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JP2003127277A - 容器用フィルムラミネート金属板 - Google Patents

容器用フィルムラミネート金属板

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Publication number
JP2003127277A
JP2003127277A JP2001328067A JP2001328067A JP2003127277A JP 2003127277 A JP2003127277 A JP 2003127277A JP 2001328067 A JP2001328067 A JP 2001328067A JP 2001328067 A JP2001328067 A JP 2001328067A JP 2003127277 A JP2003127277 A JP 2003127277A
Authority
JP
Japan
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film
metal plate
less
laminated
modulus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001328067A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichiro Yamanaka
洋一郎 山中
Hiroki Iwasa
浩樹 岩佐
Shinsuke Watanabe
真介 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP2001328067A priority Critical patent/JP2003127277A/ja
Publication of JP2003127277A publication Critical patent/JP2003127277A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器用途、特に飲料缶の缶体加工用途に要求
される成形性、密着性、及びレトルト殺菌処理後の耐衝
撃性と耐食性に優れ、さらにレトルト殺菌処理後にフィ
ルムが白濁して見えることを防止して、耐レトルト白化
性にも優れる容器用フィルムラミネート金属板を提供す
る。 【解決手段】 非晶ヤング率が120〜220kg/m
2、面配向係数が0.100以上0.150以下、結
晶化度が40%以上60%以下、且つ固有粘度(IV)
が0.60以上0.75以下である二軸延伸ポリエステ
ルフィルムを、金属板表面にラミネートしたことを特徴
とする容器用フィルムラミネート金属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、飲料缶
の缶体に用いられるラミネート金属板に関するものであ
る。さらに詳しくは、製缶工程での成形性及び密着性が
良好であり、レトルト殺菌処理後の耐食性に優れ、さら
に耐レトルト白化性にも優れる飲料缶の缶体に用いられ
るラミネート金属板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食料缶や飲料缶などの缶体に用い
られる金属缶用素材であるティンフリースチール(TF
S)およびアルミニウム等の金属板には塗装が施されて
いた。この塗装を施す技術は、焼き付け工程が複雑であ
るばかりでなく、多大な処理時間を必要とし、さらに多
量の溶剤を排出するという問題を抱えていた。そこで、
これらの問題を解決するため、熱可塑性樹脂フィルムを
加熱した金属板に積層する方法が数多く提案されてい
る。例えば、特開昭64−22530号公報には、特定
の密度・面配向係数を有する金属板ラミネート用ポリエ
ステルフィルム、特開平2−57339号公報には特定
の結晶性を有する金属板ラミネート用共重合ポリエステ
ルフィルム等が開示されている。しかしながら、これら
の提案は容器用途の多岐にわたる要求特性を総合的に満
足できるものではなく、特に高度な成形性、優れた耐食
性が要求される飲料缶の缶体用途では十分に満足できる
レベルにあるとはいえなかった。
【0003】また、特開平9−155969号公報に
は、特定の構造を有する金属板ラミネート用ポリエステ
ルフィルム等が開示されている。この提案によって飲料
缶の缶体用途における多岐にわたる要求特性はある程度
解決されるが、飲料缶の缶体に成形する際の成形加工熱
