JP2003252765A - 腸管運動機能不全性疾患の治療剤 - Google Patents
腸管運動機能不全性疾患の治療剤Info
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- JP2003252765A JP2003252765A JP2002052523A JP2002052523A JP2003252765A JP 2003252765 A JP2003252765 A JP 2003252765A JP 2002052523 A JP2002052523 A JP 2002052523A JP 2002052523 A JP2002052523 A JP 2002052523A JP 2003252765 A JP2003252765 A JP 2003252765A
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- intestinal motility
- motility dysfunction
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Abstract
(57)【要約】
【課 題】 腸管神経叢を発達させ、ひいては腸管運
動機能不全性疾患を治療する医薬を提供する。また、腸
管運動機能不全性疾患治療効果を付与した飲食品を提供
する。 【解決手段】 スフィンゴシンを有するリン脂質及びそ
の誘導体、特にスフィンゴミエリンを腸管運動機能不全
性疾患治療薬の有効成分とする。また、スフィンゴミエ
リンを配合することにより、腸管運動機能不全性疾患治
療効果を付与した飲食品を得る。
動機能不全性疾患を治療する医薬を提供する。また、腸
管運動機能不全性疾患治療効果を付与した飲食品を提供
する。 【解決手段】 スフィンゴシンを有するリン脂質及びそ
の誘導体、特にスフィンゴミエリンを腸管運動機能不全
性疾患治療薬の有効成分とする。また、スフィンゴミエ
リンを配合することにより、腸管運動機能不全性疾患治
療効果を付与した飲食品を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は腸管運動機能不全性
疾患の予防及び/又は治療に有用な医薬又は飲食品に関
する。より具体的には、本発明は、スフィンゴシンを有
するリン脂質及びその誘導体、特にスフィンゴミエリン
又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を配合した腸管運
動機能不全性疾患治療剤に関する。また本発明は腸管運
動機能不全性疾患治療効果を付与した飲食品に関する。
本発明品を摂取することによって、腸管神経の発達が促
進され、消化吸収能向上や便秘改善などの効果を図るこ
とができる。本発明における腸管運動機能不全治療効果
を付与した飲食品は、腸管運動機能が低い乳幼児や高齢
者や各疾患治癒後の患者当等の栄養補給に有用である。
疾患の予防及び/又は治療に有用な医薬又は飲食品に関
する。より具体的には、本発明は、スフィンゴシンを有
するリン脂質及びその誘導体、特にスフィンゴミエリン
又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を配合した腸管運
動機能不全性疾患治療剤に関する。また本発明は腸管運
動機能不全性疾患治療効果を付与した飲食品に関する。
本発明品を摂取することによって、腸管神経の発達が促
進され、消化吸収能向上や便秘改善などの効果を図るこ
とができる。本発明における腸管運動機能不全治療効果
を付与した飲食品は、腸管運動機能が低い乳幼児や高齢
者や各疾患治癒後の患者当等の栄養補給に有用である。
【0002】
【従来の技術】小腸及び大腸の運動性は、筋原性に発生
する基礎活動電位や腸管神経叢(筋間神経叢や粘膜内神
経叢等)の神経反射や、ガストリン、コレシストキニ
ン、およびサブスタンスP などの腸管ホルモンの働きに
より局所的に制御されている。それらの上位にはコリン
作動性の副交感神経とアドレナリン作動性の交感神経と
による二重支配があり、前者は促進的に、後者は抑制的
に腸管運動機能を制御している。腸の運動には進行性の
もの(蠕動運動)と非進行性のもの(分節運動、逆蠕動
運動)とがあり、これらの運動が小腸での栄養物の消化
と吸収、ならびに大腸での水分吸収と排便などに大きく
関与している。そして、これらの運動が機械的な原因や
機能的障害によって抑制されると、偽性腸閉塞や腸内容
物のうっ滞による便秘を引き起こすことが知られてい
る。
する基礎活動電位や腸管神経叢(筋間神経叢や粘膜内神
経叢等)の神経反射や、ガストリン、コレシストキニ
ン、およびサブスタンスP などの腸管ホルモンの働きに
より局所的に制御されている。それらの上位にはコリン
作動性の副交感神経とアドレナリン作動性の交感神経と
による二重支配があり、前者は促進的に、後者は抑制的
に腸管運動機能を制御している。腸の運動には進行性の
もの(蠕動運動)と非進行性のもの(分節運動、逆蠕動
運動)とがあり、これらの運動が小腸での栄養物の消化
と吸収、ならびに大腸での水分吸収と排便などに大きく
関与している。そして、これらの運動が機械的な原因や
機能的障害によって抑制されると、偽性腸閉塞や腸内容
物のうっ滞による便秘を引き起こすことが知られてい
る。
【0003】便秘には、習慣性のものの他、食物繊維の
摂取不足や運動不足などに起因するもの、抗コリン剤や
抗うつ剤などの薬剤摂取によるもの、およびストレスに
よるものなどがあるが、いずれの場合も大腸における蠕
動運動の低下が主な原因である。このような便秘に対す
