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JP2002348579A - ゼオライト系分離膜を用いた炭化水素混合物の分離方法、および分離して炭化水素を得る方法 - Google Patents

ゼオライト系分離膜を用いた炭化水素混合物の分離方法、および分離して炭化水素を得る方法

Info

Publication number
JP2002348579A
JP2002348579A JP2001154518A JP2001154518A JP2002348579A JP 2002348579 A JP2002348579 A JP 2002348579A JP 2001154518 A JP2001154518 A JP 2001154518A JP 2001154518 A JP2001154518 A JP 2001154518A JP 2002348579 A JP2002348579 A JP 2002348579A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zeolite
hydrocarbon
thin film
chain
separation membrane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001154518A
Other languages
English (en)
Inventor
Morimasa Arakawa
守正 荒川
Satoru Abe
哲 阿部
Taisuke Ando
泰典 安藤
Hisatomi Taguchi
久富 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Nard Institute Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Nard Institute Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd, Nard Institute Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP2001154518A priority Critical patent/JP2002348579A/ja
Publication of JP2002348579A publication Critical patent/JP2002348579A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゼオライト系分離膜を用いて、分解や化学反
応を伴わずに安定かつ効率よく、炭化水素混合物を直鎖
体の炭化水素に富む成分と分岐鎖体の炭化水素に富む成
分に分離して得る方法を提供する。 【解決手段】 本発明で用いるゼオライト系分離膜は、
ゼオライト薄膜層が多孔質支持体の表層部に形成され、
前記ゼオライト薄膜層が、ゼオライト結晶固有の細孔を
有すると共に、結晶粒界に細孔径が10nm以下の細孔
を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゼオライト系分離
膜を用いて、炭化水素混合物を分離する方法および分離
して炭化水素を得る方法に関するものであり、例えば、
ナフサの分解で得られる炭素数が4または5の炭化水素
を含む留分よりオレフィンおよび/又はジオレフィンを
分離した後の残留分から、直鎖体の炭化水素に富む成分
と分岐鎖体の炭化水素に富む成分とに分離し、又は直鎖
体の炭化水素に富む成分と分岐鎖体の炭化水素に富む成
分のそれぞれを得るのに好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】石油化学工業における重要な基礎原料で
ある炭素数が4〜5のオレフィンおよびジオレフィン
は、ナフサの分解によってエチレンを製造する際に副生
する炭素数が4の炭化水素留分(C4留分)や炭素数が
5の炭化水素留分(C5留分)などからの抽出蒸留法に
よって製造されている。しかし、原料となるC4留分や
C5留分の量や品質は、エチレン需給状況の影響を著し
く受けるので、安定した製造手段が求められている。
【0003】一方、C4留分やC5留分から目的とする
オレフィンやジオレフィンを抽出蒸留した後の残留分の
中には、それらのオレフィンやジオレフィンの原料とし
て有用なパラフィンやオレフィンが含まれているにも拘
らず、工業的な利用はなされず、燃料として消費されて
いる。
【0004】例えば、イソプレンは、イソプレンゴムの
原料等として有用なジオレフィンのひとつであり、現
在、C5留分中に12〜15%の濃度で含まれるものを
抽出蒸留する方法で製造されている。しかし、C5留分
からイソプレンを抽出蒸留した後の残留分には、脱水素
化することによってイソプレンに転化し得る成分とし
て、イソペンタンやメチルブテンなどの分岐鎖体が平均
的に30〜40質量%の濃度で含まれているが、これら
は利用されずに燃料として消費されているのが現状であ
る。このように燃料として消費されているのは、イソペ
ンタンやメチルブテンからイソプレンへの脱水素化反応
の平衡定数が極めて小さいので、残留分を直接脱水素化
したのでは、イソプレンの収率が低く、生産効率が悪い
ためだと考えられている。
【0005】そこで、これらの残留分中に含まれている
イソペンタンやメチルブテンなどの分岐鎖体の炭化水素
を効率的に分離・濃縮する方法が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ゼオライト系化合物
が、その結晶構造に由来する結晶固有の細孔によって、
例えば、炭化水素の分岐鎖体と直鎖体とを識別(形状選
択性、分子篩作用)することはよく知られている。近
年、このようなゼオライト系化合物を薄膜化した分離膜
を用いて、炭化水素混合物を分離する技術開発が進めら
れているが、次のような性能が要求されている。
【0007】まず第一に、直鎖体の透過率が大きく、分
岐鎖体に対する直鎖体の透過率の比(透過係数比)が大
きいことである。ここで、透過率、透過係数比、透過比
率は以下のように定義される。 透過率=N/(A×ΔP)(N:単位時間当たりの透過
量、A:透過面積、ΔP:高圧側と低圧側の圧力差) 透過係数比=物質Aの透過率/物質Bの透過率 透過比率=100×[分離膜を透過した成分の重量/仕
込原料(透過物+非透過物)の重量] 第二は、ゼオライト系分離膜が炭化水素の化学変化を起
こさないことである。ゼオライトは、炭化水素に対して
固体酸触媒としての作用を示す場合が多いので、炭化水
素の分解、重合などの化学変化によってタール質が生成
し易く、分離膜の性能低下を招くことにも繋がるからで
ある。
【0008】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
であり、ゼオライト系分離膜を利用して、直鎖体と分岐
鎖体とを含む炭化水素混合物から、直鎖体の炭化水素に
富む成分と分岐鎖体の炭化水素に富む成分とにそれぞれ
効率よく分離する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すること
のできた本発明とは、ゼオライト系分離膜を用いて、直
鎖体の炭化水素と分岐鎖体の炭化水素とを含有する炭化
水素混合物を、直鎖体の炭化水素に富む成分と分岐鎖体
の炭化水素に富む成分とに分離する方法、および、分離
して膜透過分として、直鎖体の炭化水素に富む成分を、
膜非透過分として、分岐鎖体の炭化水素に富む成分を得
る方法であって、前記ゼオライト系分離膜は、ゼオライ
ト薄膜層が多孔質支持体の表層部に形成され、前記ゼオ
ライト薄膜層は、ゼオライト結晶固有の細孔を有すると
共に、結晶粒界に細孔径が10nm以下の細孔を有する
ことを特徴とする。前記ゼオライト薄膜層は、シリカに
対するアルミナのモル比(アルミナ/シリカ)が、0.
