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JP2003189848A - 動物細胞培養用ビーズ - Google Patents

動物細胞培養用ビーズ

Info

Publication number
JP2003189848A
JP2003189848A JP2002298832A JP2002298832A JP2003189848A JP 2003189848 A JP2003189848 A JP 2003189848A JP 2002298832 A JP2002298832 A JP 2002298832A JP 2002298832 A JP2002298832 A JP 2002298832A JP 2003189848 A JP2003189848 A JP 2003189848A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequence
beads
arg
polypeptide
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002298832A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Osumi
辰也 大隅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP2002298832A priority Critical patent/JP2003189848A/ja
Publication of JP2003189848A publication Critical patent/JP2003189848A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動物細胞の接着性及び増殖性が高く、特に無
血清培地でも効率的に培養できる動物細胞培養用ビーズ
を提供すること。 【解決手段】 微粒子(B)の表面に、細胞接着シグナ
ルを現す最小アミノ酸配列を1分子中に少なくとも1個
有するポリペプチド(P)を配してなり、(P)の含有
量が(B)の表面積1cm2当り0.1〜100μgで
あることを特徴とする動物細胞培養用ビーズを用いる。
なお、(B)の体積平均粒子径は50〜250μmが好
ましい。また、(B)の真比重は1.01〜1.05g
/cm 3が好ましい。また、(B)は少なくともスチレ
ン及び多官能性モノマーを構成単位としてなることが好
ましい。また、ポリペプチド(P)の細胞接着シグナル
を現す最小アミノ酸配列の数は、(P)1分子中に3〜
50個が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動物細胞培養用ビ
ーズに関する。さらに詳しくは、細胞の接着・増殖性が
高く、特に、無血清培地を用いても、血清含有培地と同
等以上の接着・増殖性を与える動物細胞培養用ビーズに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】アミノ酸3文字表記で現されるArg Gly
Asp配列を有する遺伝子組換えペプチドであるプロネク
チンF(以下、PnFと略する。)やポリ−L−リジン
をコートした樹脂ビーズに対する細胞接着性を、0.5
%の血清を含有した培地を使用して研究発表されている
(非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】バラニ(J.Varani),インマン(D.R.I
nman),フリギール(S.E.G.Fligiel),ヒリガス(W.
J.Hillegas)、サイトテクノロジー(Cytotechnology)
13,1993年、89-98頁
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この研究発表におい
て、PnFを0.005μg/cm2あるいは0.025
μg/cm2コートした場合、コートしない場合のそれ
ぞれ3倍又は5倍の細胞接着性を示すが、接着・増殖性
がさらに高いものが強く要望されている。一方、同研究
発表で、ポリ−L−リジンを0.5μg/cm2コートし
た場合に、コートしない場合の約41倍の細胞接着性を
示すが、この場合、細胞の伸展が遅いという問題と、ポ
リ−L−リジンには毒性があるという問題がある。 す
なわち、本発明の目的は、動物細胞の接着性及び増殖性
が高く、特に無血清培地でも効率的に培養できる動物細
胞培養用ビーズを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ね、特定のポリペプチドを0.1μg/cm2以上で
コートした樹脂ビーズを用いることにより劇的に細胞接
着性及び増殖性が高くなることを見いだし本発明に到達
した。すなわち、本発明の動物細胞培養用ビーズの特徴
は、微粒子(B)の表面に、細胞接着シグナルを現す最
小アミノ酸配列を1分子中に少なくとも1個有するポリ
ペプチド(P)を配してなり、(P)の含有量が(B)
の表面積1cm2当り0.1〜100μgである点にあ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】まず、微粒子(B)について説明
する。微粒子(B)は、水不溶性であればいかなる材質
も使用可能であるが、成型性や細胞毒性が低いという点
で好ましいものを列記すると、ビニル樹脂{ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド架橋体(アクリルアミドとエチ
レングリコールジアクリレートとの共重合体等)、ポリ
メチル(メタ)アクリレート及びポリ(メタ)アクリロ
ニトリル等}、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ
樹脂、ナイロン及びポリカーボネート等の合成高分子を
主成分とするもの、セルロース、セルロース誘導体(セ
ルロースジアセテート及びセルローストリアセテート
等)、架橋コラーゲン、架橋ゼラチン、架橋キチン及び
デキストラン等の天然高分子を主成分とするもの、並び
に酸化アルミニウム、ハイドロキシアパタイト、酸化チ
タン、シリカ及びガラス等の無機物を主成分とするもの
等が挙げられる。なお、水不溶性とは、37℃の水(電
気伝導度1ジーメンス未満のイオン交換水)に対する溶
解度が1g/100g未満のものをいう。イオン交換水
に対する溶解度は、次のようにして求められる。100
gのイオン交換水(電気伝導度1ジーメンス未満)に、
過剰の(B)を加え、37℃で24時間攪拌し完全に飽
和させる。次に孔径10μmのメンブランフィルターで
ろ過して得られるろ液を100℃で蒸発させてその残渣
を測定することにより求められる。
【0007】これらの中で、細胞との親和性が良いとい
う点で、合成高分子を主成分とするもの、天然高分子を
主成分とするもの及びハイドロキシアパタイトが好まし
く、さらに好ましくは合成高分子を主成分とするもの及
び天然高分子を主成分とするもの、特に好ましくは合成
高分子を主成分とするもの、最も好ましくはビニル樹脂
を主成分とするものである。ビニル樹脂としては、スチ
レン及び多官能性モノマーを構成単位としてなるポリス
チレン、メチル(メタ)アクリレート及び多官能性モノ
マーを構成単位としてなるポリメチル(メタ)アクリレ
ート、並びに(メタ)アクリルアミド及び多官能性モノ
マーを構成単位としてなるポリ(メタ)アクリルアミド
等が挙げられ、これらの中で、スチレン及び多官能性モ
ノマーを構成単位としてなるポリスチレンが望ましい。
多官能性モノマーとしては、細胞毒性が低くスチレンと
共重合しうるモノマーであれば制限なく使用でき、2〜
4官能のビニル化合物及び(メタ)アクリロイル化合物
等が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリビニルベンゼン
及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
【0008】ビニル樹脂を主成分とする場合、ビニル樹
脂(ポリスチレンが好ましい)中のビニルモノマー{ス
チレン、メチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アク
リルアミド等}単位の含有量は、微粒子(B)の重量に
基づいて、60〜99.9重量%が好ましく、さらに好
ましくは80〜99.5重量%、特に好ましくは90〜
99重量%である。すなわち、この場合、ビニル樹脂中
のビニルモノマー単位の含有量(重量%)は、微粒子
(B)の重量に基づいて、60以上が好ましく、さらに
好ましくは80以上、特に好ましくは90以上であり、
また99.9以下が好ましく、さらに好ましくは99.
