JP2002129269A - アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents
アルミニウム合金板およびその製造方法Info
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- JP2002129269A JP2002129269A JP2000333224A JP2000333224A JP2002129269A JP 2002129269 A JP2002129269 A JP 2002129269A JP 2000333224 A JP2000333224 A JP 2000333224A JP 2000333224 A JP2000333224 A JP 2000333224A JP 2002129269 A JP2002129269 A JP 2002129269A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 箔圧延性(適度な強度および伸び)、表面処
理特性(表面模様が生じないこと)、および成形性(肌
荒れが生じないこと)の優れたアルミニウム合金板およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 Fe, Siを含有し、残部がAlおよび不可避
的不純物元素から成るアルミニウム合金板であって、
(1)Feの固溶量が50ppm未満であり、(2)板表面から少な
くとも深さ20μmまでの表層領域が下記条件(A)、(B):
(A)圧延方向に対して直角方向の結晶粒幅sDが平均値で5
0μm未満かつ最大値で100μm未満、かつ(B)上記結晶粒
幅sDに対して圧延方向の結晶粒長さsLが5倍以上、を満
たす冷間圧延加工組織であって、(3)板厚中央部にある
板厚の2/3以上の厚さの芯領域における圧延方向に直角
方向の結晶粒幅cDが、平均値で100μm以上であり、(4)
板厚が0.1-2mmで、引張強さが145MPa以上、200MPa未満
であるアルミニウム合金板。
理特性(表面模様が生じないこと)、および成形性(肌
荒れが生じないこと)の優れたアルミニウム合金板およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 Fe, Siを含有し、残部がAlおよび不可避
的不純物元素から成るアルミニウム合金板であって、
(1)Feの固溶量が50ppm未満であり、(2)板表面から少な
くとも深さ20μmまでの表層領域が下記条件(A)、(B):
(A)圧延方向に対して直角方向の結晶粒幅sDが平均値で5
0μm未満かつ最大値で100μm未満、かつ(B)上記結晶粒
幅sDに対して圧延方向の結晶粒長さsLが5倍以上、を満
たす冷間圧延加工組織であって、(3)板厚中央部にある
板厚の2/3以上の厚さの芯領域における圧延方向に直角
方向の結晶粒幅cDが、平均値で100μm以上であり、(4)
板厚が0.1-2mmで、引張強さが145MPa以上、200MPa未満
であるアルミニウム合金板。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用箔地、一般
用箔地、または陽極酸化処理等の表面処理される建築用
外装パネル、日用品、厨房用品、平版印刷版用素板、お
よび成形され陽極酸化処理等の表面処理される電機・電
子部品の筐体、日用品、厨房用品等のアルミニウム合金
板およびその製造法に関するものである。
用箔地、または陽極酸化処理等の表面処理される建築用
外装パネル、日用品、厨房用品、平版印刷版用素板、お
よび成形され陽極酸化処理等の表面処理される電機・電
子部品の筐体、日用品、厨房用品等のアルミニウム合金
板およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に純アルミニウム系合金と呼ばれる
ものは、JIS A1100,A1200,A105
0,A1060,A1070および、A1N00,A1
N30,A1230等で規定される化学組成を有するア
ルミニウム合金を指す。
ものは、JIS A1100,A1200,A105
0,A1060,A1070および、A1N00,A1
N30,A1230等で規定される化学組成を有するア
ルミニウム合金を指す。
【0003】これらは、0.1〜2mm程度の純アルミニ
ウム合金薄板として、家庭用箔地、一般用箔地、または
陽極酸化処理等の表面処理される建築用外装パネル、日
用品、厨房用品、平版印刷版用素板、および成形され陽
極酸化処理等の表面処理される電機・電子部品の筐体、
日用品、厨房用品等に用いられている。
ウム合金薄板として、家庭用箔地、一般用箔地、または
陽極酸化処理等の表面処理される建築用外装パネル、日
用品、厨房用品、平版印刷版用素板、および成形され陽
極酸化処理等の表面処理される電機・電子部品の筐体、
日用品、厨房用品等に用いられている。
【0004】このような純アルミニウム合金薄板は、通
常一般に半連続鋳造により得られた鋳塊の表面を面削に
より除去し、均質化処理し、熱間圧延および冷間圧延、
中間焼鈍、最終冷間圧延を経て製造されている。
常一般に半連続鋳造により得られた鋳塊の表面を面削に
より除去し、均質化処理し、熱間圧延および冷間圧延、
中間焼鈍、最終冷間圧延を経て製造されている。
【0005】家庭用箔地または一般用箔地は、箔に加工
する際の良好な圧延性を確保するために、適度な強度お
よび伸びが必要である。強度が高く、伸びが低いと、箔
圧延における圧延性が低下する。
する際の良好な圧延性を確保するために、適度な強度お
よび伸びが必要である。強度が高く、伸びが低いと、箔
圧延における圧延性が低下する。
【0006】一方、建築用外装パネル、日用品、厨房用
品、平版印刷用素板は、陽極酸化処理等の表面処理を施
され、また、電機・電子部品の筐体、日用品、厨房用品
は、成形後に陽極酸化処理等の表面処理を施されるの
で、陽極酸化処理等の表面処理によりグレインストリー
ク等の表面模様が生じないことが必要であり、さらに、
絞り加工等の成形により肌荒れが生じないことが求めら
れている。このように、純アルミニウム系合金板は、箔
圧延性(適度な強度および伸び)、表面処理特性(表面
模様が生じないこと)、成形性(肌荒れが生じないこ
と)が必要である。これらの要請を満たすために、従来
から下記のように種々の工夫が行われてきた。
品、平版印刷用素板は、陽極酸化処理等の表面処理を施
され、また、電機・電子部品の筐体、日用品、厨房用品
は、成形後に陽極酸化処理等の表面処理を施されるの
で、陽極酸化処理等の表面処理によりグレインストリー
ク等の表面模様が生じないことが必要であり、さらに、
絞り加工等の成形により肌荒れが生じないことが求めら
れている。このように、純アルミニウム系合金板は、箔
圧延性(適度な強度および伸び)、表面処理特性(表面
模様が生じないこと)、成形性(肌荒れが生じないこ
と)が必要である。これらの要請を満たすために、従来
から下記のように種々の工夫が行われてきた。
【0007】特開昭63−20103号公報および特開
昭63−161148号公報には、冷間圧延工程におけ
る中間焼鈍を再結晶温度以下で行うか、あるいは熱間圧
延前に500℃以下の温度で均質化を行うことにより、
引張強さ、耐力、深絞り、張り出し等の成形性、箔圧延
性に優れたアルミニウム箔の製造方法が示されている。
昭63−161148号公報には、冷間圧延工程におけ
る中間焼鈍を再結晶温度以下で行うか、あるいは熱間圧
延前に500℃以下の温度で均質化を行うことにより、
引張強さ、耐力、深絞り、張り出し等の成形性、箔圧延
性に優れたアルミニウム箔の製造方法が示されている。
【0008】また、特開昭64−11002号公報に
は、熱間粗圧延時に、総圧下量が50%を超えたところ
で300〜450℃で1分間以上熱処理することで、化
合物を析出処理させ、これにより箔圧延性が良好で、ピ
ンホールが少ないアルミニウム箔地の製造方法が示され
ている。
は、熱間粗圧延時に、総圧下量が50%を超えたところ
で300〜450℃で1分間以上熱処理することで、化
合物を析出処理させ、これにより箔圧延性が良好で、ピ
ンホールが少ないアルミニウム箔地の製造方法が示され
ている。
【0009】また、特開平5−202453号公報に
は、450〜600℃で1〜20時間以上の均質化処理
を行った後、450〜550℃で熱間圧延を開始して、
200〜300℃で熱延圧延を終了し、400℃以上で
30分以上の中間焼鈍を行い、板厚減少率30%以上の
最終冷間圧延を行うことで、耐食性、色調の均一性、エ
ッチング後の外観の均一性を必要とするアルミニウム合
金板の製造方法が示されている。
は、450〜600℃で1〜20時間以上の均質化処理
を行った後、450〜550℃で熱間圧延を開始して、
200〜300℃で熱延圧延を終了し、400℃以上で
30分以上の中間焼鈍を行い、板厚減少率30%以上の
最終冷間圧延を行うことで、耐食性、色調の均一性、エ
ッチング後の外観の均一性を必要とするアルミニウム合
金板の製造方法が示されている。