0025(1/400)以下であることが望ましい。前
記炭化水素混合物は、ナフサの分解で得られる炭素数が
4または5の炭化水素を含む混合物からオレフィン及び
/またはジオレフィンを分離した後の残留分であること
が好ましく、より好ましくは、炭素数が5の炭化水素を
含む留分からイソプレンを分離した後の残留分であり、
イソペンタン、メチルブテン及び直鎖体の炭化水素を含
有することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、ゼオライト系分離
膜の調製方法や、構造、特性などについて検討した結
果、ゼオライト薄膜層が多孔質支持体の表層部に形成さ
れたゼオライト系分離膜であって、前記ゼオライト薄膜
層がゼオライト結晶固有の細孔を有すると共に、結晶粒
界に細孔径が10nm以下の細孔を有するゼオライト系
分離膜が、直鎖体の炭化水素と分岐鎖体の炭化水素に対
して優れた分離作用を示すことを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0011】まず、本発明で用いるゼオライト系分離膜
について説明する。本発明で用いるゼオライト系分離膜
とは、ゼオライト薄膜層が多孔質支持体の表層部に形成
され、前記ゼオライト薄膜層がゼオライト結晶固有の細
孔と共に、結晶粒界に細孔径が10nm以下の細孔を有
することを特徴とする。
【0012】ゼオライト結晶固有の細孔径は、特に制限
されるものではないが、0.3nm以上、好ましくは
0.5nm以上、1.5nm以下、好ましくは1nm以
下であることが望ましい。また、ゼオライト薄膜層中の
結晶粒界の細孔の細孔径は、10nm以下、好ましくは
8nm以下、より好ましくは5nm以下である。結晶粒
界の平均細孔径が10nm超の場合には、炭化水素の直
鎖体と分岐鎖体の分離性能が低下するからである。結晶
粒界の細孔の下限は、特に制限されるものではないが、
ゼオライト結晶固有の細孔径より大きいことが好まし
い。特に、ゼオライト結晶固有の細孔径が1nm未満で
ある場合には、結晶粒界の細孔径は、1nm以上、さら
に好ましくは2nm以上であることが望ましい。
【0013】前記ゼオライト薄膜層中の細孔径および細
孔分布は、窒素吸着法および/またはアルゴン吸着法に
よって、ミクロ細孔領域(結晶部分)およびメゾ細孔領
域(結晶粒界部分)の細孔分布を測定することができ
る。
【0014】本発明で用いるゼオライト系分離膜が、炭
化水素の直鎖体と分岐鎖体に優れた分離作用を発現する
理由は明らかでないが、多孔質支持体の表層部に形成さ
れるゼオライト薄膜層が、ゼオライト結晶固有の比較的
小さな細孔(1nm未満)と結晶粒界における比較的大
きな細孔(1nm〜10nm)を併せ持つことにより、
直鎖体の炭化水素の高い透過率と高い選択性を同時に実
現できるためと考えられる。ゼオライト結晶固有の細孔
は、微細で細孔径が均一なので非常に高精度の選択性が
期待できるが、透過率は低くなる。これに対して結晶粒
界は細孔径が大きくなるために選択性は劣るが、透過率
は高くなる。無機ガスのような小さな分子を分離する場
合には、結晶粒界が存在すると格段に選択性が低下する
ために分離膜として機能しなくなってしまうが、本発明
のような炭素数が4〜5の炭化水素の場合は10nm程
度までの結晶粒界が存在しても選択性を低下させること
なく透過率が向上するため、高性能な分離膜として機能
するものと考えられる。
【0015】ゼオライト薄膜層中の結晶粒界に、10n
m以下の比較的大きな細孔を有する分離膜を形成するた
めには、ゼオライト薄膜層を多孔質支持体の表層部に形
成し、内層部にまでは形成しないことが好ましい。ゼオ
ライト薄膜層を多孔質支持体内層部にまで形成した場合
には、結晶粒界において、10nm以下の比較的大きな
細孔は形成されず、鎖状構造の選択性は同等以上である
が、直鎖体の透過率が小さくなってしまうからである。
【0016】前記ゼオライト薄膜層の膜厚は、5μm以
上、好ましくは10μm以上、100μm以下、好まし
くは50μm以下である。5μm未満であると、ゼオラ
イト薄膜層は、破損しやすくなり、また実質的にゼオラ
イト薄膜層を設けた効果が小さく、直鎖体と分岐鎖体の
分離能が低下するからである。また、100μm超で
は、膜厚が厚くなりすぎて、透過の抵抗が大きく、逆に
分離能が低下する傾向があるからである。
【0017】前記ゼオライト薄膜層は、多孔質支持体の
表層部にのみ形成することが好ましいが、薄膜層の一部
は、ゼオライト薄膜層と多孔質支持体との剥離を防止す
るため、該支持体内層部に形成してもよい。該支持体内
層部に形成される薄膜層の膜厚は、支持体表面から内部
へ向かって、4μm以下、より好ましくは2μm以下
