JP2003520567A - 共通プロフィールを用いて薬物活性を特性決定する方法 - Google Patents
共通プロフィールを用いて薬物活性を特性決定する方法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、生物学的応答プロファイルの検出向上のための方法を提供する。特に、本発明の方法は、種々の薬物治療に応答した、遺伝子発現パターンなどの生物学的応答パターンの検出を可能にする。本発明の方法は、特定のクラスまたはタイプの生物学的応答を記述する「共通プロファイル」の決定も可能にする。特定の実施形態では、共通プロファイルは、特定のグループまたはクラスの薬物の生物学的応答を記述し得る。別の実施形態では、共通プロファイルは所望の治療効果に関連した応答のような「理想的な」生物学的応答を記述し得る。また本発明の方法は、種々の生物学的応答の比較も可能にする。したがって、本発明の方法は、例えば、新規薬物の同定および/または研究に使用可能である。
Description
【0001】1.発明の技術分野
本発明の技術分野は、異なる薬物処理に対する応答において、生物学的プロフ
ィールの共通の要素またはパターン、例えば、遺伝子発現プロフィールにおける
共通の要素などを、同定する方法に関する。本発明は、理想的な薬物プロフィー
ルならびに望ましくない薬物プロフィールを同定するための上記方法の適用にも
関する。さらに、本発明は、現存する薬物から得られるプロフィールを上記の理
想的なものと比較するための上記方法の適用にも関する。
ィールの共通の要素またはパターン、例えば、遺伝子発現プロフィールにおける
共通の要素などを、同定する方法に関する。本発明は、理想的な薬物プロフィー
ルならびに望ましくない薬物プロフィールを同定するための上記方法の適用にも
関する。さらに、本発明は、現存する薬物から得られるプロフィールを上記の理
想的なものと比較するための上記方法の適用にも関する。
【0002】2.発明の背景
この10年間に、種々の方法により、いかなる時点における細胞でもその中の多
数の遺伝子転写産物 (Schenaら、1995、Science270:467-470;Lockhartら、199
6、Nature Biotechnology 14;1675-1680; Blanchardら、1996、Nature Biotechn
ology 14;1649;Ashbyら、U.S.Patent No. 5,569,588, 1996年10月29日交付など
参照のこと)および多数のタンパク質(McClrmacら、1995、Analytical Chemistry
69:767-776;Chait-BTら、1996、Nature Biotechnology 14; 1544など参照の
こと)の発現レベルをモニターすることが可能になった。完全にゲノムが判明し
ている生物体では、細胞内の全ての遺伝子の転写産物を解析することができる。
ゲノムが判明しつつあるヒトなどの他の生物体では、細胞内の多くの遺伝子を同
時にモニターすることが可能である。
数の遺伝子転写産物 (Schenaら、1995、Science270:467-470;Lockhartら、199
6、Nature Biotechnology 14;1675-1680; Blanchardら、1996、Nature Biotechn
ology 14;1649;Ashbyら、U.S.Patent No. 5,569,588, 1996年10月29日交付など
参照のこと)および多数のタンパク質(McClrmacら、1995、Analytical Chemistry
69:767-776;Chait-BTら、1996、Nature Biotechnology 14; 1544など参照の
こと)の発現レベルをモニターすることが可能になった。完全にゲノムが判明し
ている生物体では、細胞内の全ての遺伝子の転写産物を解析することができる。
ゲノムが判明しつつあるヒトなどの他の生物体では、細胞内の多くの遺伝子を同
時にモニターすることが可能である。
【0003】
この技術の適用には、例えば、様々な生理学的状態において、特に疾病状態に
おいて、アップレギュレートまたはダウンレギュレートされる遺伝子の同定が含
まれる。転写産物アレイの更なる使用は、シグナル伝達経路のメンバーの解析、
おおび種々の薬物に対する標的の同定を含んでいる。例えば、FriendおよびHart
well、米国特許仮出願第60/039,134号(1997年2月28日出願)、Stoughton、米国特
許出願第09/099,722号(1998年6月19日出願)、StoughtonおよびFriend、米国特許
出願第09/074,722号(1998年5月8日出願)、FriendおよびHartwell、米国特許仮
出願第60/056,109号(1997年8月20日出願)、FriendおよびHartwell、米国特許出
願第09/031,216号(1998年2月26日出願)、FriendおよびStoughton、特許仮出願第
60/084,742号(1998年5月8日出願)、第60/090,004号(1998年6月19日出願)、第60/
090,046号(1998年6月19日出願)を参照のこと。このような適用は、薬物処理また
はタンパク質の活性の変化を含む、細胞の生物学的状態の摂動に応答して細胞構
成要素(例えば、細胞内のmRNA分子種、タンパク質、および他の分子種)の量およ
び/または活性レベルが変化するという知見に基づいている。従って、係る細胞
構成要素の測定を、本明細書中では「生物学的プロフィール」または「プロフィ
ール」といい、それには、摂動性薬剤の作用に関する豊富な情報が含まれる。
おいて、アップレギュレートまたはダウンレギュレートされる遺伝子の同定が含
まれる。転写産物アレイの更なる使用は、シグナル伝達経路のメンバーの解析、
おおび種々の薬物に対する標的の同定を含んでいる。例えば、FriendおよびHart
well、米国特許仮出願第60/039,134号(1997年2月28日出願)、Stoughton、米国特
許出願第09/099,722号(1998年6月19日出願)、StoughtonおよびFriend、米国特許
出願第09/074,722号(1998年5月8日出願)、FriendおよびHartwell、米国特許仮
出願第60/056,109号(1997年8月20日出願)、FriendおよびHartwell、米国特許出
願第09/031,216号(1998年2月26日出願)、FriendおよびStoughton、特許仮出願第
60/084,742号(1998年5月8日出願)、第60/090,004号(1998年6月19日出願)、第60/
090,046号(1998年6月19日出願)を参照のこと。このような適用は、薬物処理また
はタンパク質の活性の変化を含む、細胞の生物学的状態の摂動に応答して細胞構
成要素(例えば、細胞内のmRNA分子種、タンパク質、および他の分子種)の量およ
び/または活性レベルが変化するという知見に基づいている。従って、係る細胞
構成要素の測定を、本明細書中では「生物学的プロフィール」または「プロフィ
ール」といい、それには、摂動性薬剤の作用に関する豊富な情報が含まれる。
【0004】
このような生物学的プロフィールを測定し比較できることは、人類にとってお
よび商業的に多大な利益となる可能性がある。例えば、細胞構成要素の大部分(
例えば、一つの細胞もしくは生物体の全てまたは実質的に全ての遺伝子転写産物
)にわたって、所望の薬剤活性(例えば、所望の臨床効果)を特徴づける、「理想
的な」または「共通の」応答プロフィールが特定されると、多大な利益となりう
る。同様に、既知のまたは現存する薬物の応答プロフィールを提供し、共通のプ
ロフィールなどと比較することは、例えば、薬物の探索および設計の過程におい
て大いに有益であろう(例えば、確実に特定の所望の治療効果を有する薬物候補
を同定する、または、特定の個々の化合物が臨床的に優れた毒性プロフィールを
有する理由に関する論理が開拓される)。無論、薬物の効果および毒性を予想す
る目的で、応答プロフィールを作成し、既知のプロフィールと比較することの基
本的な概念は、提唱されている(詳しくは、Fodor、米国特許第5,800,922号;Rin
eおよびAshby、1998、米国特許第5,777,888号を参照のこと)。
よび商業的に多大な利益となる可能性がある。例えば、細胞構成要素の大部分(
例えば、一つの細胞もしくは生物体の全てまたは実質的に全ての遺伝子転写産物
)にわたって、所望の薬剤活性(例えば、所望の臨床効果)を特徴づける、「理想
的な」または「共通の」応答プロフィールが特定されると、多大な利益となりう
る。同様に、既知のまたは現存する薬物の応答プロフィールを提供し、共通のプ
ロフィールなどと比較することは、例えば、薬物の探索および設計の過程におい
て大いに有益であろう(例えば、確実に特定の所望の治療効果を有する薬物候補
を同定する、または、特定の個々の化合物が臨床的に優れた毒性プロフィールを
有する理由に関する論理が開拓される)。無論、薬物の効果および毒性を予想す
る目的で、応答プロフィールを作成し、既知のプロフィールと比較することの基
本的な概念は、提唱されている(詳しくは、Fodor、米国特許第5,800,922号;Rin
eおよびAshby、1998、米国特許第5,777,888号を参照のこと)。
【0005】
しかしながら、実際のあらゆる細胞または生物体の生物学的プロフィールは、
著しく複雑である。ある一つの摂動性薬剤は、少数のまたは多くの細胞構成要素
の量および/または活性の変化をもたらす。従って、特定の摂動に対する生物学
的応答を完全にもしくはほぼ完全に特性解析するためには、一般的に、細胞内の
全てまたは少なくとも大部分の細胞構成要素の応答を独立して測定する必要があ
る。しかし、細胞構成要素の数は、例えば哺乳動物細胞では典型的には105のオ
ーダーである。さらに、細胞構成要素の変化を定量するための現在の技術は、偽
検出、検出不可能、または不正確な定量的測定などの測定誤差の比率が高いとい
う難点を有している。従って、実際には、このような生物学的プロフィールの解
析は、厄介で技術的問題を伴っており、実用化できない。従って、従来技術にお
ける上記の限界を克服する生物学的プロフィールデータを解析する方法、特に、
エラーの比率が少なく、プロフィールデータの変化の構造を単純化する方法が必
要とされている。特に、例えば薬物、薬物ファミリー、または一連の関連化合物
等に対する、所望の(即ち理想的な)生物学的効果の特徴を示す、単純化された「
共通プロフィール」を引き出すための生物学的プロフィールデータを解析するた
めの方法を必要としている。さらに、そのような共通プロフィールを個々の薬物
または薬物候補の生物学的プロフィールと比較する方法が必要である。
著しく複雑である。ある一つの摂動性薬剤は、少数のまたは多くの細胞構成要素
の量および/または活性の変化をもたらす。従って、特定の摂動に対する生物学
的応答を完全にもしくはほぼ完全に特性解析するためには、一般的に、細胞内の
全てまたは少なくとも大部分の細胞構成要素の応答を独立して測定する必要があ
る。しかし、細胞構成要素の数は、例えば哺乳動物細胞では典型的には105のオ
ーダーである。さらに、細胞構成要素の変化を定量するための現在の技術は、偽
検出、検出不可能、または不正確な定量的測定などの測定誤差の比率が高いとい
う難点を有している。従って、実際には、このような生物学的プロフィールの解
析は、厄介で技術的問題を伴っており、実用化できない。従って、従来技術にお
ける上記の限界を克服する生物学的プロフィールデータを解析する方法、特に、
エラーの比率が少なく、プロフィールデータの変化の構造を単純化する方法が必
要とされている。特に、例えば薬物、薬物ファミリー、または一連の関連化合物
等に対する、所望の(即ち理想的な)生物学的効果の特徴を示す、単純化された「
共通プロフィール」を引き出すための生物学的プロフィールデータを解析するた
めの方法を必要としている。さらに、そのような共通プロフィールを個々の薬物
または薬物候補の生物学的プロフィールと比較する方法が必要である。
【0006】
考察または本明細書の参照の引用は、そのような参照が本発明の先行技術であ
るということを確認するものとして解釈されるべきではない。
るということを確認するものとして解釈されるべきではない。
【0007】3.発明の概要
本発明は、薬物および/または薬物候補のグループまたはファミリーに対する
生物の応答などの生物学的応答についての「共通」プロフィールを決定する方法
を提供する。本発明の方法により得られた共通プロフィールは、細胞もしくはモ
デル生物の細胞構成要素、または薬物治療などによる処置が予定されている生物
の細胞構成要素のような何らかの標準測定値セット(set)全体にわたる理想的な
所望の活性プロフィールである。よって、本発明の共通プロフィールは、個々の
化合物が共通して持っている生物学的プロフィールにおけるその要素またはパタ
ーンを表示する。そのような要素またはパターンは、好ましくは特定の生物学的
作用、最も好ましくは特定の所望の治療効果、または「理想的な」作用と関連し
ている。したがって、本発明は、特定の化合物についての応答プロフィール、例
えば特定の薬物または薬物候補についての応答プロフィールを得る方法、および
特定の化合物の応答プロフィールと共通プロフィールとを比較して、特定の化合
物が、特定の、すなわち「理想的な」作用を、「理想的でない」もしくは毒性の
作用とは対照的にどの程度示すかを決定する方法も提供する。
生物の応答などの生物学的応答についての「共通」プロフィールを決定する方法
を提供する。本発明の方法により得られた共通プロフィールは、細胞もしくはモ
デル生物の細胞構成要素、または薬物治療などによる処置が予定されている生物
の細胞構成要素のような何らかの標準測定値セット(set)全体にわたる理想的な
所望の活性プロフィールである。よって、本発明の共通プロフィールは、個々の
化合物が共通して持っている生物学的プロフィールにおけるその要素またはパタ
ーンを表示する。そのような要素またはパターンは、好ましくは特定の生物学的
作用、最も好ましくは特定の所望の治療効果、または「理想的な」作用と関連し
ている。したがって、本発明は、特定の化合物についての応答プロフィール、例
えば特定の薬物または薬物候補についての応答プロフィールを得る方法、および
特定の化合物の応答プロフィールと共通プロフィールとを比較して、特定の化合
物が、特定の、すなわち「理想的な」作用を、「理想的でない」もしくは毒性の
作用とは対照的にどの程度示すかを決定する方法も提供する。
【0008】
このような方法は、例えば、所望の活性プロフィールに最も適合する化合物を
同定するための、ならびに所望の活性プロフィールに至らない化合物を同定する
ための薬物の発見またはデザインプロセスにおいて有用である。本発明の方法は
、さらなる化学修飾を分析して化合物を導き出すのに、またはある特定の個々の
化合物が優れた毒性プロフィールを何故有するかの理論を明らかにするのにも有
用である。最後に、特定の1種以上の化合物に対する生物学的応答は個々の生物
間で異なることが多いので、本発明の方法は、個体の治療中、例えば臨床の場に
おいて所望の治療効果をもたらすための最良の化合物もしくは化合物の組み合わ
せを決定するためにも有用である。
同定するための、ならびに所望の活性プロフィールに至らない化合物を同定する
ための薬物の発見またはデザインプロセスにおいて有用である。本発明の方法は
、さらなる化学修飾を分析して化合物を導き出すのに、またはある特定の個々の
化合物が優れた毒性プロフィールを何故有するかの理論を明らかにするのにも有
用である。最後に、特定の1種以上の化合物に対する生物学的応答は個々の生物
間で異なることが多いので、本発明の方法は、個体の治療中、例えば臨床の場に
おいて所望の治療効果をもたらすための最良の化合物もしくは化合物の組み合わ
せを決定するためにも有用である。
【0009】
本発明は、少なくとも一部は、例えば、種々の濃度の類縁化合物による治療な
どの、条件の任意の有限セット(set)について、個々の細胞構成要素が互いに独
立しては変化しないという発見に基づいている。それどころか、細胞構成要素の
セット(set)は、所定の条件のセットのもとでは、一緒になって変化する、また
は「共変する」傾向がある。したがって、細胞構成要素を何らかの条件セットの
もとで共変するセット(本明細書中では共変セットと呼ぶ)にグループ化するこ
とによって、生物学的プロフィールの構造を正確性または完全性を失うことなく
かなり縮小することができる。好ましくは、条件セットは調査中(すなわち試験
中の個々の薬物または化合物への段階的暴露)の条件または摂動を含む。実際、
構成要素の共変セットへのグループ化は実験誤差を実際に平均化するので、エラ
ー比率(error rate)が低下し、それによって細胞プロフィールにおける変化の良
好な検出、分類および比較が可能になる。
どの、条件の任意の有限セット(set)について、個々の細胞構成要素が互いに独
立しては変化しないという発見に基づいている。それどころか、細胞構成要素の
セット(set)は、所定の条件のセットのもとでは、一緒になって変化する、また
は「共変する」傾向がある。したがって、細胞構成要素を何らかの条件セットの
もとで共変するセット(本明細書中では共変セットと呼ぶ)にグループ化するこ
とによって、生物学的プロフィールの構造を正確性または完全性を失うことなく
かなり縮小することができる。好ましくは、条件セットは調査中(すなわち試験
中の個々の薬物または化合物への段階的暴露)の条件または摂動を含む。実際、
構成要素の共変セットへのグループ化は実験誤差を実際に平均化するので、エラ
ー比率(error rate)が低下し、それによって細胞プロフィールにおける変化の良
好な検出、分類および比較が可能になる。
【0010】
本発明の方法は、(i) 目的の生物学的応答(1個または複数の応答)について
の応答プロフィールを取得または用意するステップ;(ii) その応答プロフィー
ルにおいて同時調節された細胞構成要素(すなわち遺伝子セット)のセットを定
義するステップ;および(iii) 薬物の有効性または毒性のような特定の生物学的
応答と関連する同時調節された細胞構成要素の定義されたセットの中の共通応答
モチーフを同定するステップを含む。このようにして同定された共通応答モチー
フは、本発明の共通プロフィールを含む。好ましい実施形態では、本発明の方法
は、オリジナルの応答プロフィールを上記のステップ(ii)で同定された遺伝子セ
ット上に「射影する」ステップ(iv)をさらに含む。よって、薬物の有効性および
毒性のような生物学的特性に対してより単純且つ強固に関連した、単純化され、
次元が減少した(reduced-dimension)応答プロフィールが生成される。
の応答プロフィールを取得または用意するステップ;(ii) その応答プロフィー
ルにおいて同時調節された細胞構成要素(すなわち遺伝子セット)のセットを定
義するステップ;および(iii) 薬物の有効性または毒性のような特定の生物学的
応答と関連する同時調節された細胞構成要素の定義されたセットの中の共通応答
モチーフを同定するステップを含む。このようにして同定された共通応答モチー
フは、本発明の共通プロフィールを含む。好ましい実施形態では、本発明の方法
は、オリジナルの応答プロフィールを上記のステップ(ii)で同定された遺伝子セ
ット上に「射影する」ステップ(iv)をさらに含む。よって、薬物の有効性および
毒性のような生物学的特性に対してより単純且つ強固に関連した、単純化され、
次元が減少した(reduced-dimension)応答プロフィールが生成される。
【0011】
種々の実施形態において、応答プロフィールは、例えば、遺伝子発現、タンパ
ク質存在量、タンパク質活性、またはそのような測定値の組み合わせを測定する
ことによって得られる。種々の実施形態において、本発明の方法は、応答プロフ
ィールのある一部分において有意な応答を示すその細胞構成要素のみを選別する
ステップをさらに含む。種々の実施形態において、本発明の方法は、細胞構成要
素を同時調節されたセットにグループ化するためのクラスタリングアルゴリズム
またはその他のパターン認識手順の実行をさらに含み得る。種々の実施形態にお
いて、本発明の方法は、類似性にしたがって応答プロフィールをグループ化する
ためのクラスタリングアルゴリズムまたはその他のパターン認識手順の実行をさ
らに含み得る。種々の好ましい実施形態においては、グループ化された細胞構成
要素および応答プロフィールは、上記のステップ(ii)および(iii)における細胞
構成要素の主要なセットおよび共通応答モチーフの同定を容易にするために、例
えばフォールスカラープロットで表示される。
ク質存在量、タンパク質活性、またはそのような測定値の組み合わせを測定する
ことによって得られる。種々の実施形態において、本発明の方法は、応答プロフ
ィールのある一部分において有意な応答を示すその細胞構成要素のみを選別する
ステップをさらに含む。種々の実施形態において、本発明の方法は、細胞構成要
素を同時調節されたセットにグループ化するためのクラスタリングアルゴリズム
またはその他のパターン認識手順の実行をさらに含み得る。種々の実施形態にお
いて、本発明の方法は、類似性にしたがって応答プロフィールをグループ化する
ためのクラスタリングアルゴリズムまたはその他のパターン認識手順の実行をさ
らに含み得る。種々の好ましい実施形態においては、グループ化された細胞構成
要素および応答プロフィールは、上記のステップ(ii)および(iii)における細胞
構成要素の主要なセットおよび共通応答モチーフの同定を容易にするために、例
えばフォールスカラープロットで表示される。
【0012】
より詳しくは、本発明は、第1の実施形態においては、特定の生物学的応答に
ついての共通プロフィールを決定する方法を提供する。かかる方法は、複数の摂
動応答プロフィールにおいて共変細胞構成要素のセットの中の共通応答モチーフ
を同定することを含み、ここで共通応答モチーフは特定の生物学的応答と関連し
ている。生物学的応答は、典型的には、特定の生物学的作用、例えば特定のクラ
スもしくはタイプの薬物の作用、治療効果、または毒性作用と関連している。第
1の実施形態の種々の態様においては、共変する細胞構成要素のセットは同時調
節される細胞構成要素、および/または複数の摂動応答プロフィールにおいて共
変する細胞構成要素のセットを含む。かかる共変する細胞構成要素セットは、例
えば、複数の摂動応答プロフィールにおける細胞構成要素のクラスター分析によ
って同定される。この第1の実施形態のさらに別の態様においては、摂動応答プ
ロフィールは、例えばクラスター分析によって類似の生物学的作用と関連したセ
ット中に再配列される。第1の実施形態の別の態様においては、共変する細胞構
成要素は基準細胞構成要素セットを含み、摂動応答プロフィールを基準細胞構成
要素セット上に射影することで射影応答プロフィールが得られる。
ついての共通プロフィールを決定する方法を提供する。かかる方法は、複数の摂
動応答プロフィールにおいて共変細胞構成要素のセットの中の共通応答モチーフ
を同定することを含み、ここで共通応答モチーフは特定の生物学的応答と関連し
ている。生物学的応答は、典型的には、特定の生物学的作用、例えば特定のクラ
スもしくはタイプの薬物の作用、治療効果、または毒性作用と関連している。第
1の実施形態の種々の態様においては、共変する細胞構成要素のセットは同時調
節される細胞構成要素、および/または複数の摂動応答プロフィールにおいて共
変する細胞構成要素のセットを含む。かかる共変する細胞構成要素セットは、例
えば、複数の摂動応答プロフィールにおける細胞構成要素のクラスター分析によ
って同定される。この第1の実施形態のさらに別の態様においては、摂動応答プ
ロフィールは、例えばクラスター分析によって類似の生物学的作用と関連したセ
ット中に再配列される。第1の実施形態の別の態様においては、共変する細胞構
成要素は基準細胞構成要素セットを含み、摂動応答プロフィールを基準細胞構成
要素セット上に射影することで射影応答プロフィールが得られる。
【0013】
本発明の第1の実施形態で決定された共通プロフィールは、特に、共通応答モ
チーフにおいて活性化または非活性化された共変する細胞構成要素のセットの共
通部分(intersection)である。この共通部分は、例えば、複数の応答プロフィー
ルの目視検査によって、射影応答プロフィールを閾値処理することによって、ま
たは演算によって同定し得る。
チーフにおいて活性化または非活性化された共変する細胞構成要素のセットの共
通部分(intersection)である。この共通部分は、例えば、複数の応答プロフィー
ルの目視検査によって、射影応答プロフィールを閾値処理することによって、ま
たは演算によって同定し得る。
【0014】
第2の実施形態においては、本発明は、生物学的応答プロフィールを共通プロ
フィールと比較する方法も提供する。本発明は、(a) 基準細胞構成要素セットの
定義にしたがって生物学的応答プロフィールを射影応答プロフィールに変換する
ステップ、および(b) 射影応答プロフィールと共通プロフィールの間の類似距離
(similarity metric)の値を決定するステップを含む。好ましくは、基準細胞構
成要素セットは共変する細胞構成要素セットを含む。類似距離は、第2の実施形
態の特定の態様においては、射影応答プロフィールと共通プロフィールの間の一
般化されたコサイン角(generalized cosine angle)であり得る。
フィールと比較する方法も提供する。本発明は、(a) 基準細胞構成要素セットの
定義にしたがって生物学的応答プロフィールを射影応答プロフィールに変換する
ステップ、および(b) 射影応答プロフィールと共通プロフィールの間の類似距離
(similarity metric)の値を決定するステップを含む。好ましくは、基準細胞構
成要素セットは共変する細胞構成要素セットを含む。類似距離は、第2の実施形
態の特定の態様においては、射影応答プロフィールと共通プロフィールの間の一
般化されたコサイン角(generalized cosine angle)であり得る。
【0015】
第3の実施形態においては、本発明は、生物学的サンプルを分析する方法を提
供する。特に、本実施形態の方法は、(a) 生物学的サンプルに由来する細胞構成
要素を生物学的サンプルから得られた生物学的プロフィールにおいて共変する細
胞構成要素のセットにグループ化するステップ、および(b) 生物学的サンプルか
ら得られた生物学的プロフィールを類似の細胞構成要素をもたらす生物学的プロ
フィールのセットにグループ化するステップを含む。本実施形態の好ましい態様
においては、特定の生物学的作用に関連した1個以上の細胞構成要素および/ま
たは1個以上の応答プロフィールは、かかる細胞構成要素および/または生物学
的プロフィールのセットから同定される。例えば、いくつかの態様においては、
細胞構成要素は遺伝子または遺伝子転写産物を含み、その結果、特定の生物学的
作用と関連した1個以上の遺伝子が同定される。この実施形態の方法によって同
定される遺伝子は、既知の遺伝子でもこれまで知られていない遺伝子でもよい。
供する。特に、本実施形態の方法は、(a) 生物学的サンプルに由来する細胞構成
要素を生物学的サンプルから得られた生物学的プロフィールにおいて共変する細
胞構成要素のセットにグループ化するステップ、および(b) 生物学的サンプルか
ら得られた生物学的プロフィールを類似の細胞構成要素をもたらす生物学的プロ
フィールのセットにグループ化するステップを含む。本実施形態の好ましい態様
においては、特定の生物学的作用に関連した1個以上の細胞構成要素および/ま
たは1個以上の応答プロフィールは、かかる細胞構成要素および/または生物学
的プロフィールのセットから同定される。例えば、いくつかの態様においては、
細胞構成要素は遺伝子または遺伝子転写産物を含み、その結果、特定の生物学的
作用と関連した1個以上の遺伝子が同定される。この実施形態の方法によって同
定される遺伝子は、既知の遺伝子でもこれまで知られていない遺伝子でもよい。
【0016】
最後に、本発明の方法は、好ましくは、上記の方法を実行可能な自動システム
、例えばコンピュータシステムで実行される。したがって、本発明は、第3の実
施形態において、本発明の方法を実行するためのコンピュータ読み取り可能プロ
グラムコードが組込まれたコンピュータ使用可能媒体を含むコンピュータシステ
ムも提供する。
、例えばコンピュータシステムで実行される。したがって、本発明は、第3の実
施形態において、本発明の方法を実行するためのコンピュータ読み取り可能プロ
グラムコードが組込まれたコンピュータ使用可能媒体を含むコンピュータシステ
ムも提供する。
【0017】5.詳細な説明
本節では、本発明およびその用途の詳細な説明を記載する。特に、5.1節では
、本発明をさらに説明する上で有用な一定の予備概念を記載する。5.2節では本
発明の方法を概略的に記載し、5.3節では本発明の方法の好ましい分析実施形態
を記載する。最後に、5.4節では細胞構成要素の測定方法を記載し、5.5節では細
胞または生物の生物学的状態に摂動を起こさせる様々な目標とする方法を記載す
る。
、本発明をさらに説明する上で有用な一定の予備概念を記載する。5.2節では本
発明の方法を概略的に記載し、5.3節では本発明の方法の好ましい分析実施形態
を記載する。最後に、5.4節では細胞構成要素の測定方法を記載し、5.5節では細
胞または生物の生物学的状態に摂動を起こさせる様々な目標とする方法を記載す
る。
【0018】
さらに詳細かつ具体的なものにするために、本発明の概略方法の実施例をいく
つか記載する。これらの実施例は限定するものではなく、当業者に明らかな関連
する変更は、添付の請求の範囲に包含されるものとする。これらの実施例に続い
て、概略方法に関連するデータ収集ステップの実施形態を記載する。
つか記載する。これらの実施例は限定するものではなく、当業者に明らかな関連
する変更は、添付の請求の範囲に包含されるものとする。これらの実施例に続い
て、概略方法に関連するデータ収集ステップの実施形態を記載する。
【0019】5.1.概論
本発明は、共通プロフィールを使用して、薬物活性を同定(すなわち特性決定)
するための方法およびシステムに関する。特に、本発明の方法およびシステムは
、薬物の特定の生物学的作用(例えば、薬物の有効性または毒性)に対応し、異な
る薬物治療に対する応答プロフィールにおいて共通である要素を含む「共通プロ
フィール」を同定することを可能にする。本発明の方法およびシステムはまた、(
例えば、異なるが関連する薬物への曝露から得られる)異なる応答プロフィール
をこのような共通プロフィールと比較して、細胞または生物内での特定の薬物の
生物学的性質(例えば、薬物の有効性または毒性)を評価することを可能にする。
本発明の方法は、最も好ましくは1つ以上の薬物への段階的レベルでの曝露に応
答した、細胞の生物学的状態の変化の測定値(すなわち、「応答プロフィール」)を
分析して、(a)応答プロフィールにおいて同時調節される細胞構成要素の主要な
セットを定義すること、および(b)特定の生物学的応答(例えば、薬物の有効性ま
たは毒性)に関連する同時調節される細胞構成要素の中の共通応答モチーフを同
定することを含む。
するための方法およびシステムに関する。特に、本発明の方法およびシステムは
、薬物の特定の生物学的作用(例えば、薬物の有効性または毒性)に対応し、異な
る薬物治療に対する応答プロフィールにおいて共通である要素を含む「共通プロ
フィール」を同定することを可能にする。本発明の方法およびシステムはまた、(
例えば、異なるが関連する薬物への曝露から得られる)異なる応答プロフィール
をこのような共通プロフィールと比較して、細胞または生物内での特定の薬物の
生物学的性質(例えば、薬物の有効性または毒性)を評価することを可能にする。
本発明の方法は、最も好ましくは1つ以上の薬物への段階的レベルでの曝露に応
答した、細胞の生物学的状態の変化の測定値(すなわち、「応答プロフィール」)を
分析して、(a)応答プロフィールにおいて同時調節される細胞構成要素の主要な
セットを定義すること、および(b)特定の生物学的応答(例えば、薬物の有効性ま
たは毒性)に関連する同時調節される細胞構成要素の中の共通応答モチーフを同
定することを含む。
【0020】
本節では、まず、薬物作用、細胞の生物学的状態、および共変する細胞構成要
素のセットの概念を含む一定の予備概念を記載する。次に、本発明の方法の概略
的かつ限定しない全体像を記載する。以下の節においては、本発明の方法をさら
に詳細に記載する。
素のセットの概念を含む一定の予備概念を記載する。次に、本発明の方法の概略
的かつ限定しない全体像を記載する。以下の節においては、本発明の方法をさら
に詳細に記載する。
【0021】
簡潔にするために、本開示では単一の細胞を指すことがあるが(例えば、「特定
の濃度の薬物に曝された細胞からRNAを単離した」など)、当業者は、多くの場合
、本発明の任意のステップが複数の遺伝的に類似した細胞(例えば、培養細胞系
由来の細胞)を使用して行われることを理解するであろう。このような類似する
細胞は、本明細書において、「細胞型」と称する。このような細胞は、天然の単細
胞生物由来のものか、多細胞高等生物由来のものである。
の濃度の薬物に曝された細胞からRNAを単離した」など)、当業者は、多くの場合
、本発明の任意のステップが複数の遺伝的に類似した細胞(例えば、培養細胞系
由来の細胞)を使用して行われることを理解するであろう。このような類似する
細胞は、本明細書において、「細胞型」と称する。このような細胞は、天然の単細
胞生物由来のものか、多細胞高等生物由来のものである。
【0022】5.1.1. 薬物作用
本発明によれば、薬物は、既知または未知の機構によるものでも、また治療的
に使用されるか否かにも関わらず、生物学系に摂動を起こさせる任意の程度の複
雑度(complexity)を有する任意の化合物である。つまり、薬物としては:研究ま
たは治療目的の典型的な小分子;エンドクリン、パラクリン、もしくはオートク
リン因子などの天然型因子、または全種類の細胞受容体と相互作用する全種類の
細胞受容体と相互作用する因子;細胞内シグナリング経路のエレメントなどの細
胞内因子;他の天然由来源から単離された因子;農薬;除草剤;殺虫剤;などが
挙げられる。薬物の生物学的作用は、とりわけ、1つ以上のRNA種の転写または
分解の割合、1つ以上のポリペプチドの翻訳または翻訳後プロセンシングの割合
または程度、1つ以上のタンパク質の分解の割合または程度、1つ以上のタンパ
ク質の作用または活性の阻害または刺激など、における薬物媒介型変化の結果に
よるものでありうる。実際、ほとんどの薬物は、タンパク質との相互作用により
効果を発揮する。タンパク質の割合を増加させたり、タンパク質の活性もしくは
レベルを刺激する薬物を本明細書において「活性化薬物」と称し、タンパク質の割
合を減少させたり、タンパク質の活性またはレベルを抑制する薬物を本明細書に
おいて「抑制薬物」と称する。当業者には明らかであるが、本発明は、本明細書に
おいて、異なる薬物について共通プロフィールを決定し、それらを「薬物」の活性
を同定するために使用することに関して記載するが、特定の薬物の異なる調製物
(すなわち、特定の薬物を含み、かつ異なる追加成分も含む組成物)についての共
通プロフィールを決定することにも同等に適用できる。
に使用されるか否かにも関わらず、生物学系に摂動を起こさせる任意の程度の複
雑度(complexity)を有する任意の化合物である。つまり、薬物としては:研究ま
たは治療目的の典型的な小分子;エンドクリン、パラクリン、もしくはオートク
リン因子などの天然型因子、または全種類の細胞受容体と相互作用する全種類の
細胞受容体と相互作用する因子;細胞内シグナリング経路のエレメントなどの細
胞内因子;他の天然由来源から単離された因子;農薬;除草剤;殺虫剤;などが
挙げられる。薬物の生物学的作用は、とりわけ、1つ以上のRNA種の転写または
分解の割合、1つ以上のポリペプチドの翻訳または翻訳後プロセンシングの割合
または程度、1つ以上のタンパク質の分解の割合または程度、1つ以上のタンパ
ク質の作用または活性の阻害または刺激など、における薬物媒介型変化の結果に
よるものでありうる。実際、ほとんどの薬物は、タンパク質との相互作用により
効果を発揮する。タンパク質の割合を増加させたり、タンパク質の活性もしくは
レベルを刺激する薬物を本明細書において「活性化薬物」と称し、タンパク質の割
合を減少させたり、タンパク質の活性またはレベルを抑制する薬物を本明細書に
おいて「抑制薬物」と称する。当業者には明らかであるが、本発明は、本明細書に
おいて、異なる薬物について共通プロフィールを決定し、それらを「薬物」の活性
を同定するために使用することに関して記載するが、特定の薬物の異なる調製物
(すなわち、特定の薬物を含み、かつ異なる追加成分も含む組成物)についての共
通プロフィールを決定することにも同等に適用できる。
【0023】
1つの薬物グループの共通プロフィールを決定し、このプロフィールを使用し
て細胞内の薬物活性を同定する方法は、例えば、治療の有効性 (例えば、特定の
薬物治療を施されている個体から得られる薬物応答プロフィールが、「理想的な」
薬物効果を示す共通プロフィールと同じかもしくは類似しているか否か)を決定
したり、異なる薬物もしくは薬物候補を相対的な薬物有効性および相対的な毒性
について比較したり、既存する薬物もしくは薬物候補に対する化学修飾など新規
の薬物を評価したり、または特定の薬物相互作用についての理論(例えば、優れ
た毒性プロフィールを生成する薬物の化学的もしくは構造的特徴についての理論
)を検査したりするために使用できる。これら全ての態様において、異なる薬物
は、例えば、同じファーマコフォア(pharmacophore)の異なる組成物または調製
物を含みうる。
て細胞内の薬物活性を同定する方法は、例えば、治療の有効性 (例えば、特定の
薬物治療を施されている個体から得られる薬物応答プロフィールが、「理想的な」
薬物効果を示す共通プロフィールと同じかもしくは類似しているか否か)を決定
したり、異なる薬物もしくは薬物候補を相対的な薬物有効性および相対的な毒性
について比較したり、既存する薬物もしくは薬物候補に対する化学修飾など新規
の薬物を評価したり、または特定の薬物相互作用についての理論(例えば、優れ
た毒性プロフィールを生成する薬物の化学的もしくは構造的特徴についての理論
)を検査したりするために使用できる。これら全ての態様において、異なる薬物
は、例えば、同じファーマコフォア(pharmacophore)の異なる組成物または調製
物を含みうる。
【0024】
薬物に加えて、本発明は、目標とする様式で生物学的系に摂動を起こさせる物
理的環境の態様の変化にも等しく適用できる。このような環境的変化には、適度
な温度変化(例えば、10℃の温度上昇)または適度な線量の放射線への曝露が含ま
れうる。他の環境的態様には、特定の糖、アミノ酸などの有無などの栄養的環境
が含まれる。
理的環境の態様の変化にも等しく適用できる。このような環境的変化には、適度
な温度変化(例えば、10℃の温度上昇)または適度な線量の放射線への曝露が含ま
れうる。他の環境的態様には、特定の糖、アミノ酸などの有無などの栄養的環境
が含まれる。
【0025】5.1.2. 生物学的状態
本発明においては、細胞の生物学的状態の変化を観察することにより、薬物の
生物学的作用(または物理的環境変化)を測定する。細胞は、例えば原核生物、真
核生物、哺乳動物、植物または動物など任意の種類のものであってよい。細胞の
生物学的状態とは、本明細書で使用する場合には、意図する目的のために細胞を
特性決定(例えば、薬物の効果を特性決定)するのに十分な細胞構成要素の集合の
状態を意味する。これらの構成要素の状態についての測定および/または観察は
、それらの存在量(すなわち、細胞内における量または濃度)、それらの活性、そ
れらの修飾(例えば、リン酸化)状態、または薬物活性の特性決定に関連する他の
測定であり得る。様々な実施形態において、本発明は、このような測定および/
または観察を、異なる細胞構成要素集合に対して行うことを含む。これらの異な
る細胞構成要素集合はまた、本明細書において、細胞の生物学的状態の態様とも
称する。本明細書で使用する「細胞構成要素」という用語は、ミトコンドリア、リ
ソゾームなどの既知の細胞下小器官を指すことを意図していない。
生物学的作用(または物理的環境変化)を測定する。細胞は、例えば原核生物、真
核生物、哺乳動物、植物または動物など任意の種類のものであってよい。細胞の
生物学的状態とは、本明細書で使用する場合には、意図する目的のために細胞を
特性決定(例えば、薬物の効果を特性決定)するのに十分な細胞構成要素の集合の
状態を意味する。これらの構成要素の状態についての測定および/または観察は
、それらの存在量(すなわち、細胞内における量または濃度)、それらの活性、そ
れらの修飾(例えば、リン酸化)状態、または薬物活性の特性決定に関連する他の
測定であり得る。様々な実施形態において、本発明は、このような測定および/
または観察を、異なる細胞構成要素集合に対して行うことを含む。これらの異な
る細胞構成要素集合はまた、本明細書において、細胞の生物学的状態の態様とも
称する。本明細書で使用する「細胞構成要素」という用語は、ミトコンドリア、リ
ソゾームなどの既知の細胞下小器官を指すことを意図していない。
【0026】
本発明において有用に測定される細胞の生物学的状態の一態様は、その転写状
態である。細胞の転写状態とは、所定の条件セット下にある細胞内の構成RNA種(
特にmRNA)の同定および存在量を含む。細胞内の全ての構成RNA種の実質的な画分
(fraction)が測定されることが好ましいが、少なくとも目的の薬物の作用を特性
決定するのに十分な画分が測定される。転写状態は、本発明において測定される
生物学的状態の現在の好ましい態様である。例えば、いくつの既存の遺伝子発現
技法のうち任意のものによりcDNA存在量を測定することにより、都合よく決定で
きる。
態である。細胞の転写状態とは、所定の条件セット下にある細胞内の構成RNA種(
特にmRNA)の同定および存在量を含む。細胞内の全ての構成RNA種の実質的な画分
(fraction)が測定されることが好ましいが、少なくとも目的の薬物の作用を特性
決定するのに十分な画分が測定される。転写状態は、本発明において測定される
生物学的状態の現在の好ましい態様である。例えば、いくつの既存の遺伝子発現
技法のうち任意のものによりcDNA存在量を測定することにより、都合よく決定で
きる。
【0027】
本発明において有用に測定される細胞の生物学的状態の別の態様は、その翻訳
状態である。細胞の翻訳状態には、所定の条件セット下にある細胞内の構成タン
パク質種の同定および存在量が含まれる。細胞内の全ての構成タンパク質種の実
質的な画分が測定されることが好ましいが、少なくとも目的の薬物の作用を特性
