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JP2003027165A - 耐エロージョン性、成形性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 - Google Patents

耐エロージョン性、成形性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材

Info

Publication number
JP2003027165A
JP2003027165A JP2001216193A JP2001216193A JP2003027165A JP 2003027165 A JP2003027165 A JP 2003027165A JP 2001216193 A JP2001216193 A JP 2001216193A JP 2001216193 A JP2001216193 A JP 2001216193A JP 2003027165 A JP2003027165 A JP 2003027165A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum alloy
core material
brazing
alloy clad
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001216193A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiki Ueda
利樹 植田
Osamu Takezoe
修 竹添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Shinko Alcoa Yuso Kizai KK
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Shinko Alcoa Yuso Kizai KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd, Shinko Alcoa Yuso Kizai KK filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2001216193A priority Critical patent/JP2003027165A/ja
Publication of JP2003027165A publication Critical patent/JP2003027165A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 心材とろう材との界面で生じるエロージョン
を防止し、しかも優れた成形性を有するエバポレータ用
のアルミニウム合金クラッド材を提供する。 【解決手段】 Al−Mn系のアルミニウム合金からな
る心材2の両面にAl−Si系のアルミニウム合金から
なるろう材3、4をクラッドしたアルミニウム合金クラ
ッド材1で、クラッド材1の0.2%耐力をそのO材の
耐力に対し130〜290%とし、心材2はCuを0.
05〜0.3質量%含み、残部をAl、Mn、Tiおよ
び不可避的不純物とし、ろう材3、4のうちの少なくと
も一方はSiを7〜13質量%、Znを1〜10質量%
含み、残部をAlおよび不可避的不純物としたアルミニ
ウム合金クラッド材として構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐エロージョン
性、成形性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッ
ド材に係り、特に、外面側(空気側)にろう材を有する
ブレージングシートを成形して作製したプレートを積層
し、ろう付けされて構成されるアルミニウム合金クラッ
ド材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エバポレータ(プレート)用のク
ラッド材として通常、成形性の面からJIS3003等
のAl−Mn系のアルミニウム合金を心材とし、この心
材の両面にAl−Si系のアルミニウム合金のろう材を
クラッドしてなる3層構造のアルミニウム合金クラッド
材が用いられている。以下、このような3層構造のアル
ミニウム合金クラッド材を、単に「クラッド材」とい
う。
【0003】このようなクラッド材の成形には一般に、
成形性のよいO材(JISH0001)が用いられる
が、このクラッド材の成形時の転位によって発生する残
留加工歪が、溶融ろう材の浸食性に影響を及ぼすことが
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、前記クラッ
ド材が有する残留加工歪の程度が、前記クラッド材をろ
う付けする際に、心材部の再結晶化を生じさせる駆動力
として不充分である場合には、たとえそのろう付け時に
600℃程度の比較的高い昇温過程を経るようにしても
亜粒界が残留し、溶融したろう材が心材を浸食する、い
わゆる「エロージョン」が発生することとなる。
【0005】このようなエロージョンが発生すると、前
記クラッド材において前記の溶融したろう材が凝固して
形成された凝固部位が心材にまで到達し、この凝固部位
が優先的に腐食を進行させる経路を形成するため、前記
クラッド材の耐食性が劣化する。このようなエロージョ
ンの発生を防止する従来の方法として、例えば以下のよ
うな技術が挙げられる。
【0006】(1)特開平2−153048号公報に
は、アルミニウム合金の心材とアルミニウム合金のろう
材とから構成されたクラッド材に、熱間圧延、冷間圧延
および焼鈍を施してなるアルミニウムブレージングシー
トを製造するに際し、前記焼鈍後、加工率5〜15%の
冷間圧延を行ない、次いで145〜195℃の温度で歪
