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JP2003523308A - 免疫応答を調節するための方法およびデバイス - Google Patents

免疫応答を調節するための方法およびデバイス

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JP2003523308A
JP2003523308A JP2000534186A JP2000534186A JP2003523308A JP 2003523308 A JP2003523308 A JP 2003523308A JP 2000534186 A JP2000534186 A JP 2000534186A JP 2000534186 A JP2000534186 A JP 2000534186A JP 2003523308 A JP2003523308 A JP 2003523308A
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JP
Japan
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antigen
cells
mammal
immune response
immune
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Application number
JP2000534186A
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English (en)
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セラミ,アンソニー
セラミ,カーラ
ゲルバー,コヘイヴァ
ドーヴ,デイヴィッド
Original Assignee
アプライド ワクチン テクノロジーズ コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by アプライド ワクチン テクノロジーズ コーポレーション filed Critical アプライド ワクチン テクノロジーズ コーポレーション
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、免疫系の細胞に制御された様式で抗原を暴露する埋め込み型デバイスを用いて、該抗原に対する哺乳動物の免疫応答を誘導し、刺激し、ブロックし、低減するための方法およびデバイスを提供する。前記デバイスは有孔で不透過性の容器の中に多孔性マトリックスを含んでなる。前記デバイス内の抗原の生体利用能、および哺乳動物への該デバイスの埋め込み時期に対する前記デバイス内への抗原導入のタイミングを操作することにより、強力で長期の応答が抗原に対して誘導されるか、または既存のもしくは潜在的な免疫応答がダウンレギュレートまたはブロックされる。前記方法およびデバイスは治療的ワクチン接種のために、また、抗原に暴露されていない哺乳動物では予防的ワクチン接種のために使用することができる。免疫は細胞性、体液性または粘膜性であり得る。免疫応答の抑制はアレルギー、自己免疫疾患のような症状の治療または予防に有用であり、また、移植抗原に対する免疫応答を抑制するように哺乳動物を免疫寛容とするのに有用である。前記デバイスはまた、哺乳動物にあとで再導入するための免疫細胞を回収したり、免疫血清およびハイブリドーマを調製する際にも使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は一般に、哺乳動物において抗原に対する免疫反応を調節するための方
法であって、免疫系の細胞に対して制御された様式で抗原を曝露する埋め込み可
能なデバイスを用いるものに関する。リンパ節の組成および役割を模倣した人工
環境を作ることにより、およびデバイス内の抗原の生体利用能を操作することに
より、抗原に対する強度の応答が誘導され得るか、または現存の免疫応答がダウ
ンレギュレートされ得る。
【0002】発明の背景 抗原に対する免疫応答の誘導および応答の強度は、抗原と、多様なタイプの免
疫細胞と、補助的刺激分子(サイトカインおよびケモカインを含む)との間の複
雑な相互作用に依存している。免疫系細胞を抗原および補助的刺激環境へ曝露す
るタイミングおよび程度により、さらに免疫応答が調節される。体内では、これ
らの多様な細胞型および付加的な因子は、都合よくリンパ節などのリンパ系組織
に近接している。この過程に関与する数多くの細胞型のうち、抗原提示細胞(マ
クロファージ、樹状細胞など)が、末梢から局所の、組織化されたリンパ系組織
へ抗原を運び、抗原をプロセシングし、抗原性ペプチドをT細胞に提示し、そし
て補助的刺激分子を分泌する。このように、抗原が局在化された時差(staggere
d)方式でリンパ器官に到達した場合には、至適の濃度グラジエントの下で、お
よび補助的刺激分子を含む好適な環境下で、排出(draining)リンパ節において
応答が誘導される。
【0003】 この方式においては、例えばワクチン接種によって体内に導入された外来抗原
は、望ましい強度の免疫応答を生じさせたり、生じさせないことがある。ワクチ
ン接種に使用される抗原の例として、弱毒化され不活性化された細菌およびウイ
ルスならびにそれらの成分が挙げられる。ワクチン接種の成功は、一部には抗原
の型および量、免疫感作部位の位置、およびワクチン接種時の免疫系の状態に依
存する。全ての抗原が同じように免疫原性であるとは限らず、免疫原性が低い抗
原に関しては、免疫感作の効果を増加させるために利用し得る選択肢がほとんど
無い。実験動物においては、免疫反応の発生を増強するために、より免疫原性の
高いキャリア-タンパク質や生体分子(キーホールリンペットヘモシアニン等)
に抗原をコンジュゲート化すること、またはフロインドアジュバントやミョウバ
ン等のアジュバントを使用すること等の数多くの技術を利用し得る一方で、ヒト
のワクチン接種に関してはそのような技術およびアジュバントは利用できない。
このように、感染性病原体へ曝露される前にワクチン接種によって予防可能であ
ったり、また、治療用ワクチンの場合には、既存の病原体または癌等の細胞に対
する効果的な免疫応答の発生を誘導し得る数多くの疾病が、患者には間に合わな
い。
【0004】 スポンジ移植片の研究が、無菌膿瘍と呼ばれるものをもたらす異物に引き寄せ
られる免疫細胞集団を評価するために哺乳動物において行われてきた。スポンジ
は、引き寄せられた細胞をさらに研究するために埋め込みの前または後で抗原を
ロードされた。Valleraら(1982, Cancer Research 42:397-404)は、腫瘍細胞を
含むスポンジをマウスに埋め込み、引き寄せられる細胞の組成を16日間にわたっ
て調べ、初期には細胞傷害性細胞前駆体が存在し、細胞傷害性は16日目にピーク
となることを見出した。予め腫瘍細胞で免疫しておいたマウス中に埋め込まれた
腫瘍細胞含有スポンジでは、スポンジ中に細胞傷害性細胞がよりすみやかに現わ
れることが示された。何れの場合においても、脾臓、リンパ節または腹膜由来の
細胞は細胞傷害性を示さず、このことはスポンジ内の抗原に対する高度に局所的
な応答を示唆した。
【0005】 Jenskiら(1985, J. Immunol. Methods 85:153-161)は同様の条件を用いて、抗
原をロードしたスポンジを埋め込むことによって致死量以下の照射の後に同種骨
髄移植を受けたマウスにおいて細胞性免疫の回復を追跡した。免疫の回復は、ス
ポンジ中に回収された細胞の細胞傷害性Tリンパ球活性を経時的に測定すること
によって決定した。Zangemeister-Wittkeら(1989, J. Immunol. 143:379-385)
は、腫瘍免疫マウス中に埋め込まれたスポンジ中に腫瘍ワクチンを注入し、スポ
ンジ部位における二次免疫応答の発生をモニターした。埋め込まれたスポンジに
隣接したリンパ節においては、随伴する影響は見られなかった。
【0006】 Chenら(1994, Cancer Research 54:1065-1070)は、照射腫瘍細胞をロードし
たスポンジ移植片からT細胞を回収し、これらの細胞は、抗腫瘍活性を養子免疫
的に導入するために使用できることを示した。腫瘍反応性の細胞傷害性T細胞が
局所のリンパ節および脾臓と共にスポンジから回収される頻度は、腫瘍細胞をロ
ードしたスポンジ移植片を受容した動物において測定された。スポンジは、リン
パ節よりも4倍高く、脾臓よりも50倍高い頻度の腫瘍細胞反応性の細胞傷害性T細
胞を含んでいた。
【0007】 有効で利用可能なワクチンにおけるこれらの欠点を解決するために意義のある
研究が進行中であるが、治療技術および材料に関連した欠点が残存したままであ
る。それ故に、最近の免疫療法や予防的および治療的ワクチン接種などのような
治療方法に目下付随する問題点を克服する技術および治療法を開発すること、そ
れによって、健康な哺乳動物と免疫療法により利益を得るであろう哺乳動物の双
方を免疫することの有効性を向上させる、新規で有効かつ効率的な戦略の開発を
容易にすることが望ましい。さらに、特定の抗原または一連の抗原に対する免疫
応答を抑制する能力は、例えばアレルギーの治療および移植における拒絶反応の
防止において利点を提供する。従って、本発明は、これらのおよび同様の目的を
達成することに向けられる。
【0008】発明の概要 本発明に従って、有孔であるがその他の点では不透過性の容器内に含まれる多
孔性マトリックスからなるデバイスを哺乳動物の体内に埋め込むことによる、哺
乳動物において抗原に対する免疫応答を調節するための方法が提供される。抗原
(それに対する免疫応答が望まれている)は、デバイス中の多孔性マトリックス
中に存在する。該抗原は、埋め込む前にデバイス中にあってもよく、埋め込み後
にデバイス中に導入されてもよい。埋め込みの際にデバイスのマトリックス中に
ある抗原は、埋め込み後に生体利用可能となる生体利用可能でない形態で提供す
ることができる。該デバイスは、免疫系細胞を引き寄せ、デバイス内で抗原と出
会わせ、その出会いによって抗原に対する免疫応答が調節されるであろう。有孔
である容器は拡散バリアとして作用し、デバイス内で免疫細胞によって生成され
た高レベルのサイトカインおよびその他の補助的刺激因子を維持する。これらは
デバイス内の他の免疫細胞に曝露されると、所望の免疫応答の発生を増強する。
有孔であることにより、免疫細胞の進入および退出が可能となる。所望の免疫応
答には、細胞性免疫、粘膜性免疫および体液性免疫が含まれ、これらは健康な哺
乳動物と免疫療法により利益を得る哺乳動物の双方に適用可能である。
【0009】 例えば、本発明の実施において、哺乳動物内への埋め込みの前に少量の抗原が
本発明のデバイス内に供与される。好ましくは、抗原は、本デバイスの多孔性マ
トリックス中に、哺乳動物への埋め込みの約3日後に、導入されるかまたは生体
利用可能となる。抗原に対する強力な免疫応答が哺乳動物において誘導されるで
あろう。
【0010】 更なる実施形態においては、本デバイスは、最終的には体内で分解される生分
解性物質で構成される。あるいは本デバイスは、所望の効果を達成した後、体内
から取り出されてもよい。
【0011】 最も広い態様においては、本発明は、以下の特徴を有する、哺乳動物を免疫す
るための埋め込み可能なデバイスに及んでいる。すなわち、多孔性マトリックス
は有孔であるがその他の点では不透過性である容器内に含まれる;該デバイスは
さらに、埋め込み前から生体利用可能な形態でマトリックス内に存在するかもし
くは埋め込み後にマトリックス内で生体利用可能となるかのいずれかの抗原をさ
らに含んでいるか、または抗原はマトリックス中に埋め込み後に導入される。本
デバイス内での抗原の生体利用能は、例えば分解時に抗原をデバイスのマトリッ
クス中に放出するミクロスフェア、マイクロカプセルまたはリポソームにより提
供されるような遅延放出製剤等の、生体利用可能でない形態で抗原を提供するこ
となどにより制御し得る。
【0012】 更なる実施形態においては、本発明の方法およびデバイスは、特定の抗原に対
する免疫応答を抑制し、該抗原に対する免疫応答の発生を阻害する高濃度の特定
の抗原をデバイス内で用いることにより、哺乳動物内で該抗原に対する免疫応答