決定するのに十分な画分が測定される。当業者には公知であるが、転写状態は、
翻訳状態を表すことが多い。
状態である。細胞の翻訳状態には、所定の条件セット下にある細胞内の構成タン
パク質種の同定および存在量が含まれる。細胞内の全ての構成タンパク質種の実
質的な画分が測定されることが好ましいが、少なくとも目的の薬物の作用を特性
決定するのに十分な画分が測定される。当業者には公知であるが、転写状態は、
翻訳状態を表すことが多い。
【0028】
細胞の生物学的状態の別の態様もまた本発明に使用される。例えば、本明細書
で使用する意味での細胞の活性状態は、所定の条件セット下にある細胞内の構成
タンパク質種(および任意に触媒的に活性な核酸種)の活性を含む。当業者には公
知であるが、翻訳状態は、活性状態を表すことが多い。
で使用する意味での細胞の活性状態は、所定の条件セット下にある細胞内の構成
タンパク質種(および任意に触媒的に活性な核酸種)の活性を含む。当業者には公
知であるが、翻訳状態は、活性状態を表すことが多い。
【0029】
本発明は、細胞の生物学的状態の異なる態様の測定値が組み合わさった、細胞
の生物学的状態が「混在する」態様にも、関連する場合には、適合可能である。例
えばある混在態様では、特定のRNA種および特定のタンパク質の存在量を、特定
の他のタンパク質種の活性の測定値と組み合わせる。さらに、以下の記載から、
本発明がまた、測定可能な細胞の他の生物学的状態の態様にも適合できることが
理解されるであろう。
の生物学的状態が「混在する」態様にも、関連する場合には、適合可能である。例
えばある混在態様では、特定のRNA種および特定のタンパク質の存在量を、特定
の他のタンパク質種の活性の測定値と組み合わせる。さらに、以下の記載から、
本発明がまた、測定可能な細胞の他の生物学的状態の態様にも適合できることが
理解されるであろう。
【0030】
薬物曝露は、典型的に、本発明の特定の実施形態において測定および/または
観察される細胞の生物学的状態の態様に関わらず、多くの構成要素に影響を及ぼ
す。例えば、細胞に存在することが知られている調節、生体恒常性、および補償
性ネットワークおよび系のために、「理想的な薬物」(すなわち、細胞内の単一の
構成要素にのみ直接影響を及ぼし、他の構成要素には直接影響しない薬物)でさ
えも、複雑かつしばしば予想外の間接的影響を有する。仮の単一のタンパク質と
してタンパク質Pの活性を特異的かつ完全に阻害する薬物を例として考えてみる
。薬物自体は、タンパク質Pのみの活性を直接変化させるが、タンパク質Pによ
り阻害または刺激されるか、タンパク質P活性の損失を補償するために上昇また
は減損する別の細胞構成要素にも影響が及ぶ。さらに別の細胞構成要素が、第2
段の(second tier)構成要素のレベルまたは活性の変化などにより影響される。
従って、標的のタンパク質Pへの薬物の直接的作用は、タンパク質Pの下流にあ
る多数の間接的作用の中に隠れている。このようなタンパク質Pの下流の作用を
、タンパク質Pに起因する生物学的経路と称する。
観察される細胞の生物学的状態の態様に関わらず、多くの構成要素に影響を及ぼ
す。例えば、細胞に存在することが知られている調節、生体恒常性、および補償
性ネットワークおよび系のために、「理想的な薬物」(すなわち、細胞内の単一の
構成要素にのみ直接影響を及ぼし、他の構成要素には直接影響しない薬物)でさ
えも、複雑かつしばしば予想外の間接的影響を有する。仮の単一のタンパク質と
してタンパク質Pの活性を特異的かつ完全に阻害する薬物を例として考えてみる
。薬物自体は、タンパク質Pのみの活性を直接変化させるが、タンパク質Pによ
り阻害または刺激されるか、タンパク質P活性の損失を補償するために上昇また
は減損する別の細胞構成要素にも影響が及ぶ。さらに別の細胞構成要素が、第2
段の(second tier)構成要素のレベルまたは活性の変化などにより影響される。
従って、標的のタンパク質Pへの薬物の直接的作用は、タンパク質Pの下流にあ
る多数の間接的作用の中に隠れている。このようなタンパク質Pの下流の作用を
、タンパク質Pに起因する生物学的経路と称する。
【0031】
従って、2つ以上の主要分子標的に直接影響する「非理想的」薬物は、さらに複
雑な下流作用を有するかもしれない。本発明による一態様では、これらの作用の
分析により、例えば、薬物によって生じる生物学的経路の同定など、薬物につい
ての相当な情報が得られ、これにより細胞内でのその作用および毒性の副作用を
明らかになる。関連する態様では、本発明はこの分析を行うための方法を提供す
る。
雑な下流作用を有するかもしれない。本発明による一態様では、これらの作用の
分析により、例えば、薬物によって生じる生物学的経路の同定など、薬物につい
ての相当な情報が得られ、これにより細胞内でのその作用および毒性の副作用を
明らかになる。関連する態様では、本発明はこの分析を行うための方法を提供す
る。
【0032】
本発明で細胞の転写状態を測定することが好ましいのは、それが測定するのに
比較的簡単だからだけではなく、転写状態では、薬物は転写後機構により作用す
る(タンパク質活性の阻害またはタンパク質分解の割合の変化など)かもしれない
が、細胞への薬物投与が直接または間接的作用によりほぼ常に測定可能な変化を
生じるからである。薬物曝露が細胞の転写状態を変化させるのは、上記フィード
バック系(またはネットワーク)が、主に遺伝子発現または転写のパターンを変化
させることにより、感染、遺伝子改変、環境変化(薬物投与を含む)などに対して
補償するように反応するからである。内部補償の結果、生物系に対する多くの摂
動が、系の外部的な働きに対しては弱い(muted)作用しかもたないにも関わらず
、細胞内の個々のエレメントの内部応答(例えば、遺伝子発現)には強く影響を及
ぼすことができる。
比較的簡単だからだけではなく、転写状態では、薬物は転写後機構により作用す
る(タンパク質活性の阻害またはタンパク質分解の割合の変化など)かもしれない
が、細胞への薬物投与が直接または間接的作用によりほぼ常に測定可能な変化を
生じるからである。薬物曝露が細胞の転写状態を変化させるのは、上記フィード
バック系(またはネットワーク)が、主に遺伝子発現または転写のパターンを変化
させることにより、感染、遺伝子改変、環境変化(薬物投与を含む)などに対して
補償するように反応するからである。内部補償の結果、生物系に対する多くの摂
動が、系の外部的な働きに対しては弱い(muted)作用しかもたないにも関わらず
、細胞内の個々のエレメントの内部応答(例えば、遺伝子発現)には強く影響を及
ぼすことができる。
【0033】5.1.3. 共変セット
一般に、条件(例えば、異なる濃度の類縁化合物による治療)の有限セットのい
ずれに対しても、細胞構成要素は全てが独立的に変化するわけではない。むしろ
、本発明のユーザーにとって対象となる条件または摂動(例えば、異なる濃度の
類縁化合物による治療)を好ましくは含む一定の条件セット下で、例えば、存在
量および/もしくは活性を増加または低下させることにより、通常連動して変化
する細胞構成要素の単純化サブセットが存在するのである。このような細胞構成
要素は「共変」すると表現され、本明細書中では共変細胞構成要素セット、また
は「共変セット」と呼ぶ。
ずれに対しても、細胞構成要素は全てが独立的に変化するわけではない。むしろ
、本発明のユーザーにとって対象となる条件または摂動(例えば、異なる濃度の
類縁化合物による治療)を好ましくは含む一定の条件セット下で、例えば、存在
量および/もしくは活性を増加または低下させることにより、通常連動して変化
する細胞構成要素の単純化サブセットが存在するのである。このような細胞構成
要素は「共変」すると表現され、本明細書中では共変細胞構成要素セット、また
は「共変セット」と呼ぶ。
【0034】
さらに、個々の細胞構成要素の存在量および/または活性は、全てが独立的に
調節されるわけではない。むしろ、細胞に由来する個々の細胞構成要素は、典型
的には1以上の調節エレメントを同一細胞由来の他の細胞構成要素と共有し合う
ものである。例えば、限定するわけではないが、細胞構成要素に遺伝子転写産物
が包含される実施形態では、転写速度は、調節配列パターン(即ち、転写因子結
合部位)によって通常調節される。典型的には、細胞内の複数の遺伝子間で1以
上の転写因子結合部位を共有することが可能である。従って、このような細胞構
成要素は「同時調節」されると表現され、同時調節された細胞構成要素セット、
または「同時調節セット」を含む。
調節されるわけではない。むしろ、細胞に由来する個々の細胞構成要素は、典型
的には1以上の調節エレメントを同一細胞由来の他の細胞構成要素と共有し合う
ものである。例えば、限定するわけではないが、細胞構成要素に遺伝子転写産物
が包含される実施形態では、転写速度は、調節配列パターン(即ち、転写因子結
合部位)によって通常調節される。典型的には、細胞内の複数の遺伝子間で1以
上の転写因子結合部位を共有することが可能である。従って、このような細胞構
成要素は「同時調節」されると表現され、同時調節された細胞構成要素セット、
または「同時調節セット」を含む。
【0035】
当業者には明らかなように、同時調節される細胞構成要素のセットは、少なく
とも一定の条件下で共変するものである。例えば、限定するわけではないが、遺
伝子どうしが同様の転写因子結合部位を有する場合には、同時にその転写速度を
増加または低下させる傾向がある。このようなメカニズムは、特定のシグナル伝
達インプットに対する遺伝子の協調応答をもたらす。例えば、MadhaniおよびFin
k, 1998, Transactions in Genetics 14:151-155;並びにArnoneおよびDavidson,
1997, Development 124:1851-1864を参照されたい。例えば、必須のタンパク質
または細胞構造の異なる成分を合成する個々の遺伝子は、通常同時調節され、か
つ共変する傾向がある。また、重複遺伝子(例えば、Wagner, 1996, Biol. Cyber
n. 74:557-567を参照)も同時調節され、かつ遺伝子突然変異によってその調節領
域に機能的な分岐進化が生じない程度に共変する傾向がある。さらに、遺伝子調
節配列はモジュールからなるため(例えば、Yuhら, 1998, Science 279:1896-190
2を参照)、2つの遺伝子がより多くの調節「モジュール」を共通して有するほど
、これらの遺伝子の転写速度が共変する条件が多岐にわたる。染色体に沿ったモ
ジュール間の物理的な分離も、多くの場合コアクチベーターが関与しているため
、重要な決定因子である。従って、当業者には明らかなように、用語「同時調節
セット」および「共変セット」は、本発明の説明において互換的に使用すること
が可能である。
とも一定の条件下で共変するものである。例えば、限定するわけではないが、遺
伝子どうしが同様の転写因子結合部位を有する場合には、同時にその転写速度を
増加または低下させる傾向がある。このようなメカニズムは、特定のシグナル伝
達インプットに対する遺伝子の協調応答をもたらす。例えば、MadhaniおよびFin
k, 1998, Transactions in Genetics 14:151-155;並びにArnoneおよびDavidson,
1997, Development 124:1851-1864を参照されたい。例えば、必須のタンパク質
または細胞構造の異なる成分を合成する個々の遺伝子は、通常同時調節され、か
つ共変する傾向がある。また、重複遺伝子(例えば、Wagner, 1996, Biol. Cyber
n. 74:557-567を参照)も同時調節され、かつ遺伝子突然変異によってその調節領
域に機能的な分岐進化が生じない程度に共変する傾向がある。さらに、遺伝子調
節配列はモジュールからなるため(例えば、Yuhら, 1998, Science 279:1896-190
2を参照)、2つの遺伝子がより多くの調節「モジュール」を共通して有するほど
、これらの遺伝子の転写速度が共変する条件が多岐にわたる。染色体に沿ったモ
ジュール間の物理的な分離も、多くの場合コアクチベーターが関与しているため
、重要な決定因子である。従って、当業者には明らかなように、用語「同時調節
セット」および「共変セット」は、本発明の説明において互換的に使用すること
が可能である。
【0036】
本発明の特に好適な実施形態では、生物学的プロフィールにおける細胞構成要
素には、mRNAの存在量、またはmRNA転写産物から生成されるcDNA分子の存在量と
いった、遺伝子転写産物が含まれる。このような実施形態では、共変セットには
、共変し、かつ、通常ある程度まで同時調節される遺伝子が含まれる。本明細書
中では、このような共変セットを「遺伝子セット」と呼ぶ。従って、本発明の特
に好適な実施形態では、共変細胞構成要素セットは遺伝子セットである。
素には、mRNAの存在量、またはmRNA転写産物から生成されるcDNA分子の存在量と
いった、遺伝子転写産物が含まれる。このような実施形態では、共変セットには
、共変し、かつ、通常ある程度まで同時調節される遺伝子が含まれる。本明細書
中では、このような共変セットを「遺伝子セット」と呼ぶ。従って、本発明の特
に好適な実施形態では、共変細胞構成要素セットは遺伝子セットである。
【0037】
細胞構成要素の共変セットは、生物学的プロフィールを記述するのに有意義か
つ単純な基準を形成する点で有用である。特に、共変セットを使用して、条件(
例えば、異なる濃度の類縁化合物への暴露)の有限セット内におけるプロフィー
ルの差異を記述することが可能である。さらに、共変セットによる生物学的状態
の記述は、個々の細胞構成要素の測定結果から実験誤差を取り除く傾向があるた
め、共変セットは検出感度と分類精度の向上を可能にする。
つ単純な基準を形成する点で有用である。特に、共変セットを使用して、条件(
例えば、異なる濃度の類縁化合物への暴露)の有限セット内におけるプロフィー
ルの差異を記述することが可能である。さらに、共変セットによる生物学的状態
の記述は、個々の細胞構成要素の測定結果から実験誤差を取り除く傾向があるた
め、共変セットは検出感度と分類精度の向上を可能にする。
【0038】5.2. 本発明の方法の概要
本発明の方法およびシステムを用いれば、特定の生物学的作用を特徴づける共
通応答プロフィールまたは共通プロフィールの同定が可能である。特に、本発明
の共通プロフィールは、例えば、特定の薬物または特定のクラスもしくはファミ
リーの薬物の所望の活性プロフィールを記述することが可能である。このように
、本発明の共通プロフィールは、理想的な治療効果または薬効を表すことができ
る。同様に、本発明の共通プロフィールは、特定のクラスもしくはファミリーの
薬物の望ましくない活性プロフィール(例えば、薬物の毒性に関する活性プロフ
ィール)を記述および/または表すこともできる。
通応答プロフィールまたは共通プロフィールの同定が可能である。特に、本発明
の共通プロフィールは、例えば、特定の薬物または特定のクラスもしくはファミ
リーの薬物の所望の活性プロフィールを記述することが可能である。このように
、本発明の共通プロフィールは、理想的な治療効果または薬効を表すことができ
る。同様に、本発明の共通プロフィールは、特定のクラスもしくはファミリーの
薬物の望ましくない活性プロフィール(例えば、薬物の毒性に関する活性プロフ
ィール)を記述および/または表すこともできる。
【0039】
図1には、本発明の方法の一般的な概要を示す。本発明の方法では、特定の摂
動セット(例えば、薬物暴露、標的突然変異、またはタンパク質の活性もしくは
発現における標的変化;例えば、後述する5.5節を参照)に応答して、細胞の生物
学的状態の態様の測定結果から取得もしくは用意される応答プロフィール(101)
を解析する。具体的には、複数の摂動に応答して、細胞の生物学的状態の態様、
例えば、転写状態、翻訳状態、または活性状態を測定する(後述する5.4節に記載
)。好ましくは、測定結果は、一定濃度の薬物および治療回数に応答した細胞構
成要素の変化の示差的な測定結果である。このような測定結果を集めて任意にグ
ラフに示したものを、本明細書中では「摂動応答」または「薬物応答」または「
応答プロフィール」と呼ぶ。好ましくは、複数の異なる薬物、具体的には共通プ
ロフィールが望まれる薬物に対して(例えば、特定のクラスもしくはファミリー
の薬物の各メンバーに対して、または、このような薬物の主要な標的の発現およ
び/もしくは活性における摂動に対して)、複数の薬物応答プロフィールを取得
または用意する。しかしながら、対象となる特定の生物学的作用に関与する他の
薬物または条件(例えば、遺伝子突然変異)に対して応答プロフィールを取得また
は用意してもよい。実施形態の多くでは、少なくとも5つ、好ましくは10以上、
より好ましくは50以上、さらに好ましくは100以上の異なる摂動が使用される。
動セット(例えば、薬物暴露、標的突然変異、またはタンパク質の活性もしくは
発現における標的変化;例えば、後述する5.5節を参照)に応答して、細胞の生物
学的状態の態様の測定結果から取得もしくは用意される応答プロフィール(101)
を解析する。具体的には、複数の摂動に応答して、細胞の生物学的状態の態様、
例えば、転写状態、翻訳状態、または活性状態を測定する(後述する5.4節に記載
)。好ましくは、測定結果は、一定濃度の薬物および治療回数に応答した細胞構
成要素の変化の示差的な測定結果である。このような測定結果を集めて任意にグ
ラフに示したものを、本明細書中では「摂動応答」または「薬物応答」または「
応答プロフィール」と呼ぶ。好ましくは、複数の異なる薬物、具体的には共通プ
ロフィールが望まれる薬物に対して(例えば、特定のクラスもしくはファミリー
の薬物の各メンバーに対して、または、このような薬物の主要な標的の発現およ
び/もしくは活性における摂動に対して)、複数の薬物応答プロフィールを取得
または用意する。しかしながら、対象となる特定の生物学的作用に関与する他の
薬物または条件(例えば、遺伝子突然変異)に対して応答プロフィールを取得また
は用意してもよい。実施形態の多くでは、少なくとも5つ、好ましくは10以上、
より好ましくは50以上、さらに好ましくは100以上の異なる摂動が使用される。
【0040】
本発明の好適な実施形態の多くでは、クラスター分析に使用される細胞は、細
胞型が同一であり、対象種と同一の種を形成するものである。例えば、ヒト腎臓
細胞に伴う障害の治療に使用する薬物または療法を評価するには、ヒト腎臓細胞
を調べて共通プロフィールを同定するのが好ましい。しかしながら、一部の好適
な実施形態では、生物学的サンプルは同一型ではなく、対象種と同一の種に由来
するものでもない。例えば、ある好適な実施形態では、酵母細胞を使用して、ヒ
トの治療を意図した薬物もしくは薬物候補の比較または評価等に有用な共通プロ
フィールを定義することが可能である。
胞型が同一であり、対象種と同一の種を形成するものである。例えば、ヒト腎臓
細胞に伴う障害の治療に使用する薬物または療法を評価するには、ヒト腎臓細胞
を調べて共通プロフィールを同定するのが好ましい。しかしながら、一部の好適
な実施形態では、生物学的サンプルは同一型ではなく、対象種と同一の種に由来
するものでもない。例えば、ある好適な実施形態では、酵母細胞を使用して、ヒ
トの治療を意図した薬物もしくは薬物候補の比較または評価等に有用な共通プロ
フィールを定義することが可能である。
【0041】
一部の実施形態では、細胞構成要素を連続変数として測定する。例えば、転写
速度は、典型的には、単位時間当たりに合成される分子の数として測定される。
転写速度を制御速度のパーセンテージとして測定することも可能である。さらに
別の実施形態では、カテゴリー変数として細胞構成要素を測定することが可能で
ある。例えば、転写速度を「オン」または「オフ」のいずれかとして測定しても
よく、この場合、「オン」はユーザーによって規定された特定の閾値以上の転写
速度を表し、「オフ」値は閾値未満の転写速度を表す。
速度は、典型的には、単位時間当たりに合成される分子の数として測定される。
転写速度を制御速度のパーセンテージとして測定することも可能である。さらに
別の実施形態では、カテゴリー変数として細胞構成要素を測定することが可能で
ある。例えば、転写速度を「オン」または「オフ」のいずれかとして測定しても
よく、この場合、「オン」はユーザーによって規定された特定の閾値以上の転写
速度を表し、「オフ」値は閾値未満の転写速度を表す。
【0042】
好適な実施形態では、本発明の方法によって解析される応答プロフィールを、
解析を行う前に任意にスクリーニングし、プロフィールのある部分において有意
な応答を示す細胞構成要素だけを選択する(102)。特に、該プロフィールは最大
約105までの細胞構成要素をカバーし得るものの、多くの薬物治療においては、
このような構成要素の多く、もしくは大部分は、治療に応答して顕著に変化する
ものではなく、また、変化量が小さいため実験誤差に左右される可能性がある。
実施形態の多くでは、このような構成要素を本発明の解析法に用いることは有用
ではなく、また、煩雑でもある。従って、このような構成要素は全てのプロフィ
ールから削除するのが好ましい。
解析を行う前に任意にスクリーニングし、プロフィールのある部分において有意
な応答を示す細胞構成要素だけを選択する(102)。特に、該プロフィールは最大
約105までの細胞構成要素をカバーし得るものの、多くの薬物治療においては、
このような構成要素の多く、もしくは大部分は、治療に応答して顕著に変化する
ものではなく、また、変化量が小さいため実験誤差に左右される可能性がある。
実施形態の多くでは、このような構成要素を本発明の解析法に用いることは有用
ではなく、また、煩雑でもある。従って、このような構成要素は全てのプロフィ
ールから削除するのが好ましい。
【0043】
一部の実施形態では、N個以上のプロフィールにおいて2以上の標準誤差の応
答を示す細胞構成要素のみを選択し、後続の解析に使用する(ここで、Nは1以
上であってよく、好ましくはユーザーによって選択される)。好ましくは、Nは
、応答プロフィールのセットが大きくなるほど増加する傾向がある。例えば、好
適な実施形態の1つでは、Nは、解析される応答プロフィールの数の平方根にほ
ぼ等しくてもよい。
答を示す細胞構成要素のみを選択し、後続の解析に使用する(ここで、Nは1以
上であってよく、好ましくはユーザーによって選択される)。好ましくは、Nは
、応答プロフィールのセットが大きくなるほど増加する傾向がある。例えば、好
適な実施形態の1つでは、Nは、解析される応答プロフィールの数の平方根にほ
ぼ等しくてもよい。
【0044】
このように用意され、かつ任意にスクリーニングすることによって有意な応答
を示す細胞構成要素を選択した薬物応答プロフィール、細胞構成要素、および個
々の薬物応答プロフィールをそれぞれ類似度に応じてグループ化する(103および
104)。特に、本発明の方法に従って解析される細胞構成要素は、共変セットにグ
ループ化または再配列される(103)。細胞構成要素を共変セットにグループ化お
よび/または再配列する方法は、後述の5.3.2節で詳述する。好ましくは、パタ
ーン認識の手法またはアルゴリズムによって、最も好ましくはクラスタリング手
法もしくはクラスタリングアルゴリズムによって、細胞構成要素をグループ化ま
たは再配列する。同じく、同様の操作を行って応答プロフィールを類似度に従っ
てグループ化する(104)。細胞構成要素をグループ化または再配列するステップ
および応答プロフィールをグループ化または再配列するステップは、どのような
順序で行ってもよい。即ち、細胞構成要素を共変セットへまずグループ化し、次
いで応答プロフィールをグループ化してもよいし、また、応答プロフィールをま
ずグループ化し、次いで細胞構成要素をグループ化してもよい。細胞構成要素の
再配列を全ての応答プロフィールに均等に適用するのであれば、この2通りの順
序は等価である。
を示す細胞構成要素を選択した薬物応答プロフィール、細胞構成要素、および個
々の薬物応答プロフィールをそれぞれ類似度に応じてグループ化する(103および
104)。特に、本発明の方法に従って解析される細胞構成要素は、共変セットにグ
ループ化または再配列される(103)。細胞構成要素を共変セットにグループ化お
よび/または再配列する方法は、後述の5.3.2節で詳述する。好ましくは、パタ
ーン認識の手法またはアルゴリズムによって、最も好ましくはクラスタリング手
法もしくはクラスタリングアルゴリズムによって、細胞構成要素をグループ化ま
たは再配列する。同じく、同様の操作を行って応答プロフィールを類似度に従っ
てグループ化する(104)。細胞構成要素をグループ化または再配列するステップ
および応答プロフィールをグループ化または再配列するステップは、どのような
順序で行ってもよい。即ち、細胞構成要素を共変セットへまずグループ化し、次
いで応答プロフィールをグループ化してもよいし、また、応答プロフィールをま
ずグループ化し、次いで細胞構成要素をグループ化してもよい。細胞構成要素の
再配列を全ての応答プロフィールに均等に適用するのであれば、この2通りの順
序は等価である。
【0045】
好ましくは、再配列した細胞構成要素および/または再配列した応答プロフィ
ールを、例えば、フォールスカラープロットに視覚表示して、各細胞構成要素の
活性レベルおよび/または存在量の増減を表示する。例えば、細胞構成要素に遺
伝子転写産物が包含される好適な実施形態では、このような視覚表示は好ましく
は、個々の転写産物のアップレギュレーションおよびダウンレギュレーションの
フォールスカラープロットを構成する。
ールを、例えば、フォールスカラープロットに視覚表示して、各細胞構成要素の
活性レベルおよび/または存在量の増減を表示する。例えば、細胞構成要素に遺
伝子転写産物が包含される好適な実施形態では、このような視覚表示は好ましく
は、個々の転写産物のアップレギュレーションおよびダウンレギュレーションの
フォールスカラープロットを構成する。
【0046】
表示例を図2および図3に示す。具体的には、図2Aには、細胞を異なる摂動へ
暴露(例えば、異なる薬物へ段階的に暴露)した場合の、複数の実験(縦軸)にて測
定した複数の遺伝子転写産物(横軸)のグレースケール表示、即ち、応答プロフィ
ールを示す。従って、図2Aの各列は、特定の摂動(例えば、特定の薬物への暴露)
に対する遺伝子転写産物の応答を表す。黒い部分は転写産物のアップレギュレー
ションを表し(+1)、白い部分はダウンレギュレーションを表し(-1)、中間のグレ
ースケール(0)は発現に変化がないことを示す。図2Bには、同時調節ツリーによ
る遺伝子転写産物の遺伝子セットへのグループ化を示し(5節に記載、後述)、図
2Cには、再配列した転写産物の視覚表示を示す。図2Dには、再配列した転写産物
と再配列したプロフィールの双方の視覚表示を示す。
暴露(例えば、異なる薬物へ段階的に暴露)した場合の、複数の実験(縦軸)にて測
定した複数の遺伝子転写産物(横軸)のグレースケール表示、即ち、応答プロフィ
ールを示す。従って、図2Aの各列は、特定の摂動(例えば、特定の薬物への暴露)
に対する遺伝子転写産物の応答を表す。黒い部分は転写産物のアップレギュレー
ションを表し(+1)、白い部分はダウンレギュレーションを表し(-1)、中間のグレ
ースケール(0)は発現に変化がないことを示す。図2Bには、同時調節ツリーによ
る遺伝子転写産物の遺伝子セットへのグループ化を示し(5節に記載、後述)、図
2Cには、再配列した転写産物の視覚表示を示す。図2Dには、再配列した転写産物
と再配列したプロフィールの双方の視覚表示を示す。
【0047】
図3は、図2Dを詳しく示したものであり、(a)個々の実験、(b)個々の遺伝子セ
ット(上段)、および(c)各遺伝子セットに関与する生物学的応答または経路(下段
)を併せて表示してある。具体的には、該実験は、ヒトの免疫抑制に相同な酵母S
. Cerevisiaeの生化学的経路に関連する様々な薬物治療および遺伝子突然変異(M
artonら, Nature Medicine(印刷中)に記載)、並びに免疫抑制薬ではないヒドロ
キシ尿素、メトトレキセート、および3-アミノトリアゾールを各種濃度で用いた
実験を含む34の実験から構成される。図2および図3に示した遺伝子セットには
、全部で185個の遺伝子が含まれる。具体的には、約6,000個の酵母遺伝子を34の
実験の各々において測定した。しかしながら、4以上の実験において2以上の標
準誤差の応答を示した遺伝子だけを表示し、後続の分析に使用する。
ット(上段)、および(c)各遺伝子セットに関与する生物学的応答または経路(下段
)を併せて表示してある。具体的には、該実験は、ヒトの免疫抑制に相同な酵母S
. Cerevisiaeの生化学的経路に関連する様々な薬物治療および遺伝子突然変異(M
artonら, Nature Medicine(印刷中)に記載)、並びに免疫抑制薬ではないヒドロ
キシ尿素、メトトレキセート、および3-アミノトリアゾールを各種濃度で用いた
実験を含む34の実験から構成される。図2および図3に示した遺伝子セットには
、全部で185個の遺伝子が含まれる。具体的には、約6,000個の酵母遺伝子を34の
実験の各々において測定した。しかしながら、4以上の実験において2以上の標
準誤差の応答を示した遺伝子だけを表示し、後続の分析に使用する。
【0048】
次いで、図3に示す視覚表示等の視覚表示を使用して、対象となる特定の生物
学的応答(例えば、薬物の有効性または毒性)に関与する共通応答モチーフを推定
する主要な共変セットの同定(即ち、定義)を容易にすることができる(105)。し
かしながら、主要な共変セットと共通応答モチーフのこのようなグループ化およ
び/または同定は、後述の5.3.5節に記載する定量的な方法、好ましくは客観的
な方法によって行うこともできる。例えば、圧縮措置として、経験的確率分布を
モンテカルロ法によって生成させることにより、グループまたはセットを統計学
的に有意であると定義してもよい。
学的応答(例えば、薬物の有効性または毒性)に関与する共通応答モチーフを推定
する主要な共変セットの同定(即ち、定義)を容易にすることができる(105)。し
かしながら、主要な共変セットと共通応答モチーフのこのようなグループ化およ
び/または同定は、後述の5.3.5節に記載する定量的な方法、好ましくは客観的
な方法によって行うこともできる。例えば、圧縮措置として、経験的確率分布を
モンテカルロ法によって生成させることにより、グループまたはセットを統計学
的に有意であると定義してもよい。
【0049】
最後に、このようなグループ(例えば、主要な共変セット)を定義したら、これ
を基準として利用し(106)、目的の既知の生物学的特性(例えば、薬物の有効性ま
たは毒性)に関連する単純化された生物学的プロフィールを記述する。好適な実
施形態では、主要な共変セットから、該主要な共変セットを決定した実験条件の
有限セット内に含まれる生物学的プロフィールを記述するのに使用し得る数学的
な換算(reduced)基準セットが得られる。具体的には、元のプロフィールを主要
な共変セットへ「射影」し、単純化かつ次元が減少した生物学的プロフィールを
取得する。射影法については後述の5.3.4節に詳述する。このようにして取得し
た次元が減少した生物学的プロフィールは、既知の特性(例えば、薬物の有効性
および毒性)との関連が、より単純であり、より堅固である。例えば、生物学的
または治療上有効であることが知られている化合物または薬物の各々に対して平
均応答が有意である主要な共変セットのグループは、薬物の所望の主作用に関与
している可能性がある。従って、このような作用に対応する射影プロフィールに
は、該薬物に対する共通プロフィールが含まれるであろう(107)。
を基準として利用し(106)、目的の既知の生物学的特性(例えば、薬物の有効性ま
たは毒性)に関連する単純化された生物学的プロフィールを記述する。好適な実
施形態では、主要な共変セットから、該主要な共変セットを決定した実験条件の
有限セット内に含まれる生物学的プロフィールを記述するのに使用し得る数学的
な換算(reduced)基準セットが得られる。具体的には、元のプロフィールを主要
な共変セットへ「射影」し、単純化かつ次元が減少した生物学的プロフィールを
取得する。射影法については後述の5.3.4節に詳述する。このようにして取得し
た次元が減少した生物学的プロフィールは、既知の特性(例えば、薬物の有効性
および毒性)との関連が、より単純であり、より堅固である。例えば、生物学的
または治療上有効であることが知られている化合物または薬物の各々に対して平
均応答が有意である主要な共変セットのグループは、薬物の所望の主作用に関与
している可能性がある。従って、このような作用に対応する射影プロフィールに
は、該薬物に対する共通プロフィールが含まれるであろう(107)。
【0050】
以下の節では、限定するわけではないが、本発明の方法およびシステムの実施
形態を例示する。具体的には、5.3節では、本発明の方法およびシステムの解析
に関する実施形態を例示する。本発明の解析方法には、類似度に従って共変細胞
構成要素(5.3.2節)および応答プロフィール(5.3.3節)をグループ化および選別す
る方法、生物学的応答プロフィールを基準となる共変細胞構成要素へ射影する方
法(5.3.4節)、ならびにこのような射影生物学的応答プロフィールから共通プロ
フィールを取得する方法(5.3.5節)が含まれる。本発明の解析に関する実施形態
には、本発明の解析方法を実行し得るシステム(例えば、コンピュータシステム)
も含まれる。具体的なシステムを後述の5.3.6節に例示する。
形態を例示する。具体的には、5.3節では、本発明の方法およびシステムの解析
に関する実施形態を例示する。本発明の解析方法には、類似度に従って共変細胞
構成要素(5.3.2節)および応答プロフィール(5.3.3節)をグループ化および選別す
る方法、生物学的応答プロフィールを基準となる共変細胞構成要素へ射影する方
法(5.3.4節)、ならびにこのような射影生物学的応答プロフィールから共通プロ
フィールを取得する方法(5.3.5節)が含まれる。本発明の解析に関する実施形態
には、本発明の解析方法を実行し得るシステム(例えば、コンピュータシステム)
も含まれる。具体的なシステムを後述の5.3.6節に例示する。
【0051】
最後に、5.4節および5.5節では、本発明の解析方法に使用される生物学的応答
プロフィールを取得または用意し得る方法を記載する。具体的には、5.4節では
、細胞の生物学的状態を判定および/または記述するのに使用される、細胞中の
複数の細胞構成要素を測定する方法を記載する。薬物応答データ(5.4.1節)およ
び細胞の転写状態(5.4.2節)を測定する方法およびシステム、並びに、翻訳状態
および活性状態を含む細胞の生物学的状態の他の態様を測定する方法およびシス
テム(5.4.3節)を記載する。5.5節では、細胞または生物の生物学的状態の標的摂
動法を記載する。
プロフィールを取得または用意し得る方法を記載する。具体的には、5.4節では
、細胞の生物学的状態を判定および/または記述するのに使用される、細胞中の
複数の細胞構成要素を測定する方法を記載する。薬物応答データ(5.4.1節)およ
び細胞の転写状態(5.4.2節)を測定する方法およびシステム、並びに、翻訳状態
および活性状態を含む細胞の生物学的状態の他の態様を測定する方法およびシス
テム(5.4.3節)を記載する。5.5節では、細胞または生物の生物学的状態の標的摂
動法を記載する。
【0052】
これらの実施形態の記載は、例示であって限定を意図するものではなく、これ
らの実施形態に関連した変形例が当業者には明らかであろう。このような変形例
は、本発明の一部として包含されるものとする。特に、話を簡単にするために、
本開示は、遺伝子発現プロフィール、転写速度、転写レベル等について主に言及
する。しかしながら、当業者であれば、本発明の方法がどのような生物学的応答
プロフィールの解析に対しても有用であることは理解できるであろう。具体的に
は、当業者であれば、他の細胞構成要素の測定結果(例えば、タンパク質の存在
量またはタンパク質の活性レベルの測定結果が挙げられるが、これらに限定され
ない)を含む生物学的応答プロフィールにも本発明の方法が等しく適用されるこ
とは明らかであろう。
らの実施形態に関連した変形例が当業者には明らかであろう。このような変形例
は、本発明の一部として包含されるものとする。特に、話を簡単にするために、
本開示は、遺伝子発現プロフィール、転写速度、転写レベル等について主に言及
する。しかしながら、当業者であれば、本発明の方法がどのような生物学的応答
プロフィールの解析に対しても有用であることは理解できるであろう。具体的に
は、当業者であれば、他の細胞構成要素の測定結果(例えば、タンパク質の存在
量またはタンパク質の活性レベルの測定結果が挙げられるが、これらに限定され
ない)を含む生物学的応答プロフィールにも本発明の方法が等しく適用されるこ
とは明らかであろう。
【0053】
さらに、本開示は、本発明の方法によって解析される細胞構成要素が、遺伝子
発現プロフィールである実施形態について主に言及するため、本開示は同時に、
細胞構成要素の共変セットが遺伝子セット(即ち、遺伝子発現プロフィールの共
変セット)である実施形態について言及することとなる。しかしながら、当業者
であれば、他の種類の共変細胞構成要素セット(例えば、上記段落で同定された
細胞構成要素から構成される共変セット等)にも本発明の方法が等しく適用され
ることは明らかであろう。
発現プロフィールである実施形態について主に言及するため、本開示は同時に、
細胞構成要素の共変セットが遺伝子セット(即ち、遺伝子発現プロフィールの共
変セット)である実施形態について言及することとなる。しかしながら、当業者
であれば、他の種類の共変細胞構成要素セット(例えば、上記段落で同定された
細胞構成要素から構成される共変セット等)にも本発明の方法が等しく適用され
ることは明らかであろう。
【0054】5.3. 解析に関する実施形態
本発明の方法およびシステムの解析に関する実施形態には、第一に、測定され
た生物学的プロフィール、特に、摂動に対する生物学的サンプルの測定応答プロ
フィールを、細胞構成要素の「ベクトル」によって表示する実施形態が含まれる
。本発明の解析に関する実施形態の第2の態様には、1以上の測定応答プロフィ
ールに由来する細胞構成要素を共変セットへグループ化する実施形態が含まれる
。同様に、解析に関する実施形態の別の態様には、測定応答プロフィールを類似
度に従ってグループ化する実施形態が含まれる。本発明の解析に関する実施形態
の第4の態様には、応答プロフィールを細胞構成要素の共変セットへ射影し、共
変細胞構成要素の換算基準セットによって応答プロフィールを記述する方法が含
まれる。最後に、本発明の方法の解析に関する実施形態には、共変セットから共
通プロフィールを取得する方法、射影プロフィールをこのような共通プロフィー
ルと比較する方法、並びに射影プロフィールどうしを比較する方法も含まれる。
これらの解析方法の実施形態を、後述の5.3.1節〜5.3.5節に例示する。
た生物学的プロフィール、特に、摂動に対する生物学的サンプルの測定応答プロ
フィールを、細胞構成要素の「ベクトル」によって表示する実施形態が含まれる
。本発明の解析に関する実施形態の第2の態様には、1以上の測定応答プロフィ
ールに由来する細胞構成要素を共変セットへグループ化する実施形態が含まれる
。同様に、解析に関する実施形態の別の態様には、測定応答プロフィールを類似
度に従ってグループ化する実施形態が含まれる。本発明の解析に関する実施形態
の第4の態様には、応答プロフィールを細胞構成要素の共変セットへ射影し、共
変細胞構成要素の換算基準セットによって応答プロフィールを記述する方法が含
まれる。最後に、本発明の方法の解析に関する実施形態には、共変セットから共
通プロフィールを取得する方法、射影プロフィールをこのような共通プロフィー
ルと比較する方法、並びに射影プロフィールどうしを比較する方法も含まれる。
これらの解析方法の実施形態を、後述の5.3.1節〜5.3.5節に例示する。
【0055】
本発明の解析方法の実施形態は、好ましくは、本発明の方法の1以上の実施形
態を自動的に実施する自動化システム(例えば、コンピュータシステム)を使用し
、特定の摂動に応答した生物学的サンプル由来の応答プロフィールデータ等をユ
ーザー側から入力して実施する。このようなシステムについても、後述の5.3.6
節に記載する。
態を自動的に実施する自動化システム(例えば、コンピュータシステム)を使用し
、特定の摂動に応答した生物学的サンプル由来の応答プロフィールデータ等をユ
ーザー側から入力して実施する。このようなシステムについても、後述の5.3.6
節に記載する。
【0056】5.3.1. 生物学的応答の表示
生物学的サンプル(例えば、細胞または細胞培養物)の摂動(例えば、薬物の適
用)に対する応答は、サンプルの生物学的状態の変化を観察することで測定でき
る。具体的な実施形態の1つでは、生物学的サンプル(例えば、細胞)を異なる濃
度の薬物で処理し、十分に定義された細胞構成要素セットを含む特徴的な薬物応
答プロフィールを作成することを含む方法によって応答データを取得する。その
際、全細胞構成要素の応答振幅(amplitude)は、薬物濃度の上昇に伴って増加す
る。例えば、図4には、薬物であるメトトレキセートの濃度を段階的に上げなが
らS.Cerevisiae細胞を滴定し、mRNA転写産物のレベルを測定することで得られる
薬物応答プロフィールのデータを例示する。2以上の薬物濃度において2倍を超
える応答を示すmRNA転写産物のみを表示する。
用)に対する応答は、サンプルの生物学的状態の変化を観察することで測定でき
る。具体的な実施形態の1つでは、生物学的サンプル(例えば、細胞)を異なる濃
度の薬物で処理し、十分に定義された細胞構成要素セットを含む特徴的な薬物応
答プロフィールを作成することを含む方法によって応答データを取得する。その
際、全細胞構成要素の応答振幅(amplitude)は、薬物濃度の上昇に伴って増加す
る。例えば、図4には、薬物であるメトトレキセートの濃度を段階的に上げなが
らS.Cerevisiae細胞を滴定し、mRNA転写産物のレベルを測定することで得られる
薬物応答プロフィールのデータを例示する。2以上の薬物濃度において2倍を超
える応答を示すmRNA転写産物のみを表示する。
【0057】
他の具体的な摂動としては、培養培地および/または温度や密度といった培養
条件の変更、遺伝子突然変異、制御遺伝子プロモーターの使用、並びに後述の5.
5節に記載する他の方法が挙げられる。例えば、図5には、ドキシサイクリンの
制御下でtet-プロモーターを用いてS.Cerevisiae遺伝子ERG11の活性レベルを変
化させることで得られる生物学的応答プロフィールのデータを例示する(後述の5
.5.4節参照)。
条件の変更、遺伝子突然変異、制御遺伝子プロモーターの使用、並びに後述の5.