【0010】また、特開平11−335761号公報に
は、結晶粒の平均サイズを100μm以下、同一結晶面
を有する集合体サイズが圧延方向で10mm以下であり、
さらに集合体は(100),(011),(112),
(123)面のいずれかである肌荒れ、グレインストリ
ークのない表面性状に優れたアルミニウム合金板を製造
する方法として、均質化処理を行い、450℃以下で熱
間圧延を開始し、50m/分の圧延速度で、圧下量30
mm以上か1パス圧下率30%以上のどちらかで行い、3
00〜370℃で熱間粗圧延を終了する方法が示されて
いる。
は、結晶粒の平均サイズを100μm以下、同一結晶面
を有する集合体サイズが圧延方向で10mm以下であり、
さらに集合体は(100),(011),(112),
(123)面のいずれかである肌荒れ、グレインストリ
ークのない表面性状に優れたアルミニウム合金板を製造
する方法として、均質化処理を行い、450℃以下で熱
間圧延を開始し、50m/分の圧延速度で、圧下量30
mm以上か1パス圧下率30%以上のどちらかで行い、3
00〜370℃で熱間粗圧延を終了する方法が示されて
いる。
【0011】また、特開2000−96172号公報に
は、集合組織として、S方位の密度が12以上、Cu方
位の密度が10以上であり、さらに圧延方向に直角方向
の平均結晶粒サイズが70μm以下であることによって
肌荒れ、グレインストリークのない表面性状に優れたア
ルミニウム合金板の製造方法として、均質化処理を行
い、450℃以下で熱間圧延を開始し、50m/分の圧
延速度で、圧下量30mm以上か1パス圧下率30%以上
のどちらかで行い、300〜370℃で熱間粗圧延を終
了し、熱間仕上げ圧延の巻き取り温度を300℃以下と
し、圧下率40%以上で冷間圧延し、中間焼鈍を行い、
50%以上の最終冷間圧延する方法が示されている。
は、集合組織として、S方位の密度が12以上、Cu方
位の密度が10以上であり、さらに圧延方向に直角方向
の平均結晶粒サイズが70μm以下であることによって
肌荒れ、グレインストリークのない表面性状に優れたア
ルミニウム合金板の製造方法として、均質化処理を行
い、450℃以下で熱間圧延を開始し、50m/分の圧
延速度で、圧下量30mm以上か1パス圧下率30%以上
のどちらかで行い、300〜370℃で熱間粗圧延を終
了し、熱間仕上げ圧延の巻き取り温度を300℃以下と
し、圧下率40%以上で冷間圧延し、中間焼鈍を行い、
50%以上の最終冷間圧延する方法が示されている。
【0012】また、特開2000−119782号公報
には、結晶粒コントラストを3等分しそれぞれ20〜5
0%であり、さらに粒径が100μm以下であることに
よって肌荒れ、グレインストリークのない表面性状に優
れたアルミニウム合金板の製造方法として、均質化処理
を行い、熱間粗圧延が400〜610℃で開始し、30
0〜370℃で熱間粗圧延を終了し、50m/分の圧延
速度で、圧延ロールが150℃以上、圧下量30mm以上
か1パス圧下率30%以上のどちらかで行い、熱間仕上
げ圧延は、最終圧延速度が50m/分以上、圧延ロール
温度が150℃以上、総圧下率65%以上で行う方法が
示されている。
には、結晶粒コントラストを3等分しそれぞれ20〜5
0%であり、さらに粒径が100μm以下であることに
よって肌荒れ、グレインストリークのない表面性状に優
れたアルミニウム合金板の製造方法として、均質化処理
を行い、熱間粗圧延が400〜610℃で開始し、30
0〜370℃で熱間粗圧延を終了し、50m/分の圧延
速度で、圧延ロールが150℃以上、圧下量30mm以上
か1パス圧下率30%以上のどちらかで行い、熱間仕上
げ圧延は、最終圧延速度が50m/分以上、圧延ロール
温度が150℃以上、総圧下率65%以上で行う方法が
示されている。
【0013】また、特開平11−256293号公報に
は、均質化処理温度350〜480℃で行い、熱間圧延
を複数パスにより行い、最終パス後に未再結晶させ平均
粒径50μm未満の結晶粒を得る表面処理用アルミニウ
ム合金板の製造方法が提案されている。しかし、上記従
来の技術では、純アルミニウム合金板に必要な上記の特
性を同時に満たすことはできなかった。
は、均質化処理温度350〜480℃で行い、熱間圧延
を複数パスにより行い、最終パス後に未再結晶させ平均
粒径50μm未満の結晶粒を得る表面処理用アルミニウ
ム合金板の製造方法が提案されている。しかし、上記従
来の技術では、純アルミニウム合金板に必要な上記の特
性を同時に満たすことはできなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルミニウ
ム合金の合金成分の固溶量、合金板表層領域の結晶粒幅
sD(圧延方向に直角方向のサイズ)および結晶粒伸び率
(結晶粒幅sDに対する圧延方向の結晶粒サイズすなわち
結晶粒長さsLの比=sL/sD)と、合金板芯領域の結晶粒
幅cD(圧延方向に直角方向の結晶粒サイズ)とを制御す
ることにより、箔圧延性(適度な強度および伸び)、表
面処理特性(表面模様が生じないこと)、および成形性
(肌荒れが生じないこと)の優れたアルミニウム合金板
およびその製造方法を提供することを目的とする。
ム合金の合金成分の固溶量、合金板表層領域の結晶粒幅
sD(圧延方向に直角方向のサイズ)および結晶粒伸び率
(結晶粒幅sDに対する圧延方向の結晶粒サイズすなわち
結晶粒長さsLの比=sL/sD)と、合金板芯領域の結晶粒
幅cD(圧延方向に直角方向の結晶粒サイズ)とを制御す
ることにより、箔圧延性(適度な強度および伸び)、表
面処理特性(表面模様が生じないこと)、および成形性
(肌荒れが生じないこと)の優れたアルミニウム合金板
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】加えて、本発明は、中間焼鈍の省略および
冷間圧延工程を簡素化することにより、コストダウンお
よび生産性向上をも併せて実現する。
冷間圧延工程を簡素化することにより、コストダウンお
よび生産性向上をも併せて実現する。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、Fe固溶量を制御すること、合金板表
層領域の結晶粒幅ならびに結晶粒の伸び率(長さ/幅の
比)および表層領域以外の芯領域の結晶粒幅を制御す
る。
めに、本発明は、Fe固溶量を制御すること、合金板表
層領域の結晶粒幅ならびに結晶粒の伸び率(長さ/幅の
比)および表層領域以外の芯領域の結晶粒幅を制御す
る。
【0017】すなわち、本発明によれば、Fe,Siを
含有し、残部がAlおよび不可避的不純物元素から成る
アルミニウム合金板であって、(1)Feの固溶量が50p
pm 未満であり、(2)板表面から少なくとも深さ20μm
までの表層領域が下記条件(A)、(B): (A)圧延方向に対して直角方向の結晶粒幅sDが平均値で
50μm未満かつ最大値で100μm未満、かつ(B)上
記結晶粒幅sDに対して圧延方向の結晶粒長さsLが5倍以
上、を満たす冷間圧延加工組織であって、(3)板厚中央
部にある板厚の2/3以上の厚さの芯領域における圧延
方向に直角方向の結晶粒幅cDが、平均値で100μm以
上であり(4)板厚が0.1〜2mmで、引張強さが145M
Pa 以上、200MPa 未満であることを特徴とするアル
ミニウム合金板が提供される。
含有し、残部がAlおよび不可避的不純物元素から成る
アルミニウム合金板であって、(1)Feの固溶量が50p
pm 未満であり、(2)板表面から少なくとも深さ20μm
までの表層領域が下記条件(A)、(B): (A)圧延方向に対して直角方向の結晶粒幅sDが平均値で
50μm未満かつ最大値で100μm未満、かつ(B)上
記結晶粒幅sDに対して圧延方向の結晶粒長さsLが5倍以
上、を満たす冷間圧延加工組織であって、(3)板厚中央
部にある板厚の2/3以上の厚さの芯領域における圧延
方向に直角方向の結晶粒幅cDが、平均値で100μm以
上であり(4)板厚が0.1〜2mmで、引張強さが145M
Pa 以上、200MPa 未満であることを特徴とするアル
ミニウム合金板が提供される。
【0018】更に、本発明によれば、上記本発明のアル
ミニウム合金板の製造方法として、Fe,Siを含有
し、残部がAlおよび不可避的不純物元素から成るアル
ミニウム合金の鋳塊を、均質化処理を行わずに、または
550℃未満で均質化処理を行った後に、熱間圧延し、
その後冷間圧延してアルミニウム合金板とする方法であ
って、 上記熱間圧延を下記条件: 圧延開始温度:300〜480℃、 最終パス開始温度:300〜380℃、 圧延終了温度:320〜380℃、 最終パスの歪み速度:15/sec以上、および 圧延終了時の板厚:4.5〜10mm、 にて行い、その後、上記冷間圧延を中間焼鈍なしに行
う、ことを特徴とするアルミニウム合金板の製造方法が
提供される。
ミニウム合金板の製造方法として、Fe,Siを含有
し、残部がAlおよび不可避的不純物元素から成るアル
ミニウム合金の鋳塊を、均質化処理を行わずに、または
550℃未満で均質化処理を行った後に、熱間圧延し、