る治療としては生活指導(食事、運動)が行われるとと
もに、内科的治療として下剤を用いるのが一般的であ
る。しかしながら、下剤による治療は対症療法であり、
副作用として下痢が高頻度で発現するという問題があっ
た。慢性の便秘患者では、投薬を中断すると直ちに症状
が悪化するので、なるべく継続的に治療薬を服用すべき
であるが、下剤はこのような継続的な投与により薬剤耐
性が生じ易く、最終的には薬剤の有効性が失われること
もあった。
摂取不足や運動不足などに起因するもの、抗コリン剤や
抗うつ剤などの薬剤摂取によるもの、およびストレスに
よるものなどがあるが、いずれの場合も大腸における蠕
動運動の低下が主な原因である。このような便秘に対す
る治療としては生活指導(食事、運動)が行われるとと
もに、内科的治療として下剤を用いるのが一般的であ
る。しかしながら、下剤による治療は対症療法であり、
副作用として下痢が高頻度で発現するという問題があっ
た。慢性の便秘患者では、投薬を中断すると直ちに症状
が悪化するので、なるべく継続的に治療薬を服用すべき
であるが、下剤はこのような継続的な投与により薬剤耐
性が生じ易く、最終的には薬剤の有効性が失われること
もあった。
【0004】一方、偽性腸閉塞としては、開腹手術の際
の術後イレウスや機能障害に基づく慢性仮性腸閉塞等が
あり、いずれも小腸蠕動運動の低下が主な原因と考えら
れている。これらの疾患に対する内科的治療としては、
プロスタグランジン製剤やドパミン拮抗剤が使用されて
いるが、いずれも効果は十分ではなく、腹痛や下痢等の
副作用のあることが知られていた。腸管運動機能促進作
用を有する薬剤として、消化器系の機能を改善するベン
ズアミド誘導体が知られている。例えば一般名メトクロ
プラミドは、胃の運動を促進し、胃内容物排出を促進
し、胃運動低下状態に対し優れた効果を発揮し、その運
動性と通過性を改善する薬物として、永年使用されてい
る。しかしながら、当該薬物は、中枢性への作用を持っ
ている薬物であるため、間脳の分泌機能に異常をきたし
たり、錐体外路症状の副作用が現れたりするので、必ず
しも好ましい薬物とは言えない。このほかに、シサプリ
ドと称する腸管運動機能不全治療剤が知られている。こ
のものは、作用点が神経抹消性であるため副作用の軽減
が計られてはいるものの当該薬物においても錐体外路症
状が現れるなど、なお改善の余地を残している。このよ
うに、胃運動の改善を対象とした薬剤は多種検討されて
いるが、腸管からの吸収が良好であり、中枢性への作用
の少ない、腸管運動機能を回復させる物質の出現が望ま
れるところである。
の術後イレウスや機能障害に基づく慢性仮性腸閉塞等が
あり、いずれも小腸蠕動運動の低下が主な原因と考えら
れている。これらの疾患に対する内科的治療としては、
プロスタグランジン製剤やドパミン拮抗剤が使用されて
いるが、いずれも効果は十分ではなく、腹痛や下痢等の
副作用のあることが知られていた。腸管運動機能促進作
用を有する薬剤として、消化器系の機能を改善するベン
ズアミド誘導体が知られている。例えば一般名メトクロ
プラミドは、胃の運動を促進し、胃内容物排出を促進
し、胃運動低下状態に対し優れた効果を発揮し、その運
動性と通過性を改善する薬物として、永年使用されてい
る。しかしながら、当該薬物は、中枢性への作用を持っ
ている薬物であるため、間脳の分泌機能に異常をきたし
たり、錐体外路症状の副作用が現れたりするので、必ず
しも好ましい薬物とは言えない。このほかに、シサプリ
ドと称する腸管運動機能不全治療剤が知られている。こ
のものは、作用点が神経抹消性であるため副作用の軽減
が計られてはいるものの当該薬物においても錐体外路症
状が現れるなど、なお改善の余地を残している。このよ
うに、胃運動の改善を対象とした薬剤は多種検討されて
いるが、腸管からの吸収が良好であり、中枢性への作用
の少ない、腸管運動機能を回復させる物質の出現が望ま
れるところである。
【0005】さらに、近年社会の高齢化が大きな問題に
なっている。特に加齢に伴ってリスクが高まる消化器系
に関連した疾患には、主に低栄養、便秘、感染症、ガン
などがあげられる。これらの疾患にかかる原因には、生
活習慣が大きく関与すると言われており、なかでも食生
活は、最も重要な要因であるといえる。消化器系の2大
機能としては、栄養吸収能と生体防御機能が挙げられ、
腸管運動機能不全性疾患はこれらの2大機能の両方に関
与している。例えば老年期では、摂食量の減少、栄養素
の吸収能力低下が起こりやすく、栄養不良は結果として
さまざまな疾病への抵抗力を低下させる。また成人から
老年期に多い便秘の発生には、腸管の運動能低下が関与
している。腸の筋肉や神経の働きが衰えると、内容物の
通過速度が遅くなり、直腸の中に便がたまっていても、
気づかないことが増えてくる。一般的には、大腸がんを
引き起こす様々な要因の一つに、直腸内に滞留した便か
ら発生する腐敗物質が関与すると言われており、これら
の症状を除くことは健康な体を維持するために重要であ
る。
なっている。特に加齢に伴ってリスクが高まる消化器系
に関連した疾患には、主に低栄養、便秘、感染症、ガン
などがあげられる。これらの疾患にかかる原因には、生
活習慣が大きく関与すると言われており、なかでも食生
活は、最も重要な要因であるといえる。消化器系の2大
機能としては、栄養吸収能と生体防御機能が挙げられ、
腸管運動機能不全性疾患はこれらの2大機能の両方に関
与している。例えば老年期では、摂食量の減少、栄養素
の吸収能力低下が起こりやすく、栄養不良は結果として
さまざまな疾病への抵抗力を低下させる。また成人から
