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JP2002003968A - 成形性に優れたチタン板とその製造方法 - Google Patents

成形性に優れたチタン板とその製造方法

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Publication number
JP2002003968A
JP2002003968A JP2000186836A JP2000186836A JP2002003968A JP 2002003968 A JP2002003968 A JP 2002003968A JP 2000186836 A JP2000186836 A JP 2000186836A JP 2000186836 A JP2000186836 A JP 2000186836A JP 2002003968 A JP2002003968 A JP 2002003968A
Authority
JP
Japan
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titanium plate
titanium
seizure
test
formability
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000186836A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuhiko Kuroda
篤彦 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2000186836A priority Critical patent/JP2002003968A/ja
Publication of JP2002003968A publication Critical patent/JP2002003968A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面の着色が見られず、耐焼付き性、プレス成
形性に優れたチタン板およびその製造方法を提供する。 【解決手段】圧延方向と平行な方向における表面の算術
平均粗さが0.25〜2.5μmであり、表面における
荷重4.9Nによるビッカース硬さよりも荷重0.09
8Nによるビッカース硬さの方が20以上高く、かつ、
荷重4.9Nによるビッカース硬さが180以下である
チタン板で、冷間圧延後のチタン板素材を、酸素分率が
2×10-7 〜2×10-5体積%の雰囲気中で550〜
750℃で5分間以上保持することにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱交換器用の部材、カ
メラボディー、厨房機器などの民生用品や、オートバ
イ、自動車などの輸送用機器の部材、家電機器等の外装
材などに使用される成形性に優れたチタン板とその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタンはプレス成形性が一般的に良好で
あり、JIS H4600の1種または2種に規定され
る軟質の純チタンの板材(チタン板)がプレス成形が必
要とされる種々の用途に用いられている。例えば、チタ
ンの優れた耐食性を活用して熱交換器用の部材などに用
いられ、また、最近では、軽量であるという特性を生か
して、オートバイ、自動車などのマフラーや、カメラボ
ディー、さらに家電機器や、パーソナルコンピュータ、
携帯電話などの電子機器の側板などの外装材にも用いら
れている。
【0003】上記の用途に使用されるチタン板は、一般
に、スポンジ状の金属チタンおよびチタンスクラップを
原料として、真空アーク溶解または電子ビーム溶解して
インゴットとし、このインゴットを分塊加工および熱間
圧延した後、さらに冷間圧延し、焼鈍処理を施すことに
より製造される。
【0004】このチタン板は、それぞれの用途に使用さ
れる際に、プレス成形等の加工が施されるが、チタンは
化学的に活性な金属であるため、プレス成形中に工具
(型)との接触で焼付きが生じやすい。このため、プレ
ス成形後に研磨を行う必要があり、製品コストが上昇す
る原因の一つとなっている。チタン板のプレス成形時に
おける焼付きを防止し、成形性を高めるための技術とし
て、例えば、特開平6−248404号公報に、最終焼
鈍後の冷却過程において、0.01〜20%の酸素を含
む不活性ガス雰囲気中で冷却してチタン板の表面に厚さ
が250オングストローム(25nm)以上の酸化皮膜
を形成させる方法が開示されている。この方法は、チタ
ン板表面の酸化皮膜の潤滑効果を利用してプレス成形性
を向上させることを狙いとするものであるが、チタン板
の表面の酸化皮膜によって光の干渉が生じ、表面が着色
