[go: up one dir, main page]

JP2004269425A - トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の製造方法 - Google Patents

トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004269425A
JP2004269425A JP2003062305A JP2003062305A JP2004269425A JP 2004269425 A JP2004269425 A JP 2004269425A JP 2003062305 A JP2003062305 A JP 2003062305A JP 2003062305 A JP2003062305 A JP 2003062305A JP 2004269425 A JP2004269425 A JP 2004269425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trifluoromethyl
substituted
reaction
represented
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003062305A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihisa Ishii
章央 石井
Masatomi Kanai
正富 金井
Katsu Kuriyama
克 栗山
Manabu Yasumoto
学 安本
Norito Inomiya
憲人 伊野宮
Takashi Otsuka
隆史 大塚
Koji Ueda
浩司 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP2003062305A priority Critical patent/JP2004269425A/ja
Publication of JP2004269425A publication Critical patent/JP2004269425A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】医薬および農薬の重要中間体となるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の工業的な製造方法を提供する。
【解決手段】トリフルオロメチル置換フェナシルハライドを酸性または中性条件下、低級アルコールの含水溶液と反応させることにより、または、トリフルオロメチル置換アセトフェノンをアルキレンジオールの存在下、Brを用いて臭素化することにより、トリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールに変換し、次いで酸性または中性条件下、低級アルコールの含水溶液と反応させることにより、トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を製造する。この方法によりトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体が従来よりも格段に簡便に得られる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬および農薬の重要中間体となるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明で対象とするトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体は医薬および農薬の重要中間体となる化合物で、この内、3’−トリフルオロメチル−2−メトキシアセトフェノンと4’−トリフルオロメチル−2−メトキシアセトフェノンのみが知られている。これらの製造方法は、▲1▼メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロライドとフェニルリチウムから発生させたイリドと4−トリフルオロメチルベンゾニトリルを反応させる方法(非特許文献1)、▲2▼メトキシアセトニトリルと3−トリフルオロメチルフェニルマグネシウムブロマイドまたは4−トリフルオロメチルフェニルマグネシウムブロマイドを反応させる方法(非特許文献2)、▲3▼4’−トリフルオロメチル−2−ジアゾアセトフェノンとメタノールを反応させる方法(非特許文献3)に限られており、高価な試薬を過剰に用いたり、爆発の恐れのある試薬を用いる必要があり(非特許文献4)、工業的な製造方法とは言い難いものであった。
【0003】
トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を工業的に製造するためには、原料の工業的入手が容易であること、試薬の安全性が比較的高いことから、フェナシルハライドと金属アルコキシドを反応させて2−アルコキシアセトフェノン誘導体を得る方法が特に有望な方法と考えられる。例えば、非特許文献5には、4−メトキシフェナシルブロマイドまたは4−ブロモフェナシルブロマイドとナトリウムメトキシド(CHONa)の反応例が報告されている。しかし、本発明で対象とするトリフルオロメチル置換フェナシルハライドを基質とする反応例は未だ報告されていない。
【0004】
また、本発明に関連する技術として、アルキルフェノン類を低級アルコール中で臭素と反応させ、得られた反応液を酸で処理することを特徴とするα−ブロモアルキルフェノン類の製造法が報告されている(特許文献1)。メタノール等の低級アルコールの存在下、Brを用いて臭素化することにより生成したα−ブロモアルキルフェノン類を、反応系中でジアルキルアセタール側に平衡をずらし、過剰反応によるα,α−ジブロモアルキルフェノン類の副生を抑えるというものである。特許文献1の発明の詳細な説明には、低級アルコールとして具体的にメタノール、エタノールおよびプロパノールが挙げられているのみで、実際にはメタノールを用いた実施例が報告されているのみである。本発明で対象とする、トリフルオロメチル置換アセトフェノンをアルキレンジオールの存在下、Brを用いて臭素化することによりトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールを製造する方法は未だ報告されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−72638号公報
【非特許文献1】
Synthesis,(独国),1999年,第1999巻,第9号,p.1558−1560
【非特許文献2】
Tetrahedron,(英国),1979年,第35巻,第15号,p.1807−1815
【非特許文献3】
J. American Chemical Society,(米国),1970年,第92巻,p.311−320
【非特許文献4】
J. Organometallic Chemistry,(オランダ),1990年,第390巻,p.275−292
【非特許文献5】
Tetrahedron,(英国),1994年,第50巻,第35号,p.10539−10548
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、医薬および農薬の重要中間体となるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の工業的な製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明者らは当初、非特許文献5の方法にならい、トリフルオロメチル置換フェナシルハライドと金属アルコキシドの反応につき、その反応条件を詳細に検討した。しかしながらこの方法では目的とする生成物は殆ど得られず(比較例1、比較例2)、当反応はフェナシルハライドのアリール基上の置換基の種類によって大きく影響されることが判明した。強力な電子求引性基であるトリフルオロメチル基が置換した基質では、金属アルコキシドによるカルボニル基への求核攻撃や、強い塩基性によるカルボニル基のα位での脱プロトン化が優先して起こっているものと推測された。
【0008】
