JP2004328036A - 広帯域nrdガイド結合器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平行導体板に挟まれ、その間隔が1/2波長未満とする誘電体線路1a,1bによって電磁波を伝搬する一対のNRDガイド間で電磁波のカップリングを行うNRDガイド結合器であって、カップリング部分である最近接部分Enを局所化する。例えば、間隔dを調整して所定のカップリングに設定し、半径R1,R2を小さくし、角度θ1,θ2を小さくする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、超高速・大容量無線通信を実現する要素技術であるNRDガイド(非放射性誘電体線路:Nonradiative Dielectric Wave Guide)を用いて電磁波のカップリングを広帯域に行う広帯域NRDガイド結合器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、超高速・大容量無線通信の実現が強く要望されており、この実現には、ミリ波帯の利用が有効である。特に免許の不要な59〜66GHz帯をカバーする広帯域な回路素子の開発が重要である。これによって、超高速無線LAN、ホームリンク、ケーブルテレビ無線伝送、車車間通信システムなどが、たとえば400Mbps以上の伝送速度で実現することができる。
【0003】
このようなミリ波、マイクロ波の伝送回路として従来からNRDガイドが用いられている。このNRDガイドは、図11(a)に示すように、平行な一対の導体板102a,102b間に、たとえば比誘電率εr=2.04のテフロン(登録商標)などの誘電体線路101が設けられる。この導体板102a,102bの幅すなわち誘電体線路101の高さは、この誘電体線路101を伝搬する電磁波の周波数の1/2波長未満にし、誘電体線路101の幅を1/2波長程度にしている。たとえば、動作周波数が60GHzである場合、誘電体線路101の高さを2.25mmとし、誘電体線路101の幅を2.5mmとしている。この結果、誘電体線路101には、動作周波数の電磁波が伝搬することができるが、誘電体線路101外であって誘電体線路101の幅方向には、動作周波数の電磁波が伝搬することができず、いわば動作周波数の電磁波が誘電体線路101内に閉じ込められて伝搬することになる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−341003号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この誘電体線路を用いた回路において、図1に示すように、一対の誘電体線路1a,1bを近接させることによって、容易に結合器を構成することができるが、単に誘電体線路1a,1bを近づけても、この結合器の広帯域化を担保することができないという問題点があった。
【0006】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、広帯域化を確実に実現することができる広帯域NRDガイド結合器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる広帯域NRDガイド結合器は、平行導体板に挟まれ、その間隔が1/2波長未満とする誘電体線路によって電磁波を伝搬する一対のNRDガイド間で電磁波のカップリングを行うNRDガイド結合器であって、前記カップリング部分を局所化したことを特徴とする。
【0008】
この請求項1の発明によれば、平行導体板に挟まれ、その間隔が1/2波長未満とする誘電体線路によって電磁波を伝搬する一対のNRDガイド間で電磁波のカップリングを行う際、前記カップリング部分を局所化し、これによってカップリングされて出力される電磁波の広帯域化を実現している。
【0009】
また、請求項2にかかる広帯域NRDガイド結合器は、前記カップリング部分の近傍に導体を設けたことを特徴とする。
【0010】
この請求項2の発明によれば、カップリング部分の近傍に導体を設け、局所化に伴う不要な寄生モードの発生を抑えるようにし、さらに局所化を柔軟かつ容易にしている。
【0011】
また、請求項3にかかる広帯域NRDガイド結合器は、前記一対のNRDガイドの一方のNRDガイドの一端を入力端とし、他端を反射端とするとともに、他方のNRDガイドの一端を出力端とし、他端を、前記カップリング部分を介し前記入力端から入力された電磁波を反射する反射端とすることを特徴とする。
