JP2004196847A - シリコーンゴム用表面処理沈澱珪酸 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Al2O3含有量が0.1重量%以下であり、シアーズ滴定量が6.0ml/g以下であり、且つ4%懸濁液の電気伝導度が50μs/cm以下である沈澱珪酸を有機珪素化合物で表面処理した沈澱珪酸であって、ジ−n−ブチルアミン吸着量が20〜60m・mol/kgの範囲であるシリコーンゴム用表面処理沈澱珪酸。
【選択図】なし
Description
【発明に属する技術分野】
本発明はシリコーンゴム組成物、特に、電線被覆用シリコーンゴムに好適に使用される補強充填用表面処理沈澱珪酸に関する。
【0002】
【従来の技術】
湿式法により製造される沈澱珪酸は、乾式法による無水珪酸と共にホワイトカーボンと呼ばれ、白色のゴム補強充填剤として広く使用されている。シリコーンゴムにホワイトカーボンを配合することによりシリコーンゴムの練り生地に適度な粘度や硬度を付与し、作業性や加工性を向上させることができる。また、加硫されたシリコーンゴムは引張強度や伸び、引裂き強さ、反発弾性など、用途に応じた補強性能が得られる。更に、シリコーンゴムは耐油性、耐薬品性、耐熱性、耐寒性、耐候性に優れ、さらに高温から低温まで優れた電気特性を有することから各種の分野において利用されている。そして、その加工プロセスも用途に応じて種々の方法で実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような特性を有するホワイトカーボンは、その特性を活かして電線被覆用シリコーンゴムにも充填剤として使用されている。しかし、電線被覆用シリコーンゴム用充填剤として多用されているのは、乾式法で製造される無水珪酸である。ところが、無水珪酸は製造コストが高く、練り作業性が困難である。そのため、安価で練り作業性にも優れる湿式法による沈澱珪酸の提供が求められている。
【0004】
電線被覆用シリコーンゴム充填剤として使用される珪酸は、一般的なシリコーンゴムに比べて、高い電気絶縁性を有することが求められる。本発明者らの実験によると、シリコーンゴムに乾式法による無水珪酸を充填した場合の体積固有抵抗値はE+15〜16Ωcmであるのに対し、湿式法による沈澱珪酸の場合の体積固有抵抗値はE+13〜14Ωcmであった。
【0005】
このように、湿式法沈澱珪酸は、乾式法無水珪酸に比べシリコーンゴムに配合した場合、電気絶縁性が劣ることが問題となっている。湿式法沈澱珪酸でも高温で焼成することによって乾式法無水珪酸と同様程度の電気絶縁性を確保することは可能であることが知られている。しかし、高温で焼成するとシリコーンゴム補強性能が低下し、また製造コストも高くなり問題である。
【0006】
ところで、シリコーンゴムに配合したときに粘性が抑えられ、加工性に優れ、かつ高い補強性を維持したものとして、シリコーンオイルで表面処理された湿式法沈澱珪酸が提案されている(特許文献1)。しかし、本発明者らの実験によれば、特許文献1に記載の表面処理された湿式法沈澱珪酸では、十分な電気絶縁性を確保することはできなかった。
【0007】
このように、電線被覆用シリコーンゴム充填剤としての物性を満足し得る沈澱珪酸に対する要望は高いにも関わらず、電線被覆用シリコーンゴム充填剤に求められる諸物性を満足する湿式法沈澱珪酸は知られていなかった。
【0008】
【特許文献1】特開平8-48881号
【0009】
