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JP2003250882A - 新規な灌流法を用いる人工臓器システム - Google Patents

新規な灌流法を用いる人工臓器システム

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Publication number
JP2003250882A
JP2003250882A JP2002236760A JP2002236760A JP2003250882A JP 2003250882 A JP2003250882 A JP 2003250882A JP 2002236760 A JP2002236760 A JP 2002236760A JP 2002236760 A JP2002236760 A JP 2002236760A JP 2003250882 A JP2003250882 A JP 2003250882A
Authority
JP
Japan
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blood
organ
plasma
circulation circuit
patient
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002236760A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutoshi Naruse
勝俊 成瀬
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Individual
Original Assignee
Individual
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Publication date
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Publication of JP2003250882A publication Critical patent/JP2003250882A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 肝不全患者等の血液浄化治療を行うための、
十分な血液量を灌流できる新規な人工臓器システムの提
供。 【解決手段】 患者と直接接続され、血液成分分離部を
含む患者側血液循環回路、及び臓器機能代替部もしくは
臓器機能を有する血液回路部であって灌流血液を貯留す
るためのリザーバーを含む臓器機能側血液循環回路とか
ら成る人工臓器システムであって、該患者側血液循環回
路中の血液成分分離部で分離された血液が、前記臓器機
能側血液循環回路中のリザーバーに流入し、臓器機能代
替部または臓器機能を有する前記臓器機能側血液循環回
路が臓器機能代替部を有する場合は前記臓器機能側血液
循環回路中の臓器機能代替部の下流かつリザーバーの上
流に、該臓器機能側血液循環回路そのものが臓器機能を
有する場合は回路中の任意の点に、設けられた返血用分
流部おいて分流した灌流血液が、該患者側血液循環回路
中の、該血液成分分離部の下流に設けられた返血用合流
部において合流することにより血液浄化治療を行う人工
臓器システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、患者の血液成分の
一部を臓器機能代替部を含む回路または臓器機能を有す
る回路を灌流させ、血液を浄化する人工臓器システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】肝臓及び腎臓は、生体内における代謝の
中心的臓器であり、生体の恒常性維持に重要な役割を果
たしている。このため、一度この恒常性が崩れ、それが
長期間にわたるとそれぞれ肝不全、腎不全を惹起し、重
大な生命の危機に陥る。
【0003】重篤な肝不全の治療法として、人工肝臓に
よる治療法の進歩が期待されている。現在、開発目標と
なっている人工肝臓は、人工血管のような完全埋め込み
型のものではなく、むしろ劇症肝炎や術後肝不全患者に
おける肝機能の補助や肝移植適応ドナーが現れるまでの
待機期間における肝機能の代替つなぎとして灌流治療に
使用する体外設置式のものである。その開発の主流とな
っているのは、ハイブリッド型及び全肝型人工肝臓であ
る。
【0004】全肝型人工肝臓は、ヒト以外の異種生物由
来の全肝(異種全肝)を使用するタイプのものである。
手術により摘出された異種全肝を用いた全血直接灌流治
療法は、1965年にEisemannらによって摘出ブタ全肝を用
いて始められ[Eisemann B.,et al:Ann Surg 162:329(19
65)]、Abouna、Neuhausらによって臨床応用されてき
た。さらに、京都大学の小沢らによりブタ肝及びヒヒ肝
を用いた交叉灌流治療法が開発され、16例の肝不全患者
に臨床応用された。しかし、異種免疫反応などの原因に
より、灌流は数時間しか続行できず、生存期間の有意な
延長は認められなかった。
【0005】一方、コラゲナーゼ液を用いた肝細胞分離
培養法が確立され、肝細胞を工学装置内において至適条
件下で培養すると良好な肝機能を発揮することが明らか
にされて以来、培養肝細胞を含有するバイオリアクター
を組み込んだハイブリッド型人工肝臓が開発されるよう
になり、1990年代に入って次々と臨床応用された。Rozg
aらは、デキストラン・マイクロキャリアーを用いたホ
ローファイバー型バイオリアクターを[Rozga J., et a
l.:Ann Surg 217:502 (1993)]、また、Gerlachらは、三
次元毛細管ネットワーク型バイオリアクターを[Gerlach
J., et al.:Transplantation 58:984(1994)]それぞれ
開発した。両者共にブタ肝細胞を固定化して、Rozgaら
はこれまで40例以上、Gerlachらは8例の患者にそれぞ
れ臨床応用を行った。また、本願発明者の研究グループ
は、コラーゲン・コートしたポリエステル不織布にブタ
肝細胞を固定化した不織布充填型バイオリアクターを開
発した。しかし、ハイブリッド型も臨床応用において確
実な効果をあげたかどうかは明らかではない。
【0006】一方、腎不全の治療法としては、人工腎臓
及び腎臓移植が挙げられる。1995年末時点で全世界で約
70万人が血液透析による人工腎臓治療を受けている。わ
が国では、人工腎臓治療患者は1997年末時点で17万6千
人に達し、人口当たりの人工腎臓治療患者数は世界で最
も多い。尿素等の代謝産物、有毒物質を血液から除去す
る効果を持つが、腎臓の尿細管の機能に当たる再吸収能
を持たず、有用なタンパクでも排出する結果になるの
で、除去物質の選択性の向上または有用物質の再吸収が
課題である。また、肝臓移植と同様、腎臓移植もドナー
不足に悩んでいる。このような状況から、腎機能をより
良く代替できる人工腎臓の体外灌流治療法の開発が望ま
れていた。
【0007】これまで臨床応用されたRozgaら、またはG
erlachらのハイブリッド型人工肝臓システムにおいて
は、患者から体外灌流システムに流入する全血から、血
漿分離器によって分離された血漿がバイオリアクターを
通過する。その大きな問題点は、全血流量の20〜30%程
度の血液量しかバイオリアクター中に灌流されず、灌流
効率が低いこと、また、血漿は全血の10分の1以下の酸
素溶存能力しか持たないので、肝細胞への酸素供給が不
足することである。これに伴い、肝機能代替部中の肝細
胞の活性は低下し、肝機能の発揮は不十分なものとな
る。このような欠点を克服するため、灌流効率及び酸素
供給を高める目的で、肝機能代替部に全血を直接灌流す
ることが必要であり、それによって肝不全患者の肝機能
を良好に代替及び補助することのできる人工肝臓システ
ムが求められている。
【0008】本発明者らは、上記課題に基づいて研究を
行った結果、体外灌流の人工肝臓システム又は人工腎臓
システムにおいて、臓器機能代替部(肝機能代替部又は
腎機能代替部)以外に、白血球除去部及び/又は免疫グ
ロブリン除去部、さらには血液成分分離部を設置するこ
とによって、全血を、異種免疫反応を起こさずに臓器機
能代替部を通過させ、これにより、灌流可能時間、灌流
効率及び臓器機能代替部への酸素供給を向上させるとと
もに、白血球等の免疫担当細胞の減少を防ぎ且つ白血球
除去部及び/又は免疫グロブリン除去部に必要な装置を
節約することに成功し、全血直接灌流治療用人工臓器シ
ステムを完成するに至り、先に特許出願を行った(特許
願2000-80131号、新規な人工肝臓システム、平成12年3
月22日出願)(PCT国際特許出願第 PCT/JP01/02233号、
新規な人工臓器システム、平成13年3月21日出願)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、異種臓器に
十分な血液量を灌流できる新規な人工臓器システムおよ
び患者全血から血漿を分離し、これを、ヒト全血が灌流
されている臓器収納装置の回路に流入させ、合流血液
が、臓器収納装置を通過した後、再び血漿を分離して患
者に返血する新規な人工臓器システムの提供を課題とす
る。
【0010】本発明は、さらにヒト全血単独、または、
肝細胞をヒト全血に懸濁したものを、リザーバー(血液
貯留槽)、ダイアライザー(透析器)、及び血漿分離部
等から成り立った回路に循環させ、この回路と患者と直
接つながる血液回路との間で、2個の血漿分離器を介し
て血漿を交換することにより、血液浄化を行う治療シス
テムの提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、人工臓器
体外灌流治療の灌流方法について研究を行い、人工臓器
体外灌流治療の灌流方法としては、次のような条件を備
えたものが望ましいことを見出した。 1.異種臓器に全血直接灌流することができること。 2.異種臓器を灌流するのに必要な全血の流速と流量を
確保できること。 3.異種ウィルスの患者体内への流入を防ぐことができ
ること。
【0012】本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、
既に特許出願した全血直接灌流治療用人工臓器システム
にさらに改良を加え、異種臓器に十分な血液量を灌流で
きるシステムを開発した。一方、患者全血から血漿を分
離し、これを、ヒト全血が灌流されている臓器収納装置
の回路に流入させ、合流血液が、臓器収納装置を通過し
た後、再び血漿を分離して患者に返血する人工臓器シス
テムを新たに開発し、反復血漿分離灌流法と命名した。
【0013】また、異種全血直接灌流法を用いて、人工
肝臓における臓器機能代替部としてのブタ全肝と、不織
布に肝細胞を固定化する固定化式バイオリアクターとを
比較したところ、以下の結果を得た。すなわち、 1.代謝合成能は両者とも変わらない。 2.全肝は、赤血球の老廃物であるビリルビンを胆汁と
してすてることができる。 3.固定化式バイオリアクターでは、ブタ肝臓を切除
し、肝細胞を分離、精製し、不織布に固定化してバイオ
リアクターが完成するまでに約1日かかるが、全肝で
は、ブタ肝臓を切除した後、わずかな時間でシステムを
完成できる。 4.固定化式バイオリアクターでは、肝細胞を分離、精
製、固定化する過程で、元の肝臓の1/3〜1/2にあたる肝
細胞が失われると考えられるが、全肝では、肝細胞が失
われることはない。 5.固定化式バイオリアクターでは、肝細胞を分離、精
製、固定化する過程で、雑菌が混入したり、それが固定
化の間に培養されたりする可能性が考えられるが、全肝
では、雑菌が培養増殖する可能性は少ない 以上の理由により、全肝が肝機能代替部としてより実用
的で臨床向きであるという結論を得るに至った。そこ
で、本発明者らは、新たに全肝収納装置を開発し、特許
出願を行った(特許願2001-401200号、新規な臓器収納
システム、平成13年12月28日出願)。
【0014】ここまでの研究開発について、性能的及び
医療倫理的見地を総合すると、全肝収納装置を組み込ん
だシステムを用いて反復分離血漿灌流法を行なう方法
が、最も性能が優れ、かつ実用に適した人工肝臓の灌流
方法と考えられた。しかし、全肝の体外管理には実際
上、なお以下のような欠点が認められた。すなわち、 1.手術は肝細胞分離する場合より高度で時間がかかる
こと。 2.肝臓の配置、肝臓流入流出の圧のモニター、酸素供
給、保温、拍動ポンプの運転、肝表面から漏出する浸出
液の回収など、システムの運転管理が非常に複雑困難で
あり、それゆえ、一般的な医療現場に普及する可能性は
少ないと考えられること。
【0015】そこで、本発明者らは、鋭意研究の結果、
肝臓からコラゲナーゼ等によって肝細胞を分離し、これ
をヒト全血に懸濁したものを、血液貯留槽(リザーバ
ー)、透析器(ダイアライザー)、及び、血漿分離器等
から成り立った回路に循環させ、この回路と患者と直接
つながる血液回路との間で、2個の血漿分離器を介して
血漿を交換する反復分離血漿灌流を行うことにより、肝
機能を発揮させるとともに、透析器を併用することによ
り、除水、有毒物質の排泄などの腎機能をも兼ね備えた
人工臓器システムをも考案した。
【0016】この方法の特徴は以下の通りである。 1.肝細胞を全血に懸濁しているので、肝細胞は十分な
酸素供給が得られる。 2.異種の肝細胞を用いる場合、ウィルスの患者体内へ
の流入を防ぐことができる。 3.不織布固定化式バイオリアクターのような、固定化
のための時間のロスがない。 4.全肝をそのまま灌流する場合と較べて手術が容易で
短時間で済み、肝細胞分離精製にかかる時間を入れても
セットアップには全肝の場合に較べて1時間ほど余計に
時間がかかる程度である。 5.全肝のようにシステムの運転管理が複雑困難でな
い。灌流液は閉鎖回路の中で流量を規定されており、部
分的に漏出することはない。また、全肝においてとかく
気づかれない傾向にある保温が失われる心配はない。 6.コンソール(一体型灌流装置)と酸素供給ファイバ
ーと保温バンドを組み込んだリザーバーさえあれば施行
可能であり、固定化式バイオリアクターや全肝装置の場
合に必要な大型のコンソールは必要なく、場所を取らな
い。 7.分離した肝細胞をリザーバーに入れて運べるので市
中病院でも施行可能である。 8.一見血液透析と同じなので患者はもちろんのこと、
看護婦、医療技師などパラメディカルの心理的抵抗が少
ないと考えられる。
【0017】一方、上記の、肝細胞をヒト全血に懸濁し
た混合液のかわりに、肝細胞を混合せずヒト全血を単独
で用いた場合でも、肝不全血漿がヒト全血循環回路に合
流することにより、肝不全血漿中の窒素化合物を希釈し
たり、透析器によって除去されることにより、十分な血
液浄化治療としての効果が認められる。この方法は、重
症肝不全の患者に対する従来の血液浄化療法として行わ
れてきた持続的血液透析濾過に代り得るものである。
【0018】本発明の人工肝臓システムにおいては、肝
臓が持つ代謝機能、合成機能のいずれも十分に発揮する
ことができ、かつ、透析器を併用することにより、腎臓
が持つ、除水、有毒物質の排泄などの機能をも兼ね備え
ることができる。まず、代謝機能としては、アンモニア
は、システム内の透析器から直接排泄されるか、肝細胞
により、尿素窒素に代謝される。尿素窒素は、これも透
析器から排泄されるか、または、患者体内に戻ってか
ら、患者の腎臓を通じて体外に排泄される。合成機能と
しては、肝細胞が産生するアルブミンや凝固タンパク
を、除水によって濃縮した上で、血漿分離器で分離され
て患者体内に戻されるが、これは、生の肝細胞を用いた
血漿交換治療と言うことができる。また、本発明のシス
テムでは、以下に述べる如く、血漿分離器の中空糸外腔
に滅菌された維持輸液等の液を注入し、その分の水分を
透析器から除くことにより、現在急性腎不全や重症肝不
全に対する血液浄化療法として汎用されている持続的血
