JP2004323789A - 摺動部材用複合材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多孔質体と、前記多孔質体の空孔部に含浸された潤滑性樹脂組成物とを具備する摺動部材用複合材料であって、前記多孔質体が熱伝導率10W/m・K以上かつ圧縮強度100MPa以上の材料からなることを特徴とする摺動部材用複合材料。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば発電機の軸受やシールにおける摺動部材として用いられる摺動部材用複合材料およびその製造方法に係り、特に機械的強度および耐熱性に優れた摺動部材用複合材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、発電機の軸受やシールにおける摺動部材として樹脂材料が用いられるようになっている。このような樹脂材料としては、例えば耐摩耗性に優れたポリテトラフルオロエチレンや耐熱性に優れたポリエーテルエーテルケトン等の樹脂材料が挙げられる。
【0003】
また、摺動部材の機械的強度や耐熱性等の特性を向上させるため、上述したような単体の樹脂材料に代わり、樹脂材料に特定の機能を有する充填材を複合化させた樹脂系複合材料も摺動部材として用いられるようになっている。
【0004】
樹脂系複合材料では機械的強度や耐熱性を向上させるとともに、従来の樹脂材料と同等の摺動特性を維持する必要があるため、例えば炭素繊維、ガラス繊維、グラファイト、種々の金属やセラミックス等の充填材を複合化している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このように樹脂材料に炭素繊維やガラス繊維等の充填材を複合化することにより、従来の樹脂材料単体からなる摺動部材に比べて機械的強度や耐熱性さらには摺動特性を大幅に向上できることが知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−21144号公報(第1図、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、樹脂材料はホワイトメタル等の軟質金属からなる摺動材料に比べて熱伝導特性が低く、金属やセラミックスに比べ機械的強度が低いという問題がある。そのため樹脂材料のみを摺動部材として用いた場合、摺動面に発生した摩擦熱により樹脂材料が変形あるいは溶損したり、摺動面への振動や局所的な衝撃により破損したりするおそれがある。
【0008】
また、樹脂材料に炭素繊維やガラス繊維等の充填材を複合化することにより、従来の樹脂材料単体からなる摺動部材に比べて機械的強度や耐熱性さらには摺動特性を大幅に向上できることが認められているが、未だ十分な機械的強度や耐熱性が得られているとはいえない。
【0009】
特に、近年では上述したような発電機等の機器の小型化が求められており、それに用いられる軸受にも小型化が求められている。軸受を小型化するとその摺動面の面積が小さくなるため、摺動面には従来以上の負荷がかかることになる。また、摺動面の面積が小さくなると振動や衝撃等の影響を受けやすくなる。
【0010】
さらに、発電機の効率向上のために回転速度を上げると軸受の摺動速度もあがるため、摺動面に発生する摩擦熱も従来に比べて高くなる。
【0011】
このような過酷な摺動条件においては、樹脂材料に単に炭素繊維やガラス繊維を複合化させた樹脂系複合材料では機械的強度や耐熱性が十分でなく、破損するおそれがある。
【0012】
本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであって、軸受やシールにおける摺動部材として好適な低摩擦係数、耐摩耗特性を有し、かつ機械的強度、耐熱性に優れた摺動部材用複合材料およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の摺動部材用複合材料は多孔質体と、前記多孔質体の空孔部に含浸された潤滑性樹脂組成物とを具備する摺動部材用複合材料であって、前記多孔質体が熱伝導率10W/m・K以上かつ圧縮強度100MPa以上の材料からなることを特徴とする。
【0014】
