JP2004067661A - ジカルボン酸誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、低級アルキル基を表わす。)
で示されるジカルボン酸誘導体の経済的により有利な製造方法を提供すること。
【解決手段】一般式(1)
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わし、X1はハロゲン原子を表わす。)
で示されるジハロコハク酸誘導体および一般式(2)
(式中、R1およびR2はそれぞれ上記と同一の意味を表わし、X2およびX3はそのいずれか一方が水素原子を、他方がハロゲン原子を表わす。)
で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つと一般式(3)
で示されるニトロフェノール類とを、塩基の存在下に反応させることを特徴とする一般式(4)で示されるジカルボン酸誘導体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジカルボン酸誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般式(4)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、低級アルキル基を表わす。)
で示されるジカルボン酸誘導体は、クロモン骨格を有する医農薬等の合成中間体として有用である(例えば非特許文献1参照。)。その製造方法としては、一般式(3)
で示されるニトロフェノール類と一般式(5)
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアセチレン誘導体とを反応させる方法(例えば非特許文献1参照。)が知られているが、一般式(5)で示されるアセチレン誘導体が比較的高価であるため、経済的により有利な製造方法の開発が望まれていた。
【0003】
【非特許文献1】
Aust.J.Chem.,48,677(1995)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者らは、経済的により有利なジカルボン酸誘導体の製造方法について鋭意検討したところ、安価で入手容易な一般式(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、低級アルキル基を表わし、X1はハロゲン原子を表わす。)
で示される化合物および一般式(2)
(式中、R1およびR2はそれぞれ上記と同一の意味を表わし、X2およびX3はそのいずれか一方が水素原子を、他方がハロゲン原子を表わす。)
で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つを原料とし、上記一般式(3)で示されるニトロフェノール類と反応させることにより、目的とするジカルボン酸誘導体が得られることを見出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、一般式(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、低級アルキル基を表わし、X1はハロゲン原子を表わす。)
で示されるジハロコハク酸誘導体および一般式(2)
(式中、R1およびR2はそれぞれ上記と同一の意味を表わし、X2およびX3はそのいずれか一方が水素原子を、他方がハロゲン原子を表わす。)
で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つと一般式(3)
で示されるニトロフェノール類とを、塩基の存在下に反応させることを特徴とする一般式(4)
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるジカルボン酸誘導体の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
まず、一般式(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、低級アルキル基を表わし、X1はハロゲン原子を表わす。)
で示されるジハロコハク酸誘導体(以下、ジハロコハク酸誘導体(1)と略記する。)について説明する。
【0007】
前記ジハロコハク酸誘導体(1)において、R1およびR2で示される低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。また、X1で示されるハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0008】
かかるジハロコハク酸誘導体(1)としては、例えば2,3−ジクロロコハク酸ジメチル、2,3−ジブロモコハク酸ジメチル、2,3−ジヨードコハク酸ジメチル、2,3−ジクロロコハク酸ジエチル、2,3−ジブロモコハク酸ジエチル、2,3−ジヨードコハク酸ジエチル、2,3−ジクロロコハク酸ジ(n−プロピル)、2,3−ジブロモコハク酸ジ(n−プロピル)、2,3−ジヨードコハク酸ジ(n−プロピル)、2,3−ジクロロコハク酸ジイソプロピル、2,3−ジブロモコハク酸ジイソプロピル、2,3−ジヨードコハク酸ジイソプロピル、2,3−ジクロロコハク酸ジ(n−ブチル)、2,3−ジブロモコハク酸ジ(n−ブチル)、2,3−ジヨードコハク酸ジ(n−ブチル)、2,3−ジクロロコハク酸ジイソブチル、2,3−ジブロモコハク酸ジイソブチル、2,3−ジヨードコハク酸ジイソブチル、2,3−ジクロロコハク酸ジ(sec−ブチル)、2,3−ジブロモコハク酸ジ(sec−ブチル)、2,3−ジヨードコハク酸ジ(sec−ブチル)、2,3−ジクロロコハク酸ジ(tert−ブチル)、2,3−ジブロモコハク酸ジ(tert−ブチル)、2,3−ジヨードコハク酸ジ(tert−ブチル)、2,3−ジクロロコハク酸ジ(n−ペンチル)、2,3−ジブロモコハク酸ジ(n−ペンチル)、2,3−ジヨードコハク酸ジ(n−ペンチル)、2,3−ジクロロコハク酸ジ(n−ヘキシル)、2,3−ジブロモコハク酸ジ(n−ヘキシル)、2,3−ジヨードコハク酸ジ(n−ヘキシル)等が挙げられる。
