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JP2004293361A - エンジンユニット - Google Patents

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JP2004293361A
JP2004293361A JP2003084573A JP2003084573A JP2004293361A JP 2004293361 A JP2004293361 A JP 2004293361A JP 2003084573 A JP2003084573 A JP 2003084573A JP 2003084573 A JP2003084573 A JP 2003084573A JP 2004293361 A JP2004293361 A JP 2004293361A
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Japan
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engine
carburetor
air
port
combustion chamber
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Application number
JP2003084573A
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English (en)
Inventor
Masayuki Komuro
正之 小室
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】気化器の温度上昇を回避してエンジン運転状態を良好に保つ。
【解決手段】車両に搭載されるエンジン25のシリンダヘッド15には燃焼室15aが形成され、シリンダヘッド15には燃焼室15aに連通する吸気ポート15bと排気ポート15cとが形成される。エンジン25の車両後方側には燃焼室15aに混合気を供給する気化器27が配置される。気化器27の出力ポート28bとエンジン25の吸気ポート15bとの間には混合気を案内する吸気管35が設けられ、吸気管35の外周には遮熱板36が設けられる。エンジン25を冷却して高温となった走行風は、遮熱板36に沿って吸気管35の径方向外方に案内されるため、気化器27に直接吹き付けられることはなく、気化器27の温度上昇を回避することができ、燃料の気泡化に伴うベーパロックを回避することができる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気化器を介して燃料が供給されるエンジンユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンに燃料を供給する燃料供給機構としては、吸気管内の負圧により燃料を吸い出すとともに微粒子化してエンジンに供給する気化器つまりキャブレタや、吸入空気量に応じて計量した燃料を吸気管内や燃焼室に噴射する噴射弁つまりインジェクタなどがある。
【0003】
エンジンに供給される混合気の空燃比を高精度に制御する上では、キャブレタよりもインジェクタが好適であるが、インジェクタには燃料を加圧して噴射する燃料系の部品だけでなく、吸入空気量を検出する空気系の部品や、噴射量の補正やフィードバック制御を行う制御系の部品などが必要であるため、インジェクタの採用には高コスト化を伴うことになる。
【0004】
一方、キャブレタは、空気流速の増大に伴って変化する負圧により吸入空気量に応じた燃料をエンジンに送り込むことができ、制御系の複雑化を招来することがないだけでなく、部品点数が少ないために低コスト化を達成することできる。このため、キャブレタは、全地形走行車であるATV(All Terrain Vehicle)、二輪車、発電機などに搭載される安価な小型エンジンを中心に採用されることが多い。
【0005】
