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JP2002539767A - シグナルペプチドを含む相補的dnaのコードタンパク質 - Google Patents

シグナルペプチドを含む相補的dnaのコードタンパク質

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JP2002539767A
JP2002539767A JP2000589560A JP2000589560A JP2002539767A JP 2002539767 A JP2002539767 A JP 2002539767A JP 2000589560 A JP2000589560 A JP 2000589560A JP 2000589560 A JP2000589560 A JP 2000589560A JP 2002539767 A JP2002539767 A JP 2002539767A
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protein
seq
nos
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JP2000589560A
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ブーギュルレ,ライディ
ドゥマス,ジャン−バプティスト
デュクレート,エイメリック
クリューセル カトリーヌ
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ジェンセット
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Abstract

(57)【要約】 分泌タンパク質をコードするcDNAの配列を開示する。このcDNAを用いて、分泌タンパク質またはそのフラグメントを発現させたり、分泌タンパク質と特異的に結合可能な抗体を得ることが可能である。また、診断法、法医学的な方法、遺伝子治療および染色体マッピング法に、かかるcDNAを使用してもよい。さらに、このcDNAを用いて発現ベクターおよび分泌ベクターを設計することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) ヒト染色体上に散在する推定50,000〜100,000の遺伝子を利用して、人間に生
じるさまざまな疾病について理解し、これを診断および治療できるようになる可
能性が非常に高い。また、ヒトゲノム全体に分散した遺伝子座と特異的にハイブ
リダイズできるプローブには、高解像度の染色体地図を構築し、個体を識別する
上での用途がある。
【0002】 かつては、ヒトの遺伝子をわずか1つ特徴づけするプロセスですら、何年にも
わたる作業が必要な骨の折れるものであった。クローニングベクター、DNA配列
決定およびコンピュータテクノロジーの各分野での開発が近年になって統合され
てきたことにより、ヒトの遺伝子を単離し、配列決定し、マッピングし、特徴づ
けできる率が大幅に高くなっている。
【0003】 現在、ヒトゲノムに沿って分散している遺伝子を同定および特徴づけする目的
で、2通りの方法が追求されている。そのうちの1つは、ゲノムDNAの大きなフラ
グメントを単離し、クローニングし、配列決定するものである。すなわち、バイ
オインフォマティクスソフトウェアを利用して、これらのゲノム配列に含まれる
潜在的な読み枠を同定する。ただし、この方法でゲノム全体に散らばっているタ
ンパク質コード配列を見つけるためには、ヒトDNAのうちタンパク質をコードし
ない大きな断片の配列を決定しなければならない。広範囲におよぶ配列決定が必
要な上に、バイオインフォマティクスソフトウェアでは、得られるゲノム配列の
特徴づけに誤りが生じる(すなわち、非コードDNAをコードDNAとして標識したり
、その逆が生じたりする)可能性もある。
【0004】 もう1つの方法は、より直接的な手段でヒト遺伝子を同定および特徴づけする
ものである。この方法では、ヒトタンパク質をコードする単離メッセンジャーRN
A(mRNA)から、相補的DNA(cDNA)を合成する。この方法を利用するのであれば、ゲ
ノムのタンパク質コードフラグメント由来のDNAについてのみ配列決定を行えば
よい。多くの場合、cDNAの短い断片のみを配列決定し、発現配列タグ(EST)と呼
ばれる配列を得る。このESTを利用して、EST配列に隣接する配列を含むcDNAを単
離または精製することができる。cDNAには、これらのcDNAを得るのに利用したES
Tの配列すべてが含まれている場合もあれば、上記のcDNAを得るのに利用したEST
の配列のフラグメントのみが含まれている場合もある。また、これらのcDNAは、
ESTを導出した遺伝子の完全なコード配列を含む場合もあれば、ESTを導出した遺
伝子のコード配列のフラグメントがcDNAに含まれている場合もある。選択的スプ
ライシングの結果として、あるいは、選択的プロモーターの活性が原因で、cDNA
にEST配列が含まれることもあり得る点は理解できよう。
【0005】 従来、上記の短いEST配列のほとんどがオリゴdTでプライミングしたcDNAライ
ブラリから得られていた。このためESTは主に、mRNAの3'非翻訳領域に対応した
。ひとつには、cDNAを得るための一般的な技法がmRNAの5'末端由来のcDNA配列を
単離するには適していないことから、mRNAの3'末端由来のEST配列が主体になる
のである(Adams et al., Nature 377:3-174, 1996、Hillier et al., Genome Re
s. 6:807-828, 1996)。また、長めのcDNA配列が得られたとの報告事例では、報
告された配列は一般にコード配列にあたるものであり、cDNAを導出するmRNAの完
全な5'非翻訳領域(5'UTR)を含むものではない。特に、5'UTRはmRNAの安定性また
は翻訳に影響するものであることが明らかになってきた。このため、分裂促進的
に活性化された細胞に含まれるメタロプロテアーゼmRNAの組織インヒビターの翻
訳などで説明されている(Waterhouse et al., J Biol Chem. 265:5585-9. 1990)
ように、選択的5'UTRを用いて遺伝子の発現を調節できる場合がある。さらに、
変異、挿入またはトランスロケーションといったイベントによる5'UTRの修飾が
、病気の発生という形であらわれてくることすらある。たとえば、遺伝による精
神遅滞の最も一般的な原因である脆弱X症候群には、脆弱X mRNAの5'UTRに複数の
CGGトリヌクレオチドが挿入され、リボソームの立ち往生によるタンパク質合成
の阻害が生じることが若干なりとも関与している(Feng et al., Science 268:73
1-4, 1995)。c-mycというプロトオンコジーンの翻訳を阻害することが知られて
いる5'UTRの領域に異常な変異が生じると、多発性骨髄腫患者由来の細胞に含ま
れるc-mycタンパク質濃度が上方制御されることが明らかになった(Willis et al
., Curr Top Microbiol Immunol 224:269-76, 1997)。また、オリゴdTでプライ
ミングしたcDNAライブラリを使用しても、この方法で得られる不完全な配列には
、特に第1エキソンが短い場合にmRNAの第1エキソンが含まれていないことがある
ため、完全な5'UTRを単離することはできない。さらに、スプライス部位の上流
に位置するいくつかのエキソン(多くの場合は短いエキソン)が含まれていないこ
ともある。このため、mRNAの5'末端由来の配列を得なければならない。
【0006】 さらに、大規模な配列決定プロジェクトで得られた(Adams et al., Nature 37
7:174, 1996、Hillier et al., Genome Res. 6:807-828, 1996)大量のESTデータ
があるにもかかわらず、そこから得られるcDNAに対応するmRNAの生物学的機能に
関する情報には限りがあることが明らかになっている。特に、mRNAの生物学的機
能を研究調査するにあたっては完全なコード配列についての知識が絶対的に必要
であるにもかかわらず、ESTを用いて得られるのは部分的なコード配列のみであ
る。現在までのところ、全長cDNAライブラリを構築するための方法の効率が非常
に悪いため、大規模な全長cDNAクローニングでは限られた成功例があるのみであ
る。特に、このような方法では、大量のmRNAが必要である(Ederly et al., 1995
)ため少量の組織しか利用できない場合に全長ライブラリが代表的なものではな
くなってしまうか、相当数のクローンを得るにはPCR増幅が必要である(Maruyama
et al., 1994、 CLONTECHniques, 1996)ため、長く稀少なcDNAが失われた極め
て偏りのあるcDNAライブラリになってしまうかのいずれかである。したがって、
全長cDNAすなわち、その対応するmRNAの完全なコード配列を含むcDNAを得る必要
がある。
【0007】 ヒト染色体由来の多くの配列には実用的な用途があるが、タンパク質産物をコ
ードする染色体配列の同定および特徴づけを利用した方法は、診断および治療の
用途と特に関連している。50,000〜100,000のタンパク質コード遺伝子のうち、
タンパク質合成の場である細胞から分泌されるタンパク質をコードする遺伝子な
らびに、分泌タンパク質それ自体が、潜在的治療薬として特に有用なものである
。かかるタンパク質は、細胞間伝達に関与していることが多く、自己の標的細胞
で臨床的に関わりのある応答を生む場合がある。事実、現在のところ、組織プラ
スミノーゲン活性化因子、G-CSF、GM-CSF、エリスロポエチン、ヒト成長ホルモ
ン、インスリン、インターフェロン-α、インターフェロン-β、インターフェロ
ン-γおよびインターロイキン-2をはじめとするいくつかの分泌性タンパク質が
臨床利用されている。これらのタンパク質は、急性心筋梗塞、急性脳梗塞、貧血
、糖尿病、成長ホルモン欠損症、肝炎、腎臓癌、化学療法による好中球減少症お
よび多発性硬化症をはじめとする、さまざまな状態の治療に用いられている。こ
うしたことから、分泌タンパク質またはそのフラグメントをコードするcDNAが、
潜在的治療薬に対する特に価値のあるソースとなるのである。したがって、分泌
タンパク質およびこれをコードする核酸を同定ならびに特徴づけすることには需
要がある。
【0008】 それ自体が治療に役立つことに加え、分泌性タンパク質には、分泌を指令する
アミノ末端にシグナルペプチドと呼ばれる短いペプチドが含まれている。これら
のシグナルペプチドは、分泌タンパク質をコードする遺伝子のコード配列の5'末
端に位置するシグナル配列でコードされる。これらのシグナルペプチドは、自己
が作動可能に連結されるタンパク質の細胞外分泌を指令するため、分泌が望まれ
るタンパク質をコードする遺伝子にシグナル配列を作動可能に連結させることに
よって、シグナル配列を利用してタンパク質の効率的な分泌を指令できる可能性
がある。また、膜貫通配列と呼ばれるシグナルペプチドのフラグメントを利用し
て、目的のペプチドまたはタンパク質の細胞内移入を指令してもよい。この方法
は、遺伝子産物の産生もとである細胞以外の細胞まで特定の遺伝子産物を送達す
るのが望ましいような遺伝子療法戦略で成果が得られる可能性がある。シグナル
ペプチドをコードするシグナル配列もタンパク質精製法の簡略化に応用できる。
このような用途では、所望のタンパク質の細胞外分泌によって、所望のタンパク
質と区別しなければならない不要なタンパク質の数が少なくなり、精製が極めて
容易になる。よって、シグナルペプチドをコードする分泌性タンパク質について
、遺伝子の5'フラグメントを同定および特徴づけすることには需要がある。
【0009】 分泌タンパク質をコードする配列には、治療薬または診断薬としての用途も考
えられる。特に、かかる配列を利用して、分泌タンパク質に対するコード配列に
変異が生じると、疾病などの検出可能な表現型が個体で発現される可能性がある
か否かを判定できる場合がある。このようなコード配列での変異が原因で個体が
疾病または他の望ましくない表現型に羅患する危険性がある場合、遺伝子療法を
用いて正常なコード配列を導入すれば、その望ましくない表現型を補正できる可
能性がある。あるいは、望ましくない表現型が、コード配列でコードされるタン
パク質の過発現によるものである場合は、アンチセンスまたは三重らせんを利用
した戦略を用いて、タンパク質の発現を減らすことができる可能性がある。
【0010】 ポリペプチドをコードする配列における変異が原因の疾病などの状態にある個
体に、コード配列でコードされるヒト分泌ポリペプチドを直接投与することで、
これらのポリペプチドを治療薬として利用できる可能性もある。このような場合
は、ポリペプチドを個体に投与することで状態を治癒または軽減することができ
る。
【0011】 また、ヒト分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントを利用して、生物学的試
料の起源種または組織のタイプを判定する際に有用な抗体を生成できる可能性も
ある。これらの抗体を用いて、ヒトポリペプチドと融合したポリペプチドの細胞
局在位置またはヒト分泌ポリペプチドの細胞局在位置を判定してもよい。また、
イムノアフィニティクロマトグラフィ法に抗体を利用して、ヒトポリペプチドま
たはヒトポリペプチドと融合した標的ポリペプチドを単離、精製または濃縮して
もよい。
【0012】 プロモーターと上流の調節領域がすでに同定および特徴づけされたヒト遺伝子
の数に関しては、極めて限られた情報しか公開されていない。かつて、このよう
な制御配列を単離するのが困難であったことがその一因なのかもしれない。転写
因子結合部位などの上流の制御配列は一般に、ヒトゲノムライブラリからプロモ
ーターを単離するためのプローブとしては短すぎるのである。近年になって、ヒ
トプロモーターを単離するための方法がいくつか開発されている。このうちの1
つは、CpGアイランドのライブラリを作出することからなるものである(Cross et
al., Nature Genetics 6: 236-244, 1994)。2つ目の方法は、SpeI結合タンパク
質を利用してSpeI結合部位を含むヒトゲノムDNA配列を単離することからなるも
のである(Mortlock et al., Genome Res. 6:327-335, 1996)。いずれも特異性お
よび包括性に欠けるため、これらの方法にも制約がある。したがって、遺伝子の
5'フラグメントを同定し、かつ系統的に特徴づけることには需要がある。
【0013】 自己の対応するmRNAの5'末端を含むcDNAを用いて、タンパク質合成の位置、発
達段階、比率および量ならびにmRNAの安定性を制御する5'UTRおよび上流の調節
領域を効率的に同定および単離できる可能性がある(Theil et al., BioFactors
4:87-93,(1993)。一度同定および特徴づけしてしまえば、これらの調節領域を遺
伝子療法またはタンパク質精製のスキームに利用して、所望の量および位置でタ
ンパク質を合成したり、望ましくない遺伝子産物の合成を阻害、低減または妨害
できる。
【0014】 また、分泌性タンパク質遺伝子の5'末端を含むcDNAには、染色体マッピングお
よび個体の識別用のプローブとして有用な配列が含まれている可能性がある。し
たがって、分泌性タンパク質をコードする遺伝子の5'コード配列よりも上流の配
列を同定および特徴づけすることには需要がある。
【0015】 (発明の開示) 本発明は、分泌タンパク質またはそのフラグメントをコードする、精製された
cDNA、単離されたcDNAまたは組換えcDNAに関する。好ましくは、精製されたcDNA
、単離されたcDNAまたは組換えcDNAが、対応するmRNAの開始コドンと停止コドン
をはじめとして、その読み枠全体を含む。たとえば、このcDNAは、シグナルペプ
チドならびに成熟タンパク質をコードする核酸を含むものであってもよい。かか
るcDNAを、本願明細書では、「全長」cDNAと呼ぶ。あるいは、このcDNAに読み枠
のフラグメントを含んでもよい。このようなcDNAを本願明細書では「EST」また
は「5'EST」と呼ぶ。いくつかの実施形態では、上記のフラグメントが成熟タン
パク質の配列のみをコードするものであってもよい。あるいは、上記のフラグメ
ントが、成熟タンパク質のフラグメントのみをコードするものであってもよい。
本発明のさらに別の態様は、分泌タンパク質のシグナルペプチドをコードする核
酸である。
【0016】 「対応するmRNA」という用語は、本発明のcDNAを産生したcDNA合成の鋳型であ
ったmRNAを意味する。本願明細書において、「精製された」という表現は絶対的
な純度を必要とするものではなく、相対的に定義することを意図している。cDNA
ライブラリから単離された各cDNAクローンは、従来であれば電気泳動的な均一性
が得られるまで精製されていた。これらのクローンから得られる配列を、ライブ
ラリまたは全ヒトDNAのいずれかから直接得ることはできなかった。このcDNAク
ローンはそれ自体が自然に生じることはなく、天然に産する物質を部分的に精製
したもの(メッセンジャーRNA)を操作することによって得られるものである。mRN
AをcDNAライブラリに変換する際に、合成物質(cDNA)が生成されるため、クロー
ンを選択することで合成ライブラリから純粋な各cDNAクローンを単離することが
できる。したがって、メッセンジャーRNAからcDNAライブラリを作出し、続いて
そのライブラリから各クローンを単離することで、もとのメッセージの場合に比
べて約104〜106倍に精製されることになる。出発材料または天然材料を、少なく
とも1桁、好ましくは2桁または3桁、一層好ましくは4桁または5桁まで精製する
ことが特に企図するところである。
【0017】 本願明細書において、「単離された」という表現で示す物質は、その本来ある
べき環境(たとえば、天然由来のものである場合は自然環境)から外れたものでな
ければならない。たとえば、生きた動物が持つ天然由来のポリヌクレオチドは単
離されたとは言わないが、同じポリヌクレオチドを天然系で共存しているいくつ
かの物質またはすべての物質から分離すると、これは単離されたことになる。
【0018】 本願明細書において使用する「組換え」という用語は、cDNAが自然の環境では
隣接することのない「バックボーン」核酸と隣接していることを意味する。また
、「濃縮される」とは、cDNAが核酸バックボーン分子の個体群に挿入された核酸
挿入物数の5%以上になることである。本発明によるバックボーン分子は、発現ベ
クター、自己複製核酸、ウイルス、組込み核酸および他のベクターなどの核酸あ
るいは、目的の核酸挿入物の維持または操作に用いられる核酸を含む。好ましく
は、濃縮されたcDNAが、組換えバックボーン分子の個体群に挿入された核酸挿入
物数の15%以上である。より好ましくは、組換えバックボーン分子の個体群に挿
入された核酸挿入物数の50%以上である。極めて好ましい実施形態では、組換え
バックボーン分子の個体群に挿入された核酸挿入物数の90%以上である。
【0019】 したがって、分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードする1つまた
はそれ以上のcDNAがバックボーン分子に挿入された核酸挿入物の数の5%以上をな
すcDNAライブラリに存在する、分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントをコー
ドするcDNAは、本願明細書にて定義するところの「濃縮された組換えcDNA」であ
る。同様に、本発明の1つまたはそれ以上のcDNAをかかるcDNAがプラスミドバッ
クボーンに含まれる挿入物の5%以上になるように挿入したプラスミドの個体群に
含まれる分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするcDNAも、本願明
細書で定義するところの「濃縮された組換えcDNA」である。ただし、分泌ポリペ
プチドをコードするcDNA挿入物を含むバックボーン分子が極めて希であるライブ
ラリなど、分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするcDNAがバック
ボーン分子の個体群に含まれる核酸挿入物数の5%未満であるcDNAライブラリに含
まれる分泌ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするcDNAは、「濃縮さ
れた組換えcDNA」ではない。
【0020】 「ポリペプチド」という用語は、ポリマーの長さとは無関係にアミノ酸のポリ
マーを意味する。したがって、ポリペプチドの定義には、ペプチド、オリゴペプ
チドおよびタンパク質が含まれる。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾
を特定するものでもこれを除外するものでもなく、たとえば、グリコシル基、ア
セチル基、リン酸基、脂質基などが共有結合的に付加されたポリペプチドもポリ
ペプチドという用語に明示的に包含される。さらに、この定義には、1種または
それ以上のアミノ酸類似物(たとえば、非天然由来のアミノ酸、生物学的な独立
系で天然にのみ発生するアミノ酸、哺乳動物系由来の修飾アミノ酸などを含む)
を含有するポリペプチド、置換結合を有するポリペプチドの他、従来技術におい
て周知の天然由来および非天然由来の他の修飾も含まれる。
【0021】 本願明細書において同義に用いられるものとして、「核酸」「オリゴヌクレオ
チド」および「ポリヌクレオチド」という用語は、2つ以上のヌクレオチドの一
本鎖または二本鎖のいずれかで構成されるRNA配列、DNA配列またはRNA/DNAハイ
ブリッド配列を含む。本願明細書において、形容詞としての「ヌクレオチド」と
いう用語は、特に長さを限定せず一本鎖または二本鎖のRNA配列、DNA配列または
RNA/DNAハイブリッド配列を含む分子を示す。本願明細書では、「ヌクレオチド
」という用語を、個々のヌクレオチドまたは多種多様なヌクレオチドすなわち1
つの分子、あるいは、プリンまたはピリミジン、リボースまたはデオキシリボー
ス糖部分と、リン酸基あるいは、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドに
含まれるヌクレオチドである場合はリン酸ジエステル連鎖を含む、大きな核酸分
子に含まれる個々の単位を示す名詞としても使用する。本願明細書では、「ヌク
レオチド」という用語を、(a)選択的結合基、(b)プリンに類似の形態、(c)ピリ
ミジンに類似の形態、(d)類似の糖類のうち少なくとも1つの修飾を含む「修飾ヌ
クレオチド」を包含するものとして使用するが、これには、類似の結合基、プリ
ン、ピリミジンおよび糖などのうち少なくとも1つを含むものも包含される(たと
えば、国際特許出願公開第WO 95/04064号を参照のこと)。本発明のポリヌクレオ
チド配列は、合成、組換え、ex vivo生成またはこれらの組み合わせの他、従来
技術において周知の精製方法を用いるなど、周知のどのような方法で調製したも
のであってもよい。
【0022】 「塩基対の」および「Watson & Crick塩基対の」という表現は、本願明細書で
は同義に用いられ、二重らせん構造のDNAでの場合と同様に、アデニン残基が2つ
の水素結合によってチミン残基またはウラシル残基と結合し、シトシン残基とグ
アニン残基とが3つの水素結合によって結合する点で配列が同一であることから
、互いに水素結合可能なヌクレオチドを示す(Stryer, L., Biochemistry, 4th e
dition, 1995を参照のこと)。
【0023】 「相補的」または「その相補体」という用語は、本願明細書では、相補領域全
体がそのまま別の特定のポリヌクレオチドとWatson & Crick塩基対を形成するこ
とのできるポリヌクレオチドの配列を示す。本発明の目的で、第1のポリヌクレ
オチドの各塩基がその相補塩基と対になっている場合に、この第1のポリヌクレ
オチドは第2のポリヌクレオチドと相補であるとみなす。相補塩基とは一般に、A
とT(あるいはAとU)、またはCとGである。本願明細書では、「相補」という語を
「相補ポリヌクレオチド」「相補核酸」および「相補ヌクレオチド配列」の同義
語として使用する。これらの用語は、その配列のみに基づいてポリヌクレオチド
の対に適用されるものであり、2つのポリヌクレオチドが実際に結合する条件で
の特定のセットに適用されるものではない。好ましくは、「相補」配列は、対向
する鎖のTがある場所にAが位置し、対向する鎖のAがある場所にTが位置し、対向
する鎖のCがある場所にGが位置し、対向する鎖のGがある場所にCが位置する配列
である。
【0024】 「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」、「中程度の」ハイブリ
ダイゼーション条件および「低い」ハイブリダイゼーション条件については、下
記にて定義する。
【0025】 特に、本発明は、分泌タンパク質をコードする遺伝子由来のcDNAに関する。本
願明細書において使用する「分泌」タンパク質とは、好適な宿主細胞で発現され
た際に、膜を通り抜けまたは膜を経て輸送される(そのアミノ酸配列にシグナル
ペプチドが含まているために生じる輸送を含む)タンパク質である。「分泌」タ
ンパク質としては、発現場所である細胞から完全に分泌されるタンパク質(可溶
性タンパク質など)または部分的に分泌されるタンパク質(受容体など)があげら
れるが、これに限定されるものではない。また、「分泌」タンパク質には、小胞
体の膜を通り抜けて輸送されるタンパク質も含むが、これらに限定されるもので
はない。
【0026】 分泌タンパク質をコードするcDNAには、cDNAでコードされるタンパク質の細胞
外分泌を指令するシグナルペプチドをコードする、シグナル配列と呼ばれる核酸
配列を含んでいてもよい。一般に、シグナルペプチドは分泌タンパク質のアミノ
末端に位置する。
【0027】 分泌タンパク質は、「粗面」小胞体と結合されたリボソームによって翻訳され
る。一般に、分泌タンパク質は同時翻訳的に小胞体の膜まで移動する。分泌タン
パク質の翻訳時におけるリボソームと小胞体との会合がシグナルペプチドによっ
て媒介される。このシグナルペプチドは一般に、小胞体への同時翻訳的な取り込
み後に切断される。小胞体まで達した後、分泌タンパク質はゴルジ体を経て移動
することがある。ゴルジ体では、タンパク質を細胞膜の外に放出する分泌小胞に
入る前に、タンパク質に翻訳後修飾が起こる場合がある。
【0028】 本発明のcDNAには、いくつかの重要な用途がある。たとえば、これらのcDNAを
用いて、これらのcDNAがコードする分泌タンパク質全体を発現させることができ
る。あるいは、これらのcDNAを用いて、分泌タンパク質のフラグメントを発現さ
せることもできる。このフラグメントは、上記のcDNAでコードされるシグナルペ
プチドや、かかるcDNAでコードされる成熟タンパク質(すなわち、シグナルペプ
チドの切断時に生成されるタンパク質)を含むものであってもよい。これらのフ
ラグメントはまた、上記のcDNAでコードされる連続した少なくとも5、10、15、2
0、25、30、35、40、50、75、100または150アミノ酸を有するポリペプチドを含
むものであってもよい。
【0029】 上記cDNAでコードされる分泌タンパク質全体を特異的に認識する抗体、あるい
は、連続した少なくとも10アミノ酸、連続した少なくとも15アミノ酸、連続した
少なくとも25アミノ酸または連続した少なくとも40アミノ酸を含む上記cDNAのフ
ラグメントを特異的に認識する抗体を、後述するようにして得ることができる。
シグナルペプチドの切断時に生成される成熟タンパク質を特異的に認識する抗体
についても、後述するようにして得ることができる。同様に、cDNAでコードされ
るシグナルペプチドを特異的に認識する抗体も得られる。
【0030】 いくつかの実施形態では、cDNAにシグナル配列が含まれる。別の実施形態では
、成熟タンパク質(すなわち、シグナルポリペプチドの切断時に生成されるタン
パク質)についての完全なコード配列がcDNAに含まれる場合がある。また、このc
DNAには、遺伝子発現の量、位置または発達段階を制御する、翻訳開始部位の上
流または停止コドンの下流の調節領域が含まれることがある。上述したように、
分泌タンパク質は治療的に重要なものである。したがって、上記のcDNAから発現
されるタンパク質は、人間のさまざまな状態を治療または制御する上で有用なも
のとなり得る。また、cDNAを利用して対応するゲノムDNAを得ることもできる。
「対応するゲノムDNA」という用語は、cDNAの配列中のチミジン残基がmRNAのウ
ラシル残基に置換された、cDNAの鎖のうちの1つの配列を含むmRNAをコードする
ゲノムDNAを意味する。
【0031】 cDNAまたはこれから得られるゲノムDNAを法医学的な方法に用いて個体を識別
したり、あるいは診断法に用いて、かかるcDNAに対応する遺伝子の異常発現に起
因する遺伝疾患に羅患した個体を識別してもよい。さらに、本発明は、ヒト染色
体についての高解像度マップを構築する上で有用である。
【0032】 また、本発明は、目的のタンパク質の分泌を指令できる分泌ベクターにも関す
るものである。体内の他の位置まで送られる予定の1つの細胞で遺伝子産物を産
生することが望ましい遺伝子治療戦略に、かかるベクターを利用してもよい。ま
た、分泌ベクターを用いることで、所望のタンパク質の精製が容易になる場合も
ある。
【0033】 また、本発明は、挿入された遺伝子の発現を、所望の空間的または時間的な形
で、あるいは所望のレベルで、指令することができる発現ベクターにも関するも
のである。かかるベクターには、プロモーターまたは上流の制御配列など、cDNA
よりも上流の配列を含んでいてもよい。
【0034】 さらに、本発明を遺伝子治療に利用して、遺伝病を制御または治療してもよい
。また、シグナルペプチドを異種タンパク質と融合し、その細胞外分泌を指令す
るようにしてもよい。
【0035】 本発明の一実施形態は、配列番号24〜73のうちの1つの配列またはこれと相補
的な配列を含む、精製または単離された核酸である。本実施形態の一態様におい
て、核酸は組換え核酸である。
【0036】 本発明の別の実施形態は、配列番号24〜73のうちの1つの配列の連続した少な
くとも8塩基またはこれと相補的な配列のうちの1つを含む、精製または単離され
た核酸である。本実施形態の一態様では、核酸が、配列番号24〜73の配列のうち
の1つの連続した少なくとも10、12、15、18、20、25、28、30、35、40、50、75
、100、150、200、300、400、500、1000または2000塩基またはこれと相補的な配
列のうちの1つを含む。核酸は組換え核酸であってもよい。
【0037】 本発明の別の実施形態は、ストリンジェントな条件下で配列番号24〜73のうち
の1つの配列または配列番号24〜73の配列のうちの1つと相補的な配列とハイブリ
ダイズ可能な少なくとも15塩基で構成される、精製または単離された核酸である
。本実施形態の一態様において、核酸は組換え核酸である。
【0038】 本発明の別の実施形態は、配列番号24〜73のうちの1つの完全なコード配列を
含み、該完全なコード配列が、任意に、シグナルペプチドをコードする配列なら
びに成熟タンパク質をコードする配列を含む、精製または単離された核酸である
。本実施形態の一態様では、核酸は組換え核酸である。
【0039】 本発明のさらに他の実施形態は、成熟タンパク質をコードする、配列番号24〜
73のうちの1つのヌクレオチドを含む、精製または単離された核酸である。本実
施形態の一態様において、核酸は組換え核酸である。
【0040】 本発明のさらに別の実施形態は、シグナルペプチドをコードする、配列番号24
〜73のうちの1つのヌクレオチドを含む、精製または単離された核酸である。本
実施形態の一態様において、核酸は組換え核酸である。
【0041】 本発明の別の実施形態は、配列番号74〜123の配列のうちの1つの配列を有する
ポリペプチドをコードする、精製または単離された核酸である。
【0042】 本発明の別の実施形態は、配列番号74〜123の配列のうちの1つに含まれる成熟
タンパク質の配列を有するポリペプチドをコードする、精製または単離された核
酸である。
【0043】 本発明の別の実施形態は、配列番号74〜123の配列のうちの1つに含まれるシグ
ナルペプチドの配列を有するポリペプチドをコードする、精製または単離された
核酸である。
【0044】 本発明のさらに別の実施形態は、配列番号74〜123のうちの1つの配列を有する
、精製または単離されたタンパク質である。
【0045】 本発明の別の実施形態は、配列番号74〜123の配列のうちの1つの連続した少な
くとも5または8アミノ酸を含む、精製または単離されたポリペプチドである。本
実施形態の一態様では、精製または単離されたポリペプチドが、配列番号74〜12
3の配列のうちの1つの連続した少なくとも10、12、15、20、25、30、35、40、50
、60、75、100、150または200アミノ酸を含む。
【0046】 本発明の別の実施形態は、配列番号74〜123のポリペプチドのうちの1つのシグ
ナルペプチドを含む、単離または精製されたポリペプチドである。
【0047】 本発明のさらに別の実施形態は、配列番号74〜123のポリペプチドのうちの1つ
の成熟タンパク質を含む、単離または精製されたポリペプチドである。
【0048】 本発明のさらに他の実施形態は、配列番号74〜123の配列のうちの1つを含むた
んぱく質の生産方法であって、配列番号24〜73の配列のうちの1つを含むcDNAを
得るステップと、cDNAがプロモーターに作動可能に連結されるようcDNAを発現ベ
クターに挿入するステップと、発現ベクターを、かかる発現ベクターの導入によ
って前記cDNAでコードされるタンパク質を産生する宿主細胞に導入するステップ
と、を含む、たんぱく質の生産方法である。本実施形態の一態様では、この方法
はさらに、タンパク質を単離するステップを含む。
【0049】 本発明の別の実施形態は、上記の段落にて説明した方法によって得られるタン
パク質である。
【0050】 本発明の別の実施形態は、配列番号74〜123の配列のうちの1つに含まれる成熟
タンパク質のアミノ酸配列を含むたんぱく質の生産方法であって、成熟タンパク
質をコードする配列番号24〜73の配列のヌクレオチド配列のうちの1つを含むcDN
Aを得るステップと、cDNAがプロモーターに作動可能に連結されるようcDNAを発
現ベクターに挿入するステップと、発現ベクターを、かかる発現ベクターの導入
によってcDNAでコードされる成熟タンパク質を産生する宿主細胞に導入するステ
ップと、を含む、たんぱく質の生産方法である。本実施形態の一態様では、この
方法はさらに、タンパク質を単離するステップを含む。
【0051】 本発明の別の実施形態は、上記の段落にて説明した方法によって得られる成熟
タンパク質である。
【0052】 本発明の別の実施形態は、本願明細書に記載の配列番号24〜73のうちの1つの
配列またはこれと相補的な配列を含む、精製または単離された核酸を含む宿主細
胞である。
【0053】 本発明の別の実施形態は、配列番号24〜73のうちの1つの完全なコード配列を
含む精製または単離された核酸を含む、宿主細胞であって、該完全なコード配列
が、本願明細書に記載のシグナルペプチドをコードする配列ならびに成熟タンパ
ク質をコードする配列を含む、宿主細胞である。
【0054】 本発明の別の実施形態は、本願明細書に記載の成熟タンパク質をコードする、
配列番号24〜73のうちの1つのヌクレオチドを含む精製または単離された核酸を
含む、宿主細胞である。
【0055】 本発明の別の実施形態は、本願明細書に記載のシグナルペプチドをコードする
、配列番号24〜73のうちの1つのヌクレオチドを含む精製または単離された核酸
を含む、宿主細胞である。
【0056】 本発明の別の実施形態は、配列番号74〜123のうちの1つの配列を有するタンパ
ク質に特異的に結合可能な、精製または単離された抗体である。本実施形態の一
態様では、この抗体は、配列番号74〜123のうちの1つの配列の連続した少なくと
も10アミノ酸を含むポリペプチドに結合することが可能である。
【0057】 本発明の別の実施形態は、少なくとも15ヌクレオチド長のcDNAまたはそのフラ
グメントのアレイであって、配列番号24〜73の配列のうちの少なくとも1つ、ま
たは、配列番号24〜73の配列と相補的な配列のうちの1つ、あるいは、その連続
した少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントを含むアレイである。本実施形態
の一態様では、このアレイは、配列番号24〜73の配列のうちの少なくとも2つ、
配列番号24〜73の配列と相補的な配列、あるいは、その連続した少なくとも15ヌ
クレオチドのフラグメントを含む。本発明の別の実施態様では、このアレイは、
配列番号24〜73の配列のうちの少なくとも5つ、配列番号24〜73の配列と相補的
な配列、あるいは、その連続した少なくとも15ヌクレオチドのフラグメントを含
む。
【0058】 本発明のさらに他の実施形態は、受託番号99061735で名称がSignalTag 150619
99であり、配列番号25〜40および42〜46の配列を含む、寄託機関ECACCに寄託さ
れたクローン、あるいは、受託番号98121805で名称がSignalTag 166-191であり
、配列番号47〜73を含む、寄託機関ECACCに寄託されたクローンから得られる挿
入物を含む精製されたポリヌクレオチド、あるいは、前記挿入物の少なくとも8
、10、12、15、18、20、25、28、30、35、40、50、75、100、150、200、300、40
0、500、1000または2000ヌクレオチドの連続スパンを含む、これらの核酸のフラ
グメントを包含する。本発明の別の実施形態は、受託番号99061735で名称がSign
alTag 15061999であり、配列番号25〜40および42〜46の配列を含む、寄託機関EC
ACCに寄託されたクローン、あるいは、受託番号98121805で名称がSignalTag 166
-191であり、配列番号47〜73を含む、寄託機関ECACCに寄託されたクローンから
得られる挿入物でコードされるアミノ酸配列を含む、あるいは、上記のようなア
ミノ酸配列からなる、あるいは、実質的に上記のようなアミノ酸配列からなる、
精製されたポリペプチドならびに、シグナルペプチド、成熟タンパク質、あるい
は、前記挿入物でコードされる少なくとも5、8、10、12、15、20、25、30、35、
40、50、60、75、100、150または200アミノ酸の連続スパンからなる、前記アミ
ノ酸配列のフラグメントを含むポリペプチドを包含する。
【0059】 本発明の他の実施形態は、配列番号74〜123の少なくとも5、8、10、12、15、2
0、25、30、35、40、50、60、75、100、150または200アミノ酸からなる連続スパ
ンを含む、精製されたポリペプチドであって、前記連続スパンが、図10〜13のい
ずれかに示す公開された配列と同一であることが確認されていないアミノ酸位置
のうち少なくとも1つを含む、ポリペプチドを包含する。また、前記ポリペプチ
ドをコードする、精製されたポリヌクレオチドも本発明に包含される。
【0060】 本発明の別の実施形態は、配列番号24〜73のcDNAコードおよび配列番号74〜12
3のポリペプチドコードからなる群から選択される配列を記憶させた、コンピュ
ータ読取可能媒体である。
【0061】 本発明の別の実施形態は、プロセッサとデータ記憶デバイスとを備えるコンピ
ュータシステムであって、データ記憶デバイスが、配列番号24〜73のcDNAコード
および配列番号74〜123のポリペプチドコードからなる群から選択される配列を
記憶させたものである、コンピュータシステム。いくつかの実施形態では、コン
ピュータシステムが配列コンペアラをさらに備え、データ記憶デバイスに参照配
列が記憶されている。たとえば、配列コンペアラが、多型を示すコンピュータプ
ログラムを含んでもよい。このコンピュータシステムの他の態様では、システム
が、前記配列の特徴を識別するアイデンティファイアをさらに備える。
【0062】 本発明の別の実施形態は、配列番号24〜73のcDNAコードおよび配列番号74〜12
3のポリペプチドコードからなる群から選択される第1の配列と、参照配列とを比
較する方法であって、配列を比較するコンピュータプログラムを用いて、第1の
配列および参照配列を読み取るステップと、コンピュータプログラムを用いて第
1の配列と参照配列との差を判定するステップと、を含む方法である。本実施形
態のいくつかの態様では、第1の配列と参照配列との差を判定する前記ステップ
が、多型を同定することを含む。
【0063】 本発明の別の実施形態は、配列番号24〜73のcDNAコードおよび配列番号74〜12
3のポリペプチドコードからなる群から選択される配列の特徴を識別する方法で
あって、配列の特徴を識別するコンピュータプログラムを用いて配列を読み取る
ステップと、コンピュータプログラムを用いて配列の特徴を識別するステップと
、を含む方法である。
【0064】
【発明の実施の形態】 (好ましい実施形態の詳細な説明) (I. それぞれの対応するmRNAの5'末端を含むcDNAライブラリの作出) 本発明のcDNAは、真の翻訳開始部位、シグナル配列、シグナルペプチドの切断
後に残る成熟タンパク質をコードする配列をはじめとして、対応するmRNAでコー
ドされるタンパク質のコード配列全体を含んでもよい。このようなcDNAを本願明
細書では「全長cDNA」と呼ぶ。あるいは、このcDNAに、シグナルペプチドの切断
後に残る成熟タンパク質をコードする配列のみを含んでもよく、シグナルペプチ
ドをコードする配列のみを含んでもよい。
【0065】 また、ここで説明する方法を利用して、cDNAに対応する遺伝子でコードされる
分泌タンパク質のコード配列全体よりも少ない部分をコードするcDNAを得ること
が可能である。いくつかの実施形態では、これらの方法を用いて単離されたcDNA
が、配列番号24〜73の配列でコードされるタンパク質のうちの1つの少なくとも5
アミノ酸をコードする。さらに他の実施形態では、cDNAが、配列番号24〜73の配
列でコードされるタンパク質の連続した少なくとも10、12、15、20、25、30、35
、40、50、60、75、100、150または200アミノ酸をコードする。好ましい実施形
態では、cDNAは全長タンパク質配列をコードするが、これには配列番号24〜73の
タンパク質コード配列が含まれる。
【0066】 無傷の5'末端を含むmRNA由来のcDNAライブラリから、実施例1〜5に説明したよ
うにして、化学的な方法または酵素による方法のいずれかを用いて、本発明のcD
NAを得た。
【0067】 (実施例1) (mRNAの調製) 異なる組織由来の全ヒトRNAまたはポリA+ RNAをそれぞれ、LABIMOおよびCLONT
ECHから購入し、後述するようなcDNAライブラリの作出に利用した。購入したRNA
は、酸グアニジンチオシアネート-フェノール-クロロホルム抽出(Chomczyniski
and Sacchi, Analytical Biochemistry 162:156-159, 1987)を利用して、細胞ま
たは組織から単離されたものであった。リボソームRNAを除去するために、Aviv
およびLeder、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69:1408-1412, 1972)に記載されて
いるようにして、oligo dTクロマトグラフィに2回通して、全RNA(LABIMO)からポ
リA+ RNAを単離した。
【0068】 ポリA+ RNAの品質および完全性をチェックした。伸長因子1または伸長因子2な
どの遍在するmRNAに対応するプローブとハイブリダイズさせたノーザンブロット
を用いて、mRNAが分解されていないことを確認した。ノーザンブロットと28S rR
NAの配列由来のプローブとを用いて、リボソーム配列がポリA+ mRNAに混じって
いるか否かをチェックした。ライブラリの構築には、rRNA量が5%未満のmRNA調製
物を使用した。ライブラリが外因性配列(原核生物由来または菌類由来)の混じっ
たRNAで構築されるのを避けるために、PCRを用いて、細菌の16Sリボソーム配列
の有無あるいは菌類由来の高度に発現された2つのmRNAの有無を調べた。
【0069】 (実施例2) (無傷の5'末端を有するmRNAを得るための方法) 上述したようにしてさまざまな組織からmRNAを調製した後、化学的な方法また
は酵素による方法を用いて、無傷の5'末端を有し、オリゴヌクレオチドタグが当
該mRNAの5'末端に特異的に結合するようなmRNAを選択する。いずれの技法も、「
キャップ」構造の存在をうまく利用したものであるが、このキャップ構造は、mR
NAの無傷の5'末端にみられる特徴であり、一般にメチル化されたグアノシンが7
位に含まれている。
【0070】 化学的な修飾による方法では、3'末端リボースの2', 3'-cisジオールを選択的
に除去し、mRNAの5'末端のキャップに結合したリボースの2', 3',-cisジオール
を酸化してジアルデヒドにし、このジアルデヒドを誘導体化したオリゴヌクレオ
チドタグにカップリングする。無傷の5'末端を有するmRNAを得るための化学的な
方法の詳細については、1996年11月7日公開の国際特許出願公開第WO96/34981号
に開示されている。
【0071】 無傷の5'末端を有するmRNAの5'末端にオリゴヌクレオチドタグをライゲートす
るための酵素による方法では、キャップ構造のない不完全なmRNAの5'末端に存在
するホスフェート基を除去し、続いて無傷の5'末端を有するmRNAのキャップを除
去し、キャップを除去した後のmRNAの5'末端にあるホスフェートをオリゴヌクレ
オチドタグとライゲートする。無傷の5'末端を有するmRNAを得るための酵素によ
る方法の詳細については、Dumas Milne Edwards J. B.(Doctoral Thesis of Pa
ris VI University, Le clonage des ADNc complets: difficultes et perspect
ives nouvelles. Apports pour l'etude de la regulation de l'expression de
la tryptophane hydroxylase de rat, 20 Dec. 1993)、欧州特許第625572号お
よびKato et al., Gene 150:243-250(1994)に開示されている。
【0072】 化学的な方法と酵素による方法のいずれにおいても、以後のクローニングを容
易にするためのオリゴヌクレオチドタグには制限酵素部位(EcoRI部位など)があ
る。オリゴヌクレオチドタグをmRNAに結合させた後、このオリゴヌクレオチドタ
グと相補的なプローブを用いてノーザンブロットを行い、mRNAの完全性を確認し
た。
【0073】 (実施例3) (無傷の5'末端を有するmRNA鋳型を用いてのcDNA合成) 化学的な方法または酵素による方法のいずれかを用いてオリゴヌクレオチドタ
グを結合させたmRNAについて、オリゴdTプライマーまたはrandom nonamerを使用
して、逆転写酵素での第1鎖cDNA合成を行った。場合によっては、このオリゴdT
プライマーに、組織ごとに異なる少なくとも4ヌクレオチドの内部タグが含まれ
ていた。この方法での以後のステップでcDNAの内部EcoRI部位が消化されてしま
わないようにするために、第1鎖合成にはメチル化dCTPを利用した。アルカリ加
水分解によってRNAを除去した後、イソプロパノールを用いてcDNAの第1鎖を沈降
させ、残留しているプライマーを除去した。
【0074】 次に、ライゲートしたオリゴヌクレオチドの5'末端に相当するプライマーを使
用し、Klenowフラグメントを利用してcDNAの第2鎖を合成した。好ましくは、こ
のプライマーは20〜25塩基長のものである。cDNAの内部EcoRI部位がクローニン
グプロセスの間に消化されてしまわないようにするために、第2鎖の合成にもメ
チル化dCTPを利用した。
【0075】 (実施例4) (無傷の5'末端を有するmRNA由来のcDNAのBlueScriptへのクローニング) 第2鎖の合成に続いて、cDNAをファージミドベクターのpBlueScript II SK-ベ
クター(Stratagene)にクローニングした。cDNAの両端をT4 DNAポリメラーゼ(Bio
labs)で平滑末端化し、cDNAをEcoRIで消化した。cDNA合成の際にはメチル化dCTP
を用いたため、タグに含まれるEcoRI部位はヘミメチル化部位のみ、すなわち、E
coRIによる消化の影響をうけやすい部位のみであった。場合によっては、サブク
ローニングを容易にするために、Hind IIIアダプタをcDNAの3'末端に加えた。
【0076】 次に、3通りまたは6通りの画分が得られるサイズ排除クロマトグラフィ(AcA,
Biosepra)または電気泳動的な分離のいずれかを用いて、cDNAをサイズ分画した
。さらに、これらのcDNAを、EcoRIおよびSmaI制限部位を使用するか、Hind III
アダプタ(adaptator)がcDNAに含まれている場合はEcoRIおよびHind III制限部
位を使用して、pBlueScriptにディレクショナルクローニングした。ライゲーシ
ョン混合物をエレクトロポレートして細菌に導入し、適当な抗生物質の選択下で
増殖させた。