取り焼鈍を行なうことによって、クラッド時のサブグレ
インの残留を防止してエロージョンの発生を抑止する方
法が開示されている。
【0007】(2)特開平7−41919号公報には、
所定の組成を有するアルミニウム合金を心材とし、この
心材の片面にAl−Si系のアルミニウム合金から成る
ろう材を、他面にZn、Mg、Si、Fe、Cuの含有
量を規制したアルミニウム合金の犠牲陽極皮材をクラッ
ドしたブレージングシートの製造において、前記心材の
鋳塊と前記ろう材および皮材を550℃以下の温度で熱
間圧延し、圧延率と中間焼鈍後の圧下率とを規制した最
終圧延を施し、さらに焼鈍温度を規制した最終部分焼鈍
を行なうことによって、エロージョンの発生を防止する
方法が開示されている。
【0008】(3)米国特許第04586964号明細
書には、アルミニウム合金から成る心材(H材)にろう
材をクラッドして構成されたクラッド材において、前記
心材に所定の残留加工歪を形成することによってクラッ
ド時の再結晶の駆動力を保持させ、さらにこのクラッド
材の仕上げ冷間圧延の圧延率を3〜20%とすることに
よって、エロージョンの発生を防止する方法が開示され
ている。
【0009】しかしながら、これらの従来のエロージョ
ンの発生を防止する方法では、成形性(伸びやエリクセ
ン値など)が低下するという問題があった。したがっ
て、本発明の目的は、心材とろう材との界面で生じるエ
ロージョンを防止し、しかも優れた成形性を有するエバ
ポレータ用のアルミニウム合金クラッド材を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記した課
題を解決するために、心材の両面にろう材をクラッドし
てなる3層構造のアルミニウム合金クラッド材(3層
材)において、前記心材の耐力、並びに前記心材および
前記ろう材の化学組成と、前記アルミニウム合金クラッ
ド材のエロージョンの発生および成形性との関係につい
て調査を行ない、耐エロージョン性と成形性の改善策に
ついて種々の検討を行なった。
【0011】その結果、前記心材の0.2%耐力を所定
の範囲内とし、この心材の外側(空気側)の面にクラッ
ドされるろう材と心材の化学組成を所定の範囲内に規制
することによって、クラッド部分の組織の再結晶化を促
進させる駆動力となる残留加工歪を適切に形成すること
ができて、前記3層材に含まれるろう材と心材との界面
で生じるエロージョンを防止するとともに、前記3層材
の成形性を確保することが可能なことを見いだし、本発
明を創作するに至った。
【0012】すなわち、前記課題を解決するための本発
明の請求項1に係る熱交換器用アルミニウム合金クラッ
ド材は、Al−Mn系のアルミニウム合金で構成された
心材の両面にAl−Si系のアルミニウム合金で構成さ
れたろう材をクラッドしてなるアルミニウム合金クラッ
ド材であって、前記アルミニウム合金クラッド材の素材
は、0.2%の永久伸びを生じさせる単位断面積あたり
の荷重として定義される0.2%耐力σ1が、JISH
0001で規定されている前記アルミニウム合金クラッ
ド材の素材のO材が有する耐力σ2に対して、1.3×
σ2≦σ1≦2.9×σ2なる関係を有し、前記心材は、
Cuを0.05〜0.3質量%含有し、残部をAl、M
n、Tiおよび不可避的不純物としたAl−Mn系アル
ミニウム合金で構成され、前記心材の両面に備えられる
前記ろう材のうちの少なくとも一方は、Siを7〜13
質量%、Znを1〜10質量%、それぞれ含有し、残部
をAlと不可避的不純物としたアルミニウム合金で構成
されることを特徴とする。
【0013】請求項1のように構成すれば、Al−Mn
系のアルミニウム合金で構成された心材の両面にAl−
Si系のアルミニウム合金で構成されたろう材をクラッ
ドしてなるアルミニウム合金クラッド材において、この
アルミニウム合金クラッド材の素材の0.2%耐力の範
囲をこのアルミニウム合金の素材のO材の耐力を基準と
して適正化するとともに、前記アルミニウム合金クラッ
ド材に含まれる心材とろう材の化学組成に適正範囲を設
けたので、クラッド部分の組織の再結晶化を促進させる
駆動力となる残留加工歪を適切に形成させることがで
き、その結果、エロージョンの防止と成形性(伸びやエ
リクセン値など)の保持とを両立させることができる。
【0014】さらに、前記Al−Mn系アルミニウム合
金の心材の一方の面にAl−Si系アルミニウム合金に
Znを添加したろう材をクラッドしたので、この心材に
対して犠牲陽極効果による耐食性を付与することができ
る。
【0015】請求項2に係る熱交換器用アルミニウム合
金クラッド材は、請求項1において、前記心材が、さら
にSiを0.2〜1.0質量%含有したアルミニウム合
金で構成されることを特徴とする。請求項2のように構
成すれば、心材ひいてはアルミニウム合金クラッド材の
成形性をさらに向上させることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は
この実施の形態のみに限定されるものではない。図1は
本発明に係る3層構造のアルミニウム合金クラッド材1
の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、本
発明に係るアルミニウム合金クラッド材1は、心材2
と、外面側(空気側)のろう材3と、内面側(冷媒通路
側)のろう材4とから構成されている。
【0017】本発明に係るアルミニウム合金クラッド材
1にあっては、所定の強度と残留加工歪を付与し、かつ
所定の耐食性を確保するために、Al−Mn系のアルミ
ニウム合金から成る心材2に含有される成分の量と、こ
の心材2の外側(空気側)に備えられるろう材3に含有
される成分の量とに各々規制を設けている。以下に、心
材2、ろう材3に添加される各成分の含有量について説
明する。
【0018】《心材2のCuの含有量:0.05〜0.