や成形後の加熱工程、内容物充填後の高温殺菌工程(レ
トルト殺菌処理工程)で、密着性の劣化や加工性・耐食
性の劣化等が生じる難点があった。また、レトルト殺菌
処理後にフィルムが白濁して見えるため商品価値を著し
く損なうという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明は、上記
事情を考慮し、容器用途、特に飲料缶の缶体加工用途に
要求される成形性、密着性、及びレトルト殺菌処理後の
耐衝撃性と耐食性に優れ、さらにレトルト殺菌処理後に
フィルムが白濁して見えることを防止して、耐レトルト
白化性にも優れる容器用フィルムラミネート金属板を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の要旨は以下のとおりである。 (1)非晶ヤング率が120〜220kg/mm2、面
配向係数が0.100以上0.150以下、結晶化度が
40%以上60%以下、且つ固有粘度(IV)が0.6
0以上0.75以下である二軸延伸ポリエステルフィル
ムを、金属板表面にラミネートしたことを特徴とする容
器用フィルムラミネート金属板。 (2)二軸延伸ポリエステルフィルムの非晶ヤング率が
140〜200kg/mm2であることを特徴とする
(1)に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
【0006】(3)ポリエステル単位の95モル%以上
がエチレンテレフタレート単位であることを特徴とする
(1)又は(2)に記載の容器用フィルムラミネート金
属板。 (4)ラミネート後の樹脂フィルムの複屈折率が0.0
2以下である領域が、金属板との接触界面からフィルム
厚み方向に5μm未満であることを特徴とする(1)〜
(3)のいずれかに記載の容器用フィルムラミネート金
属板。
【0007】
【発明の実施の形態】ラミネート鋼板を用いた飲料缶の
場合、潤滑油を用いて缶体を成形し、缶体成形後フィル
ム表面に残留した潤滑油を完全除去するため、通常、2
00℃以上の温度で2分30秒ほどの加熱処理が施さ
れ、さらに内容物を充填後、レトルト殺菌処理が施され
る。そのため、製缶工程での成形性及び密着性が良好で
あり、内容物充填・レトルト殺菌処理後の耐衝撃性と耐
食性に優れることが必要であり、さらにレトルト殺菌処
理後にフィルムが白く濁って外観が損なわれないことも
必要である。なお、本明細書において、「飲料缶」は、
「2ピース飲料缶」を指している。
【0008】本発明者らは、上記課題を解決するために
鋭意検討した結果、本発明に規定するフィルムがラミネ
ートされたラミネート金属板によって、この目的が達成
されることを見出し、本発明に到達した。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のラミネート金属板は、樹脂フィルムとしてポリエ
ステルを主成分とする樹脂フィルムを使用する。樹脂フ
ィルムの主成分であるポリエステルはジカルボン酸とグ
リコール成分とからなるポリマーであり、ジカルボン酸
成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等を用いるこ
とができ、なかでも好ましくはテレフタル酸を用いるこ
とができる。またグリコール成分としてはエチレングリ
コール、プロパンジオール、ブタンジオール等が挙げら
れるが、中でもエチレングリコールが好ましい。なお、
これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上
を併用しても良い。樹脂フィルムとして二軸延伸フィル
ムを使用するのは、該フィルムは未延伸フィルムに比べ
て優れた特徴をもち、引張強度、引裂強さ、衝撃強さ、
水蒸気透過性、ガス透過性などの性質が著しく向上する
ためである。
【0010】また、ポリエステルには、必要に応じて、
酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、
帯電防止剤、結晶核剤等を配合できる。
【0011】食料缶の場合、内容物に含まれる固形物が
取り出しやすいことが必要であり、そのためには、缶体
内面に内容物(固形物)が付着しにくくする必要があ
る。缶体内面に内容物を付着しにくくするには、樹脂中
のワックスを添加することが有効である。これに対し
て、飲料缶用途では、内容物が液体であるので、内容物
の取り出し性は問題にならない。そのため、本発明で
は、前記樹脂中にワックスを含まない。
【0012】以上より成るポリエステルは、引張強度、