【0077】 (実施例5) (オリゴヌクレオチドタグが結合したクローンの選択) 次に、cDNAに結合したオリゴヌクレオチドタグを含むクローンを以下のように
して選択した。
【0078】 上述したようにして作出したcDNAライブラリを含むプラスミドDNAを精製した(
Qiagen)。タグを付したクローンを以下のようにしてポジティブ選択した。簡単
に説明すると、この選択法では、ファージF1の遺伝子IIエンドヌクレアーゼを、
エキソヌクレアーゼIIIまたはT7遺伝子6エキソヌクレアーゼなどのエキソヌクレ
アーゼ(Chang et al., Gene 127:95-8, 1993)と併用して、プラスミドDNAを一本
鎖DNAに変換した。得られた一本鎖DNAを、Fry et al., Biotechniques, 13: 124
-131, 1992に記載されているようにして常磁性ビーズを用いて精製した。この方
法では、一本鎖DNAを、実施例2にて説明したオリゴヌクレオチドタグの3'末端に
対応する配列を有するビオチン化オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせた。
好ましくは、このプライマーは20〜25塩基長のものである。ストレプトアビジン
磁気ビーズを用いたインキュベーションに続いて磁気選択を行い、ビオチン化オ
リゴヌクレオチドと相補的な配列を含むクローンを捕捉した。ポジティブクロー
ンの捕捉後、磁気ビーズからプラスミドDNAを遊離させ、Amersham Pharmacia Bi
otechから入手できるThermoSequenaseなどのDNAポリメラーゼを用いて、二本鎖D
NAに変換した。あるいは、Gene Trapperキット(Gibco BRL)などのプロトコルを
利用してもよい。続いて二本鎖DNAを細菌にエレクトロポレートした。ドットブ
ロット解析を使用して、5'タグオリゴヌクレオチドを有するポジティブクローン
の比率を推定し、主に90〜98%の間でランク付けした。
【0079】 エレクトロポレーションに続いて、384ウェルのマイクロタイタープレート(MT
P)にライブラリを並べた。将来的に使うことも見越して、MTPのコピーを保管し
た。次に、これらのライブラリを96ウェルのMTPに移した。
【0080】 (II. クローンの5'末端の特徴づけ) 対応するmRNAの5'末端を含むcDNAのみを配列決定するために、クローンの5'末
端について実施例6にて説明するようにして配列決定の初回のラウンドを行った
。場合によっては、本願明細書にて「5'EST」と呼ぶクローンの部分配列のみし
か得られなかった。一方、本願明細書にて「cDNA」と呼ぶクローンの完全な配列
が得られることもある。cDNAライブラリの品質を評価すると同時に、対応するmR
NAの5'末端を含むcDNA配列の中から目的の配列を含むクローンを選択するために
、5'ESTまたはcDNAについて、実施例7および8にて説明するようにしてコンピュ
ータ解析を実施した。
【0081】 (実施例6) (cDNAクローンの5'末端の配列決定) クローニングしたcDNAの5'末端の配列を以下のようにして決定した。まず、標
準的なSETA-AプライマーおよびSETA-Bプライマー(Genset SA)、AmpliTaqGold(Pe
rkin-Elmer)、dNTP(Boehringer)、緩衝液およびPerkin-Elmer Corporation推奨
のサイクリング条件を用いて、PE 9600サーモサイクラー(Perkin-Elmer, Applie
d Biosystems Division, Foster City, CA)でのPCRによってプラスミド挿入物を
増幅した。
【0082】 次いで、ABI Prism 377自動シークエンサ(Perkin-Elmer)を使用してPCR産物を
配列決定した。標準的な染料-プライマー化学およびThermoSequenase(Amersham
Pharmacia Biotech)で、PE 9600サーモサイクラーを使用し、配列決定反応を行
った。プライマーとしては、T7または21M13(Genset SAから入手可能)のいずれか
都合のよい方を使用した。JOE、FAM、ROXおよびTAMRAの各染料を用いてプライマ
ーを標識した。配列決定反応に用いたdNTPおよびddNTPは、Boehringerから購入
した。配列決定用の緩衝液、試薬濃度およびサイクリング条件はAmersham推奨の
ものを採用した。
【0083】 配列決定反応に続いて、エタノールを用いて試料を沈降させ、ホルムアミド充
填用緩衝液に再懸濁し、標準的な4%アクリルアミドゲルに充填した。ABI 377シ
ークエンサにて3000Vで2.5時間かけて電気泳動を行い、ABI Prism DNA Sequenci
ng Analysis Softwareバージョン2.1.2で配列データを収集して解析した。
【0084】 上述したようにして作出したすべてのcDNAライブラリの5'末端を配列決定して
得られた配列データを専用のデータベースに移し、ここで品質管理およびバリデ
ーションのステップを行った。Unixシステムを利用して作動する専用の専用の塩
基読み上げ機によって、ピークの形状、ピーク間解像度およびノイズレベルを考
慮して、怪しいピークに自動的にフラグを立てた。専用の塩基読み上げ機では自
動トリミングも行った。怪しいピークを5つ以上含む25塩基以下の断片はいずれ
も信頼性が低いものとして除外した。クローニングベクターまたはライゲーショ
ンオリゴヌクレオチドに相当する配列を自動的に配列から除いた。しかしながら
、得られる配列は、上述した配列に属する1〜5個のヌクレオチドを5'末端に含む
こともある。必要があれば、事例ごとにこれらの配列を容易に除去することがで
きる。
【0085】 上述したような配列決定に続いて、後述するような記憶および操作を行うため
にcDNAクローンの配列をデータベースに入力した。データベース内のcDNAクロー
ンから目的の配列を探査する前に、図1に示すパラメータとソフトウェアとを使
用して、対象外mRNA由来のcDNAすなわち、内在性の混入物(リボソームRNA、トラ
ンスファーtRNA、ミトコンドリアRNA)ならびに外来性の混入物(原核生物のRNAや
菌類のRNA)を同定し、排除した。また、繰り返し配列(Alu、L1、THEおよびMERの
反復配列、SSTR配列またはサテライト、マイクロサテライトまたはテロメアの反
復配列)に対する相同性を示すcDNA配列を同定し、以後の処理ではマスキングし
た。
【0086】 (実施例7) (5'末端選択効率の判定) 対応するmRNAの5'末端を含むcDNAを上述した選択法によって単離した際の効率
を判定するために、FASTAアルゴリズムを用いて、5'ESTまたはcDNAの配列とEMBL
リリース57から抽出した完全なmRNA/cDNAの参照プールとを整列化した。ほとん
どの5'転写開始部位から開始される参照mRNA/cDNAを取得し、次いで5'ESTまたは
cDNAの5'転写開始部位の位置と比較した。5'ESTまたはcDNAの75%を上回る部分に
、既知の配列の5'末端に近い5'末端が含まれていた。EMBLデータベースで得られ
るmRNA配列の中には、ゲノム配列から推論されるものもあるのだが、これらの配
列と一致する5'末端が内部での一致数としてカウントされる。したがって、ここ
で利用している方法では、対応するmRNAの真の5'末端を含む5'ESTまたはcDNAの
収率が少なく見積もられることになる。
【0087】 (実施例8) (潜在的なシグナルペプチドをコードする読み枠の同定) 次に、得られた核酸配列をスクリーニングし、専用のソフトウェアを用いて、
中断がなくコーディング確率の良い読み枠(ORF)を有する配列を同定した。全長c
DNAを得た後、完全なORFすなわち、150ヌクレオチドより長く、開始コドンで開
始して停止コドンで終止する核酸配列のみを考慮の対象とした。5'EST配列しか
得られなかった場合は、150ヌクレオチドよりも長い完全なORFと、不完全なORF
すなわち開始コドンで開始して5'ESTの終わりまでの60ヌクレオチドよりも長い
核酸配列とを考慮の対象とした。
【0088】 次に、Von Heijne, Nucleic Acids Res. 14:4683-4690, 1986に開示されてい
る方法をわずかに変更したものを用いて、検索済のORFを探査し、潜在的なシグ
ナルモチーフを同定した。ポリペプチドをコードする5'EST配列またはcDNA配列
のうち、Von Heijneシグナルペプチド同定マトリックスでのスコアが少なくとも
3.5の配列を、シグナル配列を含む配列であるとみなした。既知のヒトmRNA配列
またはEST配列と一致し、かつ、既知の5'末端から31ヌクレオチド以上下流に5'
末端のある5'ESTまたはcDNAについては、以後の解析の対象から外した。
【0089】 (実施例9) (5'ESTにおける潜在的なシグナル配列の同定精度の確認) シグナルペプチドをコードするシグナル配列に対する上述した同定法の精度を
、この方法を全ヒトSwissProtタンパク質のN末端に位置する43のアミノ酸に適用
することによって評価した。各タンパク質ごとにコンピュータで求めたVon Heij
neスコアと、分泌タンパク質または非分泌タンパク質としての既知のタンパク質
の特徴とを比較した。このようにして、スコアが3.5を上回る(偽陽性)非分泌タ
ンパク質の数とスコアが3.5未満(偽陰性)の分泌タンパク質の数とを算出するこ
とができた。
【0090】 上記の解析結果を利用して、mRNAの5'領域でコードされるペプチドが、そのVo
n Heijneスコアから判断して実際に本物のシグナルペプチドである確率を、ヒト
タンパク質の10%が分泌されるという仮定あるいはヒトタンパク質の20%が分泌さ
れるという仮定のいずれかに基づいて算出した。この解析の結果を図2に示す。
【0091】 上述した分泌性タンパク質の同定方法を利用して、ヒトグルカゴン、γ−イン
ターフェロン誘導モノカイン前駆物質、分泌サイクロフィリン様タンパク質、ヒ
トプレイオトロフィンおよびヒトビオチニダーゼ前駆物質(いずれも分泌される
ことが知られているポリペプチドである)の5'ESTを得た。このように、上記の方
法によって、シグナルペプチドをコードする5'ESTを同定することができた。
【0092】 5'ESTまたはcDNAでコードされるシグナルペプチドが実際にシグナルペプチド
として機能していることを確認するには、5'ESTまたはcDNAから得られるシグナ
ル配列を、シグナルペプチドの同定用に設計されたベクターにクローニングすれ
ばよい。かかるベクターは、作動可能に連結されたシグナル配列を有するベクタ
ーを含む宿主細胞に対してのみ、選択培地にて増殖する能力を与えるべく設計さ
れている。たとえば、5'ESTまたはcDNAが本物のシグナルペプチドをコードする
ことを確認するには、5'ESTまたはcDNAのシグナル配列を、酵母インベルターゼ
遺伝子の非分泌形態とインフレームでこれよりも上流にて、米国特許第5,536,63
7号に記載されているようなシグナルペプチド選択ベクターに挿入すればよい。5
'ESTまたはcDNAシグナル配列が正しく挿入されたシグナル配列選択ベクターを含
む宿主細胞が増殖すれば、その5'ESTまたはcDNAが本物のシグナルペプチドをコ
ードしていることになる。
【0093】 あるいは、後述するようにpXT1などの発現ベクターに5'ESTまたはcDNAをクロ
ーニングするか、シグナルペプチドとアッセイ可能なレポータータンパク質との
間で融合タンパク質をコードするプロモーター-シグナル配列-レポーター遺伝子
ベクターを構築することによって、シグナルペプチドの存在を確認してもよい。
これらのベクターをCOS細胞またはNIH 3T3細胞などの好適な宿主細胞に導入した
後、増殖培地を収集し、分泌タンパク質の有無を解析することができる。これら
の細胞を用いて得られる培地と、シグナル配列またはcDNA挿入物のないベクター
を含む対照細胞で得られる培地とを比較し、機能的シグナルペプチドまたは真の
分泌タンパク質をコードするベクターを同定する。
【0094】 (実施例10) (5'ESTまたはcDNAに対応するmRNAの発現レベルおよびパターンの評価) 5'ESTまたはcDNAに対応するmRNAの空間的発現パターンおよび時間的発現パタ
ーンならびに、その発現レベルを判定することができる。詳細については後述す
るように、これらのmRNAの空間的かつ時間的発現パターンならびに発現レベルを
特徴づけることは、以下により詳細に記載する所望の空間的または時間的な方法
で所望のレベルの遺伝子産物を産生できる発現ベクターを構築する上で有用であ
る。
【0095】 また、対応するmRNAが疾病状態と関連しているcDNAまたは5'ESTを同定するこ
ともできる。たとえば、cDNAまたは5'ESTに対応するmRNAが発現されない状態、
その過発現または発現不足が原因で、特定の疾病が生じる場合がある。健常な個
体から得た試料でのmRNAの発現パターンおよび量を、特定の疾病に羅患した個体
から得た試料の場合と比較することで、その疾病に関与しているcDNAおよび5'ES
Tを同定できる場合がある。
【0096】 国際特許出願公開第WO 97/05277号に記載されているように、長いプローブを
用いて溶液ハイブリダイゼーションを行い、5'ESTまたはcDNAに対応するmRNAの
発現レベルおよびパターンを解析することができる。簡単に説明すると、特徴づ
けの対象となるmRNAをコードする遺伝子に対応する5'EST、cDNAまたはそのフラ
グメントを、バクテリオファージ(T3、T7またはSP6)RNAポリメラーゼプロモータ
ーのすぐ下流のクローニング部位に挿入し、アンチセンスRNAを産生する。好ま
しくは、5'ESTまたはcDNAは100ヌクレオチド長以上のものである。プラスミドを
直線化し、修飾リボヌクレオチド(すなわち、ビオチン-UTPおよびDIG-UTP)を含
むリボヌクレオチドの存在下、転写を行う。過剰な二重標識RNAを興味の対象と
なる細胞または組織から採取したmRNAと溶液中でハイブリダイズさせる。このハ
イブリダイゼーションは、ストリンジェントな標準条件下(80%ホルムアミド、0.
4M NaCl緩衝液中、pH7〜8にて40〜50℃で16時間)で行う。ハイブリダイズされな
かったプローブを、一本鎖RNAに特異なリボヌクレアーゼ(すなわち、RNAse CL3
、T1、Phy M、U2またはA)で消化して除去する。ビオチン-UTP修飾が存在するこ
とで、ストレプトアビジンをコーティングしたマイクロ滴定プレートでハイブリ
ッドを捕捉できる。DIG修飾が存在することで、アルカリホスファターゼに結合
した抗DIG抗体を使用するELISAによってハイブリッドを検出して定量化できる。
【0097】 英国特許出願公開第2 305 241 A号に開示されているように、5'EST、cDNAまた
はそのフラグメントに、遺伝子発現連続解析法(SAGE)用のヌクレオチド配列のタ
グを付してもよい。この方法では、遺伝子発現パターンを判定することが望まし
い細胞、組織、生物体または他の核酸ソースからcDNAを調製する。得られるcDNA
を2つのプールに分ける。ほとんどのcDNAで少なくとも1回は出現する可能性の高
い認識部位を含む「アンカーリング酵素」と呼ばれる第1の制限エンドヌクレア
ーゼで、各プールのcDNAを切断する。切断されたcDNAの最も5'または3'側の領域
を含むフラグメントを、ストレプトアビジンビーズなどの捕捉培地と結合させる
ことによって単離する。増幅プライマーのハイブリダイゼーション用の第1の配
列と「タギング用エンドヌクレアーゼ」に対する内部制限部位とを含む第1のオ
リゴヌクレオチドリンカーを、第1のプールに含まれる消化後のcDNAにライゲー
トする。第2のエンドヌクレアーゼでの消化によって、cDNAから短い「タグ」フ
ラグメントが生成される。
【0098】 増幅プライマーのハイブリダイゼーション用の第2の配列と内部制限部位とを
含む第2のオリゴヌクレオチドを、第2のプールに含まれる消化後のcDNAにライゲ
ートする。また、第2のプールのcDNAフラグメントも「タギング用エンドヌクレ
アーゼ」で消化し、第2のプールのcDNA由来の短い「タグ」フラグメントを生成
する。第1のプールと第2のプールとをアンカーリング酵素およびタギング用エン
ドヌクレアーゼで消化して得られる「タグ」を互いにライゲートし、「二重タグ
(ditag)」を作り出す。いくつかの実施形態では、二重タグをコンカテマー化
し、2〜200の二重タグを含むライゲーション産物を産生する。次に、タグ配列を
判定し、5'ESTまたはcDNAの配列と比較して、タグを導出した細胞、組織、生物
体または他の核酸ソースで、どの5'ESTまたはcDNAが発現されているかを判定す
る。このようにして、細胞、組織、生物体または他の核酸ソースでの5'ESTまた
はcDNAの発現パターンを得る。
【0099】 アレイを用いて遺伝子発現の定量解析を行ってもよい。本願明細書において、
アレイという用語は、全長cDNA(すなわち、シグナルペプチドに対するコード配
列、成熟タンパク質に対するコード配列および停止コドンを含むcDNA)、cDNA、5
'EST、あるいは、遺伝子発現の特異的な検出を可能にするだけの十分な長さがあ
る、全長cDNAのフラグメント、cDNAのフラグメントまたは5'ESTのフラグメント
の、一次元、二次元または多次元の集合体を意味する。好ましくは、このフラグ
メントは少なくとも15ヌクレオチド長である。より好ましくは、このフラグメン
トは少なくとも100ヌクレオチド長である。より好ましくは、このフラグメント
は100ヌクレオチド長よりも長い。いくつかの実施形態では、フラグメントは500
ヌクレオチド長よりも長いものであってもよい。
【0100】 たとえば、Schena et al.(Science 270:467-470, 1995、Proc. Natl. Acad. S
ci. U.S.A. 93:10614-10619, 1996)によって説明されているように、全長cDNA、
cDNA、5'ESTまたはそのフラグメントを用いて、相補的DNAマイクロアレイで遺伝
子発現を定量解析してもよい。全長cDNA、cDNA、5'ESTまたはそのフラグメント
をPCR増幅し、高速の装置を用いてシリル化処理した顕微鏡のスライドガラス上
で96ウェルマイクロタイタープレートからアレイ化する。プリントされたアレイ
を湿式チャンバ内でインキュベートし、アレイエレメントを再水和させ、0.2%SD
Sで1分間の濯ぎを1回と、水で1分間の濯ぎを2回、水素化ホウ素ナトリウム溶液
で5分間の濯ぎを1回実施する。このアレイを95℃で2分間、水中に沈め、0.2%SDS
に移して1分おき、2回水洗し、空気乾燥させて25℃で暗所に保存する。
【0101】 細胞または組織のmRNAを単離するか、あるいは市販されているものを入手し、
逆転写のサイクルを1回行ってプローブを調製する。このプローブを14×14mmの
カバーガラス下で60℃にて6〜12時間で1cm2のマイクロアレイとハイブリダイズ
させる。このアレイをストリンジェンシーの低い洗浄用緩衝液(1×SSC/0.2%SDS)
中にて25℃で5分間洗浄した後、ストリンジェンシーの高い洗浄用緩衝液(0.1×S
SC/0.2%SDS)中にて室温で10分間洗浄する。独自に用意したフィルタセットを用
いた蛍光レーザー走査装置によって、0.1×SSC中でアレイをスキャンする。独立
した2例のハイブリダイゼーションの比の平均を取ることによって、正確な分化
発現(differential expression)測定値を得る。
【0102】 Pietu et al.(Genome Research 6:492-503, 1996)によって説明されているよ
うに、相補的DNAアレイにおいて、全長cDNA、cDNA、5'ESTまたはそのフラグメン
トを用いて遺伝子発現の定量解析を行ってもよい。全長cDNA、cDNA、5'ESTまた
はそのフラグメントをPCR増幅し、膜にスポットする。次に、さまざまな組織ま
たは細胞由来のmRNAを放射性ヌクレオチドで標識する。ハイブリダイゼーション
および制御された条件下での洗浄後、ホスホイメージングまたはオートラジオグ
ラフィによって、ハイブリダイズされたmRNAを検出する。実験を2回重複して行
った後、分化的に発現されたmRNAの定量解析を行う。
【0103】 あるいは、Lockhart et al.(Nature Biotechnology 14: 1675-1680, 1996)お
よびSosnowsky et al. (Proc. Natl. Acad. Sci. 94:1119-1123, 1997)によって
説明されているように、高密度ヌクレオチド配列を利用して、5'ESTまたはcDNA
の発現解析を行うこともできる。5'ESTまたはcDNAの配列に対応する、15〜50ヌ
クレオチドからなるオリゴヌクレオチドを、チップ上にて直接合成する(Lockhar
t et al.、上掲)か、あるいは合成後にチップにアドレス指定する(Sosnowski et
al.、上掲)。好ましくは、オリゴヌクレオチドは約20ヌクレオチド長のもので
ある。
【0104】 ビオチン、ジゴキシゲニンまたは蛍光染料などの適当な化合物で標識したcDNA
プローブを適当なmRNA個体群から合成した後、平均サイズ50〜100ヌクレオチド
にランダムにフラグメント化する。次いで、前記プローブをチップとハイブリダ
イズさせる。上掲のLockhart et al.によって説明されているようにして洗浄し
、異なる電界を印加(Sosnowsky et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 94:1119-1123
)した後、染料または標識化合物を検出して定量化する。ハイブリダイゼーショ
ンを2回重複して行う。異なるcDNA試料で同一の標的オリゴヌクレオチドについ
てcDNAプローブからのシグナル強度を比較解析することで、オリゴヌクレオチド
配列の設計もとである5'ESTまたはcDNAに対応するmRNAが分化的に発現している
ことが分かる。
【0105】 (III. 対応するmRNAの5'末端を含むcDNAの特徴づけ) (実施例11) (cDNAクローンの完全な配列の特徴づけ) 対応するmRNAの5'末端を含み、かつ、上述した方法での判定時にシグナルペプ
チドを含む新規なタンパク質をコードするクローンを、以下のようにして完全に
配列決定した。
【0106】 まず、Perkin Elmerから入手可能なAmpliTaq DNAポリメラーゼFSキットを用い
てのダイターミネーター法で、クローンの同一性を確認すべく、クローニングcD
NAの5'末端および3'末端の両方を2回配列決定した。次に、完全なコード領域が
まだ得られていない場合、プライマーを選択するためのOSPなどのソフトウェア
とASMG(Sutton et al., Genome Science Technol. 1: 9-19, 1995)などの自動コ
ンピュータソフトウェアとを用いてプライマーウォーキングを実施し、最初の5'
タグを含むウォーキング配列のコンティグを構築した。次に、5'配列と3'配列と
を利用し、最終的にはプライマーウォーキングを利用して、コンティグ地図を作
成した。得られたコンティグに完全なコード領域と両端にベクターDNAのあるオ
ーバーラップ配列とが含まれている場合に、この配列を完全なものとみなした。
また、クローン1つあたり少なくとも2つの配列が得られるように、クローンを完
全に配列決定した。これらの配列は、センス鎖およびアンチセンス鎖の両方から
得たものであると好ましい。このようにして、各クローンごとにすべてのコンテ
ィグ配列を用いてコンセンサス配列を得て、これを後述するコンピュータ解析の
対象とした。
【0107】 あるいは、対応するmRNAの5'末端を含み、かつ、上述した方法での判定時にシ
グナルペプチドを含む新規なタンパク質をコードするクローンを、pED6dpc2(Dis
coverEase, Genetics Institute, Cambridge, MA)などの適当なベクターにサブ
クローニングした上で全体の配列決定を行ってもよい。
【0108】 (実施例12) (構造的特徴と機能的特徴の判定) 混入物の同定と反復配列のマスキングに続いて、図1に定義するアルゴリズム
、パラメータおよび基準を用いて、cDNAの配列のポリAテイルおよびポリアデニ
ル化シグナルなどの構造的な特徴を判定した。簡単に説明すると、少なくとも11
のAで構成され、このうちせいぜい1つの塩基が違っている程度のホモポリマー断
片としてポリAテイルを定義した。このようなポリAよりも後ろでは配列決定反応
を読み取れないことが多いため、ポリAテイルの探査対象を配列の最後の100ntに
絞り、11の連続したAからなる断片に限定した。ポリアデニル化シグナルを探査
するために、ポリAテイルを全長配列から切り出した。1つの不一致でポリアデニ
ル化シグナルの正規配列に考え得る配列決定誤差ならびに既知の変化を明らかに
することができるように、正規のポリアデニル化シグナルであるAAUAAAをポリA
テイルの50bp前で探査した。
【0109】 次に、cDNAの配列のORFおよびシグナル配列などの機能的な特徴を以下のよう
にして判定した。翻訳開始コドンで開始して停止コドンで終止する最大長フラグ
メントとして定義したORFを、cDNAの3つの上流側の鎖のフレーム(upper strand
frame)で探査した。少なくとも80アミノ酸をコードするORFが好ましいものであ
った。次いで見出された各ORFをスキャンし、実施例10で述べたマトリックス法
を利用してシグナルペプチドの有無を調べた。
【0110】 出願時に入手可能であった公開配列とcDNAの配列とを、ヌクレオチドまたはタ
ンパク質を基準に比較した。
【0111】 (実施例13) (全長配列の選択) 目的の配列を含むcDNAを予備選択するために、上述したコンピュータ解析によ
ってすでに特徴づけられているcDNAを自動処理に供した。
【0112】 a) 自動で行う配列の予備選択 両端のベクターごとに切り出したすべてのcDNAを検討対象とした。まず、混入
物またはアーチファクトのいずれかによって生成された配列を排除するために、
以下のようにして負の選択を実施した。混入配列と一致する配列ならびに、反復
配列に対して広範囲にわたって相同なORF配列をコードする配列を破棄した。ポ
リAテイルのない配列も破棄した。既知のヒトmRNAまたはEST配列と一致し、かつ
、既知の5'末端よりも31ヌクレオチド以上下流に5'末端を含むcDNAも以後の解析
の対象から外した。ポリAテイルよりも前で終止するORFのみを残した。
【0113】 次に、いくつかのORFを含む残ったcDNA各々について、以下の基準を適用してO
RFの予備選択を実施した。最長のORFが好ましいものであった。ORFサイズが同等
であれば、その選択したORFは実施例10にて定義するVon Heijne法によるシグナ
ルペプチドのスコアが最も高いものであった。
【0114】 続いて、反復配列をマスキングした上で、cDNAクローンの配列をBLASTと対で
比較した。30ヌクレオチドを超える範囲で少なくとも90%相同である配列を同一
のクラスにクラスター化した。次に、内部プライミングまたは選択的スプライシ
ングによって得られる配列、同一の配列またはフレームシフトがいくつか認めら
れる配列を検出するクラスター解析を、クラスターごとに行った。この自動解析
は、手作業による配列の選択の基礎をなすものとなった。
【0115】 b) 手作業による配列の選択 配列決定済みの各cDNAクローンごとに自動生成したレポートを利用して、手作
業での選択を実施した。手作業での選択時、以下のようにして同一クラスに属す
るクローン中から選択を行った。同一クラスに属するクローンでコードされるOR
F配列を整列化し、比較した。同一クラスに属するクローンのヌクレオチド配列
の相同性が30ヌクレオチドを超える断片で90%を上回る場合、あるいは、同一ク
ラスに属するクローンのアミノ酸配列同士の相同性が20アミノ酸を超える断片で
80%を上回る場合、これらのクローンを同一であるとみなした。選択したORFは、
既知のアミノ酸配列と一致するか、自動で行う配列の予備選択についてのセクシ
ョンで述べた基準で最良であるかのいずれかに該当するものであった。ヌクレオ
チドの相同性が90%未満、アミノ酸の相同性が80%未満である場合は、これらのク
ローンは、目的の配列を含む場合にいずれも選択可能な別のタンパク質をコード
すると言われていた。
【0116】 以下の基準を用いて、目的の配列をコードする全長cDNAクローンを選択した。
構造的パラメータ(開始タグ、ポリアデニル化部位およびシグナル、最終的には
配列の5'または3'で公開されているESTと一致するもの)をまずチェックし、5'お
よび3'のcDNAが完全なものであるか否かを確認した。次に、既知の核酸およびタ
ンパク質との相同性を検討し、クローン配列が既知の核酸またはタンパク質配列
と一致するか否かを判定し、さらには後者の場合、カバー率と配列が公開された
日についても判定した。ESTまたはゲノムDNA以外の配列との広範囲にわたる一致
がなかった場合、あるいは、既知のタンパク質をコードするmRNAの選択的スプラ
イシングによって得られるタンパク質をコードするなど、クローン配列に実質的
に新しい情報が含まれていた場合は、この配列を残した。目的の配列を含む上記
のような全長クローニングcDNAの例を実施例14で述べる。この方法では、他の配
列との相同性に基づいて評価した二重挿入(double insert)またはキメラによっ
て生じる配列については破棄した。
【0117】 (実施例14) (全長cDNAの特徴づけ) 上述した方法を用いて、さまざまな組織由来の全長cDNAを得た。このようにし
て得られたcDNAの一例を以下に列挙する。
【0118】 この方法を利用して、配列番号1(社内識別番号108-005-5-0-F9-FLC)の全長cDN
Aを得た。かかるcDNAは、シグナルペプチドのvon Heijneスコアが4.1である潜在
的な分泌タンパク質(配列番号2)をコードする。
【0119】 この方法を利用して、配列番号3(社内識別番号108-004-5-0-G10-FLC)の全長cD
NAを得た。かかるcDNAは、シグナルペプチドのvon Heijneスコアが5.3である潜
在的な分泌タンパク質(配列番号4)をコードする。
【0120】 この方法を利用して、配列番号5(社内識別番号108-004-5-0-B12-FLC)の全長cD
NAを得た。かかるcDNAは、シグナルペプチドのvon Heijneスコアが7.0である潜
在的な分泌タンパク質(配列番号6)をコードする。
【0121】 この方法を利用して、配列番号7(社内識別番号108-013-5-0-G5-FLC)の全長cDN
Aを得た。かかるcDNAは、シグナルペプチドのvon Heijneスコアが9.4である潜在
的な分泌タンパク質(配列番号8)をコードする。
【0122】 さらに、伸長cDNAまたは全長cDNAでコードされるポリペプチドを、既知の構造
的または機能的モチーフの有無、あるいは、タンパク質ファミリのメンバー中で
十分に保存されたアミノ酸配列であるサインの有無についてスクリーニングして
もよい。GCGパッケージに含まれるProscanソフトウェアおよびPrositeデータベ
ースを用いて既知のタンパク質サインおよびモチーフの有無についてスクリーニ
ングされた全長cDNAがコードするポリペプチドについて、得られた結果のいくつ
かを以下に述べる。
【0123】 配列番号9(社内整理番号108-013-5-O-H9-FLC)の全長cDNAでコードされる配列
番号10のタンパク質は、真核生物(酵母、ウサギ、齧歯類およびヒト)で保存され
るリゾホスホリパーゼのファミリとの間で相同性を示す。また、このファミリの
メンバーの中には、カルシウム非依存性ホスホリパーゼA2活性を呈するものもあ
る(Portilla et al., J. Am. Soc. Nephro., 9 :1178-1186(1998))。このファミ
リのすべてのメンバーが、配列番号10のタンパク質にも見出される(54位〜58位)
カルボキシエステラーゼの活性部位コンセンサスGXSXGモチーフを呈する。また
、TopPred IIというソフトウェア(Claros and von Heijne, CABIOS applic. Not
es, 10 :685-686(1994))で予測したところ、このタンパク質は膜貫通ドメインを
1つ有する膜タンパク質の場合もある。総合すれば、これらのデータから、配列
番号10のタンパク質が、おそらくホスホリパーゼとして脂肪酸代謝に何らかの役
割を果たしているのではないかと考えられる。したがって、このタンパク質また
はその一部が、癌や糖尿病の他、パーキンソン病およびアルツハイマー病などの
神経変性障害を含むがこれに限定されるものではない、いくつかの機能障害の診
断および/または治療に役立つ可能性がある。また、感染因子(infectious agent
)に対する炎症反応の調節および/または移植片拒絶の抑制に役立つ可能性もある
【0124】 配列番号11(社内整理番号108-004-5-0-D10-FLC)の全長cDNAでコードされる配
列番号12のタンパク質は、動物(ヒト、齧歯類、ウシ、ニワトリ)で広く保存され
るβ4-ガラクトシルトランスフェラーゼのサブファミリに対する相同性が低い。
このような酵素は通常は、II型膜タンパク質であり、小胞体またはゴルジ体に存
在し、糖タンパク質、糖脂質グリカンおよびラクトースの生合成を触媒する。Br
eton et al., J. BioChem., 123:1000-1009(1998)においてサブファミリAの特徴
として定義された、その特徴は、配列番号12のタンパク質、特に、UDP結合また
は触媒プロセス自体に関与していると思われるDVDモチーフを含む領域I(163〜16
5位)において十分に保存されている。また、配列番号12のタンパク質はII型タン
パク質に典型的な構造をしている。特に、TopPred IIというソフトウェア(Claro
s and von Heijne, CABIOS applic. Notes, 10 :685-686(1994))で予測したとこ
ろ、28アミノ酸長の短いN-末端テイル、29位から49位の膜貫通セグメント、278
アミノ酸長の長いC-末端テイルがある。総合すれば、これらのデータから、配列
番号12のタンパク質が、多糖類の生合成、糖タンパク質および糖脂質の炭水化物
部の生合成および/または細胞間認識に何らかの役割を果たしているのではない
かと考えられる。したがって、このタンパク質が、癌、アテローム性動脈硬化症
、心臓脈管系障害、自己免疫障害、関節リウマチなどのリウマチ性の疾患を含む
がこれに限定されるものではない、いくつかのタイプの機能障害の診断および/
または治療に役立つ可能性がある。
【0125】 配列番号13(社内整理番号108-004-5-0-E8-FLC)の伸長cDNAでコードされる配列
番号14のタンパク質は、アミノ酸の細胞への輸送に関与するインテグラル膜タン
パク質であるアミノ酸パーミアーゼ(5位〜66位)に典型的なPROSITEサインを呈す
る。また、TopPred IIというソフトウェア(Claros and von Heijne, CABIOS app
lic. Notes, 10 :685-686(1994))で予測したところ、配列番号14のタンパク質に
は9位から29位に膜貫通セグメントがある。総合すれば、これらのデータから、
配列番号14のタンパク質がアミノ酸輸送に関与しているのではないかと考えられ
る。したがって、このタンパク質が、癌、アミノ酸尿、神経変性障害、摂食障害
、慢性疲労、動脈管系疾患、ジフテリア、低血糖症、男性不妊症、筋肉障害およ
びミオパシーを含むがこれに限定されるものではない、いくつかのタイプの機能
障害の診断および/または治療に役立つ可能性がある。
【0126】 現在、上述した全長cDNAを含むプラスミドを含む細菌クローンが、本願発明者
の研究所にて上記の社内識別番号を付して保管されている。適当な培地で適当な
細菌クローンのアリコートを増殖させることで、保管場所から挿入物を回収して
もよい。このようにすれば、アルカリ法によるミニプレップまたは大規模アルカ
リ法によるプラスミド単離方法などの当業者に馴染みのあるプラスミド単離法を
用いて、これらのプラスミドDNAを単離することができる。必要があれば、塩化
セシウム勾配での遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィまたは陰イオン交換ク
ロマトグラフィによってプラスミドDNAをさらに濃縮してもよい。これらの方法
で得られたプラスミドDNAについては、当業者に馴染みのある標準的なクローニ
ング技法を用いて操作できる。あるいは、cDNA挿入の両端に設計されたプライマ
ーでPCRを行うことも可能である。これによって、当業者に馴染みのある標準的
なクローニング技法を用いてcDNAに対応するPCR産物を操作することができるよ
うになる。
【0127】 上記の方法を用いて、配列番号24〜73の配列を含む本発明のcDNAを得ることも
できる。表Iに、本発明のcDNAの配列識別番号、完全なコード配列の配列番号24
〜73における最初と最後のヌクレオチドの位置(すなわちシグナルペプチドおよ
び成熟タンパク質の両方をコードするヌクレオチドであり、表IのFCSの位置欄に
列挙)、シグナルペプチドをコードする最初と最後のヌクレオチドの配列番号24
〜73における位置(表IのSigPepの位置欄に列挙)、シグナルペプチドの切断によ
って生成される成熟タンパク質をコードする最初と最後のヌクレオチドの配列番
号24〜73における位置(表Iの成熟ポリペプチドの位置欄に列挙)、停止コドンの
配列番号24〜73における位置(表Iの停止コドンの位置欄に列挙)、ポリAシグナル
の最初と最後のヌクレオチドの配列番号24〜73における位置(表IのポリAシグナ
ルの位置欄に列挙)、ポリA部位の最初と最後のヌクレオチドの位置(表IのポリA
部位の位置欄に列挙)を示す。
【0128】 表IIには、配列番号74〜123のポリペプチドの配列識別番号、配列番号74〜123
の最初と最後のアミノ酸残基の全長ポリペプチドにおける位置(2列目)、配列番
号74〜123の最初と最後のアミノ酸残基のシグナルペプチドにおける位置(3列目)
、配列番号74〜123の最初と最後のアミノ酸残基の成熟ポリペプチド(全長ポリペ
プチドからシグナルペプチドの切断によって生成される)における位置(4列目)を
列挙してある。
【0129】 配列番号24〜73の配列のヌクレオチド配列と配列番号24〜73でコードされるア
ミノ酸配列(すなわち、配列番号74〜123のアミノ酸配列)を添付の配列表に示す
。これらの中には、不正確または曖昧な配列またはアミノ酸がいくつか含まれて
いる可能性のある予備的な配列もある。核酸配列に記号「n」を含む事例はいず
れも、そのヌクレオチドが、アデニン、グアニン、シトシンまたはチミンであり
得ることを意味する。各アミノ酸配列について、本願出願人は、出願時に利用で
きる配列情報を用いての同定率が最も高いと考えられた読み枠を同定した。また
、配列表のポリペプチド配列に「Xaa」という記号が含まれているものもある。
この「Xaa」記号は、(1)ヌクレオチド配列が曖昧で同定できない残基、あるいは
、(2)判定された配列に含まれる停止コドンであるが、出願人の見解では(配列を
一層詳細に判定すれば)存在するはずがないと思われる停止コドンのいずれかを
示すものである。したがって、「Xaa」は、残基が20のアミノ酸のうちいずれか
の可能性があることを示している。また、未知のアミノ酸のいくつかの考えられ
る同一性が遺伝コードによって示唆される場合もある。
【0130】 配列番号24〜73の配列では、配列内の誤差のスクリーニングを容易に行うこと
ができるため、このような誤差または曖昧さを含むフラグメントを両方の鎖で再
配列決定することによって、配列の曖昧さを解消することが可能である。配列決
定誤差や曖昧さを解消するための核酸フラグメントについては、寄託したクロー
ンから入手してもよいし、あるいは、本願明細書に記載の技法を用いて単離する
ことも可能である。曖昧な配列または誤差のある配列の近くに位置する配列とハ
イブリダイズされるプライマーを利用すれば、このような曖昧さまたは誤差の解
消を容易にすることができる。たとえば、このプライマーを、曖昧さまたは誤差
のある部分から50〜75塩基以内の配列とハイブリダイズさせてもよい。誤差また
は曖昧さの解消時に、誤差または曖昧さを含むDNAでコードされるタンパク質配
列において、対応する補正配列を作成することができる。クローンを好適な宿主
細胞で発現させ、このタンパク質を収集し、その配列を決定することによって、
特定のクローンでコードされるタンパク質のアミノ酸配列を判定することも可能
である。
【0131】 (実施例15) (本発明のcDNAのカテゴリー化) 本発明の核酸配列(配列番号24〜73)を既知の配列に対する相同性に応じて以下
のようにグループ分けした。すべての配列を、BLASTNを用いて出願時に入手でき
るEMBLリリース58およびデイリーアップデートデータと比較した。
【0132】 なかには、脊椎動物の既知の配列および一般公開されているEST配列のいずれ
とも一致せず、まったく新しいcDNAもあった。
【0133】 少なくとも30ヌクレオチドを超える範囲にわたって既知の配列に対する相同性
が90%を上回る配列をすべて検索し、さらに解析した。表IIIに、これらのcDNAの
配列識別番号(1列目)とこれらの配列での好ましいフラグメントの位置(「好まし
いフラグメントの位置」というタイトルの2列目)を示す。特定の好ましいフラグ
メントの開始位置をx、終端位置をyとして、各フラグメントをx-yの形で示して
ある。好ましいフラグメントをカンマで区切ってある。本願明細書において、「
表IIIに示すポリヌクレオチド」という表現は、上記のようにして表IIIに定義し
た好ましいポリヌクレオチドフラグメントすべてを意味する。本発明は、配列番
号24〜73の配列のうちの1つまたはこれと相補的な配列の連続スパンからなる、
実質的にかかる連続スパンからなる、あるいは、かかる連続スパンを含む、単離
された核酸、精製または組換え核酸であって、前記連続スパンが、配列番号24〜
73の配列の少なくとも8、10、12、15、18、20、25、28、30、35、40、50、75、1
00、150、200、300、400、500、1000または2000ヌクレオチドまたはこれと相補
的な配列を含み(ただし、これらの長さの連続スパンが特定の配列の長さと矛盾
しない範囲に限る)、かかる連続スパンが、表IIIに示されるポリヌクレオチドの
うち少なくとも1、2、3、5、10、15、18、20、25、28、30、35、40、50、75、10
0、150、200、300、400または500またはこれと相補的な配列を含む、単離された
核酸、精製または組換え核酸を包含する。また、本発明は、表IIIに示すポリヌ
クレオチドの少なくとも8、10、12、15、18、20、25、28、30、35、40、50、75
、100、150、200、300、400、500、1000または2000ヌクレオチドからなる連続ス
パンまたはこれと相補的な配列を含む(ただし、これらの長さの連続スパンが表I
IIに示す特定の配列の長さと矛盾しない範囲に限る)、実質的にかかる連続スパ
ンまたはこれと相補的な配列からなる、あるいは、かかる連続スパンまたはこれ
と相補的な配列からなる、単離された核酸、精製または組換え核酸を包含する。
本発明は、表IIIに示すポリヌクレオチドまたはこれと相補的な配列を含む、か
かるポリヌクレオチドまたはこれと相補的な配列からなる、あるいは、実質的に
かかるポリヌクレオチドまたはこれと相補的な配列からなる、単離された核酸、
精製または組換え核酸も包含する。本発明はさらに、先に列挙した核酸のあらゆ
る組み合わせを包含する。
【0134】 ベクターpBluescriptII SK-(Stratagene)に本発明のcDNA(配列番号24〜73)を
含む細胞を、Genset S.A., 24 Rue Royale, 75008 Paris Franceのにある本願発
明者らの常設保管場所にて保持する。
【0135】 特定のポリヌクレオチドを含む細胞を得ることが可能なcDNA(配列番号24〜73)
を含む細胞のプールを、英国ウィルトシャー州ソールズベリ、ポートンダウン、
SP4 OJGにある欧州動物細胞培養コレクション(ECACC)のVaccine Research and P
roduction Laboratory, Public Health Laboratory Service、応用微生物研究セ
ンターに、1999年6月17日に寄託した。また、特定のポリヌクレオチドを含む細
胞を得ることが可能な伸長cDNA(配列番号47〜73)を含む細胞のプールを、英国ウ
ィルトシャー州ソールズベリ、ポートンダウン、SP4 OJGにある欧州動物細胞培
養コレクション(ECACC)のVaccine Research and Production Laboratory, Publi
c Health Laboratory Service、応用微生物研究センターに、1998年12月18日に
寄託した。これらのコンポジット寄託物について、各cDNAクローンを別々の細菌
細胞(E-coli)にトランスフェクトした。特に、配列番号25〜40および42〜46の配
列を含む細胞を、ECACC受託番号98121805で名称がSignalTag 166-191であるプー
ルに、1999年6月17日に寄託した。また、配列番号47〜73の配列を含む細胞を、E
CACC受託番号99061735で名称がSignalTag 15061999であるプールに、1998年12月
18日に寄託した。表IVに、各配列番号に割り当てた社内整理番号を示し、その配
列が核酸配列であるのかタンパク質配列なのかを明記しておく。
【0136】 cDNAクローン配列にBsH IIが含まれていない場合であれば、各クローンに適し
たフラグメントを産生すべくBsH IIでの二重消化を行って、各cDNAを付着させた
BluescriptベクターからcDNAを取り除くことが可能である。あるいは、製造業者
の指示に従って、ベクターのマルチクローニング部位の他の制限酵素を利用して
所望の挿入物を回収してもよい。
【0137】 コンポジット寄託物から、以下のようにして特定のクローンを含む細菌細胞を
得ることができる。
【0138】 その特定のクローンについて既知の配列に対して、1つまたは複数のオリゴヌ
クレオチドプローブを設計する必要がある。この配列は、本願明細書にて述べる
配列から導出できるものであり、あるいは、これらの配列の組み合わせから導出
することも可能である。オリゴヌクレオチドプローブの設計は、以下のパラメー
タに従ったものであると好ましい。
【0139】 (a) 曖昧な塩基(「N」)が存在する場合、曖昧な塩基の数が最も少ない配列の
エリアに対して設計する必要がある。 (b) 好ましくは、このプローブは、Tmが約80℃(各AまたはTについて2℃、各G
またはCについて4℃と仮定)になるように設計される。ただし、特異性が損なわ
れない限り、40℃から80℃の間に融点のあるプローブを用いてもよい。
【0140】 オリゴヌクレオチドの標識に一般に用いられている技法を利用して、(-[32P]A
TP(比活性6000Ci/mmol)およびT4ポリヌクレオチドキナーゼでオリゴヌクレオチ
ドを標識しておくことが好ましい。他の標識技法を利用することも可能である。
取り込まれなかった標識については、ゲル濾過クロマトグラフィまたは他の確立
されている方法で除去しておくのが好ましい。プローブに取り込まれた放射能の
量をシンチレーションカウンタで測定し、定量化しておく必要がある。得られる
プローブの比活性が約4×106dpm/pmolになるようにするのが好ましい。
【0141】 全長クローンのプールを含む細菌培養を融解し、アンピシリン100μg/mlを含
有する滅菌L-ブロス25mlを仕込んだ滅菌培養フラスコに、ストック溶液100μlを
用いて播種するようにすると好ましい。この培養を37℃にて飽和するまで増殖さ
せ、飽和した培養を新鮮なL-ブロスで希釈すると好ましい。これらの希釈液のア
リコートを培養皿に蒔き、37℃にて一晩培養し、150mmのペトリ皿にアンピシリ
ン100μg/mlと寒天1.5%とを含むL-ブロスを含有する固体の細菌学的培地にて、
約5000の十分に区別できる別個のコロニーが得られる希釈度および容積を判定す
ると好ましい。十分に区別できる別個のコロニーを得るための他の既知の方法も
利用できる。
【0142】 続いて、標準的なコロニーハイブリダイゼーション法を利用し、コロニーをニ
トロセルロースフィルタに移し、溶解、変性させてベイクした。
【0143】 このフィルタを、0.5%SDS、酵母RNA100pg/mlおよび10mM EDTA(150mmのフィル
タ1つあたり約10ml)を含有する6×SSC(20×ストック溶液が175.3g NaC1/リット
ル、88.2gクエン酸Na/リットル、NaOHでpH7.0に調整)中にて、静かに攪拌しなが
ら65℃にて1時間インキュベートすると好ましい。好ましくは、プローブを1×106 dpm/ml以上の濃度でハイブリダイゼーション混合物に加える。次に、このフィ
ルタを65℃にて一晩、静かに攪拌しながらインキュベートすると好ましい。好ま
しくは、500mlの2×SSC/0.1%SDS中にて、静かに振盪しながら室温で15分間フィ
ルタを洗浄する。0.1×SSC/0.5%SDSで65℃にて30分〜1時間かけて3回目の洗浄を
行うかどうかは任意である。このフィルタを好ましくは乾燥させ、X線フィルム
でポジを可視化するのに十分な時間オートラジオグラフィにかける。他の既知の
ハイブリダイゼーション法を利用することも可能である。
【0144】 標準的な方法を用いてポジティブコロニーを採取し、培養中にて増殖させ、プ
ラスミドDNAを単離した。このようにすることで、制限解析、ハイブリダイゼー
ション解析またはDNA配列決定によってクローンを確認できる。