このように、トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を工業的に製造するための効率的な手段を見出すことが望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、トリフルオロメチル基が置換したフェナシルハライドを基質とする場合には、金属アルコキシドとの反応のように反応系が強い塩基性になる反応条件を採用するのではなく、酸性または中性条件下、低級アルコールの含水溶液と反応させることにより、目的とする置換反応が非常に良好に進行するようになり、トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体が従来よりも格段に簡便に得られることを見出した。中性条件下で反応させるとは、トリフルオロメチル置換フェナシルハライドと低級アルコールの含水溶液だけを反応させることを意味するが、反応の進行に伴いハロゲン化水素酸が副生し、反応系が自ずと酸性側に傾く。本発明の重要なポイントは、このように液性を酸性〜中性の範囲に維持しつつ、反応を行うことである(実施例2 vs 比較例7)。またもう1つ重要なポイントは、低級アルコールの含水溶液を用いることにある。含水溶液を用いることによりトリフルオロメチル置換アセトフェノン(脱ブロモ体=還元体)の副生が有意に抑制できる(実施例2 vs 比較例6)。
【0010】
このように本方法のポイントは、(1)酸性または中性条件下で行うこと、(2)低級アルコールと共に水を添加すること、の2点である。この2つの条件が満たされるとき、脱ブロモ体の生成が抑制され、目的物が特に効率よく得られる。これにより、金属アルコキシドを用いることなく、より安価な低級アルコールにより目的物を製造できるようになった。以下、上記の本発明の第一の方法を「A法」と呼ぶ。
【0011】
また、本発明者らは、トリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールを原料とし、これを酸性または中性条件下、低級アルコールの含水溶液と反応させることにより、環状アセタールの脱保護と低級アルコールによる置換反応が連続して起こり、目的とするトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体が一挙にワンポット反応として得られることも見出した(実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、実施例10)。以下、上記の本発明の第二の方法を「B法」と呼ぶ。中性条件下で反応させるとは、トリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールと低級アルコールの含水溶液だけを反応させることを意味するが、反応の進行に伴いハロゲン化水素酸が副生し、反応系が自ずと酸性側に傾く。
【0012】
ここで重要なポイントは、中性条件下で反応させても環状アセタールの脱保護がスムーズに進行することにある(実施例9)。酸性条件下で反応を開始する方がより選択的に進行し(実施例6、実施例7、実施例8、実施例10 vs 実施例9)、目的物を得る上で特に有利である。
【0013】
さらに、本発明者らは、上記B法の原料であるトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールが、トリフルオロメチル置換アセトフェノンをアルキレンジオールの存在下、Brを用いて臭素化することにより、過剰反応によるトリフルオロメチル置換アセトフェノンのα,α−ジブロモ体の副生を殆ど伴わずに、高い化学純度で収率良く得られることも見出した。
【0014】
ここで重要なポイントは、上記の特許文献1で開示されたメタノール等の低級アルコールを用いた場合に比べて、アルキレンジオールを用いた場合には平衡が格段に環状アセタール側に偏っているという点にある。特許文献1のアルキルフェノン類を低級アルコール中で臭素と反応させる方法では、メタノール等の低級アルコールを用いた場合、この平衡は完全にはジアルキルアセタール側に偏っておらず、酸で処理する前の反応液には15〜17%のα−ブロモアルキルフェノン類が存在することが示されている。特に、Brはその物性のため取り扱いが容易ではなく、仕込量を正確にコントロールすることができず、収率を上げる目的でBrを過剰量用いて反応を行うことが多い。このようにBrを過剰量用いた場合には、上記の特許文献1で開示されたメタノール等の低級アルコールを用いても、反応系に相当量のα−ブロモアセトフェノン類が存在するため、もはやα,α−ジブロモアセトフェノン類の副生を制御することはできない。一方、本発明のようにアルキレンジオールを用いた場合には、平衡が格段に環状アセタール側に偏っているため、反応系中にはα−ブロモアセトフェノン類が殆ど含まれず、Brを過剰量用いてもα,α−ジブロモアセトフェノン類が殆ど副生しない。すなわち、本方法はトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールを製造するための、工業化に適した手段を提供するものであると言える(テーブル1参照、テーブル1のRun1は比較例3の結果を、Run2は実施例1の結果を纏めたものである)。
【0015】
また、アルキレンジオール、特にエチレングリコールを過剰量用いて反応溶媒を兼ね合わせて反応を行った場合には、反応終了液が二層に分かれ、目的生成物であるトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールが下層として収率良く分液回収でき、水洗や乾燥等の簡単な後処理操作を経て、次工程に供することができる。上記の特許文献1で開示されたメタノール等の低級アルコールを用いた場合には、ここで示したような後処理操作における簡略化を期待することができず、アルキレンジオールを用いた場合のメリットと言える(実施例5)。
【0016】
このようにトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールは容易に単離でき後処理操作も簡便で、種々の低級アルコールの含水溶液と反応させることができるため、種々のトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を製造する上での重要な共通中間体になり得る。
【0017】
また、共通中間体という観点から見た場合、次反応の環状アセタールの脱保護で副生するアルキレンジオールは低級アルコールによる置換反応と殆ど競合しないため、目的とするトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を選択的に生成できる。一方、上記の特許文献1で得られる低級アルコールからなる臭素化ジアルキルアセタール体では、脱離、副生した低級アルコールの反応性が、置換反応に用いられる低級アルコールの反応性と同様であるため、目的とする低級アルコールによる置換反応と競合し、目的物の収率、化学純度を低下させるという不都合が生ずる。このように、トリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールは次工程の反応に特に適した基質であると言える。
【0018】
このように、本発明者らはトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を製造する2つの新規な方法(A法およびB法)を見出し、発明を完成させた。本発明の2つの製造方法は、金属アルコキシド等の試薬を必要としない上に、各反応工程ともに選択性が高く、分離の難しい不純物を殆ど生じないことから、トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を工業的に製造するための極めて有用な方法である。
【0019】
【化14】
Figure 2004269425
【0020】
すなわち、本発明は、一般式[1]
【0021】
【化15】
Figure 2004269425
【0022】
[式中、mは1または2の整数を表し、任意の置換位置をとり、XはCl、BrまたはIを表す]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルハライドを酸性または中性条件下、一般式[2]
【0023】
【化16】
Figure 2004269425
【0024】
