JP2004035629A - 水性光輝性塗料および複層塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光輝感が良好な意匠性にすぐれた光輝性塗膜を形成可能な水性光輝性塗料及びそれを使用した複層塗膜形成方法を提供する。
【解決手段】1分子中にヒドロキシル基とカルボキシル基とをそれぞれ1個以上有し、かつ該カルボキシル基の少なくとも一部が中和されてなる樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、1分子中に、特定のアルケニルオキシ基を一分子中に2個以上含有する化合物(C)、光輝性顔料(D)、内部架橋型樹脂微粒子(E)および金属ケイ酸塩(F)を含有する水性光輝性塗料、及び本塗料の未硬化塗面にクリヤ塗料を塗装した後、加熱して両塗膜を同時に架橋硬化する複層塗膜形成方法。
【選択図】 なし
【解決手段】1分子中にヒドロキシル基とカルボキシル基とをそれぞれ1個以上有し、かつ該カルボキシル基の少なくとも一部が中和されてなる樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、1分子中に、特定のアルケニルオキシ基を一分子中に2個以上含有する化合物(C)、光輝性顔料(D)、内部架橋型樹脂微粒子(E)および金属ケイ酸塩(F)を含有する水性光輝性塗料、及び本塗料の未硬化塗面にクリヤ塗料を塗装した後、加熱して両塗膜を同時に架橋硬化する複層塗膜形成方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光輝感が良好な意匠性にすぐれた光輝性塗膜を形成可能な水性光輝性塗料及びそれを使用した複層塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
樹脂組成物及び光輝性顔料を水中に混合、分散してなる水性光輝性塗料は、省資源及び公害対策上好適であり、従来、自動車外板の上塗り塗料として広く使用されている。しかしながら、水性光輝性塗料を塗装した未硬化塗膜上にクリヤ塗料(特に高固形分型クリヤ塗料)を塗装すると両塗膜の層間で混層が発生して、キラキラとした光輝感が減少し意匠性が低下するという欠陥を有している。このような欠陥が発生しない自動車外板用の水性光輝性塗料の開発が切望されている。
【0003】
本発明の目的は上記した欠陥を解消し、上層のクリヤ塗膜と混層することがなく、キラキラとして光輝感が良好な意匠性のすぐれた光輝性塗膜を形成できる新規な水性光輝性塗料及び光輝性塗膜とクリヤ塗膜とからな複層塗膜の形成方法を開発することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究の結果、1分子中にヒドロキシル基とカルボキシル基とをそれぞれ1個以上有しそのカルボキシル基の一部あるいは全部が中和されている樹脂、アミノ樹脂、1分子中に、特定の構造のアルケニルオキシ基を一分子中に2個以上含有する化合物、光輝性顔料、内部架橋型樹脂微粒子および金属ケイ酸塩を含有する水性光輝性塗料が、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。その結果、水性光輝性塗料の未硬化塗膜面に高固形分型などのクリヤ塗料を塗装しても、両塗膜の層間で混層を起こすことがなく、キラキラとして光輝感が良好な意匠性がすぐれた光輝性塗膜を形成することが可能になった。
【0005】
しかして本発明によれば、1分子中にヒドロキシル基とカルボキシル基とをそれぞれ1個以上有し、かつ該カルボキシル基の少なくとも一部が中和されてなる樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、1分子中に、下記式(I)
【0006】
【化2】
【0007】
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の有機基を示す)
で表されるアルケニルオキシ基を一分子中に2個以上含有する化合物(C)、光輝性顔料(D)、内部架橋型樹脂微粒子(E)および金属ケイ酸塩(F)を含有することを特徴とする水性光輝性塗料が提供される。
【0008】
さらに、本発明によると、本塗料の未硬化塗面にクリヤ塗料を塗装した後、加熱して両塗膜を同時に架橋硬化することを特徴とする複層塗膜形成方法が提供される。
以下に、本発明塗料及び本方法について詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず、本発明塗料について説明する。
本発明塗料は、下記樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、化合物(C)、光輝性顔料(D)、内部架橋型樹脂微粒子(E)及び金属ケイ酸塩(F)を含有する水性光輝性塗料である。
【0010】
樹脂(A)
本発明塗料における樹脂(A)は、本発明塗料により形成される塗膜の連続相を構成する樹脂成分であり、このものは、常温において液状又は粒子状のいずれでもよいが、塗膜形成時の加熱などにより液状になるものであることが好ましい。具体的には、それ自体既知の水に溶解又は分散することが可能な熱硬化性塗料用樹脂が使用できる。樹脂種は特に制限されるものではなく、例えば、1分子中に架橋官能基としてヒドロキシル基とカルボキシル基をそれぞれ1個以上有する、アクリル樹脂などのビニル系重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどであることができ、また、これらの樹脂構造が組み合わされたものであっても良い。
【0011】
樹脂(A)は、1分子中に、ヒドロキシル基およびカルボキシル基の両方をそれぞれ1個以上有するものであり、塗料安定性、硬化性、得られる硬化物の耐水性などの面から、0.55〜1.25当量/kg、好ましくは0.6〜1.0当量/kgの範囲内のカルボキシル基の濃度を有する。さらに、樹脂(A)は、硬化性や得られる硬化物の耐水性や耐熱安定性などの面から、0.5〜2.2当量/kg、好ましくは0.6〜2.0当量/kgの範囲内のヒドロキシル基濃度を有するものであることが適している。樹脂(A)は、好ましくは1,000〜500,000、さらに好ましくは1,500〜100,000の数平均分子量を有する。
【0012】
上記樹脂(A)において、得られる硬化物の耐水性や耐熱安定性などの面から、ヒドロキシル基/カルボキシル基の当量比が0.5〜4.0、さらに好ましくは1.0〜3.0の範囲内にあることが好適である。また、樹脂(A)は、低温での硬化性、塗膜の硬度などの物性、塗膜の仕上がり外観などの面から、ガラス転移温度が好ましくは−60〜+80℃、さらに好ましくは−50〜+60℃であることが好適である。
【0013】
樹脂(A)がビニル系重合体である場合、樹脂(A)は、ヒドロキシル基含有ビニル系モノマーとカルボキシル基含有ビニル系モノマーと必要に応じて、その他のビニルモノマーを共重合することによって得ることができる。また、樹脂(A)は、ヒドロキシル基含有ビニル系重合体のヒドロキシル基の一部に環状酸無水物を付加させることによっても得ることができる。
【0014】
上記ヒドロキシル基含有ビニル系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、およびこれらのモノマーとラクトンの付加反応生成物が挙げられる。
【0015】
上記カルボキシル基含有ビニル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸とメタノールなどのアルコールとの付加反応生成物、上記のヒドロキル基含有ビニル系モノマーと環状酸無水物との付加反応生成物などが挙げられる。環状酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられる。
【0016】
その他のビニル系モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の直鎖状、分岐状又は環状のC1〜 24アルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの窒素原子含有(メタ)アクリレート類;アクリルアミド、メタクリルアミド;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、 N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシブチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド誘導体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのアルコキシシリル基含有重合性不飽和化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族単量体;β−メタクリロイルオキシエタンスルホン酸ナトリウムなどの重合性不飽和スルホン酸塩;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、ベオバモノマー(シェル化学社製)、スチレン;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の1分子中に重合性不飽和基を2個以上有する化合物などが挙げられる。これらの重合性不飽和モノマーは、1種で、又は2種以上を組合せて使用することができる。これらビニル系重合体は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の重合手法を用いて合成される。
【0017】
樹脂(A)がポリエステルである場合、樹脂(A)は、オイルフリーポリエステル樹脂、アルキド樹脂及びこれらの樹脂の変性物(例えばウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂など)などであることができる。
【0018】
これらのポリエステルの合成方法は、例えば、(1)多塩基酸成分と多価アルコール成分などの使用原料の調整、反応条件などによりヒドロキシル基及びカルボキシル基の量が前記範囲内となるように合成する方法、(2)ヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂を予め合成し、ついで、その樹脂中のヒドロキシル基の一部に環状酸無水物(例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸など)を付加させてカルボキシル基を導入する方法などを挙げることができる。
【0019】
前記オイルフリーポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物からなるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が特に好ましい。
【0020】
多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル2−エチルプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサンなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。ネオデカン酸グリシジルエステルなどのカルボン酸グリシジルエステル類や、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドや、ドデセンオキサイドなどのアルキレンオキシドなどのエポキシ基含有化合物も多価アルコール成分として使用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができる。
【0021】
アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであって、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げることができる。アルキド樹脂の油長は30%以下、特に5〜20%程度のものが好ましい。
【0022】
これらのポリエステル樹脂は、前記(1)の方法によってヒドロキシル基及びカルボキシル基の量が前記範囲内となるように合成されている場合、そのまま、樹脂(A)として使用できるし、前記(2)などの方法によって、ヒドロキシル基及びカルボキシル基の量が前記範囲内となるように変性して、樹脂(A)として使用できるポリエステルとすることができる。
【0023】
樹脂(A)がウレタン樹脂である場合は、前述の多価アルコール成分、水酸基含有ポリエステル、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸から選ばれる少なくとも1種以上をポリイソシアネート化合物と反応させて得ることができる。また、これに、さらに環状酸無水物を付加させて得ることもできる。
【0024】
アミノ樹脂(B)