多孔質体を構成する材料は、マグネシウム、チタン、クロム、モリブデン、タングステン、鉄、コバルト、ニッケル、白金、銅、銀、金、亜鉛、アルミニウム、スズおよび鉛から選ばれる少なくとも1種の金属もしくはこれらの中から選ばれる少なくとも1種の金属を含む合金、または、窒化アルミウム、窒化珪素、炭化珪素、アルミナおよびシリカから選ばれる少なくとも1種のセラミックスであることが好ましい。
【0015】
潤滑性樹脂組成物は、ポリエーテルエーテルケトン、四ふっ化エチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリオキシメチレンおよび超高分子ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種からなる耐熱性に優れた熱可塑性樹脂からなることが好ましく、摺動部材用複合材料における潤滑性樹脂組成物の体積率は30〜70体積%であることが好ましい。
【0016】
潤滑性樹脂組成物は、炭素、グラファイト、ガラス、セラミックス、窒化ボロン、二硫化モリブデンおよび二硫化タングステンから選ばれる少なくとも1種からなる充填材を含有するものであることが好ましい。
【0017】
充填材は平均断面直径0.01〜100μmの粒子状充填材あるいは平均断面直径0.01〜100μmかつ平均長さ0.1〜500μmの繊維状充填材であることが好ましい。潤滑性樹脂組成物中の充填材の含有量は1〜50重量%であることが好ましい。
【0018】
本発明の摺動部材用複合材料の製造方法は、多孔質体の空孔部に潤滑性樹脂組成物の粉末を充填した後、多孔質体を加熱して潤滑性樹脂組成物の粉末を溶融、融着させることを特徴とする。
【0019】
また本発明の摺動部材用複合材料の他の製造方法は、潤滑性樹脂組成物の粉末を多孔質体に接触させた後、この潤滑性樹脂組成物の粉末を加熱して溶融させ、これを多孔質体の空孔部に含浸、融着させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による摺動部材用複合材料1の構成を模式的に示す断面図である。同図において、2は潤滑性樹脂組成物であり、3は多孔質体である。
【0022】
本発明の摺動部材用複合材料1に用いられる多孔質体3は、熱伝導率10W/m・K以上かつ圧縮強度100MPa以上の材料からなるものである。多孔質体3を構成する材料の熱伝導率を10W/m・K以上とすることにより、摺動部材用複合材料1の熱伝導性を向上させ、摺動面に発生した摩擦熱を効率的に拡散し、耐熱性を向上させることが可能となる。多孔質体3を構成する材料の熱伝導率は100W/m・K以上であればより好ましい。
【0023】
また、多孔質体3を構成する材料の圧縮強度を100MPa以上とすることにより、摺動部材用複合材料1の機械的強度を向上させることが可能となる。このため、従来よりも大きな荷重、衝撃に耐えるものとすることができ、軸受等の小型化も可能となる。
【0024】
このような多孔質体3を構成する材料としては、例えばマグネシウム、チタン、クロム、モリブデン、タングステン、鉄、コバルト、ニッケル、白金、銅、銀、金、亜鉛、アルミニウム、スズおよび鉛から選ばれる少なくとも1種の金属もしくはこれらの中から選ばれる少なくとも1種の金属を含む合金、または、窒化アルミウム、窒化珪素、炭化珪素、アルミナおよびシリカから選ばれる少なくとも1種のセラミックスであることが好ましい。
【0025】
多孔質体3は空孔率が30〜70体積%であるものが好ましい。空孔率が30体積%未満であると潤滑性樹脂組成物2の含浸量が十分でなくなり、所定の摺動特性を得にくくなり、70体積%を超えると所定の機械的強度、熱伝導率を得ることが困難となる。多孔質体3の空孔率は40〜60体積%であればより好ましい。
【0026】
多孔質体3は平均空孔径が10μm〜10mmであるものが好ましい。平均空孔径が10μm未満であると潤滑性樹脂組成物2を含浸させにくく、特に潤滑性樹脂組成物2に充填材を配合している場合にこの充填材が多孔質体3に含浸されにくくなる。
【0027】
また平均空孔径が10mmを超えると多孔質体3の機械的強度や熱伝導率等が部分ごとに異なるおそれがあり、例えば衝撃に弱い部分ができてしまう等の問題がある。
【0028】