老年期に多い便秘の発生には、腸管の運動能低下が関与
している。腸の筋肉や神経の働きが衰えると、内容物の
通過速度が遅くなり、直腸の中に便がたまっていても、
気づかないことが増えてくる。一般的には、大腸がんを
引き起こす様々な要因の一つに、直腸内に滞留した便か
ら発生する腐敗物質が関与すると言われており、これら
の症状を除くことは健康な体を維持するために重要であ
る。
【0006】また、乳児期において人工調製粉乳を摂取
している乳児は、母乳哺育児と比べて便秘になりやすい
ことが知られている。従って、胃や腸などの運動を亢進
する腸管運動機能促進作用を有する物質を摂取すること
は、これらの症状の緩和に有効であると考えられる。
している乳児は、母乳哺育児と比べて便秘になりやすい
ことが知られている。従って、胃や腸などの運動を亢進
する腸管運動機能促進作用を有する物質を摂取すること
は、これらの症状の緩和に有効であると考えられる。
【0007】腸管の運動は、前述のように種々の神経系
やホルモン系によって制御されているが、特に神経系の
機能低下は腸管の運動に悪影響を及ぼすことが明らかに
なっている。例えば、豊田らは、加齢による消化管運動
機能障害は、腸管神経叢の減少に由来することを上げて
いる(豊田隆謙編 消化管機能−自律神経と消化管ホル
モン− 医薬ジャーナル社)。またベーカーらも、動物
実験により加齢に伴う腸管の神経叢の減少が腸管運動機
能の低下の原因であることを明らかにしている(Bake D
M、Santer RM,Mech Ageing Dev. 1988 Feb;42(2):147-
158)。このように消化管内の減少した神経叢が復活する
ことによって、正常な腸管機能を回復させることが期待
できる。
やホルモン系によって制御されているが、特に神経系の
機能低下は腸管の運動に悪影響を及ぼすことが明らかに
なっている。例えば、豊田らは、加齢による消化管運動
機能障害は、腸管神経叢の減少に由来することを上げて
いる(豊田隆謙編 消化管機能−自律神経と消化管ホル
モン− 医薬ジャーナル社)。またベーカーらも、動物
実験により加齢に伴う腸管の神経叢の減少が腸管運動機
能の低下の原因であることを明らかにしている(Bake D
M、Santer RM,Mech Ageing Dev. 1988 Feb;42(2):147-
158)。このように消化管内の減少した神経叢が復活する
ことによって、正常な腸管機能を回復させることが期待
できる。
【0008】本発明者らは、腸管の運動機能回復につい
て鋭意研究した結果、スフィンゴシンを有するリン脂質
及びその誘導体、特に乳中に多く含まれるリン脂質の一
つであるスフィンゴミエリンが、腸管の神経叢を特異的
に増加させ、その結果優れた腸管運動機能不全性疾患治
療効果を有することを見出し、本発明を完成した。スフ
ィンゴミエリンの機能については、表1のようにリン脂
質中の20〜30%と乳中に多く含まれているにも関わら
ず、その研究は細胞レベルにとどまっており、生体にお
ける生理学的機能については数少ない。そのため、これ
まで栄養素の一成分としての有効性は認識されていなか
った。スフィンゴミエリンの利用に関しては、消炎鎮痛
外用剤(特開平5-186330号公報)、脂質の消化吸収機能
改善剤(特開平11-269074号公報)などが知られている
が、腸管運動機能不全に対して作用を及ぼすことは未だ
明らかにされておらず、腸管運動機能不全を改善する目
的では利用されていない。
て鋭意研究した結果、スフィンゴシンを有するリン脂質
及びその誘導体、特に乳中に多く含まれるリン脂質の一
つであるスフィンゴミエリンが、腸管の神経叢を特異的
に増加させ、その結果優れた腸管運動機能不全性疾患治
療効果を有することを見出し、本発明を完成した。スフ
ィンゴミエリンの機能については、表1のようにリン脂
質中の20〜30%と乳中に多く含まれているにも関わら
ず、その研究は細胞レベルにとどまっており、生体にお
ける生理学的機能については数少ない。そのため、これ
まで栄養素の一成分としての有効性は認識されていなか
った。スフィンゴミエリンの利用に関しては、消炎鎮痛
外用剤(特開平5-186330号公報)、脂質の消化吸収機能
改善剤(特開平11-269074号公報)などが知られている
が、腸管運動機能不全に対して作用を及ぼすことは未だ
明らかにされておらず、腸管運動機能不全を改善する目
的では利用されていない。
【0009】
【表 1】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スフ
ィンゴシンを有するリン脂質及びその誘導体、特にスフ
ィンゴミエリンの投与によって腸管神経叢を発達させ、
ひいては腸管運動機能不全性疾患を治療する医薬を提供
することを課題とする。さらに、本発明はスフィンゴミ
エリン又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を配合し、
腸管運動機能不全性疾患治療効果を付与した飲食品を提
供することを課題とする。
ィンゴシンを有するリン脂質及びその誘導体、特にスフ
ィンゴミエリンの投与によって腸管神経叢を発達させ、
ひいては腸管運動機能不全性疾患を治療する医薬を提供
することを課題とする。さらに、本発明はスフィンゴミ
エリン又はスフィンゴミエリン含有リン脂質を配合し、
腸管運動機能不全性疾患治療効果を付与した飲食品を提
供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは母乳中に含
まれているスフィンゴミエリンは生体に対して何らかの
