JP2004117747A - 光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光素子の変形を防止し、これに伴う光学特性の劣化を防ぐ構成を有する光装置を提供する。
【解決手段】透明平板13の一方の面に、多層全反射膜11と倒す反射防止膜12が設けられ、他方の面に半透明多層反射膜14が設けられたVIPA光素子10において、両面の多層膜の応力の不均衡を調整するために、応力補正膜16を設ける。応力補正膜16を設けることによって、VIPA光素子10の両面の応力の不均衡が是正され、面精度の良いVIPA光素子10が構成される。
【選択図】 図2
【解決手段】透明平板13の一方の面に、多層全反射膜11と倒す反射防止膜12が設けられ、他方の面に半透明多層反射膜14が設けられたVIPA光素子10において、両面の多層膜の応力の不均衡を調整するために、応力補正膜16を設ける。応力補正膜16を設けることによって、VIPA光素子10の両面の応力の不均衡が是正され、面精度の良いVIPA光素子10が構成される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光素子の光学特性をなるべく良好に保つことのできる構成を有した光装置に関わる。より具体的には、バーチャリ・イメージド・フェイズド・アレイ(VIPA)光素子を、波長分散を生成するために用いる光装置において、VIPA光素子の変形による光学特性の劣化を抑制する構成を有する光装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】
光を用いて情報を送信するための従来の光ファイバ通信システムでは、送信器は、光パルスを光ファイバを通して受光器に送出する。しかし、「色分散」ともいわれる、光ファイバの波長分散は、システムの信号の質を劣化させる。
【0003】
より具体的には、波長分散の結果、光ファイバ中の信号光の伝播速度はその信号光の波長に依存する。例えば、長い波長を持つ光パルス(例えば、赤色を示す波長を持つ光パルス)が、短い波長を持つ光パルス(例えば、青色を示す波長を持つ光パルス)よりも速く伝播するとき、その分散は正常分散と呼ばれる。逆に、短い波長を持つ光パルス(例えば、青色パルス)が、長い波長を持つパルス(例えば、赤色パルス)よりも速く伝播するとき、その分散は異常分散と呼ばれる。
【0004】
従って、信号光パルスが送信器から送出される際に赤色パルス及び青色パルスを含む場合、信号光パルスは光ファイバ内を伝播する間に赤色パルス及び青色パルスに分離され、それぞれの光パルスが異なる時間に受光器によって受光される。
【0005】
光パルス送信の他の例として、青色から赤色へ連続する波長成分を持つ信号光パルスを送信する場合には、各成分は異なる速度で光ファイバを内を伝播するため、信号光パルスは光ファイバ内でその時間幅が広げられ、歪が生じる。全てのパルスは有限は波長範囲内の波長成分を含むため、このような波長分散は光ファイバ通信システムにおいては、極めて一般的である。
【0006】
従って、特に高速の光ファイバ通信システムにおいては、高送信能力を得るために波長分散を補償することが必要となる。
このような波長分散を補償するために、光ファイバ通信システムには、光ファイバにおいて発生する波長分散と逆の波長分散を光パルスに与える「逆分散コンポーネント」が必要となる。
【0007】
このような「逆分散コンポーネント」の1つとして、特願平10年−534450号及び特願平11年−513133には、「Virtually Imaged Phased Array(バーチャリ・イメージド・フェイズド・アレイ)」、すなわちVIPAと呼ぶ光素子を含む光装置が提案されている。
【0008】
図10〜図12は、VIPAと、これを用いた逆分散コンポーネントの説明図である。
VIPA光素子は、入射光を自己干渉させVIPA光素子から伝播する光を生成する。そして、VIPA光素子を用いた逆分散コンポーネントとして動作する分散補償装置には、VIPA光素子に光を戻し、VIPA光素子内で多重反射が発生するようにするための返光装置も含む。
【0009】
分散補償装置である上記光装置は、連続する波長範囲内の波長の入力光を受け取り、入力光に含まれる各波長成分に対応する出力光を連続した波長範囲について生成する。この出力光は、連続する波長範囲内の他波長の出力光とは空間的に区別できる(例えば、異なる方向に進む)。この出力光が進行角度で区別できれば、この光装置は角度分散があるということである。
【0010】
VIPA光素子は、透過域および透明平板から構成される。透過域を通ることによって、光はVIPA光素子内に出入りすることができる。透明平板は、第1および第2の表面を持つ。
【0011】
第1及び第2の表面は反射面である。第2の表面の反射面は、半透明の反射面であり、反射する特性と入射光の一部を透過する特性をあわせ持っている。これらの反射面は、一般に透明は誘電体の多層膜を透明平板上に形成して得られる。これに対し、第1の表面の反射膜は、入射する光を全部反射する全反射膜である。ここで、第1の表面の全反射膜も多層膜で構成されるが、この多層全反射膜は、第2の半透明は多層反射膜に比べて膜の層数は多く形成される。入力光は透過域を通ってVIPA光素子に受光され、透明平板の第1及び第2の表面の間で何度も反射され、複数の光が第2の表面を透過する。このようにして透過したそれぞれの透過光は、互いに干渉して波長に応じて異なる方向に進む出力光を生成する。
【0012】
入力光は、連続する波長範囲内の波長を持ち、出力光は、その波長範囲内の他の波長を持つ光とは空間的に区別することができる。返光装置は、出力光を完全に逆方向に第2の表面へと返すことができ、これらの返送光を第2の表面を透過してVIPA光素子に入力させ、その返送光がVIPA光素子内を多重反射してVIPA光素子の透過域から入力経路へ出力される。
【0013】
本光装置に設けられる返光装置は、VIPA光素子から出力される複数の干渉次数の出力光の内の1つの干渉次数にある出力光をVIPA光素子に返し、その他の干渉次数の出力光はVIPA光素子には返さない。すなわち、返光装置は、一つの干渉次数に対応する光のみをVIPA光素子に返す。
【0014】
ここで、返光装置は、反射ミラーから構成される。ミラーの表面形状は、光装置が一定の波長分散を行うように形成する。
以上のようにVIPAは、回折格子のように角分散の機能を持ち、波長分散補償を可能とするが、特に大きな角分散を有することが特徴であり、実用的な逆分散コンポーネントを容易に提供することができる。
【0015】
図10に示されるように、入力ファイバから入射した光は、光サーキュレータ10によってコリメートレンズ11に送られる。コリメートレンズ11は、光ファイバの出射光から広がりながら進む光を平行な光に変換する。コリメートレンズ11によって平行光となった光は、ラインフォーカスレンズ12によってVIPA光素子13の透過域を通った後のVIPA光素子13内に線状に集光される。
【0016】
線状に集光された光はVIPA光素子13の表面に設けられた反射膜によって何回も反射される。この反射膜は一方が半透明であるため、何回も反射を繰り返す内に、光は、少しずつフォーカスレンズ14側に出力される。このように、反射の度に出力される光は互いに干渉し、波長によって進行方向の異なる光束を形成する。これらの高速はフォーカスレンズ14によって反射ミラー15の表面の特定の位置に集光される。反射ミラー15によって反射された光は、フォーカスレンズ14を通って、再びVIPA光素子13に入射される。このようにして、再度VIPA光素子13に入射された光は、多重反射を繰り返した後、VIPA光素子の透過域から出力され、ラインフォーカスレンズ12、コリメートレンズ11を通って、光ファイバに結合される。光ファイバ内に入った光は、光サーキュレータ10を通って、出力ファイバ10から出力される。