その後冷間圧延してアルミニウム合金板とする方法であ
って、 上記熱間圧延を下記条件: 圧延開始温度:300〜480℃、 最終パス開始温度:300〜380℃、 圧延終了温度:320〜380℃、 最終パスの歪み速度:15/sec以上、および 圧延終了時の板厚:4.5〜10mm、 にて行い、その後、上記冷間圧延を中間焼鈍なしに行
う、ことを特徴とするアルミニウム合金板の製造方法が
提供される。
【0019】本発明の望ましい態様においては、前記冷
間圧延において少なくとも最終パス後の板温度を回復温
度以上とし、それに続く冷却を急速冷却とする。
間圧延において少なくとも最終パス後の板温度を回復温
度以上とし、それに続く冷却を急速冷却とする。
【0020】また、本発明の望ましい態様においては、
前記の回復温度が100℃以上であり、前記急速冷却5
℃/分以上の冷却速度で行う。
前記の回復温度が100℃以上であり、前記急速冷却5
℃/分以上の冷却速度で行う。
【0021】本発明のアルミニウム合金板は、厚さが
0.1〜2mmであって、Fe,Siを含有する純アルミ
ニウム系合金から成る。
0.1〜2mmであって、Fe,Siを含有する純アルミ
ニウム系合金から成る。
【0022】Feの固溶量の上限を規定すると同時に、
芯領域において圧延方向に直角方向の結晶粒サイズ(結
晶粒幅)を規定値以上とすることによって、引張強さを
145〜200MPa に制御する。これにより、良好な箔
圧延性および成形性を得るために必要な適度な強度およ
び伸びを確保する。
芯領域において圧延方向に直角方向の結晶粒サイズ(結
晶粒幅)を規定値以上とすることによって、引張強さを
145〜200MPa に制御する。これにより、良好な箔
圧延性および成形性を得るために必要な適度な強度およ
び伸びを確保する。
【0023】表層領域において、圧延方向に直角方向の
結晶粒幅sDを規定値未満に微細化すると同時に、圧延方
向に直角方向の結晶粒幅sDに対する圧延方向の結晶粒長
さsLの比(長さ/幅の比=sL/sD)を規定値以上とする
ことにより、陽極酸化処理等の表面処理後の板表面にグ
レインストリーク等の表面模様が出現しないようにす
る。
結晶粒幅sDを規定値未満に微細化すると同時に、圧延方
向に直角方向の結晶粒幅sDに対する圧延方向の結晶粒長
さsLの比(長さ/幅の比=sL/sD)を規定値以上とする
ことにより、陽極酸化処理等の表面処理後の板表面にグ
レインストリーク等の表面模様が出現しないようにす
る。
【0024】また本発明の製造方法においては、均質化
処理を行わないか、または規定温度以下の低温で行った
後に、熱間圧延の開始温度を制御することによって、F
eの固溶量および金属間化合物の分布を制御する。
処理を行わないか、または規定温度以下の低温で行った
後に、熱間圧延の開始温度を制御することによって、F
eの固溶量および金属間化合物の分布を制御する。
【0025】熱間圧延について、圧延開始温度、最終パ
ス開始温度、圧延終了温度、最終パスの歪み速度、圧延
終了時の板厚を制御することによって、表層領域の圧延
方向に直角方向の結晶粒サイズを微細化し且つこれに対
して圧延方向の結晶粒サイズを粗大化し、芯領域の圧延
方向に直角方向の結晶粒サイズを粗大化するように制御
する。
ス開始温度、圧延終了温度、最終パスの歪み速度、圧延
終了時の板厚を制御することによって、表層領域の圧延
方向に直角方向の結晶粒サイズを微細化し且つこれに対
して圧延方向の結晶粒サイズを粗大化し、芯領域の圧延
方向に直角方向の結晶粒サイズを粗大化するように制御
する。
【0026】さらに、少なくとも冷間圧延の最終パス後
の板温度を板の歪回復温度以上にすることによって、冷
間圧延途中の中間焼鈍を省いても、加工硬化した板を軟
化させて、所望の強度と板厚のアルミニウム合金板を製
造することができる。
の板温度を板の歪回復温度以上にすることによって、冷
間圧延途中の中間焼鈍を省いても、加工硬化した板を軟
化させて、所望の強度と板厚のアルミニウム合金板を製
造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明におけるアルミニウム合金
はFe,Siを含有する純アルミニウム系合金である。
通常、Fe,Siは地金中に不純物元素として存在して
いる元素である。このFe,Siは、不純物量を超えて
含有させることにより、Al−Fe系、Al−Fe−S
i系金属間化合物を生成し、鋳造時の結晶粒を微細化す
るために必要な元素である。それと共に、強度を確保す
る効果がある。好ましくはFe含有量は、0.10〜
0.80wt%、Si含有量は0.03〜0.30wt%程
度が適当である。
はFe,Siを含有する純アルミニウム系合金である。
通常、Fe,Siは地金中に不純物元素として存在して
いる元素である。このFe,Siは、不純物量を超えて
含有させることにより、Al−Fe系、Al−Fe−S
i系金属間化合物を生成し、鋳造時の結晶粒を微細化す
るために必要な元素である。それと共に、強度を確保す
る効果がある。好ましくはFe含有量は、0.10〜
0.80wt%、Si含有量は0.03〜0.30wt%程
度が適当である。
【0028】Fe,Si含有量が少ないと、鋳造組織の
結晶粒の微細化効果が得難く、粗大な結晶粒となり易い
ため、陽極酸化処理等の表面処理時にグレインストリー
ク等の表面模様が出現したり、絞り加工等の成形時に表
面に肌荒れ等の表面欠陥が出現したりする恐れがある。
前述のようにFe,Siは通常地金中に不純物元素とし
て含有される元素であり、Fe,Siを少なくすること
は、純度の高いAl合金を原料とすることが必要になる
ため、コスト上昇にもなるので、望ましくない。一方、
Fe,Si含有量が多すぎると、Al−Fe系およびA
l−Fe−Si系化合物が多くなり、引張強さが高くな
る。
結晶粒の微細化効果が得難く、粗大な結晶粒となり易い
ため、陽極酸化処理等の表面処理時にグレインストリー
ク等の表面模様が出現したり、絞り加工等の成形時に表
面に肌荒れ等の表面欠陥が出現したりする恐れがある。
前述のようにFe,Siは通常地金中に不純物元素とし
て含有される元素であり、Fe,Siを少なくすること
は、純度の高いAl合金を原料とすることが必要になる
ため、コスト上昇にもなるので、望ましくない。一方、
Fe,Si含有量が多すぎると、Al−Fe系およびA
l−Fe−Si系化合物が多くなり、引張強さが高くな
る。
【0029】不純物元素としては、Cu,Mg,Mn,
Cr,V,Zn,Ni,Ga,Li,Be等が含有され
ることがあるが、これらの不純物は0.05wt%以下程
度の微量であれば実質的に悪影響はない。
Cr,V,Zn,Ni,Ga,Li,Be等が含有され
ることがあるが、これらの不純物は0.05wt%以下程
度の微量であれば実質的に悪影響はない。
【0030】またTiおよびBは鋳造組織の結晶粒微細
化に有効である。そのため鋳造に際して割れ発生の防止
に有効であり、また鋳造組織の結晶粒粗大化に起因する
粗面化面のストリークス発生防止に有効である。またB
はTiと共に添加され、鋳造組織の結晶粒微細化に有効
である。その効果はTiのみを添加した場合よりも大き
い。Tiは0.01〜0.05wt%、Bは0.0001
〜0.02wt%とすることが好ましい。
化に有効である。そのため鋳造に際して割れ発生の防止
に有効であり、また鋳造組織の結晶粒粗大化に起因する
粗面化面のストリークス発生防止に有効である。またB
はTiと共に添加され、鋳造組織の結晶粒微細化に有効
である。その効果はTiのみを添加した場合よりも大き
い。Tiは0.01〜0.05wt%、Bは0.0001
〜0.02wt%とすることが好ましい。
【0031】Feの固溶量は50ppm 未満とする。Fe
固溶量は冷間圧延板の回復に影響し、Feの固溶量が5
0ppm 以上であると加工硬化し易く、絞加工等の成形が
し難い。また冷間圧延板の回復がし難くなり、引張強さ
(引張強さ)が高くなり過ぎ所望の強度を付与し難くな
る。
固溶量は冷間圧延板の回復に影響し、Feの固溶量が5
0ppm 以上であると加工硬化し易く、絞加工等の成形が
し難い。また冷間圧延板の回復がし難くなり、引張強さ
(引張強さ)が高くなり過ぎ所望の強度を付与し難くな
る。
【0032】板表面から少なくとも深さ20μmまでの
表層領域においては、圧延方向に直角方向の結晶粒幅sD
が、平均値で50μm未満かつ最大値で100μm未満
であることが必要である。ここで表層領域とは、陽極酸
化処理等の表面処理によって露出される深さまでの領
域、もしくは絞り加工等の成形時に表面性状に影響を与
える深さまでの領域のことであり、典型的には表面から
深さ20μm程度までの領域である。
表層領域においては、圧延方向に直角方向の結晶粒幅sD
が、平均値で50μm未満かつ最大値で100μm未満
であることが必要である。ここで表層領域とは、陽極酸
化処理等の表面処理によって露出される深さまでの領
域、もしくは絞り加工等の成形時に表面性状に影響を与
える深さまでの領域のことであり、典型的には表面から
