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JP2004296427A - 超高圧水銀ランプ発光装置 - Google Patents

超高圧水銀ランプ発光装置 Download PDF

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JP2004296427A JP2003417420A JP2003417420A JP2004296427A JP 2004296427 A JP2004296427 A JP 2004296427A JP 2003417420 A JP2003417420 A JP 2003417420A JP 2003417420 A JP2003417420 A JP 2003417420A JP 2004296427 A JP2004296427 A JP 2004296427A
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卓也 塚本
Giichi Suzuki
義一 鈴木
Tomoyoshi Arimoto
智良 有本
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Abstract

【課題】常に安定な放電ができる電極先端形状を維持する超高圧水銀ランプ発光装置を提供することである。
【解決手段】ショートアーク型超高圧水銀ランプ10と点灯装置100からなり、ショートアーク型超高圧水銀ランプ1は石英ガラスからなる発光部11にタングステンを主成分とする一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光部11に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入したものである。そして、電極1の先端表面は前記点灯装置によりランプ点灯中において溶融状態になることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は超高圧水銀ランプ発光装置に関する。特に、発光管内に0.15mg/mm以上の水銀が封入され点灯時の水銀蒸気圧が110気圧以上となるショートアーク型超高圧水銀ランプを光源とした液晶ディスプレイ装置やDMD(デジタルミラーデバイス)を使ったDLP(デジタルライトプロセッサ)などのプロジェクター装置に使われる発光装置に関する。
投射型プロジェクター装置は、矩形状のスクリーンに対して、均一にしかも十分な演色性をもって画像を照明させることが要求され、このため、光源としては、水銀や金属ハロゲン化物を封入させたメタルハライドランプが使われている。また、このようなメタルハライドランプも、最近では、より一層の小型化、点光源化が進められ、また電極間距離の極めて小さいものが実用化されている。
このような背景のもと、最近では、メタルハライドランプに代わって、今までにない高い水銀蒸気圧、例えば150気圧、を持つランプが提案されている。これは、水銀蒸気圧をより高くすることで、アークの広がりを抑える(絞り込む)とともに、より一層の光出力の向上を図るというものである。
このような超高圧放電ランプは、例えば、特開平2−148561号、特開平6−52830号に開示されている。
上記ランプは、例えば、石英ガラスからなる発光管に、タングステンを主成分とする一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入したショートアーク型超高圧水銀ランプが使われる。ハロゲンを封入する主目的は発光管の失透防止であるが、これにより、いわゆるハロゲンサイクルも生じる。
ところで、上記超高圧水銀ランプ(以下、単に放電ランプともいう)は、点灯時間の経過とともに電極先端にタングステンが析出して、電極先端が変形したり、突起が生成したりするという現象が起こる。この現象は必ずしも明らかではないが以下のように推測できる。