【0017】
図11は、VIPA光素子が出力光を生成する様子を説明する図である。
VIPA光素子には、ラインフォーカスレンズから線集光された入射光が、反射防止膜を設けられた透過域から入射される。入射光は、VIPA光素子の中で多重反射をするが、この反射の光経路の折り曲がりを伸ばすと、位相のそろえられた虚像(ビーム像)の配列(Virtually Imaged Phased Array)となる。従って、これらの虚像から出力された光が干渉し合い半透明多層反射膜の側に干渉によって強め合って形成された光が出力される。この干渉によって形成された光は、干渉が強め合う条件を満たす方向に進むが、干渉が強め合う条件は波長毎に異なるので、波長毎に異なる方向に光束が形成される。したがって、図11に示すVIPA光素子は回折次数の大きな回折格子に対応するものであり、出射光は干渉条件を満たす方向に伝播する。
【0018】
図12は、VIPA光素子を使った波長分散補償の原理を説明する図である。図12に示すようにフォーカスレンズの後方に配置された反射ミラーに集光された光は、集光位置の反射ミラーの形状により決まる反射角度によって任意の位置にもどり、入射時と逆の経路で光ファイバに再び結合する。図12のように反射ミラーが凸形状である場合は、短波長側の光が、上側のビーム像にもどり、長波長側の光と比べ光路長が長くなり遅延が増大する。従って、この場合、分散補償装置は負の分散を発生する。逆に反射ミラーが凹形状である場合は、正の分散を発生することが可能となる。なお、VIPAを用いた分散補償器は光が同じ光路をもどってくる構成であるため、サーキュレータを用いてインラインで用いることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、波長分散を補償するためのVIPA光素子を用いた光装置において、透明平板からなるVIPA光素子の面精度が崩れ、反ってしまうと、回折格子が変形した場合と同様に、ビーム像の配列、すなわち、「Virtually Imaged Phased Array(バーチャリ・イメージド・フェーズド・アレイ)」の周期性が崩れてしまい、挿入損失の増大、及び透過帯域の減少などの光学特性の劣化につながってしまう。実際に、VIPA光素子は透明平板の両面に層数の異なる多層反射膜をイオンプレーティング法などのイオン化成膜法により形成するが、多層膜を構成する膜自体に応力があるため、多層膜も層数に応じた膜応力を持ち、両面の膜応力の不釣り合いによって、透明平板が反ってしまうという問題がある。
【0020】
また、VIPA光素子を固定する際にも反りが起こりやすいという問題がある。また、その固定法が適切でないと、環境の温度が変化した場合に、VIPA光素子が反ってしまうという問題がある。
【0021】
特に、透明平板の厚さは、各チャネルでの分散を同時に補償するために「WDMマッチングのFSRの厚さ」の条件、すなわち、
2ntcosθ=mλ・・・(1)
FSR=c/2ntcosθ・・・(2)
(nはガラスの屈折率、tはガラスの物理的厚さ、θは各チャネルの中心波長λに対応する光束伝播方向および入力光の光軸の傾き角、FSRは各チャネルの中心波長の間隔、cは光束を示す)
となるように設計されるので、例えば、200GHz間隔の波長多重光の全チャネルで同時に同じ波長分散を与えるためには、透明平板の屈折率がn=1.5のとき、透明平板の厚さはt=0.5mmとなり、かなり薄くなってしまう。このように、透明平板の厚さが薄い場合は、上述したような反りによる光学特性の劣化の問題がいっそう顕著となる。
【0022】
波長分散を補償するための、VIPA光素子を用いた装置において、VIPA光素子を反らせず、面精度を保持して固定することにより、光学特性を望ましいものにするための手段を提供する必要がある。
【0023】
本発明の課題は、光素子の変形を防止し、これに伴う光学特性の劣化を防ぐ構成を有する光装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の光素子は、基板と、該基板の第1の面に設けられた第1の反射率を有する第1の多層膜と、該基板の第2の面に設けられた第2の反射率を有する第2の多層膜と、該第1あるいは第2の多層膜に取り付けられ、該第1と第2の多層膜の有する応力の違いにより生じる該基板の歪みを補正する応力補正膜とを備えることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、光素子の基板の両面に設けられた多層膜の応力の違いにより生じる光素子の歪みを有効に補正し、光学特性の良好な光装置を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態においては、集束光を入射する透明平板の一方の面に多層全反射膜を設け、他方の面に半透明の多層反射膜と応力を補正する透明膜を設けて、両面の膜応力の釣り合いをとった平坦な光素子と、該光素子で分光された光を該光素子に反射するミラーとを有する。また、前記応力を補正する透明膜の光学的膜厚を半波長の整数倍とする。特には、前記応力を補正する透明膜の材質をSiO2とする。更に、前記両面の膜応力の釣り合いをとった平坦な光素子の有効面内の面精度を、一波長以下とする。
【0027】
あるいは、本発明の実施形態においては、集束光を入射する透明平板の一方の面に多層全反射膜を設け、他方の面に半透明の多層反射膜と応力を補正する透明膜を設けて、両面の膜応力の釣り合いをとった平坦な光素子を、透明平板と略等しい膨張率を有する固定部材の平面上に固定し、温度変化が生じても平坦性を保持する光素子と、該光素子で分光された光を該光素子に反射するミラーとを有する。そして、前記透明平板と略等しい膨張率を有する固定部材を透明なガラスまたは半導体とする。更に、前記透明平板と略等しい膨張率を有する固定部材を不透明な金属またはセラミック金属とする。前記透明平板と略等しい膨張率を有する不透明固定部材は銅タングステン合金、コバール合金、アルミナ、BeOとする。また、前記光素子を、透明平板と略等しい膨張率を有する固定部材の平面上に固定する方法を、有機接着剤固定、金属ハンダ固定、低融点ガラス固定のいずれかにする。
【0028】
そして、前記光素子を、透明平板と略等しい膨張率を有する固定部材の平面上に固定する方法を、複数の点固定法とする。あるいは、前記光素子を、透明ガラス平板と略等しい膨張率を有するガラス平面上に固定する方法を、光学接合固定とする。また、前記透明ガラス平板と略等しい膨張率を有するガラス平面の光学接合面の材質をSiO2とする。
【0029】
図1及び図2は、VIPA光素子の構成の問題点と実施形態の構成を示す断面図である。
VIPA光素子10は、一方の面に多層全反射膜11と、一部分に多層反射防止膜12が、他方の面に半透明の多層反射膜14が形成された透明平板13からなっている。
【0030】
本実施形態では、透明平板として、透明な光学ガラス(LAH78:オハラ製、n=1.86)を用い、FSR=200GHzとするために、厚さをt=0.4mmとした。