そこで、本発明の目的は、湿式法沈澱珪酸が本来有する、優れた練り作業性を損なうことなく、電線被覆用シリコーンゴム充填剤に適した高い電気絶縁性、例えば、E+15〜16Ωcmを有する沈澱珪酸を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、Al2O3含有量が0.1重量%以下であり、シアーズ滴定量が6.0ml/g以下であり、且つ4%懸濁液の電気伝導度が50μs/cm以下である沈澱珪酸を有機珪素化合物で表面処理した沈澱珪酸であって、ジ−n−ブチルアミン吸着量が20〜60m・mol/kgの範囲であるシリコーンゴム用表面処理沈澱珪酸に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の表面処理沈澱珪酸は、Al2O3含有量が0.1重量%以下であり、シアーズ滴定量が6.0ml/g以下であり、且つ4%懸濁液の電気伝導度が50μs/cm以下である沈澱珪酸を有機珪素化合物で表面処理することにより得られる物である。
以下、原料として用いられる沈澱珪酸(以下、原料沈澱珪酸という)について説明する。
原料沈澱珪酸は、Al2O3含有量が0.1重量%以下である。
Al2O3含有量が0.1重量%を超えると、電線被覆用シリコーンゴム充填剤として適当な電気絶縁性が得られなくなる。Al2O3含有量の好ましい範囲は、0〜0.07重量%の範囲である。
本発明においけるAl2O3含有量は、実施例に示すように、蛍光X線分析装置を用いて求めたものである。
【0012】
原料沈澱珪酸は、シアーズ滴定量が6.0ml/g以下である。
シアーズ滴定量が6ml/gを超えると、所望の電気特性が得られなくなる。シアーズ滴定量は沈澱珪酸の表面シラノール基の密度を表す指標として知られており、シアーズ滴定量が多いほど表面シラノール基の数も多くなる。従って、表面シラノ−ル基数が多くなるほど電気特性は低下する。
原料沈澱珪酸のシアーズ滴定量の好ましい範囲は、3〜5ml/gである。
原料沈澱珪酸のシアーズ滴定量は、実施例で具体的に示すように、G.Wシアーズによるシアーズ数(アナリテイカル ケミストリー第12巻、1956、1982〜1983項記載の方法)として求められる。
【0013】
原料沈澱珪酸は、4%懸濁液の電気伝導度が50μs/cm以下である。
4%懸濁液の電気伝導度が50μs/cmを超えると、電線被覆用シリコーンゴム充填剤に適した電気絶縁性が得られなくなる。電気伝導度は懸濁液中の電解質などの不純物残存量を測定しており、50μs/cmを超えるものは、電解質の残存量が多く、シリコーンゴムの電気特性を低下させる原因となる。4%懸濁液の好ましい電気伝導度の範囲は10〜40μs/cmの範囲である。
4%懸濁液の電気伝導度は、100mlの蒸留水に試料4gを加え撹拌して、煮沸した後に上澄溶液を50ml採取し、電気伝導度計を用いて測定される。
【0014】
さらに、原料沈澱珪酸は、BET比表面積が100〜200m2/gの範囲であることが好ましい。
100m2/g未満では表面処理を行ってもシリコーンゴムに求められるゴム補強性能が不充分になることがあり、200m2/gを超えるとシラノール基密度の増大に起因して、シアーズ滴定量が6ml/gを超えてしまい、目的とする電気絶縁性が得られなくなる場合がある。さらに、沈澱珪酸の凝集力が強固過ぎて分散不良を起こし易く加工性が低下することもある。
【0015】
さらに、原料沈澱珪酸は、コールターカウンター法による平均粒子径が12μm以下であることが好ましい。より好ましい平均粒子径は4〜10μmの範囲である。4μm以上では練り作業性が良好であり、10μm以下であれば十分なシリコーンゴム補強性能が得られる。
【0016】
上記原料沈澱珪酸は、通常の湿式沈澱珪酸の製造方法を用いて製造される。通常の湿式沈澱珪酸の製造方法とは、珪酸アルカリ水溶液と鉱酸を同時滴下する方法である。珪酸アルカリと鉱酸の反応により得られた珪酸スラリーは、濾過、水洗、乾燥及び粉砕、分級を行うことでシリコーンゴム補強剤としてバランスの取れた沈澱珪酸を得ることができる。
【0017】