5以下、特に好ましくは99以下である。ビニル樹脂
(ポリスチレンが好ましい)中の多官能性モノマー単位
の含有量は、微粒子(B)の重量に基づいて、0.1〜
40重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜20
重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。すなわ
ち、多官能モノマー単位の含有量(重量%)は、微粒子
(B)の重量に基づいて、0.1以上が好ましく、さら
に好ましくは0.5以上、特に好ましくは1以上であ
り、また40以下が好ましく、さらに好ましくは20以
下、特に好ましくは10以下である。
【0009】微粒子(B)の形態には中実型と多孔質型
があるが、本発明においては特に制限はなく、中実型で
も多孔質型でも使用できる。これらのうち、通常の培養
方法でも細胞に対する栄養や酸素の供給が効率よく行
え、細胞の回収率が高くできるという点において、中実
型が好ましい。また、微粒子(B)の形状としては、細
胞が接着できる表面積が大きくなるという点で、針状、
板状又は直方体状等は好ましくなく、すなわち球状が好
ましく、特に真球状に近い方が好ましい。
【0010】微粒子(B)の形態が中実型の場合、
(B)の体積平均粒子径は、20〜1000μmが好ま
しく、さらに好ましくは40〜500μm、特に好まし
くは50〜250μmである。すなわち、この場合、
(B)の体積平均粒子径(μm)は、20以上が好まし
く、さらに好ましくは40以上、特に好ましくは50以
上であり、また1000以下が好ましく、さらに好まし
くは500以下、特に好ましくは250以下である。体
積平均粒子径がこの範囲内であると、細胞の接着のしや
すさと単位体積当りの有効表面積のバランスが取れてお
り、特に50〜250μmの範囲であると、その傾向が
顕著である。また、粒子径(μm)は、15〜1500
が好ましく、さらに好ましくは30〜600、特に好ま
しくは40〜300である。すなわち、粒子径(μm)
は、15以上が好ましく、さらに好ましくは30以上、
特に好ましくは40以上であり、また1500μm以下
が好ましく、さらに好ましくは600μm以下、特に好
ましくは300μm以下である。微粒子(B)の形態が
多孔質型の場合、体積平均粒子径は、50〜20000
μmが好ましく、さらに好ましくは100〜10000
μm、特に好ましくは200〜5000μmである。す
なわち、この場合、体積平均粒子径(μm)は、50以
上が好ましく、さらに好ましくは100以上、特に好ま
しくは200以上であり、また20000以下が好まし
く、さらに好ましくは10000以下、特に好ましくは
5000以下である。また、粒子径(μm)は、30〜
25000が好ましく、さらに好ましくは50〜120
00、特に好ましくは75〜6000である。すなわ
ち、粒子径(μm)は、30以上が好ましく、さらに好
ましくは50以上、特に好ましくは75以上であり、ま
た25000以下が好ましく、さらに好ましくは120
00以下、特に好ましくは6000以下である。
【0011】形態が多孔質型の場合、気孔径は5〜50
0μmが好ましく、さらに好ましくは7〜100μm、
特に好ましくは10〜50μmである。すなわち、この
場合、気孔径(μm)は5以上が好ましく、さらに好ま
しくは7以上、特に好ましくは10以上であり、また5
00以下が好ましく、さらに好ましくは100以下、特
に好ましくは50以下である。なお、体積平均粒径は、
レーザー式粒度分布測定装置(例えば、商品名LA−9
20:堀場製作所製、商品名マルチタイザーIII:コー
ルター社製等)で、水等を分散媒として用いて測定でき
る。また、気孔径は、電子顕微鏡で観察することで測定
できる。
【0012】微粒子(B)の真比重は特に制限はない
が、本発明のビーズの使用方法によって好ましい範囲が
異なる。すなわち、ビーズを培地とともに撹拌しながら
細胞培養するいわゆる懸濁培養法等においては、撹拌中
はビーズは浮遊し、撹拌を止めると沈降することが好ま
しく、微粒子(B)の真比重としては1.00〜1.10
g/cm3が好ましく、さらに好ましくは1.01〜1.