液透析濾過法(Continuous Hemodiafiltration; CHDF)
を行うこともできる。
【0019】すなわち、本発明は、 (1) 患者側血液循環回路及び臓器機能側血液循環回
路の二つの血液循環回路を含む人工臓器システムであ
り、患者側血液循環回路は、患者と直接接続され、血液
順路において、血液成分分離部、返血用合流部を、この
順に含んで成るものであり、臓器機能側血液循環回路
は、血液順路において、灌流血液を貯留するためのリザ
ーバー、透析器、そして、返血用分流部を、この順に含
んで成るものである人工臓器システムであって、患者側
血液循環回路中の該血液成分分離部で分離された血液成
分が、臓器機能側血液循環回路中の該リザーバーに流入
し、一方、臓器機能側血液循環回路中の該返血用分流部
において分流した血液成分を、患者側血液循環回路中の
該返血用合流部において患者側血液循環回路に合流さ
せ、患者に返血することにより血液浄化治療を行う人工
臓器システム、
【0020】(2) 臓器機能側血液循環回路中の透析
器において限外濾過による除水と溶存物質の除去が行わ
れる(1)の人工臓器システム、(3) 血液成分分離
部は、全血を、白血球を濃厚に含む血液と白血球を除去
した血液とに分けることを特徴とする血液成分分離装置
である(1)または(2)の人工臓器システム、(4)
臓器機能側血液循環回路中の、透析器の下流かつ返血
用分流部の上流の位置に、臓器機能代替部を含んで成る
(3)の人工臓器システム、(5) 臓器機能代替部
が、動物全肝、動物全腎、または、動物肝細胞を内部に
収容したバイオリアクターである(4)の人工臓器シス
テム、
【0021】(6) 白血球除去部及び/又は免疫グロ
ブリン除去部を、臓器機能側血液循環回路中の、リザー
バーまたは透析器の下流かつ臓器機能代替部の上流の位
置に含んで成る(4)または(5)の人工臓器システ
ム、(7) 患者全血を、患者側血液循環回路中の血液
成分分離装置によって、白血球を除去した血液と、白血
球を濃厚に含む血液とに分離し、白血球を濃厚に含む血
液は患者に返血し、白血球を除去した血液を、臓器機能
側血液循環回路中の、ヒト全血が貯血されているリザー
バーに流入させた後、少なくとも臓器機能側血液循環回
路中の透析器及び/または臓器機能代替部を通過させ、
さらにその後、その一部を返血用分流部において分流
し、さらに患者側血液循環回路に合流させて患者に返血
することにより血液浄化治療を行う(3)から(6)の
いずれかの人工臓器システム、
【0022】(8) 患者側血液循環回路中の血液成分
分離部が血漿分離器であり、かつ、臓器機能側血液循環
回路中の返血用分流部が血漿分離器である(1)または
(2)の人工臓器システム、(9) 第1の血漿分離部
の中空糸外腔に滅菌された維持輸液等の液が流入し、該
血漿分離部で分離される血漿と混合される(8)の人工
臓器システム、(10) 第2の血漿分離部の半透膜が
ウィルスを通過させない孔径のものである(8)または
(9)の人工臓器システム、(11) 臓器機能側血液
循環回路中の、透析器の下流かつ返血用分流部の上流の
位置に、臓器機能代替部を含んで成る(8)から(1
0)のいずれかの人工臓器システム、
【0023】(12) 臓器機能代替部が、動物全肝、
動物全腎、または、動物肝細胞を内部に収容したバイオ
リアクターである(11)の人工臓器システム、(1
3) ヒト全血と動物肝細胞の混合液が、臓器機能側血
液循環回路を循環することにより回路そのものが臓器機
能を有するものである(8)から(10)のいずれかの
人工臓器システム、(14) 肝細胞がヒト、ブタ、ま
たはウシ由来のものである(13)の人工臓器システ
ム、
【0024】(15) 免疫グロブリン除去部を含んで
成る(12)または(14)の人工臓器システム、およ
び(16) 患者全血から、患者側血液循環回路中の第
1の血漿分離器によって血漿を分離し、この血漿を、臓
器機能側血液循環回路中の、ヒト全血、または、ヒト全
血と肝細胞の混合液が貯血されているリザーバーに流入
させた後、少なくとも臓器機能側血液循環回路中の透析
器及び/または臓器機能代替部を通過させ、さらにその
後、第2の血漿分離器において血漿を分離し、その血漿
を返血用合流部において患者側血液循環回路に合流さ
せ、患者に返血することにより血液浄化治療を行う
(8)から(15)のいずれかの人工臓器システム、で
ある。
【0025】さらに、本発明は、(17) 患者と直接
接続され、血液成分分離部を含む患者側血液循環回路、
及び臓器機能代替部もしくは臓器機能を有する血液回路
部であって灌流血液を貯留するためのリザーバーを含む
臓器機能側血液循環回路とから成る人工臓器システムで
あって、該患者側血液循環回路中の血液成分分離部で分
離された血液が、前記臓器機能側血液循環回路中のリザ
ーバーに流入し、臓器機能代替部または臓器機能を有す
る前記臓器機能側血液循環回路が臓器機能代替部を有す
る場合は前記臓器機能側血液循環回路中の臓器機能代替
部の下流かつリザーバーの上流に、該臓器機能側血液循
環回路そのものが臓器機能を有する場合は回路中の任意
の点に、設けられた返血用分流部おいて分流した灌流血
液が、該患者側血液循環回路中の、該血液成分分離部の
下流に設けられた返血用合流部において合流することに
より血液浄化治療を行う人工臓器システム、(18)
血液成分分離部は、全血を、白血球を濃厚に含む血液と
白血球を除去した血液とに分けることを特徴とする血液
成分分離装置である(17)の人工臓器システム、
【0026】(19) 患者全血を、患者側血液循環回
路中の血液成分分離装置によって、白血球を除去した血
液と、白血球を濃厚に含む血液とに分離し、白血球を濃
厚に含む血液を患者に返血し、白血球を除去した血液を
臓器機能側血液循環回路中の、ヒト全血が貯血されてい
るリザーバーに流入させた後、少なくとも臓器機能側血
液循環回路中の臓器機能代替部を通過させ、さらにその
後、その一部を返血用分流部おいて分流し、さらに患者
側血液循環回路に合流させて患者に返血し、かつ、臓器
機能側血液循環回路を灌流する血流量を高く保つことに
より臓器機能代替部への血液灌流量を増加させる(1
8)の人工臓器システム、(20) 白血球除去部及び
/又は免疫グロブリン除去部が、臓器機能側血液循環回
路中のリザーバーの下流かつ臓器機能代替部の上流に設
置された(19)の人工臓器システム、
【0027】(21) 患者側血液循環回路中の血液成
分分離部が血漿分離器であり、かつ、臓器機能側血液循
環回路中の返血用分流部が血漿分離器である(17)の
人工臓器システム、(22) 患者全血から、患者側血
液循環回路中の第1の血漿分離器によって血漿を分離
し、この血漿を、臓器機能側血液循環回路中の、ヒト全
血が貯血されているリザーバーに流入させた後、少なく
とも臓器機能側血液循環回路中の免疫グロブリン除去
部、及び臓器機能代替部を通過させ、さらにその後、臓
器機能側血液循環回路中の返血用分流部に設置された第
2の血漿分離器において、血漿を分離し、その血漿が、
患者側血液循環回路中の返血用合流部において、患者側
血液循環回路に合流して患者に返血することにより血液
浄化治療を行う(21)の人工臓器システム、
【0028】(23) 患者全血から、患者側血液循環
回路中の第1の血漿分離器によって血漿を分離し、この
血漿を、リザーバー、透析器、及び第2の血漿分離部を
含み、かつ、ヒト全血または、ヒト全血と肝細胞の混合
液が循環することにより回路そのものが臓器機能を有す
る臓器機能側血液循環回路に合流させ、一方、第2の血
漿分離部において分離された血漿を、返血用合流部にお
いて、患者側血液循環回路に合流して患者に返血するこ
とにより血液浄化治療を行う(21)の人工臓器システ
ム、(24) 透析器において限外濾過による除水と溶
存物質の除去が行われる(23)の人工臓器システム、
(25) 第1の血漿分離部の中空糸外腔に滅菌された
維持輸液等の液が流入し、該血漿分離部で分離される血
漿と混合される(24)の人工臓器システム、(26)
肝細胞がヒト由来のものである(23)から(25)
のいずれかの人工臓器システム、
【0029】(27) 肝細胞がブタまたはウシ由来の
ものである(23)から(25)のいずれかの人工臓器
システム、(28) 免疫グロブリン除去部を含む(2
7)の人工臓器システム、(29) 第2の血漿分離部
の半透膜がウィルスを通過させない孔径のものである
(22)または(28)の人工臓器システム、(30)
患者全血から第1の血漿分離部によって血漿を分離
し、この血漿が、少なくともリザーバー、透析器及び、
第2の血漿分離部を含み、ヒト全血または、ヒト全血と
肝細胞の混合液が循環している回路に合流し、一方、第
2の血漿分離器によって合流血液から血漿を分離して患
者に返血することにより治療を行う人工臓器システム、
【0030】(31) 透析器において限外濾過による
除水と溶存物質の除去が行われる(30)の人工臓器シ
テム、(32) 第1の血漿分離器の中空糸外腔に滅菌
された維持輸液等の液が流入し、甲で分離される血漿と
混合される(30)の人工臓器システム、(33) 肝
細胞がヒト由来のものである(30)から(32)のい
ずれかの人工臓器システム、(34) 肝細胞がブタま
たはウシ由来のものである(30)から(32)のいず
れかの人工臓器システム、(35) 臓器機能代替部、
灌流血液を貯留するためのリザーバーを含む人工臓器シ
ステムであって、患者、リザーバーおよび臓器機能代替
部をこの順で循環する血液灌流主回路中の臓器代替部の
下流で分流した灌流血液が側副路を通って血液灌流主回
路中のリザーバー中で血液灌流主回路に再合流する、人
工臓器システム、
【0031】(36) 臓器機能代替部を含み、患者血
液または一部の血液成分を分離除去された患者血液が臓
器代替部を通過した後に患者に返血される、血液を貯留
するためのリザーバーを含む血液灌流主回路と主回路の
リザーバーにつながった血液灌流側副路を含む人工臓器
システムであって、前記主回路から分離除去された一部
の血液成分が患者に返血され、主回路を流れる血液が臓
器代替部を通過した後に、部分的に側副路に分流されリ
ザーバー内で主回路に合流する、(35)の人工臓器シ
ステム、(37) 白血球除去部及び/又は免疫グロブ
リン除去部をさらに含む、(36)の人工臓器システ
ム、(38) 血液成分分離部をさらに含む、(37)
の人工臓器システム、(39) 血液成分分離部は、全
血を、白血球を濃厚に含む血液と白血球を除去した血液
とに分けることを特徴とする、(38)の人工臓器シス
テム、
【0032】(40) 血液成分分離部で分離された白
血球を濃厚に含む血液が白血球除去部、免疫グロブリン
除去部および臓器代替部のいずれも通過せずに血液灌流
主回路に戻り患者に返血される、(39)の人工臓器シ
ステム、(41) 患者全血を、血液成分分離装置によ
って、白血球を除去した血液と、白血球を濃厚に含む血
液とに分離し、白血球を濃厚に含む血液は患者に返血
し、白血球を除去した血液を、少なくとも白血球除去
部、免疫グロブリン除去部、及び臓器代替部を通過させ
た後、患者に返血し、かつ、臓器代替部への血液の灌流
量を増加させるように、灌流回路中に血液を貯留するリ
ザーバーが設けられ、臓器代替部を通った血液の一部が
リザーバーにつながった側副路に分流する(40)の人
工臓器システム、(42) さらに2つの血漿分離部を
含み、該血漿分離部は血液灌流主回路を流れる血液また
は一部の血液成分が除去された血液から血漿を分離す
る、(35)または(36)の人工臓器システム、
【0033】(43) 第1の血漿分離部には患者から
の血液が流入し該第1の血漿分離部で血漿を分離された
血液が臓器代替部を通過せずに患者に返血され、血漿分
離部で分離された血漿が血液灌流主回路に入り、血液灌
流主回路中のリザーバー内で血液灌流側副路からの血液
または一部の血液成分が除去された血液と合流して臓器
代替部を通り、第2の血漿分離部には臓器代替部からの
血液または一部の血液成分が除去された血液が流入し、
該第2の血漿分離部で血漿を分離された血液または一部
の血液成分が除去された血液が血液灌流側副路に分流し
リザーバー内に入り、該第2の血漿分離部で分離された
血漿が患者に返血される、(42)の人工臓器システ
ム、
【0034】(44) 患者全血から血漿を分離し、血
漿を分離した血液を患者に返血し、該分離血漿を少なく
とも免疫グロブリン除去部及び臓器代替部を含みヒト全
血が灌流されている回路に合流させ、合流血液が臓器代
替部を通過した後、再び血漿を分離して該分離血漿を患
者に返血することにより血液浄化治療を行う人工臓器シ
ステムであって、臓器代替部を通過した後、血漿を分離
された血液が側副路を通ってヒト全血が灌流されている
回路に合流する、(42)の人工臓器システム、および
(45) 第2の血漿分離部内の中空糸の半透膜がウイ
ルスを通過させないものである(43)または(44)
の人工臓器システム、である。以下、本発明を詳細に説
明する。
【0035】
【発明の実施の形態】1.本発明の人工臓器システム 本発明の人工臓器システムには、全血直接灌流(DHP)治
療法のための人工臓器システム、反復血漿分離灌流(RSP
P)治療法のための人工臓器システムが含まれる。「全血
直接灌流法」とは患者からの全血を灌流により処理する
方法であり、「血漿分離灌流法」とは患者からの血液の
うち血漿を血漿分離器を用いて分離し、処理する方法を
いう。
【0036】ここで、「人工臓器システム」とは、患者
の臓器の機能を代替または補助するための装置をいい、
肝不全等の患者の肝機能を代替または補助するための装
置(人工肝臓システム)、腎不全等の患者の腎機能を代
替または補助するための装置(人工腎臓システム)等が
ある。「臓器機能代替部」とは、生体内の臓器以外の部
分であって、生体内の該臓器の機能を発揮する部分をい
い、「肝機能代替部」とは、アンモニア等の有害物質の
解毒、タンパク質の合成、グリコーゲンの分解・合成、
胆汁の合成等の、生体内の肝臓が果たしている機能を発
揮する部分をいう。「腎機能代替部」とは、尿の生成と
排出、尿からの人体に有用な物質の再吸収等の、腎臓が
果たしている機能を発揮する部分をいう。
【0037】「臓器機能を有する血液回路」とは、回路
中に前記のような臓器機能代替部が設けられてはいない
が、回路全体で臓器機能を発揮し得る回路をいう。回路
中に透析器を設けることにより該回路は肝臓または腎臓
の機能を発揮することができ、さらに回路中を流れる血
液に肝細胞を混合することによりさらに良好に肝臓の機
能を発揮することができる。
【0038】血液とは、生体内で血管系を循環する液体
をいい、白血球、赤血球、血小板等の固形成分および液
体成分である血漿を含む。本明細書において「血液」
は、これらのすべての固形成分および液体成分を含む生
体から分離された血液である「全血」をいう場合もあれ
ば、また、固形成分および液体成分のうちの一部がすべ
てまたは部分的に除去された血液である「一部の血液成
分が除去された血液」をいう場合もある。
【0039】「血液灌流主回路」とは、患者、リザーバ
ーおよび臓器機能代替部もしくは透析器をこの順番で循
環する血液または一部の血液成分が除去された血液の回
路をいい、「側副路」とは血液灌流主回路から一旦分流
し血液灌流主回路に再合流する血液または一部の血液成
分が除去された血液の流路をいう。
【0040】また、本発明の人工臓器システムは、患者
と直接接続され、血液成分分離部を含む患者側血液循環
回路、及び臓器機能代替部もしくは臓器機能を有する血
液回路部であって灌流血液を貯留するためのリザーバー
を含む臓器機能側血液循環回路とから成る人工臓器シス
テムであり、両回路の間で全血または血漿のやりとりが
なされる人工臓器システムである。ここで、患者側血液
循環回路とは、患者と直接接続されている血液循環回路
をいい、臓器機能側血液循環回路とは、臓器代替部を含
むかあるいは回路全体として臓器機能を発揮しうる血液
循環回路をいう。
【0041】図1に本発明の人工臓器システムの概念を
示す図を示す。図1には、血液成分分離部が2ヶ所に示
されているが、点線で示したものは反復血漿分離灌流で
