JP2004266134A - ダイボンディング用樹脂ペースト及びそれを用いた発光ダイオード - Google Patents
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Abstract
【課題】接着性に優れ、高い耐熱性及び高い透明性を有する発光ダイオード用ダイボンディング樹脂を与える発光ダイオード用ダイボンディング樹脂ペーストを提供すること。
【解決手段】(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機系骨格からなる有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)シランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物、(E)シラノール縮合触媒を必須成分として含むことを特徴とする硬化性組成物をダイボンディング用樹脂ペーストとすること。
【選択図】なし
【解決手段】(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機系骨格からなる有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)シランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物、(E)シラノール縮合触媒を必須成分として含むことを特徴とする硬化性組成物をダイボンディング用樹脂ペーストとすること。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はLEDチップを基板等に接着するダイボンディング用樹脂ペーストに関するものであり、更に詳しくは接着性に優れ、高い耐熱性及び透明性を有するダイボンディング用樹脂を与えるダイボンディング用樹脂ペースト(請求項1〜請求項12)、それを硬化させてなるダイボンディング用樹脂(請求項13)、そのダイボンディング用樹脂の製造方法(請求項14)、及びそれによって固定されたLEDチップを有する発光ダイオード(請求項15)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発光素子(以下、LEDチップともいう。)は小型で効率よく鮮やかな色の発光をする。また、半導体素子であるため球切れがない。駆動特性が優れ、振動やON/OFF点灯の繰り返しに強いという特徴を有する。そのため、各種インジケーターや種々の光源として利用されている。LEDチップは基板にダイボンディング用樹脂ペースト(以下、マウント部材ともいう。)により固定される。近年、発光ダイオードの利用分野の広がりと共に、より信頼性が高く長期間かつ、高輝度に発光可能な発光ダイオードが求められている。高輝度に発光可能なLEDチップ(以下、パワーLEDともいう)はチップからの発熱が大きいため、それを固定しているダイボンディング用樹脂には接着性のほかに高い耐熱性が求められている。一方、窒化物系化合物半導体をLEDチップに用いた場合、発光ダイオードの光特性向上のためにダイボンディング用樹脂内部での反射及びそれを通過した光を高反射率の材料が用いられた基板などによって反射させる構造をとる。そのため、LEDチップ近傍は光が部分的に密に閉じ込められ、LEDチップ近傍の光密度が極めて高くなる。従って、該LEDチップを固定しているダイボンディング用樹脂には接着性、耐熱性のほかに高い透明性が求められている。
【0003】
従来、付加型反応硬化型(ヒドロシリル化)シリコーンにおいて、エポキシ基及びアルコキシ基がケイ素原子に結合した有機ケイ素化合物と有機アルミニウム化合物を含有した硬化性組成物が良好な密着性を示し、粘着シート、加工布等に応用する技術が提案されている(特許文献1、特許文献2)。しかしながら、この技術で得られる材料は、硬度、タック性、光学特性の観点から発光ダイオード用のダイボンディング用樹脂としては向いていない。また、付加型反応硬化型(ヒドロシリル化)液状組成物にエポキシ樹脂及びアルミニウム化合物を添加し接着性を向上させる技術が提案されている(特許文献3)。しかしながら、得られた硬化物の透明性については開示されておらず、光学材料用途、特に発光ダイオード用のダイボンディング用樹脂に関しては何ら開示されていなかった。
【0004】
また、縮合反応硬化型シリコーンにおいて、建造物目地部のシーリング材として使用する場合に、ほう酸エステルを添加することにより目地深さが浅い場合でも被着体との良好な接着性を発現できることが開示されている(特許文献4)。しかしながら本系は室温硬化であり、加熱硬化での効果発現や、反応形式が異なる付加反応型の系に適応した場合の効果発現に関しては何ら開示されていなかった。
【0005】
一方、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、ヒドロシリル化触媒を含有する硬化性組成物からなる硬化物が発光ダイオード用の封止剤として適用可能なことが知られている(特許文献5)。しかしながら、発光ダイオード用のダイボンディング用樹脂に必要な接着性を保持したまま耐熱性、透明性を与える手法については何ら開示されていなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平08−183934
【0007】
【特許文献2】
特開平05−140459
【0008】
【特許文献3】
特許第3354973号
【0009】
【特許文献4】
特開昭59−155483
【0010】
【特許文献5】
特開2002−314140
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、接着性に優れ、高い耐熱性及び透明性を有するダイボンディング用樹脂を与えるダイボンディング用樹脂ペースト、さらには該ダイボンディング用樹脂ペーストを硬化させてなるダイボンディング用樹脂、該ダイボンディング用樹脂の製造方法、及び該ダイボンディング用樹脂によって固定されたLEDチップを有する発光ダイオードを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために本発明者らは鋭意研究の結果、
(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機系骨格からなる有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)シランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物、(E)シラノール縮合触媒を必須成分として含むことを特徴とする硬化性組成物よりなるダイボンディング用樹脂ペーストとすることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
【0013】
すなわち、本発明は、
(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機系骨格からなる有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)シランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物、(E)シラノール縮合触媒を必須成分として含むことを特徴とする硬化性組成物よりなるダイボンディング用樹脂ペースト(請求項1)であって、
(E)成分が有機アルミニウム化合物及び/又はほう酸エステルであることを特徴とする請求項1記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項2)であって、
(D)成分が分子中にエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基及びカルバメート基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基と加水分解性のケイ素基を有するシランカップリング剤である、請求項1乃至2記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項3)であって、
(D)成分が分子中にエポキシ基と加水分解性のケイ素基を有するシランカップリング剤である、請求項1乃至2記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項4)であって、
(E)成分がアルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコラート化合物である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項5)であって、。
【0014】
(E)成分がアルミニウムエチルアセトアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセトアセテートジイソブチレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート及びアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)からなる群より選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項6)であって、
(E)成分がほう酸トリノルマルオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリエチル及びほう酸トリメチルからなる群より選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項7)であって、
(A)成分が下記一般式(I)
【0015】
【化2】
(式中R1は炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよい。)で表される有機化合物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項8)であって、
(A)成分がトリアリルイソシアヌレートであり、(B)成分が1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサンとジビニルベンゼンの反応物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項9)であって、
(A)成分がトリアリルイソシアヌレートであり、(B)成分が1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項10)であって、
請求項1〜10のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストに無機部材が含有することを特徴とするダイボンディング用樹脂ペースト(請求項11)であって、
請求項11記載の無機部材が銀、金、アルミニウム、銅、アルミナ、シリカ、酸化チタン、窒化硼素、窒化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、ITOから選択される少なくとも1種である請求項11記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項12)であって、
請求項1〜12のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストを硬化させてなるダイボンディング用樹脂(請求項13)であって、
請求項1〜12のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストを硬化させてなるダイボンディング用樹脂の製造方法(請求項14)であって、
基板上に請求項1〜12のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストによって固定されたLEDチップを有する発光ダイオード(請求項15)である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明でいうダイボンディング用樹脂ペーストとは硬化性組成物、及び/または無機部材、及び/またはその他の粘度調整剤、溶剤等の添加剤を含むものであり、該ダイボンディング用樹脂ペーストを基板、電極、基材等に塗布し、硬化させることで半導体(LEDチップ等)を基板、電極、基材に接着させるために用いる。例えば、特開平5−36307に記載されている粘度調整剤や特開平2002−12637に記載されているフィラーを含んでいてもよい。
【0018】
以下、本発明の(A)成分について説明する。
【0019】
(A)成分はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物であれば特に限定されない。有機化合物としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、S、ハロゲンのみを含むものであることが好ましい。シロキサン単位を含むものの場合は、ガス透過性やはじきの問題がある。
【0020】
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
【0021】
(A)成分の有機化合物は、有機重合体系の化合物と有機単量体系化合物に分類できる。
【0022】
有機重合体系化合物としては例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
【0023】
また有機単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系:複素環系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0024】
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(II)
【0025】
【化3】
(式中R2は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。また、原料の入手の容易さからは、
【0026】
【化4】
示される基がが特に好ましい。
【0027】
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(III)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
【0028】
【化5】
(式中R3は水素原子あるいはメチル基を表す。)また、原料の入手の容易さからは、下記式で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が好適である。
【0029】
【化6】
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は(A)成分の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していても良い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、構成元素としてC、H、N、O、S、およびハロゲンのみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
【0032】
以上のような骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、
【0033】
【化9】
が挙げられる。
【0034】
(A)成分の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、およびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1、2比率10〜100%のもの、好ましくは1、2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
の他、従来公知のエポキシ樹脂のグルシジル基の一部あるいは全部をアリル基に置き換えたもの等が挙げられる。
【0037】
(A)成分としては、上記のように骨格部分とアルケニル基とに分けて表現しがたい、低分子量化合物も用いることができる。これらの低分子量化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物系、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン等の置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられる。
【0038】
(A)成分としては、耐熱性をより向上し得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を(A)成分1gあたり0.001mol以上含有するものが好ましく、1gあたり0.005mol以上含有するものがより好ましく、0.008mol以上含有するものがさらに好ましい。
【0039】
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数は、平均して1分子当たり少なくとも2個あればよいが、力学強度をより向上したい場合には2を越えることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子内当たり1個以下の場合は、(B)成分と反応してもグラフト構造となるのみで架橋構造とならない。
【0040】
(A)成分としては反応性が良好であるという観点からは、1分子中にビニル基を1個以上含有していることが好ましく、1分子中にビニル基を2個以上含有していることがより好ましい。また貯蔵安定性が良好となりやすいという観点からは、1分子中にビニル基を6個以下含有していることが好ましく、1分子中にビニル基を4個以下含有していることがより好ましい。
【0041】
(A)成分としては、力学的耐熱性が高いという観点および原料液の糸引き性が少なく成形性、取扱い性、塗布性が良好であるという観点からは、分子量が900未満のものが好ましく、700未満のものがより好ましく、500未満のものがさらに好ましい。
【0042】
(A)成分としては、他の成分との均一な混合、および良好な作業性を得るためには、粘度としては23℃において1000ポイズ未満のものが好ましく、300ポイズ未満のものがより好ましく、30ポイズ未満のものがさらに好ましい。粘度はE型粘度計によって測定することができる。
【0043】
(A)成分としては、着色特に黄変の抑制の観点からはフェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が少ないものが好ましく、フェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含まないものが好ましい。本発明におけるフェノール性水酸基とはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等に例示される芳香族炭化水素核に直接結合した水酸基を示し、フェノール性水酸基の誘導体とは上述のフェノール性水酸基の水素原子をメチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセトキシ基等のアシル基等により置換された基を示す。
【0044】
また、複屈折率が低い、光弾性係数が低い等のように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好であるという観点からは、芳香環の(A)成分中の成分重量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重量%以下のものがより好ましく、30重量%以下のものがさらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環を含まないものである。
【0045】
得られる硬化物の着色が少なく、光学的透明性が高く、耐光性が高いという観点からは、(A)成分としてはビニルシクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが好ましく、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが特に好ましい。
【0046】
(A)成分としてはその他の反応性基を有していてもよい。この場合の反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
特に(A)成分としては耐熱性および透明性が高いという観点から下記一般式(I)で表されるトリアリルイソシアヌレート及びその誘導体が特に好ましい。
【0047】
【化12】
(式中R1は炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよい。)で表される化合物が好ましい。
【0048】
上記一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、炭素数1〜20の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜10の一価の有機基であることがより好ましく、炭素数1〜4の一価の有機基であることがさらに好ましい。これらの好ましいR1の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、
【0049】
【化13】
等が挙げられる。
【0050】
上記一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の各種材料との接着性が良好になりうるという観点からは、3つのR1のうち少なくとも1つがエポキシ基を一つ以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、
【0051】
【化14】
で表されるエポキシ基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることがより好ましい。これらの好ましいR1の例としては、グリシジル基、
【0052】
【化15】
等が挙げられる。
【0053】
上記一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、2個以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、H、Oのみを含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜50の一価の炭化水素基であることがより好ましい。これらの好ましいR1の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、
【0054】
【化16】
等が挙げられる。
【0055】
上記一般式(I)のR1としては、反応性が良好になるという観点からは、3つのR1のうち少なくとも1つが
【0056】
【化17】
で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、下記一般式(IV)
【0057】
【化18】
(式中R4は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることがより好ましく、
3つのR1のうち少なくとも2つが下記一般式(V)
【0058】
【化19】
(式中R5は直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基を表し、R6は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される有機化合物(複数のR5およびR6はそれぞれ異なっていても同一であってもよい。)であることがさらに好ましい。
【0059】
上記一般式(V)のR5は、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基であるが、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、直接結合あるいは炭素数1〜20の二価の有機基であることが好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜10の二価の有機基であることがより好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜4の二価の有機基であることがさらに好ましい。これらの好ましいR5の例としては、
【0060】
【化20】
等が挙げられる。
【0061】
上記一般式(V)のR5としては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、直接結合あるいは2つ以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、H、Oのみを含む炭素数1〜48の二価の有機基であることが好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の炭化水素基であることがより好ましい。これらの好ましいR5の例としては、
【0062】
【化21】
が挙げられる。
【0063】
上記一般式(V)のR6は、水素原子あるいはメチル基であるが、反応性が良好であるという観点からは、水素原子が好ましい。
【0064】
ただし、上記のような一般式(I)で表される有機化合物の好ましい例においても、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有することは必要である。耐熱性をより向上し得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に3個以上含有する有機化合物であることがより好ましい。