このようなキャブレタは、微細な流路やジェット類が多数組み込まれる精密機器であり、泥跳ねや埃などを避ける必要があるため、車両に搭載する際にはエンジンの車両後方側に取り付けられる。(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−11171号公報(第3−4頁、図1、図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、キャブレタをエンジンの車両後方側に取り付けるようにすると、エンジンの熱が走行風とともにキャブレタに伝導されるため、キャブレタの温度が上昇することになる。特に、シリンダやシリンダヘッドに放熱フィンが形成される空冷エンジンにあっては、エンジン表面から放出される熱量が大きいため、キャブレタの温度が過度に上昇してしまうおそれがある。
【0008】
キャブレタの過度な温度上昇は、燃料の気泡化により燃料供給が困難となるベーパロックの発生や、吸入空気の温度上昇による充填効率の低下などを引き起こすため、エンジン不調を来すおそれがあった。
【0009】
本発明の目的は、気化器の温度上昇を回避することによってエンジン運転状態を良好に保つことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のエンジンユニットは、燃焼室を区画形成するピストンが往復動自在に収容され、前記燃焼室に連通する吸気ポートと排気ポートとを備えるエンジンと、入力ポートと出力ポートとを備え、前記入力ポートから空気を吸い込むとともに前記出力ポートから混合気を送り出す気化器と、前記エンジンの吸気ポートと前記気化器の出力ポートとを接続し、前記燃焼室に混合気を供給する吸気管と、前記エンジンと前記気化器との間に設けられ、前記エンジンからの熱を遮断する遮熱板とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明のエンジンユニットは、前記遮熱板は前記吸気管に設けられることを特徴とする。
【0012】
本発明のエンジンユニットは、前記エンジンは車両に搭載され、前記エンジンの車両後方側に前記気化器が配置されることを特徴とする。
【0013】
本発明のエンジンユニットは、前記エンジンは空冷エンジンであることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、エンジンと気化器との間に遮熱板を設けるようにしたので、エンジンの熱を吸収した冷却風を気化器に当てることなく流すことができ、気化器の温度上昇を回避することができる。これにより、ベーパロックの発生や充填効率の低下を防止することができ、エンジン不調を来すことなくエンジン運転状態を良好に保つことができる。
【0015】
また、吸気管に遮熱板を設けるようにしたので、エンジンを冷却する冷却風の流れを不必要に妨げることがなく、エンジンの冷却効率の低下を回避することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は車両を示す斜視図であり、この車両はバギー車とも言われるATVつまり不整地走行車である。図1に示すように、車体1には前輪2a,2bと後輪3a,3bが設けられており、鞍乗り型の座席4が車体1の中央部に設けられている。乗員は座席4に跨って車両に乗り込み、ハンドル5を操作して走行することになる。
【0017】
図2は図1の車両に搭載される本発明の一実施の形態であるエンジンユニット10と駆動ユニット11とを示す概略図であり、図3は図2のA−A線に沿う断面図である。図2および図3に示すように、車両前方側にはエンジン動力を出力するエンジンユニット10が設けられており、車両後方側にはエンジン動力を駆動輪に伝達する駆動ユニット11が設けられている。
【0018】
図2に示すように、エンジンユニット10のクランクケース12には、クランク軸13が軸受を介して回転自在に収容されている。また、図3に示すように、クランクケース12の上方に形成される開口部にはシリンダ14が取り付けられ、シリンダ14の上端面にはシリンダヘッド15が搭載されている。シリンダ14に形成されるシリンダボア内には、燃焼室15aを区画形成するピストン16が往復動自在に組み込まれており、ピストン16に取り付けられるピストンピン17と、クランク軸13にその回転中心から偏心して固定されるクランクピン18とは、コネクティングロッド19を介して連結されている。
【0019】
シリンダヘッド15には燃焼室15aが形成されるとともに、燃焼室15aに開口する吸気ポート15bと排気ポート15cとが形成されている。この吸気ポート15bと燃焼室15aとを連通状態と遮断状態とに切り換える吸気弁20がシリンダヘッド15に組み込まれており、排気ポート15cと燃焼室15aとを連通状態と遮断状態とに切り換える排気弁21がシリンダヘッド15に組み込まれている。