する。10nm以上の厚さの酸化皮膜は青色を呈するこ
とが知られており、特に意匠性を重視する場合は好まし
くない。特開平10−60620号公報では、表面に
0.1〜1μmの窒化チタン層を有するプレス成形性に
優れたチタン薄板が、また、特開平10−204609
号公報では同じく0.5〜5μmの窒素富化層を有する
成形加工用チタン薄板が提案され、いずれも最終焼鈍時
にチタンを窒化雰囲気中で特定の条件で焼鈍することに
より製造することができるとしている。しかし、このよ
うな窒化層でも光の干渉が生じるので、製品の外観は着
色した状態となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような背
景のもとになされたもので、良好な耐焼付き性を有し、
プレス成形性に優れ、しかも表面の着色が認められない
チタン板およびその製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するに
当たり、本発明者は、チタン板表面の粗さを制御し、硬
度(硬さ)を管理することに着目した。
【0007】チタン板表面の粗さを制御することは、成
形性を改善する上で重要である。表面の粗さをある程度
粗くすると、プレス成形中にチタン板と工具(型)との
間に潤滑剤を引き込み、かつ保持する効果が生じ、プレ
ス成形時の焼付きを防止できるからである。通常、チタ
ン材の冷間圧延は#120程度の表面粗さに研磨仕上げ
したロールにより行われているが、このように研磨仕上
げしたままのロールを用いるのでは圧延後のチタン板の
表面が平滑すぎて、上記の潤滑剤引き込み効果は生じな
い。圧延後のチタン板の表面粗さを粗くするためには、
圧延ロール自体の表面粗さを上げる必要があるが、その
ためには、ロールの表面にショットブラスト処理を施し
て粗面化する方法、放電加工により粗面化する方法など
の方法を採ることができる。冷間圧延後のチタン板を、
表面を粗面化したスキンパスロールを備えるスキンパス
圧延機により圧延する方法も採り得る。また、チタン板
表面の硬さを適正に管理することが、次に述べるよう
に、プレス成形時の焼付きの発生防止に有効である。
【0008】チタン板のプレス成形では、型がチタン板
を構成する材料に押し込まれるにしたがって、材料は型
の表面を滑り、型の凹部に引き込まれる。表面が軟質の
材料では、型上で材料が滑る際に材料表面に形成された
酸化皮膜等の皮膜が容易に破壊され、内部の新生面が表
面に現れる。チタンは化学的に活性であるため新生面が
露出すると容易に型と焼付きを生じ、この焼付きが続い
て押し込まれてくる材料表面をこするため、プレス成形
後の製品には材料の移動した方向に沿って焼付き痕
(疵)が発生する。この場合、材料の表面が硬質である
と、成形による歪みが比較的高い状態になるまで新生面
は形成されないので、型との焼付きが抑制されることと
なる。特に、表面の粗さを粗くした場合、プレス成形時
の材料と工具材の真の接触面積が小さくなり、材料表面
の突起の先端には表面が平滑な場合に比べて高い圧力が
負荷されるため、新生面が現れやすくなる。したがっ
て、表面の粗さが粗い場合、表面には硬質な層を形成さ
せて新生面の露出が少なくなるようにする必要がある。
ただし、材料全体を硬質にすることは、焼付き疵の発生
防止の観点からは有効であるが、このような硬質な材料
では軟質材に比べて成形性が低下するという問題があ
り、本質的な解決策にはならない。本発明はこのような
考え方に基づきなされたもので、その要旨は、下記
(1)のチタン板、および(2)のそのチタン板の製造
方法にある。 (1)圧延方向と平行な方向における表面の算術平均粗
さが0.25μm以上2.5μm以下であり、表面にお
ける試験荷重4.9N(500gf)によるビッカース
硬さよりも試験荷重0.098N(10gf)によるビ
ッカース硬さの方が20以上高く、かつ、試験荷重4.
9Nによるビッカース硬さが180以下であるチタン
板。 (2)冷間圧延後のチタン板を、酸素分率が2×10-7
体積%以上2×10-5体積%以下の雰囲気中で550
℃以上750℃以下で5分間以上保持するチタン板の製
造方法。
【0009】前記の「チタン板」とは、JIS H46
00の1種または2種に規定されるチタン板、それらに
PdやNiが微量添加された耐食性に優れたチタン合金板等
をいう。
【0010】「表面の平均粗さ」とは、JIS B06
01に規定される算術平均粗さ(Ra )をいう。また、
「酸素分率」とは、その雰囲気中の酸素の含有量(体積
%)に、標準気圧(1.013×105 Pa(1気
圧))に対するその雰囲気の気圧の比を掛けたものであ
る。例えば、後述する実施例1の場合のように、炉内を
0.01Paの減圧状態にしたときの酸素分率は、その
雰囲気(すなわち、空気)中の酸素の含有量を20体積
