JP2003039811A - 液体組成物、インクセット及び被記録媒体に着色部を形成する方法 - Google Patents
液体組成物、インクセット及び被記録媒体に着色部を形成する方法Info
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Abstract
リードの抑制、文字品位にも優れ、ベタ部のスジムラの
発生が良好な状態に抑制されたインクジェット記録物を
形成することのでき、また、インクジェット記録特性に
優れる液体組成物、これを用いたインクセット、被記録
媒体に着色部を形成する方法及びインクジェット記録装
置の提供。 【解決手段】 色材を含むインクと共に被記録媒体に付
与されて着色部を形成するものであって、溶媒と、イン
クの色材と反応性を有する微粒子とを含み、特定の工程
に従って形成される微粒子凝集物について、BET窒素
吸着脱離法により測定して求めた比表面積が70〜25
0m2/gである液体組成物、インクセット、被記録媒
体に着色部を形成する方法及びインクジェット記録装
置。
Description
において発色性と色の均一性が高く、ブリードが抑制さ
れた文字品位の向上した、優れた画像を得る技術に関
し、とりわけ、インクジェット記録方式を利用した画像
形成に最適に使用できる液体組成物、インクセット、被
記録媒体に着色部を形成する方法及びインクジェット記
録装置に関する。
翔させ、紙等の被記録媒体にインクを付着させて記録を
行うものである。例えば、特公昭61−59911号公
報、特公昭61−59912号公報及び特公昭61−5
9914号公報において開示されている、吐出エネルギ
ー供給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーを
インクに与えて気泡を発生させることにより液滴を吐出
させる方式のインクジェット記録方法によれば、記録ヘ
ッドの高密度マルチオリフィス化を容易に実現すること
ができ、高解像度及び高品位の画像を高速で記録するこ
とができる。
に用いられるインクとしては、水及び色材を主成分と
し、これにノズル内でのインクの乾燥防止、ノズルの目
詰まり防止等の目的でグリコール等の水溶性高沸点溶剤
を含有しているものが一般的である。そのため、このよ
うなインクを用いて被記録媒体に記録を行った場合に
は、十分な定着性が得られなかったり、被記録媒体とし
ての記録紙表面における填料やサイズ剤の不均一な分布
によると推定される不均一画像の発生等の問題を生じる
場合がある。一方、近年は、インクジェット記録物に対
しても、銀塩写真と同レベルの高い画質を求める要求が
強くなっており、インクジェット記録画像の画像濃度を
高めること、色再現領域を広げること、更には、記録物
の色の均一性を向上させることに対する技術的な要求は
非常に高くなっている。
記録方法の安定化、そしてインクジェット記録方法によ
る記録物の品質向上を図るために、これまでにも種々の
提案がなされてきている。被記録媒体に関する提案のう
ちの一つとして、被記録媒体の基紙表面に、充填材やサ
イズ剤を塗工する方法が提案されている。例えば、充填
材として色材を吸着する多孔質微粒子を基紙に塗工し、
この多孔質微粒子よってインク受容層を形成する技術が
開示されている。これらの技術を用いた被記録媒体とし
て、インクジェット用コート紙等が市販されている。
記録方法の安定化、そして、インクジェット記録方法に
よる記録物の品質向上を図るために、これまでにも種々
の提案がなされてきている。以下に、その代表的なもの
の幾つかを分類してまとめた。 (1)インクに揮発性溶剤や浸透溶剤を内添する方法;
被記録媒体へのインクの定着性を早める手段として特開
昭55−65269号公報に、インク中に界面活性剤等
の浸透性を高める化合物を添加する方法が開示されてい
る。また、特開昭55−66976号公報には、揮発性
溶剤を主体としたインクを用いることが開示されてい
る。
成物を被記録媒体上で混合する方法;画像濃度の向上、
耐水性の向上、更にはブリーディングの抑制を目的とし
て、記録画像を形成するためのインクの噴射に先立ち、
或いは噴射後に、画像を良好にせしめる液体組成物を被
記録媒体上に付与する方法が提案されている。例えば、
特開昭63−60783号公報には、塩基性ポリマーを
含有する液体組成物を被記録媒体に付着させた後、アニ
オン染料を含有したインクによって記録する方法が開示
されており、特開昭63−22681号公報には、反応
性化学種を含む第1の液体組成物と該反応性化学種と反
応を起こす化合物を含む第2の液体組成物を被記録媒体
上で混合する記録方法が開示されており、更に、特開昭
63−299971号公報には、1分子当たり2個以上
のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液体組成
物を被記録媒体上に付与した後、アニオン染料を含有す
るインクで記録する方法が開示されている。また、特開
昭64−9279号公報には、コハク酸等を含有した酸
性液体組成物を被記録媒体上に付与した後、アニオン染
料を含有したインクで記録する方法が開示されている。
は、インクの付与に先立って染料を不溶化させる液体組
成物を紙に付与するという方法が開示されている。更
に、特開平8−224955号公報には、分子量分布領
域の異なるカチオン性物質を含む液体組成物を、アニオ
ン性化合物を含むインクと共に用いる方法が開示され、
また、特開平8−72393号公報には、カチオン性物
質と微粉砕セルロースを含む液体組成物をインクと共に
用いる方法が開示されており、いずれも画像濃度が高
く、印字品位、耐水性が良好で、色再現性、ブリーディ
ングにおいても良好な画像が得られることが記載されて
いる。また、特開昭55−150396号公報には、被
記録媒体上に染料インクで記録した後に、染料とレーキ
を形成する耐水化剤を付与する方法が開示され、記録画
像の耐水性を付与することが提案されている。
被記録媒体上で混合する方法;特開平4−259590
号公報に、無機物質からなる無色の微粒子を含有する無
色液体を被記録媒体上に付与した後、非水系記録液を付
着させる方法が開示され、特開平6−92010号公報
には、微粒子を含む溶液、又は微粒子及びバインダーポ
リマーを含む溶液を被記録媒体上に付与した後、顔料、
水溶性樹脂、水溶性溶剤及び水を含むインクを付着させ
る方法が開示され、特開2000−34432号公報に
は、水不溶性微粒子から成る液体組成物とインクとを含
む記録材料が開示されており、いずれも、紙種によらず
印字品位や発色性の良好な画像が得られることが記載さ
れている。
クジェット記録技術について検討を重ねた結果、各々の
技術課題に対してはそれぞれ優れた効果を確認できるも
のの、それと引き換えに、他のインクジェット記録特性
が低下してしまう場合があることを見出した。
サイズ剤を塗工して得られる被記録媒体(以降コート紙
という)は、高品質な画像を形成することができる技術
として認知されている。一般に、高彩度の画像を得るた
めには、色材を凝集させずに単分子状態で被記録媒体の
表面に残すことが必要であることは知られているが、コ
ート紙の基紙表面の多孔質微粒子には、このような機能
がある。しかしながら、より高い画像濃度と画像彩度を
得るためには、与えられたインク中の色材に対して、多
量の多孔質微粒子で基紙を覆い隠すような、厚いインク
受容層の形成が不可欠となり、結果として、コート紙に
おいては、基紙の質感が失われてしまうという別の問題
が生じる。本発明者らは、このように基紙の質感を失う
程のインク受容層が必要となるのは、インク中の色材
が、多孔質微粒子に効率的に吸着していないことに起因
するためと推測した。
定して、以下に説明する。図9は、コート紙表面付近の
断面を模式的に示したものである。同図において、90
1は基紙であり、903はインク受容層を示す。一般
に、インク受容層903は、多孔質微粒子905とそれ
らを固定化する接着剤907を有する。インクが付与さ
れると、インクは多孔質微粒子905間の空隙を毛管現
象によって浸透し、インク浸透部909を形成する。同
図に示したように、インク受容層での多孔質微粒子90
5は局所的には密度が異なるため、この毛管現象による
インクの浸透の仕方は場所によって異なる。このため、
インクの浸透工程において、色材は多孔質微粒子表面に
均一には接触できず、色材が効率的に多孔質微粒子に吸
着されない。
が阻害される部分も生じており、インク受容層903内
にはインクが浸透できない部分が存在し、発色には寄与
しない部分が発生する。即ち、従来のコート紙において
は、上記のような理由により、多孔質微粒子の量に対し
て効率的に色材を単分子状態で吸着することができず、
この結果、高品質の画像を得るためには多量の多孔質微
粒子905が必要となり、基紙の質感を損なうこととな
っていた。
た(1)の技術を採用することで、インクの被記録媒体
への定着性は向上するものの、画像濃度の低下や、普通
紙への記録やカラー画像の記録に重要とされる色再現範
囲が低下してしまう場合があることがわかった。また、
本発明者らの検討によれば、前記した(2)の技術によ
れば、インク中の色材を被記録媒体表面に留めることが
できるため、高い画像濃度の記録物を得ることができる
が、色材を被記録媒体の表面で凝集させているためか、
色の再現範囲や彩度が十分に得られない場合があった。
また、前記の(3)で説明した従来技術では、微粒子を
含む溶液の付与により被記録媒体の表面状態の改質は得
られたものの、コート紙と同等レベルの高精彩な画像は
得られていない。更に、特に非水系記録液に関しては、
色材の選択性や記録付与方法等の制限もあり、その自由
度に課題が残る。このように、従来の方法にはいずれも
課題が残されているため、本発明者らは、近年において
求められているより一層の高品位なインクジェット記録
物に対しては、新たなインクジェット記録技術の開発が
必要であるとの認識を持つに至った。本発明は、これら
の認識に基づき為されたものである。
は、より一層広い色再現範囲を有し、色の均一性に優
れ、且つブリードが抑制され、文字品位に優れた高品質
なインクジェット記録物を得るために用いられる液体組
成物を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、より一層広い色再現範囲を有し、色の均一性に優
れ、ブリードが抑制され、文字品位に優れ、更に、ベタ
部のスジムラが少ない優れたインクジェット記録物を普
通紙に対しても形成することができる被記録媒体に着色
部を形成する方法を提供することにある。また、本発明
の他の目的は、より一層色再現範囲が広く、色の均一性
に優れ、ブリードの発生が抑制され、文字品位に優れ、
ベタ部におけるスジムラの発生が良好な状態に抑制され
たインクジェット記録物を形成することのできるインク
ジェット記録装置、これに用いる液体組成物、インクセ
ットを提供することにある。更に、本発明の他の目的
は、保存安定性や、記録ヘッドからの吐出安定性等のイ
ンクジェット記録特性に優れる液体組成物を提供するこ
とにある。
れば、色材を含むインクと共に被記録媒体に付与されて
該被記録媒体上に着色部を形成するのに用いられる液体
組成物であって、該液体組成物が、少なくとも溶媒と上
記色材と反応性を有する微粒子とを含み、且つ、該液体
組成物から下記(1)〜(4)の工程に従って形成され
る微粒子凝集物について、BET窒素吸着脱離法により
測定して求めた比表面積が70〜250m2/gである
ことを特徴とする液体組成物が提供される。 (1)液体組成物を大気雰囲気下120℃で10時間乾
燥させる工程; (2)上記乾燥物を120〜700℃まで1時間で昇温
させた後、700℃で3時間焼成する工程; (3)上記工程(2)で得られた焼成物を常温まで徐冷
し、その後に粉体化する工程;及び (4)上記(3)で得られた粉体を120℃で8時間真
空脱気して微粒子凝集物を得る工程。
材を含むインクと、該色材と反応性を有する微粒子を含
む液体組成物とを独立に備えているインクセットであっ
て、液体組成物が上記の液体組成物であることを特徴と
するインクセットが提供される。また、本発明の他の実
施態様によれば、色材を含むインクを被記録媒体に付与
する工程(i)と、前記した液体組成物を被記録媒体に
付与する工程(ii)とを有することを特徴とする被記録
媒体に着色部を形成する方法が提供される。
材を含むインクを収容したインク収容部と、該インクを
吐出させるためのインクジェットヘッドを備えた第1の
記録ユニットと、前記した液体組成物を収容した液体組
成物収容部と、該液体組成物を吐出させるためのインク
ジェットヘッドを備えた第2の記録ユニットとを備えて
いることを特徴とするインクジェット記録装置が提供さ
れる。また、本発明の他の実施態様によれば、色材を含
むインクを収容したインク収容部と、前記した液体組成
物を収納した液体組成物収容部と、上記インク収容部に
収容されているインクと上記液体組成物収容部に収容さ
れている液体組成物とを各々独立に吐出させるためのイ
ンクジェットヘッドとを備えていることを特徴とするイ
ンクジェット記録装置が提供される。また、本発明の他
の実施態様によれば、色材を含むアニオン性又はカチオ
ン性のインクと共に被記録媒体に付与され、被記録媒体
上に着色部を形成するのに用いられる前記した液体組成
物であって、上記着色部の形成が、上記液体組成物と上
記インクとが液体の状態で接触し、且つ液体組成物の微
粒子表面に、インク中の色材がインク中で有している分
子状態と実質的に同等の分子状態を保持しつつ吸着若し
くは結合してなされることを特徴とする液体組成物が提
供される。
解決すべく鋭意検討の結果、色材を単分子状態で吸着す
る作用を有する微粒子を用い、且つ、該微粒子に効率的
に色材を吸着若しくは結合させるために該微粒子を溶媒
中に分散させ、インクと共に液体状態で用いることによ
って、色材と微粒子とを液−液状態で反応させることが
可能となり、その結果として画像の濃度や彩度を信頼性
よく向上させることができることを見出して、本発明を
為すに至った。
する微粒子」或いは「色材と微粒子との反応」における
「反応」とは、色材と微粒子との共有結合の他、イオン
的結合、物理的・化学的吸着、吸収、付着、その他の両
者の相互作用を意味するものとする。
て本発明を更に詳しく説明する。本発明の一実施態様に
かかる液体組成物は、前記した通り、色材を含むインク
と共に被記録媒体に付与されて該被記録媒体上に着色部
を形成するのに用いられる液体組成物であって、該液体
組成物が、少なくとも溶媒と上記色材と反応性を有する
微粒子とを含み、且つ、該液体組成物から下記(1)〜
(4)の工程に従って形成される微粒子凝集物につい
て、BET窒素吸着脱離法により測定して求めた比表面
積が70〜250m2/gであることを特徴とする。 (1)液体組成物を大気雰囲気下120℃で10時間乾
燥させ、ほぼ溶媒分を蒸発させて乾燥する工程; (2)上記乾燥物を120〜700℃まで1時間で昇温
させた後、700℃で3時間焼成する工程; (3)上記工程(2)で得られた焼成物を常温まで徐冷
し、その後に粉体化する工程;及び (4)上記(3)で得られた粉体を120℃で8時間真
空脱気して、液体組成物から形成される微粒子凝集物を
得る工程。
媒体上に着色部を形成する方法の好ましい実施態様とし
ては、色材を含むインクを被記録媒体に付与する工程
(i)及び上記の液体組成物を被記録媒体に付与する工
程(ii)とを有し、且つ上記被記録媒体の表面におい
て、インクと液体組成物とが互いに液体状態で接するよ
うに付与されるように構成することが挙げられる。かか
る実施態様を採用することによって、より一層広い色再
現領域を有し、色の均一性や、ブリードの発生が抑制さ
れ、文字品位にも優れ、更に、ベタ部のスジムラが少な
い優れたインクジェット記録物が安定して得られる。
本発明にかかるインクセットの一実施態様としては、色
材を含むインクと、上記の液体組成物とを組み合わせた
ものが挙げられる。このような実施態様のインクセット
を用いれば、より一層広い色再現領域を有し、色の均一
性や、ブリードの発生が抑制され、文字品位にも優れ、
更にベタ部のスジムラが少ないインクジェット記録物が
安定して得られる。本発明において、記録に用いるイン
クや、これと組み合わせて用いる液体組成物自体は、上
記したように、その構成が極めてシンプルであるため、
インク及び液体組成物は、いずれもその保存性に優れ、
その結果として、高品質なインクジェット記録物が得ら
れる画像形成を安定して行なうことができるという効果
も得られる。
が奏される理由は明確でないが、本発明者らは以下の理
由によるものと考えている。即ち、本発明者らは、これ
まで色材を含むインクと、該色材との反応性を有する微
粒子を含む液体組成物とからなるインクセットを用いた
画像形成方法において、これらが被記録媒体上で混ざり
合う際に、微粒子凝集物が被記録媒体の表面、或いは表
面とその近傍に形成されるメカニズムについて検討して
きた。
び図14に従ってより具体的に説明する。尚、ここで
は、インクとしてアニオン性基を有する水溶性染料(ア
ニオン性染料)を含む水性インクを用い、これと組み合
わせる液体組成物として、表面がカチオン性に帯電して
いる微粒子が分散状態で含まれている水性の液体組成物
を用いた場合について説明する。
説明で用いる「単分子状態」とは、染料や顔料等の色材
が、インク中で溶解若しくは分散した状態をほぼ保って
いることを指している。このとき、色材が多少の凝集を
引き起こしたとしても、彩度が低下しない範囲であれ
ば、この「単分子状態」に含まれることとする。例え
ば、染料の場合、単分子であることが好ましいと考えら
れるため、便宜上、染料以外の色材についても「単分子
状態」と呼ぶこととする。
れた記録画像の着色部Iが、主画像部IMとその周辺部
ISとから成り立っている状態を模式的に示した概略断
面図である。図13において、1301は被記録媒体、
1302は被記録媒体の繊維間に生じる空隙を示す。ま
た、1303は、色材1305が化学的に吸着する微粒
子を模式的に示したものである。図13に示したよう
に、本発明によって得られるインクジェット記録画像で
は、主画像部IMは、色材1305が単分子状態或いは
この状態に近い状態(以降これらを「単分子状態」と呼
ぶ)で均一に表面に吸着した微粒子1303と、かかる
色材の単分子状態を保持した微粒子の凝集物1307と
で構成されている。1309は、主画像部IM内の被記
録媒体繊維近傍に存在する、微粒子同士の凝集物であ
る。このような主画像部IMは、被記録媒体繊維に微粒
子1303が物理的又は化学的に吸着する工程と、色材
1305と微粒子1303とが液−液状態で吸着する工
程とによって形成される。そのため、色材自体の発色特
性が損なわれることが少なく、しかも、普通紙等のイン
クの沈み込み易い被記録媒体においても画像濃度や彩度
が高く、コート紙並みの色再現範囲の広い画像の形成が
可能となる。
インク中に残った色材1305は、被記録媒体1301
に対して横方向にも深さ方向にも浸透するため、周辺部
ISにインクは微少な滲みを形成する。このように被記
