のモノマーを除去する。樹脂重量(kg)の2倍量のメタノール(L)を添加する(すなわち、3kgのXAD−16に対して、6Lのメタノール)。メタノールとXADスラリーを5分間混合して、XAD−16上に存在する任意のモノマーを除去する。このスラリーを穏やかに撹拌し、樹脂のフラグメント化を最小化するよう混合する。混合を止め、樹脂を15分間以上、重力沈降させる。容器からメタノールを流し出し、0.5〜1インチのメタノールの層をXADベッドの上に残す。XADおよびメタノールを混合容器からAmicon VA250カラムに移す。上部のベッド支持体をカラムに接着し、シール調節ノブを時計回りにまわしてベッド支持体をシールする。カラム容量の5倍以上のメタノールを用いて、300±50cm/時間でカラム中のXADを洗浄する。溶媒廃棄容器中にメタノールの流れたものを回収する。10カラム容量以上の脱イオン水で、XADをカラム中において300±50cm/時間で洗浄する。
【0327】
エポシロン生成培地の組成物を、表10に記載する。
【0328】
(表10)
【0329】
【表10】
Figure 2004508810
*注:オレイン酸メチルは、Casitone中でエマルジョンを形成し、他の成分と完全に混合しないため、他の成分を添加した後に、オレイン酸メチルを添加する。微量元素溶液は、表7に記載される通りである。
【0330】
(調製およびフラスコ規模(50mL)のエポシロン生成発酵物)
1gのXAD−16を250mL振盪中で、この樹脂を覆うのに十分な量の脱イオン水(約3mL)と共に、オートクレーブする。フラスコを30分間、121℃でオートクレーブで滅菌する。以下の培地成分をフラスコに無菌的に添加する:50mLのCTS−MOM生成培地、および2.5mLの1M HEPES緩衝液(水酸化カリウムを用いてpH7.6に滴定する)。2.5mLのCYEシードフラスコ(4.5%容量/容量種菌)と共に、培養物を播種する。撹拌器上で、30℃、175rpmで生成フラスコをインキュベートする。
【0331】
播種後24±6時間でCasitoneおよびオレイン酸メチルを給餌し始める。この時点およびこの後24±6時間毎に、1mLの100g/L Casitone溶液および150μLのオレイン酸メチルを給餌する。この給餌レジメンを最初の給餌後の13日目まで続けるか、細胞が溶解し始めているのが観察されるまで(11〜14日目)続ける。エポシロン生成反応速度を決定するため、よく混合された発酵ブロスおよびXADの例示的な5mLサンプルを採取し得る。さらに、XADを含まないブロスの小サンプル(0.25〜0.5mL)を毎日採取して、培養物の増殖の状態を可視的に確認し得る。大量の細胞溶解が観察される場合、培養容積の残りを収集すべきである。
【0332】
(調製および5Lスケールのエポシロン生成発酵)
100gのXADおよび8gのMgSO−7HOを3.9Lの脱イオン水と合わせ、5LのB−Braunバイオリアクター中で滅菌(90分、121℃)する。事前に滅菌したCasitone/脱イオン水溶液(150g/L)の十分な量(133mL)を、無菌的に汲み出し、発酵槽中で最終のCasitone濃度が5g/Lに達するようにする。2mL/Lの最初のオレイン酸メチル濃度を、10mLのオレイン酸メチルを添加することにより達成する。最終的に、16mLの事前に滅菌したトレース要素溶液を滅菌的に、播種の前に添加する。次いで、発酵層200mLのCYEシード培養物(4.8%容量/容量)で播種し、24±6時間増殖させる。この時点で、Casitone(2g/L/日、連続給餌)およびオレイン酸メチル(計3mL/L/日、90分毎の半連続給餌)の給餌を開始する。バイオリアクター内において、気流を0.4〜0.5vvmで一定に保つ(給餌が進行する場合の発酵容量の増加は、この変化を引き起こす)。溶存酸素濃度は、撹拌カスケード(400〜700rpm)ことによって、50%の飽和に制御される。100%飽和の溶存酸素の較正点は、最初の撹拌を400rpm、最初の気流を0.5vvmにセットすることよって、確立される。7.4のpHセットポイントは、2.5N HSOおよび2.5N KOHの自動化された添加によって維持される。エポシロン生成は、播種後11〜14日間続き、細胞溶解物がブロスサンプル中に現れ、そして酸素要求(撹拌速度によって示される)が、急に減少する場合、バイオリアクターは、回収される。この発酵プロセスにおいて、エポシロンDの力価は、一般に18〜25mg/Lに達する。
【0333】
(調製および1000Lスケールのエポシロン生成発酵物)
1000L発酵槽をエポシロン生成のために以下のように調製した。600Lの水および18L(11.574kg)のXAD−16を、発酵槽中で滅菌した(45分、121℃)。微量金属およびMgSO4を、直接発酵容器中にフィルター濾過(事前に滅菌した0.2μmポリエーテルスルホン膜カプセルフィルターを通して)した。2.9Lの微量元素溶液および十分な量の濃縮MgSO溶液(発酵槽中、最終濃度2g/Lまで)を同じカプセルフィルターを通して添加した。117g/L Casitoneおよび175mL/L オレイン酸メチルの混合物約200Lを260L給餌タンク中で滅菌した。この滅菌混合物の32Lを1000Lの発酵槽に添加した。水を容器中に濾過(同じカプセルフィルターを通して)して、最終容量を710Lにした。撹拌は、100rpmであった。背圧を100〜300mbarに維持した。播種後に溶存酸素(DO)が50%に達した場合、撹拌を150rpmに増加した。DOが再び50%に達した場合、撹拌を200rpmに増加した。気流をカスケード(0Lpm〜240Lpm)することによって、DOを50%飽和に制御した。2.5N HSOおよび2.5N KOHの自動化された添加によって、pHのセットポイントを7.4に維持した。150L撹拌槽からの38Lのシードを撹拌槽に播種した(5%容量/容量)。
【0334】
0.570L/時間のCasitone−オレイン酸メチル給餌溶液の添加を、DOが50%に達した後に始め(2度目については、播種後およそ10±5時間)、撹拌槽を回収するまで続けた。バイオリアクターを播種後10日目に回収した。最終的なエポシロンDの力価は、約20±5mg/Lであることが決定された。
【0335】
(発酵物の採取手順)
フラスコにおける反応速度実験について、5〜50mLのよく混合したブロスおよびXAD樹脂を25mLピペットを用いて採取し、10または50mLのコニカルチューブ中に入れた。バイオリアクターサンプルについて、50mLのよく混合したブロスおよび樹脂のサンプルを50mLのコニカルチューブ中に入れる。次いでコニカルチューブを10分間静置し、XADをチューブの底に沈降させた。この時点でのブロスをXAD樹脂からデカントし得る。XADが沈降しない場合、10〜25mLピペットを用いてブロスを除去し得る。
【0336】
(エポシロン力価定量のためのXAD樹脂のメタノール抽出)
XAD樹脂が試験管の底に重力沈降した後(採取手順により)、上清の全てを新しい50mLのコニカルチューブに移す。水をもとの50mLマークまで添加することによって、一度XAD樹脂を洗浄し、転倒によってよく混合し、そしてXAD樹脂を再び重力沈降させる。XADを注ぎ出さないよう、試験管から水性混合物をデカントする。最後の数mLの水を、1mLピペットマンを使用して、チップを試験管の底に押し下げることによって除去し得る。このチューブに25mLの点までメタノールを添加し、このチューブにフタをする。撹拌器上に30分間(20〜30℃で)、水平にコニカルチューブを置いて、XAD樹脂から全てのエポシロンを徹底的に抽出する。
【0337】
(エポシロン定量のためのHPLC手順)
エポシロンCおよびエポシロンDの分析を、Hewlett Packard 1090 HPLCを用いて、UV検出を250nmにおいて使用して、実施する。XAD樹脂からのメタノール抽出溶液(50μL)を、4.6×10mmガードカラム(Inertsil、C18 OD 53、5μm)、およびクロマトグラフ分離用の同じ材料の長いカラム(4.6×150mm)の2つに注入した。この方法は、18分間の実施を通して、60%アセトニトリルおよび40%水を用いて、アイソクラチック溶出した。この方法を用いて、エポシロンDは、13分で、溶出され、エポシロンCは、10.3分で溶出した。標準を発酵ブロスから精製したエポシロンDを用いて調製した。
【0338】
(増殖曲線のための乾燥細胞重量測定手順)
Sorvall RC5B遠心機(SH−3000バケットロータを備える)において温度を20℃にセットする。少なくとも1日の間80℃のオーブンに入れていた50mLコニカルチューブを重量測定する。自重重量および発酵サンプル同定物を試験管の側面に記録する。40mLのブロス(XADを含まない)を自重を量ったチューブに注ぐか、ピペットで移す。コニカルチューブを4700RPM(4200g)で30分間回転させる。沈降させた後、上清を流し出して、そして細胞ペレットを40mLの脱イオン水中に再懸濁して、このペレットを洗浄する。再び試験管を回転させる(4200g、30分間)。上清をデカントし、試験管を80℃の乾燥オーブン中に少なくとも2日間置く。試験管の重量を測定し、この試験管に最終的な重量を記録する。次いで、乾燥した細胞重量(DCW)を以下の式によって計算する:
DCW(g/L)=(最終的な試験管重量(g)−試験管の自重重量(g))/0.04L。
【0339】
(アンモニウムイオン濃度の決定)
発酵ブロスのアンモニア濃度は、エポシロン発酵物中において、慣用的に評価される。1mLの発酵ブロスは、微量遠心機での遠心分離(5分、12000rpm)によって、浄化される。Sigmaから提供されるアンモニアアッセイキット(カタログ番号171−UV)は、定量に用いられ、浄化された発酵ブロスをキットプロトコールに記載される血漿の代りにする。この比色定量アッセイの直線的応答範囲は、わずか0.01176〜0.882mmol/Lであり、この範囲内のアンモニウム濃度をアッセイするため、浄化された発酵サンプルを、典型的には蒸留水中で20〜100倍に希釈する。
【0340】
(残渣のオレイン酸メチル濃度の決定)
発酵ブロス中に存在する残渣のオレイン酸メチル量は、メタノールを用いて発酵ブロスサンプルを抽出し、そしてこれらの抽出したブロスサンプルをHPLCにかけることによって推定され得る。オレイン酸メチル濃度の定量は、Hewlett Packard 1090 HPLCを用いて、UV検出を210nmにおいて使用して、実施する。全ブロスサンプル(1〜4mL)を、等容量のメタノールを用いて抽出し、12,000gで遠心分離して、任意の不溶性成分を沈降させた。浄化された上清(50μL)を4.6×10mm抽出カラム(Inertsil、C18 OD 53、5μm)に注入し、50%アセトニトリルで2分間洗浄し、次いで、メインカラム(4.6×150mm、同じ固定相および流速)にて、50%アセトニトリルで開始し、100%アセトニトリルで終わる24分間の勾配で分離する。100%アセトニトリルカラムフローを5分間維持した。この不均一性質に起因して、オレイン酸メチルは、単一の純粋な化合物としてではなく、多くの別個のピークとして溶出する。しかし、抽出可能な総オレイン酸メチルの約64〜67%は、2つの主だったピークに現れ、これらは、それぞれ25.3±0.2分および27.1±0.2分で溶出する。メタノール抽出された発酵サンプル中のオレイン酸メチルは、これら2つのピークの合計した面積を定量し、次いで、これらを、50%水/メタノール中で調製されたオレイン酸メチルの標準でのこれら2つのピークの合計した面積に対して、基準化する。
【0341】
(エポシロンDの精製および結晶化)
本発明は、エポシロンおよびエポシロンDについての精製プロセス、ならびに高度に精製されたエポシロンDの調製物(結晶化形態のエポシロンDを含む)を提供する。本発明のプロセスの利点としては、アルコール(例えば、メタノール)および水のみを必要とする最初の精製工程が挙げられ、これは、生成物のプールの効果的な使用を可能にし、時間および手間のかかる蒸発工程の必要性を最小にする。本発明の方法は、単一の蒸発工程のみを必要とし、これは、10〜15gのエポシロン毎に、1Lのエタノールの蒸発を必要とする。このプロセスにおいて、合成ポリスチレン−ジビニルベンゼン樹脂(例えば、HP20SS)でパックされたカラムを用いて、極性不純物および脂溶性不純物の両方を除去する。このカラムは、10%エポシロンを含む中間生成物を生成し、非常に引火性の溶媒または毒性溶媒のいずれかを用いる液体/液体抽出の必要を排除する。
【0342】
別の改良は、40〜60μm粒子分布を有するC18樹脂(例えば、Bakerbond C18)の使用に関し、これは、低圧のカラムおよびポンプ(50psi未満)の使用を可能にし、費用を顕著に減少させる。C18クロマトグラフィー工程のための出発物質は、希釈された負荷溶媒中で負荷される溶液である。溶媒は、カラムの上端にエポシロンが、高度に濃縮された密なバンドになって、とどまるのに、十分弱く、このことによりカラムは、高負荷下で(2〜5gエポシロン/L 樹脂)に、十分に機能し得る。典型的にカラム負荷は、1g/l以下であり、クロマトグラフィーは通常、精製において最も高価な工程であるため、この改善は、顕著な経費節約を生じる。さらに、本発明の方法は、クロマトグラフィー工程において、アセトニトリルの代りに、アルコール(例えば、メタノール)の使用を可能にする。エポシロンを含むプールは、二成分溶媒系から結晶化され、ここで水は、エポシロンを結晶化形態で提供するためのフォーシング(forcing solvent)溶媒である。
【0343】
1つの実施形態において、精製プロセスは、以下の工程および材料からなる。発酵ブロス中のXAD樹脂は、(1)フィルターバケット中に集められ、(2)溶出されてXAD抽出物を提供し、これを(3)水で希釈し、そして(4)HP20SSカラムを通して、HP20SSプールを提供する。HP20SSプールを、(5)水で希釈し、(6)C18クロマトグラフィーにかけて、エポシロンプールを提供し、これを(7)水で希釈し、そして(8)溶媒交換に供して、濃縮エポシロンプールを提供する。この濃縮エポシロンプールを、(9)木炭濾過に供し、(10)蒸発させ、そして(11)結晶化させて、高度に精製された材料を提供する。
【0344】
2回の1000L Myxococcus xanthus 発酵の実行により、合計11gのエポシロンDを(1031001Kおよび1117001K)から単離し、白色結晶粉末に精製した。最終産物の純度は、95%を超え、エポシロンDの回収率は、71%であった。
【0345】
表11に、精製の間に使用したHPLCの方法をまとめる。
【0346】
(表11)
【0347】
【表11】
Figure 2004508810
この節において使用される材料は、以下の通りである。HP20SS樹脂は、Mitsubishiから購入した。C18樹脂は、Bakerbond C18から購入(40g)し、メタノールは、Fisher Bulk(55gal)から購入した。脱イオン水を用いた。
【0348】
(発酵の実行1031001K)
(工程1 XAD溶出(K125−173)
17LのXAD−16樹脂を13L 150μmカプセルバケットを備えたMainstreamフィルターユニットを用いて、発酵培養物から濾過する。捕捉されたXAD樹脂を、Amicon VA250カラムにパックし、そして65L(3.8カラム容量)の水で1.0L/分で洗浄した。次いで、230Lの80%メタノール/水を用いてエポシロンD生成物を樹脂から溶出した。
【0349】
(工程2 固相抽出(K125−175))
77Lの水を工程1の生成物プール(230L)に添加して、負荷溶媒を60%メタノール/水に希釈した。得られた懸濁液(307L)を混合し、事前に5カラム容量の60%メタノールで平衡化した5LのHP20SS樹脂でパックしたAmicon VA180カラム上に負荷した。負荷する流速は、1L/分である。負荷した後、カラムを13Lの60%メタノールで洗浄し、77Lの75%メタノールを用いて、325mL/分の流速で溶出した。31個の2.5Lの画分を集めた。画分10〜26(42.5L)は、エポシロンDを含むことが見出され、これらの画分を一緒にプールした。
【0350】
(工程3 クロマトグラフィー(K125−179))
工程2の生成物プールを2つの20−L rotovapを用いて、油になるまで蒸発させた。蒸発の間、発泡を最小にするためにエタノールを添加することが必要であった。乾燥させた材料を、1.0Lのメタノールに再懸濁し、0.67Lの水で希釈して、1.67Lの60%メタノール溶液を作製した。得られた溶液を、事前に3カラム容量の60%メタノールで平衡化した1−L C18クロマトグラフィーカラム(55×4.8cm)に負荷した。負荷する流速平均は、64mL/分であった。負荷されたカラムを1Lの60%メタノールで洗浄し、エポシロンD生成物の溶出を、70%メタノールを用いて流速33mL/分で、アイソクラチックに実施した。合計27画分を集めた(最初の画分は、3.8L容量を含んでいた)。これに3つの500mL画分および23個の250mL画分が続いた。画分5〜20を最良のプールとして採用し(K125−179−D)、これは、4.8gのエポシロンDを含んでいた。画分3〜4(K125−179−C)は、1.4gのエポシロンDを含んでいた。このプールはまた、高濃度のエポシロンCを含むため、再使用のため取っておいた(工程3b)。
【0351】
(工程4 クロマトグラフィー(K119−153)
高濃度のCアナログをまた含む、エポシロンD画分を以下のように、C18樹脂上で、以下のように再びクロマトグラフィーにかけた。2.5×50cmカラムにC18樹脂をパックし、1Lの100%メタノールで洗浄し、1Lの55%メタノール/水で20mL/分の流速で平衡化した。圧力低下は、125psiであった。出発物質(K125−179−C、1040mL)を、260mLの水で希釈して、その結果、負荷溶液は、55%メタノール/水を含んだ。得られた溶液(1300mL)を樹脂に負荷し、さらに250mLの55%メタノールをカラムに通した。カラムをはじめに5Lの65%メタノールで溶出し、続いて、3Lの70%メタノール/水で溶出した。65%メタノール溶出の間に、全体で48個の100mL画分を回収した。70%メタノールに切り替えた後、全体で10個の250mL画分を回収した。最良のエポシロンDプール(K119−153−D)(画分50〜58を含む)は、1.0gの所望の生成物を含んだ。
