JP2004049033A - 2型糖尿病の診断又は検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒトアディポネクチン遺伝子の276番の1塩基多型を同定することを特徴とする2型糖尿病の診断又は検査方法。
【効果】本発明によれば、日本人に特に多い2型糖尿病及びその発症リスクが的確に診断又は検査することができる。また、インスリン抵抗性を伴う2型糖尿病及びその発症リスクが的確に診断できることから、その治療手段の選択も容易となる。
【選択図】 なし
【効果】本発明によれば、日本人に特に多い2型糖尿病及びその発症リスクが的確に診断又は検査することができる。また、インスリン抵抗性を伴う2型糖尿病及びその発症リスクが的確に診断できることから、その治療手段の選択も容易となる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒトアディポネクチン遺伝子の1塩基多型を同定することによる2型糖尿病の診断又は検査方法及び診断薬に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
2型糖尿病は、遺伝的素因を背景にして、インスリン分泌異常やインスリン抵抗性を有するヒトに対して、高脂肪食の摂取、運動不足、ストレス、肥満等の発症因子がかかったときに発症する、いわゆる多因病である。このように2型糖尿病は、1型糖尿病とは原因が大きく異なり、その診断及び治療は極めて困難である。
【0003】
特に我が国では、1型糖尿病に比べて2型糖尿病が多く、その診断法及び治療法の確立が望まれている。
従って、本発明は、2型糖尿病の新たな診断及び検査方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
最近の研究により、アディポネクチンの発現低下又は欠乏は、肥満インスリン抵抗性の原因であり、ひいては肥満及び2型糖尿病の原因であることが判明している(T. Yamauchi et al, Nature Medicine, Vol. 7, No.8(2001))。しかし、アディポネクチン遺伝子の1塩基多型と2型糖尿病との関係に関しては未だ報告されていない。
【0005】
そこで本発明者は、アディポネクチン遺伝子の1塩基多型に着目し、種々検討したところ、アディポネクチン遺伝子の276番の1塩基多型(SNP276)が、2型糖尿病、インスリン抵抗性及び血中アディポネクチン値と高い相関性を有し、当該SNP276を同定すれば2型糖尿病、特にインスリン抵抗性を伴う2型糖尿病の診断に有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、ヒトアディポネクチン遺伝子の276番の1塩基多型を同定することを特徴とする2型糖尿病の診断又は検査方法を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、ヒトアディポネクチン遺伝子の276番の1塩基多型を同定できる塩基長を有するポリヌクレオチドからなるプライマーを提供するものである。
また、本発明は、当該プライマーを含有することを特徴とする2型糖尿病診断薬を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
ヒトアディポネクチン遺伝子は、既にクローニングされており[Maeda, K et al, Biochem. Biophys. Res. Commun. 221, 286−296(1996)、Nakano, Y. et al,J. Biochem. (Tokyo)120, 802−812(1996)]、その塩基配列も知られている(NCBI Accession No. NT−005962)。
【0009】
本発明は、ヒトアディポネクチン遺伝子の276番の1塩基多型(以下、「SNP276」という)を同定して、2型糖尿病を診断又は検査するものである。後記実施例に示すように、2型糖尿病患者及び糖代謝正常者由来のDNAを用いてSNPスクリーニングを行った結果、10個の比較的頻度の高いSNPを同定した(表1)。そのうち、SNP276(G/G、G/T及びT/T)においては、SNP276G/G遺伝子型保持者は、T/T型遺伝子保持者に比べて有意に2型糖尿病発症リストが高いこと、インスリン抵抗性が高いこと及び血中アディポネクチン値が低いことが判明した。従って、当該SNP276を同定すれば、2型糖尿病が診断又は検査でき、インスリン抵抗性を伴う2型糖尿病であるか否かも診断又は検査できる。配列番号1にSNP276G型の1〜1410番の塩基配列を、配列番号2にSNP276T型の1〜1410番の塩基配列を示す。
【0010】
本発明の診断又は検査方法に用いる検体としては、遺伝子含有体液又は組織であればよいが、血液、汗、尿、スワブ(口腔内、鼻腔内、咽喉内等)、毛髪、糞便等が挙げられ、特に血液が好ましい。
【0011】
SNP276の同定法としては、直接シーケンス法、プライマーエクステンション法、PCR法が挙げられる。PCR法としては、ASA法(Allele−specific amplification)、PASA法(PCR amplification of specific alleles)、ASP法(allele−specific RCR)、ARMS法(amplification refractory mutation system)、ASO(allele−specific oligonucleotide)ハイブリダイゼーション法、RCR−RFLP(PCR restriction fragment length polymorphism)等が挙げられるが、このうち特に直接シーケンス法が好ましい。
