[go: up one dir, main page]

JP2003116566A - n−3系ドコサペンタエン酸の製造方法 - Google Patents

n−3系ドコサペンタエン酸の製造方法

Info

Publication number
JP2003116566A
JP2003116566A JP2001315838A JP2001315838A JP2003116566A JP 2003116566 A JP2003116566 A JP 2003116566A JP 2001315838 A JP2001315838 A JP 2001315838A JP 2001315838 A JP2001315838 A JP 2001315838A JP 2003116566 A JP2003116566 A JP 2003116566A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
fatty acid
gene
producing
yeast
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001315838A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Suzuki
修 鈴木
Yasuhiro Aki
庸裕 秋
Katsuya Inagaki
勝也 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2001315838A priority Critical patent/JP2003116566A/ja
Publication of JP2003116566A publication Critical patent/JP2003116566A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 n−3系高度不飽和脂肪酸の1種であるn−
3系ドコサペンタエン酸の工業的製造方法を提供する。 【解決手段】 哺乳類由来の鎖長延長酵素遺伝子を宿主
細胞に染色体外発現あるいは染色体内組み込み発現プラ
スミドをベクターとして導入した形質転換体により、イ
コサペンタエン酸の鎖長延長を行うことにより、形質転
換体細胞内あるいは細胞外にn−3系ドコサペンタエン
酸を蓄積させるn−3系ドコサペンタエン酸の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、n−3系ドコサペ
ンタエン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】n−3系高度不飽和脂肪酸は、二重結合
がメチレン基を夾んで3個以上有り、その最初の二重結
合の位置が、メチル末端からの3番目の炭素に存在する
炭素数18から22の脂肪酸を総称するものである。こ
のn−3系高度不飽和脂肪酸は、ヒトなど哺乳類では、
大豆など植物で生産される必須脂肪酸であるα−リノレ
ン酸(ALA、C18:3n−3)を摂取することによ
り、不飽和化酵素、鎖長延長酵素による二重結合の導入
と炭素鎖長延長を繰り返し、プロスタグランジンIII群
の直接の前駆脂肪酸であるイコサペンタエン酸(EP
A、C20:5n−3)及び最終生成物である網膜ある
いは脳神経系に多量に存在し、極めて重要な働きが知ら
れているドコサヘキサエン酸(DHA、C22:6n−
3)に変換され、生体の恒常性維持(ホメオスタシス)
に極めて大きな役割を担っている。
【0003】n−3系高度不飽和脂肪酸としては、既
に、EPA及びDHAが良く知られており、専らマグ
ロ、イワシ、サバ、サンマなどの魚油から抽出、精製し
た素材が各種食品などに栄養強化添加物として用いられ
ている。n−3系高度不飽和脂肪酸の内では、その存在
は知られているが実際的にその生理作用についても研究
が進んでいなかったn−3系ドコサペンタエン酸(C2
2:5n−3、以下、DPA(n−3)と略記すること
がある)が、新たに冠状動脈硬化抑制因子としての生理
活性において、EPAの10〜20倍の活性を持つこと
が報告された(Docosapentaenoic acid:another key n-
3 player? INFORM,8,426-447(1997))。
【0004】DPA(n−3)は炭素数22で、カルボ
ン酸末端から7、10、13、16、19番目の炭素に
cis形の不飽和結合を持つn−3系高度不飽和脂肪酸
であり、EPAが炭素鎖長を延長したn−3系高度不飽
和脂肪酸であり、DHAに変換する脂肪酸中間体であ
る。その自然界での存在は、魚油中にもほとんど認めら
れず、僅かに、海産哺乳動物類でその存在が認められて
いるが、例えば、アザラシ(Harp seal)において、全
脂肪酸中の約6%の存在が認められているにとどまり、
クジラ(Sea whale)で1%内外である(日本油化学協
会編:油化学便覧改訂第3版pp.131,1990、丸善
(株))。
【0005】ラビリンチュラ類の海洋性菌において、D
PA(n−3)を約1〜3%生産する菌も得られている
が、その脂肪酸中の含量のレベルは低い(Kendrick, A.
andC.Ratledge, Lipids,27,15-10(1992))。前記海洋性
菌であるシゾキトリウム属菌(Shizochytrium sp.)に
おけるDHAの生合成経路は、哺乳類におけるDHA生
合成経路とは全く異なり、DPA(n−6)を前駆脂肪
酸としており、DPA(n−3)をその前駆脂肪酸とは
していないため、DPA(n−3)を大量に蓄積するこ
とは、生合成経路上から可能性の低いことが報告された
(ラビリンチュラ類における高度不飽和脂肪酸の生合成
機構:秋庸裕、鈴木修、海洋と生物、23(1)46−
51(2001)。一方、同じくラビリンチュラ類に属
するトラウストキトリウム属菌(Traustochytrium s
p.)からDPA(n−3)を前駆脂肪酸としてDHAに
変換するΔ4脂肪酸不飽和化酵素遺伝子が取得されたこ
とが極最近報告された(Identificaton ofa Δ4 desatu
rase from Traustchytrium sp. involved in biosynthe
sis of docosahexaenoic acid by heterologous expres
sion in Saccharomyces cerevisiae and Brasixa junca
(2001), Xiao Quis,Haping Hong Samuel L. and L.Mack
enzie, J.Biological Chemistry )。
【0006】海洋性菌においてのDHAの生合成経路に
は多様な経路が存在し、DPA(n−3)を大量に蓄積
する菌株の存在の可能性は否定できないものの、DPA
(n−3)の大量生産菌のスクリーニングを数多くのサ
ンプルから試みたが、現段階では取得されていない。海
洋性菌においてもDPA(n−3)はDHAの前駆脂肪
酸であるため速やかにDHAに変換され、菌体内に蓄積
される菌株は少ないことが推察された。
【0007】DPA(n−3)は、海産哺乳類動物油脂
から分離による取得もその含量が少ないため困難であ
り、新規のn−3系高度不飽和脂肪酸素材としての市場
化はされておらず、また、素材の入手が容易でないた
め、その生理機能に関しての検討も充分行われていると
は言えない状況である。また、EPAは魚油に豊富に存
在しており、その単離も既に技術的に確立されている。
それ故、何らかの方法でEPAをDPA(n−3)に変
換することが出来れば、n−3系ドコサペンタエン酸の
高生産技術を確立することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、EPAの鎖
長延長を行うことによるn−3系ドコサペンタエン酸の
工業的な製造方法を提供することをその課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。本発明によれば、以下の方法が提供される。 (1)哺乳類由来の脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子を導入し
て得られた形質転換体を培地に培養する際に、該培地に
イコサペンタエン酸を添加することにより、該イコサペ
ンタエン酸の炭素鎖長を延長してn−3系ドコサペンタ
エン酸に変換することを特徴とするn−3系ドコサペン
タエン酸の製造方法。 (2)該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子が哺乳類由来の遺伝
子あることを特徴とする前記(1)に記載のn−3系ド
コサペンタエン酸の製造方法。 (3)該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子が、ラット肝cDN
Aライブラリーよりクローニングされた脂肪酸鎖長延長
酵素遺伝子であることを特徴とする前記(2)に記載の
n−3系ドコサペンタエン酸の製造方法。 (4)該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子が、配列表の配列番
号1に記載の299のアミノ酸配列をコードする遺伝子
であることを特徴とする前記(3)に記載のn−3系ド
コサペンタエン酸の製造方法。 (5)該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子が、配列表の配列番
号1に記載の900bpの塩基配列を有する遺伝子であ
ることを特徴とする前記(4)に記載のn−3系ドコサ
ペンタエン酸の製造方法。 (6)該形質転換体が、該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子の
宿主細胞への導入において、染色体外組み込み発現プラ
スミドにより形質転換されてなることを特徴とする前記
(1)〜(5)にいずれかに記載のn−3系ドコサペン
タエン酸の製造方法。 (7)該形質転換体が、該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子の
宿主細胞への導入において、染色体内組み込み発現プラ
スミドにより形質転換されてなることを特徴とする前記
(1)〜(5)のいずれかに記載のn−3系ドコサペン
タエン酸の製造方法。 (8)該宿主細胞が、真核細胞であることを特徴とする
前記(6)又は(7)のいずれかに記載のn−3系ドコ
サペンタエン酸の製造方法。 (9)該真核細胞が、酵母であることを特徴とする前記
(8)に記載のn−3系ドコサペンタエン酸の製造方
法。 (10)該酵母が、サッカロミセス・セレビシエ(Sacc
haromyces cerevisiae)又はピキア・パストリス(Pich
ia pastoris)であることを特徴とする前記(9)に記
載のn−3系ドコサペンタエン酸の製造方法。 (11)該培養を、GY培地、YM培地あるいは培地組
成、グルコース1〜10%、酵母エキス0.1〜3%、
NaNO3 0.05〜0.4%、KH2PO40.01
〜0.2%、MgSO4・7H2O 0.01〜0.2%
を水に溶解した培地を用いて培養温度20〜35℃で行
うことを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに
記載のn−3系ドコサペンタエン酸の製造方法。 (12)該培地に添加する該イコサペンタエン酸が、遊
離脂肪酸又はそのメチルもしくはエチルエステルである
ことを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記
載のn−3系ドコサペンタエン酸の製造方法。 (13)前記(1)〜(12)のいずれかに記載のn−
3系ドコサペンタエン酸の製造方法により得られたn−
3系ドコサペンタエン酸又はそのエステル。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いる反応原料
は、イコサペンタエン酸又はそのエステルである。この
場合エステルとしては、炭素数1〜6の直鎖アルキルエ
ステル、好ましくはメチル及びエチルエステルが用いら
れる。
【0011】本発明において、哺乳類由来の脂肪酸鎖長
延長酵素遺伝子(以下、単に酵素遺伝子とも言う)の発
現プラスミド(以下、単にプラスミドとも言う)をベク
ターとして宿主細胞に導入した形質転換体を培養する際
に、該培地にイコサペンタエン酸又はそのエステルを添
加する。
【0012】本発明で用いる前記酵素遺伝子は哺乳類由
来の物であればよい。この場合哺乳類には、ヒト、マウ
ス、ラット、サル、ウサギ、モルモット等が包含され
る。
【0013】前記酵素遺伝子として、ラット肝cDNA
ライブラリーから取得され、クローニングされた酵素遺
伝子の塩基配列から推定されるアミノ酸配列を持つ脂肪
酸鎖長延長酵素(rELO1)は、ヒト由来の該酵素
(HELO1)とは高い相同性(93.0%)を有して
いるが、線虫(Cele;F56H11.4)及び糸状
菌(Malp;GLELO)とは相同性が低いこと(2
7.3%及び31.4%)が明らかである(Cloning of
a human cDNA encoding a novel enzyme involved in
the elongation of long-chain polyunsaturated fatty
acid(2000),Amenda E. Lonard, Emile G. Bobink, Jos
eph Dorad, Paul E. Kroeger, Lu-Te Chuang, Jennifer
M. Thurmond, Jennifer M. Parker-Branes, Tapas Da
s, Yung-Sheng Huang and Pradip Mukerji, Biochem.
