[go: up one dir, main page]

JP2002543844A - 小麦中のチオレドキシンTaTrxh2プロモーター - Google Patents

小麦中のチオレドキシンTaTrxh2プロモーター

Info

Publication number
JP2002543844A
JP2002543844A JP2000618471A JP2000618471A JP2002543844A JP 2002543844 A JP2002543844 A JP 2002543844A JP 2000618471 A JP2000618471 A JP 2000618471A JP 2000618471 A JP2000618471 A JP 2000618471A JP 2002543844 A JP2002543844 A JP 2002543844A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gene
tatrxh2
promoter
sequence
expression
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000618471A
Other languages
English (en)
Inventor
ゴティエ,マリー−フランソワーズ
イオレ,タニア
ジュドリエ,フィリップ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Institut National de la Recherche Agronomique INRA
Original Assignee
Institut National de la Recherche Agronomique INRA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Institut National de la Recherche Agronomique INRA filed Critical Institut National de la Recherche Agronomique INRA
Publication of JP2002543844A publication Critical patent/JP2002543844A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
    • C12N9/0012Oxidoreductases (1.) acting on nitrogen containing compounds as donors (1.4, 1.5, 1.6, 1.7)
    • C12N9/0036Oxidoreductases (1.) acting on nitrogen containing compounds as donors (1.4, 1.5, 1.6, 1.7) acting on NADH or NADPH (1.6)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8216Methods for controlling, regulating or enhancing expression of transgenes in plant cells
    • C12N15/8222Developmentally regulated expression systems, tissue, organ specific, temporal or spatial regulation
    • C12N15/823Reproductive tissue-specific promoters
    • C12N15/8234Seed-specific, e.g. embryo, endosperm

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Reproductive Health (AREA)
  • Pregnancy & Childbirth (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 この発明は、小麦中のチオレドキシンTaTrxh2プロモーターのクローニング及びトランスジェニック植物又は植物細胞中の興味深い遺伝子の発現制御におけるその使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 この発明は、小麦のチオレドキシンプロモーターのクローニング及び特徴付け
に関する。
【0002】 チオレドキシンは、多くの生物で明らかにされている低分子量タンパク質で、
ジチオスルフィドリル交換を伴う種々のレドックス反応を触媒する。その触媒部
位は、保存配列: -Trp-Cys-Gly/Pro/Ala-Pro-Cys-からなる。酸化型のチオレド
キシンはジスルフィド架橋を含み、還元フェレドキシンもしくはNADPHによる -S
H基への還元は特異的な系を介して触媒されている。 植物では、3種のチオレドキシンが明らかにされている: 最初の2つ(チオレド
キシンm及びf)は、光合成の調節に関与する葉緑体に局在するフェレドキシン-依
存性チオレドキシンである。第三のタイプはチオレドキシンhと称され、サイト
ゾル中で明らかにされている。チオレドキシンhはNADP-依存性チオレドキシン系
(NTS)の一部であり、NADPH及びNADP-チオレドキシンリダクターゼ (NTR)と称さ
れる酵素と関連している。
【0003】 最初に、小麦の穀粒から2つのチオレドキシンhが抽出され、部分的に精製され
た(VOGT及びFOLLMANN, Biochem. Biophys. Acta 873, 415-418, 1986)。最近、
発明者らのチームは、軟小麦チオレドキシンh (TaTrxhl)と硬小麦チオレドキシ
ンh (TdTrxhl)をエンコードする2つのcDNAクローンを単離し、特徴付けた(GAUTI
ERら、Eur. J. Biochem. 252, 314-324, 1998)。チオレドキシンh TaTrxhl及びT
dTrxhlのcDNAクローンから推定される一次構造は、非常に保存されている(両者
間で96%の同一性)。構造にはAla残基が非常にリッチな N-末端伸長があり、これ
を分析することにより、推定上20残基のトランスメンブランドメインが明らかに
なっている。それらは、穀類のチオレドキシンh (70-80%)及び双子葉植物類のチ
オレドキシンh (60%)と強力な相同性を示している。
【0004】 チオレドキシンhは小麦穀粒の発芽に関与し、胚乳において胚の成長に必要な
蓄えを移動させることに寄与している。それらは、特に: - グリアジン及びグルテニンのようなある種の貯蔵タンパク質のジスルフィド