[式中、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す]で示される低級アルコールの含水溶液と反応させることにより、一般式[3]
【0025】
【化17】
Figure 2004269425
【0026】
[式中、mは1または2の整数を表し、任意の置換位置をとり、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す]で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を製造する方法を提供する。
【0027】
また、本発明は、一般式[4]
【0028】
【化18】
Figure 2004269425
【0029】
[式中、XはClまたはBrを表す]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルハライドを酸性または中性条件下、メタノールの含水溶液と反応させることにより、式[5]
【0030】
【化19】
Figure 2004269425
【0031】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を製造する方法を提供する。
【0032】
また、本発明は、一般式[6]
【0033】
【化20】
Figure 2004269425
【0034】
[式中、mは1または2の整数を表し、任意の置換位置をとる]で示されるトリフルオロメチル置換アセトフェノンを、一般式[7]
【0035】
【化21】
Figure 2004269425
【0036】
[式中、nは2から4の整数を表す]で示されるアルキレンジオールの存在下、Brを用いて臭素化することにより、一般式[8]
【0037】
【化22】
Figure 2004269425
【0038】
[式中、mは1または2の整数を表し、任意の置換位置をとり、nは2から4の整数を表す]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールに変換し、次いで酸性または中性条件下、一般式[2]
【0039】
【化23】
Figure 2004269425
【0040】
[式中、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す]で示される低級アルコールの含水溶液と反応させることにより、一般式[3]
【0041】
【化24】
Figure 2004269425
【0042】
[式中、mは1または2の整数を表し、任意の置換位置をとり、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す]で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を製造する方法を提供する。
【0043】
また、本発明は、式[9]
【0044】
【化25】
Figure 2004269425
【0045】
で示されるトリフルオロメチル置換アセトフェノンをエチレングリコールの存在下、Brを用いて臭素化することにより、式[10]
【0046】
【化26】
Figure 2004269425
【0047】
で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールに変換し、次いで酸性または中性条件下、メタノールの含水溶液と反応させることにより、式[5]
【0048】
【化27】
Figure 2004269425
【0049】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を製造する方法を提供する。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の製造方法についてさらに詳細に説明する。本発明はスキーム1で示されるように、▲1▼A法、▲2▼B法の二つの製造方法からなる。
【0051】
【化28】
Figure 2004269425
【0052】
まず、A法の製造方法について詳細に説明する。出発原料である一般式[1]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルハライドとしては、2−クロロ−2’−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ブロモ−2’−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ヨード−2’−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−クロロ−3’−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ブロモ−3’−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ヨード−3’−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−クロロ−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ブロモ−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ヨード−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−クロロ−2’,3’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ブロモ−2’,3’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ヨード−2’,3’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−クロロ−2’,4’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ブロモ−2’,4’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ヨード−2’,4’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−クロロ−2’,5’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ブロモ−2’,5’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ヨード−2’,5’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−クロロ−2’,6’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ブロモ−2’,6’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ヨード−2’,6’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−クロロ−3’,4’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ブロモ−3’,4’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ヨード−3’,4’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−クロロ−3’,5’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ブロモ−3’,5’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ヨード−3’,5’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−クロロ−3’,6’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ブロモ−3’,6’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ヨード−3’,6’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−クロロ−4’,6’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ブロモ−4’,6’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2−ヨード−4’,6’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノンが挙げられる。ここで示した化合物の中には新規化合物も含まれるが、2−クロロ誘導体と2−ブロモ誘導体はWO 01/17962号公報および特許文献1等と同一の方法で、アリール基上のトリフルオロメチル基の置換位置の異なる原料基質を用いることにより、製造することができる。また、2−ヨード誘導体は2−クロロ誘導体または2−ブロモ誘導体をハロゲン交換反応に付すことにより製造することができる。