録媒体1301の表面近傍に色材が残り、且つ周辺部に
インクの微少な滲みを形成させるために、シャドウ部や
ベタ部等のインク付与量が多い画像領域においても、白
モヤや色ムラが少なく、色の均一性に優れる画像が形成
される。尚、図13に示したように、被記録媒体130
1がインクや液体組成物の浸透性を有するものである場
合には、本態様はインク成分や液体組成物成分の被記録
媒体内部への浸透は必ずしも妨げられるものではなく、
ある程度の浸透を許容するものである。
反応により、被記録媒体の表面近傍に存在する微粒子凝
集物1309が形成される際に、凝集物の内部に、ある
程度の大きさの細孔が形成される。前述のインク中で単
独に存在していた色材1305は、被記録媒体内部へと
インクが浸透していく際に、この微粒子凝集物1309
の細孔内部へと浸透し、細孔の入口付近や内壁に、理想
的な単分子状態で吸着されるので、色材は、より多く被
記録媒体の表面近傍に残留することになる。これによっ
て、より一層優れた発色性を有する記録物を得ることが
可能となる。
更なる検討を重ねた結果、当該凝集物の比表面積が、該
記録部における色材の存在状態に影響を与えているこ
と、そして、凝集物の比表面積を適宜に制御すること
で、記録部における色材の存在状態を、より正確に制御
でき、その結果として、より一層高品位な記録物を形成
できる、との認識を得た。しかし、この比表面積の好ま
しい値を求めるための検討過程において、実際の記録物
から、凝集物の比表面積を求めることは極めて困難であ
った。何故なら、実際の凝集物は、その表面や細孔内部
にまで色材が吸着してしまっているからである。そこ
で、本発明者らは、記録部の品位との相関性のある微粒
子凝集物の比表面積の値を求めるべく、その規定方法を
種々検討した。この結果、下記(1)〜(4)の手順に
従って得られる微粒子凝集物に対して、BET窒素吸着
脱離法により求めた比表面積の値が、より一層の高品位
なインク画像との相関を有していることを見出した。
の手順によって得られた当該比表面積の値が70〜25
0m2/gである場合に、極めて高品位な記録部の形成
が可能となることがわかった。本発明は、このような本
発明者らの新規な知見に基づきなされたものである。 (1)液体組成物を大気雰囲気下120℃で10時間乾
燥させる工程; (2)上記(1)で得られる乾燥物を120〜170℃
まで1時間で昇温させた後、700℃で3時間焼成する
工程; (3)上記(2)で得られた焼成物を常温(25℃)に
なるまで放冷した後、例えば、メノウの乳鉢等を用いて
粉体化する工程;及び (4)上記(3)で得られた粉体を120℃で8時間真
空脱気して微粒子凝集物を得る工程。
業性の向上のための作業であり、この作業は、その後に
行うBET窒素吸着脱離法により求める比表面積の値に
何ら影響を与えるものではない。即ち、この作業の前後
において、微粒子凝集体の比表面積が変化することはな
い。本発明の液体組成物は、上記のようにして形成され
る微粒子凝集物1309の比表面積が、上記した特定の
範囲内の大きさを有するものであるため、本発明の液体
組成物を画像形成に用いた場合には、色材成分の吸着サ
イトが多くなり、色材との反応性が向上する。この結
果、上記のような微少な滲みを形成しつつも色境界部で
のブリードの発生が抑制されると共に、フェザリングが
発生し易い普通紙等の被記録媒体上でも文字品位が良好
になる、という効果が得られる。
被記録媒体に着色部を形成する方法の一実施態様を示す
着色部1400を説明する模式断面図、及び着色部の形
成工程を説明する模式図である。同図において、140
1は、インクと液体組成物との反応物、例えば、色材と
微粒子との反応物を主として含む部分(以降「反応部」
と略す)であり、図13の主画像部IMに相当する部分
である。1402は、液体組成物との反応に実質的に関
与しなかったインクが、反応部1401の辺縁に流出す
ることによって形成された部分(以降「インク流出部」
と略す)であり、図13の周辺部ISに相当する。かか
る着色部1400は、例えば、下記のようにして形成さ
れる。尚、図14(1)に示した1405は、被記録媒
体の繊維間に生じている空隙を模式的に表したものであ
る。下記に述べるように、本発明の液体組成物を使用す
る本発明にかかる被記録媒体に着色部を形成する方法に
よれば、従来のものと比べて格段に高い画像濃度を有
し、且つ彩度の高い記録物が安定して得られるが、この
理由は、以下に挙げるメカニズムが奏合される結果、達
成されたものであると考えている。
と反応性を有する微粒子1409を有する液体組成物1
406が、液滴として被記録媒体1403に付与される
と、図14(2)に示したように、被記録媒体表面に液
体組成物の液溜り1407が形成される。該液溜り14
07内で、被記録媒体1403の繊維表面の近傍の微粒
子1409は、被記録媒体の繊維表面に物理的又は化学
的に吸着する。この時、分散状態が不安定となって微粒
子同士の凝集物1411を形成するものもあると考えら
れる。一方で、液溜り1407内の繊維より離れた部分
では、微粒子1409は、もとの均一な分散状態を保っ
ていると考えられる。
材1404を有するインク1413が、液滴として被記
録媒体1403に付与されると、先ず、インク1413
と液溜り1407の界面において、インク中の色材14
04は微粒子1409に化学的に吸着する(図14
(3)参照)。この反応は、液同士の反応(液−液反
応)であるため、図14(3)−2に示したように、色
材1404は単分子状態で、微粒子1409の表面に均
一に吸着すると考えられる。即ち、微粒子1409表面
では、色材1404同士は凝集を起こさないか、或いは
凝集しても僅かであると推測される。その結果、反応部
1401の表層部には、単分子状態で色材1404が吸
着された微粒子1409が多数形成される。この結果、
画像の発色に最も影響を与える表面層に、色材1404
が単分子状態で残存することとなるため、形成される画
像は、高い画像濃度を有し、且つ彩度の高いものとな
る。
した微粒子1409は、分散状態が不安定となるため、
微粒子同士で凝集するものと考えられる。ここで、形成
された凝集物1415は、図14(3)−2に示したよ
うに、その内部にも単分子状態の色材1404を保持し
たものとなる。かかる凝集物1415の存在によって、
本発明の被記録媒体に着色部を形成する方法では、より
高画像濃度で、且つ高彩度の記録画像の形成が可能とな
る。
溜り1407内を拡散し、未反応の微粒子1409の表
面に吸着する。このように、液溜り1407内部で、色
材1404と微粒子1409との反応が更に進行するた
め、より高濃度で彩度の高い画像が形成される。一方、
先に説明した被記録媒体1403の繊維表面に形成され
た微粒子の凝集物1411には、液溜り1407の液相
が被記録媒体内への浸透を抑制する役割があると考えら
れる。このため、液溜り1407では、浸透が抑制され
た液体組成物中の微粒子1409と色材1404とがよ
り多く混在することが可能となる結果、色材1404と
微粒子1409との接触確率が高められ、反応が比較的
均一に、且つ充分に進行する。この結果、より均一で、
画像の濃度と彩度とに優れた画像の形成が可能となる。
406が被記録媒体1403に付与された際や、図14
(2)に示した液体組成物の液溜り1407にインク1
413が付与された際には、微粒子1409を分散させ
ている分散媒が変化することによって微粒子1409の
分散が不安定となり、色材1404が吸着する前に微粒
子1409間で凝集を起こすものも存在する。ここでい
う分散媒の変化とは、2種若しくはそれ以上の異種の液
体が混合したときに一般的に観察される変化、例えば、
液相のpHや固形分濃度、液媒体(溶剤)組成、溶存イ
オン濃度等の物性変化を指し、液体組成物が被記録媒体
やインクと接触した際にこれらの変化が、急激且つ複合
的に生じて微粒子の分散安定性を破壊し、凝集物141
5を生成するものと考えられる。これらの凝集物141
5は、繊維間の空隙を埋める効果や、色材1404を吸
着した微粒子1409を、より被記録媒体1403の表
面近傍に残存させる効果をもたらすと推測される。
た凝集物1415は、被記録媒体1403に吸着してい
るものもあれば、液相内を動ける(流動性を有する)も
のも存在するが、流動性を有するものは、前述した色材
1404と微粒子1409との反応工程と同様に、微粒
子凝集物1415表面に色材が単分子状態で吸着し、よ
り大きな凝集塊を形成する。そして、これが発色性の向
上に寄与しているものと考えられる。即ち、この大きな
凝集塊は、液相が繊維に沿って浸透する際に液相と共に
移動し、空隙を埋めて被記録媒体1403の表面を平滑
化し、より均一で高濃度の画像の形成に寄与するものと
考えられる。
常に高濃度且つ高発色の画像が得られることは、後述す
る結果により明らかであるが、以上、説明したように、
これは、インクと本発明の液体組成物とが共に被記録媒
体に付与されると、インク中の色材1404が、液体組
成物の構成成分である微粒子1409若しくは微粒子凝
集物1415に、単分子状態で吸着され、その状態で被
記録媒体1403の表面近傍に残るためであると考えら
れる。更に、色材が単分子状態で吸着し、被記録媒体の
表面近傍に残った微粒子は、この状態で被記録媒体の表
面に定着するので、形成される画像の耐擦過性や耐水性
等の堅牢性も向上する。
クの順で、被記録媒体に付与した場合について説明した
が、インクと液体組成物との液−液反応が達成されれ
ば、インクと液体組成物との被記録媒体への付与順序は
何ら限られるものでない。従って、インクを付与し、次
いで液体組成物を付与する順であってもよい。
録媒体に付与された液体組成物中の微粒子1409の少
なくとも一部は、液体組成物の構成成分である液媒体の
被記録媒体内部への浸透に伴って、被記録媒体1403
内部に浸透していると考えられる。他方、図14(4)
に明示したように、色材1404が、先に浸透している
微粒子1409に、単分子状態で吸着若しくは結合する
ことも十分に想定し得ることである。このように、被記
録媒体内部において、色材1404が単分子状態で吸着
若しくは結合している微粒子1409も、発色性の向上
に寄与していると考えられる。更に、このような液媒体
の浸透によって、インクの定着性も向上すると考えられ
る。
よって、前述の被記録媒体の表面近傍に存在する微粒子
凝集物1411が形成される際に、凝集物の内部には、
ある程度の大きさの細孔が形成される。液溜り1407
の中で、微粒子1409に吸着しきれなかった色材14
04は、被記録媒体1403内部へと浸透していく際
に、液媒体成分と共に、細孔を通って微粒子凝集物14
11の内部へと浸透するものもある。その際、色材14
04は、微粒子凝集物内の細孔の入口付近や細孔内壁に
吸着し、溶媒成分のみが被記録媒体1403内部へと浸
透していくことによって、色材をより多く微粒子凝集物
1411の表面や内部に効率よく吸着させ、被記録媒体
の表面近傍に残留させることができる。更に、色材14
04が染料の場合、微粒子凝集物1411の細孔直径
は、色材1404のインク中で存在している分子サイズ
の1〜数倍程度であるために、細孔内部に吸着した色材
1404は、色材同士の凝集が極めて起こり難く、理想
的な単分子状態を形成することが可能となる。このこと
が発色性の更なる向上に大きく寄与し、より一層広い色
再現範囲を有する記録物を得ることを可能とする。
体の表面近傍で流動性を著しく低下してほぼ固定化され
ていると考えられ、微粒子凝集物の表面及び細孔内部で
吸着された色材成分は、液溜り1407内部で移動し難
くなり易い。本発明者らの検討によれば、その際、微粒
子凝集物1411の比表面積が特定の大きさを有する場
合に、特に微粒子凝集物における色材成分の吸着サイト
が多くなり、色材成分との反応性が向上し、その結果と
して被記録媒体上での色材の拡散をある程度抑制し、色
境界部でのブリードを抑制すると共に、普通紙等の、フ
ェザリングが発生し易い被記録媒体上でも良好な文字品
位のものを得ることができるものと考えられる。
1の細孔物性及びその比表面積は、液体組成物1406
中に含まれる微粒子1409だけでなく、液体組成物や
インクを構成する液媒体組成等によっても影響されるこ
とがわかり、液体組成物から微粒子凝集物を形成した際
に、この微粒子凝集物が特定の比表面積を有するように
構成されている場合、更に、ある特定の細孔半径領域に
おける微粒子凝集物の細孔容積が特定の範囲にあること
が、被記録媒体上で形成される画像形成能と非常に相関
性が高く、本発明においても、液体組成物を所定の処理
を施すことで得られる微粒子凝集物の細孔半径及び細孔
容積を後述するように特定の範囲内とすることはより好
ましい態様の一つである。
明したように、本発明では、被記録媒体の表面で、液体
組成物中の微粒子と、インク中の色材とを液相で反応さ
せるように構成しているため、インクをアニオン性若し
くはカチオン性の水性インクとし、且つ、これと併用す
る液体組成物を、かかる水性インクに対して逆極性に表
面が帯電している微粒子を分散状態で含む水性の液体組
成物とした場合に、特に良好な結果が得られることがわ
かった。即ち、例えば、インク中の色材がアニオン性で
あるときは、液体組成物中の微粒子としてカチオン性の
ものを使用すれば、極めて効率的に、液体組成物中の微
粒子表面に色材が吸着することとなる。これに対し、従
来より行われているインクジェット用コート紙を用いる
ことによって本発明と同程度の色材吸着を達成しようと
すると、多量のカチオン性多孔質微粒子が必要となり、
基紙を覆い隠すような厚いインク受容層の形成が不可欠
となる。このため、コート紙を用いた場合には、基紙の
質感を損ねる結果に繋がる。この場合と比較し、本発明
の液体組成物を用いての画像形成では、液体組成物を構
成する微粒子の量は少なくてすむため、被記録媒体の質
感を損ねることなく、印字部と未印字部で質感において
違和感のない良好な画像形成が可能となる。
色材自体の被記録媒体表面での残存量が十分でなかった
り、従来技術(2)の場合のように、色材の被記録媒体
表面での残存量が十分であったとしても、色材同士を凝
集させてしまうものではなく、本発明によれば、微粒子
表面に吸着した色材を、微粒子と共に被記録媒体表面に
残すことができ、且つ、それらの色材が単分子状態を保
持しているため、高発色な画像が得ることが可能とな
る。
と、色材を有するインクとを被記録媒体の表面に付与し
て画像を形成するという点において、前記した従来技術
において(3)に挙げて説明した、インクに微粒子含有
液体組成物を外添する方法と一見類似しているかのよう
に見える。しかし、前記したように、本発明では、液体
組成物と色材とを積極的に反応させ、液体組成物中の微
粒子を色材の凝集(レーキ)を抑える手段として用いて
いるのに対し、上記(3)で説明した従来技術では、微
粒子を含む溶液の付与の目的は、被記録媒体の表面状態
の改質であり全く異なる。即ち、従来技術においては、
本発明の、液体組成物中の微粒子とインク中の色材との
間で化学的な反応を生じさせるという思想は、何ら開示
されていない。そして、そのメカニズムの差異に基づく
と推測される、これらの従来の記録技術にかかる記録物
と、本発明によって得られる記録物との品質の差異は明
白なものであり、本発明によれば、画像の濃度と彩度と
に非常に優れ、しかも定着性等の画像特性にも優れた画
像が得られる。
れと共に用いるインクの構成成分、について詳細に説明
する。先ず、本明細書におけるカチオン性のインク若し
くはアニオン性のインクの定義について述べる。インク
のイオン特性について言うとき、インク自体は荷電され
ておらず、それ自体では中性であることは、当該技術分
野においてよく知られていることである。ここでいうア
ニオン性のインク若しくはカチオン性のインクとは、イ
ンク中の成分、例えば、色材がアニオン性基若しくはカ
チオン性基を有し、インク中において、これらの基がア
ニオン性基又はカチオン性基として挙動するように調整
されているインクを指すものである。また、アニオン性
又はカチオン性の液体組成物に関しても、その意味は上
記と同様である。
組成物について説明する。 (微粒子凝集物の比表面積)本発明にかかる液体組成物
は、少なくとも溶媒と、インク中の色材と反応性を有す
る微粒子とを含み、下記(1)〜(4)の手順に従っ
て、該液体組成物から形成される微粒子凝集物につい
て、BET窒素吸着脱離法によって測定して求めた比表
面積が70〜250m2/gであることを要する: (1)液体組成物を大気雰囲気下120℃で10時間乾
燥して、ほぼ溶媒分を蒸発させて乾燥する工程; (2)上記乾燥物を120〜700℃まで1時間で昇温
させた後、700℃で3時間焼成する工程; (3)上記(2)で得られた焼成物を常温に戻るまで放
置し、次いで該焼成物を粉体化する工程;及び、 (4)上記(3)で得られた粉体を120℃で8時間真
空脱気して液体組成物から形成される微粒子凝集物を得
る工程。 ここで、上記(1)〜(3)の手順からなる前処理を施
す理由としては、乾燥によって液体組成物から微粒子凝
集物を形成させ、焼成により溶媒成分を完全に除去して
凝集物の内部の細孔を空にして、空隙を形成するためで
ある。
観点から、上記のようにして測定したときに、比表面積
が70〜250m2/gの範囲にある微粒子凝集物が得
られる液体組成物を用いる。このような液体組成物を用
いることによって、色材との反応性がより高まり、色境
界部でのブリードの発生がより緩和され、また文字品位
のより一層の向上効果が得られる。また、インク中の色
材成分との反応性が高くなり過ぎてしまうことがなく、
色材成分の凝集が著しく大きくなることに起因する発色
性の低下も有効に抑えることができる。また、液体組成
物中での微粒子同士のインタラクションが大きくなり過
ぎることに起因する分散安定性の低下や、微粒子の凝集
による液体組成物の貯蔵安定性の低下も、有効に抑制す
ることができる。より好ましい比表面積の範囲として
は、100〜200m2/gである。この範囲内では色
材との反応性のバランスが特に優れ、得られる画像が、
ブリードの発生が抑制され、文字品位の向上とスジムラ
の抑制がより一層優れたものとなる。更に、適度な細孔
を有する微粒子凝集物が形成され易く、発色性がより一
層高くなるので、この点からも好ましい。
面積は、窒素吸着脱離法によってBET法による比表面
積を求めるが、BET比表面積は、上記のようにして前
処理を行って、液体組成物から微粒子凝集物を形成した
後、Brunauerらの方法(J.Am.Chem.Soc.,Vol.6
0、309、1938)により求めることができる。本
発明においては、かかる方法を用いて測定した。
先に記録のメカニズムで述べたが、本発明の液体組成物
を画像形成に用いた場合においては、含有されている特
定の微粒子によって被記録媒体の表面近傍に微粒子凝集
物が形成されるが、かかる凝集物の内部には、ある程度
の大きさの細孔が形成される。すると、インク中で単独
に存在していた色材は、被記録媒体内部へとインクが浸
透していく際に、この微粒子凝集物の細孔内部へと浸透