すなわち、ランプ点灯中に電極先端付近の高温部から蒸発したタングステンは発光管に存在するハロゲンや残留酸素と結合して、例えばハロゲンとして臭素(Br)が封入される場合は、WBr、WBr2、WO、WO2、WO2Br、WO2Br2などのタングステン化合物として存在する。これら化合物は電極先端付近の気相中の高温部においては分解してタングステン原子または陽イオンとなる。そして、温度拡散(気相中の高温部=アーク中心から、低温部=電極先端近傍に向かうタングステン原子の拡散)、濃度拡散、および、アーク中でタングステン原子が電離して陽イオンになり、陰極動作しているときに電界によって陰極方向に引き寄せられる(ドリフト)ことによって、電極先端付近における気相中のタングステン蒸気密度が高くなり、電極先端に析出して、電極先端が変形したり、突起を生成したりするものと考えられる。
上記突起に関する内容は、例えば、特開2001−312997号に開示される。
図9に電極先端と突起を模式化したものを示す。一対の電極1はそれぞれ球部1aと軸部1bから構成され、球部1aの先端に突起2が形成している。なお、ランプ点灯開始時に突起が存在しない場合であっても、その後の点灯により、図示するように突起2が生成して、この突起2を起点としてアーク放電Aが生じている。
ここで、上記突起が理想の形態で形成されれば問題はないが、上記のごとく放電ランプの点灯に伴い物理現象により生じるものであるから、その形態は必ずしも理想の形態になるとはいえない。特に、凹凸を有するようないびつな形状となった場合は、放電の起点が不安定になり、点光源を前提に設計されたプロジェクター装置の光源としては十分な光を取り出すことができないなど致命的な問題を有する。
特開平2−148561号 特開平6−52830号 特開2001−312997号
この発明が解決しようとする課題は、常に安定な放電ができる電極先端の形状を有する超高圧水銀ランプ発光装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る超高圧水銀ランプ発光装置は、ショートアーク型超高圧水銀ランプと点灯装置からなり、ショートアーク型超高圧水銀ランプは石英ガラスからなる発光管に、タングステンを主成分とする一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入したものである。
そして、このショートアーク型超高圧水銀ランプは、一対の電極のうち少なくとも一方の電極の先端部表面は、前記点灯装置によりランプ点灯中において溶融状態になることを特徴とする。
さらに、請求項2に係る超高圧水銀ランプ発光装置は、点灯装置がショートアーク型超高圧水銀ランプに供給する交流ランプ電流が、極性反転直後に高いパルスを重畳させるものであることを特徴とする。
さらに、請求項3に係る超高圧水銀ランプ発光装置は、点灯装置がショートアーク型超高圧水銀ランプに供給する交流ランプ電流が、半周期の後半部に向かい上昇するものであることを特徴とする。
さらに、請求項4に係る超高圧水銀ランプ発光装置は、点灯装置が前記ショートアーク型超高圧水銀ランプに供給する交流ランプ電流は、高いパルスが重畳された後に漸次減少し、その後、半周期の後半部から漸次増大することを特徴とする。
さらに、請求項5に係る超高圧水銀ランプ発光装置は、点灯装置が前記ショートアーク型超高圧水銀ランプに供給する交流ランプ電流は、高いパルスが重畳された後に、当該半周期の全期間において、電流値が減少することを特徴とする。
さらに、請求項6に係る超高圧水銀ランプ発光装置は、超高圧放電ランプの電極の少なくとも一方は、軸部に形成された太径部と、この太径部の先端に設けられた突起部と、太径部から突起部に向けて形成された縮径部よりなることを特徴とする。
請求項8に係る超高圧水銀ランプは、石英ガラスからなる発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した交流点灯型ランプであり、一対の電極のうち少なくとも一方の電極は、その先端部表面は、ランプ点灯中において溶融状態になることを特徴とする。
以上、説明したように本発明に係る超高圧放電ランプ発光装置は、交流電流の半周期において極性切替直後に高パルス電流を重畳させるので、放電ランプの電極先端部表面が少なくとも陽極動作に切り替わるたびに溶融状態となり、これにより、電極先端部表面に凹凸が形成されるなど好ましくない形状の発生を防止できる。
