JP2004095264A - リチウムイオン二次電池用負極及び該負極を用いて作製したリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】集電体と活物質層との密着性及び導電性に優れ、かつサイクル容量維持特性を向上し得る。密着層が電解液中の有機溶媒に対して安定で長期保存性に優れる。電池内に発生するフッ酸等の強酸による集電体の腐食を抑制し得る。
【解決手段】負極集電体16の表面に第1結着剤と、Si、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む無機質粒子の双方をそれぞれ含む負極活物質層17が形成されたリチウムイオン二次電池用負極の改良であり、その特徴ある構成は、負極集電体16と負極活物質層17との間に密着層19を有し、密着層19が第1結着剤に含まれる高分子化合物と同一又は異なる第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含むところにある。
【選択図】 図1
【解決手段】負極集電体16の表面に第1結着剤と、Si、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む無機質粒子の双方をそれぞれ含む負極活物質層17が形成されたリチウムイオン二次電池用負極の改良であり、その特徴ある構成は、負極集電体16と負極活物質層17との間に密着層19を有し、密着層19が第1結着剤に含まれる高分子化合物と同一又は異なる第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含むところにある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密着層を有するリチウムイオン二次電池用負極及び該負極を用いて作製したリチウムイオン二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のビデオカメラやノート型パソコン等のポータブル機器の普及により薄型の電池に対する需要が高まっている。この薄型の電池として正極と負極を積層して形成されたリチウムイオン二次電池が知られている。この正極は、シート状の正極集電体の表面に正極活物質層を形成することにより作られ、負極は、シート状の負極集電体の表面に負極活物質層を形成することにより作られる。正極の活物質層と負極の活物質層の間には電解質層が介装される。この電池では、それぞれの活物質における電位差を電流として取出すための正極端子及び負極端子が正極集電体及び負極集電体に設けられ、このように積層されたものをパッケージで密閉することによりリチウムイオン二次電池が形成されている。このリチウムイオン二次電池ではパッケージから引出された正極端子及び負極端子を電池の端子として使用することにより所望の電気が得られるようになっている。
このような構造を有するリチウムイオン二次電池は電池電圧が高く、エネルギー密度も大きいため、非常に注目されている。このリチウムイオン二次電池の放電容量を更に増大させるためにはシート状の正極又は負極の面積を拡大させる必要がある。この正極又は負極の面積を単純に拡大するだけでは広い面積のために、その取扱いが困難になる不具合がある。この点を解消するために、拡大したシート状の正極又は負極を所望の大きさに折畳んだり、捲回したりすることも考えられる。しかし、シート状の正極又は負極を積層した状態で折畳みや捲回を行うと、折目部分における正極又は負極に撓みが生じ、その部分におけるシートが電解質層から剥離して電極と電解質界面の有効表面積が減少して放電容量が減少するとともに、電池内部に抵抗を生じさせて放電容量のサイクル特性を悪化させる不具合がある。また同様に、折目部分に撓みが生じることにより正極又は負極をそれぞれ形成している活物質層が集電体より剥離する問題もあった。更に、この電池は充電及び放電過程において、正極及び負極活物質中へのリチウムイオンの吸蔵、放出によって正極及び負極活物質層の膨張、収縮が起こり、これにより発生する応力により、活物質層が集電体より剥離する問題もあった。
【0003】
そこで上記諸問題を解決する技術として下記に示すように、活物質層の集電体からの剥離や密着性の低下を防止する技術がそれぞれ提案されている。
PCT国際公開番号WO00/56780号公報(以下、文献1という。)には、平均重合度20以上のポリビニルアルコール単位を有し、水酸基の一部又は全部が平均モル置換度0.3以上のオキシアルキレン含有基で置換された高分子化合物、該高分子化合物からなるバインダ樹脂、及び高いイオン導電性と高い粘着性を備えているイオン導電性高分子電解質用組成物並びに二次電池が提案されている。この発明では、固体高分子電解質の材料やバインダ樹脂の材料としてポリオキシアルキレン部分の導入割合を上げた高分子化合物を用いることで、イオン移動し易くして高分子電解質用ポリマーのイオン導電性を高めている。
PCT国際公開番号WO00/56797号公報(以下、文献2という。)には、イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られたポリウレタン化合物中のイソシアネート基の一部又は全部に双極子モーメントの大きな置換基を有するアルコール化合物の水酸基を反応させた高分子化合物、バインダ樹脂、イオン導電性高分子電解質用組成物並びに二次電池が提案されている。この発明では、双極子モーメントの大きな置換基をポリウレタン中に導入することにより、高い誘電率とイオン導電性塩を高濃度に溶解する能力を保持しながら、電極と電解質間の密着性を良好にして、電解質溶液並みの界面インピーダンスを得ている。
PCT国際公開番号WO00/56815号公報(以下、文献3という。)には、イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られたポリウレタン化合物中のイソシアネート基の一部又は全部に双極子モーメントの大きな置換基を有するアルコール化合物の水酸基を反応させた高分子化合物と、イオン導電性塩と、架橋可能な官能基を有する化合物とを主成分としたイオン導電性固体高分子用組成物、イオン導電性固体高分子電解質、バインダ樹脂及び二次電池が提案されている。
【0004】
PCT国際公開番号WO00/17949号公報(以下、文献4という。)には、リチウム二次電池の負極用電極材、該電極材を用いた電極構造体、該電極構造体を用いたリチウム二次電池、及び該電極構造体及び該リチウム二次電池の製造方法が提案されている。この発明では、電極材に非化学量論比組成の非晶質M・A・X合金(MはSi、Ge及びMgからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示し、Aは遷移金属元素の中から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Xは、O、F、N、Ba、Sr、Ca、La、Ce、C、P、S、Se、Te、B、Bi、Sb、Al、In及びZnからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素を示す。但し、Xは含有されていなくてもよく、合金の構成要素Mの含量はM/(M+A+X)=20〜80原子%である。)を含有する。このような合金を含有する電極材は優れた特性を有し、リチウム二次電池の負極活性物質として好適である。
【0005】
特開2000−299108号公報(以下、文献5という。)には、リチウムを含有する正極活物質を備えた正極と、リチウムのドープ・脱ドープが可能なケイ素化合物と炭素材料との混合物が結着剤中に分散されてなる負極活物質層を備えた負極と、正極と負極との間に介在される非水電解質とを備え、上記結着剤は、ガラス転位温度が−40℃以下である非水電解質電池が提案されている。この発明では、負極活物質中の結着剤として、ガラス転位温度が−40℃以下のものを用いているので、リチウムのドープ・脱ドープ時のケイ素化合物負極の体積変化を結着剤が吸収し、負極活物質層全体としての体積変化が抑制されて、サイクル劣化が抑えられる。
更に、特開平9−289022号公報(以下、文献6という。)には、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極と、リチウムイオン導電性の非水電解質から構成され、正極又は負極の電極合剤中に水溶性ポリマーを含有した非水電解質二次電池が提案されている。この発明では、電極合剤中に水溶性ポリマーを含有することにより、集電体への結着性が良好であり、かつ溶媒が水であることから製造コストを削減でき、製造工程における人体への影響等も抑制できる。また比較的低温で乾燥可能であり、合剤やシート電極を構成する材料への熱的ダメージを最小限に留めることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的に非水電解液を含む二次電池において、負極集電体と負極活物質層の接着は困難であり、文献4に示される負極用電極材では、例えば、Si、Ge、Al、Sn等の元素を含む負極活物質の場合には、高い充放電容量が得られるものの、充放電に伴う活物質の体積変化が大きく、活物質層と集電体の剥離が生じる問題点があった。また文献5に示される結着剤では、柔軟性が特徴であり、活物質の体積変化をある程度吸収することができるが、この種の結着剤では集電体との接着強度が十分とはいえなかった。また文献1〜4及び6等は活物質と集電体の接着を向上することを目指して、結着剤の改良を行っているが、これらの結着剤は化学安定性が一般的に電池に使われるポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の樹脂より劣ったり、電解液がある環境において接着性が足りなくなるというような問題が残っている。
【0007】
本発明の第1の目的は、負極集電体と負極活物質層との密着性及び導電性に優れたリチウムイオン二次電池用負極を提供することにある。