【0053】
一般式[2]で示される低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールが挙げられる。
【0054】
一般式[2]で示される低級アルコールの使用量としては、一般式[1]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルハライド1モルに対して、1モル以上使用すればよく、通常は3〜1000モルが好ましく、特に5〜500モルがより好ましい。
【0055】
一般式[2]で示される低級アルコールの含水溶液の含水量としては、一般式[1]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルハライド1モルに対して、0.01モル以上使用すればよく、通常は0.03〜500モルが好ましく、特に0.05〜300モルがより好ましい。
【0056】
低級アルコールと水の混合比(モル比)としては、100:1〜1:100の範囲であり、通常は50:1〜1:50の範囲が好ましく、特に25:1〜1:25がより好ましい。水のモル比が前記の範囲よりも多すぎるとヒドロキシ体が多く副生し、少なすぎると還元体(脱ブロモ体)が多く副生するため、いずれも好ましくない。ここでヒドロキシ体とはアルコキシ化の代わりにヒドロキシル化された化合物を指す。
【0057】
A法の置換反応は、酸性または中性条件下、低級アルコールの含水溶液と反応させることにより達する。酸性条件下で反応を開始する方がより選択的に進行するため、酸性物質を添加して反応を行うことができる。
【0058】
一方、中性条件下で反応を開始しても、反応の進行に伴いハロゲン化水素酸が副生し、反応系が自ずと酸性側に傾くため、反応容器の材質を保護する目的で塩基性物質を予めまたは逐次添加し、副生するハロゲン化水素酸を中和しながら反応を行うこともできる。但し、この場合に注意しなければならない点は、如何に弱い塩基性条件下であっても副反応が優先するため、常に反応液の液性を弱酸性から中性に制御する必要がある。
【0059】
本明細書において、「弱い塩基性条件」とは“pH7より大きい〜pH10未満”、「弱酸性」とは“pH3以上〜pH7未満”、「中性」は“pH7”、「酸性」は“pH7未満”をそれぞれ意味する。
【0060】
酸性物質としては、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、プロピオン酸、酢酸、ギ酸等の有機酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸が挙げられる。その中でも、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、塩酸、臭化水素酸および硫酸が好ましく、特にp−トルエンスルホン酸、酢酸、塩酸、臭化水素酸および硫酸がより好ましい。
【0061】
酸性物質の使用量としては、一般式[1]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルハライド1モルに対して触媒量以上使用すればよく、通常は0.01〜100モルが好ましく、特に0.03〜50モルがより好ましい。
【0062】
本反応で、反応液の液性を弱酸性から中性に制御する目的で添加する塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等が挙げられる。
【0063】
塩基性物質の使用量としては、一般式[1]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルハライドから副生するハロゲン化水素酸1モルに対して1モル以下使用すればよく、反応液の液性を弱酸性から中性に制御する範囲であれば特に制限はない。
【0064】
反応溶媒としては、特に制限はないが、通常は、一般式[2]で示される低級アルコールの含水溶液を過剰量用いて反応溶媒を兼ね合わせる。
【0065】
温度条件としては、50〜300℃であり、通常は75〜250℃が好ましく、特に100〜200℃がより好ましい。一般式[2]で示される低級アルコールの含水溶液の沸点以上の温度条件を必要とする場合には耐圧反応容器を用いることができる。
【0066】
反応時間としては、通常は0.1〜48時間であるが、基質および反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により反応の進行状況を追跡して原料が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
【0067】
後処理としては、特に制限はないが、通常は反応終了液を減圧下濃縮し、残渣に水や食塩水等を注ぎ、トルエンや酢酸エチル等の有機溶媒で抽出し、回収有機層を水酸化ナトリウム水溶液や炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに水や食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムや無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥し、濾過し、濃縮し、真空乾燥し、粗生成物を得ることができる。必要に応じて、粗生成物を、活性炭処理、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の精製操作に付すことにより、目的の一般式[3]で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を高い化学純度で得ることができる。
【0068】
次に、B法の製造方法について詳細に説明する。まず、B法の第一工程の臭素化について詳細に説明する。出発原料である一般式[6]で示されるトリフルオロメチル置換アセトフェノンとしては、2’−トリフルオロメチルアセトフェノン、3’−トリフルオロメチルアセトフェノン、4’−トリフルオロメチルアセトフェノン、2’,3’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2’,4’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2’,5’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、2’,6’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、3’,4’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノン、3’,5’−ビス−トリフルオロメチルアセトフェノンが挙げられる。ここで示した化合物の中には新規化合物も含まれるが、特許文献1およびTetrahedron Letters No.53, pp.4647−4650, (1970年)等を参考にして、アリール基上のトリフルオロメチル基の置換位置の異なる原料基質を用いることにより、同様に製造することができる。
【0069】
一般式[7]で示されるアルキレンジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールが挙げられる。その中でも、エチレングリコールおよび1,3−プロパンジオールが好ましく、特にエチレングリコールがより好ましい。
