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JP2003251264A - 複層塗膜形成方法及び水性中塗り塗料組成物 - Google Patents

複層塗膜形成方法及び水性中塗り塗料組成物

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Publication number
JP2003251264A
JP2003251264A JP2002054108A JP2002054108A JP2003251264A JP 2003251264 A JP2003251264 A JP 2003251264A JP 2002054108 A JP2002054108 A JP 2002054108A JP 2002054108 A JP2002054108 A JP 2002054108A JP 2003251264 A JP2003251264 A JP 2003251264A
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Japan
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coating film
coating
intermediate coating
parts
forming
Prior art date
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JP2002054108A
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Teruzo Azumai
輝三 東井
Takehito Sasaoka
岳人 佐々岡
Yoshiko Kobayashi
佳子 小林
Kazuya Kitagawa
一哉 北川
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Nippon Paint Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装工程短縮、コスト削減及び環境負荷低減
を目指す3ウエット塗装システムにおいて、中塗り塗膜
とベース塗膜との間の混層を防止し、黄変することな
く、優れた外観を有する塗膜を形成することができる多
層塗膜形成方法を提供する。 【解決手段】 電着塗膜が形成された被塗装物上に、水
性中塗り塗料を塗装して未硬化の中塗り塗膜を形成する
工程(1)、水性ベース塗料を塗装して未硬化のベース
塗膜を形成する工程(2)、クリヤー塗料を塗装して未
硬化のクリヤー塗膜を形成する工程(3)、並びに、上
記中塗り塗膜、上記ベース塗膜及び上記クリヤー塗膜を
同時に加熱硬化させて、複層塗膜を得る工程(4)から
なる複層塗膜形成方法であって、上記工程(1)により
形成された中塗り塗膜は、上記工程(2)を行う前に、
せん断速度6.28sec−1、測定温度30℃の条件
下で、測定した粘度が10Pa・s以上である複層塗
膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複層塗膜形成方法
及び水性中塗り塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料分野、特に自動車塗装分野に
おいては、環境負荷(VOC等)削減の課題を解決する
ため、水性塗料が注目されている。水性塗料は、一般的
には、アニオン性官能基やカチオン性官能基等の親水性
官能基を樹脂中に組み込み、対イオンと組み合わせて塩
の形態とした塗膜形成性樹脂を、水やアルコール等の低
公害の親水性媒体中に、水溶性化、水分散化又はエマル
ション化したものである。
【0003】このうち、塗膜形成性樹脂にカルボキシル
基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基
等のアニオン性官能基が導入されている場合には、対イ
オンとしてアミン等の塩基性物質が使用されている。
【0004】一方、従来の自動車塗装仕上げ手順におけ
る塗装は、電着塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜がそれ
ぞれの塗装後に焼付けされる3コート3ベーク塗装方法
によって行われていたが、近年、電着塗装後に電着塗膜
を焼付けた後、その上に、中塗り塗装、ベース塗装及び
クリヤー塗装の3つの塗装工程をウエットオンウエット
で施し、これらウエット塗膜の一括した焼付けを行う3
ウエット塗装システムにより焼付け工程数を削減して、
省資源化及び省エネルギー化を図る試みもなされてい
る。
【0005】しかしながら、中塗り塗装、ベース塗装及
びクリヤー塗装をウエットオンウエットで施す3ウエッ
ト塗装システムにおいて、上述のアニオン性官能基を対
イオンと組み合わせて塩の形態とした塗膜形成性樹脂を
含む水性塗料を使用すると、中塗り塗膜とベース塗膜と
の間の混層が起こり、得られる塗膜の肌感及び艶感が大
幅に低下するという問題点があり、また、上述のアニオ
ン性官能基を対イオンと組み合わせて塩の形態とした塗
膜形成性樹脂を含む水性塗料を使用すると、得られる塗
膜が黄変するという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塗装
工程短縮、コスト削減及び環境負荷低減を目指す3ウエ
ット塗装システムにおいて、中塗り塗膜とベース塗膜と
の間の混層を防止し、黄変することなく、優れた外観を
有する塗膜を形成することができる複層塗膜形成方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、電着塗膜が形
成された被塗装物上に、水性中塗り塗料を塗装して未硬
化の中塗り塗膜を形成する工程(1)、上記中塗り塗膜
の上に、水性ベース塗料を塗装して未硬化のベース塗膜
を形成する工程(2)、更に、その上に、クリヤー塗料
を塗装して未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程
(3)、並びに、上記中塗り塗膜、上記ベース塗膜及び
上記クリヤー塗膜を同時に加熱硬化させて、複層塗膜を
得る工程(4)からなる複層塗膜形成方法であって、上
記工程(1)により形成された中塗り塗膜は、上記工程
(2)を行う前に、せん断速度6.28sec−1、測
定温度30℃の条件下で、測定した粘度が10Pa・
s以上であることを特徴とする複層塗膜形成方法であ
る。
【0008】上記水性中塗り塗料は、アクリルエマルシ
ョン樹脂、メラミン樹脂、分散剤顔料分散ペースト及び
増粘剤からなるものであり、工程(1)、工程(2)及
び工程(3)により形成された塗膜は、工程(4)を行
う前に、単位面積1mmにおける揮発性の塩基性物質
の合計量が7×10−6mmol以下であることが好ま
しい。
