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JP2003277799A - 石鹸の製造方法 - Google Patents

石鹸の製造方法

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JP2003277799A
JP2003277799A JP2002082026A JP2002082026A JP2003277799A JP 2003277799 A JP2003277799 A JP 2003277799A JP 2002082026 A JP2002082026 A JP 2002082026A JP 2002082026 A JP2002082026 A JP 2002082026A JP 2003277799 A JP2003277799 A JP 2003277799A
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split
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Shinji Kodama
伸二 小玉
Koichi Hatano
耕一 秦野
Yasunori Miyamoto
恭典 宮本
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石鹸を成形型から容易に取り出すことがで
き、且つ生産性が高められた石鹸の製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 割型1,2を組み付けることでキャビテ
ィCが形成される成形型40のキャビティC内に溶融石
鹸を充填し固化させた後、成形型40を型開して固化し
た石鹸Sを取り出す石鹸の製造方法において、内部は未
固化状態であるが表面は固化している状態の石鹸Sを、
割型1,2の少なくとも一つに保持した状態下に、成形
型40を型開し、石鹸Sを保持している割型1から石鹸
Sへ気体を吹き付けつつ、石鹸Sを割型1から受け取り
装置40へ受け渡す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融状態の石鹸を
所定形状に成形し固化させて石鹸を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】溶融状
態の石鹸を成形型のキャビティ内に充填し固化させて所
定形状に成形された石鹸を製造する方法が、例えば国際
公開WO98/53039に開示されている。この製造
方法においては、溶融した石鹸が十分に固化するまで成
形型を開くことができず、生産性が良いとはいえない。
しかし、石鹸を十分に冷却固化させると冷却に起因して
石鹸が収縮することから、成形型を開いて石鹸を取り出
す操作自体は容易に行える。このように、石鹸の生産性
と成形型からの取り出し性は二律背反の関係にあり、両
者を共に満足させることは容易でない。
【0003】従って、本発明は、石鹸を成形型から容易
に取り出すことができ、且つ生産性が高められた石鹸の
製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一組の割型を
組み付けることでキャビティが形成される成形型の該キ
ャビティ内に溶融石鹸を充填し固化させた後、該成形型
を型開して固化した石鹸を取り出す石鹸の製造方法にお
いて、内部は未固化状態であるが表面は固化している状
態の石鹸を、前記割型の少なくとも一つに保持した状態
下に、前記成形型を型開し、該石鹸を保持している該割
型から該石鹸へ気体を吹き付けつつ、該石鹸を該割型か
ら所定の受け取り装置へ受け渡す石鹸の製造方法を提供
することにより前記目的を達成したものである。
【0005】また本発明は、一組の割型を組み付けるこ
とでキャビティが形成され、且つ溶融石鹸を所定形状に
成形するために用いられる石鹸の成形型において、型開
方向において対向する割型における少なくとも1つの割
型のキャビティ面に、空気の吹き出し及び/又は吸引の
ための微細幅のスリット及び/又は微小孔が形成されて
いる石鹸の成形型を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。本実施形態
で用いられる製造装置は、溶融石鹸の循環部、該循環部
に接続された溶融石鹸の注入部、及び該注入部から供給
された溶融石鹸を所定形状に成形する成形型を備えた成
形部を具備している。図1には、第1の実施形態の製造
装置における溶融石鹸の循環部が示されている。本実施
形態の製造装置は、気泡入り石鹸の製造に好適に用いら
れる。
【0007】図1に示す溶融石鹸の循環部6は、貯蔵タ
ンク61、貯蔵タンク61に接続され且つ貯蔵タンク6
1内を経由するループを形成する循環管路62、循環管
路62の途中に介在された循環ポンプ63を備えてい
る。また貯蔵タンク61には、発泡部(図示せず)にお
いて発泡された溶融石鹸の供給管路64が接続されてい
る。更に貯蔵タンク61内には撹拌翼65が設置されて
いる。撹拌翼65はモータ66によって所定方向に回転
する。更に循環管路62には、溶融石鹸の複数の注入部
3が、循環管路62と開閉可能に連通するように接続さ
れている。各注入部3は循環管路62に直列に接続され
ている。貯蔵タンク61及び循環管路62を含む循環部
6並びに注入部3には、何れも温水及びヒータなどの保
温装置が取り付けられており、所定温度に保たれてい
る。
【0008】注入部3は、図2に示すようにその一端が
循環管路62に接続されている供給管30を備えてい
る。供給管30の他端は、溶融石鹸の液溜まり部31と
なっており、その液溜まり部31に注入ノズル32が突
設されている。注入ノズル32はその先端に向かって漸
次縮径した截頭円錐形をしている。ノズル32内には、
該ノズルの内形状と同形状の外形を有する押し込みプラ
グ33が配されている。プラグ33は、その後端に取り