【0012】
この請求項3の発明によれば、一対のNRDガイドの各他端にダイオードなどを付加することによって、簡易に3端子素子が実現可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる広帯域NRDガイド結合器の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1であるNRDガイド結合器の一部を破断した斜視図である。図1において、このNRDガイド結合器は、平行な導体板2a,2bに挟まれた2つの誘電体線路1a,1bを有し、各誘電体線路1a,1bが近接することによって、誘電体線路1a,1bで電磁波の伝搬が結合される。誘電体線路1a,1bは、比誘電率εr=2.04、tanδ=1.5×10−4程度のテフロン(登録商標)によって実現され、高さaは2.25mm、幅bは2.5mmである。誘電体線路1a,1bを伝搬する電磁波の動作周波数を60GHzとすると、その波長λは約5mmであり、高さaは、λ/2以下となり、誘電体線路1a,1b以外の導体板2a,2b間には動作周波数の電磁波は伝搬しない。これに対して、誘電体線路1a,1b内は、波長λが短縮され、動作周波数の電磁波が伝搬することができる。この結果、動作周波数帯において電磁波が誘電体線路1a,1b内のみを伝搬するNRDガイドを形成する。そして、上述したように、各誘電体線路1a,1bが近接した部分において電磁波の伝搬が結合されることになる。
【0015】
図2は、図1に示したNRDガイド結合器の動作および誘電体線路1a,1bの近接状態を考察するための説明図である。誘電体線路1a,1bはそれぞれ半径R1,R2で近接し、最も近接した最近接部分Enにおいて間隔dを有し、3dB結合される。また、誘電体線路1a,1bはそれぞれ最近接部分EnからそれぞれポートP2,P3側に角度θ1,θ2を有する。ここで、ポートP2,P3は反射端とされており、最近接部分EnとポートP2との間の長さR1θ1と、最近接部分EnとポートP3との間の長さR2θ2とは同じ長さに設定される。
【0016】
ポートP1から入力された電磁波は、最近接部分En近傍においてポートP2,P3側にそれぞれ3dBに分配され、ポートP2側には同位相で伝送され、ポートP3側には位相が90°異なって伝送される。開放されたポートP2,P3では完全反射し、ポートP4に伝送される。ここで、ポートP2,P3はダイオードなどを付加することで、1つのポートとして取り扱うことができるため、3端子素子が実現されることになる。
【0017】
ここで、図3内の挿入図に示すように、誘電体線路1bの半径R2を無限大とし、誘電体線路1aの半径R1を変化させた場合について考察する。図3は、誘電体線路1aの半径を変化させた場合におけるポートP1からポートP4への出力(|S41|)の3dB以内の帯域幅を示す図である。この場合、誘電体線路1a,1bは60GHzで3dB結合させるために、間隔dを調整している。すなわち、誘電体線路1aの半径R1が25mmのとき、間隔d=1.01mmに調整され、誘電体線路1aの半径R1が5mmのとき、間隔d=0mmに調整される。図3において、半径R1を小さくすると、実線で示すように、帯域幅が広くなる。すなわち、半径R1=25mmのときの3dB帯域は、56.7GHz〜65.0GHzであったが、半径R1=5mmのときの3dB帯域は、56.5GHz〜68.0GHzに拡大している。
【0018】
そこで、図4に示す対称型のNRDガイド結合器と図5に示す非対称型のNRDガイド結合器とについてさらに考察した。対称型のNRDガイド結合器は、各誘電体線路1a,1bの半径が同一であり、非対称型のNRDガイド結合器は、誘電体線路1bの半径が無限大である。
【0019】
図6は、図4および図5に示したNRDガイド結合器のそれぞれに対する間隔dの角度θ1依存性を示す図である。図7は、図4および図5に示したNRDガイド結合器のそれぞれに対する比帯域幅の角度θ1依存性を示す図である。なお、図6および図7に示した半径R1は25mmである。図6に示すように、角度θ1が、ある程度の大きさ、たとえば20°程度以上の大きさをもつと、3dB結合に必要な間隔dはほぼ一定となり、角度θ1が20°未満になると、角度θ1が小さくなればなるほど、間隔dが小さくなる。これによって、誘電体線路1a,1bが近接する最近接部En近傍においてのみ電磁波の結合が行われることが示される。一方、図7に示すように、角度θ1が、20°程度以上の大きさをもつと、比帯域幅は、ほぼ一定となり、角度θ1が20°未満になると、角度θ1が小さくなればなるほど、比帯域幅が大きくなる。すなわち、比帯域幅を大きくするためには、角度θ1を小さくすればよいということが言える。