【0031】
また、本実施形態では、多層全反射膜11、半透明多層反射膜14、及び多層反射防止膜12は、SiO2膜とTiO2膜の誘電体多層膜からなっており、イオンプレーティング法により形成している。なお、多層全反射膜11と多層反射防止膜12との境界は、挿入損失を低減するためになるべく狭いことが望ましく、マスクとレジストを用いたリフトオフ法によりパターニングしている。
【0032】
また、本実施形態では、多層全反射膜11、半透明多層反射膜14、及び多層反射防止膜12の反射率は各々99.9%、98%、0.25%であり、層数は各々21層、11層、4層とした。
【0033】
ここで、イオンプレーティング法で形成したSiO2膜は強い圧縮応力を有し、TiO2は弱い引っ張り応力を有しているため、多層膜としては圧縮応力を持つ。また、その膜応力の度合いは、層数とほぼ正比例するため、層数の多い多層全反射膜の膜応力が、半透明多層反射膜の膜応力に打ち勝ち、VIPA光素子10としては、図1に示すように多層全反射膜11側に凸になるように反ってしまう。
【0034】
そこで、本発明の実施形態では、図2に示すように半透明多層反射膜14の上に圧縮応力を有するSiO2膜からなる応力補正膜16を更に形成した。本実施形態では、SiO2膜の光学的膜厚を、半波長の4倍(4λ/2=2λ:λ=1550nm)とした時に、両面の膜応力がうまく釣り合い、面精度がλ/2以下になった。面精度は、λ以下が望ましく、より好ましくはλ/2以下が望ましい。ここで、SiO2膜の光学的膜厚が半波長の整数倍であるため、半透明多層反射膜14の反射率は変わらない。VIPA光素子にとって半透明多層反射膜14の反射率は特性に重大な影響があるため、応力補正膜16の光学的膜厚は半波長の整数倍であることが望ましい。
【0035】
図3は、応力補正膜の厚さについて説明する図である。
応力補正膜16の膜厚が半波長の整数倍だと、応力補正膜16の表面で反射される光と、応力補正膜16と半透明多層反射膜14との界面で反射される光の光路差が、応力補正膜16の膜厚の2倍、つまり一波長の整数倍となる。式で表すと(λ/2×m)×2=λ×m[m:整数]となり、それぞれの反射光の位相がずれないため、半透明多層反射膜14の反射率に影響を及ぼさない。
【0036】
このようにして、応力補正膜を用いて両面の膜応力の釣り合いをとった平坦なVIPA光素子を固定した本発明の構成を、図4を用いて説明する。
図4は、固定されたVIPA光素子の上面図(図4(a))と断面図(図4(b))である。
【0037】
本実施形態では、VIPA光素子10の多層全反射膜11側を、平板状の固定部材20の平面上に4個所で点固定している。本実施形態では、平板状の固定部材として、透明平板(LAH78、膨張率α=6×10−6)と略等しい膨張率を有する銅タングステン(Cu:W=92:8、膨張率α=6.0×10−6)を用い、また、平板の面精度をλ以下の良い面精度としている。固定部材である銅タングステンは不透明材料であるため、図4に示すように、VIPA光素子の光の入射位置(反射防止膜の形成されている部分に相当する)が銅タングステンからなる不透明平板から飛び出ている。なお、銅タングステンからなる不透明平板に、VIPA光素子10の多層全反射膜11の面が対向しているが、多層全反射膜11からは光が出射されないので、光学特性上の問題はない。なお、この銅タングステンからなる平板状の固定部材20を、さらに他の部材に固定することも鑑みて、平板は充分に厚くて変形しにくいことが望ましい。
【0038】
一方、本実施形態では、接合剤21として、低硬化収縮率の熱硬化性エポキシ系有機接着剤を用いた。ここで、接着剤の塗布量を均一にするため、塗布量はディスペンサーを使用し、制御している。
【0039】
本実施形態では、低硬化収縮率の接合剤21を用いて複数の点固定を行っているため、VIPA光素子10に対して応力がかからず、固定後のVIPA光素子10の面精度変化はλ/10以下であり、固定後もほぼ同じ面精度を維持していた。更に、VIPA光素子10の透明平板13と略等しい膨張率の平板上に点接着固定することにより、VIPA光素子10と平板が温度変化時に同じ割合で膨張・収縮するので、VIPA光素子10の温度変化による反りが発生せず、環境の温度が変化した場合でもVIPA光素子10の面精度の変化はλ/10以下であり、広範囲な温度環境下でほぼ同じ面精度を維持していた。
【0040】
なお、ここで、通常、表面形状が設計値にどの程度近いかを規定するのに、「面精度」という言葉を使う。「面精度」は、実際の面とテストプレート原器との干渉を用いた比較により決められ、干渉のリング縞の数と縞の規則性により規定される。干渉に用いる光源は、ヘリウム・ネオン・レーザ(λ=632.8nm)であるため、面精度を述べる際の波長λは、λ=682.8nmで規定される。これは、光通信の波長λ=1550nmとは異なる。
【0041】
また、比較例として、平板状の固定部材20として、透明平板13よりも大きい膨張率を有するSUS304(膨張率α=18.7×10−6)を用い、同様の熱硬化性有機接着剤を用いて固定した。この場合は、硬化前後の温度変化により、熱歪みが発生し、VIPA光素子10の面精度がλ以上変化し、λ以上の反りが発生してしまった。また、環境の温度が変化した場合、VIPA光素子10の面精度が温度により変化していた。
【0042】
本実施形態では、固定部材20として、銅タングステンを用いたが、使用する透明平板13の膨張率に応じて、コバール(Fe−Ni−Co)合金(膨張率α=5.3×10−6)など他の金属材料や、アルミナ(Al2O3:膨張率α=6.7×10−6)、BeO(膨張率α=7.6×10−6)などのセラミックなどを用いることもできる。また、本実施形態では、平板状の固定部材20の平面にVIPA光素子10を固定したが、必ずしも平板状である必要はなく、面精度のよい平面を有していれば、どのような形状でもなんら問題はない。また、固定部材20として、使用する透明部材と同じ透明なガラス(本実施形態ではLAH78)や膨張率が略等しい他の透明ガラス(例えば、BSM14:膨張率α=6.0×10−6)、赤外域で透明なGaAs(膨張率α=5.9×10−6)などの半導体を用いてもかまわない。
【0043】
図5は、本発明の実施形態に従った他の固定部材とVIPA光素子の固定法を示した図である。なお、図5(a)は、上面図であり、図5(b)は、断面図である。
【0044】
上記のような透明な固定部材20を用いる場合は、本実施形態のようにVIPA光素子10の光の入射位置を固定部材20から飛び出させる必要は必ずしもなく、図5に示すように、VIPA光素子10の光の入射位置に相当する位置に、反射防止膜25を形成すれば光学特性的に問題はない。
【0045】
また、本実施形態では、接合剤21として、熱硬化性の有機接着剤を用いたが、赤外線硬化性や嫌気性など他の有機接着剤や、Pb−Sn合金やAu−Sn合金などの金属ハンダ、PbO−B2O3系やNa2O−BaO−SiO2系などの低融点ガラスなどを用いて、固定することもできる。
【0046】
上述のように、両面の膜応力の釣り合いが取れ、透明平板と略等しい膨張率を有する固定部材20の平面上に固定された平坦なVIPA光素子10と、該VIPA光素子10で分光された光を該VIPA光素子10に反射するミラーとを用いて、分散補償器(光装置)を構成できる。
【0047】
なお、上記応力補正膜16の具体的構造・材質は、材料はSiO2で、構造はSiO2の単層構造とした。その一層の膜厚が半波長の整数倍、実施形態では、2λ(λ=1550nm)となっている。