し、細孔の入口付近や内壁に、理想的な単分子状態で吸
着されるので、色材は、より多く被記録媒体の表面近傍
に残留することになり、これによって、より一層優れた
発色性を有する記録物を得ることが可能となる。従っ
て、本発明の液体組成物は、更に、画像形成の際に、微
粒子凝集物内に適度な細孔が形成されるように構成する
ことが好ましい。
によって形成される細孔は、上記した微粒子凝集物につ
いての比表面積を測定する場合におけると同様にして窒
素吸着脱離法により測定することができる。即ち、本発
明の液体組成物は、少なくとも微粒子と溶媒を含む液体
組成物から、前記した方法によって形成される微粒子凝
集物の比表面積が特定の範囲にあり、更に好ましくは、
ある特定の細孔半径領域における細孔容積を測定し、か
かる値が好適な範囲内となるように構成することによっ
て、より良好な画像の形成が可能となる。
上記で述べた方法で液体組成物から形成した微粒子凝集
物について、窒素吸着脱離法で測定した微粒子凝集物の
細孔半径が3nm〜30nmの領域における細孔容積が
特定の範囲にある場合に、良好な画像形成が可能となる
ことがわかった。この細孔のサイズ領域における細孔容
積が画像形成能に対し相関性が高い理由は明確ではない
が、推測するに、この細孔半径より小さい領域では、微
粒子凝集物の内部への色材や溶媒成分の浸透が著しく低
下し、細孔に起因した色材の吸着が少なく、実質的に発
色性の向上に関与しないと考えられる。一方、この細孔
半径の領域よりも大きな細孔では、色材や溶媒成分の浸
透が起こり易くなる反面、細孔の入口付近や内部に吸着
した色材は、細孔自体の光散乱の影響によって色材が光
の吸収に関与しにくくなり、逆に発色性の低下が引き起
こされると考えられる。
液体組成物に行った場合に形成される微粒子凝集物につ
いて、細孔半径が3nm〜30nmの領域と、30nm
を超える領域での細孔容積を測定することが、液体組成
物を用いて形成した形成画像の発色性能の測定方法とし
て効果的である。この領域における細孔物性の測定方法
としては、前記したように窒素吸着脱離法による方法が
最も最適である。細孔半径と細孔容積は、前記した前処
理した液体組成物試料を120℃で8時間真空脱気した
後、窒素吸着脱離法よりBarrettらの方法(J.Am.Chem.S
oc.,Vol.73,373,1951)から求めることが
できる。更に好ましい測定方法は、微粒子凝集物に形成
された細孔について、細孔半径が3nm〜20nmの領
域と、20nmを超える領域での細孔容積を測定するこ
とである。この範囲では、色材が染料である場合に、特
に、より一層の発色性の向上が得られるため、かかる発
色性能を測定するうえで好ましい。
材の速やかな浸透と細孔入口付近や内壁への吸着及び細
孔内部での色材の凝集を防ぐ観点から、3nm〜30n
mの範囲であることが好ましいと考えられる。また、発
色性の向上に寄与するだけの色材を内部に取り込むため
には、同時に、ある程度の容量が必要である。また、細
孔容積が増すことで微粒子凝集物内の細孔の数も増加す
ると考えられ、細孔内部への色材の吸着量だけでなく、
細孔の入口付近での吸着量も増加すると考えられる。
に用いられる液体組成物は、前記したような方法で微粒
子凝集物内の細孔を測定した場合に、細孔半径が3nm
〜30nmの範囲における細孔容積が0.4ml/g以
上で、細孔半径が30nmを超える領域での細孔容積が
0.1ml/g以下であるものが好ましい。細孔半径を
上記したような範囲内とすることにより、細孔内部へ色
材や溶媒成分浸透し、微粒子凝集物の細孔が発色性の向
上に有効に寄与することとなる。また、細孔による光散
乱が抑えられるため、細孔入口付近や内壁に吸着した色
材が発色性に寄与しにくくなることも有効に抑制するこ
とができる。
nm〜20nmの範囲における細孔容積が0.4ml/
g以上で、細孔半径が20nmを超える領域での細孔容
積が0.1ml/g以下あるものを使用することが好ま
しい。細孔が3nm〜20nmの半径の範囲の細孔が多
く存在することによって、特に、色材に染料を用いた場
合において、発色性は更に向上し、より一層広い色再現
範囲を有する画像が形成できる。液体組成物から形成さ
れる微粒子凝集物の細孔半径や細孔容積は、含まれる微
粒子の化学種や形状、大きさばかりでなく、溶剤種やそ
の他の添加物及びそれらの組成比等により変化し、これ
らの条件を制御することによって微粒子凝集物の形成状
態をコントロールできると考えられる。従って、本発明
の液体組成物を作製する場合には、これらのことを勘案
して、微粒子凝集物内に形成される細孔の形状が上記の
範囲内となるようにすることが好ましい。
明の液体組成物中に含まれる微粒子に望まれる作用とし
ては、下記の1)及び2)等が挙げられるが、これらの
作用は、1種若しくは2種以上の微粒子によって達成さ
れてもよい。 1)インクと混合した際に、色材の本来有する発色性を
損なうことなく色材を粒子表面に吸着できること。 2)インクと混合された際、或いは被記録媒体に付与さ
れた際に、分散安定性が低下して、被記録媒体の表面に
残存すること。
子が有すると好ましい性質としては、例えば、微粒子
が、組み合わせて使用される色材と逆のイオン性を呈す
るものであることが挙げられる。かかる性質を有する微
粒子を用いれば、色材は、微粒子表面に静電的に吸着す
る。例えば、インクに用いる色材がアニオン性である場
合は、カチオン性の微粒子を用い、逆に、色材がカチオ
ン性の場合は、アニオン性の微粒子を用いればよい。上
記したイオン性以外の色材を吸着する要素としては、微
粒子のサイズや質量、或いは表面の形状が挙げられる。
例えば、表面に多数の細孔を持つ多孔質微粒子は、特有
の吸着特性を示し、細孔の大きさや形状等の複数の要素
によって、色材を良好に吸着できるものとなる。
体との相互作用によって引き起こされる。このため、各
構成により達成されればよいが、例えば、微粒子の性質
として、インク組成成分や被記録媒体構成成分と逆のイ
オン性を呈することが挙げられる。また、インク中、或
いは液体組成物中に、電解質を共存させることによって
も微粒子の分散安定性は影響を受ける。本発明において
は、前記した1)と2)の作用のいずれか一方が、イン
クと液体組成物とが混合された場合に瞬時に得られるよ
うに構成することが望ましい。更には、前記した1)と
2)の両方の作用が、インクと液体組成物とが混合され
た場合に瞬時に得られるように構成することがより好ま
しい。
成物であってカチオン性を有するもの(以下、カチオン
性液体組成物と呼ぶ)としては、例えば、カチオン性基
を表面に有する微粒子と酸を含み、該微粒子が安定に分
散されてなる液体組成物が挙げられる。本発明において
好適なカチオン性の液体組成物としては、例えば、酸を
含み、そのpHが2〜7に調整されたものや、或いは、
ゼータ電位が+5〜+90mVのものが挙げられる。
液体組成物のゼータ電位について述べる。先ず、ゼータ
電位の基本原理について説明する。一般に、固体が液体
中に分散している系において、固相の表面に遊離電荷が
ある場合、固相界面付近の液相には、反対電荷の荷電層
が電気的中性を保つように現れる。これは、電気的二重
層と呼ばれ、この電気的二重層による電位差のことをゼ
ータ電位と呼んでいる。ゼータ電位がプラスである場
合、微粒子の表面はカチオン性を示し、マイナスではア
ニオン性を示す。一般に、その絶対値が高いほど微粒子
間に働く静電的反発力が強くなり、分散性がよいと言わ
れ、同時に微粒子表面のイオン性が強いことが考えられ
る。即ち、カチオン性微粒子では、ゼータ電位が高いほ
どカチオン性が強く、インク中のアニオン性化合物を引
き付ける力が強いと言える。
チオン性液体組成物のゼータ電位と、形成される画像の
画質との関係について検討した結果、ゼータ電位が+5
〜+90mVの範囲にある液体組成物を用いた場合に
は、被記録媒体上に形成してなる着色部が、特に優れた
発色特性を呈することを見出した。その理由は定かでは
ないが、おそらく、微粒子のカチオン性が適度であるた
めに、急速なアニオン性化合物(アニオン性色材)の凝
集が起こらずにアニオン性化合物が微粒子表面に薄く均
一に吸着するので、色材が巨大なレーキを形成しにく
く、その結果、色材本来の発色特性がより良好な状態で
発現されるものと考えられる。更に、本発明にかかるカ
チオン性液体組成物では、アニオン性化合物を微粒子表
面に吸着した後も、微粒子が弱いカチオン性を呈しつつ
分散不安定状態となることで、微粒子が凝集しながら、
被記録媒体中に存在するアニオン性のセルロース繊維等
の表面に容易に吸着して、被記録媒体の表面近傍に残り
易くなっていると考えられる。
られるものと考えられる。即ち、本発明にかかるカチオ
ン性液体組成物を使用することによって、インクジェッ
ト用コート紙並みの優れた発色特性と、シャドウ部やベ
タ部等のインク付与量が多い画像領域において、白モヤ
や色ムラが少なく、色の均一性に優れたものとなる。ま
た、コート紙と比べて極めて効率よく微粒子表面に、色
材等のアニオン性化合物が吸着し発色するために、カチ
オン性微粒子の付与量も少なくできるので、とりわけ普
通紙に印字した場合には、紙の風合いを損なうことがな
く、印字部の耐擦過性にも優れる良好な画像が得られ
る。より好ましいゼータ電位の範囲としては、例えば、
ゼータ電位が+10〜+85mVの範囲にあるカチオン
性微粒子を含む液体組成物を使用した場合には、ベタ印
字した際にドット間の境界が目立ち難くなり、ヘッドス
キャンによるスジムラのより少ない良好な画像が得られ
る。
Hは、保存安定性とアニオン性化合物の吸着性の観点か
ら、25℃付近で2〜7の範囲にあることが好ましい。
このpHの範囲内においては、アニオン性のインクと混
合した際に、アニオン性化合物の安定性を著しく低下さ
せることがないため、アニオン性化合物同士の強い凝集
を引き起こすことがなく、記録画像の彩度が下がった
り、くすんだ画像となることを有効に防止することがで
きる。また、上記範囲内であると、カチオン性微粒子の
分散状態も良好になるので、液体組成物の保存安定性や
記録ヘッドからの吐出安定性を良好に維持することがで
きる。更には、インクと混合した際に、アニオン性物質
がカチオン性微粒子表面に十分に吸着されるので、被記
録媒体内部への色材の過度の浸透が抑えられ、優れた発
色性のインクジェット記録物を得られる。より好ましい
pHの範囲としては、pHが3〜6であり、この範囲で
は、長期保存による記録ヘッドの腐食を極めて有効に防
止できると共に、印字部の耐擦過性もより一層向上す
る。
るカチオン性液体組成物を構成する成分について述べ
る。先ず、第1の成分として挙げられるカチオン性の微
粒子としては、上記した作用効果を達成するためには、
液体組成物中に分散された状態において、粒子自体の表
面がカチオン性を呈するものであることが好ましい。即
ち、表面をカチオン性とすることによって、アニオン性
のインクと混合した際に、アニオン性の色材が粒子表面
に速やかに吸着される結果、色材の被記録媒体内部への
過度の浸透が抑えられるので、十分な画像濃度のインク
ジェット記録物が得られる。これに対し、微粒子表面が
カチオン性ではなく、且つ液体組成物の中で水溶性のカ
チオン性化合物と別々に存在しているような場合には、
カチオン性化合物を中心に色材が凝集を起こし、色材自
体の発色特性を損なうためにインクジェット用コート紙
並みの発色性を達成することが困難となる。
は、その表面がカチオン性である必要があるが、本質的
にカチオン性である微粒子は勿論のこと、本来は静電的
にアニオン性或いは中性である微粒子であっても、処理
によって表面がカチオン化された微粒子であれば、本発
明の液体組成物の構成材料として好適に用いることがで
きる。
子としては、被記録媒体上で形成されるこれらの微粒子
による凝集物に細孔が形成され、その比表面積が特定の
範囲内にあれば、本発明の目的を十分に達成できるので
いずれのものでもよく、特に微粒子の材料種に限定はな
い。具体例を挙げるとすれば、例えば、カチオン化し
た、シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、チタニア、ジ
ルコニア、ボリア、シリカボリア、セリア、マグネシ
ア、シリカマグネシア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト等や、これらの複
合微粒子や有機微粒子、無機有機複合微粒子等が挙げら
れる。そして、本発明の液体組成物においては、これら
の中から単独で、或いは2種以上混合して使用すること
ができる。
粒子は、特に、粒子表面が正電荷を有しているため好ま
しく、更に、X線回折法でべーマイト構造を示すアルミ
ナ水和物を用いれば、優れた発色性や色の均一性、保存
安定性等の点で好ましい。アルミナ水和物は、下記の一
般式により定義される。
0〜10、好ましくは0〜5の値を有する。mH2Oの
表現は、多くの場合に結晶格子の形成に関与しない脱離
可能な水相を表すものであり、そのために、mは、整数
でない値をとることもできる。但し、mとnは同時に0
とはならない。
和物の結晶は、その(020)面が巨大平面を形成する
層状化合物であり、X線回折図形に特有の回折ピークを
示す。完全ベーマイトの他に、擬ベーマイトと称する、
過剰な水を(020)面の層間に含んだ構造をとること
もできる。この擬ベーマイトのX線回折図形は、完全ベ
ーマイトよりもブロードな回折ピークを示す。
できるものではないので、本発明では特に断わらない限
り、両者を含めてベーマイト構造を示すアルミナ水和物
(以下、単にアルミナ水和物)という。(020)面が
面間隔及び(020)の結晶厚さは、回折角度2θが1
4〜15°に現れるピークを測定して、ピークの回折角
度2θと半値幅Bから、面間隔は、ブラッグ(Bragg)
の式で、結晶厚さはシェラー(Scherrer)の式を用いて
求めることができる。(020)の面間隔は、アルミナ
水和物の親水性・疎水性の目安として用いることができ
る。本発明で用いるアルミナ水和物の製造方法として
は、特に限定されないが、ベーマイト構造をもつアルミ
ナ水和物を製造できる方法であれば、例えば、アルミニ
ウムアルコキシドの加水分解や、アルミン酸ナトリウム
の加水分解等の公知の方法で製造することができる。
れているように、X線回折的に無定形のアルミナ水和物
を、水の存在下で50℃以上で加熱処理することによっ
てベーマイト構造に変えて用いることができる。特に好
ましく用いることができる方法は、長鎖のアルミニウム
アルコキシドに対して酸を添加して加水分解・解膠を行
うことによってアルミナ水和物を得る方法である。ここ
で、長鎖のアルミニウムアルコキシドとは、例えば、炭
素数が5以上のアルコキシドであり、更に炭素数12〜
22のアルコキシドを用いると、後述するように製造工
程におけるアルコール分の除去及びアルミナ水和物の形
状制御が容易になるため好ましい。
キシドに対して添加する酸としては、有機酸及び無機酸
の中から1種又は2種以上を自由に選択して用いること
ができるが、加水分解の反応効率及び得られたアルミナ
水和物の形状制御や分散性の点で、硝酸を用いることが
最も好ましい。この工程の後に、水熱合成等を行って粒
子径を制御することも可能である。硝酸を含むアルミナ
水和物の分散液を用いて水熱合成を行うと、水溶液中の
硝酸がアルミナ水和物表面に硝酸根として取り込まれ、
該水和物の水分散性を向上させることができる。
の加水分解によるアルミナ水和物の方法は、アルミナヒ
ドロゲルやカチオン性アルミナを製造する方法と比較し
て、各種イオン等の不純物が混入し難いという利点があ
る。更に、長鎖のアルミニウムアルコキシドは、加水分
解後の長鎖のアルコールが、例えば、アルミニウムイソ
プロキシド等の短鎖のアルコキシドを用いる場合と比較
して、アルミナ水和物の脱アルコールを完全に行うこと
ができるという利点もある。上記した方法においては、
加水分解の開始時の溶液のpHを6未満に設定すること
が好ましい。pHが8を超えると、最終的に得られるア
ルミナ水和物が結晶質になるので、好ましくない。
としては、X線回折法でベーマイト構造を示すものであ
れば、二酸化チタン等の金属酸化物が含有されたアルミ
ナ水和物を用いることもできる。二酸化チタン等の金属
酸化物の含有比率は、アルミナ水和物の0.01〜1.
00質量%であれば光学濃度が高くなるので好ましく、
より好ましくは0.13〜1.00質量%であり、この
ようなものを使用すれば、色材の吸着速度が速くなっ
て、滲みやビーディングが発生し難くなる。更に、この
場合に使用する二酸化チタンは、チタンの価数が+4価
であることが必要である。二酸化チタンの含有量は硼酸
に融解してICP法で調べることができる。また、アル
ミナ水和物中の二酸化チタンの分布とチタンの価数はE
SCAを用いて分析することができる。
イオンで100秒及び500秒エッチングして、チタン
の含有量の変化を調べることができる。二酸化チタン
は、チタンの価数が+4価よりも小さくなると、二酸化
チタンが触媒として働くようになって、得られる印字物
の耐候性が低下したり、印字部の黄変が起こり易くなる
ことがある。
面近傍だけでもよく、内部まで含有していてもよい。ま
た、含有量が表面から内部にかけて変化していてもよ
い。表面のごく近傍にのみ二酸化チタンが含有されてい
ると、アルミナ水和物の電気的特性が維持され易いの
で、更に好ましい。
製造する方法としては、例えば、学会出版センター刊
「表面の科学」第327頁(田丸謙二編、1985年)
に記載されているような、アルミニウムアルコキシドと
チタンアルコキシドの混合液を加水分解して、製造する
方法が好ましい。その他の方法としては、前記アルミニ
ウムアルコキシドとチタンアルコキシドとの混合液を加
水分解するときに、結晶成長の核としてアルミナ水和物
を添加して製造することもできる。
シウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜
鉛、硼素、ゲルマニウム、錫、鉛、ジルコニウム、イン
ジウム、燐、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、
モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、
ニッケル、及びルテニウム等の酸化物のいずれかを含有
させたものを用いることもできる。例えば、シリカを含
有したアルミナ水和物は印字部の耐擦過性の向上に効果
がある。
れるアルミナ水和物としては、その(020)面の面間
隔が0.614nm〜0.626nmの範囲のものが好
適に用いられる。この範囲内では液体組成物中でのアル
ミナ水和物粒子の分散安定性が良好で、保存安定性や吐
出安定性に優れた液体組成物が得られる。この理由は定
かではないが、(020)面の面間隔が上記範囲内にあ
るものは、アルミナ水和物の疎水性及び親水性の量比率
が適度な範囲であるため、液体組成物中で粒子同士の適
度な反発による分散安定や、吐出口内部での濡れ性のバ
ランスが適度であることにより、液体組成物の吐出安定
性が良好になるものと推測している。
しては、その(020)面の結晶厚さが4.0〜10.