(0μmも含む)であることが好ましい。上述したよう
に、多孔質支持体内層部にまでゼオライト薄膜層が形成
されると、結晶粒界に比較的大きな細孔が得られず、分
離性能が低下するからである。また、内層部へのゼオラ
イト薄膜層の形成は、ゼオライト薄膜層と多孔質支持体
との剥離を防止できる最小限にとどめるべきだからであ
る。前記ゼオライト薄膜層が多孔質支持体との密着性に
優れ、剥離する恐れがない場合には、特に支持体内層部
にまでゼオライト薄膜層を形成する必要はない。
【0018】前記ゼオライト薄膜層を構成するアルミナ
とシリカのモル比も特に限定されるものではないが、シ
リカに対するアルミナのモル比(アルミナ/シリカ)
が、0.0025(1/400)以下、より好ましくは
0.00125(1/800)以下とする(アルミナを
全く含まない場合も含む)のが望ましい。
【0019】本発明者らは、ゼオライト薄膜層に含まれ
るアルミナ成分の含有量が、分岐鎖体と直鎖体との透過
係数比に影響を及ぼし、該アルミナ成分が増加すると、
分岐鎖体に対する直鎖体の透過係数比(=直鎖体の透過
率/分岐鎖体の透過率)が小さくなることを見出した。
特にシリカに対するアルミナのモル比(アルミナ/シリ
カ)が0.0025(1/400)超であれば、分岐鎖
体に対する直鎖体の透過係数比が小さくなって分離性能
が低下するからである。
【0020】前記ゼオライト薄膜層を形成する原料は、
特に限定されず、例えば以下の原料を用いることができ
る。シリカ源としては、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸
ナトリウム、メタケイ酸カリウム、オルトケイ酸ナトリ
ウム、水ガラス、シリカゾル、シリコンアルコキシドな
ど、アルミナ源としては硫酸アルミニウム、硝酸アルミ
ニウム、塩化アルミニウム、アルミン酸ナトリウムな
ど、アルカリ金属源としては水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化セシウム等である。またさらに、ゼオ
ライトの結晶促進剤として、例えばテトラプロピルアン
モニウムブロマイド(TPABr)、水酸化テトラプロ
ピルアンモニウムなどを用いることができる。
【0021】次に、前記ゼオライト薄膜層を表層部に形
成させる多孔質支持体について説明する。前記多孔質支
持体としては、連通気孔を有するものであれば、特に限
定されず、例えば空孔が針状のものが連なったものであ
ってもよい。また物性的には機械的強度が高くかつ水熱
処理及びその後の熱処理において安定に存在し得る材質
であることが必要であり、例えば、アルミナ、チタニ
ア、ムライト等のセラミック、ステンレスやチタンなど
の金属・合金、ガラスなどを用いることができ、好まし
くはチタニア、アルミナ等の多孔質支持体である。ま
た、多孔質支持体の形状は、炭化水素を分離するのに適
したいずれの形状でもよく、例えば、膜状、板状、筒
状、円筒状(図2)、ハニカム状などが挙げられる。
【0022】本発明で用いるゼオライト系分離膜の製造
方法は、ゼオライト薄膜層を多孔質支持体の表層部分に
形成させる方法であれば特に限定されない。例えば、ゼ
オライト薄膜形成用ゾル、或いはゼオライト前駆体、種
結晶を多孔質支持体の表面に塗布する方法や、多孔質支
持体をゼオライト薄膜形成用ゾルに浸漬する方法などが
挙げられる。多孔質支持体をゼオライト薄膜形成用ゾル
に浸漬する場合は、浸漬時間を、30分以内、好ましく
は20分以内、より好ましくは10分以内とすることが
好ましい。浸漬時間が30分を超えると、ゼオライト薄
膜形成用ゾルが、多孔質支持体内部にまで浸透して、該
支持体内部にまでゼオライト薄膜層が形成されるからで
ある。前記浸漬時間とは、多孔質支持体をゼオライト薄
膜形成用ゾルに浸漬した時から、水熱処理を開始するま
での時間をいう。
【0023】そして次に、水熱処理を行なうことによ
り、多孔質支持体の表層部にゼオライト薄膜層を形成さ
せる。水熱処理は、ゼオライト薄膜層形成用ゾルで処理
した多孔質支持体を熱水中、若しくはオートクレーブ内
の熱水中に浸漬することにより、または加熱水蒸気中に
放置することにより行なうことができる。また、水熱処
理は、多孔質支持体を、ゼオライト薄膜層形成用ゾルに
浸漬したままで行なってもよく、この場合は多孔質支持
体と薄膜形成用ゾルを入れたオートクレーブをオーブン
に直接入れて加熱すればよい。前記水熱処理は、80℃
以上、より好ましくは150℃以上、300℃以下、よ
り好ましくは200℃以下で、3時間以上、より好まし
くは12時間以上、180時間以下、より好ましくは7
2時間以下行なうことが望ましい。
【0024】前記水熱処理の後、多孔質支持体を取り出