【0009】本発明はまた、上記複層塗膜形成方法に用
いる水性中塗り塗料組成物であって、上記水性中塗り塗
料組成物は、アクリルエマルション樹脂、メラミン樹
脂、分散剤顔料分散ペースト及び増粘剤からなるもので
あり、上記アクリルエマルション樹脂の重量平均分子量
は、50000〜200000であることを特徴とする
水性中塗り塗料組成物である。以下、本発明を詳細に説
明する。
【0010】本発明の複層塗膜形成方法は、電着塗膜が
形成された被塗装物上に、水性中塗り塗料を塗装して未
硬化の中塗り塗膜を形成する工程(1)、上記中塗り塗
膜の上に、水性ベース塗料を塗装して未硬化のベース塗
膜を形成する工程(2)、更に、その上に、クリヤー塗
料を塗装して未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程
(3)、並びに、上記中塗り塗膜、上記ベース塗膜及び
上記クリヤー塗膜を同時に加熱硬化させて、複層塗膜を
得る工程(4)からなるものである。
【0011】工程(1) 本発明の複層塗膜形成方法において、上記工程(1)
は、電着塗膜が形成された被塗装物上に、水性中塗り塗
料を塗装して未硬化の中塗り塗膜を形成する工程であ
る。
【0012】上記工程(1)により形成された中塗り塗
膜は、上記工程(2)を行う前に、せん断速度6.28
sec−1、測定温度30℃の条件下で、測定した粘度
が10 Pa・s以上である。
【0013】上記粘度は、せん断速度6.28sec
−1、測定温度30℃の条件下で、粘弾性測定装置によ
り測定される粘度であり、粘弾性測定装置としては、例
えば、「MR−300」(株式会社レオロジー社製粘弾
性測定装置)、を用いて測定することができる。
【0014】上記条件下で、未硬化の中塗り塗膜の粘度
は、例えば、上記水性中塗り塗料組成物中に、増粘剤を
添加することや、塗膜形成性樹脂の重量平均分子量が小
さくなりすぎないように制御することにより、10
a・s以上とすることができる。即ち、増粘剤を添加す
ることや、塗膜形成性樹脂の重量平均分子量が小さくな
りすぎないように制御すること、例えば、塗膜形成性樹
脂としてアクリルエマルション樹脂が使用される場合に
は樹脂の重量平均分子量を50000〜200000に
することにより水性中塗り塗料組成物の粘度を高くする
ことができ、これにより得られる未硬化の中塗り塗膜の
粘度を10Pa・s以上にすることができる。
【0015】上記条件下で、未硬化の中塗り塗膜の粘度
が10Pa・s以上であることにより、上記工程
(1)により形成された未硬化の中塗り塗膜上に上記工
程(2)によりベース塗膜を形成する際に、ベース塗膜
の成分が中塗り塗膜中へ移動することが防止でき、結果
として中塗り塗膜とベース塗膜との間での混層が起こる
ことを抑制することができる。これにより、塗膜の仕上
がり外観の肌感や艶感が低下することを抑制できること
から、得られる塗膜を優れた外観を有するものとするこ
とができる。
【0016】上記条件下で、粘度が10Pa・s未満
であると、混層が起こり、得られる塗膜の仕上がり外観
が低下するおそれがある。混層を防止することができる
観点から、好ましくは、下限10Pa・s、上限10
Pa・sであり、より好ましくは、下限1.2×10
Pa・s、上限8.0×10Pa・sである。
【0017】水性中塗り塗料 上記中塗り塗膜の形成に用いる水性中塗り塗料は、下地
を隠蔽し、上塗り塗装後の表面平滑性を確保(外観向
上)し、耐衝撃性、耐チッピング性等の塗膜物性を付与
するために塗装されるものである。
【0018】上記水性中塗り塗料は、上記工程(1)に
より形成された中塗り塗膜の粘度を10Pa・s以上
とすることができるものなら特に限定されないが、塗膜
形成性樹脂としてアクリルエマルション樹脂を含むもの
であることが好ましい。上記アクリルエマルション樹脂
を含むことにより、粘度を10Pa・s以上とするこ
とができ、結果として中塗り塗膜とベース塗膜との間の
混層をより防止することができ、得られる塗膜の肌感及
び艶感が低下することを防止することができる。
【0019】上記アクリルエマルション樹脂のゲルパー
ミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって得ら
れた重量平均分子量は、下限50000、上限2000
00であることが好ましい。これにより、上記工程
(1)により形成された塗膜の粘度を高くすることがで
き、中塗り塗膜とベース塗膜との間での混層を防止で
き、塗膜の仕上がり外観を優れたものとすることができ
る。50000未満であると、10Pa・sを超える
粘度が得られないおそれあり、200000を超える
と、中塗りとして下地隠蔽性が低下し、優れた仕上がり
外観を得ることが困難となるおそれがある。より好まし
くは、下限100000、上限200000である。
【0020】上記アクリルエマルション樹脂のゲルパー
ミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって重量
平均分子量を測定する方法としては、従来公知の方法に
より測定することができる。
【0021】上記アクリルエマルション樹脂は、酸価
が、下限1(mgKOH/g樹脂)、上限100(mg
KOH/g樹脂)であることが好ましい。1未満である
と、塗膜密着性に劣り、また、硬化不良となることがあ
り、100を超えると、親水性が高すぎて塗膜の耐水性
が悪くなることがある。より好ましくは、下限3、上限
70である。
【0022】上記アクリルエマルション樹脂は、水酸基
を含むものである場合には、水酸基価が、下限30、上
限150であることが好ましい。30未満であると、硬
化不良を起こす場合があり、150を超えると、硬化後
塗膜中に過剰の水酸基が残存する結果、耐水性に劣るこ
とがある。より好ましくは、下限40、上限100であ
る。
【0023】上記アクリルエマルション樹脂の製造方法
としては特に限定されず、目的とする上記アクリルエマ
ルション樹脂の種類や性質等に応じて適宜選択すること
ができ、例えば、溶融重合法、エステル交換法、界面重
合法、溶液重合法等の従来公知の製造方法を使用するこ
とができる。
【0024】上記水性中塗り塗料は、増粘剤を含むもの
であることが好ましい。これにより、上記工程(2)を
行う前における粘度がより高くなり、中塗り塗膜とベー
ス塗膜との間での混層をより抑制することができ、得ら
れる塗膜の仕上がり外観を優れたものとすることができ
る。
【0025】上記増粘剤としては特に限定されず、例え
ば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、
長鎖ポリアミノアマイドのリン酸塩等のポリアマイド系
のもの;酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等の
ポリエチレン系のもの;有機酸スメクタイト粘土、モン
