JP2004268238A - 電着工具およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電着工具の台金表面に形成した凸部に砥粒を配設した電着工具において、凸部の形成条件および電着条件を改良して、工具の切れ味及び切粉の排出性をさらに向上させる。
【解決手段】研削面とする台金2表面に多数の凸部4が形成され、これら多数の凸部4のそれぞれの上面に1個の砥粒5が電着により固定されており、凸部4の高さが砥粒5の平均粒径の0.5〜4倍で、かつ凸部4の上面の面積が砥粒5の平均横断面積の1.2〜4倍であり、凸部4と凸部4の間にメッキ層が形成されていない電着工具とすることにより、凸部4と凸部4の間に大きなチップポケット8が形成され、台金2表面からの砥粒5の突出量も大きくなって、研削液の供給と切粉の排出が良好となり、研削抵抗も低減する。
【選択図】 図1
【解決手段】研削面とする台金2表面に多数の凸部4が形成され、これら多数の凸部4のそれぞれの上面に1個の砥粒5が電着により固定されており、凸部4の高さが砥粒5の平均粒径の0.5〜4倍で、かつ凸部4の上面の面積が砥粒5の平均横断面積の1.2〜4倍であり、凸部4と凸部4の間にメッキ層が形成されていない電着工具とすることにより、凸部4と凸部4の間に大きなチップポケット8が形成され、台金2表面からの砥粒5の突出量も大きくなって、研削液の供給と切粉の排出が良好となり、研削抵抗も低減する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は台金表面に砥粒を単層に電着固定した電着工具およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
超硬合金、セラミック、ガラス、半導体材料、鋳鉄、鋼など各種材料の研削や研磨などに、電着法により台金表面に砥粒層を形成した電着工具が使用されている。この電着工具は、総型形状、カップ形状、円盤形状などの台金を、ダイヤモンド砥粒、cBN砥粒などの超砥粒を分散させたメッキ液内に浸漬し、台金に超砥粒を電着させて砥粒層を形成したものである。
【0003】
このような電着工具は、砥粒を単層に固着させたものが一般的である。単層構造のものは、砥粒と砥粒の間にメッキ金属が析出することでメッキ金属により砥粒が強固に保持され、かつ砥粒の先端が十分に露出されていることから、切れ味に優れ、高能率研削が可能である。しかしその反面、砥粒の密度が高いために、研削により砥粒の先端部の一部が摩耗してしまうと研削抵抗が著しく上昇して切れ味が大きく低下してしまう。また、切粉の排出性が低く、目詰まりや溶着を引き起こす傾向がある。
【0004】
このような問題に対処して、砥粒密度を低くするために砥粒を台金表面に均一に分散させることが行われている。そのための手段として本発明者は、台金の表面に非マスキング部を有する絶縁物のマスキングを施し、この非マスキング部に砥粒を電着するにあたり、マスキングシートの厚さを電着する砥粒粒径の50〜150%の範囲とし、かつ非マスキング部の孔の内径を砥粒粒径の110〜160%の範囲とする電着砥石の製造方法を発明した(特許文献1参照)。
この方法により製造された電着砥石では、マスキングシートの厚さと非マスキング部の孔の内径を所定の値にすることによって、台金に電着される砥粒が、形成された非マスキング部パターンに対応して1個づつ分散されるようになる。
【0005】
しかし、この製造方法では、仮固定した砥粒を本固定するために、再度メッキ液中にて電気メッキを施し、台金表面に砥粒粒径の30〜70%程度の厚さのメッキ層を析出させている。したがって、メッキ層上面からの砥粒突出高さは砥粒粒径の30〜70%程度しかないことになり、これでは切れ味の向上効果は小さく、また切粉の排出効果の向上もあまり期待できない。この点を改良するものとして、台金から隆起するマウンド部とこのマウンド部上に金属結合層で固着した単一の砥粒とを有する小砥粒層を台金上に所定間隔で複数配列した砥石が提案されている(特許文献2参照)。この砥石によれば、小砥粒層部の砥粒だけが被研削剤に接触するので、切れ味が良く切粉の排出性もよい、とされている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−285846号公報(段落番号0008−0012)
【特許文献2】
特開2001−105327号公報(段落番号0008)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献2記載の砥石においては、台金から隆起したマウンド部とこのマウンド部の間は切粉の排出経路となるため、硬質な被研削材を研削した場合は、切粉がマウンド部に接触してマウンド部が摩耗し、マウンド部の上面に固着されている砥粒の脱落が発生して工具寿命が短くなるという問題がある。
【0008】
このような問題は、円盤状の回転砥石に限らず、カップ型形状や総型形状の砥石、その他の形状の電着工具全般にいえることである。
