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JP2003238439A - 虚血治療剤 - Google Patents

虚血治療剤

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Publication number
JP2003238439A
JP2003238439A JP2002035128A JP2002035128A JP2003238439A JP 2003238439 A JP2003238439 A JP 2003238439A JP 2002035128 A JP2002035128 A JP 2002035128A JP 2002035128 A JP2002035128 A JP 2002035128A JP 2003238439 A JP2003238439 A JP 2003238439A
Authority
JP
Japan
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gelatin
ischemia
angiogenesis
group
hydrogel
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002035128A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Tabata
泰彦 田畑
Seishi Yoneda
正始 米田
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Individual
Original Assignee
Individual
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Publication date
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Publication of JP2003238439A publication Critical patent/JP2003238439A/ja
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 閉塞性動脈硬化症、バージャー病、及び糖尿
病及び膠原病に合併する末梢循環不全等に伴う虚血の治
療に有用な治療剤を提供する。 【解決手段】 血管新生誘導因子及びゼラチンハイドロ
ゲルを含み、血管新生誘導因子が徐放される、虚血治療
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管新生誘導因子
及びゼラチンハイドロゲルを含み、血管新生誘導因子が
徐放される、虚血治療剤に関する。
【従来の技術】
【0002】血管外科領域においては、閉塞性動脈硬化
症や閉塞性血栓血管炎(ビュルガー病、バージャー
病)、膠原病等に付随する末梢血管炎等に由来する重症
の上肢又は下肢虚血の症例が、数多く報告されている。
【0003】重症上肢又は下肢虚血疾患は、それ自体で
は致死的な疾患ではないが、結果として生じる上肢又は
下肢の切断は、患者に重度の精神的、肉体的苦痛を与え
る。
【0004】さらに、四肢における虚血の重症化は、単
に血行を悪くするのみならず、患部における創傷治癒遅
延、難治性の感染症、たとえば、人工血管を用いるバイ
パス手術を受けた患者におけるその人工血管への感染の
原因となり、最終的には、致死的な結果をもたらす場合
すらある。
【0005】しかし、これらに対する治療法として、十
分な治療効果が得られるものは、現在までのところ、知
られていない。
【0006】外科的治療法としては、下肢血行再建術
が、知られている。また、その適用範囲は、従来は適用
が困難であった高齢者や他臓器疾患を併発した患者に対
しても拡大される傾向にある。しかし、診断技術の向上
により患者人口の増加により数多くの血行再建不能例
が、報告されるようになり、最終的に上肢又は下肢の切