08g/cm3、特に好ましくは1.01〜1.05g
/cm3である。すなわち、微粒子(B)の真比重(g
/cm2)としては、1.00以上が好ましく、さらに好
ましくは1.01以上であり、また1.10以下が好まし
く、さらに好ましくは1.08以下、特に好ましくは
1.05以下である。
【0013】また、ビーズを流動層型バイオリアクター
等の中に流動層として固定して培地を循環しながら細胞
培養するいわゆる灌流培養等においては、ビーズが液流
によって舞い上がらないことが好ましく、微粒子(B)
の真比重としては1.1〜10.0g/cm3が好まし
く、さらに好ましくは1.3〜8.0g/cm3、特に好
ましくは1.5〜3.0g/cm3である。すなわち、
微粒子(B)の真比重(g/cm2)としては1.1以上
が好ましく、さらに好ましくは1.3以上、特に好まし
くは1.5以上であり、また10.0以下が好ましく、
さらに好ましくは8.0以下、特に好ましくは3.0以
下である。なお、灌流培養においても、ビーズをホロー
ファイバー等に充填された状態で固定して培地を循環し
ながら培養する場合には、微粒子(B)の真比重は特に
規定されない。
【0014】微粒子(B)の製造方法については特に制
限はなく、従来から公知の方法等が適用できる。合成高
分子を主成分とする場合、微粒子(B)の水性分散液
を、例えば、懸濁重合法又は乳化重合法で直接得る
か、バルク重合又は溶液重合後に転相乳化法又は貧溶
媒添加法で得るかした後、(B)の水性分散液を遠心分
離又はろ過により(B)を製造する方法や、バルク重
合又は溶液重合で得られた重合体(溶液)をスプレードラ
イすることによって(B)を製造する方法(大津隆行,
木下雅悦著「高分子化学合成の実験法」化学同人,19
72年)等が挙げられる。なお、溶液重合品をスプレー
ドライすることによって、多孔質型のビーズが得られ
る。
【0015】ビニル樹脂を主成分とする場合はいずれの
方法も適用できるが、特にポリスチレンを効率良く合成
できるという点で懸濁重合による方法が好ましい。例え
ば、ビニル樹脂であるスチレンと多官能モノマーからな
るビーズは、ポリビニルアルコール[例えば、(株)ク
ラレ製、商品名:PVA35P]を分散剤として用い
(例えばモノマー全量に対して0.4重量%)、例えば
スチレンとジビニルベンゼンの混合モノマー(例えばス
チレン/ジビニルベンゼン=98/2重量比)を、例え
ばモノマー30重量部に対して70重量部の水に分散さ
せ、重合開始剤[例えば、日本化薬(株)製ベンゾイル
パーオキシド)を例えばモノマー全量に対して3重量%
加えた後、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃で7時間
反応後、ろ過,乾燥(例えば80℃で10時間),篩い
分け{例えば、目開き106μm金属製網篩(JIS
Z8801−1987)を通り、目開き75μm金属製
網篩(JIS Z8801−1987)に残るもの選
別}することによって、得られる。
【0016】ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹
脂、ナイロン及びポリカーボネートを主成分とする場合
は、乳化重合による方法以外の方法が適用できるが、懸
濁重合による方法および転相乳化による方法が好まし
い。天然高分子を主成分とするものは、その溶液を用
いて転相乳化法又は貧溶媒添加法で水性分散体を得た
後、これを遠心分離又はろ過により微粒子(B)を製造
する方法や、その溶液をスプレードライすることによ
って製造することができる。なお、スプレードライする
ことによって多孔質型のビーズが得られる。
【0017】無機化合物を主成分とするものは、市販品
をそのまま又は篩い分けを行った後に使用できる。市販
品としては、例えば、酸化アルミナとして昭和電工(株)
製又は住友化学(株)製の活性アルミナ、ハイドロキシア
パタイトとして富山製薬(株)製又は京セラ(株)製のハイ
ドロキシアパタイト粉末、酸化チタンとして石原産業
(株)製又はチタン工業(株)製の酸化チタン粉末、シリカ
として東海化学(株)製のシリカ粉末、及びガラスとして
日本板硝子(株)製のガラス粉末がそれぞれ挙げられる。
【0018】また、細胞培養用ビーズとして市販されて
いるビーズも使用可能である。市販品としては、例え
ば、ポリスチレン製として、ナルジェヌンク社製の商品
名バイオシロン(Biosilon)、ソロヒル社製の商品名プ
ラスチックビーズ(Plastic beads)及びラックス社製
の商品名サイトスフェア(Cytosphere);ポリアクリルア
ミド製としてバイオラッド(株)製の商品名バイオキャリ
ア(Biocarrier);ポリウレタン製としてイノアック(株)
製の商品名PUF;セルロース製としてバイオマテリア
ル(株)製の商品名セルスノウ(Cellsnow);コラーゲン製
としてべラックス社製の商品名べラックス(Verax);
ゼラチン製として東洋紡績(株)製の商品名カルチスフェ
アー(Cultispher);デキストラン製としてアムシャム
ファルマシア社製の商品名サイトデックス(Cytode
x);並びにガラス製としてスコット社製の商品名シラ
ン(SIRAN)等が挙げられる。
【0019】細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配
列を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド
(P)について説明する。細胞接着シグナルを現わす最
小アミノ酸配列としては、接着シグナルとして働くもの
であればいずれも使用でき、例えば、株式会社永井出版
発行「病態生理」Vol.9、No.7(1990)5
27頁に記載されているもの等が使用できる。
【0020】これらのうち、接着する細胞の種類が多い
という点で、Arg Gly Asp配列、LeuAsp Val配列、Arg G