モリロナイト等の有機ベントナイト系のもの;ケイ酸ア
ルミ、硫酸バリウム等の無機顔料;顔料の形状により粘
性が発現する偏平顔料等を挙げることができる。なかで
も、混層を防止する観点から、会合型増粘剤が好まし
い。
【0026】上記増粘剤の添加量は、水性中塗り塗料の
樹脂固形分100質量部に対して、下限0.01質量
部、上限10質量部であり、好ましくは、下限0.02
質量部、上限8質量部、より好ましくは、下限0.03
質量部、上限6質量部である。10質量部を超えると、
外観が低下し、0.1質量部未満であると、増粘効果が
得られず、中塗り塗膜とベース塗膜との間での混層を起
こすおそれがある。
【0027】上記水性中塗り塗料組成物は、硬化剤とし
てメラミン樹脂を含むものであることが好ましい。上記
メラミン樹脂としては特に限定されず、例えば、市販さ
れているものを挙げることができる。
【0028】上記水性中塗り塗料組成物は、顔料及び揮
発性の塩基性物質を実質的に含まない顔料分散剤を予め
分散して得られる分散剤顔料分散ペーストを含むもので
あることが好ましい。本明細書中において、揮発性の塩
基性物質を実質的に含まないとは、顔料分散剤の固形分
中に揮発性の塩基性物質を全く含まないか、又は、3質
量%以下で含むことを意味するものである。
【0029】本発明においては、上記顔料分散剤中に揮
発性の塩基性物質を実質的に含まないようにすることに
よって、水性中塗り塗料から形成される中塗り塗膜中の
揮発性の塩基性物質の量が少なくなり、得られる複層塗
膜の黄変を抑えることができる。従って、3質量%を超
えると、得られる複層塗膜が黄変し、仕上がり外観に劣
る。好ましくは、揮発性の塩基性物質を全く含まない場
合、即ち、従来一般的に使用されているアミン中和型の
顔料分散樹脂を使用しない場合である。
【0030】上記揮発性の塩基性物質とは、沸点が30
0℃以下の塩基性物質を意味するものである。例えば、
無機及び有機の窒素含有塩基性物質を挙げることができ
る。上記無機塩基性物質としては、例えば、アンモニア
等が挙げられ、上記有機塩基性物質としては、例えば、
メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エ
チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソ
プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジメチルドデ
シルアミン等の炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状のア
ルキル基含有1〜3級アミン;モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノ
ール等の炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状ヒドロキシ
アルキル基含有1〜3級アミン;ジメチルエタノールア
ミン、ジエチルエタノールアミン等の炭素数1〜20の
直鎖状又は分枝状のアルキル基及び炭素数1〜20の直
鎖状又は分枝状のヒドロキシアルキル基を含有する1〜
3級アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン等の炭素数1〜20の置換又は非置換鎖状ポリア
ミン;モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチル
モルホリン等の炭素数1〜20の置換又は非置換環状モ
ノアミン;ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エ
チルピペラジン、N,N−ジメチルピペラジン等の炭素
数1〜20の置換又は非置換環状ポリアミン等のアミン
類を挙げることができる。
【0031】上記顔料分散剤は、顔料親和部分及び親水
性部分を含む構造を有する樹脂であり、上記揮発性の塩
基性物質を実質的に含まないものである。上記顔料親和
部分及び親水性部分としては、例えば、ノニオン性、カ
チオン性及びアニオン性の官能基を挙げることができ、
顔料分散剤1分子中に上記官能基を2種類以上有してい
てもよい。
【0032】上記ノニオン性官能基としては、例えば、
ヒドロキシル基、アミド基、ポリオキシアルキレン基等
が挙げられ、上記カチオン性官能基としては、例えば、
アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基等が挙げられる。ま
た、アニオン性官能基としては、例えば、カルボキシル
基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。このよう
な顔料分散剤は、当業者にとってよく知られた方法によ
って製造することができる。
【0033】上記顔料分散剤としては、揮発性の塩基性
物質を実質的に含まないものであれば特に限定されない
が、少量の顔料分散剤によって効率的に顔料を分散する
ことができるものが好ましい。
【0034】上記顔料分散剤としては、市販されている
ものを使用することもできる。上記市販品としては、例
えば、Disperbyk 190、Disperby
k 182、Disperbyk 184(いずれもビ
ックケミー社製)、EFKAPOLYMER4550
(EFKA社製)、ソルスパース27000、ソルスパ
ース41000、ソルスパース53095(いずれもア
ビシア社製)等を挙げることができる。
【0035】上記顔料分散剤の数平均分子量は、下限1
000、上限10万であることが好ましい。1000未
満であると、分散安定性が充分ではない場合があり、1
0万を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となる
場合がある。より好ましくは、下限2000、上限5万
であり、更に好ましくは、下限4000、上限5万であ
る。
【0036】上記顔料分散剤は、顔料とともに公知の方
法に従って混合分散して、分散剤顔料分散ペーストを得
る。上記分散剤顔料分散ペースト中の上記顔料分散剤の
配合割合は、分散剤顔料分散ペーストの固形分に対し
て、下限1質量%、上限20質量%であることが好まし
い。1質量%未満であると、顔料を安定に分散すること
ができず、20質量%を超えると、塗膜の物性に劣る場
合がある。好ましくは、下限5質量%、上限15質量%
である。
【0037】上記顔料としては、通常の中塗り塗料に使
用される顔料であれば特に限定されないが、耐候性を向
上させ、かつ隠蔽性を確保する点から、着色顔料である
ことが好ましい。特に二酸化チタンは白色の着色隠蔽性
に優れ、しかも安価であることから、より好ましい。
【0038】上記二酸化チタン以外の顔料としては、例
えば、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合ア
ゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリ
ノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナ
クリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔
料等の有機系着色顔料;黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、
カーボンブラック等の無機着色顔料等が挙げられる。上
記顔料として、更に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
クレー、タルク等の体質顔料を使用してもよい。
【0039】上記顔料としてカーボンブラックと二酸化
チタンを主要顔料とした標準的なグレー系中塗り塗料を
用いることもできるし、上塗り塗料と明度又は色相等を
合わせたセットグレーや各種の着色顔料を組み合わせた
いわゆるカラー中塗り塗料を用いることもできる。
【0040】上記顔料は、上記水性中塗り塗料中におい
て、顔料及び樹脂固形分の合計質量に対する顔料の質量
の比(PWC)が、10〜60質量%であることが好ま
しい。10質量%未満では、顔料不足のために隠蔽性が
低下するおそれがある。60質量%を超えると、顔料過
多により硬化時の粘性増大を招き、フロー性が低下して
塗膜外観が低下することがある。
【0041】上記水性中塗り塗料中の顔料分散剤の含有
量は、顔料分散剤として塩基性物質を実質的に含まない
ものを使用する場合には、固形分基準で、下限0.5質
量%、上限10質量%であることが好ましい。0.5質
量%未満であると、顔料分散剤の配合量が少ないために
顔料の分散安定性に劣る場合がある。10質量%を超え
ると、塗膜物性に劣る場合がある。好ましくは、下限1
質量%、上限5質量%である。上記水性中塗り塗料は、
更に、紫外線吸収剤;酸化防止剤;消泡剤;表面調整
剤;ワキ防止剤等の添加剤成分を添加することができ
る。
【0042】上記水性中塗り塗料は、アクリルエマルシ
ョン樹脂、メラミン樹脂、分散剤顔料分散ペースト及び
増粘剤からなるものであることがより好ましい。これに
より、上記工程(2)を行う前における粘度をより高め
ることができることから、これらの成分からなる水性中
塗り塗料組成物を本発明の複層塗膜形成方法に用いるこ
とにより、せん断速度6.28sec−1、測定温度3
0℃の条件下で、中塗り塗膜の粘度を10Pa・s以
上とすることができる。従って、中塗り塗膜とベース塗
膜との間の混層をより防止することができ、結果として
得られる塗膜の肌感及び艶感が低下することをより防止
することができる。
【0043】上記工程(1)は、混層防止、黄変防止及
び外観向上の点から、水性中塗り塗料を塗装した後、上
記工程(2)を行う前に、プレヒートを行うものである
ことが好ましい。上記工程(1)において、プレヒート
を行う場合には、本発明の複層塗膜形成方法における上
記工程(2)を行う前の粘度とは、プレヒート後の粘度
を意味する。
【0044】中塗り塗膜形成方法 上記水性中塗り塗料は、上記電着塗膜が形成された被塗
装物上に塗装され、未硬化の中塗り塗膜が形成される。
上記電着塗膜を形成させる電着塗料としては、カチオン
型及びアニオン型のものを用いることができる。防食性
に優れた塗膜を得ることができる点より、カチオン型の
ものが好ましい。
【0045】上記被塗装物(電着塗装を行う素材)とし
ては特に限定されず、例えば、鉄、銅、アルミニウム、
スズ、亜鉛等;これらの金属を含む合金及び鋳造物が挙
げられる。具体的には、乗用車、トラック、オートバ
イ、バス等の自動車車体及び部品が挙げられる。これら
の金属は、電着塗装が行われる前に、予めリン酸塩、ク
ロム酸塩等で化成処理されたものが特に好ましい。
【0046】上記水性中塗り塗料の塗装方法としては特
に限定されず、例えば、通称「リアクトガン」と言われ
るエアー静電スプレー;通称「マイクロ・マイクロ(μ
μ)ベル」、「マイクロ(μ)ベル」、「メタベル」等
と言われる回転霧化式の静電塗装機等を用いることによ
り行うことができる。好ましくは、回転霧化式の静電塗
装機等を用いる方法である。
【0047】上記中塗り塗膜の乾燥膜厚は、用途により
変化するが、5〜50μmであることが好ましい。上限
を超えると、鮮映性が低下したり、塗装時にタレや焼付
け硬化時にワキ等の不具合が起こることがあり、下限を
下回ると、外観が低下するおそれがある。
【0048】本発明において、水性中塗り塗料、水性ベ
ース塗料及びクリヤー塗料について、未硬化で塗膜を形
成するとは、水性中塗り塗料、水性ベース塗料及びクリ
ヤー塗料をウエット・オン・ウエットでこの順番に塗装
することを意味するものである。本明細書において未硬
化とは、例えば、プレヒートを行った後の状態を含む概
念である。上記プレヒートとしては、塗装した後に、例
えば、室温〜100℃未満で1〜10分間放置又は加熱
する工程である。良好な仕上がり外観を得ることを目的
として、水性中塗り塗料を塗装した後及び水性ベース塗
料を塗装した後にプレヒートを行うことが好ましい。
【0049】工程(2) 上記工程(2)は、上述のようにして形成された未硬化
の中塗り塗膜の上に、水性ベース塗料を塗装して未硬化
のベース塗膜を形成する工程である。
【0050】水性ベース塗料 上記水性ベース塗料は、主として、塗膜に色彩や光輝性
等の美観性及び意匠性を付与し維持するために塗装され
るものである。本発明において、上記水性ベース塗料と
しても、顔料及び揮発性の塩基性物質を実質的に含まな
い顔料分散剤を予め分散して得られる分散剤顔料分散ペ
ーストを配合しているものを使用することができる。上
記揮発性の塩基性物質、及び、上記顔料分散剤として
は、上記水性中塗り塗料において例示したものを挙げる
ことができる。
【0051】上記水性ベース塗料に含まれる顔料として
は、上記の着色顔料、体質顔料を用いることができるほ
か、光輝性顔料を配合してメタリックベース塗料として
用いることもできるし、光輝性顔料を配合せずにレッ
ド、ブルーあるいはブラック等の着色顔料及び/又は体
質顔料を配合してソリッド型ベース塗料として用いるこ
ともできる。
【0052】上記光輝性顔料としては特に限定されず、
例えば、金属又は合金等の無着色若しくは着色された金
属性光輝材及びその混合物、干渉マイカ粉、着色マイカ
粉、ホワイトマイカ粉、グラファイト又は無色有色偏平
顔料等を挙げることができる。分散性に優れ、透明感の
高い塗膜を形成することができるため、金属又は合金等
の無着色若しくは着色された金属性光輝材及びその混合
物が好ましい。その金属の具体例としては、アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ
等を挙げることができる。
【0053】上記光輝性顔料の形状は特に限定されず、
更に、着色されていてもよいが、例えば平均粒径(D5