3質量%》本発明に係るアルミニウム合金クラッド材1
に含まれる心材2には、心材2の強度を向上させるとと
もに、心材2の電位を外面側(空気側)のろう材3およ
び内面側(冷媒通路側)のろう材4に対して貴として、
耐食性を向上させるためにCuが0.05〜0.3質量
%の範囲で添加されている。Cuの量が0.05質量%
未満の場合には、耐食性の効果が充分ではないので好ま
しくない。逆に、このCuの量が0.3質量%を越える
と、心材2の成形性(伸びやエリクセン値など)が阻害
されるので好ましくない。この現象は、特に心材2にH
材を用いた場合に顕著となる。
【0019】このようなCuの量が、心材2の成形性を
阻害する理由としては、0.2%の永久伸びを生じさせ
る単位断面積あたりの荷重として定義される心材2の
0.2%耐力σ1が、心材2のO材が有する耐力σ2に対
して、1.3×σ2≦σ1≦2.9×σ2なる関係を有す
る心材2の組織、すなわち転位が集積した部分、あるい
は亜粒界が残存する組織を有するアルミニウム合金で
は、アルミニウムのマトリックス中に固溶したCuが転
位の運動を阻害するように作用するため、心材2の成形
性が劣化するためであると推定される。
【0020】《心材2のMnの含有量:0.5〜2.0
質量%》本発明に係るアルミニウム合金クラッド材1に
含まれる心材2にはMnが含有されているが、Al−M
n系合金の析出物を生成させ、このAl−Mn系合金の
析出物を心材2中に分散させることによってろう付後の
心材2の強度を増大させるとともに、心材2の電位を貴
にし、ろう材との電位差を大きくして耐食性を高めるた
めに、Mnの含有量を0.5〜2.0質量%とするのが
望ましい。その理由は、Mnの含有量が0.5質量%未
満では、ろう付後の心材2の強度および耐食性を増大さ
せる効果が小さく、また、Mnの含有量が2.0質量%
を越えると、Al−Mn系合金の粗大晶出物が増加して
加工性が低下するためである。
【0021】《心材2のTiの含有量:0.1〜0.3
質量%》本発明に係るアルミニウム合金クラッド材1に
含まれる心材2には、この心材2の鋳造時に、鋳塊の板
厚方向のほぼ中央部のTiの濃度分布を適切に保持して
耐食性を向上させるために、Tiが添加されている。す
なわち、Tiは、前記鋳塊の板厚方向で、Ti濃度の比
較的高い領域と低い領域とが交互に分布する層状に分散
し、Ti濃度の比較的低い領域が高い領域に比べて優先
的に腐食することによって腐食形態を層状にする効果を
鋳塊に対して付与するため、鋳塊の板厚方向での腐食の
進行を抑えて、鋳塊の耐食性を向上させることに寄与す
る。このTiの含有量は0.1〜0.3質量%とするの
が望ましい。その理由は、Tiの含有量が0.1質量%
未満では耐食性向上効果が小さく、Tiの含有量が0.