lu Asp Val配列(1)、Tyr Ile Gly Ser Arg配列
(2)、Pro Asp Ser Gly Arg配列(3)、Arg Tyr Val
Val Leu Pro Arg配列(4)、Leu Gly Thr Ile Pro Gl
y配列(5)、Arg Asn Ile Ala Glu Ile Ile Lys Asp I
le配列(6)、Ile Lys Val Ala Val配列(7)、Leu A
rg Glu配列、Asp Gly GluAla配列(8)及びHis Ala Va
l配列からなる群から選ばれる少なくとも1種の配列が
好ましく、さらに好ましくはArg Gly Asp配列、Ile Lys
Val Ala Val配列(7)及びHis Ala Val配列からなる
群から選ばれる少なくとも1種の配列である。なお、ア
ミノ酸配列はアミノ酸3文字表記で現わし、( )内に
アミノ酸配列表に対応する配列番号を付記した。
【0021】ポリペプチド(P)中には前記最小アミノ
酸配列が1分子中に少なくとも1個含有される必要があ
る。前記最小アミノ酸配列があると、細胞接着活性が高
まり、本来の機能を維持した状態で動物細胞の増殖を促
進することが可能となる。一方、前記最小アミノ酸配列
が含有されない場合、細胞接着性が低下する結果、特に
無血清培地を用いる場合に細胞の増殖が不十分になる。
【0022】この最小アミノ酸配列の含有量は、細胞接
着・増殖性の観点から、1分子中3〜50個が好まし
く、さらに好ましくは5〜40個、特に好ましくは10
〜30個である。含有量がこの範囲であると、細胞接着
活性がさらに高まり、本来の機能を維持した状態で動物
細胞の増殖を促進することが容易となりやすい傾向にあ
る。
【0023】ポリペプチド(P)の数平均分子量(M
n)は、細胞に対する毒性が低く、接着性能が高いとい
う点で、5,000〜5,000,000が好ましく、
さらに好ましくは10,000〜1,000,000、
特に好ましくは50,000〜500,000である。
なお、ポリペプチド(P)の数平均分子量(Mn)は、
SDS−PAGE法(Naドデシルスルフェイト−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法)で、(P)を水中で展
開し、泳動距離を標準物質と比較することによって求め
られる。
【0024】ポリペプチド(P)は、細胞接着シグナル
を現わす最小アミノ酸配列以外に、(P)の熱安定性が
高まるアミノ酸配列、例えばシルクフィブロイン由来の
GlyAla Gly Ala Gly Ser配列(9)を少なくとも2個有
することが好ましく、このアミノ酸配列を3個以上有す
ることがさらに好ましく、5〜30個有することが特に
好ましい。
【0025】ポリペプチド(P)としては、例えば、
(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)9配列(10)とArg Gly
Asp配列とを有するポリペプチド、(Gly Ala Gly Ala G
ly Ser)9配列(10)とTyr Ile Gly Ser Arg配列
(2)とを有するポリペプチド、(Gly Ala Pro (Gly P
ro Pro)42配列(11)とArg Gly Asp配列とを有する
ポリペプチド、(Gly Ala Pro (Gly Pro Pro)42配列
(11)とTyr Ile Gly Ser Arg配列(2)とを有する
ポリペプチド、及び(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)9配列
(10)とIle Lys Val Ala Val配列(7)とを有する
ポリペプチド(特表平3−502935号公報)等が挙
げられる。
【0026】ポリペプチド(P)として市場から入手で
きるものとしては、例えば、三洋化成工業(株)製プロ
ネクチンF(遺伝子組替大腸菌により製造され、1分子
中にArg Gly Asp配列と(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)9
配列(10)とを各々約13個有する数平均分子量約1
1万のポリペプチド)、同プロネクチンFプラス(プロ
ネクチンFをジメチルアミノエチルクロライドと反応さ
せて水溶性にしたもの)、同プロネクチンL(遺伝子組
替大腸菌により製造され、1分子中にIle LysVal Ala V
al配列(7)と(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)9配列(1
0)とを各々約7個有する数平均分子量約9万のポリペ
プチド)等が挙げられる。
【0027】また、宝酒造(株)製RetroNect
in(リコンビナントヒトフィブロネクチンCH−29
6){ヒトフィブロネクチン細胞接着シグナルであるC
S1シグナルと細胞接着ドメインTypeIII及びヘ
パリン結合ドメインIIを1つずつ有する数平均分子量
約6万のポリペプチド}(Leu Asp Val配列を約1個含
有)、同RGDS−Protein A{Arg Gly Asp
配列をProtein A(IgG結合ドメイン)に挿
入した数平均分子量約3万のポリペプチド}(ArgGly A
sp配列を約1個含有)もポリペプチド(P)として使用
可能である。
【0028】ポリペプチド(P)の製造方法は特に制限
されず、ペプチドを合成する従来既知の方法と同様にし
て製造することができ、例えば、有機合成法(固相合成
法、液相合成法等)及び生化学的合成法[遺伝子組換微
生物(酵母、細菌、大腸菌等)]等によって合成するこ
とができる。有機合成法に関しては、例えば、日本生化
学学会編「続生化学実験講座2、タンパク質の化学
(下)」第641〜694頁(昭和62年5月20日;
株式会社東京化学同人発行)に記載されている方法等が
用いられる。