0)が、下限2μm、上限50μmであり、厚さが、下
限0.1μm、上限5μmである鱗片状のものが好まし
い。平均粒径としては、光輝感に優れることから、より
好ましくは、下限10μm、上限35μmである。
【0054】上記顔料は、1種又は2種以上を使用する
ことができ、着色顔料及び体質顔料、並びに、必要に応
じ、偏平顔料及び光輝性顔料のなかから、1種又は2種
以上を組み合わせて用いることができる。
【0055】上記水性ベース塗料において、分散剤顔料
分散ペースト中の顔料分散剤の配合割合は、分散剤顔料
分散ペーストの固形分に対して、3〜50質量%である
ことが好ましい。3質量%未満であると、顔料を安定に
分散することができず、50質量%を超えると、得られ
る塗膜の物性が低下するおそれがある。
【0056】上記水性ベース塗料は、上記分散剤顔料分
散ペーストと、塗膜形成性樹脂及び硬化剤とを混合して
調製することができる。上記光輝性顔料及びその他の全
ての顔料を含めた水性ベース塗料中の顔料濃度(PW
C)は、一般的には、下限0.1質量%、上限50質量
%であり、好ましくは、下限0.5質量%、上限40質
量%であり、より好ましくは、下限1質量%、上限30
質量%である。50質量%を超えると塗膜外観が低下す
る。
【0057】上記水性ベース塗料中の顔料分散剤の含有
量は、顔料分散剤として塩基性物質を実質的に含まない
ものを使用する場合には、固形分基準で、下限1質量
%、上限20質量%であることが好ましい。1質量%未
満であると、顔料分散剤の配合量が少ないために顔料の
分散安定性に劣る場合がある。20質量%を超えると、
得られる塗膜の物性が低下するおそれがある。
【0058】上記水性ベース塗料に使用される塗膜形成
性樹脂、硬化剤及びその他の添加剤としても特に限定さ
れず、上記のものを挙げることができる。顔料分散性や
作業性の点から、アクリル樹脂及び/又はポリエステル
樹脂とメラミン樹脂との組み合わせが好ましい。また、
水性ベース塗料の調製方法についても、上記水性中塗り
塗料において例示した方法を挙げることができる。
【0059】ベース塗膜形成方法 上記ベース塗料は、上記のように形成された未硬化の中
塗り塗膜の上に、塗装して未硬化のベース塗膜を形成す
る。上記塗装方法としては、水性中塗り塗料を塗装する
際に例示した方法を挙げることができる。上記ベース塗
料を自動車車体等に対して塗装する場合には、意匠性を
高めるために、エアー静電スプレーによる多ステージ塗
装、好ましくは、2ステージで塗装するか、又は、エア
ー静電スプレーと上記の回転霧化式の静電塗装機とを組
み合わせた塗装方法により行うことが好ましい。
【0060】上記ベース塗膜の乾燥膜厚は、用途により
変化するが、5〜35μmであることが好ましい。上限
を超えると、鮮映性が低下したり、塗装時にムラ、流れ
等の不具合が起こることがあり、下限を下回ると、色ム
ラが発生するおそれがある。
【0061】工程(3) 上記工程(3)は、上記のように形成された未硬化のベ
ース塗膜の上に、クリヤー塗料を塗装して未硬化のクリ
ヤー塗膜を形成する工程である。
【0062】クリヤー塗料 クリヤー塗膜は、ベース塗料として光輝性顔料を含むメ
タリックベース塗料を用いた場合に光輝性顔料に起因す
るベース塗膜の凹凸、チカチカ等を平滑にしたり、ま
た、ベース塗膜を保護するために形成されるものであ
る。上記クリヤー塗料としては特に限定されず、例え
ば、塗膜形成性樹脂、硬化剤及びその他の添加剤からな
るものを挙げることができる。
【0063】上記塗膜形成性樹脂としては特に限定され
ず、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、これらはアミノ樹
脂及び/又はブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤と
組み合わせて用いられる。透明性又は耐酸エッチング性
等の点から、アクリル樹脂及び/若しくはポリエステル
樹脂とアミノ樹脂との組み合わせ、又は、カルボン酸・
エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂及び/若しくはポ
リエステル樹脂等を用いることが好ましい。
【0064】上記クリヤー塗料としては、上述したベー
ス塗料を塗装後、未硬化の状態で塗装するため、層間の
なじみや反転、又は、タレ等の防止のため、粘性制御剤
を添加剤として含有することが好ましい。上記粘性制御
剤の添加量は、クリヤー塗料の樹脂固形分100質量部
に対して、下限0.01質量部、上限10質量部であ
り、好ましくは、下限0.02質量部、上限8質量部、
より好ましくは、下限0.03質量部、上限6質量部で
ある。10質量部を超えると、外観が低下し、0.1質
量部未満であると、粘性制御効果が得られず、タレ等の
不具合を起こす原因となる。
【0065】上記クリヤー塗料の塗料形態としては、有
機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルジョ
ン)、非水分散型、粉体型のいずれでもよく、また必要
により、硬化触媒、表面調整剤等を用いることができ
る。
【0066】クリヤー塗膜形成方法 上記クリヤー塗料の調製方法及び塗装方法としては、従
来の方法に従って行うことができる。上記クリヤー塗膜
の乾燥膜厚は、用途により変化するが、10〜70μm
である。この乾燥膜厚が上限を超えると、鮮映性が低下
したり、塗装時にムラ、流れ等の不具合が起こることが
あり、下限を下回ると、外観が低下するおそれがある。
【0067】工程(4) 上記工程(4)においては、上記中塗り塗膜、上記ベー
ス塗膜及び上記クリヤー塗膜を同時に加熱硬化させて、
複層塗膜を得る。上記加熱硬化させる温度としては、下
限110℃、上限180℃、好ましくは、下限120
℃、上限160℃にて行うことによって、高い架橋度の
硬化塗膜を得ることができる。180℃を超えると、塗
膜が固く脆くなり、110℃未満では硬化が充分ではな
い。硬化時間は硬化温度により変化するが、120〜1
60℃で10〜60分間が適当である。
【0068】本発明の複層塗膜形成方法においては、上
記工程(1)、上記工程(2)及び上記工程(3)によ
り形成された塗膜が工程(4)を行う前に、単位面積1
mmにおける揮発性の塩基性物質の合計量が7×10
−6mmol以下であることが好ましい。
【0069】上記工程(1)、(2)及び(3)により
形成された塗膜に上記水性中塗り塗料及び上記水性ベー
ス塗料に含まれる揮発性の塩基性物質が残存し、この揮
発性の塩基性物質の合計量が塗膜の単位面積1mm
おいて7×10−6mmolを超える場合には、上記未
硬化の塗膜を硬化させるべく加熱すると上記揮発性の塩
基性物質が一部残存し、化学変化を起こして黄変を来
す。また、未硬化の中塗り塗膜やベース塗膜から揮散す
る塩基性物質がクリヤー塗膜の内部に捕捉され、上記ク