本発明が解決すべき課題は、電着工具の台金表面に形成した凸部に砥粒を配設した電着工具において、凸部の形成条件を改良して、凸部の摩耗を軽減し工具の寿命の延長をはかることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電着工具は、研削面とする台金表面に微小粒径の砥粒を含んだ金属結合材からなる円柱状の凸部が多数形成され、これらの凸部のそれぞれの上面に1個の研削用砥粒が電着により固定されており、前記凸部の高さが前記研削用砥粒の平均粒径の0.5〜6倍で、かつ前記凸部の外径が前記研削用砥粒の平均粒径の1.1〜1.5倍であり、凸部と凸部の間にメッキ層が形成されていない電着工具である。
【0010】
上記の電着工具は、所定の孔径で多数の孔を形成したマスキングシートを作成し、このマスキングシートを研削面とする台金表面に貼付して台金表面に多数の孔による非マスキング部を有するマスキングパターンを形成する工程と、前記マスキングパターンを形成した状態で平均粒径が20μm以下の微小砥粒を懸濁させた電解メッキ液中で電気メッキ処理を行って非マスキング部の孔内に前記微小砥粒を含むメッキ金属を析出させて台金表面に前記微小砥粒を含むメッキ金属からなる多数の凸部を形成する工程と、前記マスキングパターンを形成した状態で電気メッキ処理を行って前記多数の凸部のそれぞれの上面に1個の研削用砥粒を電着固定する工程と、を含む製造方法により製造することができる。
【0011】
本発明の電着工具では、台金表面に形成した凸部の上面に研削用砥粒が1個づつ電着固定され、凸部および研削用砥粒はマスキングパターンに従って均一に分散配置され、凸部と凸部の間にはメッキ層が形成されていないので、凸部と凸部の間に大きなチップポケットが形成され、台金表面からの研削用砥粒の突出量も大きく、研削液の供給と切粉の排出が良好となり、研削抵抗も低減する。さらに、凸部は微小粒径の砥粒を含んだ金属結合材により形成されているので、硬質な被研削材を研削したときの凸部への切粉接触に対する耐摩耗性が高く、凸部は摩耗しにくいので、凸部上面に固着された研削用砥粒の脱落を防止でき、工具の寿命も長くなる。
【0012】
台金表面に形成される凸部の高さは、マスキングシートの非マスキング部となる孔の深さ(マスキングシートの厚さ)とこの孔内に凸部形成のために析出させる微小砥粒入りのメッキ金属の析出厚さとによって決まるが(析出厚さは孔の深さよりも研削用砥粒の粒径の50〜150%分だけ低い)、この凸部の高さが研削用砥粒の平均粒径の0.5倍未満であると、チップポケットが小さくなり、研削液の供給と切粉の排出性の向上が期待できず、かつ十分な切り込み深さを得ることができず研削抵抗軽減の効果も期待できない。凸部の高さが研削用砥粒の平均粒径の6倍を超えると、研削研削時に被研削物への切り込み深さが深くなりすぎ、研削用砥粒に加わる衝撃が大きく研削用砥粒が脱落しやすくなる。凸部の高さを研削用砥粒の平均粒径の0.5〜6倍とするためのマスキングシートの必要厚さ(孔の必要深さ)は研削用砥粒の平均粒径の1〜7.5倍となる。
【0013】
円柱状の凸部の外径は、マスキングシートの孔の内径によって決まるが、凸部の外径(マスキングシートの孔径)が研削用砥粒の平均粒径の1.1倍未満であると、研削用砥粒を凸部上面に電気メッキ処理により電着固定する際に研削用砥粒が1個づつ安定して固定しにくくなる。また固定できたとしても、凸部の外径が研削用砥粒の平均粒径の1.1倍未満であると研削用砥粒を固定するための面積が狭くなることから、研削砥粒の保持力が弱く研削加工時に研削用砥粒が脱落しやすくなる。また凸部の外径(マスキングシートの孔径)が研削用砥粒の平均粒径の1.5倍を超えると、研削用砥粒を凸部上面に電気メッキ処理により電着固定する際に固定される研削砥粒が2個以上固定されてしまうなど、均等な分散ができなくなる。そのため、被研削物へ接触する研削用砥粒数が多くなる、あるいはばらつきが大きくなるため、安定した研削ができず、研削抵抗軽減の効果も少ない。
【0014】
ここで、凸部を形成するメッキ金属に含ませる微小粒径の砥粒の平均粒径を20μm以下とすることが望ましい。この微小粒径の砥粒の平均粒径が20μmより大きいと、メッキ浴中での沈降速度が速いため、台金表面に堆積してマスキングパターンの非マスキング部を塞いでしまうことから電気抵抗が高くなり、メッキ焼けが発生するなど、安定したメッキ析出ができず、凸部を形成することができなくなる。この凸部形成用のメッキ金属に含ませる砥粒としては、ダイヤモンド砥粒、cBN砥粒、SiC砥粒、Si3N4砥粒、Al2O3砥粒を用いることができる。
【0015】
また、隣り合う凸部の中心間隔を、使用する研削用砥粒の平均粒径の1.5〜3.5倍とするのが望ましい。凸部の中心間隔が研削用砥粒の平均粒径の1.5倍未満であると、被研削物に接触する砥粒数が多くなり、砥粒の切り込み深さが浅くなることから、研削抵抗の低減効果が小さくなる。凸部の中心間隔が研削用砥粒の平均粒径の3.5倍を超えると、砥粒数が少なすぎるため研削時の個々の砥粒に加わる衝撃が大きくなり、砥粒が脱落しやすくなる。