%として、20×(0.01/1.013×105 )≒
2×10-6 (体積%)となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の成形性に優れたチ
タン板、およびその製造方法について詳細に説明する。
前述したように、チタン板の表面の粗さをある程度粗く
することによって、プレス成形時におけるチタン板と金
型間への潤滑剤の引き込み量を増大させて焼付きを防止
し、プレス成形後の焼付き疵を低減することができる。
潤滑効果が高められるので、成形性自体も改善される。
【0012】上記の効果は、チタン板表面の平均粗さが
0.25μm未満では得られない。一方、平均粗さが
2.5μmを超えると延性が低下する。チタンは切り欠
き感受性の高い材料であり、表面にある程度の大きさを
超える凹凸があるとこれが切り欠きとして作用するた
め、引張試験において切り欠き近傍に応力集中による歪
みが集中し、その部分で破断するからである。粗さの測
定の方向を圧延方向と平行な方向とするのは、チタン板
のプレス成形性を評価するエリクセン試験において、破
断時のクラックが圧延方向と直角の方向である板幅方向
に生じるからである。すなわち、圧延方向の成形性を向
上させることによりプレス加工における成形性を改善す
ることができる。表面の硬さを適正に管理することもプ
レス成形時の焼付きの発生防止に有効であることは、前
述したとおりである。この場合、材料全体が硬質である
と、チタン板自体の成形性が低下するので、表層部のみ
が硬質であること、すなわちチタン板の表面に硬質な表
面層が存在していることが必要である。
【0013】材料の表面に硬質な表面層が薄く存在して
いる場合、その厚みを正確に評価し、規定することは極
めて困難なので、本発明のチタン板では、表面の硬さが
適正な値を示すようにその範囲を規定する。具体的に
は、ビッカース硬さを測定する際に、試験荷重(以下、
単に荷重という)を変化させ、荷重4.9Nによるビッ
カース硬さよりも荷重0.098Nによるビッカース硬
さの方が20以上高く、かつ、荷重4.9Nによるビッ
カース硬さが180以下であることとする。
【0014】一般に、荷重が小さい場合、ビッカース試
験機のダイヤモンド圧子による圧痕は小さく、硬さの測
定値は主として表面層の影響を受ける。一方、荷重が大
きい場合、圧痕が極めて大きくなるため、硬さの測定結
果に対する表面層の影響は小さく、材料の内部の硬さを
反映したものとなる。そこで、本発明のチタン板では、
荷重4.9Nおよび荷重0.098Nでそれぞれビッカ
ース硬さを測定し、両測定値の差が20以上であること
とする。20未満では、表面が十分な硬さをもった硬質
層ではなく、プレス成形の初期の段階で素材と金型材料
が焼付きを起こすからである。さらに、荷重4.9Nに
よるビッカース硬さが180以下であることとするの
は、180を超えると、材料の内部が硬質で、延性が低
く、プレス成形時に容易にクラックが発生するからであ
る。上記本発明のチタン板は、冷間圧延後のチタン板
を、酸素分率が2×10-7体積%以上2×10-5体積%
以下の雰囲気中で550℃以上750℃以下で5分間以
上保持することにより製造することができる。プレス成
形され、前述した用途に使用されるチタン板は、一般
に、スポンジ状の金属チタンおよびチタンスクラップを
原料として、真空アーク溶解または電子ビーム溶解して
インゴットとし、このインゴットを分塊加工および熱間
圧延した後、冷間圧延し、焼鈍処理を施すことにより製
造されるが、本発明のチタン板の製造方法では、前記冷
間圧延後のチタンの板材を素材(チタン板素材)として
用いる。冷間圧延条件、およびそれに至るまでの各製造
工程における条件については、通常条件でよい。このチ
タン板素材に焼鈍処理を施すのであるが、そのときの雰
囲気中の酸素分率が2×10-7 体積%未満では、焼鈍
処理後のチタン板表面に硬化層が十分に形成されず、耐
焼付き性が不十分となる。一方、酸素分率が2×10-5
体積%を超えると、焼鈍処理後のチタン板表面に酸化皮
膜が厚く形成され、光の干渉が生じて表面が着色する。
また、焼鈍温度が550℃未満であれば、チタン板素材
に冷間圧延による歪みが残った状態となるため、素材に
は十分な成形性が付与されない。一方、焼鈍温度が75
0℃を超えると、素材の結晶粒径が著しく粗大化するた
めプレス成形後に表面に肌荒れが発生し、製品の外観の
美麗さが損なわれる。なお、焼鈍温度は、望ましくは6
00℃以上700℃以下である。焼鈍処理の際の保持時
間は、5分未満であると結晶粒が十分成長しないため、
得られるチタン板の成形性が不十分となる。保持時間の
上限は特に規定しない。経済性を考慮すると短時間の保
持が望ましいが、コイルを焼鈍する場合は、コイルの中
心部まで十分加熱されるように、長時間保持することが