【0065】
以上のような一般式(I)で表される有機化合物の好ましい具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、
【0066】
【化22】
等が挙げられる。
【0067】
接着性向上のためには、(A)成分としてはジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが好ましい。
【0068】
接着性向上と耐光性を両立させるためにはトリアリルイソシアヌレートとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの混合物であることが好ましい。該混合物はイソシアヌル環骨格を有するため耐熱性の点からも有効である。混合比は任意に設定出来るが、上記目的達成のためにはトリアリルイソシアヌレート/アリルモノグリシジルイソシアヌレート(モル比)=9/1〜1/9が好ましく、8/2〜2/8がさらに好ましく、7/3〜3/7が特に好ましい。
(A)成分は、単独又は2種以上のものを混合して用いることが可能である。
【0069】
次に、本発明の(B)成分について説明する。
【0070】
本発明の(B)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物である。
【0071】
(B)成分については1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物であれば特に制限がなく、例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
【0072】
これらのうち、入手性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状オルガノポリシロキサンが好ましく、(A)成分との相溶性が良いという観点からは、さらに、下記一般式(VI)
【0073】
【化23】
(式中、R7は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0074】
一般式(VI)で表される化合物中の置換基R7は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
【0075】
一般式(VI)で表される化合物としては、入手容易性の観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
【0076】
(B)成分の分子量は特に制約はなく任意のものが好適に使用できるが、より流動性を発現しやすいという観点からは低分子量のものが好ましく用いられる。この場合、好ましい分子量の下限は50であり、好ましい分子量の上限は100,000、より好ましくは1,000、さらに好ましくは700である。
【0077】
(B)成分は単独又は2種以上のものを混合して用いることが可能である。
【0078】
(A)成分と良好な相溶性を有するという観点、および(B)成分の揮発性が低くなり得られる組成物からのアウトガスの問題が生じ難いという観点からは、(B)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個以上含有する有機化合物(α)と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン(β)を、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物であることが好ましい。
((α)成分)
ここで(α)成分は上記した(A)成分である、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物と同じもの(α1)も用いることができる。(α1)成分を用いると得られる硬化物の架橋密度が高くなり力学強度が高い硬化物となりやすい。
【0079】
その他、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する有機化合物(α2)も用いることができる。(α2)成分を用いると得られる硬化物が低弾性となりやすい。
((α2)成分)
(α2)成分としては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する有機化合物であれば特に限定されないが、(B)成分が(A)成分と相溶性がよくなるという点においては、化合物としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、S、およびハロゲンのみを含むものであることが好ましい。
【0080】
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
【0081】
(α2)成分の化合物は、重合体系の化合物と単量体系化合物に分類できる。
【0082】
重合体系化合物としては例えば、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
【0083】
また単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系:複素環系の化合物、シリコン系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0084】
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(II)
【0085】
【化24】
(式中R2は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。また、原料の入手の容易さからは、
【0086】
【化25】
で示される基が特に好ましい。
【0087】
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(III)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
【0088】
【化26】
(式中R3は水素原子あるいはメチル基を表す。)また、原料の入手の容易さからは、下記式で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が好適である。
【0089】
【化27】
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は(α2)成分の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していても良い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、(B)成分が(A)成分と相溶性がよくなりやすいという点においては、構成元素としてC、H、N、O、S、およびハロゲンのみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
【0090】
【化28】
【0091】
【化29】
が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
【0092】
以上のような骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、
【0093】
【化30】
が挙げられる。
【0094】
(α2)成分の具体的な例としては、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ウンデセン、出光石油化学社製リニアレン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン等のような鎖状脂肪族炭化水素系化合物類、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、メチレンシクロヘキサン、ノルボルニレン、エチリデンシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、カンフェン、カレン、αピネン、βピネン等のような環状脂肪族炭化水素系化合物類、スチレン、αメチルスチレン、インデン、フェニルアセチレン、4−エチニルトルエン、アリルベンゼン、4−フェニル−1−ブテン等のような芳香族炭化水素系化合物、アルキルアリルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、グリセリンモノアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン等の脂肪族系化合物類、1,2−ジメトキシ−4−アリルベンゼン、o−アリルフェノール等の芳香族系化合物類、モノアリルジベンジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等の置換イソシアヌレート類、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェニルシラン等のシリコン化合物等が挙げられる。さらに、片末端アリル化ポリエチレンオキサイド、片末端アリル化ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル系樹脂、片末端アリル化ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、片末端アリル化ポリブチルアクリレート、片末端アリル化ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、等の片末端にビニル基を有するポリマーあるいはオリゴマー類等も挙げることができる。
【0095】
構造は線状でも枝分かれ状でもよく、分子量は特に制約はなく種々のものを用いることができる。分子量分布も特に制限ないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
【0096】
(α2)成分のガラス転位温度が存在する場合はこれについても特に限定はなく種々のものが用いられるが、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においてはガラス点移転温度は100℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることがさらに好ましい。好ましい樹脂の例としてはポリブチルアクリレート樹脂等が挙げられる。逆に得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、ガラス転位温度は100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることがさらに好ましく、170℃以上であることが最も好ましい。ガラス転位温度は動的粘弾性測定においてtanδが極大を示す温度として求めることができる。
【0097】
(α2)成分としては、得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、炭化水素化合物であることが好ましい。この場合好ましい炭素数の下限は7であり、好ましい炭素数の上限は10である。
【0098】
(α2)成分としてはその他の反応性基を有していてもよい。この場合の反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。具体的にはモノアリルジグリシジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、アリロキシエチルメタクリレート、アリロキシエチルアクリレート、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0099】
上記のような(α2)成分としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
((β)成分)
(β)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンである。
【0100】
具体的には、例えば
【0101】
【化31】
【0102】
【化32】
が挙げられる。
【0103】
ここで、(α)成分との相溶性が良くなりやすいという観点から、下記一般式(VI)
【0104】
【化33】
(式中、R7は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが好ましい。
【0105】
一般式(VI)で表される化合物中の置換基R7は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
【0106】
入手容易性等から、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
【0107】
上記したような各種(β)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
((α)成分と(β)成分の反応)
次に、本発明の(B)成分として、(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物を用いる場合の、(α)成分と(β)成分とのヒドロシリル化反応に関して説明する。
【0108】
尚、(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応すると、本発明の(B)成分を含む複数の化合物の混合物が得られることがあるが、そこから(B)成分を分離することなく混合物のままで用いて本発明の硬化性組成物を作成することもできる。
【0109】
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合の(α)成分と(β)成分の混合比率は、特に限定されないが、得られる(B)成分と(A)成分とのヒドロシリル化による硬化物の強度を考えた場合、(B)成分のSiH基が多い方が好ましいため、一般に混合する(α)成分中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の総数(X)と、混合する(β)成分中のSiH基の総数(Y)との比が、Y/X≧2であることが好ましく、Y/X≧3であることがより好ましい。また(B)成分の(A)成分との相溶性がよくなりやすいという点からは、5≧Y/Xであることが好ましく、10≧Y/Xであることがより好ましい。
【0110】
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合には適当な触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば次のようなものを用いることができる。白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2)2(PPh3)2、Pt(CH2=CH2)2Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4]m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P(OBu)3]4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。更に、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
【0111】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。
【0112】
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0113】
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、(β)成分のSiH基1モルに対して10−8モル、より好ましくは10−6モルであり、好ましい添加量の上限は(β)成分のSiH基1モルに対して10−1モル、より好ましくは10−2モルである。
【0114】
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレエート等の1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10−2モル、より好ましくは10−1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。
【0115】
反応させる場合の(α)成分、(β)成分、触媒の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、(α)成分に触媒を混合したものを、(β)成分にを混合する方法が好ましい。(α)成分、(β)成分の混合物に触媒を混合する方法だと反応の制御が困難である。(β)成分と触媒を混合したものに(α)成分を混合する方法をとる場合は、触媒の存在下(β)成分が混入している水分と反応性を有するため、変質することがある。
【0116】
反応温度としては種々設定できるが、この場合好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと実用的でない。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
【0117】
反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。
【0118】
ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用してもよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
【0119】
その他、反応性を制御する目的等のために種々の添加剤を用いてもよい。
【0120】
(α)成分と(β)成分を反応させた後に、溶媒あるいは/および未反応の(α)成分あるいは/および(β)成分を除去することもできる。これらの揮発分を除去することにより、得られる(B)成分が揮発分を有さないため(A)成分との硬化の場合に揮発分の揮発によるボイド、クラックの問題が生じにくい。除去する方法としては例えば、減圧脱揮の他、活性炭、ケイ酸アルミニウム、シリカゲル等による処理等が挙げられる。減圧脱揮する場合には低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であり、より好ましくは60℃である。高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい。
【0121】
以上のような、(α)成分と(β)成分の反応物である(B)成分の例としては、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビニルシクロヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、アリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、αメチルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、等を挙げることができる。耐熱性・耐光性の点からジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、及びトリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物が好ましい。耐熱性・耐光性・接着性の点からジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物が好ましい。
【0122】
次に本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒について説明する。
【0123】
ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2)2(PPh3)2、Pt(CH2=CH2)2Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4]m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P(OBu)3]4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号および3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
【0124】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。
【0125】
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0126】
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、(B)成分のSiH基1モルに対して10−8モル、より好ましくは10−6モルであり、好ましい添加量の上限は(β)成分のSiH基1モルに対して10−1モル、より好ましくは10−2モルである。
【0127】
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例えばトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレエート等の1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10−2モル、より好ましくは10−1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。
【0128】
本発明の組成物の保存安定性を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。脂肪族不飽和結合を含有する化合物として、プロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
【0129】
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、1−エチニル−1シクロヘキサノール、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチンが好ましい。
【0130】
硬化遅延剤の添加量は種々設定できるが、使用するヒドロシリル化触媒1molに対する好ましい添加量の下限は10−1モル、より好ましくは1モルであり、好ましい添加量の上限は103モル、より好ましくは50モルである。
【0131】
また、これらの硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0132】
次に本発明の(D)成分であるシランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物について説明する。本発明の(D)成分は本発明の(E)成分との組み合わせによりダイボンディング用樹脂ペーストに接着性を与える成分として必須である。
【0133】
シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。
【0134】
有機基と反応性のある官能基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
【0135】
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
【0136】
シランカップリング剤の添加量としては種々設定できるが、[(A)成分+(B)成分]100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは0.5重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは25重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0137】
エポキシ基含有化合物としては種々のエポキシ樹脂が例示される。エポキシ樹脂としては、例えば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂を、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物等の脂肪族酸無水物で硬化させるものが挙げられる。これらのエポキシ樹脂あるいは硬化剤はそれぞれ単独で用いても、複数のものを組み合わせてもよい。
【0138】
エポキシ基含有化合物の添加量としては種々設定できるが、[(A)成分+(B)成分]100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは0.5重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは25重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0139】
次に本発明記載の(E)成分であるシラノール縮合触媒について説明する。本発明の(E)成分は本発明の(D)成分との組み合わせによりダイボンディング用樹脂ペーストに接着性を与える成分として必須である。
【0140】
シラノール縮合触媒としては特に限定されないが、有機アルミニウム化合物および/あるいはほう酸エステルおよび/あるいはチタン系化合物が好ましい。硬化時及び高温下での着色性が低い点からほう酸エステルが好ましい。
【0141】
シラノール縮合触媒を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは30重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0142】