弾性率、衝撃強度等の機械特性に優れるとともに極性を
有するため、これを主成分とすることでフィルムの密着
性、成形性を容器加工に耐えうるレベルまで向上させる
ことが可能となる。
【0013】本発明で用いるフィルムは、長手方向、そ
れと直角方向の両方の非晶ヤング率が120〜220k
g/mm2であることが、優れた成形性、耐衝撃性、耐
レトルト白化性を発現させる点から必要である。フィル
ムには非晶構造の部分が少なからず存在し、ラミネート
時の熱履歴により、その存在割合は増大する。従って、
ラミネート後の金属板の特性を支配するのは、むしろフ
ィルム非晶部であって、この部分の成形性・耐衝撃性を
適正に制御することが重要と考えられる。本発明者ら
は、以上の観点から鋭意検討を進めた結果、フィルムの
非晶ヤング率を規定することにより、ラミネート金属板
の成形性・耐衝撃性を有効に制御できることを見出し
た。すなわち、非晶ヤング率を適正な範囲に制御するこ
とにより、ラミネート金属板の成形性、耐衝撃性を大き
く改善させることが可能となる。
【0014】一方、本発明は、耐レトルト白化性に優れ
るという特徴もある。レトルト殺菌処理とは、食品を缶
詰にパックする際に行われる殺菌処理のことであり、1
25℃で30分間の加圧水蒸気中に保持するものであ
る。フィルム内の非晶部分は、熱により等方的に結晶化
するため、容易に球晶構造を形成することが知られてい
る。生成した球晶組織は、可視光を乱反射させるため、
レトルト殺菌処理後のフィルム表面は人間の眼には白濁
して見えるようになる。これがレトルト白化といわれる
現象であり、色調ムラの要因であって商品価値を著しく
低下させてしまう。
【0015】本発明では、フィルムの非晶部分の運動性
に着目し、ヤング率という因子で整理可能であることを
見出し、これを適正な範囲に制御することで球晶構造の
形成を有効に抑制し、以ってレトルト殺菌処理後の白化
性を有効に防止することを可能としたものである。
【0016】ここで、非晶ヤング率の適正範囲について
であるが、少なくとも一方の非晶ヤング率が120kg
/mm2未満の場合、製缶後の耐衝撃性が低下し不適で
ある。また少なくとも一方の非晶ヤング率が220kg
/mm2を超えると、フィルムの伸度が低くなる等の理
由から、成形性が低下するため不適である。また、耐レ
トルト白化性も劣化してしまう。前記非晶ヤング率は1
40〜200kg/mm 2であることがより望ましい。
【0017】非晶ヤング率は下記式より算出されるもの
であり、非晶部の伸びやすさを示すものと考えられる。 Ea=(1−Φ)Ef ここで、Ea:非晶ヤング率、Φ:結晶化度、Ef:フ
ィルムのヤング率であり、結晶化度Φは、密度勾配管を
用いて測定したフィルムの密度ρに基づいて、下記式か
ら算出される。 Φ=(ρ−1.335)/0.12 非晶ヤング率を前記で規定した範囲内にするには、フィ
ルム製造時に高温延伸法を採用することによっても達成
できるが、この方法に限定されるものではなく、例えば
原料の固有粘度、触媒、ジエチレングリコール量や延伸
条件、熱処理条件などの適正化により達成できる。
【0018】本発明において、優れた成形性を得るため
には、フィルムの破断伸度はフィルム長手、それと直角
の各々の方向で170%以上が望ましく、さらに望まし
くは180%以上、特に望ましくは200%以上であ
る。破断伸度170%未満であると成形性が低下し、望
ましくない。
【0019】また、レトルト殺菌処理後の耐食性を向上
させるためには、フィルムの面配向係数を0.100以
上0.150以下、結晶化度を40%以上60%以下、
固有粘度(IV)が0.60以上0.75以下に制御す
る必要がある。以下にその理由を説明する。
【0020】ラミネート鋼板を用いた飲料缶の場合、缶
体成形後フィルム表面に残留した潤滑油を完全に除去す
るため、200℃以上の温度で2分30秒ほどの加熱処
理が施されるのが一般的である。この加熱処理により、
缶体の胴部に位置するポリエステルフィルムは、缶体高
さ方向に分子鎖が概ね一軸配向した構造へと変化する。
分子鎖が一軸配向した場合、分子鎖間の結合力は分子間
力のみとなるため、分子鎖に対して直角方向の結合力は
非常に弱いものとなる。したがって、加熱処理後の缶胴
部のフィルムは、缶胴周方向の強度が極めて弱く、レト
ルト殺菌処理時に発生する缶内部での圧力によってフィ
ルム内に応力が導入された場合、缶胴周方向への引張応
力によって、容易にフィルムが割れてしまうことにな
る。飲料缶の缶体用途で優れた耐食性を得るには、この
