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JP2003020350A - 被処理物内面の放電処理方法及び放電処理装置 - Google Patents

被処理物内面の放電処理方法及び放電処理装置

Info

Publication number
JP2003020350A
JP2003020350A JP2001207699A JP2001207699A JP2003020350A JP 2003020350 A JP2003020350 A JP 2003020350A JP 2001207699 A JP2001207699 A JP 2001207699A JP 2001207699 A JP2001207699 A JP 2001207699A JP 2003020350 A JP2003020350 A JP 2003020350A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
electrode
treated
processed
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001207699A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinori Iwata
顕範 岩田
Kensuke Akutsu
顯右 阿久津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP2001207699A priority Critical patent/JP2003020350A/ja
Publication of JP2003020350A publication Critical patent/JP2003020350A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ雰囲気生成ガスを必要とせず、被処
理物の寸法が大きい場合でもその内壁面全体に均一にプ
ラズマ処理を施すことができる放電処理方法ないしは放
電処理装置を提供する。 【解決手段】 円筒状誘電体4の外周面にシート状の対
向電極2が巻きつけられている。円筒状誘電体4の筒内
空間部には、プラスチック製の円筒状被処理物3が配置
される。被処理物3の中空部には棒状の放電極1が配置
される。ここで、放電極1と対向電極2との間には、負
極性高電圧電源回路と波形成形回路とで構成されるパル
ス高電圧生成回路によりパルス高電圧が印加され、コロ
ナ放電が惹起され、プラズマ雰囲気生成ガスを用いるこ
となくプラズマ雰囲気が生成される。このプラズマ雰囲
気により、被処理物3の寸法が大きい場合でも、その内
壁面全体に均一なプラズマ処理が施される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルス高電圧によ
って惹起されるコロナ放電により、中空部を有する被処
理物の内壁面全体に均一な表面改質処理を施して、その
濡れ性やコーティング剤の付着性などを高めるようにし
た被処理物内面の放電処理方法及び放電処理装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、中空部を備えたプラスチック
(樹脂)等からなる成形品、例えばプラスチックパイ
プ、プラスチック容器においては、その内壁面に、濡れ
性やコーティング剤の付着性などを高めるために表面改
質処理が施されることが多い。そして、このような表面
処理手法として、大気中でコロナ放電により生成された
プラズマ雰囲気を該成形品(以下、「被処理物」とい
う。)に印加してその表面を改質するといったコロナ放
電処理ないしはプラズマ処理が広く用いられている。か
かるコロナ放電処理ないしはプラズマ処理は乾式である
ので、湿式表面改質処理に比べて、処理工程時間が短
く、薬品が残留せず、かつ廃水処理の必要がないといっ
た利点を有する。
【0003】具体的には、例えば特開平8−31595
6号公報には、プラスチック製カップの中空部に配置さ
れカップ内面に沿った形状を有する接地電極と、カップ
外に配置された高圧電極との間に高電圧を印加してコロ
