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JP2002355065A - 心臓および骨格筋で高発現する新規遺伝子およびその用途 - Google Patents

心臓および骨格筋で高発現する新規遺伝子およびその用途

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JP2002355065A
JP2002355065A JP2001330728A JP2001330728A JP2002355065A JP 2002355065 A JP2002355065 A JP 2002355065A JP 2001330728 A JP2001330728 A JP 2001330728A JP 2001330728 A JP2001330728 A JP 2001330728A JP 2002355065 A JP2002355065 A JP 2002355065A
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Japan
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protein
salt
present
dna
seq
Prior art date
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JP2001330728A
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Nobuyuki Koyama
信行 小山
Seiichi Tanida
清一 谷田
Toshifumi Watanabe
敏文 渡邉
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規タンパク質とそのDNAの提供など。 【解決手段】 本発明のタンパク質の活性を調節する化
合物またはその塩、該タンパク質の活性を調節する中和
抗体は、例えば、心疾患などの予防・治療剤として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疾患(例、心疾
患)関連遺伝子およびその用途に関する。さらに詳しく
は、該疾患関連遺伝子産物を用いる薬剤のスクリーニン
グ方法、心筋症、心筋梗塞、心不全、狭心症などの心疾
患の診断マーカーとして有用な疾患関連遺伝子に対する
アンチセンスヌクレオチド、該疾患関連遺伝子産物に対
する抗体などに関する。
【0002】
【従来の技術】心不全とは、心筋の収縮不全と考えられ
ている。発症の機序としては、次のようなものが考えら
れる。心筋の障害、心臓ポンプの機械的、機能的異常、
高血圧及び肺高血圧による圧負荷、貧血、急性腎炎など
容量負荷などが原因となり、生体の需要に応じた血液量
を心臓が拍出し得なくなる状態が生じる。これに対し
て、交感神経系、神経−体液−内分泌系などの代償機序
が作動し、生体の恒常性の維持に向かう。心不全の代償
機序では、1)前述の負荷が増大して心臓の収縮力が増
し、サルコメアの長さの増大に伴って心拡大が生じる、
2)心筋の収縮単位が増し、その結果として心筋肥大が
生じる、3)全身に必要な血液を駆出できない状態を補
うため神経液性因子が活性化され、局所的には心筋繊維
化が進展する。基本的には与えられた負荷に、適応しよ
うとする機序であるが、不十分な作動によって心不全が
促進する場合もあれば、逆に過剰な作動によって心筋傷
害を生じ、心不全を悪化させる場合もある。代償機序が
作動した結果として、心筋細胞が肥大し、心肥大が生じ
る。しかしながら、前述の障害あるいは負荷が慢性的に
継続された場合、その代償機序が破綻する。つまり、肥
大した心筋細胞に十分な量の血液が供給されずに虚血に
陥り、これが原因で心筋収縮不全などの心筋障害が生
じ、心拍出量の低下、臓器循環障害、静脈鬱血、体液貯
留などを伴う心不全症候群を来すことになる。これに対
する治療としては、心筋細胞障害の改善、心保護作用の
強化、心筋収縮不全による心機能低下の回復及びその原
因である生体の代償破綻の抑制あるいは過剰な代償機序
の改善が必要となる。現在、該心不全症候群の治療に
は、臨床的には強心薬として1)ジゴキシンなどの強心
配糖体、2)ドブタミンなどの交感神経作動薬、3)ア
ムリノンなどのホスホジエステラーゼ阻害薬が、また血
管拡張薬としてはヒドララジン、カルシウム拮抗薬及び
アンジオテンシンI変換酵素阻害薬、アンジオテンシン
II受容体拮抗薬などが使用されている。また、他拡張
型心筋症の治療には、βブロッカーなどが使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、速やか
な代償機序の作動、過剰な代償機序を抑制あるいは代償
破綻を抑制(アポトーシス抑制を含む)し得る治療薬は
ない。速やかな代償機序の作動や過剰な代償機序あるい
は代償破綻の抑制という観点から治療薬の開発が望まれ
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、冠動脈結紮
による心筋梗塞モデルラットの心不全発症時において発
現が増加するmRNAを見出した。配列番号:2で表さ
れる塩基配列を有するmRNAの発現プロファイルを詳
細に検討した結果、このmRNAは、術後1週でやや増
加し、術後8週で逆に減少し、術後20週、30週で顕
著に増加することが明らかとなった。この塩基配列を用
いて公知の遺伝子との相同性を調べた結果、全く新規な
遺伝子であることが判明した。これらの知見に基づい
て、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
9で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩、
(2)配列番号:19で表されるアミノ酸配列と実質的
に同一のアミノ酸配列が、配列番号:1、配列番号:1
4または配列番号:24で表されるアミノ酸配列である
前記(1)記載のタンパク質またはその塩、(3)配列
番号:19で表されるアミノ酸配列を含有する前記
(1)記載のタンパク質またはその塩、(4)配列番
号:1で表されるアミノ酸配列を含有する前記(1)記
載のタンパク質またはその塩、(5)配列番号:14で
表されるアミノ酸配列を含有する前記(1)記載のタン
パク質またはその塩、(6)配列番号:24で表される
アミノ酸配列を含有する前記(1)記載のタンパク質ま
たはその塩、(7)前記(1)記載のタンパク質の部分
ペプチドまたはその塩、(8)前記(1)記載のタンパ
ク質または前記(7)記載の部分ペプチドをコードする
ポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、(9)
DNAである前記(8)記載のポリヌクレオチド、(1
0)配列番号:2、配列番号:13、配列番号:18ま
たは配列番号:25で表される塩基配列を含有する前記
(9)記載のDNA、(11)前記(8)記載のポリヌ
クレオチドを含有する組換えベクター、(12)前記
(11)記載の組換えベクターで形質転換された形質転
換体、(13)前記(11)記載の形質転換体を培養
し、前記(1)記載のタンパク質もしくはその塩または
前記(7)記載の部分ペプチドまたはその塩を生成、蓄
積せしめ、これを採取することを特徴とする前記(1)
記載のタンパク質もしくはその塩または前記(7)記載
の部分ペプチドもしくはその塩の製造方法、(14)前
記(1)記載のタンパク質もしくはその塩または前記
(7)記載の部分ペプチドもしくはその塩を含有してな
る医薬、(15)前記(1)記載のタンパク質もしくは
その塩または前記(7)記載の部分ペプチドもしくはそ
の塩に対する抗体、(16)前記(15)記載の抗体を
含有する診断薬、(17)前記(1)記載のタンパク質
もしくはその塩または前記(7)記載の部分ペプチドも
しくはその塩を用いることを特徴とする、前記(1)記
載のタンパク質もしくはその塩または前記(7)記載の
部分ペプチドもしくはその塩の活性を調節する化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法、(18)前記(1)
記載のタンパク質もしくはその塩または前記(7)記載
の部分ペプチドもしくはその塩が、前記(1)記載のタ
ンパク質または前記(7)記載の部分ペプチドをコード
するDNAを含有するDNAで形質転換された形質転換
体の細胞質内に発現されたものである前記(17)記載
のスクリーニング方法、(19)前記(1)記載のタン
パク質またはその塩を産生する能力を有する細胞を、試
験化合物存在下および非存在下に培養し、試験化合物存
在下および非存在下のそれぞれの場合の前記タンパク質
またはその塩の発現量を測定することを特徴とする前記
(17)記載のスクリーニング方法、(20)前記
(1)記載のタンパク質をコードするDNAを用いるこ
とを特徴とする前記タンパク質遺伝子の発現を調節する
化合物またはその塩のスクリーニング方法、(21)前
記(1)記載のタンパク質もしくはその塩または前記
(7)記載の部分ペプチドもしくはその塩を含有するこ
とを特徴とする、前記(1)記載のタンパク質もしくは
その塩または前記(7)記載の部分ペプチドもしくはそ
の塩の活性を調節する化合物またはその塩のスクリーニ
ング用キット、(22)前記(17)記載のスクリーニ
ング方法または前記(21)記載のスクリーニング用キ
ットを用いて得られる、前記(1)記載のタンパク質も
しくはその塩または前記(7)記載の部分ペプチドもし
くはその塩の活性を調節する化合物またはその塩、(2
3)前記(20)記載のスクリーニング方法によって得
られる、前記(1)記載のタンパク質遺伝子の発現を調
節する化合物またはその塩、(24)前記(22)また
は(23)記載の化合物またはその塩を含有してなる医
薬、(25)心疾患の予防・治療剤である前記(24)
記載の医薬、(26)前記(1)記載のタンパク質また
は前記(7)記載の部分ペプチドをコードするDNAに
相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列を有するアン
チセンスヌクレオチド、(27)前記(26)記載のア
ンチセンスヌクレオチドを含有してなる医薬、(28)
前記(8)記載のポリヌクレオチドを含有してなる医
薬、(29)前記(8)記載のポリヌクレオチドを含有
してなる診断薬、(30)哺乳動物に対して、前記(2
2)または(23)記載の化合物またはその塩の有効量
を投与することを特徴とする心疾患の予防・治療方法、
(31)心疾患の予防・治療剤を製造するための前記
(22)または(23)記載の化合物またはその塩の使
用などを提供する。さらに、本発明は、(32)前記
(1)記載のタンパク質をコードするDNAまたはその
変異DNAを有する非ヒトDNA導入動物、(33)非
ヒト動物がゲッ歯動物である前記(32)記載の動物、
(34)ゲッ歯動物がマウスまたはラットである前記
(33)記載の動物、(35)本発明のDNAが不活性
化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、(36)該DNAが
レポーター遺伝子を導入することにより不活性化された
前記(35)記載の胚幹細胞、(37)ネオマイシン耐
性である前記(35)記載の胚幹細胞、(38)非ヒト
哺乳動物がゲッ歯動物である前記(35)記載の胚幹細
胞、(39)ゲッ歯動物がマウスである前記(38)記
載の胚幹細胞、(40)本発明のDNAが不活性化され
た該DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(41)該DNA
がレポーター遺伝子を導入することにより不活性化さ
れ、該レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロ
モーターの制御下で発現しうる前記(40)記載の非ヒ
ト哺乳動物、(42)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物であ
る前記(41)記載の非ヒト哺乳動物、(43)ゲッ歯
動物がマウスである前記(42)記載の非ヒト哺乳動
物、および(44)前記(43)記載の動物に、試験化
合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出すること
を特徴とする本発明のDNAに対するプロモーター活性
を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法なども提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の配列番号:19で表され
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を含有するタンパク質(以下、本発明のタンパク質
と称することもある)は、ヒトまたはその他の温血動物
(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウ
サギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細胞(例え
ば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細
胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細
胞、表皮細胞、上皮細胞、杯細胞、内皮細胞、平滑筋細
胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細
胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラル
キラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単
球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細
胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、ま
たはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞な
ど)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例
えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底
球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、
脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状
腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管
(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下
腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関
節、骨格筋などに由来するタンパク質であってもよく、
合成タンパク質であってもよい。
【0007】配列番号:19で表されるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:19
で表されるアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約
60%以上、さらに好ましくは約70%以上、より好ま
しくは約80%以上、特に好ましくは約90%以上の相
同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。配列番
号:19で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミ
ノ酸配列として具体的には、配列番号:1で表されるア
ミノ酸配列、配列番号:14で表されるアミノ酸配列、
配列番号:24で表されるアミノ酸配列などが挙げられ
る。配列番号:19で表されるアミノ酸配列と実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質としては、例
えば、前記の配列番号:19で表されるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:19
で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的
に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。実質
的に同質の活性としては、例えば、心機能低下促進活性
などが挙げられる。実質的に同質とは、その活性が性質
的に(例、生理学的に、または薬理学的に)同質である
ことを示す。したがって、心機能低下促進活性が同等
(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.1〜1
0倍、より好ましくは0.5〜2倍)であることが好ま
しいが、この活性の程度、タンパク質の分子量などの量
的要素は異なっていてもよい。心機能低下促進活性など
の活性の測定は、心エコー測定装置(セル、第97巻、
189−198頁、1999年)または心臓カテーテル
による心機能測定(サーキュレーションリサーチ、第6
9巻、370−377頁、1991年)によって行うこ
とができる。更に例えばアンジオテンシンI変換酵素
(ACE)などのレニンアンジオテンシン系(RAS)
の亢進を市販の測定キット(例、ペニンスラー社製、フ
ェニックス社製など)を用いて測定したり、血中カテコ
ラミンの増加活性(東ソー社製、全自動カテコールアミ
ン分析計)などを指標に該活性を測定することができ
る。
【0008】また、本発明のタンパク質としては、例え
ば、配列番号:19で表されるアミノ酸配列中の1ま
たは2個以上(好ましくは1〜30個程度、さらに好ま
しくは1〜10個程度、より好ましくは1〜5個)のア
ミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:19で表
されるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは1
〜30個程度、さらに好ましくは1〜10個程度、より
好ましくは1〜5個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配
列、配列番号:19で表されるアミノ酸配列に1また
は2個以上(好ましくは1〜30個程度、さらに好まし
くは1〜10個程度、より好ましくは1〜5個)のアミ
ノ酸が挿入されたアミノ酸配列、配列番号:19で表
されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは
1〜30個程度、さらに好ましくは1〜10個程度、よ
り好ましくは1〜5個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置
換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせた
アミノ酸配列を含有するタンパク質などのいわゆるムテ
インも含まれる。上記のようにアミノ酸配列が挿入、欠
失または置換されている場合、その挿入、欠失または置
換の位置としては、特に限定されないが、配列番号:1
9、配列番号:1、配列番号:14および配列番号:2
4のそれぞれの配列番号で表されるアミノ酸配列に共通
するアミノ酸配列以外の位置などが挙げられる。
【0009】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:19
で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明のタンパク質は、C末端がカルボキシル
基(−COOH)、カルボキシレート(−COO-)、ア
ミド(−CONH2)またはエステル(−COOR)の
いずれであってもよい。ここでエステルにおけるRとし
ては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、
シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロア
ルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC
6-12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどの
フェニル−C1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチ
ルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14
アラルキル基、ピバロイルオキシメチル基などが用いら
れる。本発明のタンパク質がC末端以外にカルボキシル
基(またはカルボキシレート)を有している場合、カル
ボキシル基がアミド化またはエステル化されているもの
も本発明のタンパク質に含まれる。この場合のエステル
としては、例えば上記したC末端のエステルなどが用い
られる。さらに、本発明のタンパク質には、N末端のア
ミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基
(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカ
ノイルなどのC1-6アシル基など)で保護されているも
の、生体内で切断されて生成するN末端のグルタミン残
基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の
側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミノ基、イ
ミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適
当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC
1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保護さ
れているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タン
パク質などの複合タンパク質なども含まれる。本発明の
タンパク質の具体例としては、例えば、配列番号:19
で表されるヒト由来のタンパク質、配列番号:1で表さ
れるラット由来のタンパク質、配列番号:14で表され
るラット由来のタンパク質、配列番号:24で表される
ラット由来のタンパク質などがあげられる。
【0010】本発明のタンパク質の部分ペプチド(以
下、本発明の部分ペプチドと称することもある)として
は、前記した本発明のタンパク質の部分ペプチドであっ
て、好ましくは、前記した本発明のタンパク質と同様の
活性を有するものであればいずれのものでもよい。例え
ば、本発明のタンパク質の構成アミノ酸配列のうち少な
くとも20個以上、好ましくは50個以上、さらに好ま
しくは70個以上、より好ましくは100個以上、最も
好ましくは150個以上のアミノ酸配列を有するペプチ
ドなどが用いられる。また、本発明の部分ペプチドは、
そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは
1〜30個程度、さらに好ましくは1〜10個程度、よ
り好ましくは1〜5個)のアミノ酸が欠失し、そのア
ミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは1〜30個
程度、さらに好ましくは1〜10個程度、より好ましく
は1〜5個)のアミノ酸が付加し、そのアミノ酸配列
に1または2個以上(好ましくは1〜30個程度、さら
に好ましくは1〜10個程度、より好ましくは1〜5
個)のアミノ酸が挿入され、またはそのアミノ酸配列
中の1または2個以上(好ましくは1〜30個程度、さ
らに好ましくは1〜10個程度、より好ましくは1〜5
個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよ
い。
【0011】また、本発明の部分ペプチドはC末端がカ
ルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−C
OO-)、アミド(−CONH2)またはエステル(−C
OOR)のいずれであってもよい。さらに、本発明の部
分ペプチドには、前記した本発明のタンパク質と同様
に、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のア
ミノ基が保護基で保護されているもの、N端側が生体内
で切断され生成したグルタミン残基がピログルタミン酸
化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当
な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合し
たいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれ
る。本発明の部分ペプチドは抗体作成のための抗原とし
ても用いることができる。
【0012】本発明のタンパク質または部分ペプチドの
塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有
機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用い
られ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ
レイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚
酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。本発明のタンパク質もし
くはその部分ペプチドまたはその塩は、前述したヒトま
たはその他の温血動物の細胞または組織より公知のタン
パク質の精製方法により製造、またはタンパク質をコー
ドするDNAを含有する形質転換体を培養することによ
り製造することができる。また、後述のペプチド合成法
に準じて製造することもできる。ヒトまたはその他の温
血動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトまたは
その他の温血動物の組織または細胞をホモジナイズした
後、酸などで抽出を行ない、得られた抽出液を逆相クロ
マトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどの
クロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離
することができる。
【0013】本発明のタンパク質もしくは部分ペプチド
またはその塩、またはそのアミド体の合成には、通常市
販のタンパク質合成用樹脂を用いることができる。その
ような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒド
ロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノ
メチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹
脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹
脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミド
メチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2’,
4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノ
キシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−F
mocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げること
ができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖
官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパ
ク質の配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上
で縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質を切り
出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中
で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のタ
ンパク質もしくは部分ペプチドまたはそれらのアミド体
を取得する。上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、
タンパク質合成に使用できる各種活性化試薬を用いるこ
とができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボ
ジイミド類としては、DCC、N,N’−ジイソプロピ
ルカルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジメチル
アミノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。こ
れらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、H
OBt,HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂
に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエス
テルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護
アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することが
できる。
【0014】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は
通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応
を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基
の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより
十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても
十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセ
チルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化
することによって、後の反応に影響を与えないようにす
ることができる。
【0015】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソ
ボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキ
シカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキ
シカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホ
ルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニル
ホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カル
ボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロ
オクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もし
くは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化
(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエス
テル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベン
ジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシ
ルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド
化、t−ブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒ
ドラジド化などによって保護することができる。セリン
の水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によ
って保護することができる。このエステル化に適する基
としては、例えば、アセチル基などの低級(C1-6)ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル
化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、t−ブチル基などである。チロシンの
フェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bz
l、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、
t−ブチルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾー
ルの保護基としては、例えば、Tos、4−メトキシ−
2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、
ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fm
ocなどが用いられる。
【0016】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニ
トロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロ
フェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N
−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕
などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたもの
としては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられ
る。保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd
−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気
流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリ
ジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモ
ニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸
処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温
度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソ
ール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、
パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタン
ジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカ
チオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンの
イミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロ
フェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリ
プトファンのインドール保護基として用いられるホルミ
ル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタ
ンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外
に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによる
アルカリ処理によっても除去される。
【0017】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質または部分ペプチドの
アミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カル
ボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化し
て保護した後、アミノ基側にペプチド(タンパク質)鎖
を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端の
α−アミノ基の保護基のみを除いたタンパク質または部
分ペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除
去したタンパク質または部分ペプチドとを製造し、これ
らのタンパク質またはペプチドを上記したような混合溶
媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同
様である。縮合により得られた保護タンパク質またはペ
プチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を
除去し、所望の粗タンパク質またはペプチドを得ること
ができる。この粗タンパク質またはペプチドは既知の各
種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥する
ことで所望のタンパク質またはペプチドのアミド体を得
ることができる。タンパク質またはペプチドのエステル
体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−
カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸
エステルとした後、タンパク質またはペプチドのアミド
体と同様にして、所望のタンパク質またはペプチドのエ
ステル体を得ることができる。
【0018】本発明の部分ペプチドまたはその塩は、公
知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明のタン
パク質を適当なペプチダーゼで切断することによって製
造することができる。ペプチドの合成法としては、例え
ば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。
すなわち、本発明の部分ペプチドを構成し得る部分ペプ
チドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物
が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目
的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方法
や保護基の脱離としては、例えば、以下の〜に記載
