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JP2004198261A - 親水性高分子物質によって被覆されたセンサチップとそれを用いた分析方法 - Google Patents

親水性高分子物質によって被覆されたセンサチップとそれを用いた分析方法 Download PDF

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JP2004198261A
JP2004198261A JP2002367207A JP2002367207A JP2004198261A JP 2004198261 A JP2004198261 A JP 2004198261A JP 2002367207 A JP2002367207 A JP 2002367207A JP 2002367207 A JP2002367207 A JP 2002367207A JP 2004198261 A JP2004198261 A JP 2004198261A
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sensor chip
coated
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plasmon resonance
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JP2002367207A
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Hidenobu Shimizu
秀信 清水
Hiroyuki Tanaka
裕之 田中
Hiroshi Mitani
浩 三谷
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/55Specular reflectivity
    • G01N21/552Attenuated total reflection
    • G01N21/553Attenuated total reflection and using surface plasmons

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Abstract

【課題】時間ドリフトの発生が少なく、機能性分子を高密度に固定化でき、さらには、非特異的吸着が起こりにくい、回折格子を表面に備えたセンサチップを提供する。
【解決手段】一定の溝方向で形成されている回折格子の表面を非ペプチド性の親水性高分子物質で被覆する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中の化学種、生化学種、生物種、及びそれらの検体間の相互作用を定性的及び定量的に検出するためのセンサチップに関する。
【0002】
【従来の技術】
一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備えた光学構造体は、化学種、生化学種、生物種などの検体(アナライト)を含む試料流体を、定量的および定性的に分析するセンサチップとして広範に使用されている。
例えば、検体と特異的に結合できる特定の機能性分子を表面に担持させた回折格子は、固定化された機能性分子と試料中の検体とが特異的に相互作用することにより、回折格子の光学特性が変化することから、バイオセンサとして使用できることが記載されている(例えば、特許文献1を参照)。その中でも、特異的な相互作用を表面プラズモン共鳴により検出できるセンサチップは、検出感度の点で優れていることから、特に有用とされている。
【0003】
このような光学構造体をセンサチップとして使用する際、検出感度向上のため、次の3点が要求される。(1)共鳴条件の時間変化を測定する際、ドリフトが発生しない、(2)センサチップ表面に機能性分子を高密度で固定化できる、(3)センサチップ表面に機能性分子と特異的に結合する物質以外の物質が非特異的に吸着しない。
【0004】
回折格子を表面に備えたセンサチップでは、直接チップ上に試料を流すため、チップ回折格子の表面(裏面)近傍で超微小変形が起こる。また、チップを構成するフローセルの構造体の変形も同時に引き起こすと考えられ、共鳴条件の時間変化をモニターする場合、検出量に時間ドリフトが生じる。本来、測定器内の諸条件(温度や流速等)が一定であれば、検出量の時間変化は起こらないはずである。ドリフトとは、測定器内の諸条件を一定にしておいても、時間と共に検出量が次第に変化していく現象のことをいう。ドリフトが生じている波形では、分子間相互作用の反応速度論解析が困難となるため、速度論解析するには、測定データ収集後に信号処理を施さなければならなかった。
【0005】
また、表面に回折格子を備えたセンサチップ上への機能性分子の固定化は、通常、チップ表面への物理或いは化学吸着、または、リンカーと呼ばれる低分子化合物を介しての共有結合により行われる(例えば、非特許文献1参照)。この場合、機能性分子の固定化は、平面上(2次元)で行われるため、機能性分子の固定密度は、該表面の表面積により規定されることになるので、固定密度をさらに上げることはできなかった。
【0006】
この種の問題の少なくとも一部分は、溶剤流延技術といわれる方法を用いて、センサチップ表面に有機ポリマーの薄層を形成させることにより解決される(例えば、特許文献2を参照)。しかし、この方法により例示されている硝酸セルロースでは、水への溶解度が低いため、固定密度の向上にはほとんど寄与していない。
【0007】
また、従来の回折格子を表面に備えたセンサチップでは、検体と接する面が、金などの水との親和性が低い物質であるため、機能性分子に特異的に結合する物質以外の物質が該表面に非特異的に吸着して感度の低下を引き起こしてしまう。そのため、アルブミンやカゼイン等のブロッキング剤と呼ばれる吸着性の高いタンパク質で、センサチップ表面を覆う必要があった。しかし、ブロッキング操作を施しても、完全にチップ表面への吸着を防ぐことは難しいこと、また、ブロッキング剤への非特異的吸着が避けられないこと、さらに、ブロッキング操作があらかじめ固相化してあった機能性分子に影響を与えることなどから、ブロッキング操作を必要としないセンサチップが望まれている。