を減少またはダウンレギュレートするために使用し得る。サイトカインまたは他
の補助的刺激分子もまた、本デバイス内に供与され得る。
【0013】 本発明の方法およびデバイスの更なる用途には、養子免疫療法、能動免疫感作
を提供し、かつ免疫系を再構成することを目的として体内にその後再導入される
免疫細胞をデバイスから回収することが含まれる。さらなる使用には、ポリクロ
ーナル抗体(免疫血清)およびモノクローナル抗体の調製(ヒト免疫細胞を含む
動物におけるヒトモノクローナル抗体の調製を含む)における改良が含まれる。
【0014】 以下に明らかにされる通り、本明細書に記載された本発明を用いて、リンパ節
の組成および役割を模倣した人工的環境を作製することにより、およびデバイス
内の抗原の生体利用能を操作することにより、抗原に対する強力な免疫応答の発
生が達成される。特定の抗原に対する異なる条件の下で、現存する免疫応答をダ
ウンレギュレートすることができる。
【0015】発明の詳細な説明 本発明は、制御された様式で免疫系の細胞に抗原を曝露する埋め込み可能なデ
バイスを用いて、抗原に対する免疫応答を哺乳動物において調節する方法を提供
する。リンパ節の組成および役割を模した人工的な環境を作出すること、ならび
に該デバイス内での抗原の生体利用率を操作することにより、抗原に対する活発
な応答を誘導することができ、または存在する免疫応答をダウンレギュレートす
ることができる。該デバイスは、多孔性マトリックス、すなわちスポンジ様材料
を含んでなる。それは、有孔であるがその他の点では不透過性のコーティングも
しくはバリアーに取り囲まれるかまたはその中に含有されている。それを本明細
書においては「容器」と呼ぶ。有孔容器は、拡散バリアーとして働いて、該デバ
イス内の免疫細胞分泌産物の濃度を高く維持する。免疫応答を生じるかまたはダ
ウンレギュレートする抗原は、該デバイスが皮下に挿入される前または後のどち
らかにおいて、該デバイスの多孔性マトリックス内に存在する。活発な免疫応答
を誘導するためには、抗原が、該デバイスが挿入された後約3日目において、該
デバイスのマトリックス内で生体利用可能であるのが好ましい。これは、この時
間付近で抗原をデバイス内に注入すること、またはマトリックスが遅延放出形態
の抗原を含むデバイスを用いて、該抗原を約3日後に生体利用可能とすることに
より達成できる。特定の抗原に対する免疫応答をダウンレギュレートするかまた
は抑制するため、および特定の抗原に依存するためには、完全に生体利用可能な
抗原を該デバイス内に供給した後、哺乳動物に埋め込むのが好ましい。該デバイ
スが埋め込まれた後に抗原を該デバイス内に配置する場合には、シリンジまたは
皮下注射針を用いて、該デバイスの位置を同定し、該デバイス内に針を挿入する
ことにより、抗原を経皮的に該デバイス内に導入することができる。該デバイス
を体内に置いたままにもできるし、取り出すこともできる。それは、最終的には
体内で分解される生分解性材料で作ることができ、またはその所望の効果を達成
した後に取り出すこともできる。後にデバイス内に抗原を再導入することができ
る。該抗原は、該デバイス内で単独で用いることもできるし、アジュバントとと
もに用いることもでき、また、アジュバントの組合わせとともに用いることもで
きる。好ましくは、アジュバントは用いない。
【0016】 本発明は、多くの形態の免疫療法に改善をもたらす。ここでは、抗原に対する
望ましい免疫応答が生じるかまたは増大し、反対に、特定の抗原に対する現存の
免疫応答または免疫応答を生じる可能性を、それぞれ抑制または阻止することが
できる。免疫療法としては、特定の抗原に対して健康な哺乳動物にワクチンを接
種することなどのワクチン接種、および治療的ワクチン接種法が挙げられる。免
疫応答の阻止または抑制は、将来の移植レシピエント、アレルゲンに曝露される
ことが予想される哺乳動物、または外因性もしくは内因性の抗原に対する免疫応
答を生じやすい哺乳動物などの特定の抗原に出会う前の哺乳動物に適用できる。
免疫応答の抑制は、抗原に対するアレルギー応答もしくはアナフィラキシー応答
を有する哺乳動物、または移植片に対して拒絶反応を示す哺乳動物など、抗原に
対する曝露の後において有用であり得る。本発明の方法およびデバイスは、細胞
性免疫、体液性免疫、および粘膜性免疫を含むあらゆる形態の免疫に向けられて
いる。
【0017】 デバイスの構成およびその使用方法は、哺乳動物のリンパ組織、および特にリ
ンパ節の構造および機能をシミュレートしている。体内においては、導入された
外来抗原は、抗原提示細胞、マクロファージおよび樹状細胞により取り込まれ、
加工される。それらは、リンパ節に侵入し、MHC抗原とTリンパ球との特定のコン
フォメーションの抗原由来の免疫原性ペプチドを提示する。T細胞の特殊なサブ
セット(CD4-Th2)は、B細胞の補助をもたらし、高い親和性の体液性応答の発生を
支持する。B細胞は、抗原(特に複数ユニットの抗原またはリコール(recall)抗原
)と直接相互作用することができ、免疫化抗原に特異的な抗体を分泌する形質細
胞に分化する。抗原提示細胞はまた、サイトカイン、リンホカイン、およびケモ
カインを放出し、免疫応答の発生に共に関与する。デバイスの有孔容器の構成部
分は拡散バリアーを維持し、該デバイス内の、および該デバイス内の免疫細胞の
近くの抗原および免疫細胞分泌産物(サイトカインなど)のレベルを維持する。孔
は該デバイスからのこれらの分子の拡散を制限するが、デバイスの中および外へ
免疫細胞または他の細胞が自由に進入でき、出て行くことができる。活発な免疫
応答を誘導するには、ごく少量の抗原で十分であることがわかってきた。従って
、デバイス内に存在する抗原と、デバイス内の免疫細胞および補助的刺激分子と
の相互作用を最適化して抗原に対する免疫応答の発生を増強し、ならびに記憶細
胞集団を産生させることにより長期免疫が可能となる。
【0018】 本発明のデバイスの哺乳動物体内への埋め込みは、いわゆる無菌膿瘍をイニシ
エートし、免疫系の特定の細胞は異物に引き寄せられ、限られた数の孔に進入す
る。抗原が全く存在しなくても、最初の2、3日にわたって、デバイス内に蓄積
する細胞集団は増大する。3日目のデバイス内の抗原の生体利用率、およびマト
リックス内に存在する免疫系細胞と抗原との出会いによって、抗原は抗原提示細
胞に取り込まれ、加工されて、Tリンパ球に提示される。該デバイスは有孔容器
の利用により外側への曝露を制限するので、免疫細胞は進入できるが、抗原はデ
バイス内に保持されたままであり、該抗原の濃度およびデバイス内の細胞集団に
より分泌された補助的刺激因子の濃度は高く維持される。これはリンパ節内とほ
とんど同じ様式である。Tリンパ球が感作され、活性化されると、それらは、限
られた数の孔を通じてデバイスから出て行き、循環中に再進入することができる
。従って、該デバイスは、抗原の免疫系細胞への曝露を制御し、活発な免疫応答
の発生に必要なサイトカインおよび他の因子のレベルを維持するための手段を提
供する。下記の実施例に認められるように、該デバイスは特定の抗原に対する免
疫応答の発生に大規模な改善をもたらす。
【0019】 さらに論理的に考えると、大量の特定の抗原を含有する本発明のデバイスの埋
め込みは、上記とは反対の方法で機能することもできる。すなわち、該デバイス
は、抗原に対する現存のまたは潜在的な免疫応答をダウンレギュレートまたは抑
制することができる。過剰の抗原に対するT細胞の曝露は、見かけ上は抗原特異
的T細胞のアポトーシスをイニシエートし、従って、抗原特異的T細胞および前駆
細胞を排除し、抗原に対する細胞性応答および体液性応答をも効率的に抑制する
。抗原性刺激原に対するサイトカイン(IL-2、IL-4、γ-IFN、IL-12など)の添加
または無反応状態(すなわち、活性化状態が鎮まる前)のときの追加の抗原性刺激
原に対するT細胞の曝露を介したT細胞の超活性化は、細胞のアポトーシスおよび
抗原特異的レパートリーからの反応性クローン(BまたはT細胞)の排除の引き金を
弾く。本発明のデバイスを用いた免疫応答の刺激または抑制を達成するための適
当な濃度の特定抗原の選択は、当業者に公知であり、または容易に決定できるで
あろう。特定抗原の免疫原性、従って特定抗原の免疫抑制的および免疫刺激的な
用量の範囲を、当業界で公知のin vitroまたはin vivoの方法により決定するこ
とができる。
【0020】 さらに、本発明のデバイスを用いることにより達成される改善された免疫応答
は、動物の場合、通常はアジュバントの使用を含む伝統的な免疫法により達成可
能なものを凌駕する。理論的な根拠によると、デバイス内の免疫細胞およびその
補助的刺激因子に対する抗原単独の制御された曝露は、活発な免疫応答を達成す
るための最適な環境をもたらし、それはアジュバントの使用によって達成可能な
ものよりも優れているようである。
【0021】 免疫化は、インフルエンザ、HIV、パピローマ、肝炎、サイトメガロウイルス
、ポリオおよび狂犬病などのウイルス、大腸菌(E.coli)、シュードモナス(Pseud
omonas)、赤痢菌(Shigella)、梅毒、ミコバクテリア、クラミジア(Chlamydia)、
リケッチアおよび霊菌(Serratia marcescens)などの細菌、アスペルギルス(Aspe
rgillus)およびカンジダ(Candida)などの真菌、ならびに住血吸虫(Schistosoma)
、マラリア原虫(Plasmodium)、オンコセルカ(Onchocerca)およびアメーバ(ameo
bae)などの原虫および多細胞寄生虫などの多くの感染症因子に対する効果的な
予防法を提供する。免疫化はまた、治療用ワクチンを用いて既に感染症を患って
いる個体を治療する可能性をも提供する。さらに、癌などの非感染症を、免疫化
により予防または治療することができる。しかし、多くの抗原は免疫原性に乏し
く、免疫化はこれらの疾患の予防または治療のための適当な戦略であると証明さ
れていなかった。動物の免疫化に日常的に使用されるアジュバントは、免疫応答
を増大させるのには利用できない。さらに、個体または患者の免疫系は、別の健
康な個体においては活発な免疫応答を生じるであろう抗原に対して、最適に機能
して、免疫応答を生じさせることができない。これらの状況は、従来の免疫化方
法によってはそのような応答が可能でない場合、本発明のデバイスが活発な免疫
応答を刺激するための機会をもたらす。
【0022】 免疫応答の抑制はまた、アレルギーなどの特定の症状を治療するか、または移
植などの外来抗原への曝露のために患者を準備するのに望ましい。不適切な免疫
応答は、I型糖尿病、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、ブドウ膜炎、全身性エ
リテマトーデス、重症筋無力症、およびグレーヴズ病などの多くの自己免疫疾患
または他の疾患の根本的な病因であると考えられる。疑わしい抗原を含む本発明
のデバイスを個体中に埋め込むことにより、抗原を認識するように感作された細
胞の進入を誘導してアポトーシスを受けさせることができ、免疫系から排除する
ことができる。前駆抗原特異的細胞の排除により、後に拒絶反応のない外来抗原
の移植が可能となる。
【0023】 本発明のさらなる用途としては、実験動物におけるポリクローナル抗体(免疫
血清)およびモノクローナル抗体の作製における改善、ならびにそのようにして
作製した抗体の望ましいアイソタイプの取得が挙げられる。1つの実施形態にお
いては、ごく少量のみが利用可能な抗原に対するポリクローナル抗体(免疫血清)
およびモノクローナル抗体の調製方法を、本発明のデバイスにより実施すること
ができる。少量の稀な抗原を備えた該デバイスを提供して動物を免疫化すること
ができ、その後、脾臓細胞を回収することができる。この方法は、稀な抗原を脾
臓細胞に直接導入する現在の冗長で予測できない方法に改善をもたらす。さらに
、本発明のデバイスの使用により追加免疫の必要が無くなり、さらに、免疫応答
はより迅速に生じる。動物を免疫化するのに必要な時間の短縮により、より迅速
なモノクローナル抗体の作製が可能となる。別の実施形態においては、該デバイ
スに供給された抗原により動物を免疫化した後、該デバイスからハイブリドーマ
の作製のための免疫細胞を回収することができる。この方法は、本発明のデバイ
スを個体に埋め込み、該デバイスに抗原を充填し、その後ハイブリドーマの作製
