JP2002363106A - 徐放性基材及び徐放性物品 - Google Patents
徐放性基材及び徐放性物品Info
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Fertilizers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明により、生分解性を有し、かつ徐放対
象成分の放出速度を任意に制御することができる徐放性
基材及びその物品を提供する。 【解決手段】 本発明は、重量平均分子量600kDa
以下でかつ分子量分布(Mw/Mn)1.25以下の酵素
合成アミロース及び/又はその化学修飾物から得られる
ことを特徴とする、徐放対象成分の放出速度を任意に制
御できる徐放性基材、及びその中に有効量の徐放対象成
分を含有する徐放性物品物品に関する。
象成分の放出速度を任意に制御することができる徐放性
基材及びその物品を提供する。 【解決手段】 本発明は、重量平均分子量600kDa
以下でかつ分子量分布(Mw/Mn)1.25以下の酵素
合成アミロース及び/又はその化学修飾物から得られる
ことを特徴とする、徐放対象成分の放出速度を任意に制
御できる徐放性基材、及びその中に有効量の徐放対象成
分を含有する徐放性物品物品に関する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性を有し、
かつ徐放対象成分の放出速度を任意に制御することがで
きる徐放性基材、及び前記徐放性基材中に有効量の徐放
対象成分を含有する徐放性物品に関する。
かつ徐放対象成分の放出速度を任意に制御することがで
きる徐放性基材、及び前記徐放性基材中に有効量の徐放
対象成分を含有する徐放性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬、農薬および肥料、食品及び食品添
加物、化粧品、日常雑貨及び衛生用品、並びに包装資材
などの分野における徐放対象成分の放出速度の制御は、
効果の増大と持続、取扱の容易さおよび使用量の低下な
ど大きな利点のため、各種の方法が研究開発されてい
る。たとえば、よく知られた例としては、放出速度の異
なる顆粒状製剤からなる長時間効能が持続する医薬や分
解速度の制御された賦形剤を用いて成形した長期間放出
可能な徐放性肥料等がある。
加物、化粧品、日常雑貨及び衛生用品、並びに包装資材
などの分野における徐放対象成分の放出速度の制御は、
効果の増大と持続、取扱の容易さおよび使用量の低下な
ど大きな利点のため、各種の方法が研究開発されてい
る。たとえば、よく知られた例としては、放出速度の異
なる顆粒状製剤からなる長時間効能が持続する医薬や分
解速度の制御された賦形剤を用いて成形した長期間放出
可能な徐放性肥料等がある。
【0003】マイクロカプセル等の製剤の基材として、
生体内分解型高分子化合物が知られている。例えば特開
昭61‐28521号公報には、乳酸及び/又はグリコ
ール酸を触媒の存在下又は不存在下で重縮合させること
により、これらの重合物もしくは共重合物が得られるこ
とが記載されている。当該化合物は、自然環境下及び生
体内において、加水分解を受け、内部に含有する有用物
質を徐々に放出する。特開昭62‐54760号公報に
は、生体内分解型高分子化合物を水洗して水易溶性低分
子化合物を除去することによりマイクロカプセルからの
有用物質の初期放出速度を改善する方法が記載されてい
る。しかし、ポリ乳酸やポリグリコール酸などの場合、
放出速度を制御するためにその化学構造を改質すること
は難しい。したがって、放出速度の制御範囲は狭く、十
分なものではない。
生体内分解型高分子化合物が知られている。例えば特開
昭61‐28521号公報には、乳酸及び/又はグリコ
ール酸を触媒の存在下又は不存在下で重縮合させること
により、これらの重合物もしくは共重合物が得られるこ
とが記載されている。当該化合物は、自然環境下及び生
体内において、加水分解を受け、内部に含有する有用物
質を徐々に放出する。特開昭62‐54760号公報に
は、生体内分解型高分子化合物を水洗して水易溶性低分
子化合物を除去することによりマイクロカプセルからの
有用物質の初期放出速度を改善する方法が記載されてい
る。しかし、ポリ乳酸やポリグリコール酸などの場合、
放出速度を制御するためにその化学構造を改質すること
は難しい。したがって、放出速度の制御範囲は狭く、十
分なものではない。
【0004】分子内包接作用を利用した例としては、サ
イクロデキストリンにわさび成分を吸収させ、徐々に放
出させることにより、その効果を持続する製品がある。
しかしながら、サイクロデキストリンはフィルムやシー
ト、その他の成形物を作る特性を備えていないため、用
途によっては合成プラスチックに練り込み使用する必要
があり効率が悪い。
イクロデキストリンにわさび成分を吸収させ、徐々に放
出させることにより、その効果を持続する製品がある。
しかしながら、サイクロデキストリンはフィルムやシー
ト、その他の成形物を作る特性を備えていないため、用
途によっては合成プラスチックに練り込み使用する必要
があり効率が悪い。
【0005】澱粉もしくは天然のアミロースを用いた徐
放性製剤の特許も散見される。澱粉は人間の栄養源であ
り、安全で人体に優しい点において優れている。その
上、化学修飾により徐放対象成分の放出速度を大きく変
化させることができる理想的な素材である。
放性製剤の特許も散見される。澱粉は人間の栄養源であ
り、安全で人体に優しい点において優れている。その
上、化学修飾により徐放対象成分の放出速度を大きく変
化させることができる理想的な素材である。
【0006】澱粉を素材とした製品としては、徐放対象
成分を澱粉糊液に溶解後、濃縮、冷却、固化、粉砕し、
顆粒状の物品としたものや天然のアミロースの粉末に徐
放対象成分を混合後、プレス成形で錠剤化したものなど
がある。しかし、従来の澱粉製品は乳酸及び/又はグリ
コール酸重合物や共重合物のような合成品に比較して、
強度特性や加工性が劣っている。
成分を澱粉糊液に溶解後、濃縮、冷却、固化、粉砕し、
顆粒状の物品としたものや天然のアミロースの粉末に徐
放対象成分を混合後、プレス成形で錠剤化したものなど
がある。しかし、従来の澱粉製品は乳酸及び/又はグリ
コール酸重合物や共重合物のような合成品に比較して、
強度特性や加工性が劣っている。
【0007】その理由として次のような問題点が指摘さ
れている。 (a)天然澱粉は通常アミロース(グルコースが直鎖状に
結合した構造のポリマー)とアミロペクチン(アミロース
に枝分かれが生じた房状のポリマー)の両方の混合体か
らなり、直鎖状のアミロースは加工性、フィルム特性、
成形性において合成プラスチックに匹敵する特性を備え
ているが、アミロペクチンは強度特性においてより劣っ
た性能を示す。従って、両者の混合体である天然澱粉の
強度特性は本発明の分野において不十分なものである。
れている。 (a)天然澱粉は通常アミロース(グルコースが直鎖状に
結合した構造のポリマー)とアミロペクチン(アミロース
に枝分かれが生じた房状のポリマー)の両方の混合体か
らなり、直鎖状のアミロースは加工性、フィルム特性、
成形性において合成プラスチックに匹敵する特性を備え
ているが、アミロペクチンは強度特性においてより劣っ
た性能を示す。従って、両者の混合体である天然澱粉の
強度特性は本発明の分野において不十分なものである。
【0008】(b)天然澱粉は、アミロース含有量の多
いハイアミロースコーンスターチでもアミロース含有量
は約80%以下、普通種のコーンスターチでは25%程
度である。したがって、天然澱粉をそのまま利用すると
性質の劣ったものになる。
いハイアミロースコーンスターチでもアミロース含有量
は約80%以下、普通種のコーンスターチでは25%程
度である。したがって、天然澱粉をそのまま利用すると
