JP2004336565A - 光電変換装置及びデジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の光電変換装置では、撮像特性を損なうことなく、ダイナミックレンジを広げることができなかった。
【解決手段】光電変換部と、前記光電変換部のリセット用トランジスタと、前記光電変換部と接続される増幅用トランジスタとを有する画素部を複数配置した光電変換装置であって、前記画素部は、前記増幅トランジスタのゲートに対して前記光電変換部と並列に接続される容量素子と、前記容量素子と前記ゲートとの間に配置されるスイッチ素子とを更に備え、前記スイッチ素子の動作を制御するための情報を格納するメモリ部と、前記メモリ部に格納された前記情報により前記スイッチ素子の動作を制御するとともに、前記画素部から画素値を読出すための水平回路と、前記メモリに格納された情報に基づいて前記読出された画素値を補正して出力する補正回路とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】光電変換部と、前記光電変換部のリセット用トランジスタと、前記光電変換部と接続される増幅用トランジスタとを有する画素部を複数配置した光電変換装置であって、前記画素部は、前記増幅トランジスタのゲートに対して前記光電変換部と並列に接続される容量素子と、前記容量素子と前記ゲートとの間に配置されるスイッチ素子とを更に備え、前記スイッチ素子の動作を制御するための情報を格納するメモリ部と、前記メモリ部に格納された前記情報により前記スイッチ素子の動作を制御するとともに、前記画素部から画素値を読出すための水平回路と、前記メモリに格納された情報に基づいて前記読出された画素値を補正して出力する補正回路とを備える。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感度変更可能な画素回路を搭載し、広ダイナミックレンジにおいて撮像を可能とするイメージセンサ又は光電変換装置に関し、より具体的には、フレーム内の領域毎に感度制御を行う広ダイナミックレンジ光電変換装置に関連する。さらに、当該光電変換装置を利用したデジタルカメラに関連する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルカメラに代表されるコンシューマアプリケーションでは、光量に対して出力が比例関係にある直線応答型の光電変換装置が広く用いられている。しかし、一般に光電変換装置単体の持つダイナミックレンジは、自然界の広範囲な明るさを持ったシーンを撮像対象とするのに対して十分なものではない。このため、汎用的なカメラシステムでは一般に、露光時間の制御(シャッター制御)、絞りの制御といった、フレーム間の大局的な感度制御を行ってセンサを撮像対象となるシーンに適応させている。
【0003】
しかし、これら既存の制御はいずれも同一フレーム内の全ての画素に対して均一な制御である為、同一フレーム内に著しく明るいエリアと暗いエリアが混在するシーンに対しては十分に適応できない問題があった。このようなシーンは例えば、逆光下でのノンフラッシュ撮影や、トンネルの出入り口付近などに顕著にみてとることができる。
【0004】
図1は一般的な直線応答型光電変換装置の入出力特性を示した図である。ここで、センサの光電変換素子が持つノイズで規定されるノイズフロア(NF)103から、センサの光電変換素子の等価静電容量で規定される飽和レベル(CLIP)101までが、撮像に使用可能な領域であり、104は、この撮像に使用可能な領域を入射光量において規定したものである。
【0005】
従って、一般的な直線応答型光電変換装置を利用して撮像を行う場合には、入射光量が104の範囲を越えた場合には、出力電圧が飽和してしまい対象物を正確に捉えることが困難となる。
【0006】
また、日常的な環境においては、同一フレーム内に著しく明るいエリアと暗いエリアが混在するシーンが数多く存在し、そのような環境で撮影を行う場合を以下に考える。
【0007】
まず、最も明るいエリアが飽和レベル以下になるように制御を行った場合、明るいエリアで適切な露光条件を得ることができるが、同一フレーム中の暗いエリアがセンサのノイズフロア(NF)103以下になり、暗いエリアの画素情報がノイズレベルに埋もれてしまう。
【0008】
一方、最も暗いエリアがノイズフロア(NF)以上となるように制御を行った場合は、同一フレーム中の最も明るいエリアが飽和レベル(CLIP)102以上となり、飽和レベル(CLIP)102を超える入射光量は、センサ出力の段階で全て同一の出力値に丸められてしまう。
【0009】
従来の光電変換装置を用いた場合は、フレームを構成する全画素の輝度が、ノイズフロア(NF)103から飽和レベル(CLIP)102の間に入りきらない場合に適切な露光条件を設定することができない。光電変換装置部分において飽和または露光不足が生じて失われた情報は後ろの処理で戻すことはできない。
【0010】
このような課題を解決する手段として、光電変換装置部分で対数変換を行う光電変換装置が提案されている。この対数変換型の光電変換装置では、非常に広いダイナミックレンジを得ることができるが、明るい領域でのS/Nが低下してしまうという問題がある。
【0011】
また、直線応答型の光電変換装置で単体の光電変換装置が持つダイナミックレンジを越える広ダイナミックレンジ撮像を行うために、感度が異なる複数のカメラから同時に被写体を撮影しておき、後で複数の画像を組み合わせて処理することができる。このような感度の異なるセンサを作る為に、透過率の異なるフィルタを画素の前面に4画素一組で配置して広ダイナミックレンジを得るシステムが提案されている。
【0012】
このシステムでは、光電変換装置自体に変更は必要ない。しかし物理的なフィルタが1枚必要となり、画素数が相対的に減少してしまうという問題がある。
【0013】
また、感度を変える代わりに、1フレーム内で露光時間を変えた複数回の露光を行い、得られた複数の画像を用いて広ダイナミックレンジ画像を得る方式も提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このシステムでは、画素によって撮影時刻が異なる為、動きボケが発生するといった問題がある。
【0014】
【特許文献1】
特開2002−77737号公報。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は光電変換装置の特性を損なうことなく、ダイナミックレンジを広げることができなかった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、光電変換部と、前記光電変換部のリセット用トランジスタと、前記光電変換部と接続される増幅用トランジスタとを有する画素部を複数配置した光電変換装置であって、前記画素部は、前記増幅トランジスタのゲートに対して前記光電変換部と並列に接続される容量素子と、前記容量素子と前記ゲートとの間に配置されるスイッチ素子とを更に備え、前記スイッチ素子の動作を制御するための情報を格納するメモリ部と、前記メモリ部に格納された前記情報により前記スイッチ素子の動作を制御するとともに、前記画素部から画素値を読出すための水平回路と、前記メモリに格納された情報に基づいて前記読出された画素値を補正して出力する補正回路とを備える。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付する図面を参照して説明する。