のために該デバイスから免疫細胞を回収することによって、ヒトモノクローナル
抗体を作製するのにも用いることができる。上記のポリクローナル抗体(免疫血
清)およびモノクローナル抗体は、診断、基礎研究、画像診断、および/または
治療に用いることができる。別の実施形態においては、以下の手順により重症複
合型免疫不全(SCID)マウスに埋め込んだ本発明のデバイスを用いて、ヒトモノク
ローナル抗体を作製することができる。先ず、ヒト末梢血リンパ球をSCIDマウス
に注入すると、ヒトリンパ球はマウスの免疫系に居住する。埋め込み後の約3日
目の時点で生体利用可能な所望の抗原を含む本発明のデバイスの埋め込みの後、
続いて該デバイスから細胞を回収すると、ヒトBリンパ球が得られ、その後所望
の抗原に対するヒト抗体を分泌するハイブリドーマを調製するのに用いることが
できる。
【0024】 本発明のデバイスのさらなる用途は、哺乳動物への後の再導入のために哺乳動
物から免疫細胞を採集することにある。例えば、埋め込んだデバイスからの吸引
またはポリマーマトリックスを溶解することにより体内から取り出した後の該デ
バイスからの採集によって、細胞を該デバイスから取り出し、続いて、例えば凍
結保存によって細胞を保存し、そして後の時点で哺乳動物に再導入することがで
きる。これは、全身放射線療法を受けている哺乳動物にとって特に有用である。
抗原を含有していない本発明のデバイスを埋め込んで7〜10日間維持することが
でき、続いて該デバイスまたはその内容物を取り出し、そこに含まれる細胞を凍
結保存することができる。放射線療法の後、哺乳動物の体内に細胞を再導入する
ことができ、それにより該細胞は免疫系を再構成する。この用途の別の実施形態
においては、免疫細胞の増殖を誘導するサイトカインなどの補助的刺激因子を該
デバイス内に導入して、回収前の該デバイス内の細胞収率を増大させることがで
きる。さらなる実施形態においては、抗原を供給されたデバイスから採集した免
疫細胞を、能動免疫に用いることができ、該細胞を保存し、その後、例えば、化
学療法のコースまたは他の治療操作の後に哺乳動物に再導入することができる。
さらなる実施形態においては、デバイスから採集した細胞を凍結保存し、採用し
ようとする免疫療法のために、後の時点で抗原(例えば、癌抗原)に曝露して、
体内に導入する前にT細胞をex vivoで増殖させることができる。
【0025】 本発明の別の用途においては、該デバイスを用いてデバイス内の免疫細胞を遺
伝子でトランスフェクトすることができる。トランスフェクトされた免疫細胞は
、デバイス内の免疫細胞を感作することができ、および/または該デバイスから
移動した後、遠くの器官の免疫細胞を感作することができる。例えば、腫瘍特異
的抗原またはウイルス、細菌、もしくは寄生虫抗原をコードするDNA、RNA、また
はcDNAを該デバイス内に配置することができる。このとき、対応するタンパク質
抗原はあってもなくてもよい。デバイス内に進入する抗原提示細胞を、該遺伝子
でトランスフェクトすると、抗原タンパク質を発現し、体内の末梢部位に移動し
、そこで免疫細胞を刺激する。
【0026】 本発明のデバイスは、当業者に公知の方法により製造することができ、その構
成が本明細書に記載の方法においてそれを機能させることができる限りは、大き
さおよび形状を変えることができる。上記のように、該デバイスは、デバイス内
に導入された抗原、ならびにデバイス内の免疫細胞により分泌されるサイトカイ
ンおよび他の因子などの小分子に対する拡散バリアーを提供するが、免疫細胞は
デバイスの中に進入することができ、外へ出て行くことができる。従って、タン
パク質および他の小分子の受動的な拡散は制限されるが、免疫細胞はデバイスの
内外に能動的に移動する。1つの実施形態においては、皮膚の小さな切り口への
都合のよい挿入および後の取り出しのためのデバイスを、必要に応じて、短いセ
グメントの中空で生物学的に不活性なプラスチックチューブ(シリコンチューブ
など)から作ることができる。多孔性ポリマーマトリックス、すなわちスポンジ
様材料を、チューブの孔にはめ込む。開いた末端部は、密封してもしなくてもよ
い。少数の孔をチューブの壁の中に作る。孔の数、形状、大きさの変化は本発明
の範囲内に含まれる。抗原は、チューブの一端またはチューブ自身の壁を通して
製造中にマトリックス中に組み入れるかまたはマトリックス内に注入することに
より、抗原の溶液もしくは懸濁液の形態、または抗原の生体利用不可能な形態で
導入することができる。
【0027】 抗原をデバイスのマトリックスに直接供給することができ、これを、本明細書
においては、「生体利用可能な形態」もしくは「完全に生体利用可能な形態」と
呼ぶ。または、抗原を非生体利用可能な形態で供給することができ、続いて生体
利用可能とすることもできる。制御された放出、徐放性放出、または遅延性放出
の特徴を提供する製剤中への抗原の組み込みが適している。そのような方法およ
び製剤としては、マイクロカプセル化、リポソーム、およびマイクロスフェアな
どが挙げられる。抗原に対する免疫応答を刺激または増大させるためには、製剤
化した抗原が、埋め込み後約3日目において、デバイスのマトリックス内で生体
利用可能となるのが好ましい。適当な放出製剤は当業界で公知である。
【0028】 別の実施形態においては、ポリマーマトリックス材料からデバイスを作製し、
所望の形状の最終デバイスにすることができ、不透過性のコーティングをデバイ
スの表面に施すことができる。続いて孔を作ることができる。あるいは、特定の
多孔度および架橋度を有するポリマーマトリックスを、所望の形状のデバイスに
成形し、次に、デバイスの表面でポリマーをさらに架橋するための作用物質でそ
の外側を処理して、不透過性のコーティングまたは容器を効率的に形成すること
ができる。続いて、コーティングを穿孔し、抗原を導入することができる。紫外
線治療性ポリマーを使用する場合、表面紫外線処理はデバイスの表面のポリマー
化の増大に影響することもある。当業者は前記性質を有する適当なデバイスを容
易に設計できるので、本明細書に提供される実施例は限定を意図するものではな
い。
【0029】 該デバイスを構成する材料は、様々な適当な天然または合成の組成物から選択
され得る。1つの実施形態においては、ヒドロキシル化酢酸ポリビニルなどの生
物学的に適合性のある材料であり得る。別のマトリックスとしてはポリウレタン
があり、広く利用できる。他の適当な材料としては、エチレン/酢酸ビニルコポ
リマー、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクチド−グリコリドコポリマー、
コラーゲン、架橋コラーゲン、およびゼラチンなどが挙げられる。
【0030】 上記のように、ポリマーマトリックスの周りに有孔であるがその他の点では不
透過性のバリアーまたはコーティングを施すことは、多くの手段によって達成す
ることができる。1つの実施形態においては、ポリマーマトリックスのセグメン
トを、シリコンチューブなどの生物学的に適合性のあるプラスチックチューブの
短いセグメントの管腔内に配置する。1つの例においては、内径0.15 cm、外径0
.2 cmのチューブの2.5 cmのセグメントを、予め湿らせたヒドロキシル化ポリ酢
酸ビニルマトリックスの対応する2.5 cmのセグメントにはめ込む。他の例におい
ては、バリアーまたはコーティングを、プラスチックまたは他のポリマー(ポリ
エチレン、架橋コラーゲン、ポリエチレン、シリコン、ラテックスレジン、ポリ
スチレン、アクリルレジン、ポリビニルピロリドンおよびそれらの組合わせなど
)などの適当な天然または合成の材料から作ることができる。市販されている材
料の1つとして、Dow Corning社のSILASTIC(登録商標)シリコンチューブがある
。これらの非限定的な例は、本発明にとって有用な適当な組成物の範囲の単なる
例示である。
【0031】 本発明のデバイスの作製の非限定的な例のように、およびデバイスからの小分
子の拡散を制限するが免疫細胞の出入りを可能にする前記のデバイスの所望の特
徴を維持して、デバイスを以下のように手作業で作製することができる。外径0.
047インチ、半径0.0235インチの長さ1.125インチのシリコンチューブを、本発明
のデバイスの不透過性容器として用いることができる。20ゲージの皮下注射針を
用いて、デバイスの壁を通して手動で孔をあけて、直径およそ1/16および1/32イ
ンチの孔を作製することができる。チューブには20個の孔をあける。これらのパ
ラメーターは、デバイスの特徴の単なる目安として役立つに過ぎず、当業者は上
記と同じ目的を達成できる、すなわち、デバイス内において無制限の細胞の出入
りをもたらすがサイトカインなどの小分子の拡散を制限または限定する他のパラ
メーターを承知しているであろう。
【0032】 本発明の生分解性デバイスは、体内でゆっくり分解されることが知られている
材料のマトリックスおよび容器を含むことができる。そのような材料としては、
ゼラチン、コラーゲン、架橋コラーゲン、ポリ乳酸、ポリラクチド−グリコリド
コポリマー、および当業者に公知の他の材料が挙げられる。従って、免疫応答を
刺激するための好ましい完全に生分解性のデバイスは、生分解性容器、生分解性
マトリックス、およびマトリックス内に含まれる抗原の生分解性の遅延放出製剤
を含んでもよい。後者の製剤は、埋め込み後約3日目に抗原を放出し、マトリッ
クスおよび容器はデバイスの使用期限、すなわち埋め込み後約10日後に有意に生
分解し始める。
【0033】 デバイスの容器中の孔は、手動および自動化手順などの任意の多くの方法によ
り導入することができる。孔数は少ないのが最適であり、チューブの1 cm当たり
約10個が好ましい。しかし、これはデバイスの大きさおよび形状にある程度依存
するであろう。上記のような理論的な考慮に従うと、孔の役割は免疫系細胞がデ
バイス内に進入できるようにすることであり、次いで抗原および補助的刺激分子
に接触して感作されるようになり、次いで感作された細胞が出て行くことを可能
にする。これらの目的は、有孔デバイスが所望のレベルの抗原およびデバイス内
の免疫系細胞により産生されるサイトカインなどの補助的刺激因子を含有し、維
持する必要があるのと同時に達成される必要がある。適当な数および大きさの孔
を設けると、以下の実施例に例示されるように、これらのニーズが達成されるで
あろう。デバイスをチューブのセグメントから調製する場合、チューブの端部を
開けたままにして、孔ならびに抗原を充填するための針または他の手段の導入の
ための受容部として、埋め込みの前でも後でも働かせることができる。
【0034】 挿入、抗原充填、および取り出しを、患者の不快が最小限で済むように容易に
達成できる体内の適当な部位に該デバイスを埋め込むことができる。適当な部位
の1つとしては、上腕の内側面がある。別の実施形態においては、デバイスがそ
の使用期限後に分解し、取り出す必要がないように、デバイスを生分解性の材料
から作る。
【0035】 免疫応答を刺激するためには、生体利用可能な抗原が埋め込み時点または好ま
しくは埋め込み後にデバイス内に存在してもよい。埋め込み後の場合、生体利用
可能とするタイミングは好ましくは埋め込み後約3日目である。遅延放出性を有
する抗原の非生体利用可能製剤は、埋め込み時点でデバイス内に存在し、埋め込
み後約3日目にデバイスのマトリックス中に抗原を放出してもよい。約3日後に
は、抗原の存在に応答できる十分な数および型の細胞がデバイス内に存在すると
同時に、これらの細胞から分泌され、有孔容器によりもたらされる拡散バリアー
の結果としてデバイス内に維持されるサイトカインおよび他の補助的刺激分子の
レベルが存在し、続いてデバイスへの抗原の導入が最適な免疫応答を開始させる
【0036】 上記の生分解性材料から作らない場合、該デバイスを、その所望の機能を達成
した後に簡単な外科的方法により取り出すことができる。一般に、約10日後には
免疫細胞集団がデバイスから出て行き、そのときはもはや機能的ではない。一方
、追加免疫応答をさせるために後日デバイスに抗原を再び満たすことができる。
【0037】 上述の通り、所望の免疫応答の刺激または抑制を達成するためには、前記デバ
イスのマトリックス中の、抗原の生体利用能のタイミングが重要であり、それは
特定の抗原の特性に依存的である。一般的には、埋め込みの際に存在し、十分に