性質の劣ったものになる。
【0009】(c)天然の澱粉から、アミロースを抽出
することは可能であるが、その操作は煩雑で、収率も低
く、工業的製法にはなり得ない。
することは可能であるが、その操作は煩雑で、収率も低
く、工業的製法にはなり得ない。
【0010】(d)天然澱粉に含まれるアミロースは、
通常、分子量が数百kDaである。例えばコーンスター
チのアミロースは約250kDa、馬鈴薯澱粉のそれは
約490kDaである。この程度の分子量範囲のアミロ
ースは、高いフィルム特性や機械強度の要求される用途
分野においては用いられない。したがって、天然物から
分離精製したとしても従来品のポリ乳酸などを原料とし
た製品を代替できない。
通常、分子量が数百kDaである。例えばコーンスター
チのアミロースは約250kDa、馬鈴薯澱粉のそれは
約490kDaである。この程度の分子量範囲のアミロ
ースは、高いフィルム特性や機械強度の要求される用途
分野においては用いられない。したがって、天然物から
分離精製したとしても従来品のポリ乳酸などを原料とし
た製品を代替できない。
【0011】(e)一方、天然澱粉のアミロースの結晶
速度及び結晶化度は、澱粉の速い老化性と高い結晶性を
利用しようとする用途分野においては、要求水準に対し
て不十分なものである。さらに澱粉分子鎖のへリックス
内への包接作用も弱いため、アミロース微結晶の強度特
性や強い包接力を要求する用途には用いられない。
速度及び結晶化度は、澱粉の速い老化性と高い結晶性を
利用しようとする用途分野においては、要求水準に対し
て不十分なものである。さらに澱粉分子鎖のへリックス
内への包接作用も弱いため、アミロース微結晶の強度特
性や強い包接力を要求する用途には用いられない。
【0012】(f)天然澱粉に含まれるアミロースの最
大の欠点は、通常分子量分布(Mw/Mn)が1.3以上
と広い。すなわち、大きく分子量の異なるアミロースの
集合体からなるため、各分子量のアミロースの持つ長所
と欠点が混在する結果、本来の各分子量に依存するアミ
ロースの特性が発揮されないため、強度特性や加工性か
らみて特徴のない製品になる。
大の欠点は、通常分子量分布(Mw/Mn)が1.3以上
と広い。すなわち、大きく分子量の異なるアミロースの
集合体からなるため、各分子量のアミロースの持つ長所
と欠点が混在する結果、本来の各分子量に依存するアミ
ロースの特性が発揮されないため、強度特性や加工性か
らみて特徴のない製品になる。
【0013】(g)天然澱粉に含まれるアミロースは、
130℃の熱水には溶解するが、温度が低下すると沈殿
が生じ糊液は白濁する。したがって、組織が不均一構造
になり加工性と力学強度が低下する。
130℃の熱水には溶解するが、温度が低下すると沈殿
が生じ糊液は白濁する。したがって、組織が不均一構造
になり加工性と力学強度が低下する。
【0014】(h)天然澱粉に含まれるアミロースは、
ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミドのような
溶剤には溶解するが、通常、水のような安価な溶剤には
完全には溶解しない。したがって、天然アミロースの使
用は溶剤回収などプロセスが複雑になり経済性の面から
も工業的製法とはいえない。また、アミロースの高分子
特性を改良するため各種の化学修飾を加える上において
も適当な溶剤の存在しないことは致命的である。
ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミドのような
溶剤には溶解するが、通常、水のような安価な溶剤には
完全には溶解しない。したがって、天然アミロースの使
用は溶剤回収などプロセスが複雑になり経済性の面から
も工業的製法とはいえない。また、アミロースの高分子
特性を改良するため各種の化学修飾を加える上において
も適当な溶剤の存在しないことは致命的である。
【0015】(i)天然澱粉の高分子特性を改良するた
め、澱粉分子鎖へのメチルアクリレートやメチルメタク
リレート、スチレンなどビニルモノマーのグラフト重合
体も開発されたが、製造原価の上昇に見合う性能向上は
認められず、また、ビニルモノマー部分は生分解性を示
さないため本発明の用途には用いられない。
め、澱粉分子鎖へのメチルアクリレートやメチルメタク
リレート、スチレンなどビニルモノマーのグラフト重合
体も開発されたが、製造原価の上昇に見合う性能向上は
認められず、また、ビニルモノマー部分は生分解性を示
さないため本発明の用途には用いられない。
【0016】(j)上記(i)項同様の目的で、澱粉のエ
ステル化による化学修飾も行われているが、上記(h)項
記載のように適当な溶剤が存在せず、その上、製造原価
の上昇に見合う性能向上は認められなかった。
ステル化による化学修飾も行われているが、上記(h)項
記載のように適当な溶剤が存在せず、その上、製造原価
の上昇に見合う性能向上は認められなかった。
【0017】上述のような理由から、天然アミロースの
工業的応用、特に徐放性基材及びその物品への応用は進
展しなかったものと思われる。
工業的応用、特に徐放性基材及びその物品への応用は進
展しなかったものと思われる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の天然アミロースの有する欠点を解消し、徐放対
象成分の放出速度を任意に制御し得る、アミロースを原
料とする徐放性基材、及び前記徐放性基材中に有効量の
徐放対象成分を含有する徐放性物品を提供することを目
的とする。
な従来の天然アミロースの有する欠点を解消し、徐放対
象成分の放出速度を任意に制御し得る、アミロースを原
料とする徐放性基材、及び前記徐放性基材中に有効量の
徐放対象成分を含有する徐放性物品を提供することを目
的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、平均分子量(Mw)
および分子量分布(Mw/Mn)を特定範囲内に規定した
酵素合成アミロース及び/又はその化学修飾物を用いる
ことによって、生分解性を有し、かつ徐放対象成分の放
出速度を任意に制御することができる徐放性基材、及び
前記徐放性基材中に有効量の徐放対象成分を含有する徐
放性物品が得られることを見出し、本発明を完成した。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、平均分子量(Mw)
および分子量分布(Mw/Mn)を特定範囲内に規定した
酵素合成アミロース及び/又はその化学修飾物を用いる
ことによって、生分解性を有し、かつ徐放対象成分の放
出速度を任意に制御することができる徐放性基材、及び
前記徐放性基材中に有効量の徐放対象成分を含有する徐
放性物品が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0020】即ち、本発明は、重量平均分子量600k
Da以下、分子量分布(Mw/Mn)1.25以下の酵素
合成アミロース及び/又はその化学修飾物から得られる
ことを特徴としかつ徐放対象成分の放出速度を任意に制
御できる徐放性基材に関する。
Da以下、分子量分布(Mw/Mn)1.25以下の酵素
合成アミロース及び/又はその化学修飾物から得られる
ことを特徴としかつ徐放対象成分の放出速度を任意に制
御できる徐放性基材に関する。
【0021】更に、本発明は、重量平均分子量600k
Da以下、分子量分布(Mw/Mn)1.25以下の酵素
合成アミロース及び/又はその化学修飾物から得られる
ことを特徴としかつ徐放対象成分の放出速度を任意に制
御できる徐放性基材中に、有効量の徐放対象成分が含有
された徐放性物品に関する。
Da以下、分子量分布(Mw/Mn)1.25以下の酵素
合成アミロース及び/又はその化学修飾物から得られる
ことを特徴としかつ徐放対象成分の放出速度を任意に制