多孔質体3の好ましい空孔径は100μm〜5mmである。空孔径を100μm以上とすることにより潤滑性樹脂組成物2に充填材を配合した場合であっても、多孔質体3へ充填材を十分に含浸させることができる。また、空孔径を5mm以下とすることにより、部分ごとの特性の違いを少なくし、全体の特性をより均一なものとすることができる。
【0029】
このような多孔質体3は、例えば上述したような金属もしくはその合金からなる原料粉末またはセラミックス原料粉末に所定の圧力を加えて成形し、それを所定の温度、時間、雰囲気で熱処理することにより得ることができる。成形の際の圧力や熱処理の際の温度、時間、雰囲気等は、多孔質体3の材質や、最終的な多孔質体3の空孔率、平均空孔径を考慮して適宜選択することができる。
【0030】
このような方法においては、熱処理の際にあるいは薬品により消失するようなビーズ状等の空孔形成用部材を原料粉末に混合して成形体を作製し、これを熱処理あるいは薬品処理することにより多孔質体3を作製してもよい。このような空孔形成用部材を用いることにより、多孔質体3に確実に空孔を形成するとともに、大きな空孔径を形成することも可能となる。
【0031】
また、上述したような原料粉末の成形、熱処理により多孔質体3を作製する代わりに、原料粉末を溶射することにより多孔質体3を作製してもよい。この際、最終的な多孔質体3の空孔率、平均空孔径を考慮して、溶射に用いる原料粉末の平均粒径、溶射速度、温度等を適宜選択することが好ましい。
【0032】
本発明に用いられる潤滑性樹脂組成物2は潤滑性樹脂材料のみからなるものでもよいし、これに充填材等を含有させたものであってもよい。潤滑性樹脂材料としては、例えばポリエーテルエーテルケトン、四ふっ化エチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリオキシメチレンおよび超高分子ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種からなる耐熱性に優れた熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂を用いることにより、摺動部材用複合材料1の耐熱性、摺動特性等を向上させることができる。
【0033】
潤滑性樹脂組成物2は多孔質体3の少なくとも一部の空孔部に融着されていればよいが、多孔質体3のすべての空孔部が潤滑性樹脂組成物2で満たされていればより好ましい。すなわち、摺動部材用複合材料1の30〜70体積%が潤滑性樹脂組成物2であることが好ましい。
【0034】
潤滑性樹脂組成物2の体積率が30体積%未満であると必要な摺動特性を得にくくなり、また70体積%を超えると摺動部材用複合材料1における多孔質体3の体積率が相対的に減少することになり機械的強度や熱伝導率が低下するため好ましくない。潤滑性樹脂組成物2の体積率は40〜60体積%とすることが好ましい。
【0035】
なお、本発明では多孔質体3の表面部分を潤滑性樹脂組成物2で覆ってもよいが、このような場合における潤滑性樹脂組成物2の体積率は表面部分の潤滑性樹脂組成物2を除いた部分についての体積率とする。
【0036】
図2は潤滑性樹脂組成物2に充填材4を配合した場合の一例を示したものである。充填材4としては図2に示されるような粒子状充填材4aや繊維状充填材4bを用いることができ、これらは一方のみを用いてもよいし併用しても構わない。
【0037】
充填材4は、例えば炭素、グラファイト、ガラス、セラミックス、窒化ボロン、二硫化モリブデンおよび二硫化タングステンから選ばれる少なくとも1種からなるものであることが好ましい。このような充填材4を含有させることで、摺動特性を低下させずに、機械的強度や耐熱性を向上させることができる。
【0038】
粒子状充填材4aを用いる場合には、平均断面直径が0.01〜100μmのものを用いることが好ましい。また、繊維状充填材4bを用いる場合には、平均断面直径が0.01〜100μmかつ平均長さが0.1〜500μmのものを用いることが好ましい。
【0039】
粒子状充填材4aの平均断面直径が0.01μm未満のものは実用上製造が困難であり、平均断面直径が100μmを超えると潤滑性樹脂組成物2中へ均一に分散させることが困難となり、また多孔質体3への含浸が困難となることがある。粒子状充填材4aは、平均断面直径が0.1〜50μmであればより好ましい。