に生体内で利用可能な高濃度の抗原は、該抗原に対する免疫応答を抑制する作用
を有する。また一般的に、該デバイスを埋め込んだ約3日後に、十分に生体利用
可能な少量の抗原は、免疫応答を刺激する作用を有する。これらの状態は、本発
明の有用性を損なうことなく、該デバイスで用いられる特定の抗原の特性に依り
多様でありうる。当業者であれば、in vitroまたはin vivoでの標準法によって
特定の抗原の免疫原性を評価し、また所望の作用を達成するのに適切な抗原濃度
を決定しうる。
【0038】 抗原に対する免疫応答を強化または刺激するための、本発明のデバイスの使用
法は、該デバイスで用いられる抗原に対して有効な免疫応答を示しうる数の免疫
細胞、Tリンパ球およびBリンパ球をもたらすことが意図されている。
【0039】 本発明の他の目的は、上述の方法およびデバイスを使用して、特異的な抗原に
対する免疫応答をダウンレギュレートすることである。該デバイス中に高用量の
抗原を組み込むことにより、該デバイスに入り込み該抗原と出会う免疫細胞は、
アポトーシスを受けるように誘導されうる。移植拒絶反応などの状態は、移植前
または後にレシピエントにドナーの抗原を含む本発明のデバイスを導入すれば、
予防可能または治療可能でありうる。免疫応答のダウンレギュレーションを適用
し得る一般的な状態には、移植(ドナーの移植片に対するレシピエントの免疫応
答をダウンレギュレートし、レシピエントがドナーの血液細胞に免疫寛容となる
ことが望ましい)、自己免疫疾患(病原性T細胞をダウンレギュレートし、内因
性抗原(慢性関節リウマチのコラーゲンなど)との免疫複合体の形成を改善して、
自己抗原に対して免疫寛容となることが望ましい)、糖尿病(糖尿病患者がイン
シュリンまたはGADに対して免疫寛容となることが望ましい)、および重症筋無
力症(患者がアセチルコリン受容体に対する免疫応答を妨げるような免疫寛容と
なりうる)が含まれる。更に、アレルギーおよびアレルギー反応を特徴づける免
疫応答を、免疫応答を引き起こす免疫細胞にアポトーシスを誘導することによっ
て、患者をアレルゲンに対して免疫寛容とするか、または減感作させることで治
療することができる。免疫応答を抑制するために本発明のデバイス中で使用する
ことのできる抗原およびアレルギーの例としては、ネコアレルギーのアレルゲン
DERP-1、およびウルシオール修飾ペプチドが原因となる毒物アイビー(ivy)/オ
ーク(oak)アレルギーが含まれる。
【0040】 本発明の好ましい実施形態をより十分に説明するために以下の実施例を示す。
しかし、これらの実施例は、本発明の広い範囲を限定するものとして解釈される
べきではない。
【0041】実施例 実施例1 本発明のデバイスの一例を、長さ2.5cmの水酸化ポリビニルアセテートスポン
ジのセグメントを備えた、内部直径0.15cm、外部直径0.2cmのシリコンチューブ
(長さ2.5cm)を用いて作製した。該デバイスを、リン酸緩衝化生理食塩水が入
っている容器中に浸し、滅菌するためにオートクレーブにかけた。メスBALB/cマ
ウス(生後6〜8週間)をAvertinで麻酔した。第1日に0.5cmの背部正中切開を行
って該デバイスを挿入した。何匹かの動物には、50μlの1mg/mlインフルエンザ
抗原(FLUSHIELD(登録商標)インフルエンザウイルスワクチン、三価、A型および
B型、Henry Schein(登録商標),Melville NYから入手した)を、埋め込み後第2日
に、埋め込まれたデバイス付近の皮膚から皮下注射針を挿入し、針を手探りで該
デバイスの一端に導いて該デバイス中に導入した。
【0042】 皮下注射針を用いて、埋め込み後第2、4、7および9日に、5匹の動物各々より
、埋め込んだデバイスから液体を吸引し、続いて液体中の細胞を混合し、洗浄し
て、カウントした。図1に示すように、抗原を導入しなかったデバイスを埋め込
まれた動物において、細胞数は第4日に上昇し始め、第7日にピークに達した。第
9日までに該デバイス中の細胞数は減少し、このことは、デバイス中に移動した
細胞がデバイスの外および周辺に移動したことを示している。埋め込み後第2日
にインフルエンザ抗原をデバイスに添加した場合、埋め込み後第4日に該デバイ
ス中に存在する細胞数は、抗原を含まないデバイス中で60,000細胞であったこと
と比較して数倍多く、225,000細胞であった。従って、デバイス中の抗原の存在
により、該デバイス中への細胞の移入が増大し、および/または該デバイス中の
細胞の増殖が誘発された。
【0043】実施例2 抗原を添加しないデバイス中に存在する細胞数および細胞表現型を、BALB/cマ
ウスを用いて、本実験で決定した。実施例1に記載通りのデバイスの埋め込み後
第4日に、5匹の動物各々からの細胞を該デバイスより吸引し、混合し、洗浄して
いくつかのチューブに分配した。フルオレセインイソチオシアネートまたはフィ
コエリトリンで標識した、以下のマーカー(CD14、CD45/B220、CD11b、CD40、CD
11c、CD80、CD86、CD62P、CD62E、CD3およびI-Ad)に特異的なモノクローナル抗
体を添加し、4℃で30〜45分間インキュベートした後、該細胞を洗浄し、蛍光の
幾何平均をフローサイトメトリーで測定した。比較のために、同じ一連の特異的
な抗体を用いて、ナイーブな同系マウスからの末梢血リンパ球の蛍光を測定し、
各抗体についての結果を、末梢血リンパ球の蛍光に対する、該デバイスからの細
胞の蛍光の上昇%で示した。
【0044】 図2は、挿入後第4日のデバイスから取り出された細胞の表現型を示す。該デ
バイス中での、T細胞(CD3、CD40)、マクロファージ(CD14、CD11b、クラスII
MHC、CD80)、樹状細胞(CD40、CD11c、クラスII MHC、CD80)およびB細胞(ク
ラスII MHC、CD45/B220、CD11b)の高密度の移動および集積が明らかであった。
【0045】実施例3 実施例1に記載のデバイス中の細胞数の時間変化を、埋め込み後第3、7および
10日に該デバイスから細胞を回収して評価した。最初の実験では、デバイス中に
全く抗原を供給しなかった。各時点において、5匹のマウスに埋め込んだデバイ
スより吸引した細胞を混合し、CD3、CD8、CD80、CD44、CD11c、CD45R/B220およ
びCD14マーカーを有する細胞の密度を実施例2に記載と同じ方法で測定し、ナイ
ーブマウスの末梢血リンパ球に対する上昇%値を示した。
【0046】 図3は、埋め込み後第3、7および10日に列挙された細胞表現型の密度を示す。
全マーカーについて、該デバイスにおける細胞型の富化は第3および7日において
明らかであり、第10日までに該細胞集団はデバイスの外に移動した。
【0047】実施例4 上述と全く同様に準備した第2実験において、埋め込み後第2日にインフルエン
ザ抗原を前記デバイス中に導入した。図4に示すように、デバイス中の抗原の存
在によって、T細胞および抗原提示細胞(CD3、CD80またはCD14)の密度は更に上
昇し、更に、第10日にこれら3つの細胞型が残存した。抗原の添加により、該デ
バイスからの免疫細胞の離脱を遅らせたのかもしれない。
【0048】実施例5 インフルエンザ抗原を導入した前記デバイスの埋め込みの末梢作用を、埋め込
んだ動物の脾臓におけるCD4およびCD8 T細胞の発現の変化を測定することにより
評価した。上述の方法に従い、T細胞表現型を実施例2の方法で決定した。埋め
込み後第2日に、該デバイスに0μg、5μg、10μgまたは50μgのインフルエンザ
ワクチンを導入し、免疫後第10日(埋め込み後第12日)に動物から脾臓を回収し
た。ガラススライドの粗面の間で脾臓を穏やかに引き裂いて脾臓細胞を単離した
。該細胞をPBSで洗浄し、赤血球を赤血球溶解バッファー(Red Cell Lysis Buff
er:Sigma)中で5分間インキュベーションして除去した。CD4およびCD8蛍光を、
上述のようにフローサイトメトリーで測定した。対照として、従来の標準免疫化
プロトコルに従い、同量のインフルエンザ抗原を、RibiアジュバントR-700、モ
ノホスホリル脂質Aおよび合成トレハロースジクリノミコラート(MPLA+TDM)を
含む乳剤(Ribi ImmunoChem Research, Inc.より製造)と共に、マウスのフット
パッドに注入した。免疫化の10日後に対照マウスもまた採血した。
【0049】 図5に示す通り、前記デバイスを埋め込んだマウスの脾臓細胞由来のT細胞は
、インフルエンザ抗原を該デバイスに導入した後に、CD4およびCD8分子の密度の
上昇を示した。従来法により50μgの抗原+アジュバントで免疫した動物からの
脾臓における細胞傷害性T細胞(CD8)レベルは、本発明のデバイス中の10μgの
抗原によって誘導されたレベルと等しかった。更に、抗原を含まないデバイスも
また、該デバイスにより誘導された無菌炎症の結果として、脾臓におけるCD8細
胞の増加を示した。50μgの抗原(対照マウスにおいて、アジュバントと共にフ
ットパッドを通じて接種したものと同量)を導入した本発明のデバイスを埋め込
んだ動物において、脾臓におけるCD8細胞発現の減失が見られたことに注目すべ
きである。一つの解釈としては、該デバイス中への高用量の抗原の投与により、
抗原特異的細胞のアポトーシスが生じた。非常に強力な刺激を行うことにより、
捲縮症状作用が引き起こされ続け、その最終結果は処理化マウスの脾臓からの完
全なCD4+CD8+T細胞の排除であった。これは、例えば移植拒絶反応のように免
疫応答が有害である場合に、免疫応答の所望のダウンレギュレーションに適用さ
れる。
【0050】 本発明のデバイスを用いた免疫効率の上昇についての解釈として、末梢部位に
抗原を注入した後の動物において、実際にリンパ節に達した抗原量は、免疫化の
際に与えられるより何logも少ないと推定される。従って、陽性免疫応答を引き
起こすための、本発明のデバイスを使用して免疫するのに最適な用量は、従来の
免疫化で使用される用量よりもかなり低い(数log低い)と思われる。
【0051】実施例6 本発明のデバイスに導入されたインフルエンザ抗原に対する免疫応答の強さを
、脾臓T細胞によるγインターフェロンの分泌をマーカーとして用いて評価した
。γインターフェロンの分泌は、細胞内病原体および癌に対する防御用武装であ
ることが知られている、Th-1型およびCD8細胞傷害性T細胞応答の主要な特性の一
つである。マウスに上述のデバイスを埋め込み、埋め込み後第3日に5μgのイン
フルエンザワクチンを導入した。対照群は、50μgの抗原+Ribiアジュバントで
フットパッドにおいて免疫された。免疫化後第10日に、脾臓細胞を前述の実施例
のように単離し、プレートに播き、ある範囲のレベル(1.4〜180μg/ml)の抗原
で刺激した後に、γインターフェロン産生をELISAキット(Endogen)を用いて測定
した。
【0052】 図6は、本発明のデバイスに5μgの抗原を用いて動物を免疫することにより、
フットパッドにアジュバントを伴う50μgの免疫化により引き起こされたT細胞活
性化のレベルと、同レベルのT細胞活性化が引き起こされた。従って、強力な免
疫応答が、本発明のデバイスを用いて、有意に少量の抗原により、アジュバント
を使用しないで達成することができる。
【0053】 同様の範囲の濃度の抗原に単離されたT細胞を曝露した後、同じ動物の膝窩リ
ンパ節由来のT細胞からのγインターフェロンの分泌を評価した。図7に示すよ
うに、フットパッドにおいて抗原+アジュバントで免疫した動物からのT細胞に
よるγインターフェロンの分泌は、本発明のデバイスを用いて免疫した動物から
の脾臓T細胞により産生されたものほど強力ではなかった(図6と比較のこと)
。膝窩リンパ節はフットパッド領域から流出させるものであり、それにより抗原
の存在によって初回抗原刺激を受けると考えられるので、この結果は更に、本発
明のデバイスを用いて、アジュバントを必要とせずに強力な免疫応答を生じうる
効力を示す。更なる評価において、埋め込みの10日後にデバイス(第3日に抗原
を導入したもの)中に残存した細胞集団を、抗原への曝露に応答したγインター
フェロンの分泌について評価した。図8は、インフルエンザ抗原を用いたin vit
roでのチャレンジに応答して分泌されるγインターフェロンは、脾臓細胞で記録
された応答レベルと比較すると、非常に低レベルであることを示す。この結果は