付けられている油圧シリンダ38によってノズル32内
を進退する。プラグ33が後退することでノズル32と
プラグ33との間に空隙が生じ、この空隙を通じて溶融
石鹸が後述する成形部4へ供給される。一方、プラグ3
3が前進するとノズル32とプラグ33とが嵌り合っ
て、両者間には空隙が無くなり溶融石鹸の供給が停止さ
れる。つまり、プラグ33の進退によって、溶融石鹸が
供給され、またその供給が遮断されるようになってい
る。
【0009】供給管30における、溶融石鹸の流動方向
(図中矢印Aで示す方向)に関して注入ノズル32より
も上流側の位置には、定容量供給装置の一例であるシリ
ンダ34及びピストン36が取り付けられている。シリ
ンダ34は、供給管30と交差するように設けられてい
る。シリンダ34内には、該シリンダ34を境として供
給管30の上流側又は下流側とシリンダ34とを択一的
に連通させる切り替え用のロータリーバルブ35が配さ
れている。これと共にシリンダ34内には、該シリンダ
内を進退可能になっているピストン36が配されてい
る。そして、前述の通りシリンダ34とピストン36と
によって、溶融石鹸の定容量供給装置が構成されてい
る。ピストン36の進退は、その後端に取り付けられて
いるサーボモータ37によって精密に制御されている。
ピストン36が後退することで、シリンダ34内には、
溶融石鹸を収容するための空間が形成される。この空間
に溶融石鹸が充填されたのち、ピストン36を押し込む
ことで、後述する成形型40のキャビティ内へ溶融石鹸
が加圧下に充填される。キャビティ内への溶融石鹸の供
給体積は、ピストン36の後退距離又は押し込み距離に
よって決定される。具体的には、後退前のピストン3
6の位置を原点としてピストン36の後退距離で供給体
積を決定する方法、又は後退後のピストン36の位置
を原点としてピストン36の押し込み距離で供給体積を
決定する方法がある。計量される溶融石鹸は気泡入りで
ある場合、これは圧縮性の流体であるので、前記のの
方法において、ピストン36の原点の位置でシリンダ3
4内に溶融石鹸ができるだけ残らないように原点を決め
ることが、製品重量の精度を高める点から好ましい。
【0010】成形部4は、注入部から供給された溶融石
鹸を所定形状に成形し固化させる成形型40を備えてい
る。図3には、成形型40の型開状態が示されている。
成形型40は、2個で一組をなす第1の割型1及び第2
の割型2から構成されている。各割型は金属等の剛体か
らなる矩形ブロック状の形態をしており、それぞれの中
央部に凹部10及び20が形成されている。各凹部1
0,20は、第1の割型1と第2の割型2とをそれらの
突き合わせ面PLで突き合わせたとき、製造すべき石鹸
の形状に合致した形状のキャビティ(図示せず)が形成
されるように、各割型に形成されている。尚、図示して
いないが各凹部には空気の吹き出し及び吸引用の微細な
スリット及び/又は小孔が形成されている。
【0011】第1の割型1には、該第1の割型1をその
厚さ方向に貫通し外部に開口したノズル挿入孔11が、
凹部10の外縁部に穿設されている。ノズル挿入孔11
は、溶融石鹸の供給孔として用いられる。ノズル挿入孔
11は、その径が、第1の割型1の背面側に向かうに連
れ漸次増加しており、先に述べた注入ノズル32と嵌り
合う形状となっている。一方、第2の割型2には、その
突き合わせ面PLの一部が穿設されて長孔状のゲート2
1が形成されている。ゲート21は第2の割型2をその
厚さ方向に貫いている。第2の割型2におけるゲート2
1の形成位置は、両割型が組み付けられて成形型40を
形成する時に、第1の割型1におけるノズル挿入孔11
と対向する位置となっている。更にゲート21は、その
一部が凹部20と連通している。従って、両割型が組み
付けられて成形型40を形成すると、ゲート21は、ノ
ズル挿入孔11とキャビティとの間に位置して両者を連
通させることになる。
【0012】ゲート21内には、該ゲート21の内形状
と同形状の外形を有するゲートピン22が配されてい
る。ゲートピン21は金属又はプラスチック等の材質か
らなる。ゲートピン22の後端は、ピストン47を備え
たシリンダ48における該ピストン47の先端に固定さ
れている。これによってゲートピン22はゲート21内
を進退可能になっている。ゲートピン22の後退位置に
おいては、ノズル挿入孔11とキャビティCとがゲート
21を介して連通している。ゲートピン21の前進位置
においては、ゲートピン21によってノズル挿入孔11
とキャビティCとの連通が遮断されるようになってい
る。つまりゲートピン21は、ノズル挿入孔11とキャ
ビティCとの連通を遮断させる遮断手段として用いられ
る。
【0013】図示していないが、第1の割型1の突き合
わせ面PLには微細なスリット状のエアベントが設けら
れている。エアベントは、第1の割型1の上部に形成さ
れることが好適である。また、図示していないが、両割
型1,2を構成するブロックには冷却水の循環路が設け
られている。
【0014】図2に戻ると、成形型40における第一の
割型1はその下部が、ベースプレート41から立設され
た支持板42に取り付けられており、固定型となってい
る。一方第2の割型2はその背面が、ベースプレート4
1から立設された支持板43に取り付けられている油圧
シリンダ44のピストン45の先端に固定されている。
油圧シリンダ44は、ピストン45が支持板43と直交
する方向に摺動するように取り付けられている。従っ
て、第2の割型2は水平方向に移動可能な移動型となっ
ている。成形型40は、ノズル挿入孔11がキャビティ
Cの下側に位置するように固定されている。これによっ
て、溶融石鹸はキャビティCの下部から上方へ向かって
充填される。
【0015】第2の割型2の下部にはシリンダ保持板4
6が水平方向に延出するように取り付けられている。シ
リンダ保持板46における水平部には、ピストン47を
備えた油圧シリンダ48が取り付けられている。油圧シ