深さ20μm程度までの領域である。
【0033】表層領域において、結晶粒幅sDに対して結
晶粒長さsLが5倍以上の冷間圧延加工組織であれば、結
晶粒幅sDが十分微細な場合は、陽極酸化処理等の表面処
理の際にグレインストリーク等の表面模様が出現し難
く、また、絞り加工等の成形時に肌荒れ等の表面欠陥が
出現し難い。
晶粒長さsLが5倍以上の冷間圧延加工組織であれば、結
晶粒幅sDが十分微細な場合は、陽極酸化処理等の表面処
理の際にグレインストリーク等の表面模様が出現し難
く、また、絞り加工等の成形時に肌荒れ等の表面欠陥が
出現し難い。
【0034】板厚中央部にある板厚の2/3以上の厚さ
の芯領域における圧延方向に直角方向の結晶粒幅cDが、
平均値で100μm以上であれば、冷間圧延板の芯領域
が回復状態に、更には再結晶状態になっているので、規
定範囲内の引張強さが得られる。熱間圧延板の芯領域の
結晶粒幅cDが100μm未満であると、芯領域は未回復
状態または未再結晶状態であるため、引張強さが規定範
囲を超えてしまい、箔圧延性や深絞り等の加工性が劣化
する。
の芯領域における圧延方向に直角方向の結晶粒幅cDが、
平均値で100μm以上であれば、冷間圧延板の芯領域
が回復状態に、更には再結晶状態になっているので、規
定範囲内の引張強さが得られる。熱間圧延板の芯領域の
結晶粒幅cDが100μm未満であると、芯領域は未回復
状態または未再結晶状態であるため、引張強さが規定範
囲を超えてしまい、箔圧延性や深絞り等の加工性が劣化
する。
【0035】次に、上記要件を満足する本発明のアルミ
ニウム合金板の製造方法について説明する。本発明のア
ルミニウム合金板の製造は、鋳造−面削−熱間圧延前加
熱−熱間圧延−冷間圧延工程によって行われるが、必要
に応じて熱間圧延の前すなわち熱間圧延のための加熱よ
り前に、規定範囲の温度で均質化処理を施してもよい。
ニウム合金板の製造方法について説明する。本発明のア
ルミニウム合金板の製造は、鋳造−面削−熱間圧延前加
熱−熱間圧延−冷間圧延工程によって行われるが、必要
に応じて熱間圧延の前すなわち熱間圧延のための加熱よ
り前に、規定範囲の温度で均質化処理を施してもよい。
【0036】<鋳造−面削>除滓処理等を施して溶製し
た前記組成のアルミニウム合金鋳塊を、常法により鋳造
する。この鋳造法としては、半連続鋳造が適当である。
半連続鋳造された鋳塊の厚さは、500〜600mmが適
当である。鋳塊表面は、熱間圧延前に面削する。
た前記組成のアルミニウム合金鋳塊を、常法により鋳造
する。この鋳造法としては、半連続鋳造が適当である。
半連続鋳造された鋳塊の厚さは、500〜600mmが適
当である。鋳塊表面は、熱間圧延前に面削する。
【0037】<均質化処理>熱間圧延の前に、熱間圧延
のための加熱(熱間圧延用加熱)よりも高温で均質加処
理を行っても良い。均質化熱処理は、面削前に行っても
よいし、面削後に行ってもよい。均質化処理の温度は、
550℃未満とする。均質化処理の保持時間は、鋳塊全
体の温度の均一化するために、均質化処理温度および鋳
塊の厚さ等に応じて30分〜24時間程度の範囲から適
宜選択する。550℃以上の温度または24時間以上の
保持は、鋳塊中のFe固溶量が過剰になり、最終的なF
e固溶量を本発明の規定範囲内に制御する上で適当では
ないばかりか、コストアップとなり好ましくない。
のための加熱(熱間圧延用加熱)よりも高温で均質加処
理を行っても良い。均質化熱処理は、面削前に行っても
よいし、面削後に行ってもよい。均質化処理の温度は、
550℃未満とする。均質化処理の保持時間は、鋳塊全
体の温度の均一化するために、均質化処理温度および鋳
塊の厚さ等に応じて30分〜24時間程度の範囲から適
宜選択する。550℃以上の温度または24時間以上の
保持は、鋳塊中のFe固溶量が過剰になり、最終的なF
e固溶量を本発明の規定範囲内に制御する上で適当では
ないばかりか、コストアップとなり好ましくない。
【0038】均質化処理の温度から、冷却を待たず直ち
に熱間圧延用加熱温度での保持を開始してもよい(具体
的には、均質化処理炉から抽出した鋳塊を、冷却させず
直接に、熱間圧延用加熱炉に装入してもよい)。
に熱間圧延用加熱温度での保持を開始してもよい(具体
的には、均質化処理炉から抽出した鋳塊を、冷却させず
直接に、熱間圧延用加熱炉に装入してもよい)。
【0039】<熱間圧延>面削された鋳塊を熱間圧延す
る。熱間圧延のための加熱(熱間圧延用加熱)は温度3
00〜480℃で行う。熱間圧延用加熱の保持時間は、
鋳塊全体の温度を均一化するために、鋳塊の厚さ等に応
じて30分〜5時間程度の範囲で適宜選択する。
る。熱間圧延のための加熱(熱間圧延用加熱)は温度3
00〜480℃で行う。熱間圧延用加熱の保持時間は、
鋳塊全体の温度を均一化するために、鋳塊の厚さ等に応
じて30分〜5時間程度の範囲で適宜選択する。
【0040】熱間圧延の開始温度は、300〜480℃
とする。300℃より低いと、安定した熱間圧延が行え
ず、480℃より高いと熱間圧延パスの途中で粗大な再
結晶粒が生成するばかりでなく、Fe固溶量が過剰にな
って本発明の規定範囲を超えてしまう。熱間圧延は数回
以上の圧延パスで行うのが通常である。
とする。300℃より低いと、安定した熱間圧延が行え
ず、480℃より高いと熱間圧延パスの途中で粗大な再
結晶粒が生成するばかりでなく、Fe固溶量が過剰にな
って本発明の規定範囲を超えてしまう。熱間圧延は数回
以上の圧延パスで行うのが通常である。
【0041】本発明においては、上記のように熱間圧延
の開始温度を制御した上で、下記のように熱間圧延の最
終パスおよび終了板厚を制御することによって、Fe固
溶量、表層領域の結晶粒サイズ、芯領域の結晶粒サイズ
を、本発明の規定範囲内に制御することができる。〔熱
間圧延の最終パスおよび終了板厚〕 最終パスの開始温度:300〜380℃ 最終パスの終了温度:320〜380℃ 最終パスの歪み速度:15/sec以上 熱間圧延後の板厚:4.5〜10mm
の開始温度を制御した上で、下記のように熱間圧延の最
終パスおよび終了板厚を制御することによって、Fe固
溶量、表層領域の結晶粒サイズ、芯領域の結晶粒サイズ
を、本発明の規定範囲内に制御することができる。〔熱
間圧延の最終パスおよび終了板厚〕 最終パスの開始温度:300〜380℃ 最終パスの終了温度:320〜380℃ 最終パスの歪み速度:15/sec以上 熱間圧延後の板厚:4.5〜10mm
【0042】熱間圧延において、上記のように最終パス
の各条件および熱間圧延後の板厚を制御することによっ
て、結晶粒サイズを本発明のアルミニウム合金板に必要
な前述の範囲内に制御することができる。
の各条件および熱間圧延後の板厚を制御することによっ
て、結晶粒サイズを本発明のアルミニウム合金板に必要
な前述の範囲内に制御することができる。
【0043】熱間加工時の結晶粒組織もしくはサブグレ
イン組織の大きさは、熱間加工時の温度および歪み速度
によって決まるが、素材の金属組織の影響もある。本発
明では、素材の金属組織はその化学組成、熱間圧延前加
熱温度、および必要により施した550℃未満の均質化
処理によって制御する。熱間圧延後の結晶粒の大きさ
は、熱間加工時の結晶粒組織もしくはサブグレイン組織
の大きさおよび、熱間圧延の終了温度によって決まる。
イン組織の大きさは、熱間加工時の温度および歪み速度
によって決まるが、素材の金属組織の影響もある。本発
明では、素材の金属組織はその化学組成、熱間圧延前加
熱温度、および必要により施した550℃未満の均質化
処理によって制御する。熱間圧延後の結晶粒の大きさ
は、熱間加工時の結晶粒組織もしくはサブグレイン組織
の大きさおよび、熱間圧延の終了温度によって決まる。
【0044】ここで、歪み速度vとは、歪みをε、圧延
時間をtとしたときv=ε/t(sec-1)で表したもの
である。ここで、歪みεは、最終パス前および最終パス
後の板厚をそれぞれh1,h2とした時、ε=ln(h
1/h2)で表した対数歪みである。
時間をtとしたときv=ε/t(sec-1)で表したもの
である。ここで、歪みεは、最終パス前および最終パス
後の板厚をそれぞれh1,h2とした時、ε=ln(h
1/h2)で表した対数歪みである。
【0045】表層領域の結晶粒サイズおよび芯領域の結
晶粒サイズを本発明のアルミニウム合金板に必要な規定
範囲内に制御するためには、熱間圧延時の最終パス開始
温度、最終パス終了温度、最終パスの歪み速度、熱間圧
延終了板厚を上記のように制御する必要がある。これら
の条件は、それぞれ結晶粒組織に影響しており、全ての
条件を同時に満たす必要がある。各条件の限定理由は以
下のとおりである。
晶粒サイズを本発明のアルミニウム合金板に必要な規定
範囲内に制御するためには、熱間圧延時の最終パス開始
温度、最終パス終了温度、最終パスの歪み速度、熱間圧
延終了板厚を上記のように制御する必要がある。これら
の条件は、それぞれ結晶粒組織に影響しており、全ての
条件を同時に満たす必要がある。各条件の限定理由は以
下のとおりである。
【0046】◇最終パス開始温度 熱間圧延の最終パス開始温度は300〜380℃とする
