JP2003143822A - 誘導電動機 - Google Patents
誘導電動機Info
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- JP2003143822A JP2003143822A JP2001332732A JP2001332732A JP2003143822A JP 2003143822 A JP2003143822 A JP 2003143822A JP 2001332732 A JP2001332732 A JP 2001332732A JP 2001332732 A JP2001332732 A JP 2001332732A JP 2003143822 A JP2003143822 A JP 2003143822A
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- induction motor
- rotor
- winding
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- Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 4極の誘導電動機において、回転子の導体と
して巻線を用いて横行電流を小さくし、損失を少なくし
て効率の向上図る。 【解決手段】 回転磁界を発生する固定子の内側に配置
される4極の回転子1に溝1bを円周方向に等間隔に8
個形成するとともに、その溝1bの方向を回転軸2の軸
方向とし、溝1bに短絡導体となる第1および第2の巻
線群3,4の巻線3a,4aをそれぞれ2ピッチで2個
重ね巻きするとともに、第1の巻線群3と第2の巻線群
4とを隣接させる。固定子側には、回転磁界を発生させ
るための巻線を施し、この回転磁界により短絡巻線(2
つの短絡導体)3a,4aにそれぞれ逆方向の誘起短絡
電流が流れる。固定子による回転磁界とその誘起短絡電
流との相互作用により、2つの短絡導体には同じ回転方
向の回転力が働いて回転子1が回転する。
して巻線を用いて横行電流を小さくし、損失を少なくし
て効率の向上図る。 【解決手段】 回転磁界を発生する固定子の内側に配置
される4極の回転子1に溝1bを円周方向に等間隔に8
個形成するとともに、その溝1bの方向を回転軸2の軸
方向とし、溝1bに短絡導体となる第1および第2の巻
線群3,4の巻線3a,4aをそれぞれ2ピッチで2個
重ね巻きするとともに、第1の巻線群3と第2の巻線群
4とを隣接させる。固定子側には、回転磁界を発生させ
るための巻線を施し、この回転磁界により短絡巻線(2
つの短絡導体)3a,4aにそれぞれ逆方向の誘起短絡
電流が流れる。固定子による回転磁界とその誘起短絡電
流との相互作用により、2つの短絡導体には同じ回転方
向の回転力が働いて回転子1が回転する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、民生機器(例えば
エアコン)や産業機器などに用いる4極の誘導電動機に
関し、さらに詳しく言えば、回転子の導体として巻線を
用いた新規な誘導電動機に関するものである。
エアコン)や産業機器などに用いる4極の誘導電動機に
関し、さらに詳しく言えば、回転子の導体として巻線を
用いた新規な誘導電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機は回転磁界を発生する固定子
の内側に回転子を配置してなり、その固定子には回転磁
界を発生するための巻線が施されているが、回転子には
固定磁極がなく、つまり固定子巻線のような巻線が施さ
れていない。
の内側に回転子を配置してなり、その固定子には回転磁
界を発生するための巻線が施されているが、回転子には
固定磁極がなく、つまり固定子巻線のような巻線が施さ
れていない。
【0003】固定子による回転磁界中に短絡導体を有す
る回転子を配置すると、回転子には短絡誘導電流が流れ
る。その回転磁界と誘起短絡電流の両者の相互作用によ
り回転力(トルク)が発生し、回転子が回転する。この
ような誘導電動機は簡便性、経済性の観点から家電製品
や産業機器に多く利用されている。
る回転子を配置すると、回転子には短絡誘導電流が流れ
る。その回転磁界と誘起短絡電流の両者の相互作用によ
り回転力(トルク)が発生し、回転子が回転する。この
ような誘導電動機は簡便性、経済性の観点から家電製品
や産業機器に多く利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来におい
ては、回転子の本体(短絡導体)は主にアルミダイカス
トにより導体を鋳込んで製造するようにしている。
ては、回転子の本体(短絡導体)は主にアルミダイカス
トにより導体を鋳込んで製造するようにしている。
【0005】しかしながら、ロータコアとアルミ導体の
絶縁が難しいために、そのロータコアにはトルクに寄与
しない横行電流(ロータコアの円周方向に流れる電流)
が流れ、これが損失の増加を招き、モータの効率を低下
させるという欠点があった。
絶縁が難しいために、そのロータコアにはトルクに寄与
しない横行電流(ロータコアの円周方向に流れる電流)
が流れ、これが損失の増加を招き、モータの効率を低下
させるという欠点があった。
【0006】また、上記導体としては電気伝導度の大き
い銅を使用することが難しいことから、アルミ導体を用
いているため、電気装荷や磁気装荷が小さく、トルク不
足や低効率を招くという欠点があった。
い銅を使用することが難しいことから、アルミ導体を用
いているため、電気装荷や磁気装荷が小さく、トルク不
足や低効率を招くという欠点があった。