【0008】
【特許文献1】
特公平6―27742号公報
【0009】
【特許文献2】
特許2528134号公報
【0010】
【非特許文献1】
Biosensors. 3(4), 211-225(1987/88)
【0011】
【発明が解決すべき課題】
このように、従来の回折格子を表面に備えたセンサチップでは、チップ表面近傍の微小変形が起こる結果、時間ドリフトが発生するため、測定データの後処理を施さなくては、機能性分子と検体との相互作用の反応速度解析をすることは難しかった。また、回折格子上に、機能性分子を2次元的に固定化する従来の方法では、機能性分子を単層以上に固定化することができないため、十分な感度を得ることができなかった。加えて、従来のセンサチップ表面には、機能性分子に特異的に結合する物質以外の物質も非特異的に吸着してしまうため、高感度で、再現性に優れた検出をすることができなかった。
【0012】
従って本発明の課題は、従来技術の問題点を解消するため、時間ドリフトの発生が少なく、機能性分子を高密度に固定化でき、さらに、非特異的吸着が起こりにくい、回折格子を表面に備えたセンサチップを提供することにある。加えて、このセンサチップに機能性分子としてタンパク質やDNAを固定化して、プロテインチップあるいはDNAチップとして提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、一定の溝方向で形成されている回折格子の表面を、非ペプチド性の親水性高分子物質で被覆することにより、被覆していないセンサチップに比べて、ドリフトを著しく低減でき、また、機能性分子を高密度に固定化でき、さらには、非特異的吸着を効果的に抑制できるセンサチップが得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
すなわち本発明により、(1)一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備え、かつ、該表面が非ペプチド性の親水性高分子物質で被覆されていることを特徴とするセンサチップが提供される。
この本発明の好ましい態様により、(2)水系分析用である上記センサチップ、あるいは、(3)表面プラズモン共鳴による分析用である上記センサチップが提供される。
【0015】
また、上記発明の好ましい態様により、(4)親水性高分子物質が、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、デキストラン、アガロース、カラギーナン、アルギン酸、澱粉、セルロース、および、核酸よりなる群から選ばれる物質である上記センサチップが提供される。
【0016】
また、上記発明の好ましい態様により、(5)親水性高分子物質が、他の物質を結合し得る部位を有するものである上記センサチップが提供される。
また、上記発明の好ましい態様により、(6)他の物質を結合し得る部位が、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボニル基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、マレイミド基、スクシニル基、リン酸基、及びイミダゾール基、並びにその誘導体よりなる群から選ばれる残基である上記センサチップが提供される。
【0017】
また、上記発明の好ましい態様により、(7)他の物質を結合し得る部位が、ビオチン、マルトース、グルタチオン、ニッケルイオン、色素、酵素阻害剤、並びに、その誘導体よりなる群から選ばれる結合能を有する化学物質を有する部位である上記センサチップが提供される。
また、上記発明の好ましい態様により、(8)他の物質を結合し得る部位にHisタグ、GSTタグ、プロテインA、アビジン等よりなる群から選ばれる特異的結合能を有するペプチドまたはタンパク質が結合した上記センサチップが提供される。
【0018】
また、本発明のさらに別の態様により、(9)一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備え、該表面が化学物質で被覆されており、かつ、以下(A)〜(C)のいずれかの特徴の組み合わせを有するセンサチップが提供される。
(A)センサチップ表面を純水に浸漬し20分間測定する時、表面プラズモン共鳴の測定値の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下である。
【0019】
(B)センサチップ表面にマウスIgGを1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドを用いて固定化する時、表面プラズモン共鳴の測定値の増加量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける増加量の2倍以上である。
(C)センサチップ表面を100μg/mLのマウスIgGを含む2−モルホリノエタンスルホン酸緩衝液(10mM、pH6.0)に浸漬し20分間測定する時、表面プラズモン共鳴の測定値の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下である。
【0020】
また、これらの発明の好ましい態様により、(10)表面プラズモン共鳴による分析用である上記センサチップ、(11)親水性高分子物質に特定の機能性分子が固定化された上記センサチップ、(12)表面に特定の機能性分子が固定化された上記センサチップが提供される。
また、本発明のさらに別の態様により、(13)上記センサチップに検体を含む溶液を流し、固定化されている機能性分子と検体との相互作用を表面プラズモン共鳴により測定することを特徴とする機能性分子と検体との相互作用解析方法が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のセンサチップは、一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備え、かつ該表面が非ペプチド性の親水性高分子物質で覆われているものである。ここで、センサチップとは、該表面上で起こる物理学的または化学的特性変化を検出する際に使用される固相担体の総称である。固相担体の材質としては、透明なガラス、シリコン又はポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクレート等の高分子であることが好ましい。また、固相担体の厚さは、100〜5000μmの範囲にあることが好ましい。また、上記固相担体はそのまま使用してもよいし、金属あるいは金属酸化物表面で被覆されたものを使用してもよい。