【0352】
(工程5a 結晶化(K119−158))
この工程のための開始物質を、工程3および工程4からのクロマトグラフィー生成物の組み合わせであった。最初、120mlのエタノールを、5.5gのエポシロンDを含む7.9gの固体に添加した。穏やかに攪拌しながら、この固体を、完全に溶解させ、そしてこの溶液を、ヒューム・フード内の攪拌プレート上に置いた400mLのビーカーに移した。A1’’攪拌バーを添加し、その溶液を迅速に攪拌した。その間に、100mLの水を、約5分間かけてゆっくりと添加した。小さな白色結晶の形成を観察した場合、この溶液を、この溶液が白い固体を有して厚くなるまで、15分以上攪拌した。次いで、このビーカーを、攪拌プレートから取り除き、アルミホイルで覆い、そして冷蔵庫(2℃)に12時間置いた。この白色固体をWhatman#50ろ紙を使用して濾過し、第1のクロップに対してさらなる洗浄を実施しなかった。この固体を、結晶皿に置き、そして真空オーブン(15ミリバーで40℃)内で1時間乾燥した。次いで、この物質を、オーブンから取り出し、より微細な粒子にし、そして真空オーブン内でさらに4時間乾燥した。この結晶化プロセスにより、3.41gの灰色の固体を得た。Epo1 HPLC方法を、使用して、最終生成物のクロマトグラフィー純度を決定した。対応するするH NMRデータおよび13C NMRデータと共に、HPLCの結果は、すべて乾燥した物質が、95%以上のエポシロンDを含むことを確認した。第1のクロップの回収率は、58%であった。
【0353】
(工程5b 結晶化(K119−167))
この工程の開始物質は、工程5aからのエバポレートされた母液であった。最初、70mlのエタノールおよび30mlの水を、2.1gのエポシロンDを含む3.4gの固体に添加した。この透明な溶液を、ビーカーに移し、1gの脱色した木炭をこれに添加した。この混合物を、中程度の設定で10分間攪拌し、次いで、Whatman#50ろ紙を使用して濾過した。木炭を、10mlのエタノールのアリコートで2回洗浄し、そして再び濾過した。この合わせたろ液を、rotovapを使用して乾燥し、そして固体を、50mlのエタノールに再懸濁した。この得られた溶液を、250mlのビーカー内に置き、そしてよく攪拌しながら、50mlの水をゆっくり添加した。結晶形成を促進するために、少量の種結晶(1mg)を、混合物に添加した。数分間の攪拌後、さらなる白色固体の形成を観察した。攪拌を続けている間、窒素流を、混合物に穏やかに吹き付けるように設置した。15分後、このビーカーを、2℃の冷蔵庫に36時間置いた。この混合物を、Whatman#50ろ紙を使用して、結晶を捕獲し、そしてさらなる7mlの50:50 エタノール:水を、使用して、固体を洗浄した。次いで、この結晶を、真空オーブン内で4時間乾燥した。この結晶化工程により、95%以上のエポシロンDを含む、1、46gの白色結晶を得た。
【0354】
(発酵の実行 1117001K)
(工程1 XAD溶出(K125−182))
17リットル(17L)のXAD−16樹脂を、13リットルの150μmの捕獲バスケットを備えるメインストリーム濾過を使用して発酵培養物から濾過した。捕獲したXAD樹脂を、Amicon VA250カラムに充填し、そして1.0L/分で58Lの(3.4カラム容積)の水を用いて洗浄した。次いで、エポシロンD生成物を、170Lの水中の80%エタノールを使用して樹脂から溶出した。水での洗浄および第1のカラム容積の溶出の間、カラム背圧は、300mL/分に最終流速で、3バールより大きく着実に増大した。従って、XAD樹脂を、カラムから取り除き、代替のAmicon VA250カラムに再充填した。交換後、背圧は、1バー未満に減少し、そして流速は、1.0L/分を維持した。単一170−L分画を、600−Lステンレス鋼タンクに回収した。HPLC分析に基づいて、工程1の生成物プールは、8.4gのエポシロンDを含むことを見出した。
【0355】
(工程2 固相抽出(K145−150))
57リットル(57L)の水を、工程1の生成物プール(170L)に添加して、ロード溶媒を水中の60%メタノールに希釈した。得られた懸濁液(227L)を、オーバーヘッドライトニングミキサーを使用して攪拌し、そして以前にカラム容積の5倍の60%のメタノールで平衡化した6.5LのHP20SS樹脂を充填したVA180カラムにロードした。ロード流速は、1L/分であった。ロード後、このカラムを、16Lの60%メタノールで洗浄し、そして300mL/分の流速で84Lの75%メタノールで溶出した。7つの画分を、それぞれ、18L、6L、6L、6L、36Lおよび6Lを回収した。全量8.8gのエポシロンDを含む、画分を、一緒にプールした。
【0356】
(工程3 クロマトグラフィー(K145−160))
工程2の生成物プールを、2つの20L rotovapを使用して油状物になるまでエバポレートした。エバポレーションプロセスの間の起泡を最小にするために、10Lのメタノールを物質に添加した。乾燥した混合物を、2.8Lのメタノールに再懸濁し、そして3.4Lの水で希釈して、6.2Lの45% メタノールを作製した。この得られた溶液を、以前に、カラム容積の5倍量の45% メタノールで平衡化した1−L C18クロマトグラフィーカラム(55×4.8cm)にポンピングした。ロード流速は、100mL/分に平均した。ロードしたカラムを、1リットルの60% メタノールで洗浄し、そしてエポシロンD生成物を、100mL/分の流速で段階勾配を使用して樹脂から溶出した。このカラムを、5Lの55% メタノール、11.5Lの60% メタノールおよび13.5Lの65% メタノールを使用して溶出した。55% メタノール溶出の間、全部で500mLの画分を回収した。60% メタノールに変更後、全部で23個の500mLの画分を回収した。最終の65% メタノール溶出の間、11個の500mLの画分を回収し、その後、8個の1Lの画分を回収した。画分28〜50からなる、この最良のエポシロンDプール(K145−160−D)は、8.3gの所望の生成物を含む。0.4gのエポシロンCを混入した画分26〜27(K145−160−C)は、0.2gのエポシロンDを含む。これらの25画分のすべてを合わせた。
【0357】
生成物プールを、水中の40%のメタノールに希釈するために、9.5Lの水を15.8Lのロード溶液に添加した。次いで、この得られた溶液(25.3L)を、以前に、カラム容積の4倍量の40% メタノールで平衡化した700mLのC18 クロマトグラフィーカラム(9×10cm)にポンピングした。ロード流速は、平均して360mL/分であった。このロードされたカラムを1リットルの40% メタノールで洗浄し、そしてエポシロンD生成物を、3.75Lの100% メタノールを用いて樹脂から溶出した。この溶出物を、rotovapを使用して乾燥するまでエバポレートした。この固体を、100mLのアセトンに再懸濁し、そして溶解しなかった物質を、Whatman#2ろ紙を使用して溶液から濾過した。この濾過された粒子を、さらなる115mLのアセトンで洗浄し、そしてもう1度、濾過した。アセトン抽出後、2gの脱色木炭を合わせたろ液に添加した。この混合物を、中程度の設定で1時間攪拌し、そしてWhatman#50ろ紙を使用して濾過した。この木炭を、180mLのエタノールで洗浄し、そして再び濾過した。このろ液を、一緒にプールし、そして乾燥までエバポレート(rotovape)した。
【0358】
(工程4 クロマトグラフィー(K119−174))
工程3からの乾燥した物質を、5.0Lの水中の50% メタノールに再懸濁し、そして以前に、カラム容積の3倍の50% メタノールで平衡化した1−L C18クロマトグラフィーカラム(55×4.8cm)にロードした。ロード流速は、平均して80mL/分であった。次いで、カラムを、1リットルの50% メタノールで洗浄し、エポシロンD生成物を、同じ流速で70% メタノールを使用して樹脂から一様に(isocratically)に溶出した。全部で48の画分を、回収した(240mLを含む最初の47画分および1Lを含む最後の画分を含む)。画分25〜48を、7.4gのエポシロンDを含む、最良のプール(K119−174−D)として得た。画分21〜24(K119−174−D)は、1.1gのエポシロンDを含むので、このプールはまた、高濃度のエポシロンDを含む、これは、再作業を無視した。
【0359】
(工程5 結晶化(K119−177))
結晶化工程の前に溶媒の交換を実施するために、3.9Lの水を、工程5からの6.4Lの最良のエポシロンD(K119−174−D)に添加して、水中の40% メタノールにロード溶液を希釈した。次いで、この得られた溶液を、以前にカラム容積の3倍の40% メタノールで平衡化した200−mL C18 クロマトグラフィーカラム(2.5×10cm)にロードした。このコードしたカラムを、200mLの40% メタノールで洗浄し、そしてエポシロンD生成物を、1Lの100% エタノールで樹脂から溶出した。この溶出液を、rotovapを使用して乾燥するまでエバポレートし、そしてこの固体を、150mLの100% エタノールに再懸濁した。この透明な溶液を、ビーカーに移し、そしてよく攪拌しながら、175mLの水を、ゆっくり添加した。少しの種結晶(1mg)をまた、この溶液に添加して、結晶の形成を促進した。小さな白色結晶の形成を観察した場合、この溶液を、この溶液が白い固体を含んで厚くなるまで、15分間以上攪拌した。次いで、ビーカーを、攪拌プレートから取り除き、アルミホイルで覆い、そして冷蔵庫(2℃)内で12時間置いた。白色固体を、Whatman#50ろ紙を使用して濾過し、そして第1のクロップにおいてさらなる洗浄は、実施しなかった。この固体を、結晶皿に移し、真空オーブン(15ミリバーで40℃)で6時間乾燥した。この結晶化プロセスにより、95%以上のエポシロンDを含む、6.2gの白色固体を得た。この第1のクロップの回収は、74%であった。
【0360】
(結果)
ラン1031001Kに関するエポシロンDの回収は、約97.5〜98.8%の純度において4.8gの結晶物質であった。ラン117001Kに関するエポシロンDの回収は、約97.7%の純度において6.2gの結晶物質であった。これらのランに関する不純度プロフィールを、表12に示す。
【0361】
【表12】
Figure 2004508810
「Epo490」は、本発明の新規のエポシロン化合物(10,11−デヒドロエポシロンD)であり、これは、Myxococcus宿主細胞によって産生された。
【0362】
この精製方法論は、エポシロンD精製プロセスに対してなされる改変をスケールアップして、醗酵培地中のオレイン酸メチルの使用を適合させる努力から生じた。XAD樹脂からのエポシロンD生成物の溶出を、直接的な様式で実行した。100%のメタノールを使用する代わりに、カラム容量の10倍の80% メタノールを使用して、カラムのビーズから生成物を溶出した。XAD溶出工程の間、醗酵ブロス中の溶解した細胞の存在は、精製カラムの詰まりの原因になり得ることに留意した。103100−1K醗酵ランの回収は、有意な細胞溶解が起こる前に実施したが、111700−1K醗酵ランを、かなり細胞溶解が起こった後にのみ回収した。しかし、高背圧および低流速を、溶出工程後のより後のランにのみ観察した。従って、このランにおける溶解した細胞は、凝集し、次いでカラムフィルターを汚し得るようである。
【0363】
これらの精製ランは、エポシロンDが、少なくとも1日間、80% メタノール中で室温で安定であることを示す。HPLC分析に基づいて、これらの条件下での生成物の分解は、検出されなかった。これらの知見は、冷蔵なしに、一晩ステンレス鋼タンクにおいてXAD溶出工程からの170L生成物プールの保存を可能にした。このプロセスをさらに改善するために、溶媒交換カラムを使用し、これは、消費する時間を少なくし、そしてある容積の生成物プールの濃縮におけるrotovapの使用よりも過度の労働を少なくする。従って、当業者は、大規模なエバポレーションと溶媒交換工程とを交換し得る。
【0364】
有意な量の油が、XAD溶出工程の間樹脂に結合したままであったが、相当な量がまだ、溶出物中に残っていた。HP20SS固相抽出の後でさえ、オイル小滴は、生成物プールにおいて明らかに可視であり、そしてC18 クロマトグラフィーの間、問題であることを証明した。最適なクロマトグラフィーの能力に関して、ロード溶液中のエポシロンDの濃度は、2g/L未満に維持すべきである。より高い濃度において、開始物質は、カラムにオイルオウト(oil out)する傾向を有する。
【0365】
結晶化は、供給物質が、3%より多いエポシロンCかまたepo490かのいずれかを含む場合、不可能である。これは、1117001Kの精製の間の場合であった。第1のクロマトグラフィー工程は、5%のエポシロンCの生成物を与えた。多数の試みの後、この物質の結晶化を達成しなかった。しかし、この物質を第2のクロマトグラフィー工程に供することは、エポシロンCを1%に減少し、そして簡単に結晶化される供給物質を生成した。
【0366】
(実施例4)
(非機能的epoK遺伝子を有するMyxococcus株の構築)
K111−40−1株を、epoK遺伝子の挿入不活化によってK111−32.25株から構築した。このepoK変異体を構築するために、カナマイシン耐性カセットを、epoK遺伝子に挿入した。これを、pKOS35−79.85から4879bpフラグメントを単離することによって行った。このpKOS35−79.85は、epoKを含み、そしてpBluescriptSKII+のNotIにこれを連結した。このプラスミド(pKOS35−83.5)を、ScaIで部分的に切断し、そして7.4kbフラグメントを、pBJ180−2(これは、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントで平滑化したDNA末端を有する)からカナマイシン耐性遺伝子を含む1.5kb EcoRI−BamHIフラグメントを連結して、プラスミドpKO90−55を得た。最後に、pBJ183から約400bpのRP4 oriT フラグメントを、XbaI部位およびEcoRI部位に連結して、pKOS90−63を作製した。このプラスミドを、DraIを直線化し、そしてMyxococcus xanthus株K111−32.25にエレクトロポレーションし、そして形質転換体を、M.xanthus株K111−40.1を提供するために選択した。K111−40.1株を、ブダペスト条約に従って、2000年11月21日にAmerican Type Culture Collection,Manassas,VA 20110−2209.USAに寄託し、そして登録番号PTA−2712において入手可能である。
【0367】
マーカーのないepoK変異体を作製するために、pKOS35−83.5を、SacIで切断し、そして2.9kbフラグメントおよび4.3kbフラグメントを、一緒に連結した。このプラスミド(pKOS90−101)は、epoKにおいてインフレーム欠失を有する。次いで、KG2から3kbのBamHIフラグメントおよびNdeIフラグメント(これは、ポリメラーゼIのクレノウフラグメントで平滑化したDNA末端を有し、そしてカナマイシン耐性遺伝子およびgalK遺伝子を含む)を、pKOS90−101のDraI部位に連結して、pKOS90−105を作製した。このプラスミドを、K111−32.25にエレクトロポレーションし、カナマイシン耐性エレクトロポレーション物を、選択した。epoKの野生型コピーと欠失とを置換するために、第2の組換え現象を、ガラクトースプレート上に増殖によって選択した。これらのガラクトース耐性コロニーを、エポシロンCおよびエポシロンDの生成に関して試験し、そして生成した株を、K111−72.4.4と命名し、そしてブダペスト条約に従って、2000年11月21日にAmerican Type Culture Collection,Manassas,VA 20110−2209.USAに寄託し、そして登録番号PTA−2713において入手可能である。
【0368】
(実施例5)
(matBCの添加)
matBC遺伝子は、それぞれ、マロニル−CoAシンターゼおよびジカルボキシレートキャリアタンパク質をコードする。AnおよびKim.1998,Eur.J.Biochem.257:395−402(これは、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。これらの2つのタンパク質は、細胞内の内在性のマレイン酸を、マロニル−CoAに変換する原因である。2つの遺伝子の生成物は、ジカルボン酸を移し、そしてこれらを、CoA誘導体に変換し得る(PCT特許出願番号US00/28573、本明細書において参考として援用される)。これら2つの遺伝子を、Myxococcus xanthusの染色体に挿入して、マロニル−CoAおよびメチルマロニル−CoAの細胞内濃度を増大させ、ポリケチド生成を増大し得る。これは、BglIIおよびSpeIでpMATOP−2を切断し、そしてpKOS35−82.1(テトラサイクリン耐性付与遺伝子、Mx8 att部位、M.xanthusプロモーターを含む)のBglII部位およびSpeIにこれを連結し、そして、matBCの発現を駆動することによって達成される。このプラスミドを、M.xanthusにエレクトロポレーションし得る。pilAプロモーターは、高度に翻訳されるので、MatBおよびMatCは、細胞増殖に影響を与え過ぎる現象においてより弱いプロモーターを挿入する必要があり得る。代替のプロモーターは、カナマイシン耐性付与遺伝子のプロモーターを含む。
【0369】