必要がある。最終パス開始温度が300℃未満では、熱
間圧延板の芯領域が未再結晶となり、平均粒径100μ
m以上の結晶粒が得られない。また、最終パス開始温度
が380℃を超えると、十分な歪蓄積量が得られないた
め、表層領域の結晶粒が粗大となり、平均粒径50μm
以下、最大粒径100μm以下の微細な結晶粒が得られ
ない。
必要がある。最終パス開始温度が300℃未満では、熱
間圧延板の芯領域が未再結晶となり、平均粒径100μ
m以上の結晶粒が得られない。また、最終パス開始温度
が380℃を超えると、十分な歪蓄積量が得られないた
め、表層領域の結晶粒が粗大となり、平均粒径50μm
以下、最大粒径100μm以下の微細な結晶粒が得られ
ない。
【0047】◇熱間圧延の終了温度 熱間圧延の終了温度は320〜380℃とする必要があ
る。熱間圧延終了後の熱間圧延板は、通常は巻き取られ
てコイルになるので、ある程度の時間、熱間圧延終了温
度とほぼ同等の温度で保持されることになる。熱間圧延
終了温度が300℃未満では、コイルの状態でこの温度
に保持されたとしても、熱間圧延板の芯領域は未再結晶
のままであり、平均粒径100μm以上の結晶粒が得ら
れない。一方、熱間圧延終了温度が380℃を超える
と、コイルの状態でこの温度に保持されると再結晶が起
きて、合金板の表層領域の結晶粒が粗大化してしまい、
平均粒径50μm以下、最大粒径100μm以下の微細
な結晶粒が得られない。
る。熱間圧延終了後の熱間圧延板は、通常は巻き取られ
てコイルになるので、ある程度の時間、熱間圧延終了温
度とほぼ同等の温度で保持されることになる。熱間圧延
終了温度が300℃未満では、コイルの状態でこの温度
に保持されたとしても、熱間圧延板の芯領域は未再結晶
のままであり、平均粒径100μm以上の結晶粒が得ら
れない。一方、熱間圧延終了温度が380℃を超える
と、コイルの状態でこの温度に保持されると再結晶が起
きて、合金板の表層領域の結晶粒が粗大化してしまい、
平均粒径50μm以下、最大粒径100μm以下の微細
な結晶粒が得られない。
【0048】◇最終パスの歪み速度 熱間圧延の最終パスの歪み速度は15/sec以上とする
必要がある。前述の通り、歪み速度は、歪み、圧延時間
をパラメーターとしており、圧延速度、圧延ロール径、
圧下量等の関数である。歪み速度が15/sec未満で
は、(1)十分な加工歪みの蓄積量が得られず、表層領域
の結晶粒が粗大となってしまい、平均粒径50μm以
下、最大粒径100μm以下の微細な結晶粒が得られな
いし、(2)芯領域にまで加工歪みが導入されず、熱間圧
延板の芯領域が未再結晶となり、平均粒径100μm以
上の結晶粒が得られない。
必要がある。前述の通り、歪み速度は、歪み、圧延時間
をパラメーターとしており、圧延速度、圧延ロール径、
圧下量等の関数である。歪み速度が15/sec未満で
は、(1)十分な加工歪みの蓄積量が得られず、表層領域
の結晶粒が粗大となってしまい、平均粒径50μm以
下、最大粒径100μm以下の微細な結晶粒が得られな
いし、(2)芯領域にまで加工歪みが導入されず、熱間圧
延板の芯領域が未再結晶となり、平均粒径100μm以
上の結晶粒が得られない。
【0049】◇熱間圧延終了板厚 熱間圧延の終了板厚は4.5〜10mmとする必要があ
る。終了板厚が4.5mmよりも薄いと、熱間圧延中の温
度低下が大きいため、本発明に必要な熱間圧延終了温度
を確保できない。一方、熱間圧延の終了板厚が10mmよ
り厚いと、(1)芯領域にまで歪みが導入されず、必要な
再結晶粒サイズが得られないし、(2)後の冷間圧延にお
いて必要なパス数が多くなってしまい、コストアップと
なると同時に中間焼鈍の省略に対して制約となる。
る。終了板厚が4.5mmよりも薄いと、熱間圧延中の温
度低下が大きいため、本発明に必要な熱間圧延終了温度
を確保できない。一方、熱間圧延の終了板厚が10mmよ
り厚いと、(1)芯領域にまで歪みが導入されず、必要な
再結晶粒サイズが得られないし、(2)後の冷間圧延にお
いて必要なパス数が多くなってしまい、コストアップと
なると同時に中間焼鈍の省略に対して制約となる。
【0050】<冷間圧延>熱間圧延の後に、冷間圧延を
行う。冷間圧延中の中間焼鈍を省略して製造工程を簡略
化し、コストダウンする。中間焼鈍を省略した冷間圧延
板は、圧延加工による硬化を解消するために、少なくと
も最終冷間圧延パス後の板温度が板の回復温度以上とな
るように冷間圧延を行う。
行う。冷間圧延中の中間焼鈍を省略して製造工程を簡略
化し、コストダウンする。中間焼鈍を省略した冷間圧延
板は、圧延加工による硬化を解消するために、少なくと
も最終冷間圧延パス後の板温度が板の回復温度以上とな
るように冷間圧延を行う。
【0051】板の回復温度は、鋳塊の合金組成およびF
e等の固溶量および加工の蓄積歪み量で異なる。純アル
ミニウム系合金、および、Fe固溶量が50ppm 以下の
場合は、圧下量50%の加工で約100℃程度の温度で
回復し始める。Fe固溶量が低い場合、および蓄積歪量
が高い場合は、回復はより低い温度で始まる。一方、F
e固溶量が高い場合、および加工度が低い場合は、回復
はより高い温度で始まるか、もしくは回復の程度が少な
い。
e等の固溶量および加工の蓄積歪み量で異なる。純アル
ミニウム系合金、および、Fe固溶量が50ppm 以下の
場合は、圧下量50%の加工で約100℃程度の温度で
回復し始める。Fe固溶量が低い場合、および蓄積歪量
が高い場合は、回復はより低い温度で始まる。一方、F
e固溶量が高い場合、および加工度が低い場合は、回復
はより高い温度で始まるか、もしくは回復の程度が少な
い。
【0052】板の温度を回復温度以上とするには、以下
の方法が考えられる。例えば、冷間圧延するコイルの初
期温度を回復温度以上に加熱して、冷間圧延を開始す
る。しかし、この方法では大きな省エネルギー効果が得
られない。また、冷間圧延するコイルの初期温度を室温
近傍から開始する場合は、冷間加工の圧下率を大きく設
定して板に加工熱を発生させる。この方法は省エネルギ
ーになるし、圧延回数を減らせる効果がある。この場合
の圧下率は、40%以上とすることが好ましく、より好
ましくは45%以上とする。
の方法が考えられる。例えば、冷間圧延するコイルの初
期温度を回復温度以上に加熱して、冷間圧延を開始す
る。しかし、この方法では大きな省エネルギー効果が得
られない。また、冷間圧延するコイルの初期温度を室温
近傍から開始する場合は、冷間加工の圧下率を大きく設
定して板に加工熱を発生させる。この方法は省エネルギ
ーになるし、圧延回数を減らせる効果がある。この場合
の圧下率は、40%以上とすることが好ましく、より好
ましくは45%以上とする。
【0053】少なくとも最終パス後に回復温度以上を確
保するために最も好ましい方法は、後者の如く板を塑性
変形させながら、その変形による加工熱で急速に板を回
復温度以上にすることである。
保するために最も好ましい方法は、後者の如く板を塑性
変形させながら、その変形による加工熱で急速に板を回
復温度以上にすることである。
【0054】その方法は、例えば、圧延速度500〜2
000m/分で冷間圧延し、室温(40℃)の6mm厚さ
の板を3mm厚さ(圧下率50%)に冷間圧延した場合、
板温度は100℃程度に上昇する。続いて、この100
℃の板を1mm厚さ(圧下率67%)まで圧延すると、板
温度は150℃程度に上昇する。この回復温度以上に上
昇した板を0.45mm厚さ(圧下率55%)に圧延する
と、板温度は170℃程度に上昇する。
000m/分で冷間圧延し、室温(40℃)の6mm厚さ
の板を3mm厚さ(圧下率50%)に冷間圧延した場合、
板温度は100℃程度に上昇する。続いて、この100
℃の板を1mm厚さ(圧下率67%)まで圧延すると、板
温度は150℃程度に上昇する。この回復温度以上に上
昇した板を0.45mm厚さ(圧下率55%)に圧延する
と、板温度は170℃程度に上昇する。
【0055】この温度で巻き取られた最終冷延板は、空
冷されてもよいし、または保温シートを被せたり、保温
ボックスに入れたりして除冷してもよいし、場合によっ
ては急速冷却を行って80℃以下としてもよい。急速冷
却の冷却速度は、5℃/分以上が目安となる。この急速
冷却の方法としては、最終冷間圧延後直ちに冷却室を通
す方法、巻き取られたコイルを冷媒中に浸漬する方法、
コイルに冷媒を塗布する方法等の冷媒を用いる方法が好
ましい。
冷されてもよいし、または保温シートを被せたり、保温
ボックスに入れたりして除冷してもよいし、場合によっ
ては急速冷却を行って80℃以下としてもよい。急速冷
却の冷却速度は、5℃/分以上が目安となる。この急速
冷却の方法としては、最終冷間圧延後直ちに冷却室を通
す方法、巻き取られたコイルを冷媒中に浸漬する方法、
コイルに冷媒を塗布する方法等の冷媒を用いる方法が好
ましい。
【0056】上記製造方法によって得られた純アルミニ
ウム系合金板は、本発明範囲以内のFeの固溶量、表層
領域の圧延方向に直角方向の結晶粒サイズおよび、圧延
方向に直角方向に対する圧延方向の結晶粒の大きさであ