は必要であるが、全血直接灌流では不要である。
【0042】全血直接灌流治療法のための人工臓器シス
テムを図2に例示する。図2に示すように、全血流路部
2、血液凝固阻害剤注入部3、白血球分離血液成分分離
部4、赤血球・血小板・血漿濃厚血液流路部5、白血球
濃厚血液流路部6、白血球除去部7、免疫グロブリン除
去部8、酸素供給部9、加温部10、開閉弁11、臓器
機能代替部12、臓器漏出液回収部13、処理血液分枝
部14、側副路15、リザーバー16、リザーバー流入
路17、リザーバー流出路18、分離白血球濃厚血液合
流部19、処理血液流路部20、ポンプ21を含みさら
に透析器、酸素ボンベ、溶存酸素測定部等を含んでいて
もよい。例えば、透析器を設けるときには、臓器機能側
血液循環回路中のリザーバーの下流に設ければよい。
【0043】また、図2に例示する人工臓器システム
を、患者と直接接続され、血液成分分離部を含む患者側
血液循環回路、及び臓器機能代替部もしくは臓器機能を
有する血液回路部であって灌流血液を貯留するためのリ
ザーバーを含む臓器機能側血液循環回路とからなる人工
臓器システムと捉えた場合、該人工臓器システムは、患
者1から全血合流部2、白血球分離血液成分分離部4、
白血球濃厚血液流路部6、分離白血球濃厚血液合流部1
9および処理血液流路部20を通って患者1に戻る患者
側血液循環回路と、リザーバー16からリザーバー流出
路18、免疫グロブリン除去部8、酸素供給部9、加温
部10、開閉弁11、臓器機能代替部12、処理血液分
枝部14、側副路15を通ってリザーバー16に戻る臓
器機能側血液循環回路からなる。患者側血液循環回路か
ら臓器機能側血液循環回路への血漿の流入は、血液成分
分離部4から白血球除去部7、リザーバー流入路17を
通ってリザーバー16に達する流路を通って行われ、臓
器機能側血液循環回路から患者側血液循環回路への全血
または血漿の流入は、処理血液分枝部14から分離白血
球濃厚血液合流部19に達する流路を通って行われ、両
回路の間で全血または血漿のやりとりが行われる。この
場合、処理血液分枝部14は、臓器機能側循環回路を循
環した後に患者へ返血される血液が分流する返血用分流
部であり、また分離白血球濃厚血液合流部19は返血用
分流部から流れてきた返血される血液と患者側血液循環
回路中の血液成分分離部4で分離され患者に返血される
血液が合流する返血用合流部である。返血用合流部で合
流した血液は処理血液流路部20を通って患者に返血さ
れる。
【0044】反復血漿分離灌流治療法のための人工臓器
システムを図3に例示する。図3に示すように、全血流
路部2、血液凝固阻害剤注入部3、血液成分分離部とし
ての血漿分離部(A)22、血漿分離全血流路部24、
血漿流路部(A)26、免疫グロブリン除去部8、酸素
供給部9、加温部10、開閉弁11、臓器機能代替部1
2、臓器漏出液回収部13、血液成分分離部としての血
漿分離部(B)23、側副路15、リザーバー16、リ
ザーバー流入路17、リザーバー流出路18、血漿流路
部(B)27、全血血漿合流部25、処理血液流路部2
0、ポンプ21を含みさらに透析器、酸素ボンベ、溶存
酸素測定部、白血球除去部等を含んでいてもよい。例え
ば、透析器を設けるときには、臓器機能側血液循環回路
中のリザーバーの下流に設ければよい。
【0045】また、図3に例示する人工臓器システム
を、患者と直接接続され、血液成分分離部を含む患者側
血液循環回路、及び臓器機能代替部もしくは臓器機能を
有する血液回路部であって灌流血液を貯留するためのリ
ザーバーを含む臓器機能側血液循環回路とからなる人工
臓器システムと捉えた場合、該人工臓器システムは、患
者1から全血流路部2、血漿分離部(A)22、血漿分
離全血流路部24、全血血漿合流部25、処理血液流路
部20を通って患者1に戻る患者側血液循環回路と、リ
ザーバー16からリザーバー流出路18、免疫グロブリ
ン除去部8、酸素供給部9、加温部10、開閉弁11、
臓器機能代替部12、血漿分離部(B)23、側副路1
5を通ってリザーバー16に戻る臓器機能側血液循環回
路からなる。患者側血液循環回路から臓器機能側血液循
環回路への血漿の流入は、血漿分離部(A)22からリ
ザーバー流入路17を通ってリザーバー16に達する流
路を通って行われ、臓器機能側血液循環回路から患者側
血液循環回路への全血または血漿の流入は、血漿分離部
(B)23から血漿流路部(B)27を通って全血血漿合
流部25に達する流路を通って行われ、両回路の間で全
血または血漿のやりとりが行われる。この場合、血漿分
離部(B)23は、臓器機能側循環回路を循環した後に
患者へ返血される血液が分流する返血用分流部を兼ね、
また全血血漿合流部25は返血用分流部から流れてきた
返血される血液と患者側血液循環回路中の血漿分離部
(A)22で分離され患者に返血される血液が合流する
返血用合流部である。返血用合流部で合流した血液は処
理血液流路部20を通って患者に返血される。
【0046】臓器機能を有する血液回路を含む人工臓器
システムを図4に例示する。図4に示す人工臓器システ
ムも反復血漿分離灌流夜システムであるが、図3の人工
臓器システムとは臓器機能代替部の有無の点で異なって
いる。図4に示すように、全血流路部2、血液凝固阻害
剤注入部3、血液成分分離部としての血漿分離部(A)
22、血漿分離全血流路部24、血漿流路部(A)2
6、免疫グロブリン除去部8、酸素供給部9、加温部1
0、開閉弁11、血液成分分離部としての血漿分離部
(B)23、側副路15、リザーバー16、リザーバー
流入路17、リザーバー流出路18、血漿流路部(B)
27、全血血漿合流部25、処理血液流路部20、ポン
プ21、透析器28を含みさらに酸素ボンベ、溶存酸素
測定部、白血球除去部等を含んでいてもよい。
【0047】また、図4に例示する人工臓器システム
を、患者と直接接続され、血液成分分離部を含む患者側
血液循環回路、及び臓器機能代替部もしくは臓器機能を
有する血液回路部であって灌流血液を貯留するためのリ
ザーバーを含む臓器機能側血液循環回路とからなる人工
臓器システムと捉えた場合、該人工臓器システムは、患
者1から全血流路部2、血漿分離部(A)22、血漿分
離全血流路部24、全血血漿合流部25、処理血液流路
部20を通って患者1に戻る患者側血液循環回路と、リ
ザーバー16からリザーバー流出路18、酸素供給部
9、加温部10、透析器28、血漿分離部(B)23、
側副路15を通ってリザーバー16に戻る臓器機能側血
液循環回路からなる。患者側血液循環回路から臓器機能
側血液循環回路への血漿の流入は、血漿分離部(A)2
2からリザーバー流入路17を通ってリザーバー16に
達する流路を通って行われ、臓器機能側血液循環回路か
ら患者側血液循環回路への全血または血漿の流入は、血
漿分離部(B)23から全血血漿合流部25に達する流
路を通って行われ、両回路の間で全血または血漿のやり
とりが行われる。この場合、血漿分離部(B)23は、
臓器機能側循環回路を循環した後に患者へ返血される血
液が分流する返血用分流部を兼ね、また全血血漿合流部
25は返血用分流部から流れてきた返血される血液と患
者側血液循環回路中の血漿分離部(A)22で分離され
患者に返血される血液が合流する返血用合流部である。
返血用合流部で合流した血液は処理血液流路部20を通
って患者に返血される。
【0048】本発明においては、システムにより必要に
応じて、前記各機能部分のいずれかを省略したり、ある
いは上記以外の機能部分を付加することができ、また各
機能部分はその機能を発揮する限り回路、流路中のどの
部分に設けてもよい。 (1) 全血流路部2 全血流路部は、人工臓器システムにおいて患者由来の血
液が流れる管路である。該管路は、注射針やカテーテル
等に接続可能な構造のものが好ましい。例えば、全血流
路部として、輸液用チューブ(テルモ社製)、マスターフ
レックス・シリコンチューブ(コールパーマー社製)など
を用いることができる。
【0049】(2) 血液凝固阻害剤注入部3 血液凝固阻害剤注入部は、ヘパリン、フラグミン(ダル
テバリンナトリウム)、フサン(メシル酸ナファモスタッ
ト)などの血液凝固阻害剤を血液流路に注入する部分で
ある。前記血液凝固阻害剤の投与は、ヘパリン、フラグ
ミンは、10〜20単位/kg/時間、フサンは、20〜50mg/時
間の投与速度になるように単独または併用でブドウ糖液
等に溶解し、血流中に注入することができる。
【0050】(3) 白血球分離血液成分分離部4 血液成分分離部は、全血を、白血球、赤血球、血小板、
血漿等に分離し、別々に取り出すか、または、別々の回
路に分流すると同時に、血液ポンプとして、血液流路部
内に血液成分を、一定方向に、一定流速で流すことがで
きる装置である。血液ポンプの流速は、システム中に臓
器機能代替部が含まれる場合は、臓器機能代替部にダメ
ージを与えず且つ血液の処理が十分に行われる程度の流
速が好ましい。また、システム中の一部の流路を肝細胞
が循環する場合は、肝細胞にダメージを与えず且つ血液
の処理が十分に行われる程度の流速が好ましい。例え
ば、血液流速は、30〜200mL/分、好ましくは50〜150mL/
分、最も好ましくは80〜120m1/分である。血液成分分離
部として、遠心分離式血液成分分離装置(フレゼニウス・
ヘモケア社製)、膜式血液成分分離装置などを用いるこ
とができる。血液成分分離部のうち、全血から白血球を
分離する装置部分を白血球分離血液成分分離部という。
後述の血漿分離部(A)22および血漿分離部(B)23は、
全血から血漿を分離するのに用いられるが、該血漿分離
部も血液成分分離部の1種である。従って、本発明にお
いて「血液成分分離部」という場合、白血球分離血液成
分分離部も血漿分離部も含まれる。
【0051】(4) 赤血球・血小板・血漿濃厚血液流路
部5 赤血球・血小板・血漿濃厚血液流路部は、上記(3)の血
液成分分離部によって分離された、全血由来の赤血球、
血小板および血漿の濃厚な血液が流れる管路である。当
該流路部として、輸液用チューブ(テルモ社製)、マスタ
ーフレックス・シリコンチューブ(コールパーマー社製)
などを用いることができる。
【0052】(5) 白血球濃厚血液流路部6 白血球濃厚血液流路部は、上記(3)の血液成分分離部
によって分離された、全血由来の白血球の濃厚な血液が
流れる管路である。当該流路部として、輸液用チューブ
(テルモ社製)、マスターフレックス・シリコンチューブ
(コールパーマー社製)などを用いることができる。白血
球濃厚血液は、血液灌流主回路に合流後返血されるか、
または血液灌流主回路に合流することなく患者に直接返
血される。
【0053】(6) 白血球除去部7 白血球除去部は、血液中の赤血球は通過させ、白血球を
選択的に捕獲することができる装置である。白血球除去
部は、除去媒体として高分子素材からなるフィルターを
含み、当該フィルターによる白血球の選択的除去は、濾
過すなわち白血球と他の血中固形成分との間の大きさの
差による物理的トラップ、並びに除去媒体への白血球の
選択的吸着等により行われる。フィルターとしては、不
織布等の繊維状媒体や均一な平均孔径を有する多孔質体
などが挙げられる。フィルターを構成する高分子素材と
しては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、
ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリビニルアルコ
ール、ポリスルフォン、セルロース、セルロースアセテ
ートなどが挙げられるが、これらに限定されない。これ
らの素材は当該技術分野における公知の製法によって製
造することができる。前記白血球除去部として、ポリエ
ステル不織布を白血球除去媒体とするセルソーバ(Ce11
sorba、旭メディカル社製)などを使用することができ
る。
【0054】また、フィルターの平均孔径は、好ましく
は2〜200μm、より好ましくは3〜lOOμmである。ここ
で、「平均孔径」とは、連続孔を有する多孔質フィルタ
ーを、血液の流れ方向に対して垂直方向に切断し、断面
全体に分散している細孔の各々について直径を測定して
直径と細孔の数との間の関係を調べたときに、最も数の
多い細孔についての円に換算した直径をいう。なお、
「円に換算した直径」とは、細孔が様々な形を有し且つ直
径も様々であるために、それを補正する意味で設定され
たものであって、個々の細孔をその細孔の断面積と同じ
面積の円に換算したときの、当該円の直径を横軸、細孔
の数を縦軸として作成したグラフ中の正規分布曲線にお
ける細孔の数がピークとなるときの円の直径をいう。
【0055】白血球の除去効率は、以下のようにして向
上させることが可能である。すなわち、フィルターとし
て不織布等の繊維状媒体を利用する場合には、繊維状媒
体の充填密度を高めること、平均繊維径の小さい繊維積
層物を用いることによって白血球除去効率を高めること
ができる。また、フィルターとして均一な平均孔径を有
する多孔質を利用する場合には、平均孔径をより小さく
することによって白血球除去効率を高めることができ
る。
【0056】また、上記フィルターに血液を通した場
合、血球が、フィルター表面に吸着し、フィルターが閉
塞されることにより圧力損失が増大する場合がある。こ
のような場合には、フィルターの平均孔径が血液の入口
側から出口側に向かって実質的に連続的または段階的に
減少しているものを用いることができる。具体的には、
血液入口側の平均孔径は、好ましくはlO〜300μm、より
好ましくは20〜200μm、最も好ましくは25〜100μmであ
る。また、血液出口側の平均孔径は、好ましくは1〜30
μm、より好ましくは2〜20μm、最も好ましくは3〜15μ
mである。さらに、フィルター材の白血球除去能を増大
させるために、フィルター材の表面をコラーゲン等の表
面改質剤でコーティングすることもできる。
【0057】(7) 免疫グロブリン除去部8 免疫グロブリン除去部とは、血液中の免疫グロブリン、
補体、サイトカイン等の免疫因子を選択的に除去するこ
とができる装置である。例えば、免疫グロブリン結合性
リガンドを適当な担体に固定化した除去媒体を、カラム
に充填したものなどが挙げられる。ここで、「免疫グロ
ブリン結合性リガンド」とは、免疫グロブリンのみなら
ず、補体、サイトカイン等の種々の免疫因子と特異的に
結合し得る物質をいう。該免疫グロブリン結合性リガン
ドとしては、具体的には、トリプトファン、プロテイン
A、プロテインG、抗免疫グロブリン抗体、抗サイトカイ
ン抗体、フェニルアラニンなどが挙げられる。担体とし
ては、安定性に優れ担体から素材物質が溶出することな
く、担体表面への免疫グロブリン結合性リガンドの固定
が容易且つ高効率で行えるものであれば、特に限定され
ず、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアセタール、
ポリカーボネート、変性ポリフェニレンオキシド、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ジアリルフタレート、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリメチルペンテン、ポリエーテルスルフォン、ポ
リアクリレート、ポリエーテルエステルケトン、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリビニルアセタール、ビスコース、エチレンビニ
ルアルコール、セルロース、セルロースアセテート、ポ
リメチルメタクリレート等の高分子素材からなる球状あ
るいはビーズ状の多孔質担体が挙げられる。担体への免
疫グロブリン結合性リガンドの固定化は、官能基を介す
る共有結合法などによって行うことができる。なお、担
体へは、複数種の免疫グロブリン結合性リガンドを同時
に固定してもよい。さらに、上記免疫グロブリン結合性
リガンドを結合させた担体をカラムに充填する場合に
も、1種類のリガンド固定化担体のみならず、複数種の
リガンド固定化担体を混合して充填することも可能であ
る。