して乾燥し、さらに熱処理を行なうことによって、ゼオ
ライト薄膜層を焼成する。前記焼成は、必要に応じて4
00℃〜800℃の温度で1〜10時間熱処理すること
により行えばよい。
【0025】本発明では、上述のようにして得られたゼ
オライト系分離膜を用いて直鎖体の炭化水素と分岐鎖体
の炭化水素とを含有する炭化水素混合物を鎖状構造によ
って分離して、直鎖体の炭化水素に富む成分と分岐鎖体
の炭化水素に富む成分とを得る。
【0026】前記炭化水素混合物は、直鎖体の炭化水素
と分岐鎖体の炭化水素とを含有するものであれば、特に
制限されず、好ましくは炭素数が4〜10の炭化水素、
より好ましくは炭素数が4〜5の炭化水素の直鎖体と分
岐鎖体とを含有する炭化水素混合物である。前記炭化水
素混合物としては、例えば、ナフサの分解で得られる炭
素数が4または5の炭化水素を含む留分からオレフィン
および/またはジオレフィンを分離した残留分、より好
ましくは、ナフサの分解で得られる炭素数が5の炭化水
素留分からイソプレンを分離した残留分を用いることが
特に望ましい。本発明では、これらの残留分に含まれて
いる工業的に有用な直鎖体の炭化水素と分岐鎖体の炭化
水素とを分離して得ることを一つの目的としているから
である。また、オレフィンおよび/またはジオレフィン
をナフサの分解で得られる炭素数が4又は5の炭化水素
を含む留分から分離する方法は、特に限定されることな
く、例えば、抽出、蒸留、抽出蒸留などが挙げられる。
【0027】炭素数が4または5の直鎖体の炭化水素と
しては、例えば、n−ブタン、n−ペンタンなどの直鎖
状パラフィン;n−ブテン、n−ペンテン、n−ブタジ
エン、n−ペンタジエンなどの直鎖状オレフィン及びジ
オレフィン;イソブタン、イソペンタンなどの分岐状パ
ラフィン;イソブテン、メチルブテン、イソプレンなど
の分岐状オレフィン及びジオレフィンなどが挙げられ
る。
【0028】本発明において、例えば、炭素数が4また
は5の炭化水素を含む留分からオレフィンおよび/また
はジオレフィンを分離した残留分には主としてパラフィ
ンおよび/またはオレフィンが含まれており、本発明に
よって、直鎖体のパラフィンおよび/またはオレフィン
に富む成分と分岐鎖体のパライフィンおよび/またはオ
レフィンに富む成分とに分離することができる。特に、
ナフサの分解で得られる炭素数が5の炭化水素留分から
イソプレンを分離した残留分には、工業的に有用なイソ
プレンの製造原料となるイソペンタンや、メチルブテン
(主として2−メチル−2−ブテン、2−メチル−1−
ブテン及び微量の3−メチル−1−ブテン)が約30〜
40質量%含まれており、これらを分離して得ることは
極めて有用である。
【0029】本発明では、前記炭化水素混合物を、上述
したゼオライト系分離膜に透過させることによって、直
鎖体の炭化水素に富む成分と分岐鎖体の炭化水素に富む
成分とに分離することができる。前記分離の際には、直
鎖体は、パラフィンであるか、オレフィンであるかを問
わず分岐鎖体に優先して該ゼオライト系分離膜を透過す
るので、透過したもの(以下、「透過物」とする)は、直
鎖体の炭化水素に富む成分であり、分離膜を透過しない
もの(以下、「非透過物」とする)は、分岐鎖体の炭化水
素に富む成分となる。本発明では、このようにして、膜
透過分として、直鎖体の炭化水素に富む成分を得ること
ができ、また、膜非透過分として、分岐鎖体の炭化水素
に富む成分を得ることができる。
【0030】この分離は、透過部分(ゼオライト系分離
膜の周囲)を300℃以下、好ましくは50〜200℃
の温度域であって、前記炭化水素混合物を気体状で分離
できる温度領域で、非透過側を加圧するか、透過側を減
圧にして行なうことが好ましい。例えば、イソペンタ
ン、メチルブテン、イソプレンなどの炭素数が5の炭化
水素は、室温では液体であるが、50℃以上の温度領域
で、気体状態で分離されることとなる。
【0031】本発明では、直鎖体を含む炭化水素成分と
分岐鎖体を含む炭化水素成分に分離すると同時に、必然
的に各成分中に含まれる直鎖体または分岐鎖体を濃縮す
ることができるので、直鎖体の炭化水素に富む成分と分
岐鎖体の炭化水素に富む成分が得られる。本発明で、直
鎖体又は分岐鎖体に「富む」とは、着目する炭化水素につ
いて、分離することによって濃縮されて、分離処理後に
おける各成分中の直鎖体又は分岐鎖体のモル分率が、使
用した炭化水素混合物中のモル分率よりも高くなること
を意味する。また、本発明では、特に分離後の各成分中
の直鎖体又は分岐鎖体の含有量を限定するものではない
が、分離処理後の各成分中の直鎖体又は分岐鎖体のモル
分率は0.4以上、より好ましくは0.6以上、さらに
好ましくは0.9以上であることが好ましい。