(実施例6)
(ロードモジュールにおけるKSの変異)
エポシロン生合成の開始の提案された機構は、ロードドメインのACPへのマロイン酸の結合、次いで、ロードKSドメインによるデカルボキシル化である。このロードKSドメインは、縮合反応を実施し得ない活性部位シトシン(KS)においてチロシンを含む。しかし、まだ、デカルボキシル化反応を起こすと考えられる。ラット脂肪酸シンゼターゼを用いる実験は、活性シトシン(KS)におけるグルタミンを含むKSドメインは、2オーダーの大きさのデカルボキシル化を増大し、それによって、セリン、アラニン、アスパラギン、グリシンまたはスレオニンへのこのアミノ酸の変更は、野生型と比較して増加を生じなかったことを示した。従って、KSをKSに変更することは、エポシロン生成の増加を生じるエポシロンのプライミングを増加し得る。K111−32.25株における変更を作製するために、約850bpのエポシロンKSロードモジュールコード配列プラスミドを有するpKOS39−148を構築した。KS変異を、部位特異的突然変異誘発によってこのプラスミドにおいて生成した。K111−32.25における遺伝子置換を実施するために、KG2由来のカナマイシン耐性遺伝子およびgalK遺伝子を、pKOS39−148のDraI部位に挿入して、プラスミドpKOS111−56.2AおよびプラスミドpKOS111−56.2Bを作製した。プラスミドは、カナマイシン―galKカセットの方向とは異なる。これらのプラスミドを、K111−32.25にエレクトロポレートし、そしてカナマイシン耐性コロニーを、選択して、K111−63株を作製した。野生型ロードモジュールKSに置換するために、K111−63を、CYEガラクトースプレートにプレートし、そしてコロニーを、PCRおよび配列決定によってKS変異体の存在についてスクリーニングした。
【0370】
(実施例7)
(mtaAの添加)
ホスホパンテテニルトランスフェラーゼ(PPTase)タンパク質のレベルを増加するために、Stigmatella aurantiaca株DW4由来のPPTaseを、K111−32.25に添加し得る。これを、プライマー111−44.1(AAAAGCTTCGGGGCACCTCCTGGCTGTCGGC)およびプライマー111−44.4(GGTTAATTAATCACCCTCCTCCCACCCCGGGCAT)を使用するDW4染色体DNAからのmtaAのPCR増幅によって行った。Silakowskiら,1999,J.Biol.Chem.274(52):37391−37399(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。約800bpのフラグメントを、NcoIで切断し、そしてPstIで切断したpUHE24−2Bに連結し、DNA末端は、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントで平滑化し、そしてNcoIで切断した。このプラスミドを、pKOS111−54と命名した。mtaA遺伝子を、プラスミドpKOS35−82.1(テトラサイクリン耐性付与遺伝子Mx8 att部位、およびMyxococcus xanthus pilAプロモーターを含む)に移動させて、mtaAの発現を駆動した。このプラスミドを、M.xanthusに導入し、そしてMx8ファージ結合部位に組み込んだ。
【0371】
(実施例8)
(プロモーター置換プラスミドの構築)
エポシロン生成レベルを改善するために、そして本発明の宿主細胞におけるPKS遺伝子を発現するために使用され得る広範の種々のプロモーターを例示するために、ベクターおよび宿主細胞のシリーズを構築して、この実施例に記載されるように、Sorangium cellulosumエポシロンPKS遺伝子を他の適切なプロモーターと置換し得る。
【0372】
(A.下流の結合領域を有するプラスミドの構築)
コスミドpKOS35−70.8A3をNsiIおよびAvrIで切断した。9.5kbのフラグメントを、PstIおよびAvrIIで切断したpSL1190で連結して、pKOS90−13を得た。プラスミドpKOS90−13は、約12.9kbである。プラスミドpKOS90−13を、EcoRI/AvrIIを切断した。5.1kbのフラグメントを、EcoRI/SpeIで消化したpBluescriptに連結して、pKOS90−64(約8.1kb)を作製した。このプラスミドは、プロモーターに関する下流隣接領域(開始コドンのepoAおよびいくつかの配列上流)を含む。EcoRI部位は、epoA遺伝子に関する開始コドンから約220kb上流である。AvrII部位は、EcoRI部位から5100bp下流である。
【0373】
(B.上流隣接領域のクローニング)
プライマー90−66.1およびプライマー90−67(以下に示す)を,使用して、上流隣接領域にクローニングした。プライマー90−67は、PCRフラグメントの5‘末端にあり、そして90−66.1は、PCRフラグメントの3’末端にある。フラグメントは、epoA遺伝子に関する開始コドンの前に2481bpで終わる。約2.2bpフラグメントを、HindIIIで切断した。クレノウポリメラーゼを添加して、HindIII部位で平滑化した。このフラグメントを、pNEB193のHincII部位に連結した。適切な方向でのクローン(挿入物に下流末端にEcoRIおよび挿入物の上流末端にHindIIIを有する)を、選択し、そしてpKOS90−90と命名した。
【0374】
【化32】
Figure 2004508810
(C.最終プラスミドの構築)
プラスミドpKOS90−90を、EcoRIおよびHindIIIで切断した。2.2kbのフラグメントを、EcoRI/HindIIIで消化したpKOS90−64と連結して、pKOS90−91(10.3kb)を作製した。プラスミドpKOS90−91は、プロモーターの上流隣接領域、続いてpBluescript中に下流隣接領域を含む。目的のプロモーターをクローニングするためのPacI部位が、2つの隣接領域の間に存在する。次いで、galK/kanカセットを、組換えを可能にするようにMyxococcus xanthusに挿入した。プラスミドpKOS90−91を、DraIで切断した。DraIは、amp遺伝子中で一回、ベクター中で2回(amp遺伝子のそば)切断する。プラスミドKG−2を、BamHI/NdeIで切断し、そしてKlenowポリメラーゼを添加してフラグメントを平滑末端化した。3kbのフラグメント(galK/kan遺伝子を含む)を、pKOS90−91の約9.8kbのDraIフラグメントと連結して、pKOS90−102(12.8kb)を作製した。
【0375】
(D.代替のリーダーを有するプラスミドの構築)
エポシロンPKS遺伝子のネイティブなリーダー領域を、異なるリボソーム結合部位を有するリーダーと置換し得る。プラスミドpKOS39−136(1999年11月19日に出願された、米国特許出願番号09/443,501中に記載される)を、PacI/AscIで切断した。リーダー配列およびepoAの一部を含む3kbのフラグメントを単離し、そしてpKOS90−102の9.6kb PacI/AscIフラグメントと連結してpKOS90−106(約12.7kb)を作製した。
【0376】
(E.プロモーター置換プラスミドの構築)
(I.MTA(ミクソチアゾール(myxothiazol)プロモーター) ミクソチアゾールプロモーターを、プライマー111−44.3および111−44.5(以下に記載される)を使用して、Stigmatella aurantiaca染色体DNA(菌株DW4)からPCR増幅した。約554bpのバンドを、pNEB193のHincII部位にクローニングして、pKOS90−107を作製した。プラスミドpKOS90−107を、PstIおよびXbaIで切断し、そしてKlenowを充填した。560bpのバンドを、pKOS90−102にクローニングし、そしてpKOS90−106を、PacIで切断し、そしてKlenowを充填した(PacIはpKOS90−102およびpKOS90−106中で一度のみ切断する)。プラスミドを、正確な方向についてスクリーニングした。MTAプロモーター/pKOS90−102プラスミドを、pKOS90−114(13.36kb)と名付け、そしてMTAプロモーター/pKOS90−106プラスミドを、pKOS90−113(13.26kb)と名付けた。
【0377】
【化33】
Figure 2004508810
これらのプラスミドを、エポシロンPKS遺伝子を含有するMyxococcus宿主細胞にエレクトロポレーションして、カナマイシン耐性形質転換体が、単一の交差組換え体を同定するために選択された。これらの形質転換体を、ガラクトース耐性について選択して、二重交差組換え体を同定する。これは、所望の組換え事象を含むものを同定するために、サザン分析およびPCRによってスクリーニングされる。所望の組換え体を増殖させ、そしてエポシロン生成について試験する。
【0378】
(II.TAプロモーター)
推定の転写アンチターミネーターをコードするtaAと共にTAについての推定のプロモーターを、以下のプライマーを使用するTA菌株からPCR増幅した:
【0379】
【化34】
Figure 2004508810
約1.1kbのフラグメントを、BamHIおよびBglIIで切断し、そしてBamHIで切断したpNEB193に連結した。このプラスミドを、pKOS111−56.1と名付けた。プラスミドpKOS111−56.1を、EcoRIおよびHindIIIで切断し、そしてKlenowを充填した。約1.1kbのバンドを、PacIで切断したpKOS90−102およびpKOS90−106中にクローニングして、そしてKlenowを充填した(PacIは、pKOS90−102およびpKOS90−106中で一度のみ切断する)。プラスミドを、正確な方向についてスクリーニングした。TAプロモーター/90−102プラスミドを、pKOS90−115(13.9kb)と名付け、TAプロモーター/pKOS90−106プラスミドを、pKOS90−111(13.8kb)と名付けた。
【0380】
これらのプラスミドを、エポシロンPKS遺伝子を含有するMyxococcus宿主細胞にエレクトロポレーションして、カナマイシン耐性形質転換体が、単一の交差組換え体を同定するために選択された。これらの形質転換体を、ガラクトース耐性について選択して、二重交差組換え体を同定する。これは、所望の組換え事象を含むものを同定するために、サザン分析およびPCRによってスクリーニングされる。所望の組換え体を増殖させ、そしてエポシロン生成について試験する。
【0381】
(III.pilAプロモーター)
プラスミドpKOS35−71Bを、EcoRIで切断し、そしてKlenowを充填した。800bpのフラグメントを、PacIで切断したpKOS90−102およびpKOS90−106にクローニングし、Klenowを充填した。プラスミドを、正確な方向についてスクリーニングした。pilAプロモーター/pKOS90−102プラスミドを、pKOS90−120(13.6kb)と名付け、pilAプロモーター/pKOS90−106プラスミドを、pKOS90−121(13.5kb)と名付けた。
【0382】
これらのプラスミドを、エポシロンPKS遺伝子を含有するMyxococcus宿主細胞にエレクトロポレーションして、カナマイシン耐性形質転換体が、単一の交差組換え体を同定するために選択された。これらの形質転換体を、ガラクトース耐性について選択して、二重交差組換え体を同定する。これは、所望の組換え事象を含むものを同定するために、サザン分析およびPCRによってスクリーニングされる。所望の組換え体を増殖させ、そしてエポシロン生成について試験する。
【0383】
(IV.kanプロモーター)
プラスミドpBJ180−2を、BamHI/BglIIで切断し、そしてKlenowを充填した。350bpのフラグメントを、PacIで切断したpKOS90−102およびpKOS90−106にクローニングし、Klenowを充填した。プラスミドを、正確な方向についてスクリーニングした。kanプロモーター/pKOS90−102プラスミドを、pKOS90−126(13.15kb)と名付け、kanプロモーター/pKOS90−106プラスミドを、pKOS90−122(13.05kb)と名付けた。
【0384】
これらのプラスミドを、エポシロンPKS遺伝子を含有するMyxococcus宿主細胞にエレクトロポレーションして、カナマイシン耐性形質転換体が、単一の交差組換え体を同定するために選択された。これらの形質転換体を、ガラクトース耐性について選択して、二重交差組換え体を同定する。これは、所望の組換え事象を含むものを同定するために、サザン分析およびPCRによってスクリーニングされる。所望の組換え体を増殖させ、そしてエポシロン生成について試験する。
【0385】
(V.So ce90プロモーター)
So ce90プロモーターを、プライマー111−44.6および111−44.7(以下に示す)を使用してSo ce90染色体DNAから増幅した。約900bpのバンドを、PacIで切断し、そしてPacIで切断したpNEB193にクローニングしてpKOS90−125を作製した。プラスミドpKOS90−125を、PacIで切断した。924bpのバンドを、PacIで切断したpKOS90−102およびpKOS90−106にクローニングした。プラスミドを、正確な方向についてスクリーニングした。Soce90プロモーター/pKOS90−102プラスミドを、pKOS90−127(13.6kb)と名付け、Soce90プロモーター/pKOS90−106プラスミドを、pKOS90−128(13.7kb)と名付けた。
【0386】
これらのプラスミドを、エポシロンPKS遺伝子を含有するMyxococcus宿主細胞にエレクトロポレーションして、カナマイシン耐性形質転換体が、単一の交差組換え体を同定するために選択された。これらの形質転換体を、ガラクトース耐性について選択して、二重交差組換え体を同定する。これは、所望の組換え事象を含むものを同定するために、サザン分析およびPCRによってスクリーニングされる。所望の組換え体を増殖させ、そしてエポシロン生成について試験する。
【0387】
【化35】
Figure 2004508810
(実施例9:KS2ノックアウト菌株の構築)
本実施例は、エポシロンPKS誘導体の構築を記載する。ここで、拡張モジュール2のKSドメインを、活性部位のシステインコドンをアラニンコドンに変化する変異によって不活化する。得られた誘導体PKSを(以下の実施例に記載されるような)合成前駆体に提供して、本発明のエポシロン誘導体を作製する。
【0388】
エポシロンPKS遺伝子の下流隣接領域を、以下のプライマー:
【0389】
【化36】
Figure 2004508810
を使用してプラスミドpKOS35−78.2からPCR増幅した。約2kbのPCR産物を、NsiI/XbaIで切断し、そしてNsiIおよびSpeIで消化したpSL1190と連結してpKOS90−123(約5.4kb)を作製した。以下のプライマー:
【0390】
【化37】
Figure 2004508810
でpKOS35−78.2DNAから増幅した約2kbのPCRフラグメントを、NsiIで切断し、そしてNsiI/EcoRVで消化したpKOS90−123と連結してpKOS90−130(約7.5kb)を作製した。このプラスミドをNsiIで切断して、そしてDNAポリメラーゼIのKlenowフラグメントでDNA末端を平滑末端化して再連結する場合に、プラスミドpKOS90−131を作製する。galK/kanカセットをこのプラスミドにクローニングするために、プラスミドKG−2を、BamHI/NdeIで切断し、そしてDNAポリメラーゼIのKlenowフラグメントで平滑末端化する。3kbのフラグメントを、pKOS90−131のDraI部位(DraIは、このベクター中で3回切断する)にクローニングして、プラスミドpKOS90−132(10.5kb)を作製する。KS2ノックアウトをもたらすシステインからアラニンへの所望の変化を作製する目的で、NsiI部位を使用する。pKOS90−130をNsiIで切断し、DNAポリメラーゼIからのKlenowフラグメントで平滑末端化して再連結する場合に、システインについてのコドンを、アラニンについてのコドンに置換する。所望の菌株を作製するために上記のプロトコールに従って、得られたプラスミドを、本発明のMyxococcus xanthus菌株に導入し得る。
【0391】
Myxococcus xanthus株K90−132.1.1.2を、この手順(エポシロンA、B、CおよびDプロデューサーK111−32.25を使用する)によって構築し、そしてブダペスト条約の規約の下、2000年11月21日にAmerican Type Culture Collection、Manassas、VA 20110−2209、USAに寄託し、ここから受託番号PTA−2715の下に得ることができる。この株によって生成される得られたPKS産物が、適切な「ジケチド」開始単位が提供される場合にエポシロンを合成し得ることを実証するために、株K90−132.1.1.2を30℃で3日間50mlのCTSおよび20%のXAD中で増殖させ、次いで以下に示すチアゾールジケチドの200mg/mLを提供した:
【0392】
【化38】
Figure 2004508810
この株を、さらに5日間培養し、そしてXADを収集し、そしてエポシロンを10%メタノールで抽出した。この抽出物を乾燥させ、そして0.2mLのアセトニトリルに再懸濁し、そして0.05mLのサンプルを、LC/MSによって分析し、これは予測されたようにエポシロンBおよびDの存在を示した。以下の実施例に議論されるように、この系を使用して種々のエポシロンアナログを生成し得る。
【0393】
(実施例10)
(化学的生合成からの改変エポシロン)