【0007】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、回転子の導体として巻線
を用いた巻線方式を採用して横行電流をなくし、損失を
少なくして効率の向上を図り、ひいては4極モータとし
て利用範囲の拡大が図れるようにした誘導電動機を提供
することにある。
れたものであり、その目的は、回転子の導体として巻線
を用いた巻線方式を採用して横行電流をなくし、損失を
少なくして効率の向上を図り、ひいては4極モータとし
て利用範囲の拡大が図れるようにした誘導電動機を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、回転磁界を発生する固定子の内側に回転
子を配置した4極の誘導電動機において、上記回転子の
導体として複数の巻線からなる第1および第2の巻線群
を用い、これら第1および第2の巻線群の巻線をそれぞ
れ重ね巻きしてなり、上記回転磁界によってそれら巻線
に誘起短絡電流が流れるようにしたことを特徴としてい
る。
に、本発明は、回転磁界を発生する固定子の内側に回転
子を配置した4極の誘導電動機において、上記回転子の
導体として複数の巻線からなる第1および第2の巻線群
を用い、これら第1および第2の巻線群の巻線をそれぞ
れ重ね巻きしてなり、上記回転磁界によってそれら巻線
に誘起短絡電流が流れるようにしたことを特徴としてい
る。
【0009】上記回転子には2×2×n個(n;2以上
の正の整数)の溝を、同回転子の回転軸の軸方向に、か
つ円周方向に等間隔に形成し、これらの溝を介して上記
第1および第2の巻線群の巻線をそれぞれnピッチでn
個施すとともに、第1の巻線群と第2の巻線群とを隣接
させるとよい。これにより、回転子には4の整数倍の溝
が形成できる。
の正の整数)の溝を、同回転子の回転軸の軸方向に、か
つ円周方向に等間隔に形成し、これらの溝を介して上記
第1および第2の巻線群の巻線をそれぞれnピッチでn
個施すとともに、第1の巻線群と第2の巻線群とを隣接
させるとよい。これにより、回転子には4の整数倍の溝
が形成できる。
【0010】また、上記回転子には2×(2×n+1)
個(n;2以上の正の整数)の溝を、同回転子の回転軸
の軸方向に、かつ円周方向に等間隔に形成し、これら溝
を介して上記第1および第2の巻線群をそれぞれn+1
ピッチでn個施すとともに、第1および第2の巻線群の
両端間あるいはその中央に空き溝を設けてもよい。これ
により、回転子には上記4の整数倍以外の偶数の溝が形
成できる。
個(n;2以上の正の整数)の溝を、同回転子の回転軸
の軸方向に、かつ円周方向に等間隔に形成し、これら溝
を介して上記第1および第2の巻線群をそれぞれn+1
ピッチでn個施すとともに、第1および第2の巻線群の
両端間あるいはその中央に空き溝を設けてもよい。これ
により、回転子には上記4の整数倍以外の偶数の溝が形
成できる。
【0011】他方において、上記回転子の外周側に位置
する固定子には主巻線および補助巻線を施すとともに、
それら巻線を集中巻あるいは分布巻で施すことにより、
当該誘導電動機をコンデンサ誘導電動機とすることがで
きる。
する固定子には主巻線および補助巻線を施すとともに、
それら巻線を集中巻あるいは分布巻で施すことにより、
当該誘導電動機をコンデンサ誘導電動機とすることがで
きる。
【0012】また、上記回転子の外周側に位置する固定
子の内周側には溝を8個形成するとともに、これらの溝
を介して主巻線および補助巻線を集中巻で施すことによ
っても、当該誘導電動機をコンデンサ誘導電動機とする
ことができる。これによれば、新規な回転子を用いた高
効率のコンデンサ誘導電動機が実現でき、コンデンサ誘
導電動機の利用範囲の拡大が図れる。
子の内周側には溝を8個形成するとともに、これらの溝
を介して主巻線および補助巻線を集中巻で施すことによ
っても、当該誘導電動機をコンデンサ誘導電動機とする
ことができる。これによれば、新規な回転子を用いた高
効率のコンデンサ誘導電動機が実現でき、コンデンサ誘
導電動機の利用範囲の拡大が図れる。
【0013】また、上記回転子の外周側に位置する固定
子には三相巻線を施すとともに、それら巻線を集中巻あ
るいは分布巻で施すことにより、当該誘導電動機を三相
交流誘導電動機とすることができる。
子には三相巻線を施すとともに、それら巻線を集中巻あ
るいは分布巻で施すことにより、当該誘導電動機を三相
交流誘導電動機とすることができる。
【0014】さらには、上記回転子の外周側に位置する
固定子の内周側には溝を12個形成するとともに、これ
らの溝を介して三相巻線を集中巻で施すことによって
も、当該誘導電動機を三相交流誘導電動機にすることが
できる。これにより、新規な回転子を用いた高効率の三
相交流誘導電動機が実現でき、三相交流誘導電動機の利
用範囲の拡大が図れる。
固定子の内周側には溝を12個形成するとともに、これ
らの溝を介して三相巻線を集中巻で施すことによって
も、当該誘導電動機を三相交流誘導電動機にすることが
できる。これにより、新規な回転子を用いた高効率の三
相交流誘導電動機が実現でき、三相交流誘導電動機の利
用範囲の拡大が図れる。
【0015】上記回転子に施す全ての巻線を短絡巻線と
することが好ましい。また、上記回転子に施す全ての巻
線にはアルミニュウム、アルミニュウム合金、銅あるい
は銅合金のいずれかを用い、その巻線の接続方式として
は圧接、溶接、半田付けあるいは圧着端子による圧着の
いずれかを採用することが好ましい。
することが好ましい。また、上記回転子に施す全ての巻
線にはアルミニュウム、アルミニュウム合金、銅あるい
は銅合金のいずれかを用い、その巻線の接続方式として
は圧接、溶接、半田付けあるいは圧着端子による圧着の
いずれかを採用することが好ましい。