架橋を還元して(KOBREHELら、Plant Physiol. 99, 919-924, 1992)、そのタンパ
ク質分解に対する感受性を増すことによって; - 蓄えの移動に関与する酵素又はこれらの酵素阻害剤を還元して、第一の活性
化及び第二の不活化をもたらすことによって 作用する。 チオレドキシンhの使用は、食糧品、特に穀類ベースの食糧品の品質を改善す
るためにも提案されている。実際、それらはパンの製造中にドウの形成を促進し
(WONGら、Cereal Chem. 70, 113-114, 1993)、さらにある種の食糧品のアレルゲ
ン性を低減することが認められている。本発明者らは、穀類の穀粒、特に小麦に
おけるチオレドキシンhの発現を、この発現の制御手段を提供するために研究し
た。
【0005】 これらの研究において、発明者らは、軟小麦(Triticum aestivum)のチオレド
キシンh (以降、TaTrxh2と称する)をエンコードする遺伝子(以降、TaTrxh2と称
する)を単離した。この遺伝子の一次構造は、軟小麦チオレドキシンh TaTrxh1と
97%の類似性を示す(GAUTIERら、1998、上記文献)。 発明者らは、TaTrxh2遺伝子のプロモーターも単離し、このプロモーターの制
御下でgusレポーター遺伝子を米で発現させた。このようにして、発明者らは、
レポーター遺伝子の発現が米粒、さらに詳しくは澱粉質の胚乳にもっぱら局在し
ていたことを認めた。また、彼らは、このプロモーターの空間的及び経時的な制
御に関与している領域を明らかにした。 TaTrxh2遺伝子及びプロモーターからなる5'領域の配列は、別紙の配列表に番
号SEQ ID NO: 1で示す。
【0006】 この発明の対象は、TaTrxh2 遺伝子プロモーターの特異的な機能ドメインの少
なくとも1つを含む核酸フラグメントからなるプロモーターである。 用語「プロモーター」は、転写をシスで制御する配列と任意に組合わさった、
遺伝子の転写開始に必要な配列から少なくともなる二本鎖DNA配列を意味するこ
とを意図する。表現「プロモーターの特異的な機能ドメイン」は、転写開始に関
与する1以上のDNAユニットからなるプロモーター配列、又はプロモーターによる
転写制御にシスで関与する1以上のDNAユニットからなる制御ドメインを構成する
二本鎖DNA配列を意味することを意図する。
【0007】 この発明によるプロモーターは、特に以下からなっていてもよい: a) ATG開始コドンに対して位置-1から位置-1111までわたっているTaTrxh2 遺
伝子の5'非-コード化領域に相当する、配列SEQ ID NO: 2で別紙の配列表及び図
1にも示される核酸フラグメント、又は該フラグメントの一部、特に: * 配列がTaTrxh2 遺伝子のATGコドンに対して位置-1から位置-83までわたって
いる核酸フラグメント;このフラグメントは転写開始に関与し、プロモーターの
基本的な活性に必要な配列からなる; * TaTrxh2 遺伝子の転写制御に関与し、特に植物の発生の種々の段階における
組織特異性及び/又はその発現に関与する機能ドメインからなる核酸フラグメン
ト;それは特に: - 配列がTaTrxh2 遺伝子のATGコドンに対して位置-591から位置-1111までわた
っている核酸フラグメント;このフラグメントは、胚盤上皮におけるTaTrxh2 遺
伝子の発現阻害に関与する制御ドメインからなる; - 配列がTaTrxh2 遺伝子のATGコドンに対して位置-228から位置-451までわたっ
ている核酸フラグメント;このフラグメントは、穀粒の成熟開始時にTaTrxh2 遺
伝子発現の誘発に関与する制御ドメインからなる; - 配列が TaTrxh2 遺伝子のATGコドンに対して位置 -451から -591までわたっ
ている核酸フラグメント;このフラグメントは、胚盤上皮でのTaTrxh2 遺伝子発
現の誘発に関与する制御ドメインからなる; - 配列がTaTrxh2 遺伝子のATGコドンに対して位置 -83から位置 -228までわた
っている核酸フラグメント;このフラグメントは、澱粉の胚乳での発現の誘発に
関与する配列からなる。 b) TaTrxh2 遺伝子の最初のイントロン(配列SEQ ID NO: 1において位置1232-22
03)を構成する核酸フラグメント;このフラグメントは。TaTrxh2 遺伝子の発現レ
ベルを増す増幅型の制御ドメインからなっていてもよい。
【0008】 上記のようにTaTrxh2 遺伝子プロモーターの機能ドメインの少なくとも1つか
らなるフラグメントを用いると、当業者は、これらの機能ドメインの限界及び各
ドメインの機能に関与するDNAユニットを、これらのフラグメントを穀粒の胚乳
由来細胞の核抽出物と、またTaTrxh2 遺伝子プロモーターが不活性な細胞の核抽
出物とインキュベートする、それ自体公知の技術、例えばDNAフットプリント技
術を用いてより正確に同定することができる。 特に、この発明は、従来の遺伝子工学技術、特に突然変異誘発及び/又は遺伝
子組換えを用いてTaTrxh2 遺伝子プロモーターの少なくとも1つの機能ドメイン
からなる核酸フラグメントから得られるいかなるプロモーターも包含する。この
ようにして、所望の活性レベル及び特異性の程度を有する人為的なプロモーター
を調製することができる。
【0009】 したがって、例えば問題のドメインの機能に関与するDNAユニットのヌクレオ
チド又はヌクレオチド配列を少なくとも1つ欠失することによって、TaTrxh2 遺
伝子の5'非-コード化領域に局在する1以上の機能的な制御ドメインを不活化する
ことができる。また、TaTrxh2 遺伝子プロモーターの機能的なドメインからなる
核酸分子を互いに組合わせるか、及び/又はTaTrxh2 遺伝子以外のプロモーター
から生じる機能ドメインと組合わせることができる。 この発明によるプロモーターの好ましい具体例によれば、プロモーターは穀粒
、特に澱粉質の胚乳での特異的な発現を可能にするTaTrxh2 のプロモーター配列
から少なくともなる。
【0010】 また、この発明は: - この発明によるプロモーターに加えて、プロモーターの転写制御下にある興
味深い遺伝子、又は興味深い遺伝子の挿入を可能にする部位からなる発現カセッ
ト; - この発明によるプロモーター又は発現カセットを宿主ベクターに挿入するこ
とから生じる組換えベクター を包含する。 この発明によるプロモーターは、植物細胞、特に単子葉植物細胞で興味深い遺
伝子の発現を制御するのに使用することができる。 その興味深い遺伝子は、例えばTaTrxh2 プロモーターから誘導される、上記の
人為的なプロモーターの制御下にあるTaTrxh2 遺伝子、又はTaTrxh2以外のチオ
レドキシン又はいずれかの他の興味深いタンパク質をエンコードする異種遺伝子
のいずれであってもよい。