された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) Schroeder および Luebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, New York (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを精
製単離することができる。上記方法で得られる部分ペプ
チドが遊離体である場合は、公知の方法あるいはそれに
準じる方法によって適当な塩に変換することができる
し、逆に塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれ
に準じる方法によって遊離体または他の塩に変換するこ
とができる。
【0019】本発明のタンパク質をコードするポリヌク
レオチドとしては、上記した本発明のタンパク質をコー
ドする塩基配列(DNAまたはRNA、好ましくはDN
A)を含有するものであればいかなるものであってもよ
い。該ポリヌクレオチドとしては、本発明のタンパク質
をコードするDNA、mRNA等のRNAであり、二本
鎖であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合
は、二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNA
のハイブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖
(すなわち、コード鎖)であっても、アンチセンス鎖
(すなわち、非コード鎖)であってもよい。本発明のタ
ンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、公知
の方法、例えば、実験医学増刊「新PCRとその応用」
15(7)、1997記載の方法またはそれに準じた方
法により、本発明のタンパク質のmRNAを定量するこ
とができる。本発明のタンパク質をコードするDNAと
しては、前述した本発明のタンパク質をコードする塩基
配列を含有するものであればいかなるものであってもよ
い。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、
前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組
織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれで
もよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリ
オファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなど
いずれであってもよい。また、前記した細胞・組織より
totalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用い
て直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain React
ion(以下、RT−PCR法と略称する)によって増幅
することもできる。本発明のタンパク質をコードするD
NAとしては、例えば、配列番号:18で表される塩基
配列を含有するDNA、または配列番号:18で表され
る塩基配列を有するDNAとハイストリンジェントな条
件下でハイブリダイズするDNAを含有し、本発明のタ
ンパク質と実質的に同質の性質を有するタンパク質をコ
ードするDNAであれば何れのものでもよい。
【0020】配列番号:18で表される塩基配列を有す
るDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズできるDNAとしては、例えば、配列番号:18で
表される塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%
以上、さらに好ましくは約90%以上、より好ましくは
約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDN
Aなどが用いられる。ハイブリダイゼーションは、公知
の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラ
ー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sa
mbrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 198
9)に記載の方法などに従って行なうことができる。ま
た、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説
明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好
ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なう
ことができる。ハイストリンジェントな条件とは、例え
ば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約
19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは
約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が
約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。よ
り具体的には、配列番号:19で表されるアミノ酸配列
を含有するタンパク質をコードするDNAとしては、配
列番号:18で表される塩基配列を含有するDNAが、
配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質をコードするDNAとしては、配列番号:2で表さ
れる塩基配列を含有するDNAが、配列番号:14で表
されるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードする
DNAとしては、配列番号:13で表される塩基配列を
含有するDNAなどが、配列番号:24で表されるアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAとし
ては、配列番号:25で表される塩基配列を含有するD
NAが用いられる。
【0021】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、前記した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するDNAであればいかなるものであっ
てもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラ
リー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細
胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのい
ずれでもよい。本発明の部分ペプチドをコードするDN
Aとしては、例えば、配列番号:18で表される塩基配
列を含有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、ま
たは配列番号:18で表される塩基配列を含有するDN
Aとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
るDNAを有し、本発明のタンパク質と実質的に同質の
活性を有するタンパク質をコードするDNAの部分塩基
配列を有するDNAなどが用いられる。配列番号:18
で表される塩基配列を有するDNAとハイストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、
例えば配列番号:18で表される塩基配列と約70%以
上、好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90
0%以上、より好ましくは約95%以上の相同性を有す
る塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。ハイブ
リダイゼーションの方法およびハイストリンジェントな
条件は前記と同様のものが用いられる。
【0022】本発明のタンパク質または本発明の部分ペ
プチド(以下、これらをコードするDNAのクローニン
グおよび発現の説明においては、これらを単に本発明の
タンパク質と略記する場合がある)を完全にコードする
DNAのクローニングの手段としては、本発明のタンパ
ク質をコードする塩基配列の一部分を有する合成DNA
プライマーを用いてPCR法によって増幅するか、また
は適当なベクターに組み込んだDNAを本発明のタンパ
ク質の一部または全領域をコードするDNA断片もしく
は合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼ
ーションによって選別することができる。ハイブリダイ
ゼーションの方法は、例えば、モレキュラー・クローニ
ング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et a
l., ColdSpring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方
法などに従って行なうことができる。また、市販のライ
ブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方
法に従って行なうことができる。DNAの塩基配列の変
換は、PCRや公知のキット、例えば、MutanTM
super Express Km(宝酒造(株))、M
utanTM−K(宝酒造(株))などを用いて、ODA
−LA PCR法、Gapped duplex法、Ku
nkel法などの公知の方法あるいはそれらに準じる方
法に従って行なうことができる。クローン化されたタン
パク質をコードするDNAは目的によりそのまま、また
は所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加し
て使用することができる。該DNAはその5’末端側に
翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側
には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTA
Gを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳
終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付
加することもできる。本発明のタンパク質の発現ベクタ
ーは、例えば、(イ)本発明のタンパク質をコードする
DNAから目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該
DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下
流に連結することにより製造することができる。
【0023】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TK
プロモーターなどが挙げられる。これらのうち、CMV
(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRαプロモ
ーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、
lppプロモーター、T7プロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、S
PO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主
が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプ
ロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター
などが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘ
ドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好まし
い。
【0024】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含
まない培地によっても選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のタンパク質
のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である
場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル
配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−ア
ミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列
などが、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配
列、SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞であ
る場合には、インシュリン・シグナル配列、α−インタ
ーフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列な
どがそれぞれ利用できる。このようにして構築された本
発明のタンパク質をコードするDNAを含有するベクタ
ーを用いて、形質転換体を製造することができる。
【0025】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K1
2・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,1
60(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッ
ズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,3
09(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モ
レキュラー・バイオロジー(Journal of MolecularBiol
ogy),120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・
サブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジー
ン,24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャ
ーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Bioch
emistry),95巻,87(1984)〕などが用いられ
る。酵母としては、例えば、サッカロマイセス・セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
-,NA87−11A,DKD−5D,20B−1
2、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピ
キア・パストリス(Pichia pastoris)KM71などが
用いられる。
【0026】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In V
ivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以
下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細
胞、H9c2細胞などが用いられる。エシェリヒア属菌
を形質転換するには、例えば、プロシージングズ・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ
・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA),69巻,2110(1972)、ジーン(Gen
e),17巻,107(1982)などに記載の方法に従
って行なうことができる。
【0027】バチルス属菌を形質転換するには、例え
ば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッ
クス(Molecular & General Genetics),168巻,
111(1979)などに記載の方法に従って行なうこと
ができる。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ
・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y),194巻,182−187(1991)、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(1978)
などに記載の方法に従って行なうことができる。昆虫細
胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テ
クノロジー(Bio/Technology), 6, 47-55(1988)など
に記載の方法に従って行なうことができる。動物細胞を
形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8 新細胞工
学実験プロトコール.263−267(1995)(秀
潤社発行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,45
6(1973)に記載の方法に従って行なうことができ
る。このようにして、タンパク質をコードするDNAを
含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体を得
ることができる。宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属
菌である形質転換体を培養する際、培養に使用される培
地としては液体培地が適当であり、その中には該形質転
換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含
有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコー
ス、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源と
しては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーン
スチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大
豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無
機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素
ナトリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。ま
た、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加
してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0028】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4505
(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地
〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),8
1巻,5330(1984)〕が挙げられる。培地のp
Hは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約2
0℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて
通気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞または昆虫である
形質転換体を培養する際、培地としては、Grace’s Ins
ect Medium(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature), 19
5, 788(1962))に非動化した10%ウシ血清等の添加物
を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは約
6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約
27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌
を加える。宿主が動物細胞である形質転換体を培養する
際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清
を含むMEM培地〔サイエンス(Science),122
巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー
(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI
1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メ
ディカル・アソシエーション(The Journal of the Ame
rican Medical Association)199巻,519(196
7)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサ
イエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン
(Proceeding ofthe Society for the Biological Medi
cine),73巻,1(1950)〕などが用いられる。p
Hは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃
〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気
や撹拌を加える。以上のようにして、形質転換体の細胞
質内または細胞外に本発明のタンパク質を生成せしめる
ことができる。
【0029】上記培養物から本発明のタンパク質を分離
精製するには、例えば、下記の方法により行なうことが
できる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞か
ら抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体ある
いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
タンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられ
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのタンパク
質変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が
含まれていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌され
る場合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは細
胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにして得
られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれるタンパク
質の精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて
行なうことができる。これらの公知の分離、精製法とし
ては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、
透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の
差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなど
の荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグ
ラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速
液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方
法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法
などが用いられる。
【0030】このようにして得られるタンパク質が遊離
体で得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じ
る方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得ら
れた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法によ
り、遊離体または他の塩に変換することができる。な
お、組換え体が産生するタンパク質を、精製前または精
製後に適当なタンパク質修飾酵素を作用させることによ
り、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除
去することもできる。タンパク質修飾酵素としては、例
えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンド
ペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼな
どが用いられる。このようにして生成する本発明のタン
パク質の存在は、特異抗体を用いたエンザイムイムノア
ッセイやウエスタンブロッティングなどにより測定する
ことができる。
【0031】本発明で用いられるタンパク質もしくは部
分ペプチドまたはその塩に対する抗体は、本発明で用い
られるタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩を
認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノク
ローナル抗体の何れであってもよい。本発明のタンパク
質もしくは部分ペプチドまたはその塩(以下、抗体の説
明においては、これらを単に本発明のタンパク質と略記
する場合がある)に対する抗体は、本発明のタンパク質
を抗原として用い、公知の抗体または抗血清の製造法に
従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質は、温血動物に対して投与により抗
体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と
ともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に
1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血
動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げら
れるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モ
ノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免
疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められ
た個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリン
パ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種ま
たは異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することが
できる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標
識化タンパク質と抗血清とを反応させたのち、抗体に結
合した標識剤の活性を測定することにより行なうことが
できる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミ
ルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1
975)〕に従い実施することができる。融合促進剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセン
ダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが
用いられる。
【0032】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞が挙げられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を
直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイク
ロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に
放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体
(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス
免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインA
を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する
方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着
させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性
物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げら
れる。モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれ
に準じる方法に従って行なうことができる。通常HAT
(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加
した動物細胞用培地で行なうことができる。選別および
育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるもの
ならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜2
0%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRP
MI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むG
IT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドー
マ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0033】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例え
ば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコ
ール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体
(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過
法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテ
インGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合
を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なう
ことができる。
【0034】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
従って製造することができる。例えば、免疫抗原(本発
明のタンパク質等の抗原)とキャリアータンパク質との
複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と
同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明
のタンパク質に対する抗体含有物を採取して、抗体の分
離精製を行なうことにより製造することができる。温血
動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー
タンパク質との複合体に関し、キャリアータンパク質の
種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリ
アーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率
良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させ
てもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサイロ
グロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対
し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプ
ルさせる方法が用いられる。また、ハプテンとキャリア
ーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることができ
るが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミ
ド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有
する活性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物は、
温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あ
るいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して
抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバント
や不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投
与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程
度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免
疫された温血動物の血液、腹水など、好ましくは血液か
ら採取することができる。抗血清中のポリクローナル抗
体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様に
して測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上
記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブ
リンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0035】本発明のタンパク質または部分ペプチドを
コードするDNA(以下、アンチセンスヌクレオチドの
説明においては、これらのDNAを本発明のDNAと略
記する)に相補的な、または実質的に相補的な塩基配列
またはその一部を有するアンチセンスヌクレオチドとし
ては、本発明のDNAに相補的な、または実質的に相補
的な塩基配列またはその一部を有し、該DNAの発現を
抑制し得る作用を有するものであれば、いずれのアンチ
センスヌクレオチドであってもよいが、アンチセンスD
NAが好ましい。本発明のDNAに実質的に相補的な塩
基配列とは、例えば、本発明のDNAに相補的な塩基配
列(すなわち、本発明のDNAの相補鎖)の全塩基配列
または部分塩基配列と約70%以上、好ましくは約80
%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは
約95%以上の相同性を有する塩基配列などが挙げられ
る。特に、本発明のDNAの相補鎖の全塩基配列うち、
本発明のタンパク質のN末端部位をコードする部分の塩
基配列(例えば、開始コドン付近の塩基配列など)の相
補鎖と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好
ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の
相同性を有するアンチセンスヌクレオチドが好適であ
る。アンチセンスヌクレオチドは通常、10〜40個程
度、好ましくは15〜30個程度の塩基から構成され
る。ヌクレアーゼなどの加水分解酵素による分解を防ぐ
ために、アンチセンスヌクレオチドを構成する各ヌクレ
オチドのリン酸残基(ホスフェート)は、例えば、ホス
ホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホロジチオ
ネートなどの化学修飾リン酸残基に置換されていてもよ
い。これらのアンチセンスヌクレオチドは、公知のDN
A合成装置などを用いて製造することができる。本発明
に従えば、本発明のタンパク質遺伝子の複製または発現
を阻害することのできるアンチセンス・ポリヌクレオチ
ド(核酸)を、クローン化した、あるいは決定されたタ
ンパク質をコードするDNAの塩基配列情報に基づき設
計し、合成しうる。このようなポリヌクレオチド(核
酸)は、本発明のタンパク質遺伝子のRNAとハイブリ
ダイズすることができ、該RNAの合成または機能を阻
害することができるか、あるいは本発明のタンパク質関
連RNAとの相互作用を介して本発明のタンパク質遺伝
子の発現を調節・制御することができる。本発明のタン
パク質関連RNAの選択された配列に相補的なポリヌク
レオチド、および本発明のタンパク質関連RNAと特異
的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチド
は、生体内および生体外で本発明のタンパク質遺伝子の
発現を調節・制御するのに有用であり、また病気などの
治療または診断に有用である。用語「対応する」とは、
遺伝子を含めたヌクレオチド、塩基配列または核酸の特
定の配列に相同性を有するあるいは相補的であることを
意味する。ヌクレオチド、塩基配列または核酸とペプチ
ド(タンパク質)との間で「対応する」とは、ヌクレオ
チド(核酸)の配列またはその相補体から誘導される指
令にあるペプチド(タンパク質)のアミノ酸を通常指し
ている。タンパク質遺伝子の5’端ヘアピンループ、
5’端6−ベースペア・リピート、5’端非翻訳領域、
ポリペプチド翻訳開始コドン、タンパク質コード領域、
ORF翻訳終止コドン、3’端非翻訳領域、3’端パリ
ンドローム領域、および3’端ヘアピンループは好まし
い対象領域として選択しうるが、タンパク質遺伝子内の
如何なる領域も対象として選択しうる。目的核酸と、対
象領域の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチドと
の関係は、対象物とハイブリダイズすることができるポ
リヌクレオチドとの関係は、「アンチセンス」であると
いうことができる。アンチセンス・ポリヌクレオチド
は、2−デオキシ−D−リボースを含有しているポリヌ
クレオチド、D−リボースを含有しているポリヌクレオ
チド、プリンまたはピリミジン塩基のN−グリコシドで
あるその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌ
クレオチド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市
販のタンパク質核酸および合成配列特異的な核酸ポリマ
ー)または特殊な結合を含有するその他のポリマー(但
し、該ポリマーはDNAやRNA中に見出されるような
塩基のペアリングや塩基の付着を許容する配置をもつヌ
クレオチドを含有する)などが挙げられる。それらは、
二本鎖DNA、一本鎖DNA、二本鎖RNA、一本鎖R
NA、さらにDNA:RNAハイブリッドであることが
でき、さらに非修飾ポリヌクレオチド(または非修飾オ
リゴヌクレオチド)、さらには公知の修飾の付加された
もの、例えば当該分野で知られた標識のあるもの、キャ
ップの付いたもの、メチル化されたもの、1個以上の天
然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、分子内ヌク
レオチド修飾のされたもの、例えば非荷電結合(例え
ば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホ
ルアミデート、カルバメートなど)を持つもの、電荷を
有する結合または硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオ
エート、ホスホロジチオエートなど)を持つもの、例え
ばタンパク質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビ
ター、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−
リジンなど)や糖(例えば、モノサッカライドなど)な
どの側鎖基を有しているもの、インターカレント化合物
(例えば、アクリジン、ソラレンなど)を持つもの、キ
レート化合物(例えば、金属、放射活性をもつ金属、ホ
ウ素、酸化性の金属など)を含有するもの、アルキル化
剤を含有するもの、修飾された結合を持つもの(例え
ば、αアノマー型の核酸など)であってもよい。ここで
「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」および「核酸」と
は、プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみでな
く、修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなもの
を含んでいて良い。こうした修飾物は、メチル化された
プリンおよびピリミジン、アシル化されたプリンおよび
ピリミジン、あるいはその他の複素環を含むものであっ
てよい。修飾されたヌクレオチドおよび修飾されたヌク
レオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、例えば、
1個以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換
されていたり、あるいはエーテル、アミンなどの官能基
に変換されていてよい。本発明のアンチセンス・ポリヌ
クレオチド(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾
された核酸(RNA、DNA)である。修飾された核酸
の具体例としては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート
誘導体、そしてポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレ
オシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、そ
れに限定されるものではない。本発明のアンチセンス核
酸は次のような方針で好ましく設計されうる。すなわ
ち、細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにす
る、アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、目標
とするセンス鎖に対する親和性をより大きなものにす
る、そしてもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性
をより小さなものにする。こうして修飾は当該分野で数
多く知られており、例えば J. Kawakami et al.,Pharm
Tech Japan, Vol. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395,
1992; S. T. Crooke et al. ed., Antisense Research
and Applications, CRC Press, 1993 などに開示があ
る。本発明のアンチセンス核酸は、変化せしめられた
り、修飾された糖、塩基、結合を含有していて良く、リ
ポゾーム、ミクロスフェアのような特殊な形態で供与さ
れたり、遺伝子治療により適用されたり、付加された形
態で与えられることができうる。こうして付加形態で用
いられるものとしては、リン酸基骨格の電荷を中和する
ように働くポリリジンのようなポリカチオン体、細胞膜
との相互作用を高めたり、核酸の取込みを増大せしめる
ような脂質(例えば、ホスホリピド、コレステロールな
ど)といった粗水性のものが挙げられる。付加するに好
ましい脂質としては、コレステロールやその誘導体(例
えば、コレステリルクロロホルメート、コール酸など)
が挙げられる。こうしたものは、核酸の3’端あるいは
5’端に付着させることができ、塩基、糖、分子内ヌク
レオシド結合を介して付着させることができうる。その
他の基としては、核酸の3’端あるいは5’端に特異的
に配置されたキャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、
RNaseなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するた
めのものが挙げられる。こうしたキャップ用の基として
は、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ルなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られた
水酸基の保護基が挙げられるが、それに限定されるもの
ではない。アンチセンス核酸の阻害活性は、本発明の形
質転換体、本発明の生体内や生体外の遺伝子発現系、あ
るいは本発明のタンパク質の生体内や生体外の翻訳系を
用いて調べることができる。該核酸は公知の各種の方法
で細胞に適用できる。
【0036】以下に、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩(以下、本発明のタンパク質と略
記する場合がある)、本発明のタンパク質または部分ペ
プチドをコードするDNA(以下、本発明のDNAと略
記する場合がある)、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩に対する抗体(以下、本発明の抗
体と略記する場合がある)、および本発明のDNAのア
ンチセンスヌクレオチド(以下、本発明のアンチセンス
ヌクレオチドと略記する場合がある)の用途を説明す
る。
【0037】本発明のタンパク質は心筋梗塞後の心不全
移行期(心不全急性期)の心臓に発現が上昇するので、
疾患マーカーとして利用することができる。すなわち、
心機能の低下を特徴とする疾病(例、心筋梗塞後の心不
全;狭心症;心筋症;狭心症、心筋症などの疾患に由来
する心不全などの心疾患など)の早期診断、症状の重症
度の判定、疾患進行の予測のためのマーカーとして有用
である。本発明のタンパク質をコードする遺伝子のアン
チセンスヌクレオチド、本発明のタンパク質の活性を調
節する化合物もしくはその塩または本発明のタンパク質
に対する抗体を含有する医薬は、例えば、心機能の低下
を特徴とする疾病(例、心筋梗塞後の心不全;狭心症;
心筋症;狭心症、心筋症などの疾患に由来する心不全な
どの心疾患など)などの治療・予防剤として有用であ
る。
【0038】〔1〕疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング 本発明のタンパク質は心筋梗塞後の心機能低下とともに
(心不全急性期)発現が増加するので、本発明のタンパ
ク質の活性を調節する化合物またはその塩は、例えば、
心機能の低下を特徴とする疾病(例、心筋梗塞後の心不
全;狭心症;心筋症;狭心症、心筋症などの疾患に由来
する心不全などの心疾患など)などの治療・予防薬とし
て使用できる。したがって、本発明のタンパク質は、本
発明のタンパク質の活性を調節する化合物またはその塩
のスクリーニングのための試薬として有用である。すな
わち、本発明は、(1)本発明のタンパク質を用いるこ
とを特徴とする本発明のタンパク質の活性を調節する化
合物またはその塩のスクリーニング方法、および(2)
本発明のタンパク質をコードするDNAを用いることを
特徴とする本発明のタンパク質遺伝子の発現を調節する
化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
具体的には、例えば(3)(i)本発明のタンパク質を産
生する能力を有する細胞を、好ましくは低酸素条件下で
伸展刺激を加えた場合と(ii)本発明のタンパク質を産
生する能力を有する細胞と試験化合物の混合物とを、好
ましくは低酸素条件下で伸展刺激を加えた場合との比較
を行うことを特徴とする本発明のタンパク質の活性を調
節する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供
する。より具体的には、上記スクリーニング方法におい
ては、例えば、(i)と(ii)の場合における、本発明
のタンパク質の細胞保護作用、本発明のタンパク質量、
本発明のタンパク質の遺伝子発現量(例えば、mRNA
量)などを指標として本発明のタンパク質の発現量を測
定して、比較することを特徴とするものである。ここ
で、上記低酸素条件下とは例えば20%O2以下の酸素
濃度で例えば2%(ネイチャー、第394巻、485−
490頁、1998年)の条件を意味する。また、伸展
刺激とは心筋細胞を伸展可能なシリコン膜上に培養し、
シリコン膜を引っ張ることで機械的負荷を加える刺激で
ある(J.B.C.、第271巻、33592−335
97頁、1996年、サーキュレーション、第89巻、
2204−2211頁、1994年、J.B.C.、第
271巻、3221−3228頁、1996年)。さら
には、(4)(iii)本発明のタンパク質を産生する能
力を有する細胞あるいは本発明のタンパク質をコードす
るcDNAを導入した細胞を、例えば致死的な条件下で
培養を行った場合(具体例としては、血清除去下あるい
は心筋細胞に比較的毒性の強いアドリアマイシンなどの
抗癌剤を加えて培養した場合)と(iv)本発明のタンパ
ク質を産生する能力を有する細胞あるいは本発明のタン
パク質をコードするcDNAを導入した細胞と試験化合
物の混合物を、例えば致死的な条件下で培養を行った場
合(具体例としては、血清除去下あるいは心筋細胞に比
較的毒性の強いアドリアマイシンなどの抗癌剤を加えて
培養した場合)との比較を行うことを特徴とする本発明
のタンパク質の活性を調節する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。上記スクリーニング方法
においては、例えば、(iii)と(iv)の場合における、
本発明のタンパク質の細胞保護作用、本発明のタンパク
質量、本発明のタンパク質の遺伝子発現量(例えば、m
RNA量)などを指標として本発明のタンパク質の発現
量を公知の方法などで測定して、比較する。細胞保護作
用は、心筋細胞の活性化あるいは生存率によって示すこ
とができる。具体的には一般によく用いられる呼吸活性
を測定することができるMTT法(3-(4,5-Dimethyl-2-
thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazolium)やトリパン
ブルー染色法あるいはTUNNEL染色法(Terminal d
eoxytransferase-mediated dUTP-X nick end labeling,
セル、第97巻、189頁−198頁、1999年)で
測定することができる。遺伝子発現量は、公知の方法、
例えば、ノーザンブロッティングやReverse transcript
ion-polymerase chain reaction(RT−PCR)、リ
アルタイムPCR解析システム(ABI社製、TaqMan p
olymerase chain reaction)などの方法あるいはそれに
準じる方法にしたがって測定することができる。さら
に、本発明は、(5)本発明のタンパク質をコードする
遺伝子のプロモーターを用いるレポーター・ジーン・ア
ッセイにおいて、レポーター・ジーンの酵素活性を測定
することを特徴とする、本発明のタンパク質の活性を調
節する化合物またはその塩のスクリーニング法も提供す
る。これは、本発明のタンパク質の発現量および活性化
に依存してレポーター・ジーンの酵素活性が上昇するこ
とを利用するものである。具体的には、初代心筋細胞、
H9c2細胞株(ATCC No.CRL−1446)
または本発明のタンパク質をコードする遺伝子を導入し
た初代心筋細胞もしくはH9c2細胞株などを宿主細胞
としてレポーター・ジーン・アッセイを行う。レポータ
ー・ジーン・アッセイは、例えば、本発明のタンパク質
をコードする遺伝子のプロモーター領域の下流にレポー
ター・ジーン(例、βガラクトシダーゼ、クロラムフェ
ニコールアセチルトランスフェラーゼ、ルシフェラーゼ
など)を連結させたプラスミドを構築し、該プラスミド
を心筋細胞等に公知の方法により導入した細胞を用いて
行う。該プラスミドの構築、プラスミドの導入などは、
公知の方法、例えば、上記の本発明のタンパク質をコー
ドするDNAを含有する組み換えベクター、および該組
み換えベクターで形質転換された形質転換体の製造方法
と同様の方法に従って行うことができる。具体例として
は、(v)本発明のタンパク質をコードする遺伝子のプ
ロモーター領域の下流にレポーター・ジーンを連結させ
たプラスミドを導入した細胞を培養させた場合と、(v
i)本発明のタンパク質をコードする遺伝子のプロモー
ター領域の下流にレポーター・ジーンを連結させたプラ
スミドを導入した細胞を、試験化合物存在下、培養させ
た場合との、レポーター・ジーンの酵素活性の比較を行
うことを特徴とする本発明のタンパク質の活性を調節す
る化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供す
る。レポーター・ジーンの酵素活性は公知の方法に従っ
て測定する。該スクリーニング方法によって得られる化
合物またはその塩は、本発明のタンパク質をコードする
DNA(遺伝子)の発現量および活性化に影響を与える
物質であることから、該スクリーニング方法によって本
発明のタンパク質の活性を促進する化合物および本発明
のタンパク質の活性を阻害する化合物のいずれをも選択
することができる。試験化合物としては、例えば、ペプ
チド、タンパク、生体由来非ペプチド性化合物(糖質、
脂質など)、合成化合物、微生物培養物、細胞抽出液、
植物抽出液、動物組織抽出液などが挙げられ、これら化
合物は新規化合物であってもよいし、公知の化合物であ
ってもよい。上記のスクリーニング方法を実施するに
は、本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞を
スクリーニングに適した培地を用いて培養する。培地
は、本発明のタンパク質の遺伝子発現に影響を与えない
ものであればいずれでもよい。本発明のタンパク質を産
生する能力を有する細胞としては、例えば、本来本発明
のタンパク質を産生する能力を有する初代心筋細胞ある
いは前述した本発明のタンパク質をコードするDNAを
含有するベクターで形質転換された宿主(形質転換体)
が用いられる。宿主としては、例えば、H9c2細胞
(ATCC No.CRL−1446)などの動物細胞
が好ましく用いられる。該スクリーニングには、例え
ば、前述の方法で培養することによって、本発明のタン
パク質を細胞質内に発現させた形質転換体が好ましく用
いられる。例えば、上記(ii)の場合における遺伝子発
現量を、上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好
ましくは30%以上、より好ましくは約50%以上阻害
または促進する試験化合物を、本発明のタンパク質の活
性を阻害または促進する化合物として選択することがで
きる。選択された阻害薬は、本発明のDNAの発現促進
が認められる心不全急性期および心不全末期(心不全非
代償期)に投与することにより心機能回復効果が期待で
きる。また促進薬は発現低下が認められる心不全慢性期
(心不全代償期)に投与することにより過剰な代償機序
を抑制し、心筋細胞を保護することによる心保護効果
(heart protective effect)が期待できる。
【0039】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明で用いられるタンパク質もしくは部分ペプチドまたは
その塩、または本発明で用いられるタンパク質もしくは
部分ペプチドを産生する能力を有する細胞を含有するも
のである。
【0040】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパク
質、生体由来非ペプチド性化合物(例、糖質、脂質な
ど)、合成化合物、微生物培養物、発酵生産物、細胞抽
出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから選ば
れた化合物またはその塩であり、本発明のタンパク質の
活性(例、心機能低下促進活性など)を調節(促進また
は阻害)する化合物またはその塩である。該化合物の塩
としては、前記した本発明のタンパク質の塩と同様のも
のが用いられる。本発明のタンパク質の活性を調節(促
進または阻害)する化合物またはその塩は、例えば、心
機能の低下を特徴とする疾病(例、心筋梗塞後の心不
全;狭心症;心筋症;狭心症、心筋症などの疾患に由来
する心不全などの心疾患など)などの治療・予防剤など
の医薬として有用である。
【0041】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の治療・予防剤として使用する場合、常套手段に
従って製剤化することができる。例えば、錠剤、カプセ
ル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶
液、懸濁液剤などとすることができる。このようにして
得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒト
またはその他の温血動物(例えば、マウス、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、
サル、チンパンジーなど)に対して経口的にまたは非経
口的に投与することができる。該化合物またはその塩の
投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルート
などにより差異はあるが、例えば、心不全治療の目的で
本発明のタンパク質の活性を調節する化合物またはその
塩を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kgと
して)においては、一日につき該化合物またはその塩を
約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経
口的に投与する場合は、該化合物またはその塩の1回投
与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例
えば、心不全治療の目的で本発明のタンパク質の活性を
調節する化合物またはその塩を注射剤の形で通常成人
(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化合
物またはその塩を約0.01〜30mg程度、好ましく
は約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜
10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ
る。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を
投与することができる。
【0042】〔2〕本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはその塩の定量 本発明のタンパク質に対する抗体(以下、本発明の抗体
と略記する場合がある)は、本発明のタンパク質を特異
的に認識することができるので、被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定
量などに使用することができる。すなわち、本発明は、
(i)本発明の抗体と、被検液および標識化された本発
明のタンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に結合し
た標識化された本発明のタンパク質の割合を測定するこ
とを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質の定量
法、および(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の
抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時ある
いは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の
活性を測定することを特徴とする被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量法を提供する。上記(ii)の定量法にお
いては、一方の抗体が本発明のタンパク質のN端部を認
識する抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質のC端
部に反応する抗体であることが望ましい。
【0043】また、本発明のタンパク質に対するモノク
ローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称
する場合がある)を用いて本発明のタンパク質の定量を
行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこともで
きる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いても
よく、また、抗体分子のF(ab’)2、Fab’、ある
いはFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる
本発明のタンパク質の定量法は、特に制限されるべきも
のではなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパク質
量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の
量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知
量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算
出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよ
い。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリッ
ク法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるの
が特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる
標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光
物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素とし
ては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14
C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活
性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダ
ーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用い
られる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミ
ン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられ
る。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノー
ル誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられ
る。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオ
チン−アビジン系を用いることもできる。
【0044】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキス
トラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ある
いはガラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては
不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応
させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のタンパク質量を定量することができる。1次反
応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行な
ってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤
および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができ
る。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、
固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ず
しも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等
の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本
発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質の測定
法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明
のモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質の結合す
る部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわ
ち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例え
ば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のタンパク質
のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体
は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗
体が用いられる。
【0045】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、お
よび、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるい
は、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相
化抗体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリ
ック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の
標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離
するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗
体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化
抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。
次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量
を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるい
は溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の
量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の
沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用す
るレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0046】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質の測定系を構築すればよい。これらの一
般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参
照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイム
ノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編
「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、同書 Vol. 73(Immunochemi
calTechniques(Part B))、同書 Vol. 74(Immunochemica
l Techniques(Part C))、同書 Vol. 84(Immunochemical
Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、同書 V
ol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Monoclonal
Antibodies andGeneral Immunoassay Methods))、同書
Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part I:Hybrido
ma Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、ア
カデミックプレス社発行)などを参照することができ
る。以上のようにして、本発明の抗体を用いることによ
って、本発明のタンパク質を感度良く定量することがで
きる。さらには、本発明の抗体を用いて本発明のタンパ
ク質の濃度を定量することによって、(1)本発明のタ
ンパク質の濃度の増加が検出された場合、例えば、心機
能の低下を特徴とする疾病(例、心筋梗塞後の心不全;
狭心症;心筋症;狭心症、心筋症などの疾患に由来する
心不全などの心疾患など)である、または将来罹患する
可能性が高いと診断することができる。また、本発明の
抗体は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明の
タンパク質を検出するために使用することができる。ま
た、本発明のタンパク質を精製するために使用する抗体
カラムの作製、精製時の各分画中の本発明のタンパク質
の検出、被検細胞内における本発明のタンパク質の挙動
の分析などのために使用することができる。
【0047】〔3〕遺伝子診断剤 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、ヒトまたはその他の温血動物(例えば、ラッ
ト、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーな
ど)における本発明のタンパク質またはその部分ペプチ
ドをコードするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異
常)を検出することができるので、例えば、該DNAま
たはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該
DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多などの遺
伝子診断剤として有用である。本発明のDNAを用いる
上記の遺伝子診断は、例えば、公知のノーザンハイブリ
ダイゼーションやPCR−SSCP法(ゲノミックス
(Genomics),第5巻,874〜879頁(1989
年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー
(Proceedings of theNational Academy of Sciences o
f the United States of America),第86巻,276
6〜2770頁(1989年))などにより実施するこ
とができる。例えば、ノーザンハイブリダイゼーション
により発現過多が検出された場合やPCR−SSCP法
によりDNAの突然変異が検出された場合は、例えば、
心機能低下を伴う心疾患などの疾病である可能性が高い
と診断することができる。
【0048】〔4〕アンチセンスヌクレオチドを含有す
る医薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができる本発明のアンチセンスヌクレオチド
は低毒性であり、生体内における本発明のタンパク質ま
たは本発明のDNAの機能・活性(心機能低下促進活性
など)を調節(阻害)することができるので、例えば、
心機能の低下を特徴とする疾病(例、心筋梗塞後の心不
全;狭心症;心筋症;狭心症、心筋症などの疾患に由来
する心不全などの心疾患など)などの治療・予防剤とし
て使用することができる。上記アンチセンスヌクレオチ
ドを上記の治療・予防剤として使用する場合、公知の方
法に従って製剤化し、投与することができる。例えば、
該アンチセンスヌクレオチドを用いる場合、該アンチセ
ンスヌクレオチドを単独あるいはレトロウイルスベクタ
ー、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエ
ーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入
した後、常套手段に従って、ヒトまたはその他の温血動
物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、
ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーな
ど)に対して経口的または非経口的に投与することがで
きる。該アンチセンスヌクレオチドは、そのままで、あ
るいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認めら
れる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカ
テーテルのようなカテーテルによって投与できる。該ア
ンチセンスヌクレオチドの投与量は、対象疾患、投与対
象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、心不
全の治療の目的で本発明のアンチセンスヌクレオチドを
経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg)にお
いては、一日につき該アンチセンスヌクレオチドを約
0.1〜100mg投与する。さらに、該アンチセンス
ヌクレオチドは、組織や細胞における本発明のDNAの
存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレ
オチドプローブとして使用することもできる。本発明
は、さらに 本発明のタンパク質をコードするRNAの一部を含有
する二重鎖RNA、 前記二重鎖RNAを含有してなる医薬、 本発明のタンパク質をコードするRNAの一部を含有
するリボザイム、 前記リボザイムを含有してなる医薬を提供する。 これらの二重鎖RNA、リボザイムなどは、上記アンチ
センスポリヌクレオチドと同様に、本発明のポリヌクレ
オチド(例、DNA)の発現を抑制することができ、生
体内における本発明のペプチドまたは本発明のポリヌク
レオチド(例、DNA)の活性や機能(例、心機能低下
促進活性など)を調節(阻害)することができるので、
例えば、心機能の低下を特徴とする疾病(例、心筋梗塞
後の心不全;狭心症;心筋症;狭心症、心筋症などの疾
患に由来する心不全などの心疾患など)などの治療・予
防剤として使用することができる。二重鎖RNAは、公
知の方法(例、Nature, 411巻, 494頁, 2001年)に準じ
て、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製
造することができる。リボザイムは、公知の方法(例、
TRENDS in Molecular Medicine, 7巻, 221頁, 2001年)
に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計
して製造することができる。例えば、本発明のペプチド
をコードするRNAの一部に公知のリボザイムを連結す
ることによって製造することができる。本発明のペプチ
ドをコードするRNAの一部としては、公知のリボザイ
ムによって切断され得る本発明のRNA上の切断部位に
近接した部分(RNA断片)が挙げられる。上記の二重
鎖RNAまたはリボザイムを上記予防・治療剤として使
用する場合、アンチセンスポリヌクレオチドと同様にし
て製剤化し、投与することができる。
【0049】〔5〕本発明の抗体を含有する医薬 本発明のタンパク質の活性を中和する作用を有する本発
明の抗体は、心機能の低下を特徴とする疾病(例、心筋
梗塞後の心不全;狭心症;心筋症;狭心症、心筋症など
の疾患に由来する心不全などの心疾患など)などの予防
・治療剤として使用することができる。本発明の抗体を
含有する上記疾病の予防・治療剤は低毒性であり、その
まま液剤として、または適当な剤型の医薬組成物とし
て、ヒトまたはその他の温血動物(例えば、マウス、ラ
ット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネ
コ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して経口的ま
たは非経口的に投与することができる。投与量は、投与
対象、対象疾患、症状、投与ルートなどによっても異な
るが、例えば、成人の心不全の治療・予防のために使用
する場合には、本発明の抗体を1回量として、通常0.
01〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜1
0mg/kg体重程度、さらに好ましくは0.1〜5m
g/kg体重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1
日1〜3回程度、静脈注射により投与するのが好都合で
ある。他の非経口投与および経口投与の場合もこれに準
ずる量を投与することができる。症状が特に重い場合に
は、その症状に応じて増量してもよい。本発明の抗体
は、それ自体または適当な医薬組成物として投与するこ
とができる。上記投与に用いられる医薬組成物は、上記
抗体またはその塩と薬理学的に許容され得る担体、希釈
剤もしくは賦形剤とを含むものである。このような組成
物は、経口または非経口投与に適する剤形として提供さ
れる。すなわち、例えば、経口投与のための組成物とし
ては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣
錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、
散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロッ
プ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。このような組成
物は公知の方法によって製造され、製剤分野において通
常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するも
のである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳
糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウムなどが
用いられる。
【0050】非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤
などの剤形を包含する。このような注射剤は、公知の方
法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射
剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁
または乳化することによって調製する。注射用の水性液
としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補
助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、
例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコー
ル(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、
HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of
hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。上記の経口用または
非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するよ
うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。
このような投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプ
セル剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、そ
れぞれの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とり
わけ注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10
〜250mgの上記抗体が含有されていることが好まし
い。なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により
好ましくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含
有してもよい。
【0051】〔6〕本発明のタンパク質を含有する医薬 本発明の抗体を産生するためのワクチン等として用いら
れる。 〔7〕本発明のDNAを含有する医薬 心不全の遺伝子治療に用いられる。 〔8〕本発明のDNAを有する動物の作出 本発明のDNAを用いて、本発明のタンパク質を発現す
るトランスジェニック動物を作出することができる。動
物としては、哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサ
ギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)など
(以下、動物と略記する場合がある)が挙げられるが、
特に、マウス、ウサギなどが好適である。本発明のDN
Aを対象動物に導入させるにあたっては、該DNAを動
物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合した遺
伝子コンストラクトとして用いるのが一般に有利であ
る。例えば、ウサギ由来の本発明のDNAを導入させる
場合、これと相同性が高い動物由来の本発明のDNAを
動物細胞で発現させうる各種プロモーターの下流に結合
した遺伝子コンストラクトを、例えば、ウサギ受精卵へ
マイクロインジェクションすることによって本発明のタ
ンパク質を高産生するDNA導入動物を作出できる。こ
のプロモーターとしては、例えば、ウイルス由来プロモ
ーター、メタロチオネイン等のユビキアスな発現プロモ
ーターも使用しうるが、好ましくは脳で特異的に発現す
るNGF遺伝子プロモーターやエノラーゼ遺伝子プロモ
ーターなどが用いられる。受精卵細胞段階における本発
明のDNAの導入は、対象動物の胚芽細胞および体細胞
の全てに存在するように確保される。DNA導入後の作
出動物の胚芽細胞において本発明のタンパク質が存在す
ることは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体
細胞の全てに本発明のタンパク質を有することを意味す
る。遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽
細胞および体細胞の全てに本発明のタンパク質を有す
る。本発明のDNA導入動物は、交配により遺伝子を安
定に保持することを確認して、該DNA保有動物として
通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。さら
に、目的DNAを保有する雌雄の動物を交配することに
より、導入遺伝子を相同染色体の両方に持つホモザイゴ
ート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによ
りすべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代する
ことができる。本発明のDNAが導入された動物は、本
発明のタンパク質が高発現させられているので、本発明
のタンパク質に対するアゴニストまたはアンタゴニスト
のスクリーニング用の動物などとして有用である。本発
明のDNA導入動物を、組織培養のための細胞源として
使用することもできる。例えば、本発明のDNA導入マ
ウスの組織中のDNAもしくはRNAを直接分析する
か、あるいは遺伝子により発現された本発明のレセプタ
ータンパク質が存在する組織を分析することにより、本
発明のタンパク質について分析することができる。本発
明のタンパク質を有する組織の細胞を標準組織培養技術
により培養し、これらを使用して、例えば、脳や末梢組
織由来のような一般に培養困難な組織からの細胞の機能
を研究することができる。また、その細胞を用いること
により、例えば、各種組織の機能を高めるような医薬の
選択も可能である。また、高発現細胞株があれば、そこ
から、本発明のタンパク質を単離精製することも可能で
ある。本発明のDNA導入動物に試験化合物を投与し、
該動物の心機能、心電図、心重量などを測定する。心重
量は心肥大のパラメーターである。具体的には体重当た
りの心臓重量、体重当たりの左心室重量、右心室重量当
たりの左心室重量を算出することによって心臓構造を調
べることができる。心肥大が生じると上記パラメーター
は増加するため、この増加を抑制することを指標として
試験化合物を評価することができる。本発明のDNA導
入動物に試験化合物を投与した後、心筋梗塞形成手術を
行い、該動物の心機能、心電図、心重量などを測定す
る。また心筋梗塞手術を行った後、梗塞層を秤量するこ
とによって試験化合物の梗塞進展抑制活性を調べること
ができる。試験化合物の投与は、梗塞形成手術後であっ
てもよい。また該動物と例えばSHRラットなど遺伝的
高血圧モデルラットと交配させ、新しい心不全モデルを
作成することができる。このようにして作成した心不全
モデルに化合物を投与し、該動物の心機能、心電図、心
重量、梗塞進展抑制活性などを調べる。
【0052】
〔9〕ノックアウト動物 本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳
動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物を提供する。すなわち、本発明は、(1)本発明の
DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(2)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来の
β−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不
活性化された上記(1)記載の胚幹細胞、(3)ネオマ
イシン耐性である上記(1)記載の胚幹細胞、(4)非
ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である上記(1)記載の胚幹
細胞、(5)ゲッ歯動物がマウスである上記(4)記載
の胚幹細胞、(6)本発明のDNAが不活性化された該
DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(7)該DNAがレポ
ーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポー
ター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制
御下で発現しうる上記(6)記載の非ヒト哺乳動物、
(8)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である上記(6)記
載の非ヒト哺乳動物、(9)ゲッ歯動物がマウスである
上記(8)記載の非ヒト哺乳動物、および(10)上記
(7)記載の動物に、試験化合物を投与し、レポーター
遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のDN
Aに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合
物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。本発
明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞と
は、該非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAに人為的
に変異を加えることにより、DNAの発現能を抑制する
か、あるいは該DNAがコードしている本発明のタンパ
ク質の活性を実質的に喪失させることにより、DNAが
実質的に本発明のタンパク質の発現能を有さない(以
下、本発明のノックアウトDNAと称することがある)
非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES細胞と略記す
る)をいう。非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のも
のが用いられる。
【0053】本発明のDNAに人為的に変異を加える方
法としては、例えば、遺伝子工学的手法により該DNA
配列の一部又は全部の削除、他DNAを挿入または置換
させることによって行なうことができる。これらの変異
により、例えば、コドンの読み取り枠をずらしたり、プ
ロモーターあるいはエキソンの機能を破壊することによ
り本発明のノックアウトDNAを作製すればよい。
【0054】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細
胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の
具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が
有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネ
オマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を
代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレ
ポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能
を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に
遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、pol
yA付加シグナルなど)を挿入し、完全なmRNAを合
成できなくすることによって、結果的に遺伝子を破壊す
るように構築したDNA配列を有するDNA鎖(以下、
ターゲッティングベクターと略記する)を、例えば相同
組換え法により該動物の染色体に導入し、得られたES
細胞について本発明のDNA上あるいはその近傍のDN
A配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション
解析あるいはターゲッティングベクター上のDNA配列
とターゲッティングベクター作製に使用した本発明のD
NA以外の近傍領域のDNA配列をプライマーとしたP
CR法により解析し、本発明のノックアウトES細胞を
選別することにより得ることができる。また、相同組換
え法等により本発明のDNAを不活化させる元のES細
胞としては、例えば、前述のような既に樹立されたもの
を用いてもよく、また公知のEvansとKaufmanの方法に準
じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マウスのE
S細胞の場合、現在、一般的には129系のES細胞が
使用されているが、免疫学的背景がはっきりしていない
ので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景が明ら
かなES細胞を取得するなどの目的で例えば、C57B
L/6マウスやC57BL/6の採卵数の少なさをDB
A/2との交雑により改善したBDF1マウス(C57
BL/6とDBA/2とのF1)を用いて樹立したもの
なども良好に用いうる。BDF1マウスは、採卵数が多
く、かつ、卵が丈夫であるという利点に加えて、C57
BL/6マウスを背景に持つので、これを用いて得られ
たES細胞は病態モデルマウスを作出したとき、C57
BL/6マウスとバッククロスすることでその遺伝的背
景をC57BL/6マウスに代えることが可能である点
で有利に用い得る。また、ES細胞を樹立する場合、一
般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用するが、これ以
外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いること
により効率よく多数の初期胚を取得することができる。
また、雌雄いずれのES細胞を用いてもよいが、通常雄
のES細胞の方が生殖系列キメラを作出するのに都合が
良い。また、煩雑な培養の手間を削減するためにもでき
るだけ早く雌雄の判別を行なうことが望ましい。ES細
胞の雌雄の判定方法としては、例えば、PCR法により
Y染色体上の性決定領域の遺伝子を増幅、検出する方法
が、その1例としてあげることができる。この方法を使
用すれば、従来、核型分析をするのに約106個の細胞
数を要していたのに対して、1コロニー程度のES細胞
数(約50個)で済むので、培養初期におけるES細胞
の第一次セレクションを雌雄の判別で行なうことが可能
であり、早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培
養初期の手間は大幅に削減できる。また、第二次セレク
ションとしては、例えば、G−バンディング法による染
色体数の確認等により行うことができる。得られるES
細胞の染色体数は正常数の100%が望ましいが、樹立
の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、ES細胞の
遺伝子をノックアウトした後、正常細胞(例えば、マウ
スでは染色体数が2n=40である細胞)に再びクロー
ニングすることが望ましい。
【0055】このようにして得られた胚幹細胞株は、通
常その増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失い
やすいので、注意深く継代培養することが必要である。
例えば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細
胞上でLIF(1−10000U/ml)存在下に炭酸
ガス培養器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気
または5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37
℃で培養するなどの方法で培養し、継代時には、例え
ば、トリプシン/EDTA溶液(通常0.001−0.5
%トリプシン/0.1−5mM EDTA、好ましくは約
0.1%トリプシン/1mM EDTA)処理により単細
胞化し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方
法などがとられる。このような継代は、通常1−3日毎
に行なうが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常
な細胞が見受けられた場合はその培養細胞は放棄するこ
とが望まれる。
【0056】ES細胞は、適当な条件により、高密度に
至るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成するま
で浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋など
の種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり
〔M. J. Evans及びM. H. Kaufman, ネイチャー(Natur
e)第292巻、154頁、1981年;G. R. Martin プロシー
ディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U.