【0018】
【第1の実施形態】
図2は、本発明の実施形態に対応する光電変換装置による広ダイナミックレンジ撮像の原理を説明するための図である。
【0019】
ここでは、被写体の輝度に応じて一つのフレーム内に複数種類の感度を持つ画素を混在させることにより、著しく明るいエリア、暗いエリアともにエリア毎(「エリア」の最小単位は「画素」である。)に露光が最適となるように制御を行う。
【0020】
201は、本実施形態に対応する光電変換装置全体を表す。
【0021】
202は感度を変更することが可能な画素回路(各画素の構成の詳細については後述する。)で構成されるアレイであって、外部から入力される設定値211(詳細は後述する)に基づいてエリア毎に複数種類の感度の中から一つの感度を設定することができる。
【0022】
203は、垂直回路であり、画素値の読み出し時に画素回路内のスイッチ素子を選択することにより、有効な行のみを選択する。この回路は画素値の読み出し時に使用される。また、画素回路のリセット期間中にメモリ206の値にもとづいてアレイ202の各エリアの感度を設定する際にも用いられる。
【0023】
204は、水平シフトレジスタとスイッチ素子から構成される水平回路であり、垂直回路203で選択された行の中からさらに読出すべき1画素を選択して、画素値210を出力する。また、画素回路のリセット期間中にメモリ206の値にもとづいてアレイ202の各エリアの感度を設定するためにも利用される。さらに、メモリ206に格納される感度設定値211を更新するために利用される。
【0024】
205は、リセット部であって、露光を開始するタイミングであるリセット信号を作成し、アレイ202を構成する画素回路に対して入力する。
【0025】
206は、アレイ202中の各エリア毎の感度設定値211を保持するためのRAMである。RAM206は、アレイ202に設定可能なエリア数と同数のメモリセルから構成され、各メモリセルは画素回路がとることができる感度の数に対応した深度を持つ。例えば画素回路が高感度、低感度の2種類の値をとる場合には各メモリセルは少なくとも”真”及び”偽”の2値(1bit)以上の深度を持つ。仮に画素回路が4種の値をとる場合、各メモリセルは少なくとも”真真”、”真偽”、”偽真”及び”偽偽”の4値(2bit)以上の深度を持つ。
【0026】
208は、比較部であって、水平回路204から出力された画素値の電圧出力と、基準電位207とを比較して、次回の露光時に用いる当該エリアまたは当該画素の感度の状態を上げる、下げる、据え置く、のいずれかに決定し、RAM206内の相当する値を更新する。
【0027】
209は、感度設定値と画素値とを使用して、感度の異なる複数の画素の出力画素値を単一の感度を持つ仮想的な画素の入出力特性の直線上にマッピングし直して出力を行うための補正部である。補正部209については、後段でより詳細に説明する。
【0028】
211は、メモリ206内に保持されている感度設定値であり、画素回路内のスイッチ素子の動作を制御するための情報として光電変換装置のエリア毎の感度を設定する際、及び、光電変換装置が出力する画素値を補正する際に使用される。
【0029】
図8に光電変換装置の画素回路が高感度、低感度の2種類の値をとる場合の感度設定値211、基準電位207、画素値210及び補正後の輝度出力212の関係を示す。この例では、画素回路は1(高感度)と1/k(低感度)なる二つの感度を取ることができ、感度設定値”偽”は画素回路の1(高感度)に相当し、感度設定値”真”は画素回路の1/k(低感度)にそれぞれ相当するものとする。なお、感度を表すために利用するパラメータkの値については後述する。
【0030】
現在の画素値が基準電位よりも大きい時は、次回の感度設定値を”真”にすることで感度を低減させるか据え置く。同様に現在の画素値が基準電位よりも小さい時は、次回の感度設定値を”偽”にすることで感度を増加させるか据え置く。
【0031】
補正を行う際には当該画素が露光されたときに使用された感度設定値が必要になる。感度設定値が”偽”であった場合には画素回路は感度1(高感度)を使用したことが分かるので画素値=補正後輝度出力となる。同様に感度設定値が”真”であった場合には画素回路は感度1/k(低感度)を使用した為、画素値×k=補正後輝度出力とする。
【0032】
また、本実施形態においては、基準電位を、画素値が反転出力の場合(輝度が最低レベルにおいて出力電圧最大)に例えば電源電圧の約30%、非反転出力の場合(輝度が最低レベルにおいて出力電圧最小)に例えば電源電圧の約70%と設定することができる。より具体的には、電源電圧を3.3Vとすると、反転出力時の基準電位は約1.0V、非反転出力時の基準電位を2.3Vに設定することができる。
【0033】
上記構成により、本実施形態における光電変換装置201は、各エリアの感度制御に関して、比較部208→RAM206→アレイ202というフィードバックループが形成されることにより、エリア単位の露光条件が常に最適化される。
【0034】
この感度制御の決定は、例えばデジタルスチルカメラにおいては、AF( Auto focus )、AE( Auto exposure )動作の為のハーフシャッター期間に行ってもよいし、ビデオカメラにおいては1フレーム前に行ってもよい。
【0035】
図3に本実施形態における画素回路の構成例を示す。
【0036】
301は、増幅トランジスタのゲ−ト電極側にリセット電位を供給するリセットトランジスタである。302は、ソ−スフォロワ回路を構成する負荷トランジスタである。また、303は、選択的に画素内の信号を垂直出力線へ出力する選択トランジスタである。
【0037】
図3において、304は、入射光を電気信号に変換する光電変換部としてのフォトダイオ−ド(PD)である。ここでPD304への入射光の強度をPで表すと、PD304に流れる光電流を数1に示す式によって表すことができる。尚、Cconstは定数である。
【0038】
【数1】
Ip=P・Cconst
【0039】
MOS型光電変換装置の画素回路では、この電流Ipが寄生容量C1で積分され電圧に変換された後、画素値として出力される。C1は、PD304が有する寄生容量を表す。
【0040】
図3において、Q1はリセット直後にC1に蓄えられている電荷量を示している。光電流Ipの積分値がQ1に達すると、光電変換装置の出力は飽和状態となり、それ以上の蓄積は進行しない。これが光電変換装置の光電変換素子の等価静電容量で規定される飽和レベルである。そこで、PDの寄生容量のみを考慮した場合のトランジスタ302のゲート電位Vは数2のように表すことができる。