但し、上記各物性を所定の範囲にするために、上記製造方法は、より具体的には以下の条件を満足するように実施される。
Al2O3含有量及びその他の不純物の少ない珪酸アルカリを使用することが望ましい。不純物の少ない珪酸アルカリを使用することにより、最終的に得られる沈澱珪酸中のAl2O3含有量、及び4%懸濁液の電気伝導度を容易に本発明の範囲内にすることができる。
【0018】
特に、使用する珪酸アルカリ水溶液として金属酸化物等の不純物の少ない原料を用い、更には、反応中に副生するNa2SO4等の塩類はフィルタープレス等で濾過した後の湿潤ケーキを水洗工程で充分洗浄することで、4%懸濁液の電気伝導度を50μs/cm以下にすることができる。塩類の残留はシリコーンゴムの電気特性に悪影響を及ぼすことになる。不純物の少ない珪酸アルカリ、特にはカレット法による珪酸アルカリ水溶液を使用することが望ましい。
【0019】
原料沈澱珪酸中のAl2O3量を前記所定量とするためには、より具体的には、例えば、以下の方法、条件を採用することができる。珪酸アルカリ水溶液中のAl2O3量をはじめ、不純物として各種の金属元素が含まれている。その含有量は原料である珪石や珪砂の産地によって異なる。通常、シリコーンゴム用シリカの場合、各種公開特許公報(例えば、特開平6−171922 、特開平6−279014 、特開平9−295805)にも開示されているように、Si以外の原子価数2〜4の金属酸化物をSiO2に対し0.2〜0.6wt%程度含有することで、一定範囲のゴム粘度が得られることが知られている。原料珪曹液のAl2O3含有量と、製品である沈澱珪酸のAl2O3含有量とは、通常、ほぼ同量である。従って、珪曹(珪酸ナトリウム)としてAl2O3含有量が0.1重量%以下のものを使用することで、Al2O3含有量が0.1重量%の沈澱珪酸を得ることができる。
【0020】
シアーズ滴定量が6.0ml/g以下である原料沈澱珪酸を製造するには、以下の方法、条件を採用する。
シアーズ滴下量は、沈澱珪酸のBETとも関係するとともに、反応中(同時滴下法)のNa2O濃度とも相関を有する。BETが100〜200の範囲の沈澱珪酸の場合、通常、Na2O濃度が0.05mol/l付近で製造された場合、シアーズ滴定量は7〜10ml/gである。それに対し、Na2O濃度が0.005mol/l付近で製造された場合、シアーズ滴定量は3〜6ml/gとなる。従って、シアーズ滴定量が6.0ml/g以下である原料沈澱珪酸を製造するには、同時滴下法における反応液中のNa2O濃度が0.005mol/l付近又はそれ以下になるように、珪酸ナトリウムと硫酸の添加速度をコントロールすることが適当である。
尚、反応中のNa2O濃度が同一であっても、BET比表面積が高い沈澱珪酸ほど高いシアーズ滴定量を示す傾向があるので、BET比表面積との関係も考慮する必要がある。BET比表面積のコントロール法については後述する。
【0021】
4%懸濁液の電気伝導度を50μs/cm以下の原料沈澱珪酸を製造するには、以下の方法、条件を採用する。
通常のゴム配合用の沈澱珪酸の製造においては、pH3程度の反応液をフィルタープレスやベルトフィルター等を使用して濾過・水洗を行ない、水洗水のpHが6〜7、電気伝導度が100〜1000μs/cm程度になるまで水洗を行う。これらのpH値及び電気伝導度を示す沈澱珪酸は、通常、水洗量を濾過した反応液量の1〜2倍とすることで得られる。それに対して、電気伝導度50μs以下の原料沈澱珪酸を得るには、反応液pHを3より低く、例えば、pH2〜2.5の範囲とし、かつ水洗水量を3〜4倍とすることで、電気伝導度50μs/cm以下の製品を得ることができる。このときの製品のpHは通常6〜7である。
【0022】