【0011】 例えば、穀粒の胚乳細胞でのみ興味深い遺伝子が発現するように、TaTrxh2 遺
伝子プロモーター制御下に興味深い遺伝子を導入したり、又は胚乳細胞での発現
の特異性を付与する制御要素から構築される人為的なプロモーター遺伝子を導入
することができる。また、チオレドキシンh、又は興味深い別のタンパク質の偏
在性発現を確実にすることができる人為的なプロモーターを構築するために、発
現の特異性の原因となるTaTrxh2遺伝子のプロモーター配列を選択的に欠失させ
ることができる。 また、この発明の対象は、この発明によるプロモーターからなる少なくとも1
つの核酸分子で形質転換された植物細胞及びトランスジェニック植物、特に単子
葉植物、ことに穀類である。
【0012】 こうして、発明者らは、異種遺伝子がTaTrxh2遺伝子プロモーターの転写制御
下にあるトランスジェニックの米植物を得て、これらの植物における穀粒の胚乳
細胞での特異的な発現を確認した。 この発明による形質転換細胞及びトランスジェニック植物は、穀粒の胚乳細胞
での種々の遺伝子発現を研究及び/又は修飾するモデルとしても使用することが
できる。 この発明は、TaTrxh2遺伝子及びそのプロモーターのクローニング及び特徴付
けを例示する非制限的な実施例に言及する以下のさらなる記載を用いて、より明
確に理解されるであろう。
【0013】実施例1 :TaTrxh2遺伝子の単離及び特徴付け 1.- 小麦ゲノムDNAライブラリーのスクリーニング ゲノムDNA ライブラリーは、種々のアンダイン(Andain)の軟小麦(Triticum ae
stivum)の葉から抽出したDNAから調製した。ゲノムDNAをMboIで部分消化した後
、平均的な大きさが15 kbのフラグメントをEMBL3 SP6/T7ファージのBamHI部位に
クローンし、これを宿主細菌K802 -K 802 (galK2, galT22, HsdR2, (rk-, mk+),
mcrA-, mcrB-, metB1, mrr+, supE44)で増殖させた。 ゲノムDNAライブラリーから6×106個のクローンをプレートに出し、軟小麦の
チオレドキシンh TaTrxh1 をエンコードする配列を全て含む669 bpのプローブ(T
RX)でスクリーンし(GAUTIERら、1998、上記文献)、次いで、同じ配列由来のプラ
イマー対(THP2及びTHM2)を用いて正のクローンをPCR (ポリメラーゼ連鎖反応)に
よりスクリーンした。
【0014】 選択したクローンの1つ(λ4)は、約10 kbの小麦ゲノムDNAフラグメントを含む
。これをPstIで消化して、ともにTRXプローブで認識される1.5 kbのフラグメン
トと3.8 kbのフラグメントの2つを放出する。これらの2つのフラグメントを、pLI
TMUS 29ベクター(BIOLAB)にPstI制限部位でクローンした。得られた2つのクロー
ンは、CTRX3及びCTRX4と命名した。CTRX3クローンは1.5 kbのフラグメントに相
当し、CTRX4クローンは3.8 kbのフラグメントに相当する。 CTRX4及びCTRX3のクローンのヌクレオチド配列の分析により、それぞれが、 P
stI での消化中に端を切られている(truncated)小麦のチオレドキシンhをエンコ
ードする同じ遺伝子の一部を含んでいることが分かる。
【0015】 発明者らは、これらの2つのクローンのヌクレオチド配列に基づいて、約2.6kb
長にわたってチオレドキシンh遺伝子を増幅できる2つのプライマー(THP8及びTHM
8)を選択した。PCRをλ4クローンの未消化DNAについて行い、予想された大きさ
のフラグメントを pGEM-Tベクター(PROMEGA)にクローンした。得られたクローン
は、軟小麦のチオレドキシンhをエンコードするTaTrxh2遺伝子を含んでいた。 それは、1111 bpのプロモーター領域、1447 bpのコード化領域及び131 bpの3'
非-コード化領域からなる。 TaTrxh2遺伝子のコード化領域は、972 bp と93 bpの2つのイントロンで分離さ
れる120、123及び135 bpの3つのエキソンからなる。最初のエキソンは40アミノ
酸ポリペプチドをエンコードし、第二のエキソンは活性部位を含む41アミノ酸ポ
リペプチドを エンコードし、かつ第三のエキソンは45アミノ酸ポリペプチドを
エンコードする。
【0016】 TaTrxh2遺伝子のヌクレオチド配列は、126アミノ酸、13435 Daの理論分子量(c
alculated molecular mass)及び5.0の理論pIを有する、TaTrxh2と称される軟小
麦のチオレドキシンhをエンコードしている。 TaTrxh2遺伝子の翻訳産物とGAUTIER ら(1998、上記文献)により先に記載され
たTaTrxh1ならびにTdTrxh1 (硬小麦チオレドキシンh)遺伝子の配列の比較は、配
列が非常に保存されていることを示している。詳細には、TaTrxh2のペプチド配
列は、TaTrxh1の配列と97%の類似性及び94%の同一性を示し、かつTdTrxh1の配列
と95%の類似性及び90%の同一性を示す。
【0017】 TaTrxh2のN-末端ドメインは、TaTrxh1及びTdTrxh1のドメインより短い。TaTrx
h2の一次構造はシグナルペプチドを含まず、これはタンパク質が細胞質に局在す
ることを示唆している。しかし、それはTaTrxh1及びTdTrxh1の一次構造で既に明
らかにされているN-末端伸長を有しており、これはトランスメンブランドメイン
に相当している可能性がある。RAO ARGOSプログラム(PC/遺伝子, RAOら、Bioche
m. Biophys. Acta 869, 197-214, 1986)でのTaTrxh2のN-末端伸長分析は、残基2
及び19間に推定上のトランスメンブランドメインを示している。5アミノ酸:WCG
PCからなる活性部位は、3つの小麦チオレドキシンh TaTrxh2、TaTrxh1及びTdTrx
h1で保存されている。イントロンの大きさは、ROBERT (1994)によって先に明ら
かにされた小麦チオレドキシンh遺伝子のイントロンとは異なり、これは、TaTrx
h2遺伝子がそれらの遺伝子と異なることを示している。TaTrxh2遺伝子のイント
ロンは0型であり、5'では配列GTAで、かつ3'では配列CAGで制限されており、こ
れはイントロン-エキソン制限の共通配列に相当している。 TaTrxh2遺伝子の3'非-コード化領域は、RNAポリメラーゼIIによって転写され
る遺伝子に共通のポリアデニル化シグナルAATAAAを有している。
【0018】実施例2 : TaTrxh2遺伝子プロモーターの構造解析 TaTrxh2遺伝子プロモーターを分析し、発現の制御に関与すると思われる推定
上の制御ユニットを検索し、特にC. reinhardtii (STEINら、Plant Mol. Biol.