、デバイス内免疫化によって初回抗原刺激を受けたエフェクター細胞がその部位
の外に移動し、第10日に(デバイスから吸引した場合)エフェクター集団の大多
数が存在しなくなったことを示している。図1および図3は、第9および10日ま
でに、B細胞およびT細胞表現型を有する細胞のデバイスからの減失を示すもので
あり、このことは、これら細胞が末梢器官に出現する可能性を確認するものであ
る。
【0054】実施例7 本発明のデバイスにより誘導された抗原に対する免疫応答の強さを特に試験す
る目的の更なる実験では、該デバイスを埋め込み、抗原を導入し、脾臓細胞増殖
アッセイを実施した。上述の実施例に記載されたものと同じプロトコルで実施し
た。この実験で用いる抗原はオボアルブミンであり、種々の量(10pg〜50μg)
のオボアルブミンをデバイスに導入した。対照動物を同量の抗原+Ribiアジュバ
ントでフットパッドに注射して免疫した。
【0055】 埋め込み後第10日に前記マウスを安楽死させ、脾臓を取り出した。増殖アッセ
イを96ウェルプレートで準備した。1ウェル当り200,000個の脾臓細胞を、180μg
/mlの抗原に37℃で72時間曝露した。対照として、同じ用量のエプスタイン‐バ
ーウイルス(Epstein-Barr virus)抗原を用いた。抗原または対照に曝露した後
、該細胞を6時間3Hチミジンでパルス標識し、標識の取り込みを測定し、刺激指
数として示した。
【0056】 図9は、オボアルブミンを導入したデバイスを用いたマウスの免疫化により、
強力な抗原特異的脾臓細胞増殖応答が生じたことを示す。応答は、ピコグラム程
度の少量の抗原で免疫した動物で検出された。従来法によりアジュバントを伴っ
て免疫した動物からの脾臓細胞は、5〜7ログ高い抗原濃度でのみ増殖応答を示し
た。対照(エプスタイン‐バーウイルス)抗原に対する刺激の取るに足りないレ
ベル(結果は示さない)は、オボアルブミンに対して引き起こされた免疫応答が
非常に特異的であったことを示す。
【0057】 オボアルブミンを抗原として用いる更なる実験において、本発明のデバイスを
用いるかまたはフットパッドにより、50μg、50ngまたは50pgのオボアルブミン
を、該デバイス中に単独で、あるいは該デバイス中にBCGアジュバントと共に、
またはRibiアジュバントと共にフットパッドを通じてマウスを免疫した。これら
の実験に用いたBCG(Bacille Calmette Guerin)アジュバントTheraCys(R)は、
膀胱部位の癌治療用にConnaught Laboratories Limitedが製造している、弱毒化
ウシ結核菌(Mycobacterium bovis)株の凍結乾燥した懸濁液である。免疫化の1
0日後に、脾臓細胞を回収し、種々の濃度(1.4〜180μg/ml)の抗原または同じ
範囲濃度の対照抗原(エプスタイン‐バーウイルス)にin vitroで曝露した。72
時間のインキュベーション後、該細胞を3Hチミジンで6時間パルス標識し、標識
の取り込みを刺激指数として示し、T細胞刺激および増殖の尺度として使用した
【0058】 図10は、低用量の抗原に由来する強力な抗原特異的T細胞応答を、本発明の
デバイスを用いて達成しうることを示す。取るに足りないレベルの刺激が、脾臓
細胞を対照抗原に曝露した後に検出され、このことは該応答が免疫原に対し特異
的であったことを更に示す。
【0059】実施例8 HIVgp120ペプチド(残基315〜322:RIQRGPGRAFVTIGK)抗原に対する抗原特異
的抗体応答を、本発明のデバイス内に非常に低用量を導入した後に評価した。BA
LB/cマウスを、Ribiアジュバントと種々の用量のHIVペプチドを用いて、該デバ
イスを用いるかまたはフットパッドにより免疫した。免疫化の10日後に血液を採
取し、該ペプチドに対する抗体の力価を測定した。4日後、該動物を、最初の量
の10%の免疫原で追加免疫し、抗体の力価測定の10日後に二回目の血液を採取し
た。
【0060】 ELISAを用いて抗原特異的なサブクラスIgG2a抗体を測定し、通常法に従って実
施した。簡単に説明すると、リン酸緩衝化生理食塩水中1g/mlの抗原で、マイク
ロタイタープレートを、4℃で16時間にわたり被覆した。該プレートを50mM Tri
s+PBS中0.2% Tween -20(pH7〜7.5)で洗浄し、阻止バッファー(5% BSA溶液+P
BS中0.1% Tween-20、pH7.2〜7.4)を用いて4℃で16時間かけてブロックした。該
プレートを洗浄し、100lの血清サンプルを、1:50希釈から始めて該ウェルに添
加し、更に3倍ステップで希釈した。該サンプルを二重に試験した。室温にて1時
間のインキュベーション後、該プレートを上述のように洗浄し、ビオチン化抗マ
ウスIgG2a抗体溶液(1μg/ml)を該ウェルに添加する。1時間のインキュベーシ
ョン後、上述のように大容量で洗浄し、ストレプトアビジンに結合したセイヨウ
ワサビペルオキシダーゼ(阻止バッファー中に1:4000に希釈)を該ウェルに添
加する。室温で30分間のインキュベーション後、基質を添加する(100l/ウェル
のテトラメチルベンジジン)。該プレートを30分間インキュベートする。100l/
ウェルの2N H2SO4を添加して反応を停止させる。該プレートを、450nmの波長でE
LISAプレート読み取り装置を用いて読み取る。
【0061】 図11は、特異的抗HIVgp120ペプチドIgG2aのレベルを示し、これは本発明の
デバイスを用いる単一免疫化の後、強力な抗原特異的抗体(IgG2a)が誘導され
るが、従来法による単一フットパッド免疫化によって全く応答が引き出されなか
ったことを示す。フットパッドにおける第2の免疫化(追加免疫)後、従来法で
免疫した動物で抗体反応が生じたが、最初に本発明のデバイスを用いて免疫し、
続いて追加免疫した(デバイス中に最初の用量の10%が投与された)動物は、増
大したIgG2aレベルを示し、さらにより低レベルの抗原で、有意により強力な応
答を示した(図12)。
【0062】実施例9 異なるアジュバントの作用を、本発明のデバイスで免疫した結果として生じた
免疫応答に関して、従来のフットパッド免疫化と比較して評価した。BALB/cマウ
スを、上述のように、種々の用量のHIVgp120ペプチド(前述の実施例のもの)を
、単独またはRibiアジュバント若しくはBCGアジュバントと共に用いて、該デバ
イスを用いるかまたはフットパッドを通じて免疫した。埋め込みの3日後に該デ
バイスに免疫原を導入し、免疫の10日後に抗体力価を測定した。前述の実施例に
記載のように、gp120ペプチド抗原に特異的なIgG2a抗体に対してELISAを実施し
た。
【0063】 RibiアジュバントまたはBCGアジュバントを用いる従来の免疫化により、低レ
ベルのペプチド特異的IgG2aが産生された(図13)。対照的に、アジュバント
なしで本発明のデバイスを用いる免疫化(50ngペプチド)により、顕著に高レベ
ルのペプチド特異的IgG2aが産生された。該ペプチドを、いずれかのアジュバン
ト(RibiまたはBCG)と組み合わせて用いた場合、低い応答が生じた。これらの
データは、すでに強力な抗原性刺激物へアジュバントを添加することにより、免
疫応答が抑制されることを意味する。アジュバントおよび抗原の追加的作用また
は相乗作用を示すためには、免疫化プロトコルは、低い範囲(フェムトグラムよ
り低い用量)の抗原、並びに低い濃度のアジュバントで試験したほうがよい。
【0064】 単純疱疹ウイルスの糖タンパク質Bの15merペプチド(残基497〜507:TSSIEFAR
LQF)を試験した場合にも、同様の結果が得られた。
【0065】実施例10 本発明のデバイス内に存在する抗原によって引き起こされる体液性免疫応答強
度のさらなる試験として、BALB/cマウスにデバイスを埋め込み、その3日後にチ
トクロムCを様々な用量で該デバイスに導入した。対照として、同じ抗原を様々
な用量でRibiアジュバントと共に足蹠から投与した。埋め込みの10日後または足
蹠接種の10日後に該動物から採血し、上記抗原を特異的に認識するIgG2aに対し
て、血清についてのELISAを行った。ELISAを血清の1:50〜1:6400の連続希釈につ
いて行ったこと以外は、前記実施例で従った手順と同様である。
【0066】 図14は、前記抗原に対する非常に強い特異的な体液性免疫応答が、本発明のデ
バイス中で用いられる非常に低用量の抗原によって引き起こされたことを示して
いる。該デバイス内の50fgほどの少量の抗原によって、5ngの抗原を用いた従来
の足蹠+アジュバント免疫化により引き起こされるものと同程度の抗体反応が生
じたが、これは4桁の増大である。
【0067】実施例11 体液性応答の生起を、インフルエンザAウィルスから分離精製した赤血球凝集
性タンパク質(赤血球凝集性抗原断片すなわちBHA)を抗原として用いてさらに
評価した。BALB/gcマウスを、本発明のデバイスを用いて、その埋め込みの3日
後に該デバイスに導入した用量0.1μgおよび10μgによって免疫した。対照マウ
スは、同量の抗原をRibiアジュバントと共に尾の付け根に皮下注射することによ
って免疫した。該マウスからは免疫化の7、14、21および28日後に採血し、抗原
特異的な全IgG抗体に対して血清についてのELISAを行った。
【0068】 図15に示されるように、0.1μgの抗原によって強力な体液性応答が引き起こさ
れ、免疫化の2週間後にはHA特異的抗体は高濃度に達した。アジュバントを伴う
従来のプロトコールを用いて免疫したマウスは、低レベルの抗原特異的な体液性
応答を2週間目に示し、免疫化の3および4週間後にそのレベルが増大した。本
デバイスを用いて免疫したマウスの血清中のBHA特異的抗体のレベルは、アジュ
バントの存在下でより高用量の抗原を使用する従来の免疫化の後に達したレベル
よりも75〜80%高かった。この実験では、デバイス中の低用量の免疫原は、より
高用量によって引き起こされた応答を上回る体液性応答を生じた。前記実施例に
見られるように、5μgを超える用量は、おそらく過剰刺激に対する反応としてア
ポトーシスを誘発するために、免疫応答の抑制につながり得る。
【0069】実施例12 本発明のデバイスのスポンジマトリックスの周囲に施した、有孔であるがその
他の点では不透過性であり生物学的に不活性なコーティングまたは容器の重要性
を、上記のようにデバイスそのものの中、あるいは有孔チューブ材料のセグメン
トの近くに埋め込んだ単独のスポンジマトリックス中に導入したインフルエンザ
抗原により、マウスを免疫することによって評価した。抗原用量の範囲を見積も
り(0、50pg、500pg、5μgおよび50μg)、埋め込みの3日後にデバイス内また
は単独のスポンジ中に供給した。対照として、同じ用量範囲の抗原をRibiアジュ
バントと共に用いてマウスの足蹠において免疫した。埋め込みまたは足蹠免疫化
の10日後、脾臓を該動物より回収し、0.1〜180μg/mlの範囲の抗原レベルを使用
したT細胞増殖アッセイを前記の通り行った。特異性についての対照として、エ
プスタイン・バーウィルスをin vitroで用いた。T細胞刺激および増殖を表わす
ために、3H-チミジンの組み込みを刺激指数として示した。
【0070】 図16に示されるように、デバイスそのものを使用して免疫された動物によって
示されるT細胞活性化は、上記抗原がスポンジ中に存在するが、有孔であるがそ
の他の点で不透過性の容器中には存在しない場合に比べて、有意に強い応答を示
した。無関係な抗原に対する応答(図18)は最小限であった。
【0071】実施例13 本発明のデバイスのスポンジマトリックスの周囲に施した、有孔であるがその
他の点で不浸透性であり生物学的に不活性なコーティングまたは容器の重要性を
、拡散試験を行うことにより評価した。ウシ血清アルブミン(BSA) 200μgを該デ
バイス内またはスポンジ中に注入した。該デバイスおよびスポンジを1.5mlのPBS
を含むチューブ内に配置した。様々な時点にてサンプルを採取しBSA濃度を測定
した。
【0072】 図18に示されるように、該スポンジは5分間のインキュベーションの間にその
内容物全てを放出した。本発明のデバイスは抗原の放出を制御し、その抗原の65
%を超える量が960分を超える時間にわたり保持された。高レベルの抗原、サイ
トカイン、ケモカイン、および他の補助的刺激分子を、免疫細胞と接触させた該