生理学的効果を有するものであると確信し、鋭意研究を
重ねた結果、スフィンゴミエリンが腸管細胞の増殖を促
進する効果を見出した(特開2000-350563号公報)。さ
らに、本発明者らは、上記スフィンゴミエリンが、腸管
神経の発達を促進させる作用を有し、腸管運動機能不全
性疾患治療剤として有用なことを見出し、本発明を完成
した。
まれているスフィンゴミエリンは生体に対して何らかの
生理学的効果を有するものであると確信し、鋭意研究を
重ねた結果、スフィンゴミエリンが腸管細胞の増殖を促
進する効果を見出した(特開2000-350563号公報)。さ
らに、本発明者らは、上記スフィンゴミエリンが、腸管
神経の発達を促進させる作用を有し、腸管運動機能不全
性疾患治療剤として有用なことを見出し、本発明を完成
した。
【0012】本発明は、以下の構成からなる発明であ
る。 (1)スフィンゴシンを有するリン脂質及びその誘導体
を有効成分として含有することを特徴とする腸管運動機
能不全性疾患治療剤。 (2)スフィンゴシンを有するリン脂質及びその誘導体
がスフィンゴミエリンである(1)記載の腸管運動機能
不全性疾患治療剤。 (3)スフィンゴミエリンがスフィンゴミエリン含有リ
ン脂質として配合されたものである(2)記載の腸管運
動機能不全性疾患治療剤。 (4)スフィンゴミエリン又はスフィンゴミエリン含有
リン脂質を配合し、腸管運動機能不全性疾患治療効果を
付与した飲食品。 (5)乳児用飲食品である(4)記載の飲食品。 (6)高齢者用飲食品である(4)記載の飲食品。
る。 (1)スフィンゴシンを有するリン脂質及びその誘導体
を有効成分として含有することを特徴とする腸管運動機
能不全性疾患治療剤。 (2)スフィンゴシンを有するリン脂質及びその誘導体
がスフィンゴミエリンである(1)記載の腸管運動機能
不全性疾患治療剤。 (3)スフィンゴミエリンがスフィンゴミエリン含有リ
ン脂質として配合されたものである(2)記載の腸管運
動機能不全性疾患治療剤。 (4)スフィンゴミエリン又はスフィンゴミエリン含有
リン脂質を配合し、腸管運動機能不全性疾患治療効果を
付与した飲食品。 (5)乳児用飲食品である(4)記載の飲食品。 (6)高齢者用飲食品である(4)記載の飲食品。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明における腸管運動機
能不全性疾患治療剤について説明する。腸管運動機能不
全調節とは、食道、胃、小腸及び大腸等の腸管における
運動機能の亢進およびその機能制御をいい、これらの機
能不全を調節する薬剤を腸管運動機能不全性疾患治療剤
という。なお、これらの機能は、ラット等の実験動物に
より、腸管内容物の指標として摂取させた酸化クロムの
糞便排出時間により確認することができる。
能不全性疾患治療剤について説明する。腸管運動機能不
全調節とは、食道、胃、小腸及び大腸等の腸管における
運動機能の亢進およびその機能制御をいい、これらの機
能不全を調節する薬剤を腸管運動機能不全性疾患治療剤
という。なお、これらの機能は、ラット等の実験動物に
より、腸管内容物の指標として摂取させた酸化クロムの
糞便排出時間により確認することができる。
【0014】本発明では、腸管神経の発達を促進させる
有効成分として、スフィンゴシンを有するリン脂質及び
その誘導体、特にスフィンゴミエリンを配合する。この
スフィンゴミエリンは精製したものでもよいし、スフィ
ンゴミエリン含有リン脂質として用いてもよい。スフィ
ンゴミエリンは動物脳や乳脂肪に多く含まれるが、好ま
しくは乳由来であることが本発明の実施上望ましい。乳
由来スフィンゴミエリンとしては、生乳やホエータンパ
ク質濃縮物(WPC)などを原料として用いるのがよ
い。
有効成分として、スフィンゴシンを有するリン脂質及び
その誘導体、特にスフィンゴミエリンを配合する。この
スフィンゴミエリンは精製したものでもよいし、スフィ
ンゴミエリン含有リン脂質として用いてもよい。スフィ
ンゴミエリンは動物脳や乳脂肪に多く含まれるが、好ま
しくは乳由来であることが本発明の実施上望ましい。乳
由来スフィンゴミエリンとしては、生乳やホエータンパ
ク質濃縮物(WPC)などを原料として用いるのがよ
い。
【0015】生乳やWPCなどからスフィンゴミエリン
含有リン脂質画分を得る方法としては、エーテルやアセ
トンで抽出する方法(特開平3-47192号公報)、バター
を加温融解して得られるバターカードやバターセーラム
を含む水溶性画分を用いる方法、バターミルクやバター
セーラム中に含まれる乳脂肪球被膜画分を用いる方法等
公知の方法を例示することができる。これらの原料と方
法を採用することで、得られる画分それぞれのスフィン
ゴミエリン含有量は、約28%、約9%、約9%である。
含有リン脂質画分を得る方法としては、エーテルやアセ
トンで抽出する方法(特開平3-47192号公報)、バター
を加温融解して得られるバターカードやバターセーラム
を含む水溶性画分を用いる方法、バターミルクやバター
セーラム中に含まれる乳脂肪球被膜画分を用いる方法等
公知の方法を例示することができる。これらの原料と方
法を採用することで、得られる画分それぞれのスフィン
ゴミエリン含有量は、約28%、約9%、約9%である。
【0016】また、これらのスフィンゴミエリン含有リ
ン脂質画分を透析、硫安分画、ゲル濾過、等電点沈殿、
イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画などの手法に
より精製することで純度を高めたスフィンゴミエリンを
得ることができる。本発明のスフィンゴミエリンを有効