断に至る例すら報告されている。すなわち、外科的治療
法による治療効果は、重症例においては四肢の温存期間
を多少延長することができるにとどまり、また、その治
療成績も、極めて悪い治療法である。
【0007】一方、内科的治療法としては、血管拡張剤
等の循環改善薬の投与による側副血行の促進が主である
が、十分な効果が得られる治療法は、現在のところ、知
られていない。
【0008】最近、血管新生誘導因子を用いる虚血性疾
患の治療法が開発されてきている。
【0009】血管新生誘導因子(血管新生促進因子)
は、成熟個体においては、創傷治癒、固形ガンの増殖・
転移、慢性炎症、網膜症などの病態の進展過程において
見られる。この因子は、既存の毛細血管後細静脈の基底
膜の破壊、破壊局所からの血管内皮細胞の発芽、血管外
への遊走・増殖、管腔形成の諸過程を促進し、新たな毛
細血管や小血管の形成を促進する活性を有する。代表的
なものとして、塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibro
blast growth factor:bFGF)血管内皮細胞増殖因子
(VEGF、vascular endothelial growth factor)、
肝細胞増殖因子(HGF、hepatocyte growth facto
r)、アンジオポエチン、血小板由来増殖因子(PDG
F、platelet derived growth factor)、エフリンなど
がある。
【0010】bFGFは、欧米においては、虚血性心疾
患治療において、臨床治療レベルで使用されている。ま
た、bFGFは、本邦においても、皮膚科領域において
臨味応用レベルで、整形外科領域において臨床治験レベ
ルで使用されている。
【0011】VEGFやHGFなどの遺伝子を用いる虚
血性疾患の治療法も開発されている。この治療法は、遺
伝子を主に筋肉内に投与し、筋肉内の細胞に遺伝子を取
り込ませ、それによって遺伝子導入細胞から導入遺伝子
の発現産生物であるタンパク質を分泌させるものであ
る。この方法の特徴は、細胞を用いる徐放化、すなわ
ち、血管新生誘導因子の徐放化を細胞に行わせる点にあ
る。しかしながら、その遺伝子発現効率は、低く、さら
に、遺伝子発現のレベルや期間などを制御することがで
きないという欠点がある。また、遺伝子が導入されたこ
とによる未知の作用発現も未だ解決されていない問題で
ある。
【0012】要するに、上記のような問題点を解決する
ポイントは、血管新生誘導因子の徐放化にある。遺伝子
を用いて細胞から細胞増殖因子を分泌させ、その徐放効
果を得ようとする理由は、血管新生誘導因子を水溶液の
形態で投与した場合には、血管新生誘導因子の作用発現
は、全く認められないこと、及び、血管新生誘導因子自
身を徐放化することができないことにある。しかし、本
発明のように、細胞増殖因子を徐放化することができれ
ば、遺伝子を用いる方法を選択する意味はなく、上記の
ような問題点を解決することができる。
【0013】本願発明者は、驚くべきことに、血管新生
誘導因子及びゼラチンヒドロゲルを含み、血管新生誘導
因子が徐放される製剤が、上肢又は下肢における虚血の
治療に有用であること、さらに、この製剤を用いる治療
法が、従来公知の治療法に比べて、侵襲性が低いこと及
び側副血行の発達によって重症上肢又は下肢の血流をよ
り強力に増加させることを見い出し、本発明を完成させ
たものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、血管新生誘導因子及びゼラチンハイドロゲルを
含み、血管新生誘導因子が徐放される、虚血治療剤を提
供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明で使用されるゼラ
チンとは、以下の物性: (1)コラーゲンからのアルカリ加水分解処理によって
得られる、酸性ゼラチンであり、(2)分子量が、SD
S−PAGEの非還元条件下で約10〜約20万ダルト
ンであり、(3)水溶液中のジータ電位が、約−15〜
約−20mVであるを有するゼラチンであり、市販のゼ