ナ放電を惹起し、カップ表面を改質するようにしたコロ
ナ放電処理方法ないしはコロナ放電処理装置が開示され
ている。
【0004】また、特開平5−269370号公報ない
し特開平10−324756号公報には、プラズマの励
起を促進するガスを容器内に導入しつつ、大気圧下で、
容器内外の電極に高周波電圧を印加することによりグロ
ー放電を惹起し、容器内面を改質するようにした容器等
のプラズマ処理方法ないしはプラズマ処理装置が開示さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−315956号公報に開示されている従来のコロナ
放電処理方法ないしはコロナ放電処理装置では、電極間
隙が狭くないと十分な放電が起きないため、電極を、被
処理物(プラスチック製カップ)の内面形状に沿った形
状に形成しなければならない。このため、生産性が低下
し、そのコストが上昇するといった問題がある。
【0006】また、特開平5−269370号公報ない
し特開平10−324756号公報に開示されたプラズ
マ処理方法ないしはプラズマ処理装置では、均一な放電
を維持するために、プラズマの励起を促進するガス(以
下、「プラズマ雰囲気生成ガス」という。)を被処理物
である容器の内部に導入しなければならないので、プラ
ズマ処理が可能な被処理物(容器)はその内容積が比較
的小さいものに限られ、大きな被処理物に対してはプラ
ズマ処理が困難であるといった問題がある。
【0007】なお、プラスチックからなる被処理物は、
一般に耐熱性が低いので、コロナ放電時に電界が集中す
ると、スパーク等による熱により熱変形等が発生するお
それがある。したがって、コロナ放電処理ないしはプラ
ズマ処理の均一性あるいは安全性を確保するには、パル
ス高電圧の波形や、電極の形状に細心の注意を払う必要
がある。
【0008】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、プラズマ雰囲気生成ガスを必
要とせず、被処理物の寸法が大きい場合でも被処理物の
内壁面全体に均一にコロナ放電処理ないしはプラズマ処
理を施すことができる、安全性が高く低コストの放電処
理方法ないしは放電処理装置を提供することを解決すべ
き課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明にかかる被処理物内面の放電処理方法
は、(i)中空部を有する被処理物(例えば、筒状、容
器状のもの)の内壁面に、コロナ放電により表面改質処
理を施すようにした被処理物内面の放電処理方法であっ
て、(ii)周囲に対向電極が配設された筒状誘電体(な
いしは、筒状絶縁体)の筒内空間部に、被処理物全体を
挿入(配置)し、(iii)被処理物の中空部に放電極を
挿入(配置)し、(iv)放電極と対向電極との間にパル
ス高電圧を印加して、コロナ放電によりプラズマ雰囲気
を生成し、(v)該プラズマ雰囲気で被処理物の内壁面
全体に表面改質処理を施すことを特徴とするものであ
る。
【0010】この放電処理方法によれば、常温常圧の大
気中、すなわち空気雰囲気下で、プラズマ雰囲気生成ガ
スを用いることなく、簡便な電極構造でもって安全に、
中空部を有する被処理物(例えば、プラスチック成形品
等)の内壁面全体に、均一なプラズマ雰囲気(活性雰囲
気)を印加ないし維持することができる。この放電処理
方法によれば、プラズマ雰囲気生成ガスを用いる必要が
ないので、被処理物の寸法が大きい場合でも被処理物の
内壁面全体に均一にコロナ放電処理ないしはプラズマ処
理を施すことができる。これにより、種々の大きさ、形
状の被処理物の内壁面に極性基を付与し、内壁面全体の
濡れ性、コーティング剤の付着性等を向上させることが
できる。この放電処理方法は、薬品を用いる湿式処理は
もちろん、従来の乾式放電処理に比べて、製作コストな
いしランニングコストを低減することができ、被処理物
の形状ないし寸法についての制約を極めて少なくするこ
とができる。
【0011】上記放電処理方法においては、放電極とし
て、導電性素材からなる棒状、ワイヤ状、チェーン状又
はブラシ状の(細長い)電極を用い、該放電極を、被処
理物の中空部の中心軸に沿って伸びるように挿入するの
が好ましい。このようにすれば、放電極の構造が簡素な