【0048】
SUS304は、JIS規格(規格番号:JISG4304)で規格されている、オーステナイト系ステンレス鋼SUS304[18%Cr−8%Ni]である。
【0049】
図6〜図8は、本実施形態の効果を示す光学的特性の比較例である。
本実施形態の分散補償器の光学特性を調べた結果、図6のように、挿入損失と透過帯域が良好な透過特性が得られた。なお、本実施形態の分散補償器では、不図示の温度制御ヒータにてVIPA光素子の温度を略一定に保つことができる。
【0050】
一方、比較例として、図1のように応力補正膜を用いず、λ以上の反りが発生した従来のVIPA光素子を用いた場合は、図6の比較例ように、挿入損失が悪く、透過帯域幅が狭くなり、光学特性上問題であった。
【0051】
また、本実施形態の分散補償器で、VIPA光素子の温度を略一定に保つべく、温度制御ヒータをオン/オフしたが、図7に示すように、透過特性は変わらなかった。
【0052】
一方、比較例として、透明平板よりも大きい膨張率を有するSUS304からなる平板に固定したVIPA光素子を用いた場合は、温度制御ヒータをオン/オフすると図8に示すように、透過特性が変化してしまった。
【0053】
図9は、本発明の別の実施形態を示す図である。なお、図9(a)は、上面図、図9(b)は、断面図である。
本実施形態では、応力補正膜16を用いて両面の膜応力の釣り合いをとった平坦なVIPA光素子10を、固定部材であるガラス平板31上に光学接合によって固定している。
【0054】
本実施形態では、VIPA光素子10の透明平板13と平板状の固定部材31共に透明な光学ガラス(LAH78)を用いて、透明平板と平板状の固定部材の膨張率を等しくしている。
【0055】
また、本実施形態では、VIPA光素子10の多層全反射膜11における最表面(光学結合面)の材質がSiO2であり、また、固定部材であるガラス平板31の表面にも同様にSiO2膜が形成されている。
【0056】
ここで、本実施形態では、固定部材であるガラス平板31の厚さを十分に厚くしておき、変形しにくくしておくと共に、接合面を例えばλ/10以下の良好な面精度にしておく。このように厚くて面精度が良好なガラス平板31に、加圧および加熱しながら、VIPA光素子10を光学接合30することにより、λからλ/2程度の面精度のVIPA光素子10も、光学接合後にλ/10以下の良好な面精度にすることが可能となる。
【0057】
なお、イオンプレーティング法などで形成したSiO2膜は、そのままでは光学接合しにくいため、化学的あるいは物理的な活性表面処理を行っても良い。
また、本実施形態では、有機接着剤などの接合剤を用いていないので、接合剤による応力の影響もまったくない。
【0058】
本実施形態の平坦に固定されたVIPA光素子10と、該VIPA光素子10で分光された光を該VIPA光素子に反射するミラーとを用いて、分散補償器を構成し、初期の光学特性及びヒータ温度制御を行ったが、実施形態と同等以上の良好な光学特性(図6の本実施形態と同等以上)が得られた。
【0059】
(付記1)基板と、
該基板の第1の面に設けられた第1の反射率を有する第1の多層膜と、
該基板の第2の面に設けられた第2の反射率を有する第2の多層膜と、
該第1あるいは第2の多層膜に取り付けられ、該第1と第2の多層膜の有する応力の違いにより生じる該基板の歪みを補正する応力補正膜と、
を備えることを特徴とする光装置。
【0060】
(付記2)前記応力補正膜は特定の波長の光に対し透明であり、光学的膜厚が該特定の波長の半波長の整数倍であることを特徴とする付記1に記載の光装置。
【0061】
(付記3)前記応力補正膜は、SiO2からなっていることを特徴とする付記1に記載の光装置。
(付記4)前記応力補正膜は、前記基板の面精度を一波長以下に保持することを特徴とする付記1に記載の光装置。
【0062】
(付記5)前記基板は特定の波長の光に対して透明な平板であり、該基板と、前記第1及び第2の多層膜とからVIPA光素子が構成され、前記応力補正膜は該VIPA光素子を平坦に保ち、
更に、該VIPA光素子によって分光された光を反射し、該VIPA光素子に返すミラーを備え、
該VIPA光素子と該ミラーとで分散補償器を構成することを特徴とする付記1に記載の光装置。
【0063】
(付記6)前記第1及び第2の多層膜と、前記応力補正膜を有する前記基板には、該基板と熱膨張率が略等しい固定部材が取り付けられることを特徴とする付記1に記載の光装置。
【0064】
(付記7)前記固定部材は、透明なガラスまたは半導体からなっていることを特徴とする付記6に記載の光装置。
(付記8)前記固定部材は、不透明な金属またはセラミックからなることを特徴とする付記6に記載の光装置。
【0065】
(付記9)前記固定部材は、銅タングステン合金、コバール合金、アルミナ、あるいいはBeOのいずれかからなることを特徴とする付記8に記載の光装置。
【0066】
(付記10)前記固定部材と、前記第1及び第2の多層膜と前記応力補正膜を備える前記基板とは、有機接着剤、金属ハンダ、低融点ガラスのいずれかを使って固定されていることを特徴とする付記6に記載の光装置。
【0067】
(付記11)前記固定部材と、前記第1及び第2の多層膜と前記応力補正膜を備える前記基板とは、複数の点において固定されていることを特徴とする付記6に記載の光装置。
【0068】
(付記12)前記固定部材と、前記第1及び第2の多層膜と前記応力補正膜を備える前記基板とは、光学接合によって固定されていることを特徴とする付記6に記載の光装置。
【0069】
(付記13)前記光学接合を行う面の材質がSiO2であることを特徴とする付記12に記載の光装置。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、波長分散を補償するためのVIPA光素子を用いた光装置において、VIPA光素子を反らせず、面精度を高く保持して固定することにより、光学特性を望ましいものにすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】VIPA光素子の構成の問題点と実施形態の構成を示す断面図(その1)である。
【図2】VIPA光素子の構成の問題点と実施形態の構成を示す断面図(その2)である。
【図3】応力補正膜の厚さについて説明する図である。
【図4】固定されたVIPA光素子の上面図(図4(a))と断面図(図4(b))である。
【図5】本発明の実子形態に従った他の固定部材とVIPA光素子の固定法を示した図である。
【図6】本実施形態の効果を示す光学的特性の比較例(その1)である。
【図7】本実施形態の効果を示す光学的特性の比較例(その2)である。
【図8】本実施形態の効果を示す光学的特性の比較例(その3)である。
【図9】本発明の別の実施形態を示す図である。
【図10】VIPAと、これを用いた逆分散コンポーネントの説明図(その1)である。
【図11】VIPAと、これを用いた逆分散コンポーネントの説明図(その2)である。
【図12】VIPAと、これを用いた逆分散コンポーネントの説明図(その3)である。
【符号の説明】
10 VIPA光素子
11 多層全反射膜
12 多層反射防止膜
13 透明平板
14 半透明多層反射膜
16 応力補正膜
20 固定部材
21 接合剤
25 反射防止膜
30 光学接合面
31 ガラス平板
【発明の属する技術分野】