リヤー塗膜においても黄変を来すため、色再現性や意匠
性が低下する。好ましくは、6.5×10−6mmol
以下である。
【0070】本明細書において、上記単位面積1mm
における上記揮発性の塩基性物質の合計量(mmol)
とは、上記工程(1)、(2)及び(3)により形成さ
れた塗膜の表面上の1mmの面積を有する区画(S)
を上記被塗装物の塗装面に垂直に投影して得られる区画
(S′)を仮定した場合に、上記区画(S)及び上記区
画(S′)によって挟まれた部分(V)における上記揮
発性の塩基性物質の含有量(mmol)を意味する。
【0071】上記単位面積1mmにおける上記揮発性
の塩基性物質の合計量(mmol)は、上記部分(V)
における中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜の各
塗膜が含有する揮発性の塩基性物質の量(mmol)の
合計量となる。即ち、上記部分(V)における上記中塗
り塗膜が含有する揮発性の塩基性物質の量〔Ammo
l〕と、上記部分(V)における上記ベース塗膜が含有
する揮発性の塩基性物質の量〔Bmmol〕と、上記部
分(V)における上記クリヤー塗膜が含有する揮発性の
塩基性物質の量〔Cmmol〕との合計量〔(A+B+
C)mmol〕が、本明細書において塗膜単位面積1m
における上記揮発性の塩基性物質の合計量となる。
【0072】上記単位面積1mmにおける上記揮発性
の塩基性物質の合計量(mmol)は、上記工程
(1)、(2)及び(3)により形成された塗膜のサン
プルを採取し、採取したサンプルについてガスクロマト
グラフィーで定量した上記揮発性の塩基性物質の含有量
と、乾燥膜厚とから、1gを1cmであると仮定して
算出することにより求めることができる。
【0073】本発明の塗膜形成方法によって得られる複
層塗膜の膜厚は、通常、下限30μm、上限300μ
m、好ましくは、下限50μm、上限250μmであ
る。300μmを超えると、冷熱サイクル等の膜物性が
低下し、30μm未満であると、膜自体の強度が低下す
る。
【0074】本発明の水性中塗り塗料組成物は、上記複
層塗膜形成方法に用いる水性中塗り塗料組成物であっ
て、上記水性中塗り塗料組成物は、アクリルエマルショ
ン樹脂、メラミン樹脂、分散剤顔料分散ペースト及び増
粘剤からなるものであり、上記アクリルエマルション樹
脂の重量平均分子量は、50000〜200000であ
るものである。上記水性中塗り塗料組成物は、上記複層
塗膜形成方法における水性中塗り塗料として用いられる
ものであり、これを用いることにより、混層や黄変を防
止することができ、優れた外観の塗膜を得ることができ
る。
【0075】上記アクリルエマルション樹脂のゲルパー
ミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって得ら
れた重量平均分子量は、下限50000、上限2000
00であることが好ましい。上記範囲のアクリルエマル
ション樹脂を含む水性塗料組成物を用いて未硬化の中塗
り塗膜を形成することにより、形成された中塗り塗膜と
ベース塗膜との間での混層を防止でき、塗膜の仕上がり
外観を優れたものとすることができる。より好ましく
は、下限100000、上限200000である。
【0076】本発明の複層塗膜形成方法においては、上
記工程(2)を行う前に、せん断速度6.28sec
−1、測定温度30℃の条件下で、未硬化の中塗り塗膜
の粘度が、10Pa・s以上であることから、上記工
程(1)により形成された中塗り塗膜と、上記工程
(2)により形成されたベース塗膜との間での混層を防
止することができる。これにより、得られる塗膜の仕上
がり外観の肌感や艶感の低下を抑制することができ、優
れた仕上がり外観を有する塗膜を得ることができる。更
に、上記塗膜形成方法において、上記水性中塗り塗料が
アクリルエマルション樹脂、メラミン樹脂、分散剤顔料
分散ペースト及び増粘剤からなるものであり、上記工程
(1)、工程(2)及び工程(3)により形成された塗
膜が、工程(4)を行う前に、単位面積1mmにおけ
る揮発性の塩基性物質の合計量が7×10 −6mmol
以下である場合には、得られる塗膜の黄変も防止できる
ことから、より優れた仕上がり外観の塗膜を得ることが
できる。
【0077】更に、本発明の3ウエット1ベーク塗装方
法により、従来一般的であった3コート2ベーク法にお
けるよりも、中塗り塗料の焼き付け工程を省くことがで
きるので、工程短縮、コスト削減、エネルギー消費量削
減及び環境負荷低減を目指す新規塗装システムを構築す
ることができる。
【0078】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り
「質量部」を意味する。
【0079】製造例1 着色顔料ペーストの製造 市販分散剤「Disperbyk 190」(ビックケ
ミー社製)9.4部、イオン交換水36.8部、ルチル
型二酸化チタン34.5部、硫酸バリウム34.4部及
びタルク6部を予備混合を行った後、ペイントコンディ
ショナー中でガラスビーズ媒体を加え、室温で粒度5μ
m以下となるまで混合分散し、着色顔料ペーストを得
た。
【0080】製造例2 アクリルエマルション樹脂A−
1の製造 反応容器に脱イオン水35.75部を加え、窒素気流中
で混合攪拌しながら80℃に昇温した。次いでα、β−
エチレン性不飽和モノマー混合物として、スチレン10
部、メタクリル酸メチル24.02部、アクリル酸ブチ
ル28.94部、アクリル酸エチル20.11部、アク
リル酸−4ヒドロキシブチル15.40部、メタクリル
酸1.53部、アクアロンHS−10(ポリオキシエチ
レンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステ
ル、第一工業製薬社製)3.0部、アデカリアソープN
E−20(旭電化社製)0.5部及び脱イオン水50部
からなるモノマー乳化物と、過流酸アンモニウム0.3
0部及び脱イオン水15.0部からなる開始剤溶液とを
2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了
後、同温度で2時間熟成を行った。次いで、40℃まで
冷却し、400メッシュフィルターでろ過し、粒径20
0nm、不揮発分50%、酸価10、水酸基価60、重
量平均分子量200000のアクリルエマルション樹脂
A−1を得た。
【0081】製造例3 アクリルエマルション樹脂A−
2の製造 反応容器に脱イオン水35.75部を加え、窒素気流中
で混合攪拌しながら80℃に昇温した。次いでα、β−
エチレン性不飽和モノマー混合物として、スチレン10
部、メタクリル酸メチル24.02部、アクリル酸ブチ
ル28.94部、アクリル酸エチル20.11部、アク
リル酸−4ヒドロキシブチル15.40部、メタクリル
酸1.53部、チオカルコール20(チオール、花王社
製)1.0部、アクアロンHS−10(ポリオキシエチ
レンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステ
ル、第一工業製薬社製)3.0部、アデカリアソープN
E−20(旭電化社製)0.5部及び脱イオン水50部
からなるモノマー乳化物と、過流酸アンモニウム0.3
0部及び脱イオン水15.0部からなる開始剤溶液とを
2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了
後、同温度で2時間熟成を行った。次いで、40℃まで
冷却し、400メッシュフィルターでろ過し、粒径20
0nm、不揮発分50%、酸価10、水酸基価60、重
量平均分子量100000のアクリルエマルション樹脂
A−2を得た。
【0082】製造例4 アクリルエマルション樹脂A−
3の製造 反応容器に脱イオン水35.75部を加え、窒素気流中
で混合攪拌しながら80℃に昇温した。次いでα、β−
エチレン性不飽和モノマー混合物として、スチレン10
部、メタクリル酸メチル24.02部、アクリル酸ブチ
ル28.94部、アクリル酸エチル20.11部、アク
リル酸−4ヒドロキシブチル15.40部、メタクリル
酸1.53部、チオカルコール20(チオール、花王社
製)2.0部、アクアロンHS−10(ポリオキシエチ
レンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステ
ル、第一工業製薬社製)3.0部、アデカリアソープN
E−20(旭電化社製)0.5部及び脱イオン水50部
からなるモノマー乳化物と、過流酸アンモニウム0.3
0部及び脱イオン水15.0部からなる開始剤溶液とを
2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了
後、同温度で2時間熟成を行った。次いで、40℃まで
冷却し、400メッシュフィルターでろ過し、粒径20
0nm、不揮発分50%、酸価10、水酸基価60、重
量平均分子量50000のアクリルエマルション樹脂A
−3を得た。
【0083】製造例5 アクリルエマルション樹脂A−
4の製造 反応容器に脱イオン水35.75部を加え、窒素気流中
で混合攪拌しながら80℃に昇温した。次いでα、β−
エチレン性不飽和モノマー混合物として、スチレン10
部、メタクリル酸メチル24.02部、アクリル酸ブチ
ル28.94部、アクリル酸エチル20.11部、アク
リル酸−4ヒドロキシブチル15.40部、メタクリル
酸1.53部、チオカルコール20(チオール、花王社
製)3.0部、アクアロンHS−10(ポリオキシエチ
レンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステ
ル、第一工業製薬社製)3.0部、アデカリアソープN
E−20(旭電化社製)0.5部及び脱イオン水50部
からなるモノマー乳化物と、過流酸アンモニウム0.3
0部及び脱イオン水15.0部からなる開始剤溶液とを
2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了
後、同温度で2時間熟成を行った。次いで、40℃まで
冷却し、400メッシュフィルターでろ過し、粒径20
0nm、不揮発分50%、酸価10、水酸基価60、重
量平均分子量26000のアクリルエマルション樹脂A
−4を得た。
【0084】製造例6 アクリルエマルション樹脂A−
5の製造 反応容器に脱イオン水35.75部を加え、窒素気流中
で混合攪拌しながら80℃に昇温した。次いでα、β−
エチレン性不飽和モノマー混合物として、スチレン10
部、メタクリル酸メチル24.02部、アクリル酸ブチ
ル28.94部、アクリル酸エチル20.11部、アク
リル酸−4ヒドロキシブチル15.40部、メタクリル
酸1.53部、チオカルコール20(チオール、花王社
製)5.0部、アクアロンHS−10(ポリオキシエチ
レンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステ
ル、第一工業製薬社製)3.0部、アデカリアソープN
E−20(旭電化社製)0.5部及び脱イオン水50部
からなるモノマー乳化物と、過流酸アンモニウム0.3
0部及び脱イオン水15.0部からなる開始剤溶液とを
2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了
後、同温度で2時間熟成を行った。次いで、40℃まで
冷却し、400メッシュフィルターでろ過し、粒径20
0nm、不揮発分50%、酸価10、水酸基価60、重
量平均分子量12000のアクリルエマルション樹脂A
−5を得た。
【0085】実施例1 (1)水性中塗り塗料の調製 製造例1で得られた着色顔料ペーストを30部、製造例
2で得られたアクリルエマルション樹脂A−1を42
部、サイメル327(三井サイテック社製イミノ型メラ
ミン樹脂)を28部、アデカノールUH−814N(旭
電化社製増粘剤)を2.33部加え、水性中塗り塗料組
成物B−1を得た。
【0086】(2)塗膜形成方法 リン酸亜鉛処理したダル鋼板に、パワートップU−50
(日本ペイント製カチオン電着塗料)を、乾燥塗膜が2
0μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間焼
き付けた板に、予め希釈されたオルガP−2(日本ペイ
ント製メラミン硬化型ポリエステル樹脂系ホワイト中塗
り塗料)を、乾燥塗膜35μmとなるようにエアスプレ
ーで2ステージ塗装し、140℃で30分間焼き付けた
後冷却して、基板を得た。得られた基板に、上記水性中
塗り塗料組成物B−1をエアスプレー塗装にて20μm
塗装し、80℃で5分プレヒートを行った後、アクアレ
ックスAR−2000ベース(日本ペイント社製水性ベ
ース塗料)をエアスプレー塗装にて10μm塗装し、8
0℃で3分プレヒートを行った。更に、その塗板にマッ
クフロー O−1800W−2クリヤー(日本ペイント
製クリヤー塗料)をエアスプレー塗装にて35μm塗装
した後、140℃で30分焼付けを行い試験片を得た。
なお、水性中塗り塗料(水性中塗り塗料組成物B−
1)、水性ベース塗料(アクアレックスAR−2000
ベース)、クリヤー塗料(マックフロー O−1800
W−2クリヤー)は、下記条件で希釈し、塗装した。 (水性中塗り塗料) シンナー:イオン交換水 40秒/NO.4フォードカップ/20℃ (水性ベース塗料) シンナー:イオン交換水 45秒/NO.4フォードカップ/20℃ (クリヤー塗料) シンナー:EEP(エトキシエチルプロピオネート)/
S−150(エクソン社製芳香族系炭化水素溶剤)=1
/1 30秒/NO.4フォードカップ/20℃
【0087】(3)塗膜の評価 〔粘度〕水性ベース塗料を塗装する前に、未硬化の中塗
り塗膜の粘度を、粘弾性測定解析装置(MR−300:
レオロジ社製)を用い、温度依存性測定条件により、せ
ん断速度6.28(sec−1)、測定温度30℃で測