【0009】
かかるジハロコハク酸誘導体(1)は、フィッシャー投影式で表記した場合、置換基X1が反対側に配置される一般式(6)
または一般式(7)
(式中、R1、R2およびX1はそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
で示されるスレオ−ジハロコハク酸誘導体(以下、スレオ体と略記する。)と置換基X1が同一側に配置される一般式(8)
または一般式(9)
(式中、R1、R2およびX1はそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
で示されるエリスロ−ジハロコハク酸誘導体(以下、エリスロ体と略記する。)が存在するが、本反応には、スレオ体またはエリスロ体のいずれか一方を用いてもよいし、任意の割合のスレオ体およびエリスロ体の混合物を用いてもよい。本反応においては、エリスロ体よりもスレオ体の方が反応性が良好であるため、スレオ体を用いるか、またはスレオ体の含有割合の高いスレオ体とエリスロ体の混合物を用いることが好ましい。スレオ体含有割合の高いスレオ体とエリスロ体の混合物を用いる場合のスレオ体の含有割合としては、70重量%以上が好ましく、85重量%以上がより好ましい。
【0010】
かかるジハロコハク酸誘導体(1)は、市販されているものを用いてもよいし、例えば特開昭56−90017号公報記載の方法に準じて、ハロゲン化水素酸の存在下に、一般式(10)
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(10)と略記する。)とハロゲン化剤とを反応させることにより製造したものを用いてもよい。
【0011】
化合物(10)には、一般式(11)
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるフマル酸誘導体(以下、フマル酸誘導体(11)と略記する。)と一般式(12)
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるマレイン酸誘導体(以下、マレイン酸誘導体(12)と略記する。)が存在するが、そのいずれか一方を用いてもよいし、その両者の任意の割合の混合物を用いてもよい。
【0012】
前記したように、本反応には、スレオ体またはスレオ体の含有割合の高いスレオ体とエリスロ体の混合物を用いることが好ましいが、かかるスレオ体またはスレオ体の含有割合の高いスレオ体とエリスロ体の混合物は、ハロゲン化剤にマレイン酸誘導体(12)を加えて反応させることにより製造することができる。
【0013】
化合物(10)としては、例えばフマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジ(n−プロピル)、マレイン酸ジ(n−プロピル)、フマル酸ジイソプロピル、マレイン酸ジイソプロピル、フマル酸ジ(n−ブチル)、マレイン酸ジ(n−ブチル)、フマル酸ジイソブチル、マレイン酸ジイソブチル、フマル酸ジ(sec−ブチル)、マレイン酸ジ(sec−ブチル)、フマル酸ジ(tert−ブチル)、マレイン酸ジ(tert−ブチル)、フマル酸ジ(n−ペンチル)、マレイン酸ジ(n−ペンチル)、フマル酸ジ(n−ヘキシル)、マレイン酸ジ(n−ヘキシル)等が挙げられる。また、ハロゲン化剤としては、例えば塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0014】
ハロゲン化剤としては、例えば塩素、臭素等のハロゲン、例えば臭化テトラメチルアンモニウム・臭素付加体、ジオキサン・臭素付加体、ピリジン・ヒドロブロミド・ジブロミド付加体、ジベンゾ−18−クラウン−6・臭素錯体等のハロゲン付加体等が挙げられ、なかでも臭素が好ましい。かかるハロゲン化剤は、そのまま用いてもよいし、例えば反応に不活性な有機溶媒に溶解させて溶液として用いてもよい。
【0015】
反応に不活性な有機溶媒としては、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0016】
ハロゲン化剤の使用量は、マレイン酸誘導体(12)に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特にないが、多すぎても未反応のハロゲン化剤が増加し、経済的に不利になるため、実用的には、マレイン酸誘導体に対して、2モル倍以下、好ましくは1.5モル倍以下である。
【0017】
反応温度は、あまり低いと反応が進行しにくく、あまり高いとハロゲン化剤がロスしやすいため、通常0〜80℃、好ましくは20〜60℃である。
【0018】
反応は、反応に不活性な有機溶媒の存在下に実施してもよく、反応に不活性な有機溶媒としては、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、その使用量は特に制限されない。
【0019】
ハロゲン化剤に、マレイン酸誘導体(12)を加えて反応させることにより、スレオ体またはスレオ体の含有割合の高いスレオ体とエリスロ体の混合物を、収率よく得ることができる。マレイン酸誘導体(12)として、例えばマレイン酸ジメチルを用い、ハロゲン化剤として、臭素を用いた場合は、下記式(13)または式(14)
で示されるスレオ−ジブロモコハク酸ジメチルが選択的に得られる。
【0020】
ハロゲン化剤とマレイン酸誘導体(12)の反応においては、例えば用いるハロゲン化剤の全量を予め反応容器に仕込んでおき、マレイン酸誘導体(12)を加えてもよいし、用いるハロゲン化剤の一部を反応容器に仕込んでおき、これに残りのハロゲン化剤とマレイン酸誘導体(12)を並行して加えてもよい。マレイン酸誘導体(12)は、ハロゲン化剤に一気に加えてもよいが、連続的または間欠的に加えることが好ましい。