3質量%を越えると、鋳造が困難となり、また加工性が
劣化して所望の鋳造材の製造が困難となるためである。
【0022】《心材2のSiの含有量》本発明に係るア
ルミニウム合金クラッド材1に含まれる心材2には必要
に応じて、アルミニウム合金クラッド材1の成形性を向
上させる目的でSiを0.2〜1.0質量%の範囲で添
加してもよい。このSiの含有量が0.2質量%未満で
はクラッド材1の成形性を向上させる効果が小さく、逆
にSiの含有量が1.0質量%を越えると心材2の融点
が低下してアルミニウム合金クラッド材1に含まれる心
材2自身がろう付にバーニングを生じるため、1.0質
量%以下とするのが好ましい。
【0023】このようにSiがアルミニウム合金クラッ
ド材1の成形性を向上させることができる理由は、Si
を0.2質量%以上添加することによって、心材2に含
まれるMn―Si系の化合物、Al―Mn―Si系の化
合物等から成る析出物をより均一に分散させて析出させ
ることができるためである。すなわち、これらの析出物
は略粒子状に形成されてアルミニウム合金クラッド材の
転位をピン止めする効果を有するが、これらの析出物が
より均一に分散している方が、局在化している場合より
もこのピン止め効果が分散されて変形が局部的に集中し
ないため、より均一に変形させることが可能となって、
成形性が向上するものと考えられる。その結果、アルミ
ニウム合金クラッド材1に含まれる心材2の結晶粒内の
転位が均一に分散して移動するようになって、アルミニ
ウム合金クラッド材1の伸びの均一性が増大し、成形性
が向上するようになる。
【0024】《外面側(空気側)のろう材3のSiの含
有量:7〜13質量%》本発明に係るアルミニウム合金
クラッド材1に含まれるろう材3には、ろう付け後の強
度を向上させるために、Siが7〜13質量%含有され
る。Siの含有量が、7質量%未満であると、ろう材の
流動性が低下してろう付性が損なわれ、13質量%を越
えるとろう材3の溶融温度が低下するので好ましくな
い。
【0025】《外面側(空気側)のろう材3のZnの含
有量:1〜10質量%》本発明に係るアルミニウム合金
クラッド材1に含まれるろう材3には、心材2に対して
犠牲陽極としての効果が発揮されるように、Znが1〜
10質量%含有される。すなわち、このZnは、心材2
の外面側(空気側)の耐食性を所要のレベルに維持する
ために必須の元素である。このZnの含有量が、1質量
%未満であると前記効果が充分に発揮されず、10質量
%を越えるとろう付後の外面側接合部に生じるフィレッ
ト部にZnが濃縮してフィレット部の自己腐食量が多く
なり、その結果、外面側の接合部の寿命が短くなるため
好ましくない。
【0026】なお、ろう材4の構成は、特に限定される
ものではなく、アルミニウム合金クラッド材1のエロー
ジョンの発生を促進させたり、成形性や耐食性を阻害さ
せたりするものでなければよい。
【0027】《アルミニウム合金クラッド材1の残留加
工歪量》本発明に係るアルミニウム合金クラッド材1の
素材で、0.2%の永久伸びを生じさせる単位断面積あ
たりの荷重として定義される0.2%耐力σ1は、この
アルミニウム合金クラッド材1の素材のO材が有する耐
力σ2に対して130%〜290%の範囲内である。耐
力σ1が耐力σ2に対して130%未満であると、ろう付
けする際の昇温によるクラッド部の組織で再結晶化を促
進させる駆動力となる残留加工歪量が必要充分に得られ
ないため、エロージョンの発生を抑制する効果が充分に
得られなくなり好ましくない。逆に290%を越える
と、アルミニウム合金クラッド材1の加工硬化の程度が
過剰となり、硬化に寄与するCuの量を0.3%以下に
減少させてもなお、その成形性が大きく阻害されて成形
加工が困難となるので好ましくない。
【0028】《不可避的成分》なお、本発明に係るアル
ミニウム合金クラッド材1に含まれる心材2には、前記
の成分以外に、本発明の効果を阻害しない範囲内で当該
技術分野に公知の不可避的成分を含むことができる。
【0029】このような本発明に係るアルミニウム合金
クラッド材1は、心材2、外面側(空気側)のろう材3
および内面側(冷媒通路側)のろう材4を構成するアル
ミニウム合金を、例えば半連続鋳造によって造塊し、必
要に応じて均質化処理を施した後、所定厚さまで熱間圧
延し、次いでこれらの材料を組み合わせ、常法に従って
熱間圧延によってクラッド材とし、最終的に所定の厚さ
まで冷間圧延を施し、その後必要に応じて焼鈍を行なう
工程によって製造される。