ものとなり、被処理物の中空部への放電極の挿入・配置
が極めて容易となり、かつコロナ放電処理ないしはプラ
ズマ処理の均一性が良好となる。
【0012】上記放電処理方法においては、対向電極と
して、筒状誘電体の周囲に巻かれたシート状、薄板状又
は織物状(ないしは網目状)の電極を用いるのが好まし
い。このようにすれば、局所的な電界集中が生じないの
で、コロナ放電処理ないしはプラズマ処理の均一性が一
層良好となる。
【0013】なお、上記放電処理方法においては、パル
ス幅が0.05μsec以上であり、(印加電圧ないし
は波高値)/(極間距離)で定義される平均電界強度が
6KV/cm以上であり、パルス頻度が20pps以上
であるパルス高電圧を用いるのが好ましい。
【0014】本発明にかかる被処理物内面の放電処理装
置は、(i)中空部を有する被処理物の内壁面に、コロ
ナ放電により表面改質処理を施すようになっている被処
理物内面の放電処理装置であって、(ii)被処理物全体
を収容することができる筒内空間部を備えた筒状誘電体
(ないしは、筒状絶縁体)と、(iii)筒状誘電体の周
囲に配置された対向電極と、(iv)被処理物の中空部に
挿入することができる放電極と、(v)放電極と対向電
極との間にパルス高電圧を印加するパルス高電圧生成回
路とが設けられていて、(vi)上記筒状空間部内に被処
理物が配置されるとともに上記中空部内に放電極が配置
されたときに、放電極と対向電極との間に印加されたパ
ルス高電圧によって惹起されるコロナ放電により生成さ
れたプラズマ雰囲気で、被処理物の内壁面全体に表面改
質処理を施すようになっていることを特徴とするもので
ある。
【0015】この放電処理装置によれば、前記の放電処
理方法の場合と同様に、常温常圧の大気中で、プラズマ
雰囲気生成ガスを用いることなく、簡便な電極構造でも
って安全に、被処理物の内壁面全体に均一なプラズマ雰
囲気を印加ないし維持することができる。また、被処理
物の寸法が大きい場合でも被処理物の内壁面全体に均一
にコロナ放電処理ないしはプラズマ処理を施すことがで
きる。
【0016】上記放電処理装置においては、放電極が、
導電性素材からなる棒状、ワイヤ状、チェーン状又はブ
ラシ状の(細長い)電極であって、表面改質処理時に
は、被処理物の中空部の中心軸に沿って伸びるように配
置されるようになっているのが好ましい。このようにす
れば、放電極の構造が簡素なものとなり、被処理物の中
空部への放電極の挿入・配置が極めて容易となり、かつ
コロナ放電処理ないしはプラズマ処理の均一性が良好と
なる。
【0017】上記放電処理装置においては、対向電極
が、筒状誘電体の周囲に巻かれたシート状、薄板状又は
織物状(ないしは、網目状)の電極であるのが好まし
い。このようにすれば、局所的な電界集中が生じないの
で、コロナ放電処理ないしはプラズマ処理の均一性が一
層良好となる。
【0018】上記放電処理装置においては、パルス高電
圧生成回路が、パルス幅が0.05μsec以上であ
り、(印加電圧ないしは波高値)/(極間距離)で定義
される平均電界強度が6KV/cm以上であり、パルス
頻度が20pps以上であるパルス高電圧を生成するよ
うになっているのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。図1に示すように、本発明にかかる放電
処理装置HSにおいては、放電極1と対向電極2との間
に配置されたプラスチック製の円筒状被処理物3の内壁
面に、コロナ放電により生成されるプラズマ(プラズマ
雰囲気)で表面改質処理を施すようになっている。な
お、後で詳しく説明するように、対向電極2は、円筒状
誘電体4の外周面に巻きつけられたシート状ないしは薄
板状の電極である。ここで、コロナ放電は、負極性高電
圧電源回路S1と波形成形回路S2とで構成されるパル
ス高電圧生成回路Sで、放電極1と対向電極2との間に
パルス高電圧を印加することにより惹起される。
【0020】負極性高電圧電源回路S1には低圧の直流
電源5が設けられ、この直流電源5のマイナス側出力端
子とプラス側出力端子とには、それぞれ、第1導線6と
第2導線7とが接続されている。第1導線6の先端と第
2導線7の先端とは、それぞれ、波形成形回路S2を経
由して、放電極1と対向電極4とに接続されている。な