【0022】
金属としては、表面プラズモン波を誘起しうるものであればその材質に限定はない。例えば、金、銀、銅、アルミニウムやこれらを含む合金等、あるいは銀、銅、アルミニウムの酸化物等を用いることができる。感度や安価な点では銀が好ましいが、安定性の面では金が好ましい。金属層の厚みは、好ましくは20〜300nmとし、より好ましくは30〜160nmとする。
【0023】
また、センサチップ上に形成される回折格子の溝ピッチの範囲は200nm〜2000nm、好ましくは500nm〜900nmである。また、溝深さは10nm〜100nmが好ましい。
本発明のセンサチップは、該表面が親水性高分子物質で覆われていることから、水系分析用として使用することが好ましい。また、本発明のセンサチップは、検体を検出するための様々な方法と組み合わせて使用することが可能である。検出法の具体例としては、蛍光法、化学発光法、RI法、表面プラズモン共鳴法、質量分析法、水晶発振子法(例えば、特開昭62−207930号公報参照)、電気化学的方法(例えば、特公昭52−47913号公報参照)等が挙げられる。この中で、表面プラズモン共鳴法による検出は、検体を無標識で分析することができるため、好適に用いられる。例えば、本発明のセンサチップを表面プラズモン共鳴に応用する場合には、一定の溝方向で形成されている回折格子の上面に、金または銀等の金属薄膜が、所定の膜厚(5〜200nm)で成膜されており、さらに、その上面に親水性高分子物質が被覆されているという構成となる。
【0024】
次に、非ペプチド性の親水性高分子物質について説明する。非ペプチド性の親水性高分子物質とは、分子量1000以上で、水に溶解するもののうち、ペプチド性高分子物質(同種又は異種のαアミノ酸が2個またはそれ以上で、互いに一方のカルボキシル基と他方のアミノ基との間で脱水してペプチド結合を形成してできる化合物)を除いた高分子物質の総称である。ペプチド性高分子物質でセンサチップを被覆すると、検体中に共存する夾雑物が、ペプチド性高分子物質を分解したり、ペプチド性高分子物質と交差反応をしたりするおそれがある。このため、ペプチド性高分子物質はセンサチップを被覆する高分子物質としては不適と考えられる。
【0025】
非ペプチド性の親水性高分子物質の具体例としては、デキストラン、アガロース、カラギーナン、セルロース、澱粉、加工澱粉、アラビアゴム、アルギン酸、ペクチン、核酸等の天然・生体高分子物質、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ビスコース等の半合成高分子物質、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の合成高分子物質が挙げられる。中でも、入手しやすく、取り扱いが容易であることから、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、デキストラン、アガロース、カラギーナン、アルギン酸、澱粉、セルロース、および、核酸の群よりなる高分子物質から、選択することが望ましい。これらの高分子物質は、単独で用いても、2種以上組み合わせてもよい。また、高分子物質の繰り返し単位は、水に溶解する限りは、同種であっても、2種以上であっても構わない。
【0026】
センサチップ表面を非ペプチド性の親水性高分子物質で覆う方法は、特に限定されないが、例えば、センサチップ表面上に重合開始種を導入して、これを起点にモノマーを次々と重合させる方法、非ペプチド性親水性高分子物質の官能基を利用して、センサチップ表面上に共有結合により固定化する方法等が挙げられる。
【0027】
センサチップを親水性高分子物質で被覆する方法として、具体的には、以下の方法が例示される。
先ず、センサチップ表面をモノマー溶液に浸漬し、γ線、電子線、紫外線を照射することにより、該表面を親水性高分子で覆うことができる。
また、センサチップ表面をγ線、電子線、紫外線、低温プラズマ、またはコロナ放電にて前処理して、該表面に過酸化基を生じさせた後、これを重合開始基として熱重合を行うことにより、センサチップ表面を親水性高分子物質で覆うことができる。
【0028】
また、センサチップ表面にアミノ基等の反応性官能基を導入した後、ポリアクリル酸等とのカップリング反応を行うことにより、センサチップ表面を親水性高分子物質で覆うことができる。
センサチップ表面上の反応性官能基としては、カルボキシル基と共有結合する公知の官能基が好適に使用される。具体的には、アミノ基、水酸基、チオール基等が挙げられる。それらの中でも、官能基導入方法と高分子固定化反応の制御が容易であることから、アミノ基を使用することが好ましい。また、官能基の導入方法としては、固相担体の材質や導入する官能基の種類にもよるが、具体例としては、金属表面にアミノ基を導入するのであれば、アミノ基を有するチオール化合物(システアミン塩酸塩など)を金属表面に作用させることにより、また、ガラス表面にアミノ基を導入するのであれば、アミノ基を有するシランカップリング剤(アミノプロピルトリエトキシシラン等)を表面に作用させることにより、簡単に導入することができる。
【0029】
センサチップ表面に高分子物質を共有結合にて固定化するためには、センサチップ表面上に導入された官能基と高分子物質の官能基(例えば、カルボキシル基)との化学反応を、縮合剤の存在下で行う必要がある。縮合剤を加えないと、常温・常圧の条件では、共有結合により高分子物質を固相担体表面に固定化することは難しい。
【0030】