0nmの範囲のものが好ましい。この範囲内であると、
透明性や色材の吸着性に優れるからである。本発明者ら
の知見によれば、(020)面の面間隔と(020)面
の結晶厚さは相関があるので、(020)面の面間隔が
上記範囲内であれば、(020)面の結晶厚さを4.0
〜10.0nmの範囲に調整することができる。
ウム、アルミニウム塩等をか焼等の熱処理することによ
り作製されるアルミナ(酸化アルミニウム)も同様に正
電荷をもつため好適に用いられる。アルミナとしては、
α型、γ型、更に、δ、χ、η、ρ、β型等の結晶状態
を持つものがあり、表面がカチオン性に保たれた形で、
水中にて安定的に分散するものであればいずれも用いる
ことができる。中でもγ型は、表面が活性で、色材の吸
着力が高く、比較的微粒化された安定な微粒子分散体も
形成し易いため、発色性や保存性、吐出安定性等に優
れ、好適に用いることができる。
チオン性微粒子は、印字後の発色性、色の均一性及び保
存安定性等の観点から、動的光散乱方式により測定され
る平均粒子直径が0.005〜1μmの範囲のものが好
適に用いられる。この範囲内では、被記録媒体内部への
過度の浸透を有効に防ぐことができ、発色性や色の均一
性の低下を抑えることができる。また、カチオン性微粒
子が液体組成物中で沈降することも抑えられ、液体組成
物の保存安定性の低下も有効に防止することができる。
より好ましくは、平均粒子直径が0.01〜0.8μm
の範囲内のものであり、このような微粒子を用いれば、
被記録媒体に印字した後の画像の耐擦過性や質感が特に
好ましいものとなる。更に好ましくは、平均粒子直径が
0.03〜0.3μmの範囲内のものであり、このよう
な微粒子は被記録媒体上で形成される微粒子凝集物の細
孔が、目的とする細孔半径領域において効果的に形成し
易いため、好ましい。
た、本発明で使用する上記したようなカチオン性微粒子
は、被記録媒体上で形成される微粒子凝集物の細孔を効
率的に形成すると同時に、微粒子自体の表面に色材を効
率よく吸着させるうえにおいて、上記窒素吸着脱離法に
おける微粒子の極大細孔半径が2nm〜12nmで、全
細孔容積が0.3ml/g以上であるものが好ましい。
より好ましくは、微粒子の極大細孔半径が3nm〜10
nmで、全細孔容積が0.3ml/g以上であるもの
が、被記録媒体上で形成される微粒子凝集物の細孔が、
目的とする細孔半径領域において効果的に形成され易い
ため好ましい。
チオン性微粒子のBET比表面積が70〜300m2/
gの範囲内であると、微粒子表面への色材の吸着点が十
分存在することによって、単分子状態で色材をより効果
的に被記録媒体の表面近傍に残し易くなり、発色性の向
上に寄与することができるので好ましい。更に、色材成
分との反応性の観点から、微粒子のBET比表面積が1
00〜250m2/gの範囲である場合に、効果的に微
粒子凝集物の比表面積を、本発明で目的とする範囲に制
御し易いため、色境界部でのブリードの抑制や、文字品
位の向上に優れる微粒子凝集物を形成し易い液体組成物
が容易に得られる。更に、比表面積が130〜200m
2/gの範囲内の微粒子を使用した場合には、色材との
反応性のバランスが特に優れ、ブリードの抑制や文字品
位の向上、更には、スジムラの抑制に優れた画像形成が
可能な本発明の液体組成物とできる。更に、かかる特性
を有する微粒子を使用すれば、適度な細孔を有する微粒
子凝集物が形成され易く、画像形成に用いた場合に得ら
れる画像の発色性をより一層高くできるので好ましい。
微粒子をイオン交換水に分散させてコロジオン膜上に滴
下して測定用試料を作製し、透過型電子顕微鏡で観察し
て求めることができる。本発明においては、被記録媒体
上で微粒子凝集物を形成させる際に凝集物内に細孔を形
成させる点で、微粒子形状が、針状や平板形状、若しく
は球状の1次粒子が、ある方向性を持って繋がった二次
粒子を形成している棒状やネックレス状等の非球形状の
ものを好適に用いることができる。
の方が、針状や毛状束(繊毛状)よりも水への分散性が
よく、微粒子凝集物を形成した場合に微粒子の配向がラ
ンダムになるために、細孔容積が大きくなるのでより好
ましい。ここで毛状束形状とは、針状の微粒子が側面同
士を接して髪の毛の束のように集まった状態をいう。特
に、本発明で好ましく用いることができるアルミナ水和
物の中でも、擬ベーマイトには、前記文献(Rocek J.,
etal, Applied Catalysis,74巻、29〜36頁、19
91年)に記載されたように、繊毛状とそれ以外の形状
があることが一般に知られている。
5−16015号公報に定義されている方法で求めるこ
とができる。アスペクト比は、粒子の厚さに対する直径
の比で示される。ここで直径とは、アルミナ水和物を、
顕微鏡又は電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積
と等しい面積を有する円の直径を示すものとする。縦横
比はアスペクト比と同じように観察して、平板面の最小
値を示す直径と最大値を示す直径の比で表わされる。ま
た、毛状束形状の場合には、アスペクト比を求める方法
は、毛状束を形成する個々の針状のアルミナ水和物粒子
を円柱として、上下の円の直径と長さをそれぞれ求め、
その比をとることで求めることができる。最も好ましい
アルミナ水和物の形状は、平板状では平均アスペクト比
が3〜10の範囲で、毛状束では平均アスペクト比が3
〜10の範囲が好ましい。平均アスペクト比が上記範囲
内であれば、微粒子凝集物を形成したときに、粒子間に
隙間が形成され易いため多孔質構造を容易に形成するこ
とができる。
おける上記したようなカチオン性微粒子の含有量として
は、使用する物質の種類により、最適な範囲を適宜決定
すればよいが、質量基準で0.1〜40%の範囲が本発
明の目的を達成するうえで好適な範囲であり、より好ま
しくは1〜30%、更には3〜15%の範囲が好適であ
る。このような範囲内では、紙種に因らず優れた発色の
画像を安定に得ることができ、また、液体組成物の保存
安定性や吐出安定性にも特に優れている。
カチオン性液体組成物は、酸を含み、pHが2〜7に調
整されたものであることが好ましいが、この第2の成分
である酸は、カチオン性微粒子表面をイオン化し、表面
電位を高めることにより、液中での微粒子の分散安定性
を向上させると共に、インク中のアニオン性化合物(ア
ニオン性色材)の吸着性向上や、液体組成物の粘度調整
の役割を果たす。本発明に好適に用いられる酸は、使用
するカチオン性微粒子と組み合わせて、所望のpHやゼ
ータ電位或いは微粒子分散性等の物性が得られるもので
あれば特に限定はなく、下記に挙げるような、無機酸や
有機酸等から自由に選択して使用することができる。
酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、燐酸、硼酸、及び炭
酸等が挙げられ、有機酸としては、例えば、下記に挙げ
るようなカルボン酸やスルホン酸、アミノ酸等が挙げら
れる。
酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、フル
オロ酢酸、トリメチル酢酸、メトキシ酢酸、メルカプト
酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カ
プロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸、シクロヘキサンカルボン酸、
フェニル酢酸、安息香酸、o−トルイル酸、m−トルイ
ル酸、p−トルイル酸、o−クロロ安息香酸、m−クロ
ロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ブロモ安息香
酸、m−ブロモ安息香酸、p−ブロモ安息香酸、o−ニ
トロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香
酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、p
−ヒドロキシ安息香酸、アントラニル酸、m−アミノ安
息香酸、p−アミノ安息香酸、o−メトキシ安息香酸、
m−メトキシ安息香酸、及びp−メトキシ安息香酸等が
挙げられる。
ゼンスルホン酸、メチルベンゼンスルホン酸、エチルベ
ンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、2,
4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメ
チルベンゼンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、1−
スルホナフタレン、2−スルホナフタレン、ヘキサンス
ルホン酸、オクタンスルホン酸、及びドデカンスルホン
酸等が挙げられる。
ニン、バリン、α−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、β−
アラニン、タウリン、セリン、ε−アミノ−n−カプロ
ン酸、ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン等が
挙げられる。
成物においては、これらを1種又は2種以上混合して使
用することができる。これらの中でも、使用する酸の水
中での一次解離定数pkaが5以下のものは、カチオン
性微粒子の分散安定性やアニオン性化合物の吸着性に特
に優れるため、特に好適に用いることができる。このよ
うなものとしては、具体的には、塩酸、硝酸、硫酸、燐
酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、マレイン
酸、及びマロン酸等が挙げられる。
は、液体組成物中におけるカチオン性微粒子(A)と酸
(B)の混合比率を、質量基準でA:B=200:1〜
5:1、より好ましくは150:1〜8:1の範囲とな
るようにすることが、カチオン性微粒子の分散安定性の
向上、及びアニオン性化合物の微粒子表面への吸着性の
向上を図るうえで好ましい。
チオン性液体組成物を構成するその他の成分について具
体的に説明する。本発明にかかるカチオン性液体組成物
は、上記したカチオン性微粒子を必須の成分とし、好ま
しくは上記したような酸を含み、その他に、通常は液媒
体として水を含むが、更に、液媒体として水溶性有機溶
剤及びその他の添加剤を含んでいてもよい。
は、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレ
ングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコー
ル、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等の
アルキレングリコール類、エチレングリコールメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アル
コールの低級アルキルエーテル類、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチル
アルコール等の1価アルコール類の他、グリセリン、N
−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−イミダ
ゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメ
チルサルホキサイド等が挙げられる。保湿剤としては、
尿素、チオ尿素、エチレン尿素、アルキル尿素、アルキ
ルチオ尿素、ジアルキル尿素及びジアルキルチオ尿素等
の含窒素化合物、グルシトール、マンニトール、イノシ
トール等の糖類が挙げられる。上記水溶性有機溶剤及び
保湿剤の含有量については特に制限はないが、例えば、
液体組成物全質量の5〜60%、更には5〜40%が好
適な範囲である。
他、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、
各種界面活性剤、酸化防止剤及び蒸発促進剤、水溶性カ
チオン性化合物やバインダー樹脂等の添加剤を適宜に配
合しても構わない。界面活性剤の選択は、液体組成物の
被記録媒体への浸透性を調整するうえで特に重要であ
る。
アミン塩型の化合物、具体的には、ラウリルアミン、ヤ
シアミン、ステアリルアミン、ロジンアミン等の塩酸
塩、酢酸塩など、第4級アンモニウム塩型の化合物、具
体的には、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジ
ルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコ
ニウム等;ピリジニウム塩型化合物、具体的には、セチ
ルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマ
イド等;イミダゾリン型カチオン性化合物、具体的には
2−ヘプタデセニルーヒドロキシエチルイミダゾリン
等;高級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物、具
体的には、ジヒドロキシエチルステアリルアミン等の陽
イオン性界面活性剤や、あるpH領域においてカチオン
性を示す様な両性界面活性剤も用いることができる。具
体的には、例えば、アミノ酸型両性界面活性剤;R−N
H−CH 2−CH2−COOH型の化合物;ベタイン型の
化合物、具体的には、ステアリルジメチルベタイン、ラ
ウリルジヒドロキシエチルベタイン等のカルボン酸塩型
両性界面活性剤の他、硫酸エステル型、スルホン酸型、
リン酸エステル型等の両性界面活性剤等が挙げられる。
また、非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルエステル類、アセチレンアルコール類、アセチ
レングリコール類等の非イオン性界面活性剤が挙げら
れ、本発明においては、これらから1種または2種以上
を適宜選択して用いることができる。
ール類やアセチレングリコール類は好適に用いられる。
即ち、これらの界面活性剤は、該液体組成物の普通紙へ
の浸透性を向上させることができる一方で、液体組成物
の泡立ちを抑え、また仮に泡だったときにもその泡を速
やかに消滅させることができる。尚、使用量は、用いる
界面活性剤により異なるが、液体組成物全量に対して
0.05〜5質量%とすることが、液体組成物の十分な
浸透性を確保できるため、望ましい。
にかかるカチオン性液体組成物のカチオン性の更なる付
与等を目的に、本発明の作用効果を阻害しない範囲にお
いて、自由に選択し、添加することができる。
等の目的で、被記録媒体の質感や、液体組成物の保存安
定性や吐出安定性を損ねない範囲において併用すること
ができる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオ
キサイド、カゼイン、でんぷん、カルボキシメチルセル
ロース等の水溶性ポリマーや、ポリアクリル酸、ポリウ
レタン、ポリ酢酸ビニル等や、その共重合体のエマルジ
ョン、SBR、NBR等のラテックス等から、自由に選
択し、使用することができる。
カチオン性液体組成物は、無色或いは白色であることが
より好ましいが、被記録媒体の色に合わせて調色しても
よい。更に、以上のような成分を含む液体組成物の各種
物性の好適な範囲としては、表面張力を10〜60mN
/m(dyn/cm)、より好ましくは10〜40mN
/m(dyn/cm)とし、粘度を1〜30mPa・s
(cP)としたものである。
液体組成物であってアニオン性を有するもの(以下、ア
ニオン性液体組成物と呼ぶ)について説明する。本発明
にかかるアニオン性液体組成物は、アニオン性基を表面
に有する微粒子を必須の成分とし、該微粒子が安定に分
散していることを特徴とするが、更には、塩基を含みp
Hが7〜12に調整されているものや、ゼータ電位が−
5〜−90mVであるものが好ましい。
らが鋭意検討した結果、本発明にかかるアニオン性液体
組成物のゼータ電位が−5〜−90mVの範囲にあるも
のは、インク中のカチオン性化合物(例えば、カチオン
性色材)がアニオン性微粒子の表面に特に効率よく吸着
し、被記録媒体上において特に優れた発色特性を呈する
ことを見出した。その理由は定かではないが、おそらく
先に説明したカチオン性液体組成物の場合と同様に、微
粒子のアニオン性が適度であるために、インク中のカチ
オン性化合物の急速な凝集が起こらずに、微粒子表面に
薄く均一に吸着することで色材が巨大なレーキを形成せ
ず、色材本来の発色特性がよりよく発現されるものと考
えられる。更に、本発明にかかるアニオン性液体組成物
においては、カチオン性化合物を、アニオン性微粒子表
面に吸着した後に分散不安定となり、被記録媒体上で溶
媒成分が浸透する際の濃度変化で微粒子同士が凝集して
表面近傍に残り易くなるものと考えられる。
れるものと考えられる。即ち、インクジェット用コート
紙並みの優れた発色特性の達成と、シャドウ部やベタ部
等のインク付与量が多い画像領域において白モヤや色ム
ラが少なく、色の均一性に優れたものとなる。また、コ
ート紙と比べて、極めて効率よく微粒子表面にカチオン
性化合物が吸着し、発色するために、アニオン性微粒子
の付与量も少なくでき、とりわけ普通紙に印字した場合
には、紙の風合いが保たれ、印字部の耐擦過性もよくな
る。より好ましいゼータ電位の範囲としては、例えば、
ゼータ電位が−10〜−85mVの範囲にあるアニオン
性微粒子を含む液体組成物を使用した場合は、ベタ印字
した際にドット間の境界が目立ち難くなり、ヘッドスキ
ャンによるスジムラのより一層の低減された良好な画像
が得られる。
Hは、保存安定性とカチオン性化合物の吸着性の観点か
ら、25℃付近で7〜12の範囲であることが好まし
い。このpH範囲内においては、カチオン性のインクと
混合した際に、カチオン性化合物の安定性を著しく低下
させることがないため、カチオン性化合物同士の強い凝
集を引き起こすことがなく、記録画像の彩度が下がった
り、くすんだ画像となることを有効に防止することがで
きる。また、上記のような範囲内にあれば、アニオン性
微粒子の分散性も良好であるため、液体組成物の保存安
定性や記録ヘッドからの吐出安定性を良好に維持するこ
とができる。更には、インクと混合した際に、カチオン
性物質がアニオン性微粒子表面に十分に吸着され、被記
録媒体の内部への色材の過度の浸透を抑えるため、優れ
た発色性のインクジェット記録物を得られる。より好ま
しいアニオン性液体組成物のpHの範囲は、8〜11で
あり、pHがこの範囲内であれば、長期保存による記録
ヘッドの腐食を極めて有効に防止できると共に、印字部
の耐擦過性もより一層向上する。
るアニオン性液体組成物を構成する成分について述べ
る。先ず、第1の成分として挙げられるアニオン性の微
粒子としては、上記した作用効果を達成するためには、
液体組成物中に分散された状態において、粒子自体の表
面がアニオン性を呈するものであることが好ましい。即
ち、微粒子表面をアニオン性とすることによって、カチ
オン性のインクと混合した際に、カチオン性の色材が粒
子表面に速やかに吸着される結果、色材が被記録媒体内
部へ過度に浸透することが抑えられるので、十分な画像
濃度のインクジェット記録物を得ることができる。これ
に対し、微粒子表面がアニオン性ではなく、且つ液体組
成物の中で水溶性のアニオン性化合物と別々に存在して
いるような場合には、アニオン性化合物を中心に色材が
凝集を起こし、色材自体の発色特性を損なうために、イ
ンクジェット用コート紙並みの発色性を達成することが
困難となる。
体組成物で用いる微粒子は、表面がアニオン性に帯電し
ていることが必要であるが、本質的にアニオン性である
微粒子は勿論のこと、本来は静電的にカチオン性或いは
中性の微粒子であっても、処理によって表面がアニオン
化された微粒子であれば用いることができる。
子は、被記録媒体上で形成されるこれらの微粒子による
凝集物に細孔が形成され、且つ、微粒子凝集物の比表面
積が特定の範囲にあるものであれば、本発明の目的を達
成するのに十分であり、特に微粒子の材料種に限定はな
い。具体例を挙げるとすれば、例えば、アニオン化し
た、シリカ、チタニア、ジルコニア、ボリア、シリカボ
リア、セリア、マグネシア、シリカマグネシア、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、及び酸化亜鉛等やこれら
の複合微粒子や有機微粒子、無機有機複合微粒子等が挙
げられる。そして、本発明にかかるアニオン性液体組成
物においては、これらを1種又は2種以上混合して使用
することができる。
は、先に説明したカチオン性微粒子の場合と同様に、印
字後のインクの発色性、色の均一性及び保存安定性の観
点から、動的光散乱方式により測定される平均粒子直径
が0.005〜1μmの範囲のものが好適である。より
好ましくは、平均粒子直径が0.01〜0.8μmの範
囲内のものであり、このような微粒子を用いれば、被記
録媒体に印字した後の記録物の耐擦過性や質感が特に好
ましいものとなる。更に好ましくは、平均粒子直径が
0.03〜0.3μmの範囲内のものであり、このよう
な微粒子は、被記録媒体上で形成される微粒子凝集物の
細孔が、目的とする細孔半径領域において効果的に形成
し易いため好ましい。
た、本発明にかかるアニオン性液体組成物で使用する上
記したようなアニオン性微粒子は、被記録媒体上で形成
される微粒子凝集物の細孔を効率的に形成すると同時
に、微粒子自体の表面に色材を効率よく吸着させるうえ
においては、前記した窒素吸着脱離法における微粒子の
極大細孔半径が2nm〜12nmで、全細孔容積が0.
3ml/g以上であるものが好ましい。より好ましく
は、微粒子の極大細孔半径が3nm〜10nmで、全細
孔容積が0.3ml/g以上であるものが、被記録媒体
上で形成される微粒子凝集物の細孔が、目的とする細孔
半径領域において効果的に形成され易いため好ましい。
のBET比表面積が70〜300m 2/gの範囲内であ
ると、微粒子表面への色材の吸着点が十分存在ことによ
って単分子状態で色材をより効果的に被記録媒体の表面
近傍に残し易くなり、発色性の向上に、より寄与するこ
とができるものとなる。更に、色材成分との反応性の観
点から微粒子のBET比表面積が100〜250m2/
gの範囲である場合には、効果的に微粒子凝集物の比表
面積を本発明で目的とする範囲内に制御し易く、色境界
部でのブリードの発生の抑制や、文字品位に優れる微粒
子凝集物を形成し易い液体組成物とできる。更に、比表
面積が130〜200m2/gの範囲内の微粒子を使用
すると、画像形成に用いた場合に、インク中の色材との
反応性のバランスが特に優れ、ブリードの発生が抑制さ
れ、文字品位の向上したスジムラの発生が抑制された、
優れた画像が得られる。更に、適度な細孔を有する微粒
子凝集物が形成され易く、画像形成に用いた場合に、画
像の発色性がより一層高くなるので、この点からも好ま
しい。
の形状は、微粒子をイオン交換水に分散させてコロジオ
ン膜上に滴下して測定用試料を作製し、透過型電子顕微
鏡で観察して求めることができる。本発明においては被
記録媒体上で微粒子凝集物を形成させる際に凝集物内に
細孔を形成させる点で、微粒子形状が、針状や平板形
状、若しくは、球状の1次粒子がある方向性を持って繋
がった二次粒子を形成している棒状やネックレス状等の
非球形状のものを好適に用いることができる。本発明者
らの検討によれば、平板状の形状の方が針状よりも水へ
の分散性がよく、微粒子凝集物を形成した場合に微粒子
の配向がランダムになるために細孔容積が大きくなるの
で、より好ましい。
成物中の含有量としては、使用する物質の種類により、
最適な範囲を適宜に決定すればよいが、質量基準で0.
1〜40質量%の範囲とすることが本発明の目的を達成
する上で好適な範囲であり、より好ましくは1〜30質
量%、更には3〜15質量%の範囲が好適である。この
ような範囲内では、紙種に因らず、優れた発色の画像を
安定に得ることができ、また液体組成物の保存安定性や
吐出安定性にも特に優れている。
るアニオン性液体組成物は、塩基を含み、pHが7〜1
2に調整されたものであることが好ましいが、この第2
の成分である塩基は、アニオン性微粒子表面をイオン化
し、表面電位を高めることにより液中での分散安定性を
向上させると共に、インク中のカチオン性化合物(カチ
オン性色材)の吸着性向上や液体組成物の粘度調整の役
割を果たす。本発明に好適に用いられる塩基は、使用す
るアニオン性微粒子と組み合わせた場合に、所望のp
H、ゼータ電位及び微粒子分散性等の物性が得られるも
のであれば特に限定はなく、下記に挙げるような無機化
合物や有機化合物等から自由に選択して、使用すること
ができる。
水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、
アンモニア、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、更
に、モルホリン、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタノール
アミン、ノルマルブチルモノエタノールアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エチ
ルジエタノールアミン、ノルマルブチルジエタノールア
ミン、ジノルマルブチルエタノールアミン、モノイソプ
ロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイ
ソプロパノールアミン等のアルカノールアミンを用いる
ことができる。これらの中でも特に、塩基の水中での一
次解離定数pkbが5以下の塩基は、アニオン性微粒子
の分散安定性やカチオン性化合物(カチオン性色材)の
吸着性に特に優れるため、好適に用いられる。
のアニオン性微粒子(A)と塩基(B)の混合比率は、
質量基準でA:B=200:1〜5:1、より好ましく
は150:1〜8:1の範囲であれば、アニオン性微粒
子の分散安定性や、該微粒子表面へのカチオン性化合物
の吸着性に優れるため好ましい。
ニオン性液体組成物を構成するその他の成分について具
体的に説明する。本発明にかかるアニオン性液体組成物
は、上記したアニオン性微粒子を必須の成分とし、好ま
しくは上記したような塩基を含み、その他に、通常は液
媒体として水を含むが、更に、水溶性有機溶剤及びその
他の添加剤、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐
剤、各種界面活性剤、酸化防止剤、蒸発促進剤、水溶性
アニオン性化合物やバインダー樹脂等の添加剤を適宜配
合してもかまわない。
類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸
エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イ
オン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキ
シエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレン
アルコール類、アセチレングリコール類等の非イオン性
界面活性剤が挙げられ、本発明においては、これらから
1種または2種以上を適宜選択して使用することができ
る。上記した中でも、特にアセチレンアルコール類や、
アセチレングリコール類が好ましく用いられる。即ち、
これらの界面活性剤は、液体組成物の普通紙への浸透性
を向上させることができる一方で、液体組成物を泡立ち
易くすることがなく、また泡立ったときにも泡を速やか
に消滅させることができる。またアニオン性液体組成物
中の界面活性剤の量としては、最適値は界面活性剤の種
類によって異なるものの、液体組成物全質量基準で0.