【0012】
直接シーケンス法やPCR法を用いるSNP276の同定に用いられるプライマーとしては、当該SNP276を含むポリヌクレオチドが増幅されるような塩基長、例えば12塩基長以上、好ましくは12〜30塩基長のプライマーであればよいが、下記の配列を有するプライマーセットが望ましい。
【0013】
5′−AGAAAGCAGCTCCTAGAAGT−3′(配列番号3)
5′−GGCACCATCTACACTCATCC−3′(配列番号4)
【0014】
本発明の診断薬には、上記プライマーを含み、所望によりPCRに必要な緩衝液等が含まれる。
【0015】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】
A.方法
(対象者)
▲1▼60歳以上、▲2▼糖尿病の家族歴を持たない、▲3▼HbAlcが5.8%未満の3条件を満たす日本人糖代謝正常者480名並びに、WHOの基準に合致した日本人2型糖尿病患者384名から書面によるインフォームドコンセントを得て採血を行いDNAを抽出した。また本研究は東京大学大学院医学系研究科ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理審査委員会の承認を受けている。
【0017】
(SNPスクリーニング)
30名の2型糖尿病患者由来のDNAを利用し(80%の件出力でアリル頻度が0.026以上のSNPを同定可能)、直接シーケンス法によりアディポネクチン遺伝子を含む16kbの染色体領域についてSNPのスクリーニングを行った。
【0018】
(SNPタイピング)
同定したSNPについて2型糖尿病384名、糖代謝正常者480名を対象に直接シーケンス法あるいはPrimer Extension法によって遺伝子型を決定した。直接シーケンス法はBigDyeTerminator(Applied Biosystem社製)を用い、PRISM 3100 Genetic Analyzer(Applied Biosystem社製)によって泳動・検出を行った。Primer Extension法はSnaPshot(Applied Biosystem社製)を用いPRISM 3100 GeneticAnalyzer(Applied Biosystem社製)によって泳動・検出を行った。
【0019】
(生化学的検討)
インスリン抵抗性の評価はHOMA(homeostasis model assessment)の指標(インスリン抵抗性指標=((空腹時血糖値(mmol/L)×空腹時インスリン値(μU/mL))/22.5)を使用した。
【0020】
(統計学的検討)
ハプロタイプの頻度推定はEHソフトウェア(ftp://linkage. rockefeller. edu/software/eh)を使用した。各SNPの遺伝子型あるいはアリル頻度についてχ2検定によって糖尿病群と非糖尿病群で差があるか検定を行った。
【0021】
B.結果
(1)アディポネクチン遺伝子新規SNPの同定
計10個の比較的頻度の高い多型を同定した。全てのSNPについてHardy−Weinberg平衡にあった。また、頻度の低い(アリル頻度が1%以下)G84R、I164T、R221S、H241Pを同定した。頻度の高い多型は、次のとおりである。
SNP−11414(A−G)、SNP−11379(G−A)、SNP−11365(C−G)、SNP−4034(A−C)、SNP−3964(A−G)、SPN45(T−G)、SNP276(G−T)、SNP349(A−G)、SNP712(A−G)、SNP2019(A欠損−A挿入)。
アディポネクチン遺伝子におけるこれらの多型の存在部位を図1に示す。
【0022】
(2)アディポネクチン遺伝子SNPと2型糖尿病との相関
結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
新規に同定した比較的頻度の高い10個のSNPのうちSNP45(p=0.01)及びSNP276(p=0.007)と2型糖尿病との間に有意な相関を認めた。SNP45についてはG/G、G/T遺伝子型保持者はT/T遺伝子型保持者に比してそれぞれオッズ比で1.41(95%信頼区間1.06−1.88)、1.70(95%信頼区間1.09−2.65)、SNP276に関してはG/G遺伝子型保持者はT/T遺伝子型保持者に比して2.16(95%信頼区間1.22−3.95)と2型糖尿病発症リスクの有意な上昇を認めた。
【0025】
(3)アディポネクチン遺伝子SNPとインスリン抵抗性との相関
アディポネクチンはインスリン感受性物質であることからインスリン抵抗性とSNPとの関連を検討した。2型糖尿病発症リスクが上昇しているSNP276G/G遺伝子型保持者はT/T遺伝子型保持者に比してHOMAの指標が有意に高値(G/G:1.61±0.05, G/T:1.45±0.05, T/T:1.19±0.12, P=0.002)でインスリン抵抗性が上昇していた(図2)。SNP45とインスリン抵抗性指標との間には相関を認めなかった(G/G:1.56±0.11, G/T:1.48±0.06, T/T:1.52±0.05, P=0.787)。
【0026】
(4)アディポネクチン遺伝子SNPと血中アディポネクチン値との相関