J.,350,756-770))。しかも、線虫及び糸状菌の脂肪酸
鎖長延長酵素においては、その脂肪酸の鎖長が炭素数1
8の脂肪酸を炭素数20への延長機能は持つが、炭素数
20の脂肪酸を炭素数22の脂肪酸への延長機能は持た
ないことが認められている(Heterologus reconstituti
on in yeast of the polyunsaturated fatty acid bios
ynthetic pathway(2000), Frederic Beaudoin, Louis
V. Michaelson, Sandra J. Hey, Mervyn J. Lewis, Pet
er R. Shewry, Olga Sayanova and Johnathan A. Napie
r, PANS,97,6421-6426 , Identification and characte
rization of an enzyme involved in the elongation o
f n-6 and n-3 polyunsaturated fatty acids(2000),Je
nnifer M. Paker-Barnes, Tapas Das, Emile Bobik, Am
anda E. Leonard, Jennifer M. Thurmond, Lu-Te Chaun
g, Yung-Sheng Huang, and Pradip Mukerji, PNAS,97,8
284-8289)。炭素数20のイコサペンタエン酸を炭素数
22のドコサペンタエン酸に炭素鎖長を延長するために
は哺乳類由来の脂肪酸鎖長延長酵素が必要であり、n−
3系ドコサペンタエン酸製造の目的を果たすための脂肪
酸鎖長延長酵素をコードする遺伝子は哺乳類由来である
ことが示される。
【0014】ラット肝の脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子のク
ローニングは、ヒトにおいて同定された脂肪酸鎖長延長
酵素HELO1の全アミノ酸配列(299残基)を参考
として、これらに相同なマウスESTクローンをNCB
Iデータベースにおいて検索を行い、高い相同性を示す
ものとしてAU079897及びBE535118を得
た。これらは互いにオーバーラップしており、それぞれ
開始コドンを含む5’側と終止コドンを含む3’領域を
含んでおり、これらをつなぎ合わせた配列はHELO1
と高相同な299アミノ酸をコードしていた。このマウ
スの遺伝子情報から、PCRに使用するプライマーの設
計を行った。PCRに使用するプライマーの例として、
プライマーF1及びプライマーR1(それぞれの塩基配
列は、配列表の配列番号2、3参照)を用いることが出
来る。プライマーF1にはAAGCTTの制限酵素Hi
ndIII開裂部位及びATGの開始コドンを含み、プラ
イマーR1にはTCTAGAの制限酵素XbaIによる
開裂部位及び終止コドンTCAを含んでいる。プライマ
ーF1及びR1を用いてラット肝cDNAライブラリー
(Takara 社製)をテンプレートとして、PCR
を行い、プライマーF1及びR1に挟まれた増幅産物
(rELO1)を得て、塩基配列の決定した。
【0015】該遺伝子(rELO1)は、900bpか
らなるオープンリーディングフレームを含み、299ア
ミノ酸をコードしており、その全塩基配列及び推定アミ
ノ酸配列を配列表の配列番号1にそれぞれ示した。該遺
伝子(rELO1)の推定アミノ酸配列についてヒト
(HELO1)、線虫(Caenohabditis elegans, Cele;
F56H11.4)及び糸状菌(Mortierella alpina, Malp;GLE
LO)の脂肪酸鎖長延長酵素との比較した。 いずれのア
ミノ酸配列においても不飽和化酵素において見出された
タイプのヒスチジンクラスター(HXXHH)が1ヶ所
保存されていた。
【0016】該遺伝子(rELO1)のオープンリーデ
ィングフレームを含むDNA断片を酵母内発現ベクター
pYES2(INVITROGEN社製)に挿入し、r
ELO1の酵母内染色体外発現用プラスミドを構築し
た。該酵素遺伝子の染色体内組み込み発現ベクターによ
り、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cere
visiae )INVSc1(his3,leu2,trp1,ura3)(INVITR
OGEN社製)などの酵母に導入し組換えた酵母を常法
により培養する。すなわち、YPD培地を用いて、28
℃で2日間振とう培養を行い、培地にイコサペンタエン
酸を添加した結果、以下の操作により酵母菌体内にDP
A(n−3)の蓄積することが確認された。終濃度 2
% となるようにガラクトースを添加して発現誘導さ
せ、28時間培養を続けた後、細胞を回収した。細胞を
蒸留水で洗浄した後、クロロフォルム−メタノール
(2:1,v/v)を加えて脂質を抽出した。クロロフ
ォルム層に10% 塩酸−メタノールを加えて 60
℃、3時間処理することにより、脂肪酸をメチルエステ
ル化した。
【0017】前記脂肪酸メチルエステルをヘキサン抽出
後、ガスクロマトグラフィー (Shimadzu G
C−17A、カラム TC−70)により、脂肪酸組成
を分析した。GC−MS分析はGC mate(JEO
L) を用いて、70eVにおけるEI−MSにより行
った。 その結果、該遺伝子(rELO1)のオープン
リーディングフレームを含むDNA断片を酵母内発現ベ
クターに挿入し、まず、基質脂肪酸を添加しない条件で
酵母発現に供したところパルミトオレイン酸の鎖長延長
産物であるC18:1n−7の生成が認められた。γ−
リノレン酸(GLA)あるいはアラキドン酸の存在下で
は、それぞれジホモ−γ−リノレン酸(DGLA)及び
ドコサテトラエン酸に対応するピークの生成が認められ
た。
【0018】イコサペンタエン酸の存在下で該遺伝子
(rELO1)の酵母内発現を行った結果、目的物質で
あるn−3系ドコサペンタエン酸を51.6%の変換率
で生成することが出来た(図1)。その他、α−リノレ
ン酸、n−3オクタデカテトラエン酸、DGLAについ
ても鎖長延長が認められ、これらの基質脂肪酸の変換率
を表1に示した。 ミード酸(C20:3n−9)及び
n−6ドコサテトラエン酸(C22:4n−6)につい
ては基質脂肪酸として添加しても、鎖長延長は認められ
なかった。
【0019】表1に遺伝子(rELO1)発現酵素の基
質特異性をまとめた。
【0020】
【表1】
【0021】*変換率=%生成脂肪酸/(%生成脂肪酸
+%基質脂肪酸)×100、 3回の平均値を示す。
【0022】ラット肝cDNAライブラリーからクロー
ニングされた該遺伝子(rELO1)は脂肪酸鎖長延長
酵素をコードしており、該遺伝子(rELO1)の産生
する酵素は、脂肪酸の鎖長延長を行いイコサペンタエン
酸からn−3系ドコサペンタエン酸への変換する機能を
持つ酵素である。
【0023】本発明において、該酵素遺伝子の活性発現
のため宿主細胞における発現用ベクターとして、例え
ば、該遺伝子(rELO1)を宿主細胞への組み込み
に、染色体外組み込みプラスミド、例えば、酵母発現用
プラスミドpYES2/rELO1により形質転換され
てなる形質転換体を用いる。すなわち、該酵素遺伝子の
活性発現のため、宿主細胞における発現用ベクターの一
例として構築した酵母サッカロミセス・セレビシエ(Sa
ccharomyces cerevisiae )の染色体外発現用プラスミ
ドpYES2/rELO1(6.8kb)は図2で示さ
れる。該プラスミドの酵母サッカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)への組み込みはURA3
マーカーにより選択される。遺伝子発現は.GAL1プ
ロモーター(PGAL1)及びCYC1ターミネーター
(TCYC1)により制御され、ガラクトースにより誘
導される。
【0024】該プラスミド(pYES2/rELO1)
の酵母へのトランスフォーメーションは次のようにして
行うのがよい。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharo
myces cerevisiae )INVSc1(his3,leu2,trp1,ura3)(I
NVITROGEN社製)などの酵母を、常法により培
養する。すなわち、YPD培地を用いて、28℃で2日
間浸透培養を行った。得られた培養液について、遠心分
離を繰り返して精製した後、酢酸リチウム/PEG溶液
と上記のプラスミドベクターpYES2/rELO1溶
液とを加え、良く混合した後、再び培養する。培養は十
分に乾かしたSD培地にて28℃で3〜4日の条件で行
うのがよい。
【0025】本発明における、該遺伝子(rELO1)
を宿主細胞への組み込みに、染色体内組み込みプラスミ
ド、例えば、酵母発現用プラスミドpMO3/rELO
1により形質転換される。すなわち、該酵素遺伝子の活
性発現のため、宿主細胞における発現用ベクターの一例
として構築した酵母サッカロミセス・セレビシエ(Sacc
haromyces cerevisiae)の染色体内発現用プラスミドp
MO3/rELO1(6.8kb)は図3で示される。
該プラスミドはXhoI部位で制限酵素消化した後、酵
母内に導入すると、δ配列(トランスポゾン)により染
色体DNAにランダムに組み込まれる。酵母発現用プラ
スミドベクターpMO3/rELO1の酵母へのトラン
スフォーメーションはプラスミドベクターpYES2/
rELO1と同様に行い、URA3マーカーにより選択
されるが、染色体に組み込まれた後は選択を必要としな
い。
【0026】本発明においては、該遺伝子の発現のため
の宿主細胞は、真核細胞であればよい。すなわち、上記
のサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevi
siae)の代わりに他の酵母やムコール属(Mucor s
p.)、モルティエレラ属(Mortierella sp.)などの糸
状菌を初め、植物、動物を宿主細胞として用いても、そ
れぞれに適切な条件を選択することにより形質転換をす
ることが可能である。これらの形質転換体を用いる場
合、適切にイコサペンタエン酸を供給し、該遺伝子の発
現条件を整えることによりイコサペンタエン酸の炭素鎖
長の延長によるn−3系ドコサペンタエン酸への変換す
ることができる。
【0027】本発明においては、該真核細胞の中でも、
該n−3系ドコサペンタエン酸の製造に係わる形質転換
体作成のための宿主細胞としては酵母を用いることが好
ましい。酵母は真核細胞にして、特に、哺乳類由来の脂
肪酸不飽和化酵素、脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子の発現に
優れた機能を持ち、しかも、該遺伝子の導入された形質
転換体も、該脂肪酸の製造方法についての実施の形態に
おいて記述してあるようにその作成する上での、ベクタ
ープラスミドの構築など従来の知見を多く利用できるほ
か、作成された形質転換体の機能発現における、培養の
し易さ、発現を促進するための培養条件の設定におい
て、n−3系ドコサペンタエン酸の製造のために原料と
なるイコサペンタエン酸添加条件の設定を行う上での簡
便さにおいて優れた機能を有している。
【0028】本発明においては、該酵母の中でも、該n
−3系ドコサペンタエン酸の製造に係わる形質転換体作
成のための宿主細胞としてサッカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)又はピキア・パストリス
(Pichia pastoris)を用いることが好ましい。該長酵
素遺伝子の活性発現のため、宿主細胞における発現用ベ
クターの一例として構築した酵母サッカロミセス・セレ
ビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に組み込むため
の、図2で示された染色体外発現用プラスミドpYES
2/rELO1(6.8kb)は、サッカロミセス・セ
レビシエ(Saccharomyces cerevisiae)INVSc1
(his3,leu2,trp1,ura3)(INVITROGEN社
製)などの酵母に組み込まれる。酵母ピキア・パストリ
ス(Pichia pastoris)を宿主細胞とする形質転換体作
成系は、宿主、ベクター系において形質転換体の形質発
現に優れており、菌体の増殖性能に優れ、形質転換体を
用いてのn−3系ドコサペンタエン酸の工業的な製造に
関しては望ましい宿主細胞として利用できる。
【0029】本発明では、前記形質転換体、一例として
形質転換酵母YEL−5株(FERM)を、GY培地、
YM培地あるいは培地組成、グルコース1〜10%好ま
しくは2〜8%、酵母エキス0.1〜3%好ましくは
0.5〜2%、NaNO3 0.05〜0.4%好まし
くは0.1〜0.3%、KH2PO4 0.01〜0.2
%好ましくは0.02〜0.1%、MgSO4・7H2
0.01〜0.2%好ましくは0.02〜0.1%を
水に溶解した培地に培養温度20〜35℃好ましくは2
5〜32℃で培養し、イコサペンタエン酸0.1〜20
0mM好ましくは0.5〜100mMを添加し、当該脂
肪酸を細胞内あるいは細胞外に蓄積させることを特徴と
する。すなわち、該形質転換体を培養するにあたり、培
地の炭素源や窒素源の種類、培養温度、培養時間などの
培養条件については、n−3系ドコサペンタエン酸を多
量に生産するのに最適な条件を適宜選択することが出来
る。
【0030】以下において、本発明を実施例により詳し
く説明する。なお、本発明は実施例のみに限定されるも
のではない。また、実施例で用いた酵素及び試薬は、特
記しない限り宝酒造、シグマ、ナカライテスク、片山化
学又はDifcoの各社から購入した分析レベルおよび
生化学レベルのものを使用した。
【0031】実施例1 ラット脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子のクローニングに関す
る。
【0032】ヒトにおいて同定された脂肪酸鎖長延長酵
素HELO1の全アミノ酸配列(299残基)を参考と
して、これに相同のマウスESTクローンをNCBIデ
ータベースにおいて検索し、高い相同性を示すものとし
てAU079897及びBE535118を得た。 こ
れらは互いにオーバーラップしており、それぞれ開始コ
ドンを含む5’側と終止コドンを含む3’領域を含んで
おり、これらをつなぎ合わせた配列はHELO1と高相
同な299アミノ酸をコードしていた。このマウスの遺
伝子情報から、以下のプライマーF1及びプライマーR
1を作成した。プライマーF1にはAAGCTTの制限
酵素HindIII開裂部位及びATGの開始コドンを含
み、プライマーR1にはTCTAGAの制限酵素Xba
Iによる開裂部位及び終止コドンTCAを含んでいる。
F1,5’−AGGTAAGCTTATGGAACAT