図1に本発明の超高圧水銀ランプ発光装置の全体概略構成を示す。発光装置はショートアーク型超高圧水銀ランプ10(以下、単に「放電ランプ」ともいう)と点灯装置100から構成される。
放電ランプ10は、石英ガラスからなる放電容器によって形成された概略球形の発光部11を有し、この発光部11には、タングステンを主成分とする一対の電極1が互いに対向して配置する。また、発光部11の両端部から伸びるよう封止部12が形成され、これらの封止部12内には、通常モリブデンよりなる導電用金属箔13が、例えばシュリンクシールにより気密に埋設されている。一対の電極1は軸部が、金属箔13に溶接されて電気的に接続され、また、金属箔13の他端には、外部に突出する外部リード14が溶接されている。
外部リード14は点灯装置100と電気的に接続される。
発光部11には、水銀と、希ガスと、ハロゲンガスが封入されている。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜780nmという放射光を得るためのもので、0.15mg/mm以上封入されている。この封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時150気圧以上で極めて高い蒸気圧となる。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧200気圧以上、300気圧以上という高い水銀蒸気圧の放電ランプを作ることができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクター装置に適した光源を実現することができる。
希ガスは、例えば、アルゴンガスが約13kPa封入され、点灯始動性を改善するためのものである。
ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが水銀その他の金属との化合物の形態で封入され、ハロゲンの封入量は、10−6〜10−2μmol/mmの範囲から選択される。その機能はハロゲンサイクルを利用した長寿命化も存在するが、本発明の放電ランプのように極めて小型で高い内圧を有するものは、このようなハロゲンを封入することが放電容器の失透防止を主目的としている。
放電ランプの数値例を示すと、例えば、発光部の最大外径はΦ8〜Φ12mmの範囲であって、例えば10mm、電極間距離は0.5〜2.0mmの範囲であって、例えば1.0mm、発光管内容積は50〜120mmの範囲であって、例えば65mmであり、点灯装置100により50Hz〜700Hzの範囲であって、例えば150Hzであって、定格電圧80V、定格電力200Wの交流点灯が行われる。
また、この種の放電ランプは、小型化するプロジェクター装置に内蔵されるものであり、装置の全体寸法が極めて小型化される一方で高い光量が要求されることから、発光管部内の熱的影響は極めて厳しいものとなり、ランプの管壁負荷値は0.8〜2.0W/mm2、具体的には1.5W/mm2となる。
このような高い水銀蒸気圧や管壁負荷値を有することがプロジェクター装置やオーバーヘッドプロジェクターのようなプレゼンテーション用機器に搭載された場合に、演色性の良い放射光を提供することができる。
図2に点灯装置100の概略構成例を示す。
点灯装置100は、スイッチ素子S1がパルス巾制御されることによって電力が制御されるスイッチング部101と、そのスイッチング部101の直流電力を交流矩形波電力に変換するスイッチ素子S2〜S5からなるフルブリッジ回路102、および、これらスイッチング部101およびフルブリッジ回路101をそれぞれ制御する制御部103とから構成される。
放電ランプ10には、直列にイグナイタ用のトランスTR1が接続され、また、放電ランプ10とトランスTR1に直列にコンデンサC3が接続されており、放電ランプ10とトランスTR1の直列回路にフルブリッジ回路102から交流低周波電流を供給し放電ランプを点灯させる。なお、イグナイタは、本出願人の特開2003-17283号のイグナイタが給電回路部から分離された方式(外部トリガー方式)であっても良い。