05〜5質量%の範囲であれば、当該液体組成物に十分
な浸透性を付与することができるため、この範囲で適宜
調整することが好ましい。
アニオン性液体組成物は、無色或いは白色であるのがよ
り好ましいが、被記録媒体の色に合わせて調色してもよ
い。更に、以上のような液体組成物の各種物性の好適な
範囲としては、表面張力を10〜60mN/m(dyn
/cm)、より好ましくは10〜40mN/m(dyn
/cm)とし、粘度を1〜30mPa・s(cP)とし
たものである。
うなカチオン性またはアニオン性の微粒子を含む本発明
にかかる液体組成物を作製する場合における微粒子の分
散処理方法としては、一般に分散に用いられている方法
の中から適宜に選択して用いることができる。用いる装
置としては、ボールミルやサンドミル等の摩砕型の分散
機よりも、ホモミキサーや回転羽等の緩やかな攪拌の方
が好ましい。ずり応力は、液体組成物の粘度、含有され
ている微粒子の量或いは容積によっても異なるが、例え
ば、0.1〜100.0N/m2の範囲とすることが好
ましい。更に、0.1〜20.0N/m2の範囲とすれ
ば、微粒子自体が有する細孔構造が破壊されて細孔容積
が小さくなるのを有効に防止できるので、より好まし
い。
きさ、及び分散液の温度等によって異なるが、30時間
以下とすることが、微粒子の結晶構造の変化を防止する
点から好ましく、更に10時間以下であれば微粒子の細
孔構造を上記範囲内に制御することができる。分散処理
中は分散液の温度を冷却又は保温等を行って一定範囲に
保ってもよい。好ましい温度範囲は分散処理方法、材料
或いは粘度によって異なるが10〜100℃である。
るカチオン性液体組成物と組み合わせて本発明のインク
セットを構成する際に使用する、水性のアニオン性イン
ク(以下、アニオン性インクと呼ぶ)について説明す
る。ここでいうインクセットとは、例えば、前記したカ
チオン性液体組成物と、アニオン性物質(アニオン性色
材)を含有する少なくとも1種類以上のアニオン性イン
クとの組み合わせをいう。また、このインクセットから
本発明の液体組成物を除いた、少なくとも2種類のイン
クの組み合わせをインクサブセットと呼ぶ。本発明で使
用するアニオン性インクは、色材として、アニオン性基
を含有する水溶性染料を用いるか、或いは色材として顔
料を用いる場合には、アニオン性化合物を併用させたも
の(これも本発明ではアニオン性色材という)を用いる
ことが好ましい。本発明で使用される上記のようなアニ
オン性インクには、更にこれに、水、水溶性有機溶剤及
びその他の成分、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防
腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等が必要に応じて含まれ
て構成される。以下、これらのインクの各構成成分につ
いて説明する。
性基を有する水溶性染料としては、例えば、カラーイン
デックス(Color Index)に記載されている水溶性の酸
性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定されな
い。また、カラーインデックスに記載のないものでも、
アニオン性基、例えば、スルホン基、カルボキシル基等
を有するものであれば特に限定されない。ここでいう水
溶性染料の中には、溶解度のpH依存性があるものも含
まれる。
態としては、上記のようなアニオン性基を有する水溶性
染料の代わりに、顔料及びアニオン性化合物を用い、
水、水溶性有機溶剤及びその他の成分、例えば、粘度調
整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等
を必要に応じて含むインクであってもよい。ここで、ア
ニオン性化合物が顔料の分散剤であってもよいし、顔料
の分散剤がアニオン性でない場合に、分散剤とは別のア
ニオン性化合物を添加したものでもよい。勿論、分散剤
がアニオン性化合物である場合でも、更に、他のアニオ
ン性化合物を添加したものでもよい。
に限定はないが、例えば、以下に説明する顔料が好適に
使用できる。先ず、ブラック顔料インクに使用されるカ
ーボンブラックとしては、ファーネス法やチャネル法で
製造されたカーボンブラックで、一次粒径が15〜40
mμ(nm)、BET法による比表面積が50〜300
m2/g、DBP吸油量が、40〜150ml/100
g、揮発分が0.5〜10質量%、pH値が2〜9であ
るものが好ましい。
2300、No.900、MCF88、No.40、N
o.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、
三菱化成製)、RAVEN 1255(コロンビア製)、REG
AL 400R、REGAL 660R、MOGUL L(以上、キ
ヤボット製)、Color Black FW1、Color BlackFW
18、Color Black S170、Color Black S15
0、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)
等の市販品を使用することができる。また、本発明のた
めに新たに試作されたものでもよい。
は、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Ye
llow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yell
ow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Ye
llow 74、C.I.Pigment Yellow 83、C.I.Pigment
Yellow 93、C.I.Pigment Yellow 128、C.I.Pigm
ent Yellow 134、C.I.Pigment Yellow 144等が
挙げられる。
ては、例えば、C.I.Pigment Red5、C.I.Pigment Red
7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48
(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigme
nt Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 112、C.
I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Violet 19等
が挙げられる。
は、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue
2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 1
5:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue
22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げら
れる。また、上記いずれの色の色材に関しても、本発明
のために新たに製造されたものも使用可能である。
用いることができる顔料の分散剤としては、アニオン性
基の存在によって、顔料を、水、若しくは水性媒体に安
定に分散させる機能を有する水溶性樹脂なら、どのよう
なものでも使用可能である。特に、重量平均分子量が
1,000〜30,000の範囲のものが好ましい。更
に好ましいものは3,000〜15,000の範囲のも
のである。具体的には、例えば、スチレン、スチレン誘
導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコー
ルエステル等の疎水性単量体、又はアクリル酸、アクリ
ル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン
酸、イタコン酸誘導体、フマル酸及びフマル酸誘導体か
ら選ばれる二つ以上の単量体からなるブロック共重合
体、グラフト共重合体或いはランダム共重合体、又はこ
れらの塩等が挙げられる。これらの樹脂は、塩基を溶解
させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型の樹脂である。
又はそれらの塩でもよい。また、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース、ナフタレンスルホン
酸ホルムアルデヒド縮合物等の水溶性樹脂も使用するこ
とが可能である。しかし、アルカリ可溶型の樹脂を用い
た場合の方が、分散液の低粘度化が可能で、分散も容易
であるという利点がある。前記水溶性樹脂は、インク全
量に対して0.1〜5質量%の範囲で使用されることが
好ましい。
如き顔料及び水溶性樹脂を水溶性媒体中に分散又は溶解
して構成される。本発明に用い得る顔料系インクにおい
て好適な水性媒体としては、水及び水溶性有機溶剤の混
合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般
の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用する
のが好ましい。
合、上述した顔料を含むインクに更にアニオン性化合物
を添加することが好ましい。本発明で好適に使用される
アニオン性化合物としては、顔料分散剤の項で説明した
アルカリ可溶性樹脂等の高分子物質の他、下記に挙げる
ような低分子量のアニオン性界面活性剤を挙げることが
できる。
なものとしては、例えば、スルホコハク酸ラウリル二ナ
トリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイ
ルエタノールアミドエステル二ナトリウム、ポリオキシ
エチレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム、カルボ
キシル化ポリオキシエチレンラウリルエーテルナトリウ
ム塩、カルボキシル化ポリオキシエチレントリデシルエ
ーテルナトリウム塩、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウ
ム、アルキル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられる
が、これらに限定されるわけではない。以上のようなア
ニオン性物質の好適な使用量としては、インク全量に対
して、0.05〜10質量%の範囲であり、更に好適に
は0.05〜5質量%である。
ンクに用いることのできる顔料としては、分散剤を用い
ることなしに、水若しくは水性媒体に分散させることの
できる自己分散型の顔料も使用できる。自己分散型の顔
料は、顔料表面に少なくとも1種のアニオン性親水性基
が、直接、若しくは他の原子団を介して結合されている
ものである。アニオン性の親水性基が、例えば、下記に
挙げた親水性基の中から選択される少なくとも1種であ
るもの、更に他の原子団が、炭素原子数1〜12のアル
キレン基、置換基を有してもよいフェニレン基又は置換
基を有してもよいナフチレン基であるものが挙げられ
る。 −COOM、−SO3M、−SO2NH2、−PO3HM、
−PO3M2(これらの式中のMは、水素原子、アルカリ
金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表わ
す。)
によってアニオン性に帯電させた顔料は、イオンの反発
によって優れた水分散性を有するため、水性インク中に
含有させた場合にも分散剤等を添加しなくても安定した
分散状態を維持する。特に、顔料がカーボンブラックで
ある場合に好ましい。
の他に、所望の物性値を持つインクとするために、必要
に応じて、界面活性剤、消泡剤或いは防腐剤等をインク
中に添加することができ、更に、市販の水溶性染料等を
添加することもできる。
類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸
エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イ
オン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキ
シエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレン
アルコール類、アセチレングリコール類等の非イオン性
界面活性剤が挙げられ、本発明においては、これらから
1種または2種以上を適宜選択して使用することができ
る。上記した中でも特に、アセチレンアルコール類や、
アセチレングリコール類が好ましく用いられる。
通紙への浸透性を向上させることができる一方でインク
を泡立ち易くすることがなく、また泡立ったときにも泡
を速やかに消滅させることができる。またインク中の界
面活性剤の量としては、最適値は界面活性剤の種類によ
って異なるものの、インク全質量基準で0.05〜5質
量%の範囲であれば、当該インクに十分な浸透性を付与
することができるため、この範囲で適宜調整することが
好ましい。即ち、インク中に、このような量の界面活性
剤を添加することで、普通紙へのインクの浸透性を向上
させることができる一方で、インクの泡立ちを抑え、ま
た仮に泡だったときにもその泡を速やかに消滅させるこ
とができる。
に、その25℃における表面張力が、10mN/m(d
yne/cm)以上となるようにすることが好ましい。
より好ましくは、表面張力が、20mN/m以上、更に
は30mN/m以上となるように、更には、表面張力が
70mN/m以下となるように調製する。このために
は、インクの表面張力をこのような範囲となるように、
界面活性剤の添加量を決定することが好ましい。このよ
うにすれば、本発明で使用するインクをインクジェット
記録方式に適用した場合に、ノズル先端の濡れによる印
字ヨレ(インク滴の着弾点のズレ)等の発生を有効に抑
えることができる。
方法としては、はじめに、顔料分散用樹脂及び水を少な
くとも含有する水溶液に、顔料を添加して攪拌した後、
後述の分散手段を用いて分散処理を行い、必要に応じて
遠心分離処理を行って、所望の分散液を得る。次に、こ
の分散液に上記に掲げたような成分を更に加えて攪拌し
て、インクとすればよい。
を使用する場合には、樹脂を溶解させるために塩基を添
加することを要する。この際、樹脂を溶解させるための
アミン或いは塩基の量は、樹脂の酸価から計算によって
求められるアミン或いは塩基量の1倍以上を添加するこ
とが必要である。アミン或いは塩基の量は、以下の式に
よって計算で求められる。
にプレミキシングを30分間以上行うと、顔料の分散効
率がよくなる。このプレミキシング操作は、顔料表面の
濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進する
ものである。
液に添加される塩基類としては、例えば、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機ア
ミン或いは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機
塩基を用いることが好ましい。
は、一般に使用される分散機ならいかなるものでもよい
が、例えば、ボールミル、サンドミル等が挙げられる。
その中でも、高速型のサンドミルが好ましく、例えば、
スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジ
テータミル、グレンミル、ダイノールミル、パールミ
ル、コボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
の他に必要に応じて、水溶性有機溶剤、界面活性剤、p
H調製剤、防錆剤、防カビ剤、酸化防止剤、蒸発促進
剤、キレート化剤及び水溶性ポリマー等の添加剤を添加
してもよい。
分散する液媒体は、水と水溶性有機溶剤との混合物であ
ることが好ましい。具体的な水溶性有機溶剤としては、
例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−
ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコー
ル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等
のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリ
コール類、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、
ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアル
キレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコ
ール類、グリセリン、エチレングリコールモノメチル
(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメ
チル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級
アルキルエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラ
ン、ジメチルサルフォオキサイド、2−ピロリドン、ε
−カプロラクタム等の環状アミド化合物、及びスクシン
イミド等のイミド化合物等が挙げられる。
は、一般には、インクの全質量に対して質量%で1〜4
0%が好ましく、より好ましくは3〜30%の範囲であ
る。また、インク中の水の含有量を30〜95質量%の
範囲とした場合に、色材の溶解性等も良好であり、イン
クの粘度が高くなることを抑えることができ、且つイン
クの固着特性を十分に満足させたものとすることができ
る。
般の水性筆記用具としても使用できるが、熱エネルギー
によるインクの発泡現象によりインクを吐出させるタイ
プのインクジェット記録方法に適用する場合に特に好適
であり、吐出が極めて安定となり、サテライトドットの
発生等が生じないという特徴がある。但し、この場合に
は、熱的な物性値(例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝導
率等)を調整する場合もある。
本発明にかかるアニオン性液体組成物と組み合わせて本
発明のインクセットを構成する、水性のカチオン性イン
ク(以下、カチオン性インクと呼ぶ)について説明す
る。ここでいうインクセットとは、本発明の液体組成物
と、カチオン性物質(カチオン性色材)を含有する少な
くとも1種類以上のインクとの組み合わせをいう。ま
た、このインクセットから本発明の液体組成物を除い
た、少なくとも2種類以上のインクの組み合わせをイン
クサブセットと呼ぶ。本発明で使用するカチオン性イン
クは、色材として、カチオン性基を含有する水溶性染料
を用いるか、又は色材として顔料を用いる場合には、カ
チオン性化合物を併用させること(本発明ではこの併用
もカチオン性色材という)が好ましい。本発明で使用さ
れる上記のようなインクには、更にこれに、水、水溶性
有機溶剤、及び必要に応じて添加されるその他の成分、
例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性
剤、酸化防止剤等が含まれて構成される。以下、これら
のインクの各構成成分について説明する。
性基を有する水溶性染料としては、例えば、カラーイン
デックス(Color Index)に記載されている水溶性の染
料であれば特に限定はない。また、カラーインデックス
に記載のないものでも、カチオン性基を有するものであ
れば特に限定はない。尚、ここでいう水溶性染料の中に
は、溶解度のpH依存性があるものも含まれる。
クの別の形態としては、上記したカチオン性基を有する
水溶性染料の代わりに、顔料及びカチオン性化合物を用
い、水、水溶性有機溶剤及びその他の成分、例えば、粘
度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤或いは酸化
防止剤等を必要に応じて含むインクであってもよい。こ
こで、カチオン性化合物が顔料の分散剤であってもよい
し、顔料の分散剤がカチオン性でない場合に、分散剤と
は別のカチオン性化合物を添加したものでもよい。勿
論、分散剤がカチオン性化合物である場合においても、
更に他のカチオン性化合物を添加してもよい。本発明で
使用することができる顔料は特に限定はなく、アニオン
性インクの項で述べた顔料を好適に用いることができ
る。
性インク中の顔料の分散剤は、カチオン性基の存在によ
って顔料を、水若しくは水性媒体に安定に分散させる機
能を有する水溶性樹脂ならどんなものでも使用可能であ
る。具体例としては、ビニルモノマーの重合によって得
られるものであって、得られる重合体の少なくとも一部
がカチオン性を有するものであればよい。カチオン性の
部分を構成するためのカチオン性モノマーとしては、下
記の如き第3級アミンモノマーの塩、及びこれらの4級
化された化合物が挙げられる。
ート [CH2=C(CH3)−COO−C2H4N(CH3)2]、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート [CH2=CH−COO−C2H4N(CH3)2]、N,N−
ジメチルアミノプロピルメタクリレート [CH2=C(CH3)−COO−C3H6N(CH3)2]、
N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート [CH2=CH−COO−C3H6N(CH3)2]、N,N−
ジメチルアクリルアミド [CH2=CH−CON(CH3)2]、N,N−ジメチルメ
タクリルアミド [CH2=C(CH3)−CON(CH3)2]、N,N−ジメ
チルアミノエチルアクリルアミド [CH2=CH−CONHC2H4N(CH3)2]、N,N−
ジメチルアミノエチルメタクリルアミド [CH2=C(CH3)−CONHC2H4N(CH3)2]、
N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド [CH2=CH−CONH−C3H6N(CH3)2]、N,N
−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド [CH2=C(CH3)−CONH−C3H6N(CH3)2]
るための化合物としては、塩酸、硫酸及び酢酸等が挙げ
られ、4級化に用いられる化合物としては、塩化メチ
ル、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、エピクロロヒ
ドリン等が挙げられる。これらの中でも、塩化メチルや
ジメチル硫酸等が本発明で使用する分散剤を調製するう
えで好ましい。以上のような第3級アミンの塩或いは第
4級アンモニウム化合物は水中ではカチオンとして振る
舞い、中和された条件では酸性が安定溶解領域である。
これらモノマーの共重合体中での含有率は20〜60質
量%の範囲が好ましい。
他モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、長鎖のエチレンオキシド鎖を側鎖に有す
るアクリル酸エステル等のヒドロキシ基を有するアクリ
ル酸エステル、スチレン系モノマー等の疎水性モノマー
類、及びpH7近傍の水に溶解可能な水溶性モノマーと
して、アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルピ
ロリドン類、ビニルピリジン類、ビニルオキサゾリン類
が挙げられる。疎水性モノマーとしては、スチレン、ス
チレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘
導体、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、アクリ
ロニトリル等の疎水性モノマーが用いられる。共重合に
よって得られる高分子分散剤中において水溶性モノマー
は、共重合体を水溶液中で安定に存在させるために15
〜35質量%の範囲で用い、且つ疎水性モノマーは、共
重合体の顔料に対する分散効果を高めるために20〜4
0質量%の範囲で用いることが好ましい。
顔料の場合、直接若しくは他の原子団を介して結合した
親水性基が、例えば、下記に挙げる第4級アンモニウム
基から選ばれる少なくとも1つを結合したものが挙げら
れる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
状又は分岐鎖状のアルキル基、置換若しくは未置換のフ
ェニル基、又は置換若しくは未置換のナフチル基を表
す。尚、上記のカチオン性基には、カウンターイオンと
して、例えば、NO3 -やCH3COO-が存在する。
オン性に帯電している自己分散型顔料を製造する方法と
しては、例えば、下記に示す構造のN−エチルピリジル
基を結合させる方法を例にとって説明すると、顔料を3
−アミノ−N−エチルピリジニウムブロマイドで処理す
る方法が挙げられる。
によってカチオン性に帯電させた顔料は、イオンの反発
によって優れた水分散性を有するため、水性インク中に
含有させた場合にも分散剤等を添加しなくても安定した
分散状態を維持する。特に上記顔料がカーボンブラック
である場合が好ましい。
の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインクとする
ために、界面活性剤、消泡剤或いは防腐剤等をインク中
に添加することができ、更に市販の水溶性染料等を添加
することができる。
アミン塩型の化合物、具体的には、ラウリルアミン、ヤ
シアミン、ステアリルアミン、ロジンアミン等の塩酸
塩、酢酸塩等、第4級アンモニウム塩型の化合物、具体
的には、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、
セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルト
リブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウ
ム等;ピリジニウム塩型化合物、具体的には、セチルピ
リジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイド
等;イミダゾリン型カチオン性化合物、具体的には2−
ヘプタデセニルーヒドロキシエチルイミダゾリン等;高
級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物、具体的に
は、ジヒドロキシエチルステアリルアミン等の陽イオン
性界面活性剤や、あるpH領域においてカチオン性を示
す様な両性界面活性剤も用いることができる。具体的に
は、例えば、アミノ酸型両性界面活性剤;R−NH−C
H2−CH2−COOH型の化合物;ベタイン型の化合
物、具体的にはステアリルジメチルベタイン、ラウリル
ジヒドロキシエチルベタイン等のカルボン酸塩型両性界
面活性剤の他、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸
エステル型等の両性界面活性剤等が挙げられる。また、
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキ
ルエステル類、アセチレンアルコール類、アセチレング
リコール類等の非イオン性界面活性剤が挙げられ、本発
明においてはこれらから1種または2種以上を適宜選択
して用いることができる。
ール類やアセチレングリコール類は好適に用いられる。
即ち、これらの界面活性剤は、インクの普通紙への浸透
性を向上させることができる一方で、インクの泡立ちを
抑え、また仮に泡だったときにもその泡を速やかに消滅
させることができる。尚、使用量は、用いる界面活性剤
の種類によっても異なるが、インク全量に対して0.0
5〜5質量%が十分な浸透性を確保でき、望ましい。
明で使用するカチオン性インクは、普通紙等に記録した
場合の印字記録物のインクの浸透性と同時に、インクジ
ェット用ヘッドに対するマッチングを良好にするため
に、インク自体の物性として25℃における表面張力が
10mN/m以上が好ましく、より好ましくは20mN
/m以上で70mN/m以下が好ましく、更には30〜
68mN/mの範囲が好ましい。また粘度は、15mP
a・s(cP)以下、特には10mPa・s以下、更に
は5mPa・s以下に調整されることが好ましい。
及びカチオン性のインク中に含まれる色材成分の質量濃
度は、水性染料、顔料や自己分散型顔料等の色材の種類
に応じて適宜選択されるが、インクの質量に対し、0.