TTCGATGTCATCT−3’ (配列番号
2) (斜字体はHindIII部位、下線は開始コドン) R1,5’−CTCTCTAGATCAATCCTTT
CGCTGCTTCCTGGG−3’ (配列番号
3) (斜字体はXba I部位、下線は終止コドン)
【0033】これらを用いてラット肝cDNAライブラ
リー(Takara社製)をテンプレートとしてPCRを行っ
た。このとき、ポリメラーゼとして高fidelityでTdT
(末端核酸付加酵素)活性のないKOD−plus(T
OYOBO製)を用いた。反応混合液組成は以下の通り
である。
【0034】
【表2】
【0035】PCRの反応条件は94℃×2minで反
応させた後、94℃×15sec/60℃×30sec
/68℃×1minを1サイクルとして35回繰り返す
ことで行った。反応液をアガロースゲル電気永動にか
け、染色後、紫外線照射して一つのバンドを確認した。
その結果得られた増幅断片(rELO1)をpYES2
(INVITROGEN社製)の対応部位に挿入し形質
転換体を作成し、ダイターミネーター法により塩基配列
を決定した。
【0036】以下にその具体的な実施方法を例記する。 (1)アガロースゲルからのDNA断片の抽出 UVトランスイルミネーターで確認した目的のDNA断
片を、アガロースゲルより切り出し、CONCERT
Rapid Gel Extraction System(GIBCOBRL社
製)およびQIAEX II Gel Extraction Kit(QI
AGEN社製)の各精製キットを用いて精製を行った。
方法は付属のプロトコールによった。 (2)ベクターへのライゲーション 上記(1)で取得し、精製したフラグメントを、pGE
M−T easy vectorsystem(PROMEGA社製)
と、インサート:ベクター比が1:10となるよう混合
した。混合溶液と等量のLigation High(TOYOBO
社製)を加え、16℃で1時間以上インキュベートし
た。
【0037】(3)コンピテントセルの調製 E.coli DH5αをM9プレートにストリーク
し、コロニーが確認出来るまで37℃で培養した。シン
グルコロニーを掻き取り、100mL(1Lフラスコ)
のSOB培地に懸濁し、18℃で振とう培養した。OD
600=0.4〜0.8に達したとき、培養を終了して
培養液を直ちに氷水中において10分間冷却した。培養
液を4℃で3000rpm、15分間遠心して上清を捨
てた。沈殿を33mLの氷冷Transformation buffer
(TB)に懸濁した後、さらに10分間氷冷した。次い
で、4℃で3000rpm、15分間遠心して菌体を回
収し、4mLの氷冷TBに懸濁した。さらに1mLの5
0%グリセロールを加え、400μLずつ分注し、液体
窒素で凍らせて−80℃で保存した。なお、ここで用い
たTBは、10mM PIPES、15mM CaCl
2・2H2O、250mM KClおよび55mM Mn
Cl2・4H2Oからなるものである。
【0038】(4)大腸菌への形質転換 コンピテント
セルとして調製したE.coli DH5αを、氷上で
融解し、ライゲーション済みのベクター溶液と混合し
た。氷上で5分間インキュベート後、37℃で2分間熱
ショックを与えた後、再び氷上で5分間インキュベート
した。次に、これに滅菌水を900μL加え、1200
0rpmで2分間遠心した。上清を捨て、沈殿を50μ
Lの100mM IPTGに懸濁し、X−Galとアン
ピシリンを含むLBプレート培地にまいた。プレートを
37℃で12時間インキュベートした後、コロニーの有
無の確認を行った。
【0039】(5)ミニスケールでのプラスミド調製 終夜培養した大腸菌液の適量を採取し、9000rpm
で2分間遠心して菌体を回収した。これにSoluti
onIを100μL加えてボルテックス懸濁し、さらに
SolutionIIを200μL加えて溶菌した。氷上
で5分間インキュベートしてから、SolutionII
Iを200μL加えて、ボルテックス後、12000r
pmで10分間遠心した。得られた上清を別のチューブ
に採り、等量のイソプロパノールを加えてアルコール沈
殿にて精製した。なお、ここで用いたSolution
I〜IIIは、以下の組成からなるものである。 SolutionI : 50mM グルコース、25mM Tris-HCl(pH8.
0)、10mM EDTA SolutionII : 0.2N NaOH、1% SDSSolutionIII : 3M K-
acetate、11.5% acetate
【0040】(6)制限酵素消化によるインサートの確
認 各酵素、バッファー、サンプルDNAを以下の組成で混
合した。
【表3】 なお、制限酵素の種類により、バッファーの種類の選
択、Triton X−100、BSAの添加を適宜行
った。また、反応は37℃で行った。
【0041】(7)酵母発現用プラスミドベクターへの
組み込み 上記においてpGEM−T easy vector
(PROMEGA社製)にクローニングされたラット肝
脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子(rELO1)をHindII
IおよびXbaIにより制限酵素消化して切り出し、ア
ガロースゲル電気泳動、ゲル抽出を経て、インサートを
精製した。このインサートを、同じくHindIIIおよ
びXbaI消化後、脱リン酸化処理により精製されたp
YES2のHindIIIおよびXbaI部位にライゲー
ションし、E.coli DH5αに形質転換した。コ
ロニーを終夜液体培養し、プラスミドの少量精製、制限
酵素消化によるインサートチェックおよび正逆判定を行
った。構築されたプラスミドベクターをpYES2/r
ELO1と名付けた。
【0042】ダイターミネーター法による塩基配列の決
定は以下のように行った。DYEnamic ET Terminator Cyc
le Sequencing KIt (Amersham Pharmacia 社製)を用い
てサンプルを調製し、310 Genetic Analyzer(Applied B
iosystems 社製)によって配列を決定した。その結果、
得られたラット肝脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子(rELO
1)は、900bpからなるオープンリーディングフレ
ームを含み、299アミノ酸をコードしており、その全
塩基配列並びにその推定アミノ酸配列はそれぞれ配列表
の配列番号1の通りである。ラット肝脂肪酸鎖長延長酵
素遺伝子(rELO1)の推定アミノ酸配列(配列表の
配列番号1)についてヒト(HELO1)、線虫(Caen
ohabditis elegans,Cele;F56H11.4)及び糸状菌(Mortier
ella alpina, Malp;GLELO)の脂肪酸鎖長延長酵素との
比較した。
【0043】rELO1がHELO1とは極めて高い相
同性(93.0%)を有しているが、線虫(Cele;
F56H11.4)及び糸状菌(Malp;GLEL
O)とは相同性が低いこと(27.3%及び31.4
%)が明らかになった。いずれのアミノ酸配列において
も不飽和化酵素において見出されたタイプのヒスチジン
クラスター(HXXHH)が1ヶ所保存されていた。こ
れらの結果から、この配列表の配列番号1に記載された
塩基配列からなるフラグメントは、脂肪酸鎖長延長酵素
をコードした遺伝子であることが明らかである。
【0044】実施例2 ラット脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子(rELO1)の染色
体外発現用プラスミドベクターの構築に関する。
【0045】酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccha
romyces cerevisiae )の染色体外発現用ベクターpY
ES2(INVITROGEN社製)を用いて、酵母に
おいてラット脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子(rELO1)
の活性を発現させるためのプラスミドベクターを以下の
ように構築した。実施例1で構築した酵母サッカロミセ
ス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae )の染色
体外発現用プラスミドpYES2/rELO1(6.8
kb)は図2で示される。このプラスミドの組み込みは
URA3マーカーにより選択される。遺伝子発現はGA
L1プロモーター(PGAL1)及びCYC1ターミネ
ーター(TCYC1)により制御され、ガラクトースに
より誘導される。
【0046】実施例3 ラット脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子(rELO1)の染色
体内組み込み発現用プラスミドベクターに関する。
【0047】酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccha
romyces cerevisiae )の染色体内組み込み発現用プラ
スミドベクターpMO3(INVITROGEN社製)
を用いて、酵母においてラット脂肪酸鎖長延長酵素遺伝
子(rELO1)の活性を発現させるためのプラスミド
ベクターを以下のように構築した。実施例1と同様にし
て構築した酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccharo
myces cerevisiae )の染色体内組み込み発現用プラス
ミドベクターpMO3/rELO1(7.8kb)は図
3で示される。このプラスミドはXhoI部位で制限酵
素消化した後、酵母内に導入すると、δ配列(トランス
ポゾン)により染色体DNAにランダムに組み込まれ
る。URA3マーカーにより選択されるが、染色体に組
み込まれた後は選択の必要がない。遺伝子発現は、GA
Pプロモーター(PGAP)及びGAPターミネーター
(TGAP)により制御され、構成的に発現される。
【0048】実施例4 ラット脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子(rELO1)の酵母
への形質転換並びに該遺伝子の酵母内での活性発現に関
する。
【0049】rELO1遺伝子染色体外発現プラスミド
ベクター(pYES2/rELO1、図2)を酢酸リチ
ウム法により酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccha
romyces cerevisiae )INVSc1(α/a,his3,leu2,ura3,trp
1)(INVITROGEN社製)に 導入し、形質転
換した。その手順は以下の通りである。YPD液体培地
5mLに、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyce
s cerevisiae )INVSc1株を植菌し、28℃で2
日間振とう培養を行った。YPD液体培地の組成は、グ
ルコース2%、ポリペプトン2%および酵母エキス1%
を含むものである。培養液1mLをチューブに採り、2
000rpmで5分間遠心し、上清を捨てた。沈殿に酢
酸リチウム溶液を1mL加え、良く混合した後、200
0rpmで5分間遠心して、上清を捨てた。
【0050】なお、ここで用いた酢酸リチウム溶液は、
100mM 酢酸リチウム、10mM Tris HC
l(pH7.5)、1mM EDTAからなるものであ
る。次いで、沈殿に酢酸リチウム/PEG溶液200μ
Lとプラスミド溶液5μL(1μg/μL)とを加え、
よく混合した後、混合液を30℃の湯浴で1時間インキ
ュベートした。その後、さらに42℃の湯浴で10分間
インキュベートした。ここで用いた酢酸リチウム/PE
G溶液は、100mM 酢酸リチウム、10mM Tr
is HCl(pH7.5)、1mM EDTAおよび
40%PEG4000からなるものである。続いて、こ
の培養物を、よく乾かしたSD培地にまいて28℃で
3,4日培養した。SD培地の組成は、グルコース2
%、yeast nitrogen-base w/o amino acid 0.7%、
ヒスチジン20μg/mL、ロイシン 60μg/m
L、トリプトファン 40μg/mLである。
【0051】以下、酵母での脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子
の活性発現について記述する。上記SD培地上に現れた
コロニーを掻き取り、5mLのSCT培地(選択培地)
にて28℃で一晩前培養を行った。なお、SCT培地の
組成は、ラフィノース4%、yeast nitrogen-base w/o
amino acid 0.7%、界面活性剤(商品名:terg
itol)1%、ヒスチジン20μg/mL、ロイシン
60μg/mL、トリプトファン40μg/mLであ
る。SCT培地に、リノール酸(C18:2n−6)、
α−リノレン酸(C18:3n−3)、γ−リノレン酸
(C18:3n−6)、n−3オクタデカテトラエン酸
(C18:4n−3)、ジホモ−γ−リノレン酸(C2
0:3n−6)、ミード酸(C20:3n−9)、アラ
キドン酸(C20:4n−6)、イコサペンタエン酸
(C20:5n−3)およびn−6ドコサテトラエン酸
(C20:4n−6)のうちのいずれかを基質として1
mM添加したものを各45mLを用意した。これら9つ
のSCT培地および脂肪酸を加えない培地それぞれに、
前培養液を菌数が2×105/mLとなるように植菌
し、28℃で振とうしながらガラクトースを添加し、さ
らに16時間培養した。
【0052】培養終了後、培養液を50mL容コニカル
チューブに移し、2000rpmで5分間遠心して上清
を捨てた。次いで、菌体に滅菌水5mL加えてボルテッ
クスし、再び2000rpmで5分間遠心し上清を捨て
た。菌体からの脂質の抽出は以下のようにして行った。
菌体を1mLの滅菌水に懸濁し、ネジ口試験管に移して
等量のクロロフォルム−メタノール(2:1,v/v)
を加え、ボルテックスし、2000rpmで2分間遠心
した。下層のクロロフォルム層を試験管に取り、クロロ
フォルム層に10% 塩酸−メタノールを加えて60
℃、3時間処理することによりメチルエステル化した。
脂肪酸メチルエステルをヘキサン抽出後、ガスクロマト
グラフィー(Shimadzu GC−17A、カラム
TC−70)により脂肪酸組成を分析した。GC−MS
分析はGC mate(JEOL)を用いて、70eV
におけるEI−MSにより行った。
【0053】その結果、ラット肝脂肪酸鎖長延長酵素遺
伝子(rELO1)のオープンリーディングフレームを
含むDNA断片を酵母内発現ベクターに挿入し、まず、
基質脂肪酸を添加しない条件で酵母発現に供したところ
パルミトオレイン酸の鎖長延長産物であるC18:1n
−7の生成が認められた。このとき、微量ではあるがさ