アミノ化センサチップ表面へのカルボキシル基を有する高分子物質の固定化の場合には、カルボジイミドのような縮合剤を添加することにより、アミド結合を形成させることができる。上記カルボジイミドとしては、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびその塩酸塩、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドおよびそのトルエンスルホン酸塩、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドおよびそのメチオジド、N,N’−ジシクロへキシルカルボジイミド等が挙げられる。尚、縮合剤は、単独使用の他、2種以上の混合物として使用することが出来る。
【0031】
縮合剤の使用量としては、高分子物質100重量部に対して、通常0.01〜500重量部、好ましくは0.1〜100重量部の範囲である。この範囲は、これら上限と下限を組み合わせた範囲であってもよい。縮合剤が0.01重量部より少ないと、活性化されるカルボキシル基の数が少なくなるため、高分子物質固定化反応が進行しにくくなる。また、500重量部より多いと、高分子鎖が多点結合しやすくなるため、高密度のカルボキシル化担体表面を得ることが難しくなる。
【0032】
処理時間に関しては、固相担体表面の材質や固定化しようとする高分子の種類等、種々の条件を勘案して決定されてよいが、処理時間が短すぎると、高分子物質の密度が低くなってしまうことから、通常10分間以上が適当である。
処理温度は、通常15〜40℃が適当である。温度が低すぎると反応の進行が遅くなるため、経済的でない。また、温度が高すぎると、反応の制御が困難になるため、所望の固相担体を得ることができない。
【0033】
固相担体表面への高分子物質の結合は、高分子物質と縮合剤と溶媒とを混合し、溶液のpHを酸性条件に調製した後、カルボキシル基と共有結合しうる官能基を有する固相担体表面へ接触させることにより簡単に行うことができる。この反応に用いられる溶媒は、好ましくは水よりなるが、必要に応じて、水と非水極性液体、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、若しくはN−メチルピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン類の1種、または2種以上の非水極性液体と水との混合物よりなっていてもよい。
【0034】
高分子物質の使用量は、溶媒100重量部に対して、通常0.001〜100重量部の範囲である。高分子物質添加量が、0.001重量部より少ない場合には、高分子物質の導入量が少なくなってしまうため、所望の固相担体を得ることができない。また、100重量部より多い場合には、溶液の粘性が高すぎるため、反応が進みにくくなってしまう。
【0035】
また、本センサチップは、該表面上に、検体と特異的に相互作用できる機能性分子を固定化して使用することも可能である。そのため、該センサチップ上の親水性高分子物質は、他の物質を結合し得る部位を有するものであることが望ましい。
他の物質を結合し得る部位としては、各種官能基、および特定の分子に親和性を示す化合物が好ましい。官能基の具体例としては、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボニル基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、マレイミド基、スクシニル基、リン酸基、イミダゾール基等が挙げられる。また、特定の分子に親和性を示す低分子化合物の具体例としては、ビオチン、マルトース、グルタチオン、ニッケルイオン、またはCibacron Blue等の各種色素、または、ベンザンミジン等の(酵素)阻害剤が挙げられる。これらの各種官能基、および、特定の分子に親和性を示す低分子化合物は、単独で用いても、2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0036】
他の物質を結合し得る部位を有する親水性高分子物質を得る方法は、特に限定されないが、例えば、各種官能基、及び特定の分子に親和性を示す化合物を有するモノマーを重合する方法、または、親水性高分子物質を化学的、或いは、物理的に改質して、他の物質を結合し得る部位を導入する方法等が挙げられる。
各種官能基、及び特定の分子に親和性を示す化合物を有するモノマーの具体例としては、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸、ヒドロキシル基を有する2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アルデヒド基を有するアクロレイン、エポキシ基を有するグリシジル(メタ)アクリレート、スクシニル基を有するN−ヒドロキシスクシイミド(メタ)アクリレート、リン酸基を有するホスマー、イミダゾール基を有するビニルイミダゾール等が挙げられる。また、反応性モノマーである(メタ)アクリル酸クロリドと求核基(アミノ基等)を有する化合物の反応から、上記モノマーを得ることも可能である。
【0037】
また、親水性高分子物質で覆ったセンサチップ表面を、電子線照射、コロナ放電処理、プラズマ処理、或いは薬品処理することにより、各種官能基を導入することができる。
また、親水性高分子物質中に、既に、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基が存在する場合には、有機化学の分野で公知の官能基変換を行うことにより、簡単に各種官能基を導入することができる。
【0038】
また、ビオチン、マルトース等の特定の分子に親和性を示す低分子化合物を親水性高分子物質に導入するには、上記に示した、各種官能基を導入する方法と同様な方法を用いることができる。その中でも、反応性の高い基が導入されている低分子化合物を利用することが、特に好ましく用いられる。ビオチンを例にとると、親水性高分子物質のアミノ基に反応させるときには、ビオチンのカルボキシル基をN―ヒドロキシスクシンイミドエステルとしたものを、多糖類と反応させるときには、ヒドラジド誘導体を利用すればよい。
【0039】