【数2】
【0041】
次に、寄生容量とは別個の容量素子を追加した場合を考える。C2は、トランジスタ302のゲートに対してPD304と並列接続されるように追加された容量素子の静電容量を示し、SW305はC2をトランジスタ302のゲート線307と接続するためのスイッチ素子である。当該スイッチ素子はCMOSトランジスタで構成することができる。ここで、SW305を閉じることにより、容量C2(306)を接続した場合を考える。この時、リセット直後に容量たちに蓄えられる電荷はQ1+Q2である。数2と同じ照明条件下では、光電流の積分値がQ1+Q2に達するまで蓄積が継続される。つまり、新たに追加したQ2に相当する電荷の分だけ光電変換装置の出力が飽和せずに蓄積を続けることが可能である。ここで容量C2(306)は画素回路内部に新たに加えた一つ、または複数の容量を代表して示している。この場合の、トランジスタ302のゲート電位Vは、数3のように表すことができる。
【数3】
【0042】
図3に示す構成では画素回路内の新たな追加容量C2と寄生容量C1との比によって複数の感度を持った画素を実現することができる。例えばC2=C1×9となるようにC2を設定した場合、光強度で10倍(20dB)まで飽和することなく蓄積を継続することができる。
【0043】
即ち、上記感度を表すためのパラメータkはk=(C1+C2)/C1で表すことができる。
【0044】
図4はこの時の画素回路の入出力特性例を示している。光電変換装置のノイズフロア(NF)403をこえる出力電圧を得る為の光量は10倍となるが画素回路の感度が1/10となる為、入射光量のパワーが強い画素の読み出しに適している。
【0045】
本実施形態では、光電変換装置から出力される画素値を補正して連続的な広ダイナミックレンジの画像情報を得る際に、光電変換装置から直接出力される画素値(図2の画素値210)と、その画素が露光されたときの感度の設定値(図2の感度設定値211)によって決まる定数の乗算をおこなう。
【0046】
例えば、その画素が光電変換素子の寄生容量(C1)のみで蓄積を行った場合には1を掛け、その画素が光電変換素子の寄生容量に加えて新たな追加容量(C2)を加えて蓄積を行った場合にはk((C1+C2)/C1)をかける。
【0047】
図5は、光電変換装置から出力される画素値を補正して連続的な広ダイナミックレンジの画像情報を得る為の回路の構成の一例を示す図である。
【0048】
209は補正回路の全体を示す。501は、撮影時の感度設定値211に応じて一意に定まる定数値503を出力する電圧発生部である。502は乗算器であって、光電変換装置から直接出力された画素値210と、電圧発生部501から出力される電圧値503との乗算を行うことにより、光電変換装置が出力する画素値を補正し、連続的な広ダイナミックレンジの画像情報を出力する。
【0049】
補正時には、光電変換装置から直接出力される画素値と、その画素が露光されたときの感度の設定値によって決まる定数の乗算をおこなうことで終了する。しかし、光電変換装置のフレームを構成する画素の製作時の欠陥などが原因で、C1とC2の値を均一に保つことができない場合、補正後の結果画像にノイズとなって現れる。全画素の全感度設定値に対して予めk((C1+C2)/C1)をキャリブレーション値として図5のキャリブレーション部501に格納し、この値と光電変換装置から直接出力される画素値の乗算を行うことで、C1とC2の値のばらつきによる影響を排除することができる。
【0050】
このように、本実施形態に対応する光電変換装置は、被写体の輝度に応じて一つのフレーム内に複数種類の感度を持つ画素を混在させることにより、同一フレーム内の著しく明るいエリア、暗いエリアともに露光が最適となるように制御を行い、光電変換装置から出力される画像のダイナミックレンジを拡大するものである。
【0051】
また、画素回路の感度そのものをアクティブに制御する為、一度の露光で広ダイナミックレンジ画像を得ることができる。フレームを構成する全ての画素が均一な蓄積時間を持つため、動物体を含むシーンを対象とする場合にも動きボケを生じない。
【0052】
さらに、画素アレイの領域毎または、画素毎の感度設定値を保持する為のメモリをオンチップで搭載している。
【0053】
汎用のCMOSプロセスで一般的に使用される回路部品のみで構成可能な為、光電変換装置と同一チップ上に、(画素値出力と基準電位を比較して感度設定値を決定するための)比較回路をオンチップで搭載することができる。同様に(センサの画素値出力と露光時の感度設定値をもとにして)画素値の補正を行う回路をオンチップで搭載することができる。これら回路をオンチップで搭載した場合、チップの出力ピン数の削減及びシステム全体の統合性の向上が達成でき、装置全体の小型、軽量化及び消費電力の削減が達成できる。
【0054】
複数の感度を持つ画素を一枚の撮像面上に統合することができる為、複数台のカメラの出力を光電変換装置外部で統合処理するシステムや光電変換装置の前面に透過率の異なるフィルタを配置して光電変換装置の外部で統合処理を行うといった既存の広ダイナミックレンジ撮像システムと比べて、小型化、軽量化及び低消費電力化が可能である。
【0055】
さらに、本実施形態に対応する光電変換装置は、感度を変更可能な画素回路は外部からの制御が容易で、かつ小規模なハードウェアに実装できることを目的として、MOS型光電変換装置の画素内に新たに設けた一つのまたは複数の容量をスイッチ素子により光電変換素子と並列に接続するか否かによって感度の変更を行う方式にしたため、ロバストな制御が可能である。光電変換素子が持つ静電容量と画素内に新たに設けた容量との比によって拡大されるダイナミックレンジの範囲が決定される。
【0056】
また、本実施形態に対応する光電変換装置では、1回の露光で得られるフレーム内に著しく明るいエリアと暗いエリアが混在する場合に、両エリアともに適切な露光が得られる。さらに、光電変換装置の前面に光学的な特殊なフィルタを使用せずダイナミックレンジを拡大することができる。
【0057】
また、単一の光電変換装置出力のみを使用し、フレーム内の全画素が単一の露光時間を持つようにし、動きボケを生じさせずにダイナミックレンジを拡大することができる。
【0058】
【第2の実施形態】
上記第1の実施形態では画素回路内に単一の追加容量が配置される場合について説明したが、本実施形態では、画素回路内に複数の追加容量を含む場合について説明する。
【0059】
図6に画素回路に2つ以上の追加容量を含む場合の補正の一例を示す。この例では、画素回路の内部にCA、CBの2つの追加容量がある。CAがONの時には感度設定Aが、CBがONの時には感度設定Bがそれぞれ”真”であるとする。
【0060】
ここで、画素回路内部の追加容量が、
CA = C1 (但し、C1は光電変換素子が持つ寄生容量)