【0021】
反応終了後、通常反応液と、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を混合し、未反応のハロゲン化剤を除去した後、水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加え、分液処理することにより、スレオ体を含む有機層を得ることができる。該有機層から、有機溶媒を留去することにより、スレオ体を取り出すことができる。取り出したスレオ体は、例えばカラムクロマトグラフィ、再結晶、蒸留等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。なお、還元剤は、そのまま用いてもよいし、水溶液として用いてもよい。還元剤の水溶液を用いた場合には、分液処理の際に、水を加えなくてもよい。
【0022】
水に不溶の有機溶媒としては、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられ、その使用量は特に制限されない。
【0023】
続いて、一般式(2)
(式中、R1およびR2はそれぞれ上記と同一の意味を表わし、X2およびX3はそのいずれか一方が水素原子を、他方がハロゲン原子を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(2)と略記する。)について説明する。前記一般式(2)で示される化合物(以下、化合物(2)と略記する。)には、−CO2R1で示される基と−CO2R2で示される基とが、炭素−炭素二重結合に対して、同一側に配置されるE体(マレイン酸型構造)と反対側に配置されるZ体(フマル酸型構造)の幾何異性体が存在するが、本反応には、E体もしくはZ体のいずれか一方を用いてもよいし、E体およびZ体の混合物を用いてもよい。E体およびZ体の混合物を用いる場合、その混合割合は任意であるが、E体とZ体とでは、Z体の方が反応性が高いため、Z体単独を用いるか、Z体の含有割合の高いE体とZ体の混合物を用いることが好ましい。Z体の含有割合の高いE体とZ体の混合物を用いる場合のZ体の含有割合としては、70重量%以上が好ましく、85重量%以上がより好ましい。
【0024】
かかる化合物(2)としては、例えば2−クロロフマル酸ジメチル、2−クロロマレイン酸ジメチル、2−ブロモフマル酸ジメチル、2−ブロモマレイン酸ジメチル、2−ヨードフマル酸ジメチル、2−ヨードマレイン酸ジメチル、2−クロロフマル酸ジエチル、2−クロロマレイン酸ジエチル、2−ブロモフマル酸ジエチル、2−ブロモマレイン酸ジエチル、2−ヨードフマル酸ジエチル、2−ヨードマレイン酸ジエチル、2−クロロフマル酸ジ(n−プロピル)、2−クロロマレイン酸ジ(n−プロピル)、2−ブロモフマル酸ジ(n−プロピル)、2−ブロモマレイン酸ジ(n−プロピル)、2−ヨードフマル酸ジ(n−プロピル)、2−ヨードマレイン酸ジ(n−プロピル)、2−クロロフマル酸ジイソプロピル、2−クロロマレイン酸ジイソプロピル、2−ブロモフマル酸ジイソプロピル、2−ブロモマレイン酸ジイソプロピル、2−ヨードフマル酸ジイソプロピル、2−ヨードマレイン酸ジイソプロピル、
【0025】
2−クロロフマル酸ジ(n−ブチル)、2−クロロマレイン酸ジ(n−ブチル)、2−ブロモフマル酸ジ(n−ブチル)、2−ブロモマレイン酸ジ(n−ブチル)、2−ヨードフマル酸ジ(n−ブチル)、2−ヨードマレイン酸ジ(n−ブチル)、2−クロロフマル酸ジイソブチル、2−クロロマレイン酸ジイソブチル、2−ブロモフマル酸ジイソブチル、2−ブロモマレイン酸ジイソブチル、2−ヨードフマル酸ジイソブチル、2−ヨードマレイン酸ジイソブチル、2−クロロフマル酸ジ(sec−ブチル)、2−クロロマレイン酸ジ(sec−ブチル)、2−ブロモフマル酸ジ(sec−ブチル)、2−ブロモマレイン酸ジ(sec−ブチル)、2−ヨードフマル酸ジ(sec−ブチル)、2−ヨードマレイン酸ジ(sec−ブチル)、2−クロロフマル酸ジ(sec−ブチル)、2−クロロマレイン酸ジ(sec−ブチル)、2−ブロモフマル酸ジ(sec−ブチル)、2−ブロモマレイン酸ジ(sec−ブチル)、2−ヨードフマル酸ジ(sec−ブチル)、2−ヨードマレイン酸ジ(sec−ブチル)、2−クロロフマル酸ジ(tert−ブチル)、2−クロロマレイン酸ジ(tert−ブチル)、2−ブロモフマル酸ジ(tert−ブチル)、2−ブロモマレイン酸ジ(tert−ブチル)、2−ヨードフマル酸ジ(tert−ブチル)、2−ヨードマレイン酸ジ(tert−ブチル)、
【0026】
2−クロロフマル酸ジ(n−ペンチル)、2−クロロマレイン酸ジ(n−ペンチル)、2−ブロモフマル酸ジ(n−ペンチル)、2−ブロモマレイン酸ジ(n−ペンチル)、2−ヨードフマル酸ジ(n−ペンチル)、2−ヨードマレイン酸ジ(n−ペンチル)、2−クロロフマル酸ジ(n−ヘキシル)、2−クロロマレイン酸ジ(n−ヘキシル)、2−ブロモフマル酸ジ(n−ヘキシル)、2−ブロモマレイン酸ジ(n−ヘキシル)、2−ヨードフマル酸ジ(n−ヘキシル)、2−ヨードマレイン酸ジ(n−ヘキシル)等が挙げられる。
【0027】
かかる化合物(2)は、例えば前記ジハロコハク酸誘導体(1)と塩基を反応させることにより得ることができる。塩基としては、例えばトリエチルアミン等の有機塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等が挙げられ、その使用量は、ジハロコハク酸誘導体(1)に対して、通常1〜2モル倍である。この場合、反応条件等によっては、ジハロコハク酸誘導体(1)の一部が未反応のまま残存し、ジハロコハク酸誘導体(1)と化合物(2)との混合物が得られることもあるが、該混合物を後述する一般式(3)で示されるニトロフェノール類との反応に用いてもよい。