スイッチング部101は、コンデンサC1と、制御部103の出力によりスイッチング動作をするスイッチ素子S1と、ダイオードD1とインダクタンスL1と平滑コンデンサC2から構成され、制御部103のPWM部25により上記スイッチング素子S1のオン/オフ比が制御され、フルブリッジ回路102を介して放電ランプ10に供給される電力(放電電力)が制御される。
また、スイッチング部101から放電ランプ10に供給される電流を検出するため、電流検出用抵抗R1が、スイッチング部101とフルブリッジ回路102の間に設けられている。
フルブリッジ回路102は、ブリッジ状に接続されたトランジスタやFETからなるスイッチ素子S2〜S5と、該スイッチ素子S2〜S5に逆並列に接続されたダイオードD2〜D5から構成される。
上記スイッチ素子S2〜S5は、制御部103に設けられたフルブリッジ駆動回路22により駆動され、放電ランプ10に交流低周波電流を供給して、放電ランプ10を点灯させる。
すなわち、スイッチ素子S2、S5、スイッチ素子S3、S4を交互にオンにして、スイッチング部101→スイッチ素子S2→放電ランプ10→スイッチ素子S5→スイッチング部101、および、スイッチング部101→スイッチ素子S4→放電ランプ10→スイッチ素子S3→スイッチング部101の経路で放電ランプ3に交流低周波を供給し、放電ランプ10を点灯させる。
制御部103は、フルブリッジ駆動回路21を備え、フルブリッジ駆動回路21は、スイッチ素子S2〜S5の駆動信号を発生する。
また、放電ランプ10の電流検出値、電圧検出値は乗算器22に入力されて点灯電力が算出され、比較器24において基準電力信号発生器23からの信号を比較することでフィードバック制御を行う。
以上は、放電ランプの通常の点灯における一般的な制御を表している。
後述するように、高パルス重畳回路26の信号は基準電力信号発生器23に送信され、高パルスを重畳させるとともに、調光回路27からの信号が高パルス重畳回路26と基準電力信号発生器23に送信される。なお、調光回路27にはプロジェクター装置本体から調光モードなどの情報が送信される。
図3は放電ランプの交流電流波形であって、縦軸に電流値、横軸に時間を示す。
(a)は本発明の基本的な電流波形を表す。点灯装置100から放電ランプ10に供給される交流電流は、極性切換直後の期間Taにおいて高いパルス電流が重畳されており、その後の期間Tbにおいて重畳が回避される。
このような高いパルス電流の重畳により、電極先端部は、少なくとも表面部分が溶融状態となる。このため、電極先端に、タンスグテンの析出による凹凸やいびつな形状が発生することなく安定した放電を行なうことができる。
そして、本発明では、少なくともそれぞれの電極が温度の高くなる陽極動作に切り替わる一周期毎に、少なくとも電極の先端部表面を溶融させることで、ランプ点灯中に電極先端部に凹凸やいびつな形状が発生したとしても、一周期ごとに溶融状態を作ることで、常に凹凸やいびつな形状の発生を防止できる。
従って、パルス電流を重畳は、少なくとも当該陽極動作の半周期において、突起部先端面を溶融できるだけの電流値と期間が必要ということになる。
ここで、前記放電ランプの設計例において、数値例をあげると、半周期Tは10ms(50Hz)〜0.7ms(700Hz)であり、期間Taは半周期Tの1/2〜1/5ぐらいである。電流値は、期間Taにおいて2.5〜3.0Aであり、期間Tbにおいて1.8〜2.5Aである。
(b)は本発明の超高圧水銀ランプにおいて、調光するために電流値を変化させた場合の電流波形を表す。調光とは、プロジェクター装置を種々の目的に応じて、明るさを変化させる場合に放電ランプの電流量を増減調整することである。
図において、期間Tbの電流値I’は基準電流値Iより低下しており、このような電流値I’の変化により調光制御が行われる。しかしながら、期間Taは、突起部表面を溶融させる必要があるため、調光に対応させて電流値を変化させるわけにはいかない。すなわち、期間Tbは調光という目的のために電流値を適宜変化させているが、期間Taは電極先端部の表面溶融という目的のために、常に高いパルス電流を重畳させる必要がある。この点こそが本発明の大きな特徴である。