CB = 2C1 (但し、C1は光電変換素子が持つ寄生容量)
の関係にあった場合、図9に示す値が補正時の乗算用の定数(k)となる。
【0061】
本実施形態では、画素回路内部の追加容量の数を増やすことで、よりきめ細かな感度制御を実現することができる。
【0062】
【第3の実施形態】
輝度値の再構成を行う際の乗算誤差の低減と、ノイズに対する強度を増すためには、上記第1及び第2の実施形態における図5の乗算器502をディジタル方式の乗算回路702に置き換えることが有効であると考えられる。
【0063】
そこで、図7にディジタル乗算回路を用いる際の再構成回路の構成を示す。図7の符号発生部701)は撮影時の感度設定値211に応じて一意に定まる定数値703を出力する。A/D変換器704はイメージセンサから直接出力された画素値210に応じて一意に定まる符号705を出力する。
【0064】
図7の乗算回路はA/D変換器704が出力する符号705と、符号発生部701が出力する値703との乗算を行うことにより、イメージセンサが出力する画素値を補正し、連続的な広ダイナミックレンジの画像情報212を出力することができる。
【0065】
【第4の実施形態】
上記第1から第4の実施形態において記載した本発明の光電変換装置を用いたディジタルカメラについて、図10を参照して説明する。本実施形態に対応するデジタルカメラは、デジタルスチルカメラであっても、デジタルビデオカメラであっても良い。
【0066】
図10において、1001は被写体の光学像を撮像素子1004上に結像させるためのレンズ、1002はレンズを通った後の光量を低減するための絞り、1003は撮像素子1004の露光時間を決めるためのメカニカル方式のシャッター、1004は上記第1乃至第3の実施形態で説明した光電変換装置に対応してレンズ1001により結像した被写体の光学像を電気信号として取り込むための撮像素子である。
【0067】
1005は撮像素子1004より出力される電気信号を後段の映像信号変換器1006に適切な入力レベルに変換するためのゲインが可変の増幅器、1006は撮像素子1004から可変増幅器1005を通って出力される電気信号をさらに変換して後段のカメラ制御部1007で扱うための前処理(電気信号中に含まれるノイズ成分と信号成分の分離やA/D変換、D/A変換、シリアル−パラレル変換等が含まれる)を行うための映像信号変換部である。
【0068】
1007はディジタルカメラ全体の制御を行うカメラ制御部、1008は撮像した映像を操作者に提示するための液晶ディスプレイ等の表示部、1009はタイミング制御部1010の出力により駆動されメカニカル制御が必要な1002絞りおよび1003シャッターの駆動を行うための光学素子制御部、1010はカメラ制御部1007の出力により駆動され1001レンズ、1002絞り、1003シャッター、1004撮像素子、1005可変増幅器及び1006映像信号変換器を同期して制御するためのタイミング制御部、1011は画像データを一時的かつ高速に読み書きする一時記憶部、1012は不揮発メモリ等を読み書きするためのメモリ制御部、1013はディジタルカメラに着脱可能な半導体不揮発メモリ等の着脱可能メモリ、1014はテレビモニタ又はコンピュータ等に映像を出力するための出力部である。
【0069】
次に、前述の構成における撮影時のデジタルカメラの動作について説明する。撮像を行う際には1002絞り、1003シャッター、1004撮像素子の感度、1005可変増幅器の増幅率が全て初期値に設定される。この状態で撮像素子予備露光が行われ1007カメラ制御部はこの予備露光により得られた映像信号を元に適切な露出を計算する。
【0070】
そして得られた露光条件をタイミング制御部1010及び1009光学素子制御部を介して書く素子にフィードバックし、本露光を開始する。本露光により撮像素子1004で得られた映像信号は可変増幅器1005、映像信号変換器1006及びカメラ制御部1007を経由していったん一時記憶部1011に記録されると同時に表示部1008に出力される。
【0071】
その後、一時記憶部1011に蓄積されたデータは、カメラ制御部1007の制御によりメモリ制御部1012を通り半導体メモリ等の着脱可能な不揮発メモリ1013に記録される。また、出力部1014を通りテレビモニタ又はコンピュータ等に入力して画像の表示を行ってもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、入射光量と出力電圧が比例関係にあるリニアな光電変換装置においてもダイナミックレンジを拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光電変換装置における入出力特性を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に対応する光電変換装置の構成の一例を示した図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に対応する画素回路の構成の一例を説明した図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に対応する光電変換装置における入出力特性を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に対応する画素値の補正回路の構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に対応する画素回路の構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に対応する画素値の補正回路の構成の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に対応した、画素値と感度設定値との関係を示す表である。
【図9】本発明の第2の実施形態に対応した、画素値と感度設定値との関係を示す表である。
【図10】本発明の第4の実施形態に対応したデジタルカメラの構成の一例を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、感度変更可能な画素回路を搭載し、広ダイナミックレンジにおいて撮像を可能とするイメージセンサ又は光電変換装置に関し、より具体的には、フレーム内の領域毎に感度制御を行う広ダイナミックレンジ光電変換装置に関連する。さらに、当該光電変換装置を利用したデジタルカメラに関連する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルカメラに代表されるコンシューマアプリケーションでは、光量に対して出力が比例関係にある直線応答型の光電変換装置が広く用いられている。しかし、一般に光電変換装置単体の持つダイナミックレンジは、自然界の広範囲な明るさを持ったシーンを撮像対象とするのに対して十分なものではない。このため、汎用的なカメラシステムでは一般に、露光時間の制御(シャッター制御)、絞りの制御といった、フレーム間の大局的な感度制御を行ってセンサを撮像対象となるシーンに適応させている。