【0029】生化学的合成法に関しては、例えば、特表
平3−502935号公報に記載されている方法等が用
いられる。高分子量の(P)を容易に合成できる点で、
遺伝子組換微生物による生化学的合成法が好ましく、特
に好ましくは遺伝子組換大腸菌を用いて合成する方法で
ある。
【0030】本発明のビーズは、細胞接着シグナルを現
す最小アミノ酸配列を1分子中に少なくとも1個有する
ポリペプチド(P)を、微粒子(B)の表面に、(B)
の平均表面積1cm2当り、0.1〜100μg含有して
おり、好ましくは0.2〜50μg、さらに好ましくは
0.3〜10μgの範囲で含有している。すなわち、ポ
リペプチド(P)の含有量(μg)は、微粒子(B)の
平均表面積1cm2当り、0.1以上であり、好ましくは
0.2以上、さらに好ましくは0.3以上であり、ま
た、100以下であり、好ましくは50以下、さらに好
ましくは10以下である。ポリペプチド(P)の含有量
が、0.1μg/cm2未満である場合、(P)を含ま
ない場合よりも細胞の接着・増殖性は高くなるものの、
その効果は不十分であり、(P)の含有量が100μg
/cm2を超える場合、効果は低下しないものの非経済
的である。なお、(P)の含有量は、通常のタンパク量
測定試薬(例えば、ピアスケミカル社製BCA蛋白試薬
等)で測定することができる。微粒子(B)の平均表面
積は、次のようにして求める。レーザー式粒度分布測定
装置(例えば、商品名:LA−920(堀場製作所製)
及びマルチタイザーIII(コールター社製)等)で、
水を分散媒として(B)の体積平均粒子径[φ(μ
m)]を測定する。一方、比重の異なる液体(食塩水
等)に、それぞれ微粒子(B)を加えて、(B)の浮遊
する液を見いだすことにより、その液体の比重を(B)
の比重(d)とする。そして、微粒子(B)の平均表面
積は、(B)を真球状と擬制することにより、これらの
体積平均粒子径(φ)及び比重(d)から、式{表面積
(cm2/g)=[4×π×(φ/2/10000)2
/[4/3×π×(φ/2/10000)3×d]}か
ら算出される。なお、鱗片状、棒状、直方体及び板状等
の球状でないもの、表面に凹凸を有するもの(例えば凹
凸の差が0.1mmを超えるもの)及び多孔質のもの
(上記の方法ででは計算できないもの)は、比表面積計
(例えば、QUANTASORB(ユアサアイオニクス
製)を用いて測定(測定ガス;He/Kr=99.9/
0.1体積比、検出ガス;窒素)することができる。な
お、以上のすべての測定温度は25℃である。
【0031】本発明のビーズを得る方法としては、例え
ば、ポリペプチド(P)を溶媒に溶かした溶液を予め作
製し、その中に微粒子(B)を加え、所定のコーティン
グ時間必要に応じて攪拌した後に余分の溶液を捨て乾燥
させるか、余分の溶液を捨てずに乾燥させる方法等が挙
げられる。
【0032】ポリペプチド(P)の溶液を作製するため
に用いられる溶媒としては特に制限はないが、無機塩、
有機酸塩、アミノ酸、ビタミン、アルコール、脂質・
糖、酸及び/又は塩基を0.1〜50重量%(好ましく
は1〜30重量%)含有する水溶液及び水等が使用でき
る。無機塩としては、ハロゲン化金属塩、硫酸金属塩、
リン酸金属塩、硝酸金属塩、炭酸金属塩及び過ハロゲン
酸金属等が使用でき、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナ
トリウム、リン酸ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸
鉄、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウ
ム、リン酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水
素カリウム、硫酸銅、硫酸鉄、塩化リチウム、臭化ナト
リウム、臭化リチウム過塩素酸ナトリウム及び過塩素酸
リチウム等が挙げられる。
【0033】有機酸塩としては、例えば、蟻酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム及び酒石酸ナトリウ
ム等が挙げられる。アミノ酸としては、例えば、アルギ
ニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニ
ン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、
チロシン、バリン、アラニン、アスパラギン、アスパラ
ギン酸、グルタミン酸、プロリン、セリン及びグリシン
等が挙げられる。ビタミンとしては、例えば、コリン、
イノシトール、ニコチンアミド、グルタミン、ビタミン
A及びビタミンB12等が挙げられる。アルコールとして
は、炭素数1〜4のアルコール等が使用でき、例えば、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール及び
ブタノール等が挙げられる。
【0034】脂質・糖としては、例えば、脂質、単糖、
2糖、オリゴ糖、アミノ糖及び酸性糖等が挙げられる。
酸としては、無機酸及び炭素数1〜6の有機酸等が使用
でき、例えば、塩酸、硝酸、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸、
蟻酸、酒石酸、リンゴ酸、フェノール及びカテコール等
が挙げられる。塩基としては、無機塩基及び炭素数2〜
6の有機塩基等が使用でき、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アンモニア、モノエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン及びトリエチルアミン等が挙
げられる。水としては、蒸留水、イオン交換水、水道水
及びイオン交換蒸留水等が挙げられる。これらの溶媒の