【0020】
また、シリンダヘッド15には2つのカム面を備えたカムシャフト22が回転自在に装着され、これと平行に設けられたロッカシャフト23には、吸気弁20を開閉駆動するためのロッカアーム23aと、排気弁21を開閉駆動するためのロッカアーム23bとが回動自在に装着されている。カムシャフト22に固定された図示しないスプロケットと、図2に示すようにクランク軸13の端部に固定されたスプロケット24との間には図示しないタイミングチェーンが掛け渡されており、カムシャフト22はクランク軸13の回転に同期して回転駆動される。クランク軸13の回転位置つまりピストン16の移動位置に応じて、カムシャフト22はロッカアーム23a,23bの一端にカム面を接触させるため、吸気弁20および排気弁21のそれぞれは所定のタイミングで開閉駆動される。
【0021】
このようなクランクケース12、シリンダ14、およびシリンダヘッド15を備えるエンジン25は、クランク軸13が車幅方向を向くように車体1に搭載される。このエンジン25は単気筒の空冷エンジンであり、シリンダ14およびシリンダヘッド15には放熱フィン26が形成されている。
【0022】
エンジン25に混合気を供給することによってエンジン25を駆動するため、エンジン25の車両後方側には気化器27が配置されている。気化器27は入力ポート28aと出力ポート28bとが同軸上に形成される気化器本体28を備えており、気化器本体28の入力ポート28aと出力ポート28bとの間にはベンチュリ部28cが形成される。気化器本体28にはベンチュリ部28cを開閉制御するスロットルバルブ29が装着されており、このスロットルバルブ29はケーブル30を介してスライド駆動される。なお、スロットルバルブ29を駆動するケーブル30は、乗員が図1に示すアクセルグリップ6を操作することによって出し引きされる。また、気化器本体28には図1に示す燃料タンク7から燃料を案内する燃料ホース31が接続されており、ジェット類を介してベンチュリ部28cに開口するフロート室32に燃料が案内される。
【0023】
気化器本体28の入力ポート28aにはエアクリーナ33に接続される吸気ダクト34が取り付けられており、気化器本体28の出力ポート28bにはシリンダヘッド15の吸気ポート15bに接続される吸気管35が取り付けられている。この吸気管35の外周面には径方向外方に延びる遮熱板36が設けられており、この遮熱板36は円盤状に形成されている。なお、図示する遮熱板36は吸気管35に一体に設けられているが、遮熱板36と吸気管35とを別体に設けるようにしても良い。
【0024】
乗員のアクセルグリップ6の操作に応じてベンチュリ部28cは徐々に開口されるため、エアクリーナ33を通過した空気がベンチュリ部28cに流入を開始する。ベンチュリ部28cを流れる空気によってベンチュリ部28cには負圧が発生し、この負圧に応じてフロート室32の燃料がベンチュリ部28cに引き込まれる。このように空気が流れ込むベンチュリ部28cでは燃料と空気とが混合されて混合気となり、出力ポート28bから出力される混合気は吸気管35を介してシリンダヘッド15の吸気ポート15bに案内される。
【0025】
吸気ポート15bに案内される混合気は、吸気弁20が開口駆動する吸気行程時に燃焼室15aに送り込まれ、圧縮行程、燃焼行程を経て燃焼することによりエンジン動力に変換される。燃焼した混合気は排気ガスとなって排気行程時に排気ポート15cより図示しない排気管を介して外部に排出されることになる。混合気の燃焼によって押し下げられるピストン16は、コネクティングロッド19を介してクランク軸13を回転駆動することにより、後述する駆動ユニット11にエンジン動力を出力する。
【0026】
図3に示すように、クランクケース12には2本のバランサ軸40,41が軸受を介して回転自在に装着されており、それぞれのバランサ軸40,41にはバランサウエイト40a,41aが一体に設けられている。それぞれのバランサ軸40,41に設けられた歯車40b,41bは、クランク軸13に設けられた歯車42に噛合っており、クランク軸13の回転変動がバランサウエイト40a,41aにより吸収される。なお、図2には2つのバランサ軸のうち一方のバランサ軸40が示されている。
【0027】
