JP2002172363A - 有機被覆表面処理鋼板 - Google Patents
有機被覆表面処理鋼板Info
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- JP2002172363A JP2002172363A JP2000370997A JP2000370997A JP2002172363A JP 2002172363 A JP2002172363 A JP 2002172363A JP 2000370997 A JP2000370997 A JP 2000370997A JP 2000370997 A JP2000370997 A JP 2000370997A JP 2002172363 A JP2002172363 A JP 2002172363A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】スポット溶接やシーム溶接などの溶接性にすぐ
れ、かつ切断端面の耐食性にすぐれた、亜鉛系めっき鋼
板を母材とし下地処理および下層塗装が施されているプ
レプライムド鋼板の提供。 【解決手段】亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板に下地処
理が施され、その上に、粒径が0.5〜10μmのフェロシリ
コンを10〜70質量%含む有機樹脂皮膜が、2.5〜8μmの
厚さで被覆されている有機被覆表面処理鋼板。この場
合、Si含有率が15〜95質量%のフェロシリコンが好ま
しく、さらに下地処理はコロイダルシリカを20〜95質量
%含む熱硬化型樹脂からなる0.05〜0.5g/m2の層、ある
いは、めっき層がコバルトを0.2〜10質量%含有する合
金めっきであってもよい。
れ、かつ切断端面の耐食性にすぐれた、亜鉛系めっき鋼
板を母材とし下地処理および下層塗装が施されているプ
レプライムド鋼板の提供。 【解決手段】亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板に下地処
理が施され、その上に、粒径が0.5〜10μmのフェロシリ
コンを10〜70質量%含む有機樹脂皮膜が、2.5〜8μmの
厚さで被覆されている有機被覆表面処理鋼板。この場
合、Si含有率が15〜95質量%のフェロシリコンが好ま
しく、さらに下地処理はコロイダルシリカを20〜95質量
%含む熱硬化型樹脂からなる0.05〜0.5g/m2の層、ある
いは、めっき層がコバルトを0.2〜10質量%含有する合
金めっきであってもよい。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、純亜鉛めっき鋼板
または亜鉛系合金めっき鋼板に有機系被覆を施した、プ
レス加工後溶接して用いられる有機被覆表面処理鋼板に
関する。
または亜鉛系合金めっき鋼板に有機系被覆を施した、プ
レス加工後溶接して用いられる有機被覆表面処理鋼板に
関する。
【0002】
【従来の技術】耐食性向上や外観の意匠性に配慮して、
亜鉛系めっき鋼板は表面を塗装して用いることが多い。
そのような鋼板で、製造する工場出荷の平板の段階にて
表面に塗料が塗布されている鋼板を一般に有機被覆表面
処理鋼板と称する。この鋼板を所要部材に成形加工し、
表面は工場出荷のままで製品の外板として使用される場
合はプレコート鋼板といわれ、従来より建材の分野で屋
根材や壁材などに使用されてきた。また、塗装工程の省
略という点から、家電製品や屋内器物の外板などにも多
く用いられるようになっている。
亜鉛系めっき鋼板は表面を塗装して用いることが多い。
そのような鋼板で、製造する工場出荷の平板の段階にて
表面に塗料が塗布されている鋼板を一般に有機被覆表面
処理鋼板と称する。この鋼板を所要部材に成形加工し、
表面は工場出荷のままで製品の外板として使用される場
合はプレコート鋼板といわれ、従来より建材の分野で屋
根材や壁材などに使用されてきた。また、塗装工程の省
略という点から、家電製品や屋内器物の外板などにも多
く用いられるようになっている。
【0003】しかしながら、プレコート鋼板は表面の塗
装皮膜に電気伝導性がなく、自動車生産などに多用され
る電気抵抗溶接が困難であること、表面の意匠が鋼板の
工場の出荷状態のままであることなどの点から、その適
用分野を限定されることが多い。これに対し、下地処理
や下塗り塗装がすでに終わった鋼板を用いて、成形や溶
接をおこない、最終の外観を決定する塗装のみを施すこ
とにより、塗装工程の簡略化をはかる方法が考えられて
いる。この下地処理や下層の塗装が済んでおり、上層な
いしは中層と上層のみの塗装で目的とする外観を実現す
ることのできる鋼板は、プレプライムド鋼板と呼ばれて
いる。
装皮膜に電気伝導性がなく、自動車生産などに多用され
る電気抵抗溶接が困難であること、表面の意匠が鋼板の
工場の出荷状態のままであることなどの点から、その適
用分野を限定されることが多い。これに対し、下地処理
や下塗り塗装がすでに終わった鋼板を用いて、成形や溶
接をおこない、最終の外観を決定する塗装のみを施すこ
とにより、塗装工程の簡略化をはかる方法が考えられて
いる。この下地処理や下層の塗装が済んでおり、上層な
いしは中層と上層のみの塗装で目的とする外観を実現す
ることのできる鋼板は、プレプライムド鋼板と呼ばれて
いる。
【0004】耐食性が目的で表面処理鋼板を自動車の外
板などに用いる場合、自動車の製造工程では、通常、プ
レス加工し、スポット溶接やシーム溶接して組み立て、
電着塗装により最下層の下塗り塗装をおこない、次いで
中層、上層の塗装が施される。このような自動車用の表
面処理鋼板としては、内面側を主体に亜鉛系めっき鋼板
の他、亜鉛粉末を含有させた有機系塗膜で被覆したジン
クロメタル(ダイヤモンド・シャムロック社商品名)
や、亜鉛合金めっきの上に薄い有機皮膜を塗布した薄膜
有機複合めっき鋼板なども用いられている。
板などに用いる場合、自動車の製造工程では、通常、プ
レス加工し、スポット溶接やシーム溶接して組み立て、
電着塗装により最下層の下塗り塗装をおこない、次いで
中層、上層の塗装が施される。このような自動車用の表
面処理鋼板としては、内面側を主体に亜鉛系めっき鋼板
の他、亜鉛粉末を含有させた有機系塗膜で被覆したジン
クロメタル(ダイヤモンド・シャムロック社商品名)
や、亜鉛合金めっきの上に薄い有機皮膜を塗布した薄膜
有機複合めっき鋼板なども用いられている。
【0005】これらの表面処理鋼板は、いずれも電気抵
抗溶接や電着塗装を実施することを前提としており、そ
のために有機系塗膜を有する場合は、導電性を持たせる
ために塗膜に導電粒子を含有させるか、導電粒子を含ま
ない場合は薄膜として、通電を阻害しないようにしてい
る。そしてこのような電着塗装性と溶接性とを兼ね備え
た有機複合めっき鋼板に関し、数多くの発明が提案され
てきた。
抗溶接や電着塗装を実施することを前提としており、そ
のために有機系塗膜を有する場合は、導電性を持たせる
ために塗膜に導電粒子を含有させるか、導電粒子を含ま
ない場合は薄膜として、通電を阻害しないようにしてい
る。そしてこのような電着塗装性と溶接性とを兼ね備え
た有機複合めっき鋼板に関し、数多くの発明が提案され
てきた。
【0006】プレプライムド鋼板は、上述の薄膜有機複
合めっき鋼板と構成がほぼ同様で、亜鉛や亜鉛系合金め
っき鋼板に下地処理を施し、その上を導電性粒子が含ま
れた有機系塗膜で被覆する。しかし、薄膜有機複合めっ
き鋼板の場合には、その鋼板を使用する側で電着塗装す
ることを前提としているのに対し、プレプライムド鋼板
は、下塗りの電着塗装や中層の塗装をおこなわない、す
なわちこれらの工程を省略し、製品製造工程の合理化を
はかるものである。
合めっき鋼板と構成がほぼ同様で、亜鉛や亜鉛系合金め
っき鋼板に下地処理を施し、その上を導電性粒子が含ま
れた有機系塗膜で被覆する。しかし、薄膜有機複合めっ
き鋼板の場合には、その鋼板を使用する側で電着塗装す
ることを前提としているのに対し、プレプライムド鋼板