【0070】
一般式[7]で示されるアルキレンジオールの使用量としては、一般式[6]で示されるトリフルオロメチル置換アセトフェノン1モルに対して、1モル以上使用すればよく、通常は1〜30モルが好ましく、特に1〜20モルがより好ましい。
【0071】
Brの使用量としては、一般式[6]で示されるトリフルオロメチル置換アセトフェノン1モルに対して、1モル以上使用すればよく、通常は1〜10モルが好ましく、特に1〜5モルがより好ましい。
【0072】
Brは必要に応じて希釈溶媒に希釈して取り扱うことができる。かかる希釈溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、酢酸、プロピオン酸、酪酸等のカルボン酸系等が挙げられる。その中でも、ハロゲン化炭化水素系およびカルボン酸系が好ましく、特にハロゲン化炭化水素系がより好ましい。
【0073】
Brの添加方法としては、特に制限はないが、通常はトリフルオロメチル置換アセトフェノンとアルキレンジオールを含む混合溶液にBrまたはBrの希釈溶液を滴下する。
【0074】
反応溶媒としては、Brの希釈溶媒に記載したものを使用することができるが、通常は一般式[7]で示されるアルキレンジオールを過剰量用いて反応溶媒を兼ね合わせる。
【0075】
温度条件としては、−20〜+150℃であり、通常は−10〜+125℃が好ましく、特に0〜+100℃がより好ましい。
【0076】
反応時間としては、通常は0.1〜48時間であるが、基質および反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により反応の進行状況を追跡して原料が殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
【0077】
後処理としては、特に制限はないが、通常は反応終了液を水や食塩水等に注ぎ、トルエンや酢酸エチル等の有機溶媒で抽出し、回収有機物を無水硫酸ナトリウムや無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥し、濾過し、濃縮し、真空乾燥し、粗生成物を得ることができる。また、アルキレンジオール、特にエチレングリコールを過剰量用いて反応溶媒を兼ね合わせて反応を行った場合には、反応終了液が二層に分かれ、目的生成物であるトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールが下層として収率良く分液回収でき、水洗や乾燥等の簡単な後処理操作を経て、次工程に供することができる。また、必要に応じて、粗生成物を、活性炭処理、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の精製操作に付すことにより、目的の一般式[8]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールを高い化学純度で得ることができる。
【0078】
次に、B法の第二工程の置換反応について詳細に説明する。B法の置換反応に採用する反応条件では、環状アセタールの脱保護も起こるため、環状アセタールの脱保護と低級アルコールによる置換反応がワンポット反応として行える。
【0079】
B法の第二工程の置換反応は、A法の製造方法と同様に行うことができる。この場合に、一般式[1]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルハライドを、一般式[8]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールに読み替えて行う。
【0080】
【実施例】
以下、実施例により本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0081】
[比較例1] メトキシカリウム−1
耐圧ガラス容器に、2−ブロモ−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン 1.00g(3.74mmol、1eq)と30%CHOKのメタノール溶液 4.38g(18.74mmol、5.01eq)を加え、室温で24時間撹拌した。反応終了液を飽和食塩水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。回収有機層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、真空乾燥し、下記式
【0082】
【化29】
Figure 2004269425
【0083】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の粗生成物 0.94gを得た。粗生成物をGCおよびH,19F−NMRにより分析したところ、原料は殆ど消失しているにも拘わらず(変換率>95%)、19F−NMRの内部標準法により定量した収率は5%未満であった。
【0084】
[比較例2] メトキシカリウム−2
耐圧ガラス容器に、2−クロロ−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン 1.00g(4.49mmol、1eq)と30%CHOKのメタノール溶液 5.25g(22.46mmol、5.00eq)を加え、室温で24時間撹拌した。反応終了液を飽和食塩水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。回収有機層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、真空乾燥し、下記式
【0085】
【化30】
Figure 2004269425
【0086】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の粗生成物 0.89gを得た。粗生成物をGCおよびH,19F−NMRにより分析したところ、原料は殆ど消失しているにも拘わらず(変換率>95%)、19F−NMRの内部標準法により定量した収率は5%未満であった。
【0087】
[比較例3] Br−メタノール
メタノール 5.6mlに、4’−トリフルオロメチルアセトフェノン 2.82g(14.99mmol、1eq)を溶解し、内温を26〜27℃に制御しながら、Br 3.60g(22.53mmol、1.50eq)のメタノール溶液(希釈量 1.4ml)を加え、内温26〜28℃で24時間撹拌した。ガスクロマトグラフィーにより3.5時間後および24時間後の反応の進捗状況を追跡した。分析結果を下表に示す。
【0088】
【化31】
Figure 2004269425
【0089】
[実施例1] Br−エチレングリコール−1
エチレングリコール 7.5ml(8.35g、134.53mmol、8.97eq)に、4’−トリフルオロメチルアセトフェノン 2.82g(14.99mmol、1eq)を溶解し、内温を25〜28℃に制御しながら、Br 3.60g(22.53mmol、1.50eq)のクロロホルム溶液(希釈量2.2ml)を加え、内温25〜26℃で24時間撹拌した。ガスクロマトグラフィーにより3.5時間後および24時間後の反応の進捗状況を追跡した。分析結果を下表に示す。
【0090】
【化32】
Figure 2004269425
【0091】
[比較例4] MeOH−1
硝子容器に、2−ブロモ−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン 0.50g(1.87mmol、1eq)とメタノール 9.4ml(232mmol、124eq)を加え、還流条件下で19時間撹拌した。反応終了液をガスクロマトグラフィーで分析した。下記式
【0092】
【化33】
Figure 2004269425
【0093】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体のガスクロエリア%、変換率および選択率はそれぞれ、2.9%、80%と4%であった。詳細なデータは下記のテーブル2に纏めた。
【0094】
以上のように、水を添加せずメタノールの還流温度で反応させた場合、2−ブロモ−4’−トリフルオロメチルアセトフェノンのジメチルアセタールが主生成物になった。
【0095】