らに鎖長延長されたC20:1n−7に対応すると思わ
れるピークが9.6minに観察され、これら内在性脂
肪酸に由来する鎖長延長産物は、基質脂肪酸を添加した
場合にも検出された。γ−リノレン酸(GLA)あるい
はアラキドン酸の存在下では、それぞれジホモ−γ−リ
ノレン酸(DGLA)及びドコサテトラエン酸に対応す
るピークの生成が認められた。また、リノール酸存在下
で発現解析を行ったところ、微量であるがその鎖長延長
産物であるC20:2Δ11,14の生成が認められ
た。イコサペンタエン酸の存在下でrELO1の酵母内
発現を行った結果、目的物質であるn−3系ドコサペン
タエン酸を51.6%の変換率で生成することが出来た
(図1)。
【0054】その他、α−リノレン酸、n−3オクタデ
カテトラエン酸、DGLAについても鎖長延長が認めら
れ、これらの基質脂肪酸の変換率を表1に示した。ミー
ド酸(C20:3n−9)及びn−6ドコサテトラエン
酸(C22:4n−6)については基質脂肪酸を添加し
ても鎖長延長は認められなかった(表1)。このことか
らラット肝脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子による形質転換酵
母YEL−5株において、イコサペンタエン酸の存在下
で培養することにより、n−3系ドコサペンタエン酸に
変換され、n−3系ドコサペンタエン酸が生産されるこ
とが確認できた。
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
【発明の効果】本発明によるn−3系ドコサペンタエン
酸の製造方法は、従来その生産技術が存在しないn−3
系ドコサペンタエン酸の工場生産を可能にするものであ
る。また、n−3系ドコサペンタエン酸は高い生理活性
が期待され、その生産物は医薬品、健康食品、特定保健
養食品等の広範な用途が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の形質転換酵母において導入した脂肪酸
鎖長延長酵素遺伝子(rELO1)の酵母内発現により
生じた脂肪酸のガスクロマトグラフィー(GC)の結果
を示した図である。すなわち、pYES2またはpYE
S2にrELO1遺伝子を挿入したプラスミドを酵母サ
ッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisia
e) に導入してガラクトースによる発現誘導を行い、
細胞内脂肪酸をGC解析した。EPAを基質として添加
し、DPA(n−3)の生成を確認した。EPAはイコ
サペンタエン酸(C20:5n−3)を、DPAはn−
3系ドコサペンタエン酸(C22:5n−3)をそれぞ
れ示している。
【図2】ラット脂肪酸鎖長延長酵素(rELO1)の染
色体外発現用プラスミド (pYES2/rELO1)
を示した図である。図中のPGAL1はGAL1プロモ
ーター、TCYC1はCYC1ターミネーター、URA
3はマーカーを示している。
【図3】ラット脂肪酸鎖長延長酵素rELO1の染色体
内組み込み発現用プラスミド(pMO3/rELO1)
を示した図である。図中のPGAPはGAPプロモータ
ー、TGAPはGAPターミネーター、δはトランスポ
ゾンδ配列、URA3はマーカーを示している。
【手続補正書】
【提出日】平成14年9月30日(2002.9.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 n−3系ドコサペンタエン酸の製造方
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、n−3系ドコサペ
ンタエン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】n−3系高度不飽和脂肪酸は、二重結合
がメチレン基を夾んで3個以上有り、その最初の二重結
合の位置が、メチル末端からの3番目の炭素に存在する
炭素数18から22の脂肪酸を総称するものである。こ
のn−3系高度不飽和脂肪酸は、ヒトなど哺乳類では、
大豆など植物で生産される必須脂肪酸であるα−リノレ
ン酸(ALA、C18:3n−3)を摂取することによ
り、不飽和化酵素、鎖長延長酵素による二重結合の導入
と炭素鎖長延長を繰り返し、プロスタグランジンIII群
の直接の前駆脂肪酸であるイコサペンタエン酸(EP
A、C20:5n−3)及び最終生成物である網膜ある
いは脳神経系に多量に存在し、極めて重要な働きが知ら
れているドコサヘキサエン酸(DHA、C22:6n−
3)に変換され、生体の恒常性維持(ホメオスタシス)
に極めて大きな役割を担っている。
【0003】n−3系高度不飽和脂肪酸としては、既
に、EPA及びDHAが良く知られており、専らマグ
ロ、イワシ、サバ、サンマなどの魚油から抽出、精製し
た素材が各種食品などに栄養強化添加物として用いられ
ている。n−3系高度不飽和脂肪酸の内では、その存在
は知られているが実際的にその生理作用についても研究
が進んでいなかったn−3系ドコサペンタエン酸(C2
2:5n−3、以下、DPA(n−3)と略記すること
がある)が、新たに冠状動脈硬化抑制因子としての生理
活性において、EPAの10〜20倍の活性を持つこと
が報告された(Docosapentaenoic acid:another key n-
3 player? INFORM,8,426-447(1997))。
【0004】DPA(n−3)は炭素数22で、カルボ
ン酸末端から7、10、13、16、19番目の炭素に
cis形の不飽和結合を持つn−3系高度不飽和脂肪酸
であり、EPAが炭素鎖長を延長したn−3系高度不飽
和脂肪酸であり、DHAに変換する脂肪酸中間体であ
る。その自然界での存在は、魚油中にもほとんど認めら
れず、僅かに、海産哺乳動物類でその存在が認められて
いるが、例えば、アザラシ(Harp seal)において、全
脂肪酸中の約6%の存在が認められているにとどまり、
クジラ(Sea whale)で1%内外である(日本油化学協
会編:油化学便覧改訂第3版pp.131,1990、丸善
(株))。
【0005】ラビリンチュラ類の海洋性菌において、D
PA(n−3)を約1〜3%生産する菌も得られている
が、その脂肪酸中の含量のレベルは低い(Kendrick, A.
andC.Ratledge, Lipids,27,15-10(1992))。前記海洋性
菌であるシゾキトリウム属菌(Shizochytrium sp.)に
おけるDHAの生合成経路は、哺乳類におけるDHA生
合成経路とは全く異なり、DPA(n−6)を前駆脂肪
酸としており、DPA(n−3)をその前駆脂肪酸とは
していないため、DPA(n−3)を大量に蓄積するこ
とは、生合成経路上から可能性の低いことが報告された
(ラビリンチュラ類における高度不飽和脂肪酸の生合成
機構:秋庸裕、鈴木修、海洋と生物、23(1)46−
51(2001)。一方、同じくラビリンチュラ類に属
するトラウストキトリウム属菌(Traustochytrium s
p.)からDPA(n−3)を前駆脂肪酸としてDHAに
変換するΔ4脂肪酸不飽和化酵素遺伝子が取得されたこ
とが極最近報告された(Identificaton ofa Δ4 desatu
rase from Traustchytrium sp. involved in biosynthe
sis of docosahexaenoic acid by heterologous expres
sion in Saccharomyces cerevisiae and Brasixa junc
a(2001), Xiao Quis,Haping Hong Samuel L. and L.Mac
kenzie, J.Biological Chemistry )。
【0006】海洋性菌においてのDHAの生合成経路に
は多様な経路が存在し、DPA(n−3)を大量に蓄積
する菌株の存在の可能性は否定できないものの、DPA
(n−3)の大量生産菌のスクリーニングを数多くのサ
ンプルから試みたが、現段階では取得されていない。海
洋性菌においてもDPA(n−3)はDHAの前駆脂肪
酸であるため速やかにDHAに変換され、菌体内に蓄積
される菌株は少ないことが推察された。
【0007】DPA(n−3)は、海産哺乳類動物油脂
から分離による取得もその含量が少ないため困難であ
り、新規のn−3系高度不飽和脂肪酸素材としての市場
化はされておらず、また、素材の入手が容易でないた
め、その生理機能に関しての検討も充分行われていると
は言えない状況である。また、EPAは魚油に豊富に存
在しており、その単離も既に技術的に確立されている。
それ故、何らかの方法でEPAをDPA(n−3)に変
換することが出来れば、n−3系ドコサペンタエン酸の
高生産技術を確立することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、EPAの鎖
長延長を行うことによるn−3系ドコサペンタエン酸の
工業的な製造方法を提供することをその課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。本発明によれば、以下の方法が提供される。 (1)哺乳類由来の脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子を導入し
て得られた形質転換体を培地に培養する際に、該培地に
イコサペンタエン酸を添加することにより、該イコサペ
ンタエン酸の炭素鎖長を延長してn−3系ドコサペンタ
エン酸に変換することを特徴とするn−3系ドコサペン
タエン酸の製造方法。 (2)該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子が哺乳類由来の遺伝
子あることを特徴とする前記(1)に記載のn−3系ド
コサペンタエン酸の製造方法。 (3)該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子が、ラット肝cDN
Aライブラリーよりクローニングされた脂肪酸鎖長延長
酵素遺伝子であることを特徴とする前記(2)に記載の
n−3系ドコサペンタエン酸の製造方法。 (4)該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子が、配列表の配列番
号1に記載の299のアミノ酸配列をコードする遺伝子
であることを特徴とする前記(3)に記載のn−3系ド
コサペンタエン酸の製造方法。 (5)該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子が、配列表の配列番
号1に記載の900bpの塩基配列を有する遺伝子であ
ることを特徴とする前記(4)に記載のn−3系ドコサ
ペンタエン酸の製造方法。 (6)該形質転換体が、該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子の
宿主細胞への導入において、染色体外組み込み発現プラ
スミドにより形質転換されてなることを特徴とする前記
(1)〜(5)にいずれかに記載のn−3系ドコサペン
タエン酸の製造方法。 (7)該形質転換体が、該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子の
宿主細胞への導入において、染色体内組み込み発現プラ
スミドにより形質転換されてなることを特徴とする前記
(1)〜(5)のいずれかに記載のn−3系ドコサペン
タエン酸の製造方法。 (8)該宿主細胞が、真核細胞であることを特徴とする
前記(6)又は(7)のいずれかに記載のn−3系ドコ
サペンタエン酸の製造方法。 (9)該真核細胞が、酵母であることを特徴とする前記
(8)に記載のn−3系ドコサペンタエン酸の製造方
法。 (10)該酵母が、サッカロミセス・セレビシエ(Sacc
haromyces cerevisiae)又はピキア・パストリス(Pich
ia pastoris)であることを特徴とする前記(9)に記
載のn−3系ドコサペンタエン酸の製造方法。 (11)該培養を、GY培地、YM培地あるいは培地組
成、グルコース1〜10%、酵母エキス0.1〜3%、
NaNO3 0.05〜0.4%、KH2PO40.01
〜0.2%、MgSO4・7H2O 0.01〜0.2%
を水に溶解した培地を用いて培養温度20〜35℃で行
うことを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに
記載のn−3系ドコサペンタエン酸の製造方法。 (12)該培地に添加する該イコサペンタエン酸が、遊
離脂肪酸又はそのメチルもしくはエチルエステルである
ことを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記
載のn−3系ドコサペンタエン酸の製造方法。 (13)前記(1)〜(12)のいずれかに記載のn−
3系ドコサペンタエン酸の製造方法により得られたn−
3系ドコサペンタエン酸又はそのエステル。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いる反応原料
は、イコサペンタエン酸又はそのエステルである。この
場合エステルとしては、炭素数1〜6の直鎖アルキルエ
ステル、好ましくはメチル及びエチルエステルが用いら
れる。
【0011】本発明において、哺乳類由来の脂肪酸鎖長
延長酵素遺伝子(以下、単に酵素遺伝子とも言う)の発
現プラスミド(以下、単にプラスミドとも言う)をベク
ターとして宿主細胞に導入した形質転換体を培養する際
に、該培地にイコサペンタエン酸又はそのエステルを添
加する。
【0012】本発明で用いる前記酵素遺伝子は哺乳類由
来の物であればよい。この場合哺乳類には、ヒト、マウ
ス、ラット、サル、ウサギ、モルモット等が包含され
る。
【0013】前記酵素遺伝子として、ラット肝cDNA
ライブラリーから取得され、クローニングされた酵素遺
伝子の塩基配列から推定されるアミノ酸配列を持つ脂肪
酸鎖長延長酵素(rELO1)は、ヒト由来の該酵素
(HELO1)とは高い相同性(93.0%)を有して
いるが、線虫(Cele;F56H11.4)及び糸状
菌(Malp;GLELO)とは相同性が低いこと(2
7.3%及び31.4%)が明らかである(Cloning of
a human cDNA encoding a novel enzyme involved in
the elongation of long-chain polyunsaturated fatty
acid(2000),Amenda E. Lonard, Emile G. Bobink, Jos
eph Dorad, Paul E. Kroeger, Lu-Te Chuang, Jennifer
M. Thurmond, Jennifer M. Parker-Branes, Tapas Da
s, Yung-Sheng Huang and Pradip Mukerji, Biochem.