本発明に用いられる有機アルミニウム化合物はシラノール縮合触媒として用い、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。
【0143】
本発明に用いられる有機アルミニウム化合物としては、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム等のアルミニウムアルコラート化合物;ナフテン酸、ステアリン酸、オクチル酸、安息香酸等のアルミニウム有機酸塩;アルミニウムエチルアセトアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセトアセテートジイソブチレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレート化合物等が挙げられるが、反応性、基材との接着性・密着性の観点から、アルミニウムキレート、及びアルミニウムアルコラートが好ましく、さらにヒドロシリル化硬化反応との相性からアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)が好ましい。又これらを併用してもよい。
【0144】
本発明に用いられるほう酸エステルはシラノール縮合触媒として用い、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。
【0145】
本発明に用いられるほう酸エステルとしては下記一般式(VII)、(VIII)で示されるものを好適に用いることが出来る。
【0146】
【化34】
【0147】
【化35】
(式中R8は炭素数1〜48の有機基を表す。)
ほう酸エステルの具体例として、ほう酸トリ−2−エチルヘキシル、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリメチル、ほう素メトキシエトキサイドを好適に用いることができる。ほう酸エステルとしては1種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して用いても良い。混合は事前に行なっても良く、また硬化物作成時に混合しても良い。
【0148】
入手性の点からほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリノルマルブチルが好ましく、ほう酸トリメチルがさらに好ましい。
硬化時の揮発性を抑制出来る点から、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう素メトキシエトキサイドが好ましく、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリフェニル、ほう酸トリノルマルブチルがさらに好ましい。
【0149】
揮発性の抑制、作業性の点からほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピルが好ましく、ほう酸トリノルマルブチルがさらに好ましい。
【0150】
高温下での着色性が低い点からほう酸トリエチルが好ましく、ほう酸トリメチルがさらに好ましい。
【0151】
本発明に用いられるチタン系化合物はシラノール縮合触媒として用い、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。
【0152】
本発明に用いられるチタン系化合物としては、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン類:チタンテトラアセチルアセトナート等のチタンキレート類:オキシ酢酸やエチレングリコール等の残基を有する一般的なチタネートカップリング剤が例示できる。
【0153】
接着性発現のためには本発明に記載の(D)成分であるシランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物と(E)成分であるシラノール縮合触媒が必須であり、どちらか一方では接着性は発現しない。
【0154】
本発明においては接着性改良効果をさらに高めるために、さらにシラノール源化合物を用いることができ、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。このようなシラノール源としては、例えばトリフェニルシラノール、ジフェニルジヒドロキシシラン等のシラノール化合物、ジフェニルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン類等を挙げることができる。
【0155】
シラノール源化合物を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤あるいは/およびエポキシ化合物エポキシ化合物100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは30重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0156】
また、これらのシラノール源化合物は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0157】
本発明においてはカップリング剤やエポキシ化合物の効果を高めるために、カルボン酸類あるいは/および酸無水物類を用いることができ、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。このようなカルボン酸類、酸無水物類としては特に限定されないが、
【0158】
【化36】
2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルハイミック酸、ノルボルネンジカルボン酸、水素化メチルナジック酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、およびそれらの単独あるいは複合酸無水物が挙げられる。
【0159】
これらのカルボン酸類あるいは/および酸無水物類のうち、ヒドロシリル化反応性を有し硬化物からの染み出しの可能性が少なく得られる硬化物の物性を損ない難いという点においては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するものが好ましい。好ましいカルボン酸類あるいは/および酸無水物類としては、例えば、
【0160】
【化37】
テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸およびそれらの単独あるいは複合酸無水物等が挙げられる。
【0161】
カルボン酸類あるいは/および酸無水物類を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤あるいは/およびエポキシ化合物エポキシ化合物100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは10重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0162】
また、これらのカルボン酸類あるいは/および酸無水物類は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0163】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストの保存安定性を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。脂肪族不飽和結合を含有する化合物として、プロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
【0164】
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、1−エチニル−1シクロヘキサノール、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチンが好ましい。
【0165】
硬化遅延剤の添加量は種々設定できるが、使用するヒドロシリル化触媒1molに対する好ましい添加量の下限は10−1モル、より好ましくは1モルであり、好ましい添加量の上限は103モル、より好ましくは50モルである。
【0166】
また、これらの硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0167】
次に本発明のダイボンディング用樹脂ペーストに含有させることができる無機部材について説明する。無機部材は、ダイボンディング用樹脂との密着性がよいと共にLEDチップからの光によって劣化しないことが望まれる。このような、無機部材としては、銀、金、アルミニウム、銅、ニッケル、マンガン、鉄、ケイ素、鉛、ビスマス、錫、ステンレス等の金属粉、アルミナ、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、石英、溶融シリカ、結晶シリカ、超微粉無定形シリカ、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、一酸化錫、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、ITO等の酸化物、窒化硼素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物、SiC等の金属炭化物、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、カーボン、グラファイト、ほう酸アルミニウム、チタン酸バリウム、珪酸カルシウム、クレー、石膏、硫酸バリウム、マイカ、ケイソウ土、白土、無機バルーン等、から選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。本発明に含有させることが出来る無機部材は、エポキシ系等の従来のダイボンディング用樹脂ペーストに一般的に使用あるいは/および提案されている無機部材等を挙げることが出来る。
【0168】
特に、銀、金、アルミニウム、銅などは、放熱性を向上させると共に導電性を持たせることができる。また、アルミナ、シリカ、酸化チタン、窒化硼素、窒化アルミニウムなどは耐侯性に強く高反射率を維持させることもできる。無機部材の形状も分散性や電気的導通などを考慮して球状、針状やフレーク状など種々の形状をとることができる。
【0169】
ダイボンディング用樹脂ペースト樹脂中の無機部材含有量は、放熱性や電気伝導性など所望に応じて種々調節させることができる。しかしながら、樹脂中の無機部材含有量を多くすると樹脂の劣化が少ないが、密着性が低下するため5重量%から80重量%が好ましく60重量%から80重量%がより好ましい。このようなダイボンディング用樹脂ペーストは、LEDチップと基板とを接着させるためにマウント機器を用いることによって簡単に塗布などすることができる。
【0170】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストは、あらかじめ混合し、組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全部を反応させることによって硬化させてダイボンディング用樹脂とすることができる。
【0171】
混合の方法としては、各種方法をとることができるが、(A)成分、(C)成分、(E)成分を混合したものと、(B)成分、(D)成分を混合したものとを混合する方法が好ましい。(A)成分と(B)成分との混合物に(C)成分を混合する方法だと反応の制御が困難である。(B)成分と(C)成分、または(E)成分を混合したものは、(C)成分、(E)の存在下(B)成分と水分との反応が促進されるためから、貯蔵中などに変質することもあり好ましくない。
【0172】
組成物を反応させて硬化させる場合において、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)各成分それぞれの必要量を一度に混合して反応させてもよいが、一部を混合して反応させた後残量を混合してさらに反応させる方法や、混合した後反応条件の制御や置換基の反応性の差の利用により組成物中の官能基の一部のみを反応(Bステージ化)させてから成形などの処理を行いさらに硬化させる方法をとることもできる。これらの方法によれば成形時の粘度調整が容易となる。
【0173】
上記記載の方法により混合した後、無機部材を混合し例えば3本ロール、ペイントミル、ボールミル等を用いて混練し、混練後真空脱泡することによりダイボンディング用樹脂ペーストを得ることが出来る。
【0174】
ダイボンディング用樹脂ペーストを硬化させる方法としては、単に混合するだけで反応させることもできるし、加熱して反応させることもできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好ましい。
【0175】
反応温度としては種々設定できるが、例えば30〜300℃の温度が適用でき、100〜250℃がより好ましく、150〜200℃がさらに好ましい。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと成形加工が困難となりやすい。
【0176】
反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
【0177】
反応時間も種々設定できる。
【0178】
反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもできる。
【0179】
次に本発明のダイボンディング用樹脂ペーストに添加することが出来る物質について記載する。
【0180】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストには特性を改質する等の目的で、種々の熱硬化性樹脂を添加することも可能である。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂等が例示されるがこれに限定されるものではない。これらのうち、接着性等の実用特性に優れるという観点から、エポキシ樹脂が好ましい。
【0181】
エポキシ樹脂としては、例えば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂を、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物等の脂肪族酸無水物で硬化させるものが挙げられる。これらのエポキシ樹脂あるいは硬化剤はそれぞれ単独で用いても、複数のものを組み合わせてもよい。
【0182】
熱硬化性樹脂の添加量としては特に限定はないが、好ましい使用量の下限は硬化性組成物全体の5重量%、より好ましくは10重量%であり、好ましい使用量の上限は硬化性組成物中の50重量%、より好ましくは30重量%である。添加量が少ないと、接着性等目的とする効果が得られにくいし、添加量が多いと脆くなりやすい。
【0183】
これらの熱硬化性樹脂は単独で用いても、複数のものを組み合わせてもよい。
【0184】
熱硬化樹脂は樹脂原料あるいは/および硬化させたものを、(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱硬化性樹脂を(A)成分あるいは/および(B)成分に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態あるいは/および混合状態としてもよい。
【0185】
熱硬化性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、ダイボンディング用樹脂ペーストの粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
【0186】
本発明の組成物には特性を改質する等の目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。熱可塑性樹脂としては種々のものを用いることができるが、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体あるいはメチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)、ブチルアクリレートの単独重合体あるいはブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APEC等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミドの共重合体等のオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI−PAS等)、ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のビスフェノール類やジエチレングリコール等のジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸、等のフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O−PET等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が例示されるがこれに限定されるものではない。
【0187】
熱可塑性樹脂としては、分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合あるいは/およびSiH基を有していてもよい。得られる硬化物がより強靭となりやすいという点においては、分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合あるいは/およびSiH基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
【0188】
熱可塑性樹脂としてはその他の架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
【0189】
熱可塑製樹脂の分子量としては、特に限定はないが、(A)成分や(B)成分との相溶性が良好となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。逆に、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましい。分子量分布についても特に限定はないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
【0190】
熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、好ましい使用量の下限は硬化性組成物全体の5重量%、より好ましくは10重量%であり、好ましい使用量の上限は硬化性組成物中の50重量%、より好ましくは30重量%である。添加量が少ないと得られる硬化物が脆くなりやすいし、多いと耐熱性(高温での弾性率)が低くなりやすい。
【0191】
熱可塑性樹脂としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
【0192】
熱可塑性樹脂は(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱可塑性樹脂を(A)成分あるいは/および(B)成分に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態あるいは/および混合状態としてもよい。
【0193】
熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
【0194】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストには充填材を添加してもよい。
【0195】
充填材としては各種のものが用いられるが、例えば、石英、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系充填材、窒化ケイ素、銀粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、無機バルーン等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として一般に使用あるいは/および提案されている充填材等を挙げることができる。
【0196】
充填材は適宜表面処理してもよい。表面処理としては、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、カップリング剤による処理等が挙げられる。
【0197】
この場合のカップリング剤の例としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
【0198】
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
【0199】
その他にも充填材を添加する方法が挙げられる。例えばアルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シラン等の加水分解性シランモノマーあるいはオリゴマーや、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシド、アシロキシド、ハロゲン化物等を、本発明のダイボンディング用樹脂ペーストに添加して、ダイボンディング用樹脂ペースト中あるいはダイボンディング用樹脂ペーストの部分反応物中で反応させ、ダイボンディング用樹脂ペースト中で充填材を生成させる方法も挙げることができる。
【0200】
以上のような充填材のうち硬化反応を阻害し難く、線膨張係数の低減化効果が大きいという観点からは、シリカ系充填材が好ましい。
【0201】
充填材の平均粒径としては、浸透性が良好となりやすいという点においては、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
【0202】
充填材の粒径50μm以上の粒子の割合としては、浸透性が良好となりやすいという点においては、1重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以下であることがより好ましい。
【0203】
充填材の粒径分布については、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、各種設定できる。例えば、24μm以上の粒子が15重量%以上かつ1μm以下の粒子が3重量%以上となるようにしてもよい。
【0204】
充填材の平均粒子径、充填材の粒径50μm以上の粒子の割合はレーザー法マイクロトラック粒度分析計を用いて測定することができる。
【0205】
充填材の比表面積についても、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、各種設定できる。例えば、4m2/g以上、4m2/g以下、10m2/g以下等、任意に設定できる。
【0206】
比表面積はBET法モノソーブ比表面積測定装置によって測定できる。
【0207】
充填材のガラス化率についても、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、各種設定できる。例えば、97%以上等、任意に設定できる。
【0208】
充填材の形状としては、封止材の粘度が低くなりやすい観点からは、球状の充填材であることが好ましい。
【0209】
充填材は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0210】
充填材の添加量はとくに限定されないが、線膨張係数の低減化効果が高く、かつ組成物の流動性が良好であるという観点から、好ましい添加量の下限は全組成物中の30重量%、より好ましくは50重量%であり、好ましい添加量の上限は全組成物中の80重量%、より好ましくは70重量%である。
【0211】
充填材の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、ダイボンディング用樹脂ペーストの中間原料の貯蔵安定性が良好になりやすいという点においては、(A)成分に(C)成分および充填材を混合したものと、(B)成分を混合する方法が好ましい。(B)成分に(C)成分あるいは/および充填材を混合したものに(A)成分を混合する方法をとる場合は、(C)成分存在下あるいは/および非存在下において(B)成分が環境中の水分あるいは/および充填材のと反応性を有するため、貯蔵中等に変質することもある。
【0212】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストには老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、一般に用いられている老化防止剤、たとえばクエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
【0213】
また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0214】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストにはラジカル禁止剤を添加してもよい。ラジカル禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系ラジカル禁止剤や、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤等が挙げられる。
【0215】