中で、無機塩、酸及び/又は塩基を含有する水溶液及び
水が好ましく、さらに好ましくは無機塩を含有する水溶
液及び水、特に好ましくは無機塩を含有する水溶液であ
る。無機塩のうち、pH緩衝効果のある無機塩(炭酸ナ
トリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、
リン酸カリウム及びリン酸水素カリウム等)を含有する
ものが最も好ましい。
【0035】なお、好ましいpH範囲は、2〜11.5
であり、さらに好ましくは4〜9.5、特に好ましくは
6〜8.5、最も好ましくは7〜7.5である。すなわ
ち、pHは、2以上が好ましく、さらに好ましくは4以
上、特に好ましくは6以上、最も好ましくは7以上であ
り、また11.5以下が好ましく、さらに好ましくは
9.5以下、特に好ましくは8.5以下、最も好ましく
は7.5以下である。好ましい無機塩水溶液としては、
pH7.2に調整されたリン酸水素ナトリウムとリン酸
水素カリウムとの生理食塩水溶液[PBS(−)]等が
挙げられる。ポリペプチド(P)がシルクフィブロイン
由来のGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(9)を含有する
場合、その溶媒溶液の好ましい作成方法としては、該ポ
リペプチドを過塩素酸リチウムあるいは臭化リチウムに
例えば1mg/mLの濃度にまず溶解し、PBS(−)
で20〜200倍に希釈する方法等が挙げられる。
【0036】ポリペプチド(P)の溶液の濃度は、溶媒
1ml当り、0.01μg〜100mgが好ましく、さ
らに好ましくは0.1μg〜10mg、特に好ましくは
1μg〜1mgである。すなわち、ポリペプチド(P)
の溶液の濃度は、溶媒1ml当り、0.01μg以上が
好ましく、さらに好ましくは0.1μg以上、特に好ま
しくは1μg以上であり、また100mg以下が好まし
く、さらに好ましくは10mg以下、特に好ましくは1
mg以下である。コーティング時間としては、用いる培
養基材によっても異なるが、通常30秒〜48時間、好
ましくは1分〜24時間、されに好ましくは3分〜12
時間である。必要に応じて行われる乾燥の条件について
も特に制限はなく、通常の方法が適用でき、例えば、必
要に応じて順風乾燥機や減圧乾燥機などを用いて、0〜
200℃、0.001Pa〜大気圧の圧力下で、1〜1
00時間乾燥することで行える。
【0037】また、必要に応じて行われる乾燥の前又は
後で、無機塩を含有する水溶液又は水で通常の方法で洗
浄することもできる。また、コーティングの後で、必要
に応じて滅菌処理を施してもよい。滅菌方法は特に制限
は無く、例えば、放射線滅菌、エチレンオキサイドガス
滅菌、オートクレーブ滅菌及び乾熱滅菌等が挙げられ
る。
【0038】本発明のビーズを用いて、培養される動物
細胞の種類としては特に制限がなく、ヒト、サル、マウ
ス、ハムスター、ラット及び昆虫等の初代培養細胞や株
化細胞、並びに細胞培養実験、医薬品又はワクチン生産
等に用いられる公知の細胞等が使用できる。具体的には
例えば、Vero(アフリカミドリザル腎)細胞、CH
O(チャイニーズハムスター卵巣)細胞、WI38(ヒ
ト胎児肺)細胞、ヒト由来の幹細胞、内皮細胞、上皮細
胞、実質細胞、線維芽細胞及び角質細胞等が挙げられ
る。これら細胞の中では、無血清培養のニーズが高く、
本発明のビーズの特長が最大限活用される医薬品やワク
チン生産用に用いられる細胞(Vero細胞及びCHO
細胞等)に最適である。
【0039】本発明のビーズを用いて動物細胞を培養す
る方法としては特に制限はなく、通常の方法、例えば、
ビーズを培地とともに撹拌しながら細胞培養するいわゆ
る懸濁培養法、ビーズを流動層型バイオリアクター等の
中に流動層として固定するかあるいはホローファイバー
等の中に固定層として固定して培地を循環しながら細胞
培養するいわゆる灌流培養灌流培養法等を用いることが
できる。本発明のビーズの使用量は、細胞の種類等によ
って異なるが、通常、培地1L当り、0.5〜1000
g、好ましくは1〜100g、さらに好ましくは5〜5
0gである。すなわち、本発明のビーズの使用量(g)
は、培地1L当り、通常0.5以上、好ましくは1以
上、さらに好ましくは5以上であり、また1000以
下、好ましくは100以下、さらに好ましくは50以下
である。
【0040】培地としては、用いる動物細胞の種類に応
じて、MEM培地、BME培地、DME培地、αMEM
培地、IMEM培地、ES培地、DM−160培地、F
isher培地、F12培地、WE培地及びRPMI培
地等、朝倉書店発行「日本組織培養学会編 組織培養の
技術第三版」581頁に記載の基礎培地、これらの培地
に血清成分(ウシ胎児血清等)等を添加したもの、並び
に市販の無血清培地[味の素(株)製無血清培地ASF
103,同ASF104,同ASF301、ギブコ社製
無血清培地CHO−SFM,同VP−SFM等]等が用
いられる。
【0041】血清培地を使用した場合、血清中に成分未
知の蛋白質等が含まれ再現性が得られにくいこと、細胞
を用いる医薬品生産の場合には精製工程が複雑となりコ
ストがかかること、さらにウィルス感染の危険性がある
こと等の理由から、血清を含まないいわゆる無血清培地
が好ましく、特に、本発明のビーズは、無血清培地でも
細胞の接着・増殖性に優れているため、本発明のビーズ
とともに用いる培地としては無血清培地が特に好まし
い。
【0042】さらに必要に応じて、細胞増殖因子(S)
を培地中に含有させることにより、動物細胞の増殖速度
をさらに高めたり、細胞活性を高めたり、細胞が本来有
する機能を発現させたりすることができる。細胞増殖因
子(S)は細胞を増殖させる活性のある物質であり、例
えば、FGF、VEGF、HGF、EGF、PDGF、
IGF及びBMP等が挙げられ、この他に、例えば財団
法人名古屋大学出版会発行「上田実編ティッシュエンジ
