JP2004349305A - バイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】スルーホールを用いず、かつ安定した歩留まりの低コストで、動作上の信頼性が確保されたバイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子を提供する。
【解決手段】両面に電極を形成した矩形状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子二つと、両者の間に弾性を有する導電性のシム層を接合し、双方の圧電素子に発生する歪みが互いに逆になるような電圧印加により屈曲変位を生じさせるバイモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されたバイモルフ型圧電素子とする。
【選択図】 図1
【解決手段】両面に電極を形成した矩形状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子二つと、両者の間に弾性を有する導電性のシム層を接合し、双方の圧電素子に発生する歪みが互いに逆になるような電圧印加により屈曲変位を生じさせるバイモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されたバイモルフ型圧電素子とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響用発音素子、各種圧電センサ、圧電型ポンプ、発電素子等に好適なバイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層圧電素子を活用したバイモルフ素子は、アクチュエータとしては駆動電圧を低下させることが可能である。また、センサや圧電発電を目的とした場合には、構造からくる大きな静電容量のため、見かけ上の大きな圧電e定数の材料の役割をして単板に比較すると、外部からの機械的入力に対して大きな電流を取り出すことが可能となり、用途に応じて広く活用されつつある。
【0003】
例えば、特許文献1では、音響部品の音圧を向上させる手段として積層バイモルフの構成が有効であることを主張している。ところが、実際にこの構成の素子を製造する場合には、一般的には電極端子の一方の取り出し口として使われる導電性の中央のシム層と電気的に絶縁されるべき対抗電極との間での絶縁性確保が困難であった。
【0004】
【特許文献1】
特開平08−336196号公報
【0005】
積層素子の互いに対抗する電極群を二組の極に結線する一般的な手法は、例えば、特許文献2及び特許文献3にあるようなスルーホールを形成して孔(ホール)の内面をメタライズすることで必要な電極群を電気的に結びつける方法が使用されている。このような素子内に貫通孔を形成するこの手法は、動作の激しい用途においては、破壊の要因となる問題があった。また、スルーホールの技法は製造プロセスが多くなり、コストアップの要因となっていた。
【0006】
【特許文献2】
特開平11−233848号公報
【特許文献3】
特開2000−094679号公報
【0007】
他の方法として側面の一部に層毎に交互にはみ出た内部電極端に外部電極を帯状に塗布して結合する手法は、単体の積層型の圧電素子では、きわめて一般的であるが、導電性のシム層に接着剤で接合する場合にはシム層からみると対抗極になる側の外部電極の帯との間隔が一層の厚みになるため、接着の過程で導通して歩留まりを落としたり、動作の過程で急激に絶縁性が低下したり導通して機能を失う問題があった。
【0008】
図4は、従来の側面電極で連結する基本的なバイモルフ型圧電素子の説明図である。図4(a)は断面図であり、図4(b)は上面図である。また、図5は、従来のスルーホールを用いる場合の基本的なバイモルフ型圧電素子の説明図である。図5(a)は断面図であり、図5(b)は上面図である。
【0009】
まず、従来のバイモルフ型圧電素子の基本的な製造プロセスと構成を説明する。圧電セラミック材料の粉末と有機バインダー及び有機溶剤で調合されたスラリーをドクターブレード法や押し出し成形法で成膜されたシートの両面に所望の銀を主とする電極ペーストを用いて電極パターンが印刷され、対抗する電極同志は互いにその端部に相当する部分で位置をずらして順次積層して所定の形状に分離切断する。この時、両端面には内部電極が一層毎に露出するように構成する。この過程では、素子の両面(最外層)には電極を印刷しないで裸にしておく場合が多い。
【0010】
この後で積層体を大気中450℃〜600℃で数時間焼成する事で含まれる有機物をすべて分解させた後に、密閉容器中で900℃から1200℃の間の温度にて本焼成する。次に、両面及び端面に外部電極を施す。この処理で圧電素子の各層の内部電極は、交互に連結されて両端の電極に電圧を印加すると各層に電界が印加できるような構成となり、圧電素子の原型が完成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この両面外部1及び側面外部電極3a,3bの形成は、電極ペーストの印刷と焼き付けあるいは蒸着もしくはスパッタリングなどのいずれの手法を用いても良い。次に、バイモルフ型素子もしくはユニモルフ型素子を構成するために導体のシム層5と接合する場合、シム層と対抗する側の側面外部電極3a,3bとシム層5との間の距離が近く、絶縁が非常に困難であり、これは一層あたりの厚みが薄くなるにつれて、その難易度が急激に増大する。
【0012】