また、本発明のセンサチップは、他の物質を結合し得る部位に、さらに、特異的結合能を有するペプチドまたはタンパク質を結合させて使用することも可能である。特異的結合能を有するペプチドまたはタンパク質とは、特定の分子と選択的に結合するペプチドまたはタンパク質であり、具体的には、Hisタグ、GSTタグ、プロテインA、アビジン等よりなる群から選択することが好ましい。これらの特異的結合能を有するペプチドまたはタンパク質を、他の物質を結合し得る部位に導入する方法は、特に限定されないが、例えば、他の物質を結合し得る部位が、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、ヒドロキシル基等の官能基である場合には、アフィニティークロマトグラフィーの分野で公知の方法を使い、これらの官能基を活性化することにより、簡単に導入することができる。
【0040】
次に、センサチップに要求される性能について説明する。上述の通り、センサチップの検出感度を向上させるためには、以下の性能が必要とされる。(1)共鳴条件の時間変化を測定する際、ドリフトが発生しない、(2)センサチップ表面に機能性分子を高密度で固定化できる、(3)センサチップ表面に機能性分子に特異的に結合する物質以外の物質が非特異的に吸着しない。一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備え、かつ、該表面が化学物質で被覆されている本発明のセンサチップは、これらの特徴を有するものである。
【0041】
本発明のセンサチップは、センサチップ表面を純水に浸漬し20分間測定する時、表面プラズモン共鳴の測定値の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下であるというドリフト抑制能を有している。従来のセンサチップでは、送液の液性や送液システムが引き起こす圧力や流れ等により、超微細加工による表面回折格子が微小変形する。その結果、時間ドリフトが発生するため、機能性分子と検体の相互作用に基づく反応速度解析を、測定データの後処理なしで行うことは難しかった。本発明のセンサチップでは、該表面が化学物質で被覆されているため、チップそのものの微小変形を抑えることが可能となる。
【0042】
時間ドリフトの低減は、検出感度の増大を可能とする。感度、安定性の面で最も優れているのは、ドリフトが全く起こらないことであるので、本発明のセンサチップにおける表面プラズモン共鳴の測定値の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下、好ましくは3分の1以下、特に好ましくは4分の1以下である。
【0043】
本発明のセンサチップは、該表面にマウスIgGを1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドを用いて固定化する時、表面プラズモン共鳴の測定値の増加量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける増加量の2倍以上となる高い機能性分子結合容量を有することを特徴とする表面である。
【0044】
従来のセンサチップへの機能性分子の固定化は、該表面に直接物理或いは化学吸着させるか、または、該表面をリンカ−と呼ばれる低分子化合物で前処理して、センサチップ表面に反応性官能基を導入してから、共有結合にて固定させることにより行われてきた。しかし、これらの方法では、平面上にしか機能性分子を固定化できないため、単層以上に機能性分子の固定密度を増やすことはできなかった。本発明のセンサチップは、機能性分子を3次元的に固定化できるように、該表面が化学物質で被覆されているため、機能性分子の固定密度を増やすことが可能となる。
【0045】
機能性分子の固定密度の増加は、機能性分子と結合する検体の量を増やすことにつながると考えられるので、検出感度が向上したセンサチップを得ることが可能となる。機能性分子の結合容量は、多ければ多いほど、それに伴って、機能性分子と結合する検体の検出感度を高めることができると考えられるので、本発明のセンサチップにおける表面プラズモン共鳴の測定値の増加量は、表面が被覆されていないセンサチップにおける増加量の2倍以上、好ましくは5倍以上、特に好ましくは10倍以上である。
【0046】
本発明のセンサチップは、該表面を100μg/mLのマウスIgGを含む2−モルホリノエタンスルホン酸緩衝液(10mM、pH6.0)に浸漬し20分間測定する時、表面プラズモン共鳴の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下という非特異的吸着を起こしにくい表面を有している点が特徴であり、最初に機能性分子をセンサチップ表面に固定した後は、機能性分子と特異的に結合する検体以外の物質がセンサチップ表面に非特異的に吸着することはほとんどなく、検体のみが特異的な反応によりセンサチップ表面に捕捉されるため、高感度で安定した結果を得ることが可能となる。
【0047】
従来のセンサチップ表面では、多くの非特異的吸着が起こるため、ブロッキング操作を施す必要があった。本発明のセンサチップにおいては、非特異的吸着が起こりにくいため、ブロッキング操作は不要となり、機能性分子と特異的に結合する検体のみを高感度で検出することが可能となる。
感度、安定性に最も優れているのは、機能性分子と特異的に結合する検体以外の物質の非特異的吸着が全く起こらない表面であるため、本発明のセンサチップにおける表面プラズモン共鳴の測定値の変化量は、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下、好ましくは5分の1以下、特に好ましくは10分の1以下である。
【0048】
本発明のセンサチップは、該表面に様々な機能性分子を固定化することにより、生体分子間相互作用解析、創薬研究、疾病予防のためのプロテインチップやDNAチップ等として利用することができる。機能性分子を固定化する方法は、公知の技術により簡単に行うことができる。例えば、機能性分子のアミノ基とセンサチップ表面上のカルボキシル基を、水溶性縮合剤1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドにより、結合させる方法等が挙げられる。
【0049】
