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JP2004250594A - シートモールディングコンパウンドおよび樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

シートモールディングコンパウンドおよび樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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JP2004250594A JP2003042935A JP2003042935A JP2004250594A JP 2004250594 A JP2004250594 A JP 2004250594A JP 2003042935 A JP2003042935 A JP 2003042935A JP 2003042935 A JP2003042935 A JP 2003042935A JP 2004250594 A JP2004250594 A JP 2004250594A
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resin molded
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Kentaro Hayashi
健太郎 林
Seiya Koyanagi
精也 小柳
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

【課題】軽量かつ高剛性であり、成形性に優れており、また、マテリアルリサイクルが可能である炭素繊維強化成形材料を提供する。
【解決手段】炭素繊維、重合性単量体および熱可塑性樹脂を含むシートモールディングコンパウンド。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素繊維強化樹脂成形材料(シートモールディングコンパウンド)及び樹脂成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から軽量かつ高い剛性の材料としてガラス繊維強化シートモールディングコンパウンドが使用されてきた。シートモールディングコンパウンド(以下、「SMC」ともいう)は圧縮成形による高強度大面積の成形品を得るのが容易であり、また金型の構造上の制約が小さい等の利点がある。
【0003】
近年、特に輸送機器用の材料として、より軽量かつ高剛性の材料として炭素繊維を強化繊維として使用したSMCが用いられるようになってきた。例えば、表面平滑性が高いため自動車ボディ等の用途に適している成形体として、マトリックス樹脂にビニルエステル樹脂を用い、炭素繊維にフィラメント数12000本、繊維長25mmのチョップを使用したSMCにさらに炭素繊維からなる不織布を重ねて圧縮成形して得られる炭素繊維強化成形体や、該SMCにさらに炭素繊維からなる繊維長0.3mm以下のミルドファイバーを添加してなるSMCおよびその成形体などが開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、自動車用の材料においては、近年、リサイクル性の向上が課題となってきている。しかしながら、特許文献1に開示されているSMCは、マトリックス樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が使用されるためリサイクル性が低く、例えばマテリアルリサイクルができないという問題点があった。
【0005】
一方、マテリアルリサイクルが可能な繊維強化樹脂成形材料としては、熱可塑性樹脂と炭素繊維チョップを溶融混練して得られる炭素繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(特許文献2参照)や、炭素繊維からなる織物、編み物、不織布、マット等に熱可塑性樹脂を含浸して得られる炭素繊維強化熱可塑性シートが開示されている(特許文献3参照)。
【0006】
特許文献2においては、マトリックス樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂を用い、炭素繊維として番手800tex、繊維長4〜6mmのチョップを使用した炭素繊維強化熱可塑性樹脂ペレットおよびその製造方法が開示されている。また、特許文献3においては、マトリックス樹脂としてポリメチルメタクリレート樹脂を用い、炭素繊維としてフィラメント数3000本の炭素繊維トウを製織してなる炭素繊維布帛を使用した炭素繊維強化熱可塑性樹脂シートにさらにメタクリル樹脂フィルムをシート表面に貼り合わせた炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合シートおよびその製造方法が開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示されている炭素繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、成形時の流動性確保のために炭素繊維の含有量をSMC成形品ほど高くすることができず、また繊維長も短いため補強効果が十分に得られず、成形品の曲げ強度や曲げ弾性率がSMC成形品にくらべ劣るという欠点を有する。