数値例をあげると、調光時の電流値I’は、基準電流値Iの1/1.1〜1/1.3ぐらいであり、具体的には、基準電流値が例えば2.5Aの場合は、調光電流の平均値は1.9〜2.3Aとなる。
(c)は期間Taが半周期に対して比較的短い場合の電流波形を表す。
すなわち、期間Tbにおいてある程度高い電流値が供給される場合は、期間Taで重畳されるパルスのエネルギー(時間と電流量)は低めに設定できることを示す。これは期間Tbにおいて、点灯装置から供給される電流も電極先端部の溶融に貢献しているからである。
その一方で、例えば、(b)に示すように、期間Tbにおいて電流値が低い場合には、期間Taにおいて、期間Tbでも溶融状態を維持できるだけのエネルギーを供給しておかなければならないことになる。
つまり、極性切替直後は、電極先端部表面を溶融開始させるために高パルス電流を重畳させる必要があるが、その時間と電流値は、後続する期間Tbでも電流値との兼ね合いで適宜選択できるわけである。したがって、点灯装置は、プロジェクター装置から使用状況に関する情報を受信することで期間Tbに供給するべき電流情報を入手すると、その電流値に対応させて期間Taの時間と電流値を選定することになる。このような動作は、図2に示す回路図において、高パルス重畳回路26と調光回路27が接続することに意味され、プロジェクター装置が調光モードであるか非調光モードであるか、あるいは調光モードの場合に調光のレベルを把握することで、期間Taに供給すべきエネルギー量を調整する機能を有している。なお、現実にはコンピュータ機能が制御部103のいずれかに内蔵されており、このような制御機能を担うこととなる。
そして、特に、放電ランプの寿命や点灯装置の耐圧を考慮すると、電極先端部表面の溶融を最小のエネルギーによって達成することが望ましく、高電流パルスの供給も溶融状態さえ形成できるのであれば可能な限り、低い電流値あるいは短い時間であることが望ましい。
ここで、プロジェクター装置の一般的な調光モードについて数値例を紹介する。放電ランプの定格電力が、例えば200Wの場合、調光は160〜180Wの範囲で行なわれる。このような調光は、例えばプロジェクターを小さな部屋で使う場合において明るさがそれほど必要ない場合や冷却ファンの騒音を小さくして使いたい場合などに行なわれる。
図4は高電流パルス波形の変形例を示し、図3と同様に縦軸は電流値、横軸は時間を表している。(a)は高電流パルスが直線的に漸次減少する波形を示し、(b)、(c)は高電流パルスが曲線的に漸次減少する波形である。
このように重畳されたパルス電流が、方形波的であって、その後急激に減少するのではなく、連続的に減少することによって、少なくとも一周期ごとの陽極動作時における電極先端突起の加熱を調節して、電極先端面の溶融度合いを制御できる。このような連続的に変化する波形は、電流の変化に伴う光出力の変動を低減できるので、プロジェクター装置に用いられた場合の映像ちらつきを低減する効果がある。
この電流波形は、特に減光モードにおいて適する。期間Tbにおける電流値が小さいため、期間Taのピーク値との変化が大きくなるからである。
なお、パルスの形状は上記(a)(b)(c)に示す波形に限定されるものではなく、上記気泡の発生などが実用上問題なければ、例えば、段階的に電流量を減少させる方法や、漸次あるいは段階的に上昇させて、その後減少させる方法も可能である。
図5は電極1の拡大図を示す。(a)は大径部の先端が概略球面状の電極を示し、(b)は大径部の先端が縮径部をもつ電極を示し、両図とも、電極1は、突起部2、縮径部3、大径部4と軸部1bから構成される。
(a)において、大径部4の先端には突起部2が形成される。
突起部2は、前記したように点灯時間の経過とともに形成されるものであり、電極間距離2mm以下、発光管内に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入するという特有の形態においてタングステン原子の堆積などにより生じる。また、突起部2は、ランプ点灯中において、アーク起点となりアークの位置を安定に維持させることができ、いわゆるアークジャンプなどアークのふらつきを防止する。なお、突起部2の概略球面形状となる場合が多い。