御できる徐放性基材中に、有効量の徐放対象成分が含有
された徐放性物品に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】(酵素合成アミロース)本発明で
用いる酵素合成アミロースは、それ自体は公知であり、
かつすぐれた特性を有するにもかかわらず、これまで用
途開発は行われなかった。その理由は、酵素合成アミロ
ースの製造効率が低く経済性において劣る等の理由であ
ると考えられるが、明確な理由は判らない。本発明者ら
は、始めて、従来適応が考えられなかった新規分野に酵
素合成アミロースの優秀性を見出すと共にその用途を開
発したのである。例えば、天然のアミロースには幅広い
分子量のアミロースが混在するため、その中に含まれる
高分子量(例えば、600kDa以上)のものは冷水中
で溶解し、一方、同時に存在する数万以下のものは結晶
のまま残り、その中間領域の分子量のものはゲル状にな
る。すなわち、結晶、ゲル及び溶解アミロースの混合体
が形成されるため、分離・精製が困難で工業的に不利で
あり、強度特性も特徴のないものになる。しかし、酵素
合成アミロースは、強度特性の劣るアミロペクチンを含
まず、その上、天然アミロースにはない完全直鎖構造の
100%アミロースから構成されていることを特徴とし
ている。
用いる酵素合成アミロースは、それ自体は公知であり、
かつすぐれた特性を有するにもかかわらず、これまで用
途開発は行われなかった。その理由は、酵素合成アミロ
ースの製造効率が低く経済性において劣る等の理由であ
ると考えられるが、明確な理由は判らない。本発明者ら
は、始めて、従来適応が考えられなかった新規分野に酵
素合成アミロースの優秀性を見出すと共にその用途を開
発したのである。例えば、天然のアミロースには幅広い
分子量のアミロースが混在するため、その中に含まれる
高分子量(例えば、600kDa以上)のものは冷水中
で溶解し、一方、同時に存在する数万以下のものは結晶
のまま残り、その中間領域の分子量のものはゲル状にな
る。すなわち、結晶、ゲル及び溶解アミロースの混合体
が形成されるため、分離・精製が困難で工業的に不利で
あり、強度特性も特徴のないものになる。しかし、酵素
合成アミロースは、強度特性の劣るアミロペクチンを含
まず、その上、天然アミロースにはない完全直鎖構造の
100%アミロースから構成されていることを特徴とし
ている。
【0023】本発明の酵素合成アミロースの合成に用い
る酵素としては、分子量分布(Mw/Mn)1.25以
下、好ましくは1.0〜1.2、より好ましくは1.0
〜1.15を有する酵素合成アミロースを合成できる酵
素であれば、特に制限はない。通常、ホスホリラーゼ
(α−glucan phosphorylase,E
C 2.4.1.1)やアミロスクラ―ゼ(amylo
sucurase,EC2.4.1.4)が用いられ
る。ホスホリラーゼは動物、植物、微生物に広く分布し
ており、上記分子量分布の酵素合成アミロースを合成で
きる酵素であれば、その起源、調製法を問わず利用する
ことができる。もちろん遺伝子組換え技術により生産さ
れたホスホリラーゼを利用することもできる。この中で
も、植物を起源とするホスホリラーゼは、分子量分布
(Mw/Mn)1.25以下という酵素合成アミロース
を合成する性質に優れており、馬鈴薯や甘藷由来のホス
ホリラーゼは、その植物組織内での存在量が多く、産業
利用面からは特に好適である。アミロスクラ―ゼについ
ても同様に、上記分子量分布の範囲を満足する酵素合成
アミロースを合成できる酵素であれば、その起源、調製
法を問わず利用することができる。
る酵素としては、分子量分布(Mw/Mn)1.25以
下、好ましくは1.0〜1.2、より好ましくは1.0
〜1.15を有する酵素合成アミロースを合成できる酵
素であれば、特に制限はない。通常、ホスホリラーゼ
(α−glucan phosphorylase,E
C 2.4.1.1)やアミロスクラ―ゼ(amylo
sucurase,EC2.4.1.4)が用いられ
る。ホスホリラーゼは動物、植物、微生物に広く分布し
ており、上記分子量分布の酵素合成アミロースを合成で
きる酵素であれば、その起源、調製法を問わず利用する
ことができる。もちろん遺伝子組換え技術により生産さ
れたホスホリラーゼを利用することもできる。この中で
も、植物を起源とするホスホリラーゼは、分子量分布
(Mw/Mn)1.25以下という酵素合成アミロース
を合成する性質に優れており、馬鈴薯や甘藷由来のホス
ホリラーゼは、その植物組織内での存在量が多く、産業
利用面からは特に好適である。アミロスクラ―ゼについ
ても同様に、上記分子量分布の範囲を満足する酵素合成
アミロースを合成できる酵素であれば、その起源、調製
法を問わず利用することができる。
【0024】(徐放性基材)上記方法によって酵素合成
されるアミロースの分子量は、天然のアミロースには期
待できない数kDa以下の低分子量から数千kDa以上
のアミロースにわたる広い範囲の中から所望の値に調製
され得る。さらに、その分子量分布も1.25以下、好
ましくは1.15以下の狭い分布を持つように分子設計
することができる。
されるアミロースの分子量は、天然のアミロースには期
待できない数kDa以下の低分子量から数千kDa以上
のアミロースにわたる広い範囲の中から所望の値に調製
され得る。さらに、その分子量分布も1.25以下、好
ましくは1.15以下の狭い分布を持つように分子設計
することができる。
【0025】すなわち、酵素合成アミロースは、その分
子量に依存する上記特徴(冷水中で溶解、結晶のままま
たはゲル化すること)を十分理解し、それに従って処理
すれば取扱が簡単な上、その特徴が生かされ、特に、徐
放性基材や、その基材中に徐放対象成分を含む徐放性物
品として、従来の澱粉製品の性能範囲を越えた製品が得
られる。
子量に依存する上記特徴(冷水中で溶解、結晶のままま
たはゲル化すること)を十分理解し、それに従って処理
すれば取扱が簡単な上、その特徴が生かされ、特に、徐
放性基材や、その基材中に徐放対象成分を含む徐放性物
品として、従来の澱粉製品の性能範囲を越えた製品が得
られる。
【0026】本発明者等は、酵素合成アミロースを分子
量に関して更に検討し、本発明の範囲600kDa以下
の酵素合成アミロースの中でも、分子量が60〜500
kDa、特に好ましくは50〜600kDaの範囲の酵
素合成アミロースは、この範囲外の酵素合成アミロース
に比較して、特に強いアミロース・へリックス内への徐
放対象成分の包接作用を示すことを見出した。従って、
アミロースのマトリックス(アミロース分子の形成する
組織を指す。)内の拡散・移動に加えて、包接作用が期
待される分野、例えば、デキストリンやサイクロデキス
トリンなどが使用されてきた、揮発性の芳香成分の保持
および徐放または消臭効果あるいは抗菌性の持続が要求
される殆どすべての用途分野にとりわけ推奨される。
量に関して更に検討し、本発明の範囲600kDa以下
の酵素合成アミロースの中でも、分子量が60〜500
kDa、特に好ましくは50〜600kDaの範囲の酵
素合成アミロースは、この範囲外の酵素合成アミロース
に比較して、特に強いアミロース・へリックス内への徐
放対象成分の包接作用を示すことを見出した。従って、
アミロースのマトリックス(アミロース分子の形成する
組織を指す。)内の拡散・移動に加えて、包接作用が期
待される分野、例えば、デキストリンやサイクロデキス
トリンなどが使用されてきた、揮発性の芳香成分の保持
および徐放または消臭効果あるいは抗菌性の持続が要求
される殆どすべての用途分野にとりわけ推奨される。
【0027】従って、本発明の分子量50〜600kD
aの範囲、特に好ましくは60〜500kDaの酵素合
成アミロースからなる徐放性基材は、徐放対象成分をア
ミロース分子マトリックス内及びアミロース・へリック