28, 487-503, 1995)、タバコ(BRUGIDOUら、Mol. Gen. Genet 238, 285-293, 199
3)及び米(ISHIWATARIら、1995)のチオレドキシンh遺伝子、C. reinhardtii (STE
INら、1995)のチオレドキシンm遺伝子及びマウス(MATSUIら、Gene 152, 165-171
, 1995)ならびにヒト(TONISSENら、Gene 102, 221-228, 1992; KAGHADら、Gene
140, 6643-6653, 1994)のチオレドキシンと比較した。 TaTrxh2遺伝子のプロモーター配列を、図1に示す。 転写開始部位(太字と二重下線で図1に示す)は、ATGから-65bpに位置するアデ
ニンである。
【0019】 TaTrxh2遺伝子プロモーターは、RNAポリメラーゼIIによって転写される遺伝子
に推定される位置でTATAnボックス又はCAATボックスに相当する共通配列を含ま
ない。 他方、プロモーターは、ATGから-105bpにTATA-様ボックス(AATTTAT、図1の二
重下線)を含む。 また、それは、TaTrxh2遺伝子のATGコドンから-84bpに位置するGCボックス(GG
GCCGGG、図1の点下線)を含む。GCボックスは、Sp1型の転写因子によって認識さ
れ(DYNANら、Nature 316, 774-778, 1985)、遺伝子の本質的な発現に関与してい
る。GCボックスは、チオレドキシン遺伝子の既知のプロモーター全てに存在する
。 G残基が介在するアデニンリッチな配列(AAAAAAAGAAAAAAAAA、図1の一本下線を
付した太字)は、TaTrxh2遺伝子のATGコドンから-227bpに位置する。この種の配
列は、タバコ及び米のチオレドキシンh遺伝子のプロモーターでも以前に同定さ
れている。
【0020】 ヘリックス/ループ/ヘリックスファミリーの転写因子によって認識される bHL
H配列(CANNTG)は、TaTrxh2遺伝子のATGから -206 bp 及び -411 bp に位置する;
それらは、図1に小文字で示す。 ロイシンジッパーファミリー(bZIP)の転写因子で認識されるbzip配列(ACGT、
図1の一本下線)は、TaTrxh2遺伝子のATGから -251 pb 及び -184 bpに位置する
。bZIPタンパク質は、穀粒の貯蔵タンパク質をエンコードする遺伝子の発現の活
性化において記載されている。ACGTユニットは、遺伝子プロモーターのABRE (AB
A-応答要素)共通配列にも記載されており、その発現はアブシジン酸(ABA)で制御
される(MUNDYら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, 1406-1410, 1990)。 2つのピリミジンボックス(CCTTTCTCT及びTCTTTCTTC、図1の囲み)は、TaTrxh2
遺伝子のATGからそれぞれ -553 bp 及び -541 bp に位置する。ピリミジンボッ
クス(CCTTTT)は、一般にGARE (GA-応答要素)配列(TAACAAA) (HUANG ら、Plant M
ol. Biol. 14, 115-121, 1990)、及びO2S (オペーク(opaque)-2-結合配列)又はI
ボックス(TATCCAT)配列(GUBLERら、Plant Cell 4, 1435-1441, 1992; LANAHAN
ら、Plant Cell, 4, 203-211, 1992)と組合わさって、ジベレリン酸による発現
の制御に関与しており、それらとGARC (GA-応答複合体)と称される複合体(BETHK
Eら、Bot. 48, 1337-1356, 1997)に組織化している。
【0021】 GARE又はO2S配列は、TaTrxh2遺伝子のATGの1111 bp上流では認められなかった
。 TGTGTGAGCAユニット(図1の太字の点下線)は、TaTrxh2遺伝子のATGから -403 b
pに位置する。このユニットは、小麦のグルテニン遺伝子の胚乳-特異的発現に関
与する「胚乳ボックス」のGCN4-様共通配列(TGTGTGACA)とは、追加的なG残基の
存在によってのみ相違している(HAMMOND-KOSACKら、EMBO J. 12, 545-554, 1993
)。しかし、EM (TGTAAAAGT)と称され、その存在が胚乳-特異的な発現にも必要な
胚乳ボックスの他のユニット(ALBANIら、Plant Cell 9, 171-184, 1997)は、TaT
rxh2遺伝子のATGの1111 bp上流では見られなかった。 10塩基によって分離されるトリマーのジアド(diades) CAA 及びTTG (図1の斜
体)は、それぞれTaTrxh2遺伝子のATGから -107 bp 及び -97 bpに存在する。こ
れらのユニットは、アリューロン層での特異的な発現に関連している(THOMAS ら
、Plant Cell 2, 1171-1180, 1990)。
【0022】実施例3 : TaTrxh2遺伝子プロモーターの機能解析 TaTrxh2遺伝子のATGの5'における1111 bp配列、又はこの配列の種々のフラグ
メントは、pSPORT1-GUSベクター中のgusレポーター遺伝子のコード化配列の上流
にクローンした。pSPORT1-GUSベクター(DIGEON, 1997)は、gus(大腸菌β-グルク
ロニダーゼ)遺伝子のコード化配列、及びpSPORT1ベクター(GIBCO BRL)のEcoRI-H
indIII部位に挿入されたノパリン合成遺伝子のnos-terターミネーターを含む。 調製した構築物は、以下のとおりである: - P1: この構築物はTaTrxh2遺伝子のATGの上流1111 bp配列の全てを含む; - P2: この構築物はTaTrxh2遺伝子のATGの上流 589 bp配列を含む; - P3: この構築物はTaTrxh2遺伝子のATGの上流 481 bp配列を含む; - P4: この構築物はTaTrxh2遺伝子のATGの上流 228 bp 配列を含む; - P5: この構築物はTaTrxh2遺伝子のATGの上流83 bp配列を含む; 図1に、構築物で使用したTaTrxh2遺伝子プロモーター領域の限界を示す。
【0023】 正の対照としては、プロモーター制御下でgus遺伝子の構成性かつ偏在性発現