は、下塗りの電着塗装や中層の塗装をおこなわない、す
なわちこれらの工程を省略し、製品製造工程の合理化を
はかるものである。
【0007】このような鋼板は、用途により母材鋼板の
加工性がすぐれているとか強度が高いとかいった特性と
ともに、耐食性確保のためのある程度のめっき厚さが必
要であることはいうまでもない。そして電着塗装性はと
くには要しないが、スポット溶接やシーム溶接などの、
表面皮膜のままでの抵抗溶接ができることは必須であ
り、これらの溶接性が良好でなければならない。また、
電着塗装がおこなわれる場合、切断端面は塗料の着きが
よく、その部分の耐食性はよいが、プレプライムド鋼板
では中層と上層または上層のみの塗装、あるいは切断ま
まの使用となるので、その切断端面の耐食性が問題とな
る。
加工性がすぐれているとか強度が高いとかいった特性と
ともに、耐食性確保のためのある程度のめっき厚さが必
要であることはいうまでもない。そして電着塗装性はと
くには要しないが、スポット溶接やシーム溶接などの、
表面皮膜のままでの抵抗溶接ができることは必須であ
り、これらの溶接性が良好でなければならない。また、
電着塗装がおこなわれる場合、切断端面は塗料の着きが
よく、その部分の耐食性はよいが、プレプライムド鋼板
では中層と上層または上層のみの塗装、あるいは切断ま
まの使用となるので、その切断端面の耐食性が問題とな
る。
【0008】このようなプレプライムド鋼板に関し、い
くつかの提案がなされている。たとえば、特開平9-2767
88号公報には、亜鉛−鉄、亜鉛−ニッケル、または亜鉛
−クロムの亜鉛系合金めっき鋼板の表面に下地処理とし
てクロム化合物の化学処理(クロメート処理)を施し、
その上に40〜90容量%の有機樹脂、3〜59容量%の導電
性顔料および1〜57容量%の防錆顔料からなる有機皮膜
を厚さ0.5〜20μm形成させた鋼板の発明が開示されてい
る。
くつかの提案がなされている。たとえば、特開平9-2767
88号公報には、亜鉛−鉄、亜鉛−ニッケル、または亜鉛
−クロムの亜鉛系合金めっき鋼板の表面に下地処理とし
てクロム化合物の化学処理(クロメート処理)を施し、
その上に40〜90容量%の有機樹脂、3〜59容量%の導電
性顔料および1〜57容量%の防錆顔料からなる有機皮膜
を厚さ0.5〜20μm形成させた鋼板の発明が開示されてい
る。
【0009】特開平10-43677号公報には亜鉛系めっき鋼
板をクロメート処理した上に、エポキシ系樹脂100重量
部にイソシアネート化合物を5〜80重量部配合した樹脂
を基体とし、これに防錆顔料、導電性顔料および固形潤
滑剤の量をそれぞれ規制して添加した、厚さ1.0〜30μm
の樹脂皮膜を被覆した鋼板の発明が提示されている。
板をクロメート処理した上に、エポキシ系樹脂100重量
部にイソシアネート化合物を5〜80重量部配合した樹脂
を基体とし、これに防錆顔料、導電性顔料および固形潤
滑剤の量をそれぞれ規制して添加した、厚さ1.0〜30μm
の樹脂皮膜を被覆した鋼板の発明が提示されている。
【0010】さらに特開平11-5269号公報に開示された
発明は、下地処理の施された亜鉛系めっきまたはアルミ
ニウム系めっき金属板に、被覆する厚さに応じてリン化
鉄を主成分とする導電性顔料を添加した樹脂皮膜を有す
る、溶接可能型樹脂被覆鋼板に関する改良である。
発明は、下地処理の施された亜鉛系めっきまたはアルミ
ニウム系めっき金属板に、被覆する厚さに応じてリン化
鉄を主成分とする導電性顔料を添加した樹脂皮膜を有す
る、溶接可能型樹脂被覆鋼板に関する改良である。
【0011】上記の各発明は、亜鉛または亜鉛合金系め
っきの上に下地処理としてクロメート処理を施し、導電
性顔料および防錆顔料の添加された樹脂が膜厚を規制し
て被覆されているという点で共通している。導電性顔料
は樹脂に電伝導性を持たせて溶接を容易にし、防錆顔料
は主に切断端面の耐食性を向上させる。
っきの上に下地処理としてクロメート処理を施し、導電
性顔料および防錆顔料の添加された樹脂が膜厚を規制し
て被覆されているという点で共通している。導電性顔料
は樹脂に電伝導性を持たせて溶接を容易にし、防錆顔料
は主に切断端面の耐食性を向上させる。
【0012】しかしながら、溶接性の確保には、導電性
を持たせるとはいえ樹脂皮膜の厚さが薄いほど好まし
く、他方、切断端面の防錆の面からは樹脂厚さは厚い方
が良好であり、これら相反する2つの特性の十分両立し
た鋼板が得られているとはいい難い。
を持たせるとはいえ樹脂皮膜の厚さが薄いほど好まし
く、他方、切断端面の防錆の面からは樹脂厚さは厚い方
が良好であり、これら相反する2つの特性の十分両立し
た鋼板が得られているとはいい難い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スポ
ット溶接性およびシーム溶接性にすぐれ、かつ切断端面
の耐食性にすぐれた、亜鉛系めっき鋼板を母材とし下地
処理および下層塗装が施されているプレプライムド鋼板
の提供にある。
ット溶接性およびシーム溶接性にすぐれ、かつ切断端面
の耐食性にすぐれた、亜鉛系めっき鋼板を母材とし下地
処理および下層塗装が施されているプレプライムド鋼板
の提供にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、主として
自動車の部品に適用できるプレプライムド鋼板を対象
に、その実用性を向上させるべく種々検討をおこなっ
た。自動車用の場合、スポット溶接やシーム溶接が多用
されるので、これらの溶接性が特に重要である。この溶
接性とは、繰り返し使用による電極の早期損耗、めっき
および樹脂などの分解物による電極の汚染、そしてそれ
にともなうナゲットの形成不全化等を意味しており、溶
接性が良好というのは、めっきなど表面被覆層のない裸
の鋼板の場合に近づくことにあると考えられる。
自動車の部品に適用できるプレプライムド鋼板を対象
に、その実用性を向上させるべく種々検討をおこなっ
た。自動車用の場合、スポット溶接やシーム溶接が多用
されるので、これらの溶接性が特に重要である。この溶
接性とは、繰り返し使用による電極の早期損耗、めっき
および樹脂などの分解物による電極の汚染、そしてそれ
にともなうナゲットの形成不全化等を意味しており、溶
接性が良好というのは、めっきなど表面被覆層のない裸
の鋼板の場合に近づくことにあると考えられる。
【0015】まず、鋼板の母材は、部品の用途が強さを
要求するものか深絞り加工を要求するか等から材質が決
定されるので、検討対象から除外した。めっき層は、溶
接性の面からは薄いことおよび硬いことなどが好ましい
と考えられるが、多くは耐食性や加工時の剥離などの点
から選定され、溶接性だけからは限定できない。しかし
一般的に亜鉛合金系のめっきは、薄くしても同等の耐食
性がえられ、その上めっき層が硬くなる傾向があるの
で、プレプライムド鋼板用には好ましいといえる。次に
めっき層を被覆する有機皮膜については、基剤となる樹
脂に関し塗料として要求される性能から様々な種類のも
のが適用され、さらにその性能改善のために種々の有機
系添加剤が混入される。しかしこれらのほとんどは、無
機質の顔料を除き溶接時の高温では分解発散してしまう
ので、その量に関わる厚さ以外は、溶接性には直接影響
しないと思われる。
要求するものか深絞り加工を要求するか等から材質が決
定されるので、検討対象から除外した。めっき層は、溶
接性の面からは薄いことおよび硬いことなどが好ましい
と考えられるが、多くは耐食性や加工時の剥離などの点
から選定され、溶接性だけからは限定できない。しかし
一般的に亜鉛合金系のめっきは、薄くしても同等の耐食
性がえられ、その上めっき層が硬くなる傾向があるの
で、プレプライムド鋼板用には好ましいといえる。次に
めっき層を被覆する有機皮膜については、基剤となる樹
脂に関し塗料として要求される性能から様々な種類のも
のが適用され、さらにその性能改善のために種々の有機
系添加剤が混入される。しかしこれらのほとんどは、無