本発明塗料におけるアミノ樹脂(B)としては、上記樹脂(A)中の架橋性官能基と反応性を有する、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などのアミノ樹脂樹脂を挙げることができるが、なかでもメラミン樹脂が好適である。メラミン樹脂としては、特にメチル、エチル、n−ブチル、イソブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシルなどのアルキル基でエーテル化されたアルキルエーテル化メラミン樹脂が好ましく、疎水性又は親水性のいずれであってもよい。これらのメラミン樹脂は、メチロール基、イミノ基などを有していてもよい。アミノ樹脂(B)は、通常、500〜5,000、好ましくは800〜3,000の範囲内の数平均分子量を有する。
【0025】
化合物(C)
本発明塗料に使用される化合物(C)は、1分子中に前記式(I)で表されるアルケニルオキシ基を2個以上含有する化合物である。式(I)中における、R1、R2及びR3は、それぞれ同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の有機基を表す。R1、R2、R3で表される炭素数1〜12の有機基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル、シクロヘキシルなどの炭素数1〜12のアルキル基;フェニル、ベンジル、フェネチル、トルイルなどの炭素数1〜12の芳香族炭化水素基などを挙げることができる。
【0026】
化合物(C)は、数平均分子量が140〜60,000、特に200〜30,000 の範囲内にあり、式(I)で表されるアルケニルオキシ基濃度が0.1〜15当量/kg、特に0.2〜5当量/kgの範囲内にあることが好ましい。
【0027】
化合物(C)の具体例としては、1,2−ジビニロキシエタン、プロピレングリコールのジビニロキシ化体、1,4−ジビニロキシブタン、ネオペンチルグリコールのジビニロキシ化体、1,6−ジビニロキシへキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサンのジビニロキシ化体、2−ブチル−2−エチルプロパンジオールのジビニロキシ化体、トリメチロールプロパンのトリビニロキシ化体、ペンタエリスリトールのテトラビニロキシ化体などのポリアルケニルオキシアルカン類;ビスフェノールAやビスフェノールFのジビニロキシ化体などのポリアルケニルオキシ化芳香族化合物;ジエチレングリコールのジビニロキシ化体、トリエチレングリコールのジビニロキシ体、テトラ以上のポリエチレングリコールのジビニロキシ体、ジプロピレングリコールのジビニロキシ化体などのポリアルキレングリコールのポリアルケニルオキシ体;アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのヒドロキシル基含有ポリマーのポリアルケニルエーテル化体;ポリイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有アルケニルエーテル化合物とのウレタン化反応生成物;オルトエステル基含有化合物とヒドロキシル基含有アルケニルエーテル化合物の脱アルコール縮合生成物;アセタール基含有化合物とヒドロキシル基含有アルケニルエーテル化合物の脱アルコール縮合生成物; ポリアルケニルエーテル化合物とポリオールとの付加反応生成物;2個以上のエステル基(−COOR)を含有する化合物とヒドロキシル基含有アルケニルエーテル化合物の脱アルコール縮合生成物などが挙げられる。これらは、1種で、又は2種以上組合せて使用することができる。
【0028】
これらのうち、なかでもポリアルケニルオキシアルカン類あるいはヒドロキシル基含有ポリマーのポリアルケニルエーテル化体が、製造が容易であるなどの面から好適である。
【0029】
上記ウレタン化反応生成物の合成に用いられるポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)−ジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類;リジントリイソシアネ−トなどの3価以上のポリイソシアネートなどの如き有機ポリイソシアネートそれ自体、又はこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機ジイソシアネート同志の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビウレット型付加物などを挙げることができる。
【0030】
前記化合物(C)として用いることができる脱アルコール縮合生成物の合成に用いられるヒドロキシル基含有アルケニルエーテル化合物は、例えば、ポリオール化合物の一部のヒドロキシル基をアルケニルエーテル化して得ることができ、代表的なものとして、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシルエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテルなどが挙げられる。
【0031】
本発明塗料において、化合物(C)として前記記式(I)で表されるアルケニルオキシ基を1分子中に3個以上含有する化合物を用いることによって、高温における塗膜の減量を極めて小さくすることができ、耐熱安定性を特に高めて特殊用途用に対応させることもできる。この理由は詳細には不明だが、塗膜を形成する網目構造が密になるためではないかと推定している。
【0032】
光輝性顔料(D)
本発明塗料に使用される光輝性顔料(D)は、本塗料により形成される塗膜にキラキラとした光輝感及び/又は光干渉性を付与するための顔料であり、例えば、りん片状のアルミニウム、蒸着アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化オキシビスマス (例えば、Engelhard Asia Pacific Inc.製の商品名、「Mearlite Radiant Pearl STL」、「Mearlite Radiant Pearl SUQ」、「BBT」(仮称)など)、雲母、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、雲母状酸化鉄などがあげられる。これらの光輝性顔料の大きさは長手方向が1〜30μm、厚さが0.001〜1μmが好ましい。特に、光輝性顔料(D)の厚さは、通常、上層のクリヤ塗膜との混層を防ぐために0.1〜0.3μm程度のものが多く使用されているが、本発明塗料では、厚さが0.4〜0.6μm程度、又はそれ以上の肉厚のものを使用しても上層のクリヤ塗膜と混層することがなく、しかも光輝感を一層向上させることができるという効果を有している。光輝性顔料(D)の配合比率は、前記樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、化合物(C)及び後記内部架橋型樹脂微粒子(E)の合計100重量部(固形分)あたり、0.5〜40重量部が適している。
【0033】
内部架橋型樹脂微粒子(E)
本発明塗料に使用される内部架橋型樹脂微粒子(E)は、三次元に架橋硬化した樹脂粒子であって、本発明塗料に含まれる水、さらには有機溶剤などに溶解せず、さらに塗膜を硬化させるための加熱工程において熔融することのないものであり、本発明塗料により形成された硬化塗膜中では粒子状で存在するものである。
【0034】
内部架橋型樹脂微粒子(E)としては、例えば、内部架橋型アクリル樹脂微粒子、内部架橋型ポリエステル樹脂微粒子、内部架橋型ウレタン樹脂微粒子が好適に使用できる。
【0035】
内部架橋型アクリル樹脂微粒子は、例えば、重合性ビニル基を2つ以上有する単量体と重合性ビニル系単量体とさらに必要に応じてその他の重合性ビニル系単量体を併用してなる重合性単量体成分、あるいは、エポキシ基を有するビニル系単量体とカルボキシル基を有するビニル系単量体と重合性ビニル系単量体とさらに必要に応じてその他の重合性ビニル系単量体を併用してなる重合性単量体成分を、水性エマルジョン重合法又は水性サスペンジョン重合法などの方法によって重合することにより得ることができる。
【0036】
重合性ビニル基を2つ以上有する単量体としては、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。エポキシ基を有するビニル系単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0037】
内部架橋型ポリエステル樹脂微粒子は、例えば、ヒドロキシル基を有するポリエステルをポリイソシアネート化合物の存在下、水中で乳化分散することにより得ることができる。
【0038】
内部架橋型ウレタン樹脂微粒子は、ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂もしくはポリエステル樹脂もしくはアクリル樹脂をポリイソシアネート化合物の存在下で水中で乳化分散する、あるいは、イソシアネート基を有するウレタン樹脂をポリヒドロキシル化合物もしくはポリアミン存在下で水中で乳化分散するでことにより得ることができる。これらは、公知の手法を用いることができる。
【0039】
内部架橋型樹脂微粒子が、水性エマルジョン重合法、水性サスペンジョン重合法、水中での乳化分散などの方法によって水分散液の形態で得られれる場合には、水の蒸発もしくは共沸又は重合体(粒子)の沈殿もしくは凝集、スプレードライ法等の物理的ないしは化学的手段によって固形物(粒子状)の形で分離した内部架橋型樹脂微粒子を好適に使用することができる。
【0040】
内部架橋型樹脂微粒子(E)のガラス転移温度(Tg)は、得られる塗膜の硬度、塗膜の仕上り外観などの観点から、−50〜100℃、好ましくは−40〜70℃の範囲内であることが好ましい。
【0041】
金属ケイ酸塩(F)
本発明塗料において使用される金属ケイ酸塩(F)は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属などの金属のケイ酸塩であれば、特に制限なく使用することができる。なかでも、ケイ酸リチウムマグネシウムナトリウム塩などが好適に使用でき、このものは、例えば、ヘクトライト及びベントナイトなどの粘土鉱物を精製するか、既知の方法で合成することにより容易に得ることができる。このものは、りん片状微粒子であり、長さ方向寸法は1〜2μm又はそれ以下であることが好ましく、特に10nm〜500nm程度の超微細粒子であることが適している。該当する市販品として、Laporte Industries,Ltd.製の商品名「Laponite RD」などが挙げられる。
【0042】
本発明塗料
本発明塗料は、前記1分子中にヒドロキシル基とカルボキシル基とをそれぞれ1個以上有し、そのカルボキシル基の少なくとも一部が中和されてなる樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、前記アルケニルオキシ基を一分子中に2個以上含有する化合物(C)、光輝性顔料(D)、内部架橋型樹脂微粒子(E)および金属ケイ酸塩(F)を含有する水性光輝性塗料であり、これらの成分が水性媒体中に混合・分散されている。
【0043】
本発明塗料において、樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、化合物(C)及び内部架橋型樹脂微粒子(E)の配合割合は、樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、化合物(C)と内部架橋型樹脂微粒子(E)との合計固形分重量を基準として、下記の範囲内にあることが適している。
樹脂(A):1〜70重量%、好ましくは10〜40重量%、
アミノ樹脂(B):10〜50重量%、特に15〜35重量%、
化合物(C):1〜20重量%、特に5〜15重量%、及び
内部架橋型樹脂微粒子(E): 5〜80重量%、特に 10〜60重量%。
【0044】
また、光輝性顔料(D)及び金属ケイ酸塩(F)配合割合は、前記樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、化合物(C)及び内部架橋型樹脂微粒子(E)の合計固形分量100重量部に基づいて下記範囲内にあることが適している。
光輝性顔料(D):0.5〜40重量部、好ましくは1〜30重量部、
金属ケイ酸塩(F):0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部。
【0045】
本発明塗料は、上記した、樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、化合物(C)、光輝性顔料(D)及び内部架橋型樹脂微粒子(E)及び金属ケイ酸塩(F)を必須成分として含有するが、さらに必要に応じて、光輝性顔料以外の着色顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、沈降防止剤、塗面調整剤、有機溶剤、その他塗料用添加剤などを含有することができる。これらの成分を水性媒体中に均一に混合することにより本発明塗料が得られる。