本発明は、光素子の光学特性をなるべく良好に保つことのできる構成を有した光装置に関わる。より具体的には、バーチャリ・イメージド・フェイズド・アレイ(VIPA)光素子を、波長分散を生成するために用いる光装置において、VIPA光素子の変形による光学特性の劣化を抑制する構成を有する光装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】
光を用いて情報を送信するための従来の光ファイバ通信システムでは、送信器は、光パルスを光ファイバを通して受光器に送出する。しかし、「色分散」ともいわれる、光ファイバの波長分散は、システムの信号の質を劣化させる。
【0003】
より具体的には、波長分散の結果、光ファイバ中の信号光の伝播速度はその信号光の波長に依存する。例えば、長い波長を持つ光パルス(例えば、赤色を示す波長を持つ光パルス)が、短い波長を持つ光パルス(例えば、青色を示す波長を持つ光パルス)よりも速く伝播するとき、その分散は正常分散と呼ばれる。逆に、短い波長を持つ光パルス(例えば、青色パルス)が、長い波長を持つパルス(例えば、赤色パルス)よりも速く伝播するとき、その分散は異常分散と呼ばれる。
【0004】
従って、信号光パルスが送信器から送出される際に赤色パルス及び青色パルスを含む場合、信号光パルスは光ファイバ内を伝播する間に赤色パルス及び青色パルスに分離され、それぞれの光パルスが異なる時間に受光器によって受光される。
【0005】
光パルス送信の他の例として、青色から赤色へ連続する波長成分を持つ信号光パルスを送信する場合には、各成分は異なる速度で光ファイバを内を伝播するため、信号光パルスは光ファイバ内でその時間幅が広げられ、歪が生じる。全てのパルスは有限は波長範囲内の波長成分を含むため、このような波長分散は光ファイバ通信システムにおいては、極めて一般的である。
【0006】
従って、特に高速の光ファイバ通信システムにおいては、高送信能力を得るために波長分散を補償することが必要となる。
このような波長分散を補償するために、光ファイバ通信システムには、光ファイバにおいて発生する波長分散と逆の波長分散を光パルスに与える「逆分散コンポーネント」が必要となる。
【0007】
このような「逆分散コンポーネント」の1つとして、特願平10年−534450号及び特願平11年−513133には、「Virtually Imaged Phased Array(バーチャリ・イメージド・フェイズド・アレイ)」、すなわちVIPAと呼ぶ光素子を含む光装置が提案されている。
【0008】
図10〜図12は、VIPAと、これを用いた逆分散コンポーネントの説明図である。
VIPA光素子は、入射光を自己干渉させVIPA光素子から伝播する光を生成する。そして、VIPA光素子を用いた逆分散コンポーネントとして動作する分散補償装置には、VIPA光素子に光を戻し、VIPA光素子内で多重反射が発生するようにするための返光装置も含む。
【0009】
分散補償装置である上記光装置は、連続する波長範囲内の波長の入力光を受け取り、入力光に含まれる各波長成分に対応する出力光を連続した波長範囲について生成する。この出力光は、連続する波長範囲内の他波長の出力光とは空間的に区別できる(例えば、異なる方向に進む)。この出力光が進行角度で区別できれば、この光装置は角度分散があるということである。
【0010】
VIPA光素子は、透過域および透明平板から構成される。透過域を通ることによって、光はVIPA光素子内に出入りすることができる。透明平板は、第1および第2の表面を持つ。
【0011】
第1及び第2の表面は反射面である。第2の表面の反射面は、半透明の反射面であり、反射する特性と入射光の一部を透過する特性をあわせ持っている。これらの反射面は、一般に透明は誘電体の多層膜を透明平板上に形成して得られる。これに対し、第1の表面の反射膜は、入射する光を全部反射する全反射膜である。ここで、第1の表面の全反射膜も多層膜で構成されるが、この多層全反射膜は、第2の半透明は多層反射膜に比べて膜の層数は多く形成される。入力光は透過域を通ってVIPA光素子に受光され、透明平板の第1及び第2の表面の間で何度も反射され、複数の光が第2の表面を透過する。このようにして透過したそれぞれの透過光は、互いに干渉して波長に応じて異なる方向に進む出力光を生成する。
【0012】
入力光は、連続する波長範囲内の波長を持ち、出力光は、その波長範囲内の他の波長を持つ光とは空間的に区別することができる。返光装置は、出力光を完全に逆方向に第2の表面へと返すことができ、これらの返送光を第2の表面を透過してVIPA光素子に入力させ、その返送光がVIPA光素子内を多重反射してVIPA光素子の透過域から入力経路へ出力される。
【0013】
本光装置に設けられる返光装置は、VIPA光素子から出力される複数の干渉次数の出力光の内の1つの干渉次数にある出力光をVIPA光素子に返し、その他の干渉次数の出力光はVIPA光素子には返さない。すなわち、返光装置は、一つの干渉次数に対応する光のみをVIPA光素子に返す。
【0014】
ここで、返光装置は、反射ミラーから構成される。ミラーの表面形状は、光装置が一定の波長分散を行うように形成する。
以上のようにVIPAは、回折格子のように角分散の機能を持ち、波長分散補償を可能とするが、特に大きな角分散を有することが特徴であり、実用的な逆分散コンポーネントを容易に提供することができる。
【0015】
図10に示されるように、入力ファイバから入射した光は、光サーキュレータ10によってコリメートレンズ11に送られる。コリメートレンズ11は、光ファイバの出射光から広がりながら進む光を平行な光に変換する。コリメートレンズ11によって平行光となった光は、ラインフォーカスレンズ12によってVIPA光素子13の透過域を通った後のVIPA光素子13内に線状に集光される。
【0016】
線状に集光された光はVIPA光素子13の表面に設けられた反射膜によって何回も反射される。この反射膜は一方が半透明であるため、何回も反射を繰り返す内に、光は、少しずつフォーカスレンズ14側に出力される。このように、反射の度に出力される光は互いに干渉し、波長によって進行方向の異なる光束を形成する。これらの高速はフォーカスレンズ14によって反射ミラー15の表面の特定の位置に集光される。反射ミラー15によって反射された光は、フォーカスレンズ14を通って、再びVIPA光素子13に入射される。このようにして、再度VIPA光素子13に入射された光は、多重反射を繰り返した後、VIPA光素子の透過域から出力され、ラインフォーカスレンズ12、コリメートレンズ11を通って、光ファイバに結合される。光ファイバ内に入った光は、光サーキュレータ10を通って、出力ファイバ10から出力される。
【0017】
図11は、VIPA光素子が出力光を生成する様子を説明する図である。
VIPA光素子には、ラインフォーカスレンズから線集光された入射光が、反射防止膜を設けられた透過域から入射される。入射光は、VIPA光素子の中で多重反射をするが、この反射の光経路の折り曲がりを伸ばすと、位相のそろえられた虚像(ビーム像)の配列(Virtually Imaged Phased Array)となる。従って、これらの虚像から出力された光が干渉し合い半透明多層反射膜の側に干渉によって強め合って形成された光が出力される。この干渉によって形成された光は、干渉が強め合う条件を満たす方向に進むが、干渉が強め合う条件は波長毎に異なるので、波長毎に異なる方向に光束が形成される。したがって、図11に示すVIPA光素子は回折次数の大きな回折格子に対応するものであり、出射光は干渉条件を満たす方向に伝播する。