5節に記載する他の方法が挙げられる。例えば、図5には、ドキシサイクリンの
制御下でtet-プロモーターを用いてS.Cerevisiae遺伝子ERG11の活性レベルを変
化させることで得られる生物学的応答プロフィールのデータを例示する(後述の5
.5.4節参照)。
【0058】
このような応答プロフィールデータは、複数(k)の細胞構成要素の変化の測定
結果を集めたものから構成される。このような応答プロフィールは、定量解析の
ためにベクトル(v)によって表すことができる。特に、摂動(n)に対する生物学的
サンプルの応答プロフィールを、ここではベクトルv(n)として定義する: (式中、vi (n)は、摂動(n)下におけるi番目の細胞構成要素の応答振幅である)。
一部の実施形態では、vi (n)は単純に、摂動(n)を生物学的サンプルへ適用した前
後のi番目の細胞構成要素の存在量および/または活性レベルの差であってもよ
く、摂動(n)を受けた生物学的サンプルと摂動(n)を受けていないサンプルとのi
番目の細胞構成要素の存在量および/または活性レベルの差であってもよい。他
の実施形態では、vi (n)は、摂動(n)を生物学的サンプルへ適用した前後のi番目
の細胞構成要素の存在量および/または活性レベルの比率(または比率の対数)、
あるいは、摂動(n)を受けたサンプルと摂動(n)を受けていないサンプルとのi番
目の細胞構成要素の存在量および/または活性レベルの比率(または比率の対数)
である。
結果を集めたものから構成される。このような応答プロフィールは、定量解析の
ためにベクトル(v)によって表すことができる。特に、摂動(n)に対する生物学的
サンプルの応答プロフィールを、ここではベクトルv(n)として定義する: (式中、vi (n)は、摂動(n)下におけるi番目の細胞構成要素の応答振幅である)。
一部の実施形態では、vi (n)は単純に、摂動(n)を生物学的サンプルへ適用した前
後のi番目の細胞構成要素の存在量および/または活性レベルの差であってもよ
く、摂動(n)を受けた生物学的サンプルと摂動(n)を受けていないサンプルとのi
番目の細胞構成要素の存在量および/または活性レベルの差であってもよい。他
の実施形態では、vi (n)は、摂動(n)を生物学的サンプルへ適用した前後のi番目
の細胞構成要素の存在量および/または活性レベルの比率(または比率の対数)、
あるいは、摂動(n)を受けたサンプルと摂動(n)を受けていないサンプルとのi番
目の細胞構成要素の存在量および/または活性レベルの比率(または比率の対数)
である。
【0059】
好適な実施形態では、測定誤差の挙動の知見等から決定し得る閾値振幅または
信頼水準を下回る応答を示すi番目の細胞構成要素の全てに対して、vi (n)を等し
く0に設定する。例えば、一部の実施形態では、N個以上のプロフィールにおい
て2以上の標準誤差の応答を示す細胞構成要素のみを選択し、後続の解析に使用
すればよく、プロフィールNの数は好ましくは本発明のユーザーによって選択さ
れる。
信頼水準を下回る応答を示すi番目の細胞構成要素の全てに対して、vi (n)を等し
く0に設定する。例えば、一部の実施形態では、N個以上のプロフィールにおい
て2以上の標準誤差の応答を示す細胞構成要素のみを選択し、後続の解析に使用
すればよく、プロフィールNの数は好ましくは本発明のユーザーによって選択さ
れる。
【0060】
閾値振幅を越える応答を示す細胞構成要素の場合には、vi (n)は測定値に等し
くてもよい。例えば、摂動(n)が、摂動への段階的な暴露(例えば、薬物(n)への
段階的な暴露)から構成される実施形態では、vi (n)は、薬物(n)の最高濃度にお
けるi番目の細胞構成要素の発現および/または活性に等しくすることができる
。あるいは、異なる摂動レベル(例えば、異なる薬物濃度)における応答ulを、例
えば、スプライン近似もしくはモデル近似によって滑らかな区分的連続関数へ補
間してもよく、vi (n)を補間の一定パラメータに等しくする。例えば、スプライ
ン近似では、式 で表されるように、測定データ値に適切なスプライン補間関数Sを乗じた積を合
計することにより、摂動(n)の各種レベルに対する応答データを補間する。変数
「u」は、i番目の細胞構成要素の摂動応答を評価対象とした際の、摂動(例えば
、薬物の暴露レベルまたは濃度)の任意の値を表す。通常、Sは、応答関数におい
て予測される特徴的な幅を有する、滑らかな、または、少なくとも区分的に連続
な限定支持関数であればどのようなものでもよい。補間対象の応答関数がその漸
近値の10%から90%に至るまでの距離となるよう、具体的な幅を選択することが
できる。具体的なS関数としては、一次補間またはガウス補間が挙げられる。
くてもよい。例えば、摂動(n)が、摂動への段階的な暴露(例えば、薬物(n)への
段階的な暴露)から構成される実施形態では、vi (n)は、薬物(n)の最高濃度にお
けるi番目の細胞構成要素の発現および/または活性に等しくすることができる
。あるいは、異なる摂動レベル(例えば、異なる薬物濃度)における応答ulを、例
えば、スプライン近似もしくはモデル近似によって滑らかな区分的連続関数へ補
間してもよく、vi (n)を補間の一定パラメータに等しくする。例えば、スプライ
ン近似では、式 で表されるように、測定データ値に適切なスプライン補間関数Sを乗じた積を合
計することにより、摂動(n)の各種レベルに対する応答データを補間する。変数
「u」は、i番目の細胞構成要素の摂動応答を評価対象とした際の、摂動(例えば
、薬物の暴露レベルまたは濃度)の任意の値を表す。通常、Sは、応答関数におい
て予測される特徴的な幅を有する、滑らかな、または、少なくとも区分的に連続
な限定支持関数であればどのようなものでもよい。補間対象の応答関数がその漸
近値の10%から90%に至るまでの距離となるよう、具体的な幅を選択することが
できる。具体的なS関数としては、一次補間またはガウス補間が挙げられる。
【0061】
モデル近似では、一変数関数によって応答を近似することにより、摂動(n)の
各種レベル(ul)に対する応答データを補間する。転写状態データの近似に適した
具体的なモデル近似関数は、Hill関数である: 上記式3のHill関数には、以下の可変パラメータが含まれる:(1)振幅パラメー
タa、(2)指数m、および(3)変曲点パラメータu0。可変パラメータは、各細胞構成
要素に対して独立に選択する。好ましくは、薬物応答の各細胞構成要素に対して
、vi (n)(ul)からのH(ul)の距離の2乗の和が最小となるように可変パラメータを
選択する。この好ましいパラメータ調整法は、vi (n)()に対するH()の最小2乗近
似として当該技術分野では周知である。このような近似は、多くの利用可能な数
学的手法のいずれを利用して行ってもよい(例えば、Pressら, 1996, Numerical
Recipes in C, 第2版, Cambridge University Press, 10章および14章; Branch
ら, 1996, Matlab Optimization Toolbox User’s Guide, Mathworks, Natick,
MAを参照)。次いで、応答振幅vi (n)を、例えば、式3の振幅パラメータaと等し
くなるように選択すればよい。
各種レベル(ul)に対する応答データを補間する。転写状態データの近似に適した
具体的なモデル近似関数は、Hill関数である: 上記式3のHill関数には、以下の可変パラメータが含まれる:(1)振幅パラメー
タa、(2)指数m、および(3)変曲点パラメータu0。可変パラメータは、各細胞構成
要素に対して独立に選択する。好ましくは、薬物応答の各細胞構成要素に対して
、vi (n)(ul)からのH(ul)の距離の2乗の和が最小となるように可変パラメータを
選択する。この好ましいパラメータ調整法は、vi (n)()に対するH()の最小2乗近
似として当該技術分野では周知である。このような近似は、多くの利用可能な数
学的手法のいずれを利用して行ってもよい(例えば、Pressら, 1996, Numerical
Recipes in C, 第2版, Cambridge University Press, 10章および14章; Branch
ら, 1996, Matlab Optimization Toolbox User’s Guide, Mathworks, Natick,
MAを参照)。次いで、応答振幅vi (n)を、例えば、式3の振幅パラメータaと等し
くなるように選択すればよい。
【0062】
別の実施形態において、応答プロフィールデータは、カテゴリー的であってよ
い。例えば、2元(binary)近似において応答振幅vi (n)は、細胞構成要素iが摂
動nに有意な応答を有する場合には0(unity)に設定され、有意な応答がない場合
にはゼロに設定される。あるいは、3元(trinary)近似において、細胞構成要素i
が摂動nに対し、発現および/または活性において有意な増加を有する場合には、
応答振幅は、+1に設定され、有意な応答がない場合にはゼロに設定され、かつ発
現および/または活性において有意な減少がある場合には-1に設定される。応答
プロフィールv(n)を比較すべき応答は、v(n)中のように同様の相対的振幅を有し
ないが、同様の細胞構成要素を含むことが知られているか、または推測される場
合には、かかる実施形態は、特に好ましい。また他の実施形態において、例えば
Brunel(1998, Neural Computation 10(7):1731-1757)によって記載され、かつ使
用可能である、「相互情報(Mutual Infromation)」を使用することが望ましいこ
ともある。
い。例えば、2元(binary)近似において応答振幅vi (n)は、細胞構成要素iが摂
動nに有意な応答を有する場合には0(unity)に設定され、有意な応答がない場合
にはゼロに設定される。あるいは、3元(trinary)近似において、細胞構成要素i
が摂動nに対し、発現および/または活性において有意な増加を有する場合には、
応答振幅は、+1に設定され、有意な応答がない場合にはゼロに設定され、かつ発
現および/または活性において有意な減少がある場合には-1に設定される。応答
プロフィールv(n)を比較すべき応答は、v(n)中のように同様の相対的振幅を有し
ないが、同様の細胞構成要素を含むことが知られているか、または推測される場
合には、かかる実施形態は、特に好ましい。また他の実施形態において、例えば
Brunel(1998, Neural Computation 10(7):1731-1757)によって記載され、かつ使
用可能である、「相互情報(Mutual Infromation)」を使用することが望ましいこ
ともある。
【0063】
すべての上記の実施形態において、多くの場合、ベクトルの長さ|v(n)|が単
一となるように、同様の定数によりベクトルv(n)(すなわち、すべてのiについ
てのvi (n))の全要素をスケーリングすることにより応答プロフィールを正規化す
ることが好ましい。一般的に、ベクトルの長さは、 により定義することができる。かかる実施形態において、下記の第5.3.4節に記
載される射影操作によって、摂動nに似る応答構成要素の強さに比例し、しかし
ベクトルv(n)を定義するために使用する応答の総体的な大きさに依存しない数量
が得られる。
一となるように、同様の定数によりベクトルv(n)(すなわち、すべてのiについ
てのvi (n))の全要素をスケーリングすることにより応答プロフィールを正規化す
ることが好ましい。一般的に、ベクトルの長さは、 により定義することができる。かかる実施形態において、下記の第5.3.4節に記
載される射影操作によって、摂動nに似る応答構成要素の強さに比例し、しかし
ベクトルv(n)を定義するために使用する応答の総体的な大きさに依存しない数量
が得られる。
【0064】5.3.2 共変セットの決定
本発明の方法の第2の態様には、摂動に応答して共変する細胞構成要素の傾向
に従って、応答プロフィールにおける細胞構成要素を分類すること、またはグル
ープ化することが含まれる。特にこの節では、細胞構成要素を共変セットに分類
するための特定の実施形態を記載する。さらに特には、本発明で同定された共変
細胞構成要素セットは、下記の第5.3.4節に記載されるような基準セットとして
使用することができる。
に従って、応答プロフィールにおける細胞構成要素を分類すること、またはグル
ープ化することが含まれる。特にこの節では、細胞構成要素を共変セットに分類
するための特定の実施形態を記載する。さらに特には、本発明で同定された共変
細胞構成要素セットは、下記の第5.3.4節に記載されるような基準セットとして
使用することができる。
【0065】クラスタリングアルゴリズム:
本発明の基準セットまたは共変セットは、クラスタリングアルゴリズムによっ
て(すなわち、「クラスタリング分析」によって)同定される。本発明のクラス
タリングアルゴリズムは、一般的に「モデルに基づいた」または「モデル独立的
な」アルゴリズムとして分類できる。特に、モデルに基づいたクラスタリング法
は、共変セットまたはクラスターが、細胞構成要素の「ベクトル空間」における
なんらかの前もって定義された分散形にマッピングすることを仮定する。例えば
、モデルに基づいたクラスタリングアルゴリズムの多くが、特定の離心率(ecce
ntricity)を有する楕円のクラスター分散を仮定する。対照的に、モデル独立的
なクラスタリングアルゴリズムは、クラスター形についてなんら仮定を行わない
。当業者に認識されるように、かかるモデル独立的な方法は、実質的に「超球形
の(hyperspherical)」クラスター分散を仮定することに等しい。超球形のクラ
スター分散は、一般的に例えば、摂動ベクトル要素vi (n)が異なったmRNA種の存
在度のように類似の尺度および意味を有する場合に、本発明の方法において好適
である。
て(すなわち、「クラスタリング分析」によって)同定される。本発明のクラス
タリングアルゴリズムは、一般的に「モデルに基づいた」または「モデル独立的
な」アルゴリズムとして分類できる。特に、モデルに基づいたクラスタリング法
は、共変セットまたはクラスターが、細胞構成要素の「ベクトル空間」における
なんらかの前もって定義された分散形にマッピングすることを仮定する。例えば
、モデルに基づいたクラスタリングアルゴリズムの多くが、特定の離心率(ecce
ntricity)を有する楕円のクラスター分散を仮定する。対照的に、モデル独立的
なクラスタリングアルゴリズムは、クラスター形についてなんら仮定を行わない
。当業者に認識されるように、かかるモデル独立的な方法は、実質的に「超球形
の(hyperspherical)」クラスター分散を仮定することに等しい。超球形のクラ
スター分散は、一般的に例えば、摂動ベクトル要素vi (n)が異なったmRNA種の存
在度のように類似の尺度および意味を有する場合に、本発明の方法において好適
である。
【0066】
本発明のクラスタリング法およびアルゴリズムは、さらに「階層的な」アルゴ
リズムまたは「グループの固定数(fixed-number-of groups)」アルゴリズムとし
て分類できる(例えば、S-plus Guide to Statistical and Mathematical Analy
sis v.3.3, 1995, MathSoft, Inc.: StatSci. Division, Scattle, Washington
を参照されたい)。かかるアルゴリズムは、当技術分野において公知である(例
えば、Fukunaga, 1990, Statistical Pattern Recognition, 2nd Ed., San Dieg
o: Academic Press; Everitt, 1974, Cluster Analysis, London: Heinemann Ed
uc. Books; Hartigan, 1975, Clustering Algorithms, New York: Wiley; Sneat
h and Sokal, 1973, Numerical Taxonomy, Freeman; Anderberg, 1973, Cluster
Analysis for Applications, New York: Academic Pressを参照されたい)。ま
たかかるアルゴリズムには、例えば階層的な凝縮的クラスタリングアルゴリズム
であるHartiganの「k平均」アルゴリズム(上記)、およびモデルに基づいたク
ラスタリングアルゴリズム(MathSoft, Inc.によるmclustなど)が含まれる。好
ましくは、階層的なクラスタリング法および/またはアルゴリズムを、本発明の
方法に使用する。特に好ましい実施形態において、本発明のクラスタリング分析
を、hclustプログラム(routine)またはアルゴリズムを用いて行う(例えば、ソ
フトウェアパッケージS-plus, MathSoft, Inc., Cambridge, MAの「hclust」ル
ーチンを参照されたい)。
リズムまたは「グループの固定数(fixed-number-of groups)」アルゴリズムとし
て分類できる(例えば、S-plus Guide to Statistical and Mathematical Analy
sis v.3.3, 1995, MathSoft, Inc.: StatSci. Division, Scattle, Washington
を参照されたい)。かかるアルゴリズムは、当技術分野において公知である(例
えば、Fukunaga, 1990, Statistical Pattern Recognition, 2nd Ed., San Dieg
o: Academic Press; Everitt, 1974, Cluster Analysis, London: Heinemann Ed
uc. Books; Hartigan, 1975, Clustering Algorithms, New York: Wiley; Sneat
h and Sokal, 1973, Numerical Taxonomy, Freeman; Anderberg, 1973, Cluster
Analysis for Applications, New York: Academic Pressを参照されたい)。ま
たかかるアルゴリズムには、例えば階層的な凝縮的クラスタリングアルゴリズム
であるHartiganの「k平均」アルゴリズム(上記)、およびモデルに基づいたク
ラスタリングアルゴリズム(MathSoft, Inc.によるmclustなど)が含まれる。好
ましくは、階層的なクラスタリング法および/またはアルゴリズムを、本発明の
方法に使用する。特に好ましい実施形態において、本発明のクラスタリング分析
を、hclustプログラム(routine)またはアルゴリズムを用いて行う(例えば、ソ
フトウェアパッケージS-plus, MathSoft, Inc., Cambridge, MAの「hclust」ル
ーチンを参照されたい)。
【0067】
本発明に使用されるクラスタリングアルゴリズムは、上記第5.3.1節のものの
ような遺伝子発現の測定結果を含むデータ表上で操作する。特に、本発明のクラ
スタリング法で分析されたデータ表は、m x kアレイまたはマトリックス(ここ
でmは条件または摂動の総数であり、kは測定されたおよび/または分析された細
胞構成要素数である)を含む。
ような遺伝子発現の測定結果を含むデータ表上で操作する。特に、本発明のクラ
スタリング法で分析されたデータ表は、m x kアレイまたはマトリックス(ここ
でmは条件または摂動の総数であり、kは測定されたおよび/または分析された細
胞構成要素数である)を含む。
【0068】
本発明のクラスタリングアルゴリズムは、細胞構成要素間の相違を決定するた
めにアレイまたはマトリックスを分析する。数学的に、細胞構成要素iとjとの間
の相違は、「距離」Iijとして表す。例えば、一実施形態において、ユークリッ
ド距離は、式: に従って決定する。この式中において、vi (n)、vj (n)は、それぞれ細胞構成要素
iおよびjの摂動nに対する応答である。他の実施形態において、上記の等式5にお
けるユークリッド距離を平方して、さらに離れた細胞構成要素に徐々に重みをか
ける。別の実施形態において、距離基準Iijは、式: によって与えられるマンハッタン距離である。
めにアレイまたはマトリックスを分析する。数学的に、細胞構成要素iとjとの間
の相違は、「距離」Iijとして表す。例えば、一実施形態において、ユークリッ
ド距離は、式: に従って決定する。この式中において、vi (n)、vj (n)は、それぞれ細胞構成要素
iおよびjの摂動nに対する応答である。他の実施形態において、上記の等式5にお
けるユークリッド距離を平方して、さらに離れた細胞構成要素に徐々に重みをか
ける。別の実施形態において、距離基準Iijは、式: によって与えられるマンハッタン距離である。
【0069】
応答プロフィールデータがカテゴリー的である(例えば、各々のエレメントvi (n)
=1または0である)実施形態において、距離基準は、式:
によって定義される不一致(%)であることが好ましい。
【0070】
別の、特に好ましい実施形態において、距離は、Iij=1−rij (ここで、r ij
は応答ベクトルviとvjとの間の「相関係数」または正規化「ドット積」である
)として定義される。特に、rijは、式: によって定義され、この式中のドット積vi・vjは、式: および|vi|=(vi・vi)1/2;|vj|=(vj・vj)1/2よって定義される。
)として定義される。特に、rijは、式: によって定義され、この式中のドット積vi・vjは、式: および|vi|=(vi・vi)1/2;|vj|=(vj・vj)1/2よって定義される。
【0071】
また他の実施形態において、距離基準は、チェビシェフ距離、パワー距離およ
び不一致(%)であってもよく、全てのものが当技術分野で公知である。最も好
ましくは、距離基準は、例えば、共変する、および/または同時調節される細胞
構成要素(共変するまたは同時調節される遺伝子など)を同定するために、問題
となっている生物学的問題点に適合させる。例えば、特に好ましい実施形態にお
いて、距離は、応答ベクトルviおよびvjの加重ドット積を含む相関係数を有する
Iij=1−rijを示す。特にこの好ましい実施形態において、rijは好ましくは
以下に示す等式: によって定義される。式中、σi (n)およびσj (n)は、実験nにおけるそれぞれi番
目およびj番目の細胞構成要素の測定結果と関連する標準誤差である。
び不一致(%)であってもよく、全てのものが当技術分野で公知である。最も好
ましくは、距離基準は、例えば、共変する、および/または同時調節される細胞
構成要素(共変するまたは同時調節される遺伝子など)を同定するために、問題
となっている生物学的問題点に適合させる。例えば、特に好ましい実施形態にお
いて、距離は、応答ベクトルviおよびvjの加重ドット積を含む相関係数を有する
Iij=1−rijを示す。特にこの好ましい実施形態において、rijは好ましくは
以下に示す等式: によって定義される。式中、σi (n)およびσj (n)は、実験nにおけるそれぞれi番
目およびj番目の細胞構成要素の測定結果と関連する標準誤差である。
【0072】
等式8および等式10の相関係数は、値+1(2つの応答ベクトルが完全に相関
し、本質的に同一であることを示す)と、−1(2つの応答ベクトルが「相関し
ていない」または「同一方向を向いていない(anti-sense)」(すなわち反対を向
いている)ことを示す)との間に拘束される。これらの相関係数は、細胞構成要
素セットまたはクラスターが同じ兆候の応答を有する構成要素を求める本発明の
実施形態において特に好ましい。
し、本質的に同一であることを示す)と、−1(2つの応答ベクトルが「相関し
ていない」または「同一方向を向いていない(anti-sense)」(すなわち反対を向
いている)ことを示す)との間に拘束される。これらの相関係数は、細胞構成要
素セットまたはクラスターが同じ兆候の応答を有する構成要素を求める本発明の
実施形態において特に好ましい。
【0073】
他の実施形態において、同じ生物学的応答または経路を同時調節するかまたは
それに関与しているが、類似しかつ非相関の応答を含む細胞構成要素セットまた
はクラスターを同定することが好ましい。例えば、図6は、シグナルが、G1、G2
およびG3と同定されるいくつかの遺伝子をアップレギュレートした転写因子を活
性化するカスケードを示す。図6に示す例においては、G3の産物は、いくつかの
異なる遺伝子、例えばG4、G5およびG6のリプレッサーエレメントである。したが
って、同じ細胞構成要素セットまたはクラスターの一部として6つの遺伝子、G1
〜G6の全てを同定しうることが好ましい。そのような実施形態においては、等式
8または10の絶対値、すなわち|rij|を相関係数として使用することが好ましい
。
それに関与しているが、類似しかつ非相関の応答を含む細胞構成要素セットまた
はクラスターを同定することが好ましい。例えば、図6は、シグナルが、G1、G2
およびG3と同定されるいくつかの遺伝子をアップレギュレートした転写因子を活
性化するカスケードを示す。図6に示す例においては、G3の産物は、いくつかの
異なる遺伝子、例えばG4、G5およびG6のリプレッサーエレメントである。したが
って、同じ細胞構成要素セットまたはクラスターの一部として6つの遺伝子、G1
〜G6の全てを同定しうることが好ましい。そのような実施形態においては、等式
8または10の絶対値、すなわち|rij|を相関係数として使用することが好ましい
。
【0074】
また他の実施形態において、例えば多数の生物学的経路(例えばシグナル伝達
経路)が同じ細胞構成要素に集まり、異なる結果を出すような例の場合、同時調
節されるおよび/または共変する細胞構成要素の間の関係は、らに複雑である。
そのような実施形態においては、共変するおよび/または同時調節される細胞構
成要素(兆候とは無関係のもの)を同定することができる、相関係数rij=rij (変化) を用いることが好ましい。以下の等式11に特定される相関係数は、その
ような実施形態に特に有用である。
経路)が同じ細胞構成要素に集まり、異なる結果を出すような例の場合、同時調
節されるおよび/または共変する細胞構成要素の間の関係は、らに複雑である。
そのような実施形態においては、共変するおよび/または同時調節される細胞構
成要素(兆候とは無関係のもの)を同定することができる、相関係数rij=rij (変化) を用いることが好ましい。以下の等式11に特定される相関係数は、その
ような実施形態に特に有用である。
【0075】
一般的に本発明の方法に使用するクラスタリングアルゴリズムはまた、1つ以
上の連関法則(linkage rule)を用いて、細胞構成要素を1つ以上のセットまたは
「クラスター」にグループ化する。例えば、単一連関法(single linkage method
)または最近接点法(nearest neighbor method)は、データテーブルにおいて2つ
の最も近い対象物の間(すなわち、2つの最も近い細胞構成要素間)の距離を決
定する。対照的に、完全連関法は、異なるクラスターまたはセットにある2つの
対象物(すなわち、細胞構成要素)間の最大距離を決定する。あるいは、非加重
ペア群平均法(unweighted pair-group average evaluate)が、2つのクラスター
における対象物(すなわち、細胞構成要素)のペア全ての間の平均距離を決定す
ることによって2つのクラスターまたはセット間の「距離」を評価する。あるい
は、加重ペア群平均法(weighted pair-group average evaluate)は、加重因子が
それぞれのクラスターの大きさに比例する、2つのクラスターにおける対象物ペ
ア全ての間の加重平均距離を決定することによって2つのクラスターまたはセッ
ト間の距離を評価する。他の連関法則(例えば、非加重および加重ペア群セント
ロイドおよびウオード法)は、また本発明のいくつかの実施形態に有用である(
例えば、Ward, 1963, J. Am. Stat. Assn 58: 236;Hartigan, 1975, Clusterin
g Algorithms, New York: Wileyを参照されたい)。
上の連関法則(linkage rule)を用いて、細胞構成要素を1つ以上のセットまたは
「クラスター」にグループ化する。例えば、単一連関法(single linkage method
)または最近接点法(nearest neighbor method)は、データテーブルにおいて2つ
の最も近い対象物の間(すなわち、2つの最も近い細胞構成要素間)の距離を決
定する。対照的に、完全連関法は、異なるクラスターまたはセットにある2つの
対象物(すなわち、細胞構成要素)間の最大距離を決定する。あるいは、非加重
ペア群平均法(unweighted pair-group average evaluate)が、2つのクラスター
における対象物(すなわち、細胞構成要素)のペア全ての間の平均距離を決定す
ることによって2つのクラスターまたはセット間の「距離」を評価する。あるい
は、加重ペア群平均法(weighted pair-group average evaluate)は、加重因子が
それぞれのクラスターの大きさに比例する、2つのクラスターにおける対象物ペ
ア全ての間の加重平均距離を決定することによって2つのクラスターまたはセッ
ト間の距離を評価する。他の連関法則(例えば、非加重および加重ペア群セント
ロイドおよびウオード法)は、また本発明のいくつかの実施形態に有用である(
例えば、Ward, 1963, J. Am. Stat. Assn 58: 236;Hartigan, 1975, Clusterin
g Algorithms, New York: Wileyを参照されたい)。
【0076】
一度、クラスタリングアルゴリズムが、例えば上記のような連関法則を用いて
、データテーブルからの細胞構成要素をセットまたはクラスターにグループ化す
ると、クラスタリング「ツリー」ができ、決定された細胞構成要素のクラスター
を例示することができる。図7は、図2A(上記の第5.2節を参照されたい)に例証
された34 x 185応答プロフィールデータテーブルの分析上でのhclustクラスタリ
ングアルゴリズム、および距離関数Iij=1 - rijを用いることによって作成され
た模範的なクラスタリングツリーを例示する。測定された応答データ{vI (n)}
には、各々の差異実験nを含む条件のペア(すなわち、摂動および非摂動)におけ
る各々の転写産物iの存在量の比の対数底10を含む。
、データテーブルからの細胞構成要素をセットまたはクラスターにグループ化す
ると、クラスタリング「ツリー」ができ、決定された細胞構成要素のクラスター
を例示することができる。図7は、図2A(上記の第5.2節を参照されたい)に例証
された34 x 185応答プロフィールデータテーブルの分析上でのhclustクラスタリ
ングアルゴリズム、および距離関数Iij=1 - rijを用いることによって作成され
た模範的なクラスタリングツリーを例示する。測定された応答データ{vI (n)}
には、各々の差異実験nを含む条件のペア(すなわち、摂動および非摂動)におけ
る各々の転写産物iの存在量の比の対数底10を含む。
【0077】
遺伝子セットは、図7に示されるようなクラスタリングツリーの分岐に基づい
て容易に定義できる。特に、遺伝子セットは、クラスタリングツリーの多くのよ
り小さな分岐(例えば、図7に示すレベル1の)に基づいて定義できるか、さも
なければ、場合により、クラスタリングツリーのより大きな分岐に対応する、よ
り大きな遺伝子セット(例えば、図7のレベル2の)として定義できる。遺伝子
セットが定義される分岐レベルの選択は、期待される別個の応答経路の数と一致
していることが好ましい。経路の数を示す利用可能な情報が殆ど無いか又は全く
無い実施態様では、遺伝子セットは、クラスタリングツリーの分岐が「真に別個
である」分岐レベルに従って定義されるべきである。
て容易に定義できる。特に、遺伝子セットは、クラスタリングツリーの多くのよ
り小さな分岐(例えば、図7に示すレベル1の)に基づいて定義できるか、さも
なければ、場合により、クラスタリングツリーのより大きな分岐に対応する、よ
り大きな遺伝子セット(例えば、図7のレベル2の)として定義できる。遺伝子
セットが定義される分岐レベルの選択は、期待される別個の応答経路の数と一致
していることが好ましい。経路の数を示す利用可能な情報が殆ど無いか又は全く
無い実施態様では、遺伝子セットは、クラスタリングツリーの分岐が「真に別個
である」分岐レベルに従って定義されるべきである。
【0078】
本明細書中で用いる「真に別個である」とは、例えば、個々の分岐の間の最小
距離値によって定義できる。例えば、図7では、真に別個である遺伝子セットの
間の距離は、2つの分岐を結ぶ水平コネクターの垂直方向座標である。通常は、
真に別個である遺伝子セットの間の距離値は、0.2〜0.4の範囲であり、距離ゼロ
は、完全な相関を示し、距離1(distance of unity)は相関が無いことを示す
。しかしながら、真に別個である遺伝子セットの間の距離は、ある実施態様、例
えば、より質の低いデータであるか、又は応答プロフィールデータの実験数nが
ごく少ない場合においてより大きくなりうる。あるいは、別の実施態様、例えば
、より良質のデータ又はプロフィールデータセットにおいて実験数nがより多い
場合、真に別個である遺伝子セットの間の距離は0.2未満となりうる。
距離値によって定義できる。例えば、図7では、真に別個である遺伝子セットの
間の距離は、2つの分岐を結ぶ水平コネクターの垂直方向座標である。通常は、
真に別個である遺伝子セットの間の距離値は、0.2〜0.4の範囲であり、距離ゼロ
は、完全な相関を示し、距離1(distance of unity)は相関が無いことを示す
。しかしながら、真に別個である遺伝子セットの間の距離は、ある実施態様、例
えば、より質の低いデータであるか、又は応答プロフィールデータの実験数nが
ごく少ない場合においてより大きくなりうる。あるいは、別の実施態様、例えば
、より良質のデータ又はプロフィールデータセットにおいて実験数nがより多い
場合、真に別個である遺伝子セットの間の距離は0.2未満となりうる。
【0079】
例えば、図7の点線によって示される水平切断線を用い、そしてその切断線の
下の2以上の細胞構成要素を有する分岐のみが、遺伝子セットとして認められる
とすると、9個の遺伝子セットが得られる。これらの9個の遺伝子セットは、実
際に、カルシニューリンタンパク質、PDR遺伝子、Gen4転写因子、RNR(DNA修復
遺伝子)、及び細胞性ストレス応答を含む経路を反映している。従って、図7で
同定される遺伝子セット、及びクラスター分析によって同定される遺伝子セット
は、一般に、基礎的な生物学的意義(significance)を有している。
下の2以上の細胞構成要素を有する分岐のみが、遺伝子セットとして認められる
とすると、9個の遺伝子セットが得られる。これらの9個の遺伝子セットは、実
際に、カルシニューリンタンパク質、PDR遺伝子、Gen4転写因子、RNR(DNA修復
遺伝子)、及び細胞性ストレス応答を含む経路を反映している。従って、図7で
同定される遺伝子セット、及びクラスター分析によって同定される遺伝子セット
は、一般に、基礎的な生物学的意義(significance)を有している。
【0080】統計学的有意性:
真に別個である細胞構成要素セットは、クラスタリングツリー中の各分岐点に
対する統計学的有意性の客観テストによって定義されることが好ましい。例えば
、本発明の1つの態様では、真に別個である細胞構成要素セットは、一連の実験
にわたり各細胞構成要素の応答に対する実験指数nのモンテカルロランダム化を
用いる統計学的検定によって定義される。例えば、1つの好ましい実施態様では
、各細胞構成要素の応答νi (n)の実験指数nは、 によって示されるように、ランダムに置換される。より具体的には、実験指数n
の多数の置換が、各細胞構成要素の応答に対して行われる。置換の数は、約50〜
約1000であることが好ましく、より好ましくは約50〜約100である。元のクラス
タリングツリーの各分岐について、及び実験指数の各置換について: (1)階層的なクラスタリングは、置換されたデータについて、好ましくは元の置
換されていないデータに用いたのと同じクラスタリングアルゴリズム(例えば、
図7のクラスタリングツリーに対するhclust)を用いて行われ;そして (2)全体分布における部分改善fを、1つのクラスターから2つのクラスターへの
クラスター中心に関して計算する。
対する統計学的有意性の客観テストによって定義されることが好ましい。例えば
、本発明の1つの態様では、真に別個である細胞構成要素セットは、一連の実験
にわたり各細胞構成要素の応答に対する実験指数nのモンテカルロランダム化を
用いる統計学的検定によって定義される。例えば、1つの好ましい実施態様では
、各細胞構成要素の応答νi (n)の実験指数nは、 によって示されるように、ランダムに置換される。より具体的には、実験指数n
の多数の置換が、各細胞構成要素の応答に対して行われる。置換の数は、約50〜
約1000であることが好ましく、より好ましくは約50〜約100である。元のクラス
タリングツリーの各分岐について、及び実験指数の各置換について: (1)階層的なクラスタリングは、置換されたデータについて、好ましくは元の置
換されていないデータに用いたのと同じクラスタリングアルゴリズム(例えば、
図7のクラスタリングツリーに対するhclust)を用いて行われ;そして (2)全体分布における部分改善fを、1つのクラスターから2つのクラスターへの
クラスター中心に関して計算する。
【0081】
特に、部分改善fは、
(式中、Diは、その指定されたクラスターの中心(すなわち、平均)について
の細胞構成要素iに対する距離測定値の二乗である)に従って計算される。上付
の文字(1)及び(2)は、距離測定値Diの二乗が、(1)その分岐全体の中心について
、又は(2)2つのクラスター以外の適当なクラスターの中心についてなされている
ことを示す。式13中の距離関数Diは、幾つかの実施態様のうちの任意のものに
従って定義できる。特に、Iijの定義について上記の種々の実施態様を用いて
式13中のDiを定義することもできる。
の細胞構成要素iに対する距離測定値の二乗である)に従って計算される。上付
の文字(1)及び(2)は、距離測定値Diの二乗が、(1)その分岐全体の中心について
、又は(2)2つのクラスター以外の適当なクラスターの中心についてなされている
ことを示す。式13中の距離関数Diは、幾つかの実施態様のうちの任意のものに
従って定義できる。特に、Iijの定義について上記の種々の実施態様を用いて
式13中のDiを定義することもできる。
【0082】
上記のモンテカルロ法から得られる部分改善の分布は、帰無仮説(すなわち、
クラスタリングツリー中の特定の分岐が有意でない、すなわち別個でないという
仮説)下の分布の推定値を提供する。従って、実際の部分改善(すなわち、置換
されていないデータの部分改善)に対する有意性は、実際の部分改善と置換され
たデータに対する部分改善の分布とを比較することによって、求めることができ
る。有意性は帰無仮説分布の標準偏差(例えば、対数通常モデル(log normal m
odel)を置換されたデータから得られる帰無仮説分布に適合することによって)
で表されることが好ましい。例えば、図7の分岐点に示される数は、帰無仮説分
布の標準偏差の倍数で表される各分岐点の有意性である。例えば、約2より大き
い数は、その分岐が95%の信頼レベルで有意であることを示す。
クラスタリングツリー中の特定の分岐が有意でない、すなわち別個でないという
仮説)下の分布の推定値を提供する。従って、実際の部分改善(すなわち、置換
されていないデータの部分改善)に対する有意性は、実際の部分改善と置換され
たデータに対する部分改善の分布とを比較することによって、求めることができ
る。有意性は帰無仮説分布の標準偏差(例えば、対数通常モデル(log normal m
odel)を置換されたデータから得られる帰無仮説分布に適合することによって)
で表されることが好ましい。例えば、図7の分岐点に示される数は、帰無仮説分
布の標準偏差の倍数で表される各分岐点の有意性である。例えば、約2より大き
い数は、その分岐が95%の信頼レベルで有意であることを示す。
【0083】
より詳細には、客観統計学的検定を用いて、任意のクラスタリング方法又はア
ルゴリズムのグループ化決定の統計的信頼を決定することが好ましい。階層的及
び非階層的クラスタリング方法の両方に対して同様の検査法を用いることが好ま
しい。より好ましくは、用いる統計学的検定は、(a)本発明のクラスタリング方
法の1つによって決定されたクラスターのコンパクトネス(compactness)の測
定値を得ること、及び(b)得られたコンパクトネスの測定値を、数を増やしたク
ラスター中で再グループ化された細胞構成要素のコンパクトネスの仮想測定値と
比較することを含む。例えば、階層的クラスタリングアルゴリズム(hclustなど
)を用いる実施態様では、そのようなコンパクトネスの仮想測定値は、クラスタ
リングツリー中の2番目に低レベルの分岐で選択されたクラスター(例えば、図
7中ではレベル2よりもむしろレベル1で)についてのコンパクトネスの測定値
を含むことが好ましい。あるいは、例えば、N個のクラスターを生成するために
は、非階層的クラスタリング方法又はアルゴリズムを用いる実施態様では、コン
パクトネスの仮想測定値は、同じ方法によってN+1個のクラスターについて得
られたコンパクトネスであることが好ましい。
ルゴリズムのグループ化決定の統計的信頼を決定することが好ましい。階層的及
び非階層的クラスタリング方法の両方に対して同様の検査法を用いることが好ま
しい。より好ましくは、用いる統計学的検定は、(a)本発明のクラスタリング方
法の1つによって決定されたクラスターのコンパクトネス(compactness)の測
定値を得ること、及び(b)得られたコンパクトネスの測定値を、数を増やしたク
ラスター中で再グループ化された細胞構成要素のコンパクトネスの仮想測定値と
比較することを含む。例えば、階層的クラスタリングアルゴリズム(hclustなど
)を用いる実施態様では、そのようなコンパクトネスの仮想測定値は、クラスタ
リングツリー中の2番目に低レベルの分岐で選択されたクラスター(例えば、図
7中ではレベル2よりもむしろレベル1で)についてのコンパクトネスの測定値
を含むことが好ましい。あるいは、例えば、N個のクラスターを生成するために
は、非階層的クラスタリング方法又はアルゴリズムを用いる実施態様では、コン
パクトネスの仮想測定値は、同じ方法によってN+1個のクラスターについて得
られたコンパクトネスであることが好ましい。
【0084】
クラスターのコンパクトネスは、例えば、「クラスター平均」からのクラスタ
ーの要素の平均二乗距離、又は、より好ましくは、クラスター平均からの要素の
平均二乗距離の逆数として、数量的に定義されうる。特定のクラスターのクラス
ター平均は、クラスター中の全ての要素の応答ベクトルの平均として一般的に定
義される。しかしながら、ある実施態様、例えば、式8又は10の絶対値を用いて
、クラスタリングアルゴリズムの距離測定値(すなわち、Iij=1-|γij|
)を算出する場合、そのようなクラスター平均の定義は問題がある。より一般的
には、上記の平均の定義は、応答ベクトルが反対方向であるために、上記で定義
されたクラスター平均がゼロになる実施態様では問題がある。従って、そのよう
な実施態様では、異なるクラスターコンパクトネスの定義(例えば、これに限定
されないが、クラスター中の要素の全ペアの間の平均二乗距離)を選択すること
が好ましい。あるいは、クラスターコンパクトネスは、クラスターの各要素(例
えば、細胞構成要素)からそのクラスター中の他の全要素までの平均距離(又は
、より好ましくは、平均距離の逆数)を含むように定義できる。
ーの要素の平均二乗距離、又は、より好ましくは、クラスター平均からの要素の
平均二乗距離の逆数として、数量的に定義されうる。特定のクラスターのクラス
ター平均は、クラスター中の全ての要素の応答ベクトルの平均として一般的に定
義される。しかしながら、ある実施態様、例えば、式8又は10の絶対値を用いて
、クラスタリングアルゴリズムの距離測定値(すなわち、Iij=1-|γij|
)を算出する場合、そのようなクラスター平均の定義は問題がある。より一般的
には、上記の平均の定義は、応答ベクトルが反対方向であるために、上記で定義
されたクラスター平均がゼロになる実施態様では問題がある。従って、そのよう
な実施態様では、異なるクラスターコンパクトネスの定義(例えば、これに限定
されないが、クラスター中の要素の全ペアの間の平均二乗距離)を選択すること
が好ましい。あるいは、クラスターコンパクトネスは、クラスターの各要素(例
えば、細胞構成要素)からそのクラスター中の他の全要素までの平均距離(又は
、より好ましくは、平均距離の逆数)を含むように定義できる。
【0085】
クラスターコンパクトネスと仮想的コンパクトネスとを比較する上記のステッ
プ(b)は、増加した数のクラスターにおける変化したコンパクトネスに対するノ
ンパラメトリック統計的分布の作成を含むことが好ましい。より好ましくは、そ