S.A.)第78巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschmanら、
ジャーナル・オブ・エンブリオロジー・アンド・エクス
ペリメンタル・モルフォロジー、第87巻、27頁、1985
年〕、本発明のES細胞を分化させて得られる本発明の
DNA発現不全細胞は、インビトロにおける本発明のタ
ンパク質の細胞生物学的検討において有用である。本発
明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRN
A量を公知の方法を用いて測定して間接的にその発現量
を比較することにより、正常動物と区別することが可能
である。該非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のもの
が用いられる。
【0057】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティン
グベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入
し、導入によりターゲッティングベクターの本発明のD
NAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換えに
より、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の
本発明のDNAと入れ換わる相同組換えをさせることに
より、本発明のDNAをノックアウトさせることができ
る。本発明のDNAがノックアウトされた細胞は、本発
明のDNA上またはその近傍のDNA配列をプローブと
したサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲッ
ティングベクター上のDNA配列と、ターゲッティング
ベクターに使用したマウス由来の本発明のDNA以外の
近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法に
よる解析で判定することができる。非ヒト哺乳動物胚幹
細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換えにより、本発明
のDNAが不活性化された細胞株をクローニングし、そ
の細胞を適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動
物胚または胚盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠
させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作出された
動物は正常な本発明のDNA座をもつ細胞と人為的に変
異した本発明のDNA座をもつ細胞との両者から構成さ
れるキメラ動物である。該キメラ動物の生殖細胞の一部
が変異した本発明のDNA座をもつ場合、このようなキ
メラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体
群より、全ての組織が人為的に変異を加えた本発明のD
NA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コート
カラーの判定等により選別することにより得られる。こ
のようにして得られた個体は、通常、本発明のタンパク
質のヘテロ発現不全個体であり、本発明のタンパク質の
ヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔から本
発明のタンパク質のホモ発現不全個体を得ることができ
る。
【0058】卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞
核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入
することによりターゲッティングベクターを染色体内に
導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ること
ができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に
比べて、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変
異のあるものを選択することにより得られる。このよう
にして本発明のDNAがノックアウトされている個体
は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックア
ウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継
代を行なうことができる。
【0059】さらに、生殖系列の取得および保持につい
ても常法に従えばよい。すなわち、該不活化DNAの保
有する雌雄の動物を交配することにより、該不活化DN
Aを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得
しうる。得られたホモザイゴート動物は、母親動物に対
して、正常個体1,ホモザイゴート複数になるような状
態で飼育することにより効率的に得ることができる。ヘ
テロザイゴート動物の雌雄を交配することにより、該不
活化DNAを有するホモザイゴートおよびヘテロザイゴ
ート動物を繁殖継代する。本発明のDNAが不活性化さ
れた非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明のDNA発現不
全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に有用である。
また、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発
明のタンパク質により誘導され得る種々の生物活性を欠
失するため、本発明のタンパク質の生物活性の不活性化
を原因とする疾病のモデルとなり得るので、これらの疾
病の原因究明及び治療法の検討に有用である。
【0060】〔9a〕本発明のDNAの欠損や損傷など
に起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物
のスクリーニング方法 本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のD
NAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予
防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることが
できる。すなわち、本発明は、本発明のDNA発現不全
非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を
観察・測定することを特徴とする、本発明のDNAの欠
損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を
有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供
する。該スクリーニング方法において用いられる本発明
のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様
のものがあげられる。試験化合物としては、例えば、ペ
プチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合
物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽
出液、血漿などがあげられ、これら化合物は新規な化合
物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。具
体的には、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を、
試験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動
物の各器官、組織、疾病の症状などの変化を指標として
試験化合物の治療・予防効果を試験することができる。
【0061】試験動物を試験化合物で処理する方法とし
ては、例えば、経口投与、静脈注射などが用いられ、試
験動物の症状、試験化合物の性質などにあわせて適宜選
択することができる。また、試験化合物の投与量は、投
与方法、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択する
ことができる。例えば、心機能の低下を特徴とする疾病
(例、心筋梗塞後の心不全;狭心症;心筋症;狭心症、
心筋症などの疾患に由来する心不全などの心疾患など)
に対して予防・治療効果を有する化合物をスクリーニン
グする場合、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に
試験化合物を投与し、該動物の心機能、心電図、心重量
などを測定する。心重量は心肥大のパラメーターであ
る。具体的には体重当たりの心臓重量、体重当たりの左
心室重量、右心室重量当たりの左心室重量を算出するこ
とによって心臓構造を調べることができる。心肥大が生
じると上記パラメーターは増加するため、この増加を抑
制することを指標として試験化合物を評価することがで
きる。本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化
合物を投与した後、心筋梗塞形成手術を行い、該動物の
心機能、心電図、心重量などを測定する。また心筋梗塞
手術を行った後、梗塞層を秤量することによって試験化
合物の梗塞進展抑制活性を調べることができる。試験化
合物の投与は、梗塞形成手術後であってもよい。また該
動物と例えばSHRラットなど遺伝的高血圧モデルラッ
トと交配させ、新しい心不全モデルを作成することがで
きる。このようにして作成した心不全モデルに化合物を
投与し、該動物の心機能、心電図、心重量、梗塞進展抑
制活性などを調べる。
【0062】該スクリーニング方法を用いて得られる化
合物は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であ
り、本発明のタンパク質の欠損や損傷などによって引き
起こされる疾患に対して予防・治療効果を有するので、
該疾患に対する安全で低毒性な予防・治療剤などの医薬
として使用することができる。さらに、上記スクリーニ
ングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用
いることができる。該スクリーニング方法で得られた化
合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩として
は、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸な
ど)や塩基(例、アルカリ金属など)などとの塩が用い
られ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは
有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸など)との塩などが用いられる。
【0063】該スクリーニング方法で得られた化合物ま
たはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のタンパ
ク質を含有する医薬と同様にして製造することができ
る。このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であ
るので、例えば、ヒトまたはその他の哺乳動物(例え
ば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与
することができる。該化合物またはその塩の投与量は、
対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はある
が、例えば、該化合物を経口投与する場合、一般的に成
人(体重60kgとして)の心疾患の患者においては、
一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましく
は約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20
mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の
1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なる
が、例えば、該化合物を注射剤の形で通常成人(60k
gとして)の心疾患の患者に投与する場合、一日につき
該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約
0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10
mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与
することができる。
【0064】〔9b〕本発明のDNAに対するプロモー
ターの活性を促進または阻害する化合物のスクリーニン
グ方法 本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、
試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出す
ることを特徴とする本発明のDNAに対するプロモータ
ーの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。上記スクリーニング方法
において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物とし
ては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入す
ることにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発
明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる
ものが用いられる。試験化合物としては、前記と同様の
ものがあげられる。レポーター遺伝子としては、前記と
同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子
(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子
またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。
【0065】本発明のDNAをレポーター遺伝子で置換
された本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物では、レ
ポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーター
の支配下に存在するので、レポーター遺伝子がコードす
る物質の発現をトレースすることにより、プロモーター
の活性を検出することができる。例えば、本発明のタン
パク質をコードするDNA領域の一部を大腸菌由来のβ
−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)で置換している
場合、本来、本発明のタンパク質の発現する組織で、本
発明のタンパク質の代わりにβ−ガラクトシダーゼが発
現する。従って、例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3
−インドリル−β−ガラクトピラノシド(X−gal)
のようなβ−ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用い
て染色することにより、簡便に本発明のタンパク質の動
物生体内における発現状態を観察することができる。具
体的には、本発明のタンパク質欠損マウスまたはその組
織切片をグルタルアルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝
生理食塩液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色
液で、室温または37℃付近で、約30分ないし1時間
反応させた後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶
液で洗浄することによって、β−ガラクトシダーゼ反応
を停止させ、呈色を観察すればよい。また、常法に従
い、lacZをコードするmRNAを検出してもよい。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物または
その塩は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であ
り、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進ま
たは阻害する化合物である。
【0066】該スクリーニング方法で得られた化合物は
塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理
学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有
機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に
許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、
例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、
硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ
酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、
酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用
いられる。本発明のDNAに対するプロモーター活性を
促進する化合物またはその塩は、本発明のタンパク質の
発現を促進し、該タンパク質の機能を促進することがで
きるので、例えば、心機能の低下を特徴とする疾病
(例、心筋梗塞後の心不全;狭心症;心筋症;狭心症、
心筋症などの疾患に由来する心不全などの心疾患など)
などの予防・治療剤などの医薬として有用である。ま
た、本発明のDNAに対するプロモーター活性を阻害す
る化合物またはその塩は、本発明のタンパク質の発現を
阻害し、該タンパク質の機能を阻害することができるの
で、例えば心機能の低下を特徴とする疾病(例、心筋梗
塞後の心不全;狭心症;心筋症;狭心症、心筋症などの
疾患に由来する心不全などの心疾患など)などの予防・
治療剤などの医薬として有用である。さらに、上記スク
リーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同
様に用いることができる。該スクリーニング方法で得ら
れた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記した本
発明のタンパク質またはその塩を含有する医薬と同様に
して製造することができる。
【0067】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトまたはその他の哺乳動物
(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対し
て投与することができる。該化合物またはその塩の投与
量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異
はあるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモータ
ー活性を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に
成人(体重60kgとして)の心疾患の患者において
は、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ま
しくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜
20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合
物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異
なるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター
活性を促進する化合物を注射剤の形で通常成人(60k
gとして)の心疾患の患者に投与する場合、一日につき
該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約
0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10
mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与
することができる。一方、例えば、本発明のDNAに対
するプロモーター活性を阻害する化合物を経口投与する
場合、一般的に成人(体重60kgとして)の心疾患の
患者においては、一日につき該化合物を約0.1〜10
0mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましく
は約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場
合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患など
によっても異なるが、例えば、本発明のDNAに対する
プロモーター活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常
成人(60kgとして)の心疾患の患者に投与する場
合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、
好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好
都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算
した量を投与することができる。
【0068】このように、本発明のDNA発現不全非ヒ
ト哺乳動物は、本発明のDNAに対するプロモーターの
活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリ
ーニングする上で極めて有用であり、本発明のDNA発
現不全に起因する各種疾患の原因究明または予防・治療
薬の開発に大きく貢献することができる。また、本発明
のタンパク質のプロモーター領域を含有するDNAを使
って、その下流に種々のタンパクをコードする遺伝子を
連結し、これを動物の卵細胞に注入していわゆるトラン
スジェニック動物(遺伝子導入動物)を作成すれば、特
異的にそのポリペプチドを合成させ、その生体での作用
を検討することも可能となる。さらに上記プロモーター
部分に適当なレポーター遺伝子を結合させ、これが発現
するような細胞株を樹立すれば、本発明のタンパク質そ
のものの体内での産生能力を特異的に促進もしくは抑制
する作用を持つ低分子化合物の探索系として使用でき
る。
【0069】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commission
on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該
分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下
記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合
は、特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0070】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2−Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ キシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0071】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のラット由来新規遺伝子(ラッ
ト187−2)でコードされるアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を有するラット187−2をコードするDNAの塩基配
列を示す。 〔配列番号:3〕実施例1で得られたラット187−2
遺伝子断片の塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕実施例1および実施例3で用いられた
プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕実施例1で得られたラット187−2
遺伝子の全塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕実施例1で用いられたプライマーの塩
基配列を示す。 〔配列番号:7〕実施例1および実施例2で用いられた
プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕実施例1、実施例4および実施例5で
用いられたT7プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕実施例1、実施例4および実施例5で
用いられたSP6プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕実施例2で用いられたプライマーの
塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕実施例3で用いられたプライマーの
塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕実施例3で用いられた蛍光プローブ
の塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕実施例4で得られた変異型ラット1
87−2をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:14〕実施例4で得られた本発明のラット
由来新規遺伝子(変異型ラット187−2)でコードさ
れるアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:15〕実施例4で用いられたプライマーの
塩基配列を示す。 〔配列番号:16〕実施例4で用いられたプライマーの
塩基配列を示す。 〔配列番号:17〕実施例4で得られた遺伝子断片の塩
基配列を示す。 〔配列番号:18〕配列番号:19で表されるアミノ酸
配列を有するヒト187−2をコードするDNAの塩基
配列を示す。 〔配列番号:19〕本発明のヒト由来新規遺伝子(ヒト
187−2)でコードされるアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:20〕実施例5および実施例6で用いられ
たプライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:21〕実施例5および実施例6で用いられ
たプライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:22〕実施例5で得られた遺伝子断片の塩
基配列を示す。 〔配列番号:23〕実施例1で用いられたAP1プライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:24〕実施例1で得られた本発明のラット
由来新規遺伝子(ラット187−2)でコードされるア
ミノ酸配列を示す。 〔配列番号:25〕配列番号:24で表されるアミノ酸
配列を有するラット187−2をコードするDNAの塩
基配列を示す。
【0072】後述の実施例1で得られた形質転換体Es
cherichia coli DH5α/pTB21
66は、2000年9月26日より、大阪府大阪市淀川
区十三本町2丁目17番85号(郵便番号532−86
86)の財団法人・発酵研究所(IFO)に受託番号I
FO 16477として、2000年10月19日よ
り、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6
(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術
総合研究所 特許生物寄託センター(旧:通商産業省工
業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH))に受託
番号FERM BP−7328としてそれぞれ寄託され
ている。後述の実施例4で得られた形質転換体Esch
erichia coli DH5α/pTB2167
は、2000年9月26日より、大阪府大阪市淀川区十
三本町2丁目17番85号(郵便番号532−868
6)の財団法人・発酵研究所(IFO)に受託番号IF
O 16478として、2000年10月19日より、
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵
便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合
研究所 特許生物寄託センター(旧:通商産業省工業技
術院生命工学工業技術研究所(NIBH))に受託番号
FERM BP−7329としてそれぞれ寄託されてい
る。後述の実施例5で得られた形質転換体Escher
ichia coli DH5α/pTB2168は、
2000年9月26日より、大阪府大阪市淀川区十三本
町2丁目17番85号(郵便番号532−8686)の
財団法人・発酵研究所(IFO)に受託番号IFO 1
6479として、2000年10月19日より、日本国
茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号
305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所
特許生物寄託センター(旧:通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所(NIBH))に受託番号FER
M BP−7330としてそれぞれ寄託されている。
【0073】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではな
い。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキュ
ラー・クローニング(Molecular cloning), 2nd, J. S
ambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 198
9年に記載されている方法に従った。
【0074】実施例1 (1)心筋梗塞モデルラットの作製 渡邉らの報告(サーキュレーションリサーチ、第69
巻、370−377頁、1991年)に従い雄性ウイス
ターラット(11週齢:体重300−400g)をペン
トバルビタール(50mg/kg,i.p.)で麻酔
し、人工呼吸下で正中に沿って開胸した。心嚢膜を切開
後、心臓を露出させた。冠動脈の左前下行枝起始部で、
糸付き縫合針(エルプ社、5−0シルク)にて心筋ごと
冠動脈を絹糸で縛った後閉胸した。偽手術群は糸を縛ら
ずに閉胸した。麻酔から回復後、通常飼育した。
【0075】(2)Total RNAの抽出 術後1週経過、8週経過、20週経過および30週経過
したラットをペントバルビタール麻酔下で開胸し、心臓
を摘出した後、生理食塩水で大動脈より逆行性に冠動脈
を潅流して血液を洗い流した。摘出した心臓からハサミ
で左心室以外の組織を取り除いた後、梗塞形成を確認し
た後に梗塞領域(スカー形成部位)を取り除き、非梗塞
領域のみとした。これをハサミで細かく細断した後、I
SOGEN(和光純薬)を用いてTotal RNAを
抽出した。
【0076】(3)ラット187−2遺伝子のクローニ
ング Total RNAからゲノムDNAを除去する目的で
enzyme setfor DD(宝酒造)を用いてD
NA分解操作を加えた後、Fluorescence
Differential Display kit F
luorescein version(宝酒造)を用
いてディファレンシャルディスプレー(DD)を行っ
た。対照組織として偽手術した後8週経過した左心室由
来のTotal RNAを用いた。その結果、対照組織
と比較して術後1週、20週および30週経過した組織
で顕著な増加を示し、術後8週で逆に低下するバンドを
見出した。このバンドをアクリルアミドゲルからカッタ
ーで切り出し、滅菌蒸留水に懸濁し、95℃、10分間
加熱することによりゲルから遺伝子断片を抽出した。次
にPCRで再増幅した後、DNA塩基配列を解読した。
そこで明らかとなった塩基配列(配列番号:3)を基に
公のデータベースであるGenebleデータベースを
用いてBlastNによるホモロジー検索を行ったとこ
ろ、その配列が一致する遺伝子はなく、更に相同性を有
する遺伝子も見出すことができなかった。次に配列番
号:3を基に5’RACE法によってその遺伝子断片の
全長クローニングを行った。クロンテック社製マラソン
レディ心臓cDNAライブラリーを鋳型としてAP1プ
ライマー(配列番号:23)および配列番号:4の2種
のプライマーDNAを用いてPCRを行い、5’上流領
域をクローニングした。塩基配列を解読した結果、オー
プンリーディングフレーム(ORF)を含む塩基配列
(配列番号:5)を得た。この配列を基に5’上流プラ
イマー(配列番号:6)および3’下流プライマー(配
列番号:7)の2種のプライマーDNAを用いてPCR
を行い、ORF(全長ラット187−2cDNA)を取
得した(配列番号:25)。PCR反応はPfu DN
Aポリメラーゼ(東洋紡)を用いてサーマルサイクラー
gene amp PCR system 9700(パー
キンエルマー社製)にて行い、95℃で10秒、60℃
で30秒、72℃で3分を1サイクルとして33サイク
ルを繰り返した。得られた全長ラット187−2cDN
A(配列番号:25)をZero Blunt TOPO
PCR cloning Kit(インビトロジェン社
製)を用いてpCR II−Blunt TOPOベクタ
ーにクローニングし、本プラスミドをpTB2166と
命名した。さらに公知の合成プライマー〔T7プライマ
ー(配列番号:8)およびSP6プライマー(配列番
号:9)〕を用い、PEアプライドバイオシステムズ社
のサイクルシーケンスキットによって反応を行い、蛍光
DNAシーケンサー(ABI PRISM 377,パ
ーキンエルマー社製)で分析し、その遺伝子断片が新規
なタンパク質をコードする遺伝子(ラット187−2)
(配列番号:24)であることを確認した。上記pTB
2166を大腸菌に導入した形質転換体をEscher
ichia coli DH5α/pTB2166と命名
した。
【0077】実施例2 ラット187−2遺伝子の組織分布の解析 ノーザンブロッティング用のプローブを得るために、実
施例1で得られたラット187−2cDNAを鋳型と
し、配列番号:7のプライマーと配列番号:10のプラ
イマーとを用いて実施例1と同様の方法でPCRを行っ
た。ノーザン用膜はクロンテック社製ラットMTN B
lotを用いた。ハイブリダイゼーション溶液としてE
xpress Hyb Hybridization s
olution(クロンテック)を使用して、68℃で
プレハイブリダイゼーションを行った。一方、プローブ
として上記で調製したラット187−2遺伝子断片を
[α− 32P]dCTPとBcaBEST Labeli
ng Kit(宝酒造)とを用いて標識した。ハイブリ
ダイゼーションは標識プローブを含むExpress
Hyb Hybridization solution
(クロンテック社製)中で68℃、1時間の条件で行っ
た。膜は最終的に0.1xSSC,0.1%SDS液中
50℃で洗浄し、検出にはBAS−2000(フジフィ
ルム)を用いた。結果を〔図1〕に示す。これより、ラ
ット187−2mRNAは心臓と骨格筋が主要な発現臓
器であることが分かった。
【0078】実施例3 心筋梗塞モデルラットでのラット187−2遺伝子の経
時変化の解析 実施例1で記載した心筋梗塞形成術後1週、8週、20
週および30週経過ラットの左心室の非梗塞領域由来の
Total RNAと、その対象として用いた偽手術し
た後8週経過した左心室由来のTotal RNAと
を、TaqManReverse Transcrip
tion Reagents(PEアプライドバイオシ
ステムズ社製)を用いてcDNAを合成した。次に、プ
ライマーとして配列番号:4および配列番号:11のD
NAを用い、プローブとして配列番号:12(PEアプ
ライドバイオシステムズ社製)の蛍光ラベル体を用い、
PCRによるラット187−2遺伝子のコピー数の定量
をABI Prism 7700 sequence De
tection Systemによって行った。なお、
反応はTaqMan PCR Core Reagent
s kit(PEアプライドバイオシステムズ社製)を
使用し、添付されている説明書に記載の方法に従って行
った。定量化用スタンダードの調製法を以下に記す。心
筋梗塞形成術後1週経過ラット左心室の非梗塞領域由来
のTotal RNAをTaqMan Reverse
Transcription Reagents(PE
アプライドバイオシステムズ社製)を用いてcDNAを
合成した。次にプライマーとして配列番号:4および配
列番号:11のDNAを用いてPCRを行い、得られた
ラット187−2遺伝子の部分配列を有する遺伝子断片
を、そのスタンダードとした。更に算出されたコピー数
を内部コントロールとしてラット187−2遺伝子のコ
ピー数と同様に算出したグリセロール3リン酸脱水素酵
素のコピー数で補正した後、対照組織でのコピー数と比
較し、その変動率としてデータ化した。結果を〔図2〕
に示す。縦軸は変動率をフォールドインクリースとして
示し、横軸には時間(週)に対する心不全モデルのサン
プルを示した。Sham 8wは偽手術群、MI 1wは
手術後1週経過、MI 8wは手術後8週経過、MI2
0wは手術後20週経過、およびMI 30wは手術後
30週経過した心臓を分析した際のサンプル名を示す。
これより、ラット187−2遺伝子は術後1週で増加
(16倍)した後、術後8週で減少(0.44倍)し、
術後20週、30週で(それぞれ25.53倍、22.