具体的に言えば、一層が50μmで積層数が三層の場合に素子の厚みは150μmにすぎないが、これの側面に内部電極を連結するように側面に外部電極を形成する場合には、殆ど側面の厚み方向全体に電極が分布しやすく、そのままでシム層に接着するとシム層と電気的に短絡して機能を示さなくなる確率が非常に高く、製造面で著しく歩留まりが低い。また、仮に接着のプロセスで短絡しなくても実際に使用する過程で駆動の変形を通じて次第に絶縁性が低下して短絡し信頼性が乏しい。
【0013】
本発明の目的は、スルーホールを用いず、かつ安定した歩留まりの低コストで、動作上の信頼性が確保されたバイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、積層素子を用いるバイモルフ型、ユニモルフ型の圧電素子構成でシム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されていることを特徴とする。
【0015】
即ち、本発明は、両面に電極を形成した矩形状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子二つの間に弾性を有する導電性のシム層を接合し、双方の圧電素子に発生する歪みが互いに逆になるような電圧印加により屈曲変位を生じさせるバイモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されたバイモルフ型圧電素子である。
【0016】
また、本発明は、両面に電極を形成した円盤状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子二つの間に弾性を有する導電性のシム層を接合し、双方の圧電素子に発生する歪みが互いに逆になるような電圧印加により屈曲変位を生じさせるバイモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、円の一端に三日月状の電極形成の空白部を備えており、該圧電素子の三日月状の空白部分がシム層からはみ出て接合されるように構成されたバイモルフ型圧電素子である。
【0017】
また、本発明は、前記バイモルフ型圧電素子の構成で電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されている部分に電気的に絶縁性の弾性体を組み込んだバイモルフ型圧電素子である。
【0018】
また、本発明は、電極を形成した矩形状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子と、弾性を有する導電性のシム層を接合し、電圧印加により屈曲変位を生じさせるユニモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されたユニモルフ型圧電素子である。
【0019】
また、本発明は、前記ユニモルフ型圧電素子の構成で電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されている部分に電気的に絶縁性の弾性体を組み込んだユニモルフ型圧電素子である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態によるバイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子について、以下に説明する。
【0021】
本発明のバイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子は、積層素子を用いるバイモルフ、ユニモルフタイプの圧電素子で、スルーホールを用いず、かつ安定した歩留まりの低コストの製造プロセスを見いだすこと、さらに動作上の信頼性の確保するという目的として、シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分をシム層から長さ方向にはみ出して接合した構成である。更に、この構成で製造プロセス、特に接合プロセスの圧力分布や、実際に使用する場合での素子の強度や信頼性を確保するために、このシム層の欠けた部分に電気的な絶縁体を組み込む構成としている。
【0022】
【実施例】
本発明の実施例によるバイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子について、以下に説明する。
【0023】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1のバイモルフ型圧電素子の構成の説明図である。図1(a)は断面図であり、図1(b)は上面図である。図1に示すバイモルフ型圧電素子において、4は圧電セラミック層、2は内部電極、3a,3bは側面外部電極、5は中間にある導電体より構成されるシム層、6は絶縁体を示している。
【0024】
ここで、圧電素子は材質としてNECトーキン製のN10材を用いてシートを作製し、基本的には、従来技術にて記載したプロセスを用いて素子を作製した。一層あたりの焼成後の厚みは約50μmで、全体の厚みは外部電極形成後には平均170μmである。
【0025】
シム層として厚み100μmの真鍮を用いた。外形は全長35mmで、幅は8mmの矩形状の素子である。シムの欠けた部分を埋める絶縁材料として、シムと同じ厚みを有するガラスエポキシ樹脂を用いた。
【0026】
これらの素子について、矩形状のものは図4の従来の構成と、図1、図2の本発明の構成について、各10ヶずつ試作した。矩形状では、従来構成では10ヶ中6ヶが短絡したが、本発明の構成では短絡は一ヶも発生しなかった。
【0027】
さらに、素子の圧電的機能として、15Vの直流電圧を印加した場合の変位について測定するため、矩形状の素子については一端を固定して他端の変位を工具顕微鏡で計測した。その結果、いずれも220μの変位が観測された。
【0028】