上記珪酸アルカリと鉱酸との反応に於いて、反応温度は、80℃以上、好ましくは85〜95℃の範囲である。反応温度は、得られる沈澱珪酸のBET比表面積と相関があり、反応温度が低いほど一次粒子の成長が遅くBET比表面積は高くなる。反応液温度が80℃未満ではBET比表面積がしばしば200m2/gを超えることがある。
【0023】
珪酸アルカリと鉱酸との反応は、シアーズ滴定量のコントロールにおいて述べたように、アルカリが酸に比べて過剰な状態で行うことが適当であり、過剰アルカリ濃度は0.001mol/l以上であることが適当である。反応液のpHが低くなり酸性領域になると、ゲル化現象が起こり易くなるが、上記程度の過剰アルカリ濃度であればその心配はなく、安定した物性を得ることができる。但し、BET比表面積が高くなると共に、シアーズ滴定量が増大して電気絶縁性が低下する原因となる傾向があるので、過剰アルカリ濃度は、0.01mol/l以下であることが好ましい。
【0024】
上記反応では、同時滴下終了時の懸濁液中のSiO2濃度を40g/l以上とすることが、BET比表面積が200m2/g以下である沈澱珪酸を得るという観点から好ましい。また、SiO2濃度が65g/l以下であることが、BET法比表面積が100m2/g以上のシリコーンゴムの補強性能に優れた沈澱珪酸を得ることができるので適当である。これにより、BET比表面積は100〜200m2/gの範囲で、好ましくは120〜180m2/gの沈澱珪酸を得ることができる。
【0025】
濾過・水洗を行った後、乾燥、粉砕及び分級が行われる。乾燥は気流乾燥や静置乾燥で行うことができる。
粉砕は、ピンミル粉砕機やジェットミル粉砕機が使用され、次いで分級は、風力式分級機等によって行うことができる。このようにして、コールターカウンター法による平均粒子径が12μm以下、好ましくは4〜10μmの沈澱珪酸を得ることができる。
【0026】
表面処理沈澱珪酸
本発明の表面処理沈澱珪酸は、上記原料沈澱珪酸を有機珪素化合物で表面処理した表面処理沈澱珪酸であって、ジ−n−ブチルアミン(DBA)吸着量が20〜60m・mol/kgの範囲である。好ましくは、本発明の表面処理沈澱珪酸は、BET法比表面積が70〜120m2/gの範囲である。
DBA吸着量は、20〜60m・mol/kgの範囲である必要が有るが、20m・mol/kg未満ではシリコーンゴム物性特に引張強度が低下する原因となり、60m・mol/kgを超えると体積固有抵抗値が不充分なものとなる。
有機珪素化合物で処理した後のBET比表面積は70〜120m2/gの範囲が好ましい。 70m2/g未満の場合はシリコーンゴム物性特に引張強度が低下する原因となり、120m2/gを超えると不充分な体積固有抵抗値しか与えられない。
【0027】
表面処理することなく、DBAが20〜60m・mol/kg(BET70〜120m2/g)である沈澱珪酸は知られている(例えば、特許文献1)。しかし、このような未処理の沈澱珪酸では、例えば、DBA値が20〜60m・mol/kgであり、かつBET値が70〜120m2/gの範囲であっても、シリコーンゴムの補強効果が不充分である。特に引張り強度や引張応力、引き裂き強度が劣る。それに対して、本発明の表面処理沈澱珪酸は、表面処理した後の沈澱珪酸が上記範囲のDBA値及びBET値を示し、それにより、シリコーンゴムの補強効果を低下させることなく、高い電気絶縁性を確保できるという利点がある。
【0028】
本発明の表面処理沈澱珪酸は、上記原料沈澱珪酸を有機珪素化合物で表面処理することで得られる。より具体的には、原料沈澱珪酸(通常は湿潤ケーキを乾燥した後に粉砕及び分級を行った物)にシリコーンオイル等の有機珪素化合物で表面処理する。但し、表面処理は、処理後の沈澱珪酸が、前述のように20〜60m・mol/kgの範囲のDBA値を示すように行うことが、シリコーンゴムの補強効果を低下させることなく、高い電気絶縁性を確保するという観点から好ましい。
【0029】