48倍)増加することが明らかとなった。
【0079】手術直後から1週経過時は、梗塞が形成さ
れつつある時期と考えられ、結窄された冠動脈から下流
領域の心筋細胞が急速に死滅、脱落し、リンパ球の浸潤
により炎症が生じていると推測される。また術後20週
から30週は死亡例が見られる直前であることから、術
後8週は代償機序が作動している時期であり、術後20
週以降は十分な代償機序が作動していないか、または過
剰な代償機序により代償破綻が生じている時期であると
考えられる。そこで術後1週経過時を急性期(心不全急
性期)、術後8週経過時を慢性期(心不全代償期)、術
後20週以降を末期(心不全非代償期)と考えた。心筋
梗塞から心不全への移行に関わる代償機序は、次のよう
に考えられる。心筋細胞が脱落(壊死あるいはアポトー
シス)すると失った心筋細胞の有していた機能を心臓全
体で代償するために残存心筋細胞は肥大し、心拡張や線
維化を伴う心臓の再構築(心リモデリング)が生じる。
これによって機能的に心機能は代償されることになる
が、一方でこの心リモデリングあるいは過剰な代償機序
そのものが心不全を発症する危険性をはらんでいると考
えられている(内科、第79巻、2−20頁、1997
年)。しかしながら代償破綻そのものに関与する分子は
未だ同定されておらず、従ってそのメカニズムも明らか
にされていない。上記実施例1で得られたラット187
−2遺伝子は、慢性期(心不全代償期)に低下し、末期
(心不全非代償期)で顕著に増加していた。従って心臓
の代償機序と代償破綻に関与することが推定でき、この
遺伝子の発現を正常化することによって病態を改善でき
ると考えられる。この遺伝子の発現を適切にコントロー
ル(発現低下は過剰な代償機序を誘導し、発現増加は代
償破綻を加速する)することは、過剰な代償機序と代償
破綻をともに抑制し、心疾患予防・治療剤として使用で
きる可能性が考えられ、この遺伝子産物の機能を調節す
る化合物も心疾患予防・治療剤として有用である。
【0080】実施例4 変異型ラット187−2遺伝子のクローニング 実施例1でラット187−2cDNAのクローニングを
試みた際、配列番号:25の386番目のAがCに置換
されている変異を見出した(配列番号:13)。本変異
が染色体由来であることを確認するために、雄性ウイス
ターラット(10週令,8匹)および雄性SDラット
(10週令,4匹)の末梢血より、NucleoSpi
n Nucleic Acid Purificatio
n Products(クロンテック社製キット)を用い
て染色体を調製した後、配列番号:25の配列中に存在
する2つの配列(配列番号:15および配列番号:1
6)をプライマーとして、その部分配列を有する遺伝子
断片(配列番号:17)をPCRにて取得後、PEアプ
ライドバイオシステムズ社のサイクルシーケンスキット
によって反応を行い、蛍光DNAシーケンサー(ABI
PRISM 377,パーキンエルマー社製)で分析
した結果、ウイスターラットはAのみを有するホモ体で
あり、SDラット(4匹)は、AおよびC有するヘテロ
体であることが判明した。配列番号:13で表されるc
DNA(変異型ラット187−2)を、ZeroBlu
nt TOPO PCR cloning Kit(インビ
トロジェン社製)を用いて、pCR II−Blunt
TOPOベクターにクローニングし、本プラスミドをp
TB2167と命名した。さらに公知の合成プライマー
〔T7プライマー(配列番号:8)およびSP6プライ
マー(配列番号:9)〕を用い、PEアプライドバイオ
システムズ社のサイクルシーケンスキットによって反応
を行い、蛍光DNAシーケンサー(ABI PRISM
377,パーキンエルマー社製)で分析し、その遺伝
子が、配列番号:25の386番目のAがCに置換され
た変異型遺伝子であることを確認した。上記pTB21
67を大腸菌に導入した形質転換体をEscheric
hia coli DH5α/pTB2167と命名し
た。変異型ラット187−2遺伝子でコードされるアミ
ノ酸配列(配列番号:14)では、ラット187−2遺
伝子でコードされるアミノ酸配列(配列番号:24)の
129番目のLysがThrに置換されている〔図3お
よび図4〕。ウイスターラットに比べ、SDラットでは
心筋梗塞に対して感受性が高い(予後が悪い)ことが多
く見られることより、心筋梗塞または心不全における予
後と、本発明の遺伝子のSNPとの関連性が考えられ
る。
【0081】実施例5 ヒト187−2遺伝子のクローニング 配列番号:18で表される塩基配列から2種のプライマ
ー(配列番号:20および配列番号:21)を合成し、
クロンテック社製マラソンレディ心臓cDNAライブラ
リーを鋳型としてPCRを行い、配列番号:18の部分
配列を有する遺伝子断片(配列番号:22)を得た。反
応はPfu DNAポリメラーゼ(東洋紡)を用いてサ
ーマルサイクラーgene amp PCR syste
m 9700(パーキンエルマー社製)にて行い、95
℃で10秒、60℃で30秒、72℃で3分を1サイク
ルとして33サイクルを繰り返した。得られた遺伝子断
片をZero Blunt TOPO PCR cloni
ngKit(インビトロジェン社製)によりpCR I
I−Blunt TOPOベクターにクローニングし、
本プラスミドをpTB2168と命名した。さらに公知
の合成プライマー〔T7プライマー(配列番号:8)お
よびSP6プライマー(配列番号:9)〕を用い、PE
アプライドバイオシステムズ社のサイクルシーケンスキ
ットによって反応を行い、蛍光DNAシーケンサー(A
BI PRISM 377,パーキンエルマー社製)で
分析し、その遺伝子断片が、配列番号:18の一部を含
む断片であることを確認し、その遺伝子断片が新規なタ
ンパク質をコードする遺伝子(ヒト187−2)である
ことを確認した(配列番号:18)。上記pTB216
8を大腸菌に導入した形質転換体をEscherich
iacoli DH5α/pTB2168と命名した。
ヒト187−2遺伝子でコードされるアミノ酸配列(配
列番号:19)は、ラット187−2遺伝子でコードさ
れるアミノ酸配列(配列番号:24)と高い相同性を有
していた〔図5および図6〕。
【0082】実施例6 ヒト187−2遺伝子の組織分布の解析 以下のようにRT−PCRを行った。鋳型としてHum
an Total RNAパネル(HumanパネルI;
クロンテック社)およびMTCパネル(Human I
I、Human FetalおよびHuman Card
iovascular;クロンテック社)を、プライマ
ーとして配列番号:18より合成した2種のプライマー
(配列番号:20および配列番号:21)を用い、Ex
−TaqDNAポリメラーゼ(宝酒造)にてサーマルサ
イクラーgene amp PCRsystem 970
0(パーキンエルマー社製)を行い、95℃で10秒、
60℃で30秒、72℃で3分を1サイクルとして40
サイクルを繰り返した。その後2%アガロースゲル電気
泳動にて分析した。結果を〔図7〕および〔図8〕に示
す。これより、ヒト187−2遺伝子の主要な発現臓器
は心臓であることがわかる。また、気管支、骨格筋にも
発現が認められた。更に微量ながら前立腺、精巣にも発
現していることがわかる(図7、図8)。心臓では広く
発現が認められた(図8)。
【0083】実施例7 発現プロファイルの作成 (1)冠動脈狭窄処置+大動脈起始部狭窄処置心不全モ
デルラット〔MIB(Myocardial Infarction Bindin
g)モデルラット〕の作製 雄性 JCL-Wistar ラット(13〜15週齢)をペントバ
ルビタール(50mg/kg,i.p.)で麻酔し、人
工呼吸下、正中にて開胸した。心嚢膜を切開し、心臓を
露出させ、更に上行大動脈起始部を剥離した。糸付き縫
合針で左冠動脈起始部に心筋ごと糸を通し、その糸を結
紮して、冠動脈を閉塞させた。冠動脈閉塞後速やかに
(5分以内に)、長さ3mmのポリエチレンチューブ
(外径:2.80mm;内径:1.77mm)を上行大
動脈起始部に装着し、40〜50%の狭窄を行った。そ
の後、閉胸手術を行い、自発呼吸を確認した上で飼育ケ
ージに戻し、通常の方法で1週間飼育した。 (2)MIBモデルラットでの発現解析 術後1週、3週、6週経過ラットより左心室を摘出し、
外科用ハサミで細かく細断した後、ISOGEN(和光
純薬社製)を用いてTotal RNAを抽出した。そ
のTotal RNAをTaqMan Reverse
Transcription Reagents(P
Eアプライドバイオシステムズ社製)を用いてcDNA
を合成した。次に実施例3に記載の方法に従い、ラット
187−2遺伝子の発現量を定量し、偽手術群と比較し
た。5検体での結果、術後1週で6倍、術後3週で3
倍、術後6週で8倍のそれぞれ発現増加が認められた。
【0084】(3)組織学的検討 術後6週経過したラットより左心室を摘出し、ヘマトキ
シリン染色とラット187−2遺伝子の発現をインサイ
チュウハイブリダイゼーション(ISH)で調べた結
果、偽手術群と比較して非虚血領域での発現が減少し、
虚血領域の非梗塞領域で高発現していた。以下に詳細に
記述する。PCR解析の結果からラット187−2遺伝
子が心臓に特異的に発現しており、心筋梗塞などの疾病
との関連性が考えられたため、ラット187−2遺伝子
の遺伝子機能の一端を明らかにすることを目的に、ラッ
ト187−2遺伝子のcRNAプローブを用いて正常ラ
ットおよび心筋梗塞モデルラットの一つであるMIB
(Myocardial Infarction Binding)モデルラットの心
臓でのラット187−2遺伝子の発現を、ISH(In S
itu Hybridization)法によって調べた。12週齢の正
常雄 Wistarラットおよび手術後6週目のMIBラット
をエーテル麻酔下にて開胸後、心臓を摘出し、リン酸緩
衝液(PBS)にて洗浄後、4%パラホルムアルデヒド
PBSにて心臓を大動脈から潅流固定した。その後、さ
らに4%パラホルムアルデヒドPBSにて心臓組織を4
℃にて一晩後固定した。その後組織を水洗し、定法に従
ってパラフィン包埋ブロックを作製した(組織学研究
法、佐野豊、南山堂、1985年)。作製されたブロックを
ミクロトームにて4μmの厚さに横断面で薄切した。薄
切後切片を温浴伸展させ、スライドグラス上にマウント
し、37℃乾燥機にて十分乾燥させた。作製された切片
は脱パラフィン後、定法に従ってヘマトキシリンエオジ
ン(HE)染色を行い、封入した(組織学研究法、佐野
豊、南山堂、1985年)。ラット187−2遺伝子(1.
2kbp)の配列からアルカリ処理にて得られた約15
0塩基のジゴキシゲニン標識cRNAプローブを作製し
た。マウントしたスライドガラスを脱パラフィン後、標
識cRNAプローブを用いてISHを行った。ハイブリ
ダイゼーションまでの操作はすべてRNaseフリーの
環境下で行った。発色にはアルカリフォスファターゼ標
識抗ジゴキシゲニン抗体及び基質に5−ブロモ−4−ク
ロロ−3−インドリルフォスフェイト/ニトロブルーテ
トラゾリウム(BCIP/NBT)を用いた。具体的な
cRNAプローブの作製およびISH法の実験手順は実
験プロトコール集(免疫染色・in situハイブリダイゼ
ーション、羊土社、1997年)を参考に行った。手術後6
週目のMIBラットの心筋構造をHE染色により観察し
た。心臓は非梗塞部、梗塞移行部及び梗塞部の領域に分
かれた。非梗塞部ではエオジンの染色性が低下してお
り、エオジン好性の細胞質が減少していることが考えら
れた。また心筋線維の縦断面を観察すると非梗塞部の心
筋では直線状の心筋線維が観察されるが、梗塞部付近で
は心筋線維が波状に変形しており、エオジンにより染色
されない部位も観察された。つまり、梗塞部と同様に非
梗塞部においても心筋細胞は病態を呈していると考えら
れる。正常ラット心臓でのラット187−2遺伝子の発
現は主として左心室に観察され、右心室にはほとんど観
察されなかった。また正常ラット心臓での発現部位は左
心室の内壁層及び中間層であった。さらにラット187
−2遺伝子はすべての心筋細胞に均一に分布しているわ
けではなく、発現している部位と発現していない部位が
混在していることがわかった。MIBモデルラットの心
臓ではラット187−2遺伝子の発現は層状になってお
らず、非梗塞部には見られず、主として波状に変形した
梗塞移行部に見られた。以上をまとめると、ラット18
7−2遺伝子の機能は破綻しかかっている心筋細胞に発
現していることから、心臓の収縮よりも、むしろ心筋細
胞の生存維持に関与していることが推察された。また心
筋組織で発現部位が混在していることから、ラット18
7−2遺伝子の機能は心筋細胞の増殖分化誘導に関与し
ていることも推察された。
【0085】(4)H9c2細胞を用いた発現解析およ
び探索系の構築 H9c2細胞は、ラット心筋細胞由来の細胞株であり、
ATCCより購入した。この細胞を10%牛血清入りD
MEM培地で培養後、トリプシンを用いて細胞を回収し
た後、12穴プレートに100000細胞/穴で播種
し、10%牛血清入りDMEM培地で12時間培養し
た。その後、血清を除去したDMEM培地に培地交換
し、ノルエピネフリンを10nM、100nMになる様
培地に添加し、4時間後、8時間後のラット187−2
遺伝子発現量をTaqMan PCRで定量した。また
グリセロール3リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(G3P
DH)のコピー数を同様に定量し、算出されたラット1
87−2遺伝子のコピー数をG3PDHで補正したとこ
ろ、ノルエピネフリンの用量依存的にラット187−2
遺伝子の発現量は増加し、最大約2倍の増加であった。
従って、肥大刺激に応答してラット187−2遺伝子の
発現が細胞株を用いても増強することが明らかとなっ
た。従って、ラット心筋細胞由来のH9c2細胞などを
使用する上記方法は、各種肥大刺激または細胞死誘導時
における187−2遺伝子の発現を定量的に測定するこ
とが可能であり、187−2遺伝子発現を調節する化合
物またはその塩のスクリーニングに用いることができ
る。さらに、187−2遺伝子のプロモーターを用いた
レポーター・ジーン・アッセイを行うことによって、低
変動率を高変動率に変え、高感度化を行うことによって
ハイスループットスクリーニングが行うこともできる。
【0086】実施例8 機能解析 (1)組換えアデノウイルスの作製 実施例3でクローニングしたラット187−2のcDN
Aのウイルスベクターへのクローニングは、宝酒造株式
会社のアデノカスタムサービスにて作製した。宝酒造ad
enovirus expression vector kit (6150)を用い、その
添付されている方法に従ってクローニングを行い、ラッ
ト187−2センス鎖およびアンチセンス鎖発現アデノ
ウイルスを作製した。高純度精製ウイルスの調製および
力価の測定は、公知の方法(実験医学別冊 新遺伝子工
学ハンドブック、238−244頁)を用いて行い、未
精製ウイルスはセンス2.2×109pfu/ml濃
度、アンチセンス0.8×109pfu/ml濃度であ
った。最終的にセンス1.3×1011pfu/ml濃度
およびアンチセンス1.0×1011pfu/ml濃度の
精製ウイルス原液を調製した。ヌルウイルス(インサー
トを含まないウイルス)の調製も上記に従い作製し、最
終的に1.3×109pfu/ml濃度の精製ウイルス
原液を調製した。 (2)H9c2細胞への遺伝子導入 H9c2細胞を用いた発現解析および探索系の構築で記
載した方法に従って細胞を培養した。細胞は96穴プレ
ートに3×104、1.5×104、0.75×104
および0.375×104細胞/穴で播種し、12時
間、10%牛血清入りDMEM培地で培養後、感染実験
に供した。アデノウイルスはインサートを含まないヌル
ウイルス、ORF領域を含むセンス鎖発現ウイルス、O
RF領域を含むアンチセンス鎖発現ウイルスを、それぞ
れ、各細胞数で培養したH9c2に1.5×106pf
u、0.5×106pfu、0.16×106pfu、コ
ントロールとして血清除去DMEMを加え、感染実験を
行った。従って実験条件としては、M.O.I.(重複感
染度:multiplicityof infection)(細胞あたりのウイ
ルス数を示す)が0、6、11、17、22、33、4
4、50、67、100、133、200および400
である。感染は上記pfuのウイルスを10μ穴に加
え、1時間37℃で培養後、10%血清を含むDMEM
を90μlまたは無血清DMEM培地を90μlを加
え、37℃でCO2インキュベーターにて培養を行っ
た。感染後3日、4日、5日および6日後に、WST−
8(可溶性ホルマザンを形成するMTT)(同仁社製)
を10μl加えた後、さらに5時間培養し、10%SD
S溶液を10μl加え、反応停止した後、450nMの
吸光度をプレートリーダーで測定し、細胞の呼吸活性を
測定した。また、同様に、感染後4日、5日培養したプ
レートから培養上清を50μlとり、DMEM50μl
に加え、総量100μlとした後、LDH測定キットを
用いて細胞障害を調べた。その結果、血清除去した場
合、M.O.I.の上昇に伴ってアンチセンス鎖発現ウイ
ルス感染細胞において、呼吸活性の低下と共に細胞上清
へのLDH漏出が増大した。また2つの測定系で測定し
た細胞障害活性は、血清を加えて培養した時より血清を
除去した場合に強く出現し、経時的に、またM.O.I.