本発明の第2の目的は、集電体と活物質層との密着性及び導電性に優れ、かつサイクル容量維持特性を向上し得るリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明の第3の目的は、密着層が電解液中の有機溶媒に対して安定で長期保存性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明の第4の目的は、電池内に発生するフッ酸等の強酸による集電体の腐食を抑制し得るリチウムイオン二次電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、負極集電体16の表面に第1結着剤と、Si、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む無機質粒子の双方をそれぞれ含む負極活物質層17が形成されたリチウムイオン二次電池用負極の改良であり、その特徴ある構成は、負極集電体16と負極活物質層17との間に密着層19を有し、密着層19が第1結着剤に含まれる高分子化合物と同一又は異なる高分子化合物を含む第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含むところにある。
請求項1に係る発明では、負極集電体16と負極活物質層17との間に第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含む密着層19を有することで、密着力を向上させているため、無機質粒子を含む負極活物質層の体積変化による剥離を防止する。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、第2結着剤がフッ素含有樹脂22を変性物質23により変性させて得られる変性フッ素含有高分子化合物24を含む負極である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明であって、変性フッ素含有高分子化合物24がフッ素含有樹脂を幹重合体22とし、幹重合体22を変性物質23によりグラフト変性させて得られる高分子化合物である負極である。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明であって、変性フッ素含有高分子化合物24を構成する幹重合体22が、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFという。)、ポリフッ化ビニル(以下、PVFという。)、4フッ化エチレンポリマー、3フッ化エチレンポリマー、2フッ化エチレンポリマー、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、VdF−HFP共重合体という。)、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、3フッ化塩化エチレンポリマー及びポリテトラフルオロエチレンからなる群より選ばれた少なくとも1種のフッ素含有樹脂を含む負極である。
請求項4に係る発明では、VdF−HFP共重合体、PVdFが電解液への耐久性が高いため好ましい。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項3に係る発明であって、変性フッ素含有高分子化合物24を構成する変性物質23が、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルの少なくとも1種である負極である。
請求項5に係る発明では、上記変性物質を用いることにより密着層は負極集電体と良好な密着性を得ることができる。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項3ないし5いずれか1項に係る発明であって、変性フッ素含有高分子化合物24を構成する幹重合体22がPVdF又はVdF−HFP共重合体のいずれか一方又は双方を含む混合物であって、変性物質23がアクリル酸である負極である。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6いずれか1項に係る発明であって、第1結着剤に含まれる高分子化合物21が、第2結着剤に含まれる変性フッ素含有高分子化合物24を構成するフッ素含有樹脂22に含まれる反復単位をその反復単位として含む負極である。
請求項7に係る発明では、第1結着剤中の高分子化合物が第2結着剤中の変性フッ素含有高分子化合物を構成するフッ素含有樹脂に含まれる反復単位をその反復単位として含むことで、負極活物質層と密着層との密着力がより強固になる。
【0012】
請求項8に係る発明は、請求項4又は6に係る発明であって、変性フッ素含有高分子化合物24の幹重合体22がフッ化ビニリデンであるとき、フッ化ビニリデンが変性フッ素含有高分子化合物24に95重量%〜60重量%の割合で含まれる負極である。
請求項9に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、第2結着剤が密着層固形物全体に対して5〜40重量%の割合で含まれる負極である。
請求項10に係る発明は、請求項3に係る発明であって、変性フッ素含有高分子化合物24はフッ素含有樹脂22と変性物質23が放射線照射処理によってグラフト化される負極である。
請求項11に係る発明は、請求項10に係る発明であって、フッ素含有樹脂22への放射線照射処理はγ線照射によって行われ、フッ素含有樹脂のγ線の吸収線量が10〜90kGyである負極である。
【0013】
請求項12に係る発明は、請求項1に係る発明であって、無機質粒子がSi、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素が単体、酸化物又は他の金属との合金、単体とリチウムとの合金、及びこれらの金属、リチウムを含む多元合金で構成される負極である。
請求項13に係る発明は、請求項1又は12に係る発明であって、無機質粒子の平均粒径が0.1〜50μmである負極である。
請求項14に係る発明は、請求項1、12又は13いずれか1項に係る発明であって、活物質層17に含まれる無機質粒子の割合が活物質層固形物全体の5〜95重量%である負極である。
【0014】
請求項15に係る発明は、請求項1ないし14いずれか1項に記載の負極14を用いて作製したリチウムイオン二次電池である。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、図1に示すように、負極集電体16の表面に第1結着剤と、Si、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む無機質粒子の双方をそれぞれ含む負極活物質層17が形成されてなる。その特徴ある構成は、負極集電体16と負極活物質層17との間に密着層19を有し、密着層19が第1結着剤に含まれる高分子化合物と同一又は異なる高分子化合物を含む第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含むところにある。負極集電体16と負極活物質層17との間に第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含む密着層19を有することで、高い密着力が得られるため、無機質粒子を含む負極活物質層の体積変化を起因とする負極活物質層の負極集電体からの剥がれが抑制され、サイクル特性が向上する。
【0016】
密着層19に含まれる第2結着剤にはフッ素含有樹脂22を変性物質23により変性させて得られる変性フッ素含有高分子化合物24が含まれる。この変性フッ素含有高分子化合物24はフッ素含有樹脂を幹重合体22とし、幹重合体22を変性物質23によりグラフト変性させて得られる高分子化合物である。
ここで「変性」とは、性質が変わることを意味し、本明細書では、幹重合体である樹脂のところどころに変性物質が配列することにより、幹重合体である樹脂自身が持つ性質だけでなく、変性物質が持つ性質も併せ持ったり、両者にない性質を新たに持たせることを意味する。
【0017】
また変性フッ素含有高分子化合物は変性させたことで化学的に安定性が向上するため、電解液に対して溶解されることなく活物質層の集電体からの剥がれが抑制される。また同様の理由から密着層中に分散される導電性物質が崩落することなく保持されるため良好な電子伝導を維持し、長期保存性やサイクル特性に優れる。このように化学的に安定な層に集電体が被覆されるため、電池内部でフッ酸等が発生した場合でも密着層が保護層となり集電体の腐食を抑制できる。
変性フッ素含有高分子化合物は変性させたことで熱的に安定性が向上するため、電池が高温下におかれても電池内溶媒に溶解することがなく電池の劣化を抑制できる。また変性させたことで電気化学的にも安定性が向上するため、劣化することがなく安定した密着力と導電性を保つ。更に電解液が変性高分子化合物中に浸透するのが困難となるため、集電体への電解液の付着がなくなる。
【0018】
負極活物質層17や密着層19は電池内において化学的、電気化学的、熱的に安定性が要求されるため、負極活物質層17に用いられる第1結着剤や密着層19に用いられる第2結着剤に含まれる高分子化合物には、分子内にフッ素を含む化合物が用いられる。
図2に示すように、第1結着剤に含まれる高分子化合物21は、1種又は2種以上の所定の反復単位(図2中ではA、B)が順不同に配列されて構成される。なお図示しないが、この高分子化合物21は、1種又は2種以上の所定の反復単位が規則的に配列して構成されてもよい。この高分子化合物21は、第2結着剤中の変性フッ素含有高分子化合物24を構成するフッ素含有樹脂22に含まれる反復単位がその反復単位として含まれる。これによって、負極活物質層17と密着層19との密着力がより強固になる。本発明の幹重合体22を構成する基本単位として用いられる反復単位は、高分子化合物21中に50分子量%以上の割合で含まれるのが好ましい。60〜100分子量%の割合で含まれるのがより好ましい。
【0019】