をすることができる、トウモロコシのユビキチンをエンコードする遺伝子につい
ての最初のエキソンと最初のイントロンからなるpUGC1ベクター(CHAIRら、1996)
を用いた。 pSPORT1-GUSベクターは、負の対照として用いた。 これらの種々の構築物は、FAUQUETら(Proc. Third. Int. Rice Genet. Symp.,
Ed. G.S. Khush, 153-165, 1996)によって記載される手法にしたがった衝撃に
より、成熟胚の胚盤増殖から生じる米(var. japonica IRAT 349)の若い胚形成カ
ルスに転移した。試験した構築物を全てpILTAB227ベクターと同時転移し(FAUQUE
Tら、1997)、それによりヒグロマイシン耐性を付与し、形質転換細胞を選択する
ことができる。
【0024】 試験される構築物を有するベクターとpILTAB227ベクターとの混合物(試験され
るベクター/pILTAB227モル比 = 4/1)を用いて、蒸留水50μlの懸濁液中、1.0μm
及び1.6μmの直径を有する金の微粒子の等量混合物3 mg当たり1μg/μl濃度の全
DNA 5μgの割合(試験されるDNA 3μg+pILTAB227 2μg)で金の微粒子をコートす
る。 衝撃は、PDS-1000/He パーティクルガン(PARTICLE DELIVERY SYSTEM, BIORAD)
を用いて行う。 衝撃を与えた胚形成カルスを、次にヒグロマイシン含有選択培地でスクリーン
する。ヒグロマイシン耐性カルスを選択し、ヒグロマイシンのない再生培地に置
く。再生した植物(F0世代)を次にポットに移し、ファイトトロンで順化させた後
、ガラス下で培養する。
【0025】 gus遺伝子の発現を、植物器官及びT0ならびに T1世代の米植物の穀粒中で探索
した。分析用には、繁殖力があり、正常な表現型を有している植物のみを選択し
た。分析した植物への導入遺伝子の組み込みは、PCR及びサザントランスファー
で確認した。 β-グルクロニダーゼ活性は、組織化学試験を用いて検出し、5-ブロモ-4-クロ
ロ-3-インドリル β-D-グルクロン酸(X-GLU)の加水分解から生じる青色の彩色を
検出し、JEFFERSONら(Plant Mol. Biol. Report 5, 387-405, 1987)によって記
載される手法にしたがって蛍光測定試験を用いて定量し、4-メチルウンベリフェ
リルβ-グルクロン酸から形成される4-メチルウンベリフェロン(MU)を測定した
【0026】1. 植物器官におけるgus遺伝子の発現 分析は、根茎、稈及び葉で行った。 非形質転換の米植物、つまりpSPORT1-GUSベクターで形質転換した植物の場合
、組織化学分析はGUS活性がないことを示しており、蛍光測定は、活性が極めて
低く、ゼロですらあることを示している。 pUGC1ベクターで形質転換した米植物の場合、高いGUS活性(500 pmol MU/分/タ
ンパク質mgより高い)が、試験した植物器官全てで認められる。 P1、P2、P3、P4又はP5構築物で形質転換した米植物の場合、X-GLUの存在下で
インキュベートした植物器官では彩色が認められず、蛍光測定で測定したGUS活
性は、pSPORT1-GUS ベクターで形質転換した植物つまり非形質転換植物について
測定される活性とあまり相違しない。これらの結果は、TaTrxh2遺伝子プロモー
ターが植物器官でgus遺伝子の発現を許容していないことを示している。
【0027】2. 穀粒におけるgus遺伝子の発現 組織化学的分析 穀粒全体において 35 DAF(受精後の日数)で採取した米粒を縦方向に切断し、次いでX-GLU存在下
でインキュベートした。 彩色は、pSPORT1-GUS ベクターで形質転換した米粒では検出されない。 逆に、pUGC1ベクターで形質転換した米粒では、穀粒全体の強力な彩色が認め
られる。 P1、P2、P3又はP4構築物で形質転換した米粒の場合、青色の彩色は、胚(子葉
軸及び胚盤)、包膜又は小穂ではなく穀粒の胚乳で認められる。胚乳では、この
彩色は、特に胚表面、胚盤上皮の上方及び穀粒の全体的な長さにわたる胚乳の中
央領域に認められると思われる。
【0028】 この彩色はあまり強くなく、pUGC1で形質転換した米粒で認められるものほど
迅速ではないと考えられる。彩色の強度は、関与する構築物(P1、P2、P3又はP4)
に応じて変化するものと考えられる。もっとも強い強度はP2構築物で形質転換し
た米粒で認められ、もっとも弱い強度はP4構築物で形質転換したもので認められ
る。これらの結果はT1穀粒の分析により確認されており、彩色はT0の穀粒での彩
色よりもかなり迅速に現れ、より強力である。 P5構築物で形質転換した米粒の場合、彩色は、胚、胚乳又は包膜のいずれでも
認められない。
【0029】穀粒の種々の組織において TaTrxh2 遺伝子プロモーター制御下におけるgus遺伝子の発現位置を正確に決
定するために、組織切片を調製し、フォトン顕微鏡を用いて観察した。 観察により、P1、P2、P3又はP4構築物について、標識が胚表面に位置する少数
の澱粉質の胚乳細胞、及び澱粉質の胚乳の中心領域に位置することが分かった。
胚、アリューロン層及び包膜の細胞は、標識されていない。P5構築物については
、標識が認められない。
【0030】蛍光測定分析 最初に胚で、次に米粒の胚乳でGUS活性を測定した。 GUS活性は、非形質転換の米粒の場合のように、pSPORT1-GUSベクターで形質転
換した米粒ではゼロであるか、又は極めて低い。他方、pUGC1ベクターで形質転
換した米粒の胚及び胚乳では、活性は非常に高い(>500 pmol/MU/分/タンパク質
mg)。 P1、P2、P3、P4又はP5構築物で形質転換した米粒の胚で測定されるGUS活性は
、非形質転換の米粒つまりpSPORT1-GUS ベクターで形質転換した米粒で測定され
た活性とあまり相違しない。 他方、P1、P2、P3又はP4構築物で形質転換した米粒の胚乳で測定される活性は
、非形質転換の米粒つまりpSPORT1-GUS ベクターで形質転換した米粒の胚乳で測
定される活性の 25〜40倍である。それは、P2 構築物で形質転換した米粒の場合
の40 pmol/MU/分/タンパク質mgから、P4構築物で形質転換した米粒の場合の25 p
mol/MU/分/タンパク質mgまでの範囲にわたっている。P5構築物の場合、GUS活性