ス内に保持し、両者の複合効果として徐放対象成分を徐
々に放出する機能がある。したがって、前記徐放性基材
中に徐放対象成分を含有させた徐放性物品は、生分解性
の天然澱粉やゼラチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸な
どが使用されてきたすべての徐放性医薬、農薬、および
肥料、食品及び食品添加物、化粧品、日常雑貨及び衛生
用品、ならびに包装資材として、マイクロカプセルや顆
粒、錠剤あるいはシート、フィルムなどの形態で用いる
ことができる。
aの範囲、特に好ましくは60〜500kDaの酵素合
成アミロースからなる徐放性基材は、徐放対象成分をア
ミロース分子マトリックス内及びアミロース・へリック
ス内に保持し、両者の複合効果として徐放対象成分を徐
々に放出する機能がある。したがって、前記徐放性基材
中に徐放対象成分を含有させた徐放性物品は、生分解性
の天然澱粉やゼラチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸な
どが使用されてきたすべての徐放性医薬、農薬、および
肥料、食品及び食品添加物、化粧品、日常雑貨及び衛生
用品、ならびに包装資材として、マイクロカプセルや顆
粒、錠剤あるいはシート、フィルムなどの形態で用いる
ことができる。
【0028】本発明の酵素合成アミロースの中で、分子
量50kDa以下のものは、140℃以上の熱水には溶
解するが、冷却すると分子量分布が1.25以下と狭い
ため容易に高結晶性の微結晶を析出する。したがって、
天然のアミロースに比較して、水溶液からの分離精製が
容易であり、その上、粉末プレス成形による錠剤化にお
いて均質で、しかも強度に優れ、徐放対象成分保持能力
に優れた製品が得られる。
量50kDa以下のものは、140℃以上の熱水には溶
解するが、冷却すると分子量分布が1.25以下と狭い
ため容易に高結晶性の微結晶を析出する。したがって、
天然のアミロースに比較して、水溶液からの分離精製が
容易であり、その上、粉末プレス成形による錠剤化にお
いて均質で、しかも強度に優れ、徐放対象成分保持能力
に優れた製品が得られる。
【0029】本発明の徐放性基材は、(a)分子量60
0kDa以下でかつ分子量分布が1.25以下の前記酵
素合成アミロースに、(b)分子量600kDaを超え
かつ分子量分布が1.25以下の酵素合成アミロースを
適当量ブレンドしたものであってもよい。これにより、
フィルム強度などの物性を向上すると共に所望の徐放性
を達成することができる。
0kDa以下でかつ分子量分布が1.25以下の前記酵
素合成アミロースに、(b)分子量600kDaを超え
かつ分子量分布が1.25以下の酵素合成アミロースを
適当量ブレンドしたものであってもよい。これにより、
フィルム強度などの物性を向上すると共に所望の徐放性
を達成することができる。
【0030】本発明の徐放性基材に用いる酵素合成アミ
ロースは、エステル化、エーテル化、グラフト化及び/
または架橋反応により化学修飾されたものであってもよ
い。
ロースは、エステル化、エーテル化、グラフト化及び/
または架橋反応により化学修飾されたものであってもよ
い。
【0031】上述のエステル化反応の例としては、酵素
合成アミロースを各種溶媒又は無溶媒下で、酸無水物、
有機酸、酸塩化物、ケテンまたは他のエステル化試薬に
反応させるのが一般的で、例えば酢酸エステル、プロピ
オン酸エステルなどのアシル化エステルが得られる。
合成アミロースを各種溶媒又は無溶媒下で、酸無水物、
有機酸、酸塩化物、ケテンまたは他のエステル化試薬に
反応させるのが一般的で、例えば酢酸エステル、プロピ
オン酸エステルなどのアシル化エステルが得られる。
【0032】エーテル化反応の例としては、通常の澱粉
の化学修飾反応と同様に、酵素合成アミロースをハロゲ
ン化アルキルや硫酸ジアルキルなどでアルカリの存在下
にエーテル化を行なうことができる。
の化学修飾反応と同様に、酵素合成アミロースをハロゲ
ン化アルキルや硫酸ジアルキルなどでアルカリの存在下
にエーテル化を行なうことができる。
【0033】グラフト化反応の例としては、通常の澱粉
のグラフト化反応と同様に、酵素合成アミロースにビニ
ル化合物を鉄又はセリウム触媒によりラジカル的に付加
するか、または乳酸のような水酸基を持ったカルボン酸
を重縮合で枝状に付加する方法が例示される。尚、生分
解性を高く維持するには、乳酸やカプロラクトンなどの
ようにそれ自身も生分解性を持つモノマーを選択するこ
とが必要である。
のグラフト化反応と同様に、酵素合成アミロースにビニ
ル化合物を鉄又はセリウム触媒によりラジカル的に付加
するか、または乳酸のような水酸基を持ったカルボン酸
を重縮合で枝状に付加する方法が例示される。尚、生分
解性を高く維持するには、乳酸やカプロラクトンなどの
ようにそれ自身も生分解性を持つモノマーを選択するこ
とが必要である。
【0034】架橋反応の例としては、通常の澱粉の架橋
反応と同様に、酵素合成アミロースにホルマリン、エピ
クロロヒドリン、グルタルアルデヒド、各種ジグリシジ
ルエーテル及びエステルを用いて架橋反応を行う。
反応と同様に、酵素合成アミロースにホルマリン、エピ
クロロヒドリン、グルタルアルデヒド、各種ジグリシジ
ルエーテル及びエステルを用いて架橋反応を行う。
【0035】酵素合成アミロースがエステル化、エーテ
ル化及びグラフト化反応により化学修飾されている場
合、アミロースに導入される置換基が疎水性の場合、ア
ミロースは置換度の増加に比例して疎水性を持つように
なり、そのマトリックス内に保持した徐放対象成分との
親和性が変化する。この性質を利用して徐放速度を制御
することができる。またアミロースに導入される置換基
の増加に伴い熱可塑性も増大し、通常のプラスチックの
成形機での成形加工がより容易になる。
ル化及びグラフト化反応により化学修飾されている場
合、アミロースに導入される置換基が疎水性の場合、ア
ミロースは置換度の増加に比例して疎水性を持つように
なり、そのマトリックス内に保持した徐放対象成分との
親和性が変化する。この性質を利用して徐放速度を制御
することができる。またアミロースに導入される置換基
の増加に伴い熱可塑性も増大し、通常のプラスチックの
成形機での成形加工がより容易になる。
【0036】また、酵素合成アミロースが架橋反応によ
り化学修飾されている場合、親水性の性質を残した水不
溶性基材になる。また、架橋により酵素合成アミロース
マトリックスの網目構造を制御することにより、徐放対
象成分の放出速度を制御することができる。
り化学修飾されている場合、親水性の性質を残した水不
溶性基材になる。また、架橋により酵素合成アミロース
マトリックスの網目構造を制御することにより、徐放対
象成分の放出速度を制御することができる。
【0037】本発明の徐放性基材は、(1)酵素合成ア
ミロースおよび/またはその化学修飾物、および/また
は(2)その他の高分子化合物を含有する材料から製造
され得る。必要に応じて使用される前記成分(2)の他
の高分子化合物は、生分解性を有していなくても、ある
いは生分解性であってもよい。生分解性でない高分子化
合物(2)を用いる場合は、酵素合成アミロース部分の
みが生分解して、その他の部分は分解せずに残る。従っ
て、酵素合成アミロースの含有量に比例して生分解量が
増加することになる。アミロースの自然環境下での生分
解性は早く、しかも分解中間体も安全であり最も人間及
び自然環境にやさしい素材になるので、アミロースの含
有量を多くするのが好ましい。酵素合成アミロースとそ
の高分子化合物との混合比は、酵素合成アミロース/他
の高分子化合物の重量比で、99/1〜1/99、好ま
しくは95/5〜5/95、より好ましくは90/10
〜10/90である。
ミロースおよび/またはその化学修飾物、および/また