【0016】
本発明の電着工具の製造方法は、微小粒径の砥粒を含んだメッキ金属により台金表面に形成した凸部の上面に砥粒を電着固定する点と、凸部と凸部の間にメッキ層を形成しない点を除いて、前述の特開平5−285846号公報に記載の製造方法に準じた製造方法を採用することができる。ただし、研削用砥粒を電着固定する方法は異なり、本発明の製造方法においては、マスキングパターンを形成した状態で微小砥粒を懸濁させた電解メッキ液中で電気メッキ処理を行って非マスキング部の孔内に微小砥粒を含むメッキ金属を析出させて台金表面に微小砥粒を含むメッキ金属からなる凸部を形成した後、そのままメッキ液中にて砥粒を台金表面に散布して非マスキング部の孔内に砥粒を1個づつ入れ込み、電気メッキ処理により砥粒を仮固定した後、余分な砥粒を除去し、マスキングパターンを形成した状態のままで電気メッキ処理により研削用砥粒を本固定する。この後マスキングパターンを除去することにより、凸部と凸部の間にはメッキ層が形成されておらず、凸部の上面に研削用砥粒が固着された研削作用面が形成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を回転円板砥石に適用した実施形態における砥粒の配置状態を模式的に示す図であり、(a)は砥石の外観を示す斜視図、(b)は砥粒の配置を示す部分平面図、(c)は砥粒の配置を示す部分断面図である。
【0018】
砥石1は、円板状の台金2の外周面に砥粒層3が形成された砥石である。砥粒層3は、微小粒径の砥粒を含んだメッキ金属により台金表面に形成された多数の凸部4の上面にそれぞれ1個の研削用の砥粒5をメッキ金属層7(仮固定のためのメッキ金属層6を含む)により電着して形成されている。これにより、台金2表面からの砥粒5の突出高さは凸部4の高さ分だけ高くなり、さらに凸部4どうしの間に大きなチップポケットが形成されて、研削液の供給と切粉の排出性が向上し、研削抵抗が低減する。また切粉の排出により、切粉は凸部4に接触するが、凸部4は微小粒径の硬質の砥粒を含んだメッキ金属により形成されているので耐摩耗性が高く、寿命も長くなる。
【0019】
砥粒5は平均粒径が約220μmのダイヤモンド砥粒である。凸部4は円柱状で、高さHは約450μm(砥粒5の平均粒径の約2.05倍)、外径Dは約250μm(砥粒5の平均粒径の約1.14倍)であり、凸部4の中心間隔Lは約500μm(砥粒平均粒径の約2.27倍)である。凸部4を形成するメッキ金属中の微小砥粒は、平均粒径5μmのダイヤモンド砥粒である。
【0020】
図2は図1に示す砥石1の砥粒層3の形成方法の説明図である。
まず、図2(a)に示すように、深さ660μmの多数の孔で非マスキング部13が形成されるように転写紙11上に熱硬化性樹脂インクにより印刷してマスキング部12を形成し、これを常温で乾燥する。ついで、マスキング部12の上面(インク上面)にプラスチックフィルム14を貼り付け、マスキングシート10を作製する。非マスキング部13である孔の内径は約250μm、非マスキング部13どうしの中心間隔は約500μmであり、非マスキング部13の平面的な配置は角度60度づつずらした千鳥状配置である。
【0021】
つぎに、マスキングシート10を水に浸漬し、転写紙11を剥がし取り、台金2の外周面に貼り付ける。なお、台金2の側面2aおよび取付孔2b(図1(a)参照)には孔のない通常のメッキ用マスキングテープでマスキングする。この後、120℃の雰囲気中で1時間程度、熱硬化性インクを乾燥硬化させて、プラスチックフィルム14を剥ぎ取ることにより、多数の孔が非マスキング部13となるマスキングパターンが台金2表面に形成される。
【0022】
つぎに、マスキングパターンを形成した状態で、台金2表面にメッキ前処理を行い、その後平均粒径が5μmのダイヤモンド砥粒をメッキ液1リットルあたり5gの割合で混合懸濁させたメッキ液中にて、電流密度約1.2A/dm2の電流を約30時間流して、非マスキング13の内部に高さ約450μmの微小ダイヤモンド砥粒を含んだメッキ金属層15を析出させる。このメッキ金属層15が図1(c)に示す台金2表面の凸部4となる。
【0023】
ついで、メッキ液中に研削用砥粒を散布し、メッキ液に振動を与えて1つ1つの非マスキング部13内のメッキ金属層15上に砥粒5を1個づつ入れ込み、その後メッキ液中に電流密度約0.3A/dm2の電流を約8時間流し、研削用砥粒の平均粒径の10〜15%の厚さのメッキ金属層6を析出させて、砥粒5をメッキ金属層15上面に仮固定する(図2(c)参照)。その後、余分な砥粒5aを除去し、再度メッキ液中に電流密度約0.5A/dm2の電流を約6時間流し、砥粒5がその粒径の60〜70%がメッキ金属層7に沈み込む程度に調整し、砥粒5を本固定する(図2(d)参照)。
【0024】