【0016】これにより、回転子の短絡導体の巻線とし
て、銅系の材質を用いることが可能であり、つまり高ト
ルク化、高効率化が図れ、またその短絡巻線の接続が既
存の技術をもって実現できる。
て、銅系の材質を用いることが可能であり、つまり高ト
ルク化、高効率化が図れ、またその短絡巻線の接続が既
存の技術をもって実現できる。
【0017】上記回転子の溝を介して施す巻線間には電
気的絶縁を施すことが好ましい。同様に、上記回転子の
ロータコアと巻線との間にも電気的絶縁を施すことが好
ましい。また、上記回転子の溝は開孔あるいは閉溝であ
ってよい。
気的絶縁を施すことが好ましい。同様に、上記回転子の
ロータコアと巻線との間にも電気的絶縁を施すことが好
ましい。また、上記回転子の溝は開孔あるいは閉溝であ
ってよい。
【0018】これにより、巻線に誘起短絡電流が流れる
とき、その誘起短絡電流が回転子のロータコアに流れる
こともなく、つまり横行電流が極めて小さいものであ
り、損失も少なく、高効率化が図れる。
とき、その誘起短絡電流が回転子のロータコアに流れる
こともなく、つまり横行電流が極めて小さいものであ
り、損失も少なく、高効率化が図れる。
【0019】上記回転子は電磁鋼板を自動積層金型で打
ち抜き、積層してロータコアを得るとともに、その積層
に際して溝にスキューを施すとよい。これによれば、回
転子の短絡導体としての短絡巻線がそのスキューしてい
る溝に施され、トルク向上が図れる。
ち抜き、積層してロータコアを得るとともに、その積層
に際して溝にスキューを施すとよい。これによれば、回
転子の短絡導体としての短絡巻線がそのスキューしてい
る溝に施され、トルク向上が図れる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図1な
いし図8を参照して詳しく説明する。本発明の誘導電動
機は基本的に4極モータであり、この回転子はロータコ
アの外周に2×2×n(n;2以上の正の整数)個の溝
を形成し、この2×2×n個の溝に対してnピッチの巻
線(短絡巻きの閉回路;以下短絡巻線と記す)を施すと
ともに、n個の短絡巻線を重ね巻いた第1の巻線群およ
びこの第1の巻線群に隣接して同じ構成の第2の巻線群
により2×n個の巻線を施してなる。
いし図8を参照して詳しく説明する。本発明の誘導電動
機は基本的に4極モータであり、この回転子はロータコ
アの外周に2×2×n(n;2以上の正の整数)個の溝
を形成し、この2×2×n個の溝に対してnピッチの巻
線(短絡巻きの閉回路;以下短絡巻線と記す)を施すと
ともに、n個の短絡巻線を重ね巻いた第1の巻線群およ
びこの第1の巻線群に隣接して同じ構成の第2の巻線群
により2×n個の巻線を施してなる。
【0021】まず、第1実施形態を具体的に説明する
と、図1および図2に示すように、この誘導電動機の回
転子1は、ロータコア(回転子鉄心)1aの外周側に8
個(n=2)の溝1bを回転軸2の軸方向に、かつ円周
方向に等間隔に形成し、この8個の溝1bを介して2ピ
ッチの短絡巻線3aを2個重ね巻いて第1の巻線群3を
形成するとともに、この第1の巻線群3に連続して2ピ
ッチの短絡巻線4aを2個重ね巻いて第2の巻線群4を
形成し、4個の巻線を施してなる。
と、図1および図2に示すように、この誘導電動機の回
転子1は、ロータコア(回転子鉄心)1aの外周側に8
個(n=2)の溝1bを回転軸2の軸方向に、かつ円周
方向に等間隔に形成し、この8個の溝1bを介して2ピ
ッチの短絡巻線3aを2個重ね巻いて第1の巻線群3を
形成するとともに、この第1の巻線群3に連続して2ピ
ッチの短絡巻線4aを2個重ね巻いて第2の巻線群4を
形成し、4個の巻線を施してなる。
【0022】図3および図4に示すように、この誘導電
動機の固定子5の内周側には、8個の溝が形成されてい
る。すなわち、外周側のヨーク部5aの内側に所定幅の
歯5bが45度間隔で12個形成されているとともに、
これら歯5bには集中巻の巻線6a,6b、6c、6
d、7a,7b,7c,7dが施されており、相対する
歯5bに施された巻線6a,6bおよび巻線6c,6d
の2対を主巻線とし、残りの歯5bに施した巻線7a,
7bおよび巻線7c,7dの2対を補助巻線としてい
る。
動機の固定子5の内周側には、8個の溝が形成されてい
る。すなわち、外周側のヨーク部5aの内側に所定幅の
歯5bが45度間隔で12個形成されているとともに、
これら歯5bには集中巻の巻線6a,6b、6c、6
d、7a,7b,7c,7dが施されており、相対する
歯5bに施された巻線6a,6bおよび巻線6c,6d
の2対を主巻線とし、残りの歯5bに施した巻線7a,
7bおよび巻線7c,7dの2対を補助巻線としてい
る。
【0023】上記構成の誘導電動機にあっては、固定子
5に回転磁界を発生させるため、例えば図4に示すよう
に主巻線6a,6b,6c,6dおよび補助巻線7a,
7b,7c,7dを結線する。
5に回転磁界を発生させるため、例えば図4に示すよう
に主巻線6a,6b,6c,6dおよび補助巻線7a,
7b,7c,7dを結線する。
【0024】すなわち、補助巻線7a,7bおよび補助
巻線7c,7dの並列回路とコンデンサ8とを直列に接
続するとともに、この直列回路に、主巻線6a,6bお
よび主巻線6c,6dの並列回路を並列に接続し、この
並列回路に交流電源9を供給する。なお、上記主巻線お
よび補助巻線は他の接続方式によって接続するようにし
てもよい。
巻線7c,7dの並列回路とコンデンサ8とを直列に接
続するとともに、この直列回路に、主巻線6a,6bお
よび主巻線6c,6dの並列回路を並列に接続し、この
並列回路に交流電源9を供給する。なお、上記主巻線お
よび補助巻線は他の接続方式によって接続するようにし