り、かつ引張強さを145〜200MPa に制御すること
ができる。これによって、箔の圧延性が良好で、陽極酸
化処理等の表面処理等の表面にグレインストリーク等の
表面模様が出現せず絞り成形性が良く、成形時に表面に
肌荒れが生じないアルミニウム合金板を得ることができ
る。
ウム系合金板は、本発明範囲以内のFeの固溶量、表層
領域の圧延方向に直角方向の結晶粒サイズおよび、圧延
方向に直角方向に対する圧延方向の結晶粒の大きさであ
り、かつ引張強さを145〜200MPa に制御すること
ができる。これによって、箔の圧延性が良好で、陽極酸
化処理等の表面処理等の表面にグレインストリーク等の
表面模様が出現せず絞り成形性が良く、成形時に表面に
肌荒れが生じないアルミニウム合金板を得ることができ
る。
【0057】
【実施例】〔実施例1〕 <鋳塊の準備>表1に示した種々の化学組成のアルミニ
ウム合金溶湯を溶製した。各々のアルミニウム合金溶湯
は半連続鋳造法によって厚さ560mmのアルミニウム合
金鋳塊とし、両面の面削によって厚さ540mmとした。
ウム合金溶湯を溶製した。各々のアルミニウム合金溶湯
は半連続鋳造法によって厚さ560mmのアルミニウム合
金鋳塊とし、両面の面削によって厚さ540mmとした。
【0058】
【表1】
【0059】<熱間圧延>次に、上記の鋳塊に、種々の
温度で2時間保持の均質化処理を行い、もしくは行うこ
となく、次いで種々の熱間圧延用加熱温度で1時間保持
した。保持後、この加熱温度で熱間圧延を開始し、圧延
パス数15回、各パス間時間10秒〜1.5分の条件で
熱間圧延を行い、熱間圧延板を得た。表2に、均質化処
理温度、熱間圧延開始温度、熱間圧延最終パス開始温
度、最終パス前板厚、最終板厚、最終パス歪み速度、熱
間圧延終了温度を示す。
温度で2時間保持の均質化処理を行い、もしくは行うこ
となく、次いで種々の熱間圧延用加熱温度で1時間保持
した。保持後、この加熱温度で熱間圧延を開始し、圧延
パス数15回、各パス間時間10秒〜1.5分の条件で
熱間圧延を行い、熱間圧延板を得た。表2に、均質化処
理温度、熱間圧延開始温度、熱間圧延最終パス開始温
度、最終パス前板厚、最終板厚、最終パス歪み速度、熱
間圧延終了温度を示す。
【0060】
【表2】
【0061】<冷間圧延>次に、室温(40℃)の熱間
圧延板を冷間圧延した。冷間圧延速度を500〜200
0m/分とした。ただし、板厚さが薄くなるに従い圧延
速度を速くした。冷間圧延の方式は、各パス後に冷間圧
延板を巻き取ってコイルとし、次パスに供する方式とし
た。冷間圧延第一パスは、板厚さ6mm→3mmで行った。
圧延終了温度は、90℃であった。直ちに、冷間圧延第
二パスを板厚さ3mm→1mmで行った。圧延終了温度は1
40℃であった。そして、最終パスである第三冷間圧延
を板厚さ1mm→0.5mmで行った。圧延終了温度は、1
30℃であった。終了したコイルを空冷し、アルミニウ
ム合金板を得た。
圧延板を冷間圧延した。冷間圧延速度を500〜200
0m/分とした。ただし、板厚さが薄くなるに従い圧延
速度を速くした。冷間圧延の方式は、各パス後に冷間圧
延板を巻き取ってコイルとし、次パスに供する方式とし
た。冷間圧延第一パスは、板厚さ6mm→3mmで行った。
圧延終了温度は、90℃であった。直ちに、冷間圧延第
二パスを板厚さ3mm→1mmで行った。圧延終了温度は1
40℃であった。そして、最終パスである第三冷間圧延
を板厚さ1mm→0.5mmで行った。圧延終了温度は、1
30℃であった。終了したコイルを空冷し、アルミニウ
ム合金板を得た。
【0062】<特性の評価>上記試料番号1〜15につ
いて、下記(1)〜(8)で説明する評価・測定法によ
って、(A)熱間圧延板の表層領域の結晶粒の幅(圧延
方向に直角方向の結晶粒サイズ)、芯領域の結晶粒の幅
および、Fe固溶量、(B)冷間圧延により得られたア
ルミニウム合金板の表層領域の結晶粒の幅および伸び率
(長さ/幅の比)、芯領域の結晶粒の幅、深絞り性(L
DR)、成形後の表面模様(肌荒れ)、陽極酸化処理後
の表面のグレインストリーク等の表面模様、および箔圧
延性を評価・測定した。結果を表3に示す。
いて、下記(1)〜(8)で説明する評価・測定法によ
って、(A)熱間圧延板の表層領域の結晶粒の幅(圧延
方向に直角方向の結晶粒サイズ)、芯領域の結晶粒の幅
および、Fe固溶量、(B)冷間圧延により得られたア
ルミニウム合金板の表層領域の結晶粒の幅および伸び率
(長さ/幅の比)、芯領域の結晶粒の幅、深絞り性(L
DR)、成形後の表面模様(肌荒れ)、陽極酸化処理後
の表面のグレインストリーク等の表面模様、および箔圧
延性を評価・測定した。結果を表3に示す。
【0063】(1)熱間圧延板の結晶粒サイズの測定 それぞれのアルミニウム合金の熱間圧延板を電解研磨等
により、表層領域および芯領域を露出させ、バーカー氏
液(11ml/lホウフッ酸溶液)による陽極酸化処理
後、偏光顕微鏡によって、結晶粒観察を行った。直線法
を用い結晶粒の幅(圧延方向に対して直角方向のサイ
ズ)を測定した。なお、偏光顕微鏡観察は400倍で行
い、写真上で長さ60mm(実際の長さ240μm)の線
分についての測定を10箇所で行い、その平均値を用い
た。
により、表層領域および芯領域を露出させ、バーカー氏
液(11ml/lホウフッ酸溶液)による陽極酸化処理
後、偏光顕微鏡によって、結晶粒観察を行った。直線法
を用い結晶粒の幅(圧延方向に対して直角方向のサイ
ズ)を測定した。なお、偏光顕微鏡観察は400倍で行
い、写真上で長さ60mm(実際の長さ240μm)の線
分についての測定を10箇所で行い、その平均値を用い
た。
【0064】(2)引張強さ測定 得られたアルミニウム合金板からJIS13号B引張試
験片を作製し、引張試験を行い、引張強さσBを測定し
た。
験片を作製し、引張試験を行い、引張強さσBを測定し
た。
【0065】(3)Fe固溶量の測定 得られたそれぞれのアルミニウム合金板を熱フェノール
によって溶解し、溶解されたマトリックスと溶解残渣と
しての金属間化合物をろ過および、ろ過をくぐり抜けた
微細な金属間化合物を10%クエン酸溶液との抽出によ
って分離し、ろ液中の固溶された元素としてのFe量を
ICP発光分析装置によって測定した。
によって溶解し、溶解されたマトリックスと溶解残渣と
しての金属間化合物をろ過および、ろ過をくぐり抜けた
微細な金属間化合物を10%クエン酸溶液との抽出によ
って分離し、ろ液中の固溶された元素としてのFe量を
ICP発光分析装置によって測定した。
【0066】(4)アルミニウム合金板の結晶粒サイズ
の測定 それぞれのアルミニウム合金支持体用素板を電解研磨等
により、表層領域および芯領域を露出させ、バーカー氏
液(11ml/lホウフッ酸溶液)による陽極酸化処理
後、偏光顕微鏡によって、結晶粒観察を行った。直線法
を用い結晶粒の幅、表層領域の結晶粒の伸び率(結晶粒
の幅に対する長さの比。長さ=圧延方向の結晶粒サイ
ズ)を測定した。
の測定 それぞれのアルミニウム合金支持体用素板を電解研磨等
により、表層領域および芯領域を露出させ、バーカー氏
液(11ml/lホウフッ酸溶液)による陽極酸化処理
後、偏光顕微鏡によって、結晶粒観察を行った。直線法
を用い結晶粒の幅、表層領域の結晶粒の伸び率(結晶粒
の幅に対する長さの比。長さ=圧延方向の結晶粒サイ
ズ)を測定した。
【0067】なお、結晶粒の幅については、偏光顕微鏡
観察は400倍で行い、写真上で長さ60mm(実際の長
さ150μm)の線分についての測定を10箇所で行
い、その平均値を用いた。結晶粒の大きいものについて
は低倍率で観察を行った。結晶の伸び率については、偏
光顕微鏡観察は100倍で行い、任意の結晶粒50個に
ついて幅と長さを測定し、その平均値を用いた。
観察は400倍で行い、写真上で長さ60mm(実際の長
さ150μm)の線分についての測定を10箇所で行
い、その平均値を用いた。結晶粒の大きいものについて
は低倍率で観察を行った。結晶の伸び率については、偏
光顕微鏡観察は100倍で行い、任意の結晶粒50個に
ついて幅と長さを測定し、その平均値を用いた。
【0068】基本的に、冷間圧延板の結晶粒は、冷間圧
延により伸ばされているのみであり、結晶粒の幅は熱間
圧延板の結晶粒幅と同等であった。さらに、結晶粒の伸
び率も熱間圧延板から冷間圧延により伸ばされた板の伸
び率と同等であった。
延により伸ばされているのみであり、結晶粒の幅は熱間
圧延板の結晶粒幅と同等であった。さらに、結晶粒の伸
び率も熱間圧延板から冷間圧延により伸ばされた板の伸
び率と同等であった。
【0069】(5)深絞り性 得られたアルミニウム合金板を、平頭ポンチ径33mm、
ポンチ肩半径4.5mmを用い円筒深絞り試験を行い、限
界絞り比(LDR)を求めた。ここで、LDR値が2.
0よりも低いものは、絞り加工性が不良であり、種々の
成形に適さないものと判断した。表3中○印はLDR値
2.0以上、×印は2.0未満である。
ポンチ肩半径4.5mmを用い円筒深絞り試験を行い、限
界絞り比(LDR)を求めた。ここで、LDR値が2.