本実施例は、化学的生合成を介したエポシロン誘導体の生成のための一連のチオエステルを記載する。Sorangium cellulosum由来のエポシロンのための生合成遺伝子クラスターのDNA配列は、PKSのプライミングがポリケチドおよびアミノ酸成分の混合物を含むことを示す。プライミングは、マロニルCoAを有するローディングモジュールのPKS様部分のローディング、その後の脱カルボキシル化および伸長モジュール1NRPS(システインを有する)のローディングを含み、次いで、酵素結合N−アセチルシステインを形成するための縮合を含む。チアゾリンを形成するための環化の後に、酵素結合2−メチルチアゾル−4−カルボキシレート(ローディングモジュールおよびNRPSの生成物)を形成するための酸化を行う。続くモジュール2のケトシンターゼによるメチルマロニルCoAでの縮合は、スキーム6に示すようなジケチドの等価物を提供する。
【0394】
【化39】
Figure 2004508810
本発明は、PCT公開番号99/03986および同97/02358において6−dEBおよびエリスロマイシンアナログを作製するために記載された様式と同様の様式でエポシロン誘導体を生成するための化学的生合成のための方法および試薬を提供する。供給基質の2つの型を提供する:NRPS生成物のアナログ、およびジケチド等価物のアナログ。NRPS生成物アナログを、変異NRPS様ドメインを有するPKS酵素と共に使用し、そしてジケチド等価物を、モジュール2中に変異KSドメインを有するPKS酵素と共に使用する(実施例9に記載のように)。以下のスキーム7および8中の構造において、R、RおよびRは、メチル、エチル、低級アルキル(C−C)、および置換された低級アルキルからなる群より独立して選択され得る。
【0395】
スキーム7は、例示的なローディングモジュールアナログを示す。
【0396】
【化40】
Figure 2004508810
ローディングモジュールアナログを、対応するカルボン酸の活性化およびN−アセチルシステアミンでの処理によって調製する。活性化方法は、酸塩化物の形成、混合無水物の形成、またはカルボジイミドのような縮合試薬との反応を含む。
【0397】
スキーム8は、例示的なジケチド等価物を示す。
【0398】
【化41】
Figure 2004508810
ジケチド等価物を、三段階のプロセスで調製する。第一に、対応するアルデヒドを、置換されたアクリルエステルを形成するためにWittig試薬または等価物で処理する。このエステルを酸にケン化し、次いで、これを活性化してN−アセチルシステアミンで処理する。
【0399】
ローディングモジュール生成物アナログおよびジケチド等価物を作製するための例示的な反応スキームが続く。ジケチド等価物を作成するために適切なさらなる化合物を、本発明の宿主細胞に供給するためのN−アセチルシステアミドに変換されるカルボン酸(またはカルボン酸に変換され得るアルデヒド)として図1に示す。
【0400】
(A.チオフェン−3−カルボキシレート N−アセチルシステアミンチオエステル)
不活性雰囲気下で、2mLの乾燥テトラヒドロフラン中のチオフェン−3−カルボン酸(128mg)溶液を、トリエチルアミン(0.25mL)およびジフェニルホスホリルアジド(0.50mL)で処理した。1時間後、N−アセチルシステアミン(0.25mL)を添加し、そして反応を12時間進めた。この混合物を水中に注ぎ、そして等量の酢酸エチルで3回抽出した。この有機抽出物を合わせて、水、1N HCl、飽和CuSOおよびブラインで連続して洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。エーテルの次に酢酸エチルを使用するSiOでのクロマトグラフィーによって純粋生成物(これは、静置すると結晶化する)を提供した。
【0401】
(B.フラン−3−カルボキシレート N−アセチルシステアミンチオエステル)
不活性雰囲気下で、2mLの乾燥テトラヒドロフラン中のフラン−3−カルボン酸(112mg)溶液を、トリエチルアミン(0.25mL)およびジフェニルホスホリルアジド(0.50mL)で処理した。1時間後、N−アセチルシステアミン(0.25mL)を添加し、そして反応を12時間進めた。この混合物を水中に注ぎ、そして等量の酢酸エチルで3回抽出した。この有機抽出物を合わせて、水、1N HCl、飽和CuSOおよびブラインで連続して洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。エーテルの次に酢酸エチルを使用するSiOでのクロマトグラフィーによって純粋生成物(これは、静置すると結晶化する)を提供した。
【0402】
(C.ピロール−2−カルボキシレート N−アセチルシステアミンチオエステル)
不活性雰囲気下で、2mLの乾燥テトラヒドロフラン中のピロール−2−カルボン酸(112mg)溶液を、トリエチルアミン(0.25mL)およびジフェニルホスホリルアジド(0.50mL)で処理した。1時間後、N−アセチルシステアミン(0.25mL)を添加し、そして反応を12時間進めた。この混合物を水中に注ぎ、そして等量の酢酸エチルで3回抽出した。この有機抽出物を合わせて、水、1N HCl、飽和CuSOおよびブラインで連続して洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。エーテルの次に酢酸エチルを使用するSiOでのクロマトグラフィーによって純粋生成物(これは、静置すると結晶化する)を提供した。
【0403】
(D.2−メチル−3−(3−チエニル)アクリレート N−アセチルシステアミンチオエステル)
(1)2−メチル−3−(3−チエニル)アクリル酸エチル:乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中のチオフェン−3−カルボキサルデヒド(carboxaldehyde)(1.12g)および(カルベトキシエチリデン(carbethoxyethlidene))トリフェニルホスホラン(4.3g)の混合物を、還流で16時間加熱した。この混合物を周辺温度まで冷却し、そして減圧下で濃縮して乾燥した。この固体残渣を1:1のエーテル/ヘキサン中に再懸濁し、そして濾過して酸化トリフェニルホスフィンを除去した。この濾過物を、1:1のエーテル/ヘキサンを使用してSiOのパッドを通して濾過して、淡黄色の油状物として生成物(1.78g、91%)を提供した。
【0404】
(2)2−メチル−3−(3−チエニル)アクリル酸:(1)由来のエステルを、メタノール(5mL)および8N KOH(5mL)の混合物中に溶解し、そして還流で30分間加熱した。この混合物を周辺温度まで冷却し、水で希釈し、そしてエーテルで2回洗浄した。この水相を、1N HClを使用して酸性化し、次いで等量のエーテルで3回抽出した。この有機抽出物を合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して乾燥した。2:1のヘキサン/エーテルからの結晶化は、無色の針状物として生成物を提供した。
【0405】
(3)2−メチル−3−(3−チエニル)アクリレート N−アセチルシステアミンチオエステル:不活性雰囲気下で、2mLの乾燥テトラヒドロフラン中の2−メチル−3−(3−チエニル)アクリル酸(168mg)溶液を、トリエチルアミン(0.56mL)およびジフェニルホスホリルアジド(0.45mL)で処理した。15分後、N−アセチルシステアミン(0.15mL)を添加し、そして反応を4時間進めた。この混合物を水中に注ぎ、そして等量の酢酸エチルで3回抽出した。この有機抽出物を合わせて、水、1N HCl、飽和CuSOおよびブラインで連続して洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。酢酸エチルを使用するSiOでのクロマトグラフィーは、純粋生成物(これは、静置すると結晶化する)を提供した。
【0406】
上記の化合物を、本発明の組換えエポシロンPKSを含む宿主細胞の培養物に補充し、ここで、伸長モジュール2のNRPSまたはKSドメインのいずれかが、本発明の対応するエポシロン誘導体を調製するために、変異によって不活化されている。
【0407】
(実施例11)
(エポシロンアナログの生成)
(A.13−ケト−エポシロンアナログの生成)
エポシロンPKSの伸長モジュール4におけるKRドメインの不活化は、13−ケト−エポシロンの生成に有用な本発明のハイブリッドPKSを生じる。伸長モジュール4KRドメインを、野生型遺伝子を以下に記載の種々の欠失バージョンで置換することによって改変した。第一に、フラグメントを、テンプレートとしてプラスミドpKOS39−118B(コスミドpKOS35−70.4由来のepoD遺伝子のサブクローン)を使用して増幅した。欠失の左側を形成するためのオリゴヌクレオチドプライマーは、TL3およびTL4であり、以下に示す:
【0408】
【化42】
Figure 2004508810
欠失の右側を形成するためのオリゴヌクレオチドプライマーは、TL5およびTL6であり、以下に示す:
【0409】
【化43】
Figure 2004508810
PCRフラグメントをベクターLitmus 39にクローニングし、そして配列決定して所望のフラグメントが得られたことを確認した。次いで、TL3/TL4フラグメントを含むクローンを、制限酵素PstIおよびBamHIで消化し、そして約4.6kbのフラグメントを単離した。プライマーTL5/TL6を使用して得られた2.0kbのPCRフラグメントを、制限酵素BglIIおよびXbaIで処理し、次いで、(i)「短い」KRリンカーTL23およびTL24(これらは、共にアニールされて一本鎖の突出し(overhang)を有する二本鎖のリンカーを形成する)に連結してpKOS122−29を得るか;または(ii)「長い」(epoDH3)リンカー(プライマーTL33+TL34を使用するPCR、次いで制限酵素NsiIおよびSpeIでの処理によって得られる)に連結し、プラスミドpKOS122−30を得るかのいずれかであった。これらのオリゴヌクレオチドリンカーおよびプライマーの配列を、以下に示す:
【0410】
【化44】
Figure 2004508810

【0411】
所望の置換を含むプラスミドを、配列決定によって確認し、次いで、制限酵素DraIで消化した。次いで、各クローンの大きいフラグメントを、カナマイシン耐性遺伝子およびgalK遺伝子(KGまたはkan−gal)カセットに連結して送達プラスミドを提供した。この送達プラスミドを、エポシロンBプロデューサーMyxococcus xanthusであるK111−32.25にエレクトロポレーションによって形質転換した。これらの形質転換体をスクリーニングし、そしてカナマイシン感受性のガラクトース耐性生存体を選択して、KG遺伝子を除去したクローンを同定した。組換え株についてのKGの除去および所望の遺伝子置換の確認を、PCRによって実施した。これらの組換え株を、50mLのCTS培地および2%のXAD−16と共にフラスコ中で5日間発酵させ、そしてエポシロンアナログを10mLのメタノールでXADから溶出した。構造決定は、LC/MSスペクトルおよびNMRに基づいた。1つのこのような株(K122−56と名付けた)を、ブダペスト条約の規約の下に、2000年11月21日にAmerican Type Culture Collection、Manassa、VA 20110−2209、USAに寄託し、これは受託番号PTA−2714の下に入手可能である。このK122−56株(プラスミドpKOS122−29に由来する)は、13−ケト−11,12−デヒドロ−エポシロンDを主生成物として生成し、その構造は以下に示される:
【0412】
【化45】
Figure 2004508810

【0413】
K122−56株はまた、13−ケト−エポシロンC(13−keto−epothilone C)およびDを微量産物として産生する。これらのそれぞれの構造を以下に示す:
【0414】
【化46】
Figure 2004508810
同様の結果が、プラスミドpKOS122−30から誘導されたK122−30株から得られた。これらの化合物ならびにこれらを産生する株およびPKS酵素は、本発明の新規な化合物、株およびPKS酵素である。
【0415】
13−ケト−11,12−デヒドロエポシロンを産生する本発明の他の株としては、KRドメインが1以上の点変異によって不活性にされている株が挙げられる。例えば、KRドメイン中の構成的チロシン残基をフェニルアラニンへと変異させることは、KR活性における約10%の減少をもたらし、そしていくらかの13−ケト−エポシロンの産生をもたらす。KRドメインにおけるさらなる変異は、KR活性をより多くまたは全て除去し得るが、エポシロン産生の減少もまたもたらし得る。
【0416】
(B.13−ヒドロキシ−エポシロンアナログの産生)
エポシロンPKSの伸長(extender)モジュール5のKRドメイン、DHドメインおよびERドメインの、異種KRドメイン(例えば、ラパマイシンPKSの伸長モジュール2由来のKRドメインまたはFK520 PKSの伸長モジュール3由来のKRドメイン)による置換は、13−ヒドロキシエポシロンの産生において有用な本発明のハイブリッドPKSをもたらす。この構築は、本実施例の第A部に記載される様式と類似の様式で行われる。プラスミドpKOS39−118Bをテンプレートして用いて、epoD遺伝子の所望の部分を増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマーは以下の通りであった:
【0417】
【化47】
Figure 2004508810
プライマーTL7/TL8から生成されたPCRフラグメントを、ベクターLITMUS 28にクローニングし、得られたクローンを、制限酵素NsiIおよびBglIIで消化し、5.1kbのフラグメントを単離し、制限酵素BglIIおよびXbaIで処理した、TL9/TL10から生成された2.2kbのPCRフラグメントに連結し、そしてKRカセットに連結した。FK520 PKS由来のKRカセットを、プライマーTL31およびTL32を用いるPCRによって生成し、次いで制限酵素XbaIおよびPstIで消化した。これらのプライマーを以下に示す:
【0418】
【化48】
Figure 2004508810
残りの株構築を、Myxococcus xanthus Klll−72.4.4をレシピエントとして用いたこと以外は、本実施例の第A部に記載したのと同様に進めた。FK520 PKSの伸長モジュール3のKRドメインが、エポシロンPKSの伸長モジュール5のKRドメイン、DHドメインおよびERドメインで置換された株をK122−148と命名し、そしてAmerican Type Culture Collection,Manassas,VA 20110−2209,USAに2000年11月21日にブダペスト条約の約定の下に寄託した。この株は、登録番号PTA−2711の下で入手可能である。株K122−148は、13−ヒドロキシ−10,11−デヒドロエポシロンDを主な産物として産生し、そしてC誘導体を微量産物として産生する。これらの構造を以下に示す:
【0419】
【化49】
Figure 2004508810
ラパマイシンPKSの伸長モジュール2のKRドメインが置換のために用いられた、K122−52と命名された同様の株は、同じ化合物を産生した。これらの化合物ならびにこれらを産生する株およびPKS酵素は、本発明の新規な化合物、株およびPKS酵素である。
【0420】
(C.9−ケト−エポシロンアナログの産生)
エポシロンPKSの伸長モジュール6のKRドメインの不活化は、9−ケト−エポシロンを産生し得る本発明の新規なPKSをもたらす。KRドメインは、1以上の保存された残基を変更することによる部位特異的変異誘発によって不活化され得る。エポシロンPKSの伸長モジュール6のKRドメインのDNAおよびアミノ酸の配列を以下に示す:
【0421】
【化50】
Figure 2004508810
本発明によって提供される新規な9−ケト−エポシロンPKSの伸長モジュール6の、変異し、かつ不活性なKRドメインのDNAおよびアミノ酸の配列を以下に示す:
【0422】
【化51】
Figure 2004508810
この変異したKRドメインコード配列を含む株を、Myxococcus xanthus K111−72.4.4をレシピエントとして用いたこと以外は、本実施例の第A部に記載したように一般的に構築した。伸長モジュール6のKRドメインが不活化された株をK39−164と命名し、そしてAmerican Type Culture Collection,Manassas,VA 20110−2209,USAに2000年11月21日にブダペスト条約の約定の下に寄託した。この株は、登録番号PTA−2716の下で入手可能である。株K39−164は、9−ケト−エポシロンDを主な産物として産生し、そしてC誘導体を微量産物として産生する。これらの構造を以下に示す:
【0423】
【化52】
Figure 2004508810
これらの化合物ならびにこれらを産生する株およびPKS酵素は、本発明の新規な化合物、株およびPKS酵素である。
【0424】
(D.2−メチル−エポシロンアナログの産生)
エポシロンA、エポシロンB、エポシロンCおよびエポシロンDの2−メチル−エポシロンアナログは、伸長モジュール9のATドメイン(「epoAT9」)についてのコード配列を、メチルマロニルCoAについて特異的なATドメインについてのコード配列で置換することによって構築され得る。従って、適切な置換ATドメインコード配列は、例えば、FK520 PKSの伸長モジュール2をコードする遺伝子(「FKAT2」;本明細書中に参考として援用されるPCT公開番号00/020601を参照のこと);エポシロンPKSの伸長モジュール2をコードする遺伝子(「epoAT2」);およびtmbA遺伝子によってコードされるPKSの伸長モジュール3をコードする遺伝子(「tmbAT3」;米国特許第6,090,601号および2001年2月15日に出願された米国特許出願第60/271,245号(これらの各々は、本明細書中に参考として援用される))から入手され得る。置換は、一般的に上記の通りに行われ、そして産生される特定のエポシロンは、どのエポシロンが、置換が行われたMyxococcus宿主によって産生されるかにのみ依存する。