ニアリング(1999年)」43〜51頁及び同文献に
付記されている参考文献に記載されているもの等も用い
られる。細胞増殖因子(S)を含有させる場合、この使
用量(mg)としては、培地1L当たり、0.0000
1〜100が好ましく、さらに好ましくは0.0001
〜10、特に好ましくは0.001〜1である。すなわ
ち、この場合、(S)の使用量(mg)は、培地1L当
たり、0.00001以上が好ましく、さらに好ましく
は0.0001以上、特に好ましくは0.001以上で
あり、また、100以下が好ましく、さらに好ましくは
10以下、特に好ましくは1以下である。
【0043】培養条件としては、特に制限はなく、二酸
化炭素(CO2)濃度1〜20体積%、5〜45℃で1
時間〜100日間、必要に応じて1〜7日毎に培地交換
しなら培養すること等が挙げられる。特に好ましい例と
しては、例えば、CO2濃度5体積%、37℃の条件
で、2〜4日毎に培地交換しながら1〜36日間培養す
ることである。
【0044】本発明のビーズは、動物細胞を効率的に接
着・増殖させることができ、無血清培地を好適に使用で
きるため、細胞を用いる医薬品やワクチンの生産用に特
に好適に使用できる。
【0045】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 <実施例1>スチレン99重量%、ジビニルベンゼン1
重量%を懸濁重合して得られたポリスチレンビーズを金
属製網篩(JIS Z8801−1987)で篩い分
け、75〜106μmの間の粒子径を有するビーズを得
た。レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製
作所製)で測定した体積平均粒径は96μm、比重は
1.05であった。このビーズの平均表面積は、上記の
計算式によって595cm 2/gと計算された。
【0046】特表平3−502935号公報中の実施例
記載の方法に準じて、(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)9
列(10)とArg Gly Asp配列とを12個含むMn約1
1万の遺伝子組換え大腸菌の産生蛋白質"SLPF"を作
製した。次いで、SLPFの4.5規定の過塩素酸リチ
ウム水溶液(SLPFの濃度;1mg/ml)をリン酸
バッファー液(PBS)でSLPFの濃度が15μg/
mlとなるように希釈し、SLPF溶液1を作製した。
【0047】SLPF溶液1の25mlに上記で得られ
たビーズを5g加え、ポリフッ化エチレン樹脂(テフロ
ン(登録商標))製撹拌子で12時間撹拌した。得られ
たビーズスラリーを振盪器上にセットしたステンレス製
バットに移し、100℃の熱風を吹きつけながら、24
時間振盪乾燥した。得られた乾燥ビーズをPBS50m
lで2回洗浄し、PBS中で121℃で20分間オート
クレーブ滅菌後、UV照射下に乾燥することで、本発明
のビーズ1を得た。ビーズ1のSLPF含有量を、ビー
ズ1を4.5規定の過塩素酸リチウム溶液50mL中で
24時間撹拌後、過塩素酸リチウム溶液上清中に溶出し
たSLPFの含有量をピアスケミカル社製BCA蛋白試
薬で測定することによって求めた結果、0.1μg/c
2であった。
【0048】<実施例2>SLPF溶液1の代わりに、
SLPFの濃度が45μg/mlのSLPF溶液2を用
いる以外は実施例1と同様にして、本発明のビーズ2を
得た。ビーズ2のSLPF含有量は0.3μg/cm2
であった。
【0049】<実施例3>SLPF溶液1の代わりに、
SLPFの濃度が90μg/mlのSLPF溶液3を用
いる以外は実施例1と同様にして、本発明のビーズ3を
得た。ビーズ3のSLPF含有量は0.7μg/cm2
であった。
【0050】<比較例1>SLPF溶液での処理を行わ
ず、ポリスチレンビーズをそのまま用いて、比較用のビ
ーズ4を得た。
【0051】<比較例2>SLPF溶液1の代わりに、
SLPFの濃度が5.0μg/mlのSLPF溶液4を
用いる以外は実施例1と同様にして、比較用のビーズ5
を得た。ビーズ5のSLPF含有量は0.03μg/c
2であった。
【0052】<比較例3>SLPF溶液1の代わりに、
SLPFの濃度が10.0μg/mlのSLPF溶液5
を用いる以外は実施例1と同様にして、比較用のビーズ
6を得た。ビーズ6のSLPF含有量は0.06μg/
cm2であった。
【0053】<細胞培養>得られたビーズ1〜6を用い
て無血清細胞培養実験を行った。6個の1Lスピナーフ
ラスコに、6gのビーズ1〜6をそれぞれ加え、250
mlの味の素(株)製無血清培地ASF104を加え、
37℃で20分間撹拌下温調後、Vero細胞[大日本
製薬(株)から購入]を細胞濃度:5.0×10 6個/
mLに分散したもの5mlを加え、25rpmで撹拌し
ながら、二酸化炭素と空気の混合物(二酸化炭素/空気
=5/95体積比)中、37℃で3日間培養を行なっ
た。撹拌下ビーズ懸濁液をサンプリングし、細胞核数を
ウィーゼル(Wezel)によるクリスタルバイオレットを
用いた細胞核計数法(nuclei-counting method)で計数
することで、細胞数を測定した。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】 なお、ビーズ1を用いて同様に、味の素(株)製無血清
培地ASF104の代わりに、血清培地(FBS5%含
有DMEM)を用いた場合の細胞数は、70×106
であった。
【0055】この結果をSLPFの含有量を横軸にグラ
フ化すると、図1のようになる。図1から、SLPF含
有量が0.1μg/cm2以上で、得られる細胞数が明
らかに激増し、血清培地を用いた場合と同等以上の細胞
数が得られることが判る。以上の実施例及び比較例か
ら、本発明のビーズを用いた場合、無血清培養において
も血清培地を使用した場合と同様に、細胞の増殖が促進