機質の顔料を除き溶接時の高温では分解発散してしまう
ので、その量に関わる厚さ以外は、溶接性には直接影響
しないと思われる。
【0016】以上のような点から、溶接のため樹脂皮膜
の導電性を持たせる目的で添加し、しかも溶接の高温加
熱時にも残存すると考えられる導電性顔料、ないしは導
電体粉末について、とくに溶接性に及ぼす影響に関して
重点的に調査検討をおこなった。導電体粉末としては、
金属、合金、炭素、その他導電性化合物などがあり、こ
れらについて調整可能なものを種々試した結果、フェロ
シリコンすなわちFe−Si合金の粉末が最も良好な結
果を示すことを見出したのである。しかし、フェロシリ
コンの粉末を用いると何故良好な結果を示すのか、その
理由は必ずしも明らかではない。
の導電性を持たせる目的で添加し、しかも溶接の高温加
熱時にも残存すると考えられる導電性顔料、ないしは導
電体粉末について、とくに溶接性に及ぼす影響に関して
重点的に調査検討をおこなった。導電体粉末としては、
金属、合金、炭素、その他導電性化合物などがあり、こ
れらについて調整可能なものを種々試した結果、フェロ
シリコンすなわちFe−Si合金の粉末が最も良好な結
果を示すことを見出したのである。しかし、フェロシリ
コンの粉末を用いると何故良好な結果を示すのか、その
理由は必ずしも明らかではない。
【0017】一般的に塗料樹脂の導電性を持たせるた
め、リン化鉄粉が多く用いられているる。しかしなが
ら、リンは鋼に入るとわずかな量で脆化を引き起こし、
溶接の電極に用いられる銅に入れば、これも硬く脆くす
る傾向がある。そしてリンは鋼や銅の融点よりかなり低
い温度で気化して、鋼や銅に入り込むと考えられるの
で、これが溶接部の強度低下や電極の変形を促進するの
ではないかと思われた。
め、リン化鉄粉が多く用いられているる。しかしなが
ら、リンは鋼に入るとわずかな量で脆化を引き起こし、
溶接の電極に用いられる銅に入れば、これも硬く脆くす
る傾向がある。そしてリンは鋼や銅の融点よりかなり低
い温度で気化して、鋼や銅に入り込むと考えられるの
で、これが溶接部の強度低下や電極の変形を促進するの
ではないかと思われた。
【0018】これに対しシリコンの場合、少量ではこの
ような脆化は起こさず、その上リンのように容易には気
化しない。シリコンは、溶鉄に対して脱酸効果が大き
く、とくにシーム溶接などの場合、鋼の溶融点に近づく
溶接部にブローホールが生じたりすることがあるが、こ
のようなブローホールの抑止にも効果があるのではない
かと思われる。またフェロシリコンそのものは硬くて脆
く、細かい均一な粉末が得やすいので、樹脂中への分散
が良好である。その結果、加圧して通電し発熱させるス
ポット溶接やシーム溶接では、加圧部に電流が均一に流
れ、電極の不均一損耗を抑止して、すぐれた溶接性をも
たらすのではないかと推測される。
ような脆化は起こさず、その上リンのように容易には気
化しない。シリコンは、溶鉄に対して脱酸効果が大き
く、とくにシーム溶接などの場合、鋼の溶融点に近づく
溶接部にブローホールが生じたりすることがあるが、こ
のようなブローホールの抑止にも効果があるのではない
かと思われる。またフェロシリコンそのものは硬くて脆
く、細かい均一な粉末が得やすいので、樹脂中への分散
が良好である。その結果、加圧して通電し発熱させるス
ポット溶接やシーム溶接では、加圧部に電流が均一に流
れ、電極の不均一損耗を抑止して、すぐれた溶接性をも
たらすのではないかと推測される。
【0019】フェロシリコンの素材としては、シリコン
の含有量により異なる種類のものがあるが、シリコンが
低めの含有量のものがとくにすぐれていた。これはシリ
コン量が増すと電気抵抗が増し、その上脆くなりすぎて
しまうため、溶接時に均一な通電パスが形成されにくく
なり、電極損耗を大きくするのではないかと思われる。
添加するフェロシリコンの粒子径や添加量についても、
溶接性ばかりでなく、塗料としての特性を維持するため
の最適含有範囲のあることが確認された。
の含有量により異なる種類のものがあるが、シリコンが
低めの含有量のものがとくにすぐれていた。これはシリ
コン量が増すと電気抵抗が増し、その上脆くなりすぎて
しまうため、溶接時に均一な通電パスが形成されにくく
なり、電極損耗を大きくするのではないかと思われる。
添加するフェロシリコンの粒子径や添加量についても、
溶接性ばかりでなく、塗料としての特性を維持するため
の最適含有範囲のあることが確認された。
【0020】以上のように、有機樹脂層として溶接性の
すぐれたものが得られる見通しを得たので、この塗料を
用いて表面を被覆した場合の、切断端面の耐食性につい
て検討をおこなった。切断端面の耐食性は、亜鉛のよう
に鉄に対し卑なめっき層の存在によって改善される。そ
して、有機皮膜が存在すると、切断の際に皮膜の回込み
によって切断端面が覆われ、その部分の耐食性がさらに
向上すると考えられている。板厚が厚くなるとこのよう
な効果はあまり期待できないが、自動車用のように、板
厚が1mm程度ないしはそれ以下の場合はかなり有効であ
る。
すぐれたものが得られる見通しを得たので、この塗料を
用いて表面を被覆した場合の、切断端面の耐食性につい
て検討をおこなった。切断端面の耐食性は、亜鉛のよう
に鉄に対し卑なめっき層の存在によって改善される。そ
して、有機皮膜が存在すると、切断の際に皮膜の回込み
によって切断端面が覆われ、その部分の耐食性がさらに
向上すると考えられている。板厚が厚くなるとこのよう
な効果はあまり期待できないが、自動車用のように、板
厚が1mm程度ないしはそれ以下の場合はかなり有効であ
る。
【0021】調査の結果、有機被膜はある程度以上の厚
さがあれば端面耐食性向上の効果が得られ、厚くすれば
するほどよいことが確認できた。しかし厚くしていく
と、導電性の改良された皮膜でも溶接性が劣化してくる
ので限界がある。また、有機皮膜に防錆効果のある顔料
を添加することも端面防錆に有効であった。
さがあれば端面耐食性向上の効果が得られ、厚くすれば
するほどよいことが確認できた。しかし厚くしていく
と、導電性の改良された皮膜でも溶接性が劣化してくる
ので限界がある。また、有機皮膜に防錆効果のある顔料
を添加することも端面防錆に有効であった。
【0022】このような溶接性向上と切断端面の耐食性
向上の検討過程で、めっき層についてもその組成の影響
を調査し、純亜鉛のめっきより合金めっきの方が好まし
いことを確認した。なかでもZn−Coの合金めっき
は、目付量が同じであれば、端面の耐食性がよりすぐ
れ、溶接性も良好であることが見出された。これはZn
−Co合金が他の亜鉛系合金に比し卑であるため、赤錆
発生の抑止効果が大きいからであり、その上、めっき層
の硬さを増大させる効果のあることによると考えられ
た。
向上の検討過程で、めっき層についてもその組成の影響
を調査し、純亜鉛のめっきより合金めっきの方が好まし
いことを確認した。なかでもZn−Coの合金めっき
は、目付量が同じであれば、端面の耐食性がよりすぐ
れ、溶接性も良好であることが見出された。これはZn
−Co合金が他の亜鉛系合金に比し卑であるため、赤錆
発生の抑止効果が大きいからであり、その上、めっき層
の硬さを増大させる効果のあることによると考えられ
た。
【0023】めっきなど金属表面に有機物の塗料を十分
に密着させ、また耐食性も向上させるために、下地処理
をおこなう。この下地処理として亜鉛系めっきにはクロ
メート処理が広くおこなわれ、リン酸塩処理も実施され
ている。これらの下地処理を施した後、上述のフェロシ
リコン顔料を含む有機系皮膜を塗布するが、通常採用さ
れている下地処理を採用すれば本発明の特徴を有する鋼
板を製造することができる。
に密着させ、また耐食性も向上させるために、下地処理
をおこなう。この下地処理として亜鉛系めっきにはクロ
メート処理が広くおこなわれ、リン酸塩処理も実施され
ている。これらの下地処理を施した後、上述のフェロシ
リコン顔料を含む有機系皮膜を塗布するが、通常採用さ
れている下地処理を採用すれば本発明の特徴を有する鋼