成分とする腸管運動機能不全性疾患治療剤は、スフィン
ゴミエリン単体でもよいし、糖、タンパク質、脂質等を
構成成分として含んでいてもよい。これらのスフィンゴ
ミエリンやスフィンゴミエリン含有リン脂質は、液体、
粉末や錠剤等の形態を適宜とることができ、直接、経口
投与することができる。
ン脂質画分を透析、硫安分画、ゲル濾過、等電点沈殿、
イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画などの手法に
より精製することで純度を高めたスフィンゴミエリンを
得ることができる。本発明のスフィンゴミエリンを有効
成分とする腸管運動機能不全性疾患治療剤は、スフィン
ゴミエリン単体でもよいし、糖、タンパク質、脂質等を
構成成分として含んでいてもよい。これらのスフィンゴ
ミエリンやスフィンゴミエリン含有リン脂質は、液体、
粉末や錠剤等の形態を適宜とることができ、直接、経口
投与することができる。
【0017】また、スフィンゴミエリンのみならず、ヒ
ト栄養所要量に定められた有効量のホスファチジルコリ
ンを含有しているリン脂質組成物を使用してもよい。含
有量については、リン脂質組成物100g当たり0.05〜4.0g
であることが望ましい。本発明の腸管運動機能不全性疾
患治療剤は、消化器症状のなかでも食道、胃、小腸及び
大腸等の腸管の運動機能不全に伴う諸症状の治療剤、又
は特に便秘の改善剤として用いられる。本発明の腸管運
動機能不全性疾患治療剤は、経口又は非経口的に投与す
ることができるが、通常は経口投与される。
ト栄養所要量に定められた有効量のホスファチジルコリ
ンを含有しているリン脂質組成物を使用してもよい。含
有量については、リン脂質組成物100g当たり0.05〜4.0g
であることが望ましい。本発明の腸管運動機能不全性疾
患治療剤は、消化器症状のなかでも食道、胃、小腸及び
大腸等の腸管の運動機能不全に伴う諸症状の治療剤、又
は特に便秘の改善剤として用いられる。本発明の腸管運
動機能不全性疾患治療剤は、経口又は非経口的に投与す
ることができるが、通常は経口投与される。
【0018】このような医薬組成物として、錠剤、カプ
セル剤、細粒剤、散剤、丸剤、トローチ、舌下剤、又は
液剤などの経口投与用の製剤、あるいは、注射剤、座
剤、軟膏、貼付剤などの非経口投与用の製剤を例示する
ことができる。
セル剤、細粒剤、散剤、丸剤、トローチ、舌下剤、又は
液剤などの経口投与用の製剤、あるいは、注射剤、座
剤、軟膏、貼付剤などの非経口投与用の製剤を例示する
ことができる。
【0019】経口投与用の錠剤又はカプセル剤は、通常
は単位投与物として提供され、結合剤、充填剤、希釈
剤、打錠剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、香味剤及び湿潤
剤のような通常の製剤用担体を添加して製造することが
できる。錠剤は、この当業界で周知の方法に従って、例
えば腸溶性コーティング剤を用いてコーティングするこ
とができ、例えば、セルロース、マンニトール、又はラ
クトースなどの充填剤;澱粉、ポリビニルポリピロリド
ン、澱粉誘導体、又はナトリウム澱粉グリコラートなど
の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;ラ
ウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤を用いることができ
る。
は単位投与物として提供され、結合剤、充填剤、希釈
剤、打錠剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、香味剤及び湿潤
剤のような通常の製剤用担体を添加して製造することが
できる。錠剤は、この当業界で周知の方法に従って、例
えば腸溶性コーティング剤を用いてコーティングするこ
とができ、例えば、セルロース、マンニトール、又はラ
クトースなどの充填剤;澱粉、ポリビニルポリピロリド
ン、澱粉誘導体、又はナトリウム澱粉グリコラートなど
の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;ラ
ウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤を用いることができ
る。
【0020】経口投与用の液剤は、例えば水性又は油性
懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ剤又はエリキシ
ル剤などの他、使用前に水又は適当な媒体により再溶解
されうる乾燥製剤として提供される。このような液剤に
は、通常の添加剤、例えばソルビトール、シロップ、メ
チルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミ
ニウムゲル又は水素化食用脂肪のような沈澱防止剤、レ
シチン、ソルビタンモノオレート、アラビアゴムのよう
な乳化剤、アーモンド油、精留ココナッツ油、油状エス
テル(例えばグリセリンのエステル)、プロピレングリ
コール、エチルアルコールのような(食用油も包含しう
る)非水性媒体、p-ヒドロキシ安息香酸のメチルエステ
ル、エチルエステル、若しくはプロピルエステル、又は
ソルビン酸のような保存剤、及び必要に応じて通常の香
味剤又は着色剤を配合することができる。
懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ剤又はエリキシ
ル剤などの他、使用前に水又は適当な媒体により再溶解
されうる乾燥製剤として提供される。このような液剤に
は、通常の添加剤、例えばソルビトール、シロップ、メ
チルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミ
ニウムゲル又は水素化食用脂肪のような沈澱防止剤、レ
シチン、ソルビタンモノオレート、アラビアゴムのよう
な乳化剤、アーモンド油、精留ココナッツ油、油状エス
テル(例えばグリセリンのエステル)、プロピレングリ
コール、エチルアルコールのような(食用油も包含しう
る)非水性媒体、p-ヒドロキシ安息香酸のメチルエステ
ル、エチルエステル、若しくはプロピルエステル、又は
ソルビン酸のような保存剤、及び必要に応じて通常の香
味剤又は着色剤を配合することができる。
【0021】経口投与用の製剤は、混合、充填、又は打
錠などの当業界で周知の方法により製造することができ
る。また反復配合操作を用いて、多量の充填剤などを使
用した製剤中に有効成分を分布させてもよい。非経口投
与用の製剤は、一般には、有効成分である化合物と滅菌
媒体とを含有する液体単位投与量製剤として提供され
る。非経口投与用の溶液は、通常、化合物を媒体に溶解
させて滅菌濾過し、次に適当なバイアル又はアンプルに
充填して密封することにより製造される。安定性を高め
るために、組成物を凍結させた後にバイアル中に充填
し、水を真空下で除去してもよい。非経口懸濁液は、実
質的に非経口溶液の場合と同じ方法で製造されるが、有
効成分を媒体に懸濁させてエチレンオキシドなどにより
滅菌することにより好適に製造することができる。ま
た、有効成分が均一分布となるように、必要に応じて界
面活性剤、湿潤剤等を添加してもよい。
錠などの当業界で周知の方法により製造することができ
る。また反復配合操作を用いて、多量の充填剤などを使
用した製剤中に有効成分を分布させてもよい。非経口投
与用の製剤は、一般には、有効成分である化合物と滅菌
媒体とを含有する液体単位投与量製剤として提供され
る。非経口投与用の溶液は、通常、化合物を媒体に溶解
させて滅菌濾過し、次に適当なバイアル又はアンプルに
充填して密封することにより製造される。安定性を高め
るために、組成物を凍結させた後にバイアル中に充填
し、水を真空下で除去してもよい。非経口懸濁液は、実
質的に非経口溶液の場合と同じ方法で製造されるが、有
効成分を媒体に懸濁させてエチレンオキシドなどにより
滅菌することにより好適に製造することができる。ま
た、有効成分が均一分布となるように、必要に応じて界
面活性剤、湿潤剤等を添加してもよい。
【0022】有効成分である上記化合物の投与量は、治
療や予防の目的、治療又は予防すべき疾患の種類、患者
の症状、体重、年齢や性別等を考慮して適宜決定すれば
よいが、通常の場合、成人1日あたり経口投与により、
スフィンゴミエリンとして 0.1〜1,000 mg 程度を投与
することができる。このような投与量を1日あたり1〜数
回投与するのが望ましい。
療や予防の目的、治療又は予防すべき疾患の種類、患者
の症状、体重、年齢や性別等を考慮して適宜決定すれば
よいが、通常の場合、成人1日あたり経口投与により、
スフィンゴミエリンとして 0.1〜1,000 mg 程度を投与
することができる。このような投与量を1日あたり1〜数
回投与するのが望ましい。
【0023】さらに、本発明の腸管運動機能不全性疾患
治療剤の有効成分であるスフィンゴミエリンを含有させ
た食品としては、チーズ、バター、乳食品、乳飲料、ド
リンクヨーグルト、コーヒー飲料及び果汁飲料、ゼリ
ー、プリン、クッキー、ビスケット等の菓子、さらには
育児用調製乳、離乳食、冷凍食品等の各種飲食品が挙げ
られる。本発明の腸管運動機能不全性疾患治療剤は、腸
管神経叢が減少し腸管運動機能の低下した老人や、腸管
神経叢が未発達の乳児、幼児、あるいは外科手術後長期
間静脈栄養措置を施され、腸管運動機能の低下した患者
に特に適するものである。以下に、実施例および試験例
により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこ
れらに限定されるべきものではない。
治療剤の有効成分であるスフィンゴミエリンを含有させ
た食品としては、チーズ、バター、乳食品、乳飲料、ド
リンクヨーグルト、コーヒー飲料及び果汁飲料、ゼリ
ー、プリン、クッキー、ビスケット等の菓子、さらには
育児用調製乳、離乳食、冷凍食品等の各種飲食品が挙げ
られる。本発明の腸管運動機能不全性疾患治療剤は、腸
管神経叢が減少し腸管運動機能の低下した老人や、腸管
神経叢が未発達の乳児、幼児、あるいは外科手術後長期
間静脈栄養措置を施され、腸管運動機能の低下した患者
に特に適するものである。以下に、実施例および試験例
により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこ
れらに限定されるべきものではない。
【0024】
【実施例1】<スフィンゴミエリンの調製>ホエータン
パク質濃縮物(WPC)の10%水溶液にプロテアーゼを
作用させて得られた反応液をクロロホルム-メタノール
(2:1)溶液で抽出した後、濃縮し、さらにアセトン抽
出して複合脂質画分を得た。次にこの複合脂質画分をフ
ロロシリルカラムクロマトグラフィー処理し、クロロホ
ルム-メタノール溶液で段階抽出してリン脂質画分を得
た。このリン脂質画分をシリカゲルクロマトグラフィー
処理し、クロロホルム-メタノール溶液で段階抽出した
ものを凍結乾燥してスフィンゴミエリンを得た。このス
フィンゴミエリンを薄層クロマトグラフィー処理した
後、ディットマー試薬で発色し、デンシメトリー法で測
定したところ、スフィンゴミエリン含有率は95.2%であ