次に、発生力について15V印加時の自由端の変位を拘束するのに必要な力を、ロードセルを用いて計測した。その結果、いずれの場合にも約0.09Nの力が計測され、本発明の構成においては機能上遜色のないことが証明された。
【0029】
(実施例2)
図2は、本発明の実施例2のバイモルフ型圧電素子の構成の説明図である。図2に示すように、バイモルフ型圧電素子では、シム層5の部分が左右のいずれの側にもはみ出ない構成を示している。
【0030】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3のバイモルフ型圧電素子の構成の説明図である。図3(a)は断面図、図3(b)は上面図である。図3に示すように、4は圧電セラミック層を示し、2は内部電極を示し、3a,3bは側面外部電極を示し、5は中間にある導電体より構成されるシム層を示し、6は絶縁体を示している。
【0031】
ここで、圧電素子は材質としてNECトーキン製のN10材を用いてシートを作製し、基本的には、従来の技術にて記載したプロセスを用いて素子を作製した。一層あたりの焼成後の厚みは約50μmで、全体の厚みは外部電極形成後には平均170μmである。シム層として厚み100μmの真鍮を用いた。外形が30φの円盤状で、シム形状は30φで、深さ1mmだけ両端から2カ所切り取りのあるものを用いている。ここでは、弦状に切り取ったが、三日月状、その他の形状であっても良い。
【0032】
シムの欠けた部分を埋める絶縁材料として、シムと同じ厚みを有するガラスエポキシ樹脂を用いた。これらの素子について、従来の構成として、シム層の切り取りのないもの、図3の本明の構成のものを各10ヶずつ試作した。円盤状では、従来構成では10ヶ中10ヶがすべて短絡したが、本発明の構成では短絡は0であった。以上の結果、本発明の有効性が証明された。
【0033】
さらに、素子の圧電的機能として、発生力について15V印加時の自由端の変位を拘束するに必要な力についてロードセルを用いて計測した。その結果、円盤状の素子について、発生力のみ計測したが、いずれも約0.09Nの発生力が計測され、円盤の場合も本発明の構成においては機能上遜色のないことが証明された。
【0034】
(実施例4)
本発明の実施例4のユニモルフ型圧電素子構成について説明する。発明のユニモルフ型圧電素子は、先に説明した図1、図2、図3の構成にて、片側のみに圧電素子を形成するものである。ここでは、図は省略する。
【0035】
本発明のユニモルフ型圧電素子は、電極を形成した矩形状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子一つと、弾性を有する導電性のシム層を接合し、電圧印加により屈曲変位を生じさせるユニモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されたユニモルフ型圧電素子とする。矩形状、円盤状の素子を各10ヶ作製したが、短絡したものはなかった。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の積層型圧電バイモルフまたは圧電ユニモルフの構成によって、安定した歩留まりで低コストの製造プロセスで動作上の信頼性の確保できる積層型のバイモルフ型圧力素子またはユニモルフ型圧電素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施例1のバイモルフ型圧力素子の構成の説明図。図1(a)は断面図、図1(b)は上面図。
【図2】
本発明の実施例2のバイモルフ型圧力素子の構成の説明図。
【図3】
本発明の実施例3のバイモルフ型圧力素子の構成の説明図。図3(a)は断面図、図3(b)は上面図。
【図4】
従来の側面電極で連結する基本的なバイモルフ型圧電素子の説明図。図4(a)は断面図、図4(b)は上面図。
【図5】
従来のスルーホールを用いる場合の基本的なバイモルフ型圧電素子の説明図。図5(a)は断面図、図5(b)は上面図。
【符号の説明】
1 両面外部電極
2 内部電極
3a,3b 側面外部電極
4 圧電セラミック層
5 シム層
6 絶縁体
7 接着側の外部電極と接着層
8 スルーホール(内部メタライズ処理)
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響用発音素子、各種圧電センサ、圧電型ポンプ、発電素子等に好適なバイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層圧電素子を活用したバイモルフ素子は、アクチュエータとしては駆動電圧を低下させることが可能である。また、センサや圧電発電を目的とした場合には、構造からくる大きな静電容量のため、見かけ上の大きな圧電e定数の材料の役割をして単板に比較すると、外部からの機械的入力に対して大きな電流を取り出すことが可能となり、用途に応じて広く活用されつつある。
【0003】
例えば、特許文献1では、音響部品の音圧を向上させる手段として積層バイモルフの構成が有効であることを主張している。ところが、実際にこの構成の素子を製造する場合には、一般的には電極端子の一方の取り出し口として使われる導電性の中央のシム層と電気的に絶縁されるべき対抗電極との間での絶縁性確保が困難であった。
【0004】
【特許文献1】
特開平08−336196号公報
【0005】
積層素子の互いに対抗する電極群を二組の極に結線する一般的な手法は、例えば、特許文献2及び特許文献3にあるようなスルーホールを形成して孔(ホール)の内面をメタライズすることで必要な電極群を電気的に結びつける方法が使用されている。このような素子内に貫通孔を形成するこの手法は、動作の激しい用途においては、破壊の要因となる問題があった。また、スルーホールの技法は製造プロセスが多くなり、コストアップの要因となっていた。