【0018】
図12は、VIPA光素子を使った波長分散補償の原理を説明する図である。図12に示すようにフォーカスレンズの後方に配置された反射ミラーに集光された光は、集光位置の反射ミラーの形状により決まる反射角度によって任意の位置にもどり、入射時と逆の経路で光ファイバに再び結合する。図12のように反射ミラーが凸形状である場合は、短波長側の光が、上側のビーム像にもどり、長波長側の光と比べ光路長が長くなり遅延が増大する。従って、この場合、分散補償装置は負の分散を発生する。逆に反射ミラーが凹形状である場合は、正の分散を発生することが可能となる。なお、VIPAを用いた分散補償器は光が同じ光路をもどってくる構成であるため、サーキュレータを用いてインラインで用いることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、波長分散を補償するためのVIPA光素子を用いた光装置において、透明平板からなるVIPA光素子の面精度が崩れ、反ってしまうと、回折格子が変形した場合と同様に、ビーム像の配列、すなわち、「Virtually Imaged Phased Array(バーチャリ・イメージド・フェーズド・アレイ)」の周期性が崩れてしまい、挿入損失の増大、及び透過帯域の減少などの光学特性の劣化につながってしまう。実際に、VIPA光素子は透明平板の両面に層数の異なる多層反射膜をイオンプレーティング法などのイオン化成膜法により形成するが、多層膜を構成する膜自体に応力があるため、多層膜も層数に応じた膜応力を持ち、両面の膜応力の不釣り合いによって、透明平板が反ってしまうという問題がある。
【0020】
また、VIPA光素子を固定する際にも反りが起こりやすいという問題がある。また、その固定法が適切でないと、環境の温度が変化した場合に、VIPA光素子が反ってしまうという問題がある。
【0021】
特に、透明平板の厚さは、各チャネルでの分散を同時に補償するために「WDMマッチングのFSRの厚さ」の条件、すなわち、
2ntcosθ=mλ・・・(1)
FSR=c/2ntcosθ・・・(2)
(nはガラスの屈折率、tはガラスの物理的厚さ、θは各チャネルの中心波長λに対応する光束伝播方向および入力光の光軸の傾き角、FSRは各チャネルの中心波長の間隔、cは光束を示す)
となるように設計されるので、例えば、200GHz間隔の波長多重光の全チャネルで同時に同じ波長分散を与えるためには、透明平板の屈折率がn=1.5のとき、透明平板の厚さはt=0.5mmとなり、かなり薄くなってしまう。このように、透明平板の厚さが薄い場合は、上述したような反りによる光学特性の劣化の問題がいっそう顕著となる。
【0022】
波長分散を補償するための、VIPA光素子を用いた装置において、VIPA光素子を反らせず、面精度を保持して固定することにより、光学特性を望ましいものにするための手段を提供する必要がある。
【0023】
本発明の課題は、光素子の変形を防止し、これに伴う光学特性の劣化を防ぐ構成を有する光装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の光素子は、基板と、該基板の第1の面に設けられた第1の反射率を有する第1の多層膜と、該基板の第2の面に設けられた第2の反射率を有する第2の多層膜と、該第1あるいは第2の多層膜に取り付けられ、該第1と第2の多層膜の有する応力の違いにより生じる該基板の歪みを補正する応力補正膜とを備えることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、光素子の基板の両面に設けられた多層膜の応力の違いにより生じる光素子の歪みを有効に補正し、光学特性の良好な光装置を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態においては、集束光を入射する透明平板の一方の面に多層全反射膜を設け、他方の面に半透明の多層反射膜と応力を補正する透明膜を設けて、両面の膜応力の釣り合いをとった平坦な光素子と、該光素子で分光された光を該光素子に反射するミラーとを有する。また、前記応力を補正する透明膜の光学的膜厚を半波長の整数倍とする。特には、前記応力を補正する透明膜の材質をSiO2とする。更に、前記両面の膜応力の釣り合いをとった平坦な光素子の有効面内の面精度を、一波長以下とする。
【0027】
あるいは、本発明の実施形態においては、集束光を入射する透明平板の一方の面に多層全反射膜を設け、他方の面に半透明の多層反射膜と応力を補正する透明膜を設けて、両面の膜応力の釣り合いをとった平坦な光素子を、透明平板と略等しい膨張率を有する固定部材の平面上に固定し、温度変化が生じても平坦性を保持する光素子と、該光素子で分光された光を該光素子に反射するミラーとを有する。そして、前記透明平板と略等しい膨張率を有する固定部材を透明なガラスまたは半導体とする。更に、前記透明平板と略等しい膨張率を有する固定部材を不透明な金属またはセラミック金属とする。前記透明平板と略等しい膨張率を有する不透明固定部材は銅タングステン合金、コバール合金、アルミナ、BeOとする。また、前記光素子を、透明平板と略等しい膨張率を有する固定部材の平面上に固定する方法を、有機接着剤固定、金属ハンダ固定、低融点ガラス固定のいずれかにする。
【0028】
そして、前記光素子を、透明平板と略等しい膨張率を有する固定部材の平面上に固定する方法を、複数の点固定法とする。あるいは、前記光素子を、透明ガラス平板と略等しい膨張率を有するガラス平面上に固定する方法を、光学接合固定とする。また、前記透明ガラス平板と略等しい膨張率を有するガラス平面の光学接合面の材質をSiO2とする。
【0029】
図1及び図2は、VIPA光素子の構成の問題点と実施形態の構成を示す断面図である。
VIPA光素子10は、一方の面に多層全反射膜11と、一部分に多層反射防止膜12が、他方の面に半透明の多層反射膜14が形成された透明平板13からなっている。
【0030】
本実施形態では、透明平板として、透明な光学ガラス(LAH78:オハラ製、n=1.86)を用い、FSR=200GHzとするために、厚さをt=0.4mmとした。
【0031】
また、本実施形態では、多層全反射膜11、半透明多層反射膜14、及び多層反射防止膜12は、SiO2膜とTiO2膜の誘電体多層膜からなっており、イオンプレーティング法により形成している。なお、多層全反射膜11と多層反射防止膜12との境界は、挿入損失を低減するためになるべく狭いことが望ましく、マスクとレジストを用いたリフトオフ法によりパターニングしている。
【0032】
また、本実施形態では、多層全反射膜11、半透明多層反射膜14、及び多層反射防止膜12の反射率は各々99.9%、98%、0.25%であり、層数は各々21層、11層、4層とした。
【0033】
ここで、イオンプレーティング法で形成したSiO2膜は強い圧縮応力を有し、TiO2は弱い引っ張り応力を有しているため、多層膜としては圧縮応力を持つ。また、その膜応力の度合いは、層数とほぼ正比例するため、層数の多い多層全反射膜の膜応力が、半透明多層反射膜の膜応力に打ち勝ち、VIPA光素子10としては、図1に示すように多層全反射膜11側に凸になるように反ってしまう。
【0034】