【0040】
繊維状充填材4bについても同様に、平均断面直径が0.01μm未満のものや平均長さが0.1μm未満のものは実用上製造が困難であり、平均断面直径が100μmを超えるものや平均長さが500μmを超えるものは潤滑性樹脂組成物2中へ均一に分散させることが困難となり、また多孔質体3への含浸が困難となることがある。繊維状充填材4bは、平均断面直径が0.1〜10μm、平均長さが0.5〜100μmであればより好ましい。
【0041】
潤滑性樹脂組成物2に充填材4を含有させる場合には、1〜50重量%の範囲で含有させることが好ましい。含有量が1重量%未満では充填材を配合した効果があまりなく、50重量%を超えると潤滑性樹脂材料の含有量が減ることとなるため優れた摺動特性が得にくくなる。充填材4の好ましい配合量は10〜40重量%である。
【0042】
本発明の摺動部材用複合材料1においては潤滑性樹脂組成物2は多孔質体3の空孔部のみに融着してもよいし、多孔質体3の表面部を覆うように融着してもよい。この多孔質体3の表面部の潤滑性樹脂組成物2は摺動特性に優れているものの、多孔質体3部分に比べて機械的強度や熱伝導性が低く、また多孔質体3から剥がれやすいため、その厚さは6mmを超えないことが好ましく、4mm以下であればさらに好ましい。
【0043】
次に、本発明の摺動部材用複合材料の製造方法について説明する。
【0044】
まず、金属粉末等の原料粉末の成形および熱処理、または、溶射等により上述したような多孔質体を作製する。また、潤滑性樹脂材料原料粉末および必要に応じて充填材を配合して潤滑性樹脂組成物粉末を作製する。
【0045】
そして、多孔質体と潤滑性樹脂組成物粉末とを接触させた状態で、加圧あるいは脱気することにより多孔質体の空孔部に潤滑性樹脂組成物粉末を充填する。例えば、金型内に多孔質体と潤滑性樹脂組成物粉末とを接触させた状態で挿置し、金型に圧力をかけることにより多孔質体の空孔部に潤滑性樹脂組成物粉末を充填する。
【0046】
さらに、潤滑性樹脂組成物粉末が充填された多孔質体を潤滑性樹脂材料粉末の溶融温度以上で熱処理することにより、潤滑性樹脂組成物を多孔質体の空孔部に溶融、融着させる。
【0047】
また、本発明の摺動部材用複合材料は次のようにして作製してもよい。まず上述したように多孔質体および潤滑性樹脂組成物粉末を作製した後、多孔質体と潤滑性樹脂組成物粉末とを接触させた状態で、潤滑性樹脂組成物粉末を加熱して溶融するとともに、この溶融物を多孔質体の空孔部に加圧または脱気により含浸、融着させる。
【0048】
例えば、金型内に多孔質体と潤滑性樹脂組成物粉末とを接触させた状態で挿置し、金型を加熱しつつ圧力をかけることにより、潤滑性樹脂組成物粉末を溶融させながら多孔質体の空孔部へ含浸、融着させる。
【0049】
このような本発明の摺動部材用複合材料1は摺動部材として単独で用いることができる。本発明の摺動部材用複合材料1は多孔質体3に潤滑性樹脂組成物2を含浸させた構造となっており、多孔質体3自体が所定の機械的強度を有しているため、上述したように単独で摺動部材として用いることができる。このため、例えば摺動部材用複合材料1をボルトにより直接支持部材に取り付けて使用することも可能となる。
【0050】
また、本発明の摺動部材用複合材料1は図3に示されるように台金5上に配置し、これを支持部材に取り付けて使用してもよい。本発明の摺動部材用複合材料1を台金5上に配置するには、例えば接着剤やボルトを用いて行うことができる。
【0051】
摺動部材用複合材料1を台金5上に配置するような場合、上述したように一旦摺動部材用複合材料1を作製した後、これを台金5上に固定してもよいが、台金5上に直接摺動部材用複合材料1を形成するようにしてもよい。
【0052】
この場合、例えば多孔質体3を作製した後、これを台金5上に配置した状態で拡散接合やろう付等のための熱処理を行い台金5上に多孔質体3を接合するか、あるいは台金5上に溶射法を用いて直接多孔質体3を形成する。
【0053】
そして、多孔質体3を接合あるいは形成した台金5および潤滑性樹脂組成物粉末を金型に挿置し、金型に圧力を加えて多孔質体3に潤滑性樹脂組成物粉末を充填した後、さらに熱処理を行うか、あるいは金型を加熱しつつ圧力かけて多孔質体3に潤滑性樹脂組成物粉末を溶融しながら含浸、融着させてもよい。