【0058】また、前記免疫グロブリン除去部として、
イムソーバTR350(ImuusorbaTR350、旭メディカル社製)
などの市販のものを使用することもできる。さらに、前
記免疫グロブリン除去部の血液流出口には、担体の流出
を抑えるため、Fフィルター(旭メディカル社製)等のフ
ィルターを設置することも可能である。
【0059】(8) 酸素供給部9 酸素供給部は、血液に酸素を供給し、血液中の溶存酸素
濃度を高めることができる装置をいう。例えば、細胞培
養等に用いられる酸素供給器、人工肺において用いられ
る酸素供給器等が挙げられる。酸素供給部からの酸素供
給量は、血液中の溶存酸素濃度をモニターする溶存酸素
測定部からの、フィードバックデータに基づいて、酸素
ポンプから酸素供給部への酸素供給量の制御によって調
節され得る。具体的には、酸素供給部としては、ホロー
ファイバー型酸素供給器(YMA科学社製)、キャピオック
ス(Capiox、テルモ社製)などを用いることができる。
【0060】(9) 加温部10 加温部は、人工肝臓システム中を流れる血液および/ま
たは人工肝臓システム中の各機能部分の一部または全部
を一定の温度に維持するための部分である。維持温度
は、好ましくは35.0〜37.5℃、より好ましくは35.5〜3
7.O℃、最も好ましくは36.O〜36.5℃である。加温部の
設置箇所は、図2および3のように酸素供給部と臓器機
能代替部または透析器との間で有り得るが、必要に応じ
て、設置部位を変更することが可能である。また、当該
加温部は、前記酸素供給部と一体型であり得る。加温部
としては、ウォーマーコイル(八光商事社製)などを用い
ることができる。さらに酸素供給部と加温部とが一体と
なっているものとして、キャピオックス(Capiox、テル
モ社製)などが挙げられる。
【0061】(10) 開閉弁11 本発明の臓器機能代替部を含む人工臓器システムにおい
て、臓器として全肝や全腎を用いる場合、肝臓や腎臓の
末梢組織にまで十分に血流を行き渡らせるためには、肝
内の末梢血管を拡張させる必要があり、そのためには、
拍動ポンプにより、収縮期と拡張期の圧力差、すなわち
脈圧を十分に作り出せばよい。このような血液の流れを
「拍動流」という。開閉弁と定常流ポンプを組合わせる
ことにより拍動ポンプとして使用することができる。開
閉弁は、脈圧を発生させるために、流路中に設置され
る。定常流ポンプで血液を循環させながら、開閉弁を開
閉させることにより脈圧が発生する。
【0062】脈圧を発生させるためには定常流ポンプと
開閉弁の代わりに、人工弁、弾性嚢、及び、空気圧駆動
装置を装備したいわゆる人工心臓装置を用いてもよい。
前者のポンプは、血液が循環する流路のいずれかの位
置、好ましくは肝臓の上流に開閉弁を設置し、定常流ポ
ンプで一定速度で送液しつつ、一定時間ごとにまたは圧
力の変化により開閉弁を開閉させ、脈圧を作り出す。後
者のポンプは、空気圧駆動装置を用いて陽圧及び陰圧を
交互に発生させることにより、血液ポンプ内部の弾性嚢
を伸縮させ、拍動流を作り出すものである。これは、体
内埋め込み式の完全人工心臓として臨床医療の現場にお
いても用いられているものであり、その血液ポンプ部と
しては、ダイヤフラム型、サック型、円筒型などがあ
る。拍動ポンプにより送られる血液の流速は、肝臓に対
しては、30〜1000mL/min、好ましくは100〜500mL/min、
特に好ましくは150〜300mL/minである。また、拍動ポン
プにより発生する脈圧は10〜100mmHg、好ましくは20〜8
0mmHg、特に好ましくは40〜60mmHgである。さらに、拍
動のタイミングは、1回の収縮と1回の拡張を併せた時
間が0.5〜10秒、好ましくは1〜5秒である。
【0063】開閉弁および心臓ポンプ装置の回路中の位
置は限定されないが、脈圧を直接に臓器に伝達すること
を考えると臓器の上流に設置するのが望ましい。また、
定常流ポンプの位置も限定されない。例えば、図2また
は3に示す位置に設定すれば、回路中を血液がスムース
に流れる。
【0064】(11) 臓器機能代替部12 臓器機能代替部は、その目的に応じて使い分けられる。
すなわち、肝機能の代替を目的とする場合には、生肝を
用いることもできるし、肝細胞を固定化したバイオリア
クターを用いることもできる。また、腎機能の代替を目
的とする場合には、全腎を用いる。全肝または全腎が用
いられる場合、全肝また全腎は適当な臓器収納部に収納
され、臓器機能代替部を構成する。
【0065】生肝を臓器機能代替部として用いる場合に
は、生肝はヒト、ブタ、ウシ、サル、ヒヒなどの哺乳動
物から摘出したものを用いることができる。なお、ヒト
由来の生肝を用いる場合には、生体由来の肝臓ではな
く、主に脳死患者由来の肝臓を用いる。人工肝臓システ
ム中への摘出肝臓の組み込みは、門脈側を血液流入口、
下大静脈側を血液流出口として接続することにより行う
ことができる。この際、臓器を適当な収納装置に収納し
て用いてもよい。
【0066】また、肝細胞を固定化したバイオリアクタ
ーを臓器機能代替部として用いる場合には、不織布充填
型バイオリアクター、ホローファイバー型バイオリアク
ター[Shatford,R.A.,et al. :J. Surg.Res 53:549(199
2)]、マイクロキャリアー型バイオリアクター[Shnyra,
A: Artif Organs 15:189(1991)]、肝細胞浮遊型バイオ
リアクター[Sakai, Y: Ce11 transp1ant. 8:531(1999)]
などを用いることができる。
【0067】肝細胞は、ヒト、ブタ、ウシ、サル、ヒヒ
などの哺乳動物由来の肝細胞を用いることができる。な
お、ヒト由来の肝細胞を用いる場合には、生体肝臓から
分離した肝細胞ではなく、主に培養株として樹立された
ものを用いる。肝細胞固定化バイオリアクターによる血
液灌流の場合、血液が直接肝細胞と接触して物質交換を
行うことため、全肝型人工肝臓では見られない優れた性
能を発揮する。すなわち、ハイブリッド型人工肝臓は全
肝型人工肝臓に比べて、肝実質細胞が洞様構造を除かれ
て、直接外液と接することにより、より直接的な物質交
換が可能であること、肝細胞分離により血管内皮細胞や
大食細胞の一種であるクッファー細胞等が除かれている
ため異種免疫反応が軽減されること、必要に応じて肝細
胞の量を調節することにより大きさのバリエーションが
可能なことなどの利点を有する。
【0068】一方、全腎を臓器機能代替部として用いる
場合は、全腎はヒト、ブタ、ウシ、サル、ヒヒなどの哺
乳動物から、次のような手術法で摘出したものを用いる
ことができる。なお、ヒト由来の全腎を用いる場合に
は、生体由来の腎臓ではなく、主に脳死患者由来の腎臓
を用いる。すなわち、一つは「両側腎en block摘出法」で
あり、両側腎、両側腎動脈及び近接する腹部大動脈、及
び、両側腎静脈及び近接する下大静脈を、腹部大動脈断
端及び下大静脈断端以外に血液の漏出がないように一塊
にして(en bloc)摘出する方法である。また、もう一つ
は、「片腎摘出法」であり、両側腎の片側ずつを、腎動
脈、腎静脈を腹部大動脈及び下大静脈から分岐する根部
で切離することにより、それぞれ別々に摘出する方法で
ある。
【0069】人工腎臓システム中への摘出腎臓の組み込
みは、「両側腎en bloc摘出法」では、2ヶ所の腹部大動
脈断端のうち、一端を結紮し、他端を血液流入口とし、
2ヶ所の下大静脈断端のうち、一端を結紮し、他端を血
液流出口として接続することにより行うことができる
「片腎摘出法」では腎動脈、腎静脈を、それぞれ血液流
入口、血液流出口として接続する。尿管は、膀胱近傍で
切離して腎につけた状態で摘出し、尿の流出口とする。
【0070】また、図4に示す臓器機能を有する血液回
路を含む人工臓器システムにおいては、臓器機能代替部
は不要であり、臓器機能側血液循環回路を流れる血液に
肝細胞を混合し、かつ小分子老廃物を透析器で除去すれ
ばよい。すなわち、リザーバー16からリザーバー流出
路18、酸素供給部9、加温部10、透析器28、血漿
分離部(B)23、側副路15を通ってリザーバー16
に戻る臓器機能側血液循環回路が臓器機能を有する。さ
らに、臓器機能側血液循環回路を血液のみを流し、血液
中の小分子老廃物を透析器で除去してもよいし、この場
合も該臓器機能側血液循環回路が臓器機能を有する。
【0071】(12) 臓器漏出液回収部13 臓器機能代替部に全肝または全腎を用いる場合、臓器表
面からの漏出液を回収して灌流回路に戻すのが望まし
い。例えば、漏出した液体を臓器機能代替部に容器部を
設け該容器部中に貯めそれをポンプで回路に戻せばよ
い。回収した漏出液は、回路中のどこに戻してもよい
が、例えば臓器機能代替部のすぐ下流や灌流主回路中の
リザーバーが挙げられる。
【0072】(13) 処理血液分枝部(返血用分流
部)14 処理血液分枝部は臓器機能代替部で処理された血液の一
部が、患者に向かう血液灌流主回路からリザーバーに向
かう側副路に分流する部分である。この部分には、適当
な弁や活栓を設けてもよいし、流量をコントロールする
ためのポンプ等を設けてもよい。この部分は、臓器機能
側循環回路を循環した後に患者へ返血される血液が分流
する返血用分流部でもある。該部分は臓器機能代替部を
含む図2の人工臓器システムにおいては、臓器機能代替
部の下流かつリザーバーの上流に設けられる。
【0073】(14) 側副路15 側副路は、処理血液分枝部で分枝した血液の一部または
血漿分離部で分離した血液の一部を主回路のリザーバー
に送る回路である。当該側副路として、輸液用チューブ
(テルモ社製)、マスターフレックス・シリコンチューブ
(コールパーマー社製)などを用いることができる。
【0074】(15) リザーバー16 リザーバーは、臓器機能代替部が存在する場合、臓器機
能代替部に十分な血液を供給するために、血液を貯留し
ておく部分であり、主回路中に設けられる。患者血液だ
けでは臓器収納装置中の臓器に十分な血液を供給できな
いので、該リザーバーが必要となる。リザーバーの容量
は、1.5〜3Lであり、システム稼動中に臓器機能代替部
が肝臓を代替する場合で約1〜2Lの血液を、臓器機能
代替部が腎臓を代替する場合で約0.5〜1Lの血液を貯留
しておく。
【0075】図2に示すLCAP全血灌流システムにおいて
は、血液が灌流する回路内にリザーバーを設ければよ
く、該リザーバー内に臓器収納部の臓器を通過した後に
分流した血液ならびに患者から流出し血液成分分離部お
よび白血球除去部を通過した血液が流入して混合し、再
びリザーバーから流出し臓器収納部の臓器へと流れるよ
うにするのが望ましい。
【0076】図3に示す反復血漿分離灌流システムにお
いては、血液が灌流する回路内にリザーバーを設ければ
よく、該リザーバー内に臓器収納部の臓器を通過し血漿
分離部により血漿を分離された血液および患者から流出
し血漿分離部により分離した血漿が流入して混合し、再
びリザーバーから流出し臓器収納部の臓器へと流れるよ
うにするのが望ましい。
【0077】また図4に示す臓器機能を有する血液回路
を含む人工臓器システムにおいては、リザーバー部は全
血または全血および肝細胞の混合液を含む。該全血また
は全血および肝細胞の混合液はリザーバー、透析器、血
漿分離部(B)、側副路を循環してリザーバー部に戻
る。流入した血液がよく混合されるように、リザーバー
内の血液はスターラー等により攪拌してもよい。
【0078】(16) リザーバー流入路17 リザーバー流入路は、血液灌流主回路中のリザーバーへ
血液が流入する流路である。当該流入路として、輸液用
チューブ(テルモ社製)、マスターフレックス・シリコン
チューブ(コールパーマー社製)などを用いることができ
る。
【0079】(17) リザーバー流出路18 リザーバー内で混合された血液灌流主回路中を流れる血
液もしくは一部の血液成分が除去された血液ならびに臓
器機能代替部もしくは透析器を通過後に分流された血液
もしくは一部の血液成分が除去された血液がリザーバー
から流出する流路である。
【0080】(18) 分離白血球濃厚血液合流部(返
血用合流部)19 合流部は、臓器機能代替部または透析器から流出した処
理済の血液と血液成分分離部で分離された白血球濃厚血
液とが合流する部分であり、患者側血液循環回路中の血
液成分分離部の下流に設けられる。分離白血球濃厚血液
が血液灌流主回路に合流することなく患者に直接返血さ
れる場合は、この合流部はなくてもよい。この部分は、
返血用分流部から流れてきた返血される血液と患者側血
液循環回路中で分離され患者に返血される血液が合流す
る返血用合流部でもある。
【0081】(19) 処理血液流路部20 処理血液流路部は、上記(18)で合流した処理血液を
患者に送る管路である。該管路は、注射針やカテーテル
等に接続可能な構造のものが好ましい。例えば、処理血
液流路部として、輸液用チューブ(テルモ社製)、マスタ
ーフレックス・シリコンチューブ(コールパーマー社製)
などを用いることができる。
【0082】(20) ポンプ21 ポンプは、血液灌流主回路および側副路中の血液をスム
ースに循環させ、回路中の少なくとも1箇所に設けら
れ、必要に応じて分枝部付近、合流部付近にさらに設け
られる。例えば、図2、図3または図4に示す位置に設
置すれば血液が回路中をスムースに流れる。
【0083】(21) 血漿分離部22、23 血漿分離部は血液成分分離部の一種であり、血液から血
漿を分離する血漿分離器である。上述のように本明細書
において、「血液成分分離部」という場合、「血漿分離
部」も含まれる。
【0084】血漿分離部は、中空糸を内蔵するカラムで
あり、中空糸は分子量15万〜25万以上の分子を通過させ
ない半透膜であり、血漿が血液から分離される。この場
合、血液中の血漿の総てが分離されるのではなく、例え
ば、血液の25%〜35%の血漿が分離される。分離される
血漿の割合は、血漿分離部の中空糸の孔サイズや、回路
中を流す血液の流速等により適宜設定することができ
る。
【0085】血漿分離部として、プラズマフロー、カス
ケードフロー(旭メディカル社製)、さらに、人工腎臓
用ホローファイバー、例えば、APS-E、APS-S、PAN-SF、
AM-BCX、AM-BCF、AM-BCP、AM-PC(旭メディカル社製)
などを用いることができる。
【0086】中空糸を構成する高分子素材としては、ポ
リエチレン、セルロース・ジ・アセテート、ポリスルホ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、キュプラア
ンモニウムレーヨンなどが挙げられるが、これらに限定
されない。これらの素材は当該技術分野における公知の
製法によって製造することができる。また、フィルター
の平均孔径は、好ましくは0.3μm以下である。ここで、
「平均孔径」とは、白血球除去部において記載した定義
に準ずる。
【0087】本発明の人工臓器システムは、動物臓器の
ウィルスが患者体内に流入しないものであることが望ま
しいが、ウィルスはほとんどの場合、ほぼ球形をしてお
り、その直径は25〜100nmである。特に、ブタ臓器を用
いた場合に最も問題となるブタレトロウィルス(porcin
e endogenous retrovirus:PERV)は、直径約100nmであ
る。上記に実例を挙げた血漿分離部に用いられる中空糸
の膜は、いずれもこれらを通過させないと考えられる。
【0088】血漿分離部は、図3に示す反復血漿分離灌
流法および図4に示す臓器機能を有する血液回路を含む
人工臓器システムにおいて用いられる。図3または図4
に示すように、回路中の2ヶ所の部分に設けられ、一方
(血漿分離部(A))は患者からの血液を分離させ、分
離血漿は主回路中をリザーバーへ向かい、もう一方(血
漿分離部(B))は臓器機能代替部または透析器からの
血液を分離させる。臓器機能代替部または透析器からの
血液は、血漿分離部(B)で血漿と血漿分離全血に分流
し、血漿は、血漿流路部(B)を通って血漿分離部(A)
で血漿を分離された全血と全血血漿合流部で合流し、患
者に返血される。また、血漿分離部(B)で分離された
血漿分離全血は、リザーバーにつながる側副回路中に分