SNP276の遺伝子型によってアディポネクチン遺伝子の発現が変化し血中アディポネクチン値に差があるかどうか検討を行った。これまでアディポネクチン値は肥満によって低下することが報告されているため、BMIによって3群に層別化した後SNP276と血中アディポネクチン値との相関を検討した。BMIが26.7以上の群において、2型糖尿病発症リスクが上昇しインスリン抵抗性が高いG/G遺伝子型保持者はT/T遺伝子型保持者に比して血中アディポネクチン値が有意に低いことが明らかとなった(G/G:10.4±0.85, G/T:13.7±0.87, T/T:16.6±2.24μg/mL, P=0.01)(図3)。
【0027】
以上よりSNP276はアディポネクチン低値を介してインスリン抵抗性を惹起し2型糖尿病の発症リスクを上昇させていると考えられた。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、日本人に特に多い2型糖尿病及びその発症リスクが的確に診断又は検査することができる。また、インスリン抵抗性を伴う2型糖尿病及びその発症リスクが的確に診断できることから、その治療手段の選択も容易となる。
【0029】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】アディポネクチン遺伝子のゲノム構造と多型の存在位置を示す図である。
【図2】SNP276遺伝子型とインスリン抵抗性との関係を示す図である。
【図3】BMIの群別におけるSNP遺伝子型と血中アディポネクチン値との関係を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒトアディポネクチン遺伝子の1塩基多型を同定することによる2型糖尿病の診断又は検査方法及び診断薬に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
2型糖尿病は、遺伝的素因を背景にして、インスリン分泌異常やインスリン抵抗性を有するヒトに対して、高脂肪食の摂取、運動不足、ストレス、肥満等の発症因子がかかったときに発症する、いわゆる多因病である。このように2型糖尿病は、1型糖尿病とは原因が大きく異なり、その診断及び治療は極めて困難である。
【0003】
特に我が国では、1型糖尿病に比べて2型糖尿病が多く、その診断法及び治療法の確立が望まれている。
従って、本発明は、2型糖尿病の新たな診断及び検査方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
最近の研究により、アディポネクチンの発現低下又は欠乏は、肥満インスリン抵抗性の原因であり、ひいては肥満及び2型糖尿病の原因であることが判明している(T. Yamauchi et al, Nature Medicine, Vol. 7, No.8(2001))。しかし、アディポネクチン遺伝子の1塩基多型と2型糖尿病との関係に関しては未だ報告されていない。
【0005】
そこで本発明者は、アディポネクチン遺伝子の1塩基多型に着目し、種々検討したところ、アディポネクチン遺伝子の276番の1塩基多型(SNP276)が、2型糖尿病、インスリン抵抗性及び血中アディポネクチン値と高い相関性を有し、当該SNP276を同定すれば2型糖尿病、特にインスリン抵抗性を伴う2型糖尿病の診断に有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、ヒトアディポネクチン遺伝子の276番の1塩基多型を同定することを特徴とする2型糖尿病の診断又は検査方法を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、ヒトアディポネクチン遺伝子の276番の1塩基多型を同定できる塩基長を有するポリヌクレオチドからなるプライマーを提供するものである。
また、本発明は、当該プライマーを含有することを特徴とする2型糖尿病診断薬を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
ヒトアディポネクチン遺伝子は、既にクローニングされており[Maeda, K et al, Biochem. Biophys. Res. Commun. 221, 286−296(1996)、Nakano, Y. et al,J. Biochem. (Tokyo)120, 802−812(1996)]、その塩基配列も知られている(NCBI Accession No. NT−005962)。
【0009】
本発明は、ヒトアディポネクチン遺伝子の276番の1塩基多型(以下、「SNP276」という)を同定して、2型糖尿病を診断又は検査するものである。後記実施例に示すように、2型糖尿病患者及び糖代謝正常者由来のDNAを用いてSNPスクリーニングを行った結果、10個の比較的頻度の高いSNPを同定した(表1)。そのうち、SNP276(G/G、G/T及びT/T)においては、SNP276G/G遺伝子型保持者は、T/T型遺伝子保持者に比べて有意に2型糖尿病発症リストが高いこと、インスリン抵抗性が高いこと及び血中アディポネクチン値が低いことが判明した。従って、当該SNP276を同定すれば、2型糖尿病が診断又は検査でき、インスリン抵抗性を伴う2型糖尿病であるか否かも診断又は検査できる。配列番号1にSNP276G型の1〜1410番の塩基配列を、配列番号2にSNP276T型の1〜1410番の塩基配列を示す。
【0010】
本発明の診断又は検査方法に用いる検体としては、遺伝子含有体液又は組織であればよいが、血液、汗、尿、スワブ(口腔内、鼻腔内、咽喉内等)、毛髪、糞便等が挙げられ、特に血液が好ましい。
【0011】