【0046】
本発明塗料は、金属、プラスチックス、ガラス、セメント、モルタルなどの基材上に、直接又は塗膜を介して、塗装することができる。基材上に、塗膜を介して本発明塗料を塗装する場合には、基材上に塗装された硬化又は未硬化の塗膜上に、本発明塗料を塗装することができる。
【0047】
本発明塗料は、なかでも、金属製又はプラスチックス製の乗用車、トラック、オ−トバイ、バスなどの自動車車体の外板部、家庭電気製品の外板部などの被塗物に、直接に、又はこれらの被塗物にカチオン電着塗料などの下塗り塗料、さらに必要に応じて中塗り塗料を予め塗装し、硬化させた又は未硬化の塗膜上に塗装することが好ましい。また、上記金属製被塗物は、予め、りん酸塩、クロム酸塩などの表面処理剤で化成処理しておくことが好ましい。上記下塗り塗料及び中塗り塗料などはそれ自体既知のものが使用できる。
【0048】
本発明塗料は、静電塗装、エアレススプレー、エアスプレーなどにより塗装することができる。その塗装膜厚は、一般に、硬化塗膜に基づいて、5〜30μm、特に10〜25μmが適している。この塗膜は90〜180℃で10〜40分間加熱することにより架橋硬化することができる。また、本発明塗料の塗膜の上にクリヤ塗膜を形成してもよい。
【0049】
本発明塗料による塗膜は、光輝性顔料が塗面に均一かつ塗面に対して平行に配向しており、キラキラと光輝感が優れるものであり、しかも観察角度を変化させても光輝性に優れ、すなわちフリップフロップ(FF)性が良好である。光輝感は、例えば、「IV値」で評価することができる。「IV値」は、Intensity Valueの略であって、明暗度を意味するものであり、光輝材を含有する塗膜において、光輝材の配向性、光輝性メタリック感などの指標として用いられる特性値である。光輝材が塗膜表面に対して平行に凝集なく配向しているほど、明度が高く、IV値は高い値を示す。IV値は、数値が大きいほど光輝材の配向性が良好で光輝感が高いことを示す。IV値は、例えば、ALCOPE LMR100(富士工業(株)製、商品名)を用いて、入射角45度で照射されたレーザーの反射光のうち、鏡面反射領域の光を除いて最大光強度が得られる受光角での信号出力によって測定することができる。
【0050】
次に本発明の複層塗膜形成方法について説明する。
【0051】
複層塗膜形成方法
本発明の複層塗膜形成方法においては、上記本発明の水性光輝性塗料の未硬化塗膜面にクリヤ塗料を塗装した後、加熱して両塗膜を同時に架橋硬化する。上記水性光輝性塗料の未硬化塗膜面は、金属、プラスチックス、ガラス、セメント、モルタルなどの基材上に形成されたものであることができる。
【0052】
上記クリヤ塗料は、無色透明又は有色透明の塗膜を形成可能な塗料であり、なかでも熱硬化性塗料であることが好ましい。クリヤ塗料の代表例として、例えば、熱硬化性樹脂組成物、及び必要に応じて着色顔料、メタリック顔料、紫外線吸収剤、有機溶剤などを配合してなるクリヤ塗料を挙げることができる。
【0053】
熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シラノ−ル基、エポキシ基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコン含有樹脂などの基体樹脂及びこれらの架橋性官能基と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂、(ブロック)ポリイソシアネ−ト化合物、エポキシ化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物基含有化合物、アルコキシシリル基含有化合物などの架橋剤からなる組成物があげられる。これら樹脂、化合物、架橋剤は公知の手法で合成できるものを用いて良い。また、この熱硬化性樹脂組成物がエポキシ基を含む場合は、エポキシ基/カルボキシル基の比が1/0.1〜1/10になるようにするのが好ましい。また、この熱硬化性樹脂組成物がブロックポリイソシアネ−ト化合物を含む場合は、ブロックポリイソシアネ−ト基/ヒドロキシル基の比が1/0.1〜1/10になるようにするのが好ましい。この熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じてオニウム塩や有機亜鉛化合物、有機錫化合物などの硬化触媒を含んでいても良い。
【0054】
これらの熱硬化性樹脂組成物のうち、耐酸性及び耐スリキズ性などのすぐれた塗膜を形成可能な、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シラノ−ル基及び/又はエポキシ基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂(基体樹脂)と、エポキシ化合物、カルボキシル基含有化合物又は酸無水物基含有化合物などの架橋剤からなる組成物、あるいは、ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂及び/又はウレタン樹脂と(ブロック)ポリイソシアネ−ト化合物からなる組成物、を使用することが好ましい。
【0055】
このようなクリヤ塗料としては、固形分含有率が45重量%以上、特に50〜90重量%の範囲のものを用いるのが地球環境保全、資源の有効利用などの観点から好適である。
【0056】
【実施例】
本発明に関する実施例及び比較例について説明する。部及び%はいずれも重量を基準とし、また、塗膜の膜厚は硬化塗膜厚を基準とする。
【0057】
実施例1
水性メタリック塗料(WM−1)の製造
1分子中にヒドロキシル基とカルボキシル基とをそれぞれ1個以上有しそのカルボキシル基の一部あるいは全部が中和されている樹脂(A−1)の製造:
スチレン15部、メチルメタクリレ−ト20部、エチルアクリレ−ト24部、n−ブチルアクリレ−ト20部、ヒドロキシエチルアクリレ−ト15部及びアクリル酸6部を溶液中で共重合させ、数平均分子量12000、水酸基価72mgKOH/g、酸価47mgKOH/gの固形分約55%のアクリル樹脂の溶液を製造した。これにジメチルエタノールアミン7.4部(酸に対し1当量)を加えて中和し、樹脂(A−1)の溶液を得た。
【0058】
1分子中に式(I)で表されるアルケニルオキシ基を一分子中に2個以上含有する化合物(C−1)の製造:
フラスコに、N−3300(住友バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネート系のヌレート構造を含有するポリイソシアネート、NCO含有率21.6重量%)840部、トリブチルアミン0.84部、酢酸エチル250部を加え、これに90℃で4−ヒドロキシブチルビニルエーテル464部を滴下し、反応させた。次に、プロピレングリコール375部を加え、85℃で減圧下375部を脱溶剤し、固形分約80%の(C−1)樹脂の溶液を得た。(C−1)の数平均分子量は約1300であり、固形分中のアルケニルオキシ基の含有量は約3.1当量/Kgであった。
【0059】
内部架橋型樹脂微粒子(E−1)の製造:
フラスコに脱イオン水144.5部、60%Newcol562SF(日本乳化剤株式会社製、界面活性剤)1.2部を加え、窒素気流下で攪拌混合し、80℃に昇温した。次いで、メタクリル酸メチル17部、アクリル酸ブチル80部、メタクリル酸アリル3部、60%Newcol562SF1.2部および脱イオン水94.3部からなる乳化物のうちの1%を3%過硫酸アンモニウム水溶液5.2部と混合しフラスコに投入し、15分間80℃で保持した。その後、残りの乳化物を3時間かけてフラスコに滴下し、その後1時間熟成した。その後、メタクリル酸メチル15.4部、アクリル酸ヒドロキシエチル5.9部、アクリル酸4.4部、アクリル酸ブチル2.9部、60%Newcol562SF1.2部、脱イオン水39部および0.3%過硫酸アンモニウム水溶液5部からなる乳化物を2時間かけて滴下した。その後、1.5%ジメチルアミノエタノール液89部を加えて、固形分25%の内部架橋型樹脂微粒子(E−1)液を得た。
【0060】
水性メタリック塗料(WM−1)の調製
樹脂(A−1)溶液20部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル325(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)30部、化合物(C−1)10部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)40部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RD(ラポナイト RD)を5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−1)を得た。
【0061】
実施例2
水性メタリック塗料(WM−2)の製造
実施例1で得た樹脂(A−1)溶液30部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル325(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)25部、化合物(C−1)10部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)35部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RDを5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−2)を得た。
【0062】
実施例3
水性メタリック塗料(WM−3)の製造
1分子中にヒドロキシル基とカルボキシル基とをそれぞれ1個以上有しそのカルボキシル基の一部あるいは全部が中和されている樹脂(A−2)の製造:
メチルメタクリレ−ト35部、エチルアクリレ−ト24部、n−ブチルアクリレ−ト20部、ヒドロキシエチルアクリレ−ト10部、ヒドロキシプロピルアクリレート5部及びアクリル酸6部を溶液中で共重合させ、数平均分子量12000、水酸基価69mgKOH/g、酸価47mgKOH/gの固形分約55%のアクリル樹脂の溶液を製造した。これにジメチルエタノールアミン7.4部(酸に対し1当量)を加えて中和し、樹脂(A−2)の溶液を得た。
【0063】
樹脂(A−2)溶液15部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル701(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)30部、化合物(C−1)10部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)45部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RDを5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−3)を得た。
【0064】
実施例4
水性メタリック塗料(WM−4)の製造
実施例3で得た樹脂(A−2)溶液10部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル701(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)30部、化合物(C−1)5部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)55部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RDを5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−4)を得た。
【0065】
比較例1
水性メタリック塗料(WM−5)の製造
実施例1で得た樹脂(A−1)溶液20部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル325(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)40部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)40部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RDを5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−5)を得た。
【0066】
比較例2
水性メタリック塗料(WM−6)の製造