は(2)その他の高分子化合物を含有する材料から製造
され得る。必要に応じて使用される前記成分(2)の他
の高分子化合物は、生分解性を有していなくても、ある
いは生分解性であってもよい。生分解性でない高分子化
合物(2)を用いる場合は、酵素合成アミロース部分の
みが生分解して、その他の部分は分解せずに残る。従っ
て、酵素合成アミロースの含有量に比例して生分解量が
増加することになる。アミロースの自然環境下での生分
解性は早く、しかも分解中間体も安全であり最も人間及
び自然環境にやさしい素材になるので、アミロースの含
有量を多くするのが好ましい。酵素合成アミロースとそ
の高分子化合物との混合比は、酵素合成アミロース/他
の高分子化合物の重量比で、99/1〜1/99、好ま
しくは95/5〜5/95、より好ましくは90/10
〜10/90である。
【0038】生分解性を有する他の高分子化合物(2)
としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(β‐ヒ
ドロキシブチレート、ポリ(β‐ヒドロキシバリレー
ト)、及びその他のポリ(β‐ヒドロキシアルカノエー
ト)並びに脂肪族生分解性ポリエステルなどが挙げられ
る。
としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(β‐ヒ
ドロキシブチレート、ポリ(β‐ヒドロキシバリレー
ト)、及びその他のポリ(β‐ヒドロキシアルカノエー
ト)並びに脂肪族生分解性ポリエステルなどが挙げられ
る。
【0039】本発明の徐放性基材には、必要に応じて、
可塑剤を加えてさらに高い材料加工性と強度特性の改良
を達成することができる。本発明の徐放性基材に尿素や
グリセリンを添加すると、流動温度の低下と伸びの向上
が期待できる。本発明の徐放性基材には、加工性や強度
特性を制御するために、大豆油やひまし油等の天然油
脂、及び化学分野で知られている多用な生分解性のある
酸のアルキルエステルを配合してもよい。
可塑剤を加えてさらに高い材料加工性と強度特性の改良
を達成することができる。本発明の徐放性基材に尿素や
グリセリンを添加すると、流動温度の低下と伸びの向上
が期待できる。本発明の徐放性基材には、加工性や強度
特性を制御するために、大豆油やひまし油等の天然油
脂、及び化学分野で知られている多用な生分解性のある
酸のアルキルエステルを配合してもよい。
【0040】生分解性のある酸のアルキルエステルは、
例えば、フタル酸のモノ‐またはジ‐アルキルエステ
ル、コハク酸のアルキルエステル、乳酸のアルキルエス
テル、クエン酸のアルキルエステル、アジピン酸のアル
キルエステル、ステアリン酸のアルキルエステル、オレ
イン酸のアルキルエステル、リシノール酸、エルカ酸の
アルキルエステルが挙げられ、アルキル基は、メチル
基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基等が挙げられる。また、グリセリンのエステ
ル、例えば、グリセリンモノ、ジ及びトリアセテート;
グリセリンモノ、ジ及びトリプロピオネート;グリセリ
ンモノ及びジブタノエート;グリセリンモノ、ジ及びト
リステアレート等を用いてもよい。
例えば、フタル酸のモノ‐またはジ‐アルキルエステ
ル、コハク酸のアルキルエステル、乳酸のアルキルエス
テル、クエン酸のアルキルエステル、アジピン酸のアル
キルエステル、ステアリン酸のアルキルエステル、オレ
イン酸のアルキルエステル、リシノール酸、エルカ酸の
アルキルエステルが挙げられ、アルキル基は、メチル
基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基等が挙げられる。また、グリセリンのエステ
ル、例えば、グリセリンモノ、ジ及びトリアセテート;
グリセリンモノ、ジ及びトリプロピオネート;グリセリ
ンモノ及びジブタノエート;グリセリンモノ、ジ及びト
リステアレート等を用いてもよい。
【0041】本発明の徐放性基材には、製品の特性の範
囲を広げるために、更に無機及び有機の充填剤を用いて
もよい。無機充填剤としては、例えば、タルク、二酸化
チタン、炭酸カルシウム、クレー、砂、白亜、石灰石、
珪藻土、珪酸塩、雲母、ガラス、石英及びセラミックス
などが挙げられる。有機充填剤としては、澱粉、セルロ
ース、木材粉、繊維などが挙げられる。
囲を広げるために、更に無機及び有機の充填剤を用いて
もよい。無機充填剤としては、例えば、タルク、二酸化
チタン、炭酸カルシウム、クレー、砂、白亜、石灰石、
珪藻土、珪酸塩、雲母、ガラス、石英及びセラミックス
などが挙げられる。有機充填剤としては、澱粉、セルロ
ース、木材粉、繊維などが挙げられる。
【0042】(徐放性物品)本発明は、前記徐放性基材
中に有効量の徐放対象成分を含有する徐放性物品も提供
する。本発明の徐放性物品において、徐放性基材に含有
させる徐放対象成分は、その用途に応じて、例えば、揮
発性の芳香成分、消臭成分あるいは抗菌性成分などから
適宜選択され得る。また、徐放対象成分の配合量も、徐
放性物品の適用用途に応じて変化してよく、特に限定さ
れないが、通常、使用される本発明の徐放性基材全重量
に対して1〜70重量%の範囲であってよい。
中に有効量の徐放対象成分を含有する徐放性物品も提供
する。本発明の徐放性物品において、徐放性基材に含有
させる徐放対象成分は、その用途に応じて、例えば、揮
発性の芳香成分、消臭成分あるいは抗菌性成分などから
適宜選択され得る。また、徐放対象成分の配合量も、徐
放性物品の適用用途に応じて変化してよく、特に限定さ
れないが、通常、使用される本発明の徐放性基材全重量
に対して1〜70重量%の範囲であってよい。
【0043】本発明の徐放性物品の一態様である食品や
食品添加物としては、天然澱粉やゼラチン、及びデキス
トリンやサイクロデキストリンなどが使用されてきた殆
どすべての食品、及び食品添加物に使用することができ
る。このような食品としては、飲料類、麺類、菓子類、
冷菓類、乳製品、洋菓子、和菓子、調味料、レトルトも
しくは缶詰類、冷蔵および冷凍食品、水産加工品、米飯
類、乳幼児食類、栄養補給食品類がある。また動物用飼
料、ペットフードに使用できる。具体例としては、本発
明の酵素合成アミロースの粉末にペパーミントの香りを
保持させ、練りこんだ芳香が持続するチューインガムな
どがあげられる。
食品添加物としては、天然澱粉やゼラチン、及びデキス
トリンやサイクロデキストリンなどが使用されてきた殆
どすべての食品、及び食品添加物に使用することができ
る。このような食品としては、飲料類、麺類、菓子類、
冷菓類、乳製品、洋菓子、和菓子、調味料、レトルトも
しくは缶詰類、冷蔵および冷凍食品、水産加工品、米飯
類、乳幼児食類、栄養補給食品類がある。また動物用飼
料、ペットフードに使用できる。具体例としては、本発
明の酵素合成アミロースの粉末にペパーミントの香りを
保持させ、練りこんだ芳香が持続するチューインガムな
どがあげられる。
【0044】さらに、デキストリンやサイクロデキスト
リンなどは粉末状の物質であり、主にマイクロカプセル
型の徐放対象成分担持形態を取る。一方、本発明の基材
は、繊維、フィルム、成形物または粉末などあらゆる製
品形態が可能であり、用途範囲が広いのが特徴である。
リンなどは粉末状の物質であり、主にマイクロカプセル
型の徐放対象成分担持形態を取る。一方、本発明の基材
は、繊維、フィルム、成形物または粉末などあらゆる製
品形態が可能であり、用途範囲が広いのが特徴である。
【0045】また、化粧品や洗面用品としては、芳香の
持続を狙った歯磨き剤や乳液基材、クリーム、スキンケ
ア化粧品、洗剤、固形香料、入浴剤、さらには臭気物質
の包接によるデオドラント用途などが挙げられる。
持続を狙った歯磨き剤や乳液基材、クリーム、スキンケ
ア化粧品、洗剤、固形香料、入浴剤、さらには臭気物質