フィルム割れを確実に防止する必要がある。
【0021】このメカニズムに基づくフィルム割れの抑
制を鋭意検討した結果、フィルム割れを抑制するために
は、加熱処理時に分子鎖が一軸配向することを抑制す
ること、分子鎖の絡み合い度を増して、一軸配向時に
分子鎖間の結合力を増加させることが、有効な技術であ
ることが判明した。この技術は、フィルムの面配向係
数、結晶化度、固有粘度(IV)を制御することによ
り、達成される。
【0022】フィルムの面配向係数を0.100以上
0.150以下とし、フィルムの結晶化度を40%以上
60%以下とすることで、結晶部を剛直な構造として保
持させ、かつ非晶部についてはルーズな部分を多く残す
ような構造とすることができる。これにより、結晶部は
外的応力に対して構造変化しがたくなり、さらに非晶部
がランダム化しているため、分子鎖の変化も困難とな
り、もって製缶・加熱処理後の一軸配向を抑制可能とな
る。
【0023】面配向係数を0.100以上としたのは、
フィルム製膜上の下限値であって、この値未満のフィル
ムが製造困難なためである。一方、面配向係数を0.1
50以下としたのは、面配向係数が0.150を超える
と非晶部のランダム化が不十分となって、一軸配向を抑
制する効果が乏しくなるためである。
【0024】フィルム結晶化度を40%以上とすること
で、結晶サイズが大きくなり、リジットな構造となる。
これにより、分子鎖が動きにくい構造となり、加熱処理
時における分子鎖の一軸配向が抑制される。ただし、6
0%を超えると、フィルムの柔軟性が損なわれ、延伸操
作などの成膜操作が困難となりフィルムの製造自体が不
可能となる。よって、フィルム結晶化度は、40%以上
60%以下とする必要がある。
【0025】フィルムの固有粘度(IV)は、フィルム
分子量と相関があり、固有粘度(IV)が増せば分子量
が増加する関係にある。分子量が増加すれば分子鎖長が
長くなり、したがって分子鎖が絡み合う確率が大きくな
る。0.60以上としたのは、この値未満であると分子
鎖の絡み合いが不足するため、一軸配向時の結合力が不
十分となるためである。一方、0.75以下としたの
は、この値を超えるとポリマーの流動性が低下しフィル
ム製膜時の生産性が劣るためである。
【0026】金属板上にラミネートされた後の該フィル
ムの構造としては、複屈折率が0.02以下である領域
を、金属板との接触界面からフィルム厚み方向に5μm
未満とすることが望ましい。ラミネート金属板の製造
は、フィルムを熱せられた金属板に接触させ圧着するこ
とで金属板界面のフィルム樹脂を溶融させ金属板に濡れ
させることでフィルムとの接着を行うのが通常である。
従って、フィルムと金属板との密着性を確保するために
はフィルムが溶融していることが必要であり、必然的に
ラミネート後の金属板と接する部分のフィルム複屈折率
は低下することとなる。本発明に示すようにこの部分の
フィルム複屈折率が0.02以下であれば、ラミネート
時のフィルム溶融濡れが十分であることを示し、従って
優れた密着性を確保することが可能となる。
【0027】このようなポリエステル樹脂の複屈折率
は、以下の測定手法にて求められる値を採用する。偏光
顕微鏡を用いてラミネート金属板の金属板を除去した後
のフィルムの断面方向のレタデーションを測定し、樹脂
フィルムの断面方向の複屈折率を求める。フィルムに入
射した直線偏光は、二つの主屈折率方向の直線偏光に分
解される。この時、高屈折率方向の光の振動が低屈折率
方向よりも遅くなり、そのためフィルム層を抜けた時点
で位相差を生じる。この位相差をレタデーションRと呼
び、複屈折率△nとの関係は、式(1)で定義される。 △n=R/d…(1) 但し、d:フィルム層の厚み。
【0028】次に、レタデーションの測定方法について
説明する。単色光を偏光板を通過させることで、直線偏
光とし、この光をサンプル(フィルム)に入射する。入
射された光は上記のように、レタデーションを生じるた
め、フィルム層を透過後、楕円偏光となる。この楕円偏
光はセナルモン型コンペンセーターを通過させることに
より、最初の直線偏光の振動方向に対してθの角度をも
った直線偏光となる。このθを偏光板を回転させて測定
する。レタデーションRとθの関係は式(2)で定義さ
れる。 R=λ・θ/180 …(2) 但し、λ:単色光の波長よって複屈折率△nは、式
(1)、(2)から導き出される式(3)で定義され
る。 △n=(θ・λ/180)/d…(3) また、上記に示す複屈折率が0.02以下の部分の厚み
は、金属板との接触界面からフィルム厚み方向へ5μm