必要である。上記本発明のチタン板は、プレス成形時に
おける焼付きが生じにくく、したがって成形性が良好で
あり、しかも、チタン板の表面に着色を生じることもな
い。このチタン板は上記本発明の方法により容易に製造
することができる。
【0015】
【実施例】(実施例1)成形性、焼付き性に及ぼす表面
粗さの影響を調査するため、以下の試験を行った。表1
に、素材として用いた工業用純チタン板(焼鈍板、厚さ
0.8mm)の化学組成を示す。
【0016】
【表1】 この素材を、ロール表面の粗さを変えた圧延ロールを用
いて厚さ0.5mmまで冷間で圧延することにより、ま
た更に圧延の前および/または後に素材にショットブラ
スト処理を施すことにより、素材の表面粗さを変化さ
せ、次いで、650℃で30分間の焼鈍処理を施して得
られたチタン板を供試材とした。なお、焼鈍処理におい
ては、真空炉を用い、供試材を炉内に装入して、炉内を
0.01Paの減圧状態にした後、加熱した。このとき
の焼鈍雰囲気中の酸素分率は2×10-6体積%である。
表2に、表面粗さを変化させるために用いた条件、およ
び供試材の表面粗さを示す。表面粗さは、接触式の粗さ
計を用いて圧延方向と平行な方向の長さ10mmの部分
の平均粗さを測定して求めた。
【0017】
【表2】 まず、成形性を調査するために、上記の供試材から90
mm角の試験片を採取し、JIS Z2247に規定さ
れるエリクセン試験を行った。試験は3枚の試験片につ
いて実施した。なお、潤滑剤としては、黒鉛ペーストを
用いた。次に、焼付き性を調査するために、上記の供試
材から、圧延方向が長さ方向になるように、幅50m
m、長さ200mmの試験片を採取し、図1に示す試験
機にセットして成形加工を施し、試験片の側表面に生じ
る焼付き痕の幅を測定して焼付き性を評価する試験を行
った。試験時の潤滑剤には機械油を用いた。図1におい
て、中心線の左側が試験片1をダイス2としわ押さえ3
で保持した状態であり、右側がポンチ4で試験片1に荷
重を加えて成形加工を施した状態である。なお、試験
は、表2に示したNo.1〜No.6の各条件でそれぞれ100
枚の試験片について行った。すなわち、繰り返し数10
0とした。なお、この試験において、焼付き痕は多数本
発生したので、各焼付き痕の幅を合計し、その値を試験
片の幅(50mm)で除して焼付き発生率とした。試験
結果を表2に併せて示す。表2において、「エリクセン
値」は、3枚の試験片についてのエリクセン値の平均値
で、この平均値が11mmを超える場合、成形性が良好
として、「評価」の欄に○印で示し、11mm以下の場
合、成形性不良として×印で示した。また、「焼付き発
生率」は、100枚の試験片についての焼付き発生率の
平均値で、この平均値が15%以下の場合は耐焼付き性
が良好として、「評価」の欄に○印で示し、15%を超
える場合は耐焼付き性不良として×印で示した。また、
「総合評価」は、成形性および耐焼付き性のいずれも良
好な場合は○印、少なくとも一方が不良の場合は×印で
表示した。表2の結果から明らかなように、表面の平均
粗さが0.20μmの場合(No.1)、エリクセン値が低
く、焼付き発生率が高かった。これに対して、表面の平
均粗さが0.25μm以上(No.2〜4 およびNo.6)で
は、エリクセン値と焼付き発生率がともに良好な値であ
った。これは、表面が適度に粗いと潤滑剤の引き込み効
果が大きくなり、工具と材料間の接触状態が緩和された
ことによるものである。
【0018】また、表面に適度な粗さを付与するための
条件(方法)としては、圧延ロールの表面を#36の表
面粗さに研磨しまたはショットブラスト処理を施して粗
くし、それを素材に転写する方法、または、それに加え
てさらに、圧延の前または後に素材にショットブラスト
処理を施す方法のいずれかで行った。一方、表面の平均
粗さが2.5μmを超える場合(No.5)、エリクセン値
が低下した。これは、表面の凹凸が切り欠きとして作用
し、エリクセン試験中にこの切り欠きを起点として早期
にクラックが発生したことによるものである。 (実施例2)成形性、焼付き性およびチタン板表面の着
色に及ぼす焼鈍条件の影響を調査するため、以下の試験
を行った。実施例1で用いた工業用純チタン板を素材と
し、#36で研磨した圧延ロールを用いて厚さ0.5m
mまで冷間で圧延した後、表3に示す条件で焼鈍処理を
施し、得られたチタン板を供試材とした。
【0019】
【表3】 焼鈍処理には真空炉を用い、供試材を炉内に装入した
後、炉内を排気して所定の減圧状態(表3では、「初期
真空度」で表示)に到達した段階で排気を停止すること
により、焼鈍雰囲気中の酸素分率を変化させた。この状
態から所定の焼鈍温度まで1時間かけて昇温し、その温
度で所定時間保持した後、供試材を炉内で冷却し、炉内
の温度が100℃以下になった段階で炉から取りだし
た。