この後、台金2の側面2aと取付孔2bのマスキングテープを剥がし、全体を溶剤に浸漬してマスキング部12を剥離除去することにより、台金2表面の凸部4上面に砥粒5が固着され、凸部4どうしの間にはメッキ層が形成されていない空間(チップポケット)8を有する砥粒層3が形成され(図2(e)参照)、図1(a)に示す回転円板砥石1が得られる。
【0025】
本発明の効果を確認するために、上記実施形態の回転円板砥石(発明品)と、上記実施形態と同じ台金と砥粒およびメッキ液を用いて特許文献1に記載の方法により製造した回転円板砥石(比較品)を使用して研削試験を行った。
〔試験条件〕
研削機械:平面研削盤
被研削材:超硬合金G2
砥石周速度:1700m/min
切り込み量:20μm/パス
テーブル送り速度:10m/min
研削方式:プランジカット
研削液:ソリュブルタイプ
【0026】
図3は試験結果を示す図であり、(a)は研削量と消費電力の関係を示す図、(b)は研削量と研削後の被研削材の面粗さの関係を示す図、(c)は研削量と砥石半径方向の摩耗量の関係を示す図である。
【0027】
同図(a)に示すように、消費電力に関しては、比較品はメッキ層上面からの砥粒の突出高さが低いので、切れ味と切粉の排出が不十分で、消費電力は高い値を示している。これに対し発明品は、研削用砥粒が凸部の上面に固着されているので台金表面からの砥粒の突出高さが高く、かつチップポケットが大きいので、研削液の供給と切粉の排出性が向上し、研削抵抗が低減して、低い消費電力を示している。発明品の平均消費電力は比較品の平均消費電力に比較して約39%低い。
【0028】
同図(b)に示すように、研削後の被研削材の面粗さに関しては、発明品は、砥粒の突出高さが高く、かつ切り刃間隔が大きいことから切り込み深さが大きくなり、このため被研削材の面粗さは比較品よりも僅かに大きくなっている。ただし、実用面で問題となる面粗さではない。
同図(c)に示すように、砥石半径方向の摩耗量に関しては、発明品は比較品とほぼ同等の値を示した。
【0029】
さらに、台金表面に形成する凸部に微小砥粒を含ませたことの効果を確認するために、凸部に微小砥粒を含まない砥石を製造して研削試験を行った。被研削材としては、切粉の接触によりメッキ金属を摩耗させやすいものを使用した。
〔試験条件〕
研削機械:平面研削盤
被研削材:常圧焼結窒化珪素
砥石周速度:1800m/min
切り込み量:20μm/パス
テーブル送り速度:20m/min
研削液:ノリタケクールSA−02(商品名)
【0030】
試験結果は、比較品の砥石は発明品の砥石に比較して寿命は約46%短かった。これは比較品の砥石の場合、凸部に微小砥粒を含まないので耐摩耗性が低く、研削時に凸部と凸部の間を通過する切粉が凸部に接触したときに凸部が摩耗することで凸部上面の研削用砥粒が不安定な固定状態となり、まだ使用できる状態においても研削用砥粒が脱落してしまうためである。これに対し発明品の砥石では、切粉接触による凸部の摩耗が少ないので、研削用砥粒の安定固着状態が持続され、研削用砥粒を有効使用することができ、寿命も長くなる。
【0031】
【発明の効果】
研削面とする台金表面に微小粒径の砥粒を含んだ金属結合材からなる円柱状の凸部が多数形成され、これらの凸部のそれぞれの上面に1個の研削用砥粒が電着により固定されており、前記凸部の高さが前記研削用砥粒の平均粒径の0.5〜6倍で、かつ前記凸部の外径が前記研削用砥粒の平均粒径の1.1〜1.5倍であり、凸部と凸部の間にメッキ層が形成されていない電着工具とすることにより、凸部と凸部の間に大きなチップポケットが形成され、台金表面からの砥粒の突出量も大きくなって、研削液の供給と切粉の排出が良好となり、研削抵抗も低減する。さらに、凸部の切粉に対する耐摩耗性が向上し、工具の長寿命化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を回転円板砥石に適用した実施形態における砥粒の配置状態を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す砥石の砥粒層の形成方法の説明図である。
【図3】研削試験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 砥石
2 台金
2a 台金の側面
2b 台金の取付孔
3 砥粒層
4 凸部
5 砥粒
5a 砥粒
6,7,15 メッキ金属層
8 空間(チップポケット)
10 マスキングシート
11 転写紙
12 マスキング部
13 非マスキング部
14 プラスチックフィルム
【発明の属する技術分野】
本発明は台金表面に砥粒を単層に電着固定した電着工具およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
超硬合金、セラミック、ガラス、半導体材料、鋳鉄、鋼など各種材料の研削や研磨などに、電着法により台金表面に砥粒層を形成した電着工具が使用されている。この電着工具は、総型形状、カップ形状、円盤形状などの台金を、ダイヤモンド砥粒、cBN砥粒などの超砥粒を分散させたメッキ液内に浸漬し、台金に超砥粒を電着させて砥粒層を形成したものである。