幹重合体22のところどころに変性物質23を枝重合体として配列して変性させるには、グラフト重合を用いる。幹重合体22には、PVdF、PVF、4フッ化エチレンポリマー、3フッ化エチレンポリマー、2フッ化エチレンポリマー、VdF−HFP共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、3フッ化塩化エチレンポリマー及びポリテトラフルオロエチレンからなる群より選ばれた少なくとも1種のフッ素含有樹脂が含まれる。また変性物質23には、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルの少なくとも1種が挙げられる。これらの変性物質を用いることで、密着層は負極集電体と良好な密着性を得ることができる。
特に、幹重合体22をPVdF又はVdF−HFP共重合体のいずれか一方又は双方を含む混合物とし、変性物質23をアクリル酸とした変性フッ素含有高分子化合物24は、PVdF又はVdF−HFP共重合体のいずれか一方又は双方を含む混合物が負極活物質層と高い密着性を有し、アクリル酸が負極集電体材料と高い密着性を有するため、密着層中の第2結着剤に含まれる変性フッ素含有高分子化合物として優れた性質を有する。
【0020】
グラフト重合させる方法としては放射線法がある。放射線法では、幹重合体22となるフッ素含有樹脂と枝重合体となる変性物質とを混合して、混合物に放射線を連続的又は間欠的に放射することにより重合でき、変性物質とフッ素含有樹脂とを接触させる前にフッ素含有樹脂を予備放射することが好ましい。具体的には、フッ素含有樹脂に放射線を照射した後で、前記被照射物に変性物質を混合することにより、フッ素含有樹脂を幹重合体とし変性物質を枝重合体とした変性フッ素含有高分子化合物を得ることができる。グラフト重合に用いる放射線にはγ線を使用する。フッ素含有樹脂への吸収線量が1〜90kGyになるようにγ線を照射する。幹重合体となるフッ素含有樹脂に放射線を照射することにより片末端にラジカルが形成され、変性物質が重合し易くなる。
図3(a)に示すように、変性フッ素含有高分子化合物を構成する幹重合体22は、図2中の第1結着剤に含まれる高分子化合物21の繰返し単位Aを基本単位とする。幹重合体の基本単位は、図3(a)に示すように1種類でもよいし、図示しないが2種類以上の基本単位を用いてもよい。この基本単位は幹重合体中に50分子量%以上の割合で含まれることが好ましい。60〜100分子量%の割合で含まれるのがより好ましい。図3(b)に示すように、この幹重合体22に放射線を照射して基本単位Aの片末端のところどころにラジカル22aを形成する。図3(c)に示すように、ラジカルを形成した幹重合体22に変性物質23(図3中のC)を接触させることにより、ラジカル部分22aに変性物質23が配列して変性フッ素含有高分子化合物24が形成される。変性物質23は変性フッ素含有高分子化合物中に2〜50分子量%の割合で含まれることが好ましい。5〜30分子量%の割合で含まれるのがより好ましい。
グラフト重合は活性化した幹重合体となる樹脂が枝重合体となる変性物質と接触している時間の長さ、放射線による予備活性の程度、枝重合体となる変性物質が幹重合体となる樹脂を透過できるまでの程度、樹脂及び変性物質が接触しているときの温度等によりそれぞれ重合生成が異なる。変性物質が酸である場合、変性物質である化合物を含有する溶液をサンプリングして、アルカリにより滴定し、残留する酸化合物濃度を測定することにより、グラフト化の程度を観測することができる。得られた組成物中のグラフト化の割合は、最終重量の2〜50分子量%が望ましい。
【0021】
変性フッ素含有高分子化合物24の幹重合体22がフッ化ビニリデンであるとき、フッ化ビニリデンが変性フッ素含有高分子化合物24に95重量%〜60重量%の割合で含まれるのが好ましい。
第2結着剤は密着層19固形物全体に対して5〜40重量%の割合で含まれる。好ましくは密着層19固形物全体に対して10〜30重量%の割合である。下限値未満であると密着性が得られず、上限値を越えると導電性が悪くなる。
【0022】
負極活物質層17に含まれる無機質粒子はSi、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素が単体、酸化物又は他の金属との合金、単体とリチウムとの合金、及びこれらの金属、リチウムを含む多元合金で構成される。この無機物粒子はリチウムを吸蔵・放出可能な機能を有する。Siをベースにした無機質粒子としては、Si単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、Ca、Fe、Ni、Co、Mn、Mg等と形成するSiシリサイド、シリコンオキシカーバイド、シリコンカーバイド等が挙げられる。この無機質粒子の平均粒径は0.1〜50μmである。好ましい平均粒径は0.2〜20μmである。活物質層17に含まれる無機質粒子の割合は活物質層固形物全体の5〜95重量%である。好ましくは活物質層固形物全体の10〜90重量%である。
【0023】
本発明のリチウムイオン二次電池は、図1に示すように、正極11と負極14と電解質18とを備える。正極11は、正極集電体12の表面に正極活物質層13が形成されて構成される。負極14は、負極集電体16の表面に第1結着剤と無機質粒子が含まれた負極活物質層17が形成されて構成される。負極集電体16と負極活物質層17との間には密着層19を有する。電解質18は、正極11の正極活物質層13と負極14の負極活物質層17との間に介装される。更に、密着層19には第1結着剤と同一又は異なる高分子化合物を含む第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含んだ構造を有する。
変性フッ素含有高分子化合物を含む第2結着剤が含有した密着層19は負極活物質層17への密着力が高くなる。また、変性フッ素含有高分子化合物は負極集電体との密着性が高い変性物質を枝重合体として配列させた化合物であるため、密着層19は負極集電体16への密着性が従来の結着剤を用いるより大幅に向上する。
【0024】
次に、本発明のリチウムイオンポリマー二次電池の製造手順を説明する。
先ず、前述した変性フッ素含有高分子化合物を密着層に用いる第2結着剤に含ませ、この第2結着剤を溶媒に溶解してポリマー溶液を作製し、ポリマー溶液中に導電性物質を分散させて密着層スラリーを調製する。導電性物質には粒径0.5〜30μm、黒鉛化度50%以上の炭素材が用いられる。第2結着剤と導電性物質との重量比(第3結着剤/導電性物質)が13/87〜50/50になるように混合して密着層のスラリーを調製する。溶媒にはジメチルアセトアミド、アセトン、ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリドン(以下、NMPという。)が用いられる。
次いで、シート状の正極及び負極集電体をそれぞれ用意する。負極集電体に調製した密着層スラリーをドクターブレード法により塗工及び乾燥し、乾燥後の密着層厚さが0.5〜30μmの密着層を有する負極集電体を形成する。乾燥後の負極の密着層厚さは1〜15μmが好ましい。シート状の正極集電体としてはAl箔が、負極集電体としてはCu箔がそれぞれ挙げられる。ここでドクターブレード法とは、キャリアフィルムやエンドレスベルト等のキャリア上に載せて運ばれるスリップの厚さをドクターブレードと呼ばれるナイフエッジとキャリアとの間隔を調整することによってシートの厚さを精密に制御する方法である。
【0025】
次に、正極活物質層、負極活物質層及び電解質層に必要な成分をそれぞれ混合して正極活物質層塗工用スラリー、負極活物質層塗工用スラリー及び電解質層塗工用スラリーをそれぞれ調製する。
得られた正極活物質層塗工用スラリーを正極集電体上にドクターブレード法により塗布して乾燥し、圧延することにより正極を形成する。また負極も同様にして、得られた負極活物質層塗工用スラリーを密着層を有する負極集電体上にドクターブレード法により塗布して乾燥し、圧延することにより負極を形成する。正極又は負極活物質層は乾燥後の厚さが、20〜250μmとなるように形成する。電解質層は得られた電解質層塗工用スラリーを剥離紙上に電解質層の乾燥厚さが10〜150μmとなるようにドクターブレード法により塗工及び乾燥し、剥離紙より剥がして形成する。また、電解質層塗工用スラリーを正極表面や負極表面に塗工及び乾燥して電解質層を形成してもよい。それぞれ形成した正極と電解質層と負極を順に積層し、積層物を熱圧着することにより、図1に示すように、シート状の電極体が形成される。
最後に、この電極体にNiからなる正極リード及び負極リードをそれぞれ正極集電体及び負極集電体に溶接し、開口部を有する袋状に加工したラミネートパッケージ材に収納し、減圧条件下で熱圧着により開口部を封止して、シート状のリチウムイオンポリマー二次電池が作製できる。
【0026】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、幹重合体としてPVdF粉末50gを、変性物質として15重量%アクリル酸水溶液260gをそれぞれ用意した。PVdF粉末をポリエチレン製パックに入れて真空パックし、PVdFへの吸収線量が50kGyとなるように60Coをγ線源としてγ線を照射した。γ線照射したPVdF粉末をポリエチレン製パックより取出して窒素雰囲気に移し、15重量%アクリル酸水溶液260g中にPVdF粉末を供給して80℃に保持し、アクリル酸水溶液と反応させた。反応中は反応溶液のサンプルを逐次採取し、この採取液に水酸化ナトリウムを用いて滴定を行い、PVdFと反応したアクリル酸量を算出した。アクリル酸の消耗量がPVdF重量の20.48%になった時点で反応を止めて、得られた固体状生成物を純水で洗浄して乾燥させ、変性フッ素含有高分子化合物を得た。得られた変性フッ素含有高分子化合物はアクリル酸グラフト化PVdF(Acrylic Acidgrafting PolyVinylidene Fluoride、以下、AA−g−PVdFという。)であり、この化合物中の変性物質割合は17重量%であった。
【0027】