J.,350,756-770))。しかも、線虫及び糸状菌の脂肪酸
鎖長延長酵素においては、その脂肪酸の鎖長が炭素数1
8の脂肪酸を炭素数20への延長機能は持つが、炭素数
20の脂肪酸を炭素数22の脂肪酸への延長機能は持た
ないことが認められている(Heterologus reconstituti
on in yeast of the polyunsaturated fatty acid bios
ynthetic pathway(2000), Frederic Beaudoin, Louis
V. Michaelson, Sandra J. Hey, Mervyn J. Lewis, Pet
er R. Shewry, Olga Sayanova and Johnathan A. Napie
r, PANS,97,6421-6426 , Identification and characte
rization of an enzyme involved in the elongation o
f n-6 and n-3 polyunsaturated fatty acids(2000),Je
nnifer M. Paker-Barnes, Tapas Das, Emile Bobik, Am
anda E. Leonard, Jennifer M. Thurmond, Lu-Te Chaun
g, Yung-Sheng Huang, and Pradip Mukerji, PNAS,97,8
284-8289)。炭素数20のイコサペンタエン酸を炭素数
22のドコサペンタエン酸に炭素鎖長を延長するために
は哺乳類由来の脂肪酸鎖長延長酵素が必要であり、n−
3系ドコサペンタエン酸製造の目的を果たすための脂肪
酸鎖長延長酵素をコードする遺伝子は哺乳類由来である
ことが示される。
【0014】ラット肝の脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子のク
ローニングは、ヒトにおいて同定された脂肪酸鎖長延長
酵素HELO1の全アミノ酸配列(299残基)を参考
として、これらに相同なマウスESTクローンをNCB
Iデータベースにおいて検索を行い、高い相同性を示す
ものとしてAU079897及びBE535118を得
た。これらは互いにオーバーラップしており、それぞれ
開始コドンを含む5’側と終止コドンを含む3’領域を
含んでおり、これらをつなぎ合わせた配列はHELO1
と高相同な299アミノ酸をコードしていた。このマウ
スの遺伝子情報から、PCRに使用するプライマーの設
計を行った。PCRに使用するプライマーの例として、
プライマーF1及びプライマーR1(それぞれの塩基配
列は、配列表の配列番号2、3参照)を用いることが出
来る。プライマーF1にはAAGCTTの制限酵素Hi
ndIII開裂部位及びATGの開始コドンを含み、プラ
イマーR1にはTCTAGAの制限酵素XbaIによる
開裂部位及び終止コドンTCAを含んでいる。プライマ
ーF1及びR1を用いてラット肝cDNAライブラリー
(Takara 社製)をテンプレートとして、PCR
を行い、プライマーF1及びR1に挟まれた増幅産物
(rELO1)を得て、塩基配列の決定した。
【0015】該遺伝子(rELO1)は、900bpか
らなるオープンリーディングフレームを含み、299ア
ミノ酸をコードしており、その全塩基配列及び推定アミ
ノ酸配列を配列表の配列番号1にそれぞれ示した。該遺
伝子(rELO1)の推定アミノ酸配列についてヒト
(HELO1)、線虫(Caenohabditis elegans, Cele;
F56H11.4)及び糸状菌(Mortierella alpina, Malp;GLE
LO)の脂肪酸鎖長延長酵素との比較した。 いずれのア
ミノ酸配列においても不飽和化酵素において見出された
タイプのヒスチジンクラスター(HXXHH)が1ヶ所
保存されていた。
【0016】該遺伝子(rELO1)のオープンリーデ
ィングフレームを含むDNA断片を酵母内発現ベクター
pYES2(INVITROGEN社製)に挿入し、r
ELO1の酵母内染色体外発現用プラスミドを構築し
た。該酵素遺伝子の染色体内組み込み発現ベクターによ
り、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cere
visiae )INVSc1(his3,leu2,trp1,ura3)(INVITR
OGEN社製)などの酵母に導入し組換えた酵母を常法
により培養する。すなわち、YPD培地を用いて、28
℃で2日間振とう培養を行い、培地にイコサペンタエン
酸を添加した結果、以下の操作により酵母菌体内にDP
A(n−3)の蓄積することが確認された。終濃度 2
% となるようにガラクトースを添加して発現誘導さ
せ、28時間培養を続けた後、細胞を回収した。細胞を
蒸留水で洗浄した後、クロロフォルム−メタノール
(2:1,v/v)を加えて脂質を抽出した。クロロフ
ォルム層に10% 塩酸−メタノールを加えて 60
℃、3時間処理することにより、脂肪酸をメチルエステ
ル化した。
【0017】前記脂肪酸メチルエステルをヘキサン抽出
後、ガスクロマトグラフィー (Shimadzu G
C−17A、カラム TC−70)により、脂肪酸組成
を分析した。GC−MS分析はGC mate(JEO
L) を用いて、70eVにおけるEI−MSにより行
った。 その結果、該遺伝子(rELO1)のオープン
リーディングフレームを含むDNA断片を酵母内発現ベ
クターに挿入し、まず、基質脂肪酸を添加しない条件で
酵母発現に供したところパルミトオレイン酸の鎖長延長
産物であるC18:1n−7の生成が認められた。γ−
リノレン酸(GLA)あるいはアラキドン酸の存在下で
は、それぞれジホモ−γ−リノレン酸(DGLA)及び
ドコサテトラエン酸に対応するピークの生成が認められ
た。
【0018】イコサペンタエン酸の存在下で該遺伝子
(rELO1)の酵母内発現を行った結果、目的物質で
あるn−3系ドコサペンタエン酸を51.6%の変換率
で生成することが出来た(図1)。その他、α−リノレ
ン酸、n−3オクタデカテトラエン酸、DGLAについ
ても鎖長延長が認められ、これらの基質脂肪酸の変換率
を表1に示した。 ミード酸(C20:3n−9)及び
n−6ドコサテトラエン酸(C22:4n−6)につい
ては基質脂肪酸として添加しても、鎖長延長は認められ
なかった。
【0019】表1に遺伝子(rELO1)発現酵素の基
質特異性をまとめた。
【0020】
【表1】
【0021】*変換率=%生成脂肪酸/(%生成脂肪酸
+%基質脂肪酸)×100、 3回の平均値を示す。
【0022】ラット肝cDNAライブラリーからクロー
ニングされた該遺伝子(rELO1)は脂肪酸鎖長延長
酵素をコードしており、該遺伝子(rELO1)の産生
する酵素は、脂肪酸の鎖長延長を行いイコサペンタエン
酸からn−3系ドコサペンタエン酸への変換する機能を
持つ酵素である。
【0023】本発明において、該酵素遺伝子の活性発現
のため宿主細胞における発現用ベクターとして、例え
ば、該遺伝子(rELO1)を宿主細胞への組み込み
に、染色体外組み込みプラスミド、例えば、酵母発現用
プラスミドpYES2/rELO1により形質転換され
てなる形質転換体を用いる。すなわち、該酵素遺伝子の
活性発現のため、宿主細胞における発現用ベクターの一
例として構築した酵母サッカロミセス・セレビシエ(Sa
ccharomyces cerevisiae )の染色体外発現用プラスミ
ドpYES2/rELO1(6.8kb)は図2で示さ
れる。該プラスミドの酵母サッカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)への組み込みはURA3
マーカーにより選択される。遺伝子発現は.GAL1プ
ロモーター(PGAL1)及びCYC1ターミネーター
(TCYC1)により制御され、ガラクトースにより誘
導される。
【0024】該プラスミド(pYES2/rELO1)
の酵母へのトランスフォーメーションは次のようにして
行うのがよい。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharo
myces cerevisiae )INVSc1(his3,leu2,trp1,ura3)(I
NVITROGEN社製)などの酵母を、常法により培
養する。すなわち、YPD培地を用いて、28℃で2日
間浸透培養を行った。得られた培養液について、遠心分
離を繰り返して精製した後、酢酸リチウム/PEG溶液
と上記のプラスミドベクターpYES2/rELO1溶
液とを加え、良く混合した後、再び培養する。培養は十
分に乾かしたSD培地にて28℃で3〜4日の条件で行
うのがよい。
【0025】本発明における、該遺伝子(rELO1)
を宿主細胞への組み込みに、染色体内組み込みプラスミ
ド、例えば、酵母発現用プラスミドpMO3/rELO
1により形質転換される。すなわち、該酵素遺伝子の活
性発現のため、宿主細胞における発現用ベクターの一例
として構築した酵母サッカロミセス・セレビシエ(Sacc
haromyces cerevisiae)の染色体内発現用プラスミドp
MO3/rELO1(6.8kb)は図3で示される。
該プラスミドはXhoI部位で制限酵素消化した後、酵
母内に導入すると、δ配列(トランスポゾン)により染
色体DNAにランダムに組み込まれる。酵母発現用プラ
スミドベクターpMO3/rELO1の酵母へのトラン
スフォーメーションはプラスミドベクターpYES2/
rELO1と同様に行い、URA3マーカーにより選択
されるが、染色体に組み込まれた後は選択を必要としな
い。
【0026】本発明においては、該遺伝子の発現のため
の宿主細胞は、真核細胞であればよい。すなわち、上記
のサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevi
siae)の代わりに他の酵母やムコール属(Mucor s
p.)、モルティエレラ属(Mortierella sp.)などの糸
状菌を初め、植物、動物を宿主細胞として用いても、そ
れぞれに適切な条件を選択することにより形質転換をす
ることが可能である。これらの形質転換体を用いる場
合、適切にイコサペンタエン酸を供給し、該遺伝子の発
現条件を整えることによりイコサペンタエン酸の炭素鎖
長の延長によるn−3系ドコサペンタエン酸への変換す
ることができる。
【0027】本発明においては、該真核細胞の中でも、
該n−3系ドコサペンタエン酸の製造に係わる形質転換
体作成のための宿主細胞としては酵母を用いることが好
ましい。酵母は真核細胞にして、特に、哺乳類由来の脂
肪酸不飽和化酵素、脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子の発現に
優れた機能を持ち、しかも、該遺伝子の導入された形質
転換体も、該脂肪酸の製造方法についての実施の形態に
おいて記述してあるようにその作成する上での、ベクタ
ープラスミドの構築など従来の知見を多く利用できるほ
か、作成された形質転換体の機能発現における、培養の
し易さ、発現を促進するための培養条件の設定におい
て、n−3系ドコサペンタエン酸の製造のために原料と
なるイコサペンタエン酸添加条件の設定を行う上での簡
便さにおいて優れた機能を有している。
【0028】本発明においては、該酵母の中でも、該n
−3系ドコサペンタエン酸の製造に係わる形質転換体作
成のための宿主細胞としてサッカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)又はピキア・パストリス
(Pichia pastoris)を用いることが好ましい。該長酵
素遺伝子の活性発現のため、宿主細胞における発現用ベ
クターの一例として構築した酵母サッカロミセス・セレ
ビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に組み込むため
の、図2で示された染色体外発現用プラスミドpYES
2/rELO1(6.8kb)は、サッカロミセス・セ
レビシエ(Saccharomyces cerevisiae)INVSc1
(his3,leu2,trp1,ura3)(INVITROGEN社
製)などの酵母に組み込まれる。酵母ピキア・パストリ
ス(Pichia pastoris)を宿主細胞とする形質転換体作
成系は、宿主、ベクター系において形質転換体の形質発
現に優れており、菌体の増殖性能に優れ、形質転換体を
用いてのn−3系ドコサペンタエン酸の工業的な製造に
関しては望ましい宿主細胞として利用できる。
【0029】本発明では、前記形質転換体、一例として
形質転換酵母YEL−5株(FERM)を、GY培地、
YM培地あるいは培地組成、グルコース1〜10%好ま
しくは2〜8%、酵母エキス0.1〜3%好ましくは
0.5〜2%、NaNO3 0.05〜0.4%好まし
くは0.1〜0.3%、KH2PO4 0.01〜0.2
%好ましくは0.02〜0.1%、MgSO4・7H2
0.01〜0.2%好ましくは0.02〜0.1%を
水に溶解した培地に培養温度20〜35℃好ましくは2
5〜32℃で培養し、イコサペンタエン酸0.1〜20
0mM好ましくは0.5〜100mMを添加し、当該脂
肪酸を細胞内あるいは細胞外に蓄積させることを特徴と
する。すなわち、該形質転換体を培養するにあたり、培
地の炭素源や窒素源の種類、培養温度、培養時間などの
培養条件については、n−3系ドコサペンタエン酸を多
量に生産するのに最適な条件を適宜選択することが出来
る。
【0030】以下において、本発明を実施例により詳し
く説明する。なお、本発明は実施例のみに限定されるも
のではない。また、実施例で用いた酵素及び試薬は、特
記しない限り宝酒造、シグマ、ナカライテスク、片山化
学又はDifcoの各社から購入した分析レベルおよび
生化学レベルのものを使用した。
【0031】実施例1 ラット脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子のクローニングに関す
る。
【0032】ヒトにおいて同定された脂肪酸鎖長延長酵
素HELO1の全アミノ酸配列(299残基)を参考と
して、これに相同のマウスESTクローンをNCBIデ
ータベースにおいて検索し、高い相同性を示すものとし
てAU079897及びBE535118を得た。 こ
れらは互いにオーバーラップしており、それぞれ開始コ
ドンを含む5’側と終止コドンを含む3’領域を含んで
おり、これらをつなぎ合わせた配列はHELO1と高相
同な299アミノ酸をコードしていた。このマウスの遺
伝子情報から、以下のプライマーF1及びプライマーR
1を作成した。プライマーF1にはAAGCTTの制限
酵素HindIII開裂部位及びATGの開始コドンを含
み、プライマーR1にはTCTAGAの制限酵素Xba
Iによる開裂部位及び終止コドンTCAを含んでいる。 F1,5’−AGGTAAGCTTATGGAACAT
TTCGATGTCATCT−3’ (配列番号
2) (斜字体はHindIII部位、下線は開始コドン) R1,5’−CTCTCTAGATCAATCCTTT
CGCTGCTTCCTGGG−3’ (配列番号
3) (斜字体はXba I部位、下線は終止コドン)
【0033】これらを用いてラット肝cDNAライブラ
リー(Takara社製)をテンプレートとしてPCRを行っ
た。このとき、ポリメラーゼとして高fidelityでTdT
(末端核酸付加酵素)活性のないKOD−plus(T
OYOBO製)を用いた。反応混合液組成は以下の通り
である。
【0034】
【表2】
【0035】PCRの反応条件は94℃×2minで反
応させた後、94℃×15sec/60℃×30sec
/68℃×1minを1サイクルとして35回繰り返す
ことで行った。反応液をアガロースゲル電気永動にか
け、染色後、紫外線照射して一つのバンドを確認した。
その結果得られた増幅断片(rELO1)をpYES2
(INVITROGEN社製)の対応部位に挿入し形質