【0425】
従って、epoAT9コード配列(ヌクレオチド50979〜ヌクレオチド52026)は、連結部に、操作されたBglII(AGATCT)およびNsiI(ATGCAT)制限酵素認識配列を有する、epoAT2コード配列(ヌクレオチド12251〜ヌクレオチド13287)またはFKAT2コード配列またはtmbAT3コード配列のいずれかによって置換される。
【0426】
第一のPCRを用いて、テンプレートとして用いたpKOS39−125のDNAから約1.6kbのフラグメントを生成する。このPCRフラグメントを、ベクターLITMUS28にHindIII部位およびBglII部位でサブクローニングし、そして配列決定する;所望の配列を有するプラスミドをP1と命名する。このPCRにおいて用いたオリゴヌクレオチドは以下の通りである:
【0427】
【化53】
Figure 2004508810
第二のPCRを用いて、テンプレートとしてpKOS39−125 DNAを用いて約1.9kbのフラグメントを生成する。このPCRフラグメントを、ベクターLITMUS28にNsiI部位およびSpeI部位でサブクローニングし、そして配列決定する;所望の配列を有するプラスミドをP2と命名する。このPCRにおいて用いたオリゴヌクレオチドは以下の通りである:
【0428】
【化54】
Figure 2004508810
次いで、プラスミドP1を制限酵素BglIIおよびSpeIで消化し、そして4.5kbのフラグメントを単離し、そしてプラスミドP2由来の約1.9kbのNsiI−SpeI制限フラグメントおよびNsiI−BglII制限フラグメントとして単離された3つの置換ATフラグメント(FKAT2、epoAT2、tmbAT3)のうちの1つと連結して、プラスミドP3.1、P3.2およびP3.3を得た。置換ATフラグメントを、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRによって生成する:
【0429】
【化55】
Figure 2004508810
次いで、プラスミドP3.1、P3.2およびP3.3を、kan−galカセットのDraI部位での挿入によって改変する。得られるプラスミドを、本発明のエポシロン産生性Myxococcus xanthus宿主細胞(すなわち、K111−72.4.4)に形質転換し、そしてこの細胞を培養し、上記の通りに二重交叉組換え事象について選択する。選択されたコロニーをPCRによってスクリーニングする。所望の組換え事象を示すコロニーを50mL培養において培養し、そして所望の化合物の産生についてLC/MSによってスクリーニングする。予想される産物は、2−メチル−エポシロンDおよび2−メチル−エポシロンCである。これらの構造を以下に示す。
【0430】
【化56】
Figure 2004508810
(E.6−デスメチル−エポシロンアナログの産生)
エポシロンA、エポシロンB、エポシロンCおよびエポシロンDの6−デスメチル−エポシロンアナログは、伸長モジュール7のATドメイン(「epoAT7」)についてのコード配列を、マロニルCoAに特異的なATドメインについてのコード配列で置換することによって構築され得る。従って、適切な置換ATドメインコード配列は、例えば、FK520 PKSの伸長モジュール3をコードする遺伝子;エポシロンPKSの伸長モジュール5をコードする遺伝子(「epoAT5」);およびtmbA遺伝子によってコードされるPKSの伸長モジュール4をコードする遺伝子(これらの各々は、本明細書中に参考として援用される)から入手され得る。置換は、一般的に上記の通りに行われ、そして産生される特定のエポシロンは、どのエポシロンが、置換が行われたMyxococcus宿主によって産生されるかにのみ依存する。
【0431】
従って、epoAT7コード配列(ヌクレオチド39585〜ヌクレオチド40626)は、連結部に、操作されたBglII(AGATCT)およびNsiI(ATGCAT)制限酵素認識配列を有する、epoAT5コード配列(ヌクレオチド26793〜ヌクレオチド27833)またはFKAT3コード配列またはtmbAT4コード配列のいずれかによって置換される。
【0432】
第一のPCRを用いて、テンプレートとして用いたpKOS39−125のDNAから約1.8kbのフラグメントを生成する。このPCRフラグメントを、ベクターLITMUS28にNsiI部位およびSpeI部位でサブクローニングし、そして配列決定する;所望の配列を有するプラスミドをP4と命名する。このPCRにおいて用いたオリゴヌクレオチドは以下の通りである:
【0433】
【化57】
Figure 2004508810
第二のPCRを用いて、テンプレートとしてpKOS039−118B DNAを用いて約2.1kbのフラグメントを生成する。このPCRにおいて用いたオリゴヌクレオチドは以下の通りである:
【0434】
【化58】
Figure 2004508810
このPCRフラグメントを、LITMUS28にEcoRV制限部位でサブクローニングし、そして所望の配列を有するプラスミドを、配列決定によって同定し、そしてプラスミドpKOS122−4と命名する。次いで、プラスミドpKOS122−4を制限酵素BglIIおよびSpeIで消化し、そして4.8kbのフラグメントを単離し、そしてプラスミドP4由来の約1.8kbのNsiI−Spel制限フラグメントおよびNsiI−BglII制限フラグメントとして単離された3つの置換ATフラグメント(FKAT3、epoAT5、tmbAT4)のうちの1つと連結して、プラスミドP5.1、P5.2およびP5.3を得る。置換ATフラグメントを、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRによって生成する:
【0435】
【化59】
Figure 2004508810
次いで、プラスミドP5.1、P5.2およびP5.3を、kan−galカセットのDraI部位での挿入によって改変する。得られるプラスミドを、本発明のエポシロン産生性Myxococcus xanthus宿主細胞(すなわち、K111−72.4.4)に形質転換し、そしてこの細胞を培養し、上記の通りに二重交叉組換え事象について選択する。選択されたコロニーをPCRによってスクリーニングする。所望の組換え事象を示すコロニーを50mL培養において培養し、そして所望の化合物の産生についてLC/MSによってスクリーニングする。予想される化合物は、6−デスメチル−エポシロンDおよび6−デスメチル−エポシロンCである。これらの構造を以下に示す。
【0436】
【化60】
Figure 2004508810
(F.10−メチル−エポシロンアナログの産生)
エポシロンA、エポシロンB、エポシロンCおよびエポシロンDの10−メチル−エポシロンアナログは、伸長モジュール5のATドメイン(「epoAT5」)についてのコード配列を、メチルマロニルCoAに特異的なATドメインについてのコード配列で置換することによって構築され得る。従って、適切な置換ATドメインコード配列は、例えば、FK520 PKSの伸長モジュール2をコードする遺伝子(本明細書中に参考として援用される);エポシロンPKSの伸長モジュール2をコードする遺伝子(「epoAT2」);およびtmbA遺伝子によってコードされるPKSの伸長モジュール3をコードする遺伝子から入手され得る。置換は、一般的に上記の通りに行われ、そして産生される特定のエポシロンは、どのエポシロンが、置換が行われたMyxococcus宿主によって産生されるかにのみ依存する。
【0437】
従って、epoAT5コード配列(ヌクレオチド26793〜ヌクレオチド27833)は、連結部に、操作されたBglII(AGATCT)およびNsiI(ATGCAT)制限酵素認識配列を有する、epoAT2コード配列(ヌクレオチド12251〜ヌクレオチド13287)またはFKAT2コード配列またはtmbAT3コード配列のいずれかによって置換される。
【0438】
プライマーTL11およびTL12からプラスミドpKOS39−118Bをテンプレートとして用いて生成されたPCRフラグメントを、ベクターLITMUS 28にクローニングする。用いたPCRプライマーは以下の通りである:
【0439】
【化61】
Figure 2004508810
所望の挿入物を含むプラスミドを、DNA配列決定によって同定する。次いで、このプラスミドを制限酵素NsiIおよびXbaIで消化し、そして4.6kbのフラグメントを単離する。このフラグメントを、プライマーTL5およびTL6(本実施例の第A部に記載される)から得られ、制限酵素BglIIおよびXbaIで消化された2.0kbのPCRフラグメントおよび、NsiI−BglII制限フラグメントとして単離された3つの置換ATフラグメント(FKAT2、epoAT2、tmbAT3)のうちの1つと連結して、プラスミドP6.1、P6.2およびP6.3を得る。次いで、これらの後者の3つのプラスミドを、kan−galカセットのDraI部位での挿入によって改変する。得られるプラスミドを、本発明のエポシロン産生性Myxococcus xanthus宿主細胞(すなわち、K111−72.4.4)に形質転換し、そしてこの細胞を培養し、上記の通りに二重交叉組換え事象について選択する。選択されたコロニーをPCRによってスクリーニングする。所望の組換え事象を示すコロニーを50mL培養において培養し、そして所望の化合物の産生についてLC/MSによってスクリーニングする。予想される化合物は、10−メチル−エポシロンD(10−methyl−epothiklone D)および10−メチル−エポシロンCである。これらの構造を以下に示す:
【0440】
【化62】
Figure 2004508810
(G.14−メチル−エポシロンアナログの産生)
エポシロンA、エポシロンB、エポシロンCおよびエポシロンDの14−メチル−エポシロンアナログは、伸長モジュール3のATドメイン(「epoAT3」)についてのコード配列を、メチルマロニルCoAに特異的なATドメインについてのコード配列で置換することによって構築され得る。従って、適切な置換ATドメインコード配列は、例えば、FK520 PKSの伸長モジュール2をコードする遺伝子;エポシロンPKSの伸長モジュール2をコードする遺伝子(「epoAT2」);およびtmbA遺伝子によってコードされるPKSの伸長モジュール3をコードする遺伝子から入手され得る。置換は、一般的に上記の通りに行われ、そして産生される特定のエポシロンは、どのエポシロンが、置換が行われたMyxococcus宿主によって産生されるかにのみ依存する。
【0441】
従って、epoAT3コード配列(ヌクレオチド17817〜ヌクレオチド18858)は、連結部に、操作されたBglII(AGATCT)およびNsiI(ATGCAT)制限酵素認識配列を有する、epoAT2コード配列(ヌクレオチド12251〜ヌクレオチド13287)またはFKAT2コード配列またはtmbAT3コード配列のいずれかによって置換される。
【0442】
第一のPCRを用いて、テンプレートとして用いたpKOS39−124のDNAから約1.8kbのフラグメントを生成する。このPCRフラグメントを、ベクターLITMUS28にXbaI部位およびBglII部位でサブクローニングし、そして配列決定する;所望の配列を有するプラスミドをP9と命名する。このPCRにおいて用いたオリゴヌクレオチドは以下の通りである:
【0443】
【化63】
Figure 2004508810
第二のPCRを用いて、テンプレートとして使用したpKOS39−124 DNAを用いて約1.9kbのフラグメントを生成する。このPCRフラグメントを、ベクターLITMUS28にNsiI部位およびSpeI部位でサブクローニングし、そして配列決定した;所望の配列を有するプラスミドをP10と命名する。このPCRにおいて用いたオリゴヌクレオチドは以下の通りである:
【0444】
【化64】
Figure 2004508810
次いで、プラスミドP9を制限酵素BglIIおよびSpeIで消化し、そして4.5kbのフラグメントを単離し、そしてプラスミドP10由来の約1.9kbのNsiI−SpeI制限フラグメントおよびNsiI−BglII制限フラグメントとして単離された3つの置換ATフラグメント(FKAT2、epoAT2、tmbAT3)のうちの1つと連結して、プラスミドP11.1、P11.2およびP11.3を得る。次いで、これらの後者の3つのプラスミドを、kan−galカセットのDraI部位での挿入によって改変する。得られるプラスミドを、本発明のエポシロン産生性Myxococcus xanthus宿主細胞(すなわち、K111−72.4.4)に形質転換し、そしてこの細胞を培養し、上記の通りに二重交叉組換え事象について選択する。選択されたコロニーをPCRによってスクリーニングする。所望の組換え事象を示すコロニーを50mL培養において培養し、そして所望の化合物の産生についてLC/MSによってスクリーニングする。予想される化合物は、14−メチル−エポシロンDおよび14−メチル−エポシロンCである。これらの構造を以下に示す。
【0445】
【化65】
Figure 2004508810
(H.10,11−デヒドロ−エポシロンアナログの生成)
1つの実施形態において、本発明は、新規なエポシロン(10,11−デヒドロエポシロンD)およびこの化合物を産生する組換え宿主細胞を提供する。10,11−デヒドロエポシロンDの構造を以下に示す。
【0446】
【化66】
Figure 2004508810

【0447】
別の実施形態において、本発明は、任意の10,11−デヒドロエポシロンアナログを、対応するエポシロンを産生するエポシロンPKSの、伸長モジュール5のERドメインの不活化によって作製する方法を提供する。
【0448】
1つの実施形態において、10,11−デヒドロエポシロンDを生成する株を、伸長モジュール5のエノイルレダクターゼ(ER)ドメインを不活化することによって構築する。1つの実施形態において、このER不活化を、NADPH結合領域における2つのグリシン(−Gly−Gly−)を、アラニンおよびセリン(−Ala−Ser−)に変更することによって達成する。プラスミドpKOS39−118B(コスミドpKOS35−70.4由来のepoD遺伝子のサブクローン)由来のこの2.5kb BbvCI−HindIIIフラグメントを、pTL7としてpLitmus28にクローニングし、これを部位指向変異誘発(site directed mutagenesis)のためのテンプレートとして使用する。−Gly−Gly−をNADPH結合ドメイン中の−Ala−Ser−変異に導入するためのオリゴヌクレオチドプライマーは、以下である:
【0449】
【化67】
Figure 2004508810

【0450】
置換を含むPCRクローンを、配列決定によって確認し、そして制限酵素DraIで消化し、そしてエビアルカリホスファターゼで処理する。次いで、それぞれのクローンの大きいフラグメントを、カナマイシン耐性遺伝子およびgalK遺伝子(KG、すなわちkan−gal)カセットを用いて連結し、送達プラスミドを提供する。送達プラスミドは、エポシロンD産生株M.xanthus K111−72−4.4またはK111−40−1中に、エレクトロポレーションによって形質転換される。この形質転換体をスクリーニングし、そしてカナマイシン−感受性の生存性、ガラクトース−耐性の生存体を選択し、KG遺伝子が排除されたクローンを同定する。KG排除および組換え体株についての所望の遺伝子の置換の確認を、PCRによって行う。この組換え株を、50mLのCTS培地(カシトン(casitone)、5g/L;MgSO、2g/L;L−アラニン、1mg/L;L−セリン、1mg/L;グリシン、1mg/L;およびHEPES緩衝液、50mM)および2%のXAD−16を有するフラスコ中で7日間発酵させ、そして10,11−デヒドロエポシロンDをXAD樹脂から10mLのメタノールを用いて溶出する。
【0451】
(I.発酵によるオキサゾール含有エポシロンの生成)
1つの実施形態において、本発明は、オキサゾール含有エポシロン(この対応するエポシロンのチアゾール部分が、オキサゾールと置換されている)を、本発明によって提供されるエポシロン産生株(例えば、Sorangium cellulosum株またはMyxococcus株)を発酵させることによって、L−セリンで補充した培地中で得る方法を提供する。
【0452】
本発明のこの局面を例示するために、Myxococcus xanthus株K111−40.1またはK111−72.4.4培養物を、L−セリンがバッチ培地(2.3mM)において基底セリン濃度の11×、51×、101×および201×で存在する以外は、実施例3の方法に従って発酵させる。従って、このバッチ培地含有50mL培養物は、20g/LのXAD−16;5g/Lのカシトン;2g/LのMgSO;7mM/Lのオレイン酸メチル;および4mM/Lの微量金属溶液を含み、適切な濃度の濾過滅菌したL−セリンの1.25M溶液を添加する。基礎培地において観察されたこのバッチ力価は、Epo C:0.4mg/L、Epo D:2mg/L、EpoH1(オキサゾールのCアナログ):検出されず、およびEpo H2(オキサゾールのDアナログ):0.02mg/Lであった。セリン濃度の上昇は、epoCおよびepoD濃度を減少した(51×の補充ではほとんど検出不可能なレベル)。従って、基礎培地における51×補充したL−セリンのバッチ力価は、Epo C:0.03mg/L、Epo D:0.05mg/L、Epo H1:0.12mg/L;およびEpo H2:0.13mg/Lであった。流加培養プロトコールは、観察される力価をほぼ10倍に上昇させ得た。
【0453】
(J.エポシロンアナログの構築)