次いで、得られた変性フッ素含有高分子化合物を2g採取し、このサンプルにNMP28gを添加し、攪拌してポリマー溶液とした。この溶液に比表面積150m2/gの黒鉛粉末8g及びこの黒鉛粉末を分散させるための分散剤1.2gをそれぞれ添加し、更にNMP150gを加え、密着層スラリーを調製した。
次に、正極集電体として厚さ20μm、幅250mmのAl箔を用意した。また負極集電体として厚さ14μm、幅250mmのCu箔を用意し、このCu箔表面にそれぞれ調製した密着層スラリーをドクターブレード法により塗工及び乾燥し、乾燥後の密着層厚さを10±1μmの範囲内に制御した。
次に、表1に示される各成分をボールミルで2時間混合することにより、正極活物質層塗工用スラリー、負極活物質層塗工用スラリー及び電解質層塗工用スラリーをそれぞれ調製した。
【0028】
【表1】
【0029】
得られた負極活物質層塗工用スラリーを密着層を有するCu箔表面に負極活物質層の乾燥厚さが80μmとなるようにドクターブレード法により塗工及び乾燥し、圧延することにより負極を形成した。同様に、正極活物質層塗工用スラリーをAl箔表面に塗工及び乾燥し、圧延することにより正極を形成した。更に電解質層塗工用スラリーを乾燥厚さが50μmになるように上記正極にドクターブレード法により塗工し、電解質層を有する正極と負極を積層して熱圧着することにより、シート状の電極体を作製した。作製した電極体にNiからなる正極リード及び負極リードをそれぞれ正極集電体、負極集電体に溶接し、開口部を有する袋状に加工したラミネートパッケージ材に収納し、減圧条件下で開口部を熱圧着して封止し、シート状電池を作製した。
【0030】
<実施例2>
変性物質を構成する材料としてメタクリル酸を用いて合成を行い、得られたメタクリル酸グラフト化PVdF(Methacrylic Acid grafting PolyVinylidene Fluoride、以下、MA−g−PVdFという。)を変性フッ素含有高分子化合物として用いた以外は実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
<実施例3>
幹重合体を構成する材料としてVdF−HFP共重合体粉末を用いて合成を行い、得られたAA−g−VdF−HFPを変性フッ素含有高分子化合物として用いた以外は実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
【0031】
<実施例4>
PVdFへの吸収線量が70kGyとなるようにγ線を照射し、変性フッ素含有高分子化合物中の変性物質割合を20重量%として合成を行い、得られたAA−g−PVdFを変性フッ素含有高分子化合物として用いた以外は実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
<実施例5>
実施例1で得られた変性フッ素含有高分子化合物を4g採取して密着層スラリーを調製した以外は実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
【0032】
<比較例1>
負極活物質層とCu箔との間に密着層を設けず、負極活物質層の結着剤としてPVdFを用いた以外は実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
<比較例2>
負極活物質層の結着剤としてVdF−HFP共重合体を用いた以外は比較例1と同様にしてシート状電池を作製した。
<比較例3>
負極活物質層の結着剤としてPVdFとVdF−HFP共重合体が重合比1:1の割合で含まれる混合物を用いた以外は比較例1と同様にしてシート状電池を作製した。
【0033】
<比較評価>
実施例1〜5及び比較例1〜3でそれぞれ得られたシート状電池を用いて以下の評価試験を行った。
▲1▼ 電池の密着層に用いられる場合の電池のサイクル容量維持特性試験
得られたシート状の電池を充放電サイクル試験にかけ、最大充電電圧4V、充電電流0.5Aの条件で2.5時間の充電を行う充電工程と、0.5Aの定電流放電で放電電圧が最低放電電圧となる2.0Vまで放電を行う放電工程とを1サイクルとして充放電サイクルを繰返し、各サイクルの充放電容量をそれぞれ測定して、3サイクル目の放電容量保持率((3サイクル目の放電容量/初期放電容量)×100)を求めた。
【0034】
▲2▼ 密着層の集電体及び活物質層に対する密着性試験
得られたシート状の電池に対して上記評価試験▲1▼と同様の条件での充放電サイクルを10サイクル行った。その後、10サイクルの充放電を終えたシート状電池の収納パッケージを除去し、電池の正極と負極を引き剥がしてそれぞれを分離した。実施例1〜5の電池は、分離した負極の密着層をピンセットでつまんで引っ張ったときに、密着層が集電体から剥離するか否か、密着層が活物質層から剥離するか否かをそれぞれ確認した。また、比較例1〜3の電池は、分離した負極をピンセットでつまんで引っ張ったときに、負極活物質層と負極集電体とが剥離するか否かを確認した。
【0035】
上記評価試験▲1▼及び▲2▼における評価結果を表2にそれぞれ示す。
【0036】
なお、表2中の密着性評価における記号は、次の意味である。◎:密着が大変良好である。○:部分的な剥離がある。×:完全に剥離されている。
【0037】
【表2】
【0038】
表2より明らかなように、評価試験▲1▼のサイクル容量維持特性試験では、比較例1〜3の電池の放電容量保持率は大幅に低下している。充放電によってSi粉末からなる活物質の膨張収縮が負極活物質と負極集電体の界面で発生する剥離を引起こす原因と考えられ、このような剥離が電池の活物質と集電体の間の電子の流れを止めてしまったので、3サイクル目の容量保持率を大幅に低下させたと考えられる。これに対して実施例1〜5の電池の放電容量保持率はそれぞれ高い値を示している。これは、実施例1〜5で得られた電池内の密着層に含まれる第2結着剤の接着特性が優れていたため、Si粉末からなる活物質の膨張収縮に起因する剥離を防止できたと考えられる。
また比較例1〜3の電池における評価試験▲2▼の10サイクル後における密着性試験では、負極集電体と負極活物質層とが完全に剥離してしまっていたが、実施例1〜5では、密着層は負極集電体から剥離し難く、負極集電体との接着が優れていることを示した。また、密着層は負極活物質層からも剥離し難く、活物質層との接着も優れていることを示した。
このように負極活物質層と負極集電体との間に密着層を設け、この密着層に導電性物質とともに変性フッ素含有高分子化合物を含む第2結着剤を含ませることによって、負極活物質層と負極集電体の接着を向上させ、無機質粒子を含む負極活物質層の体積変化に起因する剥離を防止することができることが判る。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、負極集電体の表面に第1結着剤と、Si、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む無機質粒子の双方をそれぞれ含む負極活物質層が形成されたリチウムイオン二次電池用負極の改良であり、その特徴ある構成は、負極集電体と負極活物質層との間に密着層を有し、密着層が第1結着剤に含まれる高分子化合物と同一又は異なる高分子化合物を含む第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含むところにある。第1結着剤と同一又は異なる高分子化合物を含む第2結着剤が含まれた密着層を負極活物質層と負極集電体との間に設けたことで、負極活物質層、負極集電体への密着力がそれぞれ高まるとともに、充放電に伴う無機質粒子を含む負極活物質層の体積変化による剥離を防止できる。また、第2結着剤に含まれる高分子化合物は負極集電体との密着性が高い変性物質を枝重合体として配列させた変性フッ素含有高分子化合物であるため、密着層は負極集電体への密着性が従来の結着剤を用いるより大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウムイオン二次電池の電極体を示す部分断面構成図。
【図2】第1結着剤を構成する高分子化合物の模式図。
【図3】変性フッ素含有高分子化合物の合成を示す模式図。
【符号の説明】
11 正極
12 正極集電体
13 正極活物質層
14 負極
16 負極集電体
17 負極活物質層
18 電解質層
19 密着層
【発明の属する技術分野】
本発明は、密着層を有するリチウムイオン二次電池用負極及び該負極を用いて作製したリチウムイオン二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のビデオカメラやノート型パソコン等のポータブル機器の普及により薄型の電池に対する需要が高まっている。この薄型の電池として正極と負極を積層して形成されたリチウムイオン二次電池が知られている。この正極は、シート状の正極集電体の表面に正極活物質層を形成することにより作られ、負極は、シート状の負極集電体の表面に負極活物質層を形成することにより作られる。正極の活物質層と負極の活物質層の間には電解質層が介装される。この電池では、それぞれの活物質における電位差を電流として取出すための正極端子及び負極端子が正極集電体及び負極集電体に設けられ、このように積層されたものをパッケージで密閉することによりリチウムイオン二次電池が形成されている。このリチウムイオン二次電池ではパッケージから引出された正極端子及び負極端子を電池の端子として使用することにより所望の電気が得られるようになっている。
このような構造を有するリチウムイオン二次電池は電池電圧が高く、エネルギー密度も大きいため、非常に注目されている。このリチウムイオン二次電池の放電容量を更に増大させるためにはシート状の正極又は負極の面積を拡大させる必要がある。この正極又は負極の面積を単純に拡大するだけでは広い面積のために、その取扱いが困難になる不具合がある。この点を解消するために、拡大したシート状の正極又は負極を所望の大きさに折畳んだり、捲回したりすることも考えられる。しかし、シート状の正極又は負極を積層した状態で折畳みや捲回を行うと、折目部分における正極又は負極に撓みが生じ、その部分におけるシートが電解質層から剥離して電極と電解質界面の有効表面積が減少して放電容量が減少するとともに、電池内部に抵抗を生じさせて放電容量のサイクル特性を悪化させる不具合がある。また同様に、折目部分に撓みが生じることにより正極又は負極をそれぞれ形成している活物質層が集電体より剥離する問題もあった。更に、この電池は充電及び放電過程において、正極及び負極活物質中へのリチウムイオンの吸蔵、放出によって正極及び負極活物質層の膨張、収縮が起こり、これにより発生する応力により、活物質層が集電体より剥離する問題もあった。