【0032】例えば、分岐鎖体の炭化水素と直鎖体の炭
化水素とを含む分岐鎖体のモル分率が0.3である炭化
水素混合物を前記ゼオライト系分離膜で分離すると、分
岐鎖体のモル分率が0.7以上にまで濃縮された非透過
物と、直鎖体のモル分率が0.9以上にまで濃縮された
透過物とが同時に得られる。分離する炭化水素混合物と
してイソペンタン、メチルブテンと直鎖体の炭化水素と
を含有する炭化水素混合物を用いた場合には、イソペン
タンとメチルブテンに富む炭化水素成分と直鎖体の炭化
水素に富む炭化水素成分とを得ることができる。
【0033】前記本発明の方法は、以下に記載する様
に、オレフィン及び/又はジオレフィンの製造にも有効
に活用することができる。即ち、前記ゼオライト系分離
膜を用いて、ナフサの分解で得られる炭素数が4または
5の炭化水素を含む留分からオレフィン及び/又はジオ
レフィン成分を分離した後の残留分から、直鎖体の炭化
水素に富む成分と分岐鎖体の炭化水素に富む成分とを得
た後、前記炭化水素成分の一方を脱水素化することによ
ってオレフィン及び/又はジオレフィンを製造すること
ができる。分岐鎖体のオレフィン及び/又はジオレフィ
ン、直鎖体のオレフィン及び/またはジオレフィンの製
造を目的とする場合には、分岐鎖体を含む非透過物、直
鎖体を含む透過物のそれぞれを脱水素化すればよい。
【0034】例えば、パラフィン及び/またはオレフィ
ンを含む成分を脱水素化すれば、オレフィン及び/また
はジオレフィンを得ることができる。
【0035】本発明を使用して製造できるオレフィン及
び/またはジオレフィンとしては、例えば、ブテン、ペ
ンテン、ヘキセンなどの炭素数4〜10の直鎖状オレフ
ィン;イソブテン、イソペンテン、ネオペンテン等の炭
素数4〜10の分岐鎖状オレフィン;ブタジエン、ペン
タジエン、ヘキサジエンなどの直鎖状ジオレフィン;イ
ソプレンなどの分岐鎖状ジオレフィンなどが挙げられ、
好ましくは炭素数が4〜5のオレフィン及び/またはジ
オレフィンであり、より好ましくはイソプレンである。
得られる炭素数が4〜5のオレフィンやジオレフィン、
特にイソプレンは、安定な製造手段が求められている工
業的にも有用な原料だからである。また、分離処理され
る炭素数が5の炭化水素は、室温で液体であるので取扱
性に優れる一方、分離温度(50℃から250℃)で気
化するので、分離するのに適している。
【0036】前記脱水素化反応は、炭化水素の脱水素化
反応に用いられる一般的な触媒、例えば、鉄系、白金系
の触媒などを用いて、500℃〜600℃の温度域で行
なえば良い。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明は、下記実施例によって限定されるもので
はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の
態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0038】[ゼオライト系分離膜の製造] ゼオライト系分離膜1(アルミナなし) 水酸化ナトリウムとテトラプロピルアンモニウムブロマ
イド(TPABr)とを含む水溶液に、コロイダルシリ
カ(触媒化成(株)製、カタロイド SI−30)を添
加して撹拌し、均一なゼオライト薄膜形成用ゾルを調製
した。各原料は、該ゾルの組成が、TPABr:Na2
O:Si2O:H2O=0.1:0.05:1:80のモ
ル比になるように添加した。円筒状のアルミナ多孔質支
持体(平均細孔径0.7μm、気孔率35%)は、その
外側面が前記薄膜形成用ゾルと接触しないように外側面
にシールを施した。前記アルミナ多孔質支持体を前記薄
膜形成用ゾルに20分間浸漬した後、前記アルミナ多孔
質支持体を前記薄膜形成用ゾルと共にオートクレーブに
移して、170℃にて72時間水熱処理を行ない前記ア
ルミナ多孔質支持体内側面にゼオライト薄膜層を形成さ
せた。次いで、ゼオライト薄膜層を形成させたアルミナ
多孔質支持体を、水洗し、乾燥した後、600℃で2時
間焼成してゼオライト系分離膜を得た。
【0039】前記ゼオライト系分離膜は、透過面積が1
3cm2 であり、形成されたゼオライト薄膜層は、X線回
折によってシリカライトであることが確認された。ま
た、前記ゼオライト薄膜層の膜厚は、走査型電子顕微鏡
法によって50μmであり、このうち支持体の内部に形
成された部分は、2μmであった。
【0040】図1は、窒素吸着法(1μm以上の細孔領
域)とアルゴン吸着法(1μm以下の細孔領域)を併用
して、ゼオライト系分離膜1のゼオライト薄膜層の細孔
分布を測定した結果を示したものである。ゼオライト薄
膜層は、0.5nm近辺にシャープな分布を有する細孔