Al2O3含有量、シアーズ滴定量、4%懸濁液の電気伝導度、さらには、BET比表面積や平均粒子径等の制御を行うことで、未処理の沈澱珪酸であっても、ある程度の電気絶縁性は改良できる。しかし、目標とする無水珪酸と同等の電気絶縁性は得られない。本発明においては、Al2O3含有量、シアーズ滴定量、4%懸濁液の電気伝導度が、特定の値に制御された原料沈澱珪酸に、有機珪素化合物で表面処理することによって目標とする電気絶縁性を達成する。即ち、シリコーンゴムの体積固有抵抗値を乾式法珪酸並に改善することが可能である。本発明の表面処理沈澱珪酸は、通常の沈澱珪酸と同等の練り作業性、補強特性を示し、且つ無水珪酸と比べて安価な電線被覆用シリコーンゴムに好適な補強充填剤用沈殿珪酸である。
【0030】
更に表面処理について詳述する。
表面処理に用いられるシリコーンオイルは、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイルのようなストレートシリコーンオイルと称されるものが適当である。
【0031】
原料沈澱珪酸でのシリコーンオイルでの表面処理は、原料沈澱珪酸に対して、所定量のシリコーンオイルを噴霧し、ヘンシェルミキサーで混合した後に加熱して表面処理を行う。加熱は、200℃以上で約1時間行うことが好ましい。ヘンシェルミキサーで混合するだけで、加熱処理をしない場合や加熱温度が200℃以下及び処理時間が1時間未満の場合は表面処理が不充分となり目的とする物性が得られない場合がある。また、物性のバラツキが増加する原因となる場合もある。また、処理温度が高くなり過ぎたり、加熱時間が長くなり過ぎたりすると、シリカ物性の阻害を起こすと共に経済的にも適当ではないので、加熱温度及び時間は適宜設定する。
【0032】
沈澱珪酸の表面がシリコーンオイルで表面処理され、疎水化されると、BET比表面積及びDBA吸着量は低下する。従って沈澱珪酸とシリコーンオイルの混合割合は、使用する沈澱珪酸のBET比表面積に応じて適宜変量する。例えば比較的高いBET比表面積を有する沈澱珪酸の場合は多目のシリコーンオイルを用いて、所定範囲のDBA吸着量及びBET比表面積にすることができる。
【0033】
原料沈澱珪酸100重量部に対するシリコーンオイルの使用量(処理量)は、例えば、3〜7重量部の範囲であることが適当である。シリコーンオイルの処理部数が3重量部未満では、体積固有抵抗値の低下が起こることがあり、BET比表面積が120m2/g超える場合もある。また、処理部数が7重量部を超えるとDBA吸着量が20m・mol/kg以下になると同時にシリコーンゴム物性、特に引張強度が低下する場合がある。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の物性を有する沈澱珪酸に有機珪素化合物で表面処理する方法によって、電線被覆用シリコーンゴム用の補強充填剤に適した、ゴム補強性及び電気絶縁性に優れた特性を有する沈澱珪酸を提供することができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の沈澱珪酸及びその製造方法について更に具体的に説明するため、実施例及び比較例をあげて説明する。また、実施例及び比較例における物性測定及びゴム物性試験は下記の方法によって行なった。
【0036】
(1)BET比表面積の測定
BET法比表面積はJIS Z−8830(気体吸着による粉体の比表面積測定方法)に準じ、全自動粉体比表面積測定装置 AMS−8000[(株)大倉理研社製]を用いて1点法により測定した。サンプル量は約0.05gを200℃×30分の前処理を行なった後に測定した。 単位はm2/gである。
【0037】
(2)DBA吸着量の測定