実施例1で得た樹脂(A−1)溶液20部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル325(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)30部、化合物(C−1)10部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)40部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−6)を得た。
【0067】
比較例3
水性メタリック塗料(WM−7)の製造
実施例1で得た樹脂(A−1)溶液60部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル325を30部、化合物(C−1)10部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RDを5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−7)を得た。
【0068】
比較例4
水性メタリック塗料(WM−8)の製造
実施例1で得た樹脂(A−1)溶液40部(固形分量で、以下同様)、化合物(C−1)20部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)40部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RDを5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−8)を得た。
【0069】
比較例5
水性メタリック塗料(WM−9)の製造
1分子中にカルボキシル基を有するがヒドロキシル基を有さず、そのカルボキシル基の一部あるいは全部が中和されている樹脂(A−3)の製造:
スチレン15部、メチルメタクリレ−ト20部、エチルアクリレ−ト24部、n−ブチルアクリレ−ト31部及びアクリル酸10部を溶液中で共重合させ、数平均分子量12000、酸価77mgKOH/gの固形分約50%のアクリル樹脂の溶液を製造した。これにジメチルエタノールアミン12.4部(酸に対し1当量)を加えて中和し、樹脂(A−3)の溶液を得た。
【0070】
水性メタリック塗料(WM−9)の調製
実施例1の水性メタリック塗料(WM−1)の調製において、樹脂(A−1)溶液の代わりに樹脂(A−3)溶液を用いる以外は、水性メタリック塗料(WM−1)の調製と同様の操作を行い、水性メタリック塗料(WM−9)を得た。
【0071】
比較例6
水性メタリック塗料(WM−10)の製造
1分子中にカルボキシル基を有するがヒドロキシル基を有さず、そのカルボキシル基の一部あるいは全部が中和されている樹脂(A−4)の製造:
スチレン15部、メチルメタクリレ−ト20部、エチルアクリレ−ト28部、n−ブチルアクリレ−ト31部及びアクリル酸6部を溶液中で共重合させ、数平均分子量12000、酸価47mgKOH/gの固形分約55%のアクリル樹脂の溶液を製造した。これにジメチルエタノールアミン7.4部(酸に対し1当量)を加えて中和し、樹脂(A−4)の溶液を得た。
【0072】
水性メタリック塗料(WM−10)の調製
実施例1の水性メタリック塗料(WM−1)の調製において、樹脂(A−1)溶液の代わりに樹脂(A−4)溶液を用いる以外は、水性メタリック塗料(WM−1)の調製と同様の操作を行い、水性メタリック塗料(WM−10)を得た。
【0073】
製造例1 上塗クリヤ−1の製造
クリヤの構成成分となる水酸基含有化合物(P−1)の製造:
攪拌器、冷却器、温度制御器、窒素導入管及び滴下ロートを備えた反応装置に、ジメチロールブタン酸296部を仕込み、反応容器内の窒素置換を行ない、120℃に加熱した。そこへ、「カージュラE10」490部を2時間かけて滴下し、120℃を保持して、酸価が9以下になった時点で反応を終了させた。得られた水酸基含有化合物は、固形分含有率約98%、ガードナー粘度(20℃)Z6Z7、水酸基価428mgKOH/g、数平均分子量600であった。
【0074】
クリヤの構成成分となるレオロジーコントロール剤(P−2)の製造:
12−ヒドロキシステアリン酸をトルエン還流下でメタンスルホン酸を触媒として脱水縮合してなる樹脂酸価30、数平均分子量約1800の自己縮合ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基に、ジメチルアミノエタノールを触媒として、グリシジルメタクリレートを付加して重合性二重結合を導入して、マクロモノマー(イ)を得た。このものの固形分含有率は70%であり、1分子あたり数平均分子量に基づき約1個の重合性二重結合を有していた。一方、フラスコに酢酸ブチル174部を入れて加熱還流し、この中に、70%マクロモノマー(イ)溶液297部、メチルメタクリレート195.9部、グリシジルメタクリレート18.5部、キシレン163.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル9.6部からなる混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、さらに2時間熟成した。ついで、p−t−ブチルカテコール0.05部、メタクリル酸3.8部、ジメチルアミノエタノール0.5部からなる混合物をフラスコ中に加えて樹脂酸価が0.5になるまで140℃で約5時間反応を行ない、固形分含有率50%のマクロモノマー(ロ)を得た。得られたマクロモノマー(ロ)は、ポリ12−ヒドロキシステアリン酸による第1のセグメントと、メチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体による第2のセグメントとを有するグラフトポリマーであって、1分子中に平均4個の重合性不飽和二重結合を有していた。他方、フラスコにキシレン153部を入れ125℃に加熱してから、2−エチルヘキシルアクリレート50部、n−ブチルアクリレート23部、2−ヒドロキシエチルアクリレート25部、アクリル酸2部、t−ブチルパーオクトエート4.5部からなる混合物を4時間かけて滴下し、その後、2時間熟成を行なった。得られたアクリル樹脂ワニスは固形分含有率65%、数平均分子量7000であった。このアクリル樹脂ワニス100部に、グリシジルメタクリレート2部、4−t−ブチルピロカテコール0.01部、テトラブチルアンモニウムブロミド0.15部を加えて115℃で7時間攪拌し、共重合二重結合を分子中に導入してマクロモノマー(ハ)を得た。マクロモノマー(ハ)における導入二重結合の数は1分子あたり数平均分子量に基き約1.0個で、SP値は8.70、水酸基価は121mgKOH/gであった。
【0075】
フラスコにヘプタン190部、50%マクロモノマー(ロ)溶液20部、65%マクロモノマー(ハ)溶液23部を仕込み、還流温度にて、50%マクロモノマー(ロ)溶液20部、65%マクロモノマー(ハ)溶液23部、メチルメタクリレート50部、2−ヒドロキシエチルアクリレート50部、グリシジルメタクリレート1.5部、メタクリル酸0.8部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる混合物を5時間要して滴下し、続いて2時間熟成した。ついで、ジメチルアミノエタノール0.1部を加え、さらに4時間熟成を行なって重合体微粒子の非水分散液を得た。得られた分散液は固形分含有率40%の白色分散液で、粒子の粒径は約160nm(ピーク粒子径)であった。粒子径はコールタール社の「COULTER N4型サブミクロン粒子分析装置」により測定した。また、この粒子はアセトン、酢酸エチル、キシレンなどの有機溶剤に不溶でった。
【0076】
クリヤの製造:
水酸基含有化合物(P−1)20部(固形分量で、以下同じ)、スミジュールN3300を50部、サイメル325を30部、硬化触媒「NACURE5543」(米国、キングインダストリイズ社製、商品名、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和物溶液)1部、レオロジーコントロール剤(P−2)5部を有機溶剤(キシロール/酢酸エチル=1/1重量比)に混合し、塗装時の粘度50秒/フォードカップ#4/20℃、固形分含有率76%に調整し、上塗クリヤ−1を得た。
【0077】
実施例5
化成処理を行なった冷延ダル鋼板にエポキシ樹脂系カチオン電着塗料を塗装し(膜厚25μm)、170℃で30分間加熱して硬化した後、中塗り塗料(「ルーガベイクAM」、関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系塗料、グレー色)を膜厚30μmに塗装し、140℃で30分間加熱して硬化した。この塗面に実施例1で得た水性メタリック塗料(WM−1)を膜厚18μmに塗装し、80℃で10分間乾燥して塗膜中の水分を揮散させてなる未硬化塗面に、高固形分型クリヤ塗料である製造例1で得た上塗クリヤ−1を粘度50秒/フォードカップ#4/20℃に調整して、膜厚35μmに塗装し、140℃で30分間加熱して両塗膜を同時に硬化させて複層塗膜を得た。
【0078】
実施例6
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに実施例2で得た水性メタリック塗料(WM−2)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0079】
実施例7
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに実施例3で得た水性メタリック塗料(WM−3)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0080】
実施例8
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに実施例4で得た水性メタリック塗料(WM−4)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0081】
比較例7
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに比較例1で得た水性メタリック塗料(WM−5)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0082】
比較例8
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに比較例2で得た水性メタリック塗料(WM−6)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0083】
比較例9
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに比較例3で得た水性メタリック塗料(WM−7)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0084】
比較例10
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに比較例4で得た水性メタリック塗料(WM−8)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0085】
比較例11
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに比較例4で得た水性メタリック塗料(WM−9)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0086】
比較例12
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに比較例4で得た水性メタリック塗料(WM−10)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0087】
上記実施例5〜8及び比較例7〜12で得た複層塗膜形成塗板について、下記試験方法により各種試験を行った。
【0088】
複層塗膜のハイライトの白さ:各複層塗膜について、ALCOP LMR100(富士工業(株)製、商品名)を用い、IV値を測定した。IV値が大きいほどハイライト部分の白さが優れていることを示す。結果を表1に示す。
【0089】
耐水付着性:複層塗膜形成塗板を40℃の温水に10日間浸漬したのち温水中から取り出し、室温で1時間放置したのち、JIS K 5400(塗料一般試験方法)の8.5.1(1990)碁盤目法に従って隙間間隔を2mmとして試験し評価点数を算出した。評価点数は10点満点であり、大きな点数ほど付着性が良いことを示す。結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【発明の効果】
本発明によって、水性光輝性塗料を塗装した未硬化塗膜上にクリヤ塗料(特に高固形分型クリヤ塗料)を塗装しても両塗膜の層間で混層が発生せずキラキラとした光輝感が良好な意匠性のすぐれた光輝性塗膜を形成できる水性光輝性塗料を得ることができる。