機能性分子として、具体的には酵素、抗体、レクチン等のタンパク質、ペプチド、ホルモン、核酸、糖、オリゴ糖、多糖等の糖鎖、脂質、低分子化合物、高分子有機物質、無機物質、若しくはこれらの融合体、または、ウイルス、若しくは細胞を構成する分子などが挙げられる。これら機能性分子が、検体と機能性分子との結合性(相互作用)を測定する際の標的分子となる。
【0050】
タンパク質としては、タンパク質の全長であっても、結合活性部位を含む部分ペプチドであってもよい。また、アミノ酸配列、及びその機能が既知のタンパク質でも、未知のタンパク質でもよい。これらは、合成されたペプチド鎖、生体より精製されたタンパク質、あるいはcDNAライブラリー等から適当な翻訳系を用いて翻訳し、精製したタンパク質等でも標的分子として用いることができる。合成されたペプチド鎖は、これに糖鎖が結合した糖タンパク質であってもよい。これらのうち好ましくは、アミノ酸配列が既知の精製されたタンパク質か、あるいはcDNAライブラリー等から適当な方法を用いて翻訳、精製されたタンパク質である。
【0051】
核酸としては、 特に制限はなく、DNAあるいはRNAを用いることができる。また、塩基配列あるいは機能が、既知の核酸でも、未知の核酸でもよい。好ましくは、タンパク質に結合能力を有する、核酸としての機能及び塩基配列が既知のものか、あるいは、ゲノムライブラリー等から制限酵素等を用いて切断単離してきたものを用いることができる。
【0052】
糖鎖としては、その糖配列あるいは機能が、既知の糖鎖でも未知の糖鎖でもよい。好ましくは、既に分離解析され、糖配列あるいは機能が既知の糖鎖が用いられる。
低分子化合物としては、相互作用する能力を有する限り、特に制限はない。機能が未知のものでも、あるいはタンパク質に結合する能力が既に知られているものでも用いることができる。
【0053】
また、機能性分子が固定化されたセンサチップは、該機能性分子と相互作用する分子を検出するバイオセンサとして好適に使用できる。
機能性分子と検体の「相互作用」とは、通常は、標的分子と検体間の共有結合、疎水結合、水素結合、ファンデルワールス結合、及び静電力による結合のうち少なくとも1つから生じる分子間に働く力による作用を示すが、この用語は最も広義に解釈すべきであり、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。共有結合としては、配位結合、双極子結合を含有する。また静電力による結合とは、静電結合の他、電気的反発も含有する。また、上記作用の結果生じる結合反応、合成反応、分解反応も相互作用に含有される。
【0054】
相互作用の具体例としては、抗原と抗体間の結合及び解離、タンパク質レセプターとリガンドの間の結合及び解離、接着分子と相手方分子の間の結合及び解離、酵素と基質の間の結合及び解離、アポ酵素と補酵素の間の結合及び解離、核酸とそれに結合するタンパク質の間の結合及び解離、情報伝達系におけるタンパク質同士の間の結合と解離、糖タンパク質とタンパク質との間の結合及び解離、あるいは糖鎖とタンパク質との間の結合及び解離が挙げられるが、この範囲に限られるものではない。例えば、イムノグロブリンやその派生物であるF(ab')2、Fab'、Fab、レセプターや酵素とその派生物、核酸、天然あるいは人工のペプチド、人工ポリマー、糖質、脂質、無機物質あるいは有機配位子、ウイルス、細胞、薬物等が挙げられる。
【0055】
機能性分子を固定化したセンサチップを用いた相互作用の検出方法としては、例えば、いわゆるDNAアレイ若しくはDNAチップ又はプロテインアレイ若しくはプロテインチップと呼ばれるDNAまたはタンパク質を固定化したセンサチップを用いて解析する方法が適用可能である。具体例としては、蛍光法、化学発光法、RI法、表面プラズモン共鳴法、質量分析法、水晶発振子、電気化学的方法による検出法が挙げられる。この中で、表面プラズモン共鳴法による検出は、検体を無標識で分析することができるため好適に用いられる。
【0056】
【発明の効果】
本発明のセンサチップは、ドリフトが起こりにくく、該表面への非特異的吸着が起こりにくいという特徴を有することから、高感度での測定を行うことが可能となる。
さらに、機能性分子を高密度に固定化できる大きな結合容量を有していることから、センサチップに機能性分子を固定化することにより、該機能性分子と相互作用する分子を検出するためのバイオセンサとして好適に使用できる。
【0057】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1 親水性高分子物質で被覆されたセンサチップの作製
(1)アミノ基を有するセンサチップ表面の作製
60mlの水に、システアミン塩酸塩34mgを溶かした。この溶液に、大きさが2.5cm×2.5cmの金被覆グレーティングチップ(平板状のポリカーボネート製の基体の表面に、溝ピッチ約870nm、溝深さ約40nmの凸凹形状を形成し、この凸凹形状を回折格子として、さらに基体の表面に厚さ約80nmで金を蒸着したセンサチップ)を浸漬させ、室温で20分間反応させた。反応終了後、センサチップを蒸留水で洗浄した。この処理は、金被覆センサチップ表面に、金−硫黄結合を介してアミノ基を導入するものである。
【0058】
(2)ポリアクリル酸のセンサチップ表面への固定化
25mlの水に、1.25gのポリアクリル酸(分子量50,000)(ポリサイエンス社製)と24mgの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)を溶解させた。溶液のpHを2.2に調整した後、この溶液2.5mlに、上記(1)で得たアミノ化センサチップを浸漬させ、1時間反応させた。反応終了後、チップを蒸留水で洗浄した。この処理は、金表面上のアミノ基と高分子のカルボキシル基をEDCにより縮合させて、アミド結合を形成させるものである。この処理により、センサチップ表面を親水性高分子で覆うことができる。
【0059】
実施例2 親水性高分子物質で被覆されたセンサチップにおいて発生する時間ドリフトの評価
時間ドリフトは、共鳴角検出型のSPR測定装置FLEX CHIPSTM Kinetic Analysis System(HTS Biosystems Inc.)を用いて評価した。実施例1の(2)で得たセンサチップを、SPR測定装置FLEX CHIPSTM Kinetic Analysis System(HTS Biosystems Inc.)に装着し、1時間純水を流したときの共鳴角度の時間変化を測定した。比較例として、実施例1の(1)で得たセンサチップ表面が親水性高分子物質で被覆されていない金被覆グレーティングチップを用いて同様に測定した。