てもよい。
【0025】これにより、当該誘導電動機はコンデンサ
誘導電動機となる。このコンデンサ誘導電動機におい
て、固定子5に回転磁界が発生すると、この回転磁界に
より回転子1の短絡巻線3a,4aには誘起短絡電流が
流れる。これら短絡巻線3a,4aによる短絡導体とし
てはそれぞれ2つ存在することになり、この2つの短絡
導体の誘起短絡電流はそれぞれ逆向きに流れる。
誘導電動機となる。このコンデンサ誘導電動機におい
て、固定子5に回転磁界が発生すると、この回転磁界に
より回転子1の短絡巻線3a,4aには誘起短絡電流が
流れる。これら短絡巻線3a,4aによる短絡導体とし
てはそれぞれ2つ存在することになり、この2つの短絡
導体の誘起短絡電流はそれぞれ逆向きに流れる。
【0026】したがって、図3および図4に示す巻線に
よる回転磁界と誘起短絡電流との相互作用により、短絡
巻線3a,4aによる2つの短絡導体には、それぞれ同
じ回転方向の回転力(トルク)が働いて回転子1が回転
する。
よる回転磁界と誘起短絡電流との相互作用により、短絡
巻線3a,4aによる2つの短絡導体には、それぞれ同
じ回転方向の回転力(トルク)が働いて回転子1が回転
する。
【0027】上記第1実施形態においては、回転子1の
溝数を8個としているが、2×2×n個の溝を形成し、
n個の巻線を施した第1の巻線群と、同様にn個の巻線
による第2の巻線群とにより2n個の巻線を施しても同
様の作用、効果を得ることができる。また、固定子5の
巻線としては集中巻を用いているが、分布巻としてもよ
い。
溝数を8個としているが、2×2×n個の溝を形成し、
n個の巻線を施した第1の巻線群と、同様にn個の巻線
による第2の巻線群とにより2n個の巻線を施しても同
様の作用、効果を得ることができる。また、固定子5の
巻線としては集中巻を用いているが、分布巻としてもよ
い。
【0028】上記回転子1の製造方法としては、電磁鋼
板(帯状のもの)を自動積層金型で打ち抜いて積層する
が、このとき溝1bにスキューを施すように積層してロ
ータコア1aを得ることが好ましい。これにより、短絡
巻線3a,4aがスキューされることになり、当該コン
デンサ誘導電動機の高トルク化が図れる。
板(帯状のもの)を自動積層金型で打ち抜いて積層する
が、このとき溝1bにスキューを施すように積層してロ
ータコア1aを得ることが好ましい。これにより、短絡
巻線3a,4aがスキューされることになり、当該コン
デンサ誘導電動機の高トルク化が図れる。
【0029】回転子1の溝1bは、同回転子1の製造容
易性などから、図1のように開孔とすることが好ましい
が、閉孔としもよい。また、溝1bの内側は絶縁を施す
ことが好ましい。すなわち、ロータコア1aと短絡巻線
3a,4aとの間に電気的絶縁を施すことにより、ロー
タコア1aと短絡巻線3aとの間およびロータコア1a
と短絡巻線4aとの間が電気的に絶縁され、横行電流が
極力小さなものとなり、損失も増加せず、モータの高効
率化が図れる。
易性などから、図1のように開孔とすることが好ましい
が、閉孔としもよい。また、溝1bの内側は絶縁を施す
ことが好ましい。すなわち、ロータコア1aと短絡巻線
3a,4aとの間に電気的絶縁を施すことにより、ロー
タコア1aと短絡巻線3aとの間およびロータコア1a
と短絡巻線4aとの間が電気的に絶縁され、横行電流が
極力小さなものとなり、損失も増加せず、モータの高効
率化が図れる。
【0030】また、上記各溝1bに施した短絡巻線3a
および短絡巻線4aにエナメルなどによって絶縁膜を施
した巻線を用いて、それらの線間を絶縁することによ
り、横行電流、損失をより抑えることができる。
および短絡巻線4aにエナメルなどによって絶縁膜を施
した巻線を用いて、それらの線間を絶縁することによ
り、横行電流、損失をより抑えることができる。
【0031】上記回転子1の短絡巻線3a,4aの短絡
導体には、アルミニュウム、アルミニュウム合金あるい
は銅もしくは銅合金などを用い、その接続方式としては
圧接、溶接あるいは半田付けもしくは圧着端子による圧
着方式などを採用することが好ましい。
導体には、アルミニュウム、アルミニュウム合金あるい
は銅もしくは銅合金などを用い、その接続方式としては
圧接、溶接あるいは半田付けもしくは圧着端子による圧
着方式などを採用することが好ましい。
【0032】これにより、特に銅系の材質を短絡巻線
3,4aに用いた場合、アルミニュウム系と比較して高
トルク化、高効率化が望め、短絡巻線3a,4aの接続
方式としては既存の技術を用いることができる。
3,4aに用いた場合、アルミニュウム系と比較して高
トルク化、高効率化が望め、短絡巻線3a,4aの接続
方式としては既存の技術を用いることができる。
【0033】ここで、回転子1の短絡巻線3a,4bに
ついて補足的に説明すると、その巻線が短絡回路を形成
することから、その占積率あるいは使用量が同等であれ
ば誘起される電圧によって発生するアンペアターンTA
は一定となる。
ついて補足的に説明すると、その巻線が短絡回路を形成
することから、その占積率あるいは使用量が同等であれ
ば誘起される電圧によって発生するアンペアターンTA
は一定となる。
【0034】その理由を説明すると、短絡巻線3に誘起
される電圧は下記数式1および数式2で表される。
される電圧は下記数式1および数式2で表される。
【0035】
【数1】
【0036】
【数2】
【0037】Nは溝導体数であり、ロータ溝導体断面積
は導体径dの二乗にその導体数Nを乗算した値(一定)
であり、φは主磁束(一定)であり、Rは巻線の抵抗、
Xは巻線のリラクタンスである。
は導体径dの二乗にその導体数Nを乗算した値(一定)
であり、φは主磁束(一定)であり、Rは巻線の抵抗、