本発明によって、水性光輝性塗料を塗装した未硬化塗膜上にクリヤ塗料(特に高固形分型クリヤ塗料)を塗装し両塗膜の層間で混層が発生せずキラキラとした光輝感が良好な意匠性のすぐれた光輝性を示す複層塗膜を形成することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光輝感が良好な意匠性にすぐれた光輝性塗膜を形成可能な水性光輝性塗料及びそれを使用した複層塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
樹脂組成物及び光輝性顔料を水中に混合、分散してなる水性光輝性塗料は、省資源及び公害対策上好適であり、従来、自動車外板の上塗り塗料として広く使用されている。しかしながら、水性光輝性塗料を塗装した未硬化塗膜上にクリヤ塗料(特に高固形分型クリヤ塗料)を塗装すると両塗膜の層間で混層が発生して、キラキラとした光輝感が減少し意匠性が低下するという欠陥を有している。このような欠陥が発生しない自動車外板用の水性光輝性塗料の開発が切望されている。
【0003】
本発明の目的は上記した欠陥を解消し、上層のクリヤ塗膜と混層することがなく、キラキラとして光輝感が良好な意匠性のすぐれた光輝性塗膜を形成できる新規な水性光輝性塗料及び光輝性塗膜とクリヤ塗膜とからな複層塗膜の形成方法を開発することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究の結果、1分子中にヒドロキシル基とカルボキシル基とをそれぞれ1個以上有しそのカルボキシル基の一部あるいは全部が中和されている樹脂、アミノ樹脂、1分子中に、特定の構造のアルケニルオキシ基を一分子中に2個以上含有する化合物、光輝性顔料、内部架橋型樹脂微粒子および金属ケイ酸塩を含有する水性光輝性塗料が、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。その結果、水性光輝性塗料の未硬化塗膜面に高固形分型などのクリヤ塗料を塗装しても、両塗膜の層間で混層を起こすことがなく、キラキラとして光輝感が良好な意匠性がすぐれた光輝性塗膜を形成することが可能になった。
【0005】
しかして本発明によれば、1分子中にヒドロキシル基とカルボキシル基とをそれぞれ1個以上有し、かつ該カルボキシル基の少なくとも一部が中和されてなる樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、1分子中に、下記式(I)
【0006】
【化2】
【0007】
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の有機基を示す)
で表されるアルケニルオキシ基を一分子中に2個以上含有する化合物(C)、光輝性顔料(D)、内部架橋型樹脂微粒子(E)および金属ケイ酸塩(F)を含有することを特徴とする水性光輝性塗料が提供される。
【0008】
さらに、本発明によると、本塗料の未硬化塗面にクリヤ塗料を塗装した後、加熱して両塗膜を同時に架橋硬化することを特徴とする複層塗膜形成方法が提供される。
以下に、本発明塗料及び本方法について詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず、本発明塗料について説明する。
本発明塗料は、下記樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、化合物(C)、光輝性顔料(D)、内部架橋型樹脂微粒子(E)及び金属ケイ酸塩(F)を含有する水性光輝性塗料である。
【0010】
樹脂(A)
本発明塗料における樹脂(A)は、本発明塗料により形成される塗膜の連続相を構成する樹脂成分であり、このものは、常温において液状又は粒子状のいずれでもよいが、塗膜形成時の加熱などにより液状になるものであることが好ましい。具体的には、それ自体既知の水に溶解又は分散することが可能な熱硬化性塗料用樹脂が使用できる。樹脂種は特に制限されるものではなく、例えば、1分子中に架橋官能基としてヒドロキシル基とカルボキシル基をそれぞれ1個以上有する、アクリル樹脂などのビニル系重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどであることができ、また、これらの樹脂構造が組み合わされたものであっても良い。
【0011】
樹脂(A)は、1分子中に、ヒドロキシル基およびカルボキシル基の両方をそれぞれ1個以上有するものであり、塗料安定性、硬化性、得られる硬化物の耐水性などの面から、0.55〜1.25当量/kg、好ましくは0.6〜1.0当量/kgの範囲内のカルボキシル基の濃度を有する。さらに、樹脂(A)は、硬化性や得られる硬化物の耐水性や耐熱安定性などの面から、0.5〜2.2当量/kg、好ましくは0.6〜2.0当量/kgの範囲内のヒドロキシル基濃度を有するものであることが適している。樹脂(A)は、好ましくは1,000〜500,000、さらに好ましくは1,500〜100,000の数平均分子量を有する。
【0012】
上記樹脂(A)において、得られる硬化物の耐水性や耐熱安定性などの面から、ヒドロキシル基/カルボキシル基の当量比が0.5〜4.0、さらに好ましくは1.0〜3.0の範囲内にあることが好適である。また、樹脂(A)は、低温での硬化性、塗膜の硬度などの物性、塗膜の仕上がり外観などの面から、ガラス転移温度が好ましくは−60〜+80℃、さらに好ましくは−50〜+60℃であることが好適である。
【0013】
樹脂(A)がビニル系重合体である場合、樹脂(A)は、ヒドロキシル基含有ビニル系モノマーとカルボキシル基含有ビニル系モノマーと必要に応じて、その他のビニルモノマーを共重合することによって得ることができる。また、樹脂(A)は、ヒドロキシル基含有ビニル系重合体のヒドロキシル基の一部に環状酸無水物を付加させることによっても得ることができる。
【0014】
上記ヒドロキシル基含有ビニル系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、およびこれらのモノマーとラクトンの付加反応生成物が挙げられる。
【0015】
上記カルボキシル基含有ビニル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸とメタノールなどのアルコールとの付加反応生成物、上記のヒドロキル基含有ビニル系モノマーと環状酸無水物との付加反応生成物などが挙げられる。環状酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられる。
【0016】
その他のビニル系モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の直鎖状、分岐状又は環状のC1〜 24アルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの窒素原子含有(メタ)アクリレート類;アクリルアミド、メタクリルアミド;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、 N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシブチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド誘導体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのアルコキシシリル基含有重合性不飽和化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族単量体;β−メタクリロイルオキシエタンスルホン酸ナトリウムなどの重合性不飽和スルホン酸塩;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、ベオバモノマー(シェル化学社製)、スチレン;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の1分子中に重合性不飽和基を2個以上有する化合物などが挙げられる。これらの重合性不飽和モノマーは、1種で、又は2種以上を組合せて使用することができる。これらビニル系重合体は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の重合手法を用いて合成される。
【0017】
樹脂(A)がポリエステルである場合、樹脂(A)は、オイルフリーポリエステル樹脂、アルキド樹脂及びこれらの樹脂の変性物(例えばウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂など)などであることができる。
【0018】
これらのポリエステルの合成方法は、例えば、(1)多塩基酸成分と多価アルコール成分などの使用原料の調整、反応条件などによりヒドロキシル基及びカルボキシル基の量が前記範囲内となるように合成する方法、(2)ヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂を予め合成し、ついで、その樹脂中のヒドロキシル基の一部に環状酸無水物(例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸など)を付加させてカルボキシル基を導入する方法などを挙げることができる。
【0019】
前記オイルフリーポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物からなるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が特に好ましい。
【0020】
多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル2−エチルプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサンなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。ネオデカン酸グリシジルエステルなどのカルボン酸グリシジルエステル類や、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドや、ドデセンオキサイドなどのアルキレンオキシドなどのエポキシ基含有化合物も多価アルコール成分として使用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができる。
【0021】
アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであって、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げることができる。アルキド樹脂の油長は30%以下、特に5〜20%程度のものが好ましい。
【0022】
これらのポリエステル樹脂は、前記(1)の方法によってヒドロキシル基及びカルボキシル基の量が前記範囲内となるように合成されている場合、そのまま、樹脂(A)として使用できるし、前記(2)などの方法によって、ヒドロキシル基及びカルボキシル基の量が前記範囲内となるように変性して、樹脂(A)として使用できるポリエステルとすることができる。
【0023】
樹脂(A)がウレタン樹脂である場合は、前述の多価アルコール成分、水酸基含有ポリエステル、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸から選ばれる少なくとも1種以上をポリイソシアネート化合物と反応させて得ることができる。また、これに、さらに環状酸無水物を付加させて得ることもできる。
【0024】
アミノ樹脂(B)
本発明塗料におけるアミノ樹脂(B)としては、上記樹脂(A)中の架橋性官能基と反応性を有する、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などのアミノ樹脂樹脂を挙げることができるが、なかでもメラミン樹脂が好適である。メラミン樹脂としては、特にメチル、エチル、n−ブチル、イソブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシルなどのアルキル基でエーテル化されたアルキルエーテル化メラミン樹脂が好ましく、疎水性又は親水性のいずれであってもよい。これらのメラミン樹脂は、メチロール基、イミノ基などを有していてもよい。アミノ樹脂(B)は、通常、500〜5,000、好ましくは800〜3,000の範囲内の数平均分子量を有する。
【0025】
化合物(C)
本発明塗料に使用される化合物(C)は、1分子中に前記式(I)で表されるアルケニルオキシ基を2個以上含有する化合物である。式(I)中における、R1、R2及びR3は、それぞれ同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12の有機基を表す。R1、R2、R3で表される炭素数1〜12の有機基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル、シクロヘキシルなどの炭素数1〜12のアルキル基;フェニル、ベンジル、フェネチル、トルイルなどの炭素数1〜12の芳香族炭化水素基などを挙げることができる。