の包接によるデオドラント用途などが挙げられる。
【0046】さらに、日常雑貨及び衛生用品としては、
女性用肌着のような保湿衣料や靴下、シーツ、タオルな
どの抗菌、防臭衣料及び不織布などが挙げられる
女性用肌着のような保湿衣料や靴下、シーツ、タオルな
どの抗菌、防臭衣料及び不織布などが挙げられる
【0047】また、本発明の徐放性物品は、従来、汎用
プラスチックや水溶性高分子が使用されてきた包装資材
への適用が可能である。最近は、食品包装用の容器や包
装資材にも保存料や日持ち向上剤、抗菌剤などが使用さ
れているが、本発明の包装材に目的成分を練り込み後、
成形加工することにより、効率よく狙った機能を備えた
包装材料が作られる。具体的な例としては、わさびの主
成分であるアリルイソチオシアネートを徐放対象成分と
して練りこんだ本発明の抗菌シートを魚や肉などを入れ
た容器に入れて使用すると、徐放対象成分が徐々に放出
され長時間にわたって細菌の繁殖を抑える。同様の考え
で抗菌シートや抗菌パックなどへも展開できる。
プラスチックや水溶性高分子が使用されてきた包装資材
への適用が可能である。最近は、食品包装用の容器や包
装資材にも保存料や日持ち向上剤、抗菌剤などが使用さ
れているが、本発明の包装材に目的成分を練り込み後、
成形加工することにより、効率よく狙った機能を備えた
包装材料が作られる。具体的な例としては、わさびの主
成分であるアリルイソチオシアネートを徐放対象成分と
して練りこんだ本発明の抗菌シートを魚や肉などを入れ
た容器に入れて使用すると、徐放対象成分が徐々に放出
され長時間にわたって細菌の繁殖を抑える。同様の考え
で抗菌シートや抗菌パックなどへも展開できる。
【0048】本発明の徐放性物品の用途は、特に制限さ
れるものではなく、内容物を徐放性基材で内包した徐放
性物品であれば、その内容物を変えることで、食品や医
農薬品に限らず、非常に広い分野に適用が可能である。
すなわち、本発明にかかる徐放性物品は、フィルム、シ
ートおよびその他の成形物の形態で提供される場合、成
形方法は特に限定されず、通常のプラスチック用成形機
において、例えば押出成形、射出成形及びフィルム成形
法により成形できる。その他、マイクロカプセルや錠
剤、顆粒、粉末などにおいても、従来の製品製造に使用
された設備がそのまま使用できる利点を持っている。本
発明の徐放性物品は、例えば、徐放性基材を溶融または
溶解により液状にして、内容物をその液中に分散または
溶解した後、内容物を含むフィルムやシートの形態やま
たはその他の成形物として固化された形態や、前記形態
を更に粉砕することにより得られる粒状もしくは顆粒状
の形態で、あるいは粉体形態の徐放性基材を内容物と混
合し、粉体のプレス成形法などによって錠剤または顆粒
状に成形して使用され得る。ただし、本発明の徐放性物
品は、徐放対象成分を含む内容物と混合された形態での
み提供されるものであり、内容物を内包するカプセル、
すなわち内容物とは別途成形された容器として機能する
形態では提供されない。
れるものではなく、内容物を徐放性基材で内包した徐放
性物品であれば、その内容物を変えることで、食品や医
農薬品に限らず、非常に広い分野に適用が可能である。
すなわち、本発明にかかる徐放性物品は、フィルム、シ
ートおよびその他の成形物の形態で提供される場合、成
形方法は特に限定されず、通常のプラスチック用成形機
において、例えば押出成形、射出成形及びフィルム成形
法により成形できる。その他、マイクロカプセルや錠
剤、顆粒、粉末などにおいても、従来の製品製造に使用
された設備がそのまま使用できる利点を持っている。本
発明の徐放性物品は、例えば、徐放性基材を溶融または
溶解により液状にして、内容物をその液中に分散または
溶解した後、内容物を含むフィルムやシートの形態やま
たはその他の成形物として固化された形態や、前記形態
を更に粉砕することにより得られる粒状もしくは顆粒状
の形態で、あるいは粉体形態の徐放性基材を内容物と混
合し、粉体のプレス成形法などによって錠剤または顆粒
状に成形して使用され得る。ただし、本発明の徐放性物
品は、徐放対象成分を含む内容物と混合された形態での
み提供されるものであり、内容物を内包するカプセル、
すなわち内容物とは別途成形された容器として機能する
形態では提供されない。
【0049】
【実施例】(比較例1)馬鈴薯根茎から分離した澱粉2
0gを1リットルの熱水中によく撹拌しながら添加し、
2%の糊液とした。この糊液をオートクレーブ(120
℃、30分)した後、不溶解物をガラスフィルターを用
いて除去した。この溶液にブタノールを加えた(飽和量
以上15%)。95℃(沸騰水浴中)にて30分加熱
後、魔法瓶の中でゆっくり冷却した。1日後、沈殿物
(アミロース/ブタノール複合体)を遠心分離した。再
度、熱ブタノール飽和水溶液からアミロース/ブタノー
ル複合体を沈殿させ、分離した。分離した複合体をエタ
ノールで2度洗浄後、真空乾燥した。得られたアミロー
スの収量は3.5g、Mwは450,000、分子量分
布(Mw/Mn)は1.9であった。得られたアミロー
スは冷水不溶で、130℃オートクレーブ処理した水溶
液も白濁し、キャスト法で得られたフィルムも脆く加工
できず、強度測定ができなかった。
0gを1リットルの熱水中によく撹拌しながら添加し、
2%の糊液とした。この糊液をオートクレーブ(120
℃、30分)した後、不溶解物をガラスフィルターを用
いて除去した。この溶液にブタノールを加えた(飽和量
以上15%)。95℃(沸騰水浴中)にて30分加熱
後、魔法瓶の中でゆっくり冷却した。1日後、沈殿物
(アミロース/ブタノール複合体)を遠心分離した。再
度、熱ブタノール飽和水溶液からアミロース/ブタノー
ル複合体を沈殿させ、分離した。分離した複合体をエタ
ノールで2度洗浄後、真空乾燥した。得られたアミロー
スの収量は3.5g、Mwは450,000、分子量分
布(Mw/Mn)は1.9であった。得られたアミロー
スは冷水不溶で、130℃オートクレーブ処理した水溶
液も白濁し、キャスト法で得られたフィルムも脆く加工
できず、強度測定ができなかった。
【0050】(比較例2)コーンスターチを用いた他は
比較例1と同様に処理し分子量Mw250,000、分
子量分布(Mw/Mn)1.4のアミロースを得た。得
られたアミロースの外観並びに強度特性は比較例1の結
果と同様であった。フィルムやシートも脆く加工でき
ず、強度測定ができなかった。
比較例1と同様に処理し分子量Mw250,000、分
子量分布(Mw/Mn)1.4のアミロースを得た。得
られたアミロースの外観並びに強度特性は比較例1の結
果と同様であった。フィルムやシートも脆く加工でき
ず、強度測定ができなかった。
【0051】(実施例1)グルコース‐1‐リン酸60
g、マルトペンタオース5mgを1.3リットルの0.
2Mマレイン酸緩衝液(pH6.0)に溶解し、その溶
液に馬鈴薯由来のフォスフォリラーゼ(1500単位)
を加えて50℃で、撹拌しながら反応を行った。86時
間反応後、溶液を加熱し酵素を失活し、ガラスフィルタ
ーにて濾過し、失活酵素を除去した。濾液に2倍量のエ
タノールを加えてアミロースを沈殿させ、遠心分離し
た。水:エタノール1:1の溶液300ミリリットルで
沈殿を2度洗浄して共存するグルコース‐1‐リン酸を
取り除いた。さらに、エタノールで2回洗浄した後、7
0℃で真空乾燥して、収量18.7gを得た。なお、フ
ォスフォリラーゼ1単位は1分間にリン酸1マイクロモ
ルを生成する酵素量である。重量平均分子量(Mw)8
20,000及び分子量分布(Mw/Mn)1.05のア
ミロースが得られた。なお、グルコース‐1‐リン酸と
マルトペンタオースの重量比及び反応時間を変化させる
ことにより、以下の表1に示すような分子量の異なる酵
素合成アミロースが得られた。
g、マルトペンタオース5mgを1.3リットルの0.