流し、患者に返血される前に主回路に戻る。なお、本明
細書において血漿分離部(A)を第1の血漿分離部と、
血漿分離部(B)を第2の血漿分離部とも称する。
【0089】図4に示す、臓器機能を有する回路を含む
人工臓器システムにおいては、透析器により除水される
ため除水された分の水分を必要に応じて回路内に供給す
ることができる。例えば、図4の血漿分離部(A)にお
いて外液流入部を設けそこから中空糸外腔に滅菌した透
析液、維持輸液等を供給すればよい。
【0090】本発明の人工臓器システムを、患者と直接
接続され、血液成分分離部を含む患者側血液循環回路、
及び臓器機能代替部もしくは臓器機能を有する血液回路
部であって灌流血液を貯留するためのリザーバーを含む
臓器機能側血液循環回路とからなる人工臓器システムと
捉えた場合、患者側血液循環回路を流れる血液は、血漿
分離部(A)で分離され分離血漿がリザーバーに向かい
臓器機能側血液循環回路に合流する。また、臓器機能側
血液循環回路を流れる血液は、血漿分離部(B)で血漿
と血漿分離全血に分流し、血漿は血漿流路部(B)を通
って患者側血液循環回路に合流し、血漿分離全血は臓器
機能側血液循環回路を循環する。
【0091】血漿分離部(B)は、臓器機能側循環回路
を循環した後に患者へ返血される血液が分流する返血用
分流部を兼ねる。血漿分離部(B)は、人工臓器システ
ムが臓器機能代替部を含む場合、臓器機能代替部の下流
かつリザーバーの上流に設けられ、臓器機能側血液循環
回路そのものが臓器機能を有する場合は、臓器機能側血
液循環回路中の任意の位置に設けられる。
【0092】(22) 血漿分離全血流路部24 血漿分離全血流路部は、図3に示す反復血漿分離灌流法
において、血漿分離部(A)で血漿を分離された全血が
流れる流路である。血漿分離全血流路として、輸液用チ
ューブ(テルモ社製)、マスターフレックス・シリコンチ
ューブ(コールパーマー社製)などを用いることができ
る。
【0093】(23) 全血血漿合流部25(返血用分
流部を兼ねる) 全血血漿合流部は、図3に示す反復血漿分離灌流法およ
び図4に示す臓器機能を有する血液回路を含む人工臓器
システムにおいて、血漿分離部(B)で分離された血漿
と、血漿分離部(A)で血漿を分離された全血が合流す
る、血漿分離部(A)の下流に設けられる部分である。
この部分は、臓器機能側循環回路を循環した後に患者へ
返血される血液が分流する返血用分流部でもある。
【0094】(24) 血漿流路部(A)26 血漿流路部(A)は、図3に示す反復血漿分離灌流法に
おいて、血漿分離部(A)で分離された血漿の流路であ
り、血漿は臓器機能代替部へ向かう血漿流路として、輸
液用チューブ(テルモ社製)、マスターフレックス・シリ
コンチューブ(コールパーマー社製)などを用いることが
できる。
【0095】(25) 血漿流路部(B)27 血漿流路部(B)は、図3に示す反復血漿分離灌流法に
おいて、血漿分離部(B)で分離された血漿の流路であ
り、血漿は患者へ向かう。血漿流路として、輸液用チュ
ーブ(テルモ社製)、マスターフレックス・シリコンチュ
ーブ(コールパーマー社製)などを用いることができる。
【0096】(26) 透析器(ダイアライザー)28 透析器は、リザーバーを循環する血液から小分子の溶存
物質(老廃物)を限外濾過により分離除去しさらに除水
するのに用いられる。透析器には中空糸型、コイル型、
積層型があり、いずれの透析器も用いることができるが
入手容易性の観点から中空糸型透析器が望ましい。中空
糸型透析器は、半透膜でできた内径200ミクロン程度の
極めて細いチューブ状の繊維(中空糸)がプラスチック
の円筒内に数千〜数万本束ねられており、中空糸内を血
液が流れ中空糸外を透析液が流れ小分子物質が分離され
る。透析器としては、APS−E、AM−BCF、AM
−PC(旭メディカル社製)等を用いることができる。
透析器は、ポンプを有する透析装置と連結し、送液等を
行う。透析器では血液中の水分も分離されるため透析器
を通った血液の容積は減少する。このため減少した水分
の量だけ透析液を血液回路中に戻す必要がある。戻す位
置は、リザーバー、透析器、側副路を循環する回路に透
析器により減少した水分を供給できる位置ならばどこで
も良いが、例えば図4に示すように血漿分離部(A)で
供給すれば良い。透析液としては公知の透析液、公知の
維持輸液を用いればよく、例えば、キンダリー、サブラ
ッドA及びB(扶桑薬品)、AKソリタ(清水―武田薬
品)等が挙げられる。
【0097】(27) 肝細胞 本発明の一実施態様では、臓器機能側血液循環回路を循
環する血液に肝細胞を混合して人工臓器システムとして
用いる。血液中に懸濁した肝細胞は肝細胞の状態で肝機
能を発揮し、血液中の老廃物等を分解する。分解された
老廃物は前記透析器において分離され人工臓器システム
から除去される。この点で、肝細胞を血液に混合させた
場合、該混合血液が循環する回路全体が肝機能を代替し
ているということができる。肝細胞は、ヒト、ブタ、ウ
シ、イヌ等の哺乳類由来のものを用いればよい。血液中
の肝細胞の構成物は、血漿分離部(B)の作用により患
者を流れる血液回路中に混入することはないので、ブ
タ、ウシ、イヌ等の異種由来の肝細胞も使用することが
できる。肝細胞は、肝臓をコラゲナーゼ等の酵素により
処理し細胞を単離することにより得ることができる。ま
た、株化肝細胞や造血幹細胞や胚性幹細胞(ES細胞)か
ら分化増殖させた肝細胞の機能を有する肝細胞を用いて
もよい。混合する肝細胞濃度は、1×106〜1×108細胞/m
L、好ましくは5×106〜5×107細胞/mLである。
【0098】なお、臓器機能側血液循環回路中に透析器
が存在する場合(図4の臓器機能を有する血液回路を含
む人工臓器システム)に、肝細胞を血液に混合し得る
が、透析器を有する場合であっても肝細胞の混合は必須
ではなく、毒性物質の解毒分解はできないものの、透析
器で老廃物のかなりの部分を除去できるので、肝細胞が
なくても人工臓器システムとしては有用である。
【0099】(28) 患者側血液循環回路と臓器機能
側血液循環回路を連絡する流路 本発明の人工臓器システムを、患者と直接接続され、血
液成分分離部を含む患者側血液循環回路、及び臓器機能
代替部もしくは臓器機能を有する血液回路部であって灌
流血液を貯留するためのリザーバーを含む臓器機能側血
液循環回路とからなる人工臓器システムと捉えた場合、
両回路間で全血または血漿のやりとりを行うための部分
が必要である。図2の人工臓器システムにおいては、白
血球分離血液成分分離部4から白血球除去部7、リザー
バー流入路17を通ってリザーバー16に達する部分が
患者側血液循環回路から臓器機能側血液循環回路へと血
液が流れる流路であり、処理血液分枝部14から分離白
血球濃厚血液合流部19に達する部分が臓器機能側血液
循環回路から患者側血液循環回路へと血液が流れる流路
である。また、図3の人工臓器システムにおいては、血
漿分離部(A)22からリザーバー流入路17を通って
リザーバー16に達する部分が患者側血液循環回路から
臓器機能側血液循環回路へと血液が流れる流路であり、
血漿分離部(B)23から血漿流路部(B)27を通って
全血血漿合流部25に達する部分が臓器機能側血液循環
回路から患者側血液循環回路へと血液が流れる流路であ
る。さらに、図4の臓器機能を有する血液回路を含む人
工臓器システムにおいては、血漿分離部(A)22から
リザーバー流入路17を通ってリザーバー16に達する
部分が患者側血液循環回路から臓器機能側血液循環回路
へと血液が流れる流路であり、血漿分離部(B)23か
ら全血血漿合流部25に達する部分が臓器機能側血液循
環回路から患者側血液循環回路へと血液が流れる流路で
ある。
【0100】(29) その他の機能部分 臓器機能代替部を含む場合は、必要に応じて、臓器機能
代替部の下流には、さらに微粒子除去部等を設置するこ
とができる。微粒子除去部を設置することによって、臓
器機能代替部由来の脱落細胞、肝細胞の破片、微粒子等
を除去することができる。具体的には、微粒子除去部と
しては、中空糸型、平膜型等のフィルターを用いること
ができる。
【0101】溶存酸素測定部は、流路中を流れる血液の
溶存酸素量をモニターする装置である。溶存酸素測定部
によって得られた溶存酸素値は、酸素ボンベヘ送られ、
酸素ボンベから酸素供給部への酸素供給量が適切に制御
される。溶存酸素測定部としては、溶存酸素メーターOX
300S(東興化学社製)、溶存酸素コントローラーHDO-200
(東興化学社製)などを用いることができる。
【0102】2.本発明の人工臓器システムによる人工
臓器灌流システムを用いた血液浄化治療 本発明の人工臓器システムによる人工臓器灌流治療を、
図2、図3および図4を用いて説明する。本説明中で各
部分を流れる血液または一部の血液成分が除去された血
液の流速を示したが、これは一例であり患者の状態や臓
器機能代替部の状態により適宜変更し得る。また、各分
流中の血液成分の含有量も一例であり、これも変わり得
る。
【0103】1) 全血直接灌流システムを用いた治療
(図2) まず、肝不全または腎不全患者1に、本発明の人工臓器
システムを接続する。ここで、接続部位としては、患者
の橈側皮静脈や鼡径部大腿静脈が挙げられる。患者から
の血液は、流速50〜150mL/min、より好ましくは、70〜1
20mL/minで全血流路部を通り、血液凝固阻害剤注入部か
ら血液凝固阻害剤の添加を受け、白血球分離血液成分分
離部LCAPに入って、赤血球・血小板・血漿濃厚血液と白
血球濃厚血液とに分けられる。次いで、それぞれ赤血球
・血小板・血漿濃厚血液流路部、白血球濃厚血液流路部
に分流され、赤血球・血小板・血漿濃厚血液は、白血球
除去部に送られる。この際、赤血球・血小板・血漿濃厚
血液は、全血の50〜90%である。その流速は50〜150mL/
minであり、より好ましくは、70〜120mL/minである。一
方、白血球濃厚血液は白血球及び血小板は全血の10〜50
%であり、その流速は10〜150mL/minでありうる。当該
機能部分では、赤血球・血小板・血漿濃厚血液中に残存
する白血球が吸着除去される。白血球除去部から出た血
液は、リザーバー内で側副路を通って送られる至適流量
の赤血球及び血漿を含み白血球を含まないヒト血液と合
流した後、リザーバー流出路を通って免疫グロブリン除
去部に送られる。合流した後リザーバーから流出する血
流の流速は150〜450mL/minであり、より好ましくは、20
0〜320mL/minである。血液成分分離部を通過した後にリ
ザーバーに流入する血液と臓器機能代替部を通過後側副
路に分流しリザーバーに流入する血液の流速の合計は、
該リザーバーから流出する血流の流速と等しくなければ
ならない。免疫グロブリン除去部では、赤血球・血小板
・血漿濃厚血液中の免疫グロブリン、補体等の免疫因子
が除去される。免疫グロブリン除去部から流出した血液
は、酸素供給部に送られ、所望の溶存酸素濃度になるよ
うに、酸素が供給される。酸素供給部を出た血液は、加
温部に送られ、所望の温度に加温される。加温部を出た
血液は、臓器機能代替部〔肝機能代替部(肝臓)、若し
くは腎機能代替部(腎臓)〕に送られる。肝機能代替部
では、血液中の有害物質の解毒、タンパク質の合成、グ
リコーゲンの分解・合成、胆汁の合成等が行われる。肝
臓の場合、胆汁が合成され、総胆管より排泄される。腎
機能代替部では、尿の生成及び排出が行われる。肝機能
代替部もしくは腎機能代替部を出た赤血球・血小板・血
漿濃厚血液は、溶存酸素測定部を通過後、リザーバーか
ら流出する血液量から患者から出てリザーバーに流入す
る血液量を引いた量と同量の血液をリザーバーへ分流す
る。リザーバーへ分流する血液の流速は、具体的には10
0〜300mL/min、より好ましくは、130〜200mL/minであ
る。さらに、白血球濃厚血液と合流し、処理血液流路部
を通って患者の体内に再び戻される。分流後白血球濃厚
血液と合流する前の血液の流速は50〜150mL/minであ
り、より好ましくは、70〜120mL/minである。合流後の
血液の流速は、患者から導出される血液の流速と等しく
あるべきであり、具体的には50〜150mL/min、より好ま
しくは、70〜120mL/minである。なお、溶存酸素測定部
において得られた溶存酸素の測定値は、酸素ボンベに送
られ、酸素ボンベからの酸素供給部への酸素導入量が決
定される。
【0104】本発明の人工臓器システムを、患者と直接
接続され、血液成分分離部を含む患者側血液循環回路、
及び臓器機能代替部もしくは臓器機能を有する血液回路
部であって灌流血液を貯留するためのリザーバーを含む
臓器機能側血液循環回路とからなる人工臓器システムと
捉えた場合、図2に示す人工臓器システムにおいて、患
者からの血液は患者側血液循環回路中の白血球分離血液
成分分離部で赤血球・血小板・血漿濃厚血液と白血球濃
厚血液とに分離され、赤血球・血小板・血漿濃厚血液は
臓器機能側血液循環回路中のリザーバーで臓器機能側血
液循環回路に合流し、白血球濃厚血液は患者側血液循環
回路を通って患者に返血される。臓器機能側血液循環回
路を流れる血液は臓器機能代替部を通って処理され老廃
物等が除去され、処理血液分枝部(返血用分流部)で一
部が分離し、分離白血球濃厚血液合流部(返血用合流
部)で患者側血液循環回路に合流し、患者に返血され
る。
【0105】2) 反復血漿分離灌流システムを用いた
治療法(図3) まず、肝不全患者または腎不全患者に、本発明の人工肝
臓システムを接続する。ここで、接続部位としては、患
者の橈側皮静脈や鼡径部大腿静脈が挙げられる。患者か
らの血液は、流速50〜150mL/min、より好ましくは、70
〜120mL/minで全血流路部を通り、血液凝固阻害剤注入
部から血液凝固阻害剤の添加を受け、血漿分離部(A)に
流入する。ここでいう血漿分離部は、多数の中空糸を内
臓する血液浄化療法用カラムであり、中空糸に使われる
半透膜の孔径は、分子量15万〜25万以上の分子を通過さ
せない膜である。中空糸の内腔には、患者から流入する
血液が通り、血漿は半透膜から外腔に浸出し、人工臓器
システムに運ばれる。この際、患者から血漿分離部(A)
に流入する血液のうち、20〜35%の容量が血漿として分
離される。したがって、血漿の流速は、流速15〜50mL/m
in、より好ましくは、30〜40mL/minである。患者から血
漿分離部(A)に流入する血液の流速が100mL/minで、血漿
分離率が30%である場合、血漿の流速は30mL/min、血漿
を分離された残り70%の血液の流速は70mL/minとなる。
【0106】人工臓器システムは、図3の如く、リザー
バー、定常流ポンプ、白血球除去部、免疫グロブリン除
去部、酸素供給器、加温器、拍動ポンプ機構、及び、臓
器収納装置などから成る。ヒト肝不全または腎不全患者
の治療においては、人工臓器システムには、プライミン
グ・ソリューション(初期充填液)として、白血球を除
いたヒト全血、または、ヒト濃厚赤血球と新鮮凍結血漿
の混合血液があらかじめ満たされている。このような場
合、白血球除去部は不要であり、プライミング・ソリュ
ーションが、新鮮血(全血)のように、白血球が除かれ
ていないものである場合のみ、白血球除去部は必要であ
る。血漿分離部(A)で分離された肝不全血漿または腎不
全血漿は、主回路中のリザーバーで人工臓器機能代替部
を通って分流するヒト全血と合流した後にリザーバー流
出路を通って臓器機能代替部へ向かう。この際、リザー
バーから流出する血流の流速は150〜350mL/minであり、
より好ましくは、200〜320mL/minである。血漿分離部
(A)を通ってリザーバー内に流入する血漿と血漿分離部
(B)を通過し側副路を通ってリザーバーに流入する血液
の流速は、該リザーバーから流出する血流の流速と等し
くなければならない。次いで、この肝不全血漿または腎
不全血漿とヒト全血または一部の血液成分が除去された
血液の混合血液は、免疫グロブリン除去部に運ばれ、血
液中の免疫グロブリン、補体等の免疫因子が除去され
る。免疫グロブリン除去部から流出した血液は、酸素供