0よりも低いものは、絞り加工性が不良であり、種々の
成形に適さないものと判断した。表3中○印はLDR値
2.0以上、×印は2.0未満である。
【0070】(6)成形加工後の表面模様 得られたアルミニウム合金板を、(5)の深絞り加工
後、表面の肌荒れを目視にて観察し、これら表面模様が
認められたものは不良と判断した。表3中○印は表面模
様が認められず、×印は表面模様が認められたものであ
る。
後、表面の肌荒れを目視にて観察し、これら表面模様が
認められたものは不良と判断した。表3中○印は表面模
様が認められず、×印は表面模様が認められたものであ
る。
【0071】(7)表面処理後の表面模様 得られたアルミニウム合金板を、50℃の5% NaO
H中で2分間エッチングした後、30%硝酸で中和処理
を行った。引き続き15%硫酸中で20μmの厚さの陽
極酸化皮膜を形成した。そして、表面を目視観察してグ
レインストリーク等の有無により外観の均一性を評価し
た。評価は、外観が均一でなくグレインストリーク等が
観察されたものは不良とした。表3中○印は観察され
ず、×印は観察されたものである。
H中で2分間エッチングした後、30%硝酸で中和処理
を行った。引き続き15%硫酸中で20μmの厚さの陽
極酸化皮膜を形成した。そして、表面を目視観察してグ
レインストリーク等の有無により外観の均一性を評価し
た。評価は、外観が均一でなくグレインストリーク等が
観察されたものは不良とした。表3中○印は観察され
ず、×印は観察されたものである。
【0072】(8)箔圧延性 得られたアルミニウム合金板を、15μmまで箔圧延を
行った。箔圧延性の良くないものは、同様の箔圧延条件
で行っても、板の先進率が低かったり、所望の箔厚より
も厚くなってしまう。その様なアルミニウム合金板を箔
圧延性の不良なものと判断した。表3中○印は先進率高
く、所望の箔厚に箔圧延できたもの、×印は先進率低
く、所望の箔厚に箔圧延できなかったものである。
行った。箔圧延性の良くないものは、同様の箔圧延条件
で行っても、板の先進率が低かったり、所望の箔厚より
も厚くなってしまう。その様なアルミニウム合金板を箔
圧延性の不良なものと判断した。表3中○印は先進率高
く、所望の箔厚に箔圧延できたもの、×印は先進率低
く、所望の箔厚に箔圧延できなかったものである。
【0073】
【表3】
【0074】本発明例(試料番号1〜6)は、表2に示
したように均質化条件(均質化の有無を含む)、熱間圧
延条件、冷間圧延条件が全て本発明の範囲内であった。
これにより、表3に示したように、アルミニウム合金板
の引張強さ、Fe固溶量および結晶粒サイズが本発明の
範囲内に制御されたため、成形性に優れ、成形後の表面
模様がなく、表面処理後の表面模様がなく、箔圧延性に
優れたアルミニウム合金板が得られた。
したように均質化条件(均質化の有無を含む)、熱間圧
延条件、冷間圧延条件が全て本発明の範囲内であった。
これにより、表3に示したように、アルミニウム合金板
の引張強さ、Fe固溶量および結晶粒サイズが本発明の
範囲内に制御されたため、成形性に優れ、成形後の表面
模様がなく、表面処理後の表面模様がなく、箔圧延性に
優れたアルミニウム合金板が得られた。
【0075】これに対して、比較例(試料番号7〜1
5)は、表2に示したように均質化条件(均質化の有無
を含む)または熱間圧延条件が本発明の範囲外であっ
た。そのため、表3に示したように、アルミニウム合金
板の引張強さ、Fe固溶量および結晶粒サイズが本発明
の範囲外となり、十分な成形性、または成形後の表面模
様、表面処理後の表面模様、箔圧延性のいずれかにおい
て不適当であった。個々の比較例については下記のとお
りである。
5)は、表2に示したように均質化条件(均質化の有無
を含む)または熱間圧延条件が本発明の範囲外であっ
た。そのため、表3に示したように、アルミニウム合金
板の引張強さ、Fe固溶量および結晶粒サイズが本発明
の範囲外となり、十分な成形性、または成形後の表面模
様、表面処理後の表面模様、箔圧延性のいずれかにおい
て不適当であった。個々の比較例については下記のとお
りである。
【0076】比較例の試料番号7は、熱間圧延開始温度
が本発明範囲よりも高かったため、熱間圧延板の表層部
の結晶粒が粗大化した結果、冷間圧延後のアルミニウム
合金板の表層領域の結晶粒が粗大となり、またFe固溶
量が高く引張強さ高く、十分な成形性、成形後の表面模
様、表面処理後の表面模様、箔圧延性がいずれも不適当
である。
が本発明範囲よりも高かったため、熱間圧延板の表層部
の結晶粒が粗大化した結果、冷間圧延後のアルミニウム
合金板の表層領域の結晶粒が粗大となり、またFe固溶
量が高く引張強さ高く、十分な成形性、成形後の表面模
様、表面処理後の表面模様、箔圧延性がいずれも不適当
である。
【0077】比較例の試料番号8は、本発明の規定範囲
より高温で均質化処理を実施したため、Fe固溶量が発
明範囲より高くなり、微細な析出物が存在しない。その
ため、本発明範囲内の条件で熱間圧延しても、熱間圧延
板中心部の結晶粒が微細化してしまい、更に、本発明範
囲内の条件で冷間圧延しても、引張強さが本発明範囲外
となる。このように加工硬化が促進されて引張強さが高
くなるため、良好な成形性および箔圧延性が得られな
い。
より高温で均質化処理を実施したため、Fe固溶量が発
明範囲より高くなり、微細な析出物が存在しない。その
ため、本発明範囲内の条件で熱間圧延しても、熱間圧延
板中心部の結晶粒が微細化してしまい、更に、本発明範
囲内の条件で冷間圧延しても、引張強さが本発明範囲外
となる。このように加工硬化が促進されて引張強さが高
くなるため、良好な成形性および箔圧延性が得られな
い。
【0078】比較例の試料番号9は、熱間圧延最終パス
前温度が本発明範囲よりも高かったため、熱間圧延板表
面の結晶粒が粗大となり、成形加工後に肌荒れが生じ、
また表面処理後の表面にグレインストリークが出現し
た。
前温度が本発明範囲よりも高かったため、熱間圧延板表
面の結晶粒が粗大となり、成形加工後に肌荒れが生じ、
また表面処理後の表面にグレインストリークが出現し
た。
【0079】比較例の試料番号10は、熱間圧延最終パ
スの歪み速度が十分ではなく、また終了温度が本発明範
囲より低く、熱間圧延板表面の結晶粒サイズは発明範囲
内であるが、芯領域が未再結晶となり、冷間圧延後のア
ルミニウム合金板の芯領域の結晶粒が非常に細かく、こ
のため引張強さが高い。このため、良好な成形性および
箔圧延性が得られない。
スの歪み速度が十分ではなく、また終了温度が本発明範
囲より低く、熱間圧延板表面の結晶粒サイズは発明範囲
内であるが、芯領域が未再結晶となり、冷間圧延後のア
ルミニウム合金板の芯領域の結晶粒が非常に細かく、こ
のため引張強さが高い。このため、良好な成形性および
箔圧延性が得られない。
【0080】比較例の試料番号11は、熱間圧延最終パ
ス前の板厚が薄く歪み速度が小さかったため、熱間圧延
板表面の結晶粒が粗大になり、さらに、芯領域が未再結
晶となる。これにより、冷間圧延後のアルミニウム合金
板表層領域の結晶粒が粗大となり、さらに芯領域も非常
に細かい結晶粒となる。このため良好な成形性、成形後
の表面模様、表面処理後の表面模様、箔圧延性をいずれ
も得られない。
ス前の板厚が薄く歪み速度が小さかったため、熱間圧延
板表面の結晶粒が粗大になり、さらに、芯領域が未再結
晶となる。これにより、冷間圧延後のアルミニウム合金
板表層領域の結晶粒が粗大となり、さらに芯領域も非常
に細かい結晶粒となる。このため良好な成形性、成形後
の表面模様、表面処理後の表面模様、箔圧延性をいずれ
も得られない。
【0081】比較例の試料番号12は、熱間圧延最終パ
スの圧延速度が遅く、歪み速度が小さかったため、熱間
圧延板表面の結晶粒が粗大である。このため、冷間圧延
後のアルミニウム合金板の表層領域の結晶粒が粗大とな
り、成形加工後に肌荒れが生じ、また表面処理後の表面
にグレインストリークが出現した。
スの圧延速度が遅く、歪み速度が小さかったため、熱間
圧延板表面の結晶粒が粗大である。このため、冷間圧延
後のアルミニウム合金板の表層領域の結晶粒が粗大とな
り、成形加工後に肌荒れが生じ、また表面処理後の表面
にグレインストリークが出現した。
【0082】比較例の試料番号13は、熱間圧延最終板
厚が発明範囲よりも薄いため、熱間圧延板表面の結晶粒
は微細化したが、芯部にまで大きな加工歪みが強く導入
され、冷間圧延後のアルミニウム合金板の芯領域の結晶
粒が発明範囲より細かくなり、引張強さが高い。このた
め、良好な成形性および箔圧延性が得られない。
厚が発明範囲よりも薄いため、熱間圧延板表面の結晶粒
は微細化したが、芯部にまで大きな加工歪みが強く導入
され、冷間圧延後のアルミニウム合金板の芯領域の結晶
粒が発明範囲より細かくなり、引張強さが高い。このた
め、良好な成形性および箔圧延性が得られない。
【0083】比較例の試料番号14は、熱間圧延最終パ
ス前の温度が発明範囲より低く、終了温度が本発明範囲
よりも低くなってしまったため、熱間圧延板表面の結晶
粒は微細化したが、芯領域が未再結晶となり、冷間圧延
後のアルミニウム合金板の芯領域の結晶粒が非常に細か
く、このため引張強さが高い。このため、良好な成形性
および箔圧延性が得られない。
ス前の温度が発明範囲より低く、終了温度が本発明範囲
よりも低くなってしまったため、熱間圧延板表面の結晶
粒は微細化したが、芯領域が未再結晶となり、冷間圧延
後のアルミニウム合金板の芯領域の結晶粒が非常に細か
く、このため引張強さが高い。このため、良好な成形性
および箔圧延性が得られない。
【0084】比較例の試料番号15は、熱間圧延最終パ
ス前温度が本発明範囲より高く、熱間圧延終了温度が発
明範囲より高いため、熱間圧延板表面の結晶粒が粗大と
なった。このため、冷間圧延後のアルミニウム合金板の
表層領域の結晶粒が粗大になり、成形加工後に肌荒れが
生じ、また表面処理後の表面にグレインストリークが出
現した。
ス前温度が本発明範囲より高く、熱間圧延終了温度が発
明範囲より高いため、熱間圧延板表面の結晶粒が粗大と
なった。このため、冷間圧延後のアルミニウム合金板の
表層領域の結晶粒が粗大になり、成形加工後に肌荒れが
生じ、また表面処理後の表面にグレインストリークが出
現した。
【0085】〔実施例2〕 <鋳塊の準備>表4に示した本発明範囲内の化学組成の
アルミニウム合金の溶湯を溶製した。各々のアルミニウ
ム合金溶湯は半連続鋳造法によって厚さ560mmのアル
ミニウム合金鋳塊とし、両面の面削によって厚さ540
mmとした。