【0003】
しかし、これら既存の制御はいずれも同一フレーム内の全ての画素に対して均一な制御である為、同一フレーム内に著しく明るいエリアと暗いエリアが混在するシーンに対しては十分に適応できない問題があった。このようなシーンは例えば、逆光下でのノンフラッシュ撮影や、トンネルの出入り口付近などに顕著にみてとることができる。
【0004】
図1は一般的な直線応答型光電変換装置の入出力特性を示した図である。ここで、センサの光電変換素子が持つノイズで規定されるノイズフロア(NF)103から、センサの光電変換素子の等価静電容量で規定される飽和レベル(CLIP)101までが、撮像に使用可能な領域であり、104は、この撮像に使用可能な領域を入射光量において規定したものである。
【0005】
従って、一般的な直線応答型光電変換装置を利用して撮像を行う場合には、入射光量が104の範囲を越えた場合には、出力電圧が飽和してしまい対象物を正確に捉えることが困難となる。
【0006】
また、日常的な環境においては、同一フレーム内に著しく明るいエリアと暗いエリアが混在するシーンが数多く存在し、そのような環境で撮影を行う場合を以下に考える。
【0007】
まず、最も明るいエリアが飽和レベル以下になるように制御を行った場合、明るいエリアで適切な露光条件を得ることができるが、同一フレーム中の暗いエリアがセンサのノイズフロア(NF)103以下になり、暗いエリアの画素情報がノイズレベルに埋もれてしまう。
【0008】
一方、最も暗いエリアがノイズフロア(NF)以上となるように制御を行った場合は、同一フレーム中の最も明るいエリアが飽和レベル(CLIP)102以上となり、飽和レベル(CLIP)102を超える入射光量は、センサ出力の段階で全て同一の出力値に丸められてしまう。
【0009】
従来の光電変換装置を用いた場合は、フレームを構成する全画素の輝度が、ノイズフロア(NF)103から飽和レベル(CLIP)102の間に入りきらない場合に適切な露光条件を設定することができない。光電変換装置部分において飽和または露光不足が生じて失われた情報は後ろの処理で戻すことはできない。
【0010】
このような課題を解決する手段として、光電変換装置部分で対数変換を行う光電変換装置が提案されている。この対数変換型の光電変換装置では、非常に広いダイナミックレンジを得ることができるが、明るい領域でのS/Nが低下してしまうという問題がある。
【0011】
また、直線応答型の光電変換装置で単体の光電変換装置が持つダイナミックレンジを越える広ダイナミックレンジ撮像を行うために、感度が異なる複数のカメラから同時に被写体を撮影しておき、後で複数の画像を組み合わせて処理することができる。このような感度の異なるセンサを作る為に、透過率の異なるフィルタを画素の前面に4画素一組で配置して広ダイナミックレンジを得るシステムが提案されている。
【0012】
このシステムでは、光電変換装置自体に変更は必要ない。しかし物理的なフィルタが1枚必要となり、画素数が相対的に減少してしまうという問題がある。
【0013】
また、感度を変える代わりに、1フレーム内で露光時間を変えた複数回の露光を行い、得られた複数の画像を用いて広ダイナミックレンジ画像を得る方式も提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このシステムでは、画素によって撮影時刻が異なる為、動きボケが発生するといった問題がある。
【0014】
【特許文献1】
特開2002−77737号公報。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は光電変換装置の特性を損なうことなく、ダイナミックレンジを広げることができなかった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、光電変換部と、前記光電変換部のリセット用トランジスタと、前記光電変換部と接続される増幅用トランジスタとを有する画素部を複数配置した光電変換装置であって、前記画素部は、前記増幅トランジスタのゲートに対して前記光電変換部と並列に接続される容量素子と、前記容量素子と前記ゲートとの間に配置されるスイッチ素子とを更に備え、前記スイッチ素子の動作を制御するための情報を格納するメモリ部と、前記メモリ部に格納された前記情報により前記スイッチ素子の動作を制御するとともに、前記画素部から画素値を読出すための水平回路と、前記メモリに格納された情報に基づいて前記読出された画素値を補正して出力する補正回路とを備える。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付する図面を参照して説明する。
【0018】
【第1の実施形態】
図2は、本発明の実施形態に対応する光電変換装置による広ダイナミックレンジ撮像の原理を説明するための図である。
【0019】
ここでは、被写体の輝度に応じて一つのフレーム内に複数種類の感度を持つ画素を混在させることにより、著しく明るいエリア、暗いエリアともにエリア毎(「エリア」の最小単位は「画素」である。)に露光が最適となるように制御を行う。
【0020】
201は、本実施形態に対応する光電変換装置全体を表す。
【0021】
202は感度を変更することが可能な画素回路(各画素の構成の詳細については後述する。)で構成されるアレイであって、外部から入力される設定値211(詳細は後述する)に基づいてエリア毎に複数種類の感度の中から一つの感度を設定することができる。
【0022】
203は、垂直回路であり、画素値の読み出し時に画素回路内のスイッチ素子を選択することにより、有効な行のみを選択する。この回路は画素値の読み出し時に使用される。また、画素回路のリセット期間中にメモリ206の値にもとづいてアレイ202の各エリアの感度を設定する際にも用いられる。
【0023】
204は、水平シフトレジスタとスイッチ素子から構成される水平回路であり、垂直回路203で選択された行の中からさらに読出すべき1画素を選択して、画素値210を出力する。また、画素回路のリセット期間中にメモリ206の値にもとづいてアレイ202の各エリアの感度を設定するためにも利用される。さらに、メモリ206に格納される感度設定値211を更新するために利用される。
【0024】
205は、リセット部であって、露光を開始するタイミングであるリセット信号を作成し、アレイ202を構成する画素回路に対して入力する。
【0025】
206は、アレイ202中の各エリア毎の感度設定値211を保持するためのRAMである。RAM206は、アレイ202に設定可能なエリア数と同数のメモリセルから構成され、各メモリセルは画素回路がとることができる感度の数に対応した深度を持つ。例えば画素回路が高感度、低感度の2種類の値をとる場合には各メモリセルは少なくとも”真”及び”偽”の2値(1bit)以上の深度を持つ。仮に画素回路が4種の値をとる場合、各メモリセルは少なくとも”真真”、”真偽”、”偽真”及び”偽偽”の4値(2bit)以上の深度を持つ。