未満の領域に限定することが望ましい。この理由は以下
のとおりである。
【0029】本発明で規定するフィルムの非晶ヤング率
は、フィルムが完全溶融するとその効果が乏しくなり、
以後の加工・加熱処理において容易に結晶化が生じ、フ
ィルムの成形性が劣化してしまう欠点を有する。ただ
し、上記に示すようにフィルム密着性を確保するために
は、フィルムの溶融濡れが必須となる。そこで、本発明
者らが鋭意検討した結果、フィルムが溶融した部分すな
わちフィルムの複屈折率が0.02以下である部分の厚
みを5μm未満に規制することで密着性を確保しつつ、
成形性、耐衝撃性を高いレベルで両立することが可能と
なる。
【0030】さらに前記ポリエステルとしては、ポリエ
チレンテレフタレートを主たる構成成分とするポリエス
テルが好ましく、ポリエステル単位の95モル%以上が
エチレンテレフタレートであることが耐衝撃性の点から
望ましい。
【0031】本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの構成としては、単層、複層の如何を問わない。た
だし、少なくとも2層以上から構成される積層二軸延伸
ポリエステルフィルムの場合、金属板に接するラミネー
ト層と、この層を除く他の各々の層との固有粘度差が
0.01〜0.5であることが、優れた成形性、耐衝撃
性を発現させる点から望ましい。フィルム全体の厚みと
しては、特に規定するものではないが、5〜60μmで
あることが望ましく、さらに好ましくは10〜40μm
である。
【0032】フィルム自体(積層フィルムを含む)の製
造方法としては、特に限定されないが、例えば各ポリエ
ステルを必要に応じて乾燥した後、単独及び/または各
々を公知の溶融積層押出機に供給し、スリット状のダイ
からシート状に押出し、静電印加等の方式によりキャス
ティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸シートを得
る。
【0033】この未延伸シートをフィルムの長手方向及
び幅方向に延伸することにより二軸延伸フィルムを得
る。延伸倍率は目的とするフィルムの配向度、強度、弾
性率等に応じて任意に設定することができるが、好まし
くはフィルムの品質の点でテンター方式によるものが好
ましく、長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する逐次
二軸延伸方式、長手方向、幅方向をほぼ同じに延伸して
いく同時二軸延伸方式が望ましい。
【0034】次に、前記フィルムを金属板にラミネート
してラミネート金属板を製造する方法について述べる。
本発明では、金属板をフィルムの融点を超える温度に加
熱し、その両面に該樹脂フィルムを圧着ロール(以後ラ
ミネートロールと称す)を用いて接触させ熱融着させる
方法を用いる。
【0035】ラミネート条件については、本発明に規定
するフィルム構造が得られるものであれば特に制限され
るものではない。例えば、ラミネート開始時の温度を2
80℃以上とし、ラミネート時にフィルムの受ける温度
履歴として、フィルムの融点以上の温度になる時間を1
〜20msecの範囲とすることが好適である。このよ
うなラミネート条件を達成するためには、高速でのラミ
ネートに加え接着中の冷却も必要である。
【0036】ラミネート時の加圧は特に規定するもので
はないが、面圧として1〜30kgf/cm2が好まし
い。この値が低すぎると、融点以上であっても時間が短
時間であるため十分な密着性を得難い。また、加圧が大
きいとラミネート金属板の性能上は不都合がないもの
の、ラミネートロールにかかる力が大きく設備的な強度
が必要となり装置の大型化を招くため不経済である。
【0037】金属板としては、缶用材料として広く使用
されているアルミニウム板や軟鋼板等を用いることがで
き、特に下層が金属クロム、上層がクロム水酸化物から
なる二層皮膜を形成させた表面処理鋼板(所謂TFS)
等が最適である。
【0038】TFSの金属クロム層、クロム水酸化物層
の付着量についても、特に限定されないが、加工後密着
性・耐食性の観点から、何れもCr換算で、金属クロム
層は70〜200mg/m2、クロム水酸化物層は10
〜30mg/m2の範囲とすることが望ましい。
【0039】金属板表面に前記したフィルムをラミネー
トする方法としては、熱融着法が一般的であるが、これ
に限定されるものではない。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。厚
さ0.18mm・幅977mmの冷間圧延、焼鈍、調質