給部に送られ、所望の溶存酸素濃度になるように、酸素
が供給される。酸素供給部を出た血液は、加温部に送ら
れ、所望の温度に加温される。加温部を出た血液は、臓
器機能代替部に送られる。臓器機能代替部では、血液中
の肝不全物質の代謝、有害物質の解毒、タンパク質の合
成、グリコーゲンの分解・合成、胆汁の合成等が行わ
れ、ビリルビンは胆汁として総胆管より排泄される。臓
器機能代替部を出た血液は、溶存酸素測定部を通過後、
血漿分離部(B)に流入する。
【0107】溶存酸素測定部において得られた溶存酸素
の測定値は、酸素ボンベに送られ、酸素ボンベからの酸
素供給部への酸素導入量が決定される。血漿分離部
(B)では、アンモニアなどの肝不全物質やビリルビン
の減少した患者血液から、血漿が分離され、残りの全血
は、リザーバーにもどる。血漿分離部(B)で分離され
た血漿は、血液合流部において、血漿分離部(A)から
運ばれた血漿分離全血と合流し、患者体内に戻される。
血漿分離部(B)で血漿を分離された後、リザーバーへ
流入する血液の流速は、上記のリザーバーを流出して主
回路を灌流する血液の流速から血漿分離部(A)からリザ
ーバーへ流入する血漿の流速を引いた流速と等しくある
べきであり、具体的には100〜300mL/min、より好ましく
は、130〜200mL/minである。血漿分離部(B)で分離さ
れる血漿の流速は、血漿分離部(A)で分離される血漿
の流速と等しくあるべきであり、具体的には流速15〜50
mL/min、より好ましくは、30〜40mL/minである。血漿の
流速は約30mL/minであり、血漿分離部(A)からの70mL/
minの流速の血液と合流し、100mL/minの流速で患者体内
に戻る。
【0108】この灌流治療法においては、アルブミンな
どは半透膜を通過するが、全血直接灌流治療法の場合に
較べて量は遥かに少ない。また、ヒト以外の動物の異種
臓器、例えばブタ肝臓から運ばれてくる異種ウイルス
は、血漿分離部の半透膜を通過できないので、ウイルス
の患者体内への流入を防ぐことができる。したがって、
人工肝臓の灌流方式としては、反復血漿分離灌流法は、
全血直接灌流治療法より患者への副作用が少ない方法で
あると考えられる。
【0109】本発明の人工臓器システムを、患者と直接
接続され、血液成分分離部を含む患者側血液循環回路、
及び臓器機能代替部もしくは臓器機能を有する血液回路
部であって灌流血液を貯留するためのリザーバーを含む
臓器機能側血液循環回路とからなる人工臓器システムと
捉えた場合、図3に示す人工臓器システムにおいて、患
者からの血液は患者側血液循環回路中の血漿分離部
(A)で分離され、分離された血漿はリザーバーで臓器
機能側血液循環回路に合流し、血漿を分離除去された血
液は患者側血液循環回路を通って患者に返血される。臓
器機能側血液循環回路を流れる血液は臓器機能代替部を
通って処理され老廃物等が除去され、血漿分離部(B)
で分離され、分離された血漿は全血血漿合流部(返血用
合流部)で患者側血液循環回路に合流し、患者に返血さ
れる。
【0110】3) 臓器機能を有する血液回路を含む人
工臓器システムを用いた灌流法(図4) まず、肝不全患者または腎不全患者に、本発明の人工肝
臓システムを接続する。ここで、接続部位としては、患
者の橈側皮静脈や鼡径部大腿静脈が挙げられる。患者か
らの血液は、流速50〜150mL/min、より好ましくは、70
〜120mL/minで全血流路部を通り、血液凝固阻害剤注入
部から血液凝固阻害剤の添加を受け、血漿分離部(A)に
流入する。ここでいう血漿分離部は、多数の中空糸を内
臓する血液浄化療法用カラムであり、中空糸に使われる
半透膜の孔径は、分子量15万〜25万以上の分子を通過さ
せない膜である。中空糸の内腔には、患者から流入する
血液が通り、血漿は半透膜から外腔に浸出し、人工臓器
システムに運ばれる。この際、患者から血漿分離部(A)
に流入する血液のうち、20〜35%の容量が血漿として分
離される。したがって、血漿の流速は、流速15〜50mL/m
in、より好ましくは、30〜40mL/minである。患者から血
漿分離部(A)に流入する血液の流速が100mL/minで、血漿
分離率が30%である場合、血漿の流速は30mL/min、血漿
を分離された残り70%の血液の流速は70mL/minとなる。
【0111】人工臓器システムは、図4の如く、リザー
バー、定常流ポンプ、白血球除去部、免疫グロブリン除
去部、酸素供給器、加温器、透析器等からなる。ヒト肝
不全または腎不全患者の治療においては、人工臓器シス
テムには、プライミング・ソリューション(初期充填
液)として、白血球を除いたヒト全血、または、ヒト濃
厚赤血球と新鮮凍結血漿の混合血液があらかじめ満たさ
れている。このような場合、白血球除去部は不要であ
り、プライミング・ソリューションが、新鮮血(全血)
のように、白血球が除かれていないものである場合の
み、白血球除去部は必要である。図3中に白血球除去部
は示されていないが、例えば免疫グロブリン除去部の上
流部に設置すればよい。さらに、リザーバー、透析器、
側副路を循環する血液中には、必要に応じて肝細胞が混
合される。血漿分離部(A)で分離された肝不全血漿また
は腎不全血漿は、免疫グロブリン除去部を通ってさらに
主回路中のリザーバーを通って透析器へ向かう。免疫グ
ロブリン除去部では血液中の免疫グロブリン、補体等の
免疫因子が除去される。この際、リザーバーから流出す
る血液の流速は150〜350mL/minであり、より好ましく
は、200〜320mL/minである。血漿分離部(A)を通ってリ
ザーバー内に流入する血漿と血漿分離部(B)を通過し側
副路を通ってリザーバーに流入する血液の流速は、該リ
ザーバーから流出する血流の流速と等しくなければなら
ない。リザーバーから流出した血液は、酸素供給部に送
られ、所望の溶存酸素濃度になるように、酸素が供給さ
れる。酸素供給部を出た血液は、加温部に送られ、所望
の温度に加温される。加温部を出た血液は、透析器に送
られる。透析器では、血液循環流路とは半透膜を隔てて
透析液が循環しており、血液中の小分子量の毒性物質が
除去される。この際、リザーバー、透析器および側副路
を循環する血液中に肝細胞が混合されている場合は、該
肝細胞の働きで血液中の肝不全物質の代謝、有害物質等
の解毒、蛋白質の合成、グリコーゲンの分解・合成、胆
汁の合成等が行われ、この際に産生された小分子量の不
要な毒性物質は、前記透析器で除去される。透析器を出
た血液は、血漿分離部(B)に流入する。リザーバー、透
析器および側副路を循環する流路中には、必要に応じて
溶存酸素測定部が設置されていてもよい。溶存酸素測定
部において得られた溶存酸素の測定値は、酸素ボンベに
送られ、酸素ボンベからの酸素供給部への酸素導入量が
決定される。血漿分離部(B)では、アンモニアなどの
肝不全物質やビリルビンの減少した患者血液から、血漿
が分離され、残りの全血は、リザーバーにもどる。血漿
分離部(B)で分離された血漿は、血液合流部におい
て、血漿分離部(A)から運ばれた血漿分離全血と合流
し、患者体内に戻される。血漿分離部(B)で血漿を分
離された後、リザーバーへ流入する血液の流速は、上記
のリザーバーを流出して主回路を灌流する血液の流速か
ら血漿分離部(A)からリザーバーへ流入する血漿の流速
を引いた流速と等しくあるべきであり、具体的には100
〜300mL/min、より好ましくは、130〜200mL/minであ
る。血漿分離部(B)で分離される血漿の流速は、血漿
分離部(A)で分離される血漿の流速と等しくあるべき
であり、具体的には流速15〜50mL/min、より好ましく
は、30〜40mL/minである。血漿の流速は約30mL/minであ
り、血漿分離部(A)からの70mL/minの流速の血液と合
流し、100mL/minの流速で患者体内に戻る。さらに、図
4に示す人工臓器システムにおいては透析器でリザーバ
ー、透析器および側副路を循環する流路中血液中の水分
が除去される。この除去された水分は、リザーバー、透
析器および側副路を循環する流路中に戻す必要があり、
例えば、血漿分離部(A)において、除去された水分の除
去流速と同じ流速で維持輸液等を供給すればよい。この
際の流速は、例えば透析器に外から流入する液が50mL/m
in.、透析器から流出する液が100mL/min.、血漿分離部
(A)において外から流入する液が50mL/min.である。
【0112】本発明の人工臓器システムを、患者と直接
接続され、血液成分分離部を含む患者側血液循環回路、
及び臓器機能代替部もしくは臓器機能を有する血液回路
部であって灌流血液を貯留するためのリザーバーを含む
臓器機能側血液循環回路とからなる人工臓器システムと
捉えた場合、図3に示す人工臓器システムにおいて、患
者からの血液は患者側血液循環回路中の血漿分離部
(A)で分離され、分離された血漿はリザーバーで臓器
機能側血液循環回路に合流し、血漿を分離除去された血
液は患者側血液循環回路を通って患者に返血される。臓
器機能側血液循環回路を流れる血液は血液に混合された
肝細胞および透析器により処理され老廃物等が除去さ
れ、血漿分離部(B)で分離され、分離された血漿は全
血血漿合流部(返血用合流部)で患者側血液循環回路に
合流し、患者に返血される。
【0113】3.本発明の人工臓器システムの性能評価 (1) 人工肝臓システムの性能評価 人工肝臓システムの性能評価は、肝不全モデル用動物を
使用して、以下のように、GOT/GPT活性上昇の有無、被
験体の頭蓋内圧、血中アンモニア濃度、胆汁産生、灌流
後の肝組織の色、血液凝固の有無、肝組織の柔軟度、お
よび、肝不全モデル動物の生存期間と副作用の有無等に
より評価することができる。
【0114】 肝不全モデルの作製 肝不全モデル用動物としては、イヌ(例えば、シェパー
ド犬)などを使用することができる。例えばイヌ肝不全
モデルは、以下のようにして作製することができる。ま
ず、全身麻酔後、頭蓋骨を穿頭して脳室内に頭蓋内圧測
定用カテーテルを挿入、留置し、外頚静脈には灌流用カ
テーテルを挿入、留置する。門脈-下大動脈の吻合を行
い、それより肝臓側において、門脈は結紮切離し、肝動
脈、および総胆管周囲にはテープを回し、遠隔操作でこ
れを締めることができるようにしておく。その状態で5
時間経過を観察して血中アンモニア濃度が上昇するのを
待つ。5時間後から灌流治療を開始するが、その直前に
肝門部における動脈および総胆管を上記テープによって
2時間結紮することによりイヌの肝臓を完全阻血状態に
置き、2時間後に開放する。この手術および手技操作に
より、イヌを肝不全状態にすることができる。
【0115】 灌流通過障害の有無 灌流が障害なく続行可能であるか否かを調べることによ
り、使用した人工肝臓システムが、超急性拒絶反応を生
じずに灌流することが可能であるか否かを評価すること
ができる。従来の全肝型人工肝臓の場合、肝臓内への流
入血液が血管内皮細胞に対し超急性拒絶反応を起こし、
それに起因する灌流回路の通過障害が生じ得る。また、
ハイブリッド型人工肝臓の場合でも、流入血液が肝細胞
に対し超急性拒絶反応を起こし得る。
【0116】灌流が障害なく続行されれば、使用した人
工肝臓システムは、超急性拒絶反応を生じることなく良
好に灌流を行うことができると評価することができ、灌
流が灌流開始後1時間以内に、灌流不能となった場合に
は、使用した人工肝臓システムは、血液灌流には不適で
あると評価することができる。
【0117】 GOT/GPT活性上昇の有無 GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナー
ゼ)、GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナー
ゼ)等の酵素は、肝細胞が破壊されると、肝細胞内から
血中に流出する。したがって、肝臓から出た血液中のGO
TおよびGPT値を調べることによって、肝臓において、肝
細胞壊死や破壊が生じているか否かを調べることができ
る。すなわち、肝臓から出た血液中のGOTおよび/または
GPT値の経時的な上昇が認められれば、肝臓において肝
細胞の死滅が生じており、保存中の肝臓または人工肝臓
システム中の肝臓の肝機能は経時的に低下すると評価す
ることができ、上昇が認められなければ、肝細胞の死滅
は生じず、保存中の肝臓または人工肝臓システム中の肝
機能は維持されると評価することができる。
【0118】 被験体の頭蓋内圧および血中アンモニ
ア濃度 被験体は肝不全時には、頭蓋内圧および血中アンモニア
濃度が上昇する。従って、これらの値が上昇しなけれ
ば、使用した人工肝臓システムは、良好に被験体の肝機
能を発揮していると評価することができる。
【0119】 胆汁産生、肝臓の灌流後の肝組織の
色、血液凝固の有無、肝組織の柔軟度 全肝型人工肝臓システムの肝臓について、総胆管からの
胆汁産生を調べることにより、肝臓が機能しているかど
うかを評価することができる。胆汁産生がなければ、そ
の肝臓は機能していないと考えられる。
【0120】また、灌流終了後にシステムを分解し、血
液凝固の有無、肝臓の色および肝臓の軟らかさを調べる
ことにより、より詳細に評価することができる。例え
ば、血液凝固が認められず、肝臓が赤褐色で且つ摘出当
初の柔らかさを保っていたならば、使用した肝臓保存装
置または全肝型人工肝臓システムは、血液凝固が生じ
ず、保存・灌流は良好に行われたと評価することができ
る。逆に、肝臓表面の一部または全体が黒紫色になり、
硬く緊満した状態になっていたならば、使用した全肝型
人工肝臓システム内部に、異種免疫反応等による血液凝
固が生じ、灌流は良好には行われなかったと評価され
る。
【0121】本発明の人工肝臓システムは、通過障害を
生じることなく、良好な灌流の使用期間中にわたって維
持することができる。また、GOT/GPT活性の上昇も認め
られず、使用期間中、肝細胞の肝機能は使用当初と変わ
りなく維持される。さらに、肝不全被験体における頭蓋
内圧は低下し、血中アンモニアは上昇が抑制される。特
に、本発明の人工肝臓システムにおいては、従来全肝型
人工肝臓において生じていた、血液に対する血管内皮細
胞の超急性拒絶反応が生じないため、それに起因する灌
流回路の通過障害を抑えることができ、従来の人工肝臓
システムに比べて灌流可能時間を延長することが可能で
ある。さらに、血液成分分離装置によって、白血球濃厚
液を回路の最初の部分において分離して直接的に患者体
内に返血することにより、患者体内からの白血球の著明
な減少を防ぐことができる。また、肝機能代替部を灌流
する血液から白血球を可及的に除くことにより、免疫吸
着除去装置を節約することができる。このような利点か
ら、本発明の人工肝臓システムは、臨床現場において、
従来に比べて好結果な臨床成績を期待することができ
る。本発明の人工肝臓システムでは、良好な灌流効率が
得られる。なお、「灌流効率」とは、人工肝臓システム中
に流入した血液量に対する、肝機能代替部で処理される
血液量の割合を百分率で表した値をいう。すなわち、灌
流効率は、肝不全患者由来の血液が肝機能代替部へと送
られる割合を表すものであり、従って、この値が高いほ
ど、患者由来の血液は十分な肝機能処理を受けることが
できることを意味する。
【0122】(2) 人工腎臓システムの性能評価 人工腎臓システムの性能は、腎不全モデル用動物を使用
して、以下のように、腎臓からの尿排出量、腎臓のクレ
アチニン・クリアランス、被験体の血中クレアチニンお
よび尿素窒素濃度、灌流後の腎組織の色、血液凝固の有
無、腎組織の柔軟度、および、腎不全モデル動物におけ
る副作用の有無等により評価することができる。
【0123】 腎不全モデルの作製 腎不全モデル用動物としては、イヌ(例えば、シェパー
ド犬)などを使用することができる。例えばイヌ腎不全
モデルは、以下のようにして作製することができる。ま
ず、全身麻酔後、外頚静脈に灌流用カテーテルを挿入、
留置する。左右の腎動脈、および腎静脈周囲にテープを
回し、遠隔操作でこれを締めることができるようにして
おく。灌流治療を開始する直前に上記テープによって左