【0028】
続いて、前記ジハロコハク酸誘導体(1)および化合物(2)からなる群から選ばれる少なくとも一つと一般式(3)
で示されるニトロフェノール類(以下、ニトロフェノール類(3)と略記する。)とを、塩基の存在下に反応させて、一般式(4)
(式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるジカルボン酸誘導体(以下、ジカルボン酸誘導体(4)と略記する。)を製造する方法について説明する。
【0029】
ジハロコハク酸誘導体(1)または化合物(2)のいずれか一方とニトロフェノール類(3)とを、塩基の存在下に反応させてもよいし、ジハロコハク酸誘導体(1)と化合物(2)の混合物とニトロフェノール類(3)とを、塩基の存在下に反応させてもよい。
【0030】
ニトロフェノール類(3)としては、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノールおよび4−ニトロフェノールが挙げられる。
【0031】
ジハロコハク酸誘導体(1)および化合物(2)からなる群から選ばれる少なくとも一つとニトロフェノール類(3)のうち、いずれか一方を他方に対して1モル倍以上用いればよい。
【0032】
反応は、通常有機溶媒の存在下に実施され、有機溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等の非プロトン性極性溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、例えばアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばジメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばピリジン、5−エチル−2−メチルピリジン等のピリジン系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられ、好ましくは非プロトン性極性溶媒、芳香族炭化水素系溶媒およびハロゲン化炭化水素系溶媒の単独もしくは混合溶媒が挙げられる。その使用量は、ニトロフェノール類(3)に対して、通常2〜50重量倍である。
【0033】
塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、例えば水素化カルシウム等のアルカリ土類金属水素化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、例えばトリエチルアミン、ピリジン等の有機アミン類等の単独または混合物が挙げられ、アルカリ金属水素化物およびアルカリ金属炭酸塩が好ましく、アルカリ金属炭酸塩がより好ましい。
【0034】
塩基の使用量は、ジハロコハク酸誘導体(1)および化合物(2)からなる群から選ばれる少なくとも一つとニトロフェノール類(3)の使用量に応じて、適宜設定すればよい。例えばジハロコハク酸誘導体(1)とニトロフェノール類(3)とを反応させる場合であって、ニトロフェノール類(3)の使用量が少ないときの塩基の使用量は、ニトロフェノール類(3)に対して、通常2モル倍以上であり、ジハロコハク酸誘導体(1)の使用量が少ないときの塩基の使用量は、ジハロコハク酸誘導体(1)に対して、通常2モル倍以上である。また例えば化合物(2)とニトロフェノール類(3)とを反応させる場合であって、ニトロフェノール類(3)の使用量が少ないときの塩基の使用量は、ニトロフェノール類(3)に対して、通常1モル倍以上であり、化合物(2)の使用量が少ないときの塩基の使用量は、化合物(2)に対して、通常2モル倍以上である。塩基の使用量の上限は特にないが、あまり多いと経済的に不利になりやすいため、実用的には、ジハロコハク酸誘導体(1)および化合物(2)からなる群から選ばれる少なくとも一つとニトロフェノール類(3)のうち、使用量の少ない方に対して、10モル倍以下、好ましくは5モル倍以下である。
【0035】
反応温度は、通常20〜150℃である。また、反応は、通常有機溶媒中で、ジハロコハク酸誘導体(1)および化合物(2)からなる群から選ばれる少なくとも一つとニトロフェノール類(3)と塩基とを混合、接触させればよく、その混合順序は特に制限されないが、ニトロフェノール類(3)と塩基との混合物に、ジハロコハク酸誘導体(1)および化合物(2)からなる群から選ばれる少なくとも一つを混合することが好ましい。
【0036】
相間移動触媒を反応系に共存させることにより、反応をよりスムーズに進行させ、目的とするジカルボン酸誘導体(4)の収率を向上させることができる。
【0037】
相間移動触媒としては、例えば塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラ(n−プロピル)アンモニウム、塩化テトライソプロピルアンモニウム、塩化テトラ(n−ブチル)アンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム等の塩化第四級アンモニウム塩、例えば臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラ(n−プロピル)アンモニウム、臭化テトライソプロピルアンモニウム、臭化テトラ(n−ブチル)アンモニウム、臭化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化トリエチルベンジルアンモニウム等の臭化第四級アンモニウム塩、例えばヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラ(n−プロピル)アンモニウム、ヨウ化テトライソプロピルアンモニウム、ヨウ化テトラ(n−ブチル)アンモニウム、ヨウ化トリメチルベンジルアンモニウム、ヨウ化トリエチルベンジルアンモニウム等のヨウ化第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0038】