お、第2導線7は、P1点とP8点とでそれぞれ接地
(アース)されている。
【0021】負極性高電圧電源回路S1内において、第
1導線6には、第1インダクタンスコイル8と保護抵抗
9とが直列に介設されている。また、第1インダクタン
スコイル8と保護抵抗9との間に位置する第1導線6の
P2点と、第2導線のP3点とを接続する第3導線10
には、コンデンサ11が介設されている。かくして、負
極性高電圧電源回路S1は、低圧の直流電源5から所定
の高電圧を生成する。
【0022】波形成形回路S2内において、第1導線6
のP4点と第2導線7のP5点とを接続する第4導線1
2には、P4点側からP5点側に向かって順に、第2イ
ンダクタンスコイル13と、第1球電極14aと第2球
電極14bとからなるスパークギャップスイッチ14と
が直列に介設されている。また、第1導線6には充放電
コンデンサ15が介設されている。さらに、第1導線6
のP6点と第2導線7のP7点とを接続する第5導線1
6には、負荷抵抗17が介設されている。
【0023】かくして、波形成形回路S2は、およそ次
のようなプロセスで、所定のパルス幅と波高値とパルス
頻度とを伴ったパルス高電圧を生成する。すなわち、直
流電源5ないしは負極性高電圧電源回路S1がオンされ
ると、充放電コンデンサ15には電圧が印加されて電荷
が蓄積される。この充放電コンデンサ15への電荷の蓄
積と並行して、スパークギャップスイッチ14に印加さ
れる電圧が急激に上昇する。
【0024】そして、充放電コンデンサ15に電荷が飽
和状態まで蓄積されるのとほぼ同時に、第1球電極14
aと第2球電極14bとの間には火花放電が発生する。
この火花放電によりスパークギャップスイッチ14は短
絡状態ないしは導通状態となる。これに伴って、充放電
コンデンサ15に蓄積されていた電荷がほぼ瞬時に放出
され、この電荷は、充放電コンデンサ15の静電容量と
両電極1、2間の静電容量の比率とで定まる電圧値(波
高値)と、第2インダクタンスコイル13のインダクタ
ンス値と負荷抵抗17の抵抗値とによって定まる波形と
を伴ったパルス高電圧を生成する。なお、このパルス高
電圧は第1導線6と第2導線7との間に生成される。
【0025】このようなプロセスが繰り返され、第1導
線6と第2導線7との間、ひいては放電極1と対向電極
2との間には所定の波形特性を伴ったパルス高電圧が印
加される。ここで、パルス高電圧のパルス幅は、0.0
5μsec以上に設定される。パルス高電圧の波高値
(すなわち、両電極1、2間の印加電圧)は、平均電界
強度が6KV/cm以上となるように設定される。な
お、平均電界強度とは、(印加電圧ないしは波高値)/
(極間距離)で定義される値である。また、パルス高電
圧のパルス頻度は、20pps以上に設定される。
【0026】このとき、放電極1と対向電極2との間に
はコロナ放電が惹起され、このコロナ放電によって被処
理物3の中空部にはプラズマ(プラズマ雰囲気)が生成
される。このプラズマにより、被処理物3の内壁面にコ
ロナ放電処理ないしはプラズマ処理、すなわち表面改質
処理が施され、濡れ性、コーティング剤の付着性等の表
面状態が改善(改良)される。なお、かかるプラズマに
よる改質処理が可能な被処理物としては、例えば樹脂成
形品、プラスチック成形品などがあげられる。
【0027】以下、放電極1と対向電極2と筒状誘電体
4とを備えた放電処理部の具体的な構造及び機能を説明
する。図2に示すように、この放電処理部において、円
筒状誘電体4は、円筒状の被処理物3全体を収容(挿
入)することができる内径をもつ筒内空間部を備えてい
る。なお、円筒状誘電体4は、塩化ビニル、ガラス、ア
クリル等の誘電材料ないしは絶縁素材で形成されてい
る。
【0028】そして、円筒状誘電体4の外周部には、シ
ート状ないしは薄板状の金属からなる対向電極2が巻か
れている。対向電極2は、第2導線7を介して接地(ア
ース)されている。ここで、対向電極2の上端部及び下
端部には、それぞれ、電界集中によりコロナ放電処理な
いしはプラズマが不均一化するのを防止するための湾曲
部ないしは丸み部(R部)が設けられている。対向電極
2の高さPは、被処理物3の高さQに応じて設定され
る。ただし、図2に示す例では、対向電極2の高さP