のような分布は、実際のデータによく似ているが、本質的なクラスター化構造を
持たないモデル(すなわち、「帰無仮説」モデル)を用いて作成される。例えば
、そのような分布は、(a)それぞれの実際の摂動ベクトルνi (n)に対する摂
動実験指数nをランダム化し、(b)各分布に対して生じるコンパクトネスの変化
を、例えば、NからN+1にクラスターの数を増加させるか(非階層的クラスタリ
ング方法)、又はクラスターが定義される分岐レベルを上昇させる(階層法)こ
とによって計算することにより、作成できる。
プ(b)は、増加した数のクラスターにおける変化したコンパクトネスに対するノ
ンパラメトリック統計的分布の作成を含むことが好ましい。より好ましくは、そ
のような分布は、実際のデータによく似ているが、本質的なクラスター化構造を
持たないモデル(すなわち、「帰無仮説」モデル)を用いて作成される。例えば
、そのような分布は、(a)それぞれの実際の摂動ベクトルνi (n)に対する摂
動実験指数nをランダム化し、(b)各分布に対して生じるコンパクトネスの変化
を、例えば、NからN+1にクラスターの数を増加させるか(非階層的クラスタリ
ング方法)、又はクラスターが定義される分岐レベルを上昇させる(階層法)こ
とによって計算することにより、作成できる。
【0086】
該プロセスを、応答ベクトルが二次元(すなわち、n=1、2の、2つの摂動
実験がある)であり、長さ|νi|=2を有する、クラスタリング方法の典型的
非階層的実施態様について、図8に示す。従って、それらの応答ベクトルは、二
次元空間中の点として図8中に表示されている。本実施例では、2つの明らかな
クラスターが識別できる。これら2つのクラスターは、図8Aに示され、そして
環状クラスター及びダンベル形のクラスターを含む。クラスター中心は、三角形
記号(▲)によって示される。図8中の摂動ベクトルの分布は、それらに対応す
る中心と共に図8中に示される、3つのクラスターに分割することもできること
は、当業者であれば明らかである。図8B中の新たな2つのクラスターは、それ
ぞれ図8A中の1つのダンベル形クラスターよりもコンパクトであることも、当
業者であれば明らかであろう。しかしながら、コンパクトネスのそのような増加
は、統計的に有意ではないかもしれず、それ故、実際の又は特有の細胞構成要素
セットを示していないかもしれない。特に、N個のクラスターのセットのコンパ
クトネスは、この実施例において、各要素のそのクラスター中心からの平均二乗
距離の逆数、すなわち、1/I(N) meanとして定義される。一般には、I(N+ 1) mean <I(N) meanである。追加的な「真の」細胞構成要素セットがあるか
否かは関係ない。従って、本発明の統計的方法を用いて、例えば、本実施例では
、クラスターの数がN=2からN+1=3に増加されたときに生じる増加したコ
ンパクトネスの統計学的有意性を評価することができる。
実験がある)であり、長さ|νi|=2を有する、クラスタリング方法の典型的
非階層的実施態様について、図8に示す。従って、それらの応答ベクトルは、二
次元空間中の点として図8中に表示されている。本実施例では、2つの明らかな
クラスターが識別できる。これら2つのクラスターは、図8Aに示され、そして
環状クラスター及びダンベル形のクラスターを含む。クラスター中心は、三角形
記号(▲)によって示される。図8中の摂動ベクトルの分布は、それらに対応す
る中心と共に図8中に示される、3つのクラスターに分割することもできること
は、当業者であれば明らかである。図8B中の新たな2つのクラスターは、それ
ぞれ図8A中の1つのダンベル形クラスターよりもコンパクトであることも、当
業者であれば明らかであろう。しかしながら、コンパクトネスのそのような増加
は、統計的に有意ではないかもしれず、それ故、実際の又は特有の細胞構成要素
セットを示していないかもしれない。特に、N個のクラスターのセットのコンパ
クトネスは、この実施例において、各要素のそのクラスター中心からの平均二乗
距離の逆数、すなわち、1/I(N) meanとして定義される。一般には、I(N+ 1) mean <I(N) meanである。追加的な「真の」細胞構成要素セットがあるか
否かは関係ない。従って、本発明の統計的方法を用いて、例えば、本実施例では
、クラスターの数がN=2からN+1=3に増加されたときに生じる増加したコ
ンパクトネスの統計学的有意性を評価することができる。
【0087】
典型的な実施態様では、増加したコンパクトネスは、パラメーターEによって
与えられ、そしてそれは、式 によって定義される。しかしながら、本発明の統計的方法で用いることができる
他の定義も、当業者であれば明らかである。一般に、Eがクラスターコンパクト
ネスの増加と単調に関連するならば、Eの正確な定義は決定的なものではない。
与えられ、そしてそれは、式 によって定義される。しかしながら、本発明の統計的方法で用いることができる
他の定義も、当業者であれば明らかである。一般に、Eがクラスターコンパクト
ネスの増加と単調に関連するならば、Eの正確な定義は決定的なものではない。
【0088】
本発明の統計的方法は、Eの有意性を分析する方法を提供する。具体的には、
これらの方法は、実際の実験データに対するコンパクトネスの実際の増加 E0を
、(例えば、上記式10によって)ランダムに置換されたデータから決定されるE
値の経験的な分布と比較することによる、Eの分析のための経験的な分布アプロ
ーチを提供する。図8に示される二次元の実施例では、そのような変換は、まず
、等しい確率で各摂動ベクトルにおける摂動指数n=1、2をランダムに交換す
ることを含む。より具体的には、再分割される各クラスター中のベクトルの座標
(すなわち、指数)は、例えば、まず座標軸を、図8Cに示されるようにクラス
ター中心に変換することによって、クラスター中心について「反映される」。そ
のような操作の結果を、二次元の実施例について図8Dに示す。第2に、ランダ
ムに置換されたデータを、本発明のクラスターアルゴリズムによって、最も好ま
しくは、元のクラスターを決定するために使用したのと同じクラスターアルゴリ
ズムによって、再評価し、そして、新たなクラスターを、置換されたデータにつ
いて決定し、E値を、これらの新たなクラスターについて(すなわち、新たなク
ラスターを1つ以上に分割することについて)評価する。上記ステップ1及び2
は、数回のモンテカルロ試行を繰り返し、E値の分布を作成する。モンテカルロ
試行の数は、好ましくは約50〜約1000、より好ましくは約50〜約100である。最
終的に、コンパクトネスにおける実際の増加、すなわち、E0を、このE値の経験
的分布と比較する。例えば、xがE0より大きいE値を有する、M回のモンテカル
ロシミュレーションが行われるなら、そのときは、クラスターの数における信頼
レベルは、1−x/Mにより評価できる。特に、M=100であり、x=4ならば、
そのときは、クラスター数の増加における真の有意性が存在しない信頼レベルは
、1−4/100=96%である。
これらの方法は、実際の実験データに対するコンパクトネスの実際の増加 E0を
、(例えば、上記式10によって)ランダムに置換されたデータから決定されるE
値の経験的な分布と比較することによる、Eの分析のための経験的な分布アプロ
ーチを提供する。図8に示される二次元の実施例では、そのような変換は、まず
、等しい確率で各摂動ベクトルにおける摂動指数n=1、2をランダムに交換す
ることを含む。より具体的には、再分割される各クラスター中のベクトルの座標
(すなわち、指数)は、例えば、まず座標軸を、図8Cに示されるようにクラス
ター中心に変換することによって、クラスター中心について「反映される」。そ
のような操作の結果を、二次元の実施例について図8Dに示す。第2に、ランダ
ムに置換されたデータを、本発明のクラスターアルゴリズムによって、最も好ま
しくは、元のクラスターを決定するために使用したのと同じクラスターアルゴリ
ズムによって、再評価し、そして、新たなクラスターを、置換されたデータにつ
いて決定し、E値を、これらの新たなクラスターについて(すなわち、新たなク
ラスターを1つ以上に分割することについて)評価する。上記ステップ1及び2
は、数回のモンテカルロ試行を繰り返し、E値の分布を作成する。モンテカルロ
試行の数は、好ましくは約50〜約1000、より好ましくは約50〜約100である。最
終的に、コンパクトネスにおける実際の増加、すなわち、E0を、このE値の経験
的分布と比較する。例えば、xがE0より大きいE値を有する、M回のモンテカル
ロシミュレーションが行われるなら、そのときは、クラスターの数における信頼
レベルは、1−x/Mにより評価できる。特に、M=100であり、x=4ならば、
そのときは、クラスター数の増加における真の有意性が存在しない信頼レベルは
、1−4/100=96%である。
【0089】
上記の方法は、階層的クラスタリング及び/又は複数の要素(例えば、2以上
の細胞構成要素)を含む実施態様に等しく適用可能である。例えば、図7に示す
クラスターツリー。上記のように、このクラスタリングツリーは、有意な応答を
有する185個の細胞構成要素からなる34の摂動応答プロフィールについてhclust
アルゴリズムを用いて得た。このツリーのレベル2の分岐によって定義されるク
ラスターを用いて、34の実験指数をランダム化して100回のモンテカルロシミュ
レーションを行い、コンパクトネスEにおける改善についての経験的分布を、ツ
リーの各分岐に対して作成した。各分岐でのコンパクトネスE0における実際の
改善を、それに対応する分布と比較した。これらの比較を、図7中の各分岐にお
ける数値によって示す。具体的には、これらの数値は、E0がEの平均値を上回っ
た、分布における標準偏差の数値を示す。示された有意性は、独立に決定された
その分岐の生物学的意義とよく対応する。例えば、下記の節5.3.5で記載するよ
うに、数字5(下部記載)によって図7中に示される主な分岐は、カルシニュー
リンタンパク質によって調節される遺伝子を含むが、数字7で示した分岐は、主
に、Gen4転写因子によって調節される遺伝子を含む。
の細胞構成要素)を含む実施態様に等しく適用可能である。例えば、図7に示す
クラスターツリー。上記のように、このクラスタリングツリーは、有意な応答を
有する185個の細胞構成要素からなる34の摂動応答プロフィールについてhclust
アルゴリズムを用いて得た。このツリーのレベル2の分岐によって定義されるク
ラスターを用いて、34の実験指数をランダム化して100回のモンテカルロシミュ
レーションを行い、コンパクトネスEにおける改善についての経験的分布を、ツ
リーの各分岐に対して作成した。各分岐でのコンパクトネスE0における実際の
改善を、それに対応する分布と比較した。これらの比較を、図7中の各分岐にお
ける数値によって示す。具体的には、これらの数値は、E0がEの平均値を上回っ
た、分布における標準偏差の数値を示す。示された有意性は、独立に決定された
その分岐の生物学的意義とよく対応する。例えば、下記の節5.3.5で記載するよ
うに、数字5(下部記載)によって図7中に示される主な分岐は、カルシニュー
リンタンパク質によって調節される遺伝子を含むが、数字7で示した分岐は、主
に、Gen4転写因子によって調節される遺伝子を含む。
【0090】調節メカニズムに基づく分類:
細胞構成要素セットは、細胞構成要素の調節のメカニズムに基づいて定義する
こともできる。例えば、遺伝子セットは、しばしば、個々の遺伝子の調節メカニ
ズムに基づいて定義できる。その調節領域が同一の転写因子結合部位を有する遺
伝子は、おそらく同時調節され、従って、共変するであろう。幾つかの好ましい
実施態様では、目的とする遺伝子の調節領域は、マルチプルアラインメント分析
を用いて比較され、可能な共通する転写因子結合部位を解読する(例えば、Stor
mo及びHartzell、1989、Proc. Natl.Acad. Sci. 86:1183-1187;及びHertz及びS
tormo、1995、Proc. of 3rd Intl. Conf. on Bioinformatics and Genome Resea
rch, Lim及びCantor編集、シンガポール:World Scientific Publishing Co., L
td., pp.201-216を参照されたい)。例えば、20個の遺伝子中のGen4応答性の共
通プロモーター配列は、多種多様な摂動に対して、それら20個の遺伝子が共変す
る原因となるだろう。
こともできる。例えば、遺伝子セットは、しばしば、個々の遺伝子の調節メカニ
ズムに基づいて定義できる。その調節領域が同一の転写因子結合部位を有する遺
伝子は、おそらく同時調節され、従って、共変するであろう。幾つかの好ましい
実施態様では、目的とする遺伝子の調節領域は、マルチプルアラインメント分析
を用いて比較され、可能な共通する転写因子結合部位を解読する(例えば、Stor
mo及びHartzell、1989、Proc. Natl.Acad. Sci. 86:1183-1187;及びHertz及びS
tormo、1995、Proc. of 3rd Intl. Conf. on Bioinformatics and Genome Resea
rch, Lim及びCantor編集、シンガポール:World Scientific Publishing Co., L
td., pp.201-216を参照されたい)。例えば、20個の遺伝子中のGen4応答性の共
通プロモーター配列は、多種多様な摂動に対して、それら20個の遺伝子が共変す
る原因となるだろう。
【0091】
同時調節される遺伝子及び/又は共変する遺伝子は、上流の遺伝子の産物が下
流の遺伝子の活性を調節するような上流又は下流関係にもあることもある。例え
ば、当業者であれば周知のように、遺伝子調節ネットワークにはおびただしい種
類がある。従って、そしてまた、当業者によって理解されているように、本発明
の方法は任意の特定種類の遺伝子調節メカニズムに限定されるものではない。2
以上の遺伝子が摂動に応答したそれらの活性変化によって同時調節されるもので
あることがそれらの調節メカニズムから誘導又は決定できるならば、そのメカニ
ズムがたまたまそうであるか否かに関わらず、それらの2以上の遺伝子は1つの
遺伝子セット中にクラスター化できる。
流の遺伝子の活性を調節するような上流又は下流関係にもあることもある。例え
ば、当業者であれば周知のように、遺伝子調節ネットワークにはおびただしい種
類がある。従って、そしてまた、当業者によって理解されているように、本発明
の方法は任意の特定種類の遺伝子調節メカニズムに限定されるものではない。2
以上の遺伝子が摂動に応答したそれらの活性変化によって同時調節されるもので
あることがそれらの調節メカニズムから誘導又は決定できるならば、そのメカニ
ズムがたまたまそうであるか否かに関わらず、それらの2以上の遺伝子は1つの
遺伝子セット中にクラスター化できる。
【0092】
本発明の多くの実施態様では、特定の細胞構成要素の正確な調節メカニズムに
ついての知識は、限定され及び/又は不完全であり得る。そのような実施態様で
は、上記のクラスター分析法と、よりよく定義された、すなわち、洗練された細
胞構成要素セットを導く調節メカニズムについての知識とを組み合わせることが
好ましい。例えば、幾つかの実施態様では、目的とする遺伝子の調節が部分的に
知られているときは、クラスタリングを用いて遺伝子セットをクラスター化する
ことができる。特に、多くの実施態様では、遺伝子セットの数は、(不完全な又
は限られた)知見又は調節メカニズムによって予め決めることができる。そのよ
うな実施態様では、クラスタリング方法は予め決められた数のクラスターを作成
するように拘束できる。例えば、特定の実施態様では、プロモーター配列の比較
は、測定された遺伝子が3つの別個の遺伝子セットに分類されるべきであること
を示すことができる。ついで、上記のクラスター化方法は、これら3つのセット
の間の区別可能性が最大になる3つの遺伝子セットを正確に生成するように拘束
できる。
ついての知識は、限定され及び/又は不完全であり得る。そのような実施態様で
は、上記のクラスター分析法と、よりよく定義された、すなわち、洗練された細
胞構成要素セットを導く調節メカニズムについての知識とを組み合わせることが
好ましい。例えば、幾つかの実施態様では、目的とする遺伝子の調節が部分的に
知られているときは、クラスタリングを用いて遺伝子セットをクラスター化する
ことができる。特に、多くの実施態様では、遺伝子セットの数は、(不完全な又
は限られた)知見又は調節メカニズムによって予め決めることができる。そのよ
うな実施態様では、クラスタリング方法は予め決められた数のクラスターを作成
するように拘束できる。例えば、特定の実施態様では、プロモーター配列の比較
は、測定された遺伝子が3つの別個の遺伝子セットに分類されるべきであること
を示すことができる。ついで、上記のクラスター化方法は、これら3つのセット
の間の区別可能性が最大になる3つの遺伝子セットを正確に生成するように拘束
できる。
【0093】細胞構成要素セットの洗練:
上記の方法のいずれかによって同定された細胞構成要素セットなどの、それら
の組み合わせを含む細胞構成要素セットは、幾つかの補強情報源のいずれかを用
いて洗練することができる。細胞構成要素セットを洗練するために用いることが
できる補強情報の例としては、以下に何ら限定されるものではないが、共通調節
配列パターンの検索、同時調節についての文献証拠、(例えば、遺伝子又はタン
パク質の)配列相同性、及び既知の共通の機能が挙げられる。
の組み合わせを含む細胞構成要素セットは、幾つかの補強情報源のいずれかを用
いて洗練することができる。細胞構成要素セットを洗練するために用いることが
できる補強情報の例としては、以下に何ら限定されるものではないが、共通調節
配列パターンの検索、同時調節についての文献証拠、(例えば、遺伝子又はタン
パク質の)配列相同性、及び既知の共通の機能が挙げられる。
【0094】
好ましい実施態様では、遺伝子セットの洗練のために細胞構成要素データベー
スを用いる。特に好ましい実施態様では、データベースは、「動的データベース
」である。例えば、ある実施態様では、細胞構成要素セット(例えば、遺伝子セ
ット)のクラスター分析用の生データを含むデータベースを用いて、連続的に遺
伝子セット定義を更新する。図9は、そのような動的遺伝子セットデータベース
の典型的実施態様を示す。摂動実験(901)からのデータは、摂動データベース
管理システム(908)中のデータテーブル(902)に入力される。例えば、基底ベ
クトルの形態の遺伝子セット定義は、例えば、クラスター分析法(903)及び/
又は生物学的経路定義(905及び906)を用いて、この更新されたデータに基づい
て連続的に生成される。得られる遺伝子セット定義データベース(904)は、こ
れらの更新された遺伝子セット定義を含む。
スを用いる。特に好ましい実施態様では、データベースは、「動的データベース
」である。例えば、ある実施態様では、細胞構成要素セット(例えば、遺伝子セ
ット)のクラスター分析用の生データを含むデータベースを用いて、連続的に遺
伝子セット定義を更新する。図9は、そのような動的遺伝子セットデータベース
の典型的実施態様を示す。摂動実験(901)からのデータは、摂動データベース
管理システム(908)中のデータテーブル(902)に入力される。例えば、基底ベ
クトルの形態の遺伝子セット定義は、例えば、クラスター分析法(903)及び/
又は生物学的経路定義(905及び906)を用いて、この更新されたデータに基づい
て連続的に生成される。得られる遺伝子セット定義データベース(904)は、こ
れらの更新された遺伝子セット定義を含む。
【0095】
遺伝子セット定義は、例えば、生物学的経路データベースを洗練するために用
いることができる。遺伝子セット定義テーブルは、ユーザ提示射影要求によって
アクセス可能であることが好ましい。例えば、ユーザ(913)は、発現プロフィ
ール(911)を提示することによってデータベース管理システムにアクセスでき
る。データベース管理システムは、発現プロフィールを射影された発現プロフィ
ール中に射影する(910)ことができる(例えば、射影プロセスの考察について
は下記節5.3.4を参照されたい)。ユーザ提示発現プロフィールを、任意に摂動
データテーブル(902)に付加することもできる。
いることができる。遺伝子セット定義テーブルは、ユーザ提示射影要求によって
アクセス可能であることが好ましい。例えば、ユーザ(913)は、発現プロフィ
ール(911)を提示することによってデータベース管理システムにアクセスでき
る。データベース管理システムは、発現プロフィールを射影された発現プロフィ
ール中に射影する(910)ことができる(例えば、射影プロセスの考察について
は下記節5.3.4を参照されたい)。ユーザ提示発現プロフィールを、任意に摂動
データテーブル(902)に付加することもできる。
【0096】
そのような動的データベースは、それが摂動データの最初の限定されたセット
を有する有用な遺伝子セット定義を提供するという意味では絶えず生産的である
。それは更新されるので、データベースは、遺伝子セット定義を連続的に洗練す
ることで、より多くの摂動データが利用可能になるにつれて、より有用な遺伝子
セット定義を提供することができる。
を有する有用な遺伝子セット定義を提供するという意味では絶えず生産的である
。それは更新されるので、データベースは、遺伝子セット定義を連続的に洗練す
ることで、より多くの摂動データが利用可能になるにつれて、より有用な遺伝子
セット定義を提供することができる。
【0097】
データベースのある実施態様では、摂動データ及び遺伝子セット定義データは
、デジタルのコンピューター記憶媒体中の一連のリレーショナルテーブル中に保
存される。データベースは、クライアント/サーバー実行によって分散型システ
ム環境中で実行され、マルチユーザ及び/又はリモートアクセスを可能にする。
リレーショナルデータベース管理システム及びクライアント/サーバー環境は、
当業界で十分に示されている(例えば、Nath、1995、SQLサーバーのガイド(The
Guide to SQL Server)、第2版、Addison-Wesley Publishing Co.を参照され
たい)。
、デジタルのコンピューター記憶媒体中の一連のリレーショナルテーブル中に保
存される。データベースは、クライアント/サーバー実行によって分散型システ
ム環境中で実行され、マルチユーザ及び/又はリモートアクセスを可能にする。
リレーショナルデータベース管理システム及びクライアント/サーバー環境は、
当業界で十分に示されている(例えば、Nath、1995、SQLサーバーのガイド(The
Guide to SQL Server)、第2版、Addison-Wesley Publishing Co.を参照され
たい)。
【0098】基底ベクトルの定義:
細胞構成要素セットが、例えば、hclustなどのクラスタリング分析アルゴリズ
ムによって、一旦得られるか又は提供されると、基底ベクトルeのセットは、そ
れらの細胞構成要素セットに基づいて得られるか又は提供され得る。そのような
基底ベクトルは、下記節5.3.4に記載のプロフィール射影法のために用いること
ができる。
ムによって、一旦得られるか又は提供されると、基底ベクトルeのセットは、そ
れらの細胞構成要素セットに基づいて得られるか又は提供され得る。そのような
基底ベクトルは、下記節5.3.4に記載のプロフィール射影法のために用いること
ができる。
【0099】
基底ベクトルのセットは、k×N次元(ここで、kは細胞構成要素の数であり
、そしてNは細胞構成要素セットの数である)を有することが好ましい。特に、
細胞構成要素セットから得られたか又は提供された基底ベクトルeのセットは、
基底ベクトルの行列を含む。
、そしてNは細胞構成要素セットの数である)を有することが好ましい。特に、
細胞構成要素セットから得られたか又は提供された基底ベクトルeのセットは、
基底ベクトルの行列を含む。
【0100】
(ここで、各基底ベクトルe(q)は、列ベクトルによって定義できる)
基底ベクトルの要素ei (q)は、次の値が与えられることが好ましい:
細胞構成要素iが細胞構成要素セットq(摂動のセットを通じたそれらの応答に
おいて逆相関構成要素が反対のサインを有し、正の相関を有する構成要素が同じ
サインを有するように、サインが選ばれる)のメンバーならば、 ei (q)=±1;そして 細胞構成要素iが細胞構成要素セットqのメンバーでないならば、 ei (q)=0 である。あるいは、非ゼロ要素であるe(q)は、その要素の典型的な応答の大
きさに比例する大きさを与えることができる。
おいて逆相関構成要素が反対のサインを有し、正の相関を有する構成要素が同じ
サインを有するように、サインが選ばれる)のメンバーならば、 ei (q)=±1;そして 細胞構成要素iが細胞構成要素セットqのメンバーでないならば、 ei (q)=0 である。あるいは、非ゼロ要素であるe(q)は、その要素の典型的な応答の大
きさに比例する大きさを与えることができる。
【0101】
好ましい実施態様では、各e(q)が、例えば、細胞構成要素セットq中の細胞
構成要素の数の平方根で(すなわち、特定の細胞構成要素セット指数qのゼロで
はない要素ei (q)の数で)各要素を除算することによって、1に等しい長さ
を有するように、要素ei (q)が標準化される。そのような実施態様では、プ
ロフィール中のランダム測定誤差は、各細胞構成要素セットについてその振幅が
同程度となる傾向があるように、基底ベクトル上に射影される。このように、標
準化は、大きな細胞構成要素セットがそれらのセットと関係する計算の結果を左
右することを防ぐ。
構成要素の数の平方根で(すなわち、特定の細胞構成要素セット指数qのゼロで
はない要素ei (q)の数で)各要素を除算することによって、1に等しい長さ
を有するように、要素ei (q)が標準化される。そのような実施態様では、プ
ロフィール中のランダム測定誤差は、各細胞構成要素セットについてその振幅が
同程度となる傾向があるように、基底ベクトル上に射影される。このように、標
準化は、大きな細胞構成要素セットがそれらのセットと関係する計算の結果を左
右することを防ぐ。
【0102】細胞構成要素指数の再配列:
上記節5.2で述べたように、本発明の好ましい実施態様では、細胞構成要素は
、上記の方法によって得られたか又は提供された細胞構成要素セット又はクラス
ターに従って再配列され、視覚的に表示される。分析的は、そのような再配列は
、特定の摂動応答プロフィール、例えば、再配列されたプロフィール{νΠ(i ) (n) }に対するν(n)={νi (n)}(式中、iは細胞構成要素指数で
ある)などの、元の特定の生物学的応答プロフィールを変換することに相当する
。
、上記の方法によって得られたか又は提供された細胞構成要素セット又はクラス
ターに従って再配列され、視覚的に表示される。分析的は、そのような再配列は
、特定の摂動応答プロフィール、例えば、再配列されたプロフィール{νΠ(i ) (n) }に対するν(n)={νi (n)}(式中、iは細胞構成要素指数で
ある)などの、元の特定の生物学的応答プロフィールを変換することに相当する
。
【0103】
細胞構成要素の典型的な再配列を図2に示す。特に、図2Aは、細胞を異なる
摂動に暴露する(すなわち、摂動応答プロフィール;垂直方向指数)複数の実験
で測定された複数種の遺伝子転写産物(すなわち、細胞構成要素;横軸)の擬似
色彩表示を示す。図2Bは、図2Aのデータからhclustアルゴリズムによって生
成された同時調節ツリーを示す。図2Cは、転写産物が同時調節ツリー中のクラ
スターに従って再配列された場合の図2Aのデータの視覚的表示を示す。
摂動に暴露する(すなわち、摂動応答プロフィール;垂直方向指数)複数の実験
で測定された複数種の遺伝子転写産物(すなわち、細胞構成要素;横軸)の擬似
色彩表示を示す。図2Bは、図2Aのデータからhclustアルゴリズムによって生
成された同時調節ツリーを示す。図2Cは、転写産物が同時調節ツリー中のクラ
スターに従って再配列された場合の図2Aのデータの視覚的表示を示す。
【0104】
5.3.3. 測定された応答プロフィールのグループ化
本発明の分析方法の第3の態様は、摂動応答プロフィールν(n)の、摂動の
類似した生物学的作用と関係するクラスター又はセット中へのグループ化又はク
ラスタリング及び再配列のための方法に関する。該方法は、上記節5.3.2に記載
された方法と厳密に類似している。特に、摂動応答プロフィール要素νi (n) の細胞構成要素指数iに適用される上記節5.3.2に記載された方法及び操作は、摂
動指数nにも適用できる。
類似した生物学的作用と関係するクラスター又はセット中へのグループ化又はク
ラスタリング及び再配列のための方法に関する。該方法は、上記節5.3.2に記載
された方法と厳密に類似している。特に、摂動応答プロフィール要素νi (n) の細胞構成要素指数iに適用される上記節5.3.2に記載された方法及び操作は、摂
動指数nにも適用できる。
【0105】
該操作を図2に示す。特に、図2Dは、実験(すなわち、摂動)指数nが、上
記節5.3.2に記載のクラスタリング方法及び他の分析方法に従って再配列された
場合の図2Cに示されるデータの視覚的表示を示す。その結果は、類似のプロフ
ィールを有する実験が隣接して配置されている視覚的表示である。該表示は同時
調節される遺伝子セットの同定を非常に容易にする。特に、該表示を視覚的に検
査することによって、ユーザは、実験グループ中で共変するそれらの遺伝子セッ
トを容易に同定できる。該表示ははまた、類似の生物学的応答に関係する実験の
同定も容易にする。
記節5.3.2に記載のクラスタリング方法及び他の分析方法に従って再配列された
場合の図2Cに示されるデータの視覚的表示を示す。その結果は、類似のプロフ
ィールを有する実験が隣接して配置されている視覚的表示である。該表示は同時
調節される遺伝子セットの同定を非常に容易にする。特に、該表示を視覚的に検
査することによって、ユーザは、実験グループ中で共変するそれらの遺伝子セッ
トを容易に同定できる。該表示ははまた、類似の生物学的応答に関係する実験の
同定も容易にする。
【0106】
従って、本発明の分析方法は、「二次元」クラスター分析法を含む。該二次元
クラスター分析方法は、単に、(1)細胞構成要素を生物学的プロフィールにおい
て共変しているセットにクラスタリングすること、および(2)生物学的プロフィ
ールを類似の細胞構成要素に影響を与えるセットに(好ましくは類似の方法で)
クラスタリングすることを含む。2つのクラスタリングステップは、任意の順序
で、且つ上記方法に従って行うことができる。
クラスター分析方法は、単に、(1)細胞構成要素を生物学的プロフィールにおい
て共変しているセットにクラスタリングすること、および(2)生物学的プロフィ
ールを類似の細胞構成要素に影響を与えるセットに(好ましくは類似の方法で)
クラスタリングすることを含む。2つのクラスタリングステップは、任意の順序
で、且つ上記方法に従って行うことができる。
【0107】
上述したように、該二次元クラスタリング法は、特に目的とする遺伝子及び実
験のセットを同定するのに有用である。例えば、本発明の二次元クラスタリング
法を用いて、薬物作用などの、目的とする特定の生物学的作用に関係する細胞構
成要素及び/又は実験のセットを同定することができる。本発明の二次元クラス
タリング方法を用いて、例えば、目的とする特定の生物学的経路と関係する細胞
構成要素及び/又は実験のセットを同定することもできる。本発明の1つの好ま
しい実施態様では、該細胞構成要素及び/又は実験のセットを用いて、目的とす
る特定の生物学的応答に対する共通プロフィールを決定する。他の実施態様では
、該細胞構成要素及び/又は実験のセットの同定は、目的とする特定の生物学的
経路又は応答に関わる遺伝子の同定などの、細胞構成要素のグループ化について
、より的確な示唆を与える。従って、本発明のもう1つの好ましい実施態様は、
細胞構成要素、特に、目的とする特定の生物学的作用(例えば、特定の生物学的
経路)と関係する、新規な遺伝子を同定するための方法を提供する。該細胞構成
要素は、上記のクラスター分析法によって同定される。該細胞構成要素(例えば
、遺伝子)は、今まで知られていなかった細胞構成要素であるか、又は目的とす
る生物学的作用と関係することが今まで知られていなかった既知の細胞構成要素
であり得る。
験のセットを同定するのに有用である。例えば、本発明の二次元クラスタリング
法を用いて、薬物作用などの、目的とする特定の生物学的作用に関係する細胞構
成要素及び/又は実験のセットを同定することができる。本発明の二次元クラス
タリング方法を用いて、例えば、目的とする特定の生物学的経路と関係する細胞
構成要素及び/又は実験のセットを同定することもできる。本発明の1つの好ま
しい実施態様では、該細胞構成要素及び/又は実験のセットを用いて、目的とす
る特定の生物学的応答に対する共通プロフィールを決定する。他の実施態様では
、該細胞構成要素及び/又は実験のセットの同定は、目的とする特定の生物学的
経路又は応答に関わる遺伝子の同定などの、細胞構成要素のグループ化について
、より的確な示唆を与える。従って、本発明のもう1つの好ましい実施態様は、
細胞構成要素、特に、目的とする特定の生物学的作用(例えば、特定の生物学的
経路)と関係する、新規な遺伝子を同定するための方法を提供する。該細胞構成
要素は、上記のクラスター分析法によって同定される。該細胞構成要素(例えば
、遺伝子)は、今まで知られていなかった細胞構成要素であるか、又は目的とす
る生物学的作用と関係することが今まで知られていなかった既知の細胞構成要素
であり得る。
【0108】
本発明はさらに、細胞構成要素セット及び/又は(共通プロフィールなどの)
応答プロフィールのクラスターを反復洗練する方法を提供する。特に、本発明の
クラスター分析方法によって同定された細胞構成要素及び/又はプロフィールの
各セットの支配的な特徴を、例えば、それらの要素をゼロ又はそのセットの平均
データ値に設定することによって無効にすることができる。支配的な特徴の無効
化は、例えば、無効にすべき特徴を手動若しくは自動的に選択することによって
(例えば、その応答振幅が選択された閾値よりも高いような、それらの要素を自
動的に無効にすることによって)、ユーザが行うことができる。次いで、本発明
のクラスター分析方法が、細胞構成要素及び/又はプロフィールデータに再度適
用される。該反復洗練方法を用いて、例えば、支配的な特徴のために同定されな
かった、他の潜在的に興味深いがよりわずかな細胞構成要素及び/又は実験的関
連を同定できる。
応答プロフィールのクラスターを反復洗練する方法を提供する。特に、本発明の
クラスター分析方法によって同定された細胞構成要素及び/又はプロフィールの
各セットの支配的な特徴を、例えば、それらの要素をゼロ又はそのセットの平均
データ値に設定することによって無効にすることができる。支配的な特徴の無効
化は、例えば、無効にすべき特徴を手動若しくは自動的に選択することによって
(例えば、その応答振幅が選択された閾値よりも高いような、それらの要素を自
動的に無効にすることによって)、ユーザが行うことができる。次いで、本発明
のクラスター分析方法が、細胞構成要素及び/又はプロフィールデータに再度適
用される。該反復洗練方法を用いて、例えば、支配的な特徴のために同定されな
かった、他の潜在的に興味深いがよりわずかな細胞構成要素及び/又は実験的関
連を同定できる。
【0109】
5.3.4. 基準細胞構成要素セットへの射影
本発明の分析方法の第4の態様は、応答プロフィール(摂動応答プロフィール
を含む)などの生物学的プロフィールを、基準細胞構成要素セットによって表現
する方法に関する。該方法は、一般に当業者には「射影(projection)」として
知られている。
を含む)などの生物学的プロフィールを、基準細胞構成要素セットによって表現
する方法に関する。該方法は、一般に当業者には「射影(projection)」として
知られている。
【0110】
特に、上記節5.3.2で述べたように、遺伝子セットからなどの、細胞構成要素
セットから得た基底ベクトルは、行列 [ここで、各基底ベクトルe(q)は、 (式中、kは評価される細胞構成要素の総数であり、Nは細胞構成要素セットの
総数である)によって定義される] として表すことができる。上述のように、生物学的応答プロフィールpは、ベク
トル として表すこともできる。該応答プロフィールは、例えば、細胞構成要素セット
を決定するために用いられる特定の摂動応答プロフィールν(n)、又は、より
典型的には、細胞構成要素セットを決定するために用いられない幾つかの新規な
実験に対する新たな応答プロフィールであり得る。応答プロフィールpは、演算
: によって「射影プロフィール」として基底ベクトルによって表現することが好ま
しい。上記式20は、p及びeの「行列内積」として当業者に周知である。また、当
業者であれば認識できるように、p及びeの行列内積は、新たなベクトル (式中、ベクトルPの要素Pqは、 によって特定される) を生成する。
セットから得た基底ベクトルは、行列 [ここで、各基底ベクトルe(q)は、 (式中、kは評価される細胞構成要素の総数であり、Nは細胞構成要素セットの
総数である)によって定義される] として表すことができる。上述のように、生物学的応答プロフィールpは、ベク
トル として表すこともできる。該応答プロフィールは、例えば、細胞構成要素セット
を決定するために用いられる特定の摂動応答プロフィールν(n)、又は、より
典型的には、細胞構成要素セットを決定するために用いられない幾つかの新規な
実験に対する新たな応答プロフィールであり得る。応答プロフィールpは、演算
: によって「射影プロフィール」として基底ベクトルによって表現することが好ま
しい。上記式20は、p及びeの「行列内積」として当業者に周知である。また、当
業者であれば認識できるように、p及びeの行列内積は、新たなベクトル (式中、ベクトルPの要素Pqは、 によって特定される) を生成する。
【0111】
他の実施態様では、応答プロフィールpの細胞構成要素の基底セットへの射影
は、単に、各遺伝子セット内の遺伝子の発現値(p)の平均を含んでなる。該実
施態様の幾つかの態様では、例えば、高度に発現された遺伝子が平均値を左右し
ないように、平均に加重する。
は、単に、各遺伝子セット内の遺伝子の発現値(p)の平均を含んでなる。該実
施態様の幾つかの態様では、例えば、高度に発現された遺伝子が平均値を左右し
ないように、平均に加重する。
【0112】
2以上の射影プロフィール間(例えば、P(a)及びP(b)間)の類似性及び
差違は、射影前の元のプロフィール、例えば、p(a)及びp(b)間の類似性よ
りも一般に明らかである。それ故、本発明の方法の実施においては、射影応答プ
ロフィールを比較することが好ましい。特に、無関係の遺伝子における測定誤差
は、射影によって一般に除去されるか又は平均化される。従って、射影プロフィ
ールの任意の要素、例えば、P(a)又はP(b)は、単独の細胞構成要素、すな
わち、対応する未射影応答p(a)又はp(b)の単独の要素の応答よりも、測定
誤差の影響を受けにくい。従って、射影プロフィールの要素は、対応する未射影
応答の個々の要素(すなわち、個々の細胞構成要素)よりも低い摂動レベルでの
有意な上方又は下方制御を一般に示すだろう。
差違は、射影前の元のプロフィール、例えば、p(a)及びp(b)間の類似性よ
りも一般に明らかである。それ故、本発明の方法の実施においては、射影応答プ
ロフィールを比較することが好ましい。特に、無関係の遺伝子における測定誤差
は、射影によって一般に除去されるか又は平均化される。従って、射影プロフィ
ールの任意の要素、例えば、P(a)又はP(b)は、単独の細胞構成要素、すな
わち、対応する未射影応答p(a)又はp(b)の単独の要素の応答よりも、測定
誤差の影響を受けにくい。従って、射影プロフィールの要素は、対応する未射影
応答の個々の要素(すなわち、個々の細胞構成要素)よりも低い摂動レベルでの
有意な上方又は下方制御を一般に示すだろう。
【0113】
さらに、当業者であれば周知のように、平均値算出(averaging)は、例えば
、誤り検出(false alarms)よりもむしろ実際のイベントの検出確率において、
途方もなく大きい差異を作り出す(例えば、Van Trees, H.L., 1968, 検出、評
価、及びモジュレーション理論(Detection, Estimation, and Modulation Theo
ry)、第1巻、Eiley & Sonsを参照されたい)。従って、射影プロフィールの要
素はまた、一般に摂動の任意のレベルでの応答の振幅についてより正確な(すな
わち、わずかな小数誤差)測定値を与える。具体的には、本発明の殆どの実施態
様では、各細胞構成要素についてのデータに独立した測定誤差があるか、そうで
なければ、該独立の誤差が合理的に推定できる。該実施態様では、第q番目の射
影されたプロフィール要素(すなわち、Pq)の小数標準誤差は、個々の細胞構
成要素の平均小数誤差のおよそMq −1/2倍である(式中、Mqは第q番目の細
胞構成要素セット中の細胞構成要素の数である)。従って、個々の細胞構成要素
の上方又は下方制御の測定平均が、x標準偏差で有意ならば、射影プロフィール
要素はMq 1/2x標準偏差で有意であろう。
、誤り検出(false alarms)よりもむしろ実際のイベントの検出確率において、
途方もなく大きい差異を作り出す(例えば、Van Trees, H.L., 1968, 検出、評
価、及びモジュレーション理論(Detection, Estimation, and Modulation Theo
ry)、第1巻、Eiley & Sonsを参照されたい)。従って、射影プロフィールの要
素はまた、一般に摂動の任意のレベルでの応答の振幅についてより正確な(すな
わち、わずかな小数誤差)測定値を与える。具体的には、本発明の殆どの実施態
様では、各細胞構成要素についてのデータに独立した測定誤差があるか、そうで
なければ、該独立の誤差が合理的に推定できる。該実施態様では、第q番目の射
影されたプロフィール要素(すなわち、Pq)の小数標準誤差は、個々の細胞構
成要素の平均小数誤差のおよそMq −1/2倍である(式中、Mqは第q番目の細
胞構成要素セット中の細胞構成要素の数である)。従って、個々の細胞構成要素
の上方又は下方制御の測定平均が、x標準偏差で有意ならば、射影プロフィール
要素はMq 1/2x標準偏差で有意であろう。
【0114】
最後に、それらは共変及び/又は同時調節の観察から誘導されるため、基準細
胞構成要素は、個々の応答プロフィールの生物学(例えば、生物学的経路)と、
しばしば直接関係しうる。このように、基準細胞構成要素は、それらの個々の応
答成分に対して適合する検出器として機能する。
胞構成要素は、個々の応答プロフィールの生物学(例えば、生物学的経路)と、
しばしば直接関係しうる。このように、基準細胞構成要素は、それらの個々の応
答成分に対して適合する検出器として機能する。
【0115】
5.3.5. 共通プロフィール
本発明の分析方法の最後の態様は、本発明の共通プロフィールを決定し、目的
の生物学的応答を該共通プロフィールと比較する方法を含む。
の生物学的応答を該共通プロフィールと比較する方法を含む。
【0116】共通プロフィールの決定:
好ましい実施態様では、本発明の共通プロフィールP(c)は、実験条件のグ
ループ(例えば、摂動のグループ)のメンバーによって活性化(又は非活性化)
される細胞構成要素のセットの共通集合として定義される。該共通集合は、定性
的方法又は定量的方法のいずれかによって同定できる。
ループ(例えば、摂動のグループ)のメンバーによって活性化(又は非活性化)
される細胞構成要素のセットの共通集合として定義される。該共通集合は、定性
的方法又は定量的方法のいずれかによって同定できる。
【0117】
1つの実施態様では、細胞構成要素セットの共通集合は、複数の摂動の応答プ
ロフィールデータの視覚的検査によって同定される。該データは、例えば、上記
節5.3.2及び5.3.3に記載された方法によって再配列されていることが好ましく、
それによって共変する細胞構成要素、及び類似の応答プロフィールがより容易に
同定できる。例えば、図3は、エス・セレビシエ(S. Cerevisae)の細胞を、縦
軸上に示された多様な異なる摂動に暴露する複数の実験(すなわち、応答プロフ
ィール)で測定された複数種の遺伝子転写産物(横軸)の擬似色彩表示を示す。
細胞構成要素及び応答プロフィールの両者は、共変する細胞構成要素(すなわち
、遺伝子セット)及び類似応答プロフィールが容易に視覚化できるように、節5.
3.2及び5.3.3の方法によってグループ化され、再配列されている。
ロフィールデータの視覚的検査によって同定される。該データは、例えば、上記
節5.3.2及び5.3.3に記載された方法によって再配列されていることが好ましく、
それによって共変する細胞構成要素、及び類似の応答プロフィールがより容易に
同定できる。例えば、図3は、エス・セレビシエ(S. Cerevisae)の細胞を、縦
軸上に示された多様な異なる摂動に暴露する複数の実験(すなわち、応答プロフ
ィール)で測定された複数種の遺伝子転写産物(横軸)の擬似色彩表示を示す。
細胞構成要素及び応答プロフィールの両者は、共変する細胞構成要素(すなわち
、遺伝子セット)及び類似応答プロフィールが容易に視覚化できるように、節5.