1〜20質量%、特には0.1〜12質量%の範囲とす
ることが好ましい。また、色材成分の質量濃度が0.3
〜7質量%の範囲では、液体組成物中の微粒子の濃度と
インク中の色材の濃度との関係に関して、質量基準で、
該微粒子1に対して色材が1.2以下、特には1.0以
下とした場合に、通常の2液系の記録条件の下で形成さ
れる画像の発色性は特に優れたものとなる。
に、先に説明した本発明にかかる液体組成物を使用す
る、本発明の被記録媒体に着色部を形成する方法につい
て説明する。本発明の被記録媒体に着色部を形成する方
法は、上記で説明したような色材を含むインクを被記録
媒体に付与する工程(i)、及び本発明にかかる液体組
成物を被記録媒体に付与する工程(ii)とを有すること
を特徴とする。本発明においては、工程(i)で、上記
で説明したようなアニオン性若しくはカチオン性の水性
インクを用い、工程(ii)で、該インクとは逆の極性に
表面が帯電している微粒子が分散状態で含まれている、
先述した液体組成物を用いることが好ましい。そして、
被記録媒体の表面において、これらの水性インクと液体
組成物とが互いに液体状態で接するように付与するよう
に構成することが好ましい。以下、上述したような構成
の液体組成物及び水性インクを被記録媒体上に付与する
方法について説明する。
する方法では、液体組成物を被記録媒体上に付与する工
程(ii)と、インクを被記録媒体に付与する工程(i)
を有するが、その際に、被記録媒体における着色部形成
領域、又は着色部形成領域とその近傍に液体組成物を付
与して、水性インクと液体組成物とが互いに液体状態で
接するように付与することが好ましい。ここでいう着色
部形成領域とは、インクのドットが付着する領域のこと
であり、着色部形成領域の近傍とは、インクのドットが
付着する領域の外側の1〜5ドット程度離れた領域のこ
とを指す。
法では、前記した本発明の液体組成物と水性インクとが
被記録媒体上で互いに液体状態で接するようになれば、
これらをいずれの方法で付与させてもよい。従って、液
体組成物とインクのいずれを先に被記録媒体上に付与す
るかは問題ではない。例えば、工程(ii)を行なった後
に工程(i)を行なってもよいし、工程(i)を行なっ
た後に工程(ii)を行なってもよい。また、工程(i)
を行なった後に、工程(ii)を行ない、その後に再び工
程(i)を行なうことも好ましい形態である。また、液
体組成物を被記録媒体に先に付与させた場合に、液体組
成物を被記録媒体に付与してから、インクを被記録媒体
上に付与させるまでの時間については特に制限されるも
のではないが、互いに液体状態で接するようにするため
には、ほぼ同時或いは数秒以内にインクを被記録媒体上
に付与させることが好ましい。
体に着色部を形成する方法に使用される被記録媒体とし
ては、特に限定されるものではなく、従来から使用され
ている、コピー用紙やボンド紙等の、いわゆる普通紙を
好適に使用できる。勿論、インクジェット記録用に特別
に作製されたコート紙や、OHP用透明フィルムも好適
に使用できる。更に、一般の上質紙や光沢紙にも好適に
使用することができる。
液体組成物を被記録媒体上に付与せしめる方法として
は、例えば、スプレーやローラー等によって被記録媒体
の全面に付与せしめる方法も考えられる。しかし、より
好ましくは、インクを付与する着色部形成領域、或いは
着色部形成領域とその着色部形成領域の近傍にのみに、
選択的に且つ均一に液体組成物を付与せしめることので
きるインクジェット方式によって行うのがよい。また、
この際には、種々のインクジェット記録方式を用いるこ
とができるが、特に好ましいのは、熱エネルギーによっ
て発生した気泡を用いて液滴を吐出する方式である。
のインクジェット記録装置の具体例について説明する。
本発明のインクジェット記録装置の一形態は、色材を含
むインクを収容したインク収容部と、該インクを吐出さ
せるインクジェットヘッドを備えた第1の記録ユニット
と、例えば、水性インクとは逆の極性に表面が帯電して
いる微粒子が分散状態で含まれている本発明にかかる液
体組成物を収容した液体組成物収容部と、該液体組成物
を吐出させるインクジェットヘッドを備えた第2の記録
ユニットとを備えていることを特徴とする。
インクジェット記録装置である出力情報を記録するイン
クジェット方式のプリンタの概略構成の一例を示す、模
式的斜視図である。図1において、1は、インクを吐出
してプリントを行って着色部を形成するためのインクジ
ェットヘッドを構成するカートリッジ(以下、プリント
用ヘッドカートリッジ)であり、2は、液体組成物を吐
出するための液体組成物吐出ヘッドを構成するカートリ
ッジ(以下、液体組成物用ヘッドカートリッジ)であ
る。図示した例では、異なる色のインクを用いる4個の
プリント用ヘッドカートリッジ1と、1個の液体組成物
用ヘッドカートリッジ2が使用されている。プリント用
の各ヘッドカートリッジ1は、その上部にインクタンク
部、下部にインク吐出部(プリント部)を設けた構造を
している。液体組成物用のヘッドカートリッジ2は、そ
の上部に液体組成物タンク部、下部に液体組成物吐出部
を設けた構造をしている。更に、これらのヘッドカート
リッジ1及び2には、駆動信号等を受信するためのコネ
クタが設けられている。3はキャリッジである。
インクでプリントするための4個のプリント用ヘッドカ
ートリッジ1と、1個の液体組成物用ヘッドカートリッ
ジ2が位置決め搭載されている。また、該キャリッジ3
には、各プリント用ヘッドカートリッジ1及び液体組成
物用ヘッドカートリッジ2を駆動するための信号等を伝
達するためのコネクタホルダーが設けられており、該コ
ネクタホルダーを介して各ヘッドカートリッジ1及び2
に電気的に接続されている。
れぞれ異なった色のインク、例えば、イエロー(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(B)の
インクが収納されている。本図では、図示左から、イエ
ロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各インクのプ
リント用ヘッドカートリッジ1Y、1M、1C、及び1
Bが搭載され、そして右端には、前記液体組成物を収納
した液体組成物用ヘッドカートリッジ2が搭載されてい
る。
査方向に延在し該キャリッジを摺動自在に支持する走査
レール、5は、キャリッジ3を往復動させるための駆動
力を伝達する駆動ベルトである。また、6、7及び8、
9は、それぞれ、各ヘッドカートリッジのプリントヘッ
ドによるプリント位置の前後に配置されて被記録媒体1
0の挟持搬送を行うための搬送ローラ対である。紙等の
被記録媒体10は、プリント位置の部分で、プリント面
を平坦に規制するためのプラテン(不図示)に圧接状態
で案内支持されている。この時、キャリッジ3に搭載さ
れた各ヘッドカートリッジ1及び2の吐出口形成面は、
該キャリッジ3から下方へ突出して被記録媒体搬送用ロ
ーラ7、9間に位置し、プラテン(不図示)の案内面に
圧接された被記録媒体10に平行に対向するようになっ
ている。
領域を外れた左側に設定されたホームポジションの近傍
には、回復ユニット11が配設されている。回復ユニッ
ト11には、4個のプリント用ヘッドカートリッジ1
Y、1M、1C、及び1Bのインク吐出部に対応する4
個のキャップ12と、1個の液体組成物用ヘッドカート
リッジ2の液体組成物吐出部に対応する1個のキャップ
13が上下方向に昇降可能に設けられている。そして、
キャリッジ3がホームポジションにあるときには、各ヘ
ッドカートリッジ1及び2の吐出部の吐出口形成面に対
して、対応するキャップ12及び13とが圧接接合され
ることにより、各ヘッドカートリッジ1及び2の吐出口
が密封(キャッピング)される。キャッピングすること
により、吐出口内のインク溶剤の蒸発によるインクの増
粘・固着が防止され、吐出不良の発生が防止されてい
る。
2に連通した吸引ポンプ14とキャップ13に連通した
吸引ポンプ15を備えている。これらのポンプ14及び
15は、プリント用ヘッドカートリッジ1や液体組成物
用ヘッドカートリッジ2に吐出不良が生じた場合に、そ
れらの吐出口形成面をキャップ12及び13でキャッピ
ングして、吸引回復処理を実行するのに使用される。更
に、回復ユニット11には、ゴム等の弾性部材からなる
2個のワイピング部材(ブレード)16及び17が設け
られている。ブレード16はブレードホルダー18によ
って保持され、ブレード17はブレードホルダー19に
よって保持されている。
ホルダー18、19は、それぞれ、キャリッジ3の移動
を利用して駆動されるブレード昇降機構(不図示)によ
り昇降され、それによって、前記ブレード16及び17
は、各ヘッドカートリッジ1及び2の吐出口形成面に付
着したインクや異物をワイピングすべく突出(上昇)し
た位置(ワイピング位置)と吐出口形成面に接触しない
後退(下降)した位置(待機位置)との間で昇降する。
この場合、プリント用ヘッドカートリッジ1の吐出口形
成面をワイピングするブレード16(以下、インク用ブ
レード)と液体組成物用ヘッドカートリッジ2の吐出口
形成面をワイピングするブレード17(以下、液体組成
物用ブレード)は、互いに独立して、個別に昇降できる
ように構成されている。
ント領域側)からホームポジション側へ移動するとき、
或いはホームポジション側からプリント領域側へ移動す
るときに、ブレード16が各プリント用ヘッドカートリ
ッジ1の吐出口形成面と当接し、ブレード17が液体組
成物吐出ヘッド2の吐出口形成面と当接し、相対移動に
よってそれらの吐出口形成面の拭き取り(ワイピング)
動作が行われる。
体化した構造のプリント用ヘッドカートリッジ1を示す
模式的斜視図である。尚、液体組成物用ヘッドカートリ
ッジ2は、貯蔵及び使用する液体が液体組成物である点
を除き、プリント用ヘッドカートリッジ1と実質上同じ
構成をしている。図2において、プリント用ヘッドカー
トリッジ1は、上部にインクタンク部21を、下部にイ
ンク吐出部(プリントヘッド部)22を有しており、更
に、インク吐出部22を駆動するための信号等を受信す
ると共に、インク残量検知信号を出力するためのヘッド
側コネクタ23を有している。このコネクタ23はイン
クタンク部21に並ぶ位置に設けられている。プリント
用ヘッドカートリッジ1は、図2中、底面側(被記録媒
体10側)に吐出口形成面81を有し、該吐出口形成面
81には複数の吐出口が形成されている。各吐出口に通
じる液路部分に、インクを吐出するのに必要なエネルギ
ーを発生する吐出エネルギー発生素子が配置されてい
る。
そのインク吐出部からインクを吐出してプリントを行う
インクジェットプリント手段であり、インク吐出部22
とインクタンク21とを一体化した交換可能なインクジ
ェットカートリッジで構成されている。このプリント用
ヘッドカートリッジ1は、熱エネルギーを利用してイン
クを吐出するインクジェットプリント手段であって、熱
エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたもの
である。また、前記プリント用ヘッドカートリッジ1
は、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギー
により生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生
じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出さ
せ、プリントを行なうものである。
(液体組成物用ヘッドカートリッジ2)のインク吐出部
22(液体組成物吐出部22A)の構造を模式的に示す
部分斜視図である。図3において、被記録媒体(プリン
ト用紙等)10と所定の隙間(例えば、約0.5〜2.
0mm程度)をおいて対面する吐出口形成面81には、
所定のピッチで複数の吐出口82が形成され、共通液室
83と各吐出口82とを連通する各液路84の壁面に沿
ってインク吐出用のエネルギーを発生するための電気熱
変換体(発熱抵抗体等)85が配設されている。前記複
数の吐出口82はプリント用ヘッドカートリッジ1の移
動方向(主走査方向)と交叉する方向に並ぶような位置
関係で配列されている。こうして、画像信号または吐出
信号に基づいて対応する電気熱変換体85を駆動(通
電)して、液路84内のインクを膜沸騰させ、その時に
発生する圧力によって吐出口82からインクを吐出させ
るプリント用ヘッドカートリッジ1が構成されている。
及び2が備えている、インクを保持しているインクタン
ク、並びに液体組成物を保持しているタンク(説明の簡
略化のため、このタンクもインクタンクと称する)を構
成する部材は、インクや液体組成物と接触するため耐薬
品性に優れるものが好ましく用いられる。その要件を満
たし、且つ一般に入手し易い材料としては、例えば、ポ
リオレフィン系樹脂やポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、シリコーン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ABS樹脂、ポリアセタール、ナイロン、不飽和ポ
リエステル樹脂、PET、アラミド樹脂等の樹脂材料
や、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴ
ム、クロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、EPD
M、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、エ
ピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムが挙げ
られる。これらの樹脂や合成ゴムは、それ自身を構成す
る化学物質以外に、安定剤やUV吸収剤、酸化防止剤等
多くの添加助剤が、目的に応じて適当量添加されてい
る。
これらの添加剤成分がインクや液体組成物中へ溶出し、
該溶出成分がインクや液体組成物の組成分と反応して、
不溶物を生成する場合がある。上記した成分の中でも特
に、脂肪酸や脂肪酸誘導体類は、インクや液体組成物中
へ溶出し、温度等の環境変化によって再び析出して不溶
物を作ったり、また、インクや液体組成物中に含まれて
いる溶存イオンと溶出物が反応し、脂肪酸塩の不溶物を
生成したりして、フィルターや吐出口をつまらせ、イン
クの流れを妨げる場合があった。このような部材からの
溶出物自体の析出や、該溶出物とインクや液体組成物中
の成分との反応による不溶物の析出を防ぐためには、例
えば、インクタンクを形成する樹脂成分中の添加剤含有
量を少なくしたり、溶出し難い材料の選択や、インクや
液体組成物の溶剤組成の変更、インクや液体組成物中の
反応成分の含有量を少なくする等の対策を講じることが
有効である。このような手段によって、上記した析出を
抑制することができる。
ンタのワイピング動作を示す模式図である。図4は、キ
ャリッジ3がプリント領域側からホームポジション側へ
移動する場合を示す。図4において、(A)のようにキ
ャリッジ4上のプリント用ヘッドカートリッジ1及び液
体組成物用ヘッドカートリッジ2が右側(プリント領域
側)よりホームポジションに向かって移動してくる。そ
うすると、(B)のように、先ず、インク用のキャップ
12と液体組成物用のキャップ13との間にあるインク
用ブレード16が上昇し、キャリッジ3の移動に伴って
各プリントヘッド1Y、1M、1C、1Bを順次ワイピ
ングしていく。
用ヘッドカートリッジ1が、液体組成物用ブレード17
上を通過した後、この液体組成物用ブレード17を上昇
させて(D)のように液体組成物ヘッドカートリッジ2
の吐出口形成面を同時にワイピングする。インク用ブレ
ード16が4個目のプリントヘッド1をワイピングし、
更に液体組成物用ブレード17が液体組成物用ヘッドカ
ートリッジ2の吐出部をワイピングし終わった後、それ
ぞれのブレード16、17は下降し、待機位置で待機す
る。図4では、キャリッジ3が図1中の右側(プリント
領域)から回復ユニット11の有るホームポジション側
へ移動するときにブレード16、17によるワイピング
が実行されるように構成したが、ワイピング方向はこれ
に限定されるものではなく、図5のようにキャリッジ3
がホームポジション側から右側(プリント領域側)へ移
動する際にワイピングを行うように構成してもよい。
ード16と液体組成物用ブレード17を同時に上昇さ
せ、キャリッジ3を右方向へ(プリント領域側へ)移動
させることにより、プリント用ヘッドカートリッジ1と
液体組成物用ヘッドカートリッジ2を同時にワイピング
し(B)、液体組成物用ヘッドカートリッジ2のワイピ
ングが終了すると同時に液体組成物用のブレード17の
みを下降させて待機させ、インク用ブレード16はその
まま残りのプリント用ヘッドカートリッジ1のワイピン
グを行う(C)。最後に、図5の(D)のように、全て
のプリント用ヘッドカートリッジ1のワイピングが終了
したところで、インク用ブレード16を下降させて一連
のワイピング動作を終了する。図5で説明したようなワ
イピング方向を採用することにより、ワイピングにより
除去されてブレード16及び17に付着した液滴が該ブ
レードの弾性によって被記録媒体10の搬送部へ飛散
し、被記録媒体10を不用意に汚す危険性を無くすこと
ができる。
ドカートリッジ1のワイピング方向と液体組成物用ヘッ
ドカートリッジ2のワイピング方向を異ならせてもよ
い。図6において、例えば(A)及び(B)に示すよう
に、キャリッジ3がホームポジション側から右側(プリ
ント領域側)へ移動するときにインク用ブレード16で
プリント用ヘッドカートリッジ1をワイピングし、
(C)及び(D)に示すように、キャリッジ3がプリン
ト領域側からホームポジション側へ移動するときに液体
組成物用ブレード17で液体組成物用ヘッドカートリッ
ジ2の吐出部のみをワイピングするようにしてもよい。
このようなワイピング方向を採ることにより、ブレード
16の弾性力によって飛散するインクが液体組成物用ヘ
ッドカートリッジ2の吐出部に付着したり、逆に、ブレ
ード17の弾性力によって飛散した液体組成物がプリン
ト用ヘッドカートリッジ1の吐出部に付着するという不
都合(危険性)をなくすか、大幅に減少させることがで
きる。
カートリッジ1用のキャップ12と液体組成物用ヘッド
カートリッジ2用のキャップ13とを別々にして互いに
独立させ(専用にし)、更に、これらのキャップ12及
び13に接続される吸引ポンプ14、15も、プリント
用ヘッドカートリッジ1用と、液体組成物用ヘッドカー
トリッジ2用とに独立させて別々(専用)にした。これ
により、キャップ12、13、及びポンプ14、15内
において、インクと該インクと反応性を有する液体組成
物とを接触させることなく、これらの廃液を処理するこ
とができ、高い信頼性を維持することが可能になる。
インク及び液体組成物を廃インクタンク内へ回収するた
めの回収系統を示す模式図である。図7において、キャ
ップ12に連通した吸引ポンプ14によりプリント用ヘ
ッドカートリッジ1から吸引された廃インク、並びにキ
ャップ13に連通した吸引ポンプ15により液体組成物
用ヘッドカートリッジ2から吸引された廃液は、プリン
タ外へ漏れ出さないように、それぞれ独立した経路を通
して廃液タンク24内に回収され、収納される。
の吸収体25が充填され、該吸収体25に廃液を吸収保
持するように構成されている。この廃液タンク24は、
プリンタ本体内に設けられている。図7では、プリント
用ヘッドカートリッジ1用の吸引ポンプ14からの廃イ
ンク導管26と液体組成物用ヘッドカートリッジ2用の
吸引ポンプ15からの廃液導管27とは、図示のよう
に、廃液タンク24の両端の互いに離れた位置に接続さ
れている。こうすることにより、廃液タンク24内の液
体組成物とインクは吸収体25内に液が充分に吸収され
た状態ではじめて接触するようになるため、多孔質吸収
体25が吸収保持できる液の量を充分に確保することが
できる。
液タンク24内の吸収体25を上下2段に配置し、下段
の吸収体25Aにインクを吸収させ、上段の吸収体25
Bに液体組成物を吸収させるように構成した廃液回収系
統を示す模式図である。図8の構成によれば、下段のイ
ンク吸収体25Aが溢れた場合でも、上段の吸収体25
Bとそこに吸収されている液体組成物により、インク中
の染料は上段の吸収体25Bで反応し固定化されるた
め、該インクが漏れ出してプリンタ内外を汚すことはな
い。
記録装置は、好ましくは、色材を含む、アニオン性若し
くはカチオン性の水性インクを収容したインク収容部
と、上記水性インクとは逆の極性に表面が帯電している
微粒子が分散状態で含まれている前記本発明にかかる液