相間移動触媒を用いる場合の使用量は、ジハロコハク酸誘導体(1)および化合物(2)からなる群から選ばれる少なくとも一つとニトロフェノール類(3)のうち、使用量の少ない方に対して、通常0.005〜0.5モル倍、好ましくは0.01〜0.2モル倍である。
【0039】
反応終了後、ジカルボン酸誘導体(4)を含む反応液が得られ、例えば該反応液に水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加え、分液処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、ジカルボン酸誘導体(4)を取り出すことができる。取り出したジカルボン酸誘導体(4)は、通常の精製手段によりさらに精製することができる。
【0040】
ジカルボン酸誘導体(4)には、−CO2R1で示される基と−CO2R2で示される基が、炭素−炭素二重結合に対して、同じ側にあるマレイン酸誘導体と反対側にあるフマル酸誘導体の2つの幾何異性体が存在し、通常2つの幾何異性体の混合物が得られる。
【0041】
かくして得られるジカルボン酸誘導体(4)としては、例えば2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチル、2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチル、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジエチル、2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジエチル、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジ(n−プロピル)、2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジ(n−プロピル)、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジイソプロピル、2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジイソプロピル、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジ(n−ブチル)、2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジ(n−ブチル)、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジ(tert−ブチル)、2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジ(tert−ブチル)、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジ(n−ヘキシル)、2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジ(n−ヘキシル)、
【0042】
2−(3−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチル、2−(3−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチル、2−(3−ニトロフェノキシ)フマル酸ジエチル、2−(3−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジエチル、2−(3−ニトロフェノキシ)フマル酸ジ(n−プロピル)、2−(3−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジ(n−プロピル)、2−(3−ニトロフェノキシ)フマル酸ジイソプロピル、2−(3−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジイソプロピル、2−(3−ニトロフェノキシ)フマル酸ジ(n−ブチル)、2−(3−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジ(n−ブチル)、2−(3−ニトロフェノキシ)フマル酸ジ(tert−ブチル)、2−(3−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジ(tert−ブチル)、2−(3−ニトロフェノキシ)フマル酸ジ(n−ヘキシル)、2−(3−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジ(n−ヘキシル)、
【0043】
2−(4−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチル、2−(4−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチル、2−(4−ニトロフェノキシ)フマル酸ジエチル、2−(4−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジエチル、2−(4−ニトロフェノキシ)フマル酸ジ(n−プロピル)、2−(4−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジ(n−プロピル)、2−(4−ニトロフェノキシ)フマル酸ジイソプロピル、2−(4−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジイソプロピル、2−(4−ニトロフェノキシ)フマル酸ジ(n−ブチル)、2−(4−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジ(n−ブチル)、2−(4−ニトロフェノキシ)フマル酸ジ(tert−ブチル)、2−(4−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジ(tert−ブチル)、2−(4−ニトロフェノキシ)フマル酸ジ(n−ヘキシル)、2−(4−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジ(n−ヘキシル)等が挙げられる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、分析には、高速液体クロマトグラフィを用いた。