【0008】
また、特許文献3に開示されている炭素繊維強化熱可塑性シートは、SMCと同等以上の長さの炭素繊維チョップもしくは連続繊維を使用するため、SMC成形品と同等以上の曲げ強度や曲げ弾性率を実現することが可能であるが、低分子量体成分を含まないため、成形時に流動性が向上せず、結果として、SMCと比べて成形時の流動性が低い。このため、例えば肉厚が変化するような形状には対応困難であり、成形性が悪いという問題があった。
【特許文献1】
特開2001−348440号公報
【特許文献2】
特開平9−234734号公報
【特許文献3】
特開平9−174547号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、軽量かつ高剛性であり、成形性に優れており、また、マテリアルリサイクルが可能である炭素繊維強化成形材料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題は本発明によって解決され、本発明の1つの態様によると、炭素繊維、重合性単量体および熱可塑性樹脂を含むシートモールディングコンパウンド(SMC)が提供される。
このようなSMCは、成形時の流動性が高く、優れた金型追従性を発揮する。また、得られる成形品は軽量かつ高剛性を実現できる。さらに、成形品は加熱変形できるので、粉砕後にマテリアルリサイクルが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。
本発明のSMCは、炭素繊維、重合性単量体及び熱可塑性樹脂を含む。
【0012】
本発明で使用される炭素繊維は、通常、炭素繊維単繊維をサイズ剤で処理し束ねたものであり、炭素繊維単繊維を例えば100〜100000本の単位で束ねたものである。
【0013】
炭素繊維の含有量は、特に制限されないが、次の点からSMC中10〜85質量%の範囲が好ましい。炭素繊維の含有量が10質量%以上では該SMCを成形してなる樹脂成形品の機械強度が良好となる傾向にあり、85質量%以下では重合性単量体及び熱可塑性樹脂からなるマトリックス樹脂の炭素繊維への含浸性が良好となり、樹脂成形品の外観が良好となる傾向にある。さらに、炭素繊維の含有量は、樹脂成形品の機械的強度の点から30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましい。また、炭素繊維の含有量は、樹脂成形品の外観の点から、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下が特に好ましい。
【0014】
また、本発明に用いる炭素繊維単繊維の直径は、特に制限されるものではないが3〜20μmの範囲にあることが好ましい。炭素繊維単繊維の直径は3μm以上であればSMCの成形時の流動性が向上し、樹脂成形品の表面外観が良好となる傾向にあり、20μm以下であれば樹脂成形品の機械的強度が向上する傾向にある。
【0015】
さらに、炭素繊維単繊維の直径は、樹脂成形品の表面外観がより一層良好となる点から下限値が5μm以上であることがより好ましく、樹脂成形品の機械的強度がより一層向上する点から上限値が10μm以下であることがより好ましい。
【0016】
炭素繊維の長さは、特に制限されないが、6〜70mmの範囲が好ましい。炭素繊維の長さが6mm以上では樹脂成形品の強度が向上する傾向にあり、70mm以下ではSMCの流動性が向上する傾向にある。さらに、炭素繊維の長さの下限値は、樹脂成形品の強度がより充分に向上することから10mm以上がより好ましく、20mm以上が特に好ましい。また、炭素繊維の長さの上限値は、SMCの流動性がより充分に向上することから50mm以下がより好ましく、30mm以下が特に好ましい。
【0017】
なお、本発明の主旨に従って、シートモールディングコンパウンドの製造に際し、ガラス繊維、アラミド繊維、その他有機又は無機繊維を炭素繊維と併用することには何ら差し支えない。
【0018】
本発明で使用される重合性単量体はSMCに流動性を付与する成分であり、SMCの成形性を高めるように作用する。また、重合性単量体は炭素繊維への濡れ性を高めるので、より多量の炭素繊維をSMCに含有させることができる。重合性単量体は重合時に熱可塑性重合体を形成することができるものである。このような重合性単量体は、例えば、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を分子内にひとつ有し、分子量1000以下の分子である。炭素−炭素二重結合を分子内にひとつ有する重合性単量体を用いることによって、これを含有するSMCを重合硬化させてなる樹脂成形品は、非架橋重合体からなり、熱可塑性を発現する。従って、本発明の樹脂成形品はマテリアルリサイクルが可能となり、従来の熱硬化性SMC成形品とは異なる。また、分子量が1000以下であることにより、SMCに適度な流動性を付与することが可能となる。
【0019】