【0145】 これらの方法で得られたプラスミドDNAを、当業者に馴染みのある標準的なク
ローニング技法で操作してもよい。あるいは、cDNA挿入の両端で設計されたプラ
イマーを用いてPCRを行うことも可能である。このようにすることで、当業者に
馴染みのある標準的なクローニング技法を用いてcDNAに対応するPCR産物を操作
することが可能である。
【0146】 あるいは、実施例1〜13で説明した方法で得られたcDNAクローンには、その対
応するmRNAの5'末端由来の配列が含まれていないにもかかわらず、対応するmRNA
でコードされるタンパク質のコード配列全体も含まれていない場合がある。この
ような5'ESTを用いて、5'ESTに隣接する配列を含む伸長cDNAを単離することがで
きる。このようにして得られた伸長cDNAには、真の翻訳開始部位を含む、対応す
るmRNAにコードされるタンパク質のコード配列全体が含まれる場合がある。以下
の実施例16および17では、5'ESTを用いて伸長cDNAを得るための方法について説
明する。また、実施例17では、cDNA、mRNA、あるいはcDNA、5'ESTまたはそのフ
ラグメントに対して相同なゲノムDNAを得るための方法についても説明する。
【0147】 また、実施例16および17の方法を用いて、5'ESTに対応する遺伝子でコードさ
れるタンパク質のコード配列全体よりも短い範囲をコードするcDNAを得ることが
可能である。いくつかの実施形態では、これらの方法で単離したcDNAが、配列番
号24〜73の配列でコードされるタンパク質のうちの1つの連続した少なくとも5、
8、10、12、15、20、25、30、35、40、50、60、75、100、150または200アミノ酸
をコードする。
【0148】 (実施例16) (コード領域全体と対応するmRNAの標準5'末端とを含むcDNAをクローニングおよ
び配列決定するための5'ESTを用いた汎用的な方法) 以下の汎用的な方法を用いて、cDNAを得るために使用する5'ESTの配列に隣接
した配列を含むcDNAを迅速かつ効率的に単離することができる。この方法を図3
に示すが、これを利用すればどのような5'ESTについてもcDNAを得ることができ
る。
【0149】 この方法では、mRNAの既知の5'配列を利用している。5'末端にヌクレオチド配
列を含むポリdTプライマーを用いて、精製したmRNAに対して逆転写反応を実施し
、このmRNAの3'末端に対応するcDNAの末端に既知の配列を追加できるようにする
。このようなプライマーおよび市販の逆転写酵素を、緩衝したmRNA試料に加え、
RNAの3'ポリA部位にアンカーリングした逆転写物を得る。次に、ヌクレオチドモ
ノマーを加えて第1鎖の合成を終了する。第1鎖cDNAにハイブリダイズされたmRNA
をアルカリ加水分解によって除去した後、アルカリ加水分解産物と残留ポリdTプ
ライマーとを排除カラムで除去することができる。
【0150】 続いて、5'ESTから得られる既知の5'配列と、第1鎖の合成で用いたポリdTプラ
イマーによって追加される既知の3'末端とに基づいて、各端の一対の入れ子型プ
ライマーを設計する。プライマーの設計に用いるソフトウェアは、OSP(Illier a
nd Green, PCR Meth. Appl. 1:124-128, 1991)などのオリゴヌクレオチドのGC含
有量および融点を利用したものか、PC-Rare(http://bioinformatics.weizmann.a
c.il/software/PC-Rare/doc/manuel.html)など八量体頻度不同(frequency dispa
rity)法(Griffais et al., Nucleic Acids Res. 19: 3887-3891, 1991)を利用し
たものかのいずれかである。5'末端の入れ子型プライマーと3'末端の入れ子型プ
ライマーとが4〜9塩基分だけ離れていると好ましい。これらのプライマー配列に
ついては、PCRで使用するのに適した融点および特異性のものを選択すればよい
【0151】 入れ子型の対それぞれの外側のプライマーを用いて1回目のPCRを行う。次に、
最初のPCR産物のアリコート少量について、入れ子型の対それぞれの内側のプラ
イマーを用いて2回目のPCRを行う。その後、プライマーと残留ヌクレオチドモノ
マーとを除去する。
【0152】 OSPソフトウェアを用いたPCRでの用途に適合する5'入れ子型プライマーの設計
には位置の制約がないため、2通りのタイプの単位複製配列が得られる。第2の5'
プライマーが翻訳開始コドンの上流に位置し、コード配列全体を含む入れ子型PC
R産物が生成されていると好ましい。このようなcDNAを、実施例4で説明したよう
な直接クローニング法に用いてもよい。
【0153】 ただし、場合によっては、第2の5'プライマーが、翻訳開始コドンの下流に位
置しているため、ORFの一部のみしか含まないPCR産物が生成される。完全なコー
ド配列を含まない単位複製配列については、完全なコード配列および完全なコー
ド配列を含むPCR産物の両方を得るための中間ステップが必要である。異なるPCR
産物から直接に判定されたいくつかの部分配列から完全なコード配列をアセンブ
ルすることができる。完全なコード配列を完全に判定した後、PCRでの用途に適
合する新たなプライマーを設計し、コード領域全体を含む単位複製配列を得る。
ただし、この場合は、PCRでの用途に合った3'プライマーが、対応するmRNAの3'U
TRの内側に位置するため、図3に示すように、この領域の一部すなわちポリAトラ
クトと、場合によってはポリアデニル化シグナルが欠けた単位複製配列になる。
適当なベクターに実施例4で説明した方法と実質的に同様の方法で、得られたcDN
Aをクローニングする。
【0154】 実施例11で説明した方法と同様の方法で、全長PCR産物を配列決定する。特定
のcDNAフラグメントの配列決定が終了したかどうかは、配列長を対応する入れ子
型PCR産物のサイズと比較して判断すればよい。ノーザンブロットデータが入手
できる場合は、特定のPCR産物について検出されたmRNAのサイズも併用して、そ
の配列が完全なものであるか否かを最終的に判断してもよい。これらの基準を満
たさない配列は破棄し、新たな単離方法を試みる。
【0155】 次に、全長PCR産物を適当なベクターにクローニングする。たとえば、実施例4
で説明した方法と類似の方法で、cDNAをベクターにクローニングすることができ
る。このような全長cDNAクローンを二重配列決定(double-sequence)し、実施例1
1乃至13で説明した方法と事実上同一の方法を用いてコンピュータ解析する。た
だし、3'UTRの一部が欠失した単位複製配列から得られる全長cDNAクローンには
、ポリアデニル化部位およびポリアデニル化シグナルが欠けている可能性がある
ことは理解できよう。
【0156】 (実施例17) (cDNAあるいは、cDNAまたはそのフラグメントと相同な核酸を得るための方法) cDNAを得るためのPCRによる方法だけでなく、従来からのハイブリダイゼーシ
ョンによる方法を利用してもよい。また、cDNAを導出したmRNA、cDNAに対応して
いるmRNA、あるいは、cDNAまたはそのフラグメントと相同な核酸をコードするゲ
ノムDNAを得る目的で、これらの方法を利用してもよい。特に、5'ESTを含む、本
発明のcDNAまたはそのフラグメントを用いて、cDNAライブラリまたはゲノムDNA
ライブラリから、以下のようにしてcDNAまたはcDNAと相同な核酸を単離すること
ができる。かかるcDNAライブラリまたはゲノムDNAライブラリについては、業務
用のソースから入手してもよいし、実施例1乃至5で説明したものなどの当業者に
馴染みのある技法で作出してもよい。このようなハイブリダイゼーションによる
方法の一例を以下に示す。
【0157】 Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2d Ed., Cold S
pring Harbor Laboratory Press, 1989に、特定のプローブ配列とハイブリダイ
ズさせるcDNAライブラリでcDNAクローンを同定するための技法が開示されている
。これと同じ技法を用いてゲノムDNAを単離することもできる。
【0158】 簡単に説明すると、検出可能なプローブとハイブリダイズさせるcDNAまたはゲ
ノムDNAクローンを同定し、以後の操作用に単離する。cDNAまたはそのフラグメ
ントからの連続した少なくとも10ヌクレオチドを含むプローブを、ラジオアイソ
トープまたは蛍光分子などの検出可能な標識で標識する。好ましくは、プローブ
には、cDNAまたはそのフラグメントからの連続した少なくとも12、15または17ヌ
クレオチドが含まれる。より好ましくは、プローブには、cDNAまたはそのフラグ
メントからの連続した少なくとも20〜30ヌクレオチドが含まれる。いくつかの実
施形態では、プローブには、cDNAまたはそのフラグメントからの31以上のヌクレ
オチドが含まれる。
【0159】 プローブを標識するための技法は周知であり、ポリヌクレオチドキナーゼでの
リン酸化、ニックトランスレーション、in vitro転写および非放射性の技法など
があげられる。ライブラリのcDNAまたはゲノムDNAをニトロセルロースまたはナ
イロンフィルタに移し、変性させる。非特異的部位をブロックした後、プローブ
とハイブリダイズ可能な配列を含むcDNAまたはゲノムDNAにかかるプローブが結
合できるだけの十分な時間、フィルタを標識プローブと共にインキュベートする
【0160】 後述するように、検出可能なプローブとハイブリダイズされるcDNAまたはゲノ
ムDNAの同定に用いられるハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを
変えることで、プローブに対する相同性レベルが異なるcDNAまたはゲノムDNAを
同定して単離することができる。
【0161】 (1. 標識プローブに対する相同率の高いcDNA配列またはゲノムDNA配列の単離) プローブ配列に対する相同率の高いcDNAまたはゲノムDNAを同定するために、
以下の式を用いてプローブの融点を算出することができる。
【0162】 14〜70ヌクレオチド長のプローブについて、式:Tm=81.5+16.6(log(Na+))+0.
41(画分G+C)-(600/N)(式中、Nはプローブの長さである)を用いて融点(Tm)を算出
する。
【0163】 ホルムアミドを含有する溶液中でハイブリダイゼーションを行う場合、融点の
算出は以下の式を用いて行えばよい。Tm=81.5+16.6(log(Na+))+0.41(画分G+C)-
(0.63%ホルムアミド)-(600/N)(式中、Nはプローブの長さである)
【0164】 6×SSC、5×デンハルト試薬、0.5%SDS、変性断片化サケ精子DNA 100μgまたは
6×SSC、5×デンハルト試薬、0.5%SDS、変性断片化サケ精子DNA 100μg、50%ホ
ルムアミド中にてプレハイブリダイゼーションを行う。SSCおよびデンハルト液
の組成については、上掲のSambrook et al.に列挙されている。
【0165】 検出可能なプローブを先にあげたプレハイブリダイゼーション溶液に添加し、
ハイブリダイゼーションを行う。プローブに二本鎖DNAが含まれる場合、ハイブ
リダイゼーション溶液への添加前に変性させる。プローブと相補的な配列または
プローブに対する相同体を含むcDNAまたはゲノムDNAとプローブとがハイブリダ
イズできるだけの十分な時間をかけて、このフィルタをハイブリダイゼーション
溶液と接触させる。200ヌクレオチド長を超えるプローブについては、ハイブリ
ダイゼーションをTmよりも15〜25℃低い温度で行えばよい。オリゴヌクレオチド
プローブなどこれよりも短いプローブでは、Tmよりも15〜25℃低い温度でハイブ
リダイゼーションを行えばよい。好ましくは、6×SSCでのハイブリダイゼーショ
ンでは、約68℃でハイブリダイゼーションを行う。好ましくは、50%ホルムアミ
ド含有溶液でのハイブリダイゼーションでは、約42℃でハイブリダイゼーション
を行う。
【0166】 上述したハイブリダイゼーションはいずれも、「ストリンジェントな」条件下
にあるとみなされる。
【0167】 ハイブリダイゼーション後は、2×SSC、0.1%SDS中で室温にて15分かけてフィ
ルタを洗浄する。次に、このフィルタを0.1×SSC、0.5%SDS中で室温にて30分〜1
時間かけて洗浄する。その後、0.1×SSC、0.5%SDS中でハイブリダイゼーション
温度にて溶液を洗浄する。0.1×SSC中で室温にて最終洗浄を行う。
【0168】 プローブにハイブリダイズされたcDNAまたはゲノムDNAをオートラジオグラフ
ィまたは他の従来の技法法によって同定する。
【0169】 (2. 標識プローブに対する相同率の低いcDNA配列またはゲノムDNA配列の単離) 上述した方法を一部変更してプローブ配列に対する相同性レベルがもう少し低
いcDNAまたはゲノムDNAを同定することができる。たとえば、検出可能なプロー
ブとの相同性が低いcDNAまたはゲノムDNAを得るには、ストリンジェンシーも緩
い条件を使用する。たとえば、ナトリウム濃度が約1Mのハイブリダイゼーション
緩衝液中では、ハイブリダイゼーション温度を68℃から42℃に5℃ずつ下げれば
よい。ハイブリダイゼーション後は、2×SSC、0.5%SDS中でハイブリダイゼーシ
ョン温度にてフィルタを洗浄すればよい。これらの条件については、50℃を上回
る場合に「中程度」の条件、50℃未満のときに「低い」条件とみなす。
【0170】 あるいは、ホルムアミドを含有する6×SSCなどの緩衝液中で、42℃の温度にて
ハイブリダイゼーションを行ってもよい。この場合、ハイブリダイゼーション緩
衝液中でのホルムアミド濃度を50%から0%まで5%ずつ減らし、プローブに対する
相同性レベルを落としたクローンを同定することができる。ハイブリダイゼーシ
ョン後は、6×SSC、0.5%SDS中で50℃にてフィルタを洗浄すればよい。これらの
条件については、25%ホルムアミドを上回る場合に「中程度」の条件、25%ホルム
アミド未満のときに「低い」条件とみなす。プローブにハイブリダイズされたcD
NAまたはゲノムDNAをオートラジオグラフィまたは他の従来の手法によって同定
する。
【0171】 (3. 得られたcDNAまたはゲノムDNAと標識プローブとして用いられるcDNAまたは
そのフラグメントとの間、あるいは、得られたcDNAまたはゲノムDNAでコードさ
れるポリペプチドと標識プローブとして用いられるcDNAまたはフラグメントでコ
ードされるポリペプチドとの間の相同率の判定) ハイブリダイズされたcDNAまたはゲノムDNAと、プローブを導出したcDNAまた
はそのフラグメントとの間の相同性レベルを判定するために、ハイブリダイズさ
れた核酸のヌクレオチド配列と、プローブを導出したcDNAまたはそのフラグメン
トのヌクレオチド配列とを比較した。プローブを導出したcDNAまたはそのフラグ
メントの配列と、検出可能なプローブにハイブリダイズされたcDNAまたはゲノム
DNAの配列とを、後述するようにコンピュータ読取可能媒体に記憶し、後述する
ものなどの当業者に馴染みのあるさまざまなアルゴリズムのうち適当なものを利
用して、互いに比較してもよい。
【0172】 ハイブリダイズ用のcDNAまたはゲノムDNAでコードされるポリペプチドと、プ
ローブを導出したcDNAまたはそのフラグメントでコードされるポリペプチドとの
間の相同性レベルを判定するために、ハイブリダイズされた核酸でコードされる
ポリペプチド配列と、プローブを導出したcDNAまたはそのフラグメントでコード
されるポリペプチド配列とを比較した。プローブを導出したcDNAまたはそのフラ
グメントでコードされるポリペプチドの配列と、検出可能なプローブにハイブリ
ダイズされたcDNAまたはゲノムDNAでコードされるポリペプチド配列とを、後述
するようにコンピュータ読取可能媒体に記憶し、後述するものなどの当業者に馴
染みのあるさまざまなアルゴリズムのうち適当なものを利用して、互いに比較し
てもよい。
【0173】 タンパク質および/または核酸配列の相同については、従来技術において周知
のさまざまな配列比較アルゴリズムおよびプログラムの中から、適当なものを用
いて評価すればよい。このようなアルゴリズムおよびプログラムとしては、TBLA
STN、BLASTP、FASTA、TFASTAおよびCLUSTALW(Pearson and Lipman, 1988, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 85(8):2444-2448、Altschul et al., 1990, J. Mol. Bi
ol. 215(3):403-410、Thompson et al., 1994, Nucleic Acids Res. 22(2):4673
-4680、Higgins et al., 1996, Methods Enzymol. 266:383-402、Altschul et a
l., 1990, J. Mol. Biol. 215(3):403-410、Altschul et al., 1993, Nature Ge
netics 3:266-272)があげられるが、何らこれに限定されるものではない。
【0174】 特に好ましい実施形態では、従来技術において周知のBasic Local Alignment
Search Tool (BLAST)(たとえば、Karlin and Altschul, 1990, Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 87:2267-2268、Altschul et al., 1990, J. Mol. Biol. 215:403-4
10、Altschul et al., 1993, Nature Genetics 3:266-272、Altschul et al., 1
997, Nuc. Acids Res. 25:3389-3402を参照のこと)を用いてタンパク質配列およ
び核酸配列の相同性を評価する。特に、5つの専用BLASTプログラムを用いて以下
の作業を実施する。
【0175】 (1) BLASTPおよびBLAST3でアミノ酸のクエリー配列をタンパク質配列データベ
ースと比較 (2) BLASTNでヌクレオチドのクエリー配列をヌクレオチド配列データベースと
比較 (3) BLASTXでヌクレオチドのクエリー配列(両方の鎖)を6つの読み枠で変換し
た概念的翻訳産物をタンパク質配列データベースと比較 (4) TBLASTNでタンパク質のクエリー配列を6つの読み枠(両方の鎖)すべてで変
換したヌクレオチド配列データベースと比較 (5) TBLASTXでヌクレオチドのクエリ配列を6つの読み枠で変換したものを、6
つの読み枠で変換したヌクレオチド配列データベースと比較
【0176】 BLASTプログラムは、アミノ酸のクエリ配列または核酸のクエリ配列と、好ま
しくはタンパク質配列データベースまたは核酸配列データベースから得られた被
検配列との間で、本願明細書では「ハイスコアセグメント対」と呼ぶ類似のセグ
メントを特定することによって相同配列を同定するものである。ハイスコアセグ
メント対は、従来技術においてさまざまなものが知られているスコアリングマト
リックスによって同定(すなわち整列)されると好ましい。好ましくは、スコアリ
ングマトリックスとしてBLOSUM62マトリックス(Gonnet et al., 1992, Science
256:1443-1445、Henikoff and Henikoff, 1993, Proteins 17:49-61)を使用する
。このマトリックスほど好ましいものではないが、PAMまたはPAM250マトリック
スも使用できる(たとえば、Schwartz and Dayhoff, eds., 1978, Matrices for
Detecting Distance Relationships: Atlas of Protein Sequence and Structu
re, Washington: National Biomedical Research Foundationを参照のこと)。
【0177】 BLASTプログラムは、同定されたすべてのハイスコアセグメント対の統計的な
有意性を評価し、好ましくはユーザー固有の相同率などのユーザーが独自に定め
る有意性の閾値レベルを満たすセグメントを選択する。統計的な有意性を求める
Karlinの式を用いてハイスコアセグメント対の統計的な有意性を評価すると好ま
しい(Karlin and Altschul, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2267-2268
参照のこと)。
【0178】 上記のアルゴリズムで用いられるパラメータを、研究対象とする配列の長さお
よび相同性の度合いに応じて変更してもよい。いくつかの実施形態では、これら
のパラメータをユーザから指示がない場合にアルゴリズムで使用するデフォルト
のパラメータとしてもよい。
【0179】 いくつかの実施形態では、ハイブリダイズされた核酸とプローブを導出したcD
NAまたはそのフラグメントとの間の相同性レベルを、Brutlag et al. Comp. App
. Biosci. 6:237-245, 1990に記載されたFASTDBアルゴリズムで判定することが
できる。これらの解析では、以下のようにしてパラメータを選択すればよい。Ma
trix=Unitary、k-tuple=4、Mismatch Penalty=1、Joining Penalty=30、Randomi
zation Group Length=0、Cutoff Score=1、Gap Penalty=5、Gap Size Penalty=0
.05、Window Size=500またはプローブにハイブリダイズされる配列の長さのうち
、いずれか短い方。FASTDBプログラムでは相同性レベルの算出時に5'または3'の
切断を考慮しないため、プローブとハイブリダイズされる配列がプローブを導出
したcDNAまたはそのフラグメントの配列と比して切断されている場合、ハイブリ
ダイズ用の配列と一致しないまたは整列されないcDNAまたはそのフラグメントの
ヌクレオチドの数を算出し、ヌクレオチドと一致しないまたは整列されないハイ
ブリダイズ用の配列のヌクレオチド総数の比率を求め、この比率を相同性レベル
から減算して、相同性レベルを手作業で調整する。たとえば、ハイブリダイズ用
の配列が700ヌクレオチド長、cDNA配列またはそのフラグメント配列が1000ヌク
レオチド長であって、cDNAまたはそのフラグメントの5'末端の最初の300塩基が
ハイブリダイズ用の配列に欠けており、オーバーラップしている700ヌクレオチ
ドが同一である場合、以下のようにして相同性レベルを調整する。ここで、cDNA
またはそのフラグメントの長さの30%は一致せずに整列もされない300塩基である
。オーバーラップしている700ヌクレオチドが100%同一であれば、調整後の相同
性レベルは100-30=70%相同ということになる。上記の調整は一致しないまたは整
列されないヌクレオチドが5'または3'末端にある場合にのみなされることに注意
されたい。一致しないまたは整列されない配列が内部にある場合や、他の条件下
にある場合は、調整はなされない。
【0180】 たとえば、上記の方法を用いて、プローブを導出したcDNAまたはそのフラグメ
ントに対する核酸相同性が少なくとも95%、核酸相同性が少なくとも96%、核酸相
同性が少なくとも97%、核酸相同性が少なくとも98%、核酸相同性が少なくとも99
%または核酸相同性が99%を超える核酸を得て、これを同定することができる。こ
のような核酸は、対立遺伝子の変異体または他の種から得られる関連の核酸であ
ってもよい。同様に、漸次減少するストリンジェンシーのハイブリダイゼーショ
ン条件を使用して、プローブを導出したcDNAまたはそのフラグメントに対して少
なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%または少なくとも75%相同な核酸を
得て同定することができる。
【0181】 上記の方法と、ユーザから指示がない場合にアルゴリズムで使用するデフォル
トのパラメータなど、研究対象とする配列の長さと相同性の度合いとに応じてパ
ラメータが変わるFASTAなどのアルゴリズムとを使用して、プローブを導出したc
DNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質に対して少なくとも99%、
少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも96%、少なくとも95%、少なくとも90
%、少なくとも85%、少なくとも80%または少なくとも75%相同なタンパク質をコー
ドする核酸を得ることができる。いくつかの実施形態では、「デフォルトの」op
ening penaltyと「デフォルト」のgap penaltyならびにPAM 250(標準的なスコア
マトリックス、Dayhoff et al., Atlas of Protein Sequence and Structure, V
ol. 5, Supp. 3 (1978)を参照のこと)などのスコアリングマトリックスを使用し
て、相同性レベルを判定することができる。
【0182】 あるいは、ポリペプチドの相同性レベルを、Brutlag et al. Comp. App. Bios
ci. 6:237-245, 1990に記載されたFASTDBアルゴリズムで判定することができる
。これらの解析では、以下のようにしてパラメータを選択すればよい。Matrix=P
AM 0、k-tuple=2、Mismatch Penalty=1、Joining Penalty=20、Randomization G
roup Length=0、Cutoff Score=1、Window Size=Sequence Length、Gap Penalty=
5、Gap Size Penalty=0.05、Window Size=500または相同的配列の長さのうち、
いずれか短い方。相同的アミノ酸配列が、N末端および/またはC末端に欠失があ
るためcDNAまたはそのフラグメントでコードされるアミノ酸配列よりも短い場合
、以下のようにして結果を手作業で補正することができる。まず、相同的配列と
一致しないまたは整列されないcDNAまたはそのフラグメントでコードされるアミ
ノ酸配列のアミノ酸残基の数を判定する。次に、cDNAまたはそのフラグメントで
コードされる配列の長さの一致しないまたは整列されないアミノ酸の比率を算出
する。この比率を相同性レベルから減算する。たとえば、cDNAまたはそのフラグ
メントでコードされるアミノ酸配列が100アミノ酸長であり、相同的配列の長さ
が80アミノ酸であって、cDNAまたはそのフラグメントでコードされるアミノ酸配
列が相同的配列に比してN末端で切断されている場合、相同性レベルは以下のよ
うに算出される。上記の想定では、cDNAまたはそのフラグメントでコードされる
配列の中に、一致せずに整列もされないアミノ酸が20ある。これでcDNAまたはそ
のフラグメントでコードされるアミノ酸配列の長さの20%になる。残りのアミノ
酸が2つの配列間で100%同一であるとすると、相同性レベルは100%-20%=80%相同
ということになる。一致しないまたは整列されない配列が内部にある場合や、他
の条件下にある場合は、調整はなされない。
【0183】 上述した方法だけでなく、以下の段落で概要を説明するように、本発明のcDNA
またはそのフラグメントを使用して相同的cDNAを得る目的で他のプロトコルも利
用できる。
【0184】 ポリA選択方法または当業者間で周知の他の技法を利用したmRNA調製法で、目
的の組織、細胞または生物体からmRNAを得ることによって、cDNAを調製してもよ
い。mRNAのポリAテイルにハイブリダイズ可能な第1のプライマーをmRNAにハイブ
リダイズさせ、逆転写反応を実施してcDNAの第1鎖を生成する。
【0185】 このcDNAの第1鎖を、配列番号24〜73の配列の連続した少なくとも10ヌクレオ
チドを含む第2のプライマーにハイブリダイズさせる。好ましくは、プライマー
は、配列番号24〜73の配列からの連続した少なくとも10、12、15、17、18、20、
23、25または28ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、プライマーは、
配列番号24〜73の配列から31以上のヌクレオチドを含む。真の翻訳開始部位をは
じめとする全タンパク質コード配列を含むcDNAを得るのが望ましい場合、使用す
る第2のプライマーには翻訳開始部位よりも上流に位置する配列を含む。第2のプ
ライマーを伸長させ、cDNAの第1鎖と相補的なcDNAの第2鎖を生成する。あるいは
、得られるcDNAの両端から、プライマーを用いて上述したようにしてRT-PCを実
施してもよい。
【0186】 配列番号24〜73の配列を含むmRNAを、mRNAとプライマーとをハイブリダイズさ
せる既知のcDNAのフラグメント、ゲノムDNAまたはそのフラグメントと相補的な
配列を含むプライマーとハイブリダイズさせ、ハイブリダイズさせたプライマー
を逆転写することによってmRNAからcDNAの第1鎖を作成し、mRNAの5'フラグメン
トを含むcDNAを調製してもよい。好ましくは、このプライマーは、配列番号24〜
73と相補的な配列の連続した少なくとも10、12、15、17、18、20、23、25または
28ヌクレオチドを含む。
【0187】 その後、cDNAの第1鎖と相補的なcDNAの第2鎖を合成する。cDNAの第1鎖に含ま
れる配列と相補的なプライマーをcDNAの第1鎖にハイブリダイズし、このプライ
マーを伸長させてcDNAの第2鎖を生成することによって、cDNAの第2鎖を生成して
もよい。
【0188】 上述した方法を用いて生成した二本鎖cDNAを単離し、クローニングする。この
cDNAについては、適当な宿主細胞で複製可能なプラスミドまたはウイルスベクタ
ーなどのベクターにクローニングしてもよい。たとえば、宿主細胞は、細菌細胞
、哺乳動物細胞、トリ細胞または昆虫細胞であってもよい。
【0189】 mRNAを単離し、mRNAにハイブリダイズされたプライマーを逆転写してcDNAの第
1鎖を生成し、プライマーを伸長させてcDNAの第1鎖と相補的なcDNAの第2鎖を生
成し、二本鎖cDNAを単離し、この二本鎖cDNAをクローニングするための技法は、
当業者間で周知であり、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley
& Sons, Inc. 1997およびSambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory
Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989に説明
されている。
【0190】 あるいは、他の方法を用いて全長cDNAまたは相同なcDNAを得てもよい。ひとつ
の方法として、mRNAからcDNAを調製し、以下のようにして二本鎖ファージミドに
クローニングすることがあげられる。クローニング後、二本鎖ファージミドのcD
NAライブラリをファージF1のGene II産物などのエンドヌクレアーゼおよびエキ
ソヌクレアーゼで処理して一本鎖にする(Chang et al., Gene 127:95-8, 1993)
。既知のcDNAのフラグメント、ゲノムDNAまたはそのフラグメントの配列を含む
ビオチン化オリゴヌクレオチドを一本鎖ファージミドにハイブリダイズさせる。
好ましくは、フラグメントが、配列番号24〜73の配列の連続した少なくとも10、
12、15、17、18、20、23、25または28ヌクレオチドを含む。
【0191】 ビオチン化オリゴヌクレオチドとファージミドとのハイブリッドを常磁性のス
トレプトアビジンビーズを用いてインキュベートし、磁石でビーズを回収してハ
イブリッドを単離する(Fry et al., Biotechniques, 13: 124-131, 1992)。その
後、得られたファージミドをビーズから遊離させ、ビオチン化オリゴヌクレオチ
ドの設計に用いたcDNAまたはそのフラグメントに特異なプライマーを使用して二
本鎖DNAに変換する。あるいは、Gene Trapper kit(Gibco BRL)などのプロトコル
を使用してもよい。得られた二本鎖DNAを細菌に形質転換する。コロニーPCRまた
はコロニーハイブリダイゼーションによって、cDNA配列またはそのフラグメント
配列を含む相同なcDNAまたは全長cDNAを同定する。
【0192】 上述した方法のいずれかを使用すれば、全長タンパク質コード配列またはタン
パク質コード配列のフラグメントを含む複数のcDNAをcDNAライブラリとして提供
し、コードされたタンパク質の評価または後述するような診断アッセイで使用で
きるようにすることができる。
【0193】 本願明細書に記載のいずれかの方法で調製したcDNAを操作し、サブクローニン
グ、PCRまたはin vitroオリゴヌクレオチド合成などの従来の技法を用いて所望
のcDNAフラグメントを含む核酸を得るようにしてもよい。たとえば、完全なコー
ド配列しか含まない核酸(すなわち、シグナルペプチドとシグナルペプチドペプ
チドの切断後に残る成熟タンパク質とをコードする配列)を、当業者間で周知の
技法を用いて得ることができる。あるいは、従来の技法を適用し、シグナルペプ
チドの切断後に残る成熟タンパク質に対するコード配列のみを含む核酸、あるい
は、シグナルペプチドに対するコード配列のみを含む核酸を得るようにしてもよ
い。
【0194】 同様に、コードされるタンパク質に対するコード配列の他の所望のフラグメン
トを含む核酸を得ることもできる。たとえば、この核酸は、cDNAの連続した少な
くとも8、10、12、15、18、20、25、28、30、35、40、50、75、100、150、200、
300、400、500、1000または2000塩基を含むものであってもよい。
【0195】 cDNAが得られた後、これを配列決定し、このcDNAがコードするアミノ酸配列を
判定することができる。コードされるアミノ酸配列を判定できれば、遺伝コード
の縮重を利用するだけで、そのタンパク質をコードする多くの考え得るcDNAを生
成および同定することができる。たとえば、後述するように、対立遺伝子の変異
体または他の相同的な核酸を同定することが可能である。あるいは、所望のアミ
ノ酸配列をコードする核酸をin vitroにて合成することが可能である。
【0196】 好ましい実施形態では、cDNAを発現させる宿主生物体に合った既知のコドンま
たはコドン対を用いてコード配列を選択すればよい。
【0197】 (IV. タンパク質を発現させるためにcDNAまたはそのフラグメントを使用するこ
とならびにこれらの発現タンパク質を使用すること) 上述した方法のいずれかを使用すれば、成熟タンパク質をコードするcDNAなど
、対応するmRNAの全タンパク質コード配列またはその一部を含むcDNAを用いて、
かかるcDNAがコードする分泌タンパク質またはその一部を後述するようにして発
現させることができる。必要があれば、シグナルペプチドをコードする配列をcD
NAに含むようにし、発現されたタンパク質の分泌を容易にしてもよい。全タンパ
ク質コード配列またはその一部を含む複数の伸長cDNAを発現ベクターに同時にク
ローニングし、後述するようにコードされるタンパク質の解析用の発現ライブラ
リを作出できることは理解できよう。
【0198】 (実施例18) (cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質の発現) cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質を発現させるために、
発現対象となるタンパク質またはそのフラグメントに対するコード配列を含む核
酸を上述したようにして得て、好適な発現ベクターにクローニングする。必要が
あれば、シグナルペプチドをコードする配列をcDNAに含むようにし、発現された
タンパク質の分泌を容易にしてもよい。たとえば、この核酸は、表Iおよび添付
の配列表に示す配列番号24〜73のうちの1つの配列を含むものであってもよい。
あるいは、核酸は、上記の表Iに定義したような配列番号24〜73の配列のうちの1
つの完全なコード配列をなすヌクレオチドを含むものであってもよい。
【0199】 配列決定誤差、逆転写または増幅誤差、mRNAスプライシング、コードされるタ
ンパク質の翻訳後修飾、コードされるタンパク質の酵素による切断または他の生
物学的な要素が原因で、完全なコード配列(すなわち、シグナルペプチドとシグ
ナルペプチドの切断によって生成される成熟タンパク質とをコードする配列)の
範囲が表Iに列挙した配列のものと異なる場合、当業者であれば配列番号24〜73
の配列における完全なコード配列の範囲を容易に同定できることは理解できよう
。したがって、本願明細書に添付の請求の範囲において記載される、番号24〜73
のうちの1つの配列の完全なコード配列を含む核酸に関する範囲から、容易に同
定可能である表Iに列挙する完全なコード配列の変形物または等価物を排除する
ことは意図していない。同様に、上述した要素のうちのいずれかが原因で全長ポ
リペプチドの範囲が表IIに示す範囲と異なる場合、請求の範囲において記載され
る、全長ポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する範囲から、容
易に同定可能である表IIに列挙するコード配列の変形物または等価物を排除する
ことは意図していない。
【0200】 あるいは、タンパク質またはそのフラグメントを発現させるのに用いられる核
酸は、上記の表Iにて定義したような配列番号24〜73の配列のうちの1つでコード
される成熟タンパク質(すなわち、シグナルペプチドの切断によって生成される
タンパク質)をコードするヌクレオチドを含むものであってもよい。
【0201】 配列決定誤差、逆転写または増幅誤差、mRNAスプライシング、コードされるタ
ンパク質の翻訳後修飾、コードされるタンパク質の酵素による切断または他の生
物学的な要素が原因で、成熟タンパク質をコードする配列の範囲が表Iに列挙し
た配列のものと異なる場合、当業者であれば配列番号24〜73の配列における成熟
タンパク質をコードする配列の範囲を容易に同定できることは理解できよう。し
たがって、本願明細書に添付の請求の範囲において記載される、配列番号24〜73
のうちの1つでコードされる成熟タンパク質をコードする配列を含む核酸に関す
る範囲から、容易に同定可能である表Iに列挙する配列の変形物または等価物を
排除することは意図していない。したがって、成熟タンパク質をコードする配列
を含む核酸に関する請求項は、翻訳後修飾、酵素による切断あるいは、シグナル
ペプチドの切断だけでなく、分泌タンパク質の他の容易に同定可能な変形物また
は等価物から生じる生物学的に活性なタンパク質をコードする配列など、表Iに
列挙する配列の等価物を包含する。同様に、上述した要素のうちのいずれかが原
因で成熟ポリペプチドの範囲が表IIに示す範囲と異なる場合、請求の範囲におい
て記載される、配列番号74〜123のうちの1つの配列に成熟タンパク質の配列を含
むポリペプチドに関する範囲から、容易に同定可能である表IIに列挙するコード
配列の変形物または等価物を排除することは意図していない。したがって、成熟
タンパク質の配列を含むポリペプチドに関する請求項は、翻訳後修飾、酵素によ
る切断あるいは、シグナルペプチドの切断だけでなく、分泌タンパク質の他の容
易に同定可能な変形物または等価物から生じる生物学的に活性なタンパク質など
、表IIに列挙する配列の等価物を包含する。また、配列決定誤差、逆転写または
増幅誤差、mRNAスプライシング、コードされるタンパク質の翻訳後修飾、コード
されるタンパク質の酵素による切断または他の生物学的な要素が原因で、配列番
号74〜123のうちの1つの配列に含まれるポリペプチドの生物学的に活性な形態あ
るいは、ポリペプチドの生物学的に活性な形態をコードする核酸が、表IIに示す
成熟ポリペプチドとして同定されたものあるいは、表Iに示す成熟ポリペプチド
をコードするヌクレオチドと異なる場合、当業者であれば、ポリペプチドの生物
学的に活性な形態におけるアミノ酸およびポリペプチドの生物学的に活性な形態
をコードする核酸を容易に同定できることは理解できよう。このような場合、配
列番号74〜123のうちの1つに含まれる成熟タンパク質を含むポリペプチドに関す
る請求項または成熟タンパク質をコードする配列番号24〜73のうちの1つのヌク
レオチドを含む核酸に関する請求項は、表Iおよび表IIに列挙する配列から、容
易に同定可能な変形例を排除することを考慮したものではない。
【0202】 いくつかの実施形態では、タンパク質またはそのフラグメントを発現させるの
に用いられる核酸が、上記の表Iにて定義されるような配列番号24〜73の配列の
うちの1つでコードされるシグナルペプチドをコードするヌクレオチドを含むも
のであってもよい。
【0203】 配列決定誤差、逆転写または増幅誤差、mRNAスプライシング、コードされるタ
ンパク質の翻訳後修飾、コードされるタンパク質の酵素による切断または他の生
物学的な要素が原因で、シグナルタンパク質をコードする配列の範囲が表Iに列
挙した配列のものと異なる場合、当業者であれば配列番号24〜73の配列における
シグナルタンパク質をコードする配列の範囲を容易に同定できることは理解でき
よう。したがって、本願明細書に添付の請求の範囲において記載される、配列番
号24〜73のうちの1つでコードされるシグナルタンパク質をコードする配列を含
む核酸に関する範囲から、容易に同定可能である表Iに列挙する配列の変形物を
排除することは意図していない。同様に、上述した要素のうちのいずれかが原因
でシグナルポリペプチドの範囲が表IIに示す範囲と異なる場合、請求の範囲にお
いて記載される、配列番号74〜123のうちの1つの配列にシグナルタンパク質の配
列を含むポリペプチドに関する範囲から、容易に同定可能である表IIに列挙する
コード配列の変形例を排除することは意図していない。
【0204】 あるいは、核酸が、配列番号74〜123の配列のうちの1つの連続した少なくとも
5アミノ酸を含むポリペプチドをコードしてもよい。実施形態によっては、核酸
が、配列番号74〜123の配列のうちの1つの連続した少なくとも8、10、12、15、2
0、25、30、35、40、50、60、75、100、150または200アミノ酸を含むポリペプチ
ドをコードしてもよい。
【0205】 発現ベクターに挿入される核酸は、発現レベルを調節する配列または組織特異
的発現を与える配列など、シグナルペプチドをコードする配列よりも上流の配列
を含むものであってもよい。
【0206】 発現対象となるタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸を、従来のク
ローニングテクノロジーを利用して、発現ベクターでプロモーターに作動的に連
結させる。発現ベクターは、従来技術において周知の哺乳動物、酵母、昆虫また
は細菌の発現系であればどのようなものであってもよい。Genetics Institute(C
ambridge, MA)、Stratagene(La Jolla, California)、プロメガ(ウィスコンシン
州マディソン)およびインビトロゲン(カリフォルニア州サンディエゴ)をはじめ
とするさまざまな提供業者から、市場販売されているベクターおよび発現系を入
手することができる。必要があれば、Hatfield, et al.の米国特許第5,082,767
号に説明されているように発現ベクターを導入する特定の発現生物に合わせて配
列のコドンコンテキストおよびコドンペアリングを最適化し、発現を促進して正
しいタンパク質の折り畳みを容易にしてもよい。
【0207】 上述したcDNAまたは核酸でコードされるタンパク質を発現するための方法の一
例を以下にあげる。まず、遺伝子に対するメチオニン開始コドンと、この遺伝子
のポリAシグナルとを同定する。発現対象となるポリペプチドをコードする核酸
に開始部位として機能するメチオニンがない場合は、従来の技法を利用して開始
メチオニンを核酸の第1コドンの隣に導入することができる。同様に、cDNAにポ
リAシグナルがない場合は、BglIおよびSalI制限エンドヌクレアーゼ酵素を用い
てpSG5(Stratagene)からポリAシグナルをスプライシングにより除去し、これを
哺乳動物の発現ベクターpXT1(Stratagene)に組み込むことで、上記の配列を構築
物構築物に付加することができる。pXT1は、Moloneyマウス白血病ウイルスから
得られるLTRとgag遺伝子のフラグメントとを含む。LTRは構築物内の上記のよう
な位置にあるため、安定したトランスフェクションを効率よく行うことができる
。ベクターは、単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼプロモーターおよび選
択可能なネオマイシン遺伝子を含む。cDNAまたはそのフラグメントに対して相補
的であり、かつ、5'プライマーに組み込まれたPst Iに対する制限エンドヌクレ
アーゼ配列と、これに対応するcDNA 3'プライマーの5'末端におけるBglIIに対す
る制限エンドヌクレアーゼ配列とを含有するオリゴヌクレオチドプライマーを使
用して、cDNAがポリAシグナルに対してインフレームの位置にくるように慎重に
注意を払いながら、発現対象となるポリペプチドをコードするcDNAまたはそのフ
ラグメントを細菌ベクターからのPCRによって得る。このようにして生じるPCR反
応によって得られる精製フラグメントをPstIで消化し、エキソヌクレアーゼでブ
ラントエンド化し、Bgl IIで消化し、精製してpXT1に連結し(この時点でポリAシ
グナルを含む)、BglIIで消化する。
【0208】 産物の説明部分で概説した条件下でリポフェクチン(ニューヨーク州グランド
アイランド、ライフテクノロジーズ)を使用して、連結産物をマウスNIH 3T3細胞
にトランスフェクトする。G418(ミズーリ州セントルイス、シグマ)600ug/ml中に
てトランスフェクト細胞の成長後にポジティブなトランスフェクタントを選択す
る。好ましくは、発現されたタンパク質を培地に放出することで、精製を容易に
する。
【0209】 あるいは、cDNAをpED6dpc2(DiscoverEase, Genetics Institute, Cambridge,
MA)にクローニングする。このようにして得られるpED6dpc2構築物を、COS 1細胞
などの適当な宿主細胞にトランスフェクトしてもよい。メトトレキサート耐性細
胞を選択し、拡大する。好ましくは、cDNAから発現したタンパク質を培地に放出
することで、精製を容易にする。
【0210】 培地のタンパク質をゲル電気泳動によって分離する。必要があれば、電気泳動
を行う前に、タンパク質を硫酸アンモニウム沈降させるか、サイズまたは電荷に
応じて分離してもよい。
【0211】 対照として、cDNA挿入物のない発現ベクターを宿主細胞または生物外に導入し
、クマシー染色または銀染色などの技法を使用するか、cDNAでコードされるタン
パク質に対する抗体を使用して、培地のタンパク質を収集する。培地中に存在す
る分泌タンパク質を検出する。クマシー染色および銀染色の技法は当業者に馴染
みのあるものである。
【0212】 適当な5'EST、cDNAまたはそのフラグメントでコードされる配列を含む15マー
の合成ペプチドを使用して、目的のタンパク質を特異的に認識できる抗体を生成
してもよい。合成ペプチドをマウスに注射し、5'EST、cDNAまたはそのフラグメ
ントでコードされるポリペプチドに対する抗体を生成する。
【0213】 cDNAまたはそのフラグメントを含む発現ベクターを含む、宿主の細胞または生
物体から得られる分泌タンパク質を、対照の細胞または生物体から得られるタン
パク質と比較する。発現ベクターを含有する細胞から得た培地には、対照細胞か
ら得た培地にはないバンドが存在することから、cDNAが分泌タンパク質をコード
していることが分かる。通常、cDNAでコードされるタンパク質に対応するバンド
は、易動度がcDNAの読み枠に含まれるアミノ酸の数を基準に想定されるものに近
い。しかしながら、このバンドの易動度は、グリコシル化、ユビキチン結合また
は酵素切断などによる修飾の結果として生じるはずの移動性とは異なる場合があ
る。
【0214】 あるいは、上記の発現ベクターから発現されるタンパク質にその分泌を指令す
る配列が含まれていない場合は、分泌タンパク質またはそのフラグメントをコー
ドする挿入物を含む発現ベクターを含有する宿主細胞から発現したタンパク質を
、挿入物を含まない発現ベクターを含有する宿主細胞から発現したタンパク質と
比較すればよい。挿入物を含む発現ベクターを含有する細胞から得た試料には、
挿入物を含まない発現ベクターを含有する細胞から得た試料にはないバンドが存
在することから、分泌タンパク質またはそのフラグメントが発現されていること
が分かる。通常、このバンドは、易動度が分泌タンパク質またはそのフラグメン
トで想定されるものと同じである。しかしながら、このバンドの易動度は、グリ
コシル化、ユビキチン結合または酵素切断などによる修飾の結果として生じるは
ずの移動性とは異なる場合がある。
【0215】 核酸挿入物によってコードされるタンパク質を、標準的な免疫クロマトグラフ
ィ技法を用いて精製してもよい。このような方法では、細胞エキスや培地など、
分泌タンパク質を含有する溶液を、分泌タンパク質に対する抗体を仕込んだカラ
ムに入れ、これをクロマトグラフィのマトリックスに取り付ける。分泌タンパク
質を免疫クロマトグラフィのカラムに結合させる。その後、カラムを洗浄して非
特異的に結合したタンパク質を除去する。特異的に結合した分泌タンパク質をカ
ラムから分離し、標準的な技法を用いて回収する。