【0020】上記の供試材について、実施例1の場合と
同様に、エリクセン試験および焼付き性試験を行うとと
もに、供試材の表面における硬さを測定し、焼鈍処理後
の表面の着色状態を調査した。表面における硬さの測定
では、荷重0.098Nと4.9Nでビッカース硬さを
測定した。また、着色状態の調査は、肉眼観察により行
った。
【0021】試験結果を表3に併せて示す。表3におい
て、「エリクセン値」および「焼付き発生率」は、それ
ぞれ実施例1の場合と同様に平均値で表示し、「エリク
セン値」の「評価」の欄および「焼付き発生率」の「評
価」の欄には、実施例1の場合と同様の基準で○印また
は×印を付した。また、「総合評価」は、成形性、耐焼
付き性、および着色状態のいずれも良好な場合は○印
(ただし、後述する No.11を除く)、これらのうちの少
なくとも一つが不良の場合は×印で表示した。表3の結
果から明らかなように、本発明で規定する条件を満た
す、No.4、5 、8 〜10、13および14では、成形性、耐焼
付き性、および着色状態のいずれも良好であった。
【0022】これに対し、焼鈍処理の際の初期真空度が
0.1Paよりも低く、雰囲気中の酸素分率が本発明で
規定する範囲を超える場合(No.1〜3 )、No.2およびN
o.3では、成形性、耐焼付き性は良好であったが、表面
の着色が生じた。また、No.1では表面における硬さが本
発明で規定する範囲外で、成形性も不良であった。No.6
では、雰囲気中の酸素分率が低いため、焼鈍処理におい
て十分な硬さをもった硬質層が形成されない。このた
め、表面における硬さが本発明で規定する条件(硬度差
が20以上)を満足せず、耐焼付き性が不良であった。
【0023】焼鈍温度の低いNo.7、焼鈍時の保持時間の
短いNo.12 では、冷間圧延による歪みが残っているため
材料内部の硬度が高く、成形性が不良であった。また、
焼鈍温度が本発明で規定する範囲を超えるNo.11 では、
成形性、耐焼付き性および着色状態のいずれも良好であ
ったが、素材の結晶粒が大きいことに起因して成形後の
肌荒れが大きくなったため、総合評価では△印で表示し
た。上記の試験結果から、本発明で規定する条件を満た
すチタン板は、成形時における焼付きが抑制され、成形
性、表面の着色状態のいずれも良好であることがわか
る。
【0024】
【発明の効果】本発明のチタン板は、良好な耐焼付き性
を有し、プレス成形性に優れており、しかも、表面の着
色も認められない。このチタン板は、本発明の方法によ
り容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼付き性の評価方法を説明するための図で、試
験機の要部の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1:試験片 2:ダイス 3:しわ押さえ 4:ポンチ 5:ライナー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月22日(2000.6.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】「表面の算術平均粗さ」とは、JIS B
0601に規定される算術平均粗さ(Ra )をいう。以
下、単に表面の平均粗さという。また、「酸素分率」と
は、その雰囲気中の酸素の含有量(体積%)に、標準気
圧(1.013×10 Pa(1気圧))に対するそ
の雰囲気の気圧の比を掛けたものである。例えば、後述
する実施例1の場合のように、炉内を0.01Paの減
圧状態にしたときの酸素分率は、その雰囲気(すなわ
ち、空気)中の酸素の含有量を20体積%として、20
×(0.01/1.013×10 )≒2×10-6
(体積%)となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 691 C22F 1/00 691B 691C 1/02 1/02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延方向と平行な方向における表面の算術
    平均粗さが0.25μm以上2.5μm以下であり、表
    面における試験荷重4.9Nによるビッカース硬さより
    も試験荷重0.098Nによるビッカース硬さの方が2
    0以上高く、かつ、試験荷重4.9Nによるビッカース
    硬さが180以下であることを特徴とするチタン板。
  2. 【請求項2】冷間圧延後のチタン板を、酸素分率が2×
    10-7 体積%以上2×10-5体積%以下の雰囲気中で
    550℃以上750℃以下で5分間以上保持することを
    特徴とするチタン板の製造方法。
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