さらに、分子量1000以内でラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を分子内に二つ以上有する、多官能性の重合性単量体は、硬化後のSMC成形品が実質的に架橋構造をもたず、熱可塑性を示す範囲であれば併用しても構わない。具体的には、多官能性の重合性単量体は、重合性単量体全量に対して5質量%以下であることが好ましい。また、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましい。
【0020】
重合性単量体の種類は、具体的には、スチレン等の芳香族ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、フマル酸エステル、メチルメタクリレートやメタクリル酸等の(メタ)アクリル系単量体が使用例として挙げられる。これらの単量体は、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用することができる。また、重合性単量体は、SMCに適度の流動性を付与することができるかぎり、上記単量体などの適切な単量体のオリゴマーの形態であってもよい。中でも、樹脂成形品を輸送機器用途に用いる場合、硬化後の耐候性が良好な(メタ)アクリル系単量体が特に好ましい。
【0021】
重合性単量体の含有量は、特に制限されないが、次の点からSMC中5〜85質量%の範囲が好ましい。
重合性単量体の含有量が5質量%以上であるとSMCの流動性が向上する傾向にあり、85質量%以下であるとSMCの重合収縮率が小さくなり、寸法安定性が向上する傾向にある。
【0022】
中でも、重合性単量体の含有量の下限値は、SMCの流動性がさらに向上する点から、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましい。また、重合性単量体の上限値は、SMCの寸法安定性がさらに向上する点から70質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。
【0023】
本発明で使用される熱可塑性樹脂は、SMCを製造する際に、製造に適した粘度を発現させる、さらに必要に応じてSMCを取り扱う際に取り扱い性の良好な粘度まで増粘させる性質を付与する成分であり、熱可塑性を示す樹脂であればどれでも使用できる。
【0024】
熱可塑性樹脂の種類の具体例としては、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート等が挙げられる。中でも、樹脂成形品を輸送機器用途に用いる場合、耐候性が良好な(メタ)アクリル系樹脂が特に好ましい。また、後述する増粘剤において酸化マグネシウム等の金属酸化物を使用する場合は、熱可塑性樹脂と金属酸化物との間にイオン架橋反応を起こさせるため、熱可塑性樹脂にカルボキシル基等の酸性官能基が存在していることが好ましい。
【0025】
熱可塑性樹脂の含有量は、特に制限されないが、次の点からSMC中3〜85質量%の範囲が好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が3質量%以上では重合性単量体および熱可塑性樹脂からなるマトリックス樹脂の炭素繊維への含浸具合が良好となり樹脂成形品の外観が向上する傾向にあり、85質量%以下では樹脂成形品の機械強度が良好となる傾向にある。さらに、熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂成形品の外観の点から5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が特に好ましい。また、熱可塑性樹脂の含有量は樹脂成形品の機械強度の点から70質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。
【0026】
重合性単量体の種類と熱可塑性樹脂の種類の組み合わせは、特に制限されず、上記で示した種類の重合性単量体と熱可塑性樹脂を任意に組み合わせることができる。その中でも、硬化後の耐候性がよくなることから、(メタ)アクリル系単量体と(メタ)アクリル系樹脂の組み合わせが好ましい。
【0027】
本発明のSMCには、炭素繊維と熱可塑性樹脂組成物のほかに、必要により無機充填剤、重合開始剤、重合禁止剤、顔料、増粘剤、内部離型剤等も使用することができる。
【0028】
無機充填剤の種類は、特に制限は無く、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、シリカ、溶融シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、リン酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、ガラスパウダー等の公知の材料を使用することができ、これらは2種以上を併用することができる。
【0029】
無機充填剤の含有量は、特に制限されないが、次の点からSMC中80質量%以下の範囲が好ましい。無機充填剤の含有量が80質量%以下では樹脂成形品表面の光沢が向上し、樹脂成形品の外観が良好となる傾向にあり、この点から60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。また、無機充填剤の含有量は、下限はなく、0%でも構わない。