また、これらのラジカル禁止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0216】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストには紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。
【0217】
また、これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0218】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストには、その他、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、イオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
【0219】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストは溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。
【0220】
溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。
【0221】
使用する溶媒量は適宜設定できるが、用いるダイボンディング用樹脂ペースト1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLである。使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
【0222】
これらの、溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0223】
さらに、本発明のダイボンディング用樹脂ペーストには種々の発光ダイオード特性改善のための添加剤を添加してもよい。添加剤としては例えば、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出す、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体等の蛍光体や、特定の波長を吸収するブルーイング剤等の着色剤、光を拡散させるための酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、石英ガラス等の酸化ケイ素、タルク、炭酸カルシウム、メラミン樹脂、CTUグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のような各種無機あるいは有機拡散材、ガラス、アルミノシリケート等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ボロン等の金属窒化物等の熱伝導性フィラー等を挙げることができる。
【0224】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストの粘度は硬化性組成物の粘度及び種々の添加剤、溶剤により任意に調整可能である。
【0225】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストを用いた発光ダイオードの製造方法について説明する。
【0226】
この場合発光素子とは、特に限定なく従来公知の発光ダイオードに用いられる発光素子を用いることができる。このような発光素子としては、例えば、MOCVD法、HDVPE法、液相成長法といった各種方法によって、必要に応じてGaN、AlN等のバッファー層を設けた基板上に半導体材料を積層して作成したものが挙げられる。この場合の基板としては、各種材料を用いることができるが、例えばサファイヤ、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられる。これらのうち、結晶性の良好なGaNを容易に形成でき、工業的利用価値が高いという観点からは、サファイヤを用いることが好ましい。
【0227】
積層される半導体材料としては、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaN、InGaAlN、SiC等が挙げられる。これらのうち、高輝度が得られるという観点からは、窒化物系化合物半導体(Inx GayAlz N)が好ましい。このような材料には付活剤等を含んでいてもよい。
【0228】
発光素子の構造としては、MIS接合、pn接合、PIN接合を有するホモ接合、ヘテロ接合やダブルへテロ構造等が挙げられる。また、単一あるいは多重量子井戸構造とすることもできる。
【0229】
発光素子はパッシベーション層を設けていてもよいし、設けなくてもよい。
【0230】
発光素子には従来知られている方法によって電極を形成することができる。
【0231】
発光素子上の電極は種々の方法でリード端子等と電気接続できる。電気接続部材としては、発光素子の電極とのオーミック性機械的接続性等が良いものが好ましいく、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウムやそれらの合金等を用いたボンディングワイヤーが挙げられる。また、銀、カーボン等の導電性フィラーを樹脂で充填した導電性接着剤等を用いることもできる。これらのうち、作業性が良好であるという観点からは、アルミニウム線或いは金線を用いることが好ましい。
【0232】
上記のようにして発光素子が得られるが、本発明の発光ダイオードにおいては発光素子の光度としては垂直方向の光度が1cd以上であれば任意のものを用いることができるが、垂直方向の光度が2cd以上の発光素子を用いた場合により本発明の効果が顕著であり、3cd以上の発光素子を用いた場合にさらに本発明の効果が顕著である。
【0233】
発光素子の発光出力としては特に限定なく任意のものを用いることができるが、20mAにおいて1mW以上の発光素子を用いた場合に本発明の効果が顕著であり、20mAにおいて4mW以上の発光素子を用いた場合により本発明の効果が顕著であり、20mAにおいて5mW以上の発光素子を用いた場合にさらに本発明の効果が顕著である。
【0234】
発光素子の発光波長は紫外域から赤外域まで種々のものを用いることができるが、主発光ピーク波長が550nm以下のものを用いた場合に特に本発明の効果が顕著である。
【0235】
用いる発光素子は一種類で単色発光させても良いし、複数用いて単色或いは多色発光させても良い。
【0236】
本発明の発光ダイオードに用いられるリード端子としては、ボンディングワイヤー等の電気接続部材との密着性、電気伝導性等が良好なものが好ましく、リード端子の電気抵抗としては、300μΩ−cm以下が好ましく、より好ましくは3μΩ−cm以下である。これらのリード端子材料としては、例えば、鉄、銅、鉄入り銅、錫入り銅や、これらに銀、ニッケル等をメッキしたもの等が挙げられる。これらのリード端子は良好な光の広がりを得るために適宜光沢度を調整してもよい。
【0237】
次に本発明のダイボンディング用樹脂ペーストは、銀、金、アルミニウム、銅、アルミナ、シリカ、酸化チタン、窒化硼素、酸化錫、酸化亜鉛、ITOから選択される少なくとも1種の無機部材を含有することができる。特に、銀、金、アルミニウム、銅などは、放熱性を向上させると共に導電性を持たせることができる。また、アルミナ、シリカ、酸化チタン、窒化硼素などは耐侯性に強く高反射率を維持させることもできる。無機部材の形状も分散性や電気的導通などを考慮して球状、針状やフレーク状など種々の形状をとることができる。
【0238】
本発明の発光ダイオードは種々の樹脂によって発光素子を被覆することによって製造することができるが、この場合被覆とは、上記発光素子を直接封止するものに限らず、間接的に被覆する場合も含む。具体的には、発光素子を本発明の組成物で直接従来用いられる種々の方法で封止してもよいし、従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等の封止樹脂やガラスで発光素子を封止してもよい。また、発光素子を本発明の組成物で封止した後、従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等でモールディングしてもよい。以上のような方法によって屈折率や比重の差によりレンズ効果等の種々の効果をもたせることも可能である。
【0239】
封止の方法としても各種方法を適用することができる。例えば、底部に発光素子を配置させたカップ、キャビティ、パッケージ凹部等に液状の組成物をディスペンサーその他の方法にて注入して加熱等により硬化させてもよいし、固体状あるいは高粘度液状の組成物を加熱する等して流動させ同様にパッケージ凹部等に注入してさらに加熱する等して硬化させてもよい。この場合のパッケージは種々の材料を用いて作成することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド樹脂等を挙げることができる。また、モールド型枠中に組成物をあらかじめ注入し、そこに発光素子が固定されたリードフレーム等を浸漬した後硬化させる方法も適用することができるし、発光素子を挿入した型枠中にディスペンサーによる注入、トランスファー成形、射出成形等により組成物による封止層を成形、硬化させてもよい。さらに、単に液状または流動状態とした組成物を発光素子状に滴下あるいはコーティングして硬化させてもよい。あるいは、発光素子上に孔版印刷、スクリーン印刷、あるいはマスクを介して塗布すること等により硬化性樹脂を成形させて硬化させることもできる。その他、あらかじめ板状、あるいはレンズ形状等に部分硬化あるいは硬化させた組成物を発光素子上に固定する方法によってもよい。
【0240】
被覆部分の形状も特に限定されず種々の形状をとることができる。例えば、レンズ形状、板状、薄膜状、特許文献8記載の形状等が挙げられる。これらの形状は組成物を成形硬化させることによって形成してもよいし、組成物を硬化した後に後加工により形成してもよい。
【0241】
本発明の発光ダイオードは、種々のタイプとすることができ、例えば、ランプタイプ、SMDタイプ、チップタイプ等いずれのタイプでもよい。SMDタイプ、チップタイプのパッケージ基板としては、種々のものが用いられ、例えば、エポキシ樹脂、BTレジン、セラミック等が挙げられる。
【0242】
その他、本発明の発光ダイオードには従来公知の種々の方式が適用できる。例えば、発光素子背面に光を反射あるいは集光する層を設ける方式、封止樹脂の黄変に対応して補色着色部を底部に形成させる方式、主発光ピークより短波長の光を吸収する薄膜を発光素子上に設ける方式、発光素子を軟質あるいは液状の封止材で封止した後周囲を硬質材料でモールディングする方式、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出す蛍光体を含む材料で発光素子を封止した後周囲をモールディングする方式、蛍光体を含む材料をあらかじめ成形してから発光素子とともにモールドする方式、特開平6−244458に記載のとおりモールディング材を特殊形状として発光効率を高める方式、輝度むらを低減させるためにパッケージを2段状の凹部とする方式、発光ダイオードを貫通孔に挿入して固定する方式、発光素子表面に主発光波長より短い波長の光を吸収する薄膜を形成する方式、発光素子をはんだバンプ等を用いたフリップチップ接続等によってリード部材等と接続して基板方向から光を取出す方式、等を挙げることができる。
【0243】
本発明の発光ダイオードは従来公知の各種の用途に用いることができる。具体的には、例えばバックライト、照明、センサー光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライト等を挙げることができる。
【0244】
【実施例】
以下に、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(合成例1)
(B)成分であるトリアリルイソシアヌレートと1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物の合成
5Lのセパラブルフラスコにトルエン1.8kg、1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.44kgを加えて、内温が104℃になるように加熱した。そこに、トリアリルイソシアヌレート200g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mL、トルエン200gの混合物を滴下した。120℃のオイルバス中で7時間加熱還流させた。1−エチニル−1−シクロヘキサノール1.7gを加えた。未反応の1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去した。1H−NMRによりこのものは1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応したもの(部分反応物A1と称す、SiH価:8.2mmol/g、アリル価:0.12mmol/g)であることがわかった。生成物は混合物であるが、本発明の(B)成分である下記のものを主成分として含有している。また、本発明の(C)成分である白金ビニルシロキサン錯体を含有している。
【0245】
【化38】
(合成例2)
(B)成分である1,4−ジビニルベンゼンと1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物の合成
5Lのセパラブルフラスコにトルエン1.7kg、1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.51kgを加えて、内温が50℃になるように加熱した。そこに、1,4−ジビニルベンゼン(DVB,新日鐵化学)156g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)195mg、トルエン144gの混合物を滴下した。50℃のオイルバス中で2時間加熱させた。1−エチニル−1−シクロヘキサノール361mg及びベンゾチアゾール235mgを加え、30分間攪拌した。未反応の1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去した。1H−NMRによりこのものは1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部が1,4−ジビニルベンゼンと反応したもの(部分反応物A2と称す、SiH価:9.4mmol/g)であることがわかった。生成物は混合物であるが、本発明の(B)成分である下記のものを主成分として含有している。また、本発明の(C)成分である白金ビニルシロキサン錯体を含有している。
【0246】
【化39】
(実施例1)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例2の反応物(A1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.75g、(E)成分としてアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)0.15g(川研ファインケミカル、商品名:ALCH−TR)を用いた。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間熱風乾燥器中で加熱し硬化させることにより厚さ約3mmの目視で均一かつ無色透明の硬化物を得た。
(比較例1)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート1.0g、(B)成分として合成例1の反応物(A1)1.49g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)7.5mgを用いる。上記(A)成分、(C)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。上記混合液と(B)成分を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間熱風乾燥器中で加熱し硬化させることにより厚さ約3mmの目視で均一かつ無色透明の硬化物を得た。
(比較例2)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート1.0g、(B)成分として合成例1の反応物(A1)1.49g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)7.5mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.125gを用いる。上記(A)成分、(C)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。上記(B)成分及び(D)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間熱風乾燥器中で加熱し硬化させることにより厚さ約3mmの目視で均一かつ無色透明の硬化物を得た。
(測定例1)
実施例1、比較例1及び2で調製した一液混合物をアルミニウム板(A−1050P)に約20μmの塗膜を作製し、120℃で1時間加熱した。光学材料は無色透明であった。室温まで冷却後、JISK5400碁盤目テープ法に基づき付着性試験を行なった(2mm角の碁盤目を25マス)。
(測定例2)
実施例1、比較例1及び2で得られた硬化物をスガ試験機M6T型メタリングウェザーメーター(ブラックパネル温度120℃、照射強度:50MJ/m2)を用いて耐熱耐光性試験を行ない、試験前後の着色状態および470nm光線透過率を分光光度計(U−3300、日立)を用いて測定した。
【0247】
以下得られた結果について示した。
【0248】
【表1】
本発明の硬化性組成物は表1で明らかな様に接着性に優れている。また、熱・光劣化により着色がなく高耐熱耐光性を有している。従って、本発明の硬化性組成物はダイボンディング用樹脂ペーストとして好適に用いることが出来る。
(実施例2)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(A1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリメチル150mgを用いる。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例3)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(A1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリノルマルブチル150mgを用いる。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例4)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(A1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリイソプロピル150mgを用いる。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製する。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例5)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(A1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリノルマルプロピル150mgを用いる。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例6)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート5.93g、(B)成分として合成例2の反応物(A2)2.57g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)20mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン338mg、(E)成分としてほう酸トリメチル68mgを用いる。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール41mgをあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、熱風乾燥機中で90℃/1時間、150℃/1時間、180℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(測定例3)
実施例2〜6で得られた試料について、初期及び180℃/24時間、190℃/24時間、200℃/24時間加熱後の波長470nmにおける光線透過率を評価した。測定装置は日立製作所製分光光度計U−3300を用いた。以下、得られた硬化物の光線透過率の値について示した。
【0249】
【表2】
表3から明らかな様に(E)成分にほう酸エステルを用いた本発明の硬化物は高温下での光線透過率の変化が小さい。従って、本発明の硬化性組成物はダイボンディング用樹脂ペーストとして好適に用いることが出来る。
(実施例7)
洗浄したサファイヤ基板上にMOCVD(有機金属気相成長)法により、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、次に発光層を構成するバリア層となるGaN層、井戸層を構成するInGaN層、バリア層となるGaN層(量子井戸構造)、発光層上にMgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGaN層を順次積層させる。エッチングによりサファイア基板上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層表面を露出させる。各コンタクト層上に、スパッタリング法を用いてAlを蒸着し、正負各電極をそれぞれ形成させる。出来上がった半導体ウエハーをスクライブラインを引いた後、外力により分割させ発光素子である発光素子を形成させる。
【0250】
表面に銀でメッキされた鉄入り銅から構成されるマウントリードのカップ底面上に、ダイボンディング用樹脂ペーストとして実施例1〜6に記載されている硬化性組成物を用い、上記発光素子をダイボンドする。これを150℃で60分加熱し該硬化性組成物を硬化させ発光素子を固定する。次に、発光素子の正負各電極と、マウントリード及びインナーリードとをAu線によりワイヤーボンディングさせ電気的導通を取る。
【0251】
実施例1と同様にして調整した硬化性組成物を砲弾型の型枠であるキャスティングケース内に注入させる。上記の発光素子がカップ内に配置されたマウントリード及びインナーリードの一部をキャスティングケース内に挿入し60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱硬化を行う。キャスティングケースから発光ダイオードを抜き出し、窒素雰囲気下において180℃30分間で後硬化を行う。これにより砲弾型等のランプタイプの発光ダイオードを作成することができる。
(実施例8)
エッチングにより一対の銅箔パターンをガラスエポキシ樹脂上に形成させることによって、リード電極を持った基板を形成する。発光素子をダイボンディング用樹脂ペーストとして実施例1〜6に記載されている硬化性組成物を用いガラスエポキシ樹脂上にダイボンドする。発光素子の各電極と、各リード電極とをそれぞれAu線でワイヤボンディングし電気的導通を取る。基板上にマスク兼側壁としてとして貫通孔があいたガラスエポキシ樹脂をエポキシ樹脂により固定配置させる。この状態で真空装置内に配置させると共に発光素子が配置されたガラスエポキシ樹脂基板上にエポキシ樹脂をディスペンスし、貫通孔を利用したキャビティ内に硬化性組成物を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化させる。各発光ダイオードチップごとに分割させることでチップタイプ発光ダイオードを作成することができる。
【0252】
【発明の効果】
本発明の発光ダイオードに用いる硬化性組成物は、接着性に優れ、高い耐熱性及び高い透明性を有するため発光ダイオード用ダイボンディング樹脂ペーストとして用いることが出来る。
【発明の属する技術分野】
本発明はLEDチップを基板等に接着するダイボンディング用樹脂ペーストに関するものであり、更に詳しくは接着性に優れ、高い耐熱性及び透明性を有するダイボンディング用樹脂を与えるダイボンディング用樹脂ペースト(請求項1〜請求項12)、それを硬化させてなるダイボンディング用樹脂(請求項13)、そのダイボンディング用樹脂の製造方法(請求項14)、及びそれによって固定されたLEDチップを有する発光ダイオード(請求項15)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発光素子(以下、LEDチップともいう。)は小型で効率よく鮮やかな色の発光をする。また、半導体素子であるため球切れがない。駆動特性が優れ、振動やON/OFF点灯の繰り返しに強いという特徴を有する。そのため、各種インジケーターや種々の光源として利用されている。LEDチップは基板にダイボンディング用樹脂ペースト(以下、マウント部材ともいう。)により固定される。近年、発光ダイオードの利用分野の広がりと共に、より信頼性が高く長期間かつ、高輝度に発光可能な発光ダイオードが求められている。高輝度に発光可能なLEDチップ(以下、パワーLEDともいう)はチップからの発熱が大きいため、それを固定しているダイボンディング用樹脂には接着性のほかに高い耐熱性が求められている。一方、窒化物系化合物半導体をLEDチップに用いた場合、発光ダイオードの光特性向上のためにダイボンディング用樹脂内部での反射及びそれを通過した光を高反射率の材料が用いられた基板などによって反射させる構造をとる。そのため、LEDチップ近傍は光が部分的に密に閉じ込められ、LEDチップ近傍の光密度が極めて高くなる。従って、該LEDチップを固定しているダイボンディング用樹脂には接着性、耐熱性のほかに高い透明性が求められている。