されることが判る。
【0056】
【発明の効果】本発明のビーズを用いると、無血清でも
細胞を効率的に培養が可能であり、動物細胞を用いる医
薬品やワクチンの生産の完全無血清化が実現できるもの
である。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】SLPF量と細胞数との関係を表したグラフで
ある。
【0058】
【配列表】 <110>三洋化成工業株式会社;SANYO CHEMICAL INDUSTRIES,LTD. <120>動物細胞培養用ビーズ <150>特願2001-322356 <151>2001-10-19 <160>11 <210>1 <211>4 <212>PRT <213>Homo sapiens <400>1 Arg Glu Asp Val 1 <210>2 <211>5 <212>PRT <213>Homo sapiens <400>2 Tyr Ile Gly Ser Arg 1 5 <210>3 <211>5 <212>PRT <213>Homo sapiens <400>3 Pro Asp Ser Gly Arg 1 5 <210>4 <211>7 <212>PRT <213>Homo sapiens <400>4 Arg Tyr Val Val Leu Pro Arg 1 5 <210>5 <211>6 <212>PRT <213>Homo sapiens <400>5 Leu Gly Thr Ile Pro Gly 1 5 <210>6 <211>10 <212>PRT <213>Homo sapiens <400>6 Arg Asn Ile Ala Glu Ile Ile Lys Asp Ile 1 5 10 <210>7 <211>5 <212>PRT <213>Homo sapiens <400>7 Ile Lys Val Ala Val 1 5 <210>8 <211>4 <212>PRT <213>Homo sapiens <400>8 Asp Gly Glu Ala 1 <210>9 <211>6 <212>PRT <213>Bombyx mori <400>9 Gly Ala Gly Ala Gly Ser 1 5 <210>10 <211>54 <212>PRT <213>Bombyx mori <400>10 Gly Ala Gly Ala Gly Ser Gly Ala Gly Ala Gly Ser Gly Ala Gly Ala 1 5 10 15 Gly Ser Gly Ala Gly Ala Gly Ser Gly Ala Gly Ala Gly Ser Gly Ala 20 25 30 Gly Ala Gly Ser Gly Ala Gly Ala Gly Ser Gly Ala Gly Ala Gly Ser 35 40 45 Gly Ala Gly Ala Gly Ser 50 <210>11 <211>30 <212>PRT <213>Homo sapiens <400>11 Gly Ala Pro Gly Pro Pro Gly Pro Pro Gly Pro Pro Gly Pro Pro Gly 1 5 10 15 Ala Pro Gly Pro Pro Gly Pro Pro Gly Pro Pro Gly Pro Pro 20 25 30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子(B)の表面に、細胞接着シグナ
    ルを現す最小アミノ酸配列を1分子中に少なくとも1個
    有するポリペプチド(P)を配してなり、(P)の含有
    量が(B)の表面積1cm2当り0.1〜100μgで
    あることを特徴とする動物細胞培養用ビーズ。
  2. 【請求項2】 体積平均粒子径が50〜250μmであ
    る請求項1記載のビーズ。
  3. 【請求項3】 真比重が1.01〜1.05g/cm3
    である請求項1又は2記載のビーズ。
  4. 【請求項4】 微粒子(B)が少なくともスチレン及び
    多官能性モノマーを構成単位としてなる請求項1〜3の
    いずれか記載のビーズ。
  5. 【請求項5】 ポリペプチド(P)の細胞接着シグナル
    を現す最小アミノ酸配列の数が、(P)1分子中に3〜
    50個である請求項1〜4のいずれか記載のビーズ。
  6. 【請求項6】 ポリペプチド(P)の細胞接着シグナル
    を現す最小アミノ酸配列が、アミノ酸3文字表記で現わ
    される、Arg Gly Asp配列、Leu Asp Val配列、Arg Glu
    Asp Val配列(1)、Tyr Ile Gly Ser Arg配列(2)、
    Pro Asp SerGly Arg配列(3)、Arg Tyr Val Val Leu
    Pro Arg配列(4)、Leu Gly Thr Ile Pro Gly配列
    (5)、Arg Asn Ile Ala Glu Ile Ile Lys Asp Ile配
    列(6)、Ile Lys Val Ala Val配列(7)、Leu Arg G
    lu配列、Asp Gly Glu Ala配列(8)及びHis Ala Val配
    列からなる群より選ばれる少なくとも1種の配列である
    請求項1〜5のいずれか記載のビーズ。
  7. 【請求項7】 ポリペプチド(P)が、さらにアミノ酸
    3文字表記で現されるGly Ala Gly Ala Gly Ser配列
    (9)を少なくとも2個有してなる請求項1〜6のいず
    れか記載のビーズ。
  8. 【請求項8】 無血清培地を用いて、請求項1〜7のい
    ずれか記載のビーズ上で動物細胞を培養することを特徴
    とする動物細胞の生産方法。
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