SNP276の同定法としては、直接シーケンス法、プライマーエクステンション法、PCR法が挙げられる。PCR法としては、ASA法(Allele−specific amplification)、PASA法(PCR amplification of specific alleles)、ASP法(allele−specific RCR)、ARMS法(amplification refractory mutation system)、ASO(allele−specific oligonucleotide)ハイブリダイゼーション法、RCR−RFLP(PCR restriction fragment length polymorphism)等が挙げられるが、このうち特に直接シーケンス法が好ましい。
【0012】
直接シーケンス法やPCR法を用いるSNP276の同定に用いられるプライマーとしては、当該SNP276を含むポリヌクレオチドが増幅されるような塩基長、例えば12塩基長以上、好ましくは12〜30塩基長のプライマーであればよいが、下記の配列を有するプライマーセットが望ましい。
【0013】
5′−AGAAAGCAGCTCCTAGAAGT−3′(配列番号3)
5′−GGCACCATCTACACTCATCC−3′(配列番号4)
【0014】
本発明の診断薬には、上記プライマーを含み、所望によりPCRに必要な緩衝液等が含まれる。
【0015】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】
A.方法
(対象者)
▲1▼60歳以上、▲2▼糖尿病の家族歴を持たない、▲3▼HbAlcが5.8%未満の3条件を満たす日本人糖代謝正常者480名並びに、WHOの基準に合致した日本人2型糖尿病患者384名から書面によるインフォームドコンセントを得て採血を行いDNAを抽出した。また本研究は東京大学大学院医学系研究科ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理審査委員会の承認を受けている。
【0017】
(SNPスクリーニング)
30名の2型糖尿病患者由来のDNAを利用し(80%の件出力でアリル頻度が0.026以上のSNPを同定可能)、直接シーケンス法によりアディポネクチン遺伝子を含む16kbの染色体領域についてSNPのスクリーニングを行った。
【0018】
(SNPタイピング)
同定したSNPについて2型糖尿病384名、糖代謝正常者480名を対象に直接シーケンス法あるいはPrimer Extension法によって遺伝子型を決定した。直接シーケンス法はBigDyeTerminator(Applied Biosystem社製)を用い、PRISM 3100 Genetic Analyzer(Applied Biosystem社製)によって泳動・検出を行った。Primer Extension法はSnaPshot(Applied Biosystem社製)を用いPRISM 3100 GeneticAnalyzer(Applied Biosystem社製)によって泳動・検出を行った。
【0019】
(生化学的検討)
インスリン抵抗性の評価はHOMA(homeostasis model assessment)の指標(インスリン抵抗性指標=((空腹時血糖値(mmol/L)×空腹時インスリン値(μU/mL))/22.5)を使用した。
【0020】
(統計学的検討)
ハプロタイプの頻度推定はEHソフトウェア(ftp://linkage. rockefeller. edu/software/eh)を使用した。各SNPの遺伝子型あるいはアリル頻度についてχ2検定によって糖尿病群と非糖尿病群で差があるか検定を行った。
【0021】
B.結果
(1)アディポネクチン遺伝子新規SNPの同定
計10個の比較的頻度の高い多型を同定した。全てのSNPについてHardy−Weinberg平衡にあった。また、頻度の低い(アリル頻度が1%以下)G84R、I164T、R221S、H241Pを同定した。頻度の高い多型は、次のとおりである。
SNP−11414(A−G)、SNP−11379(G−A)、SNP−11365(C−G)、SNP−4034(A−C)、SNP−3964(A−G)、SPN45(T−G)、SNP276(G−T)、SNP349(A−G)、SNP712(A−G)、SNP2019(A欠損−A挿入)。
アディポネクチン遺伝子におけるこれらの多型の存在部位を図1に示す。
【0022】
(2)アディポネクチン遺伝子SNPと2型糖尿病との相関
結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
新規に同定した比較的頻度の高い10個のSNPのうちSNP45(p=0.01)及びSNP276(p=0.007)と2型糖尿病との間に有意な相関を認めた。SNP45についてはG/G、G/T遺伝子型保持者はT/T遺伝子型保持者に比してそれぞれオッズ比で1.41(95%信頼区間1.06−1.88)、1.70(95%信頼区間1.09−2.65)、SNP276に関してはG/G遺伝子型保持者はT/T遺伝子型保持者に比して2.16(95%信頼区間1.22−3.95)と2型糖尿病発症リスクの有意な上昇を認めた。
【0025】
(3)アディポネクチン遺伝子SNPとインスリン抵抗性との相関