2Mマレイン酸緩衝液(pH6.0)に溶解し、その溶
液に馬鈴薯由来のフォスフォリラーゼ(1500単位)
を加えて50℃で、撹拌しながら反応を行った。86時
間反応後、溶液を加熱し酵素を失活し、ガラスフィルタ
ーにて濾過し、失活酵素を除去した。濾液に2倍量のエ
タノールを加えてアミロースを沈殿させ、遠心分離し
た。水:エタノール1:1の溶液300ミリリットルで
沈殿を2度洗浄して共存するグルコース‐1‐リン酸を
取り除いた。さらに、エタノールで2回洗浄した後、7
0℃で真空乾燥して、収量18.7gを得た。なお、フ
ォスフォリラーゼ1単位は1分間にリン酸1マイクロモ
ルを生成する酵素量である。重量平均分子量(Mw)8
20,000及び分子量分布(Mw/Mn)1.05のア
ミロースが得られた。なお、グルコース‐1‐リン酸と
マルトペンタオースの重量比及び反応時間を変化させる
ことにより、以下の表1に示すような分子量の異なる酵
素合成アミロースが得られた。
【0052】
【表1】
【0053】分子量297kDaを有する上記アミロー
スを、オートクレーブ処理で水溶液とした後、ポリスチ
レン板上、37℃で1時間、さらに40℃で24時間キ
ャストし、フィルムを作製した。このフィルムは、透明
性に優れ、引張強度も49MPa以上でポリエチレンや
ポリプロピレンに匹敵する強度特性を示した。平衡水分
に調節した本アミロースは熱可塑性を示し、熱プレスで
容易にフィルムやシートに成形できる。グリセリンや尿
素などの可塑剤を添加して、溶融押出しによりシートな
どの成型品を製造することができる。
スを、オートクレーブ処理で水溶液とした後、ポリスチ
レン板上、37℃で1時間、さらに40℃で24時間キ
ャストし、フィルムを作製した。このフィルムは、透明
性に優れ、引張強度も49MPa以上でポリエチレンや
ポリプロピレンに匹敵する強度特性を示した。平衡水分
に調節した本アミロースは熱可塑性を示し、熱プレスで
容易にフィルムやシートに成形できる。グリセリンや尿
素などの可塑剤を添加して、溶融押出しによりシートな
どの成型品を製造することができる。
【0054】(実施例2)実施例1で得られた分子量2
97kDaの酵素合成アミロース2gにピリジン60ミ
リリッルと無水酢酸60ミリリッルを加え、100℃で
2時間反応後、大量の水とエタノールで洗浄し、精製し
た。収率90%で置換度2.6、熱流動化温度275℃
のアセチル化酵素合成アミロースが得られた。上記アミ
ロースを苛性ソーダ水溶液で加水分解することにより置
換度0.05及び0.15のアセチル化酵素合成アミロ
ースも得られた。置換度とは、グルコース単位1個当り
の置換水酸基の平均値である。すべて置換されれば置換
度は3であり、グルコース単位100個に1個の置換で
あれば0.01となる。
97kDaの酵素合成アミロース2gにピリジン60ミ
リリッルと無水酢酸60ミリリッルを加え、100℃で
2時間反応後、大量の水とエタノールで洗浄し、精製し
た。収率90%で置換度2.6、熱流動化温度275℃
のアセチル化酵素合成アミロースが得られた。上記アミ
ロースを苛性ソーダ水溶液で加水分解することにより置
換度0.05及び0.15のアセチル化酵素合成アミロ
ースも得られた。置換度とは、グルコース単位1個当り
の置換水酸基の平均値である。すべて置換されれば置換
度は3であり、グルコース単位100個に1個の置換で
あれば0.01となる。
【0055】(実施例3)比較例1および2の馬鈴薯及
びコーンスターチからの置換度0の抽出アミロース、実
施例1の置換度0の酵素合成アミロースおよび実施例2
の置換度0.05、0.15及び2.6のアセチル化酵
素合成アミロース3gをそれぞれ水27ミリリッルにオ
ートクレーブ処理(120℃、30分)で溶解し、アセ
トアミノフェン0.27gを加え、完全に混合後、濃縮
し、ガラス板上に流し出し、シートを作製した。しか
し、抽出アミロースは極めて脆くフィルムができなかっ
た。酵素合成アミロースを用いた場合は良好なフィルム
が得られた。上記酵素合成アミロースから得られたフィ
ルムの放出試験を行い、その結果を以下の表2に示し
た。なお、放出試験は、日本薬局法記載の溶出試験法第
2法(パドル法)に準拠して行い、放出量の定量は吸光
度法で行った。
びコーンスターチからの置換度0の抽出アミロース、実
施例1の置換度0の酵素合成アミロースおよび実施例2
の置換度0.05、0.15及び2.6のアセチル化酵
素合成アミロース3gをそれぞれ水27ミリリッルにオ
ートクレーブ処理(120℃、30分)で溶解し、アセ
トアミノフェン0.27gを加え、完全に混合後、濃縮
し、ガラス板上に流し出し、シートを作製した。しか
し、抽出アミロースは極めて脆くフィルムができなかっ
た。酵素合成アミロースを用いた場合は良好なフィルム
が得られた。上記酵素合成アミロースから得られたフィ
ルムの放出試験を行い、その結果を以下の表2に示し
た。なお、放出試験は、日本薬局法記載の溶出試験法第
2法(パドル法)に準拠して行い、放出量の定量は吸光
度法で行った。
【0056】
【表2】
【0057】* :アセチル化反応前の酵素合成アミロ
ースの値
ースの値
【0058】表2に示すように、置換度0の酵素合成ア
ミロースは約十時間で放出を終了したが、アセチル化置
換度0.05及び0.15の酵素合成アミロースは20
時間から35時間の徐放性を示した。さらに、置換度が
2.6と高い酵素合成アミロースは放出しなかった。
ミロースは約十時間で放出を終了したが、アセチル化置
換度0.05及び0.15の酵素合成アミロースは20
時間から35時間の徐放性を示した。さらに、置換度が
2.6と高い酵素合成アミロースは放出しなかった。
【0059】(実施例4)酵素合成アミロースの分子量
と分子量分布を変えたサンプル及び対照のハイアミロー
スコーンスターチ(アミロース含有量75%)各5gに
アリルイソチオシアナート(わさびのからし成分)0.
5gを加え、室温で20時間ボールミルで回転処理した
後、密閉容器内で50℃、18時間熱処理した。3時間
減圧乾燥後、シャーレに薄く広げ、室温で水蒸気を飽和
したデシケーター内に入れ、水分子によりアリルイソチ
オシアナートを放出させた。所定時間ごとにサンプリン
グし、担持量をガスクロマトグラフィーで測定すること
により、アリルイソチオシアナートの残存率を決定し
た。その結果を以下の表3に示す。
と分子量分布を変えたサンプル及び対照のハイアミロー
スコーンスターチ(アミロース含有量75%)各5gに
アリルイソチオシアナート(わさびのからし成分)0.