【0030】
重合開始剤の種類は、特に制限は無い。例えばt−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物など公知の材料が使用できる。
【0031】
増粘剤の種類は、特に制限は無い。例えば重合体粉末、酸化マグネシウム等の金属酸化物、ポリイソシアネートなど、公知の材料を使用することができる。
【0032】
内部離型剤は、特に制限は無い。例えばステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩や、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤など公知の材料を使用することができる。
【0033】
本発明のSMCの製造方法は、特に制限はなく、例えば、熱可塑性樹脂組成物および他の添加物を、図1に示されるようなSMCマシーン等の公知の装置を用いて炭素繊維に含浸させ、その後に10〜50℃の温度で数日間熟成し、増粘させることで製造することができる。
【0034】
図1に示されるようなSMCマシーンを用いる場合は、重合性単量体および熱可塑性樹脂の混合物は炭素繊維への含浸が可能でありかつ離型フィルム2の脇から液ダレが起こらないような粘度であることが好ましい。また、熟成後の粘度は離型フィルムを容易に剥がすことができるような粘度に増粘していることが好ましい。
【0035】
次に、本発明の樹脂成形品の製造方法について説明する。
本発明における樹脂成形品の製造方法は、本発明のSMCを圧縮成形して樹脂成形品を得る方法である。従って、得られた樹脂成形品は前述したように、実質的に架橋構造を有さないため熱可塑性を示し、この点が従来の熱硬化性樹脂をマトリックスに用いたSMC成形品と大きく異なる点である。ここで、実質的に架橋構造を有さないとは、たとえ樹脂成形品が架橋構造を有していたとしても、樹脂成形品が問題なく加熱溶融できる程度にしか有していないことを表す。従って、本発明で得られた樹脂成形品は加熱変形させて再利用する、あるいは樹脂成形品の粉砕物を射出成形用材料の原料として再利用する、などの形でマテリアルリサイクルが可能となる。
【0036】
また、樹脂成形品は、強化繊維として炭素繊維を用いているため、従来のガラス繊維強化FRPに比べ軽量かつ高強度であり、さらに樹脂成形品はSMCを硬化させてなる成形品であるため金型の構造上の制約が少なく、成形品の設計の自由度が高い。従って、輸送機器用部品への使用が好適である。ここでいう輸送機器とは自動車、鉄道、航空機、船舶等の、人や物を輸送するのに使われる機器を指し、輸送機器用部品とは前記輸送機器に使用される外装品、内装品、構造物等の部品を指す。なかでも、本発明で得られた樹脂成形品は、自動車用の部品として使用することが特に好適である。自動車においては、1997年5月に通商産業省より公表された「使用済み自動車リサイクルイニシアティブ」に代表されるように、近年リサイクル率の向上が特に期待されているためである。本発明の樹脂成形品は、自動車用部品としては、例えばボンネット、フェンダー、スポイラー、構造材等に使用することができる。
【0037】
本発明の樹脂成形品を製造する際に、圧縮成形法を用いることで、表面平滑性が高く、複雑な形状を持つ成形品を短時間で成形することが可能となる。
【0038】
圧縮成形において、成形温度や成形時間、成形圧力等の成形条件には特に制限はなく、製造したSMCの特性に応じて任意に設定することができる。例えば、成形温度は、使用する重合開始剤の分解温度および添加量によるが、70〜150℃の範囲が好ましい。成形時間は、成形品の厚みによるが、30秒〜10分の範囲が好ましい。成形圧力は、2〜30MPaの範囲が好ましい。
【0039】
【実施例】
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。例中の部及び%は、全て質量基準である。
〔アクリル系シラップ(SY1)の製造例〕
冷却管、温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、純水435部、ポリビニルアルコール(けん化度88%、重合度1000)1部を溶解させた後、メチルメタクリレート289.5部、メタクリル酸10.5部、チオグリコール酸オクチル9部、アゾビスイソブチロニトリル0.6部を溶解させた単量体溶液を投入し、窒素雰囲気下、350rpmで攪拌しながら1時間で70℃に昇温し、そのまま2時間加熱した。その後、90℃に昇温し2時間加熱して、懸濁重合を終了した。得られたスラリーを濾過、洗浄した後、50℃の熱風乾燥機で乾燥し、平均粒子径が350μmのアクリル系重合体を得た。得られたアクリル系重合体の重量平均分子量は3.5万であった。
【0040】
次に、冷却管、温度計、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート67.8部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(住友化学(株)製、商品名、「スミライザーBHT」)0.014部および先述のアクリル系重合体粒子32.2部を投入し、60℃で3時間かけてアクリル系重合体を溶解させ、アクリル系シラップ(SY1)を得た。