1つの実施形態において、本発明は、エポシロンおよび本発明の組換えエポシロンPKS酵素によって産生されるエポシロン誘導体を提供し、このエポシロン誘導体は、(i)伸長モジュール1 NRPSの特異性が、システインから別のアミノ酸に変更され;(ii)ローディングドメインがNRPSまたはCoAリガーゼに変更され;あるいは(iii) (i)および(ii)の両方である。この実施例は、このような本発明の組換えエポシロンPKS酵素がどのようにして構築されるかを記載する;この実施例において引用される文献は、本実施例の最後に列挙され、そしてこの文章中において引用番号によって参照され、そして参考として本明細書中で援用される。
【0454】
エポシロンは、環化されそして酸化されてチアゾールを形成するアミノ酸システインを含む。2つの他のアミノ酸(セリンおよびスレオニン)は、同様の環化および酸化を受けて、それぞれオキサゾールおよびメチルオキサゾールを生成し得る。例えば、エポシロンDのオキサゾール誘導体およびメチルオキサゾール誘導体を以下に示す。
【0455】
【化68】
Figure 2004508810
オキサゾールまたはメチルオキサゾールのいずれかを有するエポシロンのアナログを構築するために、伸長モジュール1(NRPSモジュール)の操作を実行し得る。成長モジュールを拡張するNRPSモジュールは、最低限、アミノ酸、アデニル化ドメイン、PCPまたはペプチジルキャリアタンパク質ドメインを活性化するドメインから構成され、これはアミノ酸をNRPSおよび圧縮ドメインに連結し、この圧縮ドメインはアミノ酸を成長モジュールのカルボキシル基に圧縮してペプチド結合を形成する(5、7)。このアミノ酸の特異性を決定するための認識配列を、アデニル化ドメイン、特にA4コンセンサス配列とA5コンセンサス配列との間に見出す(4)。この領域の分析は、このタンパク質領域中の重要なアミノ酸が、どのアミノ酸がNRPSによって使用されるかを予測し得ることを示した(2、8)。完全なNRPSアデニル化領域を別のアデニル化領域と交換する実験を行い、新規なアデニル化ドメインのアミノ酸特異性を有するハイブリッドNRPSを得る(6、9)。アデニル化領域のより小さな領域(例えば、A4コンセンサス配列とA5コンセンサス配列との間の領域)を使用する実験は、報告されていない。1つの実施形態において、本発明のハイブリッドPKSは、vibFおよびblmVII(これはスレオニンを利用する)由来のドメインを有し、ならびにブレオマイシン遺伝子クラスターのblmVI由来のNRPS−4領域(これはセリンを利用する)を有するepoB由来のアデニル化ドメインの、A4コンセンサス領域とA5コンセンサス領域との間の領域を置換することによって構築される(3)。
【0456】
最近の実験は、圧縮ドメインが、不正確なアミノ酸がPCPに接着しているか否かを検出し得ることを示唆する(1)。一旦、不正確なアミノ酸が検出されると、圧縮反応の効率が減少する。これを回避するために、アデニル化ドメインの交換に加えて、アデニル化ドメインの特異性を変更し、そして十分に活性なNRPSを操作するために、同族の圧縮ドメインまたを使用し得る。
【0457】
本発明はまた、エポシロンのオキサゾール形態およびメチルオキサゾール形態の16個のデスメチル誘導体を産生する組換えエポシロンPKS酵素を提供する。このような酵素は、伸長モジュール2、epoCのATドメインを、メチルマロニル特異性からマロニル特異性まで変更することによって構築される。この構築物を作製するために使用され得るATドメインとしては、エポシロンクラスターの伸長モジュール5および9、ならびにソラフェン(soraphen)遺伝子クラスター由来の伸長モジュール2および4由来のドメインが挙げられる。
【0458】
本発明はまた、EpoAタンパク質がNRPSによって置換されている組換えPKS酵素を提供する。本発明はまた、このような酵素によって産生された新規なエポシロンを提供する。エポシロンの生合成は、ローディングモジュール(EpoA)のACP上にマロネートをロードすることによって開始する。このマロネートは、KSドメインによって実質的に脱カルボキシル化され、次いでEpoBに対するアセチル部分(NRPSモジュール)として移入される。この分子がEpoBによって影響された後、得られた化合物は2−メチルチアゾルである。
【0459】
チアゾール上の2位で接着されるアミノ酸を有するアナログを作製するために、epoAの欠失およびNRPSモジュールの挿入が必要とされる。任意のNRPSモジュールが使用され得る;しかし、ほぼ保存的な変化を作製するために、下流のNRPSモジュールと自然に連絡するepoAを置換するNRPSモジュールを使用し得る。さらに、epoAを置換するNRPSがローディングモジュールであるので、圧縮ドメインは必要ではない。これは、拡張NRPSモジュールを取ること、および圧縮ドメインを除去することまたは天然のローディングモジュールであり従って圧縮ドメインを欠くNRPSを使用することによって行なわれ得る。例示的なNRPSローディングモジュールは、safB由来のローディングモジュールであり、これはアラニンを使用しそしてM.xanthus由来である。
【0460】
epoAの位置にsafBローディングモジュールを含むM.xanthus株を構築することにおいて、新規なローディングモジュールおよびepoBについての最適な境界を決定し得る。PKSタンパク質の間のリンカー領域は、しばしばこのPKSタンパク質の間の「連絡」のために重要である。最適なリンカーを検査するための3つの異なる株を構築し得る。第1に、EpoAのACPドメインは、safBのローディングドメインのアデニル化ドメインに融合される。この構築物は、EpoAのACPがPCPとして機能することを必要とする。PCPおよびACPドメイは機能的に同様ではあるが、これらは高い配列同一性を示さず、そして従って、これらが認識しそして結合し得るものに制限され得る。これらの第2の構築物は、SafBローディングモジュールのPCPドメインのEpoA下流の最後のいくつかのアミノ酸を融合し、従ってEpoBと「連絡する」ハイブリッドローディングモジュールについてのリンカー領域の必要性を提供する。最後に、EpoBとのSafBローディングモジュールの融合が構築される。SafBは2つのモジュールから構成されるので、全てのSafBのローディングモジュールを取り、そして直接EpoBと融合して融合タンパク質を得ることは可能であり、これはSafBローディングモジュールとEpoBとの間の連絡のために最適であるべきである。
【0461】
一旦SafBまたは別の任意のローディングNRPSドメインが使用されて、エポシロンのチアゾール上の2−メチルがアミノ酸で置換されると、次いで新規なローディングNRPSモジュールにおいて変化が生じ得、それによって任意のアミノ酸分子が使用されてエポシロンアナログの合成を開始し得た。潜在的なアミノ酸、およびこれらの交換のために使用され得るこれらの対応するNRPSモジュールの包括的なリストは、Challisらによって提供される(2)。
【0462】
全ての置換は、K111−32.25(エポシロン遺伝子を含むM.xanthus株)またはK111−40−1(エポシロン遺伝子を含むM.xanthus株であり、epoK遺伝子が機能的産物を生成しない)、あるいは本発明の任意の他のエポシロン産生株またはSorangium cellulosumにおいて行なわれ得る。Myxococcusにおいて、適切な構築物は、プラスミド上で、galKおよびカナマイシン選択を使用して作製され得、そして使用されて、野生型遺伝子を操作された遺伝子で置換する。例えば、K111−40−1におけるNRPSを、セリンについて特異的であるNRPSで置換することは、エポシロンDの2−メチル−オキサゾール誘導体およびエポシロンCの2−メチル−オキサゾール誘導体を、それぞれ主産物および少数の産物として作製することが予期される。これらの化合物の構造を、以下に示す:
【0463】
【化69】
Figure 2004508810

【0464】
K111−40−1におけるNRPSを、スレオニンについて特異的であるNRPSで置換することは、以下の化合物ならびにそれぞれの主産物および少数の産物が予期される:
【0465】
【化70】
Figure 2004508810

【0466】
K111−40−1におけるNRPSを、グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、フェニルアラニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、バリン、およびチロシンについて特異的であるNRPSで置換することは、それぞれの主産物および少数の産物として以下の化合物を作製することが、各々予期され:
【0467】
【化71】
Figure 2004508810
ここで、R’は、アミノ酸における特異的な側鎖に対応する(例えば、R’は、グリシンについてのアミノ酸の一般式 NH−CHR’COOHにおいてHであり、そしてアラニンについてはメチルであり、など)。
【0468】
K111−40−1におけるNRPSを、プロリンについて特異的であるNRPSで置換することは、それぞれの主産物および少数の産物として以下の化合物を作製することが予期される:
【0469】
【化72】
Figure 2004508810

【0470】
この節において引用された文献は、以下の通りである。
【0471】
【化73】
Figure 2004508810

【0472】
(実施例12)
(生物学的アッセイ)
10,11−デヒドロエポシロンDを、4つの異なるヒト腫瘍細胞株中でスルホローダミンB(SRB)アッセイを使用して、抗癌活性についてスクリーニングした。10,11−デヒドロエポシロンDは、IC50(28nMから40nMの範囲)を有する4つの全てに対して成長阻害効果を示す。作用の機能は、化合物がチューブリン重合化を促進することを明らかにする細胞ベースのチューブリン重合化アッセイによって決定された。ヒト癌細胞株MCF−7(乳房)、NCI/ADR−Res(乳房、MDR)、SF−268(神経膠腫)、NCI−H460(肺)は、National Cancer Instituteから入手した。この細胞を、5%のCO−加湿大気中37℃で、10%のウシ胎仔血清(Hyclone)および2mMのL−グルタミンで補充したRPMI1640培地(Life Technology)において維持した。
【0473】
10,11−デヒドロエポシロンDの細胞毒性を、SRBアッセイ(Skehanら、J.Natl.Cancer Inst.82:1107〜1112(1990))(これは本明細書中で参考として援用される)によって決定した。培養細胞をトリプシン処理し、計数し、そして増殖培地で100μl当たり以下の濃度まで希釈した:MCF−7、5000;NCI/ADR−Res、7500;NCI−H460、5000;およびSF−268、7500。この細胞を、96ウェルマイクロタイタープレート中に100μl/ウェルで播種した。20時間後、100μlの10,11−デヒドロエポシロンD(増殖培地中1000nMから0.001nMまでの範囲の希釈)をそれぞれのウェルに添加した。3日間この化合物でインキュベーションした後、この細胞を100μlの10%トリ塩素酸(「TCA」)で、1時間4℃で固定化し、そして0.2%のSRB/1%の酢酸で、室温で20分間染色した。非結合色素を、1%の酢酸でリンスして除去し、次いで結合SRBを、200μlの10mM Tris塩基によって抽出した。結合した色素の量を、OD515nmによって決定し、これは総細胞タンパク質成分と関連がある。次いでこのデータを、Kaleida GraphプログラムおよびIC50計算を使用して分析した。化学的に合成されるエポシロンDを、比較として並行して試験した。
【0474】
チューブリン重合化アッセイにおいて、MCF−7細胞を35mm培養皿中でコンフルエントまで増殖させ、そして1μMの10,11−デヒドロエポシロンDまたは1μMのエポシロンDのいずれかで、0、1もしくは2時間、37℃で処理した(Giannakakouら、J.Biol.Chem,271:17118〜17125(1997);Int.J.Cancer 75:57〜63(1998)(これらは参考として本明細書中に援用される)。細胞をカルシウムまたはマグネシウムを含まない2mlのPBSで2回洗浄した後、この細胞を、300μlの溶解緩衝液(20mM Tris、PH6.8、1mM MgCl、2mM EGTA、1% Triton X−100およびプロテアーゼインヒビター)で、室温で5〜10分間溶解した。この細胞を掬い取り、そしてこの溶解物を1.5mlエッペンドルフチューブに移した。次いでこの溶解物を、室温で12分間、18000gで遠心分離した。可溶性または重合化していない(細胞質ゾル)チューブリンを含む上清を、不溶性または重合化した(細胞骨格)チューブリンを含むペレットから分離し、そして新しいチューブに移した。次いでこのペレットを、300μlの溶解緩衝液中に再懸濁した。この細胞におけるチューブリン重合化の変化を、それぞれのサンプルのアリコートの同量をSDS−PAGEを用いて分析し、続いて抗チューブリン抗体(Sigma)を使用する免疫ブロッティングによって決定した。
【0475】
いくつかの実験の結果は、10,11−デヒドロエポシロンD(「Epo490」と略される)は、28nMから40nMの範囲において4つの異なるヒト腫瘍細胞株に対するIC50を有することを示した。
【0476】
【表13】
Figure 2004508810
チューブリン重合アッセイは、10,11−デヒドロエポシロンDはエポシロンDと同じ作用の機構を有することを明らかにする。MCF−7細胞において、10,11−デヒドロエポシロンDは、試験される条件でチューブリン重合化を強力に促進し、エポシロンDと同様の反応速度論および効率を有する。本発明の他の化合物を、10,11−デヒドロエポシロンDについて目的の化合物を置換することによって同様の様式で試験し得る。
【0477】
(実施例13)
(オキサゾール誘導体)
本実施例は、発酵条件を使用して宿主細胞によって生成されるエポシロン化合物の型を調節することを記載する。過剰のセリンで補充した宿主細胞によって、通常は宿主細胞によって生成される化合物を、オキサゾール対応物の生成を支持するような方法で調節する。例えば、式Vの化合物を優先的に生成する細胞を、式VIの化合物に対応するオキサゾール対応物の生成を指示するように作製する。
【0478】
1つの実施形態において、M.xanthus株K111−40−1(優先的にエポシロンCおよびエポシロンDを作製する株)を、有意にエポシロンHおよびエポシロンH、エポシロンCおよびエポシロンDに対するオキサゾール対応物の生成を増加するように作製する。株K111−40−1(PTA−2712)を、American Type Culture Collection(「ATCC」)、10801 Uiniversity Blvd.、Manassas、VA、20110〜2209 USAに、2000年11月21日に寄託した。株K111−40−1を、さらなるセリンを補充したかまたは補充していないいずれかの培地中で増殖させた。補充していない培地中のこの化合物の最終濃度は:加水分解されたカゼイン(膵臓消化、DifcoからCasitonのブランド名で購入した)、5g/L;MgSO・7HO、2g/L;XAD−16、20g/L;微量因子溶液 4ml/L;オレイン酸メチル、7ml/L;およびHepes緩衝液、40mM(KOHでpH7.6まで滴定した)であった。微量因子溶液は:濃HSO、10mL/L、FeCl・6HO、14.6g/L;ZnCl、2.0g/L;MnCl・4HO、1.0g/L;CuCl・2HO、0.42g/L;HBO、0.31g/L;CaCl/6HO、0.24g/L;およびNaMoO・2HO、0.24g/Lを含む。セリンの基礎レベルを、4.82%(重量/重量)として取り、この値は、Casitoneの特定のロットのDifcoのアミノ酸分析によって決定された。従って、基礎セリン濃度は2.3mMであり、値は培地中のCasitoneの最終濃度5g/Lから計算した。セリン補充培地は、50倍高いセリン濃度(117mM)を含有した。
【0479】
細胞を、フラスコ中30℃で、120時間、250rpmのコフィン振盪器上で増殖させた。発酵の間に菌株によって産生される化合物は、樹脂を捕獲し、一旦水中でこの樹脂を洗浄し、そしてこの樹脂中の化合物を30分間20mLのメタノールに抽出することによって抽出した。試料をHPLCおよび質量分析法によって分析した。
【0480】
細胞によって産生された化合物の分析は、セリンレベルの50倍増加が、セリンを補充されていない培地において増殖した細胞によって産生されたものに対して、エポシロン(epothilone)Hの産生の30倍増加(0.12mg/L)およびエポシロンHの産生の5倍増加(0.12mg/L)を生じることを示した。特に、この細胞は、検出可能な量のエポシロンCおよびDをほとんど産生しなかった(50μg/L未満)。
【0481】
セリン供給由来の同時のオキサゾール含有化合物の増加およびチアゾール含有化合物の減少は、通常は、チアゾール含有対応物を形成する宿主細胞からオキサゾール化合物を得る方法を提供する。例えば、(実施例11のサブ項目Cに記載されるような)9−オキソエポシロンDを形成するための組換え構築物は、17−デス(2−メチル−4−チアゾリル)−17−(2−メチル−4−オキサゾリル−4−オキサゾリル)−9−オキソ−エポシロンD、9−オキソ−エポシロンDに対するオキサゾール対応物を形成するために前述した条件と同様の条件で増殖され得る。同様に、実施例11に記載される組換え構築物を含む本発明の他の組換え構築物は、対応するオキサゾール化合物を提供するために過剰のセリンを用いて増殖され得る。
【0482】
(実施例14)
(C−21メチルからC−21ヒドロキシメチルへの微生物変換)
本実施例は、式Iの化合物のC−21メチルからC−21ヒドロキシメチルへの微生物変換を記載し、ここで、Arは、以下:
【0483】
【化74】
Figure 2004508810