【0026】
化合物(C)は、数平均分子量が140〜60,000、特に200〜30,000 の範囲内にあり、式(I)で表されるアルケニルオキシ基濃度が0.1〜15当量/kg、特に0.2〜5当量/kgの範囲内にあることが好ましい。
【0027】
化合物(C)の具体例としては、1,2−ジビニロキシエタン、プロピレングリコールのジビニロキシ化体、1,4−ジビニロキシブタン、ネオペンチルグリコールのジビニロキシ化体、1,6−ジビニロキシへキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサンのジビニロキシ化体、2−ブチル−2−エチルプロパンジオールのジビニロキシ化体、トリメチロールプロパンのトリビニロキシ化体、ペンタエリスリトールのテトラビニロキシ化体などのポリアルケニルオキシアルカン類;ビスフェノールAやビスフェノールFのジビニロキシ化体などのポリアルケニルオキシ化芳香族化合物;ジエチレングリコールのジビニロキシ化体、トリエチレングリコールのジビニロキシ体、テトラ以上のポリエチレングリコールのジビニロキシ体、ジプロピレングリコールのジビニロキシ化体などのポリアルキレングリコールのポリアルケニルオキシ体;アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのヒドロキシル基含有ポリマーのポリアルケニルエーテル化体;ポリイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有アルケニルエーテル化合物とのウレタン化反応生成物;オルトエステル基含有化合物とヒドロキシル基含有アルケニルエーテル化合物の脱アルコール縮合生成物;アセタール基含有化合物とヒドロキシル基含有アルケニルエーテル化合物の脱アルコール縮合生成物; ポリアルケニルエーテル化合物とポリオールとの付加反応生成物;2個以上のエステル基(−COOR)を含有する化合物とヒドロキシル基含有アルケニルエーテル化合物の脱アルコール縮合生成物などが挙げられる。これらは、1種で、又は2種以上組合せて使用することができる。
【0028】
これらのうち、なかでもポリアルケニルオキシアルカン類あるいはヒドロキシル基含有ポリマーのポリアルケニルエーテル化体が、製造が容易であるなどの面から好適である。
【0029】
上記ウレタン化反応生成物の合成に用いられるポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)−ジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類;リジントリイソシアネ−トなどの3価以上のポリイソシアネートなどの如き有機ポリイソシアネートそれ自体、又はこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機ジイソシアネート同志の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビウレット型付加物などを挙げることができる。
【0030】
前記化合物(C)として用いることができる脱アルコール縮合生成物の合成に用いられるヒドロキシル基含有アルケニルエーテル化合物は、例えば、ポリオール化合物の一部のヒドロキシル基をアルケニルエーテル化して得ることができ、代表的なものとして、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシルエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテルなどが挙げられる。
【0031】
本発明塗料において、化合物(C)として前記記式(I)で表されるアルケニルオキシ基を1分子中に3個以上含有する化合物を用いることによって、高温における塗膜の減量を極めて小さくすることができ、耐熱安定性を特に高めて特殊用途用に対応させることもできる。この理由は詳細には不明だが、塗膜を形成する網目構造が密になるためではないかと推定している。
【0032】
光輝性顔料(D)
本発明塗料に使用される光輝性顔料(D)は、本塗料により形成される塗膜にキラキラとした光輝感及び/又は光干渉性を付与するための顔料であり、例えば、りん片状のアルミニウム、蒸着アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化オキシビスマス (例えば、Engelhard Asia Pacific Inc.製の商品名、「Mearlite Radiant Pearl STL」、「Mearlite Radiant Pearl SUQ」、「BBT」(仮称)など)、雲母、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、雲母状酸化鉄などがあげられる。これらの光輝性顔料の大きさは長手方向が1〜30μm、厚さが0.001〜1μmが好ましい。特に、光輝性顔料(D)の厚さは、通常、上層のクリヤ塗膜との混層を防ぐために0.1〜0.3μm程度のものが多く使用されているが、本発明塗料では、厚さが0.4〜0.6μm程度、又はそれ以上の肉厚のものを使用しても上層のクリヤ塗膜と混層することがなく、しかも光輝感を一層向上させることができるという効果を有している。光輝性顔料(D)の配合比率は、前記樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、化合物(C)及び後記内部架橋型樹脂微粒子(E)の合計100重量部(固形分)あたり、0.5〜40重量部が適している。
【0033】
内部架橋型樹脂微粒子(E)
本発明塗料に使用される内部架橋型樹脂微粒子(E)は、三次元に架橋硬化した樹脂粒子であって、本発明塗料に含まれる水、さらには有機溶剤などに溶解せず、さらに塗膜を硬化させるための加熱工程において熔融することのないものであり、本発明塗料により形成された硬化塗膜中では粒子状で存在するものである。
【0034】
内部架橋型樹脂微粒子(E)としては、例えば、内部架橋型アクリル樹脂微粒子、内部架橋型ポリエステル樹脂微粒子、内部架橋型ウレタン樹脂微粒子が好適に使用できる。
【0035】
内部架橋型アクリル樹脂微粒子は、例えば、重合性ビニル基を2つ以上有する単量体と重合性ビニル系単量体とさらに必要に応じてその他の重合性ビニル系単量体を併用してなる重合性単量体成分、あるいは、エポキシ基を有するビニル系単量体とカルボキシル基を有するビニル系単量体と重合性ビニル系単量体とさらに必要に応じてその他の重合性ビニル系単量体を併用してなる重合性単量体成分を、水性エマルジョン重合法又は水性サスペンジョン重合法などの方法によって重合することにより得ることができる。
【0036】
重合性ビニル基を2つ以上有する単量体としては、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。エポキシ基を有するビニル系単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0037】
内部架橋型ポリエステル樹脂微粒子は、例えば、ヒドロキシル基を有するポリエステルをポリイソシアネート化合物の存在下、水中で乳化分散することにより得ることができる。
【0038】
内部架橋型ウレタン樹脂微粒子は、ヒドロキシル基を有するウレタン樹脂もしくはポリエステル樹脂もしくはアクリル樹脂をポリイソシアネート化合物の存在下で水中で乳化分散する、あるいは、イソシアネート基を有するウレタン樹脂をポリヒドロキシル化合物もしくはポリアミン存在下で水中で乳化分散するでことにより得ることができる。これらは、公知の手法を用いることができる。
【0039】
内部架橋型樹脂微粒子が、水性エマルジョン重合法、水性サスペンジョン重合法、水中での乳化分散などの方法によって水分散液の形態で得られれる場合には、水の蒸発もしくは共沸又は重合体(粒子)の沈殿もしくは凝集、スプレードライ法等の物理的ないしは化学的手段によって固形物(粒子状)の形で分離した内部架橋型樹脂微粒子を好適に使用することができる。
【0040】
内部架橋型樹脂微粒子(E)のガラス転移温度(Tg)は、得られる塗膜の硬度、塗膜の仕上り外観などの観点から、−50〜100℃、好ましくは−40〜70℃の範囲内であることが好ましい。
【0041】
金属ケイ酸塩(F)
本発明塗料において使用される金属ケイ酸塩(F)は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属などの金属のケイ酸塩であれば、特に制限なく使用することができる。なかでも、ケイ酸リチウムマグネシウムナトリウム塩などが好適に使用でき、このものは、例えば、ヘクトライト及びベントナイトなどの粘土鉱物を精製するか、既知の方法で合成することにより容易に得ることができる。このものは、りん片状微粒子であり、長さ方向寸法は1〜2μm又はそれ以下であることが好ましく、特に10nm〜500nm程度の超微細粒子であることが適している。該当する市販品として、Laporte Industries,Ltd.製の商品名「Laponite RD」などが挙げられる。
【0042】
本発明塗料
本発明塗料は、前記1分子中にヒドロキシル基とカルボキシル基とをそれぞれ1個以上有し、そのカルボキシル基の少なくとも一部が中和されてなる樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、前記アルケニルオキシ基を一分子中に2個以上含有する化合物(C)、光輝性顔料(D)、内部架橋型樹脂微粒子(E)および金属ケイ酸塩(F)を含有する水性光輝性塗料であり、これらの成分が水性媒体中に混合・分散されている。
【0043】
本発明塗料において、樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、化合物(C)及び内部架橋型樹脂微粒子(E)の配合割合は、樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、化合物(C)と内部架橋型樹脂微粒子(E)との合計固形分重量を基準として、下記の範囲内にあることが適している。
樹脂(A):1〜70重量%、好ましくは10〜40重量%、
アミノ樹脂(B):10〜50重量%、特に15〜35重量%、
化合物(C):1〜20重量%、特に5〜15重量%、及び
内部架橋型樹脂微粒子(E): 5〜80重量%、特に 10〜60重量%。
【0044】
また、光輝性顔料(D)及び金属ケイ酸塩(F)配合割合は、前記樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、化合物(C)及び内部架橋型樹脂微粒子(E)の合計固形分量100重量部に基づいて下記範囲内にあることが適している。
光輝性顔料(D):0.5〜40重量部、好ましくは1〜30重量部、
金属ケイ酸塩(F):0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部。
【0045】
本発明塗料は、上記した、樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、化合物(C)、光輝性顔料(D)及び内部架橋型樹脂微粒子(E)及び金属ケイ酸塩(F)を必須成分として含有するが、さらに必要に応じて、光輝性顔料以外の着色顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、沈降防止剤、塗面調整剤、有機溶剤、その他塗料用添加剤などを含有することができる。これらの成分を水性媒体中に均一に混合することにより本発明塗料が得られる。
【0046】
本発明塗料は、金属、プラスチックス、ガラス、セメント、モルタルなどの基材上に、直接又は塗膜を介して、塗装することができる。基材上に、塗膜を介して本発明塗料を塗装する場合には、基材上に塗装された硬化又は未硬化の塗膜上に、本発明塗料を塗装することができる。
【0047】
本発明塗料は、なかでも、金属製又はプラスチックス製の乗用車、トラック、オ−トバイ、バスなどの自動車車体の外板部、家庭電気製品の外板部などの被塗物に、直接に、又はこれらの被塗物にカチオン電着塗料などの下塗り塗料、さらに必要に応じて中塗り塗料を予め塗装し、硬化させた又は未硬化の塗膜上に塗装することが好ましい。また、上記金属製被塗物は、予め、りん酸塩、クロム酸塩などの表面処理剤で化成処理しておくことが好ましい。上記下塗り塗料及び中塗り塗料などはそれ自体既知のものが使用できる。
【0048】
本発明塗料は、静電塗装、エアレススプレー、エアスプレーなどにより塗装することができる。その塗装膜厚は、一般に、硬化塗膜に基づいて、5〜30μm、特に10〜25μmが適している。この塗膜は90〜180℃で10〜40分間加熱することにより架橋硬化することができる。また、本発明塗料の塗膜の上にクリヤ塗膜を形成してもよい。