【0054】
【実施例】
次に、本発明について実施例を参照して具体的に説明する。
【0055】
(実施例1、比較例1)
銅(熱伝導率390W/m・K、圧縮強度270MPa)からなる多孔質体とポリエーテルエーテルケトンの粉末とを接触させた状態で金型内部に挿置し、温度350℃、成形圧50MPaで加圧成形し、ポリエーテルエーテルケトン粉末を溶融するとともに多孔質体の空孔部に含浸、融着させ、図1に示すような摺動部材用複合材料(実施例1)を作製した。
【0056】
なお、摺動部材用複合材料中のポリエーテルエーテルケトンの体積率は50体積%となるようにした。また比較のために、実施例1と同等の大きさのポリエーテルエーテルケトンのみからなる摺動部材用複合材料(比較例1)を作製した。
【0057】
実施例1および比較例1の摺動部材用複合材料の圧縮強度を30t万能試験装置(島津製作所製)を用いて測定したところ、実施例1の摺動部材用複合材料の圧縮強度は200MPaであり、ポリエーテルエーテルケトンのみからなる比較例1の摺動部材用複合材料の圧縮強度120MPaに比べ大幅に向上した。
【0058】
また、これらの摺動部材用複合材料について摩擦摩耗試験機TRI−S−500(高千穂精機製)を用いて摺動試験を行ったところ、実施例1の摺動部材用複合材料の摩擦係数は比較例1の摺動部材用複合材料とほぼ同等の0.15を示し、摺動面の温度は比較例1の摺動部材用複合材料に比べ約30K低い温度を示した。
【0059】
(実施例2、比較例2)
四ふっ化エチレンの粉末85重量%、平均断面直径10μm、平均長さ100μmのガラス繊維10重量%および平均断面直径30μmの二硫化モリブデン粒子5重量%を混合して潤滑性樹脂組成物粉末を得た。
【0060】
この潤滑性樹脂組成物粉末とアルミ−シリコン系合金(熱伝導率190W/m・K、圧縮強度170MPa)からなる多孔質体とを金型内部に挿置して脱気し、成形圧40MPaで加圧成形して多孔質体の空孔部に潤滑性樹脂組成物粉末を充填した。
【0061】
さらに、この多孔質体を380℃に加熱して多孔質体の空孔部に潤滑性樹脂組成物を融着して、図2に示すような摺動部材用複合材料(実施例2)を作製した。なお、摺動部材用複合材料中の四ふっ化エチレンの体積率は60体積%とした。
【0062】
また比較のために、実施例2と同等の大きさの四ふっ化エチレンのみからなる摺動部材用複合材料(比較例2)を作製した。
【0063】
実施例2の摺動部材用複合材料の圧縮強度を30t万能試験装置(島津製作所製)を用いて測定したところ、その圧縮強度は50MPaであり、四ふっ化エチレンのみからなる比較例2の摺動部材用複合材料の圧縮強度7MPaに比べ大幅に向上した。
【0064】
(実施例3、比較例3)
四ふっ化エチレンの粉末85重量%、平均断面直径10μm、平均長さ100μmのガラス繊維10重量%および平均断面直径30μmの二硫化モリブデン粒子5重量%を混合して潤滑性樹脂組成物粉末を得た。
【0065】
また、アルミ−シリコン系合金(熱伝導率190W/m・K、圧縮強度170MPa)からなる多孔質体を鉄製台金上にろう付けし、これと潤滑性樹脂組成物粉末とを金型内部に挿置して脱気し、成形圧40MPaで加圧成形して多孔質体の空孔部に潤滑性樹脂組成物粉末を充填した。
【0066】
さらに、多孔質体を380℃に加熱して多孔質体の空孔部に潤滑性樹脂組成物を融着して、図3に示すような摺動部材用複合材料(実施例3)を作製した。なお、摺動部材用複合材料中の四ふっ化エチレンの体積率は60体積%とした。
【0067】
また比較のために、実施例3で用いた多孔質体と同等の大きさの四ふっ化エチレンを、実施例3で用いた鉄製台金と同等の大きさの鉄製台金上に接着剤で接着して摺動部材用複合材料(比較例3)を作製した。
【0068】