クランク軸13の一端にはクランク軸13によって駆動されるオイルポンプ43が設けられており、このオイルポンプ43から吐出される潤滑油は図示しない油路を介して駆動ユニット11の摺動部に供給される。また、クランク軸13の他端にはクランク軸13によって駆動される発電体44が設けられており、この発電体44より発電される電力は図示しないバッテリに充電される。さらに、発電体44に隣接してスタータモータ45が設けられており、エンジン始動時に駆動されるスタータモータ45の回転は歯車46a,46bを介してクランク軸13に伝達される。
【0028】
図2に示すように、クランクケース12には副軸47がクランク軸13に平行となって回転自在に装着されている。この副軸47に設けられた歯車48aはクランク軸13に設けられた歯車48bに噛合っており、クランク軸13の回転は副軸47に伝達される。副軸47の一端側のクランクケース12にはリコイルカバー49が組み付けられており、リコイルカバー49にはバッテリの充電量が不足してエンジン25を始動することが困難な場合に手動でエンジン25を始動させるリコイルスタータ50が装着されている。リコイルスタータ50は、リコイルカバー49内に収容されてリコイルロープ50aが巻き付けられるリコイルプーリ50bと、副軸47に取り付けられたリコイルドラム50cとを備えており、リコイルロープ50aを引いてリコイルプーリ50bを回転させることにより、副軸47を介してクランク軸13を回転させてエンジン25を始動することができる。
【0029】
また、副軸47の他端には遠心クラッチ51が取り付けられており、この遠心クラッチ51はクランクケース12内に回転自在に装着されるクラッチドラム51aと、副軸47に固定される回転板51bとを有している。回転板51bには円弧状のクラッチシュー51cが複数個取り付けられており、それぞれのクラッチシュー51cは一端に取り付けられるピン51dにより回動自在となっている。クラッチシュー51cの他端には引張コイルばね51eが取り付けられており、クラッチシュー51cにはクラッチドラム51aの内周面から離れる方向にばね力が加えられている。したがって、副軸47が所定の回転数を超えると、クラッチシュー51cに加えられる遠心力がばね力を上回るため、クラッチシュー51cがクラッチドラム51aの内周面に係合して遠心クラッチ51は締結状態となり、クランク軸13からのエンジン動力が副軸47を介してクラッチドラム51aに伝達される。
【0030】
クラッチドラム51aにはプライマリ軸52が固定されており、このプライマリ軸52はクランクケース12に組み付けられる変速機ケース53内に回転自在に収容される。また、変速機ケース53内にはプライマリ軸52に平行となって回転自在にセカンダリ軸54が収容されており、プライマリ軸52からセカンダリ軸54に変速したエンジン動力を伝達する無段変速機55が変速機ケース53内に装着されている。
【0031】
この無段変速機55つまりCVTはベルト式の無段変速機55であり、無段変速機55はプライマリ軸52に設けられるプライマリプーリ56と、セカンダリ軸54に設けられるセカンダリプーリ57とを備えている。プライマリプーリ56は円錐面が形成される固定シーブ56aと、この固定シーブ56aに対向する円錐面が形成される可動シーブ56bとを備えており、固定シーブ56aはプライマリ軸52に固定され、可動シーブ56bはプライマリ軸52に設けられたスプラインに軸方向に移動自在となって装着されている。一方、セカンダリプーリ57は円錐面が形成される固定シーブ57aと、この固定シーブ57aに対向する円錐面が形成される可動シーブ57bとを備えており、固定シーブ57aはセカンダリ軸54に固定され、可動シーブ57bはセカンダリ軸54に設けられたスプラインに軸方向に移動自在となって装着されている。
【0032】
プライマリプーリ56とセカンダリプーリ57との間には、ゴム製のVベルト60が掛け渡されており、Vベルト60のプライマリプーリ56とセカンダリプーリ57とに対する巻き付け径が変化すると、プライマリ軸52の回転は変速比が無段階に変化してセカンダリ軸54に伝達される。プライマリプーリ56の可動シーブ56bには、プライマリ軸52の回転中心に対して直角方向を向いて円柱形状の遠心ウエイト61が複数個、たとえば6個装着されている。可動シーブ56bには遠心ウエイト61に対応するカム面62が形成されており、このカム面62は可動シーブ56bの径方向外側部がプライマリ軸52の端部に向けて迫り出す形状となっている。プライマリ軸52にはカム面62に対向するようにカムプレート63が固定されており、このカムプレート63の径方向外側部がカム面62に向けて接近するように傾斜している。一方、セカンダリ軸54にはばね受け64が固定されており、このばね受け64と可動シーブ57bとの間にはVベルト60への締め付け力を加えるための圧縮コイルばね65が装着されている。