アディポネクチンはインスリン感受性物質であることからインスリン抵抗性とSNPとの関連を検討した。2型糖尿病発症リスクが上昇しているSNP276G/G遺伝子型保持者はT/T遺伝子型保持者に比してHOMAの指標が有意に高値(G/G:1.61±0.05, G/T:1.45±0.05, T/T:1.19±0.12, P=0.002)でインスリン抵抗性が上昇していた(図2)。SNP45とインスリン抵抗性指標との間には相関を認めなかった(G/G:1.56±0.11, G/T:1.48±0.06, T/T:1.52±0.05, P=0.787)。
【0026】
(4)アディポネクチン遺伝子SNPと血中アディポネクチン値との相関
SNP276の遺伝子型によってアディポネクチン遺伝子の発現が変化し血中アディポネクチン値に差があるかどうか検討を行った。これまでアディポネクチン値は肥満によって低下することが報告されているため、BMIによって3群に層別化した後SNP276と血中アディポネクチン値との相関を検討した。BMIが26.7以上の群において、2型糖尿病発症リスクが上昇しインスリン抵抗性が高いG/G遺伝子型保持者はT/T遺伝子型保持者に比して血中アディポネクチン値が有意に低いことが明らかとなった(G/G:10.4±0.85, G/T:13.7±0.87, T/T:16.6±2.24μg/mL, P=0.01)(図3)。
【0027】
以上よりSNP276はアディポネクチン低値を介してインスリン抵抗性を惹起し2型糖尿病の発症リスクを上昇させていると考えられた。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、日本人に特に多い2型糖尿病及びその発症リスクが的確に診断又は検査することができる。また、インスリン抵抗性を伴う2型糖尿病及びその発症リスクが的確に診断できることから、その治療手段の選択も容易となる。
【0029】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】アディポネクチン遺伝子のゲノム構造と多型の存在位置を示す図である。
【図2】SNP276遺伝子型とインスリン抵抗性との関係を示す図である。
【図3】BMIの群別におけるSNP遺伝子型と血中アディポネクチン値との関係を示す図である。
Claims (7)
- ヒトアディポネクチン遺伝子の276番の1塩基多型を同定することを特徴とする2型糖尿病の診断又は検査方法。
- 検体として遺伝子含有体液又は組織由来の遺伝子を用いるものである請求項1記載の診断又は検査方法。
- 該276番の1塩基多型が、G/G、G/T又はT/Tである請求項1又は2記載の診断又は検査方法。
- ヒトアディポネクチン遺伝子の276番の1塩基多型を同定できる塩基長を有するポリヌクレオチドからなるプライマー。
- 塩基長が少なくとも12塩基以上である請求項4記載のプライマー。
- 該276番の1塩基多型が、G/G、G/T又はT/Tである請求項4又は5記載のプライマー。
- 請求項4〜6のいずれか1項記載のプライマーを含有することを特徴とする2型糖尿病診断薬。
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|---|---|---|---|
| JP2002207803A JP2004049033A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | 2型糖尿病の診断又は検査方法 |
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| JP2002207803A JP2004049033A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | 2型糖尿病の診断又は検査方法 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004049033A true JP2004049033A (ja) | 2004-02-19 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2004049033A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006064457A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Yutaka Sasagawa | 糖尿病および糖代謝異常を判断する方法 |
| WO2007032496A1 (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-22 | The University Of Tokushima | 2型糖尿病の発症リスクの判定方法 |
-
2002
- 2002-07-17 JP JP2002207803A patent/JP2004049033A/ja active Pending
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| JP2006064457A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Yutaka Sasagawa | 糖尿病および糖代謝異常を判断する方法 |
| WO2007032496A1 (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-22 | The University Of Tokushima | 2型糖尿病の発症リスクの判定方法 |
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