3.2及び5.3.3の方法によってグループ化され、再配列されている。
【0118】
免疫抑制条件に関係する、図3に示される典型的な8つの実験セット(すなわ
ち、摂動)をまず考える: 列15:免疫抑制剤FK506 50μg/mlを野生型細胞に添加; 列18:FK506 50μg/mlをCPH1遺伝子を欠いている株に添加; 列28:FK506 1μg/mlを野生型細胞に添加; 列29:サイクロスポリンA 50μg/mlを野生型細胞に添加; 列30:FK506 1μg/mlをCPH1遺伝子を欠いている株に添加; 列31:カルシニューリン遺伝子CNA1及びCNA2の欠失; 列32:サイクロスポリンA 50μg/mlをFPR遺伝子を欠いている株に添加;及び 列34:FK506 50μg/mlをGCN4遺伝子を欠いている株に添加。
ち、摂動)をまず考える: 列15:免疫抑制剤FK506 50μg/mlを野生型細胞に添加; 列18:FK506 50μg/mlをCPH1遺伝子を欠いている株に添加; 列28:FK506 1μg/mlを野生型細胞に添加; 列29:サイクロスポリンA 50μg/mlを野生型細胞に添加; 列30:FK506 1μg/mlをCPH1遺伝子を欠いている株に添加; 列31:カルシニューリン遺伝子CNA1及びCNA2の欠失; 列32:サイクロスポリンA 50μg/mlをFPR遺伝子を欠いている株に添加;及び 列34:FK506 50μg/mlをGCN4遺伝子を欠いている株に添加。
【0119】
上記実験条件のそれぞれにおいて、カルシニューリンタンパク質により最初の
免疫抑制効果が示されることが期待される(例えば、Cardenasら、1994、薬物発
見及びデザインにおける展望(Perspectives in Drug Discovery and Design)
2:103-126;及びMartonら、1998、Nature Medicine(印刷中)を参照されたい)
。確かに、図3の視覚的検査によって判るように、上記に列挙した全ての摂動に
共通する遺伝子セットは、図7のNo. 5であり、そしてそれは、上記列挙された
免疫抑制剤の第一の標的であるカルシニューリンタンパク質と関係している。
免疫抑制効果が示されることが期待される(例えば、Cardenasら、1994、薬物発
見及びデザインにおける展望(Perspectives in Drug Discovery and Design)
2:103-126;及びMartonら、1998、Nature Medicine(印刷中)を参照されたい)
。確かに、図3の視覚的検査によって判るように、上記に列挙した全ての摂動に
共通する遺伝子セットは、図7のNo. 5であり、そしてそれは、上記列挙された
免疫抑制剤の第一の標的であるカルシニューリンタンパク質と関係している。
【0120】
図3の視覚的検査はまた、列28〜31がカルシニューリンタンパク質(すなわち
、遺伝子セットNo. 5)の一次的影響を共有するだけでなく、他の遺伝子セット
からの追加的な影響を殆ど受けない。従って、列28〜31に示される応答について
の共通プロフィールP(c)は、カルシニューリンタンパク質と関係している遺
伝子セット(すなわち、遺伝子セットNo. 5)からなる。この共通プロフィール
を用いて、例えば、カルシニューリンタンパク質濃度及び/又は活性に特異的に
影響を及ぼすことが意図される薬物又は薬物候補を評価することができる。
、遺伝子セットNo. 5)の一次的影響を共有するだけでなく、他の遺伝子セット
からの追加的な影響を殆ど受けない。従って、列28〜31に示される応答について
の共通プロフィールP(c)は、カルシニューリンタンパク質と関係している遺
伝子セット(すなわち、遺伝子セットNo. 5)からなる。この共通プロフィール
を用いて、例えば、カルシニューリンタンパク質濃度及び/又は活性に特異的に
影響を及ぼすことが意図される薬物又は薬物候補を評価することができる。
【0121】
比較すると、列15、18、および34は、他の遺伝子セットからの容易に評価でき
る二次的作用を示す。特に、図3の列12−18を含む実験セットは、Gen4転写因子
(Martonら, 前掲、を参照のこと)に関連して上方制御された大きな遺伝子セッ
トを表す。従って、これらの列に対する共通プロフィールは、カルシニューリン
タンパク質に関連した遺伝子セットおよびGen4転写因子によって同時調節された
遺伝子セットの両方からなる。
る二次的作用を示す。特に、図3の列12−18を含む実験セットは、Gen4転写因子
(Martonら, 前掲、を参照のこと)に関連して上方制御された大きな遺伝子セッ
トを表す。従って、これらの列に対する共通プロフィールは、カルシニューリン
タンパク質に関連した遺伝子セットおよびGen4転写因子によって同時調節された
遺伝子セットの両方からなる。
【0122】
本発明の他のより正規の定量的実施形態においては、細胞構成要素の共通集合
を、例えば、射影応答プロフィールの個々の応答振幅を閾値処理して同定するこ
とが好ましい。図3の列15、18、28〜32、および34に対して、このような閾値処
理の例の説明を図10に示す。閾値は図10に破線により示す。特に、閾値は、個々
の遺伝子について非相関誤差を仮定した遺伝子セット応答の2標準誤差に等しい
検出限界、または図3で図解したデータセットに対して観察されたlog10での標
準誤差約0.15に等しい検出限界に設定する。基底ベクトルの好ましい標準化(す
なわち、全ての遺伝子セットqに対して|e(q)| = 1を用いて)を行うと、特定の
所望の信頼レベルにおいて、遺伝子セット振幅に対する適当な閾値は個々の遺伝
子に対するそれと同じになる。遺伝子セット番号5以外の遺伝子セットのいくつ
かは場合によっては、示された閾値より大きい振幅を有するが、示された閾値を
超える振幅の8セットの共通集合は、遺伝子セット番号5のみからなる。すなわち
、遺伝子セット番号5は、図10に閾値がプロットされた全ての実験において応答
振幅が閾値を超える、唯一の遺伝子セットである。従って、これらの実験におい
て免疫抑制剤に対する共通プロフィールP(c)は、遺伝子セット番号5(すなわち
、カルシニューリン経路)である。
を、例えば、射影応答プロフィールの個々の応答振幅を閾値処理して同定するこ
とが好ましい。図3の列15、18、28〜32、および34に対して、このような閾値処
理の例の説明を図10に示す。閾値は図10に破線により示す。特に、閾値は、個々
の遺伝子について非相関誤差を仮定した遺伝子セット応答の2標準誤差に等しい
検出限界、または図3で図解したデータセットに対して観察されたlog10での標
準誤差約0.15に等しい検出限界に設定する。基底ベクトルの好ましい標準化(す
なわち、全ての遺伝子セットqに対して|e(q)| = 1を用いて)を行うと、特定の
所望の信頼レベルにおいて、遺伝子セット振幅に対する適当な閾値は個々の遺伝
子に対するそれと同じになる。遺伝子セット番号5以外の遺伝子セットのいくつ
かは場合によっては、示された閾値より大きい振幅を有するが、示された閾値を
超える振幅の8セットの共通集合は、遺伝子セット番号5のみからなる。すなわち
、遺伝子セット番号5は、図10に閾値がプロットされた全ての実験において応答
振幅が閾値を超える、唯一の遺伝子セットである。従って、これらの実験におい
て免疫抑制剤に対する共通プロフィールP(c)は、遺伝子セット番号5(すなわち
、カルシニューリン経路)である。
【0123】
代替実施形態においては、射影応答における細胞構成要素セットの有意な振幅
(すなわち、閾値を超える振幅)を1の値に置き換え、かつ、射影応答の細胞構
成要素セットの閾値より低い振幅をゼロ値に置き換えることにより、細胞構成要
素セットの共通集合を計算で同定することができる。次に、共通集合を全射影プ
ロフィールのエレメントに関する積によって決定することができる。特に、この
ような実施形態においては、共通プロフィールは上記の乗算後に指数が1である
細胞構成要素セットからなる。
(すなわち、閾値を超える振幅)を1の値に置き換え、かつ、射影応答の細胞構
成要素セットの閾値より低い振幅をゼロ値に置き換えることにより、細胞構成要
素セットの共通集合を計算で同定することができる。次に、共通集合を全射影プ
ロフィールのエレメントに関する積によって決定することができる。特に、この
ような実施形態においては、共通プロフィールは上記の乗算後に指数が1である
細胞構成要素セットからなる。
【0124】共通プロフィールに対する応答を比較する:
基準細胞構成要素セットが、例えば、上記第5.3.2節に記載した方法により同
定されれば、基準細胞構成要素セットを定義するために使ったのと同じ細胞構成
要素を含む任意の生物学的応答プロフィールpに対する射影プロフィールPは、例
えば、上述の第5.3.4節に与えられた方法により、得ることができる。前に記述
したように、2つ以上の射影プロフィール間、例えば射影プロフィールP(a)およ
びP(b)間の類似性と相違は、容易に評価することができる。好ましい実施形態に
おいては、射影プロフィールは、客観的、定量的、類似性尺度Sにより比較する
。ある特に好ましい実施形態においては、類似性尺度Sは、比較される2つの射影
プロフィール間、例えばP(a)とP(b)間の、一般化余弦角(generalized cosine a
ngle)である。一般化余弦角は当技術分野で公知の尺度であり、式 [式中、内積P(a)・P(b)は式 および|P(a)|=(P(a)・P(a))1/2、および|P(b)|=(P(b)・P(b))1/2により定義さ
れる] により定義することができる。
定されれば、基準細胞構成要素セットを定義するために使ったのと同じ細胞構成
要素を含む任意の生物学的応答プロフィールpに対する射影プロフィールPは、例
えば、上述の第5.3.4節に与えられた方法により、得ることができる。前に記述
したように、2つ以上の射影プロフィール間、例えば射影プロフィールP(a)およ
びP(b)間の類似性と相違は、容易に評価することができる。好ましい実施形態に
おいては、射影プロフィールは、客観的、定量的、類似性尺度Sにより比較する
。ある特に好ましい実施形態においては、類似性尺度Sは、比較される2つの射影
プロフィール間、例えばP(a)とP(b)間の、一般化余弦角(generalized cosine a
ngle)である。一般化余弦角は当技術分野で公知の尺度であり、式 [式中、内積P(a)・P(b)は式 および|P(a)|=(P(a)・P(a))1/2、および|P(b)|=(P(b)・P(b))1/2により定義さ
れる] により定義することができる。
【0125】
このような実施形態においては、もしSa,bが最大であれば、射影プロフィール
P(a)は、射影プロフィールP(b)に最もよく一致する。さらに詳しく説明すると、
Sa,bは-1〜+1の値をもち得る。Sa,b=+1の値は、2つのプロフィールが本質的に
同一であることを示す。すなわちP(a)にて影響を受ける同じ細胞構成要素はP(b) にて比例的に影響を受けるが、2つの応答の大きさ(例えば、強度)は異なり得
る。Sa,b=-1の値は、2つのプロフィールが本質的に反対であることを示す。従
って、P(a)の同じ細胞構成要素セットはP(b)において比例的に影響を受けるが、
これらのセットはP(a)にて増大する(例えば、上方制御される)一方、P(b)にて
低下し(例えば、下方制御される)、逆も真である。このようなプロフィールは
、「逆相関」であるという。最後に、Sa,b=0の値は、2つの応答間に最大の相
違を示し、すなわちP(a)にて影響を受ける細胞構成要素セットはP(b)にて作用さ
れず、逆も真である。
P(a)は、射影プロフィールP(b)に最もよく一致する。さらに詳しく説明すると、
Sa,bは-1〜+1の値をもち得る。Sa,b=+1の値は、2つのプロフィールが本質的に
同一であることを示す。すなわちP(a)にて影響を受ける同じ細胞構成要素はP(b) にて比例的に影響を受けるが、2つの応答の大きさ(例えば、強度)は異なり得
る。Sa,b=-1の値は、2つのプロフィールが本質的に反対であることを示す。従
って、P(a)の同じ細胞構成要素セットはP(b)において比例的に影響を受けるが、
これらのセットはP(a)にて増大する(例えば、上方制御される)一方、P(b)にて
低下し(例えば、下方制御される)、逆も真である。このようなプロフィールは
、「逆相関」であるという。最後に、Sa,b=0の値は、2つの応答間に最大の相
違を示し、すなわちP(a)にて影響を受ける細胞構成要素セットはP(b)にて作用さ
れず、逆も真である。
【0126】
また射影プロフィールは、本発明の共通プロフィールP(c)と比較することが
できる。例えばある薬物または薬物候補に対する生物学的応答のある特定の応答
プロフィールが、例えば薬物のあるクラスもしくはタイプに対する共通プロフィ
ールまたは所望の治療効果に関連する「理想的な」生物学的応答に対する共通プ
ロフィールと一致するかまたは及ばないかを例えば判定するためには、このよう
な比較は有用である。射影プロフィールは、一般的に射影プロフィールを比較す
るための前に記載した方法により、本発明の共通プロフィールと比較することが
できる。すなわち、所与の射影プロフィールP(a)を、例えば、定量的類似性尺度
S(c)=S(P(a)・P(c))[式中、S(P(a)、P(c))は、例えば、上記の式23により定義
される]を評価することにより、共通プロフィールP(c)と比較することができる
。
できる。例えばある薬物または薬物候補に対する生物学的応答のある特定の応答
プロフィールが、例えば薬物のあるクラスもしくはタイプに対する共通プロフィ
ールまたは所望の治療効果に関連する「理想的な」生物学的応答に対する共通プ
ロフィールと一致するかまたは及ばないかを例えば判定するためには、このよう
な比較は有用である。射影プロフィールは、一般的に射影プロフィールを比較す
るための前に記載した方法により、本発明の共通プロフィールと比較することが
できる。すなわち、所与の射影プロフィールP(a)を、例えば、定量的類似性尺度
S(c)=S(P(a)・P(c))[式中、S(P(a)、P(c))は、例えば、上記の式23により定義
される]を評価することにより、共通プロフィールP(c)と比較することができる
。
【0127】
任意の観察された類似性Sa,bの統計的有意性は、例えば、無相関の帰無仮説下
で作成した分布の経験的確率を用い、検定することができる。このような分布は
、例えば上記の方法および式によって、元の未射影応答プロフィールpにおける
細胞構成要素指数iの多数のランダム置換に対して、射影および類似性計算を実
施することにより作成することができる。数学的には、このような置換は、配列
したセット{pi}を{pΠ(i)}[ここで、Π(i)は指数iの置換を記す]により置き換
えることにより表すことができる。好ましくは、置換の数は、任意に、約100〜
約1000の異なるランダムな置換である。次に、類似性Sa,bが偶然生じる確率は、
類似性Sa,b (permuted)が元の未置換データに対して算出した類似性Sa,bを超え
るような全置換の割合から決定する。
で作成した分布の経験的確率を用い、検定することができる。このような分布は
、例えば上記の方法および式によって、元の未射影応答プロフィールpにおける
細胞構成要素指数iの多数のランダム置換に対して、射影および類似性計算を実
施することにより作成することができる。数学的には、このような置換は、配列
したセット{pi}を{pΠ(i)}[ここで、Π(i)は指数iの置換を記す]により置き換
えることにより表すことができる。好ましくは、置換の数は、任意に、約100〜
約1000の異なるランダムな置換である。次に、類似性Sa,bが偶然生じる確率は、
類似性Sa,b (permuted)が元の未置換データに対して算出した類似性Sa,bを超え
るような全置換の割合から決定する。
【0128】射影プロフィールのクラスタリング
また本発明は、例えば、上記の第5.3.2節および第5.3.3節に記載のクラスタリ
ング方法を使うことにより、また例えば、一般化余弦角のような定量的類似性尺
度Sを用いて評価したそれらの類似性により、射影プロフィールをクラスタリン
グおよび/またはソートする方法を提供する。好ましい実施形態においては、射
影プロフィールのクラスタリングは、距離測定値(distance metric) を使って行う。
ング方法を使うことにより、また例えば、一般化余弦角のような定量的類似性尺
度Sを用いて評価したそれらの類似性により、射影プロフィールをクラスタリン
グおよび/またはソートする方法を提供する。好ましい実施形態においては、射
影プロフィールのクラスタリングは、距離測定値(distance metric) を使って行う。
【0129】
本発明の特に好ましい実施形態においては、射影プロフィールを、共通プロフ
ィールP(c)に対する類似性によって、例えば距離測定値I = 1 - S(c) = 1 - S(P
,P(c))を使い(式中、Pは本発明の方法によりソートされる射影応答プロフィー
ルである)、クラスタリングまたは配列する。
ィールP(c)に対する類似性によって、例えば距離測定値I = 1 - S(c) = 1 - S(P
,P(c))を使い(式中、Pは本発明の方法によりソートされる射影応答プロフィー
ルである)、クラスタリングまたは配列する。
【0130】
このようなクラスタリングおよびソート方法は、上記第5.3.3節に記載の元の
未射影応答プロフィールのクラスタリングと類似するものである。しかし、射影
応答プロフィールのクラスタリングは、測定誤差影響の低減および射影応答プロ
フィールに固有の関係生物学の捕捉の向上という利点を有する。
未射影応答プロフィールのクラスタリングと類似するものである。しかし、射影
応答プロフィールのクラスタリングは、測定誤差影響の低減および射影応答プロ
フィールに固有の関係生物学の捕捉の向上という利点を有する。
【0131】
5.3.6 実行システムと方法
第5.3.1節〜第5.3.5節に記載の解析方法は、好ましくは、コンピューターシス
テムのような自動化システムを使って実施する。従って、本節は、本発明の方法
を遂行するために使用し得る例としてのコンピューターシステム、ならびにかか
るコンピューターシステムを運転するための方法とプログラムを説明する。
テムのような自動化システムを使って実施する。従って、本節は、本発明の方法
を遂行するために使用し得る例としてのコンピューターシステム、ならびにかか
るコンピューターシステムを運転するための方法とプログラムを説明する。
【0132】
図11は、本発明の解析方法を実行するために適当な例としてのコンピューター
システムを図解する。コンピューターシステム1101は、外部コンポーネントと連
結された内部コンポーネントから成る。このコンピューターシステムの内部コン
ポーネントは、メインメモリ1103と相互接続されたプロセッサエレメント1102を
含む。例えば、コンピューターシステム1101は、200 MHz以上のクロック速度のI
ntel Pentium(登録商標)系のプロセッサでありかつ32 MB以上のメインメモリ
を備えるものでありうる。
システムを図解する。コンピューターシステム1101は、外部コンポーネントと連
結された内部コンポーネントから成る。このコンピューターシステムの内部コン
ポーネントは、メインメモリ1103と相互接続されたプロセッサエレメント1102を
含む。例えば、コンピューターシステム1101は、200 MHz以上のクロック速度のI
ntel Pentium(登録商標)系のプロセッサでありかつ32 MB以上のメインメモリ
を備えるものでありうる。
【0133】
外部コンポーネントは大量記憶装置1104を含む。この大量記憶装置は、1以上
のハードディスク(典型的には、プロセッサおよびメモリと一緒にパッケージさ
れている)であってもよい。このようなハードディスクは典型的には1GB以上の
記憶容量である。他の外部コンポーネントは、モニターであってもよいユーザー
インターフェースデバイス1105、ならびに「マウス」または他のグラフィック入
力デバイス(図解してない)および/またはキーボードであってもよい入力デバ
イス1106を含むことができる。印刷デバイス1108も、コンピューターシステム11
01に接続することができる。
のハードディスク(典型的には、プロセッサおよびメモリと一緒にパッケージさ
れている)であってもよい。このようなハードディスクは典型的には1GB以上の
記憶容量である。他の外部コンポーネントは、モニターであってもよいユーザー
インターフェースデバイス1105、ならびに「マウス」または他のグラフィック入
力デバイス(図解してない)および/またはキーボードであってもよい入力デバ
イス1106を含むことができる。印刷デバイス1108も、コンピューターシステム11
01に接続することができる。
【0134】
典型的には、コンピューターシステム1101はまた、1以上の他のローカルコン
ピューターシステムと、1以上のリモートコンピューターシステムと、または1
以上のインターネットなどの広域通信ネットワークとのイーサネット(登録商標
)リンクの一部であってもよいネットワークリンク1107に連結されている。該ネ
ットワークリンクにより、コンピューターシステム1101は他のコンピューターシ
ステムとデータおよび処理作業を共有することができる。
ピューターシステムと、1以上のリモートコンピューターシステムと、または1
以上のインターネットなどの広域通信ネットワークとのイーサネット(登録商標
)リンクの一部であってもよいネットワークリンク1107に連結されている。該ネ
ットワークリンクにより、コンピューターシステム1101は他のコンピューターシ
ステムとデータおよび処理作業を共有することができる。
【0135】
コンピューターシステム1101の運転中、当技術分野では標準であるおよび本発
明に特別であるいくつかのソフトウエアコンポーネントがメモリにロードされる
。これらのソフトウエアコンポーネントは、集合して、本発明の方法に従ってコ
ンピューターシステムを機能させる。これらのソフトウエアコンポーネントは、
典型的には、大量記憶装置1104に記憶される。例えば、ソフトウエアコンポーネ
ント1110は、コンピューターシステム1101とそのネットワーク相互接続を管理す
ることに関わるオペレーティングシステムを表す。オペレーティングシステム11
10は、例えば、Windows 95、Windows 98、Windows NTなどのマイクロソフトウイ
ンドウズファミリーであってよい。
明に特別であるいくつかのソフトウエアコンポーネントがメモリにロードされる
。これらのソフトウエアコンポーネントは、集合して、本発明の方法に従ってコ
ンピューターシステムを機能させる。これらのソフトウエアコンポーネントは、
典型的には、大量記憶装置1104に記憶される。例えば、ソフトウエアコンポーネ
ント1110は、コンピューターシステム1101とそのネットワーク相互接続を管理す
ることに関わるオペレーティングシステムを表す。オペレーティングシステム11
10は、例えば、Windows 95、Windows 98、Windows NTなどのマイクロソフトウイ
ンドウズファミリーであってよい。
【0136】
ソフトウエアコンポーネント1111は、本発明に特異的な方法を実施するプログ
ラムを支援するためにコンピューター1101上に存在するのが好都合な共通言語お
よび関数を表す。多くの高級または低級コンピューター言語を本発明の解析方法
をプログラムするために使うことができる。命令はランタイム中に翻訳すること
ができるし、または命令はランタイム前に翻訳して(すなわち、コンパイルして
)その後、実行することができる。好ましくは言語は、C、C++、およびそれより
好ましくないがJAVA(登録商標)を含む。
ラムを支援するためにコンピューター1101上に存在するのが好都合な共通言語お
よび関数を表す。多くの高級または低級コンピューター言語を本発明の解析方法
をプログラムするために使うことができる。命令はランタイム中に翻訳すること
ができるし、または命令はランタイム前に翻訳して(すなわち、コンパイルして
)その後、実行することができる。好ましくは言語は、C、C++、およびそれより
好ましくないがJAVA(登録商標)を含む。
【0137】
最も好ましくは、本発明の方法は、使用するアルゴリズムを含む式の記号エン
トリー(symbolic entry)およびプロセシングの高レベル仕様を可能にする数学
的ソフトウエアパッケージにプログラムされる。ユーザーが個別の式またはアル
ゴリズムをプロシージャ(procedure)にしたがってプログラムする必要がなくな
るので、このようなソフトウエアパッケージが好ましい。本発明のコンピュータ
ーシステムに使い得る例としての数学的ソフトウエアパッケージは、Mathwoks(
Natick, MA)のMatlab、Wolfram Research(Champain, IL)のMathematica、ま
たはMath Soft(Cambridge, MA)のS-Plusを含む。
トリー(symbolic entry)およびプロセシングの高レベル仕様を可能にする数学
的ソフトウエアパッケージにプログラムされる。ユーザーが個別の式またはアル
ゴリズムをプロシージャ(procedure)にしたがってプログラムする必要がなくな
るので、このようなソフトウエアパッケージが好ましい。本発明のコンピュータ
ーシステムに使い得る例としての数学的ソフトウエアパッケージは、Mathwoks(
Natick, MA)のMatlab、Wolfram Research(Champain, IL)のMathematica、ま
たはMath Soft(Cambridge, MA)のS-Plusを含む。
【0138】
最後に、ソフトウエアコンポーネント1112は、例えば、プロシージャ言語また
は記号パッケージでプログラムされた本発明の解析方法を表す。好ましい実施形
態においては、該コンピューターはまた、摂動応答プロフィールおよび/または
共通応答プロフィールのデータベース1113も含む。
は記号パッケージでプログラムされた本発明の解析方法を表す。好ましい実施形
態においては、該コンピューターはまた、摂動応答プロフィールおよび/または
共通応答プロフィールのデータベース1113も含む。
【0139】
ある特定の実施形態においては、ソフトウエアコンポーネント1112は、本発明
のクラスター分析法を実施できる解析ソフトウエア1112aを含む。このような解
析ソフトウエアは、例えば、コンピューターシステムのプロセッサに、(a)1以
上の摂動実験から、好ましくは、複数の摂動実験からデータを受け取り;(b)遺
伝子セットなどの細胞構成要素の選択のための判定基準を受け取り;(c)本発明
のクラスタリング方法によって摂動データを「クラスタリング・ツリー」にクラ
スタリングし;および(d)クラスタリング・ツリーおよび受け取った細胞構成要
素の選択のための判定基準に基づいて細胞構成要素を定義するステップを実施さ
せることができる。摂動実験からのデータおよび/または細胞構成要素を選択す
るための判定基準は、例えば、ユーザーがこのようなデータをメモリにローディ
ングすることにより受け取ることができる。例えば、ユーザーはこのようなデー
タをモニター1105およびキーボード1106から、あるいは、ネットワーク接続1107
で連結した他のコンピューターシステムから、またはCD-ROMもしくはフロッピー
(登録商標)ディスクのような取外し可能な記憶媒体(図解してない)を含む記
憶媒体1104からロードすることができる。
のクラスター分析法を実施できる解析ソフトウエア1112aを含む。このような解
析ソフトウエアは、例えば、コンピューターシステムのプロセッサに、(a)1以
上の摂動実験から、好ましくは、複数の摂動実験からデータを受け取り;(b)遺
伝子セットなどの細胞構成要素の選択のための判定基準を受け取り;(c)本発明
のクラスタリング方法によって摂動データを「クラスタリング・ツリー」にクラ
スタリングし;および(d)クラスタリング・ツリーおよび受け取った細胞構成要
素の選択のための判定基準に基づいて細胞構成要素を定義するステップを実施さ
せることができる。摂動実験からのデータおよび/または細胞構成要素を選択す
るための判定基準は、例えば、ユーザーがこのようなデータをメモリにローディ
ングすることにより受け取ることができる。例えば、ユーザーはこのようなデー
タをモニター1105およびキーボード1106から、あるいは、ネットワーク接続1107
で連結した他のコンピューターシステムから、またはCD-ROMもしくはフロッピー
(登録商標)ディスクのような取外し可能な記憶媒体(図解してない)を含む記
憶媒体1104からロードすることができる。
【0140】
好ましくは、ソフトウエアコンポーネント1112は、本発明の射影方法(projec
tion method)を実行することできる解析ソフトウエアコンポーネント(1112b)
を含む。特に、解析ソフトウエアコンポーネント1112bは、射影応答プロフィー
ルを決定することができるコンポーネントを含むことが好ましい。このようなソ
フトウエア、解析ソフトウエアコンポーネントは、好ましくは、コンピューター
に、(a)遺伝子セットの定義などの細胞構成要素セットの定義を受け取る;(b)1
以上の発現プロフィールを受け取る;および(c)受け取った細胞構成要素セット
の定義および受け取った1以上の発現プロフィールに基づいて射影プロフィール
を計算する、ステップを実行させる。
tion method)を実行することできる解析ソフトウエアコンポーネント(1112b)
を含む。特に、解析ソフトウエアコンポーネント1112bは、射影応答プロフィー
ルを決定することができるコンポーネントを含むことが好ましい。このようなソ
フトウエア、解析ソフトウエアコンポーネントは、好ましくは、コンピューター
に、(a)遺伝子セットの定義などの細胞構成要素セットの定義を受け取る;(b)1
以上の発現プロフィールを受け取る;および(c)受け取った細胞構成要素セット
の定義および受け取った1以上の発現プロフィールに基づいて射影プロフィール
を計算する、ステップを実行させる。
【0141】
特に好ましい実施形態においては、受け取る細胞構成要素セットの定義は、解
析ソフトウエアコンポーネント1112aにより決定された細胞構成要素セットの定
義である。他の好ましい実施形態においては、受け取る細胞構成要素セットの定
義は、動的遺伝子セットデータベースシステムなどの細胞構成要素セットの動的
データベースシステムから得られる。ある特定の好ましい実施形態においては、
1以上の受け取る発現プロフィールは、解析ソフトウエア構成要素1112aにより
受け取られる1以上の摂動実験からのデータを含む。従って、このような実施形
態においては、決定される射影応答プロフィールは、射影摂動応答プロフィール
である。あるいは、受け取る細胞構成要素セットの定義および/または受け取る
発現プロフィールは、ユーザーが、例えば上記の方法のいずれかによりロードす
ることができる。
析ソフトウエアコンポーネント1112aにより決定された細胞構成要素セットの定
義である。他の好ましい実施形態においては、受け取る細胞構成要素セットの定
義は、動的遺伝子セットデータベースシステムなどの細胞構成要素セットの動的
データベースシステムから得られる。ある特定の好ましい実施形態においては、
1以上の受け取る発現プロフィールは、解析ソフトウエア構成要素1112aにより
受け取られる1以上の摂動実験からのデータを含む。従って、このような実施形
態においては、決定される射影応答プロフィールは、射影摂動応答プロフィール
である。あるいは、受け取る細胞構成要素セットの定義および/または受け取る
発現プロフィールは、ユーザーが、例えば上記の方法のいずれかによりロードす
ることができる。
【0142】
さらに他の実施形態においては、ソフトウエアコンポーネント1112は、本発明
の共通プロフィール決定方法を実行することができる解析ソフトウエア1112cを
含む。特に、解析ソフトウエアコンポーネント1112cは、好ましくは、コンピュ
ーターシステムのプロセッサコンポーネントに、(a)1以上の摂動実験から、好
ましくは複数の摂動実験からデータを受け取り;(b)遺伝子セット定義などの細
胞構成要素セットの定義を受け取り;および(c)1以上の摂動実験から受け取っ
たデータ中の活性化された(または非活性化された)細胞構成要素を決定するス
テップを実行させる。1以上の摂動実験から受け取られるデータは、好ましくは
、例えば、特定の細胞構成要素の摂動または特定の生物学的経路の摂動などの摂
動実験の特定のグループからのデータから成る。1以上の摂動実験から受け取ら
れるデータおよび/または受け取られる細胞構成要素セットの定義は、解析ソフ
トウエアコンポーネント1112aおよび1112bについて上述した方法のいずれかによ
りメモリにロードすることができる。ある特定の実施形態においては、1以上の
摂動実験から受け取られるデータは、解析ソフトウエアコンポーネント1112aお
よび/または1112bにより受け取られる1以上の摂動実験からのデータから選択
する。
の共通プロフィール決定方法を実行することができる解析ソフトウエア1112cを
含む。特に、解析ソフトウエアコンポーネント1112cは、好ましくは、コンピュ
ーターシステムのプロセッサコンポーネントに、(a)1以上の摂動実験から、好
ましくは複数の摂動実験からデータを受け取り;(b)遺伝子セット定義などの細
胞構成要素セットの定義を受け取り;および(c)1以上の摂動実験から受け取っ
たデータ中の活性化された(または非活性化された)細胞構成要素を決定するス
テップを実行させる。1以上の摂動実験から受け取られるデータは、好ましくは
、例えば、特定の細胞構成要素の摂動または特定の生物学的経路の摂動などの摂
動実験の特定のグループからのデータから成る。1以上の摂動実験から受け取ら
れるデータおよび/または受け取られる細胞構成要素セットの定義は、解析ソフ
トウエアコンポーネント1112aおよび1112bについて上述した方法のいずれかによ
りメモリにロードすることができる。ある特定の実施形態においては、1以上の
摂動実験から受け取られるデータは、解析ソフトウエアコンポーネント1112aお
よび/または1112bにより受け取られる1以上の摂動実験からのデータから選択
する。
【0143】
最後の実施形態においては、ソフトウエア構成要素1112はまた、2以上の射影
応答プロフィールを比較することができる解析ソフトウエア構成要素1112dを含
む。特に、解析ソフトウエア構成要素1112dは、好ましくは、コンピューターシ
ステムのプロセッサに、(a)第1の射影プロフィールを受け取るステップ;(b)第2
の射影プロフィールを受け取るステップ;および(c)第1と第2の射影プロフィー
ル間の類似性を計算するステップを実行させる。ある特定の実施形態においては
、受け取られる第1または第2の射影プロフィールのいずれかが共通プロフィール
であってよい。好ましい実施形態においては、受け取られる共通プロフィールは
、例えば、解析ソフトウエア構成要素1112cにより決定された共通プロフィール
である。あるいは、受け取られる共通プロフィールは、例えば、データベースの
それぞれの共通プロフィールが特定の生物学的応答と関連している共通プロフィ
ールのデータベースから得た、共通プロフィールであってもよい。
応答プロフィールを比較することができる解析ソフトウエア構成要素1112dを含
む。特に、解析ソフトウエア構成要素1112dは、好ましくは、コンピューターシ
ステムのプロセッサに、(a)第1の射影プロフィールを受け取るステップ;(b)第2
の射影プロフィールを受け取るステップ;および(c)第1と第2の射影プロフィー
ル間の類似性を計算するステップを実行させる。ある特定の実施形態においては
、受け取られる第1または第2の射影プロフィールのいずれかが共通プロフィール
であってよい。好ましい実施形態においては、受け取られる共通プロフィールは
、例えば、解析ソフトウエア構成要素1112cにより決定された共通プロフィール
である。あるいは、受け取られる共通プロフィールは、例えば、データベースの
それぞれの共通プロフィールが特定の生物学的応答と関連している共通プロフィ
ールのデータベースから得た、共通プロフィールであってもよい。
【0144】
本発明の解析方法を実施するための他のコンピューターシステムおよびソフト
ウエアは、当業者には明白であり、本明細書の特許請求の範囲内に含まれるもの
と意図している。特に、本明細書の特許請求の範囲は、当業者には容易に理解で
きるであろう本発明の方法を実施するための他のプログラム構造を含むことを意
図する。
ウエアは、当業者には明白であり、本明細書の特許請求の範囲内に含まれるもの
と意図している。特に、本明細書の特許請求の範囲は、当業者には容易に理解で
きるであろう本発明の方法を実施するための他のプログラム構造を含むことを意
図する。
【0145】
5.4. 測定方法
本発明に使用する薬物応答は、薬物暴露によりまたは経路摂動により変化した
細胞構成要素を測定することによって得られる。これらの細胞特性は、細胞の生
物学的状態のいずれかの状況でありうる。該状況は、例えば、RNA存在量を測定
する場合の転写状態、タンパク質の存在量を測定する場合の翻訳状態、タンパク
質活性を測定する場合の活性化状態であってよい。また細胞特性は、例えば、特
定の生物学的経路に由来する1以上のタンパク質の活性を、由来するタンパク質
の下流にある経路の細胞構成要素のRNA存在量(遺伝子発現)とともに測定する
場合の混合状況であってもよい。本節は、薬物または経路応答における細胞構成
要素を測定するための方法の例を説明する。本発明は、他のこのような測定方法
に適合させることができる。
細胞構成要素を測定することによって得られる。これらの細胞特性は、細胞の生
物学的状態のいずれかの状況でありうる。該状況は、例えば、RNA存在量を測定
する場合の転写状態、タンパク質の存在量を測定する場合の翻訳状態、タンパク
質活性を測定する場合の活性化状態であってよい。また細胞特性は、例えば、特
定の生物学的経路に由来する1以上のタンパク質の活性を、由来するタンパク質
の下流にある経路の細胞構成要素のRNA存在量(遺伝子発現)とともに測定する
場合の混合状況であってもよい。本節は、薬物または経路応答における細胞構成
要素を測定するための方法の例を説明する。本発明は、他のこのような測定方法
に適合させることができる。
【0146】
薬物および経路応答の転写状態の測定に基づく本発明の実施形態が好ましい。
転写状態は、次の小節に記載した核酸もしくは核酸擬似プローブのアレイとのハ
イブリダイゼーション技術により、またはその後の小節に記載した他の遺伝子発
現技術により測定することができる。しかし、測定される結果は、通常はDNA発
現比を反映する(RNA分解速度の差が無いときに)RNA存在量比を表す値を含む応
答データである。このような測定法は、第5.4.2節に記載する。
転写状態は、次の小節に記載した核酸もしくは核酸擬似プローブのアレイとのハ
イブリダイゼーション技術により、またはその後の小節に記載した他の遺伝子発
現技術により測定することができる。しかし、測定される結果は、通常はDNA発
現比を反映する(RNA分解速度の差が無いときに)RNA存在量比を表す値を含む応
答データである。このような測定法は、第5.4.2節に記載する。
【0147】
本発明の様々な他の実施形態においては、翻訳状態、活性化状態、または混合
状況などの転写状態以外の生物学的状態の状況を測定することができる。これら
の実施形態の詳細を本節において説明する。このような測定法の詳細は第5.4.3
節において記載する。
状況などの転写状態以外の生物学的状態の状況を測定することができる。これら
の実施形態の詳細を本節において説明する。このような測定法の詳細は第5.4.3
節において記載する。
【0148】
5.4.1 薬物応答データの測定
薬物応答データを測定するために、細胞を薬物または目的の薬物候補の段階的
レベルに曝す。細胞をin vitroで増殖させる場合は、該化合物を通常、それらの
栄養培地に加える。S.セレビシエ(S. cerevisiae)のような酵母の場合、発現
パターンは回収時の時期に比較的影響を受けないので、細胞を初期対数増殖期に
回収するのが好ましい。薬物を、薬物の特定の特性に依存する段階的量で加える
が、通常、約1 ng/ml〜100 ng/mlであろう。いくつかの事例では、薬物をDMSOな
どの溶媒に溶解させる場合もある。
レベルに曝す。細胞をin vitroで増殖させる場合は、該化合物を通常、それらの
栄養培地に加える。S.セレビシエ(S. cerevisiae)のような酵母の場合、発現
パターンは回収時の時期に比較的影響を受けないので、細胞を初期対数増殖期に
回収するのが好ましい。薬物を、薬物の特定の特性に依存する段階的量で加える
が、通常、約1 ng/ml〜100 ng/mlであろう。いくつかの事例では、薬物をDMSOな
どの溶媒に溶解させる場合もある。
【0149】
薬物に曝される細胞と薬物に曝されない細胞の生物学的状態を、以下に記載の
いずれかの方法によって測定する。好ましくは、転写産物またはマイクロアッセ
イを使い、薬物への暴露により発現が変化したmRNAを見出す。しかしまた、他の
生物学的状態の状況、例えば薬物暴露により翻訳または活性が改変されたタンパ
ク質を測定してもよい。
いずれかの方法によって測定する。好ましくは、転写産物またはマイクロアッセ
イを使い、薬物への暴露により発現が変化したmRNAを見出す。しかしまた、他の
生物学的状態の状況、例えば薬物暴露により翻訳または活性が改変されたタンパ
ク質を測定してもよい。
【0150】
以下に記載する2色ディファレンシャルハイブリダイゼーションの場合の薬物
応答の測定に当たっては、また逆転標識(reversed labeling)によっても測定
することが好ましい。また、使用する薬物暴露のレベルは、例えば、ほぼ10レベ
ルの薬物暴露を使って、薬物応答の急速な変化領域を十分に分析することが好ま
しい。
応答の測定に当たっては、また逆転標識(reversed labeling)によっても測定
することが好ましい。また、使用する薬物暴露のレベルは、例えば、ほぼ10レベ
ルの薬物暴露を使って、薬物応答の急速な変化領域を十分に分析することが好ま
しい。
【0151】
5.4.2. 転写状態測定
一般的に、転写状態の測定は、ポリヌクレオチド配列を含みかつ固体支持体ま
たは表面に固定化された1以上の任意のプローブを使って実施することができる
。例えば、該プローブは、DNA配列、RNA配列、またはDNAとRNAとのコポリマー配
列を含みうる。プローブのポリヌクレオチド配列はまた、DNAおよび/もしくはRN
A類似体、またはそれらの組合わせを含んでもよい。例えば、プローブのポリヌ
クレオチド配列は、細胞から抽出したゲノムDNA、cDNA、またはmRNA配列の全配
列であってもよいし部分配列であってもよい。またプローブのポリヌクレオチド
配列は、合成オリゴヌクレオチド配列などの合成されたヌクレオチド配列であっ
てもよい。プローブ配列は、in vivoで酵素により、in vitroで酵素により、(
例えば、PCRにより)、またはin vitroで酵素によらないで合成することができ
る。
たは表面に固定化された1以上の任意のプローブを使って実施することができる
。例えば、該プローブは、DNA配列、RNA配列、またはDNAとRNAとのコポリマー配
列を含みうる。プローブのポリヌクレオチド配列はまた、DNAおよび/もしくはRN
A類似体、またはそれらの組合わせを含んでもよい。例えば、プローブのポリヌ
クレオチド配列は、細胞から抽出したゲノムDNA、cDNA、またはmRNA配列の全配
列であってもよいし部分配列であってもよい。またプローブのポリヌクレオチド
配列は、合成オリゴヌクレオチド配列などの合成されたヌクレオチド配列であっ
てもよい。プローブ配列は、in vivoで酵素により、in vitroで酵素により、(
例えば、PCRにより)、またはin vitroで酵素によらないで合成することができ
る。
【0152】
本発明の方法に使用される1以上のプローブは、好ましくは、多孔質または無
孔質のいずれであってもよい固体支持体または表面に固定化される。例えば、本
発明のプローブは、ニトロセルロースもしくはナイロンメンブランまたはフィル
ターと結合しているポリヌクレオチド配列でありうる。このようなハイブリダイ
ゼーションプローブは、当技術分野で公知である(例えば、Sambrookら, (1989)
Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Vols. 1-3, Cold Spring H
arbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York、を参照のこと)。あるい
は、固体支持体または表面は、ガラスまたはプラスチック表面でありうる。
孔質のいずれであってもよい固体支持体または表面に固定化される。例えば、本
発明のプローブは、ニトロセルロースもしくはナイロンメンブランまたはフィル
ターと結合しているポリヌクレオチド配列でありうる。このようなハイブリダイ
ゼーションプローブは、当技術分野で公知である(例えば、Sambrookら, (1989)
Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Vols. 1-3, Cold Spring H
arbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York、を参照のこと)。あるい
は、固体支持体または表面は、ガラスまたはプラスチック表面でありうる。
【0153】
5.4.2.1 一般的マイクロアレイ
特定の好ましい実施形態においては、転写状態の測定は、表面上にDNAもしく
はDNA擬似体の集団、または、代わりにRNAの集団などのポリヌクレオチドの集団
を固定化した固相からなる、プローブのマイクロアレイとのハイブリダイゼーシ
ョンにより行う。具体的には、マイクロアレイは、寸法が6.25 cm2未満のアレイ
である。マイクロアレイは、例えば、目的の薬物の段階的レベルに曝された細胞
の転写状態などの、細胞の転写状態を分析するために用いることができる。
はDNA擬似体の集団、または、代わりにRNAの集団などのポリヌクレオチドの集団
を固定化した固相からなる、プローブのマイクロアレイとのハイブリダイゼーシ
ョンにより行う。具体的には、マイクロアレイは、寸法が6.25 cm2未満のアレイ
である。マイクロアレイは、例えば、目的の薬物の段階的レベルに曝された細胞
の転写状態などの、細胞の転写状態を分析するために用いることができる。
【0154】
好ましい実施形態においては、マイクロアレイは、細胞または生物のゲノムの
多くの遺伝子、好ましくは大部分またはほとんど全ての遺伝子の産物に対する、
結合(例えば、ハイブリダイゼーション)部位の整列したアレイを有する表面を
含んでなる。マイクロアレイは、いくつかの方法で作ることができ、以下にその
内のいくつかを記載する。しかし、作製されたマイクロアレイはある特定の特性
を共有する:アレイは複製が可能であり、所与のアレイの多数コピーを作製し、
お互いを容易に比較することができる。好ましくは、マイクロアレイは、小さく
、通常、5cm2より小さく、結合(例えば核酸ハイブリダイゼーション)条件下で
安定な材料から作られる。好ましくは、マイクロアレイ内の所与の結合部位また
は結合部位のユニークなセットは、細胞内の単一遺伝子の産物(例えば、特定の
mRNA、またはそれから誘導される特定のcDNA)と特異的に結合(例えば、ハイブ
リダイズ)するであろう。しかし、前に考察した通り、一般的には、他の、関係
するまたは類似の配列が所与の結合部位と交差ハイブリダイズするであろう。特
定のRNAまたはDNA当り1以上の物理的結合部位があり得るが、明解にするため、
以下の考察は、単一で、完全に相補的な結合部位があると仮定するものである。
多くの遺伝子、好ましくは大部分またはほとんど全ての遺伝子の産物に対する、
結合(例えば、ハイブリダイゼーション)部位の整列したアレイを有する表面を
含んでなる。マイクロアレイは、いくつかの方法で作ることができ、以下にその
内のいくつかを記載する。しかし、作製されたマイクロアレイはある特定の特性
を共有する:アレイは複製が可能であり、所与のアレイの多数コピーを作製し、
お互いを容易に比較することができる。好ましくは、マイクロアレイは、小さく
、通常、5cm2より小さく、結合(例えば核酸ハイブリダイゼーション)条件下で
安定な材料から作られる。好ましくは、マイクロアレイ内の所与の結合部位また
は結合部位のユニークなセットは、細胞内の単一遺伝子の産物(例えば、特定の
mRNA、またはそれから誘導される特定のcDNA)と特異的に結合(例えば、ハイブ
リダイズ)するであろう。しかし、前に考察した通り、一般的には、他の、関係
するまたは類似の配列が所与の結合部位と交差ハイブリダイズするであろう。特
定のRNAまたはDNA当り1以上の物理的結合部位があり得るが、明解にするため、
以下の考察は、単一で、完全に相補的な結合部位があると仮定するものである。
【0155】
本発明のマイクロアレイは、1以上の試験プローブを含み、それぞれの試験プ
ローブは、検出されるRNAまたはDNAの部分配列と相補的であるポリヌクレオチド
配列を有する。それぞれのプローブは、好ましくは、異なる核酸配列を有する。
固体表面上の各プローブの位置は、好ましくは既知である。一実施形態において
は、マイクロアレイは、高密度アレイであって、好ましくは、1 cm2当り約60以
上の異なるプローブ密度を有する。一実施形態においては、該マイクロアレイは
アレイ(すなわち、マトリックス)であって、該アレイ中のそれぞれの位置は、
ある遺伝子がコードする産物(すなわち、該遺伝子から誘導されるmRNAまたはcD
NA)に対して独立した結合部位を表し、かつ該アレイ中に該生物のゲノムの遺伝
子の大部分またはほとんど全ての産物に対する結合部位が存在する。例えば、該
結合部位は、特定のRNAが特異的にハイブリダイズし得るDNAまたはDNA類似体で
あることができる。DNAまたはDNA類似体は、例えば、合成オリゴマー、全長cDNA
、全長より小さいcDNA、または遺伝子断片であってもよい。
ローブは、検出されるRNAまたはDNAの部分配列と相補的であるポリヌクレオチド
配列を有する。それぞれのプローブは、好ましくは、異なる核酸配列を有する。
固体表面上の各プローブの位置は、好ましくは既知である。一実施形態において
は、マイクロアレイは、高密度アレイであって、好ましくは、1 cm2当り約60以
上の異なるプローブ密度を有する。一実施形態においては、該マイクロアレイは
アレイ(すなわち、マトリックス)であって、該アレイ中のそれぞれの位置は、
ある遺伝子がコードする産物(すなわち、該遺伝子から誘導されるmRNAまたはcD
NA)に対して独立した結合部位を表し、かつ該アレイ中に該生物のゲノムの遺伝
子の大部分またはほとんど全ての産物に対する結合部位が存在する。例えば、該
結合部位は、特定のRNAが特異的にハイブリダイズし得るDNAまたはDNA類似体で
あることができる。DNAまたはDNA類似体は、例えば、合成オリゴマー、全長cDNA
、全長より小さいcDNA、または遺伝子断片であってもよい。
【0156】
好ましい実施形態においては、マイクロアレイは標的生物のゲノム中の全ての
遺伝子またはほとんど全ての遺伝子の産物に対する結合部位を含有するが、この
ような包括性は必ずしも必要としない。通常、マイクロアレイは、ゲノム中の遺
伝子の少なくとも約50%、しばしば約75%、さらにしばしば少なくとも約85%、よ
りさらにしばしば約90%、そしてそれよりさらにしばしば少なくとも約99%に対応
する結合部位を有するであろう。好ましくは、該マイクロアレイは、目的の薬物
の作用と関係があるか、または目的の生物学的経路に存在する遺伝子に対する結
合部位を有する。「遺伝子」は、好ましくは少なくとも50、75、または99個のア
ミノ酸の配列をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)として同定さ
れ、生物内または多細胞生物のある種の細胞内でメッセンジャーRNAが転写され
る上記ORFである。ゲノム中の遺伝子数は、該生物により発現されるmRNAの数、
またはよく特性決定されているゲノムの部分からの推論により推定することがで
きる。目的の生物のゲノムが配列決定されているときは、DNA配列の分析により
、ORFの数を決定し、mRNAコード領域を同定することができる。例えば、サッカ
ロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)は完全に配列決定されてお
り、99個のアミノ酸より長いORFをおよそ6275個有することが報告されている。O
RFの分析結果は、タンパク質産物をコードすると考えられる5885のORFがあるこ
とを示している(Goffeauら, 1996, Science 274:546-567)。一方、ヒトゲノム
はほぼ105個の遺伝子を含有すると推定されている。
遺伝子またはほとんど全ての遺伝子の産物に対する結合部位を含有するが、この
ような包括性は必ずしも必要としない。通常、マイクロアレイは、ゲノム中の遺
伝子の少なくとも約50%、しばしば約75%、さらにしばしば少なくとも約85%、よ
りさらにしばしば約90%、そしてそれよりさらにしばしば少なくとも約99%に対応
する結合部位を有するであろう。好ましくは、該マイクロアレイは、目的の薬物
の作用と関係があるか、または目的の生物学的経路に存在する遺伝子に対する結
合部位を有する。「遺伝子」は、好ましくは少なくとも50、75、または99個のア
ミノ酸の配列をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)として同定さ
れ、生物内または多細胞生物のある種の細胞内でメッセンジャーRNAが転写され
る上記ORFである。ゲノム中の遺伝子数は、該生物により発現されるmRNAの数、
またはよく特性決定されているゲノムの部分からの推論により推定することがで
きる。目的の生物のゲノムが配列決定されているときは、DNA配列の分析により
、ORFの数を決定し、mRNAコード領域を同定することができる。例えば、サッカ
ロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)は完全に配列決定されてお
り、99個のアミノ酸より長いORFをおよそ6275個有することが報告されている。O
RFの分析結果は、タンパク質産物をコードすると考えられる5885のORFがあるこ
とを示している(Goffeauら, 1996, Science 274:546-567)。一方、ヒトゲノム
はほぼ105個の遺伝子を含有すると推定されている。
【0157】
5.4.2.2. マイクロアレイ用プローブを調製する
上述のように、本発明により特定のポリヌクレオチド分子が特異的にハイブリ
ダイズする「プローブ」は、通常、相補的なポリヌクレオチド配列である。ある
実施形態においては、マイクロアレイのプローブは、ある生物のゲノム中の各遺
伝子の少なくとも一部に対応するDNAまたはDNA「擬似体」(例えば、誘導体およ
び類似体)である。他の実施形態においては、マイクロアレイのプローブは相補
RNAまたはRNA擬似体である。
ダイズする「プローブ」は、通常、相補的なポリヌクレオチド配列である。ある
実施形態においては、マイクロアレイのプローブは、ある生物のゲノム中の各遺
伝子の少なくとも一部に対応するDNAまたはDNA「擬似体」(例えば、誘導体およ
び類似体)である。他の実施形態においては、マイクロアレイのプローブは相補
RNAまたはRNA擬似体である。
【0158】
DNA擬似体は、DNAと特異的にワトソン・クリック様ハイブリダイゼーションし
うる、またはRNAと特異的ハイブリダイゼーションしうるサブユニットを含むポ
リマーである。核酸は、塩基部分で、糖部分で、またはリン酸主鎖で改変するこ
とができる。DNA擬似体の例は、例えば、ホスホロチオエートを含む。
うる、またはRNAと特異的ハイブリダイゼーションしうるサブユニットを含むポ
リマーである。核酸は、塩基部分で、糖部分で、またはリン酸主鎖で改変するこ
とができる。DNA擬似体の例は、例えば、ホスホロチオエートを含む。
【0159】
DNAは、例えば、ゲノムDNA、cDNA(例えば、RT-PCRにより)、またはクローン
配列由来の遺伝子セグメントのポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)増幅により取
得することができる。PCRプライマーは、好ましくは、ユニークな断片(すなわ
ち例えば、10塩基以上の連続した同一配列をマイクロアレイ上のいずれの他の断
片とも共有しない断片)の増幅をもたらすように遺伝子またはcDNAの既知の配列
に基づいて選ばれる。Oligoバージョン5.0(National Biosciences)などの当技
術分野で公知のコンピュータープログラムは、必要な特異性と最適な増幅特性を
もつプライマーの設計に有用である。典型的には、マイクロアレイの各プローブ
は、約20塩基〜約12,000塩基、そして通常は約300塩基〜約2,000塩基長、そして
さらに通常は約300塩基〜約800塩基長である。PCR法は当技術分野で公知であり
、例えば、Innisら, 編, 1990, PCR Protocols: A Guide to Methods and Appli
cations, Academic Press Inc., San Diego, CA、に記載されている。当業者で
あれば、制御ロボットシステムが核酸を単離しかつ増幅するために有用であるこ
とは明白であろう。
配列由来の遺伝子セグメントのポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)増幅により取
得することができる。PCRプライマーは、好ましくは、ユニークな断片(すなわ
ち例えば、10塩基以上の連続した同一配列をマイクロアレイ上のいずれの他の断
片とも共有しない断片)の増幅をもたらすように遺伝子またはcDNAの既知の配列
に基づいて選ばれる。Oligoバージョン5.0(National Biosciences)などの当技
術分野で公知のコンピュータープログラムは、必要な特異性と最適な増幅特性を
もつプライマーの設計に有用である。典型的には、マイクロアレイの各プローブ
は、約20塩基〜約12,000塩基、そして通常は約300塩基〜約2,000塩基長、そして
さらに通常は約300塩基〜約800塩基長である。PCR法は当技術分野で公知であり
、例えば、Innisら, 編, 1990, PCR Protocols: A Guide to Methods and Appli
cations, Academic Press Inc., San Diego, CA、に記載されている。当業者で
あれば、制御ロボットシステムが核酸を単離しかつ増幅するために有用であるこ
とは明白であろう。
【0160】
マイクロアレイのポリヌクレオチドプローブを作製する代替方法は、例えば、
N-ホスホン酸またはホスホロアミダイト化学を用いる合成ポリヌクレオチドまた
はオリゴヌクレオチドの合成による(Frochlerら, 1986, Nucleic Acid Res. 14
:5399-5407;McBridら, 1983, Tetrahedron Lett. 24:246-248)。合成配列は、
典型的には約15〜約500塩基長、さらに典型的には約20〜約50塩基である。ある
実施形態においては、合成核酸は、限定するものでないが、イノシンなどの非天
然塩基を含む。上記のように、核酸類似体をハイブリダイゼーションの結合部位
として使うことができる。適当な核酸類似体の例は、ペプチド核酸である(例え
ば、Egholmら, 1993, Nature 363:566-568;米国特許第5,539,083号)。
N-ホスホン酸またはホスホロアミダイト化学を用いる合成ポリヌクレオチドまた
はオリゴヌクレオチドの合成による(Frochlerら, 1986, Nucleic Acid Res. 14
:5399-5407;McBridら, 1983, Tetrahedron Lett. 24:246-248)。合成配列は、
典型的には約15〜約500塩基長、さらに典型的には約20〜約50塩基である。ある
実施形態においては、合成核酸は、限定するものでないが、イノシンなどの非天
然塩基を含む。上記のように、核酸類似体をハイブリダイゼーションの結合部位
として使うことができる。適当な核酸類似体の例は、ペプチド核酸である(例え
ば、Egholmら, 1993, Nature 363:566-568;米国特許第5,539,083号)。
【0161】
代替実施形態においては、ハイブリダイゼーション部位(すなわち、プローブ
)は遺伝子のプラスミドもしくはファージクローン、cDNA(例えば、エクスプレ
スド・シーケンス・タグ)、またはそれらのインサートから作ることができる(
Nguyenら, 1995, Genomics 29:207-209)。
)は遺伝子のプラスミドもしくはファージクローン、cDNA(例えば、エクスプレ
スド・シーケンス・タグ)、またはそれらのインサートから作ることができる(
Nguyenら, 1995, Genomics 29:207-209)。
【0162】5.4.2.3. 固体表面へのプローブの結合
プローブは、例えば、ガラス、プラスチック(例えば、ポリプロピレン、ナイ
ロン)、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、または他の材料から作製しう
る固体の担体または表面に結合させる。核酸を表面に結合させる好ましい方法は
、Schena et al., 1995, Science 270:467-470に記載されているようにガラス板
上にプリントする方法である。この方法は、cDNAのマイクロアレイを作製するの
に特に有用である(DeRisi et al., 1996, Nature Genetics 14:457-460; Shalon
et al., 1996, Genome Res. 6:689-645; およびSchena et al., 1995, Proc. N
atl. Acad. Sci. U. S. A. 93:10539-11286をも参照されたい)。Blanchardは、
オリゴヌクレオチド合成のためのインクジェットプリンターの使用を開示してい
る(1998年1月16日出願の米国特許出願第09/008,120号)。
ロン)、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、または他の材料から作製しう
る固体の担体または表面に結合させる。核酸を表面に結合させる好ましい方法は
、Schena et al., 1995, Science 270:467-470に記載されているようにガラス板
上にプリントする方法である。この方法は、cDNAのマイクロアレイを作製するの
に特に有用である(DeRisi et al., 1996, Nature Genetics 14:457-460; Shalon
et al., 1996, Genome Res. 6:689-645; およびSchena et al., 1995, Proc. N
atl. Acad. Sci. U. S. A. 93:10539-11286をも参照されたい)。Blanchardは、
オリゴヌクレオチド合成のためのインクジェットプリンターの使用を開示してい
る(1998年1月16日出願の米国特許出願第09/008,120号)。
【0163】
マイクロアレイを作製する第二の好ましい方法は、高密度オリゴヌクレオチド
アレイを作製する方法である。in situ合成のためのフォトリトグラフ法を用い
て表面上の規定された位置に、規定された配列に相補的なオリゴヌクレオチドを
何千個も含有しているアレイを作製する技法(Fodor et al., 1991, Science 251
:767-773; Pease et al., 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91:5022-5026
; Lockhart et al., 1996, Nature Biotechnology 14:1675; 米国特許第5,578,8
32号; 同第5,556,752号; および同第5,510,270号を参照されたい)、または規定
されたオリゴヌクレオチドの迅速な合成および堆積を行う方法(Blanchard et al
., Biosensors & Bioelectronics 11:687-690)が知られている。これらの方法を
使用する場合、既知の配列のオリゴヌクレオチド(例えば、20量体)は、誘導体化
(derivatized)ガラススライドのような表面上で直接合成される。通常、作製さ
れるアレイは重複性があり、RNA 1種あたり数種のオリゴヌクレオチド分子が対
応する。オリゴヌクレオチドプローブは、交互にスプライスされたmRNAを検出す
るように選択することができる。
アレイを作製する方法である。in situ合成のためのフォトリトグラフ法を用い
て表面上の規定された位置に、規定された配列に相補的なオリゴヌクレオチドを
何千個も含有しているアレイを作製する技法(Fodor et al., 1991, Science 251
:767-773; Pease et al., 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91:5022-5026
; Lockhart et al., 1996, Nature Biotechnology 14:1675; 米国特許第5,578,8
32号; 同第5,556,752号; および同第5,510,270号を参照されたい)、または規定
されたオリゴヌクレオチドの迅速な合成および堆積を行う方法(Blanchard et al
., Biosensors & Bioelectronics 11:687-690)が知られている。これらの方法を
使用する場合、既知の配列のオリゴヌクレオチド(例えば、20量体)は、誘導体化
(derivatized)ガラススライドのような表面上で直接合成される。通常、作製さ
れるアレイは重複性があり、RNA 1種あたり数種のオリゴヌクレオチド分子が対
応する。オリゴヌクレオチドプローブは、交互にスプライスされたmRNAを検出す
るように選択することができる。
【0164】
マイクロアレイを作製する他の方法、例えば、マスキング法(Maskos and Sout
hern, 1992, Nuc. Acids. Res. 20:1679-1684)を使用することも可能である。原
理的には、任意のタイプのアレイ、例えば、ナイロンハイブリダイゼーション膜
上のドットブロット(先に記載のSambrookらの文献を参照されたい)を使用するこ
とが可能である。しかしながら、当業者には分かるであろうが、多くの場合、非
常に小さなアレイが好ましいであろう。なぜなら、ハイブリダイゼーション容積
がより小さくなるからである。
hern, 1992, Nuc. Acids. Res. 20:1679-1684)を使用することも可能である。原
理的には、任意のタイプのアレイ、例えば、ナイロンハイブリダイゼーション膜
上のドットブロット(先に記載のSambrookらの文献を参照されたい)を使用するこ
とが可能である。しかしながら、当業者には分かるであろうが、多くの場合、非
常に小さなアレイが好ましいであろう。なぜなら、ハイブリダイゼーション容積
がより小さくなるからである。
【0165】5.4.2.4. 標的ポリヌクレオチド分子
先に記載したように、本発明により分析しうるポリヌクレオチド分子は、例え
ば、天然に存在する核酸分子だけでなく合成の核酸分子も含めて、任意の供給源
に由来するものであってよい。好ましい実施形態において、本発明により分析さ
れるポリヌクレオチド分子には、限定されるものではないが、全細胞RNA、poly(
A)+メッセンジャーRNA(mRNA)、それらの断片、またはcDNAから転写されたRNAな
どのRNAが含まれる。全RNAおよびpoly(A)+RNAの調製方法は当技術分野で周知で
あり、例えば、先に記載のSambrookらの文献中に概説されている。一実施形態に
おいて、RNAは、グアニジニウムチオシアネート溶解およびそれに続くCsCl遠心
分離を用いて、本発明の対象となる種々のタイプの細胞から抽出される(Chirgwi
n et al., 1979, Biochemistry 18:5294-5299)。poly(A)+RNAは、オリゴ-dTセル
ロースを用いる選択によって選択される。対象となる細胞としては、野生型細胞
、薬物に暴露された野生型細胞、改変細胞、罹患細胞、特に、癌細胞が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。
ば、天然に存在する核酸分子だけでなく合成の核酸分子も含めて、任意の供給源
に由来するものであってよい。好ましい実施形態において、本発明により分析さ
れるポリヌクレオチド分子には、限定されるものではないが、全細胞RNA、poly(
A)+メッセンジャーRNA(mRNA)、それらの断片、またはcDNAから転写されたRNAな
どのRNAが含まれる。全RNAおよびpoly(A)+RNAの調製方法は当技術分野で周知で
あり、例えば、先に記載のSambrookらの文献中に概説されている。一実施形態に
おいて、RNAは、グアニジニウムチオシアネート溶解およびそれに続くCsCl遠心
分離を用いて、本発明の対象となる種々のタイプの細胞から抽出される(Chirgwi
n et al., 1979, Biochemistry 18:5294-5299)。poly(A)+RNAは、オリゴ-dTセル
ロースを用いる選択によって選択される。対象となる細胞としては、野生型細胞
、薬物に暴露された野生型細胞、改変細胞、罹患細胞、特に、癌細胞が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。
【0166】
一実施形態において、RNAの断片を生成するために、当技術分野で周知の方法
、例えば、ZnCl2を用いるインキュベーション法によってRNAを断片化することが
できる。一実施形態において、標識化dNTPの存在下で二本鎖cDNAのin vitro転写
を行うことによって、単離されたmRNAをアンチセンスRNAに変換することができ
る(Lockhart et al., 1996, Nature Biotechnology 14:1675)。
、例えば、ZnCl2を用いるインキュベーション法によってRNAを断片化することが
できる。一実施形態において、標識化dNTPの存在下で二本鎖cDNAのin vitro転写
を行うことによって、単離されたmRNAをアンチセンスRNAに変換することができ
る(Lockhart et al., 1996, Nature Biotechnology 14:1675)。
【0167】
他の実施形態において、分析されるポリヌクレオチド分子は、断片化ゲノムDN
A、mRNAから逆転写された第一鎖cDNA、または増幅されたmRNAもしくはcDNAのPCR
産物のようなDNA分子であってよい。
A、mRNAから逆転写された第一鎖cDNA、または増幅されたmRNAもしくはcDNAのPCR
産物のようなDNA分子であってよい。
【0168】5.4.2.5. マイクロアレイへのハイブリダイゼーション
核酸ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、本発明により分析されるポリ
ヌクレオチド分子が、アレイの相補的ポリヌクレオチド配列に、好ましくは、そ
の相補的DNAの位置する特異的アレイ部位に、「特異的に結合」するかまたは「
特異的にハイブリダイズ」するように、選択される。
ヌクレオチド分子が、アレイの相補的ポリヌクレオチド配列に、好ましくは、そ
の相補的DNAの位置する特異的アレイ部位に、「特異的に結合」するかまたは「
特異的にハイブリダイズ」するように、選択される。
【0169】
表面上に位置する二本鎖プローブDNAを含んでなるアレイは、好ましくは、標
的ポリヌクレオチド分子に接触させる前にDNAを一本鎖にすべく変性条件に付さ
れる。一本鎖プローブDNA(例えば、合成オリゴデオキシリボ核酸)を含んでなる
アレイは、例えば、自己相補的配列により形成されるヘアピンまたはダイマーを
除去すべく、標的ポリヌクレオチド分子に接触させる前に変性させることが必要
な場合もある。
的ポリヌクレオチド分子に接触させる前にDNAを一本鎖にすべく変性条件に付さ
れる。一本鎖プローブDNA(例えば、合成オリゴデオキシリボ核酸)を含んでなる
アレイは、例えば、自己相補的配列により形成されるヘアピンまたはダイマーを
除去すべく、標的ポリヌクレオチド分子に接触させる前に変性させることが必要
な場合もある。
【0170】
最適なハイブリダイゼーション条件は、プローブ核酸および標的核酸の長さ(
例えば、200塩基よりも大きいポリヌクレオチドに対するオリゴマー)およびタイ
プ(例えば、RNAまたはDNA)に依存するであろう。特異的な(すなわち、ストリン
ジェントな)ハイブリダイゼーション条件に対する一般的なパラメーターは、Sam
brookらの文献(上述)およびAusubel et al., 1987, Current Protocols in Mole
cular Biology, Greene Publishing and Wiley-Interscience, New Yorkに記載
されている。SchenaらのcDNAマイクロアレイを使用する場合、典型的なハイブリ
ダイゼーション条件は、65℃における5×SSC+0.2% SDS中での4時間のハイブリ
ダイゼーションおよびそれに続く25℃における非常にストリンジェントな洗浄緩
衝液(0.l×SSC+0.2% SDS)中での洗浄である(Shena et al., 1996, Proc. Natl.