は、被処理物3の高さQと同一値とされている。
【0029】放電極1は、導電性素材(例えば、金属)
を用いて棒状(細長い円柱形)に形成されている。放電
極1の外径は、これを被処理物3の中空部に容易に挿入
できるような値に設定される。なお、放電極1は、ワイ
ヤ状、チェーン状又はブラシ状のものであってもよい。
ここで、放電極1は、筒状空間部内に配置された被処理
物3の中空部の中心軸に沿って伸びるように挿入され、
配置される。すなわち、放電極1は、円筒状被処理物3
の内壁面のあらゆる部位に対する距離Rが一定値となる
ように配置される。放電極1は、治具等を用いてその位
置を固定するのが好ましい。
【0030】放電極1の下端部と対向電極2の下端部
(R部の下端部)とは、ほぼ同じ位置に配置される。こ
こで、放電極1の下端部と対向電極2の下端部との間で
の電界集中を防止するため、円筒状誘電体4の、対向電
極下端部(ないしは放電極下端部)からの下方への突出
長Hは、放電極1と対向電極2との間の距離D(以
下、「極間距離D」という。)以上に設定するのが好ま
しく、極間距離Dの2倍以上に設定するのがより好まし
い。なお、円筒状誘電体4の、対向電極上端部からの上
方への突出長Hも、電界集中を防止するために、極間
距離D以上に設定するのが好ましく、極間距離Dの2倍
以上に設定するのがより好ましい。
【0031】この放電処理装置HSにおいて、放電極1
を被処理物3の中空部に挿入する際には、極間距離D
が、対向電極2の内周面のあらゆる位置について同一値
となるようにして、鉛直に挿入・設置する。ただし、被
処理物3と円筒状誘電体4との間隔は、位置によって多
少違っていても構わない。例えば、図2中に示すよう
に、左側の間隔Tと右側の間隔Tとが異なっていて
も構わない。
【0032】パルス高電圧発生回路Sの出力特性(回路
定数)は、極間距離Dが大きくなるほど平均電界強度
(KV/cm)が大きくなるように設定される。ここ
で、平均電界強度が6KV/cm未満であるか、又はパ
ルス頻度が20pps未満である場合は、放電が弱く、
処理効果が低下し、処理可能な被処理物3の寸法が著し
く小さくなる。
【0033】また、パルス高電圧のパルス幅は、0.0
5μsec以上かつ0.1μsec以下の範囲内である
が望ましい。パルス幅が0.1μsecを超えると、被
処理物3の耐熱温度が低い場合、長時間放電による円筒
状誘電体4内の温度上昇により、被処理物3に熱変形が
生じるおそれがあるからである。他方、パルス幅が0.
05μsec未満の場合は、装置作製上のインダクタン
ス制御が困難となり、装置コストが上昇するからであ
る。
【0034】この放電処理装置HSでは、放電は、通常
の常圧大気中(1気圧の空気中)で可能である。すなわ
ち、前記の特開平5−269370号公報あるいは特開
平10−324756公報に開示されている従来の大気
圧プラズマ処理のように特別なプラズマ雰囲気生成ガス
を供給しなくてもよい。つまり、この放電処理装置HS
では、プラズマ雰囲気生成ガスを供給しなくても、広い
極間距離で安定したプラズマ雰囲気の生成・維持が可能
である。ただし、処理の時間短縮や処理効果の増進のた
め、公知のプラズマ雰囲気生成ガス(例えば、ArやH
eなどの希ガス、O等)を、予め円筒状誘電体4内に
吹き込みつつ(ないしは、封入して)、コロナ放電処理
ないしはプラズマ処理を実施するようにしてもよい。
【0035】また、この放電処理装置HSでは、極間距
離Dが、対向電極のすべての部位に対して一定であれ
ば、被処理物3の内壁面全体に均一なコロナ放電が惹起
され、均一なコロナ放電処理ないしはプラズマ処理が施
される。したがって、処理可能な極間距離Dが広いの
で、前記の特開平8−315956号公報に記載された
従来のコロナ放電処理のように被処理物を振動・回転さ
せて処理の均一化を図る必要はない。
【0036】つまり、本発明にかかる放電処理装置ない
しは放電処理方法によれば、特別なプラズマ雰囲気生成
ガスを使用することなく、従来は処理困難であった形状
や寸法の被処理物の内壁面の濡れ性やコーティング剤の
付着性を簡便に向上させることができる。
【0037】以下、本発明にかかる放電処理装置ないし
は放電処理方法の効果を確認するために、本発明にかか