転換体を作成し、ダイターミネーター法により塩基配列
を決定した。
【0036】以下にその具体的な実施方法を例記する。 (1)アガロースゲルからのDNA断片の抽出 UVトランスイルミネーターで確認した目的のDNA断
片を、アガロースゲルより切り出し、CONCERT
Rapid Gel Extraction System(GIBCOBRL社
製)およびQIAEX II Gel Extraction Kit(QI
AGEN社製)の各精製キットを用いて精製を行った。
方法は付属のプロトコールによった。 (2)ベクターへのライゲーション 上記(1)で取得し、精製したフラグメントを、pGE
M−T easy vectorsystem(PROMEGA社製)
と、インサート:ベクター比が1:10となるよう混合
した。混合溶液と等量のLigation High(TOYOBO
社製)を加え、16℃で1時間以上インキュベートし
た。
【0037】(3)コンピテントセルの調製 E.coli DH5αをM9プレートにストリーク
し、コロニーが確認出来るまで37℃で培養した。シン
グルコロニーを掻き取り、100mL(1Lフラスコ)
のSOB培地に懸濁し、18℃で振とう培養した。OD
600=0.4〜0.8に達したとき、培養を終了して
培養液を直ちに氷水中において10分間冷却した。培養
液を4℃で3000rpm、15分間遠心して上清を捨
てた。沈殿を33mLの氷冷Transformation buffer
(TB)に懸濁した後、さらに10分間氷冷した。次い
で、4℃で3000rpm、15分間遠心して菌体を回
収し、4mLの氷冷TBに懸濁した。さらに1mLの5
0%グリセロールを加え、400μLずつ分注し、液体
窒素で凍らせて−80℃で保存した。なお、ここで用い
たTBは、10mM PIPES、15mM CaCl
2・2H2O、250mM KClおよび55mM Mn
Cl2・4H2Oからなるものである。
【0038】(4)大腸菌への形質転換 コンピテント
セルとして調製したE.coli DH5αを、氷上で
融解し、ライゲーション済みのベクター溶液と混合し
た。氷上で5分間インキュベート後、37℃で2分間熱
ショックを与えた後、再び氷上で5分間インキュベート
した。次に、これに滅菌水を900μL加え、1200
0rpmで2分間遠心した。上清を捨て、沈殿を50μ
Lの100mM IPTGに懸濁し、X−Galとアン
ピシリンを含むLBプレート培地にまいた。プレートを
37℃で12時間インキュベートした後、コロニーの有
無の確認を行った。
【0039】(5)ミニスケールでのプラスミド調製 終夜培養した大腸菌液の適量を採取し、9000rpm
で2分間遠心して菌体を回収した。これにSoluti
onIを100μL加えてボルテックス懸濁し、さらに
SolutionIIを200μL加えて溶菌した。氷上
で5分間インキュベートしてから、SolutionII
Iを200μL加えて、ボルテックス後、12000r
pmで10分間遠心した。得られた上清を別のチューブ
に採り、等量のイソプロパノールを加えてアルコール沈
殿にて精製した。なお、ここで用いたSolution
I〜IIIは、以下の組成からなるものである。 SolutionI : 50mM グルコース、25mM Tris-HCl(pH8.
0)、10mM EDTA SolutionII : 0.2N NaOH、1% SDSSolutionIII : 3M K-
acetate、11.5% acetate
【0040】(6)制限酵素消化によるインサートの確
認 各酵素、バッファー、サンプルDNAを以下の組成で混
合した。
【表3】 なお、制限酵素の種類により、バッファーの種類の選
択、Triton X−100、BSAの添加を適宜行
った。また、反応は37℃で行った。
【0041】(7)酵母発現用プラスミドベクターへの
組み込み 上記においてpGEM−T easy vector
(PROMEGA社製)にクローニングされたラット肝
脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子(rELO1)をHindII
IおよびXbaIにより制限酵素消化して切り出し、ア
ガロースゲル電気泳動、ゲル抽出を経て、インサートを
精製した。このインサートを、同じくHindIIIおよ
びXbaI消化後、脱リン酸化処理により精製されたp
YES2のHindIIIおよびXbaI部位にライゲー
ションし、E.coli DH5αに形質転換した。コ
ロニーを終夜液体培養し、プラスミドの少量精製、制限
酵素消化によるインサートチェックおよび正逆判定を行
った。構築されたプラスミドベクターをpYES2/r
ELO1と名付けた。
【0042】ダイターミネーター法による塩基配列の決
定は以下のように行った。DYEnamic ET Terminator Cyc
le Sequencing KIt (Amersham Pharmacia 社製)を用い
てサンプルを調製し、310 Genetic Analyzer(Applied B
iosystems 社製)によって配列を決定した。その結果、
得られたラット肝脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子(rELO
1)は、900bpからなるオープンリーディングフレ
ームを含み、299アミノ酸をコードしており、その全
塩基配列並びにその推定アミノ酸配列はそれぞれ配列表
の配列番号1の通りである。ラット肝脂肪酸鎖長延長酵
素遺伝子(rELO1)の推定アミノ酸配列(配列表の
配列番号1)についてヒト(HELO1)、線虫(Caen
ohabditis elegans,Cele;F56H11.4)及び糸状菌(Mortier
ella alpina, Malp;GLELO)の脂肪酸鎖長延長酵素との
比較した。
【0043】rELO1がHELO1とは極めて高い相
同性(93.0%)を有しているが、線虫(Cele;
F56H11.4)及び糸状菌(Malp;GLEL
O)とは相同性が低いこと(27.3%及び31.4
%)が明らかになった。いずれのアミノ酸配列において
も不飽和化酵素において見出されたタイプのヒスチジン
クラスター(HXXHH)が1ヶ所保存されていた。こ
れらの結果から、この配列表の配列番号1に記載された
塩基配列からなるフラグメントは、脂肪酸鎖長延長酵素
をコードした遺伝子であることが明らかである。
【0044】実施例2 ラット脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子(rELO1)の染色
体外発現用プラスミドベクターの構築に関する。
【0045】酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccha
romyces cerevisiae )の染色体外発現用ベクターpY
ES2(INVITROGEN社製)を用いて、酵母に
おいてラット脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子(rELO1)
の活性を発現させるためのプラスミドベクターを以下の
ように構築した。実施例1で構築した酵母サッカロミセ
ス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae )の染色
体外発現用プラスミドpYES2/rELO1(6.8
kb)は図2で示される。このプラスミドの組み込みは
URA3マーカーにより選択される。遺伝子発現はGA
L1プロモーター(PGAL1)及びCYC1ターミネ
ーター(TCYC1)により制御され、ガラクトースに
より誘導される。
【0046】実施例3 ラット脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子(rELO1)の染色
体内組み込み発現用プラスミドベクターに関する。
【0047】酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccha
romyces cerevisiae )の染色体内組み込み発現用プラ
スミドベクターpMO3(INVITROGEN社製)
を用いて、酵母においてラット脂肪酸鎖長延長酵素遺伝
子(rELO1)の活性を発現させるためのプラスミド
ベクターを以下のように構築した。実施例1と同様にし
て構築した酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccharo
myces cerevisiae )の染色体内組み込み発現用プラス
ミドベクターpMO3/rELO1(7.8kb)は図
3で示される。このプラスミドはXhoI部位で制限酵
素消化した後、酵母内に導入すると、δ配列(トランス
ポゾン)により染色体DNAにランダムに組み込まれ
る。URA3マーカーにより選択されるが、染色体に組
み込まれた後は選択の必要がない。遺伝子発現は、GA
Pプロモーター(PGAP)及びGAPターミネーター
(TGAP)により制御され、構成的に発現される。
【0048】実施例4 ラット脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子(rELO1)の酵母
への形質転換並びに該遺伝子の酵母内での活性発現に関
する。
【0049】rELO1遺伝子染色体外発現プラスミド
ベクター(pYES2/rELO1、図2)を酢酸リチ
ウム法により酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccha
romyces cerevisiae )INVSc1(α/a,his3,leu2,ura3,trp
1)(INVITROGEN社製)に 導入し、形質転
換した。その手順は以下の通りである。YPD液体培地
5mLに、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyce
s cerevisiae )INVSc1株を植菌し、28℃で2
日間振とう培養を行った。YPD液体培地の組成は、グ
ルコース2%、ポリペプトン2%および酵母エキス1%
を含むものである。培養液1mLをチューブに採り、2
000rpmで5分間遠心し、上清を捨てた。沈殿に酢
酸リチウム溶液を1mL加え、良く混合した後、200
0rpmで5分間遠心して、上清を捨てた。
【0050】なお、ここで用いた酢酸リチウム溶液は、
100mM 酢酸リチウム、10mM Tris HC
l(pH7.5)、1mM EDTAからなるものであ
る。次いで、沈殿に酢酸リチウム/PEG溶液200μ
Lとプラスミド溶液5μL(1μg/μL)とを加え、
よく混合した後、混合液を30℃の湯浴で1時間インキ
ュベートした。その後、さらに42℃の湯浴で10分間
インキュベートした。ここで用いた酢酸リチウム/PE
G溶液は、100mM 酢酸リチウム、10mM Tr
is HCl(pH7.5)、1mM EDTAおよび
40%PEG4000からなるものである。続いて、こ
の培養物を、よく乾かしたSD培地にまいて28℃で
3,4日培養した。SD培地の組成は、グルコース2
%、yeast nitrogen-base w/o amino acid 0.7%、
ヒスチジン20μg/mL、ロイシン 60μg/m
L、トリプトファン 40μg/mLである。
【0051】以下、酵母での脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子
の活性発現について記述する。上記SD培地上に現れた
コロニーを掻き取り、5mLのSCT培地(選択培地)
にて28℃で一晩前培養を行った。なお、SCT培地の
組成は、ラフィノース4%、yeast nitrogen-base w/o
amino acid 0.7%、界面活性剤(商品名:terg
itol)1%、ヒスチジン20μg/mL、ロイシン
60μg/mL、トリプトファン40μg/mLであ
る。SCT培地に、リノール酸(C18:2n−6)、
α−リノレン酸(C18:3n−3)、γ−リノレン酸
(C18:3n−6)、n−3オクタデカテトラエン酸
(C18:4n−3)、ジホモ−γ−リノレン酸(C2
0:3n−6)、ミード酸(C20:3n−9)、アラ
キドン酸(C20:4n−6)、イコサペンタエン酸
(C20:5n−3)およびn−6ドコサテトラエン酸
(C20:4n−6)のうちのいずれかを基質として1
mM添加したものを各45mLを用意した。これら9つ
のSCT培地および脂肪酸を加えない培地それぞれに、
前培養液を菌数が2×105/mLとなるように植菌
し、28℃で振とうしながらガラクトースを添加し、さ
らに16時間培養した。
【0052】培養終了後、培養液を50mL容コニカル
チューブに移し、2000rpmで5分間遠心して上清
を捨てた。次いで、菌体に滅菌水5mL加えてボルテッ
クスし、再び2000rpmで5分間遠心し上清を捨て
た。菌体からの脂質の抽出は以下のようにして行った。
菌体を1mLの滅菌水に懸濁し、ネジ口試験管に移して
等量のクロロフォルム−メタノール(2:1,v/v)
を加え、ボルテックスし、2000rpmで2分間遠心
した。下層のクロロフォルム層を試験管に取り、クロロ
フォルム層に10% 塩酸−メタノールを加えて60
℃、3時間処理することによりメチルエステル化した。
脂肪酸メチルエステルをヘキサン抽出後、ガスクロマト
グラフィー(Shimadzu GC−17A、カラム
TC−70)により脂肪酸組成を分析した。GC−MS
分析はGC mate(JEOL)を用いて、70eV
におけるEI−MSにより行った。
【0053】その結果、ラット肝脂肪酸鎖長延長酵素遺
伝子(rELO1)のオープンリーディングフレームを
含むDNA断片を酵母内発現ベクターに挿入し、まず、
基質脂肪酸を添加しない条件で酵母発現に供したところ
パルミトオレイン酸の鎖長延長産物であるC18:1n
−7の生成が認められた。このとき、微量ではあるがさ
らに鎖長延長されたC20:1n−7に対応すると思わ
れるピークが9.6minに観察され、これら内在性脂
肪酸に由来する鎖長延長産物は、基質脂肪酸を添加した
場合にも検出された。γ−リノレン酸(GLA)あるい
はアラキドン酸の存在下では、それぞれジホモ−γ−リ
ノレン酸(DGLA)及びドコサテトラエン酸に対応す
るピークの生成が認められた。また、リノール酸存在下
で発現解析を行ったところ、微量であるがその鎖長延長
産物であるC20:2Δ11,14の生成が認められ
た。イコサペンタエン酸の存在下でrELO1の酵母内
発現を行った結果、目的物質であるn−3系ドコサペン
タエン酸を51.6%の変換率で生成することが出来た
(図1)。
【0054】その他、α−リノレン酸、n−3オクタデ
カテトラエン酸、DGLAについても鎖長延長が認めら
れ、これらの基質脂肪酸の変換率を表1に示した。ミー
ド酸(C20:3n−9)及びn−6ドコサテトラエン
酸(C22:4n−6)については基質脂肪酸を添加し
ても鎖長延長は認められなかった(表1)。このことか
らラット肝脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子による形質転換酵
母YEL−5株において、イコサペンタエン酸の存在下
で培養することにより、n−3系ドコサペンタエン酸に
変換され、n−3系ドコサペンタエン酸が生産されるこ
とが確認できた。
【0055】
【発明の効果】本発明によるn−3系ドコサペンタエン
酸の製造方法は、従来その生産技術が存在しないn−3
系ドコサペンタエン酸の工場生産を可能にするものであ
る。また、n−3系ドコサペンタエン酸は高い生理活性
が期待され、その生産物は医薬品、健康食品、特定保健
養食品等の広範な用途が期待される。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の形質転換酵母において導入した脂肪酸
鎖長延長酵素遺伝子(rELO1)の酵母内発現により