[比較例5] MeOH−2
耐圧SUS容器(内筒ポリテトラフルオロエチレン)に、2−ブロモ−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン 0.50g(1.87mmol、1eq)とメタノール 9.4ml(232mmol、124eq)を加え、100℃で17.5時間撹拌した。反応終了液をガスクロマトグラフィーで分析した。下記式
【0096】
【化34】
Figure 2004269425
【0097】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体のガスクロエリア%、変換率および選択率はそれぞれ、9.8%、87%と11%であった。詳細なデータは下記のテーブル2に纏めた。また、反応終了液のpHは5−6であった。
【0098】
以上のように、水を添加せず100℃で反応させた場合、4’−トリフルオロメチルアセトフェノンが副生した。
【0099】
[比較例6] MeOH−3
耐圧SUS容器(内筒ポリテトラフルオロエチレン)に、2−ブロモ−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン 0.50g(1.87mmol、1eq)とメタノール 9.4ml(232mmol、124eq)を加え、140℃で19時間撹拌した。反応終了液をガスクロマトグラフィーで分析した。下記式
【0100】
【化35】
Figure 2004269425
【0101】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体のガスクロエリア%、変換率および選択率はそれぞれ、30.6%、100%と31%であった。詳細なデータは下記のテーブル2に纏めた。また、反応終了液のpHは5−6であった。
【0102】
以上のように、水を添加せず140℃で反応させた場合、トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の生成量は増加したが、4’−トリフルオロメチルアセトフェノンの副生量も増加した。
【0103】
[実施例2] MeOHaq.−1
耐圧SUS容器(内筒ポリテトラフルオロエチレン)に、2−ブロモ−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン 0.50g(1.87mmol、1eq)、メタノール 9.0ml(222mmol、119eq)と水 1.0ml(55mmol、29eq)を加え、140℃で19時間撹拌した。反応終了液をガスクロマトグラフィーで分析した。下記式
【0104】
【化36】
Figure 2004269425
【0105】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体のガスクロエリア%、変換率および選択率はそれぞれ、69.4%、100%と70%であった。詳細なデータは下記のテーブル2に纏めた。また、反応終了液のpHは1以下であった。
【0106】
以上のように、水を添加して140℃で反応させた場合、4’−トリフルオロメチルアセトフェノンの副生量が抑えられ、トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体が主生成物として得られた。
【0107】
[実施例3] MeOHaq.−2
耐圧SUS容器(内筒ポリテトラフルオロエチレン)に、2−ブロモ−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン 0.50g(1.87mmol、1eq)、炭酸水素ナトリウム 0.05g(0.60mmol、0.32eq)、メタノール 9.0ml(222mmol、119eq)と水 1.0ml(55mmol、29eq)を加え、135℃で16時間撹拌した。反応終了液をガスクロマトグラフィーで分析した。下記式
【0108】
【化37】
Figure 2004269425
【0109】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体のガスクロエリア%、変換率および選択率はそれぞれ、72.1%、100%と72%であった。詳細なデータは下記のテーブル2に纏めた。また、反応終了液のpHは3であった。
【0110】
以上のように、水と、反応終了液のpHが3になるように炭酸水素ナトリウムを添加して135℃で反応させた場合、実施例2に比べて4’−トリフルオロメチルアセトフェノンの副生量が抑えられ、選択率がさらに若干改善した。
【0111】
[実施例4] MeOHaq.−3
耐圧SUS容器(内筒ポリテトラフルオロエチレン)に、2−ブロモ−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン 0.50g(1.87mmol、1eq)、炭酸水素ナトリウム 0.16g(1.90mmol、1.02eq)、メタノール 9.0ml(222mmol、119eq)と水 1.0ml(55mmol、29eq)を加え、135℃で15時間撹拌した。反応終了液をガスクロマトグラフィーで分析した。下記式
【0112】
【化38】
Figure 2004269425
【0113】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体のガスクロエリア%、変換率および選択率はそれぞれ、37.8%、100%と38%であった。詳細なデータは下記のテーブル2に纏めた。また、反応終了液のpHは4−5であった。
【0114】
以上のように、水と、反応終了液のpHが4−5になるように炭酸水素ナトリウムを添加して135℃で反応させた場合、実施例2に比べて選択率が低下した。
【0115】
[比較例7] MeOHaq.−4
耐圧SUS容器(内筒ポリテトラフルオロエチレン)に、2−ブロモ−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン 0.50g(1.87mmol、1eq)、炭酸水素ナトリウム 0.31g(3.69mmol、1.97eq)、メタノール 9.0ml(222mmol、119eq)と水 1.0ml(55mmol、29eq)を加え、135℃で15時間撹拌した。反応終了液をガスクロマトグラフィーで分析した。下記式
【0116】
【化39】
Figure 2004269425
【0117】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体のガスクロエリア%、変換率および選択率はそれぞれ、0%、100%と0%であった。詳細なデータは下記のテーブル2に纏めた。また、反応終了液のpHは8であった。
【0118】
以上のように、水と、反応終了液のpHが8になるように炭酸水素ナトリウムを添加して135℃で反応させた場合、実施例2に比べて選択率が著しく低下し、トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の生成を確認することができなかった。
【0119】
[実施例5] Br−エチレングリコール−2
エチレングリコール 281ml(313g、5.04mol、9.00eq)に、4’−トリフルオロメチルアセトフェノン 106g(0.56mol、1eq)を溶解し、内温を28〜32℃に制御しながら、Br 108g(0.68mol、1.21eq)のクロロホルム溶液(希釈量 56ml)を加え、内温29〜32℃で15時間撹拌した。反応終了液を分液し、上層と下層に分けた。下層は、2%食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空乾燥し、下記式
【0120】
【化40】
Figure 2004269425
【0121】
で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールの粗生成物 165gを得た。収率は94%であった。粗生成物のガスクロマトグラフィーによる分析結果とH−NMRスペクトルの帰属を下に示す。
【0122】
【化41】
Figure 2004269425
【0123】
H−NMR(基準物質:TMS,溶媒:CDCl)、δ ppm:3.64(s,2H),3.83−3.98(m,2H),4.14−4.30(m,2H),7.64(Ar−H,4H).