Acad. Sci. U.S.A. 93:10614)。有用なハイブリダイゼーション条件はまた、例
えば、Tijessen, 1993, Hybridization With Nucleic Acid Probes, Elsevier S
cience Publishers B. V.; およびKricka, 1992, Nonisotopic DNA Probe Techn
iques, Academic Press, San Diego, CAにも提示されている。
例えば、200塩基よりも大きいポリヌクレオチドに対するオリゴマー)およびタイ
プ(例えば、RNAまたはDNA)に依存するであろう。特異的な(すなわち、ストリン
ジェントな)ハイブリダイゼーション条件に対する一般的なパラメーターは、Sam
brookらの文献(上述)およびAusubel et al., 1987, Current Protocols in Mole
cular Biology, Greene Publishing and Wiley-Interscience, New Yorkに記載
されている。SchenaらのcDNAマイクロアレイを使用する場合、典型的なハイブリ
ダイゼーション条件は、65℃における5×SSC+0.2% SDS中での4時間のハイブリ
ダイゼーションおよびそれに続く25℃における非常にストリンジェントな洗浄緩
衝液(0.l×SSC+0.2% SDS)中での洗浄である(Shena et al., 1996, Proc. Natl.
Acad. Sci. U.S.A. 93:10614)。有用なハイブリダイゼーション条件はまた、例
えば、Tijessen, 1993, Hybridization With Nucleic Acid Probes, Elsevier S
cience Publishers B. V.; およびKricka, 1992, Nonisotopic DNA Probe Techn
iques, Academic Press, San Diego, CAにも提示されている。
【0171】5.4.2.6. シグナル検出およびデータ解析
細胞のRNAに相補的なcDNAを作製して好適なハイブリダイゼーション条件下で
マイクロアレイにハイブリダイズさせる場合、任意の特定の遺伝子に対応するア
レイ中の部位へのハイブリダイゼーションのレベルは、その遺伝子から転写され
たmRNAの細胞中でどの程度存在するか(prevalence)を反映するであろう。例えば
、全細胞mRNAに相補的であり検出可能に標識された(例えば、発蛍光団で標識さ
れた)cDNAをマイクロアレイにハイブリダイズする場合、細胞中で転写されない
遺伝子に対応する(すなわち、遺伝子の産物に特異的に結合することのできる)ア
レイ中の部位は、ほとんどまたはまったくシグナルを示さず(例えば、蛍光シグ
ナル)、豊富に存在するコードされたmRNAに相応する遺伝子は、相対的に強いシ
グナルを呈するであろう。
マイクロアレイにハイブリダイズさせる場合、任意の特定の遺伝子に対応するア
レイ中の部位へのハイブリダイゼーションのレベルは、その遺伝子から転写され
たmRNAの細胞中でどの程度存在するか(prevalence)を反映するであろう。例えば
、全細胞mRNAに相補的であり検出可能に標識された(例えば、発蛍光団で標識さ
れた)cDNAをマイクロアレイにハイブリダイズする場合、細胞中で転写されない
遺伝子に対応する(すなわち、遺伝子の産物に特異的に結合することのできる)ア
レイ中の部位は、ほとんどまたはまったくシグナルを示さず(例えば、蛍光シグ
ナル)、豊富に存在するコードされたmRNAに相応する遺伝子は、相対的に強いシ
グナルを呈するであろう。
【0172】
好ましい実施形態では、2種の異なる細胞に由来するcDNAをマイクロアレイの
結合部位にハイブリダイズさせる。薬物応答の場合、一方の細胞を薬物に暴露し
、同じタイプのもう一方の細胞は薬物に暴露しない。2種の細胞タイプのそれぞ
れに由来するcDNAを、識別できるように異なる形式で標識する。一実施形態では
、例えば、薬物で処理された細胞に由来するcDNAは、蛍光標識されたdNTPを用い
て合成し、薬剤に暴露されていない第二の細胞に由来するcDNAは、ローダミン標
識されたdNTPを用いて合成する。2種のcDNAを混合してマイクロアレイにハイブ
リダイズした場合、各cDNAセットに由来するシグナルの相対強度がアレイ上の各
部位に対して決定され、それによって、特定のmRNAの存在量の相対的差異が検出
される。
結合部位にハイブリダイズさせる。薬物応答の場合、一方の細胞を薬物に暴露し
、同じタイプのもう一方の細胞は薬物に暴露しない。2種の細胞タイプのそれぞ
れに由来するcDNAを、識別できるように異なる形式で標識する。一実施形態では
、例えば、薬物で処理された細胞に由来するcDNAは、蛍光標識されたdNTPを用い
て合成し、薬剤に暴露されていない第二の細胞に由来するcDNAは、ローダミン標
識されたdNTPを用いて合成する。2種のcDNAを混合してマイクロアレイにハイブ
リダイズした場合、各cDNAセットに由来するシグナルの相対強度がアレイ上の各
部位に対して決定され、それによって、特定のmRNAの存在量の相対的差異が検出
される。
【0173】
上記の例では、薬物で処理された細胞に由来するcDNAは、発蛍光団が刺激され
ると緑色の蛍光を発し、未処理の細胞に由来するcDNAは、赤色の蛍光を発するで
あろう。その結果、細胞中の特定のmRNAの相対的存在量に対して薬物処理が直接
的にも間接的にも影響を及ぼさない場合には、mRNAは、両方の細胞中に同等な量
で存在し、逆転写を行うと赤色標識および緑色標識されたcDNAは同等な量で存在
することになるであろう。マイクロアレイにハイブリダイズさせると、その種の
RNAに相応する結合部位は、両方の発蛍光団に特徴的な波長の光を発するであろ
う。それとは対照的に、薬物暴露細胞が、細胞中のmRNAの存在量を直接的または
間接的に増大させる薬物で処理された場合、赤色に対する緑色の比は増大するで
あろう。薬物がmRNAの存在量を低下させる場合、この比は減少するであろう。
ると緑色の蛍光を発し、未処理の細胞に由来するcDNAは、赤色の蛍光を発するで
あろう。その結果、細胞中の特定のmRNAの相対的存在量に対して薬物処理が直接
的にも間接的にも影響を及ぼさない場合には、mRNAは、両方の細胞中に同等な量
で存在し、逆転写を行うと赤色標識および緑色標識されたcDNAは同等な量で存在
することになるであろう。マイクロアレイにハイブリダイズさせると、その種の
RNAに相応する結合部位は、両方の発蛍光団に特徴的な波長の光を発するであろ
う。それとは対照的に、薬物暴露細胞が、細胞中のmRNAの存在量を直接的または
間接的に増大させる薬物で処理された場合、赤色に対する緑色の比は増大するで
あろう。薬物がmRNAの存在量を低下させる場合、この比は減少するであろう。
【0174】
遺伝子発現の変化を規定するための2色蛍光標識・検出スキームの使用につい
ては、例えば、Shena et al., 1995, Science 270:467-470に記載されている。2
種の異なる発蛍光団で標識されたcDNAを使用する利点は、二つの細胞状態に関し
て各アレイ化遺伝子に対応するmRNAレベルの直接的かつ内部参照的(internally
controlled)比較を行うことができること、そして実験条件(例えば、ハイブリダ
イゼーション条件)の小さな変化に起因する変動が後続の分析に影響を及ぼさな
いことである。しかしながら、1種の細胞に由来するcDNAを用いて、例えば、薬
物で処理されたかまたは経路に摂動の加えられた細胞中および未処理の細胞中の
特定のmRNAの絶対量を比較することもできることは分かるであろう。
ては、例えば、Shena et al., 1995, Science 270:467-470に記載されている。2
種の異なる発蛍光団で標識されたcDNAを使用する利点は、二つの細胞状態に関し
て各アレイ化遺伝子に対応するmRNAレベルの直接的かつ内部参照的(internally
controlled)比較を行うことができること、そして実験条件(例えば、ハイブリダ
イゼーション条件)の小さな変化に起因する変動が後続の分析に影響を及ぼさな
いことである。しかしながら、1種の細胞に由来するcDNAを用いて、例えば、薬
物で処理されたかまたは経路に摂動の加えられた細胞中および未処理の細胞中の
特定のmRNAの絶対量を比較することもできることは分かるであろう。
【0175】
蛍光標識プローブを使用する場合、転写産物アレイの各部位で放出される蛍光
は、好ましくは、走査型共焦点レーザー顕微鏡法により検出することが可能であ
る。一実施形態において、使用した2種の発蛍光団のそれぞれに対して適切な励
起線を用いて別々に走査を行う。このほか、2種の発蛍光団に特異的な波長で同
時に試料に照射を行い、2種の発蛍光団から放出される発光を同時に分析するこ
ともできる(Shalon et al., 1996, Genome Res. 6:639-645を参照されたい)。好
ましい実施形態では、コンピュータ制御されたX-Yステージおよび顕微鏡対物レ
ンズを用いてレーザー蛍光スキャナーでアレイを走査する。多線混合ガスレーザ
ーを用いて2種の発蛍光団の逐次的励起を行い、そして放出された光を波長ごと
に分離して2台の光電子増倍管で検出する。そのような蛍光レーザー走査デバイ
スについては、例えば、Schena et al, 1996, Genome Res. 6:639-645に記載さ
れている。このほか、Ferguson et al., 1996, Nature Biotech. 14:1681-1684
に記載の光ファイバー束を使用して同時に多数の部位でmRNAの存在レベルをモニ
ターすることも可能である。
は、好ましくは、走査型共焦点レーザー顕微鏡法により検出することが可能であ
る。一実施形態において、使用した2種の発蛍光団のそれぞれに対して適切な励
起線を用いて別々に走査を行う。このほか、2種の発蛍光団に特異的な波長で同
時に試料に照射を行い、2種の発蛍光団から放出される発光を同時に分析するこ
ともできる(Shalon et al., 1996, Genome Res. 6:639-645を参照されたい)。好
ましい実施形態では、コンピュータ制御されたX-Yステージおよび顕微鏡対物レ
ンズを用いてレーザー蛍光スキャナーでアレイを走査する。多線混合ガスレーザ
ーを用いて2種の発蛍光団の逐次的励起を行い、そして放出された光を波長ごと
に分離して2台の光電子増倍管で検出する。そのような蛍光レーザー走査デバイ
スについては、例えば、Schena et al, 1996, Genome Res. 6:639-645に記載さ
れている。このほか、Ferguson et al., 1996, Nature Biotech. 14:1681-1684
に記載の光ファイバー束を使用して同時に多数の部位でmRNAの存在レベルをモニ
ターすることも可能である。
【0176】
シグナルを記録し、好ましい実施形態では、例えば、12ビットA/D(アナログ/
デジタル)ボードを用いてコンピュータにより解析する。一実施形態では、走査
された画像からグラフィックスプログラム(例えば、Hijaak Graphics Suite)を
用いて夾雑点を除去し、次に、各部位における各波長での平均ハイブリダイゼー
ションのスプレッドシートを作成する画像グリッド化プログラムを用いて解析す
る。必要な場合には、2種の蛍光に関するチャネル間の「クロストーク」(または
オーバーラップ)に対して実験的に決定した補正を加えてもよい。転写産物アレ
イ上の任意の特定のハイブリダイゼーション部位に対して、2種の発蛍光団から
の発光の比を計算することができる。この比は、コグネイト(cognate)遺伝子の
絶対的発現レベルに依存しないが、薬物投与、遺伝子欠失、または任意の他の試
験イベントにより発現が著しく変化する遺伝子に対して有効である。
デジタル)ボードを用いてコンピュータにより解析する。一実施形態では、走査
された画像からグラフィックスプログラム(例えば、Hijaak Graphics Suite)を
用いて夾雑点を除去し、次に、各部位における各波長での平均ハイブリダイゼー
ションのスプレッドシートを作成する画像グリッド化プログラムを用いて解析す
る。必要な場合には、2種の蛍光に関するチャネル間の「クロストーク」(または
オーバーラップ)に対して実験的に決定した補正を加えてもよい。転写産物アレ
イ上の任意の特定のハイブリダイゼーション部位に対して、2種の発蛍光団から
の発光の比を計算することができる。この比は、コグネイト(cognate)遺伝子の
絶対的発現レベルに依存しないが、薬物投与、遺伝子欠失、または任意の他の試
験イベントにより発現が著しく変化する遺伝子に対して有効である。
【0177】
本発明の方法によれば、2種の細胞中または細胞系中のmRNAの相対的存在量は
、摂動として得られ、その大きさが決定されるか(すなわち、存在量が、試験し
たmRNAの2種の供給源で異なっている)、または摂動を受けないものとして得られ
る(すなわち、相対的存在量が同じである)。本明細書中で使用する場合、少なく
とも約25%(即ち、一方の供給源において他方の供給源よりもRNAが25%以上多い
)、より一般的には約50%、更に多くの場合には約2倍(すなわち、2倍の存在量)
、3倍(3倍の存在量)、または5倍(5倍の存在量)の倍率を有する2種のmRNA源間の
差異が摂動として得られる。本発明の検出方法を用いると、約3倍〜約5倍程度の
差異を確実に検出することが可能であるが、更に感度の高い方法を開発すること
が期待される。
、摂動として得られ、その大きさが決定されるか(すなわち、存在量が、試験し
たmRNAの2種の供給源で異なっている)、または摂動を受けないものとして得られ
る(すなわち、相対的存在量が同じである)。本明細書中で使用する場合、少なく
とも約25%(即ち、一方の供給源において他方の供給源よりもRNAが25%以上多い
)、より一般的には約50%、更に多くの場合には約2倍(すなわち、2倍の存在量)
、3倍(3倍の存在量)、または5倍(5倍の存在量)の倍率を有する2種のmRNA源間の
差異が摂動として得られる。本発明の検出方法を用いると、約3倍〜約5倍程度の
差異を確実に検出することが可能であるが、更に感度の高い方法を開発すること
が期待される。
【0178】
好ましくは、摂動を正または負として認識することのほかに、摂動の大きさを
決定することが有利である。これは、先に記載したように、異なる標識化に対し
て用いられる2種の発蛍光団からの発光の比を計算することによって、または当
業者には自明であろう類似の方法によって、行うことができる。
決定することが有利である。これは、先に記載したように、異なる標識化に対し
て用いられる2種の発蛍光団からの発光の比を計算することによって、または当
業者には自明であろう類似の方法によって、行うことができる。
【0179】5.4.2.7. 転写状態を測定する他の方法
細胞の転写状態は、当技術分野で周知の他の遺伝子発現方法により測定するこ
とが可能である。いくつかのそのような方法では、例えば、二重制限酵素消化を
フェージングプライマーと組み合わせる方法(例えば、Zabeauらにより1992年9月
24日に出願された欧州特許第O 534858 A1号を参照されたい)または規定されたmR
NA末端に最も近い部位を有する制限断片を選択する方法(例えば、Prashar et al
., 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 93:659-663を参照されたい)では、
電気泳動分析のために限定された複雑さを有する制限断片のプールが生成される
。他の方法では、例えば、各cDNAを同定すべく複数のcDNAのそれぞれについて十
分な塩基(例えば、20〜50塩基)の配列決定を行う方法または規定されたmRNA末端
に対して既知の位置に形成された短いタグ(例えば、9〜10塩基)の配列決定を行
う方法では、cDNAプールが統計的にサンプリングされる。
とが可能である。いくつかのそのような方法では、例えば、二重制限酵素消化を
フェージングプライマーと組み合わせる方法(例えば、Zabeauらにより1992年9月
24日に出願された欧州特許第O 534858 A1号を参照されたい)または規定されたmR
NA末端に最も近い部位を有する制限断片を選択する方法(例えば、Prashar et al
., 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 93:659-663を参照されたい)では、
電気泳動分析のために限定された複雑さを有する制限断片のプールが生成される
。他の方法では、例えば、各cDNAを同定すべく複数のcDNAのそれぞれについて十
分な塩基(例えば、20〜50塩基)の配列決定を行う方法または規定されたmRNA末端
に対して既知の位置に形成された短いタグ(例えば、9〜10塩基)の配列決定を行
う方法では、cDNAプールが統計的にサンプリングされる。
【0180】
転写状態を測定するそのような方法および系は、マイクロアレイほど好ましい
ものではないが、それにもかかわらず、本発明で使用することが可能である。
ものではないが、それにもかかわらず、本発明で使用することが可能である。
【0181】5.4.3. 生物学的状態の他の側面の測定
mRNAの存在量以外に細胞の成分をモニターしようとするとmRNAをモニターする
ときには遭遇しないいくらかの技術的困難を生じるが、本発明の方法を使用すれ
ばモニター可能な任意の細胞成分が適用対象になることは当業者には自明であろ
う。
ときには遭遇しないいくらかの技術的困難を生じるが、本発明の方法を使用すれ
ばモニター可能な任意の細胞成分が適用対象になることは当業者には自明であろ
う。
【0182】
本発明の種々の実施形態において、本発明に関連して薬物応答を調べるべく、
転写状態以外の生物学的状態の側面、例えば、翻訳状態、活性状態、またはそれ
らの混合状態の側面を測定することができる。これらの実施形態の詳細を、本節
で説明する。
転写状態以外の生物学的状態の側面、例えば、翻訳状態、活性状態、またはそれ
らの混合状態の側面を測定することができる。これらの実施形態の詳細を、本節
で説明する。
【0183】5.4.3.1. 翻訳状態の測定
いくつかの方法に従って翻訳状態の測定を行うことが可能である。例えば、細
胞ゲノムによりコードされた複数種のタンパク質種に特異的である固定化された
抗体、好ましくはモノクロナール抗体を結合部位に含むマイクロアレイを構築す
ることによって、タンパク質(すなわち、先のGoffeaらの文献に記載の「プロテ
オーム」)の全ゲノムのモニターを行うことができる。好ましくは、コードされ
たタンパク質の実質的断片に対する抗体または少なくとも対象の薬物の作用に関
係するタンパク質に対する抗体が存在する。モノクロナール抗体を作製する方法
は周知である(例えば、Harlow and Lane, 1988, Antibodies : A Laboratory Ma
nual, Cold Spring Harbor, New Yorkを参照されたい)。好ましい実施形態では
、細胞のゲノム配列に基づいて設計された合成ペプチド断片に対するモノクロナ
ール抗体を形成する。そのような抗体アレイを用いて、細胞由来のタンパク質を
アレイに接触させ、当技術分野で周知のアッセイによりそれらの結合を測定する
。
胞ゲノムによりコードされた複数種のタンパク質種に特異的である固定化された
抗体、好ましくはモノクロナール抗体を結合部位に含むマイクロアレイを構築す
ることによって、タンパク質(すなわち、先のGoffeaらの文献に記載の「プロテ
オーム」)の全ゲノムのモニターを行うことができる。好ましくは、コードされ
たタンパク質の実質的断片に対する抗体または少なくとも対象の薬物の作用に関
係するタンパク質に対する抗体が存在する。モノクロナール抗体を作製する方法
は周知である(例えば、Harlow and Lane, 1988, Antibodies : A Laboratory Ma
nual, Cold Spring Harbor, New Yorkを参照されたい)。好ましい実施形態では
、細胞のゲノム配列に基づいて設計された合成ペプチド断片に対するモノクロナ
ール抗体を形成する。そのような抗体アレイを用いて、細胞由来のタンパク質を
アレイに接触させ、当技術分野で周知のアッセイによりそれらの結合を測定する
。
【0184】
このほか、二次元ゲル電気泳動系によりタンパク質を分離することができる。
二次元ゲル電気泳動は当技術分野で周知であり、典型的には、第一の次元に沿っ
た等電点電気泳動およびそれに続く第二の次元に沿ったSDS-PAGE電気泳動が含ま
れる。例えば、Hames et al., 1990, Gel Electrophoresis of Proteins : A Pr
actical Approach, IRL Press, New York; Shevchenko et al., 1996, Proc. Na
tl. Acad. Sci. U.S.A. 93:1440-1445; Sagliocco et al., 1996, Yeast 12:151
9-1533; and Lander, 1996, Science 274:536-539を参照されたい。こうして得
られたエレクトロフェログラムは、質量分析法、ウェスタンブロット法、および
ポリクロナール抗体やモノクロナール抗体を用いる免疫ブロット法、ならびに内
部およびN末端のミクロ配列決定等の数多くの技法によって分析することができ
る。これらの技法を用いると、薬物に暴露された細胞(例えば、酵母)中または例
えば特異的遺伝子の欠失もしくは過剰発現により改変された細胞中を含めて所定
の生理学的条件下で産生されたすべてのタンパク質の実質的断片を同定すること
が可能である。
二次元ゲル電気泳動は当技術分野で周知であり、典型的には、第一の次元に沿っ
た等電点電気泳動およびそれに続く第二の次元に沿ったSDS-PAGE電気泳動が含ま
れる。例えば、Hames et al., 1990, Gel Electrophoresis of Proteins : A Pr
actical Approach, IRL Press, New York; Shevchenko et al., 1996, Proc. Na
tl. Acad. Sci. U.S.A. 93:1440-1445; Sagliocco et al., 1996, Yeast 12:151
9-1533; and Lander, 1996, Science 274:536-539を参照されたい。こうして得
られたエレクトロフェログラムは、質量分析法、ウェスタンブロット法、および
ポリクロナール抗体やモノクロナール抗体を用いる免疫ブロット法、ならびに内
部およびN末端のミクロ配列決定等の数多くの技法によって分析することができ
る。これらの技法を用いると、薬物に暴露された細胞(例えば、酵母)中または例
えば特異的遺伝子の欠失もしくは過剰発現により改変された細胞中を含めて所定
の生理学的条件下で産生されたすべてのタンパク質の実質的断片を同定すること
が可能である。
【0185】5.4.3.2. 活性状態の測定
薬物作用の特性に関係するタンパク質の活性を測定することができる場合には
、本発明の実施形態は、そのような測定に依拠することができる。活性の測定は
、特性付けられる特定の活性に適した任意の機能的、生化学的、または物理的手
段により行うことができる。活性が化学的トランスフォーメーションに関与する
場合、細胞タンパク質を天然の基質に接触させて、トランスフォーメーションの
速度を測定することができる。活性が多量体ユニットの会合、例えば、活性化DN
A結合複合体とDNAとの会合に関与する場合、会合タンパク質の量または会合の二
次的な結果、例えば、転写されたmRNAの量を測定することができる。また、例え
ば、細胞周期制御の場合のように機能的活性だけが既知である場合、機能遂行能
力を観測することができる。しかしながら、タンパク質の活性の変化は、既知の
場合であってもまたは測定される場合であっても、上述の本発明の方法により解
析される応答データを形成する。
、本発明の実施形態は、そのような測定に依拠することができる。活性の測定は
、特性付けられる特定の活性に適した任意の機能的、生化学的、または物理的手
段により行うことができる。活性が化学的トランスフォーメーションに関与する
場合、細胞タンパク質を天然の基質に接触させて、トランスフォーメーションの
速度を測定することができる。活性が多量体ユニットの会合、例えば、活性化DN
A結合複合体とDNAとの会合に関与する場合、会合タンパク質の量または会合の二
次的な結果、例えば、転写されたmRNAの量を測定することができる。また、例え
ば、細胞周期制御の場合のように機能的活性だけが既知である場合、機能遂行能
力を観測することができる。しかしながら、タンパク質の活性の変化は、既知の
場合であってもまたは測定される場合であっても、上述の本発明の方法により解
析される応答データを形成する。
【0186】5.4.3.3. 生物学的状態の混合的側面
限定されるものではないが、このほかの実施形態において、細胞の生物学的状
態の混合的側面から応答データを形成することも可能である。応答データは、例
えば、特定のmRNAの存在量の変化、特定のタンパク質の存在量の変化、および特
定のタンパク質の活性の変化の組み合わせから構成することができる。
態の混合的側面から応答データを形成することも可能である。応答データは、例
えば、特定のmRNAの存在量の変化、特定のタンパク質の存在量の変化、および特
定のタンパク質の活性の変化の組み合わせから構成することができる。
【0187】5.5. 標的化摂動(targeted perturbation)法
種々のレベルの細胞での生物学的経路の標的化摂動の方法は、当技術分野にお
いて次第に広く知られるようになり、そして適用されるようになってきている。
特異的細胞構成要素(例えば、遺伝子の発現、RNAの濃度、タンパク質の存在量、
タンパク質の活性など)の特異的標的化および制御可能な改変を行うことのでき
る任意のそのような方法(例えば、段階的増加もしくは活性化を行う方法または
段階的減少もしくは抑制を行う方法)を利用して経路に摂動を加えることができ
る。細胞構成要素に制御可能な改変を行うと、その結果として、改変された細胞
構成要素を起点とする経路に制御可能な摂動が加わる。本発明において、特定の
細胞構成要素を起点とするそのような経路は好ましくは薬物の作用を表すのに用
いられる。好ましい改変方法では、複数の細胞構成要素のそれぞれを、最も好ま
しくはそのような細胞構成要素の実質的断片を個別に標的化することができる。
いて次第に広く知られるようになり、そして適用されるようになってきている。
特異的細胞構成要素(例えば、遺伝子の発現、RNAの濃度、タンパク質の存在量、
タンパク質の活性など)の特異的標的化および制御可能な改変を行うことのでき
る任意のそのような方法(例えば、段階的増加もしくは活性化を行う方法または
段階的減少もしくは抑制を行う方法)を利用して経路に摂動を加えることができ
る。細胞構成要素に制御可能な改変を行うと、その結果として、改変された細胞
構成要素を起点とする経路に制御可能な摂動が加わる。本発明において、特定の
細胞構成要素を起点とするそのような経路は好ましくは薬物の作用を表すのに用
いられる。好ましい改変方法では、複数の細胞構成要素のそれぞれを、最も好ま
しくはそのような細胞構成要素の実質的断片を個別に標的化することができる。
【0188】
以下の方法は、細胞構成要素を改変して、それにより経路に摂動を生じさせる
のに使用可能な方法の具体例である。この場合には、先に記載したような本発明
の方法の段階で使用される経路応答が生成される。本発明は、経路に、特に、経
路の起点となる細胞構成要素に制御可能な摂動を加える他の方法にも適用可能で
ある。
のに使用可能な方法の具体例である。この場合には、先に記載したような本発明
の方法の段階で使用される経路応答が生成される。本発明は、経路に、特に、経
路の起点となる細胞構成要素に制御可能な摂動を加える他の方法にも適用可能で
ある。
【0189】
経路摂動は、好ましくは、ゲノム配列または発現配列の情報が得られかつ特異
的遺伝子の発現の制御可能な改変を可能にする方法が利用できる任意の生物に由
来する細胞タイプの細胞に加えられる。ゲノムの配列決定は、現在、ヒト、線虫
、Arabidopsis、およびハエを含めていくつかの真核生物に対して進行中である
。好ましい実施形態において、本発明は、酵母を用いて行われるが、最も好まし
くはサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)を用いる。なぜ
なら、S. cerevisiae株の全ゲノムの配列が決定されているからである。その上
、year遺伝子の発現を制御可能に改変するための十分に確立した方法が利用でき
る。酵母の好ましい株は、酵母ゲノム配列が周知であるS. cerevisiae株、例え
ば、S288C株またはその実質的に同質遺伝子的な誘導体である(例えば、Dujon et
al., 1994, Nature 369:371-378; Bussey et al., 1995, Proc. Natl. Acad. S
ci. U.S.A. 92:3809-3813; Feldmann et al., 1994, E.M.B.O.J 13:5795-5809;
Johnston et al., 1994, Science 265:2077-2082; Galibert et al., 1996, E.M
.B.O.J 15:2031-2049を参照されたい)。しかしながら、他の株を使用することも
可能である。酵母株は、例えば、American Type Culture Collection, 10801 Un
iversity Boulevard, Manassas, Virginia 20110-2209から入手可能である。酵
母を取り扱う標準的な技法については、C. Kaiser, S. Michaelis, & A. Mitche
ll, 1994, Methods in Yeast Genetics: A Cold Spring Harbor Laboratory Cou
rse Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York; およびSherman
et al., 1986, Methods in Yeast Genetics: A Laboratory Manual, Cold Spri
ng Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New Yorkに記載されている。
的遺伝子の発現の制御可能な改変を可能にする方法が利用できる任意の生物に由
来する細胞タイプの細胞に加えられる。ゲノムの配列決定は、現在、ヒト、線虫
、Arabidopsis、およびハエを含めていくつかの真核生物に対して進行中である
。好ましい実施形態において、本発明は、酵母を用いて行われるが、最も好まし
くはサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)を用いる。なぜ
なら、S. cerevisiae株の全ゲノムの配列が決定されているからである。その上
、year遺伝子の発現を制御可能に改変するための十分に確立した方法が利用でき
る。酵母の好ましい株は、酵母ゲノム配列が周知であるS. cerevisiae株、例え
ば、S288C株またはその実質的に同質遺伝子的な誘導体である(例えば、Dujon et
al., 1994, Nature 369:371-378; Bussey et al., 1995, Proc. Natl. Acad. S
ci. U.S.A. 92:3809-3813; Feldmann et al., 1994, E.M.B.O.J 13:5795-5809;
Johnston et al., 1994, Science 265:2077-2082; Galibert et al., 1996, E.M
.B.O.J 15:2031-2049を参照されたい)。しかしながら、他の株を使用することも
可能である。酵母株は、例えば、American Type Culture Collection, 10801 Un
iversity Boulevard, Manassas, Virginia 20110-2209から入手可能である。酵
母を取り扱う標準的な技法については、C. Kaiser, S. Michaelis, & A. Mitche
ll, 1994, Methods in Yeast Genetics: A Cold Spring Harbor Laboratory Cou
rse Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York; およびSherman
et al., 1986, Methods in Yeast Genetics: A Laboratory Manual, Cold Spri
ng Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New Yorkに記載されている。
【0190】
以下に記載の具体的な方法としては、特異的な既知の作用を有する薬物(また
は一般的には化学的部分)を使用する方法を含めて、力価測定可能な発現系を使
用する方法、トランスフェクション系またはウイルストランスダクション系を使
用する方法、RNAの存在量もしくは活性を直接改変する方法、タンパク質の存在
量を直接改変する方法、およびタンパク質の活性を直接改変する方法が挙げられ
る。
は一般的には化学的部分)を使用する方法を含めて、力価測定可能な発現系を使
用する方法、トランスフェクション系またはウイルストランスダクション系を使
用する方法、RNAの存在量もしくは活性を直接改変する方法、タンパク質の存在
量を直接改変する方法、およびタンパク質の活性を直接改変する方法が挙げられ
る。
【0191】5.5.1. 力価測定可能な発現系
出芽酵母サッカロマイセス・セレビシエにおける使用に利用可能ないくつかの
周知の力価測定可能なまたは同等に制御可能な発現系はいずれも本発明に適用可
能である(Mumberg et al., 1994, Nucl. Acids Res. 22:5767-5768)。通常、遺
伝子発現は、制御対象の遺伝子のプロモーターをその染色体上で制御可能な外因
性プロモーターで置換して転写制御によって制御される。酵母において最も一般
的に使用される制御可能なプロモーターは、GAL1プロモーターである(Johnston
et al., 1984, Mol Cell. Biol. 8:1440-1448)。GAL1プロモーターは、増殖培地
中にグルコースを存在させることによって強く抑制され、そしてグルコースの存
在量を減少させかつガラクトースを存在させることによって次第に切り換えが行
われて段階的に高レベルの発現が行われるようになる。GAL1プロモーターを用い
ると、通常、対象の遺伝子上において5〜100倍の範囲で発現の制御を行うことが
可能である。
周知の力価測定可能なまたは同等に制御可能な発現系はいずれも本発明に適用可
能である(Mumberg et al., 1994, Nucl. Acids Res. 22:5767-5768)。通常、遺
伝子発現は、制御対象の遺伝子のプロモーターをその染色体上で制御可能な外因
性プロモーターで置換して転写制御によって制御される。酵母において最も一般
的に使用される制御可能なプロモーターは、GAL1プロモーターである(Johnston
et al., 1984, Mol Cell. Biol. 8:1440-1448)。GAL1プロモーターは、増殖培地
中にグルコースを存在させることによって強く抑制され、そしてグルコースの存
在量を減少させかつガラクトースを存在させることによって次第に切り換えが行
われて段階的に高レベルの発現が行われるようになる。GAL1プロモーターを用い
ると、通常、対象の遺伝子上において5〜100倍の範囲で発現の制御を行うことが
可能である。
【0192】
他の頻繁に使用されるプロモーター系としては、増殖培地中でメチオニンが欠
如することによって誘発されるMET25プロモーター(Kerjan et al., 1986, Nucl.