【0026】
208は、比較部であって、水平回路204から出力された画素値の電圧出力と、基準電位207とを比較して、次回の露光時に用いる当該エリアまたは当該画素の感度の状態を上げる、下げる、据え置く、のいずれかに決定し、RAM206内の相当する値を更新する。
【0027】
209は、感度設定値と画素値とを使用して、感度の異なる複数の画素の出力画素値を単一の感度を持つ仮想的な画素の入出力特性の直線上にマッピングし直して出力を行うための補正部である。補正部209については、後段でより詳細に説明する。
【0028】
211は、メモリ206内に保持されている感度設定値であり、画素回路内のスイッチ素子の動作を制御するための情報として光電変換装置のエリア毎の感度を設定する際、及び、光電変換装置が出力する画素値を補正する際に使用される。
【0029】
図8に光電変換装置の画素回路が高感度、低感度の2種類の値をとる場合の感度設定値211、基準電位207、画素値210及び補正後の輝度出力212の関係を示す。この例では、画素回路は1(高感度)と1/k(低感度)なる二つの感度を取ることができ、感度設定値”偽”は画素回路の1(高感度)に相当し、感度設定値”真”は画素回路の1/k(低感度)にそれぞれ相当するものとする。なお、感度を表すために利用するパラメータkの値については後述する。
【0030】
現在の画素値が基準電位よりも大きい時は、次回の感度設定値を”真”にすることで感度を低減させるか据え置く。同様に現在の画素値が基準電位よりも小さい時は、次回の感度設定値を”偽”にすることで感度を増加させるか据え置く。
【0031】
補正を行う際には当該画素が露光されたときに使用された感度設定値が必要になる。感度設定値が”偽”であった場合には画素回路は感度1(高感度)を使用したことが分かるので画素値=補正後輝度出力となる。同様に感度設定値が”真”であった場合には画素回路は感度1/k(低感度)を使用した為、画素値×k=補正後輝度出力とする。
【0032】
また、本実施形態においては、基準電位を、画素値が反転出力の場合(輝度が最低レベルにおいて出力電圧最大)に例えば電源電圧の約30%、非反転出力の場合(輝度が最低レベルにおいて出力電圧最小)に例えば電源電圧の約70%と設定することができる。より具体的には、電源電圧を3.3Vとすると、反転出力時の基準電位は約1.0V、非反転出力時の基準電位を2.3Vに設定することができる。
【0033】
上記構成により、本実施形態における光電変換装置201は、各エリアの感度制御に関して、比較部208→RAM206→アレイ202というフィードバックループが形成されることにより、エリア単位の露光条件が常に最適化される。
【0034】
この感度制御の決定は、例えばデジタルスチルカメラにおいては、AF( Auto focus )、AE( Auto exposure )動作の為のハーフシャッター期間に行ってもよいし、ビデオカメラにおいては1フレーム前に行ってもよい。
【0035】
図3に本実施形態における画素回路の構成例を示す。
【0036】
301は、増幅トランジスタのゲ−ト電極側にリセット電位を供給するリセットトランジスタである。302は、ソ−スフォロワ回路を構成する負荷トランジスタである。また、303は、選択的に画素内の信号を垂直出力線へ出力する選択トランジスタである。
【0037】
図3において、304は、入射光を電気信号に変換する光電変換部としてのフォトダイオ−ド(PD)である。ここでPD304への入射光の強度をPで表すと、PD304に流れる光電流を数1に示す式によって表すことができる。尚、Cconstは定数である。
【0038】
【数1】
Ip=P・Cconst
【0039】
MOS型光電変換装置の画素回路では、この電流Ipが寄生容量C1で積分され電圧に変換された後、画素値として出力される。C1は、PD304が有する寄生容量を表す。
【0040】
図3において、Q1はリセット直後にC1に蓄えられている電荷量を示している。光電流Ipの積分値がQ1に達すると、光電変換装置の出力は飽和状態となり、それ以上の蓄積は進行しない。これが光電変換装置の光電変換素子の等価静電容量で規定される飽和レベルである。そこで、PDの寄生容量のみを考慮した場合のトランジスタ302のゲート電位Vは数2のように表すことができる。
【数2】
【0041】
次に、寄生容量とは別個の容量素子を追加した場合を考える。C2は、トランジスタ302のゲートに対してPD304と並列接続されるように追加された容量素子の静電容量を示し、SW305はC2をトランジスタ302のゲート線307と接続するためのスイッチ素子である。当該スイッチ素子はCMOSトランジスタで構成することができる。ここで、SW305を閉じることにより、容量C2(306)を接続した場合を考える。この時、リセット直後に容量たちに蓄えられる電荷はQ1+Q2である。数2と同じ照明条件下では、光電流の積分値がQ1+Q2に達するまで蓄積が継続される。つまり、新たに追加したQ2に相当する電荷の分だけ光電変換装置の出力が飽和せずに蓄積を続けることが可能である。ここで容量C2(306)は画素回路内部に新たに加えた一つ、または複数の容量を代表して示している。この場合の、トランジスタ302のゲート電位Vは、数3のように表すことができる。
【数3】
【0042】
図3に示す構成では画素回路内の新たな追加容量C2と寄生容量C1との比によって複数の感度を持った画素を実現することができる。例えばC2=C1×9となるようにC2を設定した場合、光強度で10倍(20dB)まで飽和することなく蓄積を継続することができる。
【0043】
即ち、上記感度を表すためのパラメータkはk=(C1+C2)/C1で表すことができる。
【0044】
図4はこの時の画素回路の入出力特性例を示している。光電変換装置のノイズフロア(NF)403をこえる出力電圧を得る為の光量は10倍となるが画素回路の感度が1/10となる為、入射光量のパワーが強い画素の読み出しに適している。
【0045】
本実施形態では、光電変換装置から出力される画素値を補正して連続的な広ダイナミックレンジの画像情報を得る際に、光電変換装置から直接出力される画素値(図2の画素値210)と、その画素が露光されたときの感度の設定値(図2の感度設定値211)によって決まる定数の乗算をおこなう。
【0046】
例えば、その画素が光電変換素子の寄生容量(C1)のみで蓄積を行った場合には1を掛け、その画素が光電変換素子の寄生容量に加えて新たな追加容量(C2)を加えて蓄積を行った場合にはk((C1+C2)/C1)をかける。
【0047】
図5は、光電変換装置から出力される画素値を補正して連続的な広ダイナミックレンジの画像情報を得る為の回路の構成の一例を示す図である。
【0048】