ラチンとは異なるものである。
【0016】市販のゼラチンとして例えば、シグマ社製
タイプAゼラチン、和光社製ゼラチンかあるが、水溶液
中のジータ電位が以下のように異なっている。 シグマ社製タイプAゼラチン:約0〜約5mV 和光社製ゼラチン:約−5〜約−2mV
【0017】ジータ電位は、物質(ゼラチン)の静電的
な荷電の程度を表す尺度であり、本発明におけるHGF
と静電的複合体を形成するゼラチンの指標としては好適
なものと考えられる。
【0018】本発明のゼラチンは牛を始めとする各種の
動物種の皮膚・腱などの部分あるいはコラーゲンあるい
はコラーゲンとして用いられている物質からアルカリ加
水分解して得られるものである。好ましくは、ウシの骨
由来のI型コラーゲンをアルカリ処理して調製した酸性
ゼラチンであり、新田ゼラチン社の試料等電点(IEP)
5.Oとして入手することもできる。なお、酸処理して調
製した塩基性ゼラチンは同じく新田ゼラチン社の試料IE
P9.0として入手することができるが、ジータ電位は以下
のように大きく相違する。 酸性ゼラチン (新田ゼラチン社試料IEP5.O):約−1
5〜約−20mV 塩基性ゼラチン(新田ゼラチン社試料IEP9.O):約+1
2〜約+15mV
【0019】本発明で使用されるゼラチンヒドロゲルと
は、上記ゼラチンを用いて種々の化学的架橋剤と縮合さ
せて得られるヒドロゲルのことである。化学的架橋剤と
しては、例えばグルタルアルデヒド、例えばEDC等の
水溶性カルボジイミド、例えばプロピレンオキサイド、
ジエポキシ化合物、縮合剤を用いることができる。好ま
しいものとしては、グルタルアルデヒドを用いることが
挙げられる。
【0020】また、ゼラチンは、熱処理又は紫外線照射
によっても架橋化することもできる。
【0021】ゼラチンヒドロゲルの形状は、特に制限は
ないが、例えば、円柱状、角柱状、シート状、ディスク
状、球状、粒子状などがある。円柱状、角柱状、シート
状、ディスク状のものは、通常移植片として用いられる
ことが多く、また、球状、粒子状のものは注射投与も可
能である。
【0022】円柱状、角柱状、シート状、ディスク状の
ゼラチンヒドロゲルは、ゼラチン水溶液に架橋剤水溶液
を添加するか、あるいは、架橋剤水溶液にゼラチンを添
加し、所望の形状の鋳型に流し込んで、架橋反応させる
ことにより調製することができる。また、成形したゼラ
チンゲルにそのまま、あるいは乾燥後に架橋剤水溶液を
添加してもよい。架橋反応を停止させるには、エタノー
ルアミン、グリシン等のアミノ基を有する低分子物質に
接触させるか、あるいは、pH2.5以下の水溶液を添
加する。得られたゼラチンヒドロゲルは、蒸留水、エタ
ノール、2−プロパノール、アセトン等により洗浄し、
製剤調製に供される。
【0023】球状、粒子状のゼラチンヒドロゲルは、例
えば、三口丸底フラスコに固定した攪拌用モーター(例
えば、新東科学社製、スリーワンモーター、EYELA mini
D.C.スターラー等)とテフロン(登録商標)用プロペラ
を取り付け、フラスコと一緒に固定した装置にゼラチン
溶液を入れ、ここにオリーブ油等の油を加えて200〜
600rpm程度の速度で攪拌し、W/O型エマルジョ
ンとし、これに架橋剤水溶液を添加するか、ゼラチン水
溶液を予めオリーブ油中こて前乳化(例えば、ボルテッ
クスミキサーAdvantec TME-21、ホモジナイザー、polyt
ron PT10-35等を用いて)しておいたものをオリーブ油
中に滴下し、微粒子化したW/O型エマルジョンを調製
し、これに架橋剤水溶液を添加して架橋反応させ、遠心
分離によりゼラチンヒドロゲルを回収した後、アセト
ン、酢酸エチル等で洗浄し、さらに2−プロパノール、
エタノール等に浸漬して架橋反応を停止させることによ
り、調製することができる。得られたゼラチンヒドロゲ
ル粒子は、2−プロパノール、Tween80を含む蒸
留水、蒸留水等で順次洗浄し、製剤調製に供される。
【0024】ゼラチンヒドロゲル粒子が凝集する場合に
は、例えば、界面活性剤などの添加あるいは超音波処理
(冷却下、1分以内程度が好ましい)等を行ってもよ