Xは巻線のリラクタンスである。
【0038】溝導体数が1つである場合(N=N1=
1)、アンペアターンTA1はi1・N1で表せ、溝導
体数が複数である場合(N=N2)、アンペアターンT
A2はi2・N2で表せる。
1)、アンペアターンTA1はi1・N1で表せ、溝導
体数が複数である場合(N=N2)、アンペアターンT
A2はi2・N2で表せる。
【0039】アンペアターンTA1とTA2と比較する
と、下記数式3からTA2/TA1=1となる。
と、下記数式3からTA2/TA1=1となる。
【0040】
【数3】
【0041】上記数式3において、溝導体数が1つであ
る場合、その溝に施す巻線の径を大きくし、この巻線の
使用量を溝導体数を複数とした場合に施す巻線の使用量
と同じとすることにより、アンペアターンTAは複数の
溝導体数とした場合と1つの溝導体数とした場合とで同
じになる。
る場合、その溝に施す巻線の径を大きくし、この巻線の
使用量を溝導体数を複数とした場合に施す巻線の使用量
と同じとすることにより、アンペアターンTAは複数の
溝導体数とした場合と1つの溝導体数とした場合とで同
じになる。
【0042】したがって、ロータ溝導体断面積、すなわ
ち占積率を同等にすれば、巻線が1つであっても、ある
いは複数個であっても、モータとしての性能は同じであ
り、つまり本発明による回転子1による誘導電動機のト
ルク特性はダイカストロータと等価である言える。
ち占積率を同等にすれば、巻線が1つであっても、ある
いは複数個であっても、モータとしての性能は同じであ
り、つまり本発明による回転子1による誘導電動機のト
ルク特性はダイカストロータと等価である言える。
【0043】次に、図5ないし図7に示す第2実施形態
としての3相4極の誘導電動機について説明する。な
お、図1と同一部分には、同一参照符号を用いてその説
明は省略する。
としての3相4極の誘導電動機について説明する。な
お、図1と同一部分には、同一参照符号を用いてその説
明は省略する。
【0044】第2実施形態に係る誘導電動機の回転子
は、ロータコア(回転子鉄心)の外周側に2×(2n+
1)(n;2以上の正の整数)個の溝を形成し、この2
×(2n+1)個の溝に対してnピッチの巻線(短絡巻
きの閉回路;以下短絡巻線と記す)を施すとともに、n
個の短絡巻線を重ね巻いた第1の巻線群と同第1の巻線
群に隣接して同じ構成の第2の巻線群とを1スロット
(溝)置いて形成し、2×n個の巻線を施してなる。
は、ロータコア(回転子鉄心)の外周側に2×(2n+
1)(n;2以上の正の整数)個の溝を形成し、この2
×(2n+1)個の溝に対してnピッチの巻線(短絡巻
きの閉回路;以下短絡巻線と記す)を施すとともに、n
個の短絡巻線を重ね巻いた第1の巻線群と同第1の巻線
群に隣接して同じ構成の第2の巻線群とを1スロット
(溝)置いて形成し、2×n個の巻線を施してなる。
【0045】具体的に説明すると、図5に示すように、
この誘導電動機の回転子10は、第1実施形態の回転子
1と同様に、ロータコア(回転子鉄心)の外周側に10
個(n=2)の溝を回転軸の軸方向に、かつ円周方向に
等間隔に形成し、これら10個の溝を介して2個の短絡
巻線11aからなる第1の巻線群11および2個の短絡
巻線12aからなる第2の巻線群12を1スロット
(溝)置いて形成してなる。
この誘導電動機の回転子10は、第1実施形態の回転子
1と同様に、ロータコア(回転子鉄心)の外周側に10
個(n=2)の溝を回転軸の軸方向に、かつ円周方向に
等間隔に形成し、これら10個の溝を介して2個の短絡
巻線11aからなる第1の巻線群11および2個の短絡
巻線12aからなる第2の巻線群12を1スロット
(溝)置いて形成してなる。
【0046】この場合、第1の巻線群11は2ピッチの
短絡巻線11aを1スロット分重ねて2個施してなり、
第2の巻線群12は2ピッチの短絡巻線を1スロット分
重ねて2個施してなる。
短絡巻線11aを1スロット分重ねて2個施してなり、
第2の巻線群12は2ピッチの短絡巻線を1スロット分
重ねて2個施してなる。
【0047】図6および図7に示すように、この誘導電
動機の固定子13は、12個の溝を形成してなり、つま
り外周側のヨーク部13aの内側に所定幅の歯13bを
30度間隔で12個形成してなり、これら歯13bに集
中巻の巻線14a,14b,14c,14d,15a,
15b,15c,15d,16a,16b,16c,1
6dを施してなる。
動機の固定子13は、12個の溝を形成してなり、つま
り外周側のヨーク部13aの内側に所定幅の歯13bを
30度間隔で12個形成してなり、これら歯13bに集
中巻の巻線14a,14b,14c,14d,15a,
15b,15c,15d,16a,16b,16c,1
6dを施してなる。
【0048】上記12個の巻線14aないし16bにつ
いては、相対する歯12bに施した巻線14a,14b
および巻線14c,14dの2対をU相巻線にし、巻線
15a,15bおよび巻線15c,15dの2対をV相
巻線にするとともに、巻線16a,16bおよび巻線1
6c,16dの2対をW相巻線にしてなる。
いては、相対する歯12bに施した巻線14a,14b
および巻線14c,14dの2対をU相巻線にし、巻線
15a,15bおよび巻線15c,15dの2対をV相
巻線にするとともに、巻線16a,16bおよび巻線1
6c,16dの2対をW相巻線にしてなる。
【0049】この第2実施形態の誘導電動機において
は、固定子13に回転磁界を発生させるため、図7に例
示するように、12個の巻線14aないし16dをY結
線し、このY結線の巻線に三相交流電源を供給する。
は、固定子13に回転磁界を発生させるため、図7に例
示するように、12個の巻線14aないし16dをY結