リンダ48は、ピストン47が水平方向に摺動するよう
に取り付けられている。ピストン47の先端は、第2の
割型2に備えられたゲートピン22の後端に接続されて
いる。
【0016】ベースプレート41は、台座49上に摺動
自在に配されたスライダー50の上に載置固定されてい
る。スライダー50は、台座49上に載置された油圧シ
リンダー51の動作によって台座49上を摺動する。こ
れによって、成形型40を含む成形部4全体が、注入ノ
ズル32を含む注入部3に対して接離可能になってい
る。その結果、成形型40の型開操作などを含む成形操
作を円滑に行うことができ、製造サイクルを高めること
が容易となる。
【0017】以上の構成を有する製造装置を用いた気泡
入り石鹸の製造方法について説明する。先ず循環部6に
よる溶融石鹸の循環について図1を参照しながら説明す
ると、図示しない発泡部において発泡されて、無数の気
泡が分散含有されている溶融石鹸は、供給管路64を通
じて貯蔵タンク61内に貯えられる。貯蔵タンク61内
において溶融石鹸は、撹拌翼65によって撹拌されて、
気泡の分散状態が均一に保たれる。溶融石鹸の一部は、
循環ポンプ63によって循環管路62内に送り込まれ
る。その結果、貯蔵タンク61内に貯えられている溶融
石鹸は、貯蔵タンク61を経由して循環管路62内を循
環する。この循環によって、たとえ何らかのトラブルが
発生して気泡入り石鹸製造の作業が停止しても、溶融石
鹸が配管系内で停滞することがなくなり、溶融石鹸に剪
断力が常に加わった状態が維持され、気泡と液体分とが
分離状態となることが防止される。特に、本実施形態に
おいては、溶融石鹸を循環させることで剪断力を加える
ので、例えば溶融石鹸の流速を制御して溶融石鹸に剪断
力を加える時間を制御できるという利点がある。つまり
気泡を含む溶融石鹸のような保存安定性の低い圧縮性流
体に長時間剪断力を加え続けることで気泡の状態を保持
させることができる。一方、剪断力を加えないと、気泡
の合一や気液の分離が起こることが避けられない。この
ように、溶融石鹸を循環させる場合に、剪断力を加える
時間を制御することで、溶融石鹸に効果的に剪断力を加
えることができ、その結果、貯蔵タンク61内の気泡入
り石鹸における気泡の分散状態を良好にすることがで
き、且つその良好な状態を長時間保つことができる。貯
蔵タンク61における撹拌翼65による撹拌によって
も、気泡と液体分との分離はある程度防止できるが十分
とはいえない。撹拌翼65によって気液分離や気泡の合
一が発生しないように溶融石鹸を撹拌すると、溶融石鹸
が気泡を巻き込みその比重が変動してしまう。従って、
貯蔵タンク61内では気泡を混入させない緩やかな撹拌
を行い、気泡と液体分との分離防止は、循環管路62内
の循環によって行うことが好ましい。
【0018】無数の気泡を分散含有する溶融石鹸の調製
方法としては、例えば本出願人の先に出願に係る特開平
11−43699号公報の第2欄15行〜第5欄1行に
記載されている方法を用いることができる。溶融石鹸の
発泡には各種気体を用いることができる。特に、不活性
気体、とりわけ窒素ガス等の非酸化性の不活性ガスを用
いることで、溶融石鹸の加熱に起因して、その配合成分
が酸化分解することで発生する異臭等を効果的に防止す
ることができる。発泡に不活性気体を用いることは、気
泡入り石鹸の配合成分として、酸化分解し易い香料成分
が配合されている場合に特に有効である。
【0019】溶融石鹸の循環においては、その温度を5
5〜80℃、特に60〜70℃に保つことが、後述する
供給ノズル先端での溶融石鹸の固化防止、及び石鹸の酸
化や香料の劣化の防止の点から好ましい。
【0020】これに関連し、溶融石鹸の循環において
は、溶融石鹸をその融点よりも1〜20℃、特に2〜5
℃高い温度に加熱し保温した条件下に循環させること
が、同様の理由から好ましい。
【0021】溶融石鹸の循環においては、その循環流量
V(m3/h)に対する、貯蔵タンク61の容量S
(m3)の比S/V(h)が0.01〜5となるように
溶融石鹸を循環させることが、気泡の合一防止、及び気
泡と液体分との分離防止の点から好ましい。
【0022】前記循環流量に関連するが、溶融石鹸は、
その循環管路62内での流速Vdが0.02〜5m/
s、特に0.05〜0.8m/sとなるように循環され
ることが好ましい。下限値未満であると、溶融石鹸の注
入部3への分注時に圧力低下が発生し易くなる。上限値
を超えると、設備が大掛かりになる上、循環中に気泡を
巻き込む可能性が高くなる。またこれに関連して、循環
管路62は、その断面積が10〜200cm2、特に2
0〜180cm2であることが、同様の理由から好まし
い。
【0023】溶融石鹸の循環においては、その剪断速度
が0.2〜500s-1、特に0.3〜100s-1、とり
わけ0.3〜20s-1となるように溶融石鹸を循環させ
ることが、気泡の合一防止、及びと気泡と液体分との分
離防止の点から好ましい。剪断速度DはD=2Vd/d
から算出される。ここでVdは溶融石鹸の循環流速(m
/s)を示し、dは循環管路62の内径(m)を示す。
循環管路内には、前記剪断速度の範囲の剪断を加えるこ
とができるスタティックミキサー(静止混合器)を適宜
設けることが好ましい。
【0024】成形前においては、図2に示すように、注
入部3におけるノズル32と、成形部4における成形型
40とは離間した状態になっている。注入部3において
は、シリンダ34と循環管路62との連通が、ロータリ
ーバルブ35によって遮断されている。シリンダ34内
に配されているピストン36は所定の位置に留まってい
る。また、注入部3における押し込みプラグ33はノズ
ル32内に完全に挿入されており、溶融石鹸が供給され
ないようになっている。成形部4においては、油圧シリ
ンダ44を作動させてピストン45を押し出して、第1
の割型1と第2の割型1とを型閉しておく。両割型に
は、前述した冷却水の循環路に水を循環させておく。ま
た、油圧シリンダ48を作動させてピストン47を後退