5gを加え、室温で20時間ボールミルで回転処理した
後、密閉容器内で50℃、18時間熱処理した。3時間
減圧乾燥後、シャーレに薄く広げ、室温で水蒸気を飽和
したデシケーター内に入れ、水分子によりアリルイソチ
オシアナートを放出させた。所定時間ごとにサンプリン
グし、担持量をガスクロマトグラフィーで測定すること
により、アリルイソチオシアナートの残存率を決定し
た。その結果を以下の表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】*:添加したアリルイソチオシアナート
0.5gに対して残存した比率
0.5gに対して残存した比率
【0062】表3に示すように、分子量71kDa 〜
112kDaの酵素合成アミロースは20時間以上にわ
たる放出を示した。これに対して、分子量分布12 k
Da以下および294 kDa以上の酵素合成アミロー
スは短時間で放出を完了した。対照のハイアミロースコ
ーンスターチの担持量は低く、放出速度もきわめて速か
った。
112kDaの酵素合成アミロースは20時間以上にわ
たる放出を示した。これに対して、分子量分布12 k
Da以下および294 kDa以上の酵素合成アミロー
スは短時間で放出を完了した。対照のハイアミロースコ
ーンスターチの担持量は低く、放出速度もきわめて速か
った。
【0063】(実施例5)酵素合成アミロースの分子量
約50kDa以下を150℃の熱水にオートクレーブ処
理により溶解後、約60℃で徐放対象成分であるアセト
アミノフェンを加えて冷却すると内部にアセトアミノフ
ェンを含有する酵素合成アミロースの微結晶(数〜数十
ミクロン)が得られた。濾過、乾燥後、実施例3と同様
に放出速度を測定した。分子量により異なるが放出時間
は数時間から数日間程度の範囲内に制御できた。又、そ
の放出速度は、同一条件でのハイアミロースコーンスタ
ーチより遅く、徐放性基材として多様な用途分野への適
用の可能性を示唆した。
約50kDa以下を150℃の熱水にオートクレーブ処
理により溶解後、約60℃で徐放対象成分であるアセト
アミノフェンを加えて冷却すると内部にアセトアミノフ
ェンを含有する酵素合成アミロースの微結晶(数〜数十
ミクロン)が得られた。濾過、乾燥後、実施例3と同様
に放出速度を測定した。分子量により異なるが放出時間
は数時間から数日間程度の範囲内に制御できた。又、そ
の放出速度は、同一条件でのハイアミロースコーンスタ
ーチより遅く、徐放性基材として多様な用途分野への適
用の可能性を示唆した。
【0064】一方、酵素合成アミロースと同様に処理し
た馬鈴薯から得られたアミロースはマクロゲルを形成
し、薬物送達システムに有効な微結晶(数〜数十ミクロ
ン)にはならなかった。また、分子量分布が広いため徐
放速度の制御が困難であった。
た馬鈴薯から得られたアミロースはマクロゲルを形成
し、薬物送達システムに有効な微結晶(数〜数十ミクロ
ン)にはならなかった。また、分子量分布が広いため徐
放速度の制御が困難であった。
【0065】
【発明の効果】本発明の徐放性基材は、平均分子量(M
w)および分子量分布(Mw/Mn)を特定範囲内に規定し
た酵素合成アミロース及び/又はその化学修飾物から得
ることによって、生分解性を有し、かつ徐放対象成分の
放出速度を任意に制御し得たものである。従って、本発
明の徐放性基材を用いることにより、徐放対象成分の放
出期間を任意に調節でき、目的とする放出期間を通じて
徐放対象成分が安定に放出される。
w)および分子量分布(Mw/Mn)を特定範囲内に規定し
た酵素合成アミロース及び/又はその化学修飾物から得
ることによって、生分解性を有し、かつ徐放対象成分の
放出速度を任意に制御し得たものである。従って、本発
明の徐放性基材を用いることにより、徐放対象成分の放
出期間を任意に調節でき、目的とする放出期間を通じて
徐放対象成分が安定に放出される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/30 A61K 47/30 4H061 A61P 29/00 A61P 29/00 4J002 C05G 3/00 103 C05G 3/00 103 C08L 3/12 C08L 3/12 3/14 3/14 101/16 101/16 C09K 3/00 110 C09K 3/00 110C (72)発明者 工藤 謙一 奈良県橿原市雲梯町594番地 三和澱粉工 業株式会社内 (72)発明者 丸田 勲 奈良県橿原市雲梯町594番地 三和澱粉工 業株式会社内 (72)発明者 谷口 茂 京都府京都市南区東九条柳下町66番地 大 蔵製薬株式会社内 (72)発明者 菱川 慶裕 京都府京都市南区東九条柳下町66番地 大 蔵製薬株式会社内 Fターム(参考) 4B041 LC10 LD10 LE03 LH02 LP12 4C076 AA94 CC03 EE01A EE30A FF31 FF32 4C083 AD011 AD211 FF01 4C206 AA01 AA02 GA31 NA12 ZA07 ZA08 4H011 AA01 AA02 BA01 BB11 BC08 BC19 DA01 DA07 DF02 DH10 4H061 AA01 AA10 DD04 EE51 EE66 HH03 4J002 AB04W CF18X GA00 GB00 GC00 GG00
Claims (14)
- 【請求項1】 重量平均分子量600kDa以下でかつ
分子量分布(Mw/Mn)1.25以下の酵素合成アミロ
ース及び/又はその化学修飾物から得られることを特徴
とする、徐放対象成分の放出速度を任意に制御できる徐
放性基材。 - 【請求項2】 前記酵素合成アミロースが、重量平均分
子量50〜600kDaおよび分子量分布(Mw/Mn)
1.25を有する請求項1記載の徐放性基材。 - 【請求項3】 前記酵素合成アミロースが、重量平均分
子量60〜500kDaおよび分子量分布(Mw/Mn)
1.25以下を有する請求項1記載の徐放性基材。 - 【請求項4】 前記酵素合成アミロースが、重量平均分
子量50kDa以下および分子量分布(Mw/Mn)1.
25以下を有する請求項1記載の徐放性基材。 - 【請求項5】 酵素合成アミロースの化学修飾物が、前
記酵素合成アミロースをエステル化、エーテル化、グラ
フト化及び/または架橋反応により化学修飾したもので
ある請求項1記載の徐放性基材。 - 【請求項6】 (a)重量平均分子量600kDa以下
でかつ分子量分布(Mw/Mn)1.25以下の酵素合成
アミロース及び/又はその化学修飾物、及び(b)重量
平均分子量600kDaを超えかつ分子量分布(Mw/M
n)1.25以下の酵素合成アミロース及び/又はその
化学修飾物を含有する材料から得られる徐放性基材。 - 【請求項7】 (1)重量平均分子量600kDa以下
でかつ分子量分布(Mw/Mn)1.25以下の酵素合成
アミロース及び/又はその化学修飾物、及び (2)他の高分子化合物 を含有する材料から得られる徐放性基材。 - 【請求項8】 他の高分子化合物(2)が生分解性を有
する請求項7記載の徐放性基材。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の徐放性
基材中に有効量の徐放対象成分を含有する徐放性物品。 - 【請求項10】 医薬、農薬又は肥料である請求項9記
載の徐放性物品。 - 【請求項11】 食品及び食品添加物である請求項9記
載の徐放性物品。 - 【請求項12】 化粧品である請求項9記載の徐放性物
品。 - 【請求項13】 日常雑貨及び衛生用品である請求項9
記載の徐放性物品。 - 【請求項14】 包装資材である請求項9記載の徐放性
物品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002058865A JP2002363106A (ja) | 2001-03-05 | 2002-03-05 | 徐放性基材及び徐放性物品 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001060391 | 2001-03-05 | ||
| JP2001-60391 | 2001-03-05 | ||
| JP2002058865A JP2002363106A (ja) | 2001-03-05 | 2002-03-05 | 徐放性基材及び徐放性物品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002363106A true JP2002363106A (ja) | 2002-12-18 |
Family
ID=26610635
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002058865A Pending JP2002363106A (ja) | 2001-03-05 | 2002-03-05 | 徐放性基材及び徐放性物品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002363106A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006083071A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-03-30 | Takasago Internatl Corp | 香粧品用固形製剤 |
| WO2007119492A1 (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-25 | Takasago International Corporation | ロックイン型粉末 |
| JP2015086172A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | 花王株式会社 | 化粧料組成物 |
| US9029427B2 (en) | 2005-11-11 | 2015-05-12 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Controlled release solid preparation |
| JP2016522150A (ja) * | 2013-05-24 | 2016-07-28 | リーダーズ ケミカル カンパニー リミテッド | 遅効性を有するマトリックス型粒状複合肥料の製造方法及び該方法により得られたマトリックス型粒状複合肥料 |
| CN113180292A (zh) * | 2021-04-30 | 2021-07-30 | 深圳波顿香料有限公司 | 缓释爆珠及其制备方法与应用 |
-
2002
- 2002-03-05 JP JP2002058865A patent/JP2002363106A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006083071A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-03-30 | Takasago Internatl Corp | 香粧品用固形製剤 |
| US9029427B2 (en) | 2005-11-11 | 2015-05-12 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Controlled release solid preparation |
| WO2007119492A1 (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-25 | Takasago International Corporation | ロックイン型粉末 |
| JP2016522150A (ja) * | 2013-05-24 | 2016-07-28 | リーダーズ ケミカル カンパニー リミテッド | 遅効性を有するマトリックス型粒状複合肥料の製造方法及び該方法により得られたマトリックス型粒状複合肥料 |
| JP2015086172A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | 花王株式会社 | 化粧料組成物 |
| CN113180292A (zh) * | 2021-04-30 | 2021-07-30 | 深圳波顿香料有限公司 | 缓释爆珠及其制备方法与应用 |
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|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090106 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090908 |