【0045】
実施例1
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温で、臭素1883重量部を仕込み、内温30℃に調整した。内温30〜40℃で、マレイン酸ジメチル1544重量部を4時間かけて滴下し、内温40℃で4時間攪拌、保持し、反応させた。その後、室温で、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液2228重量部に、反応液をゆっくり滴下し、臭素の残存を示す褐色が消えるまで攪拌した後、トルエン4884重量部を加え、分液処理した。得られた有機層を、10重量%炭酸ナトリウム水溶液1249重量部、次いで水2228重量部で洗浄した後、減圧条件下で濃縮処理し、ジブロモコハク酸ジメチル3179重量部の白色結晶を得た。含量は、98.4重量%、収率は、97%、スレオ/エリスロ比は、98/2であった。
【0046】
実施例2
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温で、クロロベンゼン36.3重量部を仕込み、臭素34.3重量部を滴下した。内温50℃に調整した後、マレイン酸ジメチル28.1重量部を1時間かけて滴下し、同温度で5時間攪拌、保持し、反応させた。その後、室温で、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液38重量部に、反応液をゆっくり滴下し、臭素の残存を示す褐色が消えるまで攪拌した後、分液処理した。得られた有機層を、10重量%炭酸ナトリウム水溶液30重量部、次いで水30重量部で洗浄し、ジブロモコハク酸ジメチル56.3重量部を含む有機層を得た。収率は、95%、スレオ/エリスロ比は、98/2であった。
【0047】
実施例3
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温で、臭素25重量部を仕込み、内温40℃に調整した。内温40〜45℃で、マレイン酸ジメチル20.5重量部を10時間かけて滴下し、内温40℃で2時間攪拌、保持し、反応させた。その後、室温で、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液24.2重量部に、反応液をゆっくり滴下し、臭素の残存を示す褐色が消えるまで攪拌した後、トルエン61.7重量部を加え、分液処理した。得られた有機層を、18重量%食塩水20.5重量部と混合した後、10重量%炭酸ナトリウム水溶液でpH5.4に調整した。水20.5重量部で洗浄した後、減圧条件下で濃縮処理し、ジブロモコハク酸ジメチルを含むトルエン溶液51.9重量部(ジブロモコハク酸ジメチル含量:80.0重量%)を得た。収率は、96%、スレオ体/エリスロ体比は、99/1であった。
【0048】
比較例1
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温で、マレイン酸ジメチル28.1重量部を仕込んだ。内温50℃に調整し、同温度で、臭素34.3重量部を2時間かけて滴下した後、同温度で6時間攪拌、保持し、反応させた。その後、室温で、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液38重量部に、反応液をゆっくり滴下し、臭素の残存を示す褐色が消えるまで攪拌した後、トルエン90重量部を加え、分液処理した。得られた有機層を、10重量%炭酸ナトリウム水溶液30重量部、次いで水30重量部で洗浄し、ジブロモコハク酸ジメチル56.6重量部を含む有機層を得た。収率は、96%、スレオ/エリスロ比は、62/38であった。
【0049】
実施例4
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温で、トルエン60重量部およびスルホラン20重量部を仕込み、さらに2−ニトロフェノール20重量部を加えた。これに、炭酸カリウム60重量部をゆっくり加え、内温100℃に昇温し、同温度で1時間攪拌、保持した。内温80℃に冷却し、臭化テトラ(n−ブチル)アンモニウム4.7重量部を加え、エリスロ−2,3−ジブロモコハク酸ジメチル50重量部とトルエン40重量部とからなる混合溶液を4時間かけて滴下し、同温度で7時間攪拌、保持し、反応させた。反応液を室温まで冷却し、水180重量部を加えて分液処理し、得られた有機層を5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで5重量%食塩水で洗浄した後、減圧条件下で濃縮し、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを含む油状物42.4重量部を得た。2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを合わせた含量:82.0重量%、2−ニトロフェノールに対する収率:86.1%。
【0050】
実施例5