【0003】
このような電着工具は、砥粒を単層に固着させたものが一般的である。単層構造のものは、砥粒と砥粒の間にメッキ金属が析出することでメッキ金属により砥粒が強固に保持され、かつ砥粒の先端が十分に露出されていることから、切れ味に優れ、高能率研削が可能である。しかしその反面、砥粒の密度が高いために、研削により砥粒の先端部の一部が摩耗してしまうと研削抵抗が著しく上昇して切れ味が大きく低下してしまう。また、切粉の排出性が低く、目詰まりや溶着を引き起こす傾向がある。
【0004】
このような問題に対処して、砥粒密度を低くするために砥粒を台金表面に均一に分散させることが行われている。そのための手段として本発明者は、台金の表面に非マスキング部を有する絶縁物のマスキングを施し、この非マスキング部に砥粒を電着するにあたり、マスキングシートの厚さを電着する砥粒粒径の50〜150%の範囲とし、かつ非マスキング部の孔の内径を砥粒粒径の110〜160%の範囲とする電着砥石の製造方法を発明した(特許文献1参照)。
この方法により製造された電着砥石では、マスキングシートの厚さと非マスキング部の孔の内径を所定の値にすることによって、台金に電着される砥粒が、形成された非マスキング部パターンに対応して1個づつ分散されるようになる。
【0005】
しかし、この製造方法では、仮固定した砥粒を本固定するために、再度メッキ液中にて電気メッキを施し、台金表面に砥粒粒径の30〜70%程度の厚さのメッキ層を析出させている。したがって、メッキ層上面からの砥粒突出高さは砥粒粒径の30〜70%程度しかないことになり、これでは切れ味の向上効果は小さく、また切粉の排出効果の向上もあまり期待できない。この点を改良するものとして、台金から隆起するマウンド部とこのマウンド部上に金属結合層で固着した単一の砥粒とを有する小砥粒層を台金上に所定間隔で複数配列した砥石が提案されている(特許文献2参照)。この砥石によれば、小砥粒層部の砥粒だけが被研削剤に接触するので、切れ味が良く切粉の排出性もよい、とされている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−285846号公報(段落番号0008−0012)
【特許文献2】
特開2001−105327号公報(段落番号0008)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献2記載の砥石においては、台金から隆起したマウンド部とこのマウンド部の間は切粉の排出経路となるため、硬質な被研削材を研削した場合は、切粉がマウンド部に接触してマウンド部が摩耗し、マウンド部の上面に固着されている砥粒の脱落が発生して工具寿命が短くなるという問題がある。
【0008】
このような問題は、円盤状の回転砥石に限らず、カップ型形状や総型形状の砥石、その他の形状の電着工具全般にいえることである。
本発明が解決すべき課題は、電着工具の台金表面に形成した凸部に砥粒を配設した電着工具において、凸部の形成条件を改良して、凸部の摩耗を軽減し工具の寿命の延長をはかることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電着工具は、研削面とする台金表面に微小粒径の砥粒を含んだ金属結合材からなる円柱状の凸部が多数形成され、これらの凸部のそれぞれの上面に1個の研削用砥粒が電着により固定されており、前記凸部の高さが前記研削用砥粒の平均粒径の0.5〜6倍で、かつ前記凸部の外径が前記研削用砥粒の平均粒径の1.1〜1.5倍であり、凸部と凸部の間にメッキ層が形成されていない電着工具である。
【0010】
上記の電着工具は、所定の孔径で多数の孔を形成したマスキングシートを作成し、このマスキングシートを研削面とする台金表面に貼付して台金表面に多数の孔による非マスキング部を有するマスキングパターンを形成する工程と、前記マスキングパターンを形成した状態で平均粒径が20μm以下の微小砥粒を懸濁させた電解メッキ液中で電気メッキ処理を行って非マスキング部の孔内に前記微小砥粒を含むメッキ金属を析出させて台金表面に前記微小砥粒を含むメッキ金属からなる多数の凸部を形成する工程と、前記マスキングパターンを形成した状態で電気メッキ処理を行って前記多数の凸部のそれぞれの上面に1個の研削用砥粒を電着固定する工程と、を含む製造方法により製造することができる。
【0011】
本発明の電着工具では、台金表面に形成した凸部の上面に研削用砥粒が1個づつ電着固定され、凸部および研削用砥粒はマスキングパターンに従って均一に分散配置され、凸部と凸部の間にはメッキ層が形成されていないので、凸部と凸部の間に大きなチップポケットが形成され、台金表面からの研削用砥粒の突出量も大きく、研削液の供給と切粉の排出が良好となり、研削抵抗も低減する。さらに、凸部は微小粒径の砥粒を含んだ金属結合材により形成されているので、硬質な被研削材を研削したときの凸部への切粉接触に対する耐摩耗性が高く、凸部は摩耗しにくいので、凸部上面に固着された研削用砥粒の脱落を防止でき、工具の寿命も長くなる。