とともに、結晶粒界に2〜4nm近辺にブロードな分布
を有する細孔を有していることが分かる。
【0041】ゼオライト系分離膜2 透過面積を22cm2としたこと以外は、ゼオライト系
分離膜1と同様の方法にて製造した。
【0042】ゼオライト系分離膜3 アルミナ多孔質支持体をゼオライト薄膜形成用ゾルに1
333.2Paの減圧下、6時間浸漬させて、支持体内
層部にまでゼオライト薄膜層を形成したこと以外は、ゼ
オライト系分離膜1と同様の方法で、ゼオライト系分離
膜を形成した。前記ゼオライト系分離膜は、透過面積が
16cm2であり、形成されたゼオライト薄膜層は、X
線回折によって、シリカライトであることが確認され
た。また、前記ゼオライト薄膜層の膜厚は、50μmで
あり、支持体内層部に形成された部分は、10〜30μ
m(平均15μm)であった。
【0043】ゼオライト系分離膜4(シリカ:アルミナ
=800:1) ゼオライト薄膜形成用ゾルの組成を、TPABr:Na
2O:Si2O:H2O:Al23=0.1:0.05:
1:80:0.00125のモル比とした以外は、ゼオ
ライト系分離膜3と同様の方法にて、ゼオライト系分離
膜を作製した。
【0044】ゼオライト系分離膜5(シリカ:アルミナ
=400:1) ゼオライト薄膜形成用ゾルの組成を、TPABr:Na
2O:Si2O:H2O:Al23=0.1:0.05:
1:80:0.0025のモル比とした以外は、ゼオラ
イト系分離膜3と同様の方法にて、ゼオライト系分離膜
を作製した。
【0045】ゼオライト系分離膜6(シリカ:アルミナ
=100:1) ゼオライト薄膜形成用ゾルの組成を、TPABr:Na
2O:Si2O:H2O:Al23=0.1:0.05:
1:80:0.01のモル比とした以外は、ゼオライト
系分離膜3と同様の方法にて、ゼオライト系分離膜を作
製した。ゼオライト系分離膜1〜6の性状を表1に示し
た。
【0046】
【表1】
【0047】[透過率の測定]ゼオライト系分離膜1を用
いて、200℃にて、非透過側を加圧してn−ブタン、
イソブタン、n−ペンタン及びイソペンタンの透過試験
を行なった。透過率の測定結果を表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】表2より、直鎖状であるn−ブタンおよび
n−ペンタンの透過率は、それぞれ2.74×10
-8(mol・s-1・m-2・Pa-1)、2.53×10-8(mol
・s-1・m -2・Pa-1)と高く、分岐鎖状のイソブタン、
イソペンタンの透過率は、それぞれ0.28×10
-8(mol・s-1・m-2・Pa-1)、0.24×10-8(mol
・s-1・m -2・Pa-1)であり、直鎖状のものと比べて著
しく低くなった。これらの結果より、本発明で用いるゼ
オライト系分離膜は、分岐鎖状の炭化水素に比べて、直
鎖状の炭化水素を選択的に透過し、分離性能に優れてい
ることが明らかとなった。
【0050】[炭化水素混合物の分離性能]ゼオライト系
分離膜1を用いて、直鎖体と分岐鎖体とを含有する炭化
水素混合物を直鎖体に富む炭化水素成分と分岐鎖体に富
む炭化水素成分のそれぞれに分離した。使用した炭化水
素混合物および分離処理前後における各成分中の分岐鎖
体のモル分率を表3に示した。
【0051】
【表3】
【0052】実施例1〜5は、分離される炭化水素混合
物がイソペンタンをモル分率で0.11〜0.49含有
する場合である。分離処理後の非透過物中の分岐鎖体の
モル分率はいずれも高くなり、透過物中の分岐鎖体のモ
ル分率が低下していることから、分岐鎖体に富む炭化水
素成分と直鎖体に富む炭化水素成分とに効率的に分離さ
れていることが明らかとなった。また、ゼオライト系分
離膜1は、分離される炭化水素混合物中の分岐鎖体のモ
ル分率によらず幅広い濃度範囲において、直鎖体と分岐
鎖体との分離性能が優れていることが明らかとなった。
【0053】実施例6および7は、分離される炭化水素
混合物が、オレフィンである2−メチル−2−ブテン、
ジオレフィンであるイソプレンを含有する場合である。
ゼオライト系分離膜1は、分離される炭化水素の構造
が、パラフィン、オレフィン、ジオレフィンであるかを
問わず、直鎖体と分岐鎖体の炭化水素の分離に有効であ
ることが分かった。
【0054】同じくゼオライト系分離膜2を用いて、n
−ペンタン、イソペンタンおよび2−メチル−2−ブテ
ンを混合して調製した分岐鎖体のモル分率が約0.4で
ある炭化水素混合物を、非透過物中の分岐鎖体のモル分
率が約0.7になるまで100℃で透過側を減圧にして
分離・濃縮したときの透過物、非透過物中の各成分の組
成分析を行った。分析結果を表4に示した。
【0055】
【表4】
【0056】非透過物中の分岐鎖体のモル分率は、0.