体組成物を収容した液体組成物収容部と、上記インク収
容部に収容されている水性インクと上記液体組成物収容
部に収容されている液体組成物とを各々独立に吐出させ
るためのインクジェットヘッドとを備えていることを特
徴とする。以下、かかる形態のインクジェット記録装置
について説明する。
ト記録装置の一例であるカートリッジ1001を示すも
のであるが、図中の1003は、インクが収容されてい
るインク収容部、1005は、液体組成物が収容されて
いる液体組成物収容部である。該カートリッジは、図1
1に示すように、インク及び液体組成物の各々を吐出せ
しめる記録ヘッド1101に着脱可能に構成されてなる
と共に、カートリッジ1001を記録ヘッド1101に
装着した状態では、液体組成物及びインクが、記録ヘッ
ド1101に供給されるように構成されているものであ
る。
の如きヘッドとインクカートリッジとが別体となったも
のに限らず、図15に示す如きそれらが一体となったも
のでもよい。図15において、1500は、記録ユニッ
トであって、この中にインクを収容したインク収容部、
例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク
吸収体中のインクが、複数のオリフィスを有するヘッド
部1501からインク滴として吐出される構成になって
いる。インク吸収体の材料としては、例えば、ポリプロ
ピレンやポリウレタンを用いることができる。1502
は、記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連
通口である。
の実施態様として、インクと液体組成物とを、1個のイ
ンクタンク内の各々の収納部に収納し、且つインク及び
液体組成物の各々を吐出させるための記録ヘッドを一体
的に備えた記録ユニット、具体的には、例えば、図12
に示すように、液体組成物を収容部1201Lに、ブラ
ックインクを収容部1201Bkに、また、イエロー、
シアン及びマゼンタのカラーインクを各々カラーインク
収納部1201Y、1201M及び1201Cに収納
し、更に、これらを各々個別に吐出させることができる
ように、インク流路を分けて構成した記録ヘッド120
3を備えているような記録ユニット1201が挙げられ
る。
置であるインクジェットプリンタの他の実施態様の概略
構成を示す、模式的斜視図である。図16において、4
は、キャリッジ3の主走査方向に延在し、該キャリッジ
を摺動自在に支持する走査レール、5は、キャリッジ3
を往復動させるための駆動力を伝達する駆動ベルトであ
る。また、6、7及び8、9は、それぞれ、プリントヘ
ッドによるプリント位置の前後に配置されて被プリント
材10の挟持搬送を行うための搬送ローラ対である。紙
等の被プリント材10は、プリント位置の部分で、プリ
ント面を平坦に規制するためのプラテン(不図示)に圧
接状態で案内支持されている。この時、キャリッジ3に
搭載された各ヘッドカートリッジ1及び2の吐出口形成
面は、該キャリッジ3から下方へ突出して被記録媒体搬
送用ローラ7、9間に位置し、プラテン(不図示)の案
内面に圧接された被記録媒体10に平行に対向するよう
になっている。
6個のヘッドカートリッジが位置決め搭載されており、
本実施例では、キャリッジ3上の図示左端から右側へ向
けて、イエローのプリン用ヘッドカートリッジ1Y、マ
ゼンタのプリント用ヘッドカートリッジ1M、シアンの
プリント用ヘッドカートリッジ1C、ブラックのプリン
ト用ヘッドカートリッジ1B、液体組成物用ヘッドカー
トリッジ2、第2のブラックのプリント用ヘッドカート
リッジ1BBの順に配置されている。液体組成物用ヘッ
ドカートリッジ2は、インク中の色材と反応性を有する
本発明の液体組成物を被記録媒体10へ吐出するもので
ある。また、右端の第2のブラックのプリント用ヘッド
カートリッジ1BBは、往復プリントでの副走査プリン
ト時等に使用されるブラックインクを用いるプリント用
ヘッドカートリッジである。つまり、前述の各実施例に
おけるブラックプリント用ヘッドカートリッジ1Bの次
に(右隣に)液体組成物用ヘッドカートリッジ2を配置
し、更にその次に(右端)に前記ブラックのプリント用
ヘッドカートリッジ1BBを配置する構成が採られてい
る。
回復ユニット11が配設され、該回復ユニット11にお
いては、前記ヘッドカートリッジ1及び2の配置に対応
して、左から右へ、プリント用ヘッドカートリッジ1
Y、1M、1C、1Bの吐出部をキャッピングするキャ
ップ12が順次配置され、その次に(右隣に)液体組成
物用ヘッドカートリッジ2の吐出部をキャッピングする
キャップ13が配置され、更に、その右隣(右端)には
第2のブラックプリント用ヘッドカートリッジ1BBの
吐出部をキャッピングするキャップ12が配置されてい
る。そして各々のキャップは、上下方向に昇降可能に設
けられており、キャリッジ3がホームポジションにある
ときには、各ヘッド1、2の吐出口形成面に対して対応
するキャップ12、13が各々圧接されることにより、
各ヘッドカートリッジ1及び2の吐出口が密封(キャッ
ピング)され、これにより吐出口内のインク溶剤の蒸発
によるインクの増粘や、固着が防止され、吐出不良の発
生が防止されている。
1、2に連通した吸引ポンプ14とキャップ13に連通
した吸引ポンプ15を備えている。これらのポンプ1
4、15はプリント用ヘッドカートリッジ1や液体組成
物用ヘッドカートリッジ2の吐出部に吐出不良が生じた
場合に、それらの吐出口形成面をキャップ12、13で
キャッピングして吸引回復処理を実行するのに使用され
る。更に、左端から5番目の液体組成物用のキャップ1
3と6番目(右端)のブラックインク用のキャップ12
との間に、液体組成物用のブレード17が配置され、右
端のキャップ12の右側(プリント領域側)に各プリン
ト用ヘッドカートリッジ1の吐出部用のブレード16が
配置されている。そしてブレード17はブレードホルダ
ー19によって保持され、ブレード16はブレードホル
ダー18によって保持されている。
9は、各々キャリッジ3の移動を利用して駆動されるブ
レード昇降機構(不図示)による昇降され、それによっ
てブレード16及び17は、ヘッドカートリッジ1及び
2の吐出口形成面に付着したインクや異物をワイピング
すべく突出した位置(ワイピング位置)と吐出口形成面
に接触しない後退した位置(待機位置)との間で昇降す
る。この場合、プリント用ヘッドカートリッジ1の吐出
部をワイピングするブレード16と液体組成物用ヘッド
カートリッジ2の吐出部をワイピングするブレード17
は、互いに独立して個別に昇降できるように構成されて
いる。
トターのワイピング動作を示す模式図である。図16に
おいて、(A)に示すように、プリン用のブレード16
が突出(上昇)した後、キャリッジ3に搭載された各ヘ
ッドが右側(プリント領域側)からホームポジションに
向かって移動してくる。上昇したインク用ブレード16
は、(B)に示すように、キャリッジ3の左向き移動に
伴いプリントヘッド1を順次ワイピングしていく。そし
て、(C)に示すように、液体組成物用ヘッドカートリ
ッジ2が、インク用ブレード16の手前(右隣)にきた
時点で、該ブレード16が待機位置まで後退(下降)
し、該ブレード16と液体組成物ヘッドカートリッジ2
の吐出ヘッドとの接触が防止される。
液体組成物用ヘッドカートリッジ2がプリントヘッド用
ブレード16を通過した時点で、(D)に示すように、
インク用ブレード16、及び液体組成物用ブレード17
の両方を突出(上昇)させる。そして、キャリッジ3の
左向き移動に伴って、(E)に示すように、ブレード1
7による液体組成物用ヘッドカートリッジ2のワイピン
グとブレード16による右端のプリントヘッド1BBの
ワイピングを同時に行う。全てのヘッド1、2のワイピ
ングが終了した後、(F)に示すように、両方のブレー
ド16、17を後退(下降)させ、待機位置で待機させ
る。
ジ3がプリント領域側(右側)から回復ユニット11の
あるホームポジション側へ移動するときにブレード16
及び17によるワイピングを行うようにしたが、ワイピ
ング方向はこれに限定されるものではなく、ホームポジ
ション側から右側(プリント領域側)へ移動する際にワ
イピングするようにしてもよい。
組成物吐出ヘッド2からインク中の色材と反応性を有す
るような、本発明にかかる液体組成物を被記録媒体10
に吐出し、各プリントヘッド01から吐出されたインク
と被記録媒体10上で接触させて記録物を形成可能なよ
うに構成されている。被記録媒体10上ではインク中の
色材が液体組成物と反応することによって、インク中の
色材が単分子状態で微粒子表面に吸着し、その微粒子に
よって画像の形成がなされるため、発色性や色の均一性
に優れた画像が得られる。
上記ではインク及び液体組成物に熱エネルギーを作用さ
せてインク液滴を吐出するインクジェット記録装置を例
に挙げたが、その他、圧電素子を使用するピエゾ方式の
インクジェット記録装置でも同様に利用できる。ところ
で、本発明にかかるインクジェット記録装置は、上記し
た構成を有するインクジェット記録装置に限定されず、
例えば特開平10−146991号公報に開示されてい
るような構成を有し、ヘッドのワイピングブレードの動
作方向が上記したインクジェット記録装置と異なってい
るインクジェット記録装置であってもよい。
に具体的に説明する。尚、文中、部及び%とあるのは、
特に断りのない限り質量基準である。また、文中のゼー
タ電位は、微粒子の固形分濃度が0.1%になるよう液
体組成物をイオン交換水で分散させた後に、ゼータ電位
測定機(ブルックヘブン社製、BI−ZETAplu
s、液温20℃、アクリルセル使用)で測定した値であ
る。また、pHは、作成した液体組成物に対し、液温2
5℃でpHメーター計(堀場製作所(株)製、カスタニ
ーpHメーターD−14)を用いて測定した。微粒子の
平均粒子直径は、微粒子の固形分濃度が0.1%になる
ように、液体組成物をイオン交換水で分散させた後に、
動的光散乱法粒度分布計(ブルックヘブン社製、BI−
90、液温20℃、アクリルセル使用)を用いて測定し
た。
る。実施例で使用した液体組成物A〜Dは、後述する各
成分を混合溶解した後、ポアサイズが1μmのメンブレ
ンフィルター(商品名、フロロポアフィルター、住友電
工(株)製)にて加圧濾過することで作製した。また、
液体組成物の細孔半径分布及び細孔容積は、下記の
(1)〜(3)の手順に従って前処理した後、試料をセ
ルに入れ、120℃で8時間真空脱気して、カンタクロ
ーム社製のオムニソーブ1を用いて窒素吸着脱離法によ
り測定した。細孔半径及び細孔容積は、Barrettらの方
法(J.Am.Chem.Soc.,Vol.73、373、195
1)により計算から求めた。また、BET比表面積は、
Brunauerらの方法(J.Am.Chem.Soc.,Vol.60、3
09、1938)により計算から求めた。 (1)測定対象の液体組成物を大気雰囲気下120℃で
10時間乾燥して、ほぼ溶媒分を蒸発させて乾燥する。 (2)上記乾燥物を120〜700℃まで1時間で昇温
させた後、700℃で3時間焼成する。 (3)焼成後、得られた焼成物を徐々に常温に戻し、焼
成物をメノウ乳鉢で摺り潰して粉体化する。
許明細書第4,242,271号に記載の方法でアルミ
ニウムドデキシドを製造した。次に、米国特許明細書第
4,202,870号に記載された方法で、上記で得ら
れたアルミニウムドデキシドを加水分解してアルミナス
ラリーを製造した。このアルミナスラリーをアルミナ水
和物の固形分が8.2%になるまで水を加えた。アルミ
ナスラリーのpHは9.7であった。3.9%の硝酸溶
液を加えてpHを調整し、表1に示した各熟成条件でコ
ロイダルゾルを得た。更に、このコロイダルゾルを83
℃でスプレードライすることによって、A〜Dのアルミ
ナ水和物を作製した。このアルミナ水和物は、いずれも
水中で表面がプラスに帯電し、カチオン性を示した。こ
れらのアルミナ水和物をイオン交換水に分散させてコロ
ジオン膜上に滴下して測定用試料を作製し、透過型電子
顕微鏡で観察したところ、すべて平板形状の微粒子であ
った。
をセルに入れ、120℃で8時間真空脱気して、カンタ
クローム社製のオムニソーブ1を用いて窒素吸着脱離法
により測定し、Brunauerらの方法(J.Am.Chem.So
c.,Vol.60、309、1938)によりBET比表
面積を計算から求めた。得られた各アルミナ水和物A〜
DのBET比表面積を表1に示した。
8であり、ゼータ電位は+35mVであった。また、キ
ヤノン製BJF8500用インクタンク(BCI−8W
F)と同型のインクタンクに液体組成物Aを充填し、6
0℃/Dry・1ヶ月の保存試験を行ったところ、保存
後もインクタンク内に沈降物は見られず、このインクタ
ンクをキヤノン製プリンターBJF8500に装着した
際の記録ヘッドからの吐出安定性も良好であった。ま
た、液体組成物Aから、先に説明した(1)〜(3)の
手順に従った前処理後に得られた微粒子凝集物は、細孔
半径が3nm〜30nmの範囲における細孔容積が0.
95ml/gであり、30nmを越える範囲での細孔容
積は0.015ml/gであった。また、3nm〜20
nmの範囲での細孔容積は0.88ml/gであり、2
0nmを越える範囲での細孔容積は0.09ml/gで
あった。また、微粒子凝集物のBET比表面積は74m
2/gであった。
7であり、ゼータ電位は+37mVであった。また、キ
ヤノン製BJF8500用インクタンク(BCI−8W
F)と同型のインクタンクに液体組成物Bを充填し、6
0℃/Dry・1ヶ月の保存試験を行ったところ、イン
クタンク内に沈降物は見られず、このインクタンクをキ
ヤノン製プリンターBJF8500に装着した際の記録
ヘッドからの吐出安定性も良好であった。また、液体組
成物Bから、先に説明した(1)〜(3)の手順に従っ
た前処理後に得られた微粒子凝集物は、細孔半径が3n
m〜30nmの範囲における細孔容積は0.92ml/
gであり、30nmを越える範囲での細孔容積は0.0
09ml/gであった。また、3nm〜20nmの範囲
での細孔容積は0.91ml/gであり、20nmを越
える範囲での細孔容積は0.015ml/gであった。
また、微粒子凝集物のBET比表面積は103m2/g
であった。
7であり、ゼータ電位は+40mVであった。また、キ
ヤノン製BJF8500用インクタンク(BCI−8W
F)と同型のインクタンクに液体組成物Cを充填し、6
0℃/Dry・1ヶ月の保存試験を行ったところ、イン
クタンク内に沈降物は見られず、このインクタンクをキ
ヤノン製プリンターBJF8500に装着した際の記録
ヘッドからの吐出安定性も良好であった。また、液体組
成物Cから、先に説明した(1)〜(3)の手順に従っ
た前処理後に得られた微粒子凝集物は、細孔半径が3n
m〜30nmの範囲における細孔容積は0.51ml/
gであり、30nmを越える範囲での細孔容積は0.0
01ml/gであった。また、3nm〜20nmの範囲
での細孔容積は0.50ml/gであり、20nmを越
える範囲での細孔容積は0.007ml/gであった。
また、微粒子凝集物のBET比表面積は192m2/g
であった。
7であり、ゼータ電位は+40mVであった。また、キ
ヤノン製BJF8500用インクタンク(BCI−8W
F)と同型のインクタンクに液体組成物Dを充填し、6
0℃/Dry・1ヶ月の保存試験を行ったところ、イン
クタンク内に沈降物は見られず、このインクタンクをキ
ヤノン製プリンターBJF8500に装着した際の記録
ヘッドからの吐出安定性も良好であった。また、液体組
成物Cから、先に説明した(1)〜(3)の手順に従っ
た前処理後に得られた微粒子凝集物は、細孔半径が3n
m〜30nmの範囲における細孔容積は0.41ml/
gであり、30nmを越える範囲での細孔容積は0.0
01ml/gであった。また、3nm〜20nmの範囲
での細孔容積は0.38ml/gであり、20nmを越
える範囲での細孔容積は0.027ml/gであった。
また、微粒子凝集物のBET比表面積は215m2/g
であった。
るインクサブセット1及び2の作製について説明する。 <インクサブセット1の作製>下記に示す各成分を混合
し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズが0.45μmの
フロロポアフィルター(商品名、住友電工(株)製)に
て加圧濾過し、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシア
ンの各色の染料インク、Bk1、Y1、M1及びC1を
得、これらの染料インクからなる組み合わせをインクサ
ブセット1とした。
各成分によって顔料分散液を調製し、これを用いてブラ
ックインクBk2を作製した。更に、色材を代えた以外
は上記と同様にして得られた各色の顔料分散液を用い
て、イエロー、マゼンタ及びシアンの各顔料インクY
2、M2及びC2を得た。そして、これらの顔料インク
Bk2、Y2、M2及びC2からなる組み合わせをイン
クサブセット2とした。
℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に新
たに試作されたカーボンブラック(MCF88、三菱化
成製)10部、イソプロピルアルコール1部を加え、3
0分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処
理を行った。 ・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製) ・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径 ・粉砕メディアの充填率:50%(体積比) ・粉砕時間:3時間 更に、遠心分離処理(12,000rpm.、20分
間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液とした。
料分散液を使用し、下記の組成比を有する成分を混合
し、顔料を含有するインクを作製し、これをブラックイ
ンクBk2とした。 ・上記顔料分散液 30.0部 ・グリセリン 10.0部 ・エチレングリコール 5.0部 ・N−メチルピロリドン 5.0部 ・エチルアルコール 2.0部 ・イオン交換水 48.0部
k2の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF8
8、三菱化成製)10部を、ピグメントイエロー74に
代えたこと以外はブラックインクBk2の調製と同様に
して、顔料含有イエローインクY2を調製した。
k2の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF8
8、三菱化成製)10部を、ピグメントレッド7に代え
たこと以外はブラックインクBk2の調製と同様にし
て、顔料含有マゼンタインクM2を調製した。
2の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF8
8、三菱化成製)10部を、ピグメントブルー15に代
えたこと以外はブラックインクBk2の調製と同様にし
て、顔料含有シアンインクC2を調製した。
得られた本発明の液体組成物A〜Dと、インクサブセッ
ト1(Bk1、Y1、M1及びC1)、及びインクサブ
セット2(Bk2、Y2、M2及びC2)の各インクセ
ットを用いて、下記の表2の組み合わせで、印字を行っ
た。これを本発明の実施例1〜8とした。
クサブセット1及び2を組み合わせて使用する実施例1
〜8の着色部の形成方法においては、PPC用紙(キヤ
ノン製)に記録を行った。また、その際に使用したイン
クジェト記録装置としては、図1に示したのと同様の記
録装置を用い、図3に示した記録ヘッドを5つ用いてカ
ラー画像を形成した。具体的には、キヤノン製プリンタ
ーBJF800の改造機を用い、普通紙耐水強化剤のイ
ンクタンク内に液体組成物を詰め、各インクは夫々の色
に対応するインクタンクに詰めて画像形成を行った。こ
の際、液体組成物を先打ちして先ずPPC用紙上に付着
させ、その後、インクを付着させた。
2パスファイン印字を行って、画像を形成した。このと
き、液体組成物は各パス毎に、イエロー、マゼンタ、シ
アン及びブラックのいずれかのインクが印字される画素
位置に印字を行った。即ち、各パス毎のイエロー、マゼ
ンタ、シアン及びブラックの印字データの論理和を液体
組成物の印字データとして用いた。尚、ファイン印字時
のファインマスクの種類には、特に制限はなく、公知の
技術が利用可能であるので、ここでの詳細な説明は省略
する。
の記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数9.