そこで、本発明の実施形態では、図2に示すように半透明多層反射膜14の上に圧縮応力を有するSiO2膜からなる応力補正膜16を更に形成した。本実施形態では、SiO2膜の光学的膜厚を、半波長の4倍(4λ/2=2λ:λ=1550nm)とした時に、両面の膜応力がうまく釣り合い、面精度がλ/2以下になった。面精度は、λ以下が望ましく、より好ましくはλ/2以下が望ましい。ここで、SiO2膜の光学的膜厚が半波長の整数倍であるため、半透明多層反射膜14の反射率は変わらない。VIPA光素子にとって半透明多層反射膜14の反射率は特性に重大な影響があるため、応力補正膜16の光学的膜厚は半波長の整数倍であることが望ましい。
【0035】
図3は、応力補正膜の厚さについて説明する図である。
応力補正膜16の膜厚が半波長の整数倍だと、応力補正膜16の表面で反射される光と、応力補正膜16と半透明多層反射膜14との界面で反射される光の光路差が、応力補正膜16の膜厚の2倍、つまり一波長の整数倍となる。式で表すと(λ/2×m)×2=λ×m[m:整数]となり、それぞれの反射光の位相がずれないため、半透明多層反射膜14の反射率に影響を及ぼさない。
【0036】
このようにして、応力補正膜を用いて両面の膜応力の釣り合いをとった平坦なVIPA光素子を固定した本発明の構成を、図4を用いて説明する。
図4は、固定されたVIPA光素子の上面図(図4(a))と断面図(図4(b))である。
【0037】
本実施形態では、VIPA光素子10の多層全反射膜11側を、平板状の固定部材20の平面上に4個所で点固定している。本実施形態では、平板状の固定部材として、透明平板(LAH78、膨張率α=6×10−6)と略等しい膨張率を有する銅タングステン(Cu:W=92:8、膨張率α=6.0×10−6)を用い、また、平板の面精度をλ以下の良い面精度としている。固定部材である銅タングステンは不透明材料であるため、図4に示すように、VIPA光素子の光の入射位置(反射防止膜の形成されている部分に相当する)が銅タングステンからなる不透明平板から飛び出ている。なお、銅タングステンからなる不透明平板に、VIPA光素子10の多層全反射膜11の面が対向しているが、多層全反射膜11からは光が出射されないので、光学特性上の問題はない。なお、この銅タングステンからなる平板状の固定部材20を、さらに他の部材に固定することも鑑みて、平板は充分に厚くて変形しにくいことが望ましい。
【0038】
一方、本実施形態では、接合剤21として、低硬化収縮率の熱硬化性エポキシ系有機接着剤を用いた。ここで、接着剤の塗布量を均一にするため、塗布量はディスペンサーを使用し、制御している。
【0039】
本実施形態では、低硬化収縮率の接合剤21を用いて複数の点固定を行っているため、VIPA光素子10に対して応力がかからず、固定後のVIPA光素子10の面精度変化はλ/10以下であり、固定後もほぼ同じ面精度を維持していた。更に、VIPA光素子10の透明平板13と略等しい膨張率の平板上に点接着固定することにより、VIPA光素子10と平板が温度変化時に同じ割合で膨張・収縮するので、VIPA光素子10の温度変化による反りが発生せず、環境の温度が変化した場合でもVIPA光素子10の面精度の変化はλ/10以下であり、広範囲な温度環境下でほぼ同じ面精度を維持していた。
【0040】
なお、ここで、通常、表面形状が設計値にどの程度近いかを規定するのに、「面精度」という言葉を使う。「面精度」は、実際の面とテストプレート原器との干渉を用いた比較により決められ、干渉のリング縞の数と縞の規則性により規定される。干渉に用いる光源は、ヘリウム・ネオン・レーザ(λ=632.8nm)であるため、面精度を述べる際の波長λは、λ=682.8nmで規定される。これは、光通信の波長λ=1550nmとは異なる。
【0041】
また、比較例として、平板状の固定部材20として、透明平板13よりも大きい膨張率を有するSUS304(膨張率α=18.7×10−6)を用い、同様の熱硬化性有機接着剤を用いて固定した。この場合は、硬化前後の温度変化により、熱歪みが発生し、VIPA光素子10の面精度がλ以上変化し、λ以上の反りが発生してしまった。また、環境の温度が変化した場合、VIPA光素子10の面精度が温度により変化していた。
【0042】
本実施形態では、固定部材20として、銅タングステンを用いたが、使用する透明平板13の膨張率に応じて、コバール(Fe−Ni−Co)合金(膨張率α=5.3×10−6)など他の金属材料や、アルミナ(Al2O3:膨張率α=6.7×10−6)、BeO(膨張率α=7.6×10−6)などのセラミックなどを用いることもできる。また、本実施形態では、平板状の固定部材20の平面にVIPA光素子10を固定したが、必ずしも平板状である必要はなく、面精度のよい平面を有していれば、どのような形状でもなんら問題はない。また、固定部材20として、使用する透明部材と同じ透明なガラス(本実施形態ではLAH78)や膨張率が略等しい他の透明ガラス(例えば、BSM14:膨張率α=6.0×10−6)、赤外域で透明なGaAs(膨張率α=5.9×10−6)などの半導体を用いてもかまわない。
【0043】
図5は、本発明の実施形態に従った他の固定部材とVIPA光素子の固定法を示した図である。なお、図5(a)は、上面図であり、図5(b)は、断面図である。
【0044】
上記のような透明な固定部材20を用いる場合は、本実施形態のようにVIPA光素子10の光の入射位置を固定部材20から飛び出させる必要は必ずしもなく、図5に示すように、VIPA光素子10の光の入射位置に相当する位置に、反射防止膜25を形成すれば光学特性的に問題はない。
【0045】
また、本実施形態では、接合剤21として、熱硬化性の有機接着剤を用いたが、赤外線硬化性や嫌気性など他の有機接着剤や、Pb−Sn合金やAu−Sn合金などの金属ハンダ、PbO−B2O3系やNa2O−BaO−SiO2系などの低融点ガラスなどを用いて、固定することもできる。
【0046】
上述のように、両面の膜応力の釣り合いが取れ、透明平板と略等しい膨張率を有する固定部材20の平面上に固定された平坦なVIPA光素子10と、該VIPA光素子10で分光された光を該VIPA光素子10に反射するミラーとを用いて、分散補償器(光装置)を構成できる。
【0047】
なお、上記応力補正膜16の具体的構造・材質は、材料はSiO2で、構造はSiO2の単層構造とした。その一層の膜厚が半波長の整数倍、実施形態では、2λ(λ=1550nm)となっている。
【0048】
SUS304は、JIS規格(規格番号:JISG4304)で規格されている、オーステナイト系ステンレス鋼SUS304[18%Cr−8%Ni]である。
【0049】
図6〜図8は、本実施形態の効果を示す光学的特性の比較例である。
本実施形態の分散補償器の光学特性を調べた結果、図6のように、挿入損失と透過帯域が良好な透過特性が得られた。なお、本実施形態の分散補償器では、不図示の温度制御ヒータにてVIPA光素子の温度を略一定に保つことができる。
【0050】
一方、比較例として、図1のように応力補正膜を用いず、λ以上の反りが発生した従来のVIPA光素子を用いた場合は、図6の比較例ように、挿入損失が悪く、透過帯域幅が狭くなり、光学特性上問題であった。
【0051】
また、本実施形態の分散補償器で、VIPA光素子の温度を略一定に保つべく、温度制御ヒータをオン/オフしたが、図7に示すように、透過特性は変わらなかった。
【0052】
一方、比較例として、透明平板よりも大きい膨張率を有するSUS304からなる平板に固定したVIPA光素子を用いた場合は、温度制御ヒータをオン/オフすると図8に示すように、透過特性が変化してしまった。