である。PCT公開公報WO00/39276に記載されるようなAmycolata autotrophica ATCC35203またはActinomyces sp.株PTA−XXXの凍結バイアル(約2ml)を使用して、100mLの培地を含む1500mlフラスコに播種する。栄養性培地は、1リットルの脱イオン水中の、10gのデキストロース、10gの麦芽エキス、10gの酵母抽出物、および1gのペプトンからなる。この栄養性培養物を、3日間、28℃で、250rpmで作動する回転振盪器上でインキュベートする。1mLの得られた培養物を、栄養性培地と同じ組成の変換培地を含有する62個の500mLフラスコの各々に加える。この培養物を、28℃で、250rpmで24時間、インキュベートする。本発明の適切な化合物を、155mlのエタノールに溶解し、この溶液を62個のフラスコに分配する。次いで、これらのフラスコを振盪器に戻し、さらに43時間、28℃および250rpmで、インキュベートする。次いで、この反応培養物を処置し、出発化合物の21−ヒドロキシ対応物を回収する。
【0484】
(実施例15)
(EpoKを使用するエポキシ化)
本実施例は、式Iの化合物の酵素的エポキシ化を記載し、ここで、RおよびR10は、一緒になって、炭素間二重結合(本発明のデスオキシ化合物)を形成する。このepoK遺伝子産物を、PCT公開公報WO00/31247(本明細書中で参考として援用される)に記載されるように、ポリヒスチジンタグ(his tag)を含む融合タンパク質としてE.coli中で発現し、精製した。この反応系は、100μM容量中に、50mM Tris(pH7.5)、21μMホウレンソウフェレドキシン、0.132ユニットのホウレンソウフェレドキシン:NADPオキシドレダクターゼ、0.8ユニットのグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、1.4mM NADP、および7.1mM グルコース−6−リン酸、100μMまたは200μMの本発明のデスオキシ化合物、および1.7μMアミノ末端ヒスチジンタグ化EpoKまたは1.6μMカルボキシ末端ヒスチジンタグ化EpoKからなる。この反応系を、30℃で、67分間インキュベートし、90℃で2分間加熱することによって停止する。不溶物質を遠心分離によって除去し、所望の産物を含有する上清50μLをLC/MSによって分析する。
【0485】
(実施例16)
(化学的エポキシ化)
本実施例は、式Iの化合物の化学的エポキシ化を記載し、ここで、RおよびR10は、一緒になって、炭素間二重結合(本発明のデスオキシ化合物)を形成する。ジメチルジオキシランの溶液(アセトン中0.1M、17mL)を、−78℃でCHCl10mL中の本発明のデスオキシ化合物(505mg)の溶液に滴下する。この混合物を−50℃まで加温し、1時間維持し、次いで、もう一部のジメチルジオキシラン溶液(5mL)を加え、この反応をさらに1.5時間、−50℃で継続する。次いで、この反応系をN流下で、−50℃で乾燥する。この生成物を、SiO上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
【0486】
(実施例17)
((3S,6R,7S,8R,12R,13S,15S,16E)−15−アミノ−3,7−ジヒドロキシ−5,9−ジオキソ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,12,16−ヘキサメチル−17−(2−メチルチアゾル−4−イル)−16−ヘプタデセン酸)
【0487】
【化75】
Figure 2004508810
工程1。9−オキソエポシロンB。ジメチルジオキシランの溶液(アセトン中0.1M、17mL)を、−78℃で10mLのCHC1中の9−オキソエポシロンD(505mg)の溶液に、滴下する。この混合物を、−50℃に昇温させて1時間維持し、次いで、もう一部のジメチルジオキシラン溶液(5mL)を加え、この反応をさらに1.5時間、−50℃で継続させる。次いで、この反応系をN流下で、−50℃で乾燥する。この生成物を、SiO上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
【0488】
工程2。(3S,6R,7S,8R,12R,13S,15S,16E)−15−アジド−3,7−ジヒドロキシ−5,9−ジオキソ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,12,16−ヘキサメチル−17−(2−メチルチアゾル−4−イル)−16−ヘプタデセン酸。
【0489】
アルゴン雰囲気下で、55mLの脱気したテトラヒドロフラン/水(10:1v/v)中の9−オキソエポシロンB(2.62g)およびナトリウムアジド(0.49g)の溶液をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.58g)で処理する。この混合物を、45℃で1時間維持し、次いで、50mLの水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出する。この抽出物を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートする。この生成物をSiO上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
【0490】
工程3。(3S,6R,7S,8R,12R,13S,15S,16E)−15−アミノ−3,7−ジヒドロキシ−5,9−ジオキソ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,12,16−ヘキサメチル−17−(2−メチルチアゾル−4−イル)−16−ヘプタデセン酸。15mLのTHF/水(10:1v/v)中の(3S,6R,7S,8R,12R,13S,15S,16E)−15−アジド−3,7−ジヒドロキシ−5,9−ジオキソ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,12,16−ヘキサメチル−17−(2−メチルチアゾル−4−イル)−16−ヘプタデセン酸(565mg)の溶液を、周囲温度で、アルゴン下において、2時間、トルエン(3mL)中の1.0Mトリメチルホスフィン溶液で処理する。この混合物を濃縮し、生成物を、SiO上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
【0491】
(実施例18)
((4S,7R,8S,9R,13R,14S,16S)−13,14−エポキシ−4,8−ジヒドロキシ−2,6,10−トリオキソ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−(1−(2−メチルチアゾル−4−イル)プロペン−2−イル)−1−アザ−11−シクロヘキサデセン)
【0492】
【化76】
Figure 2004508810
アセトニトリル/ジメチルホルムアミド(20:1v/v,150mL)中の(3S,6R,7S,8R,12R,13S,15S,16E)−15−アミノ−3,7−ジヒドロキシ−5,9−ジオキソ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,12,16−ヘキサメチル−17−(2−メチルジアゾル−4−イル)−16−ヘプタデセン酸(540mg)の溶液を、0℃に冷却し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.135g)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.5g)で順次処理する。この混合物を、周囲温度まで加温し、12時間維持し、次いで、水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出する。この抽出物を、水、飽和NaHCO、およびブラインで順次洗浄し、次いで、NaSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートする。この生成物を、SiO上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
【0493】
(実施例19)
((4S,7R,8S,9R,13Z,16S)−4,8−ジヒドロキシ−2,6,10−トリオキソ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−(1−(2−メチルチアゾル−4−イル)プロペン−2−イル)−1−アザ−11−シクロヘキサデセン)
【0494】
【化77】
Figure 2004508810
−78℃でテトラヒドロフラン(20mL)中のタングステンヘキサクロリド(0.76g)の溶液を、ヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.6M溶液(2.5mL)で処理する。この混合物を、周囲温度まで20分にわたって、昇温させる。得られる緑色溶液の13.8mLを、周囲温度で、2mLのテトラヒドロフラン中の(4S,7R,8S,9R,13R,14S,16S)−4,8−ジヒドロキシ−13,14−エポキシ−2,6,10−トリオキソ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−(1−(2−メチルチアゾル−4−イル)プロペン−2−イル)−1−アザ−11−シクロヘキサデセン(360mg)の溶液に、加える。30分後、この反応系を0℃まで冷却し、飽和NaHCO(10mL)で処理する。この混合物を、水で希釈し、CHC1で抽出する。この抽出物を、NaSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートする。この生成物をSiO上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
【0495】
(実施例20)
((4S,7R,8S,9R,13R,14S,16S)−13,14−エポキシ−4,8−ジヒドロキシ−2,6,10−トリオキソ−1,5,5,7,9,13−ヘキサメチル−16−(1−(2−メチルチアゾル−4−イル)プロペン−2−イル)−l−アザ−11−シクロヘキサデセン)
【0496】
【化78】
Figure 2004508810
工程1。(3S,6R,7S,8R,12R,13S,15S,16E)−3,7−ジヒドロキシ−5,9−ジオキソ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,12,16−ヘキサメチル−15−(メチルアミノ)−17−(2−メチルチアゾル−4−イル)−16−ヘプタデセン酸。10mLのメタノール中の(3S,6R,7S,8R,12R,13S,15S,16E)−15−アミノ−3,7−ジヒドロキシ−5,9−ジオキソ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,12,16−ヘキサメチル−17−(2−メチルチアゾル−4−イル)−16−ヘプタデセン酸(540 mg)の溶液を、37%水性ホルムアルデヒド(1mL)、酢酸(25uL)、およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(100mg)で処理する。次いで、1時間後、この混合物を、1N HClで処理し、次いで、酢酸エチルおよび水で希釈する。この水相を、酢酸エチルで抽出し、そして有機相を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートする。この生成物を、SiO上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
【0497】
工程2。(4S,7R,8S,9R,13R,14S,16S)−13,14−エポキシ−4,8−ジヒドロキシ−2,6,10−トリオキソ−1,5,5,7,9,13−ヘキサメチル−16−(1−(2−メチルチアゾル−4−イル)プロペン−2−イル)−1−アザ−11−シクロヘキサデセン。アセトニトリル/ジメチルホルミアミド(20:1v/v,150mL)中の(3S,6R,7S,8R,12R,13S,15S,16E)−3,7−ジヒドロキシ−5,9−ジオキソ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,12,16−ヘキサメチル−15−(メチルアミノ)−17−(2−メチルチアゾル−4−イル)−16−ヘプタデセン酸(554mg)の溶液を、0℃まで冷却し、そして1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.135g)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.5g)で順次処理する。この混合物を、周囲温度まで加温し、12時間維持し、次いで、水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。この抽出物を、水、飽和NaHCO、およびブラインで順次洗浄し、次いで、NaSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートする。この生成物を、SiO上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
【0498】
(実施例21)
((4S,7R,8S,9R,13Z,16S)−4,8−ジヒドロキシ−2,6,10−トリオキソ−1,5,5,7,9,13−ヘキサメチル−16−(l−(2−メチルチアゾル−4−イル)プロペン−2−イル)−1−アザ−11−シクロヘキサデセン)
【0499】
【化79】
Figure 2004508810
−78℃のテトラヒドロフラン(20mL)中の六塩化タングステン(0.76g)の溶液を、ヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.6M溶液(2.5mL)で処理する。この混合物を、周囲温度まで、20分にわたって加温する。得られる緑色溶液の13.8mL部を、周囲温度で、2mLのテトラヒドロフラン中の(4S,7R,8S,9R,13R,14S,16S)−13,14−エポキシ−4,8−ジヒドロキシ−2,6,10−トリオキソ−1,5,5,7,9,13−ヘキサメチル−16−(l−(2−メチルチアゾル−4−イル)プロペン−2−イル)−l−アザ−11−シクロヘキサデセン(370mg)の溶液に加える。30分後、この反応系を0℃まで冷却し、そして飽和NaHCO(10mL)で処理する。この混合物を、水で希釈し、CHClで抽出する。この抽出物を、NaSOで乾燥し、濾過し、そしてエバポレートする。この生成物を、SiO上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
【0500】
(実施例22)
(リポソーム組成物)
本実施例は、9−オキソエポシロンを含有するリポソーム組成物を記載する。脂質および9−オキソエポシロンDの混合物を、エタノールに溶解し、この溶液を、減圧下での回転によって薄いフィルムとして乾燥する。この得られた脂質フィルムを水相の添加によって水和し、そしてエポシロン誘導体含有リポソームの粒子サイズを、所望の範囲に調節する。好ましくは、平均粒子直径は、10ミクロン未満であり、好ましくは、約0.5〜約4ミクロンである。この粒子サイズは、例えば、ミル(例えば、エアジェットミル、ボールミル、またはバイブレーターミル)、ミクロ沈殿(microprecipitation)、スプレイ乾燥、凍結乾燥、高圧均質化、超臨界媒体からの再結晶を使用することによって、または選択された均一な孔サイズを有する一連の膜(例えば、ポリカーボネート膜)を通してリポソームの水性懸濁液を押し出すことによって、所望のレベルまで減少され得る。1実施形態において、このリポソーム組成物は、以下:本発明の化合物(1.00mg);ホスファチジルコリン(16.25mg);コレステロール(3.75mg);ポリエチレングリコール誘導体化ジステアリルホスファチジルエタノールアミン(5.00mg);ラクトース(80.00mg);クエン酸(4.20mg);酒石酸(6.00mg);NaOH(5.44mg);水(1mLまで)を含む。別の実施形態において、このリポソーム組成物は、以下:本発明の化合物(1.00mg);ホスファチジルコリン(19.80mg);コレステロール(3.75mg);ジステアリルホスファチジルコリン(1.45mg);ラクトース(80.00mg);クエン酸(4.20mg);酒石酸(6.00mg);NaOH(5.44mg);水(1mLまで)を含む。なお別の実施形態において、このリポソーム組成物は、以下:本発明の化合物(1.00mg);1−パルミトイル−2−オレイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(17.50mg);1−パルミトイル−2−オレイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロール、Na(7.50mg);ラクトース(80mg);クエン酸(4.20mg);酒石酸(6.00mg);NaOH(5.44mg);水(1mLまで)を含む。本発明の他の化合物を含むリポソーム組成物を、上記の条件と同様の条件を使用して、調製する。
【0501】
(実施例23)
(ポリグルタミン酸複合体)