【0003】
そこで上記諸問題を解決する技術として下記に示すように、活物質層の集電体からの剥離や密着性の低下を防止する技術がそれぞれ提案されている。
PCT国際公開番号WO00/56780号公報(以下、文献1という。)には、平均重合度20以上のポリビニルアルコール単位を有し、水酸基の一部又は全部が平均モル置換度0.3以上のオキシアルキレン含有基で置換された高分子化合物、該高分子化合物からなるバインダ樹脂、及び高いイオン導電性と高い粘着性を備えているイオン導電性高分子電解質用組成物並びに二次電池が提案されている。この発明では、固体高分子電解質の材料やバインダ樹脂の材料としてポリオキシアルキレン部分の導入割合を上げた高分子化合物を用いることで、イオン移動し易くして高分子電解質用ポリマーのイオン導電性を高めている。
PCT国際公開番号WO00/56797号公報(以下、文献2という。)には、イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られたポリウレタン化合物中のイソシアネート基の一部又は全部に双極子モーメントの大きな置換基を有するアルコール化合物の水酸基を反応させた高分子化合物、バインダ樹脂、イオン導電性高分子電解質用組成物並びに二次電池が提案されている。この発明では、双極子モーメントの大きな置換基をポリウレタン中に導入することにより、高い誘電率とイオン導電性塩を高濃度に溶解する能力を保持しながら、電極と電解質間の密着性を良好にして、電解質溶液並みの界面インピーダンスを得ている。
PCT国際公開番号WO00/56815号公報(以下、文献3という。)には、イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られたポリウレタン化合物中のイソシアネート基の一部又は全部に双極子モーメントの大きな置換基を有するアルコール化合物の水酸基を反応させた高分子化合物と、イオン導電性塩と、架橋可能な官能基を有する化合物とを主成分としたイオン導電性固体高分子用組成物、イオン導電性固体高分子電解質、バインダ樹脂及び二次電池が提案されている。
【0004】
PCT国際公開番号WO00/17949号公報(以下、文献4という。)には、リチウム二次電池の負極用電極材、該電極材を用いた電極構造体、該電極構造体を用いたリチウム二次電池、及び該電極構造体及び該リチウム二次電池の製造方法が提案されている。この発明では、電極材に非化学量論比組成の非晶質M・A・X合金(MはSi、Ge及びMgからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示し、Aは遷移金属元素の中から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Xは、O、F、N、Ba、Sr、Ca、La、Ce、C、P、S、Se、Te、B、Bi、Sb、Al、In及びZnからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素を示す。但し、Xは含有されていなくてもよく、合金の構成要素Mの含量はM/(M+A+X)=20〜80原子%である。)を含有する。このような合金を含有する電極材は優れた特性を有し、リチウム二次電池の負極活性物質として好適である。
【0005】
特開2000−299108号公報(以下、文献5という。)には、リチウムを含有する正極活物質を備えた正極と、リチウムのドープ・脱ドープが可能なケイ素化合物と炭素材料との混合物が結着剤中に分散されてなる負極活物質層を備えた負極と、正極と負極との間に介在される非水電解質とを備え、上記結着剤は、ガラス転位温度が−40℃以下である非水電解質電池が提案されている。この発明では、負極活物質中の結着剤として、ガラス転位温度が−40℃以下のものを用いているので、リチウムのドープ・脱ドープ時のケイ素化合物負極の体積変化を結着剤が吸収し、負極活物質層全体としての体積変化が抑制されて、サイクル劣化が抑えられる。
更に、特開平9−289022号公報(以下、文献6という。)には、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極と、リチウムイオン導電性の非水電解質から構成され、正極又は負極の電極合剤中に水溶性ポリマーを含有した非水電解質二次電池が提案されている。この発明では、電極合剤中に水溶性ポリマーを含有することにより、集電体への結着性が良好であり、かつ溶媒が水であることから製造コストを削減でき、製造工程における人体への影響等も抑制できる。また比較的低温で乾燥可能であり、合剤やシート電極を構成する材料への熱的ダメージを最小限に留めることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的に非水電解液を含む二次電池において、負極集電体と負極活物質層の接着は困難であり、文献4に示される負極用電極材では、例えば、Si、Ge、Al、Sn等の元素を含む負極活物質の場合には、高い充放電容量が得られるものの、充放電に伴う活物質の体積変化が大きく、活物質層と集電体の剥離が生じる問題点があった。また文献5に示される結着剤では、柔軟性が特徴であり、活物質の体積変化をある程度吸収することができるが、この種の結着剤では集電体との接着強度が十分とはいえなかった。また文献1〜4及び6等は活物質と集電体の接着を向上することを目指して、結着剤の改良を行っているが、これらの結着剤は化学安定性が一般的に電池に使われるポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の樹脂より劣ったり、電解液がある環境において接着性が足りなくなるというような問題が残っている。
【0007】
本発明の第1の目的は、負極集電体と負極活物質層との密着性及び導電性に優れたリチウムイオン二次電池用負極を提供することにある。
本発明の第2の目的は、集電体と活物質層との密着性及び導電性に優れ、かつサイクル容量維持特性を向上し得るリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明の第3の目的は、密着層が電解液中の有機溶媒に対して安定で長期保存性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明の第4の目的は、電池内に発生するフッ酸等の強酸による集電体の腐食を抑制し得るリチウムイオン二次電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、負極集電体16の表面に第1結着剤と、Si、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む無機質粒子の双方をそれぞれ含む負極活物質層17が形成されたリチウムイオン二次電池用負極の改良であり、その特徴ある構成は、負極集電体16と負極活物質層17との間に密着層19を有し、密着層19が第1結着剤に含まれる高分子化合物と同一又は異なる高分子化合物を含む第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含むところにある。
請求項1に係る発明では、負極集電体16と負極活物質層17との間に第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含む密着層19を有することで、密着力を向上させているため、無機質粒子を含む負極活物質層の体積変化による剥離を防止する。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、第2結着剤がフッ素含有樹脂22を変性物質23により変性させて得られる変性フッ素含有高分子化合物24を含む負極である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明であって、変性フッ素含有高分子化合物24がフッ素含有樹脂を幹重合体22とし、幹重合体22を変性物質23によりグラフト変性させて得られる高分子化合物である負極である。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明であって、変性フッ素含有高分子化合物24を構成する幹重合体22が、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFという。)、ポリフッ化ビニル(以下、PVFという。)、4フッ化エチレンポリマー、3フッ化エチレンポリマー、2フッ化エチレンポリマー、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、VdF−HFP共重合体という。)、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、3フッ化塩化エチレンポリマー及びポリテトラフルオロエチレンからなる群より選ばれた少なくとも1種のフッ素含有樹脂を含む負極である。
請求項4に係る発明では、VdF−HFP共重合体、PVdFが電解液への耐久性が高いため好ましい。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項3に係る発明であって、変性フッ素含有高分子化合物24を構成する変性物質23が、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルの少なくとも1種である負極である。