76であり、一方、透過物中の直鎖体のモル分率は、
0.94であることから、分離処理前の炭化水素混合物
の分岐鎖体(モル分率0.41)及び直鎖体(モル分率
0.59)がそれぞれ分離濃縮されていることが分か
る。これらの結果より、本発明によれば、直鎖体と分岐
鎖体とを含む炭化水素混合物を分離すると同時に濃縮す
ることができ、直鎖体の炭化水素に富む成分と分岐鎖体
の炭化水素に富む成分のそれぞれを効率良く得ることが
できていることが明らかとなった。
【0057】[ゼオライト系分離膜の構造の影響1]ゼオ
ライト系分離膜1〜3を用いて、ゼオライト薄膜層を多
孔質支持体の表層部に形成させたゼオライト系分離膜
と、支持体の内層部にまでゼオライト薄膜層を形成させ
た場合との分離性能について比較検討した。炭化水素混
合物としては、n−ペンタンとイソペンタンとを混合し
て調製した分岐鎖体のモル分率が0.32であるものを
用いて、200℃で、透過側を減圧にして分離を行なっ
た。分離結果を、表5に示した。
【0058】
【表5】
【0059】実施例8および9では、多孔質支持体の表
層部にゼオライト薄膜層を形成させたゼオライト系分離
膜1(透過面積:13cm2)及び分離膜2(透過面
積:22cm2)をそれぞれ用い、比較例1では、多孔
質支持体の内層部にまでゼオライト薄膜層を形成させた
ゼオライト系分離膜3(透過面積:16cm2)を用い
た。実施例8の透過比率や単位透過面積当りの透過比率
は、透過面積が13cm 2であるにもかかわらず、比較
例1の透過面積が16cm2のゼオライト系分離膜を用
いた場合よりも高く、非透過物中の分岐鎖体のモル分率
も高い。この結果より、直鎖体の炭化水素に富む炭化水
素成分と分岐鎖体の炭化水素をに富む炭化水素成分とに
分離する分離効率は、表層部にゼオライト薄膜層を形成
したゼオライト系分離膜を用いた場合の方が、内層部に
までゼオライト薄膜層を形成したゼオライト系分離膜を
用いた場合より、高くなることが明らかとなった。
【0060】[ゼオライト系分離膜の構造の影響3]ゼオ
ライト系分離膜4〜6を用いて、ゼオライト薄膜層中の
シリカに対するアルミナのモル比が、分離性能に及ぼす
影響について検討した。n−ペンタンとイソペンタンと
を混合して調製した分岐鎖体のモル分率約0.3である
炭化水素混合物を用いて、200℃で、透過側を減圧に
して、透過比率がほぼ一定(38%)になるように分離
・濃縮を行ない分離性能を比較した。分離結果を表6に
示した。
【0061】
【表6】
【0062】表6から、Al23/SiO2モル比(シ
リカに対するアルミナのモル比)が、0.01(1/1
00)の時には、透過物中の分岐鎖体のモル分率は0.
31で比較的高いが、0.0025(1/400)から
0.00125(1/800)へと小さくなるに従って
透過物中の分岐鎖体のモル分率は0.15〜0.06と
低くなり、分離性能が著しく向上することが明らかにな
った。これらの結果より、本発明では、好ましくはAl
23/SiO2モル比を0.0025以下、より好まし
くは0.00125以下とすることによって、ゼオライ
ト系分離膜の分離性能が高まることが明らかとなった。
【0063】[分離温度の影響1]ゼオライト系分離膜2
を用いて、炭化水素混合物を分離する際の温度の影響に
ついて検討した。n−ペンタン、イソペンタンおよび2
−メチル−2−ブテンを混合した分岐鎖体のモル分率が
0.40である炭化水混合物を50〜250℃の温度域
で、透過側を減圧にして分離・濃縮した。結果を表7に
示した。
【0064】
【表7】
【0065】表7より、分離する温度が高くなるにつれ
て、透過側に移る分岐鎖体のモル分率が増加する傾向が
あるが、本発明で用いるゼオライト系分離膜は、250
℃以下の温度では、問題のない分離性能が得られること
が分かった。
【0066】[分離温度の影響2]本発明において、ゼオ
ライト系分離膜が、炭化水素の分解や重合などの化学変
化を起こさないかどうかを調べるために、n−ペンタン
とイソペンタンを混合した分岐鎖体のモル分率が約0.