【0216】 抗体産生ができない場合は、cDNAまたはそのフラグメントを、キメラポリペプ
チドを用いる精製スキームで使用するように設計した発現ベクターに組み込めば
よい。このような戦略では、cDNAまたはそのフラグメントのコード配列を、キメ
ラのもう片方をコードする遺伝子と共にフレームに挿入する。キメラのもう片方
は、β-グロビンまたはニッケル結合ポリペプチドコード化配列であってもよい
。このようにして、β-グロビンまたはニッケルに対する抗体を有するクロマト
グラフィのマトリックスを用いてキメラタンパク質を精製する。プロテアーゼ切
断部位をβ-グロビン遺伝子またはニッケル結合ポリペプチドとcDNAまたはその
フラグメントとの間で操作してもよい。これによって、キメラの2つのポリペプ
チドがプロテアーゼで消化されて互いに分離することができる。
【0217】 β-グロビンキメラの作製に有用な発現ベクターの1つに、pSG5(Stratagene)が
あげられる。これは、ウサギβ-グロビンをコードするものである。ウサギβ-グ
ロビン遺伝子のイントロンIIによって、発現転写物のスプライシングが容易にな
り、構築物に組み込まれたポリアデニル化シグナルによって発現のレベルが増大
する。これらの技法は分子生物分野の当業者間で周知のものである。標準的な方
法は、Davis et al.、(Basic Methods in Molecular Biology, L.G. Davis, M.D
. Dibner, and J.F. Battey, ed., Elsevier Press, NY, 1986)などの方法テキ
ストにおいて公開されている。さらに、Stratagene、ライフテクノロジーズまた
はプロメガから提供されている多くの方法を利用できる。また、In vitro Expre
ss(登録商標)Translation Kit(Stratagene)などのin vitro翻訳系を用いて構
築物からポリペプチドを産生させてもよい。
【0218】 5'EST、cDNAまたはそのフラグメントでコードされる分泌タンパク質の発現お
よび精製に続いて、後述するように精製タンパク質がさまざまな細胞型の表面に
結合する能力を試験してもよい。これらのcDNAから発現される複数のタンパク質
を、以下において具体的に説明する活性と、活性を判定するためのアッセイを行
うことのできる他の生物学的な役割とを同時に評価する対象となるタンパク質の
パネルに含ませておいてもよいことは理解できよう。
【0219】 あるいは、発現対象となるポリペプチドは、トランスジェニック動物の産物、
すなわち、目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む体細胞または
生殖細胞を持つことが特徴であるトランスジェニックウシ、ヤギ、ブタまたはヒ
ツジの乳の成分としての産物であってもよい。
【0220】 (実施例19) (分泌タンパク質が細胞表面に結合するか否かを判定するための、分泌タンパク
質の解析) cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質を、先の実施例で述べ
たものなどの発現ベクターにクローニングする。このタンパク質を、サイズクロ
マトグラフィ、電荷クロマトグラフィ(charge chromatography)、免疫クロマト
グラフィまたは当業者に馴染みのある他の技法で精製する。精製後、当業者間で
周知の技法を用いてタンパク質を標識する。標識タンパク質を、さまざまな臓器
または組織由来の細胞または細胞系と共にインキュベートし、細胞表面に存在す
る受容体にタンパク質を結合させる。インキュベーション後、細胞を洗浄し、非
特異的に結合したタンパク質を除去する。オートラジオグラフィによって標識タ
ンパク質を検出する。あるいは、未標識タンパク質を細胞と共にインキュベート
し、これに結合させた蛍光分子などの検出可能な標識を有する抗体を用いて検出
してもよい。
【0221】 さまざまな量の未標識タンパク質を標識タンパク質と一緒にインキュベートす
る競合解析を行うことで、細胞表面結合の特異性を解析することができる。競合
的な未標識タンパク質の量が増えるにつれて、細胞表面に結合した標識タンパク
質の量は減少する。対照例として、いくつかの結合反応では、標識タンパク質と
は無関係のさまざまな量の未標識タンパク質を併用する。無関係の未標識タンパ
ク質の量が増える結合反応では、細胞表面に結合した標識タンパク質の量が減少
しないことから、cDNAでコードされるタンパク質が細胞表面に特異的に結合して
いることが分かる。
【0222】 上述したように、分泌タンパク質には重要な生理学的作用が多くあるため、価
値のある治療ソースになることが明らかになっている。本願明細書に記載のいず
れかの方法で生成したcDNAまたはそのフラグメントでコードされる分泌タンパク
質を評価し、後述するように、その生理学的活性を判定することができる。
【0223】 (実施例20) (cDNAまたはそのフラグメントから発現されるタンパク質の、サイトカイン、細
胞増殖または細胞分化活性についてのアッセイ) 上述したように、分泌タンパク質はサイトカインとして機能したり、細胞の増
殖や分化に影響を及ぼしたりすることがある。周知のサイトカインをはじめとし
て、今日までに発見されている多くのタンパク質因子は、1つまたはそれ以上の
因子依存性細胞増殖アッセイにおける活性を呈しているため、アッセイはサイト
カインアッセイを確認するための都合のよい手段となる。32D、DA2、DA1G、T10
、B9、B9/11、BaF3、MC9/G、M+(preB M+)、2E8、RB5、DA1、123、T1165、HT2、C
TLL2、TF-1、Mo7cおよびCMKを含むがこれに限定されるものではない細胞系用の
さまざまな因子依存性細胞増殖アッセイのうちのいずれかによって、本発明のタ
ンパク質の活性を証明する。上述したようなアッセイあるいは、Current Protoc ols in Immunology , Ed. by J.E. Coligan et al., Greene Publishing Associa
tes and Wiley-Interscience、Takai et al. J. Immunol. 137:3494-3500, 1986
、Bertagnolli et al. J. Immunol. 145:1706-1712, 1990、Bertagnolli et al.
, Cellular Immunology 133:327-341, 1991、Bertagnolli, et al. J. Immunol.
149:3778-3783, 1992、Bowman et al., J. Immunol. 152:1756-1761, 1994に記
載されているアッセイにおいて、上記のcDNAまたはそのフラグメントでコードさ
れるタンパク質がT細胞または胸腺細胞の増殖を調節する能力を評価することが
できる。
【0224】 また、脾臓細胞、リンパ節細胞および胸腺細胞のサイトカイン産生および/ま
たは増殖についての多数のアッセイが周知である。これらのアッセイとしては、 Current Protocols in Immunology. J.E. Coligan et al. Eds., Vol 1 pp. 3.1
2.1-3.12.14 John Wiley and Sons, Toronto. 1994およびSchreiber, R.D. Curr ent Protocols in Immunology. , 上掲Vol 1 pp. 6.8.1-6.8.8, John Wiley and
Sons, Toronto. 1994に開示されている技法があげられる。
【0225】 cDNAでコードされるタンパク質が造血細胞またはリンパ球新生細胞の増殖およ
び分化を調節する能力をアッセイすることができる。かかる活性についての多く
のアッセイが当業者に馴染みのあるものであり、一例として、Bottomly, K., Da
vis, L.S. and Lipsky, P.E., Measurement of Human and Murine Interleukin
2 and Interleukin 4, Current Protocols in Immunology., J.E. Coligan et a
l. Eds. Vol 1 pp. 6.3.1-6.3.12, John Wiley and Sons, Toronto. 1991、deVr
ies et al., J. Exp. Med. 173:1205-1211, 1991、Moreau et al., Nature 36:6
90-692, 1988、Greenberger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80:2931-
2938, 1983、Nordan, R., Measurement of Mouse and Human Interleukin 6 Cur
rent Protocols in Immunology. J.E. Coligan et al. Eds. Vol 1 pp. 6.6.1-6
.6.5, John Wiley and Sons, Toronto. 1991、Smith et al., Proc. Natl. Acad
. Sci. U.S.A. 83:1857-1861, 1986、Bennett, F., Giannotti, J., Clark, S.C
. and Turner, K.J., Measurement of Human Interleukin 11 Current Protocol s in Immunology. J.E. Coligan et al. Eds. Vol 1 pp. 6.15.1 John Wiley an
d Sons, Toronto. 1991、Ciarletta, A., Giannotti, J., Clark, S.C. and Tur
ner, K.J., Measurement of Mouse and Human Interleukin 9 Current Protocol s in Immunology. J.E. Coligan et al., Eds. Vol 1 pp. 6.13.1, John Wiley
and Sons, Toronto. 1991に記載されたアッセイがあげられる。
【0226】 また、cDNAでコードされるタンパク質が抗原に対するT細胞応答を調節する能
力をアッセイすることもできる。かかる活性についての多くのアッセイが当業者
に馴染みのあるものであり、一例として、Chapter 3 (In vitro Assays for Mou
se Lymphocyte Function), Chapter 6 (Cytokines and Their Cellular Recepto
rs) and Chapter 7, (Immunologic Studies in Humans) in Current Protocols in Immunology , J.E. Coligan et al. Eds. Greene Publishing Associates and
Wiley-Interscience、Weinberger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:60
91-6095, 1980、Weinberger et al., Eur. J. Immun. 11:405-411, 1981、Takai
et al., J. Immunol. 137:3494-3500, 1986、Takai et al., J. Immunol. 140:
508-512, 1988に記載されたアッセイがあげられる。
【0227】 サイトカイン、細胞増殖または細胞分化活性を呈するタンパク質を製剤として
組成し、細胞増殖または分化の誘導に利点のある臨床状態の治療に用いることが
できる。あるいは、詳細については後述するように、これらのタンパク質の発現
を調節するタンパク質または核酸をコードする遺伝子を適当な宿主細胞に導入し
、必要に応じてタンパク質の発現を増減させてもよい。
【0228】 (実施例21) (cDNAまたはそのフラグメントから発現されるタンパク質の免疫系調節因子とし
ての活性のアッセイ) cDNAでコードされるタンパク質の免疫調節因子としての作用を評価することも
できる。たとえば、胸腺細胞または脾細胞の細胞毒性に対して影響を及ぼす活性
についてタンパク質を評価してもよい。かかる活性についてのさまざまなアッセ
イが当業者に馴染みのあるものであり、一例として、Chapter 3 (In vitro Assa
ys for Mouse Lymphocyte Function 3.1-3.19) and Chapter 7 (Immunologic st
udies in Humans) in Current Protocols in Immunology, J.E. Coligan et al.
Eds, Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience、Herrmann et a
l., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:2488-2492, 1981、Herrmann et al., J. I
mmunol. 128:1968-1974, 1982、Handa et al., J. Immunol. 135:1564-1572, 19
85、Takai et al., J. Immunol. 137:3494-3500, 1986、Takai et al., J. Immu
nol. 140:508-512, 1988、Herrmann et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:2
488-2492, 1981、Herrmann et al., J. Immunol. 128:1968-1974, 1982、Handa
et al., J. Immunol. 135:1564-1572, 1985、Takai et al., J. Immunol. 137:3
494-3500, 1986、Bowman et al., J. Virology 61:1992-1998、Takai et al., J
. Immunol. 140:508-512, 1988、Bertagnolli et al., Cellular Immunology 13
3:327-341, 1991、Brown et al., J. Immunol. 153:3079-3092, 1994に記載され
ているアッセイがあげられる。
【0229】 cDNAでコードされるタンパク質がT細胞依存性免疫グロブリン応答およびアイ
ソタイプスイッチングに及ぼす作用を評価することもできる。かかる活性につい
てのさまざまなアッセイが当業者に馴染みのあるものであり、一例として、Mali
szewski, J. Immunol. 144:3028-3033, 1990、Mond, J.J. and Brunswick, M As
says for B Cell Function: In vitro Antibody Production, Vol 1 pp. 3.8.1-
3.8.16 in Current Protocols in Immunology. J.E. Coligan et al Eds., John
Wiley and Sons, Toronto. 1994に開示されているアッセイがあげられる。
【0230】 cDNAでコードされるタンパク質が、Th1細胞および細胞障害性リンパ球に対す
る作用など、免疫効果細胞に及ぼす作用を評価することもできる。かかる活性に
ついてのさまざまなアッセイが当業者に馴染みのあるものであり、一例として、
Chapter 3 (In vitro Assays for Mouse Lymphocyte Function 3.1-3.19) and C
hapter 7 (Immunologic Studies in Humans) in Current Protocols in Immunol ogy , J.E. Coligan et al. Eds., Greene Publishing Associates and Wiley-In
terscience、Takai et al., J. Immunol. 137:3494-3500, 1986、Takai et al.
、J. Immunol. 140:508-512, 1988、Bertagnolli et al., J. Immunol. 149:377
8-3783, 1992に開示されているアッセイがあげられる。
【0231】 cDNAでコードされるタンパク質が、樹状細胞によるnaive T細胞の活性化に及
ぼす作用を評価することもできる。かかる活性についてのさまざまなアッセイが
当業者に馴染みのあるものであり、一例として、Guery et al., J. Immunol. 13
4:536-544, 1995、Inaba et al., Journal of Experimental Medicine 173:549-
559, 1991、Macatonia et al., Journal of Immunology 154:5071-5079, 1995、
Porgador et al., Journal of Experimental Medicine 182:255-260, 1995、Nai
r et al., Journal of Virology 67:4062-4069, 1993、Huang et al., Science
264:961-965, 1994、Macatonia et al., Journal of Experimental Medicine 16
9:1255-1264, 1989、Bhardwaj et al., Journal of Clinical Investigation 94
:797-807, 1994、Inaba et al., Journal of Experimental Medicine 172:631-6
40, 1990に開示されているアッセイがあげられる。
【0232】 cDNAでコードされるタンパク質がリンパ球の寿命に及ぼす作用を評価すること
もできる。かかる活性についてのさまざまなアッセイが当業者に馴染みのあるも
のであり、一例として、Darzynkiewicz et al., Cytometry 13:795-808, 1992、
Gorczyca et al., Leukemia 7:659-670, 1993、Gorczyca et al., Cancer Resea
rch 53:1945-1951, 1993、Itoh et al., Cell 66:233-243, 1991、Zacharchuk,
Journal of Immunology 145:4037-4045, 1990、Zamai et al., Cytometry 14:89
1-897, 1993、Gorczyca et al., International Journal of Oncology 1:639-64
8, 1992に開示されているアッセイがあげられる。
【0233】 T細胞の分化の決定と発達の初期段階に影響するタンパク質についてのアッセ
イとしては、Antica et al., Blood 84:111-117, 1994、Fine et al., Cellular
immunology 155:111-122, 1994、Galy et al., Blood 85:2770-2778, 1995、To
ki et al., Proc. Nat. Acad Sci. USA 88:7548-7551, 1991に記載されているア
ッセイがあげられるが、これに限定されるものではない。
【0234】 免疫系調節因子活性としての活性を呈するタンパク質を製剤として組成し、免
疫活性の調節に利点のある臨床状態の治療に用いることができる。たとえば、こ
のタンパク質は、Tリンパ球および/またはBリンパ球の成長および増殖を(上方ま
たは下方)調節するのに役立つ他、NK細胞および他の細胞集団の細胞溶解活性に
作用するなど、さまざまな免疫不全症ならびに機能障害(重症複合型免疫不全症(
SCID)を含む)の治療に役立つものとなり得る。これらの免疫不全症は、遺伝的な
ものである可能性もあればウイルス(HIVなど)ならびに細菌または菌類感染によ
る場合もあり、自己免疫障害が原因となっている場合もある。具体的には、本発
明のタンパク質を用いて、HIV、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、放線菌、レ
ーシュマニア原虫、マラリア原虫による感染の他、カンジダ症などのさまざまな
菌類感染をはじめとして、ウイルス、細菌、菌類による感染症または他の感染症
を治療することができる。もちろん、この点に関しては、本発明のタンパク質は
、免疫系への追加免疫が望ましいような場合すなわち、癌の治療にも有用である
【0235】 本発明のタンパク質を用いて治療できる可能性のある自己免疫障害としては、
たとえば、結合組織疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、慢性関節リ
ウマチ、自己免疫性肺疾患、ギラン・バレー症候群、自己免疫甲状腺炎、インス
リン依存性糖尿病、重症筋無力症、移植片対宿主病および自己免疫炎症眼疾患な
どがあげられる。このような本発明のタンパク質は、喘息(特にアレルギー性喘
息)または他の呼吸器障害などのアレルギー反応およびアレルギー状態の治療に
も有用なものとなり得る。免疫抑制が望ましい他の状態(臓器移植などを含む)に
ついても本発明のタンパク質を用いて治療可能となり得るのである。
【0236】 本発明のタンパク質を使用すると、免疫応答をさまざまな方法で調節すること
が可能になり得る。下方制御が、すでに進行している免疫応答の抑制または阻害
の形のこともあれば、免疫応答の誘導の妨害に関与している場合もある。T細胞
応答を抑制またはT細胞において特定の耐性を誘導するか、あるいはその両方に
よって、活性化されたT細胞の機能を抑制することができる。T細胞応答の免疫抑
制は一般に、能動的で非抗原特異的なプロセスであり、抑制因子にT細胞を連続
的に曝露する必要がある。耐性はT細胞におけるアレルギまたは不応答の誘導に
関与するものであるが、この耐性は一般に抗原特異性であり、寛容化因子への曝
露が途絶えた後も持続する点で、免疫抑制とは区別できる。寛容化因子の非存在
下で特異的抗原に再曝露させた時にT細胞応答が認められないことで、耐性を作
用的に示すことができる。
【0237】 組織、皮膚および臓器移植の状況および移植片対宿主病(GVHD)においては、活
性化T細胞による高レベルでのリンフォカイン合成を阻害するなど、1つまたはそ
れ以上の抗原機能(Bリンパ球抗原機能(たとえばB7など)を含むがこれに限定され
るものではない)を下方制御または妨害するとよい。たとえば、T細胞の機能を阻
害すると、組織移植時の組織破壊が少なくなる。一般に、組織移植片では、T細
胞が移植片を異質なものと認識して移植片の拒絶が始まり、続いて移植片を破壊
する免疫反応が起こる。B7リンパ球抗原と免疫細胞の天然リガンドとの相互作用
を抑制または阻害する分子を移植前に(B7-2活性のみを持つペプチドの可溶性モ
ノマーの形態で、あるいは、他のBリンパ球抗原(B7-1、B7-3など)の活性を持つ
または抗体を阻害するペプチドのモノマー形態と関連させて)投与すると、この
分子を対応する共刺激シグナルを伝達せずに免疫細胞の天然リガンドと結合させ
ることができる。このようにBリンパ球の抗原機能を阻害すると、T細胞などの免
疫細胞によるサイトカイン合成が阻害されるため、免疫抑制剤として機能するこ
とになる。さらに、共刺激を起こさないだけでT細胞の免疫力を低下させ、被検
体に耐性を誘導できる場合がある。Bリンパ球抗原阻害試薬による長期にわたる
耐性を誘導することで、これらの阻害試薬を繰り返し投与する必要性をなくすこ
とができる場合がある。被検体で十分な免疫抑制または耐性を達成するには、B
リンパ球抗原のコンビネーションの機能を阻害しなければならないこともある。
【0238】 特定の阻害試薬が臓器移植拒絶またはGVHDを防止する効率を、ヒトでの効率を
推測するのに役立つ動物モデルを利用して評価することが可能である。使用でき
る適当な系の一例として、ラットにおける同種心移植片およびマウスにおける異
種エンゲルハンス島細胞移植片があげられるが、Lenschow et al., Science 257
:789-792 (1992)およびTurka et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA, 89:11102-1
1105 (1992)に記載されているように、いずれもCTLA4Ig融合タンパク質のin viv
oにおける免疫抑制作用を検討するのに使用されている。また、GVHDのマウスモ
デル(Paul ed., Fundamental Immunology, Raven Press, New York, 1989, pp.
846-847)を用いて、in vivoにてBリンパ球抗原機能を阻害することで、この疾病
の発達にどのような影響が及ぶかを判断することができる。
【0239】 また、抗原機能の阻害は、自己免疫疾患を治療する上で治療的に役立つことが
ある。多くの自己免疫障害が、自己組織に対して反応性であって、疾患の病因に
関与するサイトカインならびに自己抗体の産生を促進するT細胞の不適当な活性
化が原因で生じるものである。自己反応性T細胞の活性化を防止することで、疾
患症状を軽減または除去することができる場合がある。Bリンパ球抗原の受容体
リガンド相互作用を破壊することでT細胞の共刺激を阻害する試薬を投与するこ
とで、T細胞の活性化を抑制し、疾患プロセスに関与している場合がある自己抗
体またはT細胞誘導サイトカインの産生を妨害することができる。また、阻害試
薬によって自己反応性T細胞の抗原特異的耐性が誘導され、疾患を長期にわたっ
て抑えられることがある。ヒトの自己免疫疾患の十分に特徴づけられた多くの動
物モデルを利用して、阻害試薬の自己免疫障害防止効率または軽減効率を判定す
ることができる。一例として、マウスの実験的自己免疫脳炎、MRL/pr/prマウス
またはNZBハイブリッドマウスの全身性エリテマトーデス、マウスの自己免疫コ
ラーゲン誘導関節炎、ODマウスおよびBBラットの真性糖尿病、マウスの実験的重
症筋無力症(Paul ed., Fundamental Immunology, Raven Press, New York, 1989
, pp. 840-856を参照のこと)があげられる。
【0240】 免疫応答を上方制御するための手段としての抗原機能(好ましくはBリンパ球の
抗原機能)の上方制御が治療に有用な場合がある。免疫応答の上方制御は、既存
の免疫応答の増大または初期免疫応答の誘発という形の場合がある。たとえば、
ウイルス感染の症例であれば、Bリンパ球の抗原機能を刺激することで免疫応答
を高めることが有用な場合がある。また、インフルエンザ、Bリンパ球抗原を賦
活性の形にしたものを全身投与することで、通常の風邪、脳炎などの全身性ウイ
ルス疾患が軽減されることがある。
【0241】 あるいは、T細胞を患者から取り除き、本発明のペプチドを発現するか、本発
明の可溶性ペプチドの刺激形態と一緒にin vitro活性化T細胞を再度患者に導入
する、ウイルス抗原をパルスしたAPCでT細胞をin vitroにて共刺激することで、
感染患者における抗ウイルス免疫応答が高まる場合がある。
【0242】 他の用途では、抗原機能(好ましくはBリンパ球の抗原機能)の情報制御または
増大が腫瘍免疫の誘導に役立つことがある。本発明のペプチド少なくとも1つを
コードする核酸をトランスフェクトした腫瘍細胞(肉腫、黒色腫、リンパ腫、白
血病、神経芽細胞腫、癌腫など)を被検体に投与し、被検体の腫瘍特異的耐性を
克服することが可能である。必要があれば、腫瘍細胞をトランスフェクトしてペ
プチドの組み合わせを発現させることも可能である。たとえば、B7-2様活性のみ
を有するペプチド、あるいは、B7-1様活性および/またはB7-3様活性を有するペ
プチドと関連するペプチドの発現を指令する発現ベクターを、患者から得られる
腫瘍細胞にex vivoにてトランスフェクトする。トランスフェクトされた腫瘍細
胞を患者に戻し、トランスフェクト細胞の表面でペプチドを発現させる。あるい
は、遺伝子治療を用いてin vivoでのトランスフェクション用の腫瘍細胞を標的
することも可能である。
【0243】 腫瘍細胞表面でBリンパ球抗原活性を有する本発明のペプチドが存在すること
で、トランスフェクトされた腫瘍細胞に対するT細胞媒介免疫応答を誘発するの
に必要な共刺激シグナルがT細胞に送られる。また、MHCクラスIまたはMHCクラス
IIの分子がない腫瘍細胞や、MHCクラスIまたはMHCクラスIIの分子を十分な量で
再発現させることのできなかった腫瘍細胞に、MHCクラスIα鎖タンパク質とβ2
ミクログロブリンタンパク質またはMHCクラスIIα鎖タンパク質とMHCクラスIIβ
鎖タンパク質の全部またはそのフラグメント(細胞質ドメイン切断型フラグメン
トなど)をコードする核酸をトランスフェクトすることによって、MHCクラスIま
たはMHCクラスIIタンパク質を細胞表面で発現させることが可能である。Bリンパ
球抗原(B7-1、B7-2、B7-3など)の活性を有するペプチドと関連した適当なクラス
IIまたはクラスIIのMHCの発現によって、トランスフェクトされた腫瘍細胞に対
するT細胞媒介免疫応答が誘発される。任意に、インバリアント鎖などのMHCクラ
スII関連タンパク質の発現を阻害するアンチセンス構築物をコードする遺伝子を
Bリンパ球抗原の活性を有するペプチドをコードするDNAと同時トランスフェクト
し、腫瘍関連抗原の提示を促進し、かつ、腫瘍特異的免疫を誘発することが可能
である。このように、ヒトの被検体にT細胞媒介免疫応答の誘発が、被検体の腫
瘍特異的耐性を克服するには十分であり得るのである。あるいは、詳細について
は後述するように、これらのタンパク質の発現を調節するタンパク質または核酸
をコードする遺伝子を適当な宿主細胞に導入し、必要に応じてタンパク質の発現
を増減してもよい。
【0244】 (実施例22) (cDNAまたはそのフラグメントから発現されるタンパク質の造血調節活性につい
てのアッセイ) cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質の造血調節活性を評価
することができる。たとえば、タンパク質が胚性幹細胞の分化に及ぼす影響を評
価することができる。かかる活性についての多くのアッセイが当業者に馴染みの
あるものであり、一例として、Johansson et al. Cellular Biology 15:141-151
, 1995、Keller et al., Molecular and Cellular Biology 13:473-486, 1993、
McClanahan et al., Blood 81:2903-2915, 1993に開示されたアッセイがあげら
れる。
【0245】 cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質を、その幹細胞の寿命
および幹細胞の分化に対する影響について評価することもできる。かかる活性に
ついての多くのアッセイが当業者に馴染みのあるものであり、一例として、Fres
hney, M.G. Methylcellulose Colony Forming Assays, in Culture of Hematopo ietic Cells . R.I. Freshney, et al. Eds. pp. 265-268, Wiley-Liss, Inc., N
ew York, NY. 1994、Hirayama et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5907-5
911, 1992、McNiece, I.K. and Briddell, R.A. Primitive Hematopoietic Colo
ny Forming Cells with High Proliferative Potential, in Culture of Hemato poietic Cells . R.I. Freshney, et al. eds. Vol pp. 23-39, Wiley-Liss, Inc
., New York, NY. 1994、Neben et al., Experimental Hematology 22:353-359,
1994、Ploemacher, R.E. Cobblestone Area Forming Cell Assay, In Culture of Hematopoietic Cells . R.I. Freshney, et al. Eds. pp. 1-21, Wiley-Liss,
Inc., New York, NY. 1994、Spooncer, E., Dexter, M. and Allen, T. Long T
erm Bone Marrow Cultures in the Presence of Stromal Cells, in Culture of Hematopoietic Cells. R.I. Freshney, et al. Eds. pp. 163-179, Wiley-Liss
, Inc., New York, NY. 1994、Sutherland, H.J. Long Term Culture Initiatin
g Cell Assay, in Culture of Hematopoietic Cells. R.I. Freshney, et al. E
ds. pp. 139-162, Wiley-Liss, Inc., New York, NY. 1994に開示されたアッセ
イがあげられる。
【0246】 造血調節活性を呈するタンパク質を製剤として組成し、造血活性の調節に利点
のある臨床状態の治療に用いることができる。たとえば、本発明のタンパク質は
、造血の調節に役立つ可能性があるため、結果として、骨髄系またはリンパ系の
細胞不全の治療に役立つ可能性がある。十分とはいえないかもしれないが、コロ
ニー形成細胞または因子依存性細胞系を助ける生物学的活性から、造血の調節に
関与していることが分かる。たとえば、赤血球系前駆細胞単独または赤血球系前
駆細胞と他のサイトカインとの組み合わせでの成長および増殖を助けることから
、さまざまな貧血の治療などにおける用途、あるいは、赤血球前駆体および/ま
たは赤血球細胞の産生を刺激するための放射線/化学療法と併用する上での用途
があることが分かる;必然的に生じる骨髄抑制を妨害するまたは治療するための
化学療法などと併用すると有用である、顆粒球および単球/マクロファージ(すな
わち従来のCSF活性)などの骨髄細胞の成長および増殖を助ける;血小板母細胞の
成長および増殖を支持し、結果として血小板の成長および増殖を助けることで、
血小板減少症などのさまざまな血小板障害の予防または治療を可能にし、主に血
小板輸血の代わりとして、あるいは、血小板輸血を補う目的で用いられる;およ
び/または上述したあらゆる造血細胞に成熟できる造血幹細胞の成長および増殖
を助けるため、さまざまな幹細胞障害(再生不良性貧血および発作性夜間血色素
尿症を含むがこれに限定されるものではない、通常は移植によって治療されるも
のなど)ならびに、放射線/化学療法の後に、in-vivoまたはex-vivo(すなわち、
骨髄移植または末梢血前駆細胞移植(同種または異種)との併用)のいずれかで、
幹細胞区画を健常な細胞または遺伝子治療用に遺伝的に操作された細胞として再
増殖させる際に、治療上の用途がある。あるいは、詳細については後述するよう
に、これらのタンパク質の発現を調節するタンパク質または核酸をコードする遺
伝子を適当な宿主細胞に導入し、必要に応じてタンパク質の発現を増減してもよ
い。
【0247】 (実施例23) (cDNAまたはそのフラグメントから発現されるタンパク質の組織増殖調節につい
てのアッセイ) cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質を、組織増殖に対する
影響について評価することもできる。かかる活性についての多くのアッセイが当
業者に馴染みのあるものであり、一例として、国際特許出願公開第WO95/16035号
、同第WO95/05846号および同第WO91/07491号に開示されているアッセイがあげら
れる。
【0248】 創傷治癒活性についてのアッセイとしては、Winter, Epidermal Wound Healin g , pps. 71-112 (Maibach, H1 and Rovee, DT, eds.), Year Book Medical Publ
ishers, Inc., Chicago, as modified by Eaglstein and Mertz, J. Invest. De
rmatol 71:382-84 (1978)に記載されているものがあげられるが、これに限定さ
れるものではない。
【0249】 組織増殖の調節に関与するタンパク質を製剤として組成し、組織増殖の調節に
利点のある臨床状態の治療に用いることができる。たとえば、本発明のタンパク
質は、骨、軟骨、腱、靭帯および/または神経組織の成長または再生に用いられ
る組成物ならびに、創傷治癒および組織修復および交換に用いられる組成物、さ
らには、火傷、切創および潰瘍の治療に有用なものとなり得る。
【0250】 本発明のタンパク質は、骨が正しく形成されていない状況で軟骨および/また
は骨の成長を誘導するものであるが、このタンパク質には、人間や他の動物で、
骨折および軟骨の損傷または欠陥を治癒させる上での用途がある。本発明のタン
パク質を用いた調製物を、皮下骨折ならびに開放骨折の低減や人工関節の固定状
態の改善において予防的に利用できる場合がある。骨形成因子によって誘導され
る新生骨形成が、先天性、外傷性または腫瘍学的な摘除によって生じる頭蓋顔面
欠損の修復の助けとなるため、このような新生骨形成は美容形成外科において有
用である。
【0251】 また、本発明のタンパク質を、歯根膜病の治療および他の歯牙修復プロセスに
用いることもできる。このような因子を用いることで、骨形成細胞を誘因し、骨
形成細胞の増殖を促進し、あるいは、骨形成細胞の前駆細胞の分化を誘導する環
境が得られる。さらに、本発明のタンパク質は、骨および/または軟骨修復の刺
激を通して、あるいは、炎症または炎症プロセスに媒介される組織破壊プロセス
(コラゲナーゼ活性、破骨細胞活性など)を阻害することにより、骨粗鬆症または
骨関節炎の治療に役立つ場合がある。
【0252】 本発明のタンパク質に起因し得る組織再生活性の他のカテゴリに、腱/靭帯形
成がある。本発明のタンパク質は、腱/靭帯様組織または他の組織が正常に形成
されていない状況で、このような組織の形成を誘導するものであり、人間や他の
動物で、腱または靭帯の裂傷、変形および他の腱または靭帯欠損を治癒させる上
での用途がある。腱/靭帯様組織誘発タンパク質を用いた調製物を、腱または靭
帯組織に対する損傷を妨害する上で予防的に利用したり、腱または靭帯の骨また
は他の組織への固定状態の改善および腱または靭帯組織の欠損の修復に利用した
りできる場合がある。本発明の組成物によって誘導される新生腱/靭帯様組織形
成が、先天性、外傷性または他の原因による他の腱または靭帯欠損の修復の助け
となるため、このような新生腱/靭帯様組織形成は、美容外科で腱または靭帯を
固定または修復する際にも有用である。本発明の組成物を用いることで、腱形成
細胞または靭帯形成細胞を誘因し、腱形成細胞または靭帯形成細胞の増殖を促進
し、腱形成細胞または靭帯形成細胞の前駆細胞の分化を誘導し、あるいは、腱/
靭帯細胞または前駆細胞の増殖をex vivoにて誘導してin vivoに戻し、組織修復
を行わせる環境が得られる。本発明の組成物は、腱炎、カルパールトンネル症候
群および他の腱または靭帯欠損の治療にも役立つ場合がある。この組成物は、従
来技術において周知のように、適当なマトリックスおよび/または隔絶因子を担
体として含むものであってもよい。
【0253】 本発明のタンパク質は、神経細胞の増殖ならびに神経組織および脳組織の再生
、すなわち、神経細胞または神経組織の退化、壊死または外傷を伴う、中枢神経
系および末梢神経系での疾病ならびに神経障害、機械的および外傷性の機能障害
の治療に役立つ場合がある。より具体的には、末梢神経損傷、末梢神経障害およ
び限局性神経障害などの末梢神経疾患ならびに、アルツハイマー病、パーキンソ
ン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症およびシャイ-ドレーガー症候群な
どの中枢神経疾患の治療にタンパク質を利用することができる。本発明によって
治療できる可能性のある他の状態として、脊髄機能障害、頭部外傷などの機械的
および外傷的障害ならびに発作などの脳血管障害があげられる。化学療法または
他の医療措置が原因で生じる末梢神経障害についても本発明のタンパク質を用い
て治療可能なものとなり得る。
【0254】 本発明のタンパク質は、褥瘡、脳循環不全に関連した潰瘍、外科的創傷および
外傷などを含むがこれに限定されるものではない、治癒していない創傷が一層良
い状態または短期間で回復するよう亢進するのに役立つこともある。
【0255】 本発明のタンパク質は、臓器(膵臓、肝臓、腸管、腎臓、皮膚、内皮)、筋肉(
平滑筋、骨格筋または心筋)および脈管(脈管内皮を含む)組織などの他の組織の
形成または再生に対する活性、あるいは、かかる組織をなす細胞の成長を促進す
る活性も呈するであろうと思われる。繊維性瘢痕が抑制または調節され、正常な
組織が生成されるのも、望ましい効果が得られる理由のひとつであるかもしれな
い。また、本発明のタンパク質が血管形成活性を呈することもある。
【0256】 本発明のタンパク質は、腸の保護、あるいは、肺繊維症や肝繊維症、さまざま
な組織における再灌流障害およびサイトカインの全身性ダメージに起因する状態
などの再生および治療において役立つ場合もある。
【0257】 本発明のタンパク質は、上述した組織が前駆体組織または細胞から分化するの
を促進または抑制したり、上述した組織の増殖を抑制したりする上で役立つ場合
もある。
【0258】 あるいは、詳細については後述するように、これらのタンパク質の発現を調節
するタンパク質または核酸をコードする遺伝子を適当な宿主細胞に導入し、必要
に応じてタンパク質の発現を増減させてもよい。
【0259】 (実施例24) (cDNAまたはそのフラグメントから発現されるタンパク質の生殖ホルモンまたは
細胞移動の調節についてのアッセイ) cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質を、卵胞刺激ホルモン
などの生殖ホルモンを調節する機能について評価することもできる。かかる活性
についての多くのアッセイが当業者に馴染みのあるものであり、一例として、Va
le et al., Endocrinology 91:562-572, 1972、Ling et al., Nature 321:779-7
82, 1986、Vale et al., Nature 321:776-779, 1986、Mason et al., Nature 31
8:659-663, 1985、Forage et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:3091-3095,
1986. Chapter 6.12 (Measurement of Alpha and Beta Chemokines) Current P rotocols in Immunology , J.E. Coligan et al. Eds. Greene Publishing Assoc
iates and Wiley-Intersciece、Taub et al. J. Clin. Invest. 95:1370-1376,
1995、Lind et al. APMIS 103:140-146, 1995、Muller et al. Eur. J. Immunol
. 25:1744-1748、Gruber et al. J. of Immunol. 152:5860-5867, 1994、Johnst
on et al. J. of Immunol. 153:1762-1768, 1994に開示されているアッセイがあ
げられる。
【0260】 生殖ホルモンまたは細胞移動調節因子としての活性を呈するタンパク質を製剤
として組成し、生殖ホルモンまたは細胞移動の調節に利点のある臨床状態の治療
に用いることができる。たとえば、本発明のタンパク質は、アクチビン関連活性
またはインヒビン関連活性を呈する場合がある。インヒビンは、卵胞刺激ホルモ
ン(FSH)の放出を抑制する機能が特徴であり、アクチビンは卵胞刺激ホルモン(FS
H)の放出を刺激する機能が特徴である。このため、本発明のタンパク質は、単独
で、あるいは、インヒビンβファミリのメンバーとのヘテロダイマーの形で、イ
ンヒビンがメスの哺乳動物の受精能を抑え、オスの哺乳動物の精子形成を低減さ
せる機能を利用した避妊薬として役立つ可能性がある。他のインヒビンを十分な
量で投与すれば、これらの哺乳動物に不妊を誘発することができる。あるいは、
インヒビン-Bグループの他のタンパク質サブユニットとのホモダイマーまたはヘ
テロダイマーとしての本発明のタンパク質は、下垂体前葉細胞からのFSHの放出
を刺激するアクチビン分子の機能を利用した受精能誘発治療薬として役立つ可能
性がある。たとえば、米国特許第4,798,885号を参照のこと。また、本発明のタ
ンパク質は、ウシ、ヒツジ、ブタなどの家畜の生存期間の生殖能力を高めるべく
、性的に未成熟な哺乳動物に受精能が備わる時期を早めるのに役立つ可能性があ
る。
【0261】 あるいは、詳細については後述するように、これらのタンパク質の発現を調節
するタンパク質または核酸をコードする遺伝子を適当な宿主細胞に導入し、必要
に応じてタンパク質の発現を増減させてもよい。
【0262】 (実施例25) (cDNAまたはそのフラグメントから発現されるタンパク質の遊走/走化活性につい
てのアッセイ) cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質の遊走/走化活性につ
いて評価することもできる。たとえば、本発明のタンパク質は、単球細胞、繊維
芽細胞、好中球細胞、T細胞、肥満細胞、好酸球細胞、上皮細胞および/または内
皮細胞などを含む哺乳動物細胞に対する遊走活性または走化活性を有する(炎症
性細胞遊走因子として作用するなど)ことがある。遊走タンパク質および走化タ
ンパク質を用いて、所望の細胞個体群を動態化したり所望の作用部位に結合させ
たりすることが可能である。遊走タンパク質または走化タンパク質によって、創
傷および組織に対する他の外傷の治療ならびに、限局性感染の治療時に特定の利
点が得られる。たとえば、腫瘍または感染部位にリンパ球、単球または好中球を
誘因することで、その腫瘍または感染因子に対する免疫応答が改善されることが
ある。
【0263】 タンパク質またはペプチドは、特定の細胞集団の定方向配列または移動を直接
または間接的に刺激できる状況では、かかる細胞集団に対する遊走活性を持つ。
このタンパク質またはペプチドは、細胞の定方向移動を直接的に刺激する機能を
有するものであると好ましい。特定のタンパク質が細胞集団に対する遊走活性を
有するか否かは、このようなタンパク質またはペプチドを細胞化学走性について
の周知のアッセイに使用すれば容易に判定することが可能である。
【0264】 本発明のタンパク質の活性については、他にも手段はあるが、以下の方法で測
定することができる。
【0265】 (化学走性を誘発または妨害するタンパク質を識別する)遊走活性についてのア
ッセイは、タンパク質の持つ、細胞の膜を通り抜けての移行を誘発する能力と、
ひとつの細胞集団の他の細胞集団への接着を誘発する能力とを測定するアッセイ
からなる。移動および接着に関する好適なアッセイとしては、Current Protocol
s in Immunology, Ed by J.E. Coligan, A.M. Kruisbeek, D.H. Margulies, E.M
. Shevach, W. Strober, Pub. Greene Publishing Associates and Wiley-Inter
science (Chapter 6.12, Measurement of alpha and beta Chemokincs 6.12.1-6
.12.28、Taub et al. J. Clin. Invest. 95:1370-1376, 1995、Lind et al. APM
IS 103:140-146, 1995、Mueller et al Eur. J. Immunol. 25:1744-1748、Grube
r et al. J. of Immunol. 152:5860-5867, 1994、Johnston et al. J. of Immun
ol, 153:1762-1768, 1994に記載されているものがあげられるが、これに限定さ
れるものではない。
【0266】 (実施例26) (cDNAまたはそのフラグメントから発現されるタンパク質の凝血調節についての
アッセイ) cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質を、凝血に対する影響
について評価することもできる。かかる活性についての多くのアッセイが当業者
に馴染みのあるものであり、一例として、Linet et al., J. Clin. Pharmacol.