Acids. Res. 14:7861-7871)および銅によって誘発されるCUP1プロモーター(Mas
corro-Gallardo et al., 1996, Gene 172:169-170)が挙げられる。これらのプロ
モーター系はいずれも、増殖培地中の制御部分の存在量を増加させることによっ
て遺伝子発現を増大する方向に制御できるという点で、制御可能である。
如することによって誘発されるMET25プロモーター(Kerjan et al., 1986, Nucl.
Acids. Res. 14:7861-7871)および銅によって誘発されるCUP1プロモーター(Mas
corro-Gallardo et al., 1996, Gene 172:169-170)が挙げられる。これらのプロ
モーター系はいずれも、増殖培地中の制御部分の存在量を増加させることによっ
て遺伝子発現を増大する方向に制御できるという点で、制御可能である。
【0193】
以上に列挙した発現系の一つの欠点は、プロモーターの活性の制御を行うと(
例えば、炭素源の変化、特定のアミノ酸の除去により行うと)他の遺伝子の発現
レベルを独立に変化させる細胞生理学上の他の変化が起きる場合が多いという点
である。酵母に対して最近開発された系であるTet系を用いると、この問題はか
なりの程度まで軽減される(Gari et al., 1997, Yeast 13:837-848)。哺乳動物
発現系から取り出されたTetプロモーター(Gossen et al., 1995, Proc. Nat. Ac
ad. Sci. USA 89:5547-5551)は、抗生物質テトラサイクリンまたは構造的関連化
合物ドキシサイクリンの濃度によって調節される。この場合、ドキシサイクリン
の不在下では、プロモーターは高レベルの発現を誘発し、ドキシサイクリンをそ
のレベルが増加するように添加すると、プロモーター活性の抑制が増大される。
薬物を適度なレベルで添加することによって、適度なレベルの遺伝子発現を定常
状態で行うことができる。更に、プロモーター活性の最大発現を与えるドキシサ
イクリンのレベル(10μg/ml)を用いても、野生型酵母細胞に関して増殖速度には
顕著な影響を与えない(Gari et al., 1997, Yeast 13:837-848)。
例えば、炭素源の変化、特定のアミノ酸の除去により行うと)他の遺伝子の発現
レベルを独立に変化させる細胞生理学上の他の変化が起きる場合が多いという点
である。酵母に対して最近開発された系であるTet系を用いると、この問題はか
なりの程度まで軽減される(Gari et al., 1997, Yeast 13:837-848)。哺乳動物
発現系から取り出されたTetプロモーター(Gossen et al., 1995, Proc. Nat. Ac
ad. Sci. USA 89:5547-5551)は、抗生物質テトラサイクリンまたは構造的関連化
合物ドキシサイクリンの濃度によって調節される。この場合、ドキシサイクリン
の不在下では、プロモーターは高レベルの発現を誘発し、ドキシサイクリンをそ
のレベルが増加するように添加すると、プロモーター活性の抑制が増大される。
薬物を適度なレベルで添加することによって、適度なレベルの遺伝子発現を定常
状態で行うことができる。更に、プロモーター活性の最大発現を与えるドキシサ
イクリンのレベル(10μg/ml)を用いても、野生型酵母細胞に関して増殖速度には
顕著な影響を与えない(Gari et al., 1997, Yeast 13:837-848)。
【0194】
哺乳動物細胞において、遺伝子発現の力価を測定するいくつかの手段が利用可
能である(Spencer, 1996, Trends Genet. 12:181-187)。先に述べたように、Tet
系は、ドキシサイクリンの添加により転写が抑制されるその元々の形態の「フォ
ワード」系およびドキシサイクリンの添加により転写が刺激されるより新しい「
リバース」系の両方で広範に使用されている(Gossen et al., 1995, Proc. Natl
. Acad. Sci. USA 89:5547-5551; Hoffmann et al., 1997, Nucl. Acids. Res.
25:1078-1079; Hofmann et al., 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:5185-5
190; Paulus et al., 1996, Journal of Virology 70:62-67)。哺乳動物細胞に
おけるもう一つの一般に使用される制御可能なプロモーター系は、Evansおよび
共同研究者により開発されたエクジソン誘導系(ecdysone-induced system)であ
り(No et al., 1996, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 93:3346-3351)、この場合、
発現は、培養細胞に添加されるムリステロン(muristerone)のレベルによって制
御される。最後に、Schreiber、Crabtree、および共同研究者により開発された
「薬剤誘発二量体化(chemical-induced dimerization)」(CID)系(Belshaw et al
., 1996, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 93: 4604-4607; Spencer, 1996, Trends
Genet. 12:181-187)ならびに酵母における類似の系を用いて発現を調節すること
ができる。この系では、対象の遺伝子は、CID応答プロモーターの制御下に置か
れ、そして2種の異なるハイブリッドタンパク質を発現する細胞にトランスフェ
クトされる。すなわち、一方のハイブリッドタンパク質は、FK506に結合するFKB
P12に融合されたDNA結合ドメインを含み、他方のハイブリッドタンパク質は、同
様にFKBP12に融合された転写活性化ドメインを含む。CID誘発分子は、DNA結合ハ
イブリッドタンパク質と転写活性化ハイブリッドタンパク質の両方に同時に結合
することのできるFK506のホモ二量体FK1012である。FK1012の段階的存在下では
、制御された遺伝子の段階的転写が達成される。
能である(Spencer, 1996, Trends Genet. 12:181-187)。先に述べたように、Tet
系は、ドキシサイクリンの添加により転写が抑制されるその元々の形態の「フォ
ワード」系およびドキシサイクリンの添加により転写が刺激されるより新しい「
リバース」系の両方で広範に使用されている(Gossen et al., 1995, Proc. Natl
. Acad. Sci. USA 89:5547-5551; Hoffmann et al., 1997, Nucl. Acids. Res.
25:1078-1079; Hofmann et al., 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:5185-5
190; Paulus et al., 1996, Journal of Virology 70:62-67)。哺乳動物細胞に
おけるもう一つの一般に使用される制御可能なプロモーター系は、Evansおよび
共同研究者により開発されたエクジソン誘導系(ecdysone-induced system)であ
り(No et al., 1996, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 93:3346-3351)、この場合、
発現は、培養細胞に添加されるムリステロン(muristerone)のレベルによって制
御される。最後に、Schreiber、Crabtree、および共同研究者により開発された
「薬剤誘発二量体化(chemical-induced dimerization)」(CID)系(Belshaw et al
., 1996, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 93: 4604-4607; Spencer, 1996, Trends
Genet. 12:181-187)ならびに酵母における類似の系を用いて発現を調節すること
ができる。この系では、対象の遺伝子は、CID応答プロモーターの制御下に置か
れ、そして2種の異なるハイブリッドタンパク質を発現する細胞にトランスフェ
クトされる。すなわち、一方のハイブリッドタンパク質は、FK506に結合するFKB
P12に融合されたDNA結合ドメインを含み、他方のハイブリッドタンパク質は、同
様にFKBP12に融合された転写活性化ドメインを含む。CID誘発分子は、DNA結合ハ
イブリッドタンパク質と転写活性化ハイブリッドタンパク質の両方に同時に結合
することのできるFK506のホモ二量体FK1012である。FK1012の段階的存在下では
、制御された遺伝子の段階的転写が達成される。
【0195】
先に記載の哺乳動物発現系のそれぞれに対して、当業者に広く知られているよ
うに、対象の遺伝子は、制御可能なプロモーターの制御下に置かれ、そしてこの
構築物を抗生物質耐性遺伝子と一緒に取り込んだプラスミドは、培養哺乳動物細
胞にトランスフェクトされる。一般的には、プラスミドDNAをゲノム中に組み込
み、そして薬物耐性コロニーを選択して、調節遺伝子の適切な発現についてスク
リーニングを行う。このほか、プラスミドの複製に必要なEpstein-Barrウイルス
の成分を含有するpCEP4 (Invitrogen, Inc.)のようなエピソームプラスミドに調
節遺伝子を挿入することもできる。
うに、対象の遺伝子は、制御可能なプロモーターの制御下に置かれ、そしてこの
構築物を抗生物質耐性遺伝子と一緒に取り込んだプラスミドは、培養哺乳動物細
胞にトランスフェクトされる。一般的には、プラスミドDNAをゲノム中に組み込
み、そして薬物耐性コロニーを選択して、調節遺伝子の適切な発現についてスク
リーニングを行う。このほか、プラスミドの複製に必要なEpstein-Barrウイルス
の成分を含有するpCEP4 (Invitrogen, Inc.)のようなエピソームプラスミドに調
節遺伝子を挿入することもできる。
【0196】
好ましい実施形態では、先に記載したような力価測定可能な系を、使用のため
に、対応する内因性の遺伝子および/または遺伝子活性の欠如した細胞または生
物、例えば、内因性遺伝子が破壊または除去されている生物に導入する。そのよ
うな「ノックアウト」を導入する方法は、当業者に周知である。例えば、Pettit
t et al., 1996, Development 122:4149-4157; Spradling et al., 1995, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA, 92:10824-10830; Ramirez-Solis et al., 1993, Metho
ds Enzymol. 225:855-878; およびThomas et al., 1987, Cell 51:503-512を参
照されたい。
に、対応する内因性の遺伝子および/または遺伝子活性の欠如した細胞または生
物、例えば、内因性遺伝子が破壊または除去されている生物に導入する。そのよ
うな「ノックアウト」を導入する方法は、当業者に周知である。例えば、Pettit
t et al., 1996, Development 122:4149-4157; Spradling et al., 1995, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA, 92:10824-10830; Ramirez-Solis et al., 1993, Metho
ds Enzymol. 225:855-878; およびThomas et al., 1987, Cell 51:503-512を参
照されたい。
【0197】5.5.2. 哺乳動物細胞用の転写系
標的遺伝子のトランスフェクションまたはウイルストランスダクションにより
、哺乳動物細胞において生物学的経路に制御可能な摂動を導入することができる
。好ましくは、標的遺伝子のトランスフェクションまたはトランスダクションは
、対象の標的遺伝子を天然で発現しない細胞で使用することができる。そのよう
な非発現細胞は、標的遺伝子を通常の状態で発現しない組織に由来するものであ
ってもよいし、または細胞中で標的遺伝子を特異的に突然変異させてもよい。対
象の標的遺伝子は、多くの哺乳動物発現プラスミド、例えば、pcDNA3.1 +/-系(I
nvitrogen, Inc.)またはレトロウイルスベクターのうちの一つにクローン化し、
そして非発現宿主細胞中に導入することができる。標的遺伝子を発現するトラン
スフェクトまたは形質導入された細胞は、発現ベクターによりコードされた薬物
耐性マーカーについて選択することによって単離することが可能である。遺伝子
の転写レベルは、単調にトランスフェクション量と関係付けられる。このように
して、種々のレベルの標的遺伝子の影響を調べることが可能である。
、哺乳動物細胞において生物学的経路に制御可能な摂動を導入することができる
。好ましくは、標的遺伝子のトランスフェクションまたはトランスダクションは
、対象の標的遺伝子を天然で発現しない細胞で使用することができる。そのよう
な非発現細胞は、標的遺伝子を通常の状態で発現しない組織に由来するものであ
ってもよいし、または細胞中で標的遺伝子を特異的に突然変異させてもよい。対
象の標的遺伝子は、多くの哺乳動物発現プラスミド、例えば、pcDNA3.1 +/-系(I
nvitrogen, Inc.)またはレトロウイルスベクターのうちの一つにクローン化し、
そして非発現宿主細胞中に導入することができる。標的遺伝子を発現するトラン
スフェクトまたは形質導入された細胞は、発現ベクターによりコードされた薬物
耐性マーカーについて選択することによって単離することが可能である。遺伝子
の転写レベルは、単調にトランスフェクション量と関係付けられる。このように
して、種々のレベルの標的遺伝子の影響を調べることが可能である。
【0198】
この方法を使用する特定の例は、T細胞受容体活性化経路の中心的な成分であ
るsrc-ファミリータンパク質チロシンキナーゼlckを標的とする薬物の探索であ
る(Anderson et al., 1994, Adv. Immunol. 56:171-178)。この酵素の阻害剤は
、可能性のある免疫抑制薬物として興味深い(Hanke JH, 1996, J. Biol Chem 27
1 (2):695-701)。lckキナーゼを発現しないJurkat T細胞系の特異的突然変異体(
JcaM1)は入手可能である(Straus et al., 1992, Cell 70:585-593)。従って、ト
ランスフェクションまたはトランスダクションによりlck遺伝子をJCaM1に導入す
ることにより、lckキナーゼにより調節されるT細胞活性化の経路に対して特異的
な摂動を加えることが可能になる。トランスフェクションまたはトランスダクシ
ョンの効率、従って、摂動のレベルは、用量依存的である。この方法は、一般的
には、摂動の対象となる遺伝子を通常の状態では発現しない細胞における遺伝子
発現またはタンパク質存在量の摂動を生じさせるのに有用である。
るsrc-ファミリータンパク質チロシンキナーゼlckを標的とする薬物の探索であ
る(Anderson et al., 1994, Adv. Immunol. 56:171-178)。この酵素の阻害剤は
、可能性のある免疫抑制薬物として興味深い(Hanke JH, 1996, J. Biol Chem 27
1 (2):695-701)。lckキナーゼを発現しないJurkat T細胞系の特異的突然変異体(
JcaM1)は入手可能である(Straus et al., 1992, Cell 70:585-593)。従って、ト
ランスフェクションまたはトランスダクションによりlck遺伝子をJCaM1に導入す
ることにより、lckキナーゼにより調節されるT細胞活性化の経路に対して特異的
な摂動を加えることが可能になる。トランスフェクションまたはトランスダクシ
ョンの効率、従って、摂動のレベルは、用量依存的である。この方法は、一般的
には、摂動の対象となる遺伝子を通常の状態では発現しない細胞における遺伝子
発現またはタンパク質存在量の摂動を生じさせるのに有用である。
【0199】5.5.3. 存在量または活性を改変する方法
RNAの存在量および活性を改変する方法は、現在のところ、三つのクラス、す
なわち、リボザイム、アンチセンス種、およびRNAアプタマーの範囲内で行われ
ている(Good et al., 1997, Gene Therapy 4:45-54)。これらの因子に細胞を制
御可能に適用または暴露することにより、RNAの存在量に制御可能な摂動を加え
ることができる。
なわち、リボザイム、アンチセンス種、およびRNAアプタマーの範囲内で行われ
ている(Good et al., 1997, Gene Therapy 4:45-54)。これらの因子に細胞を制
御可能に適用または暴露することにより、RNAの存在量に制御可能な摂動を加え
ることができる。
【0200】
リボザイムとは、RNA開裂反応を触媒することのできるRNAである。(Cech, 198
7, Science 236:1532-1539; 1990年10月4日公開のPCT国際公開第WO 90/11364号;
Sarver et al., 1990, Science 247:1222-1225)。特定の標的mRNAを特異的に開
裂させるように、「ヘアピン」および「ハンマーヘッド」RNAリボザイムを設計
することができる。高度に配列特異的な方法で他のRNA分子を開裂させることが
可能でありかつ実質的にすべての種類のRNAを標的とすることができるリボザイ
ム活性を有する短いRNA分子を設計する規則が確立されている。(Haseloff et al
., 1988, Nature 334:585-591; Koizumi et al., 1988, FEBS Lett. 228:228-23
0; Koizumi et al., 1988, FEBS Lett. 239:285-288)。リボザイム法には、その
ような小さなRNAリボザイム分子に細胞を暴露すること、細胞中で発現を誘発す
ることが含まれる。(Grassi and Marini, 1996, Annals of Medicine 28:499-51
0; Gibson, 1996, Cancer and Metastasis Reviews 15:287-299)。
7, Science 236:1532-1539; 1990年10月4日公開のPCT国際公開第WO 90/11364号;
Sarver et al., 1990, Science 247:1222-1225)。特定の標的mRNAを特異的に開
裂させるように、「ヘアピン」および「ハンマーヘッド」RNAリボザイムを設計
することができる。高度に配列特異的な方法で他のRNA分子を開裂させることが
可能でありかつ実質的にすべての種類のRNAを標的とすることができるリボザイ
ム活性を有する短いRNA分子を設計する規則が確立されている。(Haseloff et al
., 1988, Nature 334:585-591; Koizumi et al., 1988, FEBS Lett. 228:228-23
0; Koizumi et al., 1988, FEBS Lett. 239:285-288)。リボザイム法には、その
ような小さなRNAリボザイム分子に細胞を暴露すること、細胞中で発現を誘発す
ることが含まれる。(Grassi and Marini, 1996, Annals of Medicine 28:499-51
0; Gibson, 1996, Cancer and Metastasis Reviews 15:287-299)。
【0201】
mRNAを開裂させるのに触媒として有効である十分な数のリボザイムを慣用的に
in vivoで発現させることにより、細胞中のmRNAの存在量を改変することができ
る。(Cotten et al., 1989, EMBO J 8:3861-3866)。特に、リボザイムをコード
するDNA配列を、例えば、標準的なアミド亜リン酸化学により先の規則に従って
設計および合成して、tRNAをコードする遺伝子のアンチコドンステムおよびルー
プ中の制限酵素部位にリゲートし、次に、当技術分野の慣用的な方法で対象の細
胞にトランスフォームして発現させることができる。好ましくは、リボザイムの
発現を選択的に制御できるように、この構築物に誘導性プロモーター(例えば、
グルココルチコイドまたはテトラサイクリン応答エレメント)をも導入する。tDN
A遺伝子(すなわち、tRNAをコードする遺伝子)は本出願に有用である。なぜなら
、それらはサイズが小さく、転写速度が速く、しかも様々な種類の組織中で遍在
的に発現されるからである。従って、実質的に任意のmRNA配列を開裂させるよう
にリボザイムを慣用的に設計することができ、更に、制御可能なかつ触媒として
有効な量のリボザイムが発現されるように、そのようなリボザイム配列をコード
するDNAで細胞を慣用的にトランスフォームすることができる。
in vivoで発現させることにより、細胞中のmRNAの存在量を改変することができ
る。(Cotten et al., 1989, EMBO J 8:3861-3866)。特に、リボザイムをコード
するDNA配列を、例えば、標準的なアミド亜リン酸化学により先の規則に従って
設計および合成して、tRNAをコードする遺伝子のアンチコドンステムおよびルー
プ中の制限酵素部位にリゲートし、次に、当技術分野の慣用的な方法で対象の細
胞にトランスフォームして発現させることができる。好ましくは、リボザイムの
発現を選択的に制御できるように、この構築物に誘導性プロモーター(例えば、
グルココルチコイドまたはテトラサイクリン応答エレメント)をも導入する。tDN
A遺伝子(すなわち、tRNAをコードする遺伝子)は本出願に有用である。なぜなら
、それらはサイズが小さく、転写速度が速く、しかも様々な種類の組織中で遍在
的に発現されるからである。従って、実質的に任意のmRNA配列を開裂させるよう
にリボザイムを慣用的に設計することができ、更に、制御可能なかつ触媒として
有効な量のリボザイムが発現されるように、そのようなリボザイム配列をコード
するDNAで細胞を慣用的にトランスフォームすることができる。
【0202】
もう一つの実施形態では、標的RNA(好ましくはmRNA)種の活性、特に、その翻
訳速度は、アンチセンス核酸の制御可能な適用によって制御可能に抑制すること
ができる。本明細書中で使用する「アンチセンス」核酸とは、コード領域および
/または非コード領域に対するいくらかの配列相補性により、標的RNAの配列特
異的(例えば、非ポリA)部分、例えば、その翻訳開始領域にハイブリダイズする
ことのできる核酸を意味する。本発明のアンチセンス核酸は、二本鎖もしくは一
本鎖のRNAまたはDNAあるいはそれらの改変体または誘導体であるオリゴヌクレオ
チドであってよく、このオリゴヌクレオチドは、制御可能な方法で細胞に直接適
用することができるか、または標的RNAの転写に摂動を加えるのに制御可能な十
分な量で外因性導入配列の転写を行うことによって細胞内で産生することができ
る。
訳速度は、アンチセンス核酸の制御可能な適用によって制御可能に抑制すること
ができる。本明細書中で使用する「アンチセンス」核酸とは、コード領域および
/または非コード領域に対するいくらかの配列相補性により、標的RNAの配列特
異的(例えば、非ポリA)部分、例えば、その翻訳開始領域にハイブリダイズする
ことのできる核酸を意味する。本発明のアンチセンス核酸は、二本鎖もしくは一
本鎖のRNAまたはDNAあるいはそれらの改変体または誘導体であるオリゴヌクレオ
チドであってよく、このオリゴヌクレオチドは、制御可能な方法で細胞に直接適
用することができるか、または標的RNAの転写に摂動を加えるのに制御可能な十
分な量で外因性導入配列の転写を行うことによって細胞内で産生することができ
る。
【0203】
好ましくは、アンチセンス核酸は、少なくとも6ヌクレオチドであり、好まし
くはオリゴヌクレオチド(6〜約200オリゴヌクレオチドの範囲)である。特定の態
様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10ヌクレオチド、少なくとも15
ヌクレオチド、少なくとも100ヌクレオチド、または少なくとも200ヌクレオチド
である。オリゴヌクレオチドは、DNAもしくはRNAまたはキメラ混合物あるいはそ
れらの誘導体または改変体であってよく、一本鎖であっても二本鎖であつてもよ
い。オリゴヌクレオチドは、塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格において改変
を加えることができる。オリゴヌクレオチドには、ペプチド、または細胞膜を横
切る輸送を容易にする薬剤(例えば、Letsinger et al., 1989, Proc. Natl. Aca
d. Sci. U.S.A. 86:6553-6556; Lemaitre et al., 1987, Proc. Natl. Acad. Sc
i. U.S.A. 84: 648-652; 1988年12月15日公開のPCT公開第WO 88/09810号を参照
されたい)、ハイブリダイゼーションによりトリガーされる開裂剤(例えば、Krol
et al., 1988, BioTechniques 6:958-976を参照されたい)、あるいはインター
カレート剤(例えば、Zon, 1988, Pharm. Res. 5: 539-549を参照されたい)のよ
うな他の追加基が含まれていてもよい。
くはオリゴヌクレオチド(6〜約200オリゴヌクレオチドの範囲)である。特定の態
様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10ヌクレオチド、少なくとも15
ヌクレオチド、少なくとも100ヌクレオチド、または少なくとも200ヌクレオチド
である。オリゴヌクレオチドは、DNAもしくはRNAまたはキメラ混合物あるいはそ
れらの誘導体または改変体であってよく、一本鎖であっても二本鎖であつてもよ
い。オリゴヌクレオチドは、塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格において改変
を加えることができる。オリゴヌクレオチドには、ペプチド、または細胞膜を横
切る輸送を容易にする薬剤(例えば、Letsinger et al., 1989, Proc. Natl. Aca
d. Sci. U.S.A. 86:6553-6556; Lemaitre et al., 1987, Proc. Natl. Acad. Sc
i. U.S.A. 84: 648-652; 1988年12月15日公開のPCT公開第WO 88/09810号を参照
されたい)、ハイブリダイゼーションによりトリガーされる開裂剤(例えば、Krol
et al., 1988, BioTechniques 6:958-976を参照されたい)、あるいはインター
カレート剤(例えば、Zon, 1988, Pharm. Res. 5: 539-549を参照されたい)のよ
うな他の追加基が含まれていてもよい。
【0204】
本発明の好ましい態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、好まし
くは、一本鎖DNAとして提供される。オリゴヌクレオチドは、当技術分野で広く
知られている構成要素を用いてその構造上の任意の位置で改変を加えることが可
能である。
くは、一本鎖DNAとして提供される。オリゴヌクレオチドは、当技術分野で広く
知られている構成要素を用いてその構造上の任意の位置で改変を加えることが可
能である。
【0205】
アンチセンスオリゴヌクレオチドには、限定されるものではないが、5-フルオ
ロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキ
サンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチ
ル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシ
メチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオ
シン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイ
ノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチ
ルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルア
ミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシ
ルキューオシン、5'-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル
、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイ
ブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシ
ン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウ
ラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5
-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(
acp3)w、および2,6-ジアミノプリンからなる群より選択された少なくとも1種の
改変塩基部分が含まれていてもよい。
ロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキ
サンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチ
ル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシ
メチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオ
シン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイ
ノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチ
ルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルア
ミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシ
ルキューオシン、5'-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル
、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイ
ブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシ
ン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウ
ラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5
-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(
acp3)w、および2,6-ジアミノプリンからなる群より選択された少なくとも1種の
改変塩基部分が含まれていてもよい。
【0206】
もう一つの実施形態において、オリゴヌクレオチドには、限定されるものでは
ないが、アラビノース、2-フルオロアラビノース、キシルロース、およびヘキソ
ースからなる群より選択された少なくとも1種の改変糖部分が含まれている。
ないが、アラビノース、2-フルオロアラビノース、キシルロース、およびヘキソ
ースからなる群より選択された少なくとも1種の改変糖部分が含まれている。
【0207】
更にもう一つの実施形態において、オリゴヌクレオチドには、ホスホロチオエ
ート、ホスホロジチオエート、ホスホルアミドチオエート、ホスホルアミデート
、ホスホルジアミデート、メチルホスホネート、アルキルホスホトリエステル、
およびホルムアセタール及びその類似体からなる群より選択された少なくとも1
種の改変リン酸骨格が含まれている。
ート、ホスホロジチオエート、ホスホルアミドチオエート、ホスホルアミデート
、ホスホルジアミデート、メチルホスホネート、アルキルホスホトリエステル、
およびホルムアセタール及びその類似体からなる群より選択された少なくとも1
種の改変リン酸骨格が含まれている。
【0208】
更にもう一つの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、2-α-アノマーオ
リゴヌクレオチドである。α-アノマーオリゴヌクレオチドは、相補的RNAと一緒
になって特異的な二本鎖ハイブリッドを形成する。このハイブリッドは、通常の
βユニットとは対照的に、鎖が互いに平行に延びている(Gautier et al., 1987, Nucl. Acids Res. 15:6625-6641)。
リゴヌクレオチドである。α-アノマーオリゴヌクレオチドは、相補的RNAと一緒
になって特異的な二本鎖ハイブリッドを形成する。このハイブリッドは、通常の
βユニットとは対照的に、鎖が互いに平行に延びている(Gautier et al., 1987, Nucl. Acids Res. 15:6625-6641)。
【0209】
オリゴヌクレオチドは、もう一つの分子、例えば、ペプチド、ハイブリダイゼ
ーションによりトリガーされる架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーションにより
トリガーされる開裂剤などにコンジュゲートされていてもよい。
ーションによりトリガーされる架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーションにより
トリガーされる開裂剤などにコンジュゲートされていてもよい。
【0210】
本発明のアンチセンス核酸には、標的RNA種の少なくとも一部分に相補的な配
列が含まれている。しかしながら、絶対的な相補性が好ましいが、それが必要な
訳ではない。本明細書中で参照される「RNAの少なくとも一部分に相補的な」配
列とは、RNAとハイブリダイズして安定な二本鎖を形成することができるように
するのに十分な相補性を有する配列を意味し、二本鎖アンチセンス核酸の場合、
二本鎖DNAのうちの一本の鎖を試験してもよいし、または三本鎖の形成を測定し
てもよい。ハイブリダイズする能力は、相補性の度合いおよびアンチセンス核酸
の長さに依存するであろう。一般的には、ハイブリダイズする核酸が長いほど、
標的RNAとの塩基ミスマッチを多く含み、依然として安定な二本鎖(または場合に
より三本鎖)を形成することが可能である。当業者は、ハイブリダイズされた複
合体の融点を測定する標準的な手順を用いて、ミスマッチの許容度を確認するこ
とができる。標的RNAの翻訳を抑制するのに有効なアンチセンス核酸の量は、標
準的なアッセイ法により決定することができる。
列が含まれている。しかしながら、絶対的な相補性が好ましいが、それが必要な
訳ではない。本明細書中で参照される「RNAの少なくとも一部分に相補的な」配
列とは、RNAとハイブリダイズして安定な二本鎖を形成することができるように
するのに十分な相補性を有する配列を意味し、二本鎖アンチセンス核酸の場合、
二本鎖DNAのうちの一本の鎖を試験してもよいし、または三本鎖の形成を測定し
てもよい。ハイブリダイズする能力は、相補性の度合いおよびアンチセンス核酸
の長さに依存するであろう。一般的には、ハイブリダイズする核酸が長いほど、
標的RNAとの塩基ミスマッチを多く含み、依然として安定な二本鎖(または場合に
より三本鎖)を形成することが可能である。当業者は、ハイブリダイズされた複
合体の融点を測定する標準的な手順を用いて、ミスマッチの許容度を確認するこ
とができる。標的RNAの翻訳を抑制するのに有効なアンチセンス核酸の量は、標
準的なアッセイ法により決定することができる。
【0211】
本発明のオリゴヌクレオチドは、当技術分野で周知の標準的な方法により、例
えば、自動DNA合成装置(例えば、Biosearch、Applied Biosystemsなどから入手
可能な装置など)を用いて合成することが可能である。例として、ホスホロチオ
エートオリゴヌクレオチドは、Steinらの方法により合成することが可能であり(
1988, Nucl. Acids Res. 16:3209)、メチルホスホネートオリゴヌクレオチドは
、制御された細孔ガラスポリマー担体などを用いて調製することができる(Sarin
et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. US. A. 85:7448-7451)。もう一つの実
施形態において、オリゴヌクレオチドは、2'-0-メチルリボヌクレオチド(Inoue
et al., 1987, Nucl. Acids Res. 15: 6131-6148)またはキメラRNA-DNA類似体(I
noue et al., 1987, FEBS Lett. 215:327-330)である。
えば、自動DNA合成装置(例えば、Biosearch、Applied Biosystemsなどから入手
可能な装置など)を用いて合成することが可能である。例として、ホスホロチオ
エートオリゴヌクレオチドは、Steinらの方法により合成することが可能であり(
1988, Nucl. Acids Res. 16:3209)、メチルホスホネートオリゴヌクレオチドは
、制御された細孔ガラスポリマー担体などを用いて調製することができる(Sarin
et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. US. A. 85:7448-7451)。もう一つの実
施形態において、オリゴヌクレオチドは、2'-0-メチルリボヌクレオチド(Inoue
et al., 1987, Nucl. Acids Res. 15: 6131-6148)またはキメラRNA-DNA類似体(I
noue et al., 1987, FEBS Lett. 215:327-330)である。
【0212】
合成されたアンチセンスオリゴヌクレオチドは、次に、制御された方法で細胞
に投与することができる。例えば、細胞によりアンチセンスヌクレオチドが取り
込まれうる増殖環境中に制御されたレベルでアンチセンスオリゴヌクレオチドを
配置することができる。当技術分野で周知の方法を用いてアンチセンスオリゴヌ
クレオチドの取り込みを助長することができる。
に投与することができる。例えば、細胞によりアンチセンスヌクレオチドが取り
込まれうる増殖環境中に制御されたレベルでアンチセンスオリゴヌクレオチドを
配置することができる。当技術分野で周知の方法を用いてアンチセンスオリゴヌ
クレオチドの取り込みを助長することができる。
【0213】
このほかの実施形態において、本発明のアンチセンス核酸は、外因性配列から
の転写により細胞内で制御可能に発現される。例えば、細胞により取り込まれる
ように、ベクターをin vivoに導入することができる。この細胞内では、ベクタ
ーまたはその一部分が転写され、本発明のアンチセンス核酸(RNA)が産生される
。そのようなベクターには、アンチセンス核酸をコードする配列が含まれている
であろう。そのようなベクターは、転写されて所望のアンチセンスRNAを産生す
るかぎり、エピソーム的に保持してもよいし、または染色体に組み入れてもよい
。そのようなベクターは、当技術分野の標準的な組換えDNA技法により構築する
ことができる。ベクターは、プラスミド、ウイルス、または哺乳動物細胞中での
複製および発現に用いられる当技術分野で周知の他のものでにあってよい。アン
チセンスRNAをコードする配列の発現は、対象の細胞中で機能する当技術分野で
周知の任意のプロモーターにより行うことができる。そのようなプロモーターは
、誘導的または構成的であってよい。最も好ましくは、アンチセンスオリゴヌク
レオチドの制御された発現を行うために、プロモーターは、外因性部分を投与す
ることによって制御可能または誘導可能である。そのような制御可能なプロモー
ターとしては、Tetプロモーターが挙げられる。それほど好ましいものではない
が、哺乳動物細胞に有用なプロモーターとしては、SV40初期プロモーター領域 (
Bernoist and Chambon, 1981, Nature 290: 304-310)、ラウス肉腫ウイルスの3
’長末端反復に含まれるプロモーター(Yamamoto et al., 1980, Cell 22: 787-7
97)、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagner et al., 1981, Proc. Nat
l. Acad. Sci. U.S.A. 78:1441 1445)、メタロチオネイン遺伝子の調節配列(Bri
nster et al., 1982, Nature 296: 39-42)等が挙げられる。ただし、これらに限
定されるものではない。
の転写により細胞内で制御可能に発現される。例えば、細胞により取り込まれる
ように、ベクターをin vivoに導入することができる。この細胞内では、ベクタ
ーまたはその一部分が転写され、本発明のアンチセンス核酸(RNA)が産生される
。そのようなベクターには、アンチセンス核酸をコードする配列が含まれている
であろう。そのようなベクターは、転写されて所望のアンチセンスRNAを産生す
るかぎり、エピソーム的に保持してもよいし、または染色体に組み入れてもよい
。そのようなベクターは、当技術分野の標準的な組換えDNA技法により構築する
ことができる。ベクターは、プラスミド、ウイルス、または哺乳動物細胞中での
複製および発現に用いられる当技術分野で周知の他のものでにあってよい。アン
チセンスRNAをコードする配列の発現は、対象の細胞中で機能する当技術分野で
周知の任意のプロモーターにより行うことができる。そのようなプロモーターは
、誘導的または構成的であってよい。最も好ましくは、アンチセンスオリゴヌク
レオチドの制御された発現を行うために、プロモーターは、外因性部分を投与す
ることによって制御可能または誘導可能である。そのような制御可能なプロモー
ターとしては、Tetプロモーターが挙げられる。それほど好ましいものではない
が、哺乳動物細胞に有用なプロモーターとしては、SV40初期プロモーター領域 (
Bernoist and Chambon, 1981, Nature 290: 304-310)、ラウス肉腫ウイルスの3
’長末端反復に含まれるプロモーター(Yamamoto et al., 1980, Cell 22: 787-7
97)、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagner et al., 1981, Proc. Nat
l. Acad. Sci. U.S.A. 78:1441 1445)、メタロチオネイン遺伝子の調節配列(Bri
nster et al., 1982, Nature 296: 39-42)等が挙げられる。ただし、これらに限
定されるものではない。
【0214】
従って、実質的に任意のmRNA配列を標的としてアンチセンス核酸を慣用的に設
計することができ、そして有効かつ制御可能な量のアンチセンス核酸が発現され
るように、そのようなアンチセンス配列をコードする核酸を細胞に慣用的にトラ
ンスフォームするかまたは細胞を該核酸に暴露することができる。かくして、実
質的に細胞中の任意のRNA種の翻訳に対して制御可能な摂動を加えることができ
る。
計することができ、そして有効かつ制御可能な量のアンチセンス核酸が発現され
るように、そのようなアンチセンス配列をコードする核酸を細胞に慣用的にトラ
ンスフォームするかまたは細胞を該核酸に暴露することができる。かくして、実
質的に細胞中の任意のRNA種の翻訳に対して制御可能な摂動を加えることができ
る。
【0215】
最後に、更なる実施形態において、RNAアプタマーを細胞に導入するかまたは
細胞中で発現することができる。RNAアプタマーとは、タンパク質に特異的なRNA
リガンド、例えば、それらの翻訳を特異的に抑制することのできるTatおよびRev
RNA (Good et al., 1997, Gene Therapy 4:45-54)である。
細胞中で発現することができる。RNAアプタマーとは、タンパク質に特異的なRNA
リガンド、例えば、それらの翻訳を特異的に抑制することのできるTatおよびRev
RNA (Good et al., 1997, Gene Therapy 4:45-54)である。
【0216】5.5.4. タンパク質の存在量を改変する方法
タンパク質の存在量を改変する方法としては、例えば、タンパク質の分解速度
を改変する方法および抗体(これはタンパク質に結合して天然の標的タンパク質
種の存在量または活性に影響を及ぼす)を用いる方法が挙げられる。タンパク質
種の分解速度を増大(低下)させると、その種の存在量が低下(増大)する。昇温お
よび/または特定の薬物への暴露に応じて標的タンパク質の分解速度を制御可能
に増大させる当技術分野で周知の方法を本発明に利用することができる。例えば
、そのような方法の一つでは、熱誘導性または薬物誘導性N末端デグロン(degron
)が利用される。このデグロンは、N末端タンパク質断片であり、より高い温度(
例えば、37℃)では迅速なタンパク質の分解を促進するように分解シグナルを露
呈し、より低い温度(例えば、23℃)では迅速な分解を防止するように隠蔽される
(Dohmen et al., 1994, Science 263:1273-1276)。そのようなデグロンの具体例
は、N末端ValがArgで置換されかつ66位のProがLeuで置換されているマウスジヒ
ドロ葉酸レダクターゼの変異体Arg-DHFRtsである。この方法によれば、例えば、
標的タンパク質Pに対する遺伝子が、当技術分野で周知の標準的な遺伝子ターゲ
ッティング法(Lodish et al., 1995, Molecular Biology of the Cell, Chpt. 8
, New York: W. H. Freeman and Co.)により、融合タンパク質Ub-Arg-DHFRts-P
(「Ub」はユビキチンを表す)をコードする遺伝子で置換される。N末端ユビキチ
ンは、翻訳後、迅速に開裂されて、N末端デグロンを露呈する。より低い温度で
は、Arg-DHFRtsよりも内部にあるリシンは露呈されず、融合タンパク質のユビキ
チン化は起こらず、分解は遅く、そして活性標的タンパク質レベルは高い。より
高い温度では(メトトレキセートの不在下)、Arg-DHFRtsよりも内部にあるリシン
は露呈され、融合タンパク質のユビキチン化が起こり、分解は速く、そして活性
標的タンパク質レベルは低い。分解の熱活性化は、メトトレキセート暴露によっ
て制御可能に阻害される。この方法は、他のN末端デグロンに適用可能であり、
薬物や温度変化のような他の誘導性因子に敏感である。
を改変する方法および抗体(これはタンパク質に結合して天然の標的タンパク質
種の存在量または活性に影響を及ぼす)を用いる方法が挙げられる。タンパク質
種の分解速度を増大(低下)させると、その種の存在量が低下(増大)する。昇温お
よび/または特定の薬物への暴露に応じて標的タンパク質の分解速度を制御可能
に増大させる当技術分野で周知の方法を本発明に利用することができる。例えば
、そのような方法の一つでは、熱誘導性または薬物誘導性N末端デグロン(degron
)が利用される。このデグロンは、N末端タンパク質断片であり、より高い温度(
例えば、37℃)では迅速なタンパク質の分解を促進するように分解シグナルを露
呈し、より低い温度(例えば、23℃)では迅速な分解を防止するように隠蔽される
(Dohmen et al., 1994, Science 263:1273-1276)。そのようなデグロンの具体例
は、N末端ValがArgで置換されかつ66位のProがLeuで置換されているマウスジヒ
ドロ葉酸レダクターゼの変異体Arg-DHFRtsである。この方法によれば、例えば、
標的タンパク質Pに対する遺伝子が、当技術分野で周知の標準的な遺伝子ターゲ
ッティング法(Lodish et al., 1995, Molecular Biology of the Cell, Chpt. 8
, New York: W. H. Freeman and Co.)により、融合タンパク質Ub-Arg-DHFRts-P
(「Ub」はユビキチンを表す)をコードする遺伝子で置換される。N末端ユビキチ
ンは、翻訳後、迅速に開裂されて、N末端デグロンを露呈する。より低い温度で
は、Arg-DHFRtsよりも内部にあるリシンは露呈されず、融合タンパク質のユビキ
チン化は起こらず、分解は遅く、そして活性標的タンパク質レベルは高い。より
高い温度では(メトトレキセートの不在下)、Arg-DHFRtsよりも内部にあるリシン
は露呈され、融合タンパク質のユビキチン化が起こり、分解は速く、そして活性
標的タンパク質レベルは低い。分解の熱活性化は、メトトレキセート暴露によっ
て制御可能に阻害される。この方法は、他のN末端デグロンに適用可能であり、
薬物や温度変化のような他の誘導性因子に敏感である。
【0217】
標的タンパク質の存在量および直接的にまたは間接的にそれらの活性は、(中
和)抗体により低下させることもできる。そのような抗体への制御された暴露を
行うことにより、タンパク質の存在量/活性を制御可能に改変することができる
。例えば、タンパク質表面上の好適なエピトープに対する抗体は、活性体と凝集
して野生型非凝集体と比べて少ないかまたは最小の活性を有する複合体を形成す
ることによって、標的タンパク質の野生型活性体の存在量を低下させ、それによ
り間接的に活性を低下させることが可能である。このほか、抗体は、例えば、活
性部位と直接相互作用することによって、または活性部位への基質の接近を阻害
することによって、タンパク質の活性を直接低下させることが可能である。それ
とは反対に、ある場合には、(活性化)抗体は、タンパク質およびその活性部位と
相互作用して得られる活性を増大させることも可能である。いずれの場合におい
ても、(後述の方法により)特定のタンパク質種に対して (後述の種々のタイプの
) 抗体を形成してそれらの効果をスクリーニングすることができる。抗体の効果
を測定し、標的タンパク質種の濃度および/または活性を増大または低下させる
好適な抗体を選択することができる。そのようなアッセイには、抗体を細胞中に
導入すること(下記参照)および当技術分野で周知の標準的な手段(例えば、イ
ムノアッセイ)により標的タンパク質の野生型の量または活性の大きさを測定す
ることが含まれる。野生型体の正味の活性は、標的タンパク質の既知の活性に適
したアッセイ手段により測定することができる。
和)抗体により低下させることもできる。そのような抗体への制御された暴露を
行うことにより、タンパク質の存在量/活性を制御可能に改変することができる
。例えば、タンパク質表面上の好適なエピトープに対する抗体は、活性体と凝集
して野生型非凝集体と比べて少ないかまたは最小の活性を有する複合体を形成す
ることによって、標的タンパク質の野生型活性体の存在量を低下させ、それによ
り間接的に活性を低下させることが可能である。このほか、抗体は、例えば、活
性部位と直接相互作用することによって、または活性部位への基質の接近を阻害
することによって、タンパク質の活性を直接低下させることが可能である。それ
とは反対に、ある場合には、(活性化)抗体は、タンパク質およびその活性部位と
相互作用して得られる活性を増大させることも可能である。いずれの場合におい
ても、(後述の方法により)特定のタンパク質種に対して (後述の種々のタイプの
) 抗体を形成してそれらの効果をスクリーニングすることができる。抗体の効果
を測定し、標的タンパク質種の濃度および/または活性を増大または低下させる
好適な抗体を選択することができる。そのようなアッセイには、抗体を細胞中に
導入すること(下記参照)および当技術分野で周知の標準的な手段(例えば、イ
ムノアッセイ)により標的タンパク質の野生型の量または活性の大きさを測定す
ることが含まれる。野生型体の正味の活性は、標的タンパク質の既知の活性に適
したアッセイ手段により測定することができる。
【0218】
抗体は、例えば、抗体を細胞中に微量注入すること(Morgan et al., 1988, Im
munology Today 9:84-86)または所望の抗体をコードするハイブリドーマmRNAを
細胞中にトランスフォームすること(Burke et al., 1984, Cell 36:847-858)を
含めて、多くの方式で抗体を細胞に導入することができる。更なる技法において
は、組換え抗体を工学的に設計して多種多様な非リンパ細胞系中で発現させ、標
的タンパク質への結合および標的タンパク質の活性の阻害を行うことができる(B
iocca et al., 1995, Trends in Cell Biology 5:248-252)。好ましくは、抗体
の発現は、Tetプロモーターのような制御可能なプロモーターの制御下で行われ
る。第一のステップは、標的タンパク質に対して適切な特異性を有する特定のモ
ノクロナール抗体を選択することである(以下を参照されたい)。次に、選択され
た抗体の可変領域をコードする配列をクローン化して、例えば、全抗体、Fabフ
ラグメント、Fvフラグメント、一本鎖Fvフラグメント(ペプチドリンカーにより
連結されたVHおよびVL領域) (「ScFv」フラグメント)、ジアボディー(異なる特
異性を有する2種の会合ScFvフラグメント)などを含む、様々な工学的抗体形式(f
ormats)を生成する(Hayden et al., 1997, Current Opinion in Immunology 9:2
10-212)。種々の形式の細胞内発現抗体は、種々の既知の細胞内リーダー配列と
の融合物として発現することによって、細胞コンパートメント(例えば、細胞質
、核、ミトコンドリアなど)中にターゲッティングすることができる(Bradbury e
t al., 1995, Antibody Engineering, vol. 2, Borrebaeck ed., IRL Press, pp
295-361)。特に、ScFv形式は細胞質ターゲッティングに特に好適である。
munology Today 9:84-86)または所望の抗体をコードするハイブリドーマmRNAを
細胞中にトランスフォームすること(Burke et al., 1984, Cell 36:847-858)を
含めて、多くの方式で抗体を細胞に導入することができる。更なる技法において
は、組換え抗体を工学的に設計して多種多様な非リンパ細胞系中で発現させ、標
的タンパク質への結合および標的タンパク質の活性の阻害を行うことができる(B
iocca et al., 1995, Trends in Cell Biology 5:248-252)。好ましくは、抗体
の発現は、Tetプロモーターのような制御可能なプロモーターの制御下で行われ
る。第一のステップは、標的タンパク質に対して適切な特異性を有する特定のモ
ノクロナール抗体を選択することである(以下を参照されたい)。次に、選択され
た抗体の可変領域をコードする配列をクローン化して、例えば、全抗体、Fabフ
ラグメント、Fvフラグメント、一本鎖Fvフラグメント(ペプチドリンカーにより
連結されたVHおよびVL領域) (「ScFv」フラグメント)、ジアボディー(異なる特
異性を有する2種の会合ScFvフラグメント)などを含む、様々な工学的抗体形式(f
ormats)を生成する(Hayden et al., 1997, Current Opinion in Immunology 9:2
10-212)。種々の形式の細胞内発現抗体は、種々の既知の細胞内リーダー配列と
の融合物として発現することによって、細胞コンパートメント(例えば、細胞質
、核、ミトコンドリアなど)中にターゲッティングすることができる(Bradbury e
t al., 1995, Antibody Engineering, vol. 2, Borrebaeck ed., IRL Press, pp
295-361)。特に、ScFv形式は細胞質ターゲッティングに特に好適である。
【0219】
抗体タイプとしては、ポリクロナール、モノクロナール、キメラ、一本鎖、Fa
bフラグメント、およびFab発現ライブラリーが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。当技術分野で周知の種々の手順を用いて標的タンパク質に対す
るポリクロナール抗体の産生を行うことが可能である。抗体の産生を行うために
、標的タンパク質を注入することによって種々の宿主動物を免疫化することがで
きる。このような宿主動物としては、ウサギ、マウス、ラットなどが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。宿主種にもよるが、免疫学的応答を増大
させるために、種々のアジュバントを使用することができ、フロイント(完全お
よび不完全)、水酸化アルミニウムのような鉱質ゲル、リゾレシチンのような界
面活性剤、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油エマルション
、ジニトロフェノール、およびbacillus Calmette-Guerin (BCG)およびcoryneba
cterium parvumのような有用性の見込まれるヒトアジュバントが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
bフラグメント、およびFab発現ライブラリーが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。当技術分野で周知の種々の手順を用いて標的タンパク質に対す
るポリクロナール抗体の産生を行うことが可能である。抗体の産生を行うために
、標的タンパク質を注入することによって種々の宿主動物を免疫化することがで
きる。このような宿主動物としては、ウサギ、マウス、ラットなどが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。宿主種にもよるが、免疫学的応答を増大
させるために、種々のアジュバントを使用することができ、フロイント(完全お
よび不完全)、水酸化アルミニウムのような鉱質ゲル、リゾレシチンのような界
面活性剤、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油エマルション
、ジニトロフェノール、およびbacillus Calmette-Guerin (BCG)およびcoryneba
cterium parvumのような有用性の見込まれるヒトアジュバントが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0220】
標的タンパク質を指向するモノクロナール抗体を調製するために、培地中で連
続継代細胞系により抗体分子の産生を行うべく提供された任意の技法を使用する
ことが可能である。そのような技法としては、元々はKohlerおよびMilsteinによ
り開発されたハイブリドーマ法(1975, Nature 256:495-497)、トリオーマ法、ヒ
トB-細胞ハイブリドーマ法(Kozbor et al., 1983, Immunology Today 4:72)、お
よびヒトモノクロナール抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ法(Cole et al
., 1985, in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc.