請求項5に係る発明では、上記変性物質を用いることにより密着層は負極集電体と良好な密着性を得ることができる。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項3ないし5いずれか1項に係る発明であって、変性フッ素含有高分子化合物24を構成する幹重合体22がPVdF又はVdF−HFP共重合体のいずれか一方又は双方を含む混合物であって、変性物質23がアクリル酸である負極である。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6いずれか1項に係る発明であって、第1結着剤に含まれる高分子化合物21が、第2結着剤に含まれる変性フッ素含有高分子化合物24を構成するフッ素含有樹脂22に含まれる反復単位をその反復単位として含む負極である。
請求項7に係る発明では、第1結着剤中の高分子化合物が第2結着剤中の変性フッ素含有高分子化合物を構成するフッ素含有樹脂に含まれる反復単位をその反復単位として含むことで、負極活物質層と密着層との密着力がより強固になる。
【0012】
請求項8に係る発明は、請求項4又は6に係る発明であって、変性フッ素含有高分子化合物24の幹重合体22がフッ化ビニリデンであるとき、フッ化ビニリデンが変性フッ素含有高分子化合物24に95重量%〜60重量%の割合で含まれる負極である。
請求項9に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、第2結着剤が密着層固形物全体に対して5〜40重量%の割合で含まれる負極である。
請求項10に係る発明は、請求項3に係る発明であって、変性フッ素含有高分子化合物24はフッ素含有樹脂22と変性物質23が放射線照射処理によってグラフト化される負極である。
請求項11に係る発明は、請求項10に係る発明であって、フッ素含有樹脂22への放射線照射処理はγ線照射によって行われ、フッ素含有樹脂のγ線の吸収線量が10〜90kGyである負極である。
【0013】
請求項12に係る発明は、請求項1に係る発明であって、無機質粒子がSi、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素が単体、酸化物又は他の金属との合金、単体とリチウムとの合金、及びこれらの金属、リチウムを含む多元合金で構成される負極である。
請求項13に係る発明は、請求項1又は12に係る発明であって、無機質粒子の平均粒径が0.1〜50μmである負極である。
請求項14に係る発明は、請求項1、12又は13いずれか1項に係る発明であって、活物質層17に含まれる無機質粒子の割合が活物質層固形物全体の5〜95重量%である負極である。
【0014】
請求項15に係る発明は、請求項1ないし14いずれか1項に記載の負極14を用いて作製したリチウムイオン二次電池である。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、図1に示すように、負極集電体16の表面に第1結着剤と、Si、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む無機質粒子の双方をそれぞれ含む負極活物質層17が形成されてなる。その特徴ある構成は、負極集電体16と負極活物質層17との間に密着層19を有し、密着層19が第1結着剤に含まれる高分子化合物と同一又は異なる高分子化合物を含む第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含むところにある。負極集電体16と負極活物質層17との間に第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含む密着層19を有することで、高い密着力が得られるため、無機質粒子を含む負極活物質層の体積変化を起因とする負極活物質層の負極集電体からの剥がれが抑制され、サイクル特性が向上する。
【0016】
密着層19に含まれる第2結着剤にはフッ素含有樹脂22を変性物質23により変性させて得られる変性フッ素含有高分子化合物24が含まれる。この変性フッ素含有高分子化合物24はフッ素含有樹脂を幹重合体22とし、幹重合体22を変性物質23によりグラフト変性させて得られる高分子化合物である。
ここで「変性」とは、性質が変わることを意味し、本明細書では、幹重合体である樹脂のところどころに変性物質が配列することにより、幹重合体である樹脂自身が持つ性質だけでなく、変性物質が持つ性質も併せ持ったり、両者にない性質を新たに持たせることを意味する。
【0017】
また変性フッ素含有高分子化合物は変性させたことで化学的に安定性が向上するため、電解液に対して溶解されることなく活物質層の集電体からの剥がれが抑制される。また同様の理由から密着層中に分散される導電性物質が崩落することなく保持されるため良好な電子伝導を維持し、長期保存性やサイクル特性に優れる。このように化学的に安定な層に集電体が被覆されるため、電池内部でフッ酸等が発生した場合でも密着層が保護層となり集電体の腐食を抑制できる。
変性フッ素含有高分子化合物は変性させたことで熱的に安定性が向上するため、電池が高温下におかれても電池内溶媒に溶解することがなく電池の劣化を抑制できる。また変性させたことで電気化学的にも安定性が向上するため、劣化することがなく安定した密着力と導電性を保つ。更に電解液が変性高分子化合物中に浸透するのが困難となるため、集電体への電解液の付着がなくなる。
【0018】
負極活物質層17や密着層19は電池内において化学的、電気化学的、熱的に安定性が要求されるため、負極活物質層17に用いられる第1結着剤や密着層19に用いられる第2結着剤に含まれる高分子化合物には、分子内にフッ素を含む化合物が用いられる。
図2に示すように、第1結着剤に含まれる高分子化合物21は、1種又は2種以上の所定の反復単位(図2中ではA、B)が順不同に配列されて構成される。なお図示しないが、この高分子化合物21は、1種又は2種以上の所定の反復単位が規則的に配列して構成されてもよい。この高分子化合物21は、第2結着剤中の変性フッ素含有高分子化合物24を構成するフッ素含有樹脂22に含まれる反復単位がその反復単位として含まれる。これによって、負極活物質層17と密着層19との密着力がより強固になる。本発明の幹重合体22を構成する基本単位として用いられる反復単位は、高分子化合物21中に50分子量%以上の割合で含まれるのが好ましい。60〜100分子量%の割合で含まれるのがより好ましい。
【0019】
幹重合体22のところどころに変性物質23を枝重合体として配列して変性させるには、グラフト重合を用いる。幹重合体22には、PVdF、PVF、4フッ化エチレンポリマー、3フッ化エチレンポリマー、2フッ化エチレンポリマー、VdF−HFP共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、3フッ化塩化エチレンポリマー及びポリテトラフルオロエチレンからなる群より選ばれた少なくとも1種のフッ素含有樹脂が含まれる。また変性物質23には、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルの少なくとも1種が挙げられる。これらの変性物質を用いることで、密着層は負極集電体と良好な密着性を得ることができる。
特に、幹重合体22をPVdF又はVdF−HFP共重合体のいずれか一方又は双方を含む混合物とし、変性物質23をアクリル酸とした変性フッ素含有高分子化合物24は、PVdF又はVdF−HFP共重合体のいずれか一方又は双方を含む混合物が負極活物質層と高い密着性を有し、アクリル酸が負極集電体材料と高い密着性を有するため、密着層中の第2結着剤に含まれる変性フッ素含有高分子化合物として優れた性質を有する。
【0020】
グラフト重合させる方法としては放射線法がある。放射線法では、幹重合体22となるフッ素含有樹脂と枝重合体となる変性物質とを混合して、混合物に放射線を連続的又は間欠的に放射することにより重合でき、変性物質とフッ素含有樹脂とを接触させる前にフッ素含有樹脂を予備放射することが好ましい。具体的には、フッ素含有樹脂に放射線を照射した後で、前記被照射物に変性物質を混合することにより、フッ素含有樹脂を幹重合体とし変性物質を枝重合体とした変性フッ素含有高分子化合物を得ることができる。グラフト重合に用いる放射線にはγ線を使用する。フッ素含有樹脂への吸収線量が1〜90kGyになるようにγ線を照射する。幹重合体となるフッ素含有樹脂に放射線を照射することにより片末端にラジカルが形成され、変性物質が重合し易くなる。
図3(a)に示すように、変性フッ素含有高分子化合物を構成する幹重合体22は、図2中の第1結着剤に含まれる高分子化合物21の繰返し単位Aを基本単位とする。幹重合体の基本単位は、図3(a)に示すように1種類でもよいし、図示しないが2種類以上の基本単位を用いてもよい。この基本単位は幹重合体中に50分子量%以上の割合で含まれることが好ましい。60〜100分子量%の割合で含まれるのがより好ましい。図3(b)に示すように、この幹重合体22に放射線を照射して基本単位Aの片末端のところどころにラジカル22aを形成する。図3(c)に示すように、ラジカルを形成した幹重合体22に変性物質23(図3中のC)を接触させることにより、ラジカル部分22aに変性物質23が配列して変性フッ素含有高分子化合物24が形成される。変性物質23は変性フッ素含有高分子化合物中に2〜50分子量%の割合で含まれることが好ましい。5〜30分子量%の割合で含まれるのがより好ましい。
グラフト重合は活性化した幹重合体となる樹脂が枝重合体となる変性物質と接触している時間の長さ、放射線による予備活性の程度、枝重合体となる変性物質が幹重合体となる樹脂を透過できるまでの程度、樹脂及び変性物質が接触しているときの温度等によりそれぞれ重合生成が異なる。変性物質が酸である場合、変性物質である化合物を含有する溶液をサンプリングして、アルカリにより滴定し、残留する酸化合物濃度を測定することにより、グラフト化の程度を観測することができる。得られた組成物中のグラフト化の割合は、最終重量の2〜50分子量%が望ましい。
【0021】