板を製造することができる。
【0024】このフェロシリコン顔料を含む有機系皮膜
に対し、より有効な下地処理の方法を検討してみた。そ
の結果、コロイダルシリカと熱硬化型樹脂からなる液を
塗布乾燥することにより、クロメート処理と同等ないし
はそれ以上の皮膜密着性および切断端面の耐食性が得ら
れることが見出された。コロイダルシリカは熱硬化型樹
脂と共に作用してめっき表面への密着を強固にし、熱硬
化性樹脂はその上への被覆樹脂との密着性、すなわち二
次密着性に関与していると考えられる。溶接性について
も、クロメート処理よりすぐれているようであった。こ
れは皮膜の導電材料がシリコンを含んでおり、下地処理
のシリカとの適合性がよいのではないかと思われた。こ
のようにクロムを含まない処理をおこなえることは、6
価クロムを扱わない点で好ましいと考えられる。
に対し、より有効な下地処理の方法を検討してみた。そ
の結果、コロイダルシリカと熱硬化型樹脂からなる液を
塗布乾燥することにより、クロメート処理と同等ないし
はそれ以上の皮膜密着性および切断端面の耐食性が得ら
れることが見出された。コロイダルシリカは熱硬化型樹
脂と共に作用してめっき表面への密着を強固にし、熱硬
化性樹脂はその上への被覆樹脂との密着性、すなわち二
次密着性に関与していると考えられる。溶接性について
も、クロメート処理よりすぐれているようであった。こ
れは皮膜の導電材料がシリコンを含んでおり、下地処理
のシリカとの適合性がよいのではないかと思われた。こ
のようにクロムを含まない処理をおこなえることは、6
価クロムを扱わない点で好ましいと考えられる。
【0025】以上のような検討結果から、スポット溶接
およびシーム溶接にすぐれ、かつ切断端面の耐食性にす
ぐれたプレプライムド鋼板が得られることがわかったの
で、さらにめっき層、下地処理層、樹脂皮膜の組成、そ
の厚さ等についてそれぞれの限界範囲を確認し、本発明
を完成させた。本発明の要旨は次のとおりである。
およびシーム溶接にすぐれ、かつ切断端面の耐食性にす
ぐれたプレプライムド鋼板が得られることがわかったの
で、さらにめっき層、下地処理層、樹脂皮膜の組成、そ
の厚さ等についてそれぞれの限界範囲を確認し、本発明
を完成させた。本発明の要旨は次のとおりである。
【0026】(1) 亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板の少
なくとも一方の面に下地処理を有し、その上に粒径0.5
〜10μmのフェロシリコンを10〜70質量%含む有機樹脂
皮膜が、2.5〜8μmの厚さで被覆されていることを特徴
とする有機被覆表面処理鋼板。
なくとも一方の面に下地処理を有し、その上に粒径0.5
〜10μmのフェロシリコンを10〜70質量%含む有機樹脂
皮膜が、2.5〜8μmの厚さで被覆されていることを特徴
とする有機被覆表面処理鋼板。
【0027】(2) フェロシリコンが15〜95質量%のSi
を含有するものであることを特徴とする上記(1)の有機
被覆表面処理鋼板。
を含有するものであることを特徴とする上記(1)の有機
被覆表面処理鋼板。
【0028】(3) 亜鉛系合金めっき鋼板のめっき層がコ
バルトを0.2〜10質量%含有することを特徴とする上記
(1)、または(2)の有機被覆表面処理鋼板。
バルトを0.2〜10質量%含有することを特徴とする上記
(1)、または(2)の有機被覆表面処理鋼板。
【0029】(4) 下地処理層が、コロイダルシリカを20
〜95質量%含む熱硬化型樹脂からなる0.05〜0.5g/m2の
層であることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)の有
機被覆表面処理鋼板。
〜95質量%含む熱硬化型樹脂からなる0.05〜0.5g/m2の
層であることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)の有
機被覆表面処理鋼板。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の鋼板は、一般的な冷延鋼
板に属する母材の表面に金属めっきがあり、その上に下
地処理が施されてさらに有機樹脂被覆された構成のもの
である。用いる母材鋼板は、通常の冷延鋼板と同じもの
でよい。冷延鋼板はその使用目的により絞り性のすぐれ
たもの、強度の高いもの、降伏比の低いもの、焼き付け
硬化性を有するもの等があるが、そのいずれでもよく、
とくには限定しない。
板に属する母材の表面に金属めっきがあり、その上に下
地処理が施されてさらに有機樹脂被覆された構成のもの
である。用いる母材鋼板は、通常の冷延鋼板と同じもの
でよい。冷延鋼板はその使用目的により絞り性のすぐれ
たもの、強度の高いもの、降伏比の低いもの、焼き付け
硬化性を有するもの等があるが、そのいずれでもよく、
とくには限定しない。
【0031】金属めっきについては、一般に用いられる
亜鉛、または亜鉛系合金であればよく、付着量が少なく
ても耐食性がよいという点から、合金の亜鉛めっきが好
ましい。合金亜鉛めっきにはZn−Al、Zn−Co、
Zn−Cr、Zn−Fe、Zn−Mg、Zn−Ni等様
々なものがあるが、いずれのめっきでもよい。
亜鉛、または亜鉛系合金であればよく、付着量が少なく
ても耐食性がよいという点から、合金の亜鉛めっきが好
ましい。合金亜鉛めっきにはZn−Al、Zn−Co、
Zn−Cr、Zn−Fe、Zn−Mg、Zn−Ni等様
々なものがあるが、いずれのめっきでもよい。
【0032】ただし、Coを0.2〜10質量%含有するZ
n−Co合金めっきは、表面をさらにフェロシリコンの
導電性顔料を含む有機樹脂で被覆した状態において、と
くに耐食性にすぐれ、溶接性が良好である。この場合、
めっき層のCoが0.2質量%を下回る場合は耐食性、溶
接性共に改善効果が小さく、10質量%を超えて含有され
ると、切断端面の耐食性が悪くなってくる。
n−Co合金めっきは、表面をさらにフェロシリコンの
導電性顔料を含む有機樹脂で被覆した状態において、と
くに耐食性にすぐれ、溶接性が良好である。この場合、
めっき層のCoが0.2質量%を下回る場合は耐食性、溶
接性共に改善効果が小さく、10質量%を超えて含有され
ると、切断端面の耐食性が悪くなってくる。
【0033】めっきの付着量は、鋼板の耐食性確保のた
め片面当たり10g/m2以上なければならない。耐食性の観
点からは付着量の多い方がよいが、溶接性を悪くしない
ためには80g/m2以下であることが好ましい。
め片面当たり10g/m2以上なければならない。耐食性の観
点からは付着量の多い方がよいが、溶接性を悪くしない
ためには80g/m2以下であることが好ましい。
【0034】めっき層と有機被覆の間に施される下地処
理は、一般に金属表面の塗装の密着性や耐食性向上の目
的でおこなわれる、クロメート処理や燐酸塩処理の方法
をそのまま適用すればよい。しかし、本発明のプレプラ
イムド鋼板の場合、コロイダルシリカと熱硬化樹脂とか
らなる下地処理とする方が、溶接性と耐食性とを共に向
上させる効果が得られる。
理は、一般に金属表面の塗装の密着性や耐食性向上の目
的でおこなわれる、クロメート処理や燐酸塩処理の方法
をそのまま適用すればよい。しかし、本発明のプレプラ
イムド鋼板の場合、コロイダルシリカと熱硬化樹脂とか
らなる下地処理とする方が、溶接性と耐食性とを共に向
上させる効果が得られる。
【0035】この場合、コロイダルシリカの分散した水
または有機系溶剤に、熱硬化型樹脂を溶解またはエマル
ジョン状として混合し、めっき表面に塗布乾燥して処理
層を形成させる。コロイダルシリカには、球状、ひも状
あるいはパールネックレス状のものがあり、いずれも適
用できるが、有機皮膜の密着性や耐食性の点でひも状ま
たはパールネックレス状のコロイダルシリカがよい。熱
硬化型樹脂としては、熱硬化性のあるポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等、とくに樹脂種は