30である炭化水素混合物およびn−ペンタン、イソペ
ンタン及び2−メチル−2−ブテンとを混合した分岐鎖
体のモル分率が約0.40である炭化水素混合物のそれ
ぞれを100℃〜400℃の温度範囲で分離・濃縮を行
ない、透過物中の成分組成をガスクロマトグラフィーに
よって分析した。
【0067】その結果、2−メチル−2−ブテンを混合
した炭化水素混合物を300℃超の反応温度域で分離濃
縮した分離生成物中にはブテンが検出され、オレフィン
である2−メチル−2−ブテンが含まれる場合には、極
めて僅かながらも、分解反応が引き起こされているもの
と推察される。
【0068】また、n−ペンタンとイソペンタンのみを
混合した炭化水素混合物を400℃以下の温度域で分離
濃縮した場合には、分離生成物中に新たな成分に由来す
るピークは認められなかった。本発明で用いるゼオライ
ト系分離膜は、400℃以下の温度で、炭化水素成分を
安定に分離することができ、特にオレフィンが含まれて
いる様な炭化水素成分に対しても、300℃以下の温度
域で、安定に分離できることが分かった。
【0069】参考例 [脱水素化反応]表4に示した炭化水素混合物を分離・濃
縮することによって得た非透過物を脱水素化したときの
生成物の平衡組成を、n−ペンタン、イソペンタン、2
−ペンテン(trans)、2−メチル−2−ブテン、
1,3−ペンタジエン及びイソプレンの6成分系につい
て、脱水素化平衡定数を用いて計算した結果を、分離・
濃縮することなく直接脱水素化したときのそれと比較し
て表8に示した。尚、平衡組成は、分離・濃縮後の分岐
鎖体の炭化水素に富む成分と、分離・濃縮前の炭化水素
混合物のそれぞれを、希釈ガス添加量9モル倍、温度5
50℃、全圧0.1MPaの反応条件で計算した。
【0070】
【表8】
【0071】表8より、分離濃縮後の分岐鎖体の炭化水
素に富む成分を脱水素化したときのイソプレン、2−メ
チル−2−ブテンのモル分率は、それぞれ0.22、
0.45であり、分離処理前の炭化水素混合物を直接脱
水素化した場合のイソプレン、2−メチル−2−ブテン
のモル分率0.10、0.24に比べて高くなる。この
結果より、本発明を使用すれば、分離処理前の炭化水素
混合物を直接脱水素化するのに比べて、イソプレンを効
率的に製造できることが明らかとなった。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、ゼオライト薄膜層が、
ゼオライト結晶固有の細孔と共に、結晶粒界に細孔径が
10nm以下の細孔を有するゼオライト薄膜層を多孔質
支持体の表層部に設けたゼオライト系分離膜を用いて、
直鎖体の炭化水素と分岐鎖体の炭化水素とを含有する炭
化水素混合物から、分解や化学反応を伴うことなく、直
鎖体の炭化水素に富む成分と分岐鎖体の炭化水素に富む
成分とを効率的に分離して得ることができた。
【0073】本発明を、炭化水素混合物の脱水素化反応
の前処理工程として利用すると、各成分の分岐鎖体及び
直鎖体は、それぞれ分離・濃縮されるので、脱水素化反
応の化学平衡上の制約を著しく緩和すると共に、反応速
度も大きくすることができる。そのため、分離濃縮する
前の炭化水素混合物を直接脱水素化してオレフィンやジ
オレフィンを製造する場合と比較して、効率よくオレフ
ィンやジオレフィンを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゼオライト薄膜層中の結晶粒界の細孔分布図で
ある。
【図2】ゼオライト系分離膜(円筒状)の説明図(例)
である。
【符号の説明】
1:外側面 2:内側面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 11/10 C07C 11/10 11/18 11/18 C10G 55/04 C10G 55/04 (72)発明者 阿部 哲 兵庫県尼崎市西長洲町2丁目6番1号 株 式会社ナード研究所内 (72)発明者 安藤 泰典 愛知県名古屋市西区則武新町3丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 田口 久富 愛知県名古屋市西区則武新町3丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 Fターム(参考) 4D006 GA41 MA02 MA09 MA22 MB04 MC03X NA05 NA62 NA64 PB20 PB68 PC80 4H006 AA02 AD19 BC51 4H029 DA02 DA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼオライト系分離膜を用いて、直鎖体の
    炭化水素と分岐鎖体の炭化水素とを含有する炭化水素混
    合物を、直鎖体の炭化水素に富む成分と分岐鎖体の炭化
    水素に富む成分とに分離する方法であって、前記ゼオラ
    イト系分離膜は、ゼオライト薄膜層が多孔質支持体の表
    層部に形成され、前記ゼオライト薄膜層は、ゼオライト
    結晶固有の細孔を有すると共に、結晶粒界に細孔径が1
    0nm以下の細孔を有することを特徴とする炭化水素混
    合物の分離方法。
  2. 【請求項2】 ゼオライト系分離膜を用いて、直鎖体の
    炭化水素と分岐鎖体の炭化水素とを含有する炭化水素混
    合物から、膜透過分として、直鎖体の炭化水素に富む成
    分を得る方法であって、前記ゼオライト系分離膜は、ゼ
    オライト薄膜層が多孔質支持体の表層部に形成され、前
    記ゼオライト薄膜層は、ゼオライト結晶固有の細孔を有
    すると共に、結晶粒界に細孔径が10nm以下の細孔を
    有することを特徴とする直鎖体の炭化水素に富む成分を
    得る方法。
  3. 【請求項3】 ゼオライト系分離膜を用いて、直鎖体の
    炭化水素と分岐鎖体の炭化水素とを含有する炭化水素混
    合物から、膜非透過分として、分岐鎖体の炭化水素に富
    む成分を得る方法であって、前記ゼオライト系分離膜
    は、ゼオライト薄膜層が多孔質支持体の表層部に形成さ
    れ、前記ゼオライト薄膜層は、ゼオライト結晶固有の細
    孔を有すると共に、結晶粒界に細孔径が10nm以下の
    細孔を有することを特徴とする分岐鎖体の炭化水素に富
    む成分を得る方法。
  4. 【請求項4】 前記炭化水素混合物は、ナフサの分解で
    得られる炭素数が4または5の炭化水素を含む留分から
    オレフィン及び/又はジオレフィンを分離した後の残留
    分である請求項2又は3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記炭化水素混合物は、炭素数が5の炭
    化水素を含む留分からイソプレンを分離した後の残留分
    である請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記炭化水混合物が、イソペンタン、メ
    チルブテン及び直鎖体の炭化水素を含むものであり、該
    混合物からイソペンタン、メチルブテンに富む炭化水素
    成分を得る請求項3〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ゼオライト薄膜層は、シリカに対す
    るアルミナのモル比(アルミナ/シリカ)が、0.00
    25(1/400)以下である(0も含む)請求項1〜
    6に記載の方法。
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