, pp.77-96)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の更な
る実施形態において、モノクロナール抗体は、最近の技法を利用して無菌動物中
で産生することができる(PCT/US90/02545)。本発明によれば、ヒト抗体を使用す
ることが可能であり、そしてヒト抗体は、ヒトハイブリドーマを利用することに
よって(Cote et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80:2026-2030)ま
たはin vitroにおいてEBVウイルスでヒトB細胞をトランスフォームすることによ
って(Cole et al., 1985, in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Ala
n R. Liss, Inc., pp. 77-96)取得可能である。実際上、本発明によれば、適切
な生物学的活性を有するヒト抗体分子に由来する遺伝子と一緒に、標的タンパク
質に特異的なマウス抗体分子に由来する遺伝子をスプライシングすることによっ
て「キメラ抗体」の産生を行うべく開発された技法(Morrison et al., 1984, Pr
oc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81:6851-6855; Neuberger et al., 1984, Nature
312:604-608; Takeda et al., 1985, Nature 314:452-454)を使用することがで
きる。そのような抗体は、本発明の範囲内にある。
続継代細胞系により抗体分子の産生を行うべく提供された任意の技法を使用する
ことが可能である。そのような技法としては、元々はKohlerおよびMilsteinによ
り開発されたハイブリドーマ法(1975, Nature 256:495-497)、トリオーマ法、ヒ
トB-細胞ハイブリドーマ法(Kozbor et al., 1983, Immunology Today 4:72)、お
よびヒトモノクロナール抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ法(Cole et al
., 1985, in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc.
, pp.77-96)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の更な
る実施形態において、モノクロナール抗体は、最近の技法を利用して無菌動物中
で産生することができる(PCT/US90/02545)。本発明によれば、ヒト抗体を使用す
ることが可能であり、そしてヒト抗体は、ヒトハイブリドーマを利用することに
よって(Cote et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80:2026-2030)ま
たはin vitroにおいてEBVウイルスでヒトB細胞をトランスフォームすることによ
って(Cole et al., 1985, in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Ala
n R. Liss, Inc., pp. 77-96)取得可能である。実際上、本発明によれば、適切
な生物学的活性を有するヒト抗体分子に由来する遺伝子と一緒に、標的タンパク
質に特異的なマウス抗体分子に由来する遺伝子をスプライシングすることによっ
て「キメラ抗体」の産生を行うべく開発された技法(Morrison et al., 1984, Pr
oc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81:6851-6855; Neuberger et al., 1984, Nature
312:604-608; Takeda et al., 1985, Nature 314:452-454)を使用することがで
きる。そのような抗体は、本発明の範囲内にある。
【0221】
また、モノクロナール抗体が有利である場合、ファージディスプレイ法を用い
て大きな抗体ライブラリーから選択することができる(Marks et al., 1992, J.
Biol. Chem. 267:16007-16010)。この方法を用いて、異なる抗体を1012個まで含
んでなるライブラリーがfd繊維状ファージの表面上に発現され、モノクロナール
抗体の選択に利用可能な抗体の「単一ポット」in vitro免疫系が作製された(Gri
ffiths et al., 1994, EMBO J. 13:3245-3260)。そのようなライブラリーからの
抗体の選択は、ファージを固定化標的タンパク質に接触させること、標的に結合
したファージの選択およびクローン化を行うこと、および抗体可変領域をコード
する配列を、所望の抗体形式を発現する適切なベクター中にサブクローン化する
ことを含む、当技術分野で周知の技法によって行うことができる。
て大きな抗体ライブラリーから選択することができる(Marks et al., 1992, J.
Biol. Chem. 267:16007-16010)。この方法を用いて、異なる抗体を1012個まで含
んでなるライブラリーがfd繊維状ファージの表面上に発現され、モノクロナール
抗体の選択に利用可能な抗体の「単一ポット」in vitro免疫系が作製された(Gri
ffiths et al., 1994, EMBO J. 13:3245-3260)。そのようなライブラリーからの
抗体の選択は、ファージを固定化標的タンパク質に接触させること、標的に結合
したファージの選択およびクローン化を行うこと、および抗体可変領域をコード
する配列を、所望の抗体形式を発現する適切なベクター中にサブクローン化する
ことを含む、当技術分野で周知の技法によって行うことができる。
【0222】
本発明によれば、一本鎖抗体の産生用として記載された技法(米国特許第4,946
,778号)は、標的タンパク質に特異的な一本鎖抗体を産生するために適用するこ
とができる。本発明の他の実施形態では、標的タンパク質に対して所望の特異性
を有するモノクロナールFabフラグメントを迅速かつ容易に同定するために、Fab
発現ライブラリーの構築用として記載された技法(Huse et al., 1989, Science
246:1275-1281)を利用する。
,778号)は、標的タンパク質に特異的な一本鎖抗体を産生するために適用するこ
とができる。本発明の他の実施形態では、標的タンパク質に対して所望の特異性
を有するモノクロナールFabフラグメントを迅速かつ容易に同定するために、Fab
発現ライブラリーの構築用として記載された技法(Huse et al., 1989, Science
246:1275-1281)を利用する。
【0223】
標的タンパク質のイディオタイプを含有する抗体フラグメントは、当技術分野
で周知の技法により生成することができる。例えば、そのようなフラグメントと
しては、抗体分子のペプシン消化により産生することのできるF(ab’)2フラグメ
ント、F(ab’)2フラグメントのジスルフィド結合を還元することにより生成する
ことのできるFab’フラグメント、パパインおよび還元剤で抗体分子を処理する
ことにより生成することのできるFabフラグメント、およびFvフラグメントが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
で周知の技法により生成することができる。例えば、そのようなフラグメントと
しては、抗体分子のペプシン消化により産生することのできるF(ab’)2フラグメ
ント、F(ab’)2フラグメントのジスルフィド結合を還元することにより生成する
ことのできるFab’フラグメント、パパインおよび還元剤で抗体分子を処理する
ことにより生成することのできるFabフラグメント、およびFvフラグメントが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0224】
抗体の産生において、所望の抗体に関するスクリーニングは、例えば、ELISA(
酵素結合免疫吸着検定法)などの当技術分野で周知の技法により行うことができ
る。標的タンパク質に特異的な抗体を選択するために、生成されたハイブリドー
マを測定するか、または標的タンパク質に結合する抗体に対するファージディス
プレイ抗体ライブラリーを測定することが可能である。
酵素結合免疫吸着検定法)などの当技術分野で周知の技法により行うことができ
る。標的タンパク質に特異的な抗体を選択するために、生成されたハイブリドー
マを測定するか、または標的タンパク質に結合する抗体に対するファージディス
プレイ抗体ライブラリーを測定することが可能である。
【0225】5.5.5. タンパク質の活性を改変する方法
タンパク質の活性を直接改変する方法としては、例えば、ドミナントネガティ
ブ突然変異、特異的な薬物(本出願に相応した意味で使用されている)または一般
的には化学的部分を用いる方法、更にまた、先に記載したような抗体を使用する
方法が挙げられる。
ブ突然変異、特異的な薬物(本出願に相応した意味で使用されている)または一般
的には化学的部分を用いる方法、更にまた、先に記載したような抗体を使用する
方法が挙げられる。
【0226】
ドミナントネガティブ突然変異とは、細胞中で発現させたときに標的タンパク
質の活性をなくす(disrupt)内因性遺伝子または変異外因性遺伝子の突然変異で
ある。標的タンパク質の構造および活性にもよるが、該標的の活性をなくすドミ
ナントネガティブ突然変異を構成するための適切なストラテジーの選択指針を与
える一般則が存在する(Hershkowitz, 1987, Nature 329: 219-222)。活性単量体
の場合、不活性体が過剰発現すると、標的タンパク質の正味の活性を著しく低下
させるのに十分な天然の基質またはリガンドに対して競合が起こる可能性がある
。そのような過剰発現は、例えば、活性の増大したプロモーター、好ましくは、
制御可能または誘導性のプロモーターを、変異遺伝子に関連づけることによって
、行うことができる。このほか、標的リガンドと実質的に非可逆的な会合を起こ
すように、活性部位の残基を変化させることもできる。そうした処理は、特定の
チロシンキナーゼを用いて、活性部位のセリン残基を慎重に置換することにより
、行うことができる(Perlmutter et al., 1996, Current Opinion in Immunolog
y 8:285-290)。
質の活性をなくす(disrupt)内因性遺伝子または変異外因性遺伝子の突然変異で
ある。標的タンパク質の構造および活性にもよるが、該標的の活性をなくすドミ
ナントネガティブ突然変異を構成するための適切なストラテジーの選択指針を与
える一般則が存在する(Hershkowitz, 1987, Nature 329: 219-222)。活性単量体
の場合、不活性体が過剰発現すると、標的タンパク質の正味の活性を著しく低下
させるのに十分な天然の基質またはリガンドに対して競合が起こる可能性がある
。そのような過剰発現は、例えば、活性の増大したプロモーター、好ましくは、
制御可能または誘導性のプロモーターを、変異遺伝子に関連づけることによって
、行うことができる。このほか、標的リガンドと実質的に非可逆的な会合を起こ
すように、活性部位の残基を変化させることもできる。そうした処理は、特定の
チロシンキナーゼを用いて、活性部位のセリン残基を慎重に置換することにより
、行うことができる(Perlmutter et al., 1996, Current Opinion in Immunolog
y 8:285-290)。
【0227】
活性多量体の場合、いくつかのストラテジーにより、ドミナントネガティブ突
然変異体の選択指針を与えることができる。多量体の活性は、多量体会合ドメイ
ンに結合して多量体の形成を阻害する外因性タンパク質断片をコードする遺伝子
を発現させることによって、制御可能に低下させることができる。このほか、特
定のタイプの不活性タンパク質ユニットを過剰発現させて、不活性多量体中に野
生型活性ユニットを拘束(tie up)することにより、多量体の活性を低下させるこ
とができる(Nocka et al., 1990, EMBO J 9:1805-1813)。例えば、二量体DNA結
合タンパク質の場合、DNA結合ユニットからDNA結合ドメインを除去するか、また
は活性化ユニットから活性化ドメインを除去することができる。また、この場合
、DNA結合ドメインユニットは、活性化ユニットとの会合を引き起こすドメイン
なしで発現させることができる。これにより、DNA結合部位が結合されても、発
現の活性化が起こる可能性はなくなる。特定のタイプのユニットが一般に活性状
態時にコンホメーション変化を起こす場合、剛性ユニットの発現により、生成す
る複合体を不活性化することができる。更なる例として、細胞運動性、細胞分裂
過程、細胞構築などの細胞機構に関与するタンパク質は、典型的には、数種のタ
イプの多数のサブユニットが会合して構成されている。これらの構造は、構造上
の欠陥を有する数個の単量体ユニットの混入による破壊に対して非常に敏感であ
ることが多い。そのような突然変異単量体は、適正なタンパク質活性をなくし、
細胞中で制御可能に発現させることができる。
然変異体の選択指針を与えることができる。多量体の活性は、多量体会合ドメイ
ンに結合して多量体の形成を阻害する外因性タンパク質断片をコードする遺伝子
を発現させることによって、制御可能に低下させることができる。このほか、特
定のタイプの不活性タンパク質ユニットを過剰発現させて、不活性多量体中に野
生型活性ユニットを拘束(tie up)することにより、多量体の活性を低下させるこ
とができる(Nocka et al., 1990, EMBO J 9:1805-1813)。例えば、二量体DNA結
合タンパク質の場合、DNA結合ユニットからDNA結合ドメインを除去するか、また
は活性化ユニットから活性化ドメインを除去することができる。また、この場合
、DNA結合ドメインユニットは、活性化ユニットとの会合を引き起こすドメイン
なしで発現させることができる。これにより、DNA結合部位が結合されても、発
現の活性化が起こる可能性はなくなる。特定のタイプのユニットが一般に活性状
態時にコンホメーション変化を起こす場合、剛性ユニットの発現により、生成す
る複合体を不活性化することができる。更なる例として、細胞運動性、細胞分裂
過程、細胞構築などの細胞機構に関与するタンパク質は、典型的には、数種のタ
イプの多数のサブユニットが会合して構成されている。これらの構造は、構造上
の欠陥を有する数個の単量体ユニットの混入による破壊に対して非常に敏感であ
ることが多い。そのような突然変異単量体は、適正なタンパク質活性をなくし、
細胞中で制御可能に発現させることができる。
【0228】
ドミナントネガティブ突然変異のほかに、当技術分野で周知の突然変異および
スクリーニング手順により、温度(または他の外因性因子)に敏感な突然変異標的
タンパク質を見いだすことができる。
スクリーニング手順により、温度(または他の外因性因子)に敏感な突然変異標的
タンパク質を見いだすことができる。
【0229】
また、標的タンパク質に結合して阻害する抗体の発現をもう一つのドミナント
ネガティブストラテジーとして利用することもできることは当業者には分かるで
あろう。
ネガティブストラテジーとして利用することもできることは当業者には分かるで
あろう。
【0230】5.5.6. 特異的既知作用を有する薬物
最後に、外因性薬物またはリガンドへの暴露により、特定の標的タンパク質の
活性を制御可能に変化させることができる。好ましい場合として、細胞中の1種
の標的タンパク質とのみ相互作用して、その1種の標的タンパク質のみの活性を
変化させる薬物が知られている。様々な量の該薬物に細胞を段階的に暴露すると
、それによって、該タンパク質を起点とする経路に段階的な摂動が生じる。この
変化は、活性の低下または増大のいずれであってもよい。それほど好ましいもの
ではないが、独立した、識別可能な、かつ重なりのない作用を有する数種(例え
ば、2〜5種)の標的タンパク質のみの活性を変化させる薬物が知られており、そ
して使用されている。そのような薬物への段階的暴露を行うと、標的タンパク質
を起点とするいくつかの経路に段階的摂動が生じる。
活性を制御可能に変化させることができる。好ましい場合として、細胞中の1種
の標的タンパク質とのみ相互作用して、その1種の標的タンパク質のみの活性を
変化させる薬物が知られている。様々な量の該薬物に細胞を段階的に暴露すると
、それによって、該タンパク質を起点とする経路に段階的な摂動が生じる。この
変化は、活性の低下または増大のいずれであってもよい。それほど好ましいもの
ではないが、独立した、識別可能な、かつ重なりのない作用を有する数種(例え
ば、2〜5種)の標的タンパク質のみの活性を変化させる薬物が知られており、そ
して使用されている。そのような薬物への段階的暴露を行うと、標的タンパク質
を起点とするいくつかの経路に段階的摂動が生じる。
【0231】
6. 引用文献
本明細書中で引用されている文献はいずれも、それぞれ個々の出版物または特
許もしくは特許出願がすべての目的に対してその全体が参照により組み入れられ
るべく、具体的かつ個別的に明記された場合と同程度まですべての目的に対して
その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする。
許もしくは特許出願がすべての目的に対してその全体が参照により組み入れられ
るべく、具体的かつ個別的に明記された場合と同程度まですべての目的に対して
その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0232】
当業者には自明であろうが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、
本発明に多くの修正および変更を加えることができる。本明細書中に記載の特定
の実施形態は、単に具体例として提示されたものであり、本発明は、添付の特許
請求の範囲によってのみ限定されるものとし、この特許請求の範囲により特許権
の対象となる等価物の全範囲を含むものとする。
本発明に多くの修正および変更を加えることができる。本明細書中に記載の特定
の実施形態は、単に具体例として提示されたものであり、本発明は、添付の特許
請求の範囲によってのみ限定されるものとし、この特許請求の範囲により特許権
の対象となる等価物の全範囲を含むものとする。
【図1】
図1は、本発明の方法の実施形態のフローチャートを示す。
【図2】
図2A〜Dは、本発明の方法の模範的な適用を示す。図2Aは、34種の異なる摂
動実験(縦軸)における酵母(S. Cerevisiae)の185個の遺伝子転写産物のグレース
ケール(横軸)を示す。図2Bは、hclustアルゴリズムを用いて図2Aの遺伝子転写
産物をクラスタリングすることにより得られた同時制御ツリーを示す。図2Cは
、図2Bで規定された遺伝子セットに従って転写産物を再配列した同一の実験デー
タを示す。図2Dは、実験インデックス(縦軸)も応答プロフィールの相同性に従
って再配列した実験データを別途示したものである。
動実験(縦軸)における酵母(S. Cerevisiae)の185個の遺伝子転写産物のグレース
ケール(横軸)を示す。図2Bは、hclustアルゴリズムを用いて図2Aの遺伝子転写
産物をクラスタリングすることにより得られた同時制御ツリーを示す。図2Cは
、図2Bで規定された遺伝子セットに従って転写産物を再配列した同一の実験デー
タを示す。図2Dは、実験インデックス(縦軸)も応答プロフィールの相同性に従
って再配列した実験データを別途示したものである。
【図3】
図3は、図2のデータを遺伝子転写産物(横軸)および実験(縦軸)を相同性にし
たがって配列させたものを示す。ここの遺伝子セットをグレースケールイメージ
図の上に示し、各遺伝子セットが関係する生物学的経路および/または応答はイ
メージ図の下に示す。縦軸の標識は、各実験の概略を示している。
たがって配列させたものを示す。ここの遺伝子セットをグレースケールイメージ
図の上に示し、各遺伝子セットが関係する生物学的経路および/または応答はイ
メージ図の下に示す。縦軸の標識は、各実験の概略を示している。
【図4】
図4は、酵母(S.Cerevisiae)におけるメトトレキセートに対するmRNA応答の
プロットである。
プロットである。
【図5】
図5は、さまざまなレベルのERG11遺伝子活性に応答するmRNAのプロットであ
る。この活性は、ドキシサイクリンの制御下でtetプロモーターにより制御され
た。
る。この活性は、ドキシサイクリンの制御下でtetプロモーターにより制御され
た。
【図6】
図6は、アップレギュレートされる遺伝子群(G1、G2、およびG3)およびダウ
ンレギュレートされる遺伝子群(G4、G5、およびG6)を含む、模範的なシグ
ナルカスケードを示す。
ンレギュレートされる遺伝子群(G4、G5、およびG6)を含む、模範的なシグ
ナルカスケードを示す。
【図7】
図7は、図2および図3に示す34種の実験に対する、hclustクラスタリングア
ルゴリズムにより得られるクラスタリングツリーを示す。
ルゴリズムにより得られるクラスタリングツリーを示す。
【図8】
図8は、クラスター区分に対する有意性をアサインするためのモンテカルロ法
の模範的な2次元の実施形態を示す。
の模範的な2次元の実施形態を示す。
【図9】
図9は、遺伝子セットデータベース管理システムの模範的な実施形態を示す。
【図10】
図10は、図3の実験15、18、28〜32、および34に対する射影プロ
フィールを示す棒グラフである。
フィールを示す棒グラフである。
【図11】
図11は、本発明の方法の実施に有用なコンピューターシステムの模範的な実
施例を示す。
施例を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
G06F 17/30 170 C12N 15/00 F
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY,
DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I
T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ
,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML,
MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K
E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW
),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,
TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,
BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C
R,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,
IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,L
C,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD
,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,
PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S
L,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN
,YU,ZA,ZW
特許法第184条の9第2項第5号の規定により発明の名
称及び明細書・図面の全部は不掲載とする。
(72)発明者 ストウトン,ローランド
アメリカ合衆国 92103 カリフォルニア
州 サンディエゴ,ウエスト スプルス
ストリート 425
(72)発明者 ヘ,ユードン
アメリカ合衆国 98034 ワシントン州
カークランド,148番,124ティーエイチ
ストリート 11410 エヌ.イー.
Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 CA04 DA12 HA14
4B063 QA01 QA19 QQ07 QQ27 QQ42
QQ52 QR32 QR76 QS03 QS25
QS33 QS34 QX02 QX04
5B075 ND20 NR12
Claims (88)
- 【請求項1】 特定の生物学的応答についての共通プロフィールを決定する
方法であって、複数の応答プロフィールにおける共変細胞構成要素のセット(set
)の中の共通応答モチーフを同定するステップを含んでなり、該共通応答モチー
フが特定の生物学的応答と関連するものである、上記方法。 - 【請求項2】 複数の応答プロフィールが少なくとも5個の応答プロフィー
ルを含む、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 複数の応答プロフィールが10個以上の応答プロフィールを含
む、請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 複数の応答プロフィールが50個以上の応答プロフィールを含
む、請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 複数の応答プロフィールが100個以上の応答プロフィールを
含む、請求項4記載の方法。 - 【請求項6】 特定の生物学的応答が特定の生物学的作用と関連した生物学
的応答である、請求項1記載の方法。 - 【請求項7】 特定の生物学的作用が特定のクラスまたはタイプの薬物の作
用である、請求項6記載の方法。 - 【請求項8】 特定の生物学的作用が治療効果である、請求項6記載の方法
。 - 【請求項9】 特定の生物学的作用が毒性作用である、請求項6記載の方法
。 - 【請求項10】 共変細胞構成要素のセットが同時調節される細胞構成要素
を含む、請求項1記載の方法。 - 【請求項11】 共変細胞構成要素のセットが複数の応答プロフィールにお
いて共変する細胞構成要素を含む、請求項1記載の方法。 - 【請求項12】 共変する細胞構成要素が複数の応答プロフィールにおける
細胞構成要素のクラスター分析によって同定される、請求項11記載の方法。 - 【請求項13】 クラスター分析がクラスタリングアルゴリズムによって行
われる、請求項12記載の方法。 - 【請求項14】 クラスタリングアルゴリズムがhclustである、請求項13
記載の方法。 - 【請求項15】 クラスター分析がクラスタリングツリーを決定するもので
あり、共変する細胞構成要素が該クラスタリングツリーの分岐を含む、請求項1
2記載の方法。 - 【請求項16】 共変細胞構成要素のセットがクラスタリングツリーの分岐
レベルから選択される、請求項15記載の方法。 - 【請求項17】 共変細胞構成要素のセットについての統計学的有意性が客
観的な統計学的検定によって決定される、請求項12記載の方法。 - 【請求項18】 客観的な統計学的検定が、 (a) 細胞構成要素のクラスター分析において実際の部分改善(fractional impr
ovement)を測定するステップ、 (b) 各細胞構成要素について各応答プロフィールをモンテカルロランダム化す
ることにより置換(permuted)細胞構成要素を生成するステップ、 (c) 置換細胞構成要素においてクラスター分析を実施するステップ、 (d) 置換細胞構成要素のクラスター分析において部分改善を測定するステップ
、および (e) 部分改善の分布が得られるように、置換細胞構成要素を生成する前記ステ
ップおよび置換細胞構成要素においてクラスター分析を実施する前記ステップを
繰り返すステップ を含んでなり、 統計学的有意性が、実際の部分改善を部分改善の分布と比較することにより決
定される、請求項17記載の方法。 - 【請求項19】 共通応答モチーフが、応答プロフィールを類似の生物学的
作用と関連したセット中に再配列させる(reordering)ことによって同定される、
請求項1記載の方法。 - 【請求項20】 類似の生物学的作用と関連した応答プロフィールのセット
が応答プロフィールのクラスター分析によって同定される、請求項19記載の方
法。 - 【請求項21】 クラスター分析がクラスタリングアルゴリズムによって行
われる、請求項20記載の方法。 - 【請求項22】 クラスタリングアルゴリズムがhclustである、請求項21
記載の方法。 - 【請求項23】 クラスター分析がクラスタリングツリーを決定するもので
あり、共変する細胞構成要素が該クラスタリングツリーの分岐を含む、請求項2
0記載の方法。 - 【請求項24】 分岐がクラスタリングツリー全体にわたって切除レベル(c
utting level)を適用することによって選択され、該切除レベルが共変する細胞
構成要素により表される生物学的経路の予測数によって決定されるものである、
請求項23記載の方法。 - 【請求項25】 共変細胞構成要素のセットについての統計学的有意性が客
観的な統計学的検定によって決定される、請求項20記載の方法。 - 【請求項26】 客観的な統計学的検定が、 (a) 応答プロフィールのクラスター分析において実際の部分改善を測定するス
テップ、 (b) 各応答プロフィールをモンテカルロランダム化することにより置換応答プ
ロフィールを生成するステップ、 (c) 置換応答プロフィールにおいてクラスター分析を実施するステップ、 (d) 置換応答プロフィールのクラスター分析において部分改善を測定するステ
ップ、および (e) 部分改善の分布が得られるように、置換応答プロフィールを生成する前記
ステップおよび置換応答プロフィールにおいてクラスター分析を実施する前記ス
テップを繰り返すステップ を含んでなり、 統計学的有意性が、実際の部分改善を部分改善の分布と比較することによって
決定される、請求項25記載の方法。 - 【請求項27】 共変細胞構成要素のセットが基準(basis)細胞構成要素セ
ットを含む、請求項1記載の方法。 - 【請求項28】 基準細胞構成要素セットが遺伝子セット(geneset)である
、請求項27記載の方法。 - 【請求項29】 同定ステップ前に、基準細胞構成要素セット上に応答プロ
フィールを射影することによって応答プロフィールを射影応答プロフィールに変
換するステップをさらに含み、該射影応答プロフィールが同定された共通応答モ
チーフの応答プロフィールである、請求項27記載の方法。 - 【請求項30】 共通プロフィールが共通応答モチーフにおける活性化また
は非活性化された共変細胞構成要素のセットの共通部分(intersection)である、
請求項1記載の方法。 - 【請求項31】 共変細胞構成要素のセットが基準細胞構成要素セットを含
み、同定ステップ前に基準細胞構成要素セット上に応答プロフィールを射影する
ことによって応答プロフィールを射影応答プロフィールに変換するステップをさ
らに含み、該射影応答プロフィールが同定された共通応答モチーフの応答プロフ
ィールである、請求項30記載の方法。 - 【請求項32】 共通応答モチーフが応答プロフィールを類似の生物学的作
用と関連したセット中に再配列させることによって同定される、請求項30また
は31記載の方法。 - 【請求項33】 共通部分が複数の射影応答プロフィールの目視検査によっ
て同定される、請求項31記載の方法。 - 【請求項34】 共通部分が複数の射影応答プロフィールの目視検査によっ
て同定される、請求項32記載の方法。 - 【請求項35】 共通部分が射影応答プロフィールを閾値処理することによ
り同定される、請求項31記載の方法。 - 【請求項36】 共通部分が演算によって同定される、請求項31記載の方
法。 - 【請求項37】 共通部分が、 (a) 閾値よりも大きい射影応答プロフィールにおける細胞構成要素セットの振
幅(amplitude)を1の値(values of unity)で置換するステップ、 (b) 該閾値よりも小さい射影応答プロフィールにおける細胞構成要素セットの
振幅を0の値で置換するステップ、および (c) 射影応答プロフィールの要素に関する積(element-wise product)を決定す
るステップ、 を含んでなる方法によって同定され、射影応答プロフィールの要素に関する積が
共通部分である、請求項36記載の方法。 - 【請求項38】 特定の生物学的応答についての共通プロフィールを決定す
る方法であって、複数の応答プロフィールにおける共変遺伝子セットのセットの
中の共通応答モチーフを同定するステップを含んでなり、該応答プロフィールが
複数の遺伝子の発現プロフィールを含み、該共通応答モチーフが特定の生物学的
応答と関連するものである、上記方法。 - 【請求項39】 生物学的応答プロフィールと、特定の生物学的応答と関連
している複数の応答プロフィールにおける共変細胞構成要素のセットの中の共通
応答モチーフを同定することによって得られた共通プロフィールとを比較する方
法であって、 (a) 基準細胞構成要素セットの定義にしたがって生物学的応答プロフィールを
射影応答プロフィールに変換するステップ、ここで該基準細胞構成要素セットの
それぞれは複数の応答プロフィールにおいて共変する細胞構成要素を含むもので
あり、ならびに (b) 射影応答プロフィールと共通プロフィールと間の類似距離(similarity me
tric)の値を決定するステップ、 を含んでなる、上記方法。 - 【請求項40】 変換ステップが、生物学的応答プロフィールを基準細胞構
成要素セット上に射影することを含む、請求項39記載の方法。 - 【請求項41】 類似距離が射影応答プロフィールと共通プロフィールとの
間の一般化されたコサイン角(generalized cosine angle)である、請求項39記
載の方法。 - 【請求項42】 類似距離の統計学的有意性を決定するステップをさらに含
む、請求項39記載の方法。 - 【請求項43】 統計学的有意性が、相関関係の無い帰無仮説に基づいて生
成された分布の経験的確率を用いて評価される、請求項42記載の方法。 - 【請求項44】 類似の生物学的作用と関連するセットにおいて測定された
応答プロフィールをグループ化する方法であって、応答プロフィールにおける複
数の細胞構成要素の類似の応答に基づいて応答プロフィールのセットを同定する
ステップを含む、上記方法。 - 【請求項45】 応答プロフィールのセットが応答プロフィールのクラスタ
ー分析によって同定される、請求項44記載の方法。 - 【請求項46】 クラスター分析がクラスタリングアルゴリズムによって行
われる、請求項45記載の方法。 - 【請求項47】 クラスタリングアルゴリズムがhclustである、請求項45
記載の方法。 - 【請求項48】 クラスター分析がクラスタリングツリーを決定するもので
あり、応答プロフィールのセットが該クラスタリングツリーの分岐を含む、請求
項45記載の方法。 - 【請求項49】 応答プロフィールのセットについての統計学的有意性が客
観的な統計学的検定によって決定される、請求項45記載の方法。 - 【請求項50】 客観的な統計学的検定が、 (a) 応答プロフィールのクラスター分析において実際の部分改善を測定するス
テップ、 (b) 各応答プロフィールについて細胞構成要素をモンテカルロランダム化する
ことによって置換応答プロフィールを生成するステップ、 (c) 置換応答プロフィールにおいてクラスター分析を実施するステップ、 (d) 置換応答プロフィールのクラスター分析において部分改善を測定するステ
ップ、および (e) 部分改善の分布が得られるように、置換応答プロフィールを生成する前記
ステップおよび置換応答プロフィールにおいてクラスター分析を実施する前記ス
テップを繰り返すステップ を含んでなり、 統計学的有意性が実際の部分改善を部分改善の分布と比較することによって決
定される、請求項49記載の方法。 - 【請求項51】 薬物または薬物候補を分類する方法であって、該薬物また
は薬物候補への暴露と関連した1個以上の測定された応答プロフィールに類似し
た複数の細胞構成要素の応答を有する応答プロフィールのセットを同定するステ
ップを含んでなり、該セットのそれぞれが特定のクラスの薬物または薬物候補に
対応し、且つ該薬物または薬物候補がその同定されたセットにしたがって分類さ
れる、上記方法。 - 【請求項52】 応答プロフィールのセットが応答プロフィールのクラスタ
ー分析によって同定される、請求項51記載の方法。 - 【請求項53】 クラスター分析が、クラスタリングアルゴリズムによって
行われる、請求項52記載の方法。 - 【請求項54】 クラスタリングアルゴリズムがhclustである、請求項53
記載の方法。 - 【請求項55】 クラスター分析がクラスタリングツリーを決定するもので
あり、応答プロフィールのセットが該クラスタリングツリーの分岐を含む、請求
項52記載の方法。 - 【請求項56】 応答プロフィールのセットについての統計学的有意性が客
観的な統計学的検定によって決定される、請求項52記載の方法。 - 【請求項57】 客観的な統計学的検定が、 (a) 応答プロフィールのクラスター分析において実際の部分改善を測定するス
テップ、 (b) 各応答プロフィールについて細胞構成要素をモンテカルロランダム化する
ことによって置換応答プロフィールを生成するステップ、 (c) 置換応答プロフィールにおいてクラスター分析を実施するステップ、 (d) 置換応答プロフィールのクラスター分析において部分改善を測定するステ
ップ、および (e) 部分改善の分布が得られるように、置換応答プロフィールを生成する前記
ステップおよび置換応答プロフィールにおいてクラスター分析を実施する前記ス
テップを繰り返すステップ を含んでなり、 統計学的有意性が、実際の部分改善を部分改善の分布と比較することによって
決定される、請求項56記載の方法。 - 【請求項58】 薬物または薬物候補の治療上の有効性を決定する方法であ
って、該薬物または薬物候補への暴露と関連した1個以上の測定された応答プロ
フィールに類似した複数の細胞構成要素の応答を有する応答プロフィールのセッ
トを同定するステップを含んでなり、該セットのそれぞれが特定の治療効果に対
応し、且つ該薬物または薬物候補の治療上の有効性がその同定されたセットにし
たがって決定される、上記方法。 - 【請求項59】 応答プロフィールのセットが応答プロフィールのクラスタ
ー分析によって同定される、請求項58記載の方法。 - 【請求項60】 クラスター分析がクラスタリングアルゴリズムによって行
われる、請求項59記載の方法。 - 【請求項61】 クラスタリングアルゴリズムがhclustである、請求項60
記載の方法。 - 【請求項62】 クラスター分析がクラスタリングツリーを決定するもので
あり、応答プロフィールのセットが該クラスタリングツリーの分岐を含む、請求
項59記載の方法。 - 【請求項63】 応答プロフィールのセットについての統計学的有意性が、
客観的な統計学的検定によって決定される、請求項59記載の方法。 - 【請求項64】 客観的な統計学的検定が、 (a) 応答プロフィールのクラスター分析において実際の部分改善を測定するス
テップ、 (b) 各応答プロフィールについて細胞構成要素をモンテカルロランダム化する
ことによって置換応答プロフィールを生成するステップ、 (c) 置換応答プロフィールにおいてクラスター分析を実施するステップ、 (d) 置換応答プロフィールのクラスター分析において部分改善を測定するステ
ップ、および (e) 部分改善の分布が得られるように、置換応答プロフィールを生成する前記
ステップおよび置換応答プロフィールにおいてクラスター分析を実施する前記ス
テップを繰り返すステップ を含んでなり、 統計学的有意性が、実際の部分改善を部分改善の分布と比較することによって
決定される、請求項63記載の方法。 - 【請求項65】 薬物または薬物候補の毒性を決定する方法であって、該薬
物または薬物候補への暴露と関連した1個以上の測定された応答プロフィールに
類似した複数の細胞構成要素の応答を有する応答プロフィールのセットを同定す
るステップを含んでなり、該セットのそれぞれが特定の毒性作用に対応し、且つ
該薬物または薬物候補の毒性がその同定されたセットにしたがって決定される、
上記方法。 - 【請求項66】 応答プロフィールのセットが応答プロフィールのクラスタ
ー分析によって同定される、請求項65記載の方法。 - 【請求項67】 クラスター分析がクラスタリングアルゴリズムによって行
われる、請求項66記載の方法。 - 【請求項68】 クラスタリングアルゴリズムがhclustである、請求項67
記載の方法。 - 【請求項69】 クラスター分析がクラスタリングツリーを決定するもので
あり、応答プロフィールのセットが該クラスタリングツリーの分岐を含む、請求
項66記載の方法。 - 【請求項70】 応答プロフィールのセットについての統計学的有意性が客
観的な統計学的検定によって決定される、請求項66記載の方法。 - 【請求項71】 客観的な統計学的検定が、 (a) 応答プロフィールのクラスター分析において実際の部分改善を測定するス
テップ、 (b) 各応答プロフィールについて細胞構成要素をモンテカルロランダム化する
ことによって置換応答プロフィールを生成するステップ、 (c) 置換応答プロフィールにおいてクラスター分析を実施するステップ、 (d) 置換応答プロフィールのクラスター分析において部分改善を測定するステ
ップ、および (e) 部分改善の分布が得られるように、置換応答プロフィールを生成する前記
ステップおよび置換応答プロフィールにおいてクラスター分析を実施する前記ス
テップを繰り返すステップ を含んでなり、 統計学的有意性が、実際の部分改善を部分改善の分布と比較することによって
決定される、請求項70記載の方法。 - 【請求項72】 生物学的サンプルの分析方法であって、 (a) 生物学的サンプルに由来する細胞構成要素を、生物学的サンプルから得ら
れた応答プロフィールにおいて共変する細胞構成要素のセットにグループ化する
ステップ、および (b) 生物学的サンプルから得られた生物学的プロフィールを類似の細胞構成要
素をもたらす生物学的プロフィールのセットにグループ化するステップ を含む、上記方法。 - 【請求項73】 特定の生物学的作用と関連して共変する1個以上の細胞構
成要素が、生物学的プロフィールにおいて共変する細胞構成要素のセットから同
定される、請求項72記載の方法。 - 【請求項74】 特定の生物学的作用と関連する1個以上の応答プロフィー
ルが、類似の細胞構成要素に影響を及ぼす生物学的プロフィールのセットから同
定される、請求項72記載の方法。 - 【請求項75】 特定の生物学的作用が生物学的経路である、請求項73ま
たは74記載の方法。 - 【請求項76】 生物学的サンプルに由来する細胞構成要素が複数の遺伝子
または遺伝子転写産物を含み、特定の生物学的作用と関連した1個以上の遺伝子
が同定される、請求項73記載の方法。 - 【請求項77】 同定される1個以上の遺伝子が既知の遺伝子を含む、請求
項76記載の方法。 - 【請求項78】 同定される1個以上の遺伝子がこれまでに知られていない
遺伝子を含む、請求項76記載の方法。 - 【請求項79】 コンピュータシステム内で下記のステップ (a) 複数の応答プロフィールからデータを受け取るステップ、 (b) 細胞構成要素セットについての定義を受け取るステップ、 (c) 複数の応答プロフィールにおける細胞構成要素セットの中の共通応答モチ
ーフを同定するステップ、ここで、共通応答モチーフは共通プロフィールを含む
ものである、 を実行するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムコードが組込まれたコ
ンピュータ使用可能な媒体を含むコンピュータシステム。 - 【請求項80】 受け取った細胞構成要素セットの定義および1個以上の応
答プロフィールに基づいて射影プロフィールを計算するステップをコンピュータ
システム内で実行するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムコードがさ
らに組込まれている、請求項79記載のコンピュータシステム。 - 【請求項81】 コンピュータシステム内で、下記ステップ (i) 細胞構成要素セットの選別のための基準を受け取るステップ、 (ii) 受け取った応答データをクラスタリングするステップ、および (iii) 該クラスタリングした応答データおよび細胞構成要素セットの選別のた
めの前記基準に基づいて細胞構成要素セットを定義するステップ を実行するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムコードがさらに組込ま
れており、 細胞構成要素セットについての定義を受け取る前記ステップが、基準を受け取
るステップ、クラスタリングするステップ、および細胞構成要素セットを定義す
るステップを含む、請求項79記載のコンピュータシステム。 - 【請求項82】 複数の応答プロフィールからのデータがユーザーによって
直接入力される、請求項79、80または81記載のコンピュータシステム。 - 【請求項83】 複数の応答プロフィールからのデータが大容量記憶手段か
らロードされる、請求項79、80または81記載のコンピュータシステム。 - 【請求項84】 複数の応答プロフィールからのデータが取外し可能記憶手
段からロードされる、請求項79、80または81記載のコンピュータシステム
。 - 【請求項85】 細胞構成要素セットについての定義がユーザーによって直
接入力される、請求項79または80記載のコンピュータシステム。 - 【請求項86】 細胞構成要素セットについての定義を、細胞構成要素セッ
トのダイナミックデータベースシステムから受け取る、請求項79または80記
載のコンピュータシステム。 - 【請求項87】 コンピュータシステム内で、下記ステップ (a) 射影応答プロフィールを受け取るステップ、 (b) 共通プロフィールを受け取るステップ、および (c) 射影応答プロフィールと共通プロフィールとの類似性を計算するステップ
を実行するためのコンピュータ読み取り可能プログラムコードが組込まれたコン
ピュータシステム。 - 【請求項88】 共通プロフィールを受け取るステップが、 (i) 複数の応答プロフィールからデータを受け取るステップ、 (ii) 細胞構成要素セットについての定義を受け取るステップ、および (iii) 複数の応答プロフィールにおける細胞構成要素セットの中の共通応答モ
チーフを同定するステップ を含む、請求項87記載のコンピュータシステム。
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