変性フッ素含有高分子化合物24の幹重合体22がフッ化ビニリデンであるとき、フッ化ビニリデンが変性フッ素含有高分子化合物24に95重量%〜60重量%の割合で含まれるのが好ましい。
第2結着剤は密着層19固形物全体に対して5〜40重量%の割合で含まれる。好ましくは密着層19固形物全体に対して10〜30重量%の割合である。下限値未満であると密着性が得られず、上限値を越えると導電性が悪くなる。
【0022】
負極活物質層17に含まれる無機質粒子はSi、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素が単体、酸化物又は他の金属との合金、単体とリチウムとの合金、及びこれらの金属、リチウムを含む多元合金で構成される。この無機物粒子はリチウムを吸蔵・放出可能な機能を有する。Siをベースにした無機質粒子としては、Si単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、Ca、Fe、Ni、Co、Mn、Mg等と形成するSiシリサイド、シリコンオキシカーバイド、シリコンカーバイド等が挙げられる。この無機質粒子の平均粒径は0.1〜50μmである。好ましい平均粒径は0.2〜20μmである。活物質層17に含まれる無機質粒子の割合は活物質層固形物全体の5〜95重量%である。好ましくは活物質層固形物全体の10〜90重量%である。
【0023】
本発明のリチウムイオン二次電池は、図1に示すように、正極11と負極14と電解質18とを備える。正極11は、正極集電体12の表面に正極活物質層13が形成されて構成される。負極14は、負極集電体16の表面に第1結着剤と無機質粒子が含まれた負極活物質層17が形成されて構成される。負極集電体16と負極活物質層17との間には密着層19を有する。電解質18は、正極11の正極活物質層13と負極14の負極活物質層17との間に介装される。更に、密着層19には第1結着剤と同一又は異なる高分子化合物を含む第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含んだ構造を有する。
変性フッ素含有高分子化合物を含む第2結着剤が含有した密着層19は負極活物質層17への密着力が高くなる。また、変性フッ素含有高分子化合物は負極集電体との密着性が高い変性物質を枝重合体として配列させた化合物であるため、密着層19は負極集電体16への密着性が従来の結着剤を用いるより大幅に向上する。
【0024】
次に、本発明のリチウムイオンポリマー二次電池の製造手順を説明する。
先ず、前述した変性フッ素含有高分子化合物を密着層に用いる第2結着剤に含ませ、この第2結着剤を溶媒に溶解してポリマー溶液を作製し、ポリマー溶液中に導電性物質を分散させて密着層スラリーを調製する。導電性物質には粒径0.5〜30μm、黒鉛化度50%以上の炭素材が用いられる。第2結着剤と導電性物質との重量比(第3結着剤/導電性物質)が13/87〜50/50になるように混合して密着層のスラリーを調製する。溶媒にはジメチルアセトアミド、アセトン、ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリドン(以下、NMPという。)が用いられる。
次いで、シート状の正極及び負極集電体をそれぞれ用意する。負極集電体に調製した密着層スラリーをドクターブレード法により塗工及び乾燥し、乾燥後の密着層厚さが0.5〜30μmの密着層を有する負極集電体を形成する。乾燥後の負極の密着層厚さは1〜15μmが好ましい。シート状の正極集電体としてはAl箔が、負極集電体としてはCu箔がそれぞれ挙げられる。ここでドクターブレード法とは、キャリアフィルムやエンドレスベルト等のキャリア上に載せて運ばれるスリップの厚さをドクターブレードと呼ばれるナイフエッジとキャリアとの間隔を調整することによってシートの厚さを精密に制御する方法である。
【0025】
次に、正極活物質層、負極活物質層及び電解質層に必要な成分をそれぞれ混合して正極活物質層塗工用スラリー、負極活物質層塗工用スラリー及び電解質層塗工用スラリーをそれぞれ調製する。
得られた正極活物質層塗工用スラリーを正極集電体上にドクターブレード法により塗布して乾燥し、圧延することにより正極を形成する。また負極も同様にして、得られた負極活物質層塗工用スラリーを密着層を有する負極集電体上にドクターブレード法により塗布して乾燥し、圧延することにより負極を形成する。正極又は負極活物質層は乾燥後の厚さが、20〜250μmとなるように形成する。電解質層は得られた電解質層塗工用スラリーを剥離紙上に電解質層の乾燥厚さが10〜150μmとなるようにドクターブレード法により塗工及び乾燥し、剥離紙より剥がして形成する。また、電解質層塗工用スラリーを正極表面や負極表面に塗工及び乾燥して電解質層を形成してもよい。それぞれ形成した正極と電解質層と負極を順に積層し、積層物を熱圧着することにより、図1に示すように、シート状の電極体が形成される。
最後に、この電極体にNiからなる正極リード及び負極リードをそれぞれ正極集電体及び負極集電体に溶接し、開口部を有する袋状に加工したラミネートパッケージ材に収納し、減圧条件下で熱圧着により開口部を封止して、シート状のリチウムイオンポリマー二次電池が作製できる。
【0026】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、幹重合体としてPVdF粉末50gを、変性物質として15重量%アクリル酸水溶液260gをそれぞれ用意した。PVdF粉末をポリエチレン製パックに入れて真空パックし、PVdFへの吸収線量が50kGyとなるように60Coをγ線源としてγ線を照射した。γ線照射したPVdF粉末をポリエチレン製パックより取出して窒素雰囲気に移し、15重量%アクリル酸水溶液260g中にPVdF粉末を供給して80℃に保持し、アクリル酸水溶液と反応させた。反応中は反応溶液のサンプルを逐次採取し、この採取液に水酸化ナトリウムを用いて滴定を行い、PVdFと反応したアクリル酸量を算出した。アクリル酸の消耗量がPVdF重量の20.48%になった時点で反応を止めて、得られた固体状生成物を純水で洗浄して乾燥させ、変性フッ素含有高分子化合物を得た。得られた変性フッ素含有高分子化合物はアクリル酸グラフト化PVdF(Acrylic Acidgrafting PolyVinylidene Fluoride、以下、AA−g−PVdFという。)であり、この化合物中の変性物質割合は17重量%であった。
【0027】
次いで、得られた変性フッ素含有高分子化合物を2g採取し、このサンプルにNMP28gを添加し、攪拌してポリマー溶液とした。この溶液に比表面積150m2/gの黒鉛粉末8g及びこの黒鉛粉末を分散させるための分散剤1.2gをそれぞれ添加し、更にNMP150gを加え、密着層スラリーを調製した。
次に、正極集電体として厚さ20μm、幅250mmのAl箔を用意した。また負極集電体として厚さ14μm、幅250mmのCu箔を用意し、このCu箔表面にそれぞれ調製した密着層スラリーをドクターブレード法により塗工及び乾燥し、乾燥後の密着層厚さを10±1μmの範囲内に制御した。
次に、表1に示される各成分をボールミルで2時間混合することにより、正極活物質層塗工用スラリー、負極活物質層塗工用スラリー及び電解質層塗工用スラリーをそれぞれ調製した。
【0028】
【表1】
【0029】
得られた負極活物質層塗工用スラリーを密着層を有するCu箔表面に負極活物質層の乾燥厚さが80μmとなるようにドクターブレード法により塗工及び乾燥し、圧延することにより負極を形成した。同様に、正極活物質層塗工用スラリーをAl箔表面に塗工及び乾燥し、圧延することにより正極を形成した。更に電解質層塗工用スラリーを乾燥厚さが50μmになるように上記正極にドクターブレード法により塗工し、電解質層を有する正極と負極を積層して熱圧着することにより、シート状の電極体を作製した。作製した電極体にNiからなる正極リード及び負極リードをそれぞれ正極集電体、負極集電体に溶接し、開口部を有する袋状に加工したラミネートパッケージ材に収納し、減圧条件下で開口部を熱圧着して封止し、シート状電池を作製した。
【0030】
<実施例2>
変性物質を構成する材料としてメタクリル酸を用いて合成を行い、得られたメタクリル酸グラフト化PVdF(Methacrylic Acid grafting PolyVinylidene Fluoride、以下、MA−g−PVdFという。)を変性フッ素含有高分子化合物として用いた以外は実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
<実施例3>
幹重合体を構成する材料としてVdF−HFP共重合体粉末を用いて合成を行い、得られたAA−g−VdF−HFPを変性フッ素含有高分子化合物として用いた以外は実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
【0031】
<実施例4>
PVdFへの吸収線量が70kGyとなるようにγ線を照射し、変性フッ素含有高分子化合物中の変性物質割合を20重量%として合成を行い、得られたAA−g−PVdFを変性フッ素含有高分子化合物として用いた以外は実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
<実施例5>
実施例1で得られた変性フッ素含有高分子化合物を4g採取して密着層スラリーを調製した以外は実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
【0032】
<比較例1>
負極活物質層とCu箔との間に密着層を設けず、負極活物質層の結着剤としてPVdFを用いた以外は実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
<比較例2>
負極活物質層の結着剤としてVdF−HFP共重合体を用いた以外は比較例1と同様にしてシート状電池を作製した。
<比較例3>
負極活物質層の結着剤としてPVdFとVdF−HFP共重合体が重合比1:1の割合で含まれる混合物を用いた以外は比較例1と同様にしてシート状電池を作製した。