【0020】
一方、図8は、図4および図5に示したNRDガイド結合器のそれぞれに対する間隔dの半径R1依存性を示す図である。図9は、図4および図5に示したNRDガイド結合器のそれぞれに対する比帯域幅の半径R1依存性を示す図である。図8に示すように、半径R1が大きくなるにしたがって間隔dが大きくなる。これによって、誘電体線路1a,1bが近接する最近接部En近傍においてのみ電磁波の結合が行われることが示される。一方、図9に示すように、半径R1が大きくなると、比帯域幅は小さくなる。すなわち、比帯域幅を大きくするためには、半径R1を小さくすればよいということが言える。
【0021】
また、図6および図8において、対称型のNRDガイド結合器の方が非対称型のNRDガイド結合器に比して結合領域が小さいことからも、最近接部分En近傍においてのみ電磁波の結合が行われることが分かる。
【0022】
さらに、図7に示したように角度θ1が小さい方が比帯域幅が大きく、図9に示したように半径R1が小さい方が比帯域幅が大きく、図7および図9において、対称型のNRDガイド結合器の方が非対称型のNRDガイド結合器に比して大きな比帯域幅を有することから、誘電体結合線路1a,1bは、最近接部分Enを局所的に近接することによって、広帯域化されたNRDガイド結合器が実現されることになる。
【0023】
ここで、図10に示すように、誘電体線路1bの半径が無限大である場合、θ2を0に近づけ、誘電体線路1aのθ1を0に近づけ、半径R1を小さくすることによって、広帯域化されたNRDガイド結合器を実現することができる。
【0024】
しかし、誘電体線路1a,1bは、曲げなどによって、図11(b)に示すように、不要な寄生モードであるLSEモードが発生する。図12は、このLSEモードの発生が影響を及ぼさない半径Rと角度φとの関係を示す図である。図12に示すように、半径Rを小さくすると大きな角度φをとる必要があり、逆に小さな角度φをとると半径Rを大きくしなければならない。このような制約のもとに、誘電体線路1a,1bは、上述したように半径R1,R2を極力小さくする必要がある。
【0025】
図13は、LSEモードが非発生条件下において広帯域化を実現したNRDガイド結合器の一例を示す図である。図13において、誘電体線路1aは、半径R1=25mm、角度θ1=0、ベント角φ=90°とし、誘電体線路1bは、半径R2が無限大、角度θ2=0としている。また、誘電体線路1a,1b間の間隔dは、0.8mmによって3dB結合を実現している。
【0026】
図14は、図13に示した構成のNRDガイド結合器における出力|S41|の周波数特性の計算値と測定値とを示す図である。図14に示すように、計算値は、58GHz〜66GHzの範囲内において3dB結合器が実現されており、測定値においても、同様な3dB結合器が得られている。なお、免許不要周波数帯である59GHz〜66GHzの範囲は3dB結合内に確実にカバーされている。
【0027】
なお、上述した実施の形態1では、ポートS2,S3を短絡した3端子回路を一例として示したが、これに限らず、各ポートP1〜P4を任意の入出力端子とした結合器を実現してもよいし、3dB結合に限らず、任意の結合量をもつ結合器として実現してもよい。要は、最近接部分Enを局所化することによって、簡易かつ帯域の広い結合器を実現することができる。
【0028】
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、図12に示すような非LSEモード化で結合させなければならないという制約があったが、この実施の形態2では、この制約を無くしたNRDガイド結合器を得るようにしている。
【0029】
図15は、LSEモードを抑制することができるNRDガイドの概要構成を示す図である。また、図16は、図15に示したNRDガイドのA−A線断面図である。図15および図16において、誘電体線路1は、半径Rで屈曲した構造を有しており、この場合、動作モードであるLSMモード以外に、寄生モードであるLSEモードの電磁波が発生する。ここで、誘電体線路1の近傍に、導体である金属体3を設けるとLSEモードが抑制される。この金属体3と誘電体線路1との間の距離ddは、0であってもよく、動作周波数が60GHz帯のときに、0.5mm程度であると、LSEモードの電磁波が効果的に抑制される。なお、金属体3の形状は任意であり、たとえば、円盤、楕円盤、角柱状の各種の形状であっても、LSEモードの抑制効果を得ることができる。