【0033】
プライマリ軸52の回転数が高くなると遠心ウエイト61に加えられる遠心力は大きくなるため、遠心ウエイト61は可動シーブ56bとカムプレート63との間を押し広げながら径方向外方に移動する。ここで、カムプレート63はプライマリ軸52に固定されているため、遠心ウエイト61の移動により可動シーブ56bが固定シーブ56aに向けて近づくことになる。これにより、プライマリプーリ56の溝幅が狭められてVベルト60のプライマリプーリ56に対する巻き付け径が大きくなる一方、Vベルト60によってセカンダリプーリ57の溝幅はばね力に抗して広げられるため、Vベルト60のセカンダリプーリ57に対する巻き付け径は小さくなる。つまり、プライマリ軸52の回転数が高くなるほど無段変速機55の変速比は高速側に変化する。
【0034】
また、プライマリ軸52の回転数が低下して遠心ウエイト61に加えられる遠心力が小さくなると、セカンダリプーリ57に加えられるばね力によってセカンダリプーリ57の溝幅は狭められるため、Vベルト60のセカンダリプーリ57に対する巻き付け径が大きくなる一方、Vベルト60によってプライマリプーリ56の溝幅は広げられるため、Vベルト60のプライマリプーリ56に対する巻き付け径は小さくなる。つまり、プライマリ軸52の回転数が低くなるほど無段変速機55の変速比は低速側に変化する。
【0035】
セカンダリ軸54の一端は変速機ケース53から突き出され、変速機ケース53に組み付けられるギヤケース66に軸受を介して支持されている。ギヤケース66には、セカンダリ軸54に平行となって出力軸67が回転自在に収容されるとともに、この出力軸67に平行となって車軸68が回転自在に装着されている。
【0036】
セカンダリ軸54には前進用の歯車69aが一体に設けられ、この歯車69aは出力軸67に回転自在に装着された歯車69bに常時噛み合っている。また、セカンダリ軸54には後退用のスプロケット70aが一体に設けられ、このスプロケット70aと出力軸67に回転自在に装着されたスプロケット70bとの間にはチェーン70cが掛け渡されている。つまり、セカンダリ軸54からの動力によって歯車駆動される歯車69bの回転方向はセカンダリ軸54の回転方向と逆向きになり、チェーン駆動されるスプロケット70bの回転方向はセカンダリ軸54の回転方向と同じ向きになる。
【0037】
また、歯車69bとスプロケット70bとの間には前後進切換機構71が装着されており、前後進切換機構71の切換操作に応じて歯車69bやスプロケット70bからの動力が選択的に出力軸67に伝達される。この前後進切換機構71は出力軸67のスプラインにそれぞれ噛み合う一対の切換ディスク72a,72bを有しており、これらの切換ディスク72a,72bは出力軸67に軸方向に摺動自在となっている。一方の切換ディスク72aには歯車69bの側面に設けられた噛合い歯73aと係合する噛合い歯73bが設けられており、他方の切換ディスク72bにはスプロケット70bの側面に設けられた噛合い歯74aと係合する噛合い歯74bが設けられている。したがって、一対の切換ディスク72a,72bを歯車69bに向けて移動させて噛合い歯73a,73bを係合させると、セカンダリ軸54の回転は前進用の歯車69a,69bを介して出力軸67に伝達される。一方、切換ディスク72a,72bをスプロケット70bに向けて移動させて噛合い歯74a,74bを係合させると、セカンダリ軸54の回転は後退用のスプロケット70a,70bを介して出力軸67に伝達される。なお、図2に示すように、切換ディスク72a,72bをいずれの噛合い歯にも係合させない場合には、セカンダリ軸54と出力軸67との間は遮断されることになる。
【0038】
さらに、出力軸67には、出力軸67のスプラインにそれぞれ噛み合う一対の切換ディスク75a,75bが軸方向に摺動自在に装着され、一方の切換ディスク75bにはギヤケース66に設けられた噛合い歯76aに係合する噛合い歯76bが設けられている。したがって、一対の切換ディスク75a,75bをギヤケース66に向けて移動させて両方の噛合い歯76a,76bを係合させると、出力軸67とギヤケース66とは締結されて出力軸67の回転が規制される一方、図2に示すように、噛合い歯76a,76bの係合を解くと、出力軸67は回転可能な状態となる。