線し、このY結線の巻線に三相交流電源を供給する。
【0050】この場合、U相については巻線14a,1
4bと巻線14c,14dとを並列に接続し、V相につ
いては巻線15a,15bと巻線15c,15dとを並
列に接続し、W相については巻線16a,16bと巻線
16c,16dとを並列に接続してなる。なお、それら
巻線を他の接続方式によって接続するようにしてもよ
い。
4bと巻線14c,14dとを並列に接続し、V相につ
いては巻線15a,15bと巻線15c,15dとを並
列に接続し、W相については巻線16a,16bと巻線
16c,16dとを並列に接続してなる。なお、それら
巻線を他の接続方式によって接続するようにしてもよ
い。
【0051】これにより、当該誘導電動機は3相4極の
誘導電動機となる。この3相4極の誘導電動機におい
て、固定子13に回転磁界が発生すると、この回転磁界
により回転子10の短絡巻線11a,12aには誘起短
絡電流が流れる。この短絡巻線11aおよび短絡巻線1
2aはそれぞれ2つの短絡導体であり、これら短絡導体
は上記第1実施形態と同様に作用することから、図6お
よび図7に示す巻線による回転磁界と誘起短絡電流との
相互作用により、短絡巻線11aによる2つの短絡導体
および短絡巻線12aによる2つの短絡導体にはそれぞ
れ同じ回転方向の回転力(トルク)が働いて回転子10
が回転する。
誘導電動機となる。この3相4極の誘導電動機におい
て、固定子13に回転磁界が発生すると、この回転磁界
により回転子10の短絡巻線11a,12aには誘起短
絡電流が流れる。この短絡巻線11aおよび短絡巻線1
2aはそれぞれ2つの短絡導体であり、これら短絡導体
は上記第1実施形態と同様に作用することから、図6お
よび図7に示す巻線による回転磁界と誘起短絡電流との
相互作用により、短絡巻線11aによる2つの短絡導体
および短絡巻線12aによる2つの短絡導体にはそれぞ
れ同じ回転方向の回転力(トルク)が働いて回転子10
が回転する。
【0052】この実施形態においては、回転子10の溝
数を10個としているが、2×(2n+1)個の溝数を
形成し、それに2n個の巻線を施しても、同様の作用、
効果を得ることができる。また、固定子12の巻線に集
中巻を用いているが、分布巻としてもよい。
数を10個としているが、2×(2n+1)個の溝数を
形成し、それに2n個の巻線を施しても、同様の作用、
効果を得ることができる。また、固定子12の巻線に集
中巻を用いているが、分布巻としてもよい。
【0053】なお、回転子10および固定子12は、上
記第1実施形態と同様に製造処理されてよく、例えば回
転子10の溝(開孔あるいは閉孔)はスキューが施さ
れ、その溝(開孔あるいは閉孔)の内側には電気的絶縁
が施されることが好ましい。
記第1実施形態と同様に製造処理されてよく、例えば回
転子10の溝(開孔あるいは閉孔)はスキューが施さ
れ、その溝(開孔あるいは閉孔)の内側には電気的絶縁
が施されることが好ましい。
【0054】また、回転子10の短絡巻線11a,12
aについても、上記第1実施形態で述べた材質、接続方
式を用いるとともに、絶縁を施すことが好ましい。した
がって、第2実施形態においても、上記第1実施形態と
同様の効果を奏する。
aについても、上記第1実施形態で述べた材質、接続方
式を用いるとともに、絶縁を施すことが好ましい。した
がって、第2実施形態においても、上記第1実施形態と
同様の効果を奏する。
【0055】このように、回転子の短絡導体に銅線やア
ルミニュウム線などを用いた巻線方式を採用することに
より、従来例で説明した横行電流が極端に小さく、損失
も少なく、モータ効率が向上する。
ルミニュウム線などを用いた巻線方式を採用することに
より、従来例で説明した横行電流が極端に小さく、損失
も少なく、モータ効率が向上する。
【0056】図8は第2実施形態の変形例を示す回転子
の概略的模式図である。この変形例によると、4極の誘
導電動機の回転子20は、上記第1実施形態と同様に、
10個(n=2)の溝を回転軸の軸方向に、かつ円周方
向に等間隔に形成し、これら10個の溝を介して2個の
短絡巻線21aからなる第1の巻線群21および2個の
短絡巻線22aからなる第2の巻線群22を隣接形成し
てなる。
の概略的模式図である。この変形例によると、4極の誘
導電動機の回転子20は、上記第1実施形態と同様に、
10個(n=2)の溝を回転軸の軸方向に、かつ円周方
向に等間隔に形成し、これら10個の溝を介して2個の
短絡巻線21aからなる第1の巻線群21および2個の
短絡巻線22aからなる第2の巻線群22を隣接形成し
てなる。
【0057】この場合において、第1の巻線群21は3
ピッチの短絡巻線21aを1スロット分重ねて2個施し
てなり、第2の巻線群22は3ピッチの短絡巻線を1ス
ロット分重ねて2個施してなる。
ピッチの短絡巻線21aを1スロット分重ねて2個施し
てなり、第2の巻線群22は3ピッチの短絡巻線を1ス
ロット分重ねて2個施してなる。
【0058】回転子20の短絡巻線21a,22aの短
絡導体としては、4個の短絡導体が連続するとともに、
1つの溝を置いて4個の短絡導体が連続しており、つま
り短絡導体が上記第2実施形態と同様の配置とされてい
る。
絡導体としては、4個の短絡導体が連続するとともに、
1つの溝を置いて4個の短絡導体が連続しており、つま
り短絡導体が上記第2実施形態と同様の配置とされてい
る。
【0059】したがって、第2実施形態の固定子13と
同様の構成(U相、V相およびW相巻線構成)の固定子
を用いれば、短絡巻線21aおよび短絡巻線22aには
回転磁界により誘起短絡電流が流れ、上記第2実施形態
と同じ作用により回転子20が回転する。