右の腎動脈、および腎静脈を2時間結紮することにより
イヌの腎臓を完全阻血状態に置き、2時間後に開放す
る。この手術および手技操作により、イヌを腎不全状態
にすることができる。
【0124】 腎臓からの尿排出量 腎臓からの尿排出量を調べることにより、腎臓が機能し
ているかどうかを評価することができる。尿排出がなけ
れば、その腎臓は機能していないと考えられる。
【0125】 被験体の血中クレアチニンおよび尿素
窒素濃度血中クレアチニンおよび尿素窒素の値の正常値
は、それぞれ1.2以下および5〜10であるが、腎不全患者
においては、これらの値は上昇している。したがって、
上昇が認められれば、腎機能は経時的に低下すると評価
することができ、上昇が認められなければ、腎機能は維
持されると評価することができる。
【0126】 灌流後の血液凝固の有無、腎組織の色
および柔軟度、および、腎不全モデル動物における副作
用の有無 また、灌流終了後にシステムを分解し、血液凝固の有
無、腎臓の色および腎臓の柔らかさを調べることによ
り、より詳細に評価することができる。例えば、腎臓内
部に血液凝固が認められず、腎臓が明るい赤色を保ち、
且つ摘出当初の柔らかさを保っていたならば、使用した
人工腎臓システムは、血液凝固が生じず、灌流は良好に
行われたと評価することができる。逆に、腎臓表面の一
部または全体の色調が暗褐色調で、硬く緊満した状態に
なっていたならば、使用した人工腎臓システム内部に、
異種免疫反応等による血液凝固が生じ、灌流は良好には
行われなかったと評価される。
【0127】本発明の人工腎臓システムは、通過障害を
生じることなく、良好な灌流の使用期間中にわたって維
持することができる。特に、本発明の人工腎臓システム
においては、血管内皮細胞の超急性拒絶反応が生じない
ため、それに起因する灌流回路の通過障害を抑えること
ができ、長時間灌流治療を続けることが可能である。さ
らに、血液成分分離装置によって、白血球濃厚液を回路
の最初の部分において分離して直接的に患者体内に返血
することにより、患者体内からの白血球の著明な減少を
防ぐことができる。また、腎臓を灌流する血液から白血
球を可及的に除くことにより、免疫吸着除去装置を節約
することができる。このような利点から、本発明の人工
腎臓システムは、臨床現場において、従来に比べて好結
果な臨床成績を期待することができる。
【0128】
【実施例】以下に、本発明を実施例を示して具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものでは
ない。 〔実施例1〕 ブタ肝臓を用いた全肝型人工肝臓システ
ムによる無肝犬肝不全モデルに対する全血直接灌流治療 全肝型人工肝臓システムを用い、以下のようにして、無
肝犬肝不全モデル(被験体)に対して全血直接灌流治療
を行った。まず、体重25〜30kgのイヌ(種類:シェパー
ド犬)に、ケタミンおよびフェノバルビタールを注射す
ることによって導入麻酔を行い、気管内挿管による人工
呼吸器管理下に置いて全身麻酔した。外頚静脈には灌流
用カテーテルを挿入、留置した。門脈―下大動脈の吻合
を行い、肝門部において門脈、肝動脈、及び総胆管を結
紮切離した上で、下大静脈前縁で肝臓実質を切離し、全
肝切除術を行い、無肝犬肝不全モデルを作成した。
【0129】一方、以下のようにして、ブタ全肝を用い
る肝臓収納装置を製作し、これを肝機能代替部とした。
まず、体重25〜30kgのブタ(種類:サンゲン雑種)の門
脈にカテーテルを挿入し、これにより約3000mLのヘパリ
ン添加生理食塩水を肝臓に灌流して脱血した。動脈を結
紮切離し、総胆管を切離して胆管チューブを挿入し、下
大静脈を肝臓付着部の上下で切離して、下大静脈を含め
て全肝を摘出した。下大静脈に血液灌流用チューブを挿
入し、門脈を血液流入側、下大静脈を血液流出側とし
た。
【0130】さらに、もう一頭のイヌを全身麻酔下に開
腹し、下大静脈に採血用カテーテルを挿入し、ここから
1.0〜1.5Lの全血を採血し、容量2Lのリザーバーボト
ルに貯血した。
【0131】さらに、以下のようにして、全肝型人工肝
臓システムを構築した。図2のように、血液成分分離装
置(LCAP)、白血球吸着除去装置、免疫グロブリン除去
装置、酸素供給兼加温器Capiox(テルモ社製)、および切
除したブタ全肝を、門脈側を流入口、下大静脈側を流出
口として、順次接続し、主回路とした。さらに、上記貯
血リザーバーを側副路として組み入れることにより、本
発明の全肝型人工肝臓システムを構築した。ただし、側
副路の血液は白血球を含むため、主回路への合流部は、
白血球吸着除去装置の前とした。なお、血液成分分離装
置(LCAP)としては、連続式遠心分離装置フレゼニウス
AS.TEC204(フレゼニウス社)、白血球吸着除去装置と
しては、ポリエステル不織布を白血球除去媒体とするセ
ルソーバ(Cellsorba、旭メディカル社製)、免疫グロ
ブリン除去装置としては、リガンドとしてトリプトファ
ンを結合させたポリビニルアルコールゲル充填カラムの
イムソーバTR350(Immusorba TR350、旭メディカル社
製)を使用した(灌流治療群:被験体数1)。
【0132】無肝犬作成手術終了4時間後に、当該シス
テムにイヌ肝不全モデルの灌流用カテーテルを接続し、
灌流治療を開始した。イヌから導出する血液の流速は、
50 mL/min、貯血リザーバーおよび側副路の血液の流速
は、150 mL/min、これらが合流してブタ肝臓に流入する
血液の流速は、200 mL/minであり、灌流時間は3時間で
あった。終了後、イヌは人工呼吸器管理下に経過観察さ
れた。
【0133】灌流治療群においては、灌流治療は全く障
害なく続行された。血液成分分離装置(LCAP)により、
被験体からシステムに流入した全血液量のうち、流量に
して15〜20%、白血球量として約50〜70%が、白血球濃
厚液として分離され、一方、流量にして80〜85%、白血
球量として約30〜50%が、赤血球、血小板、血漿濃厚液
として、肝機能代替部に灌流された。その結果、イヌ体
循環血中の白血球数は全く減少しなかった。また、白血
球除去装置及び免疫グロブリン除去装置は、3時間の灌
流治療を通してそれぞれ1本ずつで済み、実験終了後に
解体したところ、これらの吸着カラムには血液凝固は全
く付着していなかった。GOT/GPT等の酵素活性の上昇は
全く認められず、肝細胞壊死や破壊が生じていないこと
わかった。
【0134】一方、対照群として、無肝犬肝不全モデル
群(被験体数5)を作った。対照群では、イヌ体循環血
中のアンモニア値は上昇を続けた。灌流治療群では、ア
ンモニア値は上昇が抑制された。灌流回路血中のアンモ
ニア値は、全肝に流入する直前の部分では246.0である
のに対し、全肝から流出した直後の部分では126.0と著
明な減少を示し、全肝により十分にアンモニアが除去さ
れたことが明らかであった。総胆管からは、1時間あた
り10〜20mL の胆汁排出がコンスタントに認められた。
これらの治療効果は、白血球除去装置および免疫グロブ
リン除去装置により、赤血球、血小板、血漿濃厚液内に
残っている白血球、免疫グロブリン、補体などが吸着除
去されてブタ肝内部で拒絶反応を起こさないため、ブタ
肝が良好な肝機能を発揮できたことによると考えられ
た。灌流終了後にシステムを分解してみたところ、肝臓
内部に血液凝固は全く生じておらず、ブタ肝は赤褐色で
正常の柔らかさを保っていた。
【0135】無肝犬肝不全モデルの生存期間は、対照群
では、手術終了後19〜25時間であったが、灌流治療群で
は、36時間に延長された。このことは、延長時間分だけ
本人工肝臓システムが肝機能を代替したことを示す。
【0136】以上の結果より、白血球除去装置および免
疫グロブリン除去装置を全肝の前に設置した本発明の人
工肝臓システムを用いることによって、人工肝臓システ
ム中の肝機能代替部における異種免疫反応や肝不全被験
体におけるショックを誘発することなく、肝不全被験体
における肝機能を補助、代替することができ、かつ、血
液成分分離装置を回路の最初の部分に設置することによ
り、患者に白血球の減少をもたらすことなく、白血球除
去装置および免疫グロブリン除去装置を節約して灌流治
療を行うことができること、そして、その結果、肝不全
被験体に有意な延命効果をもたらすことがわかった。
【0137】〔実施例2〕 ブタ肝臓を用いた全肝型人
工肝臓システムによる無肝犬肝不全モデルに対する反復
血漿分離灌流治療 全肝型人工肝臓システムを用い、以下のようにして、無
肝犬肝不全モデル(被験体)に対して反復血漿分離灌流
治療を行った。まず、体重25〜30kgのイヌ(種類:シェ
パード犬)に、ケタミン及びフェノバルビタールを注射
することによって導入麻酔を行い、気管内挿管による人
工呼吸器管理下に置いて全身麻酔した。外頚静脈には灌
流用カテーテルを挿入、留置した。門脈-下大動脈の吻
合を行い、肝門部において門脈、肝動脈、そして総胆管
を結紮切離した上で、下大静脈前縁で肝臓実質を切離
し、全肝切除術を行い、無肝犬肝不全モデルを作成し
た。
【0138】実施例1と同様にして、体重25〜30kgのブ
タ(種類:サンゲン雑種)のブタ全肝を摘出し、門脈に
血液流入用チューブ、下大静脈に血液流出用チューブを
それぞれ挿入した。総胆管には、胆汁流出用チューブを
挿入した。
【0139】さらに、以下のようにして、人工肝臓シス
テムを構築した。人工肝臓システムは、図3の如く、血
漿分離部(A)、白血球吸着除去装置、免疫グロブリン除
去装置、酸素供給兼加温器Capiox(テルモ社製)、拍動用
開閉弁、リザーバー、および切除したブタ全肝を、門脈
側を流入口、下大静脈側を流出口として、さらに血漿分
離部(B)を順次接続し、主回路とした。別のイヌから採
血した1.5Lの全血をリザーバーに貯血し、これを側副路
として組み入れることにより、本発明の全肝型人工肝臓
システムを構築した。ただし、側副路の血液は白血球を
含むため、主回路に上記の如く白血球吸着除去装置を組
込み、主回路への合流部は、白血球吸着除去装置の前と
した。なお、白血球吸着除去装置としては、ポリエステ
ル不織布を白血球除去媒体とするセルソーバ(Cellsorb
a、旭メディカル社製)、免疫グロブリン除去装置とし
ては、リガンドとしてトリプトファンを結合させたポリ
ビニルアルコールゲル充填カラムのイムソーバTR350(I
mmusorba TR350、旭メディカル社製)を使用した。被験
体肝不全モデルの回路を血漿分離部(A)のファイバー内
腔のラインに接続し、人工肝臓システムのラインは、血
漿分離部(A)のファイバー外腔のラインに接続した(灌
流治療群:被験体数1)。
【0140】無肝犬作成手術終了4時間後に、当該シス
テムによるイヌ肝不全モデルの灌流治療を開始した。無
肝犬肝不全モデルから導出されて血漿分離部のファイバ
ー内腔を流れる血液の流速は、50 mL/min、血漿分離部
(A)で分離される血漿の流速は、17 mL/min、貯血リザー
バーおよび側副路の血液の流速は、150 mL/min、これら
が合流してブタ肝臓に流入する血液の流速は、167 mL/m
inであり、血漿分離部(B)で再び分離される血漿流量
は、17 mL/minに設定した。灌流時間は3時間であっ
た。終了後、イヌは人工呼吸器管理下に経過観察され
た。
【0141】灌流治療群においては、灌流治療は全く障
害なく続行された。実験終了後に解体したところ、これ
らの吸着カラムには血液凝固は全く付着していなかっ
た。GOT/GPT等の酵素活性の上昇は全く認められず、肝
細胞壊死や破壊が生じていないことわかった。
【0142】灌流治療群では、アンモニア値は上昇が抑
制された。灌流回路血中のアンモニア値は、全肝に流入
する直前の部分では504.3であるのに対し、全肝から流
出した直後の部分では179.5と著明な減少を示し、全肝
により十分にアンモニアが除去されたことが明らかであ
った。その結果、被験体肝不全モデルの回路におけるア
ンモニア値は、血漿分離部(A)に流入する直前の部分で
は557.9であるのに対し、血漿分離部(B)から血漿が合流
した直後の部分では234.2と著明な減少を示した。総胆
管からは、1時間あたり10〜20mLの胆汁排出がコンスタ
ントに認められた。灌流終了後にシステムを分解してみ
たところ、肝臓内部に血液凝固は全く生じておらず、ブ
タ肝は赤褐色で正常の柔らかさを保っていた。
【0143】これを無肝犬肝不全モデルの対照群(被験
体数5)と比較した。無肝犬肝不全モデルの生存期間
は、対照群では、手術終了後19〜25時間であったが、灌
流治療群では、32時間に延長された。このことは、延長
時間分だけ本人工肝臓システムが肝機能を代替したこと
を示す。
【0144】以上の結果より、本発明の人工肝臓システ
ムを用いることによって、肝不全被験体における肝機能
を補助、代替することができること、そして、その結
果、肝不全被験体に有意な延命効果をもたらすことがわ
かった。
【0145】〔実施例3〕 生肝組織を用いない反復血
漿分離灌流治療 生肝組織を用いずに、反復血漿分離灌流自体を血液浄化
療法システムとして用いる方法により、以下のようにし
て、アンモニアを添加したブタ全血の浄化を目的とする
in vitro実験を行った。
【0146】まず、体重約20kgのブタに、ケタミン及び
フェノバルビタールを注射することによって導入麻酔を
行い、気管内挿管による人工呼吸器管理下に置いて全身
麻酔した。門脈に血管内留置用カテーテルを挿入し、ヘ
パリン添加生理食塩水を注入した。門脈末梢側及び下大
静脈の腎静脈流入部に血管内留置用カテーテルを挿入
し、これを通して2Lの脱血を行なった。
【0147】さらに、以下のようにして、血液浄化療法
システムを構築した。血液浄化療法システムは、図の如
く、血漿分離部(A)、リザーバー(システム・リザーバ
ーと呼称する)、酸素供給兼加温器Capiox(テルモ社
製)、透析器(ダイアライザー)、及び血漿分離部(B)を
順次接続した。別のブタから採血した2Lの全血をリザ
ーバーに貯血し、これを、患者の体内の血液に想定し
(被験体リザーバーと呼称する)、これにアンモニアを
1mmol/Lの濃度で添加した。被験体リザーバーの回路を
血漿分離部(A)のファイバー内腔のラインに接続し、人
工肝臓システムのラインは、血漿分離部(A)のファイバ
ー外腔のラインに接続した。
【0148】被験体リザーバーから導出されて血漿分離
部のファイバー内腔を流れる血液の流速は、100 mL/mi
n、血漿分離部(A)で分離される血漿の流速は、30 mL/mi
n、システム・リザーバーから透析器(ダイアライザ
ー)に流出する血液の流速は、180 mL/minに設定した。
透析器においては、ファイバー外腔を流れる透析液は、
一般的な透析治療で用いられているキンダリー液(扶桑
薬品)を用いて、200 mL/minで灌流し、限外濾過による
除水を100mL/hで行なった。血漿分離部(B)で再び分離さ
れる血漿流量は、30 mL/minに設定した。血漿分離部(B)
からシステム・リザーバーに流入する血液の流速は、14
8.3mL/minあった。被験体リザーバーと血漿分離部(A)か
ら成る被験体側回路の灌流を開始してから約10分後、被
験体側回路のアンモニア濃度が一様になる時点を0分と
して、血漿分離を開始し、その後2時間灌流実験を行っ
た。
【0149】血漿分離部(A)で分離される血漿中のアン
モニア値は、0分1339.2、60分930.4、120分659.5である
のに対し、血漿分離部(B)で分離される血漿中のアンモ
ニア値は、0分584.3、60分503.8、120分410.7と著明な
減少を示した。また、システム・リザーバー内の血液の
アンモニア値は、0分647.0、60分561.1、120分421.5で
あるのに対し、透析器を通過した後の血液のアンモニア
値は、0分596.9、60分546.8、120分387.5であり、透析
器において、ある程度アンモニアが除去されることがわ
かった。しかし、アンモニアの減少の主な要因は、シス
テム・リザーバーの全血による稀釈と考えられた。結果
的に、被験体リザーバーのアンモニア値は、0分1478.