【0003】
従来、付加型反応硬化型(ヒドロシリル化)シリコーンにおいて、エポキシ基及びアルコキシ基がケイ素原子に結合した有機ケイ素化合物と有機アルミニウム化合物を含有した硬化性組成物が良好な密着性を示し、粘着シート、加工布等に応用する技術が提案されている(特許文献1、特許文献2)。しかしながら、この技術で得られる材料は、硬度、タック性、光学特性の観点から発光ダイオード用のダイボンディング用樹脂としては向いていない。また、付加型反応硬化型(ヒドロシリル化)液状組成物にエポキシ樹脂及びアルミニウム化合物を添加し接着性を向上させる技術が提案されている(特許文献3)。しかしながら、得られた硬化物の透明性については開示されておらず、光学材料用途、特に発光ダイオード用のダイボンディング用樹脂に関しては何ら開示されていなかった。
【0004】
また、縮合反応硬化型シリコーンにおいて、建造物目地部のシーリング材として使用する場合に、ほう酸エステルを添加することにより目地深さが浅い場合でも被着体との良好な接着性を発現できることが開示されている(特許文献4)。しかしながら本系は室温硬化であり、加熱硬化での効果発現や、反応形式が異なる付加反応型の系に適応した場合の効果発現に関しては何ら開示されていなかった。
【0005】
一方、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、ヒドロシリル化触媒を含有する硬化性組成物からなる硬化物が発光ダイオード用の封止剤として適用可能なことが知られている(特許文献5)。しかしながら、発光ダイオード用のダイボンディング用樹脂に必要な接着性を保持したまま耐熱性、透明性を与える手法については何ら開示されていなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平08−183934
【0007】
【特許文献2】
特開平05−140459
【0008】
【特許文献3】
特許第3354973号
【0009】
【特許文献4】
特開昭59−155483
【0010】
【特許文献5】
特開2002−314140
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、接着性に優れ、高い耐熱性及び透明性を有するダイボンディング用樹脂を与えるダイボンディング用樹脂ペースト、さらには該ダイボンディング用樹脂ペーストを硬化させてなるダイボンディング用樹脂、該ダイボンディング用樹脂の製造方法、及び該ダイボンディング用樹脂によって固定されたLEDチップを有する発光ダイオードを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために本発明者らは鋭意研究の結果、
(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機系骨格からなる有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)シランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物、(E)シラノール縮合触媒を必須成分として含むことを特徴とする硬化性組成物よりなるダイボンディング用樹脂ペーストとすることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
【0013】
すなわち、本発明は、
(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機系骨格からなる有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)シランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物、(E)シラノール縮合触媒を必須成分として含むことを特徴とする硬化性組成物よりなるダイボンディング用樹脂ペースト(請求項1)であって、
(E)成分が有機アルミニウム化合物及び/又はほう酸エステルであることを特徴とする請求項1記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項2)であって、
(D)成分が分子中にエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基及びカルバメート基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基と加水分解性のケイ素基を有するシランカップリング剤である、請求項1乃至2記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項3)であって、
(D)成分が分子中にエポキシ基と加水分解性のケイ素基を有するシランカップリング剤である、請求項1乃至2記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項4)であって、
(E)成分がアルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコラート化合物である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項5)であって、。
【0014】
(E)成分がアルミニウムエチルアセトアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセトアセテートジイソブチレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート及びアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)からなる群より選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項6)であって、
(E)成分がほう酸トリノルマルオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリエチル及びほう酸トリメチルからなる群より選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項7)であって、
(A)成分が下記一般式(I)
【0015】
【化2】
(式中R1は炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよい。)で表される有機化合物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項8)であって、
(A)成分がトリアリルイソシアヌレートであり、(B)成分が1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサンとジビニルベンゼンの反応物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項9)であって、
(A)成分がトリアリルイソシアヌレートであり、(B)成分が1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項10)であって、
請求項1〜10のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストに無機部材が含有することを特徴とするダイボンディング用樹脂ペースト(請求項11)であって、
請求項11記載の無機部材が銀、金、アルミニウム、銅、アルミナ、シリカ、酸化チタン、窒化硼素、窒化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、ITOから選択される少なくとも1種である請求項11記載のダイボンディング用樹脂ペースト(請求項12)であって、
請求項1〜12のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストを硬化させてなるダイボンディング用樹脂(請求項13)であって、
請求項1〜12のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストを硬化させてなるダイボンディング用樹脂の製造方法(請求項14)であって、
基板上に請求項1〜12のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストによって固定されたLEDチップを有する発光ダイオード(請求項15)である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明でいうダイボンディング用樹脂ペーストとは硬化性組成物、及び/または無機部材、及び/またはその他の粘度調整剤、溶剤等の添加剤を含むものであり、該ダイボンディング用樹脂ペーストを基板、電極、基材等に塗布し、硬化させることで半導体(LEDチップ等)を基板、電極、基材に接着させるために用いる。例えば、特開平5−36307に記載されている粘度調整剤や特開平2002−12637に記載されているフィラーを含んでいてもよい。
【0018】
以下、本発明の(A)成分について説明する。
【0019】
(A)成分はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物であれば特に限定されない。有機化合物としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、S、ハロゲンのみを含むものであることが好ましい。シロキサン単位を含むものの場合は、ガス透過性やはじきの問題がある。
【0020】
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
【0021】
(A)成分の有機化合物は、有機重合体系の化合物と有機単量体系化合物に分類できる。
【0022】
有機重合体系化合物としては例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
【0023】
また有機単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系:複素環系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0024】
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(II)
【0025】
【化3】
(式中R2は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。また、原料の入手の容易さからは、
【0026】
【化4】
示される基がが特に好ましい。
【0027】
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(III)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
【0028】
【化5】
(式中R3は水素原子あるいはメチル基を表す。)また、原料の入手の容易さからは、下記式で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が好適である。
【0029】
【化6】
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は(A)成分の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していても良い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、構成元素としてC、H、N、O、S、およびハロゲンのみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
【0032】
以上のような骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、
【0033】
【化9】
が挙げられる。
【0034】
(A)成分の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、およびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1、2比率10〜100%のもの、好ましくは1、2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
の他、従来公知のエポキシ樹脂のグルシジル基の一部あるいは全部をアリル基に置き換えたもの等が挙げられる。
【0037】
(A)成分としては、上記のように骨格部分とアルケニル基とに分けて表現しがたい、低分子量化合物も用いることができる。これらの低分子量化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物系、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン等の置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられる。
【0038】
(A)成分としては、耐熱性をより向上し得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を(A)成分1gあたり0.001mol以上含有するものが好ましく、1gあたり0.005mol以上含有するものがより好ましく、0.008mol以上含有するものがさらに好ましい。
【0039】
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数は、平均して1分子当たり少なくとも2個あればよいが、力学強度をより向上したい場合には2を越えることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子内当たり1個以下の場合は、(B)成分と反応してもグラフト構造となるのみで架橋構造とならない。
【0040】
(A)成分としては反応性が良好であるという観点からは、1分子中にビニル基を1個以上含有していることが好ましく、1分子中にビニル基を2個以上含有していることがより好ましい。また貯蔵安定性が良好となりやすいという観点からは、1分子中にビニル基を6個以下含有していることが好ましく、1分子中にビニル基を4個以下含有していることがより好ましい。
【0041】
(A)成分としては、力学的耐熱性が高いという観点および原料液の糸引き性が少なく成形性、取扱い性、塗布性が良好であるという観点からは、分子量が900未満のものが好ましく、700未満のものがより好ましく、500未満のものがさらに好ましい。
【0042】
(A)成分としては、他の成分との均一な混合、および良好な作業性を得るためには、粘度としては23℃において1000ポイズ未満のものが好ましく、300ポイズ未満のものがより好ましく、30ポイズ未満のものがさらに好ましい。粘度はE型粘度計によって測定することができる。
【0043】
(A)成分としては、着色特に黄変の抑制の観点からはフェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が少ないものが好ましく、フェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含まないものが好ましい。本発明におけるフェノール性水酸基とはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等に例示される芳香族炭化水素核に直接結合した水酸基を示し、フェノール性水酸基の誘導体とは上述のフェノール性水酸基の水素原子をメチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセトキシ基等のアシル基等により置換された基を示す。
【0044】
また、複屈折率が低い、光弾性係数が低い等のように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好であるという観点からは、芳香環の(A)成分中の成分重量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重量%以下のものがより好ましく、30重量%以下のものがさらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環を含まないものである。
【0045】
得られる硬化物の着色が少なく、光学的透明性が高く、耐光性が高いという観点からは、(A)成分としてはビニルシクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが好ましく、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが特に好ましい。
【0046】
(A)成分としてはその他の反応性基を有していてもよい。この場合の反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
特に(A)成分としては耐熱性および透明性が高いという観点から下記一般式(I)で表されるトリアリルイソシアヌレート及びその誘導体が特に好ましい。
【0047】
【化12】
(式中R1は炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよい。)で表される化合物が好ましい。
【0048】
上記一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、炭素数1〜20の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜10の一価の有機基であることがより好ましく、炭素数1〜4の一価の有機基であることがさらに好ましい。これらの好ましいR1の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、
【0049】
【化13】
等が挙げられる。
【0050】
上記一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の各種材料との接着性が良好になりうるという観点からは、3つのR1のうち少なくとも1つがエポキシ基を一つ以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、
【0051】
【化14】
で表されるエポキシ基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることがより好ましい。これらの好ましいR1の例としては、グリシジル基、
【0052】
【化15】
等が挙げられる。
【0053】
上記一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、2個以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、H、Oのみを含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜50の一価の炭化水素基であることがより好ましい。これらの好ましいR1の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、
【0054】
【化16】
等が挙げられる。
【0055】
上記一般式(I)のR1としては、反応性が良好になるという観点からは、3つのR1のうち少なくとも1つが
【0056】
【化17】
で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、下記一般式(IV)
【0057】
【化18】
(式中R4は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることがより好ましく、
3つのR1のうち少なくとも2つが下記一般式(V)
【0058】
【化19】
(式中R5は直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基を表し、R6は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される有機化合物(複数のR5およびR6はそれぞれ異なっていても同一であってもよい。)であることがさらに好ましい。
【0059】
上記一般式(V)のR5は、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基であるが、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、直接結合あるいは炭素数1〜20の二価の有機基であることが好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜10の二価の有機基であることがより好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜4の二価の有機基であることがさらに好ましい。これらの好ましいR5の例としては、
【0060】
【化20】
等が挙げられる。
【0061】
上記一般式(V)のR5としては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、直接結合あるいは2つ以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、H、Oのみを含む炭素数1〜48の二価の有機基であることが好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の炭化水素基であることがより好ましい。これらの好ましいR5の例としては、
【0062】
【化21】
が挙げられる。
【0063】
上記一般式(V)のR6は、水素原子あるいはメチル基であるが、反応性が良好であるという観点からは、水素原子が好ましい。
【0064】
ただし、上記のような一般式(I)で表される有機化合物の好ましい例においても、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有することは必要である。耐熱性をより向上し得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に3個以上含有する有機化合物であることがより好ましい。
【0065】
以上のような一般式(I)で表される有機化合物の好ましい具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、
【0066】
【化22】
等が挙げられる。
【0067】
接着性向上のためには、(A)成分としてはジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが好ましい。
【0068】
接着性向上と耐光性を両立させるためにはトリアリルイソシアヌレートとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの混合物であることが好ましい。該混合物はイソシアヌル環骨格を有するため耐熱性の点からも有効である。混合比は任意に設定出来るが、上記目的達成のためにはトリアリルイソシアヌレート/アリルモノグリシジルイソシアヌレート(モル比)=9/1〜1/9が好ましく、8/2〜2/8がさらに好ましく、7/3〜3/7が特に好ましい。
(A)成分は、単独又は2種以上のものを混合して用いることが可能である。
【0069】
次に、本発明の(B)成分について説明する。
【0070】
本発明の(B)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物である。
【0071】
(B)成分については1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物であれば特に制限がなく、例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
【0072】
これらのうち、入手性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状オルガノポリシロキサンが好ましく、(A)成分との相溶性が良いという観点からは、さらに、下記一般式(VI)
【0073】
【化23】
(式中、R7は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0074】
一般式(VI)で表される化合物中の置換基R7は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
【0075】
一般式(VI)で表される化合物としては、入手容易性の観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
【0076】
(B)成分の分子量は特に制約はなく任意のものが好適に使用できるが、より流動性を発現しやすいという観点からは低分子量のものが好ましく用いられる。この場合、好ましい分子量の下限は50であり、好ましい分子量の上限は100,000、より好ましくは1,000、さらに好ましくは700である。
【0077】
(B)成分は単独又は2種以上のものを混合して用いることが可能である。
【0078】