【0030】
【実施例】本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の
実施例を以下に説明する。表1は、図1に示す本発明に
係るアルミニウム合金クラッド材1に含まれる心材2の
試験片(実施例A1〜A5)の構成と、本発明の必要条
件を満足しない心材の試験片(比較例A6〜A9)の構
成とを示したものである。
【0031】
【表1】
【0032】すなわち、本発明の必要条件を満たす実施
例A1〜A5の心材2はいずれも、CuとSiの含有量
を本発明で規制した範囲内とし、残部をアルミニウムと
不可避的不純物としたAl−Mn系のアルミニウム合金
で構成される。また、本発明の必要条件を満たさない比
較例A6〜A9において、比較例A6はSiの含有量を
本発明の請求項2で規制する範囲の下限値より少なく
し、比較例A7はCuの含有量を本発明の請求項1で規
制する範囲の上限値より多くし、比較例A8はCuの含
有量を本発明の請求項1で規制する範囲の下限値よりも
少なくし、比較例A9はSiの含有量を本発明の請求項
2で規制する範囲の上限値よりも多くし、それぞれ、残
部をアルミニウムと不可避的不純物としたAl−Mn系
のアルミニウム合金で構成されている。
【0033】表2は、図1に示す本発明に係るアルミニ
ウム合金クラッド材1に含まれる外側(空気側)ろう材
3の試験片(実施例:C2、C3)の構成と、本発明の
必要条件を満足しない外側(空気側)ろう材の試験片
(比較例:C1)の構成とを示したものである。すなわ
ち、実施例C2および実施例C3はいずれも、SiとZ
nの含有量を本発明の請求項1で規制する範囲内とし、
残部をAlと不可避的不純物としたAl−Si系のアル
ミニウム合金で構成されている。また、比較例C1は、
Siの含有量を本発明の請求1で規制する範囲内とし、
Znを実質的に含まない(Znが検出限界未満のもの)
Al−Si系のアルミニウム合金で構成されている。
【0034】
【表2】
【0035】表3は、表1と表2に各々示した心材2の
実施例A1〜A5、外側(空気側)ろう材3の実施例C
2、実施例C3、心材2の比較例A6〜A9、および外
側(空気側)ろう材3の比較例C1を、適宜に組み合わ
せて図1に示すようなアルミニウム合金クラッド材1を
作製した供試材の構成と、各種特性評価の結果とを示し
たものである。なお、表1に示す心材2に対して、表2
に示すろう材3を、クラッド率を片面あたり略10%に
設定して熱間圧延によるクラッドし、さらに所定の冷間
圧延と焼鈍とを施すことによって、表3に示す板厚と、
0.2%耐力(アルミニウム合金クラッド材1のO材の
耐力に対するもの)とを有する供試材が得られた。
【0036】
【表3】
【0037】表3に示す各供試材のうち、本発明に係る
実施例はD1、D2、D4、D5であり、本発明の必要
条件を満足しない比較例D3、D6〜D11は、各々、
心材のSiまたはCuの含有量が本発明で規制する範囲
外にあるか、あるいはアルミニウム合金クラッド材1の
0.2%耐力が本発明の請求項1で規制する範囲外にあ
るものである。
【0038】なお、表3に示す成形性評価は、各供試材
にエリクセン試験A方法(JISZ2247)と、引張
試験(JISZ2201)とを行なうことによって評価
した。前記引張試験では、16%以上のものを「◎(極
めて良好)」、14%以上のものを「○(良好)」、1
4%未満のものを「×(不良)」として評価した。前記
エリクセン試験A方法では、試験高さが6.0mm以上
のものを「◎(極めて良好)」、同5.0mm以上のも
のを「○(良好)」、同5.5mm未満のものを「×
(不良)」として評価した。
【0039】また、表3に示す耐エロージョン性評価
は、各供試材に対して冷間圧延率(板厚減少率)を7
%、10%として冷間圧延を行なった後、ろう付け(6
00℃を2分間保持)を行なったアルミニウム合金クラ
ッド材の片面あたりのエロージョン深さ(元のろう材と
心材との界面から心材側にろう材が浸入した深さ)を測
定し、このエロージョン深さが40μm以下のものを
「○(良好)」、40μmを越えるものを「×(不
良)」として評価した。
【0040】そして、表3に示すろう付け後強度評価
は、各供試材をろう付けした後、引張試験(JISZ2
201)を行ない、耐力が130N/mm2以上のもの
を「○(良好)」、130N/mm2未満のものを「×
(不良)」として評価した。
【0041】さらに、表3に示す耐食性評価は、各供試