26:131-140, 1986、Burdick et al., Thrombosis Res. 45:413-419, 1987、Hump
hrey et al., Fibrinolysis 5:71-79 (1991)、Schaub, Prostaglandins 35:467-
474, 1988に開示されているアッセイがあげられる。
【0267】 凝血の調節に関与するタンパク質を製剤として組成し、凝血の調節に利点のあ
る臨床状態の治療に用いることができる。たとえば、本発明のタンパク質は、止
血活性または血栓溶解活性も呈することがある。結果として、かかるタンパク質
は、さまざまな血液凝固疾患(血友病などの遺伝性疾患を含む)の治療に役立つか
、あるいは、外傷、手術または他の原因によって生じた創傷を治療する際の血液
凝固および他の止血イベントを亢進させると思われる。また、本発明のタンパク
質は、血栓を溶解または血栓の形成を抑制したり、血栓が原因で生じる症状(た
とえば心筋梗塞および中枢神経系の血管の梗塞 (たとえば脳卒中) など)を治療
および予防したりするのに役立つ場合がある。あるいは、詳細については後述す
るように、これらのタンパク質の発現を調節するタンパク質または核酸をコード
する遺伝子を適当な宿主細胞に導入し、必要に応じてタンパク質の発現を増減さ
せてもよい。
【0268】 (実施例27) (cDNAまたはそのフラグメントから発現されるタンパク質の受容体/リガンド相互
作用への関与についてのアッセイ) cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質を、受容体/リガンド
相互作用への関与について評価することもできる。かかる活性についての多くの
アッセイが当業者に馴染みのあるものであり、一例として、Chapter 7.28 (Meas
urement of Cellular Adhesion under Static Conditions 7.28.1-7.28.22) in Current Protocols in Immunology , J.E. Coligan et al. Eds. Greene Publish
ing Associates and Wiley-Interscience、Takai et al., Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 84:6864-6868, 1987、Bierer et al., J. Exp. Med. 168:1145-1156, 1
988、Rosenstein et al., J. Exp. Med. 169:149-160, 1989、Stoltenborg et a
l., J. Immunol. Methods 175:59-68, 1994、Stitt et al., Cell 80:661-670,
1995、Gyuris et al., Cell 75:791-803, 1993に開示されているアッセイがあげ
られる。
【0269】 たとえば、本発明のタンパク質は、受容体、受容体リガンド、あるいは受容体
/リガンド相互作用のインヒビターまたはアゴニストとしての活性を示すことも
ある。このような受容体およびリガンドの例としては、サイトカイン受容体およ
びそのリガンド、受容体キナーゼおよびそのリガンド、受容体ホスファターゼお
よびそのリガンド、細胞間相互作用に関与している受容体およびそのリガンド(
細胞接着分子(セレクチン、インテグリンおよびこれらのリガンド)、細胞性免疫
応答および体液性免疫応答の抗原提示、抗原認識および発生に関与している受容
体/リガンド対を含むがこれに限定されるものではない)があげられるが、これに
限定されるものではない。受容体およびリガンドはまた、関連する受容体/リガ
ンド相互作用の小分子インヒビターまたは潜在的ペプチドのスクリーニング用と
しても有用である。本発明のタンパク質(受容体およびリガンドのフラグメント
を含むがこれに限定されるものではない)は、それ自体が受容体/リガンド相互作
用のインヒビターとして有用なものである。
【0270】 (実施例28) (cDNAまたはそのフラグメントから発現されるタンパク質の抗炎症活性について
のアッセイ) cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質を、抗炎症活性につい
て評価することもできる。抗炎症活性については、炎症反応に関与する細胞に刺
激を与える、細胞間相互作用(細胞接着など)を抑制または促進する、炎症プロセ
スに関与する細胞の化学走性を抑制または促進する、細胞の血管外遊走を抑制ま
たは促進する、あるいは、炎症反応を一層直接的に抑制または促進する他の因子
の産生を刺激または抑制する、などの方法で達成できる。このような活性を呈す
るタンパク質を用いて、炎症関連感染(たとえば敗血症性ショック、敗血症また
は全身性炎症反応症候群(SIRS)など)、阻血・再灌流障害、エンドトキシン致死
、関節炎、相補体による超急性拒絶反応、腎炎、サイトカインまたは炎症性細胞
遊走因子によって誘発される肺障害、炎症性腸疾患、クローン病を含むがこれに
限定されるものではなく、あるいは、TNFまたはIL-1などのサイトカインの過剰
産生によって生じる、慢性の状態または急性の状態を含む)炎症状態を治療する
ことが可能である。また、本発明のタンパク質は、抗原成分または抗原物質に対
するアナフィラキシーおよび過敏症の治療にも役立つことがある。
【0271】 (実施例29) (cDNAまたはそのフラグメントから発現されるタンパク質の腫瘍抑制活性につい
てのアッセイ) cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質を、腫瘍抑制活性につ
いて評価することもできる。腫瘍の免疫学的な治療または予防について説明した
際に述べた活性だけでなく、本発明のタンパク質は、他の抗腫瘍活性も呈する場
合がある。このタンパク質は、腫瘍の増殖を直接または間接的に(たとえばADCC
により)抑制できる。このタンパク質は、腫瘍組織または腫瘍前駆体組織に作用
する、腫瘍の増殖を助けるのに必要な組織の形成を抑制する(たとえば、血管形
成を抑制するなど)、腫瘍の増殖を抑制する他の因子、作用物質または細胞型を
産生させる、あるいは、腫瘍の増殖を促進する他の因子、作用物質または細胞型
を抑制、排泄(climinate)または阻害することによって、その腫瘍抑制活性を
呈することができる。
【0272】 さらに、本発明のタンパク質は、以下の活性または作用すなわち、細菌、ウイ
ルス、菌類および他の寄生生物を含むがこれに限定されるものではない感染因子
の増殖、感染または機能を抑制する、あるいはこれを壊死させる、身長、体重、
毛の色、眼の色、皮膚、体脂肪率または他の組織色素または臓器または体の部分
のサイズまたは形状(胸の豊減、骨の形態または形状の変化など)を含むがこれに
限定されるものではない体の特徴を達成(抑制または強化)する、バイオリズムま
たは日周サイクルまたは日周リズムを達成する、オスまたはメスの被検体の受精
能を達成する、食事脂肪、脂質、タンパク質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、
補助因子または他の栄養因子または成分の代謝、異化作用、同化作用、処理、利
用、蓄積または排泄(climination)を達成する、食欲、性欲、ストレス、認識(
認知障害を含む)、うつ状態(うつ障害を含む)および暴力行為を含むがこれに限
定されるものではない、行動の特徴を達成する、鎮痛作用または他の疼痛緩和作
用を与える、造血系統以外の系統での胚性幹細胞の分化および増殖を促進する、
ホルモン活性または内分泌活性、酵素の場合、酵素欠乏を補正し、欠乏に関連す
る疾患を治療する、過剰増殖(乾癬など)の治療、免疫グロブリン様活性(抗原ま
たは相補体に結合する能力など)、ワクチン組成物において抗原として作用し、
かかるタンパク質に対して交差反応性であるタンパク質または他の物質または実
体に対する免疫応答を高める能力のうち、1つまたはそれ以上を呈することがで
きる。
【0273】 (実施例30) (cDNAでコードされるポリペプチドと相互作用するタンパク質の同定) Matchmaker Two Hybrid System 2(カタログNo. K1604-1、Clontech)などのTwo
-Hybrid系を使用して、cDNAまたはそのフラグメントでコードされるポリペプチ
ドと相互作用するタンパク質を同定する。Matchmaker Two Hybrid System 2(カ
タログNo. K1604-1、Clontech)に添付のマニュアルに説明されているように、cD
NAまたはそのフラグメントを、酵母の転写活性因子GAL4のDNA結合ドメインをコ
ードするDNAとインフレームになるように発現ベクターに挿入する。cDNAまたは
そのフラグメントでコードされるポリペプチドと相互作用する可能性のあるタン
パク質をコードするcDNAライブラリのcDNAを、GAL4の活性化ドメインをコードす
るDNAとインフレームになるように第2の発現ベクターに挿入する。2つの発現プ
ラスミドを酵母へ形質転換し、各発現ベクターでの選択可能なマーカーの発現と
、HIS3遺伝子のGAL4依存性発現のみを選択的に行う選択培地プレートに上記の酵
母を蒔く。ヒスチジンを含まない培地で成長できるトランスフェクタントをGAL4
依存性lacZ発現についてスクリーニングする。ヒスチジン選択とlacZアッセイの
いずれにおいても陽性である細胞は、cDNAまたはそのフラグメントによってコー
ドされるポリペプチドと相互作用するタンパク質をコードするプラスミドを含有
している。
【0274】 あるいは、Lustig et al., Methods in Enzymology 283: 83-99 (1997)に記載
されているシステムを用いて、cDNAでコードされるポリペプチドと相互作用する
分子を同定してもよい。このようなシステムでは、in vitro転写をドライブする
プロモーターよりも下流でクローニングされたcDNA挿入物を含むベクターのプー
ルに対してin vitro転写反応を行う。得られるmRNAのプールをXenopus laevis卵
母細胞に導入する。次いでこの卵母細胞を所望の活性についてアッセイする。
【0275】 あるいは、上述したようにして生成してプールしたin vitro転写産物をin vit
roにて翻訳してもよい。プールしたin vitro翻訳産物を所望の活性についてアッ
セイしたり、あるいは既知のポリペプチドとの相互作用についてアッセイするこ
とができる。
【0276】 cDNAでコードされるポリペプチドと相互作用しているタンパク質または他の分
子を、さらに他のさまざまな手法で見出すことができる。一つの方法では、cDNA
またはそのフラグメントでコードされるポリペプチドを含むアフィニティーカラ
ムを構築することができる。形態によってはアフィニティーカラムにキメラタン
パク質を含み、cDNAでコードされるタンパク質またはそのフラグメントがグルタ
チオンS-トランスフェラーゼと融合しているものがある。細胞タンパク質または
上述したような発現タンパク質のプールの混合物をアフィニティーカラムに適用
する。Ramunsen et al. Electrophoresis, 18, 588-598 (1997)に記載されてい
るようにして、カラムに付着したポリペプチドと相互作用するタンパク質を単離
し、2D泳動ゲルで解析することができる。あるいは、アフィニティーカラムに残
ったタンパク質を泳動主体の方法によって精製し、配列決定する。これと同一の
方法を用いて、抗体を単離し、ファージディスプレイ産物をスクリーニングし、
あるいはファージディスプレイ法によるヒト抗体をスクリーニングすることがで
きる。
【0277】 cDNAまたはそのフラグメントでコードされるポリペプチドと相互作用するタン
パク質を、Edwards & Leatherbarrow, Analytical Biochemistry, 246, 1-6 (19
97)に記載されているようなオプティカルバイオセンサを用いてスクリーニング
することもできる。この方法の主な利点は、タンパク質と他の相互作用分子との
関連性の比率を判定できる点にある。したがって、関連性の比率が高い相互作用
分子または関連性の比率が低い相互作用分子を特異的に選択することが可能であ
る。一般には、標的分子を(カルボキシメチルデキストランマトリックスによっ
て)センサー表面に結合させ、被検分子の試料を標的分子と接触した状態で配置
する。標的分子に対して被検分子が結合することで、屈折率および/または厚さ
が変化する。この変化をバイオセンサーで検出する。ただし、上記の方法は、変
化がエバネッセント場(センサー表面から数百マノメータの範囲)で起こる場合に
のみ利用できる。これらのスクリーニングアッセイでは、標的分子はcDNAまたは
そのフラグメントでコードされるポリペプチドのうちの1つであってもよく、被
検試料は組織または細胞から抽出したタンパク質の集合、発現されたタンパク質
のプール、コンビナトリアルペプチドおよび/またはキメラライブラリまたはフ
ァージディスプレイ法によって選択されたペプチドであってもよい。被検タンパ
ク質の抽出もとである組織または細胞はどのような種に由来するものであっても
よい。
【0278】 他の方法では、標的タンパク質が固定化され、cDNAまたはそのフラグメントで
コードされるユニークなポリペプチドの集合である。
【0279】 cDNAまたはそのフラグメントでコードされるタンパク質と薬剤との相互作用を
検討するために、マイクロダイアリシスと、Wang et al., Chromatographia, 44
, 205-208(1997)に記載されたHPLC法またはBusch et al., J. Chromatogr. 777:
311-328 (1997)に記載されたアフィニティーキャピラリー電気泳動法とを併用し
た。
【0280】 米国特許第5,654,150号に記載の系を使用して、cDNAでコードされるポリペプ
チドと相互作用する分子を同定してもよい。この系では、cDNAのプールをin vit
roにて転写および翻訳し、反応産物の既知のポリペプチドまたは抗体に対する相
互作用についてアッセイする。
【0281】 cDNAまたはフラグメントから発現されるタンパク質を、上記にて具体的に示し
た以外の多数の活性についてアッセイできることは、当業者であれば理解できよ
う。たとえば、発現されるタンパク質を、炎症、腫瘍増殖または転移、感染また
は他の臨床状態の制御および調節に関わる用途について評価してもよい。また、
cDNAまたはそのフラグメントから発現されるタンパク質は、栄養剤または化粧料
として役立つこともある。
【0282】 後述するようにcDNAまたはそのフラグメントから発現されるタンパク質を利用
して、発現されるタンパク質またはそのフラグメントに特異的に結合できる抗体
を生成することができる。抗体は、配列番号24〜73の配列のうちの1つでコード
される全長タンパク質、配列番号24〜73の配列のうちの1つでコードされる成熟
タンパク質または配列番号24〜73の配列のうちの1つでコードされるシグナルペ
プチドと結合できるものであってもよい。あるいは、抗体は、配列番号74〜123
の配列の少なくとも10アミノ酸を含むcDNAから発現されるタンパク質のフラグメ
ントと結合できるものであってもよい。いくつかの実施形態では、抗体は、配列
番号74〜123の配列の少なくとも15アミノ酸を含むcDNAから発現されるタンパク
質のフラグメントと結合できるものであってもよい。他の実施形態では、抗体は
、配列番号74〜123の配列の少なくとも25アミノ酸を含むcDNAから発現されるタ
ンパク質のフラグメントと結合できるものであってもよい。さらに他の実施形態
では、抗体は、配列番号74〜123の配列の少なくとも40アミノ酸を含むcDNAから
発現されるタンパク質のフラグメントと結合できるものであってもよい。
【0283】 (実施例31) (ヒトのタンパク質に対する抗体の産生) 実施例18で説明したようにして、トランスフェクトまたは形質転換した細胞か
ら実質的に純粋なタンパク質またはポリペプチドを単離する。たとえばAmiconフ
ィルタ装置での濃度などによって、最終調製物のタンパク質濃度を数μg/mlのレ
ベルに調節する。この状態で、タンパク質に対するモノクローナル抗体またはポ
リクローナル抗体を以下のようにして調製する。
【0284】 (A. ハイブリドーマ融解によるモノクローナル抗体産生) Kohler, G. and Milstein, C., Nature 256:495 (1975)の古典的な方法または
これから派生した方法によって、上述したようにして同定および単離したいずれ
かのペプチドのエピトープに対するモノクローナル抗体をマウスハイブリドーマ
から調製することができる。簡単に説明すると、数週間の期間にわたって、選択
したタンパク質またはそのタンパク質から導出したペプチド数マイクログラムを
マウスに繰り返し接種する。このマウスを屠殺し、脾臓の抗体産生細胞を単離す
る。ポリエチレングリコールによって脾臓細胞をマウス骨髄腫細胞と融合させ、
アミノプテリンを含む選択培地(HAT培地)で系を成長させて過剰な未融合細胞を
破壊する。融合が成功した細胞を稀釈し、稀釈アリコートをマイクロタイタープ
レートのウェルに接種して培養成長を継続する。ウェルの上澄み液中の抗体を、
Engvall, E., Meth. Enzymol. 70:419(1980)が初めて明らかにしたようなELISA
などのイムノアッセイまたはこれから派生した方法によって検出し、抗体産生ク
ローンを同定する。選択された陽性クローンを培養し、そのモノクローナル抗体
産物を収集して使用できるようにする。モノクローナル抗体を得るための詳細な
手順については、Davis, L. et al. Basic Methods in Molecular Biology Else
vier, New York. Section 21-2に記載されている。
【0285】 (B. 免疫化によるポリクローナル抗体産生) 上述したようにして発現させたタンパク質またはそのタンパク質から導出した
ペプチドで適当な動物を免疫化することによって、単一タンパク質の異種起源の
エピトープに対する抗体を含むポリクローナル抗血清を調製することができる。
これは、免疫原性を高めるように修飾してもよいし修飾せずにおくことも可能で
ある。抗原と宿主種の両方に関係のある多くの要因が効果的なポリクローナル抗
体産生に影響する。たとえば、小分子の方が他の分子よりも免疫原性が低いこと
が多く、よって担体やアジュバントを使用しなければならない場合がある。また
、接種部位および用量に対する宿主動物の応答性には差があり、抗原量が不適切
な場合と過剰な場合はいずれも低力価抗血清が作出される。少量(ngレベル)の抗
原を複数の皮内部位に投与すると最も信頼性の高い結果が得られるように思われ
る。Vaitukaitis, J. et al. J. Clin. Endocrinol. Metab. 33:988-991(1971)
にはウサギでの効果的な免疫化プロトコルが記載されている。
【0286】 一定間隔で追加免疫注射を行い、たとえば濃度が分かっている抗原に対する寒
天での二重免疫拡散によって半定量的に測定した抗体力価が低下しはじめたとこ
ろで、抗血清を収集することができる。たとえば、Ouchterlony, O. et al., Ch
ap. 19 in: Handbook of Experimental Immunology D. Wier (ed) Blackwell(19
73)などを参照のこと。この抗体のプラトー濃度は通常、血清(約12μM)の0.1〜0
.2mg/mlの範囲にある。Fisher, D., Chap. 42 in: Manual of Clinical Immunol ogy , 2d Ed. (Rose and Friedman, Eds.) Amer. Soc. For Microbiol., Washing
ton, D.C. (1980)に記載されているようにして競合的結合曲線を作成し、抗血清
の抗原に対する親和性を判定する。
【0287】 いずれかの抗体法に従って調製した抗体調製物は、生物学的試料中の抗原産生
物質の濃度を判断する定量的なイムノアッセイにおいて有用なものである。また
、これらの調製物は、生物学的試料中の抗原の存在を半定量的あるいは定性的に
同定するのにも用いられる。さらに、タンパク質を発現する細胞を殺す目的ある
いは体内のタンパク質濃度を落とす目的で治療用組成物に抗体を使用してもよい
【0288】 (V. cDNAまたはそのフラグメントの試薬としての利用) 単離法、診断アッセイ、法医学的な方法で、本発明のcDNAを試薬として利用す
ることができる。たとえば、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)から
得られる配列を検出可能に標識してプローブとして利用し、このプローブとハイ
ブリダイズ可能な他の配列を単離することができる。さらに、cDNA(またはこのc
DNAから得られるゲノムDNA)から得られる配列を利用して、単離、診断または法
医学的な方法で利用されるPCRプライマーを設計することもできる。
【0289】 (実施例32) (PCRプライマーの調製とDNAの増幅) cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)を用いて、かかる配列とハイブ
リダイズ可能な核酸をクローニングするための単離方法、診断技法および法医学
的な技法をはじめとする様々な用途に用いられるPCRプライマーを作製すること
ができる。このPCRプライマーは、少なくとも10塩基長であり、好ましくは少な
くとも12、15または17塩基長である。より好ましくは、PCRプライマーは少なく
とも20〜30塩基長である。いくつかの実施形態では、PCRプライマーは、31塩基
長以上のものであってもよい。プライマー対の融点がほぼ同一になるように、G/
C比もほぼ同一であると好ましい。さまざまなPCR手法が当業者間で周知である。
PCRテクノロジーについては、Molecular Cloning to Genetic Engineering Whit
e, B.A. Ed. in Methods in Molecular Biology 67: Humana Press, Totowa 199
7を参照のこと。これらのPCR法ではいずれも、増幅対象となる核酸配列の片側の
PCRプライマーを、dNTPおよびTaqポリメラーゼ、PfuポリメラーゼまたはVentポ
リメラーゼなどの熱安定性ポリメラーゼと共に、適宜調製した核酸試料に付加す
る。試料中の核酸を変性させ、PCRプライマーを試料中の相補核酸配列に特異的
にハイブリダイズさせる。ハイブリダイズ後のプライマーを伸長させる。その後
、修飾、ハイブリダイゼーションおよび伸長をもう1サイクル開始する。このサ
イクルを複数回繰り返し、プライマー部位間に核酸配列のある増幅断片を作出す
る。
【0290】 (実施例33) (cDNAのプローブとしての利用) 放射性同位元素および非放射性標識をはじめとする当業者に馴染みのある検出
可能な標識でcDNAまたはそのフラグメント(またはこのcDNAから得られるゲノムD
NA)由来のプローブを標識し、検出可能なプローブを得ることができる。検出可
能なプローブは一本鎖であっても二本鎖であってもよく、in vitro転写、ニック
トランスレーションまたはキナーゼ反応をはじめとする従来技術において周知の
技法で作製できる。標識プローブとハイブリダイズ可能な配列を含む核酸試料を
標識プローブと接触させる。試料に含まれる核酸が二本鎖である場合は、プロー
ブと接触させる前に変性させてもよい。用途によっては、ニトロセルロース膜ま
たはナイロン膜などの表面に核酸試料を固定化してもよい。核酸試料は、ゲノム
DNA、cDNAライブラリ、RNAまたは組織試料をはじめとするさまざまなソースから
得られる核酸を含むものであってもよい。
【0291】 検出可能なプローブとハイブリダイズ可能な核酸の存在を検出するために利用
される方法には、サザンブロット、ノーザンブロット、ドットブロット、コロニ
ーハイブリダイゼーション、プラークハイブリダイゼーションなどの周知の技法
が含まれる。用途によっては、標識プローブとハイブリダイズ可能な核酸を、発
現ベクター、配列決定ベクターまたはin vitro転写ベクターなどのベクターにク
ローニングし、試料中に含まれるハイブリダイズ用の核酸の特徴づけおよび発現
を容易にしてもよい。たとえば、上記の実施例17にて説明したように、かかる技
法を利用して、検出可能なプローブとハイブリダイズ可能なゲノムライブラリま
たはcDNAライブラリに含まれる配列を単離およびクローンニングすることができ
る。
【0292】 上記の実施例32にて説明したようにして作製したPCRプライマーを、後述の実
施例34〜38にて説明するDNAフィンガープリント法などの法医学的解析に利用す
ることができる。このような解析では、cDNAまたはそのフラグメント(またはこ
のcDNAから得られるゲノムDNA)の配列に基づく検出可能なプローブまたはプライ
マーを利用することができる。
【0293】 (実施例34) (DNA配列決定による法医学的マッチング) 一例としての方法において、毛髪、精液、血液または皮膚細胞などの法医学標
本から、従来の技法でDNA試料を単離する。次に、実施例32に従って多数のcDNA(
またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)に基づくPCRプライマーのパネルを利用
し、約100〜200塩基長のDNAを法医学的標本から増幅する。対応する配列を被検
体から得る。同定DNAの各々を常法に従って配列決定しておけば、被検体から得
られる配列と試料から得られる配列との間に差がある場合は、単純なデータベー
ス比較によってこの差を判定することができる。被疑者のDNA配列と試料から得
られたDNA配列との間に統計的に有意な差があれば、同一性の欠如が決定的に証
明される。このような同一性の欠如は、1つの配列だけしかなくても証明するこ
とが可能である。一方、多数の配列を用いていずれも一致する場合は、同一性が
実証されることになる。好ましくは、100塩基長で統計的に同一の配列を最低で
も50用いて、被疑者と試料との間の同一性を証明する。
【0294】 (実施例35) (DNA配列決定によるポジティブ同定) 上記の実施例にて概要を説明した技法を大規模に用いて、独特なフィンガープ
リントタイプの方法で固体を同定することができる。この手法では、表Iおよび
添付の配列表に示す多数の配列からプライマーを作製する。好ましくは、20〜50
種類のプライマーを利用する。これらのプライマーを用いて、実施例32に従って
問題の個体から対応する数のPCR生成DNAセグメントを得る。これらのDNAセグメ
ント各々について、実施例34で述べた方法を用いて配列決定する。この方法を用
いて生成した配列のデータベースは、配列の取得もとである個体を一意に識別す
る。以後、同一パネルのプライマーを用いて、その個体と組織または他の生物学
的標本とを絶対的に相関させることができる。
【0295】 (実施例36) (サザンブロットによる法医学的同定) 実施例35の方法を繰り返し、個体および標本から少なくとも10の増幅配列から
なるパネルを得る。好ましくは、このパネルには少なくとも50の増幅配列を含む
。より好ましくは、このパネルには100の増幅配列を含む。いくつかの実施形態
では、このパネルには200増幅配列を含む。このPCR生成したDNAを、1つまたは好
ましくは4つの塩基特異性制限酵素の組み合わせで消化する。このような酵素は
市販されており、当業者間で周知のものである。消化後、当業者間で周知のサザ
ンブロット法を利用して、得られる遺伝子フラグメントを複数のデュプリケート
ウェルにてアガロースゲルでサイズ分離し、ニトロセルロースに移す。サザンブ
ロットの概要については、Davis et al. (Basic Methods in Molecular Biology , 1986, Elsevier Press. pp 62-65)を参照のこと。
【0296】 cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)配列またはその少なくとも10塩
基のフラグメントに基づくプローブのパネルを、ニックトランスレーションまた
は末端標識などの従来技術において周知の方法を用いて放射性標識または比色標
識し、従来技術において周知の技法を用いてサザンブロットにハイブリダイズす
る(Davis et al., 上掲)。好ましくは、プローブには、cDNA(またはこのcDNAか
ら得られるゲノムDNA)からの連続した少なくとも12、15または17ヌクレオチドが
含まれる。より好ましくは、プローブには、cDNA(またはこのcDNAから得られる
ゲノムDNA)からの連続した少なくとも20〜30ヌクレオチドが含まれる。いくつか
の実施形態では、プローブには、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)
からの31以上のヌクレオチドが含まれる。他の実施形態では、プローブには、cD
NA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)からの連続した少なくとも40、少な
くとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150または少なくとも200
ヌクレオチドが含まれる。
【0297】 好ましくは、これらの標識プローブを少なくとも5〜10使用し、より好ましく
は、少なくとも約20または30を用いて独特のパターンを生成する。大きなcDNA(
またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)試料のハイブリダイゼーションによって
得られるバンドが独特のアイデンティファイアになる。制限酵素による切断は個
体ごとに異なったものとなり、サザンブロットでのバンドパターンも独特になる
。cDNAプローブの数を増やせば、同定に用いられるバンドのセットの数も増える
ため、同定の信頼度が統計的に高いレベルになる。
【0298】 (実施例37) (ドットブロット同定法) 本願明細書に開示のcDNA配列を用いて個体を同定するための他の技法では、ド
ットブロットハイブリダイゼーション技法を利用している。
【0299】 ゲノムDNAを同定対象となる被検体の核から単離する。cDNAまたはゲノムDNAか
ら得られる少なくとも10、好ましくは50の配列に対応する約30bp長のオリゴヌク
レオチドプローブを合成する。これらのプローブを、当業者間で周知の条件での
ゲノムDNAへのハイブリダイズに使用する。ポリヌクレオチドキナーゼ(Pharmaci
a)を使用してオリゴヌクレオチドをP32で末端標識する。真空ドットブロットマ
ニフォルド(BioRad, Richmond California)を用いてゲノムDNAをニトロセルロー
スなどに接種し、ドットブロットを生成する。従来技術において周知の技法(Dav
is et al. 上掲)を利用して、ゲノム配列を含むニトロセルロースフィルタをベ
ークするかフィルタにUV結合し、プレハイブリダイズし、標識プローブとハイブ
リダイズさせる。32P標識DNAフラグメントを引き続いてストリンジェントな条件
で順次ハイブリダイズし、30bpの配列とDNAとの間の最小限の差異を検出する。
少数のヌクレオチドミスマッチが含まれるクローンの同定には塩化テトラメチル
アンモニウムが有用である(Wood et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82(6):1
585-1588(1985))。ドットのパターンが独特であることから、ひとつの個体を他
の個体と区別することができる。
【0300】 これらの配列から得られる連続した少なくとも10塩基を含むcDNAまたはオリゴ
ヌクレオチドを、以下の選択的フィンガープリント法でプローブとして利用する
ことができる。好ましくは、プローブには、cDNA(またはこのcDNAから得られる
ゲノムDNA)からの連続した少なくとも12、15または17ヌクレオチドが含まれる。
より好ましくは、プローブには、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)
からの連続した少なくとも20〜30ヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態
では、プローブには、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)からの31以
上のヌクレオチドが含まれる。他の実施形態では、プローブには、cDNA(または
このcDNAから得られるゲノムDNA)からの連続した少なくとも40、少なくとも50、
少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150または少なくとも200ヌクレオチ
ドが含まれる。
【0301】 好ましくは、異なる遺伝子から得られる配列を有する複数のプローブを選択的
フィンガープリント法に利用する。cDNAからプローブを導出する代表的な選択的
フィンガープリント法を以下の実施例38に示す。
【0302】 (実施例38) 選択的「フィンガープリント」同定技法 Genset, Paris, Franceなどの業務利用可能なオリゴヌクレオチドサービスな
どを利用して、50、100または200など多数のcDNA(またはこのcDNAから得られる
ゲノムDNA)から、20マーのオリゴヌクレオチドを調製する。当業者間で周知の技
法を用いて被検体から得た細胞試料をDNA用に処理する。EcoRIおよびXbaIなどの
制限酵素で核酸を消化する。消化に続いて、電気泳動を行うために試料をウェル
に塗布する。従来技術において周知の方法を補正してポリアクリルアミド電気泳
動に適応させてもよいが、この例では、DNAを5μg(ug)含む試料をウェルに仕
込み、0.8%アガロースゲルにて分離する。標準的なサザンブロット技法を用いて
ゲルをニトロセルロースに移す。
【0303】 各オリゴヌクレオチド10ngをプールし、P32で末端標識する。ブロッキング用
緩衝液を用いてニトロセルロースをプレハイブリダイズし、標識プローブとハイ
ブリダイズさせる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄に続き、ニトロセルロー
スフィルタをX-Omat AR X線フィルムに曝露する。得られるハイブリダイゼーシ
ョンパターンは個体ごとに一意なものとなる。
【0304】 また、使用するプローブ配列の数を変えて精度または明瞭さを高められること
も、本実施例の範囲内に企図されている。
【0305】 上記の実施例18および31で生成した抗体を利用して、上述したようにして試料
を導出した組織のタイプまたは細胞の種を同定してもよい。
【0306】 (実施例39) 標識組織特異抗体による組織のタイプまたは細胞の種の同定 検出可能なマーカーと直接または間接的にコンジュゲートさせた実施例18およ
び31による抗体調製物によって、組織特異抗原を可視化して特定の組織を同定す
る。組織片、細胞懸濁液または組織試料から得られる可溶性タンパク質の抽出液
に含まれる特定の抗原結合パートナーと選択した標識抗体種とが結合し、定量的
または半定量的に解釈可能なパターンが得られる。
【0307】 これらの方法に対する抗血清の力価が、未変性調製物の力価よりも高くなけれ
ばならず、このため、イオン交換クロマトグラフィまたは硫酸アンモニウム分画
などによって、γグロブリン画分を単離して抗体をmg/mlレベルまで濃縮する。
また、最も特異的な抗血清を提供するために、マーカーで抗体を標識する前に、
不溶性免疫吸収体などによって一般的なタンパク質などに対する不必要な抗体を
γグロブリン画分から除去しなければならない。いずれの方法にも、モノクロー
ナル抗体または異種抗血清が適している。
【0308】 (A. 免疫組織化学的技法) 上述したようにして調製し、精製した高力価の抗体を、たとえばFudenberg, H
., Chap. 26 in: Basic 503 Clinical Immunology, 3rd Ed. Lange, Los Altos,
California (1980)またはRose, N. et al., Chap. 12 in: Methods in Immunod iagnosis , 2d Ed. John Wiley 503 Sons, New York (1980)に記載されているよ
うにして、検出可能なマーカーとコンジュゲートさせる。
【0309】 蛍光マーカーすなわち、フルオレセインまたはローダミンのいずれかが好まし
いが、西洋わさびペルオキシダーゼなど、支持体との間で発色反応が起こる酵素
で抗体を標識することも可能である。後述するように、第2のステップでマーカ
ーを組織結合抗体に付加することが可能である。あるいは、フェリチンまたは他
の電子密度粒子で特定の抗組織抗体を標識し、フェリチン結合抗原抗体錯体を電
子顕微鏡で限局化することが可能である。さらに他の方法では、125Iなどで抗体
を放射標識し、抗体処理調製物を写真用乳剤と重ねることによって検出する。
【0310】 この方法を実施するための調製物は、脳組織などの組織のタイプに特異的であ
ると同定された単一のタンパク質またはペプチドに対するモノクローナルまたは
ポリクローナル抗体を含むことが可能である。あるいは、いくつかの抗原的に区
別できる組織特異抗原に対する抗体調製物を、必要に応じて独立にまたは混合物
としてパネルで用いることも可能である。
【0311】 一般的な組織学的技法に従って、免疫組織化学的試験用に組織片および細胞懸
濁液を調製する。未知の組織と既知の対照について複数クリオスタット切片(約4
μm、未固定)をのせ、抗体調製物の希釈度を変えてそれぞれスライドガラスで覆
う。既知の組織と未知の組織の切片も調製物で処理し、ポジティブな対照と、免
疫前血清などのネガティブな対照と、緩衝液などの非特異的染色用の対照とが得
られるようにする必要がある。
【0312】 処理した切片を室温にて30分間、湿式チャンバ内でインキュベートし、濯ぎ、
次いで緩衝液にて30〜45分洗浄する。余分な液体をブロッティングにて除去し、
マーカーを発達させる。
【0313】 最初のインキュベーションで組織特異抗体が標識されなかった場合は、この時
点で、マウスIgGに対するフルオレセイン標識抗体などの抗血清産生種の免疫グ
ロブリンクラスに対するフルオレセインコンジュゲート抗体または酵素コンジュ
ゲート抗体などによって、第2の抗体間反応にて標識することが可能である。こ
のような標識血清は市販されている。
【0314】 組織切片の色または蛍光の強度を測定し、適当な規準を用いてそのシグナルを
較正することによって、上記の方法によって組織中に見出される抗原を定量化す
ることが可能である。
【0315】 (B. 組織特異的可溶性タンパク質の同定) 免疫組織学について説明したような標識抗体試薬および検出ストラテジーを利
用して、組織特異タンパク質の可視化と、この方法で得られる未知の組織の同定
とを実施するが、組織から抽出したタンパク質を分子量をもとにして検出用に規
則的に配列して分散させるべく、試料については電気泳動的な技法で調製する。
【0316】 Virtisの装置を用いて組織試料を均質化する。Dounce均質または浸透圧溶解に
よって(いずれの場合も必要に応じて洗浄剤を使用)細胞懸濁液を破壊し、従来技
術において実施されているようにして細胞膜を破壊する。核、ミクロソーム、膜
画分などの細胞の不溶性成分を超遠心によって除去し、必要であれば可溶性タン
パク質含有画分を濃縮して解析用に保存する。
【0317】 従来のSDSポリアクリルアミド電気泳動によって、Davis, L. et al., Section
19-2 in: Basic Methods in Molecular Biology (P. Leder, ed), Elsevier, N
ew York (1986)などに記載されているようにして、試料中にて検出されるタンパ
ク質の全分子量範囲を分解する一組のゲルで一定範囲量のポリアクリルアミドを
使用して、可溶性タンパク質溶液の試料を個々のタンパク質種に分ける。構成タ
ンパク質の分子量を推定する目的でサイズマーカーを併用する。約1〜100μgの
タンパク質を含む、5〜55μl程度の都合のよい量を解析用の試料サイズとする。
分離させた各タンパク質のアリコートをブロットでニトロセルロースフィルタ紙
に移す。このとき、分解パターンは維持される。複数のコピーを調製する。ウェ
スタンブロット解析として知られる方法については、Davis, L. et al., (上記)
セクション19-3に十分に説明されている。一組のニトロセルロースブロットをク
ーマシーブルー染料で染色し、抗体結合タンパク質と比較できるようにすべての
タンパク質を可視化する。残りのニトロセルロースフィルタを、実施例18および
31にて説明したようにして調製される組織特異タンパク質に対する1種またはそ
れ以上の特定の抗血清の溶液と共にインキュベートする。この方法では、上記の
方法Aと同様に、適当なポジティブ試料とネガティブ試料、試薬の対照を併用す
る。
【0318】 方法AまたはBのいずれにおいても、さまざまな戦略とその変形例とに従って、
検出可能な標識を一次組織抗原-一次抗体複合体と結合させることができる。直
接的な方法では、一次特異抗体を標識することが可能であり、あるいは、未標識
の複合体を標識した二次抗IgG抗体に結合することが可能である。他の方法では
、一次抗体または二次抗体のいずれかをビオチン分子とコンジュゲートする。ビ
オチンは、以後のステップで、アビジンコンジュゲートマーカーと結合可能なも
のである。さらに他の戦略によれば、どのようなIgGとも結合する特性を持つ酵
素標識または放射性タンパク質Aを、最終ステップで、一次抗体または二次抗体
のいずれかに結合させる。
【0319】 cDNA配列から同定される遺伝子配列から調製される1種またはそれ以上の組織
特異抗体に対する対照組織で見られるレベルを上回るレベルでの組織特異的抗原
結合を可視化することで、法医学試料などの未知起源の組織または異物部位に転
移した分化腫瘍組織を識別することが可能である。
【0320】 法医学および同定における用途に加え、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲ
ノムDNA)をその染色体位置にマッピングしてもよい。以下の実施例40では、cDNA
を用いたヒト染色体領域の放射線ハイブリッド(RH)マッピングについて説明する
。以下の実施例41では、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)をヒト染
色体上の位置にマッピングするための代表的な方法について説明する。以下の実
施例42では、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)をFluorescence In S
itu Hybridization(FISH)によって分裂中期の染色体にマッピングすることにつ
いて説明する。
【0321】 (実施例40) (ヒトゲノムへのcDNAの放射線ハイブリッドマッピング) 放射線ハイブリッド(RH)マッピングは、ヒトゲノムの高解像度のマッピングに
利用可能な体細胞遺伝学的方法である。この方法では、1つまたはそれ以上ヒト
染色体を含む細胞系を致死的に光線曝露し、各染色体を断片化する。断片のサイ
ズは照射線量によって異なる。これらの断片を齧歯類の培養細胞を融合させるこ
とによって救出し、ヒトゲノムの異なる断片を含むサブクローンを生成する。こ
の技法については、Benham et al. (Genomics 4:509-517, 1989)およびCox et a
l., (Science 250:245-250, 1990)に記載されている。これらのサブクローンは
ランダムで独立した性質のものであるため、どのようなヒトゲノムマーカーでも
効率よくマッピングすることができる。80〜100の細胞系からなるパネルから単
離されたヒトDNAが、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)を順序付ける
ためのマッピング試薬となる。この方法では、マーカー間での断片化の頻度を利
用して距離を測定し、従来のEST(Schuler et al., Science 274:540-546, 1996)
を用いて得られるような高解像度のマップを構築することができる。
【0322】 RHマッピングは、成長ホルモン(GH)およびチミジンキナーゼ(TK)(Foster et a
l., Genomics 33:185-192, 1996)、ゴーリン症候群遺伝子を囲む領域(Obermayr
et al., Eur. J. Hum. Genet. 4:242-245, 1996)、第12染色体短腕全体を覆う60
の遺伝子座(Raeymaekers et al., Genomics 29:170-178, 1995)、神経線維腫症2
型遺伝子座を含むヒト第22染色体領域(Frazer et al., Genomics 14:574-584, 1
992)および第5染色体長腕上の13の遺伝子座(Warrington et al., Genomics 11:7
01-708, 1991)について、遺伝子上でヒト染色体17q22-q25.3の高解像度の全ゲノ
ム放射線ハイブリッドマップを生成する上で利用されている。
【0323】 (実施例41) (PCR技法を用いたヒト染色体へのcDNAのマッピング) PCRに基づく方法論を利用して、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)
をヒト染色体に割り当てることができる。このような方法では、cDNA配列(また
はこのcDNA配列から得られるゲノムDNAの配列)からオリゴヌクレオチドプライマ
ー対を設計し、イントロンによって増幅される可能性を最低限に抑える。好まし
くは、これらのオリゴヌクレオチドプライマーは、18〜23bp長であり、PCR増幅