限定しないが、表面張力の小さいフッ素樹脂、シリコン
樹脂等は、被覆に用いる樹脂種により密着性がよくない
ことがあるので、使用を避けるのが好ましい。
または有機系溶剤に、熱硬化型樹脂を溶解またはエマル
ジョン状として混合し、めっき表面に塗布乾燥して処理
層を形成させる。コロイダルシリカには、球状、ひも状
あるいはパールネックレス状のものがあり、いずれも適
用できるが、有機皮膜の密着性や耐食性の点でひも状ま
たはパールネックレス状のコロイダルシリカがよい。熱
硬化型樹脂としては、熱硬化性のあるポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等、とくに樹脂種は
限定しないが、表面張力の小さいフッ素樹脂、シリコン
樹脂等は、被覆に用いる樹脂種により密着性がよくない
ことがあるので、使用を避けるのが好ましい。
【0036】コロイダルシリカと熱硬化樹脂との混合比
は、質量比にして20/80〜95/5、すなわち固形成分中の
コロイダルシリカが20〜95%の範囲で効果がある。20%
を下回ると有機被覆鋼板としての耐食性が劣り、95%を
超えると有機皮膜の二次密着性が悪くなって、切断端面
の耐食性が劣ってくる。望ましいのは40〜90%の範囲で
ある。
は、質量比にして20/80〜95/5、すなわち固形成分中の
コロイダルシリカが20〜95%の範囲で効果がある。20%
を下回ると有機被覆鋼板としての耐食性が劣り、95%を
超えると有機皮膜の二次密着性が悪くなって、切断端面
の耐食性が劣ってくる。望ましいのは40〜90%の範囲で
ある。
【0037】上記のクロメート処理、リン酸塩処理、ま
たはコロイダルシリカと熱硬化型樹脂処理のいずれの下
地処理も、その付着量は0.05〜0.5g/m2とするのがよ
い。0.5g/m2を超える付着量では、溶接性が悪くなる。
これは下地処理の膜厚が薄いので、電気伝導性にほとん
ど影響しないが、厚くなると電気伝導性がないために通
電を阻害し、溶接性を悪くするのであろう。また、付着
量は少なすぎると下地処理の効果がないので、少なくと
も0.05g/m2以上必要である。なお望ましいのは、0.08以
上0.4g/m2以下とすることである。
たはコロイダルシリカと熱硬化型樹脂処理のいずれの下
地処理も、その付着量は0.05〜0.5g/m2とするのがよ
い。0.5g/m2を超える付着量では、溶接性が悪くなる。
これは下地処理の膜厚が薄いので、電気伝導性にほとん
ど影響しないが、厚くなると電気伝導性がないために通
電を阻害し、溶接性を悪くするのであろう。また、付着
量は少なすぎると下地処理の効果がないので、少なくと
も0.05g/m2以上必要である。なお望ましいのは、0.08以
上0.4g/m2以下とすることである。
【0038】有機樹脂皮膜は、基剤となる有機樹脂にフ
ェロシリコンの導電性顔料を含むものであるが、さらに
要すれば、防錆顔料、体質顔料、着色用顔料、固形潤滑
剤、あるいは造膜補助剤等が含まれていてもよい。
ェロシリコンの導電性顔料を含むものであるが、さらに
要すれば、防錆顔料、体質顔料、着色用顔料、固形潤滑
剤、あるいは造膜補助剤等が含まれていてもよい。
【0039】このような組成の皮膜が2.5〜8μmの厚さ
で、下地処理層の上に形成されているものとする。この
有機樹脂皮膜の厚さは2.5μmを下回る場合、プレス加工
のブランキング等の切断時に切断端面への回り込み被覆
が不十分になり、端面耐食性が不足するおそれがある。
しかし、その厚さが8μmを超えるようになると、スポッ
ト溶接やシーム溶接時のガス発生や導電性低下などによ
り溶接性が悪くなってくる。好ましいのは3〜7μmの範
囲にあることであり、さらに望ましくは3〜5μmであ
る。
で、下地処理層の上に形成されているものとする。この
有機樹脂皮膜の厚さは2.5μmを下回る場合、プレス加工
のブランキング等の切断時に切断端面への回り込み被覆
が不十分になり、端面耐食性が不足するおそれがある。
しかし、その厚さが8μmを超えるようになると、スポッ
ト溶接やシーム溶接時のガス発生や導電性低下などによ
り溶接性が悪くなってくる。好ましいのは3〜7μmの範
囲にあることであり、さらに望ましくは3〜5μmであ
る。
【0040】皮膜の基剤となる有機樹脂は、皮膜が下塗
り塗装としての役割を果たすので、一般的にこのような
用途に用いられているものを使用すればよく、とくには
限定しない。この目的には、熱可塑性樹脂よりも熱硬化
性樹脂が適しており、具体的にはエポキシ系、アクリル
系、ウレタン系、ポリエステル系、フェノール系、等の
樹脂があげられる。溶接性と端面耐食性の両立の観点か
らは、エポキシ系樹脂を脂肪族の二塩基酸で結合させ、
さらに樹脂の末端をウレタン系樹脂で変性させたウレタ
ン変性エポキシ樹脂を用いるとよい。
り塗装としての役割を果たすので、一般的にこのような
用途に用いられているものを使用すればよく、とくには
限定しない。この目的には、熱可塑性樹脂よりも熱硬化
性樹脂が適しており、具体的にはエポキシ系、アクリル
系、ウレタン系、ポリエステル系、フェノール系、等の
樹脂があげられる。溶接性と端面耐食性の両立の観点か
らは、エポキシ系樹脂を脂肪族の二塩基酸で結合させ、
さらに樹脂の末端をウレタン系樹脂で変性させたウレタ
ン変性エポキシ樹脂を用いるとよい。
【0041】そして皮膜形成前のベースとなる樹脂の分
子量は5000〜50000の範囲が好ましい。この範囲より低
分子量側では端面耐食性が劣り、高分子量側では塗料が
高粘度化して塗装が困難になるからである。
子量は5000〜50000の範囲が好ましい。この範囲より低
分子量側では端面耐食性が劣り、高分子量側では塗料が
高粘度化して塗装が困難になるからである。
【0042】なお皮膜には以下に述べる様々な添加物が
含有されるが、その上にさらに塗膜が形成される下層用
塗料としての機能、たとえば二次密着性などを十分保有
するためには、皮膜の少なくとも30質量%は上記有機基
剤であることが望ましい。
含有されるが、その上にさらに塗膜が形成される下層用
塗料としての機能、たとえば二次密着性などを十分保有
するためには、皮膜の少なくとも30質量%は上記有機基
剤であることが望ましい。
【0043】導電顔料として皮膜に含有させるフェロシ
リコンの原料は、JIS-G-2302においては含まれるSiの
量により、1号、2号、3号および6号と区分される
が、いずれの組成のものを用いてもよい。しかしなが
ら、Si含有量は多すぎても少なすぎても溶接性が劣る
傾向があり、もしSiの含有量を任意に選べるのであれ
ば、15〜95質量%のものとすれば良好な結果を示す。こ
れは、フェロシリコン中のSiが15質量%未満では、有
機樹脂中での均一分散がやや困難となり、形成された皮
膜中で均一な通電パスが得られにくくなって溶接性が低
下し、他方Siが95質量%を超えるとフェロシリコン粒
子自身の電気抵抗が増し、これもまた溶接性を低下させ
るのではないかと推定された。とくに好ましいフェロシ
リコン中のSiの量は40〜80質量%で、上記JISにて
規定される2号または3号のSi含有量のものが好適で
ある。
リコンの原料は、JIS-G-2302においては含まれるSiの
量により、1号、2号、3号および6号と区分される
が、いずれの組成のものを用いてもよい。しかしなが
ら、Si含有量は多すぎても少なすぎても溶接性が劣る
傾向があり、もしSiの含有量を任意に選べるのであれ
ば、15〜95質量%のものとすれば良好な結果を示す。こ
れは、フェロシリコン中のSiが15質量%未満では、有
機樹脂中での均一分散がやや困難となり、形成された皮
膜中で均一な通電パスが得られにくくなって溶接性が低
下し、他方Siが95質量%を超えるとフェロシリコン粒
子自身の電気抵抗が増し、これもまた溶接性を低下させ
るのではないかと推定された。とくに好ましいフェロシ
リコン中のSiの量は40〜80質量%で、上記JISにて
規定される2号または3号のSi含有量のものが好適で
ある。
【0044】含有させるフェロシリコンの粒子径は、0.