い。
【0025】尚、前乳化することによって、粒子サイズ
が20μ以下の微粒子状のゼラチンヒドロゲルを得るこ
とができる。
【0026】得られるゼラチンヒドロゲル粒子の平均粒
径は、1〜1000μmであり、目的に応じて適宜必要
なサイズの粒子をふるい分けて使用すればよい。
【0027】球状、粒子状のゼラチンヒドロゲルを調製
する別法として以下の方法も挙げられる。
【0028】上記の方法と同様の装置にオリーブ油を入
れ、200〜600rpm程度の速度で攪拌し、ここにゼ
ラチン水溶液を滴下してW/O型エマルジョンを調製
し、これを冷却後、アセトン、酢酸エチル等を加えて攪
拌し、遠心分離によりゼラチン粒子を回収する。回収し
たゼラチン粒子を、さらにアセトン、酢酸エチル等、次
いで2−プロパノール、工タノール等で洗浄後、乾燥さ
せる。この乾燥ゼラチン粒子を0.1%Tween80
を含む架橋剤水溶液に懸濁させ、緩やかに撹絆しながら
架橋反応させ、使用した架橋剤に応じて0.1%Twe
en80を含む100mMグリシン水溶液又は0.1%
Tween80を含む0.004N HCl等にて洗浄
し、架橋反応を停止することによりゼラチンヒドロゲル
粒子を調製することができる。本法で得られるゼラチン
ヒドロゲル粒子の平均粒径は上記の方法の場合と同様で
ある。
【0029】この徐放のメカニズムは、血管新生誘導因
子が、ハイドロゲル内のゼラチンに物理的に固定化され
ていることに基づく。この状態では、因子は、ハイドロ
ゲルから放出されない。ハイドロゲルが分解されること
によって、ゼラチン分子が、水可溶性となれば、それに
伴って、固定化されている血管新生誘導因子が、放出さ
れるようになる。すなわち、ハイドロゲルの分解によっ
て、血管新生誘導因子の徐放性を制御することができ
る。ハイドロゲルの分解性は、ハイドロゲル作成時での
架橋程度によって変えることができる。
【0030】架橋反応条件は特に制限はないが、例え
ば、0〜40℃、1〜48時間で行うことができる。
【0031】本発明のゼラチンヒドロゲルは、その含水
率が血管新生誘導因子の徐放性に大きく影響することが
明らかとなっており、好ましい徐放性効果を示す含水率
としては約80〜99w/w%が挙げられる。さらに好
ましいものとしては、約95〜98w/w%のものが挙
げられる。この架橋度の測定可能な指標に含水率があ
る。含水率が大きければ架橋度は低くなり、分解されや
すくなる。つまり、この含水率の値が血管新生誘導因子
の徐放(徐々に放出)を左右する。
【0032】本発明のゼラチンヒドロゲルは適宜、適当
な大きさ及び形に切断後凍結乾燥し滅菌して使用するこ
とができる。凍結乾燥は、例えば、ゼラチンヒドロゲル
を蒸留水に入れ、液体窒素中で30分以上、又は−80
℃で1時間以上凍結させた後に、凍結乾燥機で1〜3日
間乾燥させることにより行うことができる。
【0033】ゼラチンヒトロゲルを調製する際のゼラチ
ンと架橋剤の濃度は、所望の含水率に応じて適宜選択す
れば良いが、ゼラチン濃度は、1〜20w/w%、架橋剤
濃度は、0.01〜1w/w%が挙げられる。
【0034】本発明で使用される血管新生誘導因子は、
公知物質であり、生化学試薬あるいは医薬として使用で
きる程度に精製されたものであれば、種々の方法で調製
されたものを用いることができ、また既に市販されてい
る製品(例えば、フィブラストスプレー(R)等)を使
用してもよい。血管新生誘導因子の製造法としては、例
えば、血管新生誘導因子を産生する初代培養細胞や株化
細胞を培養し、培養上清等から分離、精製して血管新生
誘導因子を得ることができる。あるいは遺伝子工学的手
法により血管新生誘導因子をコードする遺伝子を適切な
ベクターに組み込み、これを適当な宿主に挿入して形質
転換し、この形質転換体の培養上清から目的とする組換
え誘導因子を得ることもできる。上記の宿主細胞は特に
限定されず、従来から遺伝子工学的手法で用いられてい
る各種の宿主細胞、例えば大腸菌、酵母又は動物細胞な
どを用いることができる。このようにして得られた誘導
因子は、天然型誘導因子と実質的に同じ作用を有する限