用に設計されたものである。既知の配列からPCRプライマーを作出することにつ
いては当業者間で周知である。PCRテクノロジーのレビューについては、Erlich,
H.A., PCR Technology; Principles and Applications for DNA Amplification . 1992. W.H. Freeman and Co., New Yorkを参照のこと。
【0324】 これらのプライマーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に利用して、全ヒトゲノムD
NAからの鋳型を増幅する。PCR条件は以下のとおりである。60ngのゲノムDNAをPC
R鋳型として利用し、80ngの各オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、Taqポリ
メラーゼ0.6単位および32P標識したデオキシシチジントリホスフェート1?Cu。94
℃にて1.4分、55℃にて2分、72℃にて2分を30サイクルの後、72℃にて10分間で
最終伸長させる条件下で、マイクロプレートサーモサイクラー(テクネ)にてPCR
を実施する。増幅産物を6%ポリアクリルアミド配列決定ゲル上にて解析し、オー
トラジオグラフィによって可視化する。得られるPCR産物の長さが、プライマー
を導出したcDNA配列に含まれるプライマー配列の末端間の距離と等しい場合は、
ヒト-齧歯類体細胞ハイブリッドの2つのパネルすなわち、BIOS PCRable DNA(BIO
S)およびNIGMSヒト-齧歯類体細胞ハイブリッドマッピングパネルNo. 1(ニュージ
ャージー州キャムデン、NIGMS)から得られるDNA鋳型を用いてPCR反応を繰り返す
【0325】 PCRを用いて、特定のcDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)の存在につ
いて定義済のヒト染色体群を含む一連の体細胞ハイブリッド細胞系をスクリーニ
ングする。体細胞ハイブリッドからDNAを単離し、cDNA(またはこのcDNAから得ら
れるゲノムDNA)からのプライマー対を用いてのPCR反応用の染色鋳型として利用
する。cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)に対応するヒト遺伝子を含
む染色体を有する体細胞ハイブリッドのみ、増幅フラグメントを産生する。体細
胞ハイブリッドDNA鋳型からのPCR産物の分離パターンを解析することによって、
cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)を染色体に割り当てる。増幅フラ
グメントを生み出す細胞ハイブリッドすべてに存在する1つのヒト染色体が、そ
のcDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)を含む染色体である。体細胞遺
伝子マッピング実験の技法と結果解析に関するレビューについては、(Ledbetter
et al., Genomics 6:475-481(1990)を参照のこと)。
【0326】 あるいは、以下の実施例42で説明するようなFISHを利用すれば、cDNA(または
このcDNAから得られるゲノムDNA)を個々の染色体にマッピングすることもできる
【0327】 (実施例42) (Fluorescence in situ Hybridizationを用いた染色体へのcDNAのマッピング) Fluorescence in situ Hybridizationを利用すると、cDNA(またはこのcDNAか
ら得られるゲノムDNA)を特定の染色体上の特定の位置にマッピングすることが可
能である。Fluorescence in situ Hybridization技法に用いられる染色体は、細
胞培養、組織または全血をはじめとするさまざまなソースから入手できる。
【0328】 好ましい実施形態では、Cherif et al. (Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 87
:6639-6643, 1990)に説明されているようにして、FISHによってcDNA(またはこの
cDNAから得られるゲノムDNA)の染色体局在位置を得る。植物性血球凝集素(PHA)
刺激血液細胞ドナーから分裂中期染色体を調製する。健常なオスから得たPHA刺
激リンパ球をRPMI-1640培地にて72時間培養する。同期をとるために、17時間か
けてメトトレキセート(10μM)を添加した後、5-ブロモデオキシウリジン(5-BudR
、0.1mM)を6時間かけて添加する。最後の15分でコルセミド(1μg/ml)を添加した
上で、細胞を収集する。細胞を回収し、RPMIで洗浄し、37℃にて15分間KCl(75mM
)の低張液と共にインキュベートし、メタノール:酢酸(3:1)を3回交換して固定す
る。細胞懸濁液をスライドガラスに滴下し、空気乾燥させる。製造業者(メリー
ランド州ベセスダ、ベセスダリサーチラボラトリーズ)の指示に従ってニックト
ランスレーションによってcDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)をビオ
チン-16 dUTPで標識し、Sephadex G-50カラム(Pharmacia, Upssala, Sweden)を
用いて精製し、沈降させる。ハイブリダイゼーションの直前に、DNAペレットを
ハイブリダイゼーション緩衝液(50%ホルムアミド、2×SSC、10%硫酸デキストラ
ン、超音波処理したサケ精子DNA 1mg/ml、pH7)に溶解し、70℃にて5〜10分でプ
ローブを変性させる。
【0329】 -20℃に維持したスライドガラスを37℃にて1時間RNAse A(100μg/ml)で処理し
、2×SSCにて3回洗浄し、エタノールシリーズにて脱水する。70%ホルムアミド、
2×SSC中にて70℃で2分間、染色体調製物を変性させた後、4℃にて脱水する。ス
ライドガラスをプロテイナーゼK(20mM Tris-HCl、2mM CaCl2中、10μg/100ml)で
37℃にて8分間処理し、脱水する。プローブを含むハイブリダイゼーション混合
物をスライドガラスに載せ、カバーガラスで覆い、ラバーセメントで封止し、湿
式チャンバ内にて37℃で一晩インキュベートする。ハイブリダイゼーションおよ
びポストハイブリダイゼーション洗浄後、アビジン-FITCによってビオチン化プ
ローブを検出し、ビオチン化ヤギ抗アビジンおよびアビジン-FITCの別の層を用
いて増幅する。染色体局在位置について、上述したようにして蛍光R-バンドを得
る(Cherif et al.、上掲)。LEICA蛍光顕微鏡(DMRXA)下にてスライドガラスを観
察する。染色体をヨウ化プロピジウムで対比染色したところ、プローブの蛍光シ
グナルは蛍光R-バンド染色体(赤)の両染色分体上にある対称の黄緑色の点に見え
る。したがって、特定の染色体上の特定の細胞発生Rバンドに特定のcDNA(または
このcDNAから得られるゲノムDNA)を局在化することができる。
【0330】 (実施例43) (染色体地図の構築または拡大におけるcDNAの利用) 上記の実施例40〜42にて説明した方法でcDNA(またはこのcDNAから得られるゲ
ノムDNA)を特定の染色体に割り当てた後、これを利用してcDNA(またはこのcDNA
から得られるゲノムDNA)が位置する染色体の高解像度マップを構築したり、試料
に含まれる染色体を同定することができる。
【0331】 染色体マッピングでは、上述したように特定の一意な配列を特定の染色体に割
り当てる必要がある。一意な配列を特定の染色体にマッピングした後、これを同
一の染色体上に位置する他の一意な配列に対して順序付ける。染色体マッピング
のための一方法では、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)が得られる
生物体の染色体由来の数千長の挿入物を含む一連の酵母人工染色体(YAC)を利用
している。この方法については、Ramaiah Nagaraja et al. Genome Research 7:
210-222, March 1997に説明されている。簡単に説明すると、この方法では、各
染色体を重複のある断片に破砕し、これをYACベクターに挿入する。PCRまたは他
の方法を用いてYAC挿入物をスクリーニングし、位置の判定対象となるcDNA(また
はこのcDNAから得られるゲノムDNA)が含まれているか否かを判定する。cDNA(ま
たはこのcDNAから得られるゲノムDNA)を含む挿入物が見付かった後、この挿入物
をPCRまたは他の方法で解析し、染色体上またはcDNA(またはこのcDNAから得られ
るゲノムDNA)を導出した領域内にあることが明らかになっている他の配列がこの
挿入物にも含まれているか否かを判定することが可能である。このプロセスをYA
Cライブラリの各挿入物について繰り返し、各cDNA(またはこのcDNAから得られる
ゲノムDNA)の他のcDNAに対する位置と、他の周知の染色体マーカーに対する位置
を判定することが可能である。このように、生物体の染色体各々に沿った多数の
一意なマーカーの分布についての高解像度マップが得られる。
【0332】 以下の実施例44において説明するように、cDNA(またはこのcDNAから得られる
ゲノムDNA)を用いて、遺伝病または医薬品応答などの特定の表現型に関連する遺
伝子を同定することもできる。
【0333】 (実施例44) (遺伝病または医薬品応答に関連する遺伝子の同定) 本実施例は、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)と特定の表現型の
特徴とを関連させる上で有用な方法について説明するためのものである。本実施
例では、特定のcDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)を試験プローブと
して用いてそのcDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)と特定の表現型の
特徴とを関連させる。
【0334】 実施例40および41で説明したような技法または従来技術において周知の他の技
法を用いて、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)をヒト染色体上の特
定の位置にマッピングする。Mendelian Inheritance in Man(V. McKusick, Mend elian Inheritance in Man (ジョンズ・ホプキンス大学Welch Medicalライブラリ
経由でオンライン利用可)を検索すると、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノ
ムDNA)を含むヒト染色体領域が、既知の遺伝子と、遺伝子が同定されていない疾
病または表現型とを含む極めて遺伝子の豊富な領域であることが明らかになる。
よって、このcDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)に対応する遺伝子は
、これらの遺伝病各々についての直接的な候補になる。
【0335】 これらの疾病に羅患または表現型を有する患者から採取した細胞を単離し、培
養中に広げる。cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)から得られるPCRプ
ライマーを用いて、患者から得られるゲノムDNA、mRNAまたはcDNAをスクリーニ
ングする。さらに解析を行うことで、患者では増幅されないcDNA(またはこのcDN
Aから得られるゲノムDNA)を特定の疾病とポジティブに関連させることが可能で
ある。あるいは、PCR解析によって、疾病に関連する表現型を有する個体から試
料を導出すると、健常な個体から導出したときとは長さの異なるフラグメントが
得られる場合があることから、cDNAを含む遺伝子が遺伝病の原因となっている可
能性があることが分かる。
【0336】 (VI. ベクター構築におけるcDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)の使
用) 本cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)を用いて、ベクターに挿入さ
れる遺伝子でコードされるタンパク質の分泌を指令できる分泌ベクターを構築す
ることもできる。このような分泌ベクターを用いることで、所望のタンパク質を
精製または濃縮しなければならないバックグラウンドタンパク質の数が減り、そ
のベクターに挿入される遺伝子でコードされるタンパク質の精製または濃縮が容
易になる場合がある。分泌ベクターの例については後述する。
【0337】 (実施例45) (分泌ベクターの構築) 本発明の分泌ベクターは、目的の宿主細胞、組織または生物体における遺伝子
の発現を指令できるプロモーターを含む。このようなプロモーターとしては、ラ
ウス肉腫ウイルスプロモーター、SV40プロモーター、ヒトサイトメガロウイルス
プロモーター、当業者に馴染みのある他のプロモーターがあげられる。
【0338】 上記の表Iに列挙した配列番号24〜73のシグナル配列のうちの1つなど、cDNA(
またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)から得られるシグナル配列が、このプロ
モーターから転写されるmRNAによってシグナルペプチドの翻訳が指令されるよう
にプロモーターに作動可能に連結される。宿主細胞、組織または生物体は、cDNA
(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)に含まれるシグナル配列でコードされ
るシグナルペプチドを認識する細胞、組織または生物体であればどのようなもの
であってもよい。好適な宿主としては、哺乳動物の細胞、組織または生物体、ト
リの細胞、組織または生物体、昆虫の細胞、組織または生物体、あるいは酵母が
あげられる。
【0339】 また、分泌ベクターには、分泌対象となるタンパク質をコードする遺伝子を挿
入するためのクローニング部位が含まれる。このクローニング部位によって、挿
入された遺伝子でコードされるタンパク質にシグナルペプチドが融合した融合タ
ンパク質がプロモーターから転写されたmRNAから発現されるようにシグナル配列
とインフレームで挿入遺伝子をクローニングしやすくなる。シグナルペプチドは
、融合タンパク質の細胞外分泌を指令する。
【0340】 分泌ベクターはDNAであってもRNAであってもよく、宿主の染色体に組み込まれ
たり染色体外レプリコンとして宿主にて安定した状態で維持されてもよく、人工
染色体であっても、あるいは、宿主に一時的に存在するものであってもよい。分
泌ベクターを各宿主細胞中にて複数の複製で維持すると好ましい。本願明細書に
おいて、複数の複製とは、細胞1つあたり少なくとも2、5、10、20、25、50また
はそれ以上の複製を意味する。いくつかの実施形態では、複数の複製を染色体外
に維持する。他の実施形態では、染色体配列を増幅して複数の複製を得る。
【0341】 分泌ベクターとして使用するのに適した多くの核酸バックボーンが当業者間で
周知であり、一例として、レトロウイルスベクター、SV40ベクター、ウシパピロ
ーマウイルスベクター、酵母プラスミド、酵母エピソームプラスミド、酵母人工
染色体、ヒト人工染色体、Pエレメントベクター、バキュロウイルスベクター、
あるいは、一時的に宿主に導入することが可能な細菌プラスミドがあげられる。
【0342】 分泌ベクターには、ポリAシグナルが分泌ベクターに挿入される遺伝子よりも
下流に位置するようにしてポリAシグナルを含んでもよい。
【0343】 分泌が望ましいタンパク質をコードする遺伝子を分泌ベクターに挿入した後、
リン酸カルシウム沈降法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレーション法、リ
ポソーム媒介トランスフェクション法、ウイルス粒子を使用して、あるいは、裸
のDNAとして、宿主細胞、組織または生物体に分泌ベクターを導入する。次に、
挿入された遺伝子でコードされるタンパク質を、硫酸アンモニウム沈降、免疫沈
降、免疫クロマトグラフィ、サイズ排除クロマトグラフィ、イオン交換クロマト
グラフィ、HPLCなどの従来の手法で上澄みから精製または濃縮する。あるいは、
分泌タンパク質を宿主の成長培地または上澄み中にて十分に濃縮された状態また
は純な状態にし、さらに濃縮しなくても意図した目的で利用できるようにしても
よい。
【0344】 また、遺伝子治療用に設計されたベクターにシグナル配列を挿入してもよい。
このようなベクターでは、シグナル配列は、プロモーターから転写されるmRNAが
シグナルペプチドをコードするようにプロモーターに作動可能に連結される。分
泌が望ましいタンパク質をコードする遺伝子を容易にベクターに挿入し、シグナ
ル配列と融合させられるように、クローニング部位はシグナル配列の下流に位置
している。ベクターを適当な宿主細胞に導入する。プロモーターから発現される
タンパク質を細胞外分泌することで、治療効果を生む。
【0345】 cDNAまたは5'ESTを用いて、プロモーター配列、エンハンサー配列、転写また
は翻訳レベルに影響する他の上流配列をはじめとする、遺伝子発現可能なcDNAま
たは5'ESTの上流に位置する配列をクローニングしてもよい。同定およびクロー
ニングを行えば、所望の空間的、時間的、発達的または定量的な方法で挿入され
た遺伝子の発現を指令すべく設計された発現ベクターにおいて、こうした上流の
制御配列を用いることができる。次の実施例では、cDNAまたは5'ESTよりも上流
にある配列のクローニング方法について説明する。
【0346】 (実施例46) (ゲノムDNAからの上流配列のクローニングにおけるcDNAまたはそのフラグメント
の使用) cDNAまたは5'EST由来の配列を用いて、染色体ウォーキング法で対応する遺伝
子のプロモーターを単離することができる。Clontechから入手可能なGenomeWalk
er(登録商標)キットを利用する染色体ウォーキング法では、6塩基認識部位を
有し、かつ平滑末端が残った異なる制限酵素で、完全なゲノムDNA試料5例を消化
する。消化後、得られるゲノムDNAフラグメントの各末端にオリゴヌクレオチド
アダプタをライゲートする。
【0347】 5つのゲノムDNAライブラリ各々について、キットに同梱されている外側のアダ
プタプライマーと外側の遺伝子特異プライマーとを用いて、製造業者の指示に従
って1回目のPCR反応を実施する。この遺伝子特異プライマーについては、目的の
cDNAまたは5'ESTに特異となるように選択し、融点、長さ、cDNAまたは5'ESTでの
位置がPCR反応での用途に合うものでなければならない。1回目のPCR反応にはそ
れぞれ、ゲノムDNAを5ngと、10×Tth反応緩衝液5μlと、各dNTPを0.2mMと、外側
のアダプタープライマーおよび外側の遺伝子特異的プライマー各々0.2μMと、Mg
(OAc)2を1.1mMと、Tthポリメラーゼ50×混合物1μlとを、全量50μlで利用する
。1回目のPCR反応の反応サイクルは、94℃にて1分/94℃にて2秒、72℃にて3分(7
サイクル)/94℃にて2秒、67℃にて3分(32サイクル)/67℃にて5分である。
【0348】 1回目のPCR反応の産物を希釈し、製造業者の指示に従い、1回目のPCR反応で得
られる単位複製配列の内部に位置する一対の入れ子型プライマーを用いる2回目
のPCR反応の鋳型として使用する。たとえば、1回目のPCR反応混合物の反応産物5
μlを180倍に希釈してもよい。入れ子型プライマーを用いたこと以外は1回目のP
CR反応と同一の組成物の50μl容量中にて反応を行う。第1の入れ子型プライマー
はアダプターに特異であり、GenomeWalker(登録商標)キットが附属している。
第2の入れ子型プライマーは、プロモーターをクローニングする特定のcDNAまた
は5'ESTに特異であり、融点、長さ、cDNAまたは5'ESTでの位置がPCR反応での用
途に合うものでなければならない。2回目のPCR反応の反応パラメータは、94℃に
て1分/94℃にて2秒、72℃にて3分(6サイクル)/94℃にて2秒、67℃にて3分(25サ
イクル)/67℃にて5分である。
【0349】 2回目のPCR反応の産物を常法によって精製し、クローニングし、配列決定する
。あるいは、2種以上の制限酵素を用いて2つ以上のヒトゲノムDNAライブラリを
構築することも可能である。一本鎖DNA、環状DNAまたは線状DNAに変換可能なベ
クターに、消化後のゲノムDNAをクローニングする。cDNA配列または5'EST配列か
らの少なくとも15ヌクレオチドを含むビオチン化オリゴヌクレオチドを一本鎖DN
Aにハイブリダイズする。ビオチン化オリゴヌクレオチドとcDNA配列またはEST配
列を含む一本鎖DNAとのハイブリッドを上記実施例17にて説明したようにして単
離する。その後、cDNA配列またはEST配列を含む一本鎖DNAをビーズから放出し、
cDNA配列または5'EST配列に特異なプライマーまたはクローニングベクターに含
まれる配列に対応するプライマーを用いて、二本鎖DNAに変換する。得られる二
本鎖DNAを細菌に形質転換する。コロニーPCRまたはコロニーハイブリダイゼーシ
ョンによって、5'EST配列またはcDNA配列を含むDNAを同定する。
【0350】 上流のゲノム配列を上述したようにしてクローニングおよび配列決定した後、
cDNAまたは5'ESTよりも上流の配列と、既知の転写開始部位、転写因子結合部位
またはプロモーター配列が格納されたデータベースとを比較することによって、
この上流配列内で可能性のあるプロモーターと転写開始部位とを同定してもよい
【0351】 また、後述するように、プロモーターレポーターベクターを用いて上流配列の
プロモーターを同定することができる。
【0352】 (実施例47) (クローニングした上流配列におけるプロモーターの同定) cDNAまたはそのフラグメントの上流にあるゲノム配列を、Clontechから入手可
能なpSEAP-Basic、pSEAP-Enhancer、pβgal-Basic、pβgal-EnhancerまたはpEGF
P-1プロモーターレポーターベクターなどの適当なプロモーターレポーターベク
ターにクローニングする。簡単に説明すると、これらのプロモーターレポーター
ベクターは各々、分泌後のアルカリホスファターゼ、βガラクトシダーゼまたは
緑色蛍光タンパク質などの容易にアッセイ可能なタンパク質をコードするレポー
ター遺伝子の上流に位置する複数のクローニング部位を含む。cDNAまたは5'EST
上流の配列をレポーター遺伝子上流のクローニング部位に両方の向きで挿入し、
適当な宿主細胞に導入する。レポータータンパク質のレベルをアッセイし、クロ
ーニング部位に挿入物がないベクターでのレベルと比較する。挿入物を含むベク
ターでの発現レベルの方が対照ベクターでの場合よりも高いことから、挿入物に
プロモーターが存在することが分かる。必要であれば、エンハンサーを含むベク
ターに上流配列をクローニングし、弱いプロモーター配列での転写レベルから増
大させてもよい。発現レベルが挿入物のないベクターで観察されたレベルを有意
に上回ることから、挿入された上流配列にプロモーター配列が存在することが分
かる。
【0353】 プロモーターレポーターベクターに適した宿主細胞については、上述したcDNA
およびESTの発現パターンの判断結果に基づいて選択できる。たとえば、発現パ
ターン解析によって特定のcDNAまたはそのフラグメントに対応するmRNAが繊維芽
細胞で発現されることが明らかになった場合、プロモーターレポーターベクター
をヒト繊維芽細胞の細胞系に導入してもよい。
【0354】 エキソヌクレアーゼIIIでの消化などの従来の技法を用いて上流DNAに入れ子状
態の欠失を構築することによって、上流ゲノムDNA内のプロモーター配列をさら
に定義してもよい。このようにして得られる欠失フラグメントをプロモーターレ
ポーターベクターに挿入し、欠失が少なくなったか否か、プロモーター活性を消
失させたか否かを判断することができる。このようにしてプロモーターの境界を
定義することができる。必要であれば、部位定方向突然変異誘発またはリンカー
スキャニングによってプロモーター内の個々の潜在的な調節部位を同定し、プロ
モーター内の潜在的な転写因子結合部位を個々にまたは組み合わせで消失させて
もよい。これらの変異種が転写レベルに対しておよぼす影響については、プロモ
ーターレポーターベクターのクローニング部位に変異種を挿入することで判断す
ることができる。
【0355】 (実施例48) (プロモーターのクローニングおよび同定) 上記の実施例47にて説明した方法を5'ESTで利用して、いくつかの遺伝子の上
流の配列を得た。プライマー対GGG AAG ATG GAG ATA GTA TTG CCT G(配列番号15
)およびCTG CCA TGT ACA TGA TAG AGA GAT TC(配列番号16)を利用して、社内整
理番号P13H2(配列番号17)のプロモーターを得た。
【0356】 プライマー対GTA CCA GGGG ACT GTG ACC ATT GC(配列番号18)およびCTG TGA C
CA TTG CTC CCA AGA GAG(配列番号19)を利用して、社内整理番号P15B4(配列番号
20)のプロモーターを得た。
【0357】 プライマー対CTG GGA TGG AAG GCA CGG TA(配列番号21)およびGAG ACC ACA CA
G CTA GAC AA(配列番号22)を利用して、社内整理番号P29B6(配列番号23)のプロ
モーターを得た。
【0358】 図4は、単離したプロモーターと、これらのプロモーターを対応する5'タグに
アセンブルする方法とを概略的に説明した図である。コンピュータプログラムMa
tInspector release 2.0, August 1996を利用して、転写因子結合部位または既
知の転写開始部位に似ているモチーフの有無について上流配列をスクリーニング
した。
【0359】 図5は、これらの各プロモーターに存在する転写因子結合部位について示した
図である。マトリックス欄には、使用したMatInspectorのマトリックス名を示し
てある。位置欄には、プロモーター部位の5'位置を示してある。配列の数え方と
しては、ゲノム配列と5'EST配列とをマッチングして判定した転写部位から開始
する。「配向」欄は、その部位が見つかったDNA鎖を示すものであって、+鎖はゲ
ノム配列と5'ESTの配列とをマッチングして判定したコード鎖である。「スコア
」欄には、この部位について見つかったMatInspectorのスコアを示してある。「
長さ」欄には、その部位の長さをヌクレオチド長として示してある。「配列」欄
には、見つかった部位の配列を示してある。
【0360】 cDNAまたは5'ESTよりも上流に位置するプロモーターおよび他の制御配列を使
用して、所望の空間的、時間的、発育的または定量的な方法で挿入された遺伝子
の発現を指令できる発現ベクターを設計することができる。上記の実施例10にて
説明した発現解析の結果を利用して、所望の空間的、時間的、発育的または定量
的なパターンを指令できるプロモーターを選択することができる。たとえば、筋
肉にて高いレベルの発現を与えるプロモーターが望ましい場合は、実施例10の方
法で判定して筋肉にて高いレベルで発現されるmRNA由来のcDNAまたは5'ESTより
も上流のプロモーター配列を、発現ベクターに用いてもよい。
【0361】 好ましくは、プロモーターが挿入された遺伝子の発現をドライブできるように
、複数の制限部位の付近に所望のプロモーターを配置し、プロモーターよりも下
流にある所望の挿入物のクローニングを容易にする。染色体外複製、宿主染色体
への組み込みまたは一過性発現用に設計された従来の核酸骨格にプロモーターを
挿入してもよい。既存の発現ベクターに好適な骨格としては、レトロウイルス骨
格、SV40またはウシ乳頭腫ウイルスなどの真核生物のエピゾームからの骨格、細
菌性エピゾームまたは人工染色体からの骨格があげられる。
【0362】 発現ベクターに挿入された遺伝子から転写されるmRNAのポリアデニル化を指揮
するために、発現ベクターには複数の制限部位の下流にあるポリAシグナルも含
まれているのが好ましい。
【0363】 実施例46〜48の方法を用いたプロモーター配列の同定に続いて、以下の実施例
49にて説明するようにして、プロモーターと相互作用するタンパク質を同定する
ことができる。
【0364】 (実施例49) (プロモーター配列、上流の制御配列またはmRNAと相互作用するタンパク質の同
定) 周知の転写因子結合部位に対する相同性か、プロモーター配列を含むレポータ
ープラスミドに対する従来の突然変異誘発または欠失解析によって、プロモータ
ー領域内の転写因子に結合しやすい配列を同定することができる。たとえば、ア
ッセイ可能なレポーター遺伝子に作動可能に連結された、目的のプロモーター配
列を含むレポータープラスミドに欠失を作り出す。プロモーター領域内にさまざ
まな欠失を有するレポータープラスミドを適当な宿主細胞にトランスフェクトし
、欠失による発現レベルへの影響をアッセイする。部位定方向突然変異誘起、リ
ンカースキャニング解析または当業者に馴染みのある他の手法を用いて、欠失に
よって発現レベルが落ちる領域内の転写因子結合部位をさらに局在化することが
できる。Clontechから入手可能なMatchmaker One-Hybrid Systemキット(カタロ
グNo. K1603-1)に付随のマニュアルに記載されているものなどのワンハイブリッ
ドシステムを使用して、プロモーターの配列と相互作用するタンパク質をコード
する核酸を同定することができる。簡単に説明すると、Matchmaker One-hybrid
システムは次のようなものである。結合タンパク質の同定したい標的配列を選択
可能なレポーター遺伝子の上流にクローニングし、酵母ゲノムに組み込む。好ま
しくは、タンデムで標的配列の複数のコピーをレポータープラスミドに挿入する
【0365】 プロモーターに対する結合性能の評価対象となるcDNAとGAL4などの酵母転写因
子の活性化ドメインとの間の融合で構成されるライブラリを、組み込まれたレポ
ーター配列を含む酵母菌株に形質転換する。酵母を選択培地に接種し、プロモー
ター配列に結合した選択可能なマーカーを発現する細胞を選択する。選択培地で
成長するコロニーには、標的配列と結合するタンパク質をコードする遺伝子が含
まれる。配列決定を行って、融合タンパク質をコードする遺伝子内の挿入物をさ
らに特徴づけする。また、挿入物を発現ベクターに挿入するか、あるいはin vit
ro転写ベクターに挿入するしてもよい。ゲルシフト解析またはDNAse保護解析な
どの当業者に馴染みのある手法によって挿入物でコードされたポリペプチドとプ
ロモーターDNAとの結合を確認する。
【0366】 (VII. cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)の遺伝子治療での使用) 本発明は、以下の実施例50および51にて説明するようなアンチセンスおよび三
重らせん戦略をはじめとする遺伝子治療戦略に、cDNA(またはこのcDNAから得ら
れるゲノムDNA)を使用することも含む。アンチセンスによる方法では、mRNAに相
補的な核酸配列をmRNAと細胞内ハイブリダイズさせ、これによってmRNAにコード
されたタンパク質の発現をブロックする。アンチセンス配列は、さまざまな機序
によって遺伝子の発現を妨害している。たとえば、アンチセンス配列によって、
リボソームがmRNAを翻訳する機能が阻害される場合がある。また、アンチセンス
配列によって、核から細胞質へのmRNAの輸送がブロックされ、翻訳に利用できる
mRNAの量が限られてしまう場合もある。アンチセンス配列が遺伝子発現を阻害す
るもう1つの機序として、mRNAスプライシングへの干渉があげられる。さらに別
の戦略では、標的mRNAに対する特異的切断能を有するリボザイムにアンチセンス
核酸を組み込んでもよい。
【0367】 (実施例50) (アンチセンスオリゴヌクレオチドの調製と利用) 遺伝子治療に利用されるアンチセンス核酸分子は、DNA配列またはRNA配列のい
ずれかであってもよい。これらの分子には、cDNA(またはこのcDNAから得られる
ゲノムDNA)の配列と相補的な配列が含まれていてもよい。アンチセンス核酸は、
二重鎖でのmRNAの発現を抑制するのに十分な安定性を持つ細胞内二重鎖が形成さ
れるだけの長さと融点を持つものでなければならない。遺伝子治療に利用するの
に適したアンチセンス核酸の設計戦略については、Green et al., Ann. Rev. Bi
ochem. 55:569-597 (1986)およびIzant and Weintraub, Cell 36:1007-1015 (19
84)に開示されている。
【0368】 いくつかの戦略では、細胞で正常に転写されるものとは逆の鎖が転写されるよ
うに、コーディング領域の配向をプロモーターとは逆にすることによって、タン
パク質をコードするヌクレオチド配列からアンチセンス分子を得る。転写物の生
成にT7またはSP6ポリメラーゼを用いるものなどのin vitro転写系を用いてアン
チセンス分子を転写することができる。もう1つの方法は、アンチセンス配列を
持つDNAを発現ベクターでプロモーターに作動可能に連結させることによって、
アンチセンス核酸をin vivoにて転写するものである。
【0369】 あるいは、細胞で通常転写される鎖と相補的なオリゴヌクレオチドをin vitro
にて合成してもよい。このため、アンチセンス核酸は対応するmRNAに対して相補
的なものであり、mRNAとハイブリダイズさせて二重鎖を得ることができる。いく
つかの実施形態では、アンチセンス配列に修飾糖ホスフェート骨格を持たせて安
定性を高め、RNase活性に対する感受性を落とすようにしてもよい。アンチセン
ス戦略に使用するのに適した変形例の一例として、2'O-メチルRNAオリゴヌクレ
オチドおよびタンパク質-核酸(PNA)オリゴヌクレオチドがあげられる。さらに他
の例については、Rossi et al., Pharmacol. Ther., 50(2):245-254,(1991)に記
載されている。
【0370】 cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)の配列と相補的なさまざまなタ
イプのアンチセンスオリゴヌクレオチドを利用することができる。好ましい一実
施形態では、国際特許出願公開第WO94/23026号に記載されている安定したアンチ
センスオリゴヌクレオチドおよび半安定なアンチセンスオリゴヌクレオチドを使
用する。これらの分子では、3'末端または3'末端と5'末端の両方が、分子内水素
結合で相補塩基対と結合している。これらの分子は、エキソヌクレアーゼ攻撃に
耐えることができ、従来のアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも高い安定性を
示すものであるとなおよい。
【0371】 他の好ましい実施形態では、国際特許出願公開第WO 95/04141号に記載された
単純ヘルペスウイルス1型および2型に対するアンチセンスオリゴデオキシヌクレ
オチド。
【0372】 さらに他の好ましい実施形態では、国際特許出願公開第WO 96/31523号に記載
された共有結合的に架橋したアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する。これ
らの二本鎖オリゴヌクレオチドまたは一本鎖オリゴヌクレオチドは、1つまたは
それ以上のオリゴヌクレオチド間共有結合的架橋またはオリゴヌクレオチド内共
有結合架橋を含む。ここで、連鎖は、一方の鎖の一級アミン基と他方の鎖または
同一の鎖のカルボキシル基との間のアミド結合からなるものであり、一級アミン
基は鎖ヌクレオチドの単糖環の2'位において直接置換され、カルボキシル基は他
の鎖または同一鎖のヌクレオチドまたはヌクレオチド類似物で置換された脂肪族
スペーサ基によって保持されている。
【0373】 国際特許出願公開第WO 92/18522号に開示されたアンチセンスオリゴデオキシ
ヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドを使用してもよい。これらの分子は、分
解に対する安定性を持ち、少なくとも1種の制御タンパク質と結合する転写制御
認識配列を有し、そのデコイとして効果的なものである。これらの分子は、「ヘ
アピン」構造、「ダンベル」構造、「修飾ダンベル」構造、「架橋」デコイ構造
および「ループ」構造などを持つ。
【0374】 他の好ましい実施形態では、欧州特許出願公開第0 572 287 A2号に記載されて
いる環状二本鎖オリゴヌクレオチドを使用する。これらのライゲートされたオリ
ゴヌクレオチド「ダンベル」には、転写因子を隔絶することによって、これらの
因子の制御下で遺伝子の発現を抑制する、転写因子に対する結合部位が含まれる
【0375】 国際特許出願公開第WO 92/19732号に開示されている閉じたアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドも包含されている。これらの分子には遊離端が含まれていないた
め、従来のオリゴヌクレオチドよりもエキソヌクレアーゼによる分解に対する耐
性が高い。これらのオリゴヌクレオチドは、多機能であって標的mRNAから離れた
領域の中にも相互作用の対象となる場合がある。
【0376】 in vitroでの発現解析を利用して、遺伝子発現を抑制するのに必要なアンチセ
ンス核酸の適切な濃度を判断してもよい。従来技術において周知の手順を用いた
拡散、注入、感染またはトランスフェクションなどによって細胞にアンチセンス
分子を導入してもよい。たとえば、素のままで裸のオリゴヌクレオチド、脂質に
封入されたオリゴヌクレオチド、ウイルスタンパク質によってキャプシド形成さ
れたオリゴヌクレオチド配列、あるいは発現ベクターに含まれるプロモーターに
作動的に連結されたオリゴヌクレオチドなどとして体にアンチセンス核酸を導入
することができる。発現ベクターは、レトロウイルスベクターまたはウイルスベ
クター、染色体外複製能のあるベクターまたは組込みベクターなど、従来技術に
おいて周知のさまざまな発現ベクターのうちどのようなものであってもよい。
【0377】 さまざまな濃度、好ましくは1×10-10M〜1×10-4Mの濃度でアンチセンス分子
を細胞試料に導入することができる。遺伝子発現を適宜制御できる最低濃度の特
定後、最適な用量をin vivoでの使用に適した投与量に換算する。たとえば、培
養での抑制濃度1×10-7を用量に換算すると体重1kgあたり約0.6mgになる。実験
動物でオリゴヌクレオチドの毒性について試験を行った後であれば、体重1kgあ
たり100mg前後またはこれ以上のオリゴヌクレオチド濃度になることもあり得る
。また、脊椎動物から採取した細胞を除去し、アンチセンスオリゴヌクレオチド
で処理し、脊椎動物に再度導入することも企図されている。
【0378】 アンチセンスオリゴヌクレオチド配列をリボザイム配列に取り込み、アンチセ
ンスがその標的mRNAと特異的に結合してこれを切断できるようにすることも企図
されている。リボザイムとアンチセンスオリゴヌクレオチドの技術的な応用方法
については、上記のRossi et al.を参照のこと。
【0379】 本発明の好ましい用途では、遺伝子でコードされるポリペプチドをまず同定し
、RIAおよびELISAなどの抗体媒介試験、機能的アッセイまたは放射標識などを含
むがこれに限定されるものではない技法を用いて、翻訳に対するアンチセンス阻
害の効率をモニタリング可能なようにする。
【0380】 本発明のcDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)を、細胞内での三重ら
せん形成を主体にした遺伝子治療法に使用してもよい。三重らせんオリゴヌクレ
オチドを用いてゲノムからの転写を抑制する。これらのオリゴヌクレオチドが特
定の遺伝子と関連している場合に、細胞活性の変化を研究する上で特に有用であ
る。本発明のcDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)、あるいは、より好
ましくは、これらの配列のフラグメントを利用して、特定の遺伝子の発現と関連
する疾患に羅患した個体における遺伝子の発現を阻害することが可能である。同
様に、cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)のフラグメントを用いて、
細胞内の特定の遺伝子の転写を阻害する効果を研究することが可能である。従来
、三重らせんでの戦略にはホモプリン配列が最も有用であるとされてきた。しか
しながら、ホモピリミジン配列でも遺伝子発現を抑制することができる。このよ
うなホモピリミジンオリゴヌクレオチドは、ホモプリン:ホモピリミジン配列の
主溝に結合する。したがって、cDNAから得られる配列またはcDNAに対応する遺伝
子から得られる配列の療法のタイプが本発明の範囲内に包含される。
【0381】 (実施例51) (三重らせんプローブの作成と使用) cDNA(またはこのcDNAから得られるゲノムDNA)の配列をスキャンして10マーか
ら20マーのホモピリミジンまたはホモプリンの断片を同定し、これを三重らせん
主体の戦略に利用して遺伝子の発現を抑制することができる。ホモピリミジンま
たはホモプリンの候補断片の同定後、候補配列を含むオリゴヌクレオチドを、通
常は標的遺伝子を発現する組織培養細胞にさまざまな量で導入することによって
、その遺伝子発現抑制効率を評価する。このオリゴヌクレオチドについては、オ
リゴヌクレオチド合成器で調製するか、あるいはGENSET, Paris, Franceなどの
独自オリゴヌクレオチドの合成に対応している企業から購入することができる。
【0382】 リン酸カルシウム沈降法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレーション法、
リポソーム媒介トランスフェクション法または天然状態での取り込みなどを含む
がこれに限定されるものはない、当業者間で周知のさまざまな方法を利用して、
細胞にオリゴヌクレオチドを導入することができる。
【0383】 ノーザンブロット、RNase保護アッセイ、PCR法を主体とした戦略などの手法を
用いて、処理済細胞の細胞機能または遺伝子発現の低下を監視し、オリゴヌクレ
オチドで処理した細胞での標的遺伝子の転写レベルをモニタリングする。オリゴ
ヌクレオチドを導出したcDNAに対応する標的遺伝子と、特定の機能に関連した既
知の遺伝子配列との相同性に基づいて、モニタリング対象となる細胞機能を予測
する。また、特にcDNAが疾患と関連している場合に、実施例44にて説明した方法
を利用して、特定の遺伝病羅患した個体由来の細胞内に異常な生理があることに
基づいて細胞機能を予測することも可能である。
【0384】 次に、上記および実施例50で説明したような方法を用いて、実施例50で行った
in vitroでの結果に基づいて投与量を算出し、この投与量で組織培養細胞での遺
伝子発現の抑制に効果的なオリゴヌクレオチドをin vivo導入してもよい。
【0385】 いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド単位の天然(β)アノマーの代わ
りにαアノマーを用いてオリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を高めることが
できる。さらに、臭化エチジウムなどのインターカレート剤をαオリゴヌクレオ
チドの3'末端に付加し、三重らせんを安定させることも可能である。三重らせん
形成に適したオリゴヌクレオチドの生成方法については、Griffin et al. (Scie
nce 245:967-971 (1989)を参照のこと。
【0386】 (実施例52) (コードしたタンパク質を宿主生物体で発現させる上でのcDNAの使用) 本発明のcDNAを用いて、コードされるタンパク質を宿主生物体で発現させ、有
益な効果を生むことができる。このような手順では、コードされるタンパク質を
宿主生物体で一時的に発現させるか、宿主生物で安定的に発現させることができ
る。コードされるタンパク質は、上述したどのような活性を有するものであって
もよい。コードされるタンパク質は、宿主生物体に欠けたタンパク質であっても
よいし、あるいは、コードされるタンパク質は、宿主生物体にてタンパク質の既
存のレベルを高めるものであってもよい。
【0387】 シグナルペプチドおよび成熟タンパク質をコードする全長cDNA、あるいは、成
熟タンパク質のみをコードするcDNAを、宿主生物体に導入する。このとき、当業
者間で周知のさまざまな技法を用いて、cDNAを宿主生物体に導入することができ
る。たとえば、コードされるタンパク質が宿主生物体で発現するように、裸のDN
AとしてcDNAを宿主生物体に注入し、有益な効果を生む。
【0388】 あるいは、宿主生物体にて活性なプロモーターよりも下流の発現ベクターにcD
NAをクローニングしてもよい。発現ベクターは、ウイルスベクターまたはレトロ
ウイルスベクターをはじめとして、遺伝子治療用に設計された発現ベクターであ
ればどのようなものであってもよい。
【0389】 コードされるタンパク質が宿主生物体で発現され、有益な効果が得られるよう
に、宿主生物体に発現ベクターを直接導入することができる。もう1つの方法で
は、in vitroにて発現ベクターを細胞に導入することができる。次いで発現ベク
ターを有する細胞を選択し、宿主生物体に導入し、そこでコードされるタンパク
質を発現させて有益な効果を得る。
【0390】 (実施例53) (タンパク質を細胞に移入する上でのシグナルペプチドの使用) 本発明のcDNAまたはそのフラグメントでコードされるシグナルペプチドの短い
疎水性コア領域(h)を担体として使用し、目的のペプチドまたはタンパク質すな
わちいわゆるカーゴを、組織培養細胞に移入することができる(Lin et al., J.