同様の構成(U相、V相およびW相巻線構成)の固定子
を用いれば、短絡巻線21aおよび短絡巻線22aには
回転磁界により誘起短絡電流が流れ、上記第2実施形態
と同じ作用により回転子20が回転する。
【0060】このように、この変形例にあっては、少な
くとも上記第2実施形態において述べた作用、効果が得
られる。すなわち、この変形例と第2実施形態の違い
は、短絡巻線を施さない溝(空き溝5,10)を第1の
巻線群21の中央および第2の巻線群22の中央に設け
るか(図5参照)、あるいは空き溝3,8を第1の巻線
群21の端部側および第2の巻線群22の端部側に設け
るかの違いであるが(図8参照)、この違いは本質的な
ものではない。
くとも上記第2実施形態において述べた作用、効果が得
られる。すなわち、この変形例と第2実施形態の違い
は、短絡巻線を施さない溝(空き溝5,10)を第1の
巻線群21の中央および第2の巻線群22の中央に設け
るか(図5参照)、あるいは空き溝3,8を第1の巻線
群21の端部側および第2の巻線群22の端部側に設け
るかの違いであるが(図8参照)、この違いは本質的な
ものではない。
【0061】また、回転子20の溝数を10個としてい
るが、2×(2n+1)個の溝数を形成し、2n個の巻
線を施しても同様の作用、効果を得ることができ、例え
ばn=5とし、22個の溝を介して10個の巻線を施し
た回転子を用いると、モータの低振動、低騒音化が図れ
る。
るが、2×(2n+1)個の溝数を形成し、2n個の巻
線を施しても同様の作用、効果を得ることができ、例え
ばn=5とし、22個の溝を介して10個の巻線を施し
た回転子を用いると、モータの低振動、低騒音化が図れ
る。
【0062】
【発明の効果】本発明の4極の誘導電動機は、固定子の
内側の回転子の短絡導体として第1および第2の巻線群
を用い、これら第1および第2の巻線群を構成する複数
の巻線をそれぞれ重ね巻きし、固定子の回転磁界によっ
てそれら巻線に誘起短絡電流を流すようにしていること
から、アルミダイカストによる短絡導体と比較して回転
子における横行電流が極めて小さく、損失が少なく、高
効率の向上が図れ、ひいては4極モータとして利用範囲
の拡大が望めるという有用な効果がある。
内側の回転子の短絡導体として第1および第2の巻線群
を用い、これら第1および第2の巻線群を構成する複数
の巻線をそれぞれ重ね巻きし、固定子の回転磁界によっ
てそれら巻線に誘起短絡電流を流すようにしていること
から、アルミダイカストによる短絡導体と比較して回転
子における横行電流が極めて小さく、損失が少なく、高
効率の向上が図れ、ひいては4極モータとして利用範囲
の拡大が望めるという有用な効果がある。
【図1】本発明の第1実施形態に係る誘導電動機の回転
子をその回転軸方向から見た概略的な平面図。
子をその回転軸方向から見た概略的な平面図。
【図2】図1に示す回転子の巻線接続状態を説明するた
めの模式図。
めの模式図。
【図3】上記第1実施形態に係る誘導電動機の固定子側
を上記回転子の回転軸方向から見た概略的な側面図。
を上記回転子の回転軸方向から見た概略的な側面図。
【図4】図3に示す固定子の巻線接続状態を説明するた
めの概略的な回路図。
めの概略的な回路図。
【図5】本発明の第2実施形態に係る誘導電動機の回転
子の巻線接続状態を説明するための模式図。
子の巻線接続状態を説明するための模式図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る誘導電動機の固定
子側を回転子の回転軸方向から見た概略的な側面図。
子側を回転子の回転軸方向から見た概略的な側面図。
【図7】図6に示す固定子の巻線接続状態を説明するた
めの概略的な回路図。
めの概略的な回路図。
【図8】上記第2実施形態の変形例に係る回転子の巻線
接続状態を説明するための模式図。
接続状態を説明するための模式図。
1,10,20 回転子
1a ロータコア(回転子鉄心)
1b 溝
2 回転軸
3a,4a 短絡巻線(回転子1の導体;閉回路の巻
線) 3,11,21 第1の巻線群 4,12,22 第2の巻線群 5,13 固定子 5b,13b 歯 6a〜6d,7a〜7d 固定子5の巻線 11a,12a 短絡巻線(回転子10の導体;閉回路
の巻線) 14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d 固
定子13の巻線 21a,22a 短絡巻線(回転子20の導体;閉回路
の巻線)
線) 3,11,21 第1の巻線群 4,12,22 第2の巻線群 5,13 固定子 5b,13b 歯 6a〜6d,7a〜7d 固定子5の巻線 11a,12a 短絡巻線(回転子10の導体;閉回路
の巻線) 14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d 固
定子13の巻線 21a,22a 短絡巻線(回転子20の導体;閉回路
の巻線)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
H02K 17/12 H02K 17/12 A
Fターム(参考) 5H013 DD03 FF03 LL00 LL05 MM00
NN01 NN05 NN06 PP01 PP03
5H603 AA01 BB01 BB06 BB07 BB08
BB12 CA01 CA02 CA06 CB01
CB02 CB23 CB26 CC04 CC05
CC11 CC17 CD05 CD21 CE01
CE13 CE14 CE16 EE01
5H604 BB01 BB09 BB14 CC05 CC13
CC14 CC15 CC16 PB02 PB03
Claims (13)