209は補正回路の全体を示す。501は、撮影時の感度設定値211に応じて一意に定まる定数値503を出力する電圧発生部である。502は乗算器であって、光電変換装置から直接出力された画素値210と、電圧発生部501から出力される電圧値503との乗算を行うことにより、光電変換装置が出力する画素値を補正し、連続的な広ダイナミックレンジの画像情報を出力する。
【0049】
補正時には、光電変換装置から直接出力される画素値と、その画素が露光されたときの感度の設定値によって決まる定数の乗算をおこなうことで終了する。しかし、光電変換装置のフレームを構成する画素の製作時の欠陥などが原因で、C1とC2の値を均一に保つことができない場合、補正後の結果画像にノイズとなって現れる。全画素の全感度設定値に対して予めk((C1+C2)/C1)をキャリブレーション値として図5のキャリブレーション部501に格納し、この値と光電変換装置から直接出力される画素値の乗算を行うことで、C1とC2の値のばらつきによる影響を排除することができる。
【0050】
このように、本実施形態に対応する光電変換装置は、被写体の輝度に応じて一つのフレーム内に複数種類の感度を持つ画素を混在させることにより、同一フレーム内の著しく明るいエリア、暗いエリアともに露光が最適となるように制御を行い、光電変換装置から出力される画像のダイナミックレンジを拡大するものである。
【0051】
また、画素回路の感度そのものをアクティブに制御する為、一度の露光で広ダイナミックレンジ画像を得ることができる。フレームを構成する全ての画素が均一な蓄積時間を持つため、動物体を含むシーンを対象とする場合にも動きボケを生じない。
【0052】
さらに、画素アレイの領域毎または、画素毎の感度設定値を保持する為のメモリをオンチップで搭載している。
【0053】
汎用のCMOSプロセスで一般的に使用される回路部品のみで構成可能な為、光電変換装置と同一チップ上に、(画素値出力と基準電位を比較して感度設定値を決定するための)比較回路をオンチップで搭載することができる。同様に(センサの画素値出力と露光時の感度設定値をもとにして)画素値の補正を行う回路をオンチップで搭載することができる。これら回路をオンチップで搭載した場合、チップの出力ピン数の削減及びシステム全体の統合性の向上が達成でき、装置全体の小型、軽量化及び消費電力の削減が達成できる。
【0054】
複数の感度を持つ画素を一枚の撮像面上に統合することができる為、複数台のカメラの出力を光電変換装置外部で統合処理するシステムや光電変換装置の前面に透過率の異なるフィルタを配置して光電変換装置の外部で統合処理を行うといった既存の広ダイナミックレンジ撮像システムと比べて、小型化、軽量化及び低消費電力化が可能である。
【0055】
さらに、本実施形態に対応する光電変換装置は、感度を変更可能な画素回路は外部からの制御が容易で、かつ小規模なハードウェアに実装できることを目的として、MOS型光電変換装置の画素内に新たに設けた一つのまたは複数の容量をスイッチ素子により光電変換素子と並列に接続するか否かによって感度の変更を行う方式にしたため、ロバストな制御が可能である。光電変換素子が持つ静電容量と画素内に新たに設けた容量との比によって拡大されるダイナミックレンジの範囲が決定される。
【0056】
また、本実施形態に対応する光電変換装置では、1回の露光で得られるフレーム内に著しく明るいエリアと暗いエリアが混在する場合に、両エリアともに適切な露光が得られる。さらに、光電変換装置の前面に光学的な特殊なフィルタを使用せずダイナミックレンジを拡大することができる。
【0057】
また、単一の光電変換装置出力のみを使用し、フレーム内の全画素が単一の露光時間を持つようにし、動きボケを生じさせずにダイナミックレンジを拡大することができる。
【0058】
【第2の実施形態】
上記第1の実施形態では画素回路内に単一の追加容量が配置される場合について説明したが、本実施形態では、画素回路内に複数の追加容量を含む場合について説明する。
【0059】
図6に画素回路に2つ以上の追加容量を含む場合の補正の一例を示す。この例では、画素回路の内部にCA、CBの2つの追加容量がある。CAがONの時には感度設定Aが、CBがONの時には感度設定Bがそれぞれ”真”であるとする。
【0060】
ここで、画素回路内部の追加容量が、
CA = C1 (但し、C1は光電変換素子が持つ寄生容量)
CB = 2C1 (但し、C1は光電変換素子が持つ寄生容量)
の関係にあった場合、図9に示す値が補正時の乗算用の定数(k)となる。
【0061】
本実施形態では、画素回路内部の追加容量の数を増やすことで、よりきめ細かな感度制御を実現することができる。
【0062】
【第3の実施形態】
輝度値の再構成を行う際の乗算誤差の低減と、ノイズに対する強度を増すためには、上記第1及び第2の実施形態における図5の乗算器502をディジタル方式の乗算回路702に置き換えることが有効であると考えられる。
【0063】
そこで、図7にディジタル乗算回路を用いる際の再構成回路の構成を示す。図7の符号発生部701)は撮影時の感度設定値211に応じて一意に定まる定数値703を出力する。A/D変換器704はイメージセンサから直接出力された画素値210に応じて一意に定まる符号705を出力する。
【0064】
図7の乗算回路はA/D変換器704が出力する符号705と、符号発生部701が出力する値703との乗算を行うことにより、イメージセンサが出力する画素値を補正し、連続的な広ダイナミックレンジの画像情報212を出力することができる。
【0065】
【第4の実施形態】
上記第1から第4の実施形態において記載した本発明の光電変換装置を用いたディジタルカメラについて、図10を参照して説明する。本実施形態に対応するデジタルカメラは、デジタルスチルカメラであっても、デジタルビデオカメラであっても良い。
【0066】
図10において、1001は被写体の光学像を撮像素子1004上に結像させるためのレンズ、1002はレンズを通った後の光量を低減するための絞り、1003は撮像素子1004の露光時間を決めるためのメカニカル方式のシャッター、1004は上記第1乃至第3の実施形態で説明した光電変換装置に対応してレンズ1001により結像した被写体の光学像を電気信号として取り込むための撮像素子である。
【0067】
1005は撮像素子1004より出力される電気信号を後段の映像信号変換器1006に適切な入力レベルに変換するためのゲインが可変の増幅器、1006は撮像素子1004から可変増幅器1005を通って出力される電気信号をさらに変換して後段のカメラ制御部1007で扱うための前処理(電気信号中に含まれるノイズ成分と信号成分の分離やA/D変換、D/A変換、シリアル−パラレル変換等が含まれる)を行うための映像信号変換部である。
【0068】