Biol. Chem., 270: 14225-14258 (1995)、Du et al., J. Peptide Res., 51: 23
5-243 (1998)、Rojas et al., Nature Biotech., 16: 370-375 (1998))。
【0391】 細胞膜を通して限られたサイズ(25アミノ酸程度まで)の細胞透過性ペプチドを
転位置させる場合は、C末端またはN末端に対するh領域を目的のカーゴペプチド
に付加するために化学合成を利用してもよい。あるいは、これよりも長いペプチ
ドまたはタンパク質を細胞に移入する場合は、h領域をコードするcDNA配列また
はそのフラグメントをカーゴポリペプチドをコードするDNA配列の5'末端または3
'末端とリンクさせるために、当業者に馴染みのある技法を用いて核酸を遺伝子
改変することが可能である。このような遺伝子改変核酸を、適当な細胞へのトラ
ンスフェクション後に従来の技法でin vitroまたはin vivoにて翻訳し、得られ
る細胞透過性ポリペプチドを産生する。次に、好適な宿主細胞を細胞透過性ポリ
ペプチドと共に単にインキュベートし、膜を通して転位置させる。
【0392】 この方法を、さまざまな細胞内機能および細胞プロセスの研究に適用すること
ができる。たとえば、細胞内タンパク質の機能的に関連したドメインをプローブ
し、シグナル形質導入経路に関与するタンパク質-タンパク質相互作用について
検討すべく利用されてきている(Lin et al., 上掲、Lin et al., J. Biol. Chem
., 271: 5305-5308 (1996)、Rojas et al., J. Biol. Chem., 271: 27456-27461
(1996)、Liu et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93: 11819-11824 (1996)
、Rojas et al., Bioch. Biophys. Res. Commun., 234: 675-680 (1997))。
【0393】 このような技法を細胞療法に利用して、治療効果を生むタンパク質を移入する
ことができる。たとえば、患者から単離された細胞を移入した治療タンパク質で
処理した上で、宿主生物体に再度導入してもよい。
【0394】 あるいは、本発明のシグナルペプチドのh領域を核局在位置シグナルと併用し
、核酸を細胞核に送ることも可能である。このようなオリゴヌクレオチドは、標
的細胞RNAのプロセシングと成熟を阻害するために、それぞれ実施例50および51
に説明されているような三重らせんを形成するよう設計されたアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドであってもオリゴヌクレオチドであってもよい。
【0395】 (実施例54) (コンピュータの実施形態) 本願明細書において、「配列番号24〜73のcDNAコード」という表現は、配列番
号24〜73のヌクレオチド配列、配列番号24〜73のフラグメント、配列番号24〜73
と相補または配列番号24〜73のフラグメントと相補的なヌクレオチド配列、上記
の配列すべてと相補的な配列を包含する。フラグメントとしては、配列番号24〜
73の連続した少なくとも8、10、12、15、18、20、25、28、30、35、40、50、75
、100、150、200、300、400、500、1000または2000ヌクレオチドを含むフラグメ
ントがあげられる。好ましくは、フラグメントは、新規なフラグメントである。
好ましくは、フラグメントとしては、表IIIに示されるポリヌクレオチドあるい
は、表IIIに示されるポリヌクレオチドの連続した少なくとも8、10、12、15、18
、20、25、28、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、500、1000また
は2000ヌクレオチドを含むフラグメントがあげられる。配列番号24〜73の相同配
列およびフラグメントは、これらの配列と少なくとも99%、98%、97%、96%、95%
、90%、85%、80%または75%相同である配列を意味する。BLAST2Nをデフォルトの
パラメーターで使用したり、いずれかのパラメーターを変更して使用するものを
はじめとして、実施例17で説明したコンピュータプログラムおよびパラメータの
いずれかを用いて、相同性を判定することができる。相同配列としては、配列番
号24〜73のcDNAコードのウリジンがチミジンに代わったRNA配列も含まれる。本
願明細書に記載のいずれかの方法を用いて、あるいは、上述したような配列決定
エラーの補正の結果として、相同配列を得ることができる。好ましくは、配列番
号24〜73の相同配列およびフラグメントとしては、表IIIに示されるポリヌクレ
オチドあるいは、表IIIに示されるポリヌクレオチドの連続した少なくとも8、10
、12、15、18、20、25、28、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、5
00、1000または2000ヌクレオチドを含むフラグメントがあげられる。配列番号24
〜73のcDNAコードについては、従来の一文字形式で(Styer, Lubert. Biochemist
ry, 3rd edition. W. H Freeman & Co., New Yorkの裏表紙の内側を参照のこと)
または配列におけるヌクレオチドの相同性を記録する他の任意の形式で表現可能
であることは理解できよう。
【0396】 本願明細書において、「配列番号74〜123のポリペプチドコード」という表現
は、配列番号24〜73のcDNAでコードされる配列番号74〜123のポリペプチド配列
、配列番号74〜123のポリペプチドと相補的なポリペプチド配列、あるいは、上
記の配列のうちいずれかのフラグメントを包含する。相同的ポリペプチド配列は
、配列番号74〜123のポリペプチド配列のうちの1つと少なくとも99%、98%、97%
、96%、95%、90%、85%、80%または75%相同であるポリペプチド配列を意味する。
FASTAをデフォルトのパラメーターで使用したり、いずれかのパラメーターを変
更して使用するものをはじめとして、本願明細書にて説明したコンピュータプロ
グラムおよびパラメータのいずれかを用いて、相同性を判定することができる。
本願明細書に記載のいずれかの方法を用いて、あるいは、上述したような配列決
定エラーの補正の結果として、相同配列を得ることができる。ポリペプチドフラ
グメントは、配列番号74〜123のポリペプチドの連続した少なくとも5、8、10、1
2、15、20、25、30、35、40、50、60、75、100、150または200アミノ酸を含む。
好ましくは、このフラグメントは新規なフラグメントである。好ましくは、フラ
グメントとしては、表IIIに示すポリヌクレオチドでコードされるポリペプチド
あるいは、表IIIに示すポリヌクレオチドでコードされるポリペプチドの連続し
た少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または150アミノ酸
を含むそのフラグメントがあげられる。配列番号74〜123のポリペプチドコード
については、従来の一文字形式または三文字形式(Starrier, Lubert. Biochemis
try, 3rd edition. W. H Freeman & Co., New Yorkの裏表紙の内側を参照のこと
)または配列におけるポリペプチドの相同性に関する他の任意の形式で表現可能
であることは理解できよう。
【0397】 配列番号24〜73のcDNAコードおよび配列番号74〜123ポリペプチドコードは、
コンピュータによる読み取りおよびアクセスが可能な任意の媒体に格納、記録お
よび操作が可能なものであることは、当業者であれば理解できよう。本願明細書
において、「記録された」および「格納された」という語は、コンピュータ媒体
に情報を格納するプロセスを意味する。当業者であれば、コンピュータ読み取り
可能な媒体に情報を記録するための周知の方法のうち任意のものを採用し、配列
番号24〜73のcDNAコード1つまたはそれ以上、あるいは、配列番号74〜123のポリ
ペプチドコード1つまたはそれ以上を有する製品を生成することが容易にできる
。本発明のもう1つの態様は、配列番号24〜73のcDNAコードが少なくとも2、5、1
0、15、20、25、30または50記録されたコンピュータ読取可能媒体である。本発
明のもう1つの態様は、配列番号74〜123のポリペプチドコードが少なくとも2、5
、10、15、20、25、30または50記録されたコンピュータ読取可能媒体である。
【0398】 コンピュータ読取可能媒体としては、磁気的に読み取り可能な媒体、光学的に
読み取り可能な媒体、電子的に読み取り可能な媒体および磁気/光媒体があげら
れる。たとえば、コンピュータ読み取り可能な媒体としては、ハードディスク、
フロッピーディスク、磁気テープ、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、ラ
ンダムアクセスメモリ(RAM)またはリードオンリーメモリ(ROM)ならびに当業者間
で周知の他の媒体などが利用できる。
【0399】 本発明の実施形態は、システムを含み、特に、本願明細書に記載された配列情
報を記録し、これを操作するコンピュータシステムを含む。コンピュータシステ
ム100の一例を図6にブロック図形式で示す。本願明細書において、「コンピュー
タシステム」は、配列番号24〜73のcDNAコードのヌクレオチド配列、配列番号74
〜123のポリペプチドコードのアミノ酸配列の解析に使用される、ハードウェア
コンポーネント、ソフトウェアコンポーネント、データ記憶コンポーネントを意
味する。一実施形態では、コンピュータシステム100は、Sun Enterprise 1000サ
ーバー(Sun Microsystems, Palo Alto, CA)である。コンピュータシステム100は
、配列データを処理し、これにアクセスし、これを操作するためのプロセッサを
備えるものであると好ましい。プロセッサ105には、インテルから出ているPenti
um IIIの他、サン、モトローラ、コンパックまたはIBMから出ている同様のプロ
セッサなど、周知のどのようなタイプの中央処理装置であっても利用することが
可能である。
【0400】 コンピュータシステム100は、プロセッサ105と、データを格納するための1つ
またはそれ以上の内部データ記憶コンポーネント110と、データ記憶コンポーネ
ントに格納されたデータを検索するための1つまたはそれ以上のデータ検索デバ
イスとを備える汎用システムであると好ましい。当業者であれば、現在入手可能
なコンピュータシステムであればいずれも適したものであることを容易に理解で
きよう。
【0401】 特定の一実施形態では、コンピュータシステム100には、主記憶装置115(好ま
しくはRAMとして実装される)に接続されたバスに接続されたプロセッサ105、ハ
ードドライブおよび/またはデータが記録された他のコンピュータ読取可能媒体
などの、1つまたはそれ以上の内部データ記憶デバイス110が含まれる。いくつか
の実施形態では、コンピュータシステム100がさらに、内部データ記憶デバイス1
10に記憶されたデータを読み取るための1つまたはそれ以上のデータ検索デバイ
ス118を含む。
【0402】 データ検索デバイス118は、たとえば、フロッピーディスクドライブ、コンパ
クトディスクドライブ、磁気テープドライブなどであってもよい。いくつかの実
施形態では、内部データ記憶デバイス110が、フロッピーディスク、コンパクト
ディスク、磁気テープなどの、制御ロジックおよび/またはデータが記録された
コンピュータ読み取り可能なリムーバブルメディアである。コンピュータシステ
ム100は、データ検索デバイスに挿入された後でデータ記憶コンポーネントから
制御ロジックおよび/またはデータを読み取るための適当なソフトウェアを含む
かまたは適当なソフトウェアでプログラミングされたものであると都合がよいこ
とがある。
【0403】 コンピュータシステム100は、出力を表示してコンピュータのユーザに示すの
に用いられるディスプレー120を含む。また、コンピュータシステム100をネット
ワークまたはワイドエリアネットワーク内の他のコンピュータシステム125a〜c
とリンクさせ、コンピュータシステム100に対する中央アクセスを提供すること
も可能であることに注意されたい。
【0404】 配列番号24〜73のcDNAコードのヌクレオチド配列、あるいは配列番号74〜123
のポリペプチドコードのアミノ酸配列にアクセスしてこれを処理するためのソフ
トウェア(サーチツール、比較ツール、モデリングツールなど)を実行時に主記憶
装置115に常駐させておいてもよい。
【0405】 いくつかの実施形態では、コンピュータシステム100がさらに、コンピュータ
読取可能媒体に格納された上記の配列番号24〜73のcDNAコードまたは配列番号74
〜123のポリペプチドコードと、コンピュータ読取可能媒体に格納された参照ヌ
クレオチド配列またはポリペプチド配列とを比較するための配列コンペアラを備
えるものであってもよい。「配列コンペアラ」は、コンピュータシステム100に
実装され、ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列と、配列または構造がデー
タ記憶手段の中に格納された他のヌクレオチド配列またはポリペプチド配列およ
び/またはペプチド類、ペプチドを模倣した物質および化学物質を含むがこれに
限定されるものではない化合物とを比較する1つまたはそれ以上のプログラムを
意味する。たとえば、配列コンペアラは、コンピュータ読取可能媒体に記憶され
た配列番号24〜73のcDNAコードのヌクレオチド配列または配列番号74〜123のポ
リペプチドコードのアミノ酸配列と、コンピュータ読取可能媒体に記憶された参
照配列とを比較し、相同性、生物学的機能と関係のあるモチーフまたは構造的な
モチーフを特定するものであってもよい。本願特許明細書の他の部分で述べるさ
まざまな配列コンペアラのプログラムは、特に本発明の態様で使用することを意
図したものである。
【0406】 図7は、新たな配列とデータベースに格納された配列との間の相同性レベルを
判定すべく、新たなヌクレオチド配列またはタンパク質配列と、配列のデータベ
ースとを比較するためのプロセス200の一実施形態を示す流れ図である。配列の
データベースは、コンピュータシステム100に記憶されたプライベートなデータ
ベースであっても、インターネット経由で利用できるGENBANKやPIR、あるいはSW
ISSPROTなどの公共データベースであってもよい。
【0407】 プロセス200は、開始状態201で開始された後、比較対象となる新たな配列をコ
ンピュータシステム100のメモリに記憶する状態202に移る。上述したように、メ
モリは、RAMまたは内部記憶デバイスをはじめとして、どのようなタイプのメモ
リであってもよい。
【0408】 プロセス200は、解析および比較を行うべく配列のデータベースを開く状態204
に移る。プロセス200は、データベースに記憶された第1の配列をコンピュータ上
のメモリに読み出す状態206に移る。続いて状態210で比較が実行され、第1の配
列が第2の配列と同一であるか否かが判定される。このステップは新たな配列と
データベース内の第1の配列との厳密な比較に限定されるものではない点に注意
することが重要である。2つのヌクレオチドまたはタンパク質配列が同一でない
場合であっても、これらの配列同士を比較するための周知の方法は当業者間で周
知である。たとえば、2つの被検配列間の相同性レベルを高めるために、一方の
配列にギャップを導入することが可能である。比較時にギャップまたは他の特徴
を配列に導入するか否かを制御するパラメータは一般に、コンピュータシステム
のユーザが入力するものである。
【0409】 状態210で2つの配列の比較を行った後、判断状態210では2つの配列が同一であ
るか否かの判定がなされる。もちろん、「同一」という用語は、完全に同一であ
る配列に限定されるものではない。ユーザが入力した相同性パラメータ内にある
配列はプロセス200では「同一である」とされる。
【0410】 2つの配列が同一であるという判定がなされると、プロセス200は、データベー
スから取得した配列名を表示してユーザに示す状態214に移る。この状態では、
名称の表示された配列は入力された相同性の制約を満たすものであることがユー
ザに通知される。格納された配列の名称をユーザに対して表示すると、プロセス
200は、データベース内に他の配列が残っているか否かを判定する判断状態218に
移る。データベース内に他に配列が残っていなければ、プロセス200は終了状態2
20で終了する。しかしながら、データベース内にまだ配列がある場合は、プロセ
ス200は、データベース内の次の配列にポインタを移動し、これを新たな配列と
比較できるようにする状態224に移る。このようにして、新たな配列を整列させ
、データベース内の各配列と比較する。
【0411】 判断状態212で配列が相同ではなかったという判定がなされると、プロセス200
は、データベース内の他の配列を比較に利用できるか否かを判定すべく、すぐに
判断状態218に移ることに注意されたい。
【0412】 したがって、本発明の一態様は、プロセッサと、配列番号24〜73の核酸コード
または配列番号74〜123のポリペプチドコードが格納されたデータ記憶デバイス
と、配列番号24〜73の核酸コードまたは配列番号74〜123のポリペプチドコード
と比較される参照ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列が検索可能な状態で
格納されたデータ記憶デバイスと、比較を実行するための配列コンペアラとを備
えるコンピュータシステムである。配列コンペアラは、比較する配列同士の相同
性レベルを示すものであってもよいし、あるいは、上述した配列番号24〜73の核
酸コードおよび配列番号74〜123のポリペプチドコードの構造的なモチーフを特
定するものであってもよい。また、配列コンペアラは、これらのcDNAコードおよ
びポリペプチドコードと比較される配列における構造的なモチーフを特定するも
のであってもよい。いくつかの実施形態では、配列番号24〜73のcDNAコードまた
は配列番号74〜123のポリペプチドコードの少なくとも2、5、10、15、20、25、3
0または50の配列をデータ記憶デバイスに記憶することができる。
【0413】 本発明のもう1つの態様は、配列番号24〜73の核酸コードと参照ヌクレオチド
配列との相同性レベルを判断するための方法であって、相同性レベルを判断する
コンピュータプログラムを用いて核酸コードと参照ヌクレオチド配列とを読み取
るステップと、コンピュータプログラムを使用して核酸コードと参照ヌクレオチ
ド配列との相同性を判断するステップと、を含む方法である。このコンピュータ
プログラムは、相同性レベルを判定するためのさまざまなコンピュータプログラ
ムのうち任意のものであればよく、BLAST2Nをデフォルトのパラメーターで使用
したり、いずれかのパラメーターを変更して使用するものなど、本願明細書に具
体的に列挙するものを含む。この方法は、上述したコンピュータシステムを用い
て実現可能なものである。また、コンピュータプログラムを用いて上述した配列
番号24〜73のcDNAコードを2、5、10、15、20、25、30または50読み取り、cDNAコ
ードと参照ヌクレオチド配列との相同性を判定して上記の方法を実施してもよい
【0414】 図8は、2つの配列が相同であるか否かを判定するためのコンピュータにおける
プロセス250の一実施形態を示す流れ図である。プロセス250は、開始状態252で
開始された後、比較対象となる第1の配列をメモリに記憶する状態254に移る。次
に、比較対象の第2の配列が状態256でメモリに記憶される。その後、プロセス25
0は、第1の配列の第1の文字を読み取る状態260、続いて第2の配列の第1の文字を
読み取る状態262に移る。配列がヌクレオチド配列である場合、この文字は通常
、A、T、C、GあるいはUのいずれか1つであることは理解できよう。配列がタンパ
ク質配列である場合、第1の配列と第2の配列とを容易に比較できるように、これ
は単一文字アミノ酸コードとすべきものであろう。
【0415】 続いて、判定状態264において、これらの2つの文字が同一であるか否か判定さ
れる。同一である場合、プロセス250は、第1の配列および第2の配列の次の文字
を読み取る状態268に移る。続いて、次の文字が同一であるか否か判定される。
同一である場合、プロセス250は、2つの文字が異なるまでループ処理を継続する
。次の2文字が異なっているという判定がなされると、プロセス250は状態274に
移り、いずれかの配列に読み取るべき文字が他にあるか否か判定する。
【0416】 読み取るべき文字がない場合、プロセス250は、第1の配列と第2の配列との間
の相同性レベルを表示してユーザに示す状態276に移る。相同性レベルは、第1の
配列における配列の総数に対する同一配列間の文字の比率を算出して求められる
。したがって、最初の100ヌクレオチド配列のすべての文字が第2の配列のすべて
の文字と整列配置された場合、相同性レベルは100%となる。
【0417】 あるいは、コンピュータプログラムは、本発明のcDNAコードのヌクレオチド配
列と参照ヌクレオチド配列とを比較し、1つまたはそれ以上の位置で配列番号24
〜73の核酸コードが参照ヌクレオチド配列と異なっているか否かを判断するコン
ピュータプログラムであってもよい。任意に、かかるプログラムは、参照ポリヌ
クレオチドの配列または配列番号24〜73の核酸コードの配列に対する、挿入、欠
失または置換されたヌクレオチドの長さおよび同一性を記録する。一実施形態で
は、コンピュータプログラムは、配列番号24〜73のcDNAコードのヌクレオチド配
列が、参照ヌクレオチド配列に対する二対立遺伝子のマーカーまたは単一ヌクレ
オチド多型(SNP)を含むか否かを判断するプログラムであってもよい。これらの
単一のヌクレオチド多型は、一塩基置換、挿入、または欠失を有するものであっ
てもよいが、二対立遺伝子のマーカーは、約1〜10の連続した塩基置換、挿入ま
たは欠失を含むものであってもよい。
【0418】 本発明のもう1つの態様は、配列番号74〜123のポリペプチドコードと参照ポリ
ペプチド配列との相同性レベルを判断するための方法であって、相同性レベルを
判断するコンピュータプログラムを用いて配列番号74〜123のポリペプチドコー
ドと参照ポリペプチド配列とを読み取るステップと、コンピュータプログラムを
使用してポリペプチドコードと参照ポリペプチド配列との相同性を判断するステ
ップと、を含む方法である。
【0419】 したがって、本発明のもう1つの態様は、配列番号24〜73の核酸コードが1つま
たはそれ以上のヌクレオチドで参照ヌクレオチド配列と異なっているか否かを判
断するための方法であって、核酸配列同士の差を識別するコンピュータプログラ
ムを用いて核酸コードと参照ヌクレオチド配列とを読み取るステップと、コンピ
ュータプログラムを使用して、核酸コードと参照ヌクレオチド配列との差を識別
するステップと、を含む方法である。いくつかの実施形態では、コンピュータプ
ログラムが、単一ヌクレオチド多型を同定するプログラムである。この方法は、
上述したコンピュータシステムおよび図8に示す方法で実現可能なものである。
また、コンピュータプログラムを用いて配列番号24〜73のcDNAコード少なくとも
2、5、10、15、20、25、30または50と参照ヌクレオチド配列とを読み取り、コン
ピュータプログラムを使用してcDNAコードと参照ヌクレオチド配列との差を識別
することによって上記の方法を実施してもよい。
【0420】 他の実施形態では、コンピュータベースのシステムに、配列番号24〜73のcDNA
コードのヌクレオチド配列または配列番号74〜123のポリペプチドコードのアミ
ノ酸配列の特徴を識別するためのアイデンティファイアをさらに備えてもよい。
【0421】 「アイデンティファイア」は、上述した配列番号24〜73のcDNAコードのヌクレ
オチド配列または配列番号74〜123のポリペプチドコードのアミノ酸配列の特定
の特徴を識別する1つまたはそれ以上のプログラムを意味する。一実施形態では
、アイデンティファイアは、配列番号24〜73のcDNAコードの読み枠を識別するプ
ログラムを含むものであってもよい。
【0422】 図9は、配列において特徴の存在を検出するアイデンティファイアプロセス300
の一実施形態を示す流れ図である。プロセス300は開始状態302で開始され、特徴
について確認される最初の配列がコンピュータシステム100のメモリ115に記憶さ
れる状態304に移る。その後、プロセス300は、配列の特徴データベースがオープ
ンされる状態306に移る。このようなデータベースは、各特徴の名称に加えてそ
の特徴の属性のリストを含む。たとえば、特徴名は「開始コドン」とすることが
でき、属性は「ATG」となる。他の例として、特徴の名称「TAATAA Box」および
特徴の属性「TAATAA」があげられる。このようなデータベースの一例が、ウィス
コンシン大学遺伝コンピュータグループ(www.gcg.com)によって作られている。
【0423】 特徴のデータベースが状態306で開かれた後、プロセス300は、第1の特徴がデ
ータベースから読み出される状態308に移る。その後、状態310において、第1の
特徴の属性と第1の配列とを比較する。次に、判定状態316において、特徴の属性
が第1の配列にあったか否か判定される。属性が見つかった場合、プロセス300は
、見つかった特徴の名称を表示してユーザに示す状態318に移る。
【0424】 その後、プロセス300は、移動の特徴がデータベースに存在するか否かを判定
する判定状態320に移る。それ以上特徴が存在しない場合、プロセス300は終了状
態324で終了する。しかしながら、他の特徴がデータベースに存在する場合は、
プロセス300は、状態326で次の配列の特徴を読み出し、状態310に戻って次の特
徴の属性と第1の配列とを比較する。
【0425】 判定状態316で特徴の属性が第1の配列に見つからなかった場合は、プロセス30
0は判定状態320に直接移り、データベースにまだ特徴が残っているか否かを判定
することに注意されたい。
【0426】 もう1つの実施形態では、アイデンティファイアは、配列番号74〜123のポリペ
プチドコードの三次元構造を決定する、分子モデリングプログラムを含むもので
あってもよい。いくつかの実施形態では、分子モデリングプログラムは、周知の
三次元タンパク質構造の残基の構造環境を表すプロフィールに最も近い標的配列
を同定する(たとえば、1995年7月25日発行、Eisenberg et al.の米国特許第5,43
6,850号を参照のこと)。他の手法では、特定ファミリのタンパク質の周知の三次
元構造を重畳し、そのファミリで構造的に保存された領域を定義する。このタン
パク質モデリング手法でも相同タンパク質の周知の三次元構造を使用し、配列番
号74〜123のポリペプチドコードの構造に近いものを得ている。(たとえば、1996
年9月18日発行、Srinivasan, et al.の米国特許第5,557,535号を参照のこと)。
従来の相同性モデリング手法を定法で使用し、プロテアーゼおよび抗体のモデル
を構築した(Sowdhamini et al., Protein Engineering 10:207, 215(1997))。目
的のタンパク質と鋳型タンパク質との間の配列同一性が少ない場合、比較による
方法を用いて三次元のタンパク質モデルを開発することができる。場合によって
は、タンパク質の配列相同性が極めて少ないにもかかわらず、これらのタンパク
質が折り畳まれて同様の三次元構造になることもある。たとえば、配列相同性は
少ないが、多数のらせん状サイトカインの三次元構造が折り畳まれて同様の三次
元トポロジーになる。
【0427】 近年におけるThreading法の開発によって、標的と鋳型との間の構造的な関連
性が配列レベルでは検出できない場合に、同様の折り畳みパターンをさまざまな
状況で同定することができる。Multiple Sequence Threading(MST)を用いて折り
畳みを認識するハイブリッド法では、距離幾何学プログラムDRAGONを用いてThre
adingでの出力から構造同値を推論し、低解像度モデルを構築し、QUANTAなどの
分子モデリングパッケージを用いて全原子表現を構築する。
【0428】 この3ステップ法によれば、複数の整列配置配列の立体構造を同時に1つまたは
それ以上の3D構造で実施できる新規な折り畳み認識アルゴリズムMSTを用いて、
まず候補鋳型を同定する。第2のステップでは、MST出力から得られる構造当量を
残基間距離抑制値に変換し、これを二次構造予測で得られた補助情報と共に距離
幾何学プログラムDRAGONに供給する。このプログラムは、公平な方法で抑制値を
組み合わせ、多数の低解像度モデルコンホメーションをすみやかに生成する。第
3のステップでは、これらの低解像度モデルコンホメーションを全原子モデルに
変換し、分子モデリングパッケージQUANTAを用いてエネルギ最小化を行う(Aszod
i et al., Proteins:Structure, Function, and Genetics, Supplement 1:38-42
(1997)などを参照のこと)。
【0429】 分子モデリング解析の結果を合理的な医薬品設計手法に使用して、配列番号74
〜123のポリペプチドコードの活性を変調する薬剤を同定することができる。
【0430】 したがって、本発明の他の態様は、配列番号24〜73のcDNAコードまたは配列番
号74〜123のポリペプチドコードの特徴の同定方法であって、コード内の特徴を
識別するコンピュータプログラムを使用して、核酸コードまたはポリペプチドコ
ードを読み出すステップと、核酸コードまたはポリペプチドコード内の特徴をコ
ンピュータプログラムによって識別するステップと、を含む。一実施形態では、
コンピュータプログラムは、読み枠を同定するコンピュータプログラムを含む。
さらに他の実施形態では、コンピュータプログラムは、ポリペプチド配列の構造
モチーフを同定する。他の実施形態では、コンピュータプログラムは、分子モデ
リングプログラムを含む。コンピュータプログラムを使用して、単一の配列また
は配列番号24〜73のcDNAコードまたは配列番号74〜123のポリペプチドコード少
なくとも2、5、10、15、20、25、30または50を読み出し、コンピュータプログラ
ムを使用して、cDNAコードまたはポリペプチドコードの特徴を識別することによ
って、上記の方法を実施してもよい。
【0431】 配列番号24〜73のcDNAコードまたは配列番号74〜123のポリペプチドコードに
ついては、さまざまな形式でさまざまなデータ処理装置プログラムに記憶して操
作することが可能である。たとえば、配列番号24〜73のcDNAコードまたは配列番
号74〜123のポリペプチドコードを、MicrosoftWORDまたはWORDPERFECTなどのワ
ードプロセッサ用のファイルとしてテキスト形式で記憶できる。あるいは、DB2
、SYBASE、ORACLEなどの当業者間で周知のさまざまなデータベースプログラムで
ASCIIファイルとして記憶してもよい。また、配列コンペアラ、アイデンティフ
ァイア、あるいは配列番号24〜73のcDNAコードまたは配列番号74〜123のポリペ
プチドコードとの比較に用いられる参照ヌクレオチド配列またはポリペプチド配
列のソースとして、多くのコンピュータプログラムおよびデータベースを利用で
きる。以下、本発明を限定するものではないが、配列番号24〜73のcDNAコードま
たは配列番号74〜123のポリペプチドコードと併用するのに有用なプログラムお
よびデータベースの参考として一覧をあげておく。使用可能なプログラムおよび
データベースとしては、MacPattern (EMBL)、DiscoveryBase (Molecular Applic
ations Group)、GeneMine (Molecular Applications Group)、Look (Molecular
Applications Group)、MacLook (Molecular Applications Group)、BLAST and B
LAST2 (NCBI)、BLASTN and BLASTX (Altschul et al, J. Mol. Biol. 215: 403
(1990))、FASTA (Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85: 2444
(1988))、FASTDB (Brutlag et al. Comp. App. Biosci. 6:237-245, 1990)、Ca
talyst (Molecular Simulations Inc.)、Catalyst/SHAPE (Molecular Simulatio
ns Inc.)、Cerius2.DBAccess (Molecular Simulations Inc.)、HypoGen (Molecu
lar Simulations Inc.)、Insight II、(Molecular Simulations Inc.)、Discove
r (Molecular Simulations Inc.)、CHARMm (Molecular Simulations Inc.)、Fel
ix (Molecular Simulations Inc.)、DelPhi、(Molecular Simulations Inc.)、Q
uanteMM、(Molecular Simulations Inc.)、Homology (Molecular Simulations I
nc.)、Modeler (Molecular Simulations Inc.)、ISIS (Molecular Simulations
Inc.)、Quanta/Protein Design (Molecular Simulations Inc.)、WebLab (Molec
ular Simulations Inc.)、WebLab Diversity Explorer (Molecular Simulations
Inc.)、Gene Explorer (Molecular Simulations Inc.)、SeqFold (Molecular S
imulations Inc.)、EMBL/Swissprotein Database、MDL Available Chemicals Di
rectory Database、MDL Drug Data Report Database、Comprehensive Medicinal
Chemistry Database、Derwents's World Drug Index Database、BioByteMaster
File Database、Genbank Database、Genseqn Databaseがあげられるが、これに
限定されるものではない。本願明細書の開示内容から、当業者であれば他の多く
のプログラムおよびデータベースについても分かるであろう。
【0432】 上記のプログラムで検出可能なモチーフとしては、ロイシンジッパー、らせん
ターンらせんモチーフ、グリコシル化部位、ユビキチン結合部位、αらせんおよ
びβシートをコードする配列、コードされたタンパク質の分泌を指示するシグナ
ルペプチドをコードするシグナル配列、ホメオボックス、酸性伸展、酵素活性化
部位、基質結合部位および酵素切断部位などの転写調節に関与する配列があげら
れる。
【0433】 (実施例55) (核酸の生成方法) 本発明は、配列番号24〜73のcDNA、かかるcDNAから得られるゲノムDNAまたは
そのフラグメントを生成するための方法も含む。この方法は、ヌクレオチドを逐
次的に結合させ、上記の配列を含む核酸を産生することを含む。さまざまな核酸
合成方法が当業者間で周知である。
【0434】 これらの方法のうち多くでは、固相支持体上にて合成を行う。これには、所望
のオリゴヌクレオチドの3'末端塩基を不溶性の担体に固定化する3'ホスホラミダ
イト法が含まれる。付加対象となるヌクレオチド塩基を5'ヒドロキシルで遮断し
、3'ヒドロキシルで活性化して固定化したヌクレオチド塩基とカップリングさせ
る。固定化した新たなヌクレオチド化合物の遮断を解除し、このサイクルを繰り
返すと、所望のポリヌクレオチドが産生される。あるいは、米国特許第5,049,65
6号に説明されているようにしてポリヌクレオチドを調製してもよい。いくつか
の実施形態では、上述したようにして調製されるいくつかのポリヌクレオチドを
ライゲートし、所望の配列を有する一層長いポリヌクレオチドを生成する。
【0435】 (実施例56) (ポリペプチドの生成方法) また、本発明は、配列番号24〜73のcDNAでコードされるポリヌクレオチド、か
かるポリヌクレオチドから得られるゲノムDNAまたはそのフラグメントの生成方
法と、配列番号74〜123のポリペプチドまたはそのフラグメントの生成方法も含
む。これらの方法は、アミノ酸を逐次的に結合させ、上記の配列を有する核ポリ
ペプチドを産生することを含む。いくつかの実施形態では、これらの方法で生成
されるポリペプチドは150アミノ酸長以下のものである。他の実施形態では、こ
れらの方法で生成されるポリペプチドは120アミノ酸長以下のものである。
【0436】 さまざまなポリペプチドの生成方法が当業者間で周知であり、一例として、カ
ルボキシル末端アミノ酸をポリビニルベンゼンまたは他の好適な樹脂と結合させ
る方法があげられる。付加対象となるアミノ酸は、そのカルボキシル部分のみが
反応できるように、アミノ部分のブロッキング基と側鎖反応基とを含む。カルボ
キシル基は、カルボジイミドまたは他の活性化因子で活性化され、固定化された
アミノ酸と結合できる。ブロッキング基の除去後、サイクルを繰り返して所望の
配列を有するポリペプチドを生成する。あるいは、米国特許第5,049,656号に記
載されている方法を用いてもよい。
【0437】 (実施例57) (予測タンパク質配列の機能解析) 二重配列決定に続いて、本発明のcDNA各々についてコンティグをアセンブルし
、それぞれ出願時に入手できる既知の配列と比較した。これらの配列は、以下の
データベース起源のものである。Genbank(リリース108)、EMBL(リリース58およ
びデイリーアップデート)、Genseq(リリース35.3)、Swissprot(リリース37)、Ge
nbank(リリース108および1998年10月15日までのデイリーアップデート)、Genseq
(リリース32)、PIR(リリース53)およびSwissprot(リリース35)。場合によっては
、他のタンパク質との相同性に基づき、先に選択したもの以外の新たな読み枠を
選択した。たとえば、配列番号27の新たな読み枠には、シグナルペプチドはもう
全く含まれていない。
【0438】 次に、既知のタンパク質と一致する本発明の予測タンパク質を、相同性のレベ
ルに応じてさらに3つのカテゴリに分類した。
【0439】 第1のカテゴリには、アミノ酸残基が一致したタンパク質の全長と少なくとも8
0%同一である本発明のタンパク質が含まれる。これらのタンパク質は、明らかに
近い相同物であり、おそらくそのほとんどが一致したタンパク質と同一の機能ま
たは極めて類似した機能を持つであろうと思われる。
【0440】 第2のカテゴリには、相同性が一層離れる(タンパク質全体に対して35〜80%)本
発明のタンパク質が含まれることから、本発明のタンパク質が一致したタンパク
質の機能と同様の機能を持つ可能性があることが示される。
【0441】 第3のカテゴリには、既知のタンパク質のドメインに対して相同性を呈するタ
ンパク質が含まれることから、一致したタンパク質および本発明のタンパク質が
機能ドメインなどの同様の特徴を共有している場合があることが分かる。
【0442】 図10〜図13および表Vに列挙した後述のタンパク質配列に含まれるアミノ酸に
番号を付すにあたって、最初に遭遇するメチオニンをアミノ酸番号1で示してあ
ることに注意されたい。添付の配列表では、配列表に関する規則に従い、シグナ
ルペプチドの切断によって生じる成熟タンパク質の最初のアミノ酸をアミノ酸番
号1で示し、シグナルペプチドの最初のアミノ酸を適当なマイナスの数字で示し
てある。
【0443】 また、すべてのアミノ酸配列(配列番号74〜123)を既知のタンパク質サインお
よびモチーフの有無についてスキャンした。この探査は、以下のようなGCGパッ
ケージのProscanソフトウェアを利用して、Prosite 15.0データベースに対して
行った。
【0444】 cDNAでコードされるポリペプチドを、既知の構造モチーフまたは機能モチーフ
の有無について、あるいは、サイン、タンパク質ファミリのメンバーの中で十分
に保存される小さなアミノ酸配列の有無についてスクリーニングした。保存領域
は、PROSITEデータバンク、特に、http://expasy.hcuge.ch/sprot/prosite.html
にあるprosite.datファイルに含まれるコンセンサスパターンまたはマトリック
スを導出するのに利用されている。prosite_convertプログラムおよびprosite_s
canプログラム(http://ulrec3.unil.ch/ftpserveur/prosite_scan)を利用してcD
NA上のサインを見つけだした。
【0445】 prosite.datファイルに含まれるprosite_convertプログラムを用いて得られる
各パターンについて、SWISSPROTのデータバンクに含まれるヒト分泌タンパク質
の個体群についての無関係なヒットの頻度を評価することで、新たなタンパク質
配列に対する検出精度を試験した。シャッフルしたタンパク質(ウィンドウサイ
ズは20アミノ酸)についてのヒット数と未変性(未シャッフル)のタンパク質につ
いてのヒット数との比をインデックスとして利用した。prosite_scanを用いての
検索では、上記の比が20%(シャッフルしたタンパク質でヒット数1、未シャッフ
ルのタンパク質でヒット数5)を上回ったパターンについてはスキップした。タン
パク質配列のシャッフルに用いるプログラム(db_shuffled)と、タンパク質デー
タバンクに含まれる各パターンについての統計値を判定するために用いるプログ
ラム(prosite_statistics)は、ftpサイトhttp://ulrec3.unil.ch/ftpserveur/pr
osite_scanで入手可能である。
【0446】 A)既知のタンパク質との関連性が高いタンパク質 (配列番号76(社内整理番号105-095-1-0-D10-FLC)のタンパク質) 図10のアライメントから明らかなように、配列番号26のcDNAでコードされる配
列番号76のタンパク質は、ヒト耳下腺分泌性タンパク質HPSP(Genseq受託番号W60
682および配列番号124)に対する相同性を呈する。このタンパク質のアンタゴニ
ストを利用して、特に分泌組織または胃腸組織の癌および自己免疫疾患を治療で
きる可能性がある。
【0447】 総合すれば、これらのデータから、配列番号76のタンパク質またはその一部が
、細胞の分化および/または増殖に何らかの役割を果たしているのではないかと
考えられる。したがって、このタンパク質またはその一部が、癌および自己免疫
疾患を含むがこれに限定されるものではない、いくつかの機能障害の診断および
/または治療に役立つ可能性がある。
【0448】 (配列番号93(社内整理番号117-007-2-0-C4-FLC)のタンパク質) 図11のアライメントから明らかなように、配列番号43のcDNAでコードされる配
列番号93のタンパク質は、膜貫通性であると思われるヒトタンパク質(Genseq受
託番号W88491および配列番号125)に対する相同性を呈する。このタンパク質は、
シスタチンスーパーファミリに属するヒトおよびブタのα-2-HS糖タンパク質前
駆体(フェチュイン)に対する相同性を示す。配列番号93の382アミノ酸長のタン
パク質は、サイズ的にはフェチュインに近く、12のシステイン(図11に太字で示
す36位、93位、104位、117位、137位、151位、154位、216位、224位、237位、25
4位および368位)が保存され、第2のシステイン周囲に保存領域(図11に下線で示
す89位〜96位)を有するシスタチン様のドメインを示すが、フェチュインに一般
的なPROSITEサインは存在しない。また、本発明のタンパク質には潜在的活性部