【0012】
台金表面に形成される凸部の高さは、マスキングシートの非マスキング部となる孔の深さ(マスキングシートの厚さ)とこの孔内に凸部形成のために析出させる微小砥粒入りのメッキ金属の析出厚さとによって決まるが(析出厚さは孔の深さよりも研削用砥粒の粒径の50〜150%分だけ低い)、この凸部の高さが研削用砥粒の平均粒径の0.5倍未満であると、チップポケットが小さくなり、研削液の供給と切粉の排出性の向上が期待できず、かつ十分な切り込み深さを得ることができず研削抵抗軽減の効果も期待できない。凸部の高さが研削用砥粒の平均粒径の6倍を超えると、研削研削時に被研削物への切り込み深さが深くなりすぎ、研削用砥粒に加わる衝撃が大きく研削用砥粒が脱落しやすくなる。凸部の高さを研削用砥粒の平均粒径の0.5〜6倍とするためのマスキングシートの必要厚さ(孔の必要深さ)は研削用砥粒の平均粒径の1〜7.5倍となる。
【0013】
円柱状の凸部の外径は、マスキングシートの孔の内径によって決まるが、凸部の外径(マスキングシートの孔径)が研削用砥粒の平均粒径の1.1倍未満であると、研削用砥粒を凸部上面に電気メッキ処理により電着固定する際に研削用砥粒が1個づつ安定して固定しにくくなる。また固定できたとしても、凸部の外径が研削用砥粒の平均粒径の1.1倍未満であると研削用砥粒を固定するための面積が狭くなることから、研削砥粒の保持力が弱く研削加工時に研削用砥粒が脱落しやすくなる。また凸部の外径(マスキングシートの孔径)が研削用砥粒の平均粒径の1.5倍を超えると、研削用砥粒を凸部上面に電気メッキ処理により電着固定する際に固定される研削砥粒が2個以上固定されてしまうなど、均等な分散ができなくなる。そのため、被研削物へ接触する研削用砥粒数が多くなる、あるいはばらつきが大きくなるため、安定した研削ができず、研削抵抗軽減の効果も少ない。
【0014】
ここで、凸部を形成するメッキ金属に含ませる微小粒径の砥粒の平均粒径を20μm以下とすることが望ましい。この微小粒径の砥粒の平均粒径が20μmより大きいと、メッキ浴中での沈降速度が速いため、台金表面に堆積してマスキングパターンの非マスキング部を塞いでしまうことから電気抵抗が高くなり、メッキ焼けが発生するなど、安定したメッキ析出ができず、凸部を形成することができなくなる。この凸部形成用のメッキ金属に含ませる砥粒としては、ダイヤモンド砥粒、cBN砥粒、SiC砥粒、Si3N4砥粒、Al2O3砥粒を用いることができる。
【0015】
また、隣り合う凸部の中心間隔を、使用する研削用砥粒の平均粒径の1.5〜3.5倍とするのが望ましい。凸部の中心間隔が研削用砥粒の平均粒径の1.5倍未満であると、被研削物に接触する砥粒数が多くなり、砥粒の切り込み深さが浅くなることから、研削抵抗の低減効果が小さくなる。凸部の中心間隔が研削用砥粒の平均粒径の3.5倍を超えると、砥粒数が少なすぎるため研削時の個々の砥粒に加わる衝撃が大きくなり、砥粒が脱落しやすくなる。
【0016】
本発明の電着工具の製造方法は、微小粒径の砥粒を含んだメッキ金属により台金表面に形成した凸部の上面に砥粒を電着固定する点と、凸部と凸部の間にメッキ層を形成しない点を除いて、前述の特開平5−285846号公報に記載の製造方法に準じた製造方法を採用することができる。ただし、研削用砥粒を電着固定する方法は異なり、本発明の製造方法においては、マスキングパターンを形成した状態で微小砥粒を懸濁させた電解メッキ液中で電気メッキ処理を行って非マスキング部の孔内に微小砥粒を含むメッキ金属を析出させて台金表面に微小砥粒を含むメッキ金属からなる凸部を形成した後、そのままメッキ液中にて砥粒を台金表面に散布して非マスキング部の孔内に砥粒を1個づつ入れ込み、電気メッキ処理により砥粒を仮固定した後、余分な砥粒を除去し、マスキングパターンを形成した状態のままで電気メッキ処理により研削用砥粒を本固定する。この後マスキングパターンを除去することにより、凸部と凸部の間にはメッキ層が形成されておらず、凸部の上面に研削用砥粒が固着された研削作用面が形成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を回転円板砥石に適用した実施形態における砥粒の配置状態を模式的に示す図であり、(a)は砥石の外観を示す斜視図、(b)は砥粒の配置を示す部分平面図、(c)は砥粒の配置を示す部分断面図である。
【0018】
砥石1は、円板状の台金2の外周面に砥粒層3が形成された砥石である。砥粒層3は、微小粒径の砥粒を含んだメッキ金属により台金表面に形成された多数の凸部4の上面にそれぞれ1個の研削用の砥粒5をメッキ金属層7(仮固定のためのメッキ金属層6を含む)により電着して形成されている。これにより、台金2表面からの砥粒5の突出高さは凸部4の高さ分だけ高くなり、さらに凸部4どうしの間に大きなチップポケットが形成されて、研削液の供給と切粉の排出性が向上し、研削抵抗が低減する。また切粉の排出により、切粉は凸部4に接触するが、凸部4は微小粒径の硬質の砥粒を含んだメッキ金属により形成されているので耐摩耗性が高く、寿命も長くなる。