また、上層を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。回収有機層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、真空乾燥し、上記式で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールの粗生成物 6gを得た。収率は3%であった。
【0124】
[実施例6] MeOHaq.−5
耐圧SUS容器(内筒:ポリテトラフルオロエチレン)に、実施例5で製造したトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールの粗生成物の一部 1.24g(3.99mmol、1eq)、酢酸 0.24g(4.00mmol、1.00eq)、メタノール 8.0ml(197mmol、49eq)と水 0.8ml(44mmol、11eq)を加え、140℃で19時間撹拌した。反応終了液をガスクロマトグラフィーで分析した。下記式
【0125】
【化42】
Figure 2004269425
【0126】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体のガスクロエリア%、変換率および選択率はそれぞれ、65.6%、100%と66%であった。詳細なデータは下記のテーブル3に纏めた。
【0127】
以上のように、水と酢酸を添加して140℃で反応させた場合、トリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールを基質に用いても反応は良好に進行した。
【0128】
[実施例7] MeOHaq.−6
耐圧SUS容器(内筒ポリテトラフルオロエチレン)に、実施例5で製造したトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールの粗生成物の一部 1.24g(3.99mmol、1eq)、酢酸 0.24g(4.00mmol、1.00eq)、メタノール 4.0ml(99mmol、25eq)と水 0.4ml(22mmol、6eq)を加え、140℃で18時間撹拌した。反応終了液をガスクロマトグラフィーで分析した。下記式
【0129】
【化43】
Figure 2004269425
【0130】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体のガスクロエリア%、変換率および選択率はそれぞれ、65.8%、100%と66%であった。詳細なデータは下記のテーブル3に纏めた。
【0131】
以上のように、実施例6に比べてメタノールの含水溶液量を半分に減らしても反応は同様に良好に進行した。
【0132】
[実施例8] MeOHaq.−7
耐圧SUS容器(内筒ポリテトラフルオロエチレン)に、実施例5で製造したトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールの粗生成物の一部 1.24g(3.99mmol、1eq)、濃硫酸 0.20g(2.04mmol、0.51eq)、メタノール 4.0ml(99mmol、25eq)と水 0.4ml(22mmol、6eq)を加え、140℃で18時間撹拌した。反応終了液をガスクロマトグラフィーで分析した。下記式
【0133】
【化44】
Figure 2004269425
【0134】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体のガスクロエリア%、変換率および選択率はそれぞれ、61.5%、100%と62%であった。詳細なデータは下記のテーブル3に纏めた。
【0135】
以上のように、酸性物質として濃HSOを用いた場合、実施例7に比べて選択率が若干低下した。
【0136】
[実施例9] MeOHaq.−8
耐圧SUS容器(内筒ポリテトラフルオロエチレン)に、実施例5で製造したトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールの粗生成物の一部 1.24g(3.99mmol、1eq)、メタノール 4.0ml(99mmol、25eq)と水 0.4ml(22mmol、6eq)を加え、140℃で18時間撹拌した。反応終了液をガスクロマトグラフィーで分析した。下記式
【0137】
【化45】
Figure 2004269425
【0138】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体のガスクロエリア%、変換率および選択率はそれぞれ、59.6%、100%と60%であった。詳細なデータは下記のテーブル3に纏めた。
【0139】
以上のように、中性条件下で反応を開始した場合、実施例7に比べて選択率が若干低下した。
【0140】
[実施例10] MeOHaq.−9
耐圧SUS容器(内筒ポリテトラフルオロエチレン)に、実施例5で製造したトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールの粗生成物の一部 0.62g(1.99mmol、1eq)、酢酸 0.11g(1.83mmol、0.92eq)、メタノール 9.6ml(237mmol、119eq)と水 1.0ml(55mmol、28eq)を加え、135℃で18時間撹拌した。反応終了液を減圧下濃縮し、残査に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出し、回収有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、真空乾燥し、下記式
【0141】
【化46】
Figure 2004269425
【0142】
で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の粗生成物 0.37gを得た。収率は86%であった。粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析した。上記式で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体のガスクロエリア%、変換率および選択率はそれぞれ、71.8%、100%と72%であった。詳細なデータは下記のテーブル3に纏めた。
【0143】
以上のように、メタノールの含水溶液量を増やして135℃で反応させた場合、選択率が改善した。
【0144】
また、H−NMRスペクトルの帰属を下に示す。
H−NMR(基準物質:TMS,溶媒:CDCl)、δ ppm:3.52(s,3H),4.70(s,2H),7.75(d,8.6Hz,2H),8.06(d,8.6Hz,2H).