【0033】
<比較評価>
実施例1〜5及び比較例1〜3でそれぞれ得られたシート状電池を用いて以下の評価試験を行った。
▲1▼ 電池の密着層に用いられる場合の電池のサイクル容量維持特性試験
得られたシート状の電池を充放電サイクル試験にかけ、最大充電電圧4V、充電電流0.5Aの条件で2.5時間の充電を行う充電工程と、0.5Aの定電流放電で放電電圧が最低放電電圧となる2.0Vまで放電を行う放電工程とを1サイクルとして充放電サイクルを繰返し、各サイクルの充放電容量をそれぞれ測定して、3サイクル目の放電容量保持率((3サイクル目の放電容量/初期放電容量)×100)を求めた。
【0034】
▲2▼ 密着層の集電体及び活物質層に対する密着性試験
得られたシート状の電池に対して上記評価試験▲1▼と同様の条件での充放電サイクルを10サイクル行った。その後、10サイクルの充放電を終えたシート状電池の収納パッケージを除去し、電池の正極と負極を引き剥がしてそれぞれを分離した。実施例1〜5の電池は、分離した負極の密着層をピンセットでつまんで引っ張ったときに、密着層が集電体から剥離するか否か、密着層が活物質層から剥離するか否かをそれぞれ確認した。また、比較例1〜3の電池は、分離した負極をピンセットでつまんで引っ張ったときに、負極活物質層と負極集電体とが剥離するか否かを確認した。
【0035】
上記評価試験▲1▼及び▲2▼における評価結果を表2にそれぞれ示す。
【0036】
なお、表2中の密着性評価における記号は、次の意味である。◎:密着が大変良好である。○:部分的な剥離がある。×:完全に剥離されている。
【0037】
【表2】
【0038】
表2より明らかなように、評価試験▲1▼のサイクル容量維持特性試験では、比較例1〜3の電池の放電容量保持率は大幅に低下している。充放電によってSi粉末からなる活物質の膨張収縮が負極活物質と負極集電体の界面で発生する剥離を引起こす原因と考えられ、このような剥離が電池の活物質と集電体の間の電子の流れを止めてしまったので、3サイクル目の容量保持率を大幅に低下させたと考えられる。これに対して実施例1〜5の電池の放電容量保持率はそれぞれ高い値を示している。これは、実施例1〜5で得られた電池内の密着層に含まれる第2結着剤の接着特性が優れていたため、Si粉末からなる活物質の膨張収縮に起因する剥離を防止できたと考えられる。
また比較例1〜3の電池における評価試験▲2▼の10サイクル後における密着性試験では、負極集電体と負極活物質層とが完全に剥離してしまっていたが、実施例1〜5では、密着層は負極集電体から剥離し難く、負極集電体との接着が優れていることを示した。また、密着層は負極活物質層からも剥離し難く、活物質層との接着も優れていることを示した。
このように負極活物質層と負極集電体との間に密着層を設け、この密着層に導電性物質とともに変性フッ素含有高分子化合物を含む第2結着剤を含ませることによって、負極活物質層と負極集電体の接着を向上させ、無機質粒子を含む負極活物質層の体積変化に起因する剥離を防止することができることが判る。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、負極集電体の表面に第1結着剤と、Si、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む無機質粒子の双方をそれぞれ含む負極活物質層が形成されたリチウムイオン二次電池用負極の改良であり、その特徴ある構成は、負極集電体と負極活物質層との間に密着層を有し、密着層が第1結着剤に含まれる高分子化合物と同一又は異なる高分子化合物を含む第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含むところにある。第1結着剤と同一又は異なる高分子化合物を含む第2結着剤が含まれた密着層を負極活物質層と負極集電体との間に設けたことで、負極活物質層、負極集電体への密着力がそれぞれ高まるとともに、充放電に伴う無機質粒子を含む負極活物質層の体積変化による剥離を防止できる。また、第2結着剤に含まれる高分子化合物は負極集電体との密着性が高い変性物質を枝重合体として配列させた変性フッ素含有高分子化合物であるため、密着層は負極集電体への密着性が従来の結着剤を用いるより大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウムイオン二次電池の電極体を示す部分断面構成図。
【図2】第1結着剤を構成する高分子化合物の模式図。
【図3】変性フッ素含有高分子化合物の合成を示す模式図。
【符号の説明】
11 正極
12 正極集電体
13 正極活物質層
14 負極
16 負極集電体
17 負極活物質層
18 電解質層
19 密着層
Claims (15)
- 負極集電体(16)の表面に第1結着剤と、Si、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む無機質粒子の双方をそれぞれ含む負極活物質層(17)が形成されたリチウムイオン二次電池用負極において、
前記負極集電体(16)と前記負極活物質層(17)との間に密着層(19)を有し、
前記密着層(19)が前記第1結着剤に含まれる高分子化合物と同一又は異なる高分子化合物を含む第2結着剤と導電性物質の双方をそれぞれ含む
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。 - 第2結着剤がフッ素含有樹脂(22)を変性物質(23)により変性させて得られる変性フッ素含有高分子化合物(24)を含む請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 変性フッ素含有高分子化合物(24)がフッ素含有樹脂を幹重合体(22)とし、前記幹重合体(22)を変性物質(23)によりグラフト変性させて得られる高分子化合物である請求項2記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 変性フッ素含有高分子化合物(24)を構成する幹重合体(22)が、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、4フッ化エチレンポリマー、3フッ化エチレンポリマー、2フッ化エチレンポリマー、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、3フッ化塩化エチレンポリマー及びポリテトラフルオロエチレンからなる群より選ばれた少なくとも1種のフッ素含有樹脂を含む請求項3記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 変性フッ素含有高分子化合物(24)を構成する変性物質(23)が、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチルの少なくとも1種である請求項3記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 変性フッ素含有高分子化合物(24)を構成する幹重合体(22)がポリフッ化ビニリデン又はフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のいずれか一方又は双方を含む混合物であって、変性物質(23)がアクリル酸である請求項3ないし5いずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 第1結着剤に含まれる高分子化合物(21)が、第2結着剤に含まれる変性フッ素含有高分子化合物(24)を構成するフッ素含有樹脂(22)に含まれる反復単位をその反復単位として含む請求項1ないし6いずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 変性フッ素含有高分子化合物(24)の幹重合体(22)がフッ化ビニリデンであるとき、前記フッ化ビニリデンが変性フッ素含有高分子化合物(24)に95重量%〜60重量%の割合で含まれる請求項4又は6記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 第2結着剤が密着層固形物全体に対して5〜40重量%の割合で含まれる請求項1又は2記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 変性フッ素含有高分子化合物(24)はフッ素含有樹脂(22)と変性物質(23)が放射線照射処理によってグラフト化される請求項3記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- フッ素含有樹脂(22)への放射線照射処理はγ線照射によって行われ、前記フッ素含有樹脂のγ線の吸収線量が10〜90kGyである請求項10記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 無機質粒子はSi、Ge、Mg、Sn、Pb、Ag、Al、Zn、Cd、Sb、Bi及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素が単体、酸化物又は他の金属との合金、前記単体とリチウムとの合金、及びこれらの金属、リチウムを含む多元合金で構成される請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 無機質粒子の平均粒径が0.1〜50μmである請求項1又は12記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 活物質層(17)に含まれる無機質粒子の割合が活物質層固形物全体の5〜95重量%である請求項1、12又は13いずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 請求項1ないし14いずれか1項に記載の負極(14)を用いて作製したリチウムイオン二次電池。
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