【0006】
【特許文献2】
特開平11−233848号公報
【特許文献3】
特開2000−094679号公報
【0007】
他の方法として側面の一部に層毎に交互にはみ出た内部電極端に外部電極を帯状に塗布して結合する手法は、単体の積層型の圧電素子では、きわめて一般的であるが、導電性のシム層に接着剤で接合する場合にはシム層からみると対抗極になる側の外部電極の帯との間隔が一層の厚みになるため、接着の過程で導通して歩留まりを落としたり、動作の過程で急激に絶縁性が低下したり導通して機能を失う問題があった。
【0008】
図4は、従来の側面電極で連結する基本的なバイモルフ型圧電素子の説明図である。図4(a)は断面図であり、図4(b)は上面図である。また、図5は、従来のスルーホールを用いる場合の基本的なバイモルフ型圧電素子の説明図である。図5(a)は断面図であり、図5(b)は上面図である。
【0009】
まず、従来のバイモルフ型圧電素子の基本的な製造プロセスと構成を説明する。圧電セラミック材料の粉末と有機バインダー及び有機溶剤で調合されたスラリーをドクターブレード法や押し出し成形法で成膜されたシートの両面に所望の銀を主とする電極ペーストを用いて電極パターンが印刷され、対抗する電極同志は互いにその端部に相当する部分で位置をずらして順次積層して所定の形状に分離切断する。この時、両端面には内部電極が一層毎に露出するように構成する。この過程では、素子の両面(最外層)には電極を印刷しないで裸にしておく場合が多い。
【0010】
この後で積層体を大気中450℃〜600℃で数時間焼成する事で含まれる有機物をすべて分解させた後に、密閉容器中で900℃から1200℃の間の温度にて本焼成する。次に、両面及び端面に外部電極を施す。この処理で圧電素子の各層の内部電極は、交互に連結されて両端の電極に電圧を印加すると各層に電界が印加できるような構成となり、圧電素子の原型が完成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この両面外部1及び側面外部電極3a,3bの形成は、電極ペーストの印刷と焼き付けあるいは蒸着もしくはスパッタリングなどのいずれの手法を用いても良い。次に、バイモルフ型素子もしくはユニモルフ型素子を構成するために導体のシム層5と接合する場合、シム層と対抗する側の側面外部電極3a,3bとシム層5との間の距離が近く、絶縁が非常に困難であり、これは一層あたりの厚みが薄くなるにつれて、その難易度が急激に増大する。
【0012】
具体的に言えば、一層が50μmで積層数が三層の場合に素子の厚みは150μmにすぎないが、これの側面に内部電極を連結するように側面に外部電極を形成する場合には、殆ど側面の厚み方向全体に電極が分布しやすく、そのままでシム層に接着するとシム層と電気的に短絡して機能を示さなくなる確率が非常に高く、製造面で著しく歩留まりが低い。また、仮に接着のプロセスで短絡しなくても実際に使用する過程で駆動の変形を通じて次第に絶縁性が低下して短絡し信頼性が乏しい。
【0013】
本発明の目的は、スルーホールを用いず、かつ安定した歩留まりの低コストで、動作上の信頼性が確保されたバイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、積層素子を用いるバイモルフ型、ユニモルフ型の圧電素子構成でシム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されていることを特徴とする。
【0015】
即ち、本発明は、両面に電極を形成した矩形状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子二つの間に弾性を有する導電性のシム層を接合し、双方の圧電素子に発生する歪みが互いに逆になるような電圧印加により屈曲変位を生じさせるバイモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されたバイモルフ型圧電素子である。
【0016】
また、本発明は、両面に電極を形成した円盤状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子二つの間に弾性を有する導電性のシム層を接合し、双方の圧電素子に発生する歪みが互いに逆になるような電圧印加により屈曲変位を生じさせるバイモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、円の一端に三日月状の電極形成の空白部を備えており、該圧電素子の三日月状の空白部分がシム層からはみ出て接合されるように構成されたバイモルフ型圧電素子である。
【0017】
また、本発明は、前記バイモルフ型圧電素子の構成で電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されている部分に電気的に絶縁性の弾性体を組み込んだバイモルフ型圧電素子である。
【0018】
また、本発明は、電極を形成した矩形状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子と、弾性を有する導電性のシム層を接合し、電圧印加により屈曲変位を生じさせるユニモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されたユニモルフ型圧電素子である。
【0019】