【0019】
砥粒5は平均粒径が約220μmのダイヤモンド砥粒である。凸部4は円柱状で、高さHは約450μm(砥粒5の平均粒径の約2.05倍)、外径Dは約250μm(砥粒5の平均粒径の約1.14倍)であり、凸部4の中心間隔Lは約500μm(砥粒平均粒径の約2.27倍)である。凸部4を形成するメッキ金属中の微小砥粒は、平均粒径5μmのダイヤモンド砥粒である。
【0020】
図2は図1に示す砥石1の砥粒層3の形成方法の説明図である。
まず、図2(a)に示すように、深さ660μmの多数の孔で非マスキング部13が形成されるように転写紙11上に熱硬化性樹脂インクにより印刷してマスキング部12を形成し、これを常温で乾燥する。ついで、マスキング部12の上面(インク上面)にプラスチックフィルム14を貼り付け、マスキングシート10を作製する。非マスキング部13である孔の内径は約250μm、非マスキング部13どうしの中心間隔は約500μmであり、非マスキング部13の平面的な配置は角度60度づつずらした千鳥状配置である。
【0021】
つぎに、マスキングシート10を水に浸漬し、転写紙11を剥がし取り、台金2の外周面に貼り付ける。なお、台金2の側面2aおよび取付孔2b(図1(a)参照)には孔のない通常のメッキ用マスキングテープでマスキングする。この後、120℃の雰囲気中で1時間程度、熱硬化性インクを乾燥硬化させて、プラスチックフィルム14を剥ぎ取ることにより、多数の孔が非マスキング部13となるマスキングパターンが台金2表面に形成される。
【0022】
つぎに、マスキングパターンを形成した状態で、台金2表面にメッキ前処理を行い、その後平均粒径が5μmのダイヤモンド砥粒をメッキ液1リットルあたり5gの割合で混合懸濁させたメッキ液中にて、電流密度約1.2A/dm2の電流を約30時間流して、非マスキング13の内部に高さ約450μmの微小ダイヤモンド砥粒を含んだメッキ金属層15を析出させる。このメッキ金属層15が図1(c)に示す台金2表面の凸部4となる。
【0023】
ついで、メッキ液中に研削用砥粒を散布し、メッキ液に振動を与えて1つ1つの非マスキング部13内のメッキ金属層15上に砥粒5を1個づつ入れ込み、その後メッキ液中に電流密度約0.3A/dm2の電流を約8時間流し、研削用砥粒の平均粒径の10〜15%の厚さのメッキ金属層6を析出させて、砥粒5をメッキ金属層15上面に仮固定する(図2(c)参照)。その後、余分な砥粒5aを除去し、再度メッキ液中に電流密度約0.5A/dm2の電流を約6時間流し、砥粒5がその粒径の60〜70%がメッキ金属層7に沈み込む程度に調整し、砥粒5を本固定する(図2(d)参照)。
【0024】
この後、台金2の側面2aと取付孔2bのマスキングテープを剥がし、全体を溶剤に浸漬してマスキング部12を剥離除去することにより、台金2表面の凸部4上面に砥粒5が固着され、凸部4どうしの間にはメッキ層が形成されていない空間(チップポケット)8を有する砥粒層3が形成され(図2(e)参照)、図1(a)に示す回転円板砥石1が得られる。
【0025】
本発明の効果を確認するために、上記実施形態の回転円板砥石(発明品)と、上記実施形態と同じ台金と砥粒およびメッキ液を用いて特許文献1に記載の方法により製造した回転円板砥石(比較品)を使用して研削試験を行った。
〔試験条件〕
研削機械:平面研削盤
被研削材:超硬合金G2
砥石周速度:1700m/min
切り込み量:20μm/パス
テーブル送り速度:10m/min
研削方式:プランジカット
研削液:ソリュブルタイプ
【0026】
図3は試験結果を示す図であり、(a)は研削量と消費電力の関係を示す図、(b)は研削量と研削後の被研削材の面粗さの関係を示す図、(c)は研削量と砥石半径方向の摩耗量の関係を示す図である。
【0027】
同図(a)に示すように、消費電力に関しては、比較品はメッキ層上面からの砥粒の突出高さが低いので、切れ味と切粉の排出が不十分で、消費電力は高い値を示している。これに対し発明品は、研削用砥粒が凸部の上面に固着されているので台金表面からの砥粒の突出高さが高く、かつチップポケットが大きいので、研削液の供給と切粉の排出性が向上し、研削抵抗が低減して、低い消費電力を示している。発明品の平均消費電力は比較品の平均消費電力に比較して約39%低い。
【0028】
同図(b)に示すように、研削後の被研削材の面粗さに関しては、発明品は、砥粒の突出高さが高く、かつ切り刃間隔が大きいことから切り込み深さが大きくなり、このため被研削材の面粗さは比較品よりも僅かに大きくなっている。ただし、実用面で問題となる面粗さではない。
同図(c)に示すように、砥石半径方向の摩耗量に関しては、発明品は比較品とほぼ同等の値を示した。
【0029】