させ、これによって該ピストン47に接続されているゲ
ートピン22をゲート21から引き出しておき、ノズル
挿入孔11からゲート21を経てキャビティCへ至る供
給路を形成しておく。
【0025】次に、図4(a)に示すように、成形部4
における油圧シリンダ51を作動させて、成形型40を
注入部3におけるノズル32に近接させ、該ノズル32
を成形型40のノズル挿入孔11内に完全に挿入する。
この状態においては、図4(a)の要部拡大図である図
4(b)に示すように、ノズル32とノズル挿入孔11
との間には空隙が全く存在していない。従って、ノズル
32とノズル挿入孔11との間で溶融石鹸の液漏れが発
生したり、或いは成形後にノズル32とノズル挿入孔1
1との間に溶融石鹸が残留することがない。
【0026】この状態下に、循環管路62を循環する溶
融石鹸は、その一部が、注入部3へ送り込まれる。この
状態を図5に示す。溶融石鹸を注入部3へ送り込むに
は、ロータリーバルブ35を180度回転させてシリン
ダ34と循環管路62とを連通させる。これと共にサー
ボモータ37を作動させてピストン36を後退させる。
これによってシリンダ34内に空間が形成され、その空
間内に溶融石鹸が流入する。ピストン36の後退は、所
定量の溶融石鹸がシリンダ34内に充填されるまで続け
られる。
【0027】所定量の溶融石鹸がシリンダ34内に充填
されたら、サーボモータ37の作動を停止し、ピストン
36の後退を停止する。次に図6(a)に示すようにロ
ータリーバルブ35を180度反転させてシリンダ34
と循環管路62との連通を遮断し且つシリンダ34とノ
ズル32とを連通させる。引き続き、油圧シリンダ38
を作動させてノズル32内からプラグ33を引き抜き、
両者間に空隙を形成する。この状態を図6(b)に示
す。これによって、シリンダ34、供給管30、ノズル
32、ゲート21及びキャビティCからなる溶融石鹸の
供給路が形成される。この状態下にサーボモータ37を
作動させてシリンダ34内のピストン36を押し込む。
これによって、シリンダ34内に充填されていた溶融石
鹸が前記供給路を通じて成形型40のキャビティC内に
加圧注入される。溶融石鹸の供給量がピストン34のス
トローク量で決定されることは前述の通りであるが、そ
のストローク量はサーボモータ37によって精密に制御
される。従って、本発明によれば一定重量の石鹸を容易
に製造することができる。
【0028】本実施形態におけるキャビティへの溶融石
鹸の充填は、初期段階、中期段階及び後期段階の3つの
段階に分けて行う。3つの段階の何れにおいても、前述
した定容量供給装置、即ちシリンダー34内のピストン
36の動作速度をサーボモータ37によって制御して充
填速度を調整する。充填の初期段階においては、溶融石
鹸を、得られる石鹸中に目視可能な程度の大きさの気泡
が存在しないような低充填速度で充填する。この理由は
次の通りである。充填速度を余りに高くすると、溶融石
鹸が噴射状態でキャビティC内に注入され、キャビティ
C内で溶融石鹸が泡立ってしまい、得られる石鹸中にそ
の泡が残存してしまう。そこで前記のような低充填速度
で溶融石鹸を充填することでキャビティC内での溶融石
鹸の泡立ちを防止している。目視可能な程度の大きさの
気泡は一般に0.5mm〜10mm程度のものである。
【0029】充填の中期段階では、充填初期よりも相対
的に高充填速度で溶融石鹸を充填する。この理由は次の
通りである。キャビティC内での溶融石鹸の泡立ち防止
の観点からは、充填中期においても低充填速度で溶融石
鹸を充填することが好ましい。しかし、キャビティC内
が溶融石鹸である程度満たされると、溶融石鹸の自重に
よって泡立ちしにくくなる。つまり、充填速度をある程
度高めても泡立ちしにくくなる。特に本実施形態のよう
にキャビティCの下部から上方に向かって溶融石鹸が充
填される方法の場合には、一層泡立ちしにくくなる。そ
こで、製造サイクルを高める観点から充填中期において
は、充填初期よりも相対的に高充填速度で溶融石鹸を充
填する。充填中期の開始時は、一般にキャビティCの体
積に対して溶融石鹸が5〜30%程度充填された状態で
ある。
【0030】充填の後期段階では、充填中期よりも相対
的に低充填速度で該溶融石鹸を充填する。この理由は次
の通りである。充填後期では、キャビティCは溶融石鹸
で大部分満たされており空間は少ない。この状態下に高
充填速度で溶融石鹸を供給すると、成形型に形成されて
いるエアベント(図示せず)が溶融石鹸で閉塞されて、
キャビティCの空間に存在している空気が抜けきらない
おそれがある。空気が抜けきらない場合には、得られる
石鹸に凹み等の欠陥が生じてしまう。この不都合を回避
するために、充填の後期段階では、充填中期よりも相対
的に低充填速度で該溶融石鹸を充填する。充填後期の開
始時は、一般にキャビティCの体積に対して溶融石鹸が
70〜95%程度充填された状態である。
【0031】以上のような充填速度の制御を行うこと
で、欠陥の無い製品を生産性よく製造することができ
る。
【0032】溶融石鹸の充填速度を、シリンダー34内
のピストン36の動きを制御することなく制御すること
もできる。この場合押し込みプラグ33を適宜進退させ
て、溶融石鹸の供給路の開度を調整する方法が一例とし
て挙げられる。この状態は先に図6(b)に示した通り
である。つまり、溶融石鹸の圧力損失又は流体摩擦を制
御することで、その充填速度を制御することができる。
この制御を一層精密にするには、押し込みプラグ33を
サーボモータを用いて進退させることが有利である。こ
の場合においては、シリンダ34とピストン36とから
構成される定容量供給装置を用いて一定容量の溶融石鹸
をキャビティC内に供給しているので、プラグ33を用
いた充填速度の制御は、定容量の溶融石鹸の供給下に行
われる。この方法によれば、充填速度を精密に制御しつ
つ一定容量の溶融石鹸をキャビティC内に供給すること
が容易である。
【0033】所定量の溶融石鹸がキャビティCに充填さ