4、60分723.9、120分455.5と、著明な減少を示した。
【0150】以上の結果より、生肝組織を用いなくて
も、反復血漿分離灌流自体を血液浄化療法システムとし
て用いる方法により、肝不全被検体における肝機能の一
部を補助、代替し得ることがわかった。
【0151】〔実施例4〕 ブタ肝細胞灌流式人工臓器
システムによる同種反復血漿分離灌流治療 ブタ肝細胞灌流式人工臓器システムを用い、以下のよう
にして、阻血性ブタ肝不全モデル(被検体)に対して同
種反復血漿分離灌流治療を行った。これは、ヒト肝細胞
灌流式人工臓器システムによって肝不全患者に対して反
復血漿分離灌流治療を行うことを想定した模擬実験であ
る。
【0152】まず、体重約25kgのブタに、ケタミン及び
フェノバルビタールを注射することによって導入麻酔を
行い、気管内挿管による人工呼吸器管理下に置いて全身
麻酔した。外頚静脈には灌流用カテーテルを挿入、留置
した。門脈−下大動脈の吻合を行い、肝門部において門
脈、肝動脈、そして総胆管を結紮切離して、阻血性ブタ
肝不全モデルを作成した。
【0153】体重20kgのブタ(種類:サンゲン雑種)の
門脈に血管内留置用カテーテルを挿入し、ヘパリン添加
生理食塩水を注入した。門脈末梢側及び下大静脈の腎静
脈流入部に血管内留置用カテーテルを挿入し、これを通
して2Lの脱血を行なった。この全血は、システム・リ
ザーバーに貯血した。しかる後、全肝を摘出し、門脈を
流入口、下大静脈を流出口として、EDTA及びEGTA添加Ha
nk's液、及びコラゲナーゼ液をそれぞれ30分ずつブタ全
肝に灌流して肝細胞分離を行った。こうして得たブタ肝
細胞は、維持用輸液などを用いて洗浄、精製し、最後に
得られた濃厚なブタ肝細胞液を、上記システム・リザー
バーにおいて先に貯血した自家血と混合した。
【0154】さらに、以下のようにして、人工臓器シス
テムを構築した。人工臓器システムは、図4の如く、血
漿分離部(A)、システム・リザーバー、酸素供給兼加温
器Capiox(テルモ社製)、透析器(ダイアライザー)、及
び血漿分離部(B)を順次接続した。被験体肝不全モデル
の回路を血漿分離部(A)のファイバー内腔のラインに接
続し、人工システムのラインは、血漿分離部(A)のファ
イバー外腔のラインに接続した。
【0155】肝不全ブタ作成手術終了直後に、当該シス
テムによるブタ肝不全モデルの灌流治療を開始した。肝
不全ブタ(被験体)から導出されて血漿分離部のファイ
バー内腔を流れる血液の流速は、50 mL/min、血漿分離
部(A)で分離される血漿の流速は、15 mL/min、システム
・リザーバーから透析器(ダイアライザー)に流出する
血液の流速は、100 mL/minに設定した。透析器において
は、ファイバー外腔を流れる透析液は、一般的な透析治
療で用いられているキンダリー液(扶桑薬品)を用い
て、100 mL/minで灌流した。また、透析器において、ブ
タ肝細胞液を混合したことにより増加した水分の分だけ
限外濾過による除水を行った。血漿分離部(B)で再び分
離される血漿流量は、15 mL/minに設定した。血漿分離
部(B)からシステム・リザーバーに流入する血液の流速
は、85 mL/minあった。灌流時間は3時間であった。
【0156】ブタ肝細胞と全血の混合液は、抗凝固剤と
して1時間当たりヘパリン1000単位を回路に持続注入す
ることによりスムーズに灌流され、灌流治療は全く障害
なく続行された。実験終了後に解体したところ、血漿分
離部や透析器等には血液凝固や肝細胞は全く付着してい
なかった。GOT/GPT等の酵素活性の有意な上昇は認めら
れず、肝細胞壊死や破壊が生じていないことわかった。
【0157】アンモニアの代謝については、血漿分離部
(A)で分離される血漿中の値は、灌流開始後1時間値149.
7、2時間値189.6、3時間値158.0であるのに対し、血漿
分離部(B)で分離される血漿中のアンモニア値は、灌流
開始後1時間値96.5、2時間値121.4、3時間値113.1と減
少を示した。結果的に、被験体リザーバーのアンモニア
値は、灌流開始直後153.0、1時間値73.2、2時間値88.
2、3時間値94.8と、灌流開始直後より減少を示し、また
上昇が抑制された。
【0158】尿素窒素(BUN)の代謝については、血漿
分離部(A)で分離される血漿中の値は、灌流開始後1時間
値17.6、2時間値16.3、3時間値15.1であるのに対し、血
漿分離部(B)で分離される血漿中のアンモニア値は、灌
流開始後1時間値10.9、2時間値14.4、3時間値14.8と減
少を示した。被験体リザーバーの尿素窒素値は、灌流開
始直後19.7、1時間値17.8、2時間値15.6、3時間値14.3
と、持続的な減少を示した。
【0159】以上の結果より、本発明の同種の人工臓器
システムを用いることによって、肝不全被検体における
肝機能を補助、代替することができること、そして、そ
の結果、肝不全被検体に有意な延命効果をもたらし得る
ことがわかった。
【0160】〔実施例5〕 ブタ肝細胞灌流式人工肝臓
システムによる異種反復血漿分離灌流治療 ブタ肝細胞灌流式人工肝臓システムを用い、以下のよう
にして、無肝犬肝不全モデル(被検体)に対して異種反
復血漿分離灌流治療を行った。これは、ブタ肝細胞灌流
式人工肝臓システムによって肝不全患者に対して異種反
復血漿分離灌流治療を行うことを想定した模擬実験であ
る。
【0161】まず、体重約25kgのイヌ(種類:シェパー
ド犬)に、ケタミン及びフェノバルビタールを注射する
ことによって導入麻酔を行い、気管内挿管による人工呼
吸器管理下に置いて全身麻酔した。外頚静脈には潅流用
カテーテルを挿入、留置した。門脈−下大動脈の吻合を
行い、肝門部において門脈、肝動脈、そして総胆管を結
紮切離した上で、下大静脈前縁で肝臓実質を切離し、全
肝切除術を行い、無肝犬肝不全モデルを作成した。
【0162】一方、別のイヌから、全身麻酔下に2Lの
全血を脱血し、これを白血球吸着除去装置(Cellsorb
a、旭メディカル社製)、及び、免疫グロブリン除去装
置(Immusorba TR350、旭メディカル社製)に順次通過
させることにより、白血球、免疫グロブリン、そして、
補体を除去した後、システム・リザーバーに貯血した。
【0163】実施例4と同様にして、体重約20kgのブタ
(種類:サンゲン雑種)の門脈に血管内留置用カテーテ
ルを挿入し、ヘパリン添加生理食塩水を注入した。全肝
を摘出し、実施例4と同様に、肝細胞分離を行い、維持
用輸液などを用いて洗浄、精製した上で、ブタ肝細胞液
を、上記システム・リザーバーにおいて先に貯血した白
血球、免疫グロブリン、補体を除去したイヌ全血と混合
した。
【0164】さらに、以下のようにして、人工臓器シス
テムを構築した。人工臓器システムは、図4の如く、血
漿分離部(A)、免疫グロブリン除去装置、システム・リ
ザーバー、酸素供給兼加温器Capiox(テルモ社製)、透析
器(ダイアライザー)、及び血漿分離部(B)を順次接続
した。なお、免疫グロブリン除去装置としては、リガン
ドとしてトリプトファンを結合させたポリビニルアルコ
ールゲル充填カラムのイムソーバTR350(Immusorba TR3
50、旭メディカル社製)を使用した。被験体肝不全モデ
ルの回路を血漿分離部(A)のファイバー内腔のラインに
接続し、人工臓器システムのラインは、血漿分離部(A)
のファイバー外腔のラインに接続した。
【0165】無肝犬作成手術終了4時間後に、当該シス
テムによるイヌ肝不全モデルの灌流治療を開始した。無
肝犬肝不全モデルから導出されて血漿分離部のファイバ
ー内腔を流れる血液の流速は、50 mL/min、血漿分離部
(A)で分離される血漿の流速は、15 mL/min、システム・
リザーバーから透析器(ダイアライザー)に流出する血
液の流速は、100 mL/minに設定した。透析器において
は、ファイバー外腔を流れる透析液は、一般的な透析治
療で用いられているキンダリー液(扶桑薬品)を用い
て、100 mL/minで灌流した。また、透析器において、ブ
タ肝細胞液を混合したことにより増加した水分の分だけ
限外濾過による除水を行った。血漿分離部(B)で再び分
離される血漿流量は、15 mL/minに設定した。血漿分離
部(B)からシステム・リザーバーに流入する血液の流速
は、85 mL/minあった。灌流時間は3時間であった。
【0166】ブタ肝細胞とイヌ全血の混合液は、抗凝固
剤として1時間当たりヘパリン1000単位を回路に持続注
入することによりスムーズに灌流され、灌流治療は全く
障害なく続行された。実験終了後に解体したところ、血
漿分離部や透析器等には血液凝固や肝細胞は全く付着し
ていなかった。GOT/GPT等の酵素活性の有意な上昇は認
められず、肝細胞壊死や破壊が生じていないことわかっ
た。
【0167】アンモニアの代謝については、血漿分離部
(A)で分離される血漿中の値は、灌流開始後1時間値513.
5、2時間値480.3、3時間値347.6であるのに対し、血漿
分離部(B)で分離される血漿中のアンモニア値は、灌流
開始後1時間値232.3、2時間値71.6、3時間値66.4と著明
に減少した。結果的に、被験体リザーバーのアンモニア
値は、灌流開始直後436.7、1時間値400.0、2時間値414.
0、3時間値462.9と、上昇が抑制された。
【0168】以上の結果より、本発明の異種の人工臓器
システムを用いることによって、肝不全被検体における
肝機能を補助、代替することができること、そして、そ
の結果、肝不全被検体に有意な延命効果をもたらし得る
ことがわかった。
【0169】
【発明の効果】実施例1に示すように、本発明の全血直
接灌流治療用人工臓器システムにより異種臓器に全血直
接灌流することができ、異種臓器を灌流するのに必要な
全血の流速と流量を確保でき、異種臓器に十分な血液量
を灌流できる。
【0170】さらに、実施例2に示すように、本発明の
反復血漿分離灌流治療用人工臓器システムにより患者全
血から血漿を分離し、これを、ヒト全血が灌流されてい
る臓器収納装置の回路に流入させ、合流血液が、臓器収
納装置を通過した後、再び血漿を分離して患者に返血す
ることが可能になり、異種臓器を灌流するのに必要な全
血の流速と流量を確保でき、さらに異種ウィルスの患者
体内への流入を防ぐことができる。
【0171】さらに、実施例3から5に示した臓器機能
を有する血液回路を含む人工臓器システムは次のような
効果を奏し得る。 1.肝細胞を全血に懸濁しているので、肝細胞は十分な
酸素供給が得られる。 2.異種の肝細胞を用いる場合、ウィルスの患者体内へ
の流入を防ぐことができる。 3.不織布固定化式バイオリアクターのような、固定化
のための時間のロスがない。 4.全肝をそのまま灌流する場合と較べて手術が容易で
短時間で済み、肝細胞分離精製にかかる時間を入れても
セットアップには全肝の場合に較べて1時間ほど余計に
時間がかかる程度である。 5.全肝のようにシステムの運転管理が複雑困難でな
い。灌流液は閉鎖回路の中で流量を規定されており、部
分的に漏出することはない。また、全肝においてとかく
気づかれない傾向にある保温が失われる心配はない。 6.コンソール(一体型灌流装置)と酸素供給ファイバ
ーと保温バンドを組み込んだリザーバーさえあれば施行
可能であり、固定化式バイオリアクターや全肝装置の場
合に必要な大型のコンソールは必要なく、場所を取らな
い。 7.分離した肝細胞をリザーバーに入れて運べるので市
中病院でも施行可能である。 8.一見血液透析と同じなので患者はもちろんのこと、
看護婦、医療技師などパラメディカルの心理的抵抗が少
ないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の人工臓器システムの概念図である。
【図2】 本発明の全血直接灌流システムを示した図で
ある。
【図3】 本発明の反復血漿分離灌流システムを示した
図である。
【図4】 本発明の臓器機能を有する血液回路を含む人
工臓器システムを示した図である。
【符号】
1、患者 2、全血流路部 3、血液凝固阻害剤注入部 4、白血球分離血液成分分離部 5、赤血球・血小板・血漿濃厚血液流路部 6、白血球濃厚血液流路部 7、白血球除去部 8、免疫グロブリン除去部 9、酸素供給部 10、加温部 11、開閉弁 12、臓器機能代替部 13、臓器漏出液回収部 14、処理血液分枝部 15、側副路 16、リザーバー 17、リザーバー流入路 18、リザーバー流出路 19、分離白血球濃厚血液合流部 20、処理血液流路部 21、ポンプ 22、血漿分離部(A) 23、血漿分離部(B) 24、血漿分離全血流路部 25、全血血漿合流部 26、血漿流路部(A) 27、血漿流路部(B) 28、透析器

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者側血液循環回路及び臓器機能側血液
    循環回路の二つの血液循環回路を含む人工臓器システム
    であり、患者側血液循環回路は、患者と直接接続され、
    血液順路において、血液成分分離部、返血用合流部を、
    この順に含んで成るものであり、臓器機能側血液循環回
    路は、血液順路において、灌流血液を貯留するためのリ
    ザーバー、透析器、そして、返血用分流部を、この順に
    含んで成るものである人工臓器システムであって、患者
    側血液循環回路中の該血液成分分離部で分離された血液
    成分が、臓器機能側血液循環回路中の該リザーバーに流
    入し、一方、臓器機能側血液循環回路中の該返血用分流
    部において分流した血液成分を、患者側血液循環回路中
    の該返血用合流部において患者側血液循環回路に合流さ
    せ、患者に返血することにより血液浄化治療を行う人工
    臓器システム。
  2. 【請求項2】 臓器機能側血液循環回路中の透析器にお
    いて限外濾過による除水と溶存物質の除去が行われる請
    求項1記載の人工臓器システム。
  3. 【請求項3】 血液成分分離部は、全血を、白血球を濃
    厚に含む血液と白血球を除去した血液とに分けることを
    特徴とする血液成分分離装置である請求項1または2記
    載の人工臓器システム。
  4. 【請求項4】 臓器機能側血液循環回路中の、透析器の
    下流かつ返血用分流部の上流の位置に、臓器機能代替部
    を含んで成る請求項3記載の人工臓器システム。
  5. 【請求項5】 臓器機能代替部が、動物全肝、動物全
    腎、または、動物肝細胞を内部に収容したバイオリアク
    ターである請求項4記載の人工臓器システム。
  6. 【請求項6】 白血球除去部及び/又は免疫グロブリン
    除去部を、臓器機能側血液循環回路中の、リザーバーま
    たは透析器の下流かつ臓器機能代替部の上流の位置に含
    んで成る請求項4または5記載の人工臓器システム。
  7. 【請求項7】 患者全血を、患者側血液循環回路中の血
    液成分分離装置によって、白血球を除去した血液と、白
    血球を濃厚に含む血液とに分離し、白血球を濃厚に含む
    血液は患者に返血し、白血球を除去した血液を、臓器機
    能側血液循環回路中の、ヒト全血が貯血されているリザ
    ーバーに流入させた後、少なくとも臓器機能側血液循環
    回路中の透析器及び/または臓器機能代替部を通過さ
    せ、さらにその後、その一部を返血用分流部において分
    流し、さらに患者側血液循環回路に合流させて患者に返
    血することにより血液浄化治療を行う請求項3から6の
    いずれか1項に記載の人工臓器システム。
  8. 【請求項8】 患者側血液循環回路中の血液成分分離部
    が血漿分離器であり、かつ、臓器機能側血液循環回路中
    の返血用分流部が血漿分離器である請求項1または2記
    載の人工臓器システム。
  9. 【請求項9】 第1の血漿分離部の中空糸外腔に滅菌さ
    れた維持輸液等の液が流入し、該血漿分離部で分離され
    る血漿と混合される請求項8記載の人工臓器システム。
  10. 【請求項10】 第2の血漿分離部の半透膜がウィルス
    を通過させない孔径のものである請求項8または9に記
    載の人工臓器システム。
  11. 【請求項11】 臓器機能側血液循環回路中の、透析器
    の下流かつ返血用分流部の上流の位置に、臓器機能代替
    部を含んで成る請求項8から10のいずれか1項に記載
    の人工臓器システム。
  12. 【請求項12】 臓器機能代替部が、動物全肝、動物全
    腎、または、動物肝細胞を内部に収容したバイオリアク
    ターである請求項11記載の人工臓器システム。
  13. 【請求項13】 ヒト全血と動物肝細胞の混合液が、臓
    器機能側血液循環回路を循環することにより回路そのも
    のが臓器機能を有するものである請求項8から10のい
    ずれか1項に記載の人工臓器システム。
  14. 【請求項14】 肝細胞がヒト、ブタ、またはウシ由来
    のものである請求項13記載の人工臓器システム。
  15. 【請求項15】 免疫グロブリン除去部を含んで成る請
    求項12または14記載の人工臓器システム。
  16. 【請求項16】 患者全血から、患者側血液循環回路中
    の第1の血漿分離器によって血漿を分離し、この血漿
    を、臓器機能側血液循環回路中の、ヒト全血、または、
    ヒト全血と肝細胞の混合液が貯血されているリザーバー
    に流入させた後、少なくとも臓器機能側血液循環回路中
    の透析器及び/または臓器機能代替部を通過させ、さら
    にその後、第2の血漿分離器において血漿を分離し、そ
    の血漿を返血用合流部において患者側血液循環回路に合
    流させ、患者に返血することにより血液浄化治療を行う
    請求項8から15のいずれか1項に記載の人工臓器シス
    テム。
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