【0049】
本発明塗料による塗膜は、光輝性顔料が塗面に均一かつ塗面に対して平行に配向しており、キラキラと光輝感が優れるものであり、しかも観察角度を変化させても光輝性に優れ、すなわちフリップフロップ(FF)性が良好である。光輝感は、例えば、「IV値」で評価することができる。「IV値」は、Intensity Valueの略であって、明暗度を意味するものであり、光輝材を含有する塗膜において、光輝材の配向性、光輝性メタリック感などの指標として用いられる特性値である。光輝材が塗膜表面に対して平行に凝集なく配向しているほど、明度が高く、IV値は高い値を示す。IV値は、数値が大きいほど光輝材の配向性が良好で光輝感が高いことを示す。IV値は、例えば、ALCOPE LMR100(富士工業(株)製、商品名)を用いて、入射角45度で照射されたレーザーの反射光のうち、鏡面反射領域の光を除いて最大光強度が得られる受光角での信号出力によって測定することができる。
【0050】
次に本発明の複層塗膜形成方法について説明する。
【0051】
複層塗膜形成方法
本発明の複層塗膜形成方法においては、上記本発明の水性光輝性塗料の未硬化塗膜面にクリヤ塗料を塗装した後、加熱して両塗膜を同時に架橋硬化する。上記水性光輝性塗料の未硬化塗膜面は、金属、プラスチックス、ガラス、セメント、モルタルなどの基材上に形成されたものであることができる。
【0052】
上記クリヤ塗料は、無色透明又は有色透明の塗膜を形成可能な塗料であり、なかでも熱硬化性塗料であることが好ましい。クリヤ塗料の代表例として、例えば、熱硬化性樹脂組成物、及び必要に応じて着色顔料、メタリック顔料、紫外線吸収剤、有機溶剤などを配合してなるクリヤ塗料を挙げることができる。
【0053】
熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シラノ−ル基、エポキシ基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコン含有樹脂などの基体樹脂及びこれらの架橋性官能基と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂、(ブロック)ポリイソシアネ−ト化合物、エポキシ化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物基含有化合物、アルコキシシリル基含有化合物などの架橋剤からなる組成物があげられる。これら樹脂、化合物、架橋剤は公知の手法で合成できるものを用いて良い。また、この熱硬化性樹脂組成物がエポキシ基を含む場合は、エポキシ基/カルボキシル基の比が1/0.1〜1/10になるようにするのが好ましい。また、この熱硬化性樹脂組成物がブロックポリイソシアネ−ト化合物を含む場合は、ブロックポリイソシアネ−ト基/ヒドロキシル基の比が1/0.1〜1/10になるようにするのが好ましい。この熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じてオニウム塩や有機亜鉛化合物、有機錫化合物などの硬化触媒を含んでいても良い。
【0054】
これらの熱硬化性樹脂組成物のうち、耐酸性及び耐スリキズ性などのすぐれた塗膜を形成可能な、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シラノ−ル基及び/又はエポキシ基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂(基体樹脂)と、エポキシ化合物、カルボキシル基含有化合物又は酸無水物基含有化合物などの架橋剤からなる組成物、あるいは、ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂及び/又はウレタン樹脂と(ブロック)ポリイソシアネ−ト化合物からなる組成物、を使用することが好ましい。
【0055】
このようなクリヤ塗料としては、固形分含有率が45重量%以上、特に50〜90重量%の範囲のものを用いるのが地球環境保全、資源の有効利用などの観点から好適である。
【0056】
【実施例】
本発明に関する実施例及び比較例について説明する。部及び%はいずれも重量を基準とし、また、塗膜の膜厚は硬化塗膜厚を基準とする。
【0057】
実施例1
水性メタリック塗料(WM−1)の製造
1分子中にヒドロキシル基とカルボキシル基とをそれぞれ1個以上有しそのカルボキシル基の一部あるいは全部が中和されている樹脂(A−1)の製造:
スチレン15部、メチルメタクリレ−ト20部、エチルアクリレ−ト24部、n−ブチルアクリレ−ト20部、ヒドロキシエチルアクリレ−ト15部及びアクリル酸6部を溶液中で共重合させ、数平均分子量12000、水酸基価72mgKOH/g、酸価47mgKOH/gの固形分約55%のアクリル樹脂の溶液を製造した。これにジメチルエタノールアミン7.4部(酸に対し1当量)を加えて中和し、樹脂(A−1)の溶液を得た。
【0058】
1分子中に式(I)で表されるアルケニルオキシ基を一分子中に2個以上含有する化合物(C−1)の製造:
フラスコに、N−3300(住友バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネート系のヌレート構造を含有するポリイソシアネート、NCO含有率21.6重量%)840部、トリブチルアミン0.84部、酢酸エチル250部を加え、これに90℃で4−ヒドロキシブチルビニルエーテル464部を滴下し、反応させた。次に、プロピレングリコール375部を加え、85℃で減圧下375部を脱溶剤し、固形分約80%の(C−1)樹脂の溶液を得た。(C−1)の数平均分子量は約1300であり、固形分中のアルケニルオキシ基の含有量は約3.1当量/Kgであった。
【0059】
内部架橋型樹脂微粒子(E−1)の製造:
フラスコに脱イオン水144.5部、60%Newcol562SF(日本乳化剤株式会社製、界面活性剤)1.2部を加え、窒素気流下で攪拌混合し、80℃に昇温した。次いで、メタクリル酸メチル17部、アクリル酸ブチル80部、メタクリル酸アリル3部、60%Newcol562SF1.2部および脱イオン水94.3部からなる乳化物のうちの1%を3%過硫酸アンモニウム水溶液5.2部と混合しフラスコに投入し、15分間80℃で保持した。その後、残りの乳化物を3時間かけてフラスコに滴下し、その後1時間熟成した。その後、メタクリル酸メチル15.4部、アクリル酸ヒドロキシエチル5.9部、アクリル酸4.4部、アクリル酸ブチル2.9部、60%Newcol562SF1.2部、脱イオン水39部および0.3%過硫酸アンモニウム水溶液5部からなる乳化物を2時間かけて滴下した。その後、1.5%ジメチルアミノエタノール液89部を加えて、固形分25%の内部架橋型樹脂微粒子(E−1)液を得た。
【0060】
水性メタリック塗料(WM−1)の調製
樹脂(A−1)溶液20部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル325(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)30部、化合物(C−1)10部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)40部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RD(ラポナイト RD)を5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−1)を得た。
【0061】
実施例2
水性メタリック塗料(WM−2)の製造
実施例1で得た樹脂(A−1)溶液30部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル325(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)25部、化合物(C−1)10部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)35部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RDを5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−2)を得た。
【0062】
実施例3
水性メタリック塗料(WM−3)の製造
1分子中にヒドロキシル基とカルボキシル基とをそれぞれ1個以上有しそのカルボキシル基の一部あるいは全部が中和されている樹脂(A−2)の製造:
メチルメタクリレ−ト35部、エチルアクリレ−ト24部、n−ブチルアクリレ−ト20部、ヒドロキシエチルアクリレ−ト10部、ヒドロキシプロピルアクリレート5部及びアクリル酸6部を溶液中で共重合させ、数平均分子量12000、水酸基価69mgKOH/g、酸価47mgKOH/gの固形分約55%のアクリル樹脂の溶液を製造した。これにジメチルエタノールアミン7.4部(酸に対し1当量)を加えて中和し、樹脂(A−2)の溶液を得た。
【0063】
樹脂(A−2)溶液15部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル701(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)30部、化合物(C−1)10部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)45部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RDを5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−3)を得た。
【0064】
実施例4
水性メタリック塗料(WM−4)の製造
実施例3で得た樹脂(A−2)溶液10部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル701(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)30部、化合物(C−1)5部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)55部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RDを5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−4)を得た。
【0065】
比較例1
水性メタリック塗料(WM−5)の製造
実施例1で得た樹脂(A−1)溶液20部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル325(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)40部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)40部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RDを5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−5)を得た。
【0066】
比較例2
水性メタリック塗料(WM−6)の製造
実施例1で得た樹脂(A−1)溶液20部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル325(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)30部、化合物(C−1)10部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)40部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−6)を得た。
【0067】
比較例3
水性メタリック塗料(WM−7)の製造
実施例1で得た樹脂(A−1)溶液60部(固形分量で、以下同様)、メラミン樹脂(B)としてサイメル325を30部、化合物(C−1)10部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RDを5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−7)を得た。
【0068】
比較例4
水性メタリック塗料(WM−8)の製造