は穀粒で認められない。
【0031】 これらの結果は、TaTrxh2 遺伝子プロモーターの領域(-1111 bp〜-83 pb)が澱
粉質の胚乳細胞でのみgus遺伝子を発現できること、及びATGの上流83 bpのみを
残す欠失だけで、空間的な発現の原因である配列(その幾つかは-228 bp〜 -83 b
p間のプロモーター領域におそらく局在している)が抑制されることを示している
。したがって、TaTrxh2 遺伝子プロモーターの構造解析中に同定されるGCN4-様
ユニットは、明らかに発現の組織特異性に対する唯一の原因ではない。詳細には
、P3及びP4構築物で欠失されるにもかかわらず、gus遺伝子の発現は、穀粒の胚
乳に依然として特異的である。 2つの配列: AACAAATCC 及び AACAAAGTG (図1に太字で示す)は、それぞれTaTrx
h2 遺伝子のATGに対して -51 bp 及び -381 bpで存在する。これらの配列は、米
のグルテリンをエンコードする6遺伝子のプロモーターで最近明らかにされ、こ
れらの遺伝子の胚乳-特異的な発現に関与しているAACAユニット(AACAAACTCTATC)
と類似性を示す。
【0032】実施例4 : トランスジェニック米植物の穀粒の発生中のGUS遺伝子の発現の進行 gus遺伝子の発現を、P1、P2、P3、P4又はP5構築物で形質転換した米粒の成熟
及び発芽の間にモニターした。1. 成熟中 3つの段階を分析した: 10 DAF、25 DAF及び35 DAF。gus遺伝子の発現は、GUS
活性の組織化学局在又はノーザントランスファーによる転写物の検出のいずれか
により評価した。
【0033】GUS活性 組織化学分析は、10、25及び35 DAFの研究された3段階の成熟の場合、P1、P2
、P3又はP4構築物で形質転換した米粒の澱粉質の胚乳でGUS活性が常に検出され
ることを示している。他方、P5構築物では、GUS活性は認められない。 10 DAFでは、GUS活性は胚表面の澱粉質の胚乳に認められる。25 DAFでは、GUS
活性は澱粉質の胚乳の中央領域に進行する。35 DAFでは、GUS活性は澱粉質の胚
乳の全表面にわたって認められる。 彩色の強度は構築物の性質及び成熟段階に伴って変化し、特にP4構築物の場合
には、成熟開始時に彩色を検出するのが非常に難しい。
【0034】 これらの結果は、穀粒の各組織でのより詳細な知見によって確認されている。
知見は、以下のことを示している: - 10 DAFで: P1、P2又はP3構築物の場合、GUS活性は、胚表面の澱粉質の胚乳細
胞で非常に高く、澱粉質の胚乳の中央領域の細胞では認められない。P4構築物の
場合、澱粉質の胚乳細胞におけるGUS活性は非常に低く、あるいは検出すら不可
能である。さらに、P2構築物で形質転換した米粒では、GUS活性は胚盤上皮細胞
でも認められる。 - 25 DAFで: P1、P2又はP3構築物の場合、GUS活性は、胚表面の澱粉質の胚乳細
胞中で低下し、澱粉質の胚乳の中心域細胞で増加する; P2構築物で形質転換した
米粒の場合、GUS活性は胚盤上皮細胞ではもはや認められない。P4構築物で形質
転換した米粒において、GUS活性は、胚表面に位置する澱粉質の胚乳細胞及び中
心域で増加する。 - 35 DAFで: GUS活性は、P1、P2又は P3で形質転換した米粒の澱粉質の胚乳細
胞全てで25DAFでのものよりかなり低い。P4構築物で形質転換した米粒では、GUS
活性は澱粉質の胚乳の中央域細胞で認められる。 P5構築物の場合、分析された成熟段階又は穀粒組織がどのようなものでも、GU
S活性は認められない。 使用した構築物が何であれ、穀粒の子葉軸、アリューロン層又は包膜の細胞で
は、成熟中にGUS活性が認められない。
【0035】gus遺伝子転写物の検出 P1、P2、P3、P4 又はP5構築物で形質転換した米粒から種々の成熟段階で抽出
されるRNA全体で、gus遺伝子転写物の存在を検討した。検出は、P3+GUSプローブ
を用いるノーザントランスファーで行った。この2.6 kbのプローブは、TaTrxh2
遺伝子のATGの上流481 bp配列、gus遺伝子のコード化配列及びnos遺伝子のター
ミネーターからなる。 P1、P2、P3、P4 又はP5の各構築物については、このプローブにより、構築物
に応じて予想される大きさが1.9〜2.4kbである転写物の存在を見出すことができ
る。 これらの転写物の存在は、形質転換に使用される構築物及び成熟段階に応じて
変化する。
【0036】 P1構築物で形質転換した米植物の場合、転写物は成熟の3段階の真ん中で最大
の成熟となって認められる。 P2構築物で形質転換した米植物の場合、転写物は成熟の開始時に認められる。 P3構築物で形質転換した米植物の場合、転写物は穀粒の成熟の開始時と終了時
に認められる。 P4構築物で形質転換した米植物の場合、転写物は穀粒の中間の成熟と成熟終了
時に認められる。 P5構築物で形質転換した米植物の場合、分析した成熟段階に関わらず、 gus遺
伝子転写物が認められない。
【0037】2. 発芽中 発芽中のgus遺伝子の発現研究については、GUS活性を、P1、P2、P3、P4又はP5
構築物で形質転換した米粒中で組織化学により分析した。 各構築物について、10個の穀粒を暗所で発芽させるために放置し、浸漬後種々
の時間: 0、12、24、48及び72時間で採取した。 GUS活性は、発芽段階に関わらず、P1、P2、P3又はP4構築物で形質転換した米
粒の澱粉質の胚乳に認められる。他方、P5構築物で形質転換した米粒の場合、GU
S活性は認められない。 P1、P2、P3又はP4構築物で形質転換した穀粒中のgus遺伝子転写物の蓄積に関
する研究は、これらの転写物が、構築物に関わらず、発芽中には蓄積されないこ
とを示している。 これらの結果は、TaTrxh2遺伝子のプロモーター(ATGの1111 bp上流)は、発芽
中にgus遺伝子を発現させないことを示している。発芽した穀粒で認められるGUS
活性は、明らかに、穀粒でのβ-グルコロニダーゼの安定性が非常に多大である
ために残留している活性である。
【0038】結 論 P1、P2、P3、P4又はP5構築物で形質転換した米粒の発生中の、TaTrxh2 遺伝子
プロモーターの制御下にあるgus遺伝子の発現解析は、形質転換した米植物の穀
粒中のgus遺伝子の経時的かつ空間的発現に対するTaTrxh2遺伝子プロモーターの