圧延を施した鋼板を、脱脂、酸洗後、クロムめっきを行
い、クロムめっき鋼板を製造した。クロムめっきは、C
rO3、F-、SO4 2-を含むクロムめっき浴でクロムめ
っき、中間リンス後、CrO3、F-を含む化成処理液で
電解した。その際、電解条件(電流密度・電気量等)を
調整して金属クロム付着量とクロム水酸化物付着量を、
それぞれ120mg/m2、15mg/m2に調整した。
【0041】次いで、図1に示す金属帯のラミネート装
置を用い、前記で得たクロムめっき鋼板1を金属帯加熱
装置2で加熱し、ラミネートロール3で前記クロムめっ
き鋼帯1の一方の面に、容器成形後に容器内面側になる
樹脂フィルム4a、他方の面に、容器成形後に容器外面
側となる樹脂フィルム4bをラミネート(熱融着)し、
ラミネート金属帯を製造した。樹脂フィルムを金属板に
ラミネートする際に、金属板に接する界面のフィルム温
度がフィルムの融点以上になる時間を1〜20msec
の範囲内にした。ラミネートした樹脂フィルムの内容を
表1に記載する。ラミネートロール3は内部水冷式と
し、ラミネート中に冷却水を強制循環し、フィルム接着
中の冷却を行った。
【0042】なお、ポリエステルの非晶ヤング率、
ポリエステルの面配向係数、ポリエステルの結晶化
度、ポリエステルの固有粘度については、以下の方法
にて測定した。また、以上の方法で製造したラミネート
金属板に対し、以下の方法で、複屈折率を測定し、
(1)成形性、(2)密着性、(3)耐衝撃性、(4)
耐レトルト白化性、(5)耐食性を評価した。
【0043】非晶ヤング率 引張ヤング率について、ASTM−D882−81(A
法)に準じて測定した。その際の破断伸度を伸度とし
た。非晶ヤング率(Ea)は上記で測定されたヤング率
(Ef)から次式により算出した。 非晶ヤング率(Ea)=(1−Φ)Ef ただし、Φは結晶化度であり、密度勾配管を用いて測定
した密度(ρ)より下記式で算出される。 Φ=(ρ−1.335)/0.12 面配向係数 ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッ
ベ屈折計を用いて(a)延伸方向の屈折率、(b)延伸
に直角方向の屈折率、(c)厚み方向の屈折率を測定
し、以下の計算式にて、面配向係数を求めた。 面配向係数(Ns)=(nMD+nTD )/2−nZMD:延伸方向の屈折率 nTD:延伸に直角方向の屈折率 nZ:厚み方向の屈折率 結晶化度 密度勾配法にて求めたフィルムの密度から下記式に従い
フィルムの結晶化度を求めた。
【0044】
【数1】
【0045】なお、密度勾配法による密度の測定は、J
IS K 7112の密度勾配管による測定方法に準じ
て、以下のように行った。 (i)高密度、低密度溶液を用いて密度勾配管を作成す
る。 (ii)比重既知のフロートを用いて、密度勾配管の水
深と密度の関係を求める。 (iii)試料片を密度勾配管に入れ、2時間後、試料
片が静止した位置(水深)を読み取る。 (iv)密度勾配管の水深と密度の関係より、試料片の
密度を求める。
【0046】固有粘度 フィルムをオルソクロロフェノールに溶解して、25℃
にてオストワルド粘度管を用いて粘度を測定し、この値
を用いて固有粘度を求めた。 複屈折率 ラミネート金属板の金属板を除去した後のフィルムにつ
いて、偏光顕微鏡を用いてフィルムの断面方向のレタデ
ーションを測定し、断面方向の複屈折率を求めた。
【0047】(1)成形性 ラミネート金属板にワックス塗布後、直径179mmの
円板を打ち抜き、絞り比1.6で浅絞り缶を得た。次い
で、この絞りカップに対し、絞り比2.10及び2.8
0で再絞り加工を行った。このようにして得た深絞り缶
のフィルムの損傷程度を目視観察した。 (評点について) ◎:成形後フィルムに損傷なく、フィルム剥離も認めら
れない。 ○:成形可能であるが、ごく僅かにフィルム剥離が認め
られる。 △:成形可能であるが、明確なフィルム剥離が認められ
る。 ×:缶が破胴し、成形不可能。
【0048】(2)密着性 上記(1)で成形可能であった缶に対し、缶胴部よりピ
ール試験用のサンプル(幅15mm×長さ120mm)
を切り出した。切り出したサンプルの缶内面側の長辺側
端部からフィルムを一部剥離し、引張試験機で剥離した
部分のフィルムを、フィルムが剥離されたクロムめっき
鋼板とは反対方向(角度:180°)に開き、引張速度
30mm/minでピール試験を行い、密着力を評価し
た。なお、密着力測定対象面は、缶内面側とした。 (評点について) ◎:0.15kg/15mm以上。 ○:0.10kg/15mm以上、0.15kg/15