実施例3および比較例3の摺動部材用複合材料について摩擦摩耗試験機TRI−S−500(高千穂精機製)を用いて摺動試験を行ったところ、実施例3の摺動部材用複合材料の摩擦係数は、四ふっ化エチレンのみからなる比較例3の摺動部材用複合材料とほぼ同等の0.1を示し、摺動面の温度は比較例3の摺動部材用複合材料に比べ約20K低い温度を示した。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、軸受やシール等における摺動部材として好適な低摩擦係数、耐摩耗特性を有し、かつ機械的強度、耐熱性に優れた摺動部材用複合材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による摺動部材用複合材料の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態による摺動部材用複合材料の構成を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の摺動部材用複合材料の適用例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1…摺動部材用複合材料、2…潤滑性樹脂組成物、3…多孔質体、4…充填材、5…台金
Claims (10)
- 多孔質体と、前記多孔質体の空孔部に含浸された潤滑性樹脂組成物とを具備する摺動部材用複合材料であって、
前記多孔質体が熱伝導率10W/m・K以上かつ圧縮強度100MPa以上の材料からなることを特徴とする摺動部材用複合材料。 - 前記多孔質体を構成する材料が、マグネシウム、チタン、クロム、モリブデン、タングステン、鉄、コバルト、ニッケル、白金、銅、銀、金、亜鉛、アルミニウム、スズおよび鉛から選ばれる少なくとも1種の金属もしくはこれらの中から選ばれる少なくとも1種の金属を含む合金、または、窒化アルミウム、窒化珪素、炭化珪素、アルミナおよびシリカから選ばれる少なくとも1種のセラミックスであることを特徴とする請求項1記載の摺動部材用複合材料。
- 前記潤滑性樹脂組成物が、ポリエーテルエーテルケトン、四ふっ化エチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリオキシメチレンおよび超高分子ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種からなる耐熱性に優れた熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載の摺動部材用複合材料。
- 前記摺動部材用複合材料における前記潤滑性樹脂組成物の体積率が30〜70体積%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の摺動部材用複合材料。
- 前記潤滑性樹脂組成物は、炭素、グラファイト、ガラス、セラミックス、窒化ボロン、二硫化モリブデンおよび二硫化タングステンから選ばれる少なくとも1種からなる充填材を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の摺動部材用複合材料。
- 前記充填材が平均断面直径0.01〜100μmの粒子状充填材であることを特徴とする請求項5記載の摺動部材用複合材料。
- 前記充填材が平均断面直径0.01〜100μmかつ平均長さ0.1〜500μmの繊維状充填材であることを特徴とする請求項5記載の摺動部材用複合材料。
- 前記潤滑性樹脂組成物中の前記充填材の含有量が1〜50重量%であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項記載の摺動部材用複合材料。
- 請求項1乃至8のいずれか1項記載の摺動部材用複合材料の製造方法であって、
前記多孔質体の空孔部に前記潤滑性樹脂組成物の粉末を充填した後、前記多孔質体を加熱して前記潤滑性樹脂組成物の粉末を溶融、融着させることを特徴とする摺動部材用複合材料の製造方法。 - 請求項1乃至8のいずれか1項記載の摺動部材用複合材料の製造方法であって、
前記潤滑性樹脂組成物の粉末を前記多孔質体に接触させた後、この潤滑性樹脂組成物の粉末を加熱して溶融させ、これを前記多孔質体の空孔部に含浸、融着させることを特徴とする摺動部材用複合材料の製造方法。
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|---|---|---|---|---|
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-
2003
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