の増加に伴ってその作用は増大し、培養6日目が最大で
あった。培養5日後(無血清)、M.O.I.133で非
感染細胞の呼吸活性を100%とした時に、ヌル感染細
胞とセンス鎖発現細胞ではそれぞれ約90%および80
%の呼吸活性が認められたが、アンチセンス鎖では50
%まで減弱していた。LDHの漏出はヌルで95%、セ
ンスで110%に対しアンチセンスでは140%と明ら
かに増大していた。これより、本遺伝子は細胞の生存維
持に必須な遺伝子であることと、発現量の低下は細胞を
不活性化し、極度の発現低下は細胞死を誘導することが
判明した。
【0087】(3)初代心筋細胞への遺伝子導入 (3−1)ラット新生仔由来初代心筋細胞の調製 動物繁殖研究所より購入した妊娠ウイスターイマミチラ
ットを飼育し、生後1日目の新生仔(5腹分)をエーテ
ル麻酔した後、80%エタノールで消毒後、心臓をピン
セットで摘出しPBS溶液につけた。5回PBS溶液を
交換することによって血液成分を洗い、最終的にPBS
溶液中でハサミで細断した。これをビーカーに移し、5
0mlの酵素溶液〔0.5g トリプシン(DIFCO
社製)および0.1g コラゲナーゼタイプI(DIF
CO社製)を200mlのPBSに溶解させ、除菌濾過
した後−20℃で保存したもの〕を加え、37℃、15
分間酵素処理した。その後ピペットで細胞をほぐしなが
ら、さらに25mlの酵素溶液を加え、37℃、15分
間酵素処理した。この処理をさらに1回繰り返し、最終
的に100mlの消化液を得た。これに等量の10%血
清を含むDMEM/F12(ライフテックオリエンタ
ル)を加え、100μのフィルターにて濾過後、150
0rpm、5分間遠心し細胞を集めた。次に250ml
の10%血清を含むDMEM/F12で再懸濁し、90
cmシャーレに10mlずつ分注し、37℃、1時間培
養し、接着性の高い繊維芽細胞をある程度除去した。培
養液を回収後、100μのフィルターで濾過し、細胞を
計測した。本方法で5腹より1×108細胞が得られ
た。
【0088】(3−2)遺伝子導入 上記で調製した初代心筋細胞を、H9c2細胞で行った
方法と同様の方法(細胞数およびM.O.I.、血清存在
下および非存在下)でWST−8アッセイによる呼吸活
性およびLDHの漏出を測定した。測定は、感染1日、
2日、3日および4日後に行った。その結果、H9c2
細胞と同様にアンチセンス鎖発現細胞において呼吸活性
の低下と共にLDHの漏出が確認された。一方、センス
鎖発現細胞ではM.O.I.=50以上でH9c2細胞と
同様に弱い呼吸活性の低下が認められた。一方、低い
M.O.I.(10以下)では呼吸活性の上昇が認めら
れ、細胞の継代も突起の伸長が確認され、細胞の活性化
が認められた。以上の結果から、187−2の機能は、
少なくとも心筋細胞にとってその生存維持に必須である
といえる。さらに、心不全心において、187−2遺伝
子の発現は増加し、特に梗塞移行部位でその発現が増加
することから、この発現増加が、心筋細胞の生存に対す
る代償作用と考えられ、また、過剰な発現のため逆に生
存率を低下させているとも考えられる。また非梗塞領域
の心筋細胞では187−2遺伝子の発現が消失してお
り、これが原因で細胞死を誘導し、非梗塞領域での心筋
収縮力を低下させていると考えられる。よって、187
−2遺伝子の発現異常(発現の増加と減少)は、心筋細
胞の生存維持機構を乱し、その結果として心筋細胞の脱
落を促進し、心機能が低下すると考えられる。このた
め、187−2遺伝子の発現を調節(増加、減少)する
化合物、187−2タンパク質の活性を調節(増加、減
少)する化合物としては、187−2の発現レベルを正
常化する作用を有する化合物が望まれる。
【0089】
【発明の効果】配列番号:19で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタ
ンパク質またはその塩は新規であり、該タンパク質また
はその塩の活性を調節する化合物またはその塩、および
該タンパク質またはその塩の活性を調節する抗体は、例
えば、心疾患などの予防・治療剤として使用することが
できる。該タンパク質またはその塩をコードするDNA
に相補もしくは実質的に相補な塩基配列を有するアンチ
センスヌクレオチドは、該タンパク質またはその塩の発
現を抑制することができ、例えば、心疾患などの予防・
治療剤として使用することができる。
【0090】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> New gene and its use <130> P01-0248 <150> JP2000-331401 <151> 2000-10-30 <160> 25 <210> 1 <211> 285 <212> PRT <213> Rat <400> 1 Met Glu Leu Asn Asp His Asn Ala His Ala Gln Ser Asp Gly Lys Glu 5 10 15 Lys Asn Ala Arg Ala Asn Glu Pro Asp Ser Ala Asp Ile Leu Gln Val 20 25 30 Thr Asn Thr Asp Asp Asp Asp Glu Val Gly Pro Glu Asn His Arg Glu 35 40 45 Asn Phe Asn Asn Asn Asn Asn Asn Asn Ser Val Ala Val Ser Ser Leu 50 55 60 Asn Asn Gly Arg Gln Gln Thr Ser Ile Ser Glu Tyr Pro His Val Leu 65 70 75 80 Gln Thr Ala Ser Glu Ala Asn Tyr Tyr Thr Asn Glu Tyr Gln Ile Lys 85 90 95 Lys Phe Asn Asn Ala Ser Arg Ile Ser Glu Leu Leu Gly Ile Phe Glu 100 105 110 Ser Gln Lys Ser Ser Ser Lys Asn Val Leu Ala Leu Ala Leu Glu Gly 115 120 125 Lys Ala Asp Arg Gly Thr Ala Gly Ser Pro Met Gln Leu Ala Leu Glu 130 135 140 Pro Gly Phe Gln Gln Gly Leu Ser Val Lys Gly Glu Ser Leu Ala Val 145 150 155 160 Ser Asn Glu Val Asn Pro Leu His Ile Lys Gly Asn His Glu Asn Asn 165 170 175 Lys Asn Val His Leu Phe Phe Ser Asn Thr Val Lys Ile Thr Ser Phe 180 185 190 Ser Lys Lys His Asn Ile Leu Gly Cys Asp Leu Ile Asp Ser Val Asp 195 200 205 Gln Leu Lys Asn Met Ser Cys Leu Tyr Leu Arg Glu Leu Gly Lys Asn 210 215 220 Val Lys Cys Trp His Gly Glu Thr Ala Gly Thr Ala Arg His Gly Gly 225 230 235 240 Lys Met Cys Phe Asp Ala Gln Ser Gln Glu Ser Ala Ala Lys Pro Val 245 250 255 Phe Pro Ser Met Gln Cys Gln Ala Gln His Leu Thr Val Glu Glu Gln 260 265 270 Ile Lys Arg Asp Arg Cys Tyr Ser Asp Ser Glu Ala Asp 275 280 285 <210> 2 <211> 855 <212> DNA <213> Rat <400> 2 atggagctta acgaccataa tgcgcatgct cagagtgatg gaaaggaaaa gaatgctcgt 60 gctaatgaac ctgacagtgc agacatttta caagttacaa acaccgatga tgacgatgag 120 gtggggccag aaaatcatag ggagaacttc aataacaata acaataacaa ttctgtagct 180 gtctcatcct tgaataatgg caggcagcag acatctattt cagaatatcc tcatgtacta 240 cagacagcca gtgaagcaaa ctattacaca aatgaatacc aaattaaaaa gtttaacaat 300 gcctctagaa tctcagagtt actgggtata tttgagtctc aaaagtcgtc ctccaagaat 360 gtcctagcct tggctctgga gggcaaggct gacagaggga ctgcaggcag tcccatgcag 420 ctggcactgg agcccggctt ccagcagggc ttatcagtta aaggggaaag ccttgcagtc 480 tctaacgaag taaacccctt acacattaaa ggaaaccatg aaaataacaa gaatgtacac 540 cttttcttct ctaacactgt gaaaatcact tctttttcca agaaacataa catccttggg 600 tgtgatttaa tagattctgt tgatcaactt aaaaatatgt catgcttgta tttaagagaa 660 ctcgggaaaa atgtcaaatg ctggcatggt gaaactgcag gaacggctcg gcatggtgga 720 aaaatgtgtt ttgatgctca gagccaagag agtgcggcta agcctgtgtt tcccagcatg 780 cagtgccagg ctcaacatct gactgtggaa gagcagatta aacgggacag gtgctacagc 840 gacagtgagg ctgac 855 <210> 3 <211> 380 <212> DNA <213> Rat <400> 3 agagcagatt aaacgggaca ggtgctacag cgacagtgag gctgactgaa aagtctttgg 60 ccacttgcag ttcatgctcg ggcactgagg gagaatgttc tcggagaaga cctcgggatc 120 atcgctaacc ttttgatgag tttgtaaaga tcacgtttca taatctcacc cttcacagca 180 cattatttct tgtatcgcac tccataattc ttttccacca ttcacttgag actagtttgg 240 atcttaatga aatgctgaga tgaaacatgg tgaccgtgtt ttcttctcaa atggcgcatg 300 ggctacggtt ttctgtatct taaagtggga gagagtctgc accgctggtg ttcatcgcca 360 ctcttatacc ttctctatat 380 <210> 4 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 4 cgaggtcttc tccgagaaca t 21 <210> 5 <211> 1271 <212> DNA <213> Rat <400> 5 ctagaattca gcggccgctg aattctaggc gcaggatacg ctgaaagatg cagagggctt 60 gaggagtaag agaaaaagtg ggatggagct taacgaccat aatgcgcatg ctcagagtga 120 tggaaaggaa aagaatgctc gtgctaatga acctgacagt gcagacattt tacaagttac 180 aaacaccgat gatgacgatg aggtggggcc agaaaatcat agggagaact tcaataacaa 240 taacaataac aattctgtag ctgtctcatc cttgaataat ggcaggcagc agacatctat 300 ttcagaatat cctcatgtac tacagacagc cagtgaagca aactattaca caaatgaata 360 ccaaattaaa aagtttaaca atgcctctag aatctcagag ttactgggta tatttgagtc 420 tcaaaagtcg tcctccaaga atgtcctagc cttggctctg gagggcaagg ctgacagagg 480 gactgcaggc agtcccatgc agctggcact ggagcccggc ttccagcagg gcttatcagt 540 taaaggggaa agccttgcag tctctaacga agtaaacccc ttacacatta aaggaaacca 600 tgaaaataac aagaatgtac accttttctt ctctaacact gtgaaaatca cttctttttc 660 caagaaacat aacatccttg ggtgtgattt aatagattct gttgatcaac ttaaaaatat 720 gtcatgcttg tatttaagag aactcgggaa aaatgtcaaa tgctggcatg gtgaaactgc 780 aggaacggct cggcatggtg gaaaaatgtg ttttgatgct cagagccaag agagtgcggc 840 taagcctgtg tttcccagca tgcagtgcca ggctcaacat ctgactgtgg aagagcagat 900 taaacgggac aggtgctaca gcgacagtga ggctgactga aaagtctttg gccacttgca 960 gttcatgctc gggcactgag ggagaatgtt ctcggagaag acctcgggat catcgctaac 1020 cttttgatga gtttgtaaag atcacgtttc ataatctcac ccttcacagc acattatttc 1080 ttgtatcgca ctccataatt cttttccacc attcacttga gactagtttg gatcttaatg 1140 aaatgctgag atgaaacatg gtgaccgtgt tttcttctca aatggcgcat gggctacggt 1200 tttctgtatc ttaaagtggg agagagtctg caccgctggt gttcatcgcc actcttatac 1260 cttctctata t 1271 <210> 6 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 6 cgcaggatac gctgaaagat gc 22 <210> 7 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 7 atatagagaa ggtataagag tggcgat 27 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 8 taatacgact cactataggg 20 <210> 9 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 9 gatttaggtg acactatag 19 <210> 10 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 10 agagcagatt aaacgggaca gg 22 <210> 11 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 11 cgacagtgag gctgactgaa aa 22 <210> 12 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Probe <400> 12 tctttggcca cttgcagttc atgctc 26 <210> 13 <211> 855 <212> DNA <213> Rat <400> 13 atggagctta acgaccataa tgcgcatgct cagagtgatg gaaaggaaaa gaatgctcgt 60 gctaatgaac ctgacagtgc agacatttta caagttacaa acaccgatga tgacgatgag 120 gtggggccag aaaatcatag ggagaacttc aataacaata acaataacaa ttctgtagct 180 gtctcatcct tgaataatgg caggcagcag acatctattt cagaatatcc tcatgtacta 240 cagacagcca gtgaagcaaa ctattacaca aatgaatacc aaattaaaaa gtttaacaat 300 gcctctagaa tctcagagtt actgggtata tttgagtctc aaaagtcgtc ctccaagaat 360 gtcctagcct tggctctgga gggcacggct gacagaggga ctgcaggcag tcccatgcag 420 ctggcactgg agcccggctt ccagcagggc ttatcagtta aaggggaaag ccttgcagtc 480 tctaacgaag taaacccctt acacattaaa ggaaaccatg aaaataacaa gaatgtacac 540 cttttcttct ctaacactgt gaaaatcact tctttttcca agaaacataa catccttggg 600 tgtgatttaa tagattctgt tgatcaactt aaaaatatgt catgcttgta tttaagagaa 660 ctcgggaaaa atgtcaaatg ctggcatggt gaaactgcag gaacggctcg gcatggtgga 720 aaaatgtgtt ttgatgctca gagccaagag agtgcggcta agcctgtgtt tcccagcatg 780 cagtgccagg ctcaacatct gactgtggaa gagcagatta aacgggacag gtgctacagc 840 gacagtgagg ctgac 855 <210> 14 <211> 285 <212> PRT <213> Rat <400> 14 Met Glu Leu Asn Asp His Asn Ala His Ala Gln Ser Asp Gly Lys Glu 5 10 15 Lys Asn Ala Arg Ala Asn Glu Pro Asp Ser Ala Asp Ile Leu Gln Val 20 25 30 Thr Asn Thr Asp Asp Asp Asp Glu Val Gly Pro Glu Asn His Arg Glu 35 40 45 Asn Phe Asn Asn Asn Asn Asn Asn Asn Ser Val Ala Val Ser Ser Leu 50 55 60 Asn Asn Gly Arg Gln Gln Thr Ser Ile Ser Glu Tyr Pro His Val Leu 65 70 75 80 Gln Thr Ala Ser Glu Ala Asn Tyr Tyr Thr Asn Glu Tyr Gln Ile Lys 85 90 95 Lys Phe Asn Asn Ala Ser Arg Ile Ser Glu Leu Leu Gly Ile Phe Glu 100 105 110 Ser Gln Lys Ser Ser Ser Lys Asn Val Leu Ala Leu Ala Leu Glu Gly 115 120 125 Thr Ala Asp Arg Gly Thr Ala Gly Ser Pro Met Gln Leu Ala Leu Glu 130 135 140 Pro Gly Phe Gln Gln Gly Leu Ser Val Lys Gly Glu Ser Leu Ala Val 145 150 155 160 Ser Asn Glu Val Asn Pro Leu His Ile Lys Gly Asn His Glu Asn Asn 165 170 175 Lys Asn Val His Leu Phe Phe Ser Asn Thr Val Lys Ile Thr Ser Phe 180 185 190 Ser Lys Lys His Asn Ile Leu Gly Cys Asp Leu Ile Asp Ser Val Asp 195 200 205 Gln Leu Lys Asn Met Ser Cys Leu Tyr Leu Arg Glu Leu Gly Lys Asn 210 215 220 Val Lys Cys Trp His Gly Glu Thr Ala Gly Thr Ala Arg His Gly Gly 225 230 235 240 Lys Met Cys Phe Asp Ala Gln Ser Gln Glu Ser Ala Ala Lys Pro Val 245 250 255 Phe Pro Ser Met Gln Cys Gln Ala Gln His Leu Thr Val Glu Glu Gln 260 265 270 Ile Lys Arg Asp Arg Cys Tyr Ser Asp Ser Glu Ala Asp 275 280 285 <210> 15 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 15 tggcaggcag cagacatcta tttc 24 <210> 16 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 16 aggggtttac ttcgttagag actg 24 <210> 17 <211> 302 <212> DNA <213> Rat <400> 17 tggcaggcag cagacatcta tttcagaata tcctcatgta ctacagacag ccagtgaagc 60 aaactattac acaaatgaat accaaattaa aaagtttaac aatgcctcta gaatctcaga 120 gttactgggt atatttgagt ctcaaaagtc gtcctccaag aatgtcctag ccttggctct 180 ggagggcaag gctgacagag ggactgcagg cagtcccatg cagctggcac tggagcccgg 240 cttccagcag ggcttatcag ttaaagggga aagccttgca gtctctaacg aagtaaaccc 300 ct 302 <210> 18 <211> 849 <212> DNA <213> Human <400> 18 atggatctta atgacaacaa taatgtgatt gtgcagagtg ctgaaaagga gaaaaatgaa 60 aaaactaacc aaactaatgg tgcagaagtt ttacaggtta ctaacactga tgatgagatg 120 atgccagaaa atcataaaga aaatttgaat aagaataata ataacaatta tgtagcagtc 180 tcatatctga ataattgcag gcagaagaca tctattttag aatttcttga tctattaccc 240 ttgtcgagtg aagcaaatga cactgcaaat gaatatgaaa ttgagaagtt agaaaataca 300 tctagaatct cagagttact tggtatattt gaatctgaaa agacttattc gaggaatgta 360 ctagcaatgg ctctgaagaa acagactgac agagcagctg ctggcagtcc