【0053】
図9は、本発明の別の実施形態を示す図である。なお、図9(a)は、上面図、図9(b)は、断面図である。
本実施形態では、応力補正膜16を用いて両面の膜応力の釣り合いをとった平坦なVIPA光素子10を、固定部材であるガラス平板31上に光学接合によって固定している。
【0054】
本実施形態では、VIPA光素子10の透明平板13と平板状の固定部材31共に透明な光学ガラス(LAH78)を用いて、透明平板と平板状の固定部材の膨張率を等しくしている。
【0055】
また、本実施形態では、VIPA光素子10の多層全反射膜11における最表面(光学結合面)の材質がSiO2であり、また、固定部材であるガラス平板31の表面にも同様にSiO2膜が形成されている。
【0056】
ここで、本実施形態では、固定部材であるガラス平板31の厚さを十分に厚くしておき、変形しにくくしておくと共に、接合面を例えばλ/10以下の良好な面精度にしておく。このように厚くて面精度が良好なガラス平板31に、加圧および加熱しながら、VIPA光素子10を光学接合30することにより、λからλ/2程度の面精度のVIPA光素子10も、光学接合後にλ/10以下の良好な面精度にすることが可能となる。
【0057】
なお、イオンプレーティング法などで形成したSiO2膜は、そのままでは光学接合しにくいため、化学的あるいは物理的な活性表面処理を行っても良い。
また、本実施形態では、有機接着剤などの接合剤を用いていないので、接合剤による応力の影響もまったくない。
【0058】
本実施形態の平坦に固定されたVIPA光素子10と、該VIPA光素子10で分光された光を該VIPA光素子に反射するミラーとを用いて、分散補償器を構成し、初期の光学特性及びヒータ温度制御を行ったが、実施形態と同等以上の良好な光学特性(図6の本実施形態と同等以上)が得られた。
【0059】
(付記1)基板と、
該基板の第1の面に設けられた第1の反射率を有する第1の多層膜と、
該基板の第2の面に設けられた第2の反射率を有する第2の多層膜と、
該第1あるいは第2の多層膜に取り付けられ、該第1と第2の多層膜の有する応力の違いにより生じる該基板の歪みを補正する応力補正膜と、
を備えることを特徴とする光装置。
【0060】
(付記2)前記応力補正膜は特定の波長の光に対し透明であり、光学的膜厚が該特定の波長の半波長の整数倍であることを特徴とする付記1に記載の光装置。
【0061】
(付記3)前記応力補正膜は、SiO2からなっていることを特徴とする付記1に記載の光装置。
(付記4)前記応力補正膜は、前記基板の面精度を一波長以下に保持することを特徴とする付記1に記載の光装置。
【0062】
(付記5)前記基板は特定の波長の光に対して透明な平板であり、該基板と、前記第1及び第2の多層膜とからVIPA光素子が構成され、前記応力補正膜は該VIPA光素子を平坦に保ち、
更に、該VIPA光素子によって分光された光を反射し、該VIPA光素子に返すミラーを備え、
該VIPA光素子と該ミラーとで分散補償器を構成することを特徴とする付記1に記載の光装置。
【0063】
(付記6)前記第1及び第2の多層膜と、前記応力補正膜を有する前記基板には、該基板と熱膨張率が略等しい固定部材が取り付けられることを特徴とする付記1に記載の光装置。
【0064】
(付記7)前記固定部材は、透明なガラスまたは半導体からなっていることを特徴とする付記6に記載の光装置。
(付記8)前記固定部材は、不透明な金属またはセラミックからなることを特徴とする付記6に記載の光装置。
【0065】
(付記9)前記固定部材は、銅タングステン合金、コバール合金、アルミナ、あるいいはBeOのいずれかからなることを特徴とする付記8に記載の光装置。
【0066】
(付記10)前記固定部材と、前記第1及び第2の多層膜と前記応力補正膜を備える前記基板とは、有機接着剤、金属ハンダ、低融点ガラスのいずれかを使って固定されていることを特徴とする付記6に記載の光装置。
【0067】
(付記11)前記固定部材と、前記第1及び第2の多層膜と前記応力補正膜を備える前記基板とは、複数の点において固定されていることを特徴とする付記6に記載の光装置。
【0068】
(付記12)前記固定部材と、前記第1及び第2の多層膜と前記応力補正膜を備える前記基板とは、光学接合によって固定されていることを特徴とする付記6に記載の光装置。
【0069】
(付記13)前記光学接合を行う面の材質がSiO2であることを特徴とする付記12に記載の光装置。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、波長分散を補償するためのVIPA光素子を用いた光装置において、VIPA光素子を反らせず、面精度を高く保持して固定することにより、光学特性を望ましいものにすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】VIPA光素子の構成の問題点と実施形態の構成を示す断面図(その1)である。
【図2】VIPA光素子の構成の問題点と実施形態の構成を示す断面図(その2)である。
【図3】応力補正膜の厚さについて説明する図である。
【図4】固定されたVIPA光素子の上面図(図4(a))と断面図(図4(b))である。
【図5】本発明の実子形態に従った他の固定部材とVIPA光素子の固定法を示した図である。
【図6】本実施形態の効果を示す光学的特性の比較例(その1)である。
【図7】本実施形態の効果を示す光学的特性の比較例(その2)である。
【図8】本実施形態の効果を示す光学的特性の比較例(その3)である。
【図9】本発明の別の実施形態を示す図である。
【図10】VIPAと、これを用いた逆分散コンポーネントの説明図(その1)である。
【図11】VIPAと、これを用いた逆分散コンポーネントの説明図(その2)である。
【図12】VIPAと、これを用いた逆分散コンポーネントの説明図(その3)である。
【符号の説明】
10 VIPA光素子
11 多層全反射膜
12 多層反射防止膜
13 透明平板
14 半透明多層反射膜
16 応力補正膜
20 固定部材
21 接合剤
25 反射防止膜
30 光学接合面
31 ガラス平板
Claims (5)
- 基板と、
該基板の第1の面に設けられた第1の反射率を有する第1の多層膜と、
該基板の第2の面に設けられた第2の反射率を有する第2の多層膜と、
該第1あるいは第2の多層膜に取り付けられ、該第1と第2の多層膜の有する応力の違いにより生じる該基板の歪みを補正する応力補正膜と、
を備えることを特徴とする光装置。 - 前記応力補正膜は特定の波長の光に対し透明であり、光学的膜厚が該特定の波長の半波長の整数倍であることを特徴とする請求項1に記載の光装置。
- 前記応力補正膜は、SiO2からなっていることを特徴とする請求項1に記載の光装置。
- 前記応力補正膜は、前記基板の面精度を一波長以下に保持することを特徴とする請求項1に記載の光装置。
- 前記基板は特定の波長の光に対して透明な平板であり、該基板と、前記第1及び第2の多層膜とからVIPA光素子が構成され、前記応力補正膜は該VIPA光素子を平坦に保ち、
更に、該VIPA光素子によって分光された光を反射し、該VIPA光素子に返すミラーを備え、
該VIPA光素子と該ミラーとで分散補償器を構成することを特徴とする請求項1に記載の光装置。
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