れたら、図7に示すように押し込みプラグ33をノズル
32内に完全に挿入して、溶融石鹸の供給を停止する。
この後ただちに、或いはほぼ同時に油圧シリンダ48を
作動させてゲートピン22をゲート21内に押し込む。
これによって、成形型40における溶融石鹸の供給路で
あるゲート21は完全に閉塞されて空間が全く存在しな
い状態となり、ゲート21内に残存している溶融石鹸は
キャビティに追加充填される。更に、注入ノズル32の
内部もプラグ33によって完全に閉塞され空間が全く存
在しない状態となり、ノズル32内には溶融石鹸は残存
していない。つまり、溶融石鹸の充填完了時において
は、成形型40及び注入ノズル32の何れにも溶融石鹸
が残存していない。その結果、次回の成形時には新しい
溶融石鹸を供給することができ、成形を円滑に行うこと
ができる。また得られる石鹸も均質なものとなる。更
に、得られる石鹸に不要な部分が存在していないので、
いわゆる端切りが不要である。その上、成形型を毎回清
掃する必要がないので生産性に優れる。
【0034】キャビティC内に充填される溶融石鹸の量
は、キャビティCの体積と同程度又はそれよりも多少多
くてもよく或いは少なくてもよい。溶融石鹸の充填量が
キャビティCの体積よりやや少ない場合には、ゲートピ
ン21の押し込みによる追加充填によって最終的にはキ
ャビティCの体積と同程度の量の溶融石鹸が充填される
ことになる。逆に、溶融石鹸の充填量がキャビティCの
体積よりやや多くても、該溶融石鹸が気泡を含む圧縮性
流体であることから十分に充填可能である。従って、圧
縮性の低い溶融石鹸を用いる場合(例えば、気泡を含有
していない溶融石鹸を用いる場合)には、キャビティC
内に充填される溶融石鹸の量は、キャビティCの体積と
同程度又はそれよりも多少少ない方がよい。
【0035】キャビティC内に溶融石鹸が加圧充填され
ると、その加圧充填に起因して溶融石鹸がキャビティ外
へ戻ろうとする圧力がゲート21に向けて生じる。ゲー
トピン22をゲート21内に押し込み、その状態を維持
させるには、この圧力に抗する力をゲートピン22に加
える必要がある。この力を最小限にするためには、ゲー
トピン22の押し込み方向が、圧力の生じる方向と90
度の角度をなすようにすればよい。そこで本実施形態に
おいては、ゲートピン21を水平方向に進退させてその
進退方向を、ゲート21における溶融石鹸の流動方向
(この方向は溶融石鹸によって生じる圧力の方向と平行
である)に対して90度としてる。また成形型40の側
部にゲートピン22の進退手段を配してゲートピン22
を水平方向に押し込むようにすることで成形型40の下
側に空間が設けられ、これによって成形の作業性を良好
になるという利点もある。
【0036】ゲートピン22をゲート21内に押し込み
且つプラグ33をノズル32内に押し込んだ状態下に、
図8に示すように、成形部4における油圧シリンダ51
を作動させて成形型40をノズル32から引き離す。こ
れと共にキャビティC内の溶融石鹸の固化を進行させ
る。
【0037】溶融石鹸の固化が進行し、内部は未固化状
態であるが表面は固化している状態となった時点で、図
9に示すように、成形部4における油圧シリンダ44を
作動させてピストン45を引き戻し、第1の割型1と第
2の割型2とを型開する。この時点においては冷却によ
る石鹸Sの収縮は十分に起こっていないので、石鹸Sを
離型させるためには何らかの方法で離型を補助する必要
がある。そこで、第1の割型1のキャビティ面に形成さ
れている微小幅のスリット12を通じて吸引を行う。こ
れと共に第2の割型2のキャビティ面に形成されている
微小幅のスリット23を通じて該キャビティ面から石鹸
Sに向けて空気を吹き付け、該キャビティ面からの石鹸
Sの離型を促進させる。これらの操作によって、石鹸S
を第1の割型1のキャビティ面に保持させる。この状態
での石鹸Sにおける固化層の厚みは1〜8mm程度とな
っている。第1の割型1に形成されているスリット12
は、縦方向に所定間隔を置いて2列形成されている。第
2の割型2に形成されているスリット23は何れも波形
であり、キャビティ面の上部及び下部においては横方向
に延び、中央部においては、複数本が縦方向に延びてい
る。
【0038】前述の通り、成形型40の型開時には、石
鹸Sは、内部は未固化状態であるが表面は固化している
状態なので、一方の割型への保持が十分でないと落下し
易く、落下すると容易に破損して内部の未固化物によっ
て装置が汚染されてしまい、生産性が著しく低下してし
まう。従って、石鹸Sの割型への保持は確実に行う必要
がある。この観点から、成形型40を型開するときに、
第1の割型1のキャビティ面に形成されているスリット
を通じて吸引を行う際の吸引圧は、−0.01MPa〜
−0.095MPa、特に−0.05MPa〜−0.0
95MPaであることが好ましい。一方、第2の割型2
のキャビティ面から石鹸Sに向けて吹き付ける空気の圧
力は、0.01MPa〜1MPa、特に0.1MPa〜
0.3MPaであることが、固化中にある石鹸の破壊防
止の点から好ましい。各割型1,2に形成されているス
リットは、その幅が0.01mm〜0.5mm程度であ
り、長さが30mm〜200mm程度であることが、ス
リットの目詰まり防止の点、充填時に溶融石鹸がスリッ
ト内へ進入することを防止する点、及び効果的に空気が
吹き出る点から好ましい。また各割型1,2に形成され
ているスリットの面積の合計の割合は、各割型1,2の
キャビティ面の面積に対して0.01〜10%、特に
0.1〜5%であることが、固化した石鹸の割型からの
離型性を良好にする点、及び割型の構造を複雑にするこ
となく効果的に石鹸を取り出すことができる点から好ま
しい。
【0039】引き続き、図10に示すように、第2の割
型2の凹部とほぼ同形状の凹部を有する、所定の受け取
り装置としての受け取り装置70を第1の割型1の突き
合わせ面に対向当接させる。この状態下に、受け取り装
置70の凹部表面に形成されているスリットを通じて吸