デバイス内に保持するための拡散バリアーの維持が、強力な免疫応答を引き起こ
すことにおいて従来の免疫化方法を上回るような該デバイスの重要な改良を提供
する重要な機構の一つであるのは自明のこととみなされる。
【0073】 したがって前掲の実施例は、本発明のデバイスが、従来の足蹠免疫化および埋
め込まれたスポンジマトリックス中への単なる抗原の導入と比較して、様々な抗
原に対する優れたT細胞応答および体液性応答を誘発することができることを示
している。
【0074】実施例14 抗原を加えていない本発明のデバイス内に存在する細胞の表現型を、埋め込み
後に調べた。埋め込みの4日後に本発明のデバイスから得た細胞を集め、洗浄し
、さらに下記のマーカーに特異的なフルオレセインイソチオシアネートまたはフ
ィコエリトリン標識化モノクロナール抗体によって染色した。マーカー:CD14、
CD45/B220、CD11b、CD40、CD11c、CD80、CD86、CD3、およびI-Ad(PharMingen, C
A)。その蛍光の幾何平均はフローサイトメトリーにより測定した。比較のために
、ナイーブな同系マウスに由来する末梢血リンパ球(PBL)の同じ一連の特異的抗
体を用いた場合の蛍光を測定し、さらに各抗体に対する結果を平均蛍光強度(MFI
)として表わした。
【0075】 図19は、挿入の4日後にデバイスから得た細胞の表現型を提示している。T細
胞(CD3、CD40)、マクロファージ(CD14、CD11b、クラスII MHC、CD80)、樹状
細胞(CD40、CD11c、クラスII MHC、CD80)、およびB細胞(クラスII MHC、CD45
/B220、CD11b)の高密度での移動および集積がデバイス内で明らかであった。す
なわち、免疫応答の生起に重要な免疫細胞がデバイス内に存在している。補助的
刺激分子(CD80 & CD86)および接着分子(CD44)の発現は、本発明のデバイスから
得た免疫細胞において、PBLの場合と比較して有意に上昇していた(データは示
さない)。興味深いことに、本発明のデバイスの切断面についての電子顕微鏡解
析は多数のリソソームを有するマクロファージの存在を示し、このことは該デバ
イスにおいて細胞活性化が高められた状態にあることを意味している。
【0076】実施例15 埋め込み後に、抗原が存在しない本発明のデバイス内に含まれるサイトカイン
濃度を、天然型マウスの血清中のサイトカイン濃度と比較した。図20に示される
ように、該デバイスは、刺激サイトカインIL-2、IL-4およびTNF-αをより高レベ
ルで、ならびに抑制サイトカインTGF-βを約1/7の濃度で含んでいた(データは
示さない)。したがって本発明のデバイスは、抗原によって一度「点火」された
免疫応答の発生に対して態勢が整えられた、非常に活性な環境である。
【0077】実施例16 細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答は、インフルエンザウイルスに対する免疫の獲
得のために重要であると考えられている。本発明のデバイスが抗原特異的なCTL
を誘導する能力を評価するために、マウスを本発明のデバイス内の500pgのイン
フルエンザウイルスワクチンによって免疫した。対照として、マウスを500pgの
ワクチン+Ribiアジュバントにより皮下にて免疫した。免疫した動物からリンパ
球を得て、そのインフルエンザウイルスに対する特異性を、インフルエンザウイ
ルスに感染した標的細胞の溶解により調べた。CTLは以下のように調製した。マ
ウスを安楽死させ、その脾臓を取り出した。単個細胞浮遊液を調製し、細胞をPB
Sで洗浄した。赤血球溶解バッファー(Sigma, MO)を用いて赤血球を排除した。脾
臓細胞(5×106)を、ウイルスに感染させ(100HAU/107細胞/mlにて37℃で60分間
)かつ放射線照射した(3000Rad)同系脾臓細胞5×106と共培養して、37℃、5%
CO2にて5日間インキュベートした。
【0078】 PR8感染(500HAU/106細胞)P1.HTR細胞および非感染P1.HTR細胞を細胞傷害反
応の標的として用いた。該細胞は100mCiのNa2 51CrO4により90分間標識し、次い
で3回洗浄した。100mlのRPMI 1640および5% FCS培地中の標的細胞(104/ml)を
、96穴ラウンドボトムマイクロタイタープレート内のエフェクター細胞に対して
、100:1の比率(E:T)から開始し2倍に達するまでの様々な濃度で加えた。5時
間のインキュベーション後、上清を回収した。結果は以下の式に従って特異的な 51 Cr放出のパーセンテージとして表わされる:{(実験的放出)-(自然放出)
}×100/{(最大放出)-(自然放出)}。
【0079】 図21に示されるように、本発明のデバイスを用いたインフルエンザウイルスワ
クチン500pgによる免疫化は、Ribiアジュバントを伴った従来の皮下免疫化に応
答して産生されたCTLと比較して、インフルエンザに感染した標的細胞を溶解す
る上で非常に好ましい強力なインフルエンザ特異的CTLを誘導した。産生されたC
TLはin vitroで非感染標的細胞を殺傷せず、このことは誘導された応答の特異性
を示していた。本発明のデバイス内の抗原をより高用量で用いると、免疫刺激は
みられなかった。
【0080】実施例17 本発明のデバイスを用いた免疫化は、体液性免疫応答をもモジュレートするこ
とができることを確認するために、本発明のデバイス中に投与されるか、または
Ribiアジュバントと共に皮下注射される、いくつかの異なる用量のインフルエン
ザウイルスワクチンによってマウスを免疫した。本発明のデバイスを用いて、Ri
biと組み合わせた皮下免疫化の場合と比較するとより低用量であるワクチンによ
って免疫化した後のマウス血清中には、高レベルのインフルエンザ特異的IgM、I
gG1およびIgG2a抗体が示された(データは示さない)。ウイルス特異的IgG1抗体
の試験によって、血清の段階的希釈物について記録された吸光度により評価され
たように、より高度な結合性が示された(図22)。同様の結果はIgG2a抗体につ
いても観察された。
【0081】実施例18 アジュバントを伴う従来のプロトコールと比較すると、本発明のデバイスを用
いた免疫化により産生される血清抗体は、KSCN(チオシアン酸カリウム)の段階
的モル濃度勾配に従う。KSCNは、インフルエンザ抗原に対する該抗体の相対的親
和性を測定することを目的として、抗原コーティングしたマイクロタイタープレ
ートと結合した複合体から抗原特異的抗体を溶離するために用いるものである。
上記の通り、マイクロタイタープレートに基づく標準的なELISA方式を使用した
。ビオチン化抗マウスIgGを添加する前に、該プレートを洗浄し、様々な濃度のK
SCNをウェルに加えた。プレートは室温で30分間インキュベートした。洗浄後、
ビオチン化抗マウスIgG1抗体溶液(0.5μg/ml)をウェルに加えた。高親和性の抗
体の抗原との結合により生成される複合体を分解するためには、増大させたKSCN
濃度が必要である。図23に示されるように、産生された抗体はウイルス抗原に対
しより高い親和性を有することが示された。したがって、本発明のデバイスを用
いる場合には、強力な体液性応答を誘発するのに、非常に低用量のワクチンで十
分である。
【0082】実施例19 本発明のデバイスを用いた、感染症から哺乳動物を守る免疫化能力を、マウス
のインフルエンザモデルにおいて試験した。2種類の用量のインフルエンザウイ
ルスワクチン(5pgおよび500pg)を用いて、本発明のデバイスまたはRibiアジュ
バントと組み合わせた皮下投与によってマウスを免疫した。ワクチン接種の約12
週間後、致死量のインフルエンザウイルスを用いて動物に対しチャレンジした。
図24に示されるように、本発明のデバイスを用いた5pgおよび500pg用量のインフ
ルエンザワクチンのワクチン接種により、どちらの用量の場合も完全に疾患から
守ることができたのに対して、500pgのインフルエンザワクチン+Ribiアジュバ
ントによって皮下免疫したマウスは、60%しか生き残らなかった。5pg用量+ア
ジュバントによって免疫した動物はすべて、14日までに病死した。注目すべきな
のは、本発明のデバイスを用いた免疫化は、完全に疾患から守っただけでなく、
1/100量の抗原を用いアジュバントを含まなくても達成することができたことで
ある。本発明のデバイスにより免疫されたマウスはまた、ウイルスのチャレンジ
後も安定した体重を示し、このことは、急性の感染に対する相対的な耐性に関係
して、より軽度に疾病を発症したことを示唆している。
【0083】実施例20 ヒト免疫細胞を移植した重症複合型免疫不全(SCID)マウスにおいて特異的ヒト
IgGを生産する上での本発明のデバイスの有用性を、インフルエンザウイルスワ
クチンを含むデバイスを埋め込むことにより評価した。SCIDベージュ(Beige)CD
17マウス(6〜8週齢の雌)に正常なヒト供与体に由来する20×106のPBMCを(
腹腔内へ)注入した。3日後、該マウスを筋肉内注射により、または50ngのイン
フルエンザウイルスワクチンを予め導入した本発明のデバイスを埋め込むことに
より免疫した。免疫化の3週間後、該マウスから採血し、その血清を慣用のELISA
を用いてインフルエンザ特異的体液性応答について試験した。図25に示されるよ
うに、ワクチンを用いた免疫化によってインフルエンザ特異的ヒトIgGが産生さ
れた。さらに、段階的なモル濃度でKSCNを用いてインフルエンザ抗原に対する該
血清抗体の相対的親和性を測定する際に示されるように(実施例18に上述の通り
)、本発明のデバイスは、従来の筋肉内免疫化によって得られるよりも高い力価
のヒトインフルエンザ特異的抗体を生産した(図26)。この方法はヒトモノクロ
ナール抗体を産生し得るヒトハイブリドーマを作製するためにも用いることがで
きる。
【0084】実施例21 本発明のデバイス内に大量に供給された抗原は、免疫応答の抑制を引き起こし
得る。Balb/cマウスに、5〜50μgのインフルエンザワクチンを導入したデバイス
を埋め込むか、またはRibiアジュバントと混合した抗原によって足蹠内免疫した
。免疫化の10日後にマウスを安楽死させ、脾臓細胞を採取して96穴プレートに播
いた(2×105細胞/ウェル)。細胞は37℃で72時間にわたりインフルエンザ抗原
に曝露した。抗原による刺激に続いて、培養物から上清を取り出してγ-インタ
ーフェロン産生をELISAキット(Endogen)を用いて測定した。図27に示されるよう
に、抗原とRibiの組み合わせにより免疫したマウスの免疫応答は、抗原用量に応
じて直接的に増大した。対照的に、デバイス内の抗原により免疫されたマウスは
、低用量の抗原で免疫応答の刺激を示した(本明細書の先の実施例に記載の通り
)が、高用量の抗原では免疫応答の低下を示した。したがって、本発明の埋め込
み型デバイス内に大量に抗原が存在することは、免疫応答のダウンレギュレーシ
ョンにつながる。この方法は、特異的な免疫抑制が有用である場合、例えば移植
手術、アレルギーなどの治療計画において使用することができる。
【0085】実施例22 また、本発明のデバイスを用いて、多糖抗原に対する免疫応答を生じさせるこ
ともできる。肺炎球菌ワクチンPneumovax-23を導入したデバイスを用いる単一免
疫により、特異的な免疫応答が生じる。Pneumovaxは、23種の最も一般的な、ま
たは侵襲性の肺炎球菌型から高度に精製された莢膜多糖からなる、多価肺炎球菌
ワクチンである。5μgまたは40pgの肺炎球菌ワクチンで、上述のように皮下に埋
め込んだデバイス中で、またはRibiアジュバントと混合して足蹠に注入して、マ
ウスを免疫した。第10日に全てのマウスを採血し、全IgG応答(図29)、IgG1
応答(図30)およびIgG2a応答(図31)についてELISAを用いてアッセイした
。これらの結果は、多糖抗原に対する免疫応答を本発明のデバイスを使用して達
成し得ることを示す。
【0086】実施例23 本発明のデバイスを用いて、高度に保存的な抗原に対する免疫応答を生じさせ
ることができる。シクロフィリンに対する免疫応答の発生を達成することは困難
であり、このタンパク質が哺乳動物において高度に保存的であるので、シクロフ
ィリンをこれらの試験のモデルタンパク質として選択した。5μg、50ngまたは0.