【0039】
このような切換ディスク72a,72b,75a,75bは、切換ホルダ77,78によって切り換えられる。切換ホルダ77,78は図示しない作動リンクを介して図1に示す車両の切換レバー8に連結されており、乗員による切換レバー8の操作によって切換ディスク72a,72b,75a,75bの切り換えが行われる。切換レバー8には、前進走行に対応したF位置、後退走行に対応したR位置、駆動ユニット11の中立状態に対応したN位置、そして車両の駐車状態に対応したP位置が設定される。
【0040】
切換レバー8をF位置に操作すると、切換ディスク72aの噛合い歯73bが歯車69bの噛合い歯73aに係合する一方、切換ディスク75a,75bは中立位置となる。また、R位置に操作すると、切換ディスク72bの噛合い歯74bがスプロケット70bの噛合い歯74aに係合する一方、切換ディスク75a,75bは中立位置となる。そして、N位置に操作すると、全ての切換ディスク72a,72b,75a,75bが中立位置となり、P位置に操作すると、切換ディスク72a,72bが中立位置となり、切換ディスク75bの噛合い歯76bがギヤケース66の噛合い歯76aに係合する。
【0041】
このような切換レバー8の操作に応じて動力が伝達される出力軸67には歯車79aが固定され、この歯車79aに常時噛み合う歯車79bが車軸68に固定されている。車軸68の端部には後輪3a,3bが連結されており、駆動輪である後輪3a,3bが車軸68によって駆動される。なお、図3に示すように、歯車79bに噛み合う歯車80aを備えた前輪2a,2b用の駆動軸80が変速機ケース53とギヤケース66とにより回転自在に支持されており、この駆動軸80に傘歯車81aを介して連結される前輪出力軸81がギヤケース66に回転自在に支持される。このように、出力軸67からの動力は駆動軸80を介して前輪出力軸81に伝達されるため、後輪3a,3bとともに前輪2a,2bが駆動されることになる。
【0042】
また、走行時における車両を制動するために、図2に示すように出力軸67にはブレーキディスク82が取り付けられており、ギヤケース66にはこのブレーキディスク82にブレーキパッド83aを係合させるブレーキキャリパー83が取り付けられている。乗員がハンドル5に設けられたブレーキレバー9を操作することにより、ブレーキキャリパー83を駆動して出力軸67に制動力を加えることができる。
【0043】
次いで、走行中におけるエンジンユニット10の冷却状態について説明する。図4はエンジンユニット10を拡大して示す側面図であり、図4に示す矢印は走行に伴って吹き付けられる冷却風の流れ方向を示している。
【0044】
スタータモータ45の作動によりエンジン25を始動した後に、乗員が切換レバー8をF位置に操作することによって、車両は前進走行状態に切り換えられる。この状態のもとでアクセルグリップ6を操作することにより、エンジン回転数の上昇に伴って遠心クラッチ51が締結状態に切り換えられ、車両は前進走行を開始する。
【0045】
前進走行を開始すると、図4に示すように、エンジンユニット10には前方より冷却風つまり走行風が吹き付けられる。この走行風はシリンダ14やシリンダヘッド15に形成される放熱フィン26の間に案内され、走行風は混合気の燃焼により発熱するエンジン25からの熱を放熱フィン26を介して吸収する。これにより、エンジン温度は所定の範囲内に抑えられ、エンジン25内の油膜切れ等が防止される。
【0046】
図4に示すように、放熱フィン26を通過することにより温度が上昇した走行風は、エンジン25の車両後方側に配置される気化器27に向けて流れることになるが、気化器27の前方に配置される吸気管35の外周には円盤状の遮熱板36が設けられるため、走行風は遮熱板36に沿って吸気管35の径方向外方に向けて案内される。このように案内された走行風は、気化器27の外側を通過して車両の後方より排出されるため、高温の走行風が気化器27に直接吹き付けられることはなく、気化器27の過度な温度上昇を防止することができる。
【0047】
気化器27の過度な温度上昇を防止することにより、気化器27内や燃料ホース31内の燃料の状態が安定するため、燃料の気泡化を回避することができ、燃料供給が困難となるベーパロックの発生を回避することができる。また、気化器27を通過する吸入空気の温度上昇を回避することにより、吸入空気の膨張を抑制することができるため、燃焼室15aに供給される混合気の充填効率を向上させることができる。燃料供給の安定化や充填効率の向上により、エンジン25の駆動状態を良好に保つことが可能となる。