5〜10μmとする。これは0.5μmを下回る粒子径にすると
原料価格が増すばかりでなく、溶接性がよくないからで
ある。粒径が小さくなると有機樹脂層中で凝集しやすく
なり、均一な通電パスが得られず電極を損耗させるため
と思われる。また10μmより大きくなると、フェロシリ
コンの粒子が有機樹脂層から露出し、プレス成形時に脱
落して表面を傷つけたり、溶接時に局所的通電パスがで
きて電極の変形を大きくするおそれがある。粒子の径は
0.5μm以上の範囲であれば、小さい方が加圧電極位置で
均一通電を得ることができ、溶接性にすぐれていると考
えられる。すなわち好ましい粒子径の範囲は0.5〜5μm
であり、望ましくは0.5〜3μmである。
5〜10μmとする。これは0.5μmを下回る粒子径にすると
原料価格が増すばかりでなく、溶接性がよくないからで
ある。粒径が小さくなると有機樹脂層中で凝集しやすく
なり、均一な通電パスが得られず電極を損耗させるため
と思われる。また10μmより大きくなると、フェロシリ
コンの粒子が有機樹脂層から露出し、プレス成形時に脱
落して表面を傷つけたり、溶接時に局所的通電パスがで
きて電極の変形を大きくするおそれがある。粒子の径は
0.5μm以上の範囲であれば、小さい方が加圧電極位置で
均一通電を得ることができ、溶接性にすぐれていると考
えられる。すなわち好ましい粒子径の範囲は0.5〜5μm
であり、望ましくは0.5〜3μmである。
【0045】上述のようなフェロシリコンは、有機皮膜
中にその乾燥質量の10〜70質量%含有されているものと
する。これは導電性顔料の含有量が10質量%を下回ると
導電性が不足し、溶接性が悪くなるからであり、70質量
%を超える含有量では鋼板の耐食性が低下し、二次密着
性も悪くなるためである。
中にその乾燥質量の10〜70質量%含有されているものと
する。これは導電性顔料の含有量が10質量%を下回ると
導電性が不足し、溶接性が悪くなるからであり、70質量
%を超える含有量では鋼板の耐食性が低下し、二次密着
性も悪くなるためである。
【0046】有機皮膜には、上記のフェロシリコンに加
えて20質量%以下の防錆顔料を含有させることが好まし
い。防錆顔料の添加は被覆処理された鋼板の耐食性を向
上させるが、それよりも切断端面の耐食性向上に有効で
ある。防錆顔料としては一般に用いられるクロム酸スト
ロンチウム、クロム酸亜鉛、クロム酸アンモニウム等の
クロム酸塩系防錆顔料でもよい。
えて20質量%以下の防錆顔料を含有させることが好まし
い。防錆顔料の添加は被覆処理された鋼板の耐食性を向
上させるが、それよりも切断端面の耐食性向上に有効で
ある。防錆顔料としては一般に用いられるクロム酸スト
ロンチウム、クロム酸亜鉛、クロム酸アンモニウム等の
クロム酸塩系防錆顔料でもよい。
【0047】しかし、下地処理と共に有機皮膜にもクロ
ム成分を使用しない場合は、硼酸カルシウム、硼酸亜鉛
等の硼酸塩、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸バ
ナジウム等のリン酸塩、亜リン酸亜鉛、亜リン酸アルミ
ニウム等の亜リン酸塩、ポリリン酸アルミニウム、ポリ
リン酸バナジウム等のポリリン酸塩あるいは塩基性シア
ナミド亜鉛といった非クロム酸塩系の防錆顔料を選べば
よい。
ム成分を使用しない場合は、硼酸カルシウム、硼酸亜鉛
等の硼酸塩、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸バ
ナジウム等のリン酸塩、亜リン酸亜鉛、亜リン酸アルミ
ニウム等の亜リン酸塩、ポリリン酸アルミニウム、ポリ
リン酸バナジウム等のポリリン酸塩あるいは塩基性シア
ナミド亜鉛といった非クロム酸塩系の防錆顔料を選べば
よい。
【0048】その他、塗料着色のための有色顔料、およ
び有機皮膜の性能向上のために、シリカやチタニアなど
の体質顔料、ポリオレフィンワックス、天然ワックス等
の成形補助剤、二硫化モリブデン、グラファイトなどの
固形潤滑剤、造膜補助用のシランカップリング剤等を添
加することは、本発明の有機被覆表面処理鋼板の特徴を
減ずるものではない。ただし、目的とする溶接性と端面
耐食性の確保には、有機皮膜の必須成分である有機樹脂
およびフェロシリコン顔料以外の組成の含有量合計が、
皮膜全体の25質量%以下であることが望ましい。
び有機皮膜の性能向上のために、シリカやチタニアなど
の体質顔料、ポリオレフィンワックス、天然ワックス等
の成形補助剤、二硫化モリブデン、グラファイトなどの
固形潤滑剤、造膜補助用のシランカップリング剤等を添
加することは、本発明の有機被覆表面処理鋼板の特徴を
減ずるものではない。ただし、目的とする溶接性と端面
耐食性の確保には、有機皮膜の必須成分である有機樹脂
およびフェロシリコン顔料以外の組成の含有量合計が、
皮膜全体の25質量%以下であることが望ましい。
【0049】なお、本発明鋼板の下地処理あるいは有機
皮膜の形成等は、それぞれ用いる樹脂や塗料により一般
的に選定される条件にて施工すればよく、とくに限定す
るものではない。
皮膜の形成等は、それぞれ用いる樹脂や塗料により一般
的に選定される条件にて施工すればよく、とくに限定す
るものではない。
【0050】
【実施例】〔実施例1〕厚さ0.8mmでめっき付着量が表
裏面ともそれぞれ30g/m2のZn−13%Ni電気めっき鋼
板を用い、下記の下地処理および有機樹脂被覆を両面に
おこなった。
裏面ともそれぞれ30g/m2のZn−13%Ni電気めっき鋼
板を用い、下記の下地処理および有機樹脂被覆を両面に
おこなった。
【0051】下地処理:水性エポキシ樹脂(大日本イン
キ社製ウォーターゾルCD540)とコロイダルシリカ
(日産化学社製スノーテックスUP)とを用い、乾燥質
量にてコロイダルシリカが70質量%となるように混合
し、乾燥時の付着量が0.1g/m2となる量塗布し乾燥し
た。
キ社製ウォーターゾルCD540)とコロイダルシリカ
(日産化学社製スノーテックスUP)とを用い、乾燥質
量にてコロイダルシリカが70質量%となるように混合
し、乾燥時の付着量が0.1g/m2となる量塗布し乾燥し
た。
【0052】有機樹脂被覆:数平均分子量30000の熱硬
化型ウレタン変成エポキシ樹脂(レゾール型フェノール
硬化剤を20質量%含有)をベースとし、これにSiの含
有量が75質量%の粒径の異なるフェロシリコンをその含
有量を変えて添加した。これらの有機樹脂塗料は、上記
下地処理の施された上に厚さを変えて塗布し、230℃に
て50秒間焼き付けた。フェロシリコンの粒径、その皮膜
中含有量および焼き付け後塗布厚さを表1に示す。
化型ウレタン変成エポキシ樹脂(レゾール型フェノール
硬化剤を20質量%含有)をベースとし、これにSiの含
有量が75質量%の粒径の異なるフェロシリコンをその含
有量を変えて添加した。これらの有機樹脂塗料は、上記
下地処理の施された上に厚さを変えて塗布し、230℃に
て50秒間焼き付けた。フェロシリコンの粒径、その皮膜
中含有量および焼き付け後塗布厚さを表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】作製した有機被覆表面処理鋼板について、
以下のような連続スポット溶接または連続シーム溶接に
よる溶接性の評価、および端面耐食性の評価をおこなっ
た。 1)スポット溶接 電極径: 6 mm (Cu−Cr電極) 加圧:250kgf(2452N) 通電:12 サイクル 保持: 5 サイクル 電流:9000A 評価方法:連続5000点スポット溶接をおこない、100点
毎にナゲット径を断面観察により調査 2)シーム溶接 電極R: 5mm 加圧:300kgf(2942N) 通電:2 サイクル 休止:2 サイクル 電流:13kA 速度:2.5 m/min 評価方法:300mの連続シーム溶接をおこない、溶接部
観察および作業状況調査 3)端面耐食性 試験片:直径100mmの打ち抜き円形ブランク 試験条件:1時間の塩水噴霧試験を含む濡れ/乾燥比率3
0%、1サイクル8時間の複合サイクル試験を60サイクル 評価方法:切断端面における赤錆+白錆の発生長さの目
視計測 評価の基準はそれぞれの試験に対し表2に示す5段階と
した。この場合、○−以上が合格である。試験後の評価
結果を表1に併せて示す。
以下のような連続スポット溶接または連続シーム溶接に
よる溶接性の評価、および端面耐食性の評価をおこなっ
た。 1)スポット溶接 電極径: 6 mm (Cu−Cr電極) 加圧:250kgf(2452N) 通電:12 サイクル 保持: 5 サイクル 電流:9000A 評価方法:連続5000点スポット溶接をおこない、100点
毎にナゲット径を断面観察により調査 2)シーム溶接 電極R: 5mm 加圧:300kgf(2942N) 通電:2 サイクル 休止:2 サイクル 電流:13kA 速度:2.5 m/min 評価方法:300mの連続シーム溶接をおこない、溶接部
観察および作業状況調査 3)端面耐食性 試験片:直径100mmの打ち抜き円形ブランク 試験条件:1時間の塩水噴霧試験を含む濡れ/乾燥比率3