【0145】
【化47】
Figure 2004269425
【0146】
【化48】
Figure 2004269425
【0147】
【発明の効果】
医薬および農薬の重要中間体となるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の効率的な製造方法を提供する。

Claims (4)

  1. 一般式[1]
    Figure 2004269425
    [式中、mは1または2の整数を表し、任意の置換位置をとり、XはCl、BrまたはIを表す]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルハライドを酸性または中性条件下、一般式[2]
    Figure 2004269425
    [式中、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す]で示される低級アルコールの含水溶液と反応させることにより、一般式[3]
    Figure 2004269425
    [式中、mは1または2の整数を表し、任意の置換位置をとり、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す]で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を製造する方法。
  2. 一般式[4]
    Figure 2004269425
    [式中、XはClまたはBrを表す]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルハライドを酸性または中性条件下、メタノールの含水溶液と反応させることにより、式[5]
    Figure 2004269425
    で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を製造する方法。
  3. 一般式[6]
    Figure 2004269425
    [式中、mは1または2の整数を表し、任意の置換位置をとる]で示されるトリフルオロメチル置換アセトフェノンを、一般式[7]
    Figure 2004269425
    [式中、nは2から4の整数を表す]で示されるアルキレンジオールの存在下、Brを用いて臭素化することにより、一般式[8]
    Figure 2004269425
    [式中、mは1または2の整数を表し、任意の置換位置をとり、nは2から4の整数を表す]で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールに変換し、次いで酸性または中性条件下、一般式[2]
    Figure 2004269425
    [式中、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す]で示される低級アルコールの含水溶液と反応させることにより、一般式[3]
    Figure 2004269425
    [式中、mは1または2の整数を表し、任意の置換位置をとり、Rは炭素数1から4のアルキル基を表す]で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を製造する方法。
  4. 式[9]
    Figure 2004269425
    で示されるトリフルオロメチル置換アセトフェノンをエチレングリコールの存在下、Brを用いて臭素化することにより、式[10]
    Figure 2004269425
    で示されるトリフルオロメチル置換フェナシルブロマイドの環状アセタールに変換し、次いで酸性または中性条件下、メタノールの含水溶液と反応させることにより、式[5]
    Figure 2004269425
    で示されるトリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体を製造する方法。
JP2003062305A 2003-03-07 2003-03-07 トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の製造方法 Pending JP2004269425A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003062305A JP2004269425A (ja) 2003-03-07 2003-03-07 トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003062305A JP2004269425A (ja) 2003-03-07 2003-03-07 トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004269425A true JP2004269425A (ja) 2004-09-30

Family

ID=33124265

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003062305A Pending JP2004269425A (ja) 2003-03-07 2003-03-07 トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004269425A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2305625B1 (en) Process for production of benzaldehyde compound
KR20190049863A (ko) 2-엑소-(2-메틸벤질옥시)-1-메틸-4-이소프로필-7-옥사바이시클로[2.2.1]헵탄의 제조 방법
KR20140068888A (ko) 4-치환 이미다졸의 신규 제조방법
JP5211876B2 (ja) 高純度2’−トリフルオロメチルプロピオフェノンの製造方法
CN109535120B (zh) 7-取代-3,4,4,7-四氢环丁烷并香豆素-5-酮的制备方法
JP5816037B2 (ja) 3,3,3−トリフルオロプロパノール類の製造方法
JP2004269425A (ja) トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の製造方法
CN111518034A (zh) 他汀类化合物及其中间体的制备方法
WO2007037119A1 (ja) 3,3,3-トリフルオロプロピオンアルデヒドの製造方法
JP4278938B2 (ja) トリフルオロメチル置換2−アルコキシアセトフェノン誘導体の製造方法
JP2008162902A (ja) ジフルオロ酢酸エステルの製造方法
EP1546126B1 (en) Process for producing trifluoromethyl-substituted 2-alkoxyacetophenone derivatives
JPWO1999038828A1 (ja) ブタントリオール誘導体の製造法
ES2974301T3 (es) Compuestos éter vinílico, compuesto aldehído, proceso para preparar el compuesto aldehído y un compuesto carboxilato a partir de los mismos
JP2006298855A (ja) 3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法
JP2006298854A (ja) 3,3,3−トリフルオロプロピオン酸の製造方法
JP3312414B2 (ja) ジエン酸ハライド類の製造方法
JP4022413B2 (ja) パーフルオロアルキルアクリル酸多量体および多量体組成物ならびにそれらの製造方法
US20250011297A1 (en) Process and intermediates for preparation of isofetamid
JP2013151452A (ja) 光学活性トルフルオロメチル基含有イミン誘導体、その製造方法並びにそれを用いたトリフルオロメチル基含有光学活性アミン誘導体の製造方法
JPS6151575B2 (ja)
JP2009215196A (ja) 光学活性ペルフルオロアルキル第2級アルコール誘導体の製造法
JP2002316972A (ja) 光学活性3−シアノ−2−メチルプロパノール誘導体の製造法
JP2004315434A (ja) トリフルオロメチル置換2−ブロモアセトフェノンおよびトリフルオロメチル置換2−ヒドロキシアセトフェノンの製造方法
JP2008007415A (ja) 新規な含フッ素不飽和シリルエーテル化合物及び該化合物を中間体とする含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法