【0048】
また、気化器27の直前に配置される吸気管35に遮熱板36を設けるようにしたので、気化器27に対する走行風の吹き付けを確実に回避するだけでなく、エンジン25を冷却する走行風の流れを不必要に妨げることがない。これにより、エンジン25の冷却効率の低下を回避することができる。
【0049】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、エンジンユニット10は車両としてのATVつまり不整地走行車に搭載されているが、このエンジンユニット10を二輪車などに搭載しても良い。
【0050】
また、図示する遮熱板36の形状は円盤状であり、遮熱板36は吸気管35と同心上に設けられているが、気化器27の形状に合わせて遮熱板36の形状を変形させても良く、遮熱板36を吸気管35に偏心させて設けても良い。なお、遮熱板36を傾斜させて走行風を整流するようにしても良い。
【0051】
さらに、エンジン25としてはシリンダ14やシリンダヘッド15に放熱フィン26が形成される空冷エンジンに限られることはなく、ラジエータを介して冷却する水冷エンジンや、オイルクーラを介して冷却する油冷エンジンであっても良い。
【0052】
さらに、図示するエンジン25は単気筒の4サイクルエンジンであるが、複数の気筒を備えていても良く、気化器27がシリンダやクランクケースに接続される2サイクルエンジンであっても良い。
【0053】
さらに、図示する気化器27は、アクセル操作によってスロットルバルブ29を直接操作する強制開閉式の気化器27であるが、吸気管35内の負圧に応じてスロットルバルブを開閉するダイヤフラム式の気化器であっても良い。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジンと気化器との間に遮熱板を設けるようにしたので、エンジンの熱を吸収した冷却風を気化器に当てることなく流すことができ、気化器の温度上昇を回避することができる。これにより、ベーパロックの発生や充填効率の低下を防止することができ、エンジン運転状態を良好に保つことができる。
【0055】
また、吸気管に遮熱板を設けるようにしたので、エンジンを冷却する冷却風の流れを不必要に妨げることがなく、エンジンの冷却効率の低下を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両を示す斜視図である。
【図2】図1の車両に搭載される本発明の一実施の形態であるエンジンユニットと駆動ユニットとを示す概略図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図3のエンジンユニットを拡大して示す側面図である。
【符号の説明】
10 エンジンユニット
15a 燃焼室
15b 吸気ポート
15c 排気ポート
16 ピストン
25 エンジン
27 気化器
28a 入力ポート
28b 出力ポート
35 吸気管
36 遮熱版

Claims (4)

  1. 燃焼室を区画形成するピストンが往復動自在に収容され、前記燃焼室に連通する吸気ポートと排気ポートとを備えるエンジンと、
    入力ポートと出力ポートとを備え、前記入力ポートから空気を吸い込むとともに前記出力ポートから混合気を送り出す気化器と、
    前記エンジンの吸気ポートと前記気化器の出力ポートとを接続し、前記燃焼室に混合気を供給する吸気管と、
    前記エンジンと前記気化器との間に設けられ、前記エンジンからの熱を遮断する遮熱板とを有することを特徴とするエンジンユニット。
  2. 請求項1記載のエンジンユニットにおいて、前記遮熱板は前記吸気管に設けられることを特徴とするエンジンユニット。
  3. 請求項1または2記載のエンジンユニットにおいて、前記エンジンは車両に搭載され、前記エンジンの車両後方側に前記気化器が配置されることを特徴とするエンジンユニット。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンユニットにおいて、前記エンジンは空冷エンジンであることを特徴とするエンジンユニット。
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