る放電処理装置を用いて実際に放電処理実験を行って得
た結果について説明する。この放電処理実験では、被処
理物3として、PETシートを丸めて円筒状(円柱状)
にしたサンプル(以下、「被処理物サンプル」とい
う。)を用い、該被処理サンプルの内壁面にコロナ放電
処理ないしはプラズマ処理を施した。なお、被処理物サ
ンプルの形状は次のとおりである。
【0038】円筒状誘電体4としては、次のものを用い
た。
【0039】また、対向電極2の高さPは、160mm
に設定した。そして、放電極1と対向電極2との間に、
所定のパルス高電圧(表1参照)を印加し、被処理物サ
ンプルの内壁面にコロナ放電処理ないしはプラズマ処理
を施した後、該内壁面の表面特性を評価した。この表面
特性は、JIS K−6768「ポリエチレン及びポロ
プロピレンフィルムのぬれ試験方法」にかかる表面張力
の値で評価した。すなわち、未処理の被処理物サンプル
(比較例)の表面張力値(36dyne/cm)が、
コロナ放電処理ないしはプラズマ処理により、どの程度
まで向上するかを測定した。表面張力測定液は、市販の
「ぬれ試薬(36〜54dyne/cm)」を用い
た。なお、パルス高電圧のパルス波形は、パルス高電圧
生成回路S中の球ギャップ間隙、インダクタンス値、負
荷抵抗値を変えることにより調整・変更した。表1に、
この放電処理実験の結果を示す。
【0040】表1 放電処理実験の結果
【0041】表1において、電界強度(平均電界強度)
は、(波高値Vp)/(極間距離D)で定義される値で
ある。なお、実施例1において、電界強度が8KV/c
mの場合は波高値Vpが30KVであり、電界強度が1
6KV/cmの場合は波高値Vpが60KVである。ま
た、実施例2において、電界強度が6KV/cmの場合
は波高値Vpが30KVであり、電界強度が12KV/
cmの場合は波高値Vpが60KVである。
【0042】また、表1において、部位別表面張力値の
A欄は、図3中のAで示す部位の表面張力値を示し、B
欄は、図3中のBで示す部位の表面張力値を示してい
る。表1から明らかなとおり、実施例1及び実施例2の
いずれにおいても、比較例(未処理のもの)に比べて、
表面張力値(表面特性)が良好となっている。
【0043】なお、この実施の形態では、被処理物3は
円筒状のものであるが、本発明にかかる放電処理を適用
することができる被処理物は、円筒状のものに限定され
るわけではなく、中空部を備えていてこの中空部に放電
極を挿入することができるものであれば、どのようなも
のでもよい。例えば、被処理物は、角筒状のものであっ
ても、また底のある容器状のものでもあってもよい。た
だし、被処理物が底のある容器状のものであり、底面に
対しても放電処理を行う場合には、コロナ放電処理ない
しはプラズマ処理を均一化するために、容器の底と対向
する部位にも、誘電体と対向電極とを配置することが必
要である。
【0044】以上、本発明にかかる放電処理装置ないし
は放電処理方法によれば、常温常圧の大気中、すなわち
空気雰囲気下(減圧プラズマ処理ではない)で、プラズ
マ雰囲気生成ガスを用いることなく(大気圧プラズマ
(グロー放電)処理ではない)、簡便な電極構造でもっ
て安全に(交流高周波コロナ処理ではない)、中空部を
有する被処理物の内壁面全体に、均一なプラズマ雰囲気
を印加ないし維持することができる。これにより、種々
の大きさ、形状の被処理物の内壁面に極性基を付与し、
面全体の濡れ性、コーティング剤の付着性等を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる放電処理装置の構成を示す回
路図である。
【図2】 図1に示す放電処理装置の放電処理部を拡大
して示した立面断面図である。
【図3】 被処理物の斜視図であり、本発明にかかる放
電処理装置を用いた放電処理実験において、表面張力値
を測定した部位を示している。
【符号の説明】
HS…放電処理装置、S…パルス高電圧生成回路、S1
…負極性高電圧電源回路、S2…波形成形回路、1…放
電極、2…対向電極、3…被処理物、4…円筒状誘電
体、5…直流電源、6…第1導線、7…第2導線、8…
第1インダクタンスコイル、9…保護抵抗、10…第3
導線、11…コンデンサ、12…第4導線、13…第2
インダクタンスコイル、14…ギャップスイッチ、14