1007はディジタルカメラ全体の制御を行うカメラ制御部、1008は撮像した映像を操作者に提示するための液晶ディスプレイ等の表示部、1009はタイミング制御部1010の出力により駆動されメカニカル制御が必要な1002絞りおよび1003シャッターの駆動を行うための光学素子制御部、1010はカメラ制御部1007の出力により駆動され1001レンズ、1002絞り、1003シャッター、1004撮像素子、1005可変増幅器及び1006映像信号変換器を同期して制御するためのタイミング制御部、1011は画像データを一時的かつ高速に読み書きする一時記憶部、1012は不揮発メモリ等を読み書きするためのメモリ制御部、1013はディジタルカメラに着脱可能な半導体不揮発メモリ等の着脱可能メモリ、1014はテレビモニタ又はコンピュータ等に映像を出力するための出力部である。
【0069】
次に、前述の構成における撮影時のデジタルカメラの動作について説明する。撮像を行う際には1002絞り、1003シャッター、1004撮像素子の感度、1005可変増幅器の増幅率が全て初期値に設定される。この状態で撮像素子予備露光が行われ1007カメラ制御部はこの予備露光により得られた映像信号を元に適切な露出を計算する。
【0070】
そして得られた露光条件をタイミング制御部1010及び1009光学素子制御部を介して書く素子にフィードバックし、本露光を開始する。本露光により撮像素子1004で得られた映像信号は可変増幅器1005、映像信号変換器1006及びカメラ制御部1007を経由していったん一時記憶部1011に記録されると同時に表示部1008に出力される。
【0071】
その後、一時記憶部1011に蓄積されたデータは、カメラ制御部1007の制御によりメモリ制御部1012を通り半導体メモリ等の着脱可能な不揮発メモリ1013に記録される。また、出力部1014を通りテレビモニタ又はコンピュータ等に入力して画像の表示を行ってもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、入射光量と出力電圧が比例関係にあるリニアな光電変換装置においてもダイナミックレンジを拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光電変換装置における入出力特性を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に対応する光電変換装置の構成の一例を示した図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に対応する画素回路の構成の一例を説明した図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に対応する光電変換装置における入出力特性を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に対応する画素値の補正回路の構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に対応する画素回路の構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に対応する画素値の補正回路の構成の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に対応した、画素値と感度設定値との関係を示す表である。
【図9】本発明の第2の実施形態に対応した、画素値と感度設定値との関係を示す表である。
【図10】本発明の第4の実施形態に対応したデジタルカメラの構成の一例を示す図である。
Claims (9)
- 光電変換部と、前記光電変換部のリセット用トランジスタと、前記光電変換部と接続される増幅用トランジスタとを有する画素部を複数配置した光電変換装置であって、
前記画素部は、
前記増幅トランジスタのゲートに対して前記光電変換部と並列に接続される容量素子と、
前記容量素子と前記ゲートとの間に配置されるスイッチ素子と、
を更に備え、
前記スイッチ素子の動作を制御するための情報を格納するメモリ部と、
前記メモリ部に格納された前記情報により前記スイッチ素子の動作を制御するとともに、前記画素部から画素値を読出すための水平回路と、
前記メモリに格納された情報に基づいて前記読出された画素値を補正して出力する補正回路と
を備えることを特徴とする光電変換装置。 - 前記読出された画素値と所定の基準電圧とを比較する比較部を更に備え、
前記読出された画素値が前記所定の基準電圧以上の場合に、前記メモリ部に格納される情報が第1の情報により更新されることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。 - 前記読出された画素値と所定の基準電圧とを比較する比較部を更に備え、
前記読出された画素値が前記所定の基準電圧未満の場合に、前記メモリ部に格納される情報が第2の情報により更新されることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。 - 前記メモリ部に前記第1の情報が格納されている場合に、前記水平回路は、前記容量素子が前記ゲートと接続されるように前記スイッチ素子を制御することを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。
- 前記メモリ部に前記第2の情報が格納されている場合に、前記水平回路は、前記容量素子が前記ゲートと接続されないように前記スイッチ素子を制御することを特徴とする請求項3に記載の光電変換装置。
- 前記補正回路は、前記メモリに格納されている情報が前記第1の情報の場合に、前記光電変換部の寄生容量と前記容量素子の静電容量とに基づいて、前記読出された画素値を補正することを特徴とする請求項2又は4に記載の光電変換装置。
- 前記補正回路は、前記寄生容量をC1、前記静電容量をC2とした場合に、(C1+C2)/C1を前記読出された画素値に乗ずることにより、前記画素値を補正することを特徴とする請求項6に記載の光電変換装置。
- 前記補正回路は、前記メモリに格納された情報が、前記第2の情報の場合に、前記読出された画素値をそのまま出力することを特徴とする請求項3又は5に記載の光電変換装置。
- 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の光電変換装置を搭載したデジタルカメラ。
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| JP2023014831A (ja) * | 2021-07-19 | 2023-01-31 | キヤノン株式会社 | 撮像装置及びその制御方法及びプログラム |
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2003
- 2003-05-09 JP JP2003132172A patent/JP2004336565A/ja not_active Withdrawn
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