さらに、台金表面に形成する凸部に微小砥粒を含ませたことの効果を確認するために、凸部に微小砥粒を含まない砥石を製造して研削試験を行った。被研削材としては、切粉の接触によりメッキ金属を摩耗させやすいものを使用した。
〔試験条件〕
研削機械:平面研削盤
被研削材:常圧焼結窒化珪素
砥石周速度:1800m/min
切り込み量:20μm/パス
テーブル送り速度:20m/min
研削液:ノリタケクールSA−02(商品名)
【0030】
試験結果は、比較品の砥石は発明品の砥石に比較して寿命は約46%短かった。これは比較品の砥石の場合、凸部に微小砥粒を含まないので耐摩耗性が低く、研削時に凸部と凸部の間を通過する切粉が凸部に接触したときに凸部が摩耗することで凸部上面の研削用砥粒が不安定な固定状態となり、まだ使用できる状態においても研削用砥粒が脱落してしまうためである。これに対し発明品の砥石では、切粉接触による凸部の摩耗が少ないので、研削用砥粒の安定固着状態が持続され、研削用砥粒を有効使用することができ、寿命も長くなる。
【0031】
【発明の効果】
研削面とする台金表面に微小粒径の砥粒を含んだ金属結合材からなる円柱状の凸部が多数形成され、これらの凸部のそれぞれの上面に1個の研削用砥粒が電着により固定されており、前記凸部の高さが前記研削用砥粒の平均粒径の0.5〜6倍で、かつ前記凸部の外径が前記研削用砥粒の平均粒径の1.1〜1.5倍であり、凸部と凸部の間にメッキ層が形成されていない電着工具とすることにより、凸部と凸部の間に大きなチップポケットが形成され、台金表面からの砥粒の突出量も大きくなって、研削液の供給と切粉の排出が良好となり、研削抵抗も低減する。さらに、凸部の切粉に対する耐摩耗性が向上し、工具の長寿命化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を回転円板砥石に適用した実施形態における砥粒の配置状態を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す砥石の砥粒層の形成方法の説明図である。
【図3】研削試験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 砥石
2 台金
2a 台金の側面
2b 台金の取付孔
3 砥粒層
4 凸部
5 砥粒
5a 砥粒
6,7,15 メッキ金属層
8 空間(チップポケット)
10 マスキングシート
11 転写紙
12 マスキング部
13 非マスキング部
14 プラスチックフィルム
Claims (6)
- 研削面とする台金表面に微小粒径の砥粒を含んだ金属結合材からなる円柱状の凸部が多数形成され、これらの凸部のそれぞれの上面に1個の研削用砥粒が電着により固定されており、前記凸部の高さが前記研削用砥粒の平均粒径の0.5〜6倍で、かつ前記凸部の外径が前記研削用砥粒の平均粒径の1.1〜1.5倍であり、凸部と凸部の間にメッキ層が形成されていないことを特徴とする電着工具。
- 前記凸部に含まれる微小粒径の砥粒の平均粒径が20μm以下である請求項1記載の電着工具。
- 前記凸部と凸部の中心間隔が前記凸部の外径の1.5〜3.5倍である請求項1または2記載の電着工具。
- 所定の孔径で多数の孔を形成したマスキングシートを作成し、このマスキングシートを研削面とする台金表面に貼付して台金表面に多数の孔による非マスキング部を有するマスキングパターンを形成する工程と、前記マスキングパターンを形成した状態で平均粒径が20μm以下の微小砥粒を懸濁させた電解メッキ液中で電気メッキ処理を行って非マスキング部の孔内に前記微小砥粒を含むメッキ金属を析出させて台金表面に前記微小砥粒を含むメッキ金属からなる多数の凸部を形成する工程と、前記マスキングパターンを形成した状態で電気メッキ処理を行って前記多数の凸部のそれぞれの上面に1個の研削用砥粒を電着固定する工程と、を含むことを特徴とする電着工具の製造方法。
- 前記マスキングシートの孔の内径を前記研削用砥粒の平均粒径の1.1〜1.5倍とし、前記マスキングシートの厚さを前記研削用砥粒の平均粒径の1〜7.5倍とする請求項4記載の電着工具の製造方法。
- 前記マスキングシートの孔の中心間隔を前記孔の内径の1.5〜3.5倍とする請求項4または5記載の電着工具の製造方法。
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Cited By (2)
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| JP2010120131A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Noritake Super Abrasive Co Ltd | 電着工具およびその製造方法 |
-
2003
- 2003-03-11 JP JP2003065716A patent/JP2004268238A/ja active Pending
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