大径部4は、例えば、糸状のタングステンをコイル状に巻き付けたものが溶融して形成される。溶融はTIG溶接やレーザ照射により行なわれ、後端には図示のようにコイル部分が残る場合がある。このコイル部分は、点灯始動時においては表面の凹凸効果により始動の種(始動開始位置)として機能するとともに、点灯後においては表面の凹凸効果と熱容量により放熱の機能を有している。また、コイルは細線のため加熱されやすく、グロー放電からアーク放電への移行を容易にする働きもある。
縮径部3はコイルを溶融させることで大径部4の先端に形成される。なお、縮径部3の先端部分におけるタングステン結晶の平均粒径は50μ以上である。
ここで、本発明では、突起部2の少なくとも先端表面はランプ点灯中において溶融状態になることを特徴とする。すなわち、前記したように点灯装置から供給される交流電流の半周期毎であって極性切換直後に高い電流パルスを重畳させることで、少なくとも陽極動作時において、突起部表面を溶融することを特徴としている。
突起部2は、ランプ点灯に従い自然現象的に発生するものであるため、その形態は凹凸を生じるなど不所望な形状である場合が多く、凹凸の程度が大きい場合などにあってはアーク放電に悪影響を与えかねないからである。
上記溶融制御は突起部が形成された後も継続的に行われる。突起部2の先端表面は、突起部が形成された後においても、タングステン原子が堆積、消耗して形態変化が繰り返されるからである。
(b)は電極の全体形状の変形例であって、縮径部3が球面というよりは楕円球状であって、全体が概略砲弾形状であることを特徴としている。
この形状の利点は、縮径部3の突起部以外の表面が、アークから離れているため、アークの熱的影響を受けにくく、このため、縮径部3の表面におけるタングステンの蒸発を少なくできる。
ここで、今までの説明においては、突起部2は放電ランプ製造完成時に存在しておらず、その後のランプ点灯に従い縮径部先端に自然的に生成するものと説明してきた。しかしながら、例えば、軸部1bの先端を利用して予め突起部2を形成することもできる。
この場合も、ランプ点灯中にタングステン原子が堆積、消耗して突起部の形態変化は少なからず生ずるため、本発明の溶融制御は有効である。特に、図5(b)に示す縮径部3が概略楕円形状である電極は、タングステンの蒸発が少ないため点灯中の突起部の形状変化の影響を受けにくいため、高電流パルスも小さくできるなど利点は大きい。
また、上記のように予め突起部2を形成する場合でも、前記のようにランプの点灯によって形成する場合でも、安定した放電を得るため、突起部の先端部が略半球形に形成されていることが好ましい。
なお、突起部をランプの点灯によらず当初から形成する発明については、本出願人の特願2003−33811号を参照できる。
また、ランプ点灯中において突起の成長、消滅が著しいと、電極間距離が変動してランプ電圧の変動を招き好ましくない。本出願人は特願2002−295864号において電力を調整することで突起の成長消滅を制御すること、および特願2002−324780号では点灯周波数を制御することで突起の成長消滅を制御することを提案している。
なお、電極について、数値例をあげると以下のようになる。
突起部2は、外径がΦ0.15〜0.6mmであって、例えばΦ0.3mm、軸方向の長さは0.1〜0.4mmであって、例えば0.25mmである。
縮径部3は、軸方向の長さは0.7〜1.5mmであって、例えば1.0mmである。
太径部4は、外径がφ1.0〜2.0mmであって、例えば1.4mmであり、軸方向の長さは0.7〜2.0mmであって、例えば1.0mmである。
軸部1bは、外径はΦ0.2〜0.6mmの範囲であって、例えば0.4mmである。
コイル4の線径はΦ0.1〜0.3の範囲であって、例えば、0.25mmである。
なお、以上の数値例は一例であり、特に、前記した放電ランプの設計値との関係で適用されるものである。
ここで、以上の実施形態の説明においては、専ら電極先端に突起が形成された場合について述べたが、上記突起が形成されるほどではなく、電極先端部へのタングステンの析出によって電極先端の変形が生じる場合においても、本発明の溶融制御は安定な放電のため有効である。