った。このようにして得られたスフィンゴミエリンは、
腸管運動機能不全性疾患治療剤としてそのまま利用可能
である。
パク質濃縮物(WPC)の10%水溶液にプロテアーゼを
作用させて得られた反応液をクロロホルム-メタノール
(2:1)溶液で抽出した後、濃縮し、さらにアセトン抽
出して複合脂質画分を得た。次にこの複合脂質画分をフ
ロロシリルカラムクロマトグラフィー処理し、クロロホ
ルム-メタノール溶液で段階抽出してリン脂質画分を得
た。このリン脂質画分をシリカゲルクロマトグラフィー
処理し、クロロホルム-メタノール溶液で段階抽出した
ものを凍結乾燥してスフィンゴミエリンを得た。このス
フィンゴミエリンを薄層クロマトグラフィー処理した
後、ディットマー試薬で発色し、デンシメトリー法で測
定したところ、スフィンゴミエリン含有率は95.2%であ
った。このようにして得られたスフィンゴミエリンは、
腸管運動機能不全性疾患治療剤としてそのまま利用可能
である。
【0025】
【実施例2】<腸管運動機能不全性疾患治療剤の製造>
実施例1で得た精製スフィンゴミエリン100mgに、含水
結晶ぶどう糖98.4g、シュガーエステル1g、香料0.5gを
加え、混和した後、タブレット状に打錠し、腸管運動機
能不全性疾患治療剤を製造した。
実施例1で得た精製スフィンゴミエリン100mgに、含水
結晶ぶどう糖98.4g、シュガーエステル1g、香料0.5gを
加え、混和した後、タブレット状に打錠し、腸管運動機
能不全性疾患治療剤を製造した。
【0026】
【実施例3】<腸管運動機能不全性疾患治療機能を付与
した飲料の製造>実施例1で得た精製スフィンゴミエリ
ン100mgに、混合異性化糖15g、果汁10g、クエン酸0.5
g、香料0.1g、水74.3gを加え混合し、容器に充填した
後、加熱滅菌して、腸管運動機能不全性疾患治療機能を
付与した飲料を製造した。
した飲料の製造>実施例1で得た精製スフィンゴミエリ
ン100mgに、混合異性化糖15g、果汁10g、クエン酸0.5
g、香料0.1g、水74.3gを加え混合し、容器に充填した
後、加熱滅菌して、腸管運動機能不全性疾患治療機能を
付与した飲料を製造した。
【0027】
【実施例4】<腸管運動機能不全性疾患治療機能を付与
したゼリーの製造>実施例1で得た精製スフィンゴミエ
リン100mgに、果糖20g、グラニュー糖15g、水飴5g、寒
天1g、香料0.11g、水58.79gを加え混合し、容器に充填
した後、加熱滅菌し、冷却して、腸管運動機能不全性疾
患治療効果を付与したゼリーを製造した。
したゼリーの製造>実施例1で得た精製スフィンゴミエ
リン100mgに、果糖20g、グラニュー糖15g、水飴5g、寒
天1g、香料0.11g、水58.79gを加え混合し、容器に充填
した後、加熱滅菌し、冷却して、腸管運動機能不全性疾
患治療効果を付与したゼリーを製造した。
【0028】以下に試験例を示し、スフィンゴミエリン
の持つ腸管運動機能に及ぼす効果について説明する。
の持つ腸管運動機能に及ぼす効果について説明する。
【0029】
【試験例1】<腸管神経発達効果確認試験>下記表2に
示した配合に従って、試験飼料及び対照飼料を調製し、
生後1週間のS.D.系ラット5匹を1群として、試験飼料
群には試験飼料を、対照飼料群には対照飼料を、2週齢
になるまでの1週間、胃にカテーテルを装着し、それぞ
れ一定量投与した。投与期間終了後、腸管筋肉層間神経
叢面積を測定した。結果を表3に示す。
示した配合に従って、試験飼料及び対照飼料を調製し、
生後1週間のS.D.系ラット5匹を1群として、試験飼料
群には試験飼料を、対照飼料群には対照飼料を、2週齢
になるまでの1週間、胃にカテーテルを装着し、それぞ
れ一定量投与した。投与期間終了後、腸管筋肉層間神経
叢面積を測定した。結果を表3に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】哺乳期のラットは成長過程にあり、腸管も
また、増殖過程にある。したがって、成熟に伴い腸管神
経はより発達し、腸管運動機能を発揮することになる。
従ってラット腸管の神経叢の面積を腸管運動機能不全性
疾患治療能力の指標とした。この表3の結果について、
マン・ホイットニー検定により解析を行ったところ、試
験飼料群の腸管筋肉層間神経叢面積は、対照飼料群のそ
れより有意に大きくなっていた。従ってスフィンゴミエ
リンを摂取することで、腸管の神経叢面積が増加させる
効果を有し、腸管運動機能不全性疾患を治療することが
できることが確認された。なお、試験期間中において
は、ラットに何ら病的な変化は認められなかった。
また、増殖過程にある。したがって、成熟に伴い腸管神
経はより発達し、腸管運動機能を発揮することになる。
従ってラット腸管の神経叢の面積を腸管運動機能不全性
疾患治療能力の指標とした。この表3の結果について、
マン・ホイットニー検定により解析を行ったところ、試
験飼料群の腸管筋肉層間神経叢面積は、対照飼料群のそ
れより有意に大きくなっていた。従ってスフィンゴミエ
リンを摂取することで、腸管の神経叢面積が増加させる
効果を有し、腸管運動機能不全性疾患を治療することが
できることが確認された。なお、試験期間中において
は、ラットに何ら病的な変化は認められなかった。
【0033】
【試験例2】<ラットにおける糞便排出時間の検討>表
4に示した配合に従って、試験飼料及び対照飼料を調製
し、生後2週間のS.D.系ラット5匹を1群として、試験
飼料群には試験飼料を、対照飼料群には対照飼料を、5
週齢になるまでの3週間投与した。そして、1夜絶食した
後に試験用飼料試験飼料及び対照飼料に酸化クロムを0.