5ngのヒトシクロフィリンを、本発明のデバイスに導入して皮下に埋め込むか、
またはRibiアジュバントと混合して皮下注射するか、いずれかでマウスを免疫し
た。該マウスを採血し、血清をヒトシクロフィリンに対するIgG2a応答についてE
LISAにより試験した。図32に示すように、本発明のデバイスを用いて、低い方
の2種の用量(50ng、0.5ng)の抗原で免疫したマウスは、シクロフィリン+Ribi
アジュバントで皮下免疫したマウスと比較して、該抗原に対し優れた応答を示し
た。この結果は、該デバイスにより、非免疫原性でありながら、高度に保存的な
抗原に対する免疫応答が誘発され得ることを示している。本発明のデバイス中の
高用量の抗原を用いる免疫によっては、免疫応答は誘導されない。
【0087】実施例24 本発明のデバイスを用いて、生きている生物全体に対する免疫応答を生じさせ
ることができる。この実験では、生きている十二指腸虫の幼虫で、すなわち皮下
に埋め込んだ本発明のデバイス内に5体の幼虫を与えるか、または2週間隔で皮下
に1000体の生きている幼虫を注射することにより、いずれかでマウスを免疫した
。図33に示すように、両方のプロトコルによって、L3に特異的な全IgG(ELIS
Aで測定)が誘導された。十二指腸虫およびマラリアを含む、数多くの寄生生物
に対して、それぞれ放射線照射した幼虫およびスポロゾイトを用いて、免疫する
ことが可能である。本明細書に記載の研究は、本発明のデバイスを用いる免疫は
、生物数を減少させても達成し得ることを示す。
【0088】 本発明を、他の形態で実施したり、本発明の精神または本質から離れることな
く他の方法で実施することができる。従って、本発明の開示は、全ての点におい
て、制限ではなく例示として考えられるべきであり、添付の特許請求の範囲で示
す本発明の範囲、および、同じ意味および同じ範囲内に入る全ての変更は、本発
明に包含されることを意図している。
【0089】 種々の文献を本明細書に引用し、それらの開示はその全文を参照として組み入
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、哺乳類の皮下への埋め込み後9日間にわたる、本発明のデバイス内の
細胞集団の時間経過を示す。
【図2】 図2は、デバイス内に抗原が存在しない状態での埋め込みの4日後にデバイス
内に存在する細胞の数および型の分析を図示している。
【図3】 図3は、埋め込みの4、7、10日後の、いずれの抗原も導入されない場合のデ
バイス内の様々な細胞型の集団における変化を示す。
【図4】 図4は、デバイス内への抗原の導入が、埋め込みの3、7、および10日後のデ
バイス内のCD3陽性細胞(T細胞)、CD80陽性細胞(B細胞)、およびCD14陽性細胞(抗
原提示細胞の代表的サブセットとしてのマクロファージ)の数に与える影響を示
す。抗原は埋め込みの4日後にデバイス内に導入された。
【図5】 図5は、様々な量のインフルエンザ抗原を含むか、もしくは何も含まないデバ
イスの埋め込みの10日後、または抗原+アジュバントを用いた、足蹠における免
疫化(I.F.P.)の10日後の、マウスの脾臓中のCD4(ヘルパーT細胞)およびCD8(
細胞傷害性T細胞)陽性細胞の発現変化の分析を示す。
【図6】 図6は、アジュバントを伴うかもしくは伴わない抗原を含むデバイスを埋め込
まれたマウス、または抗原+アジュバントによって足蹠において免疫されたマウ
スに由来する脾臓細胞の、インフルエンザ抗原に対する増殖性応答のアッセイを
図示している。脾臓T細胞の増殖はγ-インターフェロン産生量によって測定され
る。
【図7】 図7は、インフルエンザ抗原+アジュバントによって足蹠において免疫された
マウスの膝窩リンパ節から単離されたT細胞による、γ-インターフェロン分泌レ
ベルを示す。
【図8】 図8は、本発明のデバイスを用いてアジュバントを伴うかまたは伴わないイン
フルエンザ抗原により免疫したマウスにおける、γ-インターフェロン分泌レベ
ルによって測定した、脾臓T細胞の増殖性応答を示す。
【図9】 図9は、本発明のデバイスを用いてアジュバントを伴わない抗原オボアルブミ
ンのある範囲の投与量によって免疫したマウスにおける、γ-インターフェロン
分泌レベルによって測定される脾臓T細胞の活性化レベルを、アジュバントを伴
った抗原を同範囲の用量にて足蹠注射することにより免疫された動物に由来する
脾臓細胞の増殖性応答と比較して示す。
【図10】 図10もまた、本発明のデバイスを用いて、BCGアジュバントを伴うかまたは
伴わない、50μg、50ng、もしくは50pgのオボアルブミンもしくはオボアルブミ
ンを含まないものによって免疫されたマウスにおける、γ-インターフェロン分
泌レベルによって測定される脾臓細胞の増殖性応答を、Ribiアジュバントを伴っ
た同用量の抗原の足蹠注射により免疫された動物に由来する脾臓細胞の増殖性応
答と比較して示す。
【図11】 図11は、様々な用量のHIV gp120ペプチド抗原を含むデバイスを埋め込まれ
た動物における特異的な抗-抗原IgG2a抗体反応を、同用量の抗原+アジュバント
を用いた足蹠注射によって免疫した動物と比較して示す。
【図12】 図12は、図11に図示したものと同じ実験であるが、続いて最初の免疫化の
3週間後に、最初に与えた免疫化量の10%を同じ経路で用いて追加免疫したもの
を示す。動物に埋め込まれたデバイスに抗原を再導入した。
【図13】 図13は、本発明のデバイスによって、RibiもしくはBCGアジュバントを伴う
かまたは伴わずに免疫された動物における、HIV gp120ペプチドに対する特異的I
gG2a抗体の産生を、同じアジュバントを伴う従来の足蹠免疫化と比較するもので
ある。
【図14】 図14は、アジュバントを含まない本発明のデバイスを用いて、またはRibiア
ジュバントを伴う従来の足蹠免疫化によって、様々な用量のチトクロームC抗原
により免疫した動物の特異的IgG2a抗体レベルを図示している。マウス血清の連
続希釈物を用いて循環しているIgG2aレベルを検出した。
【図15】 図15は、本発明のデバイス内の0.1μgまたは10μgのインフルエンザ赤血球
凝集素タンパク質断片(BHA)により、アジュバントを伴わずにマウスを免疫した
後に生じた、全インフルエンザウイルス特異的IgGのレベルを、Ribiアジュバン
トと共に足蹠に与えた同抗原用量での免疫化の場合と比較して示す。
【図16】 図16は、γ-インターフェロンをリードアウトとして用いたT細胞活性化アッ
セイの結果を図示している。マウスは本発明のデバイスを用いてアジュバントを
伴わないインフルエンザ抗原によって免疫され、アジュバントを伴った抗原を用
いた足蹠免疫化と比較され、また埋め込んだ多孔性ポリマーマトリックス中の抗
原(これは本発明のデバイスのように有孔容器中に存在するものではない)によ
る免疫化と比較された。
【図17】 図17は、無関係の抗原(EBV)を用いた、インフルエンザ免疫化マウスに由来
する脾臓細胞のin vitroチャレンジの際の上記実験の結果を示しており、これは
本発明のデバイスを用いた免疫化に続いて引き起こされる応答の特異性を示して
いる。
【図18】 図18は、スポンジ単独からのタンパク質(ウシ血清アルブミン)拡散試験の
結果を、本発明のデバイスに対して比較して図示している。
【図19】 図19は、インフルエンザ抗原を含むまたは含まない本発明のデバイスをマウ
スに挿入した4日後に、該デバイスから得られた細胞の表現型を示している。ナ
イーブ(すなわち、抗原で未処理の)マウス由来の末梢血リンパ球における同細
胞型の値が示されている。
【図20】 図20は、抗原が存在しない本発明のデバイス内の刺激サイトカインのレベル
を、血清中のレベルと比較して示す。
【図21】 図21は、インフルエンザ感染標的細胞の溶解として測定された、インフルエ
ンザウイルスワクチンを含む本発明の埋め込み型デバイスによる細胞傷害性T細
胞の誘導の程度を、アジュバントとともにインフルエンザウイルスワクチンを用
いて皮下免疫した動物と比較して示す。
【図22】 図22は、インフルエンザウイルスワクチンを含有する本発明のデバイスで免
疫したマウスにおける、インフルエンザウイルス特異的IgG1のレベルとして測定
された体液性応答を、ワクチンとアジュバントを用いて皮下免疫したマウスと比
較するものである。
【図23】 図23は、インフルエンザウイルスワクチンを含む本発明のデバイスで免疫し
た動物において誘導されたインフルエンザ特異的IgG1の親和力を、ワクチンとア
ジュバントを用いて皮下免疫した動物と比較して示す。
【図24】 図24は、インフルエンザウイルスワクチンを含む本発明のデバイスで免疫し
た後にインフルエンザウイルスでチャレンジしたマウスの生存を、ワクチンとア
ジュバントを用いて皮下免疫したマウスと比較して示す。
【図25】 図25は、本発明のデバイスを用いたSCIDマウスにおいて誘導されたインフル
エンザ特異的ヒトIgG抗体の力価を、筋内投与による免疫と比較して示す。
【図26】 図26は、インフルエンザ抗原に対する血清抗体(図25に記載されたもの)
の親和力を、抗原の筋内投与により生成された抗体と比較して示す。
【図27】 図27は、本発明のデバイス中に存在する大量の抗原による免疫応答の抑制を
示す。
【図28】 図28は、プラスミドDNAを用いて免疫するための本発明のデバイスの有用性
を示す。
【図29】 図29は、多糖抗原に対する免疫応答を生起させるための本発明のデバイスの
有用性を示す。
【図30】 図30は、多糖抗原に対する免疫応答を生起させるための本発明のデバイスの
有用性を示す。
【図31】 図31は、多糖抗原に対する免疫応答を生起させるための本発明のデバイスの
有用性を示す。
【図32】 図32は、高度に保存され、それ故に免疫原性の低い抗原であるシクロフィリ
ンに対する免疫応答を誘導するための本発明のデバイスの有用性を示す。
【図33】 図33は、動物全体を使用した、寄生虫抗原に対する免疫応答を誘導するため
の本発明のデバイスの有用性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/08 C07K 16/00 4C085 // C07K 16/00 C12R 1:91 4H045 C12N 5/10 C12N 15/00 A (C12P 21/08 5/00 C C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ゲルバー,コヘイヴァ アメリカ合衆国 10530 ニューヨーク州, ハーツデール,クラブウェイ 11 (72)発明者 ドーヴ,デイヴィッド アメリカ合衆国 10024 ニューヨーク州, ニューヨーク,ウェスト エンド アベニ ュー 490 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA31 CA04 CA11 HA20 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA15 4B065 AA91X AA92X AA94X AB01 AC14 BA01 BA25 CA24 CA25 CA45 4C076 AA78 BB32 CC06 EE06 EE07 EE22 EE24 EE42 EE43 FF68 FF70 4C084 AA13 BA35 NA13 ZB071 ZB072 ZB081 ZB082 ZB131 ZB132 4C085 AA03 AA14 CC02 CC03 CC23 4H045 AA11 AA20 AA30 BA10 BA61 BA62 CA01 DA76 DA86 FA31 FA52

Claims (57)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗原に対する哺乳動物の免疫応答を調節する方法であって、
    哺乳動物の体内に、有孔であるがその他の点では不透過性である容器の中に多孔
    性マトリックスを含んでなるデバイスを埋め込み、該マトリックスがある量の抗
    原を含み、該デバイスが該抗原に出会いかつ免疫応答を調節するように免疫系の
    細胞を引き寄せることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記抗原が哺乳動物への前記デバイスの埋め込み時に多孔性
    マトリックス内で生体利用可能である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記デバイスを哺乳動物に埋め込んだ後に、前記抗原が多孔