図6は放電ランプの電流波形の変形例を示し、図3、図4と同様に、縦軸は電流値、横軸は時間を表す。
この変形例は、交流電流の極性換直後に高パルス電流が重畳されることに加えて、その後、半周期の後半部に向かい電流量を増大させることを特徴としている。これにより、電極の温度を半周期毎に、特に温度が低下する陰極動作の後半において、昇温することができ、電極先端の溶融面から安定に電子放射できる。
すなわち、陰極動作の半周期における期間Tbにおいて、電極先端温度が後半に向かって低下するため、放電起点、いわゆる陰極輝点は収縮するが、その収縮する場所は常に一定とは限らず、輝点移動などのアーク不安定が生じることがある。特に、本願発明のように発光部に0.15mg/mm以上もの多量の水銀が封入される動作圧力の高い放電ランプにあっては、放電起点が絞られるため上記のようなアーク不安定が生じ易いからである。
(a)は、高パルスが重畳された後、漸次増大する電流波形を表している。この波形の利点は、高圧パルスにより電極先端部表面を溶融できるとともに、電極の昇温が簡単な制御で行えることである。
(b)は、高圧パルスの重畳は漸次減少型に行われ、その後、漸次増大する電流波形であって、半周期の電流波形は概略M字型をしている。この波形の利点は、上記電極先端部溶融とを電極の昇温ができるのはもちろん、両制御が電流値の急激な変化を伴うことなくスムーズに行えることである。
(c)は、(b)に示すM字型制御に加えて、高パルス電流の電流値を高めに設定した電流波形である。この波形の利点は、高パルス電流のエネルギーが大きいため電極先端部表面の溶融効果も大きく、このため調光モードの使用、特に大きな減光を伴う使用に効果がある。
なお、(c)の電流波形は、半周期前半の電流値の平均が半周期後半の電流値の平均よりも大きいことを特徴としている。
また、電極先端部表面の溶融と電極昇温の両方の効果を達成するための電流波形は、上記(a)(b)(c)に示す電流波形に限定されず、その他の電流波形を採用することもできる。
以上のように、交流電流の半周期において、極性切替直後に高パルス電流を重畳させた後、半周期の後段に向かい電流値を増大させることで、電極先端部の溶融ができるとともに、電極を良好に昇温でき、結果として同一箇所からの電子放射を安定的に維持することができる。
図7は放電ランプの電流波形の変形例を示し、図3、図4、図6と同様に、縦軸は電流値、横軸は時間を表す。
この変形例は、交流電流の極性切換直後に高パルス電流が重畳されて、その後、当該パルスの全期間において電流量が減少することを特徴としている。
(a)(b)は、高パルスが重畳された後、漸次減少する電流波形を表している。この波形の利点は、高圧パルスにより電極先端部表面を溶融できるとともに、その後の電流の減少量が一定であるために、例えば、DMD素子や回転フィルターと同期を図るときに制御が容易になることである。
(c)は、高パルスが重畳された後、電流量が曲線的に減少する波形を表している。
ここで、本発明の放電ランプは、電極間距離が2mm以下であって、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した超高圧水銀ランプが前提となっている。なぜなら、上記構成を具備する放電ランプであるからこそ、ランプの点灯に伴い電極先端にタングステンが析出して、電極先端が変形したり、突起が形成されたりし、また、最初から突起が形成されている場合であっても突起の形状変化という問題を生じるからである。
従って、上記構成を具備していない放電ランプであって、使用用途などが全く異なる放電ランプにおいては、予め突起を形成させた電極を有する放電ランプは存在するかもしれない。しかしながら、そのような放電ランプは、もともと突起の生成、成長、形状変化という技術課題が存在しないものであるから、このような先行技術は本発明と全く次元を異にするものといえる。
繰り返しになるが、本発明は、ランプ点灯に伴うタングステンの析出によって、電極先端の形状が変化する条件を具備した放電ランプにおいて、特に、突起の形状変化に伴う問題を解決するものである。