引を行う。このスリットの形状は、第2の割型2に形成
されているスリットと同様とすることができる。これと
共に第1の割型1のキャビティ面に形成されているスリ
ット12を通じて該キャビティ面から石鹸Sに向けて空
気を吹き付け、該キャビティ面からの石鹸Sの離型を促
進させる。これらの操作によって、第1の割型1に保持
されていた石鹸Sを受け取り装置70に受け渡す。その
後、第1の割型1と第2の割型2とを型閉して図1に示
す状態に復帰させ、これまでに述べた操作を繰り返す。
【0040】石鹸Sは変形し易い状態にあるが、石鹸S
を受け渡し手段として空気の吸引及び吹き付けを用いる
ことで、受け渡し時に石鹸Sが変形することを効果的に
防止できる。この観点から、石鹸Sの受け渡し時に、第
1の割型1のキャビティ面から石鹸Sに向けて吹き付け
る空気の圧力は、0.1〜0.7MPa、特に0.1〜
0.5MPaであることが好ましい。一方、受け取り装
置70のの凹部表面に形成されているスリットを通じて
吸引を行う際の吸引圧は、−0.01MPa〜−0.0
95MPa、特に−0.05〜−0.095MPaであ
ることが、固化中にある石鹸の破壊及びそれに起因する
未固化部分の流出の防止、及び受け取り装置70での石
鹸の傷付き防止の点から好ましい。受け取り装置70に
形成されているスリットの幅、長さ及び凹部表面の面積
に対する割合は、第1及び第2の割型1,2と同程度と
することができる。受け取り装置70に形成されている
スリットは、その吸引力がそれぞれ個別に調整可能にな
っていることが、吸引の信頼性が向上することから好ま
しい。個別に吸引しない場合には、吸引力に偏りが生じ
て一部のスリットに目詰まりが生じる場合があるが、ス
リットが目詰まりしても他のスリットの吸引力を調整す
ることで、全体としての吸引力を一定に保つことができ
る。また、個別に調整可能になっていることで、厚い固
化層が形成されている部分は強い吸引力で吸引でき、薄
い固化層が形成されている部分は弱い吸引力で吸引でき
る。これによって石鹸の破壊を効果的に防止できる。
【0041】以上の操作によれば、石鹸を完全に冷却さ
せる前に成形型40から取り出すので、取り出し迄の時
間が短縮化され生産性を高めることができる。また、空
気の吹き付けによって成形型40からの石鹸の離型を促
進しているので、当該離型を容易に行うことができる。
更に、型開後ただちに石鹸を受け取り装置70に受け渡
すので、成形型40を次回の成形に使用できるまでの時
間が短縮化され、これによっても生産性を高めることが
できる。
【0042】石鹸の生産性を一層高める観点から、受け
取り装置70に受け渡された石鹸Sを、内部は溶融状態
であるが表面は固化している状態で、他の装置に受け渡
すことが好ましい。この受け渡しに際しては、受け取り
装置70から石鹸Sへ向けて気体を吹き付けることが、
受け渡しを円滑に行い得る点から好ましい。
【0043】気泡入り石鹸を構成する配合成分として
は、脂肪酸石鹸、非イオン系界面活性剤、無機塩、ポリ
オール類、非石鹸系のアニオン界面活性剤、遊離脂肪
酸、香料、水等が挙げられる。更に、抗菌剤、顔料、染
料、油剤、植物エキス等の添加物を必要に応じて適宜配
合してもよい。
【0044】成形型40の型開時に第1の割型1に石鹸
Sを確実に保持させるために、及び第1の割型1に保持
された石鹸Sを確実に受け取り装置70に確実に受け渡
すために、各割型1,2及び受け取り装置70は、以下
に述べる構成を有していることが好ましい。
【0045】割型1,2に関しては、石鹸を保持してい
る割型である第1の割型1が、石鹸Sにアンダカットが
形成されるような凹部形状を有していることが好まし
い。一方、型開によって石鹸が離型される割型である第
2の割型2が、石鹸Sにアンダカットが形成されないよ
うな凹部形状を有していることが好ましい。各割型1,
2の凹部がそれぞれこのような形状を有していること
で、型開時に石鹸Sが第1の割型1の方に一層確実に保
持されるようになる。尚、石鹸Sに形成されるアンダカ
ットは、石鹸をSを受け取り装置70に受け渡すとき
に、該石鹸Sに変形や欠けが生じない程度の形状とす
る。これを考慮して第1の割型1の凹部形状を設計する
必要がある。
【0046】また図11に示すように、第2の割型2の
凹部20の一部、例えば中央部が、型開動作方向と平行
な方向に摺動可能になっており、該凹部20の一部が陥
没するようになっていることも好ましい。これによって
第2の割型2からの石鹸Sの離型が一層容易になる。
【0047】図12に示すように、第1の割型1の凹部
10の一部、例えば中央部が、型開動作方向と平行な方
向に摺動可能になったイジェクト機構を有しており、該
凹部10の一部が隆起するようになっていることも好ま
しい。そして、第1の割型1から受け取り装置70へ石
鹸Sを受け渡すときに前記凹部10を隆起させる。これ
によって、第1の割型1から受け取り装置70への石鹸
Sの受け渡しが一層円滑となる。
【0048】図13に示すように、第2の割型2におけ
る凹部20の表面から放射状に空気が吹き出されるよう
に、第2の割型2にスリットを設けることも好ましい。
これによって、第2の割型2からの石鹸Sの離型が一層
容易になる。
【0049】受け取り装置70に関しては以下に述べる
構成がある。図14においては、受け取り装置70にス
リット71が設けられており、このスリット71を通じ
て第1の割型1へ向けて空気を吹き付ける。受け取り装
置70においてスリット71が設けられている位置は、
第1の割型1における突き合わせ面PLと凹部10との
境界部に対向する位置である。この位置から空気を吹き
付けることで、石鹸Sと凹部10との間に空気が入り込
み、第1の割型1からの石鹸Sの離型が一層良好とな
る。尚、この操作を行っている間は、前述の通り、受け
取り装置70の凹部表面に形成されているスリット72
を通じて吸引を行う。
【0050】図15においては、受け取り装置70の凹