5%の割合で配合した特殊飼料を摂取させ、酸化クロム
色のついた糞便が排泄されるまでの時間を30分おきに確
認し、糞便排出時間を測定した。
4に示した配合に従って、試験飼料及び対照飼料を調製
し、生後2週間のS.D.系ラット5匹を1群として、試験
飼料群には試験飼料を、対照飼料群には対照飼料を、5
週齢になるまでの3週間投与した。そして、1夜絶食した
後に試験用飼料試験飼料及び対照飼料に酸化クロムを0.
5%の割合で配合した特殊飼料を摂取させ、酸化クロム
色のついた糞便が排泄されるまでの時間を30分おきに確
認し、糞便排出時間を測定した。
【0034】
【表4】
【0035】この結果について、マン・ホイットニー検
定により解析を行ったところ、試験飼料群の糞便排出時
間は、対照飼料群のそれより有意に短縮されていた。こ
のように、腸管運動機能の未熟なラットに対し、スフィ
ンゴミエリンを投与することによりラットの腸管運動機
能は改善した。なお、試験期間中においては、ラットに
何ら病的な変化は認められなかった。以上の試験例1及
び試験例2から、スフィンゴミエリンは腸管運動機能不
全性疾患治療効果を有することが確認された。
定により解析を行ったところ、試験飼料群の糞便排出時
間は、対照飼料群のそれより有意に短縮されていた。こ
のように、腸管運動機能の未熟なラットに対し、スフィ
ンゴミエリンを投与することによりラットの腸管運動機
能は改善した。なお、試験期間中においては、ラットに
何ら病的な変化は認められなかった。以上の試験例1及
び試験例2から、スフィンゴミエリンは腸管運動機能不
全性疾患治療効果を有することが確認された。
【0036】
【発明の効果】本発明によって新規な腸管運動機能不全
性疾患治療剤が提供される。本発明の腸管運動機能不全
疾患治療剤は、日常的な経口摂取により、極めて安全に
腸管運動機能を回復させる。また、本発明による食品を
摂取することにより、腸管運動機能不全性疾患を予防す
ることができる。
性疾患治療剤が提供される。本発明の腸管運動機能不全
疾患治療剤は、日常的な経口摂取により、極めて安全に
腸管運動機能を回復させる。また、本発明による食品を
摂取することにより、腸管運動機能不全性疾患を予防す
ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61P 1/10 A61P 1/14
1/14 25/02 103
25/02 103 A23L 2/00 F
Fターム(参考) 4B017 LC03 LK06
4B018 MD45 ME11
4C086 AA01 AA02 DA42 MA01 MA04
MA52 NA14 ZA22 ZA66 ZA69
ZA72 ZB22
Claims (6)
- 【請求項1】スフィンゴシンを有するリン脂質及びその
誘導体を有効成分として含有することを特徴とする腸管
運動機能不全性疾患治療剤。 - 【請求項2】スフィンゴシンを有するリン脂質及びその
誘導体がスフィンゴミエリンである請求項1記載の腸管
運動機能不全性疾患治療剤。 - 【請求項3】スフィンゴミエリンがスフィンゴミエリン
含有リン脂質として配合されたものである請求項2記載
の腸管運動機能不全性疾患治療剤。 - 【請求項4】スフィンゴミエリン又はスフィンゴミエリ
ン含有リン脂質を配合し、腸管運動機能不全性疾患治療
効果を付与した飲食品。 - 【請求項5】乳児用飲食品である請求項4記載の飲食
品。 - 【請求項6】高齢者用飲食品である請求項4記載の飲食
品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002052523A JP2003252765A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | 腸管運動機能不全性疾患の治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002052523A JP2003252765A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | 腸管運動機能不全性疾患の治療剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003252765A true JP2003252765A (ja) | 2003-09-10 |
Family
ID=28664192
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002052523A Pending JP2003252765A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | 腸管運動機能不全性疾患の治療剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003252765A (ja) |
Cited By (16)
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-
2002
- 2002-02-28 JP JP2002052523A patent/JP2003252765A/ja active Pending
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| US9186366B2 (en) | 2005-09-22 | 2015-11-17 | Megmilk Snow Brand Co., Ltd. | Medicine, food and drink or feed containing sphingomyelin |
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