定した。結果を表1に示した。
【0088】〔仕上がり外観〕クリヤー塗料を塗装し、
焼き付け後の仕上がり外観をウェーブスキャン(ビッグ
ケミー−ガードナー社製)にて測定し、800〜240
0μmの中波長領域の測定値(W2値)、50〜320
μmの高波長領域の測定値(W4値)により評価を行っ
た。結果を表1に示した。
【0089】〔残存塩基性物質量測定方法〕中塗り塗膜
及びベース塗膜のサンプルを、それぞれ上記塗装方法に
おいて水性中塗り塗料、水性ベース塗料を塗装しプレヒ
ートした後、採取した。採取したサンプルを0.3g秤
量し、標準溶液(メタノール100mlにイソブタノー
ル1.0g混合)を0.6ml加えた後、タッチミキサ
ー、超音波振動で充分に攪拌し、更に遠心分離した後、
上澄み液を採取し、ガスクロマトグラフィーで塩基性物
質量を定量した。得られた塩基性物質量と乾燥膜厚とか
ら、1gを1cmであると仮定して、塗膜の単位面積
1mmにおける塩基性物質量の合計量を算出した。結
果を表1に示した。
【0090】実施例2 下記に示す方法で水性中塗り塗料を調製した以外は、実
施例1と同様にして試験片を得た。また、同様に評価
し、結果を表1に示した。 (1)水性中塗り塗料の調製 製造例1で得られた着色顔料ペーストを30部、製造例
3で得られたアクリルエマルション樹脂A−2を42
部、サイメル327(三井サイテック社製イミノ型メラ
ミン樹脂)を28部、アデカノールUH−814N(旭
電化社製増粘剤)を2.33部加え、混合攪拌して、水
性中塗り塗料組成物B−2を得た。
【0091】実施例3 下記に示す方法で水性中塗り塗料を調製した以外は、実
施例1と同様にして試験片を得た。また、同様に評価
し、結果を表1に示した。 (1)水性中塗り塗料の調製 製造例1で得られた着色顔料ペーストを30部、製造例
4で得られたアクリルエマルション樹脂A−3を42
部、サイメル327(三井サイテック社製イミノ型メラ
ミン樹脂)を28部、アデカノールUH−814N(旭
電化社製増粘剤)を2.33部加え、水性中塗り塗料組
成物B−3を得た。
【0092】比較例1 下記に示す方法で水性中塗り塗料を調製した以外は、実
施例1と同様にして試験片を得た。また、同様に評価
し、結果を表1に示した。 (1)水性中塗り塗料の調製 製造例1で得られた着色顔料ペーストを30部、製造例
5で得られたアクリルエマルション樹脂A−4を42
部、サイメル327(三井サイテック社製イミノ型メラ
ミン樹脂)を28部、アデカノールUH−814N(旭
電化社製増粘剤)を2.33部加え、水性中塗り塗料組
成物B−4を得た。
【0093】比較例2 下記に示す方法で水性中塗り塗料を調製した以外は、実
施例1と同様にして試験片を得た。また、同様に評価
し、結果を表1に示した。 (1)水性中塗り塗料の調製 製造例1で得られた着色顔料ペーストを30部、製造例
6で得られたアクリルエマルション樹脂A−5を42
部、サイメル327(三井サイテック社製イミノ型メラ
ミン樹脂)を28部、アデカノールUH−814N(旭
電化社製増粘剤)を2.33部加え、水性中塗り塗料組
成物B−5を得た。
【0094】
【表1】
【0095】実施例及び比較例から、実施例で得られた
塗膜は、水性中塗り塗料により得られた未硬化の中塗り
塗膜の粘度が10000であることから、中塗り塗膜と
ベース塗膜との間での混層が抑制され、塗膜の黄変もな
く、得られた塗膜の外観が優れるものであった。
【0096】
【発明の効果】本発明の複層塗膜形成方法は、上述の構
成からなるので、水性中塗り塗料、水性ベース塗料及び
クリヤー塗料から形成される未硬化の塗膜を加熱硬化さ
せる工程からなる複層塗膜形成方法、特に3ウェット1
ベーク塗装方法において、中塗り塗膜とベース塗膜との
間での混層を防止することができ、黄変することもな
く、優れた外観を有する塗膜を形成することができる。
このため、本発明の複層塗膜形成方法は、特に自動車車
体等の車両塗装に好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々岡 岳人 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 小林 佳子 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 北川 一哉 神奈川県横須賀市田浦港町無番地 関東自 動車工業株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 AE06 AE09 AE10 AE12 BB99Z CA18 CA48 CB03 CB06 DA06 DA23 DB01 DB02 DB05 DB06 DB07 DB31 DC12 DC13 EA06 EA07 EA13 EA43 EB22 EB32 EB52 EC31 EC33

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電着塗膜が形成された被塗装物上に、水
    性中塗り塗料を塗装して未硬化の中塗り塗膜を形成する
    工程(1)、前記中塗り塗膜の上に、水性ベース塗料を
    塗装して未硬化のベース塗膜を形成する工程(2)、更
    に、その上に、クリヤー塗料を塗装して未硬化のクリヤ
    ー塗膜を形成する工程(3)、並びに、前記中塗り塗
    膜、前記ベース塗膜及び前記クリヤー塗膜を同時に加熱
    硬化させて、複層塗膜を得る工程(4)からなる複層塗
    膜形成方法であって、前記工程(1)により形成された
    中塗り塗膜は、前記工程(2)を行う前に、せん断速度
    6.28sec−1、測定温度30℃の条件下で、測定
    した粘度が10 Pa・s以上であることを特徴とする
    複層塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】 水性中塗り塗料は、アクリルエマルショ
    ン樹脂、メラミン樹脂、分散剤顔料分散ペースト及び増
    粘剤からなるものであり、工程(1)、工程(2)及び
    工程(3)により形成された塗膜は、工程(4)を行う
    前に、単位面積1mmにおける揮発性の塩基性物質の
    合計量が7×10−6mmol以下である請求項1記載
    の複層塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の複層塗膜形成方法に用い
    る水性中塗り塗料組成物であって、前記水性中塗り塗料
    組成物は、アクリルエマルション樹脂、メラミン樹脂、
    分散剤顔料分散ペースト及び増粘剤からなるものであ
    り、前記アクリルエマルション樹脂の重量平均分子量
    は、50000〜200000であることを特徴とする
    水性中塗り塗料組成物。
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