欠失の影響を立証している。 P1、P2及びP3構築物により、成熟中のP4構築物よりもより迅速にgus遺伝子を
発現することができる。P5構築物は、転写物が認められないので、gus遺伝子を
発現させない。実際、gus遺伝子転写物は、P1、P2及びP3の3つの構築物について
は10 DAFで、P4構築物については25 DAFでのみ認められる。これは、P2及びP4構
築物間で以前に認められた発現レベルの相違は、おそらく、発現レベルが低いと
いう結果であるというよりむしろ、P4プロモーター制御下のgus遺伝子の発現の
遅延の結果であることを示唆している。-1111 bp 〜 -228 bp間のTaTrxh2遺伝子
のプロモーター領域は明らかに制御配列を含んでおり、これにより成熟の第一段
階においてgus遺伝子を発現させている。
【0039】 空間的な発現に関し、-1111 bp 〜 -591 bp間のTaTrxh2遺伝子のプロモーター
領域は、おそらく胚盤上皮での遺伝子発現を阻害する配列を含んでいる。実際、
これを欠失している場合(P2構築物)、gus遺伝子の発現がこの組織で認められる
。逆に、-591 bp 〜 -451 bp 間の領域は、胚盤上皮での発現を活性化する配列
を含んでいるものと考えられる。というのは、これを欠失している場合(P3構築
物)、この組織ではgus遺伝子がもはや発現しないからである。 結果は、米粒の成熟中に、TaTrxh2遺伝子プロモーターが、澱粉質胚乳に特異
的なgus遺伝子の発現を許容していることを示している。この発現は、胚乳の中
心域に分布する限られた数の細胞及び胚の表面で認められる。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゴティエ,マリー−フランソワーズ フランス、エフ−34090 モンペリエ、リ ュ シラノ ド ベルジュラック、16 (72)発明者 イオレ,タニア フランス、エフ−63100 クレルモン−フ ェラン、リュ シャトーブリアン、101 (72)発明者 ジュドリエ,フィリップ フランス、エフ−34070 モンペリエ、リ ュ ジャンヌ ガルヌラン、60 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD20 CA16 CA17 CA19 CB02 CD13 CD17 4B024 AA08 BA80 CA02 CA04 DA01 EA04 FA02 GA11 HA01 4B065 AA88X AA88Y AB01 BA02 CA53

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TaTrxh2 遺伝子プロモーターの特異的な機能ドメインの少な
    くとも1つを含む核酸フラグメントからなることを特徴とするプロモーター。
  2. 【請求項2】 核酸フラグメントが、 - 配列がTaTrxh2遺伝子のATGコドンに対して位置-1から位置-1111までわたって
    いる核酸フラグメント; - 配列がTaTrxh2遺伝子のATGコドンに対して位置-1から位置-83までわたって
    いる核酸フラグメント; - 配列がTaTrxh2遺伝子のATGコドンに対して位置-451から位置-591までわたっ
    ている核酸フラグメント; - 配列がTaTrxh2遺伝子のATGコドンに対して位置-591から位置-1111までわた
    っている核酸フラグメント; - 配列がTaTrxh2遺伝子のATGコドンに対して位置-228から位置-451までわたっ
    ている核酸フラグメント; - 配列がTaTrxh2遺伝子のATGコドンに対して位置-451から位置-591までわたっ
    ている核酸フラグメント; - 配列がTaTrxh2遺伝子のATGコドンに対して位置-83から位置-228までわたっ
    ている核酸フラグメント; - 配列がTaTrxh2遺伝子の最初のイントロンの配列である核酸フラグメント からなる群から選択されることを特徴とする請求項1によるプロモーター。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2のいずれかによるプロモーターからなること
    を特徴とする発現カセット。
  4. 【請求項4】 請求項1及び2のいずれかによるプロモーターの少なくとも
    1つからなることを特徴とする組換えベクター。
  5. 【請求項5】 請求項1及び2のいずれかによるプロモーターの少なくとも
    1つで形質転換された植物細胞。
  6. 【請求項6】 請求項1及び2のいずれかによるプロモーターの少なくとも
    1つで形質転換されたトランスジェニック植物。
  7. 【請求項7】 単子葉植物であることを特徴とする請求項6によるトランス
    ジェニック植物。
  8. 【請求項8】 植物細胞における興味ある遺伝子の発現を制御するための請
    求項1及び2のいずれかによるプロモーターの使用。
JP2000618471A 1999-05-17 2000-05-17 小麦中のチオレドキシンTaTrxh2プロモーター Pending JP2002543844A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR9906231A FR2793805B1 (fr) 1999-05-17 1999-05-17 PROMOTEUR DE LA THIOREDOXINE TATrxh2 DE BLE
FR99/06231 1999-05-17
PCT/FR2000/001318 WO2000070065A1 (fr) 1999-05-17 2000-05-17 PROMOTEUR DE LA THIOREDOXINE TaTrxh2 DE BLE

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002543844A true JP2002543844A (ja) 2002-12-24

Family

ID=9545661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000618471A Pending JP2002543844A (ja) 1999-05-17 2000-05-17 小麦中のチオレドキシンTaTrxh2プロモーター