mm未満。 ×:0.10kg/15mm未満。
【0049】(3)耐衝撃性 上記(1)で成形可能であった缶に対し、常温で水を満
注して蓋を巻き締めた。続いて、125℃×30分の条
件でレトルト殺菌処理を行い、処理後40℃で三ヶ月経
時を行った。その後、各試験について10個ずつを高さ
1.25mから塩ビタイル床面へ落とした後、電極と金
属缶に6Vの電圧をかけて3秒後の電流値を読み取り、
10缶測定後の平均値を求めた。 (評点について) ◎:0.01mA未満。 ○:0.01mA以上、0.05mA未満。 △:0.05mA以上、0.1mA未満。 ×:0.1mA以上。
【0050】(4)耐レトルト白化性 上記(1)で成形可能であった缶に対し、水を満注した
後、蓋を巻き締め、各試験について、10個づつを加圧
水蒸気中に125℃で30分間保持し、底面および胴部
分の白化程度を以下の基準で目視判定した。 ◎:変化なし。 ○:ほとんど変化が認められない。 △:部分的にわずかに白化が認められる。 ×:全体に白化が認められる。
【0051】(5)耐食性 上記(1)で成形可能であった缶に対してネック成形を
施し、常温で水を満注して蓋を巻き締めた。続いて、1
25℃×30分の条件でレトルト殺菌処理を行い、処理
後40℃で三ヶ月経時を行った。経時終了後、缶蓋を除
去し、水を捨て、缶内面側の腐食状況を目視観察した。 (評点について) ○:赤錆発生あり ×:赤錆発生なし 結果を表1及び表2に記載した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】表1及び表2に示すように、本発明範囲内
の発明例の鋼板は、いずれも成形性、密着性、耐衝撃
性、耐レトルト白化性、耐食性に優れている。
【0055】本発明例において、フィルムの複屈折率の
値が0.02以下である領域が金属板と接触界面から厚
さが5μm未満のものは、成形性がより優れている。
【0056】これに対し、樹脂フィルムが本発明範囲を
外れる比較例は、成形性、密着性、耐衝撃性、耐レトル
ト白化性、耐食性のいずれかが不良であった。
【0057】
【発明の効果】本発明に係るラミネート金属板は、成形
性、密着性、耐衝撃性、耐レトルト白化性及び耐食性が
良好であり、絞り加工等を行う容器用素材、特にDTR
加工などの高度な加工が施される飲料缶(2ピース飲料
缶)の缶体用素材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属板のラミネート装置の要部を示す図。
【符号の説明】
1 金属板(クロムめっき鋼板) 2 金属帯加熱装置 3 ラミネートロール 4a,4b フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 真介 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AB01B AB03 AB10B AK42A BA02 EC03 EJ38A EJ42 EJ69 GB16 JA06A JA11A JK02A JL01 JL11 JN18 YY00A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶ヤング率が120〜220kg/m
    2、面配向係数が0.100以上0.150以下、結
    晶化度が40%以上60%以下、且つ固有粘度(IV)
    が0.60以上0.75以下である二軸延伸ポリエステ
    ルフィルムを、金属板表面にラミネートしたことを特徴
    とする容器用フィルムラミネート金属板。
  2. 【請求項2】 二軸延伸ポリエステルフィルムの非晶ヤ
    ング率が140〜200kg/mm2であることを特徴
    とする請求項1に記載の容器用フィルムラミネート金属
    板。
  3. 【請求項3】 ポリエステル単位の95モル%以上がエ
    チレンテレフタレート単位であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
  4. 【請求項4】 ラミネート後の樹脂フィルムの複屈折率
    が0.02以下である領域が、金属板との接触界面から
    フィルム厚み方向に5μm未満であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の容器用フィルムラミネ
    ート金属板。
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