生じた脂肪酸のガスクロマトグラフィー(GC)の結果
を示した図である。すなわち、pYES2またはpYE
S2にrELO1遺伝子を挿入したプラスミドを酵母サ
ッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisia
e) に導入してガラクトースによる発現誘導を行い、
細胞内脂肪酸をGC解析した。EPAを基質として添加
し、DPA(n−3)の生成を確認した。EPAはイコ
サペンタエン酸(C20:5n−3)を、DPAはn−
3系ドコサペンタエン酸(C22:5n−3)をそれぞ
れ示している。
【図2】ラット脂肪酸鎖長延長酵素(rELO1)の染
色体外発現用プラスミド (pYES2/rELO1)
を示した図である。図中のPGAL1はGAL1プロモ
ーター、TCYC1はCYC1ターミネーター、URA
3はマーカーを示している。
【図3】ラット脂肪酸鎖長延長酵素rELO1の染色体
内組み込み発現用プラスミド(pMO3/rELO1)
を示した図である。図中のPGAPはGAPプロモータ
ー、TGAPはGAPターミネーター、δはトランスポ
ゾンδ配列、URA3はマーカーを示している。
【0057】
【配列表】 SEQUENCE LISTNG <110> 鈴木 修 <130> 51371 <160> 3 <210> 1 <211> 900 <212> DNA <213> rat liver <400> 1 配列 ATG GAA CAT TTC GAT GCG TCA CTC AGT ACC TAT TTC AGG GCA TTA CTG 48 Met Glu His Phe Asp Ala Ser Leu Ser Thr Tyr Phe Arg Ala Leu Leu 5 10 15 GGC CCC CGA GAC ACA CGA GTC AAA GGA TGG TTT CTT CTG GAC AAT TAC 96 Gly Pro Arg Asp Thr Arg Val Lys Gly Trp Phe Leu Leu Asp Asn Tyr 20 25 30 ATC CCT ACG TTT GTC TGC TCT GCC ATT TAT TTA CTC ATC GTG TGG CTG 144 Ile Pro Thr Phe Val Cys Ser Ala Ile Tyr Leu Leu Ile Val Trp Leu 35 40 45 GGA CCA AAA TAC ATG AAA AAC AGG CAG CCG TTC TCT TGC CGA GGC ATC 192 Gly Pro Lys Tyr Met Lys Asp Arg Gln Pro Phe Ser Cys Arg Gly Ile 50 55 60 CTG GTG GTG TAT AAT CTT GGG CTC ACC CTG CTG TCT CTC TAC ATG TTC 240 Leu Val Val Tyr Asn Leu Gly Leu Thr Leu Leu Ser Leu Tyr Met Phe 65 70 75 80 TAT GAG TTG GTG ACA GGT GTG TGG GAA GGC AAA TAC AAC TTC TTC TGT 288 Tyr Glu Leu Val Thr Gly Val Trp Glu Gly Lys Tyr Asn Phe Phe Cys 85 90 95 CAG GGA ACA CGC AGC GCA GGA GAA TCA GAT ATG AAG GTT ATT CGT GTC 336 Gln Gly Thr Arg Ser Ala Gly Glu Ser Asp Met Lys Val Ile Arg Val 100 105 110 CTC TGG TGG TAC TAC TTT TCC AAA CTC ATA GAA TTC ATG GAC ACC TTT 384 Leu Trp Trp Tyr Tyr Phe Ser Lys Leu Ile Glu Phe Met Asp Thr Phe 115 120 125 TTC TTC ATT CTT CGC AAG AAC AAC CAC CAG ATC ACA GTC CTG CAC GTC 432 Phe Phe Ile Leu Arg Lys Asn Asn His Gln Ile Thr Val Leu His Val 130 135 140 TAC CAC CAT GCC ACT ATG CTC AAC ATC TGG TGG TTT GTC ATG AAC TGG 480 Tyr His His Ala Thr Met Leu Asn Ile Trp Trp Phe Val Met Asn Trp 145 150 155 160 GTT CCC TGC GGC CAT TCG TAC TTC GGT GCG ACG CTC AAC AGC TTC ATC 528 Val Pro Cys Gly His Ser Tyr Phe Gly Ala Thr Leu Asn Ser Phe Ile 165 170 175 CAC GTC CTC ATG TAC TCG TAC TAT GGC CTG TCC TCT GTC CCT TCC ATG 576 His Val Leu Met Tyr Ser Tyr Tyr Gly Leu Ser Ser Val Pro Ser Met 180 185 190 CGT CCC TAC CTC TGG TGG AAA AAG TAC ATC ACT CAG GGG CAG CTG GTC 624 Arg Pro Tyr Leu Trp Trp Lys Lys Tyr Ile Thr Gln Gly Gln Leu Val 195 200 205 CAG TTT GTG CTG ACA ATC ATC CAG ACC AGC TGC GGG GTC ATC TGG CCG 672 Gln Phe Val Leu Thr Ile Ile Gln Thr Ser Cys Gly Val Ile Trp Pro 210 215 220 TGC TCC TTC CCT CTC GGG TGG CTG TAC TTC CAG ATC GGA TAC ATG ATT 720 Cys Ser Phe Pro Leu Gly Trp Leu Tyr Phe Gln Ile Gly Tyr Met Ile 225 230 235 240 TCC CTG ATT GCT CTC TTC ACA AAC TTC TAC ATT CAG ACT TAC AAC AAG 768 Ser Leu Ile Ala Leu Phe Thr Asn Phe Tyr Ile Gln Thr Tyr Asn Lys 245 250 255 AAA GGG GCC TCT CGG AGG AAA GAG CAC CTG AAG GGC CAC CAG AAC GGG 816 Lys Gly Ala Ser Arg Arg Lys Glu His Leu Lys Gly His Gln Asn Gly 260 265 270 TCT ATG ACT GCC GTC AAT GGA CAC ACC AAC AAC TTT GCT TCC CTG GAG 864 Ser Met Thr Ala Val Asn Gly His Thr Asn Asn Phe Ala Ser Leu Glu 275 280 285 AAC AGT GTG ACG TCA AGG AAG CAG CGG AAG GAT TGA 900 Asn Ser Val Thr Ser Arg Lys Gln Arg Lys Asp * 290 295 299 <210> 2 <211> 32 <212> DNA <213> artificial sequence <400> 2 AGGTAAGCTT ATGGAACATT TCGATGTCAT CT 32 <210> 3 <211> 33 <212> DNA <213> artificial sequence <400> 3 CTCTCTAGAT CAATCCTTTC GCTGCTTCCT GGG 33
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:865) C12N 15/00 ZNAA (C12N 1/19 C12R 1:84) (C12P 7/64 C12R 1:865) (C12P 7/64 C12R 1:84) Fターム(参考) 4B024 AA05 BA80 CA04 DA11 EA04 GA11 4B064 AD90 CA19 CC24 DA01 DA10 4B065 AA77X AA80X AA91Y AB01 AC14 BA02 BB10 CA13 CA41 CA44 4H059 BA26 BB05 BB07 BC48

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳類由来の脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子
    を導入して得られた形質転換体を培地に培養する際に、
    該培地にイコサペンタエン酸を添加することにより、該
    イコサペンタエン酸の炭素鎖長を延長してn−3系ドコ
    サペンタエン酸に変換することを特徴とするn−3系ド
    コサペンタエン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子が、哺乳類
    由来の遺伝子あることを特徴とする請求項1に記載のn
    −3系ドコサペンタエン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子が、ラット
    肝cDNAライブラリーよりクローニングされた脂肪酸
    鎖長延長酵素遺伝子であることを特徴とする請求項2に
    記載のn−3系ドコサペンタエン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子が、配列表
    の配列番号1に記載の299のアミノ酸配列をコードす
    る遺伝子であることを特徴とする請求項3に記載のn−
    3系ドコサペンタエン酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 該脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子が、配列表
    の配列番号1に記載の900bpの塩基配列を有する遺
    伝子であることを特徴とする請求項4に記載のn−3系
    ドコサペンタエン酸の製造方法。
  6. 【請求項6】 該形質転換体が、該脂肪酸鎖長延長酵素
    遺伝子の宿主細胞への導入において、染色体外組み込み
    発現プラスミドにより形質転換されてなることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載のn−3系ドコサペ
    ンタエン酸の製造方法。
  7. 【請求項7】 該形質転換体が、該脂肪酸鎖長延長酵素
    遺伝子の宿主細胞への導入において、染色体内組み込み
    発現プラスミドにより形質転換されてなることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載のn−3系ドコサペ
    ンタエン酸の製造方法。
  8. 【請求項8】 該宿主細胞が、真核細胞であることを特
    徴とする請求項6又は7のいずれかに記載のn−3系ド
    コサペンタエン酸の製造方法。
  9. 【請求項9】 該真核細胞が、酵母であることを特徴と
    する請求項8に記載のn−3系ドコサペンタエン酸の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 該酵母が、サッカロミセス・セレビシ
    エ(Saccharomycescerevisiae)又はピキア・パストリ
    ス(Pichia pastoris)であることを特徴とする請求項
    9に記載のn−3系ドコサペンタエン酸の製造方法。
  11. 【請求項11】 該培養を、GY培地、YM培地あるい
    は培地組成、グルコース1〜10%、酵母エキス0.1
    〜3%、NaNO3 0.05〜0.4%、KH2PO4
    0.01〜0.2%、MgSO4・7H2O 0.01
    〜0.2%を水に溶解した培地を用いて培養温度20〜
    35℃で行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれ
    かに記載のn−3系ドコサペンタエン酸の製造方法。
  12. 【請求項12】 該培地に添加する該イコサペンタエン
    酸が、遊離脂肪酸又はそのメチルもしくはエチルエステ
    ルであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに
    記載のn−3系ドコサペンタエン酸の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載のn
    −3系ドコサペンタエン酸の製造方法により得られたn
    −3系ドコサペンタエン酸又はそのエステル。
JP2001315838A 2001-10-12 2001-10-12 n−3系ドコサペンタエン酸の製造方法 Pending JP2003116566A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001315838A JP2003116566A (ja) 2001-10-12 2001-10-12 n−3系ドコサペンタエン酸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001315838A JP2003116566A (ja) 2001-10-12 2001-10-12 n−3系ドコサペンタエン酸の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003116566A true JP2003116566A (ja) 2003-04-22

Family

ID=19133951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001315838A Pending JP2003116566A (ja) 2001-10-12 2001-10-12 n−3系ドコサペンタエン酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003116566A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7807849B2 (en) 2004-04-22 2010-10-05 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US7834250B2 (en) 2004-04-22 2010-11-16 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US8809559B2 (en) 2008-11-18 2014-08-19 Commonwelath Scientific And Industrial Research Organisation Enzymes and methods for producing omega-3 fatty acids
US8816106B2 (en) 2006-08-29 2014-08-26 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of fatty acids
US8816111B2 (en) 2012-06-15 2014-08-26 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid comprising polyunsaturated fatty acids