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1180154A1 (ja)
JP (1) JP2002543844A (ja)
CA (1) CA2374272A1 (ja)
FR (1) FR2793805B1 (ja)
WO (1) WO2000070065A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR0212649A (pt) * 2001-09-20 2004-08-24 Toyota Motor Co Ltd Sistema para alcançar elevada expressão gênica
CN105087588B (zh) * 2015-09-21 2018-01-05 安徽省农业科学院水稻研究所 植物胚和糊粉层特异启动子OsEmb3及相应获取方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2723097B1 (fr) * 1994-07-26 1996-10-18 Agronomique Inst Nat Rech Thioredoxines h de ble tendre et de ble dur et proteines presentant des similitudes, fragments d'adncodant pour ces proteines et procedes d'obtention

Also Published As

Publication number Publication date
WO2000070065A1 (fr) 2000-11-23
EP1180154A1 (fr) 2002-02-20
FR2793805B1 (fr) 2003-05-02
CA2374272A1 (fr) 2000-11-23
FR2793805A1 (fr) 2000-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0731844B1 (en) Promoter
Halford et al. Functional analysis of the upstream regions of a silent and an expressed member of a family of wheat seed protein genes in transgenic tobacco
US7109393B2 (en) Methods of gene silencing using inverted repeat sequences
US6359196B1 (en) Germination-specific plant promoters
CA2544272C (en) Meg1 endosperm-specific promoters and genes
JP2003510044A (ja) トウモロコシ由来の種子優先的プロモーター
US7589252B2 (en) Plant transcription factors and enhanced gene expression
US6177612B1 (en) Matrix attachment regions
Ciaffi et al. Cloning and characterization of wheat PDI (protein disulfide isomerase) homoeologous genes and promoter sequences
De Freitas et al. Structural characterization and promoter activity analysis of the γ-kafirin gene from sorghum
Federico et al. The complex developmental expression of a novel stress-responsive barley Ltp gene is determined by a shortened promoter sequence
EP1088090B1 (en) Inducible promoters
JP2002543844A (ja) 小麦中のチオレドキシンTaTrxh2プロモーター
Grosset et al. Characterization of a barley gene coding for an α-amylase inhibitor subunit (CMd protein) and analysis of its promoter in transgenic tobacco plants and in maize kernels by microprojectile bombardment
CZ20021139A3 (cs) Specifické promotory albumenu rostlinných zrn
JPWO1997047755A1 (ja) 外来遺伝子の発現方法及びそのためのベクター
WO1997047755A1 (en) Method for the expression of foreign genes and vectors therefor
US6271440B1 (en) Plant regulatory proteins III
CN107099531B (zh) 一种花药特异表达启动子pv4及其应用
AU2018335849B2 (en) Nepenthesin-1 derived resistance to fungal pathogens in major crop plants
US6794559B2 (en) Promoters for gene expression in caryopses of plants
CA2538484A1 (en) Novel endosperm-specific plant promoter for cultivated plants
JP2681253B2 (ja) ペルオキシダ−ゼ転写調節遺伝子及びその利用方法
AU693030B2 (en) Plant regulatory proteins III
CN105296484B (zh) 植物胚乳特异强表达启动子pENP4及其应用