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温で、トルエン9重量部およびN,N−ジメチルホルムアミド3重量部を仕込み、さらに2−ニトロフェノール3重量部を加えた。これに、炭酸カリウム8.9重量部をゆっくり加え、内温100℃に昇温し、同温度で1時間攪拌、保持した。内温80℃に冷却し、臭化テトラ(n−ブチル)アンモニウム0.7重量部を加え、エリスロ−2,3−ジブロモコハク酸ジメチル7重量部とトルエン6重量部とからなる混合溶液を2時間かけて滴下し、同温度で6時間攪拌、保持し、反応させた。反応液を室温まで冷却し、水40重量部を加えて分液処理し、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを含む有機層を得た(2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとの合計量:4.4重量部)。2−ニトロフェノールに対する収率:70.8%。
【0051】
実施例6
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温で、トルエン30重量部、エリスロ−2,3−ジブロモコハク酸ジメチル2.2重量部および2−ニトロフェノール1重量部を加えた。これに、炭酸カリウム4重量部および臭化テトラ(n−ブチル)アンモニウム0.23重量部を加え、内温60℃に昇温し、同温度で5時間、内温80℃で12時間、さらに内温100℃で1時間攪拌、反応させた。反応液を室温まで冷却し、水30重量部を加えて分液処理し、得られた有機層を5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで5重量%食塩水で洗浄した後、減圧条件下で濃縮し、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを含む油状物1.7重量部を得た。2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを合わせた含量:90.4重量%、2−ニトロフェノールに対する収率:74.3%。
【0052】
実施例7
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温で、N,N−ジメチルホルムアミド15重量部、エリスロ−2,3−ジブロモコハク酸ジメチル1.1重量部および2−ニトロフェノール0.5重量部を加えた。これに、炭酸カリウム2重量部を加え、内温60℃に昇温し、同温度で5時間攪拌、反応させた。反応液を室温まで冷却し、水30重量部を加えて分液処理し、得られた有機層を5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで5重量%食塩水で洗浄した後、減圧条件下で濃縮し、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを含む油状物0.72重量部を得た。2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを合わせた含量:88.9重量%、2−ニトロフェノールに対する収率:63.3%。
【0053】
実施例8
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温で、トルエン10重量部、エリスロ−2,3−ジブロモコハク酸ジメチル5.3重量部および2−ニトロフェノール2重量部を加えた。これに、炭酸ナトリウム4.6重量部および臭化テトラ(n−ブチル)アンモニウム0.47重量部を加え、内温80℃に昇温し、同温度で3時間、さらに内温100℃で5時間攪拌、反応させた。反応液を室温まで冷却し、水20重量部およびトルエン20重量部を加えて分液処理し、得られた有機層を5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで5重量%食塩水で洗浄した後、減圧条件下で濃縮し、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを含む油状物3.8重量部を得た。2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを合わせた含量:59.6重量%、2−ニトロフェノールに対する収率:55.7%。
【0054】
実施例9
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温でトルエン10.5重量部およびスルホラン3重量部を仕込み、さらに2−ニトロフェノール3重量部を加えた。これに、炭酸カリウム6重量部をゆっくり加え、内温100℃に昇温し、同温度で1時間攪拌、保持した。内温80℃に冷却し、臭化テトラ(n−ブチル)アンモニウム0.7重量部を加え、2−ブロモフマル酸ジメチルと2−ブロモマレイン酸ジメチルとを含む混合物5.5重量部とトルエン7.5重量部とからなる混合溶液を3時間かけて滴下し、同温度で5時間攪拌、保持し、反応させた。反応液を室温まで冷却し、水21重量部を加えて分液処理し、得られた有機層を5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで5重量%食塩水で洗浄した後、減圧条件下で濃縮し、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを含む油状物5.8重量部を得た。2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを合わせた含量:81.4重量%、2−ニトロフェノールに対する収率:77.7%。
【0055】
実施例10