アルミニウム合金の溶湯を溶製した。各々のアルミニウ
ム合金溶湯は半連続鋳造法によって厚さ560mmのアル
ミニウム合金鋳塊とし、両面の面削によって厚さ540
mmとした。
【0086】
【表4】
【0087】<熱間圧延>次に、上記の鋳塊に、温度5
00℃で2時間保持の均質化処理を行った後、同じ炉内
で熱間圧延開始温度390℃に下げ1時間保持した。ワ
ークロール径900mmφの可逆式熱間圧延機を用い、圧
延パス数15回、各パス間時間10秒〜1.5分の条件
で熱間圧延を行い、厚さ6mmの熱間圧延板を得た。ここ
で、最終熱間圧延は、18mm厚さから6mm厚さへの圧下
(圧下率67%)、最終パス開始温度360℃とし、3
50℃で熱間圧延を終了した。最終パスの圧延速度を1
00m/分とした。圧延時間は、0.044秒であり、
歪み(対数歪み)は1.10であった。歪みおよび圧延
時間から算出した歪み速度vは、25.0(sec-1)で
あった。
00℃で2時間保持の均質化処理を行った後、同じ炉内
で熱間圧延開始温度390℃に下げ1時間保持した。ワ
ークロール径900mmφの可逆式熱間圧延機を用い、圧
延パス数15回、各パス間時間10秒〜1.5分の条件
で熱間圧延を行い、厚さ6mmの熱間圧延板を得た。ここ
で、最終熱間圧延は、18mm厚さから6mm厚さへの圧下
(圧下率67%)、最終パス開始温度360℃とし、3
50℃で熱間圧延を終了した。最終パスの圧延速度を1
00m/分とした。圧延時間は、0.044秒であり、
歪み(対数歪み)は1.10であった。歪みおよび圧延
時間から算出した歪み速度vは、25.0(sec-1)で
あった。
【0088】<冷間圧延>次に、室温(40℃)の熱間
圧延板を冷間圧延した。冷間圧延速度を500〜200
0m/分とした。ただし、板厚さが薄くなるに従い圧延
速度を速くした。冷間圧延の方式は、各パス後に冷間圧
延板を巻き取ってコイルとし、次パスに供する方式とし
た。
圧延板を冷間圧延した。冷間圧延速度を500〜200
0m/分とした。ただし、板厚さが薄くなるに従い圧延
速度を速くした。冷間圧延の方式は、各パス後に冷間圧
延板を巻き取ってコイルとし、次パスに供する方式とし
た。
【0089】試料番号21〜23、および25は、3パ
スの冷間圧延を、板厚さ6mm→3mm→1mm→0.5mmで
行った。そして表5に示した各冷間圧延温度で行った。
表5における比較例25の冷間圧延は、それぞれのパス
において、実施例21、22、23よりも冷間圧延速度
を遅くしたことから、加工発熱量が少なかったことよ
り、各パス終了温度は低かった。最終冷間圧延終了後
は、室温まで空冷却とした。
スの冷間圧延を、板厚さ6mm→3mm→1mm→0.5mmで
行った。そして表5に示した各冷間圧延温度で行った。
表5における比較例25の冷間圧延は、それぞれのパス
において、実施例21、22、23よりも冷間圧延速度
を遅くしたことから、加工発熱量が少なかったことよ
り、各パス終了温度は低かった。最終冷間圧延終了後
は、室温まで空冷却とした。
【0090】比較例の試料番号24は4パスの冷間圧延
を、板厚さ6mm→3.5mm→1.8mm→0.95mm→
0.5mmで行った。表4に示した各圧延温度で行った。
比較例24の冷間圧延は、冷間圧延のリダクションおよ
びそれぞれのパスにおいて、冷間圧延速度を遅くしたこ
とから、加工発熱量が少なかったことより、各パス終了
温度は低かった。最終冷間圧延終了後は、室温まで空冷
却とした。この様にしてそれぞれの実施例および比較例
のアルミニウム合金板を得た。
を、板厚さ6mm→3.5mm→1.8mm→0.95mm→
0.5mmで行った。表4に示した各圧延温度で行った。
比較例24の冷間圧延は、冷間圧延のリダクションおよ
びそれぞれのパスにおいて、冷間圧延速度を遅くしたこ
とから、加工発熱量が少なかったことより、各パス終了
温度は低かった。最終冷間圧延終了後は、室温まで空冷
却とした。この様にしてそれぞれの実施例および比較例
のアルミニウム合金板を得た。
【0091】
【表5】
【0092】<特性の評価>上記試料番号21〜25に
ついて、実施例1と同様の評価・測定法によって、(A)
熱間圧延板の表層領域の結晶粒の幅(圧延方向に直角方
向の結晶粒サイズ)、芯領域の結晶粒の幅およびFe固
溶量、(B)冷間圧延により得られたアルミニウム合金板
の表層領域の圧延に直角方向の結晶粒の幅、伸び率(長
さ/幅の比)、芯領域の結晶粒の幅、深絞り性(LD
R)、成形後の表面模様(肌荒れ)、陽極酸化処理後の
表面のグレインストリーク等の表面模様、および箔圧延
性を評価・測定した。結果を表6に示す。
ついて、実施例1と同様の評価・測定法によって、(A)
熱間圧延板の表層領域の結晶粒の幅(圧延方向に直角方
向の結晶粒サイズ)、芯領域の結晶粒の幅およびFe固
溶量、(B)冷間圧延により得られたアルミニウム合金板
の表層領域の圧延に直角方向の結晶粒の幅、伸び率(長
さ/幅の比)、芯領域の結晶粒の幅、深絞り性(LD
R)、成形後の表面模様(肌荒れ)、陽極酸化処理後の
表面のグレインストリーク等の表面模様、および箔圧延
性を評価・測定した。結果を表6に示す。
【0093】
【表6】
【0094】表4,5および6において、本発明例(試
料番号21〜23)は、本発明範囲内の均質化処理温
度、熱間圧延条件、冷間圧延条件が全て本発明の範囲内
であった。これにより、アルミニウム合金板の引張強
さ、Fe固溶量および結晶粒サイズが本発明範囲内に制
御されたため、成形性に優れ、成形後の表面模様がな
く、表面処理後の表面模様がなく箔圧延性に優れたアル
ミニウム合金板が得られた。
料番号21〜23)は、本発明範囲内の均質化処理温
度、熱間圧延条件、冷間圧延条件が全て本発明の範囲内
であった。これにより、アルミニウム合金板の引張強
さ、Fe固溶量および結晶粒サイズが本発明範囲内に制
御されたため、成形性に優れ、成形後の表面模様がな
く、表面処理後の表面模様がなく箔圧延性に優れたアル
ミニウム合金板が得られた。
【0095】これに対して、比較例(試料番号24,2
5)は、冷間圧延の温度が低かったため、均質化処理温
度および熱間圧延条件が本発明範囲内であるにもかかわ
らず、良好な成形性または箔圧延性が得られない。
5)は、冷間圧延の温度が低かったため、均質化処理温
度および熱間圧延条件が本発明範囲内であるにもかかわ
らず、良好な成形性または箔圧延性が得られない。
【0096】すなわち、比較例の試料番号24,25
は、冷間圧延において回復温度以上に達していなかった
ため、本発明範囲よりも引張強さが高くなってしまう。
その結果、良好な成形性または箔圧延性が得られない。
は、冷間圧延において回復温度以上に達していなかった
ため、本発明範囲よりも引張強さが高くなってしまう。
その結果、良好な成形性または箔圧延性が得られない。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム合金の合
金成分の固溶量、合金板表層領域の結晶粒サイズおよび
結晶粒伸び率(縦横比)と、合金板芯領域の結晶粒サイ
ズとを制御することにより、箔圧延性(適度な強度およ
び伸び)、表面処理特性(表面模様が生じないこと)、
および成形性(肌荒れが生じないこと)の優れたアルミ
ニウム合金板およびその製造方法が提供される。加え
て、本発明によれば、冷間圧延を中間焼鈍なしに行うの
で、また更に熱間圧延前の均質化処理を省略できるの
で、大幅な製造コストの低減が可能である。
金成分の固溶量、合金板表層領域の結晶粒サイズおよび
結晶粒伸び率(縦横比)と、合金板芯領域の結晶粒サイ
ズとを制御することにより、箔圧延性(適度な強度およ
び伸び)、表面処理特性(表面模様が生じないこと)、
および成形性(肌荒れが生じないこと)の優れたアルミ
ニウム合金板およびその製造方法が提供される。加え
て、本発明によれば、冷間圧延を中間焼鈍なしに行うの
で、また更に熱間圧延前の均質化処理を省略できるの
で、大幅な製造コストの低減が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 630 C22F 1/00 630K 630A 683 683 685 685Z 691 691B 694 694Z 694B
Claims (4)
- 【請求項1】 Fe,Siを含有し、残部がAlおよび
不可避的不純物元素から成るアルミニウム合金板であっ
て、 (1)Feの固溶量が50ppm 未満であり、 (2)板表面から少なくとも深さ20μmまでの表層領域
が下記条件(A)、(B): (A)圧延方向に対して直角方向の結晶粒幅sDが平均値で
50μm未満かつ最大値で100μm未満、かつ(B)上
記結晶粒幅sDに対して圧延方向の結晶粒長さsLが5倍以
上、を満たす冷間圧延加工組織であって、 (3)板厚中央部にある板厚の2/3以上の厚さの芯領域
における圧延方向に直角方向の結晶粒幅cDが、平均値で
100μm以上であり (4)板厚が0.1〜2mmで、引張強さが145MPa 以
上、200MPa 未満であることを特徴とするアルミニウ
ム合金板。 - 【請求項2】 Fe,Siを含有し、残部がAlおよび
不可避的不純物元素から成るアルミニウム合金の鋳塊
を、均質化処理を行わずに、または550℃未満で均質
化処理を行った後に、熱間圧延し、その後冷間圧延して
アルミニウム合金板とする方法であって、 上記熱間圧延を下記条件: 熱間圧延の開始温度:300〜480℃、 最終パスの開始温度:300〜380℃、 最終パスの終了温度:320〜380℃、 最終パスの歪み速度:15/sec以上、および 熱間圧延後の板厚:4.5〜10mm、 にて行い、その後、 上記冷間圧延を中間焼鈍なしに行う、ことを特徴とする
アルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項3】 前記冷間圧延の少なくとも最終パス後の
板温度が回復温度以上であることを特徴とする請求項2
に記載のアルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項4】 前記回復温度が100℃以上であること
を特徴とする請求項3に記載のアルミニウム合金板の製
造方法。
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- 2000-10-31 JP JP2000333224A patent/JP2002129269A/ja active Pending
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