また、本発明は、前記ユニモルフ型圧電素子の構成で電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されている部分に電気的に絶縁性の弾性体を組み込んだユニモルフ型圧電素子である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態によるバイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子について、以下に説明する。
【0021】
本発明のバイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子は、積層素子を用いるバイモルフ、ユニモルフタイプの圧電素子で、スルーホールを用いず、かつ安定した歩留まりの低コストの製造プロセスを見いだすこと、さらに動作上の信頼性の確保するという目的として、シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分をシム層から長さ方向にはみ出して接合した構成である。更に、この構成で製造プロセス、特に接合プロセスの圧力分布や、実際に使用する場合での素子の強度や信頼性を確保するために、このシム層の欠けた部分に電気的な絶縁体を組み込む構成としている。
【0022】
【実施例】
本発明の実施例によるバイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子について、以下に説明する。
【0023】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1のバイモルフ型圧電素子の構成の説明図である。図1(a)は断面図であり、図1(b)は上面図である。図1に示すバイモルフ型圧電素子において、4は圧電セラミック層、2は内部電極、3a,3bは側面外部電極、5は中間にある導電体より構成されるシム層、6は絶縁体を示している。
【0024】
ここで、圧電素子は材質としてNECトーキン製のN10材を用いてシートを作製し、基本的には、従来技術にて記載したプロセスを用いて素子を作製した。一層あたりの焼成後の厚みは約50μmで、全体の厚みは外部電極形成後には平均170μmである。
【0025】
シム層として厚み100μmの真鍮を用いた。外形は全長35mmで、幅は8mmの矩形状の素子である。シムの欠けた部分を埋める絶縁材料として、シムと同じ厚みを有するガラスエポキシ樹脂を用いた。
【0026】
これらの素子について、矩形状のものは図4の従来の構成と、図1、図2の本発明の構成について、各10ヶずつ試作した。矩形状では、従来構成では10ヶ中6ヶが短絡したが、本発明の構成では短絡は一ヶも発生しなかった。
【0027】
さらに、素子の圧電的機能として、15Vの直流電圧を印加した場合の変位について測定するため、矩形状の素子については一端を固定して他端の変位を工具顕微鏡で計測した。その結果、いずれも220μの変位が観測された。
【0028】
次に、発生力について15V印加時の自由端の変位を拘束するのに必要な力を、ロードセルを用いて計測した。その結果、いずれの場合にも約0.09Nの力が計測され、本発明の構成においては機能上遜色のないことが証明された。
【0029】
(実施例2)
図2は、本発明の実施例2のバイモルフ型圧電素子の構成の説明図である。図2に示すように、バイモルフ型圧電素子では、シム層5の部分が左右のいずれの側にもはみ出ない構成を示している。
【0030】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3のバイモルフ型圧電素子の構成の説明図である。図3(a)は断面図、図3(b)は上面図である。図3に示すように、4は圧電セラミック層を示し、2は内部電極を示し、3a,3bは側面外部電極を示し、5は中間にある導電体より構成されるシム層を示し、6は絶縁体を示している。
【0031】
ここで、圧電素子は材質としてNECトーキン製のN10材を用いてシートを作製し、基本的には、従来の技術にて記載したプロセスを用いて素子を作製した。一層あたりの焼成後の厚みは約50μmで、全体の厚みは外部電極形成後には平均170μmである。シム層として厚み100μmの真鍮を用いた。外形が30φの円盤状で、シム形状は30φで、深さ1mmだけ両端から2カ所切り取りのあるものを用いている。ここでは、弦状に切り取ったが、三日月状、その他の形状であっても良い。
【0032】
シムの欠けた部分を埋める絶縁材料として、シムと同じ厚みを有するガラスエポキシ樹脂を用いた。これらの素子について、従来の構成として、シム層の切り取りのないもの、図3の本明の構成のものを各10ヶずつ試作した。円盤状では、従来構成では10ヶ中10ヶがすべて短絡したが、本発明の構成では短絡は0であった。以上の結果、本発明の有効性が証明された。
【0033】
さらに、素子の圧電的機能として、発生力について15V印加時の自由端の変位を拘束するに必要な力についてロードセルを用いて計測した。その結果、円盤状の素子について、発生力のみ計測したが、いずれも約0.09Nの発生力が計測され、円盤の場合も本発明の構成においては機能上遜色のないことが証明された。
【0034】
(実施例4)
本発明の実施例4のユニモルフ型圧電素子構成について説明する。発明のユニモルフ型圧電素子は、先に説明した図1、図2、図3の構成にて、片側のみに圧電素子を形成するものである。ここでは、図は省略する。
【0035】