- 【請求項1】 回転磁界を発生する固定子の内側に回転
子を配置した4極の誘導電動機において、上記回転子の
導体として複数の巻線からなる第1および第2の巻線群
を用い、これら第1および第2の巻線群の巻線をそれぞ
れ重ね巻きしてなり、上記回転磁界によってそれら巻線
に誘起短絡電流が流れるようにしたことを特徴とする誘
導電動機。 - 【請求項2】 上記回転子には2×2×n個(n;2以
上の正の整数)の溝をその回転軸の軸方向に、かつ円周
方向に等間隔に形成し、これらの溝を介して上記第1お
よび第2の巻線群の巻線をそれぞれnピッチでn個施す
とともに、第1の巻線群と第2の巻線群とを隣接してな
る請求項1に記載の誘導電動機。 - 【請求項3】 上記回転子には2×(2×n+1)個
(n;2以上の正の整数)の溝をその回転軸の軸方向
に、かつ円周方向に等間隔に形成し、これらの溝を介し
て上記第1および第2の巻線群をそれぞれn+1ピッチ
でn個施すとともに、第1および第2の巻線群の両端間
あるいはその中央に空き溝を設けてなる請求項1に記載
の誘導電動機。 - 【請求項4】 上記固定子には主巻線および補助巻線を
施すとともに、それら巻線を集中巻あるいは分布巻で施
し、当該誘導電動機をコンデンサ誘導電動機とした請求
項1または2に記載の誘導電動機。 - 【請求項5】 上記固定子の内周側には溝を8個形成す
るとともに、これらの溝を介して主巻線および補助巻線
を集中巻で施し、当該誘導電動機をコンデンサ誘導電動
機とした請求項1または2に記載の誘導電動機。 - 【請求項6】 上記固定子には三相巻線を施すととも
に、それら巻線を集中巻あるいは分布巻で施し、当該誘
導電動機を三相交流誘導電動機とした請求項1または3
に記載の誘導電動機。 - 【請求項7】 上記固定子の内周側には溝を12個形成
するとともに、これらの溝を介して三相巻線を集中巻で
施し、当該誘導電動機を三相交流誘導電動機とした請求
項1または3に記載の誘導電動機。 - 【請求項8】 上記回転子に施す全ての巻線を短絡巻線
としてなる請求項1ないし7のいずれか1項に記載の誘
導電動機。 - 【請求項9】 上記回転子に施す全ての巻線にはアルミ
ニュウム、アルミニュウム合金、銅あるいは銅合金のい
ずれかを用い、その巻線の接続方式としては圧接、溶
接、半田付けあるいは圧着端子による圧着のいずれかを
採用してなる請求項1ないし8のいずれか1項に記載の
誘導電動機。 - 【請求項10】 上記回転子の溝を介して施す巻線間に
は電気的絶縁を施してなる請求項2ないし9のいずれか
1項に記載の誘導電動機。 - 【請求項11】 上記回転子のロータコアと巻線との間
には電気的絶縁を施してなる請求項2ないし10のいず
れか1項に記載の誘導電動機。 - 【請求項12】 上記回転子の溝は開孔あるいは閉溝で
ある請求項2ないし11のいずれか1項に記載の誘導電
動機。 - 【請求項13】 上記回転子は電磁鋼板を自動積層金型
で打ち抜き、積層してロータコアを得るとともに、その
積層に際して溝にスキューを施してなる請求項2ないし
12のいずれか1項に記載の誘導電動機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001332732A JP2003143822A (ja) | 2001-10-30 | 2001-10-30 | 誘導電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001332732A JP2003143822A (ja) | 2001-10-30 | 2001-10-30 | 誘導電動機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003143822A true JP2003143822A (ja) | 2003-05-16 |
Family
ID=19148111
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001332732A Withdrawn JP2003143822A (ja) | 2001-10-30 | 2001-10-30 | 誘導電動機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003143822A (ja) |
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| WO2006118298A1 (en) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Winding structure of rotating electric machine |
| JP2008131768A (ja) * | 2006-11-22 | 2008-06-05 | Hitachi Appliances Inc | 回転電機,自己始動式永久磁石界磁同期電動機,誘導電動機及び圧縮機 |
| DE102008012990A1 (de) * | 2008-03-07 | 2009-05-14 | Siemens Aktiengesellschaft | Kurzschlussläufer mit Wicklung und elektrische Asynchronmaschine |
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- 2001-10-30 JP JP2001332732A patent/JP2003143822A/ja not_active Withdrawn
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