0%、1サイクル8時間の複合サイクル試験を60サイクル 評価方法:切断端面における赤錆+白錆の発生長さの目
視計測 評価の基準はそれぞれの試験に対し表2に示す5段階と
した。この場合、○−以上が合格である。試験後の評価
結果を表1に併せて示す。
【0055】
【表2】
【0056】表1の結果から明らかなように、有機皮膜
の厚さ、樹脂含有量、フェロシリコン顔料の粒径および
その皮膜中含有量が本発明の定める範囲内にある試番3
〜9、試番14〜18および試番23〜26は、溶接性および端
面耐食性が共にすぐれており、良好なプレプライムド鋼
板の得られることがわかる。これに対して、上記項目の
いずれかが本発明にて定める範囲を逸脱する試番1〜2、
試番10〜13、試番19〜22および試番27〜29は、十分な性
能が得られていないことがわかる。
の厚さ、樹脂含有量、フェロシリコン顔料の粒径および
その皮膜中含有量が本発明の定める範囲内にある試番3
〜9、試番14〜18および試番23〜26は、溶接性および端
面耐食性が共にすぐれており、良好なプレプライムド鋼
板の得られることがわかる。これに対して、上記項目の
いずれかが本発明にて定める範囲を逸脱する試番1〜2、
試番10〜13、試番19〜22および試番27〜29は、十分な性
能が得られていないことがわかる。
【0057】〔実施例2〕厚さ0.8mmでめっき付着量が
表裏面ともそれぞれ30g/m2の、Zn−1%Co電気めっ
き鋼板、Zn−13%Ni電気めっき鋼板および合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の三種を用い、実施例1と同じ下地処
理を乾燥時の付着量が0.15g/m2となるよう施した。これ
に実施例1で用いた数平均分子量30000の熱硬化型ウレ
タン変成エポキシ樹脂をベースとし、被覆層組成とし
て、樹脂を45質量%と、Si濃度が75質量%で粒径1.0
μmのフェロシリコンを30質量%の一定とし、残部の25
質量%分はコロイダルシリカと、種々の防錆顔料との含
有比を変えた有機被覆用塗料を作製した。コロイダルシ
リカの量と、防錆顔料の種類および含有量とを表3に示
す。
表裏面ともそれぞれ30g/m2の、Zn−1%Co電気めっ
き鋼板、Zn−13%Ni電気めっき鋼板および合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の三種を用い、実施例1と同じ下地処
理を乾燥時の付着量が0.15g/m2となるよう施した。これ
に実施例1で用いた数平均分子量30000の熱硬化型ウレ
タン変成エポキシ樹脂をベースとし、被覆層組成とし
て、樹脂を45質量%と、Si濃度が75質量%で粒径1.0
μmのフェロシリコンを30質量%の一定とし、残部の25
質量%分はコロイダルシリカと、種々の防錆顔料との含
有比を変えた有機被覆用塗料を作製した。コロイダルシ
リカの量と、防錆顔料の種類および含有量とを表3に示
す。
【0058】
【表3】
【0059】この塗料を下地処理後の鋼板に乾燥後の厚
さが3μmとなるように塗布し、230℃にて45秒間焼き付
けた。このようにして作製した鋼板を用い、実施例1と
同様にして溶接性および端面耐食性の評価をおこなっ
た。評価は実施例1と同様にしておこない、前出の表2
の基準にしたがった。結果も併せて表3に示す。これら
の結果から、防錆顔料の添加は切断端面の耐食性向上に
有効であることがわかる。また、たとえば防錆顔料を含
まない試番35、42および44を比較すると、Zn−Coの
めっきはZn−NiやZn−Feの合金めっきよりも端
面耐食性にすぐれる傾向を示している。
さが3μmとなるように塗布し、230℃にて45秒間焼き付
けた。このようにして作製した鋼板を用い、実施例1と
同様にして溶接性および端面耐食性の評価をおこなっ
た。評価は実施例1と同様にしておこない、前出の表2
の基準にしたがった。結果も併せて表3に示す。これら
の結果から、防錆顔料の添加は切断端面の耐食性向上に
有効であることがわかる。また、たとえば防錆顔料を含
まない試番35、42および44を比較すると、Zn−Coの
めっきはZn−NiやZn−Feの合金めっきよりも端
面耐食性にすぐれる傾向を示している。
【0060】〔実施例3〕厚さ0.8mmでめっき付着量が
表裏面ともそれぞれ30g/m2の、Zn−1%Co電気めっ
き鋼板を用い、下地処理を塗布型リン酸亜鉛処理(プレ
フォスフェート処理)、または実施例1にて使用したコ
ロイダルシリカとエポキシ樹脂との混合による処理と
し、これら下地処理の付着量を種々変えた。下地処理と
その付着量を表4に示す。
表裏面ともそれぞれ30g/m2の、Zn−1%Co電気めっ
き鋼板を用い、下地処理を塗布型リン酸亜鉛処理(プレ
フォスフェート処理)、または実施例1にて使用したコ
ロイダルシリカとエポキシ樹脂との混合による処理と
し、これら下地処理の付着量を種々変えた。下地処理と
その付着量を表4に示す。
【0061】表面被覆の有機樹脂層は、有機樹脂を50質
量%とし、樹脂をウレタン変性エポキシ樹脂、アミン変
性エポキシ樹脂、高分子ポリエステル樹脂、メタクリル
酸メチル樹脂またはメチル修飾シリコーン樹脂を用い
た。これにSi濃度が75質量%で粒径1.0μmのフェロシ
リコンを35質量%と、他に5質量%のコロイダルシリカ
と、防錆顔料としての10質量%の硼酸亜鉛を含有させた
ものとした。この塗料を両面に被覆層厚さ3.5μmとなる
よう塗布後、240℃にて40秒の焼き付けをおこなった。
作製した有機被覆表面処理鋼板は、実施例1と同様にし
て溶接性および切断端面の耐食性を評価した。結果を表
4に併せて示す。
量%とし、樹脂をウレタン変性エポキシ樹脂、アミン変
性エポキシ樹脂、高分子ポリエステル樹脂、メタクリル
酸メチル樹脂またはメチル修飾シリコーン樹脂を用い
た。これにSi濃度が75質量%で粒径1.0μmのフェロシ
リコンを35質量%と、他に5質量%のコロイダルシリカ
と、防錆顔料としての10質量%の硼酸亜鉛を含有させた
ものとした。この塗料を両面に被覆層厚さ3.5μmとなる
よう塗布後、240℃にて40秒の焼き付けをおこなった。
作製した有機被覆表面処理鋼板は、実施例1と同様にし
て溶接性および切断端面の耐食性を評価した。結果を表
4に併せて示す。
【0062】
【表4】
【0063】導電性顔料としてフェロシリコンの粉末を
添加した有機樹脂を表面被覆することにより、良好な溶
接性および端面耐食性を得ることができる。しかし、同
じ下地処理付着量の試番45、52、56〜59を比較すると、
コロイダルシリカとエポキシ樹脂による下地処理でウレ
タン変性エポキシ樹脂による表面被覆をおこなった、試
番52の鋼板が溶接性および端面耐食性の両方とも、すぐ
れた傾向を示していることがわかる。
添加した有機樹脂を表面被覆することにより、良好な溶
接性および端面耐食性を得ることができる。しかし、同
じ下地処理付着量の試番45、52、56〜59を比較すると、
コロイダルシリカとエポキシ樹脂による下地処理でウレ
タン変性エポキシ樹脂による表面被覆をおこなった、試
番52の鋼板が溶接性および端面耐食性の両方とも、すぐ
れた傾向を示していることがわかる。
【0064】〔実施例4〕厚さ0.8mmでめっき付着量が
表裏面ともそれぞれ30g/m2のZn−13%Ni電気めっき
鋼板を用い、実施例1と同じ下地処理を、乾燥時の付着
量が0.15g/m2となるよう施した。これに、実施例1で用
いた数平均分子量30000の熱硬化型ウレタン変成エポキ
シ樹脂をベースとし、被覆層組成として樹脂が50質量%
で、Si含有量の異なる平均粒径1.0μmのフェロシリコ
ンを30質量%、他に防錆顔料としてポリブテン酸アルミ
ニウム10質量%、およびコロイダルシリカ10質量%をそ
れぞれ含有させた塗料にして、乾燥後膜厚が3μmとなる
ように塗布し、230℃にて45秒間焼き付けた。フェロシ
リコン中のSi含有量を表5に示す。
表裏面ともそれぞれ30g/m2のZn−13%Ni電気めっき
鋼板を用い、実施例1と同じ下地処理を、乾燥時の付着
量が0.15g/m2となるよう施した。これに、実施例1で用
いた数平均分子量30000の熱硬化型ウレタン変成エポキ
シ樹脂をベースとし、被覆層組成として樹脂が50質量%
で、Si含有量の異なる平均粒径1.0μmのフェロシリコ
ンを30質量%、他に防錆顔料としてポリブテン酸アルミ
ニウム10質量%、およびコロイダルシリカ10質量%をそ
れぞれ含有させた塗料にして、乾燥後膜厚が3μmとなる
ように塗布し、230℃にて45秒間焼き付けた。フェロシ
リコン中のSi含有量を表5に示す。
【0065】得られた鋼板にて実施例1と同様にして、
溶接性の評価をおこなった。結果を表5に併せて示す
が、評価の基準は表2に従った。
溶接性の評価をおこなった。結果を表5に併せて示す
が、評価の基準は表2に従った。
【0066】これらの結果から、フェロシリコン中のS
i含有量により溶接性が変動し、Si含有量が15質量%
未満の場合、または95質量%を越える場合、溶接性がや
や劣っていることがわかる。