【0030】
したがって、上述した金属体3を誘電体線路1a,1bの近傍に配置することによって、任意の屈曲をもったNRDガイド結合器が実現される。この場合、誘電体線路1a,1bの半径を非常に小さくすることができる。このため、柔軟かつ簡易なNRDガイド結合器を実現することができる。
【0031】
なお、金属体3を用いてLSEモードを抑制する各種構成については、本出願人によって提出された特願2003−049953号に記載されている。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、平行導体板に挟まれ、その間隔が1/2波長未満とする誘電体線路によって電磁波を伝搬する一対のNRDガイド間で電磁波のカップリングを行う際、前記カップリング部分を局所化し、これによってカップリング出力される電磁波の広帯域化を実現した広帯域NRDガイド結合器が得られるという効果を奏する。
【0033】
また、この発明によれば、前記カップリング部分の近傍に導体を設け、局所化に伴う不要な寄生モードの発生を抑えるようにしているので、さらに局所化を柔軟かつ容易に行うことができる広帯域NRDガイド結合器を実現できるという効果を奏する。
【0034】
また、この発明によれば、一対のNRDガイドの各他端をダイオードなどを付加することによって、簡易に3端子素子が実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1であるNRDガイド結合器の概要構成を示す図である。
【図2】図1に示したNRDガイド結合器の動作および誘電体線路の近接状態を考察するための説明図である。
【図3】誘電体線路の半径を変化させた場合におけるポートP1からポートP4への出力(|S41|)の3dB以内の帯域幅を示す図である。
【図4】対称型のNRDガイド結合器の概要構成を示す図である。
【図5】非対称型のNRDガイド結合器の概要構成を示す図である。
【図6】図4および図5に示したNRDガイド結合器のそれぞれに対する間隔dの角度θ1依存性を示す図である。
【図7】図4および図5に示したNRDガイド結合器のそれぞれに対する比帯域幅の角度θ1依存性を示す図である。
【図8】図4および図5に示したNRDガイド結合器のそれぞれに対する間隔dの半径R1依存性を示す図である。
【図9】図4および図5に示したNRDガイド結合器のそれぞれに対する比帯域幅の半径R1依存性を示す図である。
【図10】カップリング部分を局所化した一例を示す図である。
【図11】LSMモードとLSEモードとを説明する説明図である。
【図12】LSEモードの発生が影響を及ぼさない半径Rと角度φとの関係を示す図である。
【図13】LSEモードが非発生条件下において広帯域化を実現したNRDガイド結合器の一例を示す図である。
【図14】図13に示した構成のNRDガイド結合器における出力|S41|の周波数特性の計算値と測定値とを示す図である。
【図15】LSEモードを抑制することができるNRDガイドの概要構成を示す図である。
【図16】図15に示したNRDガイドのA−A線断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 誘電体線路
2a,2b 導体板
3 金属体
P1〜P4 ポート
Claims (3)
- 平行導体板に挟まれ、その間隔が1/2波長未満とする誘電体線路によって電磁波を伝搬する一対のNRDガイド間で電磁波のカップリングを行う広帯域NRDガイド結合器であって、
前記カップリング部分を局所化したことを特徴とする広帯域NRDガイド結合器。 - 前記カップリング部分の近傍に導体を設けたことを特徴とする請求項1に記載の広帯域NRDガイド結合器。
- 前記一対のNRDガイドの一方のNRDガイドの一端を入力端とし、他端を反射端とするとともに、他方のNRDガイドの一端を出力端とし、他端を、前記カップリング部分を介し前記入力端から入力された電磁波を反射する反射端とすることを特徴とする請求項1または2に記載の広帯域NRDガイド結合器。
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