部表面に多数の短い針73が植設されている。この針7
3を石鹸Sに刺すことによって石鹸Sの受け渡しが一層
確実になる。受け渡し最中の石鹸Sの落下も防止でき
る。石鹸Sの表面に針73の跡が目立たないようにする
ために、針73の長さは0.5mm〜30mm程度であ
ることが好ましい。、特に2mm〜8mmであることが
好ましい。また針73の本数は1cm2当たり0.1〜
5本程度であることが、石鹸Sの表面に針73の跡が目
立たず且つ石鹸Sの受け渡しが確実になる点から好まし
い。同様の理由から、針73の太さは0.1mm〜5m
m、特に0.1mm〜1mmであることが好ましい。
【0051】図16においては、受け取り装置70の凹
部における中央部が多孔性の材料74から構成されてい
る。吸引は多孔性の材料74の部分を通じて行われる。
これによって、スリットを用いる場合に比べて、全面で
の吸引が可能になるので吸引力が向上し、受け渡しを一
層確実に行うことができる。またスリットを用いる場合
に比べて石鹸Sに吸引痕が付きにくくなるという利点も
ある。
【0052】また図16においては、受け取り装置70
の凹部における周縁部が柔軟性の材料75から構成され
ている。これによって、石鹸Sの形状が何らかの原因に
よって受け取り装置70の凹部形状と合致しない場合
(例えば、石鹸Sが内圧で膨れていたり、過冷却で収縮
していたりする場合)であっても、該凹部内に石鹸を首
尾良く収容することができる。また、過大な吸引力で石
鹸Sが変形したときに破損することを防止することもで
きる。更に、吸引時に空気漏れによって吸引力が低下す
ることも防止できる。その上、第1の割型1と受け取り
装置70とを型閉するときに、これに起因して石鹸Sに
変形や欠けが生じることを一層防止できる。特に、前述
した通り、成形型70の型開は、石鹸の内部は未固化状
態であるが表面は固化している状態で行われるので、受
け渡しに際しては傷が付きやすい状態になっているの
で、前記柔軟性の材料75を用いることは効果的であ
る。
【0053】石鹸Sの受け渡しとは別に、図17に示す
ように、受け取り装置70に冷却水の循環路76を設
け、石鹸Sが該受け取り装置70に保持されている間に
おいても石鹸Sを冷却することが好ましい。これによっ
て石鹸Sの冷却が促進され、生産性が向上する。また、
受け取り装置70の凹部に石鹸の一部が付着しにくくな
り、該受け取り装置70のメンテナンス性が良好にな
る。
【0054】以上、本発明をその好ましい実施形態に基
づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されな
い。例えば、前記実施形態においては、各割型1,2及
び受け取り装置70に、空気の吹き付け及び吸引のため
に微小幅のスリットが設けられていたが、これに代え
て、又はこれと共に例えば円形をした微小な吸引・吹き
付け孔を設けてもよい。この孔の径は、0.05mm〜
1mm、特に0.3〜0.7mm程度とすることが好ま
しい。
【0055】また、受け取り装置70における凹部の形
状は、そこに収容される石鹸の形状と完全に一致する必
要はない。但し、該凹部の形状が、石鹸の形状と甚だし
く異なり、また該凹部における吸引圧が過大な場合に
は、吸引痕が石鹸に残る可能性があるので注意を要す
る。また、受け取り装置70の凹部に吸盤を配して、石
鹸Sの受け取りを一層確実にしてもよい。吸盤は、凹部
の面積の30〜100%の面積率であることが好まし
く、例えば凹部の中央部にのみ又は外側にのみ配するこ
とができる。更には、凹部の一部を切り欠いた形状とす
ることもできる。面積率を前記範囲内とすることで、石
鹸Sに傷を付けることなく受け渡しを一層確実に行え
る。更に、受け取り装置70は図示するものに限られ
ず、例えば石鹸の取り出し用ロボットアームなどでもよ
い。
【0056】また、各割型1,2及び受け取り装置に形
成されるスリットは前述したものに限られず、各割型
1,2に関して図示されたどの形状であってもよい。例
えば図18及び図19に示すようなものでもよい。図1
8においては、第1の割型1に矩形状のスリット12が
形成されており、第2の割型2に縦方向に延びる複数本
の直線状のスリット23が形成されている。図19にお
いては、第1の割型1にX字上のスリット12が形成さ
れており、第2の割型2に微小孔24が格子状に形成さ
れている。
【0057】石鹸Sを吸引し又はこれに吹き付ける気体
として前記実施形態においては、取り扱いが最も簡便な
空気を用いたが、製造する石鹸の種類等によっては空気
以外の気体、例えば窒素等の不活性ガスを用いてもよ
い。
【0058】前記の各実施形態は気泡入り石鹸の製造方
法に係るものであったが、本発明はこれ以外の石鹸の製
造にも同様に適用できることは言うまでもない。また成
形型として、前述した閉鎖されている成形型だけでな
く、開放されている成形型を用いることもできる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、石鹸を成形型から容易
に取り出すことができる。その上、生産性も高められ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の石鹸の製造装置における循環部を示す
模式図である。
【図2】本発明の石鹸の製造装置における注入部及び成
形部を示す模式図である。
【図3】成形型の型開状態を示す斜視図である。
【図4】図4(a)は成形開始時の状態を示す模式図で
あり、図4(b)は図4(a)の要部拡大図である。
【図5】シリンダ内に溶融石鹸を充填する状態を示す模
式図である。
【図6】図6(a)はキャビティ内に溶融石鹸を注入す
る状態を示す模式図であり、図6(b)は図6(a)の
要部拡大図である。
【図7】キャビティ内への溶融石鹸の充填が完了した状
態を示す模式図である。
【図8】成形部を注入部から離間した状態を示す模式図
である。
【図9】成形型を型開した状態を示す模式図である。
【図10】石鹸を受け取り手段に受け渡す状態を示す模