(A)成分と良好な相溶性を有するという観点、および(B)成分の揮発性が低くなり得られる組成物からのアウトガスの問題が生じ難いという観点からは、(B)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個以上含有する有機化合物(α)と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン(β)を、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物であることが好ましい。
((α)成分)
ここで(α)成分は上記した(A)成分である、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物と同じもの(α1)も用いることができる。(α1)成分を用いると得られる硬化物の架橋密度が高くなり力学強度が高い硬化物となりやすい。
【0079】
その他、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する有機化合物(α2)も用いることができる。(α2)成分を用いると得られる硬化物が低弾性となりやすい。
((α2)成分)
(α2)成分としては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する有機化合物であれば特に限定されないが、(B)成分が(A)成分と相溶性がよくなるという点においては、化合物としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、S、およびハロゲンのみを含むものであることが好ましい。
【0080】
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
【0081】
(α2)成分の化合物は、重合体系の化合物と単量体系化合物に分類できる。
【0082】
重合体系化合物としては例えば、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
【0083】
また単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系:複素環系の化合物、シリコン系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0084】
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(II)
【0085】
【化24】
(式中R2は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。また、原料の入手の容易さからは、
【0086】
【化25】
で示される基が特に好ましい。
【0087】
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(III)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
【0088】
【化26】
(式中R3は水素原子あるいはメチル基を表す。)また、原料の入手の容易さからは、下記式で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が好適である。
【0089】
【化27】
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は(α2)成分の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していても良い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、(B)成分が(A)成分と相溶性がよくなりやすいという点においては、構成元素としてC、H、N、O、S、およびハロゲンのみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
【0090】
【化28】
【0091】
【化29】
が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
【0092】
以上のような骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、
【0093】
【化30】
が挙げられる。
【0094】
(α2)成分の具体的な例としては、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ウンデセン、出光石油化学社製リニアレン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン等のような鎖状脂肪族炭化水素系化合物類、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、メチレンシクロヘキサン、ノルボルニレン、エチリデンシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、カンフェン、カレン、αピネン、βピネン等のような環状脂肪族炭化水素系化合物類、スチレン、αメチルスチレン、インデン、フェニルアセチレン、4−エチニルトルエン、アリルベンゼン、4−フェニル−1−ブテン等のような芳香族炭化水素系化合物、アルキルアリルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、グリセリンモノアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン等の脂肪族系化合物類、1,2−ジメトキシ−4−アリルベンゼン、o−アリルフェノール等の芳香族系化合物類、モノアリルジベンジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等の置換イソシアヌレート類、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェニルシラン等のシリコン化合物等が挙げられる。さらに、片末端アリル化ポリエチレンオキサイド、片末端アリル化ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル系樹脂、片末端アリル化ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、片末端アリル化ポリブチルアクリレート、片末端アリル化ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、等の片末端にビニル基を有するポリマーあるいはオリゴマー類等も挙げることができる。
【0095】
構造は線状でも枝分かれ状でもよく、分子量は特に制約はなく種々のものを用いることができる。分子量分布も特に制限ないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
【0096】
(α2)成分のガラス転位温度が存在する場合はこれについても特に限定はなく種々のものが用いられるが、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においてはガラス点移転温度は100℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることがさらに好ましい。好ましい樹脂の例としてはポリブチルアクリレート樹脂等が挙げられる。逆に得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、ガラス転位温度は100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることがさらに好ましく、170℃以上であることが最も好ましい。ガラス転位温度は動的粘弾性測定においてtanδが極大を示す温度として求めることができる。
【0097】
(α2)成分としては、得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、炭化水素化合物であることが好ましい。この場合好ましい炭素数の下限は7であり、好ましい炭素数の上限は10である。
【0098】
(α2)成分としてはその他の反応性基を有していてもよい。この場合の反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。具体的にはモノアリルジグリシジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、アリロキシエチルメタクリレート、アリロキシエチルアクリレート、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0099】
上記のような(α2)成分としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
((β)成分)
(β)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンである。
【0100】
具体的には、例えば
【0101】
【化31】
【0102】
【化32】
が挙げられる。
【0103】
ここで、(α)成分との相溶性が良くなりやすいという観点から、下記一般式(VI)
【0104】
【化33】
(式中、R7は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが好ましい。
【0105】
一般式(VI)で表される化合物中の置換基R7は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
【0106】
入手容易性等から、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
【0107】
上記したような各種(β)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
((α)成分と(β)成分の反応)
次に、本発明の(B)成分として、(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物を用いる場合の、(α)成分と(β)成分とのヒドロシリル化反応に関して説明する。
【0108】
尚、(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応すると、本発明の(B)成分を含む複数の化合物の混合物が得られることがあるが、そこから(B)成分を分離することなく混合物のままで用いて本発明の硬化性組成物を作成することもできる。
【0109】
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合の(α)成分と(β)成分の混合比率は、特に限定されないが、得られる(B)成分と(A)成分とのヒドロシリル化による硬化物の強度を考えた場合、(B)成分のSiH基が多い方が好ましいため、一般に混合する(α)成分中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の総数(X)と、混合する(β)成分中のSiH基の総数(Y)との比が、Y/X≧2であることが好ましく、Y/X≧3であることがより好ましい。また(B)成分の(A)成分との相溶性がよくなりやすいという点からは、5≧Y/Xであることが好ましく、10≧Y/Xであることがより好ましい。
【0110】
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合には適当な触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば次のようなものを用いることができる。白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2)2(PPh3)2、Pt(CH2=CH2)2Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4]m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P(OBu)3]4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。更に、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
【0111】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。
【0112】
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0113】
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、(β)成分のSiH基1モルに対して10−8モル、より好ましくは10−6モルであり、好ましい添加量の上限は(β)成分のSiH基1モルに対して10−1モル、より好ましくは10−2モルである。
【0114】
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレエート等の1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10−2モル、より好ましくは10−1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。
【0115】
反応させる場合の(α)成分、(β)成分、触媒の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、(α)成分に触媒を混合したものを、(β)成分にを混合する方法が好ましい。(α)成分、(β)成分の混合物に触媒を混合する方法だと反応の制御が困難である。(β)成分と触媒を混合したものに(α)成分を混合する方法をとる場合は、触媒の存在下(β)成分が混入している水分と反応性を有するため、変質することがある。
【0116】
反応温度としては種々設定できるが、この場合好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと実用的でない。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
【0117】
反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。
【0118】
ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用してもよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
【0119】
その他、反応性を制御する目的等のために種々の添加剤を用いてもよい。
【0120】
(α)成分と(β)成分を反応させた後に、溶媒あるいは/および未反応の(α)成分あるいは/および(β)成分を除去することもできる。これらの揮発分を除去することにより、得られる(B)成分が揮発分を有さないため(A)成分との硬化の場合に揮発分の揮発によるボイド、クラックの問題が生じにくい。除去する方法としては例えば、減圧脱揮の他、活性炭、ケイ酸アルミニウム、シリカゲル等による処理等が挙げられる。減圧脱揮する場合には低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であり、より好ましくは60℃である。高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい。
【0121】
以上のような、(α)成分と(β)成分の反応物である(B)成分の例としては、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビニルシクロヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、アリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、αメチルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、等を挙げることができる。耐熱性・耐光性の点からジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、及びトリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物が好ましい。耐熱性・耐光性・接着性の点からジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物が好ましい。
【0122】
次に本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒について説明する。
【0123】
ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2)2(PPh3)2、Pt(CH2=CH2)2Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4]m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P(OBu)3]4)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号および3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
【0124】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。
【0125】
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0126】
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、(B)成分のSiH基1モルに対して10−8モル、より好ましくは10−6モルであり、好ましい添加量の上限は(β)成分のSiH基1モルに対して10−1モル、より好ましくは10−2モルである。
【0127】
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例えばトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレエート等の1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10−2モル、より好ましくは10−1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。
【0128】
本発明の組成物の保存安定性を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。脂肪族不飽和結合を含有する化合物として、プロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
【0129】
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、1−エチニル−1シクロヘキサノール、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチンが好ましい。
【0130】
硬化遅延剤の添加量は種々設定できるが、使用するヒドロシリル化触媒1molに対する好ましい添加量の下限は10−1モル、より好ましくは1モルであり、好ましい添加量の上限は103モル、より好ましくは50モルである。
【0131】
また、これらの硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0132】
次に本発明の(D)成分であるシランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物について説明する。本発明の(D)成分は本発明の(E)成分との組み合わせによりダイボンディング用樹脂ペーストに接着性を与える成分として必須である。
【0133】
シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。
【0134】
有機基と反応性のある官能基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
【0135】
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
【0136】
シランカップリング剤の添加量としては種々設定できるが、[(A)成分+(B)成分]100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは0.5重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは25重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0137】
エポキシ基含有化合物としては種々のエポキシ樹脂が例示される。エポキシ樹脂としては、例えば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂を、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物等の脂肪族酸無水物で硬化させるものが挙げられる。これらのエポキシ樹脂あるいは硬化剤はそれぞれ単独で用いても、複数のものを組み合わせてもよい。
【0138】
エポキシ基含有化合物の添加量としては種々設定できるが、[(A)成分+(B)成分]100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは0.5重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは25重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0139】
次に本発明記載の(E)成分であるシラノール縮合触媒について説明する。本発明の(E)成分は本発明の(D)成分との組み合わせによりダイボンディング用樹脂ペーストに接着性を与える成分として必須である。
【0140】
シラノール縮合触媒としては特に限定されないが、有機アルミニウム化合物および/あるいはほう酸エステルおよび/あるいはチタン系化合物が好ましい。硬化時及び高温下での着色性が低い点からほう酸エステルが好ましい。
【0141】
シラノール縮合触媒を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは30重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0142】
本発明に用いられる有機アルミニウム化合物はシラノール縮合触媒として用い、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。
【0143】
本発明に用いられる有機アルミニウム化合物としては、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム等のアルミニウムアルコラート化合物;ナフテン酸、ステアリン酸、オクチル酸、安息香酸等のアルミニウム有機酸塩;アルミニウムエチルアセトアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセトアセテートジイソブチレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレート化合物等が挙げられるが、反応性、基材との接着性・密着性の観点から、アルミニウムキレート、及びアルミニウムアルコラートが好ましく、さらにヒドロシリル化硬化反応との相性からアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)が好ましい。又これらを併用してもよい。
【0144】
本発明に用いられるほう酸エステルはシラノール縮合触媒として用い、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。
【0145】
本発明に用いられるほう酸エステルとしては下記一般式(VII)、(VIII)で示されるものを好適に用いることが出来る。
【0146】
【化34】
【0147】
【化35】
(式中R8は炭素数1〜48の有機基を表す。)
ほう酸エステルの具体例として、ほう酸トリ−2−エチルヘキシル、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリメチル、ほう素メトキシエトキサイドを好適に用いることができる。ほう酸エステルとしては1種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して用いても良い。混合は事前に行なっても良く、また硬化物作成時に混合しても良い。
【0148】
入手性の点からほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリノルマルブチルが好ましく、ほう酸トリメチルがさらに好ましい。
硬化時の揮発性を抑制出来る点から、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう素メトキシエトキサイドが好ましく、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリフェニル、ほう酸トリノルマルブチルがさらに好ましい。
【0149】
揮発性の抑制、作業性の点からほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピルが好ましく、ほう酸トリノルマルブチルがさらに好ましい。
【0150】
高温下での着色性が低い点からほう酸トリエチルが好ましく、ほう酸トリメチルがさらに好ましい。
【0151】
本発明に用いられるチタン系化合物はシラノール縮合触媒として用い、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。