【0041】
[実施例1]
図1に示すようなSMCマシーンを用いて以下のような手順でシートモールディングコンパウンドを製造した。
下記コンパウンドをフィルム上に塗布し、その塗布面に炭素繊維(三菱レイヨン製、「TR50S−12L−FO」)を25mm長にカットして散布した後同様のコンパウンドが塗布されたフィルムで上面を覆って閉じた。ついで、全体を含浸ローラーにかけて同コンパウンドを炭素繊維に含浸させ、引き続きシート状にして巻き取り、25℃で4日間熟成させ、シートモールディングコンパウンドを得た。
コンパウンドの組成:
アクリル系シラップ(SY1) 40部
ステアリン酸亜鉛 0.1部
重合開始剤(日本油脂(株)製、商品名「パーキュアO」) 1.0部
酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名「マグミック」) 0.2部
純水 0.1部
炭素繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名「TR50S−12L−FO」) 60部
得られたシートモールディングコンパウンドを1200mm×120mmの大きさに切断し、110℃で加熱された自動車用スポイラーの金型中で圧力10MPaで6分間プレス成形し、約1500mm×150mm×2mmの樹脂成形品(自動車用スポイラー)を得た。成形品の比重は1.53、曲げ強度は500MPa、曲げ弾性率は29GPaであった。
次に得られた樹脂成形品をチョッパーミルで粉砕し、粉砕物をさらにボールミルで微粉砕し、粉状物を得た。得られた粉状物をアクリル系樹脂ペレット(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリペットVH0」)と混合し、押し出し機で200℃の条件で溶融混練し、出てきた樹脂をペレタイザーにかけ、ペレット化した。粉状物とアクリル系樹脂ペレットの混合比は20/80(質量比)であった。
【0042】
次に得られた混合ペレットを、金型温度80℃、バレル温度200℃、成形圧力10MPaの条件で、自動車用ルームミラーのハウジング部品を射出成形した。成形品の外観は良好であり、マテリアルリサイクルが可能であることが確認できた。
【0043】
[比較例1]
実施例1と同様の方法で、以下の材料を用いてシートモールディングコンパウンドを製造した。
コンパウンドの組成:
ビニルエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名「ディックライト#3810」) 45部
ジクミルパーオキサイド 0.3部
酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名「マグミック」) 2部
炭素繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名「TR50S−12L−FO」) 55部
【0044】
得られたシートモールディングコンパウンドを184mm×184mmの大きさに切断し、135℃で加熱された金型中で圧力10MPaで8分間プレス成形し、200mm×200mm×4mmの樹脂成形品を得た。成形品の比重は1.49、曲げ強度は520MPa、曲げ弾性率は32GPaであった。
【0045】
次に得られた樹脂成形品をチョッパーミルで粉砕し、粉砕物をさらにボールミルで微粉砕し、粉状物を得た。得られた粉状物を射出成形用樹脂ペレット(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリペットVH0」)と混合し、押し出し機で200℃の条件で溶融混練しようとしたところ、粉状物が充分に溶融せず、以降の製造工程を行うことができず、マテリアルリサイクルを行うことができなかった。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、熱可塑性樹脂組成物および炭素繊維束含むシートモールディングコンパウンドを用いることにより、軽量かつ高剛性でリサイクルの容易な樹脂成形品を作製することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】SMCマシーンの略図を示す。
【符号の説明】
1…重合性単量体および熱可塑性樹脂
2…離型フィルム
3…コーター
4…炭素繊維
5…チョッパー
6…含浸ロール
7…巻き取りロール

Claims (5)

  1. 炭素繊維、重合性単量体および熱可塑性樹脂を含むシートモールディングコンパウンド。
  2. 重合性単量体が(メタ)アクリル系単量体である請求項1記載のシートモールディングコンパウンド。
  3. 熱可塑性樹脂が(メタ)アクリル系樹脂である請求項1記載のシートモールディングコンパウンド。
  4. 請求項1乃至3記載のシートモールディングコンパウンドを圧縮成形して樹脂成形品を得る樹脂成形品の製造方法。
  5. 樹脂成形品が輸送機器用部品である請求項4記載の樹脂成形品の製造方法。
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