乾燥試料250mgを精秤し、50mlのN/500ジ−n−ブチルアミン溶液(石油ベンジン溶液)を加え、20℃で約2時間放置する。この上澄液25mlにクロロホルム5ml、指示薬(クリスタルバイオレット)2〜3滴を加え、紫色が青色に変わるまでN/100過塩素酸溶液(無水酢酸溶液)で滴定し、この時の滴定値をAとする。別にブランクを行ないBとし、次式によってDBA吸着量を算出した。
DBA吸着量(m・mol/kg)=80(B−A)f
但しfはN/100過塩素酸溶液力価である。
【0038】
(3)シアーズ滴定量の測定
G.Wシアーズによるシアーズ数(アナリテイカル ケミストリー第12巻、1956、1982〜1983項記載の方法)によった。
【0039】
(4)平均粒子径の測定
50mlのビーカーに分散媒としてIsoton−2液(0.85%NaCl水溶液)を20mlを入れ、これに微量の試料を投入し超音波(20w)分散を40秒間行なった。分散させた試料をCOULTER MULUTISIZER II(Coulter Electronics Limited製)を用いて70μmアパ−チャーチューブにより測定した。
【0040】
(5)電気伝導度の測定
100mlの蒸留水に試料4gを加え撹拌して、煮沸した後に上澄溶液を50ml採取し、電気伝導度計(DENKI KEIKI KEIKI社製)を用いて測定した。
単位はμs/cmである。
【0041】
(6)Al2O3含有量の測定
蛍光X線分析装置(理学電機工業社製3080E2)を用いて40KV−60mAの条件でAl2O3含有量を測定した。
【0042】
(7)シリコーンゴム配合及び評価
シリコーン生ゴム100部と沈殿珪酸40部、ウエッター(ジメチルエトキシシラン)2部を6インチロールを用いて10分間混練りしてできたコンパウンドをギヤオーブンにて200℃、5時間熱処理を行った。さらに、架橋剤(ジクロロベンゾイルパーオキシ)を1.5部を加え、再度6インチロールを用いて混合した後、成形温度165℃で10分間プレス加硫してから200℃で4時間二次加硫して、厚さ2mmと1mmのゴムシートを作成した。
【0043】
2mmシートはゴム評価用とし、1mmシートは体積固有抵抗値の測定用とした。
◎体積固有抵抗値の測定: 加硫した厚さ1mmのシリコーンゴムシートをハイレジストメーター〔アジレント・テクノロジー(株)社製〕を用いて、体積固有抵抗値を測定した。 単位=Ωcm
◎シリコーンゴム補強性の評価:加硫物特性は、JIS K−6301の架橋ゴム物性試験方法に従って実施した。
【0044】
(実施例1)
撹拌機を備えたステンレス製200リットル反応槽に、水118リットルと珪酸ナトリウム水溶液(SiO2=150g/l、SiO2/Na2O重量比3.3)を500mlを入れ、撹拌しながら90℃に加熱した。この時の溶液pHは9.8、Na2O濃度は0.003mol/l、シリカ濃度は0.6g/lであった。
【0045】
上記水溶液の温度90℃を維持しながら、珪酸ナトリウム水溶液(上記の濃度)を500ml/分と硫酸(18mol/l)を20ml/分の流量で同時に滴下を始めた。反応溶液中のNa2O濃度が0.01〜0.001mol/lを維持するように流量を調整しながら反応を行う。反応の途中から反応溶液は白濁をはじめ、65分目に粘度が上昇してゲル化現象が起こった。更に滴下を続けて120分で同時滴下を停止した。この時の溶液中のシリカ濃度は49g/lであった。引き続いて硫酸だけを同一の流量で溶液pH2.5まで滴下を行なって沈澱珪酸スラリーを得た。得られた沈澱珪酸スラリーをフィルタープレスで濾過を行なった後、水洗水の電気伝導度が100μs/cmまで水洗を行って湿潤ケーキを得た。次いで湿潤ケーキを箱型乾燥機で水分が5%以下になるまで乾燥を行ない、ピンミルで粉砕して、更に分級機を通して所定の粒子径に調製を行なった。得られた沈澱珪酸の物性は、表1に(実施例の原粉)示す。
【0046】