【0152】
本発明に用いられるチタン系化合物としては、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン類:チタンテトラアセチルアセトナート等のチタンキレート類:オキシ酢酸やエチレングリコール等の残基を有する一般的なチタネートカップリング剤が例示できる。
【0153】
接着性発現のためには本発明に記載の(D)成分であるシランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物と(E)成分であるシラノール縮合触媒が必須であり、どちらか一方では接着性は発現しない。
【0154】
本発明においては接着性改良効果をさらに高めるために、さらにシラノール源化合物を用いることができ、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。このようなシラノール源としては、例えばトリフェニルシラノール、ジフェニルジヒドロキシシラン等のシラノール化合物、ジフェニルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン類等を挙げることができる。
【0155】
シラノール源化合物を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤あるいは/およびエポキシ化合物エポキシ化合物100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは30重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0156】
また、これらのシラノール源化合物は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0157】
本発明においてはカップリング剤やエポキシ化合物の効果を高めるために、カルボン酸類あるいは/および酸無水物類を用いることができ、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。このようなカルボン酸類、酸無水物類としては特に限定されないが、
【0158】
【化36】
2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルハイミック酸、ノルボルネンジカルボン酸、水素化メチルナジック酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、およびそれらの単独あるいは複合酸無水物が挙げられる。
【0159】
これらのカルボン酸類あるいは/および酸無水物類のうち、ヒドロシリル化反応性を有し硬化物からの染み出しの可能性が少なく得られる硬化物の物性を損ない難いという点においては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するものが好ましい。好ましいカルボン酸類あるいは/および酸無水物類としては、例えば、
【0160】
【化37】
テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸およびそれらの単独あるいは複合酸無水物等が挙げられる。
【0161】
カルボン酸類あるいは/および酸無水物類を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤あるいは/およびエポキシ化合物エポキシ化合物100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは10重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0162】
また、これらのカルボン酸類あるいは/および酸無水物類は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0163】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストの保存安定性を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。脂肪族不飽和結合を含有する化合物として、プロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
【0164】
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、1−エチニル−1シクロヘキサノール、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチンが好ましい。
【0165】
硬化遅延剤の添加量は種々設定できるが、使用するヒドロシリル化触媒1molに対する好ましい添加量の下限は10−1モル、より好ましくは1モルであり、好ましい添加量の上限は103モル、より好ましくは50モルである。
【0166】
また、これらの硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0167】
次に本発明のダイボンディング用樹脂ペーストに含有させることができる無機部材について説明する。無機部材は、ダイボンディング用樹脂との密着性がよいと共にLEDチップからの光によって劣化しないことが望まれる。このような、無機部材としては、銀、金、アルミニウム、銅、ニッケル、マンガン、鉄、ケイ素、鉛、ビスマス、錫、ステンレス等の金属粉、アルミナ、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、石英、溶融シリカ、結晶シリカ、超微粉無定形シリカ、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、一酸化錫、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、ITO等の酸化物、窒化硼素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物、SiC等の金属炭化物、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、カーボン、グラファイト、ほう酸アルミニウム、チタン酸バリウム、珪酸カルシウム、クレー、石膏、硫酸バリウム、マイカ、ケイソウ土、白土、無機バルーン等、から選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。本発明に含有させることが出来る無機部材は、エポキシ系等の従来のダイボンディング用樹脂ペーストに一般的に使用あるいは/および提案されている無機部材等を挙げることが出来る。
【0168】
特に、銀、金、アルミニウム、銅などは、放熱性を向上させると共に導電性を持たせることができる。また、アルミナ、シリカ、酸化チタン、窒化硼素、窒化アルミニウムなどは耐侯性に強く高反射率を維持させることもできる。無機部材の形状も分散性や電気的導通などを考慮して球状、針状やフレーク状など種々の形状をとることができる。
【0169】
ダイボンディング用樹脂ペースト樹脂中の無機部材含有量は、放熱性や電気伝導性など所望に応じて種々調節させることができる。しかしながら、樹脂中の無機部材含有量を多くすると樹脂の劣化が少ないが、密着性が低下するため5重量%から80重量%が好ましく60重量%から80重量%がより好ましい。このようなダイボンディング用樹脂ペーストは、LEDチップと基板とを接着させるためにマウント機器を用いることによって簡単に塗布などすることができる。
【0170】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストは、あらかじめ混合し、組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全部を反応させることによって硬化させてダイボンディング用樹脂とすることができる。
【0171】
混合の方法としては、各種方法をとることができるが、(A)成分、(C)成分、(E)成分を混合したものと、(B)成分、(D)成分を混合したものとを混合する方法が好ましい。(A)成分と(B)成分との混合物に(C)成分を混合する方法だと反応の制御が困難である。(B)成分と(C)成分、または(E)成分を混合したものは、(C)成分、(E)の存在下(B)成分と水分との反応が促進されるためから、貯蔵中などに変質することもあり好ましくない。
【0172】
組成物を反応させて硬化させる場合において、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)各成分それぞれの必要量を一度に混合して反応させてもよいが、一部を混合して反応させた後残量を混合してさらに反応させる方法や、混合した後反応条件の制御や置換基の反応性の差の利用により組成物中の官能基の一部のみを反応(Bステージ化)させてから成形などの処理を行いさらに硬化させる方法をとることもできる。これらの方法によれば成形時の粘度調整が容易となる。
【0173】
上記記載の方法により混合した後、無機部材を混合し例えば3本ロール、ペイントミル、ボールミル等を用いて混練し、混練後真空脱泡することによりダイボンディング用樹脂ペーストを得ることが出来る。
【0174】
ダイボンディング用樹脂ペーストを硬化させる方法としては、単に混合するだけで反応させることもできるし、加熱して反応させることもできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好ましい。
【0175】
反応温度としては種々設定できるが、例えば30〜300℃の温度が適用でき、100〜250℃がより好ましく、150〜200℃がさらに好ましい。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと成形加工が困難となりやすい。
【0176】
反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
【0177】
反応時間も種々設定できる。
【0178】
反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもできる。
【0179】
次に本発明のダイボンディング用樹脂ペーストに添加することが出来る物質について記載する。
【0180】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストには特性を改質する等の目的で、種々の熱硬化性樹脂を添加することも可能である。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂等が例示されるがこれに限定されるものではない。これらのうち、接着性等の実用特性に優れるという観点から、エポキシ樹脂が好ましい。
【0181】
エポキシ樹脂としては、例えば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂を、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物等の脂肪族酸無水物で硬化させるものが挙げられる。これらのエポキシ樹脂あるいは硬化剤はそれぞれ単独で用いても、複数のものを組み合わせてもよい。
【0182】
熱硬化性樹脂の添加量としては特に限定はないが、好ましい使用量の下限は硬化性組成物全体の5重量%、より好ましくは10重量%であり、好ましい使用量の上限は硬化性組成物中の50重量%、より好ましくは30重量%である。添加量が少ないと、接着性等目的とする効果が得られにくいし、添加量が多いと脆くなりやすい。
【0183】
これらの熱硬化性樹脂は単独で用いても、複数のものを組み合わせてもよい。
【0184】
熱硬化樹脂は樹脂原料あるいは/および硬化させたものを、(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱硬化性樹脂を(A)成分あるいは/および(B)成分に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態あるいは/および混合状態としてもよい。
【0185】
熱硬化性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、ダイボンディング用樹脂ペーストの粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
【0186】
本発明の組成物には特性を改質する等の目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。熱可塑性樹脂としては種々のものを用いることができるが、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体あるいはメチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)、ブチルアクリレートの単独重合体あるいはブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APEC等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミドの共重合体等のオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI−PAS等)、ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のビスフェノール類やジエチレングリコール等のジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸、等のフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O−PET等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が例示されるがこれに限定されるものではない。
【0187】
熱可塑性樹脂としては、分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合あるいは/およびSiH基を有していてもよい。得られる硬化物がより強靭となりやすいという点においては、分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合あるいは/およびSiH基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
【0188】
熱可塑性樹脂としてはその他の架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
【0189】
熱可塑製樹脂の分子量としては、特に限定はないが、(A)成分や(B)成分との相溶性が良好となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。逆に、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましい。分子量分布についても特に限定はないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
【0190】
熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、好ましい使用量の下限は硬化性組成物全体の5重量%、より好ましくは10重量%であり、好ましい使用量の上限は硬化性組成物中の50重量%、より好ましくは30重量%である。添加量が少ないと得られる硬化物が脆くなりやすいし、多いと耐熱性(高温での弾性率)が低くなりやすい。
【0191】
熱可塑性樹脂としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
【0192】
熱可塑性樹脂は(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱可塑性樹脂を(A)成分あるいは/および(B)成分に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態あるいは/および混合状態としてもよい。
【0193】
熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
【0194】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストには充填材を添加してもよい。
【0195】
充填材としては各種のものが用いられるが、例えば、石英、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系充填材、窒化ケイ素、銀粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、無機バルーン等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として一般に使用あるいは/および提案されている充填材等を挙げることができる。
【0196】
充填材は適宜表面処理してもよい。表面処理としては、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、カップリング剤による処理等が挙げられる。
【0197】
この場合のカップリング剤の例としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
【0198】
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
【0199】
その他にも充填材を添加する方法が挙げられる。例えばアルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シラン等の加水分解性シランモノマーあるいはオリゴマーや、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシド、アシロキシド、ハロゲン化物等を、本発明のダイボンディング用樹脂ペーストに添加して、ダイボンディング用樹脂ペースト中あるいはダイボンディング用樹脂ペーストの部分反応物中で反応させ、ダイボンディング用樹脂ペースト中で充填材を生成させる方法も挙げることができる。
【0200】
以上のような充填材のうち硬化反応を阻害し難く、線膨張係数の低減化効果が大きいという観点からは、シリカ系充填材が好ましい。
【0201】
充填材の平均粒径としては、浸透性が良好となりやすいという点においては、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
【0202】
充填材の粒径50μm以上の粒子の割合としては、浸透性が良好となりやすいという点においては、1重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以下であることがより好ましい。
【0203】
充填材の粒径分布については、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、各種設定できる。例えば、24μm以上の粒子が15重量%以上かつ1μm以下の粒子が3重量%以上となるようにしてもよい。
【0204】
充填材の平均粒子径、充填材の粒径50μm以上の粒子の割合はレーザー法マイクロトラック粒度分析計を用いて測定することができる。
【0205】
充填材の比表面積についても、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、各種設定できる。例えば、4m2/g以上、4m2/g以下、10m2/g以下等、任意に設定できる。
【0206】
比表面積はBET法モノソーブ比表面積測定装置によって測定できる。
【0207】
充填材のガラス化率についても、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、各種設定できる。例えば、97%以上等、任意に設定できる。
【0208】
充填材の形状としては、封止材の粘度が低くなりやすい観点からは、球状の充填材であることが好ましい。
【0209】
充填材は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0210】
充填材の添加量はとくに限定されないが、線膨張係数の低減化効果が高く、かつ組成物の流動性が良好であるという観点から、好ましい添加量の下限は全組成物中の30重量%、より好ましくは50重量%であり、好ましい添加量の上限は全組成物中の80重量%、より好ましくは70重量%である。
【0211】
充填材の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、ダイボンディング用樹脂ペーストの中間原料の貯蔵安定性が良好になりやすいという点においては、(A)成分に(C)成分および充填材を混合したものと、(B)成分を混合する方法が好ましい。(B)成分に(C)成分あるいは/および充填材を混合したものに(A)成分を混合する方法をとる場合は、(C)成分存在下あるいは/および非存在下において(B)成分が環境中の水分あるいは/および充填材のと反応性を有するため、貯蔵中等に変質することもある。
【0212】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストには老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、一般に用いられている老化防止剤、たとえばクエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
【0213】
また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0214】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストにはラジカル禁止剤を添加してもよい。ラジカル禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系ラジカル禁止剤や、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤等が挙げられる。
【0215】
また、これらのラジカル禁止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0216】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストには紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。
【0217】
また、これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0218】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストには、その他、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、イオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
【0219】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストは溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。
【0220】
溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。
【0221】
使用する溶媒量は適宜設定できるが、用いるダイボンディング用樹脂ペースト1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLである。使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
【0222】
これらの、溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0223】
さらに、本発明のダイボンディング用樹脂ペーストには種々の発光ダイオード特性改善のための添加剤を添加してもよい。添加剤としては例えば、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出す、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体等の蛍光体や、特定の波長を吸収するブルーイング剤等の着色剤、光を拡散させるための酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、石英ガラス等の酸化ケイ素、タルク、炭酸カルシウム、メラミン樹脂、CTUグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のような各種無機あるいは有機拡散材、ガラス、アルミノシリケート等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ボロン等の金属窒化物等の熱伝導性フィラー等を挙げることができる。
【0224】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストの粘度は硬化性組成物の粘度及び種々の添加剤、溶剤により任意に調整可能である。
【0225】
本発明のダイボンディング用樹脂ペーストを用いた発光ダイオードの製造方法について説明する。
【0226】