実施例1で得た樹脂(A−1)溶液40部(固形分量で、以下同様)、化合物(C−1)20部、メタリック顔料(D)としてアルペースト7679NS(東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムフレークペースト、粒径約12μm、厚さ0.1〜0.2μm)10部、内部架橋型樹脂微粒子(E−1)40部、金属ケイ酸塩(F)としてLaponite RDを5部を脱イオン水に混合分散して、粘度30秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整された水性メタリック塗料(WM−8)を得た。
【0069】
比較例5
水性メタリック塗料(WM−9)の製造
1分子中にカルボキシル基を有するがヒドロキシル基を有さず、そのカルボキシル基の一部あるいは全部が中和されている樹脂(A−3)の製造:
スチレン15部、メチルメタクリレ−ト20部、エチルアクリレ−ト24部、n−ブチルアクリレ−ト31部及びアクリル酸10部を溶液中で共重合させ、数平均分子量12000、酸価77mgKOH/gの固形分約50%のアクリル樹脂の溶液を製造した。これにジメチルエタノールアミン12.4部(酸に対し1当量)を加えて中和し、樹脂(A−3)の溶液を得た。
【0070】
水性メタリック塗料(WM−9)の調製
実施例1の水性メタリック塗料(WM−1)の調製において、樹脂(A−1)溶液の代わりに樹脂(A−3)溶液を用いる以外は、水性メタリック塗料(WM−1)の調製と同様の操作を行い、水性メタリック塗料(WM−9)を得た。
【0071】
比較例6
水性メタリック塗料(WM−10)の製造
1分子中にカルボキシル基を有するがヒドロキシル基を有さず、そのカルボキシル基の一部あるいは全部が中和されている樹脂(A−4)の製造:
スチレン15部、メチルメタクリレ−ト20部、エチルアクリレ−ト28部、n−ブチルアクリレ−ト31部及びアクリル酸6部を溶液中で共重合させ、数平均分子量12000、酸価47mgKOH/gの固形分約55%のアクリル樹脂の溶液を製造した。これにジメチルエタノールアミン7.4部(酸に対し1当量)を加えて中和し、樹脂(A−4)の溶液を得た。
【0072】
水性メタリック塗料(WM−10)の調製
実施例1の水性メタリック塗料(WM−1)の調製において、樹脂(A−1)溶液の代わりに樹脂(A−4)溶液を用いる以外は、水性メタリック塗料(WM−1)の調製と同様の操作を行い、水性メタリック塗料(WM−10)を得た。
【0073】
製造例1 上塗クリヤ−1の製造
クリヤの構成成分となる水酸基含有化合物(P−1)の製造:
攪拌器、冷却器、温度制御器、窒素導入管及び滴下ロートを備えた反応装置に、ジメチロールブタン酸296部を仕込み、反応容器内の窒素置換を行ない、120℃に加熱した。そこへ、「カージュラE10」490部を2時間かけて滴下し、120℃を保持して、酸価が9以下になった時点で反応を終了させた。得られた水酸基含有化合物は、固形分含有率約98%、ガードナー粘度(20℃)Z6Z7、水酸基価428mgKOH/g、数平均分子量600であった。
【0074】
クリヤの構成成分となるレオロジーコントロール剤(P−2)の製造:
12−ヒドロキシステアリン酸をトルエン還流下でメタンスルホン酸を触媒として脱水縮合してなる樹脂酸価30、数平均分子量約1800の自己縮合ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基に、ジメチルアミノエタノールを触媒として、グリシジルメタクリレートを付加して重合性二重結合を導入して、マクロモノマー(イ)を得た。このものの固形分含有率は70%であり、1分子あたり数平均分子量に基づき約1個の重合性二重結合を有していた。一方、フラスコに酢酸ブチル174部を入れて加熱還流し、この中に、70%マクロモノマー(イ)溶液297部、メチルメタクリレート195.9部、グリシジルメタクリレート18.5部、キシレン163.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル9.6部からなる混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、さらに2時間熟成した。ついで、p−t−ブチルカテコール0.05部、メタクリル酸3.8部、ジメチルアミノエタノール0.5部からなる混合物をフラスコ中に加えて樹脂酸価が0.5になるまで140℃で約5時間反応を行ない、固形分含有率50%のマクロモノマー(ロ)を得た。得られたマクロモノマー(ロ)は、ポリ12−ヒドロキシステアリン酸による第1のセグメントと、メチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体による第2のセグメントとを有するグラフトポリマーであって、1分子中に平均4個の重合性不飽和二重結合を有していた。他方、フラスコにキシレン153部を入れ125℃に加熱してから、2−エチルヘキシルアクリレート50部、n−ブチルアクリレート23部、2−ヒドロキシエチルアクリレート25部、アクリル酸2部、t−ブチルパーオクトエート4.5部からなる混合物を4時間かけて滴下し、その後、2時間熟成を行なった。得られたアクリル樹脂ワニスは固形分含有率65%、数平均分子量7000であった。このアクリル樹脂ワニス100部に、グリシジルメタクリレート2部、4−t−ブチルピロカテコール0.01部、テトラブチルアンモニウムブロミド0.15部を加えて115℃で7時間攪拌し、共重合二重結合を分子中に導入してマクロモノマー(ハ)を得た。マクロモノマー(ハ)における導入二重結合の数は1分子あたり数平均分子量に基き約1.0個で、SP値は8.70、水酸基価は121mgKOH/gであった。
【0075】
フラスコにヘプタン190部、50%マクロモノマー(ロ)溶液20部、65%マクロモノマー(ハ)溶液23部を仕込み、還流温度にて、50%マクロモノマー(ロ)溶液20部、65%マクロモノマー(ハ)溶液23部、メチルメタクリレート50部、2−ヒドロキシエチルアクリレート50部、グリシジルメタクリレート1.5部、メタクリル酸0.8部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる混合物を5時間要して滴下し、続いて2時間熟成した。ついで、ジメチルアミノエタノール0.1部を加え、さらに4時間熟成を行なって重合体微粒子の非水分散液を得た。得られた分散液は固形分含有率40%の白色分散液で、粒子の粒径は約160nm(ピーク粒子径)であった。粒子径はコールタール社の「COULTER N4型サブミクロン粒子分析装置」により測定した。また、この粒子はアセトン、酢酸エチル、キシレンなどの有機溶剤に不溶でった。
【0076】
クリヤの製造:
水酸基含有化合物(P−1)20部(固形分量で、以下同じ)、スミジュールN3300を50部、サイメル325を30部、硬化触媒「NACURE5543」(米国、キングインダストリイズ社製、商品名、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和物溶液)1部、レオロジーコントロール剤(P−2)5部を有機溶剤(キシロール/酢酸エチル=1/1重量比)に混合し、塗装時の粘度50秒/フォードカップ#4/20℃、固形分含有率76%に調整し、上塗クリヤ−1を得た。
【0077】
実施例5
化成処理を行なった冷延ダル鋼板にエポキシ樹脂系カチオン電着塗料を塗装し(膜厚25μm)、170℃で30分間加熱して硬化した後、中塗り塗料(「ルーガベイクAM」、関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系塗料、グレー色)を膜厚30μmに塗装し、140℃で30分間加熱して硬化した。この塗面に実施例1で得た水性メタリック塗料(WM−1)を膜厚18μmに塗装し、80℃で10分間乾燥して塗膜中の水分を揮散させてなる未硬化塗面に、高固形分型クリヤ塗料である製造例1で得た上塗クリヤ−1を粘度50秒/フォードカップ#4/20℃に調整して、膜厚35μmに塗装し、140℃で30分間加熱して両塗膜を同時に硬化させて複層塗膜を得た。
【0078】
実施例6
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに実施例2で得た水性メタリック塗料(WM−2)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0079】
実施例7
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに実施例3で得た水性メタリック塗料(WM−3)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0080】
実施例8
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに実施例4で得た水性メタリック塗料(WM−4)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0081】
比較例7
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに比較例1で得た水性メタリック塗料(WM−5)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0082】
比較例8
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに比較例2で得た水性メタリック塗料(WM−6)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0083】
比較例9
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに比較例3で得た水性メタリック塗料(WM−7)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0084】
比較例10
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに比較例4で得た水性メタリック塗料(WM−8)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0085】
比較例11
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに比較例4で得た水性メタリック塗料(WM−9)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0086】
比較例12
実施例5において、水性メタリック塗料(WM−1)の代わりに比較例4で得た水性メタリック塗料(WM−10)を用いる以外は、実施例5と同じ操作を行い複層塗膜を得た。
【0087】
上記実施例5〜8及び比較例7〜12で得た複層塗膜形成塗板について、下記試験方法により各種試験を行った。
【0088】
複層塗膜のハイライトの白さ:各複層塗膜について、ALCOP LMR100(富士工業(株)製、商品名)を用い、IV値を測定した。IV値が大きいほどハイライト部分の白さが優れていることを示す。結果を表1に示す。
【0089】
耐水付着性:複層塗膜形成塗板を40℃の温水に10日間浸漬したのち温水中から取り出し、室温で1時間放置したのち、JIS K 5400(塗料一般試験方法)の8.5.1(1990)碁盤目法に従って隙間間隔を2mmとして試験し評価点数を算出した。評価点数は10点満点であり、大きな点数ほど付着性が良いことを示す。結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【発明の効果】
本発明によって、水性光輝性塗料を塗装した未硬化塗膜上にクリヤ塗料(特に高固形分型クリヤ塗料)を塗装しても両塗膜の層間で混層が発生せずキラキラとした光輝感が良好な意匠性のすぐれた光輝性塗膜を形成できる水性光輝性塗料を得ることができる。
本発明によって、水性光輝性塗料を塗装した未硬化塗膜上にクリヤ塗料(特に高固形分型クリヤ塗料)を塗装し両塗膜の層間で混層が発生せずキラキラとした光輝感が良好な意匠性のすぐれた光輝性を示す複層塗膜を形成することができる。
Claims (5)
- 化合物(C)が、140〜60,000の範囲内の数平均分子量を有し、かつ0.1〜15当量/kgの範囲内の前記式(I)で表されるアルケニルオキシ基濃度を有するものであるある請求項1記載の水性光輝性塗料。
- 樹脂(A)が、1,000〜500,000の範囲内の数平均分子量、0.55〜1.2当量/kgの範囲内のカルボキシル基濃度、0.5〜2.2当量/kgのヒドロキシル基濃度を有し、かつヒドロキシル基/カルボキシル基の当量比が0.5〜4.0である請求項1又は2記載の水性光輝性塗料。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性光輝性塗料を塗装し、その未硬化塗面にクリヤ塗料を塗装した後、加熱して両塗膜を同時に架橋硬化することを特徴とする複層塗膜形成方法。
- クリヤ塗料が高固形分クリヤ塗料である請求項4記載の複層塗膜形成方法。
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