【0060】
図1に、測定直後を0としたときの、共鳴角度の時間変化の結果を示す。また、表1には、20分間ごとの、共鳴角度の平均変化量の結果をまとめた。図表から明らかなように、親水性高分子物質で表面を被覆することにより、ドリフトの発生が3分の1以下に抑えられることがわかった。
【0061】
【表1】
Figure 2004198261
【0062】
実施例3 親水性高分子物質で被覆されたセンサチップ表面へのリガンド固定密度
リガンド固定密度は、親水性高分子を被覆したセンサチップ表面へのタンパク質固定化反応を行い、センサチップ表面へのタンパク質固定化に伴う共鳴角の変化を、共鳴角検出型のSPR測定装置FLEX CHIPSTM Kinetic Analysis System(HTS Biosystems Inc.)で角度スキャンを行いながら反射光の強度を測定することにより、評価した。40mlの水に、23mgのN−ヒドロキシスクシイミドと153mgのEDCを溶かした。この溶液4ml中に実施例1の(2)で得たセンサチップを浸漬させ、室温で10分間振とうすることにより、カルボキシル基を活性化させた。反応終了後、センサチップを蒸留水で洗浄した。次に、この活性エステル基を有するセンサチップをSPR測定装置FLEX CHIPSTM Kinetic Analysis System(HTS Biosystems Inc.)に装着し、2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)緩衝液(10mM、pH6.0):10分間、0.1mg/mLマウスIgGを含むMES緩衝液:15分間、1Mエタノールアミン水溶液(pH8.5):10分間、MES緩衝液:10分間の順番で、溶液を流した。流速は、0.2mL/minとした。タンパク質注入前の共鳴角と注入後の共鳴角の差から、タンパク質固定化に伴う共鳴角変化の値を算出した。
【0063】
その結果、タンパク質固定化に伴う共鳴角変化は、896mdegであった。一方、比較例では、タンパク質固定化に伴う共鳴角変化は、145mdegであることから、親水性高分子物質で表面を被覆することにより、リガンド固定密度が5倍以上増加することが明らかとなった。
【0064】
実施例4 親水性高分子物質で被覆されたセンサチップ表面への非特異的吸着性の評価
非特異的吸着性は、センサチップをタンパク質溶液に浸漬させたときの、センサチップ表面へのタンパク質非特異的吸着に伴う共鳴角の変化を、共鳴角検出型のSPR測定装置FLEX CHIPSTM Kinetic Analysis System(HTS Biosystems Inc.)で角度スキャンを行いながら反射光の強度を測定することにより評価した。実施例1の(2)で得たセンサチップを、SPR測定装置FLEX CHIPSTM KineticAnalysis System(HTS Biosystems Inc.)に装着し、2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)緩衝液(10mM、pH6.0):10分間、0.1mg/mLマウスIgGを含むMES緩衝液:15分間、1Mエタノールアミン水溶液(pH8.5):10分間、MES緩衝液:10分間の順番で、溶液を流した。流速は、0.2mL/minとした。タンパク質注入前の共鳴角と注入後の共鳴角の差から、タンパク質吸着に伴う共鳴角変化の値を算出した。
【0065】
その結果、タンパク質溶液を流したことによる共鳴角変化は、14mdegであった。一方、比較例では、共鳴角変化が145mdegであることから、親水性高分子物質で表面を被覆することにより、非特異的吸着が10分の1以下に抑えられることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2における本発明のセンサチップと比較例のセンサチップを、SPR測定装置に装着して、純水を1時間流したときの、共鳴角の時間変化を示す図である。図の横軸は装着してからの時間、縦軸は測定直後からの共鳴角の変化量(mdeg)を示す。

Claims (19)

  1. 一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備え、かつ、該表面が非ペプチド性の親水性高分子物質で被覆されていることを特徴とするセンサチップ。
  2. 水系分析用である請求項1に記載のセンサチップ。
  3. 表面プラズモン共鳴による分析用である請求項1または2に記載のセンサチップ。
  4. 親水性高分子物質が、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、デキストラン、アガロース、カラギーナン、アルギン酸、澱粉、セルロース、および、核酸よりなる群から選ばれる物質である請求項1〜3のいずれかに記載のセンサチップ。
  5. 親水性高分子物質が、他の物質を結合し得る部位を有するものである請求項1〜4のいずれかに記載のセンサチップ。
  6. 他の物質を結合し得る部位が、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボニル基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、マレイミド基、スクシニル基、リン酸基、及びイミダゾール基、並びにその誘導体よりなる群から選ばれる残基である請求項5に記載のセンサチップ。
  7. 他の物質を結合し得る部位が、ビオチン、マルトース、グルタチオン、ニッケルイオン、色素、酵素阻害剤、並びに、その誘導体よりなる群から選ばれる特定の分子に親和性を有する低分子化合物である請求項5に記載のセンサチップ。
  8. 他の物質を結合し得る部位にHisタグ、GSTタグ、プロテインA、アビジン等よりなる群から選ばれる特異的結合能を有するペプチドまたはタンパク質が結合した請求項5〜7のいずれかに記載のセンサチップ。