図8は放電ランプ10とこの放電ランプ10を取り囲む凹面反射鏡20、さらにこの組み合わせ(以下、放電ランプ10と凹面反射鏡20の組み合わせを光源装置と称する)をプロジェクター装置30に組み込んだ状態を示す。プロジェクター装置30は、現実には、複雑な光学部品や電気部品などが密集するものであるが、図8においては説明の便宜上簡略化して表現している。
放電ランプ10は凹面反射鏡20の頂部開口を通して保持される。放電ランプ10の一方の端子T1と他方の端子T2に不図示の給電装置が接続される。凹面反射鏡20は楕円反射鏡や放物面鏡が採用され、反射面には所定の波長の光を反射する蒸着膜が施される。
凹面反射鏡20の焦点位置は、放電ランプ10のアーク位置に設計されており、アーク起点の光を効率よく反射鏡によって取り出すことができる。
なお、以上説明した電極構造は、放電ランプの両電極に採用することが望ましい。しかしながら、いずれか一方の電極にのみ採用することもできる。
以上、説明したように本発明に係る超高圧放電ランプ発光装置は、交流電流の半周期において極性切替直後に高パルス電流を重畳させるので、放電ランプの電極先端部表面が少なくとも陽極動作に切り替わるたびに溶融状態となり、これにより、電極先端部表面に凹凸が形成されるなど好ましくない形状の発生を防止できる。
本発明に係る超高圧水銀ランプを示す。 本発明に係る超高圧水銀ランプ発光装置の点灯装置を示す。 本発明の超高圧水銀ランプの電流波形を示す。 本発明の超高圧水銀ランプの電流波形を示す。 本発明に係る超高圧水銀ランプの電極を示す。 本発明の超高圧水銀ランプの電流波形を示す。 本発明の超高圧水銀ランプの電流波形を示す。 本発明に係る超高圧水銀ランプを使った光源装置を示す。 超高圧水銀ランプの電極を示す。
符号の説明
1 電極
2 突起部
3 縮径部
4 大径部
10 放電ランプ
11 発光部
12 封止部
100 点灯装置

Claims (8)

  1. 石英ガラスからなる発光管に、タングステンを主成分とする一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入したショートアーク型超高圧水銀ランプと、この水銀ランプを交流点灯させる点灯装置から構成される超高圧水銀ランプ発光装置において、
    前記ショートアーク型超高圧水銀ランプは、一対の電極のうち少なくとも一方の電極の先端部表面は、前記点灯装置により、ランプ点灯中において溶融状態になることを特徴とする超高圧水銀ランプ発光装置。
  2. 前記点灯装置が前記ショートアーク型超高圧水銀ランプに供給する交流ランプ電流は、極性反転直後に高いパルスが重畳されることを特徴とする請求項1の超高圧水銀ランプ発光装置。
  3. 前記点灯装置が前記ショートアーク型超高圧水銀ランプに供給する交流ランプ電流は、高いパルスの後から半周期の後半に向けて上昇することを特徴とする請求項2の超高圧水銀ランプ発光装置。
  4. 前記点灯装置が前記ショートアーク型超高圧水銀ランプに供給する交流ランプ電流は、高いパルスが重畳された後に漸次減少し、その後、半周期の後半部から漸次増大することを特徴とする請求項2の超高圧水銀ランプ発光装置。
  5. 前記点灯装置が前記ショートアーク型超高圧水銀ランプに供給する交流ランプ電流は、高いパルスが重畳された後、当該半周期の全期間において減少することを特徴とする請求項2の超高圧水銀ランプ発光装置。
  6. 前記電極の少なくとも一方は、軸部に形成された太径部と、この太径部の先端に設けられた突起部と、太径部から突起部に向けて形成された縮径部よりなることを特徴とする請求項1の超高圧水銀ランプ発光装置。
  7. 前記突起部の先端は略半球形であることを特徴とする請求項5の超高圧水銀ランプ発光装置。
  8. 石英ガラスからなる発光管に、タングステンを主成分とする一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した交流点灯型の超高圧水銀ランプにおいて、
    前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極は、その先端部表面が、ランプ点灯中において溶融状態になることを特徴とする超高圧水銀ランプ。
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