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温でトルエン44.1重量部、スルホラン4.2重量部、炭酸カリウム21.1重量部および臭化テトラ(n−ブチル)アンモニウム2重量部を加えた。内温105℃に昇温した後、2−ニトロフェノール17重量部とトルエン17.3重量部からなる混合溶液を2時間かけて滴下した。同温度で1時間攪拌、保持した後、内温70℃に冷却し、スレオ−2,3−ジブロモコハク酸ジメチルとエリスロ−2,3−ジブロモコハク酸ジメチルとを含む混合物(スレオ体/エリスロ体比=98/2)40.1重量部とトルエン7.6重量部とからなる混合溶液を3時間かけて滴下し、同温度で7時間攪拌、保持し、反応させた。反応液を室温まで冷却し、水51重量部を加えて分液処理し、得られた有機層を5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで5重量%食塩水で洗浄した後、減圧条件下で濃縮し、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを含む油状物37.8重量部を得た。2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを合わせた含量:89.6重量%、2−ニトロフェノールに対する収率:98.7%。
【0056】
実施例11
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温でトルエン100重量部、スルホラン10重量部、炭酸カリウム49.7重量部および臭化テトラ(n−ブチル)アンモニウム4.7重量部を加えた。内温95℃に昇温した後、2−ニトロフェノール40.1重量部とトルエン40.1重量部からなる混合溶液を2時間かけて滴下した。同温度で1時間攪拌、保持した後、内温70℃に冷却し、スレオ−2,3−ジブロモコハク酸ジメチルとエリスロ−2,3−ジブロモコハク酸ジメチルとを含む混合物(スレオ体/エリスロ体比=86/14)102.8重量部とトルエン20重量部とからなる混合溶液を4時間かけて滴下し、同温度で5時間攪拌、保持し、反応させた。反応液を室温まで冷却し、水120重量部を加えて分液処理し、得られた有機層を5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで5重量%食塩水で洗浄した後、減圧条件下で濃縮し、2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを含む油状物93.9重量部を得た。2−(2−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(2−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを合わせた含量:83.5重量%、2−ニトロフェノールに対する収率:96.8%。
【0057】
実施例12
攪拌装置、冷却管および温度計を付した反応容器に、室温でトルエン101重量部、スルホラン10.1重量部、炭酸カリウム24.9重量部、臭化テトラ(n−ブチル)アンモニウム2.3重量部および4−ニトロフェノール20重量部を加えた。内温110℃に昇温した後、同温度で1時間攪拌、保持した。その後、内温70℃に冷却し、スレオ−2,3−ジブロモコハク酸ジメチルとエリスロ−2,3−ジブロモコハク酸ジメチルとを含む混合物(スレオ体/エリスロ体比=96/4)47.1重量部とトルエン20重量部とからなる混合溶液を2時間かけて滴下し、同温度で2時間攪拌、保持し、反応させた。さらに、内温85℃で4時間、内温95℃で3時間、内温105℃で3時間それぞれ攪拌、保持し、反応させた後、室温まで冷却した。水60重量部を加えて分液処理し、得られた有機層を5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで5重量%食塩水で洗浄した後、減圧条件下で濃縮し、2−(4−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(4−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを含む油状物41重量部を得た。2−(4−ニトロフェノキシ)フマル酸ジメチルと2−(4−ニトロフェノキシ)マレイン酸ジメチルとを合わせた含量:55.8重量%、4−ニトロフェノールに対する収率:56.9%。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、安価で入手容易な原料を用いて、医農薬合成中間体として有用なジカルボン酸誘導体を製造することができるため、経済的により有利である。
Claims (10)
- 一般式(1)で示されるジハロコハク酸誘導体が、スレオ−ジハロコハク酸誘導体またはスレオ−ジハロコハク酸誘導体の含有割合の高いスレオ−ジハロコハク酸誘導体とエリスロ−ジハロコハク酸誘導体の混合物である請求項1に記載のジカルボン酸誘導体の製造方法。
- スレオ−ジハロコハク酸誘導体の含有割合の高いスレオ−ジハロコハク酸誘導体とエリスロ−ジハロコハク酸誘導体の混合物中のスレオ体の含有割合が、70重量%以上である請求項2に記載のジカルボン酸誘導体の製造方法。
- 一般式(2)で示される化合物が、一般式(1)で示されるジハロコハク酸誘導体に塩基を反応させて得られた化合物である請求項1に記載のジカルボン酸誘導体の製造方法。
- 一般式(2)で示される化合物が、Z体またはZ体の含有割合の高いZ体とE体の混合物である請求項1に記載のジカルボン酸誘導体の製造方法。
- Z体の含有割合の高いZ体とE体の混合物中のZ体の含有割合が、70重量%以上である請求項5に記載のジカルボン酸誘導体の製造方法。
- 一般式(3)で示されるニトロフェノール類が、2−ニトロフェノールである請求項1に記載のジカルボン酸誘導体の製造方法。
- ハロゲン化剤に、マレイン酸誘導体を加えて反応させることを特徴とするスレオ−ジハロコハク酸誘導体の製造方法。
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