り、そのアミノ酸配列中の1若しくは複数のアミノ酸が
置換、欠失及び/又は付加されていてもよく、また同様
に糖鎖が置換、欠失及び/又は付加されていてもよい。
【0035】本発明で使用される血管新生誘導因子は、
新たな毛細血管の形成を促進する活性を有するものであ
れば、いずれを用いることもできるが、たとえば、塩基
性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth facto
r:bFGF)血管内皮細胞増殖因子(VEGF、vascul
ar endothelial growth factor)、肝細胞増殖因子(H
GF、hepatocyte growth factor)、アンジオポエチ
ン、血小板由来増殖因子(PDGF、platelet derived
growth factor)、エフリンが挙げられる。
【0036】本発明における血管新生誘導因子徐放性ゼ
ラチンヒドロゲル製剤とは、上記の酸性ゼラチンヒドロ
ゲルに誘導因子を含浸させて得られる製剤である。血管
新生誘導因子は塩基性タンパク質であるため、酸性ゼラ
チンヒドロゲルと複合体を形成するが、前述の溶液中の
イオン強度変化に対するbFGFの収着抑制効果を考慮
すると、この血管新生誘導因子ゼラチン(ヒドロゲル)
複合体は静電的相互作用だけでなく、疎水結合等の他の
相互作用が大きく寄与している。この複合体の解離定数
(Kd)およびゼラチンに対する誘導因子の結合モル比
はスキャッチャード結合モデル(Scatchard, G. 1949)
にしたがって得られる。たとえば、ゼラチンに対するb
FGFの結合モル比として、およそbFGF分子1個が
酸性ゼラチン分子1個に結合している。
【0037】また、37℃の酸性ゼラチンのKd値は、
5.5×10-7Mであり、これは、20℃の硫酸ヘパリ
ンのKd値1×10-9〜2.0×10-10Mよりも約2
〜3次数大きい(Rahmoune, Hら1998年)。これは、b
FGFゼラチン複合体の結合性がbFGFヘパリン硫酸
ほど強固でなく、緩やかであることを示している。
【0038】ゼラチンに対する血管新生誘導因子、たと
えば、bFGFのモル比を約1:1以上に上げた場合に
は、bFGFの遊離が起きやすく活性的にはほとんど遊
離のbFGFと同様の挙動を示す。しかし、bFGFの
モル比を約1:1以下に下げた場合には、bFGFが吸
着され解離するものが少なくなるため、bFGFの見か
けの活性は低下するように見える。
【0039】従って、血管新生誘導因子とゼラチンある
いはゼラチンヒドロゲルとの複合体は、血管新生誘導因
子とゼラチンのモル比が種々に変化したものを作り得る
が、初期バーストを回避するためには、好適なものとし
て、ゼラチンヒドロゲル1モルに対して血管新生誘導因
子が約1モル以下のモル比の複合体が挙げられる。
【0040】なお、ゼラチンに対しては、血管新生誘導
因子の重量比が約5倍量以下のものが好適である。さら
に好適なものとしては、ゼラチンに対して血管新生誘導
因子が約5〜約1/104倍量の重量比のものが望まし
い。
【0041】本発明の血管新生誘導因子徐放性ゼラチン
ヒドロゲル製剤は、血管新生誘導因子の徐放性効果及び
安定化効果を持つため、血管新生誘導因子の機能を少量
で長時間にわたって発揮し得る。そのため、血管新生誘
導因子の本来的機能である血管新生の促進、再還流障害
の防止、線維化の抑制などの心血管保護作用が効果的に
発揮される。
【0042】本発明の血管新生誘導因子ゼラチンヒドロ
ゲル製剤は、注射用製剤として、非経口的に使用するこ
とができる。例えば、皮下、筋肉内、静脈内、体腔内、
結合組織内、骨膜内あるいは障害臓器等に投与すること
ができる。
【0043】本発明の血管新生誘導因子徐放性ゼラチン
ヒドロゲル製剤あるいはその複合体は、それぞれの用途
に応じて適宜剤型を工夫することができる。例えば、シ
ート状、スティック状、粒子状、ロッド状、ぺ一スト状
の剤型にして投与することができる。投与方法として
は、皮内投与、皮下投与、筋肉内投与、体腔内投与、結