  9. 一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備え、かつ、該表面が化学物質で被覆されているセンサチップであって、センサチップ表面を純水に浸漬し20分間測定する時、表面プラズモン共鳴の測定値の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下であることを特徴とするセンサチップ。
  10. 一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備え、かつ、該表面が化学物質で被覆されているセンサチップであって、センサチップ表面にマウスIgGを1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドを用いて固定化する時、表面プラズモン共鳴の測定値の増加量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける増加量の2倍以上であることを特徴とするセンサチップ。
  11. 一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備え、かつ、該表面が化学物質で被覆されているセンサチップであって、センサチップ表面を100μg/mLのマウスIgGを含む2−モルホリノエタンスルホン酸緩衝液(10mM、pH6.0)に浸漬し20分間測定する時、表面プラズモン共鳴の測定値の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下であることを特徴とするセンサチップ。
  12. 一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備え、かつ、該表面が化学物質で被覆されているセンサチップであって、センサチップ表面を純水に浸漬し20分間測定する時、表面プラズモン共鳴の測定値の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下であり、かつ、センサチップ表面にマウスIgGを1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドを用いて固定化する時、表面プラズモン共鳴の測定値の増加量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける増加量の2倍以上であることを特徴とするセンサチップ。
  13. 一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備え、かつ、該表面が化学物質で被覆されているセンサチップであって、センサチップ表面を純水に浸漬し20分間測定する時、表面プラズモン共鳴の測定値の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下であり、かつ、センサチップ表面を100μg/mLのマウスIgGを含む2−モルホリノエタンスルホン酸緩衝液(10mM、pH6.0)に浸漬し20分間測定する時、表面プラズモン共鳴の測定値の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下であることを特徴とするセンサチップ。
  14. 一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備え、かつ、該表面が化学物質で被覆されているセンサチップであって、センサチップ表面にマウスIgGを1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドを用いて固定化する時、表面プラズモン共鳴の測定値の増加量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける増加量の2倍以上であり、かつ、センサチップ表面を100μg/mLのマウスIgGを含む2−モルホリノエタンスルホン酸緩衝液(10mM、pH6.0)に浸漬し20分間測定する時、表面プラズモン共鳴の測定値の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下であることを特徴とするセンサチップ。
  15. 一定の溝方向で形成されている回折格子を表面に備え、かつ、該表面が化学物質で被覆されているセンサチップであって、センサチップ表面を純水に浸漬し20分間測定する時、表面プラズモン共鳴の測定値の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下であり、かつ、センサチップ表面にマウスIgGを1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドを用いて固定化する時、表面プラズモン共鳴の測定値の増加量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける増加量の2倍以上であり、かつ、センサチップ表面を100μg/mLのマウスIgGを含む2−モルホリノエタンスルホン酸緩衝液(10mM、pH6.0)に浸漬し20分間測定する時、表面プラズモン共鳴の測定値の変化量が、表面が被覆されていないセンサチップにおける変化量の2分の1以下であることを特徴とするセンサチップ。
  16. 表面プラズモン共鳴による分析用である請求項9〜15のいずれかに記載のセンサチップ。
  17. 親水性高分子物質に特定の機能性分子が固定化された請求項1〜8のいずれかに記載のセンサチップ。
  18. 表面に特定の機能性分子が固定化された請求項9〜15のいずれかに記載のセンサチップ。
  19. 請求項17又は18に記載のセンサチップに検体を含む溶液を流し、固定化されている機能性分子と検体との相互作用を表面プラズモン共鳴により測定することを特徴とする機能性分子と検体との相互作用解析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009133836A (ja) * 2007-11-06 2009-06-18 Toshiba Corp 光学式センサ

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