tgtgcagcct 420 gctccaaaac caagcctcag cagaggcctt atggtaaagg ggggaagttc aatcatctct 480 cctgatacaa atctcttaaa cattaaagga agccattcaa agagcaaaaa tttacacttt 540 ttcttttcta acaccgtgaa aatcactgca ttttccaaga aaaatgagaa cattttcaat 600 tgtgatttaa tagattctgt agatcaaatt aaaaatatgc catgcttgga tttaagggaa 660 tttggaaagg atgttaaacc ttggcatgtt gaaacaacag aagctgcccg caataatgaa 720 aacacaggtt ttgatgctct gagccatgaa tgtacagcta agcctttgtt tcccagagtg 780 gaggtgcagt cagaacaact cacggtggaa gagcagatta aaagaaacag gtgctacagt 840 gacactgag 849 <210> 19 <211> 283 <212> PRT <213> Human <400> 19 Met Asp Leu Asn Asp Asn Asn Asn Val Ile Val Gln Ser Ala Glu Lys 5 10 15 Glu Lys Asn Glu Lys Thr Asn Gln Thr Asn Gly Ala Glu Val Leu Gln 20 25 30 Val Thr Asn Thr Asp Asp Glu Met Met Pro Glu Asn His Lys Glu Asn 35 40 45 Leu Asn Lys Asn Asn Asn Asn Asn Tyr Val Ala Val Ser Tyr Leu Asn 50 55 60 Asn Cys Arg Gln Lys Thr Ser Ile Leu Glu Phe Leu Asp Leu Leu Pro 65 70 75 80 Leu Ser Ser Glu Ala Asn Asp Thr Ala Asn Glu Tyr Glu Ile Glu Lys 85 90 95 Leu Glu Asn Thr Ser Arg Ile Ser Glu Leu Leu Gly Ile Phe Glu Ser 100 105 110 Glu Lys Thr Tyr Ser Arg Asn Val Leu Ala Met Ala Leu Lys Lys Gln 115 120 125 Thr Asp Arg Ala Ala Ala Gly Ser Pro Val Gln Pro Ala Pro Lys Pro 130 135 140 Ser Leu Ser Arg Gly Leu Met Val Lys Gly Gly Ser Ser Ile Ile Ser 145 150 155 160 Pro Asp Thr Asn Leu Leu Asn Ile Lys Gly Ser His Ser Lys Ser Lys 165 170 175 Asn Leu His Phe Phe Phe Ser Asn Thr Val Lys Ile Thr Ala Phe Ser 180 185 190 Lys Lys Asn Glu Asn Ile Phe Asn Cys Asp Leu Ile Asp Ser Val Asp 195 200 205 Gln Ile Lys Asn Met Pro Cys Leu Asp Leu Arg Glu Phe Gly Lys Asp 210 215 220 Val Lys Pro Trp His Val Glu Thr Thr Glu Ala Ala Arg Asn Asn Glu 225 230 235 240 Asn Thr Gly Phe Asp Ala Leu Ser His Glu Cys Thr Ala Lys Pro Leu 245 250 255 Phe Pro Arg Val Glu Val Gln Ser Glu Gln Leu Thr Val Glu Glu Gln 260 265 270 Ile Lys Arg Asn Arg Cys Tyr Ser Asp Thr Glu 275 280 <210> 20 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 20 acaggttact aacactgatg at 22 <210> 21 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 21 ttaatctgct cttccaccgt gag 23 <210> 22 <211> 729 <212> DNA <213> Human <400> 22 acaggttact aacactgatg atgagatgat gccagaaaat cataaagaaa atttgaataa 60 gaataataat aacaattatg tagcagtctc atatctgaat aattgcaggc agaagacatc 120 tattttagaa tttcttgatc tattaccctt gtcgagtgaa gcaaatgaca ctgcaaatga 180 atatgaaatt gagaagttag aaaatacatc tagaatctca gagttacttg gtatatttga 240 atctgaaaag acttattcga ggaatgtact agcaatggct ctgaagaaac agactgacag 300 agcagctgct ggcagtcctg tgcagcctgc tccaaaacca agcctcagca gaggccttat 360 ggtaaagggg ggaagttcaa tcatctctcc tgatacaaat ctcttaaaca ttaaaggaag 420 ccattcaaag agcaaaaatt tacacttttt cttttctaac accgtgaaaa tcactgcatt 480 ttccaagaaa aatgagaaca ttttcaattg tgatttaata gattctgtag atcaaattaa 540 aaatatgcca tgcttggatt taagggaatt tggaaaggat gttaaacctt ggcatgttga 600 aacaacagaa gctgcccgca ataatgaaaa cacaggtttt gatgctctga gccatgaatg 660 tacagctaag cctttgtttc ccagagtgga ggtgcagtca gaacaactca cggtggaaga 720 gcagattaa 729 <210> 23 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 23 ccatcctaat acgactcact atagggc 27 <210> 24 <211> 285 <212> PRT <213> Rat <400> 24 Met Glu Leu Asn Asp His Asn Ala His Ala Gln Ser Asp Gly Lys Glu 5 10 15 Lys Asn Ala Arg Ala Asn Glu Pro Asp Ser Ala Asp Ile Leu Gln Val 20 25 30 Thr Asn Thr Asp Asp Asp Asp Glu Val Gly Pro Glu Asn His Arg Glu 35 40 45 Asn Phe Asn Asn Asn Asn Asn Asn Asn Ser Val Ala Val Ser Ser Leu 50 55 60 Asn Asn Gly Arg Gln Gln Thr Ser Ile Ser Glu Tyr Pro His Val Leu 65 70 75 80 Gln Thr Ala Ser Glu Ala Asn Tyr Tyr Thr Asn Glu Tyr Gln Ile Lys 85 90 95 Lys Phe Asn Asn Ala Ser Arg Ile Ser Glu Leu Leu Gly Ile Phe Glu 100 105 110 Ser Gln Lys Ser Ser Ser Lys Asn Val Leu Ala Leu Ala Leu Glu Gly 115 120 125 Lys Ala Asp Arg Gly Thr Ala Gly Ser Pro Met Gln Leu Ala Leu Glu 130 135 140 Pro Gly Phe Gln Gln Gly Leu Ser Val Lys Gly Glu Ser Leu Ala Val 145 150 155 160 Ser Asn Glu Val Asn Pro Leu His Ile Lys Gly Asn His Glu Asn Asn 165 170 175 Lys Asn Val His Leu Phe Phe Ser Asn Thr Val Lys Ile Thr Ser Phe 180 185 190 Ser Lys Lys His Asn Ile Leu Gly Cys Asp Leu Ile Asp Ser Val Asp 195 200 205 Gln Leu Lys Asn Met Ser Cys Leu Tyr Leu Arg Glu Leu Gly Lys Asn 210 215 220 Val Lys Cys Trp His Gly Glu Thr Ala Gly Ala Ala Arg His Gly Gly 225 230 235 240 Lys Met Cys Phe Asp Ala Gln Ser Gln Glu Ser Ala Ala Lys Pro Val 245 250 255 Phe Pro Ser Met Gln Cys Gln Ala Gln His Leu Thr Val Glu Glu Gln 260 265 270 Ile Lys Arg Asp Arg Cys Tyr Ser Asp Ser Glu Ala Asp 275 280 285 <210> 25 <211> 855 <212> DNA <213> Rat <400> 25 atggagctta acgaccataa tgcgcatgct cagagtgatg gaaaggaaaa gaatgctcgt 60 gctaatgaac ctgacagtgc agacatttta caagttacaa acaccgatga tgacgatgag 120 gtggggccag aaaatcatag ggagaacttc aataacaata acaataacaa ttctgtagct 180 gtctcatcct tgaataatgg caggcagcag acatctattt cagaatatcc tcatgtacta 240 cagacagcca gtgaagcaaa ctattacaca aatgaatacc aaattaaaaa gtttaacaat 300 gcctctagaa tctcagagtt actgggtata tttgagtctc aaaagtcgtc ctccaagaat 360 gtcctagcct tggctctgga gggcaaggct gacagaggga ctgcaggcag tcccatgcag 420 ctggcactgg agcccggctt ccagcagggc ttatcagtta aaggggaaag ccttgcagtc 480 tctaacgaag taaacccctt acacattaaa ggaaaccatg aaaataacaa gaatgtacac 540 cttttcttct ctaacactgt gaaaatcact tctttttcca agaaacataa catccttggg 600 tgtgatttaa tagattctgt tgatcaactt aaaaatatgt catgcttgta tttaagagaa 660 ctcgggaaaa atgtcaaatg ctggcatggt gaaactgcag gagcggctcg gcatggtgga 720 aaaatgtgtt ttgatgctca gagccaagag agtgcggcta agcctgtgtt tcccagcatg 780 cagtgccagg ctcaacatct gactgtggaa gagcagatta aacgggacag gtgctacagc 840 gacagtgagg ctgac 855
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で示したノーザンブロッティング法に
よる正常ラットでのラット187−2遺伝子の組織分布
を示す。図中、1、2、3、4、5、6、7および8は
それぞれ、心臓、脳、脾臓、肺、肝臓、骨格筋、腎臓お
よび精巣を示す。
【図2】心筋梗塞モデルラットでのラット187−2c
DNAの経時変化を、偽手術群の測定値で割ることによ
って変動率を算出し、フォールドインクリースとして示
した。
【図3】ラット187−2のアミノ酸配列と変異型ラッ
ト187−2のアミノ酸との相同性を示す(図4へ続
く)。図中、rat 187-2(T)pro.PROはラット187−2
のアミノ酸配列を、Rat 187-2(K).proは変異型ラット1
87−2のアミノ酸配列を示す。
【図4】ラット187−2のアミノ酸配列と変異型ラッ
ト187−2のアミノ酸との相同性を示す(図3の続
き)。図中、rat 187-2(T)pro.PROはラット187−2
のアミノ酸配列を、Rat 187-2(K).proは変異型ラット1
87−2のアミノ酸配列を示す。
【図5】ヒト187−2のアミノ酸配列とラット187
−2のアミノ酸配列との相同性を示す(図6へ続く)。
図中、rat 187-2(K).PROはラット187−2のアミノ酸
配列を、Human 187-2.proはヒト187−2のアミノ酸
配列を示す。
【図6】ヒト187−2のアミノ酸配列とラット187
−2のアミノ酸配列との相同性を示す(図5の続き)。
図中、rat 187-2(K).PROはラット187−2のアミノ酸
配列を、Human 187-2.proはヒト187−2のアミノ酸
配列を示す。
【図7】実施例6で示すRT−PCR法による健常人で
のヒト187−2遺伝子の組織分布を示す。図中、1、
2、3、4、5、6、7および8はそれぞれ、脳、心
臓、腎臓、肝臓、肺、気管支および染色体を示す。
【図8】実施例6で示すRT−PCR法による健常人で
のヒト187−2遺伝子の組織分布を示す。 図中、1〜28は以下の組織を示す。 1:結腸,2:卵巣,3:末梢血リンパ球,4:前立
腺,5:小腸,6:脾臓,7:精巣,8:胸腺,9:胎
児脳,10:胎児心臓,11:胎児腎臓,12:胎児肝
臓,13:胎児肺,14:胎児骨格筋,15:胎児脾
臓,16:胎児胸腺,17:成人心臓,18:胎児心
臓,19:大動脈,20:三尖弁,21:左心房,2
2:右心房,23:左心耳,24:右心耳,25:左心
室,26:右心室,27:心室中隔,28:房室結節
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/00 C07K 16/18 4C084 C07K 14/47 C12N 1/15 4C085 16/18 1/19 4C086 C12N 1/15 1/21 4C087 1/19 C12P 21/02 C 4H045 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/68 Z C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z 1/68 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 A61K 35/76 39/395 D 33/566 N // A61K 35/76 C12N 15/00 ZNAA 39/395 5/00 A A61K 37/02 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 AA40 BA11 BB50 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 4B024 AA01 AA11 BA43 BA80 CA04 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01 EA02 EA03 EA04 FA02 GA11 HA01 HA11 4B063 QA01 QA08 QA18 QQ05 QQ42 QQ79 QR08 QR33 QR59 QR62 QR74 QR80 QS25 QS36 QX02 4B064 AG01 CA01 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA87X AA90Y AB01 AB02 BA01 BA08 CA24 CA25 CA44 4C084 AA02 AA03 AA06 AA07 AA13 AA17 BA01 BA02 BA22 CA53 NA14 ZA362 4C085 AA13 AA14 DD62 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA36 4C087 AA01 AA02 BC83 CA12 NA14 ZA36 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA00 DA76 EA23 EA50 FA72 FA74

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:19で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質またはその塩。
  2. 【請求項2】 配列番号:19で表されるアミノ酸配列
    と実質的に同一のアミノ酸配列が、配列番号:1、配列
    番号:14または配列番号:24で表されるアミノ酸配
    列である請求項1記載のタンパク質またはその塩。
  3. 【請求項3】 配列番号:19で表されるアミノ酸配列
    を含有する請求項1記載のタンパク質またはその塩。
  4. 【請求項4】 配列番号:1で表されるアミノ酸配列を
    含有する請求項1記載のタンパク質またはその塩。
  5. 【請求項5】 配列番号:14で表されるアミノ酸配列
    を含有する請求項1記載のタンパク質またはその塩。
  6. 【請求項6】 配列番号:24で表されるアミノ酸配列
    を含有する請求項1記載のタンパク質またはその塩。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のタンパク質の部分ペプチ
    ドまたはその塩。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のタンパク質または請求項
    7記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを
    含有するポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 DNAである請求項8記載のポリヌクレ
    オチド。
  10. 【請求項10】 配列番号:2、配列番号:13、配列
    番号:18または配列番号:25で表される塩基配列を
    含有する請求項9記載のDNA。
  11. 【請求項11】 請求項8記載のポリヌクレオチドを含
    有する組換えベクター。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の組換えベクターで形
    質転換された形質転換体。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の形質転換体を培養
    し、請求項1記載のタンパク質もしくはその塩または請
    求項7記載の部分ペプチドまたはその塩を生成、蓄積せ
    しめ、これを採取することを特徴とする請求項1記載の
    タンパク質もしくはその塩または請求項7記載の部分ペ
    プチドもしくはその塩の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のタンパク質もしくはそ
    の塩または請求項7記載の部分ペプチドもしくはその塩
    を含有してなる医薬。
  15. 【請求項15】 請求項1記載のタンパク質もしくはそ
    の塩または請求項7記載の部分ペプチドもしくはその塩
    に対する抗体。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の抗体を含有する診断
    薬。
  17. 【請求項17】 請求項1記載のタンパク質もしくはそ
    の塩または請求項7記載の部分ペプチドもしくはその塩
    を用いることを特徴とする、請求項1記載のタンパク質
    もしくはその塩または請求項7記載の部分ペプチドもし
    くはその塩の活性を調節する化合物またはその塩のスク
    リーニング方法。
  18. 【請求項18】 請求項1記載のタンパク質もしくはそ
    の塩または請求項7記載の部分ペプチドもしくはその塩
    が、請求項1記載のタンパク質または請求項7記載の部
    分ペプチドをコードするDNAを含有するDNAで形質
    転換された形質転換体の細胞質内に発現されたものであ
    る請求項17記載のスクリーニング方法。
  19. 【請求項19】 請求項1記載のタンパク質またはその
    塩を産生する能力を有する細胞を、試験化合物存在下お
    よび非存在下に培養し、試験化合物存在下および非存在
    下のそれぞれの場合の前記タンパク質またはその塩の発
    現量を測定することを特徴とする請求項17記載のスク
    リーニング方法。
  20. 【請求項20】 請求項1記載のタンパク質をコードす
    るDNAを用いることを特徴とする前記タンパク質遺伝
    子の発現を調節する化合物またはその塩のスクリーニン
    グ方法。
  21. 【請求項21】 請求項1記載のタンパク質もしくはそ
    の塩または請求項7記載の部分ペプチドもしくはその塩
    を含有することを特徴とする、請求項1記載のタンパク
    質もしくはその塩または請求項7記載の部分ペプチドも
    しくはその塩の活性を調節する化合物またはその塩のス
    クリーニング用キット。
  22. 【請求項22】 請求項17記載のスクリーニング方法
    または請求項21記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる、請求項1記載のタンパク質もしくはその塩
    または請求項7記載の部分ペプチドもしくはその塩の活
    性を調節する化合物またはその塩。
  23. 【請求項23】 請求項20記載のスクリーニング方法
    によって得られる、請求項1記載のタンパク質遺伝子の
    発現を調節する化合物またはその塩。
  24. 【請求項24】 請求項22または23記載の化合物ま
    たはその塩を含有してなる医薬。
  25. 【請求項25】 心疾患の予防・治療剤である請求項2
    4記載の医薬。
  26. 【請求項26】 請求項1記載のタンパク質または請求
    項7記載の部分ペプチドをコードするDNAに相補的も
    しくは実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセンス
    ヌクレオチド。
  27. 【請求項27】 請求項26記載のアンチセンスヌクレ
    オチドを含有してなる医薬。
  28. 【請求項28】 請求項8記載のポリヌクレオチドを含
    有してなる医薬。
  29. 【請求項29】 請求項8記載のポリヌクレオチドを含
    有してなる診断薬。
  30. 【請求項30】 哺乳動物に対して、請求項22または
    23記載の化合物またはその塩の有効量を投与すること
    を特徴とする心疾患の予防・治療方法。
  31. 【請求項31】 心疾患の予防・治療剤を製造するため
    の請求項22または23記載の化合物またはその塩の使
    用。
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