この場合発光素子とは、特に限定なく従来公知の発光ダイオードに用いられる発光素子を用いることができる。このような発光素子としては、例えば、MOCVD法、HDVPE法、液相成長法といった各種方法によって、必要に応じてGaN、AlN等のバッファー層を設けた基板上に半導体材料を積層して作成したものが挙げられる。この場合の基板としては、各種材料を用いることができるが、例えばサファイヤ、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられる。これらのうち、結晶性の良好なGaNを容易に形成でき、工業的利用価値が高いという観点からは、サファイヤを用いることが好ましい。
【0227】
積層される半導体材料としては、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaN、InGaAlN、SiC等が挙げられる。これらのうち、高輝度が得られるという観点からは、窒化物系化合物半導体(Inx GayAlz N)が好ましい。このような材料には付活剤等を含んでいてもよい。
【0228】
発光素子の構造としては、MIS接合、pn接合、PIN接合を有するホモ接合、ヘテロ接合やダブルへテロ構造等が挙げられる。また、単一あるいは多重量子井戸構造とすることもできる。
【0229】
発光素子はパッシベーション層を設けていてもよいし、設けなくてもよい。
【0230】
発光素子には従来知られている方法によって電極を形成することができる。
【0231】
発光素子上の電極は種々の方法でリード端子等と電気接続できる。電気接続部材としては、発光素子の電極とのオーミック性機械的接続性等が良いものが好ましいく、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウムやそれらの合金等を用いたボンディングワイヤーが挙げられる。また、銀、カーボン等の導電性フィラーを樹脂で充填した導電性接着剤等を用いることもできる。これらのうち、作業性が良好であるという観点からは、アルミニウム線或いは金線を用いることが好ましい。
【0232】
上記のようにして発光素子が得られるが、本発明の発光ダイオードにおいては発光素子の光度としては垂直方向の光度が1cd以上であれば任意のものを用いることができるが、垂直方向の光度が2cd以上の発光素子を用いた場合により本発明の効果が顕著であり、3cd以上の発光素子を用いた場合にさらに本発明の効果が顕著である。
【0233】
発光素子の発光出力としては特に限定なく任意のものを用いることができるが、20mAにおいて1mW以上の発光素子を用いた場合に本発明の効果が顕著であり、20mAにおいて4mW以上の発光素子を用いた場合により本発明の効果が顕著であり、20mAにおいて5mW以上の発光素子を用いた場合にさらに本発明の効果が顕著である。
【0234】
発光素子の発光波長は紫外域から赤外域まで種々のものを用いることができるが、主発光ピーク波長が550nm以下のものを用いた場合に特に本発明の効果が顕著である。
【0235】
用いる発光素子は一種類で単色発光させても良いし、複数用いて単色或いは多色発光させても良い。
【0236】
本発明の発光ダイオードに用いられるリード端子としては、ボンディングワイヤー等の電気接続部材との密着性、電気伝導性等が良好なものが好ましく、リード端子の電気抵抗としては、300μΩ−cm以下が好ましく、より好ましくは3μΩ−cm以下である。これらのリード端子材料としては、例えば、鉄、銅、鉄入り銅、錫入り銅や、これらに銀、ニッケル等をメッキしたもの等が挙げられる。これらのリード端子は良好な光の広がりを得るために適宜光沢度を調整してもよい。
【0237】
次に本発明のダイボンディング用樹脂ペーストは、銀、金、アルミニウム、銅、アルミナ、シリカ、酸化チタン、窒化硼素、酸化錫、酸化亜鉛、ITOから選択される少なくとも1種の無機部材を含有することができる。特に、銀、金、アルミニウム、銅などは、放熱性を向上させると共に導電性を持たせることができる。また、アルミナ、シリカ、酸化チタン、窒化硼素などは耐侯性に強く高反射率を維持させることもできる。無機部材の形状も分散性や電気的導通などを考慮して球状、針状やフレーク状など種々の形状をとることができる。
【0238】
本発明の発光ダイオードは種々の樹脂によって発光素子を被覆することによって製造することができるが、この場合被覆とは、上記発光素子を直接封止するものに限らず、間接的に被覆する場合も含む。具体的には、発光素子を本発明の組成物で直接従来用いられる種々の方法で封止してもよいし、従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等の封止樹脂やガラスで発光素子を封止してもよい。また、発光素子を本発明の組成物で封止した後、従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等でモールディングしてもよい。以上のような方法によって屈折率や比重の差によりレンズ効果等の種々の効果をもたせることも可能である。
【0239】
封止の方法としても各種方法を適用することができる。例えば、底部に発光素子を配置させたカップ、キャビティ、パッケージ凹部等に液状の組成物をディスペンサーその他の方法にて注入して加熱等により硬化させてもよいし、固体状あるいは高粘度液状の組成物を加熱する等して流動させ同様にパッケージ凹部等に注入してさらに加熱する等して硬化させてもよい。この場合のパッケージは種々の材料を用いて作成することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド樹脂等を挙げることができる。また、モールド型枠中に組成物をあらかじめ注入し、そこに発光素子が固定されたリードフレーム等を浸漬した後硬化させる方法も適用することができるし、発光素子を挿入した型枠中にディスペンサーによる注入、トランスファー成形、射出成形等により組成物による封止層を成形、硬化させてもよい。さらに、単に液状または流動状態とした組成物を発光素子状に滴下あるいはコーティングして硬化させてもよい。あるいは、発光素子上に孔版印刷、スクリーン印刷、あるいはマスクを介して塗布すること等により硬化性樹脂を成形させて硬化させることもできる。その他、あらかじめ板状、あるいはレンズ形状等に部分硬化あるいは硬化させた組成物を発光素子上に固定する方法によってもよい。
【0240】
被覆部分の形状も特に限定されず種々の形状をとることができる。例えば、レンズ形状、板状、薄膜状、特許文献8記載の形状等が挙げられる。これらの形状は組成物を成形硬化させることによって形成してもよいし、組成物を硬化した後に後加工により形成してもよい。
【0241】
本発明の発光ダイオードは、種々のタイプとすることができ、例えば、ランプタイプ、SMDタイプ、チップタイプ等いずれのタイプでもよい。SMDタイプ、チップタイプのパッケージ基板としては、種々のものが用いられ、例えば、エポキシ樹脂、BTレジン、セラミック等が挙げられる。
【0242】
その他、本発明の発光ダイオードには従来公知の種々の方式が適用できる。例えば、発光素子背面に光を反射あるいは集光する層を設ける方式、封止樹脂の黄変に対応して補色着色部を底部に形成させる方式、主発光ピークより短波長の光を吸収する薄膜を発光素子上に設ける方式、発光素子を軟質あるいは液状の封止材で封止した後周囲を硬質材料でモールディングする方式、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出す蛍光体を含む材料で発光素子を封止した後周囲をモールディングする方式、蛍光体を含む材料をあらかじめ成形してから発光素子とともにモールドする方式、特開平6−244458に記載のとおりモールディング材を特殊形状として発光効率を高める方式、輝度むらを低減させるためにパッケージを2段状の凹部とする方式、発光ダイオードを貫通孔に挿入して固定する方式、発光素子表面に主発光波長より短い波長の光を吸収する薄膜を形成する方式、発光素子をはんだバンプ等を用いたフリップチップ接続等によってリード部材等と接続して基板方向から光を取出す方式、等を挙げることができる。
【0243】
本発明の発光ダイオードは従来公知の各種の用途に用いることができる。具体的には、例えばバックライト、照明、センサー光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライト等を挙げることができる。
【0244】
【実施例】
以下に、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(合成例1)
(B)成分であるトリアリルイソシアヌレートと1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物の合成
5Lのセパラブルフラスコにトルエン1.8kg、1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.44kgを加えて、内温が104℃になるように加熱した。そこに、トリアリルイソシアヌレート200g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mL、トルエン200gの混合物を滴下した。120℃のオイルバス中で7時間加熱還流させた。1−エチニル−1−シクロヘキサノール1.7gを加えた。未反応の1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去した。1H−NMRによりこのものは1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応したもの(部分反応物A1と称す、SiH価:8.2mmol/g、アリル価:0.12mmol/g)であることがわかった。生成物は混合物であるが、本発明の(B)成分である下記のものを主成分として含有している。また、本発明の(C)成分である白金ビニルシロキサン錯体を含有している。
【0245】
【化38】
(合成例2)
(B)成分である1,4−ジビニルベンゼンと1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物の合成
5Lのセパラブルフラスコにトルエン1.7kg、1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.51kgを加えて、内温が50℃になるように加熱した。そこに、1,4−ジビニルベンゼン(DVB,新日鐵化学)156g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)195mg、トルエン144gの混合物を滴下した。50℃のオイルバス中で2時間加熱させた。1−エチニル−1−シクロヘキサノール361mg及びベンゾチアゾール235mgを加え、30分間攪拌した。未反応の1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去した。1H−NMRによりこのものは1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部が1,4−ジビニルベンゼンと反応したもの(部分反応物A2と称す、SiH価:9.4mmol/g)であることがわかった。生成物は混合物であるが、本発明の(B)成分である下記のものを主成分として含有している。また、本発明の(C)成分である白金ビニルシロキサン錯体を含有している。
【0246】
【化39】
(実施例1)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例2の反応物(A1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.75g、(E)成分としてアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)0.15g(川研ファインケミカル、商品名:ALCH−TR)を用いた。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間熱風乾燥器中で加熱し硬化させることにより厚さ約3mmの目視で均一かつ無色透明の硬化物を得た。
(比較例1)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート1.0g、(B)成分として合成例1の反応物(A1)1.49g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)7.5mgを用いる。上記(A)成分、(C)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。上記混合液と(B)成分を混合し、攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間熱風乾燥器中で加熱し硬化させることにより厚さ約3mmの目視で均一かつ無色透明の硬化物を得た。
(比較例2)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート1.0g、(B)成分として合成例1の反応物(A1)1.49g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)7.5mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.125gを用いる。上記(A)成分、(C)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。上記(B)成分及び(D)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間熱風乾燥器中で加熱し硬化させることにより厚さ約3mmの目視で均一かつ無色透明の硬化物を得た。
(測定例1)
実施例1、比較例1及び2で調製した一液混合物をアルミニウム板(A−1050P)に約20μmの塗膜を作製し、120℃で1時間加熱した。光学材料は無色透明であった。室温まで冷却後、JISK5400碁盤目テープ法に基づき付着性試験を行なった(2mm角の碁盤目を25マス)。
(測定例2)
実施例1、比較例1及び2で得られた硬化物をスガ試験機M6T型メタリングウェザーメーター(ブラックパネル温度120℃、照射強度:50MJ/m2)を用いて耐熱耐光性試験を行ない、試験前後の着色状態および470nm光線透過率を分光光度計(U−3300、日立)を用いて測定した。
【0247】
以下得られた結果について示した。
【0248】
【表1】
本発明の硬化性組成物は表1で明らかな様に接着性に優れている。また、熱・光劣化により着色がなく高耐熱耐光性を有している。従って、本発明の硬化性組成物はダイボンディング用樹脂ペーストとして好適に用いることが出来る。
(実施例2)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(A1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリメチル150mgを用いる。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例3)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(A1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリノルマルブチル150mgを用いる。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例4)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(A1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリイソプロピル150mgを用いる。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製する。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例5)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート12.04g、(B)成分として合成例1の反応物(A1)17.96g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)90mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン750mg、(E)成分としてほう酸トリノルマルプロピル150mgを用いる。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール90mgをあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(実施例6)
(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート5.93g、(B)成分として合成例2の反応物(A2)2.57g、(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)20mg、(D)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン338mg、(E)成分としてほう酸トリメチル68mgを用いる。上記(A)成分、(C)成分及び(E)成分をあらかじめ混合、攪拌し混合物A液を作製した。また、上記(B)成分、(D)成分及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール41mgをあらかじめ混合、攪拌し混合物B液を作製した。上記混合物A液と混合物B液を混合し攪拌・脱泡を行い一液混合物である硬化性組成物とした。該一液混合物を2枚のガラス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、熱風乾燥機中で90℃/1時間、150℃/1時間、180℃/1時間加熱し、透明な硬質の成形体を得た。
(測定例3)
実施例2〜6で得られた試料について、初期及び180℃/24時間、190℃/24時間、200℃/24時間加熱後の波長470nmにおける光線透過率を評価した。測定装置は日立製作所製分光光度計U−3300を用いた。以下、得られた硬化物の光線透過率の値について示した。
【0249】
【表2】
表3から明らかな様に(E)成分にほう酸エステルを用いた本発明の硬化物は高温下での光線透過率の変化が小さい。従って、本発明の硬化性組成物はダイボンディング用樹脂ペーストとして好適に用いることが出来る。
(実施例7)
洗浄したサファイヤ基板上にMOCVD(有機金属気相成長)法により、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、次に発光層を構成するバリア層となるGaN層、井戸層を構成するInGaN層、バリア層となるGaN層(量子井戸構造)、発光層上にMgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGaN層を順次積層させる。エッチングによりサファイア基板上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層表面を露出させる。各コンタクト層上に、スパッタリング法を用いてAlを蒸着し、正負各電極をそれぞれ形成させる。出来上がった半導体ウエハーをスクライブラインを引いた後、外力により分割させ発光素子である発光素子を形成させる。
【0250】
表面に銀でメッキされた鉄入り銅から構成されるマウントリードのカップ底面上に、ダイボンディング用樹脂ペーストとして実施例1〜6に記載されている硬化性組成物を用い、上記発光素子をダイボンドする。これを150℃で60分加熱し該硬化性組成物を硬化させ発光素子を固定する。次に、発光素子の正負各電極と、マウントリード及びインナーリードとをAu線によりワイヤーボンディングさせ電気的導通を取る。
【0251】
実施例1と同様にして調整した硬化性組成物を砲弾型の型枠であるキャスティングケース内に注入させる。上記の発光素子がカップ内に配置されたマウントリード及びインナーリードの一部をキャスティングケース内に挿入し60℃/1時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱硬化を行う。キャスティングケースから発光ダイオードを抜き出し、窒素雰囲気下において180℃30分間で後硬化を行う。これにより砲弾型等のランプタイプの発光ダイオードを作成することができる。
(実施例8)
エッチングにより一対の銅箔パターンをガラスエポキシ樹脂上に形成させることによって、リード電極を持った基板を形成する。発光素子をダイボンディング用樹脂ペーストとして実施例1〜6に記載されている硬化性組成物を用いガラスエポキシ樹脂上にダイボンドする。発光素子の各電極と、各リード電極とをそれぞれAu線でワイヤボンディングし電気的導通を取る。基板上にマスク兼側壁としてとして貫通孔があいたガラスエポキシ樹脂をエポキシ樹脂により固定配置させる。この状態で真空装置内に配置させると共に発光素子が配置されたガラスエポキシ樹脂基板上にエポキシ樹脂をディスペンスし、貫通孔を利用したキャビティ内に硬化性組成物を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化させる。各発光ダイオードチップごとに分割させることでチップタイプ発光ダイオードを作成することができる。
【0252】
【発明の効果】
本発明の発光ダイオードに用いる硬化性組成物は、接着性に優れ、高い耐熱性及び高い透明性を有するため発光ダイオード用ダイボンディング樹脂ペーストとして用いることが出来る。
Claims (15)
- (A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機系骨格からなる有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)シランカップリング剤及び/又はエポキシ基含有化合物、(E)シラノール縮合触媒を必須成分として含むことを特徴とする硬化性組成物よりなるダイボンディング用樹脂ペースト。
- (E)成分が有機アルミニウム化合物及び/又はほう酸エステルであることを特徴とする請求項1記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
- (D)成分が分子中にエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基及びカルバメート基からなる群より選ばれる少なくとも1個の官能基と加水分解性のケイ素基を有するシランカップリング剤である、請求項1乃至2記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
- (D)成分が分子中にエポキシ基と加水分解性のケイ素基を有するシランカップリング剤である、請求項1乃至2記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
- (E)成分がアルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコラート化合物である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
- (E)成分がアルミニウムエチルアセトアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセトアセテートジイソブチレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート及びアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)からなる群より選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
- (E)成分がほう酸トリノルマルオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリエチル及びほう酸トリメチルからなる群より選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
- (A)成分がトリアリルイソシアヌレートであり、(B)成分が1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサンとジビニルベンゼンの反応物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
- (A)成分がトリアリルイソシアヌレートであり、(B)成分が1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストに無機部材が含有することを特徴とするダイボンディング用樹脂ペースト。
- 請求項11記載の無機部材が銀、金、アルミニウム、銅、アルミナ、シリカ、酸化チタン、窒化硼素、窒化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、ITOから選択される少なくとも1種である請求項11記載のダイボンディング用樹脂ペースト。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストを硬化させてなるダイボンディング用樹脂。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストを硬化させてなるダイボンディング用樹脂の製造方法。
- 基板上に請求項1〜12のいずれか1項に記載のダイボンディング用樹脂ペーストによって固定されたLEDチップを有する発光ダイオード。
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