6kHzとした。600dpiのヘッドを使用したとき
の1ドット当たりの吐出量は、イエロー、マゼンタ、シ
アンインク及び液体組成物についてはそれぞれ15n
g、ブラックインクについては1ドット当たり30ng
のヘッドを使用した。尚、これらの記録条件は、実施例
及び比較例を通じて同一である。
び2のみを用いて、下記の表3のようにして印字を行っ
た。
ット2のみを用いての記録(比較例1及び2)において
は、記録ヘッドは600dpiの記録密度を有し、駆動
条件としては、駆動周波数9.6kHzとした。600
dpiの記録ヘッドを使用したときの1ドット当たりの
吐出量は、イエロー、マゼンタ及びシアンインクについ
てはそれぞれ約15ng、ブラックインクについては1
ドット当たり約30ngのヘッドを使用し、実施例1〜
8の場合と同条件で記録を行った。
〜実施例8、及び比較例1、2で得られたそれぞれの記
録画像について、下記の評価方法及び評価基準で評価を
行った。表4に、その結果をまとめて示した。
PP)(監修:高精細標準画像作成委員会、発行:画像
電子学会)のRGBカラーチャートをプリンタを用いて
印字し、それらのカラーチャートを測色した。発色性の
評価は同技術解説書に記載されている方法で色彩分布の
3次元的な広がり(以下、文中では色域体積と呼ぶ)の
計算を行い、比較した。その際、印字画像を形成する際
の画像処理は同一条件とし、測色は、印字後24時間経
過後、GRETAGスペクトロリノで光源:D50、視
野:2°の条件で測定した。その評価基準を以下に示し
た。インクサブセットのみの印字画像(比較例1及び
2)に対しての色域体積の比を、評価基準とした。
ト紙(商品名:カラーBJ用紙LC−101、キヤノン
(株)製)を用いてインクサブセット1で印字して画像
を形成し、上記の比較例1の印字物との色域体積の比を
求めたところ、1.3倍であった。
ン及びブラック各色のインクのベタ画像を印字した後、
目視にて、白モヤと色ムラに関して色の均一性を評価し
た。この際、特に均一性の悪い色を評価対象とした。評
価基準は、以下の通りである。 A:白モヤや色ムラは殆ど発生しない。 B:若干紙の繊維に沿って白モヤや色ムラが見えるが、
実質上問題のないレベルである。 C:紙の繊維に沿って著しく白モヤや色ムラが見える。
ン及びブラック各色のインクのベタ画像を印字した後、
目視にて、スジムラを評価した。この際、特にスジムラ
の悪い色を評価対象とした。評価基準は以下の通りであ
る。 A:スジムラは殆ど発生しない。 B:若干ヘッドスキャン毎のスジムラが見えるが、実質
上問題のないレベルである。 C:著しくヘッドスキャン毎の白いスジムラが見える。
ン及びブラック各色のインクのベタ画像を印字した後、
目視にて被記録媒体の風合いを評価した。評価基準は、
以下の通りである。 A:印字部及び未印字部が共に違和感がなく普通紙の風
合いを残している。 B:印字部と未印字部で風合いが異なる、又は記録媒体
全体が普通紙の風合いと大きく異なる。
像を隣接して印字した後、色間境界部のブリードを目視
で観察し、下記の基準で評価した。 AA:ブリーディングを視認できない。 A:ブリーディングは殆ど目立たない。 B:ブリーディングはしているが、実質上問題のないレ
ベルである。 C:色の境界紙がハッキリしない程、ブリーディングし
ている。
し、文字品位の程度を目視により観察した。評価基準は
以下の通りである。 A:シャープにテキストが再現され、フェザリングや文
字太りが殆ど発生しないもの。 B:ややフェザリングが発生するが、実質上問題のない
レベルである。 C:上記以外のもの。
種類による画像品質への影響を調べるため、上記で作成
した液体組成物Bとインクサブセット1とを用いて、下
記1)〜7)の商品名で広く流通している7種類の「普
通紙」を用い、これらの普通紙上で、インクサブセット
1を構成する4色のインク各々と該液体組成物Bとを上
記実施例と同様に印字して実施例9〜15の記録画像を
形成した。この画像を、上記した評価基準に基づき評価
した。得られた結果を下記の表5に示した。
製:Bright White Inkjet Paper 7)AussdatRay社製:RayJet
成方法においては、表5に示されているように、被記録
材の種類によらず、発色性や均一性に優れ、スジムラや
ブリードの発生が抑制され、更には、風合いや文字品位
のいずれにおいても満足できる画像が得られることが確
認できた。
特に、普通紙に対するカラーインクジェット記録を行っ
た場合に、普通紙の風合いを残しながらインクジェット
用コート紙並みの優れた発色性と色の均一性、及び色境
界部でのブリードの発生が抑制された文字品位に優れ、
且つベタ画像部のスジムラが少ないインクジェット記録
画像が得られる液体組成物、インクセット、被記録媒体
に着色部を形成する方法及びインクジェット記録装置が
提供される。しかも、本発明によれば、保存安定性や記
録ヘッドからの吐出安定性にも優れたインクジェット記
録特性に優れる液体組成物が提供される。
式的に示す一部破断斜視図。
構造を模式的に示す部分斜視図。
作を示す模式図であり、(A)は各ヘッドのプリント領
域側からホームポジションへの移動とインク用ブレード
の上昇、(B)はプリントヘッドのワイピング、(C)
は液体組成物吐出ヘッドのワイピング、(D)は各ブレ
ードの下降をそれぞれ示す。
作を示す模式図であり、(A)は各ブレードの上昇、
(B)は各ヘッドのホームポジションからプリント領域
側への移動、(C)は液体組成物用ブレードの下降、
(D)はプリントヘッドのワイピングとインク用ブレー
ドの下降をそれぞれ示す。
作を示す模式図であり、(A)はインク用ブレードの上
昇、(B)は各ヘッドのホームポジション側からプリン
ト領域側への移動とプリントヘッドのワイピング、
(C)は各ヘッドのプリント領域側からホームポジショ
ン側への移動とインク用ブレードの待機と液体組成物用
ブレードの上昇、(D)各ヘッドのホームポジション側
への移動と液体組成物吐出ヘッドのワイピングをそれぞ
れ示す。
を示す模式図。
図。
の着色部の状態を説明する模式的断面図。
態様を示す概略図。
ヘッドの概略図。
示す概略図。
の状態を説明する模式的断面図。
色部の形成工程を示す概略工程図。
つの実施態様を模式的に示す一部破断斜視図である。
グ動作を示す模式図であり、(A)はインク用ブレード
の上昇、(B)はプリントヘッドのワイピング、(C)
はインク用ブレードの下降、(D)は液体組成物が適正
位置についた後の両ブレードの上昇、(E)は液体組成
物と第2のブラックインク用ヘッドのワイピング、
(F)は両ブレードの下降をそれぞれ示す。
17)
媒体に着色部を形成する方法
請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体組成物。
以下である塩基を含み、pHが7〜12に調整されてい
る請求項1〜3及び請求項6のいずれか1項に記載の液
体組成物。
1μmの範囲である請求項1〜7のいずれか1項に記載
の液体組成物。
/gである請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体組
成物。
を有する微粒子を含む液体組成物とを独立に備えている
インクセットであって、液体組成物が請求項1に記載の
液体組成物であることを特徴とするインクセット。
ン性の水性インクであり、且つ液体組成物が、水性イン
クに対して逆極性に表面が帯電している微粒子を分散状
態で含む水性の液体組成物である請求項10に記載のイ
ンクセット。
インク、シアンインク、ブラックインク、レッドイン
ク、ブルーインク及びグリーンインクからなる群から選
ばれる少なくとも1つである請求項10又は11に記載
のインクセット。
組成物のゼータ電位が+5〜+90mVである請求項1
0〜12のいずれか1項に記載のインクセット。
組成物が水中での一次解離定数pKaが、5以下の酸を
含み、該液該体組成物のpHが2〜7に調整されている
請求項10〜13のいずれか1項に記載のインクセッ
ト。
組成物のゼータ電位が−5〜−90mVである請求項1
0〜12のいずれか1項に記載のインクセット。
組成物が水中での一次解離定数pKbが、5以下である
塩基を含み、該液体組成物のpHが7〜12に調整され
ている請求項10〜12及び請求項15のいずれか1項
に記載のインクセット。
の平均粒子直径が0.005〜1μmの範囲にある請求
項10〜16のいずれか1項に記載のインクセット。
2/gである請求項10〜17のいずれか1項に記載の
インクセット。
かを含有する請求項10〜14、請求項17及び18の
いずれか1項に記載のインクセットi)アニオン性基を有する水溶性染料、 ii)顔料と該顔料の分散剤であるアニオン性化合物、 iii)顔料表面にアニオン性基が直接若しくは他の原子
団を介して結合されている顔料 。
オン性化合物を含む請求項10〜12及び請求項15〜
18のいずれか1項に記載のインクセット。
ジェット記録用である請求項10〜20のいずれか1項
に記載のインクセット。
する工程(i)と、液体組成物を被記録媒体に付与する
工程(ii)とを有する被記録媒体に着色部を形成する方
法であって、該インクと液体組成物の各々が請求項10
〜21のいずれか1項に記載のインクセットを構成して
いるインクと液体組成物であることを特徴とする被記録
媒体に着色部を形成する方法。
体への付与及び工程(ii)における液体組成物の被記録
媒体への付与の少なくとも一方を、インクを記録信号に
応じてオリフィスから吐出させて行なうインクジェット
記録方法によって行う請求項22のいずれか1項に記載
の被記録媒体に着色部を形成する方法。
のインクと共に被記録媒体に付与され、被記録媒体上に
着色部を形成するのに用いられる請求項1に記載の液体
組成物であって、上記着色部の形成が、上記液体組成物
と上記インクとが液体の状態で接触し、且つ液体組成物
の微粒子表面に、インク中の色材がインク中で有してい
る分子状態と実質的に同等の分子状態を保持しつつ吸着
若しくは結合してなされることを特徴とする液体組成
物。
において発色性と色の均一性が高く、ブリードが抑制さ
れた文字品位の向上した、優れた画像を得る技術に関
し、とりわけ、インクジェット記録方式を利用した画像
形成に最適に使用できる液体組成物、インクセット及び
被記録媒体に着色部を形成する方法に関する。
は、より一層広い色再現範囲を有し、色の均一性に優
れ、且つブリードが抑制され、文字品位に優れた高品質
なインクジェット記録物を得るために用いられる液体組
成物を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、より一層広い色再現範囲を有し、色の均一性に優
れ、ブリードが抑制され、文字品位に優れ、更に、ベタ
部のスジムラが少ない優れたインクジェット記録物を普
通紙に対しても形成することができる被記録媒体に着色
部を形成する方法を提供することにある。また、本発明
の他の目的は、より一層色再現範囲が広く、色の均一性
に優れ、ブリードの発生が抑制され、文字品位に優れ、
ベタ部におけるスジムラの発生が良好な状態に抑制され
たインクジェット記録物を形成することのできる液体組
成物、インクセットを提供することにある。更に、本発
明の他の目的は、保存安定性や、記録ヘッドからの吐出
安定性等のインクジェット記録特性に優れる液体組成物
を提供することにある。
材を含むインクと、該色材と反応性を有する微粒子を含
む液体組成物とを独立に備えているインクセットであっ
て、液体組成物が上記の液体組成物であることを特徴と
するインクセットが提供される。また、本発明の他の実
施態様によれば、色材を含むインクを被記録媒体に付与
する工程(i)と、液体組成物を被記録媒体に付与する
工程(ii)とを有する被記録媒体に着色部を形成する方
法であって、該インクと液体組成物の各々が上記に記載
のインクセットを構成しているインクと液体組成物であ
ることを特徴とする被記録媒体に着色部を形成する方法
が提供される。被記録媒体に着色部を形成する方法の好
ましい実施形態は、上記において、 1)工程(ii)を行なった後に、工程(i)を行なう被
記録媒体に着色部を形成する方法 2)工程(i)を行なった後に、工程(ii)を行なう被
記録媒体に着色部を形成する方法 が挙げられる。
材を含むアニオン性又はカチオン性のインクと共に被記
録媒体に付与され、被記録媒体上に着色部を形成するの
に用いられる前記した液体組成物であって、上記着色部
の形成が、上記液体組成物と上記インクとが液体の状態
で接触し、且つ液体組成物の微粒子表面に、インク中の
色材がインク中で有している分子状態と実質的に同等の
分子状態を保持しつつ吸着若しくは結合してなされるこ
とを特徴とする液体組成物が提供される。
Claims (41)
- 【請求項1】 色材を含むインクと共に被記録媒体に付
与されて該被記録媒体上に着色部を形成するのに用いら
れる液体組成物であって、該液体組成物が、少なくとも
溶媒と上記色材と反応性を有する微粒子とを含み、且
つ、該液体組成物から下記(1)〜(4)の工程に従っ
て形成される微粒子凝集物について、BET窒素吸着脱
離法により測定して求めた比表面積が70〜250m2
/gであることを特徴とする液体組成物: (1)液体組成物を大気雰囲気下120℃で10時間乾
燥させる工程; (2)上記乾燥物を120〜700℃まで1時間で昇温
させた後、700℃で3時間焼成する工程; (3)上記工程(2)で得られた焼成物を常温まで徐冷
し、その後に粉体化する工程;及び (4)上記(3)で得られた粉体を120℃で8時間真
空脱気して微粒子凝集物を得る工程。 - 【請求項2】 インクが、アニオン性若しくはカチオン
性の水性インクであり、且つ液体組成物が水性であっ
て、上記水性インクに対して逆極性に表面が帯電してい
る微粒子を分散状態で含む請求項1に記載の液体組成
物。 - 【請求項3】 微粒子が、着色部を形成する際にインク
中の色材の凝集を防ぎつつ微粒子表面に色材を吸着する
微粒子である請求項1に記載の液体組成物。 - 【請求項4】 そのゼータ電位が、+5〜+90mVで
ある請求項1に記載の液体組成物。 - 【請求項5】 更に酸を含み、そのpHが2〜7に調整
されている請求項1に記載の液体組成物。 - 【請求項6】 酸の水中での一次解離定数pKaが、5
以下である請求項5に記載の液体組成物。 - 【請求項7】 ゼータ電位が、−5〜−90mVである
請求項1に記載の液体組成物。 - 【請求項8】 更に塩基を含み、そのpHが7〜12に
調整されている請求項1に記載の液体組成物。 - 【請求項9】 塩基の水中での一次解離定数pKbが、
5以下である請求項8に記載の液体組成物。 - 【請求項10】 微粒子の平均粒子直径が、0.005
〜1μmの範囲である請求項1に記載の液体組成物。 - 【請求項11】 微粒子の比表面積が、70〜300m
2/gである請求項1に記載の液体組成物。 - 【請求項12】 色材を含むインクと、該色材と反応性
を有する微粒子を含む液体組成物とを独立に備えている
インクセットであって、液体組成物が請求項1に記載の
液体組成物であることを特徴とするインクセット。 - 【請求項13】 インクが、アニオン性若しくはカチオ
ン性の水性インクであり、且つ液体組成物が、水性イン
クに対して逆極性に表面が帯電している微粒子を分散状
態で含む水性の液体組成物である請求項12に記載のイ
ンクセット。 - 【請求項14】 インクが、イエローインク、マゼンタ
インク、シアンインク、ブラックインク、レッドイン
ク、ブルーインク及びグリーンインクからなる群から選
ばれる少なくとも1つである請求項12に記載のインク
セット。 - 【請求項15】 インクが、各々別個にイエローイン
ク、マゼンタインク及びシアンインクを含んでいる請求
項12に記載のインクセット。 - 【請求項16】 インクが、各々別個にイエローイン
ク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインク
を含んでいる請求項12に記載のインクセット。 - 【請求項17】 インクがアニオン性であり、且つ液体
組成物のゼータ電位が+5〜+90mVである請求項1
2〜16のいずれか1項に記載のインクセット。 - 【請求項18】 インクがアニオン性であり、且つ液体
組成物が酸を含み、該液該体組成物のpHが2〜7に調
整されている請求項12〜16のいずれか1項に記載の
インクセット。 - 【請求項19】 液体組成物に含有させる酸が、水中で
の一次解離定数pKaが5以下のものである請求項18
に記載のインクセット。 - 【請求項20】 インクがカチオン性であり、且つ液体
組成物のゼータ電位が−5〜−90mVである請求項1
2〜16のいずれか1項に記載のインクセット。 - 【請求項21】 インクがカチオン性であり、且つ液体
組成物が塩基を含み、該液体組成物のpHが7〜12に
調整されている請求項12〜16のいずれか1項に記載
のインクセット。 - 【請求項22】 液体組成物に含有させる塩基の水中で
の一次解離定数pKbが、5以下である請求項21に記
載のインクセット。 - 【請求項23】 液体組成物中に分散されている微粒子
の平均粒子直径が0.005〜1μmの範囲にある請求
項12〜22のいずれか1項に記載のインクセット。 - 【請求項24】 微粒子の比表面積が、70〜300m
2/gである請求項12〜23のいずれか1項に記載の
インクセット。 - 【請求項25】 インクが、アニオン性であり、且つア
ニオン性化合物を含む請求項12〜19及び請求項2
3、24のいずれか1項に記載のインクセット。 - 【請求項26】 アニオン性化合物が、アニオン性基を
有する水溶性染料を含む請求項25に記載のインクセッ
ト。 - 【請求項27】 アニオン性化合物が、表面にアニオン
性基を有する顔料を含む請求項25に記載のインクセッ
ト。 - 【請求項28】 インクが、顔料と、該顔料の分散剤で
あるアニオン性化合物を含む請求項25に記載のインク
セット。 - 【請求項29】 インクがカチオン性であり、且つカチ
オン性化合物を含む請求項12〜16及び請求項20〜
24のいずれか1項に記載のインクセット。 - 【請求項30】 色材を含むインクを被記録媒体に付与
する工程(i)と、請求項1に記載の液体組成物を被記
録媒体に付与する工程(ii)とを有することを特徴とす
る被記録媒体に着色部を形成する方法。 - 【請求項31】 インクが、アニオン性若しくはカチオ
ン性の水性インクであり、且つ液体組成物が、インクと
は逆の極性に表面が帯電している微粒子が分散状態で含
まれている水性の液体組成物である請求項30に記載の
被記録媒体に着色部を形成する方法。 - 【請求項32】 工程(ii)を行なった後に、工程
(i)を行なう請求項30又は31に記載の被記録媒体
に着色部を形成する方法。 - 【請求項33】 工程(i)を行なった後に、工程(i
i)を行なう請求項30又は31に記載の被記録媒体に
着色部を形成する方法。 - 【請求項34】 工程(i)を行なった後に、工程(i
i)を行ない、その後に再び工程(i)を行なう請求項
30又は31に記載の被記録媒体に着色部を形成する方
法。 - 【請求項35】 工程(i)におけるインクの被記録媒
体への付与を、インクを記録信号に応じてオリフィスか
ら吐出させて行なうインクジェット記録方法によって行
う請求項30〜34のいずれか1項に記載の被記録媒体
に着色部を形成する方法。 - 【請求項36】 工程(ii)における液体組成物の被記
録媒体への付与を、液体組成物を記録信号に応じてオリ
フィスから吐出させて行うインクジェット記録方法によ
って行なう請求項30〜35のいずれか1項に記載の被
記録媒体に着色部を形成する方法。 - 【請求項37】 インクジェット記録方法が、液体組成
物に熱エネルギーを作用させて吐出させる方法である請
求項35又は36に記載の被記録媒体に着色部を形成す
る方法。 - 【請求項38】 色材を含むインクを収容したインク収
容部と、該インクを吐出させるためのインクジェットヘ
ッドを備えた第1の記録ユニットと、請求項1に記載の
液体組成物を収容した液体組成物収容部と、該液体組成
物を吐出させるためのインクジェットヘッドを備えた第
2の記録ユニットとを備えていることを特徴とするイン
クジェット記録装置。 - 【請求項39】 色材を含むインクを収容したインク収
容部と、請求項1に記載の液体組成物を収納した液体組
成物収容部と、上記インク収容部に収容されているイン
クと上記液体組成物収容部に収容されている液体組成物
とを各々独立に吐出させるためのインクジェットヘッド
とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装
置。 - 【請求項40】 インクジェットヘッドが、熱エネルギ
ーを作用させて液体を吐出させるサーマルインクジェッ
トヘッドである請求項38又は39に記載のインクジェ
ット記録装置。 - 【請求項41】 色材を含むアニオン性又はカチオン性
のインクと共に被記録媒体に付与され、被記録媒体上に
着色部を形成するのに用いられる請求項1に記載の液体
組成物であって、上記着色部の形成が、上記液体組成物
と上記インクとが液体の状態で接触し、且つ液体組成物
の微粒子表面に、インク中の色材がインク中で有してい
る分子状態と実質的に同等の分子状態を保持しつつ吸着
若しくは結合してなされることを特徴とする液体組成
物。
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2002
- 2002-05-10 JP JP2002134852A patent/JP3799291B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| US9254676B2 (en) | 2005-03-31 | 2016-02-09 | Seiko Epson Corporation | Treatment liquid for plastic film, primer liquid for printing, ink composition, and method for ink jet recording using them |
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