US9718759B2 (en) 2013-12-18 2017-08-01 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid comprising docosapentaenoic acid
US10005713B2 (en) 2014-06-27 2018-06-26 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid compositions comprising triacylglycerol with long-chain polyunsaturated fatty acids at the sn-2 position

Cited By (39)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9453183B2 (en) 2004-04-22 2016-09-27 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cell
US10781463B2 (en) 2004-04-22 2020-09-22 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US7932438B2 (en) 2004-04-22 2011-04-26 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US8071341B2 (en) 2004-04-22 2011-12-06 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US8106226B2 (en) 2004-04-22 2012-01-31 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US8158392B1 (en) 2004-04-22 2012-04-17 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US8535917B2 (en) 2004-04-22 2013-09-17 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US8575377B2 (en) 2004-04-22 2013-11-05 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cell
US8778644B2 (en) 2004-04-22 2014-07-15 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cell
US10443079B2 (en) 2004-04-22 2019-10-15 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cell
US9963723B2 (en) 2004-04-22 2018-05-08 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US9951357B2 (en) 2004-04-22 2018-04-24 Commonweatlh Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cell
US8853432B2 (en) 2004-04-22 2014-10-07 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cell
US11220698B2 (en) 2004-04-22 2022-01-11 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US7834250B2 (en) 2004-04-22 2010-11-16 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US9994880B2 (en) 2004-04-22 2018-06-12 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cell
US7807849B2 (en) 2004-04-22 2010-10-05 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US9970033B2 (en) 2004-04-22 2018-05-15 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cell
US9458410B2 (en) 2004-04-22 2016-10-04 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cell
US11597953B2 (en) 2004-04-22 2023-03-07 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cells
US9926579B2 (en) 2004-04-22 2018-03-27 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of long-chain polyunsaturated fatty acids by recombinant cell
US8816106B2 (en) 2006-08-29 2014-08-26 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of fatty acids
US10513717B2 (en) 2006-08-29 2019-12-24 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Synthesis of fatty acids
US9938486B2 (en) 2008-11-18 2018-04-10 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Enzymes and methods for producing omega-3 fatty acids
US8809559B2 (en) 2008-11-18 2014-08-19 Commonwelath Scientific And Industrial Research Organisation Enzymes and methods for producing omega-3 fatty acids
US9932289B2 (en) 2012-06-15 2018-04-03 Commonwealth Scientific And Industrial Research Ogranisation Process for producing ethyl esters of polyunsaturated fatty acids
US9556102B2 (en) 2012-06-15 2017-01-31 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Process for producing ethyl esters of polyunsaturated fatty acids
US9550718B2 (en) 2012-06-15 2017-01-24 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid comprising polyunsaturated fatty acids
US8946460B2 (en) 2012-06-15 2015-02-03 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Process for producing polyunsaturated fatty acids in an esterified form
US8816111B2 (en) 2012-06-15 2014-08-26 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid comprising polyunsaturated fatty acids
US10335386B2 (en) 2012-06-15 2019-07-02 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid comprising polyunsaturated fatty acids
US9718759B2 (en) 2013-12-18 2017-08-01 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid comprising docosapentaenoic acid
US10190073B2 (en) 2013-12-18 2019-01-29 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid comprising long chain polyunsaturated fatty acids
US10125084B2 (en) 2013-12-18 2018-11-13 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid comprising docosapentaenoic acid
US10800729B2 (en) 2013-12-18 2020-10-13 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid comprising long chain polyunsaturated fatty acids
US9725399B2 (en) 2013-12-18 2017-08-08 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid comprising long chain polyunsaturated fatty acids
US11623911B2 (en) 2013-12-18 2023-04-11 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid comprising docosapentaenoic acid
US10793507B2 (en) 2014-06-27 2020-10-06 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid compositions comprising triacylglycerol with long-chain polyunsaturated fatty acids at the SN-2 position
US10005713B2 (en) 2014-06-27 2018-06-26 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid compositions comprising triacylglycerol with long-chain polyunsaturated fatty acids at the sn-2 position

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4718477B2 (ja) 油性酵母中において多価不飽和脂肪酸レベルを変更するのに適したδ12デサチュラーゼ
CN100591773C (zh) 在含油酵母中生产多不饱和脂肪酸
JP5656836B2 (ja) 油性生物中の含油量の変更のためのsnf1タンパク質キナーゼ活性の操作
CN101980595B (zh) △4去饱和酶及其在制备多不饱和脂肪酸中的用途
JP2007525969A (ja) 油性酵母における遺伝子発現のためのグリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素およびホスホグリセリン酸ムターゼプロモーター
JP2007504838A (ja) 油性酵母菌における多不飽和脂肪酸生産のためのコドン最適化遺伝子
CA2523786A1 (en) A .delta.-12 desaturase gene suitable for altering levels of polyunsaturated fatty acids in oleaginous yeasts
CN103080305B (zh) 酵母由木质纤维素和甘油生产生物柴油
US20110244512A1 (en) Pentose phosphate pathway upregulation to increase production of non-native products of interest in transgenic microorganisms
WO2012043826A9 (ja) ストラメノパイルの形質転換方法
WO2020119634A1 (zh) 一种产十八碳四烯酸卷枝毛霉细胞工厂的构建及其发酵技术
US6448055B1 (en) Δ9-desaturase gene
WO2009046248A1 (en) Peroxisome biogenesis factor protein (pex) disruptions for altering the content of polyunsaturated fatty acids and the total lipid content in oleaginous eukaryotic organisms
JP2003116566A (ja) n−3系ドコサペンタエン酸の製造方法
CN104321424A (zh) 在转基因耶氏酵母属中表达胞浆苹果酸酶以提高脂质产量
KR20180097745A (ko) 트라이아실글리세롤의 부분 효소적 가수 분해
JP5278891B2 (ja) 高度不飽和脂肪酸の生産蓄積性を有する形質転換微生物
JP2013529912A (ja) 粘液細菌からの遺伝子集団の異種発現による脂肪酸の生産
JP2008073030A (ja) 脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子及びその利用
WO2015005466A1 (ja) エイコサペンタエン酸を高含有する脂質の生産方法
JP2014045740A (ja) 外来不飽和化酵素遺伝子導入による脂質生産微生物での高度不飽和脂肪酸の生産
Shi et al. Identification and characterization of a novel C20-elongase gene from the marine microalgae, Pavlova viridis, and its use for the reconstitution of two pathways of long-chain polyunsatured fatty acids biosynthesis in Saccharomyces cerevisiae
CN102373229B (zh) 油脂酵母δ12和δ15双功能脂肪酸去饱和酶基因及其克隆方法
CN100487121C (zh) 毕赤酵母ω3-脂肪酸脱氢酶的核苷酸序列及其应用
CN101724637B (zh) 球等鞭金藻δ9延长酶的核苷酸序列及其应用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041012

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20050517