位であるQxVxGも存在する(図11にイタリックで示す198位〜202位)。シスタチン
スーパーファミリには、システインプロテアーゼインヒビター、ステフィン、フ
ェチュインおよびキニノーゲンなどの、機能が異なる進化的に関連したタンパク
質が含まれる(Brown and Dziegielewska, Prot. Science, 6:5-12 (1997)による
レビューを参照のこと)。
【0449】 総合すれば、これらのデータから、配列番号93のタンパク質またはその一部が
、おそらくプロテアーゼインヒビターとして細胞のタンパク質分解に何らかの役
割を果たしているのではないかと考えられる。したがって、このタンパク質また
はその一部が、癌、特に腫瘍の進行と転移、慢性炎症、アルツハイマー病などの
神経変性障害、糖尿病、高血圧および免疫疾患を含むがこれに限定されるもので
はない、いくつかの機能障害の診断および/または治療に役立つ可能性がある。
また、凝血特性を調節することで、心臓脈管障害の患者を治療する上で役立つ可
能性もある。
【0450】 (配列番号75(社内整理番号105-031-3-0-D6-FLC)のタンパク質) 図12のアライメントから明らかなように、配列番号25のcDNAでコードされる配
列番号75のタンパク質は、マウスの推定シアル酸転移酵素タンパク質(TREMBL受
託番号O88725および配列番号126)に対する相同性を呈する。シアル酸転移酵素は
、細胞間通信、細胞-マトリックス相互作用、循環における血清糖タンパク質の
維持などのさまざまな生物学的プロセスに重要なシアロシド(sialoside)の生合
成に関与するII型の膜貫通タンパク質である(Sjoberg et al., J. Biol. Chem. 271 :7450-7459 (1996)、Tsuji, J. Biochem. 120:1-13 (1996))。配列番号75の
タンパク質は、シアル酸転移酵素タンパク質ファミリの2つの保存モチーフすな
わち、全シアル酸転移酵素に共通の糖ヌクレオチドドナーの認識に関与している
と考えられる、中央に位置するシアリルモチーフL(図12に太字で示す73位〜120
位)と、触媒部位であると考えられ、タンパク質のC末端に位置するシアリルモチ
ーフS(図12にイタリックで示す211位〜233位)を示す。さらに、配列番号75の302
アミノ酸長のタンパク質は、シアル酸転移酵素ファミリのメンバのうちの1つと
サイズが近い。また、本発明のタンパク質には予想された膜貫通構造がある。特
に、ソフトウェアTopPred II(Claros and von Heijne, CABIOS applic. Notes, 10 :685-686 (1994))での予測によれば、2つの潜在的膜貫通セグメント(図12に
下線で示す7位〜27位および206位〜226位)が含まれている。
【0451】 総合すれば、これらのデータから、配列番号75のタンパク質またはその一部が
、おそらくシアル酸転移酵素として、シアリル-複合糖質の生合成に何らかの役
割を果たしているのではないかと考えられる。したがって、このタンパク質また
はその一部が、癌、嚢胞性線維症および甲状腺機能低下症を含むがこれに限定さ
れるものではない、いくつかの機能障害の診断および/または治療に役立つ可能
性がある。
【0452】 (配列番号104(社内整理番号108-008-5-O-C5-FL)のタンパク質) 配列番号54のcDNAでコードされる配列番号104のタンパク質は、murine recomb
ination activating gene 1 inducing protein(Genbank受託番号X96618および配
列番号177)の全長に対して広範囲にわたる相同性を呈する。図13のアライメント
から明らかなように、221アミノ酸長の一致タンパク質と比べて、6位、7位、10
〜13位、17位、25位、34〜35位、42位、51位、56位、62位、68位、71位、74位、
78位、91位、93位、95〜96位、106位、121〜122位、151〜152位、159位、162〜1
63位、170〜171位、176〜177位、188位、190位、192位、196位、199位、202〜20
3位、206位、210位、215および217位以外は同一のアミノ酸残基である。潜在的
な膜貫通セグメント4つを含むこのタンパク質は、T細胞におけるV(D)Jセグメン
トの組換えの誘導に関与している(Muraguchi et al, Leuk Lymphoma, 30 :73-85
(1998))。
【0453】 総合すれば、これらのデータから、配列番号104のタンパク質が、リンパ球レ
パートリーの形成に何らかの役割を果たしているのではないかと考えられる。し
たがって、このタンパク質またはその一部が、癌、免疫障害および感染障害を含
むがこれに限定されるものではない、いくつかの機能障害の診断および/または
治療に役立つ可能性がある。また、HIVなどの感染因子に対する感染応答または
免疫応答を調節する目的でも役立つ場合がある。
【0454】 B)既知の機能を有するタンパク質との関連が薄いタンパク質 (配列番号87(社内整理番号116-073-4-0-C8-FLC)のタンパク質) 配列番号37のcDNAでコードされる配列番号87のタンパク質の一部が、リゾチー
ムC前駆体の広範囲にわたって(魚、鳥および哺乳動物)保存されるファミリの全
長に対する相同性を示す。また、このタンパク質は、glysosylヒドラーゼすなわ
ちファミリ22(162位〜180位、表Vを参照)のファミリの特性であるα-ラクトアル
ブミン/リゾチームC PROSITEサインを示す。リゾチームCは溶菌防御酵素であり
、α-ラクトアルブミンはラクトース合成酵素の調節サブユニットである。リゾ
チームCおよびα-ラクトアルブミンは、進化的に関連しているように思われる(Q
asba and Kumar, Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol. 32:255-306 (1997))。
【0455】 総合すれば、これらのデータから、配列番号87のタンパク質またはその一部、
特に上述したリゾチームC前駆体に一致するドメインが、おそらくグリコシルヒ
ドラーゼとして、糖タンパク質および/またはペプチドグリカンの代謝に何らか
の役割を果たしているのではないかと考えられる。したがって、このタンパク質
またはその一部が、癌およびアミロイド症を含むがこれに限定されるものではな
い、いくつかの機能障害の診断および/または治療に役立つ可能性がある。また
、細菌などの感染因子に対する防御応答を調節する目的でも役立つ場合がある。
【0456】 (配列番号86(社内整理番号116-054-3-0-G12-FLC)のタンパク質) 肝臓に見出される配列番号36のcDNAでコードされる配列番号86のタンパク質は
、ウシ、マウスおよびヒト種のNADH-キノン酸化還元酵素(複合体I)のMLRQサブユ
ニット(それぞれ、Genbank受託番号X64897、U59509およびEMBL受託番号U94586)
に対する相同性を示す。また、配列番号86の83アミノ酸長のタンパク質は、サイ
ズが既知のMLRQサブユニットのサイズに近い。複合体Iは、ミトコンドリア電子
輸送鎖の一部であり、NADHの脱水素および補酵素Qへの電子の輸送に関与してい
る。また、アポトーシスおよび壊死の調節に何らかの役割を果たしていると考え
られている。複合体I欠損によるミトコンドリア細胞変性(mitochondriocytopath
y)が生じることは多く、これによって、脳(精神遅滞、痙攣、運動障害)、心臓(
心筋症、伝導障害)、腎臓(ファンコニ症候群)、骨格筋(運動不耐、筋力低下、低
血圧)および/または眼(眼筋麻痺、眼瞼下垂、白内障および網膜症)などのエネル
ギ要求の高い組織が影響を受ける。複合体Iに関するレビューについては、Smeit
ink et al., Hum. Mol. Gent., 7 : 1573-1579 (1998)を参照のこと。
【0457】 総合すれば、これらのデータから、配列番号86のタンパク質はNADH-キノン酸
化還元酵素MLRQ-様のタンパク質であると考えられる。したがって、このタンパ
ク質またはその一部が、脳障害(精神遅滞、痙攣、運動障害)、心臓障害(心筋症
、伝導障害)、腎障害(ファンコニ症候群)、骨格筋障害(運動不耐、筋力低下、低
血圧)および/または眼障害(眼筋麻痺、眼瞼下垂、白内障および網膜症)を含むが
これに限定されるものではない、いくつかの機能障害の診断および/または治療
に役立つ可能性がある。
【0458】 (配列番号91(社内整理番号117-005-4-0-E5-FLC)のタンパク質) 肝臓に見出される配列番号41のcDNAでコードされる配列番号91のタンパク質は
、ミトコンドリア内膜に見出されるミトコンドリア基質キャリアタンパク質のフ
ァミリのドメインに対する相同性を示す。これらのキャリアタンパク質は、進化
的に関連しており、各ドメインが膜貫通領域2つを含む約100残基からなるドメイ
ンのタンデム反復配列3つで構成される。配列番号91の308アミノ酸長のタンパク
質は、サイズがミトコンドリアのキャリアタンパク質のうちの1つのサイズに近
く、このタンパク質ファミリの特徴であるPROSITEサインを3倍示す(19位〜28位
、115位〜124位および237位〜246位、表V参照)。また、配列番号91のタンパク質
には、20アミノ酸の潜在的な膜貫通セグメントが6つ含まれており、TopPred II
というソフトウェア(Claros and von Heijne, CABIOS applic. Notes, 10 :685-
686 (1994))を使用したところ、6つのうち4つ(1〜21位、54〜74位、135〜155位
および217〜237位)は高い信頼度で予測され、2つ(96〜116位および191〜211位)
は低い信頼度で予測されている。
【0459】 総合すれば、これらのデータから、配列番号91のタンパク質またはその一部が
、おそらくミトコンドリア基質のキャリアタンパク質として、エネルギ伝達に何
らかの役割を果たしているのではないかと考えられる。したがって、このタンパ
ク質またはその一部は、ミトコンドリア細胞変性および肥満を含むがこれに限定
されるものではない、いくつかの機能障害の診断および/または治療に役立つ可
能性がある。
【0460】 特に、配列番号41のcDNAでコードされる配列番号91のタンパク質は、アポリポ
タンパク質A-IV関連タンパク質に対する相同性を呈する。HDLおよびLDLなどのリ
ポタンパク質は、これを特定の組織に標的し、リポタンパク質(コレステロール
を含む)の脂質画分の輸送に必要な酵素を活性化するのに必要な特徴アポリポタ
ンパク質を含む。アポリポタンパク質ファミリのメンバーであるアポリポタンパ
ク質A-IV-関連タンパク質(AA4RP)は、アポリポタンパク質A-IV(ApoA-IV)と52%類
似(29%同一)であるため、同様の機能を有することが多い。ApoA-IVは、血液のカ
イロミクロンおよびHDL画分に関連していることが見出されている。その具体的
な機能は現在のところ明らかになっていないが、肝臓および腸で発現され、高脂
肪の食餌(上方制御)およびレプチン(下方制御)によって調節される。ApoA-IVの
レベルは、若年性のI型糖尿病(IDDM)患者における血糖制御と相関している。タ
ンパク質の過発現によって、ApoEをノックアウトしたマウスがアテローム性動脈
硬化症から保護される。最後に、ApoAIVは、食事脂肪/コレステロール摂取の変
化に対する血中コレステロール応答の個体間可変性の一因である。
【0461】 AA4RPは血液と共に循環するため、競合的アンタゴニスト(顕性不活性)として
合成ペプチドの活性または機能を模倣する合成ペプチド類似物を、血液中に直接
投与することで、容易に治療行為を施すことができる。このタンパク質は、体内
での脂肪の輸送およびコレステロールの輸送に関与し、食餌の変化に応じて血中
コレステロールを変化させるため、このタンパク質を標的にした行為は、コレス
テロール低減および抗アテローム性動脈硬化症治療に有用であり、糖尿病および
肥満の制御に役立つ。
【0462】 (配列番号74(社内整理番号105-016-3-0-E3-FLC)のタンパク質) 配列番号24のcDNAでコードされる配列番号74の325アミノ酸長のタンパク質は
、神経細胞の増殖および分化の制御ならびに、おそらく直接的に相互作用する、
すなわち、E2F-1(Galiana et al., Proc. Natl. Acad.Sci. USA 92:1560-1564(1
995)、Dupont et al., J. Neurosci. Res. 51:257-267(1998))などの細胞サイク
ル調節因子がないであろう状態で、細胞生存に重要な役割を果たすと考えられて
いる、332アミノ酸長のマウス神経増殖分化および制御1タンパク質すなわちNPDC
-1(Genbank受託番号X67209)全長に対する相同性を示す。
【0463】 総合すれば、これらのデータから、配列番号74のタンパク質またはその一部が
、細胞の増殖および分化に何らかの役割を果たしているのではないかと考えられ
る。したがって、このタンパク質またはその一部は、癌および神経変性障害を含
むがこれに限定されるものではない、いくつかの機能障害の診断および/または
治療に役立つ可能性がある。
【0464】 (配列番号111(社内整理番号108-013-5-O-H9-FL)のタンパク質) 配列番号61の伸長cDNAでコードされる配列番号111のタンパク質は、真核生物(
酵母、ウサギ、齧歯類およびヒト)で保存されるリゾホスホリパーゼのファミリ
に対する相同性を示す。また、このファミリのメンバーの中には(ラット:Genban
k受託番号U97146、ウサギ:Genbank受託番号U97147)、カルシウム非依存性ホスホ
リパーゼA2活性を呈するものがある(Portilla et al, J. Am. Soc. Nephro., 9
:1178-1186 (1998))。このファミリのメンバーはすべて、本発明のタンパク質に
も見出される(54位〜58位)カルボキシエステラーゼの活性部位コンセンサスGXSX
Gモチーフを呈する。また、このタンパク質は、TopPred IIというソフトウェア(
Claros and von Heijne, CABIOS applic. Notes, 10 :685-686 (1994))で予測し
たところ、膜貫通ドメイン1つを含む膜タンパク質である可能性もある。
【0465】 総合すれば、これらのデータから、配列番号111のタンパク質が、おそらくホ
スホリパーゼとして、脂肪酸の代謝に何らかの役割を果たしているのではないか
と考えられる。したがって、このタンパク質またはその一部は、癌、パーキンソ
ン病およびアルツハイマー病などの神経変性障害、糖尿病を含むがこれに限定さ
れるものではない、いくつかの機能障害の診断および/または治療に役立つ可能
性がある。また、感染因子に対する炎症反応の調節に、および/または移植片拒
絶を抑制するために、役立つ可能性もある。
【0466】 (配列番号101(社内整理番号108-005-5-O-F9-FL)のタンパク質) 配列番号51の伸長cDNAでコードされる配列番号71のタンパク質は、Drosophila
rhythmically expressed gene 2 protein(Genbank受託番号U65492)に対する相
同性を示す。一致するタンパク質をコードするmRNAの発現は、日夜サイクル、給
餌条件および内在性の概日ペースメーカーの機能には不可欠な遺伝子1つあたり
の発現量に左右される(Van Gelder et al., Curr. Biol., 5 :1424-1436 (1995)
)。
【0467】 総合すれば、これらのデータから、配列番号101のタンパク質が、概日制御に
何らかの役割を果たしているのではないかと考えられる。したがって、このタン
パク質またはその一部は、不眠症、鬱状態、ストレスおよび他の概日リズムの障
害を含むがこれに限定されるものではない、いくつかの機能障害の診断および/
または治療に役立つ可能性がある。また、かかるタンパク質は、夜間の作業や時
差ボケに対する生理学的な応答を調節する際にも役立つ可能性がある。
【0468】 C) 既知の機能を有するタンパク質のドメインと相同なタンパク質 (配列番号94(社内整理番号121-004-3-0-F6-FLC)のタンパク質) 脳に見出される配列番号44のcDNAでコードされる配列番号94のタンパク質は、
ヒト(EMBL受託番号075786)とマウス種(EMBL受託番号088741)の両方に見出される
ganglioside-induced differentiation associated protein 1に対する相同性を
示す。ガングリオシドは、おそらく膜特性の調節因子として、神経細胞の発達、
分化、生存および病変に関与すると考えられている(Brigande and Seyfried, An
n. N. Y. Acad. Sci. 845:215-218 (1998)、Schengrund and Mummert, Ann. N.
Y. Acad. Sci. 845:278-284 (1998))。
【0469】 総合すれば、これらのデータから、配列番号94のタンパク質またはその一部が
、中枢神経系の発達および分化に何らかの役割を果たしているのではないかと考
えられる。したがって、このタンパク質またはその一部は、癌および神経障害を
含むがこれに限定されるものではない、いくつかの機能障害の診断および治療に
役立つ可能性がある。
【0470】 (配列番号89(社内整理番号117-005-2-0-E10-FLC)のタンパク質) 配列番号39のcDNAでコードされる配列番号89のタンパク質は、ヒト、マウスお
よびニワトリ種のアポリポタンパク質A-IVのドメイン(それぞれ、Genbank受託番
号M13654、M13966、EMBL受託番号O93601)に対する相同性が低い。これらのアポ
リポタンパク質は、カイロミクロンおよびVLDL分泌ならびに異化作用に何らかの
役割を果たすと考えられており、コレステロール逆輸送に関与している可能性が
ある。また、配列番号89の366アミノ酸長のタンパク質のサイズは、上述したア
ポリポタンパク質A-IVのサイズに近い。
【0471】 配列番号39のcDNAでコードされる配列番号89のタンパク質は、カルニチンキャ
リア関連タンパク質に対する相同性を呈する。カルニチンキャリア関連タンパク
質(CCRP)は、アシル-カルニチン/カルニチンキャリアと45%類似している(30%同
一である)ため、同様の機能を持つ可能性が高い。アシル-カルニチン/カルニチ
ンキャリアは、ミトコンドリアへの脂肪酸の輸送に必要なミトコンドリアのキャ
リアタンパク質であり、ミトコンドリアで脂肪酸が酸化されるとエネルギが生成
される。また、CCRPは、脱共役タンパク質(UCP-1)すなわち、重量調節と温度の
ホメオスタシスに関与する他のミトコンドリアのトランスポータータンパク質と
構造上の基礎が類似している。UCPタンパク質活性は、アシル-カルニチン/カル
ニチンキャリア自体では9分の4であるのに比して、予測されたCCRタンパク質で
は比較的よく保存される(9分の6が同一、9分の9が類似)9アミノ酸タンパク質ド
メインを介してヌクレオチドによって調節される。したがって、CCRPの機能につ
いては、小分子ヌクレオチド類似物を介して容易に活性化または抑制を指令でき
る。
【0472】 アシル-カルニチン/カルニチンキャリアは、脂肪酸が酸化されてエネルギにな
る前にこれをミトコンドリアに輸送するのに必要であるが、この遺伝子が遺伝的
に変異しても、重量の乱れは生じない。すなわち、脂肪酸の輸送には他のタンパ
ク質が使われるはずであり、CCRPがこのトランスポーターになっている可能性が
高い。
【0473】 ミトコンドリアによって燃焼される脂質の率は、これらのトランスポーターに
よるミトコンドリアへの脂肪酸の送達率に左右される。CCRPのヌクレオチド結合
ドメインまたは他の介入によって、ミトコンドリアでの可用性または活性を高め
るべくCCRPの活性が調節されると、組織の脂肪燃焼能も高まる。血漿脂肪酸濃度
の上昇は、II型糖尿病(NIDDM)の原因と関連しているため、このような介入を設
計して血液からの脂質の除去率を高めることができる。CCRPに的を絞った他の治
療効果には、脂肪質組織による脂肪蓄積量よりも肝臓および筋肉による脂肪の燃
焼量を高めることができ、結果として体重を減少させることができる点がある。
【0474】 総合すれば、これらのデータから、配列番号89のタンパク質が、脂質の代謝に
何らかの役割を果たしているのではないかと考えられる。したがって、このタン
パク質またはその一部は、高脂質血症、高コレステロール血症、アテローム性動
脈硬化症、冠動脈疾患などの心臓脈管系障害、アルツハイマー病または痴呆など
の神経変性障害、肥満を含むがこれに限定されるものではない、いくつかの機能
障害の診断および治療に役立つ可能性がある。
【0475】 (配列番号95(社内整理番号122-005-2-0-F11-FLC)のタンパク質) 配列番号45のcDNAでコードされる配列番号95のタンパク質は、レダクターゼの
ファミリのドメイン、特に、ラット、ウシおよびヒト種のNADH-シトクロムb5レ
ダクターゼ(それぞれGenbank受託番号J03867、M83104、Y09501)に対する相同性
を呈する。相同性には、光合成、窒素および硫黄の同化作用、脂肪酸酸化、メト
ヘモグロビンの還元の他、多くの殺虫剤、医薬品および発癌物質の代謝にメンバ
ーが関与している、フラビン酵素ファミリに属するNADH-シトクロムb5レダクタ
ーゼタンパク質のフラビン-アデニンジヌクレオチド-結合ドメインを含む。
【0476】 総合すれば、これらのデータから、配列番号95のタンパク質が、おそらくフラ
ビン酵素レダクターゼとして、細胞酸化還元反応に何らかの役割を果たしている
のではないかと考えられる。したがって、このタンパク質またはその一部は、癌
、メトヘモグロビン血症、高脂質血症、肥満および脈管系機能障害を含むがこれ
に限定されるものではない、いくつかの機能障害の診断および治療に役立つ可能
性がある。また、殺虫剤、医薬品および発癌物質の代謝の調節に役立つ可能性も
ある。
【0477】 (配列番号106(社内整理番号108-011-5-O-B12-FL)のタンパク質) 配列番号56の伸長cDNAでコードされる配列番号106のタンパク質は、ヒトおよ
びマウス種(Genbank受託番号W04185およびW04184)の両方のインターロイキン-17
受容体の予測細胞外ドメインと、膜貫通ドメインの一部とに対して相同性を示す
。これらのIL-17Rタンパク質は、T細胞増殖、I-CAM発現、造血前駆体の好中球へ
の優先的な成熟を誘導するサイトカインに対するレセプタの新たなファミリに属
すると考えられている(Yao et al., Cytokine., 9:794-8001 (1997))。また、炎
症を誘発する役割を果たし、一酸化窒素を誘導するとも考えられている。本発明
のタンパク質は、TopPred IIというソフトウェア(Claros and von Heijne, CABI
OS applic. Notes, 10 :685-686 (1994))で予測したところ、ヒトインターロイ
キン-17受容体の21アミノ酸の推定上の膜貫通ドメインと一致する21アミノ酸の
膜貫通ドメインを有する(172位〜192位)。
【0478】 総合すれば、これらのデータから、配列番号106のタンパク質が、免疫反応お
よび/または炎症反応の調節に何らかの役割を果たしているのではないかと考え
られる。したがって、このタンパク質またはその一部は、癌、免疫学的な機能障
害、敗血症ショックおよび性交不能を含むがこれに限定されるものではない、い
くつかの機能障害の診断および治療に役立つ可能性がある。また、このタンパク
質は、感染応答に対する免疫反応および/または炎症反応を調節および/または移
植片拒絶を抑制する上で役立つ可能性もある。
【0479】 (配列番号114(社内整理番号108-014-5-O-D12-FL)のタンパク質) 配列番号64の伸長cDNAでコードされる配列番号114のタンパク質には、Drosoph
ila melanogasterのG1タンパク質にも見られるシステイン豊富なC3H2C3領域があ
る(Swissprot受託番号Q06003)。このシステイン豊富な領域は、RINGタイプの亜
鉛フィンガすなわち、亜鉛の2つの原子と結合するドメインに類似し、おそらく
タンパク質-タンパク質相互作用の媒介に関与している。
【0480】 総合すれば、これらのデータから、配列番号114のタンパク質が、タンパク質-
タンパク質相互作用に何らかの役割を果たしているのではないかと考えられる。
【0481】 核酸配列番号24〜73の配列またはそのフラグメントを利用して、配列番号74〜
123のポリペプチド配列またはそのフラグメントが異種ポリペプチドと融合した
融合タンパク質を構築することもできる。たとえば、融合タンパク質に含まれる
配列番号74〜123のポリペプチドのフラグメントは、配列番号74〜123のポリペプ
チドの連続した少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または
150アミノ酸を含むことができ、あるいは、融合タンパク質の意図した目的に適
したどのような長さのものであってもよい。配列番号24〜73の核酸を、異種ポリ
ペプチドをコードする核酸とインフレームにてクローニングし、所望の融合タン
パク質をコードする核酸を産生する。所望の融合タンパク質をコードする核酸は
、上述したベクターのうちのいずれかなどの適当なベクターに含まれるプロモー
ターに作動可能に連結され、融合タンパク質を発現できる宿主に導入される。
【0482】 配列番号74〜123のポリペプチドまたはそのフラグメントに対する抗体を、イ
ムノアフィニティクロマトグラフィに利用して、配列番号74〜123のポリペプチ
ドまたはそのフラグメントを単離する、あるいは、配列番号74〜123のポリペプ
チドまたはそのフラグメントを含む融合タンパク質を単離することができる。
【0483】 (実施例58) (イムノアフィニティクロマトグラフィ) 上述したようにして調製された抗体を支持体にカップリングする。好ましくは
、抗体はモノクローナル抗体であるが、ポリクローナル抗体も利用できる。支持
体は、Sepharose CL-4B(ニュージャージー州ピスカタウェイ、Pharmacia Piscat
away, NJ)、Sepharose CL-2B(Pharmacia Piscataway, NJ)、Affi-gel 10(Biorad
, Richmond, CA)またはガラスビーズをはじめとして、イムノアフィニティクロ
マトグラフィで一般に用いられている適当なものでよい。
【0484】 臭化シアンをはじめとしてイムノアフィニティクロマトグラフィで一般に用い
られている適当なカップリング試薬を用いて、抗体を支持体にカップリングする
ことができる。抗体を支持体にカップリングさせた後、この支持体を、単離、精
製または濃縮が望ましい標的ポリペプチドを含有する試料と接触させる。標的ポ
リペプチドは、配列番号74〜123のポリペプチド、そのフラグメント、あるいは
、配列番号74〜123のポリペプチドまたはそのフラグメントを含む融合タンパク
質であってもよい。
【0485】 好ましくは、十分な時間をかけて、標的ポリペプチドの少なくとも50%が支持
体にカップリングされる抗体と特異的に結合できる適当な条件下で、試料を支持
体と接触状態におく。
【0486】 その後、適当な洗浄液で支持体を洗浄し、支持体に非特異的に接着したポリペ
プチドを除去する。洗浄液は、PBS、Tris-塩化リチウム緩衝液(0.1Mリジン塩基
および0.5M塩化リチウム、pH8.0)、Tris-ハイドロクロライド緩衝液(0.05M Tri
s-ハイドロクロライド、pH8.0)またはTris/Triton/NaCl緩衝液(50mM Tris.cl、p
H8.0または9.0、0.1% Triton X-100および0.5M NaCl)をはじめとして、イムノア
フィニティクロマトグラフィで一般に用いられているものでよい。
【0487】 洗浄後、特異的に結合した標的ポリペプチドを、イムノアフィニティクロマト
グラフィで一般に用いられている高pHまたは低pH溶出液を用いて支持体から溶出
する。特に、溶出液は、トリエタノールアミン、ジエチルアミン、塩化カルシウ
ム、チオシアン酸ナトリウム、臭化カリウム、酢酸またはグリシンなどの流出液
を含むものであってもよい。いくつかの実施形態では、溶出液は、Triton X-100
またはオクチル-β-D-グリコシドなどの洗浄剤を含むものであってもよい。
【0488】 上述したように、本発明のcDNAまたはそのフラグメントをさまざまな目的に使
用することが可能である。ポリヌクレオチドを用いて、(構成的に、あるいは、
組織分化または発達の特定の段階で、あるいは、疾患状態で)対応するタンパク
質が優先的に発現される組織用のマーカーとして;サザンゲルの分子量マーカー
として;染色体を同定する、関連の遺伝子位置をマッピングする、患者の内在性
のDNA配列を比較して潜在的な遺伝病を識別するための染色体マーカーまたはタ
グ(標識されている場合)として;関連する新規なDNA配列をハイブリダイズし、
これによってかかる配列を発見するためのプローブとして;遺伝的フィンガープ
リント用のPCRプライマーを導出するための情報源として;発現パターンについ
て検討することを含む、「遺伝子チップ」または他の支持体への結合用のオリゴ
マーを選択および生成するために;DNA固定化法を用いて抗タンパク質抗体を生
成するため;抗DNA抗体を生む、あるいは、他の免疫応答を引き出す抗原として
、解析、特徴づけまたは治療用の組換えタンパク質を発現させることが可能であ
る。他のタンパク質(受容体-リガンド相互作用などにおいて)と結合するまたは
潜在的に結合するタンパク質をポリヌクレオチドがコードする場合、このポリヌ
クレオチドを相互作用トラップアッセイ(Gyuris et al., Cell 75:791-803(1993
)に説明されているものなど)に利用して、結合が起こる他のタンパク質をコード
するポリヌクレオチドを同定する、あるいは、結合相互作用に対するインヒビタ
ーを同定することが可能である。
【0489】 本発明によって得られるタンパク質またはポリペプチドを同様にアッセイに利
用して、生物学的流体に含まれるタンパク質(またはその受容体)のレベルを定量
的に判定するように設計されたアッセイでの試薬(標識試薬を含む)として;(構
成的に、あるいは、組織分化または発達の特定の段階で、あるいは、疾患状態で
)対応するタンパク質が優先的に発現される組織用のマーカーとして、高スルー
プットスクリーニング用の複数のタンパク質のパネルでの活性を含む生物学的活
性を判定すること、抗体を生成または他の免疫応答を引き出すことが可能であり
、もちろん、相関的な受容体またはリガンドを単離することも可能である。タン
パク質が、他のタンパク質(受容体-リガンド相互作用などにおいて)と結合する
または潜在的に結合する場合、このタンパク質を利用して、結合が起こる他のタ
ンパク質を同定する、あるいは、結合相互作用に対するインヒビターを同定する
ことが可能である。これらの結合相互作用に関与するタンパク質を利用して、ペ
プチド、あるいは、結合相互作用の小分子インヒビターまたはアゴニストをスク
リーニングすることも可能である。
【0490】 これらの研究調査用ユーティリティはいずれも、研究調査用製品として市販す
るための試薬グレードまたはキット形式に開発することが可能なものである。
【0491】 上述した用途に利用するための方法は当業者間で周知である。かかる方法につ
いて開示した参考文献としては、"Molecular Cloning; A Laboratory Manual",
2d ed., Cole Spring Harbor Laboratory Press, Sambrook, J., E.F. Fritsch
and T. Maniatis eds., 1989および"Methods in Enzymology; Guide to Molecul
ar Cloning Techniques", Academic Press, Berger, S.L. and A.R. Kimmel eds
., 1987を含むがこれに限定されるものではない。
【0492】 本発明のポリヌクレオチドおよびタンパク質を栄養源またはサプリメントとし
て利用することも可能である。このような用途には、タンパク質またはアミノ酸
サプリメントとしての用途、炭素源としての用途、窒素源としての用途、炭水化
物源としての用途を含むがこれに限定されるものではない。このような場合、本
発明のタンパク質またはポリヌクレオチドを、特定の生物体の食餌に添加するこ
とが可能であるか、あるいは、粉末、ピル、溶液、懸濁液またはカプセルの形な
ど、別の固体製剤または液体製剤として投与することが可能である。微生物の場
合、本発明のタンパク質またはポリヌクレオチドを、かかる微生物を培養する培
地内または培地表面に添加することが可能である。
【0493】 以上、特定の好ましい実施形態について本発明を説明してきたが、本願明細書
の開示内容に鑑みて当業者であれば明白な他の実施形態も本発明の範囲に包含さ
れる。したがって、本発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ定義されるも
のと理解されたい。
【0494】
【表1】
【0495】
【表2】
【0496】
【表3】
【0497】
【表4】
【0498】
【表5】
【0499】
【表6】
【0500】
【表7】
【0501】
【表8】
【0502】
【表9】
【0503】
【表10】
【0504】 (配列表のフリーテキスト) Von Heijneマトリックス スコア プライマーとして用いられるオリゴヌクレオチド MatInspectorによる予測 名称 相補体
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 cDNA解析の各ステップで用いることが可能なパラメータをすべて
列挙した表である。
【図2】 本願明細書に記載のシグナルペプチド同定法を用いて、偽陽性お
よび偽陰性の頻度を判定すべくSwissProtに含まれるすべてのヒトタンパク質の4
3アミノ末端アミノ酸を解析した結果を示す図である。
【図3】 cDNAを得るのに用いられる5'ESTに隣接する配列を含むcDNAを単
離するためのRT-PCRに基づく方法を示す図である。
【図4】 単離したプロモーターと、これらのプロモーターを対応する5'タ
グにアセンブルする方法とを概略的に説明した図である。
【図5】 これらの各プロモーターに存在する転写因子結合部位について示
した図である。
【図6】 コンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【図7】 新たな配列とデータベースに格納された配列との間の相同性レベ
ルを判定するために、新たなヌクレオチドまたはタンパク質配列と配列のデータ
ベースとを比較するためのプロセス200の一実施形態を示す流れ図である。
【図8】 コンピュータにおいて2つの配列が相同であるか否かを判定する
ためのプロセス250の一実施形態を示す流れ図である。
【図9】 配列における特徴の存在を検出するためのアイデンティファイア
プロセス300の一実施形態を示す流れ図である。
【図10】 配列番号26のcDNAでコードされる配列番号76のタンパク質と耳
下腺HPSPタンパク質(配列番号124)とのアライメントを示す図である。
【図11】 配列番号43のcDNAでコードされる配列番号93のタンパク質とヒ
ト膜貫通タンパク質(配列番号125)とのアライメントを示す図である。保存され
たシステインを太字で示す。第2のシステイン周囲の保存領域を下線で示す。潜
在的な活性部位QxVxGをイタリックで示す。
【図12】 配列番号25のcDNAでコードされる配列番号75のタンパク質とヒ
トの推定上のシアル酸転移酵素(配列番号126)とのアライメントを示す図であっ
て、301アミノ酸オーバーラップの89.4%同一の残基が示されている。シアリルモ
チーフを太字で示す。シアリルモチーフLをイタリックで示す。潜在的な膜貫通
セグメントを下線で示す。
【図13】 配列番号54の伸長cDNAでコードされる配列番号104のタンパク
質とマウス組換え活性化遺伝子1誘導性タンパク質 (配列番号177)とのアライメ
ントを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 G01N 37/00 102 5/10 33/53 M C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA G01N 37/00 102 F // G01N 33/53 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 カトリーヌ クリューセル フランス国 93100 モントルイユ−ソワ −ボワ アーヴェー.ドゥ プレジダ ウ ィルソン,110 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 CA04 FA10 HA03 HA14 HA17 4B029 AA08 AA23 CC13 FA12 4B064 AG01 CA19 CC24 DA03 4B065 AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA30 CA40 DA75 EA50 FA74

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号24〜73のうちの1つの配列またはこれと相補的な配
    列を含む、精製または単離された核酸。
  2. 【請求項2】 配列番号24〜73のうちの1つの配列の連続した少なくとも12
    塩基またはこれらと相補的な配列のうちの1つを含む、精製または単離された核
    酸。
  3. 【請求項3】 配列番号24〜73のうちの1つの完全なコード配列を含み、該
    完全なコード配列が、シグナルペプチドをコードする配列と成熟タンパク質をコ
    ードする配列とを含む、精製または単離された核酸。
  4. 【請求項4】 成熟タンパク質をコードする、配列番号24〜73のうちの1つ
    のヌクレオチドを含む、精製または単離された核酸。
  5. 【請求項5】 シグナルペプチドをコードする、配列番号24〜73のうちの1
    つのヌクレオチドを含む、精製または単離された核酸。
  6. 【請求項6】 配列番号74〜123の配列のうちの1つの配列を有するポリペプ
    チドをコードする、精製または単離された核酸。
  7. 【請求項7】 配列番号74〜123の配列のうちの1つに含まれる成熟タンパク
    質の配列を有するポリペプチドをコードする、精製または単離された核酸。
  8. 【請求項8】 配列番号74〜123の配列のうちの1つに含まれるシグナルペプ
    チドの配列を有するポリペプチドをコードする、精製または単離された核酸。
  9. 【請求項9】 配列番号74〜123のうちの1つの配列を含む、精製または単離
    されたタンパク質。
  10. 【請求項10】 配列番号74〜123の配列のうちの1つの連続した少なくとも
    10アミノ酸を含む、精製または単離されたポリペプチド。
  11. 【請求項11】 配列番号74〜123のポリペプチドのうちの1つのシグナルペ
    プチドを含む、単離または精製されたポリペプチド。
  12. 【請求項12】 配列番号74〜123のポリペプチドのうちの1つの成熟タンパ
    ク質を含む、単離または精製されたポリペプチド。
  13. 【請求項13】 配列番号74〜123の配列のうちの1つを含むタンパク質の生
    産方法であって、 配列番号24〜73の配列のうちの1つを含むcDNAを得るステップと、 前記cDNAがプロモーターに作動可能に連結されるよう前記cDNAを発現ベクター
    に挿入するステップと、 前記発現ベクターを、宿主細胞に導入し、それによって前記cDNAでコードされ
    るタンパク質を宿主細胞において産生させるステップと、 を含む、前記方法。
  14. 【請求項14】 前記タンパク質を単離するステップをさらに含む、請求項
    13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の方法によって得られるタンパク質。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の組換え核酸を含む宿主細胞。
  17. 【請求項17】 配列番号74〜123のうちの1つの配列を有するタンパク質に
    特異的に結合可能な、精製または単離された抗体。
  18. 【請求項18】 少なくとも15ヌクレオチド長のポリヌクレオチドのアレイ
    であって、改良点が、少なくとも、配列番号24〜73の配列のうちの1つ、または
    、配列番号24〜73の配列と相補的な配列のうちの1つ、または、その連続した少
    なくとも15ヌクレオチドのフラグメントを、前記アレイ中に含めることからなる
    、前記アレイ。
  19. 【請求項19】 ストリンジェントな条件下で配列番号24〜73のうちの1つ
    の配列または配列番号24〜73の配列のうちの1つと相補的な配列とハイブリダイ
    ズ可能である、少なくとも15塩基で構成される精製または単離された核酸。
  20. 【請求項20】 配列番号74〜123のうちの1つの配列の連続した少なくとも
    10アミノ酸を含むポリペプチドと結合可能な、精製または単離された抗体。
  21. 【請求項21】 配列番号24〜73のcDNAコードおよび配列番号74〜123のポ
    リペプチドコードからなる群から選択される配列を記憶させた、コンピュータ読
    取可能媒体。
  22. 【請求項22】 プロセッサとデータ記憶デバイスとを備えるコンピュータ
    システムであって、データ記憶デバイスが、配列番号24〜73のcDNAコードおよび
    配列番号74〜123のポリペプチドコードからなる群から選択される配列を記憶さ
    せたものである、前記コンピュータシステム。
  23. 【請求項23】 配列コンペアラと、参照配列を記憶させたデータ記憶デバ
    イスとをさらに備える、請求項22に記載のコンピュータシステム。
  24. 【請求項24】 前記配列コンペアラが多型を示すコンピュータプログラム
    を含む、請求項23に記載のコンピュータシステム。
  25. 【請求項25】 前記配列の特徴を識別するアイデンティファイアをさらに
    備える、請求項22に記載のコンピュータシステム。
  26. 【請求項26】 配列番号24〜73のcDNAコードおよび配列番号74〜123のポ
    リペプチドコードからなる群から選択される第1の配列と、参照配列とを比較す
    る方法であって、 配列を比較するコンピュータプログラムを用いて、前記第1の配列および前記
    参照配列を読み取るステップと、 前記コンピュータプログラムを用いて前記第1の配列と前記参照配列との差を
    判定するステップと、 を含む前記方法。
  27. 【請求項27】 第1の配列と参照配列との差を判定する前記ステップが、
    多型を同定することを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 配列番号24〜73のcDNAコードおよび配列番号74〜123のポ
    リペプチドコードからなる群から選択される配列の特徴を識別する方法であって
    、 配列の特徴を識別するコンピュータプログラムを用いて、前記配列を読み取る
    ステップと、 前記コンピュータプログラムを用いて前記配列の特徴を識別するステップと、
    を含む前記方法。
  29. 【請求項29】 配列番号24〜73のうちの1つの配列またはこれと相補的な
    配列のうちの1つの少なくとも12ヌクレオチドの連続スパンを含む、精製または
    単離された核酸であって、前記連続スパンが、表IIIに示すポリヌクレオチドの
    ヌクレオチド位置のうち少なくとも1つを含んでなる、前記核酸。
  30. 【請求項30】 表IIIに示すポリヌクレオチドのうちの1つの配列またはこ
    れと相補的な配列のうちの1つの少なくとも12ヌクレオチドの連続スパンを含ん
    でなる、精製または単離された核酸。
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