本発明のユニモルフ型圧電素子は、電極を形成した矩形状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子一つと、弾性を有する導電性のシム層を接合し、電圧印加により屈曲変位を生じさせるユニモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されたユニモルフ型圧電素子とする。矩形状、円盤状の素子を各10ヶ作製したが、短絡したものはなかった。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の積層型圧電バイモルフまたは圧電ユニモルフの構成によって、安定した歩留まりで低コストの製造プロセスで動作上の信頼性の確保できる積層型のバイモルフ型圧力素子またはユニモルフ型圧電素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施例1のバイモルフ型圧力素子の構成の説明図。図1(a)は断面図、図1(b)は上面図。
【図2】
本発明の実施例2のバイモルフ型圧力素子の構成の説明図。
【図3】
本発明の実施例3のバイモルフ型圧力素子の構成の説明図。図3(a)は断面図、図3(b)は上面図。
【図4】
従来の側面電極で連結する基本的なバイモルフ型圧電素子の説明図。図4(a)は断面図、図4(b)は上面図。
【図5】
従来のスルーホールを用いる場合の基本的なバイモルフ型圧電素子の説明図。図5(a)は断面図、図5(b)は上面図。
【符号の説明】
1 両面外部電極
2 内部電極
3a,3b 側面外部電極
4 圧電セラミック層
5 シム層
6 絶縁体
7 接着側の外部電極と接着層
8 スルーホール(内部メタライズ処理)
Claims (5)
- 両面に電極を形成した矩形状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子二つの間に弾性を有する導電性のシム層を接合し、前記二つの圧電素子に発生する歪みが互いに逆になるような電圧印加により屈曲変位を生じさせるバイモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されたことを特徴とするバイモルフ型圧電素子。
- 両面に電極を形成した円盤状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子二つの間に弾性を有する導電性のシム層を接合し、前記二つの圧電素子に発生する歪みが互いに逆になるような電圧印加により屈曲変位を生じさせるバイモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、円の一端に電極形成の空白部を備えており、該圧電素子の空白部分がシム層からはみ出て接合されるように構成されたことを特徴とするバイモルフ型圧電素子。
- 請求項1または2に記載のバイモルフ型圧電素子において、電極が形成されない圧電素子の端部分でシム層から長さ方向にはみ出て接合されている部分に電気的に絶縁性の弾性体を組み込んだことを特徴とするバイモルフ型圧電素子。
- 電極を形成した矩形状の圧電材料を複数枚積層し、向かい合う電極同士が互いに二つの異なる電位に接続されて駆動されるように電極構成された積層圧電素子一つと、弾性を有する導電性のシム層を接合し、電圧印加により屈曲変位を生じさせるユニモルフ型圧電素子であって、前記シム層と接着される側の積層圧電素子の電極は、長さ方向の一方の端部より一定の間隔をもって形成されており、この電極が形成されない圧電素子の端部分がシム層から長さ方向にはみ出て接合されたことを特徴とするユニモルフ型圧電素子。
- 請求項4に記載のユニモルフ型圧電素子において、電極が形成されない圧電素子の端部分でシム層から長さ方向にはみ出て接合されている部分に電気的に絶縁性の弾性体を組み込んだことを特徴とするユニモルフ型圧電素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003141835A JP2004349305A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | バイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003141835A JP2004349305A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | バイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004349305A true JP2004349305A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33530090
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003141835A Withdrawn JP2004349305A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | バイモルフ型圧電素子およびユニモルフ型圧電素子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004349305A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007034954A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-02-08 | Sony Corp | 入出力装置及び入出力装置を備えた電子機器 |
| US9946120B2 (en) | 2015-10-30 | 2018-04-17 | Samsung Display Co., Ltd. | Display device |
-
2003
- 2003-05-20 JP JP2003141835A patent/JP2004349305A/ja not_active Withdrawn
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