i含有量により溶接性が変動し、Si含有量が15質量%
未満の場合、または95質量%を越える場合、溶接性がや
や劣っていることがわかる。
【0067】
【表5】
【0068】
【発明の効果】本発明のプレプライムド鋼板は、とくに
溶接性および切断端面の耐食性にすぐれている。この鋼
板はプレスなどでの加工後、スポット溶接やシーム溶接
が容易であり、電着塗装など下層塗装処理をおこなうこ
となく、上層あるいは中層と上層の塗装ができるので、
塗装して用いられる部品の製造工程省略に活用できる。
またクロムを含まない製造工程も可能であり、公害対策
にも有効である。
溶接性および切断端面の耐食性にすぐれている。この鋼
板はプレスなどでの加工後、スポット溶接やシーム溶接
が容易であり、電着塗装など下層塗装処理をおこなうこ
となく、上層あるいは中層と上層の塗装ができるので、
塗装して用いられる部品の製造工程省略に活用できる。
またクロムを含まない製造工程も可能であり、公害対策
にも有効である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月7日(2000.12.
7)
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 D 7/12 7/12 201/00 201/00 C23C 22/00 C23C 22/00 Z 22/02 22/02 28/00 28/00 C (72)発明者 今井 和仁 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 福井 清之 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4D075 DB05 EC03 4F100 AA20C AB03A AB15A AB18A AB31A AH06B AH08B AK01B AK01C AK51B AK53B AK53C BA03 BA07 BA10A BA10B DE01B EH71A EJ64A GB07 GB08 GB48 JB02 JB13B JB13C 4J038 CD091 CG141 DA041 DB001 DB481 DD001 DG001 DL031 EA011 HA066 HA446 KA12 KA20 NA03 NA12 NA20 PA08 PA12 PA19 PC02 4K026 AA02 AA12 AA22 BB08 BB10 CA02 CA16 CA24 CA41 DA02 EB11 4K044 AA02 AB02 BA06 BA10 BA12 BA19 BA21 BB04 BC02 BC08 CA16 CA18 CA53
Claims (4)
- 【請求項1】亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板の少なく
とも一方の面に下地処理層を有し、その上に粒径0.5〜1
0μmのフェロシリコンを10〜70質量%含む有機樹脂皮膜
が、2.5〜8μmの厚さで被覆されていることを特徴とす
る有機被覆表面処理鋼板。 - 【請求項2】フェロシリコンが15〜95質量%のSiを含
有するものであることを特徴とする請求項1に記載の有
機被覆表面処理鋼板。 - 【請求項3】亜鉛系合金めっき鋼板のめっき層がコバル
トを0.2〜10質量%含有することを特徴とする、請求項
1に記載の有機被覆表面処理鋼板。 - 【請求項4】下地処理層が、コロイダルシリカを20〜95
質量%含む熱硬化型樹脂からなる0.05〜0.5g/m2の層で
あることを特徴とする請求項1または2に記載の有機被
覆表面処理鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000370997A JP2002172363A (ja) | 2000-12-06 | 2000-12-06 | 有機被覆表面処理鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000370997A JP2002172363A (ja) | 2000-12-06 | 2000-12-06 | 有機被覆表面処理鋼板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002172363A true JP2002172363A (ja) | 2002-06-18 |
Family
ID=18840787
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000370997A Pending JP2002172363A (ja) | 2000-12-06 | 2000-12-06 | 有機被覆表面処理鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002172363A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002254555A (ja) * | 2001-03-01 | 2002-09-11 | Nippon Steel Corp | 耐食性に優れる表面処理金属材 |
| JP2005015834A (ja) * | 2003-06-25 | 2005-01-20 | Nippon Steel Corp | 耐食性に優れ溶接可能な高耐食性塗装鋼板 |
| US7390564B2 (en) | 2002-05-14 | 2008-06-24 | Nippon Steel Corporation | Coated metal material capable of being welded which is excellent in corrosion resistance of worked zone |
| JP2009063281A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-03-26 | Panasonic Corp | フィンアンドチューブ型熱交換器およびその製造方法 |
| JP2009172512A (ja) * | 2008-01-24 | 2009-08-06 | Nippon Light Metal Co Ltd | 曲げ加工性に優れた塗装鋼材 |
| JP2009279824A (ja) * | 2008-05-21 | 2009-12-03 | Nippon Steel Corp | 溶接性に優れた防錆鋼材 |
| JP2018183767A (ja) * | 2017-04-27 | 2018-11-22 | 入江 敏夫 | 基材―シリカゾル乾燥物複合体及びその製造方法 |
-
2000
- 2000-12-06 JP JP2000370997A patent/JP2002172363A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002254555A (ja) * | 2001-03-01 | 2002-09-11 | Nippon Steel Corp | 耐食性に優れる表面処理金属材 |
| US7390564B2 (en) | 2002-05-14 | 2008-06-24 | Nippon Steel Corporation | Coated metal material capable of being welded which is excellent in corrosion resistance of worked zone |
| JP2005015834A (ja) * | 2003-06-25 | 2005-01-20 | Nippon Steel Corp | 耐食性に優れ溶接可能な高耐食性塗装鋼板 |
| JP2009063281A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-03-26 | Panasonic Corp | フィンアンドチューブ型熱交換器およびその製造方法 |
| JP2009172512A (ja) * | 2008-01-24 | 2009-08-06 | Nippon Light Metal Co Ltd | 曲げ加工性に優れた塗装鋼材 |
| JP2009279824A (ja) * | 2008-05-21 | 2009-12-03 | Nippon Steel Corp | 溶接性に優れた防錆鋼材 |
| JP2018183767A (ja) * | 2017-04-27 | 2018-11-22 | 入江 敏夫 | 基材―シリカゾル乾燥物複合体及びその製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060202 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060221 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080408 |