合組織内投与、骨膜内投与などが考えられる。
【0044】本発明製剤中の血管新生誘導因子の投与量
は、疾患の重篤度、患者の年齢、体重等により適宜調整
することができるが、通常成人患者当たり約0.1〜約
500μgの範囲、好ましくは、約1〜約100μgの
範囲から投与量が選択され、これを患部またはその周辺
部位に注入することができる。また1回の投与で効果が
不十分であった場合は、該投与を複数回行うことも可能
である。
【0045】本発明による製剤は、血管外科領域におけ
る虚血の治療に適用することができる。好ましくは、閉
塞性動脈硬化症、バージャー病、及び糖尿病及び膠原病
に合併する末梢循環不全よりなる群から選択される疾患
に伴う虚血である。
【0046】本発明による製剤は、末梢循環不全による
虚血の治療にに適用することができるが、好ましくは、
上肢又は下肢における虚血である。
【0047】
【実施例】A.bFGF含有ゼラチンヒドロゲルの調製 bFGFを含有するゼラチンヒドロゲルは、WO94/
27630に記載の方法にしたがって調製した。具体的
には、等電点が4.9のアルカリ処理ゼラチン水溶液
(10wt%、20ml)とオリーブオイル(5ml)の混
合物を40℃で予熱し、1分間攪拌し、調製したエマル
ジョンを氷冷下で天然ゼラチンを除いた後、アセトンを
加え、さらに1時間4℃で攪拌した。得られたゼラチン
粒子をアセトン(4℃)で3回洗浄し、遠心分離(50
00rpm、4℃、5分間)により回収した。
【0048】得られた未架橋ゼラチン粒子(20mg)
を、グルタルアルデヒド(0.13wt%)を含むTwee
n80の水溶液(0.1%、20ml)に懸濁させ、4℃、
24時間攪拌することによって架橋反応を行った。遠心
分離(5000rpm、4℃、5分間)により回収した
後、グリシン水溶液(20ml、10mM)中、37℃で1
時間攪拌し、蒸留水で3回洗浄した後、凍結乾燥させ
た。得られた架橋ゼラチン粒子の平均粒径は、10μm
であった。また、含水率は、95w/w%であった。
【0049】bFGFは、WO87/01728の図4
に記載のヒトbFGFを用い、2mgの凍結乾燥ゼラチン
粒子にbFGF水溶液(5mg、20μl)を滴下し、室
温で1時間放置することによって架橋ゼラチン粒子内に
含浸させた。
【0050】B.閉塞性動脈硬化症(ASO)ウサギモ
デルを用いた研究 1)ASOウサギモデルの作製 体重2.5〜3.5kgのJapanese white rabbit(雄、
清水実験材料株式会社より購入)を用いて、静脈麻酔及
び局所麻酔下に、右側後脚の総大腿動脈を中枢側で結紮
し、さらに末梢側へ約2cmにわたリ剥曜し、総大腿動
脈を末梢側でも結紮を行い、中間部を完全に切除し、A
SOモデルを調製した。ヒトのASOは、慢性疾息であ
ることから、それに相当する状態を構築するために2週
間の経過観察期間をおいた。
【0051】2)bFGF含有ゼラチンヒドロゲルによ
る治療方法 手術後2週間目に全症例を対象に患側後脚の血管造影検
査を行い、治療後の下肢血行状態との評価の対照に用い
た。血管造影検査後、以下の4つのグループに分けて異
なった治療を行った。 グループA(n=6):無治療(コントロール群) グループB(n=6):ゼラチンヒドロゲルのみ投与 グループC(n=6):bFGF(30μg)含有ゼラ
チンヒドロゲル投与 グループD(n=6):bFGF(100μg)含有ゼ
ラチンヒドロゲル投与 投与条件は、患側後脚の大腿部における筋注による投
与、bFGFへの4週間の徐放による局所での暴露と設
定した。
【0052】3)評価 4週間の治療期間後に、患側後脚の血管造影検査を行
い、患側後脚大腿部の筋肉を採取し、組織学的評価を行
った。 i)血管造影評価 各グループの側副血行の発達を比較した。無治療群であ
るグループAにおいては、個体差はあるものの、無治療
であっても内因性の増殖因子による側副血行の発達が認
められた。ゼラチンヒドロゲルのみを投与した群である
グループBにおいては、グループAにおいて認められる
のと同様の程度の側副血行の発達が認められた。bFG
F(30μg)含有ゼラチンヒドロゲルを投与した群で