本実施例は、ポリ−グルタミン酸−21−ヒドロキシ−9−オキソ−エポシロンD複合体の調製を記載する。ポリ(1−グルタミン酸)(「PG」)ナトリウム塩(MW34K,Sigma、0.35g)を水に溶解する。この水溶液のpHを、0.2M HClを使用して、2に調節する。この沈殿物を回収し、蒸留水に対して透析し、そして凍結乾燥して0.29gのPGを得る(yile)。乾燥DMF(1.5mL)中のPG(75mg、繰り返し単位FW170、0.44mmol)の溶液に、20mgの21−ヒドロキシ−9−オキソエポシロンD、15mgのジシクロヘキシルカルボジイミド(「DCC」)および微量のジメチルアミノピリジンを加える。この反応を、4時間または薄層クロマトグラフィーによって完了が示されるまで、室温で進行させる。この反応混合物を、クロロホルムに注ぎ、そして得られる沈殿物を回収し、そして真空中で乾燥し、約65mgのPG−21−ヒドロキシ−9−オキソ−エポシロンD複合体を得る。出発物質中のPGに対する本発明の化合物の重量比の変化は、種々の濃度の21−ヒドロキシ−10,11−デヒドロエポシロンDのポリマー複合体を生じる。本発明の他の化合物の複合体を、上記の条件と同様の条件を使用して調製する。
【0502】
(実施例24)
(静脈処方物)
本実施例は、9−オキソ−エポシロンDの静脈処方物を記載する。この処方物は、以下:30%プロピレングリコール、20%Creomophor EL、および50%エタノールを含むビヒクル中に、10mg/mLの9−オキソ−エポシロンDを含む。このビヒクルは、スターラーバーを含むビーカーにエタノール(591.8g)を計り取り;Creomophor EL(315.0g)をこの溶液に加え、そして10分間混合し;次いで、プロピレングリコール(466.2g)をこの溶液に加え、そして別の10分間混合することによって調製する。9−オキソ−エポシロンD(1g)を、400〜600mLのビヒクルを含む1L容量フラスコに加え、5分間混合する。10,11−デヒドロエポシロンDを溶液に加えた後、容量を1Lにし;さらに10分間混合し;そして0.22μm Millipore Millipak filterを通して濾過する。得られる溶液を使用して、メーター表示(metered)蠕動ポンプを使用して、滅菌5mLバイアルを、目標の充填容量5.15mL/バイアルまで、無菌的に充填する。この充填したバイアルに、すぐに栓をし、圧着する。
【0503】
10mg/mLの9−オキソ−エポシロンDを含有するバイアルを、患者への投与のための標準生理食塩水または5%デキストロース溶液に希釈し、非−PVC、非−DEHPバッグおよび投与セットで投与する。この生成物を1〜6時間にわたって注入し、所望の用量を送達する。
【0504】
1実施形態において、この処方物を、静脈注入の前に、滅菌生理食塩水に20倍希釈する。この最終注入濃度は、0.5mg/mLの本発明の化合物、1.5%プロピレングリコール、1%Chremophor EL、および2.5%エタノールであり、これを1〜6時間にわたって注入し、所望の用量を送達する。
【0505】
本発明の他の化合物を含む静脈処方物は、同様の様式で調製および使用され得る。
【0506】
(実施例25)
(Cremophor(登録商標)毒性についての前処理)
本実施例は、Cremophor(登録商標)毒性についての前処置レジメン(regiment)を記載する。Cremophor(登録商標)を含む本発明の化合物の処方物は、患者において毒性を引き起こし得る。ステロイドを用いる前処置を使用して、アナフィラキシーを防止し得る。任意の適切なコルチコステロイドまたはコルチコステロイドとHアンタゴニストおよび/またはHアンタゴニストとの組み合わせが使用され得る。1実施形態において、被験体を、Cremophor(登録商標)含有処方物中の本発明の化合物による処置の1時間前に、50mgのジフェニルヒドラミンおよび300mgのシメチジンの経口用量で前投薬する。別の実施形態において、被験体を、Cremophor(登録商標)含有処方物中の本発明の化合物を用いる処置の少なくとも1.5時間前に、20mgのデキサメタゾンの静脈投与で前投薬する。別の実施形態において、被験体を、Cremophor(登録商標)含有処方物中の本発明の化合物を用いる処置の少なくとも1.5時間前に、50mgのジフェニルヒドラミン、300mgのシメチジンおよび20mgのデキサメタゾンの静脈投与で前投薬する。なお別の実施形態において、被験体の体重を考慮し、この被験体を、Cremophor(登録商標)含有処方物中の本発明の化合物を用いる処置の少なくとも1.5時間前に、ジフェニルヒドラミン(5mg/kg、静脈内);シメチジン(5mg/kg、静脈内);およびデキサメタゾン(1mg/kg、筋肉内)の投与で前処置する。
【0507】
本明細書中で参照される全ての科学文献および特許公報は、本明細書により、参考として援用される。これまで本発明を記述した説明および実施例として記載してきたが、当業者は、本発明が種々の実施形態で実施され得、前述の記載および実施例は、例示のためであり、前述の特許請求の範囲を限定するものではないことを理解する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明のエポシロンPKSに供給され得るN−アシルシステアミンチオエステル誘導体に対する、多数の前駆体化合物を示す。ここで、NRPS様モジュール1またはNRPS様モジュール2のKSドメインが不活化されて、新規なエポシロン誘導体を生成した。このような化合物を作製するための一般的な合成手順もまた示される。
【図2】
図2は、プラスミドpKOS35−82.1およびpKOS35−82.2の制限部位および機能のマップを示す。
【図3】
図3は、プラスミドpKOS35−154およびpKOS90−22の制限部位および機能のマップを示す。
【図4】
図4は、実施例2に記載される、Myxococcus xanthus宿主細胞の染色体へエポシロンPKSおよび改変酵素遺伝子を導入するためのプロトコールの概略を示す。
【図5】
図5は、実施例2に記載されるpBeloBACIIのマップを示す。
【図6】
図6は、5g/Lカシトン(casitone)(膵臓カゼイン消化物)および2g/L硫酸マグネシウムのみからなる単純な産生培地におけるMyxococcus xanthus株K111−40−1の基礎的な性能を示す。説明:バッチプロセスにおける基礎的なCTS培地についての増殖(黒丸)、産生(黒四角)、およびアンモニア産生(黒三角)のプロフィール;培養条件は、実施例3の材料および方法に記載されるとおりであった。
【図7】
図7は、CTS産生培地におけるMyxococcus xanthus株K111−40−1の発酵性能に対するXAD−16樹脂の効果を示す。説明:バッチプロセスにおけるCTS産生培地に対する20g/L XAD−16樹脂の組み込みについての増殖(黒丸)および産生(黒四角)のプロフィール。
【図8】
図8は、増殖および産生収量に対するカシトンの影響を示す。説明:増殖(黒丸)、産生(黒四角)、および比産生性(黒三角)に対するカシトン濃度の効果。
【図9】
図9は、増殖および産生収量に対する微量元素およびより高次のオレイン酸メチルの濃度の影響を示す。説明:産生に対するオレイン酸メチル(黒丸)および微量元素(黒四角)の効果。
【図10A】
図10Aは、バッチ発酵プロセスにおけるオレイン酸メチルおよび微量元素の最適濃度の存在下でのM.xanthus株の増殖および産生を示す。播種後、最初の2日間の間、指数関数的増殖が生じる。エポシロンDの産生は、定常期の開始から始まり、そして5日目のオレイン酸メチルの枯渇とともに細胞溶解が生じるときに終わる。説明:A.)バッチプロセスにおけるCTS産生培地への最適濃度のオレイン酸メチル(7mL/L)および微量元素(4mL/L)の添加についての増殖(黒丸)および産生(黒四角)のプロフィール。
【図10B】
図10Bは、バッチ発酵プロセスにおける最適濃度のオレイン酸メチルおよび微量元素の存在下でのM.xanthus株の増殖および産生の間の、オレイン酸メチルの消費およびアンモニアの産生に対応する時間過程を示す。B.)オレイン酸メチル(黒丸)およびアンモニアの産生(黒四角)の消費に対応する時間経過。
【図11A】
図11Aは、M.xanthus株の増殖および産生に対する断続的供給バッチプロセスの影響を示す。説明:振盪フラスコにおける断続的供給バッチプロセスについての増殖(黒丸)および産生(黒四角)のプロフィール。カシトンおよびオレイン酸メチル供給速度は、それぞれ、2g/L/日および3mL/L/日であった。
【図11B】
図11Bは、発酵過程の間のオレイン酸メチルの消費およびアンモニアの産生の定常速度を示す。説明:培養物へのオレイン酸メチルの添加の合計(黒丸)、オレイン酸メチルの消費の合計(黒四角)、およびアンモニアの産生(黒三角)に対応する時間経過。
【図12】
図12は、5Lバイオリアクターにおける断続的供給バッチプロセスについての産生プロフィールを示す。カシトンおよびオレイン酸メチル供給速度は、それぞれ、2g/L/日および3mL/L/日であった。
【図13A】
図13Aは、増殖および産生に対する連続的供給の影響を示す。説明:5Lバイオリアクターにおける連続的供給バッチプロセスについての増殖(黒丸)および産生(黒四角)プロフィール。カシトンおよびオレイン酸メチル供給速度は、それぞれ、2g/L/日および3mL/L/日であった。
【図13B】
図13Bは、連続的供給バッチプロセスの間の、オレイン酸メチルの添加および消費ならびにアンモニアの生成の時間経過を示す。説明:培養物へのオレイン酸メチルの添加の合計(黒丸)、オレイン酸メチルの消費の合計(黒四角)、およびアンモニアの産生(黒三角)に対応する時間経過;培養条件は、材料および方法に記載される通りである。

Claims (47)

  1. 組換え発現ベクターを含む、Cystobacterineae亜目の組換え宿主細胞であって、該ベクターは、異種ポリケチドシンターゼ(PKS)遺伝子をコードし、かつ該ベクター上にコードされるPKS酵素によって合成されるポリケチドを生成する、組換え宿主細胞。
  2. Myxococcaceae科から選択される、請求項1に記載の宿主細胞。
  3. Cystobacteraceae科から選択される、請求項1に記載の宿主細胞。
  4. Angiococcus、MyxococcusおよびCorallococcusからなる群より選択される属から選択される、請求項2に記載の宿主細胞。
  5. Cystobacter、Melittangium、StigmatellaおよびArchangiumからなる群より選択される属から選択される、請求項3に記載の宿主細胞。
  6. Myxococcus属から選択される、請求項4に記載の宿主細胞。
  7. Stigmatella属から選択される、請求項5に記載の宿主細胞。
  8. M.stipitatus、M.fulvus、M.xanthusおよびM.virescensからなる群より選択される、請求項6に記載の宿主細胞。
  9. S.erectaおよびS.aurantiacaからなる群より選択される、請求項7に記載の宿主細胞。
  10. Myxococcus xanthusである、請求項8に記載の宿主細胞。
  11. 前記Cystobacterineae亜目の宿主細胞中でポリケチドを生成するための方法であって、該ポリケチドは、該宿主細胞中に天然に生成されず、該方法は、該ベクター上でコードされるPKS遺伝子が発現され、そして該ポリケチドが生成されるような条件下で、請求項1に記載の宿主細胞を培養する工程を包含する、方法。
  12. エポシロンまたはエポシロン誘導体を生成する、請求項1に記載の組換え宿主細胞。
  13. エポシロンまたはエポシロン誘導体を生成する、請求項10に記載の宿主細胞。
  14. エポシロンA、エポシロンB、エポシロンCおよびエポシロンDを生成する、請求項13に記載の宿主細胞。
  15. Myxococcus xanthus K111−32.25である、請求項14に記載の宿主細胞。
  16. 主要生成物としてエポシロンAおよびエポシロンBを生成し、副生成物としてエポシロンCおよびエポシロンDを生成する、請求項14に記載の宿主細胞。
  17. 主要生成物としてエポシロンCおよびエポシロンDを生成する、請求項13に記載の宿主細胞。
  18. epoK遺伝子を含まないか、または完全に機能的なepoK遺伝子産物を発現しないかのいずれかである、請求項17に記載の宿主細胞。
  19. Myxococcus xanthus K111−40.1である、請求項18に記載の宿主細胞。
  20. Myxococcus xanthus K111−72.4.4である、請求項18に記載の宿主細胞。
  21. エポシロンPKS遺伝子を含み、ここで、該PKSのモジュールに対するコード配列が、変異、欠失または置換によって変更されている、請求項13に記載の宿主細胞。
  22. 前記モジュールが伸長モジュール6である、請求項21に記載の宿主細胞。
  23. 前記モジュールが機能的ケトレダクターゼドメインを欠失し、かつ9−ケトエポシロンを生成する、請求項22に記載の宿主細胞。
  24. 前記モジュールが伸長モジュール5である、請求項21に記載の宿主細胞。
  25. 前記モジュール5が機能的デヒドラターゼドメインを欠失し、かつ13−ヒドロキシエポシロンを生成する、請求項24に記載の宿主細胞。
  26. 前記モジュールが伸長モジュール4である、請求項21に記載の宿主細胞。
  27. 前記モジュールが機能的ケトレダクターゼドメインを欠失し、かつ13−ケトエポシロンを生成する、請求項26に記載の宿主細胞。
  28. 請求項21に記載の宿主細胞であって、ここで、前記モジュールが伸長モジュール2であり、前記ケトレダクターゼドメインに対するコード配列が変異によって変更されて、活性部位システインを別のアミノ酸に変更し、そして該宿主細胞は、エポシロンまたはエポシロン誘導体を生成するために、ジケトン等価化合物を提供されなければならない、宿主細胞。
  29. Myxococcus xanthus株K90−132.1.1.2である、請求項28に記載の宿主細胞。
  30. 前記モジュールが伸長モジュール1である、請求項21に記載の宿主細胞。
  31. 前記モジュールが変更され、その結果、該モジュールがシステイン以外のアミノ酸に結合する、請求項30に記載の宿主細胞。
  32. 前記モジュールが荷重モジュールである、請求項21に記載の宿主細胞。
  33. 前記モジュールがアミノ酸に結合するモジュールで置換されている、請求項32に記載の宿主細胞。
  34. 以下の式:
    Figure 2004508810
    のエポシロン誘導体であって、該誘導体は、以下の式:
    Figure 2004508810
    のジケトン等価化合物を用いて請求項28に記載の宿主細胞を培養することによって生成され、
    ここで、Rは、水素またはメチルであり、そしてArは、以下:
    Figure 2004508810
    からなる群より選択されるアリールであり、
    ここで、Rは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、CcCアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cアルコキシ、およびC〜Cアミノアルキルである、エポシロン誘導体。
  35. 請求項1に記載の宿主細胞であって、該宿主細胞は、前記ポリケチドの生合成において利用される該細胞中に化合物を輸送する酵素、該ポリケチドの生合成において利用される化合物を合成する酵素、およびPKSをホスホパンテテニル化する酵素、からなる群より選択される酵素をコードする異種遺伝子をさらに含む、宿主細胞。
  36. 前記酵素がMatBである、請求項35に記載の宿主細胞。
  37. 前記酵素がMatCである、請求項35に記載の宿主細胞。
  38. 前記酵素がMtaAである、請求項35に記載の宿主細胞。
  39. 請求項13に記載の宿主細胞であって、ここで、前記エポシロンまたはエポシロン誘導体が、S.cellulosumエポシロンPKS遺伝子由来のプロモーター、ミクソチアゾール生合成遺伝子由来のプロモーター、TA生合成遺伝子由来のプロモーター、pilAプロモーター、カナマイシン耐性付与遺伝子由来のプロモーター、およびSo ce90プロモーターからなる群より選択されるプロモーターの制御下で、PSK遺伝子によって生成される、宿主細胞。
  40. エポシロンを生成する細胞からエポシロンを精製するための方法であって、該方法が、XAD樹脂の存在下で該細胞を培養する工程、該樹脂からエポシロンを溶離する工程、該樹脂から溶離されたエポシロンの固相抽出を行う工程、および該固相樹脂抽出から得られたエポシロンでクロマトグラフィーを行う工程、を包含する、方法。
  41. 結晶化段階をさらに含む、請求項36に記載の方法。
  42. 結晶エポシロンD。
  43. Myxococcus宿主細胞の発酵のための方法であって、該方法が、炭素供給源として脂肪酸または油を含む液体培地中において該細胞を培養する工程を包含する、方法。
  44. 前記発酵がフェッドバッチ発酵である、請求項43に記載の方法。
  45. 前記Myxococcus宿主細胞がエポシロンまたはエポシロン誘導体を生成する、請求項43に記載の方法。
  46. 前記宿主細胞が、チアゾールの代わりにオキサゾールを含むエポシロン誘導体を生成し、かつ前記液体培地がL−セリンを含む、請求項45に記載の方法。
  47. 以下の式:
    Figure 2004508810
    の単離された化合物であって、
    ここで、
    、R、R、R、R11およびR12が、それぞれ独立して、水素、メチルまたはエチルであるか;
    、RおよびRが、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシルまたはオキソであるか;あるいは、
    およびRが、共に炭素間二重結合を形成し;
    が、水素、メチルまたはエチルであり;
    およびR10が、両方水素であるか、または共に炭素間二重鎖結合もしくはエポキシドを形成し;
    Arがアリールであり;そして、
    Wが、OまたはNR13であり、ここでR13が、水素、C〜C10脂肪族、アリールまたはアルキルアリールである、単離された化合物。
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