    性マトリックス内で生体利用可能となる、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 哺乳動物に埋め込んだ約3日後に、前記抗原が生体利用可能
    となる、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記抗原が埋め込みの約3日後に前記デバイスに導入される
    、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記抗原が遅延放出製剤として提供される、請求項1記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 多孔性マトリックスがポリマー材料からなる、請求項1記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 ポリマー材料が天然源および合成源から選択される、請求項
    7記載の方法。
  9. 【請求項9】 ポリマーマトリックスがヒドロキシル化ポリ酢酸ビニル、ポ
    リウレタン、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリ乳酸、ポリラクチド−グリ
    コリドコポリマー、ゼラチン、コラーゲン、架橋コラーゲン、およびこれらの組
    合せからなる群より選択される、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記容器が天然源および合成源から選択されるポリマー材
    料からなる、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 多孔性ポリマーマトリックスがヒドロキシル化ポリ酢酸ビ
    ニルからなり、前記容器が有孔チューブ材料のセグメントからなる、請求項1記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 前記量の抗原および哺乳動物へのデバイスの埋め込み時期
    に対する前記デバイス内の抗原の生体利用可能のタイミングが、前記抗原に対す
    る免疫応答の誘導または増強をもたらす、請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記抗原が哺乳動物への前記デバイスの埋め込み後に前記
    デバイス内で生体利用可能である、請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記抗原が哺乳動物に前記デバイスを埋め込んだ約2〜4
    日後に前記デバイスに導入される、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記量の抗原および哺乳動物へのデバイスの埋め込み時期
    に対する前記デバイス内の抗原の生体利用可能のタイミングが、前記抗原に対す
    る既存のまたは潜在的な免疫応答の抑制またはダウンレギュレーションをもたら
    す、請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記抗原が哺乳動物への埋め込み時に前記デバイス内で生
    体利用可能である、請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記デバイスが約10日後に哺乳動物の体内から取り出され
    る、請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記抗原の第2の量が前記デバイスに再導入される、請求
    項1記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記抗原の第2の量が埋め込み時にデバイス内に存在する
    前記抗原の第2の量の遅延放出により前記デバイスに再導入される、請求項18
    記載の方法。
  20. 【請求項20】 有孔であるがその他の点では不透過性である容器の中に多
    孔性マトリックスを含んでなる、抗原に対する免疫応答を調節するための埋め込
    み型デバイス。
  21. 【請求項21】 前記抗原が多孔性マトリックス内に存在する、請求項20
    記載のデバイス。
  22. 【請求項22】 埋め込みの前または後に、多孔性マトリックスに接触させ
    て前記抗原を導入するための手段をさらに含む、請求項20記載のデバイス。
  23. 【請求項23】 前記マトリックスがポリマー材料からなる、請求項20記
    載のデバイス。
  24. 【請求項24】 ポリマー材料が天然源および合成源から選択される、請求
    項23記載のデバイス。
  25. 【請求項25】 ポリマー材料がヒドロキシル化ポリ酢酸ビニル、エチレン
    /酢酸ビニルコポリマー、ポリ乳酸、ポリラクチド−グリコリドコポリマー、ポ
    リウレタン、ゼラチン、コラーゲン、架橋コラーゲン、およびこれらの組合せか
    らなる群より選択される、請求項24記載のデバイス。
  26. 【請求項26】 前記容器が有孔チューブ材料のセグメントからなる、請求
    項20記載のデバイス。
  27. 【請求項27】 前記容器が、多孔性マトリックスのまわりに配置された、
    有孔であるがその他の点では不透過性のコーティングからなる、請求項20記載
    のデバイス。
  28. 【請求項28】 前記コーティングがポリマー材料からなる、請求項27記
    載のデバイス。
  29. 【請求項29】 ポリマー材料が天然源および合成源から選択される、請求
    項28記載のデバイス。
  30. 【請求項30】 ポリマー材料が架橋コラーゲン、ポリ乳酸、ポリラクチド
    −グリコリドコポリマー、ポリエチレン、シリコーン、ラテックス樹脂、ポリス
    チレン、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、およびこれらの組合せからなる
    群より選択される、請求項29記載のデバイス。
  31. 【請求項31】 多孔性マトリックスがヒドロキシル化ポリ酢酸ビニルから
    なり、前記容器が有孔チューブ材料のセグメントからなる、請求項20記載のデ
    バイス。
  32. 【請求項32】 哺乳動物から免疫細胞を取得する方法であって、該哺乳動
    物の体内に埋め込まれた、有孔であるがその他の点では不透過性の容器の中に多
    孔性マトリックスを含んでなるデバイスから該免疫細胞を回収することを特徴と
    する方法。
  33. 【請求項33】 回収した細胞を前記哺乳動物に再導入する、請求項32記
    載の方法。
  34. 【請求項34】 前記哺乳動物に再導入する前に、回収した細胞を凍結保存
    する、請求項33記載の方法。
  35. 【請求項35】 抗原が前記デバイスの多孔性マトリックス内に存在する、
    請求項32記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記免疫細胞を前記哺乳動物に再導入する、請求項35記
    載の方法。
  37. 【請求項37】 前記抗原にin vitroで暴露した後で、前記免疫細胞を前記
    哺乳動物に再導入する、請求項35記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記マトリックスがポリマー材料からなる、請求項32記
    載の方法。
  39. 【請求項39】 ポリマー材料が天然源および合成源から選択される、請求
    項38記載の方法。
  40. 【請求項40】 ポリマー材料がヒドロキシル化ポリ酢酸ビニル、エチレン
    /酢酸ビニルコポリマー、ポリ乳酸、ポリラクチド−グリコリドコポリマー、ポ
    リウレタン、ゼラチン、コラーゲン、架橋コラーゲン、およびこれらの組合せか
    らなる群より選択される、請求項39記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記容器が有孔チューブ材料のセグメントからなる、請求
    項32記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記容器が、多孔性マトリックスのまわりに配置された、
    有孔であるがその他の点では不透過性のコーティングからなる、請求項32記載
    の方法。
  43. 【請求項43】 前記コーティングがポリマー材料からなる、請求項42記
    載の方法。
  44. 【請求項44】 ポリマー材料が天然源および合成源から選択される、請求
    項43記載の方法。
  45. 【請求項45】 ポリマー材料が架橋コラーゲン、ポリ乳酸、ポリラクチド
    −グリコリドコポリマー、ポリエチレン、シリコーン、ラテックス樹脂、ポリス
    チレン、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、およびこれらの組合せからなる
    群より選択される、請求項44記載の方法。
  46. 【請求項46】 多孔性マトリックスがヒドロキシル化ポリ酢酸ビニルから
    なり、前記容器が有孔チューブ材料のセグメントからなる、請求項32記載の方
    法。
  47. 【請求項47】 前記免疫細胞が前記抗原に対するモノクローナル抗体を産
    生するハイブリドーマを作製するために使用される、請求項35記載の方法。
  48. 【請求項48】 抗原に対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
    マを作製するために該抗原で哺乳動物を免疫する方法であって、該哺乳動物が請
    求項12記載の方法により免疫されることを特徴とする方法。
  49. 【請求項49】 抗原に対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
    マを作製するために該抗原で哺乳動物を免疫する方法であって、該哺乳動物が請
    求項21記載のデバイスを用いて免疫されることを特徴とする方法。
  50. 【請求項50】 前記抗原に対する免疫応答が予防的ワクチン接種、治療的
    ワクチン接種、細胞性免疫、体液性免疫、粘膜性免疫、長期免疫、およびこれら
    の組合せからなる群より選択される、請求項12記載の方法。
  51. 【請求項51】予め選択した抗原に対するヒトモノクローナル抗体を産生す
    るハイブリドーマを作製する方法であって、次の連続ステップ: (a) ヒト末梢血リンパ球を重症複合型免疫不全(SCID)マウスの循環系に導入し
    、該リンパ球に該マウスの免疫系を集団化させること、 (b) 該マウスに請求項21記載のデバイスを埋め込むこと、ただし、該デバイ
    スの抗原は該予め選択した抗原からなること、 (c) 該デバイスから免疫細胞を回収すること、 (d) 回収した免疫細胞中に存在するBリンパ球からハイブリドーマを作製する
    こと、および (e) スクリーニング法により、該予め選択した抗原を認識するモノクローナル
    抗体を産生するハイブリドーマを同定すること、 を含んでなる方法。
  52. 【請求項52】 哺乳動物の免疫細胞を遺伝物質でトランスフェクトする方
    法であって、有孔であるがその他の点では不透過性である容器の中に多孔性マト
    リックスを含んでなるデバイスの該マトリックス内に該遺伝物質を導入し、該デ
    バイスを該哺乳動物の体内に埋め込むことを特徴とする方法。
  53. 【請求項53】 前記遺伝物質がDNA、RNA、およびcDNAからなる群より選択
    される、請求項52記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記遺伝物質が抗原をコードする、請求項52記載の方法
  55. 【請求項55】 請求項15に従って免疫応答を抑制することからなる、免
    疫応答により引き起こされる疾患または症状を治療または予防する方法。
  56. 【請求項56】 前記疾患または症状がアレルギー、移植拒絶反応、および
    自己免疫疾患からなる群より選択される、請求項55記載の方法。
  57. 【請求項57】 哺乳動物の体内にデバイスを埋め込むことにより抗原に対
    する哺乳動物の免疫応答を調節する方法であって、該デバイスが抗原を含み、か
    つ該デバイス内へのまたは該デバイスからの免疫細胞の能動運動を制限すること
    なく該デバイスからの分子の受動拡散を制限する手段をさらに含むことを特徴と
    する方法。
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