材にCASS試験(JISSH8502−1988)を
1000時間行ない、引き続いてSWAAT試験(AS
TMB117)を1000時間行なった後、各供試材の
外観を目視で観察して、CASS試験とSWAAT試験
の両者によって貫通した孔食が全く見られなかったもの
を「○(良好)」とし、前記両者のいずれか一方で貫通
した孔食が見られたものを「×(不良)」として評価し
た。
【0042】表3に示す通り、本発明に係る実施例D
1、D2、D4、D5は、いずれも前記した特性評価の
結果が全て「○(良好)」または「◎(極めて良好)」
となっていることがわかる。それに対して、本発明の必
要条件を満たさない比較例のうちD3、D6〜D11は
前記した特性評価の結果のうち少なくとも1つが「×
(不良)」となっていることがわかる。以上の結果か
ら、本発明に係る3層構造のアルミニウム合金クラッド
材1にあっては、耐エロージョン性、成形性(伸びやエ
リクセン値など)、ろう付け後の強度、耐食性のいずれ
も優れていることが明らかとなった。
【0043】
【発明の効果】以上説明した通りに構成される本発明に
係るアルミニウム合金クラッド材によれば、以下の優れ
た効果を奏する。すなわち本発明の請求項1に係る発明
によれば、Al−Mn系のアルミニウム合金で構成され
た心材の両面にAl−Si系のアルミニウム合金で構成
されたろう材をクラッドしてなるアルミニウム合金クラ
ッド材において、このアルミニウム合金クラッド材の
0.2%耐力をこのアルミニウム合金クラッド材のO材
が有する耐力を基準として適正な範囲とし、かつ前記ア
ルミニウム合金クラッド材に含まれる心材とろう材の化
学組成を適正範囲とすることによって、クラッド部分の
組織の再結晶化を促進させる駆動力となる残留加工歪を
適切に形成させることができる。その結果、エロージョ
ンの防止と優れた成形性(伸びやエリクセン値など)と
を両立させた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材を
提供することができる。
【0044】さらに、前記Al−Mn系の心材の一方の
面にAl−Si系のアルミニウム合金にZnを添加した
ろう材をクラッドしたので、この心材に対して犠牲陽極
効果による耐食性を付与した熱交換器用アルミニウム合
金クラッド材を提供することができる。
【0045】そして請求項2に係る発明によれば、前記
した効果に加え、成形性がさらに向上された熱交換器用
アルミニウム合金クラッド材を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の構
成を模式的に示す図面である。
【符号の説明】
1 アルミニウム合金クラッド材(3層構造) 2 心材 3 外側(空気側)のろう材 4 内側(冷媒側)のろう材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹添 修 栃木県真岡市鬼怒ヶ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al−Mn系のアルミニウム合金で構成
    された心材の両面にAl−Si系のアルミニウム合金で
    構成されたろう材をクラッドしてなるアルミニウム合金
    クラッド材であって、 前記アルミニウム合金クラッド材の素材は、0.2%の
    永久伸びを生じさせる単位断面積あたりの荷重として定
    義される0.2%耐力σ1が、JISH0001で規定
    されている前記アルミニウム合金クラッド材の素材のO
    材が有する耐力σ2に対して、1.3×σ2≦σ1≦2.
    9×σ2なる関係を有し、 前記心材は、Cuを0.05〜0.3質量%含有し、残
    部をAl、Mn、Tiおよび不可避的不純物としたAl
    −Mn系アルミニウム合金で構成され、 前記心材の両面に備えられる前記ろう材のうちの少なく
    とも一方は、Siを7〜13質量%、Znを1〜10質
    量%、それぞれ含有し、残部をAlと不可避的不純物と
    したアルミニウム合金で構成されることを特徴とする熱
    交換器用アルミニウム合金クラッド材。
  2. 【請求項2】 前記心材は、さらにSiを0.2〜1.
    0質量%含有したアルミニウム合金で構成されることを
    特徴とする請求項1に記載の熱交換器用アルミニウム合
    金クラッド材。
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