式図である。
【図11】成形型の別の実施形態を示す模式図である。
【図12】第1の割型の別の実施形態を示す模式図であ
る。
【図13】成形型の更に別の実施形態を示す模式図であ
る。
【図14】受け取り装置の別の実施形態を示す模式図で
ある。
【図15】受け取り装置の更に別の実施形態を示す模式
図である。
【図16】受け取り装置のまた更に別の実施形態を示す
模式図である。
【図17】受け取り装置の他の実施形態を示す模式図で
ある。
【図18】成形型に形成されたスリットの別の形態を示
す模式図である。
【図19】成形型に形成されたスリットの別の形態を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 第1の割型 2 第2の割型 3 注入部 4 成形部 6 循環部 11 ノズル挿入孔 21 ゲート 22 ゲートピン 32 注入ノズル 40 成形型 70 受け取り装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 恭典 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4H003 AB03 CA09 CA10 DA02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一組の割型を組み付けることでキャビテ
    ィが形成される成形型の該キャビティ内に溶融石鹸を充
    填し固化させた後、該成形型を型開して固化した石鹸を
    取り出す石鹸の製造方法において、 内部は未固化状態であるが表面は固化している状態の石
    鹸を、前記割型の少なくとも一つに保持した状態下に、
    前記成形型を型開し、 該石鹸を保持している該割型から該石鹸へ気体を吹き付
    けつつ、該石鹸を該割型から所定の受け取り装置へ受け
    渡す石鹸の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記割型に保持されている状態の前記石
    鹸を、所定形状の凹部を有する前記受け取り装置と対向
    させ、該石鹸を該割型から該受け取り装置へ受け渡す請
    求項1記載の石鹸の製造方法。
  3. 【請求項3】前記受け取り装置に受け渡された前記石鹸
    を、内部は溶融状態であるが表面は固化している状態
    で、他の装置に受け渡すと共に、受け渡しに際して前記
    受け取り装置から前記石鹸へ気体を吹き付ける請求項1
    又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記気体の吹き出し圧が0.1〜0.7
    MPaである請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記石鹸を保持している前記割型におけ
    る保持面に微小孔又は微細幅のスリットが形成されてお
    り、該微小孔又は該微細幅のスリットを通じて前記気体
    を吹き付ける請求項1〜4の何れかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記石鹸を保持している前記割型におけ
    る保持面に、該石鹸のイジェクト機構が備えられている
    請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記石鹸を保持している前記割型が、該
    石鹸にアンダカットが形成されるような凹部形状を有し
    ていると共に、前記型開によって前記石鹸が離型される
    前記割型が、該石鹸にアンダカットが形成されないよう
    な凹部形状を有している請求項1〜6の何れかに記載の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記受け取り装置に、前記石鹸の冷却手
    段が備えられている請求項1〜7の何れかに記載の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記受け取り装置における前記凹部に多
    数の針が備えられている請求項1〜8の何れかに記載の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記受け取り装置における前記凹部に
    多数の吸引孔又は吸引スリットが備えられている請求項
    1〜9の何れかに記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記吸引孔又は前記吸引スリットの吸
    引力が個別に調整可能になっている請求項10記載の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 前記受け取り装置における前記凹部が
    多孔性材料から構成されている請求項1〜11の何れか
    に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記受け取り装置における前記凹部が
    柔軟性材料から構成されている請求項1〜12の何れか
    に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記気体を放射状に吹き付ける請求項
    1記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 一組の割型を組み付けることでキャビ
    ティが形成され、且つ溶融石鹸を所定形状に成形するた
    めに用いられる石鹸の成形型において、型開方向におい
    て対向する割型における少なくとも1つの割型のキャビ
    ティ面に、空気の吹き出し及び/又は吸引のための微細
    幅のスリット及び/又は微小孔が形成されている石鹸の
    成形型。
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