このようにして得られた沈澱珪酸をヘンシェルミキサーに1kg入れ、シリコーンオイル50gを噴霧して常温で5分間混合した。次いで混合物をネスコヒーターに入れ、280℃で3時間加熱処理を行ない、シリコーンオイル5部処理沈澱珪酸を得た。
【0047】
(実施例2)
実施例1の方法において、シリコーンオイルの噴霧量を30gとして3部処理をした沈澱珪酸。
【0048】
(実施例3)
実施例1の方法において、シリコーンオイルの噴霧量を70gとして7部処理をした沈澱珪酸。
【0049】
(比較例1)
実施例1の方法において、シリコーンオイルの噴霧量を100gとして10部処理した沈澱珪酸。
【0050】
(比較例2)
実施例1の方法で得られた未処理の沈澱珪酸1kgに対しシリコーンオイル50gを噴霧して、へンシェルミキサーで150℃、1時間加熱処理を行った。
【0051】
(比較例3)
Nipsil LP(日本シリカ工業社製)をシリコーンオイルを5部重量部噴霧した後、更に280℃で3時間熱処理を行なった。
【0052】
(比較例4)
Nipsil E−200A(日本シリカ工業社製)をシリコーンオイルを5部重量部噴霧した後、更に280℃で3時間熱処理を行なった。
【0053】
(比較例5)
実施例1〜3で使用した沈澱珪酸1kgをヘンシェルミキサーに入れ、シリコーンオイルを50g噴霧して常温で5分間混合した。次いで混合物をネスコヒーターに入れ、180℃で2時間加熱処理を行なって、シリコーンオイル5部処理沈澱珪酸を得た。
【0054】
(比較例6)
表1(B)の沈澱珪酸を用いて、シリコーンオイルで表面処理を行った。
実施例1と同様の反応装置と珪酸ナトリウム水溶液及び硫酸を用いて、水 70リットルと珪酸ナトリウム水溶液 6リットルを反応槽に入れ、撹拌しながら98℃に加熱した。この時溶液中のNa2O濃度は0.06mol/lであった。98℃を維持しながら珪酸ナトリウム水溶液 500ml/分 と硫酸 18ml/分の流量で、反応液中のNa2O濃度が0.05〜0.1mol/lになるように流量を調整しながら同時滴下を行なう。同時滴下を開始して58分目にゲル化現象が起こった。更に120分まで滴下を続けた。引き続き硫酸だけ滴下して溶液PHが2.5になるようにした。得られた沈澱珪酸スラリーを実施例1と同様の方法で濾過・水洗・乾燥・粉砕・分級を行なった。得られた沈澱珪酸を更に実施例1と同様な方法で表面処理を行なってシリコーンオイル5部処理沈澱珪酸を得た。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
Claims (2)
- Al2O3含有量が0.1重量%以下であり、シアーズ滴定量が6.0ml/g以下であり、且つ4%懸濁液の電気伝導度が50μs/cm以下である沈澱珪酸を有機珪素化合物で表面処理した沈澱珪酸であって、ジ−n−ブチルアミン吸着量が20〜60m・mol/kgの範囲であるシリコーンゴム用表面処理沈澱珪酸。
- BET法比表面積が70〜120m2/gの範囲である請求項1記載のシリコーンゴム用表面処理沈澱珪酸。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|---|
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| WO2013008498A1 (ja) * | 2011-07-11 | 2013-01-17 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 絶縁電線 |
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-
2002
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