あるグループCにおいては、bFGF投与により側副血
行路の明瞭化が認められた。bFGF(100μg)含
有ゼラチンヒドロゲル投与した群であるグループDにお
いては、bFGF投与により明らかな側副血行、血管の
増生が認められた。 ii)組織学的評価 大腿部において採取された筋肉の組織標本(ヘマトキシ
リン−エオシン染色、倍率20倍)を図5に示した。グ
ループDにおいては毛細血管の増生が盛んであるのに対
し、グループAにおいては毛細血管の増生が乏しいこと
が観察される。また、各グループ間の毛細血管密度(単
位面積あたりの毛細血管の数)は、bFGFの用量に依
存して有意に増加した(図6)。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、無治療群であるグループAにおける、
自然経過での側副血行の発達を示す。個体差はあるもの
の、無治療であっても内因性の増殖因子による側副血行
の発達が認められる。preは治療前、postは治療
後4週間を表す。
【図2】図2は、ゼラチンヒドロゲルのみを投与した群
であるグループBにおける側副血行の発達を示す。グル
ープAにおいて認められるのと同様の程度の側副血行の
発達が認められる。preは治療前、postは治療後
4週間を表す。
【図3】図3は、bFGF(30μg)含有ゼラチンヒ
ドロゲルを投与した群であるグループCにおける側副血
行の発達を示す。bFGF投与により側副血行路の明瞭
化が認められる。preは治療前、postは治療後4
週間を表す。
【図4】図4は、bFGF(100μg)含有ゼラチン
ヒドロゲル投与した群であるグループDにおける側副血
行の発達を示す。bFGF投与により明らかな側副血
行、血管の増生が認められる。preは治療前、pos
tは治療後4週間を表す。
【図5】図5は、大腿部において採取された筋肉の組織
標本を表す(ヘマトキシリン−エオシン染色、倍率20
倍)。グループAとグループDとを比較すると、グルー
プDにおいては毛細血管の増生が盛んであるのに対し、
グループAにおいては毛細血管の増生が乏しいことが観
察される。
【図6】図6は、各グループ間の毛細血管密度(単位面
積あたりの毛細血管の数)を表す。FGFの用量に依存
した毛細血管密度の有意な増加が認められる(危険率:
グループA対D p<0.0001、グループB対D p<0.
0001、グループC対Dp<0.0001、グループA対C p
<0.05)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米田 正始 京都府京都市上京区室町通椹木町下ル大門 町256 御所西アーバンライフ303 Fターム(参考) 4C076 AA09 AA29 AA71 BB11 BB31 CC11 CC29 EE18P EE42P EE47P EE53 FF32 FF34 FF35 FF67 GG06 4C084 AA02 AA03 BA44 DB54 DB57 DB62 MA05 MA16 MA28 MA31 MA32 MA44 MA63 MA66 NA07 NA11 NA12 ZA362

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血管新生誘導因子及びゼラチンハイドロ
    ゲルを含み、血管新生誘導因子が徐放される、虚血治療
    剤。
  2. 【請求項2】 血管新生誘導因子が、塩基性線維芽細胞
    増殖因子、血管内皮細胞増殖因子及び肝細胞増殖因子よ
    りなる群から選択される、請求項1記載の虚血治療剤。
  3. 【請求項3】 虚血が、閉塞性動脈硬化症、バージャー
    病、及び糖尿病及び膠原病に合併する末梢循環不全より
    なる群から選択される疾患に伴う虚血である、請求項1
    又は2記載の虚血治療剤。
  4. 【請求項4】 虚血が、上肢又は下肢における虚血であ
    る、請求項1〜3いずれか1項記載の虚血治療剤。
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