a…第1球電極、14b…第2球電極、15…充放電コ
ンデンサ、16…第5導線、17…負荷抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 67:02 C08L 67:02 Fターム(参考) 3C059 AA01 AB01 DA01 HA03 4F073 AA01 BA24 BB01 CA21 CA26 CA27 CA28 HA12 4G075 AA30 BA05 CA18 CA47 EB42 EC06 EC21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部を有する被処理物の内壁面に、コ
    ロナ放電により表面改質処理を施すようにした被処理物
    内面の放電処理方法であって、 周囲に対向電極が配設された筒状誘電体の筒内空間部
    に、被処理物全体を挿入し、 被処理物の中空部に放電極を挿入し、 放電極と対向電極との間にパルス高電圧を印加して、コ
    ロナ放電によりプラズマ雰囲気を生成し、 該プラズマ雰囲気で被処理物の内壁面全体に表面改質処
    理を施すことを特徴とする被処理物内面の放電処理方
    法。
  2. 【請求項2】 上記放電極として、導電性素材からなる
    棒状、ワイヤ状、チェーン状又はブラシ状の電極を用
    い、 該放電極を、被処理物の中空部の中心軸に沿って伸びる
    ように挿入することを特徴とする請求項1に記載の被処
    理物内面の放電処理方法。
  3. 【請求項3】 上記対向電極として、筒状誘電体の周囲
    に巻かれたシート状又は薄板状の電極を用いることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の被処理物内面の放電処
    理方法。
  4. 【請求項4】 パルス幅が0.05μsec以上であ
    り、(印加電圧)/(極間距離)で定義される平均電界
    強度が6KV/cm以上であり、パルス頻度が20pp
    s以上であるパルス高電圧を用いることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1つに記載の被処理物内面の放電
    処理方法。
  5. 【請求項5】 中空部を有する被処理物の内壁面に、コ
    ロナ放電により表面改質処理を施すようになっている被
    処理物内面の放電処理装置であって、 被処理物全体を収容することができる筒内空間部を備え
    た筒状誘電体と、 筒状誘電体の周囲に配置された対向電極と、 被処理物の中空部に挿入することができる放電極と、 放電極と対向電極との間にパルス高電圧を印加するパル
    ス高電圧生成回路とが設けられていて、 上記筒状空間部内に被処理物が配置されるとともに上記
    中空部内に放電極が配置されたときに、放電極と対向電
    極との間に印加されたパルス高電圧によって惹起される
    コロナ放電により生成されたプラズマ雰囲気で、被処理
    物の内壁面全体に表面改質処理を施すようになっている
    ことを特徴とする被処理物内面の放電処理装置。
  6. 【請求項6】 上記放電極が、導電性素材からなる棒
    状、ワイヤ状、チェーン状又はブラシ状の電極であっ
    て、表面改質処理時には、被処理物の中空部の中心軸に
    沿って伸びるように配置されることを特徴とする請求項
    5に記載の被処理物内面の放電処理装置。
  7. 【請求項7】 上記対向電極が、筒状誘電体の周囲に巻
    かれたシート状又は薄板状の電極であることを特徴とす
    る請求項5又は6に記載の被処理物内面の放電処理装
    置。
  8. 【請求項8】 上記パルス高電圧生成回路が、パルス幅
    が0.05μsec以上であり、(印加電圧)/(極間
    距離)で定義される平均電界強度が6KV/cm以上で
    あり、パルス頻度が20pps以上であるパルス高電圧
    を生成するようになっていることを特徴